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【洒落】エロゲースレッド520【Share】

806名無しのdownさん:2016/06/22(水) 22:49:21 ID:???
ここで話題になってたからくまみこ最終話まで見たけど
宗教人類学好きの俺目線だと
巫女を題材にしたアニメとしてはまったく的を射た内容だと感心したよ

このアニメの主要キャラは
傍観者的な傾向が強い典型的な現代日本人っぽいキャラクターであるナツと
重度のアクティブ型アスペルガーである良夫と
発達障害の気がある響と
対人恐怖症で統合失調症質のまちだから
クマ以外はいわゆる「健常者」はいない
ただ仙台に行ったまちはもはや単なる統合失調症質者(スキゾイド)ではなく
完全に統合失調症に罹患していた(被害妄想と幻覚)
まちの身に起こったこの「統合失調症」は宗教人類学的に言えば「巫病」だ
そもそも統合失調症というものはアスペルガーなどの発達障害とは異なるもので
意外なことにこれを最も完全に治療できるのは精神科医ではなくシャーマンなのだ
以下はれっきとした精神科医の著作からの引用なのだけど

>アフリカや中南米、アジアなどの開発途上地域では、近代的な精神医療ではなく、
>シャーマンや呪術師による土着の治療法が、今も生き残っている。
>これまで各地で行われた調査によると、こうした土着の治療法は、
>先進国の近代的な精神医療よりも、ずっと良好な治療成績と予後が認められている。
>多くの場合、一週間程度のごく短期間に回復し、
>回復率が九○パーセントにも上ると報告されている地域もあった。
>西洋医学からすれば、病気を悪霊のせいにしたり、
>祈祷を治療の方法に用いるということはナンセンスである。
>だが、結果からみると、西洋医学で治療するよりも優れているのである。
(岡田尊司著『統合失調症』 P204)

というように殊統合失調症に限って
精神科医よりもシャーマンの方が遥かに高い治療実績を上げているという“事実”は
他ならぬ精神科医自身も指摘せざるを得ないことだ
ただしこの精神科医(岡田尊司)は開発途上国の社会状況にその理由を求めている
だがシャーマニズムの文脈で言えば巫病は「精霊」ないし「カミ」からの召命であるから
巫病の治癒はカミの意に沿うことによって達成され
逆にカミの意に反することによって悪化もしくは再発する
『くまみこ』の作中で巫女であるまちは山神の支配する山から離反することで
統合失調症(巫病)となった
そして山から離反しようとする意思を捨てることで病的な状態を脱し
笑顔を取り戻したわけだ
またこれまでも山から離反しようとする度に被害妄想の症状を示すにいたっていたことは
かなり明らかだろう
確かに最後にまちは思考停止した
これはポゼッション(憑依)型の巫女以外の人間であるなら明らかに悪いことであり
思考停止エンドはバッドエンドだと言えよう
だが巫女には雑念があってはならない
つまり無私でなければカミの意を正確に伝える役目を果たせない
巫女においては思考停止は王道なのである
要するに宗教人類学的には
単にまちは巫女として本分を自覚しただけであり
巫女の精神のあり方の是非を現代社会の価値観において判断するのは
正鵠を射ているとは言い難い
つまるところ宗教人類学オタクの俺から見ると
これはバッドエンドではない




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