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スタンドスレ小説スレッド

1新手のスタンド使い:2003/11/08(土) 01:58
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

666:2004/01/10(土) 01:19

「―― モナーの愉快な冒険 ――   ぼくの名は1さん・その1」

 
 キーン コーン カーン コーン…

 授業の終わりを告げる、無機質なチャイムが鳴り響いた。
 僕はノートや教科書を素早くカバンに仕舞い込む。

 ハァハァ…

 奇妙な息遣いが聞こえた。
 かなり近い。急がなければ…!
 休み時間になるといつもこうだ。
 まして、今は放課後。
 本格的に奴らが仕掛けてくる…!

 教室の戸が開いた。
 奴がヘラヘラした顔を出す。
「1さーん!」

 来たッ…!!
 その不気味な肢体。ヨダレを垂れ流すキモイ顔。ニュルニュルした動き。
 奴を構成する全てがキモイ。

「キモイヨー!」
 僕はカバンを抱えると、後ろの戸の方向へ駆け出す。
 しかし、僕が向かったはずの後ろの戸は、無情にもガラガラと開いた。
「ハアハア… こっちに来ると思ったよ…」
 奴は、そちらにも回り込んでいた。
 そう。奴は一人ではない。数えた事はないが、810人いるという話だ。

 戸は両方とも、奴らに押さえられてしまった。
 こうなれば、仕方がない。
「はぁっ!」
 僕は、前方に迫っていた奴の股下に飛び込んだ。
 奴らは体格がデカい分、敏捷性に欠ける。
 僕は奴の両足の隙間をくぐり抜けると、猛ダッシュで教室を抜け出した。
 同じクラスの女子が、何やらこっちを見てヒソヒソ話している。
 奴らのせいで、僕まで変な目で見られるのだ。
 クラスの中で僕に話しかけてくる人はいない。

「1さーん! 待ってー!」

 ゲッ、追いかけてきた…!
 僕は階段を駆け下りると、素早く靴を履き替えて校外に出た。
 

 ちらりと後ろを振り向く。
 どうやら、追ってきている気配はない。
 逃げ足の速さには自身がある。
 よく考えれば本末転倒だ。奴らのせいで足が速くなったのだから。
 僕はため息をつく。
 何で、毎日毎日こんな目に合わなきゃいけないんだ…?

 取り合えず、無事にアパートまで帰ってきた。
 僕の部屋は、このアパートの2階にある。
 ドアの鍵を開けて、奴らが来てないか入念にチェックしてから家の中に滑り込んだ。
 そして、すかさず鍵をかける。
 ふう、これで大丈夫だ…
 僕はカバンを置いて、TVをつけた。
 しばらくは一息つけるだろう。
 今日も疲れた…


 …僕は、テーブルから頭を上げた。
 テーブルに突っ伏して寝てしまったようだ。
 時刻は、ちょうど8時。
 TVからは、今日のニュースが流れていた。
 政治家が汚職で捕まったとか、どこかの国で50人近い人達が忽然と姿を消したとか…
 そう言えば、あの連続殺人事件はどうなったのだろうか?
 20人くらい連続で殺され、最後の方には吸血鬼の仕業というデマまで出る始末だ。
 さんざんマスコミで騒いだあげく、パッタリと報道されなくなってしまった。
 何か、変な圧力でもかかったんじゃないだろうな…?
 まあ、僕みたいな一般小市民にはどうでもいい話か。
 
 ピンポーン!
 呼び鈴が鳴った。
 身構える僕。
 だが、奴らはベルを鳴らして入ってきたという前例はない。
 念の為、ドアの覗き穴から覗いてみる。
 何の変哲もない宅急便のおじさんだ。
 背格好も、奴らとは違いすぎる。
「はーい」
 僕はドアを開けた。
「荷物です… よっこらしょっと!!」
 おじさんは、玄関先にその荷物を置いた。
 やけに重そうだ。何だろうか?
 とにかくハンコを渡す僕。
 手続きを済ますと、おじさんは礼をして去っていった。

 とりあえず、荷物を居間まで運び込む。
 メチャクチャに重い。中身は何なんだ?

667:2004/01/10(土) 01:20

「誰からだ…?」
 送り先の名前はない。
 もしや、奴らの新しい手段か…?
 フタを開けたら、「1さーん!」とか言いながら飛び出して来ないだろうな…?
 僕は、もしもの時のために用意しておいた金属バットを構えた。
 そして、荷物から3歩離れる。
 大きく息を吸い込むと、感情を込めずに言った。
「僕、実は8頭身の事が大好きなんだあー!」

 シーン…

 荷物からは何の反応もない。
 どうやら、奴らではないようだ。
 僕は金属バットを放り出すと、ガムテープをビリビリと剥いだ。
 そして、ゆっくりと蓋を開ける…
 
 ニュッと、箱の中から何かが突き出した。
 …顔?
 …女の子?
 そう。見知らぬ女の子が箱から出てきたのだ。
 しかも、女の子は服を着ていない。全裸だ。ハダカだ。

「…誰!?」
 僕は状況についていけない。とりあえず無難な質問が精一杯だ。
 きょとんとしていた女の子が、不意に口を開いた。
「…私の名前は簞(ばつ)なのです」
 簞? 変な名前だなぁ。

 …うわーぁっ!!
 ハ、ハダカじゃないか!!
 僕は慌てて顔を背けた。
 だってハダカなんだ。
 ちょっと待て。おかしいじゃないか。ハダカだよ?
 なんで女の子が宅配便で送られて来るんだ?
 しかも、ハダカだし。
 …エロいな。
 今だって、普通に名前を名乗ってたよ?
 それもハダカで。
 僕の脳内は、この女の子のハダカ祭りだ。

「とにかく、服を着て! 服を…」
 僕は鼻血を垂らしながら喚き立てた。

「服はないのです…」
 普通に返答する女の子。
「じゃあ、タンスの中に僕の服が入ってるから、適当に着てよ!」
「では、お借りするのです」
 後ろから、ゴソゴソいう音が聞こえてくる。
 …エロいな。

「着たのです」
 僕は、気を落ち着かせて振り返った。
 女の子は、僕のTシャツとGパンを着用している。
 当然のようにぶかぶかだ。
 …エロいな。

 とりあえず、僕は頭を抱えた。
 何から聞けばいいんだ?
「えーと… 名前は聞いたな。簞ちゃんだっけ? 何で宅配便で来たの?」
「分からないのです…」
 そうか。しかも、ハダカだしなぁ…
「何で、僕の家に?」
「それも、分からないのです… ただ、人を探しているだけなのです…」
 人探し? それで、何で僕の家に?
 うーん、困ったなぁ。

 簞ちゃんは困惑げな表情を見せた。
「ひょっとして… 私、迷惑をかけてますか…?」
「いや、そんな事はない、けど…」
 僕は言い淀んだ。
 迷惑云々より、状況が理解できないだけだ。
 ハダカだったしなぁ…
「そうですよね…」
 簞ちゃんはすっくと立ち上がった。
 そして、トタトタと玄関先に向かう。
「お邪魔してしまったのです。この服は、必ずお返しするのです。では…」

 ドアが閉まる音。
 その後に押し寄せる静寂。
 もしかして… 出て行ったのか?
 今は9時。
 連続殺人鬼はなりをひそめたものの、女の子が一人で外を歩くには遅すぎる。

 …まあ、僕が心配する筋合いじゃないか。
 迂闊に出て行って、奴らに出くわすのもゴメンだしな…
 でも、簞ちゃん、可愛かったな…
 いやいや。僕の小市民的第六感が警告している。
 関わり合いになると、絶対にロクな事にならない。
 でも、ハダカだったよな…
 いや、色事で運命変えるなんて僕のガラじゃない。
 …
 ……
 ………
 そうだ、コンビニに用があったのを忘れてた。
 あれだ。懐中電灯が壊れたんだ。急いで買いに行かないと。
 あれを今日中に買っとかないと、大変な事になるんだ。そりゃ大変だ。
 さて、急いで買いに行くとするか…

668:2004/01/10(土) 01:22

「簞ちゃーん! 簞ちゃーん!」
 夜道をさまよいながら、大声で呼びかける。
 全く… どこへ行ったんだ?
 役に立たない懐中電灯をくるくると回す僕。
 適当に町を巡っていたところで、見つかる可能性は低いだろう。
 僕は考えた。
 この町で、泊まるアテがあるとは思えないし、あったらあったで心配はないだろう。
 お金も持ってないだろうし、野宿の可能性が最も高い事は予想できる。
 さて、この辺りで野宿が出来るところといったら…
 とりあえず、公園にでも行ってみるか。

 僕は公園の前に到着した。
 さて、簞ちゃんはいるだろうか。
 よく考えれば、簞ちゃんが公園の場所を知っている可能性も少ないんじゃないか?
 結局、無駄足かもしれないな…

「きゃーっ!!」
 今のは… 悲鳴?
 しかも、簞ちゃんの声だ!!
 確かに、公園の中から声がした…!

 僕は慌てて公園へ飛び込んだ。
 腰を抜かして倒れている簞ちゃんが目に入る。
 その前には、不審な男が立っていた。
「大声を上げるから、変な奴が来てしまったではないか…
 男は余り趣味ではないが、今日もいっぱい吸ってやるとするかァァァァッ!」

 何だ?
 あの男、普通じゃない…!

「早く逃げてください!!」
 簞ちゃんは、僕に向かって叫んだ。
 もちろん、言われなくても逃げるさ。
 僕は典型的な小市民なんだから…
 ただし、簞ちゃんを連れてだ!!

 僕は簞ちゃんを素早く抱え起こすと、背中に背負って思いっきり走った。
 逃げ足だけは自信がある。
 物心ついた時から、奴らに追い回されてたんだ。
 変質者ごとき、僕の足に敵うもんか!

 公園を飛び出して、夜道を一直線に走る。
 とにかく、ここは警察だ…!
 こんな時に限って、携帯電話を置いてきてしまった。
 持っているのは、コンビニで意味もなく買った懐中電灯だけ。
「駄目です… 私を置いて逃げるのです…!」
 僕の背中で簞ちゃんが言った。
 残念ながら、太ももや胸の感触を楽しむ余裕はない。
「大丈夫さ、交番までもうすぐだ!」
 僕は走りながら言う。
「あれは、吸血鬼なのです! 警察の人では何もできないのです!」
 吸血鬼だって…!?
 吸血鬼って、人の血を吸ったり、日光で溶けたりするアレか?
 もしかして、簞ちゃんは錯乱してるのか…?
 怖い目に合ったのだ。それも仕方がないだろう。

 疾走する影。
 それは電柱を蹴って、僕の眼前に着地した。
「人間にしては、逃げ足が早いなァ?」

 …確かに、今の動きは人間にはできない。
 これはリアルだ。
 こいつは、どう考えても人間じゃない。
 夢でも見たんだろうとか、強引に自分を納得させる奴なら、ここで命を落とす。
 僕は小市民だけに、危険には敏感だ。
 こいつは、ヤバい!!

「今日はハラが減ってるんだ… 極上の女なんて、ついてるなァ、俺は…!」
 口をガパァッと開ける吸血鬼。その口から牙が覗く。
 やっぱり、人間じゃない。
 簞ちゃんの言うとおり、こいつは吸血鬼だ。
 吸血鬼が、一歩一歩こっちへ近付いてくる。
 完全にリアルなんだ。適応できないと、死んでしまう…!
 何とか、こいつから逃げないと…

「喰らえ、紫外線照射ッ!!」
 僕は叫びながら懐中電灯のスィッチを入れ、吸血鬼に浴びせかけた。
「ぬ、ぬぐわァァァッ……って、しまったァ!」
 奴が顔を逸らしてフェイクに引っ掛かってる間に、僕は吸血鬼の横を素早くすり抜ける。
「人間ごときがァ…! 一目散に逃げやがってェ!!」
 奴の叫びが聞こえてくる。
 そのまま、家に向かって駆け出した。

「はぁ、はぁ、はぁ…」
 かなり引き離してやった。
 それにしても、なんでこんな夜に吸血鬼と追いかけっこやってんだ、僕は…
「大丈夫ですか?」
 背中の簞ちゃんが言った。
 僕は親指を立てる。
「足の速さには自身があるんだ。吸血鬼と比べても遜色がないことを証明したしね…」
 ようやくアパートの前まで辿り着いた。
 さて… これからどうしたらいいんだ?

「待てェェェェェッ!!」

 ゲッ!!
 吸血鬼が走ってきた。
 僕は、アパートの中に駆け込んだ。
 階段を駆け上がって、僕の部屋に飛び込む。
 そのまま後ろ手で鍵をかけた。

669:2004/01/10(土) 01:22

 僕は、簞ちゃんを下ろした。
 あの超人的な身のこなしからして、玄関のドアぐらい簡単に破れると思った方がいいだろう。
 武器を持って立ち向かうか…?
 例の金属バットが目に入る。

「開けろォォォッ!」
 ガンガンとドアを叩く音。
 ヤバい、もう来やがった…!
 よく考えたら、部屋に逃げ込んだのって、最悪の選択じゃないか?
 ドアがミシミシ言っている。
 ここは… 隠れるんだ!!
 僕は金属バットを拾い上げて、思いっきり窓に向かって投げつけた。
 ガシャーンという音とともに、粉々になる窓ガラス。
 …よし!
 僕は簞ちゃんの手を引くと、押入れに飛び込んだ。

 バキィッ!! という音を上げて、玄関のドアがブチ割れてしまった。
 ビクッとする簞ちゃん。
 しかし、音を立てたら終わりだ。
 簞ちゃんはぶるぶると震えている。
 ゆっくりと入ってくる吸血鬼。
 僕は、ふすまの穴から様子をうかがった。
 つかつかと入ってくると、割れている窓に目をやる。
「チッ… 窓から逃げたのか…」
 窓から外を見下ろして、悔しげに呟く吸血鬼。
 よし、いいぞ…

「…などと考えると思ったかァ?」
 吸血鬼はくるりとこちらを振り向いた。
 奴と目が合う。

「…!!」
 僕は、驚いてフスマの穴から目を離した。
 …気付かれた!
 しょせん小市民の僕が、吸血鬼を出し抜こうなんて無理だったのか…
 押入れなんて貧相な場所で血を吸われるなんて、小市民の僕にはピッタリかもしれない。
 簞ちゃんの震えが身体に伝わってくる。
 …温かい。
 僕は、簞ちゃんを僕の背中側にまわした。
 こうなったら、僕が盾になってやる。
 どうせ死ぬのなら、ちょっとぐらいカッコいい方がいいからな…

 吸血鬼は、押し入れの前に立った。
「さァて… もう、鬼ごっこも隠れんぼも終わりだ… 美味しい血をジュルジュル頂くとするかァ…!!」

「開けないで下さい!!」
 簞ちゃんは、大声で叫んだ。
「お願いです。どうか、このフスマは開けないで下さい…
 そして、このまま引き返してほしいのです。お願いなのです…」
 悲痛に訴えかける簞ちゃん。
 だが、泣き落としが通じる相手とは思えない…

「駄目だァ〜〜ッ!! ジュルジュル吸うまでは、帰れないなァ―――ッ!!」
 吸血鬼は奇声を上げると、一気にフスマを開けた…!!

 その瞬間、フスマに手をかけた吸血鬼の右腕が爆発した。
 僕にはそう見えた。
「な、なんだァ――ッ…!! これは波紋ッ!! オ、オレの手がァァァッ!!」
 煙を噴き出しながら溶けていく右手を押さえて、絶叫する吸血鬼。

「『シスター・スレッジ』は、既にフスマに触っていたのです… だから、開けないでって言ったのに…」
 簞ちゃんは、悲しげに言った。

 吸血鬼の溶けている部分は右手だけではない。肉体の崩壊は次々と全身に波及している。
「知っているぞォォォォッ!! お前、代行者だなァァァァァッ!! 今、やっと気付いたァァァァ!!
 もっと早く気付くべきだったんだァ……」
 喚き声を上げながら、その場に崩れ落ちる吸血鬼。
「……一目散に逃げるのは、オレの方だったのにィィィィィッ!!」
 断末魔をあげて、吸血鬼は溶けてしまった。
 塵のようになって、その場には死体の欠片すら残らない。

「ダスト・トゥ・ダスト。塵は塵に還るのです…」
 簞ちゃんは呟く。
「もう、こんな事はしたくないのです。こんな事、したくないのに…」
 そして、泣き崩れる簞ちゃん。

 僕は、吸血鬼を容易く灰にしながら、泣き続けるこの少女から目が離せなかった…



  /└────────┬┐
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