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【ミ】『想貌』

1『敗残者』:2019/01/18(金) 00:26:01
彼らは何処へ消えたのか――――

【過】『武闘列伝』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453728318/

90平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/17(日) 23:57:58
>>89
「ああ」

『スタンド使い』でも、『幽霊』は珍しい――というより『想定外』か。
超能力をもってても人間は人間、死んだら死ぬのが当たり前ってところだろう。
そりゃそうだ。

「ありがたいね。最初に会った『公園』の近所だ。そこでお願いする」

『送ってくれる』という申し出はありがたく受け取ろう。
車内で、『報酬』もありがたく受け取るとしよう。車に乗る。

「で、『訂正』って?」

正直、内容をあまり覚えていないが、気になったので、それは訊く。

91『スリル!』:2019/03/18(月) 23:16:03
>>90

      ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・

『平石』はトラックの助手席に座った。
無理の利いたエンジン音を響かせながら、
インターチェンジを抜けたトラックは、高速道路を後にする。

>「で、『訂正』って?」

    「『ヴィジョン』を超えた『破壊力』こそ、
     『曳舟』が『アヴェンダドール』の撃破に必要とした、と――――」

    「私はそう、貴方に言いましたが、

     ……ひょっとしたら、スタンドの性質なんてものではなく……」

赤信号で停車したのを切欠に、
『緒方』は封筒に収めた『札束』を、
ダッシュボードに滑らすように、『平石』に押し出した。

    「『加速世界』という未知の空間、
     『幽霊』という未知の存在、――――これらを前にして、

     尚のこと、立ち向かえる『好奇心』こそ、
     貴方の持ち得る、最大の『武器』だった」

>「ひとつ明確にしておく。
> オレにとって『誰が死んで生きていようと』それ自体は心底どうでもいい」

    「『ロンドン・コーリング』は、
     『バイタル』を聞き取る能力。
                         ス リ ル
     ……貴方の内から湧き上がる『高揚感』は、
     彼女を通じて、私の『耳』に及んでいるのですから」

冷たく、確かな語気が、断じるように『平石』に届いた。
だが、それを放った唇が、フッと柔らかく弧を描いた。

    「ですが、『チャオ』と『吉仲』の『抹消』は、
     それが無ければ、決して成し得なかったでしょうね。

     ……ハアァァァ〜〜〜〜〜ッッ

     なんだか、肩肘を張ってた私が、
     バカを見るような話でしたねェ――――」

脱力するように大きく息を吐いて、
『緒方』は呆れたように愚痴り始める。
もうしばらく、付き合わなければならないだろう――――

平石基『キック・イン・ザ・ドア』⇒『首に青あざ』、『脇腹、他各所に打ち身』、『全治二週間』
                    報酬額は『100万円』。

92『スリル!』:2019/03/18(月) 23:46:59
能力は『人馬一体』。
正しく言うならば、『スピード』を乗りこなす能力。

『高速』である程、ヴィジョンの『精度』は高まり、
それは『運転技術』にも応用される。

―――――『超高速』であれば、
人知を超えた『分子レベル』での『技巧』を発揮し、
新鮮な『遺体』との縫合による『死者蘇生』さえ成し得ると、
『吉仲』は『チャオ』に告げ、『凶行』に駆らせていた。

無論、それが『真実』かどうかは、やって見ないと解らない。

『ファブ・カトル』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:E 精密動作性:速度次第 成長性:E

93『スリル!』:2019/03/18(月) 23:48:36
車体に憑依する『ボディペイント』のヴィジョン。
『概念』として存在する『加速世界』へと入門し、
『現実世界』に『加速のヴィジョン』を発現させる。

『加速のヴィジョン』は車体と同一の動きを取り、
自身より明らかに『低速』の物体からは『干渉』されず、
『加速世界』に足を踏み入れた物体にのみ、その影響を受ける。
(※あくまでも『移動速度』であり、『動作速度』は含まれない。)

『140km/h』に到達した『現実世界』の物体は、
『加速世界』に『加速のヴィジョン』を発現させる。
物体と同一の動きを取り、その『知覚』は『加速世界』に移行する。

『死』の直前、『加速世界』へと入門した『本体』は、
『走馬灯』の流れる『体感時間』で『魂』が固定されており、
自身が『高速』で移動する間、『死』に向かう時間が引き延ばされている。

『ユービック』
破壊力:なし スピード:B 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:D 成長性:完成

94『スリル!』:2019/03/18(月) 23:49:14
『チューブ』や『管』で構築された人型のヴィジョン。
身体の一部を解きほぐし、『極細』のチューブとして、
その射程距離を伸ばすことができる。

射程内の『バイタルサイン』を『聞き取る』能力。
『バイタルサイン』は『魂』が醸し出す『息吹』そのもの。
周囲に存在する『生命体』の数や大きさを、
一人ひとりの『脈動音』の大小によって『把握』できる。

『カクテルパーティー効果』の増幅により、
過去に聞いた『異常』と同質の『脈動音』であれば、
群衆の中であっても、その位置を『正確』に聞き取れる。

また、『心音』を直接『聞き取る』ことを条件に、
『嘘』、『緊張』、『好意』、『確信』などの『心理』の変化さえ、
『バイタルサイン』の範疇であれば完璧に理解できる。

無論、『吉仲』の『真意』もまた、彼女は完全に『理解』していた。

『ロンドン・コーリング』
破壊力:D スピード:D 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:A 成長性:D

95<削除>:<削除>
<削除>

96『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/29(金) 20:20:36
>鉄 夕立『シヴァルリー』
>塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』

ある日の夕方、二人は『歩道橋』を渡っていた。
ゆっくりと、互いがそれぞれすれ違おうとした時――――


    「ヘッヘッヘッ、『夕立』の坊ちゃんに、
     『犀川』の姐さん、……お待ちしておりやした」


橋の中央、手すりに捕まって佇んでいた、背むしの男。
一目で『浮浪者』と解る、みすぼらしい風体をしていた。


    「スタンド使いのお二人に、頼みてェお仕事がございやす。

     ――――盗まれた『現金』を、取り戻してほしいんでさァ」


         スススゥゥ――――


せむしの身体を丸めて、卑屈なまでの辞儀と共に、
差し出された二枚の『名刺』には、こう書かれている。


         <仲介人  曳舟利和>


     「恐らく、盗人は『スタンド使い』。
      お巡りさんでも、手の回らねェ『犯罪者』。

      ソイツらの手を後ろに回すには、
      お二方のご助力が、必要になんでさァ」

据えた臭いを放ちながら、『曳舟』は卑屈な言い回しで、二人に話しかける。

97塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/29(金) 20:54:01
>>96
名前を呼ばれ、ふと立ち止まる長身の女。

「ふーん………。
良くわかったね。『スタンド使い』。そっちの君も?
私のことを知っている奴は、そう多くない筈なんだけどな……」

『鉄』を一瞥したのち、値踏みをするように『曳舟』を見下ろす。
名刺の一枚を受け取った。

「楽しそうなハナシだな。
詳しく聞きたいね」


-----------------------------------------------------------------
ガラス細工の鳥のスタンド。群体型。
身体を擦りつけた物にガラスの羽を植え付け、『ガラス化』させる。
また、頭部に核があり、破壊されるなどで露出したこれに触れた物は、
大きな物、分厚い物などであっても一気に『ガラス化』されてしまう。

『クリスタライズド・ディスペア』
破壊力:E スピード:B 射程距離:B(12m)
持続力:E 精密動作性:C 成長性:B

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/177

--------------------------------------------------------------
【持ち物】
ハンドバッグ・財布・スマートフォン・手帳・ボールペン・文庫本


【簡易プロフィール】
長身痩躯の長髪の女。24歳。
見るものを委縮させるきつい顔立ちだが、身に纏う雰囲気は緩い。
高級そうなスーツを着崩した、アンバランスな服装。
職業はなし。宿もなく、男の家に寝泊まりしている。

98鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/29(金) 22:32:22
>>96

「・・・・・・・・・・」

名前を呼ばれ、振り返る。そこにいたのは、恐らく一度も会ったことのない『浮浪者』のような男性だ。
まさかだろ、という感じだが。もしそうだとしたら、『早過ぎる』。
音無さんから話を聞いたのが昨日、覚悟を決めたのがその夜。そして出会うのが、まさかの今日?
そう、あるいは勘違いというセンもあった。この『名刺』を受け取るまでは。


「…『曳舟』さん」
「これがあなたの…『需要』と『供給』を操る能力ですか?」
「ああ、話は伺わせて頂きます」

「・・・・・」 チラリ
ペコリ

共に声をかけられた女性の方へと顔を向け、視線を外しながらも一礼した。



-----------------------------------------------------------------

視認した『刃』から殺傷力を奪い、なまくらにする。
奪った殺傷力は、その『刃』の形を成して手に発現出来る。
奪う際にも殺傷力が刃の形を成してこのスタンドに飛来し、それを吸収する。
その飛来経路に無生物があっても透過し、生物がいれば容赦なく切り裂く。

『シヴァルリー』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E(2m)
持続力:B 精密動作性:B 成長性:B

【記】『スタンド能力詳細まとめスレ』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/103

-------------------------------------------------------------
【持ち物】
竹刀袋(鍔と竹刀入り)、スクールバッグ(筆記用具、財布、勉強道具、小型ポーチ[鉄釘、75mm、15本入り])、スマホ
【簡易プロフィール】
『清月学園高等部二年生』、『剣道部』。
右目にかかる、斜めに切られた前髪が特徴的なショートヘア。目は切れ長で細め。身体もやや細身。
女性が苦手で、初対面だと特に目も合わせられない。緊張が原因なので、非常時など他に強い意識が向いている時は、その限りではない。

99『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/29(金) 23:54:48
>>97(塞川)
名刺には『曳舟』のフルネームのみが記載されている。

    「素晴らしい『即断』でごぜぇます。

     アタシの粗末な身なりじゃあ、
     まずは『警戒』されるモンですがねェ……」

    「そこを行くと、『塞川』の姐さんは、
     見かけ通り、肝が据わっていらっしゃる」

『曳舟』は何本かすっこ抜けた『乱杭歯』を晒しながら、
唇を緩めた締まりのない笑みを『塞川』へと向け、おべっかを並べる。

>>98(夕立)
>「これがあなたの…『需要』と『供給』を操る能力ですか?」

    「これはこれは、お耳が早いことで。

     アタシのような下賤の身であっても、
     『夕立』の坊ちゃんにも知られているとは……」

    「ヘッヘッヘッ、老いさらばえても何でも、
     長く生きてみるものですなァ」

遥か年下の『夕立』に対しても、
『曳舟』は卑屈な態度を曲げず、ハエのような揉み手を欠かさない。


>ALL

    「事の仔細は、アタシからお聞かせしたいのですがねェ、

     今回に限っては、『クライアント』が直接関わりたいと、
     そーいう『要望』でさァ、すいませんねェ、ヘッヘッヘッ……」

話を聞く姿勢を見せた二人だが、
『曳舟』はへりくだった態度のまま、フケまみれの頭を垂れる。

    タッタッ
            タッ

    「おっと、……それじゃあ、アタシはこれにて」

『曳舟』は丸めた背中を二人に見せると、足早に去っていく。
彼とすれ違うように、スーツを着た大柄な中年男性が、二人の前に現れる。

    「あっ、『曳舟』さん。
     ちょっと、ちょっと待ちなさいよ」

彼は去っていく『曳舟』を大声で呼び止めようとするが、
離れていく『曳舟』を諦めたように見送り、二人へと向き直る。

    「あー、君達が、その、『スタンド使い』ということかな?

     ……そうなんだろうな。『曳舟』さんの『名刺』を持ってるってことは、
     彼を通じて雇われた、そう考えていいんだよな。うん?」

疲労の影が残る強面、鋭い目に鷲鼻、胸襟が不自然に広がったスーツ。
185cmを優に超える巨躯、一目でその筋の者という印象を与える。

    「私は『立石晴人』。『三課』の刑事、といえば解るかな?」

『立石』は不躾に歩み寄り、二人に『警察手帳』を突き付ける。

100塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/30(土) 00:11:42
>>99
「ふん、自分の事がわかってて、
あえてそういう態度を崩さない……。
『泥棒』とかより、よっぽど手ごわそうなヤツだよな、君の方が」

にやにやと笑って、『曳舟』に話しかけた。
名刺の裏表を確認している内に……相手が変わったようだ。


「ケージ……刑事か。
うーん、ま、雇われたって言や、雇われたかな。
そーだよな、『夕立』クン」

目を細めて、『警察手帳』を眺めた後、
隣の『鉄』の背中をばんばん、と叩いて同意を求めた。

「私は『塞川』という。
何だって? あんたらがお手上げの『盗人』が居るんだって?」

101鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/30(土) 01:36:46
>>99-100

「・・・・・」

謙虚さは美徳だが、『曳舟』さんほどまで行くと、あまり美しさを感じない。
自分より遥か年上にも関わらず、こんなにも鮮やかに依頼を取り付けたにも関わらず。
あくまで『卑下』する姿勢を崩さない。だからこそ、彼に対する警戒心を崩せない。


>    「事の仔細は、アタシからお聞かせしたいのですがねェ、

>     今回に限っては、『クライアント』が直接関わりたいと、
>     そーいう『要望』でさァ、すいませんねェ、ヘッヘッヘッ……」

「『クライアント』?」「……姿が見当たらないようですが」「あっ」

言い終えるより早く、曳舟さんは素早くその姿を翻していく。
そして入れ替わりに現れた、大柄な男性。お膳立てされたかのような登場だ。
とはいえ、この男性にその意思はないだろう。それもあの曳舟さんの能力の一部なのだろうか?
個人的に曳舟さんに訊ねたい事があったのだが、それも今は難しそうだ。
なら、依頼を受けた後で訊ねればいいか。『需要』と『供給』を操る能力、
自分が『需要』を作り出せば、後は彼が『供給』をしてくれるかもしれない。

>    「私は『立石晴人』。『三課』の刑事、といえば解るかな?」

「…警察の方でしたか」「オレは鉄 夕立、17歳の高校生です」「よろしくお願いします、立石さん」

改めて、挨拶をする。この手帳が偽物でない限り、国家公務員までもがあの曳舟さんを、
そして『スタンド使い』を頼りにしているというわけだ。事態の重大さを感じ───

>そーだよな、『夕立』クン」
>隣の『鉄』の背中をばんばん、と叩いて同意を求めた。

「ひゃいっ!」 ブンブン

唐突な異性からの接触に驚きながらも、顔を縦に振って同意をする。
声が多少裏返ったかもしれないが、気にしない。…気にしないことにする。

102『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/30(土) 21:28:35
>>100(塞川)
    「ああ、……恥ずかしい話だが、
     我々だけでは太刀打ちできそうにない」

『立石』の醸し出す雰囲気は物々しいが、
助力を求める声は、低く押し殺されていた。

>>101(夕立)
「?」

裏返った『同意』に訝しむ『立石』。
その表情が険しさを増すが、すぐに鳴りを潜める。

    「何、別に取って食うわけじゃあない。
     私はむしろ、君に『協力』をしてほしいんだ」

『警察官』への物々しさに怖気づいた、とでも解釈したか、
『立石』は多少は声を和らげて、改めて『夕立』へ伝える。

>ALL

    「詳しくは、『車』の中で話そう。
     尾いてきてくれるか?」

『警察手帳』をそそくさとしまい、
二人に背中を見せた『立石』は、『歩道橋』を下っていく。

ハザードの焚かれた、シルバーの『ミニバン』が停車している。
俗に言う『覆面パトカー』というものだろう。『立石』が開錠した。

    「『夕立』君の竹刀は、
     一番後ろに置いておいてくれ」

二人が乗り込んだのを確認し、
『ミニバン』は走り出す―――――

103『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/30(土) 21:29:01
>>100(塞川)
>>101(夕立)

  ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ . . .

    「正直に言って、この事態は『イレギュラー』だ。

     私が『スタンド』という存在を知ったのも、
     この一週間かそこら、『未知』の領域になる」

    「だが、『超能力』でも用いない限りは、
     あの『事件』は絶対に説明が付かない、……そう『確信』している」

『カーステレオ』を収める箇所に、謎の『無線機器』が配備されている以外、
『パトカー』といえど、普通の車両と変わりのない内装だった。

    「私の所属する『三課』は、
     『窃盗犯』を主担当としている」

    「スーパーの『万引き』、『空き巣』や『ひったくり』は、
     この町の何処かで、毎日起こっている」

    「―――――今回は、『空き巣』だ。

     捜査鉄則として、『空き巣』は物証が残りやすく、
     過去の事件と『手口』が類似する傾向が強い。
     本来であれば、早期に片付く事件のはずだった」

『ミニバン』は国道を走り、『立石』は静かに事件の概要を話していく。

    「全く、見たことのない『事件』だ。

     いずれの現場も、頑丈な『金庫』が置かれていた。
     だが、犯人は『指紋』一つ残さずに『金庫』を開錠し、
     中に収められた『現金』と『通帳』、『重要書類』に至るまで、
     全てを奪い取って、モノの『15分』かそこらで消え去った……」

『立石』の語調は、苦々しい。
前例のない『事件』であると、ハッキリと強調している。

    「既に、『上』からは捜査方針の『転換』を指示されている。

     『外部犯』ではなく、『身内』若しくは『本人』の自作自演、
     そう決め付けている。……私も、疑っていないわけじゃあない」

    「だが、似たような事件が、
     管内で立て続けに『三件』も起こっている。

     これが『偶然』だとは、私にはどうにも思えない」

104塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/30(土) 22:24:07
>>102
「ふーん……ずい分とカワイイな。
誘ってるのか? ン?」

『鉄』の肩に手を回し、
『立石』をそっちのけで顔を覗き込む。
にやにや笑いを消さずに、先導されるままに車に乗り込んだ。

「17さいだっけ?
イイよな、一番いい年齢だ。
『剣道』?やってんだよね、体つきもいいし、
よく見りゃルックスもイケメンだよなぁ〜」

車内でも『立石』の話を聞いているのかいないのか、
べらべらと『鉄』に話し掛けている……。
と言っても、真面目そうな『鉄』の方が、
あらかた話は進めてくれるだろうが。
『立石』の方は、怒るかも知れないな。

105鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/30(土) 22:31:57
>>102-103

「・・・・・」 フゥー

奇妙な返事については、優しい勘違いをしてくれたようで良かった。
これから仕事の一部を任せようという人間があまりに情けない姿では、立石さんに心配されてしまいかねない。…が。

>「ふーん……ずい分とカワイイな。
>誘ってるのか? ン?」

「えっ」「あっ、いや、そのっ」「仰ってることが、ええと…」

近い。距離が近い。ものすごく。熱くなった顔を背けながら、両手だけ塞川さんの方へ向ける。
これがこの女性流のコミュニケーションなのだろうか。大人とは難しい。
ひとまず立石さんの指示に従い、逃げるように車内へと入る。言われた通り、竹刀袋は最後部へと置かせてもらおう。

「すみません、突然のことで荷物が多くなってしまいまして…」

呼吸を整え謝罪をしつつ、今回の仕事に関する話を伺った。
立石さんは『スタンド』を知って日が浅いらしい。自分よりも、だ。
そして事件の内容を把握する。つまり、『スタンド』を用いた『空き巣』ということか。
しかし、自分は内容と同じくらい気になったことも別にある。
『窃盗』ほどの犯罪なら、この街では毎日起こっている、という点だ。
犯罪とは、ニュースで聞くどこか遠いことのように思ってしまっていたが。
確かに音無さんの言う通り、悪意を持つ人間は、そう珍しいものでもないらしい。
気を引き締めた。

「恐らく犯行に使われたのは、『スタンド能力』です」「そういうことができる能力があっても、おかしくありません」
「ちなみに、『金庫』のロックはどういった形式でしたか?」

立石さんに訊ねる。

>「17さいだっけ?
>イイよな、一番いい年齢だ。
>『剣道』?やってんだよね、体つきもいいし、
>よく見りゃルックスもイケメンだよなぁ〜」

「きょっ、恐縮です」

視線を合わせずに、一礼をした。
褒められているし、これから仕事をする上でコミュニケーションをするのは大事なのだろうけど、
ちょっと距離を詰めるのが早過ぎて、また自分には対応できない。

106『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/30(土) 23:03:14
>>104(塞川)
事件の概要には反応せず、
もっぱら『夕立』をイジることに終始する『塞川』。


          「グォ   ホンッ!」


怒の籠った咳払いが、運転席から飛んできた。

>>105(夕立)
>「恐らく犯行に使われたのは、『スタンド能力』です」
>「そういうことができる能力があっても、おかしくありません」

    「やはり、そうか。

     ……『曳舟』さんから、スタンドがどういう力は聞いている。
     が、イマイチ『実感』を得てなくてね。

     例えば、なんだが。
     これはあくまでも『イメージ』として、だが、
     君の『スタンド能力』なら、同じような『盗み』が出来るのかい?」

刑事らしからぬ、余りにも『浅慮』な質問が飛んできた。

>「ちなみに、『金庫』のロックはどういった形式でしたか?」

    「被害者によりけり、だな。
     プッシュキーの形式もあれば、
     『指紋認証』の金庫もあったぞ」

    「そして、『開錠』されたという、
     『電子的』な記録もなかった……」

>ALL

二人は『後部座席』に座っている。
『立石』の私物であろう、大きなバッグが『助手席』を占領していたからだ。
先程の質問といい、余り気の利くタイプではなさそうだ。

    「これから、君達は『警察官』の振りをしてほしい。

     ――――犯行現場に向かい、
     被害者達に聞き込みの傍ら、
     その『スタンド能力』で『現場』を見てほしいんだ」

    「『指紋』の一つも残っていない現場だが、
     君たちの『インスピレーション』で、
     何かが解るかも知れない。……そう考えている」

場当たり的な『捜査依頼』だが、
スタンド能力に関しては素人同然であることが有り有りと解る。

やがて、『市営スポーツセンター』に停車すると、
運転席から下りた『立石』は、二人に『スポーツバッグ』を差し出す。

     「中に警察官の『制服』が入っている。

      ――――『曳舟』さんの手配だが、
      どうやら、サイズは『ピッタリ』らしい……」

     「とりあえず、着替えてからまた来てくれ」


       ジパァー
                       ジジジ……

疑わしそうに、もう一度バッグを開けて中身を確認してから、
不思議そうに首を傾げながら、『立石』は二人にバッグを差し出す。

107鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/30(土) 23:19:23
>>106

>     例えば、なんだが。
>     これはあくまでも『イメージ』として、だが、
>     君の『スタンド能力』なら、同じような『盗み』が出来るのかい?」

「…率直に言って、難しいですね」
「オレの『シヴァルリー』は、戦闘向けの能力です」
「人よりも器用な動きはできますが、盗みの技術を動かすオレが知らないと、話にならないので」

顎に手を当て、真剣に考えてみたが、あまり上手くできそうにない。
透明な箱の中に尖った鍵が入っている、とかの限定的な状況なら活躍することもできるだろうが。
それは立石さんの言う、同じような盗みには当てはまらないだろう。

「『解錠』された記録もなかった、ですか?」
「『デジタル』に干渉するスタンドか、密室の中に入り込むスタンドなどでしょうか」

大まかな予想を口にする。とはいえ、この時点ではあまり決定的なことは言えなさそうだ。
恐らく、これから聞き込みの流れになるのだろうが───。

>    「これから、君達は『警察官』の振りをしてほしい。


「・・・・・・・・・・・・・・・」

本気らしい。嘘をつくのは心苦しいが、被害者たちが『スタンド』能力を知らない以上、
警察官が現場に二人の一般人を連れて行く方が不自然か。
バッグを受け取り、着替えに赴くとしようか。

108塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/30(土) 23:33:08
>>106
「はっは、まあ待ちなって。
折角の若いツバメをさ」

立石の反応に、クスクスと笑って前を向く。

「じゃ、私からも話をすると......」

「まず1つ。
『スタンド能力』の『推理』は、
人の心を覗き込むようなもんだ。
『心』に決まったカタチが無い以上、
『スタンド能力』も無数にある。
故に、当たりゃご喝采。
わかんなくても、文句は言うなよって事」

「ふたつ目。
『報告』は正確にしな。
『開錠されていたかどうか?』
あんたは『中の物が無い』ことから開錠って言葉を使ったんだろうが......。
『開錠され、中の物が無くなった』事と、
『中の物が無くなった』じゃあ、全く別って事だ。
この意味がわかるか?」

「そして3ツ目は.....ま、これはいいか。
今回の話は、私にも役得がありそーな話だ。
大人しく従うよ」

鞄を引っ掴んで眼前の建物を一瞥し、
車の扉に脱いだ服を引っ掛け始めた.....。

109『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/31(日) 00:09:40
>>107(夕立)
>「『解錠』された記録もなかった、ですか?」

    「ああ、『抹消』したのだろう。

     『開錠』の時間によって、
     犯行時刻の特定を恐れたか……」

『立石』は歯切れの悪い口振りで、『夕立』へと返答する。
バッグを受け取り、『夕立』はスポーツセンターへ向かう。

>>108(塞川)

>『開錠され、中の物が無くなった』事と、
>『中の物が無くなった』じゃあ、全く別って事だ。

    「んん? 何を言っている。

     『金庫』から出さないと、
     『現金』は持っていけないだろう」

ピンと来ていないのか、
『立石』は愚問を返すが……

    「――――  ―― あッ!

     まさか、出来るってのか!?」

一拍遅れて、『テレポート』にピンと来たようだ。
しかし、『塞川』が服を脱ぎ始めると、

    「酔っ払いか!

     わざわざロッカーのある施設まで、
     車を出したんだから、向こうでやれ!」

『塞川』を怒鳴りつける。

110『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/31(日) 00:10:02
>ALL
紆余曲折ありながらも、『警察官』の制服に袖を通し、
二人は駐車場に再集合した。

『交番』で見かけるような、一般的な『制服』だ。
『立石』の言う通り、二人の体格にジャストフィットしている。
胸ポケットには『警察手帳』も入っている。

唯、腰に付けた『拳銃』や『警棒』、『無線機』については、
精巧な『贋作』であると、触れただけで判別が付いた。

    「うーん、中々似合ってるな」

『立石』はなおざりな感想を述べると、
再度、『運転席』へと乗り込んだ。

    「まずは『箱根誠一』の事務所へ移動する。

     古くから『星見町』に住む一族だが、
     中でも彼は、郊外の広大な土地を所有する『地主』だ」

    「あの『スカイモール』を建設する際にも、
     用地所得に多大な協力をしたと聞いている」

二人が乗り込むのを確認してから、『ミニバン』が発進する。

    「被害総額は『1000万円』。

     加えて、管理している『重要書類』、
     通帳の類も盗難されている。
     本件の一番の『被害者』といっても、過言じゃあない」

111塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/31(日) 00:23:03
>>109-110
「職務に熱心なヤツだな、やれやれ」

紆余曲折あり、着替えた。
着崩したりはしていない、今のところは。
どお? 似合ってる? などと『鉄』に話し掛けたりしている。

「1000万、金庫にあったって事か?
キャッシュで?」

移動中、何気なく質問をしながら、スマホを操作して、箱根誠一について調べる。
来歴や、まちのニュースに最近上がってないか?などだ。

112鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/31(日) 01:02:38
>>110-111

着替え終えて、鏡で姿を確認してみる。我ながら、馬子にも衣装といった感じだ。
なるべくクラスメイトに会わないことを祈るしかない。
腰に手を当て、装備を確認する。贋作か。とはいえ『拳銃』は手に余る武器であるし、『無線機』はスマホがあればいい。
『警棒』も『シヴァルリー』がいれば、さほど大したものではない。

「お待たせしました」 ビッ

とりあえず警官らしく、敬礼をしてみる。

>どお? 似合ってる? などと『鉄』に話し掛けたりしている。

「えっ」「えっと、その… 」チラリ
「ッ」「とても、よく、お似合いだと…」

直視はできないが、適当に返事をするのもよくない。一瞬だけ視線を送って、そして直ぐに逸らした。
見知った顔が(とはいってもついさっきだが)警官の制服に身を包んでいるのは、なんとも奇妙な感じがする。
だが、似合うと言うのはウソではない。
兎にも角にも、ミニバンの中に再度入り込む。


>    「被害総額は『1000万円』。

「いっせんまん、ですか…ッ?!」

あまりの金額に、思わず口が開いてしまう。高くとも数十万円を想定しただけに、これは流石に予想外だ。
『空き巣』と聞くと少々ケチな雰囲気がするが、これは完全に大犯罪だろう。

「ちなみにその『重要書類』とは、仕事に関わるモノだったんですか?」

113『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/31(日) 01:33:04
>>111(塞川)
>「1000万、金庫にあったって事か?
>キャッシュで?」

    「ああ、『100万円』の札束で10個。

     ご丁寧に、札束をまとめる『帯封』を抜いて、
     万札だけをすっぽ抜いて、盗み取ったようだ」

『箱根誠一』で検索を掛ける。
残念ながら、来歴は載っていない。

小中学校の『備品寄贈者』のページや、
複数の『各種団体』に名前が載っている。
『奉仕精神』に富んだ性格のようだ。

>>112(夕立)

    「うむッ」
            ビッ

『立石』から敬礼が返された。

    「仕事上の『書類』から、
     賃貸契約書のような、私的なものまで、一切合切だ」

    「あくまでも、事務所に置いていたのは『写し』だったから、
     業務上の被害は出なかったが、……たまったものじゃあないな」

>ALL

    「ここが、被害者の事務所だ」

『ミニバン』はマンションの駐車場へと停車した。
タイル張りの『五階建て』のマンション、何の変哲もない。
入口はオートロックであり、まだ真新しい。


       カツ・・・
               カツ・・・

『エレベーター』を利用し、『3階』へと移動する。

114『アポなし泥棒御用なり』:2019/03/31(日) 01:33:16
>>111-112(塞川&夕立)

『立石』は『箱根地所』と表札が掲げられたドアの前で、
インターホンを押し、その要件をドア越しに告げる。

    ガチャ・・・

     「『立石』さん。どうもどうも。
      どうですかね、何か解りましたか?」

撫で付けた髪、整えられた口ひげ、
ダブルスーツを着た、恰幅のいい老人が、
おずおずと『立石』に話しかける。

     「未だ、目星は付いておりません。

      今回は更なる『捜査』のため、
      改めて現場を『見分』したく、参りました」

『立石』は冷静に告げる。

     「ええ、上がってください。

      ……それにしても、
      何も出てくるとは、思えませんが……」

不安そうな表情ながら、
『箱根』はドアを押し開けて、三人を招き入れる。

     「此方のお二人は、
      『立石』さんの部下の方で?」

     「ええ、早期解決のため、
      人員を増やしておりまして」

     「左様ですか。

      ――――『箱根誠一』と申します。
      今回はね、ご迷惑をお掛けしてますが、
      ……本当に、何がなにやら……えぇ、ねぇ……」

『箱根』は困惑の色を隠せない。
今回の事件について、どう接していいか解らないようだ。

115塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/03/31(日) 01:49:29
>>113-114
「ふん、なるほど。
金持ちのやる事は、わからんね。
因みに、『盗られていないもの』は?」

『ハンドバッグ』は……仕方ないから置いていこう。
中身を適当にポケットに突っ込んで、欠伸をしながら『立石』についていく。
道中で質問を投げかけながら。

「ヤア、こんにちは。
あなたが箱根さん?
娘の小学校に、あなたの名前がありましたよ。
寄贈品は……えー、何でしたっけ?」

ネットで数分前に仕入れた知識を披露しながら、
適当に挨拶して、部屋にずかずかと入っていく。
中心に立って部屋中を見渡す。

116鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/03/31(日) 20:06:27
>>113-114

立石さんに敬礼を返されたことにより、自分が『警察官』であるという自覚が湧いてくる。
いや、実際はただの学生で、妄想に過ぎないのだが。

「他の被害者たちの状況にもよりますが…最初から『重要書類』目当てで、
 大金を盗んだのはそのカモフラージュの線もあり得るでしょうか」

自分には、そういった書類が一般的にどの程度価値を持つのかは分からないが。
帯封を残すほど几帳面な性格なのに、金になるか分からないものまで持っていくのは妙かもしれない。
犯人にとって重要だった可能性もあるか?
色々と思考を巡らせながら、マンションの中へと入る。

「あなたが箱根さんですね、よろしくお願いします」 ペコリ
「繰り返しになるでしょうが、オレたちにも『最後に金庫の中身を確認した時間』、
 『中身が消えていたことを確認した時間』、そして『その時の家の状態』を教えて頂いてもよろしいでしょうか?」

一礼しつつ、辻とか村上とかの偽名を名乗っておくべきかと思ったが、やめた。
警察手帳は恐らく鉄 夕立で作られているのだろう。下手な嘘はやめておこう。
事件の後に街で出会ったら、そっくりさんということにしておけばいいか。

117『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/01(月) 22:24:03
>>115(塞川)
「印鑑の入った『木箱』、
 書類をまとめていた『クリアファイル』、
 事務所やマイカーの合鍵の入った巾着は、
 『金庫』の中に入ったままだった――――」

『立石』は振り返らず、『塞川』の質問に答える。
そして、ドアを開けて姿を現した『箱根』に対し、
適当な挨拶をしながら、『塞川』は室内に入っていく。

     「え、ああ……」

咄嗟のことに、『箱根』は口を閉ざしている。
その間に、『塞川』は部屋の中心へと到着した。

>>116(夕立)
「その可能性は、あるかも知れない。

 ……が、今一つ決め手に欠ける。
 不動産に関連する『重要書類』とはいうが、
 そこまでして『盗む』ものかと言うと、な……」

この様子だと『重要書類』の関連人物は、既に当たっているのだろう。
――――そして、その聞き込みは『事件』の真相には結びつかなかった。

    「ええ、此方こそ。よろしくお願いします。

     先ほど、奥へ行った婦警の方と一緒に、
     お話をさせて頂きましょうか。―――どうぞ、此方に」

部屋の主に案内されるがままに、
『夕立』は事務所の奥へと足を進める。

118『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/01(月) 22:24:36

【箱根の事務所】
■─┬──┬─[ 出  窓 ]─――――■
│便│水□│植┌───┐□□机□棚│     ☆:金庫。『1m』の立方体。
│所│場□│□│応接用│□□机椅棚│
└□┴─□┤□└───┘□□机□棚│     植:観葉植物。おそらくバオバブ。
│□□□□扉□□□□□□□□□□☆│
■─扉──┴─.[飾り棚]-─■棚□机机■  応接用:ソファとローテーブルのセット。
                  │棚□□椅│       どちらに座っても、出窓を眺められる。
                  ├─扉──┤
                  │□□□□│  ..飾り棚:営業許可書や、県からの感謝状など、
                  ■────■          華やかな褒章が飾られている。

>ALL
前情報に反し、『箱根』の事務所は質素だ。
『1LDK』に必要最低限の調度品を配備している。
掃除は行き届いており、『書類棚』にもホコリは目立たず、
出窓の傍に飾られた『観葉植物』も、瑞々しい香りを醸し出している。

『出窓』の隣には『星見町』の地図がデカデカと貼られ、
『棚』には『経営』や『法律』、『地学』に関する分厚い書籍が並び、
その正面には革張りの『肘掛け椅子』に、年季の入った『社長机』が鎮座する。

『社長机』の脇には、ノートパソコンの置かれた『事務机』が在り、
傍にある本棚には『経理』に関する書籍や、黒ファイルが並んでいる。
『箱根』の他に、もう一人誰かが頻繁に来ているようだ。

室内に入ると、問題の『金庫』は真っ先に発見できた。
『卓上プリンター』の置き場所にこそされてはいるが、
『ダイヤル』の目立つ鉄の箱は、誰が見ても『金庫』だった。

     「あれは、『三日前』のことでした。

      私は、『17時ごろ』に『事務所』を出た後、
      近所の駐車場に停めた車で、家に帰る時でした」

     「『車』の『電子キー』が利かなくなりましてな……。
      理由は解りませんが、まぁ『壊れた』と考えまして、
      とりあえず、『金庫』から『合鍵』を取ろうと、事務所に戻しました」

     「事務所を出てから『15分』くらいでしょうか。
      娘に電話して、『開錠番号』を確認してから、
      『金庫』を開けたら、……無くなっていたのですよ」

     「『土地』の売買に必要な、書類が何から、
      それに『通帳』、ましてや『現金』が全て!」

     「事務所の『窓』も、『扉』も、全て『施錠』されてました。

      ましてや、『金庫』の中身は、
      『事務所』を出る直前に、ハッキリと見ていたのに……」

『箱根』は狐につままれたような様子で、三人に話しかける。
『立石』の表情に変化はない。話の内容に『変わり』はないようだ。

119塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/01(月) 22:46:21
>>117-118
「なるほど、なるほど。
その『盗まれた書類』………
全て、『金庫』に入ってたモノだけか?
机の中にもあるよな、重要なモンは」

喋りながら『飾り棚』の傍まで歩いていき、
その中身を興味深そうに眺めながら質問をする。
営業許可証や感謝状を。

「そりゃ、奇妙な話だな。
『電子キー』は、その後使えるようになったワケ?
ま、これはあんまり関係ないような気もするけどな……」

120鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/01(月) 23:15:40
>>117-118

「…なるほど」
「その『金庫』は、解錠した時の履歴が残るタイプですか?」

もっとも、履歴が残っていないのは知っているが。
仮に残るタイプなら、後から消されたか、開けずに中身を奪われたわけだが。
消すとしても、誰にでも出来るわけじゃないだろう。それも暗証番号が必要なのか。

「それと、暗証番号はあなた本人はご存知なかったのですか?」

121『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/01(月) 23:37:20
>>119(塞川)
「他のものは『手付かず』だった。

 ……そうでしたね、『立石』さん?」

話を振られた『立石』が、重々しく頷く。
『営業許可証』や『感謝状』は、いずれも『額縁』に収まっている。
『塞川』に何か『見識』や『意図』があるのであれば、
より突っ込んで『注視』することもできだろう。

    「『金庫』の中身以外、盗まれたものはない。

     犯人は『指紋』一つ残さず、
     『金庫』の中身だけを奪っていったわけだ」

    「無論、さっき言ったように、無事だった品物もある。
     『電子キー』の合鍵は、手を付けられたはいなかった。
     ……『ディーラー』に問い合わせたら、『故障』だったらしい」

「キーを差して『運転席』に入って、
 『発進』させようと『電子キー』を翳したら、
 ……まぁ、ウンともスンとも言わんでしてなぁ。
 やっぱり、“ハイテク”には慣れませんなぁ……」

とりあえず、『電子キー』は偶然にも壊れただけのようだ。

>>120(夕立)
「『ダイヤル式』ですから、
 そのような『履歴』は残りません。

 腕のある『技師』であれば、
 ダイヤルの微かな『音』で判別が付くとか、
 前に『テレビ』で見た記憶がありますが……」

    「その番組は、私も見ましたな。

     しかし、その『金庫』は真新しい様子。
     何度も『ダイヤル』を回し、『劣化』した上で、
     発生した『異音』を聞き取る『メカニズム』でしたな」

『箱根』の思い付きを、『立石』が補足する。
金庫はアナログな作りで、電子的な『履歴』は残っていないようだ。

「お恥ずかしながら、『ド忘れ』してしまいまして。

 『手帳』も『車内』へ置きっぱなしでしたので、
 変に弄らないよう、『娘』に電話を入れました」

そそっかしいが、妙なところで『冷静』な老人だ。
元々は『用心深い』性格だったのだが、
年を経るにつれて、老いが目立ってきたのだろうか。

122鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/01(月) 23:55:05
>>118

完全にアナログ式の金庫か。いや、解錠はアナログで、デジタルに記録を残すとかあるのか知らないが。
先ほど立石さんが言っていた記録云々は、この箱根さんのことではないようだ。

「ちなみに、その『三日前』より以前にも、何か妙な出来事はありましたか?」
「比較的、最近のことでいいんですが」

しかし15分以内に、痕跡一つ残さずに、金庫の中身を抜き取る。実に鮮やかな手並みだ。
ならば、既にある程度下調べをしていたのではないか?
例えば現場を下見したりする際に、『スタンド』で偵察をしていた可能性もある。遠隔操作型ならば、だが。

123塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 00:03:44
>>121
「『電子キーの故障』は、犯人の立場としては不利なだけ……。
意図的に起こされた筈はない。何かの影響って可能性も……ま、無いだろうな」

『他に盗まれたものはない』……という部分までを聞いて、
飾り棚を見るのは一旦やめて、金庫の前に戻ってくる。
『箱根』と話をする『鉄』の方をちらりと見た。

「じゃ、次は『金庫』を見せて貰おうか。
『指紋』とかはもう調べたんだろうが……一応ね」

そう言って金庫の開錠を待つ傍ら、『鉄』に話しかける。

>>120
「………私達の『立場』を忘れるなよな。
重要なのは『どうやって?』、の、その一点。
それ以外の事は、コイツらがやってくれてんだから」

ぴっ、と『立石』を指さして。

「基本的に犯人には、必要以上に『急ぐ』理由は無い。
『15分』という制限時間……。 それが偶然だった以上はな。
それを『メチャクチャ手際がいいプロ』と考えるより……
『一瞬』でできる、『遠隔』でできる…・…そう考える方が『私達の真実』には近いよな?」

「それを考えるんだ、感覚の目で良く見なよ。
あんたにも、期待してんだから」

124『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/02(火) 00:19:35
>>122(夕立)
「……『妙』なこと。

 うーむ、これと言って思い当たりませんな」

不可解な事件に巻き込まれているにも関わらず、
『箱根』は思い当たらない、と口にしている。
……おそらく、本当に『解らない』のだろう。

>>123(塞川)
>「『電子キーの故障』は、犯人の立場としては不利なだけ……。
>意図的に起こされた筈はない。何かの影響って可能性も……ま、無いだろうな」

    「確かに、『電子キー』が壊れてなければ、
     『盗難』の発見はもっと遅れていたからなぁ……」

同意を示した『立石』は、巨躯を折り畳むように、『金庫』の前に屈みこむ。
既に『捜査』の過程で、『開錠番号』を聞きこんでいたようだ。

>ALL
『塞川』は『金庫』の開錠をしている『立石』を指さし、
『夕立』目掛けて激を飛ばす。

――――確かに、『急ぐ』理由はない。
そして、常軌を逸した『手段』だったからこそ、
二人に宿った『感覚の目』が、真実に至る一助となるだろう。


         ガチャッ

唯一の『物証』である『金庫』は、事件発生時から『保全』されている。
『立石』が話した通り、中には『帯封』がちらばり、
空っぽの『クリアファイル』や『ゼムクリップ』が散乱している。
そして、『印鑑箱』や『巾着』は手付かずのまま、置きっぱなしになっている。

「すみませんね。『箱根』さん。
 唯一の『証拠』とはいえ、『保全』へのご協力を頂き……」

    「いいえ、どうせ入れる『中身』はありませんから……」

『箱根』は物寂しい返答を、ボソリとこぼした。

125鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/02(火) 00:33:34
>>123-124

「どうやって、を知るのにもっと効率の良い質問があるということですか?」
「…ひょっとして、既にある程度目処が立っていますか?」

塞川さんの言葉に、体を向けつつも明後日の方向を向きながら質問をする。
『瞬間移動』でどこにでも現れることができるなら、犯人を捕まえることは不可能に近い。
それならば打つ手なしだが、『音泉』さんの言葉を聞く限り、無制限に強力なスタンドというのはあまりないようだ。
つまり、この場合金庫から中身を取り出すにあたって何らかの仕込みか、
あるいは犯人に都合のいい状況があったというのが自分の推測だ。
それが『瞬間移動』や、過去の解錠を『繰り返す』能力などかは分からないが。
自分はそれを知りたいが故に質問をしているが、あるいはこの女性は既に何らかの推測ができているのかもしれない。

「何かお気付きになりましたら、よろしくお願いします」

自分はこういった『探偵』のようなことは初めてだ。できればご教授願いたい。
そして『金庫』の中身を屈んで見る。
『帯封』を触らずに調べてみよう、これも紙製だろうか?

126塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 00:42:18
>>124
一応『手袋』をして、金庫の中を覗き込む。
『帯封』『クリアファイル』『ゼムクリップ』の状態を確認。
力が掛かって外されたのか?すっぽ抜けた感じなのか? 程度はわかるはずだ。

「『書類』に『札束』……。
総量としては、どんなもんなわけ? 重さは」

内側を覗き込むのは一旦止めて、
しゃがみ込んだまま、金庫の外見を触れながら、
周囲とぐるりと回り、なんらかの痕跡が無いかどうかを確認する。

>>125
「推測………いや、『妄想』ってレベルなら、無いことはない。
だが、まずは確かな事を拾っていかなきゃあな。
この状況、犯人がノコノコ『部屋に入ってきた』可能性は、あまり高くない……と、私は考える。
偶然の『時間的制約』もそうだが、手口が『鮮やか過ぎる』。
単純に『泥棒の七ツ道具』の延長線上のような『能力』なら、警察に全く影も踏ませない…・…とはならないはずだからな」

127『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/02(火) 00:50:09
>>125(夕立)
「ああ、すまない。
 君の制服には、入れ忘れてたみたいだな」

『帯封』を注視していると、『立石』が手袋を差し出した。
証拠品に触れるために用いる『真っ白』な手袋だ。

『帯封』は『フィルム製』だ。
『星見信用金庫』とロゴが入っている。

>>126(塞川)
「『1,000万円』の札束、ああ、いや……。
 『帯』は解かれているから、『1,000万円』のお札か。

 少なくとも『1kg』、書類を合わせても『1.5kg』ほどだ。
 持って逃げる上では、『重量』よりも、かさばる方が厄介だろうな」

『ひっかき傷』や『マーキング』のような『痕跡』は見当たらない。

128鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/02(火) 01:06:30
>>126

「なるほど…警察の目を欺けるレベルは、通常の侵入では難しい、というわけですね」
「こっそり『電子キー』を壊し、箱根さんが金庫を開けたところで
 『時間を停止』したり、『超スピード』で中身を抜き取った…なども想像してましたが」
「それだと確かに多少なりとも『痕跡』が残ってもおかしくないですね」

立石さんには失礼だが、警察の捜査力を侮っていたようだ。
並大抵の泥棒なら、痕跡を見つけられるほどの力があるらしい。
神業級の潜入力+『解錠のスタンド能力』よりも、塞川さんの言う通り『スタンド能力』単独で
金庫の中身を直接抜き去ったと考える方が自然だろうか。

>>127

「ありがとうございます」

感謝して手袋を受け取り身につけて、『帯封』を見た。
イメージ的には紙製のものだったが、こうして触ってみると『フィルム』製のようだ。
あるいは紙製のものもあるのかもしれないが。
部屋の中に小さな紙製の『メモ用紙』などがあれば、金庫の中身を崩さないように、そっと中に入れてみたい。

129塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 01:07:01
>>127
>>126 の上3行については、特にわからなかった、ということでいい?
具体的には、帯封は切れていない? 等

「……他を調べるか」

立ち上がって、『飾り棚』の方へ。
がたがたと棚を揺すって、『立石』へ声を掛ける。
『箱根』に言っても、理由がわからないだろうからな。
『立石』は、『わからない事を調べている』事をわかっている為、何でも応じてはくれるだろう。

「この『棚』……これは、開けられるのか?
中の『感謝状』の状態が見たい……重要度は低いけどな。
虱潰しに探っていくぞ。 」

「そっちの『地図』もだ。
何か『痕跡』はないか?」

そっちは『鉄』に調べてもらおうと、声を掛ける。

130『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/02(火) 01:20:00
>>128(夕立)
業者のFAXチラシを裏紙にした、手製の『メモ帳』が事務机にある。
それを一枚破り取ると、『金庫』の中へと入れてみる。

      シーン...

しかし、特に何かが起こるわけではない。
見るに見かねた『立石』が、そっと『夕立』に耳打ちする。

      「『夕立』君。
       一体、何を狙ってるんだ?」

>>129(塞川)
『帯封』、『クリアファイル』、『ゼムクリップ』に変形や破損は見当たらない。
中でも『帯封』は『輪』を保ったまま、金庫内に散乱している。

     グイ
                ググ・・・

『飾り棚』を揺すってみるが、ビクともしない。
『耐震対策』がしっかりしているのだろう。

      「おい、何をやってるんだ?」

『立石』が小声で耳打ちをする。
『飾り棚』は棚板が剥き出しになっており、『ガラス戸』などはない。

      「あの、あまり荒らすような真似は――――」

『捜査』の手が『飾り棚』に及ぶと解れば、
見かねた『箱根』が、おずおずと『口出し』をする。

131鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/02(火) 01:33:27
>>130

「『スタンド』には一定の法則があります」
「『超能力』だからといって、何でもできるわけではありません」
「『札束』も『重要書類』も紙製なので、例えばそれらだけを抜き取る仕掛けがあるかと思いましたが…」
「ハズレか、あるいは仕掛けは取り去った後のようですね」

立石さんに同じく、小声で話す。メモ帳は取り除き、スマホと同じポケットにでも入れておこう。

>>129

「こちらですか?」「了解しました」

塞川さんの指示に従い、出窓付近にかけられた地図を調べる。裏側なども見てみて、異変がなければ
次は観葉植物だ。部屋の中に入り込む、あるいは金庫中身を取り出すために
何らかの能力が使われている、その為には何かを使っているはずだ。

132塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 08:19:03
>>130
「何って、『捜査』だよ。
あんた達のやり方とは違うだろうがな」

耳打ちする立石に、更に一歩詰め寄り、
超至近距離でボソボソと呟く。
『箱根』には聞こえないように。

「私達が『狂人』に見えるかァ〜〜?『立石』。
ならそれは、あんたも同じだ。
こうやって私達に依頼したって事はな」

『箱根』をチラリ、と見て、額縁ごと感謝状を手に取り、
裏面を触って中身を取り出そうとする。

「こんな『事件』、常識で考えれば『狂言』が本線だ。
だがあんたは違った。
自分の中の『感覚』の方を信じたんだ。
刑事としての『常識』よりもな」

「なら、最後までそれを信じろーーッ!
そうしたら、全ての現場であんたのやる事は、
私達の邪魔をする奴を止めとく事だ。
そして、早速『仕事』のようだぜ」

やや乱暴に『立石』の胸板を叩き、会話を終わらせる。
『妄想』の内容とは『夕立』の言う通り、
『紙に作用する能力』ではないか?という事だ。
ピン留めされた地図、額縁に入った表彰状、ファイリングされた書類....
全て固定されているから盗まれなかっただけではないか?
そういう観点から、捜査を続ける。
感謝状を確認したなら、次は事務机の書類もチェックしにいくつもりだ。

133『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/02(火) 23:22:23
>>131(夕立)
「確かに、盗まれたモノは、
 全部『紙』で出来ているな……!」

納得したように、『立石』が嘆息を漏らした。
『夕立』はメモ帳をポケットにしまい、
『塞川』の探索を手伝う。

『地図』を確認するが、表裏のどちらにも珍しいところはない。
そして、『観葉植物』にも何ら変わった点はない。
『仕掛け』を取り去った後か、あるいは最初から何もなかったか。


>>132(塞川)

    ズオオオォォォ―――z____

            「グッ」

                   「うぅ...」

大柄な『立石』の醸し出した『迫力』に一歩も引かず、
『塞川』は煮え切らない『立石』の尻を叩くかのように、
啖呵を切るような気炎を吐いた。

            ドンッ!

    「た、立石さん。

     ……何をしているんですか、止めて頂けませんか?
     じ、『15分』で金庫を漁った上に、  . . . . .
     地図や書類をイジるようなマネ、誰もするはずが――――」

    「いや、彼女の言う通りだ……。

     『はず』じゃない、が通じないんですよ。
     痛くない『腹』を探られるような話でしょうが、
     根掘り葉掘りの精神で、徹底的に洗わせてもらう」


        ガバッ!


『塞川』は額縁を外し、『感謝状』を抜き取った。
しばらく確認し、何の変哲もない『感謝状』だと解った瞬間、
事務机の書類をバラバラと捲っていく。

背後では『夕立』が壁に貼られた『地図』を調べ、
すぐ近くでは『立石』がゴミ箱をひっくり返している。


>ALL


      目に付く場所を徹底的に『捜査』した結果、

      二人にはハッキリと解った点がある。

      この部屋には、『不審』な点は何一つない。


         プルプルプルプルプル...


      部屋の主である『箱根』は震えている。
      『怒り』か、それとも『落胆』か……。


      「気は、済みましたか。
       ……隠している『現金』なんて、どこにもない」

      「妻も、娘も、私を疑って、
       『脱税』だ、『所得隠し』だの、
       遠まわしに言っては、『自首』を促してくる」

      「違う、私じゃない……!

       ――――とても、私自身が言い切れんのです。
       昔のようにいかない。頭もボヤけて、思うがままにならない」

      「海千山千のディベロッパーと対等に競り合って、
       先祖代々、居を構えてきた、この町の発展に尽力し、
       二十七校の小学校に、『二宮金次郎』の銅像を寄贈した……」

      「私は、いつまでも、真っ当に生きられるつもりだった。

       ――――こんな、人様をダマしてまで、
       お金と書類を隠して、大騒ぎをするようなマネ、
       私が、『箱根誠一』が、やったとでも、いうのですか……」

深く、息を吐くように、静かな独白が、室内を支配した。

134<削除>:<削除>
<削除>

135<削除>:<削除>
<削除>

136鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/02(火) 23:49:57
>>133

「異常なし、ですね」

どうやら異常な痕跡は何一つないようだ。
『スタンド能力』を知る自分たちから見ても、能力の痕跡やキッカケになるものはないと思われる。


>      「私は、いつまでも、真っ当に生きられるつもりだった。

>       ――――こんな、人様をダマしてまで、
>       お金と書類を隠して、大騒ぎをするようなマネ、
>       私が、『箱根誠一』が、やったとでも、いうのですか……」

「…心中お察しします」
「ですが、ご理解頂きたい。我々は、あなたが『無実』だと思っているから、こうしているんです」
「その為のきっかけを、これから同じ被害者からも探していきます」

箱根さんへと一礼する。家族からも疑われるというのは、あまりに辛いだろう。
また家族も、なるべくなら疑いたくはないが、最近衰えつつある箱根さんを見て、信じきれないのかもしれない。

「最後に二つだけ、お聞かせ下さい」
「先ほど(>>121)、暗証番号を記した『手帳』は車内に置き忘れたと言いましたが、
 塞川さんとのお話では、『運転席』で電子キーをかざした、と仰っていました」
「車内には入ることができた、そういうことで間違いありませんか?」

「それと、ここの『経理』を担当している方は、身内の方ですか?」

事務所に出入りするもう一人の人間についても、訊ねておこう。

137塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/02(火) 23:52:45
>>133
「………何も『出ない』、か。ふん、残念。
ま、そんな簡単に行くわけもないってのは、
最初っから覚悟はしていたけどな」

白けたように伸びをして、周囲を見回し、
二人も、何の成果も得られていないことを確認した。
感情を吐露する『箱根』を横目で見て、無言でその横を通り抜けて部屋を出ていく。

(別にカワイソーとは思わんし……
励ますような言葉を言ってやるようなキャラじゃあないんでね、『私は』)

138『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/03(水) 00:21:02
>>134-136(夕立)
『箱根』に質問をするが、答えは返ってこない。
『動揺』しているのだろう。

>>137(塞川)
先んじて『玄関』に出て、靴を履き始める。


>ALL
老人にしてはシャンとしていたはずの背筋を情けなく震わせ、
『箱根』は『淀み』ともいえる、混沌とした感情を吐き出し、立ち尽くす。

荒んだ心情を労わるように、『夕立』は語り掛ける。
その一方で、『塞川』は踵を返し、用済みの現場を後にする。

    「彼の、言う通りです」

        バンッ

『夕立』の肩を叩き、その傍に『立石』が連なる。

    「我々が、必ず『犯人』を捕まえます。
     ――――『箱根』さん、ご協力に感謝します」

『立石』は一礼し、三人は『現場』を後にした。
それぞれが『ミニバン』に乗り込むと、『立石』が大きく息を吐いた。

    「二人とも、始めての『捜査』。ご苦労だったな。
     結局、あの『金庫』以外に、何の異変もなかったが。

     ……だが、『紙』が怪しいというのは、大きな収穫だな。
     『犯人』は『密室』に侵入し、『金庫内』の『紙』だけを奪い取った」

    「わざわざ『帯封』や『クリップ』を抜いた理由が解らなかったが、
     『紙』だけを奪うスタンド能力、という可能性も、あるのだろう?」

    「ルパン三世の『五右衛門』は、コンニャクだけは切れなかったが、
     ちょうど、その『真逆』とでもいうのかな。……うーん、この言い方でいいのか……」

慣れない『スタンド』の概念を何とか説明しようと、
四苦八苦しながら、『立石』が車を走らせる。

    「いずれにせよ、もう今日は遅くなった。

     また『明日』、協力してもらいたい。
     次の被害者は、漫画家の『切江ギヤマン』だ。

     彼の『アトリエ』にある『金庫』が被害にあった。
     本人曰く、被害総額は『100万円』だ。
     なんでも、漫画の『資料』で札束を使っていたそうだが」

そう遠くない場所であれば、『立石』が家路に送ってくれるだろう。

139塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/03(水) 00:44:31
>>138
「………わかってきたなァ、『立石』。
そのとーり。あらゆる『可能性』があるってことだな。
発想は、ジューナンに」

後部座席に座り、スマートフォンを操作して、
地図を表示した画面を、運転席の立石に見せる。
駅に近い、『高級マンション』と言っていい建物の住所が載っている。
そこへ行け、という事らしい。

「しかし『漫画家』か……
私達には知ったこっちゃないが、
当然、被害者同士の共通点なんかは、もう調べているんだろ?
節操のないヤツだな、犯人も」

「いや、違うな………
私達が調べる『共通点』は、そんな事じゃあないか。
被害者の人となりでなく、『ロケーション』の共通点……
つまり『能力を行使しやすい』条件が揃ってた。
とかって方向性の方かな………」

ぶつぶつ、とつぶやいていたが、
思い出したように『鉄』の方を見る。

「何か感じたか?
今日の『場所』、『箱根の事務所』について………。
私の方じゃ、もうアイデアがない。そっちの『意見』が聞きたいね」

140鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/03(水) 00:54:16
>>138-139

答えは返ってこなかった。この男性も、幾分心が折れかかっているということか。
回答を頂けた方が犯人逮捕へと僅かでも近付ける可能性があるのだが、仕方あるまい。
合理性だけでは動けないのが人間というものだ。この場を切り上げて、車へと戻る。

「『漫画家』…ですか」「『共通点』を上げるなら、『紙』に値打ちがあることでしょうか」
「とはいえ、最近はPCで描いたりする作家さんもいるらしいですから、まだ確定ではないですが」

塞川さんから意見を求められる、口にする。

「現場に怪しい痕跡は全くなかったようなので、何か外部から必要なものを持ってくるタイプではなさそうですね」
「能力の『キー』となるのは、元からそこにあるものを使うタイプか、あるいはそれを必要としないのか」

膝下を見ながら、自分で感じたことを口にする。
理解度に関しては、恐らく自分も変わらない。現時点では、これ以上分からないというところだ。

ちなみに下ろしてもらう場所は、家から少し離れたところだ。
荒事に関わっている以上、念のため少し歩いてから家へと向かいたい。

141『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/03(水) 01:37:34
>>139(塞川)
「『被害者』の共通点は、ほとんどない。
 三人は『顔見知り』ですらないからな」

『スマートフォン』の画面を見ると、
それだけで『立地』を把握したようだ。
僅かな頷きを見せると、車両を左折させる。

   「『共通点』を無理矢理付けるとすれば、

    いずれも『老齢』であること。
    『個人事業主』かつ、仕事場が狙われたこと。
    そして、『金庫』があること、くらいか……」

   「星見町内で『条件』に当てはまる人物は、
    ……まぁ、『50人』はいるだろうな……」

   「最後の被害者、『吉本花南』さんは『専業農家』だ。
    それを加えれば、『100人』は超えるだろうな」

範囲を『市内』に広げれば、より人数は増えるだろう。

>>140(夕立)
「以前、現場で訊いた限りでは、
 『切江』先生は『手描き』で執筆されてるようだ。

 本人は『パソコン』を全く使えないらしい。
 『東京』にいる編集者と、打合せとか出来るのか聞いたら、
 それは問題ないそうだ。……まぁ、アシスタントはパソコンも使えるしな」


>ALL

       ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・


まず、『スポーツセンター』で着替えを終えてから、
二人は改めて、それぞれの家路へ送り届けられる。

果たして、どのような『スタンド能力』で犯行に及んだか。
……そして、それを解明出来たとしても、
『法』の力によって、犯人は捕らえられるのか。

――――まずは『一日目』が終わる……。

(※次レスはGMより行います。)

142『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/03(水) 23:14:33
>ALL
次の日、時間はまだ『午前9時』ごろ。
『星見横丁』にある『雑居ビル』の前に到着する。

    「ここが『切江ギヤマン』の仕事場だ。

     『漫画家』が籠るには、ちと騒がしいが、
     ……まぁ、個人の好き好きなんだろうな」

『立石』を追って、二人は集合玄関から階段を昇る。
『内廊下』の雑居ビルには空きテナントも目立つが、
『ラウンジ』や『スナック』の看板が散見される。

三階の角部屋で立ち止まると、『立石』はチャイムを鳴らす。

    ピーンポーン


    「はぁい。

     ――――あッ、『刑事』さんじゃないッスか。
     どーしました? 犯人、捕まりましたァ?」


『切江』と表札の掛かったドアから、
『アームカーバー』を付けた、中肉中背の男が顔を覗かせた。

    「ああ、『木山』さん。

     もう一度、『捜査』のお願いにと上がりまして。
     『切江』先生はいらっしゃいますかね?」

    「今日は午後からなんスよね。
     いいッスよ。先生には、俺から行っときますから。

     ――――あれれ、若い人も来てるじゃない。
     今日は『新任研修』でも兼ねてるんです?」

    「ままま、上がってくださいよ。
     狭苦しいところですが、勝手に見てってください」

『木山』は軽薄な口振りで三人を招き入れる。

143『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/03(水) 23:15:43
>ALL

モダンな壁紙の貼られた室内には、
『紙』と『インク』の匂いが充満している。
『イラスト』の書かれた『原稿用紙』が、
机上や作業台、L字デスクのあちこちに置かれている。

     「ちょっと『原稿』を片しちゃうんで、
      ソファーで待っててもらっていいッスか?」

目当ての『金庫』は林立する『本棚』の端、
オフィス用の『複合機』の傍に置かれている。
『指紋認証式』の『ブラックパネル』が貼られ、
いかにも『最新式』に見える……。


■────────────■
│机椅□□机机□□本棚本棚│
本机机□□机机椅□□□□□│
棚□□□□机机□┌──┬□┤
本□作□椅机机□□  水│便│
棚□業□□机机□□  場│所│
本□台□□□□□└─┬┴─┤
棚□□□┌───┐□扉□□│
☆□□□│応接用│□│□□│
│複合□└───┘□├──┤
│機〇□□□□□□□│□□│
■─────扉───┴ 扉 ┘

144塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/03(水) 23:26:00
>>142
「……………眠っ。
まだ『9時』ってさ……」

集合した時からずっと変わらず、
ぶすっとした顔つきで、2人に遅れるようにして部屋に入る。
ソファーに深く腰掛けて、やる気なさそうに部屋を見渡す。

「ね、『切江ギヤマン』って、有名?
漫画とか見ンの? 『夕立』君」

145鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/03(水) 23:43:43
>>142-143

「ここが『二件目』の被害家屋ですか」

既に制服に着替えて、ビルの前に立つ。今回は『竹刀袋』は置いてきた。
スクールバッグも使わないので、同じく家にある。ただ、ポーチだけは一応車の中に置かせてもらった。
大したスペースではないので、これくらいは許してもらおう。
立石さんの後に付いて、ビルの3Fへ到着した。ドアが開く。

「はい。自分たちは、『立石』さんや被害者の方々の力になれるように、やってきました」
「よろしくお願いします」

嘘をつかないように、言葉を選んで口にする。これなら堂々と言える。
案内に従い、『ソファ』へと座った。

>「ね、『切江ギヤマン』って、有名?
>漫画とか見ンの? 『夕立』君」

「うぅん、『週刊少年ジャンプ』なら毎週買っていますが」
「それ以外は、あまり見たことはありませんね…」

塞川さんの質問へ、頷いて答える。
『切江ギヤマン』さんの作品は、週刊少年ジャンプに載っていただろうか?思い出してみよう。
そして、部屋の中も同時に見渡してみる。

「・・・・・」
「『箱根』さんの金庫も、近くに『卓上プリンター』がありましたね」
「『複合機』とは少し違いますが」

「『紙』というキーワードと合わせるなら『FAX』のような感じでしょうか…」
「後ほど、かけた電話番号の履歴でも見させてもらいましょうか」

とりあえず、木山さんの準備が整うのを待とう。

146『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/04(木) 00:11:28
>>144(塞川)
「コラッ、シャンとしろっ」

気の抜けた様子の『塞川』を見かねて、
『立石』が注意を飛ばした。

    「そのソファ、ヤバくないッスか?

     前の住人が置いてったヤツなんスけど、
     マジに座り心地が天国仕様ッスよ」

『木山』の雑な表現通り、『ソファ』の座り心地は極上だ。
彼は取っ散らかった『原稿』を回収し、丁寧に『ファイルケース』に収めている。

>>145(夕立)
「お巡りさんもジャンプ読んでるんスか。

 『こち亀』、終わっちゃって残念ッスねェェ〜〜〜ッッ
 やっぱ、読むとしたらあーいうのッスか?」

――――現行の連載陣を思い返すが、
『切江ギヤマン』の作品は、『少年ジャンプ』には載っていない。

    「先生の『漫画』は、『時代劇』ッスからねェェ〜〜〜ッッ

     隔週の『青年誌』で、ずっと連載してるんスけど、
     お巡りさん達じゃあ、ちょっと解らないンじゃないッスか」

      シグレカワズ
    「『 時 雨 蛙 』は拝見しました。
     
     『雰囲気』に味がある、素晴らしい作品でした。
     それにしても、あの『筆致』で十五年も描き続けるとは……」

    「あざっす。『時雨蛙』は、ありゃあ、
     先生の『ライフワーク』ッスからねェ」

件の作品を、『立石』は既読済のようだ。
話に出た『こち亀』までとはいかないだろうが、
それでも長期にわたって連載を続けているらしい。

>ALL

    「お待たせしゃーした。

     先生、モノの置き場所とかニブいんで、
     マジで好きにやっちゃってください」

吹けば飛ぶような、余りにも軽い『木山』のスタート合図。
『夕立』が目を付けた『複合機』は、コンビニの『コピー機』に近い。
これなら、初見であっても簡単に操作できるだろう。

147鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/04(木) 00:26:57
>>146

>「お巡りさんもジャンプ読んでるんスか。

> 『こち亀』、終わっちゃって残念ッスねェェ〜〜〜ッッ
> やっぱ、読むとしたらあーいうのッスか?」
>    「先生の『漫画』は、『時代劇』ッスからねェェ〜〜〜ッッ

「最近の作品だと個人的に好きなのは『鬼滅の刃』ですね」「しかし、『時代劇』ですか?」

テレビでなら、『鬼平犯科帳』や『剣客商売』はよく見ていた。
漫画で『時代劇』があることは一応知っていたが、実際にこれから会う人の作品となると、興味がわく。

>     隔週の『青年誌』で、ずっと連載してるんスけど、
>     お巡りさん達じゃあ、ちょっと解らないンじゃないッスか」

「いえ、とても面白そうです。今度拝見させて頂きます」

立石さんの評価も高いようだ。名前を覚えておこう、『時雨蛙』。
さて、ここからは仕事に集中する時間だ。まずは最初に目を付けた『複合機』を、手袋を付けてチェックする。
外部からの接続は、Wi-Fiだけだろうか?あるいは個人での使用だから、その機能もない可能性もあるか。

148塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/04(木) 20:34:12
>>146
「んー、ヤバい、ほんとヤバイ……私、寝てちゃダメ?
それか、コーヒー買ってきてよ、『立石』………」

ずぶずぶとソファに沈み込んで、そんなことを言っている。

「フー……それじゃ、やるかな。
そして、『コピー機』、鋭く見てるね。エライぞ、『夕立』くん。
確かに『あった』………気づかなかったな」

仕方なく立ち上がり、『金庫』に近づく。

「ところで、その『先生』の作業場がココってのは、そんな有名な話?
『漫画家』の職場なんて、知ってる人間、限られてんじゃないの?」

「そして、盗られたのは、『カネ』だけ?」

149『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/04(木) 23:33:06
>>147(夕立)

>「最近の作品だと個人的に好きなのは『鬼滅の刃』ですね」

     「お巡りさんも、結構『子供』っぽいんスねェ」

『皮肉』とも言えない、純粋な『感想』が『木山』から返ってくる。
作品のタイトルを心に留めながら、『夕立』は『捜査』を開始する。

    ピッ

『複合機』のスイッチを入れると、『スリープモード』から再起動する。
画面の左上には、『Wi-Fi接続中』を示すマークが点灯している。

表示されるアイコンは、『コピー』や『ファックス』、『スキャン&メール』、
『プリンター』といった基本的なコマンドが並んでいる。

>>148(塞川)

     「おいおい、甘ったれるんじゃあないぞ」

『立石』が呆れた声を発する。
一方、『木山』はいそいそと『台所』へと歩いて行った。
ひょっとしたら、『コーヒー』を入れてくれるかもしれない。

     「場所も場所、ッスからねェ。
      人の口に戸は立てられねぇですし、
      『水商売』とか通じて、知ってる人は知ってるッスよ。

      それでもファンが押しかけたりしないってところが、
      先生のじみィ〜〜〜〜なところなんッスけどねェ」

『台所』から『木山』の声が返ってくる。
それを受けて、『立石』も補足を告げる。

     「『聞き込み』の結果だが、
      このビル内では『周知の事実』だった。

      『話のタネ』にもしやすかったんだろうな。
      話題に出した、というホステスや店主も珍しくなかった」

間近で見ると、真新しい『金庫』だと良くわかる。

     「あぁー、多分『カネ』だけッスねェ。
      ……実を言うと、俺も『中身』は詳しく知らないんスよ。
      唯、カネを入れたはずの『金庫』を開けたら、スッカラカンだったんで、
      マジにビビって『通報』したんスよねェ〜〜〜〜ッッ」

      にしても、『100万円』なんて、わざわざ何に用意したんだか。
      結局、すぐに持ってかれて、マジに運が悪いなぁー、って感じですよォ」


                コトッ


『木山』が三人分のコーヒーを入れてくれたようだ。

150鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/04(木) 23:51:47
>>148-149

「ありがとうございます」ペコリ

塞川さんからの賞賛に一礼をする。
たまたま自分が先に気付いただけで、恐らくこの女性もすぐに気付いていただろうが、
それでも褒められるのは嬉しいものだ。

>     「お巡りさんも、結構『子供』っぽいんスねェ」

ギクリ

「は、はは。よく言われます」

まだ『学生』ですから、とは口が裂けても言えない。
『複合機』を操作しながら、内心冷や汗をかく。
調べたいのは、『履歴』だ。
『FAX』の送信履歴、『メール』の送信履歴や添付されたデータなどを調べたい。
接続中のWi-Fiを表示する機能があれば、それもだ。

151塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/04(木) 23:57:36
>>149
「ふーん、そんなモンか……。
この金庫はいつから? 結構、新しいっぽいけど」

金庫が空くのを待つ傍ら、作業台を眺める。

「なんか、わかんないことが多いんだな。
 『先生』には、一回事情聴取はしたんだろ?」

『立石』に問いかける。

「その辺、なんて言ってんの?
『漫画の資料』以上の事は無し?」

152『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/05(金) 23:05:43
>>150(夕立)
「ハハハッ、まだ若造ですからな」

『立石』がフォローを入れる。
それを背にし、『複合機』を操作する。

『スキャン・メール』を確認するが、
『送信履歴』には『木山』の名前しかない。

『FAX』を確認するが、
『西東社』との送受信がほとんどだ。
他出版社の名前も散見されるが、多くはない。

    「メールは『資料』をパソコンに取り込んで、
     デジタル化して『作画』に使ってるんスよ」

    「FAXは、先生が『ネーム』のやり取りに使ってるッス。
     逆に、そっちは全然使ってないッスね。俺の方では」

履歴を確認してみるが、それなりの量がある。
ある程度絞り込まなければ、情報を得られないだろう。

>>151(塞川)
「あー、二週間前からッスね」

『金庫』を開けるのを待っているが、
『木山』は不思議そうな顔をしたまま、待ちぼうけている。
……が、何を求められてるか気付けば、バタバタと両手を振り回す。

    「――――あっ!

     ダメダメ、俺もう開けられないんスよ。
     先生が『指紋認証』を消しちゃったんで、
     今は先生しか、中身は見られないんですって」

    「なッ!?

     参ったな。これじゃあ調べられないぞ」

『立石』は難渋に顔をしかめて、腕組みをする。

>「なんか、わかんないことが多いんだな。
>『先生』には、一回事情聴取はしたんだろ?」

    「……言い方は悪いが、
     この件で一番『非協力的』な被害者だ。

     まぁ、『芸術家』というのは、
     そーいう気難しい面もあるとは思うが。

     『札束』も『漫画を描く用途で下ろしてきた』と言っていたが、
     ――――『時代劇』に『諭吉』が出るシーンがあると思うか?」

『立石』はヒソヒソ声で『塞川』に話しかける。
一方、『携帯電話』を取り出した『木山』は、席を立った。
どうやら、『金庫』を開けるよう、『切江』に電話をしにいったようだ。

153鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/05(金) 23:22:45
>>152

「なるほど」
「『木山』さん。最後に『百万円』を確認した時間と、盗難に気付いた時間。
 そして、その前後で現場に何か変化はありましたか?」

一応木山さんに訊ねてみるが、既に電話をしていたら、『立石』さんに訊ねよう。
覚えてくれている範囲でいい。
そしてその時間の間に何か送信されていないか、チェックしてみよう。
今の話を聞く限りだと、なかなか奇妙な漫画家のようだ。

154塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/05(金) 23:26:14
>>150 >>152
「『送信履歴』と『受信履歴』……。
事件当日のヤツに、怪しいトコはある?」

複合機をいじる『夕立』へと問いかける。
『木山』と入れ替わりで、金庫の前へ。

「そして、弱ったな……。
『金庫』を開けられないんじゃあ、どーしようもないぞ」

大げさに頭を振って、バシン、と金庫を叩く。

「情けないな、何のために『捜査』に来たんだか……
出来る事ってーと、こーやって『覗き込む』……くらいか?
天井を透過して……」

『クリスタライズド・ディスペア』は、既に発現している。
スタンドの像を金庫に密接させて能力を行使。
透明になった『金庫』の中身を覗き込む。

155『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/06(土) 00:15:17
>>153(夕立)
「『木山』さんが『札束』の盗難に気付いたのは、『五日前』だ。

 ――――『盗難』とはいうが、『被害届』も出されていない。
 本来であれば、『事件性なし』とするところだが……」

    「立て続けに、他にも『二件』の空き巣があった。
     ご存知、昨日の『箱根地所』と、もう一か所の事件だ。
     同一の『手口』であれば、『証拠』が残っているはずとして、
     『切江』先生には無理を言って、『捜査協力』を頂いている形となる」

「『時間』は不明だ。

 だが、『朝』に『現金』を入れたのを確認し、
 『夕方』にはそれが、もぬけの殻だったそうだ。

 どちらも『午前中』には『打合せ』で出払っていたから、
 おそらくはその時にやられたのではないか、と――――」

『立石』の言葉に従って、『五日前』の『午前中』の履歴を探す。
『西東社』を始めとする、複数の出版社から『FAX』が来ている。
――――そして、その中に『非通知』の『送信履歴』を発見する。

    「『FAX』が、どうかしたのか?」

『受送信履歴』に固執する『夕立』に、『立石』は不思議そうに問い掛ける。

>>154

         ズアッ

                   ――――シュ カ ァ ァ . . .


      「おい、何をして、」

『立石』には見ることさえ敵わない、硝子製の『鳥像』。
羽ばたきによって舞い落ちる『羽毛』が触れた時、
『金庫』の板金にポッカリと『ソフトボール大』の穴が開く。

      「――――ッ!

       『金庫』に『覗き穴』ッ!?
       まさか、これが『スタンド』ってヤツか!?」

仰天する『立石』。身を乗り出して覗き込む。
無論、『穴』が空いているわけはない。そのように見えるだけだ。
『クリスタライズド・ディスペア』のスタンド能力は、『硝子化』。


>ALL

          キラッ

                   「何か、中にあるな……」

『立石』が『マグライト』を取り出し、『硝子窓』を照らす。
そこにいたのは、『顔』。いや、『一万円札』だ。


          ブワサァァァァ〜〜〜〜〜〜ッッ


まるで、敢えて『散らかした』かのように、無造作に押し込まれている。
かなりの枚数だ。『万札』に交じって、『ビジネス書類』のようなものが、
これまた乱雑に押し込まれている。

156塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/06(土) 00:26:55
>>155
「………『ある』ぞ?
どうなってる……? 『先生』は、なんて言ったんだ、ン?」

『立石』へ問いかけながら、
『クリスタライズド・ディスペア』を移動させ、
複数個所をを『硝子化』させ、全体が覗けるようにしよう。

「100万円………『100枚』以上ないか、これは?
『木山』を見張ってろ、 『立石』。」

『金庫』に顔を近づけて、『ビジネス文書』に書かれている文字を読み取る。
同時に、『スマートフォン』で撮影。

157鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/06(土) 01:12:17
>>155

「『被害届』すら…」
「流石にそれは、異常と言っていいですね」

あまりに売れっ子な漫画家なら、100万円も端金と言えるかもしれないが、
『切絵』さんとやらは不定期の連載を続けているようで、そこまでとは思えない。
長年漫画家を続けられているのだからカツカツとは違うだろうが、それにしても大金を奪われたのを、なかったことにしてしまうとは。

「あくまで予想ですが、この『複合機』が敵の能力に関わっているかもしれません」
「立石さん。『警察』の方は、『非通知』の人の電話番号を電話会社から調べたりすることはできますか?」

訊ねる。
事件当日、出払っていたにも関わらず、『送信履歴』があるのは奇妙だ。
調べてもらう価値はあるように思える。─────いや?

「ッ?!」

塞川さんの方を、金庫を見て驚愕する。
彼女のスタンド能力を初めて見たこともだが、何よりそれで確認できた、金庫の中身に、だ。

「これは、どういうことですか…?『書類』まで中に?」

この場を外している木山さんの方を見る。これでは、金庫を開ける許可などもらえそうにないが…?

158『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/06(土) 22:43:13
>>156(塞川)             . . .
「『100万円』ッ  いや、それ以上あるぞ……!」

    ゴ
               「これは、『社判』だ。
         ゴ
                ――――在り得ない、なぜだ?」
    ゴ
                     . . . .
        ゴ      「何故、『箱根地所』の書類が、
                ここにあるっていうンだァァ〜〜〜ッッ!!」

『塞川』の指示に、『立石』は従う。
『木山』の後を追って、アトリエを後にする。

『文書』には『土地取引』についての契約条項を記載されている。
『立石』のいう通り、間違いなく『箱根』の『重要書類』だ。

       パシャッ

金庫の『天面』、『正面扉』、『側面』をそれぞれ『硝子化』する。
いずれも範囲は『ソフトボール』大だ。

>>157(夕立)
「『掛け合えれば』可能だが、

 ――――『根拠』がなければ、その『要請』は難しいぞ」

『電話会社』に働きかけるとなれば、『一個人』の判断だけでは難しい。
『立石』も『上司』に許可を得なければならない。それなりの『根拠』がいる。

     「とにかく、私は『木山』を追う……」

声を潜めながら、『立石』はアトリエを出ていく。
金庫に向き直る『夕立』。金庫の『硝子化』が進行していく。

>ALL
傍目に見ても、金庫にぶち込まれた現金は、『一千万円』ほどあるだろう。
『重要書類』と合わせて、『箱根』の被害と一致するとみて間違いない。

重要な『証拠』だが、『金庫』からは取り出せない。
『スタンド能力』を介して『発見』した以上、
そのままでは用を成さないのだ。

159鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/06(土) 23:20:51
>>158

「流石にすぐに教えてはくれませんか…」

立石さんの言葉に頷きながら、透明なガラスのようになった『金庫』を見る。
中身はやはりというか、『箱根』さんの盗まれた現金と書類のようだ。
『空き巣』の犯人は、果たしてこの漫画スタジオの人間なのか。
それとも罪を被せるために、誰かがこの金庫の中に移したのか。

「割りますか?オレの『シヴァルリー』で」「もし『強度』も落ちているのであれば、ですが」

立石さんのいう『根拠』は、もし『紙』の送受信にスタンド能力を使っているのであれば、
それを用意することは無理だろう。ひとまず、鍵を握っているのは『絵山』さんだろうか。
もし『絵山』さん含め当時誰もここにいなかったのであれば、侵入した者が
勝手に『複合機』を起動させたことになる。その手がかりを求めるために、なら電話会社も説得できるかもしれない。
塞川さんの意見を伺いつつ、立石さんを待つ時間で『複合機』の近くに怪しいものや、
あるいは鈍器に使えそうなものがないか、チェックしておこう。

160 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/06(土) 23:44:50
「想像以上の成果だな....。
こりゃ、『先生』にもっと話を聞かなきゃなぁ〜〜」

『木山』の様子を伺う。

>>159
「いや、今はやめときな。
まずは、奴をとことんまで追い詰めるッ!」

161『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/06(土) 23:53:25
>>159(夕立)
『夕立』は『鈍器』を探すが、手ごろな『重量物』は見当たらない。
少なくとも、『工具』や『スポーツ器具』の類は、室内には置いていない。

――――仮に、『硝子』を割って『中身』を取り出したら、
現場にいる『二人』の仕業であると、すぐに解るだろう。
そうなれば、『不法捜査』によって得た『証拠』に他ならない。
『紙幣』の『証拠能力』は失われ、犯人を追い詰められなくなる。

>>160(塞川)
『木山』も『立石』も扉の向こうにいる。
その様子を探るには、『行動』をしなければならない。

162 塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/07(日) 00:01:38
>>161
「なんだ......?
ヤケに時間が掛かっているな......」

直ぐに木山を連れて来るものと思っていたが.....?
金庫の側を離れて、『立石』の後を追う。

163鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/07(日) 00:13:17
>>161-162

「了解しました」

塞川さんの指示に頷き、壊すのは止めておく。
目の前に確たる証拠がありながら、手が出せないのはもどかしいものだ。
立石さん始め、警察の人々も苦労しているんだろうな、と思いつつ彼を待つ。

「・・・・・?」

が、来ない。

「…妙ですね」

辺りから『カッター』『Gペン』を探しつつ、金庫と複合機の方を見ておく。
塞川さんは、立石さんを探しに行ってくれている。何かあれば呼びかけてくれるだろう。
自分は見える範囲での証拠確保に待機していよう。

164『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/07(日) 00:34:18
>>162-163(塞川&夕立)
『立石』が離れてから、さほど時間は経っていない。
『塞川』はアトリエの扉を開けて、雑居ビルの内廊下に出る。

「ああ、どうだった?

 ――――今、『切江』先生と掛け合ったところだ。
 彼は間もなく、この『アトリエ』にやってくる」

開いた扉から、『立石』が顔をのぞかせた。
『立石』の横では、『木山』が電話で何やら話している。
会話の内容を聞くに、『切江』と話をしているようだ。

    「彼が何も知らなければ、
     『金庫』を開けてくれるはずだが……」

    「わざわざ『木山』さんの『指紋認証』を削除した以上、
     その可能性は低いだろうな。
     ……間違いなく、『事情』を知っている」

この会話は『夕立』にも聞こえている。
『カッターナイフ』は大机の『ペン立て』に収まっている。
『Gペン』も『L字デスク』の上にあるのを確認できた。

    「まずは、その『スタンド能力』を、元に戻してくれないか?
     金庫に『異常』があれば、『切江』先生も近づけないからな」

『硝子窓』の出来た『金庫』を横目に、『立石』が要請する。

165鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/07(日) 22:19:07
>>164

「仮に『切江』さんが『スタンド使い』で、そして『金庫』から中身を抜き取る能力だった場合」
「この『金庫』の中身を、別の場所へと移そうとするかもしれませんね」

もし木山さんから新しい刑事が来たと聞いていても、こちらが『スタンド使い』だとは思うまい。
そのシーンを目撃すれば、能力の推理には非常に役に立つ、が。
あるいは『金庫』を開けずに徹底抗戦の構えかもしれない。

「立石さん。やはり『切絵』さんが拒んだ場合、金庫の中身を強制的に開けてもらうことはできないのですか?」

「…しかし木山さんの『指紋認証』が解除されたということは、切絵さんの指紋なら開くのでしょうか」

それとも別のシステムで開くのだろうか。後で木山さんに訊いてみようか。

166塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/07(日) 22:38:09
>>164
(どうする………?
『切江』がどんなヤツかはわからんが、
一筋縄ではいかんヤツであろう事は、想像に難くない……。
『夕立』の『スタンド』と私の『能力』で、
金庫の見えない部分に『穴』をあけ、
『交渉材料』として『書類』を取り出すか……?
そんなのを見せたくらいで動揺するようなチョロい精神なら、だが……)

『鉄』と合流する。

(穴をあける事で『難癖』をつける口実を与えることにはなる、
だが、どっち道『スタンド能力』は『立証不可能』…………)

「………ま、ここは『様子見』にしておくか。
『立石』の顔を立ててやる。
なあ、この『金庫』。少し動かせるか?」

『鉄』へ尋ねる。
『金庫』の裏面は『壁』へ密接しているだろうか?
そうでないなら話は早いのだが。

「もしも『切江』が犯人なら………
どこかのタイミングで中身を動かすかもしれん。
私のスタンド、『クリスタライズド・ディスペア』……。
その視界にて、それを見張る事はできるッ。
奴のウラを掻いてやるぜ〜〜〜、『犯人』なら、だけどな」

『金庫』の裏側へ『クリスタライズド・ディスペア』を回り込ませ、
裏面を『ガラス化』。その視界にて、交渉中の『金庫の様子』を
リアルタイムで確認するつもりだ。
話をしながら、少しずつ『金庫』の『ガラス化』は一旦解いていく。
上記発言のような懸念はある為、
天井のガラス化、ソフトボール大の覗き窓1つ分は、ギリギリまで解除はしない予定。

167『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/07(日) 23:07:49
>>165(夕立)
>「立石さん。やはり『切絵』さんが拒んだ場合、
>金庫の中身を強制的に開けてもらうことはできないのですか?」

    「私も、この『金庫』を破りたいのは、同じ気持ちだ。

     『大金』と『書類』が戻れば、『捜査』は進展する。
     何より、憔悴しきった『箱根』さんを、
     少しでも『安心』させてやりたい……」

    「だが、『被害届』が取り下げられている以上、
     『無関係』の彼に、何かを『無理強い』はさせられん。

     『木山』さんの『指紋』の登録が消された以上、
     『切江』先生でなければ、『金庫』は開錠できないが……」

顰め面を作ったまま、『立石』は首を振る。
『物証』を前にして『切歯扼腕』しているのは、彼も同じだ。

>>166(塞川)
>「………ま、ここは『様子見』にしておくか。
>『立石』の顔を立ててやる。

    「ああ、助かるよ」

『金庫』は『壁』に密接している。
ボルトで固定された『金庫』を違和感なく動かすのは、
どんなスタンドであっても難しいだろう。

……が、『本棚』と『壁』の間に、
『握りこぶし』ほどのスキマが見える。
ここになら『ヴィジョン』を隠せるだろう。

>ALL

    コン    コン

    「入りますよー、刑事さぁーん!」

自身の『職場』のはずなのだが、
『木山』は丁寧に『ノック』をしてきた。
間もなく、『木山』と『切江』が到着する。

168塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/07(日) 23:22:38
>>167
「……そういえば、一つだけ確認するのを忘れてたな。
『被害届』は『切江』から出されて、その後取り下げられたのか?
話の流れ的には、そうとしか思えない、が。妙な話だな」

ヴィジョンを、金庫の隣の本棚と壁の隙間へ向かわせ、
そこから見える位置のみを『ガラス化』。
ヴィジョンを監視カメラのように配置する。
自身は複合機の前方辺りへと移動。
部屋の主を待ち構える。

169鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/07(日) 23:33:56
>>167

「…なるほど」「『被害届』を取り下げたのは、そういう意図もあるのでしょうか」

つまり、こちらがどう頼もうとも『切江』さんに開けてもらうことは不可能だということか。
ならば、彼自らの意思で開けてもらう必要があるわけだが。
再び金庫を見る。

「このタイプは」「本人の指紋で触れれば、他に捜査せずとも開いてくれるのでしょうか?」

例えば、切江さんが近くを通りがかった際に『シヴァルリー』を発現。即座に彼の手を掴み、
その精密性で指を開かせ、金庫に触れさせる。難点はこちらが『スタンド使い』だとバレてしまうということだ。
それで開けさえすれば、仮にバレても問題ないが。万が一抵抗されて不発に終わってしまうと、警戒心をより高めてしまう。
恐らく、切江さんのスタンドは『近距離パワー型』ではないはずだ。成功率は低くないとは予想しているが。

「後は、金庫の中から煙でも出てくればいいのですが…」

例えば、何らかの火種を金庫の近くに仕込む。あるいは煙だけでもいい。
それで中の紙幣が燃えていると錯覚すれば、能力を使うか、金庫を開けざるを得ないだろう。
しかし、危険性を考えるとこの案は捨てざるを得ないか。一応、周囲に『ライター』がないかはチェックしておこう。
スタッフの誰かがタバコを吸っているかもしれない。
そして、部屋の主を待ち構える。気をつけの姿勢で、立石さんの隣に立つ。

170『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/08(月) 23:03:49
>>168(塞川)
「『盗難』を発見した『木山』さんが通報をした。

 その場で簡単な『聴取』を終えた後、
 今後の話と、『被害届』の話題に入った時、
 『事件』にはしたくない、と話を終えた形だ……」

『金庫』の影にヴィジョンを隠し、『硝子化』を行う。

>>169(夕立)
「そこの『ブラックガラス』に『指』を押し付け、
 『指紋認証』に成功してから、『OPEN/CLOSE』の
 ボタンを押せばいい。……そのはずだ」

『切江』への『力づく』での『開錠』、『放火』による『開錠』の誘導。
まるで『北風と太陽』だが、『行動』に移さなければ、
その『成否』はハッキリとはしないだろう。

『ライター』は見当たらないが、
『水場』に行けば『ガスコンロ』があるだろう。

>ALL

    「『切江』先生、お邪魔しております。

     この度は、『捜査』へのご協力、ありがとうございます」

『二人』の準備を終えた時、
『立石』が扉を引き開けて、『切江』を招き入れる。

    「――――『進展』は、ありましたか?」

真新しい『作業着』を纏った、長身痩躯の老人。
『画材店』のロゴが入った、小さな『紙袋』を提げている。
血の色を感じない、無機質な表情のまま、『切江』を凝視する。

    「お恥ずかしながら、未だに『尻尾』も掴めず。
     この通り、『増員』を掛けて犯人確保に邁進しております」

    「―――――早速ではありますが、
     『金庫』の中身を、もう一度『確認』させて頂けますか?」

何食わぬ顔をして、『立石』が捜査の要請をする。
『切江』はたじろきもせず、沈黙を返す。

    「それは、出来ませんな。
     ……話は以上ですかな?」

しばらくの後、低くもハッキリした声色で、『切江』は拒絶を示した。

171塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/08(月) 23:24:21
>>170
「それは何故?」

もうひとつの視界を確認しながら、
二人の会話にあえて割って入る。

「あ、失礼………。私は、『塞川』といいます。
この事件の『捜査』をしている………」

「話を戻しますが……何故、開けられないのか?
以前は、そこの『木山』さんも金庫を開けられたとか。
その『認証』も消してしまった……それも何故?」

172鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/08(月) 23:27:53
>>170

「この度の捜査から手伝わせてもらっている、『鉄』と申します」
「よろしくお願いします」

まずは『切江』さんへと一礼。

「まだオレたちは現場を確認できていないので、できればもう一度『金庫』を拝見させて頂ければ、と」

塞川さんの言葉に重ねて、まずは依頼する。
理詰めで開けてもらえるなら、それに越したことはない。
どういった理由で彼は開けるのを拒むのか?金庫の近くに移動しながら、訊ねてみよう。

173『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/08(月) 23:39:37
>>171(塞川)
「今までは『空っぽ』だったから、
 何の気兼ねもなく、開けて見せてたが」

    「その『金庫』には『中身』が入った。
     わざわざ、人に見せるモノでもない。
     ――――『木山』も含めて、という意味でだ。

     そういう話だと、思って頂きたい」

ゾッとするような冷たい目が、『塞川』に向けられる。
断言的な口調で、『切江』は会話を終わらせようとする。

>>172(夕立)
一礼をするが、『切江』は一瞥を向けただけで返答も見せない。
『塞川』の質問に対する様子を見るに、『箱根』とは対照的だ。

    「『金庫』には何もなかった。
     それだけで十分でしょう。……他に、何か?」

突き放すような言葉が『夕立』に返ってくる。
単純な『質問』や『要望』では一切通じない、肌でひしひしと感じる。

174塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/09(火) 21:01:36
>>173
(………まあ、そうなるよな。
『立石』ひとりの捜査と何も変わっていない以上は……)

真っすぐに視線を返し、ゆっくりと口を開く。

「なるほど………尤もな話ですね。わかりました。
なら、中身を見る事は諦めます」

「しかし、その代わりに……といっても、
そちらに主導権がある以上、交換条件にはなりません。
これは『お願い』ですが………
私達は退室しますので、あなた一人で『金庫』を検めてはいただけませんか? 『今』」

「それが『捜査』に必要な事だと、私達は考えています」

(かなり不自然ではあるが、『落としどころ』としては、この辺りか………。
『証拠』がここに存在する以上、『切江』は限りなく『黒』………。
だが、この質問でハッキリと線を引いてやるッ)

175鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/09(火) 21:38:08
>>173-174

「…承知しました」

ここは承諾しておくしかない。無理に事を荒立てて、以降この部屋を訪れなくなる方が問題だ。
今のところ、『金庫』に近付いた瞬間に『シヴァルリー』を発現して力ずくで触れさせる作戦で行くか。
この場には他に一般人の『木山』さんと『立石』さんがいる。
多少不自然であろうが、見えない以上自分で『金庫』の指紋認証に触れた形になるだろう。
後はどうやって『金庫』に近づかせるか、だが。

まずは、塞川さんの言葉に従う素振りを見せてくれたなら、こちらもそれに従って退出する。
恐らく、彼女のスタンドは『遠隔操作』が可能なのだろう。
そしてもし、それにも反対をするようだったら。『金庫』を指差して、こう訊ねる。

「分かりました。最後にオレから一つだけ、質問をさせて下さい」
「この『金庫』に小さく書かれた文字、『箱根』と書いてあるように見えますが…
 これは事件の前から書いてあったものですか?」

金庫を指差し、そう訊ねる。
『切江』さんは高齢だ。デスクワークを続けていることもあり、視力はさほど高くないと思われる。
もし文字を見ようとすれば、必然的に近付く必要があるだろう。
そして冷静さを失わせるために、被害者である『箱根』さんの名前を出す。
『金庫』に接近してきたなら、射程距離『2m』ギリギリまで離れつつ。
『切江』さんの背後に『シヴァルリー』を発現し、そのパワーと精密性を生かして、『人差し指』を指紋認証へと付けさせる。
まずは『右手側』、それでもなければ『左手側』だ。
違う指の可能性もあるが、これは賭けだ。
高齢の男性は、利便性を重視することが多いらしい。一番扱いやすい『人差し指』を使うのではないか。
ロックが外れたなら即座に『シヴァルリー』にオープンボタンを押させ、開かせる。

もし塞川さんの言葉に従ってくれたなら、この行動は必要なくなるだろうが。
開いた時のリアクションで、本当に『切江』さんが犯人なのかも分かるかもしれない。

176『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/09(火) 22:23:01
>>174(塞川)
「断る。

 『捜査』には必要だとしても、私には『不要』なことだ。
 ……では、お引き取り願いましょう。よろしいですかな?

 此方もわざわざ『110番』のような、『不名誉』なマネをしたくない」

『不信』を露わにした、抑揚に欠けた返答が、アトリエに響いた。
そして、『110番』と聞き、『立石』の顔が引きつる。
『偽警官』とバレれば、『捜査』は続行できない。

『塞川』の提案は、『切江』の興味を引いていない。
完全に『心』を閉ざし、相手にしていないのだ。

――――『切江』の興味を引くには、
『会話』をさせるには、『工夫』が必要だろう。
まだ、解明されていない、彼の抱えた『謎』がある。

>>175(夕立)
『塞川』の提案を、『切江』は拒絶する。
彼にとっては、『道理』も『利益』もない要請に過ぎなかった。
感情の欠けた『不信』の色が、皺に囲われた相貌に宿る。

    スゥゥ...

喉から出掛かった『質問』、発現される『ヴィジョン』。
『不可視』の腕を伸ばそうとした時、

          バンッ

『立石』の大きな『掌』が、『夕立』の肩を叩いた。

     「あ、いや」

            「失礼、なんでもない」

只ならぬ『気配』を感じ、半ば『無意識』だったのだろう。
『立石』は訳のわからぬ驚き声を上げながら、掌を引っ込める。

     「……『短気』は起こさないでくれ」

それだけ言い残し、『立石』は『切江』に向き直る。
ヴィジョンを使って『不意』を突けば、『金庫』は開くだろう。
だが、その行為は、今はまだ『確証』のない老人に対し、
一方的な『力』を行使するのと、なんら変わりのない行為だ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                            ズパァッ!

        『――――――ッッ』  ボ
                       タ
                        .
                       ・
                        ,
           ┌───────────────────────┐
           │『妹』を傷付けた『通り魔』と、何が違うというのか。  .....│
           └───────────────────────┘
                             i。
                        ・
              『〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!』
                        。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

177塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/09(火) 22:56:14
>>176
(そりゃあ、そうか………私だって断る。
く、何かないか、なにか…………)

「……さっ、『札束』。
あれは、なんに使う予定だったんですか?」

(くそ………馬鹿か私は……。
『資料のために用意した』……建前の回答があるだけだ。
こんな質問じゃあない………!)

助けを求めるように、『鉄』の方を見る。
『立石』は、私達を退室させようとするだろうか。
最後の引き際は、本職の彼に任せる。
そうすることで、マッチポンプではあるが彼の評価はそこまで落ちはしないだろう。
バカな新米警官の暴走と取られる……筈だ、

「それに『金庫』だって………まだ新しい!
これじゃあ、『盗ませる』為に『用意した』ようじゃないッ!
何故、こんな『頑丈』な『金庫』を用意する必要があったの……漫画家のあなたが?」

焦燥感に駆られて、早口に声を掛けようとする。

178鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/09(火) 23:18:44
>>176

『目には目を、歯には歯を』。それの何がいけないのか。
『スタンド』を使って犯罪をするようなら、こちらも『スタンド』を使って取り締まる。
私利私欲の為にスタンドを使うような人間なら、盗むのが『金銭』だけでなく、『人の命』になる日がいつか来るかもしれない。
『空き巣』から『強盗』へと変わってしまうくらいなら、ここで無理にでも『証拠』を突き詰めるべきだ。
そうするのが、これ以上被害者を増やさない最も確実な道だ。
そうでないと、また妹のように、傷付けられる人が出てしまう─────。

>          バンッ
>     「あ、いや」
>            「失礼、なんでもない」

>     「……『短気』は起こさないでくれ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「了解しました」「…すみません。ありがとうございます」

立石さんの呼び掛けに、行動を止める。
自分が正しいとは思っていないし、自分が必要だと思えば汚い事でもするつもりだ。例えそれが『通り魔』と同じ行為でも。
胸を張って生きていけなくなってしまっても、自分の大切な人間の夢や命が守れるなら、それでいい。
…しかし、この時はその時ではないようだ。
限りなく『クロ』に近い切江さんだが、まだ犯人とは決め付けられない。
本当の犯人が罪をなすりつける為に、『金庫』の中に札束やファイルを保管した可能性もある。
それを確かめる為にも、できれば彼には金庫を開けて欲しかったが。
道を踏み外す時は、ギリギリまで見極めてからだ。熱くなっていた頭を冷やしてくれた立石さんに、謝罪と感謝をする。

「…事件当日、皆さんが出払っていた時間に、この『複合機』が使われていたようですが」
「『切江』さんは、何かお心あたりはありますか?」

質問をする。動揺するか、それとも意外な反応を見せるか。

179『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/09(火) 23:37:21
>>177(塞川)
「……あれは、『漫画』を描く為だと」

    「差し出がましいようですが、
     『江戸時代』の何処のシーンに、
     『札束』の『絵』が必要になりますか?」

『札束』が『時代劇』に登場することなど、まず在り得ないと、
詰問するように『立石』が切り込み、『切江』がたじろく。

    「……『絵』の資料に、するわけではない。
     唯、あの『札束』は、私の『原稿』に必要だった。

     ――――それだけだ。……『金庫』もその為だ」

『塞川』はハッキリと解ったことがある。
この『老人』は興味のないものを、全く相手にしない。
だが、少なくとも、――――自分の『仕事』に『嘘』は付けない。

>>178(夕立)
気を取り直し、『複合機』について問い掛ける。

「……いいや、何も」

『切江』は『複合機』に視線を送る。
誤魔化すというよりは、本当に知らないようだ。

180塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/09(火) 23:57:19
>>179
「待って……話がわからない。辻褄があわない……。
それは、喋っている『切江』さん、あなたも感じている筈……。
それなら、いったい何のために『必要』だったの?
『絵』の資料にしないなら、それ以外に必要な事があるの?」

駆け引きも、『警官』(偽だが)の立場をも忘れて、そのまま問いかける。
その問いを、そのまま『木山』にも振る。

181鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/10(水) 00:05:07
>>179

「そうですか」
「ちなみに、こちらで『金銭』ではなく『原稿』などの盗難は起きていませんか?」

質問を重ねる。
切江さんが『被害届』を出してくれていれば、『非通知』の電話番号も知る事ができたかもしれないが。
非協力的な以上、それも難しいだろう。

182『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/10(水) 00:38:59
>>180(塞川)
>>181(夕立)
二人の『質問』を訊き終えると、
『切江』は沈黙し、ややあってから重々しく口を開いた。

    「……これは、私の『恥』になる。

     『金庫』や『現金』を用意したのも、
     『被害届』を取り下げたのも、
     全ては、私の『恥』が原因だ……」

    「『時雨蛙』は、夏を迎える前に『打ち切り』となる。
     ――――長く連載を続け、何時かはその日が来ると思っていた。

     本当を言えば、私は『時雨蛙』を終わらせたくはなかった。
     『木山』から聞いたと思うが、あれは私の『ライフワーク』。
     連載が終わってしまえば、衰えた『腕』も動かなくなり、
     私の『作家生命』が消えてしまうと、言い知れぬ予感があった……」

全てを『観念』したかのように、『切江』はポツリポツリと語り始める。
振っては止み、それを繰り返す『時雨』のように。

    「その一方で、『打ち切り』だと解った瞬間に、
     怒涛のように『構想』が、脳髄を走り広がっていく……。

     理想的な『最終回』は、既に出来上がっていた。
     それを『脳奥』に封じるのは、私自身の『腕』を裏切る行為だ。
     今すぐにでも『ペン』を振るって、『終幕』を描きたかった。

     だが、それを『掲載』し、『終止符』を打つことを、
     私はどうしてもしたくなかった。私の、ワガママだ。
     ――――だから、『木山』を『銀行』へ走らせた」

    「『現金』を、……『千円札』を『千枚』、用意した。
     そして、『それ』を仕舞う『金庫』を設置して、
     ――――それから、『木山』を呼んだ。

     私ももう『老齢』だ。……彼の『指紋』を登録し、不測の事態に備えた。
     ……極端を言えば、私が死んでから『最終回』を公開してくれるのなら、
     それで構わなかったが、――――恥ずかしながら、私は『生き汚い』男だった」

肝心の『恥』の内容について触れないまま、『切江』は語り続ける。
シビレを切らした『立石』が、おもむろに切り出した。

     「『切江』先生、貴方は一体……?

      貴方は『最終回』を描いたんですよね?
      だが、それが『掲載』されないようにした、……そういう、ことですか?」

     「――――、   そう、なる」

このまま黙っていても、『切江』はいずれ、話すかも知れない。
しかし、『恥』とまで言い切った己の『所業』を、黙して『告白』させるのは、
今の様子を見るに、『酷』なことだろう。

183塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/10(水) 01:11:56
>>182
話を聞いている内に、一つの答えに辿り着く。
『ありえない』と思った。
だが、この話が導く結論は、そうとしか思えない。
『確かな事を拾っていく』……自分で言ったことだ。

「つまり……あなたは、『描いた』の?
その…………『千円札』に。そして封じ込めた。
自らが死んだあと、『最終回』が世に出るように」

そんなことが可能なのだろうか?
そして、『可能』だとして、どれだけの技が必要なのか。
真っ白な『原稿』でなく、模様の入った『千円札』に。
『塞川唯』は、自他ともに認める適当な女だ。
この『捜査』だって、いつ飽きて辞めるかもわからない。
そんな自分に、『切江』の気持ちは理解できないと思った。

(だが、それなら………)

184鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/10(水) 22:06:52
>>182

自分には夢がない。将来こうしたいという具体的な目標がない。
現在は『剣道』に対して真剣に打ち込んでいるものの、それを職にして食べていけるとも、食べていこうとも思っていない。
だから、切江さんがここまで情熱を傾ける理由を完全には理解できていないし、
『終幕』を描きたいが、それを『掲載』したくないという複雑な心境も察しかねていた。
しかし彼がこの仕事に対して『偽り』がないことだけは理解できた。

「事情は多少ですが、理解しました」
「───しかしそれなら何故、同じ『金庫』に大量の『万札』と『書類』を置いておくのですか?」

『金庫』を指差しながら、切江さんへと訊ねる。

185『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/11(木) 23:37:11
>>183(塞川)
『塞川』の切り出した『真実』に、
『切江』は、小さな首肯を返した。

「私が死に、『描けなく』なると周知されれば、

 私のアシスタントである『木山』に、
 紙幣の『ネーム』を基にした『清書』の依頼が、
 滞りなく出来ると、――――『逃げ』の期待が、あったのだ」

『切江』の独白は、自嘲的なものだった。
聞き手に回っていた『立石』が、おもむろに口を開く。

    「経緯はともかく、
     『紙幣』に『原稿』を描くというのは、
     なんとまあ、……『傍迷惑』なことを……」

    「――――『紙幣』への落書きは、罪には問われない。
     だが、『紙幣』を勝手に『印刷』する行為は、
     『通貨及証券模造取締法』で禁じられている」

    「千円札の『顔』が『野口英世』になった時に、
     郵便局が『新紙幣』のデザインを流用した『中吊り広告』を作り、
     問題視された『回収騒ぎ』になったが、――――おっと、君らは知らないか」

少なくとも、『切江』の行為は『罪』には問われないが、
『立石』が呆れがちに呟いた、『傍迷惑』という言葉が、事態を形容していた。

>>184(夕立)

>「───しかしそれなら何故、同じ『金庫』に大量の『万札』と『書類』を置いておくのですか?」

    「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!

     何故、それを知っている?」

『切江』は眉を吊り上げ、焦燥を浮かべる。
やがて、観念したかのように『金庫』へと歩き出せば、
ブラックガラスに指先を押し当て、

                          <PI!>

     ブワサァァァァァ〜〜〜〜ッッ!!

『金庫』から吐き出され、床に広がった『福沢諭吉』達が、
恨みがましそうな目で、『切江』を睨み上げる。

     「事件のあった『翌日』に、

      金庫をもう一度開けた時、『入っていた』」

     「―――――身に覚えはないが、
      共に入っていた『書類』を見れば、
      綺麗な『カネ』ではないことは明らかだった」

     「……全て、私のみが『知り』、私だけが『隠した』ことだ。

      ――――『木山』は、あの男は何も知らん。
      『金庫』に触れたのは、私と、万札を入れた『何者』かだけだ……」

『アシスタント』を庇い立てる、これが『沈黙』の動機だった。

186鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/12(金) 00:13:09
>>185

「なるほど」「あなたも『木山』さんも、『犯人』ではないようですね」

得心がいった。
現場の証拠からすると、確かに間違いなく切江さんか、木山さんが犯人だと思われるだろう。
事実、自分も先程までは彼らを疑っていた。
彼を庇いだてる為に、静かに沈黙を貫いていたということか。
しかし、件の『千円札原稿』はどこへ消えたのか。
仮に『一千万円』と入れ替わって更にどこかへ消えたのだとしたら、何故『千円札原稿』を戻さないのか?

即座に考えられることは二つ。
元より『千円札原稿』が目的だったか、あるいは切江さんと木山さん、彼らを陥れたかったか。
犯人に仕立て上げた場合、『一千万円』は押収されて犯人の手の届かない所へと行ってしまうかもしれない。
それでもこの金庫に万札を入れたい理由が、犯人にはあったのだろうか。

「切江さん、どなたかと最近トラブルになったりとか、恨まれる心当たりはありませんか?」

「それと立石さん。切江さん本人が再度『被害届』を出した場合、
 あの『非通知』の電話番号を知ることはできますか?」

二人へと質問する。

187塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/12(金) 00:25:39
>>185
「……なるほど、ね。
確かに『はた迷惑』な話ではあるけど……一歩前進ってトコだな。
そして、そんな顔する必要はないぜ」

軽く頭を振って、金庫の『ガラス化』は解除しておく。
切江へと喋りかけながら、吐き出された『書類』を、手袋をした手で摘まむ。

「つまり、私たちはその『何者か』を探してるって事だからな。
しかし、確かにあんたたち二人のどちらかが犯人……『ではない』場合、
何故、ここが中継地点となったのか………?
そのナゾは残るがな」

188『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/12(金) 20:44:50
>>186(夕立)
>「切江さん、どなたかと最近トラブルになったりとか、
>恨まれる心当たりはありませんか?」

    「……いいや、皆目見当が付かん。

     確かに、『連載終了』の旨を聞いた時は、
     『編集者』とは『口論』になったが……」

    「――――だが、『最終回』に着手すると、
     とどのつまりは納得を見せた、そのつもりだ」

そのつもり、が『掲載』できない『原稿』なのはさておき、
周囲との『トラブル』に対し、『切江』は不服そうに反論する。

>「それと立石さん。切江さん本人が再度『被害届』を出した場合、
> あの『非通知』の電話番号を知ることはできますか?」

事態の解決を計るには、『当然』の質問だった。
だが、それに対し、『立石』は複雑そうな表情を浮かべる。

>>187(塞川)
『金庫』の『ガラス化』を解除し、書類を一枚摘まみ上げる。
『朱印』がモノクロであることから、『複写』であるのは明白だった。

    「『中継地点』、――――か。

     ……ああいや、『被害』があったのは、
     『切江』先生が先で、『箱根』さんが後だ」

    「そして、もう一人の『吉本』さんが『最後』になる。

     私は、彼女に『連絡』を取ってみよう。
     まさかとは思うが、その『原稿紙幣』が、
     その『金庫』に移転してないか、念のためだ」

『立石』はポケットからスマートフォンを取り出した。

>ALL

    「『切江』先生が『被害届』を『再提出』したのなら、

     当然、“我々”警察は一から『現場』を確認する必要がある。
     私一人で『再検』するわけじゃあない。ある程度の『動員』は必然だ。

     そうなれば、この『物証』はイヤでも『目』に付くだろうな……」

『床』に広がった大量の『紙幣』と『書類』。
『処分』は愚か、『隠蔽』さえ憚られる、大事な『物証』だ。

    「だが、現場に残された『非通知』の『ファクシミリ番号』。

     ――――………それ自体に『違和感』がある。
     ハッキリ言って、これを『精査』出来ないのは、
     クランケに革ジャンを着せて『手術』をするようなものだ」

    「明らかな『核心』が、この『複合機』には眠っている……」

『迷宮入り』も目前だった『連続金庫破り』、
その最中に発見された『盗品』は、『警察』にとっても『突破口』となる。
――――『真実』はどうであれ、『切江』に容疑が傾くのは『必然』だ。

それは到底、『立石』という一個人では抑えきれない。
そして、一個人の『思惑』で協力していた『二人』は、捜査から『離脱』せざるを得ない。

       ギリリッ

『立石』は歯噛みし、『切江』は思い詰めたように『金庫』を見据えている。

189塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/12(金) 22:08:29
>>188
「犯人の目的が『カネ』だった場合……だがな。
ただ移動させて満足……そんなハナシはないだろうよ」

『鉄』へ、複写と思われる『書面』を渡す。

「そして……『夕立』。
あんたのカンは、かなりいい所まで行ってそうだぜ。
ただ………もう一度確認したいが。
非通知なのは『送信履歴』なのか?『受信履歴』でなく?」

言いながら、『紙幣』を一枚拾い上げる。

「これも、『コピー』じゃないだろうな」


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