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【ミ】『コメットテイルを極夜に紡ぐ』

1『極夜』:2023/03/14(火) 22:22:04


    ――――――明けない夜を戴く。


★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
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【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』
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【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1552052081/

【ミ】『コメットテイルの止まない町で』
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【ミ】『星合多重争コメットテイル』
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★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
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【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
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413村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/09(土) 22:48:36
>>411

 「そりゃ何よりだ。『リュウカ』のほうは有無を言わさずふんじばって来たからな。
 気乗りしてねえんじゃねえかと思ってたが、そうでもないらしい。
 おれに負けたのが効いたかな。」

へらっと笑って軽口を叩く。
『タツ』のほうはアリーナ向きではなかったし、そもそも『斬られ』てもいない。
監視はしているだろうが、席をおいているわけではなさそうだ。

 「そのうち奴らとも、相まみえることもあろうさ。
 そんときゃ、対面じゃなけりゃいいがな。」

>>412

 「喋ることはそれで終いか?」

赤月が口を噤むのを確認してから、車へ乗り込む。

 「『極夜』たあな。野郎よほど暗いところが好きらしい。」

『蝕』であれ『極夜』であれ、その中に光がないわけではない。
夜道を理解して歩くのであれば、それで十分だ。

414『エターナル・ノクターナル』:2023/09/10(日) 14:31:21
>>412(赤月)

「…………?」

漣らは今のところ『赤月』に決定的な疑いは抱いていないのだろう。
『極夜』という言葉――――それは聞き逃された可能性が高いし、
自分達に向けた呟きではないとわかっているからこそ、聞き返しもされない。

                  「……」

勿論……黒服の中に耳の良い者でもいれば聞かれていたかもしれないが、
少なくとも、この情報開示から直接的に繋がる『本質』はない。
『赤月』にとって致命的な弱みは生まれていない、ハズだ。

            だが――――この状況が成立したこと自体で、
            『赤月』の進む道が絞られたとは、言えるかもしれない。

>>413(村田)

「もともと『闘争心』は人一倍強い方のようでしたので。
 もちろん試合に出場するかは自由意志に任せますが、
 あの調子であれば……遠からず、
 『C級』に新たなスターが一人増えるでしょうね」

これも『タツ』ではなく『リュウカ』のことだろう。
『タツ』への言及がないことにも恐らく他意はなく、
『アリーナの所属者ではない』だけと考えるのが自然だ。

「あなたを敵に回すような『不義理』がないことを、
 私も……一派閥の構成員として祈っています」

駒野は深くうなずくと、車のドアを開け、車内に『村田』を迎えた。

>両者

あとは『赤月』が車に乗り込めば、この場は片が付く。
『村田』と同じ車に乗るのが憚られるのであれば、それくらいの注文は恐らく効くだろう。

415赤月『サクソン』:2023/09/10(日) 16:01:37
>>413

「これ・・・・だけだ・・・・」

未練がましく歯切れの悪い口調
『それだけではない』事は見るからに明らかであるが、
その後赤月が口を開く事はなかった

>>414

村田に対して少ないやり取りをした後、赤月はおとなしく車に乗り込む
村田と同じ車ではあるが、車内では特に言葉を交わすことなく時を過ごす

416村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/10(日) 19:45:33
>>414

 「そりゃいい。じきに菓子折りでも差し入れてやっか。
 もし時間があったら、それとなく『好み』をきいといてくれないか。」

好ましい話だが、それだけでやっていけるほど、『戦い』は甘くない。
じきにその『闘争心』と向き合わなければならないタイミングがくるだろう。
『ゲンマ』にしろ『リュウカ』にしろ、異なる『課題』が待っている。

そして、それはおれも同じだ。
あの夏におれが引き起こした『課題』が、まだ残っている。

>>415

 「なら、そういうことにしといてやらあ。
 今日はさっさと寝ろ。野郎が化けて出るかもしれねえからな。」

赤月がナイーブになっている原因はなんとなく察しが付く。自分もそうだったから。
が、その程度を自分で処理できないようでは『闘士』と呼べない。

戦いの『結果』、それがもたらす『結論』が自分にどう作用するか。
そこのところを重々わかったうえで、こいつは『殺し合い』に立ったはずだ。
であれば、おれが何某口を出す理由はなく、口を出される謂れもない。

これもまた、おれがそうであるようにだ。
自分の・・・いや、自分と『小林』との決断に、外野から口を出されるいわれはない。

417『エターナル・ノクターナル』:2023/09/13(水) 07:38:49
>>415(赤月)
>>416(村田)

「畏まりました。また、どこかのタイミングでお伝えしますよ」

そのためだけに村田に連絡をしてくるかは微妙だが、
この町で『義』を通し『課題』に向き合い続けるなら、アリーナとの接点は消えないだろう。

「お二人とも……お体にはお気をつけて!
 お元気で、いてくださいねえ」

ふと、『関』が素朴な見送りの言葉を告げてきた。
彼女はこの後ここで報告など何かと忙しくするのだろう。
返答する程度の間があったあと、駒野がゆっくりドアを閉めた。

「それでは――――発車いたします」

                     ブロロロロロ ―――― ・・・

二人を乗せた車が、倉庫街から走り出す。
ミラーには小さく手を振る『関』の姿が見えた。
彼女ともまた会うことはあるだろうが、ひとまず今日はお別れだ。

        ・・・
            ・・・
                ・・・
                    ・・・



やがて――――車は『学生寮』の近辺に辿り着いていた。

「まずは『赤月』選手を下ろしますが、
 建物の前まで行った方がよろしいでしょうか?」

『村田』との会話が済んでいる以上、送迎が済めば、
『赤月』にとっての戦いは『今は』ここまでとなる。
同じく、『村田』も――――この後、病院に到着すれば、そこまでだろう。

もっとも、やることがあるのであれば――
あるいは何らかのめぐりあわせで、舞台の幕をもう少しだけ遅らせる事は出来るハズだ。

418赤月『サクソン』:2023/09/13(水) 19:06:29
>>416
>>417

「・・・・・・・・・・・・。」

乱暴な口調ではあるものの、村田が多少なりともこちらの事を気にかけている事はわかる
だからこそ、これ以上の接触はその淡い絆を壊してしまいそうで・・・・
結局、最後まで彼とそれ以上の話をする事はなかった

「ここで十分だ。ありがとう」

『学生寮』が見えたところで、車を降り、自らの足で歩いていく
夜とはいえ『学生寮』の周囲には他の生徒たちがいる可能性がある
こんな夜更けに怪しげな車に乗っている姿を見られたら何かよからぬ噂が立ってしまいそうだ

「・・・・・・・・・・・・・。」

この一夜のうちに受け取ったものは大きく、失われたものもまた大きい
だが、『戦士』の責任として、抱えたものは自らの手で処理をしなければならない
夜はまだまだ長くなりそうだ・・・・

419村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/13(水) 19:19:57
>>417

 「らしいが、どうする?」

駒野の言葉を受けて、赤月へ返す。

 「風に当たりてえなら、ここで降りたほうがいいかもな。
 動いてたほうが、無駄なこと考えねえで済む。」

 「失礼」

 シボ !

言いながら車の窓を開け、煙草に火をつける。
病院では吸えないし、珍しく『使わなかった』ので残っている。

 スゥ――――――――・・・

                フウ―――――――――

深く吸い込み、肺と脳みその隅々まで行きわたらせて吐き出す。

420赤月『サクソン』:2023/09/13(水) 20:21:51
>>419

「無駄なことではない・・・・少なくとも私にとっては」

村田の言葉にそれだけ返して車を降りた

421『エターナル・ノクターナル』:2023/09/14(木) 03:36:58
>>418 >>420(赤月)


月明かりの夜道を歩く『赤月』。
去り行く車のエンジン。どこかから響く、猫の鳴き声。
学生寮の敷地内にはまだ僅かに灯かりの消えない部屋もあり、
『生徒』らが何気ない日常を過ごしているのを想起させる。

少なくとも今、その姿に声をかける無粋な者はいなかった。
 
           ・・・
              ・・・
                 ・・・

得たもの、失ったもの、見えた道、見失った道。
――――『赤月ナカレ』という『戦士』にとって、
この仕事は単なる『果し合い』以上の結果を齎した。

             抱えた『意味』が導く未来は、
              これから、少しずつ明らかになるだろう。

>>419(村田)

「……灰皿はご自由に」

車内喫煙に対して――――未成年である事に対しても、駒野は特に糾弾はしない。
『無責任』であるとも言えるが、『子供』であると同時に『戦士』でもある。
戦場帰りの男に、常識で迎え撃つのは根拠が足りない――――という事かもしれない。

「それでは――――『アポロン』まで、ごゆっくりお過ごしください」

車はまたゆっくりと走り出し、車道の流れに合流すると、『病院』への道を進んでいく。

         ・・・
              ・・・
                   ・・・

やがて、この時間でも柔らかい明かりを灯す大病院の駐車場に車は入る。
学生寮とは異なり、病院の駐車場は広く、あえて遠くに止める理由も無いからだろう。

「――――お疲れ様でした。送迎はここまでとなります」

               ガ チャ

「仮に入院や通院が必要になった場合、
 医療費についてはこちらで負担致します。
 その場合には、『アリーナ』に繋がる番号からご連絡下さい」

車を泊めた駒野が外に出る。
『村田』の側のドアを開けるためだろう――――『アリーナ』とのやり取りも、恐らくはここまでだ。

422村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/14(木) 19:00:09
>>421

「分かった。とはいえ、大した怪我ではなかろうさ。」

額、頬、そして右腕を順に触れ、眺める。
戦いで傷を負ったのは初めてだが、殺し合いの代償としては軽く済んだ。
女はともかく、『マテリア』が弱いわけでは断じてなかった。
あの男とタイマンを張ってこれだけで済んだのは偶然ではない。まだ『やれる』。
まだおれは闘える。

 「だから暫くは、おれがやっておいてやるよ。
おまえの分もな。」

聞こえるはずもない友に呟く。
扉が開けば、駒野に一礼してから車を降りる。

423『エターナル・ノクターナル』:2023/09/15(金) 23:15:31
>>422(村田)

「『マテリア』と『エクリプス幹部』を相手取って、
 その怪我で済んだのは……驚嘆に値します。
 とはいえ、念のため検査はお願いしますね」

『選手』ではない『村田』であっても、
アリーナは……あるいは駒野個人としては、
『心配』する部分はあるのだろう。

本人の意図がどうあれ、覚悟がどれほどであれ。
『心配』や『祈り』を抱く権利は誰にでもある。


           ガチャ


「それでは…………『仕事』は終わりです。 
 次の『アリーナ』とのお関わりでも、
 我々が貴方の背後に立てるよう、努力いたします」


ドアが開き、駒野がお辞儀をして『村田』を見送る。

『エクリプス』残党――『ハイネ』らとの戦いは続くだろうし、
漣派からの信任を思えば、『村田』が再び介入する事もあるだろう。

             だが、『終わらない夜』は無い。
             間違いなく……また一つ、時計は前に進んだのだ。

424村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/16(土) 12:07:15
>>423

 「そうか。」

 「なら、あんたの『心配』は受け取っておこう。
 せいぜい大人しくしておくさ。ありがとうよ。」

一言感謝を告げて、車から降りる。
おそらく心底からと思われる彼の『祈り』には応える『義理』がある。
誰もほかに聞くものもいないのだから。

 「縁があれば、またよろしくな。」

顔の傷をさすりながら、新病棟へ歩く。

425『エターナル・ノクターナル』:2023/09/17(日) 12:54:13
>>424(村田)


「ええ、また。漣代表以下一同――――
 次に仕事が出来る機会を、楽しみにお待ちしております」

『戦いから遠ざけたい』だとか、
『平穏でいてほしい』だとか、
彼らはそうした望みを口にはしない。

仕事とは戦い。戦いとは命のやり取り。それでも彼らは背を押す。
だからこそ、責任を持ち――――それを担う戦士を、尊重する。

            ザッ ――――――

        『義』。

その価値観は必ずしも、現代社会には求められないものだ。
だが、強者は得てして、『義』を持っている。

『アポロン』の灯りが『村田』を出迎える。今は傷を癒すときだ。

              次の戦いのために。義を通し続けるために。


     ・・・

         ・・・
 
              ・・・


>宗像



―――――――――君自身が望んだとおりに。さようならだ、『無間地獄』。

        
                   ・・・
              ・・・
 
         ・・・



暗く濁った水底から、鼻先だけが水面に出たような。
頭の中に響く言葉は脳裏の残響に過ぎず、
目の前の暗闇は、己の瞼が作っているだけと、気づいたような。

そのような――――不明瞭に沈んだ意識が、ほんの僅かに浮かび上がる。


             ・・・

                ・・・

                   「……生き残ったようだな。
                     いや、『死に損なった』か」


目覚めを泣いて喜ぶだとか、
心配から解放された安堵ではない。

酷薄にも思える――――しかし敵意ではない声色。今度は、現実の声だ。

手足が動く気はしなかったが、『目を開ける』事は出来そうだ。つまり、男の声の通りだった。

426宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/17(日) 16:14:18
>>425

『地獄』とは何か。
存在の有無は別として、もし実在するならば、
俺は『そこに向かうべきだ』と考えていた。
罪を犯した者の『義務』として。

(案外『何もない所』だ)

それが闇の中で最初に抱いた感想だった。
全身を焼き焦がす苛烈な業火も、罪人を責め苛む獄卒の姿もない。
あるいは、それこそが『地獄』と呼ばれる場所なのか。
労働を伴わない『禁錮刑』は、
『懲役刑』よりも軽い刑罰として定められている。
しかし、『何もする事がない状況』に耐えられず、
多くの受刑者達は自ら『仕事』を求めた。

(――――――そういう事か)

終わりのない『虚無』を『無間地獄』とするなら、
ここは確かに『俺が望んだ地獄』なのだろう。
『罪』には等しく『罰』が与えられるべきだ。
だからこそ、俺自身も苦しまなければならない。

       『永遠』に――――――

この何もない世界が、どこまでも果てしなく続くように感じられた。
だが、『気のせい』ではなかったらしい。
奇妙な安寧にも似た静寂が、何者かの声によって破られた時、
ほとんど無意識の内に両目を開く。

427『エターナル・ノクターナル』:2023/09/19(火) 17:32:08
>>426(宗像)

「あるいは、『命を拾われた』――――いや。
 どうあれ、『仕事』が無事に果たされた。
 仕事をする人間には相応の報酬が必要だ。
 そういう責任が、頼んだ側にはあるからな」

         「……目を覚ましたようだが」

『笹暮』――――この依頼を持ってきた、アリーナの男だ。
その男がベッドの傍に立っている。ベッド。……病院だ。ここは『病院の個室』だ。

「無理に動くなよ。
 共闘者の尽力とアリーナの術をもってしても、
 拾われたのは――――『命』だけだ。
 動こうとすれば、かえって安静が延びる。
 勿論、身を捨てる戦いを依頼したのはこちらだ。
 成功したことを責める筋合いも無い」

          スッ


「その状態で手渡しされても不便だろう。
 ここに来たのは、『口座』を確認するためだ」

『宗像』自身にも自分の状態を正確に把握は出来ていないが、
頭部、胴体、あちこちを壊されたにもかかわらず、意識の混濁は薄い。
恐らく、『峠は越えた』という状態なのだろう。『死ぬことはない』。

あくまで『報酬』の話だけをしに、『笹暮』はここに来ているらしい。

428宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/19(火) 19:17:35
>>427

最後の瞬間、死を望んでいた訳ではない。
同時に、生きる事に執着する意識もなかった。
自分の中にある『何か』と向き合おうとした一瞬は、生死の問題とは無関係だ。

「限りなく近付かなければ見えない物がある」

虚空を見つめながら、自らに問い掛けるように呟く。

「俺は『それ』を見たかったのかもしれない」

報酬と引き換えに殺しを引き受けたのは初めてではない。
しかし、俺は自分が『殺し屋』だと考えた事はなかった。
心の何処かで線を引き、そうした世界と自分を切り離していたのだろう。

       少なくとも今日までは。

『殺し屋との対峙』は、それと知らずに出会った『別の殺し屋』を想起させた。
人の立ち寄らない寂れた社だ。
鈍く乾いた光を瞳に宿し、その身に『死穢』を纏う男。

  いつの間にか俺は、限りなく近付いていたらしい。

「その前に聞きたい事がある」

視線を天井に向けたまま、淡々と言葉を続ける。

「――――『奴』は死んだか?」

仕事を引き受けた者として、これだけは知っておかなければならない。
生きている者が死者に出来る事は、記憶に留めておく事だけだ。
『命』に対する最低限の礼儀を果たす。

429『エターナル・ノクターナル』:2023/09/21(木) 09:42:29
>>428(宗像)

目の前の瞬間に喰らいつく為に命の手綱を手放し、
結果として、それは今手元に戻ってきた。
『賭けに勝った』のではなく、『賭けてもいない』
それが出来る人間は、それほど多くはないだろう。

「目当てが『金』であろうが『体験』であろうが、
 こちらとしてはなんら構わない。
 責任を持つ為に、動機は必要だ。
 尤も後者の場合は報いられる保証は無いが……
 その様子だと、個人的目的も果たせたようだな」

『宗像』の心情を読みきれてはいないだろうが、
言葉については、この男も得心する物であったらしい。

「組織的な目的も、果たされた。
 『マテリア』は『死亡』を確認出来ている」

こともな気に……少なくともそう聞こえる口振りで、
『標的』の『抹消』が、笹暮の口から伝えられ。

「……『死線』の上で踊り続ければ、
 どれほど強力な使い手であれ、いずれそうなる。
 個人的な勧告だが、殺した相手の年は数えるなよ」

彼は僅かに瞼を細め、そのように付け加えた。

他に特に言うことがなければ、報酬の話をして、
この男は特に他の何かを残すことなく立ち去るだろう。

430宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/21(木) 18:11:49
>>429

『殺手のマテリア』と呼ばれた男は死んだ。
誰かを殺し続けて、最後には奴自身に順番が回ってきた。
『いずれそうなる』というのなら、俺も例外ではないだろう。

「手間を掛けさせたな」

笹暮に『口座番号』を告げ、同じ場に居合わせた『二人』の姿を思い起こす。

「『村田瑛壱』と『赤月ナカレ』には感謝しなければならない」

俺が生きている間に、いつか彼らに借りを返す。

「依頼者の『アリーナ』と――――」

笹暮が仕事を持ってきた時、奈落の底に垂れ下がる『細い糸』を連想した。
糸を掴んで這い上がろうとした罪人の男は、
再び元の場所へ戻される事になったという。
俺は差し出された糸を辿り、行き着いた先で『命のやり取り』に身を置いた。
そこは男が目指した世界ではなかったのかもしれない。
それを望んだのは俺自身であり、あてもなく探し続ける『答え』を求めていた。

「あんたにも礼を言わせてもらう」

ベッドから身体を動かさず、目礼を行って笹暮を見送る。

431『エターナル・ノクターナル』:2023/09/24(日) 01:40:10
>>430(宗像)

口座番号を聴いた笹暮は、メモなどは取らず、
短くうなずくと傍らに『ヴィジョン』を発現させた。
彼のスタンド、『オフビート・ミミック』だ。

「労いも礼も不要だ。責任を果たしただけだから。
 だが……若い戦士たちには、必要だろう。
 彼らにはお前を助けるという責任はなかった。
 責任や義務ではない行いには、報いるべきだ」

               ズズ ・・・

スタンドと共に、その姿が『床下』へと消えていく。

「――己の身を削る以外の方法があれば、それが一番いいだろう。
 『宗像征爾』……『始末屋』にとって最大の資本は『武力』だ。
 努々、損なわないようにするといい。『それ以上』はな」

ベッドからの死角に入り、声だけが聞こえ、そのまま――――立ち去った。
報酬は後日振り込まれるだろう。
それを使えば、退院を早め、またすぐに戻れるかもしれない。――――『戦いの輪』へ。

        地獄の糸。

それを辿って向かう先もまた『地獄』。切り抜けた先にも『地獄』。『無間地獄』だ。
だが――――ほかの誰でもない、『宗像征爾』自身がそれを望むなら。

       望まぬ虚構の『極楽浄土』への道よりは、歩きやすいのかもしれない。

             ・・・

                 ・・・

                      ・・・


>赤月

 

  ・・・ ――――――――――『夜』。


寮生たちも流石に皆寝静まり、
大学部の悪童達が酔って帰ってきたりもしない。
鳥も虫も鳴かない、きわめて、静かな夜だった。

『赤月』はまだ起きているだろうか――――自室にいるのだろうか?

432赤月『サクソン』:2023/09/24(日) 09:21:09
>>431

「・・・・・・・・・。」

軽くシャワーを済ませて自室に戻ってきた
身体の汚れは落とせても、芯に染み入る泥の様な疲労感は拭い去れない
つい先ほどまで取り掛かっていた『仕事』の事を考えれば当然か

         ガラララ・・・

窓を開けて外の風を取り入れる
湿り気を含んだ生暖かい空気が部屋に流れ込んできた

「『マテリア』・・・・」

ベッドに腰かけながら、己が命を奪った者の名を呟く

(『殺人』の経験・・・・)

かつて自分は想像していた。この道の途上で『人の命を奪う』時、何を想うのか
ある戦争の記録によれば、それを経験した兵士は帰国後も精神症状に思い悩まされたという
だから思っていた・・・・いざ自分が『それ』を経験した時、吐き気を催す程のショックを受けるか・・・・
あるいは戦いの高揚感に身を任せて熱狂に身を浸す事になるのだと

――――だが、違った。

「私は・・・・」

何も起こらなかった。
いや、彼を殺した事に対する感慨はある・・・・だがそれは

「当然の様に・・・・受け入れている・・・・?」

『殺人』に対する拒否感はなかった
むしろ『それ』を当然のように受け入れている自分に対して、少しだけ驚きの念を感じていた

「そうか・・・・これは『サイクル』なんだ
『殺人』という業に対する連鎖・・・・『サイクル』・・・・」

自然界に『食物連鎖』があるように、人の世にも『サイクル』が存在する
そしてそれは『人の道から外れた者』にも当然の事ながら、ある

殺し、殺される、『殺人者』たちの『サイクル』
『マテリア』は殺しの螺旋の果てに虚無に果てた
『宗像』もまたその『サイクル』の中に呑まれているのだろう
そして、赤月も・・・・

(ああ、そうか・・・・私もまた『サイクル』の中に組み込まれているんだ
 だから・・・・少しだけ・・・・)

ほっとした。
かつて自分は『宗像』から問われた事があった
『全てが終わった後、どうするのか?』と

今なら自信を持って言える

全てが終わった時、自分はきっと・・・・『宗像』となり、『マテリア』となるのだろう
『過去の中に生きる亡霊』として生き、『虚無』の中に果てる
それはとても・・・・

「それなら・・・・『良い』・・・・」

とても・・・・『素晴らしい』事の様に思えた

(『過去』に縛られれば、もう二度と『あの日々』の事を見失わなくて済む・・・・
 『未来』なんて私には・・・・)

『未来』について想う時、ほんの少しだけチクリと胸が痛んだ
だがその想いも『過去』への執着と安堵の中に沈んでいった

「憂いはない
 私はこの道を進み、『復讐』を果たす」

窓の外に広がる暗夜を眺めながら、小さくそう独白した

433宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/24(日) 16:20:08
>>431

笹暮が姿を消した後、何もせずに『待つ』。
こちらから向かう事が出来ない以上、そうする他ない。
『アリーナ』が運んだなら、居場所は知っている筈だ。
今日中に現れなければ、明日でも明後日でも待ち続ける。
忘れていない限り、いつかは来るだろう。

死ねば不要だ。
しかし、俺は生き残った。
『預けた』以上は引き取らなければならない。

動く事は出来ないが、考える時間だけはある――――――。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  ――――――少年は『動機』を語り始めた。

他人と上手く関わる事が出来ず、心を許せる相手がいなかった。
ある日、一匹の『捨て猫』を見つける。
自分の境遇と重ね合わせ、その猫を世話するようになった。
猫の方も少年に懐いていたようだ。
初めて『心が通じ合った』と感じたらしい。

だが、猫は何者かに『殺された』。
警察にも相談したが、『猫が死んだ』程度では、まともに取り合ってくれない。
犯人を捜してくれるように頼んでも、慰めの言葉を掛けられただけに終わる。

同時に『一つの疑問』が少年の心を支配した。

もし命を奪われたのが『人間』だったとしたら?
『一匹の猫の命』は『一人の人間の命』よりも劣るのか?
少なくとも自分にとって、あの猫は『掛け替えのない存在』だった。
誰かが大切に思うのであれば、『命は等価』であるべきだ。
『捨て猫の命』など大した事はないというなら、
その『重さ』を証明しなければならない。

馨を選んだのは『偶然』だったそうだ。
『無作為に殺す』というのが、せめてもの良心だったのだろう。
当然の対応として『捜査』を行う警察を見て、少年は考えた。

     『なぜ人を殺してはいけないのか』。

『まだ分からない』――――そう口走った直後、少年は頭蓋骨を砕かれた。
最期の瞬間、奴は笑っていた。
『殺す』のではなく、『殺される事』によって、
疑問の答えを見つけられたのだろうか。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

かつて『カーバンクル』に刃を向けた時も、その光景が脳裏を過ぎった。

    あのアビシニアンを殺す事が出来ていれば、
    また何処かで『人殺し』が生まれていたかもしれない。

       そして、そいつは誰かに殺されただろう。

434『エターナル・ノクターナル』:2023/09/27(水) 19:19:24
>>432(赤月)

夜風は肌を冷やすことも、奥底の澱みを吹き飛ばすこともない。

        今日、人を殺したのだ。

……人間社会は無数の思惑と計画の秩序、無軌道と思いつきの混沌が織り成すものだ。
その中には企図された『システム』があり、自然と成立する『メカニズム』があり、
因果と応報が巡る『サイクル』がある―――――暗い世界にも、それは同じようにある。

『歩く』時、人は得てして、闇から遠ざかり、光に向かうことを正しいものとする。

だが、光を背負い、闇へと歩む事も、また『人間』らしい『道』と言えるはずだ。

それが誰かに強制されたものでも、思い付きでも、誤解でもない、選んだ道ならば。
                     

                       ―――――――――― バサッ



窓の外に舞うのは――――――――――『蛾』や『蝙蝠』ではない。

             ―――――『鴉』だ。

         『道』を決めたものを導くのは太陽の遣いではなく、
         理の外、異端の暗夜を飛ぶ――――白い鴉。

                              バサッ

           ≪・・・・・・≫


『鳥が飛ぶ』には低すぎる。『赤月』は理解できる。この存在は『赤月』の元に来た。

受け入れる事も出来るだろうし、
当然、撃ち落とす事も出来る。

『人を殺した』人間には、常に『その選択肢』が生まれるという。それは悪い事だろうか?

435『エターナル・ノクターナル』:2023/09/27(水) 19:26:30
>>433(宗像)

『回想』と共に待っていても、『関』が姿を見せる事は無かった。
短い接触で性格までは分からないが、持ち逃げをするような理由はないだろう。
彼女はここを教えられていないのかもしれない。仮にも暗殺の一味だ。


      ・・・

          ・・・

              ・・・


預けたものは――――その日の夜、部屋に届いた。
新聞や日用品と一緒に、関が封をしたらしい素朴な封筒に入った形で。

届けに来たのは『病院』のスタッフだ。特に事情を知る様子でもなかった。
『外』から届けられたものは、患者に渡す。マニュアル通りの対応システム。
生きていればシステムの中に組み込まれる。システムの中にいれば安寧を得られる。

                  ・・・

             ・・・

        ・・・

そして……その僅かな歪みが、殺人のサイクル、『無間地獄』へ弾き出され、
その中で少しずつ、あらゆるものを削られ、喪い、殺しの道具へ純化する。
自身も既に気付いているだろう。ここに運び込まれてから『左腕』の痺れが取れない。
……『殺しの道具』となる右腕が無事なのは、果たして幸いだろうか?

最後に残るのは……人間性と縁を削ぎ落とされた、ただの『素材』だけだ。

           それでも、まだ。

           『宗像征爾』には、『過去』が残っていた。

436赤月『サクソン』:2023/09/27(水) 20:41:09
>>434

己の心の奥底に潜む闇に思いを馳せながら、窓の外の暗夜を見つめる赤月
・・・・ふと、宙を舞う羽音に視線が誘われる

そこに居たのは自然界には珍しい『白い鴉』

「・・・・・・・・・・。」

何も言わずとも理解していた
目の前に現れた『それ』は決して偶然の産物などではないという事を

         ガラララララ・・・・

窓をさらに大きく広げ、招き入れる
これは『凶兆』か・・・・それとも・・・・

「・・・・『白い鴉』とは随分と象徴的な姿じゃあないか
 常識から外れた、あり得ないものの象徴・・・・
 それは『青い薔薇』のように『理想』や『夢』を指し示す事もあるけど・・・・」

「君たちが目指しているものはそうではないのだろう?
 なあ・・・・『極夜』・・・・」

沈まない太陽と対をなす概念、『明けない夜』
起こり得ぬその現象の名前を、赤月は呟いた

437宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/27(水) 23:41:31
>>435

痺れの残る左手で封筒を取り上げ、そのまま元の位置に置く。
この手は穢れている。
手袋なしでは中身に触れられない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

         「『掃除屋』……『宗像征爾』」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  「『宗像征爾』……『始末屋』にとって最大の資本は『武力』だ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

威武と笹暮の言葉が蘇る。
それらが意味する所は同じだ。
誰かの命を奪う役目を負った人間を指す。

  「『殺手のマテリア』――――」

右手を見下ろしながら、おもむろに口を開く。

  「お前の後は俺が継いでやる」

一人の殺し屋が消え、一人の殺し屋が生まれる。
その輪に身を投じる事が、俺の行くべき道なのだろう。
まもなく疲労によって両目が閉じられ、意識は再び眠りに落ちていく。

438『エターナル・ノクターナル』:2023/09/29(金) 21:19:10
>>436(赤月)

     バササササ

白鴉は迷いもなく窓から飛び込み、窓べりに足を止めて。


                   ドロ ォォォーーーーーー 

            ・・・パサ

白い鴉は一枚の紙片に姿を変える――――おそらく因果は逆だろう。
『紙片』を『鳥』に変え、ここに届けた『何者か』が存在する。
それが『属す』名を、『赤月』は既に知っている。


        ――紙片には『文字列』が書かれていた。
        電話番号でもメールアドレスでもない、
        それを検索すれば『アプリ』に行き着く。
        海外のマイナーなチャットアプリだ。
        検索すれば行き着けるところまで含めて、
        『赤月』に向けた仕込みかもしれない――
 

当然――――『ハイネ』と『赤月』のやり取りはごく短いものだった。
しかも、見逃したとはいえ友誼を結んだわけではない。
加えて言えば、『赤月』の側から何かを求めたわけでもない。

だが、この一件……『赤月』が得たのは『アリーナ』との縁だけではなかった、という事だろう。

               『終わらない夜』がある。
               それを戴く者たちが――――確かに、いる。


         ・・・

                 ・・・

                        ・・・

それ以上の『便り』はなく、窓からは今も、生暖かい星夜の風だけが流れ込んでいる。

>>437(宗像)

                   フラッ ・・・


              パサ


戻そうとした封筒は、力の入らない手から落ち、
そして、『宗像』の傍に落ちた。
ベッドの下に落ちなかったのは幸運だろう。
そうなれば、もう、自分では拾えないのだから。

          『始末』 『掃除』

           ――――即ち、『抹殺』。

選ぶべき道ではない。常人なら。

だが、ある種の人間にとって、その道は。
――――自他の命を等しく無に出来る、『救い』でもあるのだろう。

                眠りに沈む意識と共に、暗く深い方向へ。

                   ――――それでも、命ある限り、進んでいく。

439赤月『サクソン』:2023/09/30(土) 00:12:42
>>438

           ・・・・ガシッ!

白鴉の変じた紙片を逃さぬように、荒々しい手付きで掴み取る
握りしめた『糸』が通じる先に居るのは人殺しをも厭わぬ邪悪な相手だ

「今は私も・・・・か」

この街に来て得た者は多い
『後援』を得て、『友』を得て、『味方』を得た
戦いの中で互いにわかり合えた者もいれば、決定的な決裂を経た者もいる

だが今は、『終わらない夜』を望む者たちと繋がりを得ようとしている
この街の『敵』だ・・・・

シャワーを浴びたばかりだというのに、じっとりと嫌な汗が額に滲む
『アプリ』を落し、チャット画面を開く。ゆっくりと呼吸を整えながら、一言目を書き込む

【『ハイネ』はここに居るか?】

440『エターナル・ノクターナル』:2023/09/30(土) 22:04:51
>>439(赤月)

汗が乾くよりも早く、通知音が鳴る。

              【『いる』】

短い返答が帰ってきた。
写実的な『鉄細工の花』のアイコン。名前は表示されていない。


【ハロー。ハロー。ハロー。はじめまして、ようこそ、新しい光!】

そして、『何かのアニメのキャラクター』のような――
『白を中心に、七色が入り混じる髪をした少女』の顔をアップにしたアイコン。

【光が増えるほど、影は暗くなる! 新しい光! 『プラカーシュ』は歓迎します!】

         ・・・ほかのユーザーは表示されていない。
         グループメンバーの一覧のような機能はないか、
         もしくは非表示になっているものと思われた。

             【そいつは気にしなくていい。今は】

花アイコンが、その書き込みから間を空けずに返答を続ける。

             【いるけど、ハイネは返事をしない】
             【そもそもここをあまり見てない】

――――口ぶりからして、『いるのを知ってるだけ』ではない。
『血族のハイネ』と何らかの接点がある人物と考えるべきだろう。

【ハイネはもっと明るく仲良くすべきですよ! 暗いからこそ光で満たさなきゃ!】

             【あなたをここに呼んだヤツからの説明もロクにない】
             【あなたも多分説明されてない】

             【だから単刀直入に聞く】

一拍ほど、間が空く。

             【あなたがここに来たのは、
              『マテリア』の代わりと考えていいの?】

緊張感を欠く『プラカーシュ』を置き去りにするように、
挙げられた名は――――『殺し屋』のものだ。

間違いなく、『ここ』は、アリーナも関知していない、『敵』の『内部』である。

441赤月『サクソン』:2023/10/01(日) 01:43:27
>>440

間を空けぬ通知音に、手に力を込めながら返された文字列を見る
急いで返答を返すべきか? そう思っている間に『二人』の会話が進んでいく

(マンガキャラのアイコンが『プラカーシュ』で、『鉄の花』がもう一人
『ハイネ』はアプリを見ていないのか・・・・?)

『二人』の口調から、彼ら(彼女ら?)の持つ関係性を考察していく
『プラカーシュ』はどうやら『拡大路線』のようだ。組織を大きくする事に関心があるのだろうか?
それに対して『鉄の花』は、雰囲気こそ硬いもののやり取りに『親切さ』が感じられる

(もちろん、ネット上のやり取りが本人の性質を表すとは限らないが・・・・)

そうして、『二人』のやり取りを眺めているうちに

             【あなたをここに呼んだヤツからの説明もロクにない】
             【あなたも多分説明されてない】

             【だから単刀直入に聞く】

会話の焦点がこちらへと向き・・・・



             【あなたがここに来たのは、
              『マテリア』の代わりと考えていいの?】

その言葉に息が詰まる
ここでの返答は、今後の自分の行く先に大きく影響を及ぼす事になる
・・・・それはつまり、『極夜』とともに歩みを進めるか、否か、だ

      すぅ・・・・

                       はぁ・・・・

深呼吸をして、心を落ち着かせる
大丈夫だ。判断力は鈍ってはいないし、興奮に勢い込んでいるわけでもない
冷静な心で、合理的に判断が出来ている

                    あるいは・・・・そう思い込んでいるだけなのかもしれないが

指先が躍る
書くべき内容は、既に決まっている

【当然だ。私は『マテリア』よりも強いのだから】

【『マテリア』を倒されて、君たちには余裕がないはずだ
 彼は非常に強力なスタンド使いだったから、君たちと合流していたなら相当な有力者となっていたはずだ】

【だが、その見込みももはや潰えた
 君たちに出来る事は『判断』を下す事だけだ】

【『マテリア』よりも強い私を、『雇い入れる』か・・・・『否』か】

『極夜』の二人に己を『雇う』という選択肢を提示する赤月
彼らの『仲間』ではなく、あくまでもビジネスパートナーとしての距離感を示した形だ

442『エターナル・ノクターナル』:2023/10/03(火) 00:18:23
>>441(赤月)

【なるほど】
【単なるビッグマウスだとは思わない】
【雇うというのは少し違うけれど、私は排斥しない】

『赤月』の意思は、文章という媒体を貫通し、
向こうにいる『鉄の花』の人物に確かに届いたらしい。

   【新しい光! マテリアより強くて、しかも明るそうです!大歓迎!】

『プラカーシュ』が賑やかす。
当然……この明朗な存在も、町を脅かす危険の一人だ。

      ――――――『赤月』もその一部になりつつある。

【我々の方向性は同じ。過程でそれぞれの目的を果たす】
【目的が多いほど推進力が上がる】
【単なる拝金主義者より、内に炎を灯している人間が良い】

【あなたが後者なら、良いと思う】

拝金主義者――――即ち『マテリア』のことだろう。
彼の代わりに『赤月』が来たのは、禍を転じて福と為す、と言ったところか?
あるいは、逃した魚の大きさを忘れるための去勢の一環なのかもしれない。

        【みんなで大きな事を成しとげるのは楽しいです!】
        【楽しみながら、やらなきゃいけないことも出来ます!】

【でも、あなたを全面的に信用はしない】
【それはあなたも同じ事でしょう】

……次のメッセージまでに若干の間が空いた。

【あなたがマテリアだったとしても同じ】

【他のヤツのほとんどは、ここであなたと話す気はないはず】
【『プラカーシュ』は知らないし、私は仕事に必要なら話すけど】

            【『プラカーシュ』はいつでも待っています!新しい光!】
            【たくさん交信してお互いの輝かしいところを知り合いましょう!】

探りを入れていく、というのは――不可能では無いにせよ難しそうだ。
興味を惹ける話題があれば別かもしれないが、
まだ『メンバー』の内情もほとんど分かってはいないのだから。

【すぐに何か伝える事は無いだろうけど、このアプリは残しておいてほしい】
【いつでもダウンロードはできない】

期せずして、しかし覚悟の上で得た『黒い繋がり』。

【どうせ。消しても、一度できた繋がりは消えない】

――それは『取り消す』ことが出来る類ではない。今はまだ浅瀬だが、それでも。

               一度染まったなら、洗い流す事は出来ない『黒』だ。

443赤月『サクソン』:2023/10/04(水) 01:46:18
>>442

(白々しい・・・・)

文章で多少の言葉を交わしただけではあるが、
既に赤月はこの『プラカーシュ』という人物に苦手意識を抱き始めていた
それは、彼(彼女?)の騒々しい言葉遣いもそうであるのだが、何よりもその在り方・・・・

(この街を脅かし、人殺しを良しとする人間が・・・・)

(『楽しむ』・・・・だと・・・・?)

赤月とて『戦闘』を楽しむ事はあるし、戦った上での人死にに思うところはあれど否定するつもりはない
だが、彼らが為そうとしている『大きな事』とは必然的にこの街の人間を多数、死に至らしめる行為であり・・・・

(いや・・・・)

「今となっては私も同じ穴のムジナか」

ぼやきながらの所感。『プラカーシュ』の第一印象はそこそこに悪い
・・・・それに比べると『鉄の花』の方に対しては多少の親近感を覚えていた

『プラカーシュ』のように口先で好意を表しているわけではない
さらに言えばこちらの事を全面的に信用する事はないとさえ言っている

(・・・・『誠意』を感じる
 少なくとも、後ろめたい事をやってるくせに見ず知らずの人間を歓迎するようなヤツよりは)

一通りのやり取りを眺めた後で、再び己の言葉を書き連ねていく

【肝に銘じておこう】
【それよりも・・・・】

一歩、踏み込む覚悟を決める
『帰還不能点(ポイント・オブ・ノーリターン)』は既に越えている
この街の『敵』になれば、もはやその『繋がり』から逃れる事は出来ない

「なれば・・・・? 何を悠長な事を言っているんだ。私は」

「何をおいても果たすと決めただろう・・・・」

【過程で目的を果たすと言ったな?】
【私の目的は・・・・『過去』を知り、『今』を殺す事だ】

すう、と息を吸い、そのまま一息に書き綴る

【『エクリプス』崩壊の謎を追い、『アリーナ』に潜む敵を殺す
 その目的を果たす為なら、君たちの目的に協力する事を厭わない】

【だから聞かせてもらおうか。君たちの目的とは何なのかを】

444『エターナル・ノクターナル』:2023/10/05(木) 05:04:51
>>443(赤月)

悪党にも人柄はあり、そこに好悪は生まれる。もちろん本質はまだ見えないにせよ、
『プラカーシュ』なる者の振る舞いが『不相応』なのは、何ら特殊な感想ではないだろう。

【あえて説明をしたのは決意表明と取る】
【だからあえて返す。あなたは私達に近い】
【恐らくそれを見計らってこの形で縁を結ばれた】

【『アリーナ』の中には、私と『プラカーシュ』にとっても、
 『誅滅』しなければならない人間も潜んでいる】

だが、『遊びに来ている』わけではないらしい。

傍目にあまり性格が合いそうに見えない二人が、
ここでやり取りを交わす理由はそこなのかもしれない。
共同体の中で……『より方向性の近い』もの同士。

           ――――『赤月』も、そうだ。

【他はそういう目的じゃないヤツも多い】
【例えばあなたが知るハイネは『それ』じゃない】
【当然、中身をここで私が勝手に話す気もない】

【『プラカーシュ』も話さない。そうでしょう】

半ば一人語りをしていた『鉄の花』が、もう一人へと水を向ける。

          【話さずに、新しい光が皆に馴染めるかが不安ですよ!】
          【新しい光! 『プラカーシュ』はいつでも馴染む手伝いをしますからね!】

すでに苦手意識を持たれている事など知る由もなく……
あるいはそもそもそのような発想すら無く、この存在は明るい。

『暗くあるべき』……そのような発想も、無いかのように。

【まあ、そもそも目的を周りに話していないヤツもいるけど】

               【ちゃんと願い事は口にしないと、誰も手伝ってくれないですけどね!】

【なんにせよ、最後には結びつく】
【我々全体の目指す『最高到達地点』はまだ言えないけど、
 組織、ひいては星見町と全面戦争をするようなものではない。
 だけど、私たちの願いが叶う機会はある。そういうたぐいのもの】

『全面戦争ではない』――――だがそれは、『町』との『友好』を意味するはずもない。

【あなたはあなたなりに『アリーナ』に潜っておいてほしい。
 ファイターという立場での接近は私や『プラカーシュ』にも、ここにいるほかのヤツにも難しい】

445赤月『サクソン』:2023/10/05(木) 13:38:13
>>444

「『誅滅』・・・・」

その言葉の意味は分かる
罪に対して罰を下す・・・・彼らもまた『アリーナ』に何らかの『罪』を見出した者なのだろう
『プラカーシュ』にとってもそうだという事は少し意外だったが、スタンスとして彼らは自分に近い者たちのようだ

【『アリーナ』の内部に『敵』が居るという点では、私と君たちは似たような立場というわけだ】
【お互いに協力しようじゃないか。私は私で『アリーナ』の内部に入り込み、『機』に備えておこう】

そこまで書き込みをしたところで、『鉄の花』の名前を聞いていない事に気づいた

【ところで、『鉄の花』。君の事はなんと呼べばいい?】

446『エターナル・ノクターナル』:2023/10/05(木) 14:41:19
>>445(赤月)

【アネモネ】
【『魔弾のアネモネ』 そう呼ばれていた】
【前半はアリーナの付けた呼び名だけど嫌いではない】

呈した疑問には、そのように返信があった。
本名かどうかはわからない。
何らかの『コードネーム』なのかもしれない。

【あなたのことは他のヤツにも話は通しておく】
【ただ、話の分からないおかしいヤツもいる】

【あなたの立場上、
 仮に敵が我々の一員と知っても、
 交戦が必要なのなら手心はいらない】

          【『プラカーシュ』は話がとても分かります!】
          【戦わなくて済みますね!新しい光!】

【出来れば損耗は避けたいけど、今あなたに話せる事は多くない】
【全員の顔と名前を紹介するわけにもいかない】

あくまで、『すべき事をする』だけ。
それはずっと変わっていない。
周囲にいる者達や、立ち位置は変われど。

【今後、話したい事があればなるべく夜に。
 基本は私か『プラカーシュ』が応対する。
 答えるかは別として、雑談とかでもいい。
 星見町で今暮らす人間の話には意味がある】

【ここにログは残らない。情報漏洩の心配は無用】

          【スマホを落としても大丈夫!技術力ではアリーナに負けません!】

少しだけ間が空き、『アネモネ』のポストが続く。

【明日からもこれまで通り過ごしていればいい】
【願うのはあなたが我々と同じ道にいる事】
【この道の半ばにあなたの目的がある事】

【何より、一度同志に迎えた相手を撃たずに済む事】
【例え、ゴールで解散する事になるとしても】

それを最後に、ポストが途絶えた。
話は終わりということか、話しすぎたということか。

いずれにせよ、『赤月』からアクションが無ければこの夜は閉じる事になりそうだ。

447赤月『サクソン』:2023/10/06(金) 13:28:04
>>446

【『魔弾のアネモネ』に『プラカーシュ』か・・・・】

自らの血液を攻撃に使う『血族のハイネ』のように
彼らの通り名にも能力を意味する言葉が込められているのだろうか・・・・?
少しだけそんな事を考えていたが、すぐに『考えるだけ無駄』だという結論に至る。

「重要な事は、彼らとの『コネクション』が生まれた、という事だ」

そう考え、再びアプリにメッセージを打ち込んでいく
        Rufus
【私の事は『ルフス』と呼んでくれ】
【『アリーナ』を調べれば簡単に身元は割れるだろうけど・・・・念の為、だ】

自己紹介代わりにその言葉を呼び名として名乗る
『アリーナ』でも、『星見町』の一員としてでもない、新たな名前だ

【願わくば・・・・君たちの『目的』が達成できるように祈っている】

最期にそれだけ書き込みをしてアプリを閉じた

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

暗くなったスマホをテーブルに置き、ぼふん、とベッドの上に横たわる
そのまま目を閉じてゆっくりと今夜の出来事について思いを馳せた

『ハイネ』との戦闘、『マテリア』の殺害・・・・そして『村田』との不和
その全てが運命のように連なって自身をこの場所に導いた

────『極夜』
かつてあった『エクリプス』を継ぐものたち
彼らとの合流が『どこ』へ向かっていくのか、今はまだわからない・・・・

448<削除>:<削除>
<削除>

449<削除>:<削除>
<削除>

450『エターナル・ノクターナル』:2023/10/07(土) 20:28:29
>>447(赤月)

二つ名の意味は今のところ分からない。
『意味などない』かもしれないし、アリーナが付けたなら、
ある種の識別や侮蔑、もしくは畏怖の意図もあり得るだろう。
いずれにせよ、『そう呼べばいい』……今はそれだけだ。

【ルフス? そう】

       【おしゃれな響きだと『プラカーシュ』はとても感心します!】
       【『赤』という意味ですよ、アネモネ!】

【どういう意味でも『呼び名』は重要。呼ばれたいなら、尊重する】
【それじゃあ、また】

アプリを閉じる――――
ホーム画面にはそのアイコンが確かに残る。烙印のように。
アプリ名は『HOLIKA』。『焚火』のシルエットのようなアイコンだ。

今後、『極夜』に連絡を取るなら、これを使う事になるだろう。

        ・・・

                ・・・

                       ・・・ぼふん

ベッドに体重を預け、目を閉じる。

『この道』は必然ではなかった。それは間違いない。
『赤月ナカレ』が選んだのだ。『正しさ』『間違い』とは切り分け、それは間違いない。

     その極点に待つのが後悔か。
         納得か、もっと何か誇らしいものか。

                 あるいはそのいずれもか――――


ある者たちにとっての『終わらない夜』は、遠いあの日から続いている。


           終わらせるためには。『待っている』だけでは足りない。


――――――――――――――――――――――――――――

赤月『サクソン』 ⇒ 『左肩に刺し傷』
            『全治1週間』『報酬90万円』
            『極夜』の『連絡先』を得る。

村田瑛壱『ディズィー・スティック』 ⇒ 『右手打撲』『軽傷少数』
                       『全治1週間』『報酬90万円』
                       成長―『メイク・センス』に目覚める。

宗像征爾『アヴィーチー』 ⇒ 『頭蓋骨骨折』『肋骨骨折』『複数の臓器損傷』
                  『パナケイア』により『再起不能』は取り消し。
                  『全治4か月』『後遺症:左腕麻痺』『報酬90万円』

――――――――――――――――――――――――――――

                          『エターナル・ノクターナル』 ⇒ おしまい

451『エターナル・ノクターナル』:2023/10/07(土) 21:20:51

【刃の信奉者】『白糸 カラエ』のスタンド。
纏うタイプのヴィジョン。
背中に浮かぶ『トンボ』のような薄い四枚の翅に加え、
両腕と両脚が、『蟲』を思わせる甲殻を帯びる。

本体が触れた『清らかな液体』に『タマゴ』を混ぜ、
本体の意識一つで『孵化』させられる能力。

孵化するのは――――肉食の『ヤゴ』。
このヤゴは潜む液体に触れた生物を『喰らう』。

肉を大量に食らったヤゴは『トンボ』に成長し、
さらに、トンボは『ヤゴ時に食べた生物』と同種の生物を襲撃。
肉を食いちぎってそこにトンボ自体も産卵し、新しく『ヤゴ』を発生させ始めてしまう。

唯一、本体は攻撃の対象にならないほか、
ヤゴが生物を探知するための厳密な『攻撃条件』は『体温』であるため、
スタンドで肉体の材質を変えるなど、温度を誤魔化す手段があれば攻撃されない。
また、ヤゴ段階で棲息できるのは清い水のみで、汚水などが混ざると死滅する。

繊細でありながら大量殺戮を可能とする、きわめて危険なスタンド。

『マスプロダクション・C・P・T』
破壊力:C スピード:B 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:C 成長性:D

『ヤゴ』
破壊力:D スピード:D 射程距離:A
持続力:D 精密動作性:E 成長性:A

『トンボ』
破壊力:D スピード:B 射程距離:A
持続力:D 精密動作性:E 成長性:E

452『エターナル・ノクターナル』:2023/10/07(土) 21:22:32

【鞘と刃の男】『血族のハイネ』のスタンド。

『     』と一体化したヴィジョン。
『血肉』を『    』へと『  』する能力。

『  』だけでなく『 』や『  』――――
更には『      』のような『怪物』にも変換できる。
ただし『  』は『スタンドそのもの』と一体化しているため、
『蝙蝠』より小さく『  』することは今のところ出来ない。

また、『     』を用いて『    』を『補強』でき、
この補強を受けた『黒ずんだ血』部分が傷ついたとしても、
『          』が発生せず、『消耗』を抑えられ得る。

『    』たちは『   』に反比例して動作性能が低下するが、
『      』段階ですら人間をはるかに凌駕するため、
リスクを超えるほどの『射程』『数』『破壊力』を並立させていると言える。
ただし、同時に操れる『    』の数がいくら多かろうが――特に『  』が多いほど、
それは複数のゲームを同時プレイするに等しく、フル活用は困難を極める。

『    』が撃破される度、当然、その糧とした血肉が損耗するが、
これについては『             』により、少しずつ回復出来る。

『カーディナル・シン』
破壊力:? スピード:?  射程距離:B(30m)
持続力:? 精密動作性:? 成長性:A

453『エターナル・ノクターナル』:2023/10/07(土) 21:26:41
【殺し屋】『殺手のマテリア』のスタンド。

スマートな人型のヴィジョン。
白く、各部に凹部があり、総じて無機質な印象。

ヴィジョンの手で触れた物を『EPS』――
即ち『ビーズ法発泡スチロール』に変える。
無生物であれば一瞬、生物ではしっかりと触る必要があるが、
触りさえすればその個所から能力範囲を『伝播』もさせられる。

同時に能力対象にできる数は最大で『3つ』までだが、
能力解除は対象を視認し強く意識さえすれば、
遠隔であっても行うことが可能であるため、
個数制限が問題になることは、猛者との戦闘を除けば少ない。

強度や柔軟を奪い人体や障害を破壊するほか、
破壊で確保した重量物の投擲からの能力解除や、
構造物の根元を破壊しての『崩落事故』を得手とする。

マテリアは自分自身をスチロール化する事で、
異様な身軽さや、出血しない肉体を実現しており、
それを前提とした『隠密能力』も、殺し屋として磨いていた。

『クリサンセマム』
破壊力:C スピード:A 射程距離:D(5m)
持続力:D 精密動作性:B 成長性:C

454『エターナル・ノクターナル』:2023/10/08(日) 18:40:37

――『ディズィー・スティック』は、『村田』に応え『成長』した。

『棒の一端』を『何か』に触れさせ、全力で『撚り合わせる』ように捻ることで、
一時的にだが、その物体と棒の一端を『装着』することが可能となった。
即ち――『アタッチメント』によって棒の『機能性』を拡張出来るほか、
『壁面』や『床』への固定で、よりアクロバティックな動作が可能となる。
ただし現状は装着力は弱く、人間の全力に耐え、体重を支えるのは一瞬が限界。
当然だが拘束には適さず、『穂先』等を取り付けても、全力の一打で外れてしまう。

唯一の例外は――――『棒同士の接着』。
この場合、双方の『装着力』が相乗することで、強固に固定される。
リーチの補填であれば伸長で事足りるが、重要なのは『一つの棒』になること。
この状態で『解除』を行うことで、それらの物体は『くっついたまま』元の形に戻る。
元が全く別の物体なら即座に剥がれるが、『同物質』なら疑似的に『復元』が可能。

                      make Sence     Make sence
力の名は――『メイク・センス』。即ち『創造の才』であり、『筋を通す』力である。

『ディズィー・スティック』 
破壊力:C スピード:A 射程距離:D
持続力:D 精密動作性:B 成長性:A→B

【『メイク・センス』】
1.『成長』で得た能力。棒のどちらかの端を『固体』に触れさせたまま、
  撚り合わせるイメージで、全力で棒を捻りこむ事で発動できる。
2.発動すると、その一端と接触部が『固定』され、『装着状態』になる。
3.『装着状態』の固定力は『C』程度。同じ破壊力Cの全力や、
  『村田』自身の体重程度の重さがかかると固定はすぐ解除されてしまう。
  そのため、『穂先』として何かを取り付けたりしても長持ちはしない。
4.対象サイズの制限などはない。床や壁に装着して移動の助けにするなども可能。
5.『装着状態』の任意解除は、その棒を握っている時ならいつでも可能。
6.装着できるのは棒の一端ごとに一つずつまで。射程や持続時間は特にない。
7.『棒の一端』と『棒の一端』を装着すると、装着力は『B相当』になる。
8.この『棒の一端同士を装着した棒』をまとめて解除すると、くっついたまま元に戻る。
9.元々が違う物質の場合は、元に戻った後すぐにくっつきは解ける。
  元が同じ物体の欠片同士なら、そのくっつきは永続し、事実上の『復元』となる。

455『夜明けは七曜へ紡ぐ』:2023/10/09(月) 15:11:23

――――――同日、『白鳩グランドホテル』20F ペントハウスフロアにて。

「こちら『威武』だ。
 貴派の『ニマ』にも手伝って頂いたが、
 やはり痕跡は何も残っていない。
 予見していたとは思えないが……
 復元も望み薄だろう。回収はするが」

          ザッ

「『殺手のマテリア』……
 『最も殺すべきもの』は殺していたか」

          「忌まわしい男だ」

     ザッ

        ・・・
 
            ・・・

              
「……『漣』が『懸念』を抱いている事は知っている。
 私も十中八九、『それ』はあると考えている。
 マテリアがここに泊っていることを、
 連中が脚で調べたとは考えにくい」

       「だが私には現況を共有すべきだ。
        『血族のハイネ』単体のハズがない。
        『桜島』の手勢だけでは役者が足りない。
        ……『如月』や『夜鹿』を囲ってもいるようだが、
        彼らを『専有』するのは望ましくないだろう。
        町の有志達の手を借りるにも限度はある」

  ザッ ・・・

「………………確かに。
 『子供の遊び』ではない。
 参画には『証』を立てる必要があるか」

「スポンサー『渦森ヤスミン』
 彼女の『スポンサー特権』の『枠』を、1つ都合しよう。
 理由は当然『言わない』が、漣には意味が理解出来る筈。
 ……同時に、これを活かす術が私にはない。
 恐らくウィン・ウィンの提案になるだろう」

         「……結構。では、それで。
          私は処理を終えたのち、撤収する」

   pi


「………………………『エクリプス』。奴らの『落日』は『終わらせない』」

456『夜明けは七曜へ紡ぐ』:2023/10/09(月) 15:47:51
某日 ―――― 星見町内某所、廃ビルにて。


                 ガチャ ・・・


                     ハトリ
≪お迎えに上がりました――――『葉鳥』様≫

                     

            ザァァァァァ ――――――――――――― ・・・・


「…………高層階だ。
 『盗み聞き魔』の心配も…………ないだろう。
 だが通り名という便利なものがある…………そちらを使え」

           「『その恰好』……『渦森』の駒だな……?」

┌────────────────────┐
│                             │
│     『吸血カルト』 血清の羽 元信徒      │
│                          .     │
│           血族のハイネ             │
│    スタンド名― 『カーディナル・シン』      .│
│                             │
└────────────────────┘

「失礼いたしました。ですが、私も、駒という呼び名は心外です。
 ――――主命に従うか否かを決める権利がありますので」

                                 ザッ

「…………『矜持』か。悪いことを言った。取り消させてくれ」

「いえ。先に無礼を働いたのは私ですゆえ。お気になさらず。
 お嬢様からは貴方を丁重に迎え入れろと仰せつかっております。
 ……それでは、参りましょう」

                     ギィィィィイ ―――――――――


(……『戦士の赤月』……どういうつもりで合流してきたかは知らないが)

                                              バタンッ


                      (『歓待』すべき同志になれるなら……悪くない)


ハイネ『カーディナル・シン』  ⇒ 『再起可能』


●『吸血カルト』 血清の羽 ⇒ 急進派が『エクリプス』に加担。民間人の拉致、監禁、
                    失血及び不適切な輸血行為による殺害を複数行う。
                    関与の首謀者『狂い牙のアラシ』 ⇒ アリーナ『威武派』により『完全消滅』
                    ほか、関与が確定した団員1名『討伐済』 疑惑のある団員2名は監視処分。
                    『組織母体』は『エクリプスへの関与を否定』 および中部地方から撤退済み。

457『夜明けは七曜へ紡ぐ』:2023/10/11(水) 00:47:15


『HOLIKA』を閉じて、サイドテーブルに置いた。
安ホテルの夜景に一瞬だけ視線を向ける。新しい同志。

                   ピポ

「――――――――――例の彼女と、
 『話』は出来た。『マテリア』よりは我々と近い人間に思える」

すぐにヘッドセットのマイクをONにすると、煙草を灰皿に押し当て、
眼帯を手直しし、『WEB会議システム』に集まっている面々に声をかけた。

┌──────────────────┐
│                          │
│             コッチプ          │
│ 元『国際密輸組織』 花売 下部構成員.  │
│                          .  │
│        魔弾のアネモネ          │
│    スタンド名― 『フライシュッツ』       │
│                          │
└──────────────────┘

              ・ ・
「アリーナとの繋がりの枚数を増やせたのも大きい。
 結果論だけど、今回の件は『失敗』ではなかった。私はそう考えてる」

             いつ見てもまとまりのない面々だ。
             これだけ集まっているのは珍しいが、
             『ハイネ』の状況を考えれば当然だろう。


ぴったり切りそろえた髪の下、目を細める。―――――『同志』達の反応を伺うために。

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459『夜明けは七曜に紡ぐ』:2023/10/14(土) 09:38:35

≪『プラカーシュ』もそう思います! それに、新しい光はとっても明るいです! 素敵な名前も教えてくれました!≫

――――笑うのは、白髪に虹の色彩を乗せた、場に不相応なほど天真爛漫な『アバター』。最も大切なものを失った徒花。

                        ┌──────────────────┐
                        │                          │
                        │   元匿名『クラッカー』集団(名称なし)   │
                        │                          │       
                        │        遊星のプラカーシュ(自称)     │       
                        │       スタンド名― 『???』        │
                        │                              │
                        └──────────────────┘

「良きかな、良きかな。童が喜ぶことほど、世に尊(たっと)い事もあるまいて」
「ほんに、よき出逢いを得たものよ、我々は。ふふ……肩入れし続ける甲斐もあると云うもの」

――――訳知り顔で頷くのは、和装に身を包み、気色の悪い笑みを浮かべた小柄な女。

┌──────────────────┐
│                          │
│    元無所属  浮説飛語の遣手     │
│                                │
│         渡鴉のシラナメ          │
│       スタンド名― 『???』       .│
│                          │
└──────────────────┘

            「…………ただ、『弾丸』として使うなら、
            『金』さえ払えば確実な仕事をするマテリアは安定していた。
            『ルフス』……彼女の思想を、もう少し深く探れればよかったのだけれど」

「『思想』なんて……どうでもいいじゃん。裏切ればどうぜ、わたしが消せばいいだけでしょ」

――――微動だにしないのは、人形のような黒いワンピースドレスに身を包む、色素の薄い灰髪の少女。
                       ┌──────────────────┐
                       │                          │
                       │ 元『傭兵組織』 プラーミャ・ミェーチ 団員 │
                       │                          .  │
                       │       .灰燼のチトイーリカ          │
                       │      スタンド名― 『トリグラフ』      │
                       │                              │
                       └──────────────────┘

「わたしより強いなら……それはそれで、おもしろいんじゃないの? ねえ、アクアリオくん」

「アハハハハハ! チーちゃんより強いスタンド使いが加われば、今すぐでも戦争を仕掛けられますよねえ!
 いや、いっそ、どうです? ここらで一つ、『マテリア』殿の敵討ちに、連中の横面に一撃を叩き込んでやるというのは!?」

             「敵はどうでもいいけど、戦うならわたしはいつでも」
               ≪『プラカーシュ』もどんとこいです! 吠え面を消し飛ばしてあげたいです!≫

「さっすが、ウチのお嬢さんたちは皆さん頼りになりますよねぇ!
 商品に欲しいくらいですよ! アハハハぁ……ま、オレ、もうクビになってますけど」

――――調子よく囃すのは、なんとかいうブランドのビジネススーツを嫌味たらしく着こなす、年若い西洋人の男。

┌────────────────────┐
│                             │
│  『ブラックマーケット』 メルクリウス 元外商員 │
│                          .     │
│         焼き畑のアクアリオ           │
│  スタンド名― 『ロス・モストロス・ニヒリスタ』  │
│                             │
└────────────────────┘

460『夜明けは七曜に紡ぐ』:2023/10/14(土) 09:42:24

        
          「……我々の目的は、『戦争状態』ではないでしょう。 そもそも敵を討つ程義理もない」


「いいや『戦争』は望ましい…………
 嗚呼甘美なり数多の傷と悲鳴。何もかもを失うが何もかもを得られる……フフッ」

       「落とし所が正しく処方出来れば……だがね」

――――うっとりと囁くのは、厚手のコートの下の総身を包帯で覆う、長身痩躯の『怪人』。

                       ┌───────────────────────┐
                       │                                  │
                       │              『闇医者』                  │
                       │                                  │
                       │            約定のユーロン              │
                       │    スタンド名― 『ウルティマム・ユーキディウム』  .│
                       │                                  │
                       └───────────────────────┘

「……今の状況では、何かを得る為の的確な落としどころなど……『高望み』だ。
 義理がないのも、アネモネに同意だが……………あったとして、
 返す余裕も……仁義とやらを守る根拠も……今の我々には、少なくとも組織としては……薄い」

     「おれたち個人は強い……だが組織はアリーナの一派閥にも満たない」

「『あなた』を『信用』して問う。現状をどう考えている?
 おれ達はいつでも『動ける』が……自由意志に任せたテロルは……望んでいないだろう」

――――憂うのは、パーカーのフードを目深に被った、陰鬱な影を纏う銀髪の青年。

┌──────────────────┐
│                          │
│  『アート・テロリスト』 兼 強盗集団首領  .│
│                            │
│        奪胎のイズラフェル       .│
│      スタンド名― 『デストルドー』     .│
│                          │
└──────────────────┘

「――――――『新しい光』は、歓迎しましょう。アネモネさん、プラカーシュちゃん、応対ありがとう。
 それから、勧誘のための『足』を作ってくれたシラナメ女史にも感謝を。
 『アリーナ』は今回の功績で、間違いなく彼女の囲い込みに動くはずです。
 このタイミングの接触は完璧だ。思わず猛ってしまうアクアリオくん達の気持ちも、分かりますよ。
 危ない橋は『前提』。我々が安全な道を歩いて辿り着くのは『地獄』でしかありませんからね」

           「ですが、ユーロン先生とイズラフェルさんの言う通り、『まだまだ』です。
            一時の火の滾りで動けばどうなるかは、我々は皆、骨まで染みているはず」

――――穏和に説くのは、髪を後ろになでつけて額の傷を曝け出す、山を思わせるような、大柄の男。

                       ┌────────────────────┐
                       │                             │
                       │  『指定暴力団』 関星会 元若頭兼次期組長  │
                       │                          .     │
                       │          人買いライチョウ            │
                       │       スタンド名―  『???』          │
                       │                             │
                       └────────────────────┘

「ひとまずは、ハイネくんを無事に回収するのが先決でしょう。
 『刃』同様、『お嬢さん』が保護をするのが手筈ですが――――」

461『夜明けは七曜に紡ぐ』:2023/10/14(土) 10:05:42

【正しい。先刻『確保済み』の連絡あり】
【同時に、見返りを求めてもいる】
【『彼女』は、この期に及んで、『揺れている』】

【事実、今ならハイネを引き渡す一手で『裏切り』の烙印は押されずに済むだろう】
【あなたがたの全容は知らずとも存在を明かすだけでもカードになると理解してもいる】
【『彼女』は愚かだが聡い。あなたがたが強く出られない事を理解している】

――――淡々と打ち込まれるのは、その『姿』を誰も知らない。『組織の犬』。

┌────────────────────┐
│                             │
│   現アリーナ ■■■■ 兼 『内通者』     │
│                          .     │
│             ???               │
│        スタンド名― 『???』         .│
│                             │
└────────────────────┘

「よろしい。では―――――『アネモネ』さん。
 見返りの提供と、ハイネ君の回収。並行するのであれば、あなたが条件に適している筈」

・・・かつてのように各々が属していた、あるいは率いていた組織はない。組織力もない。

  山ほどの武器も、スタンド使いもいない。それを運ぶ船もない。主義主張すら統一がない。

「……ええ。承るわ。満足に動かせる駒もないものね。
 願わくば、ハイネの二の舞にはならないといいけれど」

様々な障害を越え、辛うじてかき集められた寄せ集め。
『アリーナ』とぶつかれば、一つの派閥にすら押しつぶされて不思議はないだろう。

「二の舞なら問題ない……生存できるのだから。だが、気をつけろアネモネ。
 …………星見町はあの頃と同じ、いや……あるいはそれ以上に、『甘くない』」
  
            「アハァ! 慎重すぎますよねェ〜イズちゃんは!
             アネモネさん強いから大丈夫でしょ!」

だが、『巨獣』の足にまとわりつく『毒虫』も、数がそろえば。


「…………ええ、肝に銘じておくわ『イズラフェル』。
 それじゃあ、吉報を届けられるよう願っておいて。……私が戻るまでに、余計な欠員が出ないこともね」

                                     
                                 ――――膝をつかせ、首を下ろさせ、目を齧り、脳を奪う事が出来るハズだ。

462『夜明けは七曜へ紡ぐ』:2023/10/15(日) 13:41:01


『国際密輸組織』 花売(コッチプ) ⇒ 全盛期のエクリプスに銃火器等の供給、人員輸送等を行うも、
                       首魁『生誕のブーケ』の討伐により戦力の大半と統率、各種のコネを喪い、
                       その後の戦闘で構成員4名が死亡。2名は現地警察により逮捕。解散済み。
                       残党の存在は指摘されるも、顔や名前が不明なため積極的な捜索は終了している。


匿名『クラッカー』集団(名称無し)  ⇒ エクリプスの依頼を受け、通信網への干渉で町民の連帯を乱すなど暗躍するも、
                         過熱する残虐性への呵責からメンバー1名が情報を手土産にアリーナに『亡命』。  
                         代表であるスタンド使いは被害を受けた町民と当該団員の連携により『討伐』済み。
                         スタンド使いではない所属者については現地警察により逮捕。中心となる人物は獄中自殺。


『ブラックマーケット』 メルクリウス ⇒ エクリプスの活動に多額の出資、および盗品の販売ルート提供など、
                        後方支援を中心とした関与のほか、一部メンバーにより兵力の提供も実施するが、
                        出資先の敗戦および報復攻撃によってアジア闇市場での影響力を喪失した。
                        本国代表者は関与した外商員の独断行動と主張。距離的制約等もあり全面戦争は回避。


『傭兵組織』 プラーミャ・ミェーチ ⇒ エクリプスの一部派閥により、多額の資金で雇用され、アリーナと交戦。
                       雇用主の敗戦・消滅により辛うじて撤退するも、過程で主力の大半を喪失し、
                       また雇用された組織を勝利に導けなかったことで評判が低迷し、
                       その後、本国における粛清と内乱により消滅。団員の一部が行方不明と報告あり。


『指定暴力団』 関星会      ⇒ 守旧派への失望から一部急進派が離脱しエクリプスに合流。
                      『鞘と刃』と『無限の財源』を持ち込み勢力拡大に加担するも、
                      町の有志とアリーナによる合同作戦で参謀以下大半の団員を喪失。
                      『財源』は回収。守旧派関係者は、アリーナによる監視下に置かれる。
                      一部幹部は逃亡し、関西での目撃情報を最後に行方不明だったが、
                      うち『泡沫のソラ』が近年になって星見町で討伐が報告済み。


――――ほか、当然のことながら何らかの『組織』に属さない無所属のエクリプス関与者も多数存在したが、
組織力を支えていた『情報要員』や『治療能力者』は徹底的に撃滅、戦力となっていた個人単位での『殺し屋』や『テロリスト』も
その大半が町民の尽力とアリーナの組織力による『討伐』、『監視措置』、または表沙汰になった犯罪行為での『逮捕』済みである。

著名な所属者はその多くが顔が割れており、『星見町』は勿論日本国内での目撃情報は即ち『追撃』に繋がる。
それでもごく少数の『行方不明者』や『推定関係者』の存在とその発見や再犯に伴う撃滅は繰り返され、星夜を不安で陰らせる。


                                     そして。


                                  ―――――――今、また一つの迷える『遺児』が、その暗雲へと合流する。


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