したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』

105『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/04/14(日) 23:07:00
>全体

         ブロロロロロロ ・ ・ ・

霧こそ出ているものの、別にそれで何か事故が起きるでもなく、
ほかの車がいきなり突っ込んできたりするわけでもなく、
だが、霧が晴れることもなく、『インターチェンジ』を出た。
田舎道、と言ってしまってほとんど問題ないであろう、そんな道に、出た。

――――――――それから、ほんとうにすぐのことだった。

              『ボボボッ』
                        『ボシュッ』
    『ボッ』
                    『ボボ   ボッ』
 
      「・・・!?」
 
                 「何ですの……これはッ」

                        「…………??」

最初に、声を上げたのは②に座る『天雨』だった。
近くにいる面々には、その声に不思議そうな顔をする添乗員が見える。

「 あっ、そうですね。霧は確かに珍しいですね〜〜〜〜!
  もしかすると、この旅はとっても『幸先イイ』のかもしれません! ね! 」
 
               「珍しいって・・・そんな次元じゃあなくってよ!?」

なぜ? ――――眠っている『城井』には、あるいは半分寝ている『宗海』には、
あるいはすぐには判断できないかもしれないが、窓の外を見ていた『小石川』はすぐわかる。
『ヨロズ』や『黒峰』も、起きている以上はすぐにそれが『目に入ってくる』から、わかる。

          ゴ     ゴ
                      ゴ
                          ォオオ オ オ オ  ・・・・・

                 ――――霧の色が『赤』に変わりつつある。
                      血のような赤ではない。『夕焼け』の赤だ。
   『ボッ』
           『ボッ』  『ボボッ』

運転手も、添乗員も、それについて何をコメントすることもない。

「そろそろ着きそうかなぁ、ロッちゃん」
 
           「どうかな……高速降りて少しとか言ってたっけ」

ヨロズの近くであれば『仲真』、黒峰の隣の『笹井』といった、
いかにも『リアクションしそう』な乗客たちも、この事態にまるで気づいていないかのように。

・・・まあ、寝ている人間もそこそこいるので、『全員気づいていないのか』はわからないのだが。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板