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羽娘がいるからちょっと来て見たら?

571 二郎剤 ◆h4drqLskp. :2007/02/17(土) 20:10:21 ID:OVKeGQEU
 目尻に浮かんだ涙を抱きかかえたライオン枕にすりつけるようにしてぬぐい、ソフィアは改めて客人達を見つめ、眠気の消えぬような笑顔を振りまく。
「会談は少々長引くようですのでぇ、その間お待ちいただくのもなんですしぃ……ご協力のための予備知識としてお役に立てますよう地域案内を仰せつかりましたぁ」
「わーい観光!」
「かんこー!」
「あなた達ね……」
 スヴァンのため息一つ。彼女はソフィアに向き直り。
「確かに土地を把握しておくことは重要だと思います。しかし、質疑を受けられると聴いていたはずですが?」
 はぁい、と短くも間延びした、そう反する要素を込めた返答がある。ソフィアの表情は眠気のままで、余裕とも平和とも取れた物をみじんにも変えていない。
「質問にお答えしながらご案内する予定ですけどぉ、こんなにお客様がいらっしゃってますからー。……どうぞぉ?」
 ソフィアの向けた水はこの室内に対してではなく、それは視線でも解ることで。
 彼女が向けた視線、誰の姿も見えぬ代わりとばかりにドアが動く。
 即座に見えたのは、紺のパンツスーツ、続き小柄な黒のスーツ。双方とも女性であった。
 出入り口に並ぶ二名は客人へと向き、赤毛のショートヘアを揺らして紺の娘が一礼した。
「はじめまして! 文化庁でインターンをしています、アンジェラ・ネレウスと申します! ご案内と質問を仰せつかりました!」
「音量ダウンしろ。うるさくてかなわん」
「ご、ごめんなさーい!」
「だからうるさいと言っている」
 意見を吐くのは隣の黒、小さな娘は目上のような口調で、しかし外見は少女のようであった。黒髪を左右の頭頂でまとめた、白いシニョンが目立つ。続き、彼女の肩にかけられた巨大なバッグと、尊大な口調を無表情に乗せた様が目を引く。
「法務庁所属法務官、テティス・アンブロア。敬語は苦手なのでご容赦していただく。プライベートでも家族間でもこの口調なので気にしないでいただこう」
――お人形さんみたい。
 内心、セリエはそう思う。小柄な体に無表情、可愛らしい声、どれをとってもその比喩がふさわしいと思い、少々の思考を要した。
――法務官っていうことは結構身分があって、
 外見以上にキャリアがあると判断する。合わせ、年に関することや外見に関する感想は述べず、黙ることにした。セリエの心中はさておき、
「おい、寝るな」
「うにゅー?」
 眠そうな、と見られたソフィアが短時間で眠りについており、テティスは肘でそれをつつきつつ、バッグを漁っている。目的の物を探り当て、起こすべき相手も起きたようだ。
両手の行動が終わっている。眠い目をこするソフィアへ、バッグより取り出された手と物
が突き出され。
「蜂蜜パン食え」
「ふあふゅ……寝起きじゃ入りませんよぉー」
「む。手作りだのに」
 言うなり自分の口に放り込んだ。
「えーと……」
 状況を改めるかのように絞り出された声はラプンツェルの物で。
「脱線しちゃいましたねぇー。えっとぉ、私達でそれぞれ案内しますのでぇ、三班に分かれていただきますねぇ」
 発言の終わりとばかりにあくび一つ。


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