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【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』
1
:
『幸せ兎』
:2019/03/08(金) 22:34:41
覚えていて悲しんでいるよりも、忘れて微笑んでいるほうがいい。
クリスティナ・ロセッティ
≪ ザザ――――z__________________ ..... ≫
「…………」
「キミも、そう思う?」
「いいや」
「おれは――――悲しくっても、覚えてたいよ」
「……この景色を。
いくつになっても。」
「はは。理由なんて。だって、生まれ故郷だぜ。この――――」
≪ザザ ――――― ≫
≪ プツン≫
―――――――――――――――――――――――――――――
★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。
☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1455891211/
【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/
【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1511075107/
★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1427557344/
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/
50
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/03/22(金) 23:40:48
>>46
中の良さそうな三人の様子を見ながら、
『シャロ』と呼ばれた少女の問いに答えるヨロズ
「……私は、『ロボット』ですので」ウィーン
人差し指を立てた右手を背もたれの陰から出して、三人に見せ
「『人間』の娯楽である『ミステリーツアー』では出しゃばらないと」カシャカシャ
「そう、決めたのです」
パカァッ カシャンッ
「自己紹介ができる人数も限られているでしょうし、ね」
右手の人差指が真っ二つに別れて開き、閉じる。
「ともかく、私はあなたたちの事が知りたいと思いました」
「私は『茅足 萬』。ヨロズと呼んでください」
「あなたたちのお名前を伺ってもよろしいですか?」
にこりと、ヨロズが可能な限りの『親しみやすい笑顔』で問いかける。
51
:
城井 達己『サクリファイス・セオリー』
:2019/03/23(土) 23:24:46
>>46
「小石川さんも、天雨さんも、よろしくお願いしますね」
見知らぬ土地で見知らぬ人と仲良くなるのも旅の醍醐味の一つなら、
今のところちゃんと楽しめている、のだろう。
その相手が普段の生活で接する事のない『個性的』な面々ならば、『尚のこと』だ。
「俺はそもそもこういう『バスツアー』みたいの初めてで、
色々お世話になると思うんですけど」
『小石川』、『天雨』にそう告げ、続く青年の『自己紹介』へ目を向ける。
「旅慣れしてる人もいるみたいだし、その辺安心できるのかな。
俺、この旅の行き先も分からないくらいだから、『予習』も全然はかどらなくて」
何かしら、目的地の事を知っている参加者が居れば良いとも思うが、
この雰囲気だと、その辺りも含めて『ミステリー』ということなのだろう。
52
:
<削除>
:<削除>
<削除>
53
:
<削除>
:<削除>
<削除>
54
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/03/24(日) 23:53:22
>>47
(小石川)
集合時間はそれなりに『朝早く』――――『8時半』頃だったか。
今は9時を回っているので、30分ほどは経過している。
所要時間の把握は目的地が『有名な場所』なら不要になる用心だろうが、
電波が届かない山奥の廃村などの場合、それだけでも知っていると安心だ。
「私も、一人旅はそれほどは。『家族旅行』でしたら、
学生の頃は長期休暇の折に、度々行っておりましたけれど」
「廃校…………珍しい体験をしておりますのね!
少し意外ですわ、てっきり『植物園』や『美術館』のような、
静謐で文化的な所をお好みかと――――――――」
天雨の視線も、小石川の指輪に引き寄せられていた。
それを見てか、特に関係はないのか言葉にやや詰まった後。
「いえ、感想はまだ早いかしら、続きをお聞きしましょう。
『宿泊施設』は廃校だとして……どんな行程になりましたの?
リバイバルブームですし、『給食』を皆で食べたりなさるのかしら?」
気を取り直すように、旅行の話の続きを促してきた。
それとはやや時間的に前後するが、城井(
>>51
)も話を振ってくる。
天雨はタイミングをずらしてそちらとも会話しているようなので、
そちらの話題の方が興味があるのであれば、混ざる事も出来るかもしれない。
>>48
(黒峰)
「キャンプ場なんて困るわよォ、スマホ繋がらなさそうだし。
毎日ログインしなきゃポイント貯まらないアプリもあるし」
スマホを片手で弄りながら、まだ見ぬ行き先への不安を口にする笹井。
「眠り? あんた折角の旅行先なのに、『寝床』が一番楽しみだっての〜ッ?」
「『布団屋の娘』かなんかなの?」
・・・どうやら、『夜寝るのが楽しみ』程度に受け取られたようだ。
なんにせよ、会話が自然に続くようになってきた。『知人1人目』は間違いない。
>>49
(宗海)
「『催し』ねえ……どうなるでしょうね。
旅先で何か、準備がしてあるのか――――
単に、旅館で『蟹食べ放題』でもしてくれるのか。
それとも、このバスで急に事件が起こったりとか?
――ふふふ、『非常口』は確かめておかなくっちゃあ」
そう言いつつ、彼の視線は特に何かを探す風ではない。
恐らくは、冗談で言っているのだろう。
ちなみに非常口自体はこのバスにも勿論存在するし、
特に時間をかけて探す必要はないと思われる。
「それにしても――――『博識』なんですね。
それとも、『勉強家』って言った方がいいのかしら」
感心した風に、口元に手を当てる刈崎。
「……『かしら』なんて言っちゃった、すみませんね、いい年の男が」
フフ
「ワタシもミステリーツアーについて少しは調べたつもりだったけれど、
そーいう歴史みたいなところは、ほとんど触れていなかったものだから」
「それにしても、工場――――――
工場は嫌ですね、小中学校の遠足じゃあないんだから」
ちょうど窓の外――――高速道路の流れる景色は、工場との間を走るのであろう大型トラックだった。
55
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/03/24(日) 23:55:07
>>50
(ヨロズ)
「?? へ? ロボット? 何言ってるんですか???」
見るからに大量の疑問符を頭に浮かべる『シャロ』。
ヨロズの言葉に『本気』が見えるのも原因だろう。
「いや冗談でしょ、真に受けんなよ。
そういうのボケ潰しって言うんだぞ」
ロボット発言は少なくとも今は流されそうになっている。
「……あ、えっと、『仲真紗蕗(なかま しゃろ)』で〜〜〜す。
よろしくです! あ、シャロって呼んでください!
あ、一応言っとくけどあだ名とかじゃなくて本名で〜す!」
「よく間違われちゃうんだけど、
お母さんが外国人なのでぇ〜」
ともかく、三人から自己紹介がかえってきた。
ヨロズの笑顔に何かを感じたのかやや反応が遅れた、『仲真』。
ベレー帽と、明るい茶色の髪。どこか『どんぐり』風のシルエットが特徴だ。
パット見た限りでは、この三人の中では最も『明快』そうに見える。
「自分、『大丸六花(おおまる りっか)』です。
六花が『六(ロク)の花』だから、ロッちゃん。
でも呼び方は『大丸』でも『リッカ』でもいいです。
あー、っと、ここ。横三人、清月中等部の『ボドゲ部』です」
ゆっくりと自分から仲真を通り、逆側に座る少女までを指で示す『大丸』。
三つ編みにメガネで、大人し気な雰囲気だが、口調などはむしろはっきりしている。
パット見た限りでは、この三人の中では最も『知的』そうに見える。
「ボドゲ部じゃあない、『室内遊戯同好会』が正式名称だぞ。
ボードゲームしかしないわけじゃあ、ないんだからね・・・
オホン――――わたしは『小角宝梦(おづの ほうむ)』。
呼び方は、お好きにしてくれたまえ。『ヨロズ』さん、どうぞよろしく」
そしてどこかフクロウのような丸い目を見開き、小さく頭を下げた『小角』。
銀の髪に茶色の目、どこか芝居かかったような語り口。膝の上に置かれた『鹿撃ち帽』。
パット見た限りでは、この三人の中では最も『奇抜』そうに見える。
ともかく――――比較的年の近い三人と知り合い、ヨロズの旅のスタートは騒がしい物となりつつあった。
>>51
(城井)
「私も、流石に『ミステリーツアー』は経験がありませんのyね。
とはいえ、出来る事はあるでしょうから。遠慮なく頼って下さいまし。
きっと後悔はさせませんわよ……ふふふ、なにせ私、『文武両道』ですので」
「ああ……勿論、あちらの詳しい方に頼るのもよろしいでしょうけどね」
⑦の青年にも拍手は送りつつ、天雨はさほど興味を向けていない。
若干の『下心』を感じる彼の視線に、思うところがあるのかもしれない。
「それにしても――――貴方。
旅の前に『予習』だなんて、素晴らしい心がけですわね。
誰よりも旅を楽しもうとしている、見習いたい姿勢ですわ」
「まあ、私もタブレットに『観光地』関連の情報は多少、纏めましたけれど。
なにせ『ミステリーツアー』ですもの、行き先は観光地ですらないかも?
備えようのない不安も込みで楽しむもの、と考えても良いのかもしれませんわね」
旅行は――――多かれ少なかれ、『非日常』を求めるものだ。
今回のツアーは、いわばその極致にあるのかもしれなかった。
なお、この距離だ。城井には小石川(
>>47
)と天雨の会話も聴こえている。
そちらの話題に興味があるなら、それはそれで混ざる事も出来るかもしれない。
56
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/03/24(日) 23:56:51
>全体
「はいッ」
なんとなく近い席の者同士で自然と話が成立していき、
いまいち自己紹介の手も上がらなくなってきたバスの中で、
やや静まりつつある空気を見かねたのか最後尾の男が手を挙げた。
ドレッドヘアにした漆黒の髪に、一房だけ混じる赤い髪。厳つい顔立ち。
「 はぁ〜〜いっ! 自己紹介どうぞォ〜〜〜 」
どちらかと言えば穏やかな容姿の者が多いこのバスの中――――
隣の『アクセサリー』だらけの金髪男と共に、明らかに『浮いた』男。
「こーいう『イベント』ってヤツはよォ〜〜〜、
しっかり流れに『ノッて』行くもんだろがよォ。
オメーら行かねェなら、おれが行かせて貰うぜ?」
スゥッ
近付いた添乗員に小さく頭を下げると、おもむろに立ち上がった。
「 お客様ァ、危ないので運転中は座っててくださぁ〜〜〜〜いッ・・・! 」
スゥー ・・・
「…………ン”ン”ッ」
そして年老いた運転手の言葉に、再び座った。
気を取り直すように、咳ばらいを一つして。
「武谷 富黎武(たけや ふれいむ)――――――24歳ッ」
「『大富豪』の『富』」
「『黎明』の『黎』」
「『鎧武者』の『武』」
「仕事はよォ〜〜〜ッ、今は『イベントスタッフ』とか色々バイトやってるゼッ!!」
「旅の間だけになるか、
長い付き合いになるか、
わかんねえけどよォ〜〜〜。
いっちょヨロシク頼むゼッ!!」
「ちなみに横で寝てるコイツが、おれの相方の『ヤス』だからよぉ〜〜。合わせて頼むぜ!!」
・・・・・
・・・・
・・・ パチパチ パチパチパチ
やや文化圏の違う挨拶にも、まあ、それほど他と変わらないまばらな拍手が鳴り響いた。
そうこうしている内に――――バスは高速道路をひたすら走っていく。この様子だと結構遠くに行くのだろうか?
それから、しばらくして・・・
「 次のサービスエリアで一回休憩取りまァ〜〜〜〜す 」
・・・とりとめのない世間話などをしていた添乗員が、そう告げた。
57
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/03/25(月) 15:32:24
>>51
>>54
>>56
俯いていた顔を上げ、天雨に軽く目礼する。
それから、視線を城井の方に向けた。
結果的に、天雨と城井の二人に向き合うような形になるだろう。
「私は――さっき天雨さんに申し上げましたが、バス旅行は少し前にも一度……」
「ですが……旅慣れはしていませんので、私もお世話になることは多いと思います」
穏やかに微笑んで、自己紹介をした青年の方を見やる。
『彼』――亡くした夫と知り合う前に交際していた男性に、少しだけ似ている気がした。
その男性とは結婚の約束をしていたけれど、それが現実になることはなかった。
――……
彼は私を愛してはいなかったのだから。
だけど、私は彼を恨んではいない。
それどころか私は彼に感謝している。
――……そう、『彼』は……。
その出来事がきっかけで『彼』と出会うことができたから。
今は『彼』も、私の前からいなくなってしまった。
だけど――私の心から『想い』が消えることはない。
――……『彼』は、今でも傍にいてくれている……。
右手の薬指にある指輪を、愛おしげに指先で撫でる。
これが『彼』の存在を確かに感じさせてくれる。
そうしてから、再び口を開く。
「……私が以前に参加した旅行は『林間学校』を意識したような趣向でした」
「宿泊施設が山の『廃校』でしたので、日中は辺りの散策などを……」
「職員の方々は……参加者から『先生』と呼ばれていました」
『廃校』での一夜を思い出す。
結局、あの旅行は一日で終わってしまった。
それから『彼ら』がどうなったのかは何も知らない。
「――この旅行とは趣向が違いますので、参考になるかは分かりませんが……」
静かな微笑と共に言い置いて、ひとまず『自分の旅行』の話を終える。
その施設で起こった『争い』については触れない。
そして、三人目の自己紹介に耳を傾ける。
「とても元気な方ですね……」
「何だか……こちらも力を分けてもらえそうです」
拍手を送ってから控えめにクスリと笑い、近くの二人に感想を漏らす。
どうやら、もうすぐ一旦バスが止まるようだ。
そうしたら、外の空気を吸うために降りてみることにしたい。
58
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/03/25(月) 23:23:44
>>54
>>56
「睡眠環境は……大事ですよ……。
たとえばただの栄養補給であるはずの、食事で……料理の味や見た目に凝るように、
……睡眠にも凝って当然なのです……。
布団を変えたり……場所を変えたり……『マンネリ』は睡眠の大敵です……。
だからこの旅行も、いったいどこで眠ることになるのか……楽しみにしています……」
うとうとしながら力説する。
それなりに打ち解けられた感じで、旅の幸先は悪くなさそう。
>「武谷 富黎武(たけや ふれいむ)――――――24歳ッ」
>(略)
(……あっちの人は……あんまり合わなそうですね……)
59
:
宗海『エトセトラ』
:2019/03/26(火) 00:11:15
>>52-56
(GM)
>「……『かしら』なんて言っちゃった、
>すみませんね、いい年の男が」
「いいえ、『趣味』は人それぞれですから」
今まで、特に言及する機会もなかった、
『刈崎』が膝に掛けている『女モノのブランケット』に視線を落とし、
何の気もなく、言葉を返した。
>「それにしても、工場――――――
> 工場は嫌ですね、小中学校の遠足じゃあないんだから」
「『ミステリーツアー』の『終着点』としては、華やかさに欠けますね。
俗な例えですけれど、『インスタグラム』に写真を何枚か載せても『地味』に見えず、
行ってみたら『味』のある催しだった、と納得出来るような『旅路』がいいのかしら……」
別段、おネツになってる『SNS』があるわけでもないが、
写真に残さずとも『ヴィジュアル』のある旅の方が望ましい。
俗な例え、と前置きをしたものの、語り口は真剣味を帯びていて。
「けれど、『サプライズ』なんて、
醸し出された時点で『ハードル』が上がるのよね。
……私くらいなのかしら。変に気にしているのって」
少なくとも、たった今の自己紹介からは、
『工場』だったどうしよう、という『不安』は、微塵も感じない。
砂漠のド真ん中に放り出されても、野太い笑い声で吹き飛ばしそうだ。
60
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/03/26(火) 01:28:52
>>55-56
「ええ、よろしくお願いします」
「シャロさん」
「リッカさん」
「そして、ホウムさん」
「…………」キュイーン
名前を口に出し終えれば、
何か思うこところがあったのかしばし思案するように
3人の顔を少しの間見ていた。
「なるほど」キュイキュイン
頷いて、続く自己紹介に注目し直し
最後の男性が終えれば、また3人の方を向く。
「人が行う室内遊戯、と言いますと」
「人生ゲームとか、人狼とか、島を開拓する人間のゲームとか、そういうものでしょうか」
3人に訊いてみるヨロズ。
61
:
城井 達己『サクリファイス・セオリー』
:2019/03/26(火) 19:52:29
>>55-56
「『文武両道』、頼もしいですね」
青年の挨拶へ耳を傾けてつつも、あくまで『天雨』、『小石川』との会話を続行する。
「俺はそういうの、あんまり器用にできるタイプじゃないんで、羨ましいな。
その『予習』にしたって、そう」
「別に分からないことがあったらその場で調べれば良いんですもんね。
俺だって『スマホ』くらい持ってるわけだし。
どうしてこんなに張り切っちゃったんだったかな――」
手元の『地図帳』に一度視線を落とし、改めて二人へ、特に小石川へと顔を向ける。
「まあ、電波とか電池とか無くなったら、役に立てるかも知れないんで。
旅慣れしてない同士、協力していきましょうよ。
その方が俺の『地図帳』も、浮かばれるってものでしょうし」
「しかし『フレイムさん』、凄いな。
『旅を満喫しよう』って『意志』が違いますもん。
やっぱり『ああいうの』なのかな……」
これまでよりも心なしか拍手の勢いを増しつつ、少し考えるようにそう呟く。
『予習』だけが楽しむ方法じゃあ、ない筈だし。
62
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/03/27(水) 05:08:50
>>57
(小石川)
人の歴史は、『人間関係』の歴史とも言える。
そして、人は・・・過去を、簡単に捨てられはしない。
その縮図――――あるいは結実である『指輪』。
それだけは今でもあのころと変わらず、輝いている存在だ。
「『コンセプト』がある旅行、という事ですのね!
確かに今回とは、少しばかり毛色が違いそうですわ。
なにせ、ミステリーツアーですもの…………もっとも。
サプライズで到着した旅館が『王宮』のようになっていて、
私達が『来賓』として迎えられる可能性はありますけれど」
チラ
そして、『武谷』の自己紹介には――――
パチパチパチ
「ノリと元気が良いのは、大変結構ですわね。
そういうものは、私には欠けているピースですし――――――」
小石川にだけ聞こえる程度の声で、やや冷めた感想を語る天雨。
なお、城井(
>>61
)の言葉も、恐らくは主に小石川に向けられているような気がする。
>>58
(黒峰)
「マジィ? そこまで睡眠にこだわってんの?
あたしもそれなりに、それなりによ? 知り合い多いけどさ、
旅行来て楽しみにしてるのが『眠り』なんてヤツ初めて聞いたわ」
「でもさあ、どこも何も、普通に旅館とかで寝る事になるんじゃないの?
いや、ミステリーツアーだけどさ。こっちも一応客なわけでしょ。
流石に『野宿』とかそういう、『寝る事がイベント』なのは無いんじゃないの」
無いんじゃないの、と言うより『野宿とかは勘弁』って顔だ。
彼女は彼女で、眠りの質にはこだわりがあるのかもしれない。
ともかく自信にあふれた自己紹介を終えた『武谷』だが・・・
明らかに彼と生息圏の違うティーンの女子3人組が2組、前の2列を占めており、
男性陣などとは席が離れていることもあってか、声など掛けられている様子はない。
そうでなくとも――――彼とはあまり合わない。そう直感できそうな人間が多い。
>>59
(宗海)
「――――そう、そうかもしれませんね」
宗海の返す言葉には、曖昧な笑みが返って来た。
ブランケットはそれなりに使われているものらしく、
汚れなどは無いが、毛並みに多少の年季は感じた。
「そうですね、もう最初から工場見学ってことなら、
こっちもそのつもりで行くからいいのだけど。
あえて『ミステリー』なんて銘打って『答え』がそれだと、
なんだか拍子抜け、って感じで……『サプライズ』に欠けますよね」
「ま。ワタシは、『驚き』がなくっても『王道』な旅先なら、
それはそれで良いですけど…………たとえば? 『京都』とかね」
挙げられた具体的な都市の名前には、いささか彼の願望も感じられる。
いずれにせよ、彼も宗海ほどには先行きを深く気にしている、という様子ではなかった。
63
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/03/27(水) 05:10:10
>>60
(ヨロズ)
「……? わ、わたしの顔に何かついているかな」
「クッキーのカスついてんぞ」
彼女らの名前に何かを感じ取るが、彼女ら自身には特に何か意識するものはないようだ。
視線にも心当たりはないらしい。まあ、何かあっても当人というのは案外気づかないものだ。
男性――――『武谷富黎武』の自己紹介には、『室内遊戯』の面々の後ろ、
別のグループであろう女子三人組も、マスクと眼鏡を付けた一人以外は振り返って見ていた。
「オッ、ヨロズさん『カタン』知ってんです? やりますね。
うちでやる『室内遊戯』は、まあ、大体そんな感じっす。
あ、でもその中だと人生ゲームはあんまりやらないかな……
まあでも部室にしてる部屋に置いてるんで、やる時はやりますけど。
人狼はやる、あとは、まあ、アナログゲームってやつ?
いや非電源ゲームって言うべきなのか……そういうのも色々ありますよ。
カタンもだし、あと有名なのだとそうだな、モノポリー、チェッカー、 「話が長いぞきみ。
あとは、なんか……シャロの家にあった謎のボドゲとかもやりますね。 要点をまとめたまえ」
調べても出てこないんで、多分なんかオリジナルのやつ。とにかく色々ありますよ」
問いには『大丸』が代表するように、長口上をつらつらと語り始める。
対する『小角』は人見知りをするタチなのか、あまり、会話に割っては来ない。
「あたしはあんまりボドゲって詳しくないのでぇ〜。
いつもはロッちゃんとホーちゃんが持って来たゲームに混ぜてもらってまぁす」
中心の『仲真』は、あまり遊戯そのものには興味がないのかもしれない。こういう人間はいる。
>>61
(城井)
「そうでしょう? どんどん頼ってくださいまし……
もっとも、貴方の仰る通り、スマホの充電が切れでもしたら――
貴方のように自分の頭に知識をインプット出来ている人がいれば、
頼ることになるでしょうね。その時が来れば、どうぞよろしく」
バスは今のところ現代文明が行き届いた場所を走っているわけだが、
この先山奥とかに行くかもしれないし、何か秘境とかに入る可能性もある。
そうなると、天雨よりは城井の方が『文武』の両面で優位に立てるだろう。
「『意志』――――そうですわね」
「ああいう勢いは、私には足りない要素……見習うべき点かもしれませんわ」
フ…
天雨の『武谷富黎武』への目線には冷ややかなものを感じなくもないが、
まあ、明らかに文化圏が違う人間だし、『そういうもの』なのかもしれない。
>全体
その後もしばらくバスは走り続けて――――予定通り、サービスエリアに駐車した。
「 15分後くらいに出発しますのでェ〜〜〜 」
ワイ
ワイ
「 それくらいまでに戻ってきてくださァ〜い! ね! 」
ここで小休止を挟むようだ。
サービスエリアにはちょっとした『食堂』『お土産所』『トイレ』などがある。
ゆっくり食事をとるほど長居は出来ないが、何か買い忘れた物があるとか、
話しかけておきたい相手がいるとかなら――――ちょうどいいタイミングだろう。
もちろん、目的通り小休止に集中してもいい。事実、最後列の『ヤス』は車内で寝ている。
他の乗客は――――まちまちだ。15分常に同じ場所にいる、という人間はいないようだが。
(★NPCの乗客は特に触れられていない場合自由に行動しますが、
話しかけたいのであれば特に居場所を探したりする必要はありません。
名前か、番号で指定していただければ、基本的にはそのNPCと会話出来ます)
64
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/03/27(水) 14:46:01
>>61
>>62
>>63
天雨と城井と会話をしている途中で、バスが停車した。
特に用事という程のものはない。
けれど、最初に考えた通りに降りることにする。
「……私も、少し外の空気を吸ってきます」
「天雨さん、城井さん――また、のちほど……」
二人に頭を下げて席を離れ、駐車場に降り立つ。
ふと、乗客の中に見覚えのある姿を見かけた。
以前に一度だけ、星見街道方面で顔を合わせた記憶がある。
「――小角さん」
静かに歩み寄り、一人の少女に声をかける。
彼女は覚えているだろうか。
思えば、出会ったのは随分と前のことだった。
「お久しぶりですね……」
「小石川です」
「覚えておいででしょうか?」
微笑と共に、少女に向けて会釈する。
あの時、私は自動販売機の下に落としてしまった指輪を捜していた。
自分の『目』と『手』を切り離して――。
65
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/03/27(水) 23:31:58
>>62-63
「……旅行する人も、企画する人も……睡眠環境を軽視しすぎですよ……。
せいぜい、『騒音が少ないかどうか』くらい……。
……『気持ちよく眠れるツアー』も……一度体験してみたい……」
そうこう言っているうちにSAについたとのことなので、少しお花を摘みに行ってこよう。
66
:
宗海『エトセトラ』
:2019/03/28(木) 00:17:38
>>62-63
「あら、素敵ですね。
思い描いた『イメージ』通りの『旅路』であれば、
『京都』はピッタリですね。情景が目に浮かびますから」
厳かで雅な印象のある『古都』であれば、
上品そうな青年が好みそうな観光が出来そうだ。
残念ながら訪れたことはないので、
本当に『イメージ』だけでの同意ではあるが。
「――――唯、『京都』までバスで移動したら、
きっと私、酔ってしまいますね。……フラフラになるくらい」
冗談めかした台詞を言い残せば、バスを降りていく。
外の空気を吸って、身体に巡らせていく。
67
:
城井 達己『サクリファイス・セオリー』
:2019/03/28(木) 21:27:11
>>63
「まあ、どこに行くにしたって、電気くらいは通ってて欲しいもんですけどね。
そういえば『旅行』だっていうのに、『着替え』も『充電器』も持ってきてなかったな……」
天雨の言葉にそう返しながら、自身の荷物を振り返る。
書籍ばかりが嵩張って、旅の基本と言うべき装備は殆ど持ち合わせていない。
確か『修学旅行』の時は、『延長コード』と『マルチタップ』を持参した同級生が引っ張りだこだったというのに。
「ちょっと色々調達できないか、探検してきますね。
また、後で」
隣の二人に言い残し、車外へ。
言葉とは裏腹に、目的は物資とは別にある。
是非話しておきたい人物が一人いるのだ。
「『フレイム』さん、『フレイム』さん。
俺、城井って言います。さっき自己紹介した『城井』」
どこかにいるだろう『フレイムさん』を捕まえて、声を掛ける。
「フレイムさん、めっちゃ気合い入ってますよね。
やる気、半端ないですよね」
「『このツアー』、どんな意気込みなんです?」
「『ミステリー』、行けるクチですか?」
勿論目の前の男が『ミステリ畑』の住人ではないことくらい、城井にも想像はついている。
だからこそ、『何も知らないままで楽しむ極意』を、直接に教わってみようと、まあそういう腹なわけだ。
68
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/03/28(木) 22:55:35
>>63
「なるほど、仲良しで、楽しそうですね」
「それではまた、後ほど」
停車すれば、お菓子を食べていた3人に影響されたのか
簡単な食べ物を目当てに土産物屋を目指す。
69
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/03/29(金) 00:35:34
>>64
(小石川)
「私も、少し売店でも覗いて見ましょうかしら――――ええ、また後程」
スタスタ
天雨もバスを降りた。
おそらく、バスに乗るまで遭遇することはないだろう。
そして――――
「それじゃあ――――――――ん?」
「あっ、ええと、小石川さん!
もちろん覚えているとも!
わたしは、頭脳派だからね」
際立って目立つ探偵衣装こそ着ていないようだったが、
特徴的な鹿撃ち帽に、どこか『少年探偵』を思わせる服装。
「なんだか偶然だね。『20人』の中に知り合いがいるなんて」
「ホーちゃん、この人は?」
「小石川さんだよ。わたし知り合いで……
え、ええと、何をしている人なんだったかな……」
友人らしき同年代の――――ベレー帽をかぶった茶髪の少女と、
みつあみに眼鏡の少女に小石川を紹介しようとしているが、
「のどまで出かかっているんだがね」 チラ
よく考えれば彼女は小石川の素性なんて全然知らない。助け船を視線で求めてきた。
>>65
(黒峰)
車内の化粧室は狭いし、黒峰からはやや遠い。用を済ませるには時間も十分あるだろう。
――――特にトラブルなどはなく、帰り道で数名、同じバスに乗っている女性を見かける。
「…………」
②に座っていた緑のロリータ服の女性。土産コーナーを何となく見ているようだ。
「〜♪」
⑱に座っていた茶髪ロングヘアの、高校生か大学生くらいの少女も、特に用はなさげだ。
ウィーーーン
それから――――『⑩に座っていたおかっぱ頭の少女』もちょうど土産物屋に来た。
共通点はいずれも、『一人で行動をしているように見える』というところ。
二人目の知り合いを見つけるのなら、チャンスとしては悪くないのかもしれない。
なお、男性陣としては④のリーマンが②とはやや離れた位置で土産をあさっているのが見える。
>>66
(宗海)
「あらッ――――酔い止めの準備、大丈夫ですか?
一応持ってきてますから、もしダメそうなら言って下さいね」
言葉とともに外の空気を吸いに行ったのが『もう酔った』と思われたか、
そのような心配を背中に投げかけられつつ、サービスエリアに降り立つ宗海。
刈崎はブランケットを畳んだり、荷物をどかしたり、降りる準備をしている。
適当に横によけておく、といった豪快さは無いタイプなのかもしれない。
ひゅ
ゥゥゥ〜〜〜〜 ・・・
外はまだ少しばかり冷たい風が吹くが・・・
適温とはいえどこか淀んだ『長距離バス』の中に比べれば、
きわめて清涼で気分のいい空気を吸える。
それなりに周囲に草木が多い地形なのも理由だろうか。
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、空気がおいしいですねえ!!!!」
「……やっぱ僕もジュース買ってくるわ……お前まじで動くなよ。迷子なりそうだし」
「なりませんけど、わかりました! 私の分もお願いします!!」
「ん…………適当に選んどく」
後から降りてきた⑯と⑰の二人(三人組のうち⑱は少し先に降りていたのを見た)が、
ちょうどそのあとに降りてきて、⑯――――眼鏡にマスクの少女は宗海を一瞥し、周囲を見回して土産屋へ。
⑰――――外ハネした髪と動きやすそうな服装が快活げな少女は、言いつけ通りこの場に残っている。
「いやー意外と寒っ、上着脱いでこなけりゃよかった〜」
それ以外では、自己紹介をしていたナンパ男の⑦『緑里』もバスを降りてきて、そのま建物方向へ向かっていく。
ほかの面々は先にバスを降りてもう建物にいるか、中に残っているかだろう。用があれば探せばすぐに見つかるはずだ。
70
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/03/29(金) 00:35:53
>>67
(城井)
「旅館なら部屋着はあるでしょうし、
ホテルなら充電器もあるでしょうから、
『合理的』と言えなくもないですわね。
野宿なら話は変わってきますけれど」
「ええ、迷わないようにお気を付けて。案外似たバスも多いですもの」
天雨の心配はやや侮りを感じなくもないが、善意だろう。
ともかくバスを降りて・・・あの目立つ頭は、すぐに見つかった。
「おン? 『城井』くん! 最初に自己紹介した城井くんだろ?
ちゃんと、聞いてたッからよォ。カーチャンの話とかよォ。
でも、改めて自己紹介してくれてありがとーなッ!!」
男子トイレから出てきて自販機に向かって歩いていた『武谷』。
声をかけると厳つい顔立ちに笑みを浮かべ、振り返ってきた。
「意気込み?」
「これ当てたのオレじゃなくって、ヤスだからなァ〜。
せっかく当ててくれたんだから楽しんでやる!って気持ちはあるけどよ」
視線を向ける先はバス。最後尾で寝ている相方だろう。
「まああいつもおれもミステリーとか、『コナン君』しか知らねーけどさァ!
そんで、ミステリーとか好きそうな暗めのヤツ、けっこう多そうだけどさァ!
半分は『ツアー』なんだからよォ、ツアーを楽しむ気持ちで、おれは負けねーからよ!!」
ニィ〜〜〜〜ッ・・・
「つーか城井くんはどうなんだよ。意気込みとか、あんだろ?
おれも負けてるつもりはねーけど、自己紹介かなりリキ入ってたろ?」
>>68
(ヨロズ)
「あい、あい、また後で」
同じくバスを降りる大丸の簡素な返事を受けつつ、土産物屋に向かったヨロズ。
ウィーーン
ヨロズの駆動音ではなく、自動ドアの開いた音。
それなりに人がいる。②のロリータ服、④のリーマン風、『⑤の眠そうな女』、⑱のロングヘアの少女。
このあたりは『バスツアーの客』で間違いなかっただろう。
土産自体は・・・まあ、それなりの品揃えだ。室内遊戯の面々が食べていたようなスナックはある。
味も・・・『土産』を意識した『ご当地味』のものが多いが、食べられないような変なものは『あまり』ない。
それなりに重いものを探すなら『豚まん』が売っていた。近くで育った豚らしい。豚のイラストを添えてそう書いている。
71
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/03/29(金) 14:58:08
>>69
「――はじめまして」
「『小石川文子』という者です……」
小角の友人達に視線を移し、丁寧に頭を下げる。
彼女達も、同じ旅行に参加している者同士だ。
この場を借りて、挨拶しておきたい。
「私の実家は『トマト農園』を営んでおります」
「私も『相談役』として、その手伝いを……」
「実家で収穫したトマトに『客観的な意見』を述べるのが主な役割です」
自分は生まれた時から、実家で収穫したトマトに触れてきた。
その色や味や匂いの全てを、この身体が覚えている。
昔から、他の人が気付かないような、ほんの少しの違いにも気付いた。
そのような理由で、私は出来上がったトマトをチェックする役割を任されている。
実家から届く様々な品種のトマトを五感で確かめ、感じたことを文に綴っている。
「趣味は『ラベンダー』の栽培で……」
「今も、自宅の庭で育てています」
「――先程の自己紹介の時に言うべきだったかもしれませんね……」
クスリ
穏やかであると同時に、やや冗談めかした口調で微笑みかける。
自分より一回り以上は若いと思われる少女達が相手だからだろうか。
心なしか、普段よりも和やかな気持ちになれる気がした。
72
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/03/29(金) 23:19:15
>>69
「……お土産……それも確かに、旅行の楽しみ……」
リーマン付近のお土産を眺める。
他の乗客と比べて積極的?な様子。
何が目当てだろう?
73
:
宗海『エトセトラ』
:2019/03/29(金) 23:31:39
>>69-70
ほとんどの乗客は休憩を挟んでいるようだ。
自身も入れ替わるように、車内へと戻っていく。
「(……そういえば、あの人は大丈夫かしら?)」
『フレイム』が起こしている可能性もあるが、
『寝過ごし』の心配も兼ねて、最後尾の『ヤス』の下へ行く。
「あの、……皆さん、降りてますけれど?」
『ヤス』を少し揺すってみて、
起きなければ諦めて座席に戻る。
74
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/03/30(土) 23:10:40
>>70
(…………)ウィーン
数十秒立ち止まった後、真っ先に手に取ったのは、
「のど飴」と「ご当地味のチョコスナック」だ。
その後、『豚まん』を発見すれば売り場をしばらく見ていたが、買う事はしないようだ。
「いえ、ここは独断だけでは拙いかと」
ボソリと小さく音声を発すると
他のバスツアーの客の様子を伺い始めた。
とりあえず年齢の近そうな『ロングヘアの少女』に話しかける。
「こんにちは、同じバスで来たモノですけれども」
「何か良いモノはありましたか?」
75
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/02(火) 12:37:16
>>71
(小石川)
「ども、『大丸六花』です」
「『仲真紗蕗』でぇ〜す」
自己紹介を返されたが、どこかぎこちない感じだ。
知り合いの知り合い――――それも明らかに違う世代だし、そういうものか。
「へえ、相談役……イカす響きすね」
「ラベンダー! 小石川さんおしゃれですねぇ。
いわれてみれば、ラベンダーのにおいするかも」
「わたしたちが普段食べ……てるトマトも、
小石川さんの家のものかもしれないということか……」
少女たちは純粋な『憧れ』交じりの視線と言葉を向けてくる。
この三人組は、『個性』こそあれ基本的に善良なのかもしれない。
特徴的な喪服についても、『探偵衣装』を愛好する小角の身内だからか、
それとも単に触れるとヤバそうだからか、特に触れたりもしてこない。
――――『和やかな気持ち』になるには、いい相手かもしれない。
「さっきの自己紹介すごかったですねえ。包丁屋さん?とか」
「小料理屋の息子で包丁研ぎが特技、だぞ」
「それそれぇ〜。個性的なひとばっかりで〜。なんだかにぎやかになりそうですねえ」
ちょうどそんな話をしていると、『自己紹介』をしていた軟派男の『緑里』が近くを通った。
それから、マスクと眼鏡を付けた⑯の少女も少し遅れて通る。多くの者が外に出ているようだ。
・・・とはいえ『時間』はもうそんなにないが。そのためか、天雨は土産屋を出てバスに戻っていった。
>>72
(黒峰)
リーマン風は『お菓子』が置かれているスペースを物色している。
どれも『ご当地』カラー・・・『東海地方』の名産モチーフの味だ。
たまに、なんでそれを選んだ?ってチョイスの商品もあるが。
「お土産をお探しですか? 貴女も……
こういう時、無難なものを選ぶか、
それとも『ネタ』に走るか……難しいところですね」
リーマン風は自分が見られているとでも思ったらしく、
黒峰に会釈をして、両手に持った商品を見せてきた。
『しゃちほこ型のクッキー』と『ひつまぶしキャラメル』・・・いかにもな選択だ。
話しているうちに、②のロリータ服は特に何かを買うでもなく、店を出て行った。
76
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/02(火) 12:37:26
>>73
(宗海)
軽妙な軟派男も、忠犬のように待つ少女も、特に宗海を呼び止めることはない。
再び車内に戻る――――今残っているのは、ほんとうにごく一部の乗客だけだ。
最後尾では『ヤス』――――アクセサリーだらけの金髪青年が、
特に起こされた形跡もなく眠っていた。熟睡している風ではなく、
起こすのは特に非礼には当たらないだろう。軽く、ゆすってみると。
ぱち
目を開き、1度周囲を見渡した。
「ん…………あー、いぃーよ。『フレイム』に買うもんは伝えてるし、さ。
アイツは人の倍動くから、オレは人の半分しか動かない。『バランス』だぁーね」
スゥー
「そういうキミは? 買い物とか行かなくっていーの?」
それから再び目を閉じ――――その状態で、宗海に問いかけてくる。
「ま……乗る前に必要なものは揃えてる、そぉーいう『雰囲気』あるけどさ」
>>74
(ヨロズ)
のど飴もチョコスナックも、ご当地キャラや観光地仕様の包装になっていた。
袋だけでも持ち帰れば、それはそれで旅の思い出にはなるかもしれない。
豚まんは――――やや割高なので、まあ、買うまでもなかったのかもしれない。
「――――こんにちは。少し前の列に座っている子、だよね」
少女はやや大人びた、落ち着いた調子で声を返してきた。
「そうだね、本格的なお土産は、帰りに買う予定だから――――
軽いものになるけれど。この『小倉トーストラスク』なんて、気になるかな」
ガサ
「ただ、バスの中で食べるのには――――少し、こぼれやすそうだから。
そういう意味では、あなたが持っている飴なんていいものだと思うよ」
「あとは、食べ物じゃあないけれど、
これ。この『巾着袋』なんて素敵だね」
両手で順番に指し示すのは、ややいい値段のする『洋菓子』と、
特にご当地とかは関係なさそう(素材や製法がご当地なのだろう)な巾着だ。
そうこうしていると、⑦の軟派男や、⑯の少女などもこの買い物スペースに入ってきていた。
代わりに、『ロリータ服』の②などは見切りをつけたのか、特に何を買うでもなく帰っていった。
>城井
武谷は返答待ちだが、特に急かすような風でもない。
77
:
城井 達己『サクリファイス・セオリー』
:2019/04/02(火) 20:39:44
>>67
「いや、どうなんでしょうね」
自身の『意気込み』を問われ、思わず言葉を濁す『城井』。
「『なんとか楽しまなきゃ』って思って参加してはいるんですけど、
なんだろうな。むしろ、そう思ってる時点で『違う』んじゃないかって」
「まあ」
濁しつつもそこまで言って、改めて『武谷』へと顔を向ける。
「『ミステリー抜き』で楽しむってやり方も、ありですもんね。
やり方はどうであれ、誰よりも楽しまないと、嘘ってもんだから」
「結局俺の意気込みって言ったら、それに尽きるんですよね」
目の前の男は、おおよそその手の悩みとは無縁に見える。
だからこそ、得るものがあるんじゃないかと声を掛けたのだ。
それがたとえば、些細な世間話だったとしても。
78
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/04/02(火) 22:28:42
>>75
ラベンダーの香りや『鎮静剤』だけではない。
こうしたやり取りも、心の中を穏やかにしてくれる。
そういった意味でも、少女達との会話は有意義なものだった。
「ええ、城井さんですね。
私も少しだけ、お話させていただきました」
「この旅行のために色々と『下調べ』をなさってきたそうで……」
「そうですね……。
皆さんと一緒に過ごす時間が楽しいものになれば……と思います」
ニコ……
会話を交わす最中に、何人かが近くを通り過ぎるのが目に入った。
この少女達も、何か用事があるのかもしれない。
いつまでも引き止めてしまっては申し訳ない。
「――私は、そろそろバスに戻ろうと思います。
もしよろしければ……またお話をさせていただきたいです」
「小角さん、大丸さん、仲真さん――それでは……」
三人の少女達に丁寧に頭を下げて、その場を立ち去る。
元々、特に用事はなかったので、そのままバスに乗り込む。
座っていた席に戻り、軽く居住まいを正す。
「――天雨さん……売り場には、何か目を引くものがありましたか?」
おそらくは横に腰を下ろしているであろう天雨に尋ねる。
その前に、軽く車内を見渡す。
今の時点で誰が戻ってきているかを把握しておく。
79
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/04/02(火) 22:49:46
>>75
「私は……外したときのことを……考えると、やっぱり無難なのを……選んじゃいますね……。
得体の知れないものを買う勇気は……ありません……」
ひつまぶしキャラメルなるものをちらりと見ながら。
「……ご自分用のお土産ですか?
それとも……ご家族や友人に……?」
80
:
宗海『エトセトラ』
:2019/04/03(水) 21:55:45
>>75-76
「あら、……そうですよね。
お二人でいらしてるのだから、
それくらいの『配慮』はされてますよね」
「ゴメンなさいね。起こしてしまって」
『懸念』と『予感』は半々だったが、
今回は余計な世話を焼いてしまったようだ。
軽い詫びを入れてから、肩口を揺すっていた掌を離す。
「私の用は済みましたから。
『荷物』は事前に用意できても、
新鮮な『空気』は運べませんので」
「――――では、ごゆっくり」
それだけ言い残すと、自身の座席に戻る。
81
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/04/03(水) 22:59:17
>>76
「なるほど、ご親切にありがとうございます」
感心したように頷けば、しばらく小倉トーストラスクと巾着を見比べ、巾着を選んでレジに向かった。
82
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/04(木) 00:47:48
>>77
(城井)
「『旅行』なんだから、『楽しまなきゃ』なのフツーじゃねえか?
『楽しもうとしない』ヤツなんていたら『ノリ』悪くなるしよォ〜。
まッよくわかんねーけど、楽しむ気があるのはいいことだと思うぜぇ」
ニィ
「城井くん、やる気ムンムンッ!って感じなのはわかるからよッ!
もしミステリーとかいうのがつよくわかんねー感じだったら、
おれとヤスんとこ混ぜてやるぜ。きっと楽しくなるはずだからよォ〜」
知的な答えとか、こじゃれたトークとか、
そういうのはこの男には求められなさそうだが、
考えすぎないことを望むなら、とてもいい相手に思えた。
ジャララ
「そうだ、ジュース飲むか?
オレのが年上だしよォ〜、
1本くらいならオゴッてやんぜ!」
「あ、この200円するエナドリはナシな!」
そして、小銭入れを出しながらそのようなことを言ってきた。
受け入れたとして、これを『貸し』にしてくるようなタイプには見えない。
とはいえそろそろバスに戻ってもいい時間に思えるし、断るならそれを理由にしてもいいだろう。
>>78
(小石川)
「はぁ〜い、またバス着いたらお話しましょ〜。二人とも、あたしたちも戻ろ!」
「うむ、そうだな……小石川さん、またあとで」
「ではっ、ス。またお話しましょ」
同じく、小石川もバスに戻り――――いつの間にか、半分ほどは車内に戻っていた。
外で待機しているらしい『外ハネ』の少女が目印になっており、バスはわかりやすかった。
「あら――――お帰りなさいまし、小石川さん。
そうですわね……サービスエリアらしい品ぞろえでしたわ。
名産品のフルーツを使った『土産菓子』は興味を惹かれますけれど、
さすがに、往路で『土産菓子』を買って帰る気はしませんもの」
言葉通り、天雨の手元には買い物袋などは見当たらない。
そして今現在――――バスの車内にいるのは、このあたりの面々のようだ。
「人探しですの? 半分くらいは戻ってきてるようですけれど――――」
②:天雨。オートクチュールのゴスロリ女。
③:小石川『スーサイド・ライフ』。喪服の女性。
⑥:スマートフォンをコンセントにつなぎ、椅子にもたれているシニヨンの女。
⑧:美形の青年。タブレットを見ていたが、
⑨:黒セーラーに外ハネのショートカットの少女。
⑬:大丸六花。みつあみと眼鏡が特徴。
⑭:仲真紗蕗。ベレー帽と茶髪でどんぐりのようなシルエット。
⑮:小角宝梦。銀髪。フクロウを思わせる顔立ち。
⑳:アクセサリーをじゃらじゃら付けた金髪の青年。寝ている?
83
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/04(木) 00:48:00
>>79
(黒峰)
ひつまぶしキャラメル――――『段階的』に食べ方を変えるひつまぶしのように、
口の中に入れておくとだんだん味の毛色が変わっていく、というのがウリらしい。
明らかに惨劇を起こす狙いの菓子であり、包装に描かれた笑顔の男にすら悪意を感じる。
「これは職場の同僚用ですね。個包装のお菓子は都合がいいんで。
家族や友人にももちろん、土産は買って帰りますけど――――
勝手知ったる相手には、もう少し面白いものを買って帰りたいですからね」
リーマンはそういうと、時計を一瞥して手に持っていた菓子を置いた。
「悩んでるうちにいい時間になってきてるみたいですし、
せっかくだから土産は現地で探してみることにします。
……土産屋がある場所かどうかは、分かりませんけども」
「……ええと、そういえばお名前は?
私は『真田一太郎(サナダ イチタロウ)』と申します。
堅苦しい言い方ですが、以後お見知りおきを」
確かに、そろそろいい時間になりそうだ。乗り遅れなんて事は起きないだろうにせよ、
今から戻れば余裕をもって席に着けるだろう。もちろん、もう少しなら粘っても構わないだろう。
>>80
(宗海)
「いぃーよ、いぃーよ、気にしなくってェ」
ヒラヒラ
「空気が、きれいなトコだといいねぇ。行先もさぁ…………
ウマイ空気吸って吐いてると、それだけで『旅』って感じするからさぁ」
―――ストン
「んっじゃ、お休み〜」
手を小さく振り、やや上げていた頭を再び座席に沈める『ヤス』。
席を離れていた面々も少しずつ車内に戻ってくる。
まだ半分もいないが、じき全員揃い出発することになるだろう。
旅先における『15分』という時間は、驚くほど短い。
「お帰りなさい、ってほど時間は経ってませんけど――――」
刈崎は席に残っていたため、宗海が席に着くと再び話しかけてきた。
>>81
(ヨロズ)
「旅は道連れ世は情け――――なんていうのは、少し大げさかな」
「その柄――――良いセンスだね。
話す機会があったら、またよろしく」
ニコ…
彼女もまた、巾着をひとつ手に取ってレジまで同行した。
会計は特に滞りなく、すぐに終わり――――少女はバスへまっすぐ帰っていく。
ヨロズはどうするか。だいたいの者はそろそろ戻ろうとしているようだが、粘れなくはない時間だ。
84
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/04/04(木) 20:47:47
>>83
「私は黒峰唯と言います……。
……こちらこそ、よろしくおねがいしますしますね……」
特にすべきこともなく、めぼしいお土産もないのでバスに戻ろう。
85
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/04/04(木) 21:38:12
>>82
「いえ……ただ――」
「もし乗り遅れる方がいては――と……」
「ガイドの方やドライバーの方がいらっしゃるので、
参加者の私が気を回す必要はないのでしょうけれど……」
出発時間までには全員が帰ってくるだろう。
人数が足りなければ、相応の対応がなされるはずだ。
わざわざ自分が気に掛けるようなことではないのは分かっている。
「――少し……心配性なのかもしれません」
「城井さんがおっしゃられたように、旅行なのですから楽しまなければいけませんね」
自分に言い聞かせるような言葉と共に、努めて明るい微笑を向ける。
『不幸』が起こる時は予測ができない。
あの時――『彼』を失った時のように。
だから、せめて自分が気付ける範囲のことには、できるだけ気付きたい。
いつかどこかで『不測の不幸』が起きた時に、誰かが悲しむことを少しでも減らしたいから。
「……バスの外で、後ろにいらっしゃる三人の女の子達とお話をさせていただきました」
「一緒にいると、私が彼女達くらいだった頃を思い出して……」
「何だか……懐かしい気持ちになりました」
自分とは一回り以上は離れているように見える少女達。
彼女達が私と同じくらいの年齢になる頃には、どんな人生を歩んでいるのだろう。
それは、もちろん分からない。
「こうした経験は、とても素敵な思い出になるのでしょうね……」
だけど、幸せでいて欲しいと思う。
そして、その時――私は、まだ『約束』を守れているのだろうか。
『彼』と交わした『最後の約束』を――。
86
:
宗海『エトセトラ』
:2019/04/05(金) 00:21:12
>>83
「ええ、軽い用事でしたから」
『刈崎』に返答し、出発を待つ。
87
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/04/06(土) 16:18:53
>>83
「ええ、『ヨロズ』と申します」
「また、後ほど」
軽く頭を下げると、バスへ戻っていく。
88
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/06(土) 16:48:31
>>84
(黒峰)
バスに戻ると、ちょうど添乗員がまだ外に面々を呼びに行った。
笹井もすでに座席についていて、おもむろにスマホを見せてきた。
ウェブブラウザアプリの検索画面だ。暇つぶしに見ていたらしい。
「ちょっ、あんたこれ見てよ。これ。
『観覧車』があるサービスエリアあるみたいよ。
普段高速乗らないから、こーゆ―のテンション上がるわ」
通るかもしれないが、さすがに遊んでいく時間はない気はした。
まあいずれにせよ、そろそろバスも先へと進むことになるだろう・・・
>>85
(小石川)
「小石川さん……優しいんですのね。
とても素晴らしい考え方と思いましてよ。
けど、まあ……普通のサービスエリアですし、
外に目印になる子も立ってますから、
さすがにここで逸れる方はいないでしょう」
「おっしゃる通り、心配しすぎも心の毒ですわ」
窓の向こう、天雨の視線の先――――
快活そうな外ハネの少女(そうではない外ハネの少女もいる)が、
建物方向を見ながら立っているのが見えた。
目印になっているのかどうかは測りかねるが、
とりあえずバスに乗客は戻ってきているし――――
ここでいきなりリタイヤ者が出るような悲劇はなさそうだ。
「3人……ああ、ええと、後ろから三番目の列の。
そうですわね、自分たちだけで参加するツアーは、
『遠足』や『修学旅行』とはまた違うでしょうし」
「この旅の思い出を、10年後に語り合えるような……
そういう素敵な旅路になれば、この上ないですわね」
笑みを浮かべながら、小石川の言葉にうなずく天雨。
彼女らが、今の小石川の年になるのは10年以上後だろう。
――――10年。長い時間だ。何もかもが変わる時間……
それでも変わらない『情』があれば、それほど素晴らしいことはない。
89
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/06(土) 16:48:44
>>86
(宗海)
「そうですか……あ。そろそろ出そうですね」
「『迷子』になった人がいなければいいのだけど」
そのあとも多くの乗客はバスに戻り、
まだ戻ってきていない者を添乗員が呼びに行った。
刈崎の懸念は幸いにして杞憂で、全員戻ってきている。
>>87
(ヨロズ)
「私は『包(くるみ)』――――それじゃ、また」
そういうわけで、買い物袋を持ってバスに戻った。
「あ、お帰りなさい」
「何か買ったんですかぁ〜?」
先に戻ってきていた『大丸』たちに声をかけられる。
>城井
「『ミステリーツアー』参加者の方、
そろそろバスのほうお戻りくださ〜〜い」
添乗員が小走り気味にやってきて、
車内に戻るように誘導された。
武谷は城井に『皆まで言うな』とばかりに、
コーラの缶を手渡して同じくバスへと戻る。
>全体
添乗員に誘導され、まだ買い物をしていたものも、
あるいは別の用を片づけていたものも、
数分後には車内に揃った。また『旅路』が動き出す。
サービスエリアに何か危険があるでもなし、
当然ではあるが全員無事な様子であり、
違うとすれば一部、多少荷物が増えている程度。
――――――再び、バスが走り出した。
ブロロロロ・・・
「 バスは今、どこに向かっているのかァ〜〜〜
みなさん、気になりますよね〜〜〜〜〜 」
「 少なくとも 」
「 半分は過ぎましたのでぇ〜〜〜 」
「 到着をお楽しみにお待ちくださぁ〜〜い 」
片道『3時間』から『3時間半』といったところだろうか?
そこそこ長いが、日帰りでもない『バス旅行』なら、特別超長距離でもない。
とはいえもうしばらくかかるし、その間常に話し続けるのも相当疲れるだろう。
特にやることがないなら、仮眠をとるなり、一人の世界に入るなりしてもよさそうだ。
ブォォォーーーーーーーーーーーーー ・ ・ ・ ・
――――何事もない進路が、続く。
90
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/04/06(土) 20:50:41
>>88-89
「一周回るのに……時間がかかりますから……ツアー旅行で乗るのは厳しそうです……。
でも、観覧車で眠るというのは確かに……いい経験になるかもしれません……。
……降りそこねそうですけど……」
目的地がテーマパークとかならともかく、道中でそんなのんびりする余裕は無さそう。
ところで今は何時ぐらいだろう?
91
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/04/07(日) 02:47:34
>>88
>>89
至って何の問題もない、安全で平穏な道中。
もし――今ここで『事故』が起こったら。
脈絡のない不穏な考えが、ふと脳裏を掠める。
――そうしたら……。
私は、『彼』の下へ旅立つことができる。
だけど、それでは『約束』を破ることになる。
それに、同じ場所にいる多くの人達を巻き込んでしまう。
スゥゥゥ……
目を閉じて、静かに深呼吸する。
移動時間が長く続くせいか、つい『良くない考え』が頭に浮かぶ。
その気持ちを紛らわせるために、窓の外を一瞥する。
「私達は――どこへ向かっているのでしょう……」
隣に座る天雨に聞こえる程度の小さな声で、ぽつりと呟く。
その言葉は、自分自身に対する問いかけでもあった。
また、どことなく『抽象的な響き』を含んでもいた。
「天雨さんは……何か『近く叶えたいこと』をお持ちですか?」
「私は……『庭をラベンダーの花で一杯にすること』――でしょうか……」
そのような質問が口をついて出た。
何故なのかは、自分でもよく分からない。
ただ、きっと純粋に聴いてみたかったのだろうと思う。
92
:
宗海『エトセトラ』
:2019/04/07(日) 23:00:21
>>89
「『バス』は目立ちますし、
『パーキングエリア』も別れてますから、
大丈夫なはず……。 ん、ン……えェ、そうね」
小さな『欠伸』をし、バスの出発を待つ。
しばらくは車体に揺られ、うつらうつらとしている。
93
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/04/08(月) 23:04:29
>>89
「ええ、お土産とお菓子を買って来ました」
ご当地仕様のチョコスナックと飴を座席の上から3人に見せて
「食べますか?」
訊ねてみた。
94
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/10(水) 01:30:51
>>90
(黒峰)
「『観覧車』で『寝る』とかそれもう、もうよ?
ロマンチックさのかけらもないじゃん。
あんた、『ジェットコースター』でも寝てそ〜だわ」
呆れ交じりの返答が返ってきた。
彼女は彼女で観覧車を『観覧』に使わなさそうだが。
――――現在は、『午前10時頃』だ。
>>91
(小石川)
「さあ――――『植物園』や『美術館』『博物館』辺りかしら」
「もちろん、私の願望ですけれど」
フフ
抽象的な響きは拾われず、
即物的な行く先を希望する天雨。
察されなかったのか、察した上でかは謎だ。
「短期的目標としては『ビジネス英語』の上達ですわね。
私、それほど英語が得意な方ではございませんので」
「もちろん、今は旅ですから……『単語帳』なんて持ち込んではいませんけれど」
>>92
(宗海)
「ええ、ちゃんと全員戻ってきましたね。
心配しすぎだったみたいです――――
小中学生くらいの子もいるみたいだから、どうにもね」
視線をやや後ろに向ける刈崎。
後列には中学生らしき集団がいるし、中には小柄な面々もいる。
成人男性の彼から見れば『小学生』に見えてもおかしくないのだろう。
「眠いなら、着いたら起こしますよ。
外の景色がステキ――――って旅路でも、なさそうだし」
>>93
(ヨロズ)
「お土産! 早速すね」
「へえ〜〜カワイ〜〜」
「そんなのも売ってたのか!
てっきり『軽食』くらいかと……」
位置関係的にやや苦しいようで、
小角は首を傾けて覗き込んできていた。
「えぇ〜、いいんですかあ? いただいちゃって――――」
「悪いすね、いただきます」
「せっかくだし、お言葉に甘えさせていただこうかな」
「え、あっ、じゃ、じゃああたしも〜〜〜」
お菓子のシェアには二人が早く、仲真だけやや遅れて食いついてきた。
>城井
>全体
「 この後、目的地までサービスエリアには入りませぇ〜〜ん 」
「 がっ 」
ブォォォォーーーーーーーーーーーーン ・ ・ ・
「 もしどうしても止まってほしいとかがあれば、
『5〜10分』くらいまでなら余裕ありますのでぇ、
お早めに、ワタシ『矢田』までお声かけくださぁ〜〜い 」
「 止まれるところ、探しますのでぇ〜〜〜 」
談笑なり寝息なりをBGMに、バスは高速道路をひた走る。
途中いくつかのサービスエリアを通過したが、特に止まることもなく、
順調に――――乗客の側でも特に『酔って死にそう』とかは出ず、
バスは『A県』と『G県』の県境を、ついさきほど超えたようだ。
おそらくは――――このまま、何事もなく、目的地に着く、のだろう。
・・・・・変わり映えしない、道が続く。
(☆以後、バス車内での会話がこれ以上必要ではないと判断された場合、
その旨をお伝えいただければそのPCは『何かある』まで『待機』に移行します)
95
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/04/10(水) 20:46:06
>>94
「……天雨さんは文化的な施設がお好きなのですね」
「私も……そういった静かな場所にいると心が落ち着きます」
「『自然公園』などで森の中を散歩することも多いでしょうか……」
会話を続けながら、改めて話のしやすさを感じる。
やはり、彼女とは心なしか共通する部分があるのかもしれない。
もちろん、全ての面で似通っているというわけではないとしても。
「――『英会話』……ですか」
「私も、そういった方面にはあまり……」
ふと、また以前の旅行のことを思い返す。
あの場所で出会った『彼ら』は、全員が外国人だった。
『英語』という言葉から、その時のことを無意識に連想していた。
「そういえば――以前どこかで耳にしたことを思い出しました……」
「外国の方と話し合いをする際に、『相手の国の言葉』が分かっていても、
意図的に『第三の国の言葉』を使う場合もあるそうです」
「つまり、『自分の国の言葉でも相手の国の言葉でもない言葉』ですが……」
「『お互いに対等な立場で会話をするため』だと聞いたことがあります。
母国語と外国語の差による誤解や食い違いを防ぐためでもある――と……」
「学者の方など、語学に造詣が深い方同士であれば、
そういった方法でのやり取りも行われるのかもしれませんね――」
96
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/04/10(水) 21:47:36
>>94
「ジェットコースターは……ちょっと怖いですね……。
……しかし、確かに……挑戦する価値はあるかもしれません」
97
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/04/10(水) 23:13:45
>>94
「どうぞ」ウィーン
買ってきたお菓子の封を切れば、中身を一つずつ3人に手渡すヨロズ。
自身の分も取り出して、飴玉を口に入れる。
「さて、本番に備えて少し『スリープモード』に入ります」
「ミステリーを解くのに」
「『ズ』が必要になったら、いつでも力添えしますので声をかけてください」
「では、しばし『スリープ』します」ウィーン
飴玉を口内で転がしながら3人に話し終えると前を向いて
隣のカップルの方を一瞥した後、目を閉じる。
98
:
宗海『エトセトラ』
:2019/04/11(木) 22:42:06
>>94
眠りに落ちる。
99
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/12(金) 01:09:37
>>95
(小石川)
「やっぱり、気が合いますわね。
私も――――森林浴は好みでしてよ。
うるさいところが嫌いというわけじゃあないけど、
心身のリフレッシュは静かな場所に限りますわ」
窓の外は自然とは縁遠い、
遠距離トラックに景観をふさがれていた。
「博識ですのね、小石川さん」
「そのような慣わしがある――――と、
私も聞いたことはございますわ。とはいってもまあ、意識せずとも、
『中国』の方にどちらも母国語でない『英語』を使って道案内をするなんて、
今時珍しいことではありませんし……そういうものかもしれませんわね」
今回の行く先は、果たしてどのような『人間』がいるのだろうか――――
>>96
(黒峰)
「冗談よ? 冗談だからね?
いやそっちも冗談かもしれないけどさぁ、
マジに聞こえるのよ、声のトーンとか。顔とか」
自分から言い出しておいておののく様子の笹井。
>>97
(ヨロズ)
「ズ? ……?? あ、えと、ありがとうございまぁす」
「どもっす」
「ふふん、なるほど――――
頭脳には自信があるようだね。
もしもの時には是非、協力願おう」
「スリープ。あっ、おやすみなさぁ〜い」
「私も寝るから着いたら起こして」
「わたしも眠いぞ」
仲真はよくわかっていない様子だったが、
小角はその『言葉遊び』を解したらしく、
意味ありげな笑みを浮かべて言葉を返してきた。
大丸については、眠くなっていたらしく上の空な様子だった。
横のカップルは、男性のほうが眠っており女性は本を読んでいる。
常に話していなくてもいい程度には、『勝手知った』仲なのかもしれない・・・
>>98
(宗海)
バスの揺れはちょうど眠りを誘うようで、
寝ようとさえすれば、あとは問題なく意識が薄れていく・・・
>全体
ブオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・ ・ ・
その後数十分、新たに眠りに落ちる者も多数――――20人を乗せたバスは、高速道路をひた走り続けていた。
ほかに車は走っていない。尤も、それほど活気のないルートであれば珍しくはあっても不自然ではない。
ゴ
『ボボ』
ォォォ
ォォォォ ――――――z____
ォォ
『ボッ』
「…………『霧』か」
ウィー
ウィーン
『ボフッ』
道路には霧が立ち込め始めていた――――
山間部に見える地形ゆえのことだろうか?
とはいえワイパーを稼働させれば、走れないようなものではない。
添乗員はともかくとして、運転手については特に何を困るでもなく車を走らせ続けている。
「 お客様方ぁ〜〜〜っ 長らくのご乗車、お疲れ様でございあまぁ〜〜〜す 」
「 あと、もう少しで高速道路を降りましてェ〜〜〜〜 」
「 そこからは『一般道路』で少し走りますが 」
「 それで、『目的地』でございまぁ〜〜す! ので! 」
「 今しばらく、当バスのシートでおくつろぎくださぁぁ〜〜〜〜い 」
眠っているものはもちろんのこと、いちいち止まるでもなく、渋滞に引っかかることもないゆえ、
看板をじっくり眺める機会はなかった――――加えて、この霧。『今どのあたりなのか』は巧妙に『わかりづらい』。
・・・ともかく、そろそろ着いてもおかしくはないようだ。『どこに』かは、知らないけれど。
100
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/04/12(金) 20:00:36
>>99
おもむろに顔を上げて、添乗員の言葉に耳を傾ける。
移動の時間も、残り少ないのだろうか。
また、現在の時間を確認したい。
「――『目的地』まで、そう遠くないようですね……」
隣の席に座る天雨に声をかける。
今すぐ着くというわけではないにしても、近くまで来ているらしい。
向かう先は一体どのような場所なのだろう。
「……『霧』」
「何かの『前兆』でしょうか……」
「たとえば『天気が崩れる前触れ』のような……」
『ミステリーツアー』という趣向には相応しい天候かもしれない。
不思議な偶然だと感じた。
窓の外を眺めながら、ぼんやりと物思いに耽る。
「――『雨』が降らないといいのですが……」
『雨が降らないで欲しい』という言葉の裏には、別の意味が含まれていた。
それは、何か不測の事故が起こらないで欲しいという願いだった。
心配しすぎは毒だと分かっていても、霧という状況が、そうした気持ちにさせていた。
101
:
宗海『エトセトラ』
:2019/04/12(金) 20:03:26
>>99
「霧……」
頭の中も霧が掛かっている。
102
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/04/12(金) 20:07:59
>>99
「──それで、その赤い洗面器を頭に乗せた男の人は……──」
……結局おしゃべりを続けてろくに眠らずにここまで来てしまった。
思った以上に『気が合った』ということか。
寝不足が心配だけども……。
「……この辺りは、霧が濃いですね……。
安全運転をしてくれれば……大丈夫だと思いますけど……」
103
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/04/14(日) 22:51:44
>>99
パチリ
「……」
目を開けるとスマートホンを取り出して時間を確認しようとした。
104
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/14(日) 23:06:28
>>100
(小石川)
「そのようですわね――――
それにしても、この『濃霧』。
滅多に見ませんわよ、こんなの」
「私も、気候に詳しいわけじゃあないけれど」
天雨としては霧は霧、
単なる自然現象のようだ。
「念のため雨具を持ってきたのは正解でしたわね。
一応、予備もありますから――――
もしご準備がなければ、お貸ししますわよ?
そのお召し物も、あまり濡らさない方が良いでしょうし」
もっとも、小石川の懸念は――――当然のこと。
ただでさえ『旅行』には不測のトラブルがつきもので、
小石川自身『不測』を体現するような、能力の持ち主だ。
・・・それに、『前例』もある。杞憂ならいいのだが。
>>101
(宗海)
眠気と同じように、霧もすぐには晴れない・・・
>>102
(黒峰)
「ちょっ、そこで切らないでよ。
ナニその話、なんか有名なヤツなの?
検索したら出てくんの? どうなのよ?」
ススッ
スマホに視線を落とす笹井だったが、
霧に反応してか言葉に反応してか顔を上げた。
「『バス会社』は新興っぽいけど悪い噂はないし、
新興ってもある程度歴はあるっぽいから、
無茶な運転はしない……って信じてるわアタシ」
「それより、現地もこんな天気だと気が滅入るわね。滅入らない?」
「ま、寝るのには関係ないか」
>>104
(ヨロズ)
スマートフォンは『11時頃』を示している。
少し電波が悪くなっていた。山間部ゆえだろう。
ヨロズ自身の機能には、全然支障はなさそうだ。
「……んぐ……グー……」
後ろの方から寝息が聞こえてくる。
小角の声だ。どうやらバスに揺られるうちに寝付いたらしい。
105
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/14(日) 23:07:00
>全体
ブロロロロロロ ・ ・ ・
霧こそ出ているものの、別にそれで何か事故が起きるでもなく、
ほかの車がいきなり突っ込んできたりするわけでもなく、
だが、霧が晴れることもなく、『インターチェンジ』を出た。
田舎道、と言ってしまってほとんど問題ないであろう、そんな道に、出た。
――――――――それから、ほんとうにすぐのことだった。
『ボボボッ』
『ボシュッ』
『ボッ』
『ボボ ボッ』
「・・・!?」
「何ですの……これはッ」
「…………??」
最初に、声を上げたのは②に座る『天雨』だった。
近くにいる面々には、その声に不思議そうな顔をする添乗員が見える。
「 あっ、そうですね。霧は確かに珍しいですね〜〜〜〜!
もしかすると、この旅はとっても『幸先イイ』のかもしれません! ね! 」
「珍しいって・・・そんな次元じゃあなくってよ!?」
なぜ? ――――眠っている『城井』には、あるいは半分寝ている『宗海』には、
あるいはすぐには判断できないかもしれないが、窓の外を見ていた『小石川』はすぐわかる。
『ヨロズ』や『黒峰』も、起きている以上はすぐにそれが『目に入ってくる』から、わかる。
ゴ ゴ
ゴ
ォオオ オ オ オ ・・・・・
――――霧の色が『赤』に変わりつつある。
血のような赤ではない。『夕焼け』の赤だ。
『ボッ』
『ボッ』 『ボボッ』
運転手も、添乗員も、それについて何をコメントすることもない。
「そろそろ着きそうかなぁ、ロッちゃん」
「どうかな……高速降りて少しとか言ってたっけ」
ヨロズの近くであれば『仲真』、黒峰の隣の『笹井』といった、
いかにも『リアクションしそう』な乗客たちも、この事態にまるで気づいていないかのように。
・・・まあ、寝ている人間もそこそこいるので、『全員気づいていないのか』はわからないのだが。
106
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/04/15(月) 00:09:34
>>104-105
「霧の中で眠る……確かに、あまりそそられませんね……。
……?
夕焼け……?
いえそんな……さっき確認したときは、まだお昼にも……なってませんでしたし……」
時間を確認する。
それと『ボッ』とかの音はどこから聞こえてくる?
107
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/04/15(月) 00:57:07
>>104
>>105
確かに『不安』はあった。
でも、何も起きてはいない。
少なくとも『ここまで』は。
「ええ……ご親切にありがとうございます」
「ちょうど雨具の持ち合わせはなかったものですから……」
会話を交わす途中で、その『異変』に気が付いた。
『赤い霧』――それが自然に起きたものとは思えない。
心の中の不穏な気持ちが高まるのを感じる。
「あの――天雨さん……」
「……『赤い霧』をご覧になったことはおありでしょうか?」
『異変』に対して反応を見せた天雨に、外の光景について尋ねる。
同時に、自分にも『同じ景色』が見えていることを伝える。
今、『見えている人』と『見えていない人』がいるらしいことは分かった。
――もしかすると……。
『スタンド』――まず最初に、その可能性が頭に浮かぶ。
それなら、この『奇妙さ』も『見える者と見えない者の違い』も説明がつく。
問題は、これが『危険かどうか』ということ。
――『霧』……。
『霧』の能力には、以前にも遭遇したことがある。
今日と同じような『旅行』の最中に。
そして、その時は『スタンド使い同士の争い』が起きた。
108
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/04/15(月) 23:20:57
>>104-105
「…………」キュイーン
窓の外を見て、霧を観察する。
(超常現象でしょうか)
(赤い霧は、全体にかかっているのでしょうか、ね)
(そして、この異音は、何事でしょうか)
分析を続けながら、視線を下げて振り向きシャロとリッカを見る。
「私のデータベースが告げています」
「何かが、起こるかもしれないと」
「ご用心をしてください。ホウムさんも起こした方が良いかもしれません」
そう告げれば、窓へ向き直り周囲の様子を確認する。
109
:
宗海『エトセトラ』
:2019/04/15(月) 23:53:00
>>104-105
「……何を、騒いで……」
意識を覚醒させながら、
叫んでいる『天雨』と添乗員に合わせ、
窓の外に出ている『霧』を眺める。
110
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/16(火) 22:32:29
>>106
(黒峰)
「夕焼け? 何が? とゆーか、あの女クソうるさいわね。
どんだけ『霧』が珍しいってのよ。そこまでは珍しくなくない?」
笹井には何も見えていないのか? 騒ぐ②の女に舌打ちしている。
時計を見る……時間が変化した様子はない。『午前11時頃』だ。
音は――――耳に響くはっきりした音という風でもない。
霧に包まれた窓の外、その全体から聞こえるような、
はっきりとしない感覚だ。それ自体が異常の元、とは思えない。
>>107
(小石川)
「――――『映画』でなら見たことはありましたけれど、
それより貴女には見えていますのね!? この『赤い霧』!」
「明らかに異常ですわ」
「とはいえ」
スッ
天雨はスマートフォンを取り出し、
カメラを窓の外に向ける。
液晶に移るのは、普通の霧交じりの公道だ。
「私達の目のほうがおかしい、という可能性もあるでしょうし」
「少なくとも窓の外に異常は見当たりませんわ。
もちろん『霧が赤いこと』以外で、だけれど」
先ほどの焦りを抑え込むように、天雨は平静の表情を作っている。
>>108
(ヨロズ)
「で、でーたべーす? なんだかその、わかんないですけどぉ」
「ホーちゃん、ホーちゃん起きて、
ヨロズさんが何かあるんだってぇ」
ユサユサ
「んん、な、なんだ……なんだね……」
仲真は小角を起こそうとしている。
大丸は何言ってんだ?って顔で、つられるように窓の外を見た。
ヨロズは赤い霧を観察する――――どこまで広がっているのかは知らないが、
バスの前側方向は完全に赤いし、その中にバスが進んでいるため、
後ろもだんだん赤い霧に覆われて行っている、といった状態だ。
そうではあるが、バスに損傷が出ているとか、乗客が苦しんでいるとか、
そうした危険な兆候はない――――異音も、『現実』を伴わない感じがする。
身近な例でいうなら、ヨロズが『ボーダー・リーヴァー』を伸ばすとき、
それ自体に意味はないが『シュルル』だの『バシュッ』だの、音が鳴る事がある。
・・・ああいう、実体のない『スタンド音』に、近い気がする。
111
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/16(火) 22:32:57
>>109
(宗海)
霧・・・今やそれは、『夕焼け』のような赤色に染まり始めていた。
天雨は添乗員に声をかけるのを止め、『③』の女性と話しているのが見える。
同列に座る①の城井は眠っているため、彼にこれがどう見ているのかは不明だ。
突然塗料が混じったような赤ではない。窓が汚れている、という様子でもない。
かといって、バスの中に入り込んでくるとか、車体を削り取っているとか、血の匂いとか、
そのようなあからさまな危険性も見えない・・・変な言い方だが『普通の異常気象』ともとれる。
>全体
天雨が食って掛かるのをやめた後、運転手も添乗員も怪訝な様子でそのまま運転を続けている。
ただ、濃霧と言って差し支えのない領域になりつつあるため、走行速度が落ちてはいるが……
ブ ロ ロ ロ ・ ・ ・ ・
『ボフ……』
・・・・・・
そのまま走り続けていると――――――霧が、少しずつ、薄くなり始めていく。
オ
オ
ォ
オ
オ ォ
オ ・・・
――――――――だが依然、『赤い霧』だ。
そして霧の間から除く、『空』もまた、薄く赤みがかっている。夕焼けのフィルタをかけられたかのように。
│\
┌────────────────┘ \
│ この先 .:.:.:: ;:;:; \
│ :;:; :;:;:;:;:;:;:;: 『紅鏡町』 ;:;:;:;:;;:/
└────────────────┐ /
│/
・・・『行先看板』だ。『それ以外の行く先はない』。
112
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/04/17(水) 00:11:45
>>110
>>111
「そう――ですね……」
液晶と実際の光景を見比べながら、曖昧な言葉を返す。
この異変に『スタンド』が関わっているとしても、今のところは何も分からない。
もしかすると、何かをするべきかもしれない。
けれど、それが却って良くない結果を招いてしまうことも考えられる。
それを思うと、今は静かに座っていることが最善のように思われた。
「――『注意』を……していましょう」
「今できることは、それくらいのようですから……」
「もし何か気付いたことがあれば、お知らせします……」
声量を抑えた小さな声で、天雨に語りかける。
少なくとも、彼女には見えている。
これから何かが起きてしまった時に、助け合うことができるかもしれない。
「……『目的地』でしょうか?」
視界に見えた『看板』――ここが『ミステリーツアー』の『目的地』なのだろうか。
いつの間にか、『霧』だけではなく『空』までも赤みを帯びている。
朝に出発して、今は昼前のはず。
『夕方』になるには早すぎる。
この場所そのものが、赤く染められているようにも感じられた。
――『赤』……。
外の霧は、血のような赤色ではない。
それでも、『赤い色』から無意識に『血』を連想してしまう自分がいる。
『発作』を抑えるための『自傷』を行う度に目にしている、馴染み深い色。
自分の腕を伝う『赤色』を見つめていると、気持ちを落ち着かせることができる。
けれど、外を包んでいる『赤い色』を眺めていても、不安な思いは消えなかった。
113
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/04/17(水) 20:24:53
>>110-111
「……」
(気づいてない……?
……まさか……スタンド……?)
「……あ、いま看板が……。
『紅鏡町』って……書いてあったような……。
……ツアーの目的地でしょうか……?
聞いたことない、地名ですけど……」
看板に反応した人はいるだろうか?
114
:
宗海『エトセトラ』
:2019/04/18(木) 00:14:01
>>110-111
例えば、車窓に『偏光フィルム』を貼り付けたり、
予め準備していた『プロジェクトマッピング』の投影など、
風景を『赤色化』させる『人為的手段』は存在する。
「まるで、『ヒッチコック』の『マーニー』ね。
――――どういう『趣向』で、
こんな『演出』を仕掛けたのかしら?」
『赤い霧』を眺めながら、ほくそ笑んだ。
『紅鏡町』と書かれた『看板』が、視界の端を過る。
ここが『A県』であれば、
タイムスリップ感覚を愉しめる『歴史的テーマパーク』もある。
そう安くないが、『貸し切り』も可能だったはずだ、と思い返す。
とどのつまり、『久遠宗海』は、
この『異常事態』に、全くの『ノーガード』で挑んでいた。
115
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/04/18(木) 23:52:36
>>110-111
視覚、聴覚より得た情報を整理するヨロズ。
(結局のところ)
(『スタンド能力』に関係する可能性) が高い)
「……このバスの目的地が、本当に予定通りであれば良いのですが」
「『ミステリーツアー』で到着した場所に文句を言うなど、『人間』のする事ではないですし」ギュインッ
首から上だけを動かして後方の3人の方を向く。
「不安を煽ってしまっておいて、本当に申し訳無いのですが」
「今の所は、成り行きをに従うしか無いようです」
「行くしかありませんね」
「『紅鏡町』へ」ギュインッ
また窓の外へ注目する。
116
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/20(土) 08:06:14
>>112
(小石川)
「――――ええ、『注意』に越したことはございませんわ。
何か問題が起きるとしても、少なくともこの天雨サトリは予期している。
それに、貴女もね。これでかなり『不意を打たれる』可能性は下がるでしょう」
危険な事態が起きてもおかしくない、と彼女は考えているようだ。
「……『紅鏡町』?」
少し思案するような表情で、天雨は看板を見ていた。
じきにバスがそこを通り過ぎ、見えなくなってから。
「……? 聞き覚えのない地名ですわね……ツアーの『仕込み』かしら?」
ありえない話でもないだろうが、天雨自身その言葉には半信半疑の様子だった。
いずれにせよ、赤い世界をバスは走る。天雨の顔色にも、若干の不安の色は感じられた。
>>113
(黒峰)
「ウソ、見てなかったわ。『紅鏡町』ぅ〜?
まあ……こんな田舎の町の名前なんてそりゃ知らないけど、
どうも『観光名所』に連れて行って貰える風じゃないわね」
「『町興し』の一環ってとこかしらん」
明確に看板に反応した人間は、②と③の『ロリータ』と『喪服』コンビ。
他は、そうそう露骨な反応を見せているものは見当たらない。
後ろのほうから聞こえてくる声から察するのであれば⑩の『おかっぱ』の少女もか?
>>114
(宗海)
あくまで『ミステリーツアー』――――その前提の範疇でも、
このような異常事態を引き起こすことは、決して不可能ではない。
赤い霧の世界も、謎めいた看板も、すべて『お楽しみ』の謎と思えば、
何も警戒する理由はない。『愉しむ』のが、むしろ作法と言える。
「『マーニー』?」
「――――確かに『映画』みたいな『演出』ですね」
「こうなると、そろそろ目的地かな。
ずっとこれを続けてはいられないでしょうし」
そういう意味では『宗海』の姿勢は正しいし・・・
この事態にも大げさに慌てている人間など、ほとんどいないようだった。
117
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/20(土) 08:06:28
>>115
(ヨロズ)
スタンドによるもの、と断定はできない。
金をかければこの状況を『演出』出来なくはないだろうし、
予想だにしない異常気象、というのはどこにでもあるものだ。
あるいは――――スタンドとは無関係な『不思議』も、あってもおかしくない。
「『紅鏡町』? え、あ、そっすね。成り行きに従うしかないすよね」
「あたし旅行ってあんまりいかないし、どんなところでも楽しみですぅ」
大丸は怪訝そうな顔で、二度に分けてうなずいた。
仲真についてはよくわかっていない様子で笑みを浮かべており・・・
「なっ」
「な……なんだ、これは……!?」
「何って霧だろ。別に普通じゃん」
「ふ、普通ではないだろう……!」
――――小角だけが、その『異様な光景』を見て、固まっている様子に見えた。
窓の外には、相も変わらず赤いフィルタを通した霧の風景と、田舎道が続いている。
なお、赤いのは『霧』や、雲間に見える『空』で、その内に根付くアスファルトや草木などは普通の色だ。
>全体
しばらくすると、霧のほうはほとんど薄まり始めていた。赤いのは――――『空』だけ。
俄かに『謎』の立ち込め始めた旅路だが、深刻視している者はごく少ない。
実際のところ――――特に、何か深刻な事態が起きている、というわけでもない。
が、『何かあるかもしれない』という考えは、『ミステリー』には重要だろう。
実際のところ――――何が、深刻な事態につながるのか、誰にも分らないのだから。
とはいえ、少なくとも今のところ、このバスは『娯楽』を大きく脱線することもない。
「…………」
「矢田さん、ちょっと」
「? はい?」
運転手が添乗員に声をかけて呼びつけ、何か小声で話している。
見えた限りの表情は、どちらも『疑問』が一番即しているだろう。
客席から運転席は見えづらい。二人して何かを見ているようにも見えた。
ブロロロロロロ ・ ・ ・
濃霧を警戒して徐行気味に走っていたバスが、霧が薄まるにつれて、速度を取り戻していく。
が、その走行にはどこか迷いが見えた。もちろん事故を起こすような蛇行運転というわけではないが、アクセルを踏み切れないような。
・ ・ ・ そして。
・ ・ ・行く先に、『赤い町』が見えてきた。
赤く塗りつぶされている、という風ではない。
赤色の建物がやけに多い。そういう町が見えてきたのだ。
118
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/04/20(土) 16:46:47
>>116
>>117
ツアー側の用意した『仕込み』というのは、一つの可能性としては考えられた。
実際、以前に参加した旅行も『林間学校』のような趣向で行われていた。
それと同じように、雰囲気作りのための仕掛けと受け取ることもできる。
「『仕込み』――ですか……」
『看板』なら、あらかじめ準備しておける。
赤色の『建物』が多いというのは、元々そういう場所だと思えば有り得なくはない。
けれど、『空』を赤く染めることができるだろうか。
「……そうだといいのですが」
『看板』と『町』は『ミステリーツアー』の一部かもしれない。
ただ、少なくとも『赤い空』は『仕込み』の類ではない。
そして『空』が『予定外』なら、『看板』と『町』も予定の範疇ではないかもしれない。
「――何かあったのでしょうか……?」
運転手と添乗員の様子に視線を向ける。
果たして、これは『予定外』なのだろうか。
普通の旅行とは違って、それが判断しにくい。
「天雨さん……」
「こんな所で申し訳ないのですが――あの……驚かせるつもりはありません」
「……どうか、私の見苦しい振る舞いをお許し下さい」
声を落として天雨に告げてから、座ったままで軽く身を屈める。
床に落ちたものを拾う時のような姿勢だが、何も落としてはいない。
これから行う行動を、他の乗客から見えにくくしたかった。
スラァァァァァ―――――z_____
自身の左手に、『スーサイド・ライフ』を発現する。
その刃で『左目』を抉り取り、『左耳』を切り落とす。
それから帽子の角度を斜めに変え、切断された箇所が見えないようにしたい。
『スーサイド・ライフ』は、自分の脚に根元まで突き刺しておく。
スカートで隠れる部分に刺しておけば、外から見える心配はないはず。
「天雨さん――勝手なお願いですが……」
「運転手さんと添乗員さんの目に留まってしまうかもしれません……」
「……その際は、お二人の注意を少しだけ引いていただけませんか?」
姿勢を戻し、自分と『同じ』であると予想した天雨に小声で頼む。
そして、『目』と『耳』を運転席方向に移動させる。
自分の席は運転席の後ろだから、移動距離はごく短い。
移動は座席の下を通し、遮蔽物の陰になるようにして進ませたい。
目的は、二人の会話を聞くことと、二人が見ているものを確かめること。
パーツ
切り離した『部位』は、一般人も含めて全ての人間の目で目撃できる。
目立つ『浮遊』は避けたいが、避けられない場合は、できるだけ物陰を選びたい。
もし誰かに気付かれてしまった時は、騒ぎになる前に解除して消すつもりでいる。
今は、できることはないと思っていた。
しかし、ツアー側の二人の様子が、どうしても気にかかる。
実際に何かが起きた後では遅いかもしれない。
――思い過ごしならいいけれど……
そのために、現状を早い内に知っておきたい。
少なくとも『空』は赤いまま。
『異変』は、今も確かに続いているのだから。
119
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/04/21(日) 21:44:19
>>116-117
(反応したからスタンド使い、反応しなかったから非スタンド使い……とは、さすがに早計ですね……)
「……町が見えてきましたね……あそこでしょうか……。
名前に違わず……ずいぶん赤い町です……」
人の姿は見えるだろうか?
120
:
宗海『エトセトラ』
:2019/04/21(日) 23:26:37
>>116-117
「そうでしょうね。
看板に書かれた『紅鏡町』、
どんな『町』なのか、楽しみですね……」
『不吉さ』と『好奇心』を覚えながら、
『町』へ到着するまで、窓の外を眺めている。
121
:
ヨロズ『ボーダー・リーヴァー』
:2019/04/22(月) 22:57:17
>>117
「……なるほど」
「『紅鏡町』に迷い込んだのか、招かれたのかはわかりませんが」
「あの霧に包まれた時点で、辿り着くのは決まっていたような気がしますね」
独り言のように呟いて、3人の方を振り返る。
「よろしければ、バスを降りた後も一緒に行動させていただけませんか」ウィーン
3人に問う。
122
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/23(火) 21:09:18
>>118
(小石川)
仕込み。確かに不可能ではないだろう――――
なにせ、これは『ミステリー』と銘打ったツアーなのだ。
空を赤くするトリックも、もしかしたらあるのかもしれない。
「『ノヴレス・オブリージュ』――――ご存知でして?
『高貴なるものの責務』とでも言えばいいのかしらね、
『力ある者』は『力なき者』のために振舞うべき、という事」
スラァァァァァ―――――z_____
ザシュッ・・・
「例え無知な者には見苦しく見えようと、
それに則った行動は称賛に値し…………!?」
余裕ありげに笑みを浮かべる天雨だったが、
小石川の『スーサイド・ライフ』による『自傷』、
そして浮遊する『左目』と『左目』には冷や汗を垂らす。
屈んだとはいえ、さすがに隣り合った席である天雨には見える。
とはいえ、他の者には見えまい。足に刺した刃も、浮かべた感覚器も。
「……そ、それ、痛くはございませんの?
――――いえ、失礼。少々取り乱しました。
良いでしょう。貴女の頼み、確かに承りましたわ」
「『10cc』」
キュイ―ン
手元に『アンティーク調』の如雨露を発現し、軽く掲げて見せる天雨。
「陽動向けの能力ではないけれど――――見せたのは『信用の証』と受け取ってくださいまし」
そして……『耳』と『目』は、運転席の状況を、誤魔化しなくリアルタイムで伝えてくる。
「…………『紅鏡町』。知ってるか?」
「聞いたことないですね……経路になら、なおさら」
「…………電波は圏外とはいえ、ついさっきまで『ナビ』も機能していた」
「道を間違えた……? いや間違える余地ないですよね」
「……とりあえず、むやみに走り続けるべきじゃないな。町内で止まれる場所を探す」
「ですね……幸い旅程は皆さん知りませんし、誤魔化せるかな……」
・・・『よろしくない』状況であっても。これを他人に伝えるか、否か。
123
:
『サヨナラ_エレジィ・タウン』
:2019/04/23(火) 21:15:47
>>119
(黒峰)
長いバス旅に揺られ寝ている人間もそこそこいるし、
その判断基準はスタンド使いなら考え付く可能性はある。
隠そうと思えば隠せる――――意味があるかはともかく。
逆に、リアクションの激しい人間などは『霧』だけで珍しがっていてもおかしくはない。
「インスタ映えしそォ〜〜〜ッ。あんたインスタやってる?」
ともかく、笹井からは呑気な言葉が返ってきた。
人は……ごく普通の、通行人の姿が見える。
彼らまで赤く染まっているとかはなく、本当に『ただの一般人』のように見える。
衣服や、髪の色、時折手に持っているのが見えるガラケーなども、常識的なカラーだ。
>>120
(宗海)
「紅鏡町? 看板――――見逃してたみたい。
ここが『目的地』ってことですかね、なんだか外国みたい」
「ええ、オシャレそうな雰囲気で楽しみです」
笑みを浮かべる。不吉さは、彼は感じていないのだろうか。
「……・どこだったかな、白い建物ばっかりの町がある国は」
スススッ
「……あれ、『圏外』?」
タブレットで何げなく検索を掛けようとした刈崎の手は止まり、
仕方ないか――――といった様子で宗海と同じく窓の外を見始めた。赤い町を。
>>121
(ヨロズ)
「?? なんか霧と関係あるんすか、この町。
霧がめっちゃ出るとか? 『ロンドン』みたいな?
――――私もあんま星見町から出たことないんで、
もしこの辺詳しいなら、同行してもらえるのは助かりますけど」
「あたしもいいですよぉ〜」
大丸は、ヨロズの問いに特に何か迷うでもなく答えた。仲真もそれに続く。
心の底から三人だけで楽しみたいなら『ツアー』に参加はしないだろうし、
それは自然だろう――――だが、小角は何か品定めするようにヨロズを見ている。
キョロッ
「・・・・・・い、いいだろう。いや、ぜひだ。
『人手』は、一人でも多いほうがよさそうだからね」
キョロッ
「仕事みたいな言い方すんな」 「人たくさんのほうが楽しいもんねぇ」
それから、大きな鳥のように首を動かし、窓の外とヨロズの顔を繰り返し見比べ答えた。
なお、もう一つ後ろの座席の女子三人はロングヘアの少女以外寝ており、
その起きている少女も『英単語帳』をめくるのに夢中で外は見ていない。
最後尾の『武谷富黎武』とそのツレも、今は半分寝ているらしく反応は不明だ。
>全体
そうしてバスは――――謎めいた『赤色の町』紅鏡町へと、ややゆっくりと入っていく。
乗客のある程度は眠るなどしていたが、起きている者の多くは、その風景に感嘆していた。
チェーン店などは別だが、多くの建物が『赤』の要素を含む、統一感のある町並み。
とはいえ、ちらほらと見える人影はごく普通の町民で、髪が赤いとかそういうのはない。
ブロロロロロ ・・・
・・・
・・・
町の風景には『学校』……のように見える大きな建物や、
遠景に見える、あまり大きくはなさそうな『観覧車』らしき影、
そして、今しがた通過した、少し古びた『商店街』の入り口。
ブ ロ ロ ロ・・・
――――――――― やがてバスは減速し、『ロータリー』のような場所に、ゆっくりと駐車しようとしている。
・・・一同の『旅』は往路を終え、『本題』に入ろうとしていた。
124
:
黒峰 唯『オールナイト・トレイン』
:2019/04/23(火) 23:45:39
>>123
「……いえ……私はインスタは……やってませんね……」
見える携帯電話はガラケーだけ?
スマホを持った人はいない?
125
:
小石川文子『スーサイド・ライフ』
:2019/04/24(水) 18:32:45
>>122
>>123
二人の会話から、現在の状況は概ね理解できた。
乗客に聞かれることを前提としていない所でまで、演技をする必要はない。
これが事実であることは間違いないはず。
「――……」
しかし、これを闇雲に広めることは躊躇われた。
それをしてしまうと、少なからず混乱を招くだろう。
逆に、今の事態を悪化させてしまうかもしれない。
それに、必ずしも信じてもらえるとは限らない。
これも『演出の一部』だと受け取られる可能性も考えられる。
「天雨さん――この状況は『予定外』のようです」
「私たちは、偶然『迷い込んでしまった』のか……」
「あるいは『引き込まれた』のではないか――と……」
自分が知り得た事実を、隣の天雨だけに小声で伝える。
しばらく他の参加者には伏せておき、あくまで内密に注意を払う。
今の段階では、それが最善のように思われた。
「……今は、少し様子を見ているつもりです」
「ここで混乱が起きてしまうと……却って危ないかもしれません」
「それに、信じてもらえるかどうか――少し心許ないですので……」
バスが停まる直前を見計らい、先程と同じルートで『目』と『耳』を本体の所へ戻す。
戻せたら、目と耳を左右のポケットに分けて入れておく。
『スーサイド・ライフ』自体も、まだ解除しない。
――『赤い町』……。
ここに辿り着いたのが、『ミステリーツアー』とは無関係の事態であることは確実。
何が起きるかは分からないし、何が起きても不思議はない。
町の景観を静かに見つめながら、心の中で思った。
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