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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

12白猫:2008/05/03(土) 12:02:57 ID:5qAuGV/w0


 「……さて」
マイの家から出たネルは、体中の埃を落とし、呟く。
手の中の紙切れを手早く開き、即座に暗記した途端、握り潰し口の中に突っ込む。
いつの間にか太陽は傾きつつある。今から行かねば間に合わないだろう。
 「ブリッジヘッドに来たことですし――顔を出さないと拙いですね、頼みごともするわけですし」
その言葉を呟き終えた途端、ネルの身体が見る間に当たりの景色と同化してゆく。
数秒も経たないうちにネルの姿は、一般人からは完全に見えないほど薄くなってしまっていた。
と、
そのネルに目がけ、凄まじい速度で数本のダートが飛んだ。
それをフワリと避け、ネルは軽快なステップで突如

街の外へと駆け出した。






その後ろ姿を見やり、木の上で寝転んでいた男は脇の覆面男に言う。
 「逃がすなよ。必ずひっ捕らえろ」
 「アイサー」
男の言葉に、覆面男は木から飛び降り、駆け出す。
 「今更奴はブリッジヘッドに何の用だ――? クレリアに喧嘩でも売りに来たのか?」
そう呟いた男は、そこでようやく寝転んでいた体を起こし、立ち上がる。
先ほどネルが出てきた掘立小屋――あそこには、クレリアの育ての母がいたはず。
まさかクレリアとネリエルが繋がっているのか、と思い、男は木から飛び降り短剣を引き抜く。
 ([疑わしきは罰せよ]――クレリア、おまえの持論だったな)
そう心中で蔑んでから、男は掘立小屋へ走った。







 「――!」
 〈ルフィエ、気をつけて〉
マイの演説中にガタンと立ち上がったルフィエは、目を細めたマイに頷きかけ、胸の十字架――マペットを握る。
途端、その体が白い光に包まれ――[神の母]が発動される。
 「良く気づいたな。欠片も気配を感じなかった」
白衣を脱ぎ棄てたマイの笑みに微笑み返し、ルフィエは胸のパペットを見やる。
これを手に入れてから、何となくだがそういう気配を感じるようになっていたのだ。
ネルの[先制攻撃]ほどではないが、人の体温や呼吸等を察知し、"気配"などではない本能レベルで感じ取ってしまう。
最も、そこに"いる"ということが分かるだけで相手の情報は全く分からないのだが。
 「マイさんはここにいてください」
 「戦えないと思ってる? 舐めないで頂戴」
 「違います」
マイの言葉を遮り、ルフィエは首を振る。
目を細めたマイに笑いかけ、さらりと言った。
 「ウィッチが街中で戦って、どうなるか分かったものじゃないですから」
 「プッ」
そのルフィエの言葉に噴出したマイは、笑いをこらえながら言う。
 「いいぞ、好きにしてくれて」
マイの言葉を聞いてか聞かずか、
既にルフィエは、ドアを蹴破り小屋の外へと躍り出ていた。
が、小屋の外へと躍り出たルフィエの前に、数個の、奇妙な機械が転がる。
 (なに――?)
目を細めたルフィエの眼前、

それらの機械――小型の炸裂弾が、ルフィエを大爆発の中に呑み込んだ。


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