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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その3
1
:
『星見町案内板』
:2026/03/27(金) 23:29:12
『H城』の周囲に広がる『城址公園』の敷地を共有する『学び舎』の群れ。
『小中高大一貫』の『清月学園』には4000人を超える生徒が所属し、
『城郭』と共に青春を過ごす彼らにとって、『城址公園』は広大な『校庭』の一つ。
『出世城』とも名高い『H城』は『H湖』と共に『町』の象徴である。
---------------------------------------------------------------------------
ミ三ミz、
┌──┐ ミ三ミz、 【鵺鳴川】
│ │ ┌─┐ ミ三ミz、 ││
│ │ ┌──┘┌┘ ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
└┐┌┘┌─┘ ┌┘ 《 ││
┌───┘└┐│ ┌┘ 》 ☆ ││
└──┐ └┘ ┌─┘┌┐ 十 《 ││
│ ┌┘┌─┘│ 》 ┌┘│
┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘ 【H城】 .///《//// │┌┘
└─┐ │┌┘│ △ 【商店街】 |│
━━━━┓└┐ └┘┌┘ ////《///.┏━━┿┿━━┓
┗┓└┐┌──┘ ┏━━━━━━━【星見駅】┛ ││ ┗
┗━┿┿━━━━━┛ .: : : :.》.: : :. ┌┘│
[_ _] 【歓楽街】 │┌┘
───────┘└─────┐ .: : : :.》.: :.: ││
└───┐◇ .《. ││
【遠州灘】 └───┐ .》 ││ ┌
└────┐││┌──┘
└┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------
前スレ:
【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』 その2
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1614349342/
2
:
とかち『OF』ななほ『EOB』
:2026/04/01(水) 20:04:30
前スレ
>>1000
と「これが魔除けの鱗なんだね」
「これ、貸してもらっても良い?」
「良いよね?」
鱗を強引に奪い取ろうとするとかち
鱗を見る目が尋常ではない
魔を退ける道具自体が魔の集合した呪物なのだ
その魔力も相当なものだろう
3
:
リトル・メリー『メリー・バッドエンド』
:2026/04/03(金) 17:03:12
>>2
魔除けの鱗は、使い方によっては良くない結果を招くかもしれない。
なにより、これ以上のトラブルが増えたら収拾がつかなくなる。
そう思ったかどうかは定かではないが、ここで運命の悪戯が起きた。
「あっ」
強引に奪われようとしたことで、メリーの手から鱗がすっぽ抜けてしまい、
開いたドアから室外に飛んでいった。
「――――?」
メリーが廊下を覗いてみると、鱗は消えてしまっている。
「怪異が落ち着いたから、役割を終えて眠りについたのかも」
少なくとも、しばらく現れることはないような気がした。
4
:
とかち『OF』ななほ『EOB』
:2026/04/06(月) 21:49:26
>>3
と「はっ」
と「あれ?あーしは何を」
な「はぁ、結構余計な事やってくれたよね?」
な「あのドロドロのぐちゃぐちゃなのが世に解き放たれて、どうなるか分かったもんじゃないわ
生きてるジャイアンシチューが歩き回ってるようなもんじゃん」
挽肉、たくあん、ジャム、塩辛、煮干し、大福、セミの抜け殻とか
決して絶対に調和のしようのない材料がアジの鱗に無理矢理押し込めたようなものだ
鱗の中で様々な怪異がぐちゃぐちゃのミンチになって混ざり合い、収拾のつかない化け物に成り果てている
一応、ベースとなっている魔除けの効果は発動して取り合えずの混沌とした状態は一旦収まっている
しかしそれは、これから起きる更なる混乱の前の静けさだ
な「まあでも、この儀式を始めた奴からしたら思わぬ僥倖かもね
・・
おかげで奴らを一時攪乱する事に成功したんだから、とりあえず世界は救われたわ」
『奴ら』
そう、言わずもがなだがディープステートだ
メリーが作り出したアジの鱗の七不思議が、奴らの計画をかき乱し
今の奴らはまさに打ち上げられた魚のようにそこら中をのたうち回っているのだ
と「そうなんだ…あーし達は勝ったんだね」
あーし達と言うがとかちは何もしていない
な「今度はあのキモイ鱗が問題を起こしそうだけどね」
な「まぁ、それは後で考えるけど」
な「で、あんた達委員会に行きたいんだっけ?
もう用事は済んだから教室の場所まで連れてってもいいけど?」
もっとも、メリーが教室までたどり着けるかは教室の匙加減による
5
:
ノエ『ゼロ・モーメント』
:2026/04/07(火) 20:36:30
(フィールドワークで行動しています)
『城址公園』
大きな城郭と、連なる学び舎。その広い校庭の一つの端にて
フードを被っている人影は佇んでいた。
何かを懐かしむように、フードと覆った顔の包帯から覗かせる琥珀色の
瞳は学び舎の方に顔を向けてたが、その視線は逸れた。
(……清月学園には、使い手が多数居る筈だ。
オレが知る者にも、知らない者でも……ナイン・セブンに
紹介するに値する人は居るだろう)
校庭には、幾人かの人影も居るだろう。
その中の誰かは……眺めてる不審な彼に気づくかも知れない。
6
:
ノエ『ゼロ・モーメント』
:2026/04/18(土) 18:45:50
>>5
(退却)
キーンコーンカーン……
「……チャイムか」
生徒たちが校舎に入っていくのを見ると、一年ほど前は
馴染み深いものだった情景が、つい昨日の事のように思えるし
大昔のようにも感じる。
巡り合うのには、時運と共に自身の積極性も必要だ。
今回は、余りに他人任せに活動してたのが失敗の原因か……。
「一度、戻るか……」
踝を返し、グラウンドの端から去っていく。
一度だけ、名残惜し気に、その琥珀の視線は校舎に向けられていた。
7
:
夏尾 純『アフター・レイン』
:2026/06/22(月) 21:33:39
昼休み。
寒々しい曇天の中、『城址公園』のベンチで菓子パンを齧っている。
片手間にスマホで天気予報を確認すると、そこにはずらっと『傘のマーク』が並ぶ。
(梅雨入り……)
(まあ、私には関係ねーな……)
雨も降っていないのにレインコートを着込み、フードを目深に被った少女──
驚異的な『雨女』である『夏尾 純』には、だ。
(しっかし、毎日毎日ジメジメしやがって……)
(ムカつく……)
湿気と共に、理由のない苛立ちも募る。
スマホの液晶をスワイプし、画面を動画投稿サイトへと戻した。
8
:
ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』
:2026/06/27(土) 07:11:39
>>7
動画投稿サイトに表示されているサムネイルの一つに、
奇抜な格好の女が映っていた。
古代ギリシャの装束である『キトン』を身に纏っており、
それだけでも十分に目を引くだろう。
しかし、もっと注目を集める要素が他にある。
背中には大きく広がった『羽衣』を備え、両腕は『羽毛』で覆われ、
踵の辺りには『蹴爪』が生えている。
それらを一言で表現するなら、『鳥人』を思わせる姿だった。
動画タイトルは『鳥使いハーピーin星見横丁』――星見町内らしい。
概要欄の説明によると、どうやら『ストリートパフォーマー』で、
たまたまパフォーマンスを見かけた投稿者が撮影したそうだ。
つまり、この派手な外見も、
おそらく客寄せのコスチュームなのだろう。
9
:
夏尾 純『アフター・レイン』
:2026/06/27(土) 19:51:01
>>8
動画投稿サイトの『おすすめ』をぼーっとスクロールしていると、
どういうアルゴリズムで表示されたのか分からないような動画がたまに上がってくるが……
その動画も、そういうものの1つであるように思えた。
(……んだこれ?)
(星見じゃん)
たまに駅前で知らないバンドやアイドルが歌っているが、その類か?
20年弱ほど星見町で暮らしているが、このようなパフォーマーは見たことがない。
(まあ、これでいいか……)
どうせ、昼食を食べ終わるまでの10分もない間の暇つぶしになればいいのだ。
コンビニのどうでもいいコロッケサンドを咀嚼しながら、
何気なくサムネイルをタップした。
10
:
ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』
:2026/06/27(土) 21:30:13
>>9
よく分からない理由で上がってきたらしい動画の再生時間は約5分だった。
およそ半分ぐらいは潰せるだろうか。
サムネイルをタップすると、最初に『ハーピー』と名乗る女が挨拶する。
白・青・紫のトリコロールカラーの髪を『ポンパドール』に纏めており、
ヘアスタイルも衣装に劣らず風変わりだ。
指揮者のように立つハーピーの合図で、多種多様な鳥が集合したかと思うと、
一糸乱れぬ『編隊飛行』を披露する。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647686/716)
次に、より『アクロバティック』な動きに移行し、
曲線を描く軌道で宙を舞う。
それが終わると、『メリーゴーランド』を想起させる動きで、
鳥の群れは空中を飛び続ける。
一連の動作は規則正しく、ハーピーはリズミカルに両手を振りながら、
鳥のような独特の声を発していた。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647686/718)
そして、パフォーマンスは終盤に差し掛かる。
ハーピーが両腕を広げると、そこに鳥達が次々と舞い降りていく。
鳥人が『フィナーレ』を告げた直後、
それらは別々の方向を目指して一斉に飛び立つ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647686/720)
「――――御観覧に感謝を」
その言葉を最後に、路上のショーは幕を下ろした。
11
:
夏尾 純『アフター・レイン』
:2026/06/29(月) 21:39:47
>>10
(ふーん……)
菓子パンだかコロッケサンドだかのコンビニパンを食べ進める内に、
動画は進んでいき……そして再生が終わった。
見終わって、最初に浮かんだ感想は。
(……鳥ってこんな調教できるもんなのか?)
インドの蛇使いのような動物を用いた曲芸のようだが、
動画の鳥が披露している動きは、かなり高度に訓練されているように思えた。
猿ならともかく、鳥にあんなパフォーマンスが可能なのだろうか?
(つーか、その辺にいる野鳥とか集めてるように見えたけど……
流石に違うよな。そういう演出だよな)
それが事実なら、動画の鳥は調教すらされていないということだ。
流石にそれは現実的ではないだろう。
(………………)
画面をブラウザに切り替え、『ハーピー パフォーマー』で検索してみる。
こういう『おすすめ』に興味を誘導されるのは、
アルゴリズムに踊らされているようでなんだかムカつくが。
12
:
ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』
:2026/06/29(月) 23:58:45
>>11
鷹匠のような専門技能もあり、鳥を訓練すること自体は不可能ではないが、
複数種の鳥達を同時に操るというのは、大きな困難を伴うだろう。
ましてや野鳥を集めて行うなど、通常の手段では不可能な芸当だ。
どういう仕組みなのかは全くの謎である。
検索してみたところ、
『アポロンクリニックセンター』の駐車場で、
かつて催された『納涼祭』の動画が見つかった。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1656120262/97-115)
入院中の子供達を楽しませる余興の一環として、
『ヒーローショー』が行われたらしく、
そこに例のハーピーも出演していた。
『レイヴン・ゼロ』なる仮面のヒーローと共に、
迫力のアクションを繰り広げている。
また、ここでも『鳥を操る芸』を披露していたようだ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1656120262/105)
観客席からは子供達の歓声が上がっており、
大盛況の内に幕を下ろしたことが分かる。
13
:
夏尾 純『アフター・レイン』
:2026/06/30(火) 22:32:24
>>12
(星見が拠点なのか……)
そして、出てきた動画を視聴するにつれ……疑念はさらに膨らんだ。
(……やっぱなんかおかしいぞ。
『ハーピー』といい、相手の『レイヴン・ゼロ』とかいうのといい……
動きが速すぎる)
互いに『スゴイ』スピードで行われる戦闘の応酬。
それがヒーローショーの領域を超えていることは素人目にも分かる。
思い出すのは、雨の日に『歓楽街』で出会った『鉤縄』使いの『あ〜し忍者』……
あいつも超人的な身体能力で建物の屋根に飛び乗っていた。
そして、こう言ってもいた。
『この町にはスタンド使いが多すぎる』。
(…………)
(いや……馬鹿じゃねーのかこいつら……!?
せっかく手に入れたスタンドを人目に晒すような真似……!)
(特にこの『ハーピー』……『鳥を操る』のがこいつの能力だとしたら……
能力を路上パフォーマンスに使ってる……!?
マジで何考えてんだ……バレたらどうしてくれんだよ……!)
つまり、『スタンドという目に見えない力の存在が世間に露呈したら』、という意味だ。
社会が大混乱に陥るのは必至だし、個人的にも大打撃だろう。
スタンドを使って人生ラクに過ごそうとしている夏尾のような人間にとっては。
イラ イラ イラ イラ
(……いや、落ち着け、落ち着け。
まだ『ハーピー』がスタンド使いって決まった訳でもない……
妄想でイラつき自家発電すんのは馬鹿らしいっての……)
悶々としている内に、いつの間にか右手のコンビニパンはなくなっていた。
深く溜め息を吐き、酷く億劫な気分で立ち上がる。
(はあ……大学戻るか……)
14
:
ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』
:2026/07/01(水) 11:39:43
>>13
確かに『ハーピー』と『レイヴン・ゼロ』の動きは素早かった。
もし両名がスタンド使いであるとすれば、
あの『鉤縄の少女』が発した言葉も真実味を帯びてくるかもしれない。
当初の目的である時間潰しを終えた夏尾が立ち上がった時、
上空から一羽の小鳥が舞い降り、ベンチの背もたれに着地する。
バササッ
────ストン
背中の羽は波打つ巻き毛で、
頭頂部の冠羽が逆立った上に円を描いて生えている。
ホワイトにコバルトブルーとバイオレットが加わり、
『ユニコーンカラー』のような配色だ。
全体的に野鳥らしさは薄く、あまり見かけない外見だろう。
グリンッ
小鳥は小さく首を傾げながら、夏尾の姿を眺めていた。
15
:
夏尾 純『アフター・レイン』
:2026/07/01(水) 21:15:14
>>14
(あ……?)
日本ではまず見かけない色合いに目が留まる。
(……インコ?)
(野良じゃねーよな、流石に……どっかの家から逃げてきたのか……)
そのまま、しばらく小鳥をジロジロ眺めまわした後……
「ふっ」
嘲るように鼻を鳴らし、背を向けてさっさと歩き出した。
(知ーらね……何も見てない、何も見てない……)
今頃、どこかで飼い主が慌てふためいていると考えると愉快だ。
鳥なんて逃げ出したらそうそう見つかるものじゃないし……
今自分が捕まえれば円満解決かもしれないが、そんな義理はどこにもない。
小鳥には悪いが、逃がした飼い主の自業自得だ。
16
:
ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』
:2026/07/02(木) 07:46:36
>>15
この姿は野鳥には見えないし、自分から人間に近付いてきた辺り、
飼育されていた個体という線は大いに有り得る。
犬猫ならまだしも、こんな小さな生き物が逃げ出してしまったら、
再び見つけることは困難を極めるだろう。
現在の状況を知ってか知らずか、
小鳥は夏尾を観察するように見つめ、そのまま彼女を見送った――。
「 ゴキゲンヨウ 」
「 ガクセイノ カタデスネ 」
ふと、遠ざかる背中に『人語』が投げかけられた。
やはり『インコ』だ。
どこかの誰かが喋った言葉を真似たらしい。
「ジャアネー」
インコの物真似はコミュニケーションツールであり、
単に繰り返すだけではなく、
ある言葉が使われた状況を踏まえて発声すると言われる。
17
:
夏尾 純『アフター・レイン』
:2026/07/02(木) 22:37:06
>>16
(…………?)
ピタリと足を止め、振り返る。……何かおかしい。
(学生の方ですね……っつったか……?)
(インコに言葉吹き込むにしても……そんなの吹き込むか……?)
ふざけて変な文章をインコに教えるのはあるあるだが、
それにしても妙というか……変な文章じゃないのが却って変だ。
(…………)
眉間に皺を寄せ、まじまじとインコを見つめる……。
18
:
ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』
:2026/07/03(金) 18:53:27
>>17
そのインコも、振り向いた夏尾と見つめ合った。
今の言葉は普通インコに教えるようなものではない。
どちらかといえば教えられたわけではなく、
いつの間にか喋るようになったと考えた方が筋は通るだろう。
「トリ トイウノハ」
「キタルモノ ノ ショウチョウ」
「ミエルノデス」
「フツウデハ ミエナイヨウナモノガ」
「ウンメイ トデモ ヨブベキ シキサイガ」
「ヒソカナル モノゴトノ ナガレガ」
そして、今度は何か意味ありげな内容を呟き始める。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647686/723)
「ガクセイサンナラ ガクワリガ キキマスヨ」
この言葉も先程の言葉も、『同じ人物』が発したものだった。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/197
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/199)
19
:
夏尾 純『アフター・レイン』
:2026/07/04(土) 13:51:28
>>18
「…………」
「はぁぁぁぁ〜〜〜〜…………」
深く、先程のものよりもなお深く溜め息を吐き……
ズ・・・・・・
右腕が、二重にズレる。
その手には、虹色に彩られたミニチュアの『傘』。
「おちょくってんのか……? お前……」
姿を現した、少女のようなヴィジョン……『アフター・レイン』が、
目の前のインコに『傘』を突き付ける。
夏尾本体の左手には、鞄にしまおうとしていた『水筒』。
「……私に何の用だよ……」
確信した。こいつはただのインコではない。
あるいは、『飼い主』がどこかにいるのか……? 周囲に目を走らせる。
20
:
ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』
:2026/07/04(土) 16:25:44
>>19
周囲に目を走らせると、見える範囲には人影がぽつぽつある。
散歩する人や、立ち止まって自販機で飲み物を買う人、
本を読んでいる人など、それぞれの時間を過ごしているようだ。
木立の向こう側でも物音が聞こえるので、
そちらにも誰かがいるらしかった――――。
インコ――『ブリタニカ』は、
特に夏尾に用事があったわけではなかった。
偶然その場にいた人間を観察していただけで、
こうして話しかけるのも『新しい言葉』を知るためであり、
普段から日常的に行っている。
そして、スタンド使いだろうがそうでなかろうが、
露骨に敵意を剥き出しにしてくる相手を前にして、
突っ立ったままでいる気はない。
周囲を見ようとして、夏尾は『目を離してしまった』。
────バサササッ
夏尾の注意が逸れた瞬間、小さな羽音を残し、
インコは木立の反対側へ飛び立っていき、あっという間に見えなくなる。
追いかければ見つけられるかもしれない。
しかし、先程も夏尾自身が考えていた通り、
いったん逃げ出した小鳥は『そうそう見つかるものではない』だろう。
21
:
夏尾 純『アフター・レイン』
:2026/07/04(土) 23:22:24
>>20
「…………あぁ……?」
インコが飛び去って行った木立の周辺を、しばらくぼけっと眺めた後。
「……チッ……なんなんだよ……意味分かんねー……」
面倒になったので考えることを止め、
ぶつくさ独り言を漏らしながら『清月学園』へと戻って行った。
22
:
ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』
:2026/07/05(日) 11:27:58
>>21
鳥が飛ぶことは簡単な行為ではなく、多大なエネルギーを消費する。
そのために『表情筋』すら退化させ、徹底的に体を軽量化させた程だ。
一見すると何を考えているか分からないのは、
この辺りも関わってくるのだろう。
ブリタニカにとっても、それは同じことだった。
人間という生物に対しては、まだまだ理解が十分ではない。
「――――――ですが、
『ニンゲン』に繁栄をもたらした『進化の秘密』は、
ワタクシが必ず解明してみせましょう」
『清月学園』に戻っていく夏尾とは反対に、
『ハーピー』と名乗る鳥人は『星見街道』方面へ歩き去った。
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