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おちゃめくらぶ掲示板

598御茶目菜子:2011/05/21(土) 14:24:40
SD1はFOVEONセンサーの将来を左右する
シグマがSD1を正式発表したにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110520_447248.html
SD1に関しては昨年の9月22日に書いたけど4600万画素相当のAPS-Cサイズの新型FOVEON
センサーを搭載しているというのがやはり一番の注目ポイントだったにょ。
4600万画素相当とはいえ3層構造のFOVEONセンサーであるため実質1536万画素(4800x3200
ピクセル)でしかないにょ。
それでも従来は1400万画素相当(実質460万画素)だったことを考えると画素数は一気に
3倍以上になったにょ。

昨今のAPS-Cセンサー搭載のデジタル一眼レフを見てのように1000万画素を大きく越えて
きたらどんどんレンズがボトルネックになってきているにょ。
しかし、4600万画素とはいえ、実質1536万画素のSD1は要求されるレンズの解像力も1536万
画素であるため昨今のAPS-Cサイズデジタル一眼レフと同レベル(概ね1600〜1800万画素)
となっておりそこまで高いレベルの解像力は要求されないにょ。(それでも安価なキット
レンズでは厳しいレベルだけど)

SD15、DP1xなどの現行機種に採用されているFOVEONセンサーはすでに登場してから時間が
経っており毎年のように新設計のセンサーが登場している他社と比べると時代の流れを
感じるにょ。
FOVEONセンサーは色分離が不完全、高感度に弱いという問題があるけれどそれらは画像
処理エンジンや現像ソフトの改善で若干克服されてきているにょ。
それでも、あくまで「初期の段階から比べて改善された」というレベルに止まっており
ベイヤー配列センサーを搭載する他社と比べて大きな差が開いているにょ。
それでもFOVEONセンサーを使う理由はやはりその優れた解像感にあるにょ。

1400万画素相当の現行のFOVEONセンサーが登場時にはまだベイヤー配列センサー(APS-C)
では1000万画素が最高レベルの時代であり、それらと比べて実質画素数は半分しかない
けど十分なアドバンテージがあったにょ。
ベイヤー配列の場合は1つの画素でRGBそれぞれ1つの輝度情報しか得ることができないため
フルカラー画像を生成するには周りの画素の情報が必要不可欠だからね。
そのため1000万画素のセンサーで1000万画素解像することはできないにょ。
輝度解像力は画素数の2分の1、色解像力は4分の1以下となっているにょ。
ベンチ性能(白黒チャート撮影)では1000万画素のベイヤー配列センサーはFOVEONセンサー
換算だと500万画素相当になるというわけにょ。
各所で発表されている同一被写体を撮影した比較データから推定して一般的な被写体の
撮影ならばベイヤー配列センサーは色解像力と輝度解像力を総合した解像力はFOVEON
センサー換算で1/2.5〜1/3程度だと私は考えているにょ。

そうなると実質460万画素のFOVEONセンサーの解像力はベイヤー配列センサー換算だと
1150万画素〜1400万画素と計算できるにょ。
昨今は1400万画素以上が当たり前となっており、解像力を求めるためにFOVEONセンサーを
使うという選択は正しいものとは言えなくなっているにょ。(これはデジタル一眼に
おいての話だったけどレンズ一体型カメラにおいてもDP1xは最高レベルの解像力を誇って
いたけどAPS-Cサイズセンサーを搭載したFinePix X100によってその地位は失われた)
その上、上記のようにFOVEONセンサー自体の弱さがあるからね。
これはセンサーそのものの設計の古さに起因しているためどうしようもないにょ。

したがって、FOVEONセンサー搭載機種が今後も生き残るためには新型センサーの投入は
必要不可欠といえるにょ。
そういうことでシグマの中でのフラッグシップ機となるSD1で新型センサーを搭載したと
いうのは当然のことにょ。
さて、SD1え問題となるのはその価格にょ。
店頭予想価格は70万円となっているからね。
大手量販店ならば発売直後には2割引程度はなるだろうけどそれでも実売価格は60万円弱
となるにょ。
「他社のミドルクラスと競争力のある価格にする」ということで価格を期待していた人
からすれば予想外の高値となるにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20100925_396114.html

「ミドルクラス」となるとその言葉通りに考えるならばD7000などの中級機と考えられる
けどD7000のスタート時の価格は14万円程度だったにょ。
想定していたのがD700やEOD 5Dと考えるならば30万円程度にょ。
したがって、普通に考えるならば15〜20万円でいくら高くても30万円まで(他社中級機
より解像感に優れているということを考慮して多少高値でも十分に売れる)という見方を
している人が多かったにょ。
そういう人からすると70万円という価格は高すぎるということになるにょ。

しかし、ベイヤー換算で3840万〜4600万画素の解像感を持つと思われるSD1は解像感だけを
見れば互角以上に渡り合えるのは中判デジタルとなるにょ。
中判デジタルとしては破格の安さを実現したPENTAX 645Dの価格は70万円台であるため
それよりも安ければ確かに価格的な競争力は十分にあるにょ。
FOVEONセンサーが高感度に弱いといってもFOVEONセンサーを求めている人からすればそれは
些細なことであり、「ISO100で最高の解像力を実現できていれば問題ない」と考えている
人も少なくないだろうからね。

とはいえ、価格的には他社のプロ用フラッグシップのフルサイズデジタル一眼が買える
ものになっているため実質的なライバルは645Dのような中判カメラではなくそのプロ用
デジタル一眼だと思われるにょ。
実売で50〜70万円もするプロ用デジタル一眼だけどその価格を出してもプロが買い求める
理由はやはり下記の3つだと思われるにょ。

 (1)高い信頼性
 (2)サポート
 (3)レンズシステム

(1)プロ用が高性能なのは当たり前のことだけど4年に1度のサイクルで登場するプロ機は
時代の流れによって後に登場した中級機や入門機と徐々にセンサー性能の差が縮まって
きているにょ。
確かにAPS-Cとフルサイズでは越えられない壁はあるものの4年前のセンサーを搭載した
プロ機と最新のセンサーを搭載した入門機ではその価格差に似合うだけの性能差がない
というのは確実にいえるにょ。
センサーサイズが重要という人であればD700や5Dのようなフルサイズ下位機種を買うと
いう方法もあるわけだしね。

そうなるとプロ機に求められる最も重要なのは性能ではなく信頼性となるにょ。
筐体の耐久性、シャッターの耐久性は酷使するプロであれば非常に重要な部分であり基本
スペックがどれだけ高くてもそれらが蔑ろにしてある機種であれば「プロ機」と呼ぶ
ことはできないにょ。
この辺は客観的な基準値というものは存在しないにょ。(シャッターレリーズの耐久性
くらいしか数値化できるものはない)
したがって、そのメーカー、その機種の信頼度が重要になるにょ。
そういう意味では古くからプロ機を作っているキヤノン、ニコンのプロ機の信頼性の高さは
折り紙付きであるため高価なプロ機であってもその価格に似合うだけの高い信頼性を
持ち合わせているにょ。
SD1が他社プロ機と同レベルの耐久性を備えていたとしても信頼性で同レベルとはいかない
というわけにょ。いにょ。

(2)古くからプロ機を作ってきているキヤノンやニコンはプロ向けのサポートも充実して
いるにょ。
機材のメインテナンス、修理もプロは優先的に行われ、各種イベント開催や多くの撮影
現場でのサポート活動は多くのプロカメラマンを抱えているからこそ実現されている
サービスといってもいいにょ。
そういう面でも価格面はプロ機並のSD1だけどそういうプロ用サポートが用意されているか
という点を考えるとSD1を積極的に使っていこうというプロはほとんど居ないのではないか
と思われるにょ。

(3)やはり、一眼レフの生命線といえばレンズにょ。
シグマはレンズメーカーとしては高い技術力を持っておりレンズラインナップも充実
しているけど相対的に考えるならば十分とは言い難い面もあるにょ。
キヤノンやニコンであれば純正レンズだけでラインナップが充実しているのに加えて
タムロンやシグマといったレンズメーカー製のレンズも使用できるからね。
シグマのレンズしか使用できないとシグマのデジタル一眼はそれだけでカメラメーカー製
デジタル一眼と比べて不利な存在となっているにょ。
したがって(1)、(2)で他社と同レベルであったとしてもこのレンズの差によって選択肢から
外れかねないにょ。


このように価格は他社のプロ機並のSD1だけどプロ用ではなくやはりハイアマチュア用と
して考えるのが妥当だと思われるにょ。
資金に余裕があり、「自分が欲しいから買う」というユーザーであれば(1)〜(3)はそれ
ほど重要なものではないからね。
しかし、ハイアマチュアに限定しても総合性能で上な他社のプロ機や解像感やダイナ
ミックレンジの広さで優れている中判デジタルではなくSD1を選択する人はシグマファン
ならぬFOVEONファンに限定されると思われるにょ。
FOVEONはクセがあり、ユーザーを選んでしまいがちだけどそれでなおかつ70万円(安価な
量販店でも実売60万円弱程度)という価格でさらにユーザーを選んでしまうにょ。

これが当初予想されていたように他社の中級機と競争できるレベルの価格になっていれば
現在SD15などのシグマのデジタル一眼を使っている人の多くが買い求めただろうけど
そうしなかったのはやはりセンサーの開発費を回収するためではないかと思われるにょ。
センサーの開発には莫大な費用が必要だし、工場の維持費だけでもバカにならないにょ。
そのためソニーやPanasonicは自社センサーを他社に供給することで減価償却費用に
充てているにょ。
そして薄利多売によってデジタル一眼の価格は大幅に低下したにょ。
キヤノンは世界No.1のシェアであるため自社センサーを自社だけで十分な需要となっており
そのため他社にセンサーを供給する必要性はそれほどないにょ。

しかし、シグマはその自社開発のFOVEONセンサーを他社へ供給しておらず自社のデジカメ
のみに搭載しているにょ。
そのため開発費などを回収するには薄利多売ができず価格へと上乗せするしか方法が
ないにょ。
それが今回のSD1の高値の原因になったのではないかと思われるにょ。
新開発のセンサーということで歩留まりもあまり高くはないだろうからそれがよりコスト
増大になっていそうな感じにょ。

そうなるとこのSD1に搭載した新型FOVEONセンサーを搭載したデジカメ(デジタル一眼)が
安価に登場するためにはSD1がある程度売れて資金の回収ができるということが必要
不可欠となるにょ。
万が一SD1が爆発的に売れればSD1の早い段階の値下げは十分に考えられるしこのセンサーを
搭載した中級機(10万円台のデジタル一眼)やDP1のようなレンズ一体型デジカメの登場も
考えられるにょ。
しかし、売れなければSD1は高値を維持したままになるだけではなくシグマの今後のカメラ
ビジネスさえ危ぶまれてくるにょ。(センサーと特許を他社へ売却も十分あり得る)
「SD1に70万円の価値があるか?」と言われたら無いと私は思うけどやはりアーリー
アダプター層に取っては価格分の価値云々ではなく上記のようにそれが欲しいか否かで
あるためそういう意味では他社のプロ機をぶっちぎるくらいの解像感を見せていれば
十分その魅力はあると思うにょ。
しかし、残念ながら公式サイトのサンプルではぶっちぎるほどの差は見いだせないにょ。




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