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羽娘がいるからちょっと来て見たら?

633 二郎剤 ◆h4drqLskp. :2007/03/04(日) 17:25:20 ID:tJCfqFFo
*音開始
「だけど、今しか! 今やらなきゃ……! 折角差し出された手があるのに、掴まないなんて嫌です!」
 言葉とメール送信は同時だった。溢れた血潮が理性のダムを破壊し、立場を洗い流す。ただ一つのため、そして。
「ラプンツェルさんの無事一つで……誰かが幸せになると思っています!」
 叫び。
『全く強情だ。優しい気持ちが溢れた、頑固な娘だよ。erytheis』
 誰かのかすれた声が響く。

 アンジェラの翼は飛行をやめ、体は起きあがる。アスファルトに触れ始める革靴が乾いた咆哮を長々と上げ、先行するラプンツェルは小さくなっていった。慌てず、騒がず。仁王立ちになった彼女はクラウチングスタートの姿勢へと。
「我が距離を掠め取れ、ハルピュイアイ!」
 主の名を受け翼が広がる。
 それは足から。
 それは鋼の。
 ハルピュイアイ――掠める女は主の距離を奪うために己を広げる。
「古人曰く――賽は投げられた!」
 右足の踏み込みから左足が蹴り上がり、頭は前へと空を掻く。
 蹴り上げた左足に追従すべく、右足に追従する鋼の翼が炎を吐いた。空を踏み台にした右足をきっかけに左足を踏み出せば、そちらの鋼も炎の色を持ち。
 アンジェラが空を舞う。
 ラプンツェルより、風イカダより。
 誰よりも早い、頭に昇った血流が紡ぐ、熱い思考に従った速度で、彼女は往く。
 視界は狭まり、風は目を襲う。
――装備が足りないから!
 己へ苛立った。いつかこんな時が来ると思っていたのに用意がない。訓練も不十分だったと思い。
「でも――役立たずで終わりたくない!」
 主の声が、足の推力に繋がった。先攻した人影が急速に近づき、目の前を一杯にするまでの接近となる。

「ラプンツェルさん!」
 背後から名前の主を抱き留め、腰をしっかりと掴む。
「え……アンジェラ……さんっ……?」
「今は何も聞かないで下さい。風イカダを!」
 視線を上げるラプンツェルの瞳には、己を見ず、目標を貫く強い視線が映り。
「はいっ! 運動はお任せしました!」
「頼まれなくても……」
 体を遠慮がちに地へと近づける。銃弾を避けるべく、そしてより地に近いラプンツェルを護りながら。
「貴女の望む場所まで、超特急ですっ!」
 加速は止まらず、遠ざかっていた風イカダの拡大も順調に。
「回避指示、お願いします! 戦闘経験がありません!」
「了解っ!」
 抱えられた姿勢のまま、ラプンツェルの右手は銃の狙いを定め、視線すら送らぬ左手は制服のポケットをまさぐり爆薬を探る。


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