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【場】『 大通り ―星見街道― 』 その3

300ノエ『ゼロ・モーメント』:2023/08/15(火) 10:13:05
>>299(これ以上、何も無ければ〆に入らせて頂きます)

「『何とかした』事なんて、早々ない方が良いと思うがな」

「そりゃ、桶から抜けて河口まで色んな景色を見たいと思う気持ちだって
あるだろうが……どん底へ落ちて二度と抜けれなくなるかも知れない」

なら、桶の中の方が都だろうとミイラ男は嘯く。

 >見た目通り――――お墓から帰ってきた、とでもいうんじゃあないでしょうねぇ

「…………墓に入り損ねた、ただの名無しの権兵衛だよ」

 「いや……『ノエ』って名前はあるけどな」

その瞳には、哀愁が有った。君の好奇の視線に対して不快さは抱いてない。
しかし彼の中にあるだろう事情や過去は話さないだろうなと感じられる。
 幾らかの社交さを秘める中で、頑強に踏み込まれる事をよしとしない
部分に対して一線を引いている。

 「こんな乞食に、あんた見たいな娘が長話するもんじゃないだろ?」

ノエには、彼には。この町の人々を害する気持ちは一切持っていない。
 今こうなってる事は、すべて自分の責任で、その『罪』を償うには
並大抵のやり方で収められないと知ってるから。だがら、今は下の下で
汚水の中で漂いながら、機会を待つ……。

「日陰で生きるには、あんたちょっと早すぎるよ。
 特に、オレ見たいに真っ暗な場所で過ごすのに興味を抱くのは悪趣味さ」

だから、ノエは君に打ち明ける事は無い。


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