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【ミ】『A to Z』part2
542
:
『縁結のM』
:2023/09/22(金) 18:58:10
>>539
(奈津川)
『新しい友達』が出来た事に加えて、
思いがけず『学生らしい体験』を味わえたのは幸いだ。
さておき恋子の意識は『恋文』に立ち返る。
涙音達が推理した話の辻褄は合う。
あの時、涙音だけがスタンドを出していなかった。
『四人の見学者』の内、『三人』までがスタンド使いだったのだから、
『残る一人もスタンド使いなのではないか』と思われても不思議はない。
それを炙り出す狙いもあったとも考えられる。
『花蓮が本体』――――それが正しいとすれば、どうするべきだろうか?
ズズズズズズズズズズズ
視線を移せば、美丹の肌に『龍の紋様』が浮かび上がっていく。
彼女が自らのスタンドを発現しているのだ。
二人の会話は佳境に入っており、その内容は恋子の耳にも届いている。
>>540
(涙音)
涙音の演技は無事に通った。
即興ながら、なかなかの女優ぶりと言えるだろう。
今なら『舞台』にも立てるかもしれない。
ワシャ ワシャ ワシャ
「ウニャンウニャン」
顎を撫でられて、文字通り『猫なで声』を漏らすロダン。
「珍しい猫ですね。
それは『スフィンクス』ですよ。
今まで見かけた事はありませんが、近所で飼われているのかもしれません」
「朱鷺宮さん、しばらく相手をしておいてもらえますか?」
猫と戯れる涙音を見た安心院が、そのように頼んでくる。
もちろん涙音にとっては『願ったり叶ったり』だ。
両腕でロダンを抱え上げ、三枝と共に元の位置へ戻る事が出来た。
>>541
(龍)
鞄の中を探る指先が筆箱に触れた。
花蓮の前で、それを取り出す。
無論、カッターナイフも入っている。
「さっきも言ったでしょう。
私が『全てを知っていたかどうか』は別だって。
つまり、私には『知らない事』があった」
「それを踏まえた上で『手紙を出す相手』について考えてみたら、
私が『何を知らなかったか』が分かるんじゃないかしら?」
ズズズズズズズズズズズ
『チーロン』の発現と同時に、その身に『龍の紋様』が現れる。
『同じ側』の人間なら見落とす事は有り得ず、ある程度の反応が想定されるだろう。
『見えない振り』をする場合を除いて。
「………………………………」
おもむろに目を細めた花蓮は、
『美丹の真意』を計りかねているかのように沈黙を保つ。
まもなく、二人の傍らに恋子が近付いてきた。
彼女も『手紙』を受け取ったようだ。
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