したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/12(土) 17:35:22 ID:???
>>502-511の続き

5221/7:2012/05/12(土) 17:35:58 ID:???
・風邪を引いて休んだツンデレの家に男が見舞いに来たら その4

 驚いて体をビクッと震わせてしまうが、何とか取り乱さずに私は弟に向き直った。
『何でこっちに顔出してくるの? 大人しく向こうにいなさいってば』
「だって、お菓子なくなっちゃったからさ。お母さんに聞いたら、ねーちゃんに断わっ
て、少し分けて貰って来なさいって」
 私は、呆れてため息をつく。全く、母もこういう時くらい気を遣って大輝を寄り付か
せないようにしてくれればいいのに何で真逆な事をするんだろうと。
「あ、いいよ。好きなだけ持って行っても」
 別府君がお菓子の盛ってある皿を差し出すと、珍しく大輝が礼儀正しく頭を下げた。
「あ、すみません。それじゃあ、ちょっと貰います」
 大輝がチョコやらクッキーやらおかきやらを適当に自分が持って来た皿に取る。それ
を見つつ、私は小さく愚痴った。
『……大体、二人にしてはお菓子の量が多過ぎなのよ。お母さんってば何を張り切って
るんだか……ホント、バカみたいなんだから……』
 どうせ男の子が初めて家に来たもんだから、テンション上がったに決まっている。本
当にそういう所は困った親だ。
「ん? ねーちゃん、今何か言った?」
 どうやら、大輝に聞こえてしまったらしい。私は澄ました顔で首を横に振った。
『別に、何でもないわ。いいから、用が済んだらとっとと向こう行きなさいよね』
 しかし大輝はリビングから出て行こうとはせず、私を無視して別府君に向き直った。
「あのさ、別府さん。ちょっと聞きたいんだけど」
『ちょっと、大輝』
 何やら好奇心満々な大輝を制しようと、私は厳しい声を出す。しかし大輝はうっとう
しそうな顔で私の方を向くと、口を尖らせた。
「いーじゃんかよ。俺にもちょっと話させてくれたって。ね、いいでしょ? 別府さん」
「え? ああ。俺は構わないけど」
 別府君がそう答えてから、私に向かって少し我慢していてくれというように頷いてみ
せる。私としては、大輝が何か余計な事を言い出しかねなくて嫌だったが、別府君にそ
う諭されては、黙るしかなかった。

5232/7:2012/05/12(土) 17:36:19 ID:???
「あのさ。ねーちゃんって、普段学校ではどんな感じなんですか?」
『ちょ、ちょっと、大輝』
 質問の内容に、私はまた、慌てて止めようとした。学校での私を家族に知られるのも
嫌だったし、家での私を別府君に知られたくも無い。しかし大輝は私を全く無視して、
ワクワクした顔で別府君を見ていた。
「うーん…… 大人しくて、真面目で……友達と話してる時も、はしゃいだりする事は
なくて、休み時間も本とか読んでる方が多くて、イメージで言えば物静かな感じってと
ころかな?」
 別府君が語る私のイメージに、私自身もついつい真剣に聞き入ってしまった。別府君
が見ていた私のイメージが、私がそうありたいと願っていた姿に近かったのでホッとす
る。しかし、次の大輝の一声が、またも私を慌てさせた。
「へーっ? ねーちゃんが、物静か……ねえ?」
「あれ? 何か意外だった?」
 キョトンとする別府君に頷き、大輝が何故か得意そうな顔で答え始める。
「だって、物静かって…… ねーちゃんてさ。家では……」
 恐れていた事態に、私は即座にチョコを一つ手に取ると、抜く手も見せずに大輝の顔
に向かって投げつけた。それは的確に大輝のおでこを捉える。
「あいてっ!!」
 咄嗟におでこを押さえ、大輝が私に向き直った。
「何すんだよ、ねーちゃんっ!!」
『余計な事言わないの。人様に身内の恥を晒してどうするつもりなのよ。貴方は』
 てっきり、まだ言い返してくるかと思ったのに、大輝はいきなりプッと吹き出した。
「……貴方……だって……普段ぜってーそんなこと……って……やっべ……超おもしれー……」
 決めた。別府君が帰ったら、大輝は絶対にシメる。もうただでさえパジャマ姿での応
対で十分恥を晒しているのに、この上家での私をあれこれバラされたら、もう別府君の
顔をまともに見ることすら出来なくなってしまう。女の子の恥を、しかも密かに想って
いる人にバラそうとしたらどういう事になるか、大輝にはきっちり教育しなければ。
『勝手に笑ってなさい。いっそそのまま笑い死ねばいいわ』
 そう吐き捨ててから、別府君を見ると彼は興味津々な様子で私達を見ていた。
『何? 私のことジッと見て。何かあるの?』

5243/7:2012/05/12(土) 17:36:45 ID:???
 何か嫌な予感に駆られつつ聞くと、別府君はハッとした顔になり、それから慌てて答える。
「いやその……委員長がさ。何かこう……弟さんと絡むのって、何か意外な感じだな」
 そう感想を漏らす別府君に、私はワザとらしく呆れたため息をついた。
『確かに、弟がいるなんて言った事はないけどね。でも別に全然意外でもないと思うけ
ど。というか、弟がいて何か悪い?』
 厳しい言い方で相手の意見を封じ、同時に興味も殺ごうとした。別府君は急いで弁解する。
「ああ、ゴメン。気に触ったかな……? 今まで、委員長と弟っていうイメージが無かっ
たからさ。しかも、性格真逆で、快活な感じだし」
『真逆で快活って……じゃあ私は暗いってこと?』
 揚げ足を取ってみせると、別府君は慌てて否定する。
「いや。暗いとはちょっと雰囲気が違うと思うんだけど……笑う時も絶対大笑いとかし
ないしさ。上手く言えないけど……」
 その時、またしても大輝が口を挟んでくる。
「へーっ。姉ちゃんってさ。家だと普通にしゃべるんだけどな。ていうか、どっちかっ
てと怒ってばっかだけど。あ、あとお笑いの――」
 調子に乗ってしゃべる大輝に、私は慌てて立ち上がって背後に回ると、手で口を押さ
えて封じた。もがこうとする大輝を押さえつけ、耳元に口を近付けると、別府君に聞こ
えないよう小声で脅した。
『アンタね。これ以上余計な事言ったら、絶対許さないから。後で死ぬほど酷い目に遭
わせるけど、いい?』
 弟と姉とはいえ、大輝はまだ中学生でしかもすばしっこいが背も小さく力もそんなに
強い訳ではない。まだ、知恵を使えば色々と逆襲は出来るし、力技以外でも、弟を酷い
目に合わせる方法はいくらでもある。
『全く…… 病み上がりなのに余計な運動させないでよ』
 大輝を放し、ソファに戻ると大輝がつまらなそうに文句を言った。
「ちぇっ。ゴメンね、別府さん。姉ちゃんの事、色々話したかったけど、言ったら殺すって」
『ちょっと、大輝っ!!』
 瞬時に私は、大輝を睨み付ける。せっかく小声で言った事を一言でバラされたら、何
の意味もない。しかも、余計大げさに言ってるし。

5254/7:2012/05/12(土) 17:37:10 ID:???
「ハハハ。怖いな委員長」
 冗談交じりに言って、別府君が笑う。ほら。変な印象植え付けられたじゃない、と私
は内心舌打ちする。
『もう、いい加減邪魔しないで向こう行ってなさい。いいわね?』
 強い口調で大輝に命令すると、大輝は不満そうに口を尖らせた。
「何だよ。せっかく姉ちゃんの面白い話が出来ると思ったのに。つまんね」
『人をネタにして面白がるんじゃないわよ、このバカ!!』
 リビングから出て行く大輝に後ろから怒鳴りつけてから、私は両肘を膝の上に乗せて
前屈みの格好でため息をついた。
「ゴメン。何か、余計な事色々話しちゃったみたいで」
 済まなそうな顔で謝る別府君を見て、私は軽く首を横に振る。
『いいわよ。元々は家に上げた母と、余計な事ばかりしゃべる大輝が悪いんだから。も
っとも、それに乗った別府君にも責任ないとは言えないけどね』
 それを聞いて、うぐ、と別府君が呻く。どうも私には、多少なりとも別府君のせいに
する癖が付いているようだ。これは少し、反省する余地がある。
「だからゴメンって。それより、委員長少し疲れてない?」
 もう一度頭を下げてから、今度は気遣うような顔をして、別府君が私を見た。
『うーん……そうね。少しは……』
 言いかけて、私ははたと迷う。ここで疲れたと言ってしまったら、別府君が帰ってし
まうのではないだろうかと。それは残念だが、しかし一方ではこのまま家にいられると、
私の本性がますます明らかになってしまう危険性も十分にある。葛藤の末に、私は決めた。
「どうしたの?」
 途中で言葉を切った私を不審に思ったのか、別府君が聞いてくる。それに私は首を振っ
て言った。
『ううん。やっぱりちょっと疲れてるみたい』
 口に出してしまってから、やっぱり少し後悔する。しかし、すぐに私は思い直した。
こんな状況で下手に本性を曝け出すくらいなら、今日は我慢した方がいい。これできっ
かけは出来たんだし、欲張らない方がいいと。
「そっか。やっぱり病み上がりだもんね。ちょっと、無理させちゃったかな?」
 予想通り、申し訳無さそうな顔を見せる別府君に、私は首を横に振った。

5265/7:2012/05/12(土) 17:37:33 ID:???
『無理してるって思ったら、その時点で即、お帰り願ってるわよ。何で私が別府君相手
に無理して接待しなくちゃならないのよ』
「アハハ。そりゃ、確かにそーだ」
 いつもと変わらぬ毒舌を吐いた私に、別府君が安心したように笑う。それから、傍に
置いてあったバッグに手を掛けて引き寄せた。
「でも、いつまでも委員長に相手させて、万が一ぶり返させたらマズイし。今日はここ
で失礼することにするよ」
『そう。なら、玄関まで送るわ』
 努めて冷静に、私は頷いて立ち上がった。続いて別府君も立ち上がり、キッチンの方
に声を掛けた。
「すみません。今日はお世話になりました。お茶とお菓子ありがとうございました。美
味しかったです」
 すると、母が顔を出し、笑顔を見せた。
『あら? もう帰っちゃうの。ごめんなさいね、大したおもてなしも出来なくて』
「いえ。とんでもないです。本当にご馳走になっちゃって」
 ペコリと別府君が頭を下げた。普段、学校でしか見てないからか、私は意外と礼儀正
しい一面を彼が持っていることに驚くと共に感心する。
『いいええ。良かったらまた遊びに来て。涼香も喜ぶでしょうし』
「喜ばないわよ」
 典型的な挨拶の言葉とはいえ、我慢出来ずに小さくツッコミを入れると、即座に母の
お叱りが飛んで来た。
『こら、涼香。そういう事は言わないのっ!!』
『知らないわよそんなの。大人の嘘に付き合ってられないわ』
 ツン、とそっぽを向く私に、母が呆れた声を出した。
『全くこの子ってば、いつまで経っても子供なんだから。少しは別府君のしっかりした
態度を見習いなさい』
「あ、いえいえ。僕の方こそ委員長――涼香さんには、いつも迷惑ばかり掛けてますから」
 私はチラリと横目ではにかんだ笑顔を見せる彼を見た。今ちょっと、名前で呼ばれた
事にドキリとしてしまったのは秘密だ。
『もういいでしょ。行くわよ』

5276/7:2012/05/12(土) 17:37:56 ID:???
 別府君の方に手を伸ばし、手首を掴むと私は軽く引っ張って促す。
「あ、ああ。それじゃあすみません。今日はこれで失礼します」
 もう一度お辞儀をする別府君に、母は微笑みながら頷いてみせた。
『ええ。じゃあまた、是非』
 二人のやり取りを終えるまで待ってから、私と別府君は玄関に戻った。無言で靴を履
く別府君を、私も無言で見守る。それから立ち上がると彼は、私に向き直った。
「今日はゴメン。軽くお見舞いというか、様子窺うだけのつもりだったのに、却ってい
ろいろとお世話になっちゃって」
『……まあ、仕方ないわ。悪いと思ってるなら、私が学校に出てから、何か軽い埋め合
わせでもして。それで清算にしましょう』
 無愛想な言い方をしたが、私はちょっぴり期待を込めてはいた。これでまた一つ、別
府君と繋がりが保てる。彼とこうして約束を続けていければ、少しずつ、親密度も増し
ていけるのかもしれない。
「了解。それじゃあ、委員長が気を遣わない程度のお礼を何か考えとくよ」
 ニッコリと笑って頷く彼に、真顔で私も頷き返す。
『急ぐ必要はないわ。どのみちそんなに期待もしてないし』
「そんな事言わないでくれって。まあ、期待され過ぎても文句言われるから困るけど、
少しくらいは期待してくれた方が、こっちもやる気出るってもんだぜ」
『だから、そんなに、って言ったのよ。分からない?』
 言い方によって受け止められ方が変わるけど、ほぼ同じ意味の事を言っていると仄め
かすと、それに気付いて別府君が頭を掻いた。
「いや、ゴメン。まあ、その……そういう事ならいいんだ。うん」
 済まなそうな態度で謝る彼を見るといつも、もう少し柔らかな物言いすれば良かった
かなと反省する。しかし、いつもそれは、口に出してしまった後の事だ。軽く自己嫌悪
に陥りつつ、だから私はいつものように、それにはもう触れずに話を先に進める。
『まあ、明日からは普通に学校行けるから。もう安穏とした日々はないと思いなさいよね』
 私としては冗談交じりに言ったつもりだったのだが、全くユーモアがなかったらしく、
別府君は慌てて手振りでそれを否定した。
「いやいやいや。今までもちゃんとやってたから。ホントだって。明日来れば分かるし」

5287/7:2012/05/12(土) 17:38:24 ID:???
 私はフン、と鼻を鳴らす。半分はその言葉の信憑性を疑って。残りの半分は冗談が下手くそだった事に対して。
『そうね。じゃあ、明日を楽しみにしてるわ』
 私の言葉に、別府君が頷く。それがキッカケになって、彼はバッグを肩に掛けて手を
軽く上げた。
「ああ。それじゃあ……また、明日な」
『ええ。また明日ね』
 別府君がクルリと踵を返す。玄関のドアハンドルに手を掛け、回す。そして、私の見
ている前で、彼はゆっくりと外に出て、最後に私の方を振り返って笑顔で手を振ると、
ドアを静かに締めた。



続きます。

529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/13(日) 01:11:15 ID:???
慌てるいいんちょは可愛いのう
GJ!!

5301/3:2012/05/20(日) 02:09:28 ID:???
【ツンデレと一緒に弁当を食べたら】

 昼休み、とある人物を探して中庭をぷらぷら歩いてると、目的の人物を木陰で見つけた。
「よっす先輩」
「…………」
 先輩は俺を一瞥しただけで、視線を元に戻してしまった。
 小学生みたいな見た目だが、驚くべきことに年上だ。そんな先輩が足を投げ出し、芝生の上に座り込んでいる。そして、そのちんちくりんな体躯とは正反対の大きな弁当箱を広げていた。
「今日も弁当箱がでけーな。隣いいか?」
「…………」(ぷるぷる)
「許可を得たので座らせてもらおう」
 先輩が『許可なんて出してない』という感じのじとーっとした視線を向けてきたが、気づかないフリをしつつ先輩の隣に腰を下ろす。
「俺も飯を食いに来たんだ。先輩、よければ少し俺の弁当と交換しないか?」
 先輩はしばし逡巡すると、こっくりうなずいた。
「よし、この漬物を生贄に捧げ、先輩のハンバーグを召喚する!」
 先輩が俺の手をかじりだしたので、トレードは拒否されたと見ていいだろう。この先輩は八重歯が異常に尖っており、野生動物に噛まれるが如き痛みなので噛まないで欲しい。
「あいたた……分かった、分かったよ。先輩、どれ食べたい?」
 弁当箱を見せると、先輩は腕を組んでじっくりと考えだした。その隙に先輩の弁当を見る。なんか全体的に茶色い。女の子の食う弁当じゃない気がする。でも美味そうだ。コロッケをひとついただく。
「……? ……っ!!!」
 ばれた。先輩は俺の口元のコロッケを見て、驚愕の表情を浮かべている。
「あ、いや、おいしそうだったので、つい。てへ、ごめりんこ☆」
「…………」
 静かに先輩が涙をこぼした。
「うええっ!? ごっ、ごめん先輩! まさか泣くとは思わなくて! 俺が全面的に悪かった! だからどうか泣き止んで!」
「…………」
「えっ? 弁当全部くれたら許すって? ……いや先輩、流石にそれは……」
「…………」(涙じわーっ)
「分かった、分かったから泣かないでっ!?」
 そう言うなり、先輩はニコーっと笑った。嘘泣きなのか。魔女め。
 とはいえ、言ってしまったものは仕方ない。粛々と先輩の弁当箱を渡す。
「♪」

5312/3:2012/05/20(日) 02:09:49 ID:???
 先輩はご機嫌な感じで俺の昼飯をもがもがと貪り出した。
「はぁ……なんてこった。折角先輩と一緒に飯を食おうと思ったのに、よもや昼抜きになろうとは……」
 先輩の動きがぴたりと止まった。
「ん? どした先輩?」
「…………」
「え、わざわざ私とご飯食べに来たの、って? あー、うん、まあそのような感じ。結果はけんもほろろだけどな」
 先輩はしばらく黙って何やら考えた後、俺の弁当箱を勢い良くこちらに向けた。慣性の法則により、中の漬物がどういうわけか俺の両目にうまいこと直撃、前が見えねえ。
「目が、目がぁ〜!」
「……! ……!」
 痛くて目を開けられないが、何やら先輩が慌てている気配を感じる。
「大丈夫だ先輩。味は抜群だが目に入ると失明する恐れのある添加物を入れた漬物が目に当たってしまったが、大丈夫だ」
 先輩の慌てっぷりが増した気配がする。
「嘘だよ、嘘。今日も先輩は騙されやすくていいなあ」ナデナデ
「…………」(がぶがぶ)
 目を拭いて先輩の頭をなでたら、復讐とばかりに噛まれた。
「それにしても、よもや慣性の法則アタック(属性:漬物)をしかけてこようとは。今日も先輩は侮れないな」
 ぽふりと先輩の頭に手を乗せつつうんうんうなずいてると、『そんなつもりじゃない』という呟きが耳に届いた。
「で、どしたんだ? 弁当箱をこっちに向けたりして」
「…………」
「え? 一緒に食べる? いやでも先輩、さっき俺の弁当全部よこせって」
「…………」(ぷるぷる)
「いや、ぷるぷるじゃなくて、さっき」
「…………」(ぷるぷる)
「……はぁ。言ってないのな?」
 先輩は無表情にコクコクうなずいた。
「んじゃ、改めて一緒に食うか、先輩?」
 先輩は小さな笑みを浮かべながら、再びコクコクうなずいた。
「相変わらずロリ心を刺激する物体だなあ、これは」ムニムニ
「……! ……!」
 なんか可愛かったので先輩のほっぺを引っ張ったら怒られた。

5323/3:2012/05/20(日) 02:10:09 ID:???
「ロリ心なんて刺激するはずない? ないすぼでーなお姉さんをいじめるな? 先輩、無乳はないすぼでーではないと何度言ったら」
 先輩の胸は貧乳を通り越して隆起など皆無と言っていいほどつるぺたなので、いつもこのように俺にいじられる。
「…………」(がぶがぶ)
「先輩、痛い」
 そしていつものように俺の背後に回って頭をかじるので、やめてほしい。
「まったく、先輩には困ったものだ」
 戻ってきた先輩の猿もかくやと思える動きで確保し、膝に乗せて抱っこ。しかるのち頭をなでなで。この一連の所作大好きです。
「…………」
「抱っこするな? そうしたいのは山々なんだが、断る」
「…………」
 先輩が普通に絶句した。
「それにしても先輩は可愛いな。娘とかにしてえ」
「…………」
「娘じゃなくて彼女? いやいや、俺と先輩じゃどう見ても親子にしか見えないだろう。あ、大丈夫です、俺には娘萌えも備わっていますから!」
 先輩が俺をクソ虫を見る目で見てきた。
「…………」
 それどころか実際に言われた。
「なんでこの小さいのは見た目は可愛いのにこんな口が悪いかなあ」
 とりあえず復讐とばかりに先輩のほっぺを引っ張る。
「…………」
「触るな変態? そう言うがな、先輩。俺はいつだって先輩を触りたいし、そして変態なのはもう諦めてください」
 先輩の目と口の動きが俺をクソ虫だと言い切る。
「ええい、口の悪いちびっ子め。そんな口が悪いといたづらしないぞ!」
「……! ……」
 一瞬焦った先輩だったが、好都合だったことがばれたようで、死ねと言われた。
「……分かった、俺も男だ。あと7、80年後に死ぬよ」
「…………」
「寿命禁止? なんて厳しい。とりあえず飯でも食いながら俺の死因を探さないか?」
 といった感じで、今日も先輩と一緒に仲良く弁当を食ったのだった。

533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/20(日) 10:22:02 ID:???
>>532
ロリッ娘無口先輩可愛いなあ
GJ!!

534以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/20(日) 14:56:37 ID:???
ロリっ子に腹上死しられるとか胸熱

535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/20(日) 22:45:53 ID:???
週刊いいんちょ

>>521-528の続きです

5361/4:2012/05/20(日) 22:46:20 ID:???
・風邪を引いて休んだツンデレの家に男が見舞いに来たら その5

『フゥ……』
 緊張が一気に解け、私はその場に腰を下ろした。
『全く……生きた心地がしなかったわよ……』
 何だか電池が切れたかのように疲れが襲ってくる。しかし、まだこの疲れに身を委ね
る訳には行かない。やる事がまだ残っているのだ。
『友紀に電話して、思いっきり文句言ってやらなきゃならないけど、とりあえずそっち
は後にして……と』
 もう一度気力を奮い起こすと、私は立ち上がってリビングへと戻った。
『大輝っ!!』
 私達が出た後で、リビングに戻ってマンガを読んでいた大輝に、私は怒鳴った。
「何だよねーちゃん、うるさいなー」
『うるさいな、じゃないっ!!』
 つかつかと早足で大輝に近付くと、前屈みに睨み付けた。
『アンタね。何だってクラスの男子の前で、人のプライベートをいちいちしゃべろうと
すんのよ。デリカシーが無いにも程があるわっ!!』
「だーって、ねーちゃん面白かったんだもん」
 マンガを置いて私を見上げた大輝の顔には、からかうようなニヤニヤ笑いが張り付いていた。
『面白いって何がよ?』
 返答次第によってはただでは置かないと凄みを利かせるも、大輝は全く意に介す事な
く、人のモノマネをする。
「……別に。ただ面白いから面白いって答えただけよ。何か問題でもあるのかしら?」
『ぐぬぬ……』
 澄ました顔で、クールな私を演技してみせる大輝に、私は思わず歯噛みした。大輝の
バカにした態度を、どうやってとっちめてやろうかと考える。
「ねーちゃんって、学校であんななんだな。お澄まししてれば美人に見えるってもんで
もねーのに」
 その言葉に、ついに私の怒りは頂点に達した。

5372/4:2012/05/20(日) 22:46:42 ID:???
『この……大輝いーっ!!』
「おわっ!? な、何すんだよねーちゃん」
『何すんだじゃない!! 散々人をバカにしてっ!! 姉をバカにするとどうなるか、
思い知らせてやるわっ!!』
 とにかく大輝をとっ捕まえて、痛めつけなければ気が済まない。スルリと私の腕を抜
けて逃げる大輝を、私は素早く追いかける。
「ちょっ!! ねーちゃん、まだ暴れちゃダメだろが!! 病人のクセに」
『うるさい知ったことかあっ!! そう思うんだったら大人しく捕まんなさい!!』
「冗談言うなよ。姉ちゃんてば、下手に手加減知らないんだから」
 キッチンを抜けて廊下に逃げる大輝を、駆け足で追うと母の怒声が背中に飛んで来た。
『ちょっと!! 何やってんの二人とも!!』
「大輝捕まえるだけ!! すぐ済むから」
 そう言葉を投げ返しつつも、私は手を伸ばして大輝を捕まえようとする。廊下の入り
口では失敗したが、玄関脇にある二階への階段を上ろうとしたところで大輝がけつまずく。
「あイタッ!!」
 ぶつけた足を押さえたその瞬間を逃さず、私は大輝の服を掴む。そのまま引き寄せて
背後から抱きかかえる。
『さあ、捕まえたわよ。どうしてくれようかしら』
 生意気な弟を〆るために、痛めつける方法はいくつも勉強している。その場で引き摺
り倒して私は、大輝をガッチリ捕まえる。
「離せよ、バカ。離せってば!!」
『自業自得よ。さあ、何がいい? こめかみに梅干しやってみる? それとも、顔面マッ
サージとか』
 軽めに指で大輝の眉間の脇をグリグリマッサージしてやると、大輝が痛みで身をよじった。
「痛いってば、ねーちゃん!! 止めろよな」
『こんな程度で止めるわけないでしょ? クラスの男子の前で人に恥かかせるような真
似して、絶対に許さないんだからね』
「アイテテテテテ!!」
 足で体をホールドしてから、背後から両手を使って顔面のツボを思いっきり押してや
る。これって自分でもやった事があるが、かなり痛いのだ。

5383/4:2012/05/20(日) 22:47:02 ID:???
『ほら。まずはキチンと謝れ。じゃないともっと痛めつけるからね』
「痛い痛い。痛いってば!!」
 私に似て、大輝も結構頑固だから多少痛めつけたくらいじゃ折れないのは承知の上。
そう思って更に力を込めたところで、再び母の怒声が響き渡る。
『アンタ達いい加減になさいっ!! 玄関先で何ふざけてるの。特に涼香。アンタ病み
上がりなのよ? 分かってる?』
『分かってるってば。けど大輝が――』
 言い返そうと口を開くが、途中で母の怒鳴り声にかき消される。
『けどじゃありませんっ!! 大体、玄関先でなんて、よその人に見られたら……』
 母の声のトーンが急に下がり、言葉が掻き消えて行く。驚いたような母の顔に、私は
咄嗟に玄関の方に振り返り、そして凍りついた。
『あ……』
「す、すみません。あの、ベル鳴らしたんだけど……」
 玄関先に立っていたのは、もうとっくに帰ったはずの、別府君だった。
『あ……あ……』
 言葉が何にも出て来ない。思考が物凄い勢いでグルグルと回るが、上手く考えがまと
まらない。
「ちょっと、携帯忘れちゃって、それで……いや、あの、無断で入るつもりはなかった
んだけど……いるはずなのに、全く返事がなかったからおかしいなって……それで……」
 言い訳めいた別府君の言葉も、全く私の思考に届かなかった。混乱した頭が徐々に一
つの重大な結論に辿り着く。それは――
――別府君に見られた。別府君に見られた。見られた。別府君に――
『い……やあああああああっ!!!!』
 私は大輝の事なんて忘れて立ち上がると、早くこの場から消え去りたい思いで、一目
散に階段を駆け上がった。そのまま、自室まで辿り着くと、部屋のドアを開けて飛び込
み、勢いよくドアを閉めて外界を遮断してから、私はベッドに飛び込んだ。
『何で…… 何で別府君がいるのよ……信じられない……』

5394/4:2012/05/20(日) 22:47:32 ID:???
 これで、クールで理知的なイメージは台無しになってしまった。別府君がみんなに言
うかどうかなんて問題じゃない。人前で話すのが苦手なのを逆手に取って、中学に入っ
た時から積み上げてきた学校での自分の姿。それをよりにもよって別府君の前で、崩壊
するような事をしてしまった。
『もうダメ……絶対変に思われる…… もし、別府君が今までの私を少しでも好きでい
てくれたとしたら、幻滅したに決まってる……』
 恥ずかしくて恥ずかしくて、私は堪え切れずに悶絶した。自己嫌悪で死にたくて堪らない。
『あああああっ!! 友香にだって見せたことないのにぃ……何でバレるのが別府君な
のよ。もうヤダ……ヤダヤダヤダッ!!』
 別府君の、驚いた顔を思い出す。その表情から察せられる彼の考えまでは分からない
けど、よく思うなんてないはずだ。
『うぐぅ…… 明日っから、学校行けないよ……もういっそ、このまま休み続けちゃおうかな……』
 別府君の事だから、あからさまにはバカにしないだろうけど、もう彼の目の前で凛々
しい態度を取った所で、見せ掛けの演技だってのがバレバレになってしまう。それが分
かってるのに、今までのように接するなんて出来ない。
『どうしよう……それとも、いっそ転校とか……』
 自分の思い付きを真剣に考えてみようと思った、その時ドアが静かにノックされた。
『うるさい。一人にして。今誰とも話したくない!!』
 どうせ母親だろうと突っ撥ねたが、返って来たのは、意外な声だった。
「委員長。いい?」
 その声は、別府君の声だった。


続く

540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/21(月) 00:42:15 ID:V.joO6BI
GJ!
委員長かわいい

541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/21(月) 00:54:59 ID:???
委員長かわゆいなあもう

542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/21(月) 01:20:57 ID:???
怒った委員長もかわいいよちゅっちゅ

5431/2:2012/05/31(木) 19:30:51 ID:???
【ツンデレを後ろからなでたら】

 だらりだらりと登校してると、見覚えのある頭がゆらゆらしてたので、後ろからなでてみた。
「……この手の動き、そしてこの放射される波動。タカシとみた」
「当たり」
 頭がくるりと振り返る。見慣れたちなみの顔が現れた。そのままなでり続行。
「つーか、なんだ波動って」
「……タカシの手から放たれる殺人光線?」
「知らぬ間に殺人鬼に成り果てていようとは。ちなみ、俺がこれ以上罪を重ねないよう、その手で俺を止めてくれ……!」
「分かった。殺す」
「少しくらいためらいがほしいですよね」
「……うーん。よし、殺す」
「葛藤が軽い! 愛しの人を殺すのだから、もうちょっと悩んで!」
「……別に愛しくない。むしろ、タカシがいない方が世界のためだ」
「酷い言われようだ」
「……タカシがいないと、世界中のようじょがのびのび出来て幸せだ」
「別に今でものびのびすればいいのに。さんはい」
「……私はようじょではない」
「小さいのに?」
「……小さいのに」
 そう言いながら、さりげに俺の足をグリグリと踏んでくる。気にしていないようで気にしているようだ。
「……中学生に間違われるのはともかく、小学生に間違われるのはありえない」グリグリ
「その怒りをここで発散しないで」
「……背か? 胸か?」
「どっちもです」
「…………」グリグリグリ
「そろそろ足の甲に穴が空きそうな具合です」
「……ヒモを通して携帯するのに便利」
「非常食扱いするのやめてください」

5442/2:2012/05/31(木) 19:31:11 ID:???
「……なら、いい加減私の頭をなでるのを止めるべき」
「ん? おお、そういえばずっとなでてたね」ナデナデ
「……無意識の領域か。今日もタカシは私が好き過ぎる。その想いが届くことなど未来永劫ありえないというのに」
「いや、別に好きではないです」
「…………」グリグリグリグリッ
「痛い痛い痛いっ! 踏むな! 百歩譲って踏んでいいとしても、踵で踏むな!」
「……私のことを好きなくせに好きじゃないフリをする。……ツンデレとでも呼んで欲しいのか」
「いや、だから別に」
「……やーいツンデレ。ばればれだっちゅーの」
「いや、古すぎるうえ、胸をよせてもお前には無理だ。0はいくらかけても0のままなんだ」
「……貧乳が好きなくせに、貧乳を貶める。……こんなところにまでツンデレの弊害が」
「お前もうツンデレって言いたいだけだろ」
「……少し」
 なんでちょっと恥ずかしそうなんだ。
「まあいいや。ほれ、一緒に行こうぜ」
「……でも、一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし」
「ときメモるな。そして今は下校ではなく登校中だ」
「……じゃあ安心だ」ギュッ
「ええっ!?」
「……うるさい」
 迷惑そうな顔でじろりと睨まれた。いやしかしそれどころではなくて!
「な、なんで手を握るのでせうか」
「……一緒に学校に行く場合は、友達に噂とかされないので恥ずかしくないから」
「いや、手を握ったりなんてしたら噂はされると思うのですが」
「……それは盲点だった」
「しまった、こいつ思ったより馬鹿だ!」
「……そういうこと言うと、手を離す」
「なるほど、じゃあ言わない」
「……ん」
 そんなわけで、なんか知らんがおててつないで学校へ行くことになった。でもちなみの手がやわこいからいいや!

545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/01(金) 00:16:20 ID:???
ちなみんは可愛いなあ

546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/01(金) 23:32:49 ID:???
ふにふにのおててにぎにぎしたい

547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/02(土) 11:39:51 ID:???
ちょっと間が空いたけど、>>535-539の続き


……先週投下した気でいたけど、投下準備だけして出掛けてしまった事にあとから気付いたぜと

5481/5:2012/06/02(土) 11:40:33 ID:???
・風邪を引いて休んだツンデレの家に男が見舞いに来たら その6

 私はガバッと体を起こしてドアを見る。しかし、次の瞬間には再び、毛布を頭から被っ
て両耳をも覆った。
『良くない!! お願い、帰って。今、会いたくないの!!』
 しかし、私に拒否されたくらいでは、別府君は諦めなかった。
「話がしたいんだ。その……何で逃げ出したのかとか、聞きたい事もあるし…… もし、
何か勘違いしてるんだとしたら、その……誤解は解いておきたいから……」
『別に誤解なんてしてないし、見ての通りよ!! もういいでしょ? 帰ってよ。ね……』
 別府君の声を聞くと辛くて堪らなくなる。これ以上、傷口を広げないで欲しい。何で
学校では演技してたのかとか、事情を説明すればするだけ、自分のダメな部分を知られ
ていくだけだ。しかし、耳を澄ませても別府君が一向に立ち去る音はしなかった。
『……どうして帰らないのよ。帰ってって言ってるのに』
 ドアの向こうの彼に問い質す。ややあって、別府君の答えが返って来た。
「……だってさ。このまま別れたら、明日から絶対気まずくなんじゃん。それはちょっ
とイヤだなって思って。だから、ちゃんと話しておかないと」
 別府君が気にして声を掛けに来てくれたのは、それはそれで嬉しい。だからと言って、
気まずくならないなんて無理だ。彼はともかく、私の方が顔を合わせられない。だから
私は、無愛想な口調で突っ撥ねた。
『別に話す事なんて……何もないわよ。見ての通りだもの。好きに思ってくれていいわよ』
 一瞬、彼の返事まで間が空く。このまま帰ってしまうのではないかとドキリとしたが、
少し経ってから、落ち着いた声で別府君の返事があった。
「……じゃあ、好きなように思っていることを話すからさ。独り言だから、委員長が聞
きたくないって言うのなら、聞かないでもいいよ」
 こういう言い方ってズルイと思う、と内心私は愚痴を言う。だって、聞かなくていい
なんて言いながら、気を引く方向に持って行くんだから。しかし、私は何も言わずに黙
って次の言葉を待った。ややあって、彼が言葉を続ける。
「……委員長はさ。イメージが崩れたとか、そういうのを気にしてるんだと思う。いつ
も冷静で凛々しくて、キリッとしている女性に憧れていて、そうなりたいと思っている
から、理想から離れた、家での自分を見られたくなかったってそういう事なんだろうなって」

5492/5:2012/06/02(土) 11:40:53 ID:???
 別府君の言い分は、当たらずとも遠からずという所だった。私は単に臆病な自分を隠
したかっただけで、彼の持つイメージは後から付いて来たものだ。だけど私は敢えて否
定しようとはせず、黙って彼の言葉を聞き続けた。
「けどさ。誰だって普通は、家と外では全然違う自分がいると思うんだ。もちろん俺だっ
てそうだし。だから、そんな事でおかしいとか、みっともないなんて、そんな事は全
然ないと思うよ」
『……本当に、そう思ってるの?』
 私は立ち上がり、ドアの向こう側の彼に向かって聞く。少しでも動揺が声に出ている
ようなら、信用しないと決めて。しかし、彼の答えは明確だった。
「うん。思ってるよ。それに、素の自分を見られるのが恥ずかしいって言うのは、それ
も分かってるし。けれど、俺は委員長が家では弟とふざけ合ったりしてたとしても、そ
れはそれで当たり前の事だと思うし、そういう委員長も新鮮でちょっといいかなとも思ったり」
『え?』
 褒められるとは想像もしていなかったので、私は驚いて聞き返した。すぐに別府君の
答えが返ってくる。
「いや。そういうギャップもいいかなって。学校ではクールで真面目な委員長が、本当
に親しい間柄の人の前では感情を表に出して笑ったり怒ったりするってのもね。それに、
根っ子の生真面目さは全然変わってないし」
 最後の一言に、ちょっと笑いが含まれているのを敏感に感じ取り、私は少しムカッと
した気分になり、不機嫌そうに聞いた。
『……それって褒めてるの? それともからかっているの? どっちよ?』
 すると一瞬間が空き、それから慌てたように別府君が弁解してきた。
「いやいやいや。可愛いなって褒めてるんだって。ただ、話してるうちに今日の委員長
の態度を思い出してさ。家での自分をダメだなんて思うところまで、いかにも完璧主義
の委員長らしいなって思ったら少しおかしくなっただけで」
『やっぱり、ちょっとバカにしてる。可愛いってごまかしてるけど、本当は面白いのが
正解なんじゃないの?』
 可愛いと言われた気恥ずかしさから、それをつい否定して私の頭はバカにされてる方
へと転換してしまう。しかし、今度はすぐさま別府君も否定し返してきた。

5503/5:2012/06/02(土) 11:41:13 ID:???
「本当だって。今にして思えば、地を出すまいと弟さんの前で頑張ってたんだなって分
かるとさ。それも余計に可愛く思えてきて」
『嘘よ。絶対からかってるわ』
「嘘じゃないってば。ドアを開けて、俺の顔を見てくれよ。マジだって顔してるから」
 その提案に、私は躊躇する。こんな状態で面と向かって別府君と相対したら、恥ずか
しくて死んでしまうかもしれない。けれど、このままじゃお互い譲れないまま、引くに
引けない状況が続くだけだ。
「大丈夫だって。俺は嘘は一言も言ってないから。せめて、俺の言う事を信用して貰え
ないと、俺もスッキリした気分で帰れないんだよ」
 最後は懇願するような口調で、別府君が説得して来る。まだ心のどこかで――いや、
むしろ全てが、恥ずかしさから逃げ出したくて仕方が無いが、同じくらい別府君の顔を
見たくなっている自分もいた。少し葛藤した後、私は決意する。
『……分かったわ』
 小さく、同意の言葉を口にして、私はドアに手を掛けた。恐る恐る、僅かにドアを開
け、隙間から別府君の姿を窺う。
「よう」
 何だか、朝の挨拶をするような気軽な口調で、別府君が片手を上げる。
『……何それ? 今日初めて会った訳でもないのに』
「いや。何となく……」
『何となくって、意味わかんないわよ。それ』
 つい、呆れたように言うと別府君は照れたように笑った。別府君も、あらたまって会
うのが恥ずかしかったのかも知れないなと思うと、何故か安堵の気持ちが湧き上がって
来る。
「ゴメン。で、どう?」
 諸々省略して、いきなり答えを求めて来た彼を、私はわざと訝しげに見つめる。
『どう?って、何がよ』
 すると別府君はたちまち困ったような顔になり、あたふたと周囲を見たり、頭を掻い
たりしてから、私の方を窺い見て、小さく聞いてきた。
「えっと、その……俺の事が信用出来るかどうかって話。もしかして……もう一度言わ
なきゃダメだとか?」

5514/5:2012/06/02(土) 11:41:33 ID:???
 それに私は、もっともらしく頷いてみせた。
『当然でしょう? ちゃんと私の顔を見て、キチンと言ってくれなきゃ判断材料になり
はしないわよ。今のこの顔だけ見て判断しろだなんて、出来る訳ないでしょう』
 我ながらちょっと意地悪いかなとは思う。しかし、あんな自分を見られてしまった後
で、こうして面と向かい合うだけでも、私にとっては相当恥ずかしいのだ。彼にだって、
同じような思いをしてもらわなきゃ、割りに合わない。
「……っと……分かったよ。じゃあ、もう一度言うからさ。ちゃんと聞いててくれよ?」
 渋い顔つきで一言前置きをして、コホンと咳払いをしてから彼は顔を上げた。その顔
には、さっきまでの照れ臭そうな様子だとか冗談めかした様な様子は一切なかった。
「……少なくとも俺は、家での委員長もありだと思う。っていうか、普通だと思うし、
むしろああいう感情を表に出してる委員長も可愛いと思ってる。本当の事だし、信じて
欲しいとも思ってるよ」
 全部を言い終えた後、別府君は僅かに視線を落とした。しかし、照れ臭そうに笑った
りはせず、むしろ不安げに私の様子を見守っていた。私はといえば、面と向かって可愛
いなどと言われ、恥ずかしくて全身が熱くて身悶えしたいくらいなのを、懸命に抑えていた。
「……どう? これでも、信じてくれないかな?」
 私の返事が無い事に焦れたのか、別府君の方から答えを催促してくる。私はその間、
一生懸命彼の言葉を反芻し、答えを言おうと努力していたのだが、途中でふと、別の疑
問が湧き上がって来た。答えは決まっていたのだが、その前にまずそれを確かめてみよ
うと決意し、私は顔をうつむかせたまま、小さな声で言った。
『……答えを言う前に……一つ、聞いていいかしら?』
「何?」
 反射的に答える彼の顔が見れないまま、私はそのまま質問に入る。
『……むしろ、普段の学校での私は……別府君にはどう思われていたのかしら?』
 彼の姿を見ていないから分からないが、空いた間が、彼の動揺を窺わせた。少し経っ
て、彼の返事があった。
「えっと……でも、それはさっき弟さんがいる前でも話したと思ったけど――」
『あれはダメ!!』
 強くキッパリと言い切ってから、私は顔を上げて彼を見た。

5525/5:2012/06/02(土) 11:42:08 ID:???
『だって、あんなのよそ行きの答えじゃない。今は私と二人きりでしょう? だから、
ちゃんと本音で話して。家での私を、認めてくれたみたいに』
「一応、嘘は言ってないつもり何だけどなぁ……」
 困ったように、彼は頭を掻く。しかし、その言葉尻を突いて、私は更に追及した。
『嘘は言っていなくても、全部は話していないって事でしょう? なら、キチンと全部話して』
 私をチラリと見て、それからまた、別府君は視線を逸らす。少しの間、迷っていたが、
やがて小さく首を振って顔を上げ、私を見つめて答えた。
「まあ、綺麗だよなって思ってた。目鼻立ちやスタイルがっていうのもあるけど、全身
にまとっていた雰囲気がさ。だけど、若干近寄り難いってのもあったかな」
 近寄り難い、というのは正解だと思う。何故なら、人とのコミュニケーションが苦手
な私が、まさに身につけたかった事だから。それでも、別府君はかなりしゃべり掛けて
来た方だと思っていたのに、やはり彼でもそう感じていた事にちょっと驚く。
「まあ、そんな訳だけど…… 今日のでやっぱり、ちょっと印象変わったかな。うん」
『どういう風に?』
 彼が言葉を切ったので、私が先を促す。少し間を置いてから、頷いて彼は答えた。
「昨日までより、親しみやすくなったなって。だからって、学校での付き合い方を変え
る気はないけどさ。何ていうか、こういう可愛い所もあるんだなって知ったおかげで、
気後れせずに話せるようになった気がする」
『……あんまり、可愛いとか言わないでよ。自分では似合ってないと思ってるんだから……』
 不満気に文句を言うと、別府君は初めて、小さく笑った。
「ゴメン。でも、ホントだよ」
『バカ……ッ!!』
 真顔でこんな事を言われて、嬉しくならない女の子なんていない。ましてや、以前か
ら気になっていた男子に言われたら余計だ。
「で、どう? 今のことも含めて、俺の言ってる事信じてくれたかな?」
 もう一度彼が、今度は堂々と私の様子を窺うように聞いてくる。多分、恥ずかしい事
を言わされて却って気持ちが開き直ったのだろう。一方で私は、聞いたせいでより恥ず
かしくなってしまった。しかし、もう逃げる事は出来ない。それなのに、私はこの期に
及んで悪あがきをした。
『……答える前に、二つ……条件を付けてもいいかしら?』


続く

553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/02(土) 15:38:21 ID:???
うへええええGJ!

554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/02(土) 20:42:34 ID:???
いいんちょぺろぺろ

555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/04(月) 00:52:52 ID:???
先週サボったので、今週は二回目のいいんちょ
>>547-552の続き

5561/4:2012/06/04(月) 00:53:46 ID:???
・風邪を引いて休んだツンデレの家に男が見舞いに来たら その7

「また?」
 特に嫌そうでもなく、ごく自然な感じで首を傾げる彼に、こっちの方が恥ずかしくなっ
て、私はつい憤慨してしまう。
『いいでしょう別に!! こっちだってもう十分、知られたくないこと曝け出しちゃっ
ているんだから!!』
「分かった分かった。とりあえず言ってごらんよ」
 両手で私を制し、別府君がなだめてくる。とにかくも、聞いてくれると言ってくれた
ので私は矛を収め、髪を軽くかき上げてから言った。
『……一つ目は、家での私の事は、誰にも話さないで。やっぱり、あんまり人に知られ
たくない事じゃないから』
 これは即答で了承されるかと思ったのに、意外と別府君が難しそうな顔をしているの
で、私の心に疑念と不安が湧いた。
『どうしたの? まさか、誰かに話すつもりだったとかじゃないでしょうね?』
 すると慌てて別府君がそれを否定する。
「いやいやいや。そんなつもりは無いし、決して揶揄したり面白おかしくうわさ話を広
めたりするつもりもないから」
『じゃあ、何で答えを迷ったりしたの?』
 そこを追求すると、彼は少し気恥ずかしそうに顔を背けて、小さく答えた。
「いや、その…… もし誰かがさ。委員長って冷たくて近寄り難い感じだよなって言っ
たら、そんな事はないよって。委員長ってこういう可愛らしい所もあるんだよって反論
しちゃいそうだなって思ってさ」
『そんなの、絶対にダメ!!』
 私は慌てて、別府君を制する。それならまだ、バカにされた方が余程マシだ。別府君
に可愛らしさを主張なんてされたら、本当に恥ずかし過ぎて学校に二度と行けなくなってしまう。
『いい、分かった? どんな状況であれ、家での私を人に話したりしたらダメだから
ね!! 条件云々係わらず』
「わ、分かった。分かったよ!! 何とか努力してみせるからさ」

5572/4:2012/06/04(月) 00:54:23 ID:???
 今にも掴みかからんばかりに詰め寄る私に、別府君はたじたじとなってニ、三歩交代
しつつ、何度も頷く。
『本当よね? 約束だからね?』
 それに頷くのを確認して、ようやく私は元の落ち着きを取り戻し、彼との距離を離す。
それを見て取り、別府君がホッとため息をついた。
「で、二つ目の条件は何?」
 それを聞かれ、私はドキリと心臓を高鳴らせる。これは私の人生の中で、かつて無い
ほど大胆なお願いだったからだ。一瞬、気持ちが萎えてやっぱりいいと言いそうになる。
しかし、今のチャンスを除いては、二度と私がこんなお願いをするなんて出来ないかも
しれない。そう思い直し、私は無理やりに気持ちを奮い立たせた。
『……二つ目の条件はね……』
 緊張で口が上手く動かない。それをもどかしく思いつつ、私はゆっくりと、一言ずつ言葉を続けた。
『その……別府君の……家での、姿を……私に、見せてちょうだい』
「へ……?」
 呆然とした顔の別府君に気付き、私は何かの糸が切れたように、言い訳を始める。
『ち、違うのよ!! 別に、別府君の家に行きたいとか貴方と二人きりになりたいとか、
そういう訳じゃなくって!! ただ、その……ズルイじゃない!! 私の事ばかり貴方
に見られて、私が素の別府君を見れないって言うのは、だから、その……釣り合いが取
れないじゃない。そんなの不公平よ!!』
 怒涛の如くしゃべりまくってから、私はハアハアと荒い息をついた。もはや、普段の
取り澄ました私なんてどこにもいなくなっている事にすら気付かず。別府君はしばし、
呆然と私を見つめていたが、やがておかしそうに笑い出した。
『なっ……何がおかしいのよ!!』
 恥ずかしさと怒りがない交ぜになって、私は怒鳴る。すると別府君が手を振ってそれを退けた。
「いや、ゴメン。あんまり必死だったからさ。大丈夫。変な期待とか勘違いはしないか
らさ。いいよ。いつだってウチに来ても」
『あ、当たり前でしょうそんなの!!』
 いささかまだ興奮気味ながら、ようやく私は、自分を取り戻す。もっとも、もはや意
味のない演技だけれど、それも素の自分の一つになっているのだから仕方が無い。
「じゃあ、それは今度、また話をするとして。これで全部条件が整ったわけだけど?」

5583/4:2012/06/04(月) 00:54:49 ID:???
 別府君に促され、私は小さく頷く。これ以上、もう何も引っ張る条件はなかった。もっ
とも、もう答えは決まっているし、ここまでくれば肝も据わった。私は彼の顔を見上げ、
もう一度、コクリと頷いて答えた。
『……信じるわよ。ここまで来て……信じないわけにはいかないもの……』
「ありがとう。嬉しいよ」
 ニッコリと微笑んでくれる彼にキュンとして、同時に酷く気恥ずかしくて、私はその
感情をごまかすためについ、怒って彼を睨み上げる。
「わっ……笑わないでよ。バカ!!」
 そのまま彼の胸を両の拳で叩く。彼は何も言わずにそれを受け止めた。見上げる私に
微笑み返して、頷く。
「でも、本当に嬉しいから」
 そう言って、私の両肩にそっと手を置く。すると不意に、すごく甘えたくなって、私
はそのまま彼の胸に、頭を預ける。すると別府君の手が両肩から背中に回り、優しく、
しかししっかりと私を受け止めた。
『や、やだ……こんなの、恥ずかしい……』
「大丈夫。俺だって、恥ずかしいから」
 私の感情を、そのまま受け止めて返してくれる。そんな優しさが嬉しくて、彼を見上
げる。別府君の私を見つめる目に吸い込まれそうになり、そのまま背伸びして顔を近付
けた。とその時、微かに、何かが軋む音がした。
『待って』
 あともう数センチで私と別府君の顔がくっ付くところで、私は手の平で彼の顔を押し止めた。
「何?」
『今、何か音がしたの』
 そう言って、私は別府君から体を離す。うかつだったと自分を呪う。ここは自分の家
なのだ。そして今日は家族がいた事に、今更ながらに気付かされた事を。また何か物音
がする。私は確信して階段の所まで飛ぶように駆けた。
『お母さんっ!! 大輝っ!!』

5594/4:2012/06/04(月) 00:55:34 ID:???
 リビングに逃げ込もうとする二人の姿を捉え、私は叫ぶとそのまま階段を飛ぶように下りる。
『盗み聞きってどういう事よ!! ちょっと待ちなさい大輝!! 覚悟しなさいよね!!』
「違うんだってば!! おかーさんがあいてててててて」
『あら? だって娘に彼氏が出来る瞬間でしょ? 見逃すわけには行かないじゃない。ねえ』
『しれっと言わないでよ!! ああもう!! 二人とも信じられない!!』
 家族に最悪のシーンを見られた恥ずかしさと怒りがない交ぜになって、私は恥も外聞
も振り捨てて絶叫したのだった。


終わり
今週は週末スレが立たなかった(´・ω・`)

560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/04(月) 01:29:54 ID:???
委員長が可愛すぎて萌え死んだ
マジでGJ!!

561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/04(月) 02:13:18 ID:???
(`・ω・´)GJ!そして続け!

562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/04(月) 02:44:03 ID:V.joO6BI
すばらしい
是非とも続きをお願いしたい

563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/05(火) 20:51:18 ID:???
おつ
後日談をば

564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/18(月) 00:52:42 ID:O9opzTYo
唐突に湧いたけど本スレないしほのぼのは規制されてるしこっちでやる

・寝起きの歯磨きツンデレ

「ふぁ〜……おはようちなみ」
「んー…………」 シャコシャコ
「一緒に寝てたんだから、起こしてくれれば良かったのに」 シャコシャコ
「んー…………」 シャコシャコ
「ちなは朝本当に弱いなぁ」 シャコシャコ、ナデナデ
「んー……!」 ペシッ
「おっと、ゴメンゴメン」
「ん…………ん……?」 シャコシャ…
「ん? どした?」 シャコシャコ
「……おい…………その歯ブラシは……私のだ……馬鹿者……歯ブラシ交換とは……朝っぱらから……悪趣味な……変態め……」 ペチペチ
「それは俺のなんだけど? お寝ぼけさん?」
「ん……? えっ……! あ、こ……これは……!」 アタフタ
「いやー、ちなみが朝っぱらから歯ブラシ交換なんてバカップルみたいなプレイがしたいとなると今日は会社休まないといけないかもなー」 ニヤニヤ
「ぇっ…………ば、馬鹿者……タカシが……自分のと……私のを……すり替えたのだ……変態め……」
「そんなバカな、俺の方が遅く起きたんだぜ? て言うかちなみ、今、会社休むってとこに反応しただろ」
「…………っ」 ビクッ
「あーもー可愛いなぁー!」 ギュッ
「んっ……♡ …………ば、馬鹿者……まだ……口ゆすいでないっ……!」
「ゆすいでからならいいの?」
「ぅぐっ……! ……ば……ばか……」 プイッ

その日は結局仕事休んでずっと家でイチャイチャしてました
地方公務員万歳

565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/18(月) 00:55:12 ID:O9opzTYo
おわり

寝起きのツンデレはいつもの鉄壁ガードが緩くなって簡単に落とせそう





鉄壁であって絶壁なんていってないよちなみん確かにちなみんのは絶壁だけど今は関係n(ターン

566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/18(月) 09:14:35 ID:???
>>564
ちなみん可愛すぎて死んだ

567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/28(木) 23:54:35 ID:1dXFnXow
>>220

「ちなー」
「……なに」
「最近なんか疲れてるよな」
「………………そんなことはない」
「嘘つけ、今の沈黙は少し長かったぞ」
「そんなことはない」
「沈黙がないときも嘘ついてる時だ」
「……むぅ……」
「つーわけで、マッサージしてやろう」
「……タカシはマッサージと称して……私にセクハラを敢行するつもり………………変態め」
「まあまあ。ほら、そこにうつ伏せになって」
「……ん」 ポスッ
「枕の臭い嗅いでもいいからないいからな」
「…………そんなことはしない……ばか」
「はいはい。んじゃ、始めっぞー」 ギュムッ
「んっ……!」
「あ、強かったか?」
「……別に……押されたから肺から……空気が出ただけ」
「そっか。じゃ、続けるからな。痛かったら言えよ」 ギュムギュム
「ん……ぅ……ふっ……」 ピクッ、ピクンッ
「なんだちなみ、お前肩は凝ってないけど腰ガッチガチだな」 ギュムギュム
「んっ……そ……そう……?」 ピクンッ
「ああ、気持ちいいだろ? さっきからピクピクしてるし」 ギュムギュム
「んっ…………そんなことない……下手く……そっ……!?」 ビクンッ
「ん? どした?」
「な、なんでもない…………(今……?)」
「そうかー?」 ギュムギュム
「んっ……ぅ……ふっ……」 ピクピク
「んー」 ギュムギュム、ムギュッ
「んっ……!?(またっ……!?)」 ビクッ
「はは、そんなに気持ちいいか?」 ムギュムギュ
「んっ……! ぁっ……! んぅ……!(っ……おしり……手……当たって……!)」 ビクッ、ビクッ!
「あんまり動くとやりずらいって。ちょっと我慢しろよー」 ムギュムギュ
「ぁっ……はっ……! ふぅっ……!(タカシの匂い……も……っ! これっ…………きも……ち……!)」
「ふんっ!」 ギュウッ
「はぁっ……! ぅんっ……! っ……ぁ!」 ビックンッ‼
「はいおわり。どうだ?俺のテクもなかなかだろ?」
「はぁ……はぁ…………うるさい……ばか……」 ビクッ、ビクッ
「ちなは素直じゃないなー」 ナデナデ
「………………ばか…… (……また今度……やってもらおう……)」

568以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/28(木) 23:55:13 ID:1dXFnXow
なんか避難所で連投規制食らったからこっちに書いた
ちなみん可愛いよちゅっちゅ

569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/29(金) 00:14:31 ID:???
おっきっき

570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/29(金) 13:07:00 ID:???
エロ――――――いッッッ!!!!!

GJぅ!!

571ほのぼのの方>>426:2012/07/29(日) 00:16:12 ID:AEPHrqiw
「ぅー……あっつぃ……」
「…………」
「……暑いー……ぅー……」
「…………」
「ぅー……」
「うーうー言うのを止めなさい!」
「……うるさい……ばか」
某うみねこの明言を突きつけたら馬鹿呼ばわりされた。くすん。
因みに、俺のベッドの上でうーうーごろごろしてるのは妖怪ちなみん。『因みに』だけに。
家主の知らぬ間に部屋に侵入し、ベッドを我が物顔で占領する妖怪だ。あといろいろ小さ「へぶっ」まくらが飛んできた。
「何をする」
「……失敬な」
日本語での会話が成立しない。さては日本の妖怪ではないな?
「……ばかの考えることなど……顔を見ればわかる」
「なんだと?」
ようし、その挑戦受けて立とう。エロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエロエエロエロエry(公共の電波には乗せられないため他の単語で代用してお送りしております)。
「……変態」
「妖怪ではなくサイキッカーだったか……」
「……そんな嫌らしい顔をしてたら……誰でも……こう言わざるを得ない…………変態」
二回も言われた。くすん。
「……そんなことより」
「ん?」
部屋の中をぐるりと見回すちなみ。
止せやい。恥ずかしいだろ?\(//∇//)\テレテレ
「……なぜこの部屋には……クーラーが無い」
「貧乏だから?」
「……今すぐ買って来い」
なん……だと……!?話が全く噛み合わないっ……!
「俺の話聞いてた?」
「……だって暑い」
ぐぬぬ。なんというお嬢様だ。
「それなら自分の巣に帰れよ。お前ん家は全室にエアコン完備だろーが」
そう、ちなみの家はお金持ち。トイレにすらエアコンがあるほどだ。そんなお金持ちと幼馴染な俺は幸運と言うべきか不運と言うべきか。
以前、長時間トイレに居座ることでお腹が冷えて腹を下し、さらに腹を下したせいで長時間トイレに篭ることになりまたお腹を冷やし……という無限ループにハマった時はもう終わりだと思った。
「……巣……?」
「そうだそうだー。巣に帰れー。この妖怪ちなみん」
「……私の巣は……」
「なんだ?ふてぶてしくもそのベッドの上が巣だとでも言うつもりか。この悪トゥめ!」
「ばっ……ばか……!」
な、なに顔真っ赤にしてんだよ!可愛いなぁ!
ちなみんは可愛いなぁ!
「ルパンダーイブ!」
「きゃっ……!?」
「ちなみんはかわゆいのぅかわゆいのぅ!」
「なっ……ば、ばか……あ、暑い……! 暑苦しいっ……! っ……離れろっ……!」
「むぎぎ」
むふふ……真っ赤な顔で抵抗しても説得力は無いも同然ですぞちなみん氏〜。
それに、オスの本能としては、獲物が抵抗するほど燃え上がると言うものっ!
「ほーれつかまえたー」
「…………暑い……ばか」
どうにか捕獲には成功したが後ろから抱えるような格好になってしまったのでこれではちなみの顔が見えない。どうしたものか。
ま、いいか。
柔らかくて小っちゃくてあったかくて抱き心地最強だし。
しかもこの体制なら
「ふー」
「にゃぁっ……!?」
ちなみの弱点である耳が責め放題だし。
「……ゃっ……!」
「あのさーちなみー」
「み……耳元でっ……しゃべっ……るなぁっ……!」
「俺も、ちなみの顔見ればなに考えてるかわかるよ」
「なんっ……の……っ……はなしっ……!」
ピクピクと痙攣するみたいに震えるちなみを抑えるように、ちょっと強めに抱きしめる。
代わりに耳元で話すのは止めて、つむじに顔をうずめて問いかける。くんくん。あーいい匂い。
「なんでだかわかる?」
「っ……?」
「わかんないなら『なんで』ってきいてみて」
「……な……なんで……?」
一拍溜めて、耳元で、止めの一言。
「ちなみのこと、好きだから」
「…………ぁ……」
耳どころか首まで真っ赤に染めて、ちなみが絞り出した台詞は
「…………あつい……ばか」
素直じゃないなぁ。

572ほのぼのの方>>426:2012/07/29(日) 00:16:33 ID:???
終わり
ちなみんもふもふ!

573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 00:24:57 ID:E9yYo4hY
もふもふ

574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 01:56:35 ID:???
これはもふもふせざるを得ないな!
もふもふ!!

575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 22:25:34 ID:???
「……最近……モールス信号にはまっている」

「ほほう。何を隠そう、俺も中二病時代散々やったから覚えてるぜ」

「……ばかのくせに……いや……ばかだからこそ……?」

「なんという言い草。なんなら確かめてみるか?」

「……よろしい……なら……今から私が信号を伝えるから……それを解読しろ」

「伝えるって、どうやって?」

「……後ろ」

「うしろ?」

「……背中をとんつーするから……後ろ向け」

「ああ、なるほど。はいよ」 クルッ

「……ん。……じゃあ……いくよ」

「んー」

「…………」 ゴクリ

「? 早くしろよ」

「……うるさい……わかってる…………いくよ」

「ん」

「…………」 ドキドキ

・・
・-・・ --- ・・・- ・
-・-- --- ・・-

「……?」

「…………」 ドキドキ

「なぁ、これってもしかして……」

「……な……なに……?」

「…………アルファベットのほう?」

「…………は?」

「俺、五十音の方は完璧なんだけどアルファベットの方はちょっと……」

「…………はぁ……所詮は……バカシ」

「くっ、だ、だけどなぁ! 五十音の方は完璧なんだ! そっちでやってくれよ!」

「……いい……もう帰る」

「ちくしょー!」

「(……期待した私が……馬鹿だった)」

576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/29(日) 22:27:02 ID:???
終わり

唐突に湧き出る脳汁

577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/31(火) 22:14:09 ID:???
予想はできるがちなみんはモールスでなんて送ったんだろうwwww

GJ!

578以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 02:14:11 ID:p4rk/rBA
「…………」 ガチャッ
「zzz」
「…………」 コソコソ
「zzz……ん……」
「……っ!」 ビクッ
「…………zzz」
「…………ホッ……」
「zzz」
「…………」 ジー
「zzz」
「…………」 ペタペタ
「zzz……ん〜……」
「!!」 ビク
「ん…………ちな……み」
「!?」 アタフタ
「ペタペタ……つるぺた…………ぷにぷに………………zzz」
「…………ハァ……」
「……zzz」
「…………」
「…………す……き……」
「〜っ!?」 ビクゥッ
「……ぅきすぎ…………ブラジャー……デカイの…………買うから……だぞ……」
「…………」
「……zzz」
「…………」 チラッ
「zzz」
「…………」 フニフニ
「zzz」
「ムフー」
「zzz」
「…………」 グイッ
「zzz」
「っ」 ギュムッ
「zzz」 …フニッ
「っ……」 ピクン
「zzz」 フニフニ
「っ……んっ…………!」 ピクッ
「zzz」 フニフニ
「んぅ……っ……!」 ピクピク
「zzz」 フニフニフニフニッ、ムギュッ
「っ!? ぁ……! ん……っ……!」 ビックンッ!
「……zzz」
「っ……ハァ……ハァ……」 ピクピク
「zzz」
「…………フゥ……」
「zzz」
「…………」
「zzz」
「…………」 モゾモゾ
「zzz」
「…………お兄ちゃん……」 ギュッ

〜翌朝〜

「おはようちなみ……ファ〜……」
「おはようございます兄さん。今日もだらしないですね」
「はいはい……」
「どうせ昨夜も夜更かしして嫌らしいコトシてたんでしょう? この変態」
「今日の朝飯は?」
「ベーコンエッグとサラダとトーストです。早く食べてください。それと、今日のお弁当は唐揚げとほうれん草、サラダとアスパラの肉巻ですから。残さず食べてくださいね」
「言われなくても、美味いもんは全部食うに決まってんだろ」 モソモソ
「そ、そうですか。ま、まぁ、私が作ったんだから当然ですよね」
「そうだよ」
「っ……そ……そうですかっ……」
「……ところで」
「えっ? な、なんですか?」
「ちなみ、昨夜俺の部屋に来た?」
「」 ビクッ
「なんか、起きたらちなみの匂いがすげーしたから……」
「き、気のせいじゃないですか!? わたっ、私今日日直なので先に行きますねっ!」 ガタタンッ
「あれ、昨日も日直だったんじゃ……」
「気のせいですよ! い、行って来ますッ!」 ドタドタ
「お、おー」
「戸締りしっかりしてくださいねっ!」 バタンッ!
「はいよー…………フッ……愛い奴め」


「(大丈夫お兄ちゃんは鈍感だから絶対気づいてないはずあぁでももし気づかれてたら恥ずかしくて死ぬ!)」
「ちなみは今日も一人百面相ねー」
「そうだね友ちゃん。一枚撮っとく?」
「せっかくの百面相なんだから百枚ぐらいいっときなさい」
「」 イヤンイヤン

579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 02:15:21 ID:p4rk/rBA
おわり
敬語妹は秘密のおな(ゲフンゲフン)にハマって止められなくなる可愛い!

580以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 03:48:23 ID:???
>>579
敬語妹はやはり素晴らしいのう!超GJ!!

581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 04:25:27 ID:???
最高です

582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/03(金) 06:28:08 ID:???
>>578
GJ!!

583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/05(日) 14:40:30 ID:???
・敬語妹とラーメン食べたい

「ぁつっ!」
「あーほら、猫舌なのに無理するから」
「ひてまへん!」 ウルウル
「なにいってんだ涙目じゃん」
「麦茶いれるから待ってろ」
「……ひゅみはへん」 ウルウル
「はいはい……あれ?」
「?」
「麦茶無いぞ? 全部飲んだのか?」
「!?」
「つか氷もジュースもねーし……。水道水ってわけにもいかねーし……買ってくるか」
「ま、まてまひぇん! 今すぐひちゅようなんでひゅっ!」 ウルウル
「そんなこと言っても……」
「ぅう〜」 ウルッ
「…………しょうがない。とっておきの秘策を使おう」
「な、なんでひゅか!?」
「まず、目を瞑れ」
「ひゃ、ひゃい……ほうでふか?」
「次にベロをべーってしろ」
「? ……ほれでいいでひゅか?」
「ん、じゃあいくぞ」
「? ……ひゃい」
「んむっ」 チュルッ
「っ!?」
「ん、ぢゅっ、ん」 ヂュルレロレルチュウゥッ
「んっ!? むっ!? ふむぅっ!?」 バチィンッ‼
「ぐはぁっ!?」 ドサッ!
「なっ……ななななななななななになになにをぉっ!? 何をしてるんですか兄さんっ!?」
「いでで……なにって、怪我には唾つけとけば治るっていうから……」
「それとこれとは話が別でしょう!! いまっ……! 舌っ……ベロっ……ちゅって! ぢゅるって!!」
「だから唾つけたんだよ。直接な」
「ぁぁああああありえないですっ!! この変態!!」
「でもほら、治ったろ?」
「えっ? ……ぁ……。…………いやいやいや! 問題はそこじゃないでしょう!?」
「いいじゃん別に。治ったんだから」
「良くないですよっ! だって私っ……ふぁ、ファーストキs……ゴニョゴニョ///」
「キスなんて散々やってんじゃん。昔はお前からせがんて来てたくせに」
「ぃゃぁああああ!! 止めてください! 本当に!」
「それに今のはキスじゃないって。ベロ舐めまわしただけじゃん」
「余計に卑猥ですっ! 猥褻です! この痴漢! 大体それがキスじゃなくてなんなんですか!?」

584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/05(日) 14:40:54 ID:SpqPIeKY
「あーもーうるさいな! 治ったんだからいーじゃん!」
「よくないですよ! こんな軽いノリでキスなんかして! ……ま、まさか……他の女の子にもこんなコトを……っ!?」
「し、しねーよ! お前だけだっつーの!」
「お、お前だけだなんてそんな……///」
「なっ、なんっ……なに赤くなってんだよ!/// そもそも今のはキスじゃねーし!」
「き、キスですよ! 兄さんに無理やり唇を奪われたんですぅ!」
「舌じゃん! ベロじゃん! 唇じゃないじゃん!?」
「お、同じようなもんですよ!」
「違うね! 断じて!」
「キスについてプロフェッショナルでも無いくせに偉そうなんですよこの童貞!」
「どどどどどどどど童貞ちゃうわ! お前こそ処女のくせになに偉そうに語ってんだよ!」
「しょっ……!/// とか……女の子に向かってなんてこと言うんですか!?」
「童貞とか口にしたくせに何言ってんだ!?」
「あーもう良いですよ唇とベロオンリーでどれだけ違うか試して比べてみようじゃないですか! 」
「は、……はぁっ!? 何言ってんだ!?」
「二人ともきちんとしたキスをしたことないんだから実際ここでやって見るのが一番手っ取り早いに決まってるじゃないですか!」
「それじゃあ本末転倒だろ! キスしたかキスしてないかだろ!? ここで本当にキスしてどうすんだよ」
「きっ、キスキスって連呼しないでください変態! 通報されちゃうじゃないですか! 大体論点はキスしたかしてないかじゃないくてさっきのはキスなのかどうなのかって話なんですよ!」
「はぁ!?」
「いいから早くしてください! ほら私が目を瞑ってる間に!」
「は、はぁっ!? ちょ、なんっ……!?」
「…………///」 ドキドキ
「……くっ……!」 チュッ
「っ!」 ビクッ
「ど……どうよ……さっきのはキスじゃねーべ?」
「ちょ、ちょっとよくわかりませんね……///」
「なっ……はぁ!?」
「だ、だって一瞬だったし……///」
「か、顔赤くすんなよぉ! 反則だぞお前それ!///」
「こ、今度はちょっと長めで……///」 モジモジ
「だぁああ!! もー目ぇ瞑れ!」 ギュッ
「ひゃぁあ……/////」
「な、なんっ……か、肩つかんだだけじゃん変な声出すなよっ……!///」
「……兄さん……/////」 ドキドキ
「……んっ///」 チュゥゥッ
「んむっ……/////」 チュウッ…レルッ
「んんっ!?」 ビクッ!
「ん……ふっ……んむっ……ふぅっ……/////」 チュムッ、チュ、レルッ、レロッ、ヂュルッ
「んんっ!? ふっ……んんん〜っ!!///」
「ちゅっ……ぷはっ……ハァッ……ハァ……/////」
「はっ……なっ……ハァッ……なぁっ……!?///」
「に、兄さんに口の中を犯されて仕舞いました……/////」 ポッ
「お、犯されたのは俺の方だろ! なっ、なにしてくれてんだ!///」
「こ、こんなの……妊娠しちゃいますぅ……/////」 モジモジ
「あぁ可愛いなぁもう!!///」 ガバッ
「ひゃぁん♡/////」



「(´༎ຶ۝༎ຶ) (;´༎ຶД༎ຶ`)」 ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ… (←ラーメン屋の店員&客)

585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/05(日) 14:41:18 ID:SpqPIeKY
そんで最終的にこうなりたい

586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/06(月) 05:30:19 ID:???
>>584
店の中で何やってんだよwwwww

587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/07(火) 21:37:13 ID:???
>>584
通報されるだろこれww
末永く爆発しろ

588以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/10(金) 02:13:02 ID:D54wChMw
通報されちまえwwwww
GJ!!

589以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 19:35:07 ID:EiU9WgCw
「ねー」
「あ?」 カタカタ
「彼女つくんないの?」
「うっせーボケ」 カタカタ
「お兄モテないもんねー」
「うっせーボケ」 カタカタ
「ふーん」 ゴロゴロ
「制服シワになるぞ」 カタカタ
「別に」 ゴロゴロ
「つーかヒトのベッドで寝んな」 カタカタ
「別に」 ゴロゴロ
「ったく……」 カタカタ
「…………」 ゴロゴロ
「…………」 カタカタ
「……、……ねー」 ゴロ…
「あんだよ」 カタカタ
「彼女つくんないの?」
「…………」 カタ…
「…………」
「……別に、お前がいるからいらねー」
「…………」
「…………なんつって」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………なんか言えや」
「…………馬鹿じゃないの?」 ゴロ…
「うっせ」 カタカタ
「…………」
「…………」
「……ねー」
「んだよ」 カタカタ
「いい加減枕洗いなよ」 ギュッ
「うるせーよ」 カタカタ

590以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 19:35:29 ID:EiU9WgCw
おわり
微妙な距離感って好き

591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 19:52:51 ID:EiU9WgCw
「お兄」
「あ?」 カタカタ
「お兄はさー、長いのと短いの、どっち?」
「は?」 カタ…
「髪」
「ロングかショートってこと?」
「うん」
「そりゃお前……」
「……うん?」
「…………その人に似合ってりゃいいんじゃねーの?」
「…………ふーん」
「…………」
「…………」
「…………なんでそんなこと聞くんだよ」
「別に」
「……あっそ」
「……今度デートでもいこっかな」
「…………誰と」
「誰でもいいじゃん」
「あーそーですか」 カタカタ
「気になる?」
「うるせー」 カタカタ
「気になるんだ」
「……うっせーよ」 カタカタ
「…………」
「…………」 カタカタ
「……どんぐらいがいいの?」
「なにが」 カタカタ
「だから髪」
「…………」 カタ…
「…………」
「……お前なら似合うよ、どんな髪型でも」
「…………」
「…………俺の妹だかんな」 カタカタ
「…………」
「…………」 カタカタ
「……なにそれ」
「しらねーよ」 カタカタ
「…………」 ボフッ
「…………」 カタカタ
「…………」 ゴロゴロ
「…………」 カタカタ
「……枕洗った?」 ギュッ
「おめーがくせーくせー言うからだろ」 カタカタ
「ふーん」 ギュッ
「なんだよ」 カタカタ
「別に」 クンクン
「匂い嗅ぐな」 カタカタ
「なんでわかんの?」 クンクン
「本当に嗅いでんのかよ」 カタカタ
「…………ばーか」 ギュッ

592以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 19:53:33 ID:EiU9WgCw
おわり
脳汁は出た分だけ回収するべしってばっちゃが言ってた

593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/11(土) 20:12:23 ID:???
お兄って呼び方がいいなwwww

594以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 07:10:55 ID:D54wChMw
GJ!この妹がデレるとこが見たい!

5951:2012/08/12(日) 08:30:40 ID:???
規制につき

タ「夏休みですね」
無「そうですね」
タ「海にでも行きませんか」
無「日焼けするから嫌」
タ「じゃあ山にでも行きませんか」
無「虫に刺されるから嫌」
タ「じゃあ何をしますか」
無「そうね・・・・・・クーラーにあたりましょう」
タ「要約するとこの部屋から出たくないということでよろしいですか」
無「だって暑いんだもの。この部屋の中が私の適温なの」
タ「そりゃあ長袖なんて着てるからじゃん。俺はむしろ寒いくらいだ」
無「忍耐力が足りないのね」
タ「いやいや、クーラー強すぎだって!省エネに少しは貢献しようよ?!」
無「コタツに入ってアイスを食べると幸せになれるでしょ?あれと同じようなものよ」
タ「・・・・・・妙に納得してしまった」
無「それにしても、急に外に出ようなんてどうしたの?珍しく」
タ「だって夏だもの。夏休みってのはもっとこう、若者は若者らしく青春を謳歌しないと」
無「・・・・・・昨日やってたサマーウォーズ、見たでしょ」
タ「え、なんで知ってるの」
無「ほんと影響されやすいんだから・・・・・・」
タ「まあ、そういうわけで。青春しませんか!」
無「その前に課題は?」
タ「そんなものは家に置いてきた」
無「一応、課題を手伝ってあげるっていうことで呼んでるつもりなんだけど・・・・・せめて持ってくるくらいの誠意は必要じゃない?」
タ「極力荷物を減らしたほうが体力の消耗もなくていいと思って」
無「そんなこと言っててアウトドア派な青春を謳歌できるわけないじゃない」
タ「確かに」
無「なのに勉強どころか課題すらしないなんて、休みというよりも時間の無駄遣いね」
タ「い、いいんだよ俺はこの時間の使い方で」
無「まあ、タカシの夏休みの浪費の仕方に興味はないけど。それに青春なら部屋の中でもできるでしょ」
タ「・・・・・・ごくり」
無「頭の中のそういう性的なのはノーサンキューで」
タ「じゃあ他になにやんのよ」
無「え、んー・・・・・・こうして何するでもなく、クーラーのきいた部屋でだらだらごろごろ高校野球を見たり」
タ「それも十分時間の浪費じゃないの」
無「だって毎日のようにタカシが来るんだから、仕方ないじゃない」
タ「それは萌茄ちゃんが僕を呼ぶからじゃないですか」
無「・・・・・・まったく、普通は他の理由も思い当たりそうなものだけれど」
タ「え?」
無「なんでもない。それより、もしかして課題まだ手をつけてないんじゃないの」
タ「ふふん、図星だ」
無「そこまで堂々と言い放たれるとさすがにむかつくわ。・・・・・・少しは手を出してもいいんじゃない?」
タ「いやー、なかなかやる気が出ないんだよね」
無「はぁ、最近よく聞くよね、何に対してもやる気のない若者世代ってやつ」
タ「いいよいいよ、どうせ僕は課題もしないクズ野郎ですよ」
無「わかってるなら良し。だから次来るときは課題ちゃんと持ってきてよ」

596以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 08:32:35 ID:???
翌日

タ「もしもし?萌茄から電話なんて珍しい。今日はアンゴルモアでも降るのかな」
無『・・・・・・聞かなかったことにしてあげる。それより、なんで来ないの?もう甲子園も終わっちゃったじゃない』
タ「いやほら、行ったら課題をやらなきゃいけないわけじゃないですか。そしたらなんかこう、行く気がですね」
無『どれだけ勉強したくないの。まあ、来たくなきゃ勝手にすれば?夏休みの終わりに泣きつかれても絶対見せてあげないからね』
タ「萌茄ちゃん厳しいです・・・・・・。一応そうならないように努力はしてみるけど」
無『・・・・・・え、なに、ほんとに来ないつもりなの』
タ「いやあ、実は昨日僕の部屋にクーラーが設置されまして。ちょっとここ出たくないというか」
無『呆れた・・・・・・。私の家に来てた理由、まさかクーラーがあるからって言うんじゃないでしょうね』
タ「それが全部ってわけじゃないけど、でもまあそれもあるっちゃあるね。あ、それより明日」プッ
ツー・ツー・ツー
タ「なぜ切れたし・・・・・・」

小一時間後

ピンポーン

タ「うお、萌茄どしたの。汗だくじゃん」
無「・・・・・・そう見えるなら、すぐに飲み物とか出してくれるとすごく嬉しいんだけど」
タ「あー、はいはい。とりあえず部屋行っててよ、すぐに持ってくるから」タ「ほら、麦茶」
無「・・・・・・」ゴクゴク
タ「で、急にどうしたの。なんか急ぎの用でもあったっけ?」
無「・・・・・・」
タ「・・・・・・あ、えー?なんで喋らないの」
無「・・・・・・」バサッ
タ「・・・・・・ああ、これって課題のテキストですよね」
無「ほら、筆箱出して。課題開いて」
タ「え、ちょ、ええー・・・・・・?なんでそうなるの」
無「タカシが来ないからわざわざ私が来たんじゃない。なにか不満でもあるの?」
タ「いや、来てくれたのはすごく嬉しいんだけど、まあなんというかごにょごにょ」
無「・・・・・・タカシ、ちょっと腕だして」
タ「え、うん」
無「・・・・・・えいっ」グサッ
タ「いった!ちょ、なんでいきなりシャーペン突き刺すの?!グサッていったよ、グサって!」
無「私もいろいろとグサッときたからね。お互い様でしょ」
タ「俺何もしてないじゃん?!」
無「そうね、課題も、なんにもね。全く、毎日のように呼ばれてるのに本当に何もしないなんて、バカもいいところだわ」
タ「するって!ちゃんと課題するから!とりあえず振り上げたシャーペンおろそう?!」



人間誰しも期待するものです

597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 11:49:00 ID:???
>>596
無表情さんかっわいいなGJ!

598以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 13:08:30 ID:???
無表情さんのジト目prpr

599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/12(日) 18:20:27 ID:???
無表情さんかわかわ!
しかしこのタカシは刺されてもよし

600以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/16(木) 21:44:40 ID:???
ほのぼのの方のお題に投下したいというのに続く規制のせいで投下できないこの気持ち
いいたいことを素直に言えずにもやもやしているツンデレと通じるものがある
ああ、ツンデレはいつもこんなに苦しい思いをしているんだね、と妄想

601以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/16(木) 22:31:21 ID:???
代行スレというものがありましてですね

だから気にせず妄想しよう
そして書けたら依頼すれば、きっと誰かが転載してくれるさ

602:2012/08/17(金) 05:04:19 ID:???
お題で書いてたら遅筆で日数経過したな上に話が冗長になってお題から逸れてしまったので


タ「バイトなんてよーやるわ、ほんと。勉強は大丈夫なの?」
無「課題はもう終わったし、前期の範囲の復習はちゃんと計画たててやってるもの」
タ「いや、すごい。ほんとすごい。その調子でもしよろしければ僕の課題も」
無「期末の成績悪かったんだから、すこしは反省して勉強する気にでもなるかと思ってたけど・・・・・・」
タ「やるやる。だが、まだその時ではない」
無「何も考えてないのに伏線張るような台詞はどうかと思う」
タ「や、俺も一応色々考えてはいるんだけどね。同じ大学に行きたいし」
無「そうすれば今みたいに色々と世話してもらえるだろうって魂胆?」
タ「え、あー・・・・・・ハハ」
無「・・・・・・まあ、いいけどね。勉強頑張ったご褒美ってことにしてあげる」
タ「あれ、てっきりバカじゃないのっていわれると思ったんだけど。いやー、言ってみるもんだなあ」
無「今のままじゃ絶対無理だけどね。でも、今からなら十分時間はあると思うし。落ちたらそのときは全力でバカにするわ」
タ「そこは慰めないんですか・・・・・・」
無「一年以上先の話じゃない。私だって受かるかどうかわからないんだもの、そこまで構ってあげられるかどうか」
タ「それもそうだ」
無「それよりも、タカシは勉強よりもっと今優先しなきゃいけないことがあると思うんだけど」
タ「勉強以上に優先しなきゃいけないって、きみがいったらそれ生きるか死ぬかの分水嶺くらい重要なことじゃないか」
無「んー、そうね、そうかも。だってほら、このお腹」ふにふに
タ「いやん」
無「何言ってんだこの着痩せ豚、って程度にはまずいと思うけど」
タ「その言葉地味にグサッとくるね」
無「どうしても青春したいっていうから、私は日に焼けるのを我慢して仕方なく一緒に海に行ってあげるわけだけど、そのお腹とは並んで歩きたくないからね」
タ「ど、努力します」

603:2012/08/17(金) 05:04:55 ID:???
バイト中

無「いらっしゃいませ」
無「3点でお会計締めて567円でございます」
無「ありがとうございました、またご利用くださいませ」
店長「萌那ちゃん、おはよーす。ぼちぼちあがっていいよー」
無「はい、お疲れ様です。引き継ぎお願いしますね」
店長「いやー、ほんと萌那ちゃんが来てくれて助かったわ。覚えはいいし捌けるし可愛いし」
無「あ、う・・・・・・えと、可愛くはないと思います」
店長「赤くなっちゃってまあ。まさか言われ慣れてないの?はあ、周りの男共はほんと見る目がないなぁ」
無「私友達少ないですから」
店長「あー、あんまり表情ないから何考えてるかわからないもんねえ」
無「それ、けっこう気にしてるんですが」
店長「大丈夫大丈夫、少ないってことはいるんでしょ?友達なんてそういう繋がりから勝手に増えていくもんよ」
無「そういうものでしょうか」
店長「そういうもんよ。あ、あとこれ、バイト代ね」
無「・・・・・・あれ、なんだか多くないですか?」
店長「多い分はお礼兼お小遣いってところかな。シフト、けっこう無理目にいれちゃったし、なのに文句の一つもいわずあくせく働いてくれたし、可愛いし」
無「え、でも」
店長「いいっていいって。しかし、貰ってすぐに開くとは・・・・・・さては既に使い道が決まっているな?」
無「あ、そういうのって失礼なんですか、すみません。使い道は、・・・・・・まあ、ある程度は」
店長「なるほど、彼氏のために水着か」
無「ぶっ」
店長「わかりやすい反応だなあ」
無「違います」
店長「いやー黒の水着はやめたほうがいいと思うよ?」
無「ごふっ」
店長「マジでか」
無「ち、違いますってば」
店長「はーん、あくまでもシラを切るつもりか。いいよいいよ、それならこっちにも考えがある」
無「・・・・・・なんですか、そんなに凝視して」
店長「ちょっと黙って、いま萌那ちゃんの黒のビキニ姿を想像して」
無「やめてください」
店長「いいじゃない、実際にそんな格好をしてるわけじゃないんだし。ああ、でもちょっと大人すぎるかなー」
無「・・・・・・なんか嫌です」
店長「えー、じゃあ」ふにふに
無「・・・・・・」
店長「・・・・・・以外と着痩せするタイプ?」
無「・・・・・・」
店長「なかなかのボリューム感だこれ。この胸ならビキニも悪くないかも」もみもみ
無「・・・・・・」ぱしーん
店長「あたっ。そんながっつり叩き落さなくてもいいじゃない」
無「・・・・・・」すたすた
店長「あれ、怒った?」
無「知りません」プイッ
店長「もー、いいじゃない、減るもんじゃなし」
無「お疲れ様でした」すたすた
店長「ほんとに怒ったの?うわ、マジでごめんね・・・・・ありゃ、振り返らずに帰っちゃったよ」
店長「・・・・・・私といい勝負だな、うん」もみもみ

604:2012/08/17(金) 05:05:16 ID:???
無(・・・・・・もまれた)
無(・・・・・・もまれた)
無(・・・・・・もまれた)
無(・・・・・・私の初もみが)
店員「いらっしゃいませー」
無「ああ、そうだ、水着・・・・・・」
無(・・・・・・黒ビキニ)
店長『でもちょっと大人すぎるかなー』
無(・・・・・・)
店員「その水着気になる感じですかー?こちらで試着できるんで、もしよかったらどうぞー^^」
無「え、は、はい」シャー
無「・・・・・・促されるまま入ってしまった試着室」
無「・・・・・・そして黒ビキニ」
店員「・・・・・・どうですかー?^^」
無「・・・・・・もう少しカップが大きいのってありますか?」
店員「えっとー・・・・・・あ、すみません、それ1サイズだけみたいですう^^;」
無「あ、そうですか・・・・・・」
無「・・・・・・もう少し大人しいほうが好きなのかな」
店員「でしたら、黒字に白のドット入ってるのとかどうですかー?ほら、大人っぽいけど可愛らしいっていうか。これとか、サイズもありますし、3ピースでスカートもついてますよ^^」
無「あ、じゃあそれでお願いします」
店員「ありがとうございまーす^^」

605:2012/08/17(金) 05:05:43 ID:???
数日後、バイト先

無「おはようございます」
バイト「あれ、萌那ちん。おはよーす」
無「相変わらずゆるいですね」
バイト「いやー、そんなことないよー。これでも一生懸命働いてますん」
無「それカウンターの下でケータイいじりながらいう台詞じゃないと思います」
バイト「仕方ないよー。普段シフト入ってないからサークルの先輩からお誘いのメールが来てさー」
無「あれ、そうでしたっけ」
バイト「そうそう。じゃなきゃ私は多分まだ寝てると思うー」
無「寝る子は育つというのを体言するような台詞ですね」
バイト「やだなー、夏休みの間だけだよう。ていうか萌茄ちゃんこそ、わざわざ休みとったのにどしたのー?」
無「あれ、今日私休みでしたっけ?」
バイト「やだなあ、私と今日のシフト交替してくれって言ったの、萌茄ちゃんだよー?」
無「・・・・・・あ。」
バイト「・・・・・・もしかして忘れてたあ?」
無「あああああああ・・・・・・」
バイト「あれ、なんか焦ってる?」
無「い、いや、そんなことは・・・・・・すみません、お疲れ様です」
バイト「おぅ、全力ダッシュ・・・・・・これは彼氏も怒っちゃうだろうなあ、萌茄ちんふぁいとー」

606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/17(金) 05:06:05 ID:???
同日、タカシ宅

タ「・・・・・・どしたの、そんなに汗だくで」
無「よ、よかったら、飲み物を出してくれると嬉しいんだけど」はーはー
タ「あ、はい。麦茶でいいよね?とりあえず部屋行ってなよ」
無「・・・・・・うん」


タ「少しは落ち着いた?」
無「うん」コクコク
タ「で、一体どうしたのさ」
無「ほら、その・・・・・・一応は、約束、してるじゃない」
タ「ああ、うん。海に行く約束ね」
無「ごめんなさい」
タ「あー、えっと、うん」
無「・・・・・・怒らないの?」
タ「別に何も怒ることはないと思うけど」
無「・・・・・・そう」
タ「あれ、なんか落ち込んでる?」
無「別に、どうもしてない」
タ「嘘だ、絶対嘘だ。目がものすごい速さで泳いでる」
無「・・・・・・一応は、約束したわけだし。なのに私は―――」
タ「それよりさ、見てよこれ」バッ
無「?! ちょ、なんで急に脱ぎ出し・・・・・・」
タ「この腹筋を見よ」
無「・・・・・・」ぺしぺし
タ「いやんっ」
無「ふにふにしてない」
タ「いやー、ストイックに頑張った成果だよこれは。あれから毎日腹筋してたからね。ある意味青春かも」
無「ちょっと待って。タカシが一人で謳歌しちゃったら、私の青春はどうなるの」
タ「それはそれ、これはこれでしょ」
無「でも、せっかく海に行くんだと思って、私も少しは頑張って・・・・・・」
タ「連日バイト漬けだったね」
無「・・・・・・ちょっと待ってて」
タ「あ、えっと、はい」
無「トイレ少し長く借りるけど、違うんだからね」
タ「あとで便座ぺろぺろしておきますね」
無「そうね、そしたら後でカビキラーがどんな味なのか教えてちょうだい」

607以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/17(金) 05:06:37 ID:???
数分後

無「ただいま」
タ「便秘ですか?」
無「・・・・・・」
タ「その握りこぶしを振り下ろすんですか?振り下ろしちゃうんですか?」
無「別に殴ったりなんかしないわよ」
タ「で、トイレを少し長く借りて何してたのさ。わざわざトイレで」
無「何って、途中で見られるのはさすがに嫌だし」
タ「むしろそれで喜んじゃってたらかなりアブノーマルな趣向の持ち主だと思う」
無「そこまでは言わないけど、やっぱりそれなりにちゃんとした関係になってからでないと」
タ「・・・・・・え、そういう趣味だったの?え?えぇ?」
無「バカな勘繰りはやめて。・・・・・・ああもう、ちょっとあっち向いてて」
タ「いや、ちょっとさすがにここで用を足すのはやめ」
無「早く」
タ「はい」
無「・・・・・・」ごぞごそ
タ「もういいですか」
無「待って」もぞもぞ
タ「もういいですよね」
無「ああもう・・・・・・向きたきゃ向けばいいじゃない」
タ「ではお言葉に甘えぶっ」
無「・・・・・・なに」
タ「・・・・・・ここ、室内ですけど」
無「当たり前のことを言わないで」
タ「・・・・・・室内で水着っていうのは当たり前のことじゃないと思います」
無「だって、せっかく買ったのに着ないなんて勿体ないじゃない」
タ「いや、それはそうだけど。まさかトイレに行ったときに着てきたの?」
無「そう」
タ「ははーん、さてはどうしても俺に水着姿を見て欲しかったんだな?」
無「・・・・・・」
タ「目が泳いだ。顔を逸らした。ほんのり桜色に」
無「ああもう、うるさい。タカシが蚊だったらすぐにでも叩き潰してるのに」
タ「ごめんなさい。でも可愛いと思うよ、うん。すごく」
無「・・・・・・ほんとに?」
タ「ほんとほんと。柄も可愛いし、すごく似合ってる」
無「・・・・・・そう」
タ「いやしかし、これはなかなか豊かに実ってますな」
無「うるさいバカ。あんまりじろじろ見ないで」
タ「じゃあなんでわざわざ着替えてきたのさ」
無「せっかく海に行く約束して、私もわざわざ代休まで取ってたのに、肝心の当日に忘れてて全部台無しにしちゃったから」
タ「あー、うん。なるほど。んで?」
無「・・・・・・タカシだって男の子でしょ。少しは期待してたと思うし、だからそのお詫びというか・・・・・・ああもう、うるさい。もう服着るから」
タ「水着の上に着るんだ。・・・・・・そういえば、なんでさっき俺に後ろ向かせたのさ」
無「下に水着着てても、服を脱いでるところを見られるのは恥ずかしいじゃない」
タ「顔に出さないだけで本当は色々考えてんだねえ」
無「私だって乙女だもの、当然でしょ」
タ「まあ、なんとなくわかるからいいけど。ああ、それとすごく大事な話があるんだけど」
無「大事な話?」

608:2012/08/17(金) 05:07:19 ID:???
タ「そうそう、海に行く日のことなんだけどさ、どうも台風が上陸する日とドンピシャらしくて」
無「台風上陸って、冗談でしょ?快晴じゃない」
タ「うん、今日はね」
無「今日は、って、なによその言い方。台風が上陸する日が違うみたいじゃない」
タ「そうだね、だから海に行く日も今日じゃないね」
無「え?だって今日は水曜日でーーー」
タ「そうだね、海にいくのは来週の水曜日だね」
無「・・・・・・」
タ「・・・・・・」
無「・・・・・・」
タ「水着姿ごちそうさまでした」
無「・・・・・・!!!」
タ「そうだよね、冷静に考えたら何してるんだろうってなるよね」
無「やめて」
タ「予定の日取りを間違えて、約束も特に破ってなくて、なのにわざわざ水着に着替えて、しかも部屋の中でそれを見せて」
無「それ以上喋ると、今日のことを全て忘れるまで屋根から飛び降りさせるわよ」
タ「そこはせめて自分の労力を使おうよ」
無「いや。今日はもう、なんだか色々ありすぎて疲れてるんだから」
タ「そうですか」
無「私はもう寝るから。ベッド借りるからね」ぽす
タ「わざわざ来たのに寝るってどうなの」
無「確かにここはタカシの部屋だけど、私が何をしようと私の勝手でしょ?」
タ「ジャイアニズムに通じるものがあるね」
無「いいじゃない、あなたの我侭だってたまには聞いてあげてるんだから」
タ「右手で余裕で足りる数じゃないのそれ」
無「それなら、今何か一つ聞いてあげてもいい」
タ「う、急に言われると思いつかないって。じゃあ・・・・・・そうだ、おやすみのキスとか」
無「もし来年大学に受かれたら考えてあげる」
タ「今じゃないし・・・・・・」
無「そうね。でもそれで勉強をやる気が出たなら私は全力で応援するわ」
タ「ぼちぼち頑張るよ。しかし、萌茄が寝るんなら俺は結局暇なんだよなあ」
無「ならタカシも寝れば?」
タ「ベッドは萌茄が使ってるじゃん」
無「・・・・・・」
タ「どしたん」
無「・・・・・・床の上に寝ろというのはさすがに部屋の主に対してあまりに図々しいから言うけど、ベッド・・・・・・そうね、半分だけなら使ってもいいかな」
タ「それって要約すると添い寝ですか」
無「添え、とは言ってないじゃない。半分使っていいって言ってるだけ。それじゃ、本当におやすみ」ごろん
タ「ああ、はい、では遠慮なく・・・・・・いや俺の部屋だから遠慮する必要ないのか。おやすみ」ごろん

6098(〆):2012/08/17(金) 05:09:11 ID:???
 
 
 
 
タ「いやこれやっぱ添い寝だよね」
無「・・・・・・」スー
タ「・・・・・・なんだ、もう寝てるのか」
タ「海に行けそうにはないけど、これはこれで青春だよなあ」ごろん
タ「しかし、こうして寝てれば特に毒もない普通の女の子なのに」
タ「・・・・・・おでこに髪の毛はりついてるし」さわさわ
タ「いや、普通の女の子というよりは小動物というかなんというか・・・・・・」なでなで
タ「・・・・・・吐息を唇に感じるのもれっきとした間接キスではないだろうか」
タ「・・・・・・寝てるし、今ならキスくらいはしても大丈夫なのでは」
無「・・・・・・」
タ「・・・・・・あの、萌茄さん、顔が赤くなってますよ」
無「・・・・・・タカシがいるから厚くて寝苦しいだけ」ぱちくり
タ「あ、じゃあやっぱり僕床で寝ますね」
無「そのほうが涼しくて快適でしょうね」
タ「少しは引き止めてほしいよまったく。よいしょっと、とと、と」ぼふ
無「もう、揺らさないでよ。眠れないじゃない」
タ「あの、シャツの裾を掴まれてたら体を起こせません」
無「じゃあベッドで寝るしかないわね」
タ「・・・・・・もうしばらくこのまま添い寝して欲しいと素直に」
無「おやすみ」
タ「ああ、はい、おやすみなさい。・・・・・・素直じゃないなあ」
無「まんざらでもないくせに」ぎゅう

610以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/17(金) 07:03:55 ID:???
>>609
GJ!! この無表情さん可愛すぎるwww

611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/18(土) 02:06:53 ID:???
やべぇかわいい!!!目覚めが気になるな…

612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/19(日) 23:29:39 ID:???
むはー
やっぱり無表情さんは至高やわぁ

613以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/23(木) 03:45:10 ID:cUj.fjsE
「ねぇ」
「あ?」
「なんでファミレス?」
「この時間ならいつまでいても文句言われないから」
「文句言われなくても迷惑じゃん?」
「大丈夫」
「なにを根拠に……」
「お前が外出たいって言ったんじゃん」
「……そーだけどさー」
「なんだよ」
「……別に」
「奢るからなんでも頼めよ」
「やだ。太る」
「ん、じゃあドリンクバーでいいか?」
「いらない」
「……じゃあどうすんだよ」
「お冷でいいじゃん」
「はいはい……じゃあ俺はポテトでも食おうかな」
「なにそれ。じぶんだけ?」
「おめーがいらねっつったんだろ」
「……ふん」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………なに」
「……はぁ」
「…………チッ」
「しょぉおーがねぇえなぁぁああ……!」
「うるさい」
「うっせー、ほれ行くぞ」 グイ
「は? どこに?」
「ドライブだよ。こんな時間じゃカラオケぐらいしかねーけど、お前音痴だし」
「……お兄に言われたくないし」
「うっせーよ。ほれ行くぞ」
「…………ばか」 ギュッ

614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/23(木) 03:46:13 ID:cUj.fjsE
おわり
深夜のファミレスで見た出来事をアテレコしてみた

615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 02:06:14 ID:???
男「なあ女。こんなお土産を買ってきたんだが」
女「んー?なんねそれ?うわっ、なにこのもさっとると。……猫耳?」
男「そうそう。お前に似合うと思って」
女「に、似合うわけなかろーもん!こがんと恥ずかしゅうてつけれんよ!」
男「いや、絶対似合う。むしろ似合わないわけがない」
女「に、似合わんかったら今日の昼飯おごりやけんね?!」
男「いーから、さっさとつけなって。ほら」
女「………」
男「おお、似合う似合う」
女「な、なんかはずかしゅうて……これでよかとかにゃー……?」
男「いやもう、マジで完璧。それならどこに出しても恥ずかしくないよ、うん」
女「そがん褒められるとなんか照れるにゃー……///」
男「いやだってお前いつもにゃーにゃーって言ってるじゃん」
女「こ、これは方言やけん!仕方ないと!///」

後日

女「つかれたにゃー」
女「お腹すいたにゃー」
女「これでよかとかにゃあ……?」
男「猫耳つける?」
女「やけん、方言ってば!あーもう、うるさかにゃー!」
男「にゃー」

最近ようやくインターネットが普及しはじめたローカル地域
規制いつになったら解けるん・・・・・・?

616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 02:16:11 ID:???
俺の地元もこんな感じの方言だったら…!
素晴らしいにゃあ!

617以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/15(土) 08:34:47 ID:???
にゃあ可愛い!!

九州の方言かな

618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 08:49:43 ID:???
ぶっちゃけ方言いじられるのはかなり恥ずい
つまり羞恥プレイしたいほうだいってことだな

6191/4:2012/09/28(金) 20:23:43 ID:???
先週までのうだるような暑さはどこへやら。天候は九月が終わりかけだと気付くや否や、思い出したように寒々しい北風をふかし始める。
道行く人の服装も、もはや半袖姿が珍しいくらい。中にはコートを羽織る気の早い奴もいた。

そんな秋の日曜、昼下がり。
俺は猫又モドキのちなみさんから猫パンチを受けつつ、退屈な休日を惰眠して過ごしていた。

「………にゃ」

ちなみさんは明らかに眠ろうとしている俺の事など一切お構いなしに、
にゃあにゃあと口やかましく鳴きながらぷにぷにした肉球をスタンプのように押し当てる。
この人っぽいが猫っぽくもある生き物は100年生きただか油をすすっただか言われている猫耳少女で、名を椎水ちなみ。
今時珍しい平屋の我が家にいつのまにやら居つき始めた、それはそれは厄介な居候なのである。

「……てい、てい」

強引に瞼を閉じ続けるも、ちなみさんは構わず肉球で俺の顔を圧迫してくる。
大企業の社長ごっこでも始めたのだろうか。スタンプ押しがしたいなら、外に干してある布団の上でやってほしいのだが。

「…………」

尚も無視を決め込んでいると、やがてスタンプを押す手が止まる。
とはいえ、この様子じゃ諦めていないだろう。
長い付き合いだ。目を閉じていても、頬を膨らまし不機嫌になるちなみさんの姿が手にとるように想像できる。
さて、どう出るかと俺が様子を伺っていると──。

「…じゃきん」
「待て、爪を出すな」

流石にそれは洒落にならない。俺は慌てて飛び起き、まさに今爪を出し始めたちなみさんをどうどうと宥める。

「人が寝入っている隙に何をする気ですかちなみさん」
「……だって、起きないから」
「起きてほしいならそう言ってくださいよ。人語喋れるでしょう貴方」

とは言いつつも、もうすっかり起きてしまった事も事実。
俺は仕方なく布団替わりのタオルケットを畳み、枕を押し入れに押し込んだ。

6202/4:2012/09/28(金) 20:24:30 ID:???
「……で、どうしたんですか。俺と遊んで欲しいんですか?」
「なめるな。……あれ」

そう言ってちなみさんは、人の腕を上げてその先についた猫の手で指をさす。
そこは丁度、俺が枕をしまった押し入れ──の下段。あまり使ってないものを押し込んだスペースの一角に、こじんまりとした箱が閉じ込められていた。

「…七輪、ですか」

言いながら、俺はぼんやりと去年の秋を思い出す。
この七輪は親父の代から使っている年季の入った代物で、小さいころからこれを使い魚や肉、スルメ、海苔、おにぎりやパンなど色々な物を焼いて楽しんできた。
去年の秋も「消え行く日本の風景を復活させよう」と題し、庭でサンマを焼いて食べたものだ。

…そう言えば、ちなみさんと会ったのも去年の秋だっただろうか。
焼きサンマの匂いにふらふらと釣られ、庭に転がり込んできたのが最初だ。

「懐かしいですね」

そんな昔をしみじみと思い返していると、不意にかちゃ、と何かが開いたような音がする。
見ればちなみさんは器用に立って冷蔵庫を開け、中から何か細長い凶器のようなものを口に咥えた。

「それは?」
「ふぁ」

咥えたままもごもごと返事をし、俺の目の前にそれをぺいっ、と出す。
見ればそれには目があり、口があり、ヒレがある。
なんてことはない。昨日スーパーで買ってきた冷凍サンマだ。
冷たいものを咥えたせいか、ちなみさんは舌をぺっぺっと震わせていた。

「…あー、成程」

冷凍サンマと七輪。
これだけヒントを出されれば、普段鈍感と名高い俺でも何がしたいのかは容易に分かる。

「焼け、って事ですか」
「ん」

ちなみさんの簡素な答え。それに反論する理由も、特にはない。
俺は押し入れの前に屈み、七輪の入った箱を抜き出した。

6213/4:2012/09/28(金) 20:25:29 ID:???
それから1時間。
俺とちなみさんは庭に出て、煙立つ七輪の前に屈んでいた。

「……まだか」

ちなみさんは今にも「お魚くわえたドラえもん」と化しそうな程、食い入るようにサンマを見つめている。

「まだです。今食べたら中が冷たいですよ。」

俺はそんなちなみさんを片手で制しつつ、菜箸で焼き加減を確かめる。
今日の天気は爽やかな秋晴れ。色付き始めた空気に吹かれ、炭の火で暖を取りながら焼けるのを待つさまはまさしく秋。
ちなみさんのワガママとは言え、俺は今の雰囲気に充実した何かを感じていた。

「…そろそろ、ですかね」

言いつつ、サンマを皿に取り分けようと菜箸に取った瞬間。

「…んみゃっ!」
「あっ、コラ!」

その横を掠めるように、ちなみさんがサンマを奪い取った。

「欲張りは痛い目を見ますよ」
「………っ!? あ、あふっ!」

訳知り顔で言う俺と、サンマを口から離し悶えるちなみさん。
そう、猫人間たる彼女はまごう事なき猫舌。
焼けたサンマを直に咥えて、熱くないはずがないのである。

──ちなみに、口から離れたサンマは俺が奇跡の皿捌きでキャッチした。

6224/4:2012/09/28(金) 20:25:55 ID:???
「……去年もやりませんでしたっけ、このやりとり」
「………」

舌が痛いのがバツが悪いのか、だんまりのちなみさん。
俺はやれやれと肩をすくめ、サンマをごにょごにょと解体する。
箸に取りふー、ふー、と息を吹いて、ちなみさんに献上した。

「はい、あーん」
「……ばかにすんな」

──しかし悲しきかな。折角「あーん」とまで言ってやったのに、ちなみさんは口を開いてはくれなかった。
一人前に照れでもあるのだろうか。ぷいとそっぽを向き、皿に乗ったサンマの方におもむろに口を近づける。

「あ、そっちは…」
「ん……にゃうっ!」

忠告してやる暇もなく、ちなみさんはサンマの皿に顔を突っ込む。
予想通り熱にやられたどころか、もう一つ予想外に骨が顔に刺さったらしい。
ちなみさんは猫であれば面白ビデオ大賞に送れそうなリアクションで飛びのき、庭を転げた。

「…だから言ったのに」

俺は行き場をなくした哀れなサンマ一欠けを口に運び、改めて皿からサンマを取ってやる。
もう一度ふー、ふー、と息を吹き、ようやく立ち直ったちなみさんにもう一度差し出した。

「はい、あーん」
「………ん」

ようやく学習してくれたらしく、ちなみさんは頬を赤くしながらも俺の菜箸からサンマを食べてくれた。
その顔は幸福と気恥ずかしさの入り混じったような表情で──だからだろうか。俺はそんな彼女に、少しだけ意地悪をしてやりたくなった。

「ああ、ところでちなみさん」
「……んむ」
「さっき、俺も一切れサンマを頂いたんですが」

にやりと笑い、俺は菜箸をちょんちょんと指す。

「これって、間接キスですよね?」
「……っ!?」

ちなみさんの人間ヘッドによる頭突きが、晴れ渡る秋の空に響いたのであった。

623以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 03:32:14 ID:???
猫又ちなみさんカワユスなあ

624以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 15:58:38 ID:???
GJ!!

俺のところにも猫又ツンデレ来ないかな

625以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/29(土) 23:34:17 ID:???
猫ちなみんかわえええええ

626以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 00:42:23 ID:???
かつみん の ゆうわく の こうげき !
18さい みまん は みちゃ だめだぞ !
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2639.jpg



昨日体育の日だったので、かつみんはタカシとたくさん運動したとかしないとか

627以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 02:44:33 ID:???
なんという殺人級おっぱい
けしからん



ふぅ

628以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 07:00:23 ID:???
これはけしからふぅ

629以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 07:12:40 ID:???
なるほど
何でこっちかと思ったらそういうことかふぅふぅふぅ……

630以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/26(金) 13:53:04 ID:???
・僅かな時間でも男との時間を作ろうとするツンデレ

「ふぃー、出た出たっと……おや」

「…………」

「男子便の横でなにしてやがるちびっ子」

「……ちびっ子違う……世界が大きくて広いだけ……」

「なに壮大なこと言ってんだ。それにしても待ち伏せとは悪趣味だな」

「……待ち伏せでもない……たまたま校内を徘徊してて……たまたま休憩がてら座り込んでたら……たまたまそこが男子トイレの横で……たまたまタカシが出て来ただけ……」

「こんな校舎端で薄暗くてトイレと物置ぐらいしかなくて掃除もろくに行き届いてないような誰もこない場所にわざわざ散歩とな?ますます悪趣味だな」

「……うるさい……台詞が長い……早漏」

「女の子がそんなこと言っちゃいけません。そんで早漏でもねーし」

「……こんな辺鄙な場所のトイレを使うなんて……人に言えない……いやらしいことをしているに……違いない……そしてタカシはものの5分も待たずに……トイレから出てきた……つまり早漏……以上、Q.E.D」

「わけのわからん理屈を並べるな。そんでやっぱり最初から見てたんじゃねーか。まさか教室からついて来たのか?」

「……べ……べつに……」 プイッ

「ふーん」

「…………」 ツーン

「…………」

「…………」 チラッ

「あー……わかったわかった。それじゃあちょっとここで待ってろ」

「え」

「すぐ戻るから。ここで待ってろよ、いいな!」 タッ

「あ……ちょっ……」

「すぐ戻るからー!」 スタタタタタ…

「…………むぅ……」

631以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/26(金) 13:53:38 ID:VsIvxe0o
〜〜

「おまたせ。ほれ」

「……なにこれ」

「イチゴオレ。紙パックタイプだ」

「……そんなのは……見ればわかる」

「嫌いか? いらないなら返せよ、俺が飲む」

「…………飲むけど……」 プスッ

「いやさ、最近ちなとあんまり話してないなって思って」 ジューッ

「……それでなんでイチゴオレ……」

「長話には飲み物がいるだろ?」 ジルジルジル

「…………まぁ……うん……」 チュー

「で、最近どうよ」

「ん……、……SAOが……熱い」

「いや交友とか」

「……友ちゃん以外……友達いない……」

「あー……友子ともクラス変わっちゃったんだっけ……。つーか俺は?友達じゃないの?」

「…………タカシはただの……腐れ縁……調子に乗るな」

「ぐへぇ」

「…………」 チュー

「…………」 ヂルヂル

「…………タカシは?」

「俺? 俺は、この前赤点とった」

「……馬鹿」

「うるせーよ学年トップ。勉強ばっかしやがって」

「……他にすることないし」

「遊びに出かけたりしねーの? 買い物とか、カラオケとか」

「……店員さんが怖いから買い物は通販……そして私は音痴」

「お前実は弱点だらけな」

「……うるさい」

632以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/26(金) 13:54:05 ID:???

「…………」 ヂュー

「…………」 チルチル

「……ちなみー」

「……なに」

「呼んだだけ」

「……、……ばかじゃないの」

「うっせ」

「…………」

「…………」

「……おい、ばか」

「馬鹿じゃありませーん」

「……ばーか」

「知らねーの? 馬鹿って言った方が馬鹿なんだぜ」

「……ふーん」

キーンコーンカーンコーン

「む、もう昼休み終わりか」

「…………うん」

「あと1時間はあってもいいよな」

「……別に」

「えー」

「…………」

「んじゃ、教室戻るか」

「……ん」

「? ……行かねーの? 遅刻するぞ?」

「ん…………、あ、あの……さ」

「なんだ?」

「……っ……、……ぃゃ…………イチゴオレ……美味しかった……ありがと」

「ん、そっか。そりゃ良かった」

「…………うん……」

「…………」

「…………ぃ……行こっ」

「ちな」

「……っな…………なに……?」

「ん……今日、一緒に帰るか」

「……!」

「嫌か?」

「…………しっ……仕方なく……一緒に帰ってやる……だけなんだからっ……!」

「はは、なんだそりゃ」

「ぅ……うるさいっ……!」

「じゃ、さっさと教室戻るか」

「…………うんっ♪」

633以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/26(金) 13:54:30 ID:VsIvxe0o
おわり

634以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/26(金) 19:03:07 ID:???
可愛すぎて死ぬかと思いながらも必死に耐えていたが最後のセリフで死んだ
つまりはGJ!!!

635以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/27(土) 10:16:58 ID:???
ちなみん本当は寂しがりやなんだろうな……

切なくて可愛くてGJ!!

636以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/04(日) 20:49:16 ID:???
久しぶりにきたら板移動してて書き込めると思ったら結局規制されてたやつ。

http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2651.jpg

637以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/04(日) 21:12:46 ID:???
ホントに久しぶりだ!
そしてかなみさんかわいい!

638以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/04(日) 21:51:46 ID:???
久しく見ないと思ってたら規制されてたのか
相変わらず可愛いかなみさんだ

639以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/04(日) 22:53:30 ID:???
もっとくれください

640以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/04(日) 23:27:02 ID:???
>>636
久しぶりにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
相変わらず貴方の描くかなみさんは素晴らしく可愛いぜ!

641以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/04(日) 23:35:49 ID:???
>>636
ホントに久し振りだwwwww
あなたのかなみさんに会いたかったよ。・゚・(ノД`)・゚・。


気の向いた時にこっちでも代行スレでもまた投下して下さい

642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/05(月) 00:03:51 ID:???
>>636
いやー、かわいいかなみん見られて眼福眼福w
GJ!!

643褒めてもらいたいお年頃:2012/11/08(木) 03:18:15 ID:y2rILRRg
「お兄」
「あ?」
「ご飯まだ?」
「もうちょっと。テーブル拭いとけ」
「もうやったし」
「じゃあコップとスプーン並べとけ」
「やった」
「じゃあ座って待ってろ」
「…………」 ジー
「…………」
「…………」 ジー
「……なんだよ」
「別に」
「立ってないで座ってテレビでも見てろよ」
「……はーい」 スタスタ
「ったく……」

644褒めてもらいたいお年頃:2012/11/08(木) 03:18:45 ID:???
〜〜

「ごちそうさま」
「……はや」
「お前の口が小せえだけだ」 カチャ
「ちょっと」
「ん?」
「おいといてよ」
「は?」
「お皿」
「なんで」
「……別に」
「これから洗濯とか風呂とかあるから、早く食器片付けたいんだけど」
「じゃあ先に洗濯してきてよ」
「なんでだよ」
「なんでも」
「…………どうでもいいけど、さっさと食えよ」
「置いといてよね」
「はいはい」
「……ふん」

645褒めてもらいたいお年頃:2012/11/08(木) 03:19:10 ID:y2rILRRg
〜〜

「さてと……後は風呂沸かして食器片付けるだけ……」
<ガシャンッ、パリンッ!
「!? どうしたっ!?」
「ぁっ……!」
「な、なにしてんだ!」
「べ、別にちょっと手がスベっただけだし……」 カチャ…
「さわんな!」 ガシッ!
「っ……!?」
「……はぁ……お前あっちいってろ。割れた皿は俺が片しとくから」 グイッ
「……っ」
「…………」 カチャ…
「…………」
「…………」 カチャ、カチャッ
「…………」

646褒めてもらいたいお年頃:2012/11/08(木) 03:19:39 ID:???
〜〜

「…………」
<コンコン
「…………」
「風呂湧いたぞ」 ガチャ
「……なに勝手に入ってきてんの?」
「返事しないのが悪い」
「…………。……今はいい。後で入る」
「あっそ、じゃあ先に入るかんな」 ガチャ
「…………」
「……布団にくるまったまま寝んなよ」
「……うるさい」
「はいはい」 バタン
「…………」

「…………」

647褒めてもらいたいお年頃:2012/11/08(木) 03:20:29 ID:???
〜〜

<コンコン
「上がったぞ」 ガチャ
「…………」
「起きてたか。ほらさっさと入れ」
「……わかった」
「あっそ。じゃ、俺もう寝るから」
「…………お兄」
「ん?」
「こっち来て」
「なに?」
「ここ座って」 ポンポン
「…………」 ボスッ
「…………」
「……なに?」
「…………。……手」
「手?」
「マッサージしてあげる」
「なんで?」
「してあげる」
「…………じゃあ、左からヨロシク」
「ん」 ギュ

648褒めてもらいたいお年頃:2012/11/08(木) 03:21:02 ID:y2rILRRg
「…………」
「…………」 ギュムギュム
「…………」
「…………。……気持ちい?」 ギュムギュム
「お前力弱過ぎ。貸してみ」 ギュ
「あっ」
「マッサージはこうやってするんだよ」 ギュッギュッ
「んっ……ん……」
「気持ちいか?」 ギュッギュムッ
「ん……ま、まあまあ」
「じゃ、さっさと風呂はいれよ。俺はもう寝る」 パッ
「ぁ……ちょっ」 ガシッ
「いでっ!」
「わっ、ごめ、ん?」
「……なんだよ急に。ビックリしただろ」 パッ
「…………」
「……なんだよ」
「…………。……右手」
「あ?」
「右手、まだやってない」
「別にイイって。お前力よえーし」
「大丈夫。早く」
「イイって」
「は、や、く」
「……はぁ」
「ん」 ギュ
「…………」
「……やっぱり」
「んだよ」
「指、切れてる」
「うるせー」
「……さっき?」
「ちげーよ」
「嘘つけ」
「…………」

649褒めてもらいたいお年頃:2012/11/08(木) 03:21:27 ID:???
「……ごめん」
「……何が?」
「あたしが、お皿割ったから」
「お前のせいじゃねーだろ」
「…………ごめん」 シュン
「……はぁ」
「…………」
「…………」 ポンッ
「……?」
「…………」 ナデナデ
「……ん……」
「……今日は、手伝ってくれてありがとな」 ナデナデ
「…………」
「明日は、一緒に夕飯作るか」 ナデナデ
「…………」
「…………」 ナデナデ
「…………うん」
「ん」 ナデナデ
「…………」
「じゃ、さっさと風呂入れ」
「…………」
「……?」
「…………ぁむっ」 パクッ
「!?」
「ん……んむ……」 レロ…
「なっ! に、を……!」 バッ‼
「唾つけとけば治るって言うじゃん」
「は、……はぁ?」
「治してあげる」
「い、いやっ、いいから!」
「兄妹でなに恥ずかしがってんの?」
「いやいやいやいやそういうアレと違うしっ」
「いいから、早く」
「いや自分の傷は自分で舐めるって、ほらっ」 パクッ
「えっ」
「な? 別にお前に舐めてもらわなくてもいいだろ?」
「……〜〜〜〜っ……! ばかっ!」 ガチャッ、バタンッ‼
「……な、なんなんだ……?」

〜風呂〜

「(ぅうぅうううぅぅううう〜〜〜っ! お兄のバカッ! アホっ! エッチ!)」 ブクブクブクブク
「(ってかあたしもなにしてんだよもぉぉおおぉぉおぉおおお!!!)」 ゴボゴボゴボゴボッ

650褒めてもらいたいお年頃:2012/11/08(木) 03:21:51 ID:y2rILRRg
終わり

651以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/08(木) 03:32:52 ID:OwZ9zrvA
はい素晴らしいよー

652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/08(木) 04:48:37 ID:gOI2tQZQ
これは素晴らしすぎる

653以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/08(木) 22:58:54 ID:???
妹可愛いよ妹

654以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/09(金) 02:02:52 ID:???
これ可愛くないって言うやついるのってレベルの可愛さ

655合図は雷注意報:2012/11/15(木) 16:27:46 ID:PFcoxlsM
>コンコン
「んー」 カタカタ
『お兄』 ガチャ
「んー?」 カタカタ
『外見た?』
「見てない。どうかしたか?」 カタカタ
『あられ』
「あ?」 クルッ
『あられ降ってる』
「マジ? まだ11月だぞ」 ガタ、ガラッ
『マジ』
「うわ、すげー降ってる。音楽流してたから降ってる音に気づかなかったわ」
『早く窓閉めてよ。寒い』
「そうだな」 ピシャリ
『…………』
「? それだけ?」
『は?』
「それ言うためだけにわざわざ俺の部屋きたの?」
『別に』
「別にって……まあいいけど」 クル、カタカタ
『あ、漫画読ませてよ』
「あ? ああ、好きなだけ持ってけ」
『ここで読むからいい』 ボフッ
「俺そろそろ寝るんだけど」
『ふーん』 ペラ
「…………」
『…………』
「……ったく」 カタカタ
『…………』 ペラ
「…………」 カタカタ

656合図は雷注意報:2012/11/15(木) 16:28:34 ID:???
>ピカッ! ドーン! ゴロゴロゴロゴロ…
「ぅおっ! 雷?」
『…………』
「今のはどっかに落ちたかもなー。距離は遠いだろうけど」
『…………』
「今の見たか? すげー雷だな」
『見てない』
「は?」
『見てないし』
「いや今すげー光ったべ。つかいつの間に毛布ん中に潜り込んでんだよ」
『見てないってば』
「…………」
『…………』
「……なに、こえーの?」
『はぁ? そういうのやめ』 バッ
>カッ!
『ひぅっ!?』 ガバッ
「…………」
『…………』
「今ビビったろ」
『そんなんと違うから』
「悲鳴あげたじゃん」
『違いますぅ、お兄の顔が醜悪すぎて驚いただけですぅ』
「んだコラ、毛布引っぺがしてやんよ」 グイ
『ちょっ、やめてよっ』 ギュゥ
「オラオラ」 グイグイ
『ちょっ、やだっ』 ギュゥウ
「ほれほれめくれちゃうぞー」 グイグイ
『やめっ』
>カッ! ドォーン!!
「うおっ」
『きゃあっ!!』

657合図は雷注意報:2012/11/15(木) 16:29:23 ID:PFcoxlsM
「今の近いな。大丈夫か?」
『…………』 プルプルプルプル
「……おい」 ポン
『ひっ!? え、な、なに!?』 ビクッ
「大丈夫か?」
『な、なにが? 別に? なに?』
「…………」
『…………』
「…………」
『……ちょ、ちょっと』
「あ?」
『な……なんかしゃべれ』
「は?」
『なんか話してよ』
「なんでよ」
『べ……別にっ』
「じゃあやめた」
『はぁ?』
「怖くないんだろ?」
『…………怖くない』
「じゃあいいじゃん」
『…………。…………コワイ』
「あ? なに?」
『かっ……! 雷怖いからっ、なんかお話してよっ……!』
「…………(なんだこいつ。可愛いな)」
『うぅ……』
「んじゃあもうちょっと詰めて」
『え?』
「ベッド。狭いっつーの」
『は? え?』

658合図は雷注意報:2012/11/15(木) 16:33:40 ID:PFcoxlsM
「いや俺もう眠いから。話しながら寝るわ」
『はぁあ!? ちょっ』
「はいはい詰めた詰めた」 グイグイ
『ひゃぁっ! どこ触ってんの!』
「毛布の上からじゃわかんねーよ。早くしろ」
『くっ…………これでイイ?』
「ん、で?」
『?』
「何話して欲しいんだよ」
『は? 私が決めんの?』
「当たり前だろ」
『えー……うーん……』
「…………」
『が……学校のこと、とか?』
「大学? そうだな……あ、この前合コン行ったわ」
『は!?』 ガバッ
「声でけぇよ。なんだよ」
『ご、合コンってアレでしょ? 男と女が集まっていろいろ……あ、アレなコトするやつでしょ?』
「アレなことってなんだよ……ちょっと飲んだり話したりしただけだっつーの」
『…………』 ジトー
「……なんだよ」
『め、メアドとか……交換した?』
「まあ、したけど。別に連絡取り合ったりとかはねーよ」
『ふ……ふーん……そっ、か』
「うん」
『……可愛い人とか、いなかったの?』
「は? うーん……そこまで……のは、いなかったな」
『へ、へー』
「…………」
『…………』

659合図は雷注意報:2012/11/15(木) 16:34:03 ID:PFcoxlsM
「……あー……」
『……なに』
「お前より可愛いのはいなかった、かな」
『』 ビクッ
「…………」
『…………』
「…………」
『…………。……もうねる』
「……おう」
『…………』モゾモゾ
「…………(言わなきゃよかっ、た?)」
『…………』 ギュゥ
「な……なんだよ」
『別に? ちょっと手触っただけじゃん』
「いや…………うん……(モロ握ってるけど……)」
『うん』 ニギニギ
「…………」
『…………』 グニグニ
「…………」
『……ちょっと』
「…………なんだよ」
『手汗、ペタペタするんだけど』
「……嫌なら握るのやめれば?」
『…………』
「…………」
『…………怖いから』
「…………」
『雷怖いだけだから』
「あ? ……あぁー……?」
『……あほ』 ギュゥ
「…………」
『…………』
「……もう寝るわ。おやすみ」
『ぁ……うん』
「…………」
『…………』
「…………」 ギュ
『!』 ビクッ
「…………」
『……ん……』
「…………」
『…………おやすみっ』 ギュッ

660合図は雷注意報:2012/11/15(木) 16:34:28 ID:PFcoxlsM
おわり

661以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/16(金) 00:21:47 ID:???
雷怖いの口実に甘える妹可愛い

662以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/16(金) 02:15:39 ID:???
この妹毎度可愛すぎるんですけど
そろそろ萌え死ぬぞ俺は

663以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/26(月) 07:27:39 ID:???
ツンデレ、というよりはツンツンと恋仲になるまでだろうか
ツンデレの素質は盛り込んだつもりだけどよくわからん

一人称小説形式
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2661.txt

664以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/26(月) 11:31:05 ID:???
はっはーん、続いて欲しい物だ!
可愛い!!

665以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/26(月) 17:14:45 ID:???
>>663
うわー、すっごい可愛い!
GJ!!

666以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 03:13:19 ID:???
これは…良いものだ…
ぜひ続きを!

667以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 03:21:16 ID:LbyOngmQ

>ガチャ…
『…………』 ソーッ…
「zzz」
『…………ホッ』
>パタン…
『…………』 ジー
「zzz」
『…………ヨイショ……』 モゾモゾ
「zz……ん」
『』 ビク
「ムニャ……zzz」
『…………フゥ』
「zzz」
『…………』 ジー
「zzz」
『…………』 フニフニ
「んぅ……zzz」
『』 クスクス
「zzz」
『…………』 ギュ
「zzz」
『……♪』

668以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 03:21:42 ID:LbyOngmQ
〜〜

「ふぁ〜ぁ……おはよう」 ガチャ
『おはよう。早く朝ごはん食べてよね』 カチャカチャ
「んー……母さんは?」
『もう出た』 ジャー
「そうか……いただきます」 モソモソ
『…………』 キュッ、ガタ、ストン
「…………」 モグモグ
『…………』 ジー
「……なんだよ」
『別に。それより早く食べてよ。お皿洗えないじゃん』
「ん……」 モグモグ
『…………』
「…………」 モグモグ
『…………美味しい?』
「ん? うん」 モグモグ
『ふーん……』
「ん……(モグモグ、ゴクン)ごちそうさまでした」
『ん』
「じゃあ皿宜しく。着替えてくるから」 ガタ
『あ、ちょっと待って』 グイ
「あ?」
『ん、ほら、お弁当。ついてたよ』
「あ、本当だ。ありがと」
『ん、早く着替えてきなよ』
「はいはい」 スタスタ…
『…………』
『…………』 パクッ
『…………』
『…………んふっ♪』 ニヘ

669以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 03:22:23 ID:LbyOngmQ
おわり
食べカスのことお弁当って言うの萌える

670以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/27(火) 03:58:37 ID:???
ツンケンしつつも面倒見のいい妹がこんなんだったらどれほど幸せなことか
というかこれもう新婚だろこれ

671以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/28(水) 16:50:00 ID:???
>>668
可愛いなあおい

672以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/03(月) 10:44:09 ID:???
男「なにその服。そんなに肩出して、寒くないの?」
女「これが最近のはやりなの。どうかな?可愛い?」
男「大きすぎてだるんだるんじゃん。二の腕まで襟垂れてるよ」
女「こ、これでいいの。着方はこれで間違ってないの!」
男「なんで顔紅くしてんのさ。そんなに恥ずかしいなら脱げばいいのに」
女「〜〜〜っ!」
男(襟引っ張って顔隠すのはいいけど、裾からくびれがちらついてますよ。眼福眼福)
女「・・・・・・なにニヤニヤしてんのよ」
男「殴られそうだから言わない」
女「あーもう、ほっといてよっ!」
男(そんな出してたらお腹壊しますってば)
男「はいはい、せっかくの可愛い服が雑誌裏のハイネック広告写真みたいになってますよ」
女「ちょっ、なんで手をつかむの?!さわんないでよ!」
男「はいはい、可愛い可愛い。可愛いからちょっと手を離そうか」
女「なんかいや!」
男「ふははー、よいではないかよいではないかー」ぐいっ
女「あっ」パッ
ストンッ
男(襟が広すぎて肩に掛からずそのまま落ちただと?!)
女「〜〜〜っ!」
男「これは不慮の事故だよ。まさか俺だってこんなことになるとは痛《い》ってえっ!」
女「しねっ!いますぐしねっ!」



女「ね、ねえ」モジモジ
男「なんですか」
女「ほ、ほんとにあの服可愛かった?おかしくない?」
男「うん、すごくいいと思うよ」
女「そっか、うん、ならいいんだ。うん」
男(下着、ピンクだったなぁ)


ドルマンニットで妄想ひろがりんぐ

673以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/04(火) 17:49:06 ID:???
可愛いGJ!!

674以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/19(水) 23:55:58 ID:???
お題
・上司、停電、雷

>ピカッ‼ ゴロゴロ…

「うおっ……雷すごいっすねー」 カタカタ

『そうね。別府がさっさ処理しないで仕事貯めるから、益々酷くなってきたわね』

「すんません……」

『いいからさっさとやっちゃいなさい。雷が落ちて停電なんてしたらたまったもんじゃないんだかr』

>カッ‼ ッドーン‼‼
>バツンッ!

『きゃっ!?』 ガシッ!

「え?」

『…………』

「あっ…………ぅうぉおおぉぉおぉぁおおあぁぉあ〜〜〜……」 ガクッ…

『っ!? べ、別府?』 ギュッ

「嘘だろ……あと5分もあれば終わったってのに……このタイミングで停電とか……死にたい……」

『な、なんだそんなコト……い、いきなり変な声出さないでよね……何事かと思うじゃない……』

「すみません……でもこれはちょっと精神的に……」

『さっきも言ったけど、さっさと処理しておかないあんたが悪いのよ。文句言わないの』

「それはそうですけど……」

『まったく……文句言う暇があるならどうにかして明かりを確保しなさい』

「それもそうですね。とは言ってもケータイは貴重品ロッカーに預けたままだし、業務用のPHSはライトなんて着いてないし……どうしますかね?」

『そんなモノなくても、確か廊下に非常用の懐中電灯が設置されてるでしょ。そんなことも覚えてないの?』

「そう言えばそんなのありましたね。まあ取り敢えず俺とって来ますよ。椎水さんはここで待っててください」

『わ……わかった……』

「はい」

『…………』

「…………」

『……?なにしてんの? 早く行きなさいよ』

「え?いや……手を……」

675以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/19(水) 23:56:34 ID:1dXFnXow
『手?』

「あの……椎水さんが、手を離してくれないと……動けないんです、けど……」

『っ!?な、なにヒトの手ェ握ってんのよ!』 バシッ

「いてっ! 違いますって! 停電して明かりがなくなった瞬間に椎水さんが咄嗟に俺の手を握ってきたんですって!」

『なによ! そんなことあるわけないでしょ!』

「ホントですよ……こんなどうしようもない嘘吐いてどうするんですか……」

『うるさい!いいから早く行きなさいよ!』

「わ、わかりましたって……ここで待っててくださいね」 クル

『…………』 グイ

「…………」

『…………』

「……椎水さん……?」

『こ、コレはアレよ……そ、そう。別府が迷わないように、つ、着いて行って上げようかと……』 ギュ

「…………」

『…………』

「……もしかして……暗いとこが苦手なんですか?」

『そっ……! ……んな、わけ……』 ギュ…

「はぁ、わかりました。取り敢えず一緒に行きましょう。懐中電灯のところまで案内してください」

『わ、わかった……』

「はい」

『…………』 ギュ

「…………。……あの、椎水さん?」

『? なによ、は、早く行きなさいよ』

「…………案内してくれるんじゃなかったんですか……?」

『ぁっ…………な、なによ!イイから先に行きなさい!男でしょ!(?)』

「はいはい……」

676以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/19(水) 23:57:11 ID:1dXFnXow
〜〜

「…………」 スタスタ

『…………』 ギュ、ギュ

「…………」 スタスタ

『…………』 ニギニギ

「…………」 スタスタ

『…………』 モミモミ

「…………」 スタスタ

『…………』 スリスリ

「……あの、椎水さん」

『? なに?』

「……くすぐったいんで、俺の手で遊ぶの、やめてもらえませんか……?」

『べ、別に遊んでなんか……!』

「…………」

『…………ふん……』

「(つーか手ェ離さねぇし……いつの間にか指絡めてくるし……)」

『…………』 サスサス

「(両手でしっかり捕まってるから身体近いし……オマケになんか体温高えよこの人……子供かよ!)」

『…………』 ギュー

「(そんなに俺の手が気になるのか……?ていうかこのくっつき様……暗闇だと怖がりな上に甘えたがりなのか……?)」

『ん……あ、コレよ、懐中電灯』

「あ、そうですね。暗くて気づきませんでした」

『それじゃあ戻りましょうか。ほら、灯りつけて』

「はい。それじゃあスイッチ、オン」 カチッ

677以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/19(水) 23:57:32 ID:1dXFnXow

>パッ

「ん?」

『え?』

「あれ、照明が……停電もう復旧したのか?でも丁度いいや。このまま戻りましょうか、椎水さ、ん?」 クルッ





『ぁ……』←顔真っ赤





「…………」

『ば、バカ!いきなりこっち見ないでよ!』 グイッ

「す、すみません(?)……」 プイッ

『…………』

「…………」

『…………』

「も、戻りましょうか?」

『…………うん』

678以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/19(水) 23:58:14 ID:1dXFnXow
おわり
暗闇になると途端に甘え出すとかポイント高いと思うの

679以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/20(木) 07:08:07 ID:???
こんな上司がいたら毎日会社行くのも楽しいだろうに……

GJ!!

680以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:14:07 ID:???
To:ばか
2012/12/24/22:27
件名:寝れない
本文:
相手しろ

from:ばか
2012/12/24/22:31
件名:Re:寝れない
本文:
俺はもう寝たい

To:ばか
2012/12/24/22:32
件名:Re:Re:寝れない
本文:
黙れ
なんかしゃべれ

from:ばか
2012/12/24/22:38
件名:Re:Re:Re:寝れない
本文:
眠い

To:ばか
2012/12/24/22:39
件名:Re:Re:Re:Re:寝れない
本文:
心頭滅却すれば眠気もまた涼し

681以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:15:01 ID:???
from:ばか
2012/12/24/22:41
件名:Re:Re:Re:Re:Re:寝れない
本文:
意味不明だ

To:ばか
2012/12/24/22:42
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:寝れない
本文:
ばーか

from:ばか
2012/12/24/22:46
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:寝れない
本文:
うっせーぞ最下位

To:ばか
2012/12/24/22:47
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:寝れない
本文:
黙れ
今回の期末は調子が悪かった

from:ばか
2012/12/24/22:49
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:寝れない
本文:
じゃあいつも調子悪いのか

682以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:15:27 ID:???
To:ばか
2012/12/24/22:50
件名:RE:寝れない
本文:
生理

from:ばか
2012/12/24/22:51
件名:Re:RE:寝れない
本文:
嘘つけ

To:ばか
2012/12/24/22:52
件名:Re:Re:RE:寝れない
本文:
セクハラ
訴えてやる

from:ばか
2012/12/24/22:55
件名:Re:Re:Re:RE:寝れない
本文:
もうわけわからん

To:ばか
2012/12/24/22:55
件名:Re:Re:Re:Re:RE:寝れない
本文:
うるさい

683以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:15:54 ID:???
from:ばか
2012/12/24/22:57
件名:Re:Re:Re:Re:Re:RE:寝れない
本文:
うるさくねーよ
メールじゃん

To:ばか
2012/12/24/22:58
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE:寝れない
本文:
うっせばーか

from:ばか
2012/12/24/22:59
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE:寝れない
本文:
ばーか

To:ばか
2012/12/24/23:00
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE:寝れない
本文:
友ちゃんに小学校の卒アル見せてもイイの?

from:ばか
2012/12/24/23:01
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE:寝れない
本文:
約束が違うぞ

684以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:16:37 ID:???
To:ばか
2012/12/24/23:02
件名:RE2:寝れない
本文:
じゃあなんかしゃべれ

from:ばか
2012/12/24/23:06
件名:Re:RE2:寝れない
本文:
何を

To:ばか
2012/12/24/23:07
件名:Re:Re:RE2:寝れない
本文:
なんか
ご飯とか

from:ばか
2012/12/24/23:09
件名:Re:Re:Re:RE2:寝れない
本文:
今日ラーメン食った

To:ばか
2012/12/24/23:10
件名:Re:Re:Re:Re:RE2:寝れない
本文:
イヴに?

from:ばか
2012/12/24/23:11
件名:Re:Re:Re:Re:Re:RE2:寝れない
本文:
うるせーよ

To:ばか
2012/12/24/23:12
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE2:寝れない
本文:
イヴに一人でラーメンとか
さみしいヤツ

from:ばか
2012/12/24/23:18
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE2:寝れない
本文:
一人じゃねーし

To:ばか
2012/12/24/23:19
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE2:寝れない
本文:
どうせ家族とでしょ?

from:ばか
2012/12/24/23:21
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE2:寝れない
本文:
彼女とですけど?
ですけど?

685以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:17:03 ID:???
To:ばか
2012/12/24/23:24
件名:RE3:寝れない
本文:
モニター持ち歩くのやめたほうがいいよ

from:ばか
2012/12/24/23:26
件名:Re:RE3:寝れない
本文:
ぶっ飛ばすぞ

To:ばか
2012/12/24/23:34
件名:Re:Re:RE3:寝れない
本文:
いつの間に彼女できたん

from:ばか
2012/12/24/23:35
件名:Re:Re:Re:RE3:寝れない
本文:
お前の知らぬ間に

To:ばか
2012/12/24/23:37
件名:Re:Re:Re:Re:RE3:寝れない
本文:
ウチが知ってる人?

from:ばか
2012/12/24/23:38
件名:Re:Re:Re:Re:Re:RE3:寝れない
本文:
さあ?

To:ばか
2012/12/24/23:40
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE3:寝れない
本文:
なにそれ

from:ばか
2012/12/24/23:41
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE3:寝れない
本文:
だって嘘ですしおすし

To:ばか
2012/12/24/23:41
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE3:寝れない
本文:
は?

from:ばか
2012/12/24/23:44
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE3:寝れない
本文:
彼女なんかいません
見栄張りました
コレで満足か

686以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:17:33 ID:???
To:ばか
2012/12/24/23:50
件名:RE4:寝れない
本文:
死ね

from:ばか
2012/12/24/23:51
件名:Re:RE4:寝れない
本文:
生きる

To:ばか
2012/12/24/23:53
件名:Re:Re:RE4:寝れない
本文:
ばーか

from:ばか
2012/12/24/23:54
件名:Re:Re:Re:RE4:寝れない
本文:
うるせーよ

To:ばか
2012/12/24/23:58
件名:Re:Re:Re:Re:RE4:寝れない
本文:
あのさ

from:ばか
2012/12/24/23:59
件名:Re:Re:Re:Re:Re:RE4:寝れない
本文:
なにさ

To:ばか
2012/12/25/00:04
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE4:寝れない
本文:
明日暇?

from:ばか
2012/12/25/00:06
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE4:寝れない
本文:
どっちだ

To:ばか
2012/12/25/00:09
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE4:寝れない
本文:
なにが?

from:ばか
2012/12/25/00:11
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE4:寝れない
本文:
25なのか26なのか

687以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:18:19 ID:???
To:ばか
2012/12/25/00:12
件名:RE5:寝れない
本文:

今日で

from:ばか
2012/12/25/00:14
件名:Re:RE5:寝れない
本文:
暇ですが
文句あるか

To:ばか
2012/12/25/00:15
件名:Re:Re:RE5:寝れない
本文:
さみしいヤツ

from:ばか
2012/12/25/00:17
件名:Re:Re:Re:RE5:寝れない
本文:
(#^ω^)ビキビキ

To:ばか
2012/12/25/00:20
件名:Re:Re:Re:Re:RE5:寝れない
本文:
暇な

To:ばか
2012/12/25/00:20
件名:
本文:
違う
途中送信した

from:ばか
2012/12/25/00:21
件名:Re:
本文:
おう

To:ばか
2012/12/25/00:22
件名:Re:Re:
本文:
うっさい

from:ばか
2012/12/25/00:23
件名:Re:Re:Re:
本文:
なんも言ってねーだろww

To:ばか
2012/12/25/00:24
件名:Re:Re:Re:Re:
本文:
笑い声が聞こえた

688以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:18:48 ID:Xfe8tSyw
from:ばか
2012/12/25/00:26
件名:Re:Re:Re:Re:Re:
本文:
まあ笑ったけど
以心伝心か

To:ばか
2012/12/25/00:35
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
本文:
なにいってんの
ばか?

from:ばか
2012/12/25/00:36
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
本文:
うるせーな
そんで暇な俺に何の用

To:ばか
2012/12/25/00:41
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
本文:
クリパの買い出し手伝え

from:ばか
2012/12/25/00:43
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:
本文:
えー

To:ばか
2012/12/25/00:46
件名:RE:
本文:
嫌?

from:ばか
2012/12/25/00:47
件名:Re:RE:
本文:
いいけど

To:ばか
2012/12/25/00:48
件名:Re:Re:RE:
本文:
じゃあ9時に駅

from:ばか
2012/12/25/00:49
件名:Re:Re:Re:RE:
本文:
了解

To:ばか
2012/12/25/00:51
件名:Re:Re:Re:Re:RE:
本文:
遅れんなよ

689以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:19:11 ID:Xfe8tSyw
from:ばか
2012/12/25/00:53
件名:Re:Re:Re:Re:Re:RE:
本文:
はいはい

To:ばか
2012/12/25/00:54
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE:
本文:
また明日
おやすみ

from:ばか
2012/12/25/00:54
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE:
本文:
今日な

To:ばか
2012/12/25/00:56
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE:
本文:
うっせ

To:ばか
2012/12/25/00:56
件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:RE:
本文:
おやすみ

from:ばか
2012/12/25/00:57
件名:RE2:
本文:
おやすみ

from:ばか
2012/12/25/02:06
件名:
本文:
愛してるよ

from:ばか
2012/12/25/02:27
件名:
本文:
寝たか

To:ばか
2012/12/25/04:39
件名:Re:
本文:
ばか

690以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:19:52 ID:Xfe8tSyw
おわり
メールだと顔が見えない分余計に不安になるって話

691以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/25(火) 14:38:54 ID:???
これはいいニヨニヨ

692以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/27(木) 02:41:38 ID:???
メールの送受信BOXを友ちゃんに見られてめっちゃからかわれるとこまで想像したwww

693今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:25:16 ID:.CQGN/tc
「…………」 カタカタ
『…………』 ゴロゴロ
「…………」 カタ…
『…………』 ゴロゴロ
「……お前、予定とかねーの?」
『無い』 ゴロゴロ
「……クリスマスなのに?」
『……クリスマスだからなに?』
「アレだ…………彼氏、とか」
『いないし』

694今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:25:45 ID:.CQGN/tc

「友達とかで集まってクリパとかしねーの?」
『しない』
「なんでよ」
『皆彼氏いるし』
「……お前にはいないのに?」
『…………どーゆー意味?』
「……別に」
『……ふーん』
「…………」
『…………』

695今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:26:07 ID:???

「…………」 カタカタ
『……ねー』
「あ?」 カタカタ
『ケーキ食べたい』
「ねーよ。買ってこい」 カタカタ
『お兄買ってきて』
「やだよ。雪降ってんじゃん」 カタカタ
『えー』
「だいたい誰が金出すんだよ」 カタカタ
『ワリカン』

696今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:26:34 ID:.CQGN/tc

「ワリカンでいいのか」 カタ…
『なんで?』
「いや、別に」 カタカタ
『…………』
「…………」 カタカタ
『……ねぇ』
「んー?」 カタカタ
『お兄は、予定無いの?』
「……ねーよ」 カタ…カタカタ
『本当に?』
「なに疑ってんだ」 カタカタ
『飲みサーなのにクリパ無いの?』
「知んね」 カタカタ
『……お兄モテないもんね』
「うっせ……」 カタカタ
『…………』

697今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:26:57 ID:???
「……ケーキ」 カタ…
『ん?』
「ケーキ、コンビニでイイなら、買ってくるけど?」
『……ホント?』

「ん」
『やった♪』
「ん、じゃあ行ってくるから」
『うん』
「友達がバイトしてる方に行くから、ちょっとかかる」
『うん』
「じゃ」 ガチャ
『いってら』
「いってき」 パタン
『…………』

698今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:27:49 ID:???

『…………へへ』 ニヘ
『……へーえへへっ♪』 パタパタ
『……あれ、お兄、ケータイ忘れてる』
『…………』
『(メールチェック……なんちって)』 カチカチ
『…………』 カチカチ
『!』

699今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:28:09 ID:???
==========
クリスマス暇?
もし良かったらウチに来ない?
==========

『…………』
『…………』 カチカチ

==========
ごめん
25は予定あるからいけない
ケーキとかももう予約してあるから
また今度誘ってくれ
==========

『…………』
『…………』 カチカチ

700今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:28:36 ID:???
〜〜

「ただいま〜……さっむいわ外」
『お帰り』
「なんだ、部屋で待ってれば良かったのに」
『ん、別に』
「……なにニヤニヤしてんのお前」
『えっ』 パッ
「…………」
『…………』
「…………」
『……してないし』
「いやしてたろ」
『うるさい。それよりケーキ』
「はいはい……コンビニのやっすい奴だけどな」
『……ふーん』

701今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:28:56 ID:???
「はいよ」
『…………(……わざわざコンビニの袋に入れ直してるけど……コレは間違いなく……)』
「……お気に召さなかったか」
『……別に……早く食べよっ』
「?……おう」
『ん』

702今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:30:12 ID:.CQGN/tc
〜〜

「はー、食った食った……どうだった?」
『うん、美味しかった』
「ん、そうか」


『……流石、一番人気のスイーツ店のケーキだね?』 ニヤ


「なっ!?」 ガタッ‼
『』 ニヤニヤ
「…………なんで知ってんの?」
『ケータイ。置いてった』 ニヤニヤ
「……勝手に見たんか」
『うん』 ニヤニヤ
「……はぁ」

703今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:30:34 ID:???
『予定無いなんて、嘘つき』
「うるせー」
『あんな露骨に誘われておいて』
「うっせー」
『そのヒト、可愛くないの?』
「……まあまあ」
『ふーん』
「…………お前よりは、可愛くない」
『……ふーん?』

704今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:31:01 ID:???
「……なにニヤニヤしてんだよ」
『してないし』
「してるよ。鏡見てこい」
『ん……やっぱしてるかも』
「……なんだそりゃ」
『だって……、…………』
「……なんだよ」
『……ちょっと待ってて』
「は?」
『いーから』
「……はいはい」
『ん』 パタパタ

705今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:31:25 ID:???
『はい』
「……なにこれ」
『プレゼント』
「俺に?」
『うん』
「……ありがとさん」
『開けて』
「……おう」
『うん』
「…………!」 ガサ…
『…………』
「マフラーか……」
『うん』
「サンキュ」
『うん』
「…………」
『…………』

706今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:32:11 ID:???
「…………」
『……かして』
「?」
『巻いてあげる』
「……お前、なんか変だぞ」
『そう?ほら、かして』
「…………はいよ」
『ん』
「…………」
『……ん、できた』 キュ
「ん……あったけー」
『チクチクしない?』
「しない」

707今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:33:03 ID:.CQGN/tc
『ホント?』
「なんでそんなこと聞くんだよ。最近のマフラーなんてチクチクしないもんじゃ……あ……」
『気づいた?』
「……お前コレ…………手作り?」
『……うん』
「…………」
『…………感想は?』
「……いや……気づかなかったわ」
『…………ふーん』
「……っ……!」 バッ
『?』
「…………」
『……!……ねぇ』
「」 ビク
『なんで口元隠すの?』
「……別に」
『…………ニヤけてるでしょ』
「……うるせー」
『…………』

708今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:33:27 ID:.CQGN/tc
「…………」
『……嬉しい?』
「…………おう」
『……ん……あたし……』
「……?」
『…………あたしもさっき……ニヤニヤしてたよ、ね……』
「……!」
『……〜〜っ……! そういうことっ』 パタパタ、ガチャ、パタンッ
「…………」
「…………はぁ」
「……やられたよ……ったく……」

709今更クリスマスネタ:2012/12/27(木) 19:34:02 ID:.CQGN/tc
おわり
長文失礼

710以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/27(木) 20:03:18 ID:???
くそ
なんだこの兄妹!2828が収まらないじゃないか!

711以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/29(土) 19:04:53 ID:???
これは死んだ

712以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/29(土) 19:36:07 ID:???
はああああ妹かわええええ!!!!

713以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/31(月) 02:21:54 ID:585bA45A
「ちなーっ!!」 ドアバーン‼‼‼
『っ……!?』 ビクッ‼
「助けてくれ!!」
『……は?』
「お前の事が好き過ぎてヤバい!!」
『でも……私たち兄妹なのに……』 モジモジ
「そんなのカンケーないさ!」
『そうね!』
「いざ行かん!」
『私達の、輝ける未来へ!』

【完】ババーン‼

714以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/31(月) 02:22:50 ID:???
〜〜

チュンチュン

『…………』 ボー…
『(…………我ながら……なんつー頭の悪い夢を……)』
『…………』

《「好き過ぎてヤバい!!」》

『……ぁぅ……///』
『…………』
『(……まぁ……あり得ないけどね……)』
『…………はぁ……」

ドタドタドタドタ

715以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/31(月) 02:24:09 ID:585bA45A
「ちなーっ!!」 ドアバーン‼‼‼
『っ……!?』 ビクッ‼
『(……こ、このシチュエーションは……!……まさか……まさかっ……!?)』
「助けてくれ!」
『……!(き……きたっ……!?)』



「ワイシャツのボタンが取れた!」



『…………』

716以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/31(月) 02:24:50 ID:585bA45A
「やべえよただでさえ寝坊で遅刻必至なのに!」 アワワワワワワワ
『…………はぁ……』
「な、なんだよそのため息は!?しょうがないだろ!不器用なんだよ俺は!」
『……もう……わかったから……うるさい……黙れ……』
「頼むよちなみ!お前だけが頼りなんだよ!」
『……わかったから……直すから……そのみっともない寝癖を……直してこい……』
「おっけぇい!宜しく頼む!」 ドタドタドタドタドタ
『……はいはい…………はぁ……』

717以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/31(月) 02:26:34 ID:585bA45A
『……一人で妄想して……ばかみたい……はぁ……』
『…………』 チクチクチクチク
「ちな!直せたか!?」 ドタドタドタドタ
『……ほれ……もってけ……』
「よっしゃー!ありがとうちなみ!愛してる!」 ギュッ‼
『…………………………キモい……手ぇにぎんな……』 ペシッ
「おっとすまん!じゃあいってきまーす!」 ドタドタドタドタドタ
『……いってこい……社畜様……』 バイバイ

718以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/31(月) 02:26:55 ID:585bA45A
『…………』
『…………』 ペロッ
『…………』
『(…………流石に……手の味は……残ってないか……)』
『…………』
『…………あほくさ……もっかい寝よ……』 ゴロン
『…………』
『…………へへ……』 ギュッ

719以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/31(月) 02:27:16 ID:585bA45A
おわり
湧いたので出しただけ

720以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/01(火) 21:52:13 ID:0UgYNl0I
規制のせいでこっちに貼るけどくやしいからVIPにまた貼ったるわこんちくしょー
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2688.jpg


>>719
ちなみんの「へへ…」とか反則だろGJ!

721初夢:2013/01/08(火) 02:30:36 ID:R/eaTdMY
「ちなみは、俺のこと嫌いなのか?」
『……当然……タカシのような木偶の坊を好きになる奴なんか……地球人類には存在していない』
「本当か?」
『…………しつこい……なんでそんなこと聞くの』
「いや……実は俺、今度、結婚するんだ」
『…………ぇ……』
「親が良い加減に身を固めろって……お見合いでさ、相手も結構良い人だったし、向こうも俺のこと気に入ってくれたみたいでさ」
『……ちょ、ちょっと……』
「本当はちなのこと、まだ諦め切れてなかったんだけど……今ので決心がついたよ」
『……ぁ、ち、ちがっ……』

722初夢:2013/01/08(火) 02:31:09 ID:R/eaTdMY
「じゃあな、ちなみ。俺みたいな木偶の坊より、ちゃんとお前のこと幸せにしてくれる奴を捕まえろよ」
『ぁ……ぁ、まっ……!』

ガバッ‼

『っ……て…………?』

チュンチュン

『…………』 キョロ…
『…………』 キョロ
『……また夢オチか…………』 ハァ…
「なにが?」
『ひぅっ……!?』 ビクゥッ‼

723初夢:2013/01/08(火) 02:31:38 ID:???
「おはようちなみ。あけおめ〜」
『…………不法侵入……通報した』
「まだ寝ぼけてんのか?ほら、そろそろ準備した方がいいぞ」
『…………なんの……?』
「忘れたのか?今日初詣一緒にいくからって昨夜俺のこと強引に引き止めたじゃんかよ」
『…………そんなことしてない……タカシが……泊めなければ犯すと脅してきたから仕方なく……』
「はいはい。ほれ、ちゃっちゃと支度しろよ」
『……ぅぃ』

724初夢:2013/01/08(火) 02:31:58 ID:R/eaTdMY
〜〜

「流石に外はさみーなー」
『……早く帰りたい』
「まだ神社に着いたばっかじゃん」
『……人混み嫌い』
「ちなは昔からそうだよな。あ、おみくじだって。やってくか?」
『……お参りが先』
「ん、そうだな。じゃあ、この五円玉をっと……」 チャリン
『……お賽銭ケチると……寄るご縁も寄り付かない』
「そういうもんか?」
『……知らない』

725初夢:2013/01/08(火) 02:32:53 ID:R/eaTdMY
「」 ペコリ、ベコリ
『』 ペコリ、ベコリ
「」 パン、パン
『』 パン、パン
「…………(今年も楽しく仲良く暮らせますように)」
『…………(今年こそ素直になれますように)』 ムー
「…………」
『…………(あと今年こそこのバカの鈍感が治りますように)』 ムムー
「…………」
『…………(それから初夢が正夢になりませんように)』 ムムムゥー
「…………(なにをそんなに一所懸命祈ってるんだ……?)」

726初夢:2013/01/08(火) 02:33:13 ID:R/eaTdMY
〜〜
ジャラジャラ

「末吉か……しかも大したこと書いてねーな……ちなは何だった?」
『…………凶』
「うわ、ドンマイ。なんて書いてあった?」
『…………』
「……ちな?」
『…………相愛の仲でもつまらない嘘で別離することもあり……素直になることが肝要……』
「ふーん……ま、縁起も悪いし、結んでいくか?」
『……うん』

727初夢:2013/01/08(火) 02:33:42 ID:R/eaTdMY
〜〜

「はー、甘酒うめぇな」
『……ん』 チビチビ
「そう言えばさっき、やたら真剣にお祈りしてたけど、何をそんなに頑張ってたんだ?」
『…………別に……なんでもない』
「……ふーん」
『…………』 ハッ

《素直になることが肝要》

『…………初夢……』
「へ?」
『……初夢が……本当にならないようにって……お祈りしてた』

728初夢:2013/01/08(火) 02:34:04 ID:R/eaTdMY
「へぇ、どんな夢だったんだ?」
『…………』
『……大事な人が……どこかに行っちゃう……夢……私を置いて…………でも、それは私のせいなの……本当は大好きなのに……私はいっつも素直じゃなくて…………だから……』
「……そう、か……」
『……うん』
「…………」
『…………』
「羨ましいな、そいつ」
『…………は?』

729初夢:2013/01/08(火) 02:34:37 ID:???
「つまりちなは、そいつにはどっかにいかないで、ずっと自分のそばにいて欲しいんだろ?」
『…………』
「だから、ちなにそんなに想われて、すげぇ羨ましいなって」
『…………はぁ……』
「え?な、なんか間違ってたか?」
『……もういい……ばか』
「なんだよ……ちなが言ってんのはそういうことだろ?」
『……そうだけど……そうじゃない……』
「……どういうことだ?」
『…………タカシ』

730初夢:2013/01/08(火) 02:34:59 ID:R/eaTdMY
「ん?」
『…………目、瞑って』
「ん、こうか?」
『……うん……そのまま、ね……』
「?おう」
『…………』 ドキドキ
「…………?」
『…………ぇぃっ……』 ギュッ
「ぅおっ!?な、なんでいきなり手ェにぎんだよ?」
『……うるさい……まだ、目開けちゃダメだから……』

731初夢:2013/01/08(火) 02:35:29 ID:R/eaTdMY
「わ、わかった……」
『ん…………タカシ……』
「お、おう?」
『……ん、その…………私のコト……おいていかないで……ね?』 ポソッ
「えっ……」
『…………なーんちって』 パッ
「え?」
『……ばーか……鼻の下伸びてんぞー』
「なっ……の、伸びてねぇよ!」
『……えへっ……ばーか♡』

732初夢:2013/01/08(火) 02:36:27 ID:R/eaTdMY
おわり
ちなみに初夢は1月2日と1月3日のあいだに見る夢のことを言うらしいですよ

733以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 16:55:30 ID:???
おおおおおおおおおおお

734以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/09(水) 01:02:50 ID:???
悪夢を見て不安になっちゃって素直になるツンデレってホント可愛いよね

735後輩と罰ゲーム:2013/02/12(火) 01:20:36 ID:kNRu27YA
『ふふふ……ふははは……あははははははははは!!』
「…………」
『やった! やってやりました! ようやく先輩に勝ちましたぁー!!』 ヒャホー‼
「くっ……まさかこの俺がぷよぷよで負けるとはっ……!」 ガクッ
『ふふふ……その油断が運の尽きですよ先輩!』
「くぅっ……! あのお邪魔プヨさえ……!あれさえなければ……21連鎖を達成できたのにっ……!」
『しかし負けは負け……約束、もちろん覚えてますよね?』
「ああ……負けたら今日一日、なんでもいうことを聞いてやる……だったな」
『そうです……ではまず……めをつぶってください』
「くっ……わ、分かった……」
『ふふ……さーて……なにをしてやりましょうかねぇ……』
「好きにしろ……覚悟は出来てる」
『……今の言葉……忘れませんよ』
「ああ……男に二言は無い」

736後輩と罰ゲーム:2013/02/12(火) 01:22:06 ID:kNRu27YA
『…………』
「(後輩は一体俺になにをするつもりなんだ……さっきからずっと黙ってるし……それが逆に不気味でもある……)」
『(キッ、キタキタキタキター!!こっ、コレは!友ちゃんに言われた作戦を実行するチャンス!)』 ドキドキドキドキ
『(目は閉じてもらった……! あ、後は勢いでっ……ちゅ、ちゅちゅっ……ちゅーを!)』 ドキドキドキドキ
「お、おい……」
『はひっ!?』 ビクッ
「まだか……?なんかするなら、早くしてくれ……」
『ううううるさいですねっ! は、敗者が指図するなんて百万年早いですっ!』
「くっ、わ、わかったよ……」
『(ぅう……し、心臓が……!でもダメ!今ここで怖気付いたら、こんなチャンス次にいつ巡ってくるかわからないんだから……!)』 ドキドキドキドキ
『い……いきますっ!』
「お、おう……!?」
『(いけ、私!行くのよ!ぶちゅっと!)』 ドキドキドキドキ
「(なにやらタダならぬ気配を感じる……?)」
『ぇ……えいっ!』
「!?」

737後輩と罰ゲーム:2013/02/12(火) 01:22:35 ID:kNRu27YA

ぎゅっ

『…………』
「…………?」
『…………』
「……?おい、椎水……?」
『(ダメ……手を握るのが精一杯で……ちゅーなんかとても……/////)』
「お、おい……目ぇ開けるぞ……?」
『えっ!? あっ、だ、ダメです!!/////』 バッ
「え……?」
『み、見ないでください!! 私今すごい顔してますから!!/////』
「わ、悪い……もう目ぇ開けちまった、けど……な、なんでそんなに顔赤いんだ……?」
『ばっ……! だ、だから見ないでって言ったじゃないですかぁ!/////』
「いや……うん……」
『ぅう……/////』
「…………」

738後輩と罰ゲーム:2013/02/12(火) 01:23:03 ID:kNRu27YA

がばっ

『ひぁっ!?』

「…………」 ギュゥ
『あああああのあのあのせ、先輩ぃっ!?///////』
『(ぎゅってされてる先輩にぎゅって先輩の匂いが顔が私の顔のすぐ横にあってほっぺたがががががぁっ///////)』
「……いや……ごめん。こうでもいしないと……襲っちまいそうで……」
『は、はぇえっ!?/////』
「ちょっとこのままで……」 ギュ…
『はっ……はひ……///////』
「…………」
『…………///////』
「…………」
『……ん/////』 キュッ
『(幸せ……♡)』

739後輩と罰ゲーム:2013/02/12(火) 01:23:35 ID:kNRu27YA
おわり
初心な後輩は愛でるもの

740以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/13(水) 02:37:41 ID:???
なんて可愛いんだ……
GJ!!

741以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/14(木) 06:04:44 ID:???
100%ご褒美じゃねーかwww

GJ!!

7422月13日:2013/02/15(金) 03:15:23 ID:1dXFnXow

「ただいまーっと……お?」
『ん、おかえり』
「なに作ってんの?」
『見ればわかるでしょ?』
「いや……まあ……チョコだろ?」
『ん』
「…………」
『…………』
「……渡す相手でもいんの?」
『ん?……うん』
「……ふーん」
『気になる?』
「べっつに」
『…………』
「…………」
『……お兄こそ』
「あん?」
『貰えるアテはあるの?』
「さあ?」
『……なにそれ』
「……あるって言ったら、どうなんの?」
『…………別に?』
「なんだそれ」
『うるさい』

7432月13日:2013/02/15(金) 03:17:22 ID:1dXFnXow
「…………」
『…………』
「…………」
『……お兄』
「ん?」
『味見……する?』
「えっ?」
『…………』
「ん……す、る。うん、する」
『…………ん』 スッ
「……は?」
『味見、するんでしょ?』
「するとは言ったけど……」
『いちいちスプーン使うのもったいないし』
「いやだからって……」
『……なに?』
「お前の指ごと……チョコ舐めろって言うのか?」
『……うん』
「…………」
『…………嫌?』
「いやっ……じゃ、ない……けど…………別に……」
『じゃあ、ほら』 ズイッ
「……わ、わかったから」
『…………』
「…………い、いくぞ?」
『ん……』
「ぁむっ……」 パクッ
『んっ……』 ビク

7442月13日:2013/02/15(金) 03:26:41 ID:1dXFnXow
「んむっ…………ん」 チュポ
『…………ど、どう?』
「ん……う、美味い」
『そ、そう』
「お、おう」
『へへっ……』 テレッ
「…………」
『…………』
「…………」
『…………うるさい』
「別に何も言ってねーだろ」
『……照れてないし』
「はいはい」
『…………』
「……なんだよ」
『……あたしも味見したい』
「……? すれば?」
『…………させてよ』
「……は?」
『味見、させてよ』
「は……はぁ!?」
『ほら、早く』
「いやっ……!……いや……おう」
『ん』

7452月13日:2013/02/15(金) 03:36:56 ID:???
「じゃ、じゃあ……ほれ」
『うん……い、いただきます』
「……おう」
『はむっ……ンチュっ……』
「っ……!」 ゾクゾクッ
『ん……はぁっ……』 チュポ
「っ…………どっ、どうよ」
『ん…………熱い』
「あ……ま、まぁ、溶かしたチョコだしな」
『そっ、そうじゃなくて……』
「え?」
『…………なんでもない』
「……?」
『…………』
「…………」
『…………』

7462月13日:2013/02/15(金) 03:37:24 ID:1dXFnXow
「お、俺もう部屋いくわ」 クルッ
『……ん』
「…………」 スタスタ
『…………お兄っ』
「ん?」 クル
『ど……どっかにチョコついてない?』
「? 口の端しについてるけど?」
『ふ、ふーん……そ、そう』
「? おう」
『い、いやー……あの、さっ』
「……なんだよ?」
『…………あ……』
「あ?」
『……味見…………するっ?』
「なっ……!?」

7472月13日:2013/02/15(金) 03:37:57 ID:1dXFnXow
『ほ、ほら。キッチンだから鏡もないし、手とかで拭っても綺麗になるとは限らないし……だから、綺麗にするついでに……ね?』
「いやっ……バカおまっ……!」
『…………』
「…………」
『…………ねっ?』
「で、できるかバカッ!」 クルッ
『あっ……』
ダダダダダダッ…ガチャッ、バタンッ
『…………はぁ……』
『…………』
『…………ん……』 ペロッ
『(お兄の口と指……熱かったなぁ……)』

748以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/15(金) 03:40:25 ID:???
こ、これは確実に進んでいる…!!

749以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/16(土) 02:16:39 ID:???
ぬおおお妹かわええええええGJ!!
このシリーズ大好きだぜえ

750以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/16(土) 09:40:54 ID:???
そろそろ妹が引き返せない所まで来ているな……

次も期待するぜ

751以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/18(月) 11:51:17 ID:XTdEC8T.
ほのぼの>>602

『はぁ…………やってしまった……』
『(今日の放課後先輩のお家にお邪魔させてもらえることになって……)』
『(先輩がお手洗いにたった隙に部屋中物色して……)』
『(ついに見つけた……その、え、エロ本を……)』
『…………持って帰ってきちゃった……』
『…………』
『…………』 ゴクリ
『(……取り敢えず見てみるか……)』 ペラ
『…………』 ペラ
『……うわ、凄い格好……』 ペラ
『…………先輩、こう言うのが好きなの……?』 ペラ
『う、うわぁ……コレが……ぱ、パイズリ……』
『…………』 モニモニ
『(……無理だな)』
『…………』 ペラ

752以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/18(月) 11:52:31 ID:XTdEC8T.
『…………』 ペラ
『(……ていうかこの……コレ……大きすぎない?)』
『(……このぐらい?)』
『…………』
『(……こんなん入らんだろ)』
『(だって……これ、ほら……おへそのちょっと下ぐらいまで……)』 サスサス
『…………』
『(……先輩のも……こんな……だったら…………私ヤバイかも……裂けちゃう……?)』 スリスリ
『ってナニ想像してんの私っ!?』 ブンブン
『(でも……もし先輩と、その……するときになったら……)』 ドキ…
『(ギュッてしてもらって……それから、胸とか揉まれたり……)』 ドキドキ
『(そんで……な、舐めてあげたり……舐めてもらったり……するんだよね……)』 ドキドキ
『(そしたら……ココに……先輩の……硬くて、熱いのを…………)』 ソッ…

753以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/18(月) 11:53:10 ID:XTdEC8T.
『んっ……!?』 ビクッ
『はっ……はぁっ……(わ……私……ぬ、濡れて……!?)』
『ん……ふっ……』 ピクッ、ビク
『ぁ……せ……ん…………ふぁっ……』 ピクピク
『せん、ぱ……! 先輩……っ! せ、せんぱっ……ぃ!』 ビク、ビクッ
『ぁっ……! あっ……! 先輩ぃっ……!』
『(ぃっ……き、そ……!)』
『ぁあっ……!せんぱ「prrrrrrrrrrrr」っ!?』
『ひゃ、ひゃいっ!?もひもひ!?』
「お、おうっ!?し、椎水か?」
『せせせせ先輩!?ななななん、なんのご用でしょうか!?』
「あ、いや別に……用って程じゃなくて……」

754以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/18(月) 11:54:29 ID:XTdEC8T.
『な、なんですかそれ……(おかげでこっちは寸止めで……)』
「いやー……ほ、ほら。椎水さ、いつもなら、一緒に遊んだ後とか、メールとか電話とかくれるじゃん?」
『え……?』 ドキ…
「それが今日は無いから……その、なんか怒らせちゃったかな〜、とか……なんか、事故にあったりとかしてないかなって……」
『っ…………!?(や、やばっ……!?)』 ゾクッ
「だ、だからさ……えーっと、その……」
『(だ、ダメ!今はダメ!電話の向こうには先輩がっ……!……ぁ…………でも……これ……先輩が耳元で囁いてるみたいでっ……!)』 ゾクゾクゾクッ
「椎水のことが心配で……さ」
『んんっ!?』 ビクンッ!
「ん……あれ?椎水?」
『ぁっ……!はっ……!(ヤバっ……とまんな、ぃっ……!)』 ビクビクッ、ビクンッ!
「お、おい?なんか苦しそうじゃないか?」
『ふぅっ……! ぁっ……! んぁっ……!? ふ……ぅ……っ!(せ、先輩の声だけで……イっちゃ……て、ぅ……!?)』 ビクンッ、ビクッ!
「だ、大丈夫なのか?おい?」

755以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/18(月) 11:55:19 ID:XTdEC8T.
『ぁ……は……はぁっ……ふぅ……は、ぁ……』 ビク…ビクッ……ピク…
「おーい?椎水、返事しろー」
『はぁ……せ、先輩……』
「ん?なんだ?大丈夫なのか?」
『そ、その……凄く……良かったです……』 トロン…
「え、な、なにが?」
『い、いえ……なんでもないです……』
「大丈夫か? てかもう家には着いたのか?」
『はい……大丈夫です……』
「そ、そか。そんならイイけどさ」
『はい……(先輩……優しい……嬉しい……好き……大好き……大好きですっ……!)』
「あー、っと……長電話もアレだし……そ、そろそろ切るぞ」
『は、はい…………ぁ……先輩……?』
「ん、な、なに?」
『あの……な、名前……』
「え?」
『その…………名前……呼んでくれませんか?』
「え……お……し、椎水の……?」
『ぁ…………い、いえっ……! べ、別にやっぱり……!』
「お、おう……?」
『は、はい……』
「えーっと……そんじゃあ……もう切るぞ?」
『……はい』
「…………」
『…………? ……先輩……?』
「あー……っと………………か、かなみ……?」

756以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/18(月) 11:56:32 ID:XTdEC8T.
『ぁっ』
「じゃ、お、おやすみっ」 ブツッ、ツー、ツー…
『…………』
『…………』
『…………えへ』 ニヘ
『えへへぇ……ぅへへへへへへ!』 フトンダーイブ!
『ぅー! ふふふふふふふっ♪』 ゴロゴロゴロゴロ
『んふふふふふふっ……ふふへへへへへへへぇ♪』 ギュー! ギュー!
『キャー! きゃっほーい!』 ドッタンバッタン
「ちょっと!お姉ちゃんうるさい!」 ガチャッ!
『あ、ちなみ聞いて聞いてー!』
「うるさい!今何時だと思ってんの!」
『先輩が……先輩が私のこと…………えへへへへへへぇ♪』 タハー♪
「なんなのもう……」
『ちょっとちな!私のことかなみって読んでみて!早く早く!』
「はいはい……かなみ?」
『なぁに? タ・カ・シ♡ ……なんつって!なんつって!! ヒャー!!』
「あーもうわかったわかった! わかったから取り敢えずもうちょっと静かにしてよね!」 バタンッ!
『はーい♪ ……うふふ♪ うふふ♪』
『はー……先輩……♡』





「はぁ……椎水の声だけでイくとか……俺って…………はぁ……」 ズーン…

757以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/18(月) 11:56:59 ID:XTdEC8T.
おわり
なんかいろいろアレなんでこっちに

758以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/18(月) 17:04:18 ID:???
おっきっき

759以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/19(火) 23:33:24 ID:???
妄想がピンク色過ぎるwwwwwww



つか男こっそり抜いてんなwwwwww

760以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/29(金) 01:35:44 ID:???
突発的に沸いた。
つ・エスパー能力を手に入れたツンデレ
つ・男限定でテレポートさせる能力を手に入れたツンデレ
つ・男のことを考えるとその場で男を召喚してしまう能力を手に入れたツンデレ

7613月14日、ポッキーは口の端で咥えるもの:2013/03/29(金) 03:40:45 ID:???
<コンコン
「…………」 カタカタ
『……入るよー』 ガチャ
「ん……」 カタカタ
『…………』 ポスッ
「……うーん……」 カタカタ
『…………』 ゴロン
「…………」 カタカタ
『……なにしてんの?』
「……レポート」 カタカタ
『ふーん』
「…………んー……」 カタカタ
『…………』 ゴロゴロ
「……あー…………ん……?」 カタカタ
『…………』 ゴロゴロ
「…………」 カタカタ
『…………お兄ー』 ガサゴソ
「……なに」 カタカタ
『ポッキー食べる?』
「…………いらね」 カタカタ
『そ』
「…………」 カタカタ
『…………』 ポリポリ
「…………んー……」 カタカタ
『…………』 ポリポリ

7623月14日、ポッキーは口の端で咥えるもの:2013/03/29(金) 03:41:33 ID:ClywwdqQ
「…………」 カタカタ
『…………』 トテトテ
「…………」 カタカタ
『ん』
「あ?」 カタ…
『あげる、ポッキー』
「いらねーって……」
『食べさせてあげるから。そのままキーボード打ってなよ』
「あー……はぁ……んじゃくれ」
『ん』
「ん」 ポリポリ、カタカタ
『…………』
「…………」 ポリポリ、カタカタ
『…………』
「…………」 ポリポリ、カタカタ
『……なんか……餌付けしてるみたい』
「んー……」 ポリポリ、カタカタ
『(……聞いてねぇなこいつ)』
「…………」 ポリポリ、カタカタ
『…………』
「…………」 ポリポリ、カタカタ
『…………』

7633月14日、ポッキーは口の端で咥えるもの:2013/03/29(金) 03:42:42 ID:ClywwdqQ
「…………」 カタカタ
『!』 ティーン!
「…………」 カタカタ
『』パク、スッ
「……ん……」 パク
『(……咥えた……!)』
「…………」 ポリポリ、カタカタ
『(もうちょい……)』 ポリポリ
「…………」 ポリポリ、カタカタ
『(あと1センチ……)』 ポリポリ
「……ん?」 ポリ…
『(やべ、気づかれた)』
「……なにしてんの」
『……別に』
「……顔赤いぞ」
『…………別に?』
「…………あっそ」
『……ふんっ』 スタスタ

7643月14日、ポッキーは口の端で咥えるもの:2013/03/29(金) 03:43:06 ID:ClywwdqQ
「…………」
『…………』 ガチャ
「おい」
『……なに』
「ほれ」 グイ
『……なにこれ。くれんの?』
「おう」
『なんで?』
「…………ホワイトデーですけど?」
『あ』
「忘れてんなよ……お前が言ったんだぞ。『ホワイトデーは手作りクッキー』って……」
『…………』
「……なんかいえ」
『…………本当に作ったん』
「……おう」
『……だからここ最近顔合わせなかったん』
「…………おう」
『…………』 ジー
「……なんだよ」
『…………』 ポリポリ
「(……なんかポッキー食い始めた)」
『これで半分』 チュポ
「……?」
『……あげる』 グイ
「は?」
『いいから』 グイグイ
「な、なんだよ……」
『いいからあげる!』 パッ、ガチャッ
バタン!
「…………」
「…………」 パク
「…………」 ポリポリ
「……ある意味……ポッキーゲーム成功だわな」 ポリポリ

7653月14日、ポッキーは口の端で咥えるもの:2013/03/29(金) 03:45:05 ID:ClywwdqQ
おわり
ポッキーゲームのシチュはかなり萌える

766以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 09:34:04 ID:???
>>764
やはりこのシリーズは良い
非常に2828する

767以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/30(土) 17:11:12 ID:???
何かドキドキしちゃった

GJ!!

768以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/12(金) 01:33:56 ID:Rbe6cDaw

『ねぇ』
「んー?」
『嫌い』
「……は?」
『お兄なんか大っきらーい』
「…………」
『…………』
「……だからなんだよ」
『……別に?』
「…………はぁ」
『…………』
「……部屋戻るわ」
『あっそ』

<バタン

『…………』
『……気づいてないかー』
『ま、そんなに暇でもないよねー』

<ガチャ

「…………おい」
『ん?』
「……俺もお前なんか大嫌いだよ。バーカ」
『…………』
「…………」

769以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/12(金) 01:34:28 ID:???
<バタン

『…………』
『…………』
『…………ぅ』 ポロ
『っ……ぅ……、……っく……』 ポロポロ
『ぅっ……ぁ……ふっ……グスッ……』 ポロポロ
『っ……ッグス……ふ……ぁ……ふぇ……』 ポロポロ
『ふぁ……ぁ、ぅぁ……ぅぅぅうううぅぅ……』 グスグス

<ガチャ

「ぅおっ……!?」
『っ!?』 ビク
「ちょっ……」
『ば、やだ、グスッ、こっち……ぅっ、く……くんなっ……!』 グスグス
「いやあの……」
『やめっ……てって、ばかっ……!こっち……グズッ……みんっ、なぁ……!』 グスグス
「だ、だからさ」
『なんっ……!グズッ……こっちくんなよぉ……!』 グスグス

770以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/12(金) 01:35:00 ID:Rbe6cDaw
「いや、あの……う、うそ……なんだけど……」
『グスッ……、………………は?』 グスッ
「いやだから……さっきの……嫌いっての……嘘なんだけど……」
『…………』
「い、いやお前が嘘つくから……今日、エイプリルフールだし……ちょっとし返しっつーか……」
『…………』
「そんな……つもりで…………ハイ」
『…………』
「…………」
『…………バカじゃん?』
「……えーっと……」
『バカじゃん?』
「……はい」
『はぁぁあぁぁああぁぁぁぁぁ……』 ボフッ
「いや元はと言えば」
『お兄』
「……はい」
『……あたしのこときらい?』
「……いいえ」
『……あたしのこと……、…………』
「…………」
『…………』
「…………」
『……もっとこっちよって』
「は?」

771以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/12(金) 01:35:40 ID:Rbe6cDaw
『耳もっとこっち寄せてって』
「……なんでよ」
『なんか……大声で聞くことじゃないじゃん』
「お前が突っ伏してないで起きればいいじゃん」
『いいから』
「……はいはい」 スッ
『…………もっと』
「はいはい」 グー
『もぉっとぉー』
「あーはいはい」 ググッ
『ん』
「はいそれで?」
『…………そのまま答えてね』
「はいはい……」
『…………』
「…………」
『……あたしのこと………………スキ?』 ポショポショ
「あー……まあはい」
『ダメちゃんと』 ガシッ
「ちゃんとって……」
『どうなの?嫌いなの?』
「だから違うって……」
『じゃあなに?』
「あーだからぁ……」
『……だから?』
「…………好きだって」
『…………』
「…………」
『……ンふっ♪』
「なんだy」

772以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/12(金) 01:36:23 ID:Rbe6cDaw


ちゅ

773以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/12(金) 01:36:53 ID:Rbe6cDaw
「…………」
『』 パッ
「…………」
『』 タタタッ

<ガチャ、バタン

「…………」

<ガチャ

「」 ビク
『あたしのも嘘だからっ!!』

<バタン!

「…………」
「…………」 ピト
「…………」
「やっべ俺も顔あっつい……」

774以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/12(金) 01:38:15 ID:Rbe6cDaw
終わり
つーわけで今更四月馬鹿ネタ
妹がキスしたのはほっぺでも唇でもないです嘘だけどね

775以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/12(金) 01:58:11 ID:???
おいおいニヤニヤしすぎて顔が戻らないぞどうしてくれる

776以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/12(金) 18:45:39 ID:???
あああああ、勘違いして泣いちゃう妹かわいいいい!!
GJ!!

777以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/18(木) 00:55:32 ID:Rbe6cDaw
「お嬢ぉぉおおおおおおおお!!!」

『喧しいですわよこのバカシ!!』

「うっひょぉお嬢だお嬢だー」 ヒョイ

『きゃあ!? ぃいきなり何をするんですのこの痴れ者!!///』

「ぅぇへぇへぇへへぇ……お嬢はちっちゃくて軽くて天使だなぁ」 プーラプーラ

『ち、ちっちゃいって言うな!あとプラプラするのをやめなさいっ!』 ジタバタ

「ぐへへぇ、おじちゃんは怖くないよお菓子あげるから一緒にお家に行こうネェ〜?」

『やっ!! はなしなさい〜っ!!』 ペチペチ

「うふふふぇ……お嬢のちっこい掌が俺の頭をぺちぺちするぅ……」 ウットリ

『こ、この変質者!!つ、通報しますわよ!』 ガクブル

「…………」 ストン

『……え?』 キョトン

「通報だなんて……ごめん、お嬢……そんなに嫌がってたなんて……俺、知らなかったよ……」

『えっ……え?』 オロオロ

「もう二度としないし、金輪際話しかけないよ……今まで嫌な思いさせて……ごめん」

『あっ、あの……』

「じゃあな……今まで、ありがと」 スッ

『あのっ!』 ギュッ

「え?」

『え、えと……その……』 モジモジ

「ああ……そうだね……逮捕されるまでが通報だもんね……」

『ち、違います!その……ぁぅ……』

「…………」

『だ、だからそのぉ……お、お菓子!』

「お菓子?」

『わ、私が満足できるような美味しいお菓子を用意していただけると言うのなら、まぁその……何と言うか……お家にお邪魔して……お、お邪魔して差し上げても宜しくてよ!?』

「ぉ……おぉ……」

『あ、貴方がどーしてもっ!どぉ〜しても!!と言うなら!!ですわ!!』

「うんうん」 ナデナデ

『こ、こら!勝手に頭を撫でるんじゃありません!!』 プリプリ

「おっと」

『ふん!』

「…………」

『…………むぅ』

「?」

『だ、誰が止めてイイといいましたのっ?』

「はいはい」 ニヤニヤ

『……ふんっ/////』

778以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/18(木) 00:55:55 ID:Rbe6cDaw
終わり
なんかあふれるパトスを隠しきれなかった

779以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/18(木) 00:57:18 ID:Rbe6cDaw
一週間近く経つのにID変わってない……だと……?

780以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/18(木) 03:12:10 ID:???
したらばはID変わらないよん

781以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/22(月) 03:15:41 ID:???

友「えへへー、やまだぁ♪」すりすり
山「と、友ちゃん、そんなにくっつかれるとやりにくいよ」
友「…私とくっつくの…嫌なの…?」
山「そ、そんなことないよ!だけどさ、部室に誰か入ってきたらまずいんじゃ…」
友「誰も入ってこないから大丈夫よ!」
山「そ、そうかなぁ…」
友「そうよ。だから大人しくすりすりされなさい」
山「うーん…」
友「うにゃー♪」むぎゅっ
山「うわ、と、友ちゃん…(柔らかいのが当たってる…)」
友「んー…」すりすり
山「参ったなぁ…」テレテレ
ガチャ
タ「おいーっす」
か「校内新聞に使う写真持ってき…」
友「…」
山「…」
タ「お、お邪魔だったかな…?」
か「…みたいね。写真は置いてさっさと行きましょ。話は後日ゆーっくり聞かせてもらうってことで」
タ「それじゃお二人さん…仲良くやれよ?w」
バタン
友「…」
山「…と、友ちゃ」
友「もー、ばかばか!!全部山田のせいだからね!!」ぽかぽか
山「いてて!!そ、そんなひどいよ!!」
友「これからどうすんのよ!!タカシくんにもかなみにもバレちゃったじゃないの!!」ぽかぽか
山「だからさっき言ったんだよー!」
友「うぅ…もぉ最悪…」
山「もうバレちゃったんだし、毒を食らわばってことで外でもイチャつけば…ぶげっ」
友「そんなことするわけないでしょ!!外でなんて…は、恥ずかしくて…死んじゃう…」

782以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/23(火) 01:34:19 ID:???
俺が死んじゃう

783以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/04/28(日) 13:27:18 ID:D54wChMw
大規模規制に巻き込まれたツンデレスレ民は多いのだろうか
こっちが盛んになるならそれはそれで嬉しいが

784以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 15:56:18 ID:1dXFnXow
久々の長文投下です
12レス頂きます

785以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 15:57:33 ID:1dXFnXow
雨。
この秋から冬に移る時分には、よく雨が降る。
雨の音は、それほど嫌いじゃない。
だが、雨戸を閉めなければ、流石にこの雨では家中が水浸しになりかねない。
俺の住まう古びた日本家屋は、田舎の村を更に外れ、辺鄙なところに建っている。
一族の初代が相当な変わり者だったらしく、こんなところにデカイ家をおっ建てたそうだ。
俺はそんな変人の血を引く末裔。
敢えて云えば、一族の最後の生き残りだ。
このデカイ家に一人は大き過ぎる、が。
この家に暮らすのは、人間だけでは無い。
「纏」
急に降ってきた雨を凌ぐため、家中の雨戸を閉めて回っていると、縁側に佇む、小さな背中が目に入る。
着物に羽織り、長く艶やかな黒髪をうなじで束ね、そこから覗く肌はいつか見た雪よりもずっと白く美しい。
まるで精巧に造られた日本人形のような少女に、俺は声をかけた。
「どうしたんだ雨の中そんなところに座り込んで。風邪引くぞ」
俺の忠告も虚しく、少女は飄々とした口調で応える。

786以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 15:57:58 ID:1dXFnXow
『儂は風邪など引かぬ。それより主よ、あれを見よ』
そう言うと、少女は縁側から広がる庭先に指を向けた。
「……どれ?」
『あれじゃ、庭の石畳じゃ』
「石畳? それがどうしたって?」
少女と目線の高さを合わせるように屈む。
少女は俺を一瞥すると、またその石畳の方を見て『よいか、見ておれよ』と言った。
「おう……」
ぽつ。
『…………』
「…………」
ぽつ。
『…………』
「…………」
ぽつ。
『…………』
「…………それで、なに?」
石畳に雨粒が滴り落ちるだけの変わり映えしない光景に早くも痺れを切らした俺は、少女に問うた。
少女は何枚かある石畳のうちの一つ、一番縁側に近い物を指差して、こう言った。
『アレじゃ、あの一枚だけ、真ん中が抉れておるじゃろう』

787以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 15:58:23 ID:1dXFnXow
「うん」
『あれはな、この家が建った時から、ああして滴り落ちる雨水を受けて、長い長い時間をかけて、ああして抉れていったのじゃ』
その声は、昔を懐かしむような老獪さと、少女のような無邪気な色をはらんでいて、聞いていると不思議な気分になる。
更にそれはとても透き通っていて、まるで雨音と奏でる音楽のようだ、と思った。
『この家の初代はなんやら物好きでのう。あの石畳だけは、末代まで剥がしてくれるなと言うたんじゃ』
「へぇ……」
『自分の存在がいつか誰からも忘れられようと、自分が残したその言葉で、何かが残っておるのが嬉しいのだとさ』
少女の声が、どこか愁いを帯びたそれに変わる。
思い出しているのだろう、その男の事を。
なんせ、彼女はその初代とやらに会っているのだから。
どころか、二代目も三代目も……俺自身、顔も知らない俺の両親にさえ、少女は会ったことがあるのだ。
それは、彼女が人の身ではなく、妖怪だから。
所謂、座敷童と言うやつだ。
気に入った家に住み着き、少しの悪戯と引き換えに、その家に幸運を齎す。
彼女は何百年とこの家に住み続け、この家、ひいては一族の繁栄を見守り、そして、現在の衰退を見てきた。
『思えば出会った時から死ぬ時まで、変なトコロに拘りを見せるやつじゃった。石畳然り、この家も…………儂も、な』
「……そうか」
『ま、化生の身であるである儂にはわからぬことじゃがなぁ』
そう言うと、先程までの愁いを帯びた顔から一転、意地悪そうに笑って、こう言った。
『儂にわからぬと言うことは、儂よりももっとへんちくりんなお主には、もっとわからぬことじゃろうがな』

788以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 15:58:48 ID:1dXFnXow
「……そうだな」
俺は肩を竦めてそう答えたが、それは嘘だ。
きっと彼は、初代は、少女に自分を忘れて欲しくなかったのだろう。
俺には痛いほどよく分かる。
俺もいつか死に、そうして誰もいなくなったこの家を少女は離れ、いずれ何処か別の家へ住み着くのだろう。
そうして時間の流れと共に、俺や、一族のことも、いつか忘れてしまうのだとしたら……。
『さて、主よ、儂は腹が減ったぞ。飯を持て』
彼女の陽気な声で、我に返る。
いつの間に立ち上がったのか、彼女はさっさと台所の方へと歩いて行ってしまう。
「はいはい……しょうがねぇなぁ」
『それでこそ我が主』
少女の陽気な声が耳に響く。
その後姿を眺めながら、俺は雨戸を閉める。
こんな風に、彼女の愁いを締め出すことが出来たなら……

789以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 15:59:14 ID:1dXFnXow
〜〜

「また負けた……」
『ふん、雑魚め』
俺たちは昼食後の日課である将棋の対局に勤しんでいた。
今日も惨敗だが、これももはや日課となりつつある。
「途中までは勝ってたのに……」
『ふん、先の先までは見通せておるが、その先の先までは見えておらぬ。まだまだ未熟じゃの』
ふん、と得意気に鼻を鳴らす様はまるで若き天才女棋士と言ったところだが、その実、齢300を超える婆だ。
亀の甲より年の功……積み重ねてきた技量の前には、たかが数年積んだだけの知識と戦術は虚しく崩れるのみ、と言ったところか……。
『なんやら無礼なことを考えておるのではあるまいな』
「別に。なんでもないさ」
俺は肩を竦め、将棋盤を片付ける。
どうやら年を取ると、勘も鋭くなるらしい。
『……まあ良いがの。あまり迂闊なことは考えんことじゃ』
「それが長生きの秘訣か?」
『戯け』
俺の冗談を一蹴すると、纏はそそくさとお茶の準備を始める。
お茶とは言っても、格式高い本格的な御抹茶などでは無く、急須で淹れるただの緑茶だが。
本人は隠したがっているようだが、どうにもあの抹茶の苦さが気に入らないらしい。
俺は趣味でやる分には、ああいった物を嗜むのも悪くないと思うんだが……。

790以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 15:59:36 ID:1dXFnXow
『ほれ、さっさと座らんか』
「はいはい」
将棋の後はお茶の時間。これも日課だ。
卓袱台の上に置かれているのは、それぞれの湯呑みとお茶菓子。
手前にはお茶菓子と湯呑みが一つずつ、卓袱台を挟んで向こうには小さめの湯呑みが一つと……今日はやけに多いな。
『なんじゃその目は。やらんぞ、一つたりとも、決してな』
俺の視線に気づいてか、纏はお茶菓子共を隠すように腕で囲った。
しかし、その小さな両腕では隠しきれないほどに大量のお茶菓子がそこにはある。
別にお茶菓子の量の差に文句を言いたいわけではない。
もともと将棋の勝敗によって取り分が決まる約束なのでそれについてはどうでも良い。
しかし……
「いらねーよそんなに大量に……どっから貰ってきた?」
『さあ?戸棚に入っておったわい』
湯呑みを上品に持ちながらお茶を啜る少女に溜息を吐きながら、俺は自分の前に置かれた湯呑みを手に取る。
お互いお茶を啜り、一息ついて、もう一度啜る。
そして、お互いが湯呑みを同時に下げ、お互いの湯呑みが卓袱台に着地した瞬間……!
「くっ……!」

791以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 16:00:04 ID:1dXFnXow
『はっ!』
俺は纏の膝下に置かれたお茶菓子の箱に掴みかかり、纏はそれを寸でのところで回避する。
俺の腕はさながらホーミングミサイルのように箱を追いかけ、纏の小さな腕からそれを回収しようと足掻く。
纏はその小さな体躯を活かし、あと僅かといったところでその追随を退け、箱を死守する。
小さな卓袱台の周りでの二人の攻防は10分近く続き、お互いに息を切らせ、肩を上下させながら睨みあいとなった。
「そろそろ……ゼェ……諦めろよ……」
『ふふ……息が上がっとるぞっ……ック……小僧……ッハァッ……その程度か……?』
「馬鹿言えよちんちくりん……ハァ……俺はまだまだ若いんだぜ……ハァ……」
『ふん……ヒヨッコが……ッゲホッ……それで言うなら、儂の方が……まだ若いじゃろ……』
「言ってろ……ハァ……」
『ふふ……』
「はっ……」
最早、お互い口で言い合うのも疲れて満身創痍である。
……不毛過ぎる……。
「……あーもうやめだ!疲れた!」
俺は時間と労力の無駄を悟り、半ばヤケクソ気味に畳の上に倒れこむ。
纏はそれを見て自分の勝ちを悟ったのか、余裕を繕った笑みをもって戦闘体勢を解除する。
『ふん、そんなものか小童が。最初から諦めておけば良いものを……』
「はいはい……はい……よっ!」
俺は大の字の体勢から脚を思い切り伸ばし、油断し切った纏の脚を勢いよく払い除けるっ!!

792以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 16:00:25 ID:1dXFnXow
馬鹿め!油断したな!!
『ひゃあ!?』
足元への攻撃は予想外だったようで、小さな体躯の少女は間抜けな声を上げながら宙を舞う。
俺は脚を伸ばした勢いのまま腰を軸に畳の上で回転し、倒れこむ纏の身体を受け止める。
勿論、突然のことに驚いて、纏が手放した茶菓子の箱もキャッチする。
実は、俺は最初から纏から箱を奪い取るつもりは無かった。
家にいくら物が少ないとは言え、流石に卓袱台の周りで暴れて怪我をさせたんでは話にならない。
暴れる纏を押さえ付け、箱を奪取する方法を合理的に考えた結果、こうなったのだ。
纏は暫く目を白黒させていたが、やがて状況を理解したようで、俺の腕の中で暴れ出した。
『も……もがぁー!!』
「はいはい捕まえたー。こら暴れんなって」
頭を抱え込む力を少しだけ強くすると、観念したようで直ぐに大人しくなる。
「どうだ?先の先は読めていても、その先の先は読めてなかったみたいだな?」
そう言ってやると、纏は悔しそうに『ぐぬぅ……』と唸った。
ずっと言ってみたかった言葉を口にするのが、こんなに快感だなんて……。
「うわっ……お前コレ超高いやつじゃん……どうやって買ってきたんだ?」
箱に書いてある銘柄と内容数から見て、高級品だとわかる。
『外は面倒じゃ。鉄の塊が走っておるし背の高い建物がたくさんある。それに何より人が多過ぎる。家の中の方がよっぽど快適じゃ』と言い張り、
家から滅多に出ないこいつが買いに行けるような場所に店は無いはずだが……。

793以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 16:01:00 ID:???
『……ウチの当主は脚が悪くて買いに行けぬ上に儂はそのお世話で手一杯。なのに当主はそちらの銘菓を大層気に入って買って来いと儂に駄々をこね……およよ……
と言ったら料金を多めに払う代わりに届けてくれたのじゃ』
「てめぇ……」
なんて捏造をしてくれる。
俺は脚も悪くないしそんな駄々を捏ねるほどもうガキじゃない。
恨みを込めた視線で纏のつむじを見つめていると、ポツリ、と纏が呟いた。
『……怒ったか……?』
纏は小さな指で俺の胸元を引っ掻くようにして、まるで甘える仔猫のようだ。
……いつにも無くしおらしい。
そんな雰囲気に呑まれ、ついつい《いたずら》を許してしまう。
「……これも、日課みたいなんだな……」
『ん?』
「なんでもねー、おこってねーって言ったの」
『ん……』
纏はその細い両腕を俺の首に回し、その柔らかな頬を俺の頬に擦り付けるようにして顔を隠す。
そして耳元で
『……そうかっ……』
と、安堵したような、怒ったような、微笑んだような、ともすれば、泣いているような……そんな声音で、呟いた。
それはまるで、あの抉れた石畳を見つめている時のような、そんな、音色。
俺は、そんな声がもどかしくて……

794以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 16:01:45 ID:1dXFnXow
「……お茶、冷めちまったなぁ」
『……お主が暴れまわるからじゃ』
「人のこと言えねーだろ……っと……」
俺は纏ごと、身体を起き上がらせる。
湯呑みに手をつけるとやはり、冷たくなっていた。
「淹れ直すか」
『うむ』
茶を一度飲み干し、急須にお湯を入れ直す。
湯呑みにお茶を淹れて、卓袱台に並べ『これ、儂の湯呑みをどこへ遣るつもりじゃ?』
「は?元の場所に……」
『こちら側で良い』
「なんでまた……」
俺の純粋な疑問に、纏は『んんっ』と一つ咳払いをする。
『あー汗を少しかいてしまって少し肌寒い上、運動したので背凭れが欲しいところじゃ。二つを一つで満たす物があるとなれば、使わぬ手はあるまい、のう?』
「……なるほどね」
卓袱台の向こう側に置きかけた湯呑みを、こちら側に置き直す。
ついでに大量のお茶菓子も回収し、手元に並べる。
『ん、その緑色のが食べたい』
「はいはい」
『ぁむっ……ムグムグ……んふっ♪』

795以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 16:02:11 ID:1dXFnXow


幸せそうに微笑む小さな少女と、それを支える青年。
二人の声は誰にも聴こえない音色となって紡がれる。
この時間が、長く……永く続けば良いと願う少年の想いと伴に。

796以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 16:02:33 ID:1dXFnXow



雨は、まだ、止まない。

797以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/07(火) 16:04:57 ID:1dXFnXow
終わりです

エロパロ板のロリババア・合法ロリスレにも同じ物を投下しました
雰囲気的にはそっちの方が合ってるかもと思ったんですが、もともとツンデレスレに投下するために書き上げた物なんでやっぱこっちでも投下したいなと

長文失礼しました

798以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/08(水) 01:12:18 ID:???
GJですた

しかし萌えというより人生の儚さ感の方が強く感じてしまうのは、
わたくしがそういう年になってしまったからなんでしょうかねえ……

799以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/08(水) 15:00:27 ID:???
これはGJの一言で済ますには惜しいくらいのGJ
是非続きを読みたい

800以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/05(水) 11:33:35 ID:???
山「友ちゃん」
友「なによ」
山「何か飲む?」
友「要らない」

山「友ちゃん」
友「なに」
山「お腹空かない?」
友「別に」

山「友ちゃん」
友「うるさい」

山「友ちゃん、なんでそんなに機嫌悪いの?」
友「…」
山「ねぇ」なでなで
友「やめて!」ばっ
山「…ボクのせいなの?」
友「…ふん」
山「わからないから、教えてよ。ね?」
友「…ねこ」
山「ん?」
友「昨日…猫…いっぱいなでてた…」
山「…へ?」
友「私そっちのけで猫をいっぱいなでなでしてた!」
山「だから、機嫌悪いの?」
友「ん!」
山「…くすっ…なんだ、そんなことか」
友「そんなことじゃない!」
山「そっか、ごめんね。それじゃ…」
ぎゅっ
友「ひゃっ…」
山「お詫びも込めて、ね。」なでなで
友「はぅ…」
山「ぎゅってしながら、なでなでなんて、猫にはしないよ。友ちゃんだけだからね?」
友「ん…」
山「…これで、許してくれる?」
友「今日ずっとこうしてくれたら…許す…」
山「かしこまりました」

801以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/08(土) 16:35:57 ID:???
・普段上下ジャージな友ちゃんがおめかししてきたら

友「山田」
山「あ、友ちゃんおはよ…おや」
友「な、なによ」
山「友ちゃん、珍しいね。普段は上下ジャージなのに」
友「…私には似合わないって言いたいんでしょ。わかってるわよ」
山「…そんなこと言ってないじゃん」
友「じゃあ感想、正直に言ってみなさいよ」
山「…すごく似合ってるし、すごくかわいいよ」
友「う…そ、そんなのお世辞なのバレバレだし」
山「お世辞じゃないよ。ボクは友ちゃんはもっと女の子らしい格好したほうが良いって思ってたよ」
友「…なんで言ってくれなかったのよ」
山「…恥ずかしいじゃん」
友「ふん、ヘタレめ」
山「ま、まぁとにかく…あれ、友ちゃん、カメラは?」
友「…忘れてきちゃった」
山「忘れたって…一旦取りに帰る?」
友「…良い」
山「へ?じゃあどーすんの?」
友「…はぁ…ほんとこのバカは…」
山「…?」
友「…行くわよ!!買いたいものがあるから!山田荷物全部持ってよね!!」
山「な、なんで機嫌悪いんだ…?」
友「(山田のバカ!!私がなんでおめかしして、なんでカメラ忘れたのか、気づかないの!?)」

802以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/08(土) 16:44:41 ID:???
友ちゃんは実は一番乙女可愛い

803以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/10(月) 00:10:09 ID:???
可愛い

804以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/07/30(火) 02:48:27 ID:???
カタカタ…ッターン
山「ふう、これで今日の作業は終わりっと」
友「お疲れ」
山「あぁ、疲れたー」ぼふっ
友「ありゃ、もう寝るの?」
山「うん、さすがに今日はパソコンずっと見てたから疲れちゃったよ」
友「軟弱者め」
山「友ちゃんは指示出すだけだから良いよねぇ」
友「あんたに仕事やってんのよ。感謝しなさい」
山「へいへい…じゃ、おやすみ」
友「…」
ぽふっ
山「…おっ?…友ちゃん、膝枕とは珍しいね」
友「今日はちょっと頑張ってくれたから、ご褒美よ。友ちゃんの優しさにむせび泣くと良いわ」
山「…んー…太ももがふにふにしてて気持ちいい」
友「ふ、太ってて悪かったわね」
山「そういう意味で言ったんじゃないんだけど…ま、ボクは今くらいの友ちゃんが好みかな…」
友「…そーゆーの、セクハラになるのよ」
山「世知辛い世の中になったなぁ…」
友「ま、別に私は嫌じゃない…けど」
山「…ふふ」
友「…」なでなで
山「んっ…」
友「あんた、私の頭すぐなでなでするから、お返しよ」なでなで
山「…ありがと」
友「なんて顔してんのよ」
山「嬉しくて、幸せで、つい」
友「そ、そーゆーことすぐ言うの、反則」
山「あははっ…」

やがて自分の膝枕の上で寝付いた山田の頭をなでなでしながら、友ちゃんは山田の寝顔を自分の脳裏(あとデジカメ)に記憶するのでした。


山「友ちゃん、このデジカメの中身見ても良い?」
友「ダメ!絶対ダメ!!」

おしまい

805以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:03:55 ID:???
帰宅ラッシュのむさ苦しいおっさんどもの波に揺られ、営業回りで酷使されている脚に鞭打ちながら自転車で約20分の帰り道。
そして、家に着けば待っているのは……
「みこちーん!」
黒髪美人でグラマラス、ポニーテールと口元のホクロがチャームポイントの新妻。
みこちんこと我が妻、別府尊ちゃんだぁーっ!!
玄関まで迎えに出てくれるみこちんの胸にダイヴ!
ふかふかな感触と、甘いのにどこか爽やかな香りが俺を満たしてくれる。
腕を腰に回して頬を擦り付けると、美しいくびれと豊満なおっぱいがおれを包み込む。
「ああ……この瞬間のために生きている……」
『喧しいっ!!』
みこちんの肘が俺の脳天を貫く。
痛い。

806以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:04:36 ID:4SnLyINA
「痛い……」
『ふんっ!』
痛みに頭を抱えて蹲る俺を無視して、みこちんはさっさとリビングに消えてしまう。
ちょっとしたスキンシップなのに……んもぅ!
照れ屋さんなんだからっ!
産まれた病院も同じで、乳児室のなかですらお隣同士、ハイパー幼馴染である俺からすれば、こんなモノは慣れっこだ。
俺は決してMというわけではないが、みこちんに女王様プレイがしたいと言われれば喜んで犬になるし、
スカトロプレイが好きだと言われれば甘んじておしっこでもうんこでも受け入れる所存である。
そんなわけで昔からこんな攻撃を喰らいまくっていた俺の回復力も尋常ではなく、頭の痛みも引いたところでみこちんのあとに続く。
リビングのテーブルの上にはお米と汁物に焼き魚、その他諸々の付け合わせが栄養バランスを考慮した上で鮮やかに並べられている。
その見た目と旨そうな匂いに、仕事疲で機能が低下していた胃を叩き起こす。
しかしまだ我慢だ。

807以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:05:05 ID:4SnLyINA
みこちんはだらしない男が大嫌い。
仕事帰りのスーツのまま食事を摂るなど言語道断だ。
だから空腹を主張する胃袋を抑え込み、手早く着替える。
『ん』
「お、ありがと」
『……ん』
傍から着替えを用意して差し出してくれるみこちんに感謝の意を表しつつ、部屋着に着替えを完了する。
ここですぐさま食事に飛びつきたいところだがそうは問屋が卸しても俺がそうしない。
食事の前には手洗いとうがいをするモノだ。
液体石鹸をつけて掌から指、爪の間、手の甲までしっかり30秒。
もちろん手首も忘れない。
風邪予防の為にもイソジンを使ってきちんと3回うがい。
喉の奥までスッキリだ。
そこまでして漸く食卓につく。
きちんと手を合わせて、
「いただきます」
『うむ』
味噌汁、おかず、お米、とバランスよく食べ進める。
よく噛んでよく味わって食べることも忘れない。
ちなみに、俺は基本的に帰りが遅いのでみこちんは先に食事を済ませていることが多い。
今日もみこちんはお茶を啜りながらチラチラと俺の様子を伺っている。
一通り味わってから、みこちんの目をちゃんと見て、
「今日も美味しいよ。ありがとう」
ちゃんと言う。

808以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:05:32 ID:4SnLyINA
感謝の気持ちは日頃から言わないと腐ってしまうものだ。
腐ったものは取り出しづらくなる。
その前に、新鮮で美しいままに相手に伝えるのが一番だ。
『……そうか』
みこちんはそっぽを向いて、『当然だ』というような表情を作っているけど俺には判る。
これは照れと安心が折り混じったときの表情だ。
普段、尊大な態度を取りがちなみこちんだが、その実とても臆病で、更に照れ屋なのだ。
だからこそ、きちんと言ってあげるのが大事だとも言える。
みこちんは湯呑みに口づけてからその中身が無いことに気がついたようで、それを隠す為なのか照れているのか、湯呑みをくるくる回して弄んでいる。
「ごちそうさまでした」
食べ終わったら食器は自分で片付ける。
しかし洗いはしない。
なぜなら……
『今日も汗臭いぞ。さっさと風呂に入って来い』
「ん? そう?」
『ああ、オヤヂ臭がぷんぷんだ』
みこちんに言われるままお風呂へ向かう。
脱衣所には既に替えのパンツとバスタオルが用意されており、風呂場のドアを開けると柑橘系の入浴剤の匂いが流れてくる。
聴覚に意識を集中すると、キッチンから微かに水音が聞こえてくる。
みこちんが俺の使った皿を洗ってくれている音だ。
出迎えに食事、風呂場の用意の完璧さを見ても判るように、みこちんは元来働き者の上に尽くすタイプだ。

809以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:06:02 ID:???
結婚当初、働きたいと言っていたみこちんだが、(家でお前を待つだけの退屈な日々など真っ平だなどと言っていたが、本当は金銭面で俺に負担をかけさせない為だ。俺には判る)俺が頑として拒否した。
仕事などさせて出先で変な虫がくっついても困る……というのもあるし、女性に経済の一端を負担させてしまうというのは、俺のポリシーが許さなかったのだ。
幸い俺は一流とは言わないまでも大企業に勤め、収入も安定している。
上司とも後輩とも関係はうまく行っているし、契約先の役員の方にも顔を覚えてもらい、指名してもらえるぐらいにはなった。
そういうわけで、みこちんは俺がいない間随分暇だとも言える。
そんなみこちんから家事を取り上げようものなら、逆にちょっとしたストレスになってしまうだろう。
子供がいれば、俺がやってもいいだろうが、生憎まだ子宝には恵まれていない。
みこちんが照れてあんまりさせてくれないのもあるが、やっぱり大事なことは二人でゆっくり進めていかないとね。
そんなこんなでお風呂を堪能し、ほかほか上機嫌でリビングに戻る。
みこちんはテレビでニュースを垂れ流しており、俺に気づかぬまま、ソファの上で惚けていた。

810以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:06:36 ID:4SnLyINA
「今ですっ!」
『きゃあっ!?』
おっぱいを後ろから鷲掴みーっ!
柔らかいのう気持ちいのう。
もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ。
ああ……癒しの時……。
『このっ……! 変態っ!!』
「ぎゃぶぅっ!?」
みこちんの鋭い肘鉄が俺を襲う。
レバーはらめぇ!!
みこちんは腹を抑えて蹲る俺から距離をとり、涙目で威嚇してくる。
『はーっ……はーっ……く……この、油断していれば……!』
「俺なりの愛だよぉ……」
しくしく、と泣き真似をしながら訴えるも虚しく、みこちんの顔は羞恥のそれから憤怒の赤に染まっていった。
あ、やばい。
これは相当お怒りですな。
くそうっ!
誘惑に勝てないこの両手が憎いっ!!
「み、みこちん? なんといいますかコレは夫婦のスキンシップでしてな……」
『離婚だ』
「はい?」
『次に許可なく私の身体に触れたら……離婚してやるっ!!』
「なっ……!」
なんだってー!!?
『ふんっ!』
みこちんは怒り新党、いやさ怒り心頭のまま、夫婦共用の寝室に消えてしまった。
寝室へ続くドアの向こうからは、阿呆だの助平だの変態だの性欲魔人だのと文句と呪詛が飛んでくる。
突きつけられた現実に少々呆然としていた俺は、ソファに倒れこんだ。
「(離婚かぁ……)」
そんな言葉が出てくるとは思いもしなかった。
みこちんは照れ屋さんなので、ちょっと強引な感じで攻めた方が受け入れ易いんだと思っていた。
しかし実際にそんな単語が出てくるということは、照れ隠しで攻撃してくるというのは俺の勘違いで、本当は嫌がっていたのか。
あんな巫山戯た感じではなく、もっとちゃんとロマンチックな状況の方が受け入れるのに抵抗が無いのだろうか。
俺は立ち上がり、垂れ流しのテレビを消した。
「ふむ……」
取り敢えず、寝る前に歯を磨こう。

811以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:07:16 ID:4SnLyINA

〜〜

「あだだだだ……」
翌朝。
ソファで寝たせいか俺の身体はバキバキだった。
時計を見るとまだ4時。
いつもより2時間も早い目覚めだ。
二度寝はみこちんに怒られるので決してしない。
立ち上がって伸びをすると、身体のあちこちがポキポキと小気味の良い音を鳴らす。
洗面所で顔を洗って、トーストとコーヒーを準備する。
起きてしまったものはしょうがないので、このまま会社に行こう。
いつもよりのんびり出勤できるだけ、得だとでも思っておこう。
朝食の後、歯を磨いてからスーツに着替える。
髭はあまり伸びない方なので、毎日は剃らない。
早めに起きてしまったので出勤する旨を書き置きして家を出る。
せっかくなので、自転車ではなく徒歩で駅まで行こう。
朝の4時過ぎともなると、流石に出歩いている人は殆どいなかった。
ランニングしている学生や、朝帰りなのか眠そうな顔をした女性がいるのみだ。
夏でもこの時間では陽は昇りきっておらず、風が吹くと少し肌寒くも感じる。
ふと、そういえば、婚約して、今の家に住むのが決まったとき、この辺を尊と一緒に散策したことを思い出す。
出勤ルートから少し外れ、通りを二つほど横断すると、ちょっと大きめの土手に出た。
幅も深さも大したことはない、小さな川。
そこに映る朝陽を見て、二人で手を握り合ったあの日。
あの日の尊は、昨夜のような不機嫌な顔ではなく、もっともっと、素敵な微笑みを見せてくれていた。
「……そうだよなぁ」
その俺の大事な人を、生涯守り切る。
あの日、この朝陽に俺は誓った。
だから、その誓いを、きちんと守ろう。
朝陽に向けて、俺は拳を握った。

812以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:07:51 ID:4SnLyINA
〜〜

いつも通りの家路を辿り、玄関の扉を開ける。
そして転んだ。
『えっ……』
頭上の尊は、不測の事態に頭がついてきていないようだ。
ふふふ……しかしそれは俺もだ……。
まさか、無意識に尊に飛びかかろうとして転ぶとは……。
だが甘いっ!!
尊に無意識に飛びかかる可能性を考え……
家の前でスクワット100回やっておいたのだ!!(クワッ‼
脚どころか腰までもうヘトヘト、これで尊に襲いかかることはもうできない……。
つまり、尊の嫌がることはできない=尊を守ることに繋がるのだっ!!
どうだ見たか? この完璧なロジック……。
「くっくっくっくっくっ……」
『だ、大丈夫か……?』
うつ伏せのままほくそ笑んでいると、心配気な声が頭上から降ってきた。
尊に無駄な心配をさせてしまったようだ。
さっさと起き上がり、スーツを軽く払って整える。
「ああ、大丈夫」
靴を脱いで尊の横を通り過ぎる瞬間、ふんわりとした良い香りが鼻腔をくすぐる。
すぐさま横っ飛びに抱きつきたいが、掌に爪を、唇に歯を食い込ませて辛うじて耐え切る。
別府タカシ、我慢の子!
いつも通り支度を整えて食卓につく。
……おや?
今日の食事はあまり栄養バランスが良くないようだ。
緑黄色野菜が添えられているものの、なんとなく肉料理が多く、味噌汁ではなくコーンスープ。

813以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:08:21 ID:4SnLyINA
どれもこれも、俺の好物ではあるが……うーむ。
…………。
…………生理かな?
女性は生理のとき、貧血になりがちだと聞くし、血を作る為に肉が食べたかったのかも……。
そう言う意味では、バランスの良い食事と言えなくもないだろう。
まあ、俺の好物でもあるのだし、感謝して味わうとしよう。
『ぉ……おい』
「んむ?」
夢中になって食べていると、尊が急に話しかけてきた。
顔を見てしまうと触りたくなるので、できるだけ顔は見ない。
『……どうだ?』
「ん?」
なんのことやら考えて見みると、そう言えばまだ感想を言っていなかった。
黙って食べているのを見て不安になったか。
ぐふふぅ、愛い奴よ。
「美味しいよ。いつも通りさ」
『…………そうか』
おや、なんだか不満気だな。
というより、拗ねているようにも感じる。
顔さえ見れればすぐに判るのだが、流石に声音と雰囲気だけで尊の精神状態を判断するのは難しい。
しかし自分の条件反射が怖くて尊の顔を見るわけにもいかず、その日はそのままろくに会話も無く、二人で床に就いたのだった。

814以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:09:04 ID:4SnLyINA
〜〜

『…………』
午前6時12分。
夫は出勤済みである。
私は朝に弱く、6時前にアラームをセットしても絶対に起きることはない。
これは二十余年の経験からもわかることで、性格というよりも生態に近く、自分でもどうしようもないのだ。
だから、ここ1ヶ月近く、早起きして出勤する夫の背中を見送ることすらできていない。
ついでに言えば1ヶ月近く夫の身体に触れておらず、さらに言えば、1ヶ月近くのセックスレスである。
『…………』
結婚数年にして、否それ以前から、夫が私に1ヶ月も触れること無く過ごすなど、もはや天変地異の前触れである。
…………。
……原因はわかっている。
私だ。
1ヶ月前のあの日、私は夫にこう言い放った。
次に許可なく私の身体に触れたら、離婚してやる、と。
それ以来、一度も私に触れてこない。
どころか、翌日からはろくに目も合わせてくれない。
だが待ってくれ!
私も私なりに謝罪の機会を作ろうと努力したのだ!

815以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:10:03 ID:???
・・・

離婚発言のその晩、私はベッドで夫がやってくるのを待っていた。
私にとってはちょっとした意地悪というか……否、それでも言い過ぎたのには変わりないが、そんなつもりで放った言葉だった。
だからそのうち、夫が私に謝りに来てくれればそれを許し、あわよくばそのままイチャイt……ゴホン。
それはそれとして、私はベッドで待っていたのだが夫はいつまでたってもやって来ない。
逆に不安になった私はベッドから起き上がり、リビングを覗いてみると、奴はソファで寝ていたのだ。
夫はとてもぐったりとしていた。
近づいてみると、寝言かうわ言か、私の名前をしきりに呼んでいた。
私は自分の発言の軽率と重さを実感し、夫が起きたらきちんと謝ろうと思った。
しかし翌朝。
起きてみれば夫の姿は無く、早めに出勤する旨の書き置きが残されていた。
私は事の重大さを思い知った。
夫はどうやら、酷く怒っているらしかった。
朝は私が起きるまで、横で頭を優しく撫でてくれている夫が、ベッドにいないどころか家にもいない。
それもそうだ。
奴は昔から、私に触れると癒されると言っていた。
いつも汗水流して私の為に働いてくれているのに、その癒しを私は奪おうとしたのだ。
下手をすれば愛想を尽かされても……最悪、他の女に……。
想像するだけで泣きそうだった。
私は商店街が開く時間になると身支度もそこそこに家を飛び出し、買い出しに向かった。
産まれた病院も同じで、乳児室のなかですらお隣同士、ハイパー幼馴染である私からすれば、奴の好みなどとっくの昔に把握済みだ。
奴が好んでよく食べる緑黄色野菜を八百屋で買い込み、肉屋で普段は買わないような高い肉を牛、鳥、豚、もちろん国産で揃える。
他にもコーンスープの材料など諸々を買い、家に戻る。
下拵えをしてから、洗濯やら掃除やらを済ませ、本格的に料理に取り掛かる。
手間暇をかけて渾身の夕食を作り上げると、丁度いい時間だった。
朝食も昼食も摂っていなかったが、空腹などどこかへ飛んで行ってしまった。
食卓に料理を並べる前に、部屋着ではなくきちんとした服に着替え、普段はしない化粧をする。
どれもこれも、奴と仲直りする為の計画の一部だった。
私の計画はこうだ。

==========
「ただいま」
『おかえり』
「わあ、今日は俺の好物ばかりだね」
『一生懸命作ったのよ』
「すごく美味しいよ! お化粧までして、いったいどうしたんだい?」
『その……昨夜のことで謝りたくて……言い過ぎだったわ。ごめんなさい』
「俺こそやり過ぎだったよ。でも、愛し過ぎるがゆえなんだ」
『わかってるわ。私も愛してるもの』
「尊……!」
『あなた……!』
キャッキャウフフ
==========

概ねこんな感じである。
馬鹿馬鹿しいかもしれないが、私はどうにも素直になれないのが悪い癖だ。
しかしそれを今すぐ直すのは難しい。
だから、自分で自分が素直になる為のお膳立てをしようというわけだ。
そして、あとは奴が帰ってくるのを待つだけだ。

816以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:10:25 ID:4SnLyINA
・・・

結果から言えば、その計画は失敗に終わった。
夫はなぜか玄関に入るなり盛大に転び、以来、私の顔すら見ようとしなかった。
私の横を通り過ぎるときは拳を固く握って歯を食いしばり、何かを必死に耐えているようだった。
食事中も、いつもなら向こうから目を見てはっきりと感想と感謝を言ってくれるのに、こちらが聞くまで無言の上、最後まで私の顔を見てはくれなかった。
寝るときは同じベッドで寝たが、寝ているときでさえも私に近づこうとはせず、奴の態度は徹底していた。
そんな馬鹿馬鹿しい計画を繰り返すこと約1ヶ月……。
今日もまた、夫は早朝出勤で、書き置きを残して行った。
正直、私の方はもう限界に近かった。
相手に触れることで癒されていたのは奴だけではなかったのだ。
『……今日帰ってきたら、素直に謝ろう……』
私は決意し、夕食の支度に取り掛かった。
そして、ようやく準備が終わったところで、奴から電話がかかってきた。

817以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:10:54 ID:4SnLyINA
〜〜

上司からの急な誘いで、飲み会に付き合わされて遅くなってしまった。
どうやら、ここのところ尊との触れ合いが欠乏し過ぎてやつれていた俺を心配してくれたようだったが、お酒はあまり得意ではないし、ありがたくもあったが実際遠慮したかった。
しかし後輩たちに押し切られ、女性社員にホステスされたりホストしたりしているうちにこんな時間になってしまった。
尊には途中で連絡したものの、『そうか』とだけ言って電話を切られてしまった。
また怒らせてしまったらしい。
ここのところ、できるだけ尊に嫌な思いをさせないように努力していたが、流石にこの身も限界が近いようだ。
顔色が相当悪いのか、取引先の方から「もっと待遇良くするからうちに来ないか」などと冗談だか本気だかわからないお誘いを受けるほどだ。
「帰ったら、土下座してでも抱きしめさせてもらおう……」

818以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:11:32 ID:4SnLyINA
〜〜

玄関を開けると、真っ暗だった。
「……?」
明かりをつけてみるが、やはり誰もいない。
いつもなら尊が俺を出迎える為に玄関の明かりをつけて待っているはずなのだが……。
リビングに進むと、ここも電気はついていなかった。
「あれ?」
食卓には夕飯がセットしてあるが、どれもこれもだいぶ前に準備されていたようで、茶碗を触ってみると、既に冷たくなっていた。
今日の夕飯も、豪華だった。
「…………」
やはり、怒らせてしまったらしい。
それもそうか。
いくら急な誘いとはいえ、これだけの準備をして待ってくれていたのを無駄にしてしまったようなものだ。
「(これも含めて、ちゃんと謝らなきゃな……)」
おそらく、尊は不貞寝でもしているのだろう。
寝室を覗いてみると、案の定、ベッドの上が盛り上がっていた。
カバンをベッドに置き、尊の側まで近づく。
まだお許しを得ていないので触ることはできないが、近づくぐらいならいいだろう。
「尊……? あのさ……」
と、そこで、毛布から伸びてきた腕によってベッドに組み伏せられた。
「痛っ……!?」
ベッドに叩きつけられた衝撃に視界が眩む。
『タカシ……』
その声に、ハッとして目を開く。
俺を押し倒したのは、尊だった。
長い黒髪が艶やかに流れ、俺の顔の横まで垂れる。
その瞳は怒りなのか悲しみなのか不安なのか、涙を湛えて充血していた。
月明かりが窓から差し込み、尊の白い肌を照らしている。
そう、尊はなぜか、全裸だった。
『タカシ…………タカシ…………タカシ……タカシ……』
尊は俺の名前をうわ言のように繰り返し、痛いほどに俺の肩を握りしめていた。
その鬼気迫る表情に、俺は言葉が出ない。
『タカシ……タカシぃ……! 他の、他の女のところになんて行かないで!!』
その言葉と一緒に、尊の瞳から、雫が零れた。
『わ、私ならお前を満足させられるぞ? お前のことはなんでも知ってるからな。感じるところも好きな食べ物も映画も漫画も女の好みも性格も全部全部全部だ! ほ、ほら今すぐ気持ち良くしてやるから……!』
「ちょっ……! み、尊っ!?」
尊が俺のベルトに手をかけ、強引にズボンを脱がそうとしてくる。
そこでようやく俺は思考を取り戻し、尊の腕を抑えて抵抗する。
『な、なんで……? わ、私の体じゃ満足できないか? な、なんでもしてやる今ならなんでもするから! ヴァギナでも口でも胸でも……お、お尻はちょっと怖いけど大丈夫だお前は優しいから……
そ、それとも私のせ、性格に愛想が尽きたか? な直す直すよ? わ、私もこんな性格に愛想がつきかけてたんだ。直すまで待てないなら……そ、それなら……ほ、他の女のところに行っても
しょ、しょうがない、しょうがないけど私のこと捨て、捨てないで傍にお前の、タカシの傍に置いてくれなんでもするなんでもするからお前がいないとダメなんだお前じゃないとお前に触れていないと
お前が一緒にいてくれないなら私…………死ぬ、しか』

819以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:11:57 ID:4SnLyINA
「尊っ!!!」
聞いていられなくて、尊を抱き締めた。
その身体は夏とは思えないほどに冷え切っていて、本当に死にそうだ。
尊はまるで魂が抜けたかのように身体はピクリとも動かず、さっきまでの狂ったような言葉も止まっていた。
怒るどころではなかった。
何を勘違いさせてしまったのか、尊は俺が尊を捨ててしまうと思っていたらしい。
「そんなわけねぇだろっ……!」
力強く、抱きしめる。
「俺が、この俺が……尊のハイパー幼馴染のこの俺がっ……!!」
この1ヶ月を埋めるように。
「尊から離れるわけ……ないだろっ……!?」
強く、強く抱きしめる。
骨が折れてしまうほどに。
肉が千切れてしまうほどに。
その奥にある、彼女の心に、俺の心を繋ぐ為に。
愛を、伝える為に。
『私のこと、愛してるのか……?』
彼女の身体が震える。
「ああ……」
『私と、ずっと一緒にいてくれるか……?』
彼女の涙が零れる。
「愛してる。頼まれたって、手放さないよ」
尊の泣き声が部屋に満ちる中、満月の明かりに照らされて、俺は。
二度目の誓いを贈った。

820以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:12:24 ID:4SnLyINA
〜〜

二度目の誓いをしたあの日、尊が何であんなことになったかと言うと、単純な勘違いだった。
俺はあの日、飲み会に誘われて帰りが遅くなる旨を尊に電話で伝えた。
その時、喧しい会場からは少し離れたところで電話をしていた。
しかしそこで運悪く、一人で席を立った俺の様子を見にきた後輩(女性)が、電話中の俺に絡んできたのだ。
どうやら尊は、その声を聞いて、俺が不倫だか浮気だかをしていると勘違いしたらしい。
ただ、原因は俺にもあったようで、衝動的に抱きついたりしないように俺は尊の顔を極力見ないようにしたり、
更に、朝早く出て例の朝陽を拝むことで自戒を強めたりしていたわけだが、
それらのせいで、俺が怒っていると尊に勘違いを与えてしまっていたのだ。
それが1ヶ月も続いてからのあの電話で確信した(勘違いだが)尊は、どうにか俺を引き止めようと必死だったのだ。
そんなこんなで、あれから一週間。
「いってきます」
『うむ』
午前6時40分。
出勤には良い頃合いだ。
『あ、ちょっと待て』
尊に引きとめられて振り向くと、襟と裾を直される。
『まったく、だらしのない』
「いやぁ、昨夜尊に絞られたからぼーっとしちゃって」
『そ、そういうことを外で言うなとっ……!!』
冗談めかして言う俺と、真っ赤になって怒る尊。
可愛らしい妻を持って、俺は幸せだなぁ。
『……ちょっと来い』
袖を引っ張られ、もう一度家の中に入り直す。
『ん』
そうして、ドアを閉めるや否や、尊が両腕を広げる。
「はいはい」
俺は尊を優しく抱きしめ、髪を梳くように頭を撫でる。
尊はそれに返事をするように、俺の腰に腕を回す。
そうしてしばらくすると、尊から、一際強く抱きしめられる。
それは、もう行かなきゃの合図。
「そんじゃ、いってくる」
『……ん』
お互いがお互いに名残惜しく、離れる最後まで繋がっていたいとばかりに少しずつ離れて行く。
手と手だけが残って、その手の淵で小指を絡め合う。
「今日も愛してるぞ」
『ばか……私もだ』
絡めた小指も離れ、俺は玄関のドアを開ける。
外に一歩踏み出すと、地球を蒸し焼くように輝く太陽が俺を照らしている。
それでもこの体を包むのは、太陽の熱なんかじゃない。

821以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:12:46 ID:4SnLyINA





これは、大好きな人の温もりだ。

822以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/03(土) 21:13:25 ID:4SnLyINA
おわり
長文失礼
最近無駄に長くなりすぎ

823以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/04(日) 01:28:27 ID:???
激しくGJ!!

824以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/04(日) 02:22:26 ID:???
みこちんかわかわ

825以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/04(日) 04:28:55 ID:???
これはやばい
みこちんが可愛すぎて俺の頬がやばい

8261/5:2013/08/14(水) 00:28:32 ID:???
【ツンデレとプールへ行ったら】

 夏なのでプールに行きたい。暑いからね。それだけの理由だからね。別に肌色占有率の変遷とかに興味はなくてね。スク水がどうとかどうでもよくてね。個人的には旧スクが一番好きだけどそれはどうでもよくてね。
「……後半に行くに従って本音が漏れていくのはどういう仕様なのか」
 いつもの半眼がジロリと俺を睨み上げる。今日もちなみは鋭くて困る。というより、気づくと考えをひとりごちている俺に問題がある。
「べ、別に本音というわけではなくてだな……あ」
 軽く声をあげると、ちなみは不思議そうに小首を傾げた。
「こほん。……か、勘違いしないでよねっ! 別に本音なわけじゃないんだからねっ!」
「…………。ばーか」
 たっぷり間をとったあと、ちなみは全力で俺を馬鹿にした。
「否定はできない。だけど、我慢できなかったんだ。どうしてもツンデレ語を使いたかったんだ……!」
「……どうしてタカシはこうも馬鹿なのか。夏か。夏のせいなのか。なら夏のない国へ行って戻ってくるな。迷惑だ」
 言葉以上に迷惑そうなしかめっ面で、犬でも追い払うかのようにシッシってされた。シッシって。
「ウッシッシ。なんちて。うひゃひゃ」
「……そこまで追い詰められてたなんて。……私にできることなら、なんでもやる。……だから、リハビリ、がんばろ?」
 結果としては大成功なのだが、ちなみの哀れみの視線がどうにも辛いよ。つーか、なんだ、リハビリって。

 なんでもやるとか言ってたので、一緒にプールに来てみた。
「も、もちろん水着DEワッショイですからね! プールですから! プールなので水着も変じゃないですから! もちろん将来的には一緒にお風呂に入った時に水抜き穴から手を入れる予定ですから、これは予行演習ということでよろしいでしょうか」
 プールの監視員達からのものすごい熱視線を受けながら、一人ちなみを待つ。女性の着替えは時間がかかるものだ、男たるもの、どっしりと構えていたいものだ。
「さてはて、ちなみはまだかな?」ソワソワソワソワソワソワソワソワ
「……その動きは法に引っかかる。即刻やめるべき」
「お、俺のどっしりとした構えが犯罪だと!? どういう了見……」
 くるりと振り向くと、そこに紺色の人魚がいた。
「……いったいどこにどっしりなんて擬音が存在するのか。……外宇宙にまで探検しても見つからないに決まってる」
 いた。ここに俺の天国が。旧スク天国が今ここに。
「……じ、じろじろ見ない。ばか」
「ああ。あああ。ああああ」
 肩にかけてたパーカーを着られてしまった。うすぺたい乳を隠され、これでは魅惑のデルタ地帯を鑑賞することしかできない。
「まあ、それは、それで」

8272/5:2013/08/14(水) 00:29:03 ID:???
「……う、うう。一体どこまで変態なら気が済むのか」
「はっ」
 気がつけば、ちなみの下半身に鼻息が届くほど間近に迫り、全力で凝視していた。恥ずかしげな顔でこちらをちらちら見ているちなみが可愛い。
「恐るべきは、スク水の魔力か……!」
「……いや、衆人環視の中、女の子の下半身を凝視できるタカシの精神力の方が恐ろしいと思う」
 成る程ちなみの言う通り周囲は夏休みということで人でごった返しており、さらにこちらをちらちら見つつヒソヒソ囁き合っており、さらにさらに言うならちなみは一見小学生的であり、これはもう完全に俺が変質者。
「ち、ちなみ、友人のちなみ。向こうの人があまりいないプールに行こう、すぐに行こう。楽しく一緒に遊ぶんだねぇー」
「……ちなみに、また、あの白いの飲ませるの?」ウルウル
 はい出た、出ましたよちなみさんの秘技、幼女変化! 子供っぽく振る舞い、俺に致命的ダメェジを与える秘技! 主に社会的に致命的な被害があり、結構な確率で通報されるのでやめてください。
 というわけで、もう何を言っても俺が加害者のイメージは覆そうになかったので、ちなみを脇に抱えて全力ダッシュ。
「お。おお。おおおー」キラキラ
 抱えられたちなみは楽しそうで何よりだが、監視員達が無線で何か連絡をとりあってるのが視界の端に映ってたのがどうにも気にかかる。
「はぁはぁ……。あのなあ、ちなみ。ああいう冗談はお前の容姿と相まって洒落になんねーから、なるべく抑えるようにしてくれませんかねェ……?」
「……善処する」
「この政治家め」
「……秘書がやりました」
「政治家だ!」
「……えっへん」
 よく分からんが胸を張っていばってるちなみの頭をなでつつ、ふと先ほどの発言を思い出す。
「つーか、白いのを飲ませるってなんだ。そんな非道なマネしてねーぞ」
「……前に、タカシの家に行った時に、カルピス飲んだ」
「あー。なんつーベタな」
「……白くてベタベタした液体を、タカシが無理やり私に飲ませた」
「無理やりじゃねえ。おかわりしてたし」
「……普段飲まないから、結構おいしかった。次遊びに行ったら、また出せ。濃いのな、濃いの」
「あー分かった分かった」
 なんとなくちなみをなでながら周囲を見回す。ここはただの大きなプールだ。しかも結構な深さがあるため、人影は先ほどのレジャープールに比べ、あまりない。
「俺なら肩まで浸かる程度で済むが、ちなみのような幼女気質の人間の場合、ものの数秒で頭まで沈み溺れ死ぬこと請け合い」
「……その場合、絶対に道連れにしてやる」
 手近な椅子にちなみのパーカーをかけてから、暗い笑みを浮かべる死神を連れ、件の深いプールへ。

8283/5:2013/08/14(水) 00:29:24 ID:???
「おお。こりゃ結構深いな。大丈夫か、ちなみ?」
「……へ、へっちゃら」
 と口では言ってるが、常に泳いでいないといけないため、結構大変そうだ。顔にいつもの余裕がない。
「大丈夫か? 他のトコ行くか?」
「へっ、へっちゃらと、言ってる!」
「へーへー。疲れたら早めに言えよ、素早く上から押さえつけるから」
「……今こそ、道連れの時……!」
「うわっ」
 がしっ、とちなみが抱きついてきた。……いや、今の擬音は間違いだ。
 ふにょん、とちなみが抱きついてきた。
「え、ええと、ええぇとだな、その、間違いでなければ、その、俺の、俺様の黄金の右腕にだな、その、ふにょりと柔らか物質的な物が」
「…………」
 ちなみは黙って頬を染めている。困ったような顔で、こちらをちらりちらりと伺っている。そんなの、こちらも困ってますよ!
「まあ、その、事故的なものですし、ええと、その」
「……う、うぅ。貧乳のくせにあててんのよをするとか笑止、とタカシは言う」
「言ってねえ!」
「……え、ええと。……一応、私のおっぱいです」
「分かってるよ! 何の謙遜だよ! びっくりしてんだよ!」
「……あまりの小ささに?」
「女体の柔らかさに! あっ」
「…………」
 言わなくていいことを言いました。なぜなら、ちなみの顔がもう目に見えて赤くなっているから、言わなくていいと分かったのです。
「……えろ。タカシのえろ。えろー」
 片手で俺に抱きついたまま、空いてる手でちなみがパシャパシャと俺に水をかけてきた。
「すいません。すいません」
「……このままではプールの中で犯されてしまう。エロ同人みたいに」
「そんな同人見たことねえ。AVではあるが」
 冷静になりました。色々どうでもいい。
「はぁ……何もしてねえのに疲れた。しばらく泳ぐのはいいや、ぷかぷかと漂うことにする」
「……さながらタカシの人生のよう」

8294/5:2013/08/14(水) 00:29:49 ID:???
「人の人生をクラゲみたく言うない」
「……ふふり」
 薄く笑って、俺の隣にぷかりとちなみが浮く。……が、すぐに沈んでしまう。
「……むぅ。浮かない」
 不満げな顔で、ちなみが浮上してくる。
「脂肪が少ないと浮きにくいらしいな。これは全く関係ないが、おっぱいってのは脂肪の固まりらしいな」
「…………」
 ちなみが無言で自分の胸をぺたぺた触った。心なしか悲しげだ。だがそれも一瞬のことで、こちらを見るとニヤッと笑った。
「……そのおっぱいを、タカシは先程どう評価したっけ?」
「ぐぅ」
 正直ぐうの音も出ないが、悔しいのでぐうの音を絞り出す。
「……ふふり」
 満足げに微笑み、ちなみはさっきと同じように俺の腕に抱きついた。
「お、おい」
「……別に、抱きつきたいわけじゃないもん。……脂肪が少ない、スレンダーな体つきだから、無駄に脂肪がついてるタカシにくっついて、一緒に浮かんでるだけだもん」ギュー
「別に俺はデブじゃないデブー」
「……急にデブ語を駆使しだした。はろはろー」ムニー
「腹を押すない。あ、そだ。浮き輪でも買うか? それなら俺にくっついてなくても浮かぶと」
「いらない」
「え、いや、でも」
「節約は大事。いらない」
「や、そんな高いものでもないし、それくらいなら」
「いらない」キッパリ
「……まあ、そこまで言うなら」
 普段のだらだらとした口調ではなく、はっきりいらないとちなみが言う。経済観念のしっかりした娘さんで感心する。将来はこういうのを嫁にしたいね。貧乳だし。
「ん。いらない。節約大事。ちょー大事」ギュー
「……気のせいか、それ以外の何らかの目的を感じるのだが、気のせいだろうか」
「気のせい。タカシは勘が鈍いのだから、気のせいに決まってる」ギュー
「そうなのだろうか」
「そうなのだ」ムギュー

8305/5:2013/08/14(水) 00:30:11 ID:???
「先程から抱きつくというよりしがみつくという方が相応しいほどくっつかれてるのだが、それは関係ないのだろうか」
「ない。一切ない。これはただの浮き輪代わりにタカシを利用してるだけ。まったく、すぐ勘違いをする。これだから童貞は困る」
「妄想の中では億を超えるほど女性と交わってますが!?」
「……それで、一体どういう反応を期待しているというのか」
「『超すごい。抱いて』という反応」
「…………。超すごい。抱いて」
 一瞬ものすごい蔑みの視線を受けたが、それでも言ってくれるちなみの優しさに感激するが、それ以上のむなしさに襲われたのでどうにもできない。
「……期待通りの反応なのに、どうして悲しそうなのか」
「よく考えたら全然すごくない上に、こんなので抱いてと言う人間なんて存在しないと気づいたから」
「……当然だ、ばーかばーかばーか。どざえもんになって死ね」
「今この瞬間に僕土左衛門になったら、もれなくお前もぼくドラえもんの妹になるがよろしいか?」
「……脅迫された。……水中でえっちなことをされるに違いない」
「してねぇ」
 などと益体もないことをのたのた言い合いながら、ちなみにしがみつかれたり背中に乗られたりされました。色々柔らかかったです。

831以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/14(水) 02:07:17 ID:???
はうううううう!
うううううう!

832以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/14(水) 03:23:12 ID:mHrZcYPk
ニョワワワワ

833以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/14(水) 07:11:22 ID:???
これだからちなみんは可愛い!!

834以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/14(水) 16:17:33 ID:???
ちなみんは可愛いなあ!可愛いなあ!

835以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/18(日) 19:51:19 ID:???
>>830GJ
ちなみんのちっぱいに吸い付きたい!

836初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:04:54 ID:ye//j46.
(>>742-747 >>761-764 >>768-773 とかの続き)

『お兄』 ガチャ
「の、ノックしろばか」 ビク
『……なにしてんの?』
「は? 別に」
『メール?』
「……別に」
『…………あっそ』 ボフ
「…………」 ポチポチ
『…………』
「…………」 ポチポチ
『…………』 グイー
「……覗くんじゃねーよ」
『気のせい』
「いや気のせいじゃねーから」
『気のせい』
「はいはい……」 ポチポチ
『…………』
「…………」 ポチポチ
『……お兄』
「んー?」
『ユキって誰?』
「…………は?」
『メールの人』
「は? なにお前勝手に見たの?」
『このまえちょっと見えただけ』
「いつだよ」
『このまえ』
「……あっそ」
『…………』
「…………」 ポチポチ

837初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:05:14 ID:ye//j46.

『ねぇ』
「……なに」 ポチポチ
『ユキって誰なの?』
「知らねーよ」 ポチポチ
『は?』
「ユキなんて名前のヤツのアドレスねーから」 ポチポチ
『……なんで嘘つくの?』
「ついてねーよ」 ポチポチ
『……このまえ見たもん』
「しらねーよ」 ポチポチ
『…………見た』
「はいはい」 ポチポチ
『…………』
「…………」 ポチポチ
『………………彼女?』
「……はぁ?」
『だって隠すから』
「だから彼女いねーから」
『……別に隠さなくてもいーじゃん』
「だからいねーって……」
『…………』
「…………」
『…………』
「……はぁー……お前さぁ」
『…………なに』
「自由の『由』に希望の『希』だろ?」
『…………』
「これ『ユキ』じゃねーから。『ヨシキ』だから」
『…………』
「わかった?」

838初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:05:34 ID:ye//j46.
『…………』
「…………」
『…………』
「…………」
『…………マジ?』
「電話してみるか?」
『……しなくていい』
「…………」
『…………』
「…………」 チラ
『…………』
「……なに照れてんの」
『照れてない』
「耳赤いぞ」
『うるさい』
「勘違いしてごめんなさいは?」
『……うるさい』
「…………」
『…………』
「…………」
『……死にそう』
「…………」
『…………』 ムク
「…………」
『…………』 スタスタ
「……おい」
『…………なに?』
「枕は置いてけよ」
『うるさい』
「いやそれ俺の枕だから」

839初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:06:06 ID:ye//j46.
『……今顔見られたくない』
「…………ほーん」
『…………』
「…………」 スタスタ
『ぇ……? ……あ、ちょっと……』
「なに?」 スタスタ
『ちょっ、なに? こっち来ないでよ』
「気のせいだって」
『いやわかるから。お兄の気配がするから』
「忍者かよ……」 ガシ
『やめっ……ちょっとやめてって』
「枕取り返すだけだから」 ググ…
『わかったわかった返すから』
「から?」
『ちょっと目ぇつぶってて』
「なんで?」
『…………今顔見られたくないから』
「はい無理ー」 バッ
『あっ……!』
「…………」
『…………』
「……なにニヤニヤしてんの?」
『してない』
「すげーしてるよ」
『してないって』
「なに? 嬉しいの? 由希が彼女じゃなくて嬉しい?」
『うるっさい』
「じゃあなに?」
『お……お兄の顔面が破滅的に面白いから……』
「……へー……」

840初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:06:31 ID:ye//j46.

『……なに』
「…………」
『…………』
「…………」
『…………?』
「…………なぁ」
『……なに』
「…………キスして良い?」
『……は? …………は!?』
「…………」
『……は……え?』
「…………」 ヒョイ
『ちょっ……!?』
「…………」 ポイ
『った……!』 ボフ
「ほら、目ぇつぶれ」
『え? え?』
「すっから目ぇつぶれって」
『な、なんで……?』
「お前が可愛いからだろ」
『ぇっ……』
「…………」
『ぇっ、ぁっ……』 キュッ…
「…………」
『〜〜〜っ……!』
「…………」 スッ…



ベチ

841初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:07:12 ID:ye//j46.
『った!?』
「嘘だバカ」
『…………は? ……はぁ!?』 バッ!
「なに本気にしてんだバカ」
『は!? なんっ……!? はぁ!?』
「うそでーす。キスとかしませーん」
『っ……!! ……っ……はぁあぁああぁあぁぁああぁぁぁぁ…………』 ボフ
「ばーか」
『…………ありえん』
「はいはい」
『ありえねー……』
「希望もたせてごめんねー」
『…………別に望んでない』
「へー」
『…………はぁ……』
「…………」
『…………』
「…………」
『……ねぇ』
「ん?」
『……誰にでもこんなことすんの?』
「は? しねーよ」
『ほんとに?』
「ほんと。マジ」
『…………なにそれ』
「別に」
『…………』
「…………」
『…………お兄』

842初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:07:50 ID:ye//j46.
「なに」
『……キスしよっか』
「したいの?」
『…………うん』
「ふーん」
『…………』
「……いいよ」
『…………はぁ』
「顔上げろって」
『どーせまたデコピンでしょ』
「しねーよそんなこと」
『……さっきした』
「さっきのは嘘だし」
『…………』
「…………」
『…………』 ムク

843初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:09:15 ID:ye//j46.





『』

844初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:09:38 ID:ye//j46.
「ん…………」
『…………』
「……なんか喉乾いたな」
『…………』
「麦茶飲んでくるわ」 スタスタ
『…………』
>ガチャ、バタン
『…………』
『…………』
『…………』 ボフッ
『…………』
『…………』 ピ、ピ、ピ、prrrrrr
『……あ、友?』
『なんかさぁ…………なんか……』
『……レモンみたいな味した……』

845初めてはレモン味:2013/08/30(金) 00:10:01 ID:ye//j46.
終わり
久々に湧いたので

846以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/30(金) 06:22:35 ID:???
相変わらずこの妹は可愛すぎて困るね!
ニヤニヤが止まらねえぜ!

847以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/15(日) 22:34:01 ID:???
久々に投下しようとしたら規制されていたので。
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2805.jpg

848以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/15(日) 22:41:16 ID:???
おお、久しぶりや〜。相変わらず可愛い。
もっと描いて欲しいわぁ

849以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 05:50:05 ID:???
>>847
超久し振り!!
かなみさん可愛いwwwwww

850以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/12/16(月) 11:26:59 ID:???
>>847
マフラーくんかくんかしてるかなみんくんかくんか

851以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/03/31(月) 18:53:55 ID:FgFuLhrk
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ

草木も眠る丑三つ時、俺はツンデレと怖い映画観てたの

というのもツンデレオカルト好きでさ

俺は逆に怖い奴苦手なのに道ずれにしてくるの

そんでわざわざ電気消して怖い映画見るのが最近の流行みたいでさ

最初は馬鹿正直に観てたんだけど今は違ってね

そろそろおばけ出る場面になりそうだなって感じたら夜食作りに台所逃げるの

そして出終わったの見計らってラーメン持って入室

すればツンデレ、おいしそう、言うから一口あげる訳

なら映画終わった後決まって、食った分やせる、って腹筋とストレッチしてさ

俺もプニプニの足とかふっくら背中押して補助すんの

だけど補助する度思うんだけどツンデレすぐ肉付く体なのかもね、気持ちいいからそのままでも良いけど

このまま一口ずつラーメンあげてたらゆっくりと、しかし確実に太っていくだろう

つまり、ツンデレは嫌がるだろうけど、俺と結婚するしか道は残ってないね、って話

852以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/03/31(月) 18:55:09 ID:FgFuLhrk
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど

草木も眠る丑三つ時、私はアイツと怖い映画観てたの

というのもアイツオカルト嫌いでさ

怖い心霊写真とか見て騒いでるの可愛いから道ずれにしてやるの

そんで雰囲気出しに電気消して怖い映画見るのが最近の流行でさ

最初はアイツ私の手ギュッと握って観てたんだけど今は知恵つけてね

そろそろおばけ出る場面になりそうだなって感じ取ったらラーメン作りに台所逃げるの

アイツの作るラーメンは煮込みすぎで麺ブヨブヨ、卵グチャグチャにかき混ぜて七味ぶっかけたヤツでさ

なのに何か不思議と妙においしそうで毎回一口もらうの

だから映画終わった後食った分やせるために腹筋します

すればアイツ足持ってくれて応援してくれてさ

ついでにふくらはぎ揉んで脂肪燃焼させてくれるし

だけどアイツと違って私太りやすいから、私の真横で夜食食べるアイツにも責任ちょっとあるよね

つまり、アイツは嫌がるだろうけど、私と結婚するしか道は残ってないの、って話

853以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/04/29(火) 23:31:48 ID:???
>>851
あなたの書くツンデレが大好きです!


・姉纏さんと職業意識

弟「うぁー……ダルかったぁ……」

姉「お帰り。何やら大儀そうにしておるのぅ」

弟「就活しんどい……説明会行っただけで死にそう……」

姉「なんじゃ、そんなことかえ。そのくらいお主と同い年の大学生なら誰でもやっとるじゃろうが。あまり甘えるでない」

弟「そりゃそーだけどさぁ……こっからさらに面接とかでふるいにかけられて、それでやっとスタート地点ってなぁ」

姉「人生は長いのじゃぞ?その程度のことでくじけてどうするんじゃ!」

弟「あーあ……姉ちゃんはいいよなぁ。家業さえ継げば後は何も言われないんだからさ」

姉「何をぬかすか。お主なんぞがうちの家元になりおったら、三日ともたずに挫折するわい」

弟「つーかさ、華道の家元ってどうやって稼いでんの?具体的な金策が全然見えないんだけど」

姉「そりゃあ華を活けて稼ぐに決まっておろう。茶会に呼ばれて華を活けたり、弟子の指導に当たったりの」

弟「それって、一回幾らくらいになんの?」

姉「俗な質問じゃのう……まぁ、羽振りの良い御家なら、一時に十人の諭吉を包むところはあるかの」

弟「うへぇ……なんじゃそりゃ。就活やる気無くすわー」

姉「その代わり、衆目監視の中で一息足りとも気の抜けぬ時間が、長い時では一日中続くこともざらじゃがの?」

姉「三十分も正座がもたぬ主にはとても勤まらぬ仕事じゃわい。諦めよ」

弟「……俺、やっぱり普通に就活するわ」

姉「そうせい、そうせい」

854以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/04/29(火) 23:47:34 ID:???
・姉纏さんとファンクラブ

弟「やっぱ楽に稼げる方法なんかねーかー」

姉「当たり前じゃ。地道が近道とよく言うじゃろが」

弟「へーい……」

姉「……しかしまぁ、儂の場合は後援会の援助なんぞもあるにはあるがのぅ」

弟「後援会!?姉ちゃん、後援会なんか持ってんの!?」

姉「うむ。何やら近所の有志が儂のために集まって、地域ぐるみで後押ししてくれとるようじゃの」

弟「知らんかった……姉ちゃん超有名人じゃん」

姉「うちのような小さな華道の家元がやっていけておるのは、ひとえにその人らの力添えがあったからじゃ」

弟「へぇー、姉ちゃんってすげぇや」

姉「じゃが……年寄りの性というのか、たまに儂を着せ替え人形か何かと勘違いして、なんやかやと儂に召し物を着せようとするのは正直参っとる」

弟「そんなことまでしてくんの?」

姉「日頃世話になっておるから無下にも出来ぬのよ……おかげでずいぶんと恥ずかしい格好もさせられたものじゃ」

弟「……たとえば?」

姉「白塗りで舞妓の衣装をやらされたり、その気もないのに文金高島田を着させられたり、時代劇のような姫の衣装を着させられたり……」

弟「……そりゃ大変だ」

姉「おまけにそれを写真に収めて保存しよるからのぅ……あまり良い顔ばかりもしたくないのじゃが、困りものじゃ」

弟「……姉ちゃん。それって後援会じゃなくて、ファンクラブっていうんじゃね?」

姉「……そうかもしれぬ」

855以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/04/30(水) 22:36:49 ID:???
・姉纏さんと花嫁のヴェール

弟「姉ちゃん、いいもんやるわ」

姉「うん?なんじゃと?」

弟「ほら、これ。プレゼント」

姉「これは……?」

弟「いつも世話してもらってるお礼に。春物のストールだよ」

姉「ほ、ほほう……主にしては気が利くではないか。まさか儂に贈り物とはの」

弟「姉ちゃんに合いそうなのとかよく分かんなかったから、色は無難に白にしたけどそれで良かった?」

姉「う、うむ……」

弟「なに照れてんだよ、別に他意はないからな?」

姉「てっ、照れてなぞおらんわ!!馬鹿にするでない!!」

弟「あーはいはい……(こりゃ逆に地雷だったかな?)」

姉「……の、のう。タカシよ」

弟「ん?」

姉「これな、色が白じゃから、こーして頭から被ると、花嫁のベールのように見えぬか?」

弟「ん……まぁ、見えないこともないけど」

姉「そ、そうか!そうじゃよな!」

弟「……?」

姉「うむ、うむ!」ニコニコ

弟「なにあの笑顔……初めて見る顔なんだけど」

その日一日中、姉ちゃんはベールを被ったままやたらと俺にべたべた引っ付いて来て困りました。

856以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/04/30(水) 22:48:18 ID:???
纏ねーさんかわいい。結婚するしかない。

857以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/04/30(水) 22:55:46 ID:???
・キスの音


友「ねーねー、キスの時ってどんな音がすると思う?」

女「音?キスの音気にするなんて初めて聞いたわよ?」

友「ほら、チュッとかブチューとか、レロレロとかあるじゃん?あれ自分からはどう聞こえるのか気にならない?」

女「そんなこと考えるの友ちゃんくらいよ……」

友「だって私経験ないんだもん、やったことないことは気になるじゃない!かなみはどんな音だと思う?」

女「え、えーと……やっぱり漫画とかみたいにチュッて音がするんじゃない?」

友「ふんふん」

女「でも正直、いろんな感触とかで頭ごちゃごちゃして、音まで気が回らないってゆーか……あ、あくまで想像だけどね?」ゴニョゴニョ

友「なにそれ?まるでしたことあるみたいな言い方ね?」

女「そ、そんなワケないじゃん!!誰がタカシなんかと……」

友「……かなみ。私、タカシくんの名前出した記憶は一度もないんだけど」

女「えっ……あっ!?」

友「そっかぁー、かなみはすでにキス経験者なのかぁー、うっらやましーい。私も山田にでも頼んでやってみようかしらねー」ヲホホホ

女「ち、違っ……今のは言葉の綾だよ!!やってないから絶対!!」

友「語れば語るだけ泥沼じゃない……どんだけ嘘つけないのかしら、この娘」


このあと無茶苦茶チュッチュした。(タカシ談)

858以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/04/30(水) 23:00:33 ID:???
>>857は中学生くらいの年齢で補完していただければ。何にでも興味津々な年頃の女の子ってかわいいよね!

859以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/04/30(水) 23:04:15 ID:???
中学生友ちゃんの唇奪いたい

860帰省:2014/05/02(金) 12:56:09 ID:p8opL50k
『ただいまー……あれ?』

『(見慣れない靴……誰か来てるのかな)』

『お母さん、お客さん来てるの?』ガチャ

「お、久しぶり」

『……』

「……」

『……』パタン…

「おい」 ガチャ

『……兄貴?』

「あー……はい」

『……なに急に帰ってきてんの?』

「実家に帰ってきてわりーかよ」

『……』

「……」

『……久しぶり』

「おう」

『……いつきたの』

「お前が学校行ってる間」

『あっそ』

「……」

『……』

「びっくりした?」

『……しt、ない』

「どっちだ」

『うっさいばか』

861帰省:2014/05/02(金) 12:57:29 ID:2LKzVuQw
「……」

『……』

「……」

『……』

「……いつまで後ろ向いてんだ」

『……別に』

「久しぶりに聞いたわ、それ」

『……ばか』

「こっち向いて」

『……なんで?』

「別に?」

『……』

「……」 グイ

『……』 クル

「……」

『……』

「化粧……するんだ、な」

『……悪い?』

「……いんじゃね」

『……』

「ピアスなんかつけちゃって」 スッ

『……穴開けたわけじゃないもん』 ペチ

862帰省:2014/05/02(金) 12:59:01 ID:2LKzVuQw
「ふーん」

『……』

「……」

『……』

「……彼氏でもできた?」

『』 ビク

「―――……へぇ」

『!! ち、っが……!』

「やっとこっち見たな」

『!』

「……なに赤くなってんだよ」

『……違うし』

「なにが?」

『……』

「……」

『……なんもしてないもん』

「だからなにが」

『彼氏』

「でもいるんだろ」

『いるけど……20人目ぐらい』

「3年で……ビッチか」

『違うってば!!』

「ぅぉっ……」 ビク

『っ……』

863帰省:2014/05/02(金) 13:00:01 ID:2LKzVuQw
「……」

『……』

「……」

『……』

<ガチャ

母『ただいまー……あら? あんた帰ってたの?』

「お? あ、おう。ただいま」

『……』 スタスタ

「……」 ガシ

『!?』

母『来る時は連絡ぐらいしなさいよ。材料買い足さないと……』

「あ、晩飯はこいつと食いに行くから」

『は?』

「いいっしょ?」

母『そうなの? じゃあゆっくりしてるわ』

『ちょっ……』

「じゃ、行ってきます」 グイ

母『いってらっしゃい』

<バタン

864帰省:2014/05/02(金) 13:00:46 ID:2LKzVuQw
〜駅〜

『ちょっと』

「あ?」

『……どこまで行くの?』

「別に、考えてない」

『は?』

「……」

『ご飯ならその辺でいいじゃん』

「まだ昼過ぎじゃん。腹減ってんの?」

『そうじゃないけど……』

「いいから」 グイ

『……離してよ』

「逃げるじゃん」

『……、……離して』

「……」

『……』

「……俺のこと嫌いになった?」

『…………は?』

「……」 プイ

『……』

「……」

『……どういう意味』

「別に」 グイ

『ちょっと……』

「いいから」

『……ばか』

865帰省:2014/05/02(金) 13:01:44 ID:2LKzVuQw
〜〜

「……」

『……』

「……」

『……』

「……」

『……ナニコレ』

「ラブホ」

『(1時間も移動してラブホ……)』

『……なんでラブホ』

「……ラブホですることなんて一つだろ」

『は?』

「……」 グイ

『あっ』 ボス

「……」 ガシ

『!』

『(手首……抑えられて……)』

「……」

『……』

「……」

『……』

「……」

『…………?』

「……」

866帰省:2014/05/02(金) 13:02:37 ID:2LKzVuQw
『……なに?』

「……いや……抵抗しないから」

『は? ……え?』

「……」

『……! ……っ』 プイ

「顔赤いぞ」

『別に』

「―――いな」 ボソ

『……なんtぇんぅっ……!?』

「……ん」

『……っ……は……ふ……』

「……」

『……いきなりすぎ』

「不意打ちじゃなかったらキスしてもいいのか」

『ばか』

「……」

『……』

「彼氏は?」

『……(今きくかフツー……)』

『……いる』

「どうする」

『……なにが』

「……する?」

『……なにを』

「セックス」

867帰省:2014/05/02(金) 13:03:30 ID:2LKzVuQw
『……』

「メイクラヴ」

『……』

「子作り」

『……妊娠させんのかよ』

「したらどうする?」

『…………別に』

「……あっそ」 パ

『……』

「……」

『……手首痛い』 サスサス

「わり」

『……』

「……」

『……』 グイ

「ん?」

『……』 ポテ

「……」

『……』

「……俺の腕より寝心地のいい枕ならそこにあるぞ」

『うるさい』

「……」

『……ドキドキしてる』

「お前が?」

『お兄が』

868帰省:2014/05/02(金) 13:04:37 ID:2LKzVuQw
「……」

『……』

「……お兄、って……懐かしいな」

『は? ……あっ』

「兄貴、なんて言うからびっくりした」

『……うるさい』

「俺のこと忘れたかと思った」

『……』

「俺のこと嫌いになったかと思った」

『……ばか』

「……」 ナデナデ

『……』

「……」

『…………お兄が……勝手にどっか行くのが悪い』

「……」

『……』

「……」 ギュム

『んむっ』

「……俺の心臓、わかるか?」

『……』 コク

「……」

『……ドキドキしてる』

「……他の女だったら、こんなんならねー」

『!』

「……」

『……』 ギュウ

「……」

『……』

「……」

869帰省:2014/05/02(金) 13:05:25 ID:2LKzVuQw
『…………めっちゃドキドキしてる』

「……俺が?」

『………………あたしが』

「……」

『……』

「……」

『……』

「……」 クイ

『ん……』

「……―――」

『……―――』



『』



「……ん」

『ん……』

「かわいい」 ナデ

『……ばか』 ギュ

「……」 ギュ

『……』

「……」

『……お兄?』

「あ?」

『……他の女って……なに?』 ギロ

「えっ」

870帰省:2014/05/02(金) 13:05:45 ID:2LKzVuQw
〜〜〜
〜〜


「……はぁ」

『まったく……』

「お前だって彼氏つくってたじゃん……」

『あたしは手も握ってないもん』

「……でもいたんだろ」

『告られたから合わせただけ』

「…………はぁ……」

『……なんで出てったの』

「……」

『……』

「……」

『……言わないと嫌いになる』

「卑怯だぞ」

『ばか。はやく』

「……お前が大事だからだ」

『……』

「……」

『……』 ベシ

「いてー」

『ばか、あほ、死ね』 ベシ、バシ、ドス

「やめろボケ」 ガシ

『……』

「……なんだよ」

『……そんなこと言われたら……。…………怒れない』

「…………愛いやつ」

『…………うるさい』

871帰省:2014/05/02(金) 13:06:10 ID:2LKzVuQw
おわり
長過ぎた…

872以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/02(金) 13:08:22 ID:???
実妹との恋愛とか……ふぅ


GJ

873以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/03(土) 12:41:33 ID:???
雰囲気がドキドキする

GJ

874以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 18:56:54 ID:PbNA3tb.
書き上がったら予想外に長くなってしもた。

14レスお借りします。

875以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 18:57:34 ID:???
・夢なら許される


ーーーー
ーーー
ーー


男(……あっるぇー?なんだここ?なんで俺こんなとこにいるんだ?)

男(ちょっと状況を整理しよう。俺は大学のサークル仲間と飲んで自宅へ帰ってきたはずだ)

男(たしか、けっこう酔ってたからそのまま部屋でバタンキューだったはずなんだが……)

男(……俺の部屋って、こんな真っ暗だったっけ?それとも酔っ払って部屋間違えた?)

男(自分の手先足先さえ見えん……どーなってんだこりゃ?)

女「……タカシ?」

男「その声……リナか!?」

女「そうですわ」

男「お前、なんで俺の部屋にいるんだ?」

女「いるに決まってますわよ。だってここは、タカシの夢の中ですもの」

男「……んん?」

.

876以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 18:58:20 ID:???
.

男「夢?これ夢なの?」

女「そうですわ。これは酔い潰れたタカシの見ている夢ですの」

男「あぁ……そうなんだ。だから周りが真っ暗なんだな……まるで俺の人生のようだ、ワハハハ」

女「……」

男(……ここで俺のことバカにしたり憐れんだりしない辺り、本当に夢なのかもしれん)

女「……タカシ。あなた今、私のこと考えていましたわね」

男「おえっ!?な、なんでそれを!?」

女「分かりますわよ。だって私は、あなたの夢の登場人物ですのよ?」

男「あぁ、なるほど……なんか一人でボケて一人でツッコんでるみたいだな、俺」

女「……ねぇ、タカシ」

男「お、おう。なんだ、リナ?」

女「これが夢なら、私がここで何をしても許されると思いませんこと?」

男「そりゃ、夢なんて人に許可を求めるようなもんじゃないしな……でも痛そうなのは勘弁して欲しい」

女「そう……そうですわよね」モゾモゾ

男「……なんかモゾモゾ動いてる気配がするぞ?」

女「……タカシ」ピト

男「うぇっ!?」

.

877以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 18:59:12 ID:???
.

女「……私、ずっと昔から、タカシとこうしたいと思っていましたの」ギュッ

男「リ、リナ?胸らしきものが当たってムニムニしてるぞ?いいのか?」

女「気にする必要なんかありませんわ。だってこれは、タカシの見ている都合の良い夢なんですもの」

男「いや、夢にしてはやけにリアリティーが……」

女「タカシ」

男「あ、はい。なんでしょう」

女「愛しています」

男「へ……?あ、え、っと。い、今なんて?」

女「愛していると、言いましたのよ。現実の神野リナが、こんなことを言うとお思い?」

男「……口が裂けても言わないだろうな。ってことは、やっぱりこれは夢なのか」

女「そう。やっと納得しましたのね」

.

878以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 18:59:55 ID:???
.

男「夢だと思うとちょっとほっとしたな……俺今どこにいるんだろうと思ってた」

女「あら。たとえどこにいようと、私からは逃れられませんことよ?」スリ

男「……夢ん中のリナって超デレデレだな。なんか逆に気味悪ぃ」

女「何をおっしゃってるの……夢の私がこうなのは、タカシが深層心理でこうなって欲しいと思っているからですわ」

男「あぁ……そうなのか。そう言われると心当たりがない訳じゃないけど」

女「でしょう?……だから夢の中でくらい、私をタカシの好きにしてよろしくてよ?」

男「え、そんなことまで言っちゃうワケ?」

女「もちろんですわよ。夢の中でしか叶わないことがあるなら、ためらう必要などありませんでしょう?」

男「そうか……そうだよなぁ。それなら……」

女「……!」ドキドキ

男「俺、昔っから決めてたんだ。夢で好きな女が出てきたら、おもいっきりキザな台詞で口説こうって」

女「……え?」

男「これはその願いを叶えろという天恵だと受け止めたぜ。覚悟しろ、リナ」

女「そういうことではなかったのだけれど……まぁ良いですわ」

.

879以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:00:19 ID:???
.

女「では、タカシ。私のこと、持てる全力で口説いてご覧なさい」

男「あぁ……リナ。俺さ、初めてリナに会った時から、お前のことずっと好きだった」

女「……はい」

男「ガキの頃は、なんて高飛車でイヤな奴だと思ってたけど、今思えば昔っから、それと同じくらいお前の魅力にやられてたんだよな」

女「……そうでしたの」

女「お前がコンプレックスだって言ってたそのブロンドも、お前が疎ましく思ってたその性格も、何もかも好きだ」

女「……うん」

男「リナ、愛してる。他の何にも例えようのないくらい、お前のこと大好きだ」

女「……うん、うん」

男「別府タカシは、たとえ砂を噛み泥にまみれても、神野リナのことを愛し続けることを、誓います」

女「……」

.

880以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:01:07 ID:???
.

男(……うおおおおお!!言い終わって冷静んなると恥ずかしいなんてもんじゃねえええええ!!)

男(もしかしてドン引きしてたりしないよな?してないよな!?)

女「……タカシ」

男「は、はい!!」

女「ありがとう……私、とても嬉しいです」

男「……え、マジで?」

女「ええ。まるでこの世が全て違ったものに見えるくらい、清々しい気持ちですわ」

男「……お前も俺に負けず劣らず恥ずかしい奴だな。いや夢の中なら当然なんだけど」

女「私も改めて、あなたに心を伝えることにしたいのだけれど、聞いていただけますかしら?」

男「あ……うん、どうぞ」

女「……タカシ。私も、あなたのことが好き。大好き!」

女「たとえ百年の時が経っても、私のこの気持ちを覆すことは、叶いませんわ!!」ギュゥゥッ

男「おおう……なんて情熱的な告白。お前こんなキャラだったんか」

.

881以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:01:38 ID:???
.

女「あぁ……胸がドキドキして止まらない。タカシにも聞こえていまして?」

男「いや……言っとくけど俺の心臓もすげぇバクバク言ってるからな。相殺されて何も聞こえん」

女「そう……私の言葉でそうなったのなら、女冥利に尽きますわね」

男「なぁ、リナ……お前今、どんな顔してる?」

女「……どんな顔、って言いますと?」

男「真っ暗でお前の顔が見えないから、本当に喜んでるのかワカンネーんだよ」

女「……喜んでますわよ。でも、嬉しいのと同じくらい泣きたいような気持ちにもなっていますの。なんでかしら?」

女「タカシには到底見せれない、泣き笑いみたいなおかしな顔をしていると思いますわ」

男「そっか……見たかったな、お前の顔。夢から覚める前にさ」

女「……あのね、タカシ」

男「なんだ?」

女「タカシがそこまで言うなら……私の顔、見せて差し上げてもよろしいですわよ?」

男「……え?」


*鼹鼹顥僖船鵐*

.

882以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:02:19 ID:???
.

男「え、ちょ、おま……」キョロキョロ

男「ここ、俺の部屋じゃねーか!?」

女「ええ」

男「ええ、じゃねーよ!!お前人の部屋で何してんの!?」

女「タカシが酔い潰れて玄関開けっ放しで寝ていたから、イタズラを仕掛けましたのよ?」

男「イタズラって……あれ!?よく見たら家具の配置とか変わってる!!それに窓も……」

女「もちろん私一人では手に余りますから、協力者はいますけれどね」

女「もう出てきてもよろしくてよ。友子、山田さん」

友「はいはーい」ヒョコッ

山「おーっす」ヒョコッ

男「げえぇっ!?」ビクゥッ

.

883以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:02:47 ID:???
.

男「お前ら……いつからここに?」

友「最初からに決まってるでしょ」

山「タカシの恥ずかしい台詞も全部聞いてたよー」

男「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!嘘だろぉぉぉぉぉぉぉ!!」

女「本当ですわよ。私が二人に頼んで、押し入れに待機してもらっていましたから」

友「そこの窓に貼ってある暗幕、私が写真の現像に使う時のヤツよ。光が外から漏れてこないように目張りしてたの」

山「あとは体に触れそうな家具をどけて、音の鳴る物を隠せば、夢を演出する真っ暗闇の出来上がりってことだよ」

女「それにしても、あそこまで簡単に夢だと信じるとは思っていませんでしたけれどね」

男「うるせー!!俺だって途中から薄々勘づいてたわ!!」

男「俺とリナしかいないと思ってたから、お前に乗っかってやったのに……」

女「あら、そうでしたの」

.

884以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:03:54 ID:???
.

男「だいたいなぁ、こういうイタズラは夢のままで終わらすもんだろーが!!ネタばらしまでしたら興醒めだろ!?」

山「なんかスッゴい理不尽な怒り方してるなぁ……」

友「でも、そこは私も不思議だったのよねぇ。たしか最終的にタカシを強引に寝かせつけて、夢だと思わせたまま帰るつもりじゃなかったの?」

女「だって……あまりにも喜びが勝ってしまって、夢で終わらせるのがもったいなく思えてしまったんですもの」

男「うぐっ……そ、そういう言い方をされると怒りにくいな」

女「けれど、イタズラの最中に私が口にした言葉に、嘘偽りはありませんわよ?タカシはいかがですの?」

男「そ、そんなもん……本心に決まってるだろーが……」ブツブツ

友「本心であんなこと言えるのってすごい才能よねー」

山「天然ジゴロだね、タカシは」

男「そこ!うるさい!」

.

885以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:04:38 ID:???
.

男「ああああ……いっそ全部本当に夢だったら良かったのにぃぃぃぃ……!!」

友「わー、すごーい。本物のレイプ目って初めて見た。写真撮っとこ」

山「友ちゃん……それはさすがにタカシが可哀想だから自重してあげよう?」

女「……私は、夢だったら良いなんて思いませんわ」

女「だって今夜は、私が長年胸に募らせていた思いが、叶った日ですもの」

男「お前はいいよ、イタズラ仕掛けた側だからダメージは少ないだろーさ……」

男「俺はこっ恥ずかしい告白の台詞聞かれて、半永久的にからかわれることが確定してるんだぜ……?」

女「全く、呆れたダメ人間ですわねぇ。そんなことでヘタレていて、私への責任が取れると思ってますの?」

男「……は?俺に何の責任取る必要があんだよ?」

女「分かっていませんわねぇ。それなら説明して差し上げますわ」

.

886以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:05:06 ID:???
.

女「いいですこと?これが夢の中なら、あなたも私も、何をしても許されますの」

男「あ、ああ……そんなこと言ってたな」

女「けれど、ここは夢ではなく現実ですわ。現実なら、自分の言動には責任を取れなければならない」

女「それくらいは、いくらあなたでも存じてますわよね?」

男「なんという我が儘な理屈……こっちはハメられただけなのに」

女「それが出来なければ、あなたの言う嘘偽りない言葉は、その程度の物だったということになってしまいますわよ」

女「あなたそれでもよろしいのかしら?」

男「ああ、分かった、分かったよ!!責任取って、俺がお前を世界一幸せにしてやるよ!!これでいいのか!?」

女「そんなヤケクソで、私を幸せになんか出来ると考えない方がいいですわよ」

女「だって私、もうすでにこの世で一番幸せな女に、なっていますもの」

男「ぐぬぅっ……そこまで言われちゃ、俺も腹括らない訳にはいかないじゃんかよ」

.

887以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:05:36 ID:???
.

友「あーあ、なんて言うか、私ら壮大なノロケを聞かされただけだったみたいねぇ」

男「の、ノロケってなんだよぉ!!こっちは被害者だっつーのに!!」

山「僕らはもうおいとまするから、タカシは神野さんと親睦深めてなよ」

男「うっせ!!二度とくんな!!」ペッペッ

友「あ、そーそー。それとねタカシ。リナは敢えて言わなかったけど、その娘ホントは今夜、あんたと既成事実作っちゃうつもりだったんですって」

女「と、友子!!それは言わない約束でしょ!?」

友「だってあんたたちばっかり幸せそうにして不公平なんだもーん」

山「もしそうなってたら、僕らはこっそり外出とくつもりだったんだけどね」

男「おいおい……お前らどんだけ用意周到なんだよ……」

友「でももしかしたら、リナはまだそのつもりでいるかもしんないわよー?」

山「殿、ゴムはこちらに。あとは貴殿の心次第にございます」スッ…

男「ここへきて山田もノリノリに!?お前らの用意したゴムなんざ怖くて使えねーよ!!」

友「ま、そゆことだからリナをよろしくねー!」

山「じゃあね。結果は明日聞かせてくれればいいから」

男「おい、待てお前ら!!おーーーーーーーーーい!!」

.

888以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:06:12 ID:???
.

男「バカ野郎どもが……ゴムだけ残して行きやがって……!!」

女「……」

男「あー、リナ。あいつらの言うこと真に受ける必要ないからな?告白した当日に関係持つなんてエロゲみたいな展開、いらんよな?」

女「……わ、私は……別に、構いませんことよ……?」

男「え、いやいや。そりゃお前はそのつもりだったからいいかもしれないけど……」

女「夢の中で致してしまうより、こうして現実でタカシを感じながらの方が、良いに決まってますわ」

男「お前なぁ……ちょっと落ち着け。俺だって酒抜けきってないんだから、何するか分かったもんじゃねーぞ?」

女「……意気地無し」グィッ

男「うおっ!?」

女「……私が良いと言っているのだから、私の言う通りにすれば良いでしょう!」ガバッ、チュウゥゥッ!!

男「んっ、んんーーーーーーーッッッ!!?」



……その日、俺の初めては、リナからの逆レイプで奪われました。多分世界一幸せな逆レイプだったと思います。


<了>

.

889以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/04(日) 19:07:13 ID:???
おしまい。>>881の最後の行が文字化けしてますが、「パチン」という電気をつけた音が入ります。

もう少し夢の中でイチャイチャさせてみたかった。

890以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/05(月) 09:59:47 ID:???
GJ
夢オチの流れからの責任取らせるあたり周到だなww

891以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/06(火) 21:37:34 ID:???
>>870
すんばらしい……GJ!

>>889
リナ強引かわいいよリナ

892おじさまと:2014/05/20(火) 22:36:15 ID:???
午後10時。駅前広場の中央、ヘンテコな形のオブジェの前。
そこがいつもの待ち合わせ場所。
「(……いた)」
コートのポケットから片手を出し、口元まで覆うマフラーを少し緩めて歩き出す。
10歩手前ぐらいのところで、少し背の高めの中年男性が、私に気付いて手をあげた。
「やあ、今日も寒いね」
「……ども」
気さくな雰囲気のおじさまは、地味な色のスーツの上に地味なコートを重ね、全体的にくたびれている。
顔の皺と頭髪に混じる白髪が、アンティークのような程良い年季を感じさせる。
私がこれからこのおじさまとしようとしているのは、世間で言うところの、所謂『援交』だ。
『援交』と言ったら、嫌悪感を示す人は少なくないだろう。
売女と蔑む人も、頭も股も緩い女と馬鹿にする人もいるだろう。
しかし一口に『援交』と言っても、その内容は二つに大別できる。
要するに、身体を『許す』か『許さない』かだ。
私がしているのは後者である。
お金のために身体を許すなんて馬鹿げてる。
でも、お金は楽に稼ぎたい。
一回会って、ご飯を一緒に食べたり、ちょっとお話するだけで5千から2万。
身体を使わない分貰えるお金は減るけど、それでも小遣い稼ぎとしては十分な金額。
世の中には性欲と金を持て余した変態だけではなく、ただ寂しさを埋めたいだけの大人もいるということだ。
「それじゃあ行こうか」
「うん」
他人からすれば、もしかしたら父娘に見えなくもない年齢差。
横に並んで歩く時の、赤の他人よりも僅かに近いその半端な距離が、そのイメージを更に強くさせる。
「今日の学校はどうだった?」
「別に、いつもどーり」
「そうかい」
歩きながら話すその内容も、簡素で他愛ない。
まるで、娘との付き合い方がわからない父親と、父親への反抗期が抜け切らない娘のような会話だな、と頭の隅で思った。

〜〜

893おじさまと:2014/05/20(火) 22:37:18 ID:???
〜〜

駅前の通りから少し外れ、行きつけの24時間営業スーパーに入る。
何をするためかと言えば、もちろん買い物をするためだ。
とは言っても、出来合いのお惣菜と、お酒と、おつまみぐらいしか買うモノはない。
おじさまの持つ買い物カゴに選んだ品を放り込むと、カゴの中の品々を見ておじさまがポツリとつぶやく。
「久々に手料理が食べたいなぁ」
「ヤダ。めんどくさいもん」
……できないわけじゃないんだからね?
念のため。
残念そうな顔をするおじさまを置いてさっさと買い物を進める。そういえば洗剤も切れてたっけ?
他にも足りなくなっているはずの日用品をカゴに詰め込んでいく。
一通り揃えたら、結構な量になってしまった。
「持つよ」
「別に、平気」
レジのおばさんはにこやかに対応してくれた。
仲のいい父娘、とでも思っているのだろうか。
「レジ袋はご利用ですか?」
「……はい」
一応、顔を覚えられないように俯き気味に返事をする。
このスーパーはもう何度も来ているので、既に手遅れかもしれないけど。
スーパーを出てまたしばらく歩くと、おじさまの住むアパートに着く。
簡素で、外観は少し薄汚れた感じのアパートだが、内装は思いの外綺麗で、始めて来た時は驚いた。
コートを掛けて、荷物を部屋の隅に追いやると、キッチンに向かう。
冷蔵庫の中身を確認して、炊飯器を開いた。
「……ちょっと、お米炊いてないの?」
「ああ、済まないね。今朝は時間が無くて。今支度するよ」
「いい。私やるから、先に着替えてきて」
おじさまはもう一度、済まないね、と言って、奥の部屋に消える。
私は米びつからお米を出して、お米を研ぐ。
……この作業、地味にめんどくさいんだよね。
本来ならレンジでお手軽の某ゴハンでもいいのだが、なんでもおじさまの実家は農家らしく、作ったお米を毎年沢山送ってくれるんだとか。

894おじさまと:2014/05/20(火) 22:38:12 ID:???
「ありがたいけど、一人じゃ食べきれないんだよね」とは、おじさまの言。
おじさまは、このアパートで一人暮らしをしている。
未婚なのか、それとも離婚したのかは知らない。
特別、知りたいとも思わない。
他人では無いけど、友人でも家族でも無い関係。
距離感は大切だ。
変に踏み入っても、お互い困るだけだろう。
研ぎ終わったお米を炊飯器に突っ込んでスイッチを入れる。
……暇になっちゃったな。
お惣菜を並べるだけなので、他の料理の下拵えも必要無いし、お米が炊き上がるまであと30分以上ある。
冷蔵庫からりんごジュースを出して、コップに注ぐ。
その場で飲み干して、もう一度注ごうとすると、丁度着替え終わったらしいおじさまから「僕にも貰えるかな」と注文があった。
「わかった」と一言だけ返事をして、食器棚からコップをもう一つ出す。
もはや、勝手知ったるなんとやら、だ。
家の中のことは、寧ろおじさまよりも把握しているかもしれない。
キッチンから出て、ダイニングへ。
おじさまはソファに座って、テレビを見ていた。
「ん」
「ああ、ありがとう」
コップを受け取ると、おじさまはジュースをちびちびと飲み始める。
私はおじさまの隣に座り、コップをくるくると回して弄ぶ。
テレビでは、殺人がどうの、海外がどうのと、アナウンサーが真剣な面持ちで報道していた。
この時間帯のニュース番組は、どれも暗い内容ばかりで楽しくない、と思う。
たまにはもっと明るいニュースでもやったらいいのに。
「チャンネル、変えてもいいよ」
不満が顔に出ていたのか、おじさまがリモコンを差し出してきた。
それを受け取り、私はチャンネルを回す。
しかし、どの局でも似たような内容のニュースが流れていて、私は無言でリモコンを突き返した。
「相変わらず、ニュースが嫌いなんだねぇ」
「暗い話が嫌いなの。真面目な顔して悪い報告ばっかして、馬っ鹿みたい」
「じゃあ、映画でも見ようか?」

895おじさまと:2014/05/20(火) 22:39:36 ID:???
「昼ドラがいい」
「ドロドロしてて暗いじゃないか」
「アレはフィクションだもん」
おじさまの苦笑いが気に食わなくて、背中をバチンと叩いてやった。
ジュースが鼻に入ったらしいおじさまのしかめっ面が可笑しくて、少しだけ笑った。

〜〜

録画してあった(私が以前、勝手にやっておいた)昼ドラを消化していると、キッチンの方から機械音のメロディーが響いてきた。
正直、炊飯器にこの機能はいらないと思う。無駄に長いし。
「あとは僕がやるよ。座ってなさい」
腰を浮かした私を制して、おじさまが立ち上がる。
昼ドラもイイところだったので、私は画面に意識を戻した。
母親の不倫が娘にバレて、さらにその相手が娘の彼氏という展開だ。
なさそうでありそう、ありそうでなさそう、でも、ドラマとしてはありがちな内容。
だからこそ、フィクションと割り切って楽しめる。
ドラマも、小説も、漫画も、アニメも、そういうところが良いと思う。
現実のことは捨て去って、頭を空っぽにしていられる。
楽ちん、だ。
勉強も、仕事も、人生も。
楽ちんが一番だ。
それが、一番効率的ということなのだし。
「はい、どうぞ」
ご飯がほかほかと湯気をたてて私の前に置かれる。
テーブルを見ると、既にお惣菜も並び終えていた。
小鉢や小皿に取り分けられたその群れを見て、私は不満を漏らす。

896おじさまと:2014/05/20(火) 22:40:20 ID:???
「わざわざお皿に盛り付けなくてもいいのに」
「食事は見た目も大事だからね」
のらり。
「洗剤の無駄じゃん」
「僕のお金だから」
くらり。
「環境破壊」
「この街の上下水道は優秀だから、きっと大丈夫さ」
ひらり。
おじさまには、何を言ってもこんな感じでふにゃふにゃと躱されてしまう。
そしておじさまは、「それに」と付け足す。
「お客様は、大事にしないと」
「…………」
……よく回る舌と頭だ。
何を言っても無駄と悟った私は、お箸を持って手を合わせる。
「……いただきます」
「いただきます」
インスタントの汁物は、ちょっとしょっぱい。
健康のことを考えると、味噌汁くらいはちゃんと作った方がいいかもしれない。
……別に、おじさまの話をしたわけじゃなくて、私の話ね。
高血圧とか、将来怖いし。
「だから手料理が食べたいって言ったんだ」
「……声に出てた?」
「いや」
おじさまはそこで言葉を区切ってから味噌汁を啜り、薄く笑う。
「そんな顔をしているよ」
「……」
見透かしたような態度に少しだけ腹が立つが、図星なのでこれ以上は何も言わないことにした。
おじさまは私の考えていることを言い当てることが多い。たまに外すけど。
昔、人間は歳をとると妖怪になると、ひいおじいちゃんに脅かされたのを思い出した。

897おじさまと:2014/05/20(火) 22:42:37 ID:???
横目ででおじさまの顔を見ると、済ました顔でお惣菜に舌鼓を打っている。
……妖怪に見えなくもなくも、ない……かも。
そんな私の視線に気が付いたのか、おじさまと目が合う。
「こんな妖怪を眺めていないで、冷める前にご飯を食べた方がいいよ」
「……」
悔しいので、無視してお椀に口をつけた。
……やっぱり、味噌汁は作ろうかな。

〜〜

夕食後、お皿を洗い終わってリビングに戻ると、おじさまはソファに身体を沈ませていた。
テレビに目を向けてはいるが、ぼんやりしていて、おそらく眺めているだけなんだろう。
そんなおじさまの隣に、わざと勢いをつけて腰を落とす。
おじさまの腰がソファから少しだけ浮いて、着地する。
おじさまは一瞬驚いたような顔をしてから、ゆっくりとこちらを向いた。
「ああ、もう終わったのかい。ありがとう」
「別に。何見てんの?」
「え? ……ああ、えーと……」
やはり、眺めていただけのようだ。
おじさまは、うーん、と唸った後、何かを思いついたように顔を上げた。
「バラエティ番組じゃないかな。この声には聞き覚えがある」
「見覚えじゃなくて聞き覚えなんて、変なの」
顔を覚えてる、ならわかるけど、声を覚えてる、なんて。このテレビの時代に。
ラジオの時代の人かよ。

898おじさまと:2014/05/20(火) 22:44:33 ID:QBUdmwBM
「髪、少し伸びたね」
そんなどうでもいい会話をしていると、おじさまの手が伸びてきて、私の肩にかかっていた髪を掬い上げる。
親指と掌に挟まれた髪は、するすると零れ落ちた。
別に、髪を触られることに嫌悪感はない。すごく嫌がる娘もいるけど。
何が面白いのか、おじさまは、髪を掬っては零し、零しては掬ってを繰り返す。
「綺麗だね」
「別に、手入れとかテキトーだし」
―――綺麗じゃない。
なんとなく、最後の一言は口の中で止めておいた。
そして、そんな私を見て、おじさまは薄く微笑む。
最後に一度だけ髪を梳いてから、おじさまは私の頭に手を置いた。
「綺麗だよ」
私の顔を見ながらそんなことを言うおじさまに、なんて返せばいいのかわからなくて、テレビに目を向けた。
画面の向こうではバラエティからニュース番組に変わっていて、アナウンサーが真面目な顔で原稿を読み上げている。
殺人事件がどうだの、白骨死体がどうだの、暴動が、テロが。
それらは、私には一切関係のない場所で回っている。
赤の他人の中年の家に上がり込んで、ご飯を食べて、頭を撫でられて、綺麗だって言われて。
退屈だけど、幸せなのか。
そんなことも、わからない。
「ばっかみたい」
誰に向けた言葉なのかすら、私にはわからない。
唯、おじさまの掌の熱を感じて、抱えた膝に顔を埋めた。
窓の外に、まだ、雪は見えない。

899おじさまと:2014/05/20(火) 22:47:46 ID:QBUdmwBM
おわり
一昨年の冬とかに書き始めたやつなのでいろいろぐちゃぐちゃで推敲もまともにせすにこっちに投下
最近、幼馴染とか先輩後輩とか兄妹とかばっかなので、年の差もいいよねって話
学園ものだけじゃなくて、ファンタジーとかも久々に読みたいなぁ

900以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/20(火) 22:58:08 ID:???
オッサンになりたいと思ったけどたぶん俺だと手を出しそう……

901以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/20(火) 23:05:18 ID:???
援交と聞いてどうなるのかハラハラしたが和んだわ
GJ

902以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/21(水) 00:03:45 ID:???
文章上手だわ
GJ

> 最近、幼馴染とか先輩後輩とか兄妹とかばっかなので
スマンとしか言いようがないが、一人で出来る妄想の量は限られておるのだよ
つーかもっと燃料を……

903以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/22(木) 18:06:16 ID:???
最近ラノベとかアニメでも学園モノばっかだしそのせいもあるかと

904出会い:2014/05/24(土) 00:14:35 ID:0.s18Cfc
>>899の続きっつーか前日譚っつーか
ブラック注意

905出会い:2014/05/24(土) 00:14:56 ID:0.s18Cfc
舞い上がった水飛沫が、スカートの裾を少しだけ濡らした。
少しだけなのはスカートだけで、膝から下はズブ濡れなのだが。
「……はぁ」
一つ溜息を吐くと、歩行者など自分以外には一人もいない大通りの歩道の真ん中で、私は傘を畳んだ。
途端に、土砂降りの雨が全身を激しく打ち、制服が水を吸って重くなっていく。
横を通る車が水たまりの水を跳ね上げ、また濡れる。
上を見上げると、どんよりと暗く、厚く広がる雲が見えたが、あまりの雨の激しさに、すぐに目を閉じた。
顔面に叩きつけるような水滴が、赤くなった頬を冷やしてくれる。
別に、赤面しているというわけではない。
赤くなった右頬は、殴られた痕だった。
暴行障害というほど、大袈裟なものではない。
クラスメイトの男子に告白されて、それを断わったら、その男子のことが好きだった友達に報復された。
ただそれだけのことだ。
なさそうでありそう、ありそうでなさそう、少なくとも、ドラマではありがちだ。
でも、これは現実。
クラスで1番仲が良いと思っていた友達――いや、友達ではなかったのかもしれないけど――にあっさりと縁を切られ、噂を流され、クラスで孤立した。
よくあることだ。
「ばっかみたい」
誰にともなく毒吐いて、傘もささないままに歩き出す。
風邪を引くかも、と思ったが、すぐにどうでもよくなった。
滅多に帰らない両親の夫婦仲は誰もが察するところで、同様に、親子の関係も推察するまでもない。
学校だけが居場所かと思っていたが――それも、もはや安住の場所とは言えなくなった。

906出会い:2014/05/24(土) 00:16:00 ID:0.s18Cfc
暫く歩くと川が見えたので、欄干の上から傘を投げ込んでやった。
修学旅行のとき、皆で買ったお揃いの傘。
一瞬後悔が頭の隅を掠めたが、後の祭り。
濁流に呑み込まれ、どんどん壊れながら流れていく様を見て、少しだけ笑えた。
私と彼女の友情くらい呆気なく壊れた傘は、同じぐらい呆気なく見えなくなった。
誕生日にもらったヘアピンも投げてみた。
交換したシャーペンも捨てた。
落書きしあったノートを破いた。
一緒に選んだキーホルダーを千切った。
破られたり悪質な悪戯書きで使い物にならなくなった教科書をグチャグチャに踏み潰して蹴り飛ばした。
全部泥水に呑まれて、消えてなくなった。
後悔と同じぐらい、清々した。
そのままぼーっと川を眺めていると、バッグの中でケータイが震えているのに気がついた。
この土砂降りの中では取り出せないので、近くのコンビニに入る。
ズブ濡れの私を見て嫌そうな顔をしてくる店員の嫌そうな挨拶を聞き流しながらケータイを見ると、知らない番号からだった。
結果は分かり切っていたけど、一応出てみる。
『うわっ、本当に出た!』『マジ!? どう? 可愛い?』『電話でどうやって判断すんだよ』『いや声がさ……』『あのー、タダでヤらせてくれるってマジ?』
複数の、若い男の下卑た声。
おそらく、どこかの公衆トイレの落書きでも見て来たのだろう。
少し調べただけでも、学校周辺で三箇所。私の電話番号と、いつでもエッチができる、といった旨の落書きがされているのを見つけた。
最初の頃は落書きを消すために、どこでこの番号を見たのか聞き出そうとしたりもしたのだが、1週間近くも続くとさすがに辟易する。
耳に入ってくる音にイライラする。ムカつく。能天気でいかにも頭が悪そうな声音と馬鹿な喋り方。
「死ね」
一言だけ返し、ケータイの電源を切って、ゴミ箱に捨てた。
そのまま店を出ようとすると、ケータイを捨てたのを見ていたのか、それともさっきの一言が思ったより大きかったのか、周りの客も店員も私をチラチラと気にしていた。
でも、別にどうでもいい。
もう、どうでもいい。

907出会い:2014/05/24(土) 00:17:39 ID:0.s18Cfc
またしばらく歩くと、スーパーがあった。
店先で、子連れの母親が、女の子に可愛らしいレインコートを着せている。
傘を忘れたらしいお爺さんが、空を見上げて困った顔をしている。
高校生のカップルが、肩を寄せ合って一つの傘に入って店を出て行く。
ありふれた光景。
ありふれた現実。
それなのに、今の私にとっては、こんなにも遠くて―――
「君、傘はどうしたんだい」
「―――は?」
顔を上げると、中年の男が私の前に立っていた。
「風邪を引くよ。ほら」
その男は私の手を取って、自分の傘を握らせた。
私は突然のことに何が何だか分からなくて、反応できない。
「あ、コーヒーは飲めるかな? ブラックだけど」
「の……飲め、ませ、ん」
「そうか、じゃあ少し待っていなさい」
彼は背を向けると、傘もささずに走っていく。
いや、彼の傘は私が持っているのだから、当然か。
そうして混乱していると、彼は小走りで帰ってきて、私の前で止まった。
「ほら、コレを飲みなさい」
また、勝手に私の手を掴んで、何かを握らせる。
見ると、アップルティーのようだった。

908出会い:2014/05/24(土) 00:18:03 ID:0.s18Cfc

「ほら、そのまま飲みなさい」
「ぇ……え?」
「キャップは開いておいたから、そのまま飲みなさい。まずは身体を温めないと」
「は、はい……」
促されるまま、口をつける。
確かにキャップは開いていた。
少し傾けると、甘い液体が舌に触れ、喉を通り過ぎて行く。
一口飲んで、それからもう一口飲んだ。
……あったかい。
ペットボトルを見て、また一口。
口から喉、胃の熱が、身体を少しだけ温めた。
見上げると、彼はまだそこにいた。
雨に濡れながら、私をじっと見つめていた。
その顔を見て、瞳を覗いたとき、私の口からは勝手に言葉が出てきていた。
小さな声で、しかしはっきりと。
目の前の、このおじさまにだけ伝わるように。
「私を、あなたの家に連れて行ってください」
おじさまは、困った顔をしていた。

909出会い:2014/05/24(土) 00:18:28 ID:0.s18Cfc
前半終了

910以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/24(土) 00:22:31 ID:???
うばぁぁぁぁぁ……乙

911以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/24(土) 01:13:24 ID:???
寒いんだ、僕にそのアップルティーを飲ませてはくれないか?

912以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/05/24(土) 17:50:00 ID:???
wktk

913以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/07/01(火) 20:10:01 ID:/WCPHDls
毛先から滴り落ちた水滴が、掌で弾ける。
少しだけ腕を伸ばすと、腕を伝って腋を抜け、お尻から脚まで、むき出しの肌の上を流れ落ちた。
私は今、全裸で立っている。
もちろん、屋外でストリップを始めるほど人間をやめてはいないわけで、ここは浴室だった。
頭の上から降り注ぐのは冷たい雨粒ではなく、シャワーから流れるお湯だ。
土砂降りの中、傘もろくに差さずに外をうろつき、酷く冷えてしまった私の身体を温めてくれる。
しかし私は、一息吐くどころか、心臓がバクバクと高鳴っていた。
なぜなら、ここが自宅ではないから。
しかも、
見ず知らずの、
中年の、
男の家、だ。
正直、どうしてこうなったのか、自分でもわからない。
「いや……自分で言ったんだけどさ……」
気づいたら、口から言葉が出ていたのだ。
考えるよりも先に、思うよりも早く、何かが口から零れ落ちたような、そんな感覚だった。
そして、その結果――
「バスタオル、ここに置いておくよ」
「はっ、はいっ!!」
浴室のドア越し、脱衣所から響く、中年男性の声。
私の反応を見て(ドア越しだが)、おじさまの気配が遠ざかって行く。
……不意打ちとはいえ、とてもいい返事をしてしまった。
学校でも、こんな返事はしたことがない。
一世一代、だ。
……少しだけ、恥ずかしい。
しかし、おかげで冷静さも少しだけ取り戻した。
状況整理をしよう。
まず、にべもなく告白を断って、報復された。
ヤケになって、土砂降りの中をアテもなく歩いた。
それを見かねたおじさまにアップルティーをもらって、家に連れて行けと頼んだ。
「……」
わけがわからん。
冷静になったところで状況が変わるわけでもなく、いつまでも浴室に篭っていないでさっさと帰ればいいと気づいたのは、それから30分も後のことだった。

914以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/07/01(火) 20:10:39 ID:???
まだ書き終わってないのに誤送信
ごめん

915以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/07/01(火) 20:52:09 ID:???
期待すんぞコラ

916以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/07/03(木) 21:52:15 ID:???
ふざけんな待ってんぞオイ!

917以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/10(日) 22:32:13 ID:lp9yHdLk
久しぶりにスレ投下しようとしたら当たり前のように規制だった奴。
8/10はハートの日らしいよかなみさん落書き。
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2861.jpg

918以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/10(日) 23:25:48 ID:sxLhknqM
>>917
悶えた

919以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/10(日) 23:31:28 ID:???
久しぶりでつね。GJ!

920以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/10(日) 23:36:50 ID:???
このドヤ顔に勃起を禁じ得ない

921以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/11(月) 20:21:41 ID:???
GJ!

922以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/11(月) 21:16:34 ID:???
GJ!!

923以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/11(月) 22:48:02 ID:???
>>917
お久しぶり

かなみさん愛してるwwww

924以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/12/12(金) 17:12:09 ID:???
かなみいいい戻ってきてくれええええ

925以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/12/12(金) 18:26:18 ID:???
かなみさんならずっとお前のそばにいるだろ何言ってんだ

926以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/06/02(火) 03:46:14 ID:???
ロダ落ちてるね

927以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2017/10/17(火) 00:12:39 ID:Au0HuqbI
かなみ俺だ結婚してくれ

928以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2018/05/28(月) 18:10:16 ID:AEwvEyc.
久しぶりに戻ってきてしまった…

929以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2018/08/10(金) 23:47:14 ID:j/0eMZMI
俺さあ
今でも好きなんだよなあ
ツンデレがさあ
かなみも ちなみも
みんな好きなんだ
この想いを共有できる場所がもう無いんだなって思うと
凄く悲しい

930以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2018/10/02(火) 00:09:13 ID:YPE4nYRc
まぁ俺もキャラクリゲーでは今でも千奈美を作るよ

931以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2018/10/02(火) 01:34:46 ID:YPE4nYRc
だからお題をくれ

932以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2018/10/07(日) 04:00:31 ID:???
男が就職してしまいツンデレと会う機会が減ってしまったら

933以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2018/10/12(金) 15:19:45 ID:YPE4nYRc
「……今まで……どこに行ってた。……ばか」
 数年ぶりに帰ってきた地元駅。
 眼の前には、そんな俺を睨みつけてくる少女がいる。
 眠そうな目と黒くつややかな長い髪。そして間延びした口調。
 数年前、俺が就職してこの街を飛び出すまで仲良く……仲良く? していた子、ちなみさん。
「仕事だよ仕事。まぁ、それも辞めちまったんだけど」
「ふん……。おめおめと逃げ帰ってきた……か」
 ひどい言い方もあったのだ、と思うが実際その通りだ。国破れて山河あり、夢破れておかえりなさいまし、ってな具合に。
「情けない。……私を……置いてった、くせに……」
 そう言って睨みつける視線に、しかし当時のような気丈さはない。
 ただ悲しみの色だけが色濃く出ていた。
「それは、仕方ないだろ。お前にも進路が……そういやお前今何してるんだ?」
 思わず疼く胸に言い訳をしようとして、ふと口をつく疑問。
 地元で生活をしているとして、この辺に良さげな就職口なんてあったか?
 そう考えた俺に返ってきた言葉は、やはり彼女が常人ではないのだと思わせるものだった。
「去年、高校を卒業してすぐ……会社……作った」
「起業したのか!? すごいな! で、どんな会社なんだ?」
 思わずテンションが上り、俺は前のめりになって聞く。
 にんまりとして答えるちなみさんは、やはり、やはり常人ではなかった。
「……発明会社ちなみん」
 …………。
「発明会社」
「……ちなみん」
 思い返す。
 彼女との毎日。
 何があった?
 色々あった。……本当に色々あったが、確かにあの技術力があれば会社の一つや二つ興せるのかもしれない。
「……ん? 去年卒業? あれ? その、俺がいたときってちなみさん何歳だっけ?」
「手が後ろに回るから……考えないほうが、いい……」
「…………はい」
 曰く有りげなにやにや笑いを浮かべながらのちなみさん。ご忠告通り、考えるのはやめておこう。
「そんな犯罪歴あり現在無職でお先真っ暗な君だけど……どうしてもと言うなら、雇ってあげても……いい……よ?」
 答えなんて一つしかない。
「まずは履歴書買わせてもらえませんか? 社長」
「…………ん。いい……よ。……ふふ」
 満足そうにうなずく彼女。
 今の今まで忘れていた甘い記憶が、日々が、再び動き出すのを感じた。

934以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2018/10/20(土) 10:41:02 ID:???
GJ

ほの板のスレもよろしく

935以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2019/05/18(土) 13:24:42 ID:ukZzbung
男が死んでしまう夢を見た後のツンデレの様子を見たいです><


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板