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【個】『観覧席』【ミ】

327氷山『エド・サンズ』:2021/06/01(火) 00:41:51
>>326

「う、うわ〜〜〜〜・・・ 大型トラックの突進みたいに凄い迫力・・・」

『オイオイ・・・ アンナモン、直撃シタラひとたまりモナイゼ
 東雲ノ兄ちゃんハ大丈夫ナノカヨ』

恐ろしい程に強力な破壊力に思わず、身じろぎをする
だが、東雲の表情を見るに、これも全て想定内といった表情だ
彼の行う『対策』に期待して戦況を見守る

>    「『マサ』さぁん、攻めが遅いぞぉ!」

>    「『道頓堀』が出来るまで、粘るつもりかぁ!?」

>    「始発までの時間稼ぎかっつうの!」

「あ、ああー・・・・始まりましたね」

これまで『キューコ』への恐れからか自重気味だった『ヤジ』が飛び交い始める
その雰囲気に少しだけ懐かしいものを感じながらも、呆れたような表情を浮かべる

328円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/01(火) 01:17:53
>>326
>>327

お好み焼きを食べる手を止め、試合に視線を戻す。

「あはは、マサさんも東雲さんも、
 さっきからすっごいおしゃべり上手で面白ーい」

ギミック越しの、丁々発止の掛け合い――
『煽り合い』や『論戦』とも異なる空中戦だが、
拳のぶつかり合いとも違った面白さはある。

「みんなもなんか面白いこと言ってるしー! あはーっ!
 こーゆーのって、うるさくてイヤなだけじゃないんですネ」

ジョーク混じりのヤジにもまた、
前回の『罵声』とは違う意味合いを感じた。

マサと東雲の気風がそうさせるのか――
前回の予熱がそうさせるのか――
或いはマサと東雲の実力を知っているからこそ、か。

「ねえねえ、ぶつかるまで後もうちょっとかなー!?
 わーっ、なんかあたしまで緊張して来ちゃった!」

詳細不明の能力を使う東雲もだが、
ここまではパワーのみ使っているマサの能力も、また興味を唆る。

「マサさんのスタンド、どんな能力なんだろーね!? 楽しみーっ」

来たる激突を心待ちにしているのは、他の観客と同じだった。

329塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2021/06/01(火) 21:00:30
>>319 >>326
「なるほど『時間稼ぎ』………。
大雑把な攻撃だが、『水』が満たすまでの『つなぎ』か。
『東雲』の方の速度も大したもんだが、
あれだけの『パワー』……接近するのも骨が折れそうだな」

新たに手渡された紙コップに『湯河原』に軽く礼を言って、
口をつけながらじっと試合を眺める。

(『人型スタンド』の『パワー』、そして『スピード』……。
実際に『脅威』だぜ。
『アリーナ』という戦いの場には特にな……)

330『その拳はデルタを描く』:2021/06/01(火) 22:09:30
>>327(氷山)
>>328(セララ)

>「う、うわ〜〜〜〜・・・ 大型トラックの突進みたいに凄い迫力・・・」

『ザ・ナショナル』のフルパワーに、『氷山』は僅かに血の気を引かせる。
スピードは『東雲』に劣るも、その破壊力は『重機』を連想させる。
そして、『氷山』の表情を変えたのはそれだけではない。

>「あ、ああー・・・・始まりましたね」

僅かではあるが観客席から『ヤジ』が飛び交う。
これらが『小手調べ』程度なのは、体感した『氷山』になら解る話だ。

>「みんなもなんか面白いこと言ってるしー! あはーっ!
> こーゆーのって、うるさくてイヤなだけじゃないんですネ」

その一方、『セララ』は観客席から飛ぶ『ヤジ』の色合いが、
前回とは異なることに気付く。『ヤジ』というより『茶々』にも近い。
放つ者への『親しみ』が感じられるからだろうか。

>>329(塞川)
>『東雲』の方の速度も大したもんだが、
>あれだけの『パワー』……接近するのも骨が折れそうだな」

     「そう、『骨』が折れる……」

     「始発までの時間稼ぎかっつうの!」

『湯河原』はしたり顔で『塞川』のコメントを復唱した。
『菅谷』は水を得た魚のように、『マサ』へとヤジを飛ばしている。

>ALL
破片の散弾を潜るように回避しながら『東雲』は前進し、
左手側の『有刺鉄線』を『虎爪』によって切断する。

     ≪『東雲』選手、難なく避けます!
       『ザイオン・トレイン』、機敏な動きを見せますねぇー≫

     バシャッ
                 ガァンッ!!

  「言う割にじっくり攻めるのぉ、『マサ』サン!
  少しでも喋る時間が欲しいんかァッ?!」

     「――――そう思うかァ?」

『ザ・ナショナル』が両腕をクロスさせ、『防御』の構えを取った。
その瞬間、観客達は『鉄扉』を揺らし、床に落ちた『破片』が、

       バスッ!

水の敷かれた床の上を跳ね、あらぬ方向へと飛び散っていくのが見えた。
その内の一つが『東雲』へと跳び跳ね、その背中を打ち据えた。
思わず前のめりに揺らぐ『東雲』。

     ≪な、なんでしょうかぁ!?
       『東雲』選手、つんのめったぁ!≫

     「あんだけバラ撒いて、一発だけやなんて、
      まだまだツキが戻っとらんなァ――――」

驚愕の声を上げる『セカイ』。不満げに愚痴る『マサ』。

     「まあええで。――――『金網代』は払うがなぁ、
      『水道代』は、アンタ持ちってことでどうやぁ?」

     「で、出たぜェ、『マサ』さんの『ザ・ナショナル』!」

     「ステージが完成すれば最後、
      あの『パワー』には誰も敵わねぇ――――」

     バツゥ!

『東雲』は『虎爪』によって、真正面の『有刺鉄線』を切断し、
足首の一本を残し、残りの二本は地面へと垂れ下がった。
二人を区切る『線』は切られ、完全に相対する形となる。


     ド      ド     ド     ド   ・  ・  ・

331円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/01(火) 22:55:43
>>330

「あれーっ!? 今なんか……見たー!?
 氷山ちゃん氷山ちゃーん! ねっ!
 あの壊れたの、今、『変な動き』しましたよねーっ!?」

     「マサさんの能力?
      あはーっ、全然分かんなーい!」

蹴り砕きばら撒かれた破片の、
明らかに『普通じゃない』動き。
焼きそばを手繰っていたセララも、それに気付いた。

「わーっ、どっちもぜんぜん分かんないのに、
 もー叩くの届く感じになっちゃった!」

そして――『間合い』の変化にもだ。

「マサさんのパンチなら一回で倒せちゃいそーだし、
 でもでも東雲さんのツメもすっごい強いし、
 やばいやばーい! ここからどーなっちゃうんだろーね!?」

超パワーと、能力による強烈な一撃。
セララにも分かりやすい激烈な白兵戦の予感に、箸を止めて見守る。

332氷山『エド・サンズ』:2021/06/01(火) 23:35:33
>>330
>>331

「・・・・・!? 『さんずさん』、今の動き!」

『オウ! セララの嬢ちゃんモ気ヅイタミテーダガ、オカシナ動きダ』

「うーん・・・・東雲さんの能力とはちょっと違う気もしますし、
 やっぱりマサさんが狙って動かしたものなんですかねー」

「お互いに近づいた状態での攻防・・・・危険な匂いがしてきました
 能力については、互いに手の内の一部を匂わせた状況ですからね
 この時点での仕込みによっては勝負の流れを決める一撃になるかもしれませんよ」

手に汗を握りながら話し続ける

333『その拳はデルタを描く』:2021/06/01(火) 23:50:11
>>331(セララ)
>>332(氷山)
>「わーっ、どっちもぜんぜん分かんないのに、
> もー叩くの届く感じになっちゃった!」

互いの激突なき今、『セララ』にはスタンド能力は解らない。
だが、発揮されたパワーとスピードは、衝突の凄まじさを想起させる。

>「・・・・・!? 『さんずさん』、今の動き!」
>『オウ! セララの嬢ちゃんモ気ヅイタミテーダガ、オカシナ動きダ』

水面を『跳ねる』ように動く『破片』。
能力の片鱗に注意を払いながら、試合の観戦を続ける。

>ALL

>>608(東雲)

      スッ
           シュゥゥゥゥ――――

『東雲』が柱に触れ、瞬く間に『有刺鉄線』が真っ白に染まる。

   「アホ抜かすなや『マサ』サン。
    おどれが設置させた『ギミック』ならおどれが払うのが筋ってモンじゃろ」

   「どうしてもっちゅうんなら─────
    『有刺鉄線』の分も含めて、負けたヤツが全額払えやッ!」

      「ドアホぉ!  この『ギミック』をアリーナに通すのに、
       ワイがどんだけ苦労したと思っとるんや!?」

      「汗かいた分は、キッチリ『得』させてもらうでぇ!」

      ダッ!

『東雲』は一跳びで『マサ』との距離を詰め、『虎爪』を振るう。
『ザ・ナショナル』はガードを構えたまま、『東雲』へと体当たりで突っ込む。

      グオオオォォォ――――

      「あっち行っとれやぁ!」

      ≪りょ、両者激突ゥゥ――――!!≫

     ――――バァンッ!!

『虎爪』の一撃が『マサ』の右頬を切り裂き、
『ザ・ナショナル』のタックルが『東雲』にめり込み、背後へと吹っ飛ばされる。

        グィィ
                パシャァァンッ!!

『有刺鉄線』が引っ掛かり、『東雲』は背後に倒れ、

         バァァンッ!!
                  ――――ザシュッ!

まるで『水切り』の石のように、倒れた『東雲』が南へと吹っ飛んだ。
背後の『有刺鉄線』へと激突するが、『リングロープ』のように衝撃は吸収された。

      ≪い、今の吹っ飛びは、『パワー』ではありませんッ!
        ま、まるで『川』に投げた小石の水切りみたいに、
        『東雲』選手、跳ねるように吹っ飛びましたぁ!≫

      「ふぅん……。『有刺鉄線』がない試合なら、
       水が溜まるよりも前に倒されると思ってた」

      「今のが時間稼ぎの『常套手段』、なんだ」

『キューコ』が口を開き、『セカイ』は袖口を振り回して『実況』をする。
『有刺鉄線』はいつの間にか元の色を取り戻している……。

      「なんやなんや、盛り上がってへんでぇ!
       地元にゃなかった鉄火場なんや!  騒げ騒げぇ!」

      「――――な、なんやこれぇ!?」

『マサ』が大声を張り上げるが、その異変に気付いた。
『有刺鉄線』と同様に、『マサ』の身体が白く染まり始めた。
……違う。白い粉末が『マサ』の身体に、静かに噴き上がっていく。

334円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/02(水) 00:31:59
>>332
>>333

「うんうん、あたしも気づいてましたよー! 絶対変でしたよねー」

「って、わーーーっ!! ぶつかっちゃった……あれ!?
 氷山ちゃん、サンズさん、見た見たー!? 今のも見ましたよね!」

      「東雲さんも今、『変な動き』になっちゃってた!
       マサさんに叩かれたら、ああなっちゃうんじゃない!?」

烈しい衝突の結果は『痛み分け』、
そして、より見えてくる『能力の片鱗』。

「マサさんは……あはーっ! なにあれなにあれ!
 マサさんもトゲトゲと一緒みたいに……雪景色になっちゃってるー!」

            スッ

「わーっ、東雲さんの能力が効いちゃってるんだー!
 よーしっ、 こういう時こそ応援ですよネ」

横にお好み焼きの容器を置いてから――――

      「マサさーーーん!! 押してる押してるー!!
        そのまま押し切っちゃってくださーい! 流れ決めちゃおー!」

マサの驚きを振り切るように、『騒ぐ』。能力はどうせ謎。気を取られず攻めろ、だ!

335氷山『エド・サンズ』:2021/06/02(水) 01:10:50
>>333
>>334

「うーん、確かに見ましたよ、あのへんな動き!
 なるほど! あの動きを生かすために会場をあんなに水浸しにしたんですね!」

「そうなると、水の量が増える程に厄介な事になりますが・・・・
 東雲さんに反撃の手口はあるんでしょうか・・・・あ!」

東雲の状況に若干の不安を感じながら見ていると、
『マサ』の身体が見る間に『白い何か』によって覆われていく・・・・あれは!

「あれは東雲さんの能力! 糸口が掴めたのかも!」

「よぅし・・・・東雲さ―――ん! 流れを切り替えていきますよ――――っ!」

隣の少女に負けじと、大声を張り上げて東雲の応援を行う
お互いに能力を出し合ったこのタイミングこそが、反撃の糸口だと思ったからだ

336塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2021/06/02(水) 21:12:35
>>333
「初撃は……『痛み分け』ってところか?
『東雲』はダメージを負ったが………『マサ』、あいつも『能力』にハマったようだな」

「『東雲』の『スタンド』………『ザイオン・トレイン』。
人間以上の『パワー』と『スピード』、そして『機動力』を持っている、文句なしに『強力』なスタンドだ。
その上であの『粉』……あいつが何かしらの『攻撃性能』があるのなら、
あとは逃げ回ってりゃ勝ちだ。
逆に、行動を阻害する程度のものでしかないなら、奴はここで攻める。
そうなりゃ……一気に試合が動きそうだなァ」

337太田垣良『ザ・サードマン』:2021/06/02(水) 21:58:19
>>326 >>330 >>333
「まあ…それはそうなんだけど…それはそうなんだよな」

「……お互い能力の一端は見せ合った感じスか 
 マサの『ナショナル』、なんだか分らんスけど『対面拒否』ができるのかな
 ただ、東雲クンの『ザイオン』も効き始めた…ここから強いっスよ」
「しっかし、『有刺鉄線』が東雲クンの発案みたいスね…痛そ」

席から身を乗り出し、ちいさく手を振ってみる。

「……ガンバレ〜……(小声)(恥ずかしがっている)」

338『その拳はデルタを描く』:2021/06/03(木) 22:56:07
>>334(セララ)
>>335(氷山)
空いた席に『お好み焼き』を置き、『セララ』は『マサ』に声援を送った。
『氷山』も負けじと『東雲』に声援を送る。

>「マサさーーーん!! 押してる押してるー!!
>そのまま押し切っちゃってくださーい! 流れ決めちゃおー!」

>「よぅし・・・・東雲さ―――ん! 流れを切り替えていきますよ――――っ!」

>>336(塞川)
>その上であの『粉』……あいつが何かしらの
>『攻撃性能』があるのなら、あとは逃げ回ってりゃ勝ちだ。

     「ああ。そう思うが、……気になるのは『鉤爪』だ。
      見えるか? ……『東雲』の鉤爪が消えている。
      次の手のためにわざわざ消したのか?」

試合の流れを予想する『塞川』。
一方で『湯河原』は『東雲』の『鉤爪』に着目し、
『菅谷』は響く声援に負けじと『ヤジ』を送っている。

>>337(太田垣)
>「……ガンバレ〜……」

     「き、聞こえるかな……?
      ――――そ、それじゃあ、私も……」

黄色い声援に掻き消されるほどの小さな声だ。
『太田垣』の声援に聞き、『エミカ』も息を整え始める。

>ALL

>>610(東雲)
    「そがぁに必死ならことまでして負けたらお笑い草じゃなぁッ!
     身体張って笑いを取るんは大阪男の本望じゃろォッ!」

    「ほざけぇ!  ワイは、――――しょっぱ!

     ワイは身体は張っても『自虐』はゴメンやで!
     気持ちのええ笑いなら、なんぼでも取ったるわ!」

    「しょっぱ……?  何言ってるんだ、『マサ』さん」

    「いや、あの『白い粉』ッ!  まさか、あれは――――」

『マサ』は口に入った『塩』に反応し、観客達も騒めき始める。
能力の片鱗を見たのか、『実況』と『解説』もこの点に注目した。

    ≪あの『白い粉』、果たして何なのでしょうか――――
      ……『キューコ』さん、これは、その、解説を……≫

    「『トウグモ』の『爪』が消えてる。
     ――――島国の日本では珍しいけれど、
     欧州の内陸国では、この形で産出されるのが当たり前」

    ≪『東雲』選手のご実家は『漁師』を営んでると聞きますが、
      もしかしたら、その出生が関連しているのでしょうか……?≫

      「マサさーーーん!! 押してる押してるー!!
        そのまま押し切っちゃってくださーい! 流れ決めちゃおー!」

      「よぅし・・・・東雲さ―――ん! 流れを切り替えていきますよ――――っ!」

      「有刺鉄線がブチ破れた、ここからが本番だっつうの!」

      「……ガンバレ〜……」

『東雲』は二本の『有刺鉄線』を左手で持ち、再び白く染め始める。
その間、『マサ』は背後へと下がり、傍の『柱』をもう一本、ラリアットで砕く。

      「喰らえやぁ!  『ナショナルミサイル』ゥ!!

          パァァァン!!

水飛沫を撒き散らしながら、折れた『柱』が『東雲』へ跳ね飛ぶ。

           ゴボボボボボボボボ ・ ・ ・

二人の『足首』を濡らすほどに、浸水は進んでいる。

339氷山『エド・サンズ』:2021/06/03(木) 23:46:05
>>338

「しょっぱ・・・・あっ!」

      『ソウイウ事カ!』

ここに来て初めて、東雲が先程から使っている『白いモノ』の正体に思い当たる
確かに・・・・あの物質なら、その反応もうなずける!

「でも、だとしたら、水がいっぱいのこの状況は東雲さんにとっては不利!
『マサ』さんにとっては、自分に有利なだけでなく、東雲さんを弱体化させる事も出来る!
 ううー、流石は『マサ』さん、運に恵まれてますね」

自分が戦った『明智』のように、事前に能力の情報を手に入れてそれを利用した可能性もある
だが、自分が知る限り、『マサ』という男はそんな事をするようには見えない

恐らく・・・・完全に『運』が良かったのだろう

340『その拳はデルタを描く』:2021/06/04(金) 00:22:07
>>339(氷山)
『東雲』の作り出す『積雪』の正体に気付いた『氷山』は、
そのステージが『東雲』にとって不利であると気が付く。

>「でも、だとしたら、水がいっぱいのこの状況は東雲さんにとっては不利!
>『マサ』さんにとっては、自分に有利なだけでなく、東雲さんを弱体化させる事も出来る!
> ううー、流石は『マサ』さん、運に恵まれてますね」

脳裏を過ぎるのは『明智』との一線であるが、
『マサ』の醸し出す雰囲気が、その可能性を否定する。

      カッ カッ カッ

『氷山』が試合を眺める背後から、作業着を着た『吉田』が近付いて来た。
彼は一人の『黒服』を伴っており、その手にはA3サイズの『図面』を手にしている。

      「あー、確かに違ってますねぇー。
       あれじゃあ、『迷路』にならないですけれど」

      「そうですよね。……おかしいな。
       『吉田』さんの言う通り、設営したんですけれど」

『氷山』を案内した黒服の『後藤』だ。
二人は図面を覗きながら、何やら話をしている。

>ALL

『東雲』の全身から『積雪』にも似た『白粉』が積もり始める。
そのまま『東雲』は接近し、真っ向から『ナショナルミサイル』を迎え撃つ。

     「─────『太田垣』ィッ!!よう来たなぁ!!」

     「……来てたんだ」

     ≪激闘を続ける両選手にアツいエールが飛びます!
       さあ、飛んで来るのは『ナショナルミサイル』!
       これを、『東雲』選手――――≫

『キューコ』は意味ありげに呟き、『セカイ』は声援に負けじと試合を煽る。
そして、『東雲』の蹴り足が水飛沫を散らせながら、

          バァァァ――――ンッ!!

     ≪吹っ飛ばしたぁ!!≫

蹴り上げられた『ナショナルミサイル』は『東雲』の左後方を抜け、南西の柱に激突する。
『東雲』の『両腕』は先程の『虎爪』にも似た『ガントレット』を形成するも、
水にぬれた『下半身』には『白粉』が消えてしまっている。

     「自分の技に名前付けとるんかァっ!?
      笑いはともかくこっちのセンスはイマイチじゃなぁッ!!」

     「『マサ』さぁん、言われてんぞぉ!」

     「ベタが過ぎるんじゃあねぇーの!?」

『東雲』のツッコミに対し、笑い混じりのヤジが飛んでくる。
『マサ』はニヤリと笑い、『ザ・ナショナル』がガードを構える。

     「『浪花節』なんか捨ててぇ、拳だけでドラマ作るんやぁ!」

『マサ』が横っ飛びに距離を取り、『東雲』の攻撃に備えた。

341氷山『エド・サンズ』:2021/06/04(金) 00:44:35
>>340
>     「自分の技に名前付けとるんかァっ!?
>      笑いはともかくこっちのセンスはイマイチじゃなぁッ!!」


『オイオイ・・・・お前ら、「粋」ッテモンガワカッテネェナァ!
「ナショナルミサイル」・・・・感心スルホドカッコイイ名前ジャネエカ!』

   「えっ? あ、いえ、『さんずさん』がそう思うならいいんですけど・・・」

「それにしても、東雲さんの方もさるものですね
 上手く相手の攻撃を捌き切って・・・・・あれ?」

その時、初めて背後の声に気が付いた
この前の明智との闘いの前に親身になってくれた『後藤さん』だ
隣に立っている作業着の男に見覚えはないが・・・・

「どうかしたんですか?
 まさか、会場の設営に何かトラブルでも?」

『後藤』に向かって、何が起きたのか聞いてみた

342『その拳はデルタを描く』:2021/06/04(金) 22:25:12
>>341(氷山)
>「ナショナルミサイル」・・・・感心スルホドカッコイイ名前ジャネエカ!』
>「えっ? あ、いえ、『さんずさん』がそう思うならいいんですけど・・・」

『マサ』のネーミングセンスに感銘を受ける『エド・サンズ』に対し、
『氷山』は冷静に受け流し、その関心は背後の二人に向けられた。

>「どうかしたんですか?
>まさか、会場の設営に何かトラブルでも?」

    「あれ、『氷山』さん。
     ああいや、ちょっとなんというか……」

『後藤』は言い淀んだかのように口を噤んだ。
隣の『作業着』の中年男性は、試合終了後の『治療』で、
『クスノキ』の傍にいた『吉田』という男だ。

最も、あの治療のインパクトが強く、
影の薄そうな『吉田』を覚えていないのも無理はないが……。

    「いや、ここは『氷山』さんにも聞いてみましょう。
     あっ、『エド・サンズ』さんも覚えてるのなら、お願いします」

    「ちょっと、この図を見て欲しいんですけれど」

【アリーナ俯瞰図】         北
∴∴∴∴◎■扉扉扉■◎∴∴∴4
∴∴∴■┼柱□□□柱┼■∴∴∴
∴∴■┼□□□□□□□□■∴∴
∴◎┼柱□柱┼┼┼柱□柱┼◎∴
∴■┼□□┼□□□□□□┼■∴
∴■┼□□柱┼┼┼柱┼┼┼■∴
∴■┼□□┼□□□□□□┼■∴
∴■┼□□┼□□□□□□┼■∴
∴◎┼柱□柱┼┼┼柱□柱┼◎∴
∴∴■┼□□□□□┼□┼■∴∴
∴∴∴■┼柱□□□柱┼■∴∴∴
∴∴∴∴◎■扉扉扉■◎∴∴∴∴

     「――――本来、このように『迷路』を作って、
      容易く接近が出来ない仕組みになっていたのですが……」

     「有刺鉄線同士が『繋がって』いるんです。
      ステージの設営後、誰かが手を加えたとしか……」

『吉田』の見せた図面には色々な記号が描かれているが、
『有刺鉄線』の形状が異なっているのは明らかだった。

343『その拳はデルタを描く』:2021/06/04(金) 22:25:32
>ALL

     「知らんわッ!!ただの『殴り合い』を感動したいヤツは感動すりゃええ!
     楽しみたいヤツは楽しみゃええ!」

     「そうや、そうやでぇ」

     「ヤジを飛ばしたいヤツは飛ばしゃあええ!参加したいヤツは参加すりゃあええ!!」

     「でもなぁ、それだけじゃあ盛り上がらんのよ」

『東雲』は『岩塩化』した『有刺鉄線』を振り落とし、
『ザ・ナショナル』が掲げた両腕で『有刺鉄線』をガードするも、
『透過』を選択しなかった『ザ・ナショナル』の両腕は切り裂かれる。

     「おおおおォォォ―――――」
                .
     「傷口に、塩塗られた気分やわ!」

      バッシャァァンッ!!

『マサ』が横っ飛びから着地し、足元から激しい水音が飛ぶ。
水飛沫が飛ぶ。――――いや、それだけではない。

        ―――――ギュアアアァァァンッ!!

     ≪『マサ』選手の足元から、何かが飛び出しました!
       あれは!?  まさか、『ザ・ナショナル』のパワーで、地震を――――≫

     ≪違う。――――考えたものね。『水切り』のスタンドだというなら、
       『投擲』による発動が想定される。……このステージは、全てが『水』≫

『東雲』の足元から二本の『有刺鉄線』が伸び上がり、無事な柱を起点として『東雲』に絡み付く。

     「一足飛びやな、『キューコ』はん!
      ――――その通りや。ワイのスタンドは『水切り』!
      ワイが放った物体は、水に触れても尚、失速せずに『弾き飛ぶ』!」

     「つまり、スタンドのパワーで『水』を揺らせば、
      水に沈んだスプーンだろうと、トビウオのように跳ね飛ぶんやぁ!」

『水切り』のスタンド。『マサ』がドデカい声で公言すると共に、観客席が湧き上がる。

     「『マサ』さん! スロースターターだが、ハマれば強いとはこれよぉ!」

     「有刺鉄線じゃあマトモなダメージにはならないが、
      これで動きを封じたら、『東雲』のスピードも止まっちまうぜぇ!」

まるでホームグラウンドの野球チームのように、『マサ』を称える声援が止まらない。
ド派手な動き、親しみやすそうな振る舞い、その印象が『マサ』の追い風となる。

     「『東雲』はん、アンタちょいとカタいんやぁ!
      ガッチガチのバトルはワイも好きやでぇ、
      ――――でもなぁ、それだけじゃあオモロないねん!」

     「観客がおるんや! エンタメにも振ってかなぁ!

                      ザ・ナショナル
      ド派手に行くんが、ワイの『地元意識』や!」

344円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/04(金) 22:54:02
>>340 >>342(試合)
>>343(氷山)

           ゴクン

急に静かになっていたセララだが、お好み焼きを食べた際、
中々かみ切れない肉が入っていたのが原因だ――――それはもう終わった。

「……あはーっ、マサさんすごいすごーい!
 東雲さんの能力もばっちり見抜いちゃったみたいだしー!
 攻撃するのもあたし、あんなふうにするの全然思いつかなかったですもーん!!」

見抜いた――――かどうかは明言はされていないが、
セララが彼の『言い回し』から『察せた』以上、
マサは恐らく既に『雪』の正体に至っているのだろう。

今の攻防は『マサ』優位。テンションも上がる。

「言ってることも面白いし、なんかプロの人っぽーい!
 東雲さんもカッコいーですけど、やっぱりマサさんですよー! ……って」

                クル

            「誰ーっ、アリーナの人? なになにー!?
             氷山ちゃんたちだけじゃなくって、あたしにも見せてくださーい」

啖呵の切り合いにも、声援を飛ばしていたが……ふと、後ろに気付いて振り向いた。

345太田垣良『ザ・サードマン』:2021/06/04(金) 23:22:45
>試合

「げ 気づかれた 大声で名前呼ぶんじゃねえスよ」
「……来ただけだかんな」

恥ずいぞ。こうなりゃヤケだ。

「……うるせ〜〜〜ッ 『地元』だかなんだか知らんが
 『アウェー』相手にしょっぺえ試合見せやがって
 なんか…こう…あれだ!とっとと血を見せろ!」

適当に中指立ててヤジっとく!

「ほらエミカもほらほら 中指立ててな 口汚い言葉でな……」

346氷山『エド・サンズ』:2021/06/04(金) 23:46:38
>>342

「・・・・・・? ・・・・・・あ!」

あの時は、明智との闘いの後の高揚感のせいで、吉田の事を覚える余裕がなかったようだ
近くに寄って顔を眺めると、そういえば、あの時一緒にいた人だ、という事に気が付く
思わず、声をあげてしまうが、実は忘れていた、というのがバレると恥ずかしいので黙っておく事にした

「そ、それよりも、『図』ですか?
 うーん・・・ファミレスとかでよく見かける迷路に見えますけど・・・・
 そういえば、実際に使ってる会場はこういう風にはなってないですね」

改めて会場を見回す
本来は繋がりを持たないはずの部分まで有刺鉄線が繋がっているようだ

『ソレッテェトォ・・・・マサカ
 誰カガイカサマノタメニ「ステージ」ヲ組み替えタッテノカ?』

「あの二人の内のどちらかが? まさか!」

両者ともに気持ちの良い闘いをする男達だ
まさか、そんな真似をするわけがない、と思う

でも・・・・でも、あるいは・・・・ひょっとしたら!
『マサ』さんが東雲さんの機動力を削ぐためにこんな事を・・・・?

「いえいえ! 『ない』ですよ!」

「でも、なんだか・・・・なんだかすこーし、『マサ』さんを見ていると違和感が・・・・」

>>344
>「言ってることも面白いし、なんかプロの人っぽーい!
> 東雲さんもカッコいーですけど、やっぱりマサさんですよー! ……って」

「あ、それだ」

「『マサ』さんは、なんというか、試合運びが凄い手慣れている・・・
 まさに『プロ』なんですよ」

自分と明智との闘いは、お互いに素人だった事もあり、全身全霊でぶつかった、という自負がある
しかし、『マサ』から漂うこの余裕はなんなのだろう
何か、『勝敗』以上の目的があるような・・・・そんな気がしてくる

347塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2021/06/05(土) 20:55:13
>>343
「『水切り』のスタンド能力………
『水』の側を動かせば、触れた物体は吹っ飛ぶってことか。
派手な『スタンドパワー』の裏で、少しずつ仕掛けを進行させる……。
中々面白いヤツだが、あいつが戦う時はいつも『水場』を作ってたっつーことか?」

見たところ普段の戦闘場に『水』はなさそうだ。
毎回『仕掛け』がいるのなら、戦い辛そうな能力だと考えつつ少し息を吸い込む。

「おら、『東雲』ッ! 『攻め急げ』よ!」

348『その拳はデルタを描く』:2021/06/05(土) 22:16:18
>>344(セララ)
>>346(氷山)
現状は『マサ』が優勢となり、肉を飲み込んだ『セララ』だが、
『氷山』に近付く二人の男に反応し、振り向いた。

     「ああ、これはすみません。
      行きがかりですから、ちょっと見てもらえますか」

『吉田』が『セララ』にも見えるように『図面』を広げた。
『氷山』は図面と実物の違いを確認し、浮かんだ疑念を口にする。

>「でも、なんだか・・・・なんだかすこーし、『マサ』さんを見ていると違和感が・・・・」

     「いや、『マサ』さんは試合に遅れて来ましたから、
      『有刺鉄線』を変えるタイミングはなかったはずです」

     「誰か、試合が始まる前に『有刺鉄線』に触れた人が、
      ――――我々以外の『一般人』の他に、いるのでしょうか?」

『氷山』の疑念に対し、『後藤』がおずおずと口を挟んだ。
彼の浮かべた『疑念』に当てはまる者が、果たしているのだろうか……。

>>345(太田垣)
>「……うるせ〜〜〜ッ 『地元』だかなんだか知らんが
>『アウェー』相手にしょっぺえ試合見せやがって
>なんか…こう…あれだ!とっとと血を見せろ!」

『太田垣』はヤジを飛ばしながら、『エミカ』にもヤジるように促す。
『エミカ』は呼吸を整え、両手でメガホンを作り、

      「『東雲』さぁーん!  ぶっ倒せぇぇー!」

大声で『東雲』へとエールを送る。

>>346(塞川)
>「『水切り』のスタンド能力………
>中々面白いヤツだが、あいつが戦う時はいつも『水場』を作ってたっつーことか?」

     「ああ、あのギミックは『マサ』さんも無理を言って捻じ込んだらしい。
      たまたま、『アリーナ』の改装のタイミングがあったのと、
      主催者の『タダヒト』が興味を示したのも、後押しになった」

     「『マサ』さんは関西からわざわざやってきて、
      あのキャラクターでアリーナを盛り上げてるから、
      心証がプラスに働いたのもあるっつーの!」

『菅谷』の言う通り、歓声のほとんどが『マサ』に向いている。
彼のキャラクターが成せる強み、『ギミック』はその象徴なのだろう。

>ALL

>>619(東雲)
>「『撥水』かッ!仕掛けとったか!」

    「……うるせ〜〜〜ッ 『地元』だかなんだか知らんが
     『アウェー』相手にしょっぺえ試合見せやがって
     なんか…こう…あれだ!とっとと血を見せろ!」

    「『東雲』さぁーん、ぶっ倒せぇー!」

    「おら、『東雲』ッ! 『攻め急げ』よ!」

観客席から『ヤジ』混じりの歓声が飛び交い、『東雲』の背を押す。

     「宙に浮いたら、そのスピードも形無しやでぇ!」

         グイイィ!!

『東雲』は迫る『有刺鉄線』を飛び越えるが、
『ザ・ナショナル』が『有刺鉄線』の絡んだ腕を、思い切り引っ張る。
それによって『東雲』の身体が逸れ、『マサ』の真横へと着地する。

           バシャッ!

互いの肩口がぶつかり合い、『東雲』は『マサ』の真横へと着地する。
水飛沫が飛び、それが『マサ』に積もった『塩』を濡らし、溶かしていく。

      「なるほどなぁ。アンタにとっちゃあ、難儀な相手っちゅうわけか。
       せやけど、ワイかて知らんかったんや。――――恨みっこなしやで!」

      ≪両者、完全なる『至近距離』です!
        そして、『マサ』選手に降り積もる『雪』が溶けました!≫

      「――――『塩』。『水』に溶けるとなれば、
       このステージは『トウグモ』には不利」

      ≪『海の男』らしく、『塩』のスタンドということですね!
        ですが、『水』に弱いとは、皮肉という他ありません!≫

      「……『岩塩』は『山』の産物だけど」

互いの拳が交じり合う距離。『マサ』が『ザ・ナショナル』の腕を交差する。

349『その拳はデルタを描く』:2021/06/05(土) 22:44:54
>>344(セララ)
>>346(氷山)
現状は『マサ』が優勢となり、肉を飲み込んだ『セララ』だが、
『氷山』に近付く二人の男に反応し、振り向いた。

     「ああ、これはすみません。
      行きがかりですから、ちょっと見てもらえますか」

『吉田』が『セララ』にも見えるように『図面』を広げた。
『氷山』は図面と実物の違いを確認し、浮かんだ疑念を口にする。

>「でも、なんだか・・・・なんだかすこーし、『マサ』さんを見ていると違和感が・・・・」

     「いや、『マサ』さんは試合に遅れて来ましたから、
      『有刺鉄線』を変えるタイミングはなかったはずです」

     「誰か、試合が始まる前に『有刺鉄線』に触れた人が、
      ――――我々以外の『一般人』の他に、いるのでしょうか?」

『氷山』の疑念に対し、『後藤』がおずおずと口を挟んだ。
彼の浮かべた『疑念』に当てはまる者が、果たしているのだろうか……。

>>345(太田垣)
>「……うるせ〜〜〜ッ 『地元』だかなんだか知らんが
>『アウェー』相手にしょっぺえ試合見せやがって
>なんか…こう…あれだ!とっとと血を見せろ!」

『太田垣』はヤジを飛ばしながら、『エミカ』にもヤジるように促す。
『エミカ』は呼吸を整え、両手でメガホンを作り、

      「『東雲』さぁーん!  ぶっ倒せぇぇー!」

大声で『東雲』へとエールを送る。

>>346(塞川)
>「『水切り』のスタンド能力………
>中々面白いヤツだが、あいつが戦う時はいつも『水場』を作ってたっつーことか?」

     「ああ、あのギミックは『マサ』さんも無理を言って捻じ込んだらしい。
      たまたま、『アリーナ』の改装のタイミングがあったのと、
      主催者の『タダヒト』が興味を示したのも、後押しになった」

     「『マサ』さんは関西からわざわざやってきて、
      あのキャラクターでアリーナを盛り上げてるから、
      心証がプラスに働いたのもあるっつーの!」

『菅谷』の言う通り、歓声のほとんどが『マサ』に向いている。
彼のキャラクターが成せる強み、『ギミック』はその象徴なのだろう。

>ALL

>>619(東雲)
>「『撥水』かッ!仕掛けとったか!」

    「……うるせ〜〜〜ッ 『地元』だかなんだか知らんが
     『アウェー』相手にしょっぺえ試合見せやがって
     なんか…こう…あれだ!とっとと血を見せろ!」

    「『東雲』さぁーん、ぶっ倒せぇー!」

    「おら、『東雲』ッ! 『攻め急げ』よ!」

観客席から『ヤジ』混じりの歓声が飛び交い、『東雲』の背を押す。

     「宙に浮いたら、そのスピードも形無しやでぇ!」

         グイイィ!!

『東雲』は迫る『有刺鉄線』を飛び越えるが、
『ザ・ナショナル』が『有刺鉄線』の絡んだ腕を、思い切り引っ張る。
それによって『東雲』の身体が逸れるが、引き抜かれた『有刺鉄線』により、
『東雲』の身体が半回転するに留まる。

    ガスゥ
          ――――バシャッ!

『マサ』の左足首に踏みつけるような『蹴り』が命中し、『東雲』は『マサ』の真横へと着地する。
水飛沫が飛び、それが『マサ』に積もった『塩』を濡らし、溶かしていく。

      「グ、ォォ!!  おばちゃんのハイヒールより利くでぇ!
       アンタも難儀しとるようだが、――――恨みっこなしやで!」


      ≪両者、完全なる『至近距離』です!
        そして、『マサ』選手に降り積もる『雪』が溶けました!≫

      「――――『塩』。『水』に溶けるとなれば、
       このステージは『トウグモ』には不利」

      ≪『海の男』らしく、『塩』のスタンドということですね!
        ですが、『水』に弱いとは、皮肉という他ありません!≫

      「……『岩塩』は『山』の産物だけど」

互いの拳が交じり合う距離。『マサ』が『ザ・ナショナル』の腕を交差する。

350円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/05(土) 23:02:41
>>346(氷山)

「あはーっ、だよねだよねーっ! プロっぽいんですよー!
 氷山ちゃんたちの試合も、二人ともキラキラギラギラですっごいよかったし、
 東雲さんもカッコよくてー、あたし、男気ってゆーの分かってきたけどネ!
                  アタシタチ
 でもでも、マサさんはなんてゆーか、観客の方にもっと向いてる感じ!」

セララ自身、観客に囲まれての演技は経験がある。
だからこそ……というほど体系化は出来てないが、
なんとなく彼の『スゴさ』が分かるし、
『プロっぽさ』にも『違和感』は覚えない。

観客を煽った明智、観客を背負った氷山。
そして対戦相手を只管に見据える東雲とも違う。
マサは、『観客と盛り上げあっている』のだ。

「だから、勝つためにズルとか、そーゆーのはしてないと思いますけどーっ」

ゆえに、『勝つためだけの不正行為』をするとは思えないが…………

>>347(GM)

「……てゆーかそーだよね、チコクしたんだもん!
 もしホントはやりたくっても、触りようないですもんねーっ!」

その懸念はすぐに否定され、笑みを浮かべる。

「だったら、んー……あれあれ!?
 ねえねえ氷山ちゃん! こんな仕掛けして、得する人っていなくない?」

試合より図面に視線を落とし、
謎めいた『鉄線組み換え』に思考を集中する。

「これって東雲さんのお願いした物でしょー?
 だったらネ、東雲さんは絶対する意味ないしー」

「マサさんが、もし! マサさんそんなのしないけど、もしですよー!?
 誰か、なんか友達の人とかに頼んでズルしよーとしたとしてもさ!」

疑問は、そこにある。
セララも、『スタンド』については、結構真剣に考えられた。

「マサさんって、『スロースターター』なんでしょ?
 それならそれなら、迷路のままにしといた方が、マサさんの有利じゃないですかー?」

『迷路の仕掛けを崩す』‥‥しかも不正をしてまで、
そんなことをする理由は『マサ側』にはないはずだ。

「だったら……マサさんにも東雲さんにも関係ない、真ん中の人が怪しい気がしまーす!」

つまり、犯行は『中立の人間』が怪しい。
『自分たちより前に誰が来たか』などセララは知らないので、考えが至るのはここまでだが。

351太田垣良『ザ・サードマン』:2021/06/05(土) 23:21:47
>>349
「おッ エミカは東雲クンに『勝って』ほしいんスね 
 カッコいいもんなあアイツ」

で太田垣の内心はというと。
俺は…別に。
『勝て!』とは…思わない。
マサ氏もおもしろいし。、東雲は『不利』だし。
気勢のある奴が勝つというものでもない、
というのは…この身で知っている。


  「……」

  「………ガンバレ!」

俺も手でメガホン作って声出しておく。
言いたいことはこんくらいなんだわ、実際。
頑張ってる奴はカッコよくて面白いから。

352氷山『エド・サンズ』:2021/06/05(土) 23:38:47
>>349

「そ、そうですよね〜〜〜!
 流石に『マサ』さんは関係ないですよね!」

思わず、『マサ』の挙動と『不正』の存在を結び付けようとした自分を恥じる
行き過ぎた妄想だ、と深く息を吸い、頭を落ち着かせた

>ねえねえ氷山ちゃん! こんな仕掛けして、得する人っていなくない?

「うーん・・・・そうなんですよね
 東雲さんが犯人なら、こんな面倒な事をしないで、最初からこの形でリクエストすればいいだけですし
『マサ』さんは、セララさんの言う通りにメリットがない」

「そういえば、この工事を施行した業者さんは何か言ってましたか?」

353『その拳はデルタを描く』:2021/06/06(日) 22:30:29
>>350(セララ)
>>352(氷山)
>「だったら、んー……あれあれ!?
> ねえねえ氷山ちゃん! こんな仕掛けして、得する人っていなくない?」

『セララ』の指摘通り、ギミックを仕掛けた『東雲』は在り得ない。
この仕組みを作るのであれば、最初からそう発注すればいいだけだ。
一方、『マサ』は『迷路』の入口が塞がれるのは『時間稼ぎ』のメリットはあるも、
不正を働くに対する『デメリット』に対し、非常に小さなものだ。

     「ふーむ、確かにそうですね。
      そもそも、人の目を盗んで『張り替える』なら、
      所要する時間は僅か。――――それが出来るスタンド使いでなければ、
      この『張り替え』は実行できませんしね……」

『セララ』の指摘に対し、『吉田』は納得の声を上げた。
少なくとも、対戦者二人の仕業ではない、と『吉田』も考えているらしい。

>「そういえば、この工事を施行した業者さんは何か言ってましたか?」

     「いや、僕達でやってるんですよ。この『ギミック』の据え付けって。
      最初は苦労しましたけど、『学園祭』みたいで楽しいですよ」

『後藤』が答えるに、彼らが知らない以上は、この疑問点はないようだ。
――――『張り替え』が出来るスタンド使い、果たして存在するのだろうか。

>>351(エミカ)
>「おッ エミカは東雲クンに『勝って』ほしいんスね 
> カッコいいもんなあアイツ」

     「うん。やっぱり、助けてくれた人を応援したいから。
      この闘い、キレイに終わるといいね……」

『エミカ』は首肯し、『太田垣』は考える。
互いが至近距離となり、闘いはいよいよ本番だ。

>ALL

  「その通りじゃあ!闘いっちゅうもんは予測できんことも数多くある!
   それが有利にも不利にもなるんは当たり前じゃ!」

     バシャッ
            バゴォッ!!

『東雲』は『マサ』の脇横へと飛び込み、『ザ・ナショナル』のタックルを回避する。
『ザ・ナショナル』の衝突した『柱』が砕けて生まれた破片が『着水』し、
水を切って殺到し、『東雲』の肩部や頭部に『破片』が命中する。

     ≪唯のタックルじゃあありません!
       『ザ・ナショナル』、柱をぶっ壊して『水切り』に!≫

         バキャァァ!!

     ≪入ったァァァ―――――!!
       『ザイオン・トレイン』の強烈な一撃がぁ、
       『マサ』選手のガードを抜け、吹っ飛ばしたァ!≫

     「キッツイの、来るやぁないか!」

『東雲』は飛び込んだ先の『マサ』目掛けて『拳』を打つ。
『マサ』は左掌を翳すも、ガードの上から受けた打撃で『マサ』は吹っ飛び、

           バシャァンッ!

先程と同様に『有刺鉄線』に足を引っかけ、倒れ込むように着水する。
いや、それだけではない。

     「この距離なら外さんでぇ!」

『ザ・ナショナル』が背中ごと『東雲』へと飛んでくる。
これはスタンドの操作ではない。――――『水切り』による衝撃。

     「吹っ飛ばす、というのは、自身の『跳躍』や『タックル』も含まれる。
      『トウグモ』が殴った時、敢えて抵抗せずに吹っ飛んだのね――――」

     ≪と、ということは、『ザ・ナショナル』だけじゃあない!≫

             バァァンッ!!

更に背面から着水した『マサ』自身も、上空へと跳ね上がる。

354氷山『エド・サンズ』:2021/06/06(日) 22:45:51
>>353

「え・・・これ全部『後藤』さん達がやってるんですか?
 もしかして、私がこの前使った金網の設置とか、スモークマシンも?」

「う、うわ・・・・色々と派手に壊しちゃって、悪い事しちゃいましたね」

今更になって、ステージギミックを少し盛大に壊し過ぎたなぁ、と反省する

「でも、アリーナの職員さんが仕掛けたなら、
 本当に誰かが関与する余地なんてないですよね」

         バキャァァ!!

 「あ!」

突然の轟音にステージ上を振り返ると、東雲達による激しい攻撃が交叉していた
『ザ・ナショナル』による攻撃をすり抜けて、まずはワンポイントという印象だ

「あ、でも、あの方向は!」

水を切り・・・上空へ跳ね上がる『マサ』を見る
プロレスのロープワークのように鮮やかなその技に思わず声を失う

「凄い・・・・・」

355円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/06(日) 23:09:56
>>352 >>354
>>353

「ですよねですよねー! 準備はおふたりとか、ユキトさんとか!
 アリーナの人がしてるんだから、変なことしてる人いたら分かるしー」

指を一本立てた。
頭には前回の試合、『ユキトさん』の顔が浮かぶ。

「でもでも、マサさんと東雲さんは違うわけですしー」

もう1本指を立て――

「それに観客さんたちはー、あたしも、氷山ちゃんもだけど、
 例えばサンズさんを中に入れようとしたら、ぜーったい止められちゃいますよねー!?」

       「今日だと、キューコさんに!」

『解説席』の方を見る。
今日はいないが、『タダヒト』による『制圧』の場面はよく覚えている。
アリーナの者たちに恐れられるキューコなら、抑止力になっている筈。

「あとは……あとはあとは、他にスタンド使いなんていましたっけ?
 あ! お好み焼き屋さんじゃないお好み焼き売りさんとか……? ……ってー!」

ふと、一瞬、一つの可能性が浮かんだ。
…………が、そこで音と氷山につられてステージの方に視線を戻した。

     「わ! 飛んだ! わーっ! マサさんすっごいハデハデなジャンプー!
      あはーっ、かっこいーっ、東雲さんに、思いっきりやり返しちゃえ!」

356太田垣良『ザ・サードマン』:2021/06/06(日) 23:47:24
>>353
「水切り……『水切り』ねえ」
「一言で説明できる能力ッスよ…
 ただ、挙動には…おそらく、クセも有るんスよ。
 でも上手に使うよね…派手だわ…面白…」


「……大技だけどな…たぶんお互い……『クる』ぜ 
 東雲クンも黙って受けはしれないだろうし」

「『本番』か…ここからアッサリ勝負が決まることも……
 ある………んスかね…」

まあたぶん正念場だろ…。

「…オラ〜〜塩振ったんなら早よ料理せんか〜〜〜ッ」

適当にヤジっとく。適当でごめんね。

357『その拳はデルタを描く』:2021/06/06(日) 23:59:38
>>354(氷山)
>>355(セララ)
>「え・・・これ全部『後藤』さん達がやってるんですか?
> もしかして、私がこの前使った金網の設置とか、スモークマシンも?」

>「う、うわ・・・・色々と派手に壊しちゃって、悪い事しちゃいましたね」


     「精密機器は『吉田』さんや『山本』さんの手を借りてますが、
      あの『給水管』や『金網』の敷設は、僕達の手でやってますね」

     「正直、長くは持たないのは解ってますし、
      皆さんの『激闘』の支えになるなら、お安い御用ですよ」

『後藤』が少し自慢げにステージ設営の功績を語る。
今の一戦も『ギミック』なしでは在り得ない試合運びだ。

>「それに観客さんたちはー、あたしも、氷山ちゃんもだけど、
>例えばサンズさんを中に入れようとしたら、ぜーったい止められちゃいますよねー!?」

>「今日だと、キューコさんに!」

     「そうですね。『キューコ』さんが見逃すとは思えませんし、
      ――――ああ、いや、どうだろうな……。
      あの人、気まぐれだから……見逃したのかな……」

『吉田』が首を捻りながら、解説席の『キューコ』を見る。
序盤とは異なり、エンジンが掛かって来たのか、ちょこちょこと解説をしている。

>「あ、でも、あの方向は!」
>「わ! 飛んだ! わーっ! マサさんすっごいハデハデなジャンプー!

     「おおー、『マサ』さん。今日は一段と飛んでますねぇー!」

     「ともかく、『試合』は盛り上がってるみたいですから、
      僕達も調査を切り上げましょうか、『吉田』さん」

『吉田』と『後藤』も疑念を捨て切ってはいないようだが、
『試合』の盛り上がりに水を差すわけにもいかず、
二人に会釈をしてから離れていった。

>>356(太田垣)
>「……大技だけどな…たぶんお互い……『クる』ぜ
> 東雲クンも黙って受けはしれないだろうし」

     「うん、……でも、『ザ・ナショナル』のパワーなら、
      仮にいなせたとしても、無事には済まないはず……」

『エミカ』も試合の様子を眺めながら、固唾を飲んで『東雲』の動きを待つ。

>ALL


      ゴスゥ!

『ザ・ナショナル』の背面飛びが『東雲』を扉へと圧し潰す。
『東雲』の骨が砕ける音が聞こえ、――――『マサ』の絶叫が響く。

     「ご、がああああぁぁぁぁ!!」

     ≪『東雲』選手、避けられない!  ――――違うッ!
       敢えて、敢えて、この一撃を受けたぁ――――!!≫

     ≪『ザ・ナショナル』、背面に強烈な一撃を受けましたぁ!
       あの位置、あの位置は、――――『キドニーブロー』です!≫


『東雲』は敢えて『ザ・ナショナル』の一撃を受けながら、
その肉体を支えとし、『ザ・ナショナル』の背面に打撃を与えたのだ。
『東雲』は扉を背にして崩れ落ちる。いずれにせよ、その一撃は強烈だった。

     「ゴホッ   グッ」

     「避けずに敢えて、『ザ・ナショナル』に飛び込むたぁ、
      流石やなぁ、  ゴホッ  ――――ようやるわ……」

着水する『マサ』はもう一度跳ね上がり、緩やかに着地する。
だが、顔色は蒼褪め、尋常ではない脂汗が流れている。

     ≪ぼ、ボクシングでは『反則』の一つである『キドニーブロー』ですが、
       その理由は『骨』に守られていない『腎臓』への打撃は、
       『重症』へ繋がりかねないからというものですが――――≫

     「咄嗟の判断。たまたま、あの一撃が入ったのね。
      ――――それじゃあ、『マサ』はもう、ダウ……」

     「ま、まだやでぇ――――」

『マサ』は『ザ・ナショナル』を引き戻し、息を荒げながら立ち続ける。

358氷山『エド・サンズ』:2021/06/07(月) 00:55:56
>>355
>>357

「うーん・・・・それもそうですね」

     『オイオイオイ、お前ラ悩ミ過ギテ試合ヲ見逃すナヨ?
      今、スッゲェ良い所ミタイダゼ?』

「あ・・・・・ッ!」

氷山が試合に目を向けた時、
丁度、『ザ・ナショナル』の攻撃に対して痛烈なカウンターが決まったところだった
『腎臓』を破壊するような強烈な一撃に、氷山は思わず呻き声を上げる

「うわぁ・・・・あの位置の一撃ってとんでもなく痛いんですよ・・・」

明智との戦いの中で似たような位置を痛めた記憶を思い出す
あの時は、正確に腎臓を狙った一撃ではなかったが・・・・
だが、今回の一撃は完璧だ 試合を決めてもおかしくない・・・・しかし

「嘘・・・・『マサ』さん・・・・」

彼は立ち上がった・・・・
その姿を目に焼き付ける様に見つめる

359円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/07(月) 22:18:52
>>357
>>358

「うそーっ、あはは、見逃しちゃうんだー!
 じゃー、多分キューコさんが見逃しちゃったんですネ」

と、短絡的に結論付けた。
 
「誰がやったのかはわかんないけど。
 うーん、変な事するヒトいるんだ……ですねー!?」

『キューコ』の思惑は分からない。
彼女は『強い』そして『東雲の試合を見たい』のは確か。
だが、それ以上については何も知らないし、
セララとしても、ステージ上が気になりだしていた。

「はーいっ、アリーナのみなさんおつかれさまでーす!」

試合は『進んでいる』
だが、『終わり』とは考えない。

「サンズさんの言うとーり、あたしも試合に集中しまーす。
 だって――――マサさん、まだまだ、まだまだやる気ですもんね!」

セララは想像できないが元気なワケは無い。
だがスタンドは『心の力』。

「東雲さんもぜったいすごい痛がってるし!
 こっから逆転もあるある! あはーっ!
 マサさーん! マサさんのかっこいいとこ、もっと見せてーっ!」

戦意が失われていないなら、この応援も無意味な言葉ではないはずだ。

360塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2021/06/07(月) 22:46:48
>>357
「おっと……立つぜ、あいつ……『根性』か?
だが東雲……あいつもかなりの『ダメージ』だ。
見世物としちゃ派手だが、本人達は堪らないだろうな」

手に持った紙コップに知らず知らずのうちに力が入り、
空になったそれを握りつぶす。

「おい、当然こいつは『死亡』はなしだよな?
誰が止めるんだ?」

361太田垣良『ザ・サードマン』:2021/06/07(月) 23:03:04
>>357
「うわッ 痛そ」
「やっぱ東雲クン、
 こういうとこで瞬時に叩き込むのがウマいんスよね」

「で…東雲クンどうなった?息してんスかね?」

綺麗に入ったな…終わりが見えてきたか?

「叩き込めッ やっちまえッ」

362『その拳はデルタを描く』:2021/06/07(月) 23:32:15
>>358(氷山)
>「うわぁ・・・・あの位置の一撃ってとんでもなく痛いんですよ・・・」

『アリーナ』において『負傷』の治療は行われる。
その裏を返すならば、敗北が死に繋がる『戦場』の闘いと異なり、
戦意さえ喪失してしまえば、『苦痛』からは逃れられる。

だが、『マサ』も『東雲』も肉体を破壊されながらも立ち上がる。
己が『闘志』に嘘を付かず、己のみを輝かせるために――――

>>359(セララ)
>「サンズさんの言うとーり、あたしも試合に集中しまーす。
> だって――――マサさん、まだまだ、まだまだやる気ですもんね!」

『東雲』も『マサ』も崩れ落ちながら、その瞳は燃え滾っている。
『セララ』はその奥底にある『闘志』を信じ、声援を送る。

>>360(塞川)

       グシャリッ

空っぽになった『紙コップ』が容易く握り潰される。
両者のダメージは深刻だ。それは傍から見ても理解できる。

>「おい、当然こいつは『死亡』はなしだよな?
>誰が止めるんだ?」

     「試合会場の何処かに『バイタルサイン』を監視する『緒方』がいる。
      彼女が『危機』を察したら、その時点で試合は終了だ……」

     「―――――あそこに、『タダヒト』が来てるぜ。
      ヤバくなったら、『スパイロ・ジャイラ』が割って入るはずだ」

『湯河原』が『判定』について話し、『菅谷』が空いたコップを持つ手を彼方に向ける。
弁護士バッヂを付けた男が、『観客席』の後方で試合を注視している。

>ALL

      「ぐっ、ううおぉぉぉぉぉッ!!」

崩れ落ちた『東雲』が咆哮を轟かせ、両の脚で立ち上がった。
着衣が破れて露出した右肘が蒼く腫れ上がり、その痛々しさを物語る。

       シュゥゥゥゥ―――――

『東雲』はその身に『岩塩』を積もらせ、『マサ』へと接近する。
先程まで見せていた『スピード』は鳴りを潜め、緩やかな接近だ。

     ≪両選手、負傷を振り切って見せるファイティングスピリッツ!
       しかし、両選手のスタンドのパワーを考えるならば――――≫

     ≪決着まで、そう時間はないでしょう!!≫

     「ワイの、『最後』の試合や――――」

     「『B級』に勝てずにケツ捲るなんて、しとうなかったわ……」

『マサ』の腰が落ち、下腿が全て水中に沈む。
力尽きたのか?――――いや、違う。

     「・・・・・上等じゃあ!!かかって来いや『マサ』サンッ!!!」

       ズズズ...     ダンッ!!

     「せやけど、最後は『勝利』で笑って、お終いやぁ!
      『東雲』はん、アンタの『塩』!  もうお役御免やで!」

      バシャシャシャシャァァァァァ―――――!!

姿勢を低くした『マサ』が水飛沫を散らしながら接近する。
自身を蹴り放っての『水切り』。片足の蹴りだけで『ジェットスキー』を見せ、
片足を負傷しながらも、全力疾走に等しいスピードだ。

      「マサさーん! マサさんのかっこいいとこ、もっと見せてーっ!」

      「これが最後、何言ってるんだ……『マサ』さん……」

      「これだけの大仕掛け、残したまま『引退』する気かぁ!?」

363氷山『エド・サンズ』:2021/06/07(月) 23:52:13
>>362

「『最後の試合』って・・・・!
 まさか、これがマサさんにとっての『引退試合』になるって言うのですか!?」

『引退』・・・・・人が何かを辞める理由はそれぞれだろう
生活様式の変化、社会情勢の変化、肉体的衰え・・・・
スタンドバトルはリスクも高いし、要因は数多く上げられる

「・・・・・ッ!」

だからこそ、迷う
マサさんの引退試合だというのなら・・・彼の『勝利』を祈るべきじゃないか、と
『あの時』とは状況も違う、マサさんは別に死んだりしない・・・・ただ辞めるだけなのだ

「が、頑張れ―――――っ! 『マサ』さぁぁ――――んっ!」

だから、氷山は応援する相手を変えた
これが『引退試合』なのであれば・・・・その『最後』には『花』を持って欲しいと思ったからだ

364円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/08(火) 00:43:20
>>362
>>363

「え!? うそーっ、最後って――――――」

          ――――『引退試合』

氷山の言葉に目を大きく開き、
突貫するマサの姿に改めて身を乗り出す。 

「――――――最後ならしょーがない、しょーがない!
 でもでもマサさん、マサさんは勝てずに終わりじゃーないでーーーす!!」

円谷はこだわりがない。
他人にもこだわりを押し付けない。
やめるときはいつか来る。

「かっこよくて強ーい東雲さんに勝って、きれーなフィニッシュですよ!
 いけいけマサさーん! やっちゃえやっちゃえ! 終わり良ければすべて良しー!」

変わらずマサを応援する。やめるときはいつか来る。そしてハッピーエンドであるべきだ。

365『その拳はデルタを描く』:2021/06/08(火) 01:23:54
>>361(太田垣)
>「で…東雲クンどうなった?息してんスかね?」

     「お互い、死力を振り絞ってる……!
      もうすぐ、この試合が決まる――――」

『エミカ』も『太田垣』と同じ心境だ。
互いに見守る中、既に『試合』は佳境へと向かっている。

>>363(氷山)
>>364(セララ)
>「『最後の試合』って・・・・!
> まさか、これがマサさんにとっての『引退試合』になるって言うのですか!?」

>「え!? うそーっ、最後って――――――」

      「『マサ』さん、仕事がノってきたって言ってたけど――――」

      「クソッ!  まだあの関西弁を黙らせてねぇんだぞ!」

『マサ』の零した言葉は『氷山』と『セララ』だけでなく、
周囲の観客達にも波紋を広げ、動揺の声が上がっている。
それを振り切るように、二人は声を振り絞り、『声援』を送った。

>ALL

     「やはり『水切り』かァッ!!」

    グオォォンッ!
              ――――バシャァァ!!

『東雲』は下手を振るい、強烈な『鉄砲水』を『マサ』の顔面へと浴びせる。
『マサ』は止まらず、『ザ・ナショナル』は低い姿勢を伸ばし、『カエルアッパー』を打ち上げる。

      「なぁにが最後じゃあッ!諦めるのが好きなヤツらじゃのお!!」

      「わしはジジイになろうと、『ケンカ』は止めんけぇのぉッ!!」

      「その学生服がまぶしいなぁ、『東雲』はん!
       ワイも、その心意気一つだけで、挑みたかったわぁ!」

      「生きていく上で、ワイは思ったよりも背負いすぎちまったんや!
       でもなぁ、『後悔』はないでぇ! 最後の最後、このアリーナで!」

      「アンタみたいな、ゴッツイ『男』とヤれたんやからなぁ!」

右拳のアッパーを『東雲』はギリギリまで引き付けて避けようとする。
だが、『速い』。無論、『東雲』は既に『拳』を突き出した。

      「が、頑張れ―――――っ! 『マサ』さぁぁ――――んっ!」

      「かっこよくて強ーい東雲さんに勝って、きれーなフィニッシュですよ!
       いけいけマサさーん! やっちゃえやっちゃえ! 終わり良ければすべて良しー!」

      ≪『東雲』選手、僅かに速い!
        『後の先』! 既に負傷した身ではありますが、
        それでも尚、その白亜の拳は、真っすぐに『マサ』選手を――――≫

              バキャァァァ!!

      ≪顔面を、打ち据え≫

      ゴォォ――――
                    ド  ッ

『ザ・ナショナル』のアッパーが『東雲』の身体を思いっきり打ち上げた。
『東雲』を追うように『ザ・ナショナル』が水切りの反動で飛び上がり、
水飛沫を煌めかせながら、『水』から脱した一人と一体が、何者も届かぬ空にて対峙する。

       ≪――――両者、『空中戦』!≫

       「――――着水までに、試合は決する」

『鼻筋』のひしゃげた『マサ』が倒れ込み、その身を水面へと投げ出す。

366塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2021/06/08(火) 19:33:45
>>365
「…………ッ!
もう、どっちも『仕込み』はない、そのはずだ……!
最後には、『スタンド』の『スピード』と『パワー』、
そして『覚悟』が勝敗を分ける………!」

一瞬の交錯によって弾き飛び、
そして空中にて最後になるであろう激突を迎える両者に、
思わず身を乗り出して声援を送る。

「ブン殴れッ! 『東雲』ッ!」

367太田垣良『ザ・サードマン』:2021/06/08(火) 20:38:31
>>365
「へえ………そっスか」 


 「………ガンバ!」

何であれ、それしか言う事はない。
アツい奴らの様子を、ただ、観る。

368円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/08(火) 22:15:12
>>365

「『ザ・ナショナル』ーーー!

       マサさんにーっ!

  ・・・・
 『勝ち逃げ』させたげちゃってくださーい!!!」


一瞬の攻防に投げられる言葉は一つだ。
席から立ち上がって、空中の『交錯』から視線を逸らさない。

369氷山『エド・サンズ』:2021/06/08(火) 22:22:32
>>365

「・・・・・・!」

東雲の語る『心意気』もわかる・・・
それでも・・・・人には『心意気』だけではやっていけない事もある、という事を
氷山は理解してしまっている・・・・だから

「『マサ』さ――――ん!
  最後なら・・・・勝って終わりにしてくださ―――い!」

だから、最後まで・・・・『終わり』の瞬間まで『マサ』を応援する事に決めた

370『その拳はデルタを描く』:2021/06/13(日) 22:43:22
>>366(塞川)
>「…………ッ!
>もう、どっちも『仕込み』はない、そのはずだ……!

     「いや、――――『マサ』さんはアレを出していない。
      『B級』に王手を掛けた『必殺技』、……今なら出して来る!」

身を乗り出した『塞川』に倣うように、
『湯河原』と『菅谷』も金網にしがみつき、空中の接戦を見守っている。

>>367(太田垣)
> 「………ガンバ!」

     「スゴイ空中戦。お互いに一歩も譲らない……。
      あの時と同じ、滾るような熱量の中で生きている……」

『エミカ』も生唾を飲み、金網にしがみついて観戦をしている。
周囲の男達も立ち上がり、同じように金網に張り付き始めた。

>>368(セララ)
>>369(氷山)

     うおおおおおおぉぉぉぉ―――――

周囲の観客達が立ち上がり、金網へと殺到していく。
先日の試合とは違う。純粋なる『闘志』のぶつかり合いに惹かれ、
居ても立っても居られない観客達が、空にて対峙する二人に声援を送る。

そして、それは『セララ』や『氷山』も同じだ。
そう遠くない終結に向けて、力の限りの声援を送った。

>ALL

      「が、ふっ………!!」

『東雲』は白粉を散らせながらも、その両脚が扉を蹴る。

        ダァンッ!

     ≪『東雲』選手、吹っ飛ばされては終わらなぁい!
       壁を蹴った、向かう先はぁ――――≫

     ≪『ザ・ナショナル』!!  既に拳の間合いです!≫

『東雲』は『ザ・ナショナル』目掛け、組んだ両腕を思いっきり振り下ろす。

    「おどれ程の男が、んな寂しいこと言うなや!!例え『アリーナ』がなくなろうと、
     わしは『マサ』さんからの挑戦はいつでも受けたるけぇ!!」

        ガスゥッ!!

    「『ザ・ナショナル』ーーー!

           マサさんにーっ!
      . . . .
     『勝ち逃げ』させたげちゃってくださーい!!!」

    「『マサ』さ――――ん!
     最後なら・・・・勝って終わりにしてくださ―――い!」

    「見っともねぇ終わらせ方にするんじゃあねぇーぞ!」

    「最後の最後、カッケェところ見せろっつうの!」

      うおおおおおおぉぉぉぉ―――――

    「───花を、持たせるつもりはねぇわぁッ!何度でも、奪いに来いやァァァッ!!」

    「上等やぁ、この拳で――――最後を飾ったるわあ!」

両者の拳が激突する。力に劣るも、両脚を付けた『東雲』と、
力は勝るも、空中故に力を伝えきれない『ザ・ナショナル』。
この空中戦。この状況下において、両者のパワーは互角。

          バシュルルルルルゥゥゥゥ――――!!

    ≪あ、あれは……水中の『有刺鉄線』!!≫

    ≪飛び上がったその『衝撃』が水を伝わり、
      『有刺鉄線』を押し退け、跳ね飛ばしたぁぁぁ――――!!≫

激戦で千切れた、六本の『有刺鉄線』が左右正面三方向から伸び上がり、
宙を舞う『東雲』を絡め取らんと、『ザ・ナショナル』を透過しながら躍りかかる。

    「――――あの一戦で『ニコン』を追い詰めた『必殺技』、

      サーペンティン・プリズン
     『 大 刑 蛇 締 監 獄 』。……これが決まれば、空中での脱出は不可能ね」

『監獄』と称された多方向からの拘束の功績を、『キューコ』が静かに告げる。
狙いの甘さを『本数』でカバーし、すぐにでも『東雲』の四肢に絡み付くだろう。

    「空中に逃げ場はあらへんで!
     ――――『東雲』ェ、この一撃が西からの土産や!」

『マサ』は朦朧としながらも、『東雲』を見据えている。
『腎臓』のダメージが酷い。持って数秒、その程度か。

371氷山『エド・サンズ』:2021/06/13(日) 23:16:11

『有刺鉄線・・・・! ナルホド、「マサ」ノ奴考エタナ!
 最後の衝突ノタメニ、アンナ場所ニ隠シテヤガッタノカ!』

「逃げる隙間を絡めとる『最後の奇策』・・・・!
 これが決まれば――――――」

『マサ』の放つ最後の策・・・・
その攻撃が上手く決まる様に、両手を握りしめて祈りを捧げる

372太田垣良『ザ・サードマン』:2021/06/13(日) 23:57:43
>>370
 「ウオッ スゲッ…」

マサは……もっと…『セコ』い闘い方も出来るはずだ……
なのに…相手と『対面』し、『大技』を使う…
東雲は逃げない。真っ向から受ける。
知ってるぞ。…ファイター共の特有の奴だ。

「そうか…エミカ…そうなんだな…

 …熱量
 …『心の滾り』に… なるほどね…」

「…従っちまうんだな 皆」

クールじゃいられないんだ。
崩れるように椅子にもたれかかり。
金網に殺到する観客を見下ろす。
あの男を見る。

「 必殺技…だが東雲は止まらない」

俺はなぜだか『確信』してしまった。

373円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/14(月) 02:48:37
>>370

「なにあれーっ!? すごーい! 『必殺技』ー!?
 マサさん――――マサさーん!!」

『意地』だけで立っていたのでは無かった。
『まだ残していた』のだ。この瞬間のために。

「マサさああーーん!! 勝ってーーーーー!!!!」

セララはずっと勝ちを応援していた。
だから最後の瞬間まで、『西』の男の名を叫んで決着を見上げる。

374塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2021/06/14(月) 21:16:24
>>370
宙を舞う『有刺鉄線』に、自らの見込みが甘かった事に気づいた。
この『マサ』という男は………。

「『跳躍』の動きがそのまま、次の一手になっている……!
これが、このレベルの攻防が出来ても『Cランク』だってのか……!」

「だが奴のダメージも大きい。
この攻撃、切り返せなくとも凌げば……!」

375『その拳はデルタを描く』:2021/06/18(金) 23:25:20
>>371(氷山)
>>373(セララ)
>『有刺鉄線・・・・! ナルホド、「マサ」ノ奴考エタナ!
> 最後の衝突ノタメニ、アンナ場所ニ隠シテヤガッタノカ!』

『東雲』を絡め取り、その剛腕を最大限に活かすための『トリック』。
その成功を『氷山』は祈る。最後の奇策は、無事に決まるのか……。

>「マサさああーーん!! 勝ってーーーーー!!!!」

『セララ』は高い声を荒げ、『マサ』に声援を送った。
周囲からも声援が飛び交い、『マサ』への期待が止まない。

>>372(太田垣)
> …熱量
> …『心の滾り』に… なるほどね…」

>「…従っちまうんだな 皆」

『スタンド』には『持続力』や『射程距離』が存在する。
――――それ以上に、『認識』という制限がある。
誰にも見えない力は、誰にも賞賛されない。
それを活かす場は現代社会には存在しない。

町の外れの地下に押し留められた『アリーナ』も、
人目には映らず、衆目には通じず、――――だからこそ、熱狂を生む。
押し殺された『力』の奔流は、一晩で誰もを『ヒーロー』にする。

>「 必殺技…だが東雲は止まらない」

――――誰もが『マサ』の勝利を望む中、『太田垣』は理解していた。

>>374(塞川)
>「『跳躍』の動きがそのまま、次の一手になっている……!
>これが、このレベルの攻防が出来ても『Cランク』だってのか……!」

        Bランカー
     「『海の壁』は分厚く遠い……。
      だが、そこで終わる俺達じゃあない」

     「『菅谷』も『マサ』さんも、……あの『東雲』もだ。
      この激戦を制するならば、『東雲』は壁を超えるやも知れんぞ!」

激情が支配する『アリーナ』の中、冷静に事態を見届ける『塞川』。
『湯河原』も汗ばんだ手を握りながら、試合の趨勢に目を離せない。

>ALL
     「─────チィッ…『ザ・ナショナル』!既に用意しとったんかッ!」

迫る『有刺鉄線』が『東雲』の四肢に殺到し、両腕に喰い込んだ。
中空に浮かぶ『ザ・ナショナル』が大きく拳を振りかぶる。


     「マサさああーーん!! 勝ってーーーーー!!!!」

     「これで終わりなら、西の生き様見せろっつうの!」

巨岩をも砕く撃腕が、『東雲』の胴体へと襲い掛かる。

     「この一撃、網膜に刻んだるわァァァ―――――!!」

     「うおおおおぉぉぉぉぉぉッ!!!」

拳に巻き付いた『有刺鉄線』は、『岩塩』の解除によって緩む。
『ザ・ナショナル』の首元へと伸びる掌が、僅かに届かない。が――――

            ギュゥゥゥ――――ンン!!

     ≪『東雲』選手、ここで『加速』ッ!!
       な、なんで『空中』で、身体が伸びて――――≫

     「伸び切った『有刺鉄線』を、手繰って引き寄せた……」

『東雲』が腕を伸ばし、身体が捻じれた時、
体躯の回転によって伸びた腕、掌が『ザ・ナショナル』を掴み、

          i /
         力  ギャァァァンッ!!

その頭突きが『ザ・ナショナル』の顔面を叩き伏せる。
『ザ・ナショナル』の拳は『東雲』の脇腹を抉るも、

           ガスッ
                   ゴスッ!!

頭突きの一撃一撃が、『マサ』の花道を枯らしていく。
『マサ』の鼻柱が捻じれ、息も絶え絶えになりながら、
『ザ・ナショナル』は両腕を『ザイオン・トレイン』に組み付け、

     「上等やぁ――――
      絶対に、離さへんでェェェ――――!!」

          ヒュォォォォォ―――――

『ザ・ナショナル』の両腕が『東雲』の胴体を締め上げる。
粘り気を帯びた脂汗を流し、『マサ』は全歯を食いしばって猛攻に耐える。
無論、それは『東雲』も同じだ。互いに組み合い、床へと落下していく――――


          バッシャァァァァァ―――――ンンッ!!

376円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/19(土) 03:00:30
>>375

「わーーーっ!! すごいすごいすごい!!
 あれってどっちが勝ってるの!? 氷山ちゃん分かる!?」

       「やばーい!!落ちちゃう!!
        マサさーーーーん!!!」

壮絶な空中戦、いや、空中での肉弾戦が、
決着したのであろう、ということは分かった。

身を乗り出して、水飛沫の先を見たい。
マサの花道が通ったのか?
それとも東雲の漢気が上回ったのか?

「――――どうなったの、どーなったのー!?」

           あとは――決着を見届けたい。

377氷山『エド・サンズ』:2021/06/19(土) 10:00:03
>>375-376

「ああっ!」

大胆で派手な『空中戦』の後、戦いは泥臭い『接近戦』に移った
お互いに拮抗しているように見えるが、戦況はやはり・・・・

「一見すると五分五分のようにも見えますが
 体勢を考えますと・・・・東雲さんの方が」

隣に立つセララに戦況についての所感を伝える
自分の応援していた『マサ』は、今まさに『負け』の瀬戸際に立っている、と

「『マサ』さん!」

だからこそ・・・・最後に伝えたい応援の言葉がある

「『悔い』の無い戦いを!」

378太田垣良『ザ・サードマン』:2021/06/19(土) 19:23:17
>>375
「やっぱりな… 東雲クン!
  …………やるじゃねーか!!!!」

リングに向かってで大声で褒めておく。
根拠のない確信はあったが、
不安もあったっちゃあった。よかった。

 「……もつれこんだっスね 
  あとは『意地』と『運命』スか… たぶん策は品切れだろ…」

 「勝利の女神はどっちに微笑むやら…
  ………(それっぽい事言ったぜ!というドヤ顔)」

…椅子に深くもたれかかったまま、
冷えちまったお好み焼きを齧る。
結局これは『大阪風』なのか『広島風』なのか?
自分には…俺にはわからない。
もうノンビリ観戦で見届けるモード。

   ムシャ

 「…うん…納得はできたっス
  できたが…よくやるわ 
  頑張るなあ 彼ら」

 「アツいね」

379塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2021/06/20(日) 22:16:49
>>375
「水場へと落下したッ!
つまり、奴の『能力』が来る。
『ザ・ナショナルズ』の……『撥水』とでも言うべき『能力』ッ!」

(何が来る……? だが、決着は近い。
密着した場は『パワー』がモノをいう。
そして『水場』……こいつは、きついか………? 『東雲』ッ」

380『その拳はデルタを描く』:2021/06/21(月) 22:56:28
>>376(セララ)
>>377(氷山)
『セララ』は『金網』越しに繰り広げられる、二人の闘いを見守る。
互いに全力を振り絞った熱戦。両者の息も絶え絶え、勝ち残るのは誰だ。

>「『マサ』さん!」
>「『悔い』の無い戦いを!」

そして、『氷山』は健闘を祈るように声援を上げた。
両腕のベアハッグを極める『ザ・ナショナル』だが、
その威力が乏しいのは明らかだ。――――全力が出せるのならば、
既に『東雲』がオチていてもおかしくはないからだ。

>>378(太田垣)
>「…うん…納得はできたっス
>できたが…よくやるわ 

> 「アツいね」

     「うん……。来て、良かった……」

『エミカ』も伏せがちだった目を見開いて、試合を観戦している。
獣性のぶつかり合い、撃的なる闘いが間もなく終わろうとしている。

>>379(塞川)
>つまり、奴の『能力』が来る。
>『ザ・ナショナルズ』の……『撥水』とでも言うべき『能力』ッ!」

     「ああ、『水場』まで息が持てば、『マサ』さんが……」

     「――――甘いッ、つうの。
      二人とも『余力』を残しちゃあいねぇ……」

     「二本の脚で立てるのは、一人だけだぁ!」

『撥水』のスタンド能力に一縷の望みを賭ける『湯河原』だが、
『菅谷』が断言する。――――この試合、決着は間近だ。

>ALL

       バキャッ!   バキィ!

          ボヒュォォォ――――

『ザ・ナショナル』の両腕が、一段深く喰い込んだ。
『肋骨』の粉砕。その結果であるのは明らかだった。
『東雲』の呼気が搾り取られ、現世を惜しむ断末魔のように響き渡った。

      「マサさーーーーん!!!」

      「どっちだッ!?   どっちが残るんだッ!?」

      「東雲クン! …………やるじゃねーか!!!!」

観客達にも、『セカイ』にも、その結末はまだ誰にも解らない。
『東雲』と『マサ』、両者の内に残る『闘志』こそが行く末を決める。

      「そのままブッ倒れろやァッ!!」

――――『東雲』の炎は消えていない。
『ザ・ナショナル』の鼻っ柱を目掛け、

           ゴスゥ!!

その額を叩き付ける。
『ザ・ナショナル』のヴィジョンが罅割れ、『マサ』の両膝が崩れ、

          バッシャァァァァァ―――――ンンッ!!

       ≪ああ、これはぁ―――――!!≫

水音と共に、『セカイ』の電子ボイスが響き渡る。
『東雲』の太胴を締め上げていた『ザ・ナショナル』が消える。
そして、『マサ』もまた、自らが産み出した水の底へと倒れ込む。

      ≪し、試合終了です!!≫

給水口からの放水が止まり、水がじょじょに引いていく。
何処かの排水口が稼働したのだろう。扉は閉ざされたままだ。

      ≪勝者は、――――『東雲』選手です!
        水中から空中への激闘、ゼロ距離での攻防!
        決して『有利』とは言えないステージでの奮闘は、
        ……見事な『終幕』を飾りました!≫

      ――――― パチ
                     パチッ

『セカイ』の実況が終わり、小さな拍手が聞こえる。

381氷山『エド・サンズ』:2021/06/21(月) 23:31:56
>>380

「あ・・・・ぁ・・・・!」

鈍い音とともに『ザ・ナショナル』が叩き割れ、その姿が急速に薄れていく・・・
最後に立ちあがっていたのは『東雲』であり、この瞬間に『勝敗』は完全に決した

      ≪し、試合終了です!!≫

試合終了の合図が聞こえる
『マサ』は最後までやり切ったのだろうか? それはわからない・・・・
やがて、『東雲』の勝利を讃える様に小さく拍手が上がる
氷山はその音を聞きながらも、どこか現実感のない感覚で闘技場を眺め・・・・

     パァァァンッ! バチバチバチバチバチッ!!

『オイオイオイオイオイ――――ッ! お前らヨォォ―――ッ!』

そこに一際大きな破裂音が鳴り響く
『エド・サンズ』がその強力なパワーで大きく手を叩いた音だ

『決着ガツイタンダゼ!? お互いニ一歩モ退カネェ凄ェ試合ダッタ!
 ダカラヨォォォ〜〜〜! 讃エヨウゼッ!』

『「最後」マデ良い勝負ヲ見セテクレタ「マサ」ト!
 「最後の最後」ニソレヲ上回ッタ「東雲」ヲヨォォ〜〜〜〜ッ!』

「・・・・・・・ッ!!」

「そうですよ!」

      バッ!

          パチパチパチパチ!

自身のスタンドに喝を入れられたかのように氷山の顔が上がる
そして、勝者である『東雲』を讃える様に大きく拍手を上げた

382塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2021/06/21(月) 23:38:54
>>380
「勝った……………のか。
正に『死闘』だったな。
勝敗を分けたのは………いや」

誰にともなく呟くが、一旦言葉を切って、二人へと拍手を送る。
分析や御託は、今は無粋だろう。

383円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/22(火) 00:14:32
>>381

激突の果て、最後に立っていた男の姿は――

「あーっ!! 『ザ・ナショナル』がいなくなっちゃったー!?」

         「てことはてことは」

「わーーーーっ、東雲さんの勝ちだー!
 あーあ、マサさん、これで負け逃げになっちゃいましたよー!
 あたし、なんか悔しーです! でもでも、今回もすっごい楽しかったーーー!!」

応援していたのはマサだが、
楽しんでいたのはこの試合そのものだ。
 
「あはーっ、マサさーーん!!
 最後まですっごいすごかったよ! ありがとネーっ!」

      パチパチパチパチパチパチ!

「東雲さんもー、『男気』! かっこよかったでーす!!」

表情を心に満ちる笑いで満たし、
『去りゆくもの』と『先に行く者』の花道を、拍手で飾る。

384太田垣良『ザ・サードマン』:2021/06/22(火) 02:19:30
>>380
お互いもうボロボロだってのに、殴り合う男たち。
水溜まりでもつれあい、能力戦もなにもあったもんじゃない。
周囲を見回す。惜しみない笑顔と拍手。
男、女、キッチリした奴、怪しい奴、俺と同じくらいの年頃の奴、
お客の皆々様もわざわざ物見遊山に
こんな『裏』ッ側の世界までいらっしゃる変わり者達で、
さぞいいものが見れたのだろう、ずいぶん滾った顔をしてらっしゃる。
金網では遮断することのできない闘いの世界に引き込まれている。
なんだ? 熱だ。人を引き付けてやまない『迫真』だ。


「そうスね… 俺、いいもの見れた 
 ほんの僅かに……でも確かに……」

より知ることができたんだと思う。すこし熱くなった頬に手を当て、

「…エミカ、お疲れ。
 怖かっただろうに、でもちゃんとここまで歩いてこれたんだな
 いいもん見れた?そりゃ良かった。
 しっかり食うんスよ マッチメーカー気取りの男は疑ってかかれな…
 ……?何を言い出してるんスかね自分は……
 ………うん…今日はありがとう」


「…東雲……お疲れさん。
 こんな事よくやるよ… あんときだってそうだ
 歯を食いしばって、絶対に譲らない。
 相手が誰だろうと拳が揺るがない…
 …強いぜ、お前ならなれる…チャンピオンとか、何かに…
 ……本当に、おめでとう」


俺はいつのまにか立ち上がっていた。軽く手を叩こう。
リングを1…2…3……秒見つめ。
……帰るか。じゃあな。

(返事とか呼び止めとかなかったらマジ普通に帰る!)

385『その拳はデルタを描く』:2021/06/23(水) 23:47:14
>>381(氷山)
>>383(セララ)
『塵手水』とも聞き違える程の、『エド・サンズ』の強烈な拍手。
その爆竹にも似た音の弾けに背を押されるように、
周囲の観客達も『拍手』を響かせ、『声援』を送っていく。

>>382(塞川)
>勝敗を分けたのは………いや」

『塞川』は何を告げるもなく、二人へと拍手を送る。

>>384(太田垣)
『金網』を越えて伝わる激闘の熱、それが『太田垣』の頬を焦がした。
『エミカ』に別れを告げ、『東雲』に健闘を伝え、
『太田垣』は『観覧席』から去っていく。

>ALL
全力を振り絞った『東雲』はその場に立ち尽くし、
彼を称えるように『拍手』が鳴り響く。

    『オイオイオイオイオイ――――ッ! お前らヨォォ―――ッ!』

    『決着ガツイタンダゼ!? お互いニ一歩モ退カネェ凄ェ試合ダッタ!
     ダカラヨォォォ〜〜〜! 讃エヨウゼッ!』

    『「最後」マデ良い勝負ヲ見セテクレタ「マサ」ト!
    「最後の最後」ニソレヲ上回ッタ「東雲」ヲヨォォ〜〜〜〜ッ!』

    「あはーっ、マサさーーん!!
     最後まですっごいすごかったよ! ありがとネーっ!」

      パチパチパチパチパチパチ!

    「東雲さんもー、『男気』! かっこよかったでーす!!」

『東雲』と『マサ』、激闘を終えた二人にエールが送られる。
拍手の音が波打つように広がり、それに負けじと観覧席から声援が飛び交う。

    「『東雲』ェェ――――!!  気合い入ったぞォォ――――!!」

    「最後の最後まで、アツい殴り合いだったっつうの!」

          わああああぁぁぁぁ―――――

接戦を称える野太い賛辞が鳴り止まぬ中、
『キューコ』は無線マイクを手にし、『東雲』へと放り投げる。

    「――――『勝者』は立ち、『敗者』は倒れる。
     ……『トウグモ』、言葉がなければ『マイク』を捨てて」

386円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/06/24(木) 04:02:27
>>385

「あははーっ東雲さん東雲さーーーん!
 マサさんに勝ったんですからー!
 フィニッシュはかっこいーあいさつで閉めちゃってよー!」

文字通り拍手を惜しまず、
そして声もまた惜しまない。

「あー楽しかった楽しかった!
 ネ、氷山ちゃん! サンズさーん!
 今日もあたし、見に来てよかったなーって思いまーす」

『設営の謎』こそ僅かに残ったが、
セララにとってはそれはもう些事。
マサの敗北も悔しくはあるが――――『見に来てよかった』。

              ・・・あとは勝者の言葉だけ、聴いて帰ろう。

387氷山『エド・サンズ』:2021/06/25(金) 00:23:57
>>385-386

「そうですね・・・・セララさん」

東雲の勝利にテンションが変わらないセララとは対照的に
氷山の方は拍手こそ盛大に上げているもののコメントのテンションは低い
切り替えるにはまだ少し時間がかかりそうだ

『悪イナァ、嬢ちゃん!
 あきはノ奴、ドーヤラ、「マサ」ノ奴ニ随分ト肩入れシチマッタミテェデナ!
 マッ、オモシレー戦いハ見レタンダ!
 コノママ楽シイ気分デ終わりニシヨウゼ!』

『設営の謎』に多少気がかりは残るものの
試合を見る限り、特にこの戦いに影響を与えていないようだし
それ以上に、白熱した試合を見た事に気を取られているため、考えは及ばない

388塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2021/06/25(金) 21:04:55
>>385
「そして『マイクパフォーマンス』か……
しかし、あの実況……何考えてんだ?」

不満げに呟いて、椅子に深く腰掛けて『東雲』の言葉を待つ。

389『その拳はデルタを描く』:2021/07/07(水) 21:44:16
>ALL

     スゥゥ

『東雲』はマイクを手にし、握り締めた。
倒れ伏した『マサ』の語りを踏襲するように、叫んだ。

>「・・・・・・仕方ないのォ!『マサ』サンの遺言とあっちゃあ、何も喋らんわけにはいかんけぇ!」

>「勝ったのは、わしじゃあッ!!…つまり、本当に美味いんは『広島のお好み焼き』っちゅうことじゃ!」

       うおおおおおぉぉぉぉ――――

観客席から勝者を称える声援が響き渡る。
その地鳴りにも似たファンファーレを全身に浴びながら、
『東雲』は最後の力を使い果たし、ゆっくりと床へと倒れていく。

――――こうして、今日の試合はこれにて幕を下ろす。


氷山『エド・サンズ』
太田垣良『ザ・サードマン』
円谷 世良楽『リトル・スウィング』
塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』  →  『お土産』として『もみじタコ焼き』を持たされる。

『もみじタコ焼き』:
まるでこの勝敗を予期したのか?
『掌』にも似た『もみじ饅頭』の分厚い生地に収まる『タコ足』。
『拳』にも似た『タコ焼き』の中には甘しょっぱい『塩餡』が込められる。

390『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/08(木) 21:47:03


ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1625483444/
『揺蕩う紫煙は変毒為薬』


――試合、『観覧席』。

アリーナの試合会場は、基本的に『満席』が当然な、観客の熱気に満ち溢れた狂熱の戦場であるが、弱小派閥の、まして『午前』の部――即ち、一日の『前座』ともなれば、観客席に空きが生まれる可能性がある。
相撲で言えば、序幕同士、競馬で言えば第一レース。スター選手が出るわけでもない。
楽しむものはいるだろうが、それを本命とする客は少ない。それが、弱小派閥の試合であった。
試合を待つ客たちの『賭け』に伴う熱気も『超常の闘争』に対する渇望も、通常の『アリーナ』に比べれば希薄と言ってもいいだろう。
故に――客席が『穴ぼこだらけ』になることを阻止する為に、最中派閥は一計を案じた。

「いいことを思いつきました、ワタクシの派閥の宣伝も兼ね、アリーナに纏わるスタンド使い達を『招待』してしまいましょう!」

それは、『他派閥』の誰かかもしれない
あるいは『仕事』を受けた経験のあるスタンド使いかもしれない。

いずれにしても、『穴ぼこ』を埋めるためにチケットは撒かれた。
――『七割』程度は、席が埋まっていた。

(基本的にこちらでのアクション、歓声を『拾う』と言う形で進行いたします)
(『アリーナ』に関係した事があるキャラクターであれば、チケットが送られている可能性がありますので登場制限はありません。『派閥』キャラとか出ても面白いかもしれません)

――もしも、誰か『招待』を受けているのなら。
2mの『鉄壁』に囲まれた戦場に足を踏み入れた戦士たちの姿を、周囲上方に設置された席から見たことだろう。
そして、今。

戦いの始まりを、見ることだろう。

391七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/08(木) 22:46:32
>>390

「一抹くん!?」

 焦げ茶の髪を背中に流した少女――七篠が『アリーナ』にやってきたのは『チケット』が――以前仕事を受けたコネによるものか――届いたからだ。
 埋まりきっているともいえない会場へやってきた七篠は驚いた。
 リングに現れたのはよく部屋に遊びに来る少年の姿だったからだ。

――『アリーナ』の人と仲良さそうだったのはこういうことなんだ…。

 不思議と納得した七篠は声を張り上げる。

「一抹くん、頑張ってくださいー!
 怪我しないでー!」

392『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/08(木) 22:57:17
――柱の影に隠れたヨーマは、物憂げな様子で『石柱』に『副流煙』を吹きかけている。
煙草を指で摘んで紫煙を吐く姿は、男装も合わさって色っぽさがある。

『実況』はそれを叫ばない。一抹の『仕込み』をヨーマに伝えるように叫ばないように。
ただ、『観客達』だけが互いの行動を理解している。

393三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/07/08(木) 23:19:41
>>392

「以前、僕が見た『アリーナ』と違って・・・」

休日の午前、普段であればスーツを着ていたであろう三刀屋の服装は
TPOを合わせて紺のスラックスに明るい色合いのポロシャツという出で立ちとなっていた

「随分と『退廃的』な雰囲気の会場だ
 あの少年と、煙草のお姉さんが闘う訳みたいだけど・・・・
 まあ、『スタンド使い』に年齢差は関係ないらしいけどねぇ」

ふと気づくと少年の友達らしい女の子(>>391)の声援が聞こえた

「うん! それじゃあ、僕も少年の方を応援してみようかな
 がんばれー!『イチマツくーん』!」

394鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/07/08(木) 23:23:04
>>390

竹刀袋を背に負った、学生服姿の少年が『アリーナ』を訪れた。

「…『タダヒト』さんの派閥とは、違うようだ」「これが『アリーナ』の試合か」

『スタンド使い』の戦いを間近で観られるのは、貴重な経験だ。
自分はこれからも『スタンド』を用いて戦う事が想定される。ならば、その経験はきっと役に立つ。
そう思って届いたチケットを手に、ここまで来たのだが。

「─────、一抹くん」「まさかキミが」

年下の友人が、『アリーナ』に選手として出てきている。驚きはあるが、しかし同様に、共に修羅場を潜り抜けた彼への信頼もある。
ここは一旦席へと座り、成り行きをまずは見守ろう。

395『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/08(木) 23:59:57

彼には見えなかったであろうが『君達』には見えた光景がある。
『掘削』『破壊』の最中――ヨーマが煙草を一本『捨てて』、新たに『火を点けた』事。
そして、『破壊』の後――「モクァ!」――ヨーマが繰り出した攻撃は、たった一発の「打撃」であったこと。

――おい、あれ、A相当じゃねえのか……

そんなざわめきが、一部の客席から漏れる。
――観客たちは、湧き始めた。

396七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/09(金) 00:24:47
>>395

「きゃっ」

 七篠の喉から小さく悲鳴が漏れる。
 女性が石柱を砕いたのを見て、思わず出たといった様子だ。

――……『リルトランク』じゃ、絶対にこんなことできない…。

 『リルトランク』は七篠と大差ない力しか持っていない。こんな風に『石柱』を一撃で破壊するなど到底不可能だろう。
 『オジロ』の時に『バイク』(スタンド能力)に轢かれそうになった七篠だが、それと同じくらいの力(パA)に見えた。

「『バイク』みたい…! 一抹くん、避けてっ!」

397鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/07/09(金) 20:41:35
>>395

「ふむ。『タバコ』を用いて、身体能力を向上させるタイプの『スタンド』か…?」
「だがあの『パワー』に『スピード』…真っ向勝負では、流石の『インダルジェンス』でも少々分が悪いか」

だが『スタンドヴィジョン』は出していない。あるいはそれとも出せないのだろうか?
人間の得意な技能に限界があるように、人間の精神が生み出す『スタンド』にも同じく得意不得意がある。
極めて強力な能力を振り回すスタンドは、ヴィジョンを持たないこともある。
それも人間同様、たまに万能の天才とも言うべきスタンドもあるだろうが、
例外を最初に考える意味は薄い、と自分は考える。
ならば、正面のスペックで一抹くんが押し負けていても、勝ち筋は必ずあるはずだ。

「一抹くんッ!相手は強烈なパワーだ、『直撃』は避けるんだ!」

398『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/09(金) 22:38:54

攻防――炸裂。
双方の流血――観客からも興奮が流れ出す。
智謀策謀、そして暴力――応酬の果ての鮮血こそが、アリーナを彩る原初の美しさ。
君達の声は、『瞬間』の攻防故に間に合わなかった。しかし、思いは届いたはずだ。
興奮の中で掻き消える事無く、真っ直ぐに。
そして、歓声の中、異なる『興味』を感じさせる声もある。

「少しは盛り上がってきたな」

白黒の『千鳥格子柄』の、レディーススーツを着た、硬そうな雰囲気を持つ女である。
眼鏡の奥の吊った瞳には、興奮は無く、代わり『興味』がある。

「『似たタイプ』と見えなくもない『筋肉の偽神』を呼んだ方が盛り上がる試合になると思っていたのだが……なるほど、『拾い物』にも福があるか」

くすりと笑みを口元に浮べる女は、楽しそうに試合を見ていた。

399七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/09(金) 23:15:44
>>398

 血が舞ったのを見て七篠は一瞬目を伏せた。
 ヨーマも、すこしだが一抹も。どちらからも出血があったのだ。
 『オジロ』と戦った後や『寮』に戻ってきたときにボロボロだった一抹が思い出される。

――そんなことに、ならないで…。

 七篠は祈るような心地で試合を見続けている。

400『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/10(土) 00:59:45

スタンド名の開示に湧く中で、異なる空気を纏った女がいる。
白黒の『千鳥格子柄』の、レディーススーツを着た、硬そうな雰囲気を持つ女。
眼鏡の奥の吊った瞳の先には『闘技場』の死闘と共に、スマートフォンに映るとある女の『データ』が映されている。

「百目鬼小百合」

ぼそり、と呟かれたその名は、ヨーマの対戦相手から『外された』女の名前だった。

「能力のトリガーが露骨なヨーマでは、決して『勝てない』女だ。『端と端』で試合をスタートさせたとしても、ヨーマが『二本目』に行くことはないだろう。万が一勝つにしても、短期」

女は溜息を付いて首を振った。

「それではつまらん……『決着』の後も、面白くはならないだろうしな」

その時、ふと、何かを思い出したかのように、薄い笑みを浮べた。

「もっとも……『鬼の小百合』を呼ぶ度胸は、ないだろうな……」

401『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/10(土) 11:42:06

燃える妖魔、待つ白髪鬼
迫る激突に息が飲まれる会場内でで、異なる空気を纏った女がいる。
白黒の『千鳥格子柄』の、レディーススーツを着た、硬そうな雰囲気を持つ女。
眼鏡の奥の吊った瞳の先には『闘技場』の死闘の最中、。

「さて、どうなるか」

ぼそり、と呟かれた言葉には、疑問と――期待が籠もっている。

「仕切り直しの途端に、最終章だ。泥仕合が避けれた事は、ありがたいが……」

女は足と腕を組み、迫る激突を注視する。

「ヌードマッチか……なったらなったで客は湧くだろうが……」

そして、溜息が漏れた。

402七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/10(土) 12:03:05
>>401
「ぜ、『全裸になろうとも』!?」

 七篠は衣装を燃やしたヨーマと、レフェリーの言葉に驚愕する。
 そして一拍遅れて響く野太い歓声にびくっと身体を震わせる。

――男の人って、そんなに『好き』なの…?
――一抹くんはまだ中学生なのに…悪影響がありそう…。

「……一抹くん! 早く勝って!」

403『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/10(土) 14:28:48

迫る終焉に息が飲まれる会場内でで、異なる空気を纏った女がいる。
白黒の『千鳥格子柄』の、レディーススーツを着た、硬そうな雰囲気を持つ女。
眼鏡の奥の吊った瞳の先には『闘技場』の死闘の最中、彼女は一人、立ち上がった。

「鬼の小百合への万が一、彼はそれに気付けなかった」

ぶつり、と呟かれた言葉、彼女の瞳には、とあるもしもが映っていた。

「ヨーマの煙は『スタンド』をも劣化させる……『警棒』も、強度を下げてしまえばヨーマを砕く威力は無く、『持続力』を下げられれば……正確な能力の持続時間と、『最高速度での連続行動時間』を把握できない隙を付ければ……本体も、若くはない……喫煙癖も『解除条件』への到達を難しくするだろう」

つぶやきながら、女は『前』に向かう。鉄に覆われた、超常の鉄火場に。

「物質の変性と自己強化――あの偽神とヨーマの能力は、性質は異なるが『似ている』。ぶつかりあえば、どちらが勝ったことか」

つぶやきながら、彼女は歩く。
戦いは、すぐに終わる。彼女の仕事は、これから始まるのだ。

404七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/10(土) 15:19:21
>>403

 『副流煙』が身体にも物にも効果を及ぼすという言葉を聞いて七篠の脳裏にはすこし前の攻防が思い返された。

> 『慈悲の刃』は『副流煙』に触れ――直後、巻き上がった『砂塵』によって『副流煙』は掻き消えた。

――もしかして、一抹くんのスタンドももう…劣化してる!?

「一抹くん! ダメ!
 『もう劣化してる』!『副流煙』を浴びてるの!」

405七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/10(土) 17:29:27
「……え、この歓声の『意味』って…」

 七篠は周囲の野太い歓声に気圧され、青ざめながらリングを見ている。
 時折目を逸らそうとしながらも、心配から見ずにはいられないようなそんな曖昧な様子だ。

「い、一抹くん、だめですよ!?
 えっちなのは…!」

 一抹もまだ年若く、そういう年齢だ。
 興味を持っている可能性があると理解しながらも、七篠は制止するように声を上げる。

406三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2021/07/10(土) 17:41:43

「うわー・・・・凄い事になってきたねぇ」

周囲に満ちる男達(いくらかの女性も含まれているが)の歓声
これから行われようとしている『ショー』が彼らの期待を煽っているのか
三刀屋は幾分か距離を置いて彼らを見ていた

「この前見た『試合』と比べて、だいぶ性質が違うみたいだ
『アリーナ』といっても、組織の雰囲気は派閥によって全然違うようだし
『ここ』の売りはこんな感じ・・・・というわけだね」

無論、三刀屋とて男として目の前の光景に興味がないわけではない
だが・・・・流石にこの惨劇で興奮するというのは、流石に大人としての倫理観が許さない
近くに高校生くらいの少年少女達がいる事に苦笑しながら、
客席を含めた会場全体を俯瞰して見ている

407鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/07/10(土) 20:59:54
「…勝負は『一瞬』だったな」

他の『アリーナ』の試合を見たことはないが、ここまでの短期決着は珍しいのではないか。
一抹くんの肉を切らせて骨を断つスタイルが故か、それとも敵スタンドの持続力か。
あるいは、何かしらの興行的な理由があるのだろうか。
何にせよ、一抹くんは無事に勝利することができた。ほっと胸を撫で下ろす。

「しかし、この『アリーナ』は………」

『興行主』も、『選手』も『観客』もそれを求めているなら、部外者の自分がどうこう言うつもりはない。
水商売も同じく、個々の需要と供給が成り立ち、法律に反することがなければ問題はないのだろう。
ただ個人的な好悪の話ならば、好きではない。

一抹くんの返事は想定内であるが故に、驚かない。
選手の出てくる場所はどこなのだろう?そこで彼を待って、勝利の記念にご飯でも奢るのもいいか。

408『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/10(土) 21:27:52
>>407 ほか 皆様に

『ウェー……』

スタンド使いである君は、君達は、呟くように漏れたその『声』を聞いたかも知れない。
アリーナの客、『全員』がスタンド使いという訳ではない。その様な油断をしているのだろうか?
君が、もしも声の『方角』を見たのならば、珍しいモノを見るだろう。
サイケデリックで毒々しい『斑色』の髪をした少女である。
少女は清月の制服を着ているが、夏服である事を見ても、随分とスカートの丈が短い――改造制服だ。
異形の制服を着た彼女は、スタンド会話で誰かと会話しているようだ。

『なに? あーしの対戦相手来たの……うぇっ……“リピーター”っしょ?……やだなぁ……あーし、今出てる子みたいのならともかく……あー、もうあそこ入ったの? 確か……』

彼女は、スタンド会話で『倉庫近くの駐車場』の場所を告げた。

『そうそう、そこ……もう入ったんだ。ウチらの派閥、あそこしか行き帰りの送迎車置けないからなぁ……はーはいはい、解りましたよ、主演女優のあーしも準備しますよっと』

その念話と共に、拍手に包まれる周囲を尻目に、彼女は席を立った。
――行き帰りの送迎車が来る『場所』を君は知った。
『リピーター』は既に到着しているので、鉢合わせることはない。だが今、向かえば、喝采を浴びている勝者の帰り道に『出会う』事は可能だろう。

409七篠 譲葉『リルトランク』:2021/07/10(土) 22:08:16
>>408

 七篠は聞こえたスタンド会話を頼りに、一抹が来るであろう送迎場所に向かった。

――勝ったのはいいけど、また危ないことしてた…。
――それに、『こんなところ』に『わかって』来てたのなら流石に止めないと…。

 七篠が何故か『チケット』を入手したように、よくわからないままここに来て試合をした可能性を信じながら歩いていく。

410鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/07/10(土) 22:11:35
>>408

「・・・・・・・・・・」

声の方を振り返れば、そこにいたのは同じ学園の女生徒だ。
改造されている制服のせいで、年齢が分かり辛い。
少女の外見は中等部相当か、それとも高等部に見えるだろうか。

(…あんな子まで、『アリーナ』で戦っているのか)

それが本人の意思によるものならば、致し方ないだろう。自分も剣道を始めたのは小学生からだ。
もっとも、流石に『アリーナ』に比べれば剣道は遥かに安全な競技だと思うが。
しかし戦う覚悟が双方にあるのなら、容易く止めることはできないのはどちらも同じだ。
送迎の場所を教えてくれた彼女がせめて無事であることを祈りつつ、立ち上がってそこへ向かうとしよう。

411『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/10(土) 23:08:07
>>409
>>410
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1625483444/

君達は、彼と出会った。
語らう時間は、存在する。

そして、撒かれたチケットは『午前』の試合を埋めるためのもの。
招待された君達は、退場を余儀なくされるだろう――『リピーター』と『少女』の試合に興味があろうとも、チケットは前売りなのだ。

412『揺蕩う紫煙は変毒為薬』:2021/07/11(日) 14:02:48
午前の試合は終わりを告げ、清掃を兼ねた“一時退場”が行われる。
最中派名物を見れなかった客たちの落胆の声もあったが、概ねに客たちは楽しんでいたようだ。
試合場を出た君は、倉庫近くの自販機前にて、若者達の、こんな会話を耳にしたかも知れない。

「そんで、お前、『次』は見るの?」
「あったりめぇだろ、ヨーマは前座だよ、前座……あいつ……『ヤミー』が本命だよ」

『ヤミー』……その名前を呼んだ男の声には、暗い興奮が宿っていた。

「まぁ、有名人だよな。SNSでも話題になったし……けど、スタンド使いだろうと“残し”たら状況証拠でアウトだわな……でも、連続で五年は出るの早くねえか?」
「知らねえのか、自首したんだよ」
「ウッソだろお前、『ヤミー』が?」

若者の片方は、僅かながらに声を潜めたが、君にはそれが聞こえた事だろう。

「これは『噂』なんだが、当時の『フーヴィアン』派……昔の名前忘れたんだよ。ともかく、昔の『フーヴィアン』派のアリーナで、犠牲者を集めた『秘密試合』が行われたらしいんだよ」
「……それって」
「ああ、『海外逃亡』を勝利報酬にしたサシの勝負って体裁だったらしいが、被害者救済を兼ねた『オシオキ』だよ。自首した時、『歩けねえで這いずってる』有様だったたんだと……『そうなるまで』を見たら、女共もヤミーに『厳罰』を望む気にもなれなかったんだろ。『再接触』は死刑ぐらいはヤミーに言ったろうしな」

話を聞いていた若者の顔は、僅かに青くなっている。
ひょっとしたら、『心当たる』なにかに覚えがあるのかもしれない。
それを見たもう一人は、歯を見せて笑った

「ま、『噂』だよ、『噂』……ビビるもんじゃねえ。『やらかし』のケツ拭きを引き受けてる連中なら、やりそうではあるって話だ。金にはならねえ試合をやるかって言われると、やらねえだろ」
「……どっちみち、スタンド事案だしな。立件出来た件数が少なかったのかもしれねー。思い出したくもねーし、裁判がセカンドなんたらになるってアレで、証言を拒む被害者もいるって話だしなー……多分、そうだろ、うん……」
「どっちにしろ、だ。五年も立てば傷も癒えるって訳で、『罰を受けずに』ヤれる場所も提供されたって訳で……」
「俺らとしちゃ、おもしれえ見世物を何度もありがとう、か」
「その通り。あの『鉄拳』だろうとよ……本番前に、早めの昼飯行くか!」

若者達は、嗤いながら去っていく。
君は、何かを思ったかもしれないし、思ったかもしれない。そもそも、聞かなかったかもしれない。
いずれにしても、君は第二試合を見ることは出来ないのだ。君は、帰路に付いた。


――午前の試合、終了。

413『ロケットギャルと最弱の盾』:2021/07/22(木) 14:55:46
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1625483444/

『入場』は既に始まっている。
『観覧チケット』を持つものであれば、既に入れるだろう。
客席は『どの位置』でも空いている。

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□=1m面積
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M 
∴=『観客席』

君が、君達が、どこに座るかは、自由だ。
――どの段階で訪れようとも。
ただし、午前と午後――どちらでも座る位置は変わらない。
誰かと話したいのなら、最初に訪れている誰かの側によるのも、いいだろう。

414アルカラ『ドクター・ブラインド』:2021/07/22(木) 15:42:33

『黒いロングヘア』の女が足を組んで座っている。
昼間の屋内だというのに、
目元の見えない『黒いサングラス』を掛けている。
また、『白衣』を羽織っているのが特徴的だ。
『闇外科医』。
不思議と、そんな言葉を見る者の心に抱かせる姿だった。

―――――――――――――――――――――――――

「――――『アルカラ』」

「私の『名前』は知ってると思うけど」

入場の際、黒服に短く告げた。
『フーヴィアン派』の『闘技場』で試合を行い、
『二戦二勝』の『C級ファイター』である。
この『変装』について深く気にする必要は皆無だ。

―――――――――――――――――――――――――

ここに来たのは、楽しみでもなければ応援のためでもない。
一重に『研究』のためだ。
イメージトレーニング。
自分と参加者を重ね合わせ、自らの戦い方を再構築する。
今ここにいる自分は『そういう人間』だ。

415一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2021/07/22(木) 16:49:14
>>413
「他の選手は持ち物検査をどうやって誤魔化かな…」

ウルフカットの白髪。透き通った肌は血管が薄く見え、淡い青色に微かなエメラルドの反射が混じる瞳でリングを見渡す。

「最中さんの派閥だから簡単に持ち込めそう…」

416『ロケットギャルと最弱の盾』:2021/07/22(木) 19:16:14
君達は、場の照明が落とされたのを見た。
ざわざわと、声が響き出す。『最中派閥』の試合においては前例のない演出だ。
『ステュアート派』の客が運悪く混じっていたのであれば、既視感を抱いただろう。
――最も、次の演出には、顔を顰めたであろうが。

「ミ・ナ・サ・マー!!!」

拡張された声が響くと同時、カラフルなスポットライトが闘技場の床を舐め――やがて『赤コーナー』へと収束する。そこには、溝口最中の姿があった。

「本日は、最中派閥の興行試合に訪れて頂き、誠にありがとうございます、賭けの結果がどうあれど、皆様がご満足する『闘技』が行われますこと――お約束いたします!」

最中は、中央に向かってあるきながら、全方位に愛嬌と手を振りまく。
期待の声が飛ぶ、下卑た野次が飛ぶ、お前も出ろと言う欲望が飛ぶ。全てを浴びながら、最中は中央へと辿り着いた。

「では、本日の闘技――改めて、ご紹介いたします!」

ドラムロールが鳴り響く中、最中が指差した先――電光掲示板に、こう記される。

『サクソン』VS『アップアップ&アウェイ』

「第一試合――ニュールーキー『サクソン』VS4戦目の『アップアップ&アウェイ!』――後者の彼女に関しては、皆様の記憶にも新しいのではないでしょうか!」

どっと、笑いが響く。最中派閥の客は『リピーター』が多い。彼、彼女達の多くは、先の惨劇を記憶している。

「しかし、今度は女性同士――異なる戦い、結末はどうあれ、異なる光景が待ち受けていることでしょう!」

観客達が一気に湧いた。最中派閥には『同性専門』のスペシャリストもいる。
彼らが見せる痴態――特に、ルーキー相手のそれは、客の邪悪を満たして余りある。

「そして、メインイベント――第二試合!『スペシャルマッチ』!」

電光掲示板が『カラテ・チャンプ』VS『リーチ・クイーン』を示す。
――観客達から大いなる歓声が湧いた。

「賭けの比率はなんと1:99! 奇跡の大穴、果たしてなるか! ならなかった場合――『事故死』は起きてしまうのか!? ああ、ワタクシとっても怖い!」

――ウソつけ。
――楽しみにしてるくせに。
――俺たちは、それを見に来たんだよ。

観客達の声が響く。最中はありがとうございます!と叫びながら、声を張り上げる。

「あり得るか、奇跡。打ち勝つか、ルーキー! 2試合目も、ご期待あれ!」

最後に一礼した最中は――告げる。

「では――これより始まる第一試合、お楽しみください!」

そう言い残し――『赤コーナー』へと去った。

417アルカラ『ドクター・ブラインド』:2021/07/22(木) 19:18:40
>>416

『試合開始』はゴングが鳴ってからだが、
勝負は『その前』から始まっている。
確かめるべきは『自分の状態』と『相手の状態』、
そして『周囲の状況』。
それらを考え合わせれば、自ずと『道』は開けるものだ。

「――――『遮蔽物』はないようね」

『闘技場』という場において、
『ドクター・ブラインド』には『切り札』がある。
会場の『大歓声』を利用した『一撃必殺』。
問題は、どうやって『そこ』まで持っていくか。

「さて、どうしようかしら」

『ドクター・ブラインド』の射程は『5m』。
近距離型の中では、そこそこ長い方だ。
本来なら、その長所を活かしたい所だが、
このフィールドには『遮蔽物』がない。
つまり、常に『面と向かった状態』が続くという事。
本体の安全を維持しながら、
スタンドだけで立ち回る戦法が使えない。

「とりあえず両手に『土』を確保しておくわ」

自分なら、試合開始と同時に、
『ドクター』の両手に『土』を握らせる。
接近して『能力』を仕掛けるための目潰し用だ。
『土の匂い』を付ける狙いもある。
この開けたフィールドで役立つかはともかく、
やっておいても損はない。
非力な『ドクター』では、威力のある投擲は困難だが、
軽いものなら問題ない。
『スピード』と『精度』は超人的だ。
命中させられる可能性は高い。

「それから、『蹴り』で土を飛ばす事も出来るわね」

手数は多ければ多い程いい。
ただ、投擲と違って移動と両立出来ないのが欠点だ。
相手の『性能』にもよるが、
あと一歩で『斬れる』辺りで行うのがベストか。

418一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2021/07/22(木) 20:39:37
>>416
(分かってない。最中のでしゃばりと連れてきた有象無象の騒ぎに需要は一切無い。他派閥の層を取り込めない)

(『アリーナ』に来る客はスタンド使いの闘争を求める
悪趣味もマンネリ化していけば、誰も相手にしない)

相変わらずの最中派に退屈を覚える。
ここが爪弾き者の居場所だとしても寄せ集めるだけでは
他派閥に捻り潰されて終わりだ。

「せめて試合だけでもマシなら…」

419隼士 賢『パンテオン・ロココ』【高2】:2021/07/22(木) 23:29:02
>>416
>>417

「ちょっと遅れたっショー」

「あ……そこ座っていい? 空いてるけど。誰か待ち合わせしてないなら
勝手に座るっショ」

(闘技場 かーー……UFOが興味もって来るにしても、天井あるし
見つけられないから、気分盛り上がらないゼ」

 若干、テンション下がりつつ夢見ヶ崎PCの隣で体を崩しつつ
サングラスの中は死んだ魚の目で観戦するじぇー。

420『ロケットギャルと最弱の盾』:2021/07/23(金) 07:48:05



品性というものが欠如した叫喚は収まり、闘争は始まった。
この場にて確実に清涼と呼べるのは、闘技の場に立つふたりきり。
その場とて、汚れた玩具にて汚されている。

だが、その『自由』は『君達』にもある。
言葉を投げかけてもいい、『スタンド会話』を発してもいい。物を投げ入れてもいい――場の狂乱は、許容するだろう。

そして、『闘技』から眼を逸し、『スタンド会話』の発生元を追ってもいい。
――そうすれば、目立った影を見つけるだろう。
刈り込んだ金髪――黒いタンクトップ――にこやかな笑みを浮べた巨漢の男。
その口元には『ナイフ』と『フォーク』の入れ墨がある。

あるいは、『苦情』を言いに言ってもいいかもしれない。その自由も、君達にはある。


∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□ナ□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□電□□■ヤ
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□真□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴



□=1m面積
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M 
∴=『観客席』

ナ=ナカレ
真=真金
電=電動で蠢くナニカ


ヤ=ヤカラっぽい入れ墨の男

421一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2021/07/23(金) 10:30:18
>>420
(この間の情緒不安定な赤メッシュさんか…
やはり、ボールペンを複数手にしてたからカテゴリー系
近距離パワー型は物を多くは持たない。邪魔だから)

(即座に向かって行かないのは近距離パワー型ほどの力
はなく、『リルトランク』のように物質への仕込みに
時間が必要だからでしょうか?)

ギャルっぽい娘の纏うタイプのスタンド。
あれは本体も強化するものかもしれない。厄介だ。
能力自体は『ポーズ』のせいで分かりやすい。

(移動しながら下準備をしないと撃ち殴られるはず。
そういったところからして戦闘経験は浅い感じだ。
柱も無いから一気に攻め立てないと…) 

単純な『報復心』で勝てるほどスタンド使い同士の戦いは
簡単なものではない。
激情家の彼女は冷静なまま『殺意』を保てるかどうか…

422『ロケットギャルと最弱の盾』:2021/07/23(金) 17:40:06


       
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□ナ■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■真∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴



□=1m面積
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M 
∴=『観客席』

ナ=ナカレ(引きずられる)
真=真金(ロケットパンチに牽引。、上昇中、左手に特殊警棒)

双方の高さ――5M。

「――おおおおおおおおおおっ!!!! これは、『場外戦』か――ッッッッッッッッッッ、観客の皆様! 選手が『落下』した場合は、お離れくださいですわーッッッッッッッッッッ!!!」



――さぁ

君達は、どこにいる?

423一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2021/07/23(金) 19:33:09
>>422
「やはり、最中派は『駄目』ですね…
 その前に観客席で戦われても困るッ…!」

丁度良く二人が落下するであろう地点。危険だが仕方ない
二人が墜落の怪我をした時に群がる連中を殴り飛ばせるようにスタンドを発現する。

「『ヤミー』。出てくるかな?」

424一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2021/07/23(金) 19:48:39
>>422
追記:当たらないように避けつつ、真金が試合の続行すら不可能な傷を負ってでも戦うつもりなら『安静』をする。
観客が群がるなら『インダルジェンス』の拳と『慈悲の刃』を同時に地面へ叩きつけて警告する。

425『ロケットパンチと最弱の盾』:2021/07/23(金) 21:10:09
――ただいまより、『観覧客全員分のレス』、あるいは『一日経過』発生するまで 本スレGMレスはストップとなります。
皆様のキャラロールの機会がなく、これまで申し訳ございませんでした。

426アルカラ『ドクター・ブラインド』:2021/07/24(土) 17:49:40
>>420

「ふふ――――――」

 バ ラ             ク ズ
「『手術』し甲斐のありそうな『患者』が揃ってるわね」

「――――気に入ったわ」

自身を取り巻く歪な熱気を意に介した様子もなく、
女は意味ありげな笑みを浮かべて腕を組んだ。
だが、会場の大部分を埋める有象無象など眼中にない。
女にとって重要なのは、
目の前で行われる『戦闘』のみである。

「まずは『接近』でしょうね」

自身と参加者を重ね、『仮想戦闘』のロジックを組み立てる。
第一に、『ドクター』を射程限界である『5m』まで先行させ、
敵を牽制する。
そして、スタンドと共に前進。
『本体』を狙ってきたとしても、
距離が開いていれば対処出来る。
『スタンド』を狙ったなら、
『スピード』と『精度』で大抵の攻撃は捌けるだろう。

>>422

「あら、『そういうタイプ』だったの」

本体とスタンドが纏めて移動する。
だが、それはそれで対処しやすい。
注意すべき対象が一つだからだ。
『土』は握っている。
それを相手に投げ放つとしよう。
目潰し兼匂い付け。
向こうから突っ込んでくるなら、より当てやすくなるはずだ。

「『片手』は空けておいた方が良かったかしら」

しかし、ここで一つ『問題』が生じた。
両手が塞がっていると、
目潰しの直後に斬り掛かる事が難しい。
両手分を利用する算段はあったものの、
この状況においては結果的にミスだ。
距離がある状況を想定していたが、
一息に接近された場合は、むしろ逆効果になる。
状況にもよるが、ここは片手だけにしておくべきだったか。

「いえ、そうとも言えないわ」

土を保持するだけなら、『全ての指』を使う必要はない。
要するに、一本だけでも『指』を立てておけば、
それだけで攻撃が出来るのだ。
『ドクター』の超人的な『精度』なら、十分に可能。
こうして思考を重ねると、『新たな可能性』に気付ける。
それを実感していたが――――。

「――――――って、おいおいおいおいおい」

        スィッ

「コッチきてんじゃねーよ!!
 『アブないからロケットパンチはソトでやろうね』って、
 ようちえんのときにママからおそわらなかったか??
 『ベビーベッド』からやりなおしてこい!!」

『場外戦』を見上げ、思わず『素』が出る。
ココはどいつもこいつも、
マナーがなってないヤツらばっかりだなぁ。
ニュウジョウリョウかえせ!!
まぁ、はらってないけど。
『タダ』だったらモンクいえんわな。

           コホン…………

                バトル
    「――――悪くない『手術』だわ」

気を取り直して『変装』続行。
冷静に席を移動し、
さっき見かけた『入れ墨の男』の隣に座った。
黒のサングラス越しに、男の様子を一瞥する。

427『ロケットギャルと最弱の盾』:2021/07/24(土) 21:22:56






墜落――衝突――激突。攻防。
その感に置いて、一度も『茶々』は入らなかった。
――否、『起きなかった』のだ。
>>424

一抹貞世――前回の『勝利者』であり、観客達を真っ向から『否定した』強者。
本質的には人の暴力に酔うことしか出来ない『傍観者』たる観客達は、君の存在を畏れていた。
君は、既に『スタンド』を発現させている――無言の威圧が、そこにある。『邪魔をするな』と、客の多くは受け取った。

多く、ということは、例外もあるということだ。
一人、男がいる。
刈り上げた金髪に、黒いタンクトップ、口の左右に『ナイフ』と『フォーク』の入れ墨をした男。
健康的ということも出来るだろう、しかし、より相応しく評するならば『凶暴』と言うべき肉体と面構えをしていた。
彼は、一抹貞世――君を見ていた、『知って』いたのかもしれない。喜々満悦と言った様な、あるいは飢えた獣の様な笑みを浮かべると、惑う客達を尻目に、迷いなく『立った』

>>426
しかし――その隣に腰を下ろした君、『アルカラ』に気付くと、怪訝な顔を浮べ、口を開く。

「あんた、『派閥のヒト』?」

君がどう答えるかよりも早く、男は口元を釣り上げた。

「別に暴れやしないッスよ。無抵抗な観客殴るとか、そーいうのはね。でも、アソコの一抹クン。『スタンド』出して観客脅してるじゃねーっスか。あれ、良くねーっッスよね、だから、『注意』行くだけっスよ」

アルカラ、君の、答えは。



      
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■ア
∴■□□□□□□□□□□□■男
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴一
∴∴∴∴■■□真□■■∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴ナ∴サ真∴


□=1m面積
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M 
∴=『観客席』

ナ=ナカレ
真=真金
サ=サクソン


男=入れ墨の男
ア=アルカラ
一=一抹

428隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/07/24(土) 22:34:49
(すいません。レスしていいのかどうか分からなかったんで
今からでもレスして良いですか? 良さそうなら以下の文で投稿させて頂きます)

「うぇーい。場外乱闘? 派手っショー」

席を立って慌てる感じでもなく。丁度下に書いたマップの場所で首を向けて
対戦する二人を眺めるっショ。
地球人のバトルだからか、あんまり興奮してる訳でもなくダルい感じで
ぼけーっと見ているゼぇ。
 

 マップ↓

      
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■ア
∴■□□□□□□□□□□□■男
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴隼
∴∴∴■□□□□□□□■∴一
∴∴∴∴■■□真□■■∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴ナ∴サ真∴


□=1m面積
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M 
∴=『観客席』

ナ=ナカレ
真=真金
サ=サクソン

隼=隼
男=入れ墨の男
ア=アルカラ
一=一抹

429『ロケットギャルと最弱の盾』:2021/07/24(土) 22:46:19
>>428
了解です。次回レスで反映を入れます。

430一抹 貞世『ディヴァイン・インダルジェンス』:2021/07/24(土) 23:04:46
>>427
(別にあれに対する用件は無い。
私はギャルに用がある…)

『慈悲の刃』を隠すようにして立ち上がって小粒の瓦礫を二つ手に取る。
遠距離用の武器はまだ見せたくないが向かって行くなら使う。

「シカトして戦いの方に行きたい…」

背後から攻撃が飛んで来なければギャルへと向かう。
こんなのに観戦させる最中も最中だ。
シッシと手を降って何処かに行くように伝える。

「残りの腕だけ撃てば支え無しに落ちたのに…」

まだギャルがやる気なら不意打ちで『安静』に持ち込む。

431アルカラ『ドクター・ブラインド』:2021/07/25(日) 17:16:36
>>427

「ご心配なく。私は『ここの人間』じゃあないから」

「私は『アルカラ』――知らなくても構わないけど」

「あなた『常連』のようね。
 私、ここの『主催者』については、あまり知らないの。
 良かったら、ここの『派閥』について、
 色々と教えて欲しいと思ってね」

「もちろん『タダで』とは言わないわ。
 『あなたの仕事』は私が代わりに引き受けてあげる」

          スッ

それだけ言うと、『入れ墨の男』が動き出す前に、
自らが一抹の下へ向かう。
『入れ墨の男』が同行するのは止めないが、
一抹に話し掛けるのは自分が先だ。
この二人を直接喋らせたら、
それこそ『問題』が起きる可能性がある。

>>430

「悪い事は言わないから、『それ』をしまった方がいいわ」

一抹の所に行くなり、
有無を言わせない強い口調で言葉を掛ける。
そこにいるのは、『黒髪』を背中に垂らし、
『白衣』に身を包んだ『黒いサングラス』の女だ。
意識して低い声で喋っているために分かり難いが、
どこかで聞き覚えがある声だった。

「今は見逃されているようだけど、
 それは『今すぐ止めれば許す』という意味よ。
 このまま『出しっぱなし』にしていたら、
 間違いなく『お咎め』を食う」

「よく聞きなさい。
 観客の一人が問題を起こしたら、
 『観客全員』に迷惑が掛かるのよ。
 もちろん、そこには『私』も含まれているわ」
 
「――『迷惑』だから止めてちょうだい」

一抹貞世は『夢見ヶ崎明日美』の知人だ。
常に行動を共にしていた訳ではないが、
同じように『夢の中』で殺されて『夢の世界』に囚われ、
『現実世界』へ帰還――すなわち『生き返る』ために、
『狂ったスタンド使い達』と戦った経験がある。
ただし、今ここにいるのは、
『アリーナ』のファイターである『アルカラ』だ。
そして、『アルカラ』は『研究』のために『ここ』に来ている。
余計な問題を起こされては困るのだ。

  「それでも『やる』って言うなら――――」

          ズギュンッ

             「――――『私』が相手になるわよ」

白衣のポケットに両手を突っ込み、
傍らに『ドクター・ブラインド』を発現する。
両手に『メス』のような『爪』を持つ『盲目』の人型スタンド。
一抹は、『このスタンド』を知っている。
そして、『その本体』も知っている。
だからこそ、敢えて『見せた』。
自分の『正体』を明かす事で、
この場を穏便に治めるためにだ。
このまま放置していては、一抹と『入れ墨の男』の間で、
『乱闘騒ぎ』にも発展しかねない。

432『ロケットパンチと最弱の盾』:2021/07/25(日) 20:40:43

>>428
>>430
>>431




「『アルカラ』……へぇ、『ベリル・ストック』に勝ったって、『フーヴィアン派』の……」

男は、『アルカラ』の名を聞いた途端に、君に興味の眼差しを向けた。
『闘士』に向ける気配を、『戦士』たる君は感じ取ったであろう。だが、それ以外、『女』に向ける欲望に、気付けただろうか?

「俺、アソコの派閥の試合出てねえから『映像』は見てねぇんスけど、すげぇ勝負したとは聞いてるッス……いや、『それなら』良いっスよ、『おまかせ』するっス……後で、『教える』ッスよ」

君の提案に『了承』したらしい男は、君の後に続く。
そして、君と、『白髪の少年』の会話を見ながら――二人の闘士の『決着』を見た。
男は、二人の闘士――赤月ナカレに抱きかかえられた少女に、獣じみた笑みを向けると――一歩、踏み出し、拍手を始める……


 マップ↓

      
∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴バ∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■ア隼
∴∴∴■□□□□□□□■男一∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴ナ真∴∴


□=1m面積
■=リング外への境界である『鉄壁』=2M 
∴=『観客席』

ナ=ナカレ
真=真金
バ=バイキ

隼=隼
男=入れ墨の男
ア=アルカラ
一=一抹


――もはや、君達は『観客』ではない。『舞台』に上がった演者である。
ならば――君達のこれからは、ここに、ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1619780204/記されるべきだろう。

433ロケットギャルと最弱の盾:2021/07/25(日) 22:18:50
【ミ】泥の中には光なく
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1625483444/
失礼しました。今後はこちらになります

434『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/13(土) 15:35:39
>門倉
>美作

受付の黒服が『漣』との約束を把握しておらず、
あわや『5万円』を支払わされる羽目になった二人だが、
『漣派』のスタッフがその場を通りがかって事なきを得た。
先輩らしき黒服に指摘を受けた様子からして、
受付が慣れていないというのは正しかったらしい。

いずれにせよ―――『門倉派』はまだまだ、全く知られていない。

>ソラ

治安の悪い通りにも出入りするソラが、
『観覧券』を無料で得る縁に困る事は無い。
以前アリーナ絡みの仕事をした縁かもしれないし、
幼い姿をナメて絡んで来た男が降参の証に差し出したのかもしれない。

>宗像

「――――『アリーナ』の試合に、ご興味はありませんか?」

『藤原しおん』からそのような声がかかったのは、
夏のいつ頃のことだっただろうか――――?
今の『探し人』には無関係な事かもしれないが、
それに乗ったのは、興味本位か、何かの狙いあってか。

彼女自身は用があるらしく、渡されたチケットは一枚だった。
恐らく、彼女には彼女で何かしらの事情があるのだろう・・・

>全体

               ――――――――――― ・・・

          ――――――――― ・・・

     ―――――――― ・・・

          ザワ

                  ザワ


無音の会場に人気が入り始めた。

いずれにしても『倉庫街』に来た観客たちは、
黒服の案内に従い倉庫の一つに入り、
受付を経て、階段を下った先で『そこ』に辿り着く。

               ・・・

            ・・・

       ・・・

客席は2mほどの高さのコンクリの壁の上に設けられており、
張り巡らされた金網によってステージとの間を隔てている。
また、金網は奇妙なことに『霜』が張ったような状態だ。
もっとも、触れれば冷えるが、手が貼り付いたりはしない。

             ――――何らかのスタンド能力か?

現在、舞台には誰もいない。
日本家屋のような『木の柱』が舞台に2本立っている事に加え、
それと交差するように、壁と壁の間に、『物干し竿』のような……
突っ張るような形で固定された鉄の棒が、縦横に2本ずつ。
高さは2mほどの位置。大抵の日本人の頭よりは高いはずだ。


                 ――――デフォルトの舞台ではないだろう。

ライトは落ちておらず、地下の会場は明るい。
どのような席にでも着けるだろう。前の方でも、後ろの方でも、誰か人の近くでも。

435ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/13(土) 21:14:14
>>434
普段ならこんな所には来ないだろう
スタンド使い同士が自ら好き好んで見世物になりプロレスごっこをする
自分達は戦わないくせにわーわー好き勝手がなり立てる観客達
とにかくマナーが悪い印象だ
今現在この場にいる自分が言えた事じゃないが

今日はバイトの職場が事故で倒壊してしまったのでフリーだった
他にやる事も無いので、たまたま目に入った観覧券を見て何となくここに来た
何で嫌いなもんをわざわざ見に来るんだよと聞かれたら
見聞を広めるためだとか色々理由は出せるだろうが、そんなもんは何となくで良いだろ

コンクリートで出来た地下室に霜が張った金網…
何となく冷っとしていそうな雰囲気だ

そういえば、この会場は食い物の持ち込みは良かったんだろうか?
どうせ観戦するならビールでも飲みたいのだが
今は昼だったか夜だったか?
昼間から酒を飲むのはアレだが、まぁ今日はフリーだから良いだろ

436美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/14(日) 03:54:51
>>434(GM)
>>(門倉)

上からジェットキャップ、スタジャン、ジーンズ、スニーカー。
特に気負う事もない普段通りの格好で訪れた。
首にはワイヤレスヘッドホンを掛けている。
いつかに参加した時と、ほぼ同じスタイルだ。
もっとも、今日は『見る側』だが。

  「それじゃあ、『ボス』――――」

                 ザッ

             「行きましょうか」

『門倉』に声を掛け、『観覧席』に歩いていく。

「ところで、相談したい事があるんです。
 『例の件』について」

丁度いい席に着くと、声を潜めて口を開いた。

「まだ『三人目』は見つけてないんですが、
 『メイク担当』は必要ですか?」

「実は、友人に『ネイリスト』がいまして。
 ネイルだけじゃなくて『まつエク』もやってらっしゃるんです。
 その『技術』を借りれば、さらに美しく仕上がると思いますよ」

話に出したのは『眠目倫』だ。
『スタンド使い』である彼女とは親交が深い。
眠目の『仕事』は、より『アイドル』を輝かせてくれる事だろう。

「……『本命以外の人員』を雇う余裕はありそうでしょうか?」

心配な事があるとすれば――『懐事情』だった。

437宗像征爾『アヴィーチー』:2022/08/14(日) 05:40:12
>>434

『鈴蘭の少女』は見つからない。
『一抹』にも連絡が取れない。
考えたところで、それらの問題が好転する事はない。
その時に『藤原』からチケットを受け取った。
『そこで出くわす』などとは思っていないが、
かつて『吾妻』に語ったように、
『アリーナ』には幾らかの関心を持っている。

「――――直に始まるようだな」

適当な席に座り、舞台を眺める。
使われない道具に存在する価値はなく、
手入れを怠ると切れ味が鈍る。
他人の戦いを知る事も『訓練』の一種と言えるだろう。

「『あれ』を切断するには、多少の時間が要るか」

『柱』を見つめ、頭の中で戦い方を模索する。
想定するのは『何も持っていない状態』だ。
最初に考えたのは、
何かしらの『所持品』を手に入れる事だった。
『防空壕の調査』を経て、
『アヴィーチー』に対する理解を深めた。
『拾い物』や『奪った物』であろうが、
その時に『アヴィーチー』が掴んでいれば、
それは『俺の物』になる事を知った。
つまり、『能力』を発動する『トリガー』として使える。
また、『ノコギリザメ』を放った後の武器としても利用可能だ。

「そう長くは掛からないが、対峙した状態では隙になる」

太さにもよるが、木製の柱程度なら、
『アヴィーチー』のパワーと『鋸』を使えば、
さほど苦労せずに調達できる。
敵が目の前にいる状況で完遂できる作業ではないが、
ある程度まで切っておけば、後は蹴り倒すだけで済む。
利用できる可能性はゼロではない。

「問題は『距離』と『速度』だ」

互いの距離が近いか敵が速い場合、
即座に対応する必要がある。
その場合は、純粋にスタンドのみで戦う事になるだろう。
本体にダメージが通らない『右腕』を盾にして反撃するか、
あるいは左腕で受けて『能力』を使うか。

438門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/08/14(日) 08:53:08
>>436(美作)

ワインレッドのサマージャケットとパンツに
3WAYのビジネスバッグという、
『門倉』もいつもの感じでやってきていた。

 「『ボス』―――いい響きだね」

いつもどおりの『美作』にニコヤカに笑いかけながら、彼女と共に『観覧席』に歩いていく。

 ………

「『メイク担当』か―――」

そして、本題………というべきか。『門倉派』の今後についての話題。

「もちろん、『本命以外の人員』は必要だ。

 軽く挙げるだけでも、『舞台設営』や『音響』『照明』―――
 当然、『アイドル』に対する『衣装』や『メイク』なんかも必須だろうし、
 それに対するお金は見積もってはある。

 ただ………それはいわゆる『一般のプロ』でも構わないと思っているんだ」

『ショー』を行うには『相応の裏方』が必要だ。それら全てを
『門倉派』で賄おうとは思っていないし、現実的にも困難だろう。
『一般のショー』を行うスタンド使いではない『プロたち』に正規に頼むのが『無難』………
そのへんは『漣派』に紹介してもらおうと思っていた。

「………たとえば、『美作さん』が信頼する『アイドル業界の名ネイリスト』とか
     だったなら話は違うのだけど。『友人』、と言ったね………?」

    『門倉』は一瞬、目を細める。

「―――『美作さん』。
     貴女ともあろう人が『友人』というだけで紹介しちゃおう、
     なんていう軽々しい思いでこの話をしているわけじゃあないとは思うのだけど。

     とりあえず、その『友人』は、『スタンド使い』という事でいいんだよね?」

やや不躾な言い方になっているのは、
それだけ真剣だという証拠か、あるいは『門倉』の性格ゆえか―――
とにかく、『門倉』が問い詰めるように訊いてくる。

439美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/14(日) 10:39:06
>>438

「そうでしたか……。
 いえ、最初に聞いておくべきでしたね」

神妙な面持ちで、門倉を見やる。
『一般のプロに頼む』という話は聞かされていなかった。
『スカウト』には無関係なのだから、
それは当然といえば当然だ。
同時に『美作くるみ』に対する『門倉良次』の『信頼度』は、
『その程度だった』とも解釈できる。
『全貌を明かすに値しなかった』と。

「――――『その通り』です」

まず、『確認』に対して『肯定』を返す。

「『一般人』のメイク担当は『メイク』しか出来ません。
 『スタンド使い』なら、『それ以外の仕事』もこなせます」

「舞台を彩る『特殊効果』はどうでしょう?
 たとえば眩い『光』――『音』と組み合わされば、
 より効果的な『演出』が可能になるかと思います」

『ノワール・デジール』の能力なら、それが可能だ。

「ですが、私が依頼された仕事には含まれていません。
 この相談は『本来の役目』から逸脱します」

「ただ、分かっていただきたいのは――――」

「私は『それを理解していなかった』訳ではありません。
 『ギャラの上乗せ』が目的でもありません」

「『私を信用できない』と言われるのでしたら、
 失礼ながら、ここで降りさせていただきます。
 当然、『ここまでのギャラ』も『不要』です」

門倉は、『タダ』で『二人のアイドル』を集められた事になる。
それと引き換えに、『美作くるみ』が『門倉派』と関わるのは、
『今回』が『最初で最後』だ。
美作くるみには『プライド』がある。
そして、この仕事に自分の『キャリア』を掛けている。
『真剣』なのは『門倉だけ』ではない。

440門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/08/14(日) 13:54:54
>>439(美作)

 ………

「………いや、すまなかった。
     まず、話しておくべきだったかもしれないね」

『美作』の強張った態度を見てか、『門倉』は謝罪と共に、自身の発言を補足していく。

「『一般のプロ』に頼む、というのは、ショーを創る裏方メンバーすべてを
 『スタンド使いだけ』で賄うのは現実的じゃあないから、というところからの判断だ。
 もちろん、『スタンド使いだけ』で賄えればそれに越した事はないが………」

 『門倉』は自らの気持ちを振り返るように、少しゆっくりとした口調で語る。

「俺が、この『門倉派』を立ち上げようとしたのはちょうど『一年前』のこと。
 例の『夏の魔物事件』で『アリーナ関係者』に会い、『こういうもの』だと具体的に知ってね。
 その際に『スタンド使いによるショーを立ち上げよう』というコンセプトは、すでに頭にあった。

 しかし、実際の『スタンド使い』の『スカウト』はどうも上手くいかなくってね………
 君たち―――『美作さん』と『合歓垣ちゃん』が話にのってくれたのが初めての体験だった。

 『一年弱かけてようやく二人』。そういう状況では『スタンド使い』は最低限、
 つまりは、『実際にショーに出る面々』を中心としたメンバーを集めるのが精一杯だと判断していてね。

 ―――弱気になっていたといえばそうだし、
     そういう部分をわざわざ話しておく必要もないと思っていたのは事実だ」

『門倉』が『スタンド使い』を上手く集められなかった事は、
予想以上に『門倉自身』の負い目になっていたらしい。
『意識的』ではないにせよ、その『弱み』を『美作』に見せまいとして、
あえて『一般人プロのフォロー』の話を積極的に『美作』にしなかった、という事のようだ。

「………『美作さん』を『信用していなかった』わけじゃあない。
     自分の『このショー』に協力してくれる『スタンド使い』の人材が
     そんなにホイホイ来るという事が『信じられなかった』というのが本当のところ。

     失礼な物言いになってしまった事は謝ります」

 『門倉』は『美作』に深々と頭を下げる。

    「そして―――改めて『美作さん』の末永い『協力』を仰ぎたいし、
            『門倉派』の為にやってくれる事すべてを尊重したい。

    もしよければ、その『メイクの方』のスカウトの話もぜひ進めてもらいたいな」

441美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/15(月) 23:45:18
>>440

門倉の話を聞き終えると、おもむろに手を伸ばし、
被っていたジェットキャップを取った。

「お話して下さって、ありがとうございます」

感謝の言葉と共に、門倉に頭を下げる。
『自分の弱さ』を見せるのは難しい。
それを『自分から出す』というのは、さらに困難だ。
ましてや、彼は『派閥の代表』。
責任のある立場を考えると、言い出しづらいのは当然だろう。

「いい機会ですから、私も『本心』を話します。
 もし、ここで私を切り捨てるようなら、
 『そこまでの人間だった』と考えました。
 『ついていくには値しない』と」

美作としても、『門倉の意思』を理解しておきたかった。
『目先の利益』を追わず、
『物事の全体像』を見据えられる人物かどうか。
何よりも、『信頼に足る相手』かどうかを。

「これは『昔話』ですけど……『MIMI』っていう『アイドル』がいたんです。
 洗練された歌唱力とダンスで自己表現する『アーティスト路線』でした」

「ただ、『時代の変化』や『ライバルの台頭』で下火になっていって、
 最終的には、ひっそりと『引退』してしまったんです」

「『MIMI』というのは、もちろん『芸名』なんですが――――」

       「本名は『美作くるみ』といいます」

「この仕事は、私にとっても『夢の続き』。
 『最高のショー』を作るためなら、
 私に出来る事は全てやらせてもらうつもりですよ」

「そして、これからも『門倉派』を支えていきたいと思っています」

           スッ

「門倉さん――『今後とも』よろしくお願いします」

片手で帽子を持ち、もう片方の手を門倉に差し出す。
『出会った時』とは逆になるが、『握手』の形だ。
『門倉良次』は、『ついていくに値する人間』だと、
そう感じられた。

442『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/15(月) 23:49:52
>>435(ソラ)

アリーナという場に良い印象は持っていなくとも、
わざわざ公言でもしない限りは何も咎められはしない。
実際、網に近付くだけでもほんの僅かな冷気を感じた。
冷房器具の代わりではない事は空調音から明らかだが、
その意図については、現状では誰も説明してくれない。

「いかがですかー。いかがですかー」

何が如何なのかは分からないが、
物販の『売り子』が移動してきた。
担いでいるビールサーバ―の他に、
腰のポーチには菓子類がぶら下がっている。

色黒な肌に色の薄い髪――――少女の年頃だが、
見た目で人を判ずる愚はソラこそが知っている。

>>437(宗像)

宗像は舞台にいない。
だが、宗像の意識は舞台の上にある。

「やる気満々ですね!
 ま、ファイターなら皆やってる事ですけど!」

声がかかった。
背後から少しずつ近付き、そして横に来る。

              ザッ

    「お久しぶりですね。隣。いいですか?」

この男の名を宗像は知っている。
――――かつての事変で遭遇したアリーナの職員、『吾妻』だ。

もちろん、彼の申し出に強制力はない。拒否する事は自由だろう。

>>436 >>438-440(門倉派)

『派閥』の今後を話し合う二人。
それぞれに『こだわり』があるからこそ、
つまりプロ意識があるからこそ衝突は生まれ得る。

          それ自体を避ける・・・
          という組織づくりもあるが、
          『門倉』はそうはしなかった。

――――聞き耳を立てるような者はいない。
まだ客入りはまばらであり、試合は今すぐは開始しない。

望むのなら、もう少し話し合いに集中できるのかもしれない。

443ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/16(火) 14:03:12
>>442
網から発せられる冷気を受けて心地良さを感じる
蒸し暑いより全然良い

『売り子』の声のする方を向くと、
丁度ビールが売っているじゃないか
キンキンに冷えていると嬉しい

「すいませーん、ビールください」

しかし、ビールといってもどこのブランドだ?
やっぱり売れ筋No1のアサヒィスゥパァドゥルァァァァイなんだろうか?
ソラはハイネケンが好みなのだが

ビールがあったらやはりつまみも欲しくなる
菓子類は何があるのか、ざっと見させてもらおう

444『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/17(水) 00:23:05
>>443(ソラ)

「はーいー、まいどありー。って、子供ー?」

       ジッ

少女はソラの姿に面食らった様子だが、
客席の人間はほとんどが大人に見える。
いても、学生に見えるか――――という程度の年頃だ。

「あー。冬川さーん。
 ニッポンって飲酒はいくつからでしたー?」

            ザッ

迷った様子で声をかけた先から、
『執事服』を着た男が近付いてくる。
売り子ではないようであり、
その目は瞬時にソラの足先から、
頭の先まで視線を走らせた。

            「『20歳』からだ、ニマ。
             ――――――だが」

「ここは『表』ではない。
 ことスタンド使いにおいては年齢と外見が違う者もいる。
 見た所、誰かの付き添いという風でもない」

「節度さえ守れるなら咎めはしないが、失礼。
 一応聞いておくが……お嬢様は『飲酒』のご経験は?」

七面倒くさいかもしれないが、郷に入っては郷に従うもの。
法律違反であれ『個人の自由』の範囲のものを、
積極的に止めるというわけではないが……
子供の火遊びは歓迎ではないという事か。

ちなみにビールサーバーにはブランドロゴが入っておらず、
菓子類については『乾きもの』――――柿ピーと?菓子だ。
あまりバリエーションが無いのは、食べ物の売り子は別にいるからか。

445宗像征爾『アヴィーチー』:2022/08/17(水) 04:57:35
>>442

「俺は自分の意思でここに座った」

舞台に視線を注いだまま、聞こえた声に淡白な言葉を返す。

「――あんたもそうすればいい」

そこまで言って、ようやく『吾妻常喜』を視界に収めた。

「代表者は『桜島明人』だったな」

いつだったか、
『アリーナ』が開催した『スタンド使いの集まり』で、
挨拶を交わした事がある。
大した話をしてはいないが、その名前は記憶に留めていた。
『もう一人の男』に関しても同様に。

「『島田康』と言ったか――」

『桜島派』の『黒服』。
以前の仕事で、計らずも『成り行き』で手を組む形になった。
俺にとっては、桜島よりも世話になった人間と言える。

「あの男も元気か?」

『スタンド使い』でもなければ『幹部』でもない。
他でもなく島田自身が語っていた。
だが、人間の価値というのは、
必ずしも一つの物差しだけで計りきれるものではない。

446ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/17(水) 21:09:46
>>444
本当に面倒だ…
免許証でも持って来るべきだったか?
飲んだら乗るなの精神で徒歩で来たから持ってないんだが

「ありまーす…」

まぁ、どうしても売らないっていうんなら諦めるが…

にしても、菓子の品揃えは悪いらしい
この中から選ぶなら柿ピーだが…
音が出るし、周りの客に嫌がられそうだな

菓子類は別の売り子から貰うとしよう

447門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/08/17(水) 21:13:20
>>441(美作)

『美作』の言葉にほっとした表情を浮かべる『門倉』。
自分の言葉が受け入れられるかどうかは未知数だった。

「いや――― 本当に。本当に、だ。

   『美作さん』―――

           こちらこそ、『今後とも』よろしくお願いします」

 『門倉』も丁寧な所作で『握手』を返す。

   ………

 『美作くるみ』―――彼女に対し、最初に『アイドルショー』を
             提示できたのは『運命』という他はないだろう。

そして、『門倉』としても、『美作』が自分の『夢』を支えてくれるように、
     『美作』の『夢の続き』を達成させてあげたいという気持ちに駆られていた。

「………『美作さん』。

          君の『夢の続き』を、俺の『夢の始まり』に重ねてくれるというのなら、

   俺の―――

         いいや、俺たちの『夢』は無限に広がり、きっと上手く行くはずだ。

                 『門倉派』は君を必要としている」

>>434
>>442(GM)

すこし心に余裕の出来た『門倉』は、『アリーナ』の形状を確認しておく。
『金網』に『霜』が貼っている様や『木の柱』………
これらをいちいち用意するには相当な費用が必要なはず―――
となると、『スタンド使い』の関与が考えられる。

『環境改変』の『スタンド』を持つスタンド使い―――
何かの折に探しておくのも悪くないのかもしれない。

448美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/17(水) 23:18:39
>>442
>>447

    「『光栄』です」

                ギュッ

             「――――――『心から』」

はっきりとした口調で、門倉の言葉を『肯定』した。
その『意味』は、言わずとも伝わる事だろう。
正式に『門倉派』に加わるという『意思表示』だ。

「私が参加した『興行』――――正確には『競技』ですけど」

やがて手を離すと、門倉と共に『戦いの舞台』を眺めながら、
彼の考えを読んだかのように、『以前の経験』を語り始める。

「その時は『仮想空間』を利用していました。
 説明してくれた方の言葉を借りるなら、
 『複数のスタンドの組み合わせで生まれたシステム』だとか」

「『単一の能力』に拘るのではなく、
 『そういった方向性』を検討するのもいいかもしれませんね」

美作の意識は『現在の仕事』だけでなく、
同時に『今後の事』にも向けられていた。

449『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/18(木) 13:57:47
>全体

                 ザワ ・・・


            ザワ ・・・

少しずつ……どこか堰を切ったように、観客席は埋まりつつある。
天井付近、鉄梁で固定された『実況解説席』に一人の男の姿が入ったのが、
会場内の各部に設置された『モニター』に映し出された。
お笑い芸人でも無ければ選ばないような赤いスーツを、大真面目に着こなす偉丈夫。

――――既に顔を合わせた事がある者もいるだろう。この試合の実況者は『桜島』だ。

>>445(宗像)

「どうも! それじゃー失礼します、っと」

「ええ、『桜島』さんがオレの上で合ってますよ!
 見ての通り……この試合もウチの管轄って事で、
 まー、いざという時の為に呼ばれてるわけです!」

面倒というニュアンスは感じられない語調。
滲んでいるのはむしろ、誇らしさだろう。
いざという時が何を指すのかは不明瞭だが……

「『島田』さんも元気にやってますよ!
 うちは荒事も多いとは言っても、
 あの時みたいに黒服総動員なんて事は、
 よっぽど滅多なことが無いと起きないですしね」

        チラ

      「そっちも息災みたいで!
       ――――元気にしてるんですか?」

売り子が近づいて来るのを視界の端に収めた吾妻は、
ポケットに片手を入れつつ、笑みを浮かべて『宗像』に問いかけて来た。

>>446(ソラ)

ソラの持つ免許証に本当に効力があるかは甚だ謎ではあるが、
社会というのは自信満々でいけば案外無理が通ったりもする。

「それなら、構わない。ただ一応、ハメを外しすぎないように」

          ペコ

「はーいー。それじゃあビール一杯お売りしまーす」

冬川と呼ばれた男が首肯すると、ビールは売ってもらえた。
ルールはあるが、外の法とは隔絶された空間――――
もっとも、それは『自己責任』の比重が大きい世界を意味もする。

         「いかがですかー。いかがですかー」」

立ち去っていく売り子『ニマ』だが、『冬川』はこの場に残るようだ。
子供にしか見えない人間への酒の提供。責任の一つはあるという事か。

そうこうしている内に別の売り子も来る……『ホットドッグ』の売り子が見えた。
ここからだとやや遠い位置ではあるのだが、『アイス売り』などもいるようだ。

450『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/18(木) 13:58:00
>>447-448(門倉派)

現実の先の夢を語り合い、それを形にするべく『視察』と『会談』を続ける。
アリーナの形状は、だいたいこのような感じだ。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴■━╋━━━━━━━╋━■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□柱柱┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□柱柱┃□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■━╂━━━━━━━╋━■∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

□:闘技場内。各マス大きさは1x1m。
  ウレタンに近い素材のマットが敷かれている。
柱:日本家屋風の木製の柱。太く、がっしりした作り。
╋:太線のある場所の高さ2mほどの位置に『鉄棒』が通っている。
  縦横それぞれに2本ずつ。両側はボルトで壁に固定されている。
■:壁。高さ『3m』ほど。凹凸が一切ない。コンクリート製。
  上には金網が張られ、観客席との行き来は不可能。
∴:壁の上にある観客席。『野球場』に近いイメージ。

ステージギミックである柱や鉄棒は『どこから』『どうやって』調達したのか?
或いはこの広い会場の警備、安全の保障、清掃などはどのように賄っているのか?
スタンド能力かもしれないし、何らかのコネや人材があるのかもしれない。
いずれも、今の『門倉派』には――――『まだ』不足している概念と言えるだろう。

             だが、可能性は無限だ。

「アイスクリームいかがですか〜ッ」

スタッフと思われる女性が、クーラーボックスを持って近付いてくるのが見えた。

舞台に必要なのは『演者』と『環境』…………
ここの設営に関わる『漣派』からも助力は得られるだろうが、独力で出来る事が多いに越したことはない。

451美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/18(木) 18:38:33
>>449-450
>>(門倉)

「――――『桜島さん』です」

画面に映し出された人物を確認し、門倉に囁き掛ける。

「私が参加した時も、彼が『実況担当』でしたね。
 見た目通りの『体育会系』って感じです。
 私とは『路線』が違いますけど、なかなかいいですよ」

    「『私が負ける』とは思いませんけど」

『選手』として参加した時は考えもしなかったが、
今後は『ライバル』にもなるだろう。

「私も『アリーナ』に精通してる訳ではないですが、
 これだけは『断言』できます」

「この町に『強いスタンド使い』は大勢います。
 『単純な強さ』なら、私以上の人間は沢山いるでしょう」

「ただし――――『喋り』という分野において、
 星見町に『美作くるみ以上のスタンド使い』は存在しません」

『自惚れ』でも『空元気』でもなく、
美作には確かな『自信』がある。
培ってきた『スキル』と積んできた『キャリア』が、
何よりの証拠だ。
だからこそ、『実況解説』を割り当てた門倉の『慧眼』には、
敬意を抱いていた。

「あ、私の番組には『アーカイヴ』があるんですよ。
 もしかすると何かの参考になるかもしれませんし、
 時間のある時に聴いてみて下さい」

       スッ

    「『ながら聴き』でも構いませんよ?」

取り出したスマホを操作し、
『Electric Canary Garden』の公式サイトを表示してみせる。
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1619194604/69)

452宗像征爾『アヴィーチー』:2022/08/18(木) 19:33:42
>>449

「『別件』で『七ヶ月』と『二ヶ月』入院していたが完治した」

前者は『妖甘』と『道具屋』からの依頼。
後者は『上遠野』を通した依頼だった。
これまで何度か『仕事』をこなしてきたが、『能力』の都合上、
その度に病院の世話になる事が通例になっている。

「『死んだ人間』もいる」

『青山流星』の名前を思い出す。
共に『エクリプス残党』の一人に挑んだ少年だ。
彼のお陰で命拾いしたが、その『恩』を返す機会もなく、
青山は密かに命を落とした。

「『生きているのか死んでいるのか分からない奴』もいる」

『一抹貞世』とは『初めての実線』で手を組んだ。
それ以前もそれ以降も、
何度か顔を合わせて言葉を交わしている。
最後に会った時、あいつに『死ぬな』と伝えた。

「だが――俺は『生きている』」

『虚無』を含んだ瞳が、吾妻を見返す。
『生きるべき者』がいなくなり、『そうでない者』が息災を保つ。
『人の生き死に』いうのは、
得てして思い通りにはならないものだ。

「『これ』のせいかもしれないな」

         スッ

作業服の胸ポケットから取り出したのは、
『花飾りが付いたお守り』だった。
いつかの『パーティー』で回ってきた品だ。
『自分には身に余る』と感じたものの、
手放す事は『礼儀』に反すると考え、未だに持ち続けている。

453ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/18(木) 20:37:52
>>449
「あざっす…」

結局どのブランドのビールなのか分からないが、まぁ飲めば分かるか

ホットドッグか
ひんやりと冷たい会場で熱々のホットドッグを頬張り、キンキンに冷えたビールで流す
良さそうじゃないか
それにデザートのアイスも買わなくちゃな

早速ホットドッグの売り子に話しかけに行く
種類は何があるんだろうか?
まさか一種類しかなかったりしないか?

454門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/08/19(金) 23:21:29
>>448(美作)

『固い握手』と『肯定』の言葉で、『美作』は『門倉』に思いを示した。


   そうして、

  今ここに、『門倉良次』と『美作くるみ』の思いは一致する。


                     ――――――『心から』。


     美作くるみ『プラン9・チャンネル7』→『門倉派に正式加入』



 ……… ……… ……… ……… ……… ……… ………



                「―――『仮想空間』、か」


そして………手を離すのをすこし名残惜しそうにしながらも
        『門倉』は、話を『門倉派』の今後に切り替えていく。

                            と、ここで。

『門倉』は一歩、『美作』に近づき、耳元で囁くようにひそひそと話し出す。

「………俺の『スタンド』の話はしたよね。『部屋』を作る能力。
 ある意味では『仮想空間』を作る能力で、『うってつけ』とも言えなくもないんだけど。

 ただ、出来るのはあくまで『記憶の中』の常識的な『部屋』。
 更に言えば、『12畳以内』で持続時間は『20分』。
  『アリーナ利用』にはあまりにも『力不足』なんだ」

どうやら『自分の能力の詳細』だった為、内緒話としたいというところらしい。
ここまで話せるほど『美作』を信頼しているととれなくもない(しかし近い)。

「………例えば、『力を増幅させてくれる』能力なんてのがあれば
     俺の能力でも役に立つのかもしれないけどね。
     あとは俺自身が、『成長』するか―――」

『スタンド』の成長………。
ただ、おいそれと出来るものではない事を『門倉』は十分に承知していた。

「あるいは、『ショー』の方を、俺の能力にあわせるか、とかね。

 ただ、いずれにせよ、直近の『アイドルショー』には、残念ながら役に立たなそうだ」

そんな事を話しているうちに『アイスクリーム』の売り子がやってきた。
『売り子』………こういうところにも、『可能性』があるのかもしれない。
たとえば、『グッズ販売』で資金を得たり、ちょっとした『スタンド能力』を見せる事で、
『スタンド使いのショー』への期待感を高めるとか―――
『売り子』については『門倉派専属人材』として常時確保しておくのも良いのかもしれない。

………そんな至って真面目な目的で『門倉』は『売り子の女性』を凝視していたのだが、
     傍目から見れば、話の途中で急に『売り子』に目を向けた男と見られても仕方はなかった。


                               ………


>>449-450(GM)
>>451(美作)

それはさておき、そろそろ試合開始も近いようだ。

                        ………

 「『桜島』―――派閥の長が、実況担当という事なのか」

『門倉』も、『美作』が見つからなかったら自分で行う事になっていただろう。
そして、『美作』が何らかの事情で出来ないケースを考えれば、
『門倉自身』も一応はそのやり方を学んでおいた方が良いはずだ。

そして、『門倉』は『美作』の自信たっぷりの言葉に大いに頷く。

『アリーナショー』の華は当然、『出演者』だが、『実況・解説』という役職はそれと同様、
いやある意味ではそれ以上に重要だと『門倉』は考えている。
『美作』を『ナンバーワン実況』だと知らしめる事は、
『門倉派』にとっても大いに意味のある事だ。

「ああ、あの日、『美作さん』と会った時から、
ずっと『本放送』は聴いているけど、『アーカイブ』はまだ聴いていなかったな。
『試合』が始まるまで、聴かせてもらおうかな」

いまさら『昔からのファンでした』などと見え透いた『嘘』を言うつもりはない。
ただ、今の『美作くるみ』には大いに興味があるので『門倉』は
自然と『Electric Canary Garden』を聴くようになっていた。

455『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/21(日) 01:25:08
>全体

――――モニターに映る『桜島』が、マイクを握る。

舞台を照らす照明は強まったまま、観客席を照らす灯は僅かに落ちた。
この闘技場において、スポットはあくまで闘技者にのみ当てられる。
もっとも、足元が不安になるような暗さでも無いので、危険はないだろう。

   ≪会場にお集まりの諸君、ようこそ『アリーナ』へ!!≫


男の声が響く。

               ≪今夜繰り広げられるのは、
                 純粋なる闘争ッ!!
                 敵を殺すためでもなくッ!
                 目的に到達する為でも無くッ!!≫


     ≪戦いたいからここに来たッ!≫

            ≪己の力を試すためにここに来たッ!≫

                   ≪闘争の中にこそ己を見出したッ!!≫


    ≪――――――――――そんな男二人が、これから舞台の上にて邂逅するッ!!≫

                      オォォォォオオオ ・・・

ざわめきが少しずつ、歓声に変わり始める。

          ≪彼らが望んでいるのは――――!
            対等なルールでの! 公正な激突!
            今この時だけは策謀を廃した、
            純然たる闘技、力と技の衝突だッ!!
            諸君らが立会人となってほしいッ!!!≫

また、モニターにはもう一人……『スキンヘッド』の男が、実況席の隣に入るのが映った。
黒いニットに、同じく黒いスキニーを合わせた、色どりを感じさせない服装の男。

                  ――――彼が解説担当者のようだ。

>>451(美作)
>>454(門倉)

この会場に集う観客、闘士、スタンド使い達の中で、
恐らくは『美作』だけが、『実況席』の男を『ライバル視』出来る。
そしてあるいはある分野においては『上を行く』のだろう――――
もっとも、軽妙な『ラジオトーク』と燃え滾る『試合実況』は別分野。
そのギャップをアジャストするための機会が、これから始まろうとしていた。

そして、そんな彼女を擁する派閥の長も――――互いへの認識を深め合った今、
この場にいる意味として、『アリーナ』を。その熱を生む物を知らねばならない。

>>452(宗像)

「うおぉ、合計9ヶ月ですか。大活躍みたいで何よりですね!」

       ニッ

平穏の世界に生きる人間なら心配をし、
あるいは辞めるように言うのだろう。
だが、彼の言葉は曇りの無いものだ。

「へー、意外とロマンチストなんです?
 ま、でも信じられるものがあるってのは、
 生き残るのに効いてくるんでしょーね」

『お守り』には深い関心は示されなかったが、否定もされない。

吾妻は若く、軽い雰囲気を漂わせるが、
畢竟――――それは非日常を前提としている。

「そろそろ始まりそうですけど……飲み物でも買っときます?
 なんだったら、知り合いのよしみで奢ってもいいですよ、
 まー、その話だと相当稼いでるんでしょーけど!」

売り子に、彼自身は『コーラ』を注文しつつ宗像に問いかけて来た。
楽しむための観戦ではないのだろうが――――ソフトドリンクは様々な種類があった。

>>453(ソラ)

黄金色に雲のような泡を乗せたビールは良く冷えているが、ブランドへの答えは無い。
クラフトビールだとかややこしい品ではなさそうだが……まあ、ソラの思う通り『飲めば分かる』。

「お嬢さん、ホットドッグいかがっスかぁ!」

売り子は近付いて来たソラに声をかけて来た。

種類は――――スタンダードな『ソーセージにケチャップ&マスタード』だけではなく、
チリソースがかかったスパイシーな物と、チーズをトッピングした物もあるようだった。

456『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/21(日) 01:25:42
>全体

         ≪実況担当はッ!!
          この『桜島明人』が今夜も務めるッ!
          闘技の熱を少しでもこの会場へ広げよう!≫

               ≪そしてッッ!! 解説担当は―――――――≫


        …スッ

そして。
モニターに映ったスキンヘッドの男が、
静かに『マイク』を手に取った。

                        オ   オ オ  オ

                 ≪解説は。
                  私が担当する。
                  『威武 神一』
                  元A級闘士だが、
                  今は只の職員≫

    オ  オ  オ   オ

                ≪可能な限り。
                 冷静に俯瞰し。
                 冷徹に分解し。
                 それを伝えよう≫


『威武』――――彼の姿への歓声はどこか歯切れの悪さがある。
少なくとも、勇退したスターを迎える、という雰囲気ではないが、
それでも決して盛り下がっているというわけではない。

       いずれにせよ、だ。

  ≪――――威武氏の戦局眼があれば、今宵の熱闘!
   ますます皆に深く、そして熱く楽しんでいただけるだろうッ!≫
 
           ≪――――――そして。その闘技!
             当然主役は我々ではない!!
             待ちくたびれた者も顔をあげてほしい!≫

     オ ォォォォ ―――――――――――――   

  ≪今夜最初の試合はッッ!!!!
     大型ルーキーの登場だッ!!!≫


      ≪選手入場ッッ!!!≫    


             ≪威武氏推薦ッ!! 経歴一切不明ッッ!!!
               元A級ファイターが見初めた、
                その力量は果たして鋼鉄の鬼を破れるかッ!?≫

               ワァァァァァ―――――――――――ッッッッ

457『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/21(日) 01:26:43




     ≪―――――――――――扇原ッ!

            映ィィィ華ァァァ――――――――――――ッッッ!!!!≫




そして――――舞台に繋がる扉が開く。

そこに立つ男の姿はまだ見えない。

だが……彼が。彼こそが、本日の『試合』、その『主役』である事は間違いない!

458美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/21(日) 03:40:30
>>454-455
>>456-457

「説明を聞いた限りでは、
 確かに『ステージ』には物足りませんね。
 『観客席』なんかも必要ですし」

『能力』の開示に感謝しつつ、門倉の説明に同意する。
便利ではあるが、『面積』も『時間』も心許ない。
しかし、工夫によっては活かす事も出来そうに思えた。

「『ミニイベント』みたいなものなら可能じゃないでしょうか?
 『本命のショー』の『宣伝』とか……」

「今のところは、良さそうなアイディアは思い付きませんけど」

そうしている間に、いよいよ『始まり』が近くなってきた。
モニターに注目し、『実況』と『解説』の双方に視線を走らせる。
職業柄、『マイクそのもの』も気になるところだ。

「普段、私が仕事で使ってるのは、
 『コンデンサーマイク』なんですよ。
 電源が必要で、静かな環境が必要な代わりに、
 拾える周波数が広いんです。
 だから、『表現力』に優れているタイプですね」

桜島が握る『マイク』を見ながら、門倉に声を掛ける。

「こういう場所で使われるのは『ダイナミックマイク』です。
 電源不要で、周波数が狭いから、
 余計な音を拾わないんですよ。
 人の多い『イベント会場』に向いてますね」

「もちろん、どちらでも私の『声』は変わりません。
 『いいマイク』を用意して下さいね?」

       ――――――パチッ★

『売り子』に気を取られている様子の門倉に、
完璧な『ウインク』を飛ばし、桜島の語り口に耳を傾ける。

「『試合の実況』だと、やっぱり『こういう感じ』が主流ですよね」

『門倉派』の本分は『試合』ではない。
『他派閥』でやっているような『ノリ』は、
最初から求められていないのだから。
自分達は『新たな分野』を開拓しようとしている。
それは、血沸き肉踊る『闘争』とは全く異なる種類のものだ。
『同じ土俵』に上げる気など、最初から考えていなかった。

「へぇ!『解説』の方も『大物』みたいですよ?」

感嘆したように発した声に、萎縮した響きは感じられない。
また、『観戦』と平行して、手元で『別の仕事』も進めている。
『眠目とのやり取り』だ。

459宗像征爾『アヴィーチー』:2022/08/21(日) 04:44:10
>>455-457

「――そうかもしれないな」

手の中にある『お守り』を見つめた後、元通りしまい直す。

「少なくとも、『まだ死んでいない』のは確かだ」

神仏の類に対する信仰は持ち合わせていなかった。
だが、『人間の一念』には、何らかの力があると考えている。
それが人を生かし、あるいは殺す。
この『お守り』を作った人間のお陰で、
俺は助けられているとも考えられる。
誰かは知らないが、
そうだとすれば『感謝』するべきなのだろう。

「『メッコール』は扱っているか?」

先日、『甘城天音』から奢られた飲み物だった。
そのせいか、最初に頭の中に浮かんだ。
『鈴蘭の少女』について考えていた事も、
影響していたのかもしれない。

「それがなければ、あんたと『同じもの』で構わない」

注文を出してから、改めて話を切り出す。

「聞きたい事がある」

「例の『アビシニアン』は、
 『それなりに適切な管理下に置かれている』と聞いた」

「その後、何か問題は起こっていないか?」

『カーバンクル』と『鈴蘭の少女』には『共通点』がある。
種類は違うものの、どちらも大きな危険性を秘めた存在だ。
だからこそ、『現在の様子』が気に掛かっていた。

460門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/08/21(日) 19:48:57

>>455(美作)
『美作』の『ソウル・ダンジョン』へのコメントに頷く『門倉』。
一応は『スタンドを用いたショー』が持ち前の派閥のトップなのだから、
ゆくゆくは何かしら利用していきたい―――

 ………

「ああ―――もちろん、『マイク』は最高峰のものを用意するよ」

『美作』の視線にあてられ、『売り子』を凝視していた事に気づいた『門倉』。
すこし気まずそうに『美作』の言葉に応えていく。
脳内で微妙に『マイク』や『音響設備』に関わる予算の修正を行いつつ―――

「『ショー』の種類によっては、こういう熱血なノリもいいのかもしれないね。

  ―――あ、そうだ。話しておかないといけない事があった。
       この前、『事務所』のビルの四階に、おかしな『スタンド使い』がいてね………」

『門倉』は、『美作』に、アランと名乗る身元不明の男の話をする。
『門倉派』に入れたというわけではないが、一応、『用心棒』的な扱いでもある。
伝えておくべきだろう。
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1658664736/5-55

「報告が遅くなったのは申し訳ない。

 ………で、その男の能力から、『次』は『刀剣』などの武器を使った、
      『演武ショー』なんて面白いんじゃあないかと思っているんだ。
      その時はこういう熱い実況も何らかの『参考』になるんじゃあないかな。

 ―――もちろん、まずは『アイドルショー』に『全力』なのは言うまでもないけどね」

それがそうと『美作』がさっきからスマホで何やら
やりとりしている素振りがあるのに、ちょっとだけ気になっていた。
『マナー違反』という事より、『相手は誰か』という感じの気になり方だが―――

>>456-457(GM)

そしていよいよ『選手入場』のようだ。
ここに来た目的は本当にさまざまだが『選手』にも興味があった。

仮に『派閥員』でなく、『雇われ』のような存在であり、
『能力』が『使える』のであれば、後日、スカウトするのも良いのかもしれない、と思っていた。
『バトル』という同じ系統のスカウトでなく、違う役割の『スカウト』であれば、
『他派閥』ともそこまで角が立たないだろうという思惑もある。

『どういう能力か』をある程度は見定める事ができる『アリーナ』という舞台は、
闇雲に外で『スカウト』するより効率が良い………という事だ。

461ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/21(日) 20:15:49
>>455
「うっす…」

…やっぱり普通にケチャップとマスタードの物にしよう
それを指差す

そろそろ試合が始まりそうだが、それよりも飯だ
今日は朝から何も食ってなくてイライラしている
食った物と言ったらさっき胃薬と頭痛薬の盛り合わせを飲んだくらいだ

462『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/22(月) 02:47:53
>>458(美作)
>>460(門倉)

アイドルショーと試合は趣が少し違っては来るが、参考に出来る点はある。
今後の打ち合わせを続けながら、舞台からも意識は逸らしていない――――

>>459(宗像)

「死んでない、ッてのが一番いいことですからね」

モニターに映る『威武』から視線を戻し、吾妻は頷いた。

「メッコール? いやー、それは扱ってないですね!
 世界一マズイコーラでしたっけ?
 クセ強い炭酸が好きってコトなら、ドクペはありますけど」

いずれを選ぶかは宗像次第だったが、
いずれにせよ、飲み物は手渡された。

「問題が起きてたら――――多分、あんたにも連絡が行きますよ! 
 無いってコトは、何も起きちゃいないッてことです。
 その時に起きる騒動は、アリーナの範疇では収まらないでしょうしね」

        「オレも、リアルタイムで全部は把握してませんけど。
         まー、動きがあれば絶対知るのはオレも同じですし」

アリーナの内部は複雑怪奇な縦割りと分断の構造。
が、この場合は単に担当が違う、という事だろう。

「というか――――そうなるとこの試合を見に来たのも、『猫絡み』って事ですか?」

>>461(ソラ)

「まいどありッ」

ホットドッグ売りから商品を受け取るソラ。
特別に素晴らしい質というわけでもなさそうだが、
仄かな暖かさは既製品をレンチンした……という感じではない。
恐らくここで焼いたパンに、ここで茹でたウインナーなのが窺えた。

空きっ腹をそれなりに満足させられるのではないだろうか――――

>全体

        「扇原ァァーーー!!!」
           「余所見してんなッ」             「扇原ッ!!!」

            オ  ォォォォオオオ   オオオオオオオオオッ!!!!!

                               「結城の野郎をぶっ潰せルーキーッ」

舞台へ続く道を歩くのは、若い男だった。
ごく普通の、社会人であろう男。
ピアスやツーブロックの髪から真面目一辺倒ではないのは分かるが、
決して裏社会の住民というわけではないだろうし、喧嘩を思想にも見えない。

                      「強そうには見えねーぞ!?」
                      「素人。スタンド使いは見た目じゃあない」

観客性を見渡しながら歩く彼は、それでも足取りは迷わず、定位置まで移動した。

                    「扇原ぁぁーーー!」
  「おおおおォ〜〜〜〜!!」

         オォォォォォォォ             ォォォォォォオオオオオオオオオオオ

周囲の観客たちは、これより始まるであろう死闘への期待に――――
あるいは、それを楽しむための着火剤として、歓声を次々に投げかけていく。

 

                           「扇原選手ぅ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
 
                     「瞬殺されんなよッ」


           ≪扇原選手ッ、歓声を見回しながらもいま舞台に上がったッ!!≫

                                <ルーキーらしい振舞いだ。
                                  だが、足を止めていない。
                                  浮足立っていない。
                                  すべきことを理解している>
彼を推薦したらしい威武の言葉は賞賛と言うより、
あくまで事実を再確認するような響きではあった。

         ≪期待大の大型ルーキーッ! だが、彼に立ちはだかる相手もまたッ!
            現在1勝中――――『加茂選手』を真っ向粉砕!
             『B級挑戦権』獲得の新星ラッシュに続かんとする、あの男ッ!!≫

              ガゴ  ・・・!

           ≪結城ッッッ!!!! カルラァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!≫
  
そして。

向かい側の扉が開き――――――――もう一人の選手が入場を始めるようだ。それが済めば、試合開始だろう。

463宗像征爾『アヴィーチー』:2022/08/22(月) 23:02:30
>>462

「――『それ』をもらおう」

売り子に一礼し、コーラの代わりに『ドクペ』を受け取った。
あの日、甘城が飲んでいたものだ。
一人の人間を理解するための、
何らかの足しになるかもしれない。

「今のところ『制御』は出来ているらしいな」

『カーバンクル』は『争いの火種』になる存在だ。
その意味で、『大きな脅威』と言えた。
だが、少なくとも現時点で『コントロール』はされている。

「厳密には違うが、あれと『似たようなもの』を探している」

吾妻に答えながら、渡された飲み物を口に含む。

「『破壊的』であり、『制御』を受け付けない。
 そういった存在がいる可能性だ」

そこまで言った時、『アヴィーチー』の『能力』に思い至った。
本体の意思に従わず、
純粋な殺傷のみを目的とする『自動操縦型』。
あるいは、『鈴蘭の怪物』は、
『ノコギリザメ』と『似たタイプ』なのかもしれない。

「実際に『確認』していない以上、
 この場で詳しい話は出来ないが」

『情報源』である熊野の言葉を、頭から信じてはいない。
信用の度合いで言えば、『鈴蘭の少女』と同程度だ。
場合によっては、『裏付け』を得るために、
奴自身の事も調べる必要が出てくる。

464美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/22(月) 23:43:36
>>460
>>462

「あはは……随分『クセ』のありそうな方が来たんですねぇ」

直接会った訳ではないが、
話を聞くだけでも『怪しさ』は伝わる。
はっきり言って『怪しすぎる』。
不安はあるが、既に決まった事にアレコレ言うつもりもない。

「あぁ、『演舞』ですか!
 確かに、それならこんな感じの雰囲気もいいですよね!」

「もちろん『内容』には合わせますよ。
 どんな『ゲスト』が来ても、
 即座に対応できるのが『パーソナリティー』ですから」

『パーソナリティー』に求められる力は多い。
その一つが『対応力』。
『ラジオ』にも『台本』はあるが、
その通りに進む事など有り得ない。
全体の大部分は『アドリブ』で進行する。
それは、『不測の事態にも対処できる』という事だ。

「『アイドルショー』の開催時に、
 『次回予告』もしちゃうっていうのはどうでしょう?
 『次回公演の宣伝』と『出演者の募集』を兼ねて。
 『触り程度』にはなりそうですけど、
 それがないのとあるのとでは、だいぶ違うと思いますよ」

門倉も考えている事かもしれないが、
自分も同じように思っているという『意思表示』をしておく。

「ところで、『ボス』――
 さっきの『メイクの件』なんですけど、『快諾』してもらえました。
 こういうのは『スピード』が命ですから」

門倉の視線に気付き、『スマホ』を軽く振ってみせた。

「やってもらえるのは『ネイル』と『まつエク』と『ヘアメイク』ですね。
 それから、その方の『能力』なんですけど――」

「射程の長い『人型スタンド』で、
 実体化した『硝子瓶』を作れるんです。
 『美しくて儚いイメージ』を、
 『アイドル』と重ねてみたいと思うんですけど。
 『遠隔操作』で自由に『砕く』事が出来るので、
 これを『演出』に活かせると思うんですよ。
 『破片』が『アイドル』を傷付ける事もないそうです」

「『瓶』の中には『エネルギー』を込められるんですけど、
 それも活用できると思います」

『ノワール・デジール』の『能力』を、かいつまんで説明する。

「私が参加した時は、私を含めて『三人』でしたね。
 他の二人は男性でした」

       「――でも、『彼』じゃありません」

『扇原』と呼ばれた選手を見つめる。
実のところ、『スタンド使い同士の戦い』を見るのは初めてだ。
一人の『スタンド使い』として『見聞を広める』という意味でも、
ここに座っている意味がある。

465『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/23(火) 06:11:08
>>463(宗像)

売り子から受け取ったのは、ドクターペッパーのボトルだ。
クーラーバッグから出されたそれは良く冷えており、
熱気に包まれつつある会場においては有難い存在だろう。

「なるほど――――ま、厄介ごとはいっくらでもありますからね」

宗像の言葉に得心したように、吾妻は頷く。
何処か安堵したようでもあった。

「うわさ話なら余計に、ね!
 カネが無くなったらスタンドかもしれない、
 壁のでかい落書きはスタンドかもしれない
 人が消えたら……それもスタンドかもしれない」

ドクターペッパーは独特の風味を口の中に広げる。
近い食べ物を言うなら杏仁豆腐だろうが、
芳香は『湿布』に近いニュアンスがある。

       「――――っと、始まりますね!」

あまりさわやかな風味というわけではないが、愛好する者もいそうな味だ。

>>464(美作)

新たに得た『派閥』の協力者を『ボス』に紹介しつつ、
舞台に歩み出た青年の姿を見る。
あの時に同席した『ピエール』や『天白』ともまた違う雰囲気の、
彼らよりももっと、どこにでもいそうな――――そんな若者だ。

>全体

舞台に上がった『扇原』が深く息を吸い込む中―――――――――

                    「カルラァーッ!!」

      ザッ

向かいから舞台に上がるのが、彼の対戦相手だ。

         ――――――   オオオオオオオオオオオオオオ ッッッ!!!

        ザッ

年のころは扇原よりさらに若く、少年と言っても不思議はないだろう。
側頭に剃り込みを入れ、そこに荊のタトゥーが入った獰猛そうな顔立ち。

          ≪前回の『加茂』戦では氏の能力を読み切り、
            獰猛な攻勢で終始圧倒して見せた結城選手ッ!
             ベテランに続きルーキーをも飲み込み、
              見事2連勝を果たせるかァーーーーーッッ!?≫

上半身は裸。その上から前を開いた作業着を羽織り、下はカーゴパンツ。
露出した肌には傷痕も見え、また、左胸にも荊冠のようなタトゥーが刻まれる。

                        <――――結城の攻撃力は、
                         C級では上位に入る。
                         加茂戦では対応力も見せた。
                         喧嘩と闘技は違うが、
                         彼は前者を後者に活かしている>

扇原と何事か言葉を交わしたようだったが、それは歓声の中にいる面々には届かない。

             ワァァァァァ ―――――――――――――――― !!!


・・・『観客のいる舞台』という『場』に慣れた『美作』は、盛り上がりに偏りを感じる。
観客の中に一部、歓声を挙げず――――しかし試合を凝視している人間が混じっている。

466『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/23(火) 06:11:23

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□結□□□■∴∴∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴■━╋━━━━━━━╋━■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□柱柱┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□柱柱┃□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■━╂━━━━━━━╋━■∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴∴∴■□□□扇□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

□:闘技場内。各マス大きさは1x1m。
  ウレタンに近い素材のマットが敷かれている。
柱:日本家屋風の木製の柱。太く、がっしりした作り。
╋:太線のある場所の高さ2mほどの位置に『鉄棒』が通っている。
  縦横それぞれに2本ずつ。両側はボルトで壁に固定されている。
■:壁。高さ『3m』ほど。凹凸が一切ない。コンクリート製。
  上には金網が張られ、観客席との行き来は不可能。
∴:壁の上にある観客席。『野球場』に近いイメージ。


                ≪――――――――――さあ、双方定位置に入ったッ!
                 本日のステージギミックは『柱』と『棒』ッ!!
                 三次元交差する木と鉄の中で、闘士2人が笑みを交わすッ!!≫

           ワァァァァァァ ――――――――――――――――ッッッ!!!!

「アンタ、ヒマだからここに来たのか? だったら、今度はオレがそのヒマ潰してやるよ。
 それとも稼ぎに来たのか? だったら――――悪ィけど、治療費だけで足が出ちまうだろうなァ!」

張り上げた結城の声が響く。

           ≪最早待ったなしッ!!    
            観客諸君も! 我々も! そして闘士たちも!!       
            これより先は、ただ『熱』のみが支配する世界だ!!≫

                       ≪いざ尋常に――――試合ッ!!≫

                     次の瞬間にはゴングが鳴る筈。『始まる』――――!!!

467ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/23(火) 09:27:03
>>462
もう試合が始まるがまだデザートを買っていないのでアイスを買いに行く

468宗像征爾『アヴィーチー』:2022/08/23(火) 12:15:06
>>465

「それに近付こうとするのは『物好きな人間』か、
 『時間を持て余している人間』か――」

「あるいは『相応しい人間』か」

舌に残る味を感じ取りながら、手にしたボトルを眺める。
甘城は『鈴蘭の少女』を知っている。
そして、熊野も『鈴蘭の少女』について語っていた。
この点に関して、二人の話は一致する。
『どちらが正しいのか』は、『本人』に会えば分かる事だ。

「ここで『答え』が見つかる事は考えていなかった」

「だが、あんたから話を聞けたのは『収穫』だろう」

それだけ言って、『試合の舞台』に視線を移す。
確固たる目的があって、ここを訪れた訳ではなかった。
だが、『あの場』に立つ人間には、
相応の理由があるのだろう。

「俺には向いていないのかもしれないな」

不意に『五十嵐』と『下村』の顔が脳裏を掠め、
自身の『右腕』を見下ろす。
いずれの場合も『排除』を依頼され、その通りに実行してきた。
改めて見ても、この場所は根本的に違う。
実際に目の当たりにした事で、それが自らの肌で感じられる。
自分の中で、幾らかの『違和感』が生じていた。

469美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/23(火) 12:16:40
>>465

『スタンド使いの本質』は外見からは判断できない。
自分だってそうだ。
この舞台に立った時には、
観客席から『驚きの声』が上がっていたのだから。
しかし、『初めて来たのだろう』という事くらいは、
様子を見ていれば分かる。
それに対して、もう一人の方は、
見るからに経験がありそうに思えた。

      ――――――チョン

それとなく門倉の肩に触れ、
目線を動かして『気付いた事』を伝える。
同時に、自分も『同じ方向』を向く。
『自分達と同じような人間』がいるらしい方向を。

470門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/08/24(水) 20:34:12
>>464>>469(美作)
>>465-466(GM)

「『次回予告』か―――
 ある程度、出来そうな算段が立っていれば、それもいいかもしれないな。
 あるいは『背水の陣』でとりあえず告知しておくか―――」

『美作』の言葉に頷く『門倉』。
ただ、それもこれもまずは『アイドルショー』の成功が大前提だろう。

 ………

「あ、『メイク』………そうか、その相手に連絡していたんだね。
 そして能力は『ガラス瓶』の作成か―――
 『ガラス』は場を美しく彩るのに、使えそうだね」

『メイク』も出来て、『演出』も担える………
当然、本業もあるのだから無理強いは出来ないだろうが、
『裏方』としての汎用性は申し分ない存在。
場合によってはピンポイントの依頼ではなく、
『門倉派』自体への勧誘もすべきか。

          ………

「三人………複数でのイベントもあるんだね」

そして、『美作』のアリーナ話を興味深そうに聴く『門倉』。
あまりにも新規性のあるものは受け入れられないかもしれないが、
『アリーナ』自体にある程度、『前例』があるのなら、
『ショー』も、『ちょうどいい斬新さ』として受け入れてくれる土壌があるはずだ。

                               ………

>GM

『美作』と話しつつ、出場者や『観客』をそれとなくチェックする。
まずは『観客』―――『観客』の質というか傾向が大事だ。
いくら『アイドルショー』と開いても『アリーナを知っている』層が
まったく興味を示さなければ意味がない。『観客』の傾向を把握しておき、
場合によってはそこにアピールできるような『仕掛け』を考えるべきかもしれない。
後は、『実績』がついてからの話にはなるが、
『各派閥』の『前座ショー』のような事も考えている。
その際に『派閥についた客の傾向』を把握しておくのは悪いことではないはずだ。

  ………

 そんな事を考えていると、

『美作』が何か『合図』を出しているのに気付いた。
『門倉』もそちらをそれとなく確認する。

471『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/25(木) 13:14:17
>>467(ソラ)

『試合開始』への期待で熱気が加速する中、
アイスクリーム屋は手持ち無沙汰にしていた。

「今日は選手にちなんで、『ローズアイス』ですよ!」

薔薇が入っている……というわけではなく、
薔薇の形に盛られたカップアイスの事だ。

ただまあ、普通のカップのバニラアイスも置いてはいるし、そっちの方が安い。

>>468(宗像)

「そーですか? ま、見られる前提で戦うのは、
 ちょっと普段やってる戦いとは違うでしょーけど」

この場にいる者は自ら望んで戦っている。
そして、それは敵を消すためではない。
吾妻は、宗像の業を知りはしない――――

「まーでも『相応しい』かどうかは本人の気持ち次第ですしね!」

         「もっと『裏』でやってる人も、
          ここに顔を出す事はありますし」

――――ただ、業を背負った者も闘技場にはいるのだろう。

「ま、ここも十分『裏』ですけどね」

>>469-470(門倉派)

観客には様々な層がいるが、大多数は20〜30代くらいの大人に見える。
アイスクリームの売り子に話しかけている子供は見当たるが、
子連れ客などはいないし、また、逆に『老人』の姿もかなり少ないようだ。
ブルーオーシャンと取るか、それともそもそも切り捨てた層と取るか……
男女比は男性の方が多いが、男しかいない――――と言うほどではない。

そして視線を向けた先には――――まず、『門倉』はあの男を見た事がある。
執事服のようなものを着た……あの日、漣の後ろに控えていた『冬川』だ。

    「…………」

門倉らとは異なり、視察が目的とは思えない。
あるいは彼が仕事中というだけかもしれない、が。

           「…………」

また、少し離れた別の席にも――――今度は見覚えは無い。
羽根飾りを幾つも頭に付けた若い女も、控えめに拍手しつつ、盛り上がりには参加しない。

            ・・・『アリーナの職員』も紛れている。
                 それは分かるが、意図は不明だ。

472『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/25(木) 13:14:50
>全体

 「僕が見に来たのは、『星』の『先』だ。
  だから最初の一歩、進ませてもらう」

「アンタを潰して! 『B級闘士』も潰して!
 一番上、空まで駆け上がったら……見えるようになるかもなァ!」

会話を交わす中、結城の傍に、人型スタンドが発現する。
屈強な体躯に、両腕に刻まれた『轍』のような紋様――――――――――

       《開始ィィイイイイイイイイイイイッッッ!!!!!!!》

      カ 
       ァ
           「――ぶっ潰してやるよ。
            オレの『アセティック』で!」
         
           \
            \

              ン!!!       

          シュルルルルルルルル……

ゴングが鳴るのと同時!
その轍の上を『なぞる』ようにして、
スタンドの両腕に『荊』が巻き付いた。

           対して。

   ダッ!!!

全身に『アナログメーター』がデザインされた、力強い人型。
それが『扇原』の傍らに発現する―――――――――――!
同時に距離を詰めるべく駆け出す『扇原』

           ……から決して視線を外さないまま、
           ―――――『結城』の『アセティック』は。

   「おォォオオラララララララララララ
      ララララララララララララララララララララ
        ララララララララララララララララララぁあああッ!!!!!!」
 
                       パパパパパパパパ
                  パパパパパパパパ
            パパパパパパパパ

      パパパパパパパパ

猛烈な連打だ。しかし……前にではない。『下』

                      ≪おぉーーっと!! 両者開始と同時に動き出したァッ!!!≫

             マットに向けて拳の連打を叩き込み続けているが……
             その人並みを超えた速度、そして屈強な剛腕に関わらず、
             床にはまるでヒビ一つ、揺れひとつ走る様子はない……

                     <――――『拳』は凶器。
                       並以上の力があるなら、
                       策を弄するまでもなく、
                       近付いて殴れば終わる。
                       故に巧遅をひき潰すが、
                       拙速VS拙速……見物だな>

       ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア ――――――――――!!!!

                                     「カルラぁ〜〜〜!!」

――――――だが、歓声は曇る所か加熱する。彼は既に2戦を観客に見せている。『何かある』のだろう。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□結□□□■∴∴∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴■━╋━━━━━━━╋━■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□柱柱┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□柱柱┃□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■━╂━━━扇━━━╋━■∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

※扇原の現在位置の頭上には ━ が変わらずある。

473ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/25(木) 18:44:57
>>471-472
可愛い形の菓子は、結構好きだ
食い物っていうのは見た目も大事な要素だからな
薔薇の形のアイスには惹かれる物があったので、『ローズアイス』を買う事にした
こんなの食ってたらお前は乙女かとツッコまれそうだからあんまり見られたくないが

それはともかく

「選手に?」

現在、試合をしている選手の方を見る

474門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/08/25(木) 21:18:28
>>471(GM)

「………あれは、『漣派』のメンバーだね。
 『漣派』とコンタクトを取った時に見た事がある」

ささやくように『美作』に伝える『門倉』。

「いまさら視察ってわけでもないだろうし―――目的は不明だね」

とはいえ、『派閥』と敵対するといったつもりは毛頭ないし、
居たからといって特に問題はないだろう。

『客層』は『20代から30代の男性』が多め。
血気盛んな、いかにも『バトル』を好む層なのだろう。
幸いな事に、『アイドルショー』に関して言えば、
わりとそのまま取り込めそうな年齢・性別層と言えた。

 ………

「いよいよ、試合が始まったか」

『門倉』には様々な意図があったが、
単純に『スタンドバトル』というものを観戦したいという思いもあった。
『いざ』という時は、自分も戦わなくてはならない時もあるだろう。
その時のための何かしらの参考になれば、という考え。
それとは別に、ただ、シンプルに愉しみたいという思いもある。

「双方、『人型』か―――力強いバトルが展開されそうだ。
 『荊』を出し、『マット』に乱打している方が
 まずはなにか『仕掛けて』きそうだが………」

わりと見たままの『感想』。
言葉のプロを前に語る事でもなかったかなとすこし反省した。

475『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/26(金) 00:25:49
>>473(ソラ)

一般的に言って『ソラ』はこの会場で最も『乙女』であり、
良く冷えた薄紅色のローズアイスは良く似合っているが……
他からの印象より重要なのは、自分がどう思うか――――だ。

とはいえ、ソラの方を見ている観客というのはほとんどいない。
強いて言えば『冬川』が時折様子を見るような視線を向ける位だ。

         闘技を観に来た者たちは、
         同志であれば子供でも気にしない。

「ええ! 結城選手の『アセティック』――――ほら、出ましたよ!」

アイス売りの言葉を背に聞きながら、舞台上見れば――――――

>>474(門倉)

観戦に来た人間達はここでは闘技に没頭しているようだったが、
無論、彼らも人間。これ以外にも趣味と言うのはあるはずだ。
アイドルなんて軟派な物は――――と口にするような人間であっても、
観客と会場を一体とするショー・パフォーマンスであれば『呑める』可能性は高い。

           ・・・とそれはさておき。

舞台上では、二人の選手がいよいよ『攻防』を展開しつつあるようだ―――――!

476『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/26(金) 00:26:00
>全体

正体不明の連打の後、ルーキー『扇原』はなおも足を止めず接近を続ける――――!

         ≪正体不明の連打ッッ!!
          しかし扇原選手足をとめないッ! 止まらないィ〜〜〜ッ!!≫

「おいおいおい! ビビりもしないって――――――アンタ面白ぇな!」

彼の繰り出した連打の意図は未だ不明だが、
その不明さに足を止める事を狙ってもいたのだろう。
前進を続ける扇原に、結城は笑みを隠さない。

「でもさぁ! 近付くと強いって相手に……
 大人しく近付くほど馬鹿じゃないんだよオレも!」

              タッ

         ≪対する結城選手はエスケープ! だが!!≫

「その棒みてーなやつも、まだ何にも見当つかねーし!」
                 
              <近接格闘タイプの能力は、
               迫撃を更に伸ばす物と、
               近接外の距離を補う物がある>

結城の言葉通り、扇原は己の肩に、
何やら『T字型』の棒状の物体を取り付けており、
それを見た結城は――――スタンドと共に東側へ駆ける。

              ・・・逃げるだけか?

     ウゾゾ      ≪彼の強みはここからだッ!!≫
       ゾ
        ゾ       <結城の能力は、
                 後者のタイプだ。
                 さて――――――>

――――――――――否だ。


「『アセティック』! オレの能力、そんなに難しくはねーけどな!」


       シュルウウウウウウウウウウウウウ〜〜〜〜〜〜〜ッ

           「無視できるとは言わせねーよ」

        ≪――――『アセティック』の荊が扇原選手を襲うッ!!≫

連打を打ち込んでいた地点から『荊』が生え伸び、『扇原』に向け伸びる……!
その速度は人並み、と言っても全力疾走では無く『歩く』程の速さ。

                     <・・・どう対応する?>
   ワ ァ ァ ァ ァ ―――――――――――――

                          「逃げろ扇原ぁ〜〜〜〜!」
                    「逆だッ! 逃げてたら加茂の二の舞だぜ!」


他の観客がヤジを飛ばす。観客席から試合に影響を及ぼすとしたら、これに尽きるか。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□結□■∴∴∴
∴∴■┃□□□荊□□□┃■∴∴
∴■━╋━━━━━━━╋━■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□┃柱柱□扇□柱柱┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□柱柱┃□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■━╂━━━━━━━╋━■∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

477宗像征爾『アヴィーチー』:2022/08/26(金) 06:09:06
>>471-472

「ああ――――」

吾妻の指摘を受けて、
ここ自体が『公の世界』とは違う場である事を、
改めて思い出す。
知らず知らずの内に、その意識が頭から抜け落ちていた。
俺の中では『表』も『裏』も曖昧になっているのだろう。
いつか何も分からなくなってしまうのかもしれない。
もしくは、既に分からなくなっているのかもしれないが。

「そうだったな」

呟くように言葉を返し、選手の二人を目の当たりにする。
俺が見ていたのはスタンドのヴィジョンではなく、
その動きでもなかった。
彼らの中に宿った燃えるような『意思』だ。
同時に、僅かばかりの『羨望』を覚える。
確固たる目的があり、
それに向かって脇目も振らずに突き進む。
かつて似たようなものを持っていたが、遠い昔に失われた。
今は、ただ『灰』が残るだけだ。

>>476

「離れた距離から攻められる相手に対しては、
 結局は近付かなければならない。
 それが早いか遅いかだけの違いだ」

過去の戦いが想起され、無意識に自らの考えを漏らす。
爆発性の『泡』を弾幕のように撒き散らす『エフェメラル』。
その攻撃には苦戦を強いられた。

「そして、遅くなればなるほど攻める側が有利になる」

伸びていく『荊』を眺めていた視線が、
その『対戦相手』に移っていく。

「俺の感覚から言えば、足を止めない事は正しい」

『アナログメーター』を持つスタンド。
真っ先に接近を選ぶという事は、
外見通りのタイプと考えて間違いない。
『それしか出来ない』のか、
または『その方が早い』と判断したかのどちらかだろう。

「だが、どちらかといえば『あれ』は俺に近いか」

俺が『結城』の立場だとして、
『人型』と『荊』で『同時攻撃』が可能なら、当然それを狙う。
『アヴィーチー』の場合も、
『人型』と『自動操縦』で同時に攻めるのが『最も強い』。
しかし、あの『荊』に何の能力もないとは考えにくい。
恐らくは何かしらある筈だ。
離れた事そのものにも意味があるとすれば、
準備が整うまでの時間稼ぎか、
自分が巻き込まれないようにするためか。

478美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/26(金) 07:09:12
>>474(門倉)
>>476(GM)

「『漣派』――――」

美作自身は与り知らぬ事であるが、
以前に参加した『競技』にも『漣派』は一枚噛んでいた。
どちらかといえば『合同開催』に近い形であったと言える。
しかし、実際に会場で話したのは『如月ケイジ』であったため、
『裏側の事情』については聞かされていない。

「観客席にいるって事は、ひょっとして『お忍び』ですかね?」

「それか……『覆面調査員』みたいなものとか。
 まぁ、結局は何とも言えませんけど」

自分なりに可能性を挙げたものの、
『結論』としては門倉と同じだった。

「実を言うと、『こういうの』を見るのって初めてなんですよ。
 『スタンド使い同士』の『ぶつかり合い』っていうんですか?
 私の場合、いかに『ぶつからないか』が肝心ですから」

「『スタンド』は『精神の象徴』だっていうでしょう。
 お互いの『心と心』が激突する訳ですよね。
 『感情』が高ぶるのも分かる気がしますねぇ」

「こういう場って公には公開されないでしょう?
 要するに『匿名参加』みたいなもので。
 『顔』を隠すからこそ、逆に『心』は剥き出しになるんでしょうね」

そのように語っている途中で、『ある事』を思い出した。

「そういえば、前に参加した『競技』で獲得した『報酬』。
 私、それを全額『宣伝費』として、
 『アリーナ』に返上したんです」

(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1511075107/869)

「確か『20万円』でしたね。
 そんなに大した額じゃありませんけど、
 私の事は一応『宣伝』されたはずですよ」

『競技』の終了後に、『如月』と交わした言葉。
具体的に、どんな形で処理されたかは分からない。
だが、『約束』は果たされているはずだ。

 カ   ナ   リ   ア
「『機械仕掛けの歌姫』――――それが私の『リングネーム』です」

479ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/26(金) 18:50:14
>>475-476
まぁ知り合いもいないしそんなに気にする事も無いな

『アセティック』とやらを見る
『荊』に因んで『薔薇』か
そういえば、『茨』と『荊』はどっちか一般的なんだ?

割とどうでも良い事を考えながらホットドッグに齧り付く

480<削除>:<削除>
<削除>

481『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/28(日) 00:26:22
>>477(宗像)

二人は――――戦いに目的はあれど、目的を果たすための戦いではない。
まさしく燃える意志に突き動かされるように、それぞれの炎を交わす。
灰を自認する宗像には、なるほど、それは通り過ぎた過去である。

「流石、見えてますね!
 結城を倒すなら、オレでもガンガン攻めるのを選ぶでしょう。
 ま、あいつは近付いても全ッッたく弱くはないですけど!」

吾妻もまた、戦局を分析している。
彼は少なくとも結城の能力を知っているはずだが、
その目から見ても宗像の見立てはハズレでもなさそうだ。

「逆に自分が結城なら――――は、考えるのが難しいですね。
 『アセティック』は近付いても強い。
 とはいえ、近付かないで相手をボコれる能力でもありますし」

       「相手の強みが見えるまでは様子見もアリですね」

とはいえ宗像の考える攻め手は彼と一致はしていない。
あるいはそれは、己が身を捨てながらの猛攻を得意とする、
『アヴィーチー』の本体故に磨かれた戦闘思考なのかもしれない――――

>>478(美作)

アリーナでの美作の宣伝は、今はこの会場には見当たらないようだ。
既に宣伝期間は終わったのだとしてもさほど不思議は無いが、
それでどの程度知名度を稼げたかは――――舞台に立つまで分からないが、
少なくとも今、美しき小鳥は闘技者より目立つような存在には『まだ』至れていない。

>>479(ソラ)

アイス売りは次の客に呼ばれて離れていった。

結城のスタンド、『アセティック』――――――――
かなりの速度を備えている事は間違いないが、『ソラ』の速度とは同等だろう。
死闘の経験という意味でも、この会場の中でも恐らく『ソラ』は決して見劣りしない存在。
現状の攻防は、それほど驚きに値するものでもないのかもしれない。

                  ガ
                    ジュ!

ホットドッグは――――ソーセージが意外なほどにジューシーで中々いい質だった。
お菓子のラインナップは微妙だったと言うほかないが、こちらは悪い物では無い。

482『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/28(日) 00:26:33
>全体

          ズズズズズズズズズ

       ズズズズズズゥ――――――――


『アセティック』の荊はゆっくりと『扇原』へ迫っていく。
移動速度を考えれば、扇原の方が早い――――
現時点では、動いている限りは追い付かれない筈だ。

それを理解してか扇原は東方向の柱に近付き―――――――


    ドコドコドコ       「あの破壊力……」
                   「――――強いッ!」
        ドコドコドコ

             ドコドコォッ!!!!

                    スタンドによる連打ッ!!!

    ≪おぉ〜〜〜〜ッとォ! 扇原選手、猛烈連打ァ!!
     その迫力、さながら艦砲射撃の如し!
     柱があっという間に崩壊、爆散しようとしているッ!!≫

                      「すげぇ馬鹿力だッ!!」
               「『スミノフ』と変わらねえレベルか!?」

 ド  ゴ シャァァ―――――――――――――――――ッッッ!!!!!!

極太の柱を殴打点を中心に打撃のみで爆散させ―――――――――結果、へし折る!

               <圧倒的な破壊力。
                一切の仕込みなく、
                大樹をへし折り、
                石壁を砕き散らす。
                結城が距離を取ったのは、
                運が良かったと言えるだろう>

       ゴ ゴ ゴ ・・・              「結城ッ攻めろォ〜〜〜!」
        
へし折れた柱は鉄棒に寄り掛かるように倒れ、周辺には木片が大量に散らばる。
『シルバーダスト』の精度は並みだが、だからこそサイズはまばら。警棒程度の物もある。

             ――――対する『結城』は。

 「アンタ、半端ね―スタンドだな……だけどさ!
  それ。そいつはまずかったんじゃねえかとオレは思うけどな!」

        シュシュシュシュシュルルルルウウウウウウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜   

彼自身は扇原を見ながら、鉄棒の辺りまで移動し――――『何だ?』

                   シュバババババババババババ!!!!!

荊が――――加速している!
撒き散らされた木片に『絡み』ながら地を這い、扇原に、人が『走る』程の速度で伸びる!

                  ワァァァァァァーーーーーーーーーーーーー

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□結■∴∴∴
∴∴■┃□□□荊□□□┃■∴∴
∴■━╋━━━荊━━━╋━■∴
∴■□┃□□□荊★××┃□■∴
∴■□┃柱柱□□扇×柱┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□×柱┃□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■━╂━━━━━━━╋━■∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

×:破損した木柱。破片が散らばっている。
★:破損した木片に絡みつつ迫る荊。もうすぐ扇原に到達する。

483宗像征爾『アヴィーチー』:2022/08/28(日) 05:01:58
>>481

『吾妻のスタンド』――『インスタントチューンズ』は、
『例の件』で見た記憶がある。
凄まじいスピードを発揮する機械的な人型スタンドだった。
『能力』は片鱗しか知らないが、
目が眩む程の『閃光』を放った事は印象が強い。

「相手によっては、
 何気ない牽制が大きな『代償』を生む場合もある」

「考えられる『可能性』を、
 十分に想定した行動を選ぶべきだな」

『自らの能力』と重ね合わせ、吾妻の言葉を暗に肯定した。
『アヴィーチー』のように、『受動的な条件』を満たす事で、
『能力』が発動する『スタンド』も存在する。
そうした相手に対しては、
『一撃で仕留める』のが最も効率的だが、
それは情報を掴んでいる場合に限られる。
事前に知らなければ、
『様子を見ながら慎重に攻める』という方針にならざるを得ない。
そして、多くの状況において、
その考えは概ね正しいと感じられる。

「『可能性』――――か」

自分自身が口にした言葉に、妙な『引っ掛かり』を覚える。
今しがた『鈴蘭の怪物』について考えた時、
俺は無意識に『ノコギリザメ』を連想した。
『それらが似ているのではないか』と思えたからだ。
破壊的であり、制御が困難である。
熊野が語った話からは、そのような印象を受けていた。

「――――『有り得なくはない』」

あるいは『条件』も近いのではないか。
『傷付けられる事で発動する能力』は、
俺自身の『精神』が証明している。
『アヴィーチー』というスタンドを持つからこそ、
『その可能性』に思い至った。

>>482

「あれ程の腕力があるなら当然の行動だろう」

容易く破壊される『柱』を眺めながら、感想を零す。
俺が相手なら故意に食らって、
受けるダメージを適度に抑えながら、
『能力』を使う事も視野に入れる。
同時に『人型』で『木片』を確保しておけば、
一時的な『二対一』に繋げられるだろう。
敢えて隠すのではなく、
早い段階で見せておく事にも効果はある。
『ノコギリザメ』を目にした相手に対して、
心理的な『牽制効果』が働くからだ。

「『奴』もやりそうな事だ」

観客の一人が発した名前には聞き覚えがある。
『スミノフ』――命のやり取りの場で、
最後に対峙した『敵』だった。
俺とは別の世界で、
あの男も『仕事』をこなしていたという事だろう。

「そのパワーが裏目に出る場合もあるらしいな」

まだ部分的ではあるものの、今の『加速』で、
『荊』の特性については理解できた。

「『距離を取る』という動きを見せて、
 『柱の破壊』を誘発させ、『敵の力』を計った。
 離れた事で攻撃をかわすと同時に、
 自分に有利な状況を作り上げている。
 『一つの行動』で『三つ』を両立させたというところか」

「確かに『強い選手』のようだ」

その場しのぎの対応を繰り返すだけでは、
いずれ押し潰される。
強いかどうかの一つの基準は、
先を見据えた行動が取れるかどうかだ。
この僅かな時間の間に、『結城』はそれをやってみせた。

484美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/28(日) 10:25:38
>>481-482(GM)
>>(門倉)

大きく分けて、『宣伝』というのは継続して行うか、
短期的に集中して行うかの二種類がある。
だいぶ前の話だし、それ以降は出場もしていないのだから、
忘れられていても不思議はない。
ただ、何らかの『爪跡』を残せたのなら、
値段分の価値はあったはずだ。

「わお!すっごく『ド派手』な絵面ですねぇ〜!」

眼前で繰り広げられる『戦い』に、思わず感嘆の声を上げる。
この瞬間だけは、
純粋に『試合』を楽しむ一人の『観客』のように見えた。
しかし、すぐに『本来の自分』を取り戻す。

「目で見ればすぐに分かる事でも、
 『音声』だけではなかなか伝えられない。
 それを『表現』するのが、『私達の仕事』って訳ですね。
 だから、乗り越える『ハードル』は、
 高い方が魅力的なんですよ」

       クスッ

  「ここの『実況』は私じゃないので、
   『人の仕事』を奪うような事はしませんけど」

軽く笑って、再び『舞台』に視線を移す。

「私なら――――『秘密』を握って動きを封じますね」

『プラン9』には、『目の前の相手を倒す力』はない。
その代わり、『戦わずして勝つ力』がある。
それは、『直接的な力』を誇るスタンドにはない能力だ。

       「でも、そんな機会はないのが一番です」

これは本心だ。
しかし、『使うべき時に使わない』のは、
『宝の持ち腐れ』と同じ。
もし必要に迫られた時には、『使う意思』はある。

485ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/28(日) 19:23:54
>>481-482
自分と同等の速度なら、自分は『アセティック』に対しては不利だろう
自分より遅い相手に速度マウントを取るのは得意だが、
そんな物は能力や工夫でどうとでも覆されるし、
同じ速度なら走り回って攪乱する事は出来ないし、パワーもあっちの方が上だろう
それに自分じゃ『荊』を処理するのは難しい、自分は攻撃手段に乏しく決定打も無い
攻撃を決めるには至近距離まで近付かなきゃいけないが、不用意に近付けば『荊』の餌食にされるのがオチだ

まぁ戦ってるのは自分じゃないから、そんなの考えても仕方ないし
別に戦いたくもない

ホットドッグはジューシーで美味いのだが、ソーセージはフランクフルトが良かった(我儘)
ここで徐にビールを飲んでみる
ホットドッグに合うと良いんだけどな

486門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/08/29(月) 06:02:35
>>478>>484(美作)

「『20万円』の宣伝費―――」

『大した額じゃあない』というが個人の収入とするなら、それなりな額な気がする。
『ラジオパーソナリティー』というのはやはり実入りがいいのか?
などと下世話なことを考える『門倉』だった。

「もちろん、『門倉派』のことを予見していわけじゃあないと思うけど、
 今となってはありがたい事だね。『機械仕掛けの歌姫(カナリア)』………
 『門倉派』での『実況ネーム』というのもそれで良いのかもしれないな。

  ………

  ああそうだ。 『ショー』の際は、やはり『門倉派』は軽く
 『変装』でもしておいた方がいいかなと思っているんだがどうだろう?
 具体的には『仮面舞踏会』みたいな『上半分』の『仮面』とかしてさ。
 名前も『リングネーム』のようなものをメインにして。

 何かあった時、身バレしていると、日常を脅かされないかねないからね。
 もちろん、『調べれば』、分かってしまうとは思うが、
 『調べる』手間を挟む事で少しでもそういうトラブルを防ぐ意味合いがある。

 あとは『ショー』という『非日常』に引き込むための『雰囲気作り』という側面もある。
 それこそ『仮面舞踏会』のようにね―――

 もしやるのならば、一番いいのはその『変装』の
 小道具の部分も『スタンド使い』を絡める事だけど………
 それが無理でも、安っぽくならない程度にお金はかけるつもりだ」

 『どうかな?』という表情で『門倉』は『美作』の方に首を傾げる。

>>476>>482(GM)

「あの『荊』―――ただ絡みつくだけじゃあなく、
 何か能力がありそうだけど。
 『T字』も気になるところだね。

 ただ、なんにしろ、『力』というのはやはり『映える』。
 『戦闘』がそれだけで『ショー』となるのは十分、頷けるね」

『ソウル・ダンジョン』も一応は近距離パワー型。
『扇原』と呼ばれる男のスタンドほどのパワーは無いが、
それなりの攻防自体は出来るだろう。
ただ、いかんせん『アリーナ向き』の能力ではない。
本体は『部屋』に籠もって『スタンド』のみが持ち出した『部屋物品』で戦う………
それはいくらなんでも『観戦向き』ではないし、そもそもルール上OKかも微妙だ。

487『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/30(火) 23:01:32
>>483(宗像)

「……? そうですね、どんな可能性もありえますから!
 その中で自分が許せるレベルのリスクを考えて、
 天秤のもう片方にどんなリターンがあるか考えて――――っとぉ!」

爆散した柱に、吾妻も身を乗り出す。
スタンドという非日常の戦域でも、そうは無い破壊力。

「想定の範囲外のリスクってのもあるのが、
 スタンドバトルの怖いとこですね!
 結城がどこまで狙ってたかは分かりませんけど、
 アイツはアレで考えなしで動くタイプじゃーありませんからね」

双方は無傷。能力の片鱗は結城の方が多く見せている。
だが――――試合のペースを作っているのは、現状結城の方だろう。

>>484 >>486(門倉派)

戦闘を押し出さない派閥だとしても、闘技を知り、闘い方を練る事に意味はある。
戦闘以外の闘い方もある――――あるいは、魅せない戦い方も。
今後のショーについて論じつつも、二人は舞台上の試合を見守り続ける。

>>485(ソラ)

結城や扇原に無く『ソラ』にある物があるとすれば、機動力だろう。
攻撃速度では同格だが、移動速度や三次元的な動きは恐らく彼らには無いか、薄い。
とはいえ、彼らがそれを覆すような応用術を持っている可能性も―――――――

        シュワ ―――――――――――――― ・・・

―――――――――――ビールが喉を通り、戦闘思考などは置き去りにするだろう。

メーカーはまるで分らないのだがかなり質の良い味だ。
細かい蘊蓄が効いた妙味というより、分かりやすい喉越しとキレがある。
ソラには本来極度に治安に悪い店くらいでしかあり付けない『生』の味だ。

無論不法な闘技を娯楽として提供する場であるからこそ、それを咎める視線も存在はしない。

488『赦されざる不抜の蝕み』:2022/08/30(火) 23:04:26

                   シュルルルルルルル

           アセティック
 「言ったろ! 『禁欲主義』」
 
         「狙ったヤツからさぁ、目移りしねぇんだよ!」

      ≪結城選手、己のギミックに到達ッ!!
        扇原選手のギミックが文字通り『炸裂』した今、
         攻勢に出るにはこれでペースを握りたいところだッ!!!≫
 
結城は動き続ける。斜め前に出て、鉄棒の下に入り――――
 
          「オォオララララララララララッッ!!!!」

               ガゴゴゴゴッ!!!

頭上に渡された鉄棒に『アセティック』で連打を入れる。
ギミックが彼の物である以上、意味がある行為だろう。

                   <荊とスタンド――――
                    同時攻撃がしたい筈だが、
                    無傷の扇原に、
                    無策で近付きたくはない。
                    ――――結城としては、
                    方針を決めるべき場面だ>

      シュゥルルルルルルルルル

対する扇原はスタンドを操作し、迫る荊に対応する。
散らばった木片の中で比較的大きな物を拾い、
掬い上げるように振るう。そこに一瞬にして荊が巻き付き!

         ≪あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッとぉ!!
          対する『扇原』選手、破砕した木で防ぐが――――≫

            ルルルル

               ルルル

さらにはそれを辿るようにして、『シルバーダスト』の腕にも―――――

           ブ
           チィッッ!!!!!

 「――――っと、やっぱそのパワーは超すげえよな!」

              ≪――――否だ!! 虎穴に入らざれば虎子を得ずッ!!
               『シルバーダスト』の破壊力で、
                致命的に見えた状況をブッ千切って見せたァ〜〜〜〜〜〜〜〜!!≫

――――巻き付いても、構わず! 力任せに……引きちぎってしまった!!

               <至近圏に入られていれば、
                引きちぎる僅かな隙も、
                扇原の死因になっていた。
                先ほどとは逆――――
                そして、これで互いが攻防を経た>

 「アンタ相手に決めるには、もっと攻めまくらないと無理そうだ!
  『アセティック』――――――――まだまだ全力見せた訳じゃーねえんだよこれが!」

連打を既に終えた結城は、次の瞬間には動き出しそうに見える。
扇原により引きちぎれた荊は錆尽くしたようにバラバラと崩壊して消えた。

                     ガッガッガッ!!!!

スタンドはその荊の巻き付いた両の拳を打ち合わせ、獰猛な視線を『扇原』に向ける――――!

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■┃□□□□□□□結■∴∴
∴■━╋━━━━━━━╋━■∴
∴■□┃□□□□×××┃□■∴
∴■□┃柱柱□□扇×柱┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□×柱┃□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■━╂━━━━━━━╋━■∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

×:破損した木柱。破片が散らばっている。
※結城の現在位置の頭上には鉄棒が渡っている。

489宗像征爾『アヴィーチー』:2022/08/31(水) 13:01:58
>>487-488

「事前に『コンクリートの柱』を設置する事は可能か?」

思考の過程を口に出さず、吾妻に問い掛ける。
『鉄棒』が『結城』の注文だとすれば、
『木製の柱』は『扇原』が用意させた物である可能性が高い。
確かな根拠はないが、互いに一つずつというのは、
解釈として自然だ。
そして、『扇原のスタンド』は、
『スミノフのスタンド』と同等の破壊力を持つ。
材質が『コンクリート』であっても砕く事に苦労はない。
遮蔽物としても散弾としても、そちらの方が好都合だろう。
『木製』を選んだという事は、
より有効な物を設置できなかったか、
そちらを選択する理由があったという推測が成り立つ。

「殴った場所から『荊』が生え伸びた。
 それを見た事のある人間は、
 必然的に『頭上』を注意せざるを得ない」

『アヴィーチー』にも共通する点だ。
『ノコギリザメ』を前にした人間は、
その存在を無視する事が出来ない。
だからこそ、攻撃手段としてだけではなく、
囮としての役目も果たす。

「敵の意識を誘導し、仮に対応されたとしても、
 本体は自由に行動できる。
 『一対一』だが、実質的には『それ以上』だ」

攻防を眺めながら、『鉄棒』から『マット』へ視線を移す。
位置の問題だけではなく、
材質については結城にも同じ事が言える。
何の考えもなく『鉄製』を選んだと思うよりは、
『能力』に関係していると考えた方が合点がいく。

「だが、『あれ』が何なのかが分からない内は、
 相応の警戒を続けるべきだろう」

『扇原』の肩に見える『T字型』の物体に目を留めた。
『性能』において並外れた部分を持つ事の利点は、
『能力』を明かさずとも、ある程度まで戦える点だ。
『スタンド』の真価を伏せる事は、多くの状況で有利に働く。
逆に、片鱗を見せておく事で相手の警戒心を煽り、
攻めづらくする手段もある。
『スタンド使い』の戦いは、
心理的な側面が占める比重も少なくない。

「俺が『扇原』の立場なら、
 『荊』に触れないように動きながら、
 巻き付かれる事を前提とした手を打つ」

接触する事そのものが致命傷にならなければ、
それを敢えて受け、敵の攻撃を誘う選択肢も有り得る。
読みを外せば、大きな痛手を負う事は避けられない。
『スタンド使い』としての戦闘思考が、
持ち合わせた『能力』を基準にしているのなら、
俺も例外ではないのだろう。

490美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/08/31(水) 14:25:01
>>486(門倉)

「『どこで何が役立つか分からない』って事ですね。
 こうなるだなんて、『あの時』は考えもしませんでした」

当時は、あくまでも『カナリア』を売り出すために、
『宣伝』を頼んだのだから。

「ええ、『私の名前』は『それ』で大丈夫です。
 『門倉派』の『実況』――『機械仕掛けの歌姫:カナリア』。
 ふふっ、とっても『イイ感じ』じゃないですか」

自分で付けたネーミングながら、改めて声に出してみると、
なかなかの出来映えだ。
そのまま使っても遜色ないだろう。
運が良ければ、以前の『競技』を見て知っている層にも、
アピール出来るかもしれない。

「そうですね。
 『ラジオ』だって『ラジオネーム』がありますし、
 『プライバシー』を保護する仕組みが整っていると、
 『参加の敷居』を下げられると思いますよ」

相手が『身バレの懸念』を口にした時、
その『対策』を提示できれば、
『交渉』をスムーズに進められる。
また職業柄、『情報の取り扱い』には、
慎重を期する事を心掛けていた。
その観点から見ても、門倉の提案は納得がいくものだ。

「独自の『カラー』を強調するのは、
 『派閥』としても有意義ですしね。
 もし『調べた人』がいるとしても、
 裏を返せば『興味がある』って事になりますし。
 逆に『勧誘のチャンス』に繋がるかもしれません」

自慢する訳ではないが、
自分などは『知られる可能性』が高いだろう。
何しろ、普段から『声を使う仕事』をしている。
『姿』が違ったとしても関係ないのだ。

「私は『知られたら知られた』で構いません。
 既に一度出ている訳ですから。
 それに、『表の世界』での『知名度』なら、
 そこそこ自信がありますからね」

「『知られた』としても、
 ある程度の『メリット』には繋げてみせますよ」

『合歓垣』を説得した時のように、
『知名度』というのは一種の『武器』になる。
もちろん、『知られる』のは良い事ばかりではない。
美作自身、それは『熟知』しているところだ。

「『変装』の事ですけど、『残りの一人』を探す時は、
 『そういった人材』を見つける事も、
 『お目当て』に含めておきますね」

「そう都合よく見つかるとは思ってませんけど、
 『どこで何が起きるか分かりません』から」

>>487-488(GM)

「私は『スタンドバトル』に関しては詳しくないですけど、
 お互い『決定打』には事欠かないみたいですね」

美作は、いわゆる『バトル』については『素人』だ。
しかし、『当たるとマズい』程度の事は、見ていれば分かった。
双方共に、『能力』を抜きにしても、
相手をダウンさせられるだけの地力を備えている。

「そうなると、『先に当てた方』が俄然『優勢』になりそうです。
 反対に、『その一回』だけでも勝負が決まりかねない。
 緊張感のある展開が期待できるんじゃないでしょうか?」

感じたままの意見を言葉にしつつ、周囲を見渡す。
確か『アイスクリーム』の売り子がいたはずだ。
そちらを見ながら片手を上げる。

「――――すみませーん!『アイス』いただけますかぁ〜?」

『美作くるみ個人』としても、
わざわざ時間を割いて出向いた以上は、
なるべく多くの『経験』を得ておきたい。
これも、その内の一つになるだろう。
『どこで何が役立つか分からない』のだから。

491ソラ『ステインド・スカイ』:2022/08/31(水) 19:30:55
>>487-488
禁欲主義という名前の割には欲望を抑えているようには見えないし
何かに執着するみたいな能力だなと思ったが、
名前なんかどうでも良いかとも思った

それにしてもビールが美味い
ホットドッグの肉の味に支配された口の中を
サッパリさせてくれるキレのある味が最高だ

こういうビールはもっと冷やして飲みたい
そう思って霜の張り付いた金網に近付き、ビールを押し当ててみる

492門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/09/02(金) 00:58:36
>>488(GM)
>>490(門倉)

『白熱』する試合………『スタンド使い同士』かつ双方、
『戦闘向き』のスタンドの闘いはそれだけで『迫力』と『華』がある。
シンプルに盛り上がれるこの『興行』は、さすが『アリーナの要』といったところか。

 ………

「『美作さん』の身元は『分かる人には分かる』。
 『美作さん』がそれを厭わないのであれば、それは非常に良い事だね。

 いわゆる『ファン心理』というヤツは『豆知識』を求めたがる。
 『カナリアは実はあの美作くるみなんだぜ』みたいな知識を重ねる事で
 『門倉派ショー』にハマってくれるのならば、それが一番だ。

 そういう意味では、仮に『普通の技術』で出来る事でも、
 すべて『スタンド使い』の能力で行えるのが理想ではあるね。
 『CG』で気軽に出来る事をあえて『人力』でやる事で、
 それを『アピールポイント』にする映画のようにね。
 『目立たないアレもスタンドを使っているんだ』みたいな知識が
 ファンに優越感を与え、また、『門倉派』に独自の雰囲気を齎す事になるだろう」

 『美作』の話にのっていく『門倉』。

「『変装』については当然、『アイドル』と兼務する必要はないけど、
 ついでに見つかれば確かに一石二鳥だ。
 その他、『門倉派』に貢献できそうな『スタンド使い』が居たら、紹介してくれると嬉しいな」

人が増えれば、もちろん、その分、カネはかかるだろうが―――
なんにせよ『アイドルショー』が成功しない事にはどうしようもない。
投資するところにはしっかりと投資すべきだろう。

                     ………

「『戦闘』というのはそれだけで『ショー』になるのが良いところだね。
 『興行主』にとっては。

                あ、俺もアイスもらおうかな」

493『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/02(金) 04:00:15
>>489(宗像)

「コンクリですか? 派閥にもよるでしょーけど、
 『漣派』が噛んでる試合ならまーたぶん大丈夫でしょうね!
 なのにあえて木の柱にした理由は、まだ読めませんけど」

         「破壊が前提の能力なら、
          ちょっとでも壊しやすく――――
          いや、それなら木ってのも半端か」

宗像が投げかけた質問を受け、吾妻も戦局を思考する。
無論、扇原が全てを計算づくで決めたとも限らないが、
何かしらの意図があったとして、それが妥当だろう。

「攻防を経た――――とは言ってますけど、まだお互い大分見えてませんからね。
 荊の性質をちょっと見せてる結城のが、その点は不利か?
 とはいえお見合い続ける気はなさそうですし、リスクリターンの天秤ってやつですね」

宗像の作戦はやはり『アヴィーチー』を前提としているが、
吾妻も、その『肉を切らせて骨を切る』戦法に大きな異論は無いようだった。

「お互い、破壊力は十分ですから、
 リスク負ってでも一発入れた方がまず有利になりますからね!」

――――戦場に置いては、最終的に立っている者が勝つ。それは闘技場でも変わりはない。

>>491(ソラ)

事実――――『禁欲』という言葉は、舞台上の男の姿からも戦法からも遠い。
ソラやそのスタンドに名付け親がいるように、彼も誰かに名付けられたのか、
それとも好き好んで名乗っているなら、何か理由でもあるのだろうか?
いずれにせよ、それを説明し出す気配は無さそうではあるが。

                    ピト

金網にビールを押し付けると、缶を持つ手にも僅かに冷気が感じられた。
触れるだけで痛いような冷たさではないが、氷として十分な質はある。

「……一応安全な仕組みではあるが、あまりお勧めはしないな」

やや遠巻きに見守っていた冬川から声がかかる。
まあ、冷えた金属というのは手がくっついたりして危ないので、妥当な話ではあるだろう。

>>490 >>492(門倉派)

門倉も美作も、経験を積んできたのは主に戦闘以外の場。
特に美作は外で積んだ明確な知名度がある――――それを活かすか、
それとも単なる『外での知名度』で終わるかは、派閥の今後次第だ。

「はァい! 少々お待ちくださァい!」

アイス売りは他の客から代金を受け取ると、すぐにこちらにやってきた。
通常のバニラアイスなどの他に、試合限定商品もある――――『ローズアイス』のようだ。

494『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/02(金) 04:00:26

「それは随分と『一途』だ」

「そーなんだよ! オレも、オレのスタンドもさぁ! 一途が一番って思ってんだ!」

               シュルルルルルル

言葉を交わしながらも、双方は油断なき対峙を続ける――――――
先ほど『アセティック』が殴打した『鉄棒』からも荊が生え始めた。

さらに。

       ≪結城選手、『アセティック』の応用が止まらないッ!!≫

    ルルルル  ルルルル ――――――――――!!

              アリーナ
             <闘技場ではすでに見せた用法。
              だが、有効なのには変わりない>
                               「やれッ結城ィィ〜〜〜〜〜」
              <つまり>               

拳を打ち合わせた、『アセティック』の両拳からもだ。
彼は伸びるそれを『パスタ』でも扱うかのように拳に巻き付け――――接近を開始する。

            <接近の準備は整った>

                    タッ

           ≪結城選手、伸びる荊と共に接近ッ!!
             得意とする戦術を活かせるかァーーーーーッ!≫

だが――――――――――

「――『圧力レバー』そして『加圧』」

対する『扇原』は、己の足元に先ほどのレバーを設置し……何かしら『操作』を行った。
スタンドでレバーを押し込んだようだが、『圧力』と言うのが彼の能力なのだろうか?

「――――――――――! 来たかよ、アンタの能力ッ!」

          ≪そしてッ!!! ここで扇原選手の能力もヴェールを……
            ――――いやッ! 依然としてその正体は掴めないままだッ!!≫

   「『加圧』ってのが何が起きるかは分からないけどさぁ!」

「今んとこ何も起きてないッてのが、一番イヤな感じがするんだけどな!」
                
                    タタタ ・・・!           

          ≪しかし結城選手は足を止めないィィーーーーッ!!
            圧倒的な破壊力を恐れず、激突の瞬間が迫るッッッ!!≫


                              「扇原の破壊力なら、
                               『アセティック』潰せんだろ!」
                                  「いや、速度で負けてるッ!
                                   あの二人なら至近でも五分だ!」

                   <扇原が何かの仕込みを始めた以上、
                    そして己の攻め手が整った以上、
                    ここで接近するのは正しいだろう>

  ワ アアアアアアアアア ――――――――――――――――――――― !!!


∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■┃□□□□□□□□■∴∴
∴■━╋━━━━━━★∽━■∴
∴■□┃□□□□×××∽□■∴
∴■□┃柱柱□□扇×柱┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□×柱┃□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■━╂━━━━━━━╋━■∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

×:破損した木柱。破片が散らばっている。
∽:殴打した鉄棒に荊が伝い始めている。
★:∽に加えて、この位置に現在『結城』がいる。

495ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/02(金) 21:12:15
>>493-494
「まぁ、そうっすね…」

禁止されてるわけじゃないがお勧めはしないと言われると
遠回しにやめろと言われてるような気がする

けど冷やすには便利だから禁止されてないなら使わせてもらおう

ホットドッグを食って冷えたビールを飲む
毎日嫌な仕事をしてる合間のちょっとした癒しだ


しかしまぁ、一途なのは結構だが
一途っていうのは言い方を変えれば一つの物に対する執着心が強いって事だ
やっぱり禁欲とは程遠い気がするが
能力の全容も背景も知らずにそう思うのは早計か?

「圧力か」

そういえば、この前圧力鍋を買った事を思い出した
あれで鯖の味噌煮を作ると骨まで食えて美味い

ふと、結城の味噌煮なんてものが頭を過ったがすぐに頭から振り払う
自分に食人嗜好は無い

496宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/03(土) 06:48:13
>>493-494

あるいは『荊』の発動には、
『全力の連打』が必要とも考えられる。
それならば『マット』と『鉄棒』を選ぶ理由も理解できた。
どちらの材質も『衝撃』に耐え得るからだ。
あれだけ派手に殴りつけておきながら、
『荊』は『一本』しか出ていない。
それが『上限』だとするなら、
確かに『禁欲主義』と言えるだろう。

「『漣派』というのは、どういった連中だ?」

吾妻自身が口にした事から、
その名前が秘密でない事は分かった。
まだ『アリーナ』からの依頼を受けた経験はない。
しかし、以前の時のように、
何かしらの形で関わる事は有り得る。

「『足元の荊』は『頭上の荊』を作るための時間稼ぎか」

「『扇原』が『柱』を砕いた事で、
 『次の段階』を見せるタイミングは『ズレた』ようだが――」

「それは『扇原』にとっては『幸運』だったようだな」

『荊』は『扇原』を目指して移動し、
進路上の障害物に絡むと『加速』した。
『鉄棒』を伝う『荊』は、『通常以上の速度』で『扇原』を狙う。
上からは『荊』が、下からは『アセティック』が、
同時に距離を詰める事になる。

「『結城』は本格的に攻め始めている」

『スタンド自身』から生える『荊』は『枠外』か。
実際の条件は分からないが、
そういった場合も有り得なくはない。
いずれにせよ『荊』だ。
『荊』は『紐』に近い形状を持つ。
俺が『扇原』なら、『間合いの外』からの攻撃を警戒する。

「これを返せたなら、『扇原』に『流れ』が回ってくるだろう」

現状、『手数』では『結城』が上回っている。
単純な方法で対応しきる事は難しい。
『扇原』が『能力の使用』に踏み切ったのは正しい選択だ。

497美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/03(土) 08:07:13
>>492(門倉)
>>493(GM)

「『メインストリーム』になれるだけはありますよねぇ。
 幅広い客層に訴えられて、
 なんといっても『シンプル』で『ストレート』ですから。
 でも、『メイン以外の路線』を求めている層は、
 どこの世界にも隠れているものです」
 
「最初は目新しさだけでも、
 ある程度の集客効果は望めるでしょうけど、それだけだと、
 すぐに限界が来ちゃいますからね。
 『次も観たい』と思わせるようなステージに仕上げて、
 『固定ファン』の獲得に繋げましょう」

『観戦』以上に、門倉との『談義』に熱が入る。

「『プライバシー保護』の続きになりますけど、
 『ライト層』を狙うのは大いにアリかもしれません。
 『スタンド使い』だからって、
 しょっちゅう戦ってるような人は『一握り』です。
 『大部分のスタンド使いは』、
 『普通の人』と同じように暮らしてるんじゃないでしょうか」

自分自身そうなのだ。
危険を伴う状況に出くわした機会は、ほとんどなかった。
もっとも、美作の場合は『能力の都合』もあるが。

「たとえば『戦った事がない』とか、そういう人を狙うんです。
 『スタンド使いになって日が浅い』なんていう人も、
 『ターゲット』に出来そうですよ
 要するに『裏に踏み込みにくい人達』ですね」

「『門倉派』が『表の世界』と『裏の世界』の『橋渡し』になる。
 『裏を知るきっかけ』を得るための場という感じで。
 なんだったら、『スタンドとは何か』を知るための場でも、
 悪くないと思います」

「『どっぷり裏の世界に浸かりたい』っていう人は少数派でも、
 『ちょっと裏側を覗いてみたい』っていう人は、
 案外多いと思うんですよね」

「どんな『スタンド使い』だって、
 最初から『何もかも知ってる』訳じゃないですから。
 『最初の門』っていうのは、どんな人だって通るんです。
 それを考えると、『潜在的な層』は相当量いると思いますよ。
 『入りやすさ』をアピールすれば、
 こういう人達を呼び込めるかもしれません」

「『その手のポジション』って、
 『既存の派閥』には少ないんじゃないでしょうか?」

一通り自分の考えを語り、売り子に向き合う。

「――やっぱり『荊』に絡めてるんですかねぇ?」

           フフッ

    「『商売』がお上手ですよね」

悪戯っぽい笑みを浮かべて、
売り子と門倉の二人に投げ掛けつつ、『商品』を指差した。

「それを下さい――『ローズアイス』を」

>>494(GM)
>>(門倉)

「私も『ああいうの』を考えておくべきかもしれませんね」

アイスを食べながら、再び舞台に視線を戻し、
隣の門倉に声を掛ける。

「ここは『ルール』のある『試合』ですけど、
 もし何かの『事件』に巻き込まれたりしたら、
 自分の身は自分で守らなくちゃいけないでしょう?
 幸い、私はあんまりそういう事はなかったんですが――」

やや『含み』のある言い方だったが、それ以上の言及はない。

「起こるかもしれない『万一』のために、
 『緊急時の対策』を用意しておこうと思うんです」

そこまで話した時、ふと思い出した。

「『私の能力』の事って、どこまで伝えてましたっけ?」

先程は『ソウル・ダンジョン』ついて教えてもらった。
『プラン9・チャンネル7』の事も、
もう少し詳しく伝えておくべきだろう。
『襲われた時の対策』についても、
何か新しいアイディアが浮かぶかもしれない。

498『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/03(土) 22:18:36
>>495(ソラ)

ソラの『ステインド・スカイ』は雲で空を染め上げる能力――――
名が体を表しているスタンドというのは決して珍しくは無いが、
結城のそれは、同にもそういう都合ではないのかもしれなかった。

「……壊さないなら『問題』は無いが、
 一応付け加えて言っておく。
 指一本でも場内には入れないように」

     「選手の集中を削ぎかねない」

冬川はそれ以上の制止は特にしてこない。
ソラの心配も勿論してはいるのだろうが、
彼の心配事はこの試合の成立にあるのだろう。

幼い子供が一人で生きるには、子供が知らなくていい苦労もある。
大人だけに許された服毒の快楽を知る資格は十分あるのかもしれない。

>>496(宗像)

扇原の剛力と、道具を使った故にまとめて対処出来てはいるが、
荊は実際のところ複数本生え伸びていた。
少なくとも、一本では無い――――――何ゆえの禁欲なのだろう?
もっとも、宗像のスタンドもまた『無間地獄』でありながら『瞬殺』だ。
名が体を表しているスタンドばかりではないのが世の常なのかもしれない。

「あぁ、ウチでは有名な人達なんで特に隠しませんけど!
 『裏方担当』の人間を囲って、他に提供してる派閥ですよ。
 もちろん、自前で裏方まで揃えてる派閥も少なくないですけどね」

試合観戦を優先する為か、吾妻はそこで言葉を止めたが、
掘り下げて聴きたいなら続きを話してくれそうな雰囲気だ。

「オレもだいたいのところは同じ読みです。
 『結城』は殆どの応用をもう見せてますし、
 『扇原』さんはまだまだ能力の正体も見せきってない。
 見せる前に負けるんじゃなきゃ、流れはひっくり返せるでしょーね」

「結城もそれは分かってるハズ。だからこそ、この攻めをどうしのぐか――――」

>>497(美作)

美作の話が何を意味するのかは売り子には分からないようだった。
門倉派の今後を担う話であると思えば、それでいいのかもしれない。

「はい、ロールアイスですね! 仰る通り、これは試合記念でして!」

            スッ

取り出されたローズアイスは成る程バラの造形がかわいらしい。
この値段で売るには赤字が出そうな気がするのだが、
試合の観戦料金が『ちょっとしたもの』である以上、問題は無いのだろう。

             ・・・
                    ・・・

売り子は一応『門倉』の注文を待っているが、込み入った話と見れば離れてくれる筈だ。

499『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/03(土) 22:19:34
>全体

「『荊』との同時攻撃……!
 どうやらこっちも『無茶』をしなくちゃいけないみたいだ」
                                「更に『加圧』」

「へえ、逃げながらどんな無茶をしてくれるって――――――――――――」



扇原は逃げながら自身に設置したレバーを押し込む。結城は当然、それを追う――――が。



    「進むべきは『荊の道』の『上』だ。
     さあ、やろうか『シルバーダスト』」

                     ド

                        ン!!!!!


             「――――――ッッ! 跳んだッッ!?」


助走をつけての『跳躍』。
だが――――その跳躍力は、空に渡された鉄棒を飛び越える程に、高い!

    『結城』は泡を喰ったように扇原の動きを『目で追う』
     結果的に、元々扇原がいたマットの寸前で足を止める。

                さらに。


     シュルルルルルルルルルルルルルルルルルル

                     ギギ ギギッ

着地点は、舞台上の北東。2本の鉄棒が交差した――――荊の根元となる地点!

                ≪しかし『アセティック』の荊が絡みつくッ!!
                 ――――が! それが不安定な足場を補ってもいるッ!!!
                 これはどこまで計算づくの戦術だァーーーーーーーーッ!!?≫

                    <偶然でこうはならない。
                     賭けではあったはずだが、
                     彼の狙い通りだろう。
                     ――――見事なエスケープ>


伸び始めていた『荊』が伝った鉄棒を戻り、着地した扇原の脚に絡み始めている。
しかし不安定すぎる交差鉄棒上で、それは一時的に体勢の支えとなる――――!

                           「結城の仕掛けを……
                             能力も利用しやがった!!」

       ワ                 「だけど捕まってるのは変わりないわッ!」
         アアアアアアアアアアアアア
                       アアアアアァァァ―――――――――ッ!!

                        「扇原ぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!」


                <これで同時攻撃は避けた。
                 問題があるとすれば、
                 結城という男の能力は、
                 利用される儘では無い>

「――――――アンタ、凄ェことするなッ!!
 でもさぁ、そこ、その高いとこには……アンタがまともに加圧できる物はないよなァ!」


だが、巻き付いた荊に、急速に『花』がつき始めている。
結城自身は扇原を追いかけていた足を止め、今まさに踵を返す所だ。
まだ鉄棒への攻撃を仕掛けるに適した位置とは言えないだろう。

それでも、結城は次の瞬間に踵を返すだろうし―――――――花が齎すのは美しさや香しさではないだろう。


∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■┃□□□□□□□□■∴∴
∴■━╋━━━━━━∽☆━■∴
∴■□┃□□□□×結×∽□■∴
∴■□┃柱柱□□◎×柱┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□×柱┃□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■━╂━━━━━━━╋━■∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

結:扇原の行先を目で追い、いま踵を返したところ。足元に木片。
◎:扇原が加圧していたマット。
∽:伸び掛けていた荊が少しずつ戻ってきている。数本だけ扇原の脚に絡んでいる。
☆:鉄棒上にいる扇原。足には数本の荊が絡み、足元を支えているが、そこに花が咲き始めている。

500門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/09/04(日) 13:53:32
>>497(美作)
>>498(GM)

会話に夢中になって、『売り子』への注文を少しおろそかにしてしまった。
『門倉』も『美作』と同じ『ローズアイス』を頼む。

 ………

「『戦ったことがない』『なりたてのスタンド使い』………

  なるほど、確かにそういう層は勧誘しやすそうだ。

 ただ、問題はそれをどうやって捜すのか、だけど―――」

「俺自身は、『特異な能力』が目覚めるという
 触れ込みの『刺青』を彫ってもらい、『スタンド』を得た。

 ただ、『その店』は、今はいくら捜しても見当たらないんだよね………
 今では俺の『夢』だったのか、なんて思う時もあるけど、
 『刺青』自体は今も俺の身体に残っている。

  ………

 まあ、そういった『スタンド使い』を増やすような試みをしている場所を突き止めて、
 『待ち伏せ』するなんて事も出来なくはないだろうけど………

 自分で言っておいてなんだけど、たぶん、メリット以上の
 『危険』がある行為だから止めた方が良いだろうな」

 『門倉』は『美作』の言葉に持論を返していく。

「そして、『自衛』の術はとうぜん必要だろう。
 『美作さん』の場合は、ただでさえ『有名人』だから、
 今までも『ストーカー』みたいなファンに悩まされたりしたんじゃあないのかい?

 能力は―――最初に会った時に簡単に確認したきりだったね」

『美作』の能力―――おそらくは『演出』や『伝達』など、
『門倉派』の活動に有効に使えるものだと思うが、
向こうから教えてくれるまでは根掘り葉掘り訊くのは控えていた。

「聞いた印象ではあまり『戦闘向き』ではない印象だったけれど………
 応用で『自衛』出来るのならそれに越したことはないだろうね」

501宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/04(日) 14:09:26
>>498-499

最初は『太い一本』のように思えたが、
『複数の荊』が重なって見えていたらしい事に気付く。
どうやら、あまり『いい席』ではなかったようだ。
『一回で一本』なら『連打しただけ生える』と考えていい。
『名前』に対して、さしたる関心はなかった。
『スミノフ』のように敵対する機会があれば別だが。

「今、『扇原』は確実に『荊』を潰せる位置にいる。
 しかし、『荊』が消えれば、体勢を崩す可能性が高い。
 当然、『結城』も狙ってくる筈だ」

「だが、『荊』を放置していては動く事が出来ない。
 近付かずに攻撃する手段は幾らでもある」

「ここから『どうするか』だな」

『扇原』は回避に成功したが、
それだけでは対応したに過ぎない。
そこから反撃に繋げられなければ、攻め続けられるだけだ。
決定的な『突破口』を開けるかどうかが、
『扇原』にとって勝負の分かれ目となるだろう。

「一つ『提案』がある」

     グイッ

残っていた『ドクター・ペッパー』を飲み干し、
吾妻に声を掛ける。

「どちらが勝つか『賭け』をしたい。
 俺が負けたら『俺が何を探しているか』を教える」

「俺が勝ったら、あんた個人が話せる範囲で、
 『ある人物』の情報を知りたい。
 現時点で知らないのなら、
 そいつについて知った段階で話してもらう」

「この条件に不満がなければ、
 俺は『あんたが賭けなかった方』に賭けよう」

502美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/04(日) 15:57:22
>>498(GM)

逆に言えば、この値段で出しても損をしない。
つまりは、それだけ収益があるのだろう。
この規模の興行をやっているのだから、それも肯ける。

「どうも〜!ありがとうございます〜!」

離れる売り子に向けて、軽く頭を下げた。
向こうにも仕事があるのだし、そのまま見送ろう。
こちらこちらで話す事がある。

>>500(門倉)

「こっちから探すのは色々と厳しいでしょうね。
 だったら、『その反対』はどうでしょう?」

「たとえば、『口コミ』なんかで『そういう話』が広まれば、
 向こうの方から興味を持ってくれるんじゃないでしょうか。
 私達は『種』を撒いておいて、
 自然に『芽』が出るのを待つんです」

「もちろん『時間』は掛かりますし、
 『絶対確実』でもありません。
 でも、十分に『現実的』だと思いますよ」

門倉の意見を受けて、『新たな方策』を提示する。

「あははは…………」

言われた言葉に苦笑いを返す。
確かに『覚え』はあった。
幸いにして、
『命の危険』に晒される程の被害を受けた事はなかったが、
それでも悩んだ経験は少なくない。

「『プラン9・チャンネル7』は、『音響機器』を対象にします。
 厳密な範囲じゃなくて、
 『音声を出す機能』があれば大丈夫です。
 私の『声』を『音響機器』から出力すると、
 その機器は私の『支持者』になるんです」

「ええと――――要するに『ファンになる』って事ですね」

「『ファンになった機器』は、
 持っている『情報』を提供してくれます。
 主に『内部データ』や『使用記録』ですが、
 『カメラ』や『マイク』が付いてる場合は、
 リアルタイムの『映像』や『音』なんかも含まれますね」

「そういう能力なので、『機器があるかどうか』が、
 『出来る事』に直結してきます。
 それをフル活用しても、
 あそこで戦ってる選手と『正面対決』は無茶ですけど」

話を聞いた限りでは、『ソウル・ダンジョン』も、
そこまで『戦闘向き』ではなさそうに感じた。
しかし、『プラン9・チャンネル7』よりは戦えるだろう。
なにしろ完全な『情報系』なのだから。

「ただ、注意を引いたり、気を逸らすくらいなら出来ます。
 『その間に逃げる』とか、そういう方向になりますね。
 『射程距離』は相当長いですから」

503美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/04(日) 15:58:00
>>499(GM)
>>(門倉)

「わぉ!ものスゴい高さまで跳んじゃいましたねぇ〜!
 こういう『普段は絶対に見られない場面』が見られるなら、
 『大盛況』になるのも納得です!」

扇原の『大跳躍』に目を見張る。
ちょっと目を離している間に、
『大技』が繰り出されていたようだ。
もっとも、これが『能力の初披露』である事を考えると、
まだ先があるのだろう。

「ただ私の場合、『自分のスタンド』が全然動かないから、
 『自由に動くスタンド』っていうだけでも新鮮なんです」

こうした形式の試合に、『プラン9』は出場できない。
どう考えても、
『参加する以前の時点』で弾かれてしまうだろう。
逆に、『既存の派閥』で補いきれない部分があるからこそ、
『門倉派』が介在する余地もある。

「『意思があって動くスタンド』も見た事はありますけど、
 『動きすぎる』のも考え物ですね」

『ヴァンパイア・エヴリウェア』と『コール・イット・ラヴ』。
あの二体は、どちらも常識的で、
まともな性格の持ち主だった。
やはり、『あれ』だけが『異質』なのだろうか?
あの『狼藉』は許したものの、
はっきり言って『第一印象』は『最悪』の一言に尽きる。
美作くるみとしては、
いきなりメチャクチャな事をやられたのだから、
当然の感想だ。

「勝手に『人の番組』に割り込んだりしますから」

冗談めかした口調で、門倉に言うのだった。

504ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/04(日) 20:34:09
>>498-499
「言われなくても入れないっすよ…」

こんな所に指なんて入れようものなら、指が消し飛びかねない
そんなのに好き好んで突っ込む馬鹿がいるか?
…いるから言ってるのか?

「にしても、電流が流れる金網ってのはよく見るけど
 凍り付いた金網は珍しいっすね…」

というか初めて見る

バリッ バリバリバリ

ホットドッグを食い進めるが、おっさんに監視されてると何とも食い辛い


冷え過ぎたビールを飲みながら試合を観戦する

しつこくターゲットを追いかける荊には
何が何でも相手を捕まえようという執念を感じる
荊という形を取っているのは相手を束縛して離さないという願望の表れなのか?
別に知らないが

開花する荊の花に注目する
荊というと、やはりノイバラなのだろうか?
ノイバラの花言葉は確か、「上品な美しさ」「素朴な愛」「孤独」…とかだったか
特段、上品さも素朴さも感じないが

505『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/05(月) 22:56:16
>>501(宗像)

「いやぁ、やりますね扇原! 能力でアレが出来ても、中々実行は出来ないですよ!」

                パチパチ

手を叩いて、扇原の判断を褒めたたえる吾妻だが――――

「ただ……そうですね! 上手〜く逃げたと思いますけど、
 あの位置は考えなしだとかなりまずいでしょーね。
 柱に連打を打ち込めば、鉄棒の上に無限に荊を伸ばせる。
 そうなったら飛び降りてデカい隙を曝すか、あの上で対応するか」

       「『どうするか』 まさにそれですよ!」

見栄えが良く、戦局を変える一手でもある。
だが、それ単体で勝利を齎す手ではない。

「その賭け……オレはあんまり得しませんよね!
 ま、別にいいですけど。
 そーいう楽しんでいく姿勢、オレは嫌いじゃないです!」

      「賭けるなら――――――『結城』」

   グビ

コーラを一口飲みこんで、彼は続ける。

「と、言いたかったんですけど。今のを見たら、『扇原』ですね!
 こっから結城相手に上手い事持って行けるかどうかに、オレは賭けたい」

              「そーゆーことでオッケーですか?」

>>500 >>502-503(門倉派)

『扇原』の闘い方はまだまだ見えていない。
美作と違って、彼のスタンドは『戦い』そのものには工夫すら要さない。
近付いて殴る。それだけで、格闘家でも軍人でも一撃で仕留められよう。
工夫を見られるとすれば、今回の様に、同格の相手から勝利を勝ち取る機会でのみ。

         ――――それを見られる場。そこには価値がある。

同時に、『それが要求される』なら……『戦う事自体に工夫がいる』ような。
或いは戦い以外の場でこそ輝くようなスタンドのための場も、価値を作り出せるはずだ。

>>504(ソラ)

「言わなくても分かってくれる人間ばかりなら、良いんだが。
 そうではないから…………一応、何でも言うようにしている」

            チラ

冬川が一瞥する先には、熱狂しビールのカップを握りしめる観客たちがいる。
格闘技観戦、あるいはそれ以上の白熱の中では『馬鹿になる』人間は多いのだろう。

「金網は『能力』だ。――――一応言っておくが、何もしなければ何も危なくはない」

口ぶりからするに、『能力』の使い手は彼自身なのだろう。

――――荊は花をつけたが、それは『薔薇の花』のように見えた。
イバラといえばノイバラ、というのは花にある程度詳しい人間の知識。
彼のような花を愛でるタイプには見えない人間からすると、能力の像もまた直球なのかもしれない。

                ・・・バラの花言葉は本数や色により変わる。
                   少なくとも色は赤。『情熱』あるいは『熱烈な愛』か?

506『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/05(月) 22:59:57
>全体

「まだ……『先』があったッ!」

攻め手に驚愕を見せる扇原だが――――彼もまた、攻めに転じた。

「これを一番効果的に使える場所を考えていたけど」
                               「『減圧』」

懐から取り出した財布には、既にレバーが付いている。
いつの今にか仕込んでいた。豪快なだけの能力者ではない。
そのレバーを引いて、空中へと投げだし――――――

『シルバーダスト』―――――――その能力は『反発』を生む『加圧』だけではない。

「ありがとう『結城』、今、ここが『ベスト』だ。
  ・ ・
 撃ち下ろせ『シルバーダスト』ッ!」

             打撃によって、地上の結城へと叩き込んだッッ!!!

            /l ,イ,イ              <加圧――――
           >                 それに加えて減圧。
            // レ'レ'                使い勝手もさることながら、
        / ニニフ                  用法を良く練っている>
          //  .__
        ./´. /´ > ,.イ
           ´ ̄  /_/
              .//
          //
            |/,イ,イ ,イ
              レレ //
              /'.
           ,ィ
            / }
          ./ /
          .//
          .´
       ., イ      ≪あぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っとぉ!! 単なる『飛び道具』ではないッ!!≫
       .レ'
           「なッ……んだっ、これ! すげえなッ!!」

   「『アセティック』ゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」 

                ≪そして跳ねるだけが能力でもなァいッ!!!
                 扇原選手、その攻撃力はC級において間違いなく上位ッッ!!!≫

                          <……見込み通りと言える>
その理合いは『炸裂弾』だ。
『シルバーダスト』の一撃は爆裂に匹敵し、無数の硬貨を流星雨の様に叩き付けるッ!!

     『シュゥゥゥゥゥ』
                                「あれが扇原の攻め方かッ!!」
                                     「単なる超パワーじゃあない……」

              ドドドドドドドドドドドド
        ドドドドドドドドドドドドド
                  ド  ッ パァァァ――――――――――― !!!!
 
                            「攻めにも守りにも応用があるネェッ!!」

『結城』は全力のラッシュでそれを迎撃する――――この時。
彼のスタンドの両腕――――轍紋様をなぞるように巻き付いていた荊は消え、
同時に、『扇原』の脚に巻き付いていた荊もまた跡形も無く『消滅』した。

507『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/05(月) 23:00:07

                ドッ ・・・

           ≪爆発的空襲ッッ! 流石の結城選手も膝をついたァァァーーーーーー!!!≫

「――――――――――――っはァ……!! アンタ、こんな事もしちまえるんだなァ!!」

          ワ アアアアアアア ――――――――――――――――――――――――― 

『アセティック』の高速連打は五円玉を防ぎ切れたようだが、
絶大な破壊力に、減圧でさらに爆発力が増したような形だ。
防げたのは致命部位への直撃に限った話と言える。
結城は額や露出した上身から流血し、膝をつき、歓声の中、獰猛な笑みで扇原を見上げる。

                   <だが、倒れてはいない。
                    ……結城の一戦目は、
                    互いに重傷を負い、
                    血みどろの中での殴打戦。
                    結果は引分けだったが>

「まだ全部じゃねえよな。まだまだこっからだよな……!」

                         バシッ

                    <あの男は、
                     傷つくほどに燃える。
                     そういう気質だ>

そして、『アセティック』で足元の――――拳大はありそうな木片を拾い上げさせた。
膝をついたのは崩れ落ちただけではなく、自身も飛び道具を確保するためもあったらしい。
対する扇原は足元の縛りを失い、今はまだ問題ないが、軽微な動作でもバランスを崩しかねない状況。

※位置関係に変化が無いため、MAPは省略※

508宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/06(火) 09:46:00
>>505

「だからこそ、あんたに『選ぶ権利』を渡した」

こちらとしても、見込みの薄い賭けだ。
だが、動かなければ手掛かりは得られない。
どのような可能性でも当たってみなければならなかった。

「俺が負けたら『エクリプス残党』の情報も教える。
 一人は仕留めたが、まだ終わっていない話だ。
 そちらにとっても無関係ではないだろう」

脳裏に浮かぶのは、吾妻との初遭遇だった。
『能力の開示』を条件に、一時的な協力関係を結んだ。
やがて、吾妻から舞台に視線を戻す。

「では、俺は『結城』に賭ける」

>>506-507

「――『応用』が利くらしいな」

「少し前の仕事で、『日本軍』から『小銃』の銃弾を浴びたが、
 あれに比べれば児戯に等しい」

『結城』が防御に徹したのは正しい判断だ。
まともに食らっていれば、
そのまま終わっても不思議はない一撃だった。
それでも到底『無傷』とは言い難い。
現状、『ダメージレース』では『扇原』に分がある。
『荊』を取り除いた事も含め、この一瞬において、
場の流れは『扇原』に傾いた。

「今のところは、あんたが『優勢』のようだ」

だが、『結城』も『防御しただけ』ではなかった。
守りに支障を来たさない範囲で、
同時に『反撃の準備』を行っている。
『アセティック』の能力を考慮すると、
単純な投擲で済ませる事は考えにくい。

「しかし、次は『扇原』が対処を迫られるだろう。
 『負傷の度合い』では『結城』が不利だが、
 依然として『足場の悪さ』は否定できない。
 ここから引っくり返される可能性は十分に残っている」

「『扇原』も当然それを見越しているだろうが――」

不意に言葉を切り、自身の『右手』を見下ろす。

「獣は『手負い』ほど恐ろしい」

かつての戦いで、俺自身が、
『高天原咲哉』に言われた言葉だった。

「虎視眈々と『逆転』を狙う」

それは、『硯研一郎』から掛けられた言葉だ。

「最後まで気を抜かない事だ」

呟くように発した一言は、隣に座る吾妻に対してであり、
『扇原』に対するものでもある。

509ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/06(火) 21:18:08
>>505
酒は飲んでも飲まれるなだ
自制が出来なくなる奴に酒を飲む資格は無い

「へぇ〜…
 ちなみに触ったら?」

別にそこまで興味は無いが、参考までにといった感じで尋ねる

>>506
空から降り注ぐ硬貨の雨は圧巻だ
マジの弾丸だったらと思うとおっかない
『加圧』・『減圧』、単純だが攻防隙の無く、使い道の多い強力な能力だ

>>507
血を垂れ流しながら笑ってる結城を見て思う

あいつが花言葉なんて知ってるかどうか分からないが
『情熱』っていうのは確かに合ってる
確かに情熱的な奴だ

荊を手に巻き付けて痛くないのかと思ってたが
その痛みが良かったりするのか?

手に持っている薔薇型のアイスと、結城を交互に見る
こうして見ると、このアイスも何か気持ち悪く見える

510門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/09/06(火) 23:05:46
>>502-503(美作)

「『口コミ』で『ビギナー』や『戦闘に向いていない』
 スタンド使いを募集する………って感じかな。
 上手く、『噂』のようなものを広められるなら、それもまた良さそうだね」

『門倉』は頷く。こういうアイディアは多ければ多いほどいいだろう。
『アリーナの試合』を見ながらの話し合い………
有益なものになっている『手応え』を感じる。

「『音声を出す機能をファンにする』―――
 改めて聞くとそれはまた、『美作さん』に本当に『ピッタリ』の能力だね。
 いや、君の『精神の発露』なんだから当然とも言えるが―――」

『能力範囲』などにもよるが、『ショー』の『演出』などにも
十分に役立ちそうな能力に思える。つくづく有用な人材を確保したと思う『門倉』だった。

「『いざ』という時、助けを呼ぶ、なんていう使い方も出来そうではあるね。
 まあでも、今後、『門倉派』が大きくなってきたら、
 もう少し、『自衛方法』は、『派閥全体』で考えた方が良いかもしれないな」

ピンポイントなタイミングであれば『門倉不動産』の四階で
居候をしてもらっている『アラン』を『護衛役』にしてもいいが、
さすがに日常的にというわけにはいかないだろう。

 ………

「ああ、『夏の魔物事件』では、何体かの
 『自立型スタンド』が活躍したみたいだね。

 『夏の魔物』自体もおそらくはそういった類のものだったのだろうが………」

『美作』の言葉に、『門倉』が『アリーナ』を本格的に知る
きっかけとなった『夏の魔物』事件を思い出す。

「そういう変わり種を集めた『ショー』というのも面白いかもね」

『スタンド使い』ではなく『スタンドそのもの』に主眼をおいた『ショー』。
さすがに特異すぎるので、『軌道』に乗ってからが無難そうではあるが、
『アイディア』の一つとしてストックしておくのも良いだろう。

>>506-507(GM)
そうこう話しているうちに闘いは進んでいる。
ヴィジュアル的には『荊』は映えそうだが、
『加圧』と『減圧』という能力には『スタンド利用』の応用による華がある。
この闘い、他の者とは見るべきポイントが違うようにも思うが、
今後に予定している『演武』の参考になりそうだ。

511美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/07(水) 10:14:40
>>510(門倉)

「『そこに行けば話が聞ける』……
 なんていう『噂』がいいかもしれません。
 今回の『アイドルショー』の『関係者』が、
 上手く広めてくれたら嬉しいんですけど。
 『ショー』が終わった後は、
 『それぞれの場所』に帰る訳ですから、
 『種まき』には丁度いい機会になりそうですよ」

「そうそう、『これ』を渡しておきますね」

        スッ

『名刺入れ』を取り出し、『美作くるみの名刺』を差し出す。

「『私の連絡先』は既に伝えてますけど、
 どこかで役立つと思います。
 たとえば、誰かの『信用』を得るための、
 『助け』になるんじゃないでしょうか?」

「自分で言うのもなんですけど、
 それなりに『知られている』つもりですので」

『美作くるみ』には『知名度』があり、
それは『社会的な信用』に繋がる。
その『知人』である事を『証明』できるのは、
いくらかの『足し』になるのではないだろうか。
無論、『美作を知っている事』が前提だが、
相手によっては効果を発揮するはずだ。

「もし『私の能力』を『ショー』で使うとしたら、基本的には、
 『機器から私の声が出せる』と思ってくれていいです。
 門倉さんには教えますけど、
 具体的な距離は『120m』ですね」

「よっぽどの『大舞台』じゃなければ、
 『会場全体』をカバーするのも難しくないですよ」

やろうと思えば『ここ』でも可能だろうし、
こう言ってはなんだが、現在の『門倉派』の規模なら、
まず困る事はない。

「ええ――『防犯ブザー』的な使い方も出来ます。
 ただ、やっぱり『環境』が大きなウエイトを占める能力だと、
 『普段からの心掛け』次第なところはありますよね。
 『災害』と同じで、『スタンド関連』にも、
 『0次の備え』を意識しておきますよ」

『プラン9・チャンネル7』は、そういった傾向が特に強い。
『危険を認識した時』には、
既に『手遅れ』になっている可能性も有り得る。
そうならないためには、
日頃から心構えを怠らない事が一番だろう。

>>506-507(GM)

美作にとって、『スタンドを使った戦い』というもの自体が、
初めて目にする世界。
ここで見た事は『自分自身』にも活かせると考えていた。
『彼らのように戦うために』ではない。
『身を守る方法』を思案する『情報』の一つとして。
自分とは違う『戦えるスタンド使い』が、
どのような行動を取ろうとするのか。
それらを知っておく事は、『もしもの時』のための参考になる。
これも『0次の備え』の一環だ。

512『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/09(金) 01:17:52
>>508(宗像)

「『エクリプス』――――――なるほど、なるほど、
 ええ、それは全ッ然終わった話じゃーありませんね。 
 まだまだ残党は残ってる。監視してるヤツもいれば、雲隠れしたヤツもいる」

          「じゃ、賭けは成立ってコトで!」

追加で提示した条件は、どうやら有意な物だったようだ。
闘技場であると同時に治安組織の側面も持つ彼らには、
その名前は少なくとも『無関心』を貫けるものではない。

「ニホングン? 小銃? ははっ、どーゆー仕事してるんですか?」

笑いの中で一瞬、信じ難い物を見る目をされたが――――――

「ま、ジョーダンってよりはマジっぽいですね!」

                    ニッ

「ともかく! 扇原もそれを出来る方ではあるでしょーけど、
 結城の強さは『準備が要らない』とこですからね!
 能力を使うのに『仕込み』やら『触媒』ってやつが要らない。
 発動してからジワジワ苦しめるような能力でもない」

              「つまり戦闘特化タイプ」

宗像の右手に向けられた視線には、再び笑みの色が戻っていた。
裏社会の住民とはいえ、流石に件の地下壕と護国の徒らの話は知らないのだろう。

「『同じタイプ』って言ってもいいヒトの言う事なら、油断ナシで観ときますか!」

それでも――――元よりこの試合の観戦に、彼は気を抜こうとはしていないようだ。

>>509(ソラ)

「――――どうにもならない。金網の方も、どうにもならない。
 『破壊できなくする能力』とでも思っておいてもらっても構わない」

      「危ない事があるとすれば。 
       何か妙なことが起きたなら、
       私が『対応』する事になる。
       その時だけは、危険になる。
       ――――もちろん一応の話だ」

触れる事自体が危険なのであれば、
ビールを冷やす試みも、もっと血相変えて止められたのかもしれない。
 
      ワあああああああァァァ ―――――――――――――――――――――

                      「やれェ結城ぃィィイ!!!」

周囲の観客たちも流血試合にドン引きするような様子はない……
仮にドン引きしていれば騒がない分、単に目立たないだけでいるかもしれないが、
少なくともこの闘技場において大勢は『血を流す』事に盛り上がるようだ。
 
もっとも――――見ている彼らと、実際自分が血を流して笑う結城ではまた話が違う。  

                  情熱的であり、常識的では無く、気味が悪くても不思議はない。          

>>510 >>511(門倉派)

スタンド戦闘には『戦局判断』と『能力応用』の二つの花がある。
能力応用という面では戦闘に向かない『美作』のスタンドでも、
戦いを見て知見を蓄え判断を磨いておけば、もしもの時に振るえる強さになる。

あるいは『門倉』からすれば、『闘いの要点』を実際に見て知る事がショーの演出を――――――
また、今後選べる程増えた後の『選手の選定』等といった分野にも活かせる知識へと繋がるだろう。

513『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/09(金) 01:18:05
>全体

「今ので倒れてくれれば、
 というのは流石に虫が良かったか」

鉄棒の上、扇原は一瞬だけ後方を一瞥する。その目的はすぐに分かる。

「ははッ、こんなくらいで倒れるならとっくに死んでるって!」

              ≪結城選手ッ、戦意の炎は確かにより強く燃えるッ!!
                肉体のダメージは決して軽微ではないはずッ!
                尋常の格闘技試合であればストップがかかるがッッ!!≫

小銭の弾幕は強烈だった。戦意の薄い者なら降参まで運べた可能性すらある。
だが、結城から流れ出す血には、ひとかけらの怖れも乗ってはいない。

「『結城』、僕は君に敬意を表するよ。
 だからこそ――」「『次』だ」

「次の一手で君を倒す……『一手』だ」

己の胸を叩く彼の姿は既に表を生きる社会人を離れ、『闘士』そのものだ。
彼自身がどこまでそれに自覚的なのかは分からない。
熱狂の渦の中、己の姿を気にかける余裕は流れを断ち切る冷や水となる。
扇原が、バックステップのように鉄棒を降りるその瞬間―――――――――

            ≪ここではこれからが本番だァァァーーーーーッッッ!!≫

「そんでオレは―――――――『今』、だッ!」

           『結城』には瞬間で十分だった。
           すでに木片を拾っている。
           能力を使ってこそ、いなかったが。
          
       ヒュ
           ン!!!

結城の、投擲――――――木片に荊が生えているとか、そう言った様子はない。
それをしなかったのか、出来なかったのか、それとも作戦があるのか。

                       <素の投擲。
                         燃えてはいるが、
                         血が昇ってはいない>

唯一分かるのは、これは能力を帯びていなくとも十二分に危険な攻撃という事だ。

「アンタ、『現場』に顔は出してんだろ?
 だったら知ってるんじゃねーのかな! 
 『2m』ってのは『脚立』が禁止されてる高さ……十分危険だってな!」

2mからの飛び降り、そして着地は一瞬だが、全く隙を曝さず行えるような動作ではない。

                <能力の応用――――
                 それだけではない。
                 攻防の要点となるのは、
                 やはり本体の判断だ>

              オ オ オ オ オ ォォォォ――――――――――――

この至近距離―――――飛び降りて、扇原が着地するその瞬間に『木片』は着弾するだろう。
木片の重さはそれほどでもなさそうだが、『アセティック』は怪力かつ高速、かつ精密。
勢いだけで言うのであれば、『弾丸』にも匹敵しかねない物だ(パス精BBB)
扇原が後ろに跳ねたのは正解だった。前に飛び降りていれば、有無を言わさず撃ち落とされていた。

「―――――――――――もっとデカい危険も足してやろうって、そういう話だ!」

                            スーパールーキー
                   ≪飛び道具! 扇原選手はどう対応ッ≫

                            ダ  ッ!!

              ≪―――――するかを待たず!
                  血みどろの鬼が駆け出したッ!≫

膝立ちの姿勢から、一歩目をふらつかせつつ、一気に駆け出す構えの結城。
まだ駆け出し始め。間合いを離すバックステップの甲斐もあって、すぐに距離はつまらない。

どちらも近接戦闘で後れを取る姿の想像しがたい猛者。だからこそ――――この局面は勝負を分ける。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■┃□□□□□□□☆■∴∴
∴■━╋━━━━━━━╋━■∴
∴■□┃□□□□×結×┃□■∴
∴■□┃柱柱□□◎×柱┃□■∴
∴■□┃柱柱□□□×柱┃□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■━╂━━━━━━━╋━■∴
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

☆:扇原の着地地点。
※結城はまだMAP状の位置が変わる程は移動していない。

514宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/09(金) 14:52:13
>>512-513

「『特殊防空壕』の調査を引き受けた。
 仕事を終えた後で、
 『依頼主』は俺の口を封じる気でいたそうだが、
 この話は『エクリプス』とは関係ない」

『スタンド』という概念が存在するとはいえ、
実際に現地に踏み入るまでは、
『本物の日本兵』と戦う機会が巡ってくるとは思わなかった。

「――『恐らくは』だが」

あの件の背後には、『大きな力』の存在を感じた。
どこで何が繋がっているかは分からない。
複雑に入り組んだ暗い『地下壕』のように。
そこで目にした光景を思い返すと、
奇妙な『懐かしさ』が脳裏を掠める。
外界から隔離された『穴倉』に、
自らの意思で留まり続ける『過去の亡霊』の姿が、
『かつて過ごした場所』の記憶を連想させるからか。

「『条件』を選べば優位に立ち回れるが、
 選ばずとも『必要な戦力』は発揮できる」

「そういった印象を受けるな」

吾妻の言葉に同意を返す。
『事前の準備が不要』という点で、
『アヴィーチー』とは共通点がある。
しかし、『応用力』という側面に関しては、
双方が似ているとは言い難い。

「少なくとも『即時決着』とはならないようだ」

『扇原』が放った一撃は、
『突破口』に相応しい威力を持っていた。
しかし、『終わらせる』には至っていない。
手傷を負った『結城』にも、『まだ先がある』と感じられる。

「そうでなければ『賭けた意味』がない」

吾妻に零しながら、飛び降りる『扇原』を見やった。

「だが、さほど長い時間は掛からないだろう」

相手が即座に降りる事を決断したなら、
そのまま投げるのは妥当な判断と言える。
一瞬を争う状況では、
僅かな遅れが致命的になる事も少なくない。
今の戦況は、まさしく『それ』だ。

「場合によっては、まもなく『決まる』か」

次の瞬間、『扇原』は『対応』を迫られる。
これまでの戦いを見る限り、『能力の応用性』においては、
『シルバー・ダスト』に分があるらしい。
現在の状態で、それを何処まで活かせるのかが、
一つの焦点に成り得る。
『結城』としては、活かさせる前に叩きたいところだろう。
俺が同じ立場でも、やはり『そうする』。

515ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/09(金) 19:23:56
>>512
「対応ね」

そういう奴が出て来る度に一々この男がぶん殴りに来るんだろうか?
そう思うとご苦労な事だが…
まぁ実際はもっとスマートに事を済ませるのかもしれない


ボクシングやプロレスっていうのは流血沙汰になれば盛り上がるもんだ
殴り合いの格闘技はエスカレートする程面白い
観客達は客席から勝手に騒いでりゃそれで良い、そういうもんなんだろう
戦ってる本人が何を考えているかは知った事じゃない

>>513
「勝利宣言ってのは…」

残っていたホットドッグを平らげる

「決めらりゃ格好いいけど、外したらだせぇな」

それでも次の一手で倒すと宣言するのは
それだけ自信があるのか、宣言をする事で自分を追い込んでるのか?
無意味に勝利宣言をしたわけじゃないんだろう


ビールももう飲み干してしまった、後はデザートのアイスだけだ

516門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/09/10(土) 06:30:56
>>511(美作)

「これは―――

                 ………ありがとう」

『美作くるみ』の表の『名刺』。
それを『宝物』をもらうかのように丁寧に受け取る『門倉』。
『これ』を『門倉』が存分に発揮するのならば、
意図せず彼女の本業に被害が及ぶことも十分にありえる。
それでも『美作』はこれを託してくれた………
その事実に身の引き締まる思いがする『門倉』だった。

                     ………

「『120m』―――それなら十分に『声』を会場に伝播させられるね。
 もちろんただの『スピーカー』の代わりってわけじゃあなく、
 たとえば、『観客のスマホ』なんかからも『声』を出せるわけだ。
 『いざ』という時、面白い演出ができるかもね―――」

『実況』という本人の技量のみならず、『音声機器のファン化』という
『ショー演出』にも有効利用できる『スタンド技能』。
更に『スカウト』でも発揮されるその有能さ―――
つくづく、『美作』を勧誘できたのは僥倖だったなと思う『門倉』だった。

「『スカウト』で色んな『スタンド使い』に声をかけてもらっている手前、申し訳ないけど、
 少しでも怪しい場合は、『身の安全』を優先して、『退いて』もらって構わないからね。
 ………もっとも、『スタンド能力』は怪しさなんて無視して飛び越えてくる事もあるけれど」

『夏の魔物事件』だって、最初のトリガーであったらしい、『老婆の家で夏を楽しむ』
などという行為に『怪しさ』を感じるのは難しいだろう。
日常を普通に過ごしていただけでも無遠慮に『スタンド能力』に巻き込まれることはある。

『門倉』は『不動産屋』の傍ら、『オカルト関連の事件の解決』が出来ると吹聴している。
『実績』もそれなりに積んでいるので、今でもポツポツと『依頼』が飛び込んできていた。
大抵、根っこには『スタンド能力』が絡んでおり、その手の事例にはまあまあ詳しいと言えた。

>>513(GM)
闘いは『佳境』といったところか―――
『ソウル・ダンジョン』で能力込みで戦うなら、
『部屋』を用いた待ちの戦法になりがちだ。
こういうシンプルに責め立てる戦い方は、
能力的にも性格的にも『門倉』に向いていないように感じられた。

「だからこそ、魅力的―――というところもあるか」

『スタンド能力』を持ちながら、自分ではできないことやってのける相手。
見ると思わず『感嘆』してしまう。これは『ショー』でも同じことが言えるかもしれない。
『シンプルなタイマンでの闘い』に向いてなくても、
『ショー』を盛り上げられる能力はそれだけで見る者を『魅了』できるはず―――

517美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/10(土) 08:37:24
>>512-513(GM)

『プラン9』が最も得意とするのは『情報戦』。
『それ以外の立ち回り方』についても、
『ある程度の考え』は持っていた。
強力なスタンド使いに襲われたとしても、
必要な道具と準備を整える時間を確保し、
その上で相手の不意を突ければ、
『どうにか出来る可能性』は十分ある。
『実況』を務める『桜島』が語ったように、
『本体の判断力』の見せ所だ。
相応の『困難』を伴うものの、決して『不可能』ではないし、
『ハードル』は高ければ高いほど『魅力的』に映る。

(『避けて通れる』なら、それに越したことはないんだけど)

もっとも、『危険に遭遇しないようにする』のが、
最強の回避策なのは確かだ。
ただし、『危険の方からやってくる』場合も否定できない。
その時には、普段からの『心構え』が、
精神的な支えになってくれるだろう。

>>516(門倉)

『名刺』というのは『配る物』だが、
『誰にでも渡す』という訳ではない。
少なくとも『最低限の信用』がなければ。
『門倉良次』に対しては、『それ以上の信頼』を持っている。

「『特定の相手』に『声』を送る事が出来ますから、
 ちょっとした『抽選』にも使えますよ。
 そういうのってワクワクするじゃないですか?
 手間は掛かりませんし、
 一考の余地はありそうに思いますね」

『プラン9・チャンネル7』の能力。
『自分自身の力』を今よりも使いこなし、
『キャリアアップ』を目指したい。
そういう意味で、一人の『スタンド使い』としても、
『アリーナ』は『挑戦の場』と言えた。
そのためには『千思万考』。
『打ち合わせ』と同じように、誰かと会話しながらだと、
新しい『アイディア』も浮かびやすいものだ。

「あははは…………ええ、分かってますよ。
 私だって、『命』が惜しいですから。
 まだまだやりたい事が沢山ありますからね。
 もっと『リスナー』を増やしたいですし、
 『他の分野』でも仕事をしてみたいと思っています」
 
「――――もちろん『ショーの成功』も」

改めて『舞台』に目を向け、激しさを増す戦いを見守る。

518『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/10(土) 23:24:58
>>514(宗像)

「へェ〜〜〜、世界広いッすね!
 防空壕の中に戦前からの――――あ、いやいや。
 あんま詮索すると、オレも『口封じ』されちゃいますか!」

吾妻がその件に介入する事は無いだろう。
宗像にとって、それが望ましいかどうかは分からないが。

「その代わり、仕掛けた時の爆発力はそんなでもない。
 そーゆータイプですね。
 ま、ヴィジョンの破壊力だけで十分なんですけど」

             ゴッゴッ

           ズズッ

コーラを底まで吸い尽くしたらしく、
カップを横に置いた吾妻は戦局を睨むように見下ろす。

「十分な破壊力の激突。――――そーですね、もうそんなには掛からない」

>>515(ソラ)

男がスタンドのヴィジョンを見せる様子は今の所ない。
彼の対応とやらがどんなものなのかは、
まあ、観客としては見ないに越したことはないのだろう。

「一応、『ブラフ』の可能性もある。
 ああも堂々と一手で決めると言われれば、
 次の攻防の意識は、大仕掛けや大ぶりな一撃に向く。
 ……『結城迦楼羅』が、そうした深読みをするかは微妙な所だが」

血みどろで敵へと駆ける結城の目には戦略知略という言葉は似合わない。
だが、考えなしで手足を振るうだけの狂犬というわけでもない。

「いずれにしても、狙っても狙わなくとも、決着は近いはず。
 ルーキーの虚勢となるか、戦局眼の逸話となるか……答え合わせはすぐだ」

薔薇のアイスクリームは少しずつ解け始めているが、まだ形を保ってはいる。
場内の熱気は増す一方――――その極点もまた近い。早めに食べた方が良さそうだ。

>>516-517(門倉派)

スタンド使い同士の衝突は、幾度かの攻防を経て直接の『衝突』へと至りつつある。
圧倒的な超パワーと、力と速度を兼ねた猛攻の激戦は『初見』の要素に満ちる。
あるいはこの闘技場に来ている客の中にも、単なるエンタメでは無く、
そうした『学習』の為に来ている者も――――いや、そうだとして、『興行』の熱は通る。

           ワ アアアア ――――――――――――――――!!!!

観客たちは口々に選手らの名を叫び、あるいは拳と能力の衝突に目を爛々と輝かせる。

                ・・・そして、それは終局へと達しようとしている!

519『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/10(土) 23:31:44

「パワー、スピード――それに『精確さ』!
 そこまで備えていたのか『アセティック』……!」

敵を褒める扇原の顔に、しかし降伏や諦めの色は無い。
行動は守りだが、『防戦』――――戦っている。

       ヒュルルルルルルルル――――――

                   「能力ナシだ喰らっても問題ねえ!」
                「だが動きは止まる……結城に食われる!!」
 
腕を交差させ、致命部位は防げるであろう構えだ。
扇原にはパワーがある。速度と精度では負けているとしても一撃で『返せる』。

「そういうアンタもパワーと移動と飛び道具、
 色々あるけどさァ、それだけじゃねえ、それだけじゃねえんじゃねえかァ!?」

               ダダダッ!!!!

                  <急所を守るのに専念。
                   良い判断だ。
                   今は攻め時ではない>

                        「結城ッッやれェェエエエエ!!!」

      ―――ガ
                   
           ズぅッ

         ≪あぁ〜〜〜〜〜〜ッ上手く防いだが、アレはかなり痛いぞッ!!≫

             ワ アアアアア ――――――――――――!!!!!!!

『ガード』に全力を注いだ事が幸いしたのだろう。
『木片』は、クロスさせた腕、その右腕に『刺さる程度で済んだ』!

             ダ

            ダッ

「――――要するにさ! それを出し切る前に倒すのが、アンタの攻略法ってことだッ!!」

その間にも結城が駆ける。
血を流し、決して楽な状況ではない。だが、勝負を決めに掛かる。攻勢だ。

             <扇原の『シルバーダスト』
              応用力と発想力――――
              同じ土俵で挑む興もあるが、
              畢竟、それは勝利の手段。
              より合理的な手段がある以上、
              結城の選択は正しいだろう>

       ≪『結城』選手、合理故の突撃か! それとも野生の衝動か!?
         守りに徹する『扇原』選手を追撃するッ!!
          痛みと流血を意に介さず、射程圏内まであと一歩で到達だァァァーーーッ!!!≫

   「仕掛ける隙も! 逃げ道もやらねえ。

        喰らわせてやる、『アセティック』ゥゥーーーーッ!!!!」


―――――次だ、次の瞬間には一撃が叩き込まれる!

扇原は守りの構えは出来ている。破壊力では勝っている。ダメージも与え、体力を奪えている。
だが――――彼の腕に突き立てられた楔は、次の動きを制限する。迫る結城の血濡れの笑みは暴威を宿す!

                                    「扇原ッッ!!!」
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴      
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴             
∴∴■┃□□□□□□□☆■∴∴
∴■━╋━━━━━━★╋━■∴       「『アセティック』で潰せェェーーー!!」
∴■□┃□□□□×××┃□■∴         
∴■□┃柱柱□□◎×柱┃□■∴           「逆だ! カウンターブチこめっ!!」
∴■□┃柱柱□□□×柱┃□■∴        
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴         
∴■━╂━━━━━━━╋━■∴         
∴∴■┃□□□□□□□┃■∴∴     「――――結城はまだやる。あいつは強い」      
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴             「扇原も強ェ! だからもう終わるッッ!!!」
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴


★:結城の現在位置。頭上には鉄棒が通っている。

             ―――――――――――――――――――――双星が今、衝突する。

520宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/11(日) 13:55:25
>>518

先程の『開花』が達成されなかった事は、
『結城』にとって好ましくない結果だったのだろう。
拘束から逃れるために、
速やかに引き千切ろうとするのは自然な行動だ。
だからこそ、『荊』を野放しにさせるのは難しい。
『スタンド』と同時に攻めて、相手の対処を遅らせる。
その手が上手く通じていれば、
完全に咲いていたかもしれないが。

「近頃は『花』を目にする機会が多い」

自然公園で見た『鈴蘭畑』が、記憶の中で鮮明に蘇る。
『鈴蘭の怪物』の話を耳にしてから、
花に対して『危険な印象』を抱くようになった。
あの『薔薇』の正体は定かではないものの、
安全だったとは考えていない。

「『鈴蘭』という花について何か知らないか?」

眼前の戦いを忘れたかのように、不意に問い掛ける。

「『鈴のような形をした花』だ」

吾妻が『花に詳しい』とは思っていない。
だが、『常識』の持ち合わせに関しては、俺よりも上だろう。
その範囲内の知識であれば、
未知の情報が残っている可能性はある。

>>519

「――『扇原』は判断を誤らなかったようだな」

今しがたの『結城』と入れ替わりに、
今回は『扇原』が防御に専念した。
いずれも致命的な隙を曝さない立ち回りだ。
それゆえに最後の瞬間まで分からない。
『結城』は攻めているが、『優勢』とは呼べない。
『扇原』は守勢に回っているものの、決して『劣勢』ではない。

「あの距離では新たに仕込む猶予もない」

同時に動いた時に速いのは『アセティック』だが、
腕力では『シルバー・ダスト』が勝る。
どちらが先に倒れても不思議はない。
結局のところ、最終的な勝敗を決めるのは、
『本体の差』になるだろう。

「互いに『真っ向勝負』になるか」

両者が背負う闘志は、盛んに燃える『炎』を思わせる。
あの場所に上がれば、俺も同じように振る舞えるのか。
おぼろげに浮かんだ考えは、
頭の中で『灰』の如く崩れ去った。

「見せてもらおう――」

舞台に立つ『結城と扇原』。
二人に賭けた『俺と吾妻』。
片方が勝ち、片方が負ける。

「『どちらが勝つか』」

521ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/11(日) 21:08:40
>>518-519
確かに結城からは戦略や知略というのはあまり感じられないが
その場その場の判断で、標的を確実に追い詰める手を取る凶暴な肉食動物といった印象はある
深く考えないだけで、むしろ頭は良い方なんじゃないか?

次の手で勝負が決まるかもしれない
そんな所でアイスクリームを食べ始める
薔薇の形が少し崩れて歪になっているか

アイスっていうのはちょっと溶けてきたくらいが美味い
アイスはここからが本番だ

…勝負は、これで決まるのか?

522門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/09/12(月) 23:47:12
>>517(美作)

「『ショーの成功』………いい言葉だね」

『美作』の言葉に賛同する『門倉』。
改めてここに二人で来てよかったと思う。
ただ事務所で打ち合わせするよりも、
実際の『アリーナの試合』の前で話し合う事で
打ち合わせにある種の『熱』が入ったように感じる。
『試合』をダシにしたような形になってしまったのは申し訳ないが、
その一方で、他者に迷惑をかけなければ
『試合』をどう消費するかは、観客の自由とも思えた。

『美作』の能力の可能性、そして『美作』自身の成長しようとする意欲。
これは『門倉派』のひとつの強靭な『軸』となるだろう。
そして、それに負けないよう『門倉』自身も、『発展』していかなければならない―――

>>518-519(GM)

そんな『門倉』の決意と呼応するかのように、
『試合』もそろそろ終わりを迎えるようとしているのではないか。
熱々の『バトル』―――爆ぜるとしたら、それはどちらなのか?

523『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/13(火) 00:43:50
>>520(宗像)

「『アセティック』が咲かせる花は、
 愛でるようなもんじゃないですけどね!
 や、まー鈴蘭も危ない花ではありますか」

吾妻も知識が根付いているというより、
半ば思い出すような調子で続ける。 

「『毒の花』で一番有名なやつですよね。
 って、そんな事は知ってるかもしれませんけど!」

調べればすぐに分かるような情報ではあった。
宗像にとって益があるかは分からない。
吾妻はその後何か続けようとしたが、
動きを見せる試合の方に色を向けた。

「でしょーね、一動作で仕込めるとしても、
 あの距離ならぶん殴った方がよっぽど早いですし!」

        「結城のスピードが勝つか、
         扇原のパワーが勝つか」

                 「――――――それとも」

>>521(ソラ)

知識と知能は違う。
『結城迦楼羅』という男に前者はあまりに合わないが、
ソラの見立て通り、決して『愚者の闘い』は見せていない。

          ・・・だからこその『激戦』だ。

   ドロ ・・・


一度溶け出したアイスは、案外早く崩れてしまう。
それを試合に重ねられるか、それとも、
あくまで試合は試合――――そう突き返せるかは『いまから』だ。

>>522(門倉)

試合中に無関係に近い話をしているのは、
本来あまり褒められた話ではないのだろう。
だが、それを気にしている観客はいなさそうだし、
もしいたとして、その借りはいずれ返せる。
なぜなら今日ここにいる人間は全員、
将来の『門倉派』を知る資格があるのだから。

灼熱はやがて収束する――――その時はもう、目の前だ。

524『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/13(火) 00:47:18

「『逃げ道』は確かに無い……
 だが、それは……君もだ、『結城 迦楼羅』」

苦悶をかみ殺すような表情で、しかし彼は決して追い詰められていない。

この局面で『扇原』が選んだ策はガードでは無かった。
『守るだけ』で勝つ事は出来ない。
だが――――――『守りを捨ててでも攻められる者』はそう多くはない。

「それにまだ『全部』じゃないと言ったのは、君だ。
 ――そして、これで『全部』だ」

            ギュ
               オオオ
                  ッ!!

『扇原 映華』は、その決断を下せる人間だった。

       「なッ……」

            ≪なんだァァ〜〜〜〜〜〜〜ッ!?
              先ほどまでの攻防とは全く異なる応用ッ!
               扇原選手の『圧力』には底が無いのかァ〜〜〜〜!!!≫

そして、守りを捨ててただ投げ返すだけ――――ではなく、
伏せていた能力の側面、『圧力操作』のその先にある物を活かした。

この反撃ばかりは――――『結城』にも読めなかった!

                ゴ
              カッ
 
    「グ
      ぉっ!?」          <『自身への能力使用』
                      有力な札を、伏せていた。
                      素振りこそ見せていたが、
                      すでに使った札と思わせた>
 
  ワ   ァァァ ――――――――――――――――  !!!!!!

木片は『シルバーダスト』が破壊した荒々しい断面を?きだしており、
突如迫る凶器に『結城』は――――咄嗟に『防ぐ』動きも間に合わない。
露出した胸元にそれは直撃し、浅く刺さりながら、『結城』の足を止め仰け反らせる!!

                          <天晴だ>
        ギ
 
         ロ    「…………ッ、や、ってくれる、なァ!」
        ッ

仰け反った状態、『結城』の目だけが鋭く『扇原』に向く。
スタンドの『右腕』にのみ『轍』に沿った『荊』が生じる。
この男は今の状況を敗色と捉えていない。猛攻を終えるつもりでいない。

周囲の観客たちはヤジを飛ばさず、歓声のみを叫び続ける。

         「すげェよなァ!!
           ――――『扇原』ァッッ!!!!」

                      <だが、試合は“まだ”続く。
                       ――――終わらせられるか?>

あるいはそれすらも出来ず、攻防の行方を見守る――――――――!!

――――精神だけだ。結城の肉体はまだ追い付けていない。扇原が一歩を踏み込むだけの隙は、ある!

525宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/13(火) 13:05:43
>>523

「――『毒』があるのか」

『鈴蘭』自体の情報よりも、
『鈴蘭の少女』を探す事に意識を割いていたため、
その事実を知らずに動いていた。

「興味深い話だ」

『本人』と接触する前に、
『鈴蘭そのもの』に対する理解を深める必要があるようだ。
それが能力に関係している可能性も否定できない。
外見と中身が一致しない事は珍しくないが、
考慮に含めておく余地はある。

>>524

「『決まるべくして決まった』と言えるな」

瞬間の攻防を見定め、端的な感想を漏らす。

「結果に繋がるまでの『礎』が築かれていた」

『結城』は『硬貨』を防ぎながら『木片』を拾い上げた。
『木片』を食らった『扇原』は、それを反撃に利用した。
どちらも『防御』と『攻撃』を両立させる動きだが、
『完成度』という点において『扇原』が上回っている。

「『結城』の『即応性』は侮れないが、
 『扇原』は『先を読む力』に長けている。
 至近距離で不意を突かれた局面を、
 『その場の対応』だけで切り抜ける事は困難だろう」

序盤こそ『結城』が押していたが、
『扇原』が攻勢に転じた中盤から終盤に至り、
戦局は大きく傾いた。
『結城』に策がなければ、『咄嗟の判断』で凌ぐしかない。
それは『扇原』も予想している筈だ。
『結城』の対応を踏まえた上で、『次の一撃』を放つ。
再び状況を覆すためには、
さらに『その先』を行かなければならない。

「だが、体内から『爆破』されて生きていた人間もいる」

「『確実に殺した』と思っていた人間が、
 まだ死んでいなかった場合もある」

舞台上の『アセティック』と『シルバーダスト』の戦いが、
廃ビルの『エフェメラル』と『アヴィーチー』に重なる。

「甚だ分の悪い勝負でも、どう転ぶかは最後まで読めない」

そう考える根拠は『知識』ではなく、自分自身の『経験』だ。

526美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/13(火) 14:18:28
>>522(門倉)

『プラン9・チャンネル7』の積極的な使用は、
これまで避け続けてきた。
迂闊に使う事の出来ない能力であり、
本体である美作自身が自制していたからだ。
ただ、無意識の内に心の片隅で、
『存分に力を発揮できる場』を求めていたのかもしれない。
一度『アリーナ』に出場した動機にも、
それと近いものがあった。
『門倉派』に手を貸す気になったのは、
『エンターテイナー』としての共感だけではない。
『スタンド使い』としても、新たな段階に進む事を望んだ。
『美作くるみ』にとって、
『門倉派』は『自らを向上させる場』でもある。

「――――――………………」

一通り語り終えて落ち着いた時、
『黒猫堂の一夜』を思い出す。
かなり酔っていたので覚えていない部分も多いが、
『恋愛の話』をした事は記憶の中にある。
眠目から『いい人が職場にいないのか』と尋ねられ、
『仕事に影響するのが不安だ』と答えた。

(ま、『いい仕事仲間』ではあるわよね)

隣に座る『門倉良次』を一瞥し、心の中で呟いた。

>>523(GM)
>>(門倉)

「二人ともォ――――ッ!!ここが『正念場』よォ――――ッ!!」

口元に添えた両手で『メガホン』の形を作り、
あらん限りの声量で言葉を送る。
展開を見ている限り、もうじき『終幕』が近いだろう。
せっかく『客席』に座っているのだから、
完全に終わってしまう前に、
『ギャラリーらしい事』をしておきたい。

「煮え滾った『興奮の坩堝』の『真っ只中』の『ド真ん中』!」

「高らかに『凱歌』を上げるのは『巧妙なる策士』か『獰猛な肉食獣』か!」

「『熱いハート』と『クールな頭脳』が『勝敗』という名の絶対的な『境界線』を引く!」

『仕事の邪魔』をして睨まれたくはないので、
これくらいで自重しておこう。

「『身体の芯』の『奥の奥』まで伝わるくらい、
 最高に『シビれる決着』を見せてちょうだいねェ――――ッ!!」

           フゥ…………

思い切り叫んだ後、短く深呼吸して門倉に向き直った。

  「――――『お熱いの』が必要な時は、
         『こんな感じ』でいかがです?」

527ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/14(水) 20:52:27
>>523-524
守りを捨ててでも、攻められる時に攻め続ければ
結果的に相手の攻撃を防げる場合もある
攻撃は最大の防御だ

肉を切らせて骨を断つ
扇原の守りをかなぐり捨てた攻撃は相手に隙を作らせた
勝気は扇原にあるように見えるが


結城のスタンドの右腕の荊を見る

「一手じゃ無理だろ」

徐々に溶けていく薔薇のアイスを食べる

528門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/09/14(水) 23:34:34
>>523-524(GM)

『スタンド能力』の応用………自身の『圧力』の能力をバトルに見事に転嫁している『扇原』。
もちろん、『結城』も強力なスタンド使いである事には間違いないのだが、
『扇原』が一歩上を行っている印象を受けた。

せっかくの『美作』との二人きりの会話―――
多種の意味で非常に『魅力的』な彼女との会話を、
少しでも継続していきたいのはもちろんのこと。
しかし、眼前にて繰り広げられる『激闘』に『門倉』は、瞬間的につい心を奪われてしまう。
いや、本来、この場においてそれは正しい姿勢ではあるのだが………

>>526(美作)

 と―――

そんな最中、突如、隣から『美作』の力強い声が響く。
普段の会話や流暢に語るラジオでは、なかなか聞けない『美作』のパワフルな『実況』。
この闘いの佳境の中でも、思わず『門倉』は『美作』の方を向いてしまう。
きっと『観客』の中でも、そういった者は多く居たはずだ。

『この声』―――
『この存在』―――
『美作くるみ』を『門倉派』の中で輝かせる事が、
『門倉』の新たな目標の一つとなっていた。


「『お熱いのがお好き』―――?

  と問われたのなら、

    そうだね。

             『とても』―――

                          と 応えようか」


『アリーナ』と『美作』。
この場所には『門倉』が欲しいものが揃っている。
今日、ここに来て本当に良かった。
あとは真っすぐ、『最初のショー』に向けて突き進むだけだろう。

529『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/16(金) 20:45:04
>>525(宗像)

「なーんだ、武器としての興味ですか!
 『らしい』っちゃらしいですけどね。
 それとも、賭けの中身に関係あったりとか?
 ま、そこは結果が出るまでネタバレナシですけど!」

    「鈴蘭の毒は確か結構強いですよ。
     その割にキレーな花なんで、
     子供が間違って食べたりとか、
     食べさせたり……なんて事故も聞きますね!」

それも調べればわかる情報ではある。
だが、点がつながれば線になるもの。
宗像だけが持つ情報と、いずれ繋ぐことも出来るかもしれない。

「一つの動作にいくつも意味を持たせる。
 結城もそれをやってはいましたけど、
 扇原は『意味を隠していた』わけですね。
 初試合とは思えないぐらい、まさにアッパレ」

        「あの破壊力は伊達じゃない。
         まあ、とはいえ、
         手負いの獣は……でしたよね!」

>>526 >>528(門倉派)

美作の張り上げた大声に振り向かれはしても、訝しみやざわめきなどはない。
むしろその声を呼水にして歓声が渦を巻く。波ではなく渦だ。中心に二人がいる故に。

――――それでも、今はまだ美作の『熱』は歓声に飲まれ、この場に響かない。

                  ・・・だが幾つかの視線には意味があった。
                     ここからの声が聞こえたかは分からない。
                      だが、天井。『実況席』に座る男の視線が、
                       確かに新たな『実況者』を、僅かに捉えたように思えた。
              
>>527(ソラ)

扇原の守りは攻めを兼ねていた。
熟練の戦士の定石ではなく、土壇場で見せた技の冴。
だが――――結城もまだ何かを残している。

「同感だ。結城は馬鹿じゃない」

冬川がつぶやく。
そして続ける。

「だが――――
 この場の『熱』がある。
 それは、観客だけが乗せられるものじゃあない」

530『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/16(金) 20:48:40
>全体

  ――――ギュ
        オ 
          オ
            オッ!!!

    「『アセティッ』」


荊の発現した腕が、『アセティック』のヴィジョン自体を打つ。
そしてもう片腕を用いて『シルバーダスト』の一撃への防御を――――――――

                     __.  イ / ___  ___
                γ´   / / / //
                  /   / / / //
                ./  / / / //
               /  /  < / γ⌒
              ./  / 。o≦
             /      /
               /  / ー- ´
            /  /
           γ⌒´
              rー--
             /  /
               / /
          __,、  / /
       /  廴丿  ̄ ̄ ̄>
        /    -≠ミ   ζ
     /  /   /  /_..、 rー ラ
     ¨´    ./  // γ´ /γ´
          ./  / / / ノ /  ヘ
         ´ ̄   γ´   //
                  イ/


                  「―――――――――ッッッ ぐ ・・・!!!」



辛うじてガードに挟もうとした荊巻きの右腕は『シルバーダスト』の拳に破壊され、
そのままヴィジョンの腹部に半ば減り込む――――――――――――――!!!

               ガ

             く

              ッ

『結城』本体が膝から崩れ落ち、しかし倒れはしない。
その胴にはヴィジョンの破壊がフィードバックされ、
口から血を吐きだしながらも、扇原を見上げ続ける。
『アセティック』のヴィジョンからは荊が伸びだし、
それが『シルバーダスト』の突き入れた左腕にまとわりつく。


                   ≪虚飾の無い一撃。
                    只一打を見舞う、
                    ――――真の『禁欲』だ≫


       「…………」


まとわりついた荊が花をつける。

            ギ ィィーーーーーーーー ッ ・・・

食いしばり噛み締めた歯の隙間から溢れる血がマット敷の床へ落ちる。
結城の視線はそれにつられない。膝が崩れ、前のめりに体が倒れても、首だけは上を向く。


             ・・・

                 ・・・

                     ・・・

ほんの僅かな静寂なのだろう。

だが、『扇原』にだけ―――――『勝利』を、誰かに告げられずとも噛み締められる時間を得た。


                   カン    カン

                      カァァァ―――――――――――――――  ン!!!

 
                ≪―――――――――決着ゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜;ッッッ!!!!!≫

    ワ アアアアアアアアア ――――――――――――――――――――――  !!!

                              ――――――――花が枯れ、熱が会場を覆う。

531宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/17(土) 12:10:50
>>529

勘の働く男だ。
吾妻の洞察力は時として厄介であり、
同時に頼もしい場合もある。
今この段階においては、どちらとも言えない。

「人間の身近に存在する毒物か」

単純に新たな情報が欲しかった事もあるが、
考え得る可能性を視野に入れると、
異なる観点からの意見が必要だった。

「『参考』になった」

俺自身の見解だけでは、
気付けなかった点に気付けたという意味で、
吾妻の言葉は決して無意味にはならないだろう。

「『苦境』に立たされた状況は、そいつの『度量』が試される」

『扇原』が致命的なミスを犯さない限り、
逆転の見込みは極めて薄い。
しかし、諦めてしまえば、僅かな確率さえも消え失せる。
最後の瞬間まで思考を止めず、戦い続けられるかどうか。

「どのような結末に至るにせよ、俺は見届けさせてもらう」

それが俺にとって、
『結城迦楼羅』という『スタンド使い』を推し量る尺度となる。

>>530

『シルバーダスト』が『アセティック』を砕く。
場の流れを掴んでいたのは、明らかに『扇原』であり、
当然の帰結と言える。
おそらく『結城』も、それを半ば悟っていたはずだ。
だが、牙を剥き続けた。
選手である以上、当然の姿勢なのだろうが、
精神的な強さは優劣を付け難い。

「――あんたの『勝ち』だ」

闘争の『終結』を認めてから、改めて吾妻に向き直り、
自らの口で『賭けの結果』を告げる。

532美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/17(土) 14:25:13
>>528(門倉)
>>529(GM)

今は『ギャラリーの一人』でしかないし、
その枠の中から外れるつもりもなかった。
だから、この行動も『観客としての権利』を行使しただけ。
ただ、隣に座っている『パートナー』には、
『実力の一端』が伝わっただろう。
どんな注文にも応じられる『引き出しの多さ』が。
これだけは自信を持って言える。
どれほどの人間を連れて来たとしても、
『カナリア』の代わりは務まらない。
『喋り』という分野の『筆頭』は、この『美作くるみ』だ。

>>530(GM)
>>(門倉)

純粋な『力』と溢れ出る『血』。
どちらも『自分の世界』には縁遠いもので、
瞬間的に思わず息を呑んでいた。
その『凄まじさ』に圧倒され、しばし言葉を失ってしまう。

「『The show is over』――ですね」

やがて場内に響いた『試合終了』の宣言を耳にして、
我に返ったかのように、
先程とは対照的に呟くような声を紡ぎ出す。
他ならぬ自分自身の目で、
初めて目撃する『スタンド使い同士の戦い』と、その『決着』。
新鮮な『驚き』と『発見』に満ちた時間だった。

「まだ『帰る』には早いですけど、今の内に話しておきますよ」

そして、もちろん『もう一つ』。

「今日は誘ってくれてありがとうございました。
 お陰様で『貴重な経験』をする事が出来ましたから」

「それに『有意義な話し合い』にもなりましたし。
 お互いに『いい刺激』が得られたんじゃないでしょうか?」

    「率直に言って――――『文句なし』です!」

明るい表情で、門倉に笑い掛ける。
普段と変わらない『完璧なスマイル』。
違いがあるとすれば、この時に見せていたのが、
『素の笑顔』だったという事だ。

533ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/17(土) 18:47:09
>>529-530
本当に一手で倒した扇原
予想が外れたが、何か賭けてたわけじゃないので別に良い

しかしあの薔薇の花、何か能力があると思ったが何も無かったのか?
能力が発動する前に押し切られたのか
まぁそういう事もあるだろう

すっかり溶けて原型を留めていない、残り半分くらいのアイスを食べながら
そろそろ帰り支度をしようかと思う

534門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/09/19(月) 01:02:49
>>529(GM)
>>532(美作)

『美作』の美声に聴き惚れてからほどなくして、闘いの『決着』はついた。
『結城』と『扇原』の”本気”がぶつかりあい、そして訪れる、一方の『勝利』。
それは『興奮の最高潮』………『バトル』はこれがあるから興行として『強い』。
おそらくバトル以外のショーだとしても『クライマックス』と言える
『最高潮の瞬間』を用意するのがベストなのだろう。

今後、自らが主催する、『アイドル』達のめくるめく『ショータイム』。
それを盛り上げる『美作』の『実況』。
今回、その形を明確に思い描く事が出来たのは『門倉』にとって大きな収穫だ。

>>532(美作)

「付き合ってくれて本当にありがとう。
 『アリーナ』を共に、肌で感じる事ができた事で、
 より『目標』が、実感として明確になったように感じるね」

『美作』に対し、『門倉』は大きく頭をたれ、礼をする。

「何度も言っている気もするが―――
 『美作さん』………君が『門倉派』に入ってくれて本当に良かった。
 こちらこそ、『文句なし』―――『パーフェクト』な時間を過ごせた。

                   今はその事に、心から感謝するよ」

『門倉』もまた、『美作』に明るく笑いかける。

おそらく今度ここに来る時は、『観客』としてではなく、『主催側』としてとなるだろう。
今回は『興行』として楽しませてもらったが、今度はこちらが楽しませる番―――
今日以上の盛り上がりを見せつける―――
それは容易いことではないだろうが、『派閥の長』としては、
そのくらいの気概がなければ、やっていけないだろう。


 ………

「さて―――『美作さん』。試合の余韻はもう少し続くだろうが、
        それが終わったら、その後、よければ食事でも。

 まだまだ話したい事があるしね………

                 たっぷり語り合おうじゃあないか」

  そして、『門倉』は、『美作』を食事に誘う。

   いつもの飄々とした調子で、その『真意』はぼかされている。

535『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/20(火) 05:27:29
>>531(宗像)

    イマ
「まー現代だと洗剤とかのが身近だと思いますけど、
 花っていうのが事故になりやすいとこなんでしょーね」

そして――――試合は決着した。
吾妻は拍手をしながら宗像に向き直る。

「ええ、扇原選手に勝たせてもらいましたよ!」

            ニッ

「――――それで。賭けの内容を清算しましょうか?」

勿論口約束ではある。
吾妻はそれを反故にしたとて強い追及はしてこないだろう。

だが――――この男に『教える』事が、宗像の損失になるとも限らない。

>>532 >>534(門倉派)

観客らは思い思いの大声を張り上げているが、
いまとなってはそれは声の渦となっている。
試合中の選手らに届くものとなれば、
この局面ではもはや『熱』だけなのかもしれない。
だが、隣にいる『派閥の長』には実力を十全に示せた。

そして門倉も――――この戦いを見て多くの学びを得られた。
更に、既に得られていた『至宝』たる声を改めて理解も出来た。

             今はまだ、それだけ。

だが――――今日『第一歩』を刻んだのは、『扇原』だけではないのだろう。

>>533(ソラ)

「一応言うが、初試合の選手は『完勝』も『完敗』も多い。
 マッチメイクが困難だからだ。
 『善戦の末の勝利』を掴んだ扇原は、人気を得るだろうな」

冬川はそう独り言つ。
無論、ソラには関係の無い話ではあった。
熱気沸き立つ会場の中、アイスは口内から全身に冷感を伝えた。

「『アリーナ』はスタンド使いの居場所だ。またいつでも来るといい」

               「タダとはいかないが」

536『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/20(火) 05:37:44
>全体


      ≪灼熱の激戦ッッ!! 制したのはルーキー!

            『扇原』選手ゥーーーーッッ!!!≫

扇原は倒された結城を屈んで受け止め―――――

                        |l|_|l
                  \\ ,>'゙´ |
            \       ,>'゙´    |             |l|
                  \\>'゙´  ,>'゙´|  |              「「 ! |l
               〈    >'゙´    |  |                 | .|「 |l .//,
               ∨ ∧       |  |         ,>'゙´ ア| .|| |l / ,/
                     ∨ ∧      .|  |      ,>'゙´'´  >'゙  | .|| レ′/
                 \∨ ∧     |  |  >'゙´ ,>ァ>'゙´     W||,,/  /
                 \__/    |  |/]>'゙´  '´           /  /
                        |l| |                    /  /
                        |l| |                ////
                         |l|              //

        ≪『アセティック』の猛攻を捌き切り、
          見事大木をへし折る一撃を叩き込んで見せたッ!
          確かな戦局眼と実力を持つ男の『一歩目』を!
          いま、俺達は目撃したッッッ!!!!!≫

                       「扇原ぁああああああああああっ」
                    「『アセティック』を潰し切りやがったッ」

ゆっくりと地面に寝かされたその身を観客らが認めると、
扇原を、そして健闘を称える声の渦はより大きくなっていく。

                            「スミノフより強ェーんじゃないか?」
                          「そう? 戦術は彼の方が上でしょ」
                                 「後、最中派にもまともに強いのが――――」

                  <結城の攻防の判断も、
                   二戦目以上に磨かれていた。
                   荊を切る判断が遅れれば、
                   ペースは彼が握っただろう>
                                               「どいつも所詮はB級には……」
                                     「言ってなさいな。もう刃は喉元に迫ってるよ」
マイクを握る威武の顔は表情に乏しい。
剃髪した頭には汗一つかかず、あくまで冷淡に解説を続ける。

537宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/20(火) 16:43:28
>>535

一度口に出した言葉を翻すつもりはない。

「『残党』の一人に『下村右京』という男がいた。
 この町のスタンド使いを無差別に襲っていたそうだ」

やや順番を前後させ、『エクリプス残党の話』を始める。

「襲撃の目的は、『他勢力』に対する『アピール』らしい。
 俺は『青山流星』という少年と共に、そいつを殺しに行った」

『依頼人』と『白い本』の事を伏せているのは、
そこまで言う必要はないと考えたからだ。

「『下村のスタンド』は『鮫の背鰭を模した銛』だ。
 『物体の中に潜り込む能力』を持っていた」

振り返ってみれば、これも『奇妙な縁』だった。

「『仕事』は成功したが、
 『俺達の能力』は『下村の仲間』に伝わった。
 『中務真尋』という女だ」

一通りの説明を済ませ、僅かな間を置く。

「入院中、風の噂で『青山が死んだらしい』と聞いた。
 『中務に殺された』なら、次は『俺の番』だろうな」

入院中に襲ってこなかったのは妙だが、
警戒が緩むタイミングを計っていたとも解釈できる。

「――『残党』に関しては以上だ」

一旦そこで話を中断し、不意に舞台の上へ視線を戻す。

>>536

「『扇原映華』――見覚えがあるような気がしていた」

先程から『既視感』を覚えていたが、その理由が分かった。

「あの男を見ていると、『硯研一郎』を思い出す」

人間的には似ているという程でもないにせよ、
『種類』は近いように感じられた。
『応用性の高い能力』と、それを活かす『本体の工夫』。
その『戦い方』に重なる部分があったのかもしれない。

「万一『敵に回した時』は、
 『ここで見た戦い』を参考にさせてもらおう」

知己の間柄であったとしても、立場が違えば対立する。
敵対してしまえば、
相手を潰す事に全力を傾けなければならなくなる。
そうした状況は、決して『起こり得ない事』ではない。

538美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/20(火) 18:04:34
>>534(門倉)

今日ここに来た事は、間違いなく『正解』だった。
『門倉派』としてもそうだし、『美作くるみ』としてもそうだ。
実際に『現場』を目の当たりにし、
そこに満ちる『熱気』を自分自身で体感する。
『旗揚げ前の足がかり』として、これ以上のものはない。
目指す『目標』に向かって、心置きなく邁進できるだろう。

「実を言うと、私も喋り足りない事が残ってるんです。
 あんまり遅くならない程度なら、
 喜んでお付き合いさせてもらいますよ」

眠目に語ったように、まだ『本当の恋愛』はした事がない。
しかし、『ちょっとしたやり取り』は好きだった。
遊びみたいなもので、別に本気じゃあない。
もちろん門倉の事は信用している。
ただ、そういう話とは違うのだ。

「仕事上、私も色んな場所に出掛けてますから。
 どんなお店に連れて行ってくれるのか――――」

           クスッ

    「『期待』してますからね?」

悪戯っぽさを含んだ笑みを浮かべ、
どこか試すような視線を門倉に向けた。

>>535-536(GM)
>>(門倉)

「『門倉不動産』にも、また近い内に顔を出しますよ。
 事務所の中とか、もう少し見ておきたいですし」

『スタンド使いの戦い』を目にした事で、
改めて得られた『気付き』もあった。

「『念のための備え』をしておこうかと。
 どこに何があるか正確に知っておきたいんです」

そこで、ふと『アラン』の話を思い出す。

「さっきの『アランさん』の件なんですけど、
 『私の存在』は伝えてませんよね?」

「私は『まだ言わない方がいい』と思います。
 深い理由はないんですけど、一応『念のため』に」

「ちょっと怪しすぎるくらいの怪しさですし……。
 これくらいの『警戒』はしても、
 『失礼』には当たらないんじゃないでしょうか?」

頭から疑っている訳ではなかった。
しかし、『不審さ』が度を越しているのも事実。
『未知のスタンド使い』は一人いた方が、
何かあった場合は格段に対処しやすくなるだろう。

539『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/21(水) 02:02:19
>>536(続き)
                                  「威武のお気に入り……
                                   コケ脅しの称号じゃないらしい」

               <――――多くの言葉で、       「威武派の再起の一歩目、
                飾る必要も最早ない。          どこから見つけてきたんだ……?」
                誰の目にも明らかに、
                決定的な勝利を獲った>

だが、無関心とは違う。
彼なりの賛辞は顔にも表れていた。

              <だがこれだけは言おう。
               ―――――おめでとう。
               闘技場は今、君の世界だ>

観客席にいる面々には試合結果を見ての話し声も聴こえなくはないが、
空気を揺らすように唸る歓声は事実として会場を熱するほどだ。


             /  /                 /  /
       lー ''''" ̄ ̄"    ̄ ̄`'、       lー ''''" ̄ ̄"    ̄ ̄`'、
      ∠,,、 -z    ,r――― ''"      ∠,,、 -z    ,r――― ''"
      、 '"´,、ィ   /              、 '"´,、ィ   /
     、 '" ,、 '":ツ   /      |^l     、 '" ,、 '":ツ   /      |^l
  、-' ,、 '´   /  /     /'''',,,," 彡  、-' ,、 '´  /  /     /'''',,,," 彡
  | ,、 '´    /  /     `゙^ _,| │  | ,、 '´    /  /     `゙^ _,| │                      |^l
  '´     / /l/     .,/,_ |   '´    / /l/     .,/,_ |      ;‐i          /'''',,,," 彡
       //        .l_,'" | .|     lニ ニ//       l_,'" | .|    lニ ニl    ;‐i    `゙^ _,| │
                       {_,l゙    .〈/!_|     lニ ニl      {_,l゙     .〈/!_|   lニ ニl   .,/,_ |
                                〈/!_|                〈/!_|   .l_,'" | .|
         
                                                    {_,l゙ .


             ≪扇原選手、良ければ勝者の声を聴かせてほしいッ!
              いま、そちらに『マイクを向かわせた』ッッ!!≫

                          ピョーン

扇原の手元に、『機械のバッタ』のようなものが跳んでくる。
あれがマイクらしい。アリーナ側の『スタンド』なのだろう。

彼から何かコメントがあるのか、それとも無言のままで去っていくのかは分からない。

540ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/21(水) 18:25:38
>>535-536>>539
パチ パチ パチ
つまらなさそうに3回ほど拍手を送る

こんな所で人気者になって嬉しいのか?
そんな思いが頭の中を過る

ファイトマネーはそこそこ出るようなので、
金目当てで上を目指すというのは分かる
しかしそれ以外、ここで上を目指す意味はあるのだろうか
こんな閉じられた世界で得る名声に価値なんてあるのか?
金や名声以外で上を目指すのは、後は戦うのが大好きなイカれた奴らくらいじゃないか?

扇原っていうのは、どれに当てはまるのか

「こんな所を居場所にしたくはないぜ」

そんな事を考え、アイスを食べながら勝利者インタビューを見る

541『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/22(木) 08:27:43
>>537(宗像)

「律儀で助かりますね!
 『下村』も『中務』も知らない名前ですけど、
 まー、向こうも『派閥』はあるみたいですし」

       「『極道組織』『武器商人』
        『人身売買』『怪物信仰』」

「オレが知ってるだけでも、
 ルーツの違う色んな『悪いヤツ』が集ってた。
 残党が暗躍してるなら――――
 暗殺があっても、何もおかしくはないですね」

    「未然に防げなくて残念です」

彼の目には何ら冗談の色はない。
青山については大きな反応は無いが、
こと『エクリプス』の話においては、
『死人』すらも決して珍しくは無いのだろう。

「ま、そんな大っぴらには動けないでしょうけどね」

とはいえあくまで今いるのは『残党』だ。
少なくとも星見町を堂々とは歩けない。

「残党がいるとしたらいの一番に逃げ出してたヤツか、
 そもそもが潜伏して暗躍してたようなヤツか、
 ……何かの理由でアリーナから見逃されてたヤツか」

       「ともかく、貴重な情報ありがとうございました!」

吾妻は笑みを浮かべて、舞台にいる『扇原』への拍手を再開した。

>>538(美作)

試合は終わった。『門倉派』もまた一歩を踏み出した。

ここにはいない『仲間』も含めて……
ここで見た光景が、より先への足掛かりになるだろう。

>>540(ソラ)

        パチパチパチパチパチパチ

あちこちから聴こえる拍手。
彼らの全員がこの場所の意味を信仰しているのか、
少なからず『ソラ』同様冷静な者もいるのだろうか?

            パチパチパチパチパチパチ

渦巻く破裂音は心を読み取らせるものではない。
独り言つ言葉に食ってかかる者もおらず、
会場はただ、『勝利者』の言葉を待っている。

「それならそれでもいい。
 だが、『ここもある』」

        「一応、覚えておくといいだろう」

冬川も反論はしない。

僅かに残ったアイスは既にほとんど溶けていたが、
それでも固さの芯を僅かに残し、食感と共に冷やし続けた。

542『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/22(木) 08:32:43
>全体

一人は星を見て、一人は泥を見る―――――――――
闘技場の熱は二人の闘士が生み出し、そして勝者へと収束する。

                 ジジッ

『マイク』は『扇原』の手元に来ると、それ以上は動かない。

             ―――――――――――そして。

「皆さん、応援ありがとうございました。
 今、僕が……『扇原映華』が言いたいことは、次に言うことだけです」

『扇原』は――――左耳にバチバチに開けているピアスを
右手で一撫ぜすると、闘技場内に向けて堂々と言い放つ。

「僕はここに『星』を見に来たつもりでいました。
 しかし今日、『掴める』ものだと感じ――『一番上』を取りたくなりました」

          「いつになるか、まではわかりません」
                                 「それでも必ず」
             アリーナ・スター
「この『扇原映華』は『闘技場の星』になります」

「――以上です」


  ワアアアアア  アアアア
    
      「扇原選手〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
                        「扇原ァァアアーーーーッ」

          「また来いよッ!!!」 
                       

     ァァァアアアア   ァァァァ  

実況解説者は、扇原に――――歓声に水を差す事はない。

    「『C級』から早く上がって来なさァい!!!」

                ァァァァァアアアアアアアアアアアアア

暖かいだけではない、虎視眈々と戦いを望む闘気の声も渦巻く。

             「結城ィィィーーーーーッ次は勝てよッッ!!」

                        「威武ッ! 扇原逃がすなよッ!!」

                アアアアアアアアア ―――――――――――


その中を、勝者は外に向けて歩いていく。

試合観戦はもうじきに終わりだ。
帰り支度や、何か話しておく事があるなら今のうちかもしれない。

543宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/22(木) 16:32:59
>>541-542

「厳密には、その連中は『エクリプス』が滅びる以前の段階で、
 組織から『独立』を図っていたらしい」

「自らの『旗色の悪さ』を悟ったというところか」

『扇原』の『宣言』を聞きながら、そのように付け加える。
互いに『闘志』を燃やした両者の戦いを見届け、
その中で一瞬の『羨望』を覚えたのも事実だ。
しかし、やはり『この場』は、
俺が立つべき場所ではないのだろう。

「『廃ビル』で『四人の死体』が見つかった話を知っているか?」

ここから立ち去る前に、
もう一つの『清算』を終えなければならない。

「俺が『目撃者』から聞いた内容によると、
 『スタンド』が関与している疑いが強い。
 それが『鈴蘭のスタンド』だったという話だ」

『本体』に関しては伏せておく。
『熊野の証言』が真実である保証もない。
現段階で『犯人』だと断定できない以上、
悪戯に情報を広める事は『当人』の今後に関わる。

「自分も同じ場に居合わせ、襲われて辛うじて逃げ延びた。
 その結果、自分は助かったが、他の者は殺されたと――」

『熊野風鈴』についても、
明かすのは『必要な部分』のみに留める。

「だが、『目撃者のスタンド』は、何かを隠している」

『フォー・エヴァ・ロイヤル』の不可解な態度が脳裏に浮かぶ。

「そいつは『自立した意思』を持つ。
 『ノコギリザメ』のような『低知能』ではなく、
 人間と同等の『知恵』を備えていると見ていい。
 『本体の証言が真実かどうか』を質問した時、
 『そのスタンド』は明らかな『動揺』を示した」

『ノコギリザメ』は『一つの事』しか考えていない。
同じ『自立意思』という範疇に属する機能だが、
その『思考能力』には比べようもない程の開きがある。
だからこそ、『あの反応』が気に掛かった。

「『鈴蘭のスタンド』が『危険な存在』であるなら、
 『相応の対処』をすべきだろう。
 そして、現状では『目撃者の証言』も信憑性に欠けている」

「――『真実』を確かめるために、
 俺は『鈴蘭のスタンド使い』を探している」

言葉の最後に、改めて会場内を見渡す。
『鈴蘭の少女』がいない事は確認したが、これだけの規模だ。
この中の数人と街中で出くわす機会がないとは言えない。
それぞれの素性は知らないが、
おそらく『スタンド使い』ではあるだろう。
全員は不可能にしても、ある程度の顔を覚えておけば、
どこかで役に立つ可能性は有り得る。

544美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/22(木) 17:30:37
>>541-542(GM)
>>(門倉)

扇原の『マイクパフォーマンス』。
それを見て、『過去の経歴』を思い返す。
『アイドル』として『ステージ』に立っていた日々の記憶を。

「いいですねえ。『ああいうの』って」

かつての『美作くるみ』は紛れもなく『スター』だった。
ただ、ずっと光り輝き続ける事は出来なかった。
『MIMI』は『流れ星』だったのだ。

「私達も頑張らないといけませんねえ。
 『他の追随』を許さない『無二の地位』を築くために」

今、自分は『星になる』のではなく、
『星を作り出す側』に回っている。
もしくは、『アリーナ』という大きな世界で、
『新たな星』を目指す側かもしれない。
または、その『両方』だろう。

   「『門倉良次』と『美作くるみ』なら、
    『それが出来る』と思ってますから」

            ニコッ

明るく、それでいて自信に満ちた笑みを浮かべ、
門倉を見つめる。

「ああ、そうそう――
 今度『星見駅前フリーマーケット』が開催されるんですけど、
 そこで『公開収録』をやる予定があるんです」

「『人が多い場所』って、『スタンド使い』も増えるでしょう?
 地元のパフォーマーも出演するみたいですし、
 『良さそうな人材』がいないかどうか、
 ついでに気を付けておきますよ。
 『本来の仕事』に支障が出ない範囲で」

この町に『スタンド使い』は数多い。
そして、『裏の世界』で名を馳せている者も、
決して少なくないはず。
しかし、『表の世界』で『知名度』を持つ『スタンド使い』となると、
その人数は一気に激減する。
もちろん、知られているからこその『リスク』を伴う。
一方で、『情報』と同じように、
使い方によっては非常に強力な『武器』だ。

「そのためにも――まずは『作戦会議』ですね」

『試合』が終わったら『食事』に付き合う事になる。
今日は『愛車』で来てはいないが、
『アルコール類』は控えておこう。
別に『警戒しているから』ではなく、
これが『話し合いの延長』だからだ。

545門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/09/22(木) 22:23:22
>>538
>>544(美作)

「よし―――それじゃあ………」

『門倉』は頭の中で星見町内の『それなりの店リスト』を検索する。
『派閥の長』とその右腕が『会合』するのだから、
これはもうリッパな『派閥運営費』の一環だろう。
自分で自分を納得させ、脳内で『それなり』の予算を確保する『門倉』だった。

 ………

「アラン………そうだね。大人しくしてはいるようだが、
 確かに素性も分からぬ存在。
 一定の『警戒』はしておいた方がいいだろう」

『門倉』が頷く。『門倉』自身の性質としては
そういう『胡乱な存在』を許容する傾向がある。
ただ、『門倉不動産』はすでに『門倉』だけが用いる場所ではない。
『門倉派』も同様だ。『美作』の『警戒』は最大限に尊重すべきだろう。

                    ………

>>542(GM)
 『勝利』した『扇原映華』の言葉―――
『闘技場の星(アリーナー・スター)』になる、というフレーズが胸に来る。
『アリーナ・スター』………『美作』の言うとおり『門倉派』もそれを目指していくべきだろう。

 「そうだね、『門倉良次』と『美作くるみ』なら―――」

『夜空』に浮かぶのは『一番星』だけではない。
『無数の星』の中で自分たちにふさわしい『無二の星』を目指していく。

 『門倉派』という『宇宙船』はきっと、その星に、

                         「辿り着けるよ」

                       ………

「『フリーマーケット』………そういうところなら多種多様の人材が集まりそうだね。
 そこはもう『美作さん』の嗅覚にお任せするよ」

『門倉』自身も勧誘はしたいところだが、『本業』や『副業』含む、
込み入った案件があり、なかなか町に繰り出して勧誘している状況ではないのが実情だ。
また、『門倉』が『美作』のようなスマートな勧誘が出来るかどうかという問題もある。

       ………

  「さて―――」

『闘技場』の熱気は十分に感じる事が出来た。
この熱を自分の中で熟成させ、すべて『門倉派』に注ぎ込みたい気分だ。
『美作くるみ』―――志を共にする彼女と『門倉派のショー』を作り込んでいく。

 そのために次に考えなくてはならないのは―――

      『一体どの店ならば、二人の語り合いを最高のものに出来るか?』


                            という事か………

546ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/23(金) 18:38:50
>>541
「一応な」

こういう時に聞きたいのは勝者の言葉だけだ
敗者の言葉を聞きたいという奴はあんまいない
そういえば、勝利者インタビューはよく見るが
敗北者インタビューというのはあんまり見た事が無い
まぁ、敗者もそんなインタビューは答えたくはないだろう
たまに無神経にインタビューを強要する奴もいるが…

>>542
あいつは何でこんな所の天辺を取りたいのか
理由は分からないが、単に金目当てかもしれない
アリーナの頂点に立てば賞金も莫大な物になるだろうし、それなりの権力も手に入るだろう
それに何かを極めたいと思う事に別に深い理由なんか無いのかもしれないし
こっちも別に深く考える必要は無い

「閉会式は?」

アリーナに開会式とか閉会式とかお上品で畏まったもんがあるとは思わないが

すっかりと溶けてしまったアイスを一気にかき込む
冷たいとは溶けているからキーンとはこないだろう

547『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/25(日) 00:23:24
>>543(宗像)

              「扇原!!」

                  「扇原さぁあああああああん!!」

観客席にはそれなりの数の人間がいるので、
顔を覚えるのであれば近くにいる者や目立つ者がせいぜいだろう。
その中で強いて言えば――――鈴蘭の少女を探していた事もあってか、
10にも満たないであろう『子供』(>>546)が一人でいるのが気にかかった。

「ありそうな話ですね。『エクリプス』は一枚岩じゃない。
 それでも辛うじてまとまってたのは―――――
 利害の一致なのか、なんなのか、オレには分かりませんね」

          ――――そして。

「…………」
「ええ、知ってますよ。オレの個人的な情報網でね。
 『スタンド絡み』なのもなんとなーく察してはいましたけど、
 その情報は初耳ですね。鈴蘭のスタンドも聞いたことはナシ!」

軽薄な声色を張る吾妻は、恐らく情報を持ってはいない。
一瞬の言い淀みは隠すための物では無いように思えた。

「無差別殺人を繰り返すスタンド使いなら話は別ですけど、
 確証ってやつが無いその件だけじゃ、アリーナは多分どの派閥も動かない」

      「――――いや、知れば動くとこもあるかもしれませんけど!」

少なくとも今の段階でアリーナの協力を得るのは難しそう、だが。


「ただ、『オレ個人』としてはその件、興味アリですんで。
 連絡先を教えときます。スタンド使いひとりの人手が必要なら呼んでください」

              スッ

名刺――――電話番号と名前だけが書かれたそれを差し出された。その真意は読めない。


>>544-545(門倉派)

勝者の大言壮語は見る者達にも火を点ける。
選手としてでは無くとも――――
一流にして唯一無二の人材達を抱え、謎めいた刃を秘める男を御しながら、
二人の描く未来予想図は、さらなる『飛躍』のためにある。

           ……あくまで『作戦会議』だ。
              ……無論そこに楽しみも見いだせはする。

                       「扇原ぁああああっ」

   ワァァアアアアアアアア ―――――――――――――― !!!

             「また来やがれよォ〜〜〜〜〜〜〜!!」

この熱をやがては自分達のショーで、
集めた『人材』達に向けられるだろうか?

そこのところは新たな『派閥の長』と、『実況者』の手腕にかかっている。可能性は無限だ。


>>546(ソラ)

アリーナの試合でどの程度儲かるのかはよくわからないが、安くはないはずだ。
また以前の『仕事』のことも考えれば、アリーナは単なる『競技団体』ではない。
一流のプロアスリートが競技の運営者に対して一定の影響力を持つように、
勝利を重ね名声を得ればそれは虚栄ではなく『実』に結びつくかもしれない。
様々な理由は思いついても答えに至れるのは『扇原』本人だけだろう――――

「大きなイベントならする事もある。
 今日のような単発の試合ではそういう物は無いな」

溶けたアイスからは甘味と僅かな冷たさを感じた。

                            「結城ぃィィィイ」
                                         「扇原ァ〜ッ!」
                      「扇原!」
  
歓声の熱はそれを中和する物でもない。
ほかならぬソラの中にある冷えた芯は、外からの熱で容易く溶ける物でもないだろう。

「事実、『観戦』でなく『視察』に来ていた人間は帰り始めている」

冬川の言葉通り、出入り口に向かって行く人間の姿も見える。帰るなら帰っても問題なさそうだ。

548宗像征爾『アヴィーチー』:2022/09/25(日) 14:53:48
>>547

一定の秩序が保たれているとはいえ、
真っ当な世界とは言い難い。
誰が紛れていようと不思議はないのだろうが、
それでも目立つ存在である事には変わりがなかった。
本来なら、幼い子供が一人で訪れるべき場所ではない。
だが、子供であっても油断ならないのが『スタンド使い』だ。
自分の身を守れるだけの力を持っているとすれば、
自らの責任において自由を行使する事は、
間違いではないと言える。

「個人としては『承服しかねる』が――」

独り言のように呟き、子供から視線を外す。
同時に、吾妻の言葉が耳に響く。
『アリーナ』と同じ理由ではないのか。
そのように考えたが、意識の中だけに留めた。
口に出したところで何の意味もない。

「今の段階で『アリーナ』に動かれるのは、俺としても困る」

「あんた達が動けば、事は確実に大きくなるだろう。
 始まってしまった後に『間違いだった』では済まされない。
 どうするにせよ、まずは『事実』を確認する必要がある」

「――その『仕事』は俺がやろう」

そして、差し出された名刺を見下ろす。

「あんたからは以前もらっていた筈だが、
 『携帯電話』を爆破した時になくしてしまった」

「丁度いい機会だ」

受け取った名刺を胸ポケットに収め、席を立つ。

「生憎、俺は電話を持ち歩いていない。
 もし掛かってくるとすれば『公衆電話』になるだろう」

「それだけを覚えておいてくれ」

この場でやるべき事は全て終えた。
溢れんばかりの熱気で覆われた会場に背を向けて、
出口に向かって歩き出す。
『地獄』に戻る時だ。

「『ドクターペッパー』だったか――」

片手に握ったボトルを、おもむろに持ち上げる。

「――『悪くない味』だった」

549美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2022/09/25(日) 15:43:50
>>545(門倉)
>>547(GM)

「もう大興奮!!とっても凄かったわよォ〜〜〜〜!!」

    パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ

『二人の選手』に向けて、惜しみない『歓声』と『拍手』を送る。
彼らが織り成す『試合』は、実に見事なものだった。
自分には、到底マネの出来ない立ち回りだ。

「――――次は『私達』の番ね」

それと同じく、『美作くるみ』の存在も、
彼らには決してコピー出来ないだろう。
『パーソナリティー』という名の『インフルエンサー』としての地位は、
名前だけの『ハリボテ』ではない。
『喋り』・『話術』・『トーク』の技術に関しては、
誰にも負けないと自負している。
もちろん彼らだけではない。
この町の誰にも負けるつもりはない。

「さて……『ヒーローインタビュー』も終わりましたし、
 ボチボチ出ましょうか?」

志を同じくする『パートナー』に声を掛ける。
試合も終わりを迎え、本格的に幕が閉まる頃合だろう。
この『熱』が冷めない内に、
『話し合い』を続けたい気持ちだった。

「『今日の行き先』はお任せします。
 あぁ――でも『最終目的地』は決まってますよね」

改めて、『会場全体』を見渡す。
ここまでの規模に仕上げるには、
相当な尽力が必要になるだろう。
しかし、不安は感じない。
何故なら、『それが出来る』と確信しているからだ。
『アリーナ』にとって『門倉派』は、
じきに『無視できない存在』になる。

「――――『楽しみ』にしてますよ」

             フフッ

とりあえず、今は『次の場所』へ進む事が『今夜の目的』だ。

550ソラ『ステインド・スカイ』:2022/09/25(日) 19:27:39
>>547
「そうか」

結局、今日はホットドッグとビールとアイスを食いに来ただけだった
そこそこ美味かったが特別美味いというわけでもない

「今度はもっと美味いもん用意しといてくれ」

冬川に言ってもしょうがない事だが
そもそも今度なんてあるのか?

まだ熱の冷めやらない会場の出口へ向かって歩いて行く
ゴミを捨てたいんだがゴミ箱はあるのか?

…家、鍵かけたっけ

551門倉『ソウル・ダンジョン』:2022/09/25(日) 21:11:51
>>547(GM)
>>549(美作)

    パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ

『美作』の拍手にあわせるかのように、『門倉』も大きな拍手で選手たちを称える。
『闘い』について、『門倉』は極力避けたいと思っているし、
必要ならば『委託』するのがベストだと考えている。
しかし、それはそれとして、単純な『強さ』への憧憬というものがある。
今回、それを存分に堪能させてもらった。

 ………

 「それじゃあ、そろそろ、出るとしようか」

『駅前』の高級ホテルの高層レストランがスマホで予約出来た。
そこそこ『高級』ではあるがドレスコードみたいなものもない。
『美作』を連れていくのは、ここがベストだろう。

「『最終目的地』は、もちろん決まっている。
 ただ、そこ行くまでに、様々な道程を経なくてはならない。
  これから行くのは、その一歩」

『門倉』は『美作』をそっとエスコートする。
まだまだ『語るべき』事は、多分に残っている。

             フフッ

           「――――ああ、実に『楽しみ』だ」

とりあえず、今は『次の場所』へ進む事が『今夜の目的』だ。

552『赦されざる不抜の蝕み』:2022/09/27(火) 12:27:29
>>548(宗像)

「誰が困っても――――動くときは動きますけど!
 ま、今がその『とき』じゃないのは共通認識ですよね」

      「前の名刺はアリーナのです。
       今度のはオレ個人のもの。
       オレも今回は個人的に調べてる」

デザインに大きな違いこそ無いものの、
もし覚えていればだが――――電話番号が前回と違った。
個人としての名刺を作っている理由は分からないが、
彼には彼なりに、アリーナ職員以外の顔もあるのだろう。

「死んだヤツはオレの知り合いですんでね!
 復讐ってのをする気はないですけど、
 黙って知らんふりしてる気はしないんですよ」

          ニッ

「『爆弾』を買い換えたら教えてくださいよ。
 こっちから連絡する方法も欲しいんで!」

       「それじゃー、またどこかで。
         試合が見たくなったってときも、
          連絡してもらって構いませんよ!」

      ピッ

片手をあげて、立ち去る宗像を見送る吾妻――――
闘技場の熱が業火をひととき退けても、帰る先はいつでも――――無間の地獄。

>>549 >>551(門倉派)

               パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ
    パチパチパチパチパチ
      パチパチパチパチパチパチパチ―――――――――――!!!!!


美作と門倉の拍手と声に触発されるように拍手と歓声は過熱する。
二人が立ち去った後も、闘技場にはそれが残り続けるだろう――――

>>550(ソラ)

「善処しよう。お客様の意見は重要だ」

            スッ

冬川が頷き、ゆっくりと一歩離れる。

    「気が向けばまた来るといい」

ソラにその気があってもなくとも、
アリーナは『今度』の機会を用意しているだろう。

ゴミ箱は出入り口の近くに発見できた。
心配事は日常の中。ここを出れば再び、熱の外の星見町だ。

553『白亜のH』:2022/10/14(金) 02:46:00
>>(レイ)

少し前、納涼祭で『ヒーローショー』を演じた際、
悪役を務めた『ハーピー』から受け取った一枚の『カード』。
そこには、ある『喫茶店』の情報が綴られていた。
それを頼りに、『レイブン・ゼロ』こと『烏丸レイ』は、
『Priceless』を訪れたのだ。

「――――レイさん、お久し振りで御座います」

店の中で声を掛けてきたのは、
イベントでレイと激闘を演じた『ハーピー』だった。
偶然の再会を果たした二人は、他愛もない世間話に興じる。
その途中、ハーピーが思い出したように手を打った。

「『立ち回り』に御興味がおありでいらっしゃいましたね。
 それでしたら、近々このような『催し』が御座いまして、
 『観戦』してみてはいかがで御座いましょうか?」

彼女がレイに話したのは、『アリーナ』で行われる『試合』だ。
『ステュアート派』という派閥が主催しているらしい。
別れ際、『意味ありげな笑み』を浮かべながら、
ハーピーは言った。

「おいで下さるなら――――
 『演技ではないマジの戦い』を御披露いたしますよ」

   ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

後日、レイは廃映画館『シネマ・ロマネスク』を訪れた。
ハーピーに教えられた『試合会場』が、ここだったからだ。
『最低限の品位』という『ドレスコード』を問題なく通過し、
空いていた客席に座る。
会場内は、上映中の映画館のように薄暗い。
そして、レイの手の中には『柄付きオペラグラス』があった。
会場に入った時に渡された物だ。
『暗視』の機能が備わっていると説明され、
それを通してみれば昼間のように明るく見える。

《『メインディッシュ』を味わう前に、軽い『オードブル』を。
 『ステュアート派』の『実況』を務める『雛形弥生』です。
 残念ながら覚えていただけなかった方には、
 頭の中身が『スポンジ』であるという『証明書』を、
 私の手であなたの頬に発行いたしましょう》

『大理石』で構成された壮麗な舞台に、
マイクを通した音声が響く。

《皆様もご存知の通り、
 当会場には『ドレスコード』が設けられています。
 すなわち、『品位に欠けた人間』は、
 『立ち入りを許可されない』という意味です。
 『品性に乏しい振る舞い』をなさりたい方は、
 その場で挙手していただければ、
 我々が『相応しい場所』までお連れしますので、
 どうぞご遠慮なく》

まもなく、『選手の一人』が入場を果たす。
『緑色の髪』を持つ『制服姿』の少女。
中学生であるレイよりも少し年上に見える。
おそらくは高校生だろう。
ネックレスに付いた『星型のエメラルド』が、
彼女の胸元で煌いている。

554『白亜のH』:2022/10/14(金) 02:49:23
>>553

《ご紹介いたしましょう。
 今日が『初舞台』となる、
 大いなる可能性を秘めた一人の少女。
 その名は『奈津川恋子』。
 我らが代表『スティーヴン・ステュアート』の、
 『お墨付き』をいただいております》

《奈津川選手の要望により、
 本日の試合は『薄闇』の中で鑑賞していただきます。
 謎と神秘のベールで覆われた女は、
 さらに魅力が引き立つというもの。
 ただし、足元にはご注意を。
 『恋』に落ちても客席から落ちてはいけません》

続いて現れた『もう一人の選手』は、
レイにとっては『顔見知り』だった。

《対峙するのはギリシャ神話に描かれた『伝説の怪物』。
 幻想と現実の狭間で羽ばたく『有翼の乙女』。
 その名は『ハーピー』。
 愚かな人間達を蹂躙するために、
 この世界に現れたのではない事を祈りましょう》

《ハーピー選手の要望により、
本日の会場は『白亜の舞台』に仕立てられています》

ヒーローショーで『競演』したハーピーが、
舞台の上に立っている。
彼女がレイを誘ったのは、
『アクションの参考になるから』という理由だけでなく、
『自分が出場するから』でもあったようだ。
あの時とは違い、今回の戦いは『お芝居』ではない。

「始めまして――――『ニンゲンの方』」

        ス ゥ ッ

両腕を広げたハーピーが、芝居がかった調子で、
恭しく一礼する。

「ワタクシは『ハーピー』。
 『ニンゲン』を深く知るために、ここへやって参りました。
 『ヒト』を食い殺す嗜好は御座いませんので、
 その点は御安心を」

「死ぬ程お腹が減ったら食べると思いますが」

              ニコリ

奈津川を見つめたハーピーが、意味深長な言葉と共に笑う。
彼女が『本物の鳥人』なのかは別として、
その目立つ姿は単なる『コスチューム』ではない。
演技とはいえ『同じ舞台』に立ったレイは、
ハーピーの『動き』を知っている。

《『プリマ・ドンナ』の座を手にするのは、
 果たしてどちらか――――》

            《――――ただ今より『開幕』です》

雛形の宣言と同時に、『試合』が始まる。

        「失礼致します」

            スッ

ふと、レイの隣に腰を下ろす者がいた。
ワインレッドのパンツスーツを着た女だ。
『フォックスタイプ』の眼鏡を掛けており、
キツめの顔立ちをしている。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□鳥□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□恋□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内(床は大理石のタイル)
■:観客席と闘技場を隔てる大理石の壁
∴:観客席
柱:大理石の柱(高さ2m)
∥:大理石の台座(高さ1m)
恋:奈津川
鳥:ハーピー

555烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/14(金) 18:08:34
>>553
そのカードに書かれていた喫茶店の住所。
どんな場所だろうと思ったレイは
しばらくしてから、その喫茶店に足を運んだ。

「どうもこんにちはー。
 …あ、ハーピーさんじゃない。」
喫茶店にはハーピーの姿があった。
納涼祭で会った以来の彼女の姿を見て
同じ座席に座る。あのときのヒーローショーのことなども含めて。

「立ち回り、と言うかヒーローショーみたいなものかなー。
 私にとってヒーローショーはもっと小さかった頃からの憧れだったのよ。」
メロンソーダを飲みながらレイは答える。
そして、彼女の誘いの言葉を聞いたレイは

「アリーナ…?これがあの忍者先生の言っていたアリーナなのね?」
思わず身を乗り出して彼女の言葉を聞いた。

「も、もちろん!
 戦いを直に見たほうが、私にとってもアクションとかの参考になりそうだし!」
レイは二つ返事で了解をしたのであった。

>>554
…後日、レイは廃れた映画館の前に足を運んでいた。
「なんだか、アンダーグラウンドな感じがする場所ね…」
彼女は『仮面』を被って変装しつつ入ってきた。

「ドレスコードって言うからこういうタイプなのかと…」
彼女が変装に選んだのはヨーロッパの貴族っぽいドレスであった。
チョット派手な仮面をつけておしとやかな動きをしているようだ。

座席に座ると、対戦を行う相手が見えた。
見たところ高校生に見える少女だ。
「アリーナの雰囲気のせいで、先生みたいな歳の人ばっかりかと思ってたけど…
 うちの学校の人みたい…」
興味深そうに彼女、奈津川の姿を見る。

やがてハーピーの姿が現れた。
「ハーピーさん…選手だったんだ…」
少し驚きつつも二人の様子を見た。

そして彼女のパフォーマンスと思われる口調を見て
「なかなか様になってるなぁ、ハーピーさん。」
あれだけのアクションができる理由もなんとなく理解ができた気がした。

「ん?」
ふと、誰かが隣りに座った気配を感じ、振り向いた。
「ど、どうもこんにちはー」
隣の女性に向けてとりあえず挨拶を返すのであった。

556『白亜のH』:2022/10/16(日) 01:56:05
>>555

レイ程ではないにしても、
フォーマルな格好をしている者は見受けられる。
そして、カジュアルな服装の者もいた。
つまり、服装自体は、
さほど問題にはなっていない事が分かる。
しかし、今日の観客の中では、
レイの姿が一番目立っているかもしれない。
あからさまに好奇の目で見られていない理由は、
『ステュアート派』が『品位』を尊重するからだろう。

「こんにちは。
 最初に『隣に座る許可』を頂戴すべきでした。
 ご無礼をお許し下さい」

隣の女は、仕事の出来る『キャリアウーマン』といった印象だ。
いかにも真面目そうで、『堅苦しい』と言ってもいい。
片手で眼鏡の位置を直しながら、言葉を続ける。

「私は『紅儚(クレナイハカナ)』と申します。
 『素敵なお召し物』でしたので、
 失礼ながら気になってしまいました」

露骨に見られていないとはいえ、
やはり注目する人間はいるようだ。
女の視線は、『ドレス』と『仮面』に向けられている。
その装いに感嘆しているらしい。

「人間を知る……それが叶うかはわかりませんが。
 人間代表として、十全を尽くさせていただきます。
 恨みっこなしで、お願いいたします」

挨拶と共に、奈津川が『人型のスタンド』を発現させる。

         「では、参ります」

              ザッ

動き出す奈津川に対して――――。

「フフ――――ワタクシ、少々興奮しております。
 こういった形で『力』を試す機会というのは、
 なかなか巡り合えなかったモノですので」

           ダッ!

  「繁栄を生む『ヒトの力』を、とくと拝見で御座います」

  《開始と同時に、両者が距離を詰めていく。
   いえ、言葉は正しく使わなければいけません》

    ドッヒュウゥゥゥゥ――――――――ッ!!

      《訂正しましょう。『距離を詰められている』》

ハーピーも同じタイミングで接近を図った。
『ヒーローショー』で目撃した通り、
『グレゴール・ザムザ』と同程度のスピード。
遠からず『激突の瞬間』が訪れるだろう。

「どちらが勝つとお思いになられますか?」

      「――――『烏丸レイ』様」

舞台を眺めながら、紅が声を掛けてきた。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□鳥□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□鳥∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□恋柱□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□恋□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内(床は大理石のタイル)
■:観客席と闘技場を隔てる大理石の壁
∴:観客席
柱:大理石の柱像(高さ2m)
∥:大理石の台座(高さ1m)
恋:奈津川
鳥:ハーピー

557烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/16(日) 11:59:20
>>556
(私やっぱり変かなぁ…)
少なくとも品位を尊重する場では陰口などはないだろうが
やっぱりちょっと目立ってるような気がしてならない恰好だ。

「あ、どうぞどうぞ。
 くれないはかなさん、ですね。
 私はから…えっと…」
果たして名前を言うべきかと思ってから返事を返す。

「素敵なお召し物?
 よ、よかったー。変じゃなかったみたいで…」
そう言って安堵の表情を浮かべる。
レイにはそれが本心かどうかはわからないが
褒められて悪くはない気分のようだ。

「お、始まった!」
視線は奈津川とハーピー、二人の戦いに向けられる。
かなりのスピードでの勝負が始まりそうだ。

「すごいなー、やっぱりあの速さはスタンドによるものかな…
 見た目的に私と同じ…
 となると、奈津川という人のスタンドはどう来るかな…」
結構楽しそうにその二人の戦いを見守るレイ。

儚の言葉に対して彼女は試合を見つつ答える。
「うーん、正直良くわからないです。
 ハーピーさんの身体能力は知ってますが、奈津川さんの能力がわからない以上は
 ここからとしか…ん?」
ふと、名前を言われた気がして顔を向けた。

「そういえば、名前名乗ってましたっけ?」

558『白亜のH』:2022/10/18(火) 04:10:37
>>557

「『速い』!
 当然、『鳥人』のその身体自体が『スタンド』。
 そういうことですね。
 接近してくるということは、『近距離戦闘』がお好みですか」

「おっしゃる通り、このスタイルは、
 単なる『舞台衣装』では御座いません。
 『実用性』を兼ね備えているので御座います」

       ス ゥ ッ

高速で接近するハーピーを迎え撃つように、
奈津川のスタンドが鞄から『ライト』を取り出し、振り上げた。

《『人間の強さ』は『文明の強さ』。
 『火』を扱い、『道具』を発明し、
 人は『進化』を続けてきました。
 常に進歩する事は、人としての証明と言えるでしょう。
 世の中には、そうでない人間も一定数いるようですが》

「私もこういったことは不得手ですから、
 最初から出し惜しみはしません。
 『クワイエット・ガーデン』を!」

            ド ン ッ !

ライトが点灯した直後、
『明暗』を分ける『境界』が煌いたかと思うと、
ライトの先から筒に近い形状の『障壁』が出現する!!

《『知恵の力』は『怪物』さえも打ち倒す。
 『スフィンクス』も『ヴァンパイア』も『グレムリン』も。
 ギリシャ神話の中で恐れられた『鳥人』も、
 錆付いた『時代遅れ』に成り果てたのか?》

    「――――――!!」

                   ダンッ!

《しかし、これで終わってしまっては、
 現代における『神話』の株は大暴落してしまいます》

正確な狙い(パス精CCA)で振り下ろされる『障壁』!!
その瞬間、ハーピーは『台座』の上に跳び、
ギリギリのところで攻撃を回避した。
奈津川の『クワイエット・ガーデン』は、
極めて高度な精密性を備えているが、
ハーピーが奈津川の能力を警戒していた事と、
『振り上げる』という予備動作が入ったために、
惜しくも命中には至らなかったようだ。

「そのような『ワザ』が出来るとなると――――」

                 タンッ

         「迂闊に近付くのは下策で御座いますね」

《奈津川選手の一撃をかわしたハーピー選手。
 『メデューサ』も胸を撫で下ろしている事でしょう》

『台座』に乗ったハーピーは、それを足場にして、
さらに『柱像』の上に飛び乗った。
地上から数えて『3m』の高さだ。
『古代ギリシャの女性』を模した『柱像』の上に、
似通った装いの『鳥人』が立つ光景は、
会場の薄暗さと相まって、
どこか神秘的な雰囲気を漂わせている。

559『白亜のH』:2022/10/18(火) 04:11:11
>>558

「いえ、お聞きしておりません」

レイの疑問に対し、紅は手短に言葉を返す。

「烏丸様のお名前は、ハーピー選手から聞き及んでおります。
 今日いらっしゃる事も存じておりましたが、
 どなたかまでは分かりませんでしたので、
 失礼ながら『カマ』を掛けさせて頂きました」

レイの名前を出したのは、
反応を確かめるための発言だったようだ。

「『舞台』で共演した『スタンド使い』であると伺っています。
 実に『見事な動き』をなさっていたとか。
 良い機会ですので、そういった方とお話が出来ればと、
 こうして声を掛けさせて頂いた次第です」

丁寧に説明してから、紅は再び頭を下げた。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□鳥□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□恋柱□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内(床は大理石のタイル)
■:観客席と闘技場を隔てる大理石の壁
∴:観客席
柱:大理石の柱像(高さ2m)
∥:大理石の台座(高さ1m)
恋:奈津川
鳥:ハーピー(柱像の上に立っている)

560烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/18(火) 16:03:13
>>558-559
「やっぱりあの動きは私と同じような
『身につける』タイプのスタンドみたいね…」
ハーピーの高速の動きを見ているうちに
奈津川のスタンド、『クワイエット・ガーデン』も何かしらの能力を披露した。

「おっと、相手はなにか…棒のようなものが?
 これがあの人のスタンド能力…?」
ライトを光らせたと思うと、そのライトが棒状の何かに変わった。
棒を作り出すのがスタンド能力だろうか…?と考える。

「まだ一気に決着とは行かなそう…
 どっちが勝つか…」
そう言って首を傾げたところで


「つまり、私は見事に自分がそうであると言ってしまったと…」
儚の言葉を聞いてあちゃーといった顔をする。

「こんなにあっさり引っかかったら謎のヒーローになれない!気をつけないと…」
思いっきりうなずきながら彼女は一人つぶやく。

「ハーピーさんの知り合いですかー…どうもよろしくお願いします。
 …いつぞやの祭りのときのヒーローショーですか…
 なんかそう言われるとちょっと照れます。」

「だとしたらあなたも、アリーナの参加者ってことですか?」

561『白亜のH』:2022/10/18(火) 18:41:13
>>560

「近づかない『攻撃方法』もあるなら、
 それを見せて頂きたいところですね。
 私の方は、ひとつ見せました」

ハーピーに歩み寄りつつ、
奈津川が『ライト』の明かりを消すと、
『棒状の何か』も消え去った。
どうやら『光』に対して能力を発動していたらしい。
会場内を薄暗くするように注文したのも、
そのための準備だったのだろう。

「ニンゲンの世界について、
 ワタクシも色々と勉強して参りました。
 『郷に入っては郷に従え』というコトバが御座います。
 その慣例に倣って、ワタクシも名乗っておきましょう」

        ス ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ッ

『パフォーマンス』を意識した仰々しい身振りで、
ハーピーが両腕を広げる。

「『ハロー・ストレンジャー』――ワタクシの『力』の名前です」

         「そして、『空中戦』こそが!」

               バ ッ !

奈津川を見下ろして、『柱像』の上でハーピーが『跳んだ』。
『台座』の高さ『1m』に『柱像』の高さ『2m』を合わせ、
そこに『跳躍』の高さ『2m』を加えて、合計で『高度5m』。
『飛び降りた』のかと思いきや――――――。

「――――ハーピーの『真価』で御座います!!」

   バ ッ サ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ

ハーピーの体は落下する事なく、
『空中』を滑るように『飛んでいる』!!
ハーピーが披露したのは、『グライダー』のような『滑空』だ。
自分の体一つで空を翔る姿は、
まさに『鳥人』と呼ぶに相応しい。

《『怪物』が『人間』に勝る点は、人知を超えた『身体能力』。
 そうでなければ、
 ただ派手なだけの『アクセサリー』に過ぎない。
 もっとも、人が同じように『翼』を付けたとしても、
 『派手なだけのアクセサリー』にしかならないでしょうが》

高速の『滑空』により、
ハーピーは既に『奈津川の真上』まで迫っている。
『現在高度』は地上から『3m』。
『ハロー・ストレンジャー』はレイのスタンドと似ているが、
限定的とはいえ『空を飛べる』点は、
『グレゴール・ザムザ』にはない特徴だ。

562『白亜のH』:2022/10/18(火) 18:41:46
>>561

「申し遅れました。
 私は『スティーヴン・ステュアート』を代表とする、
 『ステュアート派』の一員です。
 『主催者側の人間』と受け取って下さって構いません」

レイの問い掛けに応じ、紅儚は自身の身分を明かす。
『アリーナ』に属する『派閥』の構成メンバー。
奈津川やハーピーのように、単なる『参加者』とは違う。

「『良識あるスタンド使い』とは、
 良い関係を築いておきたいというのが、
 我々の『代表』の意向です。
 『スカウト』という訳ではありませんが、『代表代理』として、
 一度お話をさせて頂きたいと考えた次第です」

仏頂面で堅苦しい物言いだが、
とにかく実直である事は感じ取れる。
紅の風貌や言動から伝わってくる雰囲気は、
『真面目』で『不器用』。
おそらくは、そういう性格なのだろう。

「恥ずかしながら――『ヒーロー』という言葉には、
 私も惹かれるものを感じます。
 人として正しい事を正しいと、胸を張って言える。
 それは非常に尊い事だと私は考えています」

    …………意外に気が合う部分もあるのかもしれない。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□鳥∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□恋∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内(床は大理石のタイル)
■:観客席と闘技場を隔てる大理石の壁
∴:観客席
柱:大理石の柱像(高さ2m)
∥:大理石の台座(高さ1m)
恋:奈津川
鳥:ハーピー(滑空中:厳密には奈津川と同座標)

563烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/18(火) 19:57:48
>>561-562
「奈津川さんの能力は
 光に関する能力と見て間違いなさそう…
 でも、まだまだどんな能力かははっきりしないかな…」
彼女のスタンドの動きを確認してつぶやく。
この会場の薄暗さも光の力を存分に使うためだろうか…

「普通の光は使えないか…?
 む、次はハーピーさんの攻撃…」
と、柱像の飢えでハーピーが跳躍して…飛行する!

「すごい…!あれは正しく空を飛ぶ鳥…!
 飛行能力かー、シンプルだけど強い能力だよねー!」
ハーピーの能力はわかりやすい。そう思うレイ。
かのスタンド使いの『本当の本体』を知らないレイは
彼女の能力を知ったつもりで居るようだ。

「ステュワート派…ですか?
 そういえばそういう話も聞いた気がする…
 アリーナにはいろんな派閥がある…ってことかな?」
そう言ってから少し考える。

「良識あるかー…言われてみると悪くない気分かも…
 褒められたんだとしたら嬉しい限りです。」
そう言って微笑んだ。

「そう、私が目指すのはヒーロー!
 正義の味方的な人になれたら良いなって思います。」
少し儚に寄る形で答える。

「でも、アリーナって結構アンダーグラウンドな場所かなと思ってたけど
 結構いい雰囲気のところもあるんですね。
 妙な動画では変なこと言ってたけど…」

レイはあの動画(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/749)を見たことがあるようだ。

564『白亜のH』:2022/10/19(水) 06:49:06
>>563

少なくとも、レイの予想は間違ってはいないだろう。
ただ、『クワイエット・ガーデン』の『本質』までは分からない。
ハーピーの『ハロー・ストレンジャー』も同様に。

「『真上』!
 ですが飛翔ではない『滑空』。
 であれば、迎撃するまでです」

奈津川が『ライト』をハーピーに向け、点灯させる。
それにスタンドが触れると、
先程と同じように『ガラス質の何か』が出現した。
『迎撃体勢』に入った奈津川に対し、
『ハーピーの攻撃』が開始される。

「僭越ながら、ここで皆様の『お手』を拝借――――――」

             ブ ワ ァ ッ

         「ワタクシは『足』で失礼をば」

ハーピーが『翼の角度』を変えると、『滑空速度』が低下し、
『緩やかな落下』に切り替わった。

    「『大地に縛られている者』には、
     不可能な『ワザ』をお目に掛けましょう」

 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

 ガガガァァァァァ――――――――ッ!!!!!!

次の瞬間、『両足』を使った『蹴りのラッシュ』が、
奈津川めがけて繰り出される!!
『滞空時間』を延ばす事で、上空から放たれる『蹴りの雨』!
空中を舞う『鳥人』だからこそ可能な芸当だ。

《これを『拍手の代わり』として使うのは、
 考え得る限り『最悪』と呼べるでしょう。
 しかし、『眼下の敵を叩きのめす』には『最良』です。
 ただ、『敵』という言葉の意味は、
 『カカシ』と同義ではありません》

   バ キ

        メ キ ィ

               ガ ッ シ ャ ァ ン ッ ! !

容赦ない乱打の直撃を浴びた『ガラス質の何か』は、
実物のガラスのように砕け散った。
『強度』に関しては、さほど高くなかったらしい。
それを破壊したハーピーのパワーも、
大体『人間並み』というところだろう。

「おや、存外と硬くはなかったようで御座いますね」

依然として、ハーピーは『奈津川の真上』に存在する。
現在の高度は、およそ『2m』。
『至近距離』と言っても差し支えない距離だ。

《『怪物』の『身体能力』が上回るのか。
 『人間』の『智謀』が勝るのか。
 『結果』を見逃したくない方は、『瞬き』を控えめに》



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□鳥∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□恋∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内(床は大理石のタイル)
■:観客席と闘技場を隔てる大理石の壁
∴:観客席
柱:大理石の柱像(高さ2m)
∥:大理石の台座(高さ1m)
恋:奈津川
鳥:ハーピー(降下中:厳密には奈津川と同座標)

565『白亜のH』:2022/10/19(水) 07:08:22
>>564

「『正義の味方』――『素晴らしい目標』だと思います!」

『ヒーロー』の話題になると、紅の表情も柔らかくなる。
どうやら、『本心からの言葉』のようだ。
『正義感』の強い性格なのかもしれない。

「率直に申しますと、我々『ステュアート派』は、
 『アリーナ』という組織に対して、
 必ずしも『忠誠』を誓っている訳ではありません。
 代表である『ステュアート』は、『彼自身の目的』のために、
 『アリーナ』に加わっているとお考え下さい」

そう言い置いた紅は、
レイが口にした動画の話に眉を顰めた。

「あの動画に関して、
 我々『ステュアート派』は懐疑的な立場を取っています。
 情報としての『信頼度』が著しく欠如しているためです。
 例えば、本来なら『最も大切』と思われる箇所を、
 意図的に『ぼかしている』」

          クイ

指先で眼鏡のブリッジを押し上げ、紅は言葉を続ける。

「『巨大な負債』だの、『仲間達との決別』だの、
 『理不尽な隷従』だのと、大仰かつ曖昧な言葉を並べ立て、
 上辺は説得力を持たせようと腐心していますが、
 『具体的な情報』を何一つ明らかにしていません」

「『どのような負債を背負わされたのか?』、
 『どのような形で決別したのか?』、
 『どのような隷従を強いられたのか?』」

「わざわざ動画まで流しておきながら、
 それらに関して『全く説明がない』のは、
 非常に奇妙だとは思いませんか?」

論理的な口振りで、次々に『疑問点』を指摘する紅。
『ステュアート派』にとって、
『信用に足るソースではない』と判断されているらしい。
どう解釈するかは、レイの自由意志だ。

566烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/19(水) 17:56:59
>>564-565
「空を飛んで…おっと
 今度は急降下じゃなくて滑空を!」
目まぐるしく空中での速度を変化させるハーピー
まさに鳥の如き動きにレイは驚きを隠せない。

「蹴りの連続攻撃…!
 パワーも結構あるみたいね…!」
その鋭いケリの乱打はクワイエットガーデンが生み出したナニかを粉砕する。
そのまま流れはハーピーのもとへと向かうのか…

「いや、あの人もここで終わるとは思えない。
 次はどう来るか…!」
二人の目まぐるしい動きに目が離せないほど楽しそうな表情をしている。

「こうしてみると、ハーピーさんが鳥人を名乗るのもうなずける動きだなぁ。
 私もあれくらいの動きをしてみたい…」
羨ましそうにつぶやく。

…そして儚の方にも視線を向けた。
「まぁ、具体的な目標はわからないんですけどね。
 でもなんというか、そういうふうになりたいと思っています。」
彼女の言う正義の味方というのはいまだはっきりとした形はしていない。
しかしレイも本気の表情だ。


「そう言われるとなんだか嬉しくなります。
 儚さんも、そういうのに興味あります?」
彼女の様子を見て、レイも楽しげな表情で答える。

「うーん、ということはアリーナという組織も一枚岩ではないと。
 他にも色々な派閥?みたいなのがあるっぽいですねそれ。」
彼女自身アリーナのことはよく知らないが
いろんな派閥があるということがうかがえる。

「やっぱり、あの動画は妙、ですよね。」
そう言って改めてチラッと動画の確認をする。

「その死んだって人の姿もなし
 そもそも名乗っている人の姿もなし。ですからね。
 確かに儚さんの言う通り、かなり奇妙です。
 本気でどうにかしたいなら、素顔を見せてやるところですし。」
動画で言われていた人物の処遇などはレイには分からないが
少なくとも、本当にその人が死んだかも怪しく思える。

「実は昔の特撮で似たような手法を取る悪の組織を見たことがあるんです。
 あれと雰囲気が似てるんですが、アリーナを潰したい誰かの仕業、みたいな感じかもしれませんね。」
何気なくレイは推理する。
アリーナの派閥の誰かだとしたら、特定の派閥の名前を使うだろうとも付け加えた。

567『白亜のH』:2022/10/20(木) 05:27:27
>>566

レイの目の前で、戦況は流れるように移り変わっていく。
ハーピーによって砕かれた『ガラス質の何か』の『破片』が、
その下に立つ奈津川に降り注いでいる。
だが、『破片』は『クワイエット・ガーデン』の産物であるため、
それを攻撃に利用する事までは、
ハーピーも想定していなかったはずだ。

《空から降り注ぐ『ガラスの雨』。
 それはハーピー選手にとっての『幸運』。
 奈津川選手にとっては『不運』》

「『カード』を切らされましたか。
 『クワイエット・ガーデン』の『特権』ーーー」

奈津川の言葉と共に、
降ってきた『破片』が彼女の体を『透過』する………………。
『解除して消した』のとは違う。
これも『クワイエット・ガーデン』の能力らしい。

《ただし、皆さんもご存知の通り、
 『運』だけで勝とうとするのは愚か者の浅慮。
 『怪物』の猛攻を『人間』が跳ね除ける。
 この『一瞬の攻防』は、まさしく『知略』のぶつかり合い。
 私からの忠告を無視して『瞬き』してしまった方は、
 残念ながら置いていかれてしまうでしょう》

「ほう!とても興味深い『回避方法』で御座います!
 攻守に渡って応用可能な『チカラ』のようで御座いますね。
 ワタクシ、大変『知的好奇心』をそそられてしまいました!」

奈津川の行動は、それだけではなかった。
『クワイエット・ガーデン』が、
『ペン回し』のように『ライト』を回転させて握り直し、
発せられる『光』にスタンドの手が触れ、
再び『ガラス質の何か』を作り出す。
ハーピーが言うように、
攻撃にも防御にも使える『汎用性』の高い一手。

「今のはワタクシにとっても『幸運な偶然』で御座いました」

          グ ン ッ

対するハーピーは両腕を引き、『翼』の角度を再調整した。

                 カリキュレイト
「ですが――――ここからは『計算内』で御座います!!」

                 ゴ ォ ッ !

『クワイエット・ガーデン』が『反撃』を加えようとした直前、
ハーピーの体がスピードを上げて『急降下』してくる!
先程は『滞空時間』を引き延ばし、
上空からの『蹴りのラッシュ』に繋げた。
今度は逆に、『滑空』を中断して『自由落下』する事で、
即座の『追撃』を行ったのだ。

       ズ ッ ダ ァ ン ッ ! !

急激な降下によって放たれたのは、
落下の勢いを加えた変則的な『ドロップキック』!!
奈津川も『策』を用意していたようだが、
『落ちるだけ』で済むハーピーの方が速かった。
蹴りの一撃を正面から受けた奈津川は仰向けに倒れ、
その上にハーピーが乗っている状態だ。

568『白亜のH』:2022/10/20(木) 05:28:08
>>567

「『ハーピーの真価』を御理解頂けましたでしょうか?」

『マウントポジション』を取ったハーピーが、
両方の『拳』を悠然と構えている。

《倒れた『人間』を踏みつける『鳥人』。
 その光景を見て、誰もが一度は思う事でしょう。
 『チェックメイト』だと》

《同時に、誰もが期待している。
 『人間』の――――『奈津川恋子』の『逆転劇』を》

《『人の欲』というのは、手に負えない程に底知れない。
 かくいう『この私』も、当然ながら例外ではありません》

客観的に見て、現在の『流れ』は、
ハーピーに傾いていると言えた。
ここで更なる攻撃が通れば、
そのまま畳み掛けられる可能性もある。
どういう結果になるにせよ、
この試合における一つの『ハイライト』となるだろう。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□鳥∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□恋∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内(床は大理石のタイル)
■:観客席と闘技場を隔てる大理石の壁
∴:観客席
柱:大理石の柱像(高さ2m)
∥:大理石の台座(高さ1m)
恋:奈津川(仰向けに倒れている)
鳥:ハーピー(奈津川の上に乗っている)

569『白亜のH』:2022/10/20(木) 05:48:52
>>568

「人を操る最も効果的な方法は、『不安』を煽る事です。
 そこに『安心』を与える事で、『詐欺』は簡単に生まれます。
 『詐欺』がなくならないのは、
 『引っ掛かる人間』が存在するからであり、
 我々が危惧しているのは、
 『そういう人間が出てくる事』なのです」

そこまで言ってから、紅は小さなため息をついた。

「少なくとも自分が『正しい』と信じる道なら、
 胸を張って堂々と行うべきです!
 それが『正義』というものではないでしょうか!
 このような手段で訴えてくるというのは『卑劣』ですよ!」

          …………コホン

「――――失礼しました…………」

話している内にヒートアップしたらしい紅が、
気まずそうに咳払いをする。
『正義』という言葉を口に出す辺り、
レイと似た部分があるのは間違いない。
ただ、『ヒーローに対する憧れ』というよりは、
生来の『正義感の強さ』ゆえだろうが。

「『ステュアート派』に関心がおありでしたら、
 『こちら』を差し上げます」

           スッ

紅が差し出してきたのは、一枚の『名刺』だ。

――――――――――――――――――――

      株式会社Belladonna


         研究開発部


           調香師

――――――――――――――――――――

           紅 儚

       KURENAI HAKANA

――――――――――――――――――――

  …………そのように綴られている。

「私は普段、『化粧品メーカー』に勤めております。
 『調香師』というのは『香水』を作る仕事です」

名刺の裏側には『紅儚の連絡先』が記されていた。

「『アリーナ』や我々について、
 何か意見や疑問等ありましたら、
 こちらまで連絡をお願い致します」

570烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/20(木) 21:22:41
>>567-569
「うーん、すごい戦いだけど…
 奈津川さんのスタンドは未だにわからない…
 あれは光のスタンドなのかそれとも…」

そんな事を考えている間に戦いは再び動く。

「おぉ!すごい!
 素早い動きで押し切るつもりなのか!」
ハーピーの動きは一気に奈津川を追い込み、
そのままマウントポジションに思える。

(いや、奈津川さんもまだ諦めた感じじゃない…)
しかしハーピーの動きだけを見ずに奈津川の様子も確認する。
一進一退…ならばここからの逆転もまたありうるのだ。

「勝負は最後までどう転ぶのかはわからない…
 逆転勝利も私は結構好きだし…」
ここから奈津川がどのような反撃に出るか
それもまたレイにとっては注目するべきところだ。


「まさにその通り。
 あれは間違いなく正しいことをするつもりはなく
 全てを利用するつもりに間違いないです!
 あれはまさに詐欺師のやり方!」
例の動画の話がなかなか盛り上がってきたように感じる。

「って…こっちもすいません。
 ここで大騒ぎは迷惑ですよね。」
慌てて声を落とす。
このまま品位のような理由で追い出されるのは困る。そう思うのだ。

「うーん、少しばかり興味はあるかもしれません。
 一応…これは。」
差し出された名刺を見て、うなずく。

「化粧品メーカーの人ですか…
 ちょっと見たことがあるような気がします。この会社の名前。」
レイも女子である。
化粧品の情報も多少は見覚えがあるようだ。

「一応、何かあったときにはまた連絡しますね。」
そう言って名刺を受け取った。

571『白亜のH』:2022/10/21(金) 12:42:44
>>570

勝負の『決着』は、最後の瞬間まで分からない。
『奈津川の動き』に注目したレイの考えは正しかった。
彼女は、確かに『逆転』を模索している。

「うぐっ! しかし、『軽い』………!?
 これが、何を意味するのかはわかりませんが………!」

                   パ ァ ッ

   『クワイエット・ガーデン』が『ライト』を再点灯――――。

「いいえ、そうは『問屋が降ろさない』ので御座います!」

             ブォンッ

『クワイエット・ガーデン』の行動に反応し、
ハーピーが片方の足を引いた。
これみよがしに『両腕』を構えてみせたのは、
注意を逸らすための『囮』だったらしい。
『蹴り』で『トドメ』を刺すつもりだ!

《先人は『柔よく剛を制す』と言いました。
 ですが、ことわざ一つで言い表せる程、
 現実は簡単なものではない。
 『剛が柔を制する』のも、また一つの結果》

        バ ン ッ !

その瞬間、『光』が当たっているハーピーの足元に、
『ガラス質の何か』が出現した!!

《しかし、『この場合』には当てはまらなかったようです》

                グィィッ!

なおも『クワイエット・ガーデン』の動きは止まらず、
『ガラス』を捻りながら突き出すように『押す』!
『精密機械』を思わせる『完璧なタイミング』。
罠に掛かった鳥のように、
ハーピーは片足を取られてしまっている。

  「おっと…………!」

            グ ラ ァ

                「…………『これ』は!」

思わぬ妨害を受け、ハーピーの体がバランスを崩す……。

         ド シ ュ ゥ ッ !

その隙を見逃さず、腕を引いた『クワイエット・ガーデン』が、
『追撃の拳』を放つ(パス精CCA)!!

《研ぎ澄まされた『知恵』が、単純な『力』を上回る。
 奈津川選手の『一手』は、
 『柔よく剛を制す』を体言したと言えましょう
 『空中』というテリトリーを失った『鳥人』は、
 哀れ地面に叩きつけられてしまうのか?》

572『白亜のH』:2022/10/21(金) 12:43:24
>>571

「『タダ』で転んでしまうというのは、
 『コスパ』が宜しく御座いません!」

              ――――――ヒュバァッ!!

だが、ハーピーも負けてはいない。
不安定な体勢になりながらも、
『強引な蹴り』を繰り出してくる!
ただし、無理矢理の行動であったため、
『狙い』の精度は甘くなってしまっている(パス精CBD)。

《もちろん、仕留めに掛かった『狩人』を、
 大人しく待っている『怪物』などいやしません》

刹那の内に展開される『拳』と『蹴り』の『クロスカウンター』。
先程までハーピーに傾いていた『戦いの流れ』が、
今は奈津川に向かいつつある。
『どうなるか』は、次の一瞬で決まるはずだ。

「奈津川様の能力は、
 『光』を実体化させているように見受けられますね。
 本当の意味での実体化ではなく、
 『スタンドとしての実体化』になりますが」

「ただ、それが『全貌』とも限りません」

レイと同様に紅も声を落とし、自らの見解を語る。
今のところ、周りから睨まれてはいないようだ。
『品位』を重視する派閥とはいえ、頭が固い訳ではなく、
多少であれば許容範囲なのだろう。

「私も『選手』として出場する事があるもので、
 他の方の戦い方は勉強になります。
 いつか機会があれば、
 烏丸様の戦いぶりも拝見させて頂ければ幸いに思います」

奈津川とハーピーの戦いを観戦しつつ、紅が言う。
当然ながら、『紅儚』も『スタンド使い』。
『試合』に出ているからには、
『戦闘』が可能な能力である事は間違いない。



(※MAP上には変化なし)

573烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/21(金) 21:44:23
>>571-572
「きた、奈津川さんが反撃を…
 っと、ハーピーさんは手…じゃない!
 足で倒すつもり…!」

たとえマウントポジションに置いてもハーピーは
油断なく動いている。感心するレイだが

「あの能力…!
 相手の足元を崩すために!」
彼女の能力は不可視の物質を実体化でもしているのか?
そう思いながらも、その押し出すような動きで
ハーピーの動きは止まる…!

「これは…逆転が…くるか!?
 それともハーピーさんが押し切る…!?」
いつになく興奮するレイ。
手に汗握る戦いに彼女もとても楽しく思っているようだ。

「確かに…あのスタンドの能力はそういうふうに見えますけど…
 本当にそれが全てなのかはわからないかも…
 スタンド能力は『全部』は見せない…そういうものだと思います。」
追い込まれれば切り札を出す。それはいかなる能力でもそうだろう。
儚の言葉を聞いてゆっくりうなずく。

「そうですねー…
 もし機会があったら、検討しようかなと思います。」
二人の戦いを観戦しているうちに、少し気持ちは傾いたようだ。

「ぶ、ぶつかり合い…!
 やっぱり勝負は最後までわからない!」
二人の攻撃は今交差し、そして決着がつくのか?

574『白亜のH』:2022/10/22(土) 15:54:38
>>573

奈津川とハーピー。
二人の選手は『互角の戦い』を繰り広げている。
どちらが勝っても不思議ではないだろう。

《実力が拮抗した戦いは『シーソーゲーム』。
 だからこそ鑑賞の価値がある。
 単調な『ワンサイドゲーム』など無価値です》

          キ ラ ッ

『拳』と『蹴り』が交差する一瞬、
そこに『星』のような『煌き』が生まれ――――――。

            ド ン ッ !

両者を隔てるような形で、『ガラスの壁』が姿を現す!!
これまでのような『光の実体化』ではない。
奈津川の上に立つ『ハーピーの影』が、
瞬間的に『ガラスの障壁』へ変化した!
『境界』を『障壁』に変える。
それこそが『クワイエット・ガーデン』の能力だ!!

《奈津川選手の『トリック』は、
 この試合が『無価値ではない事』を証明してくれました》

     「なんとッ!?」

                ガキィン!!

『影』から作り出された『障壁』が盾となり、
ハーピーの蹴りを防ぎきる!
いかにスピードが速かろうとも、
『意思の速度』には敵わなかった。
さらに、『クワイエット・ガーデン』の拳は『障壁』を『透過』し、
抜群の精密性でハーピーの足を狙い打つ!

       ド グ シ ャ ア ッ ! !

『クリーンヒット』!!
片足を打たれたハーピーが、奈津川の上から吹き飛び、
仰向けに倒れ込む。
奈津川の『策』が、見事に『戦いの流れ』を奪い取った形だ。

《そして、『結末』を見届ける意思をお持ちの方は、
 まだ目を離してはいけません》

575『白亜のH』:2022/10/22(土) 15:55:42
>>574

  「ワタクシ、見事に『返されてしまった』ようで」

       ズドズドズドズドズドォッ!!

             「結構な『お手前』で御座いました」

ハーピーが『両腕のラッシュ』を繰り出し、
足を拘束している『障壁』を破壊する!
手痛いダメージを受けた直後にも関わらず、
全く怯んでいる様子がなく、表情も平然としていた。
その姿は『痛みを感じていない』かのようだ。
奈津川の『クワイエット・ガーデン』と同じく、
ハーピーの『ハロー・ストレンジャー』にも、
まだ『隠された秘密』があるのだろう。
『全部は見せない』というレイの考えは、実に的を得ている。

《『人間』と『怪物』――互いに一撃を受け、
 両者ともに『地に倒れた状態』。
 それは『戦いの終わり』を意味しない。
 むしろ『嵐の前の静けさ』と呼んでもいいでしょう。
 使い古された表現である事は、
 私から謹んでお詫び申し上げます》

「ささ、どうぞ御遠慮なく立ち上がって下さい」

          フフフフフ

「ワタクシは、『もっと早く』立ち上がってみせましょう」

余裕の笑みを浮かべたハーピーが、
奈津川を揺さぶるように言葉を投げ掛ける。
もし同時に起き上がったとしたら、
スピードの勝るハーピーの方が先に体勢を立て直す。
そうなったら、今度こそハーピーは『トドメ』に入るだろう。

「ええ――――『血沸き肉踊る』。
 『試合』というのは、やはりこうでなくては」

こういった展開は紅も好んでいるらしく、
いかにも関心ありげな雰囲気で、
眼前の戦いを見つめている。

「ここが『ターニングポイント』になるように思えます」

観戦を続けながら、紅が自らの考えを語る。

「今の状況を例えるなら、
 『ガンマンの決闘』のようなものです。
 『二人の体勢』は同じですが、
 『スピードの差』がありますので、
 何の工夫もなく同時に動いた場合、
 ハーピー選手側が有利になります」

「私が奈津川選手の立場であれば、
 万全を期して、何らかの『策』を用意したいところです」

立ち上がるべきか、立ち上がらないべきか。
立ち上がるとしたら、いつ立ち上がるのか。
奈津川は、大きな『選択』を迫られていると言える。



(※MAP上は変化なし)

576烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/22(土) 21:57:38
>>574-575
「どっちも勝ちそうな感じがして
 目が離せない…
 これがアリーナの戦い…」
固唾を呑んで戦いを見守るレイ

「あれは…ガラスの壁?!
 光の実体化じゃなくて、もっと別の能力だったのか…!」
それは正しく境界を挟むように生み出された障壁…
彼女の能力は光に関するものに限定されないのだ!

「い、一撃が決まった!
 これで…決着!?」
倒れ込んだハーピーを見つめるレイ。
やがてハーピーは

「は、ハーピーさん!
 明らかにクリーンヒットしてたはずなのに
 あんなに元気に…!」
タフネスも人間離れしているというのか
はたまたハーピーの能力にもまだ秘密があるのか…
レイは彼女の様子にひどく驚きを隠せない。

(今の二人は、先に攻撃を仕掛けたほうが圧倒的有利…!
 どっちも体制を崩している状況では…!)

「確かに、そうですね。
 この勝負は『抜打』の速さ…
 銃を抜く速さ、あるいは居合抜きの速さの勝負です…」
少なくともパワーではどちらも負ける部分はないはずだ。

「たしかにこの勝負は…試合と呼ぶにふさわしいです!
 最後の最後まで勝敗がわからない…!でも次の動き次第では…!」
一気にどちらかに傾く可能性が高そうだ。

577『白亜のH』:2022/10/23(日) 14:23:30
>>576

『障壁』を駆使した奈津川の戦い方は、
様々な状況に対する『対応力』に優れている。
だからこそ、『速攻』で押すハーピーを叩く事が出来た。
だが、ハーピーのタフネスも驚異的だ。
見た目からは想像できないが、
スピードだけではなく防御面でも強化されているらしい。
いざとなれば、強引に攻め込む『力押し』も可能なのだろう。

「確かに、スピードはあなたが上。
 私としては、持ち味で勝負するしかありません」

奈津川が上体を起こす。
しかし、やはりハーピーの方が動きは速く、
既に立ち上がる寸前だ。
そこで、奈津川が別の行動を見せた。

        ス ゥ ッ

               「――――――ッ!」

奈津川の持つライトが、ハーピーの顔に向けられる。
強力なタフネスを誇っても、『目くらまし』は通用してしまう。
ハーピーが怯んだ一瞬の隙を突き、
奈津川も体勢を立て直した。

    《残酷にして厳正な『真実の光』は、
      『二人の勝者』を認めない》

「ソレの『本来の使い方』をウッカリ失念しておりました」

      ポォォォォォ――――――――ンッ

            「それでは、ワタクシも参りましょう」

奈津川が『鞄』を投げ上げる。

    《『怪物』が『人間』を狩るのか、
     『人間』が『怪物』を討つのか》

それが『合図』であるかのように、
両者が『同時』に行動を開始した。

《『人』と『人ならざる者』が踊る『ステュアート派』の試合を、
 どうか最後までお楽しみ下さい》

           ダ ッ

奈津川はハーピーに向かって駆け出し――――。

   「どのような『ワザ』を見せて頂けるのか、
    ワタクシ『乞うご期待』で御座います」

           タ ン ッ

両腕を開いて恭しくお辞儀をしたハーピーは、
その場で大きく『跳躍』する。

            グィッ

空中で『片脚』を高く持ち上げ――――。

          ド ヒ ュ ゥ ッ ! !

『垂直ジャンプ』からの強力な『踵落とし』を見舞った!!
ハーピーの踵には、
『鳥人』の意匠である『蹴爪』が生えている。
無論、ただの飾りではなく、その切っ先は『鋭利』。
命中すれば、人体を切り裂く威力があるだろう。
あれを奈津川の体に突き立てる狙いだ!

578『白亜のH』:2022/10/23(日) 14:25:56
>>577

「ハーピー選手は、ここにきて『大技』を選んだようですね」

繰り出された『踵落とし』を観察しながら、紅が言った。

「確かに『威力』の大きな技ではありますが、
 モーションが分かりやすい分だけ『隙』も相応にあります。
 失敗した時のリスクも小さくはないでしょう。
 奈津川選手の接近を見て、
 『賭けに出た』といったところでしょうか」

「奈津川選手が投じた『鞄』が気になりますが……」

所感を述べる紅の視線は、
空中に放られた『奈津川の鞄』に向けられている。

「――何らかの『策』の気配が感じられます」

ハーピーの『技』と奈津川の『策』。
次の一手で、『どちらに傾くか』が決まるだろう。
その結果は、そのまま『勝敗』に繋がる可能性が高い。



∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□□∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴■□□∥□鳥∥□□∥□□■∴
∴■□□∥□恋∥□□∥□□■∴
∴■□□柱□□柱□□柱□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内(床は大理石のタイル)
■:観客席と闘技場を隔てる大理石の壁
∴:観客席
柱:大理石の柱像(高さ2m)
∥:大理石の台座(高さ1m)
恋:奈津川(鞄を投げ上げて駆け出した)
鳥:ハーピー(踵落としを繰り出している)

579烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/23(日) 22:42:29
>>577-578
「不意の一撃…いや、あれは
 ライトを普通に使ってるのか。」
ハーピーのほうが動きが早かっただろう。
しかしその動きをわずかにでも遅らせることができれば良いのだ。

「どうやら体制を立て直したみたいね。
 この時点で勝負は仕切り直し…
 いや、まだあるかもしれない。」
どちらもお互いに追い込んでいるようにみえる。
そう思ったレイは、勝負が次に決まるのかと思わず目を見張る。

「…ハーピーさんが一気にとんだ…!?
 あの動きは…!」
まさに勝負の一撃だ。
高高度からの踵落とし。
まともに喰らえばひとたまりもない…

「ハーピーさんはあのまま一気に勝負を決めようとしてるんでしょうか…
 確かになにかされる前に一気に仕留めるというのはいい手かもしれませんが…」
儚の言葉を聞いてたしかにとうなずくレイだが

「…まだ、奈津川さんは全ての策を見せてはいない気がします…
 彼女がもっているものは全て『布石』であるように思いますが。」
儚の言うカバン。たしかにあれが空中に放り上げられたのにも
なにか意味がアルとレイも感じた。

(さあどうなる…
 私はどっちも応援したい。どっちが勝っても…すごい結末のはずだ!)
息を呑み、その攻撃の行方を見守る。

580『白亜のH』:2022/10/26(水) 16:24:34
>>579

「上空……取られましたか」

     「『影』で『壁』を作るテクニックは、
      ワタクシ『学習済み』で御座いますよ」

奈津川を見下ろしながら、ハーピーが告げる。
『鞄の影』を利用しようとしていた奈津川の『策』を、
ハーピーは見抜いていたようだ。
ハーピーが飛び上がったのは、
奈津川の攻撃を阻止する狙いもあったのだろう。

「先程の蹴りは『パワー不足』で防がれてしまいましたが、
 万全の体勢から放てば『ブッ壊す』のは容易で御座います」

      グ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ッ

『垂直ジャンプ』+『踵落とし』+『蹴爪』の合わせ技が、
さながらギロチンの如く奈津川に迫る!!
『一撃必殺』の可能性を秘めた渾身の大技。
食らってしまえば重傷は確実だ…………!

       ス ゥ ッ

片手を上げた『クワイエット・ガーデン』が、
先程と同様に『ハーピーの影』に触れた。
また『盾』を作るつもりなのだろうか?
だが、さっきと違って、今のハーピーは体勢を崩していない。
『全力の踵落とし』は、
『障壁』の破壊には十分なパワーを持っている。
『障壁の盾』を貫通して蹴爪が突き刺されば、
ただでは済まない…………。

                 ド ン ッ ! !

『クワイエット・ガーデン』が能力を発動する!
現れたのは『影の障壁』。
しかし、『方向』が異なる。
蹴りを防いだ時は『横方向』に展開していたが、
今度は『縦方向』だ。
縦に伸びた『障壁』に接触し、
擦れるようにして落ちてくるハーピーの落下速度は、
『摩擦』によって明確に遅くなっている!!

「…………このような『ワザ』が御座いましたか」

   ズ ッ ザ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ

        「ワタクシ、また一つ賢くなってしまいました」

ハーピーが減速している間に、奈津川が横に移動する。
これにより、踵落としの軌道上から外れる事に成功した。
命中した時の威力は高いものの、
少し狙いが逸れただけで当たらなくなるという弱点を、
見事に突かれた形だ。

    「後はスピードも削がれ、
     翼も失ったあなたを撃ち落とすのは、
     そう難しいことじゃあありませんよね?」

ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ

ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ

ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ

ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ

ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ ドゴ

『クワイエット・ガーデン』の両腕が『障壁』を『透過』し、
ハーピーの全身に叩き込まれる『拳の連打』!!
それら一つ一つが正確無比な『クリーンヒット』だ!
的確に急所を狙い撃ちするラッシュは、
たとえ常人並みのパワーであっても、
それを補う底力を発揮する。

 ドッゴォォォォォォ――――――――――ン!!!!!!

狙い澄ました『最後の一撃』が、ハーピーを吹き飛ばした!!
ただ、あまりにも飛び方が『派手すぎる』。
何しろ、ざっと『7m』はブッ飛ばされているのだから。
いくら超精密性の打撃とはいえ、
『そこまで飛ぶか?』と思う程の距離だった。
あの『超人的なタフネス』以外にも、ハーピーには、
まだまだ『秘密』がありそうだ。
入場口の扉に叩きつけられ、うつ伏せに倒れまま、
ハーピーは起き上がらない。
これで『勝負は決まった』かと思われた時――――。

581『白亜のH』:2022/10/26(水) 16:29:04
>>580

           ――――ダンッ!

四肢を使って体勢を立て直し、ハーピーが立ち上がった!!
あれほどの攻撃を食らったというのに、涼しい顔をしている。
常識では計り知れない『人外のタフさ』だ。

         バッ!!

奈津川めがけて、ハーピーが駆け出す!

                 ド サ ァ ッ

その直後に、『鳥人』は力が抜けたように地面に倒れる。
『痛みに強い体』であっても、
ダメージを受けない訳ではないのだ。
奈津川からの攻撃によって蓄積された負傷は、
既に『活動限界』を超えてしまっていたらしい。

「ワタクシ、どうやら『リミットオーバー』のようで…………。
 これでは打つ手が御座いませんね」

        「奈津川さん、ワタクシ『参りました』」

地面に倒れたハーピーは、潔く『自身の敗北』を認めた。
この瞬間、『奈津川の勝利』が確定する。
すなわち、この戦いの『決着』だ。

    《空中を『狩場』とする恐るべき『鳥人』。
     それを討ち取ったのは、
     光と闇の『境界』に立つ『ガラスの少女』》

    《これは『神話の闘い』ではありません。
     『現代の興行』に過ぎないのです。
     しかし、何の違いがありましょう。
     優れた『芸術』が見る者を魅了する。
     そこに『貴賎の差』は存在しない》

《けれども、『勝者と敗者の差』というものは否定できません。
 勝った者には、相応しい『名誉』が与えられるべきです》

  《臨機応変な戦術で『勝利』を手にした『奈津川恋子』に、
   惜しみない『賞賛』を捧げようではありませんか》

 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!

 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!

 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!

 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!

 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!

会場全体から、盛大な『拍手』の音が鳴り響く。

「お互いが全力を尽くしてぶつかり合う事で、
 自分が相手の力を引き出し、相手が自分の力を引き出す。
 『試合』とは、単に『勝ち負け』を競うだけの場ではなく、
 『互いに成長しあうための場所』でもあるのです」

「そうした意味で、この試合は、
 非常に『価値あるもの』であったと言えるでしょう」

       パチ パチ パチ パチ パチ

他の観客と同じように、紅も拍手を贈る。
軽く頷く彼女の表情は、とても満足そうだった。
紅から見ても、この戦いは『良い試合』だったのだろう。

582烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/26(水) 18:37:23
>>580-581
「壁を作る能力…
 奈津川さんの能力であの全力の攻撃をどうやって止めるのか…」
今度こそハーピーの攻撃は全力の一撃となるだろう。
踵落としが決まればそれでKOだ。
そう思い、壁を展開しようとする奈津川とハーピー、両方を見るが…

「あれは…そうか!」
突然落下速度が遅くなっていくハーピー。
こすれるように壁にハーピーの攻撃があたっているのが目に見えて分かった。

「『止める』んじゃなくて『流す』!
 それが剛の一撃に対しての対抗策か…!」
止められない一撃は防がずに逃げるだけの時間を与える…
それによって奈津川は彼女の攻撃を見事にかわしてみせた。

「あの一撃は決まれば強力だけど…
 もうその後は隙だらけに…!」
もはや次を防ぐことはできないと、レイからもわかった。
そして

「もう、これは決めるしかない!
 いけー!!!」
ラッシュを見て思わず立ち上がりそうになるほど興奮し、声を上げた。

…やがてラッシュが終わったが
「アレだけ食らっても平気そうだななんて
 ずいぶんとすごいんだな、あの人…」
ハーピーのその様子を見て思わず驚いた表情を見せる。

「奈津川さんの勝利か…
 あの人のスタンドもすごかったな…
 おめでとう!!」
自然と、レイも拍手を送っていた。
これはハーピーだけにでも奈津川だけにでもない。
両方に向けての称賛の拍手であった。

「…ええ、私もそう思います。
 この全力勝負は、見ててすごく、良かったと思いますよ。
 まさに試合って感じです。」
儚に対しても満足げな表情を浮かべている。レイにとっても楽しめるものだったようだ。

583『白亜のH』:2022/10/27(木) 10:11:31
>>582

「……! ふう、『降参』……ですか。わかりました。
 『ハーピー』さん、ありがとうございました。
 良い勉強になりました」

「ワタクシにも得るものが多く御座いました。
 『ニンゲン』について、さらに理解が深まりましたので。
 今日の経験は、今後の『研究』に加えさせていただきます」

「『サンキュー&ユアウェルカム』で御座います」

奈津川は丁寧なお辞儀をして舞台を去り、
上体を起こしたハーピーが見送る。
その両者に対し、レイは拍手を贈った。
他の観客達も、おそらくは、
同じような気持ちを持っていただろう。

「『価値ある時間』を提供する事が出来たのなら、
 『主催者側』として光栄に思います」

やがて紅が座席から立ち上がり、姿勢を正して頭を下げる。

「試合の開始前に、
 ハーピー選手から頼まれていた事があるのです。
 試合が終わった後で、
 烏丸様に『挨拶』がしたいという申し出でした」

「ご都合がよろしければ、
 『控え室』まで同行をお願いしたいのですが――――」

    ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

まもなく、レイは紅に連れられて、
『ハーピーの控え室』にやって来た。

「――――どうもどうも」

「ワタクシは『寝たまま』で失礼では御座いますが」

ソファーの上で横になっているハーピーが、
レイの姿を見て片手を上げた。

584烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/27(木) 21:47:38
>>583
「ふたりともとてもいい試合でした!
 今後の参考にさせていただきます!」
そう言って二人に拍手を送り、見送っていく。

「そりゃもう、こういう試合は見てて楽しいですよ。
 またお誘いがあれば行ってみたいくらい。」
そう言って儚に向けて頭を下げる。
すると、

「私に挨拶?
 わざわざ呼んでくれるなんて嬉しいなぁ。
 ぜひとも。行きたいと思います。」
そう言って控室に案内されるレイ。
どうやら問題ないらしい。



ハーピーの控室にやってきたレイは、
「あ、わざわざ呼んでくれてありがとうございます。
 というか、」
横になっているハーピーの姿をよく見渡す。

「あんなにラッシュを食らって、大丈夫なんですか?
 体とか…」
見たところ寝たままであるためダメージは有るのは間違いなさそうだが
それでも一休み程度に見えてしまう。

585『白亜のH』:2022/10/28(金) 07:39:13
>>584

「なかなか手痛いダメージをもらってしまいまして、
 今は動く事に難儀していますが、
 『タフ』なのが取り得で御座います」

ハーピーはグッタリしているものの、
表情や声色は普段と全く変わらない。

「本当は『治療』してもらえるのですけれど、
 ワタクシ辞退いたしました。
 大体の怪我は、寝れば『治ります』ので」

当たり前のように、ハーピーは言う。
驚異的なタフネスに加えて、回復力も常識外れらしい。
つくづく『人間離れ』している。

「烏丸さんだけに教えますが…………
 ワタクシには『とっておきの奥の手』が御座います。
 出せそうな場面がなかったもので、
 今日は使わずじまいで終わりました」

内緒話するように、ハーピーがレイに囁く。
今回の試合で使われなかった『隠された切り札』。
いつの日か、それが明かされる事になるかもしれない。

「今回は『本気』を出して『マジの戦い』をお見せしましたが、
 『参考』になりましたでしょうか?」

最初、ハーピーがレイを呼んだのは、それが理由だった。
『自分の宣伝』という意味もあっただろうが……。
両方が達成できれば『一石二鳥』というところだろう。

586烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/28(金) 23:09:46
>>585
「タフにしてもずいぶんとすごいタフですねー。」
声などからハーピーの状態を確認しているレイだが
見たところ、疲れてる程度にしか見えない。
その表情は感心しているように見えるだろう。

「羨ましい限りだなぁ
 寝たら治るなんて…私もそうだったらなー…」
寝れば治るというその言葉を信じているようだ。
彼女の能力がそういうモノ、と思っているのかもしれない。

「奥の手?すごいですねー!
 あんな猛攻を仕掛けてたけど、まだ奥の手があったなんて!
 …その奥の手、とても気になります。」
レイはその言葉を聞いた途端に
目を輝かせてハーピーを見つめている。
見たくてしょうがない。と目が物語っているのだ。

「今回の勝負…たしかに素晴らしかったです。
 正直言ってかなり興奮しました!
 お互い全力を出し合ったようなきがするんですが…」
そう言ってかなり興奮した様子で更に続ける。

「まだ奥の手があると聞いたら、更に上の『マジ』の戦いを
 見たくなってきました!」

587『白亜のH』:2022/10/29(土) 10:51:31
>>586

「ワタクシの『奥の手』は、まだ『秘密』です。
 ただ、一つだけ教えて差し上げるならば、
 『本来のチカラを解き放つワザ』で御座います」

「『天空究極奥義・スペリオルバードフィニッシュ』――――」

       「『ジョーク』で御座います」

『ネーミング』は冗談のようだが、
『隠し玉』があるのは本当のようだ。
そして、『奥の手』というのは滅多に出すものではない。
それが使われる場所は、『試合ではない戦い』なのだろう。

「今回の試合は、ワタクシにとって、
 一つの『実験』でもありました。
 『奥の手』を使わずに、
 どこまで戦えるかを調べたかったので御座います。
 奈津川さんのお陰で、非常に良い『成果』が得られました」

「ワタクシの『奥の手』が見たいのであれば、
 この次はレイさんがハーピーと勝負いたしますか?」

            フフフ

「もっとも、次に出場する選手はワタクシではないでしょうが」

ハーピーの口元には、不敵な笑みが浮かんでいる。
試合というのは、『互いに成長しあう場』だと、紅は言った。
勝利した奈津川だけでなく、敗れたハーピーにとっても、
今日の戦いは『価値あるもの』だったらしい。

「以前にもお話しましたが、
 ワタクシの本業は『ストリートパフォーマンス』で御座います
 詳しく言えば『バードショー』と申しましょうか」

「このハーピーには、
 鳥とコミュニケーションを取る『特技』が御座いまして、
 そのチカラを活かして、
 鳥達の『曲芸飛行』を披露しているので御座います」

「もし町で見かけた際は、是非ご鑑賞下さいませ」

588烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/29(土) 21:36:40
>>587
「その名前!カッコいい!!」
どうやら彼女はそのジョークのような必殺技名を本気にしたようだ。

「え、冗談なんですか…
 いっそ本当にその名前にすればいいんじゃないですか。カッコいいと思います。」
その表情は本気のもののようだ。

「にしても、本来の力を解き放つ技か…
 そういうのってやっぱりかっこいいなぁ。
 私にもそういう技があればいいんだけど…」
一応彼女の能力も変身だけが本質ではないのだが
それでもすごそうな技があるのが羨ましいようだ。

「奥の手を使わずに…
 だからまだ元気だったうちに勝負を終わらせたってことですか。」
どこか感心した様子で答える。
少々違うかもしれないが、レイはそういうふうに捉えたらしい。

「うーん、ハーピーさんとはぜひとも…
 パフォーマンスのときだけではない本気の勝負も見てみたいですけどね。
 闘技場で対戦相手を選べるなんてのはないですよねー。」
どこか残念そうだ。
戦いたいというのは本当に思っているようだが。

「バードショー…
 またどこかであったときにはじっくりとそのショーを見てみたいなと思います。
 …ヒーローショーも好きだけど、そういうのもなかなか良さそうだなぁ。」
彼女の動きを見て
どんなショーを見せてくれるのか、レイには楽しみなようだ。

589『白亜のH』:2022/10/30(日) 13:25:53
>>588

「決して『手を抜いた』ワケでは御座いませんので、
 そこだけは誤解なきように。
 本気で戦わなければ、
 『研究』の意味がなくなってしまいます」

一部に訂正を付け加え、ハーピーは言葉を続ける。

「実を言いますと、
 ワタクシも『レイさんの能力』には関心を持っておりまして。
 このワタクシの『ハロー・ストレンジャー』と、
 少なからず『共通点』があるように思います」

「『ヒーローショー』ではお互いに『手加減』していましたが、
 『ガチ』でぶつかってみるのも悪くはないもので御座います」

『レイとの勝負』に関しては、ハーピーも意外に乗り気だ。

「ワタクシ小耳に挟んだのですが、
 この闘技場は『他の派閥』に『貸している』事もあるようで。
 しかも、『完全無料』で貸したそうで御座います。
 『お願い』すれば、使わせてもらえるかもしれません」

レイが望むなら、ハーピーと戦う事は『可能』なようだ。
『この場所』を使う事も不可能ではないらしい。
確かに、ここなら誰にも邪魔されずに『勝負』が出来る。

 「せっかくですから、今の内に『交渉』してみては?」

ただし、それを実現するためには、
『ステュアート派』と話をする必要がある。
そして、その件はレイに一任された。
どうするかはレイの自由だ。



(※交渉する事を選んだ場合、『小ミッション』に移行します)

590烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/30(日) 20:58:18
>>589
「それはすみません…
 私は決してそんな風には思ってないんですが…」
少々気分を害させてしまったのではないかと思い
慌てて頭を下げる。

「うーん、方法があればいいんだけど…
 ん?貸出がある…ですか?」
どこかレイの表情がかなり期待したものになっている。

「完全無料で貸出…
 できるならやってみたいです…
 交渉…私にできるかはわからないけど…」
そう言ってふと顔をあげる。

「物は試しで、やってみます。」
そう言って顔を上げた。

591『白亜のH』:2022/10/30(日) 21:50:10
>>590

「まぁまぁ、頭を上げて下さいませ。
 謝罪を行う必要は御座いませんので」

ハーピーには、気にした様子は全くない。
念のために言っただけで、別にどうという事もないのだろう。
レイが了承すると、小さく頷いてみせた。

「そうで御座いますか。では――――」

          コン コン コン

ハーピーが何かを言いかけた時、
部屋の外からノックの音が聞こえた。

           「どうぞ」

「――――失礼致します…………」

         ガチャ

ハーピーの返答を受けてドアが開くと、
初老の白人男性が入ってきた。
長身痩躯を包んでいるのは、
『黒に近い灰色』である『チャコールグレー』のスーツだ。
仕立ての良いクラシカルな装いや穏やかな物腰から、
自然と漂う『品位』が滲み出ている。

「ハーピー選手の具合を伺いに参ったのですが、
 『歓談』のお邪魔をしてしまったようですね」

           ス ッ

「失礼ながら、『烏丸レイ』様とお見受けしました」

レイの姿を見て、男性が丁重に一礼する。
その所作には嫌味のない優雅さがあった。
話し方も流暢で淀みがない。

「私は『スティーヴン・ステュアート』と申します」

彼の口から発せられた名前は、
紅から聞いた『代表者』のものだった。

592烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/30(日) 22:42:19
>>591
「どうもありがとうございます…
 そのように言っていただけるなら」
そう言って微笑みかける。

「ん、もしかしてそっちに…?」
ふと、ノックする音が聞こえたため、そっちの方を向いた。

「あ、どうもこんにちは。
 その、はい、烏丸レイです。」
そう言って立ち上がり、頭を下げた。
格式高いという言葉が似合いそうなその人
スティーヴン・ステュワートをみて、思わず緊張してしまったようだ。

「うーん、先程まで色々、ハーピーさんとお話してましたが…
 どこから聞いてましたかね?」
そう言って顔を上げた。

593『白亜のH』:2022/10/30(日) 23:34:53
>>592

『ステュアート派』では、
『ドレスコード』を設けて『客層』を選んでいる。
また、この試合も入場は『無料』。
純粋に『収益』を目的としている場合は、
どちらも適切とは言えない方法だ。
裏を返せば、『財力』に十分な余裕がなければ、
そうした方針は取らない。
これらの点から考えると、
おそらく『ステュアート派』は『裕福』なのだろう。

「いいえ、私は何も聞いておりませんよ」

         ニコリ

本当に聞いていないのかもしれない。
それとも、レイの出方を見るために、
わざと『聞いていなかったフリ』をしているのかもしれない。
豊かな『年季』を含んだ柔らかな微笑からは、
その真意を読み取れなかった。

「烏丸様――――私に何か用事がおありですか?」

ハーピーは横になったまま、口を出す気がないらしい。
レイの判断に任せているようだ。
交渉するなら、まずは『説明』から始めるのが妥当だろう。

594烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/31(月) 21:17:31
>>593
「むー、そうですか?」
本当に聞いていないのか…
彼の顔を見ても判断は難しい…

ふー、と呼吸を整えてから…
レイは言葉を返す。


「用事…そうですね。
 単刀直入に言うと…ですが」
そう言って顔を上げる。

「実を申しますと、
 私は一度戦ってみたい人がいるのです。」
そう言って視線をハーピーへと向ける。

「それで、その…
 一度だけでかまわないんですが」

「闘技場をその戦いのために使わせていただくことはできませんでしょうか?」
かなり緊張した様子で答えた。

595『白亜のH』:2022/10/31(月) 22:17:18
>>594

「――――構いませんよ」

ステュアートから返ってきた答えは、単純明快なものだった。

「観客を入れる事は出来ませんので、
 ギャラリーと実況のない『野良試合』の扱いになりますが、
 それで宜しければ…………」

レイの緊張とは対照的に、
ステュアートは悠然とした態度を崩さない。

「我々が『興行』を催すのは、お金のためではありません。
 『良識』あるスタンド使いの方々と交流を持つためです」

「そして、私が求める『品位』というのは、
 単に見かけだけを取り繕ったものではなく、
 当人から滲み出る『精神的な美しさ』を指しているのです」

「烏丸様は、その『資格』を満たす方だと存じていますので、
 こちらとしても喜んでお貸し致しましょう」

『交渉』というには、あまりにも呆気ない。
しかし、どうやら話は纏まりそうだった。
予想していたよりも、そう困難な問題ではなかったようだ。

「ただし、一つだけ『条件』を出させて頂きましょう」

だが、『すぐに済む』という訳でもなかったらしい。

「私の友人である『ロダン』と話をして下さいますか?」

『ロダン』――――レイが初めて聞く名前だった。

596烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/10/31(月) 22:51:56
>>595
「本当ですか?ありがとうございます!」
どこか楽しそうに彼女はお礼を言いつつ頭を下げた。

「大丈夫ですよ。
 ショーマンとして活躍するのは私はまだまだだと思いますし。」
そう言ってうなずいた。
彼女的には野良試合だとしても問題ないようである。

「良識ある…
 そこまで言われるとちょっと照れてしまいますが。
 そう思っていただけるなら、私も嬉しく思います。」
そう言って微笑んだ。

「条件…ですか?
 ロダン…というのは…どなたで?」
もちろんレイにとっては聞いたことのない名前だ。
リングネームか、本名か、気になるところがある。

597『スフィンクス・チャレンジ』:2022/11/01(火) 11:28:33
>>596

「それは――――お会いになれば分かりますよ」

          ニコリ

優雅な微笑と共に、ステュアートが短く言葉を返す。

「こちらでお待ち下さい。
 ここへ来るように伝えておきましょう」

              ス ゥ ッ

『ステュアート派』の代表は、格調高く一礼すると、
静かに退出していった。

「レイさん、上手くいったようで御座いますね。
 まぁ、とりあえず座られては?」

向かいのソファーを手で指し示し、ハーピーが言った。

   ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

それから少し経って、ステュアートが再び控え室を訪れた。
今、テーブルに置かれているコーヒーとケーキは、
彼が置いていったものだ。
薫り高いエスプレッソと芳醇なチョコレートケーキ。
どちらも店で出される品のように出来が良い。
そういえば、ハーピーと再会した喫茶店で、
ステュアートの姿をカウンター越しに見た気がする。

『Priceless』――あの店の『店主』は
スティーヴン・ステュアートが務めているらしかった。
まだ『ロダン』は来ていない。
それまでの間は、くつろいでいてもいいだろう。

598烏丸 レイ『グレゴール・ザムザ』:2022/11/01(火) 19:14:05
>>597
「はぁ…わかりました。」
そう言って、ステュアートの表情を目で追う。

「…じゃあ、お待ちしていますね。」
ステュアートを見送ってから、
「わかりましたー。
 とりあえず今は座っときます。」
ハーピーの言葉に従い、椅子に座って少し暇をつぶしていた。

「どうもありがとうございます。
 このケーキ、とてもいい香りですねー。」
そう言ってケーキを手に取る。

その香りはどこかで嗅いだことがあるものだった。

「そういえば、ハーピーさんとあったあのお店で
 ステュアートさんを見たことがあった気がします。
 あのお店をやってる人だったんですね…」
ケーキをもぐもぐ食べながら、ふと思い出したことを言った。

599『白亜のH』⇒『スフィンクス・チャレンジ』:2022/11/03(木) 14:32:42
>>598

『奈津川恋子』の『試合』は終わり、『烏丸レイ』の『ゲーム』が始まる。

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1666419759/21


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