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そして花を入れる時も、何も思わなかった。ただ彼はそこにいた。
皆が花を入れていく様をただ見ていた。
そして最後、友達に連れられるように、実際引っ張られたのかも知れないが、
閉じられる前の棺にやっと立った。
そうする事が決まっていたかのように、自然な動作で彼の頬に触り手を握った。
冷たかった――あんなに暖かかったのに
それがスイッチだった。感情を溜めていたダムが綺麗に砕けたようだった。
「あ…あああ」
喉から意識もしていないのに声が出た。膝から力が抜け、ひざまずく他無かった。
不意にいつもの彼の姿が浮かんだ。
夜遅くまでついていた部屋のライト。体育で走っている時の姿。
自転車の後ろに乗っけてもらったときの背中。背が高いわけではない私が取れない物を取ってくれた。
問題を教えてくれた時の彼の一挙一動やメモの取り方。何気なく話している時の顔。
悔しい、結局最後の最後も励まして貰ったのはこちらだった。
私は結局彼に何をしてあげられたのだろうか。結局彼の口からは何も聞けなかった。
「スキ」と思いを伝えられなかった。拒否されるのが恐かったから。
伝えたかった。気持ちを。
気が付くと友人に支えられたままで大声を上げて泣いていた。
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