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おちゃめくらぶ掲示板

479御茶目菜子:2010/12/26(日) 14:30:56
表現の自由とゾーニングはトレードオフである
アニメ、漫画の規制問題だけど規制賛成派、規制反対派と簡単に言ってもそれらの人たちを
ひとくくりで考えることはできないにょ。
規制賛成派は「存在そのものを根絶すべき」、規制反対派は「表現の自由があるから何を
やっても許されるべき」という人はごく一部に止まるだろうからね。
つまり、規制賛成派の中であっても規制反対派の中であっても人によって許容できるもの
許容できないものが異なるということにょ。

私は個人的には規制反対派なのだけど私自身のスタンスは下記のようになっているにょ。

(1)「表現の自由」が大前提
(2)18禁(もしくはそれ相当)の図書類は青少年(18歳未満)に販売すべきではない
(3)それらの図書類は販売店側で明確に分離すべき
(4)レーティングは出版社側で自主的に行う必要がある

(1)の表現の自由は大前提だけどそれを守るためにはやはりある程度の代償は支払うのは
やむを得ないと考えてはいるにょ。

(2)に関しては元々青少年育成条例における不健全図書(有害図書)指定の考えと同じ
もの・・・といえばそうなのだけどそれだけで言っているのではないにょ。
これは、「18歳未満に見せたら害になるから見せるべきではない」という考えではなく
「表現の自由」を得るために「ゾーニングはやむを得ない」という判断によるものにょ。
そもそも有害であるという科学的な根拠が全くないわけだしね。
「有害でない」という証拠を見せろと言われるとこれは悪魔の証明になってしまうにょ。
(一部の)規制派の意見だとたとえ1人でも悪影響を及ぼせば悪影響というのだけど
これは「こんにゃく入りゼリーにおいて死亡者がゼロではないから危険な食べ物」という
考えと変わらないにょ。

また、「表現の自由」の別の視点から考えると「知る権利」の問題もあるにょ。
不当な線引きによって制限を加えるというのは青少年に対する「知る権利」を侵害して
いるという考えもあるにょ。
ここで一番の問題となるのは「18禁レベルかどうか」ということにょ。
これは審査する団体があるので客観的に判断することは可能だけどただこの基準も絶対的な
ものとはいえないにょ。
しかし、今回の東京都の青少年育成条例では「ラッキースケベ」程度で18禁となる条文と
なっており、これは私個人の基準ではなく一般的な基準と比べても正当性があるとは
思えないものにょ。

(3)に関しては今回の都条例の改正で下記の(a)、(b)が義務化となったにょ。
販売側のゾーニングに関しては大まかに言って(a)〜(d)の4段階あると思われるにょ。

(a)個別包装によるもの(18禁相当の図書類を自由に見れないようにする)
(b)区分陳列によるもの(棚を分けて18禁相当の図書類がどれかを明確にする)
(c)店舗仕切によるもの(壁やのれんで仕切り、青少年の立ち入りを容易にできなくする)
(d)店舗単位によるもの(18禁相当の図書類を扱う店舗は青少年の立ち入りを禁止する)

個人的意見を言えば(a)は絶対やるべきことだろうし、(b)は一定数の図書類を扱っている
店であれば行うべきことだと思われるにょ。
ここまでは、あまり酷ければ法による規制もやむを得ないという考えにょ。
(c)になるとさすがにやりすぎなので棚1つ分程度以下であればここまでを義務化する
必要性は感じないにょ。(1ブロック分となるとさすがに仕切を入れるべきだと私は考えて
いるけど)
(d)これを義務化するのはさすがにやりすぎにょ。

とはいえ、大阪の青少年育成条例の改正案では(d)まで法による義務化を進めているにょ。
つまり、有害図書指定された場合は普通の店舗(入店年齢制限のない店舗)では販売不能に
なるということにょ。
http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2010122401000342
守れない店舗はサイトで店舗名を告知するということだけどこれは「この店に行けば
買えるという宣伝行為を行政が行っているからダメ」だという考えの人もいるため良い
方法ではないにょ。(罰則があると恣意的運用をされかねないという問題があるため
難しい)

(4)が最も重要な問題にょ。
「小学生でも買える本に過激な描写がある」という規制派の意見も少なくないからね。
しかし、その例として挙げられているのはグレーゾーンに属し従来基準の不健全図書では
ギリギリ不健全図書に指定されなかったものということで「普通に小学生が読んでいる
少年漫画ではない」ため恣意的なものにょ。
そんなごく一部の例外を規制するためにすごく広範囲な規制が行える条文を付け加える
ということは魚を捕るのに網ではなくナパーム弾を使うようなものにょ。

今回の改正に当たって出版社側もレーティングを行うという案を用意していたみたい
だけど最初から改正案を成立させることしか考えてない都知事、都議会においては
そんな出版社の意見は聞く耳持たずだったにょ。
規制に賛成する人を増やすために前回の改正案の否決から都議会議員がPTAと81回も会合を
開いてPTAを味方に付けたのだけどこのような行為自体が憲法第15条「すべて公務員は、
全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」、地方公務員法36条の政治的行為の
制限に触れる行為ではないかという見方もしている人も多いにょ。

そもそも18歳という区切りがあるけど「18歳未満」と一言で言っても小学生と17歳では
大きな違いがありそれらを同一視すること自体が正しくはないにょ。(18歳と17歳では
微々たる差だけどこれはどこかで区切りを入れなくてはならない以上はやむを得ない)
したがって、レーティングによる年齢区分を行うことが必要ではないかと思われるにょ。
例えばR12、R15という年齢制限を設けたとしてこれはその年齢以下への販売を禁止する
というものではないにょ。
青少年育成条例では18禁(もしくはそれ相当)の図書類を18歳未満に販売することを
禁止しているけどその他のものに関しては禁止されてないためそれをR12の図書類を
12歳未満の子供に販売できないようにすることは少なくとも法的な面においては
できないにょ。

ただ、レーティングを行うにも現在の条文では矛盾点や主観的な部分が多いため出版社の
自主的なレーティングを行うのは難しいということとアウトサイダーな出版社がその
レーティングを導入するとは思えないという問題があるにょ。
それ専用の審査団体(天下り団体)を設立してすべての漫画や雑誌のレーティングを行う
ということも将来的にはあり得るけどそのために多額の税金が使われてしまうということを
見逃すことはできないにょ。

以上が私の考えだけどやはり根本的なものは「表現の自由」がまずはありそれを獲得する
ためならばゾーニングを行うのはやむを得ないというものにょ。
これは喫煙における分煙の考えと同じにょ。
私自身は喫煙はしないけど分煙であれば許容はできるからね。
喫煙者にとって考えてみれば分煙によって喫煙する権利を獲得したといえるにょ。
これが「分煙はダメだ。自由に吸わせろ」と主張したのであれば全面禁煙化は避ける
ことができないにょ。

ただ、難しいのは喫煙の場合は、「吸う」「吸わない」の明確な2択しかないのだけど
表現の場合はその絶対的な境目がないということにょ。
都条例改正によってすでに大手コンビニでは「パンチラが表紙にある雑誌は置かない」と
指示を出しているみたいにょ。
http://npn.co.jp/article/detail/42667722/
しかし、そのゾーニングの効果というのも分煙ほどは期待できないにょ。
それに絶対的な基準がないため一旦ゾーニングが始まると歯止めがきかなくなるという
ことを危惧している人もいるのではないかと思われるにょ。
分煙でも受動喫煙の害が100%が防げるわけではないため喫煙ルームがないような公共施設
では全面禁煙化が進んでいるため大阪での改正案のように法によって完全に隔離されて
しまうような状態が全国に広がる可能性も否定ができないにょ。

2002年の「松文館事件」において漫画であっても刑法175条に触れるわいせつ物であると
いう判決が下されたにょ。
実写であれば現実的に被害者がいるわけだけど創造物ではそのような被害者はないため
この事件が与えた漫画に影響は大きいにょ。(確かに実際のものを限りなく精密に模写
すれば絵と写真の区別という境目はどんどん曖昧になってくるけどいくら絵が上手いと
言ってもその訴訟対象となった漫画はそこまで写実的ではなかった)
表現の自由をいくら主張したところで最高裁の判決でこのようになってしまえばどう
しようもないにょ。

つまり、ゾーニングというのは無条件で受け入れるのではなくあくまで表現の自由を
得た上で受け入れるべきことだということにょ。
「絶対に表現の自由を損ねるようなものは認めない」と主張したところで最高裁で負けて
しまうとそれが判例となってより不利な立場へと追いやられてしまうにょ。
20年前の有害コミック騒動で漫画界に大激震が走ったのだけどそれ以来は成人向け
(18禁)と一般向けでうまく棲み分けが可能になったと思ったら上記の「松文館事件」が
あり成人向け漫画も自粛傾向にあった(最近は徐々に自粛が落ちているけど)わけだし、
そして今回の都条例改正によって一般向けの漫画に対しても著しい規制が加わる見込みと
なっているにょ。
これが17歳に見せられないような表現であれば規制もやむを得ないけど小学生に相応しく
ないということで規制されるのならば納得がいかないにょ。

「小学生に見せられないような表現がある」から18歳未満が見る漫画において「小学生に
見せられないような表現は規制する」という考えは正しくなく本来取るべきものは
小学生に相応しくない本であるということを明示することではないかと思うにょ。
そういうレーティングによるゾーニングで表現の自由を獲得できたはずだけど今回の件に
おいては行政の一方的な規制によってその出版社側の意見は完全に無視されたにょ。
もっともマンナンライフの蒟蒻畑において子供に与える危険性はパッケージに明記されて
おり、なおかつ1口では食べにくいような構造にも関わらずそれを無視して与えるバカな
親が居るということを考えればちゃんとレーティングしてもそれを無視してクレームを
入れるという可能性も無くはないけどね。
ゾーニングをいくら徹底してもダメだから法規制するという手段に出る前にもっとやる
べきことがあることを完全に忘れているにょ。
今回の都条例改正のような強引な法規制はさらなる大きな規制に繋がりかねないという
不安を抱かせてしまうにょ。




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