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【場】『 倉庫街と海 ―臨海地域― 』

1『星見町案内板』:2023/07/10(月) 16:24:00
星見町の南端は遠州灘に面し、2つの『灰色の景色』を有する。

1つはどこまでも続く、灰色の砂浜で有名な海岸線。
荒波ゆえに『遊泳』は禁止だが、散歩や釣り、潮干狩りなどが楽しめる他、
隣接する『砂丘』の観光でも賑わい、湖畔の自然公園と人気を競い合う。

もう1つは、無機質な灰色のコンテナが立ち並ぶ倉庫街。
『治安の悪さ』が囁かれ、多くの町民は用も無く寄り付かないが―――――
この場所に密かに居城を構える、『アリーナ』と呼ばれる組織が存在する。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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218手嶋 縺 『ムーンライト・ホロウズ』:2025/06/17(火) 21:22:41
>>217
あまりに下から聞こえてくる、鈴蘭のような声。逃さぬような、引きずり込むような手。
妖怪化生の類に違いなく。恐ろしすぎてこちらからは視線を遣りたくない。

(互いにぜんぜん知らない人っぽい。お互いに怖い遭遇になってしまいましたね。申し訳なさはある。
 …別に知ってる人相手でも普通に怖い会話じゃないですか?とりあえず倉庫での会話じゃ無くないですか!?)


                ガクガク…

 「…お電話掛け間違いではございませんでしょうかッ」
 「今一度連絡先の方確認いただけますでしょうかっ…当店『フラワーショップもずる』でございますッッ」

…状況が判らな過ぎて、電話口の対応を続けてしまう。
当日予約即対応に来ただけなのに、秘密の逢瀬、 禁断の解放…連絡先はこちらXXXXXXXXX!
大丈夫か?悪質なスパム扱いで>>216みたいにガオンされてしまわうのではないか?


 「すいませんお客様当店、縛りの経験は植物ばっかで…その…」

    シュッ

  「…この『シュロ縄』は…『松の木』を縛るためのヤツでしてぇ…」
  「……こう、竹とかの長い棒で作った支えに、縛り付けるんですよォ〜…」グルグル


「…『上に伸びないように』縛り付けるヤツなので、こ、子供にはあんまり良くないやつじゃです〜、ハハ…」
「…あッあと、あいにく、長い棒の手持ちが無くって!都合よく落ちてるワケも無いですしィ〜!」


目線は下げぬまま、冷や汗まみれの植物屋トークで切り抜けを試みる。上手い事なぁなぁになれッ!

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220こうめ『ヘヴン・フォービッド』:2025/06/18(水) 20:56:06
>>218
‥‥逃さん‥‥
‥‥お前だけは‥‥

エッチな話をしてるわけじゃないんだし、
何もやましい事はないんだから何も心配もないが
熱い縛りトークの末に消されてしまったらそれはそれで一興ではないだろうか

「あれ、間違えちゃったかもしれないなぁ」

「でもうめ、そういうのも大好きだよぉ〜♪」
「棒とか柱に縛りつけられたりして」
「この前も木に縛り付けられたり、吊るされたりして気持ち良かったなぁ〜♡」

「松の木でもやったけど、あれは硬くて痛かったよぉ
 でもそれがまた、何かいいんだよね♡」

何かよく分からないけどなぁなぁになっているのか?

「あ、長い棒?
 それって、どれくらい長いのが良いのかな?」

221手嶋 縺 『ムーンライト・ホロウズ』:2025/06/18(水) 23:30:21
>>220
「…既にご数名ほど手にかけてらっしゃる!?」

縛るだの吊るされるだの。『コウモリランの板付』とかの話だと信じたいね私…
そろそろ水苔が乾いてる頃かしらん…水やりしなきゃ…などと思考は飛ぶばかり。



「長…えっまぁ、伸びた枝を縛る程度、3メートルほどもあれば…」
 「…どっちかというと量?…地面に支柱建てたりで5本はあると気が楽………」

「…イヤイヤイヤ!いやそんな!…ハイ!無いですもんね!棒!残念だなぁ〜〜ッ!」


なぁなぁに…なっていない!むしろ建設的なお話が始まってしまった!
このままだとキャタツ組んで竹で支柱を作って…本当の意味で建設的なお話になってしまう!

なにやら棒の長さを聞いてきたがまさか、棒を用意してくださる流れですかコレ!?
縛る流れなんですかコレ!?
この声と手の主が、もしも妖怪化生の類なのならば絶対なんかの罠だし、
もしも普通に人間だったとしたら社会通念的にそんな事しちゃいけない!
…逃げよう!上手い事離脱できるムードを作らねば!


「…そう、他に!」
「その…!玄関の!玄関の松を縛るものですから!ね!」
「屋内じゃあ出来ないな〜いったん表に出なきゃなぁ〜」
「…だからちょっと手を離して下さらないかな〜ッなんて!」

      ジワリ…

勇気を出して、じんわり後ずさり開始。

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223こうめ『ヘヴン・フォービッド』:2025/06/20(金) 18:01:42
>>221
この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから

と思ったら、ズボンから手が離れる感覚がする
結構すんなり離れるもんだ

もし、手嶋が後ずさった時に妖怪化生と思われる女の子の姿が見えたら
その頭上に天使の輪のようなものが浮かんでいるのが見えるかもしれない
その輪は縄で出来ているが

「あぁっ、もうっ」
「今日は 誰かにっ 縛ってほしい の にっ」
「はぁっ がまんできなくてっ 自分でしばっちゃった よ♡」

見えなかったら分からないかもしれないが
見えたら女の子はいつの間にか縄で後ろ手に縛られているのが確認出来る

「じゃあ、表に出なきゃだね♪」

224手嶋 縺 『ムーンライト・ホロウズ』:2025/06/21(土) 00:12:59
>>223
「ーーーーーっ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
小さな手が離れ

見えた
見えてしまった。
後ずさりの際に視界が開け、意図せず。姿も、奇妙な『輪』も。

幽霊なんだ。たぶん。不可思議な力を持つ。(スタンド使い初遭遇者感想)
クレーン車のアクシデントとか一家でのアレとか猟奇ナントカとかで、望まず縄状物体に包まれて。
止まってしまった時間の内で、道連れを探してるのか…あるいは、縄で酷い姿になってしまった未練で、せめて傷を隠す美しい緊縛姿を求めて…

…後者な気がしますね。
前者だったら、私から手を離してくれた事に説明が付かない。

(…ともあれ、であれば、門外漢なりに手を尽くすしかないのですかね?)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 「…あー……いったん表はいいです…それでなんですけど」

         ズズイ…

近寄ります。「腕の縄」が気になっちゃって。


 「私流ですけど…末端を縛るなら、腕は下向きじゃなくて上向きが良いかと。ワキを見せる感じです。」
 「ちょっとその腕…貸してもらえます?」

『時間の止まった』『小さきモノ』を『縛る』行為については、手覚えがありますとも。
いやホントそういう趣味の話では無く。『園芸』の話です。
『盆栽』ですよ盆栽。年に数度、『縛って』手入れをするのです。

225こうめ『ヘヴン・フォービッド』:2025/06/21(土) 20:11:18
>>224
「表でやるのも開放感あって好きだけどね」

縄に絡まれた死んだ哀れな幽霊(違う)
満足させてやれば成仏するだろうか?

「うん」
「うめは下向きが好きだからいっつも下向きにしてるけど
 うぇへ、今日は お兄さんの好きなようにしてほしいなっ♡」

手嶋に身を預け全てを委ねる

こうして他人に好き放題縛られると、
普段自分でやらないような新しいものを得られる事がある

それにしても

「(,,>᎑<,,)」

この幽霊(違う)、
縄のせいで酷い死に方した割りに縛られる事を心底楽しんでいる

226手嶋 縺 『ムーンライト・ホロウズ』:2025/06/21(土) 22:26:41
>>225
うんうん、楽しんでくれてるのならいい事だなぁ(微笑み)。
幽霊…幽霊なのか?楽しそうだぞ?でも幽霊でしょ。
超能力者とか自分以外に見たこと無いですし。じゃあ幽霊ですよ。


 「今ぐらいの時期は『針金』なんですけどね。カエデとかを、風通しのために。」
 「…『縄』で縛るのは、冬のシラカバとか。なので『シラカバの箒づくり』風にやります」


バンザイをしてもらい、頭部の後ろで、二の腕、ヒジ付近をぐるぐる縛る。
キツく縛るというより、枝(腕)が暴れない程度に『絞る』イメージ。
…あ、人間の構造だと、前腕がクロスしちゃうんだ、へぇ〜…
…髪の毛は、巻き込んじゃっていいのか…?…やめとく。傷まないように。
手首を、ブラブラしないように巻いて固めて…


           ギュッ…

「…こんなモンですかね。胴と脚は縛んないです。ゴメンなさいね。
      でもシラカバみたいに、手を入れなくても綺麗ですから…」

             パタパタ… ピタ

(あなたから離れ、あなたの周りをぐるぐるし、左前方ぐらいで止まり)


 「…肩幅程度に開いて…左足をちょっと引いてもらって」
 「…そのまま…指をパっと、ピンと伸ばしてもらえますか?」

指でカギカッコを作り、少女を収めるように見ながら、
モデル相手のカメラマンの指示みたいな事をしだした。
この男もなんだかんだ楽しんでやがる。


 「……よければ写真って要ります?」
ホントにカメラマンみたいな事言い出した。でも幽霊って写真映るんですかね…?

227こうめ『ヘヴン・フォービッド』:2025/06/22(日) 19:00:00
>>226
「えぇ〜針金も良さそう」「鎖とか金属も硬くてちょっと痛いけど悪くないよね」
「でもうめは縄が好きだからいっつも縄なんだけどね(笑)」

小梅の胴も縄でぐるぐるに縛られていたが、
手嶋流緊縛の邪魔にならないように胴の縄を緩めて解く
この縄、幽霊(幽霊じゃない)の思うがまま、自由自在のようだ

「あはっ、こうなっちゃうんだ」

手を頭の後ろに回し、
植物のように成すがままに縛り上げられる

「左足を引いて……指をパッと、ピンと…
 ん〜……
 はっ、これでいいかな?」

縛るっていうのは気持ちが良いけど、それだけじゃない
かわいくて、きれいに魅せる
縛るっていうのは芸術でありファッションでもあるんだ

「うん、おねがい
 かわいく撮ってほしい…」

頬を紅潮させながらちょっと恥ずかしそうに薄い笑みを浮かべる

228手嶋 縺 『ムーンライト・ホロウズ』:2025/06/22(日) 20:13:32
>>227
こういうのは、鑑賞する向きが大事なわけですよ。
パッと見は価値を感じない造りの盆栽でも、鉢を回してみると、
ちょっとした枝と枝の間に、ハッとするような『角度』が現れる瞬間がある。

つまり、そういう事でしょう?この子は縄を操る幽霊かもですが、
今はこの、『楽しそうなかんじ』の瞬間だ。スマホで撮影。


           …パシャ!

  「…ハイ!ありがとうございます良い感じです。」
  「データはどうやって送りましょう?メール?Line?林檎ならエアドロで…」

共有のために、写真フォルダを確認。
撮れている。バッチリ。心霊写真とはとても思えず。腕を絞って、箒にしたような姿。
何となく頬を桃色にした、はにかむ少女の緊縛姿。


 「…」

…まずいな。一旦まずいな。
冷静になりました。やってる事ヤバいですよ私。
変態おじさんの誹りを免れない。写真まで撮ってるぞこの変態おじさん。
早急に、縄を解いてあげねばならないッ


 「…うんうん〜お疲れ様でした〜、
じゃあ〜後始末をしなければいけませんね〜、」

   ジリ…

   「そのシュロ縄を解いてあげます、ね?どうです?
    大丈夫ですよ〜キズは付けませんから〜…」

      ジリ…
         ジリ…

腰の作業用ポーチから、デカい園芸バサミを引き抜き。刺激せぬよう中腰でじりじり、迫る。
後始末とか言って目撃者を殺しちゃうタイプの変態犯罪者っぽい。自覚はある。

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230こうめ『ヘヴン・フォービッド』:2025/06/23(月) 20:50:16
>>228
たのしい たのしい!!!
誰かに縛られてを縄化粧をしてもらって…
そんな瞬間に、生きている歓びを小梅は感じる

しかしこの幽霊…
触れるとしっかりとそのふにふにの柔肌に触る事が出来るし
写真にはくっきりと写り込んでいる
本当に幽霊なのか?

まあ幽霊にも色々いるし、触れたり実体のある幽霊もいるかもしれないが
ただ、頭の輪は何故か写真に写っていない

「じゃあLineに送ってくれる?」

足首に縄が現れ、足に巻き付いた縄がしゅるしゅると伸びる
伸びた縄が小梅の体を這い、服のポケットからスマホを掴み出した

「わっ っと…」
「あっ」

少しバランスを崩してしまい、倒れそうになる

231手嶋 縺 『ムーンライト・ホロウズ』:2025/06/23(月) 22:22:11
>>230
…なまえ、『梅』って言ってたな…
…やわらか〜、髪綺麗ぇ〜…
…腕とか頭部に、なんか高めの体温を感じました…
…幽霊ってLINEするんですね…

冷えた頭から、疑問が次々湧いてきています。
もしかして、『普通に女の子』なんじゃないですか?

この蒸し暑い季節だからに違いない、
擦り寄る靴の中に、やけに湿り気を感じる。
でもなんか、寒いですね。これ、冷や汗って奴です?

> 「わっ っと…」

縛られているのは、人間にとっては『不自然』な状態。
必然、バランスを取りにくくもなる…
受け身を取る為の腕も、使えない状態…


> 「あっ」
        フ ラァ…



…一瞬で、視界が真っ青になった気がする。血の気が引いた、と言う奴。


―初めて手掛ける盆栽素材に、浮かれていたんだな?
―重心が危うい状態の作業…これは予期できたミスですよ。

―安定させる『鉢』をとっとと用意しなかったの、馬鹿ですか?
―『駄温鉢』と『赤玉』ぐらい見繕っときなさいよノロマ。

(君の事が盆栽に見えてる。)


 「っ、わあぁッ!」

園芸バサミを手放し、青い顔で少女に駆け寄る。
全身でキャッチ…受け止めるように胸で受け、抱きしめる。折る訳にはッ!

232こうめ『ヘヴン・フォービッド』:2025/06/24(火) 20:05:54
>>231
ぽん

手嶋の腕の中に小さな体が落ちて来た

「ありがとう」

もしも、ハサミを持ったままだったら
その繊細な肌に傷がついていたかもしれない

腕の中に納まった少女の体からは、
ドキ ドキ
と、強く高鳴る心臓の鼓動が響き、生命を感じさせる

「足を縛って転んじゃって、うめもまだまだだよぉ」
「でも、こういうのもちょっと楽しいね」

そんな状況すらも楽しいのか、小梅は手嶋の腕に抱かれながら笑っている

233手嶋 縺 『ムーンライト・ホロウズ』:2025/06/24(火) 21:51:31
>>232
大慌てでペタ、ペタと腕や首を確認します。足も見たいが…
…シュロ縄、邪魔ですね!わなわな落ち着かぬ手つきで、縄を解きながら…

 「『枝』は!折れていませんか!?」
 「『根』も大丈夫ですか!?捻ったり…細いのだから…!」

怪我などあれば、これからの樹形構想に影を残してしまわないか。
家庭菜園だけだぞ、『怪我の功名』が許されるのは…
(まだちょっと君を盆栽と混同している。)


>「足を縛って転んじゃって、うめもまだまだだよぉ」
>「でも、こういうのもちょっと楽しいね」

 「え、えェ…ハイ。ハハハ…」
 (…無邪気で何よりです。私もドキドキしております。恐慌で。)

膝を折って密着する形になり、『梅』さんのからだに耳を当てる事になりましたが…
正直、自分の心臓の早鐘しか聞こえていないですし、体温を感じるどころではない冷や汗でした。

それでも、形のある生命の『硬さ』と『しなやかさ』は、ひしひしと。
私の腕の中の細い幹から縄を解くたびに放たれる、赤く縄の痕のついた樹皮に。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「違和感を感じたらすぐ、すぐお医者さんに診てもらってください。」
「お金は出しますから…連絡先を渡しておきますっ」

作業着の胸ポッケからぐしゃりと適当にわし掴んで、ペラく簡素な名刺を渡す。
よそのお庭で作業するとき、お隣さんとかに挨拶する用の、控えめな奴です。
電話番号とLINEを乗っけてます。

【フラワーショップもずる 手嶋縺 庭園の整備承っております→XXXXXXXX】

234こうめ『ヘヴン・フォービッド』:2025/06/26(木) 18:45:17
>>233
「うん、だいじょうぶ」
「わぁ…ほら見て、綺麗な痕♡」
「シュロ縄でやるのはあんまりないけど、こんな風になるんだぁ…」

縄を解かれ、腕に残った縄の痕跡
うっとりとした恍惚の表情でそれを見て、それを付けた本人にも見せる

「あっ、新しい扉を開く機会だって」
「縄占いに出てる」

縄占い
縄の跡から運勢やらなにやらを読み取る占いだが、
当たるかどうかは…不明だ

電話番号とLINEの乗った簡素な名刺を受け取った小梅

「あの…ね
 うめ、また花屋さんに縛ってほしいの」
「今度は棒とかも使って、本格的に…ね?」

名刺のお返しにと自分のスマホの連絡先を渡そうとする

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236手嶋 縺 『ムーンライト・ホロウズ』:2025/06/26(木) 22:44:39
>>234
 「綺麗…かは…ちょっと…勉強不足で…」
 「占い…?ええ…それは…あなたの…?良い報せ…なんですかね?」

細くも荒々しいシュロ縄…ヤシの木の樹皮の繊維は、『梅』さんの肌に、
波濤に立った角(ツノ)のような、寒々しくもエキゾチックな痕を残していた。
綺麗かはともかく、なんとなく、『凛々しい』痕だな、と思った。

…縄占いの仔細は存じ上げませんが。『扉』?おじさん怖いや。ノーコメントです。


 「新しい機会ですとか、お縛りのご要望に叶うかは、自信ないですけど」
 「…気楽にご連絡ください。植物についてのお悩みなら、ぜひ。」


>連絡先

 「……」
 「………ハイ」
        ペコ

苦悩ののち、自分のスマホを出し、登録。繋いだ。妙な縁を。

私の社会的立場が危険なお誘い。とはいえ既に私側に弱みがあるというか。
撮った写真を編集して、送らなきゃですし…

それに、なんか…今後が心配ですよこの人。フと消息を絶つタイプの求道者。
私はセーフティーネットになれるほど立派な人間じゃあないですが、
この人が『命綱』を舫っておく『杭』の、候補のひとつに数えといてもらいたいものです。



  〜♪ 〜♪♪ (手嶋のスマホから着信音)

 「あっ失礼、電話です……爺さんか…せっかちですね…」

 「ごめんなさい、今のお仕事の依頼人から、催促の電話が掛かってきまして。」
 「『梅』さん。今日はこのへんで失礼させていただきますね、私。」
 「…ではっ」


余ったシュロ縄をかき集め、慌てて出ていった。

237こうめ『ヘヴン・フォービッド』:2025/06/27(金) 21:02:00
>>236
「じゃあね〜、花屋のおにいさん」

手嶋が倉庫から去って数分の後に出て来た小梅
明るい陽に晒された小さな体
その腕に付いた縄の跡を、日に掲げ今一度見て目に焼き付ける

縄の跡は時間が経てばいずれ消えてしまう
愛しくて、儚い、瞬間のアートだ
でも小梅は、目を閉じれば思い出す事が出来る
縛られた時の痛みを伴う快感と高揚感を

小梅はまた求めて彷徨う

今度は誰が縛ってくれるかなぁ?

238村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2025/07/25(金) 13:58:44
ずっと考えていたことがある。とはいえ答えのない問いだ。
何しろ答えを持っていたはずの男は、あちら側でおれのことを手ぐすね引いて待っている。

 「あれだけの能力があって、『マテリア』は何故『あちら側』に与し続けたのか。」

奴の『スタンド』は強力だった。素早くかつ正確で、防御を許さない。
それをもってして尚、解けない軛があったのか。それとも奴もまた『諦め』を抱えていたのだろうか。
少なからず、奴の行動と最期には『それ』が見えた気もする。

いくら考えても当然答えはない。主観的なそれは本人にしかわからないことだ。
ならばと客観的な判断を下そうにも、それを組み立てる情報がない。知るものがあるとすれば・・・

 「『アリーナ』。」

倉庫街を見ながらつぶやく。
それは『虎穴』だ。ただ答えを求めるためだけに相手取るには厳しい相手だ。
『殺した相手のことを知りたい』だなどという要求が通るかは・・・

 「う〜むむむ。」

視線を返して海を睨む。
別段そうしたからといって答えがでるわけではないのだが。

239宗像征爾『アヴィーチー』:2025/07/28(月) 05:31:04
>>238

海辺を通り過ぎようとした瞬間、見覚えのある後ろ姿が視界に入った。
共通の仕事を請け負った間柄であり、命の恩人でもある。
こうして気付いた以上、挨拶するのが礼儀だろう。

「――――そちらは変わりないようだな」

村田の隣に歩み寄り、その場で一礼する。
以前に『水族館』で再会した時と同じカーキ色の作業服だ。
乾いた土埃、あるいは泥土を思わせるような、くすんだ色合いだった。

「『殺手のマテリア』と呼ばれた男の背景が気にならないと言えば嘘になる」

おもむろに左手を持ち上げ、具合を確かめるように軽く握り締める。
使い込まれた革手袋に覆われた左手には、依然として『後遺症』が残っていた。
『マテリア』によって刻まれた呪縛であると同時に、
手放すことのできない形見でもある。

「『アリーナ』が必ずしも全てを把握しているとも限らない」

あの組織も決して万能ではない。
例の件でも『ハイネ』の介入を許していた。
また、監視の目を潜り抜けてきたという事実は、
それだけ奴がスタンド使いとして優れているという見方もできる。

240村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2025/07/29(火) 19:31:21
>>239

 「よお、そっちも見たところ変わりねえようだな。安心したぜ。」

 「ああは言ったが、あんたみたいのが大人しく言うこと聞いてくれるとは思ってないんでな。
 もっとも、そいつはそのままおれに返ってくるわけだが。」

声に振り向き、宗像を上から下まで眺めた後に笑って返す。

 「それはそうだろうな。把握してるんだとしたら、対応が後手に回りすぎている。
 あんたがあそこで死にかけることもなかったろうよ。」

 「とはいえ、だ。『アリーナ』の連中はまだ何かを隠しているように思う。」

 「『嘘はない』」

 「『だが全ても言っていない』」

 「ややこしい話だぜ。権謀術数ってやつには縁がねえ。」

言いながら、海へ視線を戻す。
潮騒は寄せては返すばかりで、応えを運んで来はしない。

241宗像征爾『アヴィーチー』:2025/07/30(水) 10:36:10
>>240

事前に『威武』も予測していたが、その警戒を嘲笑うかのように、
『ハイネ』は悠々と現場に姿を現した。
少なくとも、総合的な戦力では『アリーナ』が上回っているはずだ。
それでも確実な先手を打つことができないのは何故か。
最大の窮地を乗り越えて生き延びた者達の力量を示すと同時に、
巨大すぎる規模が弊害を招く実例だろう。
今後、駒の進み方によっては、
ここから盤面を引っくり返される可能性も十分に有り得る。

「説明する必要がなければ明かさないというのは同感だ」

村田から教えられた『刀傷』の件を思い出す。
核心に触れる部分は伏せられたものの、個人的に思い当たる節があった。
かつて『エクリプス残党』と交戦した際、依頼人である『和国姉弟』を通して、
『スタンドを生み出す白い本』の存在を知らされている。
『スタンドを引き出す人間』が1人ではないのなら、
『スタンドを引き出す道具』が複数あったとしても驚くには値しない。
所有者に『エクリプス』絡みの共通点が見出だせることも含めて、
『スタンドを引き出す刀』という推測が成り立つ。

「奴が背負っていた何かについて、
 俺には想像することしかできないが、
 多少は参考になるかもしれない」

静かに左手を下ろすと、村田に倣って海を眺める。

「それで良ければ話そう」

根拠は皆無に近く、あくまで憶測の域を出ないが、それ以下でもない。

242村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2025/07/30(水) 21:44:06
>>241

 「聴こうか。どのみち答えは本人に聞くしかねえんだ。
 いつか『答え合わせ』はできるだろうが、当分先の予定だからな。」

 「『回答候補』は多いほうがいい。」

身体を海へと向けたまま、顔だけを宗像のほうへ向ける。
熱気を伴った海風が、男たちの間を通り過ぎる。

この寡黙な男は『わけあり』なのだろうと思ったが、それを聴く気にはならなかった。
同じ鉄火場をくぐった身として、なんとなく感じていた。
こういった機会が稀だろうということも。

243宗像征爾『アヴィーチー』:2025/07/31(木) 15:16:49
>>242

改めて『村田瑛壱』という少年を見やる。
あの戦いで俺が目撃したのは、村田が持つ底知れない力の一部に過ぎない。
それでも凄まじいものを感じざるを得なかった。
もし、何らかの事情で敵に回った場合、恐るべき脅威に成り得るだろう。
そうならなかったのは、あらゆる意味で幸運だ。

「俺は『マテリア』が『後継者』だった可能性を考えている」

一陣の熱風が過ぎ去り、再び海面に視線を戻すと、自らの考えを口に出した。

「『前任者』が引退した後で、『仕事』を引き継いだのかもしれない」

打ち寄せる波の音を聞きながら、水平線を見据えて言葉を続ける。

「しかし、おそらく強制された結果ではないはずだ」

そう感じる理由は俺自身の中にあった。

「あくまでも自分自身の意志によって選んだのではないかと思う」

左手に残った『後遺症』と同時に、奴の『生業』を引き継ごうとしているのは、
他の誰かに言われた訳ではなく、自らの意思で決断したことだ。

244村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2025/08/01(金) 19:24:34
>>243

 「あんたはそう思うかい。」

変わらず、二人の男は海を見つめている。
話や気分の暗い明るいにかかわらず、波が日光を反射して輝く。

 「そうだといい。せめて自分で選んだなら、浮かばれもするだろうさ。
 選択と過程、それにふさわしい最期ってやつでよ。」

はるか遠く、水平線を眺める村田の表情は見えない。

 「あんた気絶してたから知らないだろうが、『マテリア』の末期は『穏やか』だった。
 それが『納得』から来るものなのか、『諦観』からなのかは分からないが。」

   人  殺  し 
 「『ああいう手合い』が死ぬときは、もうちょっとジタバタするもんだと思ってたよ。」

煙草を取り出して、火をつける。
紫煙がひとすじ流れる。

 「これからはもっとひどい戦いになる。そんな『予感』がする。
 『その時』が来たとして、おれは『マテリア』ほど『上手に逝ける』だろうか。」

 「そんなことばかり考える。」

245宗像征爾『アヴィーチー』:2025/08/03(日) 00:03:18
>>244

村田の言葉を受けて考える。
あの夜、『ハイネ』には何らかの約束事があったらしい。
『自分の手だけでは足りないから誰かの手を借りる』と。
おそらくは『依頼』するつもりだった。
自分にとって都合の悪い『何者か』を消したがっていたことは明白だ。

「今後の争いが激化する可能性は否めない」

『契約』は果たされなかったものの、不穏な気配を感じさせるには十分だった。

「奴の最期を見届けることはできなかったが、落ち着いていたとしても不思議はないな」

互いの命を削り合いながら、『死』に向かって落ちていく最中、
『マテリア』の態度に動揺の色は見えなかった。
村田の言うように諦めていたのか、あるいは得心していたのか。
少なくとも『いつか終わりが来る』という認識はあったのだろう。

「――――――それを聞けて良かった」

一瞬、村田の側から流れてくる紫煙が、死者を弔う線香を連想させる。

「君と同じ年頃の『青山流星』という少年を知らないか?」

水面の照り返しに眩しさを感じ、無意識に目を細めていた。

246村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2025/08/03(日) 01:33:56
>>245

 「『青山流星』?聞き覚えのねえ名前だ。
 珍しい名前だし、一度会ってたら忘れなさそうな名前だ。」

問いかけに反応して、宗像のほうを見る。
光の加減かもしれないが、宗像の顔が記憶よりも穏やかに見えたような気がする。

 「『こんな』だからよ、あいにくあんまり友達の多いほうじゃねえんだ。
 殴ったか殴られたかはしてるかもしれねえけど、そういうやつの名前はワザワザ聞かねえしな。」

 「そいつに何か用でもあるのか?
 名前探すぐらいなら、まあ何とかなるとは思うけどよ。」

247宗像征爾『アヴィーチー』:2025/08/03(日) 21:26:08
>>246

「青山は俺達と同じ『スタンド使い』で、人一倍『正義感』が強かったようだ」

当時の記憶を辿りつつ、一つずつ思い起こしながら話を続ける。

「躊躇なく『正義は悪に負けない』と明言する姿からは、
 『確かな信念』を持っている様子が窺えた」

何が正義で何が悪か。
それは個人の価値観によって変わり、絶対的な基準は存在しない。
だが、どのような形であれ、確固たる信念は尊敬に値する。

「そして、俺は彼に助けられたことがある」

この場で青山の名前が思い浮かんだのは、村田と同年代の少年というだけではなかった。

「たった一度だけ『共通の仕事』を引き受け、『エクリプス残党』と交戦した時、
 もし青山がいなければ、俺は命を落としていただろう」

村田と同じように共闘し、同じように救われた恩があるからだ。

「いつか借りを返したいと思っていた矢先、風の噂で『訃報』を伝え聞いた」

実際に確認した訳ではなかったものの、何故か『確信』に似たものを感じた。

「『もう借りを返せない』というのは居心地が良くない」

そう言うと同時に身体の向きを変え、隣に立つ村田に向き直る。

「『行く末』は分からないが、俺が『借り』を返すまでは生きていてくれ」

248村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2025/08/03(日) 22:37:56
>>247

 「あんなのを『貸し借り』に数えんのは良くねえんじゃねえのか?
 いちいち数えてたらおれだって借金だらけで首まわんなくなっちまうぜ。」

煙草を咥えたまま、呆れたように笑い―――

 「ま、それであんたの気が済むってんなら『貸し』といてやるぜ。
 その代わり、あんたも出来るだけ生きておけよ。
 なんであれ、おれは『貸しっぱなし』にはしとかえし、根に持つタイプだ。」

  あいつ
 「『ハイネ』からも必ず返してもらう。耳そろえてな。」

 「あんたもそのつもりだろ?」

249宗像征爾『アヴィーチー』:2025/08/03(日) 23:58:55
>>248

『青山の死』は意外な程に呆気なく、
『いつか恩を返す』という認識が甘かったことを思い知らされたからこそ、
このように強い印象を残したのかもしれない。

「俺の価値観において、何かが本当に重要であるかどうかは、
 その相手がいなくなった後に気付く場合が多かった」

『愛する者』を失った時も、『憎むべき敵』を失った時も、同じ感覚を覚えた。
どちらも俺にとっては『生き甲斐』だった。
それらが目の前から消え去った時、『自分自身』さえも見失った。

「だから、俺は『義理』を欠くことはしない」

『借りを返すこと』は『生きる意味』に通じる。
この身に宿った『能力』も、『それ』に見合ったものだ。
まだ『復讐』は終わっていない。

「それが何であれ『借り』は必ず返すつもりだ」

『恩』であろうと『仇』であろうと。

「もし『マテリア』の話が耳に入ったら、その時は君にも知らせる」

緩やかに踵を返し、光り輝く太陽に背を向けた。
無骨な安全靴の靴底が、灰色の砂浜を踏みしめる。
呼び止められることがなければ、そのまま海岸を歩いていくだろう。

250村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2025/08/07(木) 09:16:46
>>249

 「おっと、最後にもう一つあったんだ。
 あんた、あの時は病院直行だったんで知らねえだろうから伝えとくが」
 
 「『赤月』。あいつ何か隠していやがるぞ。
 『何を』ってとこまでは分からねえが、仕事の前と後で様子が明らかに違った。」

去り際の背中に視線をやって、声をかける。
あの鉄火場にいた『もう一人』の男の変化について、だ。

 「『マテリア』が死ぬときはおれも傍にいたから、そこで何かあったとは考えにくい。
 そうなると、『ハイネ』とやりあったときに『何かあった』と考えるのが自然だ。
 『ハイネ』とあったやり取りのうち、『何か』を隠している。おれたちにも、当然『アリーナ』にもだ。」

 「具体的にどうしろってところまでは言えないが、気に留めておいてくれ。」

そこまで言って、視線を再び海に戻す。

 「まだまだ暑い日は続きそうだな。
 身体には気をつけろよ。『資本』だからな。」

少々うんざりとしたようなセリフを呟き、ぎらつく太陽とそれを反射する波間に眼を細める。
正直言って、暑いのはあまり得意ではないからだ。

251宗像征爾『アヴィーチー』:2025/08/07(木) 19:59:01
>>250

足を止めて村田の話を聞き、それと同時に過去の状況を振り返る。

「赤月と共闘している最中、脳天に重い一撃を受けて、俺は意識を奪われた」

高層階のフロアを丸ごと借りていることを知らされていたので、
『蝙蝠の本体』は同じ階にはいないはずだと思い込んでいたが、
これは致命的な読み間違いだった。
『漣派』と繋がりを持つホテルである事実も、
先入観を助長する一因になっていたと言えるだろう。
あの一件で思い出したのは『経験に勝る教師なし』という言葉だ。
『アリーナ』の情報だからといって、無条件で鵜呑みにしてはならない。
特に『エクリプス』を相手にする場合は、見聞きした全てを疑う必要がある。

「奴は『とどめ』を刺すこともできたはずだが、
 簡単に引き上げていったところを見ると、
 何らかの『取引』があった可能性も有り得る」

『マテリア』と共に落下した瞬間だけでなく、
『ハイネ』の目前で倒れた後も、そこで終わっていたかもしれない。
しかし、俺が目覚めると、既に奴は逃げ去ってしまっていた。
当時は意識が朦朧としていて気が回らなかったが、
『何かが起きた』と思うのは自然な筋道だ。

「『その時』が来るまでは、お互い『命』を大事にしておくべきだろうな」

かつて村田から言われた言葉を返し、今度は立ち止まることなく海辺を歩いていく。

252ミサキ『ドント・ファイト・ザ・シー』:2025/12/13(土) 09:34:38
週末の早朝、穏やかな波の音が響く砂浜にて。
1人の少女が波打ち際に立ち尽くし、海をじっと眺めていた。
セーラー服にマリンキャップを被った、水兵ルックとでも言うべき服装だが……
肌は白く、髪はいわゆる姫カットで、活動的な印象からはほど遠い。

「……………………」

そんな少女が1人で立っていれば、思い詰めているのかとでも思われそうだ。
ただその表情は、何が面白いのか──薄い笑みを浮かべていた。

253ノエ『ゼロ・モーメント』:2025/12/16(火) 19:07:42
>>252(一日、ほぼ1レスの遅いペースになると思います)

……ザッ

 (……こんな早朝に、誰だ?)

 ジャラジャラと、多くの固い物が擦れあう音を引っ提げた袋を片手に
幾らか汚れた長くつと同じ程には、幾分汚れがある包帯で顔を覆い
フードを被った男性が君の近くを歩いてくる。

 (入水自殺だとか、そう言う雰囲気では無いようだが……)

 普段、ノエは世間から身を潜めて生きている……それでも、人情を
全て捨てて過ごしている訳では無い。

 「君……どうかしたのか?」

 数巡、立ち止まり何を言うのか考えつつ、そう声を掛ける。

顔を隠した不審な男と、君の距離は未だ幾らかある。

254ミサキ『ドント・ファイト・ザ・シー』:2025/12/17(水) 05:37:04
>>253

声をかけられると、少女はゆっくりとノエの方を振り向いた。
ノエの異様な風体を目の当たりにしても、その表情はピクリとも動かない。
均整の取れた、作り物めいた微笑みは人形のようだ。

「あら」

「もしかして」

「心配なさってくれているのですか?」

言葉の1つ1つを区切った、慎重さを感じさせる口調で少女は返答した。
両目はまっすぐにノエの目を見据えている。
大きく、黒く、光(ハイライト)のないその瞳は、夜の海を思わせる。

「私が」

「身投げを企てていると?」

255ノエ『ゼロ・モーメント』:2025/12/17(水) 08:40:14
>>254

 吸い込まれるような黒い瞳だ。

ノエに至るまで、様々な人間と巡り合った。人でない者も、幾つか。

 だが、今まで出逢ったどの色とも、また違ったものだ。
だが、巡り合うとは、そう言う事なのだろう。

「ああ……心配したんだ。少なくとも、こんな時刻に
特に用件も無いのに、砂浜で一人っきりなのを見ればな」

 少女が何を想って海を見ていたのか?

ノエは、神でも何でもない。ただのノエ(流離/さすらい)だ。
 知る術など無い。未知なる海に対しては、その水面に浸からなければ
温度も匂いも、底にある真実さえ未知数なのだ。

 「オレは……此処で潮干狩りだ。君は?」

 最初から拒絶の色が強ければ、短い謝罪と共に立ち去るつもりだった。
だが、そうで無い事は僥倖か。

 深い月明かりの無い水の色に、昼と夜の一瞬の隙間のような色を伴って
見つめ返しつつノエは会話に挑む事にする。

256ミサキ『ドント・ファイト・ザ・シー』:2025/12/17(水) 16:24:33
>>255

「お優しいのですね」

「ふふ」

静かな笑いを漏らしつつも、少女の微笑は崩れない。
目を細めることも、口角を上げることもなく、じっとノエを見つめる。

「何をしているかと言えば」

「何も」

「こうするのが、好きなのです」

そう言って少女はふっと目を逸らし、再び海に視線を遣った。
先程までそうしていたように、しばし沈黙する。
綺麗な景色を眺めるのが好き──と言うと、別段おかしなことではない。
少女の年齢を考えると、変わった趣味ではあるかもしれないが。

「あなたこそ」

「変わっていますよ」

不意に呼びかけるとともに、少女は振り返った。
その視線が丁寧にノエの爪先から頭の頂点までを滑り、また顔で止まった。

「その格好」

「お怪我でもあるのですか?」

257ノエ『ゼロ・モーメント』:2025/12/18(木) 13:57:38
>>256

 >こうするのが、好きなのです

「……」

 もし、自身がノエでなく以前の姿形なら。一つの絵画か、詩文の情景の1シーンを
感じ受け筆を走らせていたかも知れない。

 だが、今はノエだ。

可笑しみを感じる事は無い。ただ、その少女の在りのままの感じ方に
異議を唱える覚えは無く、無言で同調のみを示す。
 次に、彼女の尋ねる声に対しては波打ち際が3度朝陽の反射を繰り返す間と
共に頭の中で返答を形作って返していた。

 「…………そうだな、変わってるだろうな」

唱える音に、不快の色は無い。だが、漠然とこの海平の広さのような
漠然とした寂しさのようなものは含まれている。

 怪我を尋ねられ、空いた片手の腕を掲げて指を包帯に滑らせる。

随分と綻びが目立つのが人指しの腹が教えてくれた。
 それ位、この格好のまま彷徨う時間が長いことを暗に告げている。

何時まで? ……少なくとも、今掲げる目的を遂げるまでは。

 「……ああ、怪我はある」

その手は、顔でなく、胸に当てられていた。

「治す為に……オレは、あの陸すら見えない水平線のような方角を
羅針盤なく泳いでる最中だ」

「オレは、見た通り……変な男さ。ついでに目的も変わってる。
『コウモリ』を探してる……今も、今後もな……」

そして、ノエも同じく海を見詰めた。その瞳は、何に向けて
視線を走らせているのかは彼の胸の内のみぞ知る事だろう。

258名無しは星を見ていたい:2025/12/19(金) 10:26:04
>>257

「詩人ですのね」

ノエの謎めいた言葉に、少女は変わらぬ微笑みで相槌を打つ。
あるいは、『コウモリ』という言葉を何かの比喩と受け取ったのかもしれない。

「思うに、ですが」

そして、海を見つめるノエに向かっておもむろに足を踏み出した。
朝日が逆光となり、少女の表情には濃い影が落ちる。
その双眸が、湛えた暗闇の深さをいや増す。

「誰にも」

一歩。

「助けを求められない事情が」

一歩。

「あるのでしょう?」

もう一歩。
両者の距離は、あと少しで──『3メートル』に達する。

259ミサキ『ドント・ファイト・ザ・シー』:2025/12/19(金) 10:27:18
>>258

260ノエ『ゼロ・モーメント』:2025/12/19(金) 11:32:14
>>258

ふと、以前に森の方で見かけた女性がフッと脳裏を霞んだ。

 自身にとって掛け替えのない彼(一抹)に、何処となく既視を感じさせる女性。

あの時に似た、津波が来る前の静けさのような圧を目の前の少女から感じる。

 「…………オレの何がわかる?」

まじまじと、全体を把握出来る程の距離まで迫ってもだ。
 ノエに対して、何を狙ってか? または、過去の遭遇した敵の関連を
勘繰り回す為に脳を動かしても思い当たる節が無い。

 「オレに何かして欲しい事があるのか? 助けが?」

「それなら、手を貸す事は出来る。けど、オレは声を大にして
助けを乞う気は今のところ無い。…………今のところはな」

 彼女の当てずっぽうかも知れない問いは、半分外れで半分正解だ。

ノエでない頃であればだ、幾らでも現状の打開に伝手を頼れただろう。

でもノエであるなら、今のところ誰かの力を借りる気は無い。
 強がり、瘦せ我慢では無い。ただ、敵の動きを予想するならば
単独で動く方が、だ。少なくとも相手にとって未知数であろう自分を
感知させるような片鱗を与える気は無いと言う事だから……。

 「…………だが、気持ちだけは貰っておく。
有難う……そう、感謝しか告げられないがな」

 軽い吐息と共に、棒立ちのまま海を背にした彼女に礼を述べる。

261ミサキ『ドント・ファイト・ザ・シー』:2025/12/19(金) 17:17:43
>>260

「あら」

「失礼」

謝意は特に感じさせない平坦な口調で、少女は謝罪を口にする。
ゆっくりとした、しかし迷いのない足取りを続けながら。

「助けを求めるつもりも、申し出るつもりもありませんでした」

「ただ」

──『3メートル』。そこで少女の足は止まった。

「ひとつ、お尋ねしたいことがありまして」

近くから見てもやはり、少女の瞳は一片の光すら映していない。
黒い、どこまでも黒い2つの目が、ノエを見据える。

「この『波の音』が」

「聞こえますか?」

奇妙な問いだ──十人が聞けば、十人がそう思うだろう。
砂浜なのだから、波の音が聞こえないはずがない。
現にノエの耳にも、先程からずっと『波の音』は届いている。

262ノエ『ゼロ・モーメント』:2025/12/20(土) 10:24:47
>>261

 「『波』……」

 声を復唱すれば、改めて気づける事実に辿り着ける。
呼びかけに素直に耳を澄ませる事によって、水面に今まで見えなかった影を知るように。

少し離れた場所から響く、さざ波の音……それ以外に、もう一つ『重なる音』

 「…………ああ、そうか」

「……そうか」

 「――使い手とならんば、是非に叶わらず、いざあの頂きの舵の手を変える事を」

              キィン……

 少し、ノエの纏う空気が変わった。
殺気、とは異なる。君に敵意は向けてない。
 だが希薄だった先ほどまでのノエの静かな佇まいとは異なる荒々しさが見え隠れする
空気が覗く気が君には感じ取られる。

 「…………改めて聞こう。オレに何を望む」

「見ての通り、オレ『も』普通では無いのは知れる事だ」

 琥珀の瞳は、よりはっきりと君の昏い海に飛び込まんがとするのように
強く強く光を伴って居抜き返しながら問う。

263ミサキ『ドント・ファイト・ザ・シー』:2025/12/20(土) 16:36:52
>>262

「ああ」

「やはり、聞こえるのですね」

少女は僅かに頷くと、今度は一歩後ずさった。
同時に、ノエに聞こえていたもう1つの『波の音』は消える。

「いえ」

「あなたを見て、もしかして、と思ったので」

「少し、試しただけです」

対する少女からは、なんの感情も感じられない。
当然だ。その表情にも、所作にも、動きは何一つないのだから。
静かな水面のように──ただ、そこに在る。

「覚えておきましょう」

「本物の波の音に重なると」

「注意しなければ気付けない」

「ふふ」

「ふふふ」

くすくすと笑いつつ、少女は踵を返し、再び海に目を向けた。
無防備に晒された背中が、その意思を言外に語る。
つまり──少なくとも、ノエに危害を加えるつもりはないようだ。

264ノエ『ゼロ・モーメント』:2025/12/21(日) 13:43:52
>>263

 >少し、試しただけです

 「……」 ――ギュンッ

 潮干狩りの為に、袋に幾らかあった水からヴィジョンが消える。
もっとも、彼女からは見えない死角であり、使う意義が失った以上は徒労だが。

 少し、彼女の背を見詰めてから。少し鋭かった目尻と眉が萎んでいく。

 溜息でも今にも吐きそうな具合だが、気を取り直すように少し首を振って
斜めに思案の方角を向けた瞳は、徐々に再度少女の背に向き直った。

 「……こんなオレが、忠告するのも、なんだがな」

「余り、危険な事をしない方が良い」

 「この町には、少なからず危険な奴らは居る。オレは、何度か
そう言う機会があったから、わかるんだ」

「君がどう言う力があるか知らない。火の粉を振り払う位に強いかも知れない」

「けど、如何に強力でも、それが通じない輩も少なからず居る。
だから、安易に揶揄する為に力を披露するのは止めた方が良い」

 使い手である以上、近づかなくても向こうから危険が、災厄が招き寄る
事は何時だって不思議でない。安息の日々が突如、誰かの狩場に変貌する事だって
全く可笑しくない事は二度経験した。

 この少女が、どう言った目的で『波』を開示したのかノエには推測しか出来ない。
鬱陶しいと受け取られるかも知れないし、この何処か浮世離れな人の目の無い
揺れる海のように掴みどころのなさだと警告を正しい形で受け止めて貰えないかも知れない。

それでも、ノエには未だ星を、人を愛する心は残っている。

265ミサキ『ドント・ファイト・ザ・シー』:2025/12/21(日) 22:08:11
>>264

「ご忠告ありがとうございます」

少女は少なくとも、ノエの忠告を一笑に伏すことはしなかった。
背を向けたままの感謝に、どれだけの重みがあるかは定かでないが。

「ええ」

「あなたの言う通り」

肩越しに振り返り、逆光の中でノエに微笑みかけながら。

「『使う』相手は」

「選んでいますよ」

──そして正面に向き直ると、少女は歩き始めた。
その言葉の意味するところを考えるための時間を与えるかのように。
呼び止めでもしなければ、このまま歩き去っていくだろう。

266ノエ『ゼロ・モーメント』:2025/12/22(月) 18:09:02
>>265(特に何も無ければ、次で〆たいと思います。
お付き合い感謝です)

 「……」

 少女の言葉には気掛かりな部分が多すぎる。

ノエが、仮にそのまま少女が使い手である事を認識すると同時に
攻撃する可能性は、少なからず起こり得ていたifだ。
 音、だけでも攻撃の予兆だと判断して過剰防衛を行う。そう言った出来事は
スタンド使いが交錯すれば、不幸な事故より高い確率であるからだ。

 (……食えない子だ)

結局、目的も意図も不明だ。ただ、愉快犯なだけかも知れないし
もしかしたらスタンドを発現して日が浅く優越感から愚行に至ろうとしたのか。

思考を続けても、未だノエには胸の中の疑問を解決するには根拠が足らない。

ああ、だからこそ……。

 「気を付けて、帰れよ」

「……次は、慎重にな」

 ただ、少女を見送るだけに留まる。

願わくば、ノエとの邂逅から今後の身の振り方に念頭してくれればと願う。

 孤独の中で、これからも泳ぎ続けるノエにとって、少ない癒しの一つは
町の人々の安寧と平和が揺れない事なのだから。

267ミサキ『ドント・ファイト・ザ・シー』:2025/12/22(月) 21:36:21
>>266

「ふふ」

ノエの呼びかけに、少女は笑い声を漏らして足を止めた。
だが、今度は振り返ることはしない。
ノエの目に入るのは、潮風に揺れる長く艶やかな黒髪だけだ。

「私」

「優しい人は好きです」

──そんな言葉だけを残して、少女はどこかに歩いて行った。


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