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あらすじ
主人公:長田優希
素直クールな宇宙人。日本の「ツンデレ」を観察するために地球に来た。
パターン3:お嬢様なツンデレの場合
彼女はある日、金持ちの象徴とも言うべき黒塗りのハイヤーでやってきた。あまりに大きい排気音に驚き目をやると、
開いたドアからこれまた金持ちの象徴と言うべき金髪の縦ロールをなびかせた女性が出てきた。
まさしく「お嬢様を見たこと無い人に描かせたお嬢様の絵」がそこにいた。
私が転校した初日から気になっていた。
彼女は間違いなく「ツンデレ」であろう。
彼女には友人と呼ぶべき人がいない。
話し掛けてくる人(特に男子)にはかなり冷たい態度を取る為だ。
その上、授業が終わるとさっさと黒塗りのハイヤーで帰ってしまう。
そのため、情報を得るのは相当困難だった。
だが、チャンスは訪れた。
教室を出て行く神野リナの姿を確認する。
一緒に帰ろうとする椎水かなみの誘いを必死で振り切って(そのため今度の休日、かなみに何か奢らなくてはいけなくなってしまった)
昇降口まで駆け下りる。
間に合った。彼女──神野リナは、まだ帰ってはいなかった。
今日はまだハイヤーが来ていない。彼女についての情報を得るには今しかないだろう。
「お前が神野リナか?」
「……どちら様ですの?」
「教室でお前の隣の席に座っている者だ。名前は長田優希」
「…失礼ですが、あなたのような一般の方とお話する時間はありませんの」
「それは困るな。私はお前と話す事があるんだ」
「…何ですの?」
「そうだな…なんと言うか…」
少し迷った。ストレートに言うか、誤魔化して言うか。
だが、誤魔化しては私の目的が伝わらない可能性がある。ここはストレートに言っておこう。
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