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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その6
1
:
名無しは星を見ていたい
:2023/05/22(月) 09:34:23
短編、単発のミッションなどにお使いください。
長編やシリーズものの予定でしたら、自分のスレで行うことをお勧めします。
2
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/22(月) 17:24:06
正義の反対は、悪でしかないし。
無関心が好きの反対なら、
世の中こんなに腐りきってない。
簡単な事実から目をそらす言葉遊びをよそに、
僕は今日も悪に正義を執行するのが大好きだ。
―――――――――――――――――――――
>ユウリ・桃園・シャルロット
『能力詳細』『外見』『持ち物』に加えて、
『簡単な自己紹介』をこのレスに返信してください。
3
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/22(月) 18:27:09
>>2
『能力詳細』:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/233
『外見』:桃色の長めの髪が特徴。今日はポニーテールにしている。
カジュアルな服装で全体的にライトピンクの比率が多い。
『持ち物』:スマホ、財布、ハンカチ、ボールペン(水性)、手帳
『簡単な自己紹介』:本名『ユウリ・桃園・シャルロット』略称ユウシャ
12歳女性。出身国はフランス。幼少期の出来事が切っ掛けで勇者になる事が夢になった。
そんな馬鹿みたいな夢を公言しているが周囲から虐められるといった事は無い。
尚、勇者の定義については未だにはっきりした事は分からない。
4
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/22(月) 18:36:42
>>3
(桃園)
始まりは……木曜の夕方だった。
学校(小学校で良かっただろうか?)を終えた後、
自室で宿題をして……あるいはせずに過ごしていると。
《モモゾノ。勇者モモゾノ。
ワタシの声はちゃんと聴こえてるかな?》
珍しい事に、『リィン・カーネイト』が現れ、
向こうから『桃園』に声をかけてきたのだった。
もちろん無視をしても良いだろうが…………どうする?
5
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/22(月) 19:54:53
>>4
小学校から帰って来た勇者は、早めに宿題を片付けていた
勉学に励み頭を鍛える事も、修行の一つという考えからか
こういう事には割と積極的なタイプだった
そして今現在、夕焼けの茜色が自室に差し込む中
音楽をかけながら大事な『聖剣』を手入れしている最中だった
『聖剣』は一晩寝れば元通りになるため、手入れなど不要かもしれないが
それでも気分的には意味があるかもしれない
まぁ、『交換』に出したり包丁やバット代わりに使ったり
普段割とぞんざいな扱いをしているのだが
そんな折、件の『聖剣』をユウリに与えた妖精の声が聞こえて来た
《あれ?珍しいね、リィンが話しかけてくるなんて》
理由はよく分からないが、リィンは思考での会話を求めていた
そのため、勇者も物理的な声を出さずに思考での会話でリィンに応答をした
6
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/22(月) 20:02:43
>>5
(桃園)
《関心だね。キミはしっかりとワタシの――
『導き』に耳を貸し、『勇者』として成長中だ!
鍛錬もしっかりしているみたいじゃないか》
剣を手入れしていることにか、
しっかりと『念話』で答えたことにか、
夕日が照らす『リィン・カーネイト』はご満悦だ。
《だからこそ声を掛けたんだ。
モモゾノ! そろそろ『経験値』を稼ぐべきじゃない?》
ゲーム感覚……とっても、この存在は現実味が薄い。
現実的な語彙を持ち合わせている方が不思議かもしれない。
7
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/22(月) 21:00:42
>>6
《『経験値』?》
リィンの言葉に一瞬、聖剣を磨く手を止める
勇者が行ってきた修行といえば
流れる滝を斬ろうとしたり、巨岩を斬ろうとしたり
高層ビルから転落して死ぬほどの激痛に耐える修行をしたり
まぁ、色々やってきたが、それが経験値になっているかと言うとアレだ
経験値とゲーム感覚で言われると
そんなアメを爆食いしたりすれば上がるし、薬キメれば努力値も上がるから別にいいよ!
…というわけにもいかないだろう
まだ実践を経験していない勇者はまだ、EXP0の状態といえる
それに、この滅多に出て来ない妖精が態々自分から出て来て言っているのだ
それは、それが重要な事項なのは考えなくても分かる事だ
《リィンがそう言うって事はさ、何かやらせたい事があるんでしょ?》
8
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/22(月) 22:08:26
>>7
(桃園)
《そ。『経験値』》
念を押すように繰り返す『妖精』。
《ワタシがさせたい――して欲しいのは、
キミがいずれ勇者になる、それだけ!
で、キミの肉体の鍛錬は結構十分というか、
今のを繰り返していけば良いというか、
ショージキやりすぎ?ってくらいなんだけど》
キラキラキラキラ
《『実践』が足りないんじゃない?》
光に消える鱗粉を撒きながら妖精が降り立つのは、
『聖剣』の鞘の上だ。…………『実践』。
あまり『良い予感』はしないフレーズになってきたか?
9
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/23(火) 13:27:53
>>8
この妖精が言う実践
良い予感がしないというのは確かだ
というか、ほぼ間違いなく碌な事にならないだろう
きな臭い妖精の誘いは無視するのが無難だろう
時には引く事も勇気だ
…が、リスクを負ってでも前進する事を選ぶ、それも勇気だ
ユウリは後者を取るタイプだった
一歩間違えば勇気ではなく無謀になりかねない
《そういうからには、何かアテがあるのかな?》
《実践の》
まさか、そこら辺にうろついてる奴を適当に斬り捨てて来いなどとは言わないだろう
10
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/23(火) 14:39:29
>>9
(桃園)
《もちろんさ! キミが乗り気で嬉しいよォ。
ま、もちろん断ってくれたっていいんだけどね》
いいんだ『けど』――
その響きには断った場合を想定しない楽観がある。
《『通り魔』》
そして、事もなげに続く言葉は『犯罪』の名前だ。
《最近、この辺りに『通り魔』が出ているって。
キミも明日あたり学校で聞くかもだけどね。
ケーサツに任せちゃえば?って思う?
でも、こいつは結構危険な『モンスター』だよ》
《なにせ、『スタンド使い』だから》
だから、『経験値にはちょうど良い』。
桃園の安全とかは気にしてないのか、勇者には必要な試練なのか……
11
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/23(火) 18:07:37
>>10
断られるパターンを想定していなさそうなリィン
もし断ったらどうするのか?
強制的に従わせる事も出来るのか、別に何事もなくおしまい
フリーミッションRTA リィンしかとチャート 10レス分達成になるのか
興味が無い事はないが、そんな事よりも今は『通り魔』の話だ
《『通り魔』って》
《それ、人を襲ってるんだよね》
《それって…殺しなの?》
通り魔といえば、大抵は殺人だ
死人が出ていない通り魔事件というのはあまりないだろう
《スタンド使いの通り魔って…どんなやり方でやってるの?》
まず、何でリィンがそんなの知っているのかというのも気になる勇者だが
それは今は置いておくとして、犯人はどういう手口で犯行を行っているのか
やるにしてもやらないにしても重要な話だ
12
:
『エターナル・ノクターナル』
:2023/05/23(火) 18:48:11
>>11
(桃園)
《『人殺し』だなんて!
そんな危ないヤツはまだ早いよ、モモゾノ。
今回のヤツは、『ケガまで』だから!》
だから安心って話でも無いだろうが、
『命のやり取り』をする羽目にはならないらしい。
《ワタシの聞いたところによると被害者は、
鈍器みたいなもので何度も殴られたとか。
もしくは強く突かれて気を失ったとか》
《でも、『そんなこと』より大事なのは》
キラキラキラキラ
《その犯人は『瞬間移動』をしてたんだって!
スタンド使いじゃなきゃあ説明がつかないでしょ?》
なぜそんなことを知っているのか?
『妖精』は神出鬼没だ。意外と足で稼いだのかもしれない。
13
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/23(火) 18:50:16
>>12
(名前欄訂正)
14
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/23(火) 19:39:16
>>12
殺しはせずに、怪我止まりというが
安心する要素は全く無い
そもそも怪我というのがどのくらいの怪我なのか
《『瞬間移動』かぁ》
《それってなんか私の剣と同じみたいだね》
恐らくただの偶然だろうが、勇者の聖剣も『瞬間移動』と呼べるような能力がある
だからって別に運命だとかそんなもんは感じないが
《その通り魔って、どういうとこで、どういう人を狙ってたりするの?》
通り魔と対峙しなければならないとしたら
相手は何時、何処で、どういう人間を狙うのか
その傾向を知るところから始めなきゃならない
外に出て「おーい、通り魔くん出ておいでー」なんて言って出て来るわけはないだろうし
それで出て来たら面白いが
15
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/23(火) 20:36:58
>>14
(桃園)
《そうだね。キミに似てるかも。
『己を知る』ってほど似てるかは知らないけど、
最初の『経験』にはちょうどいいでしょ?》
スタンド能力に『作為』が絡むことは早々ない。
偶然だろうが、意味を探す事は出来るかもしれない。
《さあね。ワタシもなんでもは知らないから!
でも、聞いた話では犯行は『夜』ばっかりで。
場所は今のところ全部『星見横丁』のあたりだね。
ヤられた側の共通点は微妙なとこ。
キミがしっかり調べれば分かるかもしれないけど》
《経験値にはあんまり関係は無いね!》
あくまで『噂』を持ってきただけなのか、
知っていて教えてくれないのか……
ある程度は『探す』必要もありそうだ。
《どうだいモモゾノ、『実践』――やる気は出てきたかな?》
16
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/24(水) 13:05:02
>>15
《う〜ん…》
少し考える素振りを見せる
《良いよ》
本当に考えての発言なのかは不明だが、あっさり了承する
善は急げ!今すぐ星見横丁に出発するべきか?
《でも、もうちょっとその通り魔の事知りたいな
今日は休んで明日調べてみるよ》
今夜も件の通り魔が現れて犠牲者が増えるかもしれないが
戦いに備えてしっかりと下調べをしておく事も勇者の仕事だ
17
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/24(水) 16:31:21
>>16
(桃園)
《そう来なくっちゃあ!
さすが、ワタシが見込んだ勇者なだけはある!》
上機嫌な『妖精』。
《良いよ良いよォ、
『休息』も『調査』も勇者らしさ!
学校ではワタシは導けないけど、
モモゾノがうまくやってくれるって信じてるよ!》
《それじゃ、また明日!》
キラキラキラキラ ポンッ
調子のいいことを言いながら、
妖精はクルクルと回って、光って消えた。
特に何もなければ、寝て起きれば金曜日が始まる。
18
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/24(水) 18:27:01
>>17
「行っちゃった」
軽く掌の上で踊らされている感じはあるが
今はそれでも良いよ、とユウリは思う
さて、しっかりと英気を養うのは勇者の仕事だ
そろそろ晩飯の時間だ
今夜のメニューは何だったか…
そういえば、冷蔵庫にミルクレープがあるんだった
どうでもいい事だが、ミルクレープはいかにもフランス生まれな顔しやがって、日本生まれの菓子らしい
にゃあ…
あぁ、そうだ、最近飼い始めた変な猫にも餌をやらなきゃならないんだったと思い出した勇者
まぁ、意味不明な生態をしているが餌は普通のキャットフードで良いだろう
「はいはい、ちょっと待ってねぇ」
こうして夜は更けていく
こうしている間にも犠牲者は増えているのだろうか?
そして新しい朝がやって来た
また妖精が現れでもしないなら、まずは顔洗って朝飯を食いながらニュースでも見ているだろう
19
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/25(木) 06:03:43
>>18
(桃園)
気まぐれな妖精はその後姿を見せなかったが、
翻弄されるばかりの『勇者』ではない。
自分自身の食事やデザートを済ませて、
謎の『浴衣猫』に餌をやって、眠りについた。
通り魔は今日も出没しているかもしれないが、
だとしても、大多数の暮らしの平穏は揺るがない。
・・・
・・・
・・・
チチチチ
ヒーーヨヒーーヨ
鳥の鳴き声が外から聞こえてきた。朝だ。
「本日から週末にかけては、
晴れが続く予想です!
梅雨前の今のうちに、
行楽を楽しむチャンスですね!」
天気予報などがやっているテレビからは、
朝の洗顔より目が覚めるような情報は流れてこない。
通り魔が出たとして、報道はたいてい捕まったあとだ。
朝のルーティーンを済ませたら、登校するのがよかろう。
20
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/25(木) 14:23:44
>>19
朝の報道番組を見ながら、朝食のフレンチトーストを食べる
フレンチトーストは卵がしっかりと絡み、バターの風味が香るしっとりとした食感だ
甘さ控えめのアイスココアとよく合う
それにしてものどかな朝だ
こんなに平和だと、勇者の存在など必要無いかもしれない
朝食を終えて猫に餌をやった後、軽く朝のシャワーを浴びなら考える
今朝のあんまり面白くないニュース見るよりおかあさんといっしょ見てた方が面白かったな
歯を磨き髪を整え身支度を終え学校へ出かける
道中で何かければ今頃学校についているだろう
さて、学校では何かイベントは起こるだろうか?
21
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/25(木) 14:38:08
>>20
(桃園)
キーンコーンカーンコーン
学校でも、ごく平穏な1日が始まった。
クラスメート達はいつも通り登校してきたし、
教師が転校生を紹介するとか、校庭に犬が来るとか、
テロリストが乗り込んでくるとか……そんな物はない。
「それと……『星見横丁』にあるゲームセンターから、
最近、遅い時間に小学生だけで遊びに来ていると、
学校にも何度かお電話がかかってきています。
皆さんのことだ、と言うわけではないですが、
あのあたりは危ない場所も多いですから!
くれぐれも保護者の方と一緒に行くようにしてくださいね!」
朝の会ではそのような話だけはあった。
ガヤガヤガヤ
教師が一旦席を外すと、にわかに話し声が教室を満たす。
『桃園』はこういう時……誰かに話しかけたりするだろうか?
22
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/25(木) 15:25:09
>>21
『星見横丁』というと、
例の通り魔が出没するのも『星見横丁』
が、その話とこの話が関係あるかというと、別に関係無さそうな話だ
ゲーセンに遊びに来る小学生ばかりを狙うニッチ過ぎる通り魔でもなければ
先生が言った途端ガヤガヤと騒ぎ出す学生たち
こういう時、話す相手といえば友達のまほちゃんが一番よく話す相手だが
生憎とまほちゃんは今日は欠席のようだ、風邪なのかなんなのかは知らないが
とはいえ、友達はまほちゃんだけではないし、別に友達でもない相手とも気軽に話せるのが勇者だ
生徒達の声を聞きながら、例の通り魔の話と関係のありそうな話をしている奴がいたら声をかけてみよう
もしくは、誰かに話しかけられたらそれに応対をしよう
23
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/25(木) 17:47:00
>>22
(桃園)
生徒たちは思い思いの話をしているようだったが、
ふと、『横丁』という単語が耳に飛び込んできた。
「でさぁーっ! ……ん?
『ユウシャ』じゃん。おはよ。元気そうね。
でナニぃー? なんか用? きらお話中なんだけど!」
ツキシノ キキララ
クラスメートの『月篠 嬉々爛々』だ。
名前負けしない輝くような美貌の持ち主で、
今も机の周囲に数名の女子を侍らせており、
クラスの中ではどちらかというと『強い』。
そして、彼の兄は『不良』として知られる。
「もしかして『ユウシャ』も来たいのー? ゲーセン」
加えて言えば、朝の会の話はコイツが当事者らしい。
取り巻きの『リズ』『愛華』『風凛』『綺癒亜』らは、
どちらかといえば『桃園』に『来るな』の雰囲気だ。
別段彼女らに付き合う必要もなさそうだが……どうする?
24
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/25(木) 18:25:05
>>23
キキララ!!??
スゲー名前だなおい!親はサンリオファンなのか?
類は友を呼ぶというのか、取り巻きの女の子もキラキラネームが
『綺癒亜』…これは何て読めばいいんだ!?
きゆあ…まさかこれでキュアと読むのか!?
とまあ、光に光りまくってるキラキラネームであるが
勇者はキラキラネームに偏見を持たない
女の子達は何か威嚇しているような雰囲気を醸し出しているが、勇者はそれを恐れもしない
…というか、そういう空気を感じてすらいないかもしれない
「ううん、違うよ
横丁には行くけどゲーセンに行くんじゃないの」
「私今日、横丁に出て来る通り魔をやっつけようと思ってるの」
微塵も隠す事無く通り魔討伐の話をド直球に宣言する勇者
「で、キキララ君達よくゲーセンに行くんだよね?
通り魔の事、何か知ってないかなーと思って」
「ねぇねぇ、何か知ってない?通り魔の事!」
嬉々爛々達の名前のキラキラっぷり負けないくらいキラキラした目で嬉々爛々達に迫る勇者
通り魔の話でこんなキラキラしたお目目をする奴そうはいないだろう
25
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/25(木) 19:33:17
>>24
(桃園)
『綺癒亜』は『きゅあ』だ。苗字は『日吉』。
そこそこ可愛く、男子からも人気があるため、
『嬉々爛々』はその点中々やっかみを買っているが、
彼は良いヤツかつスポーツも勉強も出来るタイプで、
しかも兄が不良なので、『地位』が揺るがないのだ。
そんな『嬉々爛々』の親は前に『参観』に来ていた。
かなり年若い母親と父親が二人で来ており、
どちらも髪色は派手だったが、服装はTPOがあった。
サンリオ好きかどうかは微妙なところだろうが……
『嬉々爛々』は長期休暇ごとに家族で旅行に行き、
お土産として親に持たされたであろうお菓子をくれる。
そんなに悪い家庭環境では無いのではないだろうか?
「へー、『ユウシャ』って結構マジね。
そーゆーの好きだな。ワクワクするよ」
屈託なく笑う彼に取り巻き達は穏やかならざる風だが、
少なくともこの場でどうこうはされないだろう。
「でも、今日はみんなとゲーセンだからー。
悪者退治には付き合えないかな。ごめんね!
もし行けても、父さんが喧嘩はダメって言うし」
彼は『空手』をやっている。
もちろんスタンド使いには通じないだろうから、
着いてくるとか言い出さないのは正しい話だ。
「あー、てか、兄さんのがそーゆーの詳しいかも!
ちょい怖めだけど『ユウシャ』なら平気だろーし、
きらの方から連絡しといてあげよっか」
「昼はどっか遊びに行くって言ってたしなー、放課後でいい?」
26
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/26(金) 13:24:38
>>25
普通に暖かそうな家庭環境に思えるが
何故、兄は不良になってしまったのだろう
いや、不良になる要因は家庭環境だけとは限らないし
どんな環境にあってもなる奴はなるのだろう
さて、マジというのがどういう意味のマジなのかは置いておき
「ありがとうきら君!
きら君のお兄さん不良だから通り魔にも詳しそうだよね!」
人の兄を不良呼ばわりする無神経な発言もアレだが
不良は通り魔に詳しいという方程式も中々おかしい
「うん、放課後で良いよ、宜しくね!」
「楽しみだなぁ、不良のお兄さんに会うの!」
不良のお兄さんを紹介されるとか普通は遠慮願いたいもんだ
絶対碌な事にならないぞ…
27
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/26(金) 13:40:34
>>26
(桃園)
「うん! 兄さんの友達けっこうヤバそーだし!
もしかしたら通り魔の知り合いもいるかもね。
兄さんはそーゆーのしないとは思うけど」
そんな知り合いがいたらヤバいじゃ済まないが、
誰も突っ込まないまま話は進んでいく。
「じゃ、よろしく言っとくよ。
あ、そろそろ一時間目じゃん!
ユウシャ、席戻った方がいいんじゃない?」
ヒソッ
「ちょっとキラくんとお話したからって、
図に乗るんじゃないわよユウシャ……!」
取り巻きの『風凛』がちくりと言葉で刺してきたが、
これについては今回の顛末には特に関係はない。
だが平穏に見える小学校のクラスの中でも、
こうしたポジション争いは常に起きているのだ。
『嬉々爛々』の促しに従うのであれば話はここまでだ。 座席に戻れば、すぐに今日の授業が始まるだろう……
28
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/26(金) 14:33:27
>>27
「うん、じゃあお願いね」
「邪魔しちゃってごめんね」
どの世代もこういったドロドロした争いはあるものだが
勇者がその争いに参戦する事は、まぁ多分無いだろう
賞品が勇者の称号とかだったりすれば参加するかもしれないが
1時間目は何の授業だっただろうか
教師の話を聞き流しながらぼーっとしている奴や、寝ているのもいるだろうし
小学生だと授業中に騒ぐアホもいるかもしれない
そんな中、勇者は学んだ事を自分のスキルへとするべく真面目に勉強を受けるのだ
授業中に何か起きなければ、時間はこのまま過ぎて行くのだろう
29
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/27(土) 17:10:01
>>28
(桃園)
『風凛』は鼻白んだ様子を一瞬見せたが、
すぐに『ユウシャ』に笑みを見せ、頷いて座席に戻る。
競合相手ではないことは、ここまでの学校生活で
理解出来ていたのだろう。あくまで牽制だったらしい。
午前の授業はあっという間に過ぎていく。
真面目に聞く子も手遊びする子もおしゃべりする子も、
この時間を積み重ねて大人になっていく。
キーンコーンカーンコーン
そして昼休みが来た。
給食の献立は『パンの日』で、コッペパンひとつと、
ジャムとマーガリンのセット。それから牛乳。
主菜は茹でキャベツのサラダと、タンドリーチキン。
それから、トマトとレタスとコーンの入ったスープだ。
………………特段なにかが起きる様子はないが、
長めの休憩なのでなにかしら出来るかもしれない。
特になにもせずに放課後まで過ごすのもそれはそれでアリだ。
30
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/27(土) 20:59:41
>>29
牛乳というと、
今日はパンの日だからまだ良いが、
ご飯の日に牛乳は合わないのではないだろうか
それに牛乳を出すなら毎日ミルメークも付けてほしいものだ(我儘)
スパッ
聖剣を取り出し、素早くコッペパンを横薙ぎにカットする
そしてカットしたパンに、チキンとキャベツのサラダを挟んでサンドイッチにする
ガブリ
タンドリーチキンとキャベツのサンドイッチは
チキンの辛みとキャベツの水気が上手くかみ合って悪くはない
悪くはないが…マーガリンはともかくジャムは流石に合わなかったか
ジャムの余計な甘さと食感がチキンとキャベツの旨味を見事にぶっ殺している
サンドイッチを作った事を微妙に後悔しつつ、スープと牛乳で口直しをする
そんな風に給食の時間は過ぎて行った
ちょっと長い休憩時間
いつも一緒に話したり遊んだりする友達は
な ぜ か
今日は全員欠席している
となると、他にいつもやっている事といえば校庭や体育館で剣の修行か
正直、通り魔との戦いにうずうずしていて今すぐ剣を振り回して暴れたい勇者だが
戦う前にあまり体力を消耗するのは得策ではない
そう思い、勇者は図書館に向かった
勇者が活躍するような冒険譚なんかがあったりしないだろうか
31
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/27(土) 21:26:33
>>30
(桃園)
突然出て来た剣は、特に誰からもツッコミは入らなかった。
見て見ぬふりをするには小学生から見てカッコ良すぎるので、
誰も偶然見てなかったのか、『桃園』が見せずに切ったのか。
「『ユウシャ』すげーっ、サンドイッチじゃん!」
分かり切った事を感嘆するのは、同じ班の野田君だ。
別に何か詳しく話すような事は無いが、
ウワサによるとYoutuberになりたいらしい。
・・・
・・・
・・・
ともかく昼食は終わった。
烈しすぎる寒暖差のせいか休みが多い。向かう先は図書館だ。
シーーーーーーーーー ン
無音だが人はそこそこいる。小等部の生徒よりは年上が多い気はする。
とはいえ全校生徒に開放している学内図書館の一つではあるので、
冒険譚といえば絵本か、児童向け小説か、それとも骨太なやつだろうか?
それぞれ置き場は異なる。そのあたりは深くこだわらないかもしれないが。
32
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/28(日) 13:01:30
>>31
昨今のキッズはYoutuberを将来の夢に挙げる子が多いそうだが
Youtuberで食っていけるのは企画力トークスキル編集力、そして運の恵まれたほんの一握りだけだ
野田君にそんな才能があるとは思えないが…挫けず強く生きて欲しい
そ ん な こ と よ り
意気揚々と図書館にやって来た勇者
学校は落ち着きのない子供の喧騒で五月蠅いものだが
図書館ともなると流石に静かだ
一冊の本を手にしてみる
中高年向けのファンタジー小説のようだ
序盤は勇者として持て囃された男がやがて魔王へと至る物語らしい
よくある話といえばそうだが、妙にこの話に引き込まれてしまう
ところでこの本、小説でありながら勇者の兵法書のようなものでもあるらしい
様々な特殊能力を持った敵との戦い方が記されていたりする
そういえば、通り魔は瞬間移動能力を使うんだったか
この本にも瞬間移動能力者への対策が書かれているかもしれない
もし載っていたら参考にでもしてみるか
もっとも、実践で役に立つかどうかは微妙なところではあるが
33
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/28(日) 19:39:54
>>32
(桃園)
若いうちの恥はかき捨てとも言う。
インターネットに残ってしまう恥は厄介だが……
まあ、いざとなれば周囲の大人が止めるだろう。
それが許されるのも『一般的な』子供の特権だ。
パララララ…
『兵法書』の体裁を取ったそのファンタジー小説は、
現実にはありえない敵との戦い方をよく考証する。
『瞬間移動』をする相手はファンタジーにも珍しいが、
運良く『邪悪な魔法使い』との戦い方に含まれていた。
かいつまんで言えば、以下のようになる。
①移動直後は隙がある。移動先に罠を仕掛けろ!
②移動しても回避しきれない広範囲魔法で攻めろ!
③移動先を探させるな!煙幕で視界を塞いでやれ!
他にも『魔力の流れを読め』などといった話はあるが、
現実の『桃園』が応用出来そうなのはこの辺だろう。
もっとも、剣だけでは怪しいものも含まれているが。
・・・ ・・・ ・・・
まだもう少しだけ昼休みの時間はあるが、
早めに教室に帰るのもそれはそれでいいかもしれない。
34
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/29(月) 14:58:37
>>33
パタン
本に記された『瞬間移動』をする魔法使いとの戦い方
実際に使えるかは分からないが、一応参考にしておこう
「すいませーん、これ貸してください」
単純に読み物として面白いこの小説を借りる事にした勇者
ついでに、以前借りていた本を返却する
「やった、ポイント溜まった!」
本の返却時にカードのポイントが全部溜まったぞ!
これで何か特典が貰えるぞ!
まぁ、勇者の戦いの役には立たないだろうが
もう少し時間はあるが、早めに教室に戻ってみよう
教室で何かイベントが起こらないとも限らない
教室まで帰る道中も修行を行う勇者
聖剣をブンブン素振りしながら廊下を歩いて行く
無論、学校の備品や人を斬ったりしないように注意を払いながらだが
校内で剣を振り回してはいけないという校則は無いので何の問題も無いはずだ
文句があるなら校則で禁止にしてから言え
35
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/29(月) 16:41:03
>>34
(桃園)
少し古い小説、『目指せ百魔獣の王』を借り、
前に借りていた本を無事に返却できた。
今回のポイントキャンペーンの粗品は…………
「はい、『マスキングテープ』だよ」
…………何かに使えるだろうか?
ブオンブオンブォン
「うぉっアブねッ」
「なんだあいつ!?」
剣を振り回して歩く『桃園』に高等部の生徒が慄くが、
まさかマジモンの『刃物』だとは思われていまい。
『今回は運良く』誰にも指摘は受けず教室に戻れた。
がやがやがや
ドッジボールに行った男子グループはまだ不在だが、
屋内遊びが好きな男子や、話し込む女子達はいた。
男子らはスマホを机に置き、その周りにいる。
様子から察するに、何かの動画を見ているらしい。
休み時間はあと少しで終わるので、後はどう待つかだ。
36
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/29(月) 20:51:06
>>35
絶妙に使い所に困る『マスキングテープ』を貰ってしまった
……本当に使い所が無くて困る物だった
ブオンブオン
威風堂々と剣を振りながら廊下を練り歩く勇者
校則で禁じられていないとはいえ、
普通に銃刀法違反なので警察に通報されるべきなのだが、
本当に運良くマジモンとは思われていなかったので事なきを得た
「ただいまー」 ガラガラ
誰に言っているのかは分からないが、教室に戻って来た勇者
「何見てるの?」
男子達が動画を見ているところに、ぬっと割って入る勇者
気になったらどこにでも入っていけるのは勇者だからだ
37
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/30(火) 07:32:28
>>36
(桃園)
「なっ、何も見てねーし……ってユウシャか。
……いきなり来てびっくりさせんなよー」
返答してきたのはスマホの持ち主の『広谷』くんだ。
足が速く、ゲームをたくさん持っていて、温厚。
男子の間ではそこそこの地位を得ているが、
ウワサによると結構『オタクっぽい』らしい。
「これ、『ゴレンシャー』だよ。
Youtubeでやってるヒーロー番組。
スターフルーツ農園がスポンサーでさ」
画面には確かに、星を模したマスクのヒーローがいる。
クオリティは……ご当地ヒーローとしてはまあまあか。
「スターフルーツは『五斂子』だから、
それで『ゴレンシャー』…………
いとこの兄ちゃんがヒーローの役で出てたんだ。
だから見てるってだけだぞ?」
彼のいとこが演じているのであろうヒーローは、
確かに中々アクロバティックな殺陣をやっている。
口ぶりからしてスーツアクターなのだろうか?
がやがやがやがやがや
ちょうどドッジボール組の男子たちが教室に戻って来た。
もうまもなくお昼休みも終わり、そうすると次は放課後が自由時間だ。
38
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/30(火) 14:00:30
>>37
「へぇー、このヒーロー美味しそうだね」
ヒーローが美味しそうとかカニバリズム的な台詞を吐くが
実際、フルーツのヒーローなんだから美味しそうなのは仕方がない
まぁ、アンパンマンとか食品モチーフのヒーローは結構居るし、何なら作中で食べられていたりするので
ヒーローが美味しいのはヒーロー界隈では然程珍しくないのではないだろうか
「おぉ〜、これ広谷君のいとこのお兄さん?
凄い!かっこいい!」
広谷君のいとこの兄ちゃんと思われるヒーローのアクションを見て
小学生並の感想を述べる勇者
『リィン・カーネイト』に聖剣を与えられ、常人を超える力を手に入れた勇者だが
画面に映るヒーローのように軽やかには動けない
それにスーツアクターの動きは自身の努力によって体得したものだ
そんなヒーローに勇者は憧れを持っている
そういえば、ゴレンシャーというと文字だけ見ると一見戦隊物っぽいが実際のとこどうなんだろう?
動画を見ているうちにぼちぼちと生徒達が教室に戻って来た
そろそろ休憩が終わるらしい
結局、今の勇者に有益な情報が入って来るとかはあまりなかったが
いつも通りの日常を過ごし、有意義な昼休みだったかもしれない
授業が始まる前に席に着き、次の勉強の準備をしよう
そう思って机の中に手を突っ込むが…次の授業の教科書を持って来るのを忘れてしまった勇者だった
39
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/30(火) 14:48:50
>>38
(桃園)
「スターフルーツって食べた事ないけどなー」
「オレはあるー! あんま美味しくなかったー!」
「けっこー高いよな。 ヤスんちで千円くらいしたし!」
男子たちへの販売訴求にはあまりなってないようだ。
ヤスは隣のクラスの『個人スーパーの子』だが、
知り合いじゃないかもしれないし、知らなくてもよい。
「そうだろ? すげーカッコいいんだぜ。
運動とかめちゃ出来るし、
テレビに出てる人くらいイケメンだしさ!
まー、最近はあんま出てないみたいだけど」
『ゴレンシャー』を褒める言葉に鼻高々の広谷。
『あんま出てない』は動画に、という事だろう。
昼休みは終わった。
あまり役に立たない情報がいくらか集まったが、
どこかで何かしら『繋がり』を得るかもしれない。
「ユウシャさん、もしかして…………忘れたの?」
ボソボソ
教科書を忘れたことに気づいた隣の席の『凪沢』が、
密かに声をかけて来た。彼女は寡黙だが情に厚い。
ゆっくりと机を寄せ、教科書をこちらに広げてくれた。
40
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/30(火) 19:43:22
>>39
ヤス…
まさか、『犯人』か…?
困っている様子の勇者にボソッと声をかけてくれる凪沢ちゃん
「ありがとう凪沢ちゃん!後で何かお礼するよ」ヒソヒソ
教科書無しに授業を受ける事は出来ない
大袈裟かもしれないが今の勇者にとって、凪沢はちょっとした救世主のようだった
机を彼女と机とくっつけて教科書を一緒に読ませてもらう
おかげで、何とか授業についていく事が出来ている
しかし、彼女の教科書には勇者的落書きが無いので少し物足りなく感じてしまう
こうして勇者は午後の授業を乗り切っていく
41
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/30(火) 21:36:16
>>40
(桃園)
「え……別に良いよ、これくらい………………」
カチャ…
「…………『ゴレンシャー』
作ってる人に、私のお父さんがいるんだ。
………………子供っぽいかもだけど、
良かったら…………今度見てあげて」
さっきの会話が聞こえていたらしく、
そんなことを要求してきた。
落書きひとつない『凪沢』の教科書は、
授業を受けるのには快適だが退屈だ。
・・・
・・・
・・・
そして『放課後』が訪れた。
取り巻き女子たちを手で制した『嬉々爛々』が、
スマホを片手に、こちらに近づいてくるのが見える。
「兄さん、今学校の近くにいるって。
他の不良は一緒にいないみたいだし、1人で行ける?」
42
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/05/31(水) 16:09:28
>>41
危うく単位を落とす所を凪沢に救われた勇者
やはり何かお礼をしなければ気が済まないのだが
「へぇ〜、
凪沢ちゃんのお父さん『ゴレンシャー』のスタッフなんだ」
「『ゴレンシャー』面白そうだよね、今度見てみるよぉ」
さっきの動画で見た『ゴレンシャー』のアクションにすっかり魅せられていた勇者は
凪沢の話を聞いて、改めてしっかり見てようと思った
アクションは良さげであるが、ストーリーはどうなのだろう?
・・・
・・・
・・・
無事に授業が終わり、放課後になった
結局、お礼のマスキングテープを凪沢に渡しそびれてしまった
お礼にマスキングテープなんか貰って嬉しいか?と言うと、微妙に嬉しくないだろう
そんなもん貰ったらそのテープで首を絞められそうだ
彼女には今度改めて、何かお礼をしようと勇者は決意した
そこに嬉々爛々が声をかけて来た
「うん、どの辺にいるのか教えてくれたら行けるよ」
学校の近くといっても、どの辺に居るのだろう?
まさか校門前に鎮座しているんじゃないだろうな?
「キラ君のお兄さんってどんな感じの人なの?」
まず、その容姿を知らないと会ってもスルーしかねない
43
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/05/31(水) 19:41:22
>>42
(桃園)
そういえば『ゴレンシャー』は『戦隊風』だった。
もっとも、人数の方は三人しかいなかったが。
「…………子供っぽいかもしれないから、
つまんなかったら別に……途中まででもいいよ」
ごく言い慣れたような言い方は、
かえって奥底にある卑下を感じさせなくはない。
あるいは親への複雑な感情かもしれない。
そして放課後だ。
「えっとねー、南門のすぐ近くに喫茶店あるよね?
あんまり普段人いないところね。
見たことなかったらごめんだけど。
そこにいるって。狭い店だから入れば分かる!」
説明を続ける『嬉々爛々』。
「見た目は、朝は青いパーカー着てたかな!
まーそれより髪がすっごい金髪だから、
見たら一発でわかると思うよ!」
金髪自体は珍しくないとはいえど、
場所と服装まで絞れば特定はできるだろう。
『嬉々爛々』は遠巻きに見る女子らの方に戻るので、
『桃園』も、放課後の時間を過ごし始めてしまおう。
44
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/01(木) 13:36:20
>>43
「いつもガラガラの喫茶店だよね
あそこちゃんと儲かってるのかな」
こういう喫茶店は個人店だったりするのだろうか?
一見儲かってなさそうに見えるが、固定客が居るため一定の収入があるのか
もしくは、趣味でやっているため儲けがなくても良いとかか
どっちにしろ余計なお世話だが
「すっごい金髪なんだ、何か分かり易そう!」
金髪=不良というのも古いイメージな気がするが
分かり易い記号ではある
「ありがとうキラ君!
じゃあちょっと行ってくるね!また明日ねー!」
喫茶店で待っているお兄さんをあまり待たせるわけにはいかないので
とにかくまずは喫茶店へと向かう
45
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/01(木) 13:49:23
>>44
(桃園)
清月はファッションにかなり寛容であり、
そこで育った生徒たちが主である事もあって、
『桃園』のような特異な髪色でも揶揄などは無い。
金髪の生徒それ自体は珍しくないが…………
ガランガラン
純喫茶『いこい』はドアも看板も古く、
ふらっと立ち寄りたいような雰囲気はない。
店の前をたまに掃き掃除している中年の女性が、
入店した『桃園』に何を言うでもなく会釈して、
手元の『ノートパソコン』に意識を戻した。
「ン? ……お前かよ? 『キラ』の友達ってのはよ?」
そして……ドアの近くの席に座った彼は、
まるでウニのように刺々しくセットされた、
この『青パーカーの少年』のヘアスタイル。
『すげー金髪』と言ってまず差し支えはない。
「まー座れよ。なんか飲むかよ? どれもマズいけどよ」
パラララララ
高等部のニ年か三年って所だろうか。
青いリングピアスを軽く指先で弄りながら、
『桃園』に声をかけてきた彼がおそらく『兄さん』だ。
すでに彼は『コーヒーフロート』を手元に寄せている。
46
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/01(木) 18:28:40
>>45
レトロな雰囲気を感じさせる古めかしい純喫茶、昭和創業だろうか?
店員の女性はいらっしゃいの一言も無く、
人によっては無愛想に感じてしまうかもしれない
だが、こんな静かな雰囲気が居心地の良さを感じさせる事もある
そしてこの静かな空間に佇む凄まじい存在感の持ち主
ウニのような刺々しい髪型の金髪
なるほど、確かに一目で分かる『すげー金髪』だ
昭和な雰囲気の純喫茶にある意味マッチしているかもしれない
「こんにちはー、キラ君のお兄さんですよね!」
並みの精神の小学生ならその威圧感にビビって近付けすらしないかもしれない
だが見た目で人を判断する勇者ではない
大手を振りながら厳つい金髪の兄ちゃんに近付き、彼の正面の席に座る
「えーっと、何飲もうかな?」
座って早々にメニューを確認する
「あっ、私ユウリ・桃園・シャルロットです」
ここで思い出したように自己紹介をする
47
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/01(木) 19:52:34
>>46
(桃園)
「そーだよ。あいつの兄貴の『月篠 抜真龍』
抜群のバツに真の龍で『バツマル』
……ったく、ちょっとはビビるだろーよ普通。
キラのヤツ、女の好み変えたのか?」
バッド
不良な『抜真龍』は不躾なことを言いつつも、
メニューをそっと差し出してきた。
コーヒー、紅茶、牛乳、コーラ、ぶどうソーダ。
瓶ビール、の記載の上から修正テープで消した後。
コーヒーと紅茶は飲み方をいくらか選べそうだ。
飲み物以外ではオムライスと、パスタが3種。
ナポリタン、ペペロンチーノ、スペシャル。
もっとも今食べれば帰った後に困るかもしれない。
「そんでよー。わざわざ呼び出して何の用だよ。
この後横丁行くからよー、さっさと言ってくれよ」
話をせかしてくる『抜真龍』だが、
そこまで露骨に急いでいるという感じでもない。
聞きたい話があればどんどん聞いてしまってよかろう。
もっとも、そこまであるかどうかは知らないが…………
48
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/02(金) 13:26:03
>>47
キキララにバツマル…決して偶然ではない
絶対親はサンリオファンだろ、もはや言い逃れはできまい
ひょっとして名前のせいでグレてしまったのではないか?
いや、堂々と名乗っているところを見るとそうでもないのか
「あっ、ありがとうバツマルさん」
メニューをそっと差し出してくれた抜真龍にお礼を言う
メニューを一通り見るが、あまりメニューは多くないのか?
ビールが消されているのを見ると、嘗ては酒を提供していた事が伺える
「すいませーん、ぶどうソーダくださーい」
話を始める前に店員の女性にぶどうソーダを注文する
タブレットオーダーだったりするとアレだが
こういう店は、多分そういうのは採用してないだろう…
食事はちょっとした軽食程度なら良いが
ガッツリとしたオムライスとパスタしかないようなのでよしておく事にした
「このスペシャルってなんだろう?」
けどちょっと気になる勇者
>そんでよー。わざわざ呼び出して何の用だよ。
>この後横丁行くからよー、さっさと言ってくれよ
「あっ、その横丁に最近通り魔が出るって聞いて」
「私、その通り魔と戦いたいんです!」
「それで、キラ君がそういうのはお兄さんが詳しいんじゃなかって」
「通り魔の事何か知ってませんか、バツマルさん」
49
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/02(金) 13:39:50
>>48
(桃園)
もしかしたら偶然かもしれない。
いずれ彼らの親に会ったら聞いてみるのが良かろう。
「……」
女店主はのっそりと立ち上がり、
冷蔵庫に入っている『ペットボトル』から、
同じく冷蔵庫から出したグラスにジュースを注ぐ。
「スペシャルはよー、なんだったッけか……」
「ナポリタンに唐辛子とニンニクを入れるだけよ。
…………小学生なんか連れ込んで、そこまで堕ちた?」
そして、抜真龍の疑問符に答えながら、
『桃園』の前にそのグラスを置いた。
「連れ込んでねーよオバサン。あっち行ってろよ」
手で追い払う仕草をする『抜真龍』に、
店主は特に何も言い返さずに元の位置に戻って、
『桃園』に対しては特にそれ以上何も言及はしない。
そして、『要望』に対して『抜真龍』は――
「正気かよ?
確かに…………『通り魔』の事は聞いてる。
いや聞いてる以上に『知ってる』かもしれねえがよ」
ピアスを指先で弄りながら、言葉を続ける。
「あいつは……多分オレの事も狙ってるだろうからな。
だからってガキけしかけるつもりもねーけどよ」
どうやら『嬉々爛々』は有用な情報源だったらしい。
が、流石に小学生女子にそうそう情報を全部吐いてはくれないか。
全く話す気はないって風でもないので、聞き方次第かもしれない。
50
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/02(金) 20:42:23
>>49
「へぇ〜、何か辛そうですね」
スペシャルの内容について感想を言うが、
それ言う程スペシャルなのだろうか
「えっ、バツマルさん狙われてるんですか?」
ぶどうソーダを飲んでいると、
抜真龍が通り魔に狙われているかもしれないという情報が入って来た
「じゃあ、やっぱり適当に襲ってるわけじゃないのかな」
通り魔はやはり特定の誰かを狙っているのかもしれない
「あの、良かったら何で狙われてるのか教えてくれませんか?」
とりあえず聞いてみるが、
これで教えてくれるような簡単な相手ではないだろう
まずはジャブからといったところだ
51
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/02(金) 21:17:20
>>50
(桃園)
「ニンニクも唐辛子もペペロンの材料だからよー。
二個のパスタ混ぜてるだけで特別感はねーよ」
実態は『スペシャル』ではないらしい。
そんな真剣に味をどうこうする店でもないのだろう。
「……」
「やられてるのはオレの知り合いばっかだからよ。
それで、そう思ったってだけのハナシだ」
さっきのは喋りすぎたということか、
一応の情報はよこしつつもあまり核心感はない。
とはいえここから発展もさせられるだろうし、
無理に切り込んで心象を損ねるより無難か?
「ま……この件はオレらみたいな奴らの中では、
もう結構知れ渡ってきてるかもだけどよ。
まー……こういうのは前からちょくちょくあるし、
逆にみんなそんなに気にしなくなって来てるがよ」
誤魔化しか、やはり核心からは遠そうな言葉が並ぶ。
これらも何かしら繋げられる線はある……かもしれない。
52
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/03(土) 14:44:59
>>51
口が硬いという程でもないが、
だからと言ってペラペラ全部喋る程軽くもない
「うーん、お兄さんの知り合いっていうと
ひょっとして不良?」
不良の知り合いが不良ばっかりって事もないだろうが
彼自身も狙われている場合、不良繋がりで狙われていると考える事は出来る
だとしたら動機はある程度の想像はつく
彼が核心から遠い言葉で誤魔化そうとするのは、
子供を関わらせたくないという彼なりの優しさか
関係無い奴にこの件に首突っ込んでほしくないからか
単に勇者が鬱陶しいからか
53
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/03(土) 15:27:11
>>52
(桃園)
「知り合い全員そーってわけじゃねえけどよ。
……最近やられたヤツはそうだな。
マジメくんからは不良なんて呼ばれてるヤツら」
「悪いヤツらじゃねーけどよ」
つまり『良いヤツら』でもないのだろう。
不良――溜まり場と言われる場所はいくつかあるが、
能動的に探す事はなかなかない人種だ。
「いや……まー悪いヤツもいるか。
あんま首突っ込まない方がいいだろーよ。
小学生とか女子とか関係ねーやつもいるんだからよ」
『誤魔化し』の動機はこの発言に根差していそうだ。
彼は『小学生の女子だから』を気にしており、
『気になる』だけで何でもは教えてくれない。
まあ、最悪情報を確保しきれなくとも、
『手がかり』は一定集まってはいるが……
54
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/03(土) 18:18:37
>>53
「むー、ひょっとして私の事弱いと思ってます?」
ちょっとふくれっ面になりぶどうソーダを飲む
要するに勇者を弱者だと思っているから、あまり関わらせたがらないのだろう
「じゃあ私が強いっていうのを見せたら、教えてくれますか?」
だったら強さを証明して認めさせればいい
どうやってそれを見せつけるかが問題だが
「あっ、すいませーん、コーラくださーい」
さっきぶどうソーダをグラスは空になっていた
55
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/03(土) 20:10:25
>>54
(桃園)
「そりゃ弱ェだろーよ。
かといって確かめようってもオレは、
お前と喧嘩する気なんて起きねーしよ」
『どうやって証明』は彼も口にする通り、
『小学生を危険に関わらせたくない』とか、
『問題解決に頼りたくない』と思う相手は、
そもそも試しの機会を設けてくれないのだ。
「……」
女店主は空いたグラスを回収すると、
ラベルの剥がしたペットボトルを冷蔵庫から出し、
よく冷えてそうなコーラをそのまま注いでしまった。
「まあオレより強いなら止める理由は……ねーけどよ」
実際は『理由』などいくらでもあるだろうが、
『口を滑らせた』としても二言の撤回は難しいだろう。
もっともやはり……『証明方法』をどうするか、だが。
56
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/04(日) 12:58:08
>>55
まず、殴り合いの喧嘩は相手が乗ってこないので無理だ
「じゃあ」
テーブルに右肘を乗せて、
左腕を相手に見えないようにテーブルに下に隠れるように
「力比べしません?」
腕相撲しようぜって事だろう
力を見せつけるにはこれが一番手っ取り早い
この手に限る(筋肉式解決法)
「私が勝ったら知ってる事全部教えてください」
「それと」
抜真龍のコーヒーフロートと自分のコーラを見比べて
「フロートも奢ってください!」
勝ったらこのコーラにアイス乗っけた上で奢らされる事になる
ここまで自分の要求ばかり言っていて、抜真龍の要求は聞いていない
もっとも、餓鬼に求めるものなんて帰れ以外に無いだろうが
57
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/04(日) 13:17:37
>>56
(桃園)
「…………まー、腕相撲ならいいけどよ。
一応言っとくけど手加減しねーよ?
怪我しねえようにタオル引いとくか」
ゴソ
カバンからハンドタオルを出す『抜真龍』――
目立たないが、『スターフルーツ』のプリントだ。
「フロートぐらい奢ってやるっての。
それと『全部』までは言う気ねーよ。
ま……よっぽどなら別だけどよ」
スッ
「オレが勝ったら、
もう余計な首突っ込もうとすんなよ。
ほら、そっちから来いよ」
腕相撲の構えを取るその顔は『子供扱い』そのものだ。
弟がいる彼らしいといえば彼らしいのかもしれない。
――最善は『戦う前に勝敗を決めること』。後は存分にやればいい。
58
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/04(日) 18:18:28
>>57
「じゃあ」
グッ
抜真龍の手を掴む
その瞬間、左手に聖剣をテーブルに隠しながら発現
「いきますよっ」
ドンッ!
勝負は一瞬で決める
破壊力B相当の腕力で相手の手を掴んだ瞬間に捻じ伏せる
もしも抜真龍が常人を超える馬鹿力の持ち主なら話は変わるが
恐らくただの不良であろう抜真龍はこれで沈められるはずだ
相手を怪我させないようにこちらが加減しなければならないくらいだろう
59
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/04(日) 18:55:41
>>58
(桃園)
「っし、遠慮な」
ド
ォ
ン!!!!
「―――― ・・・ !?」
一瞬だ。
迂闊に『聖剣』を見せびらかしたりしていたら、
なんらかの物言いが入った可能性はあった。
しかし腕相撲の時、一々机の下を見るヤツはいない。
結果、『一瞬』でカタはついた。
「……あんまり、机。乱暴に使わないでね」
スッ
女店主が声と共に『アイスクリーム』を持ってきた。
それを見て、半ば放心していた抜真龍が我を取り戻す。
「『負けた』よ。どうやったのかは知らねーけどよ。
……全部っつってたけど、何から聞きてーんだよ」
60
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/05(月) 11:52:35
>>59
「わーい、やったー!」
一般人に対して聖剣ブーストというズルで勝って喜ぶ勇者
喜び勇んでコーラに浮かべられたアイスを食べる
その手には既に聖剣は消えている
ズルして勝って食うフロートはうまいか?と聞かれたら「うん、美味しい!」と答えるだろう
「えっと、じゃあまず」
「通り魔の犯人って誰なんですか?」
駆け引きも何もなく、いきなり核心に触れる
もっとも、全部教えるとは言っていないから正直に答えるかは分からないが
61
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/05(月) 12:43:14
>>60
(桃園)
コーラフロートは特段工夫のある味とかではないが、
アイスクリームには砂糖漬けのさくらんぼが付いており、
これも一緒に浮かべると、けっこうサマになる見た目だ。
そして、正々堂々だったかはともかく、
持っている力の差という意味では、
一回り年上の男子が本気で挑むのもまた『ズルい』。
その辺りもあるから、不自然な怪力に対して、
ツッコミを入れない――――というのもあるだろう。
「……『シュン』」
ボソ
「……『広神シュンジ』
お前みたいなガキのが知ってるかもな」
意外にも、答えは素直に返ってきた。
「まあ、まだそこまで有名でもねーけどよ。
絶対そうだとは言わねーけど、
オレらはそうだと思ってるんだよ」
ただ、『桃園』が言われてすぐピンと来る、
例えば『テレビに出ているひと』とかでは無さそうだ。
62
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/05(月) 15:17:10
>>61
抜真龍が話し出すのと一緒に、アイスを食べる手を止める
代わりにちょっとアイスの溶けたコーラを飲む
「うーん、聞いた事無いなぁ」
『広神シュンジ』
ちょっと考えたが、その名前に聞き覚えは無い
「まだ、っていうと
これから有名になる予定?」
駆け出しの芸人か何かか
しかし、抜真龍の「ガキのが知ってるかも」という言葉
子供向けの何かをしている、という事だろうか
「ヒーロー番組とかに出てたりして」
ただの当てずっぽうだが、
子供の方がしっていそうとなるとヒーロー物は候補に挙がって来る
63
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/05(月) 15:33:35
>>62
(桃園)
甘いコーラに甘いアイスが溶けているのだが、
不思議と清涼感が高まっている気がする。
味変の威力といったところか?
「実は知ってんのかよ?
……番組ってほどじゃねーけどよ。
『星果戦士ゴレンシャー』
あいつはそれの主役やってたんだよ」
当てずっぽうでも推理が当たったのが、
話の続きを円滑に引き出してくれる。
「まあ……有名にはなれないかもしれねー。
だからあいつはオレらを恨んでんだろうよ」
「ッたく……」
忌々しさは半分――といった様子で、
自分のコーヒーフロートを飲み干す抜真龍。
「言っとくが居場所とかは知らねーからな。
最近はオレらの集まりにも全然顔出して無かったしよ」
64
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/06(火) 12:46:43
>>63
「ゴレンシャー?知ってる知ってる
友達の広谷君のいとこのお兄さんがヒーロー役で出てて」
「それに友達の凪沢ちゃんのお父さんが製作やってるって」
「でも広谷君のいとこのお兄さん、最近あんまり出てないらしいけど」
>まあ……有名にはなれないかもしれねー。
>だからあいつはオレらを恨んでんだろうよ
「?」
「どういう事ですか?」
何故、有名になれない事が抜真龍達を恨む事になるのか
それがいまいち繋がらないようだ
65
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/06(火) 16:08:47
>>64
「やっぱガキには人気なのかよ、アレ。
オレにはよく分かんねえんだけどよ」
ヒーロー番組にときめくお年頃ではない――
と、少なくともそういう自認があるのだろう。
「……『広神シュンタ』
いや、『シュン』は、
元々オレらの仲間だったんだよ」
『抜真龍』は腕相撲で負けた手に視線を落とす。
拳にはいくらか小さな傷跡がある。
彼がそれを見る目の色は悔しさではない。
「イキってると思うかもしれねーけどよ、
この辺だと結構有名なぐらいヤンチャしててよ。
あいつも……あの頃はぜんぜん人気とかねーし、
俳優の学校通ってるってのも、冗談だと思ってた」
「でもあいつはアレでマジだったし、
マジなのが許せねーやつもいたんだよ」
語彙は決して豊かではないが、促されるまま彼は語る。
質問を挟んじゃいけない空気でもないが、
別段質問をしなくても流れは把握できるかも知れない。
66
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/07(水) 12:59:56
>>65
「シュンさんも不良だったんだね」
不良だった広神が真面目に学校に通って俳優になった
改心して真面目になったのか、元から俳優を目指していたのか
どっちにせよ立派な事ではある
「許せない?」
それは所謂やっかみというやつなのか
自分達には無いものを持っているのが気に入らないのか
随所随所で相槌を打ちつつ、
あまり話の邪魔にならないように話を聞いている
67
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/07(水) 16:56:46
>>66
(桃園)
「真面目にやるのが、許せねーやつがいるんだよ。
オレだって分からなくはねーよ。
それで邪魔しようってのは分かんねーけどよ」
「でもまあ……あいつも、
『シュン』もだよ。
そもそも酒飲んでたのとか、
あいつが好きでやった事だしよ」
話のつながりがやや分かりにくいが、
『広神シュンタ』が彼と同年代なのだとすれば、
飲酒はまだ『禁忌』とされているはずだ。
「『不良』つっても色々いるけどよ。
あいつはそういう……そういうのをよくやってたよ。
タバコも吸ってたとか聞いたしな」
「それでも、最近はやってなかったけどよ」
まさに『不良』だ。
『不良』が己の『良くなさ』で未来を閉ざされた。
世が世なら『痛快話』として語られるかもしれない。
だが、『抜真龍』の顔に嘲りや笑いは見当たらない。
どれほど滑稽で愚かも、その渦の中にいる人間は『必死』なのだ。
68
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/08(木) 12:59:47
>>67
「それで…」
「真面目に頑張ってるのが許せない不良達に、何かされたって事?」
抜け駆けだとか、裏切りだとかそんな風にでも思われたのだろうか?
努力もせずにくすぶるだけの連中が、
前に進もうとしている人の足を引っ張るなんてのは、まぁよくある話だ
「それで、不良達に復讐…って事かな?」
単純に考えれば、それが一番繋がりやすい動機だが
他に何かあるのだろうか?
69
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/08(木) 13:07:43
>>68
(桃園)
「単純に、チクったヤツがいたんだよ。
番組やってるスポンサーだったかに、
匿名で……あいつがタバコやってる写真をよ」
それは、ごくありふれた話だ。
ありふれた悪意が稀有な才能や機会を潰す。
あるいは、明確な悪意ですら無かったとしても。
「アイツがどう思ったかまでは知らねーよ。
オレは『まだ』襲われてねーから、
アイツから何か聞いたわけでもねーし。
ボコられたヤツも入院しちまって、
あんまはっきり話聞けてねーしよ」
本人しか知り得ないところを除くなら、
ピースはほとんど揃ったと言えるだろう。
言い終えた抜真龍はコーヒーを最後まで飲み終えた。
70
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/09(金) 13:56:06
>>69
「そっか…
でも、そういうニュース聞いた事もないけど」
地方のドマイナーなご当地ヒーローとはいえ、
ヒーローの主役が不祥事を起こしたとなれば
マスコミは飛びついて大々的に叩くものだ
なのにそんな話は聞いた事も無い
それは単にマイナー過ぎてマスコミすら食いつかないだけなのか
誰かに握り潰されたのか
まぁ、そんなのは些末事か
結局のところ、犯行動機だとかは通り魔本人にしか知り得ない事だ
他人があれこれ考えた所で想像でしかない
「あっ、そうだ」
抜真龍を飲み終えた時、ふと思い出したかのように言う
「その通り魔って、『瞬間移動』をするって話聞いたんですけど」
71
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/09(金) 14:09:09
>>70
(桃園)
「オレもニュースでは見てねえけどよ。
アイツが動画出なくなったのと時期も同じで、
他に理由も思いつかねーし」
「何でニュースしないのかは知らないけどよ」
あくまで『自主規制』の範疇なら、
わざわざその理由を公にしない事もある。
珍しくはあるかもしれないが、
特別に珍しい話、でもなさそうだ。
「瞬間移動? 漫画じゃ……
いや、お前も漫画みたいな馬鹿力だったけどよ」
「あーでも、確かやられたやつは、
そんな事言ってたかもしれねえよ」
その人物が更なる情報源になる可能性はあるが、
果たして『どこまで情報を詰めるか』もある。
また、これまでと違い接触にもツテがいりそうだ。
72
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/10(土) 11:36:45
>>71
「やっぱりするんだ、『瞬間移動』」
『リィン・カーネイト』の言っていた、
通り魔は『瞬間移動』をするという情報
その情報はどうやら確かなようだ
その被害者からも話を聞きたいところではあるが、
今さっき出会ったばかりの勇者に紹介などしてくれるか?
仮に会ったとしても、話なんかしてくれるか?
という感じではある
だが駄目で元々、交渉を試みる
「うーん、その人と話って出来ますか?」
73
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/10(土) 17:55:23
>>72
(桃園)
「さあな、マジかどうかは知らねーよ?
話すのは…………ムズイな。
そいつはオレよりもっと『ヤンチャ』だからよ。
ガキが来てボコられた時の事教えろっても、
素直に話すかって、話さないだろーよ」
弟の知り合いかつ平時の『抜真龍』ですら、
クラスメイトなどよりは相当聞きにくい相手だった。
完全に無関係のチンピラとなると、簡単ではない。
「お前が『強い』のは分かってるし、
キレたところで怪我人だからな。
エラいことにはならねーだろうがよ。
それでも、なんか手ぇあるなら別だが、
流石に『よし、行ってこい』とは言えねーよ」
『抜真龍』の言葉ももっともなはずだ。
となると説得材料を何かしら思いつくか、
あるいはもう『通り魔』探しに向かってしまうか……?
74
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/11(日) 13:37:55
>>73
絶対に話を聞かなければいけないという事もないのだが
一応、重要そうな情報は聞いておきたい
しかし、今の勇者の手札に切れる札はあるのだろうか
「その人、今病院にいるんですよね?」
「その人が貰ったら喜びそうなものって何かありますか?」
怪我人が相手なら、
お見舞いという名目で物を渡してご機嫌取り…という事も出来るか
もっとも、どこの誰だか知らない相手がお見舞い持って来て受け取るかは分からないし
それ貰って嬉しいのかだが
「このマスキングテープじゃ駄目ですか!?」
図書館で貰った使いどころに困るマスキングテープを出す
そんなの渡したらそれこそテープで首を締め上げられかねない
75
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/11(日) 15:00:14
>>74
(桃園)
「ワイロで喜ばせようってかよ?
まあ……あいつ単純だし、効くかもな。
タバコ、酒……後は揚げ物とかじゃねーかな。
当たり前だが病院じゃ絶対買えねえからよ。
とりあえず、そんなわけわかんねえのじゃねえよ」
『わけわかんねえの』呼ばわりのマスキングテープ。
奇跡的にファンシー雑貨の趣味があったとして、
これをいきなり渡されて感謝したくなるかは怪しい。
「つっても他の奴らも見舞には行ってたし、
そん時にもうその辺は渡してるかもだが……」
なんとかその手の品を入手し、
病院にバレないように持ち込み、
それで漸く『ワンチャン』だ。
『抜真龍』もあまり自信はなさそうだが……どうする?
76
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/12(月) 16:38:13
>>75
酒というと、
確かこの店のメニュー表に瓶ビールがあった痕跡が残っていたはず
「すいませーん、店長さーん
ビールってもらえたり…しません?」
修正テープで消されてる以上、今は置いてない可能性の方が高いし
勇者は法的に酒類を買う事が出来ないし
もし売ったら店長が罪に問われかねないのだが…
バレなきゃ犯罪じゃないんですよという事でどうにかならないだろうか
もし酒が駄目なら後は揚げ物くらいか
病院に行く途中の道で唐揚げ屋とかあったりしないだろうか?
77
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/12(月) 18:15:34
>>76
(桃園)
「……渡せって言われて渡すわけないでしょ。
今どきお使いの子供にも売れないんだから」
女店主には素気無く断られたが、
この言い方……『あるにはある』のか?
「あいつが好きな肉屋くらいなら、
教えてやってもいいけどよ。
正直……あんま気は進まねーけどよ」
思い悩む『桃園』に抜真龍が続ける。
リスクは大きく、成功可能性も高くないとはいえ、
全く活路がないというわけでもない……が、どうするか。
78
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/13(火) 14:51:22
>>77
やはりというか当然の話だが、店主には断られてしまった
>あいつが好きな肉屋くらいなら、
>教えてやってもいいけどよ。
>正直……あんま気は進まねーけどよ
「あっ、じゃあそこ連れてってください」
残る選択肢は揚げ物くらいか
揚げ物を買って行ったとして、お見舞い品として許可が下りるかどうか
許可されなかった場合、どうやって持ち込むかという問題があるが
それは…取り合えず現地についてから考えよう
賄賂がうまくいかなかった場合、
最終的には患者の首元に聖剣を突き付けて脅迫する事も考えなくてはならない
79
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/13(火) 16:30:55
>>78
(桃園)
押し入って奪ってしまう手もあるが、
流石にデメリットの方が大きいだろう。
世界さえ救えばゲームエンドではなく、
これから先も人生は続くのだから。
「オレがかよ?
……まあ別にいいか。行く方向は同じだしよ。
んじゃ、とりあえず店は会計しとくかよ」
スッ
女店主の方に行く『抜真龍』。
会計の間、『桃園』を見張る目はなさそうだが……
とはいえここで何か出来る余地はあまり無いし、
放っておいても揚げ物を持って病院には行けそうだ。
この辺の『ノせる力』も勇者の素養なのかもしれない。
80
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/14(水) 15:40:04
>>79
「ご馳走様でしたー」
フロートの分は抜真龍に奢ってもらう約束はしたが
ぶどうソーダの分はそういう約束はしていない
これ全部抜真龍に払わせていいのだろうか
さて、この隙をついて何か出来る事はあるか?
この間に店にある物をパクるのも、ある意味勇者行為だが
この店にそんな役に立ちそうな物があるとは思えないし
それをやったら、その後の評価に響きそうだ
大人しく会計を待っておこう
「そういえば、気になってたんですけど
抜真龍さんや嬉々爛々くんの名前って
やっぱりサンリオから付けたんですか?」
聞いてしまった!このタイミングでッ!
こんな事を聞けるのも勇者だからか
81
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/14(水) 17:13:56
>>80
(桃園)
注文は、普通に全部奢ってくれた。
物を盗もうとしてるのが発覚していたら、
そうはいかなかったかも知れない。
「聞くかよ?フツー。察しとけよ」
つまり『そう』なのだろう。
わざわざ言いたくはないようだ。
とはいえ自分から名乗っていたし、
心底嫌なルーツでは無いのか。
「準備良いならとりあえず肉屋だな。
早くいかねえと売り切れちまうしよ。
ッたく、小学生(ショーボー)のお守りは
弟だけで十分なんだけどよ」
なんだかんだ言いつつ出発する事になりそうだ。
特に何が無ければ、すぐに肉屋に着くだろう。
82
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/14(水) 20:54:34
>>81
デリケートな事を聞かれても怒らない抜真龍は
温厚な不良なのかもしれない
温厚な不良というのも意味不明だが、まぁ子供相手にムキになるほどでもないのか
「うん、じゃあ行きましょう」
ここから件の肉屋は近いのか?
肉屋までの道中に何かが無ければもう着いている頃か
あんまり時間もかけてはいられないだろう
その肉屋には何があるのだろうか
何かイベントは起こるのだろうか
83
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/15(木) 09:38:37
>>82
(桃園)
肉屋には歩いて5分ほどで着いた。
すぐ近くにはバス停が見えたが、
学園前からは繋がっていない路線か。
「あそこだ、『肉のヒヨシ』だよ。
見ろよ、ちっせえボレえ肉屋だが、
この時間にそこそこ行列が出来て……おっ」
5〜6人の列の前でコロッケなどを提供するのは、
初老の男性と、三十代初めくらいに見える男性だ。
顔が似ており、おそらく『親子』か何かなのだろう。
男性は実直な雰囲気だが、『抜真龍』は彼に注目する。
「あそこにいんの……オレらの大先輩らしくてよ。
昔はこの辺でかなりヤンチャしてたとか……
ま、別に今はただの肉屋なんだけどよ。
たまにいろいろサービスしてくれるし、
味も美味いから、ありがてえ店なんだよ」
つまり『元不良』ということらしい。
別段どうってこともない豆知識程度だろうか。
「とりあえず並んじまおうじゃねえかよ。
あいつが好きなのは『メンチカツ』か、
『カレーコロッケ』あたりだったかな……」
列とはいえそんなに時間はかからなさそうだし、
特に他の用がなければ並んでしまうのがよかろう。
84
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/15(木) 13:14:44
>>83
「へぇ〜
こんな店があったんだ」
ボロい店に割に繁盛しているようだが、
ボロいという事はそれくらいの年季がある、という事だろうか
そこそこの列があるようだが、
この列に割り込んだり一般市民共を蹴散らす勇者行為に走る事も出来るだろう
だがそれをする事によって商品を売ってくれなくなるリスクが生じるので
ここは素直に列に並ぶのが無難だろう
「メンチカツにカレーコロッケかぁ…
そういえば、メンチカツってミンチなのに何でメンチって言うんだろう」
85
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/15(木) 18:57:28
>>84
(桃園)
ボロいという『抜真龍』の憎まれ口だが、
確かに店構えに年季は感じられるものの、
手入れできる範囲での手入れはされている。
看板もデフォルメされた牛のキャラが目を引き、
それなりに力が入っているように見えた。
「メでもミでもどうでもいいから、
良い感じに呼んでるだけなんじゃねーかよ?
今まで気にした事なかったしよ」
行列は少しずつ進んでいく。
男性店員は『抜真龍』に片手を上げて示し、
その後『桃園』を見て小さく首を傾げたか
混んでいることもあってか無駄口は叩かない。
「何(なん)にします?
揚げたてはカレーコロッケとかぼちゃコロッケね」
買い物に来るのはたいてい揚げ物目当ての客なのか、
肉の量り売りの方は特に案内は無いようだった。
一応、そっちも買えるには買えるだろう。
86
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/16(金) 16:40:02
>>85
まぁ、しっかりした店はちゃんと店舗の手入れをしているものだ
マジで汚くてボロボロな店はあまり信用出来ない
その点、この店は信用に値するのかもしれない
「じゃあ、カレーコロッケとかぼちゃコロッケと
後、メンチカツもください」
病院で寝ているだろう不良はメンチカツも好きらしい
揚げたては提供出来なくて悪いが、メンチカツも買って行ってやろう
かぼちゃコロッケは自分の分だ
やはり、揚げ物は揚げたてが一番だ
肉の量り売りもやっているようだが、生肉も土産に持って行ってやるか?
それこそ病院の検疫に引っかかりそうなものだ
やめといた方が良いだろう
87
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/16(金) 21:44:22
>>86
(桃園)
「はいよ。…………こいつもオマケしとくよ」
やや小ぶりな『ハムカツ』がついてきた。
ガラスケースの中にもいくつかあるが、
それとは規格の違う失敗作ってところか。
食べるかあげるかは『桃園』次第だ。
「……フゥ、この状況突っ込まれたら、
何て言うべきかと思ったけどよ。
日吉さんが空気読んでくれて助かったぜ」
『抜真龍』は小学生連れを気にしてそうだが、
特にそれが問題になるとは思えないので、
この後も特に気にすることはないだろう……
「それで、マジで行くのかよ? 病院によ」
ここにきて行かない理由も無いだろうが、
必須ではないし、必ず意味があるとも限らない。
やっぱりやめておくなら、それはそれでよさそうだ。
88
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/17(土) 17:50:42
>>87
「ありがとうございまーす」
「あっ、抜真龍さんこれあげる」
おまけしてもらったハムカツは抜真龍にあげる事にした勇者
「うん、行くよ?」
揚げたてのかぼちゃコロッケを食べながら病院へ歩き出す
必須ではないとはいえ、
ここまで来てやっぱやめた!とか言い出したら、今までのは何だったのか
勿論、病院に行ったところで何か成果が得られるとは限らないし
抜真龍が凄く嫌そうにしているのは気になるところではあるが
89
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/17(土) 18:01:44
>>88
(桃園)
「ああ? ……まあくれるなら貰うけどよ」
渡されたのは意外だったようだが、
ハムカツを受け取る『抜真龍』。
「そうかよ」
ザクッ
「……じゃあ、まあ。
口で場所教えんのも面倒だしよ。
ついて行ってやるよ、『病院』
オレの付き添いだって言えば、
病院も許可してくれるだろうしよ」
渋り気味だったのをハムカツで懐柔されたのか、
それとももう少し深い所で考えを変えたのか……
その辺りは分からないが、着いてくるようだ。
「遠いしバス乗るけどよ……金あんのかよ?」
バス停はすぐ近く。ここは病院行きのバスが通る。
90
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/18(日) 14:41:52
>>89
おまけでもらったハムカツ1枚で懐柔されたなら随分お安い男だが
違うとしてもどこで考えが変わったのか、それは本人にしか知り得ない事だ
抜真龍が病院までついてきてくれる事は助かる
彼が居た方が話が円滑に進むだろう
「えっとお金…」
財布の中身を確認
「うん、大丈夫です」
そんなにいっぱいってわけでもないが螻蛄ってわけでもない
バスに乗るくらいの金くらいはちゃんとある
91
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/18(日) 14:52:48
>>90
(桃園)
実際のところ、人の心の動きは読めない。
一点の加点と減点を繰り返しながら、
どこかにある……それも変動する閾値を基に、
状況という無数の変数を絡めて、行動は変動する。
「そうかよ。じゃあ良いんだけどよ」
それほど待たずにバスは来た。
ブロロオォォォォォォ
揺られること十数……二十数分ほどだろうか?
スマホを弄っていた『抜真龍』が顔を上げる。
『アポロンクリニックセンター前』のバス停に着いた。
ぞろぞろぞろ
他のバス停と比べ、降りる人数も乗る人数も多い。
この線はほとんど病院目的のバスなのかもしれない。
「受付ではオレが話しつけるからよ。
お前は……まあ別に何にしてても良いけどよ、
あんま勝手に動き回るんじゃねえぞ?」
とのことだ。
まあ、病院でそんな勝手をする余地もないかもしれないが。
92
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/19(月) 18:09:24
>>91
「はーい」
病院の独特の薬品の匂い
この匂いが勇者はなんとなく好きだ
落ち着くとかいうのは違う、ワクワクする感じが近いか?
ちょっとだけ日常とは離れたような、そんな感じがする
そんな事はどうでもいい事だ
何してても良いと言われても、病院の待合室で出来る事なんてそうないだろう
剣の修行でもするか?
だが病院で刃物振り回したら出禁どころじゃ済まないだろう
こういう所は、本でも置いてあったりしないだろうか?
93
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/19(月) 18:27:41
>>92
(桃園)
『アポロン』は流石に大病院なので、
待合スペースにもそれなりに設備が揃っている。
大きなテレビでは夕方のニュースが流れていて、
血圧計などのセルフ測定器なども見当たる……が、
冷静に考えてそんなに楽しいアトラクションでもない。
「その辺にいろよ。
お前は見た目が目立つから、
逸れるってこともないだろうけどよ」
『抜真龍』は総合受付に向かった。
『桃園』は……本を探すと、すぐに見つかった。
が、さすがにここにまで勇者の本は無さそうだ。
児童向けの絵本などは見当たるが、内容としては、
手洗いうがいの啓蒙などがメインで娯楽性は薄い。
あとは……医療モノの漫画本、健康レシピの本など、
刺激の薄そうな本であれば数はけっこうありそうだ。
なにか目当ての内容があるのであれば、
それに絞って本を見つけることは出来るかもしれない。
94
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/20(火) 16:23:44
>>93
医療系の漫画にも勇者らしい話はある
例えばJIN-仁-だ
仁は歴史が変わる事を知りながらも、患者の命を救う決断をしたある意味、勇者といえる存在だ
そもそも医者という仕事が、病魔という魔物と戦う勇者のようなものかもしれない
JIN-仁-の事を思い出すと、
案道名津(あんドーナツ)が食べたくなって来たが、
こんな所にドーナツが販売していたりはしないだろう
時間潰しに何か読もうかと、
目を瞑って本棚からランダムに本を手に取る
こういう、受付というのはどれくらい時間がかかるのだろうか…
95
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/20(火) 16:52:30
>>94
(桃園)
入院患者や来客用の食堂はあるようだが、
流石にあんドーナツはないかもしれない。
病院のすぐ近くにコンビニとかはあるが、
流石に今抜け出して買いに行くのはヤバイだろう。
スッ
抜き取った本は感染対策がテーマのものだった。
漫画ではなくストーリー性も無さそうで、
表紙に『リスクは徹底隔離せよ!』と文字が踊り、
やや思想が強そうだが、厚さは薄めで読み易そうだ。
スタスタスタ
向こうから抜真龍が歩いてきた。
どうやら本を選んだらしているうちに、
もう受付は終わったようだ。
こちらから近づいてもいいし、来るのを待つなら、
もう少しだけ本を選んだり読んだりする時間はある。
もっとも、偶然来た病院の偶然読む事を決めた本棚だ。
直球で有益な情報がある、という可能性はだいぶ低いだろう。
96
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/20(火) 20:40:55
>>95
結局適当に本を選ぶだけで終わってしまった
まぁちょっと受付してくるだけなので、そんなじっくり読んでる時間なんて無いだろう
これ以上本を選んでても、それこそマジで時間の無駄というやつだ
「あ、終わりましたぁ?」
スッと本を戻して抜真龍の方へ歩いていく
97
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/20(火) 22:14:44
>>96
(桃園)
よほど興味のある本が見つかれば別かもしれないが、
なんとなく手に取った本を読む程の余裕はなかった。
「受付は済ませたからよ。
とりあえず……『オレの妹』って事にしてるけどよ。
あいつの妹は別でいるし、見舞にも来てたからよ」
理由はともかくこれで大手を振って入れそうだ。
あとは情報を引き出せるか……というところだが、
まあ、失敗しても大きな問題は無いと言えば無い。
成功したら得をする、というだけの話だ。
スタスタ
「エレベーターで四階だとよ」
抜真龍は首から『来場者証』を掛けている。
特に何を言うでもなく歩いていくようだが、
聞きたいことなどがあれば今は気兼ねなく聞けそうだ。
98
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/21(水) 17:59:10
>>97
失敗しても特にデメリットは無い
とは言ったものの、やはり費やした時間分は損をする事になる
出来れば何か収穫がほしいところではあるが、情報を聞き出したといって
必ずしも役に立つとは限らない
妹らしくスタスタと歩いて行く抜真龍の後ろをついて行く
「お兄ちゃん!
先に聞いておきたいんだけど、
今から会う人ってどういう人?」
前情報で相当凶暴そうである事は分かってはいるが
具体的にどういう人物なのかは知らないし
そもそも名前すら知らない
そんなんでよく会おうとしたものだ
99
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/21(水) 20:35:03
>>98
(桃園)
「ゲッ、よせよ、そんな呼び方はよ。
どうせ誰も見ちゃいねえよ。
……まあともかく、説明はしとくかよ」
お兄ちゃん呼びは特に響いてなさそうだ。
「『セッカ』君ってヤツ……人でよ。
年はオレより2個上だがよ……
学校は別だが、いろんなグループに顔出してて、
まー正直、オレらの中でもあんま評判は良くねえよ。
付き合いだから、見舞いはしたけどよ」
「武器マニアだとか……
ガチの犯罪にも関わってるとか」
どうやら相当ヤバいやつのようだ。
情報源を伝えるのを渋っていたのも、
あまり説明をしてこなかったのも道理はある。
「いきなりキレてくるとかはないだろうけどよ、
何か聞きてえなら話す内容は整理しといたほうがいいだろうよ」
100
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/22(木) 18:01:20
>>99
そこらの不良とはヤバさの次元が違うというか
本当にガチ犯罪に関わってるとなれば、
もう不良の域を超えて半グレなのではないだろうか
そんなやべーセッカ君とやらを病院送りにした通り魔も相当ヤバい事になる
「へー、武器マニアなんだ
何か気が合うかも」
いや、武器が好きというだけで話が合うかは分からないが
とにかく、会ってみない事にはなんとも言えないか
101
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/22(木) 18:16:36
>>100
(桃園)
『不良』と『半グレ』の境目はあいまいだ。
客観的に見れば判断は出来るだろうが、
中にいるものは、自分がいるのがグレーなのか、
濃いグレーなのか……真っ黒になるまで気付けない。
「マジかよ?
まー面白ぇところもあるけどよ。
あんま仲良くなる相手じゃねえよ」
畏怖……にしては口が悪いというか、
やや『ナメ』を感じなくもない言い方だ。
抜真龍の気が強いのかもしれないが。
「っと、そこの病室だとよ。
個室じゃねえし、あんま騒ぐなよ?」
番号の書かれた表札が四つかかっているが、
うち二つは空白で、今は空席のようだ。
ドアは今は閉まっているが、抜真龍がすぐ開ける。
何か準備など……もしあるなら、今のうちだろう。
102
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/23(金) 18:05:44
>>101
抜真龍の肝が据わってるからかもしれないが
抜真龍がナメるくらいの相手という事なのか
四つの表札の内、空白は二つ
という事は、セッカの他にもう一人いるという事になる
セッカと同室となると、その患者もやはりアレな奴なのだろうか?
それもこれも、入ってみれば分かる事だ
「お邪魔しまーす」
果たして中の様子は…!?
103
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/23(金) 19:22:37
>>102
(桃園)
部屋に入ると、患者の二人がこちらを見る。
ベッドの位置は対角線で、交流の様子はない。
部屋の奥にいる初老の男はすぐに視線を戻したが、
手前側……剃り込みが入った坊主頭の男が、
ニヤけた面で『抜真龍』を迎える。
「よォ〜『バツ』ゥ。
オンナ侍らせて見舞いか?」
「いや……そういうんじゃないっすよ。
見りゃわかる通り、変なガキっすよ」
『なら、なぜ来たのか』――?
その第一声は『桃園』に任されたようだ。
下手に手綱をつけても意味がない……という判断か。
104
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/24(土) 17:47:35
>>103
初老の男性は坊主頭の男とは特に関りが無さそうだ
彼が会話に加わって来る事は、恐らくないと見てもいいか
「こんにちは〜、お見舞いに来ました」
そう言って坊主頭の男の前に行き、カレーコロッケとメンチカツを出す
結構時間が経ってしまったが、冷めてしまっていないだろうか?
何の関りもも無い初対面の相手に、
いきなり見舞いに来られて食べ物を渡されるセッカの反応は
105
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/24(土) 18:45:12
>>104
(桃園)
初老の男性はあまり快くはなさそうだが、
ヤンキー丸出しの集団なので当然だろうし、
だからこそ変に混ざってはこないだろう。
「変なガキを! 連れてくるなよバツゥ。
華があるのはいいけど、流石に趣味じゃ」
揚げ物はまだある程度の暖かさがあった。
少なくとも油でベチョベチョだとか、
そういう嫌がられる状態ではない。
「……ほーほーほー、気が利くじゃんかァ?
ナニ? このコ。オレのファン?
てか、誰かの妹とか? イカつい髪してるしィ?」
上機嫌そうにブツを受け取るセッカ。
ここまではけっこう順調な感じだ。
『どういう立場なのか』……答えは一旦委ねられた。
まあ窮するようなら抜真龍がフォローはしそうだ。
106
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/25(日) 17:59:42
>>105
「バツ兄さんの妹のユウリ・月篠・シャルロットです!」
セッカが抜真龍の家族構成を知っていればすぐバレるだろう
いや、抜真龍が変なガキと紹介している時点で家族ではない事は丸分かりだろうが
「セッカさんは武器に詳しいんですよね」
「それでちょっと話がしたいなーって」
いきなり「お前が半殺しにされた時の話を聞かせろ」と聞いても良いが、
このチンピラ相手にはそれは悪手かもしれない
まずは相手の好きな話をして機嫌を取ろうという作戦か
107
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/26(月) 09:35:04
>>106
(桃園)
「バツゥ、お前妹もいたのかよ?
てか、どういう家庭環境?」
「いや…………………なんつーんすかよ、
義理の妹みたいな……ややこしい家庭環境なんすよ」
「……そうかぁ。ま、別になんだっていいけどな」
『家庭環境』というワードが出ると、
『セッカ』はそれ以上の追求をやめた。
納得したのか、本当にどうでも良いと思ったのか、
あるいはそこに何らかの含みを感じたのか…………
「それより、俺が武器に詳しいってェ?」
ジャグッ
メンチカツを齧るセッカ。
「まあ詳しいよなぁ〜。
つってもミリオタ的な意味じゃないからな?
警棒とか、催涙スプレーとか、そっちの方よ?」
「で、詳しいセッカさんに何の話が聞きてえの?」
彼の目が、探りの色を帯びる。
『桃園』の目的を……か、あるいは別の何かなのか……
108
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/26(月) 18:49:51
>>107
「私も武器が好きで、
銃とか火炎放射器とかも好きなんですけど、
今は剣にハマってて」
警棒、催涙スプレー
そういう類の武器が好きなセッカは、
剣は守備範囲に入るのだろうか?
「それで私、剣で勝ちたい相手がいるんですけど
武器に詳しいセッカさんにアドバイスがしてもらいたくって来ました」
「その相手っていうのが、ちょっと普通じゃない人みたいで…」
109
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/26(月) 20:08:18
>>108
(桃園)
「『剣』ン〜?
……あんま好きな武器じゃあねえなァ」
やや不快感を滲ませるセッカ。
「てか、オレは『普通』の人に見えるの?
バツゥ、お前の妹なんかしてるせいで、
このコ感覚麻痺っちゃってる感じィ?」
「……まぁ、そうかもしれないっすよ」
続く返答も、不機嫌さが隠せていない。
あるいは隠す気もないのかもしれない。
そこまで剣が嫌いな理由があるのだろうか?
「まー別にィいいけど。
普通じゃない相手の剣の試合ってなんだよ?
わざわざ聞きに来たってことは、
剣道のコツ教えてとかって話じゃないんだろォ?」
『試合』……さすがに『実戦をする』とは思われてなさそうだ。
110
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/27(火) 18:49:24
>>109
趣味じゃないからといって、
剣の話をしただけでそこまで不機嫌になるものだろうか?
剣に親でも切り殺されたのか
理由は分からないが、機嫌を損ねてしまったのはまずい
だがここで話を切るわけにもいかない
「うーん、その人が剣を使ってくるかは分からないんですけど」
「その人」
「通り魔なんですよ」
「不良ばっかり襲ってるらしいんですけど…」
「『瞬間移動』…っていうのをしてくるんだって話で聞いて」
111
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/27(火) 19:31:59
>>110
(桃園)
ここは直球で切り込む『桃園』
言い終えたあと、暫し沈黙が続く。
「ほー…………いいや。『そいつは剣を使う』なァ。
おいバツゥ、お前が教えたのか?
いや……お前にもそこまでは言ってねえよなァ」
眉根に皺が寄り、睨め付けるごとく、
セッカの視線が『桃園』の足先から頭へ巡る。
抜真龍は明確な返答は避け、首をゆっくり横に振る。
「ガキが仇を取ってくれるってか?
イカれてるんじゃなきゃ……
お前も『そっち』の方にいるヤツって事か?」
その言葉が意味するところは――彼は完全な無知ではない。
112
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/28(水) 18:17:12
>>111
「そういう事かな」
『そっち』とは
つまり、そういう事なのだろう
「だから」
「話が聞きたいんです、あなたがどうやってやられたか」
自分がやられた時の状況を話せ
そう言われて良い気分は、まぁしないだろう
だがここで下手に繕っても仕方がない
113
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/28(水) 19:01:56
>>112
(桃園)
「ずいぶん真っ向からだなァァ〜。
だが…………そうか、『そっち』ね。なるほどね」
入院着に包まれた腕を組み、
しばし黙考する『セッカ』
「仲間集めてヤろうと思ってたが、
『そっち』の仲間はいねぇもんなァ〜。
ま、やらせてみるのも面白いか」
答えは『肯定』の方向に動いたようだ。
裏がない雰囲気が功を奏したか――
「一個だけ聞かせといてよ。
バツの妹ってのは絶対ウソだろ?
なんでガキが『あいつ』潰そうとしてるワケ?」
たいていの答えなら教えてくれそうだが、どうする?
114
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/29(木) 17:50:45
>>113
「はは、やっぱりバレた?」
抜真龍の妹ではない事を看破されてしまったが、
どう考えてもバレバレの嘘、騙される方がおかしいレベルだ
何故、通り魔と戦おうとしているのか
『妖精』の口車に乗せられて…と、正直に言うのはNGだろう
それは重大な契約違反だ
「うーん…
話を聞いてて、やっぱり止めなくっちゃなと思って」
「それと…」
「私が『勇者』になるための第一歩だからかな」
「その人を倒せなきゃ、『勇者』にはなれっこないからね」
115
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/29(木) 18:07:58
>>114
(桃園)
「ほー、『勇者』ァ?
…………いいねいいね、イカれてる。
『そっち』の連中はみんなイカれてんの?
ま。イカれが自分から鉄砲玉やってくれるなら、
それに越したことぁないやね」
ニヤ
「単なる正義感ってより信用出来るって。
言っとくけど褒めてるんだぜェ?」
堂々と鉄砲玉呼ばわりしてくるが、
確かに彼の視点では大間違いでもあるまい。
抜真龍も、今更余計な口を叩くわけでもない。
「……自慢じゃあーないけど俺は喧嘩は強い方でね。
いつでも『護身用』に物は持ち歩いてるし、
卑怯とか言われる手も平気で使う方さァ」
「だが、あいつの『瞬間移動』には敵わねえ。
その上、あの『妙な剣』…………
一発で『自転車』をバラバラにしてやがった」
「俺の知ってる『そっち』と違って、
目に見える剣ではあったんだが。
あれがアイツの『ソレ』だろーよな」
『セッカ』の説明はここまでの情報をなぞっている。
その上で気になることがあれば、追加で聞いてもいいだろう。
116
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/06/30(金) 18:26:22
>>115
このセッカという男、随分『そっち』に詳しいようだが
ただのチンピラではないのだろうか?
今はそれはさておき、
セッカの話には明らかに何かおかしいところがあった
「ん?自転車がバラバラに?」
一発で自転車がバラバラ
・・・・・・・・
真っ二つとかではなく、一発でバラバラにだ
バラバラにするのであれば、何回も切り刻む必要があるはずだ
117
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/06/30(金) 19:19:57
>>116
(桃園)
この男の経歴や前歴はわからない。
完全な無知ではない…………というより、
噂以上のなにかを知っていそうではあるが、
『桃園』の考え通り、深追いは必須ではあるまい。
「ああ〜バラバラだったね。
まァ誰の自転車だか知らないモンだし、
別にどうでもいい話だろうけどね」
どうでもいい……そうだろうか?
「あの威力で喰らってたら死んでただろうなァ」
もっとも彼があまりに気にしてなさそうなので、
深掘りして聞けるかは聞き方次第というところか……
118
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/01(土) 16:19:10
>>117
・・・・・・・
「今、一発でバラバラにって言ったよね?」
「真っ二つとかじゃなくて、バラバラに?」
「凄いスピードで何度も剣を振ってたとかじゃなくて?」
この男には、キチンと要点を言わなければ伝わらないようだ
あの威力で、という事は手加減はされていたのか?
もし、そんな斬撃をまともに受けたら
今頃彼はバラバラのサイコロステーキになっていただろう
素材が素材だけに美味しそうではないが、一部の悪食な羆とかは食べるかもしれない
それにしても、妙なのは
・・・
「それって、切れてたんですか?」
その攻撃、本当に斬撃か?
「私が聞いた話だと、被害者は鈍器で殴られたり突かれたりしてたって言ってたんですけど」
セッカの怪我も、裂傷ではなく打撲ではないのか?
119
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/01(土) 17:45:48
>>118
(桃園)
「……あー、どうだったかなァ。
ただ、何発も自転車ガンガン殴ってたら、
流石にそんなもん忘れる気はしないけどね」
頭が悪いというよりは、『意識していない』
彼の喧嘩は『結果』が全てであって、
何発殴ったとかは本来どうでもいいのだろう。
だが『スタンド戦闘の世界』では『それは違う』
「『打撃』で物がバラバラになるかよ?
ま、俺は切られてはないけど。
人間斬る勇気はないヤツなんじゃーないの?
いわゆる峰打ちってヤツ?」
それもかなり『怪しい』。
「そんなハッキリは見てないからな、何にしても。
薄暗いとこに置いてたし、俺のもんでもないしィ」
あり得ない話ではないだろう、だが…………
彼の話は全体的に『先入観』で凝り固まっている。
120
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/02(日) 18:41:51
>>119
敗北から学ぶという気は無いのか?
仲間を集めてリベンジするつもりらしいが、
これじゃ前の自分と同じ轍を踏む事になりそうだ
人海戦術で勝てるならいいのかもしれないが
セッカの話で全部分かるとは思ってはいないが、結構有力な情報を得られた気がする
「うーん、峰打ちかぁ…
それか、ひょっとして、そもそも人間は切れないとか?」
勿論峰打ちという可能性はあるが、
『リィン』の情報によれば、被害者は突きも喰らっていたという
突きに峰なんかあるか?柄の部分で突いたのかもしれないが
或いは、打撃と斬撃を使い分けられるという線もあるか
「セッカさんがやられた時、
一撃で複数個所が殴られた感じとか、しませんでした?」
121
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/02(日) 19:17:56
>>120
(桃園)
「『自転車は斬れるけど人間は斬れない剣』って、
そんな変な『特殊能力』があるもんなのォ?」
これは煽りという語調ではない。
セッカは『広い可能性』を知らない。
スタンド使いとしては成熟していない『桃園』は、
勇者として幻想を解し、学べている点に利がある。
「やられたときは普通に、
一回振ると一回打たれたね。
威力と速さは半端なかったけどォ」
一応、自分の受けた被害は覚えているようだ。
「だから武器持った5〜6人で囲んで、
ボウガンとかで攻めれば潰せると思うんだよなァ」
「あーでもォ、瞬間移動はどうするかなァ」
彼の『喧嘩』に正道は無い。
たしかに数を揃えれば、いかにスタンド使いでも、
対応に苦慮するというのは不思議な話でもないが……
122
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/03(月) 18:33:09
>>121
自転車は斬れて人間は斬れない
確かに変だし、剣なら人間も斬れろよって感じだが
さっきセッカが言ったような人間を斬る勇気がないとしたら
そういう能力になる事もなくはない…かもしれない
「そうそう、
その瞬間移動って具体的にどんな感じでした?」
並大抵の相手なら、
セッカの作戦通りボウガンなりなんなりを持たせて、
5〜6人でかかればスタンド使いにも勝てるだろう
それだけ揃えても警戒される瞬間移動
「何か、条件とかありそうな感じでした?」
勇者の瞬間移動には条件がある
この条件のせいで、お世辞にも実践向きとは言えないが
敵の瞬間移動は随分と実践に向いているようだ
自転車をバラバラにした斬撃と瞬間移動
複数の能力を持っているという可能性もあり得なくは無いが、
全くの無関係とも考え辛い
この二つ、何か繋がっているのかもしれない
123
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/03(月) 19:09:19
>>122
「具体的ぃ〜?
そんな何回も連発はしてなかったからなァ。
まあ漫画みたいに光って消えたりは無かったか?
気づいたら自転車ンとこにいたって感じ」
派手なエフェクトを伴うなどは無いようだ。
対応は難しいように思えるが……
「条件とかは知らねえけど、
なんかはあるんじゃないの?
無いならずっと瞬間移動してりゃいいんだし。
オレに気付かれずにボコれるはずだもんな」
セッカの考えは真奥の答えを射抜いてはないが、
何かしら……『完全な的外れ』とも思えない。
もっとも、ここで答えは出しきれないだろう。
最終的には拾ったヒントを戦闘の中で答えにどう結びつけるか、だ。
124
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/04(火) 17:55:20
>>123
「う〜ん、どういう能力なんだろう…」
ここまで聞いて分かった事は、
剣を使う事、自転車をバラバラにした事、瞬間移動
瞬間移動については最初から知っていた事であり、どういうものか分からない
自分の目で確かめるしかないようだ
結局、相手の能力がどういうものかは判然としないが、
セッカから絞り出せそうな情報はこんなところだろうか
ところで、今は何時頃だろう?
ここに来てから、そこまで長々と話し込んでいたわけではないはずだが
125
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/04(火) 20:16:04
>>124
(桃園)
「どういう能力か分かれば苦労はしないだろォ」
だが――――無意味ではない筈だ。
今の時間は17時と18時の間、といったところだ。
まだまだ日は沈んでいないので、行動に制約はほとんどないだろう。
「話はそんなトコ?
バツ、アイツぶっ殺したら俺にも教えろよ。
コッチでも色々やりたい事あるしな」
特に何も無ければ話を打ち切ってもいいかもしれない。
少なくとも、抜真龍はそのつもりで返答をしそうな気配を感じた。
126
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/05(水) 17:42:13
>>125
正直、これ以上の情報は絞り出せそうにない
なら話を切って次の行動に移した方が良いだろう
「そういえば」
思い出したように抜真龍に言う
「抜真龍さん、横丁に行くって言ってましたよね」
「それだと抜真龍さん、通り魔に狙われるかもしれませんよね?」
「だから、私を護衛に連れて来ません?」
子供を護衛にとか普通なら何言ってんのって話だが
抜真龍より腕が立つのはその身を以て照明済みだ
そして、この状況で護衛をすると言い出すのは…
要するに、『広神シュンジ』を誘き出す餌になれと言っているのとほぼ同義
127
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/05(水) 19:47:25
>>126
(桃園)
「おぉ、そりゃいいじゃんよバツぅ。
事が起こった時に確実に報告出来るからな」
ニィィ
笑みを深めるセッカ。
抜真龍はわずかに考える仕草を見せるが……
「……まー、断る理由もねえよ。
オレは持ってねえ、お前は持ってる。
…………いざ喧嘩になって、
すぐ報告出来るかは分かんないすけどよ」
承諾された。
抜真龍もその『意味』は分かっているはずだ。
「終わってからでも構わねえよ、バツ。
終わらせるのは頼むぜぇ『勇者』サマ?
じゃ、俺は吉報を待ってるよォ」
何もなければ病室を出て、横丁に向かう事になるか。
128
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/06(木) 17:59:18
>>127
「あ、そうだ」
セッカに向き直り言う
「私が通り魔を倒したら、私の獲物って事で良いよね?」
「そうなったら、勝手に手を出さないでね」
と言っても、
この男がそんな事で手を引く可能性は低いだろう
「ごめんねー、おじさん、騒がしくしちゃって」
初老の男性に一言謝り病室を出て行こうとする
129
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/06(木) 18:12:08
>>128
(桃園)
「ほーほー、そりゃ道理かな。
いいよいいよォ、『考えて』おいてやるよ」
口約束に重みなどない。
言われたことや言ったことを守れるなら、
『不良』と呼ばれる生き方を選ぶワケもない。
「……」
初老の男は特に何も言わなかったが、
心象が悪いという事はないはずだ。
もっとも見ず知らずの無関係者だが、
積み重ねた心象はきっと意味がある。
ザッ
二人は病室を出た。
「……で、行くかよ? 『横丁』によ」
抜真龍はまず、それを聞いてきた。
特に何かしておきたいなどなければ、そうなるだろう。
130
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/07(金) 17:59:58
>>129
例え法的に力のある契約書にサインしても、
この男は平気で反故にしそうだが
「そうだね、
早めに行って横丁を見て回りたいし、もう行っちゃいましょう」
病院から横丁まで、どれくらいかかるのだろう?
まだ日が落ちていないとはいえ、そろそろ夜が近い
夜になれば…、通り魔が出没する時間だ
131
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/07(金) 20:43:34
>>130
病室からしばらく歩き、病院の外に出た。
「あんま関わらせたくねえの、分かっただろーよ。
この件終わったら下手に会おうとかすんなよ?」
『セッカ』の危険性の話だろう。
もちろん桃園がその気になれば瞬殺出来るだろうが、
『武器を使えば殺せる』からといって危険は危険だ。
「とりあえず、アレ乗れば20分くらいだったか……」
ちょうど『歓楽街』方面行き(表記は勿論違う)の、
数分後に出るバスがバス停に停泊しているようだ。
132
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/08(土) 18:40:10
>>131
「あはは、そうだね」
セッカは抜真龍が言う通りのやばい奴であった
子供を関わらせたくないのも納得だ
「でも、必要になったら会うかもね」
だが、この程度の相手に臆したりしないのがユウリ・桃園・シャルロットだ
必要とあらば会うかもしれない
会う機会など無い事が一番望ましい事だが
「横丁に着くのは、18時20分くらいかな」
今の時期を考えれば、夕暮れ時だがまだ明るい時間帯だ
「抜真龍さんは、何かしたい事あります?」
133
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/09(日) 18:41:34
>>132
(桃園)
「マジかよ……
ああいうヤツに会うなんて、
なんの必要もねーだろーよ。
……ま、それはオレもだけどよ」
時計から考えて、時間予測は正しいだろう。
歓楽街に着いても多少の余裕はあるし、
逆に言えば暗い時間まで待ちたいとしても、
多少の時間潰しで済みそうだ。
「買いたいもんがあるから、
とりあえずそこは外せねーよ。
集合場所だけ決めとくなら、
別に着いてこなくてもいいけどよ」
問題なければバスに乗り込み、到着まで待機だ。
134
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/09(日) 21:05:33
>>133
取り合えずバスに乗り込んで
「う〜ん、ちょっと見て回りたいのもあるけど」
「一応護衛ですし、抜真龍さんが良かったら着いていっていいですか?」
抜真龍の買い物がどういうものかは分からないが
取り合えず着いていきたいという勇者
一応は護衛という名目だが、
付き纏われていたら迷惑だと言われれば、まぁ一旦離れるだろう
135
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/09(日) 21:16:36
>>134
(桃園)
「まあ……別に構わねーよ。
これまでのやつから考えたら、
この時間はまだ襲ってこないとは思うけどよ」
承諾は得られた。
バスは二人の後何人かの老人を乗せて、
ゆっくりと歓楽街方向へと走り出す。
ブロロロロロロ ・・・
そして、やはり20分と少しほどで着いた。
「ここで降りるのが一番近ぇんだよ」
そう告げると抜真龍が先に降りていく。
バス停前でいきなり襲撃とかは無いだろうが、
特に離れる理由もないので着いていくのがよかろう。
周りは歓楽街の中では比較的『浅め』な通りだ。
遊びを覚えた高校生や大学生の姿もよく見られる。
136
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/10(月) 18:00:32
>>135
バスから降りた直後、運転手や他の乗客とか、
その辺の通行人が見てる前で襲い掛かってきたら白昼堂々過ぎるだろ
「そういえば、買い物ってどこ行くんですか?」
抜真龍について行くと言ったが、
彼がどこに行くのかは聞いていない
目的地くらいは聞いておいた方が良いだろうか
137
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/10(月) 18:15:18
>>136
(桃園)
敵はあくまで『通り魔』であって、
テロリストだとか本物の魔物ではない。
襲ってくる状況はある程度限定できそうだ。
「あんま大声で言いたくねーけどよ、
付き合ってる女にプレゼント買うんだよ」
買い物は平和な内容のようだ。
「どっかのキャラクターのグッズなんだがよ、
S県だと、この辺にしか買える店がねえんだよ」
歩き出す先はゲーセンなどがある通りだ。
すれ違う人々の中には会社帰りのサラリーマンや、
すでに酔いどれた様子の若者などがちらほら見える。
特に何がなければ買い物に付き合うことになるが、
そこで何かトラブルがある可能性は低いだろう。
138
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/11(火) 18:11:01
>>137
「おぉ、彼女さんいるんですね
もうすぐ誕生日だったり?」
やはり彼女も不良だったりするのか、案外カタギなのか
「この辺にしか売ってないかぁ
結構マイナーなのかな?」
この辺にしか売っていないキャラクターグッズ
随分と狭い範囲のようだが、何のキャラクターなのか
一応周囲に妙な動きをする人間がいないか、
ざっと確認しながら歩いてはいるが、多分問題無いだろう
139
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/11(火) 18:23:27
>>138
(桃園)
「別に、普通いるだろーよ」
とはいうものの誇らしげな雰囲気だ。
「誕生日っつーか、記念日だな。
てか、あんま詮索すんじゃねーよ」
はぐらかされてしまった。
・・・
・・・
しばらく歩いているとそれらしい店が見えた。
各地の『ゆるキャラ』グッズを扱う店のようで、
『こぜにくろう』の大きなぬいぐるみが店頭に見える。
「買ってくるからよ、外で待ってても構わねーよ?」
今の所、不審なヤツがちょろちょろしてたりはしない。
140
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/12(水) 17:45:27
>>139
「あっ、こぜにくろう」
星見町のゆるキャラ『こぜにくろう』
最近は『ほしみまくろう』という、
異常な存在感を放つライバルに地位を脅かされてる気がするが大丈夫なのだろうか
「うーん、私も何か買ってこうかな?」
常に気を張っていても身が持たない
気を抜いて良い時には、適度な息抜きが必要だ
今は束の間の平和を享受して買い物でもする事にしよう
141
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/12(水) 19:27:46
>>140
(桃園)
「店ん中で襲っては流石に来ないだろうよ。
なんか好きに見とけよ」
店内には色々なグッズがある。
キーホルダーやぬいぐるみ、アクリルスタンド、
他にも大体『ありそうなグッズ』は見つかりそうだ。
ワイワイ
特に混雑しすぎているわけでもないし、
最後の物資補給に使ってもいいかもしれない。
とはいえ、直球の危険物などはなさそうだが…………
142
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/13(木) 17:57:11
>>141
「はーい」
ずらっと並んだグッズを歩きながら眺めてみる
物資補給といっても、戦闘に役立ちそうなものがこんな所にあるだろうか
装備したら2回攻撃出来るピアスや、
クリティカル率が上昇するバッジなんかがあれば即買いだが
こういう所には、何か勇者っぽいグッズも売ってたりするのだろうか
そういうのが売ってそうな棚を探して歩いてみる
143
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/13(木) 18:12:10
>>142
(桃園)
抜真龍は視界の端でキーホルダー売場を物色している。
何が武器になるかはアイディア次第な部分もあるが、
とりあえず露骨な武器は見当たらないようだ。
都市のど真ん中には石とかは落ちていないので、
硬い小さいものでも買っておけば投擲には使えるか?
ワヤワヤ
他の客達はぬいぐるみとかを買っているようだ。
勇者っぽいグッズは……『剣のキーホルダー』だ!
あのお土産屋によくある龍の巻きついた剣が、
なぜかここでも取り扱われているようだ。
この一角だけ『どこにでもある土産屋』って感じだ。
もしかすると最初はこういう店だったのかもしれない。
144
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/14(金) 18:30:42
>>143
剣のキーホルダー、ペーパーナイフだったりする事もある
中学生が修学旅行で何か謎の勢いで買って、
後で家で「何でこんなもん買ったんだろう」という、
何とも言い難い虚しさを覚えるまでがセットの奴だ
別に珍しくもなんともないが、何がどう役に立つか分からない
とりあえず、キーホルダーを自分用に買ってみる事にした勇者
自分用のお土産を選んだら次は、
今日お世話になった抜真龍と、
お昼に学校で教科書を見せてくれた凪沢ちゃんへのお礼に何か買って行こうと考える
抜真龍の好みはよく分からないが、凪沢ちゃんの好きそうなものはある程度分かるだろうか
そういえば、凪沢ちゃんの事を考えていたら、ゴレンシャーの話をされた事を思い出した勇者
こういう店は、ゴレンシャーのグッズも置いてあったりするのだろうか?
145
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/14(金) 20:54:39
>>144
(桃園)
ドラゴンが巻き付いた剣のキーホルダーは、
鞘から抜けるようになっていた…………
あまり切れ味は良くなさそうだが、
たしかにペーパーナイフには使えるかもしれない。
ピッ
ピッ
抜真龍はレジに並んでいるようだ。
凪沢の好みは微妙なところだが…………
無難に人気キャラのグッズをよく持っていて、
ご当地系のキャラが好きな印象はあまりない。
店内にゴレンシャーのグッズはほんの少しだけあった。
ただ、あまり大々的に扱っているほどでもなさそうだ。
146
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/15(土) 18:06:01
>>145
凪沢ちゃんには、無難なキャラの…クッキーか何かの缶を買って行こう
無難な選択だが無難に喜んでもらえるはずだ、多分
ほしみまくろうのマスキングテープでも贈ろうかと思ったが、
あまり好きそうではないしやっぱりマスキングテープは絞殺されそうなのでやめておく事にした勇者
抜真龍には、ヘアブラシを買っていく事にする
ウニみたいな髪型のセットに使ってもらおう
ヘアブラシもよく見るとウニみたいな形をしているし丁度良い
2人のお土産も選び、ゴレンシャーのグッズを見ている勇者
マイナーなご当地ヒーローなら、こんなものなのだろうか
> ピッ
> ピッ
ふとレジを見ると、抜真龍がもうレジに並んでいるのが見える
あんまり時間かけてられないかなと思い、適当にゴレンシャーのグッズを一つ手に取りレジに並ぶ
147
:
『エターナル・ノクターナル』
:2023/07/15(土) 18:19:26
>>146
(桃園)
買うものをまとめてレジに向かう。
あまりやる気のなさそうな店員だが、
レジの流れはそれなりに早かった。
「ありゃっしゃー」
袋に詰めてもらったかどうかは桃園次第だ。
抜真龍は勝手に店外に出たりはせずに、
入り口付近にて待機をしている。
「終わったかよ? 買い物はよ」
148
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/16(日) 17:54:09
>>147
「うん、おまたせ」
お土産はレジ袋に詰めてもらった
おかげで10円余計に取られてしまった
買い物をするならエコバッグを持って来るべきだったろうか
「えーっと」
袋に手を突っ込み、がそごそと漁る
「これ、抜真龍さんにあげるね」
ウニみたいなヘアブラシを抜真龍にあげる勇者
その顔に悪意はなく、本当に善意でやっているようだが
こんな物を渡されてどうしろというのか…
149
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/16(日) 21:29:10
>>148
(桃園)
「俺に? な、なんでだよ。
……まあ、くれるなら貰ってやるけどよ」
ゴソ
「どういう風の吹き回しだよ?」
ヘアブラシは怪訝そうに受け取られた。
どうすればいいんだ……という空気は若干あったが、
どちらかと言えば喜んでいる方だろう。
「まだあんま暗くはねーな……」
言葉通り、ネオンの灯り満ちる歓楽街は多少明るい。
とはいえ裏路地などは既に『アブない』暗さはあるはずだ。
ある程度の捜索方針は『桃園』が決めてしまって問題ないか。
150
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/17(月) 18:10:09
>>149
「その髪型、整えるの大変そうだなーって思って
それでセットしてくださいね」
無邪気そうに笑いながら言う
悪気は無いんだ、悪気は…
まだ明るさは残っているとはいえ、ぼちぼち暗くなり始めてきた頃
昼か夜かでいえば、夜に近い時間だ
「ちょっと早いけど、夕飯代わりに食べ歩きでもしていきません?」
腹が減っては戦は出来ぬ
食事をしながら歩き回り辺りを捜索しようという方針のようだ
151
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/17(月) 20:51:19
>>150
(桃園)
「お前よォ……」
若干の呆れを感じなくはないが、
悪気の無い子供にそうそう荒げるものもない。
ガヤガヤ
会社帰りらしき男女らが居酒屋に吸われていく。
人通りはまあまあ多い時間帯ではあるが、
これも、裏路地などは寂しい場所も多い。
「構わねーけどよ、
オゴるつもりは流石にねーよ?
てか、金がそんなにねーしよ」
見栄を張るでもなく伝えて来る抜真龍。
ともあれ食べ歩きが出来そうな店もあるにはある。
ちょっとした軽食や飲み物、スイーツのテイクアウトは、
この地方都市にもすっかりと根付いた文化になっているのだ。
後は人の多そうなところに行くか、それとも――――といったところか。
152
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/18(火) 19:50:10
>>151
「よし、じゃあ行きましょ」
屋台を求めて歓楽街を歩き出した
きっと、人通りの多い明るい場所の方が安全なのだろう
だが勇者は暗めで、人通りの少ない方へと歩き出した
そういう所の方が、意外な穴場があるかもしれない
それに、通り魔の方も人が多い所じゃ出辛いだろう
153
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/18(火) 21:02:00
>>152
(桃園)
少し人の少ないあたりに向かう桃園。
あまり飲食店などは見受けられなくなるが、
それでもゼロというわけでは無いはずだ。
「食べ歩けるモンだと、
確かチキンとかあったはずだぜ、この辺はよ」
抜真龍は特に周りに注意を向けていない。
というより、向けているつもりなのだろうが、
それは周囲をキョロキョロ見てるだけだ。
・・・
・・・
ふと、視界の端に『丸いもの』が見えた。
危険物とかでは無い……あれは、『車輪』だ。
路地裏の隅に、自転車の車輪が寄せられている。
154
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/19(水) 18:02:58
>>153
「チキンかぁ、良いですねぇ!
それってフライドチキン?」
キョロキョロ見ているだけでも、何も注意していないよりはマシだ
怪しい動きをする奴がいれば分かるだろうし、通り魔が顔見知りなら尚更だ
もっとも、相手が顔を隠しているようなら気付かないかもしれないが
ちょっと歩いていると、『丸いもの』が視界に入って来た
「そういえば、通り魔は自転車を一撃でバラバラにしたって言ってましたよね」
「セッカさんが襲われたのってここだったり?」
少しだけ近付いて路地裏の『車輪』を見てみる
置かれているのは『自転車』ではなく『自転車の車輪』だけなのか?
155
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/19(水) 19:09:17
>>154
(桃園)
「韓国のなんだかいうチキンだったな。
フライドチキンも出してた気はするけどよ」
とりあえず今すぐ不審人物が来ているとか、
そういう様子はないと見てよさそうだ。
「『場所』までは詳しくは知らねえけどよ、
あり得ない話でもないんじゃねえか……」
抜真龍も着いてきた。
転がっているのは自転車の車輪だけ……ではない。
少し奥にゴミが集められているスペースがあり、
そこに解体された車体が置きっぱなしになっていた。
156
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/20(木) 22:19:47
>>155
「それヤンニョムチキンだね
ちょっとベタつきそうだねー」
ヤンニョムチキンは美味いが、
食べ歩きとなると手や口元が汚れそうなのが難点だ
さて、安全を取るならここは見なかった事にして立ち去るのが正解だろう
君子危うきに近寄らず!
だがこっちの目的は通り魔に会う事だ
虎穴に入らずんば虎子を得ず
「何かあったら私を盾にしてくれていいですからね」
その手に聖剣を発現させる
ゴミが置かれている場所まで近付き、解体された自転車を観察する
この自転車は、刃物で切断されているのだろうか?
157
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/21(金) 09:25:16
>>156
(桃園)
「あー、なんかそんな名前だったかよ。
確かにあの時ゃ手だいぶベトベトになったな……
ま、汚れたって別に拭けばいいんだけどよ」
自転車の周りにいきなり罠があるとか、
何かが潜んでるとかは無さそうだ。
「そう言われて急に出来る自信はねえけどよ。
お前の方が強いのは分かってるけどよ」
盾の役目はいまのところ果たさずに済む。
・・・
・・・
自転車を調べていくと、解体の痕跡は見えてくる。
確かに『切れている』ような……そんな断面だが、
なんとなく『違和感』のようなものがある。
「なんだこれ……解体したのかよ」
『解体』。
そう、バラバラではあるし切れてもいる。
だが、『パーツ単位』では無傷だ。
『工具を使わず、切って各パーツへ解体した』ような、
普通の人間の仕業としてはチグハグな現象がそこにある。
158
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/21(金) 18:10:23
>>157
今、ここに誰かが潜んでいるという事は無いようだ
聖剣で自転車をつんつんと突いてみる
行儀は悪いが、素手でおでんを突く不届き者よりはマシだろう
自転車のパーツを一つ、聖剣でこちら側に手繰り寄せる
「うーん、どうなってるのかなこれ?」
確かに刃物での切断はされているようだが、パーツ毎にバラバラに…
これを一撃で?
手繰り寄せた自転車のパーツを手に取り、
切断面をよく見たり触ったりして観察してみる
159
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/21(金) 19:12:30
>>158
(桃園)
ガキン
自転車のパーツ山をつつく桃園。
別段おかしな様子はない。
例えば異様に脆いとかは無さそうだ。
ガゴゴ
車体のパーツを一つ引き寄せて観察してみるが、
やはり『解体仕方』以外にそれほど違和感はない。
「なんか分かりそうかよ?」
ただ、強いて言えば『断面が綺麗すぎる』。
まるで自動機械か何かの仕事のようだ。
人間の手で自転車を切ろうとすれば、
仮に『なんでも切れる剣』を持っていたとしても、
もう少し断面は不規則な歪みや波打が出そうな物だ。
160
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/22(土) 19:01:19
>>159
これが通り魔のやったものだとすれば、
セッカをやった時の物をここに投棄したのだろうか
「これって、人の手で切ったのかな?」
「ちょっと綺麗に切れすぎてるよ、何か機械で切ったみたい」
人の手でやったにしては正確無比過ぎるが、
余程の名刀と超精密な達人の腕前が揃えば、出来ない事も無い…のだろうか?
手にした自転車のパーツを買い物袋に入れる
何がどう役に立つか分からない、ひょっとしたらこういうゴミも役に立つかもしれない
ゴミを勝手に拾って自分の物にするのは占有離脱物横領罪に問われる可能性もあるが、
その辺に落ちている物を拾うのも勇者にはよくある事なので多めに見てほしい
「あっ、チキン屋ってどこにあるんですか?」
チキン屋に行くには表に戻るべきか、あるいは
この路地裏を抜けて行った方が早いか
161
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/22(土) 21:32:33
>>160
(桃園)
「あー……言われてみればそうかもな。
『技術』の授業で木を切った時でも、
ここまで真っ直ぐ切れた覚えはねーよ」
ここが現場だった可能性もゼロではないし、
あるいは別の誰かを襲った時なのかもしれない。
ガサゴソ
買い物袋に入るサイズのパーツは多くはない。
特に、町を歩くならなおさらだろう。
特に欲張らないなら、『ペダル』を回収できた。
「一個向こうの通りだよ。
こっからなら、ここ抜けた方が早いだろうよ」
路地は向かいの通りまで伸びており、寂しい道が続く。
蜘蛛の巣状に細い横道がある事もあって、
『通り魔』が襲い掛かるには――――絶好の状況だろう。
162
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/23(日) 17:56:34
>>161
「じゃあ、ここから行きましょうか」
危険を冒して近道を通る事にする勇者
「何かこういうの、ダンジョンっぽくてわくわくしますね!」
意気揚々と路地裏の奥へと向かう
エンカウントするのは、モンスターか通り魔か
163
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/23(日) 18:42:46
>>162
(桃園)
「…………そうかよ?
オレは普通にめんどくせえと思うけどよ」
そうは言いつつ路地裏の道を進んでいく。
向かいの通りまでは近いようで遠い。
ゴオオッ ・・・
建物と建物の間を風が吹き抜ける。
『匂い』がした。
ぬるい風に乗せられた、『血の匂い』だ。
「…………」
抜真龍も何か不穏さを感じたのかもしれない。
こちらに視線を向けてくる。
・・・『戦いの準備』は、しておいた方がよさそうだ。
164
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/24(月) 18:18:45
>>163
この時期のこの時間、完全に日は落ちてはおらず、まだ僅かな明るみが残っている
通り魔が出る時間は夜
だが、建物の影に隠れ、明かりが遮られた路地裏はどうなのか
「…あんまり美味しそうじゃないかな」
風に乗ってふわりと『血の匂い』が漂ってきた
好きな人間もいるだろうが、大抵はこの匂いを良い匂いとは思わないだろう
誰かが通り魔の被害にあったのか?
それとも、通り魔とは無関係の事件や事故か?
なんせ場所が場所だ、頭のおかしい奴が一人や二人居ても何らおかしくはない
『匂い』はどこから漂ってくるのだろう?
風の吹く方向を見てみる
聖剣は路地裏というダンジョンに侵入した時からずっと出しっぱなしだ
165
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/24(月) 20:54:56
>>164
(桃園)
臭いの根元を正確に把握はできないにせよ、
風の吹いてきた方向であると類推は可能だ。
「ぅ…………」
呻き声が僅かにそちらから聞こえた。
右前方にある、『バー』が入ったビルと、
その向こうの寂れた二階建て建築の間だ。
「……喧嘩ならもっと騒ぐだろうよ。
これは……『アタリ』かもしれねえよ」
『聖剣』を手にする『桃園』に、
抜真龍は緊張の面持ちで伝えてきた。
阻むものはない。飛び込む準備さえ出来ているなら。
166
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/25(火) 20:34:44
>>165
呻き声が聞こえた方を見るが、そこに居る誰かを確認する事は出来ない
「じゃあ、行こうか」
勇気か無謀か、
勇者は何かが居ると思われるフィールドに侵入する
まず、そこに誰が居るかを観察し、周囲を見渡して状況の把握に努める
時には慎重に動く事もまた勇気だ
167
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/27(木) 09:17:54
>>166
(桃園)
「躊躇いなしかよ……いい事だけどよ」
ザッ ・・・
やや細い路地へと踏み込む桃園。
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
「ぐ……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
そこが『戦闘』の場だ。
髪を茶に染めた若者が頭から血を流して倒しており、
その奥……背中を向けて何かを探すように首を動かす、
フルフェイスヘルメットを被った『何者か』。
…クル
そいつが振り向き、『勇者』の剣を認めた。
「……何の遊びか知らないけど、
今すぐ回れ右すりゃ何もしないよ」
落ち着いた声色だが、冷静とか温厚とか、
そういったイメージは感じられない。
抜真龍は無言で拳を構える。
流石に、『任せきり』なのは逆に不安なのだろう。
168
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/27(木) 17:55:39
>>167
フルフェイスメットのせいで顔を見る事は出来ない
抜真龍に『広神シュンタ』かどうかを確認する事は出来ないが、
状況から考えて、このメットが件の通り魔でほぼ間違いないだろう
拳を構えてやる気の抜真龍だが、彼には戦うよりやってもらいたい事がある
「抜真龍さん、その人連れて離れて、救急車呼んでくれる?」
>……何の遊びか知らないけど、
>今すぐ回れ右すりゃ何もしないよ
「悪いけど、そういうわけにはいかないかな」
「その人やったの貴方?」
フルフェイスの人物をよく観察する
体格はどんな感じか、剣のような武器になる物を持っているのか
169
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/27(木) 20:08:29
>>168
「警察は……良いのかよ」
そう言いつつ抜真龍は倒れた青年ににじり寄る。
流石に内心、出る幕ではないのは自覚済みだろう。
「離れるべきなのは同感だなァ。
そいつはそこまで悪くない。
順番はまだまだ先で良いからな」
『メットの男』はその間特に動きは見せない。
余裕綽々の態度。その手に武器などは見えない。
体格はスマートだがよく鍛えているのが、
バイクジャケットの上からでも分かる。
「その声……」
声色は抜真龍に覚えのあるものらしい。
「俺が誰とか……どうでもいいだろ?
探ろうとするなよ。『ヒーロー』の素顔ってヤツを」
フン
「それに文句を言われる筋合いもない。
やったのは俺だけど、こいつも相当やってる奴さ」
嘲るような調子で『メットの男』はそう返してきた……
170
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/28(金) 18:57:54
>>169
普通ならここは警察を呼ぶべきところだろう
というか、救急車を呼ぶと場合によるが警察もセット来る事もある
だが、今は警察に来てもらいたくはない
この男とは、サシでやりあいたい
男の手には武器らしき物は持っていないように見えるが、
情報では『剣』を得物としているはず
今は単純に引っ込めているだけなのか?
>俺が誰とか……どうでもいいだろ?
>探ろうとするなよ。『ヒーロー』の素顔ってヤツを
抜真龍の反応からして、正体はこちらの考える通りでほぼ確定だろうが…
ヒーローの正体を暴くのは無粋というものか
>それに文句を言われる筋合いもない。
>やったのは俺だけど、こいつも相当やってる奴さ
この男のやっている事は復讐であり私刑だ
例え相手がどんなに救いようのない屑でも、この男に私刑にする権利は無い
故にこの男の犯行には何ら正当性は無い
その辺を突けばいくらでも追及する事は可能だろうが…
「文句なんて無いよ
貴方の好きなようにすれば良いと思う」
そんな問答でこの男が止まるか?
「代わりに、私が止めるけどね」
そんな事で止まるなら、最初から通り魔になんてなってないだろう
ユウリにはヒーローを止める方法は分からない
だから戦いの中で受け止めるしかない、このヒーローの憤りを
それがユウリの勇気だ
171
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/29(土) 19:00:22
>>170
(『勇者』)
「……死んだりすんじゃねえぞ」
抜真龍が青年と共に退避するのを、
メット男は追撃しようとしない。
今警戒すべき相手を理解しているのだろう。
「ふぅん……子供の割には弁えてるじゃん」
キュォン!
その手に発現するのは――――『剣』だ。
「『イクスパルスド』」
ヒーロー番組のなりきりグッズのような、
ファンタジックかつヒロイックなデザイン。
虚空から現れたそれが、彼のスタンドだろう。
「僕は……俺は良く知ってるのさ。
正義を執行するには『力』がいる。
『力』があるから『ヒーロー』になれる。
クズは蹂躙しなきゃあ止められない」
ザッ
剣を構える『ヒーロー』。
「クズを庇うなら、お前も悪と見なす。望む所だろ?」
距離は『7〜8m』ほどある。剣の間合いではない。
通りには店舗が出したであろうゴミ袋の山や、
エアコンの室外機、従業員のものなのか自転車等がある。
■■裏口■■■■■■■■■■■■■
塵塵□□□自転□□自転□塵塵□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□勇□□□□□□敵□□□□□□
室外□□□□□□□□□室外□□塵□
■■裏口■■■■■■■■■裏口■■
店の裏口らしき扉も見えるが、常識で考えれば施錠はあるだろう。
172
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/30(日) 19:08:57
>>171
「あー、それかっこいい!」
ヒーローが手にした『イクスパルスド』と呼ばれた剣
いかにも特撮のヒーローが使っていそうな武器は勇者の心をときめかせた
今が戦闘中でなければ、もっとよく見せてくれるように頼みこんでいたかもしれない
聖剣を構えながらヒーローに向かって歩いて行く
走っては行かない
間合いを詰めながらも無暗に突っ込んではいけない
相手がどう出るかを見極める必要がある
特に気を付けなくてはいけないのは、『瞬間移動』か
セッカの話では詳細が分からなかったが、
使われれば一気に間合いを詰めて来るかもしれない
173
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/30(日) 23:07:26
>>172
(『勇者』)
「……ヒーローの武器なんだから。
見た目でも『正しさ』は主張しないとな」
スッ
「『強さ』だけじゃあなく、な」
『ヒーロー』が剣を構える。
・・・ただし迫ってこない。
斜めに『後退』……ゴミの山のそばあたりまで、
ゆっくり、勇者やその周辺に視線を巡らせながら動く。
「もっと前に出たらどうだ?
逃がしたお仲間が巻き込まれないようにさ……」
巻き込むも何も、抜真龍達は既にある程度離れてはいるが……?
174
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/07/31(月) 18:16:59
>>173
巻き込む…?
抜真龍達とは距離があり、切り合いには巻き込まれようがないはずだ
それに距離を取れば切り合いにすらならない
ハッタリとかで言ってるんじゃないとするなら、あるんだろう
遠距離攻撃の手段が
それも、既に距離を取っている抜真龍達すら巻き込むような広範囲に至る攻撃
恐らくゴミ山を利用しようとしているのか
勇者とゴミ山までの距離はどれくらいあるのだろうか?
10m内にあるのなら、聖剣をゴミ袋に突き刺さるようにぶん投げる
届かないようなら、その場を動かず聖剣を構え防御態勢を取る
175
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/31(月) 20:25:03
>>174
(『勇者』)
「だんまりか。まあいいさ……」
巻き込むという言葉の意図は不明だ。
あるいは『行動を誘導する言葉』かもしれない。
ブオン!!!
ゴミ山まではちょうど10mほど。投擲した剣は届く!
――――が!
ボズン
生ごみ中心らしきゴミ山に聖剣が突き刺さるのとほぼ同時。
「自分から武器を手放すなんてな!
一気に決めてやる。『イクスパルスド』ッ!」
バヂヂヂ・・・
『イクスパルスド』が輝くと、『ヒーロー』の姿が消える。
いや、消えたのではない! ――――移動だ!
突如『勇者の現在地』の少し後方、室外機がある側の『裏口』に!
カンッ!!!
『ヒーロー』が移動している――――だけではない。
その剣で、示威でもするように戸を叩く余裕さえ見せる!
「どんな能力があろうが、使えなければ意味がないのさ!」
距離はせいぜい
この次の瞬間には『攻撃』を仕掛けて来るはずだ。どうする――――?
■■裏口■■■■■■■■■■■■■
塵塵□□□自転□□自転□剣塵□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□勇□□□□□□□□□□□
室外□敵□□□□□□□室外□□塵□
■■裏口■■■■■■■■■裏口■■
176
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/07/31(月) 21:18:00
>>175
(訂正)
申し訳ございません、レスに一部抜けがありましたので追記いたします。
【誤】
>距離はせいぜい
>この次の瞬間には『攻撃』を仕掛けて来るはずだ。どうする――――?
【正】
距離はせいぜい1〜2m、武器込み・踏み込みありなら一瞬で届く距離。
この次の瞬間には『攻撃』を仕掛けて来るはずだ。どうする――――?
177
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/01(火) 18:40:17
>>175
ヒーローが移動した時に聞こえたバヂヂヂという音
何の音だろう?この音、何か聞き覚えはないだろうか?
などと悠長に考え事をしている暇は無い
聖剣を持たない勇者は無防備!ただの一般人だ
それは相手の油断を誘ったり、
あるいはこの機を逃すまいと一気にけりを付けるよう事を急ぐだろう
勇気をもって剣を手放し、自らを危険に晒した甲斐があった
おかげで距離を縮める事が出来、相手の技の一旦を垣間見る事も出来た
だが状況はこちらが不利だ、すぐに聖剣を呼び戻さなくてはならない
だが、聖剣を呼び戻すには深呼吸をする程度の時間が必要だ
相手はそんな猶予を与えちゃくれないだろう
そこで、買い物袋に入っている自転車のペダルをヒーローの顔面に投げ付ける!
何のダメージにもならないだろうが、
それでも咄嗟に投げ付けられたそれは聖剣を呼び戻すまでのほんの数瞬の隙くらいは作る事が出来るだろう
178
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/02(水) 09:45:38
>>177
(『勇者』)
音については、あまり聞き覚えはない。
強いて言えばアニメにおける電撃の表現だとか、
現実的に言えば……硬い紐が千切れる音だろうか?
少なくとも『ピンとくる』ような音ではなかった。
「! ちっ……」
バフッ
投げたペダルが顔に当たるが、
敵はヘルメットを被っている。
何のダメージにもなるまい。
「……それで抵抗のつもりなら、無駄な話だ!」
ド
ヒュォ!!
『イクスパルスド』が踏み込みと共に振るわれる!
狙いは『腕』のようだ。速度は……かなり速い(スB)
……そこまでに深呼吸をする程度の間は稼げた。
だが、『聖剣』を戻して、構えるのは間に合うか……!?
179
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/02(水) 18:44:23
>>178
瞬間移動だけじゃない、通常のスピードも速い!
ここは一旦、勇者の方が聖剣側に転移して距離を取るべきか?
否、ここは退かずに勝負に出る!
聖剣を手元に転移させるが、構えは間に合わないかもしれない
故に、重要なのはタイミングとどう出すかだ
相手の狙いは『腕』らしい
『イクスパルスド』が腕に当たりそうになる瞬間、
もう片方の手に聖剣を転移させ、『イクスパルスド』を受け止める形で発現させる
失敗しても聖剣を手にしてさえいれば耐える事は出来るだろうが、
それでも相当の痛みを覚悟しなければならない
だが、自動車に轢かれたりビルの屋上から落ちたり殴られ屋としてサンドバックになった事もある勇者だ
痛みには慣れている
180
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/03(木) 09:40:45
>>179
(『勇者』)
カキ
ィン!!!!
「っく……『転移する剣』!?」
結果として……ギリギリ受け止められた!
狙われた側の腕に剣を転移させていたら、
守れる構えを取るのには一手遅れが生じていた。
『聖剣』を持てているから重傷は避けられたにせよ、
痛みは全く軽減されないのは『勇者』の知る通りだ。
バッ
ヒーローは弾かれるように剣を振り上げ直す!
『鍔迫り合い』は不利という判断か。
ぶつけた側の彼とはいえ、唐突に弾かれた今、
即座に次の一撃とは行かないということか。
「……ッ」
パチチチチッ
刃に不穏な『スタンドエネルギー』を激らせ、
再度の斬撃を構え直そうとしている…………!
181
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/03(木) 18:21:09
>>180
鍔迫り合いを避けられたという事は、力ではこちらが上とみても良いだろう
しかし、パチチチと電気でも走るかのような音を鳴らす剣
単純なパワーや切れ味ではないものがあるはずだ
勇者がいかに頑丈であっても、これを食らったら無事で済むだろうか?
聖剣で受け止めるのも危険かもしれない
だが勇者は、危険を伴ってでも勝利を掴む勝負に出た!
聖剣を上部に構え、
ヒーローが『イクスパルスド』を降り降ろした時にそれを受け止める形を取る
それと同時に、勇者は前に踏み込みヒーローの鳩尾に渾身の力を込めた拳を叩き込むカウンター戦法!
182
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/04(金) 09:34:15
>>181
(『勇者』)
ブォン!!!
「……『受けた』な! そいつは失敗だッ」
ガ ギ
ィン!!
『聖剣』でまともに一撃を受ける勇者!
パワー差はある……それは感じた。
衝撃は多少感じたが、腕が痛むほどではない。
相手の純粋な破壊力はこちらより下だ(C相当)
・・・だが!
ガキン
『踏み込んでの突き』…‥それは、打てない!
靴裏が地面と接着……いや、『ロック』されたように、
ぴったりとくっついたまま離れなくなっている!
「ハハッ! まずは一発……!」
正拳突きを中止させられた隙だらけの勇者。
ヒュン!
対するヒーローはその隙に一歩後ろに離れながら、突き出した手に剣を振って来る。
かなり難しい芸当だ。恐らく『精密動作性』を補強されている……!
軽いスイングで、『聖剣』は保持している以上、受けても『重傷』は無さそうだが……
183
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/04(金) 19:52:33
>>182
質問宜しいでしょうか?
『ロック』されているのは靴だけで、足は動かせますか?
動かせるなら靴を脱ぐ事は出来そうでしょうか?
ヒーローは一歩後退しましたが、距離はどの程度でしょうか?
『イクスパルスド』を振るう手に聖剣の斬撃は届きそうでしょうか?
184
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/04(金) 20:42:54
>>183
(『勇者』 回答)
>『ロック』されているのは靴だけで、足は動かせますか?
>動かせるなら靴を脱ぐ事は出来そうでしょうか?
足は動かせる気はする。
靴を脱げるかは試してみなければ分からない。
>ヒーローは一歩後退しましたが、距離はどの程度でしょうか?
>『イクスパルスド』を振るう手に聖剣の斬撃は届きそうでしょうか?
おおよそだが、2m程度。
距離的には届くが、現在の姿勢から間に合うのかは不明。
185
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/05(土) 18:48:48
>>184
回答ありがとうございました
>>182
圧倒的耐久力で何にも怯まず突き進み相手を切り伏せるのが勇者の戦闘スタイル
だが動きを封じられてしまえばその戦術は使えない
被害者が蛸殴りにされて病院送りにされたのはこれが原因か?
靴を脱げないか試みるが、相手の攻撃までに間に合うか?
恐らく間に合わないだろう
崖っぷちに立たされたような感じだが、
この程度の逆境を跳ね除けられずして何が勇者か!
ヒーローの剣を振るう速度はかなり速い
今から回避や防御行動を取ろうとしても間に合わないだろう
回避も防御も出来ないのなら、攻撃あるのみッ!
聖剣を一瞬だけ解除して、狙わている方の手へと即座に発現し持ち替える
それは『イクスパルスド』を受け止めるためではない
『イクスパルスド』を振るう腕に触れるように聖剣を発現する
「うりゃあぁぁぁぁぁぁッ!!!」
敵の腕を振るう速度を利用+大木をも両断する聖剣の切れ味+その聖剣と同等の勇者の腕力を乗せて…
ヒ ー ロ ー の 腕 を 断 ち 切 る ッ !
186
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/07(月) 03:29:23
>>185
(『勇者』)
攻撃軌道に剣を『置く』ことによる両断を狙う勇者。
それは決して悪くはない手筋ではあるはずだが…………
「悠長すぎるんだ……よッ」
スタンドの解除からの再発現は『数拍』を要する。
平時ならそんなものは大した時間ではないが、
こと近接の戦闘時においては――明確な『隙』だ!
特に、すでに敵が攻撃動作に入っている以上は!
バチンッ!
「……!?
なんだ、お前の身体は…………」
結果、剣の『持ち替え』が成立するより早く、
『イクスパルスド』の一閃が伸ばした手を打った。
『再発現』が済んだのは、打ち終わってからだ。
ビリビリビリ…
……が、『聖剣』と同等の強度が『勇者』にはある。
箪笥の角に足指をぶつけたのより一回り痛く、
手先にやや痺れを感じるが、それくらいだ。
タタッ
「……転移する剣というだけじゃないみたいだな」
警戒した様子でさらに数歩後ろに下がるヒーロー。
『聖剣再発現』はすでに完了しているが、また間合いが開いた。
187
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/07(月) 18:45:31
>>186
聖剣のおかげで多少の痛みを感じる程度で済んだが、この痺れは気になる
どこか、体が思うように動かない所はあるだろうか?
少し体を動かして確かめてみる
また間合いが開いてしまったのはまずい
勇者には遠距離攻撃の手段が無い
どうにかにして間合いを詰めなきゃ一撃入れる事すら出来ない
が、相手も剣士であるからにはそれは相手も同じはず
相手の方も近付かなきゃこちらを攻撃する事は出来ない
だが能力の全容が分からならければ、遠距離攻撃の手段が無いとは断言は出来ない
油断は出来ない
今、『イクスパルスド』はさっき勇者の靴をロックした時のような
スタンドエネルギーを纏っているか?
それと、
先程も試していたが、ロックされている靴を脱ぐことは出来たのだろうか?
脱ぐ事が出来たのなら歩いて距離を詰めたい
後数歩詰めればヒーローを壁際まで追い込めるだろう
が、相手には瞬間移動がある
あれをまた使われると厄介だ
靴を脱ぐ事が出来ないなら、仕方がない
聖剣で足を切り落とす
足が張り付いているせいで動く事が出来ないなら、
いっそ地を這った方がマシだ
もっとも、聖剣と同等の強度の体の足を聖剣で切り落とす事が出来るか、それが問題なのだが
188
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/07(月) 23:33:06
>>187
(『勇者』)
指先の痺れは少しずつおさまってきた。
単に打撃が神経に響いていた、というだけらしい。
あの剣で打たれる『だけ』でどうこうはならないのか?
スッ…
今の『イクスパルスド』に妙なエネルギーは無い。
常に纏えるわけでは無い、ということか。
「……威勢の良さはどうした?」
…スポッ
「頑丈なのと、剣を転移させるの……
どういう能力なのかは分からないが、
読めないような能力じゃないなら俺は倒せない」
靴は簡単に脱ぐことができた。
脚を切り落とすのは能力上かなり難しいだろうし、
激痛と出血は根性でどうにかなるものではない。
完全な拘束では無かったのは幸いと言える。
バヂヂヂヂヂヂ
…………『ヒーロー』の剣が音を立てる。
「今ならまだ尻尾を巻いて逃げる手もある。
こっちもクズ以外にしつこく構う気もないしね」
『勇者』を討ち取るのは敵の本懐ではないのだろう。
が、続けるなら容赦もしない……そういう口ぶりだ。
まだ『瞬間移動』は放たれていない。『どう動く』気なのか?
189
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/07(月) 23:34:03
>>188
(『勇者』・追記)
距離は数歩分を詰めるが、敵も下がり『2m』ほど。
踏み込みながら切り付ければ十分届くくらいだ。
190
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/08(火) 18:58:18
>>188-189
質問です
ヒーローのすぐ近くにあるであろう
マップ左下の室外機とヒーローの距離はどれくらいでしょうか?
仮に、室外機の位置に勇者がいたとしたらヒーローに斬撃は届くでしょうか?
191
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/09(水) 02:24:09
>>190
(『勇者』)
室外機とヒーローはほぼ同じ位置。
室外機は空間を埋めるほどのサイズでは無いため、
MAPで表現するなら『同じマス』と言える状況。
よって、室外機の位置に勇者がいるなら剣は届く。
192
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/09(水) 06:46:01
>>191
続けて質問させてください
周囲には聖剣を投げて突き刺す事の出来る物はあるでしょうか?
勇者のパワーで室外機を持ち上げたり、スイングしてぶん回したりする事は可能でしょうか?
自分の認識では破Bあれば出来ると思っているのですが、GMの認識ではどうでしょうか?
193
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/09(水) 07:02:00
>>192
(『勇者』・回答)
>続けて質問させてください
>周囲には聖剣を投げて突き刺す事の出来る物はあるでしょうか?
未知数な部分も多いが、単に可能性で言うなら、
右方向前方の『ゴミの山』が最も分かりやすい。
ほか、各裏口のドアは『木』に見えなくもないが、
実際純粋な木製なのかどうかは不明。
>勇者のパワーで室外機を持ち上げたり、スイングしてぶん回したりする事は可能でしょうか?
>自分の認識では破Bあれば出来ると思っているのですが、GMの認識ではどうでしょうか?
破壊力Bにより『室外機そのものを持ち上げる』のは可能だが、
実際持ち上がるかどうかはどのような固定がされているかどうか次第。
ぱっと見では分からないが最低限ネジ止めはされている可能性が高く、
その場合、一手で持ち上げるのは流石に難しいかもしれない。
194
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/10(木) 18:13:40
>>193
回答ありがとうございました
>>188
今尻尾巻いて逃げれば見逃してくれるらしい
とてもありがたい申し出だ
戦況を見極めて、勝ち目が無いなら撤退するのもまた勇気だ
「ありがとう」
「でも断るね」
別に自分で強いと思ってるやつに「NO」と断ってやる事が好きとかそんな事はないが
答えはNOだ
というかこういうのは、明確に相手を打ち負かしてこそ効果があるんじゃないだろうか?
相手にまだまだ余力がある状態で言っても効果は薄いだろう
とは言ったものの、勇者の手の内はほとんど晒してしまったうえに
相手の能力もまだ未知数、情報アドバンテージでは勇者の方が不利
ヒーローのすぐ傍の室外機に聖剣を投げつけ突き刺す
そして、喧しく音を立てる剣を構えるヒーローに対して
素手で受けて立ってやるぜと言うように構えを取る勇者
195
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/12(土) 00:23:24
>>194
(『勇者』)
ヒュンッ
ゴズッ
剣が『室外機』に突き刺さる…………とても浅く。
室外機は金属。いくら破壊力が高く剣が強固といえ、
刺さった事自体運が良かったと考えた方が良さそうだ。
「解せないな……断るならなんで剣を捨てた?」
ジリ…
不可解に思えるその行動!
それがかえって『ヒーロー』の歩みを遅らせる。
室外機と『勇者』を交互に見ながら、一歩。
「悪いけどそっちが素手だからって、
こっちまで丸腰になるなんてつもりはない……
ガードも逃げもしないなら、ただ切り捨てるだけだ」
その言葉は『通告』のような響きだ。
剣からは音が消え、単に刃としてそれを構えている。
そして…………次の瞬間には、また間合いに入るだろう。
そうなると『素手』で立ち向かえば大ダメージは必至。
果たして勇者の戦術とは…………?
196
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/12(土) 18:15:12
>>195
勇者はヒーローよりも力で勝るが、
スピードで上回るヒーローが相手では正面からの斬り合いでは不利だ
となると、どうにかして隙を作り死角からの攻撃しかない
瞬時に聖剣を手元に戻す技は既に見せているので、
当然ヒーローはそれを警戒するだろう
同じ手は何度も通用しないものと思った方が良い
だが、勇者にはまだヒーローに見せていない技が一つ残っている
次の瞬間にはヒーローは斬りかかって来るはずだ
ギリギリまで素手でやり合えると見せかけて、撃たせなくてはならない
相手が打ち込んで来るまで、ただ構えを取り続けるのみ
こちらが動くのは攻撃が届く瞬間だ
197
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/13(日) 19:02:17
>>196
(『勇者』)
「また、だんまりか……まあいいさ」
剣を戻すという手はすでに見られている。
不意に戻して防ぐという手も想定されているだろう。
それをあえて対策する様子が見えないのは、
剣速で勝る以上、後手のカウンターなど、
分かっていればなんとでもできる……という自信か。
「……病院のベッドで、
自分の愚かさを噛み締めるんだな!」
タンッ!
「立ち塞がる障害を穿つッ……『イクスパルスド』ッ!!」
ドヒュォオオッ!!!
――――大きく踏み込み、喉から胸のあたりを狙う一突き!(スB)
工夫も何もない斬撃だ。
瞬間移動などの搦め手を使ってこないのは、
あるいは『無手の構え』が誘導した結果かもしれない。
振るうのではなく突くことで『聖剣』から離れる動きもあり、
不慮の『不意打ち』にも備えることは一応できている。
だが、『これで十分』なのも事実だ。『これ』をどう凌ぐ――――!?
198
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/14(月) 18:09:37
>>197
勇者の体が異様に頑丈なのは、
さっきの攻撃が効かなかった事からヒーローもご存知だろう
聖剣を手放している状態では普通の体なのだが、ヒーローはそんな事は知らないはず
それでもヒーローはこの突きで仕留めにかかってきている
相手の強度など無視できる攻撃という事だろうか?
何にしろ、この一撃は避けなくてはいけない
ヒーローがもっと慎重で疑り深い奴だったらこの策は使えなかっただろう
『イクスパルスド』の突きが来た瞬間、勇者を聖剣の元へ転移する
その位置は、ヒーローの背後に回る形になるだろうか
このまま剣の突き刺さった室外機を振り回してぶん殴る…と行きたい所だが
刺さりも浅く、しっかり固定されていそうな室外機を振り回すのは難しいか
室外機に刺さった聖剣を素早く抜き、
ヒーローの背後から脚を薙いで切り落とすッ!!!
199
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/15(火) 00:54:22
>>198
(『勇者』)
『一撃で終わらせる』気なのかどうかは分からない。
が、これが有効打になるだろう――――という確信は感じられた。
あるいはそれは『痛みはある』ことは気取られているのかもしれないし、
硬い相手を撃つ最良の手段がこれ、速度を乗せた突きだったのかもしれない。
いずれにせよ。
「……!?」
ダッ タタタッ
突きの勢いのまま二歩ほど前に飛び出すヒーロー。
「どこにッ――――いやまさかッ!」
クルッ
その身をひるがえすのと、勇者の剣が閃いたのは――――ほぼ同時。
ザシュッ ――――!
「ぐ、アァッ!」
室外機ごと振り回すにはさすがに突き刺しが甘すぎたが、
逆に言えば引き抜くのには苦労しない程度の浅さということだ。
「くっ」
ただ――――誤算があったとすればヒーローが思ったよりも勢いよく前に出ていたこと。
振るった剣は脛のあたりを浅く斬るにとどまり、『切断』とまではいかなかった。
ダダッ ・・・ ドッ
「剣の側にも転移できる……のかッ」
そのまま姿勢を崩し転倒するヒーロー。もはや勝負あった――――か?
だが『イクスパルスド』は消えていない。
200
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/16(水) 18:31:56
>>199
勇者にヒーローを殺す気は無く(そのつもりなら心臓や首を狙っていた)
出来れば軽傷で済ませたかった
そういう意味では軽く脚を斬った程度で済んだのは良かったが、戦闘不能に追い込めなかったのは痛い所だ
戦場において最も隙が出来やすいのは勝利を確信した時、勝利の直後
そして勝利を目前とした時だろう
勝利をちらつかされると、目の前の勝利を早く得ようと気が急いでしまう
ヒーローの手には『イクスパルスド』が未だに握られている
脚を軽く斬っただけで、ヒーローはまだ戦える
その闘志はまだまだ消えてはいない
本当に勝利を掴むには、完全に戦闘不能にするか相手の戦意を喪失させなければならない
透かさず転がっているヒーローの足を踏み…砕く
しばらく歩けなくなるが、切断されるよりはマシだろう
当然、『イクスパルスド』による反撃は来るはずだ
そうはさせないように聖剣を『イクスパルスド』を持つ腕に添え
少しでも動くようなら…斬る
「ねぇ、さっき降参を勧めてくれたよね?
今度はこっちが言うよ」
「降参する気無い?」
201
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/17(木) 14:07:15
>>200
(『勇者』)
「舐めるなよ……!」
バヂヂヂヂ
『イクスパルスド』が再び『音』を帯びる……が。
ドグシャ!
「…………ぐっ!!」
倒れた状態からでは、動き出しまでに『拍』がある。
速度で負けてようがこの距離・その隙があれば、
足を踏み潰すのは難しくなかった。
加えて言えば……その『踏み潰す』動きが良かった。
『瞬間移動』を使って逃げ出す、といった様子がない。
「……ッ、降参させて……どうするつもりだよ!」
『打つ手なし』と見て良いかは『勇者』次第だ。
少なくとも『イクスパルスド』はまだ解除してはいないようだが、
効かなくても遮二無二振り回してくる、といった様子も見られない。
202
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/17(木) 23:21:26
>>201
ヒーローはまだ剣をその手に握り続けている
剣士が剣を手放さない限り、闘志は消えていないはずだ
多分、足が動けなくなっても戦う術はまだあるだろう
このままにしておくのは危険か?
だが、相手が抵抗してこない限り勇者は、これ以上の追撃はしない
「もう、通り魔やめてくれない?」
「そうしたら私ももう、貴方に手を出さない」
「貴方の復讐しようとしてる人がいるけど、その人にも手は出させないよ」
「何かさ…
もうやめてほしいんだよね、こういうの」
203
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/18(金) 21:52:18
>>202
(『勇者』)
戦うすべと、戦う動機は別だ。
すべがあっても動機がなければ戦わないし、
動機があるなら、命の最後のしずくまで武器になる。
「……それで。
僕がこういうことをやめたとして、
助かるのはくだらない悪人だけだ」
「罪のない市民をないがしろにして、
それどころか……どころか。
『仲間』相手ですら……平気で裏切るクズども」
ジ・・・
ヘルム越しでも、その視線はまっすぐではないのがわかる。
「『こういうの』をされて当然の連中だッ」
下を向いている。
『イクスパルスド』を持つ手も、垂れている。
204
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/19(土) 22:13:23
>>203
彼の被害者達は、
きっとどいつも救いようの無い連中なのだろう
『こういうの』をされて当然、当然の報いを受けたと言えるのかもしれない
一口に『ヒーロー』と言っても、『ヒーロー』も千差万別、色々種類がある
地味に人助けをするのもいれば、一片の曇りも無い正義の味方もいるだろうし
リベンジャー
悪を斬るために自ら悪となる『復讐者』…『ダークヒーロー』もいる
今の彼がそれだろう
それだって確かに『ヒーロー』だ
だが、それは彼が成りたかった『ヒーロー』なのか…?
「口約束だから、守らなくてもいいよ、貴方したいようにすればいい」
「そしたらまた私が止めに行くけどね」
彼のしたい事がそれなら、ユウリは否定はしない
その度に彼を止めると言う
「…余計な事話していいかな?」
「私の友達にね、『ゴレンシャー』っていうヒーローのファンがいるの」
「その子のいとこのお兄さんがヒーロー役なんだって」
「その子とは別の友達で、お父さんが『ゴレンシャー』を作ってるスタッフの子がいるの」
買い物袋から、先程買った『ゴレンシャー』のグッズを取り出す
205
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/20(日) 23:07:32
>>204
(『勇者』)
「……『ヒーロー』の資格は『強さ』
そして『悪』を切り裂ける『動機』。
僕はそれをまとめて『正義』と呼ぶ。
だが……『切り裂く正義』だけじゃない、か」
「……」
『イクスパルスド』がその手から消えた。
「いいや……それ以上余計な話はいらないよ。
……金輪際辞めるとは言い切らない。
僕はこれをイヤイヤやってたわけじゃないし、
憂さ晴らし以上に、必要だと思ってもいるから」
「本当に、心から、ね」
『ゴレンシャー』の話が、ヘルムの向こうの顔を
どのようなものに変えたのかは『分からない』。
ヒーローの仮面とは、戦うために素顔を隠す物だ。
「ただ……『悪』の連鎖を断つ事に意味があるのか、
少し考えたくはなった。…………それだけの話だ」
「…………一つだけ質問を返すけど、構わないか?」
206
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/22(火) 18:31:38
>>205
戦う意思を放棄した者に向ける刃は無い
武装の解除を確認すると同時に、勇者もまた聖剣を降ろした
「……」
本当はもっと言いたい事が
いや、言わなきゃいけない事がある
だが、相手に止められてしまった以上、これ以上言う事は出来ない
>…………一つだけ質問を返すけど、構わないか?
「何?」
207
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/23(水) 01:45:36
>>206
(桃園)
『みなまで言うな』が『広神』の本音だろう。
もちろん言ってやる事は出来たはずだ。
『負けた相手には何をしても良い』……
徹底的に悪を挫く。それも『正義』と言える。
だが、『桃園』はそれを良しとはしなかった。
「答えたくなければ別に良い……
答えが決まってるとも限らないし。
だが、シンプルな質問だと思っている」
ジ…
ヘルム越しの視線が問うのは、つまり。
「……お前はなんで、そんなことをやってる?」
「どこに行こうとして、
それをやってるんだ?」
『勇者』とは何か――その、始まりとなる答えだ。
208
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/24(木) 21:01:39
>>207
「私は、自分の心の声に従ってるだけだよ」
ユウリの行動原理はそれだ
自分がやりたいと思った事をやる
それはある意味では目の前の質問者と同じと言えるかもしれない
ただ、そこには正義や悪といったものは関係無い
今回の件で言えば、最初は『リィン・カーネイト』が話を持ち掛けた事が切っ掛けだった
『通り魔の討伐』
妖精の掌の上で踊るのは良いが、何から何まで言いなりになるつもりは無い
最終的にどうするか、決めるのは自分だ
だから通り魔とはどんな奴なのか、それを1日かけて調べて来た
そして、通り魔の正体がゴレンシャーの広神シュンジである事を知った
「さっきも言った友達だけど、
貴方の事知ったらきっと悲しむと思うんだよね」
「だから止めさせに来たんだよ」
広谷君や凪沢ちゃん達…
勿論、彼らが事実を知らないままでいるかもしれない
それでも、彼らの事を思うと広神には通り魔をやめさせたかった
それに、通り魔を続けていたらいずれは破滅するかもしれない
そう思うと、無性に通り魔を止めたくなった
だからその心の声に従った、それだけだ
ユウリはきっと、これからもそんな生き方を続けるだろう
これが「何で、そんなことをやってる?」の答えだ
「どこに行くのか…
行ってみないと分かんないよ」
「でも、信じて歩き続ければ
それが『勇者』への道になるって、そう思ってるよ」
それは未だに答えの見えない問だ、そう簡単に答えを出せるものじゃない
だが、これだけははっきり分かる
「自分を信じなきゃ、『勇者』にはなれないと思うから」
ただ穏やかな顔でそう答えたユウリ
「ねぇ、一つお願いがあるんだけど」
ヒーローにお願いを言い出すユウリ
さっきのは勝者が敗者を見逃す条件、今度はお願いだ
ヒーローがそれを聞く必要は無いが
209
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/25(金) 23:48:44
>>208
『広神』は『勇者』の話に茶々を入れることも、
わざとらしく相槌を打つこともなくただ聞いた。
「……『勇者』か」
フッ
「子供の冗談じゃないな。
お前の立派な…………『将来の夢』みたいだ」
ヘルム越しの乾いた笑いに決して揶揄の色はない。
「その『優しさ』 その『エゴ』
それを貫き通すだけの……『力』
この町にいま必要な『正義』は……お前の方かもな」
自分はいらない、とは彼は言わない。
卑下ではなく……『勇者』に『負けを認めた』からだ。
強さだけではない。『正義』の価値、そういう話だ。
「……『願い』だって?
『力を捨てろ』って話以外なら聞いてもいいけどな」
『なんでも』は聞いてくれなさそうだが、
『流れ』に即したような願いなら聞いてくれるかもしれない。
210
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/26(土) 20:37:20
>>209
「もう一度さ、
『ヒーロー』に……
『ゴレンシャー』になってよ」
それは、
一度彼が彼がクズと呼ぶ連中に潰されたものだ
もう一度なるのは、簡単な事じゃないだろう
最初に合格した時よりも難しいかもしれない
「私の友達の…
広谷君が、最近貴方があんまり動画に出てないって」
「だから…貴方のファンのために」
「私も、今日見たばっかりだけど
貴方のアクション見て、ファンになったからね」
そう言うと、ユウリは身を屈め広神に手を差し伸べた
211
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/27(日) 17:20:44
>>210
(桃園)
「…………………」
「世の中はさ……簡単な事実が積み重なって、
どうしようもないほど難しい事が起きてるんだ。
ガキ一人が何かをしようとするのは簡単だけど、
それで大人が、グループが、企業が、計画が、
もっと大きいものが動くとは限らない」
諦念にも似た、その言葉。
「だけど……まあ、負けたよしみだ。
『僕が』のところは、もう一回やってみてもいい」
ガシッ
だが、差し伸べた手は握り返された。
「少なくとも……『僕一人』じゃあないようだからね」
ピーポー
ピーポー
遠くから救急車のサイレンの音が聞こえる。
『勇者』の初めての戦いは、どうやらじきに幕を閉じるようだ。
212
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/28(月) 18:37:35
>>211
「ありがとう」
彼がどんなに頑張ろうと、その努力は報われないかもしれないが、
それでもユウリは広神の再起を願う
どんな道を歩むにしても、きっとそれは茨の道だろう
とりあえず、今は物理的に歩く事が出来ないだろう
「よっこいしょういち!」
降ろしていた聖剣を拾い上げ、ヒーローを抱き抱える勇者
彼を抱えて表の道へと歩いて行く
救急車が来たなら丁度良い、この足の砕けた患者を乗せて行ってもらうついでに
自分も病院に連れて行ってもらおう
セッカと話しをつけなくてはいけない
213
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/29(火) 19:02:07
>>212
(桃園)
『広神』を抱える『桃園』。
聖剣を持ってさえいれば、容易いことだ。
手にはまだ僅かに痺れるような痛みはあるが、
せいぜい打ち身とかそれくらいの診断だろう。
「! ……あいつだ、あいつ! あいつも怪我人だよ!」
通りでは『救急車』がすでに到着しており、
その付近にいる『抜真龍』がこちらを指している。
成人男性を抱えた少女に隊員は目を丸くしているが、
乗せてくれと言って断られそうな雰囲気でもないし、
ひとまず、これでこの場は穏便に撤収出来そうだ。
これで終わっても、『リィン・カーネイト』は満足するかもしれない。
……が、『ユウリ・桃園・シャルロット』にはやることが残っている。
214
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/08/30(水) 18:15:42
>>213
抱き抱える男性の足は刃物で切られており、その手には刃物が握られている
それを見られたら救急隊員に「おめーか犯人はボケェ!」とツッコまれそうなもんだが
案外ツッコまれないもんなのか?模造刀とでも思われているのだろうか
「あっ、抜真龍さーん
さっきの人、大丈夫でした?」
ついさっきの事なのに大丈夫も何もないだろう
「すいませーん、この人もお願いします」
救急隊員にヒーローを引き渡して
「あの、私も付き添いでついて行って良いですか?」
こういう時、家族でも何でもないのが同乗するのはどうなんだろうか?
付いて行って何の役に立つというのだろうか
まぁ、この場合乗せて行ってもらった方が都合が良いのだが
215
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/08/31(木) 17:21:49
>>214
(桃園)
「大丈夫じゃねえけど、死にはしねーよ。
そーゆー喧嘩は『おれら』はよくやってる。
使う武器はともかく……だけどよ」
そういうことらしい。
治安はいい部類の町だが、どこか血の気も多い町だ。
清月学園内はともかく、そういうのもあるのだろう。
「え? あー、ええと……」
救急隊員は基本的に他人に乗れとは言わないが、
発見者には事情を聞き取る必要は存在する。
抜真龍へのそれは既に済んでいそうだった。
「じゃあまぁ……
車の中で何があったか教えてくれるかな?」
子供相手の口調で、肯定された。
子供の持っている剣の玩具に一々ツッコミもないか、
あるいはその辺も聞かれるのかもしれないが……
ともかく抜真龍とはここでお別れになりそうだ。
このあと会うタイミングがあるかは謎だ。
「なんつーか……ありがとよ」
彼もそれを悟ってか、真面目な顔でそう言った。
お返しに何か言っておくことはあるだろうか?
216
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/01(金) 19:43:29
>>215
>じゃあまぁ……
>車の中で何があったか教えてくれるかな?
「はーい」
やはりレプリカか何かと思われているのかどうかは分からないが、
とにかく乗せてくれるというのなら好都合だ
そのまま警察に直行して引き渡されたら不味いが
>なんつーか……ありがとよ
抜真龍には情報の提供をしてもらったり世話になった側だし
むしろ通り魔を釣るための餌にしようとしたりして、危険に晒そうとしたのだ
礼を言う事はあっても言われるような事はしていない
「こっちこそ、ありがとう
それと、付き合わせちゃってごめんね」
「あ、キラ君にもありがとうって伝えておいてね」
今後会う事があるかどうかは分からないが、一先ずはここでお別れだ
別れの挨拶としてはあっさりとしているが、まぁこんなもんだろう
聖剣は…流石に出しっぱなしというのもアレだ
救急隊員が見ていないタイミングでそっと消しておこう
217
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/02(土) 16:54:20
>>216
(桃園)
「あん? 気にする事じゃねーよ。
半分こっちが突き合わせたようなもんだろーよ。
……ま、ともかく、弟には伝えとくよ」
「あばよ。……あんま無茶すんなよ?」
『抜真龍』を置いて救急車は走り出した。
剣が消えたことに特に救急隊員は突っ込まない。
応急手当てなどもっと気にする事があるからだろう。
無論、場合によっては危うい行動ではあるが…………
・・・
・・・
・・・
しばらく走ると『アポロン』が見えてきた。
車内では何かと事情を聞かれはしたが、
よほどおかしな返答でもしていないのなら、
このまま無事に病院で降りる事ができるはずだ。
キラキラキラキラ
《見事な闘いぶりだったよォ勇者モモゾノ》
いつのまにか車内に『リィン・カーネイト』がいた。
《初めての『実践経験』はどうだったかな?》
もちろん救急隊員たちはそれに気づく様子はない。
218
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/03(日) 18:45:19
>>217
あんま無茶すんなよ、とは
勇者のその危うい生き様そのものに対して言っているのだろうか
> キラキラキラキラ
その勇者に無茶な任務を与えた妖精が現れた
《うわっ、ビックリした
もう、いきなり出て来ないでよ〜》
《リィン、こんな人前で出て来て良いの?》
見えないとはいえ、こうも人前で堂々と現れるものなのか
隊員達との会話もあるので、混同して間違えて返答してしまうかもしれない
病院が見えて来たという事は、粗方隊員との会話も終わってるのかもしれないが
>見事な闘いぶりだったよォ勇者モモゾノ
《そうかな?》
振り返ってみると、随分と粗の多い戦い方だった気がする
もしかしたら今頃は片腕が無かったかもしれない
攻撃もどうしてもワンパターンになりがちだ
そして、勝利した後でも未だにヒーローの能力が分からない
今度戦ったら勝てるかどうか…
>初めての『実践経験』はどうだったかな?
《ちょっと、今のままじゃ力が足りないって気がする》
《もっと…もっと今より強い力が必要だなって》
《でも…うん、あの人と戦えて良かったよ》
勇者にとってはヒーローとの戦いは大きな経験だ
体感的にはスライムやゴブリンをすっ飛ばしていきなりボス戦をやらされたような感じだが
219
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/03(日) 21:16:48
>>218
(桃園)
《初戦闘の記念なんだからケチケチしないよォ。
キミは聡明だから、騒いだりしないだろうし》
『リィン・カーネイト』は事もなげにそう言う。
救急隊員は事実、特にこちらに何かを言ってはこない。
《キミの理想通りの戦いだったかは知らないけど、
戦闘になったら痛さと怖さでパニックになって、
もう剣をブンブン振り回すだけになるとか。
そういうのじゃなかっただけ立派だよ。
やっぱりキミは、『勇者』の資格がある!》
キラキラキラキラ
《それに…………『勝った方の勝ち』
結局のところはそれが戦いだからね。
勝ったおかげでキミは経験を積んで、
咄嗟に出せる手札の数がきっと増えたはずだよ》
その『目論見』は未だ謎だが、
少なくとも桃園の成長を喜んでいるのは事実の筈だ。
《よしよし、また『相手』は探しておいてあげる!
もうちょっと遠慮なく倒せるヤツの方がいいかなァ》
車はゆっくりとアポロンの駐車場に入っていく。
なんとなくだが、車が止まったらこの妖精は去りそうな気がする。
220
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/04(月) 18:40:10
>>219
神出鬼没の妖精『リィン・カーネイト』
一体どこから情報を仕入れているのか、
最初に聞いた気もするが、今それを聞いてもきっとはぐらかされるだろう
何故戦わせるのか、何故ユウリの成長を促すのか?
その目的も分からない
けど、ユウリはリィンに聞いてみたい事があった
《ねぇ、リィン的にはさ、どんな決着が良かった?》
今回ユウリは、
敵の戦意を喪失させただけでトドメを刺さずに終わった
リィンとしては、どういう決着がお望みだったのだろうか
221
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/04(月) 18:57:39
>>220
(桃園)
《決着はキミが望む形が、一番良いよォ。
ワタシが気にするのは『過程』なのさモモゾノ!
最後の一撃の種類よりも、途中の攻防……
それがキミにとってより良い経験に繋がるからね》
《とはいえ》
《次は『たおす』だけじゃなくって、
『仕留める』ところまでやるのも良いかもね!》
キラキラキラキラ
笑みとも取れる表情をヴィジョンに浮かべる。
それは人間の表情ではないが、
怪物的な『悪意』ともまた違うように思える。
何か、もっと、目的を秘めているような……
《おっとっと、そろそろ着きそうだ。
これだけ大きい病院だと、
ワタシが見えるヒトがいても面倒だからね!
ひとまず退散させてもらうよ……の前に、改めて》
《おめでとう、モモゾノ!
キミはまた一つ勇者の道を進んだ!》
キラキラキラキラ キラキラキラキラ
《それを繰り返して、そして……やがて星に至っておくれ!》
キラン
桃園の周りを飛び、光の鱗粉が覆うように散る。
そうしてくるりと一回転すると『妖精』は消えていた。
ガチャン
ちょうど救急車のドアも開いた。降りるなら降りられそうだ。
222
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/05(火) 21:39:34
>>221
物騒な事を笑いながら(?)発言する妖精だが、
人間の道徳で妖精の倫理をどうこう言うのはナンセンスかもしれない
病院には妖精が見える人がいるかもしれないという理由で姿を晦ますリィン
逆に、今この場にはユウリしか妖精が見える人間がいない事を分かっていた事になる
妖精が見える=スタンド使いと仮定したとしても、この車両にはヒーローというスタンド使いが居るのだが、
彼には聞かれないように話していたのだろうか?
《星に…?》
その言葉が何を意味するのかは分からない
恐らく、聞いたとしてもはぐらかされる可能性が高いだろう
正体も、目的も分からない、そんな得体の知れないものを信じていいのか?
それでも、ユウリが勇者になるためにはこの妖精と上手く付き合っていくしかないのだろう
ドアの開いた救急車からアスファルトの地面へ降りる
外は今、どんな感じだろう?もうすっかり日は落ちてしまったのだろうか?
223
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/06(水) 12:32:19
>>222
見れば『広神』は今気を失っているようだが、
それは『桃園』も今この時気づいた点だ。
『リィン・カーネイト』はどこから見ていて、
どこまで、なんのために勇者を見ているのか。
今は分からない…………が、
少なくとも、勇者が道なき道を行くためには、
この『妖精』の助けは必要なのが今の実情だ。
・・・
・・・
空はすっかり陽が落ちていた。
が、クリニックセンターからは明かりが漏れており、
周囲には街灯も多いため、暗い印象はあまり無い。
「ご協力ありがとうございました。
もう遅い時間だから、帰りは気を付けて」
救急隊員の一人が声を掛けてきた。
帰るのであれば、すぐ近くには『バス停』がある。
224
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/06(水) 19:00:22
>>223
外に出ると、
太陽は完全に沈みきり夜になっていた
空を見上げてみる
周囲には明るい電気に照らされているが、
空を見上げて見れば星は見えるだろう
《やがて星に至っておくれ》
今一度、妖精の言葉を思い出す
「…あっ、ちょっと病院に用があるので」
わざわざ救急車をタクシー代わりにして来たのに、
ここで帰ったら何しに来たのか
とにかく病院に入るが、セッカと面会する事は出来るのだろうか?
225
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/06(水) 19:09:56
>>224
(桃園)
星もまばらに出てはいたが、満天というほどでもない。
頭に残響する謎めいた祝詞の意味も、そこにはない。
「あ、そうなんですね。
お見舞いならあそこの入り口が受付に近いですよ」
救急隊員の言葉を信じるなら、
とりあえず面会時間はまだ残っていそうだ。
受付に声をかけ、面会の可否を問えば……
「ええと……あぁ、大丈夫ですよ。
『月篠』さんの妹さんですよね?」
『セッカ』側からOKを出していたのだろうか。
抜真龍が報告をする運びだったはずだが、
まあ、その辺りは別のパターンも想定内という事だろう。
226
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/07(木) 18:52:36
>>225
「はい、月篠の妹です」
息を吐くように嘘をついているが、
馬鹿正直に赤の他人ですと言っても話がややこしくなるだけなので、
ここは大目に見てほしいところだ
嘘も方便というやつだ
報告をするだけなら抜真龍が電話で伝えれば済む話だが、
それ以外にも話したい事はある
簡単に面会の許可が下りた理由は分からないが、会えるなら別に何でも構わない
セッカの居る病室へ向かう
場所はついさっき訪れたばかりなので分かるはずだ
さて、病室の中はどうなっているだろう?
227
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/07(木) 19:46:42
>>226
(桃園)
院内は遅い時間のためか基本的に静かだ。
時折話し声は聞こえてくることはあるが、
院内の職員たちの業務上の会話程度で、
勇者の道……でなくとも、興味を引く物ではない。
『セッカ』の病室も同じく特に物音などはない。
「よーよー、戻ってきたか。
世間話に来たってわけじゃないよな?
ボコられて泣いて帰ってきたって風にも見えない」
桃園が来たことに驚きはなさそうだ。
このあたりは病院のシステム的に、
面会に来た人間について伝達があるのだろう。
「つまり吉報を期待して良いよな? 勇者サマぁ」
まずは何からどう話していくべきか…………
228
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/08(金) 20:33:33
>>227
こうして報告に参った勇者だが、
こいつらの会話を聞かされる同室のおじさんはいい迷惑であろう
いや、そのおじさんが今いるかどうかは分からないが
「うん、やっつけて来たよ」
そう、簡素な報告をする
「それで、さっき言った事覚えてる?」
「私が倒したら私の獲物だって」
ただ報告をするだけならここまで来なくても、抜真龍にでも任せれば良い
だが、この男が口約束を守るかどうか、いや、覚えているかすら怪しいものだ
広神が同じ病院に担ぎ込まれたと知れば、
仲間達を連れて広神の病室に乗り込んで血祭りにあげる様は事は容易に想像出来る
・・・
「足を切って、砕いたからけじめは付けたと思うけど」
229
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/09(土) 00:46:03
>>228
(桃園)
おじさんは今はいないようだった。
入院患者とはいえ然程重症には見えなかったので、
ある程度は自由に出歩ける身分なのだろう。
「さッすがァ。
怪物退治は勇者に任せるに限るね」
セッカが戦果を疑う様子は無い。
嘘をついてもすぐ分かる、という自信だろうか?
「いいぜ、約束にはウソをつかないタイプでね。
倒したらお前の獲物……『考えて』はおいた。
たださぁ、『足』だけでってのは軽くないかァ?」
「オレだけでもこの有様。
他にも何人もヤられてんだ。
もうちょっとお灸据えたって、
バチは当たらない気はするけどなァ?」
やはりというか、納得はすぐには得られなさそうだ。
……が、完全に納得してないという風でもない。
切って砕いた、その響きに感じる所はあったか。
これ以上なにか追加で付け足すか、
それとも『伝えるだけ伝えた』として帰るかは自由だ。
230
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/09(土) 20:33:30
>>229
案の定というか、
やっぱり「おう、考えてやるよ(考えるだけ)」なやつだった
やられた側からしたら、自分の手で報復しなきゃ溜飲が下がらないだろうというのも分かる
セッカ達がボコられたのは自業自得な気もするが…
しかし勇者も、
降参すればセッカ達に手を出させないと約束した以上、セッカ達には手を引いてもらわなければならない
「うーん…
じゃあどうすれば満足してくれます?」
231
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/09(土) 21:30:18
>>230
(桃園)
「どうすればって、何もしなくていいよォ。
ガキに体差し出せなんつー趣味もねえし、
金で収まる問題とも考えちゃいない。
オレ個人が勝手にキレてるわけじゃないんだぜ?」
セッカの言い分がどこまで真実かは不明だが、
少なくともそれらはこの場で交渉材料にならない。
が、『話をする気もない』ってわけでもなさそうだ。
「別にヤツを殺そうとまではしてないんだぜ?
そこまで行くと身内の喧嘩じゃ済まねー。
せいぜい二度とケンカ出来なくするってだけ。
『良い子ちゃん』の勇者様からしても、
夢見が悪いってほどでもないんじゃないかァ?」
ニヤついた顔だが、勇者をナメているというよりは、
やはりどこか『子供相手』の話のつもりなのだろう。
ここで何を言ったとしても、
一発でアウトというものではなさそうだ。
話を引き延ばしながら鍵を引き出すという手もあるか……
232
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/10(日) 20:07:04
>>231
良い子ちゃんというのは当然、皮肉で言っているのだろうが
もし本気で言っているならお笑いだ
本当に良い子は家で大人しくしてるし、こんな連中には関わらないだろう
「でも、
セッカさんが『辞める』って言えば、みんな辞めてくれるよね?」
恐らくではあるが、
不良共に武器を都合して広神を襲わせようとしているセッカが推定ボスと思われる
ボスでないとしても、高い地位にはあるだろう
そのセッカが手を引くと言えば、下っ端共も手を引かざるを得ないのではないだろうか?
無論、それでも勝手に暴れる奴はいるかもしれないが
それにしても、広神が足を切られ砕かれしばらく動けないのに対し
こちらは全身打撲程度だろう?
重症度でいえば、広神の方が上ではないか?
釣り合いは十分取れているどころかお釣りが来るくらいではないだろうか?
だるまにでもしないと気が済まないのか?
233
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/10(日) 23:21:55
>>232
(桃園)
「……まぁ、そりゃそうだろうね。
勝手に襲うバカが出ねえとは言わないけど、
この件は基本、オレ主導で進めてるもんだ。
納得できる理由をオレから言ってやれば、
今動こうとしてる連中は止まるんじゃない?」
桃園の考えは正しそうだ。
セッカさえ押さえてしまえば、
姿形も知らない下っ端連中を一人一人探して、
地道に説き伏せるような過程は無くて済む。
「まァ、こっちにもメンツってもんはあるからね。
あとは、『溜飲』ってヤツ?
知らねえヤツに頼んでボコらせました……
で終わりじゃあオレはともかく周りは納得しないよ」
自分が勇者に討伐を依頼したにも関わらず……だが、
そもそも『勇者に戦闘不能にさせて』『自分達が〆る』
という流れで話を進めるつもりだったのかもしれない。
怪我の具合についても桃園の見立ては概ね正しい。
が、『怪我をした部位』の広さはセッカらの方が上か。
このあたり、『広神の方が重い怪我』という要素は、
材料の一つには使えても決定打にはならない雰囲気だ。
234
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/11(月) 21:19:20
>>233
どこの誰かも分からん傭兵が怨敵を倒してもスッキリしないのはそうだろう
「う〜ん、だったらぁ…」
倒したのが誰か、というのは重要だ
倒したのが誰かによっては納得も溜飲も得られるし下がりもするだろう
その適任者が居るとしたら
「セッカさんが倒したって事にしてよ」
広神を倒したという武勲をセッカに譲る
これならば、メンツも保たれ溜飲も下がるのではないだろうか?
235
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/12(火) 05:08:40
>>234
(桃園)
「……ふーん、いいね。それ。
ま、オレ一人でってのはいかにも無茶があるが、
手柄にしちまうってのはありそうで無かったな」
桃園の提案はセッカの関心を引いたようだ。
シンプルなアイディアでこそあるが、
現在進行形で入院しているセッカのこと。
彼自身からは出そうで出ない案だったらしい。
「オレ一人で殴り倒したってよりは、
……『オレの駒が倒した』
それでも十分、他の連中に話はできるね。
まッ、実際駒になる気はないだろうけど……
そういう運びにして良いんなら、止めてもいいよォ」
問題が無い、というわけでもないだろう。
見るからに碌でも無い人間であるセッカ。
彼の指令で動いた、という事になると、
その事実自体が経歴の傷には成り得る。
当然大っぴらに喧伝するような話でもない筈なので、
普段の生活には悪影響などは無いだろうが……どうする?
236
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/12(火) 18:52:54
>>235
現在入院中のセッカ一人じゃ無理というのは確かにそうだ
セッカの駒が倒したというなら、まだ説得力があるだろう
勿論、勇者はセッカの駒になる気などさらさらない
「良いよ、それで」
「でも」
「私の名前は出さないでほしいな」
匿名希望 シークレット
当たり前だが、容姿だとかその他諸々も秘密だ
普段の生活に影響は無いとはいえ、勇者は当分は自由でいたい
セッカの駒として動いたという経歴はどこかで足枷になる可能性は大いにあり得る
「12歳の子供がやったなんて知られたら、それこそメンツが立たないんじゃないかな?」
それだったら抜真龍あたりがやった事にした方がまだメンツが立つだろう
237
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/12(火) 19:20:03
>>236
(桃園)
「オレらみたいなワルく稼いでる人間は、
社会人って連中の『信用』以上に、
『メンツ』……『ブランド』が大事なんだよ。
セッカが流す武器は実用性が高い。
セッカが潰すつった人間はマジで潰れる」
ニヤ
「そして……セッカは正体不明の殺し屋にコネがある。
どこどこ組の誰とかじゃなく正体不明なのが良い。
憶測が憶測を呼ぶ。オレの強さが膨らんでいく。
いいね。乗れる。そいつで手を打とうかァ」
どうやらむしろ、好都合だったらしい。
どこまで本音かは分からないし、
コネと呼べるようなものが残るかも微妙だが。
「ただ……そうするならアレだな。
『金が動いた』事実はあった方がいい。
勇者サマは汚れた金を受け取れるタイプかァ?」
人を倒して金をもらう。
一般的には格闘家でもなければ認められない。
いや、格闘家ですらスポンサーと観客ありきだ。
単発とはいえ、その報酬を受け取るかどうか……どうする?
238
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/13(水) 22:12:43
>>237
殺し屋を雇っておいて
死なない程度にぶっ殺すように依頼したのかよとかツッコまれそうだが
うまく纏まりそうな所に余計な茶々を入れる程、勇者も愚かではない
金そのものに綺麗も汚いもない
貰えるもんは貰っちゃえというタイプだ
決して清廉潔白ではない
だが『誰がくれるか』は問題だ
バリバリに反社の人に金をくれると言われて素直に受け取る奴が…いるか
ともかく、『セッカから貰う』というのは、何かヤバいかもしれない
かと言って、金の動きというものがあった方が良いのも本当だ
「えーっと、だったら」
「私にじゃなくて、広神さんの治療費に充ててあげてくれません?」
「勿論、誰が払ったかは匿名って事で」
直接の報酬は受け取らず、言い方は悪いが広神に押し付けるという形でマネーを動かす
当然だがセッカが広神の治療費を負担してやるなど、訳が分からないし不信感は抱かれるだろう
だから匿名からの寄付だ
決して完全な善意での行為ではない
広神には早く怪我を治して『お願い』した事を果たしてほしいからだ
とは言ったものの、勇者も人の子だ
金に未練が無いと言えば嘘になるしむしろ心中では金に未練たらたらだ
お金ほしいお金ほしいお金ほしい…
239
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/14(木) 03:47:20
>>238
(桃園)
その辺りの塩梅はなんともいえないところだが、
暴力と恫喝で飯を食っていそうな人間の事だ。
彼なりの方便や処世の技というものもあるのだろう。
「はァん? ……匿名にしろってあたり、
道理は分かってるみたいだけどねェ。
ま、貰う側がそうしろってんなら……
少なくともオレの手元から金が動きはするか……」
やや難色を感じる反応ではあるが、
全くの無茶をお願いした、という訳でもなさそうだ。
「…………ま、いいだろ。
匿名ってのはちょいとムズいが、なんとかやるか」
が、これがそのまま通ってしまうと、
本音的にはあまり美味しくない結果になりそうか?
いくら貰える予定だったのかもわからないが、
なんとかこう、上手くやれる余地はあるかもしれない。
あるいは『悪縁』とも言えるセッカとの繋がりも、
今後何かに活用できる…………可能性は無くはない。
……まあ、それでも明らかにヤバい金やコネにはなるので、
ここはすっぱり諦めて一定の距離を保つのも良い事のはずだ。
240
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/14(木) 18:57:16
>>239
流れとしては、
セッカが表向きには殺し屋に金を払った事とし
それとは無関係の匿名が治療費を払った事にするという
割と無理がある相談だが、どうにかなるものなのか
難色を示すセッカだが、
単純に無茶な頼みしてくる事に困ったのか
素直に金を受け取らない勇者にイラついたのか
もしくは、折角潰した憎い憎い奴を何で支援してやらなきゃならないのかという所だろうか
或いはそれ全部なのか
「それで、よかったら」スッ
徐にスマホを出す勇者
「交換しません?」
勇者としてコネを持つのは役に立つかもしれない、例え裏社会でも
そこのところ差別したりはしない
ただし、駒になったり弱みは握らせたりはしない
あくまで対等の関係だ
「面白そうな話があったら声かけてくれると嬉しいし」
対等の関係で、気に入った仕事があれば受けても良い
そんな感じだ
241
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/14(木) 19:27:18
>>240
(桃園)
「いいのか? 学校の先生に教わらなかったか?
怪しいヤツに連絡先は教えるなって。
……ま、ダサい使い方はしないよォ。
オレにとって勇者サマが邪魔にならなけりゃね」
装飾のないスマホで連絡先を交換しながら、
自分の危険さを仄めかすセッカだが、
これはもう染みついた仕草なのか。
「一応言っとくけど仕事用の番号だから。
警察とかに突き出してもなァんも意味ねえよ。
そーゆーことをするタマじゃあなさそうだけどな」
悪用は出来なさそうだ。
少なくとも、セッカが思い付くような悪用は。
「基本、ガキの入れる仕事ってのは無いし。
今回みたいにツブしの仕事ができたら、
そん時は遠慮抜きで連絡させてもらう。
まー、オレじゃないヤツから掛けさせるだろうけどね」
無理を飲み込ませる対価として、
『勇者』の戦力は十分なものだと提示済みだ。
普通に考えて相当危ない橋にはなるが……
普通の生き方で『勇者』にはなれないだろう。これも一つの道だ。
242
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/15(金) 18:48:05
>>241
という事は、
嫌がらせでLINE連打したりピポパ攻撃は効かないという事なのだろうか
それはかなり残念だ…
それはともかく、悪縁とはいえこれでお前とも縁が出来たな!ってところだ
セッカが寄越してくる仕事なんてのは、碌でもない話なのは間違いないだろう
だから勇者は仕事は選ぶし、あまりにも気に入らなければ
受けるフリをして逆にセッカを潰す選択を取る事も十分に在り得る
さて、ここでやる事は粗方済んだ
そろそろお暇した方が良いか
「えっへへ、じゃあよろしくね〜」
結局、契約書も何もなく、約束を保証する物は無いのだが
そもそもセッカは契約書に血判を押した所で、そんなもんはビリビリに破り捨てて燃やすようなタイプだろう
そこは、逐一約束を守っているか確認するなりした方が良いかもしれない
もし約束を反故にしたなら…その時は勇者にも考えがある
要件を済ませた所で、最後に広神の容体でも確認して帰る事にしようとセッカの病室を出る
243
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/17(日) 02:51:57
>>242
(桃園)
そのあたりの嫌がらせや悪戯を許す『愛嬌』は、
この悪党にはどうやら必要のないと思える物らしい。
もちろん、今後縁が深くなれば別かもしれないが……
「せいぜいうまく利用し合おうかァ、お互いにね」
『仲間』ではなく、『仕事相手』。
信頼ではなく、利害の関係。
そういう意識でいたほうが良さそうだが、
約束を破ればどうなるかは理解しているはずだ。
『仕事相手』になったことで、反故の可能性は削れた。
ザッ
病室を出る。
『広神』に面会できればいいが、
冷静に考えると今はまだ治療中かもしれない。
少なくとも、このすぐそばから声がしたりはしない。
面会を断られはしないだろうし、
伝えるに値する情報もあるだろうが、
ここは、無理に会って帰らなくてもいいのかもしれない。
244
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/17(日) 17:58:20
>>243
今、彼は治療中だろうか?
終わっているのなら面会させてもらっても良いが、
そうでないのならチラッと様子を見させてもらうくらいでも良いだろう
別にどうしても、今会わなければいけないという事も無い
後日また見舞いに来るのも良いし
245
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/19(火) 09:31:32
>>244
(桃園)
救急車で彼が運び込まれてから今までの時間は、
桃園がセッカと話していた時間とほぼ等しいはずだ。
骨折と切り傷……検査や処置の時間を想像してみるに、
まだ治療中という可能性が最も自然には思えた。
「あのぉ、どうかされましたか?」
病院の職員らしい中年女性が声をかけてきた。
気になるなら聞いてみてもいいかもしれないし、
第三者に余計な詮索をされたくないのであれば、
自分の足であちこち探してみてもいいかもしれない。
もしくは、普通に帰ってしまってもバチは当たるまい。
246
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/19(火) 17:51:36
>>245
「あっ、さっき運ばれて来た広神さんの病室を探してるんですけど
私、広神さんの知り合いで」
この女性が何か詮索してくるという事も無いだろう
されたとしても、いくらでも誤魔化しようはあるし
大して困る事もないだろう
ここは素直に女性に尋ねる方が良いか
この聞き方で教えてくれるかは微妙だが…
247
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/19(火) 18:33:29
>>246
(桃園)
「あぁ、ええ、そうなんですか?
ええと広神、広神…………………あぁ、はいはい。
でしたらしばらく待合室にいてくださります?
まだこっちには来てませんから…………」
手元のタブレットのような端末を確認して、
職員の女性はそのように案内をしてきた。
待合室として差し示されたのは受付ではなく、
別階の『入院患者の関係者』向けと思われる部屋だ。
まあ、関係者なのは何も間違いではあるまい。
とりあえず、しばらく待つことになりそうなので、
問題なければその部屋に向かって待てば良さそうだ。
248
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/20(水) 18:27:02
>>247
「はい、ありがとうございます」
教えてもらった部屋に向かい、大人しく待つ事にする
関係者と言っても、
剣で切ったり足を踏み砕いたりして怪我をさせた張本人なのだが…
よもや犯人が関係者待合室に来るとは誰も思うまい
どの面下げてって感じだ
ミステリーだったらとんでもないトリックに使われそうなシチュエーションだ
こういう待合室は特に娯楽なんかは無さそうだが、何かあるのだろうか?
249
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/20(水) 20:35:29
>>248
(桃園)
部屋には子供向けらしき小さなプレイスペースや、
あまり面白くはなさそうな絵本に、児童小説、
それからウォーターサーバーなどが見当たった。
刺激の強そうな娯楽はあまり置いていないが、
院全体の方針なのか、この部屋がそうなだけか?
・・・
・・・
・・・
しばらく待っていると、ドアがノックされた。
「あのぉ、お待たせしました」
さっきの職員女性の声だ。
『広神』もこちらに運ばれてきたらしい。
とりあえず顔を見て話すことは出来そうだ。
250
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/21(木) 18:32:40
>>249
スマホでもいじってれば良いのだが、折角だからと
待合室の小さな児童用プレイスペースで、子供向け絵本を読みながら遊んでいる勇者
他に誰かが居たら、その異様な光景に恐れ慄く事だろう
「はぁい」
女性職員の呼び声に立ち上がる勇者
思わず大声で返事をしそうになるが、ここは病院だ
流石にそこの所は弁えている
もしも大声で叫んでいたら罰金を取られた上に出禁にされるかもしれない
251
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/23(土) 01:15:53
>>250
(桃園)
幸いここは病院。それも入院棟。異常が正常だ。
職員も使われた形跡のあるキッズスペースを見ても、
特に何か奇異的なコメントをしたりはせず、
ただ……多少押し黙った空気で、案内を始めた。
・・・
少しだけ歩いたが、どちらかといえば、
別階へのエレベーターを待つ時間の方が掛かった。
『セッカ』と同じ階ではないのは良い偶然だろう。
ガチャ
ドアを開けると、職員は入室を促す。部屋の中には……
「…………思いがけず、早い再会だ」
……『ヘルム』は当然付けていない、『広神』がいた。
嫌味という風でもないので、
単に言葉通り驚いているのだろう。会話は出来そうだ。
252
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/23(土) 19:42:23
>>251
ヒーローの仮面の下を見てしまうのは些か無粋な気はする
だがまぁ、見てしまったものは仕方がない
素顔は一体どんな顔をしているのか?
じっくり見るというわけではないが、一応拝見する勇者
「あはは…
えーっと、怪我の具合はどうかなと思って」
流石にやや気まずさを感じた様子を見せる勇者
怪我の具合を確認しに来たというのは本当だ
自分で怪我させておいてこいつ異常者かと思われそうだが
全治何か月だとか…どんな感じだろうか?
253
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/24(日) 01:30:32
>>252
(桃園)
広谷君の言葉から想像した通りかは分からないが、
確かになかなかイケメンなルックスと言える。
テレビに出るほどか……と言えば分からないが、
まあ、メイクとかその辺の兼ね合いもあるだろう。
「お陰様で、しばらくは入院だろうね。
『全治二ヶ月』……ま、退院は来月くらいだとか。
日頃から少しずつ貯金しといて良かったよ」
恨み言、という風ではないが、
サワヤカに全てを気にしてないって風でもない。
「わざわざそれを聞くためだけに、
ここまでついて来たって事なら……
さっき知ってはいたけど、お人好しだな。本当に」
「一応言っておくが、
見舞とかは要らないからな」
どうやらそれなりに元気らしい。
ひとまず、その手の心配はあまりしなくてよさそうだ。
254
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/24(日) 18:46:13
>>253
「そっか…ごめんね」
それくらいで済んで良かったという安堵と
理由があったにせよ、自分が怪我をさせた事に申し訳なさを感じる
だが後悔というものは無い
>わざわざそれを聞くためだけに、
>ここまでついて来たって事なら……
>さっき知ってはいたけど、お人好しだな。本当に
「それだけじゃないんだけどね…」
大体の用事は済んだが、かなり疲れた
単純な力仕事よりも神経の磨り減る仕事だった
「貴方を狙ってる人達に手を引いてもらうように話を付けて来たよ」
「でも、勝手に暴れて襲ってくるのもいるかもしれないから気を付けて」
まず、話したい事の一つ
255
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/24(日) 22:19:01
>>255
(桃園)
「まあ……こっちも入院くらいはさせる気だったし。
全部気にしてない、とは言わないけど、
お前の方がそんなに気にすることではないよ」
どこまで納得しているかは分からないが、
これはあくまで『戦いの結果』。
その点は、広神の中で意識しているのだろう。
「それは……」
「義理堅いんだな、勇者っていうのは」
かき上げた前髪から覗く額を抑えながら、
『桃園』が果たした約束に彼は呟く。
「……『話』を付けてきたなら、
プライドの高い連中は簡単には裏切れないか。
なにより裏切った時の報復も怖いだろうしな。
下っ端連中は……怪我してても遅れは取らない」
「とりあえず……礼は言っておく。ありがとう」
256
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/25(月) 18:40:19
>>255
そういう約束で降伏勧告をしたのだ
それを果たせないようでは勇者じゃない
彼なら手負いでも並大抵のチンピラ程度には負けないだろう
その点、心配は無いかもしれないが
それでも一人じゃ手に負えない事もあるかもしれない
「でも、もし何かあったら
私にも言ってよ」
スッとスマホを出す
まぁ、あまり一人で背負い込むなという事だろう
257
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/26(火) 09:25:32
>>256
(桃園)
「そうそう何もないとは思うけど、
まあ……覚えておいて損は無さそうだ。
他に連絡のつくスタンド使いもいないしな」
スッ
サイドテーブルからスマホを取り、
連絡先の交換を済ませる広神。
繋がる相手は多いに越した事はあるまい。
「……そっちでも何かあれば呼んでくれてもいい。
なんでも助けてやるとは言わないけどね」
258
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/26(火) 19:33:14
>>257
「うん、よろしく」
軽く交換を済ませて用を済ませる
後はもう、帰るだけだ
「あ、そうそう
治療費は払わなくて大丈夫だからね」
病室から去る際に、さらっと治療費の事を告げる
結局、治療費はいくらかかるのだろう?
まぁ、いくらだろうがセッカは払うだろう
金が動いた痕跡を残さなくてはならないのだから
259
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/27(水) 07:54:55
>>258
(桃園)
「それは? ……いや。詮索するのは野暮か。
借りを返さなきゃいけない理由が増えたな」
流石に桃園が自費で払うとは取られなかったか、
何かしらの事情を察させる事ができたのか、
金の出所について深く追及はして来なかった。
「……それじゃ、ま、元気で」
立ち去るなら引き止められはしないだろう。
そして、立ち去れば今度こそ初めての冒険は終わりだ。
もちろん、他にやるべきと思うことがあるなら話は別だが。
260
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/27(水) 18:45:47
>>259
「うん、またね」
あっさりとした挨拶で別れを済ませる
こういう時、うだうだしていても仕方ない
ただ、広神のベッドには置き土産にマスキングテープを置いておいた
もし気付いたなら、激怒した広神にマスキングテープで首を締め上げられ絞殺されるかもしれない
病院内を色々見て回りながら出口へと向かう
色々あって喉が渇き、自販機で飲み物を買う
不良達の喧嘩でこんなに手古摺るとは、まだ鍛え方が足りないのだろうか
もっと強くなりたい
もっと
もっと
261
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/27(水) 19:33:56
>>260
(桃園)
マスキングテープは置いて帰った。
小学生女子らしい土産物とは言えるかもしれないし、
さすがに広神もゴミを置いていかれたとキレはしまい。
ガコンッ
自販機から出た飲み物が喉を通る。
潤いは満ちるが、『渇望』は増すばかり。
『広神』は決して弱い相手ではなかったが、
この世界で上位の相手か? 磐石の勝利だったか?
『強さ』……それは、天高く輝く『星』のように、
どれほど手を伸ばしても、今は掴めない。
キラキラキラキラキラ
《そうだよォ『勇者モモゾノ』!
キミはもっと強くなれるし、
もっと強くなれなくっちゃあ『いけない』》
キラキラキラキラキラ
『リィン・カーネイト』についていけば叶うだろうか?
少なくとも…………今見える他の道よりは明るい。
『ユウリ・桃園・シャルロット』の旅は遥か遠い星を辿り、まだまだ続く。
だが、ひとまず…………この一件は、このあたりで幕が降りる事になるだろう。
262
:
勇者『リィン・カーネイト』
:2023/09/28(木) 20:53:46
>>261
仄かな甘みのイオンウォーターがスーッと喉を通り、体に染み渡っていく
勇者への道のりはどこも暗闇だらけだ
そんな中、『リィン・カーネイト』という道標が示す道は
他の道よりも明るく照らされ、いくらか舗装されていて歩み易いだろう
その案内についていくのが確実な道のりだろうか
しかし、だ
・・・・
もっと強くなれなくっちゃあ『いけない』
この点はユウリは同意しかねる
・・・・・・・・
ユウリにとって勇者は、『なりたいからなる』ものだ
それは義務や使命などではない、自らの意思でその道を選ぶのだ
『勇者』とはユウリが満足して、納得の行く結果を得るための手段だ
決してそれだけは忘れてはいけない
もしも、その道を外れた所へ連れて行こうとしたなら
――例え『リィン・カーネイト』でもユウリは『反逆』するだろう
《うん、そうだね
明日からもっと修行しなくちゃ》
《でもその前に晩御飯食べないと!》
《今日は仔兎のステーキとラフランスのコンポートだよ、リィンも食べる?》
この妖精が飲食をするかは不明だが、どうなのだろう
長いようで短かった一日の戦いが終わる
一先ずは妖精の灯りと共に道を歩もう
263
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/09/29(金) 13:02:51
>>262
(桃園)
≪お気遣い無用、あいにく食事や水はいらない体だからね。
キミが食べて、英気を養うといいさ。『勇者』になるために!≫
導くものに何らかの思惑があるように――――
導かれし者も、『勇者』を目指す理由がある。
キラキラキラ
それがいずれぶつかるかもしれなくとも、
今はただ進めばいい。その燐光は標となるだろう。
―――見えざる手の傀儡とならず、自ら進む意思をなくさない限り。
『切り裂く正義のペルソナ』⇒おしまい
勇者『リィン・カーネイト』 ⇒ 『軽度の打撲のみ』『治療不要』
『後日、福引などで30万円分の景品を当てた(換金可)』
広神シュンジ『イクスパルスド』 ⇒ 『再起可能』『リハビリに励む』
セッカ『一般人』 ⇒ 『得たカードを元に成り上がりを画策中』
264
:
『切り裂く正義のペルソナ』
:2023/10/08(日) 01:06:18
【仮面の戦士】『広神シュンジ』の能力。
本体の手に発現される『剣』のスタンド。
稲妻のように歪曲したヒロイックなデザイン。
俊敏な行動速度と、剣の腕を本体に授ける。
『固定』を切り裂く能力。
視界内に『固定』を発見する事によって、
そこに向けて『高速移動』して切り付ける。
この切りつけは固定の強度を無視するうえ、
対象に固定箇所が複数あれば全てに伝播する。
この強度無視は『固定力』を奪う事で成立し、
剣を振るう事によって、奪った固定力を、
『飛ぶ斬撃』のようにして放ったり、
剣に乗せて叩きつけるように浴びせたり出来る。
これは着弾しても斬れないが、『固定』される。
高速移動は『剣に牽引される』形のため、
発動すると自分の足で止まれないのが弱点。
『イクスパルスド』
破壊力:C スピード:B 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:B 成長性:B
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