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【ミ】『コメットテイルを極夜に紡ぐ』

1『極夜』:2023/03/14(火) 22:22:04


    ――――――明けない夜を戴く。


★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1455891211/

【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/

【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1511075107/

【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1552052081/

【ミ】『コメットテイルの止まない町で』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1591890858/

【ミ】『星合多重争コメットテイル』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1635601169/

★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
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【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/

2『エターナル・ノクターナル』:2023/03/14(火) 23:05:42



「――――『町内』でなければ警戒が緩む、
 なんて話ではないと思うんだけどさ」

             ゴ

                オ ォォォォォ ―――――――
         

「それにしたって無礼じゃあないのかな。
  君……顔ぐらいは見せるべきなんじゃないの?」

                      
           ピン  ポーーーーン    


                    <20階 です>

                            ザッ
 
「……だんまりかあ。ま、いいんだけどね。
 魔女狩りは済んでも――――余裕なんて無いだろうし」

                   「それは私もなんだけど。
                    危ない橋を渡ってばかりだ」

          「今は愚痴より有望な若者が生きてた事を喜ぶべきだよね。
           ――――――――ああと、そこの部屋ね」

     pi

  「高いとこっていいよね。
   バカに独占させとけないよ」

                ウィーー ・・・ガコン

          ザッ

「それで――――――そんなお宝まで持ってさ。
 『担保』するってことは、お願いがあるんでしょ?
 私に何を叶えてほしいのかな」

          「まあ」 

     「私が願われる事なんて、いつもひとつだけ、だけどね」



                     『エターナル・ノクターナル』 ⇒ 開始。

3『エターナル・ノクターナル』:2023/03/14(火) 23:07:30
>赤月
>宗像
>村田

①簡易プロフ(名前、年齢、性別、服装含む外見)
②持ち物
③;質疑を最新まで反映した能力詳細
④;『アリーナ』と『エクリプス』についての考え

――――以上をご提示の上、このレスに返信をお願いいたします。

4赤月『サクソン』:2023/03/14(火) 23:31:48
>>3

①簡易プロフ(名前、年齢、性別、服装含む外見)
赤月 ナカレ 中学2年生 女性
清月学園の学生服(ブレザータイプ:ジャケット、ワイシャツ、リボンタイ、スカート)
地毛の色は黒。セミロングで肩までかかる黒髪に赤いメッシュを入れた髪型
顔つきはやや幼いが、中学生にしては背が高く姿勢が良い

②持ち物 スマホ、財布(数千円程度の紙幣と数枚の硬貨)、生徒手帳、ボールペン2本(in胸ポケット)、ハンカチ、ポケットティッシュ
通学用鞄(ノート数冊、筆記用具、スポーツタオル)

③質疑を最新まで反映した能力詳細

トレンチコートを着た人型ヴィジョンのスタンド
トレンチコートの中に隠した物品を『暗器』に変える

『サクソン』
破壊力:C スピード:C  射程距離:C(15m)
持続力:D 精密動作性:A 成長性:D
能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/220-221

④『アリーナ』と『エクリプス』についての考え
『アリーナ』
兄を殺した相手であり、敵である事には変わりない
しかし、いくつかの『派閥』と関わった今、それだけではない事を理解している
『アリーナ』という組織に対しては今でも憎悪を抱いているが、所属する人間とは個人としての付き合いは可能
また、『アリーナ』という組織がこの街の治安維持にとって大きな役割を持っていると理解しているため、
現時点では大っぴらに組織を崩壊させる事は考えていない(街の友人たちも巻き込まれてしまうため)
ただし、兄の殺害に直接的に関与した人間が現れた場合、その箍が外れる事もありえる

各派閥への印象
『最中派』:印象はかなり悪く、嫌悪感を隠そうともしない
しかし、赤月にとって最も関りが深い派閥であり、ほぼ間違いなく『仇』とは関わりない事から
『アリーナ』の情報を入手するためのとっかかりとして重宝している

『タダヒト派』:『仇』との関わりについて最も疑いを深くしている
ただし、派閥のカラーそのものについてはだいぶ好意的に思っており、
戦闘意欲の高い末端の闘士たちの事は好ましく思っている

『エクリプス』
現在、自分の生活を支援している『後見人』が所属していた(あるいは現在も所属している)組織
兄がスタンド使い傭兵として戦った際の依頼人であるが、交流もなく、兄の最期について何の情報もよこさない事から
かなりの不信感を抱いている
現時点では積極的に戦おうという意思はないが、友好関係にあるわけでもない
ただし、彼らの事は兄の最期に関わっている事もあり、それについては積極的に知りたいとも思っている

5村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/15(水) 01:42:58
>>3

①簡易プロフ(名前、年齢、性別、服装含む外見)
 村田瑛壱(ムラタ エイイチ) 17歳男性
 学ラン姿。身長172cm。黒の短髪。
 長いGIベルト(160cm)を2本ゆるく腰に巻き、余った部分を垂らしている。

②持ち物
 ロングの煙草一箱、使い捨てライター、スマートフォン、財布、
 メモ帳(A6サイズ)、ボールペン

③;質疑を最新まで反映した能力詳細
 物体を捻り、『棒』にすることができる『棒術の達人』のスタンド。
 『棒』は異常なしなやかさを持ち、『物理的干渉』によっては『破壊されない』

  『ディズィー・スティック』
 破壊力:C スピード:A 射程距離:D
 持続力:D 精密動作性:B 成長性A
 ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/145

④;『アリーナ』と『エクリプス』についての考え
 『エクリプス』は『毒』、『アリーナ』は『薬』であると考えている。
 しかし薬も過ぎれば毒となるということは、『夏の出来事』から身に沁みて理解している。
 よって(派閥が異なるだろうとはいえ)『薬』たるアリーナについてもあまり快く思っていないのが現状ではあるが
 『冬川凍』のみ、数度のやり取りから人間として・・・『大人』として信頼している。

6宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/15(水) 06:37:02
>>3

俺の仕事は『配管工』だ。
社会によって生み出された『負の側面』から目を背ける事は出来ない。
街中から集められた『生活排水』と『産業排水』が、
血管のように張り巡らされたパイプを潜り抜け、暗く淀んだ『下水道』に流れ込む。

     ザ ァ ァ ァ ァ ………………

そこを歩いていると、無意識に『かつて過ごした場所』が思い起こされた。
あの『二十年間』を短く感じたのは、心の何処かに名残惜しい部分があったからか。
『塀の外』に出たとしても、俺には何も残されていなかった。

           ザ ァ ァ ァ ァ ………………

地下を流れる巨大な汚濁を眺める時、いつも同じ事を考える。
『人の営み』が存在する限り、この世から『汚れた水』がなくなる事はない。
『罪』と呼ばれる『汚れた血』も、人間が消えない限り在り続けるだろう――――。



■簡易プロフィール
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
名前:宗像征爾
年齢:44歳
性別:男
外見:身長188cm、屈強な体格、黒髪の短髪、抜き身のような光を持つ黒い瞳
服装:カーキ色の作業服、革手袋、安全靴、腰袋を吊り下げる為の革製ワークベルト

■所持品
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・ベルトに吊り下げた腰袋
・財布
・かつての婚約者の写真
・暗所作業用のL型ライト
・折り畳み傘
・花飾り付きの幸運のお守り

■能力詳細
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/230

右腕に『ノコギリ』を備えた人型スタンド。
傷害(損害)を条件に、右腕を自動操縦の『ノコギリザメ』として切り離す。
分離した『ノコギリザメ』は、本体が受けた以上の傷害(損害)を与えるまで暴れ回る。

『アヴィーチー』(人型)
破壊力:B スピード :C 射程 :E(1m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:C

『ノコギリザメ』
破壊力:A スピード :B 射程 :A(100m)
持続力:A 精密動作性:E 成長性:C

■『アリーナ』と『エクリプス』についての考え
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『アリーナ』は『必要悪』であり、不要ならば存在すべきではないが、
少なくとも今は存在しなければならない。
『エクリプス』は『必要のない悪』であり、存在するべきではない。
どちらに対しても特別な感情は持たず、組織そのものよりも、
そこに属する個々の人間を重視する。

7『エターナル・ノクターナル』:2023/03/15(水) 23:48:42
>>4(赤月)

その日、『赤月ナカレ』は因縁深い『タダヒト派』からでも、
ある意味『悪縁』とはいえ馴染み深い『最中派』からでもなく……
『漣』なるアリーナ職員からの連絡を受け、迎えの車を待っていた。

連絡といっても、教えた覚えのない電話番号で受けたわけではない。

「遅いですねえ、来るの…………」

隣にいる『スズメ』という少女から、
『手渡し』で受け取った形だ。

丸いお団子髪に、垂れた目。エプロンを付けた立ち姿は、
少なくとも『ファイター』の剣呑さは備えないように見えるが……

「…………あのうっ、飴でも食べますか〜?」

『非戦闘員っぽい』ことは、アブないヤツではない証明にはならない。
それをつい最近、赤月は思い知っていたはずだ。

差し出してくる個包装の『黒あめ』は、受け取るべきものなのか…………?

>>5(村田)

           ?♪

時間帯としては――――『放課後』だった。

その時『村田瑛壱』がいたのが『教室』か、
『廊下』か、それとも学校にはいないのか、
いずれにせよ、スマホに『着信』が入った。

                    〜 ♪

番号は『知らない』物だが、
直感として…………『セールス』だとか『勧誘』だとか、
そういったものではないと、『村田』には分かった。

もちろん、出ないなら出ないで問題は無いだろう。
重要な連絡だとして、不確かな取り方は不確かな結果まで予期する物だ。

8『エターナル・ノクターナル』:2023/03/15(水) 23:51:18
>>6(宗像)

         ポチャン…

多くの人間はその恩恵を享受しながら、
宗像の見る景色を生涯見る事はなく、
ただ、『穢れ』のイメージだけを抱いている。
ある意味でそれは『受刑者』達と同じように、
『罪と悪』を隔離するための世界なのかもしれない。

     ザ ァ ァ ァ ァ ………………


   「『オフビート・ミミック』」


           ……ガチャ

思索を引き裂くように、その男は顔を出す。

「『鍵を開けて入り込む能力』……
 すぐに直るので、修理の手間はない。
 明かしたのは…………非礼の詫びだ。
 もう一つだけ明かすなら、私は『笹暮』
 ある『組織』に属する人間で」

       その声は『上』から聞こえた。

「町の『治安』を守る責任を抱いている。
 そういう意味では貴方と似た仕事だな」
   
見れば、下水道の『天井』から覗く男が一人。
『覗き穴』は、明らかに通常の現象ではない。

「居場所を知った方法は機密だが、
 我々にはいくらか耳や目が多い。
それも、概ね『治安』の為だ。
 ……………………さて、本題に入るか」

         「それとも場所と時間を改めようか」

傍らに浮かぶ『ヴィジョン』は、
彼が『同類』である事を示してもいた。
宗像は当然、仕事中だ。性急な話でこそあるが……どう応じるべきか。

9宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/16(木) 09:58:45
>>8

足を止めて頭上を見やり、胸ポケットに入れていたL型ライトを向ける。
片手に握る『パイプレンチ』が、一瞬の照り返しを受けて鈍く光った。
地上から隔絶された場所で、不意に呼び掛けられた経験は少ない。

「俺を殺しに来たのではないらしいな」

『五十嵐』の仲間か、『下村』の一派か、『木野井製薬』の刺客か。
相手が名乗る前に、幾つかの可能性を考えた。
『笹暮』の話を信じるなら、どれでもない事になる。

「天井に穴を開ける事が、あんたの用事ではないだろう」

ライトを下ろし、奈落の底から笹暮を見上げる。
同時に、記憶の片隅で埃を被っていた知識の一部が、俄に脳裏を掠めた。
地獄で苛まれ続ける男の前に、一本の細い糸が垂れてくる話だ。

「お互いに『余計な手間』は省くべきだ」

言葉の先を促しながら、『燃え尽きた灰』を思わせる虚無的な瞳が、笹暮の顔を見返す。

10村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/16(木) 19:33:41
>>7

 「…『アリーナ』…」

セールスでも勧誘でもないとすれば。ひとつの予感が頭をよぎる。
あの夏、おれはひとりの男を殺した。『アリーナ』の一派閥に情報をもたらすはずだった男を。
長らくそれに関する『咎め』がなかったが…心当たりと言えばそれだ。

ピ!
 「何か用か?」

直ぐに電話に出る。
その一派閥以外が被害を被ったわけではないにせよ、人間ひとりを殺した『スタンド使い』がなんの沙汰もなくウロついている…
治安維持を名目としている『アリーナ』としては、面子が立つはずもあるまい。
他派閥…あるいは『アリーナ』全体から追手がかかってもおかしくない。
もっとも、それは覚悟の上だ。

11赤月『サクソン』:2023/03/16(木) 20:45:38
>>7

「そうだな・・・・」

『アリーナ』から依頼を受けるのは、決して初めてではない
『最中派』とは何度か『試合』や『取引』の連絡を取り合った事があるし、
『タダヒト派』とも『試合』によって得たコネクションを保持している

だが、それ以外の派閥とは未だ有効なコネクションはなく、情報収集も行き詰っていたところであった
『漣』という名前に聞き覚えはなかったが、赤月はこれを次の一手への布石にようと考えていた

(それにしても・・・・)

ふと、ともに迎えの車を待つ少女の姿を見た
服装や表情からは戦う人間特有の覇気というものが感じられない
普通に考えれば、非戦闘員の連絡係と考えていたが・・・・

(いや・・・・油断は禁物か)

脳裏に夏の終わりころに開催された『試合』の苦い記憶が蘇る
あの時は、見た目で人間を判断した事から最終的に酷く痛い目を見た
その傷は、今でも心の奥底に残り、己の判断に警鐘を鳴らしている

それはそれとして、彼女と一緒に居ると心が落ち着き・・・・安らぎのようなものを感じられた
まるで友人と一緒に穏やかな日々を送っているような・・・・

(いけない。油断大敵だと己を戒めたばかりだというのに)

>「…………あのうっ、飴でも食べますか〜?」

「・・・・・・・・・・!! いや、私は・・・・・」

考え事をしている間に、『スズメ』と名乗る彼女が自分に向けて菓子を差し出している事に気付いた
反射的にその申し出を断ろうとするが、いや待てよ、と思いとどまる

(『アリーナ』が本気で私に危害を加える気なら、
 こんな迂遠な手段を取る必要もないか・・・・)

「ううん、ありがとう。いただく事にする」

そう言って『黒あめ』を受け取り、口の中に放り込む

12『エターナル・ノクターナル』:2023/03/17(金) 10:22:34
>>9(宗像)

        ス…

受けた光に手を翳し、男は微笑もせず続ける。

「何か心当たりでもあるのか?
 それが俺の仕事なら、声は掛けないし」

    「寧ろ、こちらが頼みたいんだ」

           ズズ

『オフビート・ミミック』が穴から這い出し、
宗像の足元に『何か』を投げて転がした。

     「詳しい話を聞きたければ、
      その『番号』に掛けるといい。
      説明の場への迎えを寄越す」

   スッ

転がってきた物を見れば、それは筒状の紙だ。
広げれば『携帯番号』が書かれてもいる。

「興味が無いなら下水にでも捨てればいい。
 水に溶ける素材だ……処分には困らない」

笹暮はヴィジョンを引き下げ、
自らもそれ以上何かを言う気配は無いようだ。
呼び止めないなら、彼は姿を消すのだろう。

>>10(村田)

「――――――『私』だ」

声色でわかる。電話先は『冬川』だ。

「いつもと違う番号なのは訳がある。
 一応言っておくと、悪いようにする気はない。
 忙しいなら今すぐ電話を切っても構わない」

彼が『夏の一件』を知っているのかは分からないが、
世間話の為の電話ではない事は間違いないようだ。

「だが、『例の件』に動きがあった。
 お前には知る権利があるし、
 私“達”はお前の『実力』を借りたいと思っている」

        「迎えが必要なら場所を言って欲しい。
         不要なら、この件が終わり次第また伝えよう」

『村田』が冬川にある種の信用を寄せているように、
彼もまた『村田』のことを『買っている』。

この件を断ったからと、それが崩れる訳ではないだろう――――――

>>11(赤月)

今のアリーナは『お役所』もかくや、という縦割り構造の組織だが、
他派閥の試合であっても、ファイターの情報は共有される節もあった。
派閥とのコネクションを広げるには、見世物になるのも意味がある。

「……ふふ、よかったです。少しでも緊張がほぐれたらと思いまして〜」

黒あめはごくごく素朴な味だ。パッケージに偽りのない、ただの市販品だろう。

「あのう、アカツキさん……でしたよね。
 アカツキさんはどうして――――――」


                  ――――― ・・・   ピタ

その時、静かに、車がすぐ傍の路肩に停車した。
高級車だとかスモークがかかっているとかは無く、
ごくごく普通の『エコカー』だ。
強いて言えば、かなりしっかり掃除されているようだ。

「――――あっ! 聞いてた車ですねえ。それじゃあ乗りましょうか〜」

彼女が『何』なのかは分からないが。
少なくとも今すぐ害のある存在ではないようだ。

車からは誰も降りては来ないが、『赤月』の目から見て妙な様子などはない。
単純に、あまり目立ちたくないという意図は感じなくもないだろうが――――

13宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/17(金) 12:37:22
>>12

『オフビート・ミミック』が転がした紙を拾い、中身を広げて確認する。

「俺に『仕事』をやらせたいのか」

以前、『アリーナ』の試合を見る機会があった。
『結城』と『扇原』の戦いは、確かに興味深いものだったと言える。
同時に感じたのは、あれは俺が立つべき場所ではないという事だ。

「あんたの所属は知らないが、『あんた達』は俺の『能力』を把握している筈だ」

『アヴィーチー』に出来る事は、決して多くはない。
だが、俺に話を持ち掛けてきた。
笹暮の言葉からも、大方の内容は推測できる。

「それを踏まえた上で、この『仕事』を引き受けさせてもらう」

畳んだ紙をポケットに入れ、頭上の笹暮に答える。
誰かがやらなければならないのなら、そこが俺の立つべき場所なのだろう。
おもむろに視線を移し、途切れる事なく流れ続ける汚濁に目を向けた。

「――今日中に連絡する」

笹暮に告げて踵を返し、『残りの仕事』を片付ける為に、再び奈落の底を歩き始める。

14赤月『サクソン』:2023/03/17(金) 17:27:22
>>12

       カロ・・・・

「ん・・・・美味しい・・・・」

素朴な味わいの飴だ
毒の味なんて正直わからないけれども、少なくとも明らかに異常な味がしたりすることもない
スズメの調子も相まって、うっかりしていると警戒を解いてしまいそうになる

                  ――――― ・・・   ピタ

「来た・・・・」

予定の車が現れた事で再びピリッとした緊張感が背筋を伸ばす
『アリーナ』とのコネクションを広げるためにも、この『仕事』は成功させなければならない
臆することなく堂々とした態度で、車の中に入り込む

15村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/17(金) 20:27:11
>>12

 「『例の件』。なるほどな。」

冬川の言う『例の件』とは、おそらく『流星刀』の件だろう。
『ゲンマ』と『リュウカ』を斬り、『スタンド能力』を目覚めさせた『怪刀』。

 「すぐに支度をする。『学園寮』の近場につけてくれれば問題ない。」

電話口に速やかに居場所を伝える。

冬川には借りがある。そうしたことを彼が好む好まぬは知らないが、少なくともおれにとっては借りだ。
そしてまだ見ぬ『怪刀』と、それを操る人物あるいは組織・・・そいつらに対しても、返さなければならない『借り』がある。

『高くつく』ということを思い知らせてやらなければならない。

16『エターナル・ノクターナル』:2023/03/17(金) 23:47:24
>>13(宗像)

「そうだ。お前の能力に任せたい。
 言っておくが丸投げをするつもりも無い。
 こちらはこちらで果たす責任があるが、
 お前の手を借りたい理由がある」

              ズズ

「――――連絡を待つ。
 もっとも、俺はその場にはいない。
 俺と会った事も……場所も手段も、くれぐれも内密に」

『オフビート・ミミック』と共に笹暮は消えた。
鼠の足音すらない穢れの奈落に宗像が――――
そして、去った男が残した『闇黒』への切符だけが残る・

           ――――――― ザッ

ひとまずは仕事を終わらせ、身支度程度はあるだろうが、
連絡をしたのであれば――――――電話自体はすぐに切れてしまい、
十数分ほどで、待機する宗像の前に『車』が一台迎えに来る。

                      キキ ィー ・・・

「……」       クイ

運転席には黒服の男が座っており、他に乗員は見当たらない。
無骨な仕草ではあるが、指で示された後部座席は丁重にシートが引かれており、
見れば小型の冷蔵庫まで備わっているようだ。『大仕事』らしい。

>>14(赤月)

「……お邪魔します〜」

関も同じように車に乗り込む。

車は6人ほどが乗れるファミリータイプであり、ごくごく親しみやすい物だが、
車内設備はかなり整っており、『車載冷蔵庫』等の設備もある。

「――――はい、乗車確認いたしました。
 関さん、そして赤月選手。本日はよろしくお願い致します。
 申し遅れましたが――――私は漣直属、『運転担当』の駒野と申します」

                ペコ ・・・

「これは本来は『賓客』の方を送迎するために使っている車ですが、
 道中少しでもラクに過ごしていただければ――――と。
 普段の試合の送迎はもう少しシンプルな車両ですので、悪しからず。
 もちろん不審でしたら、手を付けて頂かなくとも大丈夫です」 

運転席の男はドアが閉まってから話し出した。
彼の言葉は大ウソという訳でもなさそうだ。
高級車ではない事がどういう意図なのかは不明だが、 
少なくとも、乗る人間をナメたような清掃の仕方ではない。
埃一つ無い、と言っても決して過言ではないだろう。   

「この後、目的地の前に『もう1名』、拾っていく事になっております。
 道中寄り道があればお早めにお伝えください。時間がかかるようであれば、
 別途迎えを手配しますので、その場合もなるべくお早めに」 

『もう1名』が何者なのかは、勿論説明があるわけではないようだった。
関は緊張からなのか、単純に話題が無いからか、
駒野の言葉に特別大きな反応はしない(小さなお礼は相槌代わりによくしている)

                          スゥゥゥ ―――――――――――― ・・・

車は少しの間走ると、やがて見慣れた光景……『学生寮』の付近に停車するようだ。

>>15(村田)   

「了解した。そのように伝えておこう。
 ――――お前なら心配はないだろうが、一応言っておく。
 今回の件は『大人が学生に素面で助力を乞う』程度には厄介だ。
 同時に、私はお前のような『闘士』を過度に子ども扱いはしない。
 あの時言った『また会おう』という言葉は社交辞令でもない」  

「後でも時間は設けられるが、準備は可能な限り済ませておくように」

『冬川』との通話は概ね、そのようなところで締められた。
加えて、迎えの車の特徴も伝えられた。車種で言えばごく普通のエコカーだ。
また、『村田』以外にも『招集』した人間が乗っているらしい。

その後は準備の時間だが、急ぎで用意する物が自宅にあるなら今だろう。
冬川の言葉を信じるなら、簡易な道具調達程度は後で可能な筈ではあるが。

                  スゥーーーーーー ・・・

    ―――――――『迎えの車』は10分ほどで学生寮の前に現れる。
               警察車両もかくや、という静かな停車からは、
                  確かな『運転技術』を見て取る事が出来た。

17村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/18(土) 01:18:27
>>16

 「『厄介』とはな。『例の件』とくればそうだろうが。」

通話の切れた携帯に目をやりながらつぶやく。
少なくともおれの覚えている限り、『冬川』という男が現状を『厄介』と表現したことはなかった。
その男がそれだけの物言いをするのだから、状況は切迫していると言っていいだろう。
であれば、こちらも相応の『準備』をする必要がある。

寮を出る前に手洗いに寄って、『除菌用アルコール』と『トイレットペーパー』を一つずつ借りておく。
『除菌用アルコール』が見当たらなければ『トイレ用の酸性洗剤』(緑色のボトルのやつだ)を借りる。
ペーパーの芯穴の部分にアルコールまたは洗剤のノズルを突っ込み合体させ、まとめて『棒化』し懐に。
こうすれば見咎められることもないだろう。『準備』はこれで十分だ。

 「『嵐の前の静けさ』ってことになるのかね。」

卓越した『運転技術』を前に『リュウカ』の時に見知った運転手の名前―たしか『駒野』と言ったか―が浮かぶ。
わざわざ別の電話からかけてきた『冬川』の指令を受け、こうした送迎も任せられるということは、かなり重用される人物のようだ。

グッ  グッ !

 「っし!」

学ランの襟首を引っ張って気合を入れ直し、停止した車両にゆっくりと乗り込む。

18宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/18(土) 01:19:46
>>16

公衆電話の受話器を置き、手の中にある『幸運のお守り』を見下ろす。
『アリーナ』が催した『集まり』で、『朱鷺宮』から俺の手に渡った代物だ。
最初は『来るべき所を間違えている』と思った。
俺の手元に来てしまった事が、こいつにとっての『不運』だと。
一方で、今まで生きていられたのは、これがあったからとも解釈できる。

「早かったな」

運転手の合図に従い、後部座席に乗り込む。
中立の立場を保っていたとはいえ、『カーバンクル』を巡る争いでは、
『アリーナ』は『競合勢力』の一つだった。
当時の記憶と共に、ある男の姿が脳裏に浮かぶ。

「知らなければ聞き流してくれ」

「『桜島派』の『吾妻常喜』に『島田康』という部下がいた」

『スミノフ』に攻撃を阻まれ、『硯』の一撃を受けた俺が意識を失うまでの間、
利害の一致から協力関係にあった『黒服』。
『名前』を知ったのは、その後の『集まり』に参加した時だ。
『スタンド使いでも幹部でもない』と言っていたが、
その身だけで立ち向かった胆力は尊敬に値する。

「奴は元気か?」

窓の外を見つめながら、運転席の男に尋ねる。

19赤月『サクソン』:2023/03/18(土) 14:17:31
>>16

「賓客・・・・」

『車載冷蔵庫』が供えられた送迎車などそう多くはない
知識としてそういったものがあるという事は知っているが、実際に体験したのは初めてだ

「なるほど。『アリーナ』にとっても、今回の仕事はそれなりに重要な内容という事か」

    ポコ・・・・

遠慮なく冷蔵庫の中を開ける
興味本位という部分もあるが、警戒の念の表れでもある
アウェイな状況ではどこに何が潜んでいるかわからないからだ

「早速、仕事の内容を聞きたいところだけど
 もう一人が乗るのなら、そいつが来てから話を聞こうか
 君たちにとっても、説明は一回で済ませた方が楽だろうし」

そう言って、しばらく外の景色を眺めながら状況を待つ
そうしているうちに、窓の外を流れる風景は見覚えのある場所へと移り変わっていき・・・・

(『寮』・・・・?)

(『もう一人』も、私と同じ清月の学生なのか・・・・?)

20『エターナル・ノクターナル』:2023/03/18(土) 16:19:41
>>17(村田)

少なくとも――――ここ数日の間に何かが起きたような話は聞かない。
その点においては、暴徒集団や不良狩りのような目だった蛮行では無く、
もっと何か――――『水面下』で、事態は進んでいるのかもしれない。

             コト …

除菌用アルコールスプレーもトイレットペーパーもすぐに見つかった。
幸い、他の寮生や寮母といった者に見つかるような事も無かった。

            ・ ・ ・ ・ ・

停車する車の運転席に見える顔は、あの時の『駒野』で間違いないようだ。
見かけはエコカーだが、あの日の車よりはランクが高いのだろう。
清掃の行き届き具合は同程度だが、中には車載の冷蔵庫などといった設備が見える。

            そして、後部座席に乗り込んでいるのは――――

>>18(宗像)

後部座席に乗り込むと冷蔵庫だけではなく、
ゴミ箱や、灰皿なども完備されていた。
また、ミネラルウォーターのボトルもある。
冷えていない飲料を求める客向けだろう。
無論、『笹暮』の姿はどこにも見当たらない。

 ワレワレ
「黒服の役目に『死闘』は含まれてない。
 前線に立つとすれば余程の事態で、
 それも殆どはスタンド使いの補佐役です。
 『島田』何某は知り合いでは無いが……
 組織内で死人が出ていれば耳に入るはずですので」

今にして思えば、『カーバンクル』の一件は、
多くの勢力が動く『余程』だったのだろう。

「現地で『あと二名』合流します。
 どちらもスタンド使いで、戦闘が可能。
 年齢は若いが………『腕が立つ』
 他に、補佐的な能力者も数名用意しています」

今日が、それに匹敵するのかは分からない。
車は街路を走り、やがて『町外』へと向かう道に進んでいく。

>>19(赤月)

「スポンサー様ですとか、そう言った方が多いですね。
 ウチは『裏方部門』でして、設営やら物販やら送迎やら、
 選手の方よりも『外』と接する方が多いチームなんです」

『赤月』のつぶやきには、多めに回答が返ってきた。
これくらいは、警戒を解くために話していい内容なのだろう。

「ええ、仕事内容は――――『集合場所』で行います。
 今回、赤月選手たち2名に加えて『実働要員』の方がもう1名。
 それから『補助要員』も幾らか集められておりますので。
 先に概要だけでも、という事であれば話せる範囲ではお話します」

                 ウィーーー ・・・

「もちろん……乗れない話であれば、いつ降りていただいても構いません。
 戦力は何とか補充出来るかもしれませんが、選手からの不興は買い戻せませんからね」

冷蔵庫を開けると微かな駆動音が響く。
中にはオレンジジュース、コーラ、麦茶、コーヒー、水。
いずれも小さな缶に入っており、有名なメーカーの市販品だ。

「まあっ、色々ありますねえ〜」

関は然程驚く様子もない。知っていたのかもしれない。
そして――――――――――

      「……!」

学生寮から出て来た『少年』を目にした時、
彼女のそうしたある種の余裕が一瞬、表情から消えた。

    あるいはそれは――――『赤月』にとっても、そうかもしれないが。

>村田
>赤月

「村田……さん」

関がゆっくりとその名を呼ぶ。
『村田』からしてみれば――――面識のある少女が二人、だ。
そして『赤月』からしても、その男は以前、まさにここで会った顔。

「お知り合い同士ですか?
 いずれにせよ――――お迎えに上がりました、村田様。
 目的地までの脚として、本日もよろしくお願いいたします」

                 ガチャ ・・・

――――6人は乗れるエコカーだ。
空いている席があり、『駒野』が促す後部座席に乗ってもいいし、
あるいは助手席についても空いてはいる。

関は平静を取り戻した顔で、エプロンのポケットを漁っているようだった。

21宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/18(土) 17:48:51
>>20

運転手の言葉を聞きながら、自身の『右腕』を軽く握る。
詳しい話を耳にする前だが、『何を頼まれるか』は察しがつく。
おそらくは、『治安の維持に不都合な何者か』がいるのだろう。

「『死んでいない』のならいい」

『殺し』の依頼を受けるのは、初めてではない。

「『エクリプス』絡みの案件か?」

前線に立つ人間が三名と補佐が数人。
動員されたスタンド使いの頭数からも、規模の大きさは見て取れる。
俺の知る限り、それだけの用意が必要な相手は少ない。
最終的に誰が死んで誰が生き残るか。
この命は安いが、他に犠牲者が出るのは偲びない。

(『ルイゾン』――だったな)

今日は、妙に昔の事を思い出す。
『青山流星』も、その一人だ。
たった一度だけ共闘し、『流れ星』のように命を散らした少年。
青山は『腕の立つスタンド使い』だった。
彼がいなければ、天井から降ってくる『銛』に気付かず、首を貫かれて死んでいただろう。

(君に『恩』を返す事は出来なかった)

だが、『青山は死んだ』。
どれ程の使い手であろうと、死ぬ時には呆気なく死ぬ。
入院中に知った『青山の死』は、当たり前の事実を改めて俺に教えた。

22赤月『サクソン』:2023/03/18(土) 22:04:02
>>20

「裏方・・・・つまりは兵站調達を行う部門というわけか
 なるほど、確かに組織として事を起こす以上、それを支える地盤は必要か」

(そう考えると、私のような在野の『戦士』が呼ばれた理由もわかる
『タダヒト派』や・・・・『最中派』であれば、子飼の『闘士』を動員すれば済む話だからな・・・・)

冷蔵庫の中を覗き込み、中身が小型の飲料水だけである事を確認する
・・・・・先ほど、黒飴を舐めたせいか少し口の中が甘ったるくなっていたところだ
水を一つ取り出し、封を開けてひとくちふたくちと飲み始める

「なに・・・・・・っ!」

そうしたところで、学生寮から出てくる一人の少年に気が付いた
隣の席に座ったスズメが驚きに言葉を失ったのと同様に、赤月もまたその姿を見て声を漏らす

「『村・・・・田』・・・・・!?」

>>(村田)

「・・・・・・・久しぶりだな
 あの時は・・・・美味しい物をご馳走してくれてありがとう」

「・・・・・・・『村田』」

車のドアを開けた時、車内に居た少女に村田は覚えがあるかもしれない
昔の話ではあるが、学生寮の調理場で『貝柱のフライ』を振舞った少女だ
何やら含みのあるような声色で村田の名前を呟いている

(『村田』・・・・・)

その名前のスタンド使いに、赤月はもう一つ覚えがあった
あの『夏の魔物』騒動の渦中において、一抹の『兄』である小林丈の『最後』に関わっている可能性のある人物だ

(どうする・・・・? 今ここでその話をするか・・・・?)

(いや・・・・・)

(『仕事仲間』・・・・・だ・・・・・
 今、何か余計な事を言って、彼の心証を害する事もない)

(『例の話』はこの仕事が終わった後に聞いてみる事にしよう・・・・・)

「・・・・・・君も、『アリーナ』と縁があるスタンド使いだったんだな」

23<削除>:<削除>
<削除>

24『エターナル・ノクターナル』:2023/03/19(日) 00:57:39
>>23(村田)
『宗像』はこの車に乗っていませんので、
セリフの訂正を許可します。
訂正後、必要であればこちらで元レスは削除します。

25村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/19(日) 18:04:19
>>20

 「やっぱりあんただったか『駒野』サン。
 車が動くのを見て、あんたのことを思い出したよ。よろしく頼む。」

運転席の『駒野』に話しかけながら、促された後部座席に腰掛ける。

 「鉄火場に首突っ込んだらそうなったってだけの話だ。『目的』があってのことじゃない。
 『闘士』として張ってる知り合いはいるが、おれは『闘士』に興味はねえしな。
 暇潰しついでに聞くが、お前はどうなんだ?『赤月』。」

 「『何でここにいる』?」

赤月の問いに対して『だからどうした』とばかりに答えながら、『赤月』のほうへ目線だけをやる。
闘士としての『試合』とは違う、『修羅場』を潜り抜けたものの気迫。
寮で出会った時にはおくびにも出さなかった『それ』を滲ませる。

 「そこの『関』なら、おれがそういうタイプじゃないってのはわかってるはずだ。
 おれの望みは『おれの世界が平和であること』。ただそれだけだ。
 そのためなら『見て見ぬふり』もするし、こうやって鉄火場に首を突っ込みもする。
 『この前』も、『これから』も、それは変わらない。」

言いながら、同じく目線を『関』にやる。

・・・フー・・・

 「検討はつくが、けっこう面倒なことになってるんだろう?
 さもなきゃ、冬川サンがおれにまで話を回すはずがねえ。」

26『エターナル・ノクターナル』:2023/03/19(日) 23:08:51
>>21(宗像)

「『エクリプス』は滅んだ―――――――が。
 まだいくらか汚れが残っています。今回の件も、そうです」

男は苦々し気に言い捨てる。

「『エクリプス』は大勢の人間を犠牲にし、町に蔓延りました。
 その爪痕は深い……ある意味では闘技試合以上に、
 我々がすべきことはその『後始末』なのではないか、と」

            「そう思う事すらあります」

構成員との戦いの度、宗像は『死んでもおかしくなかった』。
重ねる戦いは古傷だけでなく、致命の一線への死出の足跡をも増やす。

          ブロロロロロロロ ・・・

「現地に到着後に合流になりますので、しばらく待機して頂く事になります。 
 20分程度は時間に余裕がある……寄り道が必要なら、教えて下さい」

特に何もいらないなら、車はそう時間がかからない内に目的地に着くだろう。
話しぶりからしてその直後にいきなり戦う――――という訳でもない筈だ。
よほど特異な物を用意したいのでなければ、寄り道は不要かもしれない。

>>22(赤月)

赤月による得心の言葉には――――

「試合会場の掃除から警備から……
 戦いを魅せるにも、場を整える役は必要ですからね。
 闘士の皆様には及ばずとも、闘技場を盛り上げるために」

―――――と、駒野のどこか自負を感じさせる返答があった。

>赤月
>>23(村田)



           ボ ス…

後部座敷の柔らかなクッションが村田を受け止めると、
車のドアが閉まり、『駒野』が発進を告げた。
車載の冷蔵庫は『村田』からも手が届く位置にある。
中身はオレンジジュース、コーラ、麦茶、コーヒー、水といった所だ。
尤も、村田からすれば『関』に頼むという方法も知っているわけだが。

                      ォォォォォ ――――――― ・・・

同じようでまるで違う立場――――目的あってここに乗り込んだ者と、
己の指針に従った結果、ここを通過しようとしている者が交錯する。
何かを探るように言葉を選ぶ『赤月』と、堂々たる気迫を満たす『村田』。

「……村田さんがここに来たのを、驚く気はあんまりしません。
 『そうすべきだと思った』なら、する人だって、知ってますよう」

『関』――――『スズメ』の声色には、
言葉少なでこそあるが、『村田』へのある種の信頼が滲む。

「詳しい事は目的地で説明が入りますが――――
 お察しいただいている通り、相当な深度の、面倒です。
 一応確認しておきますが、『エクリプス』についての説明は必要ですか?」

後半の言及は、初対面となる『赤月』に対しての確認なのかもしれない。
道中の暇つぶしに、あるいは見解のすり合わせに、聴く意味はあるかもしれない。

27赤月『サクソン』:2023/03/20(月) 00:49:53
>>25(村田)

「私は・・・・」

彼の何気ない質問に僅かに言い淀む
学生寮で食事を振舞ってもらった頃とは違う。修羅場を潜り抜けた戦士特有の気迫
歴戦の勇士に匹敵する迫力を正面から受け

「私は戦闘が好きで、『アリーナ』に興味があるからだ
 スタンド使い同士の戦いを営む集団・・・・彼らがどんな存在なのか、それを知りたい」

「『戦い』と『好奇心』。それが私にとっての戦う理由だと考えてくれ
 ・・・・戦う為に戦うというのも、少し妙な話ではあるけどね」

睨むように叩きつけられる村田の気迫を受け流すように、目線が僅かに外れる
村田とは違い、その答えには覇気が欠けていた
ただ単に気が抜けているだけなのか、それとも正確に己の本心を曝け出していないのか・・・・

>>26

    ――――ゴクン。

冷蔵庫から取り出した水を呑み干し、缶を鞄の中に入れる
そして、スズメから切り出された『エクリプス』についての質問を聞いた

「『エクリプス』について・・・・うん。それなら何度か聞いたことがある
 おそらく、保有している情報は完璧だろう」

自信満々にそう言い

「・・・・・・・・・・彼らは『ナチス』だ」

まずはきっぱりとそう言い切る

「そして、この街に『月』を落して、街の住人を皆殺しにしようとした事がある
 それを止めたのが君たち『アリーナ』で・・・・
『アリーナ』の力が弱まった時、再び人々の大量殺戮が起こる」

「私が知り得た情報はそれくらいだな
 あと、彼らは社会的にも大きなパワーを持っていて、
『戸籍』を用意したり、学校に人を編入させたり・・・・そのくらいは容易に出来る、とかかな」

前半部分は自分の『宿敵』である『一抹貞世』から聞いた内容だ
あまりも突拍子もない話ではあるが、彼がそこまで言うからにはそうなのだろう

・・・・後半部分は自分の『体験談』だ
赤月の『後見人』が使った方法は、赤月本人には理解できないものではあったが、
現にこうしてこの街の住人として不自由なく暮らしている以上、それだけのパワーがある事は明白だ

28村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/20(月) 02:14:24
>>26

ふふ・・・・

 「おれはお前がここにいるのにちょっとびっくりしたがな。
 妙に肝の据わった女だとは思ったが、『こういうこと』だとは思わなかった。
 ま、『色々ある』わな。」

自嘲じみた笑いを浮かべ、本心を吐露する。
もっとも、あの鉄火場にただの女など一人もいはしなかったが。

 「『エクリプス』については正直よく知らねえ。
 話にゃ聞くが、実際に見たこともなければ、接触したこともない。」

 「だがこの間、それらしい『影』をおれは立て続けに踏んだらしい。
 その点だけを見て評価するなら、『どうしようもねえ屑のあつまり』ってとこだ。」

>>27

 「そうか。なら『いい』。
 ただ一つこの件について、『その時になったら確実にトドメを刺す』事だけ約束しろ。
 『トドメを刺しそこなって話がこじれる』なんてのは二度とゴメンだ。」

そういいながら、最早興味はないとでもいうように視線を赤月から冷蔵庫へと移す。
オレンジジュースを貰うか、コーラを貰うか・・・視線が目移りしているのがわかるだろう。

 「因縁も何もない相手をぶちのめしに行くんだ。
 もしちょっとでも甘えこと考えんだとしたら、嫌でも思い知ることになるだろうさ。」

29宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/20(月) 10:04:44
>>26

これまでの仕事で『アヴィーチー』の扱い方を理解し、
気付かなかった事を知る機会もあった。
しかし、その本質は変わらない。
純粋な『殺傷』に特化し、『加減』が出来ない道具が必要とされる場は、
結局の所は一つだけだ。

「だからこそ、俺も『行き場』を失わずにいられる」

『汚れ仕事』に当たる人間は、本来なら存在するべきではない。
この世から『汚水』がなくなれば、それと向き合う人間も不要になる。
だが、それを実現できた時、そこに俺の居場所はないだろう。
幸か不幸か、それは『不可能』だ。
人間が生きている限り、人は『罪』を生み出し続ける。

「あんたが『吾妻』を知っているなら伝えてくれ」

    「『例の件に進展があった』」

         「『いずれ連絡する』と」

また死に損なった時は、『鈴蘭の少女』の『是非』を問わなければならない。

「俺が生きて戻らなかった場合は、
 『カリヤ』という女に聞けば、多少は事情が分かるだろう」

車内の備品を確認し、書ける物を探す。
見つけられたなら、『カリヤの連絡先』を記し、空いている座席に置く。
後は到着を待つだけだ。

30『エターナル・ノクターナル』:2023/03/20(月) 23:40:42
>>27(赤月)

切り出したのは運転手の『駒野』だったが――――
『スズメ』こと『関』も、その弁舌を黙って聞いているようだった。

>>28(村田)

「ええ……私は『アリーナの職員』じゃありませんけど、
 それでも、ここにいる理由が……ふふ。『色々ある』んです」

                コクリ

ゆっくりと頷く『関』。
問わず語りで理由を明かすつもりはないのだろう。
それ以上は、赤月と駒野の話を聞いていた。

>赤月・村田

    ――――『ナチス』
    ――――『どうしようもない屑の集まり』

語彙は違えど、意味する物は『大きな傷を作る存在』という事だ。

「『エクリプス』は……その。大切な物が、日常って名前だとして。
 それを簡単に壊しちゃうような……そういう大きな力だと、思いますよう」

『関』もそれに続き、彼らの悪性を肯定する。
話を振り、回答を聴いていた『駒野』も、おおむね同意のようで大きく頷いた。

「かの組織の脅威が広く知られているようで、何よりです。
 戸籍を用意するほどの影響力があるかは怪しいですが、
 そのような力を残しても……あり得なくはないでしょうね。
 ……もちろん最終的には、この町に住む全ての人が、
 あんな『悪夢』を忘れて生きられる事が目標ではあるんですが」

    フゥ ―――― ・・・

ため息の後、話は続く。

「『エクリプス』――――アリーナだけでなく、この町に生きる……生きた、
 多くのスタンド使い達が彼らに何らかの形で苦しめられ、そして抗いました。
 そして、この町の日向に彼らはもう『存在を赦されない』」

            「ですが」

「彼らもまた、ある意味では我々『アリーナ』同様……『一枚岩』では無かった。
 『闇市場』『カルト団体』『密輸組織』……『ヤクザ』や、個人個人の犯罪者。
 様々な罪と悪の集合体というのも、『エクリプス』の一側面。
 それはつまり、『一網打尽』にした今でも、『生き残り』はいるという事です」

                               「……」

『黒飴』の包装を剥いた関が、静かにそれを口に含む。
(『村田』も希望するのであれば分けて貰える)
 
       「もちろん――――始末には値せず、
        あえて生き残らせた、という事もありますしね」

剣呑な話ではあるが、それだけ『エクリプス』の生んだ影は大きかったのだろう。

車は少しずつ町の風景を置き去りにし、町外へと出ようとしているようだった。
向かう先は説明こそ無いが、『星見町』のどこかではないらしい。

>>29(宗像)

「強力なスタンド使いなら……行き場はありますよ。
 あくまで『戦士』としての行き場、かもしれませんが」

運転手の男も、『宗像』と同じ考えなのだろう。
人の世は罪と共に生まれ、法と倫理が発達して悪が減ろうが、
最後の一人になる事は――――決してない。

「『吾妻』氏と直接の繋がりはありませんが、伝言なら可能です。
 その『遺書』についても、必要であれば渡しておきましょう」

死の可能性は、否定されない。
メモ帳とペンはそれぞれ1つ見つかり、無事に遺す事は出来た。

           ――――――  ・・・

                        カチッカチッカチッ


駐車場敷地に入った車は、バックで白線の枠に入っていく。
S県H市内の別の町――――『貸しオフィス』の入ったビルの駐車場だ。

31宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/21(火) 07:17:12
>>30

男が発した言葉を受けて、深く目を閉じる。

手を汚した人間と、そうでない人間の間には、絶対的な『境界線』が存在する。
一度でも汚れてしまえば、その後に何をしようとも、
『それ以前の状態』に戻る事は決してない。
『塀の外に出れば許される』というなら、『命の価値』が軽すぎる。

『馨』の命は奪われ、『それを行った者』の命を、俺が奪った。
『過程』が違おうとも『結果』は同じだ。
俺の罪が許されるなら、奴が犯した罪も許される事になる。

失われた命は二度と戻ってこない。
命を奪った者は、生きている限り永遠に償うべきなのだ。
だから、俺も『地獄の責め苦』を受け続けなければならない。

『一人の命を奪う罪の重さ』を、俺自身が示す為に。

    「――――『人間として』だ」

再び目を開き、運転手の背中に返すと同時に、『やるべき仕事』に向き直る。

32赤月『サクソン』:2023/03/21(火) 09:58:11
>>28(村田)

「――――。」

何か、思うところがあるのであろう村田の発言に数秒の間、思考を紡ぐ
『エクリプス』の構成員に対して自分は本気で戦う事が出来るのか・・・・?

(『エクリプス』・・・・兄さんの最後の雇い主・・・・)

「愚問だな」

「私は・・・・『戦士』としてこの場に居る
 ならば・・・・本気になって『殺し合い』をすると決めたのなら・・・・」

「たとえ相手が誰であろうとも・・・・私の刃が鈍る事はない」

(例え――――それが私の『後見人』であろうとも)

はっきりと、そう答える

「私に、『殺しの経験』はいまだないけど
 命を奪う事に躊躇はしない」

「『戦士』としての誇りに賭けて、そう誓おう」

>>30

「なるほど・・・・道理で、そういう事か
『アリーナ』以上にバラバラな組織だからこそ、一抹はあんな事を・・・・」

正直に言って、一抹から聞いた話と『後見人』の態度には大きな剥離があるように感じていた

一抹の話の中の『エクリプス』は残虐性が強く、
街一つを焼き尽くすような・・・・恐怖の軍団のイメージがあった

それに対して『後見人』の態度は腹の内に何を隠しているかはわからないものの
少なくとも表面上は穏やかに事を運ぶタイプのように思える

(『アリーナ』が派閥で別れているように
 『エクリプス』もそれ以上に強い断絶と、緩やかな連帯によって結ばれているというわけか)

(ならば、私の兄を雇っていたのはどの『エクリプス』なのだろう・・・・?)

そんな事を考えているうちに、窓から見える風景が変わっていく
先ほど確認した看板によると、ここから先は『星見町』の外のようだ

33村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/21(火) 16:07:03
>>32

 「なら、あとは鉄火場でそれを見せてもらうだけだ。
 断っておくが、お前を信用してないわけじゃない。」

 「だがどうしたって、『言う』のと『やる』のは違うからな。」

おそらくは、この女もいずれ『選択』を迫られる。『あの夏』のおれのように。
育んだ『絆』を取るのか、曲げられぬ『信念』を取るのか・・・その『選択』を。

>>30

 「その口ぶりじゃ、大勢死んだろうな。」

 「そういう『犠牲』の上におれたちは立ってるってことだ。
 『エクリプス』であろうとなかろうと、『悪党』の跋扈を許すのは、その『犠牲』を踏みにじることだ。」

中には身内を切り捨てざるを得ないような『犠牲』もあっただろう。
それを踏みにじることは許せない。

 「おれに出来ることは、そうやって得られた平和の維持に力を貸すことだけだ。
 例え仮初であったとしてもそれだけが唯一、『犠牲』に報いる方法だと思う。」

視線を落として、自分に言い聞かせるようにつぶやく。
しかし、その『犠牲』のために生まれる『歪み』もまたあるはずだ。
その『歪み』には、どう報いるべきなのだろう?

34『エターナル・ノクターナル』:2023/03/22(水) 14:40:13
>>31(宗像)

「……………それを、過分な要求だとは思いません」

運転手は車を止めると、座席のドアを開けた。
まだ少し冷えた風が車内に入り込む。

「建物に入りましたら、エレベーターで10Fに向かって下さい。
 特別な符牒などは無く、単に会議室を一つ借りています」

特別な符牒とやらが何を指すかは不明だが、
要するに『アリーナの施設ではない』らしい。
また、口ぶりからしてそこが『戦場』では無いようだ。

――――特段ここでやるべきことが無ければ、そこに向かうのでいいだろう。

>>32(赤月)
>>33(村田)

二人のやり取りは、本来学生がするような物では無い。
だが、それを『戒める』理由など何処にもない。
それぞれが自らの覚悟で『道』を選んだ。
そのことを、誰もが理解しているからだった。
もっとも、道を本当に歩き切れるかとは別の話だ。

「もちろん、我々は連中の多くを知る訳ではありませんし、
 その頃の闘いについても、全てを知る訳でもありません。
 ……私が知らないだけかもしれませんが。
 より深く知りたければ、組織の他の方に聞いてもいいでしょうね」

「直接交戦した方や、話を付けた方も、組織にはいますから」

アリーナは派閥構造の組織だ。視点は派閥事に異なる。
赤月に向けられたであろう何げない助言は、
様々な派閥とコネを作る赤月の動向を肯定していた。

「……私にはスタンド使いの皆様を運ぶ事でしか『報いる』術がありません。
 皆様に任せるのは心苦しさもありますが、信頼だけは致します」

大人が子供を死地に運ぶ。その実態に『能力』の有無という逆転があっても、
決して――――大人の側からしても、愉快な物では無いのだろう。
それでも、『村田』の覚悟は伝わっているのか、駒野は悔悟では無く応援を口にした。

「……どうすれば、報いられるんでしょうねえ」

戦闘能力には欠ける関もまた、似たような心情なのだろうか。

                    カチ カチ カチ

車は走り続け――――やがてS県H市内、別の町の『貸しオフィス』の駐車場に入った。

「こちらに説明の場を設けています。
 私は車を別の場所に一旦移しますので、中での案内は出来ませんが……」

35宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/22(水) 16:14:30
>>34

冷えた外気を感じると同時に、余計な思索を切り捨てた。
目的と無関係な要素は邪魔になる。
いつ何処で、誰を、どのように。
それだけを考え、その為だけに動く。
俺がどうなろうとも、必ず『仕事』を果たさなければならない。

「――分かった」

車から降りて駐車場に立ち、姿勢を正して男に一礼する。

「伝言の件は宜しく頼む」

エレベーターに乗り込み、指定された会議室に向かう。

36村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/22(水) 22:14:29
>>34

「さてな。答えが出るまで足掻くのが、おれたちのやるべきことなのかもしれねえな。」

 「景気づけに、これを貰うぜ。」

スッ
       ビキッ ! グ ィィィーーーーーッ !

冷蔵庫から『オレンジジュース』を取り出して勢いよくキャップを開け、派手に中身を飲み干す。
この時、体の影で取り外したキャップを『棒化』し、ごく小さい『棒』を作成する。
密室ではあるが、派手な動きに目がいけば隠し通すことは可能だろう。

 (『ない』とは思うが、念のためだ。)

そうして作った単三電池大の『棒』を、車から降りるときに座席の隙間にでも押し込んでおく。
『棒』の位置は半径50m以内ならば正確に探知できるし、解除で証拠を隠滅することも容易。一種の『発信器』代わりだ。
万が一敵が勘づいていたのなら、この車が襲われても不思議はない。
何もなければ何もないで十分なのだから、念は入れておくに越したことはない。

37赤月『サクソン』:2023/03/22(水) 22:19:22
>>33(村田)

「言われなくともわかっている」

「しかし・・・・それにしても・・・・」

「『悪』と『犠牲』・・・・か・・・・」

村田の語るその二つの言葉を深く噛み締める
赤月の『兄』は、ここに語られる『悪』・・・・『エクリプス』の側について戦った
結果として、この街には『兄』の行いの『犠牲』になった者もいるのだろう

(わかっていた事だぞ・・・・それは!)

(私の行いが・・・・この街に再び『悪』を招く事になるというのは・・・・!)

(だけど・・・・今は・・・・)

>>34

命のやり取りも、善悪の裁定も
ただの学生にとっては本来行う必要のない・・・・責任を伴う行いだ
それを自らに担う理由は、その身に負った『力』が所以ではない・・・・

「・・・・いや、ありがたい
『エクリプス』と『アリーナ』・・・・
 二つの組織が相争ったかつての戦いについて、話を聞けただけでも幸運だ」

ただの学生、法律的には子供でしかない赤月がそれを望む理由
それは、赤月の『魂』が望み、そう決めたからだ・・・・何者ではない、自分自身が

「少し言葉を交わしただけだけれども
 君たちがこの街の平穏にとって責任をもって行動している事はよくわかった」

『最中派』のように『我欲』のために動くのではなく、
『タダヒト派』のように『闘争心』のために動くのでもなく、
『街の平穏』・・・・そのために動く『アリーナ』の者達を赤月は初めて見た

(『平穏』な状態こそが、彼らにとってもっとも利となる状態なのかもしれないが
 それでも・・・・街の為に戦う彼らは『善』の存在と考えていいだろう)

(いずれは・・・・私の『敵』になる・・・・)

だが、今は・・・・
今回の戦いにおいては、赤月は彼らの側に立つ
街の平穏を護る側として・・・・そこに一切の矛盾はない

「報いる必要はない
 私にとっては、君たちがそう考えてくれているだけで十分だ」

そんな会話を続けているうちに
どうやら車は目的地に着いたようだ

停止した車から降り、んっと軽く伸びをする

「ここまでの送迎ありがとう
 十分だ。先へ進もう」

38『エターナル・ノクターナル』:2023/03/24(金) 02:37:10
>>35(宗像)

宗像の言葉に首肯すると、運転手は車を走らせて行った。




         カツン ・・・

オフィスビルは静寂に包まれている。

決して不自然な――という風ではないが、表札の会社名は疎らだ。
駅からも遠そうなので、流行っているビルではないのかもしれない。

                  ピンポーーーン

エレベーターが10Fに着くと、『黒服』が一人待機していた。

「『宗像』様でお間違えございませんね?」

>>36(村田)

「是非どうぞ。無料ですし、貸しにもなりませんから」

      パキン!

置かれたジュースは『缶』なのでキャップは存在しないが、
『村田』ならプルタブを外して同じ仕掛けは出来るだろう。
保険が活きるかは分からないが、こうした慎重なやり方は、
危険な『仕事』の中では『やるに越した事はない』物だ。

>>37(赤月)

「もちろん、平穏でなくては『興行』が盛り上がりませんから。
 決して、我々は『正義』と胸を張る存在では無いですけどね」

その言葉に『嘘』は見受けられないが、
少なくともこの『駒野』という男については、
そうした営利だけでは無い熱意は感じられる。

――――――『赤月』が己の選んだ道を歩むなら、いずれ壁となる熱意だ。

>村田・赤月

「そう、ですねえ。今……答えは出せない、ですよねえ」

関は二人の言葉に得心したような顔で、頷いていた。

                   ガチャ ・・・

「運転、ありがとうございます〜」

後部座席のドアが開く。
入り口に近い席にいる『関』が先に降り、二人が下りるのを待つ。

「ご乗車ありがとうございました。
 エレベーターで『10F』に上がれば、中に案内役が待機してます。
 ここでは説明だけですが――――ご武運を。闘技以上に、それを祈っております」

                 ペコ ・・・

駒野と話す事――――あるいは車内で行う何らかの仕込みなどが他に無ければ、
二人も車を降り、『説明会場』に向かう事になるだろう。

39宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/24(金) 08:36:28
>>38

この場で殺し合いが始まる訳ではないと分かっていても、
閑散とした屋内を歩いていると、次々に新たな敵が現れるような感覚に襲われる。
過ぎ去った過去の幻が、意識の奥底で蠢き出す。
だが、それを不快には感じない。
妙な心地良さすら覚えた。
『仕事』に全てを注いでいる時は、身体的な疲労や苦痛と引き換えに、
生きる事に対する虚しさを忘れられるからか。

刑務作業を伴わない『禁錮刑』は、
『懲役刑』よりも罪の軽い懲罰として位置付けられている。
しかし、実際には多くの受刑者達が、自ら望んで労働に従事していた。
『やる事が何もない』という状況の方が、人間には遥かに耐え難いらしい。

そして、俺の前には取り組むべき『仕事』がある。

「『宗像征爾』だ」

足を止めて『黒服』と向き合い、周囲に視線を巡らせる。

「ここが『集合場所』だと聞いた」

確認を取りながら、目的の会議室を探す。

40赤月『サクソン』:2023/03/24(金) 12:36:19
>>36>>38

この先の戦いに必要な決意と覚悟を抱き、車を降りる
その際についでとばかりに冷蔵庫の中にあった『コーラ缶』を拝借し、制服のポケットの中に入れておく

「・・・・・・・」

「その・・・・村田・・・・
 瑛壱は・・・・こういう仕事に関わるようになって長いのか・・・・?」

目的地に着くまでの間、ふと気になってそんな事を口にする

「いや・・・・答えたくないなら無理にとは言わないけど
 ただ・・・・なんとなく『手慣れて』いるな、と思って」

学生寮で初めて彼と会った時、彼の第一印象は『料理好きな兄ちゃん』といった感じであった
戦場の気配、鉄火場の匂い、そういった灼けるような気配は感じられない・・・・そんな普通の青年であった

だが、今日の彼はどうだろう
燃えるような戦意、命を奪う事に容赦をしない冷たい覚悟・・・・
そのどれもが、『戦士』として一流に足る領域まで研ぎ澄まされている

(『戦場』の顔と『日常』の顔・・・・
 二つの領域をなんの瑕疵もなく行き来している)

宿敵たる『少年』は激しい憎悪の行き交う『戦場』に囚われ、
日常においてなお悪意に心が縛り付けられていた

あの日、共闘した『女』はかつての夏の気配の中で魔に囚われ、
戦場の中で己のしるべを失った

酷い戦いを多く経験するごとに、彼らは日常に戻るすべを失っていく・・・・
だが、目の前に立つ村田という青年からはそのどれとも違う気配が感じられる

(『戦場』も『日常』も、そのどれもが当然と言えるような・・・・)

41村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/24(金) 20:38:49
>>38 >>40

駒野の車に置いてきた『棒』の感知は続けておく。
『射程距離外』に出てしまえばそれ以上の追跡は不可能だが、
それまでに万が一何かあれば動きがあるはずだ。

 「いや。直接依頼を受けたのは初めてだ。
 『慣れてる』ように見えるとしたら、今までが今までだったからかもしれねえ。
 フラッと外に出たらいつの間にか鉄火場のど真ん中、渦の中心・・・そんなことばっかりだったからな。」

 「―――あるいは、おれが『視た』もののせいか。」

高熱で生死をさまよった時に視た『幻視』。
ここではないどこか、いまではないいつかの、しかし実際にあったはずの出来事。
いくつもの死闘をみた。いくつもの営みをみた。いくつもの『覚悟』をみた。

そして、すべてを視終えた時おれは目覚めた。幻視と同じ『力』を手にして。
まるで誰かが、おれが『力』に怯まぬよう、その『使い方』を間違えないよう仕組んだかのように。

 「こういうのは心持ち一つだ。『流れ』に身を任せてみな。
 物事には『流れ』がある。それに逆らわず身を任せろ。ただしその中で、『自分の望む方向』へ進むんだ。」

 「川の中の石ころと同じだ。                              ゴール
 『流れ』に逆らえば砕かれるが、『流れ』に乗ることができれば、おのずと終着点へ運んでくれる。
 自分の『核』を保ち、磨きながらな。」

いまの村田という男を構成する『核』は、『日常』と『非日常』を行き来することにある。
さもなくば、『自分の世界を護る』ことなどできはしない。

42『エターナル・ノクターナル』:2023/03/26(日) 03:50:45
>>39(宗像)

「確認しました。道中お疲れ様です。
 こちらの『会議室』にて行いますので、
 しばらくお待ちください」

     ザッ

お辞儀の後、案内が始まった。
場所は建物の内側に位置する窓のない部屋だ。

         …ガチャ

「…………」

            「……『宗像征爾』か」

室内にいる人間も基本的に『スーツ姿』だが、
それぞれ『個性』を隠そうとはしていない。

眼鏡を掛け、笑みを浮かべる白いスーツの女。
その背後に立つ『執事服』姿の若い男。
飾らない黒ジャケット姿のスキンヘッドの男。

「ま、ま、とりあえず好きなとこ掛けたってください。
 この後まだ何人か、追加で来る予定ですんで?」

西の生まれを思わせるイントネーションで、
女がいくつか空いた席を指し示した。

もちろん――別段どこに座ろうが問題はなく、着席だけが求められている。

>>40(赤月)

         カチャ…

『コーラ缶』は問題なく回収しておけた。
そもそも配布物なので、仮にバレても何も言われないだろう。

>>41(村田)

                       ―――――――――― ・・・

走り去る車に、今すぐの異常は無いようだ。
まだ見ぬ『敵』がこの場所を知らないのか、
仕掛けるに足る根拠を持たないのか、『敵対の事実』を知らないのか。

>赤月・村田

駐車位置からそう遠くない位置に入口はあり、
『オフィスビル』の入り口に検問などはない。
また、車内にて駒野が説明していた通り、
この場には案内の黒服なども見当たらない。
入り口から中を見ればエレベーターも存在し、
あれに普通に乗って『10F』に上がれば問題無いようだ。

「ええと、それじゃあ……おはなしがよければ、行きましょうか」

近くにはコンビニが一軒だけ見当たるが、
他は雑居ビルやシャッターの閉まった店など、
立ち寄っておく価値のありそうな建物はない。

今すぐコンビニに用があるなどでなければ、
このままビル内――その先、会議室に向かってしまって良いだろう。

43宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/26(日) 13:05:38
>>42

その場に居合わせた全員の顔を眺め、手近な席に座る。

「『人違い』なら謝る」

腰を下ろしてから、『眼鏡を掛けた女』に視線を向ける。
格好は別として、話し方には聞き覚えがあった。
一度だけ顔を合わせた時に『名前』を聞いていた筈だ。

「『漣派』代表の『漣世未美』か?」

『漣派』の概要は吾妻から聞いた。
『裏方に向いた人間を集めて他所へ提供している』。
今ここに『代表者』が来ているという事は、この件は『漣派』の管轄なのだろう。

「『藤原』に会いたがっていたな」

どこまで本気だったか知らないが、
『藤原しおん』に関心を示していた事は記憶に残っている。

44赤月『サクソン』:2023/03/26(日) 21:40:59
>>41

「『流れ』・・・・か・・・・」

日本と言う国は、ただ普通に暮らしている分には諸外国に比べて治安は良く、
頻繁に暴力沙汰に遭遇する事はない・・・・『普通』の人間であれば
だが・・・・人間の中にはそんな確率を無視して『惹かれ合って』しまう者たちが存在する

「『スタンド使いは惹かれ合う』・・・・という言葉があるらしい
 もしかしたら、君も何か・・・・『そういうもの』と惹かれ合う性質があるのかもしれないな
 いや・・・・それだけではないか」

「瑛壱、君は既にその『運命』の乗りこなし方を知っているようだ」

『流れ』の存在は、赤月自身もなんとなく感じ取っていた
例えば・・・・宿敵たる『少年』がこの街の大きな流れに絡め捕られて『夏の魔物』と化したように
または・・・・その少年の『縁者』に繋がる手掛かりとここで遭遇したように

     ずきっ・・・

(くっ・・・・・)

だが、その『流れ』は好ましいものばかりとは限らない
『夏の戦い』では『激情の流れ』に身を任せたばかりに、
意図せぬ『殺人』を侵してしまうところであった

「『流れ』の乗りこなし方・・・・か
 君の振る舞いを見て、学ばせてもらおう」

そう言いながら、口元に穏やかな笑みを浮かばせる

(奇妙な気分だ
 この先は、もはや血と拳が行き交う『戦場』だというのに、
 話していて、こんなにも穏やかな気持ちになれるなんて・・・)

「村田瑛壱・・・・不思議な男だ」

>>42

『コーラ缶』を入れたポケットに軽く触れ、その感触を確かめると
予定通り会議室に向かっていく
今のところ、コンビニで用意するものはない・・・・迅速に動く事にしよう

45村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/27(月) 19:51:13
>>44

 「おれは『運』がよかった。
 視たもののおかげで『流れ』を前に怯まずにいられたし、それを示してくれる『友』もいた。
 ―――それを無駄にしたくねえってだけの話だ。」

視線を赤月にやりながら、やはり言い聞かせるようにつぶやく。

 「おれも見せてもらおう。
 お前がどの『流れ』を選ぶのかを。」

>>42

 「そうさな。呼ばれて来たとはいえ、待たせるのもよくねえ。
 急を要する事態になってからじゃ遅いからな。」

『準備』はしてきた。今更じたばたする気はない。
さっさと『会議室』に向かおう。

46『エターナル・ノクターナル』:2023/03/28(火) 15:40:52
>>43(宗像)

椅子は一般的なパイプ椅子だが、汚れなどは無い。
腰掛けた『宗像』に、『眼鏡の女』は鷹揚に頷く。

「ええ、合(お)うとります。
 『顔見知り』やから呼んだ……
 っちゅうわけでもないんですわ、今日はね」

『音仙』の名前には一瞬だけ眉が動いたが――

「『アリーナ』と『音仙』の関係は、
 一般的な職員においては、
 『付かず離れず』であるべきだ。
 今の話は、聞かなかった事にする」

『スキンヘッドの男』が感情の篭らない声で制すると、
『漣』の表情からは元通り、感心の色は消えた。

「ええ、そらもちろん。
 そもそも……会ってどうするっちゅう話でもなし」

この男は何者なのか――少なくとも漣の配下には見えない。

          そして。

      ――ガチャ

         「…こちらになります」

小さなノックの後、ドアが開き……新たに『3人』が入室する。
いずれも学生にしか見えない、ごく年若い少年少女達だった。

>>44(赤月)
>>45(村田)

赤月と村田、少しだけ後ろに続いて関はビルに入り、
特に問題が起きることもなくエレベーターに乗る。
会話を交わしていると、時間はすぐに過ぎる物で、
ほどなくして『10F』に到着の表示が灯った。

         ピンポーーーーン …

「……お待ちしておりました。
 『赤月』選手、『村田』様……『関』さん。  
 『説明』は、この奥の会議室にて行います」

         ペコリ

お辞儀で迎える『黒服』――

「あっ……お疲れ様です〜」

関もお辞儀を返した。顔見知りなのかもしれない。
いずれにしても、ここまで来て寄り道も無いだろう。
そもそも物理的に寄り道の余地もあまりない。
(化粧室はあるので、必要な者が行く時間程度はある)

         ザッ
              ザッ

「…‥こちらになります」

そして、窓が無いであろう内側の部屋で、
黒服が小さなノックの後にドアを開いた。

      ――ガチャ

室内にはすでに『四人』の人間の姿があった。
うち三人はスーツ姿――――だが、『アリーナでよく見る黒服』ではない。

     眼鏡をかけた、白スーツの女。
     飾らない黒ジャケットのスキンヘッドの男。
     そして、執事服を着た若い男。

「…………」

執事服――『冬川』が目線を送り、手で椅子をさし示した。
  
          そして。

『赤月』『村田』らが座るべきと思われる空席群にも、既に一人の男がいる。

47『エターナル・ノクターナル』:2023/03/28(火) 15:41:59
>全員
 
        「あぁ〜、ようこそようこそ。 
         これで全員やね、冬川クン」

         「はい。『漣』代表」

眼鏡の女――『漣』と、執事服の『冬川』。
彼らのやり取りの中、もう一人の男が口を開いた。

   「『関寿々芽』……
     君は役割が違う。
     座るのはこちら側だ」

ここに初めて――『三人』が、一堂に会する事となる。

    「『掃除屋』……『宗像征爾』」

    「『無派閥』……『C級闘士・赤月ナカレ』」

    「『食客』……『村田瑛壱』」

この場で最も唯ならぬ雰囲気を漂わせる……作業服の男、『宗像』。
髪の赤いメッシュが目を引く、幼さすら残す容姿の『選手』――『赤月』。
実直さを感じさせる学ラン姿に、覚悟と闘志を漲らせて立つ『村田』。

    「まずは、君達に感謝を。
     仕事の説明をする前に、
     『来た』事自体に、だ」

口を開いたのは、『スキンヘッド』の男。

     「私は『威武 神一』
      アリーナの職員であり、
      『威武派』とも呼ばれる。
      早速、『説明』に入りたいが」

立ち上がり、頭を下げる。
――――『宗像』は以前観戦した試合で、
この男も『観た』ことを思い出せるだろう。
言葉数は少ない男だが、『嘘臭さ』は削がれている。

     「質問があれば受付ける。
      それを前提に説明すれば、
      より効率的と考えるからだ」

促された関は、『漣』らに近い席についた。
彼女が『漣』と交わす視線の意味は、計り知れないが。

48赤月『サクソン』:2023/03/28(火) 18:17:38
>>45

己の心を見透かされたかのような村田の発言に心臓がどくんと鼓動を鳴らす
だがその動揺も束の間、すぐにその言葉の本来の意味に思い至る

「すぐにわかるさ
 ・・・・少なくとも、君をがっかりさせるようなものにはならないだろう」

兄にも似た、先達としてのその言葉に安心感を抱きながら戦場へと進む

>>46-47
>>宗像

    ――――ごくり。

思わず息を飲んだのは、ここが既に自身にとっての『戦場』であるからだ
『アリーナ』構成員に囲まれ、彼らの敷地内に入り込んだ今の状況は、
まさしく鯨の腹に飲まれた船乗りのようなものだ

「『サメの男』・・・・・」

扉が開いた時、既に待機していた『もう一人』の姿を見てそう呟く
この『仕事』には複数人のスタンド使いが集められているとは聞いたが、
二人ともが顔見知りだとは思わなかった

だが、今は彼と雑な話題をやりとりするよりも先に重要な事がある
『威武派』と呼ばれる派閥に聞き覚えはない・・・・故にこそ、この不明な派閥について情報を集める必要がある

「構わない
 疑問に思った事があれば後で聞くことにしよう
 先に君たちが持ってきた『仕事』について聞かせてほしい」

まずは、『威武』の話を先に聞くことにした

49宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/28(火) 19:24:20
>>46-47

『アリーナ』が派閥の集合体だとしても、
仮にも組織である以上、最低限の秩序は存在している。
互いの利益を守る為の取り決めも行われているのだろう。
だが、俺には関係のない話だ。

「あんたが俺を覚えていなかった場合の為だ」

「他意はない」

漣に倣って口を閉ざし、無言で始まりを待つ。
やがて入ってきた三人の姿を確認し、
見覚えのある顔が『二つ』混ざっている事に気付く。
しかし、敢えて言及はしなかった。

「俺は誰かを殺す為に雇われた」

『威武神一』という男を見た事はあっても、実際に対面した経験はなかった。
『解説』を務めていた時、『元A級闘士』だと語っていたが、
観客の反応に歯切れの悪さがあった事は思い出せる。
その理由が何であれ、並のスタンド使いと比較して、
遥かに格上であろう事は想像がつく。

「――相違ないか?」

当然の事実である筈の『ここに呼ばれた意味』を、改めて威武に問う。

50村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/28(火) 20:10:41
>>46-47

関の能力は知っている。『共闘者』であり『共犯者』だからだ。
『アリーナ』との繋がりはおそらくは『商売』の一環なのだろうと推測したが、別段深堀する気もない。
あの能力と『アリーナ』の伝手が関の手にあるのだから、おれたちの『調達』が楽になるだけだろう。
おれたちが今の流れに乗ったように、彼女にも乗るべき『流れ』があったということだ。

 スッ  ペコォ―――

入室に際して『一礼』しておく。形式だったとしても『礼儀』はいつだって大切だ。

 「おれから質問はない。『冬川』サンから話が来て、おれはそれに乗った。
 その時点で『やるべきこと』への覚悟は済ませてきた。
 事の『重大さ』も理解しているつもりだ。」

示された椅子の方へ移動しながら、『威武』と名乗った男へ言葉を返す。
見たことのない男だが、堂々としたいでたちだ。
もっとも、『派閥の長』ともなればそうでなければ務まらないのだろう。

51『エターナル・ノクターナル』:2023/03/29(水) 22:27:25
>>49(宗像)

漣は宗像の意図を聞いて、
微笑と共に再び頷いた。
そして、威武への質問は――

「――――概ね相違ない。
 当然犯罪行為であり、
 道義として認めない者もいる。
 だが、私は必要性を感じている」

「もっとも。必ず殺せ、とは言わない」

始末自体が目的ではないのか、
あるいは――――詳細はこれからだ。

>>48(赤月)

「承知した。
 では、そうしよう」

『顔見知りだから』集められたわけではないはずだ。
旧交を温める事を後回しにする『赤月』の判断は正しいだろう。

>>50(村田)

礼を示したことに実利は無いが、
少なくとも悪印象にはならないはずだ。

「『若さ』と『未熟さ』は
 繋がらない物だ。
 特に、この世界では」

威武が言葉少なに表する通りに。

>全員

「まず、資料等は配らない。
 すべて口頭で説明する。
 メモも、取るべきではない。
 録音などもってのほかだ」

他に大きな質問が無い事を確認すると、
『威武』は少しだけ間を置き、口を再度開く。

「今。『宗像』に答えた通り、
 この仕事は『死』を伴う可能性がある。
 君たち自身が死ぬ可能性は『高くない』が、
 深刻な重傷を負う可能性は十分あるだろう」

こともなげに、という風ではない。
彼の声色にも『重み』を捉える感覚はある。

「『自衛』が望みなら、この話は聞かなかった事にし、
 この場を去ってもらっても構わない――――
 我々としても、去る者に強制をするリスクは抱える気はない」

           「無論、他言はお勧めしないが」

あくまで必要な前置きの説明なのだろうが、
この先、『本気』ではない者は必要とされないようだ。

「概要だけ先に言おう」

「元『エクリプス』の疑いが極めて強い『殺し屋』――――それを『強襲』してもらう」

52赤月『サクソン』:2023/03/29(水) 23:35:06
>>51

『戦士』として生きる以上、命の遣り取りは忌避すべき問題とはならない
『力』に目覚めるよりも以前、『兄』から受けた教えを反芻する
赤月は、未だにひとの命を奪った経験がない・・・・だが

「殺人が犯罪行為だという事は承知している
 それでもなお、それが必要と判断したのなら・・・・私は躊躇わない」

宗像に向けられた答えに被さる様にそう答える

続けざまに『威武』から仕事に関しての注意事項が伝えられる
『死』の可能性、『重傷』の可能性、戦闘にはつきもののそれらリスクに
ゆっくりと、重く頷きを返しながら承知の意思を送る

「『殺し屋』・・・・・・か」

現代日本においては、現実よりもフィクションの中で馴染みが深い言葉だが、
赤月にとっては、よりリアリティを伴って聞こえる言葉でもある

「素性を聞かせてもらえないか? 『能力』のヒントになるかもしれない・・・・
 その『殺し屋』の名前だとか、異名・・・・エピソードなんかがあればより良い」

「ところで、『強襲』が目的という事であれば
『殺し屋』の拠点や現在位置なんかは把握しているという事でいいのだろうか?」

53宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/29(水) 23:49:54
>>51

『アヴィーチー』の能力に『精度』は皆無だ。
特に、相手が殺す気で来ている場合、こちらも全力で掛かる必要がある。
そうした状況においては、殺さない事の方が困難は大きい。
仮に『生け捕りにしろ』と言われたなら、ある程度の工夫が必要になる。
だが、俺が呼ばれた時点で、そうではない事だけは分かっていた。

「手慣れた人間のようだな」

端的な感想を口に出し、言外に話の先を促す。
『殺し』を専門としているからには、
目的に向いた能力を持っているのだろう。
『エクリプス残党』の『五十嵐』や『下村』と対峙した時にも、
俺が殺される可能性はあった。
奴らを上回るスタンド使いであれば、戦いの中で死に至る確率は更に高くなる。
俺の命で『殺し屋の命』が買えるのなら、それも悪くはない。

54村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/30(木) 00:34:28
>>51

「『殺し屋』か。今日日なかなか聞かない単語だ。
 もっとも、あっちから見たらおれも似たようなものかもな。」

殺し屋を名乗る以上、相手は手練れだと思っていいだろうが…『面倒』かどうかと言われれば違う。
対象の『能力』がそうさせるのか、あるいは『状況』がそうさせるのか。
なんにせよ、詳細を聞いた方が良さそうだ。

そしてこれがどう『あの件』と繋がるのかも。

55『エターナル・ノクターナル』:2023/03/30(木) 23:18:11
>>52-54(全員)

  「覚悟は確認した。
   全員、問題は無いのであれば、
   『赤月』の質問に基づき、
   話を進める事とする」

引き続き、『威武』が話を進める――――

「まず。標的の現在位置――――
 滞在先については絞り込めている。
 当然、標的が無能なのではなく、
 こちらの網が想定を超えただけだ。
 イレギュラーはあり得るが、
 その可能性はこちらで極力削る」

少なくとも、宛ての無い捜索をする必要や、
空振りを受ける可能性はないと見ていいだろう。
あくまで、求められる役割は『戦闘』にある。

「法治国家で殺人稼業などほぼ成立しない。
 『一見』の客が介在できるはずの無い領域で、
 顧客になり得る人間は限りなく少なく、
 継続的に大金を出せる『大物』のほとんどは。
 殺人よりスマートに標的を排除する手を持つ。
 当然、実行犯のリスクも限りなく大きい」

『村田』をはじめ、『殺し屋』という単語への反応は、
『威武』による補足の説明が入る――――

「殆どは『鉄砲玉をその気にさせる肩書』か、
 『スタンドに溺れた愚者が身を滅ぼす過程』だ。
 そして、この男についてはどちらでもない」

 「――――名は『殺手のマテリア』
  スタンドの名は……『クリサンセマム』
  詳しい点は、後で現状と共に説明する」

その名を口にする威武の表情は『苦い』
恐らく、彼にも何らかの事情があるのだろう。

          「まず前提だ」

「この男が『別の元エクリプスの人間』と、
 接触を図っている可能性がある。
 ――――――これが、私と『漣』が強調して動く大きな理由となった」

話の続きの前に、彼は一度口を閉じる。反応や追加の質問を差しはさむ余地はある。

56赤月『サクソン』:2023/03/31(金) 00:01:20
>>55

「そこまで包囲網が絞られているのか・・・・!
 なるほど、『裏方部門』というのも伊達ではないという事か・・・・」

送迎の車内で交わした会話を思い出す
『漣』の派閥は『裏方部門』だという話であったが、
現代社会においては情報と物流を支配する者こそが最も恐ろしい力を持っているのかもしれない

(だが、だからこそ・・・・か
 私達のような外部のスタンド使いを招聘したのは・・・・)

(獣は、追い詰められた時にこそ最も危険で獰猛な力を発揮する
 大怪我を負うのはその時直接相対した者だろう)

(――――面白い。)

壮絶な決闘を前にして、思わず口角が吊り上がる
『殺手のマテリア』・・・・来たる戦いの予感に赤月の心は熱く燃え上がっていた

>          「まず前提だ」

「・・・・む?」

続けて語られるのはこの『仕事』が必要となった理由
『エクリプス』残党の内部で起きた『動き』・・・・

「・・・・・別の『エクリプス残党』との接触?
 それは・・・・彼らの中に新しい動きが出てきたという事だろうか?」

まさか、と内心で想像が不安を掻き立てる
まさか『後見人』もこの件に関わっているのではないか、と

57村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/03/31(金) 00:02:07
>>55

 「ばらばらにしてやった連中がまたくっつこうとしてるってとこか。
 前々から探していたのか、あるいは『最近の事件』を嗅ぎ付けたのか。
 今考えることではないとはいえ、状況によっちゃそのへんも後々問題になりそうだ。」

『威武』の苦々しげな顔を見ながら考える。
前者―――前々からそうだったのであれば、これは緊急性は低い。
単独で、かつ『アリーナ』の目をかいくぐって壊滅した組織の身内を探す・・・容易なことではない。

だが、『エクリプス』の仕業としか考えられない『事件』を起こし、それをビーコン代わりに集まってくるとしたら?
―――これは危険だ。放置すれば残党が大挙して押し寄せることになる。
ビーコン代わりの『事件』―――

 ハッ

 「まさか、『例の件』か?」

ひとつの疑念がひらめき、つぶやく。
『流星刀』。かつて『エクリプス』が保持したという、『スタンド使い』を生み出す『怪刀』。
『刀傷』を持った『スタンド使い』が暴れていると聞けば、知っているものは勘づくはずだ。
『流星刀』の仕業、ひいては『エクリプス』の仕業であると。
『ゲンマ』と『リュウカ』・・・彼らに無軌道に騒ぎを『起こさせた』のはこれが目的か?

58宗像征爾『アヴィーチー』:2023/03/31(金) 00:42:46
>>55

途中で口を挟む事もなく、押し黙ったまま威武の話に耳を傾けていた。
『人殺しが商売として成り立たない』のは確かだが、
何事にも『例外』が存在する事実は否定できない。
『専業』ではないにしろ、俺自身も『片足』を突っ込んでいる。

「『理屈』や『利益』ではない理由で動く人間もいる」

その場の誰に言うでもなく、淡々とした口振りで、独り言に近い呟きを漏らす。

「『困難』があろうと『見返り』がなかろうと、
 『どうしても必要な場合』というのはあるものだ」

あの時の俺は、ただ殺す事だけを考え、『終わった後』を気にする余裕はなかった。

「――『敵』は一人だけか?」

『別の元エクリプスの人間』が居合わせたなら、否応なしに交戦する事になるだろう。
非戦闘員でない限り、『敵の一人』に含まれる可能性が高い。
『排除すべき対象』が一人と二人では、全く状況が異なる。

59『エターナル・ノクターナル』:2023/04/01(土) 19:44:13
>>56(赤月)

「一応言っとくけど、誰に対しても出来る事とはちゃうで〜。
 威武サンも説明してくれるやろうけど、
 『マテリア』の『事情』ありきの話やからね」

漣が応じる。長話をしないのは、
威武の話の途中だからだろう。

「アホでも弱くもないけど、穴があるんや」

この辺りについて掘り下げたければ、後で質問は出来るはずだ。

>>57(村田)

「少し、前提が違う。
 ばらばらにしてやったというより、
 可能な限り消し飛ばした、が正しい。
 そもそも彼らの組織は全容が知れない。
 名の知れた幹部や拠点こそ壊滅させたが、
 町外――――県外や国外に逃れた者、
 また、存在が表に出ていない構成員等は、
 どこまで『消し残った』か読めない。
 今、表舞台にいない。その事実だけだ」

『エクリプス』という形と組織力は失ったとしても、
そこに集っていた悪意全てを消し飛ばすのは困難なのだろう。

「――――当然、残骸を看過はしない」

冷徹な瞳が見据えるのは、その先の未来か。

>>58(宗像)

「同感だ。
 スタンド使いの世界では、
 『納得』は多くの物に優越する」

首肯する威武。
それもまた、返答を求めた言葉ではなさそうだ。

「当初は『一人だけ』を想定し、
 襲撃の隠密性を重視して、
 君と別の人間を招集するつもりでいた。
 だが、今から話す通り、
 『そうではない可能性』が出た。
 手練れを増やす必要が生じたと同時に、
 アタックの攻勢を変える必要も生じた」

具体的な話とは言えないが、
作戦の内情が威武の口から明かされる。
掘り下げて聴けば、より多く聞ける可能性はあるだろう。

60『エターナル・ノクターナル』:2023/04/01(土) 20:10:27
>全員

「私から説明を続けるが――――
 以前より漣達が追っていた、
 『刀を持った男』がいる。
 端的に言えば『辻斬り』だが、
 『エクリプス』残党の可能性が高く、
 継続的に『情報』を探っていた」

そう話す威武の視線は、漣に向く。
もっとも、『村田』には既知の事実ではあり、
鞘と刃――その本質的な脅威も知っている。

「その男の顔や名前は割れていないが、
 『非公開の特殊な手段』によって、
 それらしき目撃情報は集めていた。
 どれほど密かに行動しようと、
 『帯刀』する以上、情報をゼロには出来ない。
 むしろ、行為を考えれば不自然に少ない程だ」

当然、刀を素で持ち歩くはずはない筈だが、
帯刀の事実は簡単に隠せる物では無い。
『刃傷沙汰』となれば、隠滅や隠蔽にも限度がある。

「その男の『最後に確認された情報』が、
 『殺手のマテリア』の滞在地に近い。
 確定情報とまでは言えないが、
 不穏な傾向と見るには十分と考える。
 エクリプスは、それだけ警戒に足る」

全体的に眉唾の話ではあるが――――
威武の口調には断定の調子こそないものの、
疑いながら話すような節は見られない。

「任せる仕事の目標はあくまで『マテリア』。
 当然、彼に勘付かれれば本末転倒。
 だが、繰り返しになるが――『警戒は必要だ』」

      「――これを踏まえて。
       標的『マテリア』について、
       なぜ強襲が必要なのかを含め、
       判明している事実を伝えたい。
       が、話も長くなってきている。
       質問があれば、受け付ける」

61宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/02(日) 09:28:14
>>59

わざわざ『刀を持った男』と明言するからには『実物』だと考えられる。
現代で『辻斬り』を行うというのは正気の沙汰ではないが、
『エクリプス』なら有り得そうな話だ。
かつて同じ組織に属していた『下村右京』も、似たような事をやっていた。
そこまで思考を進めた時、『白い本』の存在に思い至る。
『妖甘』と『道具屋』から破壊を依頼された『火種』であり、
『持ち主によって異なるスタンドを生み出す本』だった。

「『まさか』とは思うが――」

『元エクリプスの人間』、『通り魔に近い手口』、『特異な物品』。
両者の間には、単なる偶然で片付けるには出来すぎている程に、奇妙な一致が窺えた。
この街でスタンドを引き出せるのは『藤原しおん』に限らず、
『和国姉弟』も同様の力を持っている。
『スタンド使いを作れる人間』が複数いるのだから、
『スタンドを作れる物品』が複数あったとしても何ら不思議はない。
『白い本』だけで『複数冊』が存在しているという事実も、
この仮定の裏付けとしては十分な信憑性がある。

「――考えには入れておこう」

『マテリア』の近辺に姿を見せる理由は定かではないが、
あるいは『アリーナ』の出方を探る為に、自ら尻尾を掴ませたとも思える。
『エクリプス』であれば、それさえもやりかねない。
いずれにせよ、もし対峙したなら選択肢は一つしかないだろう。

「あんたが必要な話を終えた後で、情報に不足があれば尋ねる」

今は聞く事に徹する。
疑問の答えが『次の説明』に含まれているとしたら、途中で話の腰を折るよりも、
まず最後まで喋ってもらう。
その上で質問する方が、こちらにとっては都合がいい。

「先を続けてくれ」

威武に言葉を返しながら、『関』と呼ばれた少女を一瞥した。
彼女は『補佐役』らしいが、具体的な役割は知らされていない。
おそらくは、それも『これから』か。

62赤月『サクソン』:2023/04/02(日) 10:50:48
>>59(GM)

「『穴』・・・・? それはまさか」

この状況が『マテリア』の事情に関わる事であるというのなら、
それは彼の身動きを封じるような何らかの事情によるものだろう

(例えば・・・・『夏の魔物』のような・・・・?)

あの日・・・・赤月は『夏の魔物』の『サンタ』に対する『殺意』を利用する事で彼を誘き寄せた
しかし・・・・今回はどうにもそれとは事情が違うように思える

>>57(村田)

「『例の件』・・・・?
 まさか、栄壱は『エクリプス』について何か事情を知っているのか?」

この場にいるスタンド使いで、まっさらな経歴の者は誰もいない
周囲の者達の反応で赤月はそう察していた
彼もまた、『エクリプス』という相手に対して何らかの因縁を持っているのだろう・・・・と

>>60(GM)

「そうか・・・・『刀』を持ち歩く事は法律上禁止されているからな」

思わず、そんな間が抜けた感想が口に出る
ふざけているわけではなく、酷く真面目な口調で

「質問はない
『マテリア』の仲間と・・・・強襲の必要性について説明を続けてくれ」

63村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/02(日) 21:52:17
>>59-60

 「なるほど。『おれが呼ばれたわけ』が分かった。」

やはり『刀』。そして漣派が追っていたとくれば『アレ』しかない。もっとも、今回の『本命』ではない。
『標的』と『目的』を違得るのは良くない。相手もプロなら当然命取りになる。

そして、その『最後の情報』の出どころとはもしやして、『ゲンマ』か『リュウカ』なのかもしれない。
彼らが情報を吐いたとすれば、未来に対して前向きになってくれたということなのか。
そうだとすれば、おれのやったことにも意味があったというものだ。

>>62

 「悪いが『秘密』だ。喋れないことの一つや二つ、おれにもある。」

自分の口に人差し指を当てて追及を制する。

 「楽しい話じゃねえことだけは保証するがな。」

64『エターナル・ノクターナル』:2023/04/03(月) 03:06:28
>>61(宗像)

『まさか』の答えはそう易々とは聞けないだろうが、
単なる辻切の愉快犯と考えるより、合点の行く推理だ。

宗像の言葉に、内心を知ってか知らずか、威武は首肯する。
『関』は静かに話に聞き入っているが、視線を感じてか、会釈してきた。

>>62(赤月)

「? まさか、っちゅうほど凄い話とはちゃうで〜」

漣の口ぶりからして、『大事』ではないのだろうが、
人には『動く理由』や、何かを『できない理由』がある。
例え歴戦の殺し屋であっても、だ。

「……私は『法』の専門家ではないが、
 帯刀の事実が明るみに出れば、
 スタンド使いでも面倒は免れない。
 後ろ暗い点のある人間であれば、
 なおさら避けたい事態だろう」

ごくごく当然のことではあるが、
改めて確認する意味はあるだろう。
スタンドの世界は時に、あらゆる法を凌駕する。

>>63(村田)

『本堂ゲンマ』ら刀の被害者と面識があり、
なおかつその事件に関わり続けている『村田』は、
戦力でもあり、強い『牽制札』にもなる。
呼ばれたことは、ある種当然ですらあるのかもしれない。

>全体

「では、続けよう。
 『殺手のマテリア』――――本名や出身は不詳。
 風貌から日本含むアジア圏の人間と考えられ、
 性別は男性。年齢は恐らく30代前半。
 そして、この男は――――『殺し屋』だ。
 顧客は不明だが、企業重役が一人は間違いない」

「『エクリプス』がこの男を雇った確たる証拠はない。
 ――――――――が、『エクリプス』の暗躍期、
 この男の手で、『アリーナ』関係者が1名殺害。
 あくまで『偶然』と本人は主張していたが、
 目立った『表の顔』の無い職員だった。
 『偶然』では、彼の仕事の標的にはならない。
 更に追及に出したファイターが複数行方不明となり、
 これが疑念を決定的な容疑に深めたが……
 その後、マテリア自身も行方をくらまし続けていた」

    「恐らく国外にでも逃亡したのだろう。
     いくら『海外』に伝手のある派閥でも、
     『個人』を追うには限度がある」

殺人者の経歴であるが、あくまで威武は淡々と話す。

「――――その後も長年、地道な捜索こそ続いていたが。
 今週、『協力』をしていた外部の人間が一名『変死』した。
 その殺害方法から事故死と判断されていたが、
 当時を知る者の調査の結果、殺害現場に、
 『マテリア』が能力を使用した形跡が見られた」

あるいは、努めてそうしているのかもしれないが。

「そして――――……
 更なる調査の結果、『S県』で彼の滞在地が発覚した。 
 何故、今更戻ってきたのかは分からない。
 『合流』の為か、仕事の伝手を探してか」

目を閉じ、少しだけ口も閉ざした威武は。

「いずれにせよ、今度は逃がさない。
 『アリーナ』全体を動かすには時間が要り、隙が生まれる。
 が、生憎、私や漣は『私兵』になるファイターを多くは有さず、
 加えて言えば、私自らが出向けば流石に『気付かれる』」

「よって、宗像を。そして、君たち二人を選んだ。
 確かな実力をアリーナが知り、なおかつ、組織に近過ぎない者達を」

淡々とした声色に、吐き出す呼気と共に、『志』を燃やしている。
が、勿論全てを話している――――という雰囲気ではない。
質問を重ねるか、待っていれば分かる部分ももちろん、あるだろう。

65宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/03(月) 11:50:49
>>64

関に目礼を返し、『殺手のマテリア』と呼ばれる男の輪郭を思い浮かべる。
塀の中には様々な背景を持つ殺人者が大勢いたが、
『職業』にしている者と出会った記憶はなかった。
『エクリプス』と繋がりを持つスタンド使いとはいえ、
『アリーナ』に捕捉されながら一度も拘束されずに逃げ延びるというのは、
並大抵の人間には出来ない事だ。
『殺し屋を殺す仕事』は一筋縄では済まないだろう。
俺が殺される結果になったとしても、『掃除』という観点から見れば大した差はない。

「『能力』に関する情報も皆無ではないという事か」

『痕跡』から判断できたのなら、多少なりとも知識の蓄積があるのだろう。
故意に残したとすれば『餌』かもしれないが、
それについて推測するのは俺の仕事に含まれない。
たとえ針が付いていようと、目の前の『生き餌』に食い付くだけだ。

66村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/03(月) 13:08:33
>>64

 「用心深いやつだ。」

稼業ゆえといえばそれまでだが、本名含む経歴は不詳、雇い主も不透明。
『エクリプス』崩壊後の足取りも不明と来ている。『徹底的』と言っていい。

 「そんな奴がわざわざ戻ってくるんだ。確実に『何かある』。」

そしておそらくは、『マテリア』側も襲撃をある程度予期しているに違いない。
これほどまでに『徹底的』な男が、その可能性を排除する可能性は限りなく低い。
威武はこの作戦を『強襲』と言った。彼らとしても、それは織り込み済みなのだろう。

 「何かあるなら、潰すまでだ。」

67赤月『サクソン』:2023/04/04(火) 00:35:14
>>63(村田)

「そうか・・・・」

穏やかな口調ながら、これ以上は踏み込ませまいという強い意志を感じた
好奇心を身の内に納め、この場での追及は止めにした

>>64(GM)

「そうか・・・・『エクリプス』が雇った『殺し屋』
 元々は内部の人間ではなかった、というわけか」

語られる事実に僅かに眉をしかめる
金の為に、利益の為に人の命を奪う人間だ・・・・人の恨みを買うのも当然だろう

・・・・それは、赤月の『兄』に対しても言える事であった

「続けて」

内心の葛藤を表情に出さないままに、威武の話に耳を傾ける
長年行方不明になっていた対象が、ここに来て動いた事実
それを語る時、彼の眼に『志』の炎が燃えている事に気付いた

「質問・・・・というよりも酷く個人的な興味なのだけれども」

「その、協力をしていた外部の人間というのは・・・・
 例えば君たちの誰かの知り合いだったりするのか・・・・?
 友人や、家族が『アリーナ』内部にいるとか・・・・」

68『エターナル・ノクターナル』:2023/04/04(火) 02:14:12
>>67(赤月)

「『エクリプス』については、
 その原点自体が不明瞭だ。
 内部の人間というものが、
 果たしてどこからどこまでか……
 生き残りに問い質しても、
 そうした実態は浮かんでこなかった」

黙する『関』も、その『殺し屋』の事実に慄くのか、
俯きがちに、ただ耳を傾けているようだった。

「黙秘する理由もない。
 ――――答えは『NO』だ。
 死んだ外部協力者は利害関係のみの人間。

             ・ ・ ・ ・ ・ ・
 関係があるのは、かつて死んだ者だ。
 私の部下だった。強くはなかったが」

威武からはやはり、あくまで淡々と答えが返る。

   「――――失われた物は大きい。
    だが、望むのは仇討ちではなく、
    『危険の排除』それに尽きる」

彼もまた、利害の為に命をやり取りする人間。
それが公益に関わる物であれ――――だ。

「『マテリア』だけが『仇』でもない。
 私も。他の者達も」

―――――だから命が軽くなるというわけでも、ない。

>>65(宗像)
>>66(村田)
>赤月

「――――標的の話に戻そう。
 『宗像』から出た質問に絡むが、
 『スタンド使い』の多くは、
 味方にすら能力を詳らかにしない。
 私は『漣』の能力の真相を知らず、
 逆もまた、真価を知らない。
 それが敵となればなおさらだ」

「まして、我々の抱える人材に、
 彼と戦場で相対した者は『この世にいない』」

ごく当然の話ではあった。
スタンド能力には様々なタイプが存在こそするものの、
明かすことが有利につながる、というものはまず無い。
せいぜい、『明かしても不利にならない』程度だし、
どれほどシンプルな能力でも、大抵、制限や条件は存在する。

    「だが――――『クリサンセマム』」

「そのスタンドによる『殺し方』は、
 少なくとも一つの事実を浮上させた。
 あれは、『粉々に砕く』殺し方をする。 
 一人目の犠牲者は頭部を粉々に砕かれ――
 直近の犠牲者は、滞在中の建物で柱が崩れ、
 その結果……天井の崩落によって圧死した」

      「そして人体と柱の基部は、
       『同じように粉々』だった」

圧倒的な破壊力があればコンクリートを砕く拳は放てるし、
能力自体に爆発的なパワーがあるタイプも存在する。
が、この言い方は『力任せの破壊』とはニュアンスが違うだろう。

「それが『何故』かは分からない。
 破壊そのものが能力なのか、
 副次的な作用としての破壊なのか。
 少なくとも、膂力でコンクリを砕けば、
 あのような破壊痕跡にはならない」

「それが事実の全て――――
 下手な推測で先入観を与える事は避ける」

              「ここまで、質問は?」

69宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/04(火) 12:04:22
>>68

『全てが分かる』とは考えていなかった。
そして、『結果』だけが分かっていた所で、死を回避できる保証など存在しない。
だが、『命のやり取り』では、ほんの僅かな差が『生死の差』に結び付く。
『マテリア』の犠牲者達は、全員が『情報を残す前』に殺されている。
『殺した側』よりも、むしろ『殺された側』に注意を払うべきだ。

「俺が危険な相手と対峙する事を知っていれば、死後の為に『遺言』を残そうとする」

ここを訪れる前、俺は運転手の男に伝言を託した。
『この仕事で死ぬ可能性』を考えたからだ。
逆に、それがなければ、何も言わずに車から降りていた。

「それが出来ない場合というのは、
 そうしようと考えていない時か、
 そうしたくても難しい時か――」

「『完全な不意打ち』で殺されたなら、いずれにせよ何も伝えられない」

排除すべき標的に対して、『マテリア』が正面から襲い掛かったとは考えにくい。
個人的な『復讐』ならいざ知らず、殺したい人間を間違いなく仕留めるなら、
万全の準備を整えた上で『暗殺』するのが最も確実な方法だ。
俺のような『副業』ではなく、『本業』にしているなら尚更だろう。

「今回に限って言えば、少なくとも『手掛かり』だけは伝えられる筈だ」

前線に立つのは俺を含めて『三人』。
一瞬で皆殺しにされない限り、誰かが『クリサンセマム』の情報を残せる。
今日を生き延びたとしても、『マテリア』に明日はない。

「あんたが知る範囲で、
 『マテリア』に殺された『アリーナ』の関係者と協力者は、
 『選手』以外も『スタンド使い』だったと考えていいのか?」

『一般人』でも『一般人』は殺せるが、『スタンド使いの殺し屋』にとって、
『スタンドを持たない人間』を殺す事は容易い。
何も出来ずに殺されたとしても、それは当然の帰結だ。
『一般人』を殺害する目的であっても、『スタンド使い』を雇う事は有り得る。

70赤月『サクソン』:2023/04/04(火) 22:19:46
>>68

「そうか・・・・いや、私の俗な好奇心に付き合わせてしまってすまない」

そう言って、軽く頭を下げる
だが、表情には表さないようにしているが、その内心は穏やかではない
それは、彼の『マテリアを討つ理由』を聞いたからだ

(『戦い』には『動機』が必要だ――――。)

それは、『仇討』であったり、『利益』のためであったり、
あるいは『闘争本能』を満たすため・・・・・・というのもある

(『大儀』のため・・・・街の平穏を護る為の戦い・・・・それは)

(それはまるで『正義の味方』のような・・・・)

(ああ・・・・そうだ・・・・
 私がいずれ戦わなければならない相手は・・・・そういう『正義の味方』たちなんだ・・・・)

>――――標的の話に戻そう。

「人体も物質も粉々に・・・・
 可能性としては『3つ』考えられるな」

指を折り、一つずつ数を増やす

「一つは単純に『ものを粉々にする能力』
 シンプルだが・・・・単純な能力の方がより強力な力を発揮するという話もある
 その場合、接近戦はこちらの不利となるだろう」

「二つ目は『ものを壊れやすい物質に変える能力』
 例えば『雲』だとか・・・・そういう物に物体の性質を変化させて砕いている可能性
 搦手が得意なタイプだ。慎重に能力を見定める必要があるだろう」

「三つ目・・・・『物体を粉々にする何かを使う能力』
 正直に言って私にはあまり想像が出来ないが・・・・
 空間に作用する能力の応用でそうなる・・・・可能性もある」

「周囲に何か別の痕跡は残っていないのか?
 例えば何か異常な音を聞いた者がいるとか・・・・温度や湿度に何か異常があるとか」

71村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/05(水) 14:02:06
>>68

 「なるほど、『仕事向き』の能力ってわけだ。」

だが疑問もある。何故『証拠』が残る?
それだけ粉々に破壊できるのであれば、人間一人まるごと粉々にしてしまえば、証拠は残らないはず。
何故それをしないのか。

思うに、『できない』からだ。何らかの原因があるはずだ。
さもなくば証拠が残るような殺しも、事故に見せかけるようなこともせずに済む。
とはいえ、まだ仮定でしかない。『威武』がそうしたのと同じに、憶測から生じた言及は避けるべきだろう。

 「『粉々』の度合いは?
 その物言いだと、『力づく』じゃ起こりえない程度なんだろうが。」

 「文字通り『粉末』みたいになってたと思っていいか?」

72『エターナル・ノクターナル』:2023/04/06(木) 07:56:23
>>69(宗像)

敗北した際の備えについては、
『威武』は首肯だけに留めた。
有難くないと考えているのではなく、
死ぬなどあり得ないと考えているのでもあるまい。

「かつて暗殺された関係者は、
 『スタンド使い』で相違ない。
 ただし能力は非公開だ。
 そして外部協力者に関しては、
 『スタンド使い』ではない。
 表の立場を使い、協力していた者だ」

「君を連れて来た運転手がそうであるように、
 組織の関係者には『一般人』も多い」

>>70(赤月)

「構わない。  
 『知る事』が動機を作るなら、
 知っておいた方がいい。
 完全な興味本位とも思わない」

本意は分からないが、
少なくとも『今』問題は無いだろう。
この男が赤月の問題になるとすれば、
それは、『いずれ』だ。

「君の推測は概ね正しい。
 私もその3つの何れかだろう。
 別の痕跡としては――――
 彼は『人感センサー』を潜り抜けた。
 殺し屋としての『技術』なのか、 
 何らかの『道具』を有しているのか、
 あるいは、それも能力の一環なのか」

    「留意はしてもいい。
     先入観に終わるかもしれないが」

>>71(村田)

事故死に見せかけるという手法なら、
死体即ち人間が完全に消えるよりも、
自然であると考えた可能性はあるだろう。
然し前者――――アリーナの人間を消した際、
証拠を残した理由は、『村田』の疑念通り『謎』だ。

「『粉末』と言うほどではない。
 破壊箇所は、砂泥で言って『砂利』レベルだ。
 が、破片全てが均一なサイズという訳ではない。
 『物体を等分割する能力』ではないのだろう」

もっとも、それが能力の謎と一致するかは読めない。
『殺し屋』などという特殊な人種のする事なら、猶更に。

>全体

「他に質問は。
 今の回答を受けての、
 追加の質問でも構わない」

それぞれの質問に答え終え、『威武』が促す。

「無ければ、作戦の内容に移る。
 我々の起案した『強襲』はシンプルなので、
 幾らか君たちの考えも聞いておきたい」

73宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/06(木) 11:28:55
>>72

威武の話によると、『アリーナの協力者』の死因は事故死に近かった。
相手が『スタンド使い』でなければ、より直接的な手段に訴える事も出来る。
それを選ばなかった『マテリア』は、やはり用心深いのだろう。

「俺からは残り一つだけだ」

しかし、疑問もないではない。

「最初の犠牲者に頭部以外の負傷があったかどうかを知りたい」

不意を突けたとしても、
『アリーナのスタンド使い』の頭を砕くのは、簡単な仕事ではない筈だ。
仮に一撃で即死させたとしたら、どのような状況だったのか。
『一般人』に対して間接的な手段を使っているからこそ、余計に引っ掛かりを覚える。

74赤月『サクソン』:2023/04/06(木) 20:23:49
>>72

「『センサー』を? それは・・・・」

人感センサーを通り抜けたとはいえ、それはそれ程気にするものではない
刑務所の様にセキュリティレベルが高いわけではないのだ
ある程度注意深く動ける人間であれば、民間のセンサーを避けるくらいは出来るだろう

だが、赤月の中でその事実は多少のひっかかりを見せていた
その『理由』は――――

「私は・・・・以前『アリーナ』の試合で『空間』を操作するスタンド使いと戦った事がある・・・・」

他の二人にも聞こえる様に語り出す
それはかつて『タダヒト派』の試合で戦った相手の事だ

「能力の詳細を語る事は避けるが、空間の移動に巻き込まれた時は
 内臓が丸ごと引っ張られるような感覚を覚えた・・・・」

「能力の性質によっては・・・・分子レベルで物体に干渉出来るとすれば
 物を粉々にするくらいは出来るだろう・・・・たぶん」

「私がこの話をしたのは、『空間』に作用する能力の場合、攻撃の感知が困難になるからだ
 眼に見えない空間を使って移動すれば・・・・センサーの眼を潜る事も容易だと思う
 そして、その場合私たちが気づかないうちに致命の攻撃を受ける可能性もある」

右手で顎を触り、考えをまとめる

「粉塵、煙・・・・そう『煙』がいいな
 インセンス・・・・線香、だったか。念のため、それを持っていきたい
 後でコンビニに寄って買っておこう」

「もちろん、能力を『それ』と決め打ちするわけではないけど
 念のため・・・・だ」

「私からは以上だ。話を続けてくれ」

75村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/06(木) 21:40:12
>>72

 「なるほどな。『消す』とか『分解する』とか、そういう類じゃあなさそうだ。」

どのみち、相性はあまりよくないかもしれない。
単純な力で『棒』が破壊されることはないが、『能力』では話が別だ。
逆に言えば、『棒』に対してどういうアプローチをとってくるかで判明することもあるだろう。
それにどのみち、棒を振り回すことだけが『ディズィー・スティック』の能ではない。

 「『強襲』の内容を聞こう。」

76『エターナル・ノクターナル』:2023/04/08(土) 12:22:42
>>73(宗像)

「他の傷は『あった』。
 それらの傷については異常性は無い。
 鈍器による殴打、と判断されている。
 飛び道具で殺すなら不要な過程なので、
 能力発動に、迫撃が必要な可能性は高い」

『理』だけが人の動く理由では無いとはいえ、
全く無意味な情を『仕事』に持ち込む人間は、
プロとして名を馳せる結果に至らないだろう。

「当然、別途で飛び道具の所持はあり得る。
 銃器を持っている可能性は限りなく低く、
 まともな人間なら、『ボウガン』ですら
 不要な証拠を残さないため使わないが、
 スタンド使いの『投擲』は時に火器を超える」

>>74(赤月)

「コンビニに寄る必要はない。
 『線香』を用意する『手段』が、
 今、ここに『いる』。
 君同様に細かな説明は避けるが、
 『関寿々芽』は『補給部隊』だ」

「……私の能力は『道具』を手に入れられるんです。
 勿論ちょ?っとだけ、お金は要りますけどねえ」

『関』の『意味』は、彼女自身が肯定する。
移動中にでも入手が可能だろう。

「もちろん拘りがあるなら、
 寄る時間を用意は出来る」

その理由は、今から説明があるのだろう。

>>75(村田)

『村田』の言葉に首肯し、威武は話を続ける――――

>全体

「――――強襲の計画を伝える。
 まず、標的の滞在地は『ホテル』。
 高層階のフロアを丸ごと借りている。
 マテリアが『伝手』を持つホテルなのだが、
 現在はそれ以上に『漣』の息がかかっている。
 彼はそれを『知らない』」

殺し屋の伝手がどのような物かは不明だが、
それが今、敵の地の利を作る事は無いようだ。

「私は君たちの能力を正確に知らず、
 この場で全て開陳しろとも言わない。
 故にやり方はシンプルな程いい。
 『一名』が『客』に扮し標的に向かう。
 そして標的と正面から接敵し、
 交戦開始後、『二名』の増援を以て仕留める」

「接敵と同時に『三名』をぶつけるのは、
 事前に察知される可能性が高まり、
 逃げの一手を選ばれる可能性も同上。
 不測の事態への対応力も落ちると考える。
 『刃の男』が確認された場合には、
 戦力を動かしやすくしたいのもある」

     「私としては『一名』に『宗像』を、
      『二名』に『赤月』『村田』を。
      これが、確実性が高いと考えているが」

威武の考案した作戦は、作戦と言うほど深い物では無く、
彼の調子も断定調ではない。

「意見はあるか?
 もし各々で能力を共有したく、
 かつ私や漣、冬川の同席が不安なら、
 隣に空室を一つ借りているので、
 そこで相談をしても構わない」

「ただ、どう攻め込むかは私にも教えて欲しい。
 もし君たちが失敗した場合、リスクを取って私が『収拾』を付けるからだ」

77宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/08(土) 15:25:27
>>76

他にも外傷があったのなら、戦闘の痕跡としては自然だ。
しかし、これ以上は考えても無駄だろう。
この場で推測を重ねるよりも、実際に見た方が早い。

「――俺の能力は『復讐』だ」

躊躇する事なく、『アヴィーチー』の『本質』を口に出す。
少なくとも『桜島派』には既に知られている。
隠す意味は薄く、隠し通せる事でもない。

「『殺傷力』は高いが『応用』は利かず、『正面から攻める』しかない」

「他の位置を与えられたとしても、満足な働きは出来ないだろう」

威武の提案には『肯定』を示す。
村田や赤月の能力は知らない。
だが、俺に彼らの役割が果たせるとは思えなかった。

78赤月『サクソン』:2023/04/08(土) 20:41:20
>>76

「・・・・・なるほど。 店に行かなくても『道具』が手に入るとは、便利な能力だ
 私の能力には『道具』が必要だからな・・・・君の力を貸してもらえると実際ありがたい」

そう言いながら財布の中を確認する
中学生の身分でそれ程多くの金を持ち歩いているわけではないが、
ちょっとした物を買う程度の金はありそうだ

>――――強襲の計画を伝える。

直後に語られる『強襲計画』
フロアを丸ごと使ったその計画に、己と敵、互いのバックの大きさを想像し
ごくりと生唾を飲み込む

(『戦い』は既に始まっているという事か・・・・!
 用意したセーフハウスを丸ごと乗っ取るその手腕・・・・!)

「流石は、『アリーナ』の後方支援担当と言うべきか・・・・」

「作戦内容に問題はない
 そして・・・・」

          ずっ・・・

宗像の言葉に合わせる様に己のスタンド・・・・
その本質たる『トレンチコート』を身に纏うように発現する

「私も能力を公開しよう
『サクソン』・・・・『コート』を使うスタンドだ
 能力は『道具』の『暗器化』・・・・『道具』は使用によって遠隔で『暗器』とする事も出来る」

その神髄たる『回復阻害能力』については語らない
公開するのは試合などで散々発揮した『サクソン』の表の能力だけだ

「間違いなく『暗殺』に向いたスタンドだ」

「作戦方針に反対意見はないが・・・・
 ホテルを丸ごと抑えているというのなら、
 ルームサービスに私の『暗器』を紛れ込ませてはどうだろう」

「タオルや食事、歯ブラシなんかを『暗器』にすればある程度奇襲になると思うが・・・・」

79村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/08(土) 21:17:01
>>76

 「『客』として偽装する以上、おれや赤月じゃあ背格好が若すぎる。
 細かい能力は置いといて、威武サンの『配役』は的を得てるだろうな。」

 「それにあんたが一番、『手荒』なのは得意そうだ。」

『宗像』の方を見ながら、威武の作戦内容に同意する。


 ビィ――――――――ッ !
                    ズ ギュ ン !

 トン  トン !


 「おれにできるのは『これ』だけだ。」

『ディズィー・スティック』でベルトを引き抜き、『棒』へ変えて見せる。
それだけで『素早さ』と『技術』は伝わるはずだ。

 「威武サンの提案に異論はねえ。」

 「おれたちゃ急造チーム、『チームプレイ』は望むべくもねえ。
 ならなおさら『シンプル』なのが一番だ。」

80『エターナル・ノクターナル』:2023/04/09(日) 22:54:53
>>77(宗像)

「カウンタータイプの能力は、
 性質上『先鋒』でこそ輝く。
 決して……楽な役目では無いが、
 君の『殺傷力』を評価している。
 我々も、事後の対応や報酬は全て尽くす」

『威武』がそれを知っていたかは不明だ。
少なくとも『この場』に『吾妻』はいないし、
その派閥と思われるような人間も見えない。

「具体的には医療費。入院費。
 休職が必要になればその期間の給与。
 報酬そのものとは別で、保証しよう」

     「当然の権利だ」

『宗像』がそれを望むかは別だが、
生きていくためには糧は必要になる。
無意味な『権利』ではないだろう。

>>78(赤月)

「『暗殺』に向いたそのスタンドで、
 『闘技』の場を度々制している。
 私はどちらの闘争も尊重するが、
 両立出来るものは決して多くはない。
 適所での活躍にも、期待している」

威武が『赤月』の試合を見たかは不明だが、
戦歴は流石に承知の上なのだろう。
彼の言葉には過度の盲信ではなく、
客観的事実に基づく『信任』の色がある。

「暗器の混入は可能だろう。
 ただ、当然ながら限度はある。
 この点は私より……漣の見解を聞きたい」

話を振られた『漣』が赤月に視線を向ける。
少しだけ考える仕草を見せたあと、口を開く。

「そうですね、アタシから見ればやけど……
 アメニティにやったら仕込めると思いますよ。
 ただ、この場合問題は用意したもんを『使うか』やね。
 普通の旅行でも歯ブラシは結構自分で持ってくるやろ?」

      「アタシだけかもしれんけど」

「料理は…………ルームサービスやったら、
 配膳してる時に仕込めるかもしれんね。
 調理場では無理やな。調理に関わる人間ら多すぎるし、
 最悪他の客も巻き込みかねへんから、説得しきれん」

『漣』の見解はあくまで『絶対的事実』ではないはずだが、
時間的制約と、掌握の限度は実際に存在する事実だ。

>>79(村田)

「君の察する通りの事情だ。
 ホテルの客層は若者向けではない。
 存在が違和感になる程では無いだろうが、
 基本的に初動は『伏せる』形になる」

町に見かける『ビジネスホテル』のような、
若者達が小旅行に使う需要では無いのだろう。

「『棒』か――――良い能力だ。
 『最初はシンプルに、使うほど奥深い』
 そうした類の能力が結局、戦いを制する。
 君の技を知る機会が、闘技場でなく、
 こうした形なのは少し残念ではあるが」

      「実力は『聞いている』
       任せる側としては、
       ただ、『信任』するだけだ」

視線を向けた威武に、冬川が頷いて返した。

>全体

「作戦に異論がないなら、
 後は、現地に向かうだけだ。
 他に聞いておきたい事や、
 確認したい事項はあるだろうか」

『威武』が一堂を見回す――――何かあっただろうか?

「たらればの話でも構わない。
 とはいえ、現時点では答えられない場合もあるが」

81宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/10(月) 14:56:13
>>80

威武の分析は的確だ。
敵から攻撃を受ける機会は、最初に単身で接触する人間が最も多くなる。
その点から言っても、俺に『先鋒』を割り当てるのは『正しい使い方』だろう。

「『スタンド使いとしての仕事』が『無傷』で終わった事はない」

『仕事』が終わった後は、常に『病院送り』にされてきた。
『アヴィーチー』の性質上、負傷は必要な経費だ。
一撃で即死させられなければ、任務の遂行に問題はない。

「今回も『そうなる』だろう」

俺が『マテリア』に殺されたとしても、完全に息の根が止まる前に奴を仕留める。

「彼女は『補佐役』と聞いたが、具体的には何を任されている?」

再び関を一瞥し、威武に問い掛ける。
始まる前の準備か、戦闘中の支援か、終了した後の処置か。
いずれにせよ前線に立たない事だけは確かだ。

「『現場で話す方が都合がいい』なら、そうしてくれ」

それ以上は何も言わず、言外に『移動』を肯定する。

82赤月『サクソン』:2023/04/10(月) 15:27:55
>>80

「ん・・・・・確かに」

旅をする人間であれば、最低限の生活用品を持って移動する事も多い
しかも、相手は『アリーナ』に狙われるいわれのある人間だ
他人から供される物など警戒して当然だろう

「では、『暗器化』についてはホテルの様子を見てから検討しよう
『マテリア』の動きによっては、使える手も変わるからな」

「私からの質問はこれで構わない
 その・・・・危険な役割を担ってもらって悪いけど
『サメの人』には先駆けの役目を頼む」

「・・・・・ああ、それとだ
先ほどの煙・・・・『線香』の件だけども
スズメ・・・・君の能力で『ライター』を2個と『線香』を2箱用意してほしい」

身に纏う『トレンチコート』を解除し、制服姿に戻る
制服のポケットには既にコーラの小缶が入っているが、
逆サイドのポケットにそれらの購入した物品を入れておきたい

83村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/10(月) 20:07:42
>>80

 「今の口ぶりから察するに、いいとこのホテルなんだろ?
 『漣派』は『そういう派閥』だって聞いてるぜ。」

金銭的に『やり手』の派閥だ。思えば、冬川と最初に会った新年会もかなり贅沢なものだった。

 「別に綺麗なかっこしようってんじゃあないが、『この格好』は『浮きそう』だぜ。
 後詰めのおれたちはともかく、キチっとした格好したほうがいいんじゃあねえか?
 化粧しろとまでは言わねえけどよォ―――」

『宗像』のツナギ姿を指摘する。
背格好で配役を考えたところで、『恰好』で悪目立ちしては意味がない。
もっとも、そういうところを気にするかどうかは不明だが。

着替えることで支障が出ることもあるだろう。『礼服』はツナギより頑丈ではない。
ただ、『頑丈でない』ことが有利に働くこともある。
リネン一枚、髪一本、汗の一滴・・・そのすべてが『ディズィー・スティック』の武器になる。
どちらを『実』としてとるかはその人次第だが。

 「ホテルに『防火システム』の類は?警報、シャッター、スプリンクラー、避難装置に消火栓その他もろもろ。
 どこに何個あるかは現場で確認するとして、『あるかどうか』聞いておきてえ。」

84『エターナル・ノクターナル』:2023/04/11(火) 16:16:59
>>81(宗像)

「『無傷』ならそれに越したことはない。
 だが、過剰に傷つく事を恐れる姿勢は、
 かえって大きな傷を負う結果を招く」

『宗像』の言葉を肯定した威武は、
問いに応じて、関を一瞥する。

「関は『補給要員』だ。
 その能力で一定の物品を購入出来る。
 現実に存在する『販売店』とは違い、
 条件に当てはまりさえすれば品切れは無く、
 何より、買った物は『足がつかない』」

「ただし『武器』などは買えない。
 持ち込み自体を勧めないが、
 どうしても必要なのであれば、
 ホームセンターに寄る程度の時間はある」

その関もゆっくりと頷き、説明を肯定した。
『始まる前の準備』に当てはまるようだ。
道具が特にいらないなら、頼る必要もないか。

「他の者からの質問が終われば、
 いずれにせよ、順次移動を開始してもらう」

つまり『村田』の確認と質問が終わり次第――だ。

>>82(赤月)

「ええ、それがエエと思いますわ〜。
 何事も、ちゃんと現場は見やんとね」

マテリアがこちらを認知する術がない以上、
戦闘開始のタイミングはある程度制御出来る。
準備や仕掛けには、ある程度時間を使えるはずだ。

「お線香と、ライターと……分かりました〜。
 ここを出る前にまとめて用意して、
 車に乗るまでに渡しますねえ」

関自身の発想を口にしているというより、
既にそうするように決まっている、という口ぶりだ。

どちらにせよ、赤月にこの場でする事は最早ない。
あとは全員の質問事項が終わるまで待機で良いだろう。

>>83(村田)
>宗像

   「確かに、その点は同感だ。
    ドレスコードは無いので、
    こだわりは不要だが、
    仕事着では目立つ」

『宗像』の服装は予定された物ではないだろうが――

「部屋に『スーツ』は置いとりますよ。
 多少サイズに違和感はあるかもしれんけどね。
 それか…………『普通っぽい服』でエエんでしたら、
 15分くらい貰えば、ここで渡してから出れますけど」
 
   「あ、服が必要やったら言うてちょうだいね」

念の為の『衣装』は用意されているようだ。
『村田』や『赤月』の分も、今なら用意出来るらしい。

「最終的な判断は『宗像』に任せる。
 が、着替えを推奨はする。
 動きにくいならそのままでも良いが、
 その場合、遭遇後の初撃は速やかに行うべきだな」

威武の結論も、概ね『村田』の考えに近いもの。

「防火システムは『ある』。
 各部に火災報知器、スプリンクラー。
 階段の扉は防火戸。廊下には消火器が各階完備。
 マテリアの滞在フロアにはスロープもある」

防火設備についても、簡素な返答が返る。

「禁止はしないが、放火は勧めない。
 基本的に下層階の火災報知器は切れず、
 一般客のいるフロアまで火が届いてしまえば、
 制御不能になる事を回避出来ない。
 消防署が動けば事態収拾のリスクが高い。
 作戦に支障が出る可能性も上がる」

「場合によっては、救援も難しくなる」

以前の『戦い方』が既に知られているのか、
それとも、こうした任務では一般的な注意事項の範疇なのか……

85宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/11(火) 18:39:18
>>84

『服装』を指摘する村田の意見は、考えもしていない事だった。
自分が『世間知らず』になっている事に、改めて気付かされる。
そして、多くの場合『配管工』という職業が必要とされるのは、
『急ぎの対応』を要求される状況だ。
いつ呼び出されたとしても、すぐ現場に向かわなければならない。
そうした生活を送る内、『仕事着』が『普段着』となるのに、
大した時間は掛からなかった。

「『スーツの着方』ぐらいは覚えているが、
 『着慣れていない』という事を念頭に置いてくれ」

最後に『スーツ』を着た時の記憶は、既に残っていない。
生きている間、人間は様々な事を忘れる。
これも、その一つだろう。

「着替えた後で、念の為に『確認』を頼みたい」

そこまで言ってから関に向き直り、
色褪せた一枚の『写真』を胸ポケットから取り出し、伏せた状態で机上に置く。

「君の『能力』を借りる代わりに『預かって欲しい物』がある」

これを撮った時の事は、まだ覚えている。
ある日、何の前触れもなく『写真を撮って欲しい』と言い出し、
俺は不慣れなカメラを構えてシャッターを切った。
今にして思えば、あれは『虫の知らせ』だったのか。
だからこそ、『馨』は『自分の写真』を撮らせたのかもしれない。
どれだけ大切な記憶であろうと、長い時間が経てば、人間は少しずつ忘れていく。
『写真』があれば、それを思い出す事が出来る。
逆に、覚えていたくもない記憶は、
思い起こさせる品などなくても、いつまでも消えずに残り続ける。

「『仕事』が終わった後で、俺が引き取りに来なかった時は、焼き捨ててもらいたい」

俺がいなくなれば、これも必要がなくなるだろう。

86村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/11(火) 19:32:52
>>84

 「そりゃそうか。厄介ごとのたびに建物吹き飛ばして回るわけにゃいかないしな。」

狩りに『火』を用いるのは単純かつ効果的、厄介ごとにはつきものと言ってもいい。
もっとも『リュウカ』との戦いで、おれの悪事が耳に入っている可能性も十分考えられるが。

歓楽街のさびれたゲーセンや、田舎の民家とは訳が違う。『手荒』にも限度がある。

 「しかし『スロープ』は厄介かもしれねえな。入るところが見えてりゃ袋のネズミだろうが、
 『万が一』があるかもしれねえ。念のため対処がいるかもな。」

『使ったら死ぬ』くらいの工作を、現地でしておくべきなのかもしれない。
固定器具を外すとか、自重で裂けるように切れ込みをいれるとか、その程度に限られるだろうが・・・

 「『消火器』は使うかもしれねえ。現場で場所と個数を教えてくれ。
 おれからは、それぐらいだな。」

87<削除>:<削除>
<削除>

88『エターナル・ノクターナル』:2023/04/13(木) 20:45:02
>>85(宗像)

「その点は安心してください。
 闘技場やるのに『衣装係』は欠かせへん。
 念のためやけど連れて来といてよかったですわ」

自身の心情を除くのであれば、
背の高い部類である『宗像』にスーツは映える。
それを机上論では無くせる人材もいるようだ。

「はい、なんでしょう〜?」

そして、『関』への頼みは……

「…………!
 …………………分かりましたよう」

            スッ

「私に出来るのは後ろにいることだけなので……
 大事に預かっておきますから、安心してくださいね」

『死地』への儀式は、受け入れられた。
非戦闘員でもここにいる以上、『覚悟』の意味は知っている。

>>86(村田)

「『避難滑り台』は『十階』が限度だが、
 マテリアの宿泊階は『二十階』だ。
 『十階への降下』に用いるもので、
 使われた瞬間に逃走完了ではないが、
 万一の場合、逃走経路にはなり得る」

『十階』に待機している人員がいれば、
即座に逃げられることはないという事だ。
その人員をどうするかは問題だが…………

「奇襲の入口に使う手も無くはないが、
 スロープを逆上りするのは難しい。
 必須であるとまでは言わないが、
 『破壊』するのは無難な手と言える。
 消火設備とは違い管理もアナログだ」

漣も特段止めるような素振りは見せない。
ホテルの多少の破損は問題ないのだろう。

「なんやったらこっちで使えんようにも出来んくはないやろね。
 ただこの場合、火ぃ使うのは出来るだけ避けてほしいですけど」

>全体

「他に質問はあるだろうか?
 現地でも答えることは可能だ。
 私はその場には行かないが、
 漣の手勢が数名潜り込んでいる。
 目立たない形でならやり取りは可能だ」

    「特になければ、
     この場で出来る準備を済ませ、
     現地に向かってもらうつもりだ」

現地でする準備もあるだろうが―――――そこは既に戦場だ。
準備のために用意された此処とは違い、何が起きるかは分からない。

問題が無ければ、『宗像』の着替えや物品の受け渡しの後、出発となる。

89宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/13(木) 22:16:37
>>88

関に目礼した後、掛けていた椅子から立ち上がり、漣に対して一礼する。

「――世話になる」

『衣装係』の手を借りて着替えを済ませ、差し障りがなければ『手袋』は残す。
俺の身体を巡っているのは、下水道を流れる『汚濁』と同じ『汚れた血』であり、
この手が誰かに触れる事で『穢れ』を伝染させてしまう。
理屈の上では現実的な考えではないと分かっていても、
意識の奥底に根付いた『忌避感』は拭い去る事が出来ない。

「あんたの手を煩わせる必要がないように全力を尽くそう」

別れ際、威武に告げて現場に向かう。
移動の間に、『アヴィーチー』が可能な行動を、頭の中で再検討する。
全員に話したように『切れる札』は少ない。
それらを繰り出す『順番』と『タイミング』が重要だ。
相手の力量を踏まえれば、一つのミスが致命的な結果に繋がり得る。

90赤月『サクソン』:2023/04/14(金) 13:03:24
>>88

「こちらの服装はこのままでいいな」

学生服は学生にとってフォーマルな服装である
リゾート地なんかでは浮いてしまうだろうが、この手のホテルであればそうそう目立つ事もないだろう

「ああ、準備は問題ない
 ・・・・いつでも戦える」

91村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/14(金) 21:39:02
>>88

 「おれたちが野郎の目につくときは『終わり』の時だ。
 このままでも問題はねえだろうが、できるだけ人目は避けたほうがいいな。」

どこで何にみられるか分からない。
相手も恐らくそうである以上、こちらも『警戒』を怠るべきではない。

 「火には気を付けるし、できるだけ選択肢からは外すようにする。
 おれも地上20階で焙り焼きにされたくはねえからな。」

とはいえ今のところわかっている相手の能力・・・
『物体の粉砕』に対して、火炎などの手段は有効打になる可能性が高い。
有効かつ確実な場面では、使用を躊躇するべきではないだろう。

 「『チームワーク』にゃ期待しねえが、『チームプレー』には期待してる。
 短い間だが、おれの背中をよろしく頼むぜ。」

92『エターナル・ノクターナル』:2023/04/16(日) 05:28:07
>>89(宗像)

「我々は『依頼』する側だ。
 君達がいなければ、
 そもそも『手』は動かす必要があった。
 失敗したなら報酬は出せないが、
 収拾を付けるのを『煩う』とは思わない」

    「ただ……『期待』はしている」

言葉の後、『漣』の指示で黒服の女性が部屋に入る。
彼女の案内で別室に入れば、そこには着替えがあった。
スーツは数種類が用意されてはいるが、
宗像の好きに選べ、という意味では無いらしい。

「形式も重要ですが、『似合わせる』のが真髄です。
 特に宗像様のような年頃であれば、
 似合うスーツは万能のパスポートになりますし、
 似合わないスーツはかえって不審を煽ります」

てきぱきとした手つきと、はっきりとした口調で、
彼女は『宗像』にスーツを選び、着せていく。

「手袋は……まあ、残しても良いでしょう。
 ワンポイントの『異質さ』は、むしろ全体を引き締めます」

理屈は分からないが……『手袋』は残したままになった。

>>90(赤月)

「『戦い』の主導権はこちらにある。
 ……だが、万一の可能性はある。
 予想外の事態で作戦が崩壊するなら、
 即ち敵の予想が上回った可能性が高い。
 常在戦場の心構えは重要だ」

>>91(村田)

「えぇー、『できるだけ』頼んますわ。
 あかんかったら、ま、その時はしゃーないけれどね」

火を使えば勝てるなら、使ってもいい――
選択肢を絞るのはある種の『余裕』が必要だ。
いざとなれば、その件での叱責は無いだろう。

「マテリアの『クリサンセマム』は詳細不明だ。
 最悪、別の敵が乱入する危険性もある。
 至上目標は『マテリアの討伐』だ。
 『任せる』以上、いざとなれば手段も『任せる』」

>全員

形式的な挨拶などはなく、一同は撤収を始める。
威武は口振からして付近に待機するのだろうし、
漣や冬川も家に帰るというわけではあるまい。

まず、『二人』は『黒服』から案内を受け、
貸し会議室の駐車場へと向かっていく。
『関』は何かあるようで、まだ会議室に残った。
そして『宗像』も、少しだけ遅れて追いついた。
すでに『スーツ』には着替え終わっている。
(※宗像PLに希望するデザインがあれば明記を希望)

「先に、宗像さんをホテルに送り届けます。
 赤月さん、村田さん、関さんはその後、別で。
 学生が一人で利用するホテルでは無いですが、
 複数の学生でなら、それほど違和感はありません」

  「『結婚式』も行うようなホテルですからね」

案内の黒服の口振りから考えるに、
『赤月』『村田』は同時に向かうのだろう。

そして…………『宗像』は、黒い送迎車に乗り込んだ。死地に向かう為に。

>赤月

「赤月さぁん、頼まれてた物……用意しましたよう」

宗像が『発った』あと、関が追いついてきた。
その手には『エコバッグ』を持っている。

「とりあえず、ブランドとかはなしで、
 使いやすそうなものを買ってみました。
 お線香は……良い香りとかはしないですけど、
 落ち着いて寝るのに使うわけでもないですよねえ?」

そのバッグはそのまま手渡される。
中を見れば『100円ライター』のような、
シンプルな構造の緑のライターが二つ。
それから、『線香』とだけ書いた無地の箱が二つ。

「向こうについてからでも、買い物は出来ますよう。
 私は……ホテルの『上』までは、行けませんけど」

『上』は戦場になる。
彼女はあくまで後方支援役であり、戦いながら補給はできない。

93宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/16(日) 08:59:05
>>92

黒に近い濃紺である『ミッドナイトブルー』のスーツを着せられ、
一足遅れて駐車場に下りる。
どのような場にも合わせられるらしいと、おぼろげな知識を思い出した。
おそらく『宿泊客』を装う目的には適っているだろう。

「手筈は分かった」

出発前、黒服が発した『一つの言葉』が、遠い記憶を蘇らせた。
俺と馨には、これといって大きな共通点はなかった。
しかし、どんな人間であっても、
それぞれの『痛み』を抱えて生きている事には変わりない。
俺は馨の痛みに気付き、馨は俺の痛みに触れた。
やがて、お互いの間に『理解』が生まれた。

いずれは独立し、『二人で事務所を持つ』という話をした事もある。
だが、それは『過去の一部』になった。
『今』ではなく、『未来』になる事もない。

今の俺の前には、ただ『地獄』があるだけだ。

「『無間地獄』か」

車に乗り込み、革手袋に覆われた『右手』を握り締める。

「――――やってくれ」

座席に背中を預け、運転手に声を掛けて発車を待つ。

94赤月『サクソン』:2023/04/16(日) 18:39:08
>>91

> 「『チームワーク』にゃ期待しねえが、『チームプレー』には期待してる。
> 短い間だが、おれの背中をよろしく頼むぜ。」

『チーム』という言葉を聞き、少しの間だけ口を噤む
『チーム戦』について言えば、つい最近大きな失敗を迎えたばかりであった

(いや・・・・! あれは・・・・!)

あれは・・・・外見に惑わされて『小石川文子』の心の闇に気付かなかった己のミスだ
だからこそ今度は・・・・!と、若干の猜疑心が滲んだ瞳で村田の眼をじっと見つめる

「・・・・よろしく頼む
 君の事は信用しているわけでも、信頼しているわけでもない・・・・だけど」

「目的の為には全力を尽くす・・・・それだけは確かだ」

>>92(GM)

「ありがとう。まずはこれで十分だ」

予定通り、得られた物品を制服のポケットに入れる
火の気を有する道具は、何かと使い勝手がいい

そのまましばらく待機し、予定の時間になるまで精神を集中する

95村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/16(日) 21:12:02
>>92
ひらひらと手を振って宗像を見送る。

 「さて、仕込みをしておくか」

披露のために棒にしてみせたベルトと、駒野の車に置いてきたプルタブの『棒化』を解除し、ベルトは腰に戻しておく。
そしてタバコの封を切って、学ラン外側の胸ポケットに入れておく。
いざという時に取り出しやすくしておく。

>>94
 「おれもお前を信用しはしねえ。その点はお互い様だ。
 だが、お前をこの場に立たせた『理由』の方を信用する。それだけだ。」

人間そのものを信用することはできない。だが、人間を動かす『動機』は信用できる。プラスの意味でも、マイナスの意味でも。

96『エターナル・ノクターナル』:2023/04/16(日) 22:11:16
>>93(宗像)

無間地獄――――それを知るのは『宗像』のみ。
黒服は言葉に頷き、車を発進させるだけだ。

            ブォォォォォ―――――――――― ン

走り続けた車はやがて、一件のホテルの地下駐車場に入っていく。
さりげない印象の看板には、『白鳩グランドホテル』――――
それほど有名ではないが、S県には決して多くない高層ホテルだ。

「中には着いて行きません。
 予約は何も言わず、このカードを出してください。
 ホテルの会員カードですが、符丁になっています。
 それが通じる人間を待機させています」

黒いカードが一枚手渡された。
これを受付で出せばいいらしい。

「そこでカギを受け取り、宿泊階へ。
 その後、ルームサービスを一度注文してください。
 その際に『20階』の大まかな見取り図を渡します。
 ほか、必要物の受け渡しは基本的に、
 ルームサービスに乗じる形で行います」

>>94(赤月)
>>95(村田)

「……物を渡すくらいしか出来ませんけど、
 この戦いが必要なのは分かりますから。
 私も、やれることは全力でやっていきますね」

        コクリ

関も二人の姿勢に賛同する。
そうしていると、『ファミリーカー』が一台やってきた。

「皆さん、こちらに乗り込んでいただけますかァー?」

窓を開けて呑気そうな声を上げる男性は、『スーツ姿』だが、
アリーナに特有の『黒服』姿ではない。

「説明は『乗ってから』走行中にさせていただきまァす」

『村田』の仕込み、『赤月』の道具の準備も十分に済んだ。
問題が無いのであれば、この車に乗り込み、戦場に向かう事になるだろう。

97赤月『サクソン』:2023/04/17(月) 00:43:40
>>96

「行こうか・・・・瑛壱」

仕込みはこれで問題ない
車に乗って、後はスーツ姿の彼の運転に任せる

「安全運転で頼むよ」

98宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/17(月) 00:47:55
>>96

手渡されたカードを受け取り、上着の内ポケットにしまう。
ここからは『客』として振る舞わなければならない。
俺の『地獄』が奴に牙を剥く時までは。

「ルームサービスを利用できるなら、『私物』は車内に置かせてもらう」

不都合がなければ、『財布』と『お守り』以外の所持品は座席に残しておく。
用意された部屋に入った後で、引き渡してもらえばいい。
それで『万一の懸念』を潰せるなら、考慮する意味はある。

「『マテリア』は高層階のフロアを貸し切っていると聞いた」

俺が奴の立場なら、不用意に歩き回る事はしない。
『人払い』もしている。
威武が説明していたように、確実に接触する為には、
こちらから出向くしかないだろう。

「それが『20階』だと考えていいのか?」

顔は分からないが、ホテルの従業員を除けば、
該当する階層には『マテリア』しかいない筈だ。
奴の方から見ても、近付いてくる人間は『敵』しかいない。
端的に言えば、『どちらが先に仕掛けられるか』という話になる。

99村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/17(月) 22:18:22
>>96

 「さあて、行くか。」

ぐいっと伸びを打ってから、車に歩み寄る。

 「こんなとこでけっつまづいたんじゃ、預かってもらってる連中に顔が立たねえからな。」

あくまで目標は『マテリア』だが、おれには『その先』もある。
この一件で、おれは必ず『流星刀』には近づくはずだ。
『漣』がどこまで織り込み済みなのかは知らないが・・・少なくとも『冬川』は、『だからこそ』おれを呼んだのだ。
それには応えねばならない。

 「『望むところ』だぜ。」

100『エターナル・ノクターナル』:2023/04/18(火) 09:37:25
>>95(赤月)
>>97(村田)

           ウィーン

静かにドアが開くと、それぞれが乗り込んだ。
6人乗りのエコカーに戦いの匂いは薄く、
運転席の男も剣呑な雰囲気を纏っていない。

「もちろん、安全第一でェす」

とはいえ、彼も黒服の一人で良いのだろう。
車が走り始め、道路の群れに紛れたころ、口を開く。

「目的地は着いたタイミングで教えますが、
 着いた後の事は今のうちに説明しまァス。
 まず、部屋は低層階のスタンダードフロアに、
 『親類』って体裁で『ふた部屋』取ってます。
 親類同士なら行き来しても会ってもおかしくない。
 万一マテリアが情報網を張り巡らせててもね」

「ついでに、ワタクシ『平山』も親類でェす。
 中にいるアリーナの人間は把握してますので、
 連絡要員なんかとして使ってもいいでしょう」

平山と名乗るアリーナ職員の雰囲気は、
確かにどこか『親戚のおじさん』然としていた。

「部屋の予約名は一つがワタクシと村田サン、
 もう一つが赤月選手と関サンですが、
 まぁ、これはあくまで体裁。
 待機の仕方はある程度任せますし…………
 今のうち施設内を見ときたいとかもありますよね」

車はほとんど渋滞にも引っかからずに走り続け、
しばらくすると高い建物が並ぶ市街が見えて来た。
もうじきに目的地となるホテルに到着しそうだ。

「別案があれば今聞きますよ。
 部屋はふたつ……ここはもう取ってるんですけど、
 低層、中層の部屋なら仮押さえは出来てますんで」

>>96(宗像)

「構いません。後でまとめて引き渡します。
 それと、マテリアの滞在フロアが『20階』です。
 当ホテルの客室階では最も高いフロアで、
 このフロアのみで構成される『プレミアムクラス』」

    「中でもマテリアが居室に使うのが、
     いわゆる『ペントハウス』ですが、
     この辺りは中で見取り図があります」

『白鳩グランドホテル』の内容はまだ不明だが、
調べればすぐに判明する事実ではある。
少なくとも見取り図に加え施設の案内書はあるだろう。

「彼はこのホテルにツテを持ってはいますが、
 完全に『依存』しているわけでも無い。
 ルームサービスを頼む事こそありますが、
 一部の買い物は自身で行っているほか……
 恐らく『仕事』の関係で外出する事もあります。
 ――実際、今は彼はホテルにはいません」

少なくとも今すぐ仕掛けるのは難しいようだが、
逆に言えば今なら20階に立ち入っても接敵は無い。

   「ドアを開ければ質問は受け付けません。 
    中にも我々の手勢はいますが、
    ルームサービスを介する程度には、
    表立って動くのを控えてもいます」

   「よろしければ、お開けします」

101宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/18(火) 19:38:56
>>100

「奴が戻るまでは『待ち構える形』になるな」

思った以上に『機会』はあるようだ。
『殺し屋』といえども『人間』か。
俺自身にも同じ事が言えるだろう。

(だが――)

記憶の断片が脳裏に浮かぶ。
『馨を殺した男』を殺す瞬間だった。
頭の中に焼き付いて、時間を経ても薄れる事がない。

(この世には『人間とは思えない人間』もいる)

覚えていたくもない出来事は却って忘れられない。
思い出と呼べる光景は風化していく。
記憶というのは、思い通りにはならないものだ。

「――頼む」

『現実の仕事』と向き合う為に、車から降りる。
まずは手筈に従って動く。
カードを見せて部屋の鍵を受け取る事からだ。

102赤月『サクソン』:2023/04/18(火) 20:11:11
>>100

「家族旅行・・・・いや、親類の集まりに参加するていの方がいいか
 学生服を着たままでレジャーというのも不自然だからな」

「おじさん」 いかにも中年然とした平山を指差す

「姉さん」 年上の雰囲気を持つ関を指差す

「・・・・・・・・・・兄さん」 そして、荒々しく学ランを着込んだ村田を指差した

「うん、了解した
 仮の部屋割りについてもそれで支障はないだろう」

「ところで、マテリアの滞在フロアについて聞いていなかったけど
 マテリアは普段どこにいて、どんな事をしているのか・・・・確認はできているかな?」

103村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/18(火) 20:36:44
>>100

 「いや、おれからは何も。
 懸念があるとすりゃ、事が早く起こりすぎた場合だ。」

 「おれたちがたどり着く前に『宗像』のおっさんが会敵した場合、面倒なことになる。
 最も、先行させたってことは手はずは整えてあるんだろうが。」

『宗像』の顔を思い出す。
正直言って、『まともな眼』をしていなかった。
実力を疑うわけではないが、故におれたちの合流を待たずに仕掛けることもあるのではないか・・・
そうした懸念がないわけではない。

 「何があっても対処できるようにしといたほうがよさそうだ。急ごう。」

104『エターナル・ノクターナル』:2023/04/19(水) 13:13:32
>>101(宗像)

「はい。とはいえそれは『すぐ』かもしれません。
 外出中のマテリアの動向の監視は、
 露見のリスクをより大きく取り、ごく最低限です。
 何か変だな、拠点に戻らないほうがいいな……
 という程度も、思わせるわけにいきませんので」

詳細な行動を監視し続けて情報を取ることより、
撃破の確実性を優先される――それだけ危険な存在。

「では…………任せました。お願いします」

武運を祈る言葉がないのは、非情故ではないだろう。
ロビーに向かうと、館内は静かで、清潔な匂いがする。
無音というわけでもなく……邪魔にならない程度に、
ピアノで奏でられる旋律が空間の底を支えていた。

ラウンジ含め……見える範囲に他に人は見当たらない。
チェックインにはかなり微妙な時間なのもあるだろう。

「――いらっしゃいませ」

受付は『宗像』の姿形を過剰に見定めることもなく、
見せたカードに対して、『カードキー』を渡して来た。

「ネットにてお手続きが済んでおりますので、
 こちらのキーのみ、お渡しさせて頂きます。
 室内に内線を備え付けておりますので――
 ご不明な点があれば何なりとお申し付け下さい」

『宗像』の宿泊フロアは『17階』のようだ。
18〜19階は客室階ではないのかもしれない。
見取り図などを見れば、内情はもう少し分かるだろう。

だ。

105『エターナル・ノクターナル』:2023/04/19(水) 13:13:44
>>102(赤月)

「まあ、お姉さん……ですかあ。ふふ」

関は満更でもないらしい。
特に新鮮そうにはしていないあたり、
呼ばれる経験がないわけでもないのだろう。

「ハッハッハァ、似てない親族にはなりますがね。
 名目は『親族の集いの帰り』にでもしますか」

平山は笑いの反面さほど楽しむ風でもなく、
赤月からの質問の方にむしろ比重を置いた。

「滞在は『20階』……一番良いフロアで、
 その中でも一番良い部屋に基本はいますねェ。
 贅沢好きとは聞いてないんですが、
 ま、安部屋に泊まる趣味もないんでしょう」

      「日中は部屋の中に篭ってるか、
       フラッと何処かに出かけて行く。
       出かけたら4〜5時間は戻らず。
       要件は買い物が多いですかねェ。
       人気の少ない所に行く事もあるが、
       誰かに直接会うような様子はナシ」

「そこは『仕事』の関係か……今現在も、外出中ですね」

>>103(村田)

『宗像』という男の目、纏う雰囲気というものは、
ゲンマのような半ば突発的にも思える狂気とも、
リュウカ達のような感情の燃焼とも異なる。
裏社会に生きる大人――冬川や、威武とも異なる。

       ――深く『闇』に浸った目。

「『マテリアは外出中で、帰って来ていない』
 少なくとも『宗像』さん到着時点での事実でェす。
 我々が着く頃にも100%そうだとはいえませんが、
 数日の動向からして、奴の外出は暇潰しではない。
 大体は日用品か、食料品あたりの買い出しです。
 用があって出てるから……そうすぐは戻らない」

    「リスク覚悟で監視して全部探るとか、
     命懸けで足止めをしてしまうとか、
     そういうのは『目的』と反する。
     ある種の『賭け』はありますねェ〜」

少なくとも、『その懸念』は現実にならないらしい。
『殺手のマテリア』は危険な存在であり、
『刃の男』という不確定要素も浮かんでいるが、
決めた段取りが全て崩される、という事は無さそうだ。

>赤月・村田

やがて車は市街地に入り…………高い建物が増えてくる。
信号で足止めを喰らいつつ、見えて来た建物は――

「『白鳩グランドホテル』
 あそこが、この仕事の目的地です」

ホテル自体に大きな看板などは見受けられないが、
白を基調としたその建物が、『マテリア』の居城で、
なおかつ彼への包囲網の結節点だ。

「中での受け答えは基本、ワタクシがやりまァす。
 もちろん口を挟んでもらっていいですがァ〜、
 あくまで表向き一般の宿泊客を装ってます。
 受付では、ややこしい質問はしないが吉ですねェ」

信号が青になり、車を再発進させながら平山が説明する。
着いた瞬間殺し合う事は無いだろうが、心構えは新たにしておいた方が良さそうだ。

106宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/19(水) 17:34:23
>>104

受付の説明に目礼を返し、『カードキー』を受け取る。
近くに見取り図があるなら内容を確認しておく。
見当たらなければ『17階』に向かう。
ラウンジで待ち伏せる手もあるが、他の客がいない状況では目立つ。
危険を察して逃亡される可能性を考えると、
十分に誘い込んでから仕掛けた方が確実に討てる公算は高い。

(――確実に討たなければならない)

あの時も同じ事を考えていた。
『馨を殺した人間は必ず殺す』と。
俺は何日間も街中を歩き回ったが、手掛かりは一つも得られなかった。
警察の力で見つけられない犯人を、
何の知識も経験もない素人が探し出せる筈がない。
分かってはいたが、動かずにはいられなかった。

結果的には、その行動は無意味にはならなかった。
俺は奴と巡り合った。
『俺が奴を見つけた』のではなく『奴が俺を見つけた』。
そして近付いてきた。
自分に向けられた殺意を理解した上で、奴は『話がしたい』と言ってきた。

107村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/19(水) 21:42:27
>>105

 「ははあ、こりゃ今のおれには縁のなさそうなホテルだな。
 仕事ついでに上等な食事でもさせてもらおうかね。」

高層ホテルを目にしながらつぶやく。
故郷にいたとき、両親の庇護下であればいくらでも縁はあったろうが、それを『捨てて』きたのはおれ自身の選択だ。
もっとも、それを後悔しているなんてことは微塵もないが。

 「煙とナントカは高いところが好きっていうからな。
 ま、さもなきゃ『殺し屋』なんかやらねえだろうが。」

ホテルを見ながら、『窓の位置』を確認しておく。
通りに面した箇所に大きなのがあるかどうか、ざっくりでいい。

 「おっと、『お口チャック』だったな。
 降りてからは気を付けよう。」

108赤月『サクソン』:2023/04/19(水) 22:04:17
>>105

「一番良いフロアの一番良い部屋・・・・
 自分の身を護る為に『そこ』が一番都合が良いのか
 それとも、あるいは日常的に『死』に接している人間だからかもしれないな」

「明日にも自分の命が失われるかもしれないのに
 財産を惜しむ人間もいないだろう」

「まあ、それはいい」

眼を閉じて、『ターゲット』の活動をイメージする
部屋に籠って身を固めているわけではなく、意外にも活動的だ
それならば、部屋を出た所を狙うか・・・・?

(いや・・・・マテリアからしてみても、部屋の外が危険である事は承知済みのはずだ
 ならば、外出中に隙があると考える方が不自然・・・・)

(ならば・・・・)

「『罠』・・・・・だ
 ドアノブを『スタンガン』に変えて、帰室した瞬間を狙うのはどうだろう
 ルームサービスは不確定で確実性が乏しい
 ドアノブであれば、帰室した瞬間に確実に『使用』するはずだ」

己の提案を周囲に伝える

「む・・・・そろそろ目的地か
 後の事はまたその時考える事にしよう」

「頼んだぞ・・・・・・『おじさん』」

109『エターナル・ノクターナル』:2023/04/20(木) 20:11:13
>>106(宗像)

記憶に想いを馳せつつ、カードキーは受け取れた。
すぐ近くには見取り図は見当たらないようだが、
一応、「フロア説明」はエレベーター付近にあった。

まず1階に受付、ラウンジ、カフェ。
2階には朝食ビュッフェや、軽食のためのレストラン。
3〜10階が客室で、各階に自販機やランドリーがある。

そして11階にもう一つ、夕食会場用のレストラン。
店は一つではなく、鉄板焼きと中華が選べるらしい。
その上で12〜17階が『プレミアム』な客室。
『宗像』の居室は、この中での最上層のようだ。

18階に一段格式の高そうなバーとフレンチレストラン。
19階には式場にもなるイベントホール。
そして20階が『スイートルーム』……という具合だ。

       ピンポーン

エレベーターが降りてきた。
それ自体にはカードキーを翳さないと入れないが、
箱の中にはそうしたセキュリティは見当たらない。
『カードキーに対応した階にしか降りられない』とか、
そうした『現代的なセキュリティ』では無いらしい。
外観は整っているが、システムは歴史が漂っていた。

これに乗れば、すぐ『17階』に向かうことが出来る。

>>107(村田)

ちょうどホテルに入る人間が視界の端に見えたが、
恰幅のいい初老の男性で、見るからに裕福そうだ。
もちろん人は見かけによらない所もあるだろうが、
少なくとも、今の『村田』が歩む道とは違う道、
その先の先にあるような場所に、今から戦いに行く。

「満腹で動けないなんて事がなきゃあ、
 レストラン代くらいは出しますよ。
 もちろんワタクシじゃなく経費で、ですがね」

大通りに面した窓は……『ある』。
ホテルの窓は勝手には開けられない事が多いが、
スタンド使いには『破壊』というマスターキーがある。

「ま、知能の高い低いはともかく……
 この今の日本に生まれて殺し屋なんかする奴は、
 どっかのネジが数本取れてる奴だけですからねェ」

「降りるまでに軽口は済ませときましょォ」

>>108(赤月)

「ワタクシはスタンド戦には疎いので、
 ナントモって所ではありますねェ。
 所感だけ言わせていただくなら、
 悪くない作戦なんじゃあないかと」

平山の意見がどの程度的を得ているかは怪しいが、
彼も完全な素人というわけではないはずだ。
『赤月』の作戦が全くの的外れでも無いだろう。

「……あっ! それなら、ドアに触る前に、
 手を濡らしたり出来たらもっと効きそうですねえ」

      「でも……ううん。
       手が濡れてたら、何か触る前に、
       普通は拭いちゃいますかあ」

関が少し考えてから食いついてきたが、
濡らす手段を合わせて思いついたわけでは無いらしい。

「ええ、こちらこそ頼みます……ええと、『ナカレちゃん』」

>赤月・村田

         カチ カチ カチ

車は地下駐車場へとゆっくり入り込む。

「確認ですが、降りたら作戦の話はNGです。
 部屋の中はいいですが、廊下ではNG。
 ロビー、ラウンジ、レストランなんかでも……
 まあ、作戦の話は確実に他人がいない部屋だけです」

駐車スペースには十分な空きがあり、
止めるのに手こずる理由もない。

もうじき『話し合いをいつでも出来る時間』は終わる。

110宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/20(木) 22:00:10
>>109

客室ではない場所は他の人間も出入りする。
警戒心の強い『マテリア』が利用する可能性は低い。
当初の想定通りなら、やはり『20階』で交戦する事になるだろう。

「――――『これ』が必要なのか」

エレベーターに乗る際に、一つの『間違い』を犯した。
カードキーを翳さずにボタンを押してしまい、その場に立ち尽くしていた。
『正しい乗り方』が分かったのは、すぐ後の事だった。
『世間知らず』になった弊害は、いつも思いがけない状況で現れる。
今の段階で気付けたのは不幸中の幸いだった。

(俺には用がない)

視界に入った『19階』の表示を一瞥し、『17階』のボタンを押す。
何事もなければ用意された部屋に向かう。
『マテリア』が戻るまでに、可能な限り準備は終えておきたい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あの日、出し抜けの誘いに応じた俺は、『犯人』と顔を合わせた。
『警察に知らせる』という考えはなかった。
邪魔が入らない場所で対面した時、そいつは自分の素性を洗いざらい喋り、
俺は黙って聞き続けた。

『学生服を着た少年』だった。
本人の言葉によると『中学生』らしい。
曇りのない目と淀みのない口調で、奴は『動機』を語った。

『なぜ人を殺してはいけないのか』。
親や教師は『法律』や『道徳』を引き合いに出すが、どの答えも納得がいかない。
だから、自分で確かめたかった。

そして『次の言葉』が耳に入った瞬間、俺は激情に突き動かされるように、
右手に握り締めた凶器で奴の頭を砕いていた。

111村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/21(金) 20:30:56
>>109

 「じきに喋る余裕もなくなるし、あるいは『遺言』になるかもしれねえからな。
 ま、そうならないことを願うばかりだが。」

窓の位置を確認しながら、無責任につぶやく。
『破壊』はもちろんマスターキーだが、『ディズィー・スティック』でそれが叶うかはわからない。
ただ、『マテリア』がそれを行うことは容易だろう。『利用』される可能性は十分にある。

 「『腹芸』は得意じゃないが、『黙ってる』のは得意なつもりだ。
 『黙らせる』のもな。」

軽く身なりを整えてから、車両が停まり次第降車したい。

112赤月『サクソン』:2023/04/22(土) 18:34:17
>>109

「水で濡らす・・・・あるいは消毒液をかけるか・・・・
 ・・・・上手くいけば効果的とはいえ、奇襲前の接触はやはり危険が大きい
 今回はドアノブに『スタンガン』を仕込むだけで検討しておこう」

そう言って、村田の方を向く

「そういうわけだ
 特に何も作戦がなければ、『マテリア』が自室に帰って来た時を狙って
『スタンガン』の奇襲を仕掛けてやろうと思う」

「ここから先はお互いに危険な会話はNGだ
 頼んだぞ・・・・『にいさん』」

荷物を軽く確認し、問題ない事を認識してから車を降りようとする

113『エターナル・ノクターナル』:2023/04/23(日) 19:09:21
>>110(宗像)

――――案内などはどこにも書かれていない。
パネルに『カードキー』と書かれている程度だ。
『宗像征爾』の時間は、まだ追い付いていない。
過去を忘れる事を望まないなら、きっと永遠に。
それはある意味で、失われた幸福との縁なのか?

      ピン  ポーーーーン    

             〈 17階 です 〉

エレベーターは特に途中階で止まるような事なく、
17階に到着すると、ゆっくりとドアを開かせた。

……廊下は受付のあった1Fにも増して、とても静かだ。        
適温を保つためのエアコンの音だけがほんのわずかに聞こえる。

             ……
                   ……

少し歩けば『宗像』の滞在する部屋も見つかる。解錠にはやはりカードキーが必要らしい。

>>111(村田)
>>112(赤月)

ホテルのロビーは騒ぐ客もおらず、雰囲気も清潔で、
広々とした空間には徹底した美意識が敷き詰められる。
しかし気を張るような空気もなく、静かな世界の底を、
ピアノクラシックのような控えめなBGMが支えていた。
『洋風』だ。西洋そのものを再現しているというより、
舶来と格調への憧れ、時代の浪漫を実現している。

「『楽園トラベル』で予約した平山でェす」

ネット予約という体裁らしく、
平山は受付の人間とやり取りを始めた。
『親戚の子供3人』はその間手持ち無沙汰ではある。

「ええ、ワタクシ含めて4人……」

        チラ

「部屋もお伝えした通り、ええ、2:2の2部屋でェ」

平山の視線は『確認』であると同時に、
『少し時間がかかる』という目配せでもありそうだ。
というより、実際、少し時間がかかっている。

ロビーに目立った施設などは見当たらないが…………
散策してもいいし、ラウンジで座って待ってても良いだろう。

114赤月『サクソン』:2023/04/23(日) 21:27:29
>>113

「・・・・・『おじさん』
 ちょっと、この辺を見てくるよ」

平山にそう言うと、受付から離れてロビーの中を見て回る
このくらいの年頃の子供であれば、好奇心で動き出すのも不自然ではないだろう

(とはいえ・・・・ここは『戦場』にするつもりはない
 軽く一見だけして戻るか・・・・)

ロビーの中を見回し、不自然な人間がいないか軽く探す

115宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/24(月) 01:48:59
>>113

これだけ静かな場所で、十分に警戒している相手の不意を突く事は困難だろう。
しかし、『アヴィーチー』の場合、そもそも奇襲は選択肢に含まれない。
だからこそ俺は、この役割を与えられている。

       ス ッ

入室にカードキーが必要になる事くらいは、初めから理解していた。
今度は迷う事なく解錠し、割り当てられた室内に踏み込む。
『ルームサービス』を頼む為に、内線から受付に電話を掛ける。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

武骨な『パイプレンチ』が振り下ろされる直前、眼前に立つ少年は言った。

        『まだ分からない』と。

言葉の意味を理解した瞬間、俺の意識は黒く塗り潰された。
ただ『殺す』という意思だけが明確に存在していた。
同時に『こいつを生かしておいてはならない』と直感した。

殴り倒された少年は即死せず、僅かながら息が残っていた。
瀕死の表情を見下ろしていた時、不意に奴が笑ったように見えた。
俺は無意識の内に、もう一度『レンチ』を振り上げた――――。

全てが終わった後で『警察』を呼んだ。
『笑いの意味』には気付かなかった。
おぼろげに察しがついたのは、『刑務所』に入った後だった。

あの時、少年は一切の抵抗を見せず、俺の前で何もかも喋った。
最初から『殺されるつもり』で近付いてきたのであれば辻褄は合う。
『加害者』になって得られなかった『答え』を、
『被害者』になる事で得ようとしていたのかもしれない。

結局、奴が『答え』を見つけられたのかどうか、俺には分からない。
知りたいとも思わない。
だが、どれだけ時間が経とうとも、決して忘れる事は出来なかった。

116村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/24(月) 20:45:19
>>113

 「終わったら呼んでくれ。」

ラウンジをふらついて、ホテルの『案内図』を探す。
その中で『エレベーターの位置』、『トイレの位置』、『防火設備の位置』を確認しておく。
フロア間で構造が大きく異ならない限り、どの階層でも同じような配置のはずだ。
参考程度にしかならないかもしれないが、憶えておくに越したことはない。

 「・・・・・」  フゥ――――・・・

華美に過ぎず、静かで落ち着いた空間だ。だからこそ『落ち着かない』。
捨て置いてきた『過去』を思い出すからだ。

『実家』もこんな具合だった。
自分以外の人間はろくに家におらず、故にこのラウンジよろしく妙に静かで綺麗で・・・
自宅のはずなのに、生活感の欠片もない『それ』が思い起こされた。

 「――何を思い出してるんだ、おれは。」

かぶりを振って意識を現実に引き戻す。
ほどなく闘いになる。気を引き締めなくては。

117『エターナル・ノクターナル』:2023/04/25(火) 09:36:57
>>114(赤月)
>>116(村田)

「おう、ヨソんちの人に迷惑かけんようになァ〜」

平山からは、ごくごく自然な声色で返答があった。
彼はそういうのが得意な人材なのかもしれない。
それぞれの思考を……あるいは不本意に巡らせつつ、
赤月は人影を、村田は見取り図を探す。

「おじさぁん、早くしてくださいよう」

関が平山を急かす。
彼女もそれなりに演技が出来るタイプなのだろうか?
ともかく、全員がバラけるのは不自然という判断だろう。

>赤月

ロビー、ラウンジには、今はまず人影が少ない。
時間帯はチェックイン時間をほんの少し回っただけで、
恐らく多くの客はこれから施設を訪れるのだろう。
不審人物がいれば目立つが……逆に考えてみると、
マテリアや他の何かであれ、目立つ事は避ける筈だ。
勿論堂々たる出迎えがある可能性もゼロでは無いが。

視界をざっと巡らせたが……女性の二人連れくらいか?
初老で、品の良さそうな笑みを浮かべて談笑している。
不自然な点などは見当たらないように思えるが……
『赤月』の視線に気づいたか、軽く会釈をしてきた。

                  ………

下世話な話だが、付近にある『トイレ』の方から、
『水道』を使う音がほんの少しだけ聞こえてきた。
一応、まだ他にも客がいるにはいるようだ。

平山の手続きはもう少しだけかかるようだし、
必要だと思うのであれば、探索を続けても良いだろう。

>村田

活気や人間味を求めず、よく整備された、配慮の空間。
……『不自由しない事』は、『自由』を意味はしない。
もっとも、『今』は……この任務は一人ではない。
関は平山の後ろで大人しく待っているようだが、
『赤月』も何やら、フロアの探索をしているようだ。

少し探し回ってみないと見当たらない位置に、
避難経路図として『客室階』の案内図が載っており、
エレベーター、トイレ、消火器の位置は確認出来た。

消火器はフロアに2箇所、エレベーター付近と、
その対角線上になるような位置に配置されている。
ただ、外にトイレがあるのは客室階以外だけらしい。
客なら自室のトイレを使うと思えば当然ではあるか。
(※地図AAは現時点では提示しません)

平山の手続きはもう少しだけかかるようだし、
必要だと思うのであれば、探索を続けても良いだろう。

>>115(宗像)

廊下は無音かつ、遮蔽物などはあまり見当たらない。
エレベーター付近などにソファが置いてあったり、
共用スペースらしき場所に椅子や机があったり……
自販機やランドリー施設の集約された一角はあるが、
これも隠れて待ち伏せするには心許ない程度の広さだ。
もっとも、宗像には何ら問題のない話ではあるだろう。

白基調の室内は一人で泊まるには中々贅沢な広さだが、
ベッドの大きさと数からして、一人部屋で間違いない。
内線電話も手垢一つ見当たらない行き届いた手入れで、
このホテルの『もてなし』が感じられる。

       ・・・あくまで『作戦』の為の部屋。


   prrrrr
         pi

「お問い合わせ、誠にありがとうございます。
 こちらは、ルームサービスでございます。
 ご注文お決まりでしたら、このままお受けします」

内線の横にはルームサービスのメニューがある。
特段何を頼んでも問題はないのだろう。
支払いはこの場ではなくチェックアウト時らしく、
レストランメニューについても注文出来るようだ。
水や栄養補助食品など、ストイックな物も幾らかある。
あるいは充電器など、レンタル品を注文してもいい。

……もちろん、別に何も注文せず、要件を伝えても良いはずだ。

118宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/25(火) 20:10:55
>>117

俺の『復讐』は終わった。
燃えるような激情が過ぎ去った後、そこに達成感はなかった。
ただ果てしない『虚しさ』だけが残った。

『見えない敵』を追い掛けていた期間は、そう長くはなかった筈だが、
既に何十年も経過しているように感じられた。
逆に、その後の『二十年』は早かった。
塀の中の時間は瞬く間に流れていき、やがて俺は街に戻ってきた。

だが、俺には何もなかった。
あるとすれば、それは『虚無感』だ。
『愛する者』を失い、『憎むべき敵』を失い、『自分自身』を失った。

しばらくして、俺は『藤原しおん』と顔を合わせた。
藤原は『アヴィーチー』を引き出し、『今は消えた炎の残り火だ』と告げた。
『新たな目的』を見つける為には『新しい道具』が大事だと。

この『力』に何が出来るのか。
目の前の問題と向き合った時、俺は『使い道』を理解した。
そして、今ここにいる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺の役割は『囮』に近い。
『伏兵』の存在を悟らせない為には、なるべく目立つ必要がある。
その為の環境としては十分だ。

「『18階レストラン』の『フルコース』を頼みたい」

フランス料理には詳しくない。
しかし、ルームサービスでは全てが一度に出されると聞いた覚えがある。
『使える物』は多い方がいいだろう。

「メニューに載っている『栄養補助食品』と『水』も持ってきてくれ」

注文した品が届くまでの間、目に付く範囲の備品を一通り確認しておく。
あまり大きな物は邪魔になる。
持ち運びに難儀しない程度のサイズに絞って探す。

119赤月『サクソン』:2023/04/25(火) 21:07:36
>>117

(やはり、そうそう目立つ真似はしないか・・・・)

     ぺこり

初老の女性たちの会釈に対してこちらも頭を下げて応対する
とはいえ、ここで行える事はもう他には・・・・

(『トイレ』・・・・・)

ふと、思った事があった
『マテリア』の手を濡らして導電率を上げる策・・・・
一旦は頭の中で取り下げたアイデアではあるが・・・・
例えば、『トイレ』のペーパータオルを奪う事で『マテリア』がトイレに入った後に
手を濡らした状態で出てくるように仕向けるというのはどうだろうか・・・・

(ないよりはマシか)

『マテリア』がロビーのトイレに入る確率も、
ペーパータオルが無いからといって手を拭かずに出てくる確率もかなり低いだろう
それでも、勝てる可能性・・・・手繰り寄せる糸の数は多い方がいい

(すまないな・・・・)

トイレの中に人がいなくなるのを見計らって男子トイレに侵入し、
素早く備え付けのペーパータオルに思い切り水をぶっかけて外に出ようとする
(ペーパータオルではなく、ジェットタオルだった場合は何もせずに外に出る)

120村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/26(水) 14:24:11
>>117

 「なろほどそりゃそうか。各部屋に『水場』はあるわけだ。」

『ホテル』というのはなかなか難しいケースだということが分かって来た。
『大勢』が利用し、それでいて『個人的』なスペースが多い・・・おまけに静かで綺麗だ。
大勢が利用するだけの空間なら、多少の諍いやトラブルがあっても気に留められないこともある。
個人的な空間であれば、多少の諍いやトラブルがあっても目につかない。

ここはそのどちらでもなく、どちらでもある。
なにかすればすぐに誰かの目につき、気づかれる。
文字通り目を遊ばせるに済ませたほうがよさそうだ。

 「『避難経路』は覚えておくか。」

案内図を確認し、『避難経路』と『手順』を確認しておく。
それが済んだら『平山』のところに戻ろう。

121『エターナル・ノクターナル』:2023/04/26(水) 21:19:36
>>118(宗像)

追憶が現実に追いつく。過去自体は、ずっと置いたままだ。
そして今の『目的』が――――間違いなく、ここにある。望むと望むまいと。

「お客様、大変申し訳ございません。
 『フルコース』は提供可能なお時間が決まっておりまして、
 只今のお時間ですと――――そうですね」

         「ご注文の品と併せて、
          そちらにメニューをお持ち致します」

フルコースは今すぐは手に入らないようだ。
が、とりあえず呼び出す事は叶ったし、
必要な物を追加で注文する事は出来るだろう。

部屋の中の備品は――――まずアメニティは一通り部屋にあった。
歯ブラシ、歯磨き粉、T字剃刀などだ。部屋着らしきバスローブも置いてある。
このあたりは、ビジネスホテルとさほど変わらない顔ぶれと言える。

他には――――小さめのケトルや、インスタントコーヒー、コップあたりか。
メモ帳に、使い捨てのボールペンなどもあった。

                  ・・・程なく従業員が来るだろう。

>>119(赤月)

マテリアはここに宿泊している以上、何か『歓迎』がある可能性はあるが、
流石にロビーにそうした『危険』を用意する程、見境ない男ではないらしい。


        ・・・

            ・・・
                         バシャッ

男子トイレ内にも人などはおらず、
ペーパータオルに水を掛けるのは容易だった。
やや強引な策謀だが、上手くいくかどうか。
『やる後悔』と『やらない後悔』の天秤だ。


            トコ…

少し深めにフードを被ったパーカー着の少女が、女子トイレから出て来る。
淡い水色の髪がフードから僅かに覗く。家族連れか何かだろうか――――

       「…………」

赤月に目を合わせるでもなく立ち去るが、
勿論男子トイレから出る瞬間は見られていない。ヒいて逃げた訳では無いだろう。

>>120(村田)

避難経路は基本的に『エレベーターを使わず、階段で避難する』事が書かれていた。
先の話にあったスロープは『10階』『20階』にそれぞれ存在するほか、
1〜20階の各階は、『非常用階段』で繋がっているが、常時解放はされていないらしい。

         ・・・

           ・・・

「えぇーじゃあカードキーはひとまず私が2枚とも……お、そろそろ済むぞォ」

戻ってきた『村田』に平山は声をかけて来た。
関は演技の一環か弄っていたスマートフォンを、エプロンのポケットにしまう。

「もう、待ちくたびれましたよう。
 ……ナカレちゃんもそろそろ呼んで来たほうがいいですかあ?」

特段何も無ければ、関が赤月を呼びに行きそうだ。彼女の姿はここから直接は見えない。

122赤月『サクソン』:2023/04/26(水) 23:12:49
>>121

「・・・・・・・・。」

上手くいく可能性など皆無に等しい程の策ではある
だが、ひょっとしたら、もしかしたら、という小さな可能性で命を拾う事も
戦場ではありえる・・・・

(ならば、何もしないよりはマシだろう・・・・・ん?)

女子トイレから出てきた少女に視線が向く
自分も含めて、年若い女子がこの場に居るのはそう珍しい事ではない
にも関わらず、彼女に注意を向けた理由は・・・・

(どうしてフードを・・・・?)

彼女の髪・・・・水色に染められた髪が少しだけ気になったからだ
オシャレで染めているのなら自信を持って曝け出せばいい     (私はそうしている・・・・)

それなのにわざわざ深くフードを被ってまで頭を隠す理由は何か

(考えすぎかもしれないけど)

少しだけ彼女の事が気になった
そろそろ平山の受付も終わる頃合いであるため、そんなに時間をかける事は出来ないが
念のため女子トイレにも入って何か妙な物がないか軽く漁っておきたい
何もない場合は大人しく受付に戻って皆と合流する事にしよう

123宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/27(木) 00:31:17
>>121

受話器を握りながら、ざっと室内を見渡す。
幾つかの『手段』は考えてあるが、それらが通じるかは相手の能力や状況次第だ。
『アヴィーチー』に出来る事は少ない。
おそらく俺が最初に『手札』が尽きるだろう。
村田や赤月が控えているとはいえ、
持ち得る手を出し切って仕留められなかった場合の事も、
ある程度は計算に入れておく必要がある。

「――頼む」

通話を切り、室内を歩きながら備品を順番に確認し、ボールペンを手に取った。
実際に保持している限り、これは俺の『所持品』として扱われ、『能力の条件』に含まれる。
他人の物を自分の物にした上で、それが壊されると怒り狂うというのも勝手な話だ。

「『怒りは短い狂気』――か」

ボールペンを持つ右手を見下ろしていた時、どこかで聞いた言葉が思い出される。
怒りとは一時的な狂気であり、それを制御する事が出来なければ、
自らの意識を支配されてしまうという教訓だ。
あるいは『アヴィーチー』が『右腕』を切り離すのは、
狂気を一ヶ所に封じ込める事で、正気を保とうとしているのかもしれない。

「少なくとも『あいつ』は常に荒れ狂っている」

ボールペンをポケットに入れ、時計かテレビがあれば現在の時刻を確認する。

124村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/27(木) 19:16:01
>>121

 「じゃあ頼む。手洗いとかでかかるようなら、知らせてくれ。」

関に赤月を呼びにいかせておく。
『腹芸』が得意でないことは自覚している。無駄な動きをするとボロが出そうだ。

何もしていなくても、赤月のあの頭は目立つ。
見つけるのにそう時間はいらないだろうが・・・

 「『女の身支度』は長えもんだと相場は決まってるからな、」

言いながら天井に目をやる。目測で高さと、照明の形状種類を見ておく。
客室に行った時にもう一度確認する必要があるだろうが、これもやはり念のためだ。

125『エターナル・ノクターナル』:2023/04/29(土) 08:42:21
>>122(赤月)

勿論――――何かした事がどこに繋がるかは分からない。
小さな異常がマテリアに『警戒』を生む可能性も、ゼロではない。
もっとも、警戒させる事が動きを鈍らせる可能性もある。
繰り返す事になるが、仕込みがどうなるかは『未知数』だ。

           ・・・

                    ・・・

水色の髪の少女の思惑は不明だが、
『見せるためのオシャレ』ではなく、
『自分のためのオシャレ』なのかもしれない。
だが、違和感のある行動なのは確かだ。
人のいなくなった女子トイレは無音。
誰かほかの客等は見当たらない。

軽く漁ってみるが――――特段何も見当たらないように思える。
手荒い場は綺麗に磨かれ、手垢すら見当たらないし、
ゴミ箱にはいくらかペーパータオルが捨てられているようだが、
それも軽く見てみる限りでは不自然な様子などは見受けられない。

個室のドアも特に不思議な様子はなく、
閉じたままの便座は、いずれも綺麗なままだ。
サニタリーボックスは使われた様子が無く、
掃除用具入れはしっかり施錠されている。

        「ナカレちゃあん」

外から関の声が聞こえて来る。
特に問題なければ、彼女と合流して受付に戻る事になる。

>>123(宗像)

戦いを制する鍵は、手札の質と量その両方だ。
『宗像』の持つそれでマテリアをどれだけ削れるか――――あるいは削り切れるか?
歴戦の殺し屋であれ、『無間地獄』との対面は初めてだ。
それは逆も同じだが、『宗像』には準備時間が与えられているという優位がある。

          カチャ

ボールペンは流石に高級品というわけではなさそうで、
刺突武器になるかは怪しいが、『所持品』にする事に何ら問題は無い。
現在時刻は――――もうすぐ17時と言った所だ。まだ外は明るい。

               コン
 
             コン 

           コン

         コン

4回のドアノック――――――探索の内に、『ルームサービス』が着いたらしい。

>>124(村田)

「はぁい、勝手に先に部屋に行ったりしないでくださいねえ……瑛壱くん」

               「おじさんもですよお」

関は赤月を探しに行った。
特段問題が起きないなら、すぐに帰って来るだろう。

「はは、んな焦っても何にもならないってェ。なぁ、エイイチくん!」

同じ方向を見ると、別の客だろうか、パーカー姿の人物がエレベーターに乗り込んでいた。
そろそろ世間的に終業時間を迎える企業も多い。少しずつ客が増えて来るのだろう。

                  ジ ・・・

天井に目を向ける――――――――照明は『シャンデリア』だ。
これは明らかに『ロビーだから』だろう。客室や廊下までそうとは思えない。
灯りを補助するように天井に埋め込まれた照明もいくらか見受けられるので、
あちらのような形がこのホテルの『基本』なのかもしれない。

天井の高さは目測だと『5m』以上はあるように思えるが、これも客室階ではどうか?
もっとも、場合によってはここが戦場になる可能性もある。無駄ではあるまい。

「さて……二人が戻って来るまで、ゆるっと待ってますかァ」

平山は無事に受付を終え、二枚のカードキーを受け取ったようだ。あとは待つだけか。

126赤月『サクソン』:2023/04/29(土) 09:31:25
>>125

      ・・・・・・・・。

「気にし過ぎか・・・・」

女子トイレの中を軽く捜索したが、特段変わった物は見当たらない
流石にそれなりの格式があるホテルといったところか・・・・使用客のマナーも良いようだ
これも日本人の美徳といったところか・・・・

「どうやら・・・・自分で思っている以上に緊張しているみたいだ
 この程度の事に神経を張りつめていたら持たないぞ」

乾いた喉を潤すようにごくりと唾を飲みこみ
己自身に言い聞かせる

>        「ナカレちゃあん」

どうやら探索の時間は終わりのようだ
手続きの終わりを告げる関の呼びかけに答えて受付の平山たちと合流する

「すまない。こういう場所に来るのは初めてだったから
 つい、色々と見て回ってしまった」

ここで行う行動はもうない
しばらくは流れに身を任せよう

127宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/29(土) 11:07:26
>>125

『第二の条件』は奥の手に成り得る。
確実に目的を果たす為には、最後まで伏せておかなければならない札だ。
優先順位を踏まえると『第一の条件』を先に出す事になるだろう。
最低限の動きが出来る状態ならば、実質的に『二対一』になり、
村田と赤月の参戦で『四対一』まで引き上げられる。
俺が死にかけていたとしても、戦力の割合は『三対一』を下回る事はない。

「――『もう一人が加わらなければ』だが」

『刀の男』は最大の不確定要素だ。
ここに現れる可能性は十分あるが、そちらまで気を回す余裕はない。
敵の数が増えた場合は、状況に応じて対処するしかないだろう。
そこまで考えた時、外から聞こえるノックの音が思考を中断させた。
入口に歩み寄り、ドアを開ける。

128村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/04/29(土) 21:03:44
>>125
可能であれば、この階層が戦場になるという展開は避けたいが…
おれたちの生命も含めて、確約できることは何一つない。

 「ま、ちっとくらいゆっくりしたってバチは当らねえやな」

周囲に目を配りながら赤月を待つ。

129『エターナル・ノクターナル』:2023/04/30(日) 14:33:21
>>126(赤月)

もちろん調べられる箇所は他にもあったかもしれない――――
例えば換気扇のカバーの中や、洗面台下の引き出し、
それこそ施錠された掃除用具入れの中など『閉所』は複数あった。
が、あくまで念のため軽く調べるだけなら、これくらいで十分だろう。

「広くて綺麗なホテルですもんねえ〜。
 今はおじさんがもう手続き終わらせたみたいですけど……
 あとで探検してみてもいいかもしれませんねえ」

もちろん、楽しむための探検では無く――――勝ち筋を見出すための、だ。

>赤月
>>128(村田)

窓口に4人が再び集合した。
現状では、『マテリア』が突如姿を見せるような様子はないが、
既にここは敵地――――この先、何が起きるかは分からない。

「部屋は2つとも『10階』……とりあえず、荷物置きに行くかァ」

提案に特に問題なければ、このまま移動する事になるだろう。

>>127(宗像)

          ガチャ

「失礼いたします、お客様」

    ペコリ

戸が開くとホテルマンらしき男性が頭を下げて待っていた。

「こちら、ご注文の品と――――
 レストランメニューをお持ちいたしました」

                ス ・・・

水と、スティックタイプで食べやすいカロリー補助食品。
それから、ブック型のバインダーに収められたメニューが渡された。

「お揃いであれば、私は失礼いたしますが……
 他に何か質問などはございますか?」

     ・・・バインダーの中には『紙』が数枚収まってもいる。

130宗像征爾『アヴィーチー』:2023/04/30(日) 17:10:22
>>129

事情を把握しているであろう従業員に目礼を返し、渡された品物を受け取る。

「――十分だ」

ドアを閉めてからバインダーを開き、最初に挟まれた紙を確認する。
この中に『見取り図』が含まれているのだろう。
それを広げてテーブルの上に置く。
正面からの強襲とはいえ、ある程度の手筈は必要だ。
今の内に検討しておかなければならない。

「コース料理では『幾つも使う』と聞いた覚えがある」

バインダーをめくりながら、適当な料理を探す。
『ナイフ』と『フォーク』を使って食べる種類だ。
フルコースが注文できれば手数を増やせたが、
提供されない以上、さほど期待はしていない。

131赤月『サクソン』:2023/04/30(日) 18:37:56
>>129

「・・・・そうだね
 高そうなホテルだし、色々と見て回るのも面白そうだ」

『マテリア』に気付かれる事無く、仕込むを行う
そのためにはある程度の下見は不可欠だろう

「『10階』か・・・・」

とはいえ、まずは足元を固める必要がある
特に大きな行動はせず、まずは部屋まで移動していく

132村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/01(月) 15:44:40
>>129

「こういうとこで働いてりゃ、気苦労も少ないだろうな。
 余裕のねえ貧乏人は来ねえだろうし、おれもあやかりたいもんだ。」

適当に軽口を叩きながら移動する。
その中で、『エレベーター』の作りを確認しておく。
具体的には、これから乗るエレベーターで直接『VIP階層』までアクセスできるかどうか、だ。ボタン配置である程度は確認できるはずだ。

セキュリティなどの絡みで、直接の上位階層にアクセスできないビルもある。
高階層である以上、進路も退路も限られる。
こっちが攻めるにせよ、相手が逃げるにせよ、あるいはそれらが逆になっても、押さえておくべき情報には違いない。

133『エターナル・ノクターナル』:2023/05/02(火) 18:10:35
>>130(宗像)

『フルコース』も、多少待てば提供時間になるが、
それが『出終わる』までにかかる時間は膨大だ。
マテリアが居城に戻るまでに間に合う保証もない。

      パラ…

たとえば『ローストビーフ』の見本写真には、
ナイフとフォークが両方付いているようだ。
ひとまずこれを頼めば、武器の確保にはなるだろう。
小さい物がよければ『チーズ盛り合わせ』を頼めば、
チーズを切るサイズの小さなナイフと、金属のピックが手に入る。

          パサ

また、メニューには予想通りに見取り図も含まれていた。
20階――――少数の部屋とペントハウスで構成されており、
他のフロアに比べると、若干構造が異なっているようだ。
(※戦闘が開始した場合に、見取り図に基づきMAPを提示します)

>>131(赤月)
>>132(村田)

「さァて、どうだろうねェ。
 こういうとこは……余裕のない厄介さんは来ないが、
 余裕のある厄介さんは来るもんだからねぇ」

エレベーターに乗り込む際は、平山がカードを翳す。
エレベーター内にも罠などの出迎えはなく、
問題なく、一同を載せた箱は『10F』に着いた。

『村田』が観察する限り、『12階〜17階』の中層階や、
『11階』『18〜19階』のホテル内施設には降りられそうだが、
『20階』だけ、ボタンの位置が独立している。

「最上階は、『普通の客』は基本出入りしないから。
 職員用のカードか、20階に止まる客用のカードじゃなきゃ、
 エレベーターで直接向かうって事は出来ない」

    「ま……避難のためにも、階段は繋がってるけどなァ」

一旦19階――――結婚式なども行われる『パーティ会場』に行き、
そこから階段を使って向かう、というのが基本的な最短ルートか。

「カードは2枚……『エイイチ君』と、
 『ナカレちゃん』に渡しておこうかァ」

        スッ

「『動く』のは君らだから…………な」

      ピンポーン

               < 10階 です >

フロアに降りる前に、カードが渡された。
これがあればとりあえずいつでもエレベーターに乗り込むことが出来る。

134宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/03(水) 05:02:33
>>133

最初の段階として、距離を詰める為の手段が要る。
あるいは、ほぼ完全に動けない状態に陥ったとして、
最低でも敵の気を引く程度は出来なければならない。
その場合も、俺の攻撃方法は投擲ぐらいしかなくなるだろう。

「『ローストビーフ』と『チーズの盛り合わせ』を用意してくれ」

内線から注文を出し、『私物』が渡されているなら『L型ライト』を手に取る。
先端が折れ曲がった『配管』のような形状だ。
通常の懐中電灯とは異なり、両手を空けられる特徴から、
暗所で作業する際には重宝していた。

「また『買い換える』か」

以前、『島田康』に壊させた事を思い出しながら、
ライトを上着の内ポケットに入れる。

「状況によっては、こちらが『残骸』になる」

迎えの車に乗り込む前、念の為に『折り畳み傘』を購入した。
『エフェメラル』と戦った時は『面積の広さ』が有効に作用したからだ。
『血の雨』を凌ぐには心許ないが、『血の海』を作る引き金にはなる。

135村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/03(水) 22:34:17
>>133
「預かっとくぜ。
 とりあえず、荷物を置きにいくか。」

カードキーを受け取ってホールに出る。
プライベートな空間に入れば、いったん諸々気にしなくて良くなる。
話はそれからだ。

 「『相談』してえこともあるしな。」

136赤月『サクソン』:2023/05/03(水) 23:14:13
>>133

「そういうものなのか・・・・」

客商売はおろか、まともに働いた事さえない身だ
村田の語る気苦労という言葉に今一つ実感がない口調で答える

「受け取ろう」

(しかし・・・・この様子だとあまり『20階』でうろうろするわけにもいかないな
『奇襲』を仕掛けるにあたって、私たちはどこかに隠れている必要があるが・・・・さてどうしようか)

『カードキー』を受け取りながら、そんな事を考える

「・・・・何をするにも、まずは拠点に荷物を置いてからにしようか
『兄さん』・・・・話はその時に」

137『エターナル・ノクターナル』:2023/05/05(金) 02:14:40
>>134(宗像)

内線での注文は滞りなく行えた。
どちらも今から調理し始めるような品ではないので、
それほど待たずに到着するハズだ。

         ゴソ・・・

道具の準備を勧めつつ、戦法を思案する―――――
あの日、『五十嵐宙』との戦いでの経験は確かに積まれている。
それが今回どこまで生きるかは未知数だ。

             prrr

                prrr

その時、内線が鳴った。『他の部屋番号』からの電話のようだ。

>>135(村田)
>>136(赤月)

「ここは立派過ぎて……落ち着いて話しにくいですもんねえ〜」

カードキーを受け取った二人は、
すぐに『10階』の居室に向かう。
廊下はロビーに比べてもより静かであり、
客室の多くは今は空室のようだったが、
埋まっている部屋からも騒音などは無い。

「じゃー、この後は自由時間ってことで。
 あぁ、一応夜の事とか話すんでェ、
 こっちの部屋で集まってからな」

部屋は少し離れた位置に一部屋ずつだ。

    ガチャ

平山の先導で部屋に入ると、中は落ち着いた雰囲気の洋室だった。

恐らく、赤月用の部屋も内装などは変わらないだろう。
せいぜい女性客用のアメニティがある、という程度か。

「……マテリアは『まだ』ここには戻ってませんがァ、
 戻ってくるのが1時間後か、10分後か、そこは読めません。
 軽く触れた通り、監視はバレないのを重視した最低限度ですからねェ。
 荷物を置いて……相談なり仕掛けなりにさっそく入って行きましょう」

『アリーナ職員』としての顔に戻った平山が行動を促す。
『手練れの暗殺者』――――その動向は完全に制御はし切れない。

138宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/05(金) 05:20:55
>>137

仏教の思想によると、『地獄』に落とされた人間は、いずれ生まれ変わる。
重い罪を犯した者ほど『下の階層』に送られ、
再び現世に戻るまでの時間が長くなると聞いた。
最下層の『無間地獄』は『349京2413兆4400億年』らしい。
どの辺りか分からないが、おそらく五十嵐も『刑期』を果たしている最中か。
今日の仕事で俺が死ねば、奴と同じ場所へ行く事になるだろう。

     ス ッ

この状況で、無関係な部外者が掛けてくる可能性は考えられない。

         ガ チ ャ

おもむろに受話器を取り、相手が話し始めるのを待つ。

139赤月『サクソン』:2023/05/05(金) 15:32:34
>>137

「・・・・よし」

              ドサッ

『女子部屋』についたら、鞄の中にあったスポーツタオルを取り出し、首にかける
そして、ポケットの中にスマホや財布、買ってもらった線香とライターがあるのを確認し、
通学鞄を部屋に残して、村田たちがいる部屋へと向かった

「マテリアがいつ来るとも知れないなら、
『作戦会議』は早めに済ませておいた方がいい」

「ところで・・・・『20階』の間取りもここと似たような感じかな?」

『20階』の廊下の様子について聞いてみる

140村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/06(土) 20:54:44
>>137

「『19階』の方は、普段から客が詰めてるわけじゃないと思っていいか?
 それとも、今日使用される予定があったりするか?」

19階のことを聞いておく。
20階が主戦場だとして、どの程度暴れていいのか悪いのかは把握しておきたい。
一階下が無人かそれに近い状態なら、ある程度の無理は効くはずだ。

 「面と向かって正々堂々はあまり得意じゃねえ。
 とはいえ絡め手にしても、今回は手段は選ぶ必要がある。場所が場所だからな。」

言いながら部屋を軽く見回して、『電気ケトル』があればそれに水を入れてスイッチを押す。
そう間を置かずに湯が沸くはずだ。

 「無茶して地上20階から放り出されたくはねえ。
 高いところ『苦手』なんだ。おれは。」

141『エターナル・ノクターナル』:2023/05/07(日) 01:46:00
>>138(宗像)

「『別働隊』もー、ホテルに入りましたー。
 中で遭遇してもー無闇な交流は避けてくださーい。
 向こうが準備とかでミスったとしてもー、
 貴方だけは動けるようにしないといけませんからー」

       「報告は以上でーす。
        ワタシについての詮索は不要でーす」

ボイチェンのかかった……恐らく女性の声だろう。
言動からして、『アリーナ関係者』のはずで、
『赤月』と『村田』が合流して来た、という意味だ。

           ・・・

               ・・・
 
       コンコン コンコン

今度はドアノックがあった。
頼んでいたメニューが届いた――と考えるのが自然だろう。

>>139(赤月)

荷物を置いて戻ってくる途中も、人とはすれ違わない。
先ほどの少女など……宿泊客は他にもいるだろうが、
早々すれ違う事はないのが現状のこのホテルらしい。

「間取りは違いますねェ。
 20Fは部屋数自体が少ないですし、
 もうちょっとこう、空間の取り方が広い感じです」

      「ルームサービスに乗じて、
       フロア図を取り寄せましょうか」

平山の頭には恐らく入っているのだろうが、
マテリアの情報が口頭のみで伝えられているように、
襲撃計画は――特にホテル側の関与は『極秘』。
この辺りはなかなか融通が効かないところではある。

>>140(村田)

「サラリーマンが宴会場にした事もあるそうですが、
 今頃だと、そーゆーのもあんまり無いですねェ。
 少なくとも今日は使用予定は無いと聞いてます。
 興味本位で観にくる客はいるかもしれませんが、
 ま、『封鎖』したりの無茶は多少効くでしょうね」

       カチ

ケトルに水を汲んで、スイッチを入れた。
作戦会議が終わるまでには当然、湯が出来るだろう。

「まあ、ちょっと意外ですねえ」

怖いもの知らずだと思われているのだろうか?
ともかく、『高所からの落下』は『必殺』で『必死』。
場を選んだ策謀でなければ、自滅は火のように速い。

>赤月、村田

「……道具を仕入れるなら今がちょうど良いですし、
 何か欲しいものがあったら言ってくださいねえ」

『関』からそのような提案があった。
彼女は『上階』には付いてこない以上、
場合によっては『重要なタイミング』かもしれない。

142宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/07(日) 06:19:40
>>141

村田や赤月も各自の判断で動いているのだろう。
俺には俺の役割がある。
こちらから接触する必要はない。

「――分かった」

電話を取ったのが自分である事を示す為に返答し、受話器を元の位置に戻す。
『掛けてきたのが誰だったか』などとは考えなかった。
仕事の本筋とは無関係だ。

「早かったな」

ノックに応じてドアを開け、注文した品を受け取る。
その時、『コース料理は時間が掛かる』という事を思い出した。
提供時間外だったのは幸いだったようだ。

143赤月『サクソン』:2023/05/07(日) 10:29:26
>>141

「誰もいない・・・・
 こうして静かな空間を提供するのも『サーヴィス』の一環というわけか」

今までの人生でほとんど経験したことがない、リラクゼーションに溢れた空間
この空間を作るために必要な労力に思いを馳せ、密かに従業員に敬意を抱く

(だが・・・・この空間もやがて戦場に変わる)

「フロア図の取り寄せを頼む
 能力で『罠』を仕掛けておきたい」

>村田、関

「ひとまず、道具の仕入れは必要ないな
 それよりも君のプランを聞いてみたい・・・・村田」

「地図が届いてから改めて話し合いたいが
『サメの男(宗像)』が正面から接触する間、私たちはどうする?」

「同じフロアの中に潜伏先を探すか・・・・
 それとも、『19階』に潜んで戦闘開始の合図を待つか?」

144村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/08(月) 20:18:27
>>141
「おれにだって苦手なものとか、嫌いなものくらいある。
 特に最近は増加傾向だ。全く難儀な話でな。」

嫌いなものに『夏』が増えたのは内緒だ。
そのうちそれらがやってくるかと思うと正直気が重い。

 「そうだな、『蓋のできるアルミ缶』と『アルカリ性洗剤』を頼む。
 缶は2つ、洗剤は業務用のとびきり強力なやつだ。」

関に品物を依頼する。
火炎が使えない以上、代用品が必要だ。

>>143
 「おれとしては20階に合流しておくべきだと思う。
 いざコトが始まって、おっさんが上げた狼煙に乗り遅れる訳にはいかねえからだ。」

 「とはいえフロアの構造次第だ。隠れる場所がねえんじゃそうもいかねえ。
 貸し切りフロアじゃ『目立つ』だろうからな。
 だが、『階下』からの襲撃は、もしかしたら相手の『用心』の範疇内かもしれねえ。」

窓の外を見る。天気は悪くないだろうか?風は強くなさそうだろうか?
条件が合えば、もう一つ『潜伏先』が用意できるはずだ。

 「『屋上』からのアプローチもアリなんじゃねえかと思うが、これもやはり構造次第だ。
 『天窓』なんかがありゃ楽なんだがな。」

どの方法を選ぶにしろ、『構造図』を確認する必要があるだろう。

145『エターナル・ノクターナル』:2023/05/09(火) 10:34:13



      「……………もしもし」


 「…………………………ぁあい。
  ………………多分、親戚とか?  
  でも、まあ………………
  ……えっ、写真とかは…………だって、
  別にそんなに…………………あ……はい。
  はい……お……お願いしぁす、『先生』」


     「わたしは、わたしで……
      進めて……おきますけど……え?」


   「あっ……いえ……わっ……かりました。
    はい、失礼しぁす…………はい」

146『エターナル・ノクターナル』:2023/05/09(火) 10:38:09
>>142(宗像)

「お待たせいたしました。
 ご注文の内容にお間違いはございませんか?」

『チーズ盛り合わせ』と『ローストビーフ』、
それから、カトラリーケースが乗ったトレイ。
ケースの中にはナイフが2本と、大小のフォーク、
紙ナプキン数枚に、おしぼり(封がされている)一つ。

      ・・・それらが届けられた。

一旦、何もない時間が生じる。
『殺手のマテリア』はまだホテルに戻っていない。
次の瞬間に戦いが起きる、という可能性は低いが、
何かしておくべき事はあっただろうか――――

>>143(赤月)

「承知しましたァ。
 ルームサービスに乗じて持って来させるので、
 ついでに『水』を人数分頼んどきまァす」

『平山』は内線を手に取り、連絡を始めた。
ルームサービスのメニューはすぐ側にある。
他に何か頼みたいなら、今なら間に合うだろう。

>>144(村田)

「……ふふ、それはそうですね。
 分かりました〜。『アルミ缶』と『洗剤』、
 すぐに仕入れて来ますよう」

そう言うと関は一旦席を立った。
室外には出ず、『バストイレ』の方に向かったが、
能力発動のプロセスを見せない理由があるのか?
少なくとも『村田』は知っているプロセスだ。

>両名

「『天窓』は……近い物があったはずですねェ。
 確かマテリアの部屋……『ペントハウス』の、
 備え付けの『露天風呂』は『星空が見える』
 もちろん、簡単に壊せる作りじゃあ無いですし、
 割ろう物なら即座に警備会社に連絡が行く作り……
 警備を解除すれば勘付かれる可能性は上がります」

   「屋上への出入りはやりようがありますので、
    選択肢の一つとしてはアリでしょォがね」

内線が繋がるのを待つ間、平山が所感を述べた。
フロアマップはまだ届いていないとはいえ、
大きく的外れな情報という事はないはずだ。

「どこに潜むにしても、サポートは最大限しますよ」

外の天気は――少しだけ空が曇って来ているか。
もう少しすると、『雨』は降り出すかもしれない。
大雨の予想などは無かったはずだが…………
天気が崩れる可能性は全くない、というわけでもない。
風は……向かいのビルのバルコニーに置かれている、
ちょっとした『観葉植物』の葉が僅かに揺れている。
強風で吹っ飛ばされるような事は今の所は無いだろう。

             バサササ

・・・そのバルコニーから、何かが上に飛んで行くのが見えた。
黒い、鳥か何かのようだ。『悪天候』の前兆とも取れなくはない。

147宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/09(火) 12:28:30
>>146

注文した品々は、全てテーブルに置くように指示した。
退出する従業員を見送ると、再び静寂が訪れる。
『ローストビーフ』と『チーズ盛り合わせ』を一瞥し、
使い込まれた革手袋に覆われた右手を伸ばす。

      ス ウ ッ

その手に握られたのは『栄養補助食品』だ。
包装の封を切り、口の中に入れて噛み砕き、『水』で胃に流し込む。
『食事』を終えて、空になったボトルを手放した。

           ズ ズ ズ

傍らに立たせた『アヴィーチー』の両腕で、『ナイフ』と『フォーク』を掴む。
それらを一本ずつ壁に向かって投擲する。
狙いの精度は知れているが、『扱いやすさ』の度合いだけは確認しておきたい。

148赤月『サクソン』:2023/05/10(水) 11:07:22
>>144
>>146

「警備システムは生きたままという事か・・・・
 ホテル自体を破壊するような作戦は控えた方が良さそうだ」

思案する様に指先を唇に当てる
ペントハウスという構造を考えると隠れる場所も多いはず

「下手に別の階にいるよりは同じ階に潜んでいた方が効果的か・・・・」

「・・・・ん?」

ふと、外の景色を見ると隣のビルから何かが飛んでくるのが見えた
鳥のような、ゴミのような・・・・正体は明らかではないが

「・・・・隣のビルから飛び移ってくる
 そういう手もあるかな・・・・?」

漠然とそんな事を考えながら、窓を開けて上空の様子を確認する
隣のビルとはどの程度距離が離れているか
また、飛んできたものの正体について確認していく

149村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/10(水) 18:42:20
>>146
>>148

 「となると、内部から行くのが無難って訳だ。
 カタギを気にしなきゃならねえってのは中々面倒だな。」

窓の破損は警備会社、火炎は防火システム。
下手に過激な行動を取ると、相手に利する確率が高くなる。
しかし相手は手練の殺し屋、加減して相対できる相手ではない。難しい話だ。

 「距離次第では運べるだろうが、あんまりやりたくねえな。
 わざわざ落ちるかもしれねえリスクを背負ってまでやるようなことでもねえ。」

外を見に行った赤月の背中に声をかける。
あとは『図面』と『品物』、それから湯が沸くのを待つだけだ。

150『エターナル・ノクターナル』:2023/05/11(木) 14:11:29
>>147(宗像)

贅を尽くした『もてなし』はあくまで武器の入手手段でしかない。
栄養補給を携行食と水で済ました。胃と喉を満たすには十分だ。

          ガチャ…

カトラリーは、触ってみれば分かるが『安全性』に配慮した物。
少なくとも……漫然と振るうだけで人体を断ち、貫けたりはしない。
ホテルの個室で客に使わせる品である以上、ごく当然のことではある。
……が、『アヴィーチー』の破壊力で扱えば手傷は負わせられる筈だ。

              ヒュッ


         ――ゴズッ

壁の素材が何かは分からないが人体で殴り壊すのは困難な質感。
投げたナイフとフォークは、どちらも浅くだが突き刺さった。

          ・・・


部屋に沈黙が響く。

特段何かが今すぐ起きると言う様子はない。
窓の外からはわずかに風の音が聞こえる。悪天の気配だった。

>>148(赤月)
>>149(村田)

「警備を一時的に切ることは出来るでしょうがァ、
 戦闘開始後ならともかく、前から切るとなると……
 中にある『感知器』の電源が切れた状況になれば、
 違和感に気づかれる可能性は上がりますからねェ。
 そこも織り込み済みならやれなくはないでしょうが」

警備を解除してもらうという手は勿論あるが、
手の込んだ『潜伏』策とややバッティングするリスクがある。

上空を見るが、『何か』は肉眼で確認するのはやや難しい。
ただ……よく見ると、それは『鳥』ではないように見えた。
『何』なのか?を特定するのは難しいが、形状に違和感がある。

「隣は……ウチの管轄じゃァないんでね。
 出来るならアリですが、慎重にお願いしますよ」

向かいのバルコニーとの距離は……間に二車線道路を挟んでいる事もあり、
推定だが『10m』以上はある。また、ホテル内は静かだが、
下の車道や歩道にはそれなりの人通りも見受けられる。

                カチッ


  「お待たせしましたあ〜」

『お湯』が沸くのと、『関』が小さな袋を持って戻ってくるのがほとんど同時だった。
平山が注文を終えた『図面』はまだ来ないようだが、不自然な時間ではない。

151宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/11(木) 17:41:54
>>150

壁に突き刺さったナイフとフォークを眺め、投擲の感覚を確かめる。
使い勝手に大きな差は感じられなかった。
どちらも使い捨ての牽制には足りるだろう。
だが、相手が動いていれば命中率は下がり、遠い距離では更に外れやすい。
手傷を負わせる事を狙うよりは、敵の出方を窺う為に使うべきか。

「どんな物でも『意思』が加われば人を殺せる」

カトラリーを壁から引き抜き、二本を一組として左右のポケットに収める。
これらは食事に使う物であり、人を傷付ける用途には作られていないが、
やろうと思えば出来なくはない。
身近な『道具』が『凶器』に変わるのは、そこに『殺意』が乗った時だ。

「――風か」

天候の悪化を認めながら、
『エクリプス』に与していた『レインコートの女』が思い浮かぶ。
『雨天時に限った瞬間移動』を行う能力の持ち主だった。
おそらく可能性は低いとは思うが、
『そういう能力』が存在していた事実がある。

「『杞憂』で済めばいいが――」

      スッ

テレビのリモコンを取り上げ、『17時以降の天気』を確認する。

152赤月『サクソン』:2023/05/11(木) 20:52:22
>>150

「村田、関、平山・・・・この国では・・・・」

「『鳥』や『飛行機』以外の、得体の知れない物が飛ぶのは良くある事なのか・・・・?」

窓の外の光景から情報を取得する
隣のビルとの距離は『10m』以上・・・・立ち幅跳びの名手といえどもこの距離を飛び越える事は不可能だ
では、先ほど飛んできた『あれ』は・・・・?

「向こうのビルから『何か』が飛んできた!
 平山!マテリアはまだこのホテルに戻って来てはいないのだろう?」

「では・・・・『あれ』はなんだ!?」

窓から離れ、部屋の出入り口に向かう

「準備は万端ではないが、私は動く!
 何かがおかしいぞ!」

部屋から出たら、『20階』に向かうためにエレベーターへと向かいたい

153村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/13(土) 22:17:58
>>150

「下手に奇抜な手は打てない、か。
 大人しく用意されてる舞台に上がるのが良さそうだ。」

湯が沸き、関が戻ってきたのを目端で確認すると、荷物を受け取る。
さっさと済ませてしまおう。

 「『実験開始』だ。
 容器に空きがねえからって、家でおんなじことやるんじゃねえぞ。」

アルミ缶の蓋を開けて両方に洗剤を投入し、それをさらに湯の沸いたケトルの中に放り込む。
温めることで、化学反応を促進してやるのが狙いだ。

アルミと強塩基性の薬品は素早く反応し、アルミ缶を溶かして『水素』を発生させる。
気体の水素が発生し続け、缶が密閉されているとなれば…じき圧力に耐えられなくなり『爆発する』。
内部の強塩基性の液体と気体をバラ撒き、粘膜にダメージを与える『爆弾』だ。
直接的な殺傷能力は弱いが、フラッシュバン程度の役割は見込めるだろう。

154『エターナル・ノクターナル』:2023/05/14(日) 20:25:31
>>151(宗像)

              ズグッ

壁から抜いたカトラリーは特段の破損などはしてない。
再利用――――武器としての活用には何ら問題ないだろう。

               ピ

テレビを付けると、夕方のニュース番組がちょうどお天気コーナーだ。

   「――――――この後の天気です。
    S県は全体的に曇り、所により、にわか雨が降るでしょう。
    雨は今夜から、明日朝にかけて最も勢いが強くなる見込みです」

壮年の気象予報士が、マスコットキャラが天気を紹介する予報図を背に、
粛々とこの後の天気を伝える――――

戦局を大きく左右するような荒天はなさそうだが、油断はできない。何事も。
 
                 ・・・どこまで警戒するか、も実力だ。

>>152(赤月)

正体不明の飛行物は、もしかすれば『虫』だったかもしれないし、
鳥以外の何か『空を舞う獣』だったかもしれないが、
『赤月』は己の不穏な予感を信じ、誰より早く動く事を決断した。

「『ドローン』でしたら聞きますけどお……ああっ、ナカレちゃあん!」

関の声を背に、『赤月』は勢いよく部屋を飛び出した。
平山は追いかけてこない――――理由は分からない。
確かなのは、『単独行動』には結果が伴わなくてはならない。
そして、赤月は『カードキーを渡されている』という事だ。

                  ピ

エレベーターにカードキーを翳すと、下階から箱が上がって来る。

     ――――上階に行けば、何が起きるかは本格的に『混沌』の世界だ。

>>153(村田)

化学反応の『爆弾』を作る『村田』。
日用品であれ、無知に扱えば事故は起きる物。
つまり、知恵があれば事故をあえて起こすのも容易だ。
手順を誤らなければ再現が可能なのが科学の強みであり、
その素材は『ペイデイ』であれば簡単に準備が出来る。

「『勇名』は冬川さんから聞いていましたがァ……
 知識もあるとは。『ファイター』に是非ほしいィですね」

もっとも、何でもかんでも持っていけば重しになるので、
ある程度、使いやすい武器の選定も重要にはなるだろう。

「しませんよう、そんな危なそうなこと―――――」

実験を始めた時、『赤月』が何事か口走って部屋を出てしまった。
まだ『缶』の破裂は引き起こされていない。
関はそれを引き留める声を背中に投げるが、平山は首を振る。

「行かせましょう。
 彼女もまた、戦闘経験を持つ『闘士』ですからァ。
 何かを見たようですし、そのカンは一概に否定は出来ません。
 それに、無理に引き留めて『全員目立つ』よりは良いでしょうからねェ」

           「と、言うのが私の見解ですが……」

エレベーターは今すぐ駆けたからといってその瞬間に来ると決まっているような物ではない。
追いかければ追い付くかもしれないが、準備を出来るのは今だけかもしれない。

155宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/14(日) 22:11:53
>>154

少なくとも屋内で戦う前提なら、
天気の崩れが大きな影響を及ぼす事は考えにくい。
念の為に確認したが、現時点では優先順位の低い情報だと言える。
どう転ぶかは別として、今これ以上は必要ないだろう。

     ――――プツッ

テレビを切って『アヴィーチー』を解除し、
折り畳み傘をスラックスのピスポケットに差し込む。
かつて護身用の拳銃を収めていた事から、
そう呼ばれるようになったらしいと聞いた。
『引き金』を引くのは俺だが、『弾丸』を込めるのはマテリアだ。

      ザ ッ

        『仕事』に掛かる。

                ガ チ ャ

部屋を出てエレベーターに向かい、『20階』のボタンを押す。
『18階』や『19階』に標的が立ち寄る見込みは薄く、
そこに行かなければならない用事もない。
最短のルートで『役割』を果たす。
着いた先で遭遇したなら、そのまま『交戦』に入る気でいる。
もし出払っていれば、地形を頭に入れる程度の時間はあるだろう。

156赤月『サクソン』:2023/05/15(月) 17:22:44
>>154

(気のせいならそれでいい・・・・
『マテリア』と遭遇する事がなければ、仕切り直しも出来る)

エレベーターを待つ間にスマホを使って通話を開始する
通話相手は『関』だ

「もしもし・・・・
 すまない。気になる事があるので一足先に『向こう』に向かう事にする
『お客さん』がホテルに戻ってきたら、教えて欲しい」

そう言って、通話状態のままスピーカーモードにしたスマホをポケットに納める
こちらの状態を逐一あちらに報告するためだ
また、ホテルに『マテリア』が戻ってきた時に連絡をもらうためでもある

157村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/15(月) 18:10:03
>>154

懐から『棒』を取り出して解除する。
寮から持ち出した『アルコール』と『便所紙』だ。

 「平山サンの言う通りだろう。
 下手に焦るほどに状況は悪くなる。なら、あいつ以外が落ち着いてなきゃいけない。
 まあ、あのおっさんが何考えてんのかは正直わからんが。」

 「それに、いっぺんに駒を動かすだけが戦いじゃないからな。
 他の連中が目立った分だけ、おれが目立たなくなる。その分だけ、確率は上がる。」

ケトルで湯煎されるアルミ缶をじっと眺めながら、声だけを関に返す。
じきに缶が膨らみ始めるはずだ。目に見えてマズそうになったところで取り出し、『便所紙』を巻きつけて…
2つの缶をひとまとめにして『棒化』する。これで『一本分』に収まる。

 「こうなれば、無いなりにある時間はギリギリまで使わせてもらう。
 上に2人いるなら、おれの到着までは持つだろうからな。」

158『エターナル・ノクターナル』:2023/05/16(火) 10:48:35
>>155(宗像)

         ズサ

スラックスのポケットに、折り畳み傘はやや窮屈だ。
が、入らないほどではないし、手で持つよりは良い。

          スタ スタ

廊下に出る。
窓の外は曇り、これからの戦いを祝福する光は無い。
とはいえ、大雨でもない……天運はニュートラルだ。

           ピンポーン

エレベーターは、下からの客がいるらしく、
上りボタンを押せばほんの少し待つだけで来た。

           〈 17階 です 〉

そして――開いた中には、『赤月』が乗り込んでいた。
偶然だが、ここで乗り合わせて良いものだろうか?

159『エターナル・ノクターナル』:2023/05/16(火) 10:48:49
>>156(赤月)

「はいっ……分かりましたよう。
 ナカレちゃんに考えがあるなら、
 任せるって話にこっちもなってます。
 私の番号から電話があったら、
 その件だと思ってくださいねえ!」

    「それと……気をつけてください」

用もなく電話をしてくることはないのなら、
電話に出るまでもなく『標的』の帰還は悟れる。
そして、『標的』が戻るまでなら妨害は無い、はずだ。

    ピンポーン

エレベーターに乗り込む……と、
『17階』のランプが点灯した。
赤月の目的階ではない。予め誰かが押したのだ。

      ウォォ  ーーーーー  ・・・ ン

          〈 17階 です 〉

やがて停止したその『扉』の向こうには……『宗像』が立っている。
偶然だが、ここで乗り合わせて良いものだろうか?

160『エターナル・ノクターナル』:2023/05/16(火) 10:58:20
>>157(村田)

「そうですね……そうですよねえ。
 ……作戦として合ってるのは分かってますけど、
 どうしても心配で。声を掛けちゃいました」

       prr…

着信音は、関の携帯からだ。
彼女は「ナカレちゃんです」と一言告げ、
音声出力をスピーカーにして通話を行っている。

「どうやってるのか……は見えませんが、
 スタンド使いは実〜に頼りになりますね」

彼は『一般人』で、手順は見えないようだが、
素早く『危険物』を作る『村田』に感嘆を見せる。
彼自身は手が空いているように見えなくもないが、
時折、スマホに注意を向ける様子は見せている。

今のところ『マテリア』が帰還する様子はなく、
『赤月』が警戒した『外』にも続く異常などはない。

      ・・・もう少し準備時間に使えそうだ。

161宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/16(火) 12:58:34
>>158

赤月の姿を一瞥し、その場から動く事なく、無言でエレベーターを見送る。

『交戦するまでは二人に関わるな』と念を押されていた。
無関係を装う上では、互いに顔を合わせない事が最も好ましい。
既に見られているなら、乗らないのは却って不自然だが、今は融通が利く。

『回数表示』を参考にすれば、どの階で降りたか分かるだろう。
それは赤月にしても同じ事だ。
そうでなくとも、俺が部屋の外にいる事で『おおよその状況』は伝わる。

赤月の行き先を確かめた後、再びエレベーターを呼び、予定通り『20階』に向かう。

162赤月『サクソン』:2023/05/17(水) 22:30:15
>>159

(『サメの男』・・・・・!)

目の前に現れた宗像の姿を見て、軽く動揺する
予定にはない行動だ。もしかしたら、彼も『浮遊物』を見て警戒しているのか・・・・?
などと、いくつかの考えが脳裏に浮かぶ。

だが、彼の様子を見て気付く
どうやら宗像の方はここで一緒に上階に行くつもりはないのだと

       ぺこり・・・・

見知らぬ者同士を装うため、ひとつお辞儀を交わしドアを閉める
そのまま『20階』へと向かおうとする。

163村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/18(木) 19:27:01
>>160
 「赤月とおっさんが前線を張るなら、必然的に後衛はおれだ。
 流れで決めちまうのが好ましくない過程なのは認めるが、結果としては悪くねえ。」

ガシ !
       ブワ サァッ

 「上等なやつだろうが、こいつを貰うぜ。」

ベットにかかった『シーツ』をスタンドで引き抜いて折りたたみ、可能な限り小さくまとめる。
それを片手に洗面所へ行き、折りたたんだシーツにたっぷりと水を吸わせ、『棒化』。
水そのものは棒化できないが、こうすれば話は別だ。大量の水と布を一度に、かつ小さくして持ち込める。
水であれ濡れた布であれ十分な武器になる。『ディズィー・スティック』にとっては尚更だ。

 「図面はもうじきか?
 あいつか先走っちまったから、おれくらいは覚えておかねえとな。」

164『エターナル・ノクターナル』:2023/05/19(金) 17:37:11
>>161(宗像)

『赤月』の向かった階層はよく分からない。
デパートなどとは違い,ここのエレベーターには、
外側には『階数表示』がされない仕組みになっている。
彼女が『19階を介して20階に向かう』のか、
それとも『18階』や『19階』に留まるかは不明だ。

          ・・・

                ・・・

                     ・・・
              ピンポーン        
  
僅かばかりの沈黙の時間のあと、
再びエレベーターがフロアに到着したようだ。

          〈 17階 です 〉

これに乗り込めば、今度こそ『20階』を目指せるはずだ。

>>162(赤月)

『宗像』は無理に乗り込んでくるような事もなく、
エレベーターはゆっくりと再度加速し始めた。

            ピンポーン

         〈 19階 です 〉

そして『19階』にて停止する――20階は直通しない。

     ウィーーーー ン ・・・

廊下には誰もいないようだった。
装飾は宿泊階に比べてももう少し『華美』な印象で、
なおかつ、それを楽しむ客は今は誰もいない。

      ・・・

          ・・・

               ・・・

少し先に『窓』が見える。
その外まではここからは見えないが……

あるいは逆方向に進めば『トイレ』があるようだった。
20階へ向かうための階段は、また別の場所にあるのだろう。

>>163(村田)

「部屋の備品は客の……ま、汚しすぎなければですが、
 汚したところでせいぜい『罰金』」

   ガシ !
           ブワ サァッ

「何も問題はありませんね」

シーツは軽く、柔らかく、滑らかだったが、
畳んで小さくまとめ水を含ませて仕舞えば、
『野球バット』ほどの長さの『鈍器』と化す。
『棒化』すれば尚更だ。『水はどこにでもある凶器』。

「そろそろ来るはずですがァ〜」

             コンコン コンコン

「あっ、噂をすればですねえ」

関が図面を受け取るために立ち上がり、玄関に向かう。

「図面ももちろん『細かいこと』は書いてませんし、
 部屋の中までは書いてなかったはずですが、
 フロア構造を知ってるかどうかでも差は出ますからねえェ」

特に問題なく『注文の品』は受け取れているようだ。
『村田』は武器の準備を続けても良いし、他の何かでも良いだろう。

165宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/19(金) 19:25:16
>>164

俺が『20階』に向かうつもりである以上、同じ階にいれば自然と目に付くだろう。
そこにいないのであれば、それ以外の階で降りた事になる。
どちらにせよ、予定を変える理由にはならない。

     『赤月ナカレ』は『個人的な興味だ』と言った。

エレベーターが着くまでの間、赤月と威武が交わしたやり取りを思い返していた。
その中に出てきた一つの言葉が印象に残っている。
『仇討ち』という単語だ。
威武は『危険の排除』を第一に考えていると語った。
だが、どちらかといえば赤月は、『前者』に関心を示していたように感じられる。

     『復讐』が納得の行く形で終わるとは限らない。

無意識に記憶を辿りながら、戻ってきたエレベーターに乗り込み、
『目的地』である『20階』のボタンを押す。
そこで俺が死ぬか、マテリアが死ぬか、あるいは両方か。
どの場合であっても、少なくとも『汚れた血』が一つ消える。

166赤月『サクソン』:2023/05/20(土) 00:21:16
>>164

「19階か・・・・。20階に向かう道は・・・・」

現時点では19階に留まる必要性も感じられない
そのまま最短ルートで20階へと向かいたい

167村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/21(日) 20:00:24
>>164

「よし、早速見せてくれ。」

懐からメモ帳とペンを取り出しながら、玄関に向かう関を追いかける。

『棒化』出来る物体は二つまで。これ以上何かを持ち込むのは『荷物』になる。
『後衛』とはいえ、面と向かって気を張る展開もあり得る以上、過剰な所持は自殺行為だろう。

 「所見を詰め次第、赤月にも共有してやろう。
 ひと足先に現場にいるあいつも、それで動きやすくなるはずだ。」

168『エターナル・ノクターナル』:2023/05/22(月) 17:00:02
>>165(宗像)

エレベーター内に『20階のボタン』自体は見当たるが、
それは押しても反応する様子が無い――――カードキーが原因か。
いずれにせよ、『19階』を経由して『20階』に行けば済む話だ。
         

        ウイーーーン ・・・


箱は少しずつ、『宗像』を上階へと運んでいく。

      ・・・

        ・・・

          ・・・

どのような未来が待つかは分からないが、
少なくとも、そこに平穏や無事の結末はあり得ない。

『殺人者の血』が撒き散らされた、『地獄』――――に、なるだろう。

             ピンポーン


                   < 19階 です >

>>166(赤月)

19回の構造は非常にシンプルな物だった。
パーティ会場――――いわゆるバンケットルームが一つあって、
それとは別に『挙式会場』としてのセレモニーホールが備わっている。
受付もあるようだが、見た所人の気配はない。今日は無人のようだ。
勝手に立ち入っていいのかは謎だが、少なくとも警備などは無い。

           ・・・


               ・・・  

ふと。

通り過ぎた『窓』の外を何かが横切るのが見えた。
矢張りあれは――――『鳥』ではない。
しかし、『翼』を備えた存在ではある。

『赤月』は知っている――――――今窓の外にいたのは、『コウモリ』だ。

>>167(村田)

「はいっ。……一応、私も見ておきますねえ」

関が受け取ったのは『ルームサービスのメニュー』だが、
革装丁のそれを開くと、中には確かに『20階のフロアマップ』が挟まっている。

       バサ・・・

「私は20階に『入った』事はありませんがァ、
 御二人よりは少し詳しいので、軽く説明を」

            スッ

■■○○○○■■階■■◇◇◇◇■
☆■■■S.■■■段■■■■S.■■
☆■□□□□□□□□□□□□□■
☆①□□□□□□□□□□□□□■
☆■□□□□□□□□□□□□□EV
☆■■■S.■■■■■■■■S.■■
■■○○○○■■■■■○○○○■

「実際は地図の上で駒を動かして戦うわけでもないですが、
 位置関係は重要ですからァ〜」

広げた図面を、平山が指を指し示す。

「ここが『階段』ですが、平常時は使わない。
 『エレベーター』はこっち……『階段』からは少し離れてますねェ」

        「っで」

「最上階には『ペントハウス』……最上級のスイートルーム1つ。
 ここ、一番奥の一番広い部屋です。ここが『マテリア』の居城です。
 もうワンランク下ですが、十ゥ〜分お高いスイートルームが4つ。
 ま、うち1室は『和室』ですが……部屋自体の作りは同じで、
 こっちもマテリアが貸し切ってます。
 最高級ホテルってわけじゃあないですが、よくそんな金がありますよねェ」

階層自体のつくりは、部屋数が少ない事もあって入り組んでおらず、シンプルだ。
あくまでフロアマップであり、複雑なつくりまでは分かりかねるが、
真ん中に大きな廊下があり、左右に2室ずつ――――和室は左側のようだ。
そして、最奥部、最も広い空間を取っているのが『ペントハウス』。

                     ――――ここが戦場になる。

169宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/22(月) 18:43:21
>>168

『19階』に立ち寄る用事はないが、
目的地に直行できない以上、ここで降りるしかない。
エレベーターから出て、『上』に向かえる道を探す。
おそらくは赤月や村田も、ここを経由する必要がある。

「――『イベントホール』だったな」

エレベーターで『20階』に行けるのは、
そこに宿泊しているマテリアだけだろう。
注意を払う価値はある。
もっとも、奴が先に到着しているなら意味はない。

(『いない』とは思うが――)

万に一つの可能性を想定し、この場の人間は気に留めておく。

170村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/22(月) 22:04:00
>>168

「エレベーターとペントハウスは対面か。
 20階への侵入は『階段』の方がよさそうだな。」

説明を聞きながら、図面と注意点を手帳に書き写す。
何か理由があって他の4部屋を押さえている可能性もある。
迎撃か罠か何もないのか。それは分からないが、最短経路を取るべきだろう。

 「関、この図面を赤月に共有してやってくれ。今の注意点も含めてな。
 『これ』を貰ったら、おれもすぐに奴の後を追う。」

 ブン ッ !

洗面所へ戻って鏡を叩き割り、大きめのかけらを手に取る。
これならポケットに入るし、さほど荷物にはならないだろう。

171赤月『サクソン』:2023/05/23(火) 00:10:06
>>166

「・・・・・・・。」

パーティ会場。宴会や集会、披露宴なんかにも使用されるスペース
本来であれば数十、あるいは数百人規模で人の受け入れが出来る空間ではあるが
現在は伽藍洞の薄暗闇が広がるのみである

「コウモリ・・・・」

「ふぅ・・・・流石に緊張しすぎたか・・・・」

ゴミでも、鳥でもない存在
しかしながら、夕闇を見通せばどこにでもいる日常的な存在
軽く息をつき、己の警戒心を緩める

「・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・。」

(とはいえ、『確認』は重要か)

窓を開け、そこから空を見上げて確認する

172『エターナル・ノクターナル』:2023/05/23(火) 15:34:30
>>169(宗像)

『19階』――静かな空間には、人気が無い。
『マテリア』は当然、不審な人物は見当たらない。

        ・・・が。

                ガコン

少し先の廊下で、『赤月』が窓を開けている。
『20階』に向かうのでは無いのだろうか?

他に人影はない。不自然な沈黙というわけでもなく、
おそらく今日は『式』の予定も無いので、単に無人なのだろう。

>>170(村田)

「エレベーターで20階に行くには、
 それ用のカードキーが要りますしねェ。
 入手の手間と掛かる時間を考えれば、
 階段から行くのがァ適切な判断、かと」

簡素な図である分、書き写しはすぐに完了した。
『関』も頷き、エプロンのポケットからメモを出して、
図面を書き写したものをスマホで撮影している。

       バリィィィィ ーーーーーン!!!!!

「ひゃっ……」

窓ガラスを叩き割ると小さな悲鳴が上がったが、
単に驚いただけで、特に咎められたりはしなかった。

「いやあ、後で説明が大変ですがァ……
 戦うより大変な仕事は、無いですからね」

手のひらより少し大きい程度のガラス片が手に入った。
刃そのものでは無い分、ポケットに入れても危険はなかろう。

>>171(赤月)

祝福のための空間も、人がいなければただの『箱』だ。

そして窓の外から、空を見上げる――――――

         『夕陽の光』は遮られていた。


          バサバサバサバサバサバサ
       バサバサバサバサバサバサ
    バサバサバサバサバサバサ


       『コウモリ』だ。『全て』。

     バサバサバサバサバサバサ
        バサバサバサバサバサバサ
           バサバサバサバサバサバサ

赤黒いその翅が、『20階』周辺の空に群がっている。

    ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ・・・

後方から足音が聞こえる。
窓ガラスの反射で薄っすらと見えるが、『宗像』がフロアに来たのだ。

173宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/23(火) 17:59:53
>>172

瞬きする程の僅かな一瞬、足を止めて『ホール』を眺め、再び歩き始める。
『全ての命』が『等価』かどうか。
仮に等しいとすれば、『殺した側』と『殺された側』の命は、
同じ価値を持つ事になる。

    俺は『全ての命が等しい』とは考えない。

まともな状況なら、上に行く為に窓を開ける必要はないだろう。
だが、そうでなければ別だ。
真っ向から挑むのは一人で事足りる。

         ――――――スッ

赤月を故意に無視して通り過ぎ、引き続き『20階』に向かう道を探す。
俺も常識がある方とは言えないが、世の中が変化していたとしても、
基本的な部分は変わらない場合が多い。
『エレベーター』がなければ、普通は『階段』を使う。

174赤月『サクソン』:2023/05/24(水) 00:06:40
>>172

「これは・・・・・!!」

太陽を覆い隠す程に群れ集まったコウモリの集団
その光景を見るや、スマホを取り出し、関に向けて通話をする。
スピーカーフォンで繋げたままスマホをポケットに入れる。

「私だ・・・・空に異常を感じて早めに行動を開始したのだが・・・・」

「やはり! 何かがおかしい!
『コウモリ』の大群だ! 雷雲の様に集まって『20階』に殺到している!」

フロアには関係者しかいない
事ここに及んで一般人を装う必要はないだろう

「私は先に『20階』に向かう・・・・!
 ひょっとしたら・・・・『マテリア』の協力者が既にそこにいるのかもしれない」

そう言って、階段から『20階』に上がろうとする

175村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/24(水) 21:45:51
>>172
 「おれも上に向かうが、何かあったら連絡してくれ。
 マテリアが来たとか、その他不測の事態とかな。
 上に着いて余裕があれば、一報入れるぜ。」

鏡のかけらを学ランのポケットに突っ込んで、部屋の外に出る。
最初から階段を使って上に向かう。『タイムラグ』が生まれるくらいがちょうどいいだろう。
既に赤月が向かっていて、近くの階層にはおっさんも控えている。おれが必要以上に焦る必要もない。

176『エターナル・ノクターナル』:2023/05/26(金) 13:56:00
>>173(宗像)

『赤月』の騒ぎ(>>174)は『宗像』にも聞こえる。
そして、彼女も『20階』へと登ろうとしている。

>>174(赤月)

「分かりましたあ! 村田さん達にも伝えます!」

関からは簡潔な返答があった。
長話をしてる場合じゃあない、と伝わったのだろう。

      タタタタッ

窓は開いたまま――『20階』に向けて駆ける!

『宗像』も今の騒ぎは聞こえていたはずだ。
彼もまた『20階』に向かうらしい。作戦とは異なるが、順当だ。

>宗像・赤月

          
―――――――『20階への階段』はすぐに見つかった。


明らかに『事態』は既に始動している。
急ぎの赤月が、先に上階に着く事になるだろう。階段には扉がある。
非常用という事もあり、カードキーは必要無いようだ。


               ―――― ・・・ 物音などは無い。
  
                         だが、『予感』はある。

>>175(村田)

「村田さん! ナカレちゃんから連絡です!
 『20階の窓の外にコウモリがたくさんいる』って……
 もう不測の事態が来てます! 気を付けて……行ってきてください!」

関は『電話』に応じながら、『村田』に状況を伝える。
『コウモリ』――――一般的に都市部にも生息はしているが、
高層ホテルの窓の外に多数が集うという事態は確かに『不自然』だ。
 
              ――――― ・・・『何か』起きている。


「コウモリ……ですかァ。コウモリの能力……コウモリのスタンド?
 …………作戦は続行ですがァ、一度『本部』に問い合わせてみます。 
 何かしら分かる事もあるかもしれませんからねェ」

平山にも何か心当たりがあるのか、単純な引っかかり程度かもしれないが――
恐らく緊急用であろう、古いモデルの『ガラケー』を取り出し、連絡を開始する。

そして『村田』は――――外に出る。『非常用階段』はすぐに見つかった。ここから『20F』に向かえる。

177宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/26(金) 16:12:46
>>176

赤月の様子から『もう一人』が動いたらしい事は分かった。
何かをしようとしている。
それは確かだ。
俺達の存在に気付いて先手を打ってきたとも取れる。
威武から聞いた話では、事前に察知されるとは考えにくかったが、
予想外は起こり得るものだ。
それ自体は驚くに値しなかった。
だが、『派手すぎる』のが腑に落ちない。

「陽動の可能性も有り得るか」

こちらの目的は『マテリアの排除』だが、奴の方は逃げ切ればいい。
今『マテリア』が『20階』にいないのなら、
『刀の男』が注意を集めている間にホテルから離れる。
敵の行動としては考えられる線だ。
もしくは『刀の男がマテリアを殺しに来た』という状況も、
絶対に起こらないとは言い切れない。
上で待つのが何であれ、予定を繰り上げなければならなくなった。

「後衛には向かないが止むを得ない」

『アヴィーチー』を発現し、その両腕でナイフとフォークを一本ずつ掴む。

「『仕事』を果たさせてもらう」

先行する赤月を追う形で『20階』に向かう。

178赤月『サクソン』:2023/05/27(土) 00:33:54
>>176

「はぁ・・・・! はぁ・・・・!」

奇襲作戦が相手にバレたのか、それともたまたま別の事態が起きていたのか
判断材料はこの場にはない。赤月に出来る事はこの『異常』に対処する事だけだ
逃げれば、ここで迎え撃たれる事はないだろう・・・・体勢を整える事も出来る。だが

(それは相手も同じ事・・・・!
 ここで退いては、相手の警戒を高めるだけだ・・・・!)

だからこそ、この場で戦うしかない

(どうする・・・・? 『サメの男』と連携を取るか・・・・?)

「いや・・・・」

正直に言って、『サメの男、宗像』の考えている事はよくわからない
以前には助けられた事こそあれ、その行動指針には謎が多い
村田の様に意見を交わし合ったわけでもないため、下手な連携はむしろ悪手に繋がるだろう

(ここは『一人』で戦うつもりで挑むか・・・・)

そう決断し、行動を開始する

    しゅぼっ・・・・

関に頼んで入手してもらった『線香』
それに、ライターを使って全ての線香に火をつける

      ばららら・・・!

そのまま、階段の先にある扉を小さく開けて
隙間から火が付いた『線香』をばらばらにばらけるようにして放り込む

179村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/27(土) 19:04:22
>>176
「『コウモリ』か。気に留めておく。
 赤月には『階段で直接向かう』と伝えてくれ。」

異常ではあるが、『異常なだけ』だ。まだ『実害』はない。
口ぶりから言って、なにかされたというわけではないだろう。
コウモリの弱点は雨だが…それだけの現象を引き起こす術はおそらく誰にも無い。

階段を使って上へと向かう。
窓があるかは不明だが、出来るだけ窓に映らないようにしておく。

180『エターナル・ノクターナル』:2023/05/27(土) 20:27:33
>>177(宗像)

可能性で言えば『何もかもがあり得る』状況だ。
敵の増援かもしれないし、マテリアが何かをしたのかもしれないし、
第三者の偶然かもしれないし、敵味方双方に何か行き違いがあるかもしれない。
その中で『宗像』は選択をしなくてはならない。し続けなくては。

          ダッ

ナイフとフォークを手に、『20階』への階段へ急ぐ――――
前方では『赤月』が線香に火をつけている。能力のためか、何らかの策か?

>>178(赤月)

       ♪

スマホに何かの連絡が届いた。
恐らく『関』――――通話とは別に、画像を送ってきている。
(※『通話継続中』かどうかは赤月が決めてよい)

           しゅぼっ ・・・

                     ばららら!

僅かに開けた扉の向こうに、今はまだ人はいない。
だが―――――『20階の窓も開いていた』のか、
少しずつ屋内に『コウモリ』が入ってきているのが見える。

いずれにせよ、火の付いた線香をばら撒くように投げ込むのは成功した。
もうもうと上がり始める煙――――――――――

>赤月、村田

            バサバサバサバサ

                    バサバサバサバサ

  ≪―――――――さて。さて、そこに、いるのは≫


コウモリの群れの中から声が響く。
――――これは『スタンド会話』だ。


     ≪『何の目的』だ?
       『悪戯』なら今すぐ消えるといい≫

『男の声』だ。声色はくぐもったようなもので、人物や感情を特定できる物では無い。
強襲を仕掛けて来ず、会話を選んでいるのは何の目的か。相手の正体も、謎だ。

>>179(村田)

「はい、わかりましたよう!」

関の返答を受けつつ、『村田』は階段を上り始めた。
当然だが20階まで登るのにはかなりの時間を要するだろう。

そして、窓は各階を繋ぐ踊り場に一つある。
あえて探りを入れようとしないなら、死角を通るのは難しくないサイズだ。

                            ――――今、『8階』だ。

181宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/27(土) 21:21:14
>>180

少なくとも『雇い主が裏切った』という線だけは有り得ない。
そう思いたいが、既に経験している以上、
それすらも究極的に言えば絶対ではなかった。
いずれにせよ、ここで何が起こっていようと、
俺が考えて実行するのは『命を奪う事』だけだ。

「俺が『前衛』に立つ」

赤月の返事を待たずに、その前方に歩み出る。
同時に『20階』の構造と現在の状況を確認したい。
それを確かめるまで『鋸』は展開せず、右腕に収めたままにしておく。

182赤月『サクソン』:2023/05/28(日) 00:32:49
>>180

現在、『通話』は継続中だ
状況を向こう側に伝えるためにも、このまま通話は切らない続けた方がいいと判断した
扉から注意を離さないように、数秒程度でスマホに送られてきた画像を確認する


     ≪『何の目的』だ?
       『悪戯』なら今すぐ消えるといい≫


「お前は・・・・!
 やはりスタンド使いか!?」

コウモリの群れの中から響く声
コウモリそのものは現実に存在する事を考えると、やはりコウモリ操作は敵の能力か

「そういうお前の『目的』はどうなんだ?」

「私たちの『目的』は一つ・・・・『マテリア』の身柄、それだけだ」

「お前の方こそ、大した目的でないなら立ち去れ!
 そこに留まると言うのなら、こちらも容赦はしない」

言いながら、自身の身に『サクソン』の『トレンチコート』を纏う
さらに時間があるのなら、財布から硬貨を2,3枚取り出してポケットの中に突っ込みたい

183村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/28(日) 15:52:50
>>180
以下、質問させてください。

1.村田たちの部屋は『10階』だったはずですが、
 一度『8階』まで降りる必要があったということでしょうか?
2.赤月の居場所とは距離がありますが、『声』は村田にも聞こえている?

184『エターナル・ノクターナル』:2023/05/28(日) 19:43:55
>>183(村田)

>1.村田たちの部屋は『10階』だったはずですが、
> 一度『8階』まで降りる必要があったということでしょうか?

失礼しました、こちらミスです。
GMレスの当該箇所は『11階』に読み替えで対応お願いします。

>2.赤月の居場所とは距離がありますが、『声』は村田にも聞こえている?
『聞こえていない』。
声の発生源は『20階廊下』であり、
声の大きさはごく一般的なもの。
よって、『声』は今は聞こえていない。
(電話の通話でスタンド会話は拾えない)

185村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/29(月) 16:11:45
>>184
回答に感謝します。

>>180
 「少しかかりそうか。」

『マテリア』はまだ戻ってきていないとのことだった。
不審な動きをせざるを得ない以上、恐るべきなのは鉢合わせだ。
階段でのそれもあり得るが、エレベーターよりは確率は低いだろう。
わざわざ20階まで階段で、しかも貸切のフロアに1階から登る奴はいない…と思いたい。
遅参は免れないが、それは赤月が飛び出した時点で同じこと。それらがプラスに働くことを祈る。

 「神頼みは趣味じゃねえが、公算もゼロじゃあねえ。
 あっさりくたばってくれるなよ。」

ひとり呟きながら、階段をひたすらに登る。

186『エターナル・ノクターナル』:2023/05/29(月) 17:31:42
>>181(宗像)

     ザッ

『コウモリ』と『赤月』の会話を横目に、前に出る。
『アヴィーチー』を持つ『宗像』が前衛を務めるのは、作戦における本来の形だ。虚は突かれたが成立した。

20階……上がってすぐのここは長く太い『廊下』だ。
足元には『赤月』がばら撒いた煙を出す『線香』。
前方に見える側の一つのドアが開いており、
そこから少しずつ、『コウモリ』が入り込んでいる。

■■????■■階■■????■
☆■■■?■■■段■■■■S.■■
☆■□□□□□□宗□□□□□□■
☆①□□蝙蝠□□□□□□□□□■
☆■□□蝙蝠□□□□□□□□□EV
☆■■■開.■■■■■■■■S.■■
■■○○○○■■■■■○○○○■
(※当ミッションで『AA地図』の重要性は『低い』)

右手の突き当たりにもドア。最も格調高く見える。
左手側には『エレベーター』が見える……そのような『様子』だ。

>>182(赤月)

画像は『20階のフロアマップ』だった。
簡略な図だが、フロアに入る前にそれを確認したのは、
恐らく多少なりとも『意味』があるはずだ。

■■○○○○■■階■■◇◇◇◇■
☆■■■S.■■■段■■■■S.■■
☆■□□□□□□□□□□□□□■
☆①□□□□□□□□□□□□□■
☆■□□□□□□□□□□□□□EV
☆■■■S.■■■■■■■■S.■■
■■○○○○■■■■■○○○○■
    
          バサバサバサバサバサバサ

《それを素直に…………いや。
 素直に言ってやった方がいいか?
 僕も『マテリア』に用がある。
 そして僕が『先約』だ》

       バサバサバサバサバサバサ

《そちらはおおかた『組織の犬』かな。
 引き返せばいい……よく分からない馬の骨二匹、
 『マテリア』だけの相手をするつもりだろ?》

    《逃げ帰っても罰されないんじゃあないのか》
         
相手は話すばかりで何かする様子がない。
『赤月』は無事に『トレンチコート』を纏えたし、
硬貨についても準備することができた。

                ザッ

……線香の煙が立ち込め始める中、『宗像』がゆっくりと前に出る。

>>185(村田)

只管階段を登り続け――『13階』に上がる時。

         「…………」

            ボソボソ

        「……」

『階段』の……恐らくもう少し上の方から、
何者かの『話し声』が僅かに聞こえてくる。
『不思議な話』ではない。話す人間くらいいるだろう。

              ・・・だが。

なにか、『胸騒ぎ』を『村田』は感じる。

          「…………」
                    …パチャ

『水音』がその話し声に僅かに混ざる。
雨はまだ降っていない。窓も開いてはいない。……『なんだ』?

187宗像征爾『アヴィーチー』:2023/05/29(月) 19:16:02
>>186

ヴィジョンが一つではないスタンドは、以前に戦った事がある。
だが、『ビヨンド・ザ・シー』は地を這っていた。
飛べるというのは、それだけで厄介だ。

「お前は『マテリア』を助けに来たのか?」

両者のやり取りに割って入り、『蝙蝠』に語り掛ける。

「『マテリアを殺せ』とは言われているが、
 『マテリア以外は殺すな』とは言われていない」

前方の開いたドアの奥を確かめなければならない。
赤月の『線香』に注意を払いながら、
『蝙蝠』が出て来る方向に向かい、緩やかに距離を詰めていく。
接近する事によって敵の出方を窺う。

「邪魔をすれば、お前から殺す」

ここで行動不能に陥ったとしても、
赤月や村田が目的を果たせれば、
俺の『仕事』に支障はない。

188村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/05/29(月) 19:54:55
>>186

余計な諍いを避けるのであれば、この場で階段での移動を取りやめてエレベーターを使えばいいが…
まだここは『一般階層』。誰かが階段を登ってきてもおかしくはない。『一般客』のふりをして通り抜けることはできる。
あるいは『待ち伏せ』なら、もっと話は早い。ここでおれがケリをつけてしまえばいいのだから。
『マテリア』か『刀持ち』かは知らないが、どちらもおれにとっては標的だ。

足音を落として、様子を伺いながらゆっくりと階段を登る。『スタンド』を出す準備はしておく。
階段という関係上『縦長』の構造だ。スタンドと本体、あるいは二名で挟み撃ち、ということもありうる。
上だけでなく、周囲に気を巡らせる。
いざとなれば、『棒』を使って一気に跳ぶ、ないし飛び降りることも視野に入れる。

気を張っておけば、最悪の結果があってもリアクションは可能なはずだ。
『疾さ』だけには自信がある。

189赤月『サクソン』:2023/05/29(月) 23:54:52
>>186

「『サメ』・・・・・!」

会話をする二人の間をすり抜けるように、『宗像』は扉の奥へと進んでいく
状況としては大きな問題はないはずだが、赤月は言い知れない不気味さをこの状況に感じていた

「・・・・・・・っ!」

関から差し出された『フロアマップ』を確認する
状況的に即座の奇襲はなさそうだが、油断はできない

「・・・・護りは私の主義ではない、か」

意を決して、扉の奥に足を踏み入れる
そして、そのまま近くに落ちている線香をいくつか手に取り、『トレンチコート』のポケットに納めたい

「・・・・・彼の言う通りだ」

「君の目的が『マテリア』の打倒か、それとも護衛か、どちらも構わない
 ただ邪魔をするのであれば・・・・・」

「我々は殺害をも厭わない!」

その言葉とともにポケットに納めた線香をコウモリの群れに向かって投げつける!

190『エターナル・ノクターナル』:2023/06/01(木) 00:05:08
>>187(宗像)

≪これは、これは。
  言い慣れているじゃないか。
  回数という意味じゃあない≫

      ≪言葉に滲む『納得』というものの話だ。
       ただの狂犬というわけでもなさそうだな?≫

冷淡なる殺害宣言に、蝙蝠は震えるも感嘆するもなく、
淡々と返答する。『殺して当然の世界』の住人。

≪だが、誤っている。『マテリア』は本物だ。
 『助け』が必要な状況があの男にあるとは……思えないな≫

≪あの男に用がある。それだけのはずが、厭な運命もあるものだ≫

やや『含み』のある口調が混ざったあたり、
この『蝙蝠』も『マテリア』と『一枚岩』ではないのか――――

≪いずれにせよ、同じ言葉を返してやろうか。
  死に顔はきれいな物にしてやろう……『猟犬』君≫

>>188(村田)

            パチャ ・・・

階段を上っていくと、水音の正体には辿り着いた。
単純に――――『水がぶちまけられている』。
踊り場にバケツが倒れたまま放置され、階段はあちこちが水浸しだ。

     パチャ ・・・

手すりにも付着した水が、階段に垂れる音――――それが正体だ。

                   『そして』。

  ウゾゾゾゾゾゾゾゾゾォ ―――――― ・・・


『水溜り』の中に。『卵』がある。

白く小さな粒。これは――――自然の産物ではない。『スタンド』だ。
話し声の主はもう少し上にいるのだろう。聞こえる声は少しずつ明瞭になる。

         「……ぃ、……んで…………」

                        パチャ…

女性の声だ。『聞き覚え』は無い。『赤月』や『関』ではない。

                       ――――――『何』だ?

>>189(赤月)

≪意に沿わないなら……厭わないのは、当然だろう。
 『血族の命』は大事だが、『外敵の命』に重みなど無い。
  さて、さて。『子犬』君……逃げるのは赦すが≫

ポケットに散らばらせた線香を納め、
そして、それを投擲するという――――『不自然な動き』。
無数の蝙蝠の視線は、必然、既に動き出した『赤月』に向く。
それは即ち警戒を買うという事。
           
            ≪『カーディナル・シン』≫


    バササササササササササササ !!

総勢――――『20匹』はいるだろう。コウモリの群れは散開し線香を回避する。
小さく、空を舞う群れ。それも知性の無い動物の動きではない、警戒した人間の知覚。
その速度は並程度だ。…………もちろん、全力で飛行しているとは限らない。

                  シュルルルルルルッ

      ≪慈悲は乞うな≫

                       そして。

―――――散開していた蝙蝠の群れが天井付近に集まり、『一つにまとまり始める』!

191宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/01(木) 12:40:34
>>190

派手な動きをしていると思ったが、俺達が来ている事を知らず、
『マテリア』に自分の存在を知らせる為だとすれば筋は通る。

「誰かを殺したければ自分の手を汚せ」

『マテリア』の敵でも味方でもなく、
それでいて用があるという事は、『顧客』の可能性が考えられる。
『20階』には『マテリア』しかいない筈だ。
『蝙蝠』の本体はホテルの外か、あるいは別の階か。

「俺の邪魔をするなら――」

『アヴィーチー』に両腕を構えさせ、軽く身を沈める。

「お前で『三人目』だ」

赤月が動いたタイミングに合わせ、開いたドアに向かって走り出す。
それぞれが別々の動きをすれば、その分だけ攻撃の狙いは分散する。
今は何よりも『本来の標的』に逃げられるのが最悪の場合だ。

192村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/01(木) 16:06:45
>>190

女の声だ。『マテリア』も『刀持ち』も男のはず。
では誰が?なんのために?どうやら仕事が増えたようだ。

目の前の水たまりと卵は明確に罠だ。おいそれと踏み入れるわけにはいかない。
ならば簡単な話、踏まなければいい。

 ガチ !

手すりの隙間に『シーツ棒』を差し込んである程度固定。
そして『踊り場の壁』上方に向かって自分を押し出すように限界まで『伸長』!

 ズ ギュ ン!
          タンッ!

そのままでは壁に激突するだろうが、操るのが『ディズィー・スティック』である限り、そうはならない。
ぶつかる寸前に『ディズィー・スティック』で壁を蹴り、『棒』の曲がりを制御して『上階』へ!
詰まるところ、いつも行う『棒の跳弾』の先端におれ自身がくっついていくだけのことだ。
これならば踊り場に踏み入れず、かつ素早く距離を詰められる。

『伸長』の続く限り…およそ10m程度だろうか。
上をめざして、階段の壁を一気に蹴り上がる!スB

193赤月『サクソン』:2023/06/01(木) 17:54:39
>>190

(『コウモリ』は『マテリア』を助けに来たわけではない・・・・
 だが・・・・『コウモリ』の口調からは『マテリア』に対する敵意も感じられない)

(何らかの利害を共有する関係か・・・・?
 たとえば・・・・ そう・・・・・ 『取引相手』のような)

『コウモリ』のスタンド使いの言葉から、彼らの関係性を推測する
今の時点では明らかとなるような証拠は一切ないが・・・・

(『取引』が成立する相手であれば、こちら側につかせる事も出来るか・・・・?
 あるいは、それが無理だとしてもこの場から退かせる事も・・・・)

「どちらにせよ、『力』を示す必要があるか
 私たちの存在が、『コウモリ』の男にとって『脅威』である事を示すために」

「――――『サクソン』。」

先ほど投擲した『線香』、あれにはポケットに突っ込んだ隙に『暗器化』が施されている(>>189メール欄)
『暗器化』の内容は『袖箭』。それの『射出機構』の再現だ

(『線香』の道具としての用途は『香り』――――つまり。)

『線香』の匂いを何者かが『嗅いだ』瞬間に能力を発動させる
コウモリの嗅覚は人間よりも鋭い! 
ただ放り込まれただけでも、線香の香りは確実に彼らの鼻腔をくすぐる事だろう

その瞬間に『暗器化』を発動し、線香をコウモリの方向に向けて射出する

(精度も、威力も下の下に過ぎないが、攪乱にはなるだろう)

その間に自分は持ってきたボールペンを2本、『トレンチコート』のポケットに入れて
じりじりと『コウモリの塊』に近づいていく

194『エターナル・ノクターナル』:2023/06/02(金) 20:26:45
>>191(宗像)

≪自分の手だけでは足りないから――――
 誰かの手を借りるというのは、ごく自然な事だろう。
 貴様の雇い主と同じことだ、『猟犬』くん≫

           ダダッ!!

『蝙蝠』の『出所』である扉へと駆ける『宗像』!
その狙いが正しいかどうかは結果を待たねばならないが、
少なくとも、『赤月』との同時行動という判断は正しかった。
少なくとも先ほど見えていた蝙蝠群は天井付近にいるいま、
妨害などは受ける事なく、扉の前までたどりつけたからだ。

≪『数』で言い返すのは、品の欠如を疑われそうだが≫

     ――――――― ・・・

              ≪ぼくは『九人目』だ。
                指導してやろうか?≫

扉の奥は電気が消されており、『薄暗い』。
ここに入る事が戦局を傾けるかは『分からない』が、どうする?

『赤月』と相対する『敵』との距離は寧ろ宗像の方が『近い』――――『2m』程度だ。
蝙蝠の群れだったその姿は、赤月の攻撃を受けた一匹を除き、『二足歩行の怪物』と化している。

>>193(赤月)

ポケットに『武器』を忍ばせながら、思索を巡らせる『赤月』―――――――
現にこの『蝙蝠』の人物は、最初に『退く』ように勧告をしていた。
それはつまり、殺人に躊躇は無いが『殺人をとにかくしたいわけではない』という事だ。
双方目的が『マテリア』にあるのであれば、必ずしも『蝙蝠退治』は必須ではない。

――――ただし、『赤月』の考え通り。『交渉』は力を示してこそ、だ。

≪―――――!? 成る程、『猟犬』君だけを送り込まない理由は分かった≫

                    ≪面白そうな能力……だ!≫

              バシッ!!

『線香』は所詮『軽い』うえ、温度も触れた瞬間に生物に燃え移る物ではない。
が、直撃を受けた蝙蝠の一匹が『塊』からはじき出された。

             シュルルルル ―――――――― バヂ
                            ン!

肉が弾けるような音と共に、『蝙蝠』の塊は『黒い人型』に変化する。
鋭い爪と牙、背中に生えそろう『棘』――――――――『怪物』だ。

                  ダンッ!!

≪さて、さて。『戦闘』は然程得意でもない。加減は期待しないでくれるか?≫

着地した『怪物』から、先ほどよりは明瞭な声が聞こえる。
弾き出された蝙蝠は、その頭上にふらふらと浮かんでいる――――双方の距離『5m』程度。
『宗像』は扉に近寄ったようだが、結果的には移動に専念した彼の方が敵との距離は近い。

>>192(村田)

                ガチ  !

      ズ ギュ ン!
              タンッ!


――――――『朝飯前』だ。

曲芸じみた動きによって無事に吹き抜けの空間を通り抜け、
『14階』へと、余計な消耗を受けずに辿り着けた。
流石に何度も何度もやってると『棒術』の腕前はともかく、
『村田』自身の体力の方が持たないだろうが、今は問題ない。
ここにもまだ『声の出所』であろう『女』は見当たらない。
声の遠さを考えるとそこまで離れていたかは分からないが、
ワンフロア分の距離では無かった―――――という事だ。


                  オ オ オ オ ・・・

空調の音だけが響く静けさの中、
『村田』はまたしても床が『水浸し』である事を目撃する。そして。

            ピキピキピキ ・・・

                    ≪シィィィィィ……≫

その『水』の中に―――――『卵』が、『孵っている』。

『村田』であればそれが『何を模した物』かは分かる。……『ヤゴ』だ。

                         「ぎっ ・・・!?」

『上階』から声が聞こえる。
『女の声』とは別だ。『悲鳴』に近い――――『駆け上がる』方法は流用できる。

195宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/03(土) 09:49:50
>>194

誰かは知らないが、こいつも『一人では手に余る相手』を殺したがっている。
その意味で奴の言葉は正しい。
巡り合わせが違えば、俺は『アリーナ』ではなく、
『あちら側』に雇われていた可能性もあるだろう。
だが、意味のない仮定だ。
今は目の前の敵を退ける事だけを考え、それを実行に移す。

「やって見せてもらおう」

どちらが近かろうと同じだ。
俺に注意が向けば赤月は自由に動ける。
赤月に注意が向いた場合というのは、
敵が俺を無視した場合の保険に過ぎない。
その為の前衛であり、そうでなければならなかった。
予想される危険を承知の上で走り続け、室内に飛び込む。

「『349京2413兆4400億年後』の参考になる」

『蝙蝠』が纏まったのは悪くない。
『ヴィジョン』の射程距離1mと『鋸』の長さ1mを合わせた2mが、
『アヴィーチー』の間合いだ。
その距離に入った時点で、
事前に構えた右腕から『鋸』を最大まで伸ばし、前方の『人型』を狙う。
予備動作の不要な一手で、相手の動きを観察する。
余裕があれば、上着の内ポケットから『L型ライト』を取り出したい。

196赤月『サクソン』:2023/06/03(土) 14:16:51
>>194
>              ≪ぼくは『九人目』だ。
>                指導してやろうか?≫

    「・・・・・・・!!」

目の前で交わされる会話
『3人』と『9人』・・・・この場にいる人間は、どうやら皆『殺人経験者』のようだ

(この私を除いて・・・・!)

実際のところ、社会においてはそんな数字を言い合う事にこれっぽっちも価値はないし、
『コウモリ』の男が言うように品のない行為とも言えるだろう
しかし・・・・赤月の内心にほんの一欠けらの『気後れ』が生じたのもまた事実だ

(だからと言って、引き下がるわけはない)

「試してみるか・・・・?
 この『戦場』で君がどれだけ上手く立ち回る事が出来るのか」

ポケットの中の『硬貨』(>>182)を右手で握りしめ、『羅漢銭』化を施す
それと同時に『コウモリ男』の様子を確認しながら、じりじりと近づく

「既に・・・・! 『戦場』は私が掌握している・・・・!」

――――ブラフだ!
『コウモリ男』がどんな能力であるかはわからないが、その意識は一つ
混沌とした戦場では対処が必要な要素一つにつき、集中力はその分削がれていく
つまり・・・・・

(私は先ほど・・・・『線香』を使って攻撃を仕掛けた
 ならば・・・・! 『サクソン』の能力を知らないお前は、地面に散らばる線香についても警戒が必要となるはず!)

『宗像のスタンド』、『地面に散らばる線香』、『赤月』
『コウモリ男』にとって警戒が必要な要素が三方向に分離している!

(『コウモリ』が集まって『人型』となったのであれば
 再び『コウモリ』の形に分散する事も出来るはずだ)

(その手を取ろうとするのならば、一匹一匹潰してみせる!)

状況をしっかりと見据え、『コウモリ』が分散するようなら右手の『硬貨』を投げつけて各個撃破を狙う
『硬貨』の使用用途は『支払い』だ。相手に対して投げるのであればその動作(=『支払い』)をトリガーとして
『羅漢銭』への変化を発動できる

197村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/03(土) 18:19:02
>>194

『良し』。うまくいったが、言うのとやるのではいささか異なる。
あまりに多様するのは消耗を招くだろう。

『ヤゴ』。そしてその成体の『トンボ』も『捕食生物』だ。
『変態』するのかどうかはともかく、水に踏み入れることはせずに正解だったというところか。
とはいえ、今後はわからない。

悲鳴とこの現状から、上階のコウモリとは別の事象に違いあるまい。
手短に『関』へ以下のメッセージを送ってから、同じように上へ跳ぶ。

『14階が水浸し ヤゴのスタンド 交戦する』

198『エターナル・ノクターナル』:2023/06/04(日) 19:19:51
>>195(宗像・質問)
念のため確認します。

>予想される危険を承知の上で走り続け、室内に飛び込む。

>その距離に入った時点で、
>事前に構えた右腕から『鋸』を最大まで伸ばし、前方の『人型』を狙う。

この二つの動きは並行して狙うと思われますが、
『人型』は現在廊下におり、
蝙蝠の出元である室内に飛び込めば距離は離れます。

『優先される動き』は室内への飛び込みの方でよろしいでしょうか?

199『エターナル・ノクターナル』:2023/06/04(日) 19:27:11
>>198(追記)
それとも、

『室内に飛び込む動きをしながら、本命は攻撃で、
 途中で2m圏内に入ったタイミングで鋸を伸ばす』

が正しいでしょうか? ご回答よろしくお願いいたします。

200宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/05(月) 01:56:50
>>198-199

人型が室内にいるものと誤解していた。
可能であれば『室内に飛び込む』という部分を取り下げさせていただけないだろうか。
上記の攻撃を優先して行い、余裕があればライトを取り出すという方向で処理を頼みたい。

201『エターナル・ノクターナル』:2023/06/05(月) 12:18:12
>>195(宗像)

≪おや、おや、案外口が回るじゃあないか。
 良い事だ。芸が『1つ』だけの犬はすぐに捨てられる≫

       ジャ
                    ≪……!≫

                 キン!

『不意を打つ』形での『鋸の伸長』――――
敵は身を右に逸らすような形で回避した(スB)が、胸元を僅かに掠める。
この速度なら完全回避も出来たように思えるが、虚を突いたお陰か?

                         ポタッ ・・・

『人型』から漏れ出す『鮮血』。

≪…………失礼した。芸は中々多そうだ≫          

が、ライトを取り出すような余裕は無い。
敵はすぐさま姿勢を整え。

                           ダンッ!!!!

≪もう一つほど……見せてもらおうか!≫

逸らした身をもとに戻す勢いも載せ、
踏み込みから『前蹴り』を放ってくる!(スB)
足先には鋭い爪。何もしなければ、恐らく宗像の『胴体』を抉る軌道だ。

                『一瞬』は対応の余地はある。
                     ―――――だが、『どう対応する』?

>>196(赤月)

                ヴヴ…

通話中のままのスマホが僅かに震えた。『見る暇』は、無いかもしれない。
局面を考えれば、関や平山が聴こえる程の大声で状況を伝える可能性は低い。

≪『殺し』は知らないが『戦い』には自信がある――――
 スタンドを手に入れてのぼせ上っているというだけなのか≫

接近を続ける――――彼我の距離『4m』ほど。宗像とは『2m』ほどだ。
いずれにせよ、一手で手が届くような距離ではないが、『赤月』には道具がある。

≪それとも。あの忌々しい『闘技場』が飼い主ということなのか≫

           ≪ご教授願おうか……『立ち回り』を≫

圧を掛けるようにじわじわと動く『赤月』。
どの程度の効果があるかは未知数だが、
敵から見ても未知数である『赤月』に対し、
無警戒でいるという事は不可能に近いだろう。
とはいえ……まだ、『余裕』はありそうだ。

        『赤月を完全に警戒する』必要が無い理由があるのか?

その間、『宗像』が仕掛ける――――蝙蝠の分散は無い。単純に『スペックが高い』。

              『蝙蝠に分身するスペックの高い人型』。
                 それだけかどうかは――――『未知数』だ。

                                 ・・・ダダッ

202『エターナル・ノクターナル』:2023/06/05(月) 12:18:26
>>197(村田)

強力無比にして変幻自在の『ディズィー・スティック』に弱点があるとすれば、
それは他のおおよそのスタンド使い達と同じく、『本体は人間である事』だ。
もっとも、その点でも『村田』の精神性と発想は十分に『強み』ではあるが。

『分かりました。それも伝えます。お気を付けて』

関からの返答は手短だが、その方が都合は良いはずだ。

                ガチ  !

      ズ ギュ ン!
              タンッ!

そして同じ方法で踊り場を抜け、『15階』へ―――――――――――――


              「ぐ、うぅぅぅ」

                         ≪キシキシキシキシ…≫

                  ≪シィィィィッ!≫

『15階』には『倒れた中年女性』がいる。悲鳴の主は彼女のようだ。
清掃員の制服を着ており、近くに清掃道具を積んだワゴンがある。

水溜りの中に蹲る彼女の両足に『ヤゴ』が食い付き、血があふれ出している。
――――――ある意味で、『予想が当たってしまった』。

     「ひ、ひっ、人を呼んできてェッ! あ脚が、脚が血っ」

女性は明らかにパニックであるが、
果たしてどうすべきか――――?

                タンタンタン

上階からは、足音が。上に向けて登っていくような足音が聞こえる。『どうすべきか』?

                          ビ゙シャぁあああ ――― ・・・

やはり『水』で、15階の着地地点はこれまで以上に水浸しだ。
階全体を濡らすような量ではないあたり、無尽蔵に水を出す能力があるとかではなさそうだ。

■■■■■■■■■■■
■××××□□14Fへ
■×女××□□下り階段
扉×□□□□─────
■□□□∵□□16Fへ
■□□∵∵□□登り階段
■■■■■■■■■■■
女:清掃員であろう中年女性。脚をヤゴに食いつかれている。
×:水溜り。血が混ざっており、また、ヤゴがいる。
∵:水溜り。血は混ざっていないが、ヤゴがいる。

203宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/05(月) 14:39:25
>>201

『スタンドが血を流す』というのは奇妙な光景だ。
少なくとも俺の知る範囲では見た事がない。
何らかの能力の片鱗と捉えるべきか。

「『スタンドの血』を取られた経験はあるが、それとは違うようだな」

以前、『フラジール』と名乗る女から『採血』を求められた。
重度の貧血を患う本体に代わって『スタンドの血』を集めていると説明され、
『アヴィーチー』の『血』を渡した事を思い出す。
『汚れた血』が誰かを生かす足しになったのかどうか無意識に考えながら、
飛んで来る蹴りを見据える。

「こいつは『アヴィーチー』と名付けられた」

『アヴィーチー』が両手に握っているナイフとフォークを手放す。
タイミングを合わせる事に意識の全てを傾け、『蹴りを食らう用意』をする。
あちらの方が速く動けるなら、今から何をしたとしても間に合わない。
爪が突き刺さった瞬間を利用する。
蹴りを受けた上で、その足を『アヴィーチー』の両腕で掴む事を狙う。

「――――『無間地獄』だ」

しくじったとしても、一撃で殺されなければ『弾丸』は込められる。

204宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/05(月) 18:28:04
>>201

『スタンドが血を流す』というのは奇妙な光景だ。
少なくとも俺の知る範囲では見た事がない。
何らかの能力の片鱗と捉えるべきか。
考えられる可能性は『誰かの血』を抜き取った。
それが『人型』の内側から漏れている。

「『スタンドの血』を採られた経験はある」

以前、『フラジール』と名乗る女から『採血』を求められた。
重度の貧血を患う本体に代わって『スタンドの血』を集めていると説明され、
『アヴィーチー』の『血』を渡した事を思い出す。
『汚れた血』が人を生かす足しになったのかどうか無意識に考えながら、
飛んで来る蹴りを見据える。

「こいつは『アヴィーチー』と名付けられた」

『アヴィーチー』が両手に握っているナイフとフォークを手放す。
タイミングを合わせる事に意識の全てを傾け、『蹴りを食らう用意』をする。
あちらの方が速く動けるなら、今から何をしたとしても間に合わない。
爪が突き刺さった瞬間を利用する。
蹴りを受けた上で、その足を『アヴィーチー』の両腕で掴む事を狙う。

「――――『無間地獄』だ」

速度で上回っているとはいえ、単純な攻撃だけで終わるとは考えにくい。
おそらくは『先』があるだろう。
しくじったとしても、一撃で殺されなければ『弾丸』は込められる。

205赤月『サクソン』:2023/06/05(月) 19:22:08
>>201

「私に飼い主なんていない・・・・!」

ポケットに納めたスマホの通知を感じるが、この状況で画面を見る余裕はない
『コウモリ男』の言動に、思わず語気が荒くなる

(――――失策だ
 この状況・・・・静かに圧をかけるよりも、多重攻撃を仕掛けて
 敵の処理能力を割かせる方が良かったか)

(『能力』の底はまだわからない・・・・
 引き出してやるぞ・・・・君の能力の底を・・・・!!)

目の前で、『コウモリ男』が宗像に蹴りを放つのが見える
人間以上の速度の攻撃だ・・・・素の状態で宗像が対処するのは難しいだろう

「――――『サクソン』ッ!!」

だが、こちらには既に武器が用意されている
右手に構えていた『硬貨』を『コウモリ男』の顔面に目掛けて投擲!
それにより『暗器化』を発動させ、『羅漢銭』となった硬貨で
『コウモリ男』の視界を奪う様に攻撃を仕掛ける! パス精CCA

206村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/05(月) 23:15:31
>>201
以下について質問させてください。
1.ヤゴのサイズ
2.ヤゴは実体か否か
3.女の足のどの辺りに食いついているか

207『エターナル・ノクターナル』:2023/06/05(月) 23:28:25
>>206(村田・回答)
>1.ヤゴのサイズ
親指ほど。一般的なヤゴに近い。

>2.ヤゴは実体か否か
非実体。

>3.女の足のどの辺りに食いついているか
右足はくるぶしのあたり。左足は腱のあたりと、
もう一匹が脛の辺りに食いついている。

208村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/06(火) 11:27:45
>>202

 ド カァ ッ!

女のそばにある『掃除用具』の入ったワゴンを血の混ざる『水たまり』に向けてぶちまける。
掃除用具の中には、必ず『洗剤』があるはず。それを『水たまり』にぶちまけるのが狙いだ。
蓋が閉まっているようなら叩き潰して中身をぶちまける。

『スタンド』の形には少なからず意味がある。ヤゴを形どり水に住まうのならば、それに意味がある。
そこが『水場』ではなく『薬剤の溶液』に変われば、『維持』出来なくなるのではないかと考えた。
洗剤に含まれる『界面活性剤』は、鰓呼吸の生き物にとっては劇薬に等しい。
鰓に吸着し酸素の吸収を妨げ、ごく微量であっても『窒息死』させるが、こいつらに有効だろうか?

「しばらく辛抱しな。」

効能を確認し次第、効こうが効かなかろうが同様の手段で上に向かう。
相手が徒歩である限り、おれの方が速いはずだ。『追いつける』。

209『エターナル・ノクターナル』:2023/06/06(火) 21:58:54
>>204(宗像)

≪面白い。ぼくが異教の地獄に誘われるか――――≫

              ド ボ 

蹴りは――――宗像の『腹部』に深く刺さり、
その身体を容易く後方に『吹き飛ばす』。
爪は『抉る』軌道で、『刺し貫く』軌道ではない。
刺さった瞬間を狙う目論見は外れた。

ただ、『受け止める構え』を見せた事で結果的に蹴り脚は躊躇を帯び、
人外速度の怪力が殺す気で放つ、爪を伴う蹴りを完全に直撃される事は防げた。
加えて――――『赤月』の援護射撃があったことが、トドメへの繋ぎを防いだか。
 
                  グ
                     ラッ

         吹き飛ばされた距離は『1m』ほど。
         痛みよりも『息が詰まる』ような、
         あるいは『悪心』の方が激しい。
         臓器破裂までは行っていない筈だが、
         肋骨辺りに重大なダメージが予感できる。

      カーディナル・シン
≪貴様が『真紅の罪業』に溺れ死ぬのが早いか、というわけだ≫

――――『宗像』が受けたダメージを『この程度』のレベルで済ませた。

まだ、立てるし動けもする。ただ痛みは無視は出来ない。逆に言えば。『装填完了』だ。

>>204(赤月)

『宗像』は――――恐らく彼なりに考えあってだろうが、
『コウモリ男』の蹴りを防ごうとも、僅かでも逸らそうともしない。
あえて『まともに受けた』。

      ――――だが、それがかえって敵の躊躇を誘ったか?

直撃を受けたが、、『宗像』は『重傷』ではない。『戦えるレベル』のダメージだ。
これが一対一なら、そこにもう一撃を重ねられ死んでいても不思議はない、が。

≪成る程、成る程。確かに……自分でモノを考えて動けるようだ≫

                   ≪ハッ!≫

               バシ
                    バシィッ!

蹴りの直後に飛来した『羅漢銭』――――
流石に『意識が削がれていた』のか、『速度で勝るにもかかわらずガードはギリギリ』だ。
手で弾かれた(推定パスBB相当)羅漢銭だが、敵の不気味な双眸の横、こめかみ辺りを浅く斬る。

                  ツツゥ ――――― ・・・

そこからも、『鮮血』が漏れ出す。

≪ッ……ただのコインじゃあない。持ちこんで来た武器か、それとも……≫


コウモリ男は『宗像』への追撃をしない。
『赤月』が十分に警戒を買えているお陰だ。『赤月の動きを見ている』
頭上にふらふらと浮かぶコウモリが、その身に戻ろうとしている。

                              ダダダン!

≪……推理のし甲斐を提供してくれているようだな≫


―――――? なんだ? 『後方』……『19階への階段』方面で、僅かに足音が聞こえた。

210『エターナル・ノクターナル』:2023/06/06(火) 21:59:04
>>208(村田)

           ド   カァ  ッ!

     バシャアン!!!

恐らく掃除をする直前だったのだろう。『洗剤』は蓋が開いており、
水溜まりへと、掃除用具類などと一緒にぶちまけられた。

         ≪ギギギッ!?≫

                 ≪キシィィィ!!≫

『ヤゴ』達は嫌がっているように見える。
『血が混じった水』程度なら良いが、『洗剤』はお気に召さないらしい。
じきに、そのヴィジョンがボロボロに崩壊して消えた。
似たような何かを用意出来るなら、この後もこの対処法は使えそうだ。
もっとも、洗剤の入手難易度は『本来』水よりは格段に高い物ではある。

   「ひ、ひっ、ひぃぃぃぃ〜〜〜〜 ・・・・」

女はパニックが収まらない様子だが、これ以上に攻撃を受ける事はないだろう。
より下階にもヤゴがいたのは気がかりではあるが、
『村田』は同じ方法を再度使い、『16階』を目指す。

                      ガチ  !

      ズ ギュ ン!
              タンッ!

まだまだ体力には余裕があるが、着地時に若干脚に衝撃を感じた。痛みなどは無いが。

                  ・・・  ・・・  ・・・

このフロアには水がぶちまけられていない。
水滴は幾らか落ちている。
恐らくだが、『そうする余裕』が既に敵には無いのだろう。

                     ・・・  ・・・  ・・・

先ほどは『16階』から『上に登る』足音が聞こえたという事は、恐らく敵は既に『17階』だ。
妙なのは、『足の速さ』――――敵もまた、『速度を補う術』を持っているのだろうか。

           ダン ダン ダン

上で何か騒がしい音が聴こえる。『まだ17階にいる』可能性は――――かなり高い。そこが戦場にな

211赤月『サクソン』:2023/06/06(火) 22:55:35
>>209

「さあ・・・・なんだろうね?」
             スペック
やはり、純粋な敵の『性能』はこちらを純粋に上回るようだ
パワー、スピードともに申し分ない。接近しての近接格闘では圧倒的にこちらが不利であろう

(余計な情報を相手に与える必要はない
『回復阻害能力』は解除しておこう・・・・)

『羅漢銭』によって生じたダメージは、他者(宗像)が見ている限りその回復を阻害する
だが、今回の攻防で相手に与えたダメージは乏しい。敵にヒントを与える前に能力は解除しておく
                 カーディナル・シン
「『カーディナル・シン』・・・・ 『 大 罪 』か・・・・
 随分と大きく出た名前だな。『神』にでもなったつもりか?」

「悪いが、私は『罪』を清算して楽になるつもりはない」

距離を詰める事はしない
『赤月』という不確定要素の存在自体が、敵の意識にとっての負荷要素となっているからだ
その代わりに『コウモリ男』を中心にぐるりと位置を動き、宗像に対して直角となるような位置へ向かう。

(『サメの男』の能力は『復讐』・・・・
 あの日、湖畔近くで見た事がある)

(ならば・・・・『コウモリの男』から受けたダメージは・・・・彼にとって格好の起爆剤になる!
 合わせるぞ・・・・『サメ』・・・・)

宗像が『コウモリ男』に攻撃を仕掛けるのなら、
それに合わせるようにしてポケットの中のボールペンを『暗器化』
すぐさまノックして『起動』する

仕掛ける『暗器』の種類は再び『袖箭』
ボールペンを射出機構付きの矢に変形し、『コウモリ男』の顔面に向けて射出する

212宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/07(水) 14:05:26
>>209

通常、スタンドの力と距離は反比例する。
例外は『自動操縦型』だ。
これだけの膂力と速度を持ち、状況に応じた対応が可能でありながら、
本体の姿が見えない事は不可解だった。
『カーディナル・シン』が流した『鮮血』から、
『血の匂い』がしていたかを思い出す。
仮に『精神力以外の要素』で動いているとすれば、
それが射程の長さに繋がるのかもしれない。

   「『一撃』で――――殺すべきだったな」

倒れた状態のまま、深く息を吐き出す。
赤月に救われて命拾いしたようだ。
一瞬、赤月の顔に青山の顔が重なり、すぐに消えた。

   「『引き金』を引くのは俺だが――――」

両手を使って上体を起こし、正面に立つ敵の姿を睨む。

   「――――『弾丸』を込めたのはお前だ」

『アヴィーチー』の能力を発動し、『右腕』を『解放』する。

 「『俺が死なない事』は『仕事の内』には入っていない」

実際に突っ込んで行くまでには時間差があるが、
高速で回転する『チェーンソー』を見れば警戒せざるを得ないだろう。
その間に立ち上がり、体勢を立て直す。
『ノコギリザメ』が牙を剥く前に俺を仕留めに来るなら、
どちらにせよ赤月は自由に動ける。

213村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/07(水) 19:36:45
>>210

有効かどうかは洗剤の量にもよるだろうが、15階の水量、派手にぶちまけた掃除用具とワゴンの質量を考えれば
下階に洗剤混じりの水が階段つたいに流れていってもおかしくない。戻って処理し直す時間と余裕は、今のおれにはない。
洗剤がたっぷりと残っていて、かつ清掃員のパニックが水面を荒立て、下階への到達を早めることを祈ろう。

移動の速さは解せないが、水がないのならもはや跳ぶ必要はない。
懐の『爆弾棒』をいつでも取り出せるよう注意を払いながら、会敵を目指して前進する。

214『エターナル・ノクターナル』:2023/06/09(金) 08:47:42
>>211(赤月)

羅漢銭の能力は発動しなかった。それが今後どういう結果を生むかは不明だが、
ひとまず、『ダメージの継続』と引き換えに『読めない』という『負荷』を重ねられる。

《神? ハハハッ!! 違うな。神はぼくじゃあない。
 神は――――『死んだ』》

             《それがぼくの『大罪』でもある。
              楽になる気がないのは……同じだな》

           ダダダダダッ

             ――『音』だ。

先ほどの足音、それがもっと近い。
今の『赤月』なら、まだ、ギリギリ、それを見る程度の余裕がある。

《さて、さて、さて。『局面』だぞ。
 手強い相手に……来るかも分からない『不意』を待って『温存』するよりは、
 数の優位を潰して『確実に勝つ』方が良さそうだと思ったが……!》

          『二匹目のコウモリ男』――!

今対峙しているこれよりは一回り小さい。
だが、『もう一体のヴィジョン』。同様の存在が下階から駆け上がってくるッ!!
その速度は――やはり、『速い』(スB)

   ┣¨┣¨┣¨┣¨

『赤月』の脳裏に去来するは、開けたまま立ち去った『19階の窓』――――


      《『ファイター』君……この戦い方はどう評価する?》

             ┣¨┣¨┣¨┣¨


アレがこの『コウモリ男』と同じスペックを持つとは流石に思えないが、
『カーディナル・シン』は単に『コウモリになれる高スペックの人型』ではなさそうだ。
視界には――赤月の読み通り能力を構える『宗像』と、それを潰しにかかるつもりか、
勢いよく飛び掛かろう、という姿勢を見せる『最初のコウモリ男』の姿が見える。
つまり、『赤月』は予定していたボールペンの暗器化を済ませ。



       一瞬が、交錯する。



このまま『袖葥』を射るのが予定の筋書きだ。構えた『サクソン』なら当てられる。
相手が速く動こうが、超精度と、動きの読みが容易な状況がそれを可能にする。
最低でも『宗像を襲うコウモリ男』の意識は逸らせる可能性が極めて高く、
場合によっては…………『宗像の攻撃』の完璧な成功を導ける筈だ。

だが、『気付いた』赤月は階下からの敵の接近に対応する事も『出来る』
そいつとの距離はまだ『6〜7m』はある。今すぐ対応しなくても間に合いはする筈だが、
『最初の個体』程でないにせよ、殺傷力が低いとは到底思えない。

             ――――今度は、どうする?

215『エターナル・ノクターナル』:2023/06/09(金) 08:47:53
>>212(宗像)

《ハハッ、息も絶え絶えのくせにずいぶんと…………何だ? 『それ』》

       〈ア〉

              《は、》
   ギギギ
     ッ
              〈アッ〉
            〈アアアアッ!!〉
   ┣¨┣¨┣¨┣¨

                   《………………………『何』だッッッ!?》

『コウモリ男』に顔色というものがあるなら、
それは今、間違いなく色を変えただろう。

   〈腹ヲ蹴ラレタ〉    〈爪立テテ蹴ラレタァァァ〉

        〈骨砕ケルホド……蹴ラレタァァァッ!!〉

          ダンッ


《カウンタータイプの…………能力かッ!?
  いや! だが、動き出すまでの間に潰せばいいだけの、話だッ!!》

そして、『殺人者の世界』において、『判断』は驚く程に早い。

         ┣¨┣¨┣¨┣¨

『赤月』は武器を向けるが、彼女にも今、階下から『別個体』が迫るのが見える。
そして――『アヴィーチー』の『シャークトレード』が始まる、
そのわずかな『タイムラグ』の間に、敵は、届き、かねない。

    ┣¨┣¨┣¨┣¨

          『一瞬』が、交錯する。

          ギュ

         ン
    
     《貴様がマトモに受けた理由は分かった!
      だがッ、だが銃を潰せば弾は撃てないッ》


          ――『アヴィーチーが早い』はずだ。

速度差はあるが『動き出し』はこちらが先。
チェーンソーは接触だけでも『致命』だ。
飛びかかり、攻撃する敵よりずっと『早い』。

         ギギギ・・・!

          〈ア……ァアッ!! アヴィィィィぃいいいいいいッ〉

それが確かな筈だ。敵はそれを知らない可能性が極めて高い。
だが、『チェーンソー』を見て、怯んで動きを止めてもいない。
『カーディナル・シン』の鮮血からは確かに血の匂いがした。『人間の血』だ。
このスタンドが『単に射程が長いだけ』である可能性は極めて低い。

         『殺しながら殺される』
          その構図になったとして、この敵は確実に死ぬか――?

216『エターナル・ノクターナル』:2023/06/09(金) 08:49:57
>>213(村田)

洗剤の量はそれなりに多かったが、二階下や三階下まで届くかどうかは未知数だ。
とはいえ『ヤゴ』の被害は数秒〜十数秒で死に至るものとは思えなかったし、
仮に『その先』があるとして、『かもしれない』で防ぎに動いた結果、
上の敵を放置した場合の被害もまた未知数。状況が開始した今、全ての『選択』が過程。

足を止めずに進み続ければ、結果はいずれわかる。


       ダダダダダ

         ダダダダ

           ――――   ダンッ!


階段を駆け上った先の『17階』――から、
上に向かう『18階への踊り場』に、その『敵』はいた。


     「……はあ…………ハァ」


        「『何』……!?」


振り返った顔には目深に被ったパーカー、さらにその下の『仮面』。
この『仮面』は、『スタンドヴィジョン』だ。
『両手両脚』のみを覆う装甲同様、『虫』の質感を備える。
加えて背中には『蜻蛉の羽』のようなヴィジョンも浮かんでいる。
片手にはスマホ、もう片手には何かが詰まった手提鞄。


    ギチチ


          「追ってっ……くるなら、
            お、ぉ前……『酷い目に遭う』よ」


若い、おそらく女性の声だ。
意味する所は、『こいつがマテリア』では無い。
加えて言えば、『村田』になら分かる。『強者』ではない。

        「『あの方』の、邪魔をするなら……
         あ、あ、ぁたしの授かった、『能力』でッ」


問題があるとすればここに至ってなお、
敵の最優先事項はどうやら『村田の撃破』ではない。
その証に、言葉とは裏腹に後ずさる様子を見せている。

              ザリ…

『逃げながら戦う素早い敵』と、『追いながら戦う村田』……距離は階段を挟み『10mほど』だ。

217宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/09(金) 14:23:12
>>215

『カーディナル・シン』から流れ落ちたのは『本物の血液』だった。
次に考えた事は、半ば直感に近い。
『通常の物質』を取り込んでいるとすれば、
スタンド自体が『実体化』している可能性が有り得る。

「こいつを『蹴りで止めた男』がいた」

以前、『カーバンクル』を殺す為に『ノコギリザメ』を放ったが、
その攻撃は真正面から阻止された。
パワーが互角だった事もあるが、それだけなら足を切り落としていただろう。
『スミノフ』が無事でいられたのは、『守り』が強固だったからに他ならない。

「こいつを食らって『生き返った連中』がいた」

『地下壕』に潜伏していた『旧日本軍』。
あの連中は全身が粉々に吹き飛んでも蘇る。
だからこそ、どんな攻撃を受けようと立ち止まらず、一切の躊躇がなかった。

「お前も『同類』か?」

奴の判断は早いが、単に『戦歴が多い』というだけでは、
『チェーンソーに突っ込む理由』にしては弱い。
しかし、そもそも『リスクがない』のなら話は別だ。
『能力らしい能力』が見えなかったが、
この性能で『ダメージが繋がっていない』のなら筋は通る。

「赤月――――」

       「その『武器』は君自身の為に使え」

『ノコギリザメ』を止める手段は俺を殺すしかない。
確実に仕留める為には『頭』か『胴体』を狙う事になり、
どちらにせよ狙いは『上半身』に集中する筈だ。
『どこを攻撃してくるか』が分かっていれば、
速度差があったとしても対処は不可能ではなくなる。

      「試してみろ」

俺は『両手を使って上体を起こしている』。
その『支え』がなくなれば、当然もう一度『倒れる』。
敵が『上半身』を狙ってくるなら、この動きが『最小限の回避』になる。

    「お前は『一人』で――――――」

倒れる際に、『アヴィーチー』の両足を折り曲げ、力を込める。

           「俺は『二人』だッ!!」

『俺と赤月』ではない。
既に『分離』が完了した今、
『二体のスタンド』は『別々の動き』が可能になる。
『ノコギリザメ』が突っ込んだ直後、
『アヴィーチー』の両足で『カーディナル・シン』に蹴りを放ち、
『時間差』による『連続攻撃』を叩き込む。

218村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/09(金) 19:24:16
>>216

ガ リリラリリラララリリ ィィィィィ!

 「『酷い目』ってのはどういうのだ?」

 カツン

 「悲鳴も聞こえなくなるまでブン殴るのか?」

     コツ

 「場末のゲーセンごと人ひとり爆殺するのか?
 あるいは、プロパン流し込んで7人ばかし丸焼きにすんのか?」

        カツ

 「人ひとり、証拠も上がらねえように『抹殺』すんのか?」

            コツ!

 「どうなんだ?」

『棒』を摩擦で加熱しながら、リノリウム張りの階段を歩く。
問いかけながら、靴底を鳴らして上へ上へと段を登る。
目の前女のことなど意に介さないかのように。

 「『通る』ぜ。」

『どけ』などと行儀のいいことを言う気はない。

219赤月『サクソン』:2023/06/09(金) 21:17:56
>>214

「ふんっ! まるで『神』に会った事があるかのような口ぶりだな」

相手の軽口に答えながら、『回復阻害能力』が発動しなかった事を訝しむ
第三者である『宗像』が存在しているこの状況、通常であれば『回復阻害能力』が発動してもおかしくはない
それが発動しなかったという事は・・・・

(『サメの男』がよそ見をしていた・・・・または、『奴』自身に何か秘密がある、か
 おそらくは『後者』だろう・・・・! 『コウモリ』の能力には、まだ見えない底がある!)

           ダダダダダッ

  「なに・・・・?」

ふと、足音の方角を見る
その瞬間、赤月の背中にゾクッと冷たいものが走った!
増援・・・・!『二匹目のコウモリ男』が現れたからだ――――!!

(1対2の状況でさえこれだけ手こずっている相手が・・・・『2体』だと!?
 どうする・・・・!? 『サメの男』のサポートに徹するか・・・・『こちら側』で応戦するか・・・・!?)

(『小さい方』は『大きい方』よりも幾分か弱そうだ・・・・!
 私が倒れても・・・・『サメの男』が居れば、この程度の相手に後れを取る事はないだろう
 ここは、『大きい方』を倒す事を優先して・・・・)

頭の中で優先順位を決定
己が犠牲になってでも、作戦目標を達成する
その『覚悟』を決め・・・・ 行動を・・・・

     (―――何か)

          いや・・・・
                     (――――妙だな)

脳裏で警鐘が鳴らされる
何か・・・・根本的に『見逃し』をしているような・・・・奇妙な感覚

   (血・・・・)

               (血っ・・・・?)

『コウモリ男』のこめかみから流れ出る『鮮血』を見て、
「まさか・・・!」と心の中でひとりごつ

(奇妙だと思っていた・・・・強力な『スタンドパワー』、数多く使役される『ヴィジョン』
 射程距離も長い・・・・とても一人の人間が持つ『スタンドエネルギー』だとは思えない程に・・・・!)

(もしも)

(もしも、『コウモリ男』の能力が
 他者の『血液』を補給して『スタンドエネルギー』を高めるものだとしたら・・・・!?)

かつての夜、『スタンド』から『血液』を抜き取る『通り魔』に遭遇した事がある
この『敵』も・・・・同種の能力を持っているとするならば・・・・

「『サメ』! 『吸血』に注意しろ!
 ひょっとしたら・・・・敵は『血』を使ってパワーを上げるかもしれない!!」

くるりと、背後に振り返る
ここで攻撃するべきは『大きい方』ではない・・・・こちらに上がってくる『闖入者の方』だ!

ポケットの中には『ボールペン』が2本、『ライター』が2つ

(ここで迎撃する―――――!!)

まずは既に『袖箭』と化したボールペンを起動
遠間の段階で『袖箭』の矢を射出し、敵の顔面を狙う!
先ほどまで武器を構えて準備をしていた。この攻撃には予備動作はほとんど必要ないはずだ!

そして、合わせて・・・・・

(ライターを『握り鉄砲』に・・・・!)

それと同時にポケットの中のライターに『握り鉄砲』への『暗器化』を施す
そのまま、ポケットに右手を入れたまま敵に接近し、ライターを着火!
『握り鉄砲』による一撃を至近距離から『コウモリ男』の胴体に向けて放とうとする!

220『エターナル・ノクターナル』:2023/06/11(日) 00:45:40
>>217(宗像)

≪チッ……減らず口をッ!≫


   グググ

≪貴様では殺しつくせない……
 『損耗』は時が癒す。『痛み』は……受け、入れるッ≫

           ド ハ ゚ン!!!


      ≪『カーディナル・シン』……ッ!≫


             ギュガガガガガガガガガガガガガガガガガガガカ!!!!!!

 
                    ≪ぐ、ぐっ、あ、があああああぁァァァ!!!!≫

    びちゃああああああっ


両足に『アヴィーチー』の蹴りを受け、『ノコギリザメ』の猛攻により胴が寸断され、
しかし―――――――――
 
                        バササササササササササササ!!!!!!!
 
    ≪ぼくはッ≫

無事な頭部や両腕が次々と『蝙蝠化』し、その群れが『天井付近』に集まり始めている!

                
       ≪ぼくは『孤高』にして高潔なる『血族』、
         ――――穢れた血啜りの『群像』ッ!!≫

胴体はほぼミンチ状態、両脚も決死の強烈な蹴りで少なくとも今すぐは動くまい。
廊下には胴よりの鮮血、そして――――――『血肉』が飛び散る。 


  ≪死に場所は……まだ、ここじゃあないッ!!≫

                   ――――この能力は、『通常の血肉』を取り込んでいる。

>>219(赤月)

             タタタタッ!

≪…………ッ!!≫

小型個体は獣のように唸るでも、喋るでも無く迫ってくる。
廊下には『アヴィーチー』の攻撃で飛び散る『蝙蝠の血』と……『血肉』の匂いが広がる。
『ノコギリザメ』とスタンド本体の連撃で胴を刻まれ、脚を蹴り潰されながらも、
両手と頭部、胴の上半分を『蝙蝠化』させ、天井付近へと集め始めている。


        そう。『明らかにおかしい』――――
         スタンドに、血など流れているはずはない。
          スタンドに、『肉』が含まれているはずがない。
 
        パシュン――――

    ≪ぐッ≫

                 バチャッ!

小型個体は『袖箭』は咄嗟の動きで回避しようとしたが、頬を掠めやはり『血』が流れ出す。
そして――――――――

                    バシィツ!!

   ド

      ≪ぐ、ぐう”ぅッ!?≫

                 ン!!!

『握り鉄砲』の一撃に、クロスカウンター気味に左肩へ『爪の一撃』が入る!
準備をしており、先に一撃当てていたとはいえ、流石に無抵抗で当てるのは難しかった。
破壊力は『宗像』が受けた初撃に比べればあからさまに低いが、それでも『大人並み』だ。
浅く引き裂かれた肉から赤月の血が溢れるが、敵はそれに舌なめずりなどする余裕も無く。

                    ズザザッ!!

     ――――― シュゥゥゥ
 
              『握り鉄砲』の直撃を受けた胴体を押さえ、こちらを睨みつける。
                敵の正体は未だ不明だが、『この個体』に対しては明確に優勢だ。

221『エターナル・ノクターナル』:2023/06/11(日) 00:46:39
>>218(村田)


    「ひどい目っていうのは」

  
    ザッ!

威圧する『村田』
それに対し、女は後ずさりながら階段を少しずつ上る。


          「ふ……腹膜を引き裂いて」

 ズザ

      「は、はらわたを引きずり出してッ」

                       ザッ

    「それを……む、ぅ、虫に……喰わせる」「とか」
 
                「そういうことを……やれる、やってやる」

距離――――『9m』ほど。敵の言葉には『経験の重み』は無い。

「そ……その能力……ぉ前が『棒使い』……
 ひ、ひ、あ、ぁ、あたしより『暴力』は上だって、
 そう信じてるんだ……『なめてる』んだ」

               シュ

蟲の腕で、フードをまくり上げる。
水色の髪に、僅かな赤メッシュを入れた、中学生程の少女の顔。

「『あの方』……『先生』は言ってくれた。あたしの能力は……『一番』」

                    バサ


その『首』には――――横一文字の『刀傷』。



「『危ない』」 「って」
               「きひッ……」
                 「あたしは危ない」

「ここも危ない場所にする―――――――『マスプロダクション・C・P・T』」

                    ブオン!

少女が空中に向けて『鞄』を投げ放つ――――『中身』は。『ペットボトル』だ。『水滴』が散る。

222村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/11(日) 01:53:07
>>221
以下、質問いたします。
1.自分、宙に投げられた鞄、女の位置関係はどんな感じか 。
 自分と鞄との距離についても知りたい。
2.『窓がある』とのことだったが、ここにはあるか?
3.女が鞄を投げた時の『スピード』はどのくらいか

223『エターナル・ノクターナル』:2023/06/11(日) 02:02:07
>>222(村田・回答)

【17F 非常階段】
■■■■■■■■■■■
■□□□□□□17F踊り場へ
■□□□□□□下り階段
扉□□□□□──────
■□□□□□□□村□□鞄 →18F
■□□□□□□□□□□□ →踊り場のMAPへ
■■■■■■■■■■■■

【18階 非常階段踊り場】
■■■■■■■■■■■
□□□□□□□女□□■
□□□□□□□□□□窓
──────□□□□窓
村□□鞄□□□□□□■
□□□□□□□□□□■
■■■■■■■■■■■

●村田と鞄の距離はだいたい直線で『4〜5m』高低差込みで『6〜7m』ほど。
●鞄のスピードは『C』だが、手投げに見えた。
●窓は踊り場にだけある。非常階段の附室には無い。

224村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/11(日) 02:50:54
>>223
回答に感謝します

>>221

 「おうとも。『ナメてる』さ。『当然』だ。」

公然と言って放つ。
そうだ、おれはこいつを『ナメている』。

 「戦う理由が『自分の中』にねえ『ジャリガキ』なんざ、ナメて当然だ。
『ゲンマ』と『リュウカ』は、その点はマトモだったぜ。
 自分のために戦っていた。だからこその『剛さ』があった。」

 「お前にゃ、そのどっちもねえ。」

窓と鞄は直線上にある。位置は『悪くない』。
『ディズィー・スティック』ならやれるはずだ。

 ズォ ッ!

熱の溜まった『シーツ棒』を最大伸長。
一方の先端で伸長を伴った『突き』繰り出し『窓ガラス』をぶち破り…

 シャルル  ギャル!
          ズパァ !

勢いのまま熟練の手つきで棒を引き戻して小手を返し、
反対側の先端で突き弾いて、鞄を窓の外へ放逐する!

225宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/11(日) 05:22:14
>>220

撒き散らされた『血肉』の匂いが鼻につき、過ぎ去った記憶を鮮明に蘇らせる。
『あの少年』の脳天をパイプレンチで砕いた時も、
『エクリプス』の残党を殺した時も、同じ匂いを嗅いだ。
だが、『目の前の敵』は死んでいない。

「俺の『右腕』を胴体に食らって生きていた人間は、お前が『二人目』だ」

眼前の『カーディナル・シン』から、頭上に飛び立つ『蝙蝠』に視線を移す。

「『一人目』は純粋な『精神力』だけで持ち堪えていた」

敵の様子から判断すると、おそらく本体にダメージ自体は通っている。
しかし、それでは辻褄が合わない。
あるいは奴自身の言葉から推測するなら、
瀕死に近い傷を負っても時間を掛ければ立て直しが可能だからこそ、
目先のリスクを度外視した行動を取れるのか。

「俺が切れる『札』は残り少ないが、出し惜しみをする気はない」

両腕の力を使って即座に転がり、『カーディナル・シン』の下半身と、
天井に集まる『蝙蝠』から距離を取る。
『逃れただけ』と考えるべきではない。
敵の動きから予想されるのは、新たな攻撃の布石だ。

「全てくれてやる」

移動の最中に、『アヴィーチー』の左腕で、床に落としたナイフを掴む。
今の一撃で『ノコギリザメ』の追尾が終了しているかどうかは、
騒ぎ立てる『声』の有無で読み取れる筈だ。
右腕が戻っていれば、そちらでフォークを握る。

226赤月『サクソン』:2023/06/12(月) 20:45:28
>>220

「ぐゥ・・・・! うぅ・・・・・!!」

痛みは覚悟の上だ。むしろ、この程度で済んだことは幸運だろう
骨も、腱も、筋肉も、大きな損傷はない。まだ動ける。まだ戦える

(スタンドではない――――現実の『血肉』!
 だとすれば、『サクソン』の能力が発動しなかったのは
 これが本体にとって『ダメージ』ではないからか・・・・!?)

『握り鉄砲』と化した『ライター』を放り投げる

「やはり、『血肉』が君の能力の鍵、か
              ・ ・ ・
 純粋な打撃よりも、『こちら』の方が堪えるかな!」

そう言って、『サクソン』の両手を貫手の形に尖らせる

「『サクソン』―――――――――ッ!!!!」

   ヒュッ

        ヒュヒュヒュ・・・・・!!

    ヒュヒュ    ヒュヒュ

                      ヒュヒュ――――ッ!!

ショベルで砂を掬い取るように!                ラッシュ
構えた貫手を『コウモリ男』の腹の傷口に目掛けて高速で『突き』続ける!
腹の穴から敵の『血肉』を掻き出すように!作った穴を広げる様に!!

227『エターナル・ノクターナル』:2023/06/13(火) 20:47:51
>>224(村田)

                  ヴヴヴ

スマホに僅かな震えを感じた。何か追加の連絡が来た可能性が高い。
幸い、敵の攻撃は連続するものではなく、今見ようと思えば見られなくはない。

      「『自分のための』」

                   ドン!!! 
 
   「『理由』の方が」

巧みな棒術は容易く窓を割り、袋の落下までに吹き飛ばした。

                 「『強い』って」


   「そんなの……ち、チンピラの理屈……」


敵は『全く焦らない』。
『言われて響いた』様子もない。

「どぉでも……イイでしょ。弱いとか、強いとか……きひっ。
 ぉ、ぉ前がぁたしより、『先生』より、……『殺し屋』より、
 もし、『ケンカ』が強くても……ゆ、ゅ、『揺るがない』」

生きている『文脈』が違う――
『剛』は敵の価値観で重要ではない。
『ゲンマ』とも『リュウカ』とも違う。
   
         『自分の中の正しさ』ではなく、
         『御心』のままに動くゆえに、
         『己の価値』に固執しない。


              ダダダダダッ!!

   「『先生』に拾われた……ぁ、あたしの命」

      「『先生のために使う』のが」

                 「ず、ずっと……『尊い』」

       
        ゴソゴソ

         ――――それが、『信仰者』だ。

「強さが自慢なら……た、戦ってやるもんか。今の袋ッ
 ……あ、ぁ、あの中にも『マスプロダクション・C・P・T』は入ってる」

服のポケットに手を入れながら、
――――――――敵は『村田』の迎撃の顛末を見もせず再び階段を駆け上がり始める!

                       『距離』・・・『12m』。
                       戦士の誇り無き相手に、どう戦う?

228『エターナル・ノクターナル』:2023/06/13(火) 20:49:32
>>225(宗像)
          <アヴィイイイイイイイイイッ……>

                <蹴ラレタッ>   <抉ラレタッ!>

      ギュオンッ!!

――――『まだ、追尾が終了していない』?


            ≪ぐゥウウゥウッ!! しつこい……能力だッ≫


敵は派手な負傷を負っており、苦痛に関しては明らかに演技ではない。
だが、スタンドの胴体をほぼ破壊されているにもかかわらず、
シャークトレードの完了条件はまだ『満たされていない』
『宗像』が受けた負傷は確かに軽くはないが、『そこまで』か?
 

          ギュガガガガガガガガガカ ガガ ・・・

    ≪がッ!!?? ぁっぁあああああがあああああああッ……≫

『コウモリ化』は下半身にも伝播していくが、その一部も『ノコギリザメ』は抉った。
抉られた部分と、コウモリ化しきった部分。下半身という形も、じきに消滅する。

         ≪………………はぁあっ≫

『精密動作性の低さ』による『やりすぎ』の範疇を、明らかに超えている。

            <アヴィィィッ!>

                          ヒュバッ!!

そして『ノコギリザメ』の追尾は終了した。その間にナイフは左腕で拾い終えている。

≪……そ、その能力、だが、今ので…………フゥーっ……見切ったッ…………≫

天井深くの群れから声が聞こえる。『移動』する『宗像』に、群れの目が一斉に向く。

                    距離は高低差を無視して『2m』ほどだ。

>>226(赤月)

まだまだ動ける――――『赤月』の受けたダメージはそう重くはない。

                          ヴヴ

    スマホに振動を感じる。何か追加の連絡らしい。
    ポケットに入れたままのスピーカーからも何事か声が聞こえる。

                      ビチャアアア

『アヴィーチー』の更なる追撃が視界の端に入る。

先ほどからの『疑問』は、ここに来て表面化し始める。
単に『状況の混迷』が産んだ偶然だった可能性もあったが、
今起きている状況は……やはり何か、どこか『妙』なものだ。

――――『宗像』の『カウンター』も、やけに長く持続している。

この『カーディナル・シン』と敵本体の関係は、どこか謎めいている。
今の『苦痛』は明らかに本体も感じているだろう。うめき声が演技とは思えない。
『羅漢銭』の時は若干のたじろぐ様子はあったが、それくらいだったか。
単純に傷の大きさ自体が大した物では無かったからなのか―――――?
『ダメージ』となると……特に『スタンドの能力が判ずる』ような、
ある種『システマチック』な視点となると、『妙な挙動』を見せる。

         『解く必要のある謎』かは分からないが――――

                       カランッ

≪はァッ……くッ、図に乗るんじゃあない……ッ!≫

                 バシッ ・・・

                    ドス   ドシュ!!

                        ≪ちっ……グッ!!?≫

敵の手さばきは精度を除けば『サクソン』より上(パスCB)のはずだ。
それは打ち合う中でわかる。だが、どうにも……動きが精彩を欠く。
戦いに慣れていないとは語っていた。精度差では勝っている。何か、もっと根本的に『遅い』
数発は防がれてしまったが、腹部狙いの突きは3発ほど命中し、敵は後ろに跳ね逃げる。

       ボトボトボド

矢張り飛び散る血。

             ≪ゲホッ……はぁ、くっ…………≫

そして苦痛の声――――

                『距離2m』ほど。

――――――――能力の謎とは別に、『状況』はこちらの優勢だ。
ただし、それは目に見える状況の話。水面下は果たしてどうなっている?

229村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/13(火) 21:46:58
>>227

 ゴキ! ペキ !

フゥ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ

 「『信者の程度』が知れるんじゃ、 『神の程度』も知れてる。
 ここに至って、お前だけをナメてんじゃねえ。その『センセイ』とやらもナメてんだ。おれは。」

ほとほと飽いたようなそぶりで携帯を確認しながら、変わらず距離を詰め続ける。

 「『黒幕』がどんなもんかと思って正直楽しみにしてたんだが・・・
 なんてことはねえ。黒幕どころか『見る目のねえクズ』とはガッカリもいいところだ。
 まとめて『この程度』だとわかってたら、おれが出張る必要もなかったってのに。」

ハァ〜〜〜〜〜〜ッ

 「『やれやれだぜ。』」

当然、『挑発』だ。
乗ってくるかどうかは知らないが、ここから手を伸ばしても決定打にならない以上、そのくらいしかやることはない。
とはいえ『踏み絵』に一定の効果があったように、これにもそれなりの効果があるだろう。
『夏のクリスマス』の一件を思い出す。どうやらおれは、ヒトの神経を逆撫でするのは『得意』らしいからだ。

 「さっさと尻尾巻いて逃げな。」

 「出張ってきちまったもんは仕方がねえ。所詮大した事ねえ『クズのあつまり』だ。
 夕食前の運動がてら、全員『ついで』でシメてやる。」

 「てめえの命も『センセイ』とやらの命も、『同様に価値がねえ』。
 同じゴミ箱に突っ込んで、『豚の餌』にしてやらあ。」

230赤月『サクソン』:2023/06/13(火) 23:23:27
>>228

(――――っ)

やはり・・・・何かがおかしい!
『ダメージ』が『ダメージ』とならないこの『感覚』!
致命的な部分で何か・・・・どこか別のモノに流されているような不気味さ!

(これは・・・・)

何らかの致命的な『ズレ』を感じる
それは例えば、『苦痛』を与えている対象と『戦うべき敵』が違うような・・・・そんな『何か』だ

「本体はどこに隠れている?
 己の姿を見せずして、『戦場』で思う様に力を振るえると思っているのか?」

ここは追撃を加えるよりも『謎』を解く方が先と判断し、踏みとどまる
そして、先ほど傷口を抉った両手と、零れ落ちて地面に流れた血を観察する
何か気が付く事はあるだろうか・・・・?

「・・・・もしもし?」

余裕があるならば、視線はそのままにスマホのスピーカーから流れる声に耳を澄ませる

231宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/14(水) 00:05:04
>>228

「――――俺は義理堅い方だ」

『等価以上』を返すまで『報復』は終わらない。
今ようやく完了した事から、
やはり『通常のスタンドよりもダメージを負うリスクが低い』と考えられる。
『精神力以外の要素を取り込んで動いている』というのも、
おそらく間違いではなかった。
『血』だ。
それが源になっていると見ていいだろう。
『再利用しない』という事は『生き血』でなければ効果がないのか。
詳しくは分からないが、必要がない限り探るつもりはない。

「『見切られない』とは思っていない」

移動した方向は『開いたドア(>>225)』だ。
そのまま室内に転がり込み、片膝立ちで『鋸』を構える。
廊下から部屋へ通じる入口が一つしかない以上、敵の侵入ルートも一本に限定される。
『人型』か『群体』を問わず、敵が姿を見せた瞬間、先読み気味に切り払う。
『蝙蝠』が室内に蔓延っていたとしても不思議はないが、
『追加の戦力』を送り込まない所を見ると、
廊下の群れが全てである可能性の方が高い。

「殺しきれなければ限界まで消耗してもらう」

懸念事項は『マテリア』の動きだ。
狙われていると知れば姿を消す人間が、
交戦中のフロアに現れる事は到底考えられない。
既に逃げられているとすれば『仕事』は失敗だが、
ここにいない村田が捕捉しているなら、こいつを釘付けにしておく意味はある。

232『エターナル・ノクターナル』:2023/06/16(金) 00:22:12
>>230(赤月)

《姿?……『カーディナル・シン』は、
 とっくに…………姿を見せている。》
 
                       《『血族』こそが…………『ぼく』だ》

            ボタ…

・・・攻勢に即転ずる様子はなく、敵は『会話』に乗ってくる。
挑発に怒り狂うよりは、謎を投げ掛け思考に集中させる算段か?

『宗像』は『扉』に向けて自然と移動していたようで、入り込む動きは誰も阻止できない。
天井のコウモリ群(10匹程だ)は、『室内へ転がり込んだ宗像』から視線を外す。
……………と、いうより、今は『どこを見ているのか良くわからない』。
『赤月』の対面の個体は、『赤月』を確かに睨みつけている。

                    スタンドの手と地面の血を観察する――――

                    ・・・『色』か?

        強いて言えば、というレベルの話だし、
        先ほどまでの段階で気付くのは難しい。

《逃げ隠れの…………ことを言うのなら、
 有事でも、手勢の駒を使い……玉座に執心する……お前らの主》

……だが、余裕のある今。腹の『表面』を抉った『手』の血の色は『黒』い。
敵スタンドの体表の色にも近いが、これは『肉ではなく血』だ。

     「――月さん!?
       よかった、聞こえますか!?」  「手短に言います」

・・・対して、『敵』の腹腔から溢れ出す内からの血は『赤』い。
血を含むスタンドのメカニズムは謎だが、体内は『黒い血』ではない。

だからどうした、と言えばそれまでではある、が――とにかく、『色が違う』。

                       ┣¨┣¨┣¨

          「『マテリア』が、動いてます」  「それと」

      ┣¨┣¨┣¨ 

スマホからの関の声は、大きな声ではない。

   ≪その支配の『傲慢』……をこそ≫
                            
 「さっきの―――――『コウモリ』のことっ」

              ≪糾弾すべき……なんじゃあないか≫

少なくとも『コウモリ』に全てが聞こえるような声ではない。

      「コウモリは…………平山さんが聞いた話、
       そういう能力の使い手をアリーナは『知ってます』」

《『アリーナ』の巡らすパワーゲーム……》

やけに間を持たせて話す『コウモリ』の言葉のおかげで、十分『分析』できる。

                       「『カーディナル・シン』
                         …………『血族のハイネ』」

         ≪……その駒という立場≫ ≪『罪』を背負うお前の≫


「『エクリプス』の…………組織の、『残党』……です!」

      ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
                     ≪目的を果たすに十分なのか……?≫

233『エターナル・ノクターナル』:2023/06/16(金) 00:38:14
>>231(宗像)

        ズギィッ ・・・

室内に転がり込む激しい動きは。
あるいは先ほどの攻防の中でかすんでいた痛みを呼び起こした。
『胴体を寸断し下半身を破壊する』ほどのダメージではないが、
怪物に叩き込まれた初撃は、決して軽いものではなかった。

                とはいえ…‥まだ、十分。
                動けなくなるほどではない。戦える。

「さて。………………………さて、判断を」


       聞こえた『声』は、『肉声』だ。


        /´〉,、     | ̄|rヘ
  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´              (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                  `ー-、__,|    `"

     「ゲホッ…………誤ったな、猟犬君」

室内の奥に、『そいつ』が座っている。距離は部屋の奥まで『9m』。

「『カーディナル・シン』は…………あれで全ての群体だとでも……」

開け放たれた高層階の窓辺に椅子を置き、ほとんど凭れるように腰掛け、
口元から血を垂らし、荒い息を漏らすその顔は、『人間』のそれ。

「……それとも…………ハァ、もっと、何かそれらしい可能性に賭けたか」

      『10代』の後半あたりだろう。
      鮮血のように赤い髪。目は閉じている。
      細身の肉体に纏う黒いスーツは、
      どこか――――『喪服』を思わせる。

「実際……惜しい話ではある。
 …………………………だが」

高揚した、あるいは陶酔に近い声色で彼は言葉を告げる。

        「天運はいつも……最後だけ、ぼくの味方をする」

…………『左腕』と『左脚』は根元から、スーツごと存在せず、
『右腕』についても、半ばほどまでが同じく、存在しない。
『左腕脚』の断面からは『赤い粒子』が噴き上がっており、
見る限り――――『左腕』からのそれは特に激しい。

     「慰めに。呉れてやるぞ」

                 ズダアアァァァァァアアッッ

            「……最良のギフトだ。
             『地獄』を染める我が『真紅』
             ――――存分に呉れてやる」

『天井』から音が響いた。『宗像』は今膝をついている。
敵の姿は前方にはない。後方から追いかけて来る気配もない。

     「『返礼』の心配は…………不要だッ」

――――『瀬戸際』だ。

この局面で室内に入った事が『誤り』だったのかどうかは、今から決まる。

234『エターナル・ノクターナル』:2023/06/16(金) 00:41:47
>>229(村田)

『村田』に届いたショートメッセージは一つ。

 
                 『マテリアが動いた』
                 『恐らくホテルに帰ろうとしている』


――――――――短くそう書かれている。


           「な」  「なッ」 「な、なめッ」

「なめるなぁッ…………そんな見え見えの挑発でぇッ!!」


『見え見え』だからこそ『誰にでも効く』。
『自分が無い』人間は『寄る辺』の否定に耐えられない。

「ふううううぅッ……これでも、食ら…………えッ」

              バシュッ!!


逃走の足を止めた時も、流石に駆け寄っては来ない。
頭に血が昇った時、『殴り掛かる』が第一選択肢に無い。
『能力による暴力』が染み付いているのだ。

「む。む、蟲の……餌の、ぶ、分際ぃぃ、でェッ……!!!」

代わりに『投げて来た』のは…………『水の入ったパウチ袋』だ。
蟲腕の爪で僅かに穴を開けたそれを、手すりから身を乗り出して投げつけて来た。

                                     ピシャァァ ――――― ・・・!

通過点となる階段にも少量の水が撒き散らされるが、埋め尽くす程ではない。
投擲速度は『速い』(スB)が……これはほとんど『苦し紛れ』と言える。

彼我の距離は『10m』まで再度縮む。袋は迫って来るが、何ら問題ないだろう。

ただ……敵の『弱さ』に比して状況は『楽観』の域ではない。
『距離を縮める手』『足を止める手』を打ち続けなければ、敵の逃走は止められない。

235宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/16(金) 00:51:58
>>233

現在見える範囲内における室内の様子(構造・備品等)は、
17階の部屋と概ね同一かどうかを知りたい。

236『エターナル・ノクターナル』:2023/06/16(金) 09:25:07
>>235(宗像・回答)
構造は明らかに異なる。
ただ、室内の様子を精査するほどの余裕は無い。
入り口⇒窓辺の男までは一直線で繋がってはおり、
最初の2mほどが廊下(宗像の後方1mも廊下)、
残りの7mほどが部屋の入口〜男の位置までの距離。

備品は傾向は似ている。
入り口傍には靴箱が見えており、
転がり込むときに見えた景色からすると、
恐らくその上には花瓶があったと思われる。

237宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/16(金) 19:00:24
>>236

回答感謝

>>233

奴は四肢の大半を失っている。
おそらくは欠損した部位が、スタンドの破壊が伝達された部分と考えていいだろう。
まともな身体なら既に行動不能だ。

「胴体を引き裂かれた割には『軽傷』らしいな」

ホテルの外から『遠隔操作』している事も想定していたが、
当初の見立てより『射程距離』は短かったようだ。
窓から侵入したとすれば、本体自身を『蝙蝠』に変えたとも考えられる。
いずれにせよ、予定した行動は取れなくなった。

「誘き寄せるにしても、侵入を妨害するにしても、中途半端な動きだった」

「劣勢を装っているように見えない状況で、
 頭数を増やさない可能性の方が低いと考えただけだ」

しかし、『本体』が目の前にいる以上、『外の敵』を相手にする必要はなくなる。

「そう思わせたかったのなら、それは成功している」

20階に上がった段階で、部屋の中は確認する気でいた。
結果的に順序は逆になったが、『やる事』は変わらない。
廊下の『群体』や『人型』が時間稼ぎなら、
むしろ早急に踏み込まなければならなかった。

「お前が俺を殺しても、俺がお前を殺しても、客観的には大した差はない」

    「だが――――」

        「お前が俺を殺す前にお前を殺す」

『転がって入って来る事』まで、奴が計算に入れていたとは思えない。
片膝立ちの体勢は『的』が小さく、防御はしやすい筈だ。
手近な靴箱を『アヴィーチー』で引っ掴んで持ち上げる。
上方から来るであろう攻撃に対する盾として使う。
多少なりとも衝撃を受け流す為、角度は斜めにしておきたい。
『スミノフ』や『扇原』に匹敵する威力だったとしても『軽減』は出来るだろう。
どれだけダメージを受けようが、『即死』さえ防げればいい。

    「――――――『赤月』!!」

  奴は『一人』で、俺達は『三人』だ。

         「『奴』は『ここ』だ!!」

            俺が死んだ時は、赤月と村田が『仕事』を果たす。

238村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/17(土) 00:38:43
>>234

 「しゃあッ!」

   ダ ッ !
               シェッ !

挑発に反応して『止まった』。十分だ。
前進しながら『アルミ缶棒』を左で取りだし、飛来する『パウチ』の射線を押さえつける様にして反らす。
ひっぱたくと破裂するかもしれない。『ディズィー・スティック』の速さと手技なら可能だろう。

 「らあっ!」
         ギャルル!    ヒュウ ッ

空いた右手で、熱を貯めていた『シーツ棒』を『女の行く手をふさぐ』ような位置に投げ込み『解除』する!
熱を貯めていても『火』は出ない。シーツが滴るほどに濡れているからだ。
代わりに発生するのは・・・

 ボ ッシ ォ オ オ オ !

加熱されたシーツが吸った『水分』が蒸発して発生する、大量の『高温蒸気』!
火災報知機は燃焼の際に発生する『二酸化炭素』に反応するものだ。これならば防火システムは作動しない。
蒸気は『火炎』よりも危険だ。大気と異なり『冷めにく』く、その場に留まるからだ。
無理に通れば身にまとわりつき、服にしみこみ、器官に入り込み、内外からの大火傷は避けられないはずだ。

『ぶ厚く』かつ『熱い』蒸気のカーテンで行く手をふさぎ、接近までの時間を稼ぐ!

239赤月『サクソン』:2023/06/17(土) 14:41:37
>>232

「なに・・・・?」

時間稼ぎのための挑発に対して、意味深な答えが戻ってきた
敵の能力の解明のために視線で情報を集めながら、頭の片隅で疑問の根が育つ
『流れる血』と『表面の血』の色の違い・・・・現時点ではそれが何を意味しているのか、理解するのは難しい、が

>《逃げ隠れの…………ことを言うのなら、
> 有事でも、手勢の駒を使い……玉座に執心する……お前らの主》

>     「――月さん!?
>       よかった、聞こえますか!?」  「手短に言います」

続けざまに投げかけられる『コウモリ男』の挑発と、状況の変化を告げる関からの言葉
それらの状況を前に、赤月は・・・・!

(わかったようなクチを利いて・・・・・!)

人知れず・・・・誰にも共有する事の出来ない理由から、『キレて』いた・・・・!

(『アリーナ』の主への糾弾だと!? 『アリーナ』の駒だと!?
 連中への・・・・『アリーナ』の支配の傲慢さだと!?
                         ・ ・ ・ ・ ・
 そんなもの・・・・出来る事なら真っ先にやっている!!)

『アリーナ』への敵意・・・・殺意を抱えながらも、情報収集の為に彼らの仕事を請け負う赤月にとって
『コウモリ男』の指摘は神経を逆撫でするような激情のきっかけそのものであった

「・・・・・・・・・ッ!!」

だが、今はスマホが通じている・・・・ここで語った言葉は全て『アリーナ』へと筒抜けになる
唇を噛むようにして口を閉ざすが、握りこんだ拳の中では爪が皮膚を食い破り血が滲み出ていた

「お前・・・・・は・・・・・!」

>                       「『カーディナル・シン』
>                         …………『血族のハイネ』」

そんな赤月に幾ばくかの冷静さを取り戻させたのは、スマホから流れる関の言葉
目の前で対峙する相手『カーディナル・シン』、『エクリプス』残党としての彼が持つその通り名――――ッ!

「『血族』の・・・・・ハイネ・・・・・?」

「まさか・・・・ 君は・・・・?」

『血族』という言葉の持つ意味を考える
ただの通り名と言ってしまえばそれもそうだが、スタンド使いの『通り名』とは得てしてその力の片鱗を示すものである
『血族』とは即ち――――

「君は・・・・人間ではない、のではないか?」

発想を逆転させる
戦っている相手が『コウモリ』の『スタンド』を使っているのではなく・・・・
『コウモリ』が 『スタンド』を使っているのだとすれば・・・・?

天井を見上げ、『火災報知器』を探す
大型の宿泊施設であれば『スプリンクラー』の設置が義務付けられているはずだ
それの『トリガー』となる感知装置を探し・・・・ポケットの中に残っているライターの火を使って装置を作動させようとする!
(身長が届かないかもしれないが『サクソン』の手を伸ばす事でその辺はカバーする)

240『エターナル・ノクターナル』:2023/06/17(土) 16:15:05
>>238(村田)

              パシャッ・・・

いくら棒術が神業とはいえ、『棒術を受ける物体の挙動』は、
基本的に『どういう軌道で吹っ飛ばすか』――――あたりがせいぜいだ。

               ピピッ

とはいえスペックだけでも十二分に『パウチ』を逸らしてしまう事は出来た。
半ば破れた袋からは押されて水が噴き出し、頬に数滴が貼り付く。

                      ≪キギギッ≫
             
            ――――そこから声が聞こえる。
            『敵スタンドの攻撃』が、些細な事から開始する。

そして交差するように放たれる、『シーツ棒』による投擲攻撃は――――――――――

            ヒュッ

「ひ、ひひっ、どこを狙っ…………」


敵は大袈裟な回避でそれを避ける。当たらない軌道なのはわかっていないらしい。
そして、それがもたらすのは―――――――


             
                 ボ ッシ ォ オ オ オ !


「なッ!???」

                  タタッ・・・!

鉄よりも厚く、破壊困難で、そして煮えたぎるように熱い壁。

    『少女』はその蒸気を超えるような勇気を持たない。完全に足が止まる――――!!

241『エターナル・ノクターナル』:2023/06/17(土) 16:40:39
>>237(宗像)

敵の罠――――痛烈だが、『絶対的な危険』ではない。
この辺りが、敵が『室内に入れたいのか違うのか中途半端』な理由だろうか。
誤りを指摘する自信ありげな言葉は、絶対的根拠の響きでもない。

                           現に、この状況。
 
たしかに、『片膝立ち』の姿勢は的が小さい―――――!!
上からの攻撃であるとするなら、狙える箇所は本来よりも更に小さい。
せいぜい頭、首、背中、肩……無理な軌道を取ってくるか、
一度着地してからの攻撃で来るなら別だが、それならそれで隙がデカい。
問題は敵の動きは恐らく『宗像を見てから』発生した事だが、
『予想外ではない』というだけで、『当てにくい状態』には違いない。

例えば腕をクロスさせるような形で防げば大半はカバーしきれるし、
最低でも『致命打』を容易く通さない事は出来るだろう。
頭から首さえ守れば、肩を砕かれても背中を割られても『お返し』できる。

         「……ゥふぅうーーー……」

               そういう、状況だ。

『宗像』は―――――『アヴィーチー』で、
付近の『靴箱』を持ち上げる形で、ガードをしようとした。

         グ
            ・・・

                ふと、頭上が明るくなった気がする。
                 部屋の電灯は消えていたはずだが、
                  今点いたのか、『灯を遮っていた何かが動いた』か。

靴箱に手をかける。元々、開いた窓もあり、ドアの中に入った今なら、
何も見えないような暗さではなかった。位置は把握出来ている。問題は無い。

        『幸い』それは床や壁に固定されていなかった。
        壁に引っかかる事無く、かつ斜めになるよう持ち上げるのも、
        人並みの精密動作性がある以上、それほどの難関ではない。

重さも、人間以上のパワーを持つ『アヴィーチー』であれば、
力を籠める事なく持ち上げる事は十分に可能な程度だ。
射程距離は短いとはいえ、腕を伸ばせば、十分、届く位置関係。

          グ
            ォ
       ン

それを、持ち上げて、上からの攻撃の、盾にするべく、引き寄せて、本体の頭上に構え。て。
思考の速度は。どこまでも。速い。痛む胴。動きまでは。それに、着いて。行かない。
あるいはダメージを負う前に踏み込む、あるいは『腕で受ける』等で命だけでも繋ぐか。
あるいは上半身を使わず、膝立ちから簡単に行える転がる動作に賭けるか。
あるいは、あるいは、あるいは―――――――――――――――――――
                  
                               ど ぐしゃ。

「お前の……『殺意』は評価し、
 ……『可能性』が外れた残念賞も、兼ねてやる」


     ・・・と、重く、何かが砕けるような。


     ゴ  ガッ ・・・!

            ―――――降ってきた『音』はとても近く。
                     しかし、どこか遠くに響いた気がした。


      「ふぅッ………………『十人目』」 「と、したいが」

                  「ゲホッ。お前には…………
                    もう少し……、『役に立って』……もらうぞ」


                         ドッ  ・・・

膝が崩れ、景色が横転する。視界の上を赤が覆う。

              ――――――『魂を手放す』ような感覚は無い。然し意識は黒く染まる。

                                   宗像征爾『アヴィーチー』  ⇒ 『気絶』

242『エターナル・ノクターナル』:2023/06/17(土) 16:43:54
>>239(赤月)

挑発か、無理解か、その両方か――――敵の言葉が『赤月』の根底を掻く。
掌からは赤い血が僅かに漏れ出すが、その痛みは熱情の中に溶けるだろう。

                              ・ ・ ・ ・ ・ ・
≪―――――――――――…………ぼくが? 人間ではない、だと?≫

              ≪…………知った風な…………口をッ≫
     バシャッ…

怪物の胴からあふれ出す黒ずんだ血。
孔を押さえていた手で己の顔を掴むように覆う。
『赤月』の推理こそ外れていたようだが――――『彼も』『キレて』いるッ!!


               ・ ・  ・ ・ ・ ・     
≪フゥゥーーー…………そう、なれれば。どれほど良かったかッ≫


              その時。

             「――――――『赤月』!!」

                          「『奴』は『こッ」
 
            
  ドッ ・・・


『宗像』が侵入したばかりの部屋から、『叫び』と。

何か――――
『重い物』が落ち、倒れ、地面に崩れるるような音がした。

≪ッふ…………さて、さて。……さて。問答はもう終わりでいいか?≫


         ≪ちょうど……こちらも、時間はもう十分だからな。
           ……野良犬を仕留めるのに、『集中する時間』は≫

『宗像』が侵入したばかりの部屋から、何か――――
『重い物』が落ち、倒れ、地面に崩れるるような音がした。
同時に、天井の蝙蝠のふらついていた視点が、ゆっくりと『赤月』にまとまる。

≪……要するに、言うとだが。『2対1』は終わりというわけだ。
 さて、さて。どうする……お前ひとりで……アリーナのために戦い続けるのか?≫

             ≪このホテルに……ぼくの『手勢』もいる。
              じき。頭数はひっくり返るぞ。
              マテリアはどうせ戻って来ない……
              目的を果たして餌に在りつけもしないのに?≫

自信ありげに――――ではない。
声色には平静を『戻そう』としているが、明らかに声に震えがある。
キレたままだ。異常性が耐久力に在りそうだとは言え、『無傷』とは程遠い。
受けているダメージの総量で言うなら、確実に『赤月』以上だろう。

≪ぼくとしては――――――『手打ち』にするのも吝かではない。
 『マテリア』との接触は、また別の機会を持つことも……フゥ……出来なくはない、からな≫

≪予想外の敵と交戦。善戦はしたが、味方がやられ。その隙に逃げられた≫

                   ≪……悪くない筋書きを贈れるつもりだが≫

余裕を見せるのが、彼の『キレた時』のふるまいなのか。
――――『スプリンクラー』の感知装置は見当たった。ライターの火は、即座に近付けられる。

                                ボッ!!!

                    ピ――――― !
             ピ――――――!

      ザ ァァァァァァ ―――――――――――――――――― ・・・!!!

廊下の一角に放水が始まる。『コウモリの群れ』や『小怪物』がその水を浴びる。

                  ≪チッ……『血』を流そうという手か?
                   目の付け所は良いが、ヴィジョンとして固めているんだ。
                   激流でもなければ……そんなのは叶わないな!≫

格別に効いている風ではなさそうだが……群れは散開して『宗像の入った部屋』に戻ろうと、
そして、小怪物は煩わし気に後ろに下がろうという動きを見せる。『無意味ではない』のか。
  
                          ――――距離は少し開き『3m』くらいだ。

243『エターナル・ノクターナル』:2023/06/17(土) 17:44:39
>>242(誤記訂正)

>怪物の胴からあふれ出す黒ずんだ血。

この部分は、『赤い血』が正しいです。
誤認を招く誤記をしてしまい申し訳ございません。

244村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/17(土) 18:46:33
>>240

 ギャ ガガガ !!

パウチをそらした後、手空きになった右の『アルミ缶棒』は摩擦しておいた。(>>238メール欄)
つまり、すでに『準備完了』と言うことだ。
この女はおれに目もくれず逃走した。おれの速さと射程を見ていない。
そして『蒸気』は行手を塞ぐ壁であると同時に『攻撃手段』でもある。

 「ちえええええええええすとォォォォォォ!!!!」

ズォ ババババババ!

熱した『アルミ缶棒』を伸長しながら、女へ全霊の『突き』のラッシュ!
ダメ押しに『蒸気の壁』の中に押しやって叩き込む!

245赤月『サクソン』:2023/06/17(土) 21:06:42
>>242

「・・・・・・・・・・ッ!」

束の間の激情と己に強いる様な冷静な言葉遣い
その狭間の中に、彼自身の持つ強い『意思』を感じ取る

(『違う』・・・・・・っ!)

同時に自分自身の発言がどうにも的を外していた事に気が付いた
彼は『人間』だ・・・・どうしようもなく・・・・

>             「――――――『赤月』!!」

>                          「『奴』は『こッ」

(――――『サメの男』!?)

(彼はやられたのか・・・・!?
 誰に・・・・? いや、そんな事は最初からはっきりしている・・・・!)

「『血族のハイネ』――――。
 君自身の本体に彼はやられたのか!?」

(どうする・・・・?
『ハイネ』の言う通りに『手打ち』の道もある
 元々『アリーナ』に対しては忠誠を誓っているわけでもなんでもない
 程々にコネクションを繋げる事が出来れば・・・・それで十分なのではないか?)

「・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・いや。」

「・・・・・・・・・・・・それは違う。」

「『血族のハイネ』!
 君の提案は理解した・・・・その上であえて言おう!」

「――――私は『戦士』だ!!
『アリーナ』に雇われているから何だ! 君が『エクリプス』だからどうした!? そんな事は関係ない!
『戦うべき相手』が目の前に居て! 『戦う力』がある!
 ならば、こんなところで逃げるわけにはいかない!」

「――――戦闘続行だッ!!」

    しゅるる・・・・・!

身に纏う『トレンチコート』で一瞬だけ己の身を隠し、『暗器化』の能力を施す
制服のリボンタイを『縄金票(ジョウヒョウ)』化して、即座にリボンを解く(=使用する)事で能力を発動
正確な動きで『縄ヒョウ』の『ヒョウ』部分を投擲・・・・縄に微妙な振動を加える事で揺らし、
『コウモリの群れ』に対して縄のしなりによる攻撃を加えようとする

(敵が・・・・コウモリと同等の運動能力を持っているとすれば、
 普通はこの程度の攻撃が当たる事はない・・・・だが!)

だが、この廊下には先ほどからスプリンクラーが作動し、雨のような状況を作り出している
敵のスタンドは現実の血を使う事によって実体化している。それは言い換えれば物理的な影響を受けるという事だ

雨の日に『コウモリ』は飛ばない
それは・・・・雨が超音波を乱し、空間の把握が困難な事もあるが
もう一つは・・・・!

(――――コウモリの羽根は、雨に濡れると飛行性能が落ちる!)

コウモリの飛行能力は、極度に軽量化された肉体があってこそのものだ
身体が雨に濡れるだけで、その重量負荷は飛行をする為に通常の何倍ものエネルギーが必要になる
つまり・・・・普段ならば避けきれるちゃちな攻撃でも命中する可能性が高まるという事だ!

246宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/19(月) 18:57:03
>>241

    『戦い』は『結果』が『全て』だ。

その瞬間、俺が考える選択肢は『二つ』あった。
一つは『鋸』を振って『花瓶』を叩き壊しながら『右手(>>231)』を開き、
『破片の散弾』に紛れて『ナイフ』を投げ放つ。
だが、奴が動けないとはいえ、室内が暗かった事を考えると、
外れる可能性は否定できない。

そう考えた直後、より確実性の高い『もう一つの手段』を選択した。
『靴箱(>>237)』で攻撃を受け止め、
それが俺自身に達する前に『第二の条件』を使う。
奴は『アヴィーチー』の能力を『見切った』と宣言した。
だからこそ発動が早くなる事は予想していない。
ほんの僅かな『時間差』だが、一秒を争う状況においては『生死』を分ける。

      事実、それは正しかった。

『今日は妙に昔の事を思い出す』。
この仕事を引き受けた時から感じていた事だが、今ようやく『理由』が分かった。
『虫の知らせ』だ。
馨が俺に『写真』を撮らせたように、
『過去の記憶』が『死の気配』を予告していたのか。
死ぬ間際には『生前の出来事』が次々に思い浮かぶというが、
そうした現象に近いのかもしれない。

『二対一』ではなくなった。
つまり『一対一』になったに過ぎない。
奴は『重傷』だが、赤月は『軽傷』の筈だ。
俺に対して『切り札』を切った以上、つけ入る隙もあるだろう。
いや――俺が赤月に対して思う事は『死ぬな』という事だけだ。
俺は『全ての命が等価である』とは考えない。
『俺の命』は安いが、『赤月の命』は違う。

『どうして人を殺してはいけないのか』。
あの少年の言葉には『続き』があった。
端的に言えば『生命の価値』に関わる問題だ。
少年は『全ての命は等しく価値がある』と語った。
『だから人を殺した』と。

それを思い出そうとした時、俺は何も考える事が出来なくなっていた。
しかし、『行き先』は知っている。
『最初の場所』に戻るだけだ。

    『笹暮』と出会った『奈落』に――――――。

247『エターナル・ノクターナル』:2023/06/20(火) 12:27:19

>>246(宗像)

全ての結果は無限の過程の果てにある。
靴箱による防御という選択は、その実、『攻撃』を何より意識していたが、
この局面――――これまでの過程とは異なるこの局面で、『防御』が重要だった。
だが、それは畢竟結果論だ。或いは、それまでの過程に何らかの差異があれば、
靴箱でのガードは十全では無くとも目的を果たしていた可能性はあった――――

        ・・・

            ・・・

                ・・・


           意識が消えていく。

『死』の足音。
何も『誇大』ではない。戦場で気を失う。敵の気紛れ一つで、『死』だ。

――――幾つもの想像、回想は漏れ出す赤と共に黒に沈み、何も届かない奈落が意識を包んだ。


>>245(赤月)

スマホからは――――『ハイネ』の能力は不明点が多い事や、
彼の『組織母体』は既に滅んでいる事――――関の言葉が聞こえて来る。
だが、それは目の前の『血』、その匂い、戦意に沸き立つ赤の中ではどこか遠い。
既知、あるいは推察が容易に可能な情報である以上に、『戦場の外』だからだ。

≪……そうだ。『無間地獄』とか言っていたか?
 危険な能力だったが……少し『眠って』貰った。
 さて、どうだ? 手打ちにするというなら、奴の身の安全も―――――≫

                 ≪…………≫

           ≪チッ……≫

      バッ

『小怪物』が構え直しつつ、後退を続ける。
『宗像の倒れた部屋』に、群れ同様に戻ろうとしているのか。

≪『戦士』だと? ……そんなものに拘って何になる。
 だが……少なくとも今、お前の『目的』は戦いにあるというのなら≫

                バササササササササササササ

       ≪……背を向けて逃げれば、
        損耗が許容範囲を超えるかもしれないな≫

                   ≪それに……≫
  シュルルッ ―――――
                 バチンッ!!

投じた『縄金票(ジョウヒョウ)』が、舞うコウモリの一匹を撃ち抜く!
また、『縄部分』に被弾したコウモリも二匹ほどおり、群れからはじき出された!
これも最初に見た蝙蝠の移動速度なら避けられそうなものだが、
やはり水によって動きが鈍っているのか、あるいは別の理由でもあるのか。

≪ぼく個人としても……お前は癪に障る。良いだろう、『戦闘』を再開する……!≫

         ジリ…

言葉は好戦的だが、即座に仕掛けては来ない。
言葉の奥に見え隠れするのは『撤退』の意図。
たしかにこの相手を逃がしたとて、目的には反しない。
だが――――それは放置していい理由とはなるまい。

『金票』から逃れた分――――7匹ほどの群れも同じく、やはり『宗像の部屋』に戻る動きだ。

248『エターナル・ノクターナル』:2023/06/20(火) 12:27:32

>>244(村田)

         ガシャグッ ・・・!

『頬』に熱い物と、鋭い痛み。恐らく『ヤゴ』が噛み付いている。

                ――――『だからなんだ』?

     「ひ、ィィッ……」


                 バチ

              バキッ!
      
      ズドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!

                     「ひぎゃァァァァッッ!??」

連打は――――『逃走速度』同様に『速い』敵の手に数発阻まれるが、
ここで『ただの棒』ではなく、『熱した棒』を用意していたのが活きた。

   ズ
     バァァァァ_________________
                                    Z_______!!!!


                         ド
                            ダッ ・・・

     「っぐ、う、ぅ、うううっ」


二発目以降のガードは、目に見えて躊躇が見えた。
スペック差が然程大きくない以上、棒術込みでも、
無理矢理防ぎ切られる可能性はゼロでは無かったが……
準備故に―――勢いよく吹き飛んだ敵は、蒸気の壁を突き抜け踊り場に倒れる!

                   「ふぅゥゥぅ……ぐうぅっ、うっ、ウゥゥっ」

まだ―――――『息』はある。
『全身打撲』に『全身火傷』は確実だが、この辺りは『妄信』のなせる業、か――――

          ≪ギギッ≫

                        ≪キシィィィッ……≫

ふと、『ヤゴ』の声がうるさく聞こえた。

――――ちょうど『村田』と敵を分断する『熱蒸気の幕』 『その辺り』から聞こえ始めた。

249村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/20(火) 15:10:16
>>248

全身の外にも内にも熱したアイロンを押し付けられたようなものだ。気道含めた全身の2度熱傷までは避けられまい。
そこに熱を込めたラッシュとくれば、結果は明白。
火傷と打撲、それらによる火傷性および出血性のショック症状…
加えて気道が焼けていれば水ぶくれによる気道の閉塞もある。
詰まるところ、じきにこいつは死ぬ。

 「貰ったか。」

熱された棒を頬のヤゴに押し付けて焼き潰し、ついでに出血も焼き塞いでしまう。
清掃員の怪我から考えても、然程深く大きい傷ではないはずだ。

>>          ≪ギギッ≫                        
>>≪キシィィィッ……≫

 「!」

おれのを貰う寸前に手持ちの『水を』ぶちまけたのか?あるいは『蒸気』も苗床になり得るのか?
なんにせよ、ここにとどまるのは得策ではなさそうだ。
手にした『アルミ缶棒』を伸長して跳躍。吹き抜けを抜けて上階へ跳べそうなら上階へ。
上へ跳ぶのが不可能ならば後方、割れた窓の方向へ、打ち落としたパウチの位置に注意して飛び退く。

250赤月『サクソン』:2023/06/20(火) 20:49:55
>>247

「『血族のハイネ』。 君と私は、まったく価値観が合う気がしない・・・・だが!」

『戦士』たらんとする生き方
それは、今の様にスタンドを身に着ける前、
『兄』によって仕込まれた、赤月の人生にとっての『根本原理』・・・・!

「その一点だけは、気が合うな
 私も・・・・お前の事は『癪に障る』!」

(やはり何かがおかしい・・・・・
『コウモリ』の速度が鈍っているわけではない・・・・しかし!)

(『反応速度』!
 それが著しく低下している・・・・!)

(どうする・・・・?
『サメの男』はあの部屋に入った直後にやられた・・・・
 あの部屋には『罠』があるとみて、間違いはない・・・・しかし)

しかし、そうだとすると『コウモリ男』が及び腰なのが気になる
『罠』に誘い込もうとするなら『停戦協定』など提案せずに、『逃げる』そぶりを見せればいい
なのに、奴は執拗に『停戦』を提案している・・・・

(何らかの・・・・『エネルギー』が尽きかけているのか?
『血』だけではない・・・・何かが・・・・ならば!)

「――追撃だ」

投げつけた『縄金票(ジョウヒョウ)』を縄を手繰る様にして再び掌中に収める
この『暗器』が完全に形を失うまでにはもう少し時間があるはず
『金票(ヒョウ)』部分を握りしめ・・・・・!

     ズゴォッ!!

そのまま・・・・目の前に居る『小怪物』に向けて突き立てようとする!

   ズゴッ!
          ズゴッ!!

                ズガァァッ!!

何度も・・・・何度も何度も!

251『エターナル・ノクターナル』:2023/06/22(木) 23:13:43
>>249(村田)

確実なのは『死』を目指した連撃をマトモに叩き込めたこと。
そして結果として、敵が『戦える状態』では無くなったということ。
『死』という結果が実際に起こるかは未知数だが、確定の必要も薄い。
狂信者の『心』を折るのは困難だが、肉体を破壊してしまえば、
少なくともこれ以上不毛な『追撃戦』は必要が無くなる。

         《ヂギッ》

      ジュゥッ・・・

『村田』の判断は常に速い。

肉が抉れてこそいるが、『より危険な段階』には移行せず、
?に張り付いていた『ヤゴ』は焼き潰され、死滅した。

         そして。
 
   《ギギッ》
             《キシィィッ!!》

いくら『蒸気』が滞留する性質とはいえ、窓が割れている以上、
それは、階段の封鎖を永遠に続けるようなレベルのものではない。
少なくとも、『棒跳躍』で一気に飛び上がる分には問題になるまい。
そこまで狙ったのなら――『村田』の判断は極めて的確な物だっただろう。

       《キギシッ!!》
                ガチ  !

      ズ ギュ ン!

『蒸気の中のヤゴ』も、これにより本質的な危機を齎さない。

              タンッ!

『強敵』では無かったとはいえ、時間と武器は使わされた。
『上階』は今どうなっているのか――フロアに降り立った時。

               prrr

『スマホ』に着信だ。『関』からの物。恐らくは、追加の情報だろう――――

>>250(赤月)

群れからはじき出された蝙蝠二匹は天井付近に滞真り、動かない――――

《くっ……! 芸のない追撃をマトモに受けるほど……ッ消耗はしていない!》

       バシッ!!

《お前の『能力』……少しだが読めてきたぞ。
 無機物を『形の似た武器』に変化させる、といったところか……
 もっとも、マテリアへの刺客が、『それだけ』の能力とは思えないが》

           《……搦手には、欠けるタイプだ》

――そして、『サクソン』の手は真っ向から払われる!
爪を合わせて切る事を捨て、手の甲を使って確実に弾く形だ。
破壊力は同等だが、先んじて当てられた分、手に痛みは走る。
ほぼ同時、『持続時間』も終わり、元の形を取り戻した。

       敵の速度はそもそも『赤月』より上なのは既知の事実。
       ゆえに先ほどの連打も『数発は』弾かれてこそいたが、
       その攻防時や、コウモリの回避に比べ、何故か動きのキレが良い!
       それにより『速度差』が顕在化している……!

《『集中』さえ出来るなら、攻撃の対処は容易い!》

         タッ!

《戦士らしく追ってくるか?
 ――それとも、アリーナの者らしく策謀でも練ってみるか!》

ただ、その『速度差』があるにも関わらずやはり敵は『退く』のを続ける。
距離差が極端に空きはしないが、扉までの距離は相当縮んでいる。

大きなダメージを受けている分、慎重になっているという事か……
やはり『打撃戦』だけでは暗器を絡めた攻防に及ばない、という判断か?
『罠』があるのは明白な以上、誘い込む策としては弱い感はあるが、
何かよほど大きな仕掛けがあるのか……それとも根本的な理由があるのか?

            『何か』の消耗で言えば、血の『黒』か?
             スプリンクラーの放水が始まってから、
             あるいは腹部に孔が空いてから、
             ヴィジョン表面の『黒』が薄れている。

    だが――――
    それだけですべてを説明は仕切れない予感も渦巻く。

『スタンド戦』は『一〇〇%は読めない』……敵も味方も等しく。次はどう動く?

252村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/23(金) 12:24:03
>>251

 「いくらなんでもあっけねえな。」

階下の女に目をやる。こんなものか?と思わないでもない。
黒幕の『お気に入り』がこの程度で片付くものだろうか。『なにかある』かもしれない。
とはいえ、こいつは本命ではない。時間をかけすぎるのは考えものだ。
武器の確保はなんとでもなるが、失った時間はどうしようもないからだ。

 Pi !

端末を確認して関からの情報を見る。
この『女』に対しての情報でないのなら、さっさと上階へ上がってしまおう。

253赤月『サクソン』:2023/06/23(金) 15:28:48
>>251

「くっ・・・・・!」

『ハイネ』の言っている事は道理だ
単純なスペックで優っているならまだしも、スタンド使い同士の戦いにおいて単調な攻撃は即座に看破されると見ていい
迎撃された両手に痛みが走る

「・・・・・愚問だッ!!
 逃げ切れると思うなよ!」

そう言いながら赤月は、何か・・・・敵の態度に不可解なものを感じ取っていた
単純なスペックで言えば、敵の方が優る。 この状況は『ハイネ』にとって有利な状況のはずだ
にも関わらず、『コウモリ男』は先ほどから撤退を狙って動いている・・・・

(何だ・・・・? 『黒』が薄れて・・・・・?)

(やはり、敵は『何か』を消費している
 これ以上の戦いを望まない程に、『何か』を浪費してしまうのを恐れているのか・・・・!?)

では・・・・それは何か
赤月の中でいくつかの仮説が渦巻く
それは、血を固め『黒く』固着させるものであり、またこの場での補給が容易ではないものであり、
そして・・・・・スプリンクラーが起動した状況では何らかの『支障』が出るものであり・・・・

(────『光』か?)

確証はない。しかし、動かなければ検証する事も出来ない
ならば、動くしかないだろう

制服のポケットに納められた『ポケットティッシュ』に対して『暗器化』の能力を発動
袋詰めされたティッシュのに対し、上から順番に『金票(ヒョウ)』化を施す
そのまま、ティッシュを引き抜き(引き抜く事を『使用』として)、『暗器化』を発動

作成した『金票(ヒョウ)』を投げつけることで
天井に設置されている『照明機器』を破壊しようとする

「『血族のハイネ』
 私からも一つ、君に聞いておこう」

                   「・・・・君は何故、『エクリプス』にいる?」

254『エターナル・ノクターナル』:2023/06/23(金) 17:37:47
>>252(村田)

呆気ない――確かに呆気ない相手だが、
スタンド戦は『真っ向勝負』だけではない。
女は動かず、うめき声をあげてうつぶせになっている。
死んではいないか――――背中の翅はボロボロで、
あそこから飛び上がって奇襲とかは『無理』だろう。

          ・・・
                ・・・

今の所階下から何かが起きる様子はないが、
警戒の一部は割いておいても良いかもしれない。

             ―――着ていたのは『着信』だ。

「……村田さあん! 今は電話大丈夫ですか?
 『ナカレ』ちゃんは今戦ってるみたいで、
 こっちから話しかけても返事がなくて」

             「――『マテリア』が!」

「メッセージも送りましたけど、
 ホテルに向かって動いているみたいで、
 移動距離を考えたら……もう、すぐに到達してもおか」  「しっ……」

とりあえず、『女』についての情報ではなさそうか。
『18階』――――フロアには目立つ異変は見当たらない。

さらに上まで上がるとして、足止めをするような『何か』は無いが、
今、『戦闘中』だという『赤月』とは違い、何か準備が出来るのは今だけだ。

                 ――――当然、リスクもあるが。


        ド
             ン     ・・・


上階から何か、音が聴こえた。『赤月』らの戦闘音か――――状況は待ってくれない。

       「平山さん……なにが!?」

電話の向こうの関も、何か『状況の変化』に見舞われているようだ。だが、待ってくれない。

255『エターナル・ノクターナル』:2023/06/23(金) 17:39:24
>>253(赤月)

≪威勢のいいわりに―――――随分考えてばかりじゃあないか≫

『黒の薄れ』は急激に起きた物では無い。攻防の中で進行した物だ。
だが、その理由を確定できるかは極めて怪しいだろう。
時間経過かもしれない。体力消耗かもしれない。ダメージかもしれない。
『赤月』が考えるように環境変化が引き起こしたのかもしれないし、
あるいはこの場で伺い知れる物では無い、盤外の理由なのかもしれない。

                重要なのは『弱っている事』。

だが、なぜ弱っているのかを確かめなければ、
攻め方を絞り切れないというのも道理ではある――――――――――――

≪『何故』? それこそ愚問だな。……答える義理もないが、
 さて、お前のよく回る頭を悩ませる材料を呉れてやってもいいか≫

  ・・・・・
≪『信じるもの』が『エクリプス』にあった。――――――それだけだ≫

       ≪あるいは。納得が欲しいのなら、
        『そう生まれたから』――――と付け加えてやろうか?≫

     ヒュンッ!!

                   パリィン!!!

ポケットの中に新たに作り出す暗器は、『金票』―――――!

≪『血のさだめ』≫  ≪『生まれついての罪』≫

     ≪闘争だか地位だか金だか……知らないが、
       お前の動機がなんであれ、退けない道理がこちらにはある≫

『照明器具』が割れ、ガラス片が床に散らばるが――――敵は特に怖れや動揺を見せない。

≪電球を落として、水に通電でもしたいのか?
 それとも全部の照明を壊して回って暗闇でも作りたいのか…………≫

               ≪アリーナの『戦士』は、
                決められた場での闘いに長けるという≫

≪ここに『有利な闘技場』を作ろうというのなら、惚けて見ているつもりも無いな≫

                       バササササッ!

扉付近まで下がった『小怪物』の手元に、『二匹の蝙蝠』がゆっくりと舞い降りる。
敵もまた『赤月』の、『サクソン』の闘いを理解しきれていない。どうする――――・・・
                        
                      ・・・ 
                            ド
                              ン

下階から、ふと、僅かな音を感じた。『村田』もまた、闘っているのだろうか―――――

256村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/24(土) 02:33:32
>>254

 「おれの方は問題ねえ。今ひとり倒した。
 『刀傷』があるやつだ。マテリアじゃない方の手駒らしい。
 手が足りてりゃ『回収』しときたいが、難しいだろうな。」

>>         ド
>>             ン     ・・・

「どうやら上で派手にやってるらしい。
 おれはこのまま上に向かう。今18階だから、そうかからねえはずだ。
 それまでは通話する余裕もある。」

 カツ カツ コツ カツ
           ドッ カァ !

階下へ降りて、女の後頭部に棒を叩き込んで気絶させる。
こいつは『通話』をしていた。スマートフォンを持っているはずだ。
みぐるみ剥いで、それを拝借していこう。他にも役立つものを持っているかもしれない。
さっきのパウチの残りとか、あわよくば『情報』とかな。
通話の履歴とか、あるいは『信者』じみた行動で『会話を録音』しているかもしれない。

257赤月『サクソン』:2023/06/24(土) 16:23:19
>>251

    (────光は関係ないのか?)

照明機器の破壊に対してまったく動揺する素振りを見せない『ハイネ』を見て
赤月は己の仮説の間違いを知る

「・・・・・・信じるもの、か
『ハイネ』、君と私は・・・・どうやら似た者同士なのかもしれないな」

状況は膠着している
単純なスペックでは『ハイネ』が優るものの、敵は明らかに消耗しており、戦いに消極的だ
かく言うこちらも、敵の能力がわからないままでは『サクソン』で押通る事も出来ない

改めて戦況を整えるために制服の中にしまっていた財布を取りだし、
『トレンチコート』のポケットに納めておく

                      ・・・ 
                            ド
                              ン

(戦闘音か・・・・? 村田も戦っているのか・・・・?
 それとも、敵の増援・・・・?)

「『ハイネ』・・・・どうやら、私の味方もこっちに来ているようだ
 籠城なんてやめて、いい加減に本体が出てきたらどうだ?」

「いるんだろう? その部屋に
『サメの男』を仕留めた君の本体が」

258『エターナル・ノクターナル』:2023/06/25(日) 01:55:45
>>256(村田)

一旦、『女』を確実に気絶させるために階下へと降りた『村田』。

 カツ カツ コツ カツ
           ドッ カァ !

「今っ……さ、流石ですよう。『回収』は……本部の方に聞いてみます!」

既に気絶寸前であり、棒の一撃で容易に失神させられた。
その身の羽と甲殻のヴィジョンは消え、蒸気の中の気配も消える。
造作もない『処理』だが……何か、とても正しい選択をした予感はある。

「上で『ナカレ』ちゃんと戦ってるのは、
 『エクリプス』の残党で…………『血族のハイネ』と呼ばれてるそうです。
 他の残党から聞き出せた話としてしかはっきりした情報がなくて、
 顔や能力ははっきり分かってないメンバーらしいんですけど、
 『コウモリ』に関係のある能力を持ってるみたいで……!」

関の口調にはやや焦りが見えるが、『村田』に対してではなく、
向こうで今起きていた『何か』に対するもののようだ。
説明は、おそらく平山からの又聞き……さらに言葉ぶりからみるに、
平山も又聞き……というより、『確証』のある情報ではないのだろう。

「平山さんが聞いてる話では……その人と『マテリア』には、
 『エクリプス』時代に繋がりがあったって話は無いみたいですけど……」

             「あ!平山さん、大丈夫だったんですかあ!」

そして、向こうで起きていた『何か』は『解決』されたような雰囲気だ。
タイミングが一致しすぎている――『マスプロダクションC・P・T』
この少女の能力が『何か』を起こしかけていたのだろうか。

          ゴソ

スマホはポケットから出てきたが、ケースすら付いておらず、私用品でない雰囲気だ。
先程の乱撃で液晶に大きなヒビが入ってしまっており、電源も落ちている。
あらかじめ消していたのかもしれないが、情報が無事かは微妙だろう。
ポケットからは、他にこのホテルのカードキーも一枚出て来た。

                バサ

さらに『戦利品』を探す『村田』。
服の下は下着だけで、色気の無い痩せた素肌には大量の痣と火傷のほか、
刀疵ではない古傷がいくつもあった。喧嘩の痕では無さそうだ。

       パチャ

あとは一応、先ほどの『水パウチ』が四つほど、パーカーの裏に入っていた。
増設されたポケットがあり、薄着なのはこれで動きを阻害されない為だろう。
ただ、パウチも棒の連撃で殆ど破損しており、中身が残っているのは一つだけだ。

                  …………上階からの物音は一旦落ち着いている様子だ。

259『エターナル・ノクターナル』:2023/06/25(日) 01:59:12
>>257(赤月)

ガラスが床に散らばる。移動を阻害する程の量ではない。
一つ一つ、敵の能力を洗い出していく。外れていたとしても、
それは『正解』に向けて選択肢を潰していく作業ではある――――

≪ふん……お前も『信じるもの』のために戦っていると?
 ……人により『信仰』は違う。
 お前がアリーナの幹部どもを信じているとして、不思議はない≫
 
≪あるいは……『それ』を連中に握られ、手綱にされているか、、
 『それ』を信じ続けるには連中につく必要があったというところか?≫

思うところを引き出せたのか、『小怪物』は言葉を探しながら続ける。

                                ・ ・ ・
≪後者なら……やはり停戦をすべきだっただろうな。ぼくらは――――≫

――――――――そして、『下階』からの『音』!
『ハイネ』にとってもそれは予想外らしく、怪物が不快げに顔を歪める。

≪さて、さて…………たしかに。ぼくの駒はこうも五月蠅く戦わない。
 ……『数』だけではない、『アリーナ』の力を見誤っていたらしいな≫

彼の想定では『これ以上の自分側への増援はない』という事か。
実際は『マテリア』は『来る』――関の話からするとそれは確かだが、
彼はそこまでの『信頼』を『マテリア』に向けてはいない。

≪ここにいるからと言って……態々、姿を見せる理由はないな。
 ぼくへの『謁見』を望むなら追ってくればいい…………恐れずに≫

                ≪その気がないなら、
                  それでも構わないがな≫

小怪物が『コウモリ』を鷲掴みにする。
もう一羽は付近にフラフラ浮かんでいるだけで、動きはない。

≪『この状況』から2対1で勝てるほど、ぼくは自己評価が高くない。
 …………残念だが、損切りをさせてもらう事にしよう》

いずれにせよ、敵のスタンスは切り替わった。

『損耗』を押し切っての『撤退』だ。
『サクソン』の武器庫、『財布』はコートに収められた…………どう攻めるか。

260村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/25(日) 04:59:50
>>258

「この女、おれを知ったふうな口で『棒使い』と呼びやがった。
 おかしいじゃねえか。おれは能力を見せびらかしたりしねえ。
 だから、冬川サンにゃ悪いが『闘士』やらねえことにしてんだからな。」

言いながら、水パウチを学ランの外胸ポケット、割れたスマホを内胸ポケットへ。
スマホが今壊れていたとしても、しかるべき処置を行えば復旧できるはずだ。
持っておく意味はある。

 「そうなったら一つしかねえ。『見てた』んだよ。
 その『ハイネ』とかいう野郎、『斬った』奴らが何しでかすのか『監視』してやがったんだ。
 さもなきゃ、おれの能力が漏れるわけはねえ。今までずっと、見てやがったんだ。」

舌打ちを一つ挟む。『面白くない』。

 「関、スマホから耳離しとけ。鼓膜がイカれるぞ。」

短く言い放ち、女を棒化する。10〜15秒もあれば十分だろう。
放っておくと死ぬか、あるいは『刀持ち』…『ハイネ』が回収しにくるかもしれないからだ。
お気に入りらしいからな。そうはさせるものか。

 スウッ

 「『ハイネ』ェェェェェェェェェェッ!!!!!!!!!」

あらんかぎりの声を張って、20階へ向けて叫ぶ。
窓が割れているとはいえ『閉鎖空間』だ。反響が手伝って届くはずだ。

 「『覚悟』しとけやァァァァァァァッ!!!!!!!!!」

『宣戦布告』が、ようやく届く。

261赤月『サクソン』:2023/06/25(日) 11:31:39
>>259

「『ハイネ』・・・・ 初めこそ不幸なすれ違いがあったものの
 私は君の事が嫌いじゃあない」

    (――――間違えた。
     私は・・・・『ハイネ』の事を勘違いしていたようだ)


互いに言葉を交わす
『血族のハイネ』の言葉から赤月が感じ取ったものは
この戦いに対する強い『覚悟』であった

「私も君と同じだからだ
『アリーナ』ではなく、その先にこそ求める答えがある」

「だから・・・・」

本音を言うと、『ハイネ』とは決着をつけたい気持ちがある
『エクリプス』に属する男の『信仰』・・・・そこには『戦士』としての興味があった
だが・・・・

「前言を撤回する恥は甘んじて受けよう
 君が『マテリア』を置いて逃げるというのならこれ以上追撃を加えるつもりはない」

己自身の恥を噛み締めながら、そう告げる
一度決めた事を早々に翻す事、それは赤月にとっては恥を伴う事であった
だが、己自身の目的を考えれば、ここで一つの『戦い』に拘るわけにもいかない

「戦いを続けるのであれば、私たちは総力を以てお前を潰し
『マテリア』の事は後日改めて襲撃をしかける事にしよう」

『アリーナ』が持つ最大のイニシアチブは『ここで失敗しても終わりではない』事にある
言外にそのニュアンスを滲ませながら、臨戦態勢を維持しつつ交渉を行う


「――――どうする?」

262『エターナル・ノクターナル』:2023/06/26(月) 22:13:26
>>260(村田)

スマホや水パウチは無事に回収し、女の『棒化』は問題なく可能だ。
死なせない事は必須ではない。殺せば断てる可能性もある。
だが、情報源になり得るものを、壊さない事には確かな価値がある。


「それは……それは、つまり」


関が『村田』の話に息をのむ。
『血族のハイネ』――――その名こそは初めて鼓膜に響いたが、
研ぎ澄まされた『村田』の魂は、間違いなく『その存在』を知っている。

        ――――――――――だからこそ。



           ./l   .,イ,イ .,イ
        //   レ レ //  .,イ
          ./ ニニフ  //   //
       //      /'  // ,イ,イ ,イ
       、二二フ    //  レレ //
                    ./'    /' 




――――――――――空間を震わす、『渾身』の『宣戦布告』ッッ!!!


「っ…………き。きっと聴こえて。『ハイネ』も、震えてますよう!」


関の言葉が確かかは分からない。だが……『届いた』に違いない。

          『刃』を交わせるのがこの場ではなくとも、
            その身を砕き得る『矛先』が、在る事を伝えている。

263『エターナル・ノクターナル』:2023/06/26(月) 22:14:38
>>261(赤月)

≪………………………………フン。
 『意趣返し』というわけか。
 いかにも、『戦士』らしい舌鋒だな…………『赤月』≫

突き付ける『撤退勧告』
奇しくも、構図は先ほどと逆転している――――『小怪物』は鼻を鳴らす。

         ≪………………『わかった』≫

      ≪傷も……『恥』も。ここで痛み分けとしよう≫

そして、零すような言葉が続く。

≪『マテリア』のスカウトは重要なことではあった。
 だが……『損切り』出来る範疇だ。
 彼を護る義理まではない。……良いだろう。その提案に乗る≫

                  バシュゥゥゥゥッ

          ≪エクリプスの堕ちた一翼、
            『ハイネ』の名において――――
            ぼくの『負け』だ。
            ただし、この場では……な!≫

声色は努めて冷静を保っている――――そのように聴こえる。
『小怪物』が10匹ほどの蝙蝠に分散し、
そのほとんどが『宗像の倒れた部屋』へと戻っていく。
勿論、ここで追撃に移行する事も出来なくはないだろう。


           「『ハイネ』ェェェェェェェェェェッ!!!!!!!!!」

               「『覚悟』しとけやァァァァァァァッ!!!!!!!!!」

――――ほぼ同時、『村田』の叫びが、『宣戦布告』の雄たけびが響き渡った。

≪……さて、どうやら。
 ぼくを追う『猛犬』も来ているようだ。
 『カラエ』は彼に倒されたか…………
 惜しい人材だったが、納得はいく≫

一匹だけ――――コウモリがその場に残り、話を続ける。

『ハイネ』と『村田』の因縁の仔細は謎だが、
下階にいる『村田の到達』までには多少なり時間がかかるだろう。

           ≪あの『棒使い』君を相手なら、
             ……時間の余裕はなさそうだ≫

同時に――――『赤月』はある事に気付く。

       『村田の叫び』は、『先ほどの物音』より『下から』だ。
       『村田』がよほど特殊な攻撃をしたのでなければ、
       彼とは別に、『なにか』をした人間が、いるという事になる。

≪さて。……『赤月』≫

ここまで見てきた能力傾向から見ても、ここから攻撃は無さそうだ。

      ≪『アリーナに与し』『エクリプスを憎んでいない』 
       それでいて、金や名声のために戦うわけでもなく、
       アリーナという組織への忠誠心を己の誇りとしない。
       ……お前の『立場』は、ごく漠然とだが『察せる』≫


ほどなくして『血族のハイネ』は撤退するだろう。

≪『ぼく』は『アリーナ』以外の。……答えに至る『式』を知っているぞ≫

――――――『返す言葉』や、『追う意志』があるなら、彼はまだ室内にいるはずだ。

264村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/26(月) 23:24:24
>>262
 フゥー ・・・

 「上に行く。女はとりあえず、おれが持っておく。」

今いる高さが50m以下なら窓から投げ落としてしまえただろうが、18階となると怪しい。
1階あたり3メートルで計算してもギリギリアウトだ。

 「もうマテリアはホテルに入ったと思っていいのか?」

おれの位置は今のでバレたはずだ。既にホテルに入っているなら、おれの方に来るだろう。
女の棒化を終えたら、警戒しながら手早く20階を目指して駆ける。

265赤月『サクソン』:2023/06/27(火) 00:13:13
>>263

「ふっ・・・・。 何が『負け』だ
 結局、私は君に決定打を突き付ける事が出来なかった
 消耗戦において、ほんの少しだけこちらの陣営の総力が勝っただけだ」

>           「『ハイネ』ェェェェェェェェェェッ!!!!!!!!!」

>               「『覚悟』しとけやァァァァァァァッ!!!!!!!!!」

「・・・・・・・この声
 どうやら、彼もまた君と因縁がある人間らしいな」

下階から聞こえる村田の怒号
元々、暴力沙汰の匂いが強い彼ではあったが、見ず知らずの相手にここまでの敵意を燃やす事もないだろう
恐らく、何かしらかの因縁があったか・・・・それは赤月にとってはあずかり知らぬ事ではあるが

(・・・・・・・?)

奇妙だ
先ほど聞こえた物音・・・・あれはこの階のすぐ下から聞こえたように思える
だが・・・・村田の声はそれよりも遠い

(『ハイネ』の陣営とも、『アリーナ』とも違う人間がこの下にいる・・・・?)

>≪さて。……『赤月』≫

         「む・・・・・?」

状況の把握に努めようとする赤月にかけられる声が一つ
撤退するハイネからの最後の『提案』だ

         「・・・・・・・・・・!?」

                         ピッ

その『提案』を聞き、赤月は無言のままスマホの通話を切る
ここから先の話は、『アリーナ』の人間に聞かれるわけにはいかない

「待て・・・・! それはどういう事だ!?
『アリーナ』の内部からではなく・・・・『外』から答えに至る方法だと!」

蝙蝠を追いかけるように・・・・・宗像が入り込んだ部屋の扉を開く!

「答えろ、ハイネ!
 君は一体何を知っているというのだ!?」

266『エターナル・ノクターナル』:2023/06/28(水) 08:01:52
>>264(村田)

「分かりました! そうなったと伝えておきますよう」

外に投げ捨てれば確実に死ぬ高さだ。
勿論大きな問題にこそならないだろうが――――『村田』はそうしない。


「……行方を監視してた人が、突然見失ったみたいで。
 来た連絡だと、『地面を壊して地下に潜った』って……
 でも、すぐ近くまでは来ていたから、もう来ていてもおかしくないです……と」

            「……そう言ってました」

後ろで平山が説明をしているだろう。関は慎重に状況を伝える。

「『クリサンセマム』がどういう能力なのかはやっぱりわからない……ですけど、
 追っていた人が言うには、『異常に身軽な動きをしていた』……って」

作戦の容姿を考えれば『露骨な追撃』や『深追い』は出来なかったのだろうが、
それでも、最低限の情報だけは得ていた――――といったところか。

                ザッ ・・・ 

                      ザッ ・・・

「……私が、『村田』さんに言うのも変かもしれません。でも……『お気を付けて』ッ」


『19階』――――――結婚式場、セレモニーホールへの階段を上る。

                ゴ     オ オ オ オ ――――――――

何処かから、風の吹きこむ音がする。上からだ。
踊り場の窓は封鎖されている。『19階』の窓でも開いているのか。
階段の上に見えるフロアの一端は、夕暮れの光が差し込んでいた。

そう、踊り場まで来ている。『赤月』達も、ここか、その上にいる可能性は高い。

267『エターナル・ノクターナル』:2023/06/28(水) 08:02:10
>>265(赤月)

「それは『エクリプス』と『アリーナ』の関係にも近いな。
 ごく一部の『幹部』どもを除けば、個の力で歴然たる勝敗は無かったはずだ」
 
          「ぼくらはあの時も、『総力で負けた』
           ……腹立たしいが、認めざるを得ない事実だ」         

部屋の奥からその男の声が聞こえる。
 
「お前の事情は知らないが…………………確かなことはある。
 『正義』で固めた『権謀の巣』は、見上げざるを得ない絶大な力を持つ。
 お前が何を質に取られたのか、鼻先に吊られたのかは知らないが、
 最悪の場合……そんなものは。踏み倒せるほどに『強い』」

      「さて。……さて、だ」

血の色にも似た真紅の髪と瞳の――――
恐らく、『村田』と変わらぬ歳に見える少年。
どこか優美ですらある『スリーピース』をその痩躯に纏う一方、
左腕は中ほどからが『赤い粒子』状になって漂い、右腕もズタズタだ。
欠損自体は然程気にしている様子もない――――『能力の一環』か?
だが、床には血溜まりが出来ており、『重傷』と言って過言でもあるまい。

              彼こそが――――『血族のハイネ』。


「『地に堕ちた鳥』達は、『必死』だぞ。
 千切られ踏みにじられた羽を集め…………太陽に至り、
 そして。永遠に醒めない夜空を…………戴く。
 ぼくたちは…………『互助』を惜しまない」

              グラッ……

「お前の求めるものによっては…………こちらの方が、より『近い』んじゃないか」

窓辺から倒れるように、外に身を投げ出す『血族のハイネ』
その身が無数の『コウモリ』に変わっていくのが、見えた。

「『従い歩く道』ではなく…………『助け合い翔ぶための翼』」

                  ┣¨┣¨┣¨

             ノーチェ・ポラール 
            「『極夜』」

   ┣¨┣¨┣¨ ・ ・ ・

          「その名を覚えていれば……再会は遠くない」

その姿が消えるのを目で追えば、ちょうど、
床に倒れている『宗像』が目に入るだろう。

「あるいは―――――――――――『再戦』か? 『戦士の赤月』……また会おう」

頭から夥しい出血が見て取れるが、脳が散らばっていたりはしない。
それなりに早急な処置は必要かもしれないが…………気を失っただけで、生きてはいそうだ。

    ―――――『追う』事も不可能ではないかもしれないが、外は『地上19階』。
            飛べば、何らかの手段で着地出来ても、戻って来るのは難しいだろう。

268赤月『サクソン』:2023/06/28(水) 15:26:13
>>267

「お前が『血族のハイネ』か・・・・!」

『真実』への手がかりを掴むべく、扉の奥へと進んだ赤月の目の前に現れたのは
『青年』ともいえる年頃の男・・・・あれこそが『血族のハイネ』
2対1の激闘を凌いだ『カーディナル・シン』の本体なのだろう

ノーチェ・ポラール
「『極夜』・・・・・・それが君たちを繋ぐ『縁』の名前か」

『エクリプス』は壊滅した
だが・・・・崩壊した月の残骸から生まれるものもある
『極夜』を自称する彼らが、寄せ集めの塵となるか、それともこの街を覆う夜の帳となるか・・・・
それはまだ、この時点ではわからないのだろう

「『覚えた』ぞ」

赤色の青年が無数の『コウモリ』に変じて夜闇に飛び去って行く
『地上19階』とはいえ、あるいは『サクソン』であれば、彼を追いかける事は決して不可能ではない
だが、彼を追う事を・・・・赤月は選ばなかった

「おい! 『サメの人』! 生きているか?」

それよりも目の前で倒れている『宗像』の介抱が先だと判断したからだ

彼とは・・・・正直に言って戦友と言える程互いの事をわかりあっているわけではない
むしろ、取っつき辛く、何を言っているのかわからない印象が強い

(だが、今は『マテリア』がすぐ近くまで迫っている
 戦力は出来る限り多い方が良い)

そう思いながら、気絶した彼を起こそうとする

269村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/28(水) 16:32:42
>>266

 「地下に潜った、ね。
 するってえと、尋常の方法では出てこねえだろうな。」

地下を伝ってここまで来るのか?
それとも地下に潜るのは目眩しで、別の場所に出て地上から来るのか?
あるいはその身軽さで、既にここにいるのか?
不明だが、不明だからこそ『気を張って』いられる。

上の階からは風の音だ。戦闘に伴うだろう音は聞こえない。
そういう能力の可能性もある。おれは『ハイネ』の能力を見ていない。

 「おうい、そこにいるか?」

19階に向かって登りながら声をかける。
周囲への警戒は解かない。ここは死地であるからだ。

270『エターナル・ノクターナル』:2023/06/29(木) 03:38:22
>>268(赤月)

飛び去った羽音の群れ、『ハイネ』からそれ以上の返答はない。
『極夜(ノーチェ・ポラール)』……耳慣れぬ響きでこそあるが、
それが意味するのは『エクリプス』の『残党組織』なのは明白だ。

               だが。

『未来』よりも、『この任務』に向き合わなくてはならない――――

       ピク…


               ・・・『宗像』の指先が僅かに動く。

意識を取り戻しつつあるようだ。
また、少なくとも『致命傷』には思えない。

胴に重い一撃を受け、頭にも重傷を負った彼の余力は読めないが、
『手練れの殺し屋』相手には、猫の手ですら借りるべきだろう。

                      ―――― ・・・


下の方から『村田の声』が僅かに聴こえた。

何といったかは今一聴こえないが、『呼びかけ』のような調子に思える。
少なくとも、今この瞬間にも『村田』が戦い続けているという事はなさそうか。        

>>269(村田)

「地面じゃなきゃ壊せないわけじゃないでしょうから、
 建物の中で床から出てきたりしてたら……」

電話口の向こうで、頭を悩ませる関。
 
「この辺りは使われてないビルとかもそこそこありますんでェ
 もう、こうなると、どこから来てるかは分からないと思いますねェ〜」

平山の声も聞こえて来る。
『死地』――――『村田』の考えは正しい。既に暗殺者は動いている。


                     バササササササササササササ
 
                         サササササササササササ ・・・


ふと、踊り場の窓の外を『羽音の群れ』が遠ざかっていく――――――――――

             『コウモリ』だ。

情報が正しいなら、『血族のハイネ』の能力だろうが、攻撃の一環とは思えない。
『赤月』らが、彼を退けたのだろうか―――――?
少なくとも現状、戦闘音などは聞こえない。


                    ・・・

              ・・・


19階――――階段から見える範囲の『廊下』にはひとまず、人影は見えない。

呼びかけに応答する気配も今の所はないので、
少なくとも『赤月』『宗像』がここをうろついているような様子はないようだ。

>>(宗像)


          …………ピク


――自分の指先の震えで、暗闇に堕ちていた意識が浮かんでくる。
最初に感じたのはまとわりつく悪心と、頭部の激痛だ。
胴体の痛みはかえって、気にならないが……動けば再発はしかねないか。


      ドロォォ ーーーー ・・・

頭から流れ出す血は、今は勢いが少しずつ落ち始めており、
少なくとも継続的に視界を塞ぐようなことはないかもしれない。

元気に戦えるとは言えないが、『もう一ミリも動けない』という事はなさそうだ。

              もっとも。

正常な感覚であれば――――このダメージは、『動くべきではない』だろうが。

271宗像征爾『アヴィーチー』:2023/06/29(木) 08:35:38
>>270

暗く淀んだ意識の浮上と同時に、記憶の断片が脳裏を過ぎ去っていく。
『カーバンクル』の殺処分を『スミノフ』に妨害され、
『硯研一郎』の一撃で敗れた俺は、『藤原しおん』の下で目を覚ました。
そこを出て行く間際、藤原が投げ掛けた言葉を覚えている――――――。

「『アヴィーチー』」

「命は素晴らしい『音』を溢れさせる。……キミにも生きていて欲しい。
 生きて得られるものが、たとえ苦しみや……罪のつぐないだけなのだとしても」

             「『この世の地獄』は、『あの世』よりずっと美しい」

    ――――――両目を開く。

ここが『地獄』ではない事を理解した時、
最初に考えたのは止血ではなく、起き上がる事でもなかった。
俺がやるべき事は一つだけだ。
『仕事』を果たさなければならない。

『アヴィーチー』を発現し、『頭部の負傷』を引き金にして『能力』を発動させる。
『ノコギリザメ』は『過去の事象』に対しても追跡が可能だ。
現時点で正確なダメージに気付いたのなら、『分離』を行う事は不可能ではない。

奴が射程内に存在し、まだ死んでいなければ『報復』が開始される筈だ。
そうでなければ既に『100m』以上離れたか、生きていないと判断できる。
俺自身が動かずに状況を知る為には、これが最も早い。

仮に届いたとして『殺し切れる』とは考えていなかった。
だが、『再起』に要する時間は確実に増えるだろう。
『意識を失う直前の行動』を完遂させ、『俺も生きている事実』を奴に理解させる。

    何よりも――――『敵』は一人だけではない。

272村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/06/29(木) 16:21:40
>>270

視界の端に蝙蝠の群れが映る。
倒したのか、倒されたのか、それとも。

 「『逃げた』か?」

わざわざ人を監視するような奴が、この場で命を捨てて戦うとは思えない。
旗色が悪くなれば当然撤退するだろうと思っていた。
なにせ奴は時間さえあれば無限に『駒』が作れるのだから。
わざわざ過剰なリスクを背負って『マテリア』と接触する理由もないはずだ。だが。

ビッ!

 「多少なりリスクを背負って『接触』しに来るってことは、だ。
 よっぽど『マテリア』のことを買ってる訳だ。」

遠ざかっていく蝙蝠の群れに中指を立てて見送る。
『くたばりやがれ』だ。

 「おお〜い。どうだぁ、まだ生きてるかァ〜〜っ」

気が済んだら、また声をかけながら階段を登る。
どうやら19階ではないらしい。静かすぎる。
既にマテリアがいるなら、どのみちさっきの絶叫でバレている。
おれから所在を発信するぶんにはリスクは低いはずだ。

273赤月『サクソン』:2023/06/29(木) 17:57:05
>>270

       「気が付いたか?」

どうやら意識を取り戻したらしい宗像に声をかける
だが、状況は差し迫っている・・・・情報共有は手早く済ませなければならない
再び、スマホで電話をかける。通話先は『関』だ。スピーカーを起動し、再びポケットの中にスマホを突っ込む

「すまない・・・・赤月だ
 先ほど、『血族のハイネ』と交渉を行い、この場を見逃す代わりに『マテリア』との戦いには関与しない約束をした
 これから、こちらに向かってくる『マテリア』への迎撃態勢を整えるつもりだ」

簡素に状況を説明する
関たちと、それと宗像に向けて

「『サメの男』・・・・宗像が負傷していた
 ハイネへの刺激を避けるために君たちとの通話は切らせてもらっていたが、理解してほしい」

会話を続けながら、いったん部屋の外に出る
そして、扉の『ドアノブ』に対して『暗器化』の能力を行使
ドアノブを回したら『スタンガン』になって触れた者を攻撃するようにしておく

そして、扉を閉める

「状況は変わったが、作戦は続行だ
 扉に『スタンガン』化を施す。村田にはドアノブに不用意に触れないように注意してくれ」

そして、余裕があれば部屋の中に何か使えそうな道具がないかチェックしておく

274『エターナル・ノクターナル』:2023/06/30(金) 21:29:43
>>271(宗像)

『赤月』の声――――呼びかけと、電話の声が聞こえて来る。

                ≪ア≫

            ≪アヴィッ!!≫

    ≪アヴィィィィィィイイイッ!!!!≫

そして右腕が切り離され、『ノコギリザメ』が動き出す――――が、
追尾が中々始まらない。と、言うより・・・

   ≪アヴィイッ!?≫

   ≪頭ヲ割ラレタアァァッ!!≫  ≪割ラレタッ!!≫

           ≪割ラレタァァアアアアッ!!!!!?≫

――――『ノコギリザメ』の追尾は『嗅覚依存』かつ、『低性能』だ。

辺りには敵のコウモリ男のものらしき血が飛び散っており、
底を見て回るように、暫くふらふらと動き回る。

少なくともこの付近に『コウモリ男』はいないか、或いは臭いが無いのだろう。
『斃された』以上、命があるのが幸運で、それ以上は望めないという事か。

          「おお〜い。どうだぁ、まだ生きてるかァ〜〜っ」 

――――と、下階から『村田』の声が聞こえる。

>>272(村田)

         ビッ!

立てた中指が届いたかは分からないが――――すでに布告は済んでいる。
次に遭遇する事があれば、その『矛』を突き立ててやる事になるだろう。

            ザッ
                ザッ

『19階』に入る―――――――――― ・・・

                 ゴ ォォォォォ ・・・

開いた窓から吹き込むビル風。
矢張りこのフロアには『赤月』らはいないと見て間違いは無さそうだ。

                         …     …  

                      パラ …

どこかから、小さな音が聴こえた。

方向的には――――左方向に見える扉の奥からだ。『セレモニーホール』と書いてある。
逆側の右手方向には『バンケットルーム』……いわゆるパーティ会場がある。

>>273(赤月)

「交渉……!? エクリプス、と…………いえ! わかりましたよう!
 『宗像』さんの怪我と……作戦のことも。
 今、別の電話で『村田』さんとも話してますので! しっかり伝えます」

吉報に高揚したテンションで関が返して来た。
電話を切った事には特に違和感は持たれていないようだ。

           スタ …

                スタ …

『宗像』は――――追撃でもするつもりか、『ノコギリザメ』を発動していた。

彼を残して部屋を出る――――室内にとりあえずめぼしい物は無い。
『マテリア』が私室として使っているのは『ペントハウス』のはずなので、
この部屋は『借りてはいるが』使っていない部屋……備品なども最低限のようだ。

              ズギュウン!

      『ドアノブ』のスタンガン化も完了した。迎撃準備は整いつつある。         

        「おお〜い。どうだぁ、まだ生きてるかァ〜〜っ」 

――――と、下階から『村田』の声が聞こえる。

声の距離を考えると、恐らく彼はもう地続きである『19階』に来ているのだろう。

「村田さあん、今はまだ大丈夫ですか?」

耳元からは離しているであろうスマホから、関の声が僅かに聴こえて来た。

275宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/01(土) 03:03:32
>>274

もう少し凝った一撃を食らったかと思ったが、頭を割られただけだったか。
そして、俺は死ななかった。
殺す気で来た事を考えると、少なくとも腕力に関しては、あれが上限なのだろう。

「呆気なく命を落とす者がいれば、しつこく生き延びる奴がいる」

絶好の機会にも関わらず、『ハイネ』は単純な打撃に終始した。
しかし、スタンドにはバランスが存在する。
『アヴィーチー』の能力は右腕に集中し、それ以外は無能力の人型に過ぎない。
『カーディナル・シン』にも同じ事が言えるなら、そう不思議な話ではないだろう。
だが、あのしぶとさに惑わされた事は確かだ。

「――――人間の『生き死に』は読み切れない」

普通なら死んでいてもおかしくない深手を負いながら、
声を上げて居所を悟らせなかった胆力は称賛に値する。

「俺のポケットに入っている『折り畳み傘』を持っていけ」

『ノコギリザメ』から視線を外し、室内を調べる赤月に呼び掛ける。

「『アヴィーチー』の能力は『本体の所持品』に対しても発動が可能だ」

              グ ッ

「『暗器』にした後は敵に破壊させるか、それが難しければ君自身の手で壊せ」

階下から響く村田の声を聞きながら起き上がり、包帯の代わりになりそうな布を探す。
『アヴィーチー』の足で踏みつけて固定し、左腕で引き裂いて頭に巻き付ける。
適当な布が見当たらなければ、上着を脱いでシャツの袖を引き千切って使う。
『重篤な負傷はスタンドのパワーを削る』。
かつて自らの身体で体験した現象が、再び起きているかどうか確認する意図も含む。

276村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/01(土) 12:08:08
>>274

 「今19階だ。『窓が開いてる』。」

 「こんな高くて高価いビルの窓、『開けっぱなし』にしとくか?
 どうにも臭うぜ。これは。」

これだけのホテルなら空調は完璧なはず。換気のために開けたとは思えない。
吹き込むビル風の強さを考えれば、なおのことおかしい。『危険』だからだ。
『セレモニーホール』に接近しながら、開いた『窓』を確認する。
鍵のあたりが『消失』しているかもしれない。

 「今すぐ赤月に伝えろ。野郎、『壁や床を壊して出てくる』かもしれねえ。」

携帯越しの関に声をかける。

 「それから19階の『セレモニーホール』と『バンケットルーム』だが、
 それぞれの『真上』と『真下』には何がある?」

277赤月『サクソン』:2023/07/01(土) 15:03:08
>>274
>>275

「目が覚めたばかりだというのに、何も聞かずに戦いの事か・・・・」

部屋の様子を調べながら、目が覚めたばかりの宗像の言葉を聞く
相変わらず人間味の薄い・・・・『サメ』のように何を考えているのかわからない言動だ
だが、彼の『戦闘』に対する態度は本物だろう

「ん・・・・預かっておく
 その代わりに君には『これ』を渡しておこう」

そう言って『折り畳み傘』を受け取ると、代わりにポケットの中から『ボールペン』を取り出して渡す
渡す直前に『ボールペン』には『袖箭』への『暗器化』を施しておく

「能力を施したボールペンだ
 ノックをすれば『袖箭』になって射出される」

「武器として使ってもいいし、『射出』は『サクソン』の能力による攻撃だ
 君自身を傷つければ私に『復讐』をする事が出来る・・・・・と思う」

これでポケットの中に納められた道具は『ライター』が一つのみ
新たに受け取った『折り畳み傘』をトレンチコートのポケットに入れておく

278赤月『サクソン』:2023/07/01(土) 15:12:45
>>277

(『道具』が足りないな・・・・)

ホテルの一室であれば電話の横などにボールペンがあってもおかしくはないはず
机の引き出しなどを探して、ボールペンやメモ帳、タオルなどを探していく

279『エターナル・ノクターナル』:2023/07/02(日) 20:02:58
>>275(宗像)

少なくとも――――『コウモリ男』の『即座に行える一撃』は、
単純な打撃力と爪の鋭さに任せた、原始的な物に過ぎないのだろう。
確実に戦闘力を奪えるなら、あの場面、それをしない理由は無い。
満身創痍ではなくとも、重傷を負っていて、あれが限界だったかもしれないが。

                  グ
                 わ
                    ン

そしてもう一つ。――――明らかな事がある。視界が揺れた。

人間は普通の威力では、『頭を殴られて気絶』などしない。
首の付け根辺りを打つ事で効率的に脳震盪を起こせるとされるが、
『宗像』が殴られたのは明らかにそのような位置ではない。

          『力任せに脳震盪を起こす程の一撃』。
           頭蓋骨陥没による脳出血のような、
           真に致命の結果でも不思議はない物だ。

それを受けた今、『宗像』は自分の想像以上に『効かされている』――――

              グッ

それでも。まだ動ける。

『赤月』との武器交換を済ませ、包帯の準備をする。
ここで確かめたのは正解だ。『アヴィーチー』は……力こそ入るが、動きがおぼつかない。
 
              『精密動作性』――――それが低下している(現在D相当)

布は、ホテルの備品らしき長いタオルが一枚だけ見つかった。包帯は、今巻いている最中だ。

             ≪アヴィッ ……≫

同時に、『アヴィーチー』のノコギリザメがふらふらと手元に戻ってきているのが見えた。

>>276(村田)

               オ オ ォォォォ ―――――――― ・・・

たしかに、窓が開いているのは自然な事象とは言い難いだろう。
中から鍵を開けられるようにはなっているし、
鍵周りに破損等は見えないので、『赤月が開けた』可能性はあるか。

「窓ですねえっ! 分かりました、その件は伝えておきますよう!」

そのあたりは関経由で確認は出来そうだが、
事実として――――頑張れば人が通れそうな窓が『開いていた』というのは、ある。

「館内図を見た感じ……『セレモニーホール』の下は、ええと、『フレンチレストラン』です。
 もう片方の部屋の下は、『バーラウンジ』と……多分、倉庫とかの客は入れない部屋ですねえ」

             ・・・  

                  ・・・

今この瞬間に何かが動いたような気配は、無い。

だが……敵は『暗殺者』だ。どのような方法での強襲を仕掛けて来るかは、一切『読めない』。

                  ゴ ゴン

『セレモニーホール』から、僅かに音が聴こえた。偶然か、誘き寄せる罠か、警戒させたいのか。

>>277(赤月)

『宗像』の戦闘への意志は、常人のそれを遙かに超えている――――
あるいは『ファイター』のような『闘争心』ではなく、もっと別の何かなのか?
ふらつく足取りの彼と、『武器交換』を済ませる事は無事に出来た。
彼はノコギリザメを放流した状態で、即席の包帯を作って止血をし始める。

                 コロン

電話機の横にはペンとメモ帳が置いてあった。
客がいなくとも、一々撤去はしない備品もあるか。
使われた様子や、妙な細工がされた様子などは無い。
ほか、タオルは見つかったが『宗像』が止血に使うようだ。

「――――ナカレちゃん、村田さんから伝言です!
 19階の窓が開きっぱなしで、そこから敵が入ってきたのかもって」

        「どこからくるか分かりませんから、
          集中したかったらいつでも電話は切ってくださいねえっ」

19階の窓を開けたのは『赤月』だ。

とはいえ、今はだれが開けたかではなく、侵入経路が思いの外近い、という可能性が重要だ。

280宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/02(日) 21:08:39
>>279

戻ってきているというのは、強制解除されかかっているという意味だろうか。
ノコギリザメは5秒間動けない状態が続くと解除されるが、
動けない状態=追跡が始まらない状態であるという記述が見当たらない。
したがって当方は、動けない状態という言葉を追尾が始まらないという意味ではなく、
文字通り物理的あるいは何らかの能力で行動を止められている状態であると解釈していた。
完全破壊または動けない状態と列記されている事も、そう考えた理由の一つに当たる。
手数を掛けさせて大変恐縮だが、今後にも関わる事なので、
こちらの解釈が間違っているのなら、正しい解釈を教授していただきたい。

281『エターナル・ノクターナル』:2023/07/02(日) 21:15:51
>>280(宗像・回答)
自立型スタンドの挙動が何を意味するかは未知の情報だが、
今回は明確に『描写意図』を書かなかったこちらの落ち度であるため、回答する。

>戻ってきているというのは、強制解除されかかっているという意味だろうか。
『いいえ』。

ノコギリザメが室内の『探索をしたが追尾対象が見つからなかった』ため、
敵の血を多量に浴びており『臭い』のついた『宗像』の方にも自信なさげに近付いて来ている、が正しい。
廊下にも血痕はあるが、『赤月』がドアを閉めているため、このような挙動に至っている。

282赤月『サクソン』:2023/07/03(月) 01:01:07
>>279

ペンとメモ帳はトレンチコートのポケットに突っ込んでおく
いつでも『暗器化』を発動できるように・・・・

「19階の窓・・・・!?
 くっ・・・・すまない。それは私が開けたものだ!」

例え、窓を開けていなくても別の手段で入り込む事は出来ただろう
しかし、敵地であるにも関わらず迂闊な行動を取ってしまった己の甘さに対し、
自分を叱咤するかのような謝罪の言葉を呟く

「――『マテリア』はまだ現れていない!
 だが、いつ奴が現れても不思議ではない状況だ・・・・
 この場で『マテリア』を迎撃する!」

ホテルの一室であれば、使用客がいなくても置いておく物がいくつかあるはず
『テレビのリモコン』と『エアコンのリモコン』、それと『聖書』などがあればまとめて回収し、
トレンチコートのポケットに突っ込んでおく

>>275

「『サメの宗像』・・・・無理はするな
 意識を取り戻したといってもダメージは大きいはずだ」

「『マテリア』との戦いに巻き込まれればただでは済まされない
 まずは自分が生き残る事を考えて欲しい」

「・・・・・・いや」

僅かに、おかしさに耐えられなかったように笑みがこぼれる

「まさか、私が君にこんな事を言う日が来るなんて、ね」

「『戦いの後』の話・・・・
 それは君にとっても例外じゃないと思うけど?」

283村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/03(月) 12:48:24
>>279

 「『セレモニーホール』から音がする。」

関へ状況を伝える。

 「おれが気にしてんのは『マテリア』が既にここに入ってきていたとして、
 天井や床を破壊して強襲をかけてくるとか、最悪『逃げ』を決め込むかもしれねえってことだ。」

 「向こうはプロだ。勘づいてねえわけがねえ。
 さもなきゃ、アリーナの尾行を『潜る』なんて目立つ行為を使ってまで巻いたりしねえはずだ。」

ガシ !

『女棒』を両腕で掴み、肩に担ぐような形で『ディズィー・スティック』を構えさせる。これは『琉球棍』の構えだ。
縦に構えた棒で正中線を守り、右手と左手、手元の『繰り出し』だけで上中下全ての打撃を行える。
『振る』という大ぶりな動作を省くことで、『スピード』をさらに活かすことができるはずだ。
(参考映像: ttps://youtu.be/vebfiSHD-x8)

 「『セレモニーホール』に入るぞ。」

ホールの扉を蹴破り、ないし棒で突き破って中を確認する。

284宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/03(月) 16:39:41
>>281

丁寧な回答に感謝を。

>>279

赤月から受け取った『ボールペン』を、上着のポケットに忍ばせる。

「いつかは『こうなる』と思っていたが――――」

『頭部に受けた傷』は、否応なしに過去の記憶を蘇らせる。
振り下ろした『鈍器』で頭蓋骨を砕かれた少年の顔。
曖昧な薄笑いを浮かべた最期の表情が、まざまざと眼前に浮かび上がる。
俺が『同じ場所』を割られたのは、『因果』が巡ってきた結果なのか。
一撃では死ななかった事も、『あの時』と同じだった。

「『穢れた血啜りの群像』か」

『ノコギリザメ』の挙動を見て、大量に返り血を浴びている事に気付き、
あの男が口にした言葉を思い返す。
俺の額から流れ落ちる血も、この身体を染める血と変わらない。
混ざり合ってしまえば、区別がつかなくなる。

          ド サ ァ ッ

タオルを使って止血を済ませてから、
『ハイネ』が座っていた血濡れの椅子に近付き、そこに腰を下ろす。

285『エターナル・ノクターナル』:2023/07/05(水) 23:21:24
>>282(赤月)

「あぁ。そうだったんですねえ!
 ……分かりました、伝えますよう!」

失策――――とそれを自戒するのは『赤月』の強さだろう。
少なくとも、関の声色に責めたりそしるような物は無いし、
偶然、と切って捨てる事も出来る。その程度の事でも、次に繋げられる。

                  ゴソ

2種類のリモコンは見つかった。『聖書』も、引き出しの中に入っていた。
トレンチコートのポケットにしまい込むことも、問題なく出来た。


            ――――  ゴトン


『宗像』は譫言のような言葉を紡ぎ、返答もせず、ただ、『椅子』に腰かけた。
止血は済ませているようだが、血みどろの姿には『安心』は一切ない。

                 疲労のあまり・・・でも不思議ではない。


      ≪アヴィィィィィイ・・・≫


『ノコギリザメ』は放し飼い状態だ。何か狙いがあるのか、しまい忘れなのか――――



>>284(宗像)

『赤月』が話しかけて来る中、血塗れの男は血濡れの椅子に腰を下ろした。

               グジュ ・・・

特に何が起きるでもないが、座る事で多少なり体力を温存は出来るかもしれない。
その『赤月』は、室内に道具を揃えてから戦いに挑もうという心づもりのようだ。

                  脳裏には因果に思索を巡らせる。
                  しかし、それは今ではない――――

      ≪アヴィィィィィイ・・・≫

                        フラ〜〜〜〜


『廊下』の方へと向かって行く『ノコギリザメ』。

返り血は『赤月』も浴びているので、そちらに向かう意図もあるのかもしれない。
少なくとも、いくら精度が低いとはいえ誤爆での『復讐』にまではならないだろうが・・・


              グラ
                ・・
                  ・

意識が揺れる。先ほどより大きくはない――――『マシになった』だけで、回復とは言えない。

286『エターナル・ノクターナル』:2023/07/05(水) 23:25:43
>>283(村田)

「あ、村田さん! 窓なんですけど、ナカレちゃんが開けたみたいです!
 多分、外にいた敵を見つけるためとかだと思うんですけど」

理由はともかく、『開けた』のは敵ではないらしい。
もちろん、重要なのは『そこ』ではないだろう――――

「『セレモニーホール』……ですね!
 分かりましたよう、ナカレちゃんにも伝えておきます!」

                 ガシ !

『琉球棍』――――その独特の構えもまた、『棒術』の戦闘領域!
本来、武道の構えを知っていようがそれをスタンド戦闘に活かせる事は少ない。
だが『ディズィー・スティック』は、知る『棒術』全てを武器にする。

        『棒使い』ではない。

             『棒術の達人』―――――――!

  「何度でも言います……お気を付けてっ」


関の言葉は戦場にいないとはいえ、切実な物だ。
『お気を付けて』―――――――――――――――――


                    ドゴン!!!!

扉に施錠はされていない。蹴り飛ばしたなら、ごく簡単に開いた。

                               そして。


      『輝く花』。

                             視界に飛び込むのは。

                    ,イィ      _,.イ
               /  し―'ーヘ ^)ノ )、
                l、_ィ'´ ̄7/    jノ
                    //                 _,.イ
             トィヘ_,ィ_,//  ト、j7__,ィ  ,イ ,ィイ    `i :|
             ノ   .__/    >ィr―'  し' (ノrイ  ノ |
              '⌒' ̄      <_ノ:|」     _,.ノ /  ^)/
        |しイ                    /´ ̄   _,
        J(´                        ⌒)ノ



    ―――――――『等身大のシャンデリア』が、『突っ込んで来る』!!


速い。『ディズィー・スティック』の全速ほどではないが、『高速』の飛来だ。
扉に向けて、つまり、自分に向けて。ガラスと金属の塊、『集合灯』が飛来するッ!!


             「『クリサンセマム』――――
              まずは出迎えのブーケトス、だ」


その奥から聴こえるのは、どこか穏やかな男の声―――――――

             だが、『飛来』だ。これを凌がなくては何も。始まらない。

287宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/06(木) 11:16:46
>>285

片方の手で額を押さえながら、椅子に身体を預ける。
ハイネと名乗った男は、この位置に座っていた。
今、俺は同じ場所に腰を下ろしている。
そうする事で、何かを知ろうと考えたのかもしれない。
あるいは、意識の混濁が起こした無意識の行動だったのか。
いずれにせよ、何も分かりはしない。
俺の望む答えがあるとするなら、それの在り処は命のやり取りの中だろう。

「俺の部屋にあった『備品』だ」

自室で見つけた『もう一本のボールペン』を、赤月に軽く放り投げる。

「少しは『足し』になるだろう」

徘徊する『ノコギリザメ』を一瞥し、その動きを黙殺する。

「『復讐』に全てを捧げた人間が、それを終えた後に何が残るか――――」

目眩を堪えながら、深く息を吸い込む。

「『何も残らなかった』。
 生きる意味も価値も理由もない。
 仮に、まだ何かが残されているとすれば、償い続ける事だけだ」

一瞬、『一抹貞世』の姿が『赤月ナカレ』に重なる。
それと同時に、かつて病院で交わした言葉を思い出す。
『エクリプス』の残党を排除した後の事だった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「でも、宗像さんの住む町を守りたいと思って頑張って
 きました。それでですね。
 ちょっとお願いがありまして…大丈夫かな…」

「えっと、そのですね。今回は奇跡的に生き残れました
 でも、次は本当に殺されてしまうかもしれません」

「そうなる前に頭を撫でて欲しいな、と思いまして。
 私と宗像さんに血の繋がりはありません。
 けど、宗像さんみたいな人が父だったら…良いなぁ…とか…」

「せめて死ぬ前に一度で良いから頭を撫でてもらいたくて…」

「もし、仮に私が『エクリプス』のスタンド使いに
 殺されたりしたら…宗像さんは悲しんでくれますか?
 逆に宗像さんが『エクリプス』のスタンド使いに
 殺されたら…」

「私のために『復讐』を考えるような人達は居ません。
 義父母は悲しんでくれるでしょう。
 でも、宗像さんが死ぬなって言ってくれて嬉しい…
 本当に嬉しくて嬉しくて…まだ頑張れそうです…」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

何故、一抹が俺を慕うのか。
ずっと分からなかった。
『悲しんでくれるか』と問われた時、俺は『死ぬな』と言った。
だが、それは一抹の身内や友人の事を考えたからであり、
俺自身の心から出た言葉ではなかった。
今なら、多少は理解できるような気がする。
もし一抹が命を落とした時、その死を俺は悼むだろう。
まだ俺の中に悲しむ心があるならば。

「その為に仕事を引き受けた。
 少なくとも『完遂』を見届けるまでは保たせるつもりだ」

「この『命』には――――まだ『使い道』がある」

荒く息を吐き出し、額を押さえていた手を静かに下ろす。

288村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/06(木) 15:04:07
>>286

「『おいでなすった』なぁ!」

これだけでも関に『伝わる』だろう。
『奴』はここにいる。どうやってここにいるのかは不明だが、それが事実だ。

ガッ!
       ズ ギュ ァ !

構えのままに床を突き、さらに『伸長』!
『シャンデリア』の軌道に対して、突きと伸長の勢いで『横っ飛び』に回避する。

この時『正面の壁』に注意しておく。
『ブーケトス』を目眩しに、壁を破壊して突っ込んでくるかもしれないからだ。

289赤月『サクソン』:2023/07/06(木) 17:34:16
>>285(GM)
>>287(宗像)

「『サメ』の・・・・・」

宗像からボールペンを受け取りながら、彼の様子を見る
どうやら頭の怪我はかなりの重傷のようだ。今一つ要領を得ない言動もそのためか

>「『復讐』に全てを捧げた人間が、それを終えた後に何が残るか――――」
>「『何も残らなかった』。
> 生きる意味も価値も理由もない。
> 仮に、まだ何かが残されているとすれば、償い続ける事だけだ」

いや・・・・それだけではないようだ
彼の意識が沈み込んでいるのは『過去の情景』
今この時を生きているのではない・・・・彼はずっと、『過去』を生き続けているようだ

「『復讐』の末路は『君』か・・・・」

赤月から見て、宗像の姿は・・・・『過去の残響を奏で続けるオルゴール』に見えた
それは『戦士』とも『復讐者』とも違う。『修羅』とでも言うべきか
『過去』に囚われたまま、『今』を見る事を止めて、夢を見るように戦い続ける『戦闘装置』
それが、『復讐』を終えた者の『末路』というのなら・・・・

「君の事が羨ましいな・・・・宗像
『思い出』の中でずっと戦っていられる君のようになれるなら・・・・私は・・・・」

「いや・・・・なんでもない」

「・・・・・・・・・・・・・。」

『装備』は整える事が出来た
しかし・・・・このままマテリアを『待ち』続けるという方針は本当に正しいのだろうか?
赤月の中で焦りが顔を覗かせる

(状況は刻一刻と動き続けている
 何か・・・・見落としがあるんじゃあないか・・・・?)

「スズメ、聞こえるか?
 戦況を報告してほしい。マテリアは今どうしている?」

290『エターナル・ノクターナル』:2023/07/08(土) 01:34:09
>>287(宗像)

椅子に座っても、何かアイディアが湧いてくる事は無い。
座りやすい椅子だが――――それくらいだ。

     ≪アヴィ〜〜〜〜ッ≫

『ノコギリザメ』は途方に暮れた、という様子で『ドア』の前に向かった。

>>279(赤月)

             パシッ

投げ渡されたボールペンを受け取り、そして――――――――――


>赤月・宗像

己の記憶、過去の中から道を見出そうとする『宗像』
その様子を見て、ある種の羨望を隠せない『赤月』

闘士ならざる者二人、危うさに満ちる空間――――――――

                 そして。

「――――聞こえますっ!
 ナカレちゃんの方も、村田さんの方もッ」

             ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

     「ナカレちゃんっ! 『19階セレモニーホール』です!
      そこに入った村田さんが――――『マテリア』と戦い始めましたッ!」

     ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

『赤月』の戦闘勘が――――的中したッ!

状況は既に開始している、もうずっと前からだ。そして、今、『佳境』にして『本番』が始まる。

                   ―――――『手練れの殺し屋』を、強襲せよ。

291『エターナル・ノクターナル』:2023/07/08(土) 01:37:03
>>288(村田)

「その技、能力!
 ――――ハイネ君がきみの話をしてたなあ」

                         ギュ
                            オ


           ド   ォォォォ ―――――――――――― ン!!!!

「『棒使い』には気を付けろ、ってねえ」

『シャンデリア』の直撃は、巧みな棒さばきによる跳躍で避ける事が出来た。
どうしても手元はともかく動きは派手な物であり、移動先は読まれそうではあるか。
照明は後方の『バンケットルーム』の壁に突き刺さるようにして衝突し、動きを止めた。

         パラ
            パラ ・・・

ガラス片が廊下にまき散らされる。移動を阻害するようなレベルではない。

「いやあ、思ったより若いもんだね。
 ――――――罪な物だよ。
 あっちもこっちも、若者を兵士にしちゃって!」

                    ド ン!!

そして――――予想通りッ!!

村田から見て正面の『壁』にまず、重い打撃のような音が走る!
シャンデリアの陰に隠れて接近するのは妥当だが効果的な攻撃策だ。
奇妙なのは、『足音』等は一切なかった事。それだけ近くにいたのか――――?

    いずれにせよ!
           

「本当に……罪悪感ってやつが、たくさん湧いてくるよ」

 
                      ボ ボッ ――――――!

そして『連弾』の音が『始まる』! 

注目し、立てていた予測通りが観察の猶予を生んだ。
正方向の『走馬灯』の如く、死線を分ける戦場で、刻む時より早く思考が回る!

だが。現実事象としては壁に一瞬にして無数の亀裂が走り始める・・・『決壊』は『一瞬後』だッ!

292赤月『サクソン』:2023/07/08(土) 08:14:17
>>290

現在の赤月の位置からセレモニーホールにスタンドを飛ばした時
射程距離の15mの中で到達する事は出来そうですか?

293『エターナル・ノクターナル』:2023/07/08(土) 08:22:07
>>292(赤月・回答)
計測した訳ではないので推測になるが、
スタンドの射程は移動距離では無く直線距離になるため、
廊下の幅+高度差で考えて『到達可能』だと『赤月』は推察可能。
ただし『セレモニーホール』の最奥側まで行けるかどうかは微妙。

294宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/08(土) 08:54:45
>>290

赤月の呟きを否定も肯定もせず、ただ沈黙を返す。
語るべき言葉はなく、その必要もない。
『敵』が来ている。

「先に行ってくれ」

残った体力を振り絞って椅子から立ち上がる。
一歩間違えれば死ぬ程の重傷を負った人間も、無理をすれば意外に動けるものだ。
それは自ら経験しているが、その時までは余計な消耗を避けたい。

「俺は後から追い付く」

『アヴィーチー』の左腕で椅子の背もたれを掴み、
入口付近に落としたナイフを自身の手で拾う。
廊下に出た直後にドアを閉め、『ノコギリザメ』を室内に隔離する。
室外を動き回られるよりは、一ヶ所に留まっていた方が都合がいい。

295赤月『サクソン』:2023/07/08(土) 16:59:11
>>290

「――――しまった!!
 やはり『マテリア』は既に・・・・臨戦状態にあったのか!」

出遅れた、という想いが赤月の脳裏に飛来する
19階では既に村田と『マテリア』の死闘が始まっているのだろう
しかし、全てが遅すぎたという事もないはずだ

「宗像・・・・・・」

ひとつ心残りなのは、宗像の存在だ
こんな状態の彼をこの場所に残していいものか

「いいや・・・・私は『ここ』から向かう!」

「――――『サクソン』!」

発現した『サクソン』に再び『トレンチコート』を着せる。
コートのポケットにはボールペン、ライター、テレビとエアコンのリモコン、聖書、財布を入れている

「村田の援護へ迎え!」

        ぽすっ

本体である赤月はこのまま部屋の床に座り込み、スタンド操作に集中する
『ドアノブ』に仕掛けた『スタンガン』を解除して、
遠隔操作したスタンドのみを扉の外から『セレモニーホール』に向かわせようとする

296村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/08(土) 20:14:01
>>291
ここまでは『想定通り』だ。引き伸ばされた時間の中で、次の動きを模索する。

その中で一つの疑問が生じる。何故、おれはこうも『動ける』?
『音仙』に会ったその時、『ディズィー・スティック』を自覚したその時から、おれは『動けた』。
それまでも喧嘩程度ならあったが、こんな戦闘の場に身を置いたことなどなかったのにも関わらず、だ。

少し前から、戦いの中で感じる特別な感覚があることに気づいていた。
『思い出す』感覚だ。戦いのたびに『何か』が湧き上がり、少しずつ『思い出す』。
『パワー』に溢れた相手との戦い方を。『スピード』を旨とする相手との戦い方を。
そして、いずれの相手にも確実に『致命打』を与える方法を。

『おれ』が知るわけはない。『思い出す』はずなどない。では誰が?
消去法でひとつしかない。『ディズィー・スティック』がそうさせるのだ。
戦いのたびに、死線を潜るたびに、こいつは『思い出し』つつあるのだ。つまりは。

 「まだ『100%』じゃないのか?」

シバッ !
      ドカッ !

一瞬とはいえ、おれの方が速い。
構えを崩さず姿勢を下げ、今度は肩に担いだ方の切先で背後の壁を突きつつ『伸長』。
その勢いでシャンデリアがぶち壊した『セレモニーホール』の入り口へと滑り込む。
姿勢を低くするのは、破壊されてぶちまけられるであろう壁の瓦礫から身を守るためだ。

297『エターナル・ノクターナル』:2023/07/09(日) 14:55:10
>>294(宗像)
 
          フラ ァ〜〜〜

幽鬼の様に立ち上がる『宗像』。
まともな医者なら――――素人であっても安静を強要する状況だが、
実際、受けたダメージは頭と、今は若干痛みが引いた肋骨部程度だ。

         『足』が潰れなければ歩ける。
         『片手』でも残っていれば、武器を取れる。


  ≪アヴィッ!?≫

『ノコギリザメ』と『赤月』は部屋に取り残したまま、廊下に出た。
同時に――――――『サクソン』も、部屋から出て来た。『遠隔操作』の本領だ。

スタンドの手には『椅子』――――簡素な武器だが、鈍器には十分だ。
廊下には大量の血痕。戦闘の後としても相当凄惨な部類だが、下階からは激しい破砕音が聞こえる。

>>295(赤月)

「村田さんの電話からすごい音がするから、
 戦いはまだ終わってない……ナカレちゃん、お気を付けてッ」

関に出来る事は情報の伝達程度――――声色にも焦燥が浮かぶ。
だが、『赤月』を送り出す声には迷いはない。

          ぽすっ

柔らかいカーペットに軽い体が沈むが、それは寛ぎでは無く『臨戦』の所作。
『赤月』の心配をよそにスタンドに椅子、本体はナイフを拾った『宗像』と共に、
武器を満載した『サクソン』が、そのもう一つの顔――――『遠隔戦闘』の領域を見せる。

      ≪アヴィ……≫

宗像はなぜか『ノコギリザメ』を部屋に残して行ったが、
まあ、『赤月』に危害が加わる様子は今の所ないし、
こと戦闘において、彼に『考えが無い』とは思えない。
何か――――『意味』のある仕込みなのだろう。

『サクソン』が廊下に出て聴くのは、下階からの激しい破壊音。
――――行く手を阻む物は無いが、距離は多少だがある。到着までに戦況は多少動くだろう。

298『エターナル・ノクターナル』:2023/07/09(日) 15:06:23
>>296(村田)

『ディズィー・スティック』―――その『戦力』はいつも、『本体』が引き出してきた。
同時に、『村田瑛壱』の戦闘センスは、『能力』によって益々引き出され加熱する!

壊し暴れる事を誇るだけなら誰にでもできる。『そうではない』から修羅場を超えて来た。

                シバッ!

                       ドカッ !

ただ屈むだけ、ただ防ぐだけなら『凌ぎ切れなかった』可能性は高い。
だが『村田』の攻防は棒術――――最大の強みを活かし切る物。
背後の壁を突いた勢いで、『入り口』から滑り込むように!


        「――――ワオ。やるねぇ少年」


            バ
                 コォォォォ ――――――――― ン!!!

軽い音を立てる壁の破砕と交錯するように
――――『セレモニーホール』内へと、突入するッ!!

室内は縦長――――今いる側が短辺だ。長辺側にはいくつか扉があり、
恐らくは親族控室や、フィッティングルームなどに通じているのだろう。
一瞬で把握できたのはそれくらいだ。

                     ドガ  ガガッ


 「それで『90%』くらいである事を祈ってるよ。
  熱戦は、求めてないから」

後方では、廊下の壁に瓦礫片が激突する固い音が響いた。
滑り込んだ先、室内には。

         右方『2〜3m』程の壁付近に、『殺手のマテリア』。
         黒髪を後ろで結んだ、中肉中背の男。
         細い目とややこけた頬、潰れた耳程度が特徴で、
         あまり、印象に残るような顔ではない。

         だが、どこか本能的に――――『気味の悪い』男。

 「それじゃあ次は、対面からの『御挨拶』だ」


そして、傍らに立つのがそのスタンド、『クリサンセマム』だ。
純白のボディはどこか工業的なシンプルな意匠で、
何より――――壁に突いていた拳を引く動作は、『速い』

         
                ヒュンッ!

『村田』に向けて振り向きつつ――――
壁の破砕時に抜き取っていたのだろう――――鋭い『瓦礫片』を投じる!(スA)
速度もだが、その動作のキレ……全てにおいて『ディズィー・スティック』と同等か。

       棒の一端はまだ部屋の外にあり、振るえば入り口に引っかかりかねない。
       かといって、突き出す動きはこの投擲を防御できる軌道ではない。
       そして『ディズィー・スティック』の棒は、戻る速度だけは『並み』だ。
    
                  この状況下、採るべき『行動』は果たして――――?

299村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/09(日) 16:09:37
>>298

(『疾い』!)

飛来する瓦礫片もそうだが、彼我の距離が思ったよりも『近い』。
不利な体制に追い込まれている以上仕方がないが、『防戦一方』なのが特にまずい。
奴は『身軽』だという報告があった。瓦礫に続いて本命の一撃が来るはずだ。
しかし、まだ『伸長』した棒が『戻り始めていないのなら』!

 ギュ ギュゥ ―――――― ッ !

『伸長』を『続行』!その勢いで自分を押しやってさらに距離を取りつつ!

 (距離が離れる分だけ、ほんの少しだが『余裕』が生まれる。狙いも逸れる。)

      お   れ
 (『ディズィー・スティック』ならできる!)

ズ パッ !

『突き』も『振り』もしない!『瓦礫片』を『円筒形』である『棒』の曲面で受け、『斜めの角度ではじく』!
正面からではなく、曲面や傾斜によって受けることで運動エネルギーを分散させる、『被弾経始』という概念だ。
通常なら棒が破壊されておしまいだろうが、『棒』は『壊れない』。

ただし、飛来する瓦礫に対して正確に棒の曲面を当てる『精密さ』が必要だ。
さらに距離をとることで、着弾までの余裕を生み、狙いをずらす試みはしたが、
それ以上は『自分を信じる』他ないだろう。

300宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/09(日) 16:39:08
>>297

呼吸と共に血の臭いを吸い込みながら、壁に手をついて廊下を進む。
その途中でフォークを拾い、ナイフと合わせて片手で握る。
まだ身体は動く。
しかし、不利な条件を背負っている事に変わりはない。
到着した後に備えて、歩く程度の速さで階段に向かう。

「いずれにせよ急ぐべきだ」

正面から目を逸らさず、傍らの『サクソン』に語り掛け、
自身が遅れるであろう事を言外に告げる。

「村田は腕が立つようだが、同じ事は『マテリア』にも言える」

初めて『村田瑛壱』を見た時、『硯に似ている』と感じた。
一人の『スタンド使い』として、どこか近い雰囲気を漂わせていたように思える。
『力』と『応用』を兼ね備える『場慣れした者』の匂いだ。

301赤月『サクソン』:2023/07/09(日) 17:04:21
>>297

「『宗像』・・・・・!」

宗像をこの場に残すまいと座り込んだ赤月であったが、
どうも彼の方はこの場でじっとしているつもりはないらしい
動き出した状況は止められない・・・・! 赤月はこのままスタンドのみを戦場へ向かわせる事にした

      ≪アヴィ……≫

「『サメ』・・・・」

部屋には自分と共に『ノコギリザメ』が残る
宗像の意図はわからないが、恐らく何らかの『仕込み』に繋がっているのだろう
こうして見ると案外可愛らしいヤツなのかもしれない

『宗像・・・・悪いが君を待っているつもりはない
「サクソン」は先に戦場へ向かう!』

そう言って『サクソン』は全速力で下階へと向かう
村田の戦闘力を疑うわけではないが、敵は『エクリプス』の戦闘員だ
万が一もあり得る・・・・急がなくてはならない

302『エターナル・ノクターナル』:2023/07/11(火) 23:42:00
>>300(宗像)

               ザッ
                       ――――カチャ

フォークも拾い上げる事に成功した。頭が下がると痛みが下りて来る。
いずれにせよ、動きに支障はない。武器を確保しておいて損はあるまい。

傍らにいた『サクソン』は意図を汲んだらしく、下階へと進んで行った。
ゆっくりでも戦場に到達さえすれば――――役目はある筈だ。

>>301(赤月)

≪アヴィイイイ〜〜〜〜ッ≫ ≪頭ヲ……≫

                 プカプカ

ノコギリザメはふらふらしているだけで、
特に操作の邪魔になったりもしなさそうだ。
殺人に特化したその機能は、
見ていて目の保養になるような物ではないが・・・

                     ズ ズ ズ ズ

廊下をゆっくりと進む『宗像』だが、置き去りにして問題は無いはずだ。
彼の目から戦意は、生きて戦う意志は消えていないのだから。
『サクソン』は全速力で階段を降りていき――――『19階』に到達した。

 ズ ズ ズ ズ ズ ・・・

――――10数メートル以上先、『セレモニーホール』側のドアの奥から、
向かいの『バンケットルーム』側の壁に突っ張るようにして『棒』が伸びている。

さらには廊下にはシャンデリアが破砕された状態で落ちており――――『戦闘』は既に加速しているッ!

303『エターナル・ノクターナル』:2023/07/11(火) 23:47:09
>>299(村田)

そうだ――――『近い』

『瓦礫片の飛来速度』も確かに速い。
いや、速度で言うのであればそちらが明確に『速い』攻撃。

だが、『敵の移動速度』も、明確と言うほどではないが『妙』だ。
シャンデリアが飛来した『出元』は、正確に確認こそ出来ていなかったが、
恐らく入り口から『9〜10m』程は離れた、室内中央より奥側だったはず。
しかし、マテリアは『壁際』にいる。そのスタンドも、だ。『ハヤすぎる』。

 ギュ ギュゥ ―――――― ッ !

    シャンデリアを投げてから、ここまで全力疾走をしたなら、
    それは不可能と言うほどではないだろうが――――――
    息を切らしているような様子も、大きな足音も無かった。


               ズ  バッ !

ともかく『村田』が選んだのは――――『棒の伸長』!
それによって『本体の位置を逸らす』事で距離が生まれ余裕が生まれる!
       
            カ
               ッ!

そして、『精密さ』は――――信じる価値がある。
曲面に当たった瓦礫片は、軌道を斜め上に――――――――

                    バ コ!!

逸らされるはずだったが――――『棒との衝突』で『砕け』たッ!
 
    瓦礫は所詮『砕かれた壁材片』……だがそれにしても『脆すぎる』
 
さらに細かくなった破片のうちいくつかが『斜め上』以外にも『散弾』するが、
ただ、ここは『防ぐ』だけでなく『距離を取った』のが幸いた。

                 ツゥゥ ―――― ・・・

2か所目の『かすり傷』だ。右眉の上を浅く裂いた傷から、僅かな血が滴る。

  「『やる』もんだ。
   判断が速い――――
   回避も防御もアイディアがある」   

彼我の距離はこれで『5〜6m』程度までは稼げた。『中距離戦』の間合い。
それゆえ、同時に――――室内を把握する程度の余裕は確保できる。

そしてもう一つ。瓦礫と棒の衝突、脆いだけでは無かった。
インパクトの感覚がいやに『弱かった』――――それも分かる。

                             トン―――――

        分かった事を咀嚼するより前に、
        『マテリア』と『クリサンセマム』が――――駆けて来る。

304『エターナル・ノクターナル』:2023/07/11(火) 23:47:34
【セレモニーホール内の簡易的な図】

■■■■■■■■■■■■■
扉□□□□花花花□□□□■
■□□□□□□□□□□□■
■===========■
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□□□□□□□□扉
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□□□□□□□□■
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□□□□□□□□■
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□□□□□□□□■
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□□□□□□□□■
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□□□□□□□□■
扉□村□□□□□□マ□□扉
■□□□□□□□□ク□□■
■■■■■入り口 ■×■■■

△:ベンチのような、背の低い木製の長椅子。パッと見では固定は無さそうだ。
  また、通路側の端の部分には白い花飾りが付けられている。
=:階段。花嫁がドレス姿でも超えられるようなとても段の低いもの。
花:アーチ状の白い花飾りが壁に付けられている。

305村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/12(水) 00:12:09
>>303
以下の通り質問いたします。

1.『女棒』はまだ伸長されたまま、戻りはじめていない?
2.瓦礫が『砕け』たときの手応えについて、
 『クッキー』や『ビスケット』のように『軽い手応えで砕けた』ということ?
3.『棒』に感じた瓦礫の『インパクト』について、
 瓦礫を逸らすために使った『棒』が曲がったりするどころか、
『ディズィー・スティック』の構えにさえ支障をきたさないレベルの『パワー』だったという理解でよい?

306『エターナル・ノクターナル』:2023/07/12(水) 00:25:46
>>304(村田・回答)

>1.『女棒』はまだ伸長されたまま、戻りはじめていない?

描写が足りておらず失礼した。
攻防が終わったのがこの瞬間の直前のため、
『この瞬間から戻り始めている』のが正しい。

>2.瓦礫が『砕け』たときの手応えについて、
> 『クッキー』や『ビスケット』のように『軽い手応>えで砕けた』ということ?

その例ほど顕著ではないが、感覚として近い。

>3.『棒』に感じた瓦礫の『インパクト』について、
> 瓦礫を逸らすために使った『棒』が曲がったりするどころか、
>『ディズィー・スティック』の構えにさえ支障をきたさないレベルの『パワー』だったという理解でよい?

おおむね理解として正しくはあるが、
投擲の威力は星見板において『パワー×質量』。
よって、このどちらが足りなかったのかは不明。

307宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/12(水) 02:57:53
>>302

ポケットに入れていたナイフとフォークを取り出し、
四本まとめて握り締める。
この身体が苦痛を感じる内は、生きている事を実感できた。
俺に『存在意義』と呼べるものがあるとすれば、
死ぬまで戦い続ける事だけだろう。

『全ての命が同じ価値を持つ』という思想は、
俺の考え方とは根本的に食い違っていた。
村田や赤月と比べて、俺の命は消耗品だ。
使い潰す事を前提にしている。

だが、まだ『仕事』は終わっていない。

「――――――それでいい」

先行する『サクソン』を見届け、身体を支えながら階段を下っていく。

  「俺が殺されても『復讐』は考えるな」

誰に言うでもなく微かな声で呟き、歩き続ける。

    「お前は『正しい道』を歩め」

一度でも手を汚してしまえば、二度と元には戻れなくなる。
個人の意思を尊重するなら、必ずしも間違った道とは言い切れないが、
決して正しい道ではない。
その先に待っているのは『地獄』だ。

       「『一抹貞世』」

少なくとも俺は、お前が『こちら側』に来る事を望まない。

308赤月『サクソン』:2023/07/12(水) 14:43:01
>>302

「『サメ』・・・・」

宗像の内に潜む『危険性』を露わにしたようなヴィジョン
『サメ』の見た目は剣呑さこそ感じさせるものの、決して癒されるようなヴィジュアルではない
だが、プカプカと空中遊泳を楽しんでいるかのようなその姿には、状況にそぐわないある種の面白みが感じられた

『いや・・・・そんなものを気にしている場合ではない』

すぐに目を閉じて、スタンドの五感に全身を委ねる
本体側の感覚から意識を逸らせば、生身で動くのと同じくらいにスタンドで動く事が出来るはずだ

『・・・・・・!!
 いけない・・・・戦闘は既にここまで激化していたか!』

廊下に落ちているシャンデリアの破片を一つ拾い、ポケットに納めながら
『セレモニーホール』のドアへと近づこうとする

309村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/12(水) 20:43:02
>>303-304

ツゥ-…

 「そりゃご丁寧にどうも」

眉の上から伝うわずかなぬめりを感じながら、口を返す。
『破壊』には能力が作用している。壁を粉砕した時も『音が軽かった』。
あのスタンドの『パワー』でも破壊できるように『細工』していると見るべきだ。

『破壊』と『機動力』、それらに共通する『細工』があるはずだ。

 バ!   カラン…

縮みつつある『女棒』を手放して『アルミ缶棒』を構え、迎え打つようにゆっくりと前進する。
リーチでは劣るが、この状況ではその方が都合がいい。
『謎解き』のためには、遠くから眺めているわけにはいかない。

310『エターナル・ノクターナル』:2023/07/14(金) 21:16:38
>>307(宗像)

ゆっくり、ゆっくりと歩を進めていく。

      『使い捨ての命』

その姿勢を『良識』ある者は否定するだろう。
同じ思想の者でもなければ、肯定はするまい。

    ポタ ・・・

血が滴り落ちる。

戦場に辿り着けば、『3対1』だ。
順当に考えれば『押し切れる』可能性は高い。
だが、その過程には『攻防』が必ず発生する。
押し切るまでの間にも確実に損耗は出る。
そして、それは恐らく……白兵の間合いで、
動きに精彩を失っている『宗像』から、だ。

       この道半ばで気を失っても、
       誰も責めはしないだろう。

だが、そこに生きる意味があるなら、足を止める理由は無い。
白き贖宥の刃を脳裏に過らせながら、階段まであと一歩の所に来た。

>>308(赤月)

今は室内からの音は落ち着いている。
あらゆる要因から考えて『停戦』ではない。
――既に『終戦』した訳でもないようだ。

    『村田』と『誰か』の声がする。

            シュッ

道中、シャンデリアのガラス破片もポケットに入れておいた。
『セレモニーホール』のドアの傍には既に接近済みだ。

             ・・・
 
         ・・・

『サクソン』には足音や布擦れの音、身嗜みの匂いなどが無い。
手練れの暗殺者とはいえど接近の感知は極めて難しいだろう。

         中を覗き込むか、すぐ突入するか・・・

>>309(村田)

「敵は仏さんみたいなものだから。
 丁寧に接するのが『流儀』」

    ギョロッ

     「なんだ」

            ギョロッ

『マテリア』の視線が『女棒』に巡り、
ほぼ同時に『アルミ缶棒』に戻って来る。
スタンドの能力では無く、『戦闘者の姿勢』

  
「それを、『捨てた』とは見ない」


       ヒュ

         オ


『クリサンセマム』が…………やや姿勢を前傾し、その右手を前に出す。
左手は腰の辺りに残しており、恐らく『守り』を意識してもいる。

          互いが接近する今、『交差』の瞬間は……近い。
          『手』と『棒』 形の違う『武力』の距離……『4m』を切る。

311宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/15(土) 00:15:25
>>310

以前、利害の不一致から『敵対関係』となった『高天原咲哉』に言われた事があった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「アンタ……もう満身創痍だってーのによォ……
  倒れても前のめりに、地を這ってでも進み続ける『執念』!
  ほっときゃあ死んじまうかもしれねーのに、つくづくおっかねェ。
  獣は『手負い』ほど恐ろしいっつーけど、アンタが正しく『それ』だな……」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

言葉通りに受け取るなら、俺は『深手を負った後』の方が『調子が良くなる』らしい。

「だが――――『あの時』よりは動きやすい状況だ」

同じ場所に集まった『四人』のスタンド使いが鎬を削る。
『カーバンクル』を巡る戦いを想起させる人数だった。
しかし、今日の敵は『一人』だ。

階段を下り切った時点で足を止め、『マテリア』の位置と状態を最優先で確認する。

『殺し屋』と呼ばれる人種には、個人的に些かの関心もあった。
今まで『人殺し』を『生業』にしている者と出会った事はない。
この仕事を引き受けたのは、そいつの顔を見てみたかったからでもある。

         金の為に命を奪う人間の顔を。

312赤月『サクソン』:2023/07/15(土) 16:17:17
>>310

(村田の声だ・・・・彼はまだ生きているようだな)

スタンドのみの単独行動では、生物が動くときに特有の『気配』が発する事はない
ましてや『サクソン』の精密動作性は人間の域を遥かに超えている
赤月自身に隠密動作の心得はないものの、注意深く進めば相手の不意を打てるに違いない

(だが、それは一度きりのチャンスだ
 たった『一度』の行動で、この戦いの趨勢を傾ける必要がある)

慎重に、敵に気づかれないように『セレモニーホール』の扉に近づき、中の様子をのぞき込む
その際に宗像から受け取った『ボールペン』に『袖箭』への『暗器化』を施し、いつでも発動できるようにしておく

(村田をこの戦いに勝たせるために・・・・!)

313村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/15(土) 16:43:04
>>310

『前傾』。何も考えないのであれば突っ込んでくる動きだ。
何かしらの機動力があるならば、使ってもおかしくない距離だが…
『とどめ』まで見せないつもりか。

 スゥッ 
         ビッ !

左に動いて射線をずらしながら、指先の動きで『マテリア』に『アルミ缶棒』を投げる。
先と同様の『観察』を行うか否かを見て、迎撃を選択するようなら『解除』を行う。
爆炎を発する訳ではないにせよ、十分危険な『爆発物』だ。色んな意味で。

 シィワァ

そのまま空いた手で腰の『ベルト』を引き抜く。
『後備え』のためだ。

314『エターナル・ノクターナル』:2023/07/17(月) 11:08:51
>>311(宗像)

           ガタ
               ン


椅子を手に、ゆっくりと―――――階段を降りていく。

『手負いの獣』がなぜ恐ろしいのかと言えば、
それは一般的に『なりふり構わない』からだ。
時に己の命を顧みない『宗像』にとっては、
それは平時から備える『驚異』とも言えるだろう。


       ガ  
          タ ・・・

椅子が音を立てる。

階段の一番下辺りまで来たが、ここから見える範囲には『サクソン』しかいない。
部屋の中の様子をうかがっているようだ……敵からの攻撃なども、見えない。

>>312(赤月)

『暗殺者』が技能や準備、経験で行える事をスタンドは容易く行える。
問題は相手もスタンド使いである事だが――――今なら虚を突ける。

               スゥゥ ――――― ・・・

扉の中の攻防は確認できる。

                     チャキン

『ボールペン』を最小の『矢』とする事も、既に完了した。

作務衣を纏い、後ろで髪を結んだあの男が『マテリア』だろう。
そして――――今、『村田』と攻防を織り成す白いスタンドが、『クリサンセマム』!

       見る限りどちらも、まだ目立った手傷などは無さそうだ。
       派手な破壊痕は、どちらの攻撃であれ『凌ぎ終わった』物のようだ。

>>313(村田)

               シュパン!


迎撃を選択する動作に『迷い』が見えない。
使うのは前に出している『右手』だ。
未知の敵に対してそれはあまりに無警戒にも思えるが――――

                 パ
               ・
              ・
             ・


――――――『アルミ棒』に『クリサンセマム』の右指先が触れたのと、
迎撃を確信した上での『解除』を取ったその瞬間は、ほとんど同時。


 
     「『クリサンセマム』
      『ただの棒』じゃあ私は倒せないな」



――――――『なんだ』?

何も起きていない。『棒のまま』だ。――――『解除』が出来ていないッ!!
   
   『クリサンセマム』の指先はいともたやすく、
   その『棒』の軌道を命中軌道から弾き逸らす(推定精B以上)

             シィワァ!
 
だが『村田』は抜け目なく備えている。
飛び道具で勝負を決められる、と考えていたなら絶望的な結果だが、
あくまで攻防が一つ成立を阻まれただけであり、手傷なども無い。


     「もっとも、無視も出来ないけどね」

                       タタッ

また、敵は迎撃に集中するためか前進が遅れ、
射線を逸らしたため、攻撃には追加の動作も生じるだろう。

                   ――――この瞬間の隙を突かれての一撃は無い。

315宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/17(月) 14:26:54
>>314

無傷で『仕事』を終えた事はない。
そして、その度に同じ物を感じていた。
『死』に近付く程に、頭の中から雑音が消え、思考が鮮明になる感覚だ。

先程の部屋から今の場所に到着するまで、移動に要した『距離』を概算する。

スタンドと共に前方に歩み出て、『サクソン』と近い位置に立つ。
『アヴィーチー』の左腕には『四本のカトラリー(>>311)』を握っていた。
赤月が不意を打つタイミングを狙っているなら同時に仕掛ける。
纏めて投げれば、多少は命中しやすくなる筈だ。
それを差し引いても、こちらの攻撃は脅し程度だが、牽制の足しにはなるだろう。

ここまで歩いてきたのは、必要な時に走る為だ。
『マテリア』の能力は分からないが、状況が動いた直後に突っ込む事も考える。
仮に全力で行動できるのが残り一度だけだったとしても、
村田や赤月が攻める機会を作れるのならば構わない。

316赤月『サクソン』:2023/07/17(月) 20:34:13
>>314

(何か、妙な雰囲気を感じるな・・・・)

村田と『マテリア』の攻防を観察しながら、内心で思考を巡らせる
壁に作られた破壊痕を見る限り、『マテリア』はホテルの壁を粉々に粉砕する・・・・それだけの力を持っているはずだ
少なくとも、人間の持つ力を遥かに超越するレベルでなければこれだけの『破壊』は起こせないだろう

(――――にも関わらず
 村田の攻撃を迎撃する彼のスタンドからはそれだけの『パワー』を感じない!)

(『クリサンセマム』の能力か・・・・!?
 村田の戦況は今のところ五分と五分・・・・
『奇襲』を仕掛けるなら、もう少し核心的なタイミングが必要か)

扉の影にピッタリと隠れながら、機を伺う
まだ・・・・『攻撃』を仕掛けるべきタイミングではない
『マテリア』がこちらを振り返るような事があれば咄嗟に扉の影に隠れる

317村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/18(火) 18:20:28
>>314
以下の通り質問いたします。
・『女棒』は問題なく元の長さに戻ってきている?
・現状の彼我の距離は何m程度?

318『エターナル・ノクターナル』:2023/07/18(火) 19:13:30
>>317(村田・回答)
>・『女棒』は問題なく元の長さに戻ってきている?
異常を来しているのは『アルミ棒』のみ。
『女棒』は元の長さに戻り始めていると思われる。
(見たわけではないはずなので『推定』)

>・現状の彼我の距離は何m程度?
軸のずれを含めて4mよりは近い。3.5mほど。

319村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/18(火) 19:37:49
>>318
回答ありがとうございます。引き続き1点質問させていただきます。
・『棒の伸長状態』について、『ディズィー・スティック』の持つ『棒がどこにあるかわかる感覚』を利用して
現在の状態を把握することは難しそうでしょうか?

320『エターナル・ノクターナル』:2023/07/18(火) 21:05:58
>>319(村田・回答)
失礼。その『応用』であれば、『可能』。
『女棒』は既に『2m』程度にまでは戻っており、
現在も戻り続けているのが『棒がある位置』から推定可能。

321村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/18(火) 22:37:38
>>320
回答と裁定に感謝。

>>314
『接触』。これが原因に違いない。
おそらく接触されたことで『上書き』され、『棒』の制御権がおれにないのだ。
棒の形を保ってはいるが、『何かされた』のだろう。

 「『接触』されるのはマズそうだ。」

『関』にだけ聞こえるようにボソリと呟く。
策をとおすのであれば『接触寸前』に解除すべきだっただろうが、
取り返しのつくうちに相手の手の内の一つが知れたのは成果と言っていい。
とはいえ『困る』のは確かだ。おれの想定通りなら、奴に『触れられる』わけにはいかないからだ。
強気な行動を取るのはあまりに危険だ。

 シバッ !  ガシ!

 シュ ル!

リフティングするように足を振り上げ、
取り落とした後足に引っ掛けておいた(>>309>>313メル欄)『女棒』を手に取って構える。
引き抜いたベルトは『ディズィー・スティック』の左拳に握っておく。

また、弾かれた『アルミ缶棒』の『位置』を『感覚』で追っておく。
弾かれた『棒』が床や壁に当たった時『砕ける』かもしれないからだ。

322『エターナル・ノクターナル』:2023/07/19(水) 20:17:24
>>315(宗像)


     ゴトッ

           ゴトッ

血の匂いを帯び、椅子を廊下に擦らせながら、
『宗像』は『サクソン』の方へと近づいていく。
まだ完全に到達はしていないが、特に障害があるわけでもない。

ここまでの移動には、だいたい……どの程度だろうか。
廊下を歩き、階段を降り、直線距離以上には歩いている――――『15m』は確実だろう。

                ゴト ・・・

走る事が出来るかは未知数な所だが、やはり『足は潰れていない』。
移動そのものに支障はないはずだし――――転倒したとして、100%の無視は出来まい。

                『宗像の存在』は、十分、戦況に影響し得るはずだ。

>>316(赤月)


     ゴトッ

           ゴトッ

生乾きの『血の匂い』、椅子と床がぶつかる音が、
上階への階段の方からこちらに近づいて来る。
――――どうやら、『宗像』が追い付いてきたようだ。

同時に、思考を巡らせる『赤月』――――確かにこの戦況は『妙』だ。
『クリサンセマム』は人を砕き、壁を砕く。だが、動作は寧ろ『繊細』だ。
人並みの力はないと説明がつかない動きもあるが、『それ以上』にも見えない。

          ・・・

               ・・・

                   ・・・

『マテリア』はこちらを観てはいない。そのような余裕はなさそうだ。
少なくとも、こうして扉の影をキープしていれば、『視認』される事は無いだろう。

>>321(村田)

関からの返事はない――――だが、電話は繋がっている。
情報を伝えておく事が無駄になるとは考えにくいだろう。

   シバッ! ガシ!

「あくまで『棒』で戦うのが流儀、ってコトかな」

             シュ ル!

足で運んでおいた『女棒』と、腰から抜いた『ベルト』で再武装する。
『触れる』――――それが不味いのは間違いない。


                     ポスッ


妙に軽い音で、『アルミ棒』はマテリアから見て右後方7〜8m先に落下した。
軌道を逸らしてからの自然落下という勢いの乗りにくい形だからか、破砕は無さそうだ。
 
    タタ   タッ

     「私は――――『手』だ。
       なんといったって、『殺し手』だからね」

                           ギュン!

矢張り右手を前、左手を腰だめに構えた姿勢でマテリアと『クリサンセマム』が迫る――!
このままいけば、次の瞬間には『攻撃』が来るだろう。

                                         ・・・どう応じる?

323赤月『サクソン』:2023/07/19(水) 21:18:26
>>322

(宗像が追いついてきたか・・・・)

スタンドの背後に迫る宗像の気配を感じながらも、
視線は『マテリア』の挙動に注ぎ続ける

『クリサンセマム』の繊細な動きと、目の前にある『砕けた壁』という事象
矛盾する二つの光景を見て、思索は一つの結論に辿り着く

(やはり――――『物質』への干渉!
 それがヤツの能力だとしたら・・・・『棒』を使う村田も、『暗器』を使う私も、相性が悪い・・・・!)

(真っ向から当たれば・・・・の話だが!)

目の前で状況が動き出す
迫る『マテリア』・・・・『クリサンセマム』の手が村田へと迫る
対してカウンターの構えを見せる村田・・・・・!!

(今が『好機』だ――――)

(『サクソン』ッ!!!)

      ボッ!!

無言のまま、相手に気付かれないように最小の動作で『袖箭』を起動する
標的とする対象は『クリサンセマム』がこれ見よがしに伸ばす・・・・『右手』だ!

(お前の『右手』を貫く・・・・!)

324村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/19(水) 22:05:27
>>322
音が『軽い』。
樫の硬度と重量を持つ『棒』はそれなりの重みであるにも関わらずだ。
やはり触れられたものが『軽く』、『脆く』なっているように思える。が、まだ答えには足らない。
もっと『答え』を引き出さなくてはならない。そのためには!

 「うっしゃあああッ!」

ド ボァッ!

『打って出る』!低く構え、斜め下から鳩尾をえぐり込むように突き一閃!パス精CAB

『守勢』のままでは相手の対応を引き出せない。『答え』を導くことはできない。
だから『あえて攻める』。リーチはこちらの方が『棒』の分だけ明確に長い。
それだけに相手の行動が不気味ではあるが、リーチの分だけまだこちらに『対応する猶予』はあるはず。
『機動力』を使ってきたとしても、正面への『突き』なら止められる。

325宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/20(木) 00:06:54
>>322

『サクソン』に近付くまで歩き続け、到着した時点で立ち止まる。

  (多めに見積もって――――――)

              (およそ『一秒』という所か)

俺が部屋を出た時点で赤月は室内にいた。
そこから動いていなければ、
『サクソン』の射程距離は最低でも『15m』以上ある筈だ。
本体が留まった事も納得がいく。
『穢れた血の男』と似たような立ち回りは、赤月にも出来たという事か。
自身の安全を確保した上で、高精度の『飛び道具』が使える利点は、
集団戦において大きな脅威になるだろう。

(狙撃の可能性を常に警戒しなければならない状況は、
 それだけで多くの注意力を割かれる)

当初の予定通り、現場の確認を優先して行い、
並行して『アヴィーチー』に投擲の構えを取らせる。

326『エターナル・ノクターナル』:2023/07/22(土) 20:47:31
>>324(村田)

「あくまで『攻める』……気骨は買うよ」

前進しつつ……『クリサンセマム』の『右腕』が、突き上がる棒を手刀で迎え撃つ。

             バチ
                ィ!!!!!


「ん……『掛かりが悪い』
 その棒……『只の棒』じゃあないな」


ほぼ同等の力での、衝突――――――双方が弾かれた瞬間、棒が明らかに『軽くなった』!
それは今も継続しており、『ディズィー・スティック』の影響下を外れているのも『分かる』
だが、彼はそれを『掛かりが悪い』と言う――――『何故』かは分からない。

敵はまだ左を残している。あるいは『村田』もだろう。次なる攻撃が―――――――

                 …ゴト

        「……流れが悪いな!」

   シュバッ

                    ・・・『何』だ?

『入口』方向から飛来したごく小さな『何か』。
それを察したためか、『クリサンセマム』が飛びのくように後方に退く。

                             シュゥ ― ・・・

手刀を放った右手の指先に『それ』は僅かに掠めたようだ。
『入口』……つい今、直前の瞬間、何か音がした。重い物の音だ。


   「まあ。私を殺すのに、『一人』のわけはないか」


           タンッ

顔を顰めた『マテリア』もまた、部屋の奥方向へと動こうと跳ねる。
『クリサンセマム』は『村田』を向いたままだが――――距離が出来た。
追撃は無い! 棒を使えるかは怪しいが、『村田が攻めに回れる』――――筈だ。

>>323(赤月)

『村田』による棒の一撃を神速の手刀と衝突し、双方が弾かれ。

   シュバッ


『クリサンセマム』が…………その身を素早く引いて、矢を回避した(推定ス精AB)


     シュゥ ー ・・・

それでも右手の指先には掠めたが、ダメージと言うにはささやか過ぎる。

            ・・・『なぜ』だ? 不意を打ったはずだ。

   

         理由は『分かる』。


ここまで気付かれずにいたのは音もなく匂いもなく、即ち『気配』――
凡ゆる『生体活動』を持たぬ『サクソン』が最大限注意していたからだ。

だが・・・血みどろの『宗像』は椅子を引き摺るようにやってきた。
今の彼にそうした『機微』を期待するのが困難なのは明らかとはいえ、
『音と臭い』が僅かな事前警戒を生み、『完全な不意』を潰した。

          タッ

『マテリア』は『村田』との攻防を中断するように奥へと跳ねる。

ただ……完全な不意だった場合、『マテリア』に深手は負わせられても、
ガードに集中させて『事前に動きを止める』事はなかったはずだ。
結果として、『村田』が一撃を受ける可能性を排除は出来た。

             『存在には気づかれた』――――ここからどうするか。

>>325(宗像)

スタンドの射程距離は移動距離とは違う。『本体との直線距離』だ。
それを考えると、射程は『10m以上はある』――――と言った所だろう。

       ゴトッ

           ゴトッ

椅子を地面に擦らせつつ、『サクソン』の側にまで到達した。
ちょうど、そのタイミングで『サクソン』は武器を放ったようだが、
『マテリア』の悲鳴は聞こえない。『対応された』のだろうか?

いずれにせよ『入口付近の存在を意識させる』事自体にも意味はあるはずだ。
『アヴィーチー』は投擲の構えを取る。敵は入り口から離れるように奥へと移動する……

327宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/22(土) 21:08:57
>>326

こちら宛のレス内に明確な描写がないので、念の為に確認したい。
現時点で『マテリア』の姿や周囲の状況は、どの程度見えている?

328『エターナル・ノクターナル』:2023/07/22(土) 21:27:22
>>327(宗像・回答)
宗像は『赤月の攻撃』と同時に入口に到達したため、
『マテリアが部屋の奥に移動した』所は見えている。
到達タイミングから、その直前の攻防や、
『クリサンセマムが攻撃を避けた瞬間』は見ていない。

329宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/22(土) 23:08:12
>>328(回答に感謝を)

>>326 

瞬きにも満たない僅かな一瞬、『19階の天井』を意識する。
言い換えれば『20階の床』だ。
『赤月がいるであろう部屋』は『直線距離』にすれば『10m前後』に収まる。
一つの可能性としては有り得る事だが、敢えて思考から外していた。
何故なら『意味がない』。
幾らかの予想はあるが、前例がない以上、『実際どうなるか』までは読めなかった。
自分で答えが出せない事を考えるのは、この状況では時間の浪費に過ぎないだろう。

  「奴が『殺し屋』のようだな」

         初めて見る顔だった。

               「いや――――」

           その『目』を見るのは『初めてではない』。

                       「――――『そういう事』か」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「アンタの言うとおり、あっしも『願掛け』に来たわけじゃない。
  こういう場所は、俗世間とはちょいと離れてるからねえ・・・・落ち着くんだ。
  ちょいと仕事に疲れちまったから、息抜きに来た。それだけさ」

 「配管工とは、文字通り『縁の下の力持ち』だねえ。
  気付かれないかも知れないが、誰かの暮らしを支えてる仕事だと思うよ。
  あっしは、今ひとつ世間に貢献してない『タバコ屋』だから、尚更ねえ」

 「あっしの名前から取ったんだ。あっしは『春夏秋 冬樹(フユナシ フユキ)』・・・・
  『四季』が名前に入ってるから『4 Seasons』ってことさ。
  冗談みたいな名前だけど、他人にすぐ覚えてもらえるのが取り柄でねえ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『マテリアの目』から無意識に連想したのは、
寂れた神社で一度だけ出会った『春夏秋冬樹』という男の『目』だった。
灰色のコートを纏った『枯れ木』を思わせる風貌。
別れ際、暗灰色の瞳に宿る『冷たさ』を感じ、微かな疑問を覚えた。
『塀の中で見た人間』と『同じ目』をしていると。
その時は考え過ぎだと結論づけ、今日に至るまで思い出す事はなかった。
だが、『今なら分かる』。
俺自身が『殺し』を請け負うようになったからこそ、
あの男が『何者であったか』を理解できた。

     あるいは『俺の目』も『同じ色』をしているのか。

『敵』を視認した瞬間、即座に投擲を行い、ナイフとフォークを纏めて投げ放つ。
これを初撃に持ってきたのは、『アヴィーチー』の左腕を空ける為だ。
カトラリーを手放した後で椅子を掴んで持ち上げ、盾のように構える。

「今から俺は奴に突っ込む」

『サクソン』を通して赤月に声を掛け、走り出す用意をする。

330赤月『サクソン』:2023/07/23(日) 00:45:36
>>326

『外した・・・・・!?』

『サクソン』の『暗殺者』としての性能・・・・
持てる全てをその一瞬に込めた『一撃』はかすり傷一つを負わせただけで彼方へと飛んで行く
万事休す・・・・ ではない

『村田! このまま畳みかけるぞ!』

まだ『暗殺』というプランが潰えただけだからだ・・・・!
『クリサンセマム』は・・・・『マテリア』は攻撃の手を緩めて一歩引いた!
このまま波状攻撃を畳みかけて、反撃の隙を与える間もなく叩き潰す!

      ダッ!!

もはや動作音を気にする必要もない
真っ直ぐに『マテリア』へと向かい・・・・その途上でポケットの中の『シャンデリア』の欠片に
『投げナイフ』の『暗器化』を施す

『「マテリア」・・・・覚悟・・・・!!』

そのまま、『欠片』を取り出し、頭上に掲げて光に翳す
『シャンデリア』は光を受けて輝くために存在している『道具』だ
その輝きを以て『使用』とみなし、『暗器化』を発動
生成された『投げナイフ』を真っ直ぐに正面の『マテリア』に向けて投げつける

・・・・勿論、隙の多い動作だ
この攻撃で『マテリア』に対して致命傷を与える事などとうてい不可能だろう
だが、こちらは多勢の側なのだ

(注意は私が惹きつける)

(追撃の手を緩めるなよ・・・・村田・・・・っ!!)

331村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/23(日) 20:39:44
>>326

「壊す気で打ち込んだんだろうが、『誤算』だったな?」

おそらく『一撃で破壊されない』というところまでは『織り込み済み』だ。
十中八九、『棒』のしなやかさが相手の能力の『かかり』を弱めているのだ。
だから既に!突きを出した瞬間から、おれは次の攻め手を切っている!

 「逃すか!」
         ズギュ ゥ !
 
突きを出す前、低く構えた瞬間から反対側を『伸長』している(>>324メール欄 後方へ伸長)。
触れられる前に『伸長』してしまえば、後は法則に従うだけ。おれの制御化になくとも平気なはずだ。
そして、触れられた後は軽く『脆くなる』。おれの体重を支え切れないだろう。
だから普段通り伸長の力任せに『押しやる』のではなく、棒に『足をかけた』(>>324メール欄 足をかける)

 ザザァーーーーーッ!

『動く歩道』の要領だ。
伸びる『棒』に乗ることで、棒に掛かる力を分散し、滑るように前へ高速移動!スB
『ディズィー・スティック』の射程から逃がさない!

ズ ギュ !

手にした『ベルト』を、握った側の端以外を『部分棒化』!
この状態では『伸長』はできないし、手を離せば『強制解除』されてしまうが、むしろそれが良い。
『脆く』させられても、おそらく元に戻せるからだ。

 「チェストォォォォォッ!!」 ドッ ヒャア ーーーーッ!

滑り込むように!『ベルト部分棒』で追撃の突きの連打!パス精CAB

332『エターナル・ノクターナル』:2023/07/25(火) 15:48:23
>>329(宗像)

過去の縁を記憶の中に辿り、『マテリア』に、あるいは己に重ねる。
『春夏秋』の目と『マテリア』の目、そして『宗像』の目は、
どれも『本質』の部分では大きく異なりながら――――
しかし『殺人を請け負う人間』として、ある種の共通点は見出せる。

               ビュ

                 ワッ

――――投擲自体は、『筋が悪い』手だ。

2つの軽量物をまとめて投げるというのはただでさえ器用さが求められる。
それでも平常時なら命中軌道には乗せられたかもしれないが、
今の『アヴィーチー』は精度がかなり弱っているのは先ほど確かめた通りだ。
ほぼ同時に『投擲』を仕掛けている『赤月』と違い、狙い自体が軌道を外れている。

        しかし、左腕を開ける事には成功した。
        それに、多少なり意識を奪えはした筈だ。
        今の『宗像』には『それだけ』でも『仕事』だろう。
 
     ガッ

『椅子』を身を護るために構え、『突撃』の準備は出来た。

既に『サクソン』は『村田』との連携を期すため突撃を行っているため返答はないが、
声は聞こえただろう。足元はふらつくが、走り出す準備は出来ている―――――

                    (※下記の『戦況』は全て確認可能)

333『エターナル・ノクターナル』:2023/07/25(火) 15:48:50

>>330(赤月)
>>331(村田)

声を掛けながら突撃する『赤月』――『暗殺』とは『隠密』だけではない。
『サクソン』の射程限界は近い気配がするが、室内への突撃は出来る。
そして、『投擲』する分には、射程の限界と言うのは特に関係はない!

「そうだね、『大誤算』ってヤツだ。
 覚悟はいつだってしてるけど、
 危険ってやつはいつだって、それを少し上回る。
 『熱戦』っていうのは……本当に疲れる」

そして――――『村田』もまた、『攻める準備』は済ませていた。
流れを読んだうえでの『二重の仕掛け』。
どこまで推測が正しいかは不明だが、『軽くなった棒』は『伸びてはいる』。
謎めいた能力だが、『元の機能を損なわせる』わけではないのか、
それとも『発動前から起きていた事象のキャンセルは出来ない』のか、いずれにせよ。

               ザザァーーーーーーーーーーッ!!

    「っと、だいぶん自由自在だね」

棒は危うい感覚を足裏に伝えながら、『村田』の身体を乗せて前に進めてくれる!
流石に『人一人の体重を乗せている』分、その速度は『純粋な高速』にはやや劣る、が。

      ザシュッ!!

             「っっと!」

入り口方向からの『宗像』であろう――軌道を外れた投擲物に僅かな瞬間、気が割かれた。
本体が身を逸らす回避しかしなかったのは、『クリサンセマム』は『ガード』に集中させるためか――
結果として、『赤月』の投じた『投げナイフ』が、暗殺者の肩口を浅く割く――出血が『無い』?

                     そして!


 『村田』は『ベルト部分棒化』完了ッ!
   『手元は棒にしない』事でリカバリーも狙う。
     そこのところの効果はまだ不明だが――――!

         ドッ ヒャア ーーーーッ!

「いい連携……だッ!」

   神速の連打は冴えるッ!!

     「っ……」

           ガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!

『ディズィー・スティック』の連打を『クリサンセマム』が両手でガードするが、
棒を使っていること、また肩口に受けた攻撃や『赤月に意識を割いた分』もあってか、
防戦一方――――――『ディズィー・スティック』側は反撃を受けずに、打ち切れるッ!

        パシッ

その最中、ガードの合間に掌が動き、『ディズィー・スティック』の右手に触れられた――――が。

334『エターナル・ノクターナル』:2023/07/25(火) 15:49:56


                  ド

     「っはァ!!」
                      パアァァン!!!!

――――それはガードを緩めるのと同義。
すり抜けた一撃を与えた瞬間、『マテリア』が派手に吹っ飛ぶッ!!!!

そう、吹っ飛ぶのは当然だ。『クリサンセマム』が打ち合いに負けたなら、
その衝撃は『マテリア』にもフィードバックする。『スタンドごと吹っ飛ぶ』のは普通だ。

                        ・・・・
                     だが『飛びすぎ』だ。『4〜5m』は飛んだッ!!


「った、たたッ。やるもんだよまったく。
 まだまだ老耄たつもりはなかったんだけどな」

                        ゴロゴロゴロッ

フロアに転がった『マテリア』は受身を上手く取ったか、
まだ『動けない』程のダメージを受けた様子はないが、
今すぐ立ち上がってどうこうできそうな程元気とも見えない。
うつぶせの姿勢から、膝立ちになろうとしているように見える。
少なくとも、『村田』はガードをすり抜け、鎖骨辺りに一撃を入れた――浅く、ではない。

故にか、共に吹き飛ばされた『クリサンセマム』も――フロアの床に手を付いて、立ち上がらない様子だ。

                        シュゥゥ ・・・・

「痛み分けとは言えないな。……ま、『生きてるならかすり傷』ってやつか」

『村田』は触れられた『ディズィー・スティック』の右手に違和感を覚える。
本体の右手には『無い』違和感だ。触れられたスタンドの手にだけ、言葉にし辛い妙な感覚がある――――

335宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/25(火) 18:03:00
>>332-334

元々『脅し程度』の攻撃だった以上、この局面における目的は果たした。

表面上、村田と『マテリア』は拮抗しているように見える。
あの速さは『硯のスタンド』で体験した。
恐るべき速度の拳を叩き込まれ、俺の意識は闇に沈んだ。
ここで俺達が本格的に参入する事によって、どこまで力関係が傾くか。
『出血しない』という点は、上階で交戦した『穢れた血の男』と対照的に思える。

  「会いたかったぞ――――『殺手のマテリア』」

      片腕の欠けた『無能力』の人型。

               著しく低下した『精度』。

                    『鉄砲玉』には十分だ。

宣言した通り、『マテリア』に向かって走り出す。
『サクソン』が動いてくれたのは都合がいい。
それに合わせて二手に分かれ、両翼から攻めるような形で突っ込む。

「『殺し屋』に会うのは、お前で『二回目』だ」

同時に『現在位置』から『マテリア』までの『距離』を測る。

336赤月『サクソン』:2023/07/25(火) 18:08:47
>>332-334

『「熱戦」を演じるのが疲れるのであれば、
 大人しく捕まってみるか? 「マテリア」』

戦況を見る。投擲した『ナイフ』が残した奇妙な『傷跡』
どうやら『マテリア』の肉体もまた、何らかの能力によって変容しているらしい
そのうえ、ノックバックにより強引に距離を取らされてしまった

(奇襲からの速攻で仕留めるパターンはこれで使えなくなった
 状況は悪くないが、じっくりと『戦闘』を組み立てていく必要があるな)

『・・・・・・・・。』

『いや・・・・3対1の状況でここまで凌ぐ事が出来るとは
 流石は「血族のハイネ」がスカウトに来ただけの事はあるか』

『そのうえ、攻撃への対策も完璧か
 己の肉体を、何か「軽いモノ」に変えて凌いだのか? 経験値も大したものだ』

『知りたくはないか?
「血族のハイネ」がどうなったのか。君が誘われていた「組織」とは何なのか
 そして・・・・「アリーナ」が彼らをどうしたのか?』

『サクソン』がその場に佇み、両手をトレンチコートのポケットに入れながら
正面にいる『マテリア』に語り掛ける

『気になるのではないか? うん?』

勿論、長々とこんな無駄話を続ける事には意味がある
それは・・・・・・・!

                  「待っていてくれよ・・・・村田!」

本体の移動!
この状況に至ってはスタンドのみを遠隔操作する意義は薄い
だからこそ、スタンド操作から意識を離し、時間稼ぎの長話を続けている間に
本体である赤月も戦場に向かう事にしたのだ!

『ノコギリザメ』をその場に残し、ドアを開けて、そして閉める
そのまま『セレモニーホール』へと向かおうとする

337村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/26(水) 16:05:38
>>333-334

 「そりゃどっちのことだ?喰らったお前か?
 それとも、触られたおれの方か?」

自身への『能力行使』。であれば『身軽さ』も『足音』についても辻褄は合う。
とはいえ、その『正体』は未だ不明だ。出血もないように見える。
あの攻防の中でリスクを取ってまでおれに『触れた』。意味のないことをする男には思えない。

しかし、相手も無傷ではないはず。堅い『棒』の一撃は確実に入った。手応えは十分。
鎖骨が砕ければ、少なくとも片腕は使い物にならないはずだ。『普通であれば』。

 カッ! パシィ !

接近しつつ、軽くなった『女棒』をつま先で優しく蹴り上げて手に取る。
軽く脆かろうが棒ではある。十全に扱うだけの『技量』が『ディズィー・スティック』にはある。

 ズギュ ン!

そして、軽くなった『女棒の棒化』を試みる。
『解除』できず、『ディズィー・スティック』の影響を外れたように感じるのは、おそらくこれが既に『棒ではない』からだ。
見た目が変わらないから勘違いしているだけで、奴の能力によって『別の何かに置き換わっている』のだとしたら。
おれが物体を『棒』に変えるように、奴も触れたものを『軽く脆い何かに変えている』のだとしたら?

試してみる価値はある。もう一度『棒化』しておれのものに戻せばいい。
既に『棒状』なら、手首の一捻りだけで『一瞬』で済む。

338『エターナル・ノクターナル』:2023/07/27(木) 23:38:54
>>335(宗像)

「死にかけで……はしゃぐなよ、おじさん。
 ……私もおじさんだけどね」

煽るような言葉とは逆に、『マテリア』はあくまで冷静に、
向かって来る『宗像』の事も視界に含めている――――

「命は大切にする方がいいんだけどな。
 ま、若者より前に出る姿勢は嫌いじゃあない」

走り出す『宗像』――――距離はおおよそだが『5〜6m』ほどだろう。

「――――安心するといい、『三回目』は数えずに済むよ」

どうやら『サクソン』は話術による戦闘を選択したようなので、
『両翼から攻める』と言うのはやや難しいが、同時攻撃の意味なら『村田』は動いている。

>>336(赤月)

「ペントハウスより豪勢な部屋で、三食昼寝付き、
 それでいいなら君の手柄になってあげてもいいよ」

           フッ

「若い子に褒められるのは悪い気はしない。
 ただ、その情報は――――もうわりと知ってる。
 『ここ』が君らの物になってたのは、驚いたけど」

        「その点は本当に耄碌したよ。
         現場を離れるのは良くないことだ」

『無駄話』への反応は然程芳しくないようだが、乗ってはいる。
今すぐに立ち上がれる様子ではない敵にも都合は良いという事か。

「『エクリプス』は沈んだ。そして、『ハイネ』君は生きている。
 君らも知りたいんじゃあないのかな。『彼』が今、『何を目的としている』のか」

会話の陰で、『赤月』は移動を開始する。

             ≪アヴィィィィイイッ!≫

        ギュギュン!

想定外は、『ドアを開けた』段階で『ノコギリザメ』の移動が再開されたことだ。
長い事閉じ込められていて、フラストレーションがあったのかもしれない。
 
      ガゴガゴ

ドアに鋸の先端をねじ込むようにして、中々閉めさせてくれない。
とはいえ『閉じ込めておく』事に固執しないなら特に問題は無いだろう。

この能力の性質を考えれば、廊下の血痕でしばらくの『時間つぶし』はしてくれるはずだ。

339『エターナル・ノクターナル』:2023/07/27(木) 23:39:07

>>337(村田)

「『この後死ぬ方』だろうね。もちろん殺すまでやるだろ?」

          カッ! パシィ!

武器には極めて適さない『能力影響下』の棒―――――の、はずだったが。
脚に伝わる感覚は、この棒はすでに『元の女棒に戻っている』という事だ。
遠隔での能力解除が出来るタイプの能力なのだろう。

               ・・・『何故解除した』?
               武器は他にも用意出来ることを悟り、
               一本の無力化に重きを置かなくなったのか?
  ・・・

       ・・・

            ・・・

よって、『再度の棒化』は不要――――かつ、できるかは不明なままだ。
この辺りの余計な情報を渡さない意図も、あるのかもしれない。

「フゥー……『伸び縮み』に『部分発動』
 大分見えてはきたけど、察するに『まだまだある』だろ?
 最低でも『爆破』が出来るような応用は持ってるんだよな」

「骨身にこたえるね。……『発揮させない』方向で行かせてもらうのがいいかな」

言葉には『誘導』の意図か――――あるいは単なる軽口か。『殺し屋』が不敵に笑う。


>全体

『マテリア』は姿勢を直し、膝立ちに近い状態になる。
『クリサンセマム』は姿勢を戻す隙を嫌っているのか――――――
やはり、クラウチングスタートにも近いような、両手を床に付けた状態だ。
あのスタンドの精度を考えれば、あの姿勢からでも使える格闘術はあるだろう。

               ド ドドッ

最も先行するのは――――満身創痍の『宗像』。

椅子を盾にして、ややふらつく足取りで距離を詰めていく。
『村田』はその後ろで少しずつ迫り、『サクソン』は両手を『武器庫』に潜ませた。

一見すると『圧倒的優位』――――そして、それは恐らく『実情』もそのはずだ。

                   だが。

               『油断』は『戦力比』を即座に傾けるだろう。
                 小康にあるこの局面、それぞれがどう攻めるか……だ。

340赤月『サクソン』:2023/07/28(金) 00:11:22
>>338-339

『俗物め・・・・まあ、確かに
 このホテルのベッドは凄くふかふかとしていて居心地はいいけど』

こちらが持ち掛けた『無駄話』に軽口で返すマテリア
警戒の目はそのままにこちらも軽い言葉で返していく

>「『エクリプス』は沈んだ。そして、『ハイネ』君は生きている。
> 君らも知りたいんじゃあないのかな。『彼』が今、『何を目的としている』のか」

『・・・・その答えをこの場で君に聞く必要はない
 君を拷問にでもかければすぐにわかる事だ』

内心の動揺を隠すように答える
本音を言えば、彼らが何を目的にしているのか興味がある事は確かだ
だが、それを相手に知られるわけにはいかない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

スタンドによる会話を続けながら、本体は『セレモニーホール』への移動を開始する

             ≪アヴィィィィイイッ!≫

        ギュギュン!

                           「なにっ!?」

想定外だったのは宗像が残した『ノコギリザメ』が
思った以上に早く移動を開始した事だ

「そうか・・・・
『サメ』・・・・お前も主とともに戦いたいのか?」

スタンドが何を考えているかなどわかる事ではない
だが、この『サメ』は宗像がわざわざこの部屋に残していったものだ
恐らくは彼にも何か考えがあるのだろうが・・・・

(この場で手間取っていても時間の無駄か・・・・)

             バッ!

『ノコギリザメ』はその場に置いておいて、ドアを閉めずにこの場を立ち去る
しばらくは廊下の血痕に立ち止まってくれるだろう・・・・そう信じる

「今度こそお別れだ! 『サメ』!」

そのまま『セレモニーホール』へと向かう

341宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/28(金) 02:45:30
>>338

「俺の命は『仕事の終わり』まで持てばいい」

『クリサンセマム』の性能は、総合的に見て『アヴィーチー』を上回っている。
単純な接近戦を挑めば、一方的に叩きのめされて終わるだけだ。
ましてや今の状態では勝ち目は到底ない。
だが、著しく低下した精度では、遠距離からの投擲も大した役には立たないだろう。
結局の所、俺が『マテリア』に手傷を与える為には、自ら近付く以外になかった。

    (『到達時間』は――――――)

 『あの部屋』から『標的』まで、概算で『21m』の距離がある。

               (――――――『1秒弱』か)

こちらのリーチは多少伸びているが、殴れる位置には遠すぎる。
そのまま椅子を盾にして接近を続け、さらに距離を縮めていく。
仮に『クリサンセマム』の射程内に踏み込む事になろうとも、
これから行う一連の行動を成功させる為には、
最低でも『3m』から『4m』程度までは詰めておく必要がある。
移動の際、可能な範囲で『マテリア』の側面に回り込みたい。
『村田と連携して攻めようとしている』と思わせる事が狙いだ。

「お前が俺を殺すなら、俺はその前にお前を殺す」

『切れる札』は掻き集めた。
重要なのは『順番』と『タイミング』だ。
どれか一つでも間違えた段階で、俺は今以上に『死の淵』に近付くだろう。

342村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/28(金) 11:57:02
>>339
以下の通り質問いたします。

・重要な局面なので、ある程度正確に彼我の距離とそれぞれの位置関係を確認したく思います。
お手数をおかけいたしますが、MAPに示して頂けると幸いです。

・投擲し弾かれた『アルミ缶棒』について、『感覚』で位置と『状態』を把握できるか?

343『エターナル・ノクターナル』:2023/07/29(土) 22:24:17
>>342(村田・回答)

【セレモニーホール内の簡易的な図】

■■■■■■■■■■■■■
扉□□□□花花花□□□□■
■□□□□□□□□□□□■
■===========■
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□□□□□□□□扉
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□□□□□□□□■
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□□□□□□□□■
■△△△△□マ□△△△△■
■□□□□□□□□□□□■
■△△△△□□□△△△△■
■□□□□村□□□□□□■
■△△△△□□宗△△△△■
■□□□□□サ□□□□★■
扉□□□□□□□□□□□扉
■□□□□□□□□□□□■
■■■■■入り口 ■■■■■

このレスまでの状況を前回提示したMAPに反映すると、このようになる認識。
細かい器物の位置(ex.投げたものの現在地)などは確認していない限り不明。
アルミ缶棒についてだが、★のあたりにあるのが把握出来る。
状態が何を指すかは不明だが、『伸長状態』は、投擲した時のままと推測できる。
距離は村田とマテリアが4m程度、宗像とマテリアで5mと少し、『サクソン』で6〜7m。

344村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/07/30(日) 07:37:18
>>344
回答とまとめに感謝いたします。

>>339

 「なら『お前』だな。聞いて損したぜ。」

長椅子を遮蔽にするように、左へと動く。
何もかもを一撃で破壊できるわけではないのは、壁の時に見た。
固定されていないものだが、到達を一瞬でも遅らせられるならおれの一撃が届く。

そして感じる『アルミ缶棒』の存在。これも『解除』されたと見ていいだろう。
多分『軽く脆くする』のにも限界があるのだ。個数か、体積か、回数か?
とにかくそれらを解除した以上、大きな『仕込み』をしていると思うべきだ。

 「おうらァ!!!」    ギャギャギャ!

        ドッ  ギャ ァ !

『女棒』を伸長させながら!蹲る男へ一閃、突きの一撃!

345『エターナル・ノクターナル』:2023/07/31(月) 21:03:08
>>340(赤月)

「高潔な理想は長続きしない。命のやり取りは何より現実的だ。
 殺しってのは終わらない夜の様に冷たく、暗く、荒んでる。
 あらゆるものを失い、奪ってお金に変える仕事なんだ」
 
「金で買える『世俗』で満足できないやつには、向いてないからね」

『会話による時間稼ぎ』を試みるのはいいが――――――

「確かに。『アリーナ』の拷問は壮絶だと聞いてるから。
 ただ……生け捕りに出来ると思われてるんなら、心外だよね。
 というか……お仲間にその気はないみたいだけど?
 君の方で、言って聞かせてやってくれないかな」

結局のところ、『村田』と『宗像』は『攻め気』全開だ。
このあたりは、せいぜい『サクソンは狙われにくい』程度の効果かもしれない。

         ――――その一方、本体は。

         
   ≪アヴィイイッ! 血ィッ!! 血ィィィ!!≫

                フヨフヨ

予想外の『ノコギリザメ』の挙動――――
自立行動の強みは本体の意図が不要な点だが、それは同時に弱みにもなる。
とりあえず今はまだ『廊下』をうろうろしているようだ。
『ハイネの痕跡』がこのフロアに集中している以上、暫くは問題ないだろう。

                        タッタッタッ

『セレモニーホール』への階段まではすぐに辿り着き、もうじきに『19階』に到達する。

>>341(宗像)

足元の感覚はおぼつかない。だが、前には進める。
『4m』まであと一歩だ。『村田』や『赤月』より、『宗像』が近い。

「『鉄砲玉』としては大したプロ意識だ。
 あんなもんはプロがやる仕事じゃあないんだけどね」

         ドッ ドッ ドッ

脳内で絵図を描きながら、今は只――――『移動』を続ける。
『マテリア』は『村田』との攻防にある程度『集中』する状況であり、
椅子と言う頼りにはならない盾でも、身を護るには十分なはずだ。

「地獄に道連れなら、もう少し華のある相手が良い」

今も、『村田』の攻撃へのガードに敵は集中している。
……『満身創痍』の宗像を舐めているのかもしれないし、
単純に、村田の棒術を相手どるには必要なのもあるだろうか?

――――その護った身を『ベット』するタイミングは、果たして。


                                   … ミシッ


>>342(村田)

「いい返事だ。そして私も、内心……同じことを思ってる」

             ドッ ギャ ァ !


「っと……」

           バシィッ!!

『クリサンセマム』が『女棒』の一撃を『右手』で横へ弾いて流すように防ぐ!
棒と言う武器を介しているとはいえ、基礎的なスペックが同等である以上、
単発の打撃や刺突では『重い一撃』を与えるのは相当難しい。

「……そこからチクチク刺されるだけで、結構困っては来るな」

ただ、『鎖骨』に一撃を与えた『左』は床に添えたままなあたり、
先ほどの攻防で与えたダメージについては十分『重い』部類に入りそうだ。
また、今のガードも、余裕でやった――――という雰囲気では無かった。
こちらは両手で繰り出す以上、連打を続けるだけでも遠からず崩せそうだ。

      ミシ ッ ……!

ただし――――弾かれた反動で、『ディズィー・スティック』の右手が軋む。

        力を入れた程度でどうこうなる程の雰囲気ではないが、
        矢張り間違いない。『軽く脆くする能力』が右手に作用しているようだ。

また、軋む際の『痛み』は『村田』自身にもフィードバックする。
行動をキャンセルされるほどではないが、これが意味するのは――――『砕ければ』無事では済まない。

346宗像征爾『アヴィーチー』:2023/07/31(月) 22:39:36
>>345

理由としては『両方』だろう。

(奴に頭を割られた事が幸いした)

この三人の中で『最も楽に殺せる』のは、間違いなく俺だ。
だが、こちらに止めを刺す間に、村田と赤月の攻撃が飛んでくる。
『手練れの殺し屋』であっても、『死にかけの人間』を相手にしている暇はない。

「俺が道連れでは不満だろうが――――」

状況は『あの時』に近い。
『カーバンクル』を巡る抗争の渦中で、俺は深手を負いながらも盤面に残り続けた。
それは『他に優先すべき人間』がいたからだ。

(『禍福は糾える縄の如し』か)

『目的地』に辿り着いた時点で走る事を止め、移動を歩行に切り替える。
村田のスタンドが『クリサンセマム』を押さえている間、
自由に動ける赤月も、おそらくは何かしらの行動を起こす。
『位置取り』に専念しながら、一度だけ『待つ』。

「――――行き先の保証だけはしてやれる」

全体の状況を注視し、次で『動く』。

347赤月『サクソン』:2023/07/31(月) 22:57:39
>>345

『ふん・・・・ 「戦い」によって「金」を儲けるその在り方を
 否定するつもりはない』

状況は刻一刻と動き続けている
赤月が時間稼ぎを狙おうとも、それが有効かどうかは戦況によって変化する
この状況は・・・・・!

『だが・・・・・・!』

(『サクソン』を遊ばせておくのは逆に不利だ!
 戦況は変化している・・・・今は村田と協調して『攻める』べき)

『「戦士」であれば!
 「誇りある戦い」こそが最大の価値であろう!!』

『19階』まで辿り着いたところで一旦本体から意識を離し、
再び『サクソン』の操作に専念する!

    『「サクソン」ッ!!!!』

『サクソン』が『クリサンセマム』に向けて前進する!
その右手はポケットに入れたまま・・・・・

    そして、『クリサンセマム』に十分に接近したところで!
        ポケットの中の『TVリモコン』に対して能力を行使!

『スタンガン』化を施した状態でスイッチを押し(使用し)『暗器』を発動!
『TVリモコン』を『クリサンセマム』に押し当てて電撃による攻撃を行う!

(村田に向けて注意を向けているこの状況で・・・・
 こちらに意識を向ける余裕はあるか!? マテリア!)

348村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/01(火) 15:39:14
>>345

 「何言ってんだ。そこは『射程距離』だぜ。」

   ギャ リ !

弾かれた棒の長さは『戻らない』。何故か?
棒の伸長点を最後方に設定(>>344メール欄 伸長点最後方)し、マテリアとは逆側に『伸長』していた。
逆方向に伸長したにも関わらず、何故マテリアの方向に伸ばせるのか?単純な話だ。
逆側に伸びていく『棒』を、『前方に繰り出し』(>>344メール欄 前へと繰り出す)ながら突きを放っていたからだ。
棒の伸びる速度よりも、『ディズィー・スティック』の手技の方が早い。
そして、それを悟らせない『曲芸じみた』動作を行うだけの正確さと『技術』を、おれは持っている!

よって繰り出すのをやめてしまえば、棒は『逆側に伸び』はじめる。
『伸長』は続行だ。だがその前に逆側の先端を!
 
  ガッ シ!
          グ イン!

右足を後ろに振り上げて『足先の穴』で『掴ん』で!そのまま蹴り込むようにして曲げながら!

 「チェぇストオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 ドバ バ バ ァ ーーーーッ !

左手に掴んだ先端と、右足先で掴んだ逆先端で、『突きのラッシュ』を繰り出す!

伊達や酔狂でヴィジョンに穴が空いているわけではない。
右手が駄目なら足で、足が駄目なら胴で、それさえ無いのなら喉で。
全身に空いた穴の収縮で、身体中で『棒』を掴み振るうことが出来る。
それが『ディズィー・スティック』の『最奥』!

棒は一本だが、折り曲げて繰り出すラッシュの先端は二つ!
手数は単純にさっきの倍だ!

349『エターナル・ノクターナル』:2023/08/05(土) 20:55:41
>>346(宗像)

『目標距離』である『4m』で、歩行に切り替える。
それでも短い距離を詰めるにはさほどの時間は必要ないだろうし、
位置取りを作るにも、さほど大きな問題は無いはずだ。

「君に保証されなくっても……一択だろ?」

        ミ

           シッ

そして今は。朧な足元の感覚でも分かる。

        ・
       『床』が…………大きく軋んでいる。


「ま、実際のとこ地獄ってのは……
 そんなに信じてはないんだけどね。
 人間はつまるところ『物質』だ。あの世は無いし、死んだら肉さ」

「どっちの主張が正しいかは―――――――まぁ、確かめても伝えようがない、か」

>>348(村田)


  ガッ シ!
          グ イン!


「『やる』……」

ほとんど『サーカスの曲芸師』のような、かなり無理のある姿勢の攻撃にはなる。
いくら棒術のスキルが高かろうが、『手と足でラッシュ』を仕掛けるというのは、
全力を篭めるのは至難と言わざるを得ない―――――――

だが、『ディズィー・スティック』は『棒を使う武道家』ではない。

              ドバ バ バ ァ 

               ァァァ

      『パキン』
        

「ぐっ……っっ、私じゃなきゃ……3回は死んでたな!」


3発―――――『頭部』に1発、上半身に2発命中させる事が出来た。
だが、そこで『右手』が棒に触れた――――――その結果!

                   ボロッ ・・・

『折り曲げている部分』で、棒がへし折れる――――――『クリサンセマム』による脆弱化!

                     フラッ

   「とは、いえ……死なないまでも、効いたよ」

      ドッ


『クリサンセマム』は両手を地面につき、『マテリア』も膝立ちのまま俯く。
決めきることは出来なかったが――――『赤月』も追撃に入っている。

               『決着』は、恐らく―――――そう遠くはない。

350『エターナル・ノクターナル』:2023/08/05(土) 20:55:54
>>347(赤月)

「『戦士』であり続ける事をリスペクトはするけれど―――― 
 『殺手』の世界で、その価値観は何ら意味の無いものなんだ」

『クリサンセマム』に迫る『サクソン』!

「心底それを信奉するなら――――君は。
 こういう鉄砲玉みたいな仕事はやめた方がいいな」

言葉の真意は分からない。顔は、表情は『村田』に向けている。

            単なる『買い言葉』ではないようには思えた。

『村田』の猛攻に巻き込まれる事に注意は必要になるが、
その辺りは彼の『棒術』でなんとでもなる範囲―――――の、はずだ。

           あとわずかで手が届く、その瞬間―――――――――


>全体

                     ミシッ  ・・・・

やや離れた位置にいる『村田』と、『地面』に足を着けていない『サクソン』も、
『宗像』が先んじて感じ取っていた『床の軋み』を理解し――――


   「『クリサンセマム』
    そろそろお察しだろうけど、私のスタンド能力は、
    触れたものを簡単に壊せるようにする」


その中心点が、『マテリア』と『クリサンセマム』である事を、感じ取れた。


      「壊すのに私が殴る必要はない。
       『重さ』による『崩壊』も私が齎すものだ」


                    バキバキバキバキ

                             ズ ゴゴッ 

『クリサンセマム』を中心とした円形に、
おおよそ半径『5m』ほどの『床』――――――――そこに巨大な亀裂が走っているッ!!


「人間二人、椅子一つ。
 生き残りを賭けた椅子取りゲームってところかな?
 ちょっと違うか――――――ま、なんだっていい」

「1フロア落ちるくらいだ。人は死なない……元々死にかけでもなければね」

このままいけば『宗像』はほぼ確実に崩落に巻き込まれるだろう。
『サクソン』も同じくだ。『接地』していないとはいえスタンドの座標は足場に依存する。

                     『サクソン』と『クリサンセマム』の距離は『1m』程。
                     『宗像』までの距離は『2m』――――

351赤月『サクソン』:2023/08/06(日) 00:20:13
>>350

「・・・・・・・ぐっ!」

元より、こんな会話に意味なんてものはなかった       ドッジボール
ただ相手の興味を惹きつけ、状況を膠着化させる事が狙いの『会話』

・・・・・・・・そのはずだったのに

『マテリア』の言葉に思いのほか深く心が抉られてしまっているのは、
知らず知らずのうちに言葉に熱が入ってしまっていた為か

                     ミシッ  ・・・・

(『ミシ』・・・・・?)

本体の行動を優先する為、『サクソン』を立ち止まらせていたからだろうか
『床の軋み』・・・・『崩落』が起きる前にその予兆を察知できたのは幸運であった

        (まさか・・・・『マテリア』は・・・・・!!)

続く瞬間にはもう既に床の崩落が始まっていた
『クリサンセマム』の能力により、頑強なはずの床材が瓦礫となって崩れ去る
自由落下するこの状況では誰もが自由を奪われて――――

      『逃がすか!!』

                   ――――否。

  『サクソン』は・・・・・!!

(敵に近づく為に階段を降りていたのは幸運だ・・・・!
 この『位置』ならば・・・・!)

           (既に! 『サクソン』の射程距離内!)

『部屋』に残ったままであれば『射程距離』に縛られて敵を追う事は困難だったかもしれない
だが・・・・今の立ち位置であればどうか!
階段を降りる・・・・本体の位置が1階層分下がった事で、『サクソン』で敵を追いかける事が出来るはずだ!

『君は・・・・既に逃げ切ったつもりでいるのかもしれない、が』

       『それは違う。例え大地が崩れようとも地の果てまで追いかけてみせる』

            『私の「サクソン」がッ!!』

本体は立ち止まり、『サクソン』の操作に全神経を集中させる
『崩落』によりこの場に居る全ての人間が落下しつつある・・・・
自由落下という環境は、人間の動作から自由を奪う
重力に影響を受け、自由な移動は制限され、踏ん張りの効かない状況では力を込める事も困難だからだ

だが、『サクソン』は違う!
『落下』に巻き込まれてはいるものの、本体の足場はしっかりとしており、
『スタンド』である『サクソン』は空中であろうとも前後左右、自由自在に移動する事が出来るからだ!

その優位を生かして、先ほど『暗器化』を発動しようとした『スタンガン』を改めて発動
空中に居て身動きが取れないであろう『マテリア』に向けて、『スタンガン』の接触による電撃を放とうとする!

(『電撃』による攻撃は接触すれば十分に威力が出る!
 空中に居る事の不利は『サクソン』には存在しない・・・・!)

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353村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/06(日) 03:28:41
>>349-350

 「まだ『動く』か!」

かなり『いい』のを入れたはず。うち一撃は頭部だ。『しぶとい』。
はたしてこのまま『やり切れる』かどうか。

 「だが、『削った』。」

折れた『棒』を手放し、弾き飛ばされた『アルミ缶棒』も解除。
すぐさま手に絡みつけたままの『ベルト』を『棒化』して『リーチ』を補う。

 「文字通り『鉄砲玉』にしてやるぜ。
 あとは任せたぜ、おっさん。」

ズ ッギャ ン!

右腕に負担がかかりすぎないよう『部分棒』を抱えるように体全体で支えさせ、
『ディズィー・スティック』を射程限界まで飛ばす。

『狙い』は『マテリア』ではなく、『宗像』だ。

  ドウ ッ

可能な限り『優しく』、かつ『正確』に。
ビリヤードのごとく、あるいは雷管を叩く撃鉄のごとく、宗像の身体をマテリアに向かって『ディズィー・スティック』で『押しこむ』。
棒と『ディズィー・スティック』の射程で宗像に届きそうもないなら『伸長』を使ってカバーする。
傷を負ったことによる精密さの欠如と、そもそも間に合うか怪しい速度と距離は補ってやれるはずだ。
『ディズィー・スティック』の射程と『ベルト棒』のリーチがあれば、十分届く。

354宗像征爾『アヴィーチー』:2023/08/06(日) 04:16:27
>>349-350

もはや一刻の猶予もない。
死にかけの身体でも、飛び退いて距離を取る事ぐらいは出来る。
他の一切を放棄して今すぐ跳べば、
本格的な崩落が起こる前に逃れる事は不可能ではないだろう。
しかし、それでは『無意味』だ。
目の前の『標的』を逃してしまう。
『マテリア』の命を奪う事だけを目的として、ここまで積み重ねてきた。
もし『回避』を選択すれば、全てが水泡に帰す事になる。

   俺が死のうと『仕事』は果たす。

       『そうすべき』であり、『そうでなければならない』。

「このスタンドは『アヴィーチー』と名付けられた」

『自動追尾』を『解除(>>271)』し、『ノコギリザメ』を呼び戻す。
『ハイネ』の攻撃をトリガーにして発動したのは、これが『本命』だ。
『ノコギリザメ』の速度は『時速60km』。
秒速に換算すると『約16m』になる。
『1秒弱』もあれば、『21m』の距離を埋めるには十分だろう。

       「『無間地獄』だ」

最初に赤月と分かれた理由は、
階段方向から現れるであろう『ノコギリザメ』から、
『敵の意識を逸らす為(>>335)』だった。
階段と自分の間に『マテリア』を挟む『位置(>>341)』は、
既に『確保(>>346)』している。
『ノコギリザメ』の軌道は『一直線』であり、
俺の下へ飛んでくる『ノコギリザメ』は、
その過程で必然的に『マテリア』を巻き込む。

「『丁度いいタイミング』らしいな」

完全に崩落する前に、『マテリア』を目指して全力で走り出す。
これが崩壊を助長する可能性など考えている余裕はない。
静かに歩いたり椅子を捨てたりしても、今さら大した延命には繋がらないだろう。
計算が正しければ、『ノコギリザメ』が到着するまで『1秒弱』掛かる。
その時間は『俺自身が稼ぐ』。

「伝える事は出来ないが、『確認』には付き合ってもらう」

          ス ッ

赤月から受け取った『袖箭』は、『自らの手(>>315)』で保持し、
『椅子の陰(>>329)』に隠して構え続けていた。
それを『マテリア』に向け、『ノック』して『発射』しする。
この間にも足を止めず、椅子を盾にしたまま突き進む。
『袖箭』と『ノコギリザメ』で注意を引ければ、
床が抜け落ちる前に『間合い』に踏み込む事は、
今の状態を鑑みても、さほど困難ではないと踏んだ。
だが、これらがダメージを与える事は期待していない。

   「『俺が死ぬ前』に――――――」

『袖箭』は『命中しなくても構わない』。
『ノコギリザメ』も『当たらない事』を前提に考えている。
それらは敵の対応を遅らせ、圧倒的な『スピード差』を覆す為の、
単なる『時間稼ぎ』に過ぎない。

          グ ッ

『ノコギリザメ』と一体化する直前、
密かに『アヴィーチー』の『右肩』を持ち上げる。
『マテリア』は『アヴィーチー』の『本来の姿』を知らない。
突如として乱入する『自動操縦型』を見て、
それが『右腕』だと即座に判断する事は出来ない筈だ。
『鋸』の長さは『1m』。
その範囲に入った瞬間、『アヴィーチー』の『右腕』を振り下ろして、
『マテリア』の身体を引き裂く。
可能なら『首』を狙いたいが、それが出来なければ何処でもいい。
『最後の一撃』を『確実』なものとする為に、
『牙』のように並んだ『刃』を『肉』に喰らいつかせる。

           「――――――『お前を殺す』!!」

『殺し屋』に引導を渡すのは『ノコギリザメ』ではない。

               アヴィーチー
              『無間地獄』だ。

355『エターナル・ノクターナル』:2023/08/09(水) 05:11:56
>>351(赤月)

やり込めてやった――――という感慨はマテリアの言葉には無かった。
いずれにせよ、その意を問うタイミングは最早ない。
『赤月ナカレ』に突き立てられたものとして、受け止めるか、受け流すか。

           それも『決着』の後の事だろう。


   ≪アヴィ ィィィィィイイイイイイイイイイイイッッッ!!!!!≫

                  

           ギュアアアアアアアアアッ !!!!!!!


『赤月』本体の傍を、猛烈な勢いで、『ノコギリザメ』の復路が駆動する――――!!!


>>353(村田)

有効打は重なっている。人数差もある。『削り』の役目は十分に果たしている。

          シルル
    
        ―――――――― シャキン!!

再び『ベルト棒』を構築。その役目は――――――――――――

>>354(宗像)


   ≪アヴィ ィィィィィイイイイイイイイイイイイッッッ!!!!!≫

                  

           ギュアアアアアアアアアッ !!!!!!!


―――――『ノコギリザメ』の『解除』による帰還。
能力を知る者であれば『切り離している』事実から連想出来るその手口は、
『死にかけの鉄砲玉』としか宗像を知らないマテリアの虚を突けるものだ。

            だが、それだけには終わらない。

『能力解除だけ』――――なら、『ペンのノック』程度の行動を起こす余裕はある。


「『クリサンセマム』は『誠実』さ。
 与えられた名前や役目に意味はない。
 ……だが、君は心底から自分の役目を信じ切ってるみたいだな」
 
                  
           ―――――――――最終局面へ。地獄の門が開く。

356『エターナル・ノクターナル』:2023/08/09(水) 05:13:04
>全員

『スタンガン』を構えて迫る『サクソン』。
『極小の矢』を構えて撃ち、攻撃する『宗像』。
『棒』を死線へと伸ばす『村田』。
『帰還命令』を受け、全力で主人の元へと駆ける『ノコギリザメ』――――――


      「殺すのはいつだって……私の仕事だ」


その総てより、『クリサンセマム』の行動は『速い』。

                              ギュン!


最接近する『サクソン』と、『宗像』の到達、『村田』の棒の接近。それぞれに若干の差がある。
『ノコギリザメ』が何かは分かっていなくとも、叫びながら迫る『危険物』に理性は見えない。
『サクソン』は得体の知れないスタンド。攻防は次の瞬間に迫る。
ここは神速で死に体の宗像を捕え、圧倒的速度差で掴んで『EPS化』し、他への盾に――――――――


         ――――――――        トン



   「……!」



中空に転落しゆくマテリアの表情に一瞬の驚愕が浮かんだのは、
彼ですら――――『ディズィー・スティック』の真価を、
それが『あらゆる暴力をもたらすスタンド』だと誤認し、
深奥の先、暴力だけに留まらない応用を見落とさせていた。
『凶器』では無く――――『一押し』。

       『棒』……生活、人類のあらゆる文化に根差す『普遍的な形』でありながら、
       『武術』においては『槍』にも『ナギナタ』にもなり、

                   ――――――――『無限の可能性』を持つ『武器』。

            ドッ

理想の展開とは少し違ったのだろう。

『袖箭』の発射は背を押された事で元々怪しい狙いが逸れ、
それとほぼ同時、動き出した『クリサンセマム』は『押された宗像』に『空中衝突』。
次いで『サクソン』がスタンガンを敵の背に押し当て―――――――


           「が ッ!!!」


通電――――――――――――の、ほぼ直後。


                   ギュィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ ――――――!!!


『完全自動操縦』をコントロールする事は出来ない。
『サクソン』を押しのけるように『ノコギリザメ』が割込み、動きを電流に封じられたマテリアを。


                ガガッ!!

―――――――『掠める』。

それだけだ。『シャークトレード』対象ではない『マテリア』はただの障害物。
『宗像』が肩を上げているのだから、直線軌道は必ずしも敵の貫通を意味はしない。
だが、それだけでも十分、次の動きを奪うダメージを重ねられる。

敵もすでに、『宗像』程でなくとも、『赤月』以上にはダメージが重なり始めている。

       「――――――――― ……まいったな」
       「とはいえ死ぬ気も…………諦める気もない、けどね」

                              ガッ
      ガシュッ


『マテリア』の肩に、ノコギリザメの――――否。既に一体化を果たした『アヴィーチー』の刃が食い込み、
『クリサンセマム』の両手は、既に『背中を押され』接近しきっている『アヴィーチー』に次の瞬間には触れるだろう。

               棒を伸ばし切った状態の『村田』に出来る事はあるだろうか?。
               『サクソン』のスタンガンは既に使用済みだが、射程内だ。まだ動ける。


          ギュ
               ォォォォオオオ
                       ッ
   
  『宗像』は――――――――『18階』、無人のレストラン。その床まで、あと『5m』。

            ゼロ距離の殺し屋と、地獄の機構の視線が交わる。『終幕』が今、降り始めている。

357宗像征爾『アヴィーチー』:2023/08/09(水) 10:33:02
>>355-356

『落下』の感覚に身を委ねながら、『笹暮』と出会った時の事を思い出していた。
『下水道』から『頭上』を見上げた際に脳裏を過ぎったのは、
『地獄』で苛まれる一人の男の前に、細い『糸』が垂れ下がる話だ。
苦しみから逃れる為に、男は『糸』を這い上がっていく。
しかし、男が『地獄』から抜け出す事はなかった。
途中で『糸』が切れ、再び『地獄』に落ちていったからだ。

  「俺には『憎むべき敵』がいた」

      一度『そこ』に来た者は、二度と戻る事は出来ない。

                 「『今の俺』は『そいつと同じ』だ」

『俺が奴なら何をするか』は考えるまでもなかった。
敵の身体を脆くして『落下の衝撃で粉々に砕く』。
最小限の手間だけで確実に殺せる。

「『俺自身』を許せば、『そいつ』を許す事になる」

それを防ぐ手段を、俺は持っていない。
まだ構えたままの椅子を盾にして、
『頭部』や『胴体』などの致命傷に成り得る部位だけは防ぐ。
どこまで役に立つかは『結果に任せる』しかないだろう。

    いずれにせよ――――――

               『さして重要でもない』。

『刃を食い込ませた上』から『アヴィーチー』が『力を込め続ける』。

       「俺は決して『俺を許さない』」

その状態から一気に『鋸』を縮め、『マテリア』を『抉る(>>354)』。
『アヴィーチー自身の力』と『伸縮の力』は『別物』だ。
ゆえに『同時に発揮できる』。
瞬間的に『二重の力』を加え、威力を増加させると同時に体勢を崩しに掛かる。
これによって『マテリア』を『下』にして落下できる事までは期待しないが、
奴に『まともな着地』をさせてやる気はない。

『追撃』に集中する以上、衝撃を和らげる事は無視せざるを得なかった。
重要な部位を砕かれたなら『即死』も有り得る。
そうでなくとも、自力では動けない身体になる可能性が高いだろう。

だが――――奴が何をしようが俺がどうなろうが、
『残り火』が燃え尽きる瞬間まで、『この世の地獄』で戦い続ける。

358赤月『サクソン』:2023/08/09(水) 15:43:27
>>355-356

「『サメ』ッ!!?
 そうか・・・・決着の場に向かうつもりなんだな!?」

超高速で横を通り過ぎて行った『ノコギリザメ』を見送りながら、
意識を完全に『サクソン』の五感へと集中させていく


崩れ去る足場
落下の浮遊感を伴う中空の戦場
その中で『サクソン』の電撃と『アヴィーチー』のノコギリが『マテリア』の肉体を苛む

『このまま・・・・押し切るッ!!』

誰もが空中に放り出され、身動きが取れないこの戦場
空中において自身の身体を移動させる手段はなく、下手な落ち方をすれば多大なダメージを負うだろう

(だけど・・・・私は!)

『サクソン』は違う!
戦場に集う者たちの中で、赤月だけはしっかりと床を踏みしめている!

そもそも、空中に投げ出された人間は反射的に姿勢制御を行うだろう
無事に着地をする為に、足を下に向けたり手足を動かして体勢を整えたり・・・・
その動作に思考能力の何割かが割かれてしまう程に・・・・!
・・・・本体が空中に投げ出された状況で、スタンド操作を地上と同じように行う事は容易ではない

この状況は『サクソン』にとっては有利な状況だ
純粋なスペック差を覆せるほどに、地の利を得ている!

だからこそ、有利な状況である『空中』にいるうちに畳みかける!

『諦めの悪さは見事だ!
 でも・・・・諦めてもらうぞ!マテリアッ!』

ポケットの中に隠していた『聖書』を取り出し、そのページを捲る事で『暗器化』を発動
ここで形成する『暗器』は『流星錘』。鎖の先に分銅が付いた打撃武器だ

『アアアアアアアアアアア────────ッ!!』

形成された『流星錘』を使って、浮遊する『マテリア』を打ち据える!
傍で攻撃を仕掛ける『アヴィーチー』の隙間を縫うように、
『サクソン』の高い精密動作性を生かした絶え間ない打擲の嵐をぶつける!

359村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/10(木) 23:35:48
>>355-356

ニヤ リ!

 「なんだ」

 「そんな顔もできんじゃねえか。」

驚愕のマテリアと対照的に、不敵に微笑む。
『棒』という道具が使われ始めたのは、およそ700万年前まで遡るそうだ。
原初の道具には『無限の可能性』がある。だからこそ今も使われ続けているのだ。

 「関!『治せる奴』を読んでおけ!もうじき『店じまい』だ!」

 ズ バァッ !

『ディズィー・スティック』を飛ばし!
ぽっかりと空いた奈落に向かって伸びた『棒』を繰り出しながら突き込み!

  キュ イン  ガッシ ン!

  「うおりゃあああああああッ!!!」

下階の床で『跳弾』させて先端を受け止めて!
落下してゆくはずのマテリアと宗像を、U字状に撓んだ棒で引っ掛けて受け止める!

伸び切ったベルト棒の最大全長は『16m』。十分に底まで届く長さだ。
落下しきる前ならばさらに短くても済む。

『2人分の重さ』を支えられるかについても問題ない。
宗像の重量はともかく、マテリアは『軽い』はずだからだ。
仮に重量を戻したとしても、手負のマテリアは落下のモーメントに耐えられないだろう。

突っ込んだ宗像ともつれるように落下している以上、
おれのやることに手出しをする余裕はないはずだ。

360名無しは星を見ていたい:2023/08/13(日) 18:46:25

>>357(宗像)

                ド

             ガ
         ジュッッ
       !
       
「『赦せない』なら勝手に首でも括っていればいい……まったく。
 君みたいな滅茶苦茶なやつに、こうもしてやられるなんてな」

縮めながら引かれた『鋸』が、『マテリア』の上体を――その命脈を、引き裂く。

「だが……最後の仕事だ。この荒れた夜道を歩く後進たちのために」

『クリサンセマム』は『アヴィーチー』に触れる。
多少のクッション性はあるにせよ、『椅子』で身を護ることで落下の衝撃を防げるかは不明確。
だが『赤月』の追撃もあり、『姿勢の入れ替え』はマテリアにも困難。

更に―――――『村田』だ!
彼が棒を伸ばし、床に跳ね返す事で『U字』の棒を作り出し、『受け止め』を担う。
これならば『宗像が下で落下した』としても、『死にはしない』可能性は生まれて来る筈だ。



「君というイカれた弾丸は……私が殺そう」


だが。そうだ。『クリサンセマム』は『アヴィーチー』に触れたのだ。
『宗像へのダメージフィードバック』はそこには無い。

                      だが。

        キュイン

『アヴィーチー』の腹部が――――――――――――――『能力影響下』に、既に陥っている。

「君自身が望んだとおりに。さようならだ、『無間地獄』」

>>358(赤月)

                  ヒュオォォォッ


「なるほど……これは」


       ド   ガガガガガガガガ

                「……見事だ。『戦士』の技として。
                 鉄砲玉にはますます、惜しい…………」

単なる殴打では『宗像』が遮蔽物になっていただろう。
『サクソン』の精度と、『鎖』を有する暗器ゆえの変則軌道――――!

   ガガガガガガ
               
           「…………私の、潮時……か。……だが」


                       ガガガガガッ !!!

それが、『殺し屋』の『戦術』のキャパシティを超え、
対応不能の『ラッシュ』として―――――――全身を強かに打ち抜くッ!!


「『殺し屋』のやるべきこと……それは、諦めない。
 ……命より重い物だとは思わないけど、消える命よりはずっと重いものだから」

361『エターナル・ノクターナル』:2023/08/13(日) 18:46:48
>>359(村田)

「――――はいっ! 思いっきり……勝っちゃってくださいよう!」

戦いを邪魔しない為か、黙していた『関』だが、
この戦いを聞いていたのは間違いないようだ。
『治せる』能力者がどこまで力をふるえるかはわからないが、
彼女は彼女で、やることをやるためにここにきている。

自由落下を防ぐ策を打つ『村田』――――――――――『命を奪う』だけが棒ではない!
そして、『補佐』に回ってなお、『村田』の秘める応用性は陰りを見せない。

 ズ バァッ !

                 キュ イン


   「『殺しの世界』で―――――」

         「『喧嘩自慢』が……欲張って、全部手に入れようって?」


                       ガッシ ン!

『宗像』の斬撃、『赤月』の猛打。
それらで敵の勝機を奪うには十分だ。

『ディズィー・スティック』ならば、その先。『宗像』の『確定した死の運命』を変えられる!


「その強さなら…………やれるのかもな。老いぼれはせいぜい、利用されすぎないことを期待してるよ」


当然、棒に弾性やしなやかさはあってもクッション性はない。だが、『床に直撃する』よりはいくらかましな結果を生むはずだ。

362『エターナル・ノクターナル』:2023/08/13(日) 18:51:51
>全体(宗像は返信不可)


                         /ヽ
                  !       ,/  r─‐-、                    |
                   /   |    /                          !
             i         ̄ ̄ ̄|  /
             |    /ヽ__,  | ,/                      !
             !    |ヽ/     _ノ   .|_/                   !          |!
                ノ       .|   !    !                     i! ,/|
.       i   │/    /|   |      l!              |       _ノし' |
           i!'   /  |   |  │              _i!___ ヽ   .|
         l! /   /    |   └─┼─‐i!-、           く     | , /  i!   !
      r─|!´   /     |           |           /    i!'    |    i!
.      \    /       |   |`ー、     |         ヽ___/     /    .|
        \__/       | |   |   \__/               !     ! ,/   く
                 | |   i!           !          i    i/   ,∧ ヽ
                i/   |                 |`ヽ_人_/    / ,ノ/
                /    l!           i \ ̄         /   ̄
                  \__            i!_ノ   __r─一'´
                                `ー─‐'´




棒を介したとはいえ――――――――――
強烈な落下の衝撃が、そして崩落した『19階』の床が、甚大な粉塵を巻き上げる。

              ・・・

                 ・・・

                    ・・・


      ゴ      オ オ オ オ オ ―――――――――――――― ・・・


空中から転落していく『サクソン』から、動くものは見えない。
『スタンド』もジャンプをすればそのあと落ちる。落下ダメージはないにせよ、着地はすぐ近い。
『暗器』の連打には確かな手ごたえがあった。『命のやり取り』における『手ごたえ』が。

                          ズ シ ・・・

――――――『村田』が伸ばした棒には確かに重みがある。

                   それは今、『人二人分』になっていることを感じられる。

                       少なくとも取りこぼした、という結果はそこにはない。

363村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/13(日) 20:07:34
>>360-362

 「ぐっ、うう…!」

粉塵と腕にかかる重みに呻く。
しかし喜ばしい重みではある。『2人分』だ。
能力の解除。おそらく『やった』ということだろう。

 「関!『19』…いや、『18階』だ!セレモニーホールの真下だ!
 おれたちよりおっさんがやばそうだ!なるたけ早く人を寄越せよ!」

 「赤月!お前はそのまま18階を見張れ!」

電話口と奈落にがなり立てた後、棒をゆっくりと奈落の底に下ろし、手を離す。
そもそも『ディズィー・スティック』のパワーで2人分の重さを支え続けることは困難だ。

それから『折れた棒』を探しておく。元々『例の女』だったものだ。
二つに折れた以上、元に戻れば『そういうこと』になっていておかしくない。
今なら、おれ以外誰も見ていない。

364赤月『サクソン』:2023/08/13(日) 20:32:58
>>360-363

『やったか・・・・!?』

確かな手応えがあった・・・・!
『流星錘』による打撃は確実に『マテリア』の肉を叩き、骨を挫いた
これでこの戦いは・・・・

>「赤月!お前はそのまま18階を見張れ!」

「・・・・・ああ!」

落下したとはいえスタンドである『サクソン』に衝撃によるダメージはない
一旦、『サクソン』から意識を戻し、本体による行動を再開する

「『ザンシン』・・・・と言うのだったか
 敵に止めを刺した後はその『後』にこそ注意をするべきという事か」

そのまま『18階』まで下り、階段を誰かが上ってこないか注意を向ける

365『エターナル・ノクターナル』:2023/08/13(日) 23:59:55
>>363(村田)

「わかってます……! 今、『漣』さんのほうで動いてくれてるみたいです。
 きっと……いえっ、絶対助かります!」

『アリーナ』には『治療要員』もいるはずだ。
『なんでもなかったことに』できるとはさすがに考えにくいが、
『死にかけ』の人間を崖っぷちで留まらせるのは、闘技場の得意分野だろう。

                  ガランッ

棒が18階の床に転がったのを感じる。『救命』においてこれ以上やることはなさそうだ。
『ディズィー・スティック』の右手もいつの間にか元の状態に戻っている。
一瞬――――『もろくなった』ままで負荷を受けたためか、軋むような痛みは残った。
あるいは骨にダメージが行ったかもしれないが、『殺し合い』の場ではささやかなものだ。

                 ザッ ザッ

――――そして、『折られた棒』を探す村田。

『ディズィー・スティック』の棒は本来『折れる』ことがほとんどない。
それゆえか、『折れた時の自動解除』といった性質はない。

少し探すと、『折れたまま』――――真っ二つの棒の状態でそれは見つかった。
持続時間である『10分』にはまだ到達していない。『取返し』がつくのかどうかは……『わからない』。

               『偶然』村田が早期に発見をしただけで、
               この女のスタンドは『広域大量殺戮』を可能とし、
               事実として、それを開始しているところだった。

         ――――――――――――『死んではいけない人間』では、ないかもしれない。

>>364(赤月)

                    タンッ タンッ タンッ


階段を下りていく『赤月』――『サクソン』の知覚もある。
『奇襲』の可能性は薄いだろうが、薄い可能性を突かれれば薄氷は砕ける。

『残心』の必要は言うに及ばない。
『宗像』ほどではないにせよ、相応に『手傷』は負っている。
危険の可能性を取り除くのは正しい。
  
       タンッ タンッ タンッ


『18階』――不自然なほどに人気がないのは、何らかの手回しがあったのだろう。
少なくともマテリアとの死闘の中で、民間客が騒動を聞きつけてくるようなことはなかった。


        ・・・ ・・・ ・・・

『レストラン』――――というより『サクソン』の元へ行く方向は当然わかる。
『サクソン』側には意識を向けていない以上不明瞭だが、少なくとも今すぐなにかは起きていない。

       ・・・ ・・・ ・・・

「――――そんなに警戒しなくたっていいよ。もう動けやしない」


『土煙』が漂う扉の奥から、『マテリア』の声が聞こえた。肉声だ。『19階』にいる『村田』には聞こえないかもしれない。

366赤月『サクソン』:2023/08/14(月) 00:23:27
>>365

『18階』まで降りたところで本体は立ち止まる
本体に意識を集中させている以上、『サクソン』の側はぼんやりと感覚を残している状態だが・・・・

>「――――そんなに警戒しなくたっていいよ。もう動けやしない」

その状態であっても、その言葉ははっきりと聞き取れた
『マテリア』の肉声。周囲に他に人は居ない。村田が降りてくるまでもう少しの猶予があるだろう

『・・・・・・そんな言葉で油断する程気を抜いてるつもりはない
 けど・・・・負けを認めた「戦士」の言葉を疑う程、狭量なわけでもない』

スタンドを使った会話
それで彼と言葉を交わす

『「アリーナ」は君を回収するだろう
 言い残す言葉はあるか? ・・・・いや』

『むしろ聞きたい事があるのは私の方か』

367村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/14(月) 00:36:59
>>365

折れた棒を拾い上げ、一旦腰の穴にでも挿して佩いておく。
ここで殺してしまった方がいいのかもしれないが、それはおれが決めることではない。

これは『アリーナ』の依頼だ。
彼らにとって利があれば生かしておくのだろうし、そうでなければ『そうする』のだろう。
もっと正直を言えば、わざわざそんな決断をおれの責任でしたくないということでもある。
あの夏を思い出して、気が滅入るのは確かだった。
戦闘の場に自ら身を置いておいてこのザマだ。自分のナイーブさに反吐が出る。

 「おれも下に降りる。18階で待ってるぜ。」

2人を下ろした棒の位置を覚えた上で解除し、二本目のベルトを引き抜いて『棒化』。
奈落の底に向かって伸長し、収縮するのに身体を預けて『エレベーター』の要領で下は降りる。

368『エターナル・ノクターナル』:2023/08/14(月) 01:08:08
>>366(赤月)

「戦士じゃなくて、殺し屋なんだけどな。……ま、ここは勝者の度量を受け入れよう」

自嘲的な響きが笑いに混ざる、そんな声色。

「言葉で『残す』ものなんて何もないな。
 親族はとっくにいないし、ペットも飼ってないし……
 それよりは、夜道を歩く後輩に助言の一つでもやるほうが有意義だ」

扉の奥からの言葉は肉声だ。
もはやスタンドを出す余力すら、ほとんどないのかもしれない。

「『ハイネ』君の仕事は、まだ受けちゃあなかったけれど。
 まあ……さすがに『義理』があるから。
 何でもかんでも話してあげようってわけにはいかない――――が」

『血族のハイネ』と彼は『コネクション』を有してはいるが、
『根本的』な意味では、『仲間』というわけではないのだろう。

「彼と同じ程度には、君らも……
 この老いぼれから何かを受け取る理由はある……っで。何が聞きたい?」

>>367(村田)

戦いの果て、そこには常に『命の決断』が付き纏ってくる。
だが、『不本意』な形での決断は――――ある種、己が望んで奪うよりも『厭わしい』。

              スッ ・・・

      『体が真っ二つになった人間』は死ぬ。
      一瞬でもそういう状態になったなら、
      助かる見込みは『0%』と言っていい。

今は『村田』の能力で生きている――――というだけ。それだけの話だ。
女の棒化は『マテリア戦』の直前に行ったこと。『10分』は猶予時間ではない。
『あと数分以内』にアリーナの『神の手』を持つようなスタンド使いがここに現れる。
奇跡を起こせる癒し手が存在し、このような事態を予期して準備させていた。
取り返しがつくそのわずかな可能性に賭けるのであれば、意味もあるだろう。


死人すらよみがえらせることができるのなら、だれも『殺し屋』を頼らず、恨まない。


とはいえ、『決める』ことをしなくてはならない理由は、確かに『村田』には一切無い。
この女も『死地』の意識がどの程度あったかはわからないが、最後まで『命乞い』は選ばなかった以上、
死んだとして――――そこに『本質的な責任』が生じる、ということは、おそらくないはずだ。

            ただし。


      ズズ ・・・


『村田』は『理解』する。

       ・ ・
――――今の『ディズィー・スティック』ならば。

『村田瑛壱』が望めば、『選択の余地』を自らの元に手繰り寄せることができる、ということだ。

                  無論、『心』の行く末を決めるのは『村田』自身。
                  望まないのであれば、例えどのような結果であれ『起こさない』自由もある。

369赤月『サクソン』:2023/08/14(月) 09:14:42
>>368

『そうか・・・・』

残す言葉を託す者は誰もいないと彼は言う
親類に害が及ぶ事を恐れているわけではなく、恐らくは真実なのだろう

(兄には私がいた・・・・だが、彼には・・・・)

遺した家族が居る人間と、いない人間
より幸せなのはどちらか・・・・それはこの場で語れるようなものではないだろう

大切な事は、この場で彼と話す機会を得たという事だ
二度とは訪れないであろう最大の好機

『「エクリプス」・・・・君たちがかつて居た組織の名前だ』


『教えてくれ・・・・
 君たちは何だったんだ?何のために戦っていたんだ?』

『何のために・・・・「アリーナ」と戦い・・・・そして死んでいたんだ?』

ずっと・・・・疑問に思っていた事がある
『傭兵』である兄は、『エクリプス』に雇われ、戦いの中で死んだ
ならばその『戦い』にはどんな意味があったのか
兄は何のために死んでいったのか?

・・・・勿論、『傭兵』にとって戦いの大義も意義も関係はない
ただ金の為に雇われ、戦っていただけに過ぎない

だからこれは、ただの感傷なのだろう
兄の戦いに意味があったのだと納得するための・・・・ただの感傷だ

370村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/14(月) 12:54:09
>>368
      ズズ ・・・

何だ?『ディズィー・スティック』に『違和感』を感じる。
不快なものでは無い。しかし『不安』を伴わないわけでもない。
『流れ』が変わっていくことを感じる。自らを取り巻く『流れの変化』だ。

『ディズィー・スティック』は『借り物』だという感覚が、常にどこかにあった。
別の世界のどこかの誰かが、おれに貸してくれた『力』だと、ずっと思っていた。
しかし今は『自分のもの』であると断言できる。この『違和感』は、おそらくその差なのだ。

そしてその境地に立った今こそ、『自立』の時なのだ。

 ス…

折れた『棒』を改めて手に取る。

 「二度と『あの夏』は繰り返さない。そうだろ?『ディズィー・スティック』。
 お前もそう思っているから、『今』なんだろ?」

語らぬ幻影に語りかける。
この『変化』をあるがまま受け入れよう。それがおれを『正しい流れ』へと導くはずだ。
それがおれの『決定』だ。

371『エターナル・ノクターナル』:2023/08/16(水) 01:36:36
>>369(赤月)

「してないだろうけど……君、同情なんかするなよ?
 まあ死にたくはないけど、そんなに悪い人生でもなかったし」

冗談めかしてマテリアは続ける。

「それは……かなり難しいことを聞いてくるんだな。
 敵の戦う理由を知りたいだなんて、
 やっぱり君は『こういうの』は向いてないと思うよ。      ワタシ
 ……あるいは、単純に敵ってわけでもないのか……いや、敗者に探る資格はないな」

『赤月』の問いかけに一筋縄でいく回答があるほど、
『エクリプス』も一枚岩ではなかった――――ということなのだろう。


「『尊厳』……もうちょっとリリカルに言えば、『居場所』……かもな。
 日の当たらない……『明るくも暖かくもないけど、いていい場所』が欲しかったのかもな」


それでも『殺手のマテリア』は、答えを絞り出す。


「……ま、単に『悪いことしてたら滅ぼされそうになったから抵抗した』って話かも、しれないけどね。
 ただただ悪いことが好きなヤツや、悪いことで稼ぐのに抵抗がないだけのヤツも相当いただろ」

「『上』の人間への個人的な信奉や隷従……生まれの問題で抜けられないとか、
 ……かけがえのない物を守るために、『属す』しかなかったやつもいたし、
 仲良しクラブってわけじゃあなかったから……最後まで残った理由もそいつ次第だろうし」

        「その結果は……ま、知っての通り。 
          『蝕』は、名前通り、『終わる』ものだった」


マテリアはそこで話を止めた。


「私の『断末魔』はこんなところでいいかな。……それとも、まだ足りてないかな?
 いずれにせよ私は『深く』噛んでいたわけじゃあないから……知っているのは『側面』に過ぎないだろうけどね」

372『エターナル・ノクターナル』:2023/08/16(水) 01:47:25
>>370(村田)

戦士のヴィジョン、『ディズィー・スティック』は――――『村田瑛壱』と共に多くの戦いをを重ねてきた。
『三角獣』を討ち、『竜人』を薙ぎ倒し、『魔物』とそれに魅入られた存在を斃し、『殺手』を屠った。
『村田瑛壱』はただ与えられた『それ』を振るうのではなく、事前準備と即応で『応用』を重ね続けてきた。
『ただただ場数をこなす』だけで『精神』は変わらない。『使い尽くす』創意や狂気の先に『道』は開く。

そして『ディズィー・スティック』はそれに応えてきた。『試金石』は十分に経た。
種火を爆炎に変えるだけの『成長性』は。ずっと萌芽を待っていた。


      そして。そして――――今。

           『この時』だ。

与えられ、世に生まれた瞬間より。
『筋を通す男』の『創意』に磨かれてきた『宝玉』が、『新たな輝き』を見せるときが来た。

             ス  ・・・

     ギャ

       リン


やるべきことは分かった――――『折れた』棒を。

      
         その双方の『接触点』を、強くッ!
         『撚り合わせる』ように・・・捩じるッ!!


             ガキィ ――― ン ・・・ !!


手元に出来上がったのは――――『元通りの一本の棒』。ただ、それだけだ。

                   
                      だが『その意味』を知る。

―――――――――――――――――――――――――――

物体を捻り、『棒』にすることができる『棒術の達人』のスタンド。

『棒の一端』を『何か』に触れさせ、全力で『撚り合わせる』ように捻ることで、
一時的にだが、その物体と棒の一端を『装着』することが可能となった。
即ち――『アタッチメント』によって棒の『機能性』を拡張出来るほか、
『壁面』や『床』への固定で、よりアクロバティックな動作が可能となる。
ただし現状は装着力は弱く、人間の全力に耐え、体重を支えるのは一瞬が限界。
当然だが拘束には適さず、『穂先』等を取り付けても、全力の一打で外れてしまう。

唯一の例外は――――『棒同士の接着』。
この場合、双方の『装着力』が相乗することで、強固に固定される。
リーチの補填であれば伸長で事足りるが、重要なのは『一つの棒』になること。
この状態で『解除』を行うことで、それらの物体は『くっついたまま』元の形に戻る。
元が全く別の物体なら即座に剥がれるが、『同物質』なら疑似的に『復元』が可能。

                      make Sence     Make sence
力の名は――『メイク・センス』。即ち『創造の才』であり、『筋を通す』力である。

『ディズィー・スティック』 
破壊力:C スピード:A 射程距離:D
持続力:D 精密動作性:B 成長性:A→B

―――――――――――――――――――――――――――


        同時にわかる。これは『治すためだけ』の力ではない。
        『ディズィー・スティック』の有する圧倒的な『成長性』と、
        『村田瑛壱』が能力に驕らず磨いてきた『応用術』。
        それが極点に達し生まれた、『棒』という器具の『可能性』だ。
        『治癒』の能力が芽生えるという程は、力は心に寄り添わない。

        
だが、それらが生み出した『新段階』が、『運命』を己の下に手繰り寄せたのは……ただの『偶然』でもないだろう。

373赤月『サクソン』:2023/08/16(水) 14:53:26
>>371

『安心しろ。君の物語を聞いたところで同情なんてするつもりはない
 私にだってプライドの価値くらいはわかるさ』

冗談を軽口で受け流し、改めて居住まいを正す
その場に立っているのは『スタンド』であるが、
敗者からの最期の言葉に対しては魂を賭けて敬意を示す必要がある


『・・・・・・・・。』

『・・・・・・・・。』

『「居場所」・・・・か』

無論、『エクリプス』の全てがそんな殊勝な理由で戦っていたわけではないだろう
どうしようもない悪党もいれば、仕方なく戦っていた人間もいたはずだ

だが・・・・この場所で得た『答え』はそれであり、
その『答え』は赤月の心の奥深くにそっと染み渡る様に入り込んだ

『ああ・・・・それなら・・・・』

その先の言葉が紡がれる事はなかった
「納得がいく」なのかもしれないし、「許せる」なのかもしれない
思い浮かんだ言葉全てなのかもしれないし、あるいはその全ては間違っているのかもしれない

『・・・・・・もう十分だ
 長々と断末魔を上げさせてしまって悪かったな』

『最後に一つだけ、君に伝えておきたい事がある』

そう言いながら、本体が階段を離れていく
進むべき先は己のスタンドが居る場所、『マテリア』の目の前

まったく論理的ではない、感情に突き動かされた行動だ

本体自身の姿を『マテリア』へと晒す

374村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/16(水) 16:56:06
>>372

 スラ ァ ッ

 「これが、『おれの力』。」

               ギシッ ・・・ !

繋がった『棒』を振り抜き握りしめ、その実感を確かめる。
これが新たな『境地』。新たな『力』。
単なる『使用』から『創造』へ。人類の進化にも似た『成長』だ。
人類が『棒』を使ってから『石器』を創るようになるまで、実に『400万年』の時が必要だったとされている。
・・・それと同じように、ここにたどりつくまで永い時間がかかったような、奇妙な感覚だ。

                            sense  sense
これは借り物などではない、正真正銘おれの『意思』と『才能』の結晶。
同時に、それには『まだ先がある』ことも感じる。まだおれは強くなれる。

感慨にひたりたいところだが、そうもいかない。すべてが終わったわけではない。
『後始末』はまだ済んでいない。

身を翻し、18階に貫通した大穴に相対する。
穴の底に向けて修復した『女棒』を伸長し、その先端と床を『メイク・センス』で『接着』。
『固定』された棒を伝って、滑り棒の要領で下の階へと降りる。

375『エターナル・ノクターナル』:2023/08/17(木) 05:20:45
>>373(赤月)

「まったくだ。死ぬなら死ぬでさっぱりと死にたいものだから。
 ……とはいえ、ま、せっかくあげたんだ。
 好きに素材にして……君なりの何かを編むといいだろう。
 あれは確かに『あった』……そして、今はもう『ない』」

         「そして、だれ一人忘れてはいない。
          ……ほかの答えも、きっといつか聞けるよ」

『エクリプス』の意味、あるいは『思想』――――
『殺手のマテリア』のそれは彼にとってもごく自然な答えだったのだろう。補足もごまかしもない。

「それで、君が私に? まあ、それはいいけど――――――」


         シュ  タンッ


『18階』レストラン内に鳴った音は、おそらく『着地音』だ。
また、わずかにだが……『エレベーター』の音が下階方面から聞こえた気がした。


「―――――もうあんまり時間はないみたいだな。私にも……まだやるべきこともある」


まだ土煙が抜けきっていないレストラン内――――倒れているであろうマテリアや宗像より、
まるで『登り棒』でも滑り降りるかのように『19階』から現れた『村田』の姿が、一番に目に入ってきた。

>>374(村田)


          ギシッ ・・・ !

握りしめた『棒』の本質は同じだ。それはいつでも、彼方の『可能性』へと届く。
『村田瑛壱』のスタンド――――『ディズィー・スティック』だ。

               カンッ

        ギャリンッ!!

床に『棒』の先端を力強く『撚り合わせる』ように捩じると、
今までにはなかった『固定力』がそこに感じられた。
思ったりはいくらか弱い――――が、『固定なし』でやるよりはずっといいだろう。

             シュ  ァァァァ ―――――――― 


         シュ タンッ!


『18階』に到達する寸前で固定が体重に負け、棒が倒れかけたが、着地に問題はない。

                   ゴ ォォォォ ――― ・・・

レストラン内の土煙はまだ完全に晴れてはいないが、『換気』があるため、薄れては来ている。
それに加えて――――

「―――――もうあんまり時間はないみたいだな。私にも……まだやるべきこともある」

『サクソン』の所在と『マテリア』の声が、その居場所を明確にしている。

そして、『扉』側から入ってきた『赤月』も見えた。
『マテリア』の言葉は、『独り言』ではなく彼女に向けられたものだったようにも思える。

                     ・・・とはいえ『クリサンセマム』の能力は解除済み。
                        『戦闘』そのものは、すでに収束しているはずだ。

376赤月『サクソン』:2023/08/17(木) 15:57:41
>>375

土煙の上がるレストランへと足を踏み入れる
『マテリア』の姿は確認できず、上階からは『村田』が降りてきている
もはや、完全な内緒話をする事は難しいだろう

(それでも構わない・・・・)

「――――数年前の『アリーナ』と『エクリプス』の決戦
 いくつもの戦いが各地で起き、何人もの人々が死んでいった大戦の中で・・・・」

滔々と語り続ける
己の内に納めていた秘密を
村田に聞かれていても構わない

「『赤月保』という男が『エクリプス』に雇われて、戦いに参陣し・・・・」

「・・・・そして、死んだ」

「私の名前は『赤月ナカレ』
 その時、命を落とした男の妹だ」

「この事実をどう解釈するかは・・・・君に任せておくよ」

377村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/17(木) 21:14:17
>>375

 「もう『逝く』のか?」

断末魔に向けて語りかける。
能力が解除されたことは身をもって理解している。『終わり』ということだろう。

 「個人的にお前に恨みはねえ。
 おれの本命は『刀』とその持ち主だったわけだからな。
 目的のために殺しを請け負った点で言や、おれもお前も変わりゃしねえ。」

声のする方向へ近寄る。
マテリアはもとより、宗像の状態が気がかりだ。

 「だからこそ、『同じ穴の狢』としてあえて言うぜ。
 お前にゃ『感謝』してる。お前のおかげで、おれはまだ前に進める。
 どのみちロクなところにゃ逝けなかろうが、これでせいぜいうまくやれ。」

財布から5円玉を6枚取り出して、マテリアの声の方は放り投げる。
人の命は平等だ。善人であれ罪人であれ、平等に『価値がない』。
平等だからこの男は咎人なのであり、平等だからこそ、その死は悼まれなければならない。
それが最大限の『謝意』であり『敬意』だ。

恨みのないおれたちだからこそ、そうしなければならない。
それが『筋』というものだ。

378『エターナル・ノクターナル』:2023/08/18(金) 22:18:53
>>376(赤月)

「…………そうか。それは……フッ! ああ、いや」

            フッ

「いやぁ、この立場で初めて……
 死に際にべらべら喋るヤツの気持ちが分かった」

「どうせ死ぬからこそ、何か残したくなるもんだ」

声色で笑っているのがわかる。

「一つだけ。『アリーナ』は強い。
 そして『一枚岩』じゃあない……うまく使ってやりなよ」
 
             「その先にちゃんと答えはあるだろうから」

>>377(村田)

「ああ……ここらが潮時ってやつさ」

          フッ

「君は強い。だからいろんなしがらみがあるだろうが……ええと。
 うまいことが思いつかないな。ま、カッコつける意味もないか。
 強いんだから、しっかり強く生きるといいさ。
 弱いヤツはほっとく……かどうかも、君が全部決めてしまえ」

              チャリ ンッ ・・・

投じられた『六枚の銭』は、その男の元までは転がったはずだ。

「おいおい、仏教の地獄なんて……特に御免なんだけどな!
 ま…………アイツに殺されたなら、アイツが信じる『死後』に震えとくべきか」

       フゥ ―――― ・・・

「少なくとも、君が来るまで『落ち続けて』待てるだろうしな。
 ……『無間地獄』にもよろしく言っといてくれよ。アイツは『死にはしない』」

『宗像』の姿は見えない。
だが、『殺し屋』が生死の見立てを違うことは、おそらくないのだろう。

>両者

わずかな沈黙のあと、『クリサンセマム』が姿を現した。

         「最後の一仕事だけは、うまくやろう。
          『クリサンセマム』――――」


    ズズ ――――

「最後の弔花、だ。……あー。これ。クサすぎたか?
 嫌だな、殺したやつらにもダサい死に方させてたな!」

              バ

「ま……恥は搔き捨てだ。
 じゃ。殺せなかったんだ。……せいぜい生きてくれ」

                      コンッ

  ・・・  パラパラパラ 

                それを最後に、『音』は無くなった。

379村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/18(金) 22:45:44
>>378

「憎かろうが死ねば仏。おれからすりゃあ、尚更だ。」

音が聞こえていた方に向けて、軽く手を合わせる。
奴に恨みを持つものがいない今なら、このくらいのことは許されるはずだ。

 「『マテリア』がああ言った以上、おっさんはまだくたばってねえはずだ。
 瓦礫をどけて探すぞ。じきにアリーナの連中が来るはずだ。」

マテリアの声がしていた方へ向かい、手近な瓦礫をどけていく。
大きな瓦礫は『棒』を使ってテコの原理で動かしていく。

380赤月『サクソン』:2023/08/19(土) 15:12:19
>>378

死線の狭間には似つかわしくない程に軽妙な語り口だったその男の
最期の様子はこの世の何よりも『静かな』ものであった

「『マテリア』・・・・」

『殺手のマテリア』は言った
『エクリプス』の戦いは己の居場所を見出す為の戦いであった、と
ならば・・・・

(『同じ』だ・・・・私と・・・・)

赤月にとっての『居場所』とは兄とともに暮らしたあの『部屋』であった
帰る事も出来ず、望郷の想いは時とともに消え去っていく
『復讐』だけが、あの日の想いをこの胸に焼き付けてくれる

(『マテリア』・・・・ 『宗像』・・・・)

『戦い』を続ければ、いずれ自分も彼らのようになるのだろう
過去に囚われる『宗像』のように、この身はいくさのみを続ける『戦闘装置』となり、
空虚に消えた『マテリア』のように、戦いの果てには何も残さずに死んでいく

・・・・『構わない』と、そう思った

(彼らのようになるのであれば、私は・・・・)

>>379

>「『マテリア』がああ言った以上、おっさんはまだくたばってねえはずだ。
> 瓦礫をどけて探すぞ。じきにアリーナの連中が来るはずだ。」

「あ、ああ」

村田の声に、意識が今に立ち戻る
戦闘は終わったとはいえ、まだまだやる事は残っている

(それに・・・・『村田』に言いたい事もある)

彼と同様に周囲に落ちた瓦礫を除けていく
宗像を救助する為でもあり、『マテリア』の死を確認する為でもある

381『エターナル・ノクターナル』:2023/08/20(日) 12:54:30
>>379(村田)

      ・・・ 
            ・・・

死ねば仏。あるいは無。死者に声は届かない。
だが、その『所作』に意味がない筈もない。

『瓦礫』の数は多いが撤去は問題なく出来るだろう。

>>380(赤月)

『戦い』の果てに納得を得られるとしても、
その先に、あるいは前にあるのは虚無の穴。
いずれどこかでそれは回避不能の大きさとなり、
その時には、飛び越えてきた穴を戻る道も無い。

   だが・・・それを『認める』のであれば。

その過程自体をも『納得』出来たのであれば、
『殺手の世界』の門は、いつでも目の前にある。

>両者

   ガゴッ ・・・


瓦礫を退けていくと、すぐに『宗像』は見つかった。
これまで見た傷に加え『腹部』からも出血があり、
その目からは明らかに意識の灯火が消えているが……
胸の上下を見るに、浅いとはいえ『呼吸』はしている。

           『村田』が完全な落下を防がなければ。
            あるいは『赤月』が跳ばなければ。
            間違いなく……何の抵抗もなく消えていた灯だ。

   ・・・

         ・・・

               ・・・


『マテリア』は…………その頭部は『瓦礫』の下敷きで見えない。
が、見える範囲の胴体は今や動きを止めている。『死んでいる』。

――――『任務』は完了した。命を奪い、何かを勝ち取って。



        ザッザッザッ


「……村田さぁん! ナカレちゃぁん!」

            『関』の声が外から聞こえてきた。

『アリーナ』の人材を連れてきたのかは不明だが、
後始末は『組織』に任せるのが適任だろう。そうなると、『撤収』の時間は近そうだ。

382村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/20(日) 15:20:33
>>381

 「『関』!こっちだ!」

聞こえた声に対して声を張り上げ、こちらの居場所を知らせる。

 「おっさんが重傷だ!息はしてるが頭と腹の出血が酷い!」

宗像の全身を『棒化』して瓦礫の中から引き抜く。
この怪我では一刻を争うだろうが、『棒化』しておけば悪化することはない。
治療できる奴が来るまではこうしておくのが得策だろう。

おれの得たものは多い。
倒すべき黒幕が分かり、信用を勝ち取り、新たな力を得た。
ただし、背負うべき『咎』も相応に重いものだ。
相手が誰であれ、理由が何であれ、『殺し』には違いない。
この依頼を請けた時から、その『重み』は理解しているつもりだ。

しかし、戦いの果てに何かを得られるとは限らない。
この瞬間に何かを失った者が3人の中にいるかもしれない。
あの夏のおれや『ヤジ』がそうだったように、大事な『何か』を無くす者が。
呆然と『マテリア』の断末魔を聴いていた赤月を見て、そんな考えが頭を過った。

383赤月『サクソン』:2023/08/20(日) 17:33:17
>>381
>>382

「『マテリア』・・・・」

目の前に横たわる『マテリア』の死体が己の未来を物語る
彼は・・・・『居場所』を失った後も戦い続けたのだ
その果てにこの結末を得たというのなら、そこに後悔はないのだろう

・・・・いや、後悔はなかったのだと信じたい

「・・・・・・・・・・・。」

彼の死体を前にして、両手を組み、祈る
宗教的な事はわからないし、彼がそんなものを望んでいるとは思えない
しかし、祈らずにはいられなかった

>「……村田さぁん! ナカレちゃぁん!」

「スズメ!?」

どうやら、『アリーナ』のスタッフが来ているらしい
己の好きに行動できる時間はこれで終わりだ。後は『アリーナ』による『後始末』が入る
村田の言葉を聞く限りでは、宗像も命を留めているらしい

「行こう。村田」

「戦いは終わりだ。ここにはもう用はない」

384『エターナル・ノクターナル』:2023/08/22(火) 13:24:01
>>382(村田)

『金』『コネ』『力』…………『咎』と引き換えに得られる多くの物は、
『命より重い』とさえ形容され、時に自他の命を救う鍵にもなる物ばかりだ。

――だが、『咎』が空けた『穴』の代わりになるものではない。

それを受け止め、受容する中で、人の心は必ずしも『光』の方には進まない。
だが、あるいは、それさえも望んで行う事なら……止める事は出来ない。

『宗像』は『棒化』することが無事に出来た。
ひとまず『手遅れ』な状態に達するまでのマージンは稼げたはずだ。

「レストランの中ですねぇっ! 待っててくださいよう!」

            タンタンタンタンタン

関の履くスニーカーの足音が一際早くなる。もうじきに到着するだろう・・・

>>383(赤月)

死者はいつでも黙して語らないが、死者から何かを得る事は出来る。
人は時にそれを受け継がれる意志といい、あるいは呪いと厭う。

「はい! 寿々芽ですっ! 今すぐそっちに行きますよう!」

『赤月』にとって『どちら』だったか分かる時が、来るのかは分からない。

>両者

「ここですっ! ……あぁっ、村田さん……ナカレちゃんも!」

ほどなくして、部屋に『黒服』の男女数名と『関』が入ってくる。
ホテルの制服を着た中年の女性もいる。第三者ではあるまい。

「遅くなりました。『漣派』の者です」

            スッ ・・・

「生還の祝いと今後の件は、後に、代表から」

深く頭を下げる『黒服』。
労いや感謝の言葉を出さないのは『あえて』だろう。

「裏に車を用意していますので、『応急処置』は車内で行わせていただきます。
 現場整理は我々が。皆さまは、必要な物をまとめてすぐ撤収を。
 『警察』を呼んだ一般客がいるようです。対応は行っておりますが、
 その『怪我』は隠せない……滞在すれば厄介ごとになります」

手短な説明とはいえ急かす響きはないが、
ある程度の『根回し』は出来ているのか、
単にまだ時間的余裕はあるということか――

いずれにせよ、アリーナの人間達から見れば『状況』は完結しておらず、
むしろここからが正念場になるのだろう……と、類推することは出来た。

385村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/22(火) 16:42:47
>>384

「分かった。おれたちはお暇させてもらうことにする。」

促しに従ってさっさと退散する。
応急処置とやらが間に合えば、宗像は命を繋ぐだろう。
赤月は大した怪我をしていないようだし、おれも然程のことはない。
宗像の怪我がやけに重そうなのは気にかかるところだが、あの戦い方ならそうもなるだろう。

 「となると、こいつがどうなるかだな。」

もう一方の『棒』を見ながら呟く。
後のことは『あの三人』が決めるだろう。
おれは結果を持ち帰るだけだ。

386赤月『サクソン』:2023/08/23(水) 00:28:57
>>384

『死者』から受ける力は『強い』
形無き者たちだからこそ、それは時に形有る者よりも不可逆な影響を生者に与える
己の未来を暗示するかのような『マテリア』の死に様が与える影響とは・・・・

「・・・・わかってる
『仕事』が済んだ以上、この場に留まるつもりはない」

そう言って、最後に『マテリア』の死体に一瞥を加えると
赤月は『黒服』たちに促されるようにしてこの場を立ち去る

>>385

「そうだ、村田」

帰り際に村田の姿を眼に止めて、声をかける
宗像は彼の能力で『棒』にされているようだが、恐らくは無事なのだろう

「・・・・大事な話がある
 この仕事が終わったら・・・・今晩、私の部屋に来てくれないか?」

そう言って、学生寮における自分の部屋番号を村田に教える

387『エターナル・ノクターナル』:2023/08/25(金) 08:52:52
>>385(村田)

『赤月』はそれなりの出血を伴う怪我をしているようだし、
『村田』も、右手の痛みを含めいくつかの軽傷は負っている。
――――が、『それだけ』だ。『宗像』も死にはしない可能性が高い。
『命』に及ぶやり取りを繰り広げた結果としては、『上々』だ。

           ・・・

             ・・・


「……」

棒は静かにそこにある。
『関』は特に何を言うでもないが、『村田』が何をなしたか理解しているはずだ。

『目的地』に戻るまでの間に持続時間が来る可能性はあるが、
特に戦闘中でもなく、警戒の必要もない状況なら、再発動は容易だろう。

――――『あの女』の命運さえ、『選べるところ』までは持ってきた。それで十分だ。

>>386(赤月)

『マテリア』の死体が、それ以上、何かを返してくることはない。
その表情すらうかがえない。何も残さないと嘯いた『殺し屋』は、実際、そうした。

「『止血』までは車内で行います」

手短な説明を述べ、黒服が案内を始める。
もっとも、道中複雑な道などはない。
単に人払いの済んだルートを通るだけだろう。

部屋番号は無事に『村田』に伝わったはずだ。話すべきことは果たして―――――

>両者

『戦闘』においては一同に一任されていた分、案内はスムーズな物で、一般人に遭遇することはない。
フロアのいくつかではざわめきが聞こえはしたが、大きなパニックという風ではなさそうだ。

「このホテル……これから、どうなるんですかねえ」

「表向きは『事故』として処理する予定です。……細かな手順までは、私は何とも」

関と黒服がわずかに会話を交わす。
『この件』への追及が一同に及ぶことは、少なくとも尋常な形では無いと思ってよさそうだ。
 
        ・・・

             ・・・

             ザッ ザッ ザッ

すぐに『1F従業員エリア』に到達し、『裏口』への廊下を歩む。やり残しはもうないだろう。
ドアは既に開いており、傍らには黒服が一名控え、『送迎車』――――であろう、『搬入業者のトラック』が泊まっている。

            やり残しがなければ、『あれ』に乗れば――――『一同の状況』は、ひとまず完遂となる。

388村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/25(金) 23:24:13
>>387

「壊れた床全部ぶち抜いて、吹き抜けのセレモニーホールにでもしたらいいんじゃねえか。
 そうすりゃあ、改装中の事故で言い訳は立つだろ。」

 「それでも、『嗅ぎつける奴』はいるだろうけどな。」

人の口に戸は立てられない。耳ざとい『裏の連中』は嗅ぎつけるだろう。
そしておそらく、そいつらは『ハイネ』にたどり着く。厄介なことだ。
ただでさえ手駒を増やす手段があるのに、こうした方法でも勢力が増えるかもしれない。

 「早めに『根』を断たなきゃならねえ。」

言いながら車両に乗り込む。

389赤月『サクソン』:2023/08/26(土) 00:13:44
>>387

「『事故』・・・・か」

床が崩落する程の被害に、何人もの人間が絡む騒動
それらの影響を『事故』としてまとめる事が出来るのは、
裏に表に影響力を持つ『アリーナ』ならではの力なのだろう

「細かい事はわからないけど、頼んだ」

戦闘が終わった今、この場にやり残したことはない
大人しく『送迎車』へと向かおう

>>388

「待っているからな・・・・」

一方的に結んだこの約束に彼が乗ってくるかはわからない
しかし、彼が現れる事を信じて待ち続ける決心を固める

390『エターナル・ノクターナル』:2023/08/27(日) 23:54:14
>>388(村田)

「……なるほど。悪くないアイディアかもしれません。
 具申してみます――あなたの名前も添えて」

冗談と思っているのか本気で言っているのか、
微妙な口調で黒服の女が答えた。

「『血族のハイネ』…………エクリプスの、残党…………」

関も、その『敵』の名をつぶやき、何かを考える――――

>>389(赤月)

『村田』は無頼の男のようで、義を重んじる男である。
乗ってくるかはわからないが、信じる意味はあるだろう。

「戦うものが細かいことを気にしなくていいようにするのが、
 我々『漣派』の役目です。闘技場においても……『外』においても」

関と話していた黒服とは別の、やや後ろから着いてきていた黒服が返す。

『組織』――――そう、改めて自覚できる。『アリーナ』の力を。
即ち、この道のどこかで、『赤月』と衝突しかねない――――『個を超えた力』を。

              ・・・だが、それはもはやあきらめる理由にはなるまい。

>両者

「負傷者――――『村田』氏も含め、戦闘に出ていたメンバーを優先で護送します。
 もう一台近隣に待機しておりますので、我々はそちらで」

           バタン

「あとから、すぐ追いつきますよう」

トラックの運転手は黒服らにうなずくと、手早く車を発進させた。
声をかけてきた『関』や、ほかの黒服たちはこの車には乗らないようだが、
さすがに彼らも『無防備』ではないはずなので、心配などはないだろう。

           ブロロロロロロロロロロ ――――――― ・・・


「……『根』が広がらないようにするために、事後のミーティングは最小限の予定です。
 確認したいことや、伝えるべきことがあれば道中に整理をお願いいたします」

運転手がやや緊張を感じる口調で伝えてくる。
助手席にわずかに落とした視線からして、あるいは伝えられていた『3人』ではなく、
『2人』だけが乗り込んできたから――――かもしれない。

とはいえ、六人乗りトラックには『2人』と運転手以外に『女』が一人乗っていた――――『漣』だ。

「ま……話すんはもうちょい現場離れてからにしましょか〜。誰がナニ聞いとるかわからん世の中やから」

彼女の傍らには、『蛇の巻き付いた石膏像』のような――おそらくは彼女のスタンドヴィジョンが浮かんでいる。

                「一つだけ先に言っとくと。『パナケイア』っちゅう名前やね」

391赤月『サクソン』:2023/08/28(月) 00:15:14
>>390

車に乗り込み、自らの負傷を確認する
多少の出血はあるものの、この程度であれば応急処置だけでもなんとかなるだろう
宗像の生命予後についても村田の能力がある以上、不安視する必要はない

「『パナケイア』・・・・」

神話に登場する癒しの女神の名前だ
当然、名前が能力の本質を表しているとは限らないのだが・・・・

「『治療』をするのなら宗像を先にしてくれ」

ちょっとしたかまかけの意図を込めて、『治療』という言葉を口にする
『アリーナ』に関する情報は些細な事でもなんでも手にしたい

「それで、何について報告すればいい?
 今回は状況に流されて訳も分からないまま戦ってたから
 話せる内容なんてそう多くはないはずだけれども」

392村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/28(月) 01:53:43
>>390

 「『マテリア』以外の死人は出てねえよ。『今のところは』な。」

運転手に向かって声をかけ、『ディズィー・スティック』を発現。
それでもって手にした『棒』のうち一つを『漣』に見せるように、かの女の届く範囲に差し出す。

 「宗像は『これ』だ。結構な重傷なんで今のところはこうして貰ってる。
 この場で『治せる』なら、取ってくれ。」

『漣』が棒を手に取れば能力を解除するし、そうでなければそのままだ。

 「『冬川』サンとは仲良くして貰ってるが、そういや会うのは今回が初めてだ。」

『漣』。『派閥のボス』。わざわざここまで出張ってくるとは思っていなかったが。
それだけ重要なヤマだったということだろうか、あるいは。

393『エターナル・ノクターナル』:2023/08/28(月) 17:58:02
>>391(赤月)

「そのつもりですわ〜。そんくらいの止血やったら、『能力』抜きでもイケるやろ?」

        「こう見えて『医療班』におったこともありますんで。
         ま、ま、自分で巻いてもらってもええですけど〜」

          スッ

包帯や消毒液などが満載された救急箱を、漣が手で示す。

『赤月』が受けた主要なダメージは『ハイネ』戦で受けた肩への一撃程度だ。
それも完全な直撃ではなかったため、すでに出血は緩やかになりつつある。
ほかにも打撃戦の中での痛みは僅かに手等に響くが、大事には感じられない。
 
「『マテリア』が何言うとったんか――――
 あとは『ハイネ』がなんや気になること言うとらんかったか、ってあたりやね。
 現場調査で分かることもありますけど、『戦った人間』にしかわからんとこともあるんちゃう?」

「もちろん、無言でやりあったっちゅうんやったら――――そういうこともあるやろうけどね」

>>392(村田)

「まァー、えらい姿になりはって。これ、『意識』は保(も)っとるん?」

     スッ

         「便利な能力ですわ」

眼鏡越しに『棒』を興味深げに眺める漣。
手に取るのは返答の後、ということのようだ。

「うちは『裏方』が信条ですんで。
 ま、今回はそうも言うてられへん。
 いろいろ――――気になることもあったもんやから」

この女の表情は冬川等に輪をかけて『読みづらい』
浮かべた人の好さそうな笑顔がすべて嘘ではなさそうだが。

「『冬川』がいつも推しとりますよ。
 ぜひ組織に欲しいって。……ま、それで靡くタマでもなさそうやけど」

>両者

車は『来た道』とは違うルートだが、町の南――『倉庫街』方面に向かう道路を走っているようだ。

394村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/28(月) 20:21:49
>>393

 「『この状態』だと寝てるようなもんだ。SFでいうとこの『冷凍刑』が近いかもな。
 こうするから意識はなかったみてえだが、呼吸はしていた。『治る』なら命は持つだろうさ。」

言いながら、もう一つの『棒』を見せる。

 「それからこっち。『ハイネ』についてきた『オマケ』だ。
 『刀傷』があった。」

 「『どう』するかはあんたらに任せる。
 何か吐くかもしれないし、ただ邪魔になるだけかもしれないが。」

外に目をやる。
『倉庫街』・・・あの『事務所』に向かっているのかもしれない。

 「おれは実のあるやり取りなんざ誰ともしてねえ。
 『ハイネ』には逃げられたし、『マテリア』とはしゃべる暇もなかったし、
 『このガキ』はなんぞしゃべる前に倒しちまった。名前もわかりゃしねえ。」

宗像でないほうの『棒』を片手で弄びながら嘯く。

395赤月『サクソン』:2023/08/28(月) 21:52:40
>>393

「使わせてもらう」

      ビリッ・・・・!

肩口からシャツを破いて二の腕を露出する
浅く皮膚が裂けているものの出血は少なく、大事には至らなそうな傷だ

     ばしゃっ
                  「ツ・・・・」

      くるくるくるくる・・・

消毒液と綿球でとりあえずの消毒を済ませた後、己のスタンドを使って傷口に包帯を巻いていく
手慣れた動きだ。淀みなく応急処置が施されていった

「ん・・・・順を追って報告しよう」

「ホテルでの待機中、異常事態に気が付いた私は宗像と合流して『血族のハイネ』と対峙
 その戦いの最中、敵の本体を偶発的に見つけてしまった宗像は
 ハイネから何らかの強力な攻撃を受けて意識を失ってしまった」

「この辺りについては電話で音声を送っていたから
 スズメに聞けば詳細な状況がわかるだろう」

         ことっ・・・

救急箱を片付けて、再び話し始める

「その後、私は一度通話を切った。ハイネから『停戦』の提案があったからだ」

ここから先は・・・・嘘を交えていく
不慣れな状況にごくりと乾いた喉を鳴らす

「ハイネの能力については、私はよく『わからなかった』
 恐らくは『血』を使う能力なのだろうが、詳細は不明だ
 だが、奴は下から迫る村田の存在を恐れていたのだろう」

「結果的に、『マテリア』との戦いには手を出さない事を約束して
 奴はこの場を離れた」

「そして・・・・『マテリア』との戦いだが・・・・・・・・・」

ちらりと、村田に視線を向ける
彼が『あの場』で起きた会話を全て話してしまえばそれまでなのだが・・・・

「彼とはあまり話はしなかった
 最期に譫言を呟いていたかもしれないが、よくわからないな」


>>394

「冷凍け・・・・」

「・・・・・・・・・。」

「そうか・・・・それは寒そうだな
 帰ったら温かいスープを飲ませてあげると良い」

『冷凍刑』という言葉の意味を勘違いしたのか、
そんな感想を述べる

396『エターナル・ノクターナル』:2023/08/31(木) 15:33:51
>>394(村田)
>>395(赤月)

『蜻蛉の女』の棒と、『宗像』の棒――――
それから手慣れた様子で応急処置をする『赤月』に、
漣は滑らかに視線を巡らせつつ、双方の話を聞く。

「なるほど、なるほど、なるほど……
 その『停戦』っちゅうのは賢い判断やわ。
 見つけたら殺せ言うヤツもおるやろうけど、
 『ハイネ』は片手間でツブせる相手とはちゃう。
 ……戦った自分が一番知っとるやろうけどね」

「問題は……『ハイネ』が随分余裕こいとる事やな。
 『他の残党』に会うなんか相当な一大事やろ。
 退くにしてもビビって逃げるっちゅうのは……」

          「………………」

     ジ…

半ば虚実を交えた『赤月』の報告だが、
あの場でのやり取りを知るのは自分自身だけ。
加えて、知らない話を織り交ぜるような形でもない。
漣が切れ者だとしても、見破るのは不可能だろう。

少なくとも、この場においては。

「ま、ま。見えへんとこを気にしてもキリないわな。
 敵さんらややこしい話はしとらんかったみたいやし、
 『マテリア』が沈んだっちゅう事実に集中やね。
 貴重な報告ありがとうございます〜。
 『関』サンからも、後で話はしっかり聞いときますわ」

報告が『今』何かを動かしたという事はなさそうだ。
最初からそのつもりだったか、内容の賜物かは分からない。

「……じゃ、ま、とりあえず、『宗像』サンを『解凍』しましょか。
 もう一人の方は……治すにしても、ここでは美味しないな」

『棒』を受け取ろうとしつつ、『パナケイア』に手をかざす漣。
渡しさえすれば、ひとまず『宗像』の状態については解決しそうだ。

397赤月『サクソン』:2023/08/31(木) 17:36:57
>>396

「さあ・・・・『ハイネ』がどうしてこうも易々と退いたかなんて私にはわからない
 よっぽど村田の事を恐れてたりしたんじゃあないのか?」

漣の視線を浴びて、喉の奥が熱を帯びたように感じる
緊張による渇きが言葉を詰まらせるのを、強いて自身の内に押し隠す

相手は『アリーナ』の派閥を預かる幹部・・・・
対人交渉力という点では天と地ほどの差がある
下手なことを言えば、蛇に呑まれた蛙のように・・・・飲み干されてそれで終いだ

「・・・・とにかく、私からの報告は以上だ
 結果として交渉は成立し、『マテリア』は去っていった」

そして、話題が『宗像の治療』に移った事を確認し、
内心で安堵の息をつきながら、その行いを見守る

398村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/08/31(木) 19:46:35
>>396
>>397

村田は義理立てや筋を意識するほうだが、これは儒教道徳から来るものではない。
あくまでも、そうしたほうが『自分に利益があるから』だ。
村田の短い人生で得た一つの教訓ともいえる。

『赤月』の誘いに対してその場で答えなかったのはただ一つ。
単純に『アリーナの闘士』たる『赤月のことを信用していない』からだ。
一度や二度出会った程度の、ましてや『アリーナの人間』の言葉を、今の村田が真に受ける理由もなかった。

 ジ ッ ・・・

その『値踏み』をするために、村田は赤月の話を黙って聞いていた。
報告の場で赤月の言葉から『嘘』を感じなければ、信用する価値がある。
『誠実さ』には相応の対価が必要だ。少なくとも、村田が普段そうであるように。
だが、そうでなかったときは。

伊達や酔狂で『ハイネ』が起こす事件にかかずらっているわけではない。
今まで姿を見せなかった男が、わざわざ『お供』をつけてまで姿をさらしたのだ。
『刀の男』・・・『ハイネ』は 『マテリア』との接触にかなり本気だったはずだ。にもかかわらず逃げた。
『一番危険』なはずのお供までこの場に残して、だ。
村田は赤月が『決定的な何か』を端折ったと感じた。

 「ま、現場にいた人間が言うならそうなんじゃねーのか。
 気を付けてくれよ。気絶してるから、元に戻したときに重いぞ。」

が、それを口に出すことはしない。『漣』に『宗像棒』を手渡して元に戻す。
『アリーナ』とて一枚岩ではない。赤月なりの考えがあるのだろう。
本人ないし所属派閥の利益になる選択をした結果、村田の信用は得られなかった。それだけの話に過ぎない。

 「そういや、こっちの女がおかしなことを口走ってたのを思い出したぜ。
 『あたしの能力は一番危ない』ってな。」

 「『一番』ってのはどういうことだ?『比較対象』がいねえとそんな評価できねえはずだ。
 あんまり考えたくはねえが、『ハイネ』を中心に『集団』になってるんじゃねえのか?」

399『エターナル・ノクターナル』:2023/09/01(金) 16:34:32
>>397(赤月)
>>398(村田)

「せやね〜。人にはいろいろ、事情ッちゅうもんがあるやろうから」

漣は『赤月』の目を見て、『村田』の言葉にうなずいた。

「『一番』……『スタンド使い』になりたての子ぉは、
 そういう誇大妄想に囚われがちやけど。
 『鞘と刃』のこともある……まだ伏せとる駒もおる、と思ったほうがよさそうやね。
 最悪、もう一人くらい『残党』とつるんどるッちゅうセンもあるかもしれへん。
 ……ま、その辺の調査はおいおいやな。『正体』が見えただけでも儲けもん」

『トンボの女』の能力は確かに危険そうなものだったが、
その人格もどこか危うさを感じるものだった。
が、単なる譫言であったと断じるのは確かに『難しい』状況でもある。

「っと! ほんまや重ッ。
 腕っぷしには自信ないんで、支えといてくれます? このヒト図体大きいわ」

『宗像』の傷を見ても漣はさほど表情を変えないが、
心なしか、伸びやかな口調に緊迫が生まれた。

「お二人さんのことを信用するから話すんやけど」

と、前置いて。

「『パナケイア』の能力は『霊薬』 まあざっくり言えば『どんな効能の薬でも作れる』
 ま〜何かとややこしい条件があるんやけど、ま、ま、そこはそれ。便利な能力ですわ。
 何を聴いてほしいかっちゅうと、妙な汁飲ませとるわけやないですよ〜って話です」

               スッ ・・・

                       「うち、手ぇも汚れてませんし」

『ヴィジョン』から『掬い取る』ようにして、『手のひら』いっぱいを『きらめく水』が満たす。

「あともう一個、製造にはそれなりに……いろいろ、コストもいるっちゅうこともね。
 お二人さんのけがは普通に医療班の皆サンに処置してもらうんで、悪しからず」
 
           「まあ苦い薬飲むよりはそっちのほうがええやろ?」

      ・・・ トポ

そして、それを『宗像』の口に注いでいく。
今すぐ傷が急速に治っていく……というわけではないようだが、心なしか、顔色が安定し始めたようには見えた。

400赤月『サクソン』:2023/09/01(金) 17:37:39
>>398
>>399

(『極夜』・・・・・!)

村田の言及、そして漣の推測
その『秘密』の答えの一端は既に赤月が握っていた・・・・
だが・・・・この場でその事について話す事はしない・・・・いや、出来ない!

(『極夜』の情報・・・・そして、『血族のハイネ』の秘密は・・・・
 村田と交渉をする為の材料になる)

(村田のこの雰囲気・・・・やはり、彼もまた『ハイネ』と何かの因縁があるようだな)

「『血族のハイネ』・・・・か」

二人の会話を聞きながら、赤月は村田という男について考える
自分と同じく激情型の人間だ。因縁の相手を前にして諦める事はないだろう
ならば、『血族のハイネ』についての情報は彼との情報交換に使える、価値のあるもののはずだ、と

・・・・・・・・・自分が既に村田の信用を失っている事も知らずに

「『パナケイア』・・・・医薬品のスタンドという事か」

自分がかつて遭遇した『テープ』のスタンド使いのように劇的に怪我が治っていくわけではない
あくまでも人間の医療の範囲に留まる『治療』能力のようだ・・・・
だが、『薬品』という分野(カテゴリ)の幅は広い
人間が創造してきた『薬品』の中には1mgにも満たない量で人を何十人も殺傷できる『毒薬』も含まれるからだ

(いや・・・・それだけではない)

『サクソン』が『暗器』の能力のほかに『回復阻害』能力も備えているように
『パナケイア』にも何らかの『付加要素』が存在する可能性が高い

(どっちみち、油断ならない相手だ・・・・)

「宗像の命も問題ないようなら一安心だ」

「さて・・・・これで『アリーナ』への報告も済んだはずだ
 そろそろ、一休みしたいところだけど・・・・何かほかにするべき事はあるだろうか?」

そう言ってごろりとシートに背中を預ける
何もないようなら、送迎が済むまで一寝入りする構えだ

401村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/01(金) 18:40:57
>>399

 「仮にその女を鼓舞するために『ハイネ』が盛った台詞だったとしても、だ。」

 「女は明らかに『素人』だった。戦いのたの字も知らないようなガキだ。
 それでも『ハイネ』の野郎が連れてきたってことは、それだけの理由があるはずだぜ。
 先に見つけられなきゃ、えらいことになってたかもしれん。
 ホテルの水場という水場から『人食いヤゴ』が湧く、とかな。」

宗像の体を支えながら、漣の考察に口をはさむ。
実際、女を気絶させる前後で状況に変化があったようだし、そう外した推理でもないだろう。

 「おれのケガは大した事ねえ。それで構わねえよ。
 右腕は骨が少し怪しいかもしれないが、死にゃあしねえ。」

 「おっさんが命を拾ってなによりだ。」

心なしか血の気が戻った宗像を見て、口調に安堵が混じる。
『助けられた』。

 「それからもう一つ。『ハイネ』についてだが。」

 「野郎、『おれのことを知ってる』ぞ。
 さもなきゃ、その女がおれのことを『棒使い』だなんて呼んだりしねえ。」

 「どうやってかは知らないが、今まで盗み見してやがったらしい。
 どっちかっつーとたぶん、『斬った』奴らを監視してたんだろうがな。」

402『エターナル・ノクターナル』:2023/09/03(日) 15:42:28
>>400(赤月)

隠すことは既に決めている――――合理的な判断の上で。
それが実際のところ『村田』に対しては砂上の合理とはいえ、
少なくとも『アリーナ』に対しては欺き切ることができるはずだ。

「能力のほんまのところは『トップシークレット』
 赤月サンも、全部見せとるっちゅうわけやないでしょ?」

何かの核心に基づいた返答というよりは、詮索無用という程度の意味だろう。
『パナケイア』――――少なくとも『ただの市販薬を作る』能力ではなさそうだ。
重傷患者に飲んだ直後から効き始めるような飲み薬は『普通は』存在しない。

「ありません、ありません。
 なんやったら寝ててもらっても構いませんよ」

トラックの外装は無骨だったが、シートは換装されているのか不相応なほど柔らかい。
背中を預けてしまえば、眠りにつくのは難しくないだろう。
 
>>401(村田)

「『侮れる』人間とはちゃうっちゅうことやね、油断抜きで対応しますわ。
 『爆弾』持った素人ほどアブないもんは中々ありませんから」

現場を踏まえた『村田』の考察に、漣は大きくうなずいた。

「なるほど……『血族のハイネ』の能力には謎が多いんやけど、
 それ以上に『本人』の姿はほとんど知られてへん。
 遠隔でコマを動かすための前提で遠視能力持ち、っちゅうのはあり得ますわ」

      うちら
     「アリーナの動きも見られとる、と考えたほうが良さそうやね」

『監視』の能力――――
遠隔操作タイプのスタンド使いは、それを『前提』にしていることも多い。
格別に監視に適した能力ではなくともあり得る以上、肯定される。

『アリーナ』の動きが見られているというのもそれなりに大きな懸念のはずだが、
その点については漣のリアクションは乏しい。見られても問題ないという自信なのか――――
 
>両者

「ほんま、死なんでええ人間は死なんに越したことはないわ」

『宗像』の生存に安堵しているのは、漣も同じのようだった。
ひとまず犠牲者なし――――予定外の乱入もあった殺し屋との死闘として、上々に尽きる。

          ・・・

                  ・・・

                        ・・・

やがて倉庫街にたどり着いた車は、灰色の街区を走り、一つの倉庫の裏手に泊まった。

「報酬の受け渡しと、『そっちの棒』の回収だけこの中でさせてもらいますわ。
 それ終わったら解散。うちらの車で『アポロン』か、好きなとこまで送らせていただきます」

特に何かが起きるということもないだろう。
事後処理も終われば、その後は『任務』としては解散となる――――『赤月』にはその後もあるにせよ。

403村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/03(日) 17:21:45
>>402

『漣』から感じる『余裕』。肝が座っているとか、そういう類のものではない。
底知れぬものがあるが、おそらく本当に見られていても問題がないのだろう。

冬川は『自分の所属する派閥は財に長けている』と言っていた。
非合法な『アリーナ』としての活動だけで、そうした発言が出るほどの金銭を稼ぐことは難しいはず。
推測でしかないが、多くの富を生む巨大な『表の姿』の裏に、『漣派』というアリーナの実態は隠れているのだろう。
そして今回の『ホテル』も、『表の姿』のうちのわずかな一部に過ぎないのかもしれない。

山の麓からではその全容はわからない。
同様に巨大でなければ、『裏』を見通すのは困難だ。

 「どのみち『ハイネ』の野郎はまた仕掛けてくる。
 同じ奴に『三度』出鼻をくじかれたんだ。やられっぱなしは腹の虫が収まらんだろうさ。
 『三度目は運命』だってよく言うだろ。まったく嬉しくねえが―――」

 「『望むところ』だ。」

いままでは『斬った』奴を増やしていくだけだったが、
これからはもっと直接的な手を使ってくるだろうと村田は予測していた。
今まで声さえ見せなかった用心深いやつが姿を晒すというのはそういうことだ。
姿をさらしても問題ない・・・つまり、なんらかの『準備ができた』ということを意味しているはずだ。
次からはその『準備』の結果を、こちらに向けてくるだろう。

 「それなら、おれは『クリニック』まで頼む。
 見えてる傷はまだしも、『マテリア』のを食らった右腕がどうなってるかわからねえからな。」

404赤月『サクソン』:2023/09/03(日) 20:02:48
>>401-403

(『盗み見』・・・・? 『斬った』・・・・?)

気になる単語ではある、が、それは村田と『ハイネ』の間の因縁なのだろう
今、この場で追及するような話題でもない
どうしても、という時は彼から直接聞けばいい事だ

「・・・・確かに。ジロジロと見つめてしまってすまなかった」

『パナケイア』・・・・いざ『その時』が訪れた時、この手の治療系能力には注意が必要だ
『サクソン』は能力による『治療』を否定するが、それもどこまで通用するかわからない

「私は・・・・『学生寮』まで頼む
 この程度の怪我、病院に行くまでもない
 ふぁあ〜・・・・ 今日はもう疲れた・・・・ゆっくり休む事にするよ」

・・・・疲れているのは事実であるが、休むつもりはない
来るかどうかはわからないが、今夜は『村田』を待つつもりでいるからだ

405『エターナル・ノクターナル』:2023/09/03(日) 22:09:24
>>403(村田)

「その兆候があったら、そん時は村田サンに優先して頼んますわ。
 『この件』については、自分より『任せられる』相手はB級ファイターにもおりません」

太鼓判の裏には、冬川の推薦もあるには違いないが――
それ以上に、実力を認められているという証だろう。

『血族のハイネ』――その姿は確実にまた星見町に現れるはずだ。
彼が『どのような存在』で、『なぜ直接行動に出たのか』――――それはまだわからないが、
少なくとも、彼の側からしても、『間接的な方法』では足りなくなった、ということは確かだ。

>>404(赤月)

『赤月』の知るより、『村田』は『ハイネ』――あるいは漣派との繋がりが強そうだ。

「かまへんかまへん、興味ないですって顔されたほうがショックですから」

漣の真意は分からないが、『赤月の真意』も誰も知らない。
知らないことがあるとしても、だれよりも知られては不味い秘密を知られずに伏せている。

――――『アリーナ』の身中に入れば入るほど、その毒は『鋭く』なるだろう。

>両者

倉庫の前で降ろされた一同
『宗像』は待機していたらしい黒服らが『タンカ』に乗せ、別の車へ運んで行った。
彼への報酬受け渡しは病院への運搬を優先し、あとは別で行うのだろう。

    ・・・
         ・・・
              ・・・

そして、漣に倉庫の中に誘導される二人。
倉庫街には多数の灰色のコンテナや貸倉庫が立ち並んでおり、
外観はそれらと変わらないが――その殺風景さに反し、『内装』は『オフィス』風だ。

「あ。言うときますけど、ここのことは他言無用でお願いしますね。
 ま、ま、もう来たことあるんちゃうかとは思うとりますけどね、『こういうところ』には」

『村田』らの姿を認めると、数名の職員が顔を上げたが――――
近づいてきたのは、『執事服』を着た青年、『冬川』だ。

「本来であれば責任者の『威武代表』も顔を出すべきだが、
 彼は今事後処理の指揮に忙しい。
 よって私がこちらを担当する。……あくまで一応言っておくことだ」

           スッ

冬川は漣にわずかに視線を向けたが、彼女が特に何も付け加えないのを見て続ける。

「あなたがたに感謝を。彼から、それを伝言として託っている。
 『すべて』が解決したわけではないとは理解しているが……私も、同じ気持ちはある」

外では車が止まった音と、ごくごくわずかにだが『関』らしき声が聞こえた。合流してきたようだ。

「……ま、口で感謝するだけで終わりとはちゃいますから。『封筒』で構いません?」

入口のほうを見ていた漣が振り返り、『報酬』の支払い方法について触れてきた。大金だ。振込も可能だろう。

406赤月『サクソン』:2023/09/03(日) 22:41:57
>>405

送迎された先はいつもの倉庫街
『アリーナ』が起こったというこの場所は彼らにとっての聖地に近い扱いを受けているらしい
外装と内装のミスマッチはその為か・・・・

などと考えているうちに、『戦後処理』についての話が進められていく
とは言うものの、自分たちに関わる情報としては『報酬』に関するものでほとんどなのだが

「『現金』で構わない
 強盗の類が押し入ったところで、私なら返り討ちに出来る」

己の力量に対する自負を込めてそう言う

「『スズメ』も戻ってきているようだな・・・・
 私と『ハイネ』との交戦については、途中まで彼女に音声で送っていた
 気になるようなら確認しておくといい」

407村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/03(日) 23:57:14
>>405

 「正直言って、だ。おれは今んとこ『アリーナ』のことは信用してねえ。」

 「『夏』にいろいろあったからな。」 

 「だが、あんたらのことは個人的に信用してる。『人間として』だ。
 わざわざこんなこと言うのは、おれの立場をはっきりさせときたいからだ。
 『ハイネ』のこと以外でも、面倒があったら連絡をくれ。」

『漣』と『冬川』、ほかの職員の前であえて言う。

大きな心境の変化と、状況の変化があった。それでも『個人的な信頼』は変わらない。 
いまや『漣派』の存在は、村田の『自分の世界』の一部といってもよかった。
仕事があろうとなかろうと、『信頼できる相手』は必要だ。

  「報酬だけどよ、面倒で悪いが『振込』で頼む。
  病院行くのに札束持ってちゃ荷物だからな。
  急ぎの用事はねえから、手すきの時にでもやってくれ。」

>>406

「いまのうちに断っとくが、お前の『大事な話』とやらを聞く気はねえぞ。
 別にブッチしても構わなかったんだが、それはおれのコケンにかかわるからな。
 女に夜更かしさせんのも肌に悪い。」

 「別に病院行くからってんじゃあねえ。単純に『おまえ自身』のことを信用していねえからだ。
 お前が『あの場に立つ理由』のほうは信用するが、終わっちまえば話が別だ。」

振り返って『赤月』に、対照的な言葉を鋭く叩きつける。

 「おれはお前から何も聞かないし、仮に聞いたところで何もしねえ。
 『動き』でも『言葉』でもそのほかでも、おれから何か引き出せると思うなよ。」

408『エターナル・ノクターナル』:2023/09/06(水) 15:00:06
>>406(赤月)

「頼りになる言葉だ。そして、説得力もある。
 すぐ用意する……一応、この場で数えても構わない。
 『報酬』は『確実』に支払う必要があるからだ」

『赤月』の言い分に納得したように深くうなずく。

             チラ

それから一瞥する方向には、カジュアルなスーツ姿の青年が、
小さなケースを手にして部屋の奥から歩いてくるのが見えた。

「小耳に挟んだ感じ『関』サンらのほうも
 ただ待ってたっちゅう話やなさそうやったし、
 そっちのミーティングは結構長くなりそうやね」

この場で『関』らと長く話を交わす、といったことは難しそうだ。

   「こちら、報酬になります」

            スッ

青年がケースを恭しく差し出し、『赤月』に向けて『封筒』を示した。

「持ち帰りに必要であれば、ケースごとお渡しでも構いませんが」

淡々とした口調ではあるが、節々には緊張のようなものが感じられる。
あるいは、『畏敬』か――――『漣派』の人間は、『戦士』を特別視している。

>>407(村田)

「……我々は組織であり、利益を求めてもいる。
 常にお前やお前の友の味方であるとは限らないし、
 お前の『義』と、衝突するときがいつか来るかもしれない。
 …………『信用』にとどめ、存分に『利用』すれば良い。
 我々も……私も、お前のような強き戦士を最大限利用する」

          「それが『アリーナ』だ。
           必要な仕事があれば、協力を請おう」

冬川も、あえてそれを口にしたのだろう。
利用する相手に利用することを伝える『利』は本来ない。

「……その上で。
 一人の人間としては、お前のような真の戦士の意志を、
 可能な限りは尊重もする。これまでも、これからも」

          「それが『漣派』だ。
           必要な協力があれば、仕事は請け負おう」

冬川の返しに、漣は特に口を挟まない。
同意見なのか、水を差すと考えているのか――――

「根本的には『商売』……やからこそ、
 『人』をちゃんと見なあかんっちゅうことやね。
 あたしは仕事をちゃんとやってくれる人は好きです」

それだけ、付け加えた。

「明日のうちには振り込んどきますわ。ええように使ったってください」

>両者

『村田』による断固たる『固辞』が突き付けられる中、入口の扉が少し開く。
黒服数名と『関』の姿が見え(関は会釈してきた)、うち一人から声がかかった。

「帰りの車、用意出来てます。お話が終わり次第いつでも」

運転手の『駒野』だ。
報酬の受け取りや、言葉の応酬が済んだなら、『帰路』はすぐそこにある。

409赤月『サクソン』:2023/09/06(水) 20:12:54
>>407

「それ・・・・は・・・・」

村田から突然放たれた鋭い言葉に、思わず身を強張らせる
一瞬の事とはいえ、彼からの信用を失っている理由が本気でわからなかったからだ

『マテリア』の最期と対峙した時に口にした言葉
それを聞かれたせいかとも思ったが、どうやらそれが原因ではないらしい

「あ、ああ・・・・君の気分を害してしまったのなら・・・・すまない・・・・」

何が原因とも知れないまま、歯切れの悪い謝罪の言葉を口にする
視線が泳ぎ、それまでの自信に満ちた態度とは打って変わって弱気な姿勢だ

(考えてみれば、今回の一件ではずっと彼に頼りきりだった・・・・
 村田から失望されたとしても・・・・それは仕方がない事だ・・・・)

心の中で、村田の態度の理由についてそう結論付ける
『マテリア』との戦いにおいて、敵を打倒する事が出来たのは多分に村田の力が大きい
戦いの中で存在感を示せなかった『戦士』に意味はないのだからしょうがない、と

「・・・・・・・・・・。」

本音を言えば、村田とは話したい事がいくつもあった
『一抹貞世』から預かった件についてもそうなのだが、
『極夜』のこと、『ハイネ』のこと、『戦い』のこと・・・・そして

(『マテリア』を・・・・殺害した事・・・・)

『マテリア』は、己に死を齎した責任について、己に背負ったままあの世に行ったつもりなのだろう
だが、それは違う。『マテリア』に死を齎したのは『アリーナ』であり、『村田』であり、『赤月』なのだ
彼を殺したという事実について、話したい事がいくつもあった・・・・

(いや・・・・これも未練だ
 私は・・・・村田から信用を得られるような『戦士』ではなかった
 ならば、彼と話をしようだなんて、本当におこがましい。)

>>408

「あ、ああ。ありがとう」

村田との言葉の応酬の中で、何かショックを受けた様子の赤月
『封筒』を受け取りはしたものの、前後不覚に陥ったかのように受け答えがぼんやりとしている

「問題ない。大丈夫だ。帰りは学生寮まで頼む」

だが、この場で何かを言うつもりもないようだ
そう言い切った上で、会話を断ち切り、『帰路』へ着く為に車へと向かう

410村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/07(木) 07:02:07
>>408

 「そうさせてもらう。あって困るもんじゃねえからな。」

血の通った、人間的なやり取りだけが『信用』を生むとは限らない。
冷徹な対応ともとれるが、冬川は自分の発言と同じく、わざわざ言わずともいいことをあえて言った。
その事実が十分、『信用』に値する。

 「たびたび道中世話になる。
         トライコーン
 ああそうだ。『三人組』と『リュウカ』にもよろしく言っといてくれ。」

『駒野』に声をかけた後、振り返って『漣派』の連中に『ゲンマ』と『リュウカ』について頼み置く。
便りがないのは元気の証拠というが、念のためだ。

>>409

ハァ――― ・・・

 「あからさまにヘコみやがって。おれが悪いみたいじゃねえか。」

 「いいか。おれは別段キレちゃいねえし、お前が嫌いだと言った覚えもねえ。
 少なくとも、マテリアとの戦いについては感謝しているが、それとこれとは話が別だ。」

舌打ちをした後、車へ向かう赤月へ言葉を投げる。
そのまま黙っていたってかまわないが、『誠実』とはいえない。
はっきりさせるべきところははっきりさせておかなければならない。

 「お前に何の話があろうと。ここにいるおれ以外の人間の耳を憚るってのはロクなことじゃねえ。
 『ガールズトーク』ならおれより『関』がいるわけだからな。
 『秘密』か『戒告』かはたまたそれらを含めた『嘘』か、何か知らんが余計なことを耳に入れたくねえ。
 『信用できねえ』ってのはそういうことだ。」

 「最悪、聞いた内容が『おれの世界』に害をなすなら、その場でお前を殺さなけりゃならなくなる。
 さっき『マテリア』が逝ったとこだ。後ろにくっついて、気まずい地獄見物したくねえだろ。」

 「少しは待ってくれるみてえだからな。喋りてえコトがあるなら今ここで聞いてやる。」

そこまで言って、赤月を追いかけるように車へ向かって歩き出す。

 「『どうしても言えねえ』っつうんなら、それまでだ。」

411『エターナル・ノクターナル』:2023/09/08(金) 14:26:06
>>409(赤月)

『村田』の答え、その根拠が分かるのは『村田』だけ。
義を重んじる者ほど、心情を推し量るのは難しい。
『赤月』は、『赤月』の根拠で決断せざるを得ない。

「承りました。
 ここからなら寮の方が近いですので、
 クリニックの前に寄らせていただきます」

報酬の重みは、分厚さに比して、ごく軽い。
しょせん数十枚の紙だ。
あの時『村田』が投じた六文銭と比べれば、どうか。

   だが、『命』を奪い、得た『糧』なのは確かだ。

>>410(村田)

「戦いという場、その道中の世話が仕事ですので」

漣派の人間は皆似たような事を言う。
派閥前提に通底する意識なのだろう。

「ええ、伝えておきましょう。
 彼らはまだ闘士として……職員として未熟ですが、
 少しずつ前に進んで行っています。
 その言葉がますます背を押すはずです」

どうやら息災のようだ。
運転手である彼は派閥内での顔が広いのかもしれない。

>両者

――『赤月』の出した結論。

      『村田』がそれに待ったをかけた。


 「……うちらはお邪魔そうやね。
  なんやったら引っ込みますけど〜?」


漣や冬川も特に『聞き耳』を立てる様子は無く、
口ではそのように言ってこそいるが、
ここは『赤月』にとってある意味で『敵地』。
隠した情報を明かす事は多大な影響を生み得る。

「…………」

関や他の黒服らは顔を見合わせており、
頼めば聞かないようにしてくれるかもしれない。
それは『車』側で待つ『駒野』についても同じ事だ。

『絶対に話せないような状況』ではないが、
『絶対に秘密を守れる状況』とはとても言えない。

        『話す』か、『話さない』か。

それは単純な選択かもしれないし、
もしかするともう決まってるかもしれない。

だが、この危険も困難も伴わない幕間が、
『この先』――未来に伸びる道の、岐路かもしれない。

412赤月『サクソン』:2023/09/08(金) 21:10:28
>>410
>>411

気落ちする赤月のフォローをするように村田からかけられる言葉
それを聞き、肩を落としていた赤月の顔が僅かに上がる

(そうか・・・・私が小賢しくも交渉ゲームのような真似をしたから・・・・)

「あ・・・・」

> 「……うちらはお邪魔そうやね。
>  なんやったら引っ込みますけど〜?」

       「・・・・・・・・!!」

口を開き、言葉を発しようとした瞬間、漣の声が耳に入る

彼女からしてみれば純粋な気遣いからかけた言葉なのかもしれない
だが、それが逆に赤月に対して、この場に居る『アリーナ』の存在を意識づける結果となった

(駄目・・・・だ・・・・)

この場に居るのが村田だけであれば、話したい事はいくらでもある
だが・・・・『アリーナ』が存在しているこの場では・・・・

『血族のハイネ』・・・・
彼は言った。答えに至る『式』は一つではないと
赤月は今、『アリーナ』の内部から答えを探そうとしている・・・・
だが、彼らと合流して答えを見つけに行く方法も、あるのだ

(『ハイネ』の情報を『アリーナ』に渡すわけにはいかない)

先程の戦闘経験から、『ハイネ』の能力についてはいくらかの推論が立っている
『弱点』についても検討がついているが・・・・これを『アリーナ』に話してしまっては
彼らと合流する可能性は完全に潰えるだろう

(『マテリア』の殺害・・・・)

『マテリア』を殺した事について・・・・同じ経験を抱えた村田と話がしたい気はある
だがそれは・・・・過分に内心に入り込んだナイーブな話題だ
だからこそ、この場では・・・・

(『アリーナ』の連中に、弱みを晒したくない・・・・)

こんな場所で話せるような事ではない

では、どうしよう
彼と話が出来る時間は限られている
その時間の中で、『アリーナ』が居る前で、話せる事など・・・・

「『極夜』・・・・」

呟くように、その『名』を口にする

ノーチェ・ポラール 
「『極夜』だ・・・・『ハイネ』が口にしていた」

「『血族のハイネ』を追いたければその名を覚えておくといい」

その言葉だけを残して、後は口を噤む

413村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/09(土) 22:48:36
>>411

 「そりゃ何よりだ。『リュウカ』のほうは有無を言わさずふんじばって来たからな。
 気乗りしてねえんじゃねえかと思ってたが、そうでもないらしい。
 おれに負けたのが効いたかな。」

へらっと笑って軽口を叩く。
『タツ』のほうはアリーナ向きではなかったし、そもそも『斬られ』てもいない。
監視はしているだろうが、席をおいているわけではなさそうだ。

 「そのうち奴らとも、相まみえることもあろうさ。
 そんときゃ、対面じゃなけりゃいいがな。」

>>412

 「喋ることはそれで終いか?」

赤月が口を噤むのを確認してから、車へ乗り込む。

 「『極夜』たあな。野郎よほど暗いところが好きらしい。」

『蝕』であれ『極夜』であれ、その中に光がないわけではない。
夜道を理解して歩くのであれば、それで十分だ。

414『エターナル・ノクターナル』:2023/09/10(日) 14:31:21
>>412(赤月)

「…………?」

漣らは今のところ『赤月』に決定的な疑いは抱いていないのだろう。
『極夜』という言葉――――それは聞き逃された可能性が高いし、
自分達に向けた呟きではないとわかっているからこそ、聞き返しもされない。

                  「……」

勿論……黒服の中に耳の良い者でもいれば聞かれていたかもしれないが、
少なくとも、この情報開示から直接的に繋がる『本質』はない。
『赤月』にとって致命的な弱みは生まれていない、ハズだ。

            だが――――この状況が成立したこと自体で、
            『赤月』の進む道が絞られたとは、言えるかもしれない。

>>413(村田)

「もともと『闘争心』は人一倍強い方のようでしたので。
 もちろん試合に出場するかは自由意志に任せますが、
 あの調子であれば……遠からず、
 『C級』に新たなスターが一人増えるでしょうね」

これも『タツ』ではなく『リュウカ』のことだろう。
『タツ』への言及がないことにも恐らく他意はなく、
『アリーナの所属者ではない』だけと考えるのが自然だ。

「あなたを敵に回すような『不義理』がないことを、
 私も……一派閥の構成員として祈っています」

駒野は深くうなずくと、車のドアを開け、車内に『村田』を迎えた。

>両者

あとは『赤月』が車に乗り込めば、この場は片が付く。
『村田』と同じ車に乗るのが憚られるのであれば、それくらいの注文は恐らく効くだろう。

415赤月『サクソン』:2023/09/10(日) 16:01:37
>>413

「これ・・・・だけだ・・・・」

未練がましく歯切れの悪い口調
『それだけではない』事は見るからに明らかであるが、
その後赤月が口を開く事はなかった

>>414

村田に対して少ないやり取りをした後、赤月はおとなしく車に乗り込む
村田と同じ車ではあるが、車内では特に言葉を交わすことなく時を過ごす

416村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/10(日) 19:45:33
>>414

 「そりゃいい。じきに菓子折りでも差し入れてやっか。
 もし時間があったら、それとなく『好み』をきいといてくれないか。」

好ましい話だが、それだけでやっていけるほど、『戦い』は甘くない。
じきにその『闘争心』と向き合わなければならないタイミングがくるだろう。
『ゲンマ』にしろ『リュウカ』にしろ、異なる『課題』が待っている。

そして、それはおれも同じだ。
あの夏におれが引き起こした『課題』が、まだ残っている。

>>415

 「なら、そういうことにしといてやらあ。
 今日はさっさと寝ろ。野郎が化けて出るかもしれねえからな。」

赤月がナイーブになっている原因はなんとなく察しが付く。自分もそうだったから。
が、その程度を自分で処理できないようでは『闘士』と呼べない。

戦いの『結果』、それがもたらす『結論』が自分にどう作用するか。
そこのところを重々わかったうえで、こいつは『殺し合い』に立ったはずだ。
であれば、おれが何某口を出す理由はなく、口を出される謂れもない。

これもまた、おれがそうであるようにだ。
自分の・・・いや、自分と『小林』との決断に、外野から口を出されるいわれはない。

417『エターナル・ノクターナル』:2023/09/13(水) 07:38:49
>>415(赤月)
>>416(村田)

「畏まりました。また、どこかのタイミングでお伝えしますよ」

そのためだけに村田に連絡をしてくるかは微妙だが、
この町で『義』を通し『課題』に向き合い続けるなら、アリーナとの接点は消えないだろう。

「お二人とも……お体にはお気をつけて!
 お元気で、いてくださいねえ」

ふと、『関』が素朴な見送りの言葉を告げてきた。
彼女はこの後ここで報告など何かと忙しくするのだろう。
返答する程度の間があったあと、駒野がゆっくりドアを閉めた。

「それでは――――発車いたします」

                     ブロロロロロ ―――― ・・・

二人を乗せた車が、倉庫街から走り出す。
ミラーには小さく手を振る『関』の姿が見えた。
彼女ともまた会うことはあるだろうが、ひとまず今日はお別れだ。

        ・・・
            ・・・
                ・・・
                    ・・・



やがて――――車は『学生寮』の近辺に辿り着いていた。

「まずは『赤月』選手を下ろしますが、
 建物の前まで行った方がよろしいでしょうか?」

『村田』との会話が済んでいる以上、送迎が済めば、
『赤月』にとっての戦いは『今は』ここまでとなる。
同じく、『村田』も――――この後、病院に到着すれば、そこまでだろう。

もっとも、やることがあるのであれば――
あるいは何らかのめぐりあわせで、舞台の幕をもう少しだけ遅らせる事は出来るハズだ。

418赤月『サクソン』:2023/09/13(水) 19:06:29
>>416
>>417

「・・・・・・・・・・・・。」

乱暴な口調ではあるものの、村田が多少なりともこちらの事を気にかけている事はわかる
だからこそ、これ以上の接触はその淡い絆を壊してしまいそうで・・・・
結局、最後まで彼とそれ以上の話をする事はなかった

「ここで十分だ。ありがとう」

『学生寮』が見えたところで、車を降り、自らの足で歩いていく
夜とはいえ『学生寮』の周囲には他の生徒たちがいる可能性がある
こんな夜更けに怪しげな車に乗っている姿を見られたら何かよからぬ噂が立ってしまいそうだ

「・・・・・・・・・・・・・。」

この一夜のうちに受け取ったものは大きく、失われたものもまた大きい
だが、『戦士』の責任として、抱えたものは自らの手で処理をしなければならない
夜はまだまだ長くなりそうだ・・・・

419村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/13(水) 19:19:57
>>417

 「らしいが、どうする?」

駒野の言葉を受けて、赤月へ返す。

 「風に当たりてえなら、ここで降りたほうがいいかもな。
 動いてたほうが、無駄なこと考えねえで済む。」

 「失礼」

 シボ !

言いながら車の窓を開け、煙草に火をつける。
病院では吸えないし、珍しく『使わなかった』ので残っている。

 スゥ――――――――・・・

                フウ―――――――――

深く吸い込み、肺と脳みその隅々まで行きわたらせて吐き出す。

420赤月『サクソン』:2023/09/13(水) 20:21:51
>>419

「無駄なことではない・・・・少なくとも私にとっては」

村田の言葉にそれだけ返して車を降りた

421『エターナル・ノクターナル』:2023/09/14(木) 03:36:58
>>418 >>420(赤月)


月明かりの夜道を歩く『赤月』。
去り行く車のエンジン。どこかから響く、猫の鳴き声。
学生寮の敷地内にはまだ僅かに灯かりの消えない部屋もあり、
『生徒』らが何気ない日常を過ごしているのを想起させる。

少なくとも今、その姿に声をかける無粋な者はいなかった。
 
           ・・・
              ・・・
                 ・・・

得たもの、失ったもの、見えた道、見失った道。
――――『赤月ナカレ』という『戦士』にとって、
この仕事は単なる『果し合い』以上の結果を齎した。

             抱えた『意味』が導く未来は、
              これから、少しずつ明らかになるだろう。

>>419(村田)

「……灰皿はご自由に」

車内喫煙に対して――――未成年である事に対しても、駒野は特に糾弾はしない。
『無責任』であるとも言えるが、『子供』であると同時に『戦士』でもある。
戦場帰りの男に、常識で迎え撃つのは根拠が足りない――――という事かもしれない。

「それでは――――『アポロン』まで、ごゆっくりお過ごしください」

車はまたゆっくりと走り出し、車道の流れに合流すると、『病院』への道を進んでいく。

         ・・・
              ・・・
                   ・・・

やがて、この時間でも柔らかい明かりを灯す大病院の駐車場に車は入る。
学生寮とは異なり、病院の駐車場は広く、あえて遠くに止める理由も無いからだろう。

「――――お疲れ様でした。送迎はここまでとなります」

               ガ チャ

「仮に入院や通院が必要になった場合、
 医療費についてはこちらで負担致します。
 その場合には、『アリーナ』に繋がる番号からご連絡下さい」

車を泊めた駒野が外に出る。
『村田』の側のドアを開けるためだろう――――『アリーナ』とのやり取りも、恐らくはここまでだ。

422村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/14(木) 19:00:09
>>421

「分かった。とはいえ、大した怪我ではなかろうさ。」

額、頬、そして右腕を順に触れ、眺める。
戦いで傷を負ったのは初めてだが、殺し合いの代償としては軽く済んだ。
女はともかく、『マテリア』が弱いわけでは断じてなかった。
あの男とタイマンを張ってこれだけで済んだのは偶然ではない。まだ『やれる』。
まだおれは闘える。

 「だから暫くは、おれがやっておいてやるよ。
おまえの分もな。」

聞こえるはずもない友に呟く。
扉が開けば、駒野に一礼してから車を降りる。

423『エターナル・ノクターナル』:2023/09/15(金) 23:15:31
>>422(村田)

「『マテリア』と『エクリプス幹部』を相手取って、
 その怪我で済んだのは……驚嘆に値します。
 とはいえ、念のため検査はお願いしますね」

『選手』ではない『村田』であっても、
アリーナは……あるいは駒野個人としては、
『心配』する部分はあるのだろう。

本人の意図がどうあれ、覚悟がどれほどであれ。
『心配』や『祈り』を抱く権利は誰にでもある。


           ガチャ


「それでは…………『仕事』は終わりです。 
 次の『アリーナ』とのお関わりでも、
 我々が貴方の背後に立てるよう、努力いたします」


ドアが開き、駒野がお辞儀をして『村田』を見送る。

『エクリプス』残党――『ハイネ』らとの戦いは続くだろうし、
漣派からの信任を思えば、『村田』が再び介入する事もあるだろう。

             だが、『終わらない夜』は無い。
             間違いなく……また一つ、時計は前に進んだのだ。

424村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2023/09/16(土) 12:07:15
>>423

 「そうか。」

 「なら、あんたの『心配』は受け取っておこう。
 せいぜい大人しくしておくさ。ありがとうよ。」

一言感謝を告げて、車から降りる。
おそらく心底からと思われる彼の『祈り』には応える『義理』がある。
誰もほかに聞くものもいないのだから。

 「縁があれば、またよろしくな。」

顔の傷をさすりながら、新病棟へ歩く。

425『エターナル・ノクターナル』:2023/09/17(日) 12:54:13
>>424(村田)


「ええ、また。漣代表以下一同――――
 次に仕事が出来る機会を、楽しみにお待ちしております」

『戦いから遠ざけたい』だとか、
『平穏でいてほしい』だとか、
彼らはそうした望みを口にはしない。

仕事とは戦い。戦いとは命のやり取り。それでも彼らは背を押す。
だからこそ、責任を持ち――――それを担う戦士を、尊重する。

            ザッ ――――――

        『義』。

その価値観は必ずしも、現代社会には求められないものだ。
だが、強者は得てして、『義』を持っている。

『アポロン』の灯りが『村田』を出迎える。今は傷を癒すときだ。

              次の戦いのために。義を通し続けるために。


     ・・・

         ・・・
 
              ・・・


>宗像



―――――――――君自身が望んだとおりに。さようならだ、『無間地獄』。

        
                   ・・・
              ・・・
 
         ・・・



暗く濁った水底から、鼻先だけが水面に出たような。
頭の中に響く言葉は脳裏の残響に過ぎず、
目の前の暗闇は、己の瞼が作っているだけと、気づいたような。

そのような――――不明瞭に沈んだ意識が、ほんの僅かに浮かび上がる。


             ・・・

                ・・・

                   「……生き残ったようだな。
                     いや、『死に損なった』か」


目覚めを泣いて喜ぶだとか、
心配から解放された安堵ではない。

酷薄にも思える――――しかし敵意ではない声色。今度は、現実の声だ。

手足が動く気はしなかったが、『目を開ける』事は出来そうだ。つまり、男の声の通りだった。

426宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/17(日) 16:14:18
>>425

『地獄』とは何か。
存在の有無は別として、もし実在するならば、
俺は『そこに向かうべきだ』と考えていた。
罪を犯した者の『義務』として。

(案外『何もない所』だ)

それが闇の中で最初に抱いた感想だった。
全身を焼き焦がす苛烈な業火も、罪人を責め苛む獄卒の姿もない。
あるいは、それこそが『地獄』と呼ばれる場所なのか。
労働を伴わない『禁錮刑』は、
『懲役刑』よりも軽い刑罰として定められている。
しかし、『何もする事がない状況』に耐えられず、
多くの受刑者達は自ら『仕事』を求めた。

(――――――そういう事か)

終わりのない『虚無』を『無間地獄』とするなら、
ここは確かに『俺が望んだ地獄』なのだろう。
『罪』には等しく『罰』が与えられるべきだ。
だからこそ、俺自身も苦しまなければならない。

       『永遠』に――――――

この何もない世界が、どこまでも果てしなく続くように感じられた。
だが、『気のせい』ではなかったらしい。
奇妙な安寧にも似た静寂が、何者かの声によって破られた時、
ほとんど無意識の内に両目を開く。

427『エターナル・ノクターナル』:2023/09/19(火) 17:32:08
>>426(宗像)

「あるいは、『命を拾われた』――――いや。
 どうあれ、『仕事』が無事に果たされた。
 仕事をする人間には相応の報酬が必要だ。
 そういう責任が、頼んだ側にはあるからな」

         「……目を覚ましたようだが」

『笹暮』――――この依頼を持ってきた、アリーナの男だ。
その男がベッドの傍に立っている。ベッド。……病院だ。ここは『病院の個室』だ。

「無理に動くなよ。
 共闘者の尽力とアリーナの術をもってしても、
 拾われたのは――――『命』だけだ。
 動こうとすれば、かえって安静が延びる。
 勿論、身を捨てる戦いを依頼したのはこちらだ。
 成功したことを責める筋合いも無い」

          スッ


「その状態で手渡しされても不便だろう。
 ここに来たのは、『口座』を確認するためだ」

『宗像』自身にも自分の状態を正確に把握は出来ていないが、
頭部、胴体、あちこちを壊されたにもかかわらず、意識の混濁は薄い。
恐らく、『峠は越えた』という状態なのだろう。『死ぬことはない』。

あくまで『報酬』の話だけをしに、『笹暮』はここに来ているらしい。

428宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/19(火) 19:17:35
>>427

最後の瞬間、死を望んでいた訳ではない。
同時に、生きる事に執着する意識もなかった。
自分の中にある『何か』と向き合おうとした一瞬は、生死の問題とは無関係だ。

「限りなく近付かなければ見えない物がある」

虚空を見つめながら、自らに問い掛けるように呟く。

「俺は『それ』を見たかったのかもしれない」

報酬と引き換えに殺しを引き受けたのは初めてではない。
しかし、俺は自分が『殺し屋』だと考えた事はなかった。
心の何処かで線を引き、そうした世界と自分を切り離していたのだろう。

       少なくとも今日までは。

『殺し屋との対峙』は、それと知らずに出会った『別の殺し屋』を想起させた。
人の立ち寄らない寂れた社だ。
鈍く乾いた光を瞳に宿し、その身に『死穢』を纏う男。

  いつの間にか俺は、限りなく近付いていたらしい。

「その前に聞きたい事がある」

視線を天井に向けたまま、淡々と言葉を続ける。

「――――『奴』は死んだか?」

仕事を引き受けた者として、これだけは知っておかなければならない。
生きている者が死者に出来る事は、記憶に留めておく事だけだ。
『命』に対する最低限の礼儀を果たす。

429『エターナル・ノクターナル』:2023/09/21(木) 09:42:29
>>428(宗像)

目の前の瞬間に喰らいつく為に命の手綱を手放し、
結果として、それは今手元に戻ってきた。
『賭けに勝った』のではなく、『賭けてもいない』
それが出来る人間は、それほど多くはないだろう。

「目当てが『金』であろうが『体験』であろうが、
 こちらとしてはなんら構わない。
 責任を持つ為に、動機は必要だ。
 尤も後者の場合は報いられる保証は無いが……
 その様子だと、個人的目的も果たせたようだな」

『宗像』の心情を読みきれてはいないだろうが、
言葉については、この男も得心する物であったらしい。

「組織的な目的も、果たされた。
 『マテリア』は『死亡』を確認出来ている」

こともな気に……少なくともそう聞こえる口振りで、
『標的』の『抹消』が、笹暮の口から伝えられ。

「……『死線』の上で踊り続ければ、
 どれほど強力な使い手であれ、いずれそうなる。
 個人的な勧告だが、殺した相手の年は数えるなよ」

彼は僅かに瞼を細め、そのように付け加えた。

他に特に言うことがなければ、報酬の話をして、
この男は特に他の何かを残すことなく立ち去るだろう。

430宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/21(木) 18:11:49
>>429

『殺手のマテリア』と呼ばれた男は死んだ。
誰かを殺し続けて、最後には奴自身に順番が回ってきた。
『いずれそうなる』というのなら、俺も例外ではないだろう。

「手間を掛けさせたな」

笹暮に『口座番号』を告げ、同じ場に居合わせた『二人』の姿を思い起こす。

「『村田瑛壱』と『赤月ナカレ』には感謝しなければならない」

俺が生きている間に、いつか彼らに借りを返す。

「依頼者の『アリーナ』と――――」

笹暮が仕事を持ってきた時、奈落の底に垂れ下がる『細い糸』を連想した。
糸を掴んで這い上がろうとした罪人の男は、
再び元の場所へ戻される事になったという。
俺は差し出された糸を辿り、行き着いた先で『命のやり取り』に身を置いた。
そこは男が目指した世界ではなかったのかもしれない。
それを望んだのは俺自身であり、あてもなく探し続ける『答え』を求めていた。

「あんたにも礼を言わせてもらう」

ベッドから身体を動かさず、目礼を行って笹暮を見送る。

431『エターナル・ノクターナル』:2023/09/24(日) 01:40:10
>>430(宗像)

口座番号を聴いた笹暮は、メモなどは取らず、
短くうなずくと傍らに『ヴィジョン』を発現させた。
彼のスタンド、『オフビート・ミミック』だ。

「労いも礼も不要だ。責任を果たしただけだから。
 だが……若い戦士たちには、必要だろう。
 彼らにはお前を助けるという責任はなかった。
 責任や義務ではない行いには、報いるべきだ」

               ズズ ・・・

スタンドと共に、その姿が『床下』へと消えていく。

「――己の身を削る以外の方法があれば、それが一番いいだろう。
 『宗像征爾』……『始末屋』にとって最大の資本は『武力』だ。
 努々、損なわないようにするといい。『それ以上』はな」

ベッドからの死角に入り、声だけが聞こえ、そのまま――――立ち去った。
報酬は後日振り込まれるだろう。
それを使えば、退院を早め、またすぐに戻れるかもしれない。――――『戦いの輪』へ。

        地獄の糸。

それを辿って向かう先もまた『地獄』。切り抜けた先にも『地獄』。『無間地獄』だ。
だが――――ほかの誰でもない、『宗像征爾』自身がそれを望むなら。

       望まぬ虚構の『極楽浄土』への道よりは、歩きやすいのかもしれない。

             ・・・

                 ・・・

                      ・・・


>赤月

 

  ・・・ ――――――――――『夜』。


寮生たちも流石に皆寝静まり、
大学部の悪童達が酔って帰ってきたりもしない。
鳥も虫も鳴かない、きわめて、静かな夜だった。

『赤月』はまだ起きているだろうか――――自室にいるのだろうか?

432赤月『サクソン』:2023/09/24(日) 09:21:09
>>431

「・・・・・・・・・。」

軽くシャワーを済ませて自室に戻ってきた
身体の汚れは落とせても、芯に染み入る泥の様な疲労感は拭い去れない
つい先ほどまで取り掛かっていた『仕事』の事を考えれば当然か

         ガラララ・・・

窓を開けて外の風を取り入れる
湿り気を含んだ生暖かい空気が部屋に流れ込んできた

「『マテリア』・・・・」

ベッドに腰かけながら、己が命を奪った者の名を呟く

(『殺人』の経験・・・・)

かつて自分は想像していた。この道の途上で『人の命を奪う』時、何を想うのか
ある戦争の記録によれば、それを経験した兵士は帰国後も精神症状に思い悩まされたという
だから思っていた・・・・いざ自分が『それ』を経験した時、吐き気を催す程のショックを受けるか・・・・
あるいは戦いの高揚感に身を任せて熱狂に身を浸す事になるのだと

――――だが、違った。

「私は・・・・」

何も起こらなかった。
いや、彼を殺した事に対する感慨はある・・・・だがそれは

「当然の様に・・・・受け入れている・・・・?」

『殺人』に対する拒否感はなかった
むしろ『それ』を当然のように受け入れている自分に対して、少しだけ驚きの念を感じていた

「そうか・・・・これは『サイクル』なんだ
『殺人』という業に対する連鎖・・・・『サイクル』・・・・」

自然界に『食物連鎖』があるように、人の世にも『サイクル』が存在する
そしてそれは『人の道から外れた者』にも当然の事ながら、ある

殺し、殺される、『殺人者』たちの『サイクル』
『マテリア』は殺しの螺旋の果てに虚無に果てた
『宗像』もまたその『サイクル』の中に呑まれているのだろう
そして、赤月も・・・・

(ああ、そうか・・・・私もまた『サイクル』の中に組み込まれているんだ
 だから・・・・少しだけ・・・・)

ほっとした。
かつて自分は『宗像』から問われた事があった
『全てが終わった後、どうするのか?』と

今なら自信を持って言える

全てが終わった時、自分はきっと・・・・『宗像』となり、『マテリア』となるのだろう
『過去の中に生きる亡霊』として生き、『虚無』の中に果てる
それはとても・・・・

「それなら・・・・『良い』・・・・」

とても・・・・『素晴らしい』事の様に思えた

(『過去』に縛られれば、もう二度と『あの日々』の事を見失わなくて済む・・・・
 『未来』なんて私には・・・・)

『未来』について想う時、ほんの少しだけチクリと胸が痛んだ
だがその想いも『過去』への執着と安堵の中に沈んでいった

「憂いはない
 私はこの道を進み、『復讐』を果たす」

窓の外に広がる暗夜を眺めながら、小さくそう独白した

433宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/24(日) 16:20:08
>>431

笹暮が姿を消した後、何もせずに『待つ』。
こちらから向かう事が出来ない以上、そうする他ない。
『アリーナ』が運んだなら、居場所は知っている筈だ。
今日中に現れなければ、明日でも明後日でも待ち続ける。
忘れていない限り、いつかは来るだろう。

死ねば不要だ。
しかし、俺は生き残った。
『預けた』以上は引き取らなければならない。

動く事は出来ないが、考える時間だけはある――――――。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  ――――――少年は『動機』を語り始めた。

他人と上手く関わる事が出来ず、心を許せる相手がいなかった。
ある日、一匹の『捨て猫』を見つける。
自分の境遇と重ね合わせ、その猫を世話するようになった。
猫の方も少年に懐いていたようだ。
初めて『心が通じ合った』と感じたらしい。

だが、猫は何者かに『殺された』。
警察にも相談したが、『猫が死んだ』程度では、まともに取り合ってくれない。
犯人を捜してくれるように頼んでも、慰めの言葉を掛けられただけに終わる。

同時に『一つの疑問』が少年の心を支配した。

もし命を奪われたのが『人間』だったとしたら?
『一匹の猫の命』は『一人の人間の命』よりも劣るのか?
少なくとも自分にとって、あの猫は『掛け替えのない存在』だった。
誰かが大切に思うのであれば、『命は等価』であるべきだ。
『捨て猫の命』など大した事はないというなら、
その『重さ』を証明しなければならない。

馨を選んだのは『偶然』だったそうだ。
『無作為に殺す』というのが、せめてもの良心だったのだろう。
当然の対応として『捜査』を行う警察を見て、少年は考えた。

     『なぜ人を殺してはいけないのか』。

『まだ分からない』――――そう口走った直後、少年は頭蓋骨を砕かれた。
最期の瞬間、奴は笑っていた。
『殺す』のではなく、『殺される事』によって、
疑問の答えを見つけられたのだろうか。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

かつて『カーバンクル』に刃を向けた時も、その光景が脳裏を過ぎった。

    あのアビシニアンを殺す事が出来ていれば、
    また何処かで『人殺し』が生まれていたかもしれない。

       そして、そいつは誰かに殺されただろう。

434『エターナル・ノクターナル』:2023/09/27(水) 19:19:24
>>432(赤月)

夜風は肌を冷やすことも、奥底の澱みを吹き飛ばすこともない。

        今日、人を殺したのだ。

……人間社会は無数の思惑と計画の秩序、無軌道と思いつきの混沌が織り成すものだ。
その中には企図された『システム』があり、自然と成立する『メカニズム』があり、
因果と応報が巡る『サイクル』がある―――――暗い世界にも、それは同じようにある。

『歩く』時、人は得てして、闇から遠ざかり、光に向かうことを正しいものとする。

だが、光を背負い、闇へと歩む事も、また『人間』らしい『道』と言えるはずだ。

それが誰かに強制されたものでも、思い付きでも、誤解でもない、選んだ道ならば。
                     

                       ―――――――――― バサッ



窓の外に舞うのは――――――――――『蛾』や『蝙蝠』ではない。

             ―――――『鴉』だ。

         『道』を決めたものを導くのは太陽の遣いではなく、
         理の外、異端の暗夜を飛ぶ――――白い鴉。

                              バサッ

           ≪・・・・・・≫


『鳥が飛ぶ』には低すぎる。『赤月』は理解できる。この存在は『赤月』の元に来た。

受け入れる事も出来るだろうし、
当然、撃ち落とす事も出来る。

『人を殺した』人間には、常に『その選択肢』が生まれるという。それは悪い事だろうか?

435『エターナル・ノクターナル』:2023/09/27(水) 19:26:30
>>433(宗像)

『回想』と共に待っていても、『関』が姿を見せる事は無かった。
短い接触で性格までは分からないが、持ち逃げをするような理由はないだろう。
彼女はここを教えられていないのかもしれない。仮にも暗殺の一味だ。


      ・・・

          ・・・

              ・・・


預けたものは――――その日の夜、部屋に届いた。
新聞や日用品と一緒に、関が封をしたらしい素朴な封筒に入った形で。

届けに来たのは『病院』のスタッフだ。特に事情を知る様子でもなかった。
『外』から届けられたものは、患者に渡す。マニュアル通りの対応システム。
生きていればシステムの中に組み込まれる。システムの中にいれば安寧を得られる。

                  ・・・

             ・・・

        ・・・

そして……その僅かな歪みが、殺人のサイクル、『無間地獄』へ弾き出され、
その中で少しずつ、あらゆるものを削られ、喪い、殺しの道具へ純化する。
自身も既に気付いているだろう。ここに運び込まれてから『左腕』の痺れが取れない。
……『殺しの道具』となる右腕が無事なのは、果たして幸いだろうか?

最後に残るのは……人間性と縁を削ぎ落とされた、ただの『素材』だけだ。

           それでも、まだ。

           『宗像征爾』には、『過去』が残っていた。

436赤月『サクソン』:2023/09/27(水) 20:41:09
>>434

己の心の奥底に潜む闇に思いを馳せながら、窓の外の暗夜を見つめる赤月
・・・・ふと、宙を舞う羽音に視線が誘われる

そこに居たのは自然界には珍しい『白い鴉』

「・・・・・・・・・・。」

何も言わずとも理解していた
目の前に現れた『それ』は決して偶然の産物などではないという事を

         ガラララララ・・・・

窓をさらに大きく広げ、招き入れる
これは『凶兆』か・・・・それとも・・・・

「・・・・『白い鴉』とは随分と象徴的な姿じゃあないか
 常識から外れた、あり得ないものの象徴・・・・
 それは『青い薔薇』のように『理想』や『夢』を指し示す事もあるけど・・・・」

「君たちが目指しているものはそうではないのだろう?
 なあ・・・・『極夜』・・・・」

沈まない太陽と対をなす概念、『明けない夜』
起こり得ぬその現象の名前を、赤月は呟いた

437宗像征爾『アヴィーチー』:2023/09/27(水) 23:41:31
>>435

痺れの残る左手で封筒を取り上げ、そのまま元の位置に置く。
この手は穢れている。
手袋なしでは中身に触れられない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

         「『掃除屋』……『宗像征爾』」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  「『宗像征爾』……『始末屋』にとって最大の資本は『武力』だ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

威武と笹暮の言葉が蘇る。
それらが意味する所は同じだ。
誰かの命を奪う役目を負った人間を指す。

  「『殺手のマテリア』――――」

右手を見下ろしながら、おもむろに口を開く。

  「お前の後は俺が継いでやる」

一人の殺し屋が消え、一人の殺し屋が生まれる。
その輪に身を投じる事が、俺の行くべき道なのだろう。
まもなく疲労によって両目が閉じられ、意識は再び眠りに落ちていく。

438『エターナル・ノクターナル』:2023/09/29(金) 21:19:10
>>436(赤月)

     バササササ

白鴉は迷いもなく窓から飛び込み、窓べりに足を止めて。


                   ドロ ォォォーーーーーー 

            ・・・パサ

白い鴉は一枚の紙片に姿を変える――――おそらく因果は逆だろう。
『紙片』を『鳥』に変え、ここに届けた『何者か』が存在する。
それが『属す』名を、『赤月』は既に知っている。


        ――紙片には『文字列』が書かれていた。
        電話番号でもメールアドレスでもない、
        それを検索すれば『アプリ』に行き着く。
        海外のマイナーなチャットアプリだ。
        検索すれば行き着けるところまで含めて、
        『赤月』に向けた仕込みかもしれない――
 

当然――――『ハイネ』と『赤月』のやり取りはごく短いものだった。
しかも、見逃したとはいえ友誼を結んだわけではない。
加えて言えば、『赤月』の側から何かを求めたわけでもない。

だが、この一件……『赤月』が得たのは『アリーナ』との縁だけではなかった、という事だろう。

               『終わらない夜』がある。
               それを戴く者たちが――――確かに、いる。


         ・・・

                 ・・・

                        ・・・

それ以上の『便り』はなく、窓からは今も、生暖かい星夜の風だけが流れ込んでいる。

>>437(宗像)

                   フラッ ・・・


              パサ


戻そうとした封筒は、力の入らない手から落ち、
そして、『宗像』の傍に落ちた。
ベッドの下に落ちなかったのは幸運だろう。
そうなれば、もう、自分では拾えないのだから。

          『始末』 『掃除』

           ――――即ち、『抹殺』。

選ぶべき道ではない。常人なら。

だが、ある種の人間にとって、その道は。
――――自他の命を等しく無に出来る、『救い』でもあるのだろう。

                眠りに沈む意識と共に、暗く深い方向へ。

                   ――――それでも、命ある限り、進んでいく。

439赤月『サクソン』:2023/09/30(土) 00:12:42
>>438

           ・・・・ガシッ!

白鴉の変じた紙片を逃さぬように、荒々しい手付きで掴み取る
握りしめた『糸』が通じる先に居るのは人殺しをも厭わぬ邪悪な相手だ

「今は私も・・・・か」

この街に来て得た者は多い
『後援』を得て、『友』を得て、『味方』を得た
戦いの中で互いにわかり合えた者もいれば、決定的な決裂を経た者もいる

だが今は、『終わらない夜』を望む者たちと繋がりを得ようとしている
この街の『敵』だ・・・・

シャワーを浴びたばかりだというのに、じっとりと嫌な汗が額に滲む
『アプリ』を落し、チャット画面を開く。ゆっくりと呼吸を整えながら、一言目を書き込む

【『ハイネ』はここに居るか?】

440『エターナル・ノクターナル』:2023/09/30(土) 22:04:51
>>439(赤月)

汗が乾くよりも早く、通知音が鳴る。

              【『いる』】

短い返答が帰ってきた。
写実的な『鉄細工の花』のアイコン。名前は表示されていない。


【ハロー。ハロー。ハロー。はじめまして、ようこそ、新しい光!】

そして、『何かのアニメのキャラクター』のような――
『白を中心に、七色が入り混じる髪をした少女』の顔をアップにしたアイコン。

【光が増えるほど、影は暗くなる! 新しい光! 『プラカーシュ』は歓迎します!】

         ・・・ほかのユーザーは表示されていない。
         グループメンバーの一覧のような機能はないか、
         もしくは非表示になっているものと思われた。

             【そいつは気にしなくていい。今は】

花アイコンが、その書き込みから間を空けずに返答を続ける。

             【いるけど、ハイネは返事をしない】
             【そもそもここをあまり見てない】

――――口ぶりからして、『いるのを知ってるだけ』ではない。
『血族のハイネ』と何らかの接点がある人物と考えるべきだろう。

【ハイネはもっと明るく仲良くすべきですよ! 暗いからこそ光で満たさなきゃ!】

             【あなたをここに呼んだヤツからの説明もロクにない】
             【あなたも多分説明されてない】

             【だから単刀直入に聞く】

一拍ほど、間が空く。

             【あなたがここに来たのは、
              『マテリア』の代わりと考えていいの?】

緊張感を欠く『プラカーシュ』を置き去りにするように、
挙げられた名は――――『殺し屋』のものだ。

間違いなく、『ここ』は、アリーナも関知していない、『敵』の『内部』である。

441赤月『サクソン』:2023/10/01(日) 01:43:27
>>440

間を空けぬ通知音に、手に力を込めながら返された文字列を見る
急いで返答を返すべきか? そう思っている間に『二人』の会話が進んでいく

(マンガキャラのアイコンが『プラカーシュ』で、『鉄の花』がもう一人
『ハイネ』はアプリを見ていないのか・・・・?)

『二人』の口調から、彼ら(彼女ら?)の持つ関係性を考察していく
『プラカーシュ』はどうやら『拡大路線』のようだ。組織を大きくする事に関心があるのだろうか?
それに対して『鉄の花』は、雰囲気こそ硬いもののやり取りに『親切さ』が感じられる

(もちろん、ネット上のやり取りが本人の性質を表すとは限らないが・・・・)

そうして、『二人』のやり取りを眺めているうちに

             【あなたをここに呼んだヤツからの説明もロクにない】
             【あなたも多分説明されてない】

             【だから単刀直入に聞く】

会話の焦点がこちらへと向き・・・・



             【あなたがここに来たのは、
              『マテリア』の代わりと考えていいの?】

その言葉に息が詰まる
ここでの返答は、今後の自分の行く先に大きく影響を及ぼす事になる
・・・・それはつまり、『極夜』とともに歩みを進めるか、否か、だ

      すぅ・・・・

                       はぁ・・・・

深呼吸をして、心を落ち着かせる
大丈夫だ。判断力は鈍ってはいないし、興奮に勢い込んでいるわけでもない
冷静な心で、合理的に判断が出来ている

                    あるいは・・・・そう思い込んでいるだけなのかもしれないが

指先が躍る
書くべき内容は、既に決まっている

【当然だ。私は『マテリア』よりも強いのだから】

【『マテリア』を倒されて、君たちには余裕がないはずだ
 彼は非常に強力なスタンド使いだったから、君たちと合流していたなら相当な有力者となっていたはずだ】

【だが、その見込みももはや潰えた
 君たちに出来る事は『判断』を下す事だけだ】

【『マテリア』よりも強い私を、『雇い入れる』か・・・・『否』か】

『極夜』の二人に己を『雇う』という選択肢を提示する赤月
彼らの『仲間』ではなく、あくまでもビジネスパートナーとしての距離感を示した形だ

442『エターナル・ノクターナル』:2023/10/03(火) 00:18:23
>>441(赤月)

【なるほど】
【単なるビッグマウスだとは思わない】
【雇うというのは少し違うけれど、私は排斥しない】

『赤月』の意思は、文章という媒体を貫通し、
向こうにいる『鉄の花』の人物に確かに届いたらしい。

   【新しい光! マテリアより強くて、しかも明るそうです!大歓迎!】

『プラカーシュ』が賑やかす。
当然……この明朗な存在も、町を脅かす危険の一人だ。

      ――――――『赤月』もその一部になりつつある。

【我々の方向性は同じ。過程でそれぞれの目的を果たす】
【目的が多いほど推進力が上がる】
【単なる拝金主義者より、内に炎を灯している人間が良い】

【あなたが後者なら、良いと思う】

拝金主義者――――即ち『マテリア』のことだろう。
彼の代わりに『赤月』が来たのは、禍を転じて福と為す、と言ったところか?
あるいは、逃した魚の大きさを忘れるための去勢の一環なのかもしれない。

        【みんなで大きな事を成しとげるのは楽しいです!】
        【楽しみながら、やらなきゃいけないことも出来ます!】

【でも、あなたを全面的に信用はしない】
【それはあなたも同じ事でしょう】

……次のメッセージまでに若干の間が空いた。

【あなたがマテリアだったとしても同じ】

【他のヤツのほとんどは、ここであなたと話す気はないはず】
【『プラカーシュ』は知らないし、私は仕事に必要なら話すけど】

            【『プラカーシュ』はいつでも待っています!新しい光!】
            【たくさん交信してお互いの輝かしいところを知り合いましょう!】

探りを入れていく、というのは――不可能では無いにせよ難しそうだ。
興味を惹ける話題があれば別かもしれないが、
まだ『メンバー』の内情もほとんど分かってはいないのだから。

【すぐに何か伝える事は無いだろうけど、このアプリは残しておいてほしい】
【いつでもダウンロードはできない】

期せずして、しかし覚悟の上で得た『黒い繋がり』。

【どうせ。消しても、一度できた繋がりは消えない】

――それは『取り消す』ことが出来る類ではない。今はまだ浅瀬だが、それでも。

               一度染まったなら、洗い流す事は出来ない『黒』だ。

443赤月『サクソン』:2023/10/04(水) 01:46:18
>>442

(白々しい・・・・)

文章で多少の言葉を交わしただけではあるが、
既に赤月はこの『プラカーシュ』という人物に苦手意識を抱き始めていた
それは、彼(彼女?)の騒々しい言葉遣いもそうであるのだが、何よりもその在り方・・・・

(この街を脅かし、人殺しを良しとする人間が・・・・)

(『楽しむ』・・・・だと・・・・?)

赤月とて『戦闘』を楽しむ事はあるし、戦った上での人死にに思うところはあれど否定するつもりはない
だが、彼らが為そうとしている『大きな事』とは必然的にこの街の人間を多数、死に至らしめる行為であり・・・・

(いや・・・・)

「今となっては私も同じ穴のムジナか」

ぼやきながらの所感。『プラカーシュ』の第一印象はそこそこに悪い
・・・・それに比べると『鉄の花』の方に対しては多少の親近感を覚えていた

『プラカーシュ』のように口先で好意を表しているわけではない
さらに言えばこちらの事を全面的に信用する事はないとさえ言っている

(・・・・『誠意』を感じる
 少なくとも、後ろめたい事をやってるくせに見ず知らずの人間を歓迎するようなヤツよりは)

一通りのやり取りを眺めた後で、再び己の言葉を書き連ねていく

【肝に銘じておこう】
【それよりも・・・・】

一歩、踏み込む覚悟を決める
『帰還不能点(ポイント・オブ・ノーリターン)』は既に越えている
この街の『敵』になれば、もはやその『繋がり』から逃れる事は出来ない

「なれば・・・・? 何を悠長な事を言っているんだ。私は」

「何をおいても果たすと決めただろう・・・・」

【過程で目的を果たすと言ったな?】
【私の目的は・・・・『過去』を知り、『今』を殺す事だ】

すう、と息を吸い、そのまま一息に書き綴る

【『エクリプス』崩壊の謎を追い、『アリーナ』に潜む敵を殺す
 その目的を果たす為なら、君たちの目的に協力する事を厭わない】

【だから聞かせてもらおうか。君たちの目的とは何なのかを】

444『エターナル・ノクターナル』:2023/10/05(木) 05:04:51
>>443(赤月)

悪党にも人柄はあり、そこに好悪は生まれる。もちろん本質はまだ見えないにせよ、
『プラカーシュ』なる者の振る舞いが『不相応』なのは、何ら特殊な感想ではないだろう。

【あえて説明をしたのは決意表明と取る】
【だからあえて返す。あなたは私達に近い】
【恐らくそれを見計らってこの形で縁を結ばれた】

【『アリーナ』の中には、私と『プラカーシュ』にとっても、
 『誅滅』しなければならない人間も潜んでいる】

だが、『遊びに来ている』わけではないらしい。

傍目にあまり性格が合いそうに見えない二人が、
ここでやり取りを交わす理由はそこなのかもしれない。
共同体の中で……『より方向性の近い』もの同士。

           ――――『赤月』も、そうだ。

【他はそういう目的じゃないヤツも多い】
【例えばあなたが知るハイネは『それ』じゃない】
【当然、中身をここで私が勝手に話す気もない】

【『プラカーシュ』も話さない。そうでしょう】

半ば一人語りをしていた『鉄の花』が、もう一人へと水を向ける。

          【話さずに、新しい光が皆に馴染めるかが不安ですよ!】
          【新しい光! 『プラカーシュ』はいつでも馴染む手伝いをしますからね!】

すでに苦手意識を持たれている事など知る由もなく……
あるいはそもそもそのような発想すら無く、この存在は明るい。

『暗くあるべき』……そのような発想も、無いかのように。

【まあ、そもそも目的を周りに話していないヤツもいるけど】

               【ちゃんと願い事は口にしないと、誰も手伝ってくれないですけどね!】

【なんにせよ、最後には結びつく】
【我々全体の目指す『最高到達地点』はまだ言えないけど、
 組織、ひいては星見町と全面戦争をするようなものではない。
 だけど、私たちの願いが叶う機会はある。そういうたぐいのもの】

『全面戦争ではない』――――だがそれは、『町』との『友好』を意味するはずもない。

【あなたはあなたなりに『アリーナ』に潜っておいてほしい。
 ファイターという立場での接近は私や『プラカーシュ』にも、ここにいるほかのヤツにも難しい】

445赤月『サクソン』:2023/10/05(木) 13:38:13
>>444

「『誅滅』・・・・」

その言葉の意味は分かる
罪に対して罰を下す・・・・彼らもまた『アリーナ』に何らかの『罪』を見出した者なのだろう
『プラカーシュ』にとってもそうだという事は少し意外だったが、スタンスとして彼らは自分に近い者たちのようだ

【『アリーナ』の内部に『敵』が居るという点では、私と君たちは似たような立場というわけだ】
【お互いに協力しようじゃないか。私は私で『アリーナ』の内部に入り込み、『機』に備えておこう】

そこまで書き込みをしたところで、『鉄の花』の名前を聞いていない事に気づいた

【ところで、『鉄の花』。君の事はなんと呼べばいい?】

446『エターナル・ノクターナル』:2023/10/05(木) 14:41:19
>>445(赤月)

【アネモネ】
【『魔弾のアネモネ』 そう呼ばれていた】
【前半はアリーナの付けた呼び名だけど嫌いではない】

呈した疑問には、そのように返信があった。
本名かどうかはわからない。
何らかの『コードネーム』なのかもしれない。

【あなたのことは他のヤツにも話は通しておく】
【ただ、話の分からないおかしいヤツもいる】

【あなたの立場上、
 仮に敵が我々の一員と知っても、
 交戦が必要なのなら手心はいらない】

          【『プラカーシュ』は話がとても分かります!】
          【戦わなくて済みますね!新しい光!】

【出来れば損耗は避けたいけど、今あなたに話せる事は多くない】
【全員の顔と名前を紹介するわけにもいかない】

あくまで、『すべき事をする』だけ。
それはずっと変わっていない。
周囲にいる者達や、立ち位置は変われど。

【今後、話したい事があればなるべく夜に。
 基本は私か『プラカーシュ』が応対する。
 答えるかは別として、雑談とかでもいい。
 星見町で今暮らす人間の話には意味がある】

【ここにログは残らない。情報漏洩の心配は無用】

          【スマホを落としても大丈夫!技術力ではアリーナに負けません!】

少しだけ間が空き、『アネモネ』のポストが続く。

【明日からもこれまで通り過ごしていればいい】
【願うのはあなたが我々と同じ道にいる事】
【この道の半ばにあなたの目的がある事】

【何より、一度同志に迎えた相手を撃たずに済む事】
【例え、ゴールで解散する事になるとしても】

それを最後に、ポストが途絶えた。
話は終わりということか、話しすぎたということか。

いずれにせよ、『赤月』からアクションが無ければこの夜は閉じる事になりそうだ。

447赤月『サクソン』:2023/10/06(金) 13:28:04
>>446

【『魔弾のアネモネ』に『プラカーシュ』か・・・・】

自らの血液を攻撃に使う『血族のハイネ』のように
彼らの通り名にも能力を意味する言葉が込められているのだろうか・・・・?
少しだけそんな事を考えていたが、すぐに『考えるだけ無駄』だという結論に至る。

「重要な事は、彼らとの『コネクション』が生まれた、という事だ」

そう考え、再びアプリにメッセージを打ち込んでいく
        Rufus
【私の事は『ルフス』と呼んでくれ】
【『アリーナ』を調べれば簡単に身元は割れるだろうけど・・・・念の為、だ】

自己紹介代わりにその言葉を呼び名として名乗る
『アリーナ』でも、『星見町』の一員としてでもない、新たな名前だ

【願わくば・・・・君たちの『目的』が達成できるように祈っている】

最期にそれだけ書き込みをしてアプリを閉じた

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

暗くなったスマホをテーブルに置き、ぼふん、とベッドの上に横たわる
そのまま目を閉じてゆっくりと今夜の出来事について思いを馳せた

『ハイネ』との戦闘、『マテリア』の殺害・・・・そして『村田』との不和
その全てが運命のように連なって自身をこの場所に導いた

────『極夜』
かつてあった『エクリプス』を継ぐものたち
彼らとの合流が『どこ』へ向かっていくのか、今はまだわからない・・・・

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450『エターナル・ノクターナル』:2023/10/07(土) 20:28:29
>>447(赤月)

二つ名の意味は今のところ分からない。
『意味などない』かもしれないし、アリーナが付けたなら、
ある種の識別や侮蔑、もしくは畏怖の意図もあり得るだろう。
いずれにせよ、『そう呼べばいい』……今はそれだけだ。

【ルフス? そう】

       【おしゃれな響きだと『プラカーシュ』はとても感心します!】
       【『赤』という意味ですよ、アネモネ!】

【どういう意味でも『呼び名』は重要。呼ばれたいなら、尊重する】
【それじゃあ、また】

アプリを閉じる――――
ホーム画面にはそのアイコンが確かに残る。烙印のように。
アプリ名は『HOLIKA』。『焚火』のシルエットのようなアイコンだ。

今後、『極夜』に連絡を取るなら、これを使う事になるだろう。

        ・・・

                ・・・

                       ・・・ぼふん

ベッドに体重を預け、目を閉じる。

『この道』は必然ではなかった。それは間違いない。
『赤月ナカレ』が選んだのだ。『正しさ』『間違い』とは切り分け、それは間違いない。

     その極点に待つのが後悔か。
         納得か、もっと何か誇らしいものか。

                 あるいはそのいずれもか――――


ある者たちにとっての『終わらない夜』は、遠いあの日から続いている。


           終わらせるためには。『待っている』だけでは足りない。


――――――――――――――――――――――――――――

赤月『サクソン』 ⇒ 『左肩に刺し傷』
            『全治1週間』『報酬90万円』
            『極夜』の『連絡先』を得る。

村田瑛壱『ディズィー・スティック』 ⇒ 『右手打撲』『軽傷少数』
                       『全治1週間』『報酬90万円』
                       成長―『メイク・センス』に目覚める。

宗像征爾『アヴィーチー』 ⇒ 『頭蓋骨骨折』『肋骨骨折』『複数の臓器損傷』
                  『パナケイア』により『再起不能』は取り消し。
                  『全治4か月』『後遺症:左腕麻痺』『報酬90万円』

――――――――――――――――――――――――――――

                          『エターナル・ノクターナル』 ⇒ おしまい

451『エターナル・ノクターナル』:2023/10/07(土) 21:20:51

【刃の信奉者】『白糸 カラエ』のスタンド。
纏うタイプのヴィジョン。
背中に浮かぶ『トンボ』のような薄い四枚の翅に加え、
両腕と両脚が、『蟲』を思わせる甲殻を帯びる。

本体が触れた『清らかな液体』に『タマゴ』を混ぜ、
本体の意識一つで『孵化』させられる能力。

孵化するのは――――肉食の『ヤゴ』。
このヤゴは潜む液体に触れた生物を『喰らう』。

肉を大量に食らったヤゴは『トンボ』に成長し、
さらに、トンボは『ヤゴ時に食べた生物』と同種の生物を襲撃。
肉を食いちぎってそこにトンボ自体も産卵し、新しく『ヤゴ』を発生させ始めてしまう。

唯一、本体は攻撃の対象にならないほか、
ヤゴが生物を探知するための厳密な『攻撃条件』は『体温』であるため、
スタンドで肉体の材質を変えるなど、温度を誤魔化す手段があれば攻撃されない。
また、ヤゴ段階で棲息できるのは清い水のみで、汚水などが混ざると死滅する。

繊細でありながら大量殺戮を可能とする、きわめて危険なスタンド。

『マスプロダクション・C・P・T』
破壊力:C スピード:B 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:C 成長性:D

『ヤゴ』
破壊力:D スピード:D 射程距離:A
持続力:D 精密動作性:E 成長性:A

『トンボ』
破壊力:D スピード:B 射程距離:A
持続力:D 精密動作性:E 成長性:E

452『エターナル・ノクターナル』:2023/10/07(土) 21:22:32

【鞘と刃の男】『血族のハイネ』のスタンド。

『     』と一体化したヴィジョン。
『血肉』を『    』へと『  』する能力。

『  』だけでなく『 』や『  』――――
更には『      』のような『怪物』にも変換できる。
ただし『  』は『スタンドそのもの』と一体化しているため、
『蝙蝠』より小さく『  』することは今のところ出来ない。

また、『     』を用いて『    』を『補強』でき、
この補強を受けた『黒ずんだ血』部分が傷ついたとしても、
『          』が発生せず、『消耗』を抑えられ得る。

『    』たちは『   』に反比例して動作性能が低下するが、
『      』段階ですら人間をはるかに凌駕するため、
リスクを超えるほどの『射程』『数』『破壊力』を並立させていると言える。
ただし、同時に操れる『    』の数がいくら多かろうが――特に『  』が多いほど、
それは複数のゲームを同時プレイするに等しく、フル活用は困難を極める。

『    』が撃破される度、当然、その糧とした血肉が損耗するが、
これについては『             』により、少しずつ回復出来る。

『カーディナル・シン』
破壊力:? スピード:?  射程距離:B(30m)
持続力:? 精密動作性:? 成長性:A

453『エターナル・ノクターナル』:2023/10/07(土) 21:26:41
【殺し屋】『殺手のマテリア』のスタンド。

スマートな人型のヴィジョン。
白く、各部に凹部があり、総じて無機質な印象。

ヴィジョンの手で触れた物を『EPS』――
即ち『ビーズ法発泡スチロール』に変える。
無生物であれば一瞬、生物ではしっかりと触る必要があるが、
触りさえすればその個所から能力範囲を『伝播』もさせられる。

同時に能力対象にできる数は最大で『3つ』までだが、
能力解除は対象を視認し強く意識さえすれば、
遠隔であっても行うことが可能であるため、
個数制限が問題になることは、猛者との戦闘を除けば少ない。

強度や柔軟を奪い人体や障害を破壊するほか、
破壊で確保した重量物の投擲からの能力解除や、
構造物の根元を破壊しての『崩落事故』を得手とする。

マテリアは自分自身をスチロール化する事で、
異様な身軽さや、出血しない肉体を実現しており、
それを前提とした『隠密能力』も、殺し屋として磨いていた。

『クリサンセマム』
破壊力:C スピード:A 射程距離:D(5m)
持続力:D 精密動作性:B 成長性:C

454『エターナル・ノクターナル』:2023/10/08(日) 18:40:37

――『ディズィー・スティック』は、『村田』に応え『成長』した。

『棒の一端』を『何か』に触れさせ、全力で『撚り合わせる』ように捻ることで、
一時的にだが、その物体と棒の一端を『装着』することが可能となった。
即ち――『アタッチメント』によって棒の『機能性』を拡張出来るほか、
『壁面』や『床』への固定で、よりアクロバティックな動作が可能となる。
ただし現状は装着力は弱く、人間の全力に耐え、体重を支えるのは一瞬が限界。
当然だが拘束には適さず、『穂先』等を取り付けても、全力の一打で外れてしまう。

唯一の例外は――――『棒同士の接着』。
この場合、双方の『装着力』が相乗することで、強固に固定される。
リーチの補填であれば伸長で事足りるが、重要なのは『一つの棒』になること。
この状態で『解除』を行うことで、それらの物体は『くっついたまま』元の形に戻る。
元が全く別の物体なら即座に剥がれるが、『同物質』なら疑似的に『復元』が可能。

                      make Sence     Make sence
力の名は――『メイク・センス』。即ち『創造の才』であり、『筋を通す』力である。

『ディズィー・スティック』 
破壊力:C スピード:A 射程距離:D
持続力:D 精密動作性:B 成長性:A→B

【『メイク・センス』】
1.『成長』で得た能力。棒のどちらかの端を『固体』に触れさせたまま、
  撚り合わせるイメージで、全力で棒を捻りこむ事で発動できる。
2.発動すると、その一端と接触部が『固定』され、『装着状態』になる。
3.『装着状態』の固定力は『C』程度。同じ破壊力Cの全力や、
  『村田』自身の体重程度の重さがかかると固定はすぐ解除されてしまう。
  そのため、『穂先』として何かを取り付けたりしても長持ちはしない。
4.対象サイズの制限などはない。床や壁に装着して移動の助けにするなども可能。
5.『装着状態』の任意解除は、その棒を握っている時ならいつでも可能。
6.装着できるのは棒の一端ごとに一つずつまで。射程や持続時間は特にない。
7.『棒の一端』と『棒の一端』を装着すると、装着力は『B相当』になる。
8.この『棒の一端同士を装着した棒』をまとめて解除すると、くっついたまま元に戻る。
9.元々が違う物質の場合は、元に戻った後すぐにくっつきは解ける。
  元が同じ物体の欠片同士なら、そのくっつきは永続し、事実上の『復元』となる。

455『夜明けは七曜へ紡ぐ』:2023/10/09(月) 15:11:23

――――――同日、『白鳩グランドホテル』20F ペントハウスフロアにて。

「こちら『威武』だ。
 貴派の『ニマ』にも手伝って頂いたが、
 やはり痕跡は何も残っていない。
 予見していたとは思えないが……
 復元も望み薄だろう。回収はするが」

          ザッ

「『殺手のマテリア』……
 『最も殺すべきもの』は殺していたか」

          「忌まわしい男だ」

     ザッ

        ・・・
 
            ・・・

              
「……『漣』が『懸念』を抱いている事は知っている。
 私も十中八九、『それ』はあると考えている。
 マテリアがここに泊っていることを、
 連中が脚で調べたとは考えにくい」

       「だが私には現況を共有すべきだ。
        『血族のハイネ』単体のハズがない。
        『桜島』の手勢だけでは役者が足りない。
        ……『如月』や『夜鹿』を囲ってもいるようだが、
        彼らを『専有』するのは望ましくないだろう。
        町の有志達の手を借りるにも限度はある」

  ザッ ・・・

「………………確かに。
 『子供の遊び』ではない。
 参画には『証』を立てる必要があるか」

「スポンサー『渦森ヤスミン』
 彼女の『スポンサー特権』の『枠』を、1つ都合しよう。
 理由は当然『言わない』が、漣には意味が理解出来る筈。
 ……同時に、これを活かす術が私にはない。
 恐らくウィン・ウィンの提案になるだろう」

         「……結構。では、それで。
          私は処理を終えたのち、撤収する」

   pi


「………………………『エクリプス』。奴らの『落日』は『終わらせない』」

456『夜明けは七曜へ紡ぐ』:2023/10/09(月) 15:47:51
某日 ―――― 星見町内某所、廃ビルにて。


                 ガチャ ・・・


                     ハトリ
≪お迎えに上がりました――――『葉鳥』様≫

                     

            ザァァァァァ ――――――――――――― ・・・・


「…………高層階だ。
 『盗み聞き魔』の心配も…………ないだろう。
 だが通り名という便利なものがある…………そちらを使え」

           「『その恰好』……『渦森』の駒だな……?」

┌────────────────────┐
│                             │
│     『吸血カルト』 血清の羽 元信徒      │
│                          .     │
│           血族のハイネ             │
│    スタンド名― 『カーディナル・シン』      .│
│                             │
└────────────────────┘

「失礼いたしました。ですが、私も、駒という呼び名は心外です。
 ――――主命に従うか否かを決める権利がありますので」

                                 ザッ

「…………『矜持』か。悪いことを言った。取り消させてくれ」

「いえ。先に無礼を働いたのは私ですゆえ。お気になさらず。
 お嬢様からは貴方を丁重に迎え入れろと仰せつかっております。
 ……それでは、参りましょう」

                     ギィィィィイ ―――――――――


(……『戦士の赤月』……どういうつもりで合流してきたかは知らないが)

                                              バタンッ


                      (『歓待』すべき同志になれるなら……悪くない)


ハイネ『カーディナル・シン』  ⇒ 『再起可能』


●『吸血カルト』 血清の羽 ⇒ 急進派が『エクリプス』に加担。民間人の拉致、監禁、
                    失血及び不適切な輸血行為による殺害を複数行う。
                    関与の首謀者『狂い牙のアラシ』 ⇒ アリーナ『威武派』により『完全消滅』
                    ほか、関与が確定した団員1名『討伐済』 疑惑のある団員2名は監視処分。
                    『組織母体』は『エクリプスへの関与を否定』 および中部地方から撤退済み。

457『夜明けは七曜へ紡ぐ』:2023/10/11(水) 00:47:15


『HOLIKA』を閉じて、サイドテーブルに置いた。
安ホテルの夜景に一瞬だけ視線を向ける。新しい同志。

                   ピポ

「――――――――――例の彼女と、
 『話』は出来た。『マテリア』よりは我々と近い人間に思える」

すぐにヘッドセットのマイクをONにすると、煙草を灰皿に押し当て、
眼帯を手直しし、『WEB会議システム』に集まっている面々に声をかけた。

┌──────────────────┐
│                          │
│             コッチプ          │
│ 元『国際密輸組織』 花売 下部構成員.  │
│                          .  │
│        魔弾のアネモネ          │
│    スタンド名― 『フライシュッツ』       │
│                          │
└──────────────────┘

              ・ ・
「アリーナとの繋がりの枚数を増やせたのも大きい。
 結果論だけど、今回の件は『失敗』ではなかった。私はそう考えてる」

             いつ見てもまとまりのない面々だ。
             これだけ集まっているのは珍しいが、
             『ハイネ』の状況を考えれば当然だろう。


ぴったり切りそろえた髪の下、目を細める。―――――『同志』達の反応を伺うために。

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459『夜明けは七曜に紡ぐ』:2023/10/14(土) 09:38:35

≪『プラカーシュ』もそう思います! それに、新しい光はとっても明るいです! 素敵な名前も教えてくれました!≫

――――笑うのは、白髪に虹の色彩を乗せた、場に不相応なほど天真爛漫な『アバター』。最も大切なものを失った徒花。

                        ┌──────────────────┐
                        │                          │
                        │   元匿名『クラッカー』集団(名称なし)   │
                        │                          │       
                        │        遊星のプラカーシュ(自称)     │       
                        │       スタンド名― 『???』        │
                        │                              │
                        └──────────────────┘

「良きかな、良きかな。童が喜ぶことほど、世に尊(たっと)い事もあるまいて」
「ほんに、よき出逢いを得たものよ、我々は。ふふ……肩入れし続ける甲斐もあると云うもの」

――――訳知り顔で頷くのは、和装に身を包み、気色の悪い笑みを浮かべた小柄な女。

┌──────────────────┐
│                          │
│    元無所属  浮説飛語の遣手     │
│                                │
│         渡鴉のシラナメ          │
│       スタンド名― 『???』       .│
│                          │
└──────────────────┘

            「…………ただ、『弾丸』として使うなら、
            『金』さえ払えば確実な仕事をするマテリアは安定していた。
            『ルフス』……彼女の思想を、もう少し深く探れればよかったのだけれど」

「『思想』なんて……どうでもいいじゃん。裏切ればどうぜ、わたしが消せばいいだけでしょ」

――――微動だにしないのは、人形のような黒いワンピースドレスに身を包む、色素の薄い灰髪の少女。
                       ┌──────────────────┐
                       │                          │
                       │ 元『傭兵組織』 プラーミャ・ミェーチ 団員 │
                       │                          .  │
                       │       .灰燼のチトイーリカ          │
                       │      スタンド名― 『トリグラフ』      │
                       │                              │
                       └──────────────────┘

「わたしより強いなら……それはそれで、おもしろいんじゃないの? ねえ、アクアリオくん」

「アハハハハハ! チーちゃんより強いスタンド使いが加われば、今すぐでも戦争を仕掛けられますよねえ!
 いや、いっそ、どうです? ここらで一つ、『マテリア』殿の敵討ちに、連中の横面に一撃を叩き込んでやるというのは!?」

             「敵はどうでもいいけど、戦うならわたしはいつでも」
               ≪『プラカーシュ』もどんとこいです! 吠え面を消し飛ばしてあげたいです!≫

「さっすが、ウチのお嬢さんたちは皆さん頼りになりますよねぇ!
 商品に欲しいくらいですよ! アハハハぁ……ま、オレ、もうクビになってますけど」

――――調子よく囃すのは、なんとかいうブランドのビジネススーツを嫌味たらしく着こなす、年若い西洋人の男。

┌────────────────────┐
│                             │
│  『ブラックマーケット』 メルクリウス 元外商員 │
│                          .     │
│         焼き畑のアクアリオ           │
│  スタンド名― 『ロス・モストロス・ニヒリスタ』  │
│                             │
└────────────────────┘

460『夜明けは七曜に紡ぐ』:2023/10/14(土) 09:42:24

        
          「……我々の目的は、『戦争状態』ではないでしょう。 そもそも敵を討つ程義理もない」


「いいや『戦争』は望ましい…………
 嗚呼甘美なり数多の傷と悲鳴。何もかもを失うが何もかもを得られる……フフッ」

       「落とし所が正しく処方出来れば……だがね」

――――うっとりと囁くのは、厚手のコートの下の総身を包帯で覆う、長身痩躯の『怪人』。

                       ┌───────────────────────┐
                       │                                  │
                       │              『闇医者』                  │
                       │                                  │
                       │            約定のユーロン              │
                       │    スタンド名― 『ウルティマム・ユーキディウム』  .│
                       │                                  │
                       └───────────────────────┘

「……今の状況では、何かを得る為の的確な落としどころなど……『高望み』だ。
 義理がないのも、アネモネに同意だが……………あったとして、
 返す余裕も……仁義とやらを守る根拠も……今の我々には、少なくとも組織としては……薄い」

     「おれたち個人は強い……だが組織はアリーナの一派閥にも満たない」

「『あなた』を『信用』して問う。現状をどう考えている?
 おれ達はいつでも『動ける』が……自由意志に任せたテロルは……望んでいないだろう」

――――憂うのは、パーカーのフードを目深に被った、陰鬱な影を纏う銀髪の青年。

┌──────────────────┐
│                          │
│  『アート・テロリスト』 兼 強盗集団首領  .│
│                            │
│        奪胎のイズラフェル       .│
│      スタンド名― 『デストルドー』     .│
│                          │
└──────────────────┘

「――――――『新しい光』は、歓迎しましょう。アネモネさん、プラカーシュちゃん、応対ありがとう。
 それから、勧誘のための『足』を作ってくれたシラナメ女史にも感謝を。
 『アリーナ』は今回の功績で、間違いなく彼女の囲い込みに動くはずです。
 このタイミングの接触は完璧だ。思わず猛ってしまうアクアリオくん達の気持ちも、分かりますよ。
 危ない橋は『前提』。我々が安全な道を歩いて辿り着くのは『地獄』でしかありませんからね」

           「ですが、ユーロン先生とイズラフェルさんの言う通り、『まだまだ』です。
            一時の火の滾りで動けばどうなるかは、我々は皆、骨まで染みているはず」

――――穏和に説くのは、髪を後ろになでつけて額の傷を曝け出す、山を思わせるような、大柄の男。

                       ┌────────────────────┐
                       │                             │
                       │  『指定暴力団』 関星会 元若頭兼次期組長  │
                       │                          .     │
                       │          人買いライチョウ            │
                       │       スタンド名―  『???』          │
                       │                             │
                       └────────────────────┘

「ひとまずは、ハイネくんを無事に回収するのが先決でしょう。
 『刃』同様、『お嬢さん』が保護をするのが手筈ですが――――」

461『夜明けは七曜に紡ぐ』:2023/10/14(土) 10:05:42

【正しい。先刻『確保済み』の連絡あり】
【同時に、見返りを求めてもいる】
【『彼女』は、この期に及んで、『揺れている』】

【事実、今ならハイネを引き渡す一手で『裏切り』の烙印は押されずに済むだろう】
【あなたがたの全容は知らずとも存在を明かすだけでもカードになると理解してもいる】
【『彼女』は愚かだが聡い。あなたがたが強く出られない事を理解している】

――――淡々と打ち込まれるのは、その『姿』を誰も知らない。『組織の犬』。

┌────────────────────┐
│                             │
│   現アリーナ ■■■■ 兼 『内通者』     │
│                          .     │
│             ???               │
│        スタンド名― 『???』         .│
│                             │
└────────────────────┘

「よろしい。では―――――『アネモネ』さん。
 見返りの提供と、ハイネ君の回収。並行するのであれば、あなたが条件に適している筈」

・・・かつてのように各々が属していた、あるいは率いていた組織はない。組織力もない。

  山ほどの武器も、スタンド使いもいない。それを運ぶ船もない。主義主張すら統一がない。

「……ええ。承るわ。満足に動かせる駒もないものね。
 願わくば、ハイネの二の舞にはならないといいけれど」

様々な障害を越え、辛うじてかき集められた寄せ集め。
『アリーナ』とぶつかれば、一つの派閥にすら押しつぶされて不思議はないだろう。

「二の舞なら問題ない……生存できるのだから。だが、気をつけろアネモネ。
 …………星見町はあの頃と同じ、いや……あるいはそれ以上に、『甘くない』」
  
            「アハァ! 慎重すぎますよねェ〜イズちゃんは!
             アネモネさん強いから大丈夫でしょ!」

だが、『巨獣』の足にまとわりつく『毒虫』も、数がそろえば。


「…………ええ、肝に銘じておくわ『イズラフェル』。
 それじゃあ、吉報を届けられるよう願っておいて。……私が戻るまでに、余計な欠員が出ないこともね」

                                     
                                 ――――膝をつかせ、首を下ろさせ、目を齧り、脳を奪う事が出来るハズだ。

462『夜明けは七曜へ紡ぐ』:2023/10/15(日) 13:41:01


『国際密輸組織』 花売(コッチプ) ⇒ 全盛期のエクリプスに銃火器等の供給、人員輸送等を行うも、
                       首魁『生誕のブーケ』の討伐により戦力の大半と統率、各種のコネを喪い、
                       その後の戦闘で構成員4名が死亡。2名は現地警察により逮捕。解散済み。
                       残党の存在は指摘されるも、顔や名前が不明なため積極的な捜索は終了している。


匿名『クラッカー』集団(名称無し)  ⇒ エクリプスの依頼を受け、通信網への干渉で町民の連帯を乱すなど暗躍するも、
                         過熱する残虐性への呵責からメンバー1名が情報を手土産にアリーナに『亡命』。  
                         代表であるスタンド使いは被害を受けた町民と当該団員の連携により『討伐』済み。
                         スタンド使いではない所属者については現地警察により逮捕。中心となる人物は獄中自殺。


『ブラックマーケット』 メルクリウス ⇒ エクリプスの活動に多額の出資、および盗品の販売ルート提供など、
                        後方支援を中心とした関与のほか、一部メンバーにより兵力の提供も実施するが、
                        出資先の敗戦および報復攻撃によってアジア闇市場での影響力を喪失した。
                        本国代表者は関与した外商員の独断行動と主張。距離的制約等もあり全面戦争は回避。


『傭兵組織』 プラーミャ・ミェーチ ⇒ エクリプスの一部派閥により、多額の資金で雇用され、アリーナと交戦。
                       雇用主の敗戦・消滅により辛うじて撤退するも、過程で主力の大半を喪失し、
                       また雇用された組織を勝利に導けなかったことで評判が低迷し、
                       その後、本国における粛清と内乱により消滅。団員の一部が行方不明と報告あり。


『指定暴力団』 関星会      ⇒ 守旧派への失望から一部急進派が離脱しエクリプスに合流。
                      『鞘と刃』と『無限の財源』を持ち込み勢力拡大に加担するも、
                      町の有志とアリーナによる合同作戦で参謀以下大半の団員を喪失。
                      『財源』は回収。守旧派関係者は、アリーナによる監視下に置かれる。
                      一部幹部は逃亡し、関西での目撃情報を最後に行方不明だったが、
                      うち『泡沫のソラ』が近年になって星見町で討伐が報告済み。


――――ほか、当然のことながら何らかの『組織』に属さない無所属のエクリプス関与者も多数存在したが、
組織力を支えていた『情報要員』や『治療能力者』は徹底的に撃滅、戦力となっていた個人単位での『殺し屋』や『テロリスト』も
その大半が町民の尽力とアリーナの組織力による『討伐』、『監視措置』、または表沙汰になった犯罪行為での『逮捕』済みである。

著名な所属者はその多くが顔が割れており、『星見町』は勿論日本国内での目撃情報は即ち『追撃』に繋がる。
それでもごく少数の『行方不明者』や『推定関係者』の存在とその発見や再犯に伴う撃滅は繰り返され、星夜を不安で陰らせる。


                                     そして。


                                  ―――――――今、また一つの迷える『遺児』が、その暗雲へと合流する。


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