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羽娘がいるからちょっと来て見たら?

643 二郎剤 ◆h4drqLskp. :2007/03/05(月) 23:31:32 ID:TFlfCwF6
*音開始
 秒針が真上に向かえば。軽い音がした。
「ショータイム……」
 静かに告げ、前へ、ラプンツェルへと差し出した指は、先ほど鳴らした動きの完了を見せている。手袋の上からでも華麗に響く音色はスイッチのようで。
「わ……」
 アトラスを始点に、放射状にライトアップが伝わっていく。円形に配置された都市ならでは、といった様子で、彼女たちを下から人工の星が幾つも照らす。
 初めは白だった。黄色、赤、青、三原色が追いかけ、それらを混ぜた色が追いかけるように溢れた。
 色彩のカクテルは次第に色を一つにしていく。遠方から見えるの光は、波長のいこ雷図された一つの光、その塊だ。塊はその色を暖かなオレンジの混ざる白色に定め、星々となった強い灯りすら飲み込んで、全てを二人に伝え。
 溢れる照明に目を釘付けにされたラプンツェルの横、アンジェラは満足げにうなずく。直立した姿勢が紳士を思わせ、そうして遠慮がちな咳払いがあり。
「空を……」
 アンジェラが誘う、上空の視線。
「あぁ……」
 光と闇を分断され、夜空をちりばめる星はそれでも己を主張する。
「宝石箱のマジックです」
「綺麗……」
 見入るラプンツェルの瞳が輝く、そうアンジェラは思い。
 映った星や夜景より、自然と内から輝く星を横目で見つめる。

「素敵ですよね。人の力で下の星が生まれて……上の星も負けじと先輩の威厳を護ってるんです」
 笑みを漏らし、ラプンツェルの視線は空からアンジェラへ。
「詩人ですね」
 笑みと視線、言葉に気づき、アンジェラの慌てと赤面は同時で。
「あ、っと……その。一応国文科ですから」
「お上手」
 顔の横、重ねられた両手がある。アンジェラに合わせるかのようなラプンツェルの芝居がかった動き。
「あ……あはー」
 着飾り、芝居じみた先ほどまでの空気が崩れ、普通のアンジェラとして照れた。
「あれ……?」
 光が増える。下よりの光はざわめきを交え。昼と夜の境目から大人しくなった人の流れを復活させていく。
「ミュトイの夜は自由です。早くから光を使い、境目を仕事の終わりとして定めました」
 ラプンツェルはアトラスの縁まで歩み、そこで活動の熱を感じる。
「聞こえてきそう……」
 楽しげな喧噪や、話し声。それが収斂され、しかし上空に立つ彼女らにはぼやけた、騒がしいというニュアンスだけが伝わり。
「ミュトイの夜、といえば苦痛よりの開放、一夜のアバンチュールなんて、そんな比喩もあったりしたんですよ」
「なんか解る気がします」
「さて……」
 改めて芝居じみた動きがアンジェラにあり、片膝を付いて恭しくラプンツェルに左手を差し出す。
「空の旅は如何ですか?」
「あ、あの……」
「どうしました?」
「礼儀作法とか知らないんです……」
 申し訳なさそうに手を組み、うなだれる頭と視線の先へそれをやる。
「あはは。私もかじったきりです」
 ラプンツェルの組んだ手を、アンジェラの手袋に包まれた手が支え。
「行きましょう」
「羽根は……」
「大丈夫ですっ!」
 左手を掴めばすぐに、助走に入った。
「素敵な場所にお連れします」
 二人の体が空に舞い。
「いきますよー!」
 夕刻、スヴァンがそうしたように地を目がけ、落下に近い急降下が始まる。


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