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スタンド小説スレッド2ページ

1新手のスタンド使い:2004/01/20(火) 21:36
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

247ブック:2004/02/15(日) 03:01
     救い無き世界
     第二十二話・闘鬼


「警察署の襲撃だけでなく、SSSの拠点への直接攻撃ですか…
 『大日本ブレイク党』にも困ったものですねえ。」
 『矢の男』が少し困った顔を見せた。

「…それにこの前も言ったが俺達のことまで嗅ぎ回ってる。
 そろそろ『教育的指導』が必要なんじゃねぇのか?」
 トラギコが『矢の男』に言った。

「ふむ、いたしかたありませんね…
 SSSにも結構被害が出たようですし、少し『間引き』をしますか。」
 『矢の男』頬杖をついた。

「トラギコ君、私達を調べている者は、もう調べているのでしょう?
 その方を見せしめに始末してくれませんか。」
 『矢の男』はトラギコの顔を覗き込んだ。
「…ふん。俺は報酬さえくれるんなら何だってするぜ。」
 トラギコは手で¥のマークを形作った。

「…分かりました。
 どうします?何人か手伝いに遣しましょうか?」
 『矢の男』がトラギコに尋ねる。
「いや、いい。俺一人で十分だ。
 それに、頭数が増えたらそれだけ俺の取り分が減る。」
 トラギコは振り返り、そこを去って行く。
「言うことを聞かない悪い子はどうなるか、
 『大日本ブレイク党』みっちりと教えてやる。
 この俺の『オウガバトル』でな!!」
 トラギコの背後に鬼のようなビジョンが浮かび上がった。



 月明かりの夜、トラギコは港の近くの廃工場の入り口の前に立っていた。
「…悪の組織のアジトの一つが廃工場とは、
 お約束過ぎてゲップが出そうになるな。」
 トラギコがそう毒づく。

 トラギコはスタンドを発動させると、
 正面の入り口から堂々と工場の中に踏み込んだ。
 たちまち、銃の夜間用レーザーサイトの赤い光線が彼を次々とターゲッテイングし、
 彼の体のあちこちを赤い斑点が彩ったようになる。

「何者だ!」
 自動小銃銃を構える兵士の一人がトラギコに向かって叫ぶ。

「処刑人。」
 トラギコがその言葉を口に出したとたん、
 彼に向かって無数の銃弾が襲い掛かる。
 室内に耳をさくような大音響がこだまし、硝煙が視界を覆う。

248ブック:2004/02/15(日) 03:01

 一通り弾を打ち尽くしたところで、
 部隊の指揮官らしき男の手を下ろす合図によって銃撃が中断される。

「…原型すら留めていま―――」
 しかしその指揮官の言葉は最後まで紡がれる事はなかった。

 トラギコは傷一つ無いまま、何時の間にか指揮官のすぐ傍まで接近していた。
 彼のスタンドがすっと手を動かす。
 すると指揮官のの頭部が、鼻辺りの部分で輪切りにされ、
 ゆっくりスライドしながら地面に落ちる。

「!?なぁ!!!」
 兵士たちは驚愕し、慌ててトラギコに向かって銃を乱射する。
 しかし、銃弾は彼には一発も到達しなかった。
 全てトラギコの目の前で、壁にでも当たったかのように弾かれる。

「無駄な努力はするもんじゃないぜ?なあおい。」
 トラギコの口が邪悪に歪む。
 その場に居た兵士達に、それから五分と生き残る者はいなかった。



 トラギコの通った道には、累々たる屍の山が築かれていった。
 彼はそんな哀れな兵士たちには一瞥もくれず、
 ひたすら廃工場を奥へと突き進んでいく。

「さあ、出て来いよ。
 前菜を喰い散らかすのには飽きた。
 それとも皆死んでまっ平らになるのか!」
 開けた空間の部屋まで出てきて、
 トラギコは闇に潜む気配に向かってそう告げた。

「いやはや全くもって見事な食事ぶり。」
 トラギコを見下ろせる所に位置する高台の上から、
 一人の女が姿を現した。

「あなたの目的は何です。押し売りですか?」
 女がトラギコに尋ねた。

「俺達の周りでうろちょろする鼠を虐殺しに来た。」
 トラギコが女に向かって言う。

「虐殺、なんと聞こえのいい言葉か―――――!」
 女が誰に言うでもなく呟く。
「しかし我々の邪魔をするなど、虫唾が走る!!」
 女の体から蒸気のようなものが立ち始め、
 見る見るうちにトラギコの頭上に集まり雲を形作った。

「溶かせ!『メトロイド』!!」
 雲からトラギコに向かって雨が降り注いだ。
 しかしもちろん唯の雨ではない。
 鋼鉄をも溶かす強酸による降水である。

249ブック:2004/02/15(日) 03:03

「!?」
 女に驚愕の表情が浮かんだ。
 彼女の『メトロイド』の雨にうたれたものが、瞬く間に融解していく。
 しかしその雨の真っ只中にいる筈の肝心のトラギコは、
 髪の毛一本も溶けてはいないのである。

「何故…!」
 女はそこでようやく、強酸の雨がまるで傘でも差しているかの如く
 トラギコの頭上で止められている事に気がついた。

「俺にそんな攻撃は効かねぇよ。」
 するとトラギコは何も無い筈の空間を一歩一歩階段を上るように足をかけて、
 高台の上にいる女に向かって近づいていった。
 それはあたかも、空中浮遊をしているかの様であった。

「くっ!!!」
 女は急いで逃げようとした。
 しかしトラギコは猛然と女を追跡し、
 ある程度接近したところでスタンドに手をかざさせた。
 と、次の瞬間女は何も無い筈の空間で、
 まるで壁に激突したかのような形で逃走を中断させられた。

「悪いな。そこは通行止めにさせて貰った。」
 トラギコが倒れた女を見下ろす。

「!!!あああああああああああ!!!!!」
 女がトラギコを道連れにしようと、
 自分を巻き込む形で『メトロイド』を発動させようとする。

 しかし、その覚悟も虚しく引きつった顔のまま女の首が、
 ギロチンにかけられたように両断され、ごろりと地面に転がった。

「…悪いな、姉ちゃん。」
 トラギコは既に事切れた女の頭に向かって、
 もはや声など聞こえるはずもない事を承知しながらも語りかけた。

250ブック:2004/02/15(日) 03:03



「ご苦労様。これが今回の報酬ですよ。」
 そう言って『矢の男』はトラギコに札束を手渡した。
 トラギコは黙ってそれを受け取る。

「いつもいつも済みませんね。
 あなたが私達に協力してくれて、心強い限りですよ。」
 『矢の男』がトラギコに微笑む。

「勘違いするな。俺は別にあんたの仲間になった覚えは無い。
 金で雇われてるだけだ。」
 トラギコがつっけんどんに答える。

「トラギコ!貴様性懲りも無く!!」
 『矢の男』の従者の一人がトラギコに突っかかろうとする。
 しかし『矢の男』はそれを手で制した。

「くっ…!!」
 止められた従者は猶も食い下がろうとしたが、
 『矢の男』が彼を無言で見据えると、
 不服そうな顔をしながらも引き下がった。

「ならばそれでもいいですよ。
 それなら金を払っている間はあなたは信頼出来るという訳ですからね。」
 『矢の男』が穏やかな口調で話す。

「随分とお目出たい考えをするんだな。
 いつか俺が裏切るとかは考えねぇのかい?」
 トラギコが挑戦的に答た。
 その言葉がさっきの従者の血圧をいっそう高くする。

「ふふ…大切な金づるをみすみす手放す程、あなたは愚かではないでしょう?」
 『矢の男』はニコニコ顔を崩さずに喋る。

「…ふん。」
 トラギコはそれに答えず、『矢の男』に背を向ける。

「守銭奴め、そんなに金が大事か!!」
 トラギコの後ろから先程の従者がここぞとばかりに皮肉の言葉をぶつけた。

「ああ、大事だね。お前よりも役に立つからな。」
 トラギコは首だけ振り向いて答えた。
 従者の顔の血管が、今にも破裂しそうになる。

「…そうさ。この世は金が無くちゃ、どうにもならねぇんだ。」
 その場を去りながら、トラギコは自分に言い聞かせるように呟いた。


     TO BE CONTINUED…


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