[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【ミ】『ワックワーク・フィールドワーク』第二話【場】
1
:
『ワックワーク・フィールドワーク』
:2022/06/23(木) 21:34:46
このスレは板の中でミッションを解決する
通称『フィールドワークミッション』を行うスレの2スレ目なのです。
詳細は
>>2
376
:
笛出里花『?』@審査員
:2024/07/22(月) 21:16:19
>>375
♪ジャン ジャッジャ ジャジャン
♪ジャン ジャッジャ ジャジャン
バスの中にハワイアンな音色が響き渡る。ウクレレである。
それを演奏しているのは、腰まである赤茶色の髪に
1輪の白いプルメリアを挿しているアメリカ人女性だ。
ジュニア・ウィザード
「アロハ〜♪『魔法使い候補生』の諸君。
今日の審査員の1人を務めさせてもらう『笛出里花(ふえで りか)』」だよ。
――この格好は、出張から直に来ただけだから、気にしないでね?」
立ち上がった彼女の日焼けの無い白い脚は
デニム生地のホットパンツから
革のベルトサンダルまでのラインを長く描き、
黄色い花をモチーフにしたボタニカル柄の
一目で特注とわかるアロハシャツが
仕立てたスーツのように豊かな胸を持ち上げ、
秘めた自信を現しているようだった。
……どちらかといえば、仕事帰りではなく、リゾート帰りではあった。
「普段はファッションデザイナーだから、『魔法』とは縁遠いんだけど、
コピー
デザインとか『呪文』とかはチョットワカるから、
演出をバチバチに決めて、脳みそのインスピレーションを刺激してほしいな!
楽しみにしてるから、よろしくね!」
ヒラヒラと手を振って、ウクレレを片手に席に戻った。
377
:
エミー『?』(審査員)
:2024/07/23(火) 19:51:37
>>375
長めの銀色の髪の5歳くらいの女性
どうやら日本人ではないようだ
「生徒のみなさん、おはようございます!
わたしは、今回審査を務めさせてもらうエミー先生です」
「せんせいの審査はやさしいので、みなさん緊張しないで大丈夫です」
エミー先生は場を和ませるような優しい声で言った
「後、生温い魔法を見せやがったらぶっ殺します」
「みなさん頑張ってくださいね♪」
378
:
榊雄佐武『?』@審査員
:2024/07/23(火) 20:16:47
>>375
『第一の舞台』へと向かうバスの後部座席のいわゆる『番長席』にドッシリと腰を下ろすのは、
右の米神から頰に掛けて彫られた『百足』の刺青が目を引く、
さながら抜き身の刃の様な『危険』な雰囲気を漂わす大男。
「『榊雄佐武(サカキオサム)』だ」
ゾッとする程に低い声
「他所様のお子さんを『審査』するなんて烏滸がましいし、
俺自身がそんな立場の人間じゃあねぇって事は百も承知だが、
これもまァ『仕事』だからな……。
君達の格好が良い『魔法』、楽しみにしているよ」
379
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2024/07/25(木) 09:38:08
>>376-378
(ALL)
『四人』の審査員の幾人かが、気さくに自己紹介しつつ、『バス』は進んでいく。
いずれも一癖も二癖もありそうな面々―――
『魔法学校』の『試験』というそこはかとなく胡散臭さ漂う催しの『審査員』としては、
ある意味では正しい在り方なのかもしれない。
他に居るのは『候補生』………といっても今までの『試験』で敗れた者たちで、
これから始まる『最終試験』の参加者、
『キリシマアキト』、『木崎ゆだね』、『雑賀王城』の三人は、
このバス内におらず、各々の会場で待っている。
ただ、『バス』には『ビデオカメラ』が取り付けられており、
この映像が彼ら三人のスマホに届けられているので、『審査員』の『メッセージ』はしっかり届いたはずだ。
「………なるほどねェ」
後方に『関係者』として乗っているのは『門倉良次』。
『朝山』が諸事情で『木崎ゆだね』の支援者から降りた後、
『木崎ゆだね』の新たな『支援者』となっている。
他の二人、『美作くるみ』と『コヤシキコヤネ』は、
『候補生』のサポートでおそらく直接、『現場』へ行っているのだろう。
『門倉』としては、もちろん、『木崎』をサポートする事もないのではないだろうが、
『支援』を請け負った代表として、他の『悪魔召喚』も
見届けておきたいという気持ちがあるのだろう。
『美作』に言われたから、というのもあるはずだ。
………何かが『なるほど』なのかの答えは、彼の心中にしかない。
さて、第一の会場まではもう少し。
『準備』する側の心境はいかほどか―――
※次レスは、『美作&キリシマ』と『コヤシキ&雑賀』のレスをお願いします。
※『審査員の映像』を見た反応や、下準備の伏線、あとは、
※舞台で『人払い』をしておくかどうか、などなどをお願いします。
380
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/07/27(土) 05:36:47
>>379
『キリシマ・アキト』が『魔法使い』を目指した動機は、
『魔法を使えたらカッコいい』と思ったからだ。
一見すると馬鹿馬鹿しいように思えるが、
『ライオンの鬣』が立派なのも『孔雀の飾り羽』が派手なのも、
生存する上で『見栄えの良さ』が重要な位置を占めているからに他ならない。
もし『三大欲求』に『四つ目の欲望』を加えるとしたら、
『カッコ良くありたい』という欲求こそが、その地位に相応しいとは言えないだろうか。
『悪魔』と呼ばれる存在は、古来より『人間の欲望』を最も好む。
そして、常に『カッコ良さ』を追い求めるキリシマは、
極めて純度の高い『第四の欲望』を秘めている。
……………… ……………… ……………… ……………… ………………
『美作くるみ』は『スタンド使い』だ。
だが、その肩書は、長らく『形だけのものだった』と言っても過言ではない。
いくら『才能』があったとしても、それを活かす『舞台』と出会えなければ『無価値』。
『アリーナ』の一員となり、自らの『能力』を深く見つめ直し、
試行錯誤の日々を過ごした末に、念願の『チャンス』が回ってきた。
この『最終試験』に懸ける美作の情熱は、
『魔法使い』を目指すキリシマにも比肩する。
……………… ……………… ……………… ……………… ………………
事前に宣言した通り、二人は『高架下』で準備を進めていた。
この場所を選んだ理由は幾つかある。
高架下というのは『ダンスの練習場』としてポピュラーなスポットだ。
また、薄暗い空間には背徳的な雰囲気が漂い、
『悪魔召喚』のムードを高めるにはうってつけ。
壁面に大きく描かれた『極彩色のウォールアート』は、
『暗闇の中で人知れず咲き誇る芸術』――すなわち、
これから呼び出す『悪魔そのもの』を象徴する『アイコン』。
さらに、近くには二本の『電柱』が立っている。
とりわけ重要なのは、電柱に取り付けられた『街頭放送用スピーカー』だった。
「フ……『契約の儀式』を行う準備は全て整った……。
あとはオレ自身の『魂の咆哮』を『奈落の底』に響かせるのみ……!」
地面には『アンティークリネン』が敷かれ、
その上に『タロットカード』がバラ撒かれている。
リネン生地の四方に配置された『ジランドール(枝付き燭台)』には、
年代物の『木蝋』がセットされ、仄かな明かりが薄闇を照らし出す。
その後方で、『とっておき』を収めた『トランク』が、異質な存在感を放っていた。
無論、『人払い』も実行済みだ。
そうでなければ『危なっかしい』。
「じゃ、私は行くわ。お互い『ベスト』を尽くしましょう」
門倉から『ホワイトデー』にもらった『超高級のど飴』を口の中に放り込み、
美作は『パートナー』を残して現場から離れていく。
『本番』の最中に『支援者の姿』を見られるのは都合が悪い。
『オーディエンス』の死角で待機する事にしよう。
――――――ドサァッ
美作の背後でキリシマが仰向けに倒れ、頭上に広がる『闇』に片手を翳す。
「『ファウスト(オレ)』が『全力で手を伸ばす』」
その言葉を受けて、美作の足が止まった。
背中越しに振り向き、力強く親指を立てる。
肩の上に発現するのは、『機械仕掛けの小鳥』。
「『メフィスト(私)』が『あなたを押し上げる』」
『今日までの付き合い』を締め括る『最後の挨拶』を終えた二人は、
『それぞれの場所』で『それぞれの戦い』に向かい合う。
どんな『審査員』が来ようと『やる事』は変わらない。
その場所が、二人にとっての『ステージ』である限り。
381
:
雑賀王城『候補生』&コヤシキコヤネ『S・ライト』
:2024/07/27(土) 12:20:01
>>379
元々この辺りには人通りが決して多くはない場所なので、
意図的な人払いをする必要性は薄かった。
最低限の整備はしたが、『セッティング』もそれほど多くは無い。
「わおわおわお……すごいねえ〜、王城ちゃんの学校!
とことん混沌こんちきちん! ネットで切り抜きがバズりそうだよお〜っ」
「言っとくが、ただ『派手なだけ』の連中じゃあない……はずだ。
海千山千の魔法使いの中でも『審査役』に選ばれているのはつまり、
つまり『こいつらの判断でなら魔法使いを増やしていい』と、
学校が判断している……『エリート』中の『エリート』達だ。
……まッ、『派手さ』ならこっちだって負けちゃあいないがな」
バ
サッ
『審査員』達のあいさつを見終えると、『マント』を翻し舞台の中央に移動する。
それほど大々的な大道具も無く、貸し衣装への着替えは近場で済ませている。
特に根回しなどが要らない『貸衣装』の範疇で『召喚方法』は十分に満たせた。
あくまでこれは『演劇』ではなく『悪魔召喚』の場、
『雑賀王城』の『式典』であると示すためには、むしろ、
『削るところ』こそを大いに意識する必要があったほどだ。
(――少なくとも『王』を望む者からの贈り物はここにある。
それに、『幸運の鳥』は最初っから王の手元にいたわけだ)
『エリー』から授かった『帽子』を抑え、脳裏に描く『悪魔』を想起する。
平素は騒がしい『コヤシキコヤネ』が、すん、と風の中に消える。
「さて、最後の最後まで――――『リハーサル』だ。
王の歩む道は、民も歩む道。石の一つ一つまで確かめておかないとな」
『王』になるための試練。
肩に留まった『機械づくりのカラス』に視線を向け――――改めて『リハーサル』を再開する。
382
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2024/08/02(金) 07:20:23
>>381
(雑賀&コヤシキ)
『雑賀』と『コヤシキ』の発表は『三番目』―――つまりラストだ。
『バス内』の様子を確認しつつ、『リハーサル』を行っていく。
まだ少し、出番までは時間があるだろう。
>>380
(美作&キリシマ)
『高架下』の準備を着々と進める二人。
二人の試験の順番は『一番目』―――もうほどなくして『バス』もつくだろう。
『召喚』の素材の『魔法使い』を集める『準備期間』から数えれば、
それなりの時間が流れた。その集大成を今、発表すべき時なのだろう。
………
………
………
「……―――それではァ〜〜〜
いよいよ、『到着』ですゥ〜〜〜」
バスガイド風の『野村』がそう告げると、バスは止まる。
辿り着いたのは、『高架下』。
そこでは『キリシマ・アキト』が準備をしているはずだ。
グゴゴゴ ゴ ゴ ゴ
ゴ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ
―――と、次の瞬間。
『大型バス』の各所がぱっくりと開き始め、『バス』は形を変えていく。
その様はまるで、戦隊ものの子供向けのおもちゃの車両が、
巨大ロボに変化していくかのようだ。
『バス』は大きく開き、『席』の位置が拡大し移動していく。
そして最終的に、『劇場』の『観覧席』のように『席』は展開し、
『高架下』の『舞台』が見やすい陣形となった。
おそらくは『魔法学校』の関係者のスタンド……いや、『魔法』なのだろう。
さて、そして、
ついに第一の発表、
『キリシマ』の出番が、迫る。
※『審査員&候補生』のバス組は反応お願いします。
※『48時間』を過ぎた場合、『審査員』全員の反応がなくても次に進みます。
※『美作&キリシマ』は上記を受け、発表前最後のレスをしてもしなくても構いません。
※次のGMから本格的に『試験披露』となりますのでその前の確認などあればお願いします。
383
:
車 ミマ@審査員
:2024/08/02(金) 16:28:57
>>382
「ん・・・ふぁあ・・・・・・あら、ゴメンナサイ。・・・到着?」
座席を倒し横になっていたが、今更のように起きた。アイマスクを外し、周囲を見やる。
そう、先ほど自己紹介もなかったのは、寝ていたのだ。
こんな大事なときに寝るなんて・・・と思わないで欲しい。
30代
忙しいのだ・・・・・・この年齢の『教員』は。
「あー、肩が痛いわ・・・・・・」
さて今更自己紹介というのも、不要だろう。
まずは第一の発表者――『キリシマ』の出番を待つ。
チュウニイズム
「『カッコよさ』が、その根幹ね・・・・・・『同じもの』を感じるわ。
・・・・・・いえ、先入観は良くないわね」
384
:
笛出里花『?』@審査員
:2024/08/02(金) 21:16:57
>>382
「ワオ!
会社の慰安旅行に貸してくれないかな、このバス」
展開されたバスに感嘆しながら、
最初の候補生の準備の様子に視線を向ける。
「雰囲気作りはバッチリって感じかな?
これに負けないものを期待しちゃうよ〜?」
席に身を預けて脚を組み、
『キリシマ』のパフォーマンスを待つ。
385
:
エミー『?』@審査員
:2024/08/03(土) 18:05:24
>>382
「おー、これはすごいですねぇー」
「ちょっと分解して中身見せてもらっていいかな?」
エミーの興味はキリシマよりも
ロボットの方に向いている
エミーをキリシマに振り向かせる事が出来るかは
彼の演出の腕にかかっている
386
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/04(日) 20:58:34
>>382
『準備期間』において、美作達は比較的すんなりと『材料』を揃える事が出来た。
それは、今までの『積み重ね』があったからに他ならない。
一つ一つの出会いや繋がりを大事にしてきたからこそ、
ここぞという場面で大きな力に繋げられる。
確かな目標を持って粘り強く活動を続けていれば、
すぐに芽を出さずとも、いつかは好機が訪れるものだ。
美作にとって、この舞台は『スタンド使いになってから今日まで』の集大成だった。
(――――――来たわね)
電柱の陰に身を隠しながら、バスの到着を確認した。
やがて、美作の視線は『2基のスピーカー』に移っていく。
それらは会場である『高架下』の『左右』に位置する。
『審査員』から見て、理想的な『リスニングポジション』を確保できる事は、
『下見』を終えた時点で把握済み。
すなわち、ちょうど『ステレオ』に当たる配置だ。
(………………来たか)
『メインキャスト』を務めるキリシマは、
仰向けに倒れた姿勢のまま、バスが近付く音を聞いた。
レザーキャップが胸の上に置いてある以外、先程と何ら変わらない。
そして、彼は『両目を閉じている』。
まるで眠っているかのように、少しも動く気配がなかった。
無論、全て予定通りの『演出』だ。
キリシマの正面には『儀式のセッティング』が為され、
背後には『トランク』が鎮座している。
『開始』の声が掛かるまでは、『このまま』でいい。
……………… ……………… ……………… ……………… ………………
今、キリシマと美作の心は一つに重なっていた。
互いに精神を研ぎ澄まし、幕が上がる瞬間を待ち構える。
ここから先、たとえ一瞬たりとも、この舞台からは目を離させない。
387
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2024/08/07(水) 07:24:13
>ALL
『審査員』や『関係者』は『バス』の変形に興味を示しつつ………
多くの者の興味は、次第に眼前の光景に目を奪われていく。
つまりは―――
「それではァ〜〜〜 それではァですねェ〜〜〜
いよいよ『最終試験』ン〜〜〜!
今までの難関試験を突破した三名のうちの一人ィ!
『キリシマ・アキト』クンの『悪魔召喚』が始まりますゥ〜〜〜!
みなさまみなさまァ、
特に『審査員』の方々はよォく よォく 御覧くださいませェ〜〜〜」
『最終試験』―――そのルールに、一同は改めて思いを馳せる(
>>225-232
)。
『審査員』は当然、理解しているこのルールに則って『悪魔召喚』は、今、成されていく。
「それではァ〜〜〜
『キリシマ・アキト』クン〜〜〜
お願いしますねェ〜〜〜」
そして、いよいよ、『開始』の宣言が高らかに響き渡る―――
※以下、『美作&キリシマ』PLは『悪魔召喚』を開始してください。
※『終了』まで質問などなければ『GMレス』は入れません。
※『終了』時はメール欄にて『終了』宣言をしてください。
※こまめにレスを分け、『審査員』『関係者』の反応や、やりとりを合間合間に都度、求めても構いません。
※活動のリンクを貼るなどの『演出』の為の小技も可能です。わりと『自由』にやって構いません。
※要は、終わるまでこの場の流れの運用は『美作&キリシマ』PLに任せる、という形となります。
388
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/08(木) 20:56:48
>>387
以前、『音仙』は告げた――――――。
「『今のキミ』がその『才能』を活かし、
何かを成し遂げたとすれば。
キミがさらに次の段階に進む時が来るでしょう」
――――――と。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
キリシマの『プロデューサー』として、美作くるみは思案した。
『パフォーマンス』の完成度を高める為には、
テーマやコンセプトについて伝える事が必須になる。
だが、『終わった後で説明する』のは『スマートではない』。
最も相応しい方法を検討した結果、ある『アイディア』が頭に浮かんだ。
それは、自らの『才能』も活用できる方法だった。
《 『 目 覚 め よ 』 》
『街頭放送スピーカー』から『厳かな声』が響き、薄闇に包まれた空間を満たす。
『音響機器』を通して『本体の音声』を出力する。
それが『プラン9・チャンネル7』の能力だ。
「…………何が起きた?」
「オレは…………どうなった?」
「『オマエ』は誰なんだ…………?」
おもむろに両目を開いたキリシマが、頭上を覆う『闇』に問い掛ける。
《我の威光に触れた事によって、記憶の一部が欠落したか。
その程度で済んだのは、汝にとっては幸運であった。
ならば、恐れを知らぬ汝の所業を思い起こさせてやろう》
《我こそは、忌まわしき『女神』によって、地獄の底に幽閉された誇り高き『悪魔』》
スピーカーから流れる『悪魔の声』は、威厳を湛えながらも、どこか艶めかしい。
『気高い女悪魔』を演じる事が、美作が自分自身に課した『役割』だった。
『解説』を『演出』にしてしまえば、『終わった後の説明』は必要なくなる。
「――――そうか!『オレ』は…………!」
チャリッ
キリシマの首には『ペンダント』が下がっていた。
そのチェーンを掴み、『ペンダントトップ』を持ち上げる。
『アクリル製の鈴蘭』の内部に『鈴蘭の押し花』が封入されたデザインだ。
《汝が思い出したように、『汝は我と接触を図った』。
『魔力』を持たぬ人間風情に、
そのような芸当が実現できた事は不可解であったが――》
《……汝の『首飾り』から『魔力』を感じる。
その力によって、『現世』と『地獄』を隔てる『境界』に歪みが生じたのであろう》
鈴蘭は『幸運のシンボル』であると同時に、人を死に至らしめる『猛毒』を持つ。
そうした『毒草』は、古来から『魔術』と相性がいい。
これを贈ってくれたのは『りん』で、鈴蘭は『彼女の一部』。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1614349479/330)
おそらく、強い『魔力』が込められているはずだ。
また、『ディヴァイン・インダルジェンス』の『慈悲の刃』で加工されており、
その点も付加価値を高める一因に成り得るだろう。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1658664736/309-340)
389
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/08(木) 21:05:33
>>388
《――――我が問いに答えよ。汝は『何を望むのか』》
一瞬、無音の静寂が周囲を支配した。
「フ……オレの使命は『カッコ良く生きる事』だ……。
『ライオンの鬣』や『孔雀の飾り羽』のように、
オレが『カッコ良さ』を求めるのは、いわば『本能』……。
たとえ『神』であろうとも、決して止める事など出来ない……!」
一片の躊躇いもなく、キリシマは力強い口調で言い切る。
《 『 下 ら ぬ 願 い 』 だ 》
地の底から響くような『女悪魔』の声が闇に木霊する。
《そう返したであろう。我が『神』であったならば》
《この身が人であった頃、我は『神を凌ぐ』と謳われた稀代の『織手』であった。
我は『女神』に『織物』の勝負を挑み、
奴すらも認めざるを得ない程の『傑作』を織り上げた。
だが、その『才覚』を疎んだ『女神』は、我に『傲慢』の烙印を押し、
『罪人』として『地獄』に追放したのだ》
《『誇り高くあろう』とする汝の『欲望』…………『気に入った』ぞ》
ガバァッ!!
仰向けに倒れていたキリシマが、不意に勢いよく上体を起こす。
《たった今、我が『魔力』を以って、汝に『紋章』を刻んでやった。
錫を主成分とする『ピューター』は、『金』・『銀』・『銅』に続く『第四位の称号』。
『三大欲求』に次ぐ『第四の欲望』を抱く汝には相応しかろう》
『悪魔』が告げた通り、キリシマの胸と背中には、精緻な『刺繍』が施されている。
仰向けになる事で『背中の刺繍』が隠れ、レザーキャップを置いて『胸の刺繍』を隠す。
そうする事によって、あくまでも『自然に見せよう』という演出だった。
グ ル ッ
立ち上がったキリシマは、拾い上げたキャップを深く被り直すと、
その場で華麗なターンを決め、『衣装』をアピールする。
『金属糸』によって編まれた『刺繍』が、蝋燭の灯りを反射して銀色の輝きを放つ。
『見栄えの良さ』と『動きやすさ』を両立している秘密は、
柔軟性に優れた『コイル構造』にある。
すなわち、『シルク糸』に『ピューター糸』を巻き付け、
異なる素材を組み合わせた『合糸』を作り出していた。
通常の技術では再現不可能な『魔法』の産物だ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1658664736/287)
「フ……フフフ……フフフフフ……!」
「『気に入った』…………!!」
この『刺繍』は『空織清次』と『エラッタ・スティグマ』が手掛けた『芸術作品』。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1658664736/238-301)
まず背中に描かれるのは、『女性と蜘蛛が融合した悪魔』が『枷』を打ち破り、
『糸』を編んで『魔法陣』を織り上げる姿だ。
モチーフが『アラクネ』である事は言うまでもない。
『神を超える才能』の持ち主であったせいで『女神』の怒りに触れ、
『傲慢』の罪を背負わされて命を落とし、最後は『蜘蛛』に変じたとされている。
さらに、胸元には『獅子』が刻まれているのだが、
その『鬣』は『蜘蛛の糸』で構成されていた。
『鬣を持たない獅子』に、『蜘蛛に変じた悪魔』が『仮初の鬣』を与えるという物語。
それは『美作とキリシマの関係』にも近いと言えるだろう。
390
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/08(木) 21:11:45
>>389
《この半身は『蜘蛛』に変じ、『枷』によって身動きを封じられたが、
長い年月を掛け、ついに我は『封印』を打ち破った》
《我の『望み』は一つ。
『女神』に『報い』を与えねばならぬ。
『地獄』に引きずり落とし、我が受けた『屈辱』と『苦痛』を与えてやらねばならぬ。
そして、我が『女神』を上回るという『証』を見せつけてやらねばならぬのだ》
《しかし、忌々しい『枷』を破る為に、我は『魔力』の大部分を失ってしまった。
今のままでは『女神』に対する報復はおろか、『現世』に顕現する事さえままならない》
キリシマは鷹揚に両腕を広げ、不敵な笑みを浮かべながら、
深淵を覗き込むかのように『闇』を見上げた。
《この『現世』において、人間達から『信仰』を集め、収穫した『信仰心』を我に捧げよ。
それらは我の『力』となり、再び『女神』に挑む足掛かりとなる。
今、汝に刻んだ『紋章』が、汝自身の『潜在能力』を引き出す》
《我の『伝道者』に選ばれた栄誉に心服し、終生の忠誠を誓うが良い。
さすれば、汝の望み――――この『グリジルダ』が叶えてやろう》
それが『女悪魔』の名であり、これから『召喚』する存在の銘でもある。
「フフ……この『キリシマ・アキト』――己に課した『使命』の為ならば……!
『悪魔』に『魂』を売る事も一片の迷いなしッ!」
「今日、オレは『悪魔と出会う前の名前』を捨て、新たに生まれ変わる……。
そう……『これからのオレ』は『KIRISHIMA(キリシマ)』だ!!」
「『オレの魂』…………『欲しい』と言うなら喜んでくれてやるさッ!!」
ビシィッ!
キリシマは堂々とした態度で、『闇』に向かって人差し指を突きつける。
『KIRISHIMA』というのは、要するに『芸名』みたいなものだ。
これは美作の案ではなく、キリシマの提案だった。
美作も『MIMI』名義でアイドル活動していたので分からなくもない。
少なくとも、ここで『身バレ』を気にする必要はないが、
身も心も『別の自分』になる言葉で、モチベーションを高める効果はあるだろう。
《『契約』は成立した。これより、汝に『真の力』を授ける『儀式』を執り行う》
ガ タ ッ
『KIRISHIMA』が『トランク』に腰を下ろすと、中で何かがぶつかって音を立てた。
《汝が腰掛けている『箱』に、我の『魔針』を送り込んだ。
丁重に拝領し、己の『全身全霊』を示してみせよ》
391
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/08(木) 21:20:21
>>390
『グリジルダ』の言葉を受けて、『KIRISHIMA』はトランクを開き、『それ』を掴む。
鞘に収められた『刃渡り1m』の『サーベル』が、『KIRISHIMA』の片手に握られていた。
『刀剣』を『針』と表現したのは、『織手』のイメージと重ね合わせる為だ。
そして、これが『魔法の杖』の役割を果たす。
この『サーベル』は、正真正銘『本物』。
『ただの本物』ではなく、『スタンド能力によって生み出された世界』から、
美作自身が持ち帰ってきた。
つまり、『異世界の魔剣』と呼んでも差し支えない代物なのだ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1653187672/444)
これこそが美作の『とっておき』。
まず使う機会は訪れないと思っていたし、現代の『銃刀法』に抵触するので、
仕方なく自宅マンションで保管していた。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1664796340/196)
複数の人々の前で披露するのは『最初で最後』になるだろう。
《――――その『小さな箱』は何のつもりか》
『KIRISHIMA』は『サーベル』と一緒に、『もう一つの物』を取り出していた。
『家電量販店』で『城戸奏多』の助けを借りて購入した『Bluetoothスピーカー』だ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1659501857/456-464)
音楽に合わせて変化する『LEDイルミネーション』を搭載し、
『360°全方位』に音が届くタイプ。
「フ……どうやら『悪魔』も『全能』ではないようだな……。
『精神』が高揚すれば『欲望』が全開になり、オレの『全身全霊』を叩き込める……。
雰囲気を盛り上げる為には、ノリのいい『音楽』が必要だろう?」
《 口 を 慎 め 》
コトッ
『グリジルダ』の声を受け流した『KIRISHIMA』は、
『アンティークリネン』の中央に『Bluetoothスピーカー』を置いた。
なんとも『ミスマッチ』な光景だ。
しかし、『それでいい』。
《だが……汝が『最大限の力』を発揮できるというのであれば、それも良かろう》
〜〜〜〜〜〜♪
スピーカーは『スマホ』とペアリングしてある。
軽快な『ロックチューン』が流れ出すと共に、『LED』のグラデーションが光り輝く。
足踏みと首振りでリズムを取りながら、『サーベルの柄』に手を掛けた。
ズ バ ァ ン ッ ! !
鞘から抜き放たれた刀身が、『木蝋』の一本を切り飛ばし、
これが『イミテーション』ではない事を物語る。
サーベルを掲げた『KIRISHIMA』は、驚いたように目を丸くした。
もちろん『演技』だ。
「――――いや…………『作り物』かと思って…………」
《無礼者め。我は『紛い物』など与えぬわ》
『オールブラック』の『モードストリート』は、
『現代の魔法使い』を意識したコーディネート。
そして、一段階上のファッションには『ハズシ』が欠かせない。
敢えてテイストの違うアイテムを投入する事で、世界観に奥行きを出すテクニックだ。
つまり、『サーベル』は『ハズシ』。
また、『アンティーク』の中に置かれた『Bluetoothスピーカー』も、
それと同じ効果を狙っている。
「フ…………そろそろ始めようか…………」
パフォーマンス
「『オレ達』の『悪魔召喚』を」
『剣』と『鞘』を携えた『KIRISHIMA』が、『グリジルダ』に呼び掛ける。
ここまでは『衣装』や『小道具』を紹介する為の『プロローグ』。
そして、『これから』が本格的な『ショータイム』だ。
392
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/11(日) 20:57:12
>>388-391
『プロデュースとコーディネートは九割出来上がっている』――――
初めてパートナーと出会った時、美作くるみが口にした言葉だ。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1655987686/306)
その台詞は決してハッタリではなく、事実この時点で『プラン』は『ほぼ完成していた』。
顔合わせが済むと、すぐに『衣装』の調達に向かった。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1614349479/625)
また、それと同時に、キリシマに『ストリートダンス』の特訓をさせてきた。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1655987686/322)
それらは全て、美作自身が所有していた『剣』と、
『パルクール』で鍛えられたキリシマの運動神経を、
同時に活かす事が出来る『パフォーマンス』の為だ。
「アンタと接触する前に、オレも『悪魔の召喚方法』について色々と調査してきた……」
「そして、ついに『オレ流のスタイル』を見つけ出したのさ」
タ ン ッ
Bluetoothスピーカーから流れる音楽に合わせ、KIRISHIMAが軽やかにステップを踏み始める。
「『呪術的な踊り』は、既に『旧石器時代』から行われていたらしい。
後世の者達が言う『原始舞踊』――『超自然との交感』を目的とした『ダンス』の事だ。
ゆえに『踊り』と『魔法』は切っても切れない関係にある……」
ドシュッ!
剣先で突きを繰り出し――――――。
ブォンッ!
刀身で薙ぎ払い――――――。
グワァッ!
――――――力強く剣を振り上げる。
「フフ……さらに……!
『刀剣』には『霊的な力』が宿るとされ、
それが『舞踏』と結び付いた結果、『あるダンス』が誕生した。
そう!『剣』と共に舞う『剣舞』だ……!」
ピ タ ァ
全力でサーベルを振り下ろす途中で、その動きが停止する。
このように、激しい動きから突如として『静止』するアクションを、
『錠』を掛けられた状態に当てはめて『ロック』と呼ぶ。
『ストリートダンス』の一ジャンルである『ロックダンス』だ。
「俺が見せるのは『剣舞による悪魔召喚』……」
『これ』が――――『これこそ』が、美作くるみが実現させようとしていた『プラン』。
「――いわば『悪魔召喚剣舞』……!!」
ビ シ ィ ッ
不意に、鞘の先を観客席に向ける。
この動きは『ポイント』。
本来は『指差し』の動作なのだが、これも『ロックダンス』には欠かせない要素だ。
無論、いくらキリシマの身体能力が優れていたとしても、
『いきなり創作剣舞をやれ』というのは無理がある。
こうして形に出来たのは、今まで地道に練習を重ねた成果だった。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1665841153/654-655)
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1665841153/678)
「だが、オレは『現代』に生きる人間――」
「『現代に生きるオレ』が見せるのは『現代の悪魔召喚剣舞』だ……」
KIRISHIMAが『アンティークリネン』を見下ろし、『詠唱』を開始する為に呼吸を整える。
《――――我が『伝道者』よ。汝に力を与えたとはいえ、その『魔力』は未熟なもの…………》
《だが…………この身も充足している状態ではない。
しかし、『我と汝の力』を呼応させる事で互いに共鳴し、
『魔力の総量』は高められるであろう…………》
《『誇り高き者』には、我も『助力』を惜しまぬ》
頭上から響き渡る『天の声』もとい『悪魔の声』が応じる。
これも、ひとえに練習の成果と言える。
美作は『喋り』には自信を持っているが、訓練を疎かにはしていない。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1614349479/677-679)
『離れた場所に声を届ける』――それは『プラン9・チャンネル7』だからこそ可能な能力だ。
この場において、『自らの才能』を最大限に活用し、
パートナーをサポートする用意は出来ている。
393
:
笛出里花『?』@審査員
:2024/08/13(火) 22:54:50
>>392
「♪ヒューッ
COOLだねえ、上手いこと自分のものにしてる」
向けられた『鞘』に小さく口笛を鳴らし、
感嘆を漏らした。
「けど」
やや前のめりになって、左手で右腕を支えるように
頬杖をついて目を細め、
『キリシマ』のパフォーマンスにより熱い視線を送った。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「まだ、それっぽいだけだね」
あくまで『前菜』までの感想ではあったが、
『メインディッシュ』への期待を、良い意味で裏切ってほしいと
このファッションデザイナーは望んでいた。
394
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/14(水) 00:26:37
>>392
《レリオ・ジ・アエラ》
《グレア・ル・ダイン》
頭上の『ステレオスピーカー』を通し、グリジルダが『呪文』を唱える。
「『弁舌饒舌尽きない言霊 狂気の悪魔が飽くまで踊る』」
(多弁振る舞った狂気の悪魔が踊る きっと飽きるまで踊るだろう
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1658664736/220)
極彩色のウォールアートを背にして立ち、
KIRISHIMAは『剣舞』と共に『詠唱』を開始した。
歌声のように響く『詠唱』と『呪文』。
『2つの声』が織り成す『二重唱』が、高架下の薄闇に浸透する。
《メレイン・ツァイ・ジーア》
「『愛と憎しみのメッセージ 賛辞と呪詛をパッケージ』」
《カトスマ・フォル・エーブ》
「『お前のココロを撃ち抜く それが俺のライフワーク』」
(愛の言葉であれ憎しみの呪詛であれ、あなたの心臓を撃ち抜くのが僕の仕事です
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1658664736/231)
これは『本能的な欲望』を悪魔に捧げる儀式。
すなわち、自らの考える『カッコ良さ』を、自分自身で表現する舞台だ。
別の言い方をするなら、一種の『身体芸術』に近い。
《イーグ・ルー・シーレ》
「『牙を剥く獣を追い払え 糧となる贄を呼び寄せろ 強運豪運風雲児参上』」
(不幸なんて吹き飛ばす!幸運を呼び寄せる!スーパーラックパフォーマー!参上!!
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1614349479/640)
『詠唱』を続けながら、『ロック』と『ポイント』を織り交ぜつつ、
『自由を縛る見えない鎖』を断ち切るように、手にしたサーベルを繰り出す。
この世には『サタニズム』という言葉がある。
そこには常にマイナスイメージが付き纏うが、本来の理念は『人間性の肯定』だ。
意志とは無関係に背負わされた『原罪』に囚われる事なく、
思うままに『自己表現』を行う事こそが『悪魔主義』の本質。
美作とキリシマが構築した『悪魔』のイメージも、その考え方に則っている。
《パメレイン・ラブレフ・レプリオ・ダグレア・プルシアス》
「『奪う事を願えば 何処にいようとも 逃げる事は叶わず』」
(奪いたい どこにいるの 逃げられない
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1658664736/189)
『現代の悪魔召喚剣舞』に合わせたのは『ラップ調のリリック』。
美作もアドバイスしたが、大部分はキリシマ自身が作り上げた。
『魔剣』が振るわれる度に、長い時を経た『アンティークリネン』の上に、
オリジナルデザインの『魔法陣』が描かれていく。
《ルーダ・スー・イーア》
「『悪魔の織手が糸を編む 意図を巡らせ織り上げる』」
《マカトフ・ラッサ・グーン》
「『しょせん仮初 されどカリスマ 現世のしがらみ 断ち切るたてがみ』」
《ルシアス・ティタ・カーラ》
「『俺が求める理想はクール シンプルなルール 今お前が俺を押し上げる』」
(アラクネが『糸で編む』ことで『創り上げる』
『糸のたてがみ』という仮初の美で『支える』
そうして、君の求める『理想の姿』への成長を『後押しする』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1658664736/272)
そして――――――『魔法陣』の完成と同時に、
人間と悪魔の『デュエット』は終焉を迎える。
《グレア・ル・ダイン》
《レリオ・ジ・アエラ》
395
:
榊雄佐武『?』@審査員
:2024/08/15(木) 21:19:06
>>394
「『あー』」
『トランク』や『スピーカー』などのステージ上に配置された数多の『小道具』、
特別に拵えたであろう『キリシマ少年』の『衣装』を眺め、
スピーカーから流れる『支援者』の声に耳を傾け、
意味深な声を漏らす。
396
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/15(木) 23:58:39
>>394
――――――――グルッ
「フッ」
ブ ォ ン ッ !
身体を回転させながら勢いよくサーベルを振り抜き、
『魔法陣』を完成させたKIRISHIMAが『剣舞』を終える。
《汝の『全身全霊』――――しかと受け取った》
『フェナキストスコープ』というものがある。
絵や図形が描かれた円盤を回転させる事で、あたかも動いているように見える装置だ。
KIRISHIMAが構築した『魔法陣』は、それに当てはめてみると分かりやすいだろう。
大きな『糸車』から紡ぎ出された『2本の糸』が絡み合い、
『二重螺旋状の軌道』で『糸車の外周』を取り巻いている。
『糸車の内側』には『2種類の兵士』が描かれていた。
片方は『四つ葉のクローバー』を持ち、もう片方は『ヒイラギの葉』を手にしている。
『クローバーの兵士』と『ヒイラギの兵士』は交互に配置され、
双方の隙間を埋めているのは『黒猫を引き連れた死神』。
『クローバーの兵士』の後ろに忍び寄る『死神』が、
『クローバーの兵士のポケット』から『四つ葉のクローバー』を抜き取り、
それを『黒猫』に差し出す。
尻尾を使って受け取った『黒猫』は、『クローバー』を『ヒイラギ』に変え、
何食わぬ顔で『ヒイラギの兵士のポケット』に入れる。
『ヒイラギの兵士』の後ろに立つ『死神』は、
『ヒイラギの兵士のポケット』から『ヒイラギ』を奪い、『黒猫』に渡す。
『ヒイラギ』を受け取った『黒猫』は、それを『クローバー』に変えて、
『クローバーの兵士のポケット』に入れる。
その『ループ』が『無限』に続いているのだ。
『糸車の中心』には『的の意匠』が施され、
そこを基点にして放射状に広がる『スポーク』に『矢の意匠』が刻まれている。
「現世に生きるオレ達は、皆それぞれの場で戦っている。
そう、オレ達は誰もが『運命の兵士』だ」
『兵士』に向けられていたサーベルの切っ先が、
『クローバー』と『ヒイラギ』を順番に指し示す。
「『四つ葉のクローバー』は『幸運』を引き寄せ、
『ヒイラギの葉』は『不運』を退ける『護符』。
すなわち、これらは『運』の象徴……」
次に刃が示したのは『黒猫を連れた死神』だ。
「往々にして『運』は巡るものだ。
ある時には『運』を失い、またある時には『運』に恵まれる……。
『運を奪う死神』は『不運』を象徴し、
『運を授ける黒猫』は『幸運』を象徴している」
「『誰かの幸福』は『誰かの不幸』によって支えられている。
逆に言えば『誰かの不幸』は『誰かの幸福』だ」
言葉と同時に、サーベルが『糸車』を指した。
「この『糸車』は『循環する運命』を表している……。
『幸福の糸』と『不幸の糸』を紡ぎ、
それらは『禍福の糸』となって絡み合い、
『運命のデオキシリボ核酸』を織り成す」
やがて、剣先は『糸車の中心』に移っていく。
「『的に向かう矢』は『選択』を暗示する。
回り続ける『運命の糸車』の中で『都合のいい的』に狙いを定める『白羽の矢』……」
「『白羽の矢が立つ』――その言葉の本来の意味は『犠牲者を選ぶ』」
このタイミングで、『プラン9』の出力先を『Bluetoothスピーカー』に切り替える。
《『タロットカード』は『現世を構成する諸要素』を表し、『火』は『再誕』を司る。
この『古の織布』に『現世の理』を織り込み、
我が新たなる『作品』として生まれ変わらせてくれよう》
《 さ ぁ 》
《 見 る が い い 》
『糸車』から紡いだ糸で『織布』を仕立て上げるように、
『魔法陣』を介して『悪魔』が姿を現そうとしていた――――――。
397
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/18(日) 01:34:39
>>396
『魔法陣』の影響を受けた『アンティークリネン』が、
『タロットカード』を取り込み、燭台に灯る『火』に照らされながら、
徐々に『新たな姿』に作り変えられていく。
《我が名は『グリジルダ』。稀代の『織手』にして、誇り高き『悪魔』である》
キラッ
キラッ
キラッ
妖しく艶めかしい光沢を放つ独特の質感は、
見る角度によって『プリズム』のように色合いを変え、
その変化は『カメレオン』を思わせる。
《現世に蔓延る人間達よ。
我を崇め、讃え、跪く事こそ至上の美徳と心得るが良い。
汝らの『信仰心』と引き換えに、大いなる祝福を授けてくれよう》
シ ュ バ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ
全面に渡って、『悪魔的』とも呼べる精緻な『刺繍』が施され、
特に目立つのは『蜘蛛と女性が融合した悪魔の刺繍』だ。
《『収穫』を完遂した時こそ、我が『報復』を為さん》
どこをとっても、到底この世のものとは思えない程の『凄絶な美しさ』であり、
もし視界に入れば、誰もが一度は目を奪われてしまう事だろう。
《この『織物』の銘は『グリジルダ』――――
心して拝領し、神の創造物を上回る『尊き美』を知らしめよ》
シュルッ
シュルルルルルルルルル
次の瞬間、『悪魔の織布』が独りでに動き出し、KIRISHIMAの上半身に絡み付いた。
長方形の一枚布を纏った姿は、大判の『ストール』を身に着けているようだ。
そして、元が『実物の織布』だったせいか、それは確かな『実体』を持って存在している。
《…………『伝道者』よ、汝に『最後の啓示』を与える》
《我が汝に力を貸した事、既に『女神』は感付いた。
奴が寄越した『天使』が、この場に近付きつつある。
『意思疎通』を阻害されているゆえに、
現世に『声』を届かせる事が叶うのは『これまで』だ》
《だが――――その『グリジルダ』は、我の『分身』。
汝の『使命』が成就する有り様を、共に見届けてやろう》
それを告げ終わると、『悪魔の声』は沈黙した。
傍目からは分からないが、『プラン9・チャンネル7』が解除されたのだ。
しかし、まだ『美作の役割』は終わっていない。
「フッ…………」
――――――キィンッ
芝居がかった所作でサーベルを払い、元通り鞘に収める。
「『グリジルダ』……『天使』は『男』か?それとも『女』か?」
KIRISHIMAの『問い掛け』に応じて、『織物』に変化が現れた。
『悪魔の刺繍』が次第に形を変えていく。
先程まで『蜘蛛と女性の割合』は『半々』だったが、今は『女性の割合』が増している。
「――――どうやら『女』らしいな」
『悪魔の刺�墸』には『一定範囲内における二者の割合』を測る力がある。
例えば『男か女』、あるいは『大人か子供』、
もしくは『日本人か外国人』といったように、『大雑把な探知』が可能だ。
これは効率的に『信仰心の収穫』を行う為の能力。
すなわち『邪魔者』からは遠ざかり、『利用できそうな者』には接近する。
『探知結果』を参考にして動く事で『幸運』を引き寄せ、
さらに『不運』も跳ね除けられるという寸法だ。
コツ コツ コツ コツ コツ
『ハイヒールの靴音』が迫り、やがて『正体』が明らかになった。
「こんにちは、『キリシマ・アキト』さん?私は『出張サービス』の者です」
ニ コ リ
「『神』に代わって『不良品』を引き取りに参りました」
柔らかな声色で微笑むのは、『白いレディーススーツ』に身を包んだ『美作くるみ』。
ツーピースのノーカラージャケットとタイトスカートに、
オーバル型フレームの伊達眼鏡を合わせたスタイルが『今日の服装』だった。
ずっと姿を隠していた理由は『2つ』。
姿を見せずに『悪魔』を演じ、姿を見せて『天使』を演じる。
『悪魔と天使』の『一人二役』。
398
:
榊雄佐武『?』@審査員
:2024/08/18(日) 14:13:14
>>397
「『ご本人』が声だけじゃあなく姿も現すのか…。
だいぶ『演劇』めいてきたけれど、
大事なのは『悪魔』のクオリティだからねェ…」
「まぁッ」
「だいぶアレな言葉になってしまうが、
まァ『お手並み拝見』といきますかねェ…」
腕を組みステージ上のパフォーマンスに集中する。
399
:
笛出里花『?』@審査員
:2024/08/18(日) 20:13:19
>>397
『天使』を演じる『美作』が出てきた所で眉根を寄せる。
「『白』か……」
『天使』であるから『白』を選択したという意図は読み取れた。
ただ、『レディーススーツ』の『白』というのは
『祝い事』のフォーマルとして選択されるものだ。
セリフの言い回し的には『ビジネス』として
来ているとも読み取れるので、
『白』であることを減点要素にするかは、悩みどころだ。
(神が成すことなら、全て慶事という
考え方をして白を纏うという意図も全然有りである)
変化する刺繍が目を見張っただけに、
この重箱の隅をつつかせないものを見れるかどうか、
クライマックスに向けて、椅子に深く座り直し、
腕を組んでクライマックスを見守る――。
400
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/19(月) 23:58:40
>>397
「どんな事を吹き込まれたのか知りませんが、
あなたが聞いた話は、一から十まで全部デタラメです。
『悪魔の誘惑』なんかに耳を貸しちゃあダメですよ?
今なら『クーリングオフ』も効きますので、
すぐに『解約手続き』しますから安心して下さいねぇ」
…………シュルルル
不意に、『天使』の首に『シルク』を思わせる『鎖編みの糸』が浮かび上がった。
『グリジルダ』を『視認』した者は、等しく『枷』を与えられる。
誰でも一度は目を奪われてしまう『美しさ』は、その為の『罠』だ。
「フフ……せっかくの申し出だが断らせてもらう。
今、オレは『最高に気分がいい』。
たとえ『神の使い』であろうと、誰にもジャマされたくないのさ……」
「あら、そう来ますか。ま、構いませんよ。
『同意』して頂けないなら、無理矢理にでも『契約解除』を――――」
ヴ ン
『天使』が口を開くと同時に、肩の上に『機械仕掛けの小鳥』が出現した。
『ヴィジョン』を人目に曝さず『音声のみ』を送れる事が『プラン9』の優れた点だ。
だから、こうして『ヴィジョンだけ』を見せる事で、もう一度『演出』に利用できる。
ジャララララララララァ
グ ッ
「――――ケホッ」
『天使』の首に浮かぶ『鎖編みの糸』が、『ピューター』に似た『鎖』に変わると、
それが接触している部分に『重圧』が加わる。
結果として『首回り』が圧迫され、『能動的な情報伝達』を妨害した。
『言論統制』と言い換える事も出来るだろう。
『野次を飛ばす観客』は『不穏分子』であり、
そうした輩に好きな事を言わせていては『収穫』に支障を来す。
『グリジルダ』が求めているのは『従順な羊』なのだから。
「『グリジルダ』の前では、『伝達』は『痛み』を伴う……」
「フ……つまりは『こういう事』だ……」
シュルシュルシュルシュルシュル
シュルシュルシュルシュルシュル
『グリジルダ』が蛇のように這い、KIRISHIMAの『右手』に移動する。
「『黙ってオレ達のショーを堪能しろ』」
401
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/19(月) 23:59:19
>>400
ドシュゥッ!
KIRISHIMAが腕を振ると、『グリジルダ』が『電柱』に絡み付いた。
グイィッ!
そのままKIRISHIMAの身体を一気に引っ張り上げ、
『ワイヤーアクション』の如く宙吊りにする。
バッ!
『グリジルダ』の力で『スイング』を行い、遠心力を解放して勢いよく空中に飛び出す。
ドンッ!
地面を打った『グリジルダ』が衝撃を吸収し、『パルクール』さながらの着地を決める。
「オレ達の『パフォーマンス』は安くない。
『見物料』として、アンタからも『収穫』させてもらおうか。
大した量は期待できないだろうがな」
ジ ャ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ァ ッ
KIRISHIMAの言葉と同時に、『鎖の枷』が外れて地面に落下する。
いつの間にか、それは『鎖鎌』に変貌していた。
見ようによっては『蜘蛛の脚』にも見えるシルエットだ。
「よぉく狙いなさい」
――――――――ザンッ!!
獲物を追うように動く『鎖鎌』が、
悠然と佇む『天使』に襲い掛かり、その身を容赦なく斬り裂く。
「あはっ、大仰な割には温いですね?ほんの少し『疲れる』程度ですか」
しかし、『天使』は涼しい表情を崩さなかった。
明確な『ダメージ』は受けていないようだ。
正確に言えば、僅かな『疲労感』はある。
例えるなら、先程は『首回りのみ』に感じていた『重圧』が『全身』に転移し、
あたかも『身体が重くなった』ような感覚。
斬撃を完了した『鎖鎌』は、『糸が解ける』ように消滅していた。
「なるほど――『信仰心だけ』を刈り取れないから『生命力ごと』刈っている。
『悪魔』らしい野蛮なやり方です。
おそらく『織布を見ていた時間』が『収穫量』に影響するのでは?」
クイ
「いずれにせよ、『見られる事』によって『魔力』を発揮する。
要するに、見てもらえなければ無意味。
『悪魔』というのは、よほど『自己顕示欲』が強いみたいですねぇ」
ズレた眼鏡を直しつつ、『天使』が微笑する。
「『今度は私の本気を見せる』と言いたいですが、
あなた方の力も把握できた事ですし、今日のところは出直します。
でも、この次はキッチリと『お仕事』を果たしますからね」
「――――――また会いましょう、『スウィーティー(坊や)』」
コツ コツ コツ コツ コツ………………
やがて『天使』の足音が遠ざかり、美作くるみは『舞台』から退場していく。
402
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/22(木) 06:20:30
>>400-401
「フ……『伝道者』となったオレは、もはや以前のオレではない……」
「もう一度言おう……。今のオレは『KIRISHIMA』だ……」
「次からは、そう呼ぶがいい……!」
シュルシュルシュルシュルシュル
『天使』の背中に宣言するKIRISHIMAの首回りに『グリジルダ』が巻き付いた。
それは『獅子の鬣』を思わせる。
まもなく、『演技』を始める直前のように、自ら仰向けに倒れ込む。
……………… ……………… ……………… ……………… ………………
――――――だが、今度は『倒れない』。
地面に垂れた『グリジルダ』が『支え』となり、倒れかかった姿勢のまま、
KIRISHIMAの身体を『静止(ロック)』させている。
ズズズズズ…………
ふと、『刺繍』の一部に変化が現れる。
まるで生物のように変形し、一定の『形』が生み出されていく。
それは『ある文字列』だった。
【『伝道者』に告ぐ】
【『羊』を追い、『布教』し、『収穫』せよ】
【この『グリジルダ』の手足となって、我が『尊き美』を現世に知らしめるのだ】
『全身全霊』を込めて生み出された物には『魂』が宿る。
この『悪魔の織布』には、『女悪魔』と似た性質の『独自の意志』が存在していた。
そして、このように『刺繍』によって『意思疎通』が可能だ。
「フフ…………分かっているさ…………。
オマエがオレを『クール』にしてくれるのなら、
オレがオマエの『美しさ』を遍く広める事を誓おう」
シ ャ リ ィ ン ッ
勢いよく剣を抜き放ち、その切っ先を観客席に向ける『ポイント』で、
KIRISHIMAは自らの『パフォーマンス』を締めくくる。
プ ラ イ ド
「――――『それ』がオレの『たてがみ』だ」
403
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/22(木) 06:23:35
>>402
Ⅰ.概要
まだ人間だった時代に、稀代の『織手』として名を馳せたものの、
あまりにも優れた才能ゆえに『女神』から『傲慢』の烙印を押され、
地獄に幽閉されて半身が『蜘蛛』に変じた『女悪魔』が、
『女神に対する報復』の為に織り上げた『悪魔の織布』。
一人でも多くの者達の目に触れさせる事によって、
生みの親である『女悪魔の才覚』を現世に知らしめ、
『信仰心』を集めて力を蓄える目的で作り出された。
単独では『長距離の移動』や『舞台のお膳立て』が困難である為、
特定の人間を『伝道者』として契約を交わし、
『魔力』を与える代わりに『信仰心の収穫』を代行させる。
Ⅱ.外見
大きさは『大判のストール』に近く、明確な『実体』を有している。
生地は艶めかしい質感と妖しい光沢を持ち、
見る角度によって『カメレオン』のように色合いを変えていく。
さらに、全面に渡って精緻な『刺繍』が施されており、
人が作ったとは思えない完成度は『悪魔的』と呼ぶに相応しい。
特に『蜘蛛と女性が融合した悪魔の刺繍』が目立つ。
また、『悪魔の刺繍』の手足には、『鎖が引き千切られた枷』が取り付けられている。
これは『女神の枷を打ち破った悪魔の姿』を象った意匠であるらしい。
どこを見ても『凄絶な美しさ』を湛え、もし視界に入れば誰でも一度は目を奪われ、
さながら『アイドル(偶像)を崇拝する信奉者』の如く、
『無意識の信仰心』を抱いてしまう。
Ⅲ.基本情報
『伝道者』は『悪魔の織布』を自由自在に操る事が出来る。
基本的には『身に纏う形』になり、あまり『伝道者』から離れたがらない。
『悪魔の織布』の動きは『柔軟かつ強靭』で、
現世の生物に例えるならば『蛇』に似ているだろう。
そして、常に『魔力』を注がれている『伝道者』は、
『常人が出せる最高峰の身体能力』を発揮し、『超人的なスタミナ』が備わるので、
全力で走り続けても息切れしにくい。
この程度の強化に留まっているのは、『伝道者』の肉体に負荷が掛からないように、
『悪魔の織布』がセーブしている為らしい。
404
:
<削除>
:<削除>
<削除>
405
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/22(木) 18:12:28
>>403
Ⅳ.伝道者の使命
『悪魔の織布』と契約した『伝道者』は、『魔力』を授けられる代わりに、
現世における『信仰心の収穫』を代行する使命を与えられる。
Ⅴ.収穫の第一段階
『悪魔の刺繍』に対して『問い掛け』を行うと、
『一定範囲内における二者の割合』を『蜘蛛と女性の割合』で占える。
定義は『男と女』、『大人と子供』、『日本人と外国人』などといったもの。
どちらを『蜘蛛』、どちらを『女性』で表すかは、先に伝えておかなければならない。
『刺繍の啓示』に従って動く事で、『邪魔者に出くわす不運』を避けられ、
『利用できそうな者に接近する幸運』が転がり込む。
『割合の変化』は『リアルタイム』で『刺繍』に反映され、
『伝道者』が中断を告げるまで続く。
Ⅵ.収穫の第二段階
意思ある存在に『織布』を『視認』させると、
その者の首に巻き付くような形で『鎖編みの糸』が浮かび上がる。
これは『獲物をマーキングした事を示す印』であると同時に、
『収穫』に支障を来さない為の『安全装置』でもある。
非常にプライドの高い『悪魔の織布』は、とりわけ『従順な羊』を好んでいる。
Ⅶ.言論統制
不特定多数の者達に好きなように言わせていては、『収穫』に悪影響を及ぼす。
それを封じる為、『無許可の口出し』を行おうとした時――
すなわち『能動的な情報伝達』を試みた瞬間、『鎖編みの糸』は『鎖の枷』に変わる。
『鎖の枷』は相手の首回りを圧迫して『発言』を阻害し、強制的に黙らせてしまう。
『言葉』だけでなく、『筆談』や『ジェスチャー』など、
あらゆる伝達手段が『言論統制』の対象。
ただし、『質問』に答えたり『呼び掛け』に応じるといった行為は、
『大人しく命令に従っている』と見なされ、
『悪魔の織布』の機嫌を害さないので『素通し』される。
Ⅷ.収穫の第三段階
『マーキング』を施した者に『魔力』を送り込む事で、
『鎖編みの糸』は解けて落下し、『蜘蛛の脚』に似た形状の『鎖鎌』に変貌する。
『鎖鎌』は標的のみを認識し、斬撃を浴びせるまで追い続ける。
斬撃を受けた者は『生命力』ごと『無意識の信仰心』を刈り取られ、
結果として身体が重くなるような『疲労感』に襲われる。
『疲労感の度合い』は『織布を見ていた合計時間』に影響される。
見ていた時間が長いほど『刈られる生命力』が増え、『疲労感』も大きくなるが、
ごく短い時間であれば、ほとんど影響はない。
これは、見れば見るほど『無意識の信仰心』が膨らんでいき、
それに伴って『刈られる生命力』も増える為であると推測される。
なお、『鎖編みの糸』が『鎖の枷』に変わった後であっても、
『鎖鎌』に変える事に支障はない。
Ⅸ.その他特性
『全身全霊』を込めて織り上げられた為、『独自の意思』を有し、
『伝道者の五感』を通じて現世を認識しているようだ。
性格は『女悪魔』と同様に、良く言えば誇り高く、
悪く言えば高慢で、『自己顕示欲』が強い。
『刺繍』によって『意思疎通』を行える。
『グリジルダ』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:B 成長性:?
406
:
笛出里花『?』@審査員
:2024/08/26(月) 00:24:36
>>402-403
「……」
パチパチパチパチ
一連のパフォーマンスが終了した所で
拍手の口火を切る。
「さあて」
「あとは言葉で口説き落としてもらおうかな?」
『プレゼンテーション』の開始を待つ。
407
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2024/08/28(水) 07:12:16
>>392-405
『キリシマ・アキト』の『悪魔召喚』―――
生み出したその名は『グリジルダ』―――
初手とは思えぬ卓越した『パフォーマンス』に
少しの間の静寂が挟まれたのち………
パチパチパチ
パチパチパチ
パチパチパチ
パチパチパチ
パチパチパチ
パチパチパチ
>>406
が口火を切った拍手がバスの『観客席』全体から響き渡る。
………
「すばらしい『悪魔召喚』、ありがとうございましたァ〜〜〜」
荘厳な召喚に少しそぐわないような『野村』の声が響く。
「さてェ……… キリシマくんは、何か、『解説』とか
言っておきたいことはありますかァ〜〜〜?」
この『試験』は、ただ『悪魔召喚』という『作品』を提出するだけでなく、
自らの手で『解説』等が可能となっている。もちろん、
それが『蛇足』となるリスクもあるため、黙っておくのも手ではある。
408
:
エミー『?』@審査員
:2024/08/28(水) 18:56:03
>>407
パチパチとバス内に拍手喝采が響く中
周囲の空気に流されず
終始冷めた目でパフォーマンスを見ていた
最初はこれも審査員の仕事という事で、黙って見ていたが
最後は唖然としていた
感動のあまり言葉を失っているとかじゃない
「おい、何だ今の茶番は」
「ふざけてるのか?」
バス内の拍手の多さから、演劇は概ね好評のようだが
エミーには不評のようだ
一体何が気に入らないのかは不明だが
次の解説で挽回出来るだろうか?
まあ、たかが審査員一人の評価が低いくらいさしたる問題ではないだろう
409
:
榊雄佐武『?』@審査員
:2024/08/28(水) 20:57:06
>>407
パチパチ パチパチ…
「兎にも角にも、まずはありがとう。
キリシマ君はお疲れ様」
労いの拍手を贈る。
「随分と『大長編』だったし、流石に疲れたな…。
いくつか引っかかる部分があったので補足解説があると嬉しいな」
410
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/30(金) 06:41:00
>>407
パートナーとして行動を共にする中で、キリシマが美作から学び取った事は幾つかあった。
その1つが『決してチャンスを逃さない』。
『もっと上を目指せる』という心構えを、常に忘れない事だ。
美作が『人脈』や『小道具』を出し尽くしたように、使えるものは全て使う。
本来なら『プレゼン』で語るべき内容の大半は、既に語ってしまったが、
『プロローグ』があれば『エピローグ』がある。
――――――――グルンッ!
タ ッ
スゥゥゥゥゥゥ――――…………
『グリジルダ』を支点にして、跳ね上がるような『バク宙』を行い、『納刀』に繋げる。
「『信仰心の収穫』が、この身に課せられた役割だ」
ゴソ
「そして現代では、古の時代にはなかった『新たなやり方』がある」
空いた手でスマホを取り出し、『Bluetoothスピーカー』を止めてカメラを起動させた。
シュルルルル…………
【それは何か】
『刺繍』の一部が変化し、『グリジルダ』の声を代弁する。
「フ……『オレの魔法』さ……。
さしづめ『魔力を持たない者』が生み出した『疑似魔法』といったところか……」
ス ッ
「『力の一端』を駆使すれば、姿や景色を写し取り、他者と『共有』する事が叶う。
フフ……より効果的に『観客』を集められるという寸法だな……」
グ イ ッ
KIRISHIMAが撮影ボタンを押そうとした時、
腕に絡み付いた『グリジルダ』が強引に制止した。
【背景が気に食わぬ】
【『壁画』の前に立て】
シュルッ
『グリジルダ』が『織布の先端』で指し示すのは、
薄暗い壁面を彩る『ウォールアート』だった。
鮮やかな色を何種類も用いた『極彩色』で描かれている。
その力強いタッチは、『高架下』という『日陰の場所』に在っても、
己自身を卑下する事など微塵も感じさせない。
「『注文』が入る事は予測内だが、
気高き『悪魔の織布』が『他人の作品』をお気に召すとは、
ちょっぴり意外だったぞ」
【我が『美しさ』を引き立てる栄誉を授けてやる】
「フ――――『だろうな』………」
シュルシュルシュル
スマホはKIRISHIMAの手中から『グリジルダ』に移る。
当然ながら、それは『自撮り棒』よりもフレキシブルに動く。
『シャッター係』には適任だった。
411
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/30(金) 06:55:13
>>410
「この薄闇に咲き誇る『壁画』は、奈落の底で自らを誇示する『悪魔』に重なる……。
空間を隔てながらも互いに『共鳴』し、
『こちら側』と『あちら側』を繋ぎやすくする事で、
オレ達の『儀式』を成功に導いてくれた『陰の功労者』……」
バッ!!
「何事も『ギブアンドテイク』が世の理…………。
功労者に向けた『恩返し』も兼ねて、
今のオレから引き出せる『新たな地平』を解き放つ…………!」
カメラを『グリジルダ』に任せ、『ウォールアート』を背にして『ポーズ』を取る。
サーベルを『魔法の杖』に見立て、地面に対して垂直に立て、柄の上に両手を乗せた。
顎を軽く引くと、レザーキャップが顔の上半分を隠し、
『静』の趣を匂わせる謎めいた雰囲気を醸し出す。
カ シ ャ ッ
直後にシャッターが切られ、全力の『映え』を意識した『自撮り』が完成した。
ここで強調する点は『ウォールアートが何を暗示するか』。
その上で『パフォーマンス』に徹して『世界観』を維持しつつ、
これを以って『解説』に代えさせてもらおう。
「フッ…………『キャプション』は『偶像崇拝の伝道者』…………」
ドサッ
トランクの上に腰を下ろしながら、スマホの画面を眺める。
「変化する『生地』と――――」
「凄絶な『刺繍』」
「『標的』を引き寄せ――――」
「『妨害者』を遠ざける」
「不要な『伝達』は痛みに変わり――――」
「『鎖鎌』が収穫をもたらす」
基本的な『悪魔の形』を構成し、『信仰の偶像』を成したのは、
『カーマ・カメレオン』と『エラッタ・スティグマ』だ。
『的』を引き寄せる『フォートレス・アンダー・シージ』と、
『危険物』を退ける『トループス・アンダー・ファイア』は1つとなり、
『悪魔の刺繍』に姿を変えて『獲物』を探し出す。
『イカルス・ライン』は『羊』を黙らせ、『リプレイサブル・パーツ』が『刈り取る』。
アンダーグラウンド アイドル
「そう……『常闇の世界』にも『偶像』は存在する……」
『信仰心の収穫』を掲げたテーマには、『猫柳林檎』と『高宮一三』という、
2名の『アイドル候補』が強い影響を及ぼしていた。
林檎は『ホステス』であり、高宮は『地下アイドル』。
両者ともに、『闇を連想させる場』で自らの『信奉者』を集め、
それが『悪魔のイメージ』と合致した部分が大きい。
412
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/08/30(金) 06:57:33
>>411
「…………あぁ、それと『もう1つ』」
「『天使』は『思い違い』をしていた」
おもむろに立ち上がり、あかあかと蝋燭が灯る場所に歩き出す。
「確かに『グリジルダの本体』は、
『封印』を破る為に『魔力の大部分』を喪失している……。
だが、『信仰心のみ』を刈り取れないほど衰えてはいない……」
パシッ
『グリジルダ』がスマホを離すと、それがKIRISHIMAの手でキャッチされた。
「『命懸けの信仰』こそが『至高の信仰心』」
【『命懸けの信仰』こそが『至高の信仰心』】
『悪魔』と『伝道者』が、同時に『真理』を告げる。
だから『グリジルダ』は『生命力ごと刈り取る』のだ。
それこそが『究極の美味』。
バ サ ァ ッ ! !
『グリジルダ』が大気を薙ぎ払うと同時に、
その風圧によって蝋燭の火が一斉に消え、『高架下を包む闇』は急速に濃さを増す。
それに伴い、KIRISHIMAの姿が闇に溶けていく。
やがて、『静寂』が訪れた――――――。
413
:
笛出里花『?』@審査員
:2024/08/31(土) 20:00:01
>>410-412
「……なるほどね。
聞きたいことはあったけれど、
語らないというのも、やり方の1つではある。
尊重しよっか」
胸の間に伸ばしていた手を引っ込めて、
足を組み直し、席に身体を預けて、
両手を組んでリラックスする。
『聞きたいことはない』の意思表示だ。
414
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』&キリシマ・アキト『候補生』
:2024/09/01(日) 04:15:45
>>410-412
(――――――『終わった』わね)
舞台袖に引っ込んだ美作は、キリシマの演技を最後まで見届けた。
胸中の感慨を吐露するかのように、様々な感情の入り交じる長いため息をつく。
振り返ってみると、本当に忙しい日々だった。
この一世一代の晴れ舞台にパートナーを立たせる為に、
『プロデューサー』として奔走し、『助演女優』も務めたのだ。
かつて『アイドル』だった頃、眩しい程のスポットライトを浴びながら、
歌と踊りと笑顔を通して自分自身を表現していた日々が思い起こされる。
ステージに上がる高揚感は何物にも代え難いが、今日の主役は自分ではない。
しかし、美作の心は晴れやかだった。
(『自分の手でアイドルを作る』っていうのも、なかなか気持ちいいじゃない)
415
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2024/09/16(月) 23:54:20
「はァい どうもありがとうございましたァ〜〜〜」
『第一の悪魔召喚』が完全に終了し、『野村』は場を一度締める。
………
「続いての『第二の悪魔召喚』、『木崎ゆだね』君の舞台へと進みますねェ〜〜
ええと、聞いているのは………
『倉庫街』の巨大倉庫、らしいですゥ〜〜〜」
ガチャ
ガチャガチャガチャ
ガチャァ〜〜〜〜〜〜ア
『バス』が変形した『観覧席』が、再び、『バス』へと戻り、
次の舞台、『巨大倉庫』へと向かう―――
バスの隅の席に座る『門倉』の様子が少しソワソワし始めている。
『美作&キリシマ』ペアのパフォーマンスに圧倒されたのか、
あるいは次の『ゆだね』のパフォーマンスの補助に思いを巡らせているのか―――
………
しばらくのバスの走行の後、辿り着くのは『巨大倉庫』………
『車』も入れるその場所は『大型冷凍倉庫』だ―――
416
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2024/09/20(金) 06:50:46
冷気漂う『巨大倉庫』―――
寒々としたその内部………通常ならあまり長居は出来ないだろう。
『バス』はその中へとズンズンと入っていく。
そして、中央付近へまで進むと………
グゴゴゴゴ
ゴゴゴォ―――
前の時と同様、『バス』はその姿をみるみるうちに変え、
『観覧モード』へと変化していく。
それにあわせて『空調』もフルに働き始める。
季節にそぐわない空調による『暖気』の流入。
これでこの大いなる冷たさの中でも少しは快適に過ごせるだろう。
………
そして、『巨大倉庫』の奥の方に、小さな人影が見える。
彼は、『木崎ゆだね』。ペコリと頭を下げ、
「木崎ゆだねですっ よろしくおねがいします」
と精一杯の挨拶をする。
【木崎ゆだねのプロフィール】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1655987686/
『意外』………というべきか、
木崎の格好は『普段着』というべき、普通のパーカーとズボン。
そういうコンセプトなのか、衣装まで間に合わなかったのか。
ともあれ、いよいよ、『第二の悪魔召喚』が始まる、という事で良いのだろう。
パチン
フッ
――――と。
ここで、急に『巨大倉庫』の照明が消えた。
そして訪れる、『真っ暗闇』。
がさごそがさごそ
それとともに『バス観客席』から、誰かが下りる気配がする。
『門倉』の近くに居た者であれば、それが『彼』だろうと当たりがつくかもしれない………
やがて、訪れるそこそこの間。
『候補生』の一部は動揺しているようだが、たいていの面々は
これが『演出』か『準備』の一環だと察する事が出来るだろう。
417
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2024/09/20(金) 06:53:59
そして―――
がらがらがらァ
ピ カ ―――― ァ
突如、『巨大倉庫』の奥の壁が輝き始める!
……いや、そうではない―――
なぜかは不明だが、『巨大倉庫』の壁の奥に、
まるで『隠しスペース』のような空間があり、
その空間の光が漏れ出ているような形だ。
どうやら『巨大倉庫』とその『スペース』を遮る
『巨大シャッター』が開かれたようだ。
しかし、そんな『シャッター』などなかったように思えたが………
暗い空間の壁に四角い光の空間。
それはさながら『映画館』のような様相を呈している。
そして、その中央には………
「よぉし ハートに誓って!
はじめちゃうぞおっ!」
『木崎ゆだね』。
いつのまにか彼は、あの懐かしの『ハートくん』の衣装を着ていた。
(※『ハートくん』については、木崎ゆだねプロフ参照)。
『魔法』で作られたようなこの『奇妙な空間』に存在した
『特殊な衣装』を着込んだ、という事なのだろう。
(これで―――
ぼくは これでいいんですよね、『門倉』さんっ)
『観客バス』からの視界から『死角』に隠れている
『門倉』が『後方腕組み』をしながら、深く深く頷いた。
418
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2024/09/21(土) 23:58:19
【改めて木崎ゆだねのプロフィール】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1655987686/249n
<『ハートくん』とは!>
子供向け教育番組である『ドキ!ドキ!ハートくん』の主人公。
『ドキドキ王国』の王様である『コドウ13世』に『丁稚奉公』する主人公、『ハートくん』。
(余談だがこの『丁稚奉公』の設定に対し、ごく一部のSNS民が
『旧世代すぎる』『児童虐待』といった論調で批判し、炎上した過去がある)。
『ハートスティック』片手に短パンにポロシャツ、ランドセル風のバッグといった出で立ちで
同世代の子供たちと一部の大人のおねえさん方を中心に人気となった。
『ハートくん』の祖父は高名な『魔法使い』であり、
その血を継ぐ『ハートくん』も大魔法使い!と思いきやドジも多く、
それに伴う毎回のドタバタ劇がストーリー進行のメインとなっている。
ただ、その裏で王国と対立する悪魔との攻防や、
王国の暗部とも捉えられる描写が散見され、考察民の格好の餌食となっている。
………
どぅるるるるるる〜〜♪
次の瞬間―――
『巨大倉庫』に響き渡る『音楽』。
知っている人は知っている、『ドキ!ドキ!ハートくん』のOPソング、そのイントロだ。
「さぁてっ」
OPソングにあわせ、『木崎ゆだね』がダンスをするかのように
『ハートスティック』で『魔法陣』を描いていく。
その動きはOPソングで『ハートくん』が披露した『ドキドキダンス』をアレンジしたものか。
♪
♪
♪
そして―――
歌は『サビ』へと向かっていく。
419
:
笛出里花『?』@審査員
:2024/09/22(日) 02:10:21
>>416-418
「おっ、『ハートくん』じゃん」
ブランドのモニター会で仲良くなった大学生から
熱心に話されて、ちょっと見てみたが、
出てくる単語や設定に色々と「大丈夫か?」となった記憶がある。
アメリカは、児童の扱いについて、非常に敏感なのだ。
とはいえ、番組として結構興味をそそられたので、
ちょくちょく見ていた。『ハートくん』カワイイからね。
「オンデマンド放送に感謝。
さておきだ、オマージュをそのまま持ってくるだけだと、
ちょーっと冷めちゃうけど、何をやってくれるのかな?」
420
:
『凍結のお知らせ』
:2025/02/02(日) 14:41:58
当ミッションは参加者間での協議の結果、
一時的に『凍結』処置を行いました。
本日より3か月後まで反応が無い場合、
参加者間の協議の上『打ち切り』とさせていただきます。
●協議の内容
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1712843967/185-205
421
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2025/03/09(日) 12:44:59
♪
♪
ザッ z ..
ザザ―――――――――― ・・・
その『砂嵐音』が演出ではないと気付いたのは『木崎ゆだね』と『門倉』だけだろう。
だが、巨大倉庫に用意された音響には問題がない事がわかった頃には、
この『試験』の運営側、すなわち『魔法教室』の人間達も、原因を朧げに把握し始める。
『悪魔召喚』の、プログラム自体の不具合だ。
・・・そうなると。
一時中断された無音の『巨大倉庫』で、あるいは遠方、魔法教室で、
次に行われたのは『協議』だ。つまり、この試験を『どう扱うのか』?
『既に披露をしたキリシマ』
『半端に演技の序盤だけを見せてしまった木崎』
『まだ何もしていない王城』
彼らのラインはどのようにしても公正に並ぶことはない。
安全を考えれば、この先『悪魔』を出せない点を含めればなおさらだ。
生徒たちには気の毒ではあるが、十分な補償を条件として、
試験そのものを『延期』――――再試験時はより安定する形で行う。
制御できない『悪魔召喚』により発生し得る未知数のリスクは、
どのような夢や野望をもってしても、覆せるものではない。
『安全』の面から考えれば、それが正しい。
・・・しかし。
重要なのは『協力者』の存在。
別に魔法教室が頼んだわけではないが、『金銭が絡んだ』のは確か。
その金銭は生徒が私費から支払っており、
しかも準備にもかなり膨大な手間とコストがかかっている筈。
魔法教室はあくまで町のこじんまりとした教室。
気前の良さではなく予算の話として、補償は簡単ではない。
『延期』にも、『リスク』が生まれてしまっている。
その点において、結論までには議論が生じたが、
最終的に、『学び舎』が優先することは必然だった。
―――――――――――――今回の『試験』を一時中断し、延期。ルールを再整備の上で『再試験』を行う。
そのことが、その場にいた一同は勿論のこと、
『キリシマ』ペアと、『王城』ペアにも共有された。
422
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2025/03/09(日) 12:47:31
今回の仕事を引き受けた時、『ようやくチャンスが巡ってきた』と思った。
多くの手間と時間を費やし、『最高の仕上がり』を目指して全力を尽くした。
『パートナー』であるキリシマも、期待した以上のパフォーマンスを発揮してくれた。
『成功したか』というと、そうとは言えない。
『失敗だったか』といえば、そうでもない。
『舞台そのもの』にトラブルが生じてしまっては『どうにもならない』。
もちろん『相応の補填』はしてもらわなければならないが、
『クライアント』を恨む気持ちはなかった。
むしろ『感謝している』。
この仕事に出会えなければ、『才能を活かす機会』すら与えられないままだったから。
ただ、『悔しかった』。
せっかく掴んだチャンスだったのに、『運命の悪戯』によって、
手の中から零れ落ちてしまったことが。
以前に参加した『ゲーム』も、攻略途中で『強制終了』を迎えている。
我ながら『ツイてない』――――その一言に尽きるだろう。
「そう――――――」
しかし、美作くるみは『振り返らない』。
どんな逆境に置かれても、決して挫けず『前向き』に生きてきた。
だから、こう解釈することにしたのだ。
「そんなに私が怖いの?」
『運命』という名の『巨大な力』が『美作くるみを恐れている』。
『なんとしても美作を成長させまい』として、
『才能を活かせるチャンス』を、徹底的に摘み取ろうとしているのだと。
そう考えると、心の奥底から気力が湧き上がる。
『この程度の妨害に負けるものか』という確固たる意志が。
「私のことが気に入らないなら、好きにすればいい。
だけど、私を敵に回すからには『覚悟』しておきなさい。
そっちが『その気』なら、こっちにも『考え』があるわ」
「『あなた』が躍起になるほどに、私は『強くなっていく』」
静かに天を仰ぎ、『運命』に対して宣言する。
「いつまでも落ち込んじゃあいられないわ。
『明日』に向かって『前進』あるのみよ!」
ガクンッ
ガッツポーズを決めた直後、不意にバランスを崩し、身体が傾いてしまう。
「『次の一歩』を踏み出す前に…………まずは『靴』を変えなくっちゃあね」
今日のためにスーツと併せて用意した『ハイヒール』を見下ろし、肩を竦めながら軽く笑った。
普段はスニーカーを愛用している身なので、どうにも歩きにくい。
『それでもやってみせる』のが『プロフェッショナル』なのだ。
――――『美作くるみは立ち止まらない』。
423
:
キリシマ・アキト『候補生』
:2025/03/09(日) 12:48:48
『全身全霊を込めた演技』を披露したはずだ。
少なくとも『キリシマ・アキト』は、確かな『手応え』を感じていた。
あとは『結果次第』――――。
だが、『結果が出なくなった』のでは意味がない。
「フ……」
『笑う』
「フ……フフ……」
『笑うしかない』
「この結末は…………『メフィストフェレス』にも読めなかったに違いないな…………」
さしものキリシマも、落胆の色を隠せない。
しかし、それで終わらないのがキリシマ・アキトである。
この時、キリシマの脳内では『ある考え』が渦を巻き始めていた。
「いや…………待てよ…………」
「『悪魔召喚』の最中、それを危惧した『神』が介入し、卑劣な『妨害』を行った……」
「しかし、『悪魔』に『魂』を売り渡したオレは、屈することなく戦い続けることを誓う……」
「それは…………『最高にカッコいい』のではないか?」
ひたすら『カッコ良さ』を追い求めるキリシマ・アキトだからこそ辿り着けた『真理』だ。
「フッ…………『そういうこと』なら話は別だ…………!」
バ ッ !
『パルクール』で鍛えた身体能力を駆使して『ポーズ』を決めながら、
『最後』を締めくくるべく『宣誓』を始める。
「驕り高ぶる『神』よ!
自らの尊大さによって築き上げた『虚栄の玉座』で見ているがいい!」
「その程度でオレを――キリシマ・アキトを征服することなどできはしないのだからな……!」
ビ ッ !
天に向けて、勢いよく人差し指を突きつける。
「『オレの戦い』は…………『これから』だ!!」
『打ち切り漫画』のような台詞回しのせいで、ここぞという場面で決まりきらない。
それさえも『キリシマの個性』と呼べる。
そして、心に去来するのは、始まる前に交わした『ライバル』とのやり取りだった。
(『雑賀王城』……今、オレは『オマエの言葉』を思い出しているぞ……)
『これは通過点に過ぎない』。
『長い人生の一点』であり、それ以上でも以下でもない。
ならば、こんな所で膝を折っている暇などあろうはずがないではないか。
424
:
雑賀王城『候補生』&コヤシキコヤネ『S・ライト』
:2025/03/10(月) 23:01:05
「―――――――――ッてことで、『延期』だそうだ。
…………まッ、準備がパーになったのは残念だが、
貸衣装だの、音響だの、そーいうレンタル費用は補填があるらしいし」
pi
「再スタートしなきゃならないのは、ほかの連中も同じだしな。
特に『キリシマ』のやつは気の毒だが…………おい、『コヤコヤ』」
スマホをポケットに入れ、後ろに控える人影を見た。
目立たない『黒子』の衣装に、顔を隠す仮面をつけ、
極限まで存在感を落とし、裏方に徹した『コヤシキコヤネ』を。
「……『神さま』の仕事は導くことだろ?
あとは僕の方でなんとでもしてやるさ。
幸い、学びッてやつはいくらか得られたし、
仮に今回の要素もアリでの再試験なら、猶更だ」
何も終わっていないし、何も失敗していない。
(『準備』に掛けたコストは勿論、
『魔法使い』になれるタイミングが遅くなるのは痛い。
だが、ぼくの目的は『試験』じゃあないからな。
『取りやめ』じゃなく『延期』なら……大きな問題じゃあない)
(そう考えるべきだ。……『何度やっても勝ち筋は描ける』とな)
強がりが無い、とは言わないが、『実際そう』だ。
目的は魔法使いになることであり、
今日ここで演技を披露する事は手段。
手段を変えざるを得なくなった。ただそれだけの事。
「だから」
王になる事
そもそも『普通は叶わない目的』を叶えるために、尋常ならざる手段から『変えて』ここにいる。
『雑賀王城』の王への道は直進路ではなく、舗装すらされていない事を知っている。
だから。
「ぼくが『八咫烏』を追うのはここまでだ。――――まだまだいるぞ、導きを待ってる大衆は。
ゆえにこそ、ぼくは『王』を目指しているんだからな」
「だがぼくは残念ながら、少し遅れる。
だから、だ。先に始めておいてくれ」
抱える必要のない『後悔』や『悔恨』や『罪悪』を抱き、
その『神さま』への道筋を羽ばたけなくなる、そんな風にはなってほしくはなかった。今はただ、それだけだ。
そうして沈黙したまま、首を確かに縦に振った『コヤシキコヤネ』を見た。
その『仮面』を外した下の顔は、これまで見てきた、目を細めた笑顔だった。
「……うん。うん、うん! 王城ちゃんの言うと〜りだこ〜ん!
ちょっぴり残念こんこんちきで、こんこんぐらっちゅれーしょんとは言えない幕引きだけど」
「あたしも。王城ちゃんも。
なんにも終わってないし、
なんにも悪くなってない」
「だから、勝ってね!再試験!
コヤコヤは遠くでこ〜んなに首を長くして、報告、待ってるこん!」
クイッ
狐のサインを両手で作り、大きく円を描いてくっつける。
祈りの所作はキャラクターの中から出るもの。キャラクターとはすなわち『神の肖像』。
心よりの祈りを、心のよりどころたる形で、それでもすべては伝わらなくとも、己の心から伝え残さないように。
『雑賀王城』のやるべきことは、今はここまで。
そして『コヤシキコヤネ』は――――――また別の『迷い子』を導くべく、飛び立つのだ。
425
:
『魔法の呪文はおこのみで!』
:2025/03/14(金) 01:21:08
―――――『魔法教室』はこれから、慎重な『原因究明』に長い時間をかける事となる。
教室の本旨を考えれば『完全中止』は、勿論できない。
必要なのは『延期』と、『再試験時』に要する『調査』だ。
『場所や大道具を完全に自由としたこと』
『協力者の魔法による介入を許可したこと』
『管理責任者が同席していなかったこと』
奇しくも三名全員が熱意ある魔法使いを協力者に得たために
あるいは教室側が新風を起こすために取り入れたために……
これまでの試験ではほぼ見られなかった『イレギュラー要因』たち。
綿密な調査の上で、再試験をしなくてはならない。
『延期』ではあるが、『時期』を未定としたのはその点にあった。
協力者についても『同席』を願い出るのには慎重にならざるを得ない。
ひとまず今出来る事は、『夢』に向けての道を歩む者たちに、心ばかりの補填をする事。
そして『夢』を支える事に駆け回った者たちにも、言葉で払えない礼を尽くす事。
勿論、いずれ『再試験日』が来たなら、結果は伝える事になるのだろうが、
それも今のところはいつになるやら――――といったところ。
『魔法教室』の出来事はひとまず、『美作』と『コヤシキ』の『仕事』としては、ここで幕を下ろした。
『魔法の呪文はおこのみで!』 ・・・ おわり。
【リザルト】
●美作くるみ、コヤシキコヤネ ・・・ 補償金・迷惑料込々で『40万円』が支払われた。
(・・・門倉良次も受け取ったかもしれない)
●桐島空征、木崎ゆだね、雑賀王城 ・・・ 延期後の再試験に備え、各々が牙を研いでいる。
●魔法教室 ・・・ 原因究明に奔走している。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板