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【ミ】『想貌』

230鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/26(金) 00:28:54
>>228-229

「ッ?!」「『陽動』じゃあない…これが攻撃の布石…ッ!」

塞川さんの声が聞こえれば、『シヴァルリー』で『紙』方向に対し両手を交差させてガード。
できれば本体は後ろに下がることで、距離を開けつつダメージを軽減したい。
先手を取られた以上、反撃は不可能だ。防御に専念する。
紙である以上、危険性は少ないと判断したのが仇になった。
それそのものが、『スタンド』に変化するとは。

「『紙』と同化して発現する『スタンド』であれば、この部屋には素材がいくらでもある…!」

231『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/26(金) 22:14:20
>>229(塞川)

      シパァッ!

『クリスタライズド・ディスペア』を滑空させ、
『爪』で引っ掻こうとするも、容易く弾かれてしまう。

この『腕』は人並みのパワーがある。
『クリスタライズド』の横槍など、歯牙にも掛けていない。

>>230(夕立)


        ドパァンッ!

『キャッチャーミット』で硬球を捉えるように、
『シヴァルリー』の重ねた『両掌』で攻撃を受け止める。
その拳速は『シヴァルリー』に匹敵し、ガードはまさに『紙一重』だった。

       グラァ.
            ・

『不意』を突かれたため、たたらを踏んだが、
その『パワー』は人並みだ。『シヴァルリー』で十分受け止められる。


>ALL

        シャァァ―――

                   シャァァ――――

『FAX』は継続して『白紙』を排出している。
『紙束』で構成された『右腕』が突き上がり、
まるで『紙の海』から浮上するように、『頭部』を露わにした。


       パシッ

                   シャァァ――――


                   シャァァ――――


その右腕が『棚』にある『ファイルボックス』に触れると、
不自然な『スリット』が挿し開き、新たに『紙』が排出される。

232鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/26(金) 23:13:48
>>231

「ぐっ!」

なんとか受け止められた。だが、もし次に不意を打たれれば、また運良く防げるかは分からない。
紙があるところは、常に警戒する必要がある。そしてこの場所なら、要するに『全方向』だ。

「とはいえ、『紙』を中から出す必要はあるようだな」
「『スリット』から紙を取り出す…そうやって『金庫』からも盗んだのか」

スピードは同じだが、パワーはこちらが上だ。
正面きっての殴り合いならこちらが有利だが、しかし環境は相手側に有利に働いている。

「既に予測していたのか?オレたちが来ることが」

何にせよ、このまま『紙』が増え続けるのはマズイ。
右腕が棚の方へと移動したのを見て、『ポーチ』から新たに『鉄釘』を出し、『シヴァルリー』に投擲させる。狙いは『頭部』だ。パス精BCB
それなりに長さを持つ鉄釘だ、シヴァルリーの膂力で『ダーツ』のように近距離での投擲なら、それなりに勢いはあるだろう。
距離を詰めて殴る手もあるが、まずは様子見だ。ヤツはどこまでの『紙』をスタンドとして操れるのか?
あくまで人体と同じ範囲なのか?それとも切り離した状態で動かせるのか?確かめる必要がある。
また弾かれたとしても、その『釘』がどこに飛んだかは確認しておく。
同じく『LAN回線』の近くに設置した『鉄釘』は、どちらの方向だったかも思い出しておく。

233塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/26(金) 23:17:45
>>231
「そうして、『金庫』を開けずに、
中の『紙』だけ『盗った』、っつー事か!」

攻撃がはじかれた後、『スタンド』は手元に戻す。
『机』の側に移動して、椅子を掴む。
そうしながら、室内の様子を記憶しておく。

「だが『遠隔操作タイプ』のスタンドなら、
『近距離型』の夕立の『スタンド』、その方が格闘性能は上だぜ〜〜。
ぶっ飛ばして、『紙』から離れさせろッ!」

234『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/26(金) 23:40:09
>>232(夕立)

      ヒュルルルッ
               ――――パスッ!

『シヴァルリー』の投擲した『鉄釘』は、
縦回転しながら『紙人形』の『頭部』に命中するが、
FAX用紙の端っこを僅かに切り裂いただけに留まった。

たかだか『5〜6g』ほどの『釘』の投擲では、
多少のパワーがあっても、『キズ』を負わせるのは困難だ。


               シャァァ―――

                   シャァァ――――


『紙人形』は既に『上半身』を完成させ、
まるで『鎮座』するように『複合機』の上へと陣取った。
『紙人形』に降り注ぐ『白紙』は、以前として止む気配はない。

>>233(塞川)
『クリスタライズド』を引き寄せ、机の傍へと移動する。
声を張り上げるが、事態の趨勢に変化はない。


         ガシッ


掴んだ椅子は、一般的な『オフィスチェア』だ。
キャスター付きでクルクル回転するが、肘掛けはない。
そして、室内の様子も、入った時から変化はない。


■─窓窓──窓窓―本棚本棚■
│複□□□□□椅□□□□□鉄  ★:金庫
棚夕□□机机机机□□□□□棚  複:複合機
★□□塞椅□□□□机机机□鉄
│□□□□□□□□机椅□□棚
本□┌───┐■─窓窓窓─■
棚□│応接用││
│□└───┘│
│□□□□□□│
├──┬□┐□棚
│台所□□│□棚
├──┤□│□棚
│便所□□│□│
■─┬┴□┴扉■
│EV.|        非
└─┴────┘

235『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/26(金) 23:41:19
>>234
>また弾かれたとしても、その『釘』がどこに飛んだかは確認しておく。

『複合機』の裏側に落ちたと思われる。

>同じく『LAN回線』の近くに設置した『鉄釘』は、どちらの方向だったかも思い出しておく。

236『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/26(金) 23:42:21
>>235
>同じく『LAN回線』の近くに設置した『鉄釘』は、どちらの方向だったかも思い出しておく。

棚の位置。釘頭が『東』方向を向いている。

237鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/27(土) 00:06:22
>>234

深くダメージを与えられるとは思わなかったが、防御すらしないとは驚きだ。
多少『紙』を切り裂く程度では本体へのダメージにならないのか、それとも元々本体と負傷を共有しないのか。
とはいえ弾かれることも想定していた以上、これも悪くはない。
運悪く、3本目が『複合機』の後ろに飛んでいったのはやや困るが。

「威力を上げるなら、今度は『重り』も付けておく必要があるな…」

もう『複合機』の履歴などを見る必要はないだろう。壊してしまっても問題はない。
『シヴァルリー』で完成途中の上半身へ蹴りを放つ。パス精BCB
相手スタンドは、まだ下半身は完成していない。故に『リーチ』の面では多少こちらが有利だ。
それに対して相手はどうするのか。『紙』である以上、バラバラになってかわすのか。
あるいは撒き散らしている他の『紙』から他の部位を出すのか。
もし蹴りがバラバラになって回避されたら、そのまま『複合機』だけでも破壊しておきたい。

238塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/27(土) 00:19:04
>>234
「行けッ!」

『クリスタライズド・ディスペア』を『敵スタンド』に向かわせ、
接触による『ガラス化』を試みる。
『夕立』のスタンドの動きもこの場所なら良く見える筈なので、
攻撃の邪魔にならない『頭部』の辺りを狙って飛ばす。 精D

同時に、2体目、3体目の『クリスタライズド・ディスペア』を
『ファイルボックス』の『スリット』を塞ぐような位置へ向かわせる。
辿り着いたなら、出てくる『紙』へ対して、片っ端からガラス化を試みる。

239『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/27(土) 00:42:54
>>237(夕立)

      ヴォォンッ!!

『複合機』に乗り上げた『紙人形』に対し、
『シヴァルリー』は、その上半身目掛けた『上段蹴り』を放つ。

『バラバラ』になって避けるか、他の『部位』が現れるか。
その答えは、どちらでもなかった。

         ブァ
                 シ ィ  ィィ―――z____ッッ!!

『紙人形』は両腕を差し出し、その蹴りを『受け止めた』。
『力負け』が生じるため、完全に勢いを殺せはしない。
蹴撃の余波によって、『FAX紙』が舞い散り、『夕立』へと降り注ぐ。

>>238(塞川)

        シュバァァァ――――z____

『クリスタライズド』を羽ばたかせ、『紙人形』へ突撃させる。
羽を付着させての『ガラス化』に挑むが、

        ブァ
                     『シヴァルリー』の一撃を受け、
              サ       . 『紙人形』はバラバラに散らばっていく。
               ァ     
                     不規則に宙を舞う紙片に対し、
             ァ        羽を『擦り付ける』ことは敵わない。

それは、落下する『紙』に対しても同様だ。
宙に浮いた『紙片』には『力』が逃げ、羽根を『植え付ける』には当たらない。


>ALL

上半身の『紙束』が散る中、紙皺を帯びた『掌』は確かに、

           ピタァ

『シヴァルリー』の『蹴り足』に触れ、


          ピシシッ
                   シピィッ!


瞬間、『シヴァルリー』と『夕立』の『顔面』に、
深々とした『スリット』が切り込まれる。

痛みはない。僅かな『違和感』が生じているだけだ。
――――だが、


            グボボボッ!!!


『夕立』の息が止まる。
強烈な『吐き気』が襲い、喉を圧迫する。
何かが、『唾液』を根こそぎ奪う、『無機質』な異物が、
『口』の中に押し込まれている。

           ゴボッ

                     ゴボォッ!!


『呼吸』が阻害され、『意識』がグラついていく。

240塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/27(土) 01:22:25
>>239
「ム……この『スタンド』。
直線的な『攻撃』は効果が薄いか……。
そして、私の『クリスタライズド・ディスペア』。
あいつを攻撃するにはちーと頭を捻る必要があるなァ」

バラバラに散らばった『紙人形』を見た瞬間、
『クリスタライズド・ディスペア』を、勢いそのままに壁面へ『特攻』させる。
その後、本体が『椅子』を引きずって『夕立』の方向へ踏み出し、
助走をつけて『椅子』を『ガラス化』した壁面へ投げつけ、穴をあける。
紙の動きを穴からの風によって遮ることを狙う。

241鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/27(土) 01:22:50
>>239 質問

・上半身の紙束が散る中、とありますが、足に触れている『掌』も飛び散っている一部ですか?

242『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/27(土) 01:27:52
>>241
>・上半身の紙束が散る中、とありますが、
>足に触れている『掌』も飛び散っている一部ですか?

『紙人形』は『紙片』となってバラバラに散っています。

243鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/27(土) 01:43:05
>>239

「ッ?!」「『スタンド』として形がある状態でも、打撃は効かないのか…」

『紙』を人型としてまとめ作り上げているなら、その形で固定している以上打撃は通ると思ったが、甘かったか。
強いパワーで攻撃しても、ダメージにならずに散らばるだけだ。
そして散らばったところで、各パーツは思い通りに動かせる。打撃は無効、そう割り切る。
そして。

「がっ…?!」

これは『紙』か。『スリット』から紙を奪うだけでなく、紙を中に入れることもできる。
そして奪う時と違って、中に入れる時は一瞬なのだろうか。
何にせよ『掌』を『シヴァルリー』のパワーで払い、敵スタンドから距離を置く。
その後、喉に指を突っ込んで口の中に挟まったものを取る。
指で取れない程奥深くなら、『シヴァルリー』で4本目の『釘』を取り出し、その詰まったものに突き刺す。精B
そのまま喉の奥に落ちないほど挟まっているなら、突き刺すことで引っ張り出せるだろう。

244『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/27(土) 20:59:46
>>240(塞川)

    バシュゥゥ――― ― 
                    。
                  ハ ァンッ!

『クリスタライズド』を矢のように『特攻』させ、
壁面へ『ぶちかまし』を放つが、――――『硝子化』はしない。

『クリスタライズド・ディスペア』の『瞬間硝子化』は、
『自動車』を超える大きさの物体を対象にすることは出来ない。
『扉』や『シャッター』など、『後付け』された物体であれば、対象とはなる。

――――だが、『壁』とは『建物』そのものだ。
『硝子化』の対象とするには、あまりにも大きすぎる。

『クリスタライズド』は強制解除される。『残機』は『9体』だ。
掴んだ椅子を『振り回す』には、少々重たいか……。

>>243(夕立)

     ガホッ!
                ゴボッ

押し込まれた『紙くず』は喉奥までは至っていない。
唾液に塗れた紙片を吐き出し、よろよろと距離を取る。

紙片は無残にも『唾液』を吸って変色し、固まっている。
紙くずを吐き出しながら、『塞川』の傍まで距離を取った。

         シュゥン...

『夕立』と『シヴァルリー』に刻まれた『スリット』が解除される。
その理由は不明だ。『意図的』かどうかさえ、明らかではない。

>ALL

         ブ  ワ
               ァ    宙に舞う『紙片』は落下し、床上に広がる。
                    そして、その『紙群れ』から浮上するように――――

        ズ
                 「人ノ職場ニ来てテ、
         ア
          ァ      随分ナ『ゴ挨拶』ジャアナイカ」
          ッ

――――『紙人形』は、立ち上がった。
それは『両脚』の完成、ヴィジョンの万全を示していた。
まるで『千羽鶴』を人型にしたような、歪な様相をしている。

        「色々ト、調ベ回ッテ来タヨウダナ。

         裏モ取ラネェデ『特ダネ』ッテ決メ付ケル、
         『三流ブンヤ』ニ見習ワセタイ、クレェーダワナァ」

存在するかどうか怪しい、スタンドの『意思』などではない。
ヴィジョンを通じた『スタンド会話』なのは明らかだ。


■─窓窓──窓窓―本棚本棚■
│複□□□□□椅□□□□□鉄  ★:金庫
棚□人□机机机机□□□□□棚  複:複合機
★□□夕塞椅□□□机机机□鉄  人:人型ヴィジョン
│□□□□□□□□机椅□□棚
本□┌───┐■─窓窓窓─■
棚□│応接用││
│□└───┘│
│□□□□□□│
├──┬□┐□棚
│台所□□│□棚
├──┤□│□棚
│便所□□│□│
■─┬┴□┴扉■
│EV.|        非
└─┴────┘

245鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/27(土) 22:42:15
>>244

「ゴホッ、ゴホッ…!」

呼吸を整えながら、喋り出した敵スタンドの方を見る。やはり『視覚』があり、『喋る』こともできる。
恐らく負傷の共有もあると思われるが、打撃は無効。斬撃も、先ほどのように掠らせただけでは大して効かないようだ。
万が一、このスタンドが傷付こうとも本体に全く影響がないようなら、『金庫』だけを丸ごと奪っていく手段も検討すべきか。
そういったタイプは『自動操縦型』であることが多いらしく、こいつはそうでないようだが。

「・・・・・」「『切江』さんを憎んでいるのか?」

動機について訊ねる。
正確には、訊ねつつ時間を稼ぎ、その間に周囲にあるものを調べる。
『ハサミ』や『カッター』などの刃物、または『灰皿』などの、ある程度の重さを持った鈍器だ。
『紙』に対しては、『斬撃』か、燃やすかといったところか。濡らしても直接ダメージにはなるまい。

246塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/29(月) 12:12:36
>>244
「うーむ……中々上手くは行かないか。
こういうのは、私には向かんなァ〜」

壁に激突し、砕け散った『クリスタライズド・ディスペア』を見て、ため息つく。
ハンドバッグからスマホを取り出しつつ、
ハンドバッグをガラス化して、鉄へ渡す。

「こういうのを探してるのか?
ま!こーいう奴の対処札はお決まりだよなァ。
燃やすか、濡らすか………」

『敵スタンド』の動向に気を配りつつ、天井の方を見る。
そうしながら、『立石』へ電話を掛ける。

247『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/29(月) 21:21:21
>>245(夕立)
せり上がる『吐き気』をこらえながら、
『呼吸』を整え、周囲を観察する。

『ハサミ』や『カッターナイフ』は、傍の机に置かれている。
消しゴムやノリのような、一般的な『文房具』は揃っている。
『灰皿』は『応接テーブル』の上に置かれている。

>「・・・・・」「『切江』さんを憎んでいるのか?」


   「憎ンジャアナイサ。

    ムシロ、『度肝』ヲ抜カレタ、ッテ感ジダネ。
    『千円札』ニ『原稿』ヲ残ス、ナンテナァ。

    丁度、『新札』ニ変ワルッテ時期ダゼ。
    チョット『バズ』ッチャウンジャアネェノ?
    『Gigazine』や『ジモコロ』辺リガ取リ上ゲテサァァ〜〜〜ッッ」

『スタンド』越しの会話ではあるが、
その語調から『嘘』や『皮肉』は感じられない。

>>246(塞川)


          ィィィン...


『クリスタライズド』を『ハンドバッグ』の中に発現し、
『羽根』を擦りつけることで、『硝子化』を試みる。

無論、リスクを負わない『擦り付け』である以上、
『ハンドバッグ』の『硝子化』には時間が掛かる。

(指定がない場合、羽根を擦りつける『硝子化』となります。)

『天井』を見上げる。蛍光灯が等間隔で並んでいる。

>ALL

     「『西東社』モ『切江』先生モ、Win-Winダゼ。

       ――――俺ハ『契約』ヲ切ラレルケドナ。
      『例外』ガ許サレルノハ、『力』ト『地位』ガ有ルヤツダケ」

     「『クオリティ』ヲ人質ニシテ、『作品』ヲ仕上ゲレバ『評価』サレル。
       ダガ、『納期』ヲ守ラナカッタ『社会人』ハ、『無能』ノ扱イッテワケダ」


             バァンッ!


握り固められた紙の拳が、『シヴァルリー』へと放たれる。
その『拳速』は、先程とは『段違い』だ。恐らく、『威力』も――――


     「ダカラ、俺ハ一番『確実』ナ方法ヲ、取ルコトニシタ。

      俺ノ『スロウダイヴ』ノ、スタンド能力ヲ使ッテナ……」


           バォォォオオ ― ― ―z_____!!!



.

248鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/29(月) 22:47:06
>>246

「あるいは『塞川』さんの『スタンド』か、ですね」

『クリスタライズド・ディスペア』。
もしあの『紙人形』を『ガラス化』させられたなら、一撃で敵を仕留めることは容易い。
もっとも、紙一枚分にしか効果が及ばない可能性もある。それだけに期待するのは危ういか?

>>247

「職を失うことを恐れてか?」
「だがアンタの『スタンド』なら、金を奪うのは難しくなさそうだが」

まずは攻略の糸口を探す。最初に試すのは、『シヴァルリー』が統制下に置く『斬撃』だ。
それもできれば先ほどのようなかすり傷ではなく、ちゃんと芯を捉えるように放つ必要がある。
『灰皿』は少し遠いか。いや───。

「速い…ッ?!」

『スロウダイヴ』の拳速は、先ほどよりも上昇している。想定と異なっている。
本体の姿は見えないにも関わらず、『近距離パワー型』並の速度だ。
『遠隔操作型』ならこれほどの格闘戦をこなせはしないはずだ。まだ能力に知らない部分があるのか。
何らかのエネルギー源を得ているのか、はたまた本体が近くに隠れているのか。

「『シヴァルリー』ッ!」

『シヴァルリー』は可能なら後ろへ下がりつつ、今度は両手で顎から下を守るように構える。またもや反撃を捨てたように見えるが、今度は違う。
先ほどはただ後ろに下がっただけではなく、『釘』を仕掛けた棚との距離を開けたのもある。
その釘頭を『シヴァルリー』の視界から視認し、能力を発動させ『殺傷力』を奪う。パスBC
引き寄せる位置は、己の左拳辺りに。
先ほどの投擲とは違い、パワーを保ったまま飛んでくる釘は、『紙』程度なら容易く貫ける。
そして貫ける限り、殺傷力の刃は止まらない。まずはこれで『斬撃』が効くのかを確かめる。

249塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/29(月) 22:53:34
>>247
「立石...こいつ、寝ぼけてんのか?」

敵スタンドの話を聞きながら、
全ての『クリスタライズド・ディスペア』は一旦解除。
引き続き立石へのコールを継続する。

「何言ってんだ?ン?
お前はただのコソ泥だろーが。
御託を並べてんじゃあないぜ」

繰り出してきた『スロウダイヴ』の拳へ、
反射的発現した『クリスタライズド・ディスペア』2羽を、夕立の横をすり抜けて特攻させる。

250『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/29(月) 23:30:38
>>248(夕立)

     バオオォォ――z____


『スロウダイヴ』の拳打に対し、
『シヴァルリー』の両腕でガードを固め、迎え撃つ。


        ガッ  キィィ―――z___


強烈な衝撃が『シヴァルリー』を通じて、『夕立』を襲う。
『真正面』からの攻撃故に、辛うじて『防御』を間に合わせた。

     「マダ、『子供』カ。

      『金』ダケノ問題ジャアナイ。
       ――――『生キ方』ノ問題ダ」

>>249(塞川)
全てのスタンドを解除し、『立石』へ電話を鳴らす。
だが、一向に『立石』からの応答はない。


      バシュゥゥ――――z____


『クリスタライズド』を二羽、『スロウダイヴ』目掛けて『特攻』させる。

>ALL


       ボスッ!

              ボシュッ!


二羽の『クリスタライズド』が、
『シヴァルリー』を打ち据えた『スロウダイヴ』の『拳』に『特攻』し、


        ブワサァァ〜〜〜〜ッッ!!

『右前腕部』を構築する『紙束』を散らす。
『雲』を突き抜けるように、『手応え』を感じなかった。
当然、二羽の『核』も破壊されていない。

      「ドウシタ? ソノ『程度』カ?」


           グォンッ!!


『机上』を薙ぐ、強烈な『回し蹴り』が『塞川』目掛けて襲い掛かる。

                 バスッ

『シヴァルリー』で引き寄せた『刃の殺傷力』が、
『スロウダイヴ』の左肩を掠める。――――止まらない。
『紙一枚』を裂いても、『スロウダイヴ』は動じない。



■─窓窓──窓窓―本棚本棚■
│複鳩□□□□椅□□□□□鉄  ★:金庫
棚□□人机机机机□□□□□棚  複:複合機
★□□夕塞椅□□□机机机□鉄  人:『スロウダイヴ』
│□□□□□□□□机椅□□棚  鳩:『クリスタライズド』×2(特攻中)
本□┌───┐■─窓窓窓─■
棚□│応接用││
│□└───┘│
│□□□□□□│
├──┬□┐□棚
│台所□□│□棚
├──┤□│□棚
│便所□□│□│
■─┬┴□┴扉■
│EV.|        非
└─┴────┘

251鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/29(月) 23:53:59
>>250

>     「マダ、『子供』カ。

>      『金』ダケノ問題ジャアナイ。
>       ――――『生キ方』ノ問題ダ」

「…分からない」「『切江』さんも同じようなことを言っていたが…」
「人に迷惑をかけて『秩序』を乱してまで、それは貫くことなのか?」

『シヴァルリー』とパワーは拮抗している。しかしスピードはこちらが劣っている。
今回は何とか防げたが、これを埋めるには、『能力』を上手く使って立ち回るしかない。
背後からの斬撃は失敗、だが『能力』は理解されただろうか?
されなかったならそれでいいし、されてもいい。
『幾つ』『どこに』仕掛けたか、完全に把握されていない限り、相手の意識の中には、常に全方向から斬撃が来る可能性がある。
『シヴァルリー』とはそういう能力だ。

しかし、『クリスタライズド・ディスペア』は直接ぶつかっても『ガラス化』は不可能か。打撃無効故に、衝撃も受け流せるわけか。
そして繰り出される、塞川さんへの攻撃。彼女は近接向きではない、自分が動く。

「せいッ!」

机の上を滑る蹴り足めがけ、拳を繰り出す。パス精BCB
正確には拳だけではない。
拳握る直前に『掌』に奪った『鉄釘』を発現し、釘を指の隙間から出すように握り、それを突き刺す。
人間なら殴り合いには使い辛いが、『シヴァルリー』の膂力はそれを凌駕する。
しっかりと握り込めば、拳の中で釘をがっちり掴めるだろう。

252塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/30(火) 00:00:55
>>250
(打撃のパワー、そして紙の性質……。
それは両立しないはずだ。意識的に切り替えているなら、攻撃の瞬間なら…)

3羽目の『クリスタライズド・ディスペア』を、
向かい来る『回し蹴り』に対して特攻させる。
ハンドバッグを翳して防御行動くらいはとりたいが、
『スタンド』の操作に支障が出そうなら、防御はしない。

253『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/30(火) 00:36:38
>>252(塞川)
『打撃』の瞬間であれば、『特攻』が命中する。
そう踏んだ『塞川』は『クリスタライズド』の『特攻』により、
『スロウダイヴ』の回し蹴りを迎え撃つ。


     パァァァ―――z___ンンッ!!


『特攻』は命中し、『スロウダイヴ』の右脚は『硝子化』する。
だが、その勢いは止まらぬまま、『硝子棒』となった右脚が、
『塞川』の胸部へと吸い込まれる。


>>251(夕立)

         バウッ!

『シヴァルリー』が『カウンター』を繰り出すも、
『スロウダイヴ』の蹴り足は速く、間に合わない。
更には、『塞川』を挟むように『蹴り足』と『シヴァルリー』が相対し、
『ガード』が遅れたことも、二人にとっては災いした。


>ALL


         バッ
              ガァァァ〜〜〜〜ッッ!!


『回し蹴り』は『塞川』の胸部を薙ぎ払い、
背後にある『応接スペース』までぶっ飛ばす。


       ガッシャ ァァ―――z____ンンッ!!


『ガラス製』の『センターテーブル』に衝突し、
思いっきり『ガラス天板』をぶち抜き、床上へと倒れこんだ。
『強化ガラス』製であり、破片が『刺さる』ことはなかったが、
呼吸は荒く、意識は朦朧としている。骨の2〜3本はイってるだろう。
身体中に激痛が走り、しばらくはマトモに動けない。


   ビキキッ
          「グゥ、  ガ 、ァァァ!!!」

                             ビシッ

だが、『塞川』もタダでは倒れない。
『スロウダイヴ』の『硝子化』させた『左脚部』は、
深々と『亀裂』が入り、ガラス片が欠け落ちている。

決して、演技ではない『悲鳴』が『スロウダイヴ』から零れ出る。


         パァ
                  アンッ!!

今の音は、『特攻』させたままだった『クリスタライズド』の二羽だ。
二羽は『ガラス窓』へと衝突し、『窓ガラス』を『硝子』へと変じさせる。
その身を犠牲にして。――――既に『四羽』が『強制解除』されている。
これ以上は、『身』を削る羽目になるだろう。

■─<窓>──窓窓―本棚本棚■
│複□□□□□椅□□□□□鉄   ★:金庫
棚□□人机机机机□□□□□棚   複:複合機
★□□夕□椅□□□机机机□鉄   人:『スロウダイヴ』
│□□□□□□□□机椅□□棚   鳩:『クリスタライズド』×2(特攻中)
本□┌───┐■─窓窓窓─■  <窓>:『硝子化』した『ガラス窓』
棚□│応  用││
│□└─塞─┘│
│□□□□□□│
├──┬□┐□棚
│台所□□│□棚
├──┤□│□棚
│便所□□│□│
■─┬┴―┴扉■
│EV.|        非
└─┴────┘

254塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/30(火) 00:57:16
>>253
「ゲブッ………!?」

仰向けになったまま、起き上がる代わりに、
5羽目の『クリスタライズド・ディスペア』を発現する。
その身を動かすよりも、『クリスタライズド・ディスペア』。
それを動かすことに精神を集中させる。

「フ、フ……脚がブッ壊れたか……?
私のスタンド、『クリスタライズド・ディスペア』……。
トコトンまで、やって、やるぜ……ええ、おい。
根性見せて……やるよ」

『クリスタライズド・ディスペア』を1羽、『鉄』の傍らへ。
『シヴァルリー』と連携すべく、『鉄』、『スロウダイヴ』、
その2人の動きに合わせて動くつもりだ。

(しかし、物体に同化して発現する『スタンド』。
本体にも『ダメージ』が入った事は、幸いではあったが、
他の紙があれば、『スタンド』自体のダメージを修復する可能性すらある。
直接的な『紙』への対処、それがなければ…………)

255鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/30(火) 22:05:33
>>253

「塞川さんッ…?!」

『釘』で若干リーチを伸ばしたとはいえ、元々の速度の違い、更に見てから対応したのでは流石にスピード差は覆せないか。
だが『カウンター』としては成立しなかったが、既に攻撃は繰り出している。
攻撃を終えた硬直、更に左足からの『苦痛』により敵の動きは遅れるはず。
今更行動を変えるつもりはない。継続してそのまま『左脚』へと『釘』を突き立てる。

256『アポなし泥棒御用なり』:2019/04/30(火) 23:15:31
>>254(塞川)

      バシュゥゥ〜〜〜ッッ

『クリスタライズド・ディスペア』を飛ばし、
『夕立』の傍らへと羽ばたかせる。

>>255(夕立)


      ブォッ
             ――――ガギィィ!!

持ち歩ける『釘』の長さでは、到底『リーチ』を稼げない。
だが、『シヴァルリー』は鉄槌打ちを振り落とすかのように、
『スロウダイヴ』の硝子化した左脚目掛け、『鉄釘』を振り下ろす。


>ALL

     「ガアアアァァァァ〜〜〜〜ッッ!!」

強烈な『一撃』は、逃げ引かれる『脚部』に追い打ちを放ち、
硝子に刻まれた『亀裂』を、より一層深くする。

     「ナメ  タ」

               「真似」

     「シヤガッテヨォォ〜〜〜〜ッッ!!」


       ドギュゥゥ!!

傍に置かれた『事務机』を両手で掴み、
『夕立』目掛けて、横薙ぎに振り回す。

         ピシシッ!
                   ピシィッ!!

『事務机』には『スリット』が刻まれる。

257塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/04/30(火) 23:48:07
>>256
「来たな、『攻撃の瞬間』……!」

横薙ぎの動きに対して、
やや机の軌道の上部を通るよう、真っすぐに『スロウダイヴ』に向けて『特攻』する。
次は事務机を掴む『腕』を狙う。

258鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/04/30(火) 23:51:24
>>256

「よし」

まずは『一撃』、塞川さんの分も含めれば『二撃』だ。これで負傷は共有することが分かった。
そして少なくとも攻撃時には、紙へ対しても攻撃が可能であることと。
だが今の攻撃が成功したのは、すぐ近くにいた塞川さんを狙っていたからだ。
根本的なスピード差は覆らない。即座に『釘』は手から離しておく。

「チィッ…!」

今度は重量物での攻撃だ。
自分のように『数cm』リーチを伸ばすだけの釘とは違い、射程も威力も上がる。
しかし、当然置かれている物を持ち上げて振り回す分、僅かでも速度は落ちるはずだ。
『シヴァルリー』の両手で防ぎつつ、本体も後ろへ飛んで下がりたい。
多少の負傷は覚悟で、塞川さんの側へ吹っ飛ばされるように。確かあそこには『灰皿』があったはずだ。
恐らく『スリット』の射程はそう長くない。
振り回した事務机から『紙』をばら撒かれたとしても、距離を置けば自分にまた『スリット』が設置される可能性を減らせる。

(『クリスタライズド・ディスペア』…少し割れた状態でも動かせるなら、
 あるいは『シヴァルリー』で不意を打つことができるかもしれない)

259『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/01(水) 00:13:25
>>257(塞川)

     ビュォッ!

振りかざす『事務机』を避けるように、
『スロウダイヴ』の腕部目掛け、『クリスタライズド』を『特攻』させる。

260『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/01(水) 00:33:52
>>257(塞川)

     ビュォッ!

振りかざす『事務机』を避けるように、
『スロウダイヴ』の腕部目掛け、『クリスタライズド』を『特攻』させる。

>>258(夕立)

       グァンッ!


振りかざす『スチール机』に両手を突き出しながら、
本体ごと背後へと飛び、『回避』を試みる。


>ALL

      ゴバァァァ!!!

強烈な衝撃が『シヴァルリー』を伝って、『夕立』を襲う。
背後へと吹っ飛ばされ、その『両腕』に鈍痛が走る。

   「クソッタレガ」

             「『リース品』ダゾ」


  ズザザザァァ―――z_____

破砕した『センターテーブル』の傍へと着地する。
足元では『塞川』が蒼褪めた貌をして、ぶっ倒れている。


          バキャアッ!!

『クリスタライズド』の特攻は、『事務机』に命中する。
振り回す『机』はそのまま『盾』となり、攻撃を防いでいる。
突撃する鳩を見て、『スロウダイヴ』も警戒をしているのだろう。


           <ドグゥンッ!>


『心臓』を鷲掴みにされるような、強烈な痛みが『塞川』を襲う。
互いに負傷しても尚、『スロウダイヴ』の方が優勢であろう。
このままでは『ジリ貧』だ。よしんば『勝利』したとしても、
『時間』が著しく経過していれば、目的は達成できない。

261塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/01(水) 11:48:25
>>260
「ウ…………!」

胸を押さえながら、『クリスタライズド・ディスペア』を再発現。
傍へ来た『鉄』に、ボソボソと話しかける。
天井の1点を指さしながら。

「フー………
奴の『解法』は思いついたか……?
あんたの『グッド・アイデア』がないなら、
私のを試してみても良いかもな……。
そのために、バカみたいに何度も『天井』を見ていた……場所は把握してる」

そして『クリスタライズド・ディスペア』を特攻させる。
『ガラス化』を行わなくとも『衝撃』によってなら破壊できるだろうが、
その方が確実だし、『シルヴァリー』も正確に狙えるだろう。

「奴から離れたこの瞬間がチャンスだぜ〜〜〜。
モノを投げても叩き落されるって事も無いしな……。
奴に有効かどうかはワカランが、
少なくとも、ぶっ壊せば『散水』は出来る………『スプリンクラー』は」

262鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/01(水) 21:43:52
>>260-261

「ぐっ…!!」

呻き声を上げつつも、先ほど近くにあった、『灰皿』を探す。
もしなくなっていても、ある程度の重さを持ち、投げやすいものなら別のものでもいい。

>「フー………
>奴の『解法』は思いついたか……?
>あんたの『グッド・アイデア』がないなら、
>私のを試してみても良いかもな……。
>そのために、バカみたいに何度も『天井』を見ていた……場所は把握してる」

「…まさか、『スプリンクラー』が?」

いや、普通のオフィスなら当然のようにあるのだろうか。もしそれなら、濡らすことで
紙を重くすることもできるし、何より強度が下がる。打撃も通じるようになるかもしれない。

「一応ありますが、オレの案は『プランB』です」「『クリスタライズド・ディスペア』…少しでも欠けさせれば、『シヴァルリー』の対象として使えます」

ひとまずは、塞川さんの『プランA』を試してみたい。
そしてできれば貴重な『ディスペア』を失いたくはない。もし『スプリンクラー』を発見できたなら、先に投擲して水が流れるか試してみる。

263『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/01(水) 23:02:43
>>261(塞川)
『塞川』は先程『天井』の様子を確認している。
そして、天井の一点を指差し、『夕立』へと囁く。

『スプリンクラー』は露出した金具の『熱変形』によって、
貯めた水を散布する仕組みであり、これは『外的破壊』も例外ではない。
極端な話、殴ったり蹴ったりすれば、『消火機能』は作用する。

    バササッ

故に、『塞川』は『クリスタライズド・ディスペア』を発現し、
金具の『硝子化』によって、『破壊』を試みる。

(※破壊力:Eのスタンドヴィジョンでは、
  ほとんどの物体の『破壊』はできないため、
  『硝子化』なしでの突撃では『金具』の破壊はまず不可能。)

>>262(夕立)
『スロウダイヴ』を『濡らした』時の、
様々な『メリット』を想定し、『スプリンクラー』を探す。

『シヴァルリー』の『投擲』であれば、
『質量』さえ十分に伴えば、『金具』の破壊は容易いだろう。
傍に落ちている、陶器製の『灰皿』は投げ付けるのにピッタリだ。

>ALL
両者ともに『天井』を見上げる。
無論、『スプリンクラー』があれば、その判別は容易だ。
稼働したことはなくとも、その存在は誰もが知っている。



     だがそれは、『存在』すれば、という話だ。


     『スプリンクラー』は、このビルには存在しない。


┌─────────────────────────┐
>>247                                 .│
│>『天井』を見上げる。蛍光灯が等間隔で並んでいる。    │
└─────────────────────────┘


     ないものはないのだ。それは既に気付いている。



        グァシッ

                  グオオォォ―――z____ッッ!!


『スロウダイヴ』はその隙を逃さない。
振り回した『事務机』を手放し、二人目掛けて投擲する。
既に『硝子化』している『机』だ。被弾すれば唯では済まないだろう。

264鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/01(水) 23:26:29
>>263 質問

・『天板』をブチ抜かれた応接間のテーブルですが、支えの部分はまだ破壊されていませんか?

265『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/01(水) 23:34:12
>>264
周囲に『フレーム』が転がっている。
いずれも太さは『角材』程度。

硝子テーブルのイメージ:
ttps://item.rakuten.co.jp/kagu-gamadas/black-n-modern-120-3/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_113_0_10001868

※天板は破壊され、左右の『脚部』のみが健在。

266<削除>:<削除>
<削除>

267塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/01(水) 23:38:31
>>263
「ぐぐぐ……『ない』……!
クソ! 『出版社』なら、もっとマシな『テナント』選べ……!」

悪態をつきながら、
『鉄』とは逆方向へ、転がるように『回避』する。
『鉄』から咄嗟の指示が何もなければ、
机を投げられた瞬間、『ガラス化』は解除する。

268鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/01(水) 23:57:37
>>263

「・・・・・・・・・・」

ないものは仕方がない。
このテーブルは下棚まで破壊されている、盾としての防御には使えない。そもガラス製では心許ないが。
幸いなことに、距離はある。若干だが、後ろ側にある『台所』入り口の方が近い。

まず、塞川さんが動けそうならその回避に任せる。自分は左側へと回避したい。
しかし動けなさそうなら、即座に後ろの台所入り口の方へと、『シヴァルリー』で塞川さんを放り投げる。
そして自分もその後を追うように、後ろへと下がる。どちらにせよ『シヴァルリー』は片足を前に掲げ、事務机の上の方を狙い、自然に叩き落としたい。パス精BCB
連続して腕へのダメージはマズい。ここは被弾を足の方へと回す。恐らく『ガラス化』は塞川さんが解除してくれるだろう。
できれば『灰皿』は回収しておきたかったが、その余裕はなさそうだ。

269『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/05(日) 22:18:21
>>267(塞川)
時代遅れのオフィスビルを呪いながら、
『硝子化』を解除し、転がって移動する。

        ズギッ
                  ギリッ

折れた『胸骨』に体重が掛かり、呼吸が止まる程の『激痛』が走る。

>>268(夕立)

     シュンッ

事務机の『硝子化』は解除される。
投擲された事務机の天板を、蹴り落としに掛かる。


>ALL

             バキィッ!!!

事務机は叩き落され、開いた引き出しから『文房具』が散らばる。
『硝子化』を解いたのが幸いだった。仮に『破片』が散らばれば、
全身をズダズダにされていただろう。能力による『硝子』は『強化硝子』ではない。


     ビリリッ

蹴り足が痺れる。『スピード』に対し、無理矢理『蹴り』を合わせた結果だ。
つまり、そう何度も使える手段ではない……。

二人の後ろ手には『台所』がある。
そして、『夕立』の手には――――


           ズシッ


陶器製の『灰皿』が握られている。
背後に飛び退く際、衝撃で舞い上がった『灰皿』を、
無意識の内に掴んでいたのだ。

■─<窓>──窓窓―本棚本棚■
│複□□□□□椅□□□□□鉄   ★:金庫
棚□□人□机机机□□□□□棚   複:複合機
★□□□□椅□□□机机机□鉄   人:『スロウダイヴ』
│□□□□□□□□机椅□□棚  <窓>:『硝子化』した『ガラス窓』
本□□∴□□□■─窓窓窓─■  ∴∵:『強化硝子』の破片や『文房具』。
棚□□ソ.∵ソ.□│              ※破片は『刃物』として認識できない。
│□□ソ.机.ソ□│            ソ:革張りの二人掛けソファー
│□□夕□塞□│
├──┬□┐□棚
│台所□□│□棚
├──┤□│□棚
│便所□□│□│
■─┬┴―┴扉■
│EV.|        非
└─┴────┘

270鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/05(日) 22:30:19
>>269 質問

近くに散らばった『破片』は刃物として認識できないのは、サイズが小さいためですか?
あるいは、尖った面が存在しないからですか?

271『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/05(日) 22:39:44
>>270
後者。『鋭利』な部分が存在しないため。
ちなみに、『コーンフレーク』程度のサイズで散らばっている。

参考:
ttps://www.glass-dictionary.com/kyouka/

272鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/05(日) 23:02:40
>>269

足元のガラスをチラリと見る。

(なんだ、この割れ方は…普通の『ガラス』とは違う…?)
(自動車の窓ガラスなんかは、割れた際の危険性を考慮して
 特殊なガラスを使っているらしいが、このテーブルも同じなのかもしれない)

どちらにせよ、これでは『刃物』としては扱えない。ひょっとして、このビルの窓ガラスも同じ材質で出来ているかもしれない。
もっとも、塞川さんが『ガラス化』させたあの窓は別だろうが。
塞川さんにギリギリ聞こえるように、声量を落として伝える。

「『シヴァルリー』が刃物の殺傷力を奪う時、それが『スタンド』ならば、その能力も奪うことができます」
「なので『クリスタライズド・ディスペア』…その体当たりで『ガラス化』させる能力ごと
 奪えば、ヤツの死角から直撃させられるかもしれません」

話しながらも、同時に考える。
『スロウダイヴ』は今のところ、『複合機』から離れるようには移動できていない。
あのパワーとスピードを考えると、自由自在に動けるわけではないのかもしれない。
『窃盗』が起きた二件は、『FAX』と『金庫』が極めて近い位置にあった。
それが事実なら、多少は攻撃を当てやすくなるかもしれない。

「この位置は良い…ッ!」

よって、試すのは『投擲』。『灰皿』を、塞川さんが『ガラス化』した窓に向けて投げる。パス精BCB
そして灰皿が直撃し、バラバラになったガラス片の内認識できたもの『3つ』の殺傷力を奪う。パスBC
先ほどは釘一本だった為にかするだけに終わってしまったが、今度はガラス片を三つだ。なるべく大きいものを選びたい。
もし逆に陶器の灰皿が割れてしまったなら、その破片で代用する。
気にせざるを得ないのは、窓ガラスが割れることで周囲へと騒動が広がってしまう可能性だが、どちらにせよこちらも残り時間は少ない。
『刃物』が通用するなら選択肢は一つ広がるが、無理であればやはり『ガラス化』しかない。
まずはそれを見極めたい。

273塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/06(月) 00:05:28
>>269-272
「うぐ………ッ
そんな事ができるのか……?
だが、何にせよ……『破片』、それが必要なんだな?
あんたがソレを投げつけるなら、あいつに弾かれないようにするんだな」


なんにせよ、『灰皿』を投げ当てるなら『陽動』は必要だろう。
『クリスタライズド・ディスペア』……2羽同時に発現し、
灰皿の投擲のタイミングに合わせ、1羽を『スロウダイヴ』へと突っ込ませる。

だが、『特攻』はさせず、
『スロウダイヴ』の拳の射程に入る前に、
自分から見て右方へと旋回させる。
そして、同じ軌道で2羽目の『クリスタライズド・ディスペア』を、
灰皿の投擲から少し遅れて、1羽目と同じ軌道にて突っ込ませる。

一番良いのは、高速で突っ込み旋回する『クリスタライズド・ディスペア』に気を取られ、
素直に窓への『灰皿の投擲』が成功することだが、
もし灰皿が拳によって『迎撃』された場合は、2羽目の『クリスタライズド・ディスペア』が、
その拳へ『特攻』し、『スロウダイヴ』全体をガラス化させる。

逆に『スロウダイヴ』が先程のように『机』を掴み、振るおうとした場合は、
当然『クリスタライズド・ディスペア』は、その射程に入らないよう回避行動を取る(早めに右上方へと避ける)
ただ、その場合なら『灰皿の投擲』への迎撃は間に合わず、こちらの目論見は成功する筈だ。

274『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/06(月) 00:32:52
>>272(夕立)
『塞川』に自身の『スタンド能力』を明かしながら、
掴んだ『灰皿』を『スロウダイヴ』目掛けて『投擲』する。

   「サセ、ルカ」


       スカッ

当たらない。『スロウダイヴ』は身を翻し、
二羽の『クリスタライズド』ごと、投擲を回避する。

警戒を向けているのは、『クリスタライズド』だ。
片足を『硝子化』させられたダメージは、よっぽど深刻なようだ。


>>273(塞川)
胸に走る激痛に耐えながら、
『クリスタライズド・ディスペア』を発現する。

     バシュゥ―――z_____

二羽の『鳩』が向かう中、『スロウダイヴ』は身を翻す。
『複合機』の傍まで退き、棚へと手を伸ばす。

         ピシシッ


     「ゴチャゴチャト……」

     「叩キ潰シテヤル」

                  バササッ

手にしたまな板程度の『棚板』には『スリット』が走る。
『棚板』を抜いた拍子に、納められた『本』が床へと崩れ落ちる。
『スピード』は『スロウダイヴ』の方が速い。
ヴィジョンの攻撃を仕掛けても、容易く弾かれるだろう。

>ALL

       ガッ
              シャァァァァ〜〜〜ンンッッ!!!

『灰皿』が『窓ガラス』に命中し、派手に砕け散る。
建材に使用される窓ガラスが、ここまで脆いはずがない。
――――『クリスタライズド・ディスペア』。その『硝子化』だ。

       ザシュゥゥ――――

そして、『鋭利』な端面を光らせる『ガラス片』は、
『刃物』と呼ぶには十分すぎる。『シヴァルリー』の左腕目掛け、
『包丁』ほどの破片に宿った『殺傷力』が飛来していく。


                バス ススッ !!!


    「ガ、アアアアアアア!!!!」


――――『スロウダイヴ』の『左肩部』を貫きながら。
切り裂かれた『紙片』が舞い、『スロウダイブ』の身体が捩れる。
ガラス片は地上へと落下するが、大型の破片の『殺傷力』は奪っている。
通行人がいたとしても、危ない目に会うことはないだろう。

             カチッ

悶えながらも『スロウダイヴ』の掌が、『複合機』に触れる。

■─<  >──窓窓―本棚本棚■
│複□□□□□椅□□□□□鉄   ★:金庫
棚□人鳩□机机机□□□□□棚   複:複合機
★□□鳩□椅□□□机机机□鉄   人:『スロウダイヴ』
│□□□□□□□□机椅□□棚  <  >:『硝子化』した『割れ窓』
本□□∴□□□■─窓窓窓─■  ∴∵:『強化硝子』の破片や『文房具』。
棚□□ソ.∵ソ.□│              ※破片は『刃物』として認識できない。
│□□ソ.机.ソ□│            ソ:革張りの二人掛けソファー
│□□夕□塞□│
├──┬□┐□棚
│台所□□│□棚
├──┤□│□棚
│便所□□│□│
■─┬┴―┴扉■
│EV.|        非
└─┴────┘

275鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/06(月) 01:07:56
>>274

「そこは既に『シヴァルリー』の間合いだ」

『ディスペア』へと向いた意識を、今度は『シヴァルリー』へ向けさせられるように言葉を投げかける。
『数』と『大きさ』があれば、『斬撃』も有効であることが分かった。
そして有効であるならば、敵は警戒するだろう。周囲にいくつあるかも分からない『刃物』を。
そうすれば、本命の『ガラス化』も当てやすくなる。そしてやはり、『複合機』からはそこまで離れられないと見ていいだろう。

「塞川さん、『クリスタライズド・ディスペア』を少し砕いておくことはできますか?」
「もし良ければ、『シヴァルリー』で少し破壊しておきますが」

『シヴァルリー』の動きはかなり精密だ。
ガラスのような『ディスペア』を少しだけ破壊して、『尖った部分』を残しておくことは容易いだろう。
この行動は、ソファに隠れて行いたい。敵の警戒心は、『刃物』か『ディスペア』の特攻のみに向けさせたいからだ。
だが、敵への牽制だけはしておきたい。
隠れつつ、近くに落ちている『文房具』。できれば『カッター』『ハサミ』などの刃物があれば、それを投擲する。パス精BCB
仮に防がれたり避けられたりしても、それは新たな布石になる。『スロウダイヴ』の注目を集めることができる。

しかし敵は『複合機』に触れて、また新たに『紙』を出すつもりなのだろうか?
外部との通信環境は既に絶たれている、今から逃げ出すのは不可能だろう。

276塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/07(火) 00:27:10
>>274-275
「『砕く』……それ自体は可能だがな。
『核』には触れるなよ? そこが砕けたら『破壊』だ」

一応、3羽目を『ソファ』に隠すように足元に発現だけしておく。
『スロウダイヴ』が悶えている内に、2羽の『クリスタライズド・ディスペア』は、
一旦傍の机にとまらせて、本体が『ソファ』に掴まりつつ身を起こす。
『スロウダイヴ』の動向は『クリスタライズド・ディスペア』を通してみている。

「『紙』を新たに取り込むつもりじゃあないのか? あれは……
『複合機』は、さっさとぶっ壊した方が良かったかもな。 今からでもやるか?
クソ、さっさと倒れろ……『先生』が『犯人』になっちまうぞ、これじゃあ…」

277『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/10(金) 00:00:23
>>275(夕立)

     シュバッ

手近にあった『ハサミ』を投擲するが、
それは『スロウダイヴ』の背中に命中するに留まる。
『刃先』が剥き出しとなった刃物でなければ、『斬撃』は発生しない。

そして、通信環境は断たれている、はずだった。
――――だが、それでも『スロウダイヴ』は潜入できたのだ。
『脱出』することも、可能ではないか。


>>276(塞川)
『夕立』に忠告し、三羽目を『ソファ』に隠すように発現する。
『スロウダイヴ』の動きを、二羽のヴィジョンで注視する。

>ALL

    ガガガッ

             ピィー ピィーッ

  シュォッ
          シュオッ

                ――――シュォッ


『スロウダイヴ』が複合機の『紙送りヘッド』に触れ、
自分自身を『転送』していく。そのスピードは速い。
既に『右腕』と『頭部』のほとんどが消えかかっている。

278鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/10(金) 00:20:14
>>277

「なっ…?!」

驚愕する。
こちらが潜入することを予想して、既に『複合機』に入っていたのかと推測していたが。
この『スタンド』は、単独でスタンドによる『無線』を作り出すのか?
紙と同化するスタンド。それにより同化した紙を電波を使って送ることで、遠隔操作も可能にする。
そう思っていたが、本体の姿が近くに見えないにも関わらず、このパワーといい。
どうもそれとも違うのかもしれない。

「させるか…ッ!」

『シヴァルリー』の能力は、無生物の破壊にはあまり適していない。
なので、先ほど『スロウダイヴ』に投げられた事務机を拾って投げ返す。パス精BCB
敵スタンドが五体満足でない時は、スピードとパワーが劣ることは知っている。
この重量物を迎撃するのは容易くないはずだ。これを『複合機』へとぶつけ、機能を停止させたい。

279塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/10(金) 01:39:07
>>277
「ぶっ壊して止めるなら……」

複合機に近い『クリスタライズド・ディスペア』2羽のうち1羽を先んじて『特攻』させ、
『シヴァルリー』が机を投げつける前に、複合機を『ガラス化』する。
転送されてない『左腕』などのパーツに迎撃されないようにだけ注意を払う。

280『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/10(金) 23:34:54
>>278(夕立)

    グアァァ―――z____

『シヴァルリー』で『事務机』を掴み、
思いっきり『投擲』をする。

>>279(塞川)

    バサァァ―――z_____

『クリスタライズド・ディスペア』を一羽、
『複合機』目掛けて『特攻』させる。

>ALL

    ィ  ィ  ィ  ンンン...


            バァァァ――――z____ンンンッ!!!


『クリスタライズド』の命中した『複合機』は、瞬く間に『硝子』と化す。
既に『上半身』を『送信済』だが、残る『下体』ごと『事務机』がぶつかり、
『複合機』に大きな亀裂が生じる。


           バサバサバサ
                         バサササササッ・・・


そして、『スロウダイブ』の下半身を構築していた『紙』が、
床上へとバラまかれる。――――これで、終わったのだろうか。

281鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/10(金) 23:52:21
>>280

「・・・・・・・・・・」

撤退か?
いや、敵スタンドはダメージをある程度負ってはいたが、そこまで不利な状況ではなかったはずだ。
何より、ここに『原稿』があることを警察に知られてしまえば、言い逃れはできないだろう。
何か奇襲のような別の作戦を狙っているのか。万が一、逃げ出すとするならば。

『金庫』を見る。
何も変化がなければ、塞川さんが発現した近くの『クリスタライズド・ディスペア』に
『シヴァルリー』で若干破壊して、その体に鋭い破片を作っておく。
もし変化があれば。例えば、中身も『スロウダイヴ』と同じように送信されていれば。
即座に突っ込んでいく。それも敵の策かもしれないが、最優先は金庫の中身だ。

『複合機』は亀裂を作った際に、ガラスの破片も作ったかどうかも、チェックしておきたい。

282塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/11(土) 00:03:03
>>280
「ぐっ………!
これで倒した、のか………?
能力が不透明な以上、警戒は必要だな……
何にせよ、『キッチン』だ……そこなら、水でも火でも……」

『痛み』に胸元を押さえる。
足元に散らばる『紙』と、それが触れた辺りを警戒しながら
自らの元へと机と床の合計『2羽』を素早く手元へ帰還させる。
『スロウダイヴ』の脚部は『ガラス化』していた筈だが、
現状床に散らばる『紙』に、それらしき(ガラス化している)紙はあるのだろうか?

「『紙』を取り込んでパワーが上がるなら、
再発現によって『負傷』を治せる……と考えるのは、
何ら不自然じゃあねえ………」

『スロウダイヴ』への警戒は『鉄』に任せて、
振り返って『台所』方向の通路に近づく。

283『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/12(日) 00:43:05
>>281(夕立)
『金庫』に変化は見られない。
『シヴァルリー』が手を伸ばし、
『クリスタライズド・ディスペア』を掴む。

>>282(塞川)
『激痛』に動きを鈍らせながらも、
『クリスタライズド・ディスペア』を回収する。
内、一羽は『シヴァルリー』の手中に収まる。

紙の上に『ガラス片』が散らばっている。
これがあの『脚部』だったのは、想像に難くない。

     ズルズル

身体を走る『激痛』。身体を引きずりながら『キッチン』へ移動する。

>ALL

     ペキッ

『シヴァルリー』が力を込め、『尾羽』をへし折った。
『切っ先』のように尖るも、『刃物』としては認識できない。
どうやら、ヴィジョン自体に『切断力』はないようだ。


     ――――シュォッ

                ――――シュォッ

                         ――――シュォッ

これは……『FAX』の音だ。何処からか聞こえてくる。

284塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/12(日) 01:37:51
>>283
「丁重に扱えよ……残り3羽だ。
そして、単純な話だったな。複合機もありゃ、『FAX』もある。
どっちでも送信可能なのは、最初っからわかってた話……だった。
ましてや編集プロダクション、無い方がおかしい……」

『鉄』に話しかけながらキッチンの入り口へ。
中を見渡しながら、もう一度『スマホ』を確認。
今までの戦いの衝撃で壊れている可能性は高いが……。

「あの『ヴィジョン』自体を倒すという事でしか、この事態が打破できないなら、
先程は失敗したが、私はやはり『水』を被せる……あるいは『火』をつける。
それが良いと思う。
打撃とは違い、ヤツがどういう状態でも、確実に命中はするしな。
だが、問題は、ヤツもそれくらいは百も承知って事だ」

「何にせよ『紙幣』、あれを守らなきゃ話にはならんか……
ヤツはアレさえ処分すりゃあ、証拠もねえ。
あんたにばっかり『矢面』に立たせるのは、悪いがな」

『シルヴァリー』が掴んでいる一羽を、
『鉄』を先導するように『金庫』の方へと向かわせる。
そして、音と『クリスタライズド・ディスペア』の視界でFAXを探す。
直ぐに見つかるとは思うが。

(だが、具体的な『案』があるわけじゃあねえ。
正攻法で、ヤツを倒せるか?)

285鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/12(日) 02:23:42
>>283-284

「『金庫』は無事…なら、やはり『奇襲』狙いか」
「そしてすみません」
「『クリスタライズド・ディスペア』の切断面は確かに『鋭い』…しかし『切断力』は持たないようです」

『誤算』に気付く。
尖っているからといって、スタンドのヴィジョンである以上、切断力があるとは限らない。
ガラス並の強度を持っていても、性質までもが完全な『ガラス』とは違うということか。
『ディスペア』を手放す。

『金庫』に関しては、やはり『スリット』で取り出さなくては中の札は取り出せないとみていいか。
その点に関しては安心だが、油断はできない。結局、時間は敵に味方しているのだから。

「LANケーブルを抜いたにも関わらず、『電波』を用いたことといい…
 紙と同化するだけのスタンドではなさそうです。大元のLANケーブルを抜けば、無線LANも使えないはずですし」

>「何にせよ『紙幣』、あれを守らなきゃ話にはならんか……
>ヤツはアレさえ処分すりゃあ、証拠もねえ。
>あんたにばっかり『矢面』に立たせるのは、悪いがな」

「いいえ、オレのスタンドは近接戦闘向きです。何より、オレが矢面に立ちたいと思っていますから」

塞川さんに答えつつ、『釘』を3本取り出しながら、同じように周囲を見る。
敵スタンドの姿を探すのは同じだが、それに加えて『裁断機』を探す。オフィスならあっても不思議ではない。

「中に炎を拡散させる手段もありますが…流石に一般人の方を危険に晒すわけにはいきませんからね」
「…もし『クリスタライズド・ディスペア』を『刃物』として使えなかった場合に、考えていたプランもあります」
「大型の『刃物』を、敵の目の届かないところに隠す必要がありますが」

どちらにせよ、有効な手段は可能な限り並立して進めておきたい。
今のように、一つのプランが潰えても、代わりの策を進めることができる。

286『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/12(日) 22:58:50
>>284(塞川)
“『複合機』がありゃ、『FAX』もある。”
その理論は真逆だ。『複合機』があれば『FAX』は不要なはず。

     ――――シュォッ

                ――――シュォッ

……にも関わらず、『FAX』の音が聞こえてくる。
室内を見てみるが、『FAX』は何処にも存在しない。
『音』は部屋中から聞こえ、『発生源』は見当たらない。

『スマホ』は蹴りの一撃で破壊されている。

>>285(夕立)
鳩を手放した。
『裁断機』は『複合機』の近くにあった。
『ギロチン』じみた裁断刃は、人の手指も容易く切り落とすだろう。

     ――――シュォッ

                ――――シュォッ

部屋中から聞こえる『FAX』の紙送り音。
破壊された『複合機』を除き、『FAX』機体は室内にない。

287鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/12(日) 23:32:03
>>286

「・・・・・・・・・・」
「『スリット』か?」

自分の足元に『釘』をまとめて三本突き刺すと、自分の身体や、先ほど『シヴァルリー』が投げ返した机を確かめる。
先ほどは消えたはずだが、それが『能力射程』によるものなのか、はたまた『意図的』なのかは分からない。
もしなければ、金庫の方へと前進しつつ、周囲の机や本棚。中に紙が入っているそれらに『スリット』がないか、確かめよう。

288塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/13(月) 01:48:33
>>286-287
「FAX間を『送信』によって移動する『スタンド』。
だが、自らの能力で『FAX』を作ることもできる……そういうことか?
そして『紙』は……『作り出せる』。 元を断つ、というのも難しいか……」

先程触れていた『机』が怪しいとは思うが、
『鉄』も同じく警戒はしているようだ。
『クリスタライズド・ディスペア』を、一羽、
『鉄』のやや上空を追うように向かわせる。
高い視点から見下ろす事で、何かの予兆を発見できる可能性もある。

本体は、『キッチン前』に辿り着けているなら、
その内部を確認する。
スタンドの操作を優先して行うが、目視程度なら同時に行うことも可能だろう。

289『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/14(火) 23:20:36
>>287(夕立)

     ブススッ!!

床に敷かれた『カーペット』に、三本の『釘』を突き刺した。
『机』や『本棚』を探すが、『スリット』は見当たらない。

>>288(塞川)

        バサァッ!

『クリスタライズド・ディスペア』を羽ばたかせた。
天井スレスレを飛行し、周囲を『俯瞰』する。

『キッチン』の中に入る。

>ALL
『床』に視線を向けた『夕立』、
『部屋』全体を見下ろした『塞川』には、
その異変がハッキリと視認できた。

     ――――シュォッ

                ――――シュォッ

床に散らばった『紙』が消えている。
――――これは『金庫』から『札束』が消えたのと同じだ。
……この部屋そのものが『FAX』と化している。

    ド         「ここまでどーやって来たか」
 
      ド       「俺はよう知らんが、それなりに大変だったろ?」

    ド         「『警察』と共同捜査してたらしいが、
               『面倒』も色々あっただろ? 思うように行ったか?」

         ギィィ...

『鉄扉』が開き、その向こうから声が聞こえる。

290鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/14(火) 23:50:25
>>289

『入り口』の方から聞こえた声に振り向く前に、『裁断機』の殺傷力を奪っておく。
自分は入り口と『シヴァルリー』の間に立ち、それを見せないように。
そして改めて振り向く。

>    ド         「ここまでどーやって来たか」
> 
>      ド       「俺はよう知らんが、それなりに大変だったろ?」

>    ド         「『警察』と共同捜査してたらしいが、
>               『面倒』も色々あっただろ? 思うように行ったか?」

「…こういった仕事は初めてなので、色々と大変でした」「が、同時にしなくてはならない事だとも思っています」
「『やり甲斐』…と言うんでしょうか、こういうのは」

答えながら、敵の姿を確認する。やはり左足は傷付いているだろうか。
しかし、部屋を丸ごと能力の支配下に置いたのか。しかも『金庫』とは違い、『密室』でなくても使えるとは。
既に『シヴァルリー』の間合いだと言ったが、今度はこちらが逆に敵の間合いに入ってしまった。
だが本体がこうして現れた以上、まだ勝てる希望はあるはずだ。

291塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/15(水) 23:07:59
>>289
「この『部屋』、そのものが………!
ならば、『金庫』の中身も……いや、考えても仕方ない、か……。
どこからでも、『スロウダイヴ』は現れ得るぞ、『夕立』ッ」

『クリスタライズド・ディスペア』を、通じて『鉄』と会話する。
高度を少し下げ、鉄の頭上スレスレに『クリスタライズド・ディスペア』を飛ばし、
スタンドの視点で床を見張る。

「『本体』……が、出て来たかッ。
遠隔操作型のスタンド『本体』が………姿を現す、という事は……」

292『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/17(金) 23:09:19
>>290(夕立)

       シュォンッ

『裁断機』の『殺傷力』を奪い、自身が『シヴァルリー』の前に立った。

>>291(塞川)

       バササッ

ヴィジョンを天井へ飛ばし、『床』を見張る。

>「『本体』……が、出て来たかッ。
>遠隔操作型のスタンド『本体』が………姿を現す、という事は……」

果たしてその意味とは。

>ALL

>「…こういった仕事は初めてなので、色々と大変でした」
>「が、同時にしなくてはならない事だとも思っています」

    「そうかい」

             「――――俺は、イヤだったね」

現れた男は、血に濡れた左脚を引きずっていた。
その傍に立つ『スロウダイヴ』は、 _ i /
                       人

                      ア
                       ァ     ――――『デカい』。
                             身体を折り畳め、二人を見下ろす『巨漢』は、
                             天井スレスレを飛行する『クリスタライズド』と目を合わせる。

    「俺達には、『秩序』をブチやぶれる『力』があったはずだ」

    「ソイツを使えば、もっと上手くやれる、って」

    「『契約』がクビを締め、誰も助けちゃあくれない」

    「――――そういう時だよ。オレが『スタンド使い』だって思い出したのは」

編集者、『加佐見』が現れる。
疲れ切った表情、ボソボソと喋る声。
その胸ポケットから除くのは、『Wi-Fiルーター』だ。

■─<  >──窓窓―本棚本棚■
│複□□□□□椅□□□□□鉄   ★:金庫
棚□人鳩□机机机□□□□□棚   複:複合機
★□□鳩□椅□□□机机机□鉄   人:『スロウダイヴ』
│□□□□□□□□机椅□□棚  <  >:『硝子化』した『割れ窓』
本□□∴□□□■─窓窓窓─■  ∴∵:『強化硝子』の破片や『文房具』。
棚□□ソ.∵ソ.□│              ※破片は『刃物』として認識できない。
│□□ソ.机.ソ□│            ソ:革張りの二人掛けソファー
│□□□.シ夕□│
├──┬□┐□棚
│塞□□□│□棚
├──┤□│ス棚
│便所□□│加|
■─┬┴―┴扉■
│EV.|        非
└─┴────┘

293鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/18(土) 01:17:06
>>292

>    「俺達には、『秩序』をブチやぶれる『力』があったはずだ」

>    「ソイツを使えば、もっと上手くやれる、って」

>    「『契約』がクビを締め、誰も助けちゃあくれない」

>    「――――そういう時だよ。オレが『スタンド使い』だって思い出したのは」


「…関係のない人間を巻き込まずに、済む方法はなかったのか」

ソファの破片、できれば大きな物を拾いつつ。『シヴァルリー』を前に立たせ、
少し歩みを進めながら、苛立ちを叩き付けるように右側の壁を叩く。パB
感情に任せての行動に見えるが、それだけではない。壁を破壊できるかどうかを確かめる。
台所にいるであろう塞川さんと、物資の受け渡しができるようにしたい。
巨大化した『スロウダイヴ』、確実にパワーは上がっているだろう。先ほど拳を交えた通りなら、スピードも。
『刃物』はあればあるだけいい。

(しかしWi-Fiルーター…盲点だった)(あれならば、どこでも『無線』を繋ぐことができる)
(矢面に立つ…できればそうしたい。注目はこちらだけに向けさせたい)

294塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/19(日) 21:50:28
>>292
「フー……ふん、『秩序』をブチ破るだと?
あんたがいう、その『力』を使ってやったのは………コソ泥が精々だろーが。
盗人猛々しいつーのは、この事だな」

『クリスタライズド・ディスペア』を通じて喋る。
キッチンで探すのは『包丁』などの刃物複数本、そして調理用の『油』。
戸を開けていき、すぐに見つかれば入手し、キッチン入り口の方に戻る。

「『夕立』……格闘戦をするなら、
さっきのように、私の『クリスタライズド・ディスペア』と、タイミングを合わせろ。
これだけデカけりゃあ、『特攻』も、外しようがねえぜ。
攻撃の瞬間なら………」

(ヤツの手前、そうは言ってはやるが、こいつのスタンド、『デカイ』………!
先程のを上回る『スタンド』のフルパワー!
『夕立』のスタンドも、中々の性能を持ってはいるが、
直接的な格闘戦はキツイ……!)

295『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/19(日) 22:58:42
>>293(夕立)
ソファ付近にあるセンターテーブルの支柱を拾った。
大きさは『座布団』程度だ。


  バ    「あっただろうな」
  ン/
  ・    「……だが、気にしちゃあいなかった」

『右側』の壁を叩く。だが、一撃では破壊出来ない。
分厚いコンクリートの壁は『ラッシュ』で何とか破壊できる。

>>294(塞川)
「『盗人』というのは、
  バレて初めて、そう呼ばれるんだよ」

『包丁』は一本、『果物ナイフ』があった。
他、調理用の『サラダ油』の小瓶がある。

296鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/20(月) 00:26:29
>>295

「…オレは人並み程度の正義感はあるが、それに命を懸けられる程じゃあない」
「あなたが『西東社』にちょっとした『復讐』をする位なら、それが個人的な動機でも、仕方ないと思ってただろう」
「だが、無関係な人間を巻き込んだ」
「それが自分にとって大切な人間だったらと考えると、恐ろしいんだ。…本当に」
「だから、ここで止めさせてもらう」


>>294

「…恐らく、格闘戦は厳しいでしょう。塞川さんも薄々感じられていると思いますが」
「先ほどは『パワー』は拮抗していましたが、『スピード』で負けていた。
 そして今度は、『パワー』ですら負けていると思われます」
「『ガラス化』させられても、一撃を当てるのに苦労するかもしれません」

近くにいる『クリスタライズド・ディスペア』へ向けて、小声で呟く。
できれば直接殴り合うよりも、死角から攻めるか、あるいは炎や水を使うか。そして何より。

「狙えるならば、『本体』を狙いたいところです」
「塞川さんの『クリスタライズド・ディスペア』…確か、大きな物でも直接触れて一部分を『ガラス化』できるんでしたか」
「もし可能なら、『1羽』お借りしてもいいですか?」「壁を反対側から『ガラス化』できましたら」

彼女も同時に策を立てているのだろう。こちらはこちらで策を進め、もちろん彼女の策に必要なら自分も協力したい。
ひとまず塞川さんへ依頼して、『スロウダイヴ』と加佐見を改めて見据える。

「行くぞ」

『シヴァルリー』で先程叩いた壁に拳を突っ込み、殴り抜けるようにして破片を加佐見へと飛ばす。パス精BCB
とはいえ、威力には期待していない。もっと言えば、当たることにもだ。
それに対する『スロウダイヴ』の挙動を見て、そのパワーとスピードを測りたい。
そして何より、壁を薄くする狙いもある。
完全に破壊するには何発もの殴打が必要そうだが、部分で破壊するなら少なくて済むだろう。

297塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/20(月) 22:04:50
>>295
「じゃあ、私が今!そう呼ぶのに異論はねぇよなァ〜〜!
あんたは『泥棒』で、ここで『御用』だ、ってな」

2点はハンドバッグに入れる。
『フライパン』のような鈍器たりえるものが目につけば、
ついでに持ってキッチンを出る。


>>296
「『夕立』……私のマヌケ面を見てなかったのか?
『一部』のガラス化は不可能だ。先程、既に試した。
それが出来るのは、私が『部分』として認識できるものだけだ。
『窓』は『壁』じゃあない。だから、ガラス化ができる」

『クリスタライズド・ディスペア』で返答する。

「だが、確かに……ヤツが出てきたのは悪くない。
私とあんたの位置も………」

298『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/20(月) 22:40:43
>>296(夕立)
『クリスタライズド・ディスペア』を伝って、
『塞川』へと話しかける。――――『壁』の硝子化は出来ない。

       ガスッ

まるで大振り『フック』を放つように、拳突で壁面を抉る。
だが、生まれた『破片』は『小石』程度だ。幾つかが『スロウダイヴ』に取る。

ラッシュで何とか破壊できる壁が、『二撃』で大破するはずもない。

>>297(塞川)
『壁』の硝子化が出来ないと『夕立』に伝える。
果物ナイフとサラダ油をハンドバッグに入れる。
小さめの『フライパン』を手にした。

>ALL

   パスッ
             ビスッ

『スロウダイヴ』は『破片』をその身で受ける。
『質量』が伴わなければ『投擲』のダメージは浅い。
意に介さず、そのまま『スロウダイヴ』は前進する。

     スゥゥ
           ――――ググォンッ!!

その巨躯を躍らせ、『スロウダイヴ』が飛び込んだ。
『2m』を優に超える巨体が圧し掛かるように、
『シヴァルリー』目掛け、その拳を突き落とす。

■─<  >──窓窓―本棚本棚■
│複□□□□□椅□□□□□鉄   ★:金庫
棚□人鳩□机机机□□□□□棚   複:複合機
★□□鳩□椅□□□机机机□鉄   人:『スロウダイヴ』
│□□□□□□□□机椅□□棚  <  >:『硝子化』した『割れ窓』
本□□∴□□□■─窓窓窓─■  ∴∵:『強化硝子』の破片や『文房具』。
棚□□ソ.∵ソ.□│              ※破片は『刃物』として認識できない。
│□□ソ.机.ソ□│            ソ:革張りの二人掛けソファー
│□□□.シ夕□│
├──┬□┐ス棚
│台所□塞│□棚
├──┤□│加棚
│便所□□│□|
■─┬┴―┴扉■
│EV.|        非
└─┴────┘

299塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/20(月) 23:28:50
>>298
(そう、『位置』はいい。斜線は『夕立』が通してくれる……。
私は『弾丸』を作る……!)

『スロウダイヴ』の動き出しを見て、
『クリスタライズド・ディスペア』は邪魔にならないよう、ソファの北側辺りへと距離を取る。
その移動自体は一瞬で済まし、
本体は『便所』の中に入ってドアを閉め、
『クリスタライズド・ディスペア』を発現する。
『便所』は『個室』だろうか?

300鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/20(月) 23:48:01
>>297-298

「いいえ、あの入り口を『ガラス化』したような、穏やかなガラス化で…」
「と思いましたが。どうやらそんなゆっくりやっている時間はないようです」

壁は『大破』ではなく『半壊』まで近付ければ上々だったが、こちらも同じく時間はないようだ。
やはり早い。そしてあるいは、この『スロウダイヴ』。『シヴァルリー』より射程距離が長いかもしれない。
接近してくる。

(自ら認めた通り、直接やり合うのは無謀だ…だから、ここは連携して仕留める)

接近に合わせ、後ろ(MAP上方)に下がりながら、先程拾った『座布団』サイズの支柱を掲げる。
それを『盾』代わりにしつつ、『シヴァルリー』のパワーでダメージを軽減したい。
恐らく一撃で破壊されるだろうが、少しでも被害を減らす。
そして同時に視線だけ動かして、先程(>>220)突き刺した『釘』を視認。
入り口から『シヴァルリー』へ向けて殺傷力を奪う。そしてその直線上に位置する加佐見、もし外れても『スロウダイヴ』を狙う。パスBC
もしその巨体で直接釘が見えなければ、ドアがガラス化されている事を利用して、『反射』で確認したい。
だがそれでも無理なようなら、防御に専念する。

301『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/21(火) 23:05:10
>>299(塞川)
『クリスタライズド・ディスペア』を移動させ、
本体は『トイレ』へと入る。一般的な個室だ。

>>300(夕立)

    バッ
          グオォォ!!!

『支柱』を盾にし、『スロウダイヴ』の一撃を防ぐ。
ひしゃげた『支柱』は弾き飛び、『シヴァルリー』の体勢も揺らぐ。

『シヴァルリー』を上回るパワー、スピードだ。
マトモにぶつかり合っても、身を守るのが精いっぱいだ。


      バシュゥゥ――――!!!

                        ビスッ!


視認によって『釘』の殺傷力を飛ばし、『加佐見』の右腕に命中させる。
二の腕に『殺傷力』が突き刺さり、鮮血が噴き出る。

       ボッ

『スロウダイヴ』の右腕が『ダメージフィードバック』により、抉れるように弾けた。
まだ右腕は振り回せるだろうが、少なくとも『ダメージ』は通じている。

     「なるほど、『釘』や『ガラス』を――――」

虚を突かれた『加佐見』はポケットからハンカチを取り出し、二の腕を抑える。
ヴィジョンは既に『3m』以上離れている。近距離パワー型では逸脱した射程距離だ。

302塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/22(水) 00:11:01
>>301
「ウウ……!
難儀な『能力』だ……!」

発現した『クリスタライズド・ディスペア』は、目の前の『ドア』に対して『特攻』。
ドア全体を『ガラス化』。
ダメージフィードバックによろけて、壁に手をつく。

外の『クリスタライズド・ディスペア』の視界で戦況を探りながら、
『貯水槽』のフタに手を掛け、持ち上げようとする。
『ガラス化』した『ドア』を叩き割る為の『鈍器』としての用途に耐えなそうなら、持ち込んだ『フライパン』を構える。

(後は『タイミング』と、ヤツの『回避能力』……
いや、考えても仕方ない、『夕立』も、長く持つわけじゃあねえ。
時間が経てば私たちの『意図』もバレる可能性がある……!)

『鉄』はこちらの意図を汲んで、部屋中央方向へと移動してくれている。
部屋の『クリスタライズド・ディスペア』の視界によってタイミングを計り、
更なる『スロウダイヴ』の追撃によって、
台所と便所の前の『通路』(の出口)と『鉄』の位置の直線状に
『スロウダイヴ』が来たなら、『ドア』を叩き割って『破片』を個室の外、通路部分へと飛散させるつもり。

303鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/22(水) 00:29:06
>>301

「ぐっ…!」

(やはり、パワーでも上回られている…!)

だが、敵に有効打を与えられたのは良い。これで若干だが、敵の攻撃力を下げることができた。
敵の負傷は右腕と左足。敵本体の機動力を落とせたのは、本来ならアドバンテージだが。
だが、『スロウダイヴ』の射程距離は長い。後ろまで下がっても、追い詰めてくるだろう。
しかし、この場合はそれも好都合だ。

「近接戦闘では勝てない…ッ」「最悪、『金庫』の中身だけでも…!」

正面を見たまま、右後ろ(MAP左上)へと下がっていく。
破片が辺りに落ちている、転倒しないように気をつけつつ。
敵の追撃に備えつつ、誘導するように動いていく。その場から動かないようであれば、それでもいい。

304『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/22(水) 23:02:29
>>302(塞川)

     バシュゥ――――

       ガァンッ!
               ガァンッ!

『クリスタライズド・ディスペア』が特攻し、ドアを『ガラス化』した。
手にした『トイレタンク』の蓋を掴む。破壊にはそれなりに時間が掛かるだろう。

                グラァッ

『心臓』の痛みを抱えたまま、一心不乱に『ガラス戸』を破壊する。
粘性の汗が流れる。――――『後』がない。

>>303(夕立)
相手の負傷を確認しながら、『夕立』は後方へ下がる。
『夕立』の読み通り、『スロウダイヴ』は拳撃のスピードに反し、
迫る速度は『シヴァルリー』と同等だ。明らかに『左脚』の負傷が大きい。

>ALL

     「お前の『刃』を飛ばす能力」


           ブォンッ!!

またしても、圧し潰すように『スロウダイヴ』の拳が迫る。
既に本体とは『4m』以上離れている。近距離パワー型にしては異例だ。

     「『ガラス窓』にも使用していたな。
      ――――あれには、一度も触れてなかったな」

              ガッシャ  ァァ ンン!!

『塞川』が『ガラス戸』を破壊する。
その瞬間、『スロウダイヴ』の振り落とした『拳』が

              ブワァァァ!!!

無数の『紙』となって周囲に飛散する。
『スロウダイヴ』と『シヴァルリー』の周囲を『紙』が舞い上がる。
『クリスタライズド』の『特攻』も、『シヴァルリー』の『射線』さえ防ぐ、
紙吹雪の『盾』を抜けるように――――

                       ヴォン!

対の拳が紙吹雪を抜け、『シヴァルリー』へ突き出される。

■─<  >──窓窓―本棚本棚■
│複□□□□□椅□□□□□鉄   ★:金庫
棚□人鳩□机机机□□□□□棚   複:複合機
★□□鳩□椅□□□机机机□鉄   人:『スロウダイヴ』
│□□□□□□□□机椅□□棚  <  >:『硝子化』した『割れ窓』
本□□∴□□□■─窓窓窓─■  ∴∵:『強化硝子』の破片や『文房具』。
棚□□ソ.∵ソ.□│              ※破片は『刃物』として認識できない。
│□□ソ.夕.ソ□│            ソ:革張りの二人掛けソファー
│□□□.シス□│
├──┬□┐□棚
│台所□塞│□棚
├──┤□│加棚
│便所□□│□|
■─┬┴―┴扉■
│EV.|        非
└─┴────┘

305鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/23(木) 22:01:22
>>304

>     「お前の『刃』を飛ばす能力」

>     「『ガラス窓』にも使用していたな。
>      ――――あれには、一度も触れてなかったな」

「・・・・・・・・・・」

『シヴァルリー』の能力が、接触ではなく視覚で発動することがバレている。あるいはそう推測されている。
となると、次の一手は視覚を遮ることか。しかし『スロウダイヴ』の巨体で遮るならば、対策はある。
───だが敵の次の一手は、腕を部分解除したことによる『紙吹雪』だった。
自らの意思でヴィジョンを部分解除できる点は知っていた。けれど、この巨体。
舞い散る紙の量が、先程とは段違いということか。

一瞬、回避行動の一手を切るか考える。
だが、こちらに時間がないことは変わらない。そして『クリスタライズド・ディスペア』の残弾は極めて少ないだろう。
敵は『二手』を使ってこちらを攻撃に来ている。ならば、逆に攻めの一手を選ぶ。
『スロウダイヴ』がどちらの腕を解除したから分からないが、仮に今負傷を負った右腕を解除したとしても、左肩も先程(>>274)刃を突き刺している。
賭けるならばそこしかない。

「…『シヴァルリー』は」「刃物を飛ばすだけの能力じゃあないッ!」

紙吹雪に対し、『シヴァルリー』の左手を外へ斬り払うように動かしつつ『裁断機』の刃を発現。そのまま斬り抜く。パス精BCB
ただ敵を攻撃するだけではない。目線の高さを斬り抜くことで、『シヴァルリー』の精密さで紙を切り裂き、視界を確保する。
もちろん視認するのは、塞川さんが仕掛けてくれた『ガラス』の破片だ。
視界外に落ちていったガラスの破片は能力射程外だろう。故に、奪える数は残り『3つ』。
視認したガラスの破片の『殺傷力』を奪い、『スロウダイヴ』の背後からも攻撃を仕掛けたい。
恐らく敵も同時に攻撃を仕掛けてくるし、『裁断機』の刃に怯まずに攻めてくる可能性もある。
だが『シヴァルリー』が攻撃を食らっても、背後から飛来する刃は止まらない。
決死の覚悟で突き立ててやる。

306塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/26(日) 22:29:43
>>304
ここで『本体』が動くわけにはいかない。
いつ『シヴァルリー』の能力が適用されるかもしれない。射線は遮らない。

(『クリスタライズド・ディスペア』……奴のヴィジョンへの直接攻撃は難しい。
なら、多少なりとも、『夕立』の援護になれば……)

『クリスタライズド・ディスペア』を、一体発現。
ソファ北側の一体を、『加佐見』の方向へと(スロウダイヴの拳の射程を避けつつ)突っ込ませる。
狙いは顔面だ。だが爪や嘴によって申し訳程度の攻撃力を持つとはいえ、
効果的な攻撃は難しい『クリスタライズド・ディスペア』だが、
『スロウダイヴ』の操作を鈍らせる程度の『嫌がらせ』は出来るかもしれない。
同時に手元に発現した方は、『ガラス片の射線』を遮らないように、天井スレスレを通って『スロウダイヴ』の方向へ。

307『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/27(月) 23:24:14
>>305(夕立)

      ブワ  ザァ―z____ッ!!

視界を覆う『紙吹雪』に対し、『裁断機』の刃を振り抜いた。
轟と唸る『剣風』により、断たれた紙群が吹き飛ばされる。

そして、『夕立』の視界は『スロウダイヴ』の背後、
照明を反射して輝く『ガラス片』を見据えて――――

>>306(塞川)

      シュバァァ――――

『クリスタライズド・ディスぺア』を一体発現し、
ソファに忍ばせた一体を『加佐見』へと突っ込ませる。


>ALL

    「見えているぞ、その『鳩』は。
     俺から『足』を奪っているな」

       スゥゥ...

『鳩』の突撃を視認した『加佐見』は、本棚から『ファイル』を取り出す。

壁に狭められた『通路』では、『クリスタライズド』の機動力を生かせない。
無暗に『特攻』を仕掛けても、『ファイル』で防がれるか、
時間を稼ぐ間に引き戻された『スロウダイヴ』の餌食となるだろう。


      ドオオォォンッ!!


『紙吹雪』を突き破った『スロウダイヴ』の拳が、 .
『夕立』の脇腹を深々と抉り、――――だが、返す刀で。

      ズバァァァ!!!

分厚い『裁断刃』の一閃は、『スロウダイヴ』の胸板を切り裂いた。
そして、その一撃に留まらず――――

   ド
   ス          「き、さまッ!
       ビ        .. . . .
       ス /     みえない、はず、なのに――――」
        ・

三発の『ガラス斬弾』が『スロウダイヴ』の背中を突き破る。
鮮血を吹き出し、身を躍らせる『加佐見』。
『鳩』までは『至近』。絶好の機会だ。

308塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/28(火) 00:21:12
>>307
「やったッ!
背後から飛ばした『夕立』の刃!
奴のスタンドに深ぶかと突き刺さっているッ!」

『クリスタライズド・ディスペア』は、加佐見に『特攻』はしない。
人体をガラス化して行動を阻害することは出来ないし、
逆に『スロウダイヴ』からのDFによって地面へと倒れこんだ場合、バラバラに砕け散る……それも望まない。
その代わりに、スピードを乗せた『嘴』の一撃を、本体の『瞳』に見舞ってやる。

309鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/28(火) 01:26:35
>>307

「が・・・ぐ・・・ッ!!」

脇腹に『スロウダイヴ』の拳が叩き込まれた。激痛が襲いかかる。
剣道で防具から外れた胴を打たれるよりも、更に痛い。
だが、やってやった。紙吹雪を切り裂いて、『裁断機』と『ガラス片』、二つの刃は敵スタンドを捉えた。
不意に、『音仙』さんの言葉を思い出す。


>「その時、キミが壁を切り開く事を望むなら……この力はきっと、役に立つ」


「はぁー・・・はぁー・・・」「切り開いたぞ…立ち塞がる壁をッ!!」

痛みは歯を食いしばって耐え、もう一度『シヴァルリー』で『裁断機』を振るう。
袈裟斬りに斬り抜けつつ、そのまま自分から見て『スロウダイヴ』の左側へ進んでいく。パス精BCB
今度は塞川さんの援護もある、斬り合いの状況は更に好転している。
しかし先ほどのように、敵側がスタンドを『無線』を通じて退避させる可能性がある。
故に、刃より早く敵がスタンドを解除したなら、そのまま自分が歩みを進められるように。その先は敵本体だ。
また、この斬撃が敵に当たり、三発の『ガラス斬弾』がスロウダイヴの背中を貫いて『シヴァルリー』に吸収されていたなら。
右手側に『ガラス』を発現し次々と解除。来た道を戻る形で三発のガラスを戻し、更に追撃を加える。パスBC

310『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/30(木) 21:10:18
>>308(塞川)

     バシュゥ――――ッ!!

『クリスタライズド・ディスペア』を飛行させ、
『加佐見』の眼球目掛けて、嘴を突き立てようとする。

>>309(夕立)
『紙塊』を斬り裂く、確かな手応えを覚える。
眼前を阻む『壁』は阻まれ、斬り散らした紙片が宙を舞う。

     グッ

一歩踏み出し、『スロウダイヴ』へと更に距離を詰める。

>ALL

     バスッ!

  「ぐあッ」

『クリスタライズド・ディスペア』の嘴が、『加佐見』の目尻を掠める。
ヴィジョンのパワーは低く、『特攻』でない限りは用を成さない。


      ドスッ!
            バスッ!


だが、その一撃はヴィジョンの隙を作った。
『三発』の『ガラス斬弾』を解除し、ガラス片へ『斬撃』を送り返す。

  ボ  「ば、バカな……」
  ロ
   ロ     「『スロウダイヴ』の、パワーが……」

『スロウダイヴ』のヴィジョンが崩れ、無数の紙片が落ちていく。
『加佐見』も体勢を崩し、その場に倒れる……。

311鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/30(木) 22:55:51
>>310

斬撃に加え、ガラス片も直撃。剣道ならば、完全なる『一本』だが。
ここに審判はいないし、試合もまだ終わってはいない。完全に決着が付くまでは、油断できない。
ここに長居ができない現状なのは変わらないからだ。

痛む脇腹を抑えつつ、『シヴァルリー』を先行させながら、加佐見の方へと接近する。
足元の紙で転倒しないように気を付けよう。

「・・・・・・・・・・」「『自首』なら、罪が軽くなるかもしれない」

そう声をかける。
現在は、『1000万』の窃盗事件は切江さんが犯人ということになっている。
それを見かねて自首したという形ならば、情状酌量の余地ありと判断されるかもしれない。
もっとも『スタンド』による犯行である以上、事件を普通に裁くのは難しいだろうが、
立石さんは何らかの考えがあるのだろう。ひとまず彼をここに呼ぶべきだろうか。

312塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/30(木) 23:32:19
>>310
「……ま、ないよりはマシって結果だったな」

『クリスタライズド・ディスペア』の傷つけた、浅い傷を見、
倒れ伏した『加佐見』の姿を見た。

「フー…どっち道、その怪我じゃあ、
私達を始末して、証拠を引っ掴んで逃げるって事も出来ねーだろうがな。
『夕立』、キュッとそいつの首でも締めとくか?
敗北感ってのも、植え付くだろーからな」

眼前に散らばった『ガラス片』を掴み、トイレから出てくる。
スロウダイヴ』の方向へ向かわせた『クリスタライズド・ディスペア』で、
一応散らばった紙に気を配っておく。

313『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/30(木) 23:54:44
>>311(夕立)
警戒は解かず、『シヴァルリー』を先行させ、
倒れ伏した『加佐見』へと接近していく。

>>312(塞川)
『ガラス片』を手に取り、姿を現した。

>ALL
『加佐見』はスーツを鮮血に染め、
指一本動かさずに倒れ伏している。

    「俺のポケットに、『ポケットWi-Fi』と、
     『モバイルプリンタ』が入っている」

    「それを破壊すれば、――――もうスタンドは出せない。
     『スロウダイヴ』。触れた物体を『ファクシミリ』にする能力。

     ――――だが、『通信環境』がなければ、使用できない。
     『刑務所』に行けばもう、スタンドは使えないよ……」

まるで『観念』したかのように、己のスタンド能力を吐露する。

314塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/31(金) 00:23:33
>>313
「だってよ。『スマホ』貸してくんない? 『夕立』。
救急車と、あとケーサツに連絡しなきゃあな。
私のは、ぶっ壊れてっからね」

『クリスタライズド・ディスペア』を全て回収する。
その後立石へ連絡。

(しかし、こいつが何がしたかったのか?
イマイチの実感としてわかってないのが私なんだよなァ。
夕立は『復讐』って言ってたが………)

315鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/31(金) 00:46:59
>>313

塞川さんにスマホを渡しながら、しかし『シヴァルリー』には『裁断機』を構えさせておく。

「出してもらおう」

『観念』したように見えるが、会話が通じているかは微妙だ。まだ抵抗の意思がある気がする。
今自分で口にしたアイテムを、目の前の床に置いてもらおう。

316『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/31(金) 01:07:44
>>314(塞川)
『立石』へ連絡を取る。

『加佐見』の目的は不明だが、
それは本人に聞かなければ解らないだろう。

>>315(夕立)

    スゥゥ...

『加佐見』は『ポケットWi-Fi』と『モバイルプリンタ』を取り出した。
床に並べれられた二つの機器は、自らの鮮血に染まっている。


>ALL

      「ああ、自首するよ」

      「このスタンド能力を、使わずに生きてきた」

      「――――だが、いざ使ってみれば、このザマだ」

      「慣れないことを、するべきじゃあ、なかったよ……」

ぐったりとした様子で、『加佐見』は答えた。
――――『金庫』には『原稿』となった『100万円』が収められている。
本物かどうか、改めて見るべきか。それとも、そのままにするべきか。


>鉄 夕立『シヴァルリー』

     →・『改めて札束を見る』

       ……『通り魔』を継続して追う。その手掛かりを見つける。


     →・『札束は確認せず、警察を待つ』

       ……『通り魔』の行方には繋がらず。窃盗事件の解決のみで終わる。

317塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/31(金) 14:35:04
>>316
「まあ、それには同意だなァ。
人間さ、キャラってもんがあるんだから。
慣れない事をするもんじゃあない。
私にこんな重労働をさせやがって......痕が残ったらどーすんだ、クソ」

『立石』に繋がったなら、現物があった事、
本体を打倒した事を伝える。
『加佐見』の側に座り込み、ふと『鉄』の方を見る。

「何か気になるのか? 『夕立』。
そんな顔してるぜ、あんたは。
私はこいつに聞きたい事がある。好きに調べなよ。
ケーサツが来るまでの間だけどな」

『クリスタライズド・ディスペア』を発現し、『夕立』に追従させる。

318鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/31(金) 21:21:10
>>316-317


>      「ああ、自首するよ」

「・・・・・・了解した」「担当の刑事さんに、そう伝えておく」

「お願いします」

その二つの機器に『裁断機』を突き立て破壊した後で、塞川さんの方を向く。
加佐見は犯した罪を認め反省して、戦った後で『自首』したという事で伝えたい。
立石さんなら、これで多少なりともこの人の扱いに対して便宜を図ってくれるかもしれない。
…こうして話を聞いてみると、境遇のせいで大それたことをした、普通の人だ。
能力を説明しだしたのも、何か裏に意図があるわけではない、本当に降参の意思を示すためだったか。
この人は本物の悪党ではない、と感じている。

「『証拠』もしっかり確保できました」

『改めて札束を見る』。これがなくては、そもそもここに来た意味もない。

319『アポなし泥棒御用なり』:2019/05/31(金) 23:27:43
>>317-318(塞川&夕立)

    Pi !
        ――――ガチャッ

『夕立』が指紋認証パネルに触れただけで開錠される。
ロック自体がされておらず、誰の指紋でも認証できる状態だ。

      バサッ

>>225の通り、『千円札』が『束』となって並べられている。
『切江』の金庫や『スロウダイヴ』との戦闘でハッキリしたように、
『ファクシミリ』によって転送された紙片は『無造作』に納められる。

――――『加佐見』が確認し、並べ直したというのが自然な考えだろう。
この『札束』を見ているからこそ、体裁を成さない『原稿』を、
『強奪』したというのが『加佐見』の供述だ。(>>247,>>250

……『立石』は電話に出ない。
隣に座った『塞川』を見上げるように、『加佐見』が顔を動かした。

    「訊きたいことでもあるのか?
     『痕』が残らない方法は、……俺にはよう解らんよ」

知っていれば訊きたいものだと、『加佐見』は開き直っていた。
二人を背にし、『夕立』は札束を一枚一枚めくっていく。
その紙面は『クリスタライズド』を通じて『塞川』も見ている。

     ・         ・         ・

左端から並べられた『札束』に、走り描きと文字が記されている。
『一枚』に『1コマ』を描き込んだ、非常に読みづらい原稿だ。
しかし、『精緻』に描き込まれ、中でも『富士』の見える『湖』の描写は際立っている。

最終回』に至るまでの数話、そして『最終回』の原稿であると、
漫画を読み慣れている『夕立』は、紙面に視線を走らせながら理解する。

『時雨蛙』は江戸時代のとある藩を舞台にした時代劇だ。
『富士山』への言及や、『大湖』が近隣にあるとの描写から、
かつての『星見町』の周辺を舞台にしていると推察できる。

物語は必ず『死体』から始まる。
病理に冒された商人や、刃傷沙汰に巻き込まれた遊女、
飢餓や洪水が生み出す骸の山、堕胎によってバラまかれた水子。

『死体』に経を唱える『時雨蛙』は、笠を被った僧侶だ。
齢の程はハッキリとしない。蛙めいたイボ面が特徴的だ。
彼は『腑分け』によって死体と対話し、『時雨蛙』と出会った死体の『縁者』は、
彼を通じて『死体』に隠された真実を知る。――――話の筋立ては一貫している。

商人を蝕む病毒の正体を伝え、
遊女を殺した男の居場所を突き止め、
骸の山に隠された刺殺体を掘り起こし、
水子に記された尊き血の真実を暴きたてる。

明かされた真相に対峙する『縁者』を尻目に『時雨蛙』は立ち去り、
その足跡を隠すように雨が降る。……いずれの話も結末は一緒である。

     ・         ・         ・

『夕立』の手が『最終回』の記載された『札束』へと伸びていく。

320鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/05/31(金) 23:49:45
>>319

「・・・・・・・・・・」

最終回から数話分という少々冒涜的な読み方だが、それにしても面白い。
『こち亀』のようにキッチリ話ごとに区切られているのが、自分のような新参者にも読みやすさを感じさせる。
つい先程まで命を懸けた戦いをしていたというのに、思わず引き込まれてしまう。
時代劇らしく、そこで生活する様々な人間の人情を魅力的に描いている。

「…『立石』さんに繋がりませんか?」

塞川さんの方を一旦振り返りながら、訊ねる。
いくら職務中とはいえ、こちらの戦闘の成り行きは気にしているのではないか。
そして切江さんの冤罪を晴らすためには、一刻を争う自体だということも当然理解しているはずだ。
最終回はやはり気になるが、連絡が取れないことも何より気になる。
そして、長年のファンでもない自分がこの最終回を目にしていいのかという引け目もある。
少しだけ読んで、後はこちらから『警察署』へ向かうべきだろうか。

321塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/31(金) 23:53:03
>>319
「ああ〜〜〜?
アンタが、医者に見えたと思ったか?
私が聞きたいのは、あんたの『犯行』のことだよ。
『察し』が悪いから、頓珍漢なことを聞くかも知れねーけどな」

(『立石』………こいつ、何故電話に応じない?
先程もそうだが、私達の案件以上に重要な事があるのか?
何を考えている………)

「まず、あんたがヤったのは『3件』!
これに間違いはないよな。
そうなら、『箱根地所』の札束を、例の漫画家先生のトコに突っ込んだのは何故だ?
原稿代のつもり……とかいうんじゃあね-よなァ」

「そして……その2件のどちらでもない盗み、
そこで盗ったモノはどこだ?」

『クリスタライズド・ディスペア』の視界で、漫画を追いながら。

322塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/05/31(金) 23:54:06
>>321
書き忘れたが、立石への『コール』は依然として継続中。

323『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/01(土) 00:49:44
>>321(塞川)
「……ああ、間違いはないよ。

 『箱根』さんに恨みはないが、
 『切江』先生を『逮捕』させるには、
  物的証拠の明らかな『冤罪』が必要だった」

   「……悪いが、貯め込んでそうだったからな。
    『FAX番号』も『タウンページ』に公開されていたし、
     利用させてもらったよ。」

悪びれもなく『加佐見』は答える。    ....
このビルの名前を思い出す。――――『第七ボックスビルヂング』。
単純に思い当たる『金持ち』を狙っただけのようだ。

    「もう一件は、農家の『吉本花南』さんの家から、
     現金を『五万円』とフルーツの『注文用紙』を奪った」

    「――――これも『FAX番号』が公開されていたからだ。
     なるべく『無差別』に見せかけたかった。手当たり次第だ。
     盗んだ紙幣と注文用紙は、そこのファイルボックスに保管してある」

『加佐見』が指差した先には、
『青色』のファイルボックスが本棚に収納されている。

    「複数の『金庫破り』の手口が一致すれば、必ず『事件』になる。
     そうすれば『警察』は組織だって動き、『検挙』へと至る……」

    「そうやって、俺は。 ――――あの人を『留めたかった』」

>>320(夕立)
    『数話分』の原稿を読み終え、『最終回』へと手を伸ばす。
 ペ   ――――が、『時間』がないのは確かだった。
 ラ  『切江』の『冤罪』を晴らすには『時間』がカギを握ると。
 :   そう言っていたのは、まぎれもなく『立石』のはずだ。

        『夕立』の視線が少しだけ、『紙面』に伸びる。
    ペ   『最終回』という表記はされていない。
    ラ   『千円札』に描かれた『時雨蛙』、一コマごとに少しずつ、『夕立』へ振り向く。
    :
                  r - - -  、                    ザ
        ぺ        ( 無情 なりや )                    ア
        ラ         y〜〜〜〜〜                     ァ
        :                      r -  -  -  、
                              ( もう 物言わぬか )    ァ
                                    ゝ- _ - _ -′    ァ
                                                    :

>ALL

          バサッ

紙幣を捲る『夕立』の指が止まる。
引っ掛かりを覚える。――――『蛇腹』だ。

微かな『糊付け』によって、紙幣の長辺同士が接着されている。
『夕立』は紙幣を引き上げて、紙面を思いっきり伸ばした。


             ズ
                       r -  -  -  、
             ラ        ( お前も、いずれ  ) 
                       ゝ- _ - _ -′ 
             ア

             ア                  r -  -  -  、
                               ( 浄土の哀れとなり ) 
             〈                   ゝ- _ - _ -′ 
                  〉
             |
              
             |
             〈
                  〉

324『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/01(土) 00:54:26
>ALL


        ア

         ア
                    r -  -  、
      ァ            ( 誰も記さぬ  ) 
      /              ゝ-  _  -′ 
      〉
      /
    《                         r -  - ー - 、
    /                        ( いずれは なし  )
                             ゝ- _ _ _  


各話の語り部となっていた『縁者』。

『商人』を看取った『蘭学医師』は糜爛に犯され、
『遊女』の見受け人は双眸双耳に簪を突き立てられ、
骸の村に立ち寄った旅人は臓腑を豚牛に食い千切られ、
水子を拾った老婆は海老の甲羅を剥くように背骨を捩じり折られていた。

他にも何人も、何十人も、夥しい数の屍が描かれる。
無残な末路を遂げた亡骸の正体を、二人は悟っていた。
―――――『十五年』の歳月、息吹を込めて描いた『登場人物』、
富士翳を表すのと同じ微細な筆致を操り、黒々しく切り刻んでいる。

積み上げられた屍の山、血肉の森、臓腑の沼、
『地獄絵図』の中、『時雨蛙』は経を唱えながら、消えていく。


           スゥゥ . . . 


そして、また一人。
『時雨蛙』は肉厚の鉈刃を手にした。

怯える少女。
その細い上腕に筆がなぞられ

浅い傷が生まれる。

その少女に『夕立』は見覚えがある。
『時雨蛙』を呆然と眺める少女は、まぎれもなく。

325鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/01(土) 01:20:05
>>323-324

「『接着』…?こんな面倒な真似を…」
「これも職人の拘りというヤツなのか…?オレには分からないが…」
「そもそも切江さんの目論見では、これを見るのはアシスタントの木山さんを含めた数人じゃあないのか」

それなのに、一々紙幣を糊付けするような仕込みをするのだろうか。
しかし自分はこの加佐見の言う通り、まだ大人ではない。いずれ理解するようになるだろうか。

「………何だ、これは?」

これが『最終回』なのか?
単発の話で構成される漫画の最終回に悩むのは分かるが、唐突な『縁者』の無残な死亡。
一体何を描きたくて、こんなストーリーにしたのか。



>そして、また一人。
>『時雨蛙』は肉厚の鉈刃を手にした。

>怯える少女。
>その細い上腕に筆がなぞられ

>浅い傷が生まれる。

>その少女に『夕立』は見覚えがある。
>『時雨蛙』を呆然と眺める少女は、まぎれもなく。



「──────────────」



すぐさまビルを出て、この街の『警察署』へと走って向かう。話を訊く必要がある。

326塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/06/01(土) 01:40:02
>>323-325
「フン、私も自分の名前のついたビルを持てるくらい、
金持ちになりてーもんだな」

『漫画』の行方を目で追いながら、話を聞いている。
長い髪をかき上げ、ため息をついた。

「カネに描く方も描く方だが……
『漫画』に関わってると、フツーの『感覚』つーのは、
明後日の方向にブッ飛んで消えちまうみたいだなァ。ン?
『留める』っつーのは、連載をか?
なんせあの様子じゃあ、ブチ込まれたらあっさり逝っちまうぜ」

「しかしこの『時雨蛙』………。
暗いハナシだな。
話の筋を遡る様に………かつての『ゲスト』っつーのか。
そいつらが死んで……いや、殺してるのは、『主人公』か?
凶器が描いてあるな………おい、『夕立』ッ!」

位置関係的に、『鉄』が出口へ向かうなら前を通るだろう。
足早に出て行こうとする彼を掴んで引き留める。

「なんだ? 血相変えて……。
確かに『立石』は、まだ掴まらねーが」

327『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/03(月) 22:55:51
>>325-326(夕立&塞川)
オフィスを飛び出す『夕立』を留めようと、『塞川』は手を伸ばす。

     グラッ...

だが、それを阻んだのは肉体を蝕む『痛み』、
ヒビの入った胸骨が大きく軋み、肺を抉るような『激痛』が走る。


     ダッ


『夕立』は駆ける。
非常階段を転がるように下り、ゴミ捨て場の真横を抜ける。
―――――最寄りの『警察署』は、道路沿いに『1km』ほど走ったところだ。
『スロウダイヴ』に殴られた脇腹が疼く。だが、『夕立』の脚は止まらない。

>「しかしこの『時雨蛙』………。 暗いハナシだな。

    「暗い、話ではない。

     一つの『死体』を軸にして描かれるドラマ。
     何よりも、『死体』の謎を解くという作風は、、
     決して『死』を無駄にしない、という決意に他ならない」

『加佐見』は『本棚』を支えにし、ヨロヨロと立ち上がる。

    「『切江』先生に、何かあったのかも知れない。
      自身の『人生観』を揺るがすような事件が、
      ――――その『少女』が何かの切欠なのか」

『窓』の外からは『夕立』が走る姿が見える。
『加佐見』はそれを目で追っていた。

    「……だが、いずれにせよ、こんな『最終回』は認めない。

     『切江ギヤマン』という作者がどうなろうと、
     ――――私は『時雨蛙』という『作品』を守り抜く……」

    「……そう、決めたはずだった」

328塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/06/03(月) 23:39:29
>>327
「ウ……! 痛ったいな、クソ!
私が病院に行きたいぜ………」

『加佐見』を見ながら、胸を押さえて蹲る。

「そーかい。
あんたが、その漫画が好きって事はわかったよ。
いや……好きじゃあないな、『超好き』。」

茶化すように言って、
指をぴっ、と振って『加佐見』を指す。

「そんな『動機』かよ。
どおりで、わからねーハズだ。
あんたからは、どことなく『尊敬』の気持ちが感じられたからな。
『切江』をハメようとするって動きとはかみあわねー。そんな動機じゃなきゃあな」

立ち上がった『加佐見』に、身を強張らせ、警戒する。
『スタンド』は使えない筈だが………。

「フツーに考えりゃあ、『作者』が捕まったら『漫画』も終わりだろーが……
最終回がなけりゃ、作品は永遠って考え方もあんのか?」

「しかし、本人が書いたのを『認めない』ってのは、頑固っつーか、なんつーか……。
ま! その『先生』も最終回を掲載はしたくねーって話のようだがな。
あんたら、『マニア』の話はわかんねーよ。私には」

(しかし、さっきの『夕立』、あの様子は一体………?
こいつが言う『少女』、そのコマを見ていたように見えたが……)

『立石』へのコールを諦めて、『夕立』のスマホで、
ネットニュースなどで『切江』の事が流れていないか、一応確認する。

329鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/03(月) 23:43:07
>>327

普段ならどうということはない距離だが、脇腹が痛む。既に長距離マラソンを終えた後で、もう『1km』追加された時のようだ。
だが、決して歩みを止めない。必ず『切江』から真相を聞き出すまでは。
もし走れる距離に不安があるようなら、その辺りにある自転車の鍵を『シヴァルリー』で壊してでも向かう。
果たして立石さんら警察官は無事なのか?そして切江は今どうなっているのか?何より───切江は作品に何故自分の妹を描いたのか?
全ては行けば必ず分かるはずだ。事と次第では、自分は犯人を知るために手段を選ばない。

330『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/04(火) 01:49:57
>>328(塞川)
>あんたからは、どことなく『尊敬』の気持ちが感じられたからな。
>『切江』をハメようとするって動きとはかみあわねー。そんな動機じゃなきゃあな」

     「おためごかしは、止せ」

『警戒』を見せる『塞川』。
その言葉を『加佐見』は切って捨てる。

     「あの人に恨みはない。

      だが、俺は『原稿』を一向に提出しない『切江』先生を前に、
      ――――『編集者』として寄り添うことを諦めた」

                          ア ポ
     「『スタンド』を使って、ズルをして『約束』なしで『奪い取った』。
      盗み見た『原稿』で勝手に失望して、『切江』先生を『盗人』に仕立て上げた。

      その『金庫』に『原稿』を封印してまで、な。
                   . .    .. . . . . .
      俺にはもう、『敬意』など 在 りはし な い……」

自嘲するかのように、『加佐見』はやけっぱちの言葉を吐いて捨てる。
――――本当にそうだろうか。『塞川』は『立石』へのコールを切る。
手にしたスマートフォンで、『切江ギヤマン』について、調べることも出来る。

『加佐見』への『反論』も出来る。

>>329(夕立)

           バキッ

付近に施錠されていた『ロードバイク』の『U字ロック』をへし折り、
それに跨って『警察署』へと駆ける。

        キキィィィ―――――

『警察署』に到着する。
『切江』は何故、『夕立』の『妹』を描いたのか。

>      ……『警官』じゃあないだろう。
>      良く似た格好をしているが、全くの『別物』だ」

何故、『切江』は『夕立』と『塞川』の正体を見破ったのか。
『立石』の言う通り、『振る舞い』だったのか。それとも。

最初から、『夕立』を知っていたのではないか――――

             ウィィ―――

      「こんにちは。どうしたのかな?」

『警察署』の受付にいた『婦警』が、『夕立』に声を掛ける。
優しそうな女性だ。じっと『夕立』が話し始めるのを待っている。

331塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/06/04(火) 21:58:11
>>330
取り合えず『タクシー会社』に電話し、タクシーを呼んでおく。
そうして、『加佐見』の表情を見ながら話す。

「知らねーよ。だが、『確かな事』はある。
あんたは『切江』を陥れようとしたが、同時に、『その後』の事も考えていた。
でないと、『冤罪』という言葉は出ねーからな。
あんたが真に失望していた、どーでもいい相手なら、そうはならないはずだ。違うか?」

「そもそも、『先生』てのは敬称だろうが。
あんたの口ぶりからは、とても『そう』は思えなかったって話だよ」

よろけるようにして立ち上がり、
『加佐見』の肩を叩いて入り口の方へ。

「だが、 これはあくまで私の『感性』の問題。
自分の気持ちくらい自分で決めりゃあいいんだよ。
正直になるも、適当に誤魔化すも、あんたの自由。
そして、『自首』すんならさっさと来な。私もそっちの方に用があるんだからな」

『エレベーター』を待ちながら、
『スマホ』で『切江ギヤマン』について検索する。
『立石』に何かが起こったのかは、訪ねて行った『鉄』に任せる。

332鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/04(火) 22:29:50
>>330

『切江』の顔を思い出す。果たしてどこかであった人間だっただろうか?
それとも、向こうが一方的にこちらを知っていたのか?だとしたら、何故妹を、朝陽を狙ったのだろうか?

「こんにちは、自分は鉄 夕立といいます」
「『三課』の立石さんからお電話を頂いたのですが、今立石さんはどちらにいらっしゃいますか?」

333『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/06(木) 00:23:19
>>331(塞川)

    PI!

『エレベーター』を待ちながら、
『切江ギヤマン』について調べる。
Wikipediaや西東社のホームページ、Amazonの作品ページが引っ掛かる。

――――だが、『ニュース』にはなっていない。
少なくとも、『窃盗事件』の容疑者にされてないようだ。

     ティーン
               ……ウォォ ォ―ン

『エレベーター』が到着する。
中にいたのは、背むしの男。――――『曳舟』だ。

    「ヘッヘッヘッ、どうもお疲れさまでした。

     『塞川』の姐さん、見事に『窃盗犯』を捕まえたようで。
     これで、町の皆様も枕を高くして眠れることでしょうなぁ」

    「いやはや、煙のように消えた『札束』の行方を、
     ものの見事に解決なされるとは、ホームズもシャッポを脱ぎますわぁ」

>>332(夕立)
『切江』の顔を思い出すが、決して知り合いにいない。
そもそも、『夕立』は『時雨蛙』すら知らなかったのだから、
『接点』が生まれるはずもない。

>「『三課』の立石さんからお電話を頂いたのですが、今立石さんはどちらにいらっしゃいますか?」

    ビクッ

          「――――『立石』さんが、」

                      「な、なんで?」

『婦警』の表情は蒼褪め、周囲の空気が凍り付く。
何人かの男達が遠巻きに『夕立』を見る。

         ウィィ―――ン


     ザッ     「せ、先生は!?」

                「先生は、無事なんスか!?」
     ザッ

自動ドアの開閉さえもどかしいような早足で、
数人の警官が雪崩れ込んできた。

              「とにかく、こっちで事情を聴かせて下さい」

              「――――若いのも気が立ってるとは思いますが、
               『木山』さんもご容赦を。……なにせ、一大事ですよ」

              「現職の『警察官』が襲撃されるなんて、何があったのか――――」

背後にいるのは『木山』だ。声で解る。
神妙な対応の中に刺々しさを隠さない、警察官達。
何かが起こったのは、明白だ。

      「ああ、君」

              「ちょっと、向こうで話を聴かせてくれるかな?」

数人の『警察官』がカウンターの奥から現れ、『夕立』を見る。
『立石』の名前を聞き付け、『夕立』にプレッシャーを与えるように歩み寄ってくる。

334鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/06(木) 00:49:13
>>333

「・・・・・『木山』さん?」
「襲撃にあった、ということですか?『切江』が、『立石』さんともども」

警察署に入ってきた木山さんへと質問をする。話を聞くなら、こちらの方が早いかもしれない。
ここにいる警察官は、質問に対して質問を返してくるタイプらしい。


>      「ああ、君」

>              「ちょっと、向こうで話を聴かせてくれるかな?」


「まずはこちらの質問に答えて頂きたいのですが」
「答えられないのでしたら、こちらもご期待には添えられないかもしれません」
「『身内』の事件に関わっている可能性がありますので」

事件を解決したいのは、こちらも同じだ。

335塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/06/06(木) 01:01:48
>>333
「核心は突けず、かァ。
お? あんたは、確か、『曳舟』………
よくここがわかったな。『立石』に聞いたのか?」

スマホを仕舞い、目を細めて『曳舟』を見る。

「いや、『夕立』が何か言ってたっけな。
たしか、需要と供給を……そういう『能力』」

「つまり、『必要になったら現れる』。
こっからはあんたが引き継いでくれるって、そーいう事か?」

336『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/08(土) 16:31:47
>>334(夕立)
>「まずはこちらの質問に答えて頂きたいのですが」
>「答えられないのでしたら、こちらもご期待には添えられないかもしれません」
>「『身内』の事件に関わっている可能性がありますので」

    「あぁ゙!?

     ナマ言ってるんじゃあねェぞ、小僧。
     俺達『警察』にとっちゃあ、全ての事件が身内の事件ッ」

数人の警察官の中から、飛びぬけて大柄な警察官が抜き出てきた。
がなり声を響かせながら、剣呑な表情を浮かべて『夕立』を見下ろす。

    「『安山』君、落ち着きなさい。
      唯の少年じゃあない。彼は今、私の中で『狭間』にいる」
               ..
    「――――『立石』君が最後に連絡を取ったのが、
     この子であるというのなら、何か『関わり』があるかも知れない」

銀縁眼鏡を掛けた初老の警察官が、
『安山』を静かに制しながら『夕立』に向き直る。

    「失礼。
     『立石』に代わって『窃盗事件』の捜査を取り仕切っております、
     『讃岐』と申します。……まずは、『奥』へ来てくれるかな?」

    「『立石』が最後に何を言っていたか、聞かせて欲しいんだ。
      彼は『病院』にいる。――――話せる状態じゃあないんだ」

    「『持病』や『事故』で倒れたわけじゃあない。
     ――――全身を『刃物』で刺され、生死の『狭間』にいる」

『讃岐』は淀みなく事情を説明する。
周囲の様子を見るに『捜査』に携わっていたことを知られてはいない。
数人の警官と共に、『木山』が階段を上がっていく。顔を見られてはいない。

    「事態は一刻を争う。
     ――――まだ、『犯人』は見つかっていないんだ」

    「捜査へのご協力、願えますか?」

『讃岐』の


>>335(塞川)
>「いや、『夕立』が何か言ってたっけな。
> たしか、需要と供給を……そういう『能力』」

    「左様でごぜェます」

    「アタシの『アナーキー・イン・ザ・UK』は、
     『神の見えざる手』を、少しだけ『早める』能力」

    「逆を言えば、『需要』と『供給』が一致しなければ、
     アタシの出る幕はない。――――そーいうことでごぜェやす」

『曳舟』はエレベータードアの端面を押さえたまま、
腰を曲げたまま『塞川』へと上目遣いを送っている。

    「『加佐見』様も心を改め、『自首』するおつもりでしょう。
     ――――最も、その『心』とは現状への『諦念』によるもの。

     『切江』様への『敬意』にて生じた『決意』ではないのは、
      いささか『残念』ではありますが、これもまた『運命』でごぜェやす」

    「……と、もうじき『救急車』もやって参ります。
     此方は『アナーキー・イン・ザ・UK』のスタンド能力でもなんでもなく、
     ちょいとケータイで呼んだだけでして、……ヘッヘッヘッ」

337鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/08(土) 22:35:34
>>336

>    「あぁ゙!?

>     ナマ言ってるんじゃあねェぞ、小僧。
>     俺達『警察』にとっちゃあ、全ての事件が身内の事件ッ」

「・・・・・・・・・・」
「オレの妹の事件もそう思ってくれてるなら、言うことはありませんよ」

大柄な警察官にも、特に怯える必要もない。
『スタンド』を手に入れたのも、あの『窃盗事件』に首を突っ込んだのも、あの『通り魔』を探し出す。
あるいはそういっと存在から、大切な人間を守るためだ。その為には命を懸ける。
だから、何としてもここで手掛かりを失うわけにはいかない。
しかしこの感情的な男では進展も望めなさそうだが───。


>    「失礼。
>     『立石』に代わって『窃盗事件』の捜査を取り仕切っております、
>     『讃岐』と申します。……まずは、『奥』へ来てくれるかな?」

>    「『立石』が最後に何を言っていたか、聞かせて欲しいんだ。
>      彼は『病院』にいる。――――話せる状態じゃあないんだ」

>    「『持病』や『事故』で倒れたわけじゃあない。
>     ――――全身を『刃物』で刺され、生死の『狭間』にいる」



「『刃物』」

思わず拳を握りしめる。
繋がってきている、確実に。全体図の見えなかったパズル。その四方が、確かに埋まりつつある。
いや、だがしかし。今度狙われたのは、まさかの『立石』さんだと?

>    「捜査へのご協力、願えますか?」

「無論です」「オレはその為にここへと来ました」
「妹の名前は『鉄 朝陽(くろがね あさひ)』」「数ヶ月前に『被害届』を出した者です」

この『讃岐』という男性があの事件を知っているから分からないが、ひとまず説明だけはしておく。
そのまま言葉に従い、奥へと進んでいこう。

338『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/09(日) 00:24:43
>>337(夕立)
『夕立』は『取調室』に案内され、一人になる。

   トンッ

しばらくして、『讃岐』と『安山』が再度現れ、
『紙パック』のオレンジジュースが目の前に置かれる。

   「さて、何から話しましょうか」

   「君の『妹』さんの事件は、非常に痛ましく思ってます。
    『捜査陣』が全力を以て、解決に当たっております。

    ――――が、私は『立石』と同じく『窃盗犯』の担当でね。
    実を言うと、かの『通り魔』の一件には携わっていないのですよ」

   「『立石』と……、……『切江』さんの『襲撃事件』も、
     私の担当ではなくなる。彼の担当していた『事件』も、
     先程になって『犯人』が自首をしてきました」

『讃岐』が口火を切る。『安山』は黙したままだ。
じっと岩石のような顔で『夕立』を見ている。

   「――――が、『報道』はされるでしょう。
    使用された『刃物』は、貴方の妹さんの事件と一致している。

    そして、『目撃者』がいないという点も含めて。
    現場は歓楽街の『雑居ビル』にも関わらず、あまりにも不可解だ」

   「そして、『立石』からは庇い傷を始めとする、
    『抵抗』の痕跡が見られましたが……」

   「『切江』さんは『無抵抗』だ。
    ……まるで、『斬られる』ことを望んだかのように」

339鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/09(日) 00:49:14
>>338

「…そうでしたか」

『加佐見』が自首した事に、内心安堵する。これで憂いなく、この『通り魔事件』へと取り組める。
しかし、犯人の目的は一体何なんだ。切江が犯人を顔を知っているとすれば、『口封じ』か?

「・・・・・・・・・・」

「『切江』さんの容態はいかがですか?」「その反応からすると、『切江』さんは犯人と面識があるのかもしれません」

当然警察はその点も気付いているはずだ。
それでいて手をこまねいているのは、恐らく切江も立石さんと同じか、あるいはより酷い状況か、だ。
そしてどこまで本当の事を伝えるべきか。この二人が立石さんのように融通が利く人間ならいいが。

「ちなみに、この一連の事件を担当しているのは『一課』の方ですか?」

340『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/09(日) 01:13:30
>>339(夕立)
「無抵抗で『斬られて』いる以上、
 ――――『切江』さんは『絶望的』でしょう」

    「まるで、『自殺』のように『抵抗』の跡がなかった、と」

『讃岐』はハッキリと言い切った。
隣で聞いていた『安山』がギョッとして振り向いた。

    「ちょっと、『讃岐』さん。
     いくらなんでも、『部外者』に喋り過ぎですよ」

    「私も『被害者』の身内に対してなら、ここまで話しません。
     彼は『関係者』と『部外者』、その『狭間』にいるのですよ」

意味深な言葉を『安山』に送り、『讃岐』は改めて『夕立』に向き直る。

    「ええ、この事件は『一課』の担当になります。
     ――――『一課』は犯罪捜査の花形。エリートそのもの」

    「私や『立石』のように、『緩い』捜査はしないでしょうね」

341鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/09(日) 21:29:18
>>340

「…分かりました」「犯人はもはや『殺人』に手を染めている、という事ですね」

『讃岐』さんの言葉に頷く。
『切江』が亡くなってしまえば、手掛かりはあの『札束』だけだ。
切江が通り魔本人だと仮定して、死を装った偽装工作も考えたが、
少なくとも今、切江は警察の監視下にいるのだろう。もし逃げ出したなら、遅かれ早かれ分かるはずだ。


「・・・・・・・・・・」
「『加佐見』から押収した現金は、こちらにありますか?」

342『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/09(日) 22:02:22
>>341(夕立)
>「『加佐見』から押収した現金は、こちらにありますか?」

   「ええ、およそ『1000万円』分の現金」

およそ、と前置きをする『讃岐』。

   「まだ此方にはありませんが、
    『第七ボックスビルヂング』へ駆け付けた警官が、
    その存在を確認しております。――――全て『千円札』で」

『現金』を動かすとなると、それなりに手続きがいるのだろう。
『自首』とはいえ、『現金』の存在を知るのは、今は『加佐見』だけだ。
彼の発言一つで易々と動かせるものではないようだ。

   「なんだ、色々と『落描き』がされていたヤツか。

    ――――で、お前は何者なんだ?
    『立石』さんは『三課』のヒトなんだ。

    『通り魔事件』なんて、あのヒトの管轄じゃあない。
    お前は何故、『立石』さんから連絡を受けたっていうんだ」

『安山』の追及が始まる。
……が、これ以上の情報を得られることはないだろう。

343鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/09(日) 22:55:28
>>342

「…オレは『立石』さんの知人です」「とはいえ、会ってからそう時間は経っていませんが」
「『立石』さんに助力を求められて、オレはそれに応じました」

「『加佐見』が自首したのは、『立石』さんの尽力あってこそです」
「そしてその『落書き』は、極めて重要な証拠になる可能性があります」
「その『落書き』の中に、オレの妹が描かれていましたから」

「それと、もし『超能力』のような現象が捜査の妨げになった場合、オレに連絡を下さい」
「『立石』さんが無事に仕事に戻れようになるのを、心から願っています」

それだけ告げて、立ち上がる。
詳細な顛末を説明して、後ほど立石さんが糾弾されるのは困る。自分にも飛び火しかねない、という利己的な考えもあるが。
ひとまず、伝えるべきことは伝えた。自分はこの『警察署』を去るとしよう。
帰り道で『自転車の鍵』を買って、元の場所へと返さなければ。

しかし『切江』が犯人でないとするならば、あのストーリーはどうやって思いついたのか?
やはり誰か、協力者のような者がいたのか。だとすると、真っ先に疑わしいのは『木山』だが。

344『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/09(日) 23:53:15
>>343(夕立)
>「…オレは『立石』さんの知人です」「とはいえ、会ってからそう時間は経っていませんが」
>「『立石』さんに助力を求められて、オレはそれに応じました」

    バァンッ

 「何を言って、見たところ唯の子供だろうが!」

でたらめを吹き込まれたと思ったか、『安山』が机を思いっきり叩く。
反して、『讃岐』は思案顔になって、『夕立』を見る。

 「『窃盗事件』というのは『物証』が残りやすく、
   過去の事件と『手口』が類似する傾向が強い」

 「よって、新規性の高い事件に遭遇した『刑事』の中には、
  前科のある『民間人』や『民間企業』に協力を依頼するケースもある」

 「今となっては、『立石』が何も話せない以上、
  君を追及しても無意味だろう。――――『ご協力』、感謝致します」

『讃岐』は静かに一礼をする。
二人が立ち上がるに応じて、『夕立』も席を立った。
『協力』がどちらの事件を指すか、ハッキリとは言わない。

            ・

            ・

            ・

近所のディスカウントショップで『U字ロック』を購入し、
『自転車』を元の場所に戻した。

あの『ストーリー』はどうやって思いついたのか?
『加佐見』は明らかに『異質』であると断言していた。

>……極端を言えば、私が死んでから『最終回』を公開してくれるのなら、

>「私が死に、『描けなく』なると周知されれば、

>「『切江』先生に、何かあったのかも知れない。
> 自身の『人生観』を揺るがすような事件が、

>「まるで、『自殺』のように『抵抗』の跡がなかった、と」

死を匂わせる言動を繰り返した『切江』、
『時雨蛙』が遂げた『異常』な末路を訝しむ『加佐見』、
そして、『死』を望んだかのように『無抵抗』となって、

    ズキッ

『スロウダイヴ』に殴られた脇腹が痛む。
――――今は、『病院』へと急いだ方がいいだろう。

345鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/10(月) 00:56:20
>>344

『病院』へと歩きながら、考える。

「…何か、『切江』を狂わせるような出来事と。あるいはそんな人間と、出会ったのか?」
「だとしても、その手掛かりは今や『立石』さんのみか」
「いや、そもそも『遠隔操作型スタンド』や、あるいは周囲に複数の人間がいた可能性もあるか」
「その場合、本体が誰なのか判断するのは不可能だ」

あるいは『木山』さんなら、先生の最近の出来事を記憶しているだろうか?
ならば、次は彼へと聞き込みをするか─────。


>    ズキッ

「ぐうっ・・・」

脇腹が痛む。これは流石に、自然治癒で治るレベルではない。
個人的な捜査で動くにしても、まずは傷を治してからだろう。
家族への言い訳も考える必要がある。なるべく心配をかけないようなものを。

346塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/06/11(火) 21:07:53
>>336
「無茶言うなよなァ。
別に私はカウンセラーでも何でもない。
ただ……そうだな。あの『最終回』。どこが気に入らなかったんだ?」

『エレベーター』に乗り込みながら、『加佐見』に尋ねる。

「『マンガ』の出来不出来の話なら、
私にはわからんがね」

347『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/12(水) 00:56:21
>>346(塞川)
『加佐見』に話しかけようと、
開け放した扉から『オフィス』へと振り向いた。

     シ ィ ィ ン . . .

誰もいない。
『加佐見』どころか、『加佐見』の滴らせた血痕や、
『夕立』が放り出した『札束』まで、影も形もなくなっている。

     「これはこれは、説明もせずに失礼を致しました。

      ヘッヘッヘッ、『アナーキー・イン・ザ・UK』。
      たった今、『需要』と『供給』が一致しましたもので、

      最寄りの『警察署』まで、お送りになられたのかと」

『エレベーター』の扉が閉まり、『オフィス』を後にする。

     「ヘッヘッヘッ、気を悪くしたのなら、申し訳ねェです。
      『事件』の解決だけで御の字ってのは、モチのロン。

      それに、『加佐見』さんの『悔い改める』為の時間は、
      それこそたっぷりと用意されてますからなァ、

      ゆっくりと一人きりになって、己の心に気付くというのが、
      本来の道筋ですかねェ。――――スタンド能力に頼っていると、
      どーしても『性急』になっちまいまして、よろしくねェですなァ……」

それだけ、人の心というのは計り知れないのだと、『曳舟』は付け加えた。
小汚い風体をした卑屈な醜男だが、『仲介人』を自称する以上、
人と人を繋ぐ傍ら、理解に及ばぬ場面にも遭遇してきたのだろう。

348塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/06/12(水) 21:11:04
>>347
「………派手な『能力』だな」

呆気に取られ、やっとそれだけ口にした。
ため息をついて、エレベーターに乗り込む。

「まあ、確かに…………
今回のような人の心の底を覗くようなマネは、
なるべくなら、やりたくはないもんだな。
何が潜んでいるかわかったもんじゃあないぜ。誰の心にもな」

呟くように言った後、
『立石』や『鉄』の状況を『曳舟』に尋ねた。

349『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/14(金) 22:45:29
>>348(塞川)
『塞川』は『立石』と『鉄』の状況を尋ねる。

    「―――ヘッヘッヘッ、申し訳ねぇですが、
     アタシにはその辺りはさっぱり、解らんのですよ」

どうやら二人の様子を『曳舟』が知ることは出来ないようだ。

     ポン♪
             シュゴォォ―――――

    「何にせよ、まずはお疲れさまでした。

     後はどうぞ、病院のベッドでごゆるりと……」

『曳舟』が一礼する。
外に通じるガラス扉の前には、『救急車』が停車していた。

>ALL
重傷を負いながら、何とか帰還した『塞川』。
『手掛かり』までは至らず、更なる『謎』に遭遇する『夕立』。

――――『通り魔』は未だ、その姿を見せず。

鉄 夕立『シヴァルリー』→『肋骨骨折』、『全治三週間』、『50万円獲得』

塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』→『胸骨骨折』、『全治三週間』、『50万円獲得』

350『アポなし泥棒御用なり』:2019/06/16(日) 21:44:33
『ファクシミリ』によってスタンドパワーを『送信』し、
受信先にある『紙』と一体化して発現するスタンド。

触れた物体を『ファクシミリ』に変える。
『ファクシミリ』に内包されている『紙』は、
別の『ファクシミリ』へと『送信』される。

『ファクシミリ』は『紙』を内包してなければ利用出来ないが、
ヴィジョン自体が『紙』としての性質を持つため、
『接触中』であれば、あらゆる物体を『ファクシミリ』に出来る。

『ファクシミリ』は『市内局番』でなければ受送信が出来ず、
事実上の『射程距離』となる。

『スロウダイヴ』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:D 精密動作性:C 成長性:E

351『凍える刃』:2020/06/17(水) 22:02:19



その日が何時だったか、詳しくは覚えていない。



      ・      ・      ・


   チュン
              チュン    チュン . . .


カーテンの隙間から漏れる陽光に照らされ、『鉄夕立』は目を覚ました。

壁に掛かった時計の指し示す時刻は、『午前六時半』。
扉に貼られた『日めくりカレンダー』の、真っ赤な字が『日曜日』と教えてくれる。

もう少し、『高校一年生』の『夕立』であれば、眠ってもいい時間だろう。
だが、カレンダーの余白に書かれた丸文字は、それを許さない。

          。
     『星見ヒア 丿 コンク一 ル 当曰!』

                              ,,
                      『寝ぼうは夕メ!』


     『リビングに集合 /』
                   ・

誰が書き残したのかは明らかだった。
今日は『朝陽』が出場する、『ピアノコンクール』の鑑賞に行く約束だ。
『星見町』の近隣には名だたる楽器メーカーが立地し、早くから『音楽のまち』として知られ、
その成果の一つとして、大小様々な『ピアノコンクール』が途絶えることなく開催されていた。

      〜〜〜〜〜♪

                     〜〜〜〜〜♪

部屋の外から『ピアノ』の演奏が聴こえてくる。
『忘れられたワルツ第一番』、コンクールの課題曲だ。

ttps://www.youtube.com/watch?v=aiG0s0GhKt8

352鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/17(水) 22:25:10
>>351


「・・・ん・・・・・」

朝日の眩しさに目を瞑りながらも、布団から上体を起こす。今日の部活動は休みをもらっている。
だからといって、このまま眠りこけるわけにはいかない。もしそうすれば、朝陽に踏みつけられる目覚めになる。

『忘れられたワルツ第一番』を聴きながら、寝巻きから予め用意した外着に着替える。
黒いスラックスにワイシャツ、黒いベストにネクタイの礼装姿だ。

「しかし…腕を上げたな、朝陽は」

淀みなく耳に届くリズムを聴きながら、思う。
かつて朝陽がピアノを始めたいと聞いた時は、少なからず驚いたものだ。
彼女の性格的に、自分と同じ武道の道を歩むか、あるいはスポーツを始めるかと予想していた。
物珍しさで、普段と違う行動を取ってみたいのか。始めたとしても、すぐに諦めてしまうのではないか。そう感じていた。
だが、朝陽の意思は本物だった。だから、自分も彼女の意見を尊重して両親に勧めた。
その結果、このような心地良い音を作り出すまでに至ったのだから、我が妹ながら見事という他ない。

さて、着替え終えた所で朝陽の様子を見に部屋を出よう。なるべく集中を妨げないように、静かに。

353『凍える刃』:2020/06/17(水) 23:05:48
>>352(夕立)

   すばっ
            ぱささっ

『コンクール』に相応しい衣裳は、既に用意している。
『ワルツ』を奏で終えるよりも早く、『夕立』は身支度を済ませた。

   〜〜〜〜♪

              スゥゥゥ...

                           〜〜〜〜♪

『夕立』は忍び足で廊下を渡り、『朝陽』の部屋へと向かう。
近隣への配慮も考えて、この部屋には『防音壁』が施されている。
それでも尚、『ワルツ』が漏れ聴こえるのは、僅かにドアを開けているからだ。

   〜〜〜〜♪

                       ――♪   ― ・ . ,
                                      '

           フゥー

演奏が終わり、代わりに押し殺した吐息が漏れた。
『朝陽』は飾り気のないワンピースを着ている。『夕立』には見慣れた普段着だ。
会場には『主演控室』がある。彼女はそこで着替えるのだろう。

     く   「あっ、お兄ちゃん。 ……おそぉーい!」
     る
      っ       「それに、リビング集合だよ!
               ねぼすけだから、見逃しちゃったの?」

振り向いた『朝陽』がいたずらっぽく笑って、開口一番に兄をからかった。
背の中ほどまで伸びた『黒髪』が揺れ、陽の光を照らして鮮やかに踊る。

小さな頃は、『夕立』に負けず劣らずの『ベリーショート』だったが、
『ピアノ』を切欠に伸ばし始めた『黒髪』の美しさは、親戚一同を驚かせた。

         「お兄ちゃーん、朝ごはーんっ」

急な出勤が重なり、『両親』は昨日から留守にしていた。
『コンクール』への急な欠席に対し、ちょっとグズって見せた『朝陽』に対し、
『お兄ちゃんが聴いててくれるから』、と宥めたのは母親だった。

『夕立、朝陽を頼んだぞ』、と家長らしく父親が締めたはいいものの、
その言葉は兄妹の間で拡大解釈され、『一日専属マネージャー』のような協定になっていたのだ。

湖畔にある『コンサート会場』まで『朝陽』と共に連れ立てば、
会場にいる『ピアノの先生』が、後の手筈を整えてくれる。

         「お茶づけ、つくってー。シャケのやつ」

     ――――ぱたんっ

それだけ言い残すと、『朝陽』は鍵盤に蓋をして部屋を出る。

354鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/17(水) 23:34:45
>>353

「おはよう、朝陽」
「一応確認したが、様子を見にきたくてな。『コンクール』を前に緊張しているかと思ったが…」

「どうやらその心配はいらなさそうだ。お前なら大丈夫だな」

相変わらずの憎まれ口を叩く余裕があるなら、問題はなさそうだ。こちらも笑う。
以前とは見違えるほど伸びた黒髪を見る。
口調は相変わらずだが、少しばかり、おしとやかさのようなものができた気がする。
元気なのも素晴らしいが、いずれは愛する人と結婚し家庭を作るのなら、
多少なりとも女らしさがあった方が候補の相手が多く見つかるだろう。
もっとも、それはまだまだ朝陽には早いだろうが。

「分かった分かった。少し待っていてくれ」

朝陽の次に部屋を出て扉を閉め、台所へと向かう。
お茶漬けの素を使って、楽に調理したい所だが。朝陽にとってはここ一番の大勝負だ。少しばかり手をかけよう。

最初にご飯をあらかじめ茶碗によそっておき、次にお湯を沸かしておく。
そしてまな板の上でシャケの皮を取り、ある程度食べやすいサイズに切り。グリルで両面を焼く。
薬味は海苔にごま、新生姜を盛り付けて、しっかり焼けたシャケをその上に乗せる。これを二つ。
あとはヤカンの湯が沸けば、それを急須に注いで、煎茶を作り。全てお盆の上に乗せ、朝陽の元へと赴く。
あまり料理は得意ではないが、これくらいならできる。当然朝陽もそれを知っていて、リクエストしたんだろうが。

「ほら、火傷しないようにな。茶も出来立てだから熱いぞ」

茶碗を互いの目の前に置いて、間に急須を置き。自分も机の前に座り、両手を合わせた。

「頂きます」

355『凍える刃』:2020/06/18(木) 00:08:06
>>354(夕立)
>「どうやらその心配はいらなさそうだ。お前なら大丈夫だな」

「そだねぇー、平気平気。

 こう、ゆらゆらっ、と指が泳いでたから、
 今日は大丈夫。……それよりー、おちゃづけー」

『朝陽』は宙空で十指を躍らせ、快調をアピールする。
朝食を急かす『朝陽』を背にして、『夕立』は台所へと向かう。

      ジジジ……   ボッ

            じゅぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っっ

 イ ン ス タ ン ト
『お茶漬けの素』や鮭フレークには頼らない。
手際よく魚を切り、焼き、薬味の準備にも手抜かりはない。


      トクトクトクトクトク . . .


  「わあぁ、め ・ ざ ・ め ・ るゥゥ〜〜〜〜っ」


『朝陽』は洗面台で改めて髪を梳かし、身支度を整えていた。
煎茶の薫り高き、台所に足を踏み入れた瞬間、嬉しそうに声を上げた。
二人はダイニングテーブルを挟んで向かい合い、

>「頂きます」

            「いただきまーす」

『朝陽』は多めに生姜を乗せ、ほぐしたシャケの身を口に運ぶ。
瞬間、満面の笑みを浮かべる。

    「ああぁぁ〜〜〜〜  おいしぃ〜〜〜〜っっ
     シャケの塩っ気とアブラっこさが口いっぱいで、
     ショウガとおちゃちゃで身体がポカポカだぁぁ〜〜〜〜っっ」

     私、お兄ちゃんがいて良かったぁぁ〜〜〜〜ッッ」


                「――――アチチッ」


フゥーフゥー、と息を吹きかけながら、『朝陽』は満足そうに茶漬けを食べている。
調子のいいことを言いながら、茶碗で二杯をあっという間に完食した。

     「―――――ごちそうさまでしたっ」

『朝陽』は茶碗と湯飲みを流し台でゆすぎ、『食器洗浄機』に立て掛ける。
軽く手を洗ってから、また洗面台に移動する。歯磨きをするようだ。

356鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/18(木) 00:23:30
>>355

朝陽の喜ぶ顔を見て、思わず綻んでしまう。
家族の幸せを目にできたなら、慣れない炊事もしてみるものだ。
ここでまた調子の良い一言が出るのが、やはり朝陽ではあるが。

「オレの存在価値は『シャケ茶漬け』で実感されるレベルか…」

そう言って、自分も同じものを口に運ぶ。美味い。さっぱりとした、優しい味わいが広がる。
たまにならパンも良いが、やはり自分は白米派だな…と感じた。
一口一口味を噛み締めていたら、すぐに茶碗のご飯が空になった。残った煎茶を飲み、再度手を合わせる。

「ごちそうさまでした」

自分も手早く食器を洗い、食洗機に入れて起動させておく。
自動で乾燥までしてくれる、まさに文明の利器だ。洗い物が溜まらずに済む。
朝陽が洗面台に行ったのを見て、先にトイレを済ませておく。
その後で、洗面台で手を洗い歯を磨いておこう。腕時計をチェックする。
時間にまだ余裕はある。朝陽を焦らせずともいいだろう。

357『凍える刃』:2020/06/18(木) 01:12:43
>>356(夕立)

>「オレの存在価値は『シャケ茶漬け』で実感されるレベルか…」

兄の存在意義を問うように呟きながら、『夕立』も食事を終えた。
二人はそれぞれ出発の準備を済ませ、共に家を出る。


      ・       ・       ・


『鉄家』から市街地へ向かう途中、郵便局前の『バス停』から、
『コンサート会場』のある『湖畔公園』までは直通のバスが出ている。

それとない雑談をしながら、二人は会場へと到着する。
会議室やギャラリー、カフェの併設された『市民ホール』だ。

エントランスホールには出場者らしき小中学生や、
その両親や友人達が、三々五々に散らばっている。

       「あぁー、もう!  裾、出てるでしょッ!
        ちゃんと、しっかりしてよ! そーゆーのも見られてるの!」


       「……………」

                          ドタドタドタッ

          「ちょっとマーくん!」

                          「こらー、ダメでしょー!」


時間に余裕はあるが、些細な服装の乱れを注意する母親の声や、
緊張でカチコチになってウロウロする中学生、物珍しそうに会場を走る小学生。
小規模なコンクールのためか、会場の空気は何処か散漫としている。

『朝陽』はうるさそうに顔を顰めたりもせず、『夕立』と共に受付を済ませる。

     「お兄ちゃんの席は、……ここかぁ」

父兄に渡されるチケットには『鑑賞席』が記されている。
『夕立』は真ん中より後ろの方だ。会場全体が見える位置だ。

      「あっ」

          『寿美』先生、おはようございますっ」

唇を尖らせていた『朝陽』だが、ふと視線が動いた。
目的の人物を見つけると、その下へと歩み寄って一礼をする。

             「『朝陽』さん、おはよう。
              今日はいつも通り、かな?」

     「――――あら、今日は『夕立』君が一緒なの。
      お兄さんのエスコートがあるなら、大丈夫そうね」

おはよう、と穏やかに笑いかけ、『夕立』に挨拶をするのは『濱中寿美』。
猫っ毛のショートヘアに丸眼鏡、クラスで背の低い方の『朝陽』よりも、小柄な体躯だ。
三十代そこそこではあるが、町内で小さな『ピアノ教室』を開き、『朝陽』はそこに通っていた。

     「もー、兄さんは関係ないですから」

     「はいはい。それじゃあ、控室で着替えましょう。
      ―――――『夕立』君。それじゃあ『舞台』でね」

二人は踵を返し、控室へと続く階段を昇っていく。

『寿美』のピアノ教室からは、『朝陽』も含めて数人の生徒がコンクールに参加している。
――――『情操教育』としての側面もある『ピアノ教室』は、早ければ『二歳』から通わせる親もいる。
十指を巧みに動かして『脳』を鍛え、美しい旋律に触れて『音感』を磨き、反復練習で『継続心』を養わせる。

『朝陽』がピアノを始めたのは、他の生徒に比べて遅かった。
ましてや、『寿美』は個人教室だ。ライバル達はより早期から、より大きな教室に通う。
家によっては、子供部屋には収まりきらない、本格的な『グランドピアノ』を有している。

358鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/18(木) 21:17:36
>>357

『コンサート会場』に到着した。
既に到着している選手の面々は、親から注意を受ける者や、緊張と戦っているものなど様々だ。
自分が小学四年生の時に、初めて剣道の大会に出た時は、かなり緊張した側だった。
その時に比べれば、さすがは朝陽。我が妹ながら、堂々としている。
まぁこいつが緊張している姿など、兄の自分でもあまり想像できない。
コンディションは上々、と言ったところか。

「近過ぎず遠過ぎず、良い席だな」

もちろん『コンクール』の主体は音なのだが、見る場所というのも自分には大事だ。
何故なら両親に『撮影係』も任されているからだ。鞄の中には『ビデオカメラ』が入っている。
と、誰かに気付いた朝陽がそちらへと近寄って行った。彼女にピアノを教授している、『濱中』先生だった。

「お、お早うございます」
「ご期待に添えられるよう、全力を尽くします」

少しどもりながらも、一礼をする。
何度か顔を合わせているので初対面よりはマシだが、それでも『女性』というのは緊張する。
朝陽と合わせて二人を見送って、ある意味ほっと安心した。
自分も指定された席へと向かい、座って『ビデオカメラ』を取り出す。

朝陽はこのコンクールに出演している生徒の中では、経験が浅い方だろう。
だが、自分はそれを補おうとする朝陽の努力を知っている。願わくば、全力を出し尽くせるように。
そしてあわよくば、彼女の望む結果が訪れるように。

359『凍える刃』:2020/06/18(木) 23:42:38
>>358(夕立)
>「お、お早うございます」
>「ご期待に添えられるよう、全力を尽くします」

    じとぉ .  「お兄ちゃんが頑張って、
       .・             どーするのよ」

挙動不審になる『夕立』に対し、『朝陽』の冷たい視線が送られる。
兄の癖に対し、『キョドるのキモい』と一言で切って捨てられたこともある。

二人と別れ、『夕立』はビデオカメラを手に取る。
音の出る『スマートフォン』を禁じる『コンクール』も少なくはない。
『ビデオカメラ』のバッテリーも十分。撮影方法も熟知している。


            フッ .  .  .


多くの父兄が座席に付き、開会の時間になった。
観客席の照明が絞られ、場内にアナウンスが響き渡る。
スマートフォンの電源や席を立つ場合の案内など、
聞いている分には『映画館』のアナウンスと大差はない。

       「――――と、三十年以上に渡って、
        若人の努力と研鑽を発表する場でありながら、
        文化振興都市として名高い『星見町』は、
        業界問わず、多くの文化人、著名人を輩出したわけであり――――」

『コンクール』の審査基準、それぞれの課題曲の選定経緯に触れつつ、
この『コンクール』の歴史、在り方を熱っぽく語る『審査委員長』。
ともすれば眠気を誘う語りだったが、それもやがて終わり――――


       「エントリーナンバー、1番。
        市立はばたき小学校四年生、『若草千広』ちゃん」


名前を呼ばれると、ドレスを纏った少女が、譜面を手にしてステージに現れる。
先程、母親に『服装』を注意されていた少女だ。件の母親は、『夕立』の隣にいる。


       「………」


母親はカーティガンの裾をギュッと握り、落ち着かなさを見せている。
が、少女がステージへと一礼し、会場の拍手を背にしてピアノの前へと座し、
ゆっくりと鍵盤の上に指を乗せ、身体を弾ませる。


          〜〜〜〜〜♪
                          〜〜〜〜〜♪


課題曲は五分程度の短いものだ。
淀みなく弾き終えた少女が立ち上がり、一礼をすると拍手が響き始める。

   パチパチ
            「良かったわぁ……」
                                       パチパチパチッ

カーティガンの裾を握っていた手を離し、母親は安堵の声を零した。
二番、三番とエントリーナンバーと名前を呼ぶアナウンスが響き、
その度に出場者が現れ、一礼をしては演奏を始めていく。


            「エントリーナンバー、14番。
             私立清月学園中等部二年、『鉄朝陽』さん」


そして、『朝陽』の名前が呼ばれた。

360鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/19(金) 00:10:49
>>359

この『コンクール』に関わる様々な事に対して、熱意を感じさせる説明を行う『審査委員長』。
正直なところ、ここに来ている大半の人がその中身に興味はないと思うが、あまり無碍にはできまい。
眠気を堪えて話に耳を傾けて、ようやく終わったところで内心安堵した。
少し眠気が襲いかけてきたところだ、今度は言葉ではなく演奏に聴き耳を立てよう。

(おや・・・)

先程親から注意を受けていた少女が、ステージに上がったようだ。
その母親は自分の隣にいるが、忙しなく落ち着かない様子だ。
一方その娘は、母親よりも堂々としている。そして席につき、演奏を始めた。

それは、さほど長くもなく終わった。
音楽に関しては門外漢の自分だが、小学生ながら上手な演奏だったように思える。
隣の母親も、無事に娘の演奏が終わって安心したようだ。そんな光景を見て、こちらも嬉しくなってしまう。

こんな当たり前の日常が、幸福が、誰にでもずっと続いてほしい。そう願わずにはいられない。
そうしている間に、次の演奏が始まった。それに耳を傾けていると、あっという間に朝陽の番が来た。


(・・・・・・・・・・)


何故か自分まで少し緊張しているのを感じつつも、ビデオカメラの録画ボタンを押して、構える。
どうか、彼女にとって満足のいく結果になりますように。

361『凍える刃』:2020/06/19(金) 22:11:54
>>360(夕立)
緊張の余り、独り言をブツブツ呟いていた男子中学生は、
ピアノの前では落ち着き払った様相を見せ、しなやかに音色を響かせる。

エントランスを駆け回っていた小学生は、参加者の中では最年少だった。
スキップのような早足の登場や、ピョコンと跳ねるような一礼は観客の笑いを誘ったが、
鍵盤に触れた指先の奏でる『ワルツ』は、朝に訊いたものと遜色はない。

        ピッ
              スウゥ ・ ・ ・

『ビデオカメラ』を構え、『朝陽』の登場を待つ。
アナウンスの後、舞台袖から一人の少女が現れた。


     ―――――――  ・  ・  ・


瑪瑙のバレッタでまとめ上げられた黒髪は、
後頭部で結い上げられ、小造りの白貌を一層引き立てる。

朝、無邪気にお茶漬けを啜っていた唇には薄いルージュが彩られた。
モスグリーンのAラインドレスから、細くしなやかな四肢が伸びている。

『寿美』の手によって成し遂げられたドレスアップ、
一礼を終えた『朝陽』はピアノの前に腰掛け、十の指は舞って。


    ――――――♪

ttps://www.youtube.com/watch?v=aiG0s0GhKt8

                      ――――――♪


それは『グランドピアノ』による澄み渡る音色と、
客席の隅々にまで音響を伝え届かせる『空間』の設計の結実。
何より、緊張や動揺による『精神的枷』のない、純然たる『旋律』。

朝に訊いたはずの『ワルツ』を忘れさせる程の『豊潤』さ。
ビデオカメラを手にした『夕立』は、時の過ぎる感覚を忘れていた。

           。
        ノ \
            ツ                  。
                            ノ \
                                ツ


          バアアアアァァァァ――――z______


放心した観客達、呼び水のように響いた最初の溌音。
それに相俟って、老若男女を問わず、万雷の拍手が空を打ち続ける。

362鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/19(金) 22:30:09
>>361

一瞬、ステージ上に上がった女の子が自分の妹、朝陽だとは分からなかった。
普段とは衣装が違うだけでなく、ほんの少し紅を引いているのか。
いつもの元気ではあるが少し騒々しい様子とは、真逆と称してもいいようだ。
『男子、三日会わざれば』と言われるが、女子は数十分会わないだけでもここまで変わるものか。

「・・・・・・・・・・」

間違いなく、流れている曲は朝に聴いたものと同じはずだ。子細な音符に至るまで、アレンジはされていない。
にも関わらず、その『楽器』が。この『ステージ』が。そして朝陽の『コンディション』が。
同じ曲を更に美しい旋律へと引き上げている。耳を奪われる、という表現でも足りるかどうか。
ビデオカメラでの撮影こそ続けていたが、意識は流れる音楽に完全に奪われていた。


>           。
>        ノ \
>            ツ                  。
>                            ノ \
>                                ツ


>          バアアアアァァァァ――――z______



「・・・・・っ」

周囲の拍手を受けて、ようやく我に帰った。
それで演奏が最後まで終わったのだと理解して、少し残念な気持ちもあるが、何よりも安心した。
録画を止めてビデオカメラを膝下に置くと、自分も同じように拍手を送る。
とても誇らしい気持ちであり、何よりも嬉しい気持ちだ。彼女の努力は決して裏切らなかった。
結果発表も待ち遠しい。ただ今は、コンクールの全てが終わる時まで余韻に浸っていよう。

363『凍える刃』:2020/06/19(金) 22:56:19
>>362(夕立)
空気が破裂するような拍手は、
兄の贔屓目を除いても、会場で最も大きく響いていた。

一礼を終え、顔を上げた『朝陽』の視線が、真っすぐ『夕立』を見た。
彼女は静々と舞台袖へと下がり、拍手も徐々に波引いていく。

            「エントリーナンバー、14番。
             私立光檀女学院中等部一年、『須藤友奈』さん」


    ・

    ・

    ・


参加者全ての演奏が終わり、結果が発表された。
『最優秀』に選ばれたのは、――――『鉄朝陽』だ。
『奨励賞』などに選ばれた時はあったが、『一位』は生まれて始めてだ。

『審査委員長』の熱弁がたっぷりと披露されてから、
『寿美』に付き添われた『朝陽』が、恭しく『記念楯』を受け取った。
再び、会場中に割れるような拍手が反響していく。

『鉄夕立』の心に、暖かな熱が満たされてくる。
心奥にはあの時の『演奏』が余韻として残り、響き揺れる。


    ・

    ・

    ・


『エントランスホール』には、演奏を終えた参加者達が集まっている。
各々の頑張りを褒める父兄、先程の母親は涙ぐんで子供を抱き締めている。


    「『夕立』君、こっちこっち」


『控室』に続く階段の傍から、『寿美』が嬉しそうに声を掛ける。
その傍にはドレスアップしたままの『朝陽』が、所在なさげに佇んでいる。

364鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/19(金) 23:29:48
>>363

そのまま他の出場者も演奏を続けていく。
もちろん皆一様に素晴らしい演奏だったが、やはり一番心に残ったのは朝陽のワルツだった。
ひょっとして、身内に対して冷静な判断ができていないのかもしれない。あるいは自分の感覚が間違っているのではないか。
しかしそんな自分の心配を吹き飛ばすように、『審査委員長』からコンクールの結果が発表された。
『最優秀賞』を取ったのは─────鉄朝陽。オレの大切な妹だ。
ハンカチを取り出して目元を擦り、朝陽が楯を受け取るのをしっかり見守った。


全ての進行が終わり、席を立つ。
『エントランスホール』に向かい、朝陽が出てくるのを待っている。
その間、同じく家族を待っているいくつかの人たちを目にした。
隣の席だった母親は、愛おしそうに自分の娘を抱きしめている。
ここに来られなかった両親の代わりに、自分もそれをすべきかと思ったが。
確実に手か足が飛んできそうなので、止めておいた。


>    「『夕立』君、こっちこっち」

「濱中さん、朝陽」「二人とも、お疲れ様でした」

声をかけられ、そちらを見る。『寿美』さんと朝陽だ。そちらへと歩み寄り、まずはこれまで指導をしてきてくれた濱中さんに一礼を。
そして何故か、落ち着かない様子の朝陽へと近寄って、ヘアスタイルを崩さないようにして頭を撫でる。

「素晴らしい演奏だった。皆そうだったが、その中でも誰よりも輝いていたぞ」
「オレはお前の兄であることを誇りに思う。『最優秀賞』が取れたのも、先生の指導と、何より朝陽の努力があってこそだ」
「帰ったら、二人にそれを伝えよう。今日の晩ご飯は、何でも好きなものを食べさせてくれるぞ」

365『凍える刃』:2020/06/20(土) 00:07:19
>>364(夕立)
『夕立』の礼儀正しい一礼を受けて、
『寿美』はにこやかに笑っている。

>「素晴らしい演奏だった。皆そうだったが、その中でも誰よりも輝いていたぞ」

   「んっ」
            スウゥ

何処か惚けたように立ち尽くす『朝陽』に対し、
『夕立』は手を伸ばし、小さな頭をそっと撫でる。

>「オレはお前の兄であることを誇りに思う。
>『最優秀賞』が取れたのも、先生の指導と、何より朝陽の努力があってこそだ」

   「そ、そかなっ……」   テ
                  レ
       「え、へへっ」          テ
                         レ

初の優勝が嬉しいのか、『朝陽』は口角を緩めたまま、
視線をうろつかせていたが、それもしばらくのこと。

>「帰ったら、二人にそれを伝えよう。
>今日の晩ご飯は、何でも好きなものを食べさせてくれるぞ」

   「た、食べ物ばっかりじゃないから!」

   「もぉー、私こんなにスゴイのに、     ゴ
    お兄ちゃん、小バカにしてるー!」     ッ

『朝陽』はドレス姿のまま、『夕立』に肩をぶつける。
眉を吊り上げて、それでも表情はあまり変わっていない。

   「こらこら、ドレスが皺になるでしょ。
    ほーら、『朝陽』ちゃん。向こうで着替えましょ」

微笑ましそうに目尻を緩める『寿美』。
『朝陽』の両肩を押して回れ右をさせ、控室へと戻していく。

       ・

       ・

       ・

会場で『寿美』と別れ、駐車場から一組の男女が現れた。
『夕立』の両親だ。仕事が終わってからすぐに駆け付けて来たらしい。
『朝陽』が小走りに駆け寄り、バッグから投げ出さんばかりの勢いで、
白銀に輝く『記念楯』を取り出し、二人に翳して見せていた。

それからは『夕立』の言葉通り、
『朝陽』のリクエストした『回転寿司屋』での夕食となった。
回る寿司皿を前にして喜色を浮かべる『朝陽』の様相は、
ステージで魅せる神秘的な姿とは、どうしても異なって見える。

366鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/20(土) 00:20:35
>>365

>   「もぉー、私こんなにスゴイのに、     ゴ
>    お兄ちゃん、小バカにしてるー!」     ッ

「がはっ」

思わず脇腹を抑える。
剣道で相手から胴への打突をされた時、運悪く防具の部分を外れてしまった時に匹敵する痛みだ。
やはり、見た目はともかく中身はまだ『淑女』には程遠いということか。
もっとも、それはそれで安心かもしれない。
あまりに人目を引きすぎても、良からぬ輩に目をつけられないとも限らない。
自分とて常に目を光らせてはいるが、四六時中傍にいるわけにはいかない。

そして合流した両親。眩い笑顔を見せる朝陽。
自分も同じ家族ではあるのだが、その光景に再び目頭が熱くなる。
周囲を見回しても、やはり同じように、家族の仲睦まじい光景がいくつか見られる。
ああ、自分が見ていたいのはこういうものなんだ。
ただ日々を大切な人と暮らして、何事も起きず、時にはちょっとした幸せを享受できるような。
そんな日常がいつまでも続くことを願いながら、自分も大切な家族と共に歩いていく。

「頂きます」

取った皿を目の前にして、両手を合わせる。そしてチラリと妹の様子を見た。
美味しいものを目の前にした朝陽は、今日の朝と変わらない、ただの中学二年生だ。
その様子に少し安堵しつつ、自分も寿司に手をつけよう。

367『凍える刃』:2020/06/20(土) 00:45:05
>>366(夕立)
『駐車場』には帰路へ向かう参加者達が見られる。
ある者は嬉しそうに頬を紅潮させ、ある者は安堵の息を漏らす。

夕暮れに染まる市街地を車で走り抜ける。
嬉しそうな『朝陽』のおしゃべりをBGМにしながら、
今日に味わった『幸せ』をそっと、噛み締めるように願った。

      「どーしたの、お兄ちゃん?

       ――――ああ、これ?」

寿司皿を手に取った『朝陽』と、丁度目が合った。
目頭を熱くし、日常の美しさを実感する『夕立』に対し、
『朝陽』は自分の傍にあった『ガリ』を、兄へと差し出した。

      「いただきまーす!」

『イカ』を口に放り込む。
『夕立』の心配を知ってか知らずか、『朝陽』は普段通りだ。
今日のコンクールを話題にして、一家四人の団欒が始まる……。

       ・

       ・

       ・

帰路に就き、仕事終わりということもあり、
両親は早々に眠ってしまった。

『朝陽』が風呂から上がった後、『夕立』も風呂へと入る。
湯船に浸かり、身体を伸ばす。擦りガラスの向こう側に『人影』が映る。


       「お兄ちゃん、さあ」

       「私、……才能あるのかな?」


恐る恐る、とばかりに『朝陽』が尋ねてきた。

368鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/20(土) 01:02:32
>>367

>      「どーしたの、お兄ちゃん?

>       ――――ああ、これ?」

「いや、全然違うし本当に要らん」

渡されたガリを口に放り込み、咀嚼する。別に美味くはない。口内はさっぱりするが。
コイツのこんな間の抜けた反応を見ていると、あまり心配している自分が馬鹿らしくなる。
日本の治安は、他の国と比べればまだまだ良い方だ。銃は規制されているし、警察も真面目に職務についているはずだ。
少年マンガにありがちな、ファンタジーな力も、この世に存在はしない。
だから朝陽がそんな非日常に巻き込まれることなど、そうそうないだろう。
『イカ』を食べる妹を見て、自分も口直しと言わんばかりに、『マグロ』をつかんで味わった。
うむ、美味い。


湯船に入り、身体を温める。やはり風呂は良いものだ。
慣れない礼服に身を包んでいたからか、少し身体が凝った気がする。今日はさほど運動できなかったのもあるが。
その凝りをほぐしていると、ドアの向こうに朝陽らしき人影がいた。

「どうした、朝陽」

>       「お兄ちゃん、さあ」

>       「私、……才能あるのかな?」

「…何を今更。今日の結果を見ただろ?お前の努力があってこそだが、
 それで他の経験者に勝る結果を残せたんだから、絶対に才能もある」
「しかも経験が少ないということは、伸び代もまだまだあるんだ。朝陽のこれからの演奏も、オレは楽しみにしているよ」

どうしたのだろうか。珍しくナーバスになったのか。
確かに良い成績を残すことは、プレッシャーに繋がる。
だが、それしきで心折れる朝陽ではあるまい。それに自分も彼女を支え続けていくつとりだ。

369『凍える刃』:2020/06/20(土) 17:02:40
>>368

       パクッ


この世はとかく、好事魔多し。
『朝陽』にも何か、好からぬことが起こるのではないか、
幸福の最中、ふとそうした『懸念』が浮かぶのも無理からぬことだった。

・・・・・・が、心配はないと思い直す。
『99.9%』の検挙率を誇る『警察』、犯罪へ至る思考回路の薄い『国民性』、
何よりも、『朝陽』には『兄』がいる。頼れる『家族』がいる。
それはフィクションじみた『力』よりも、よっぽど頼れるモノだ。

そう、湯船の中でも脳裏にて反芻をしていたのだ。

>「…何を今更。今日の結果を見ただろ?お前の努力があってこそだが、
> それで他の経験者に勝る結果を残せたんだから、絶対に才能もある」
>「しかも経験が少ないということは、伸び代もまだまだあるんだ。
>朝陽のこれからの演奏も、オレは楽しみにしているよ」


    「そっかー、そうだよねっ」

    「・・・・・・おやすみ、お兄ちゃん」


磨り硝子越しでは『朝陽』の様子は定かではない。
コンクール疲れで『ナーバス』になってる、そう『夕立』は思っていた。
だから、気に留めることはなく、『朝陽』が脱衣場を出るのを舞って、風呂から上がる。


      パチン


部屋の電気を消し、ゆっくりと瞳を閉じる。
湯の温かさが肌に残る。身体の力も抜けていく。
今夜はゆっくり眠れそうだ。明日も、これからもずっと。




     「・・・・・・ぃ、」

370『凍える刃』:2020/06/20(土) 17:17:27
>>368-369(夕立)
「・・・・・・起きるんだ、『夕立』」


長い『夢』を見ていた。
『夕立』が寝そべっていたのはクリーム色の『施術台』。
『ラジオ』をBGMにして、『整骨』の施術を受けていた。

「だいぶ凝っていたな。全体的に。
 だが、全体的にというのが良い。
 一部にだけ負荷が掛かってるわけじゃあないからな。

 日頃の姿勢、不摂生なき生活が現れている」

この、『音無ピエール』の手によって。
『病院』付近でたまたま出くわした『ピエール』は、
『曳舟』の依頼内容について、それとなく聞いてきた。

依頼そのものはともかく、『夕立』がその過程で『骨折』をしたと解ったら、
『ピエール』は何か責任でも感じたのか、『一度診せてくれ』、と『夕立』に申し出た。

「しかし、まさかあの『事件』にスタンドが絡んでいたとは」

『ピエール』は俄には信じがたいと、眉根を寄せて呟いた。
『編集者』の連続金庫荒らし。
『切江ギヤマン』と現職警官の襲撃。
これらが『スタンド』による事件だったとは、『ピエール』も知らなかったようだ。

※前回同様、スタンド能力を記載してください。
 持ち物は『常識』の範囲で可能ですので、記載は不要です。

※前回のミッションについて、
『音無ピエール』にどこまで話したか、記載してください。
特に『隠したい』ことがあれば書いて下さい。

371鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/20(土) 22:55:27
>>369-370


>「・・・・・・起きるんだ、『夕立』」


>「だいぶ凝っていたな。全体的に。
> だが、全体的にというのが良い。
> 一部にだけ負荷が掛かってるわけじゃあないからな。

> 日頃の姿勢、不摂生なき生活が現れている」


>「しかし、まさかあの『事件』にスタンドが絡んでいたとは」

「・・・・・」

呆けた表情のまま、音無さんの話を聞いている。一体どちらが夢なのだろう。
邯鄲の夢、という古事成語がある。どれだけ長い夢であったとしても、それが夢である可能性はあり得る。
どうか、こちらが夢であってくれ。『通り魔』など、関係のない世界であってくれ。

「・・・・・・・・・・」

『シヴァルリー』を発現し、自らと向かい合う形で座らせる。その騎士の兜のような頭部をじっと見つめ。
ゆっくりと、深く息を吐き。『現実』と向かい合うことにした。

「それは安心しました。身体に不備があって、戦いたい時に戦えないのでは、死んでも死にきれません」

身体を起こし、『施術台』に腰掛けるように座る。
音無さんには、この前の事件に関わるほとんどを説明してある。少なくとも、この人は敵ではない。
そう信じている。『刃物型のスタンド使い』ではあるが、もし通り魔であったなら
自分に対して警告することもないし、『曳舟』さんに会わせてくれることもなかっただろう。

ただ唯一説明していない事といえば、『塞川』さんの『スタンド能力』についてだけだ。
その点はプライバシーの問題であるから、適当にぼかして説明している。

「…せっかく、手掛かりを掴んだと思ったのですが」





-----------------------------------------------------------------

視認した『刃』から殺傷力を奪い、なまくらにする。
奪った殺傷力は、その『刃』の形を成して手に発現出来る。
奪う際にも殺傷力が刃の形を成してこのスタンドに飛来し、それを吸収する。
その飛来経路に無生物があっても透過し、生物がいれば容赦なく切り裂く。

『シヴァルリー』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E(2m)
持続力:B 精密動作性:B 成長性:B

【記】『スタンド能力詳細まとめスレ』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/103

-------------------------------------------------------------

372『凍える刃』:2020/06/20(土) 23:33:15
>>371(夕立)
寝起きのままに『夕立』は『ピエール』の話を聞く。
一年前、確かにあった出来事を『夢』てして追体験をした。
リアリティのある、確かに存在していた『夢』だ。・・・・・・あくまでも『夢』だ。

 ズギャン!

『シヴァルリー』を発現し、重々しいヴィジョンを見据え、現実と向き合った。
あの時にはなかった、必要のなかった『力』。否応にも現状を想起させる。

>「それは安心しました。身体に不備があって、戦いたい時に戦えないのでは、死んでも死にきれません」

「そう易々と『生死』を賭けるんじゃあない。
 ----『無事』だったのなら、まずはそれでいい」

『施術台』に腰掛け、真剣な眼差しを見せる『夕立』に対し、
『ピエール』は諭すように言葉を返した。
『塞川』のスタンド能力を除いて、事件の概要は説明してある。
それを聞く『ピエール』は滔々と頷きながら、重々しい表情を見せていた。
あの時とは違う。明確な『死人』の存在、『公権力』の無力化。
何より、『手掛かり』に至らなかった点は残念そうに溜息を漏らした。

「『曳舟』は腕のいい仲介役と聞いていたが、手掛かりはゼロか。
 ・・・・・・君に紹介したのは、『間違い』だったかもしれないな」

無駄な仕事をさせてしまったかと、『ピエール』は沈痛している。
一人、シリアスめいても仕方ないと解ってか、顔を上げる。

「今の私には、君の凝りを解すのが精一杯だ。
 ・・・・・・しかし、『曳舟』のヤツはとっちめてやらんとな」

373鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/20(土) 23:50:40
>>372

>「そう易々と『生死』を賭けるんじゃあない。
> ----『無事』だったのなら、まずはそれでいい」

「・・・・・はい。すみません」

『スタンド使い』として、何度も既に戦いを経験しているであろう先輩の言葉を聞き、頷く。
『アリス』にも、必ず帰ってくるように、と言われている。軽率に命を懸けてはならない。
こういう時に、つい我を忘れて熱くなってしまうのが自分の悪い癖なんだろう。
ましてや先程まで、『もし通り魔に朝陽が襲われなかったなら』の夢を経験したばかりだ。
『塞川』さんにも指摘された『暴力性』─────自らを、戒めなくてはならない、
目標に、確実に辿り着くためにも。ひとまず、『シヴァルリー』を解除する。

「いいえ、音無さん。『犯人』は通り魔として、誰かと関わっているような人間であると
 知ることができただけでも、全くの無駄足ではなかったと思います」
「それに、『スタンド』による戦闘も行うことができました。貴重な経験です」

落ち込ませてしまった音無さんの言葉に対して、首を振る。
今となっては『切江』がどんな形で『通り魔』の犯行に関わっていたかは謎だが、
逆に言えば一般人の『切江』でも関わることはできる存在だということだ。
ひたすらに痕跡を隠すタイプではない。それが分かっただけでも、ほんの少しだが希望が持てる。

「助かりました、音無さん。…『犯人』を見つけたいオレの『需要』に対して、何らかの『供給』があればいいんですが」

『曳舟』さんのスタンド、『需要』と『供給』を結びつける能力。パイプ役としてはこれ以上ないほど適切な力だ。

「そういえば、音無さんは曳舟さんとも長いんですか?」

374『凍える刃』:2020/06/21(日) 00:48:26
>>373(夕立)
落ち込む『ピエール』に『夕立』は言葉を返す。
『スタンド』による戦闘、と聞けば『ピエール』は視線を向ける。

 「そうだな。――――『スタンド使い』との闘いは貴重だ。
  特に、単純な『近距離パワー型』ではない。絡め手ならば、特に」

『スロウダイヴ』の下りを聞き、『ピエール』は語る。

>「そういえば、音無さんは曳舟さんとも長いんですか?」

 「切欠は半年前か。

  あるスタンド使いとの『決闘』の相手を探している、と聞いてな。
  一も二もなく受けたとも。――――まぁ、結果は『惨敗』だったが」

 「人との出会いを『仲介』しているとは、聞いていたよ。
  ――――ここまで『芯』を喰わなかったのは、珍しいと思っている」

『ピエール』は苦々しく、『曳舟』との出会いを話した。
少なくとも、『出会わせる』という一点で、スタンド能力には間違いないらしい。

 「私は、この『接骨院』で働いている。
  その『通り魔』も、私に出来る限りで探してみるつもりだ」

真面目くさった表情のまま、『ピエール』は告げる。
『夕立』は彼を信頼している。……『通り魔』では在り得ないだろう。

 「さあ、服を着るんだ。
  本格的な『治療』にはならないが、
  怪我をして、治ったら、また来るといい」

375鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/21(日) 01:08:11
>>374

「難しい相手でした。オレの『シヴァルリー』は『斬撃』を得意としていたので
 まだ対応できましたが、『打撃』に特化した通常のスタンドだったなら、より苦戦していたと思います」

頷き、音無さんの言葉に同意する。
直接殴っても捉え所がなく、かといって代わりに狙うべき『本体』もいない。
もし『シヴァルリー』でなかったなら。あるいは相方が『塞川さん』でなかったなら。
自分はこうしてここで施術を受けることもなかったかもしれない。

「『決闘』、ですか。そんな『剣闘士』のような状況もあるんですね」

あの駅前でのやり取りから、音無さんが只者でないことは分かっている。
その人をして、『惨敗』と言わしめた相手とはどんな強者なのだろうか。
自分も、いずれ『通り魔』と相対する時のために、もっと自分を鍛えておくべきだろうか。
無為な時間を過ごすよりは、まだいいかもしれない。

「ご協力ありがとうございます、音無さん。…無事に事件が解決したなら、一緒に食事でもしましょう」

少し表情を崩して、提案する。
他愛のない話だが、自分はこういう『約束』をしておいた方がいいと思っている。
でなければ、音無さんやアリスに言われたように、自らの命を顧みなくなってしまう。
ウソはいけない事だ。だから、これをウソにしてはならない。

「重ね重ね、お世話になりました。部活仲間にも、もし身体の調子が悪い人間がいればこちらを勧めさせて頂きます」
「ありがとうございました」

服を着て、一礼。何事もなければ、そのまま『整骨院』を後にしよう。

376『凍える刃』:2020/06/21(日) 01:27:52
>>375(夕立)
>「ご協力ありがとうございます、音無さん。
>…無事に事件が解決したなら、一緒に食事でもしましょう」

   「ああ、『焼肉』の旨い店を紹介するよ」

   「――――『妹』君も、呼ぶといいさ」

着替えを終え、『夕立』は施術室を出る。
『会計』は『ピエール』持ちだ。そのまま『整骨院』を後にする。

『整骨院』は大通りの近くだ。このまま大通りを渡って、『家』に帰る。
『衣替え』を終えたばかりの『梅雨』の季節、空はどんよりと曇っている。


        ガラララララァァァ――――z_________


玄関の扉を開ける。家族の靴は全て、『下駄箱』に仕舞われている。
夕方。今日であれば、母と『朝陽』が帰ってきてるだろう。

―――――玄関の隅に、二足の『靴』が並べられている。
見慣れない靴。男物、女物だ。

377鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/21(日) 19:38:44
>>376

自宅に帰り、見慣れない靴を発見した。
次に、家の中にある刃物の位置を思い出す。基本は台所だが、父親の部屋に『工具箱』もあるはずだ。
ただの来客なら何の問題もないが、両親からは特にそういった話は聞いていない。
…先程ああいった夢を見たせいか、我ながら心が荒んでいるのを感じる。
杞憂であってほしい。

「ただいま」

帰りの挨拶を告げて靴を下駄箱にしまう。まずは『リビング』に向かおう。

378『凍える刃』:2020/06/21(日) 20:20:15
>>377(夕立)
家の中の『刃物』の位置は把握している。
父親の部屋に『工具箱』、台所には『包丁』。
そして、広い『庭』を手入れする為の『鎌』や『枝切りバサミ』。
――――『朝陽』を守るため、常に万全の準備をしている。

>「ただいまー」

   「あっ、『兄さん』。おかえりー」

『朝陽』が返事をする。
『夕立』を『兄さん』と呼ぶ以上、来客がいるのは間違いない。

   「『夕立』君。お邪魔してます。
    急に来ちゃってごめんなさい」

リビングのソファには『寿美』が腰掛けている。
ブラウスにロングスカート、『ピアノ教室』での服装だ。
彼女は相変わらずの穏やかな表情で、『夕立』に急な訪問を詫びている。

センターテーブルを挟んだ向かい側には、『朝陽』と『母親』が座っている。
そして、『寿美』の隣には、

  ニマッ

         「――――君が、『リスト』君かい?」

口髭の乗った唇が笑みを浮かべ、好奇心を映し出した双眸が『夕立』を覗き込む。
深緑の瞳に面長の頭骨、確りとした鼻梁。ジェルで整えられたダークブラウンの髪。
『ピエール』と同様、西欧の血の混じった男。年齢も彼と同じか、やや上か。

    グ  「『蛇尾川祥悟』だ。
    ウ    東京で『調律師』をしているが、
     ッ   .訳あって、此方に引っ越してきてね」

しっとりと響くバリトンボイスが『夕立』の耳に響く。
長身を立ち上がらせ、鷹揚に差し出された掌。

        「『寿美』さんの縁あって、
         此方で仕事をしている。――――よろしく」

関節の目立たない綺麗な指が広がり、『夕立』に『握手』を求めている。

379鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/21(日) 21:51:30
>>378

『朝陽』の返事を聞いて、身体に込めていた力を少し抜く。
お兄ちゃん、と呼ばないからには、やはり家族以外の人間がいるのだろうが。しかし剣呑な状況ではない。
そしてリビングを覗いた先には、やはり母と朝陽と。見覚えのある服装をした女性、『濱中』さんと。

「こ、こんにちは。いいえ、お気になさらず」「あなたに来て頂けると、朝陽も喜びますから」

腰を曲げ、一礼をして挨拶。この人だけなら、完全に力を抜いて、リラックスしていたであろう。
だがもう一人、リビングには来客者がいた。自分も高校二年生の中では背が高い方だが、それ以上か。


>         「――――君が、『リスト』君かい?」

「…フランツ・リストの事を指しているなら、オレではないですよ。その才能があるのは、妹の方です」

妹がピアノにのめり込むにつれて、自分も多少はピアノの世界について知識を得た。
だが、大事なのはそこじゃあない。異国の血が流れる故か、それとも長身からの威圧感か。
目の前の男性に対して、まだ気を抜いてはならないような気がした。

「初めまして、蛇尾川さん。朝陽の兄の、夕立といいます。よろしくお願いします」

濱中さんにしたのと同じように、一礼。差し出された手を握り返し、少しだけ笑って頷く。
『調律師』、はピアノの整備をする人、という認識で正しかったか。

「お二人は、今日はどういったご用事だったんでしょうか」

380『凍える刃』:2020/06/23(火) 21:46:24
>>379(夕立)
アースカラーのカーティガンを纏った長身は、
『夕立』より頭一つ高い。――――必然、『警戒』を覚える。

『夕立』は一礼の後、差し出された手を握り返す。

>「…フランツ・リストの事を指しているなら、オレではないですよ。
>その才能があるのは、妹の方です」

   「存じているよ、『忘れられたワルツ第一番』。
    ――――階段から転げ落ちて、『大怪我』をし、
    療養中の『フランツ・リスト』が、リハビリがてらに『作曲』した」


      グイィ 


『夕立』の腕を引っ張り、『蛇尾川』は肩と肩をぶつけ合う。
挨拶混じり、という割には、結構なパワーを感じる。

   「コラッ、『祥悟』君!

    ゴメンね、『夕立』君。痛かった?
    今日、『朝陽』ちゃんの家に来たのは、
    ――――まずは、『ピアノ』の調律ね」

『夕立』の身体を労わり、眉を顰めて『祥悟』を叱る『寿美』。
『蛇尾川』が身を離し、茶目っ気のある笑顔を見せる。 

   「それで、」

            「――――ほら、私も何時までも、
             ケガで痛い痛い、ってしてる場合じゃないからさ」

            「そろそろ、また『ピアノ』を始めようと思って」

言葉を続けようとした『寿美』に割って入って、
ちょっとおどけた様子で、『朝陽』が切り出した。

381鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/23(火) 22:40:57
>>380

「ッ…!」

なかなかの膂力を感じる。挨拶として行うにはあまりに力が強いが、これが彼の文化なのだろうか。
『調律師』という職業らしいが、運動と無縁というタイプではなさそうだ。

「いいえ、『剣道』での打突に比べれば痛いという程ではありません」「…少々驚きましたが」

『濱中』さんの反応を見るに、これも『蛇尾川』さんの行動としてはよくあることなのだろうか。
何故こんな事をするのか、については特に疑問を抱いていないようだ。
そして、ピアノの『調律』。これは『調律師』と聞いた時から想定していた。
ピアノは繊細な楽器であり、定期的な調律を必要とする。


>            「――――ほら、私も何時までも、
>             ケガで痛い痛い、ってしてる場合じゃないからさ」

>            「そろそろ、また『ピアノ』を始めようと思って」


「・・・・・そうか」「無理はするなよ」

朝陽の言葉に、微笑んで頷く。朝陽ならば、いずれそうすると思っていた。
また、再び妹の演奏が聴けるようになれば、それは皆にとって嬉しいことだ。

382『凍える刃』:2020/06/23(火) 23:13:35
>>381(夕立)
>「・・・・・そうか」「無理はするなよ」

    「大丈夫だって!
      .. . . . .
     お兄ちゃんこそ、
     また変なケガしたりしないでね」

いつもと変わらぬ態度で『朝陽』が釘を刺す。
それを受けて『母』が穏やかに笑い、『蛇尾川』が頷いた。
『朝陽』が回復し、元に戻るのであれば、それが一番だろう。

    「それじゃあ、早速『ピアノ』を見せて貰おうか」

    「じゃあ、私の部屋に案内しますね。
     ――――へぇ、年季の入ったカバンですねー」

『蛇尾川』がソファの影に手を伸ばし、
古めかしい革張りの『トランク』を取り出した。
中には『仕事道具』が入っているのは明らかだ。

    「それじゃあ、『朝陽』ちゃん。
     私はこれで、失礼するわね。

     ――――『祥悟』君、私の生徒をよろしくね」

『母』が深々と頭を下げ、『寿美』が席を立つ。
『蛇尾川』はトランクを片手に、『朝陽』の部屋へと向かうのだろう。

    「解ってますよ。

     そうだ、『夕立』君。
     君も時間あるなら、ちょっと覗いてかないか?」

このまま『二人』で部屋に向かうかと思えば、
『蛇尾川』が振り向き、『夕立』へと声を掛ける。

383鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/23(火) 23:28:53
>>382

「─────」「ああ、勿論だ」

珍しい、朝陽が人前で自分のことをお兄ちゃんと呼ぶのは。
『濱中』さんはともかく、会ったばかりの『蛇尾川』さんに対しても、早くも打ち解けたのだろうか。
変なケガ、とは加佐見の操る『スロウダイヴ』との戦いで負った怪我のことだろう。
善処する、との意味を込めて芋の言葉に返答する。

「ありがとうございました、濱中さん」「また朝陽を、よろしくお願いします」

自分も母と同じように、深く腰を曲げて礼をする。
これから再びこの人にはお世話になるだろう。できれば末長く付き合って頂きたいものだ。
さて、『蛇尾川』さんと朝陽は二人で調律をするのだろうが。自分は部屋に荷物を置いてくるか───。

>    「解ってますよ。

>     そうだ、『夕立』君。
>     君も時間あるなら、ちょっと覗いてかないか?」

「…オレが、ですか?」
「門外漢なので何か役に立つようなことはできませんが、それでも良ければ見学させて頂きたいと思います」

頷き、二人の後についていく。
初対面の男と妹を二人きりにさせることに対して、不安が全くないかと言われればそうではない。
断る理由はないだろう。とはいえ、逆に自分を呼んだことで『蛇尾川』さんへの信頼度は少し上がった。

384『凍える刃』:2020/06/23(火) 23:54:40
>>383(夕立)
>「…オレが、ですか?」
>「門外漢なので何か役に立つようなことはできませんが、
>それでも良ければ見学させて頂きたいと思います」

  「ハハハッ、そう堅くならないでさ」

    バンッ

『蛇尾川』は『夕立』の肩を叩き、『朝陽』に続いて廊下を出る。

こういう時、『朝陽』は兄の同行を渋りそうなものだが、
意外にも、何も言わないところを見ると、彼女もまた、
初対面の男性と二人きりというのは、不安なのだろうか。

  「祖父の代から『調律』を生業にしていてね、
   これも大昔からずっと使ってるんだよ」

  「そうなんですかぁ、なんか渋いですよねー。
   中の道具も、ずっと同じものなんですか?」

  「流石に取り換えたりはしてるけどね。
   ハンマーなんかは、大事に使わせて貰ってるよ」

手にした『鞄』の話を『朝陽』と交わしながら、
『蛇尾川』と『夕立』は階段を昇り、『朝陽』の部屋へと入る。

  「流石に、兄妹で同じ部屋ってわけじゃあないのか」

  「当たり前じゃないですか、やだなぁー」

  「ハハハッ、仲良さそうだったからね」

女の子らしい内装を見ながら、『蛇尾川』は冗談を飛ばしている。
元来、社交的な『朝陽』だが、『蛇尾川』とは親し気に話をしている。

385鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/24(水) 00:08:13
>>384

「よろしくお願いします」

肩を叩かれながら、思う。この人はどちらかと言えば、『朝陽』寄りの社交的なタイプだ。
同じ男性だからか、少しフィジカルなコミュニケーションが多いが、不快という程ではない。
初対面のお客の兄弟に対しても仲良くあろうとする、と考えれば、むしろ好感が持てる。
『蛇尾川』さんに対して、警戒する必要はなかったかもしれない。
…あんな夢さえ見なければ、まだもう少し心穏やかでいられただろう。鞄を肩にかけ直しながら、思う。

二人の会話を聞きながら、ふむと相槌を打つ。
『調律』という名前を聞いたことはあるが、どういった風にやるのかは分からない。
ハンマーも使うことを今知った。
確かピアノはハンマーを使って弦を叩いて、オルガンは空気を送って音を出すらしい。
朝陽から聞いた気がする。

…流石に二人は歳が離れ過ぎている。そういった心配は不要だろう。
まさかとは思うが、ないはずだ。…いや、そういう価値観は今時古いのか?
とにかく、部屋の入り口近くに鞄を下ろし、『調律』とやらの様子を見よう。
鞄は後で自分の部屋に置くために持ってきた。

386『凍える刃』:2020/06/24(水) 00:38:35
>>385(夕立)
『蛇尾川』は世間話をしながら、手際よく準備を進める。
もしやの心配をする『夕立』だが、『蛇尾川』にその様子はない。
気の良い『先生』が生徒と話すような、そういう印象を受ける。


         ガバッ
                 ――――ギュッ


『鞄』を開け、中から『白手袋』を取り出して嵌め、
薄い『マット』を抜き取り、一畳ほど床に広げて敷いた。

     「今日はもう遅いから、
      まずは『外装』を外して、中を見せて貰おうか」

          ガコッ

『蛇尾川』は『ピアノ』の前に立ち、上部のフレームへと手を伸ばす。
黒檀の外装が容易く外れ、ピアノ弦の張り巡らされた機構が剥き出しになる。

『蛇尾川』は外したフレームを、敷いたマットの上へと乗せる。

     「――――大事にされてるが、結構な年代物だな。
      ハンマーが大分傷んでいる、別に弾けないわけじゃあないが、
      今後のことを考えたら、これは変えた方がいい」

ズラリと並んだ木製部品、『夕立』も知っている『ハンマー』だ。
劣化しているのは素人目でも解る。『蛇尾川』は渋い顔を作る。

     「『オーバーホール』をして、調律が済んだら驚くよ。
      まずはパーツを手配しよう。ちょっと、計測してみようか。

      ――――そうだ、『夕立』君。ちょっと手伝ってくれるかい。
      ハンマーの寸法を読み上げるから、そこにメモってくれる?」

『蛇尾川』がノギスを取り出し、真剣な眼差しで『機構』を見詰める。
トランクの上には、A4サイズの古いメモ帳が置いてある。

387鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/24(水) 00:47:41
>>386

杞憂だったか。首を振って、静かにため息をつく。
身の安全の心配をした次に、こうして別の心配をできるだけ、心に余裕ができたと思おう。
一人色々と考えてしまった自分とは対照的に、『蛇尾川』さんは次々と仕事を進めていく。
ピアノの中身を見るのはあまりない機会だ。興味深そうにその内装を見つめた。

弦を叩くその場所は、ピアノの中でもかなり痛みやすい場所なんだろう。自分にも傷んでいるのが分かった。

「はい」

『蛇尾川』さんの言葉に頷き、鞄から筆記用具を取り出して次にメモ帳を拾う。
朝陽の机にそれを置いて、万年筆を握った。

「どうぞ、お願いします」

388『凍える刃』:2020/06/24(水) 01:20:43
>>387(夕立)
要らぬ心配だと思い直し、『夕立』は万年筆を握る。
それを横目で見た『蛇尾川』は、感心するように息を吐いた。

    「いいね、『夕立』君。

     まずは全長が75mm、Rが15。
     ――――後で説明する。まずはメモしてくれ」

それからしばらく、読み上げる『数字』を写し取り続ける。
『朝陽』は真剣に取り組む二人の姿を眺めている。
パーツの計測は『ハンマー』だけで終わらず、
弦の長さや、その周辺部品にまで及ぶ。

    「……よし、これで終わりだ。
     『夕立』君、ありがとう! これでパーツはバッチリッ」

    「とはいえ、古いピアノだから取り寄せは出来ない。
     一から作るから、それなりに時間は頂くけれどね。

     だが、いいピアノだ。作りも確りとしているし、
     湿気にやられてもいない。部屋の環境が良かったね」

『蛇尾川』は『額』の汗を拭う。
真面目に取り組んだ『夕立』の額にも、汗が光る。

    「わ、私、飲み物取って来るねっ」

二人の様子を見た『朝陽』が部屋を出る。
奇しくも二人きりになった。『蛇尾川』が『夕立』を見る。

    「なんて僕が? ってキモチ、ちょっとはあるよね?

     ……『朝陽』ちゃんの傷は浅いが、
     『ピアノ』の演奏を邪魔する、精神的要因になっている」

    「なんだろうな。――――『家族』の理解が必要なんだ。

     それは、家族なりのやり方があるのは解った上で、
     ボクにも出来ることを、やっておきたかった」

『ピアノ』の外装を元に戻しながら、『蛇尾川』は淡々と告げる。
時折、呼吸を整えるかのように、言葉を選びながら『夕立』に語り掛ける。

    「ピアノのこと、君も一緒にやってくれると、
     ちょっとは気が楽になるかな、と思ってさ。

     ――――解ってるぜ。ケガが治ったばっかりだってのは。
     だけど、そこは男の子だから。頑張れると思ってのことさ」

『寿美』のことでも思い出したのか、『蛇尾川』は言い訳っぽく付け足した。

389鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/24(水) 20:54:53
>>388

ただひたすら、聞こえた数字と単語を羅列する。文字に適度な感覚を開け、読みやすいように。
しかし想像していたよりも遥かに数が多い。何か余計な事を考えている暇もなく、次の言葉を記し続けた。
終わってみて、汗を拭う。ただの書き取りと侮っていたが、中々の労働だ。自分が来て良かった。

「ふぅ…ちなみに作るのは、メーカーさんにオーダーメイドでお願いするんですか?」
「それとも『蛇尾川』さんが?」

袖で汗を拭い、何となく訊ねる。
パーツを使っての調律は何となく想像が付くが、そういった加工なんかも担当するのだろうか。
朝陽によって、大切にされているらしいピアノを軽く撫でてみながら。


「…無論、それは理解しています。朝陽は未だに、一人では人混みの中を歩けない」


>    「なんだろうな。――――『家族』の理解が必要なんだ。

>     それは、家族なりのやり方があるのは解った上で、
>     ボクにも出来ることを、やっておきたかった」

「・・・・・・・・・・」

そこまで、朝陽のことを考えてくれていたとは。
話し振りから察するに、朝陽のケガ前の演奏を既に聴いたことがあるのだろうか。
でなければ、あの事件が朝陽の演奏に影を落としていることも分からないはずだ。
この人に対する認識を更に修正しなければならないかもしれない。

「それで朝陽が元気になるなら、痛みでも何でも全く気にしませんよ。
 そういえば、朝陽とはどのくらいの付き合いなんでしょうか」

小さく笑って、蛇尾川さんの言葉に応じる。
自分のケガに関しては、朝陽から訊いたのだろうか。あるいは朝陽から濱中さんへ、
そして濱中さんから蛇尾川さんへ話が流れた可能性もあるが。

390『凍える刃』:2020/06/24(水) 22:57:24
>>389(夕立)
>「ふぅ…ちなみに作るのは、メーカーさんにオーダーメイドでお願いするんですか?」
>「それとも『蛇尾川』さんが?」

「メーカーに依頼したいところだが、数ヶ月は掛かる。
 だから、ボクが作るさ。この辺りなら馴染みの『工房』もある」

『蛇尾川』は平然と答えた。この対応は珍しくない様子だ。
『ピアノ』という楽器に、どれだけ人の手が携わっているかが解る。

>「それで朝陽が元気になるなら、痛みでも何でも全く気にしませんよ。
> そういえば、朝陽とはどのくらいの付き合いなんでしょうか」

   「元々、『寿美』さんのピアノを調律していてね。
    あの人とは、音大の頃からの付き合いだから」

   「生徒の子達にも、たまに……稀にピアノを教えててね。
    ――――『朝陽』ちゃんは、あの中で一番上手かったな。

    そう、何度も聴けたわけじゃあないけれど、
    そうだな。あの子は一番、『ピアノ』に馴染んでいたよ」

『蛇尾川』と『朝陽』は、何度も会ってるわけではないようだ。
『朝陽』を語る口振りも、彼女自身よりも『演奏技術』に傾いている。

    「あんな事件がなければね……。

     『ピアノ』は、手指に委ねた『感情』を乗せて、
     『演奏』という過程を経て、『表現』へと昇華するわけだ」

    「キズの痛みだけじゃあない。
     一人きりで心と向き合えば、小さな『傷み』がさざ波になって、
     それが『表現』へと波及する。どうしたってネガティブな影響は出る」

『蛇尾川』の視線は『鍵盤』へと逸れ、口惜し気に奥歯を噛んだ。
丁度、『廊下』を歩く音が、僅かながら聴こえてくる。

391鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/24(水) 23:11:01
>>390

「…すみません、お手数をおかけします」

自分はやはり『調律師』という職に疎いが、それでも一から部品を作る事の大変さは多少は想像できる。
仕事であるとはいえ、妹のため、一人の少女のために精一杯努力しようとしてくれているのが伝わった。
もう一度、『蛇尾川』さんに向かって頭を下げる。

「成る程、朝陽の演奏を…」

得心がいった。この人は朝陽の心をよく理解している、と言うよりかは
朝陽の演奏を通して、朝陽の心を知っているのだろう。だから、妹が今どんな精神状態にあるのか分かるのだ。
自分は武道一辺倒の無骨者であるが故に、全てを理解できるとは言えない。
それでも、『感情』を『演奏』という手段で表現する、というのは何となく理解できた。

廊下を歩く音が聞こえて、改めて『蛇尾川』さんの方を向く。
なるべく本人には聞かれたくない、手早く伝えよう。

「朝陽が必要とする限りは、オレがあいつを支え続けます。もう二度とあんな悲しい目には合わせません」

あの夢の中でも誓ったが、これは夢ではない、現実だ。ならばこの言葉も現実にする。
朝陽は一人きりではない、自分はもちろん、両親もいる。決してもうあんな事件には合わせない。

392『凍える刃』:2020/06/24(水) 23:36:36
>>391(夕立)
>「…すみません、お手数をおかけします」

  「お安い御用さ。そう畏まるんじゃあないよ」

『蛇尾川』は、あくまでも気さくさを崩さない。
初対面から一貫して鷹揚な態度で、兄妹に接している。

>「朝陽が必要とする限りは、オレがあいつを支え続けます。
>もう二度とあんな悲しい目には合わせません」

ある日を切り取った美しい『夢』は、いとも容易く『現実』に崩される。
近づく足音から『夕立』の意思を感じ取った『蛇尾川』は、

    ポンッ   「そうだな」

その肩を叩き、グッと『夕立』を力強く引き寄せる。

    ガチャッ
            ...
   「やだッ、兄さんと『蛇尾川』さん、
    ちょっと近くない、なにー? 仲いいねー」

缶ジュースを手にした『朝陽』が、屈託のない笑みを浮かべる。
それから、『ピアノ』と演奏について、『蛇尾川』と『朝陽』は簡単な会話を交わし、
用を済ませた『蛇尾川』は、『鉄邸』を後にする――――

―――――時刻は『20時』。既に夕食を済ませ、風呂に入った。
『朝陽』は再びピアノを弾くと宣言し、周囲もそれを応援してくれている。
警戒をしていた『蛇尾川』も、思ったよりは気兼ねのない人物だと解った。
相変わらず、『通り魔』の情報は何も見つかっていないが……。

       ※フリー活動となります。
        当ミッションでは、通常では中々できない、以下の行動を取れます。

        ・既知のPC、NPCと連絡を取り、協力を要請する。
         一定条件に到達しない限り、このPCに『危険度:B』は適応されません。

        ・時間のすっ飛ばし。

393鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/25(木) 21:22:54
>>392

『通り魔』の情報は変わらず見つかっていない。
だが、朝陽が抱えている心の問題に関しては、ほんの少しだが光明が見えてきた。
自分たち家族だけでなく、妹には濱中さんや蛇尾川さんも付いている。
ゆっくりとでも、少しずつ心の傷を癒していければいい。それまで、朝陽にこれ以上負荷がかからないように。
やはり大人たちは、頼りになるな、と実感した。

「・・・・・・・・・・」

朝陽の見たいテレビを『リビング』で一緒に見ながら、『リストボール』を手首で回していた。
ふと思う。大人といえば、あの人は今頃どうしているのだろう。
何となく気になって、連絡を取ってみようと思い、ボールを一旦置いてスマホを取り出した。
そして『塞川さん』の名前を見つける。

394『凍える刃』:2020/06/25(木) 21:43:45
>>393(夕立)

   シュルシュルシュルシュルッ

手中で暴れる『リストボール』で手首を鍛えながら、
『夕立』は『朝陽』と一緒にテレビを見ている。

   『この六等分されたメンチカツを、
    一切れずつ分けるとして――――』

   『ムムム、まさかそれと同じ原理で、
    犯人は遺体を隠したということか……』

『朝陽』はコメディチックなミステリードラマを見ている。
スマホ片手に寛いでる辺り、そこまで興味があるわけではなさそうだ。
友人との話題合わせか、お気に入りの俳優でも出演しているのだろう。

   スッ

『夕立』はスマートフォンを取り出す。
『塞川』の連絡先は残っている。いつでも『連絡』は出来るだろう。
それに応えてくれるかは、彼女次第ではあるが――――

【場】『 PC間連絡スレ ―星間通信― 』【他】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/

395鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/26(金) 00:07:31
>>394

塞川さんと連絡を取った結果、明日の学校が終わった後、共に警察署に向かうことになった。
が、その前に彼女の言葉通り、まずは『立石』さんの番号に連絡を取ってみよう。
できれば出てくれたならありがたいが。
再びスマートフォンを使って今度はこちらから電話をかけよう。

396『凍える刃』:2020/06/26(金) 01:59:30
>>395(夕立)
『塞川』と協力の約束を取り付ける。
そして、彼女の言葉通り、『立石』の携帯電話に連絡を入れる。

    「―――――お掛けになった電話番号は」

    「電源が入っていないか、電波の届かない処に――――」

電源が入っていない。その安否は未だに不明だが、
流石にここまでの騒ぎになった上で、何も連絡がないのは考えにくい。
連絡が取れる状況にないのは明らかだった。

――――――――――――――――――――――――――――――

翌日、『星見警察署』へと二人は待ち合わせる。
日が沈み掛かっており、茜色の空が眩しかった。

五階建ての建物にロータリーの駐車場。
敷地は広い。受付にいけば、何かしらの対応はしてもらえるだろう。

(※『塞川』はスタンド能力の記載をお願いします。
  『夕立』と同様、持ち物は常識の範囲で可能なので、記載不要です。)

397塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/26(金) 19:50:47
>>396
「さあ、いこーか。
アテはあるんだろ? 『夕立』」

いつもの様に、『緩いスーツ姿』とでもいうような、
矛盾した服装で『夕立』を待ち構えていた。
軽く伸びをして、警察署内へ入っていく。

-----------------------------------------------------------------
ガラス細工の鳥のスタンド。群体型。
身体を擦りつけた物にガラスの羽を植え付け、『ガラス化』させる。
また、頭部に核があり、破壊されるなどで露出したこれに触れた物は、
大きな物、分厚い物などであっても一気に『ガラス化』されてしまう。

『クリスタライズド・ディスペア』
破壊力:E スピード:B 射程距離:B(12m)
持続力:E 精密動作性:C 成長性:B

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/177

--------------------------------------------------------------

398鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/26(金) 20:20:34
>>396-397

「ええ。『讃岐』さん、あるいは『安山』さんのどちらかにお会いできれば」

『スロウダイヴ』戦の後、警察署に乗り込んだ時に会った二人の警察官の名を上げる。
できれば『讃岐』さんの方が望ましい。『安山』さんにはあまり良い感情を持たれていないかもしれない。
とはいえ、それでも事情を知らない警察の人よりはマシだろうか。

「…ちなみに『立石』さんへの電話は通じませんでした。まだ連絡が取れる状況ではなさそうです」

塞川さんに一応報告しながら、共に『受付』へと向かおう。

399『凍える刃』:2020/06/26(金) 20:48:21
>>397-398(塞川&夕立)
二人は警察署の『受付』に向かった。

「今日はどうされました?」

『塞川』と『夕立』に、受付の女性が笑みを浮かべる。

400鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/26(金) 21:14:57
>>399

「こんばんは。『三課』の『讃岐』さん、もしくは『安山』さんはお手隙でしょうか?」
「以前の『窃盗事件』に関わることで、お話ができればと思います」

受付の女性に一礼をして、述べる。

401塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/26(金) 21:19:33
>>399
「そうか……あいつ、大丈夫なんだろうな?」

『受付』の方へ、『夕立』を促す。

(ま、ここは『夕立』に任すか……。
しかし『警察署』……ちと『化けて』きた方が良かったか?)

402『凍える刃』:2020/06/26(金) 21:30:39
>>400-401(夕立&塞川)
「解りました。少々お待ちください」

女性は内線電話を手に取り、何やら話をする。
ややあって、階段を降りてきたのは――――

    「いらっしゃいましたか、お久しぶりです」

    「…………」

穏やかに二人を見る、初老の男性。
その一方、憮然とした表情で二人を見下ろす、巨躯の男。
『讃岐』と『安山』、その両方が二人の前に現れた。

    「あの事件について、お話したいことがあるとか。
     ――――あるいは、それを皮切りに、と言ったところでしょうか」

    「……それだけなら、帰りな。
     『加佐見』は隠し立てせず、『自供』している。

     ヤツにはスゴ腕の『弁護士』が付いた。
     示談も丸く収まるだろう。……この事件は『解決済』だ」

飄然とする『讃岐』、突っ返そうとする『安山』。
とはいえ、『讃岐』は手招きをし、階段を上がっていく。
二人に着いていっても大丈夫そうだ。

403塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/26(金) 21:41:26
>>402
「…・・……」

普段の『多弁さ』を知る『鉄』からすれば不気味に思えるほどに、
黙ったまま、大人しく鉄の後をついて階段を上がっていく。

404鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/26(金) 21:53:34
>>402-403

「お久し振りです、よろしくお願いします」
「こちらは同じく関係者の塞川さんです」

何故か急に押し黙った塞川さんの代わりに名乗りつつ、二人の後をついて階段を上がる。

「…そうですか、『加佐見』さんが」「彼は今、どちらにいらっしゃるんですか?」

この場に来た目的の一つ、『加佐見』への事情聴取。
『切江』とある程度の関わりがあった彼なら、
何かしらの事情を知っているかもしれない。あるいはアシスタントの『木山』さんか。

405『凍える刃』:2020/06/26(金) 22:04:32
>>403-404(夕立&塞川)
二階のとある部屋に、二人は通された。
取調室ではない。恐らくは『讃岐』の個室だろう。
応接用のローテーブル、仕事用の机、ファイル棚が置かれている。

>「彼は今、どちらにいらっしゃるんですか?」

「彼は『警察病院』を退院した後、
 少し前までは、此方の『留置所』におりましたが」

     「すべてを供述し、後は『裁判』を待つのみ。
      今は、法務省管轄の『拘置所』におります」

『讃岐』は隠し立てせず、居場所を話す。
『事情聴取』をするには、一足遅かったようだ。
無論、一般人である二人が、それを出来るとは思えないが。

406塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/26(金) 22:32:25
>>405
(ム……割とすんなり『内情』を教えてくれるもんだな。
『夕立』、こいつ、一人で警察署に乗り込んだ時に、何かやったのか?
それか、単純にこの『讃岐』……こいつの度量ってヤツか)

「『塞川』です。
では、『立石』さんのご容態は?
彼のことが心配で、私………」

『夕立』の方をちらっと見て、
大人しい声色で『讃岐』へと尋ねる。

407鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/26(金) 22:32:29
>>405

「そう…ですか」

流石にあの罪状では、容易く面会することはできないか。
この警察署の中にいたなら、あるいは『遠距離操作型』のスタンド使いを介してなら、話も聞けたかもしれないが。
だが、今となっては関係のない話だ。それに、元々朝陽の事件について知らなかった可能性もある。

「…『立石』さんは」
「彼は、まだ意識を取り戻してはいないんですか」

小さな声で、訊ねる。

408『凍える刃』:2020/06/26(金) 22:45:42
>>406-407(塞川&夕立)
二人は『立石』の容態を伺う。
『讃岐』は目を伏せて、小さく首を振った。

    「ええ、――――容体は回復しています。

     ですが、意識はハッキリとしないまま。
      まだ病院のベッドで、眠ったままです」

『讃岐』は無情な現実を告げた。
少なくとも、『死』に至る様子はないようだが……。

    「『ハル』さんは、高校の時からの先輩だ。

     気のいい性格だから、難しい事件ばかり回されて、
     それでもあの人は、イヤな顔一つしねェで、足を棒にして」

今まで黙して突っ立っていた『安山』だが、
話が『立石』に及ぶと、その巨躯を二人へと向ける。

    「どんな小さな事件でも、手を抜かねェで犯人を追っていた。

     お前たちが、何を目的で、やたらと嗅ぎ回ってるか知らねェが、
     事件を解決するのは『警察』だ。お前達じゃあ、ねェ」

矜持、苛立ち、その両方が交じり合った、ドスの低い声が響いた。

409鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/26(金) 23:02:49
>>406-408

塞川さんの豹変ぶりにはあえて触れず、『安山』さんの恫喝を真正面から受け止める。

「・・・・・・・・・・」

「オレたちが『立石』さんと会って過ごした時間は少ないですが、
 彼に関して抱いている思いは『安山』さんと一緒です」「想いの厚さは違うと思いますが」

やはり『讃岐』さんとは対照的に、『安山』さんは感情的な人だ。
だが、それだけ『立石』さんのことを慕っているのだろう。
そしてこちらも、『警察』が事件を全て解決してくれるのならば何かをしようとは思わない。
『通り魔』の罪が全て法で裁かれるのならば、自分で直接手を下す必要もない。
…『スタンド』が関わっている以上、それをどうやってやるのかは、分からないが。

「ちなみに『一課』で切江さんの事件を担当している方は、どなたですか?」
「…質問ばかりで申し訳ありません。オレも逆に、答えられることならば答えます」

深く頭を下げる。
そして自分も、妹の件を担当している刑事の名前は何だったか、思い出してみよう。

410塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/26(金) 23:51:29
>>408
(『立石』に話を聞けりゃあ、それはこいつらがやってるか……。
まともな『捜査』、それはこいつら『警察』に任せりゃ間違いないのは、前回の事件と同じだ……)

「彼は、何か遺してませんでしたでしょうか……?
『立石さん』には、こちらの『鉄』君ともども、良くしていただいて…。
彼が襲われる当日にも、会話していたんです。
もしかしたら、私たちにしかわからないような事があるかも……と思っていたのですが」

恐る恐る、といった様子で切り出す。
『夕立』が噴き出さないかが少し心配だが……。

「私も、ええ、勿論……。
事件が『解決』するなら、なんだっていいです。
それをするのは、相応しい立場があると思いますから」

411『凍える刃』:2020/06/27(土) 00:13:11
>>409-410(夕立&塞川)
『安山』の恫喝を受け止める。
『安山』の表情は変わらない。
明確な『不信感』を露わにしている。

>「ちなみに『一課』で切江さんの事件を担当している方は、どなたですか?」

  「『一課』の事件は、私の管轄ではありません。
   つまり、これについては、何も言えませんね」

『讃岐』はやんわりと、それでも確りと『拒否』した。
『一課』の刑事は、『小池』という若い男だったと覚えている。
だが、彼は捜査に『熱心』だったかというと、怪しいものだ。

>「彼は、何か遺してませんでしたでしょうか……?

  「さあ、……何も、残してはいませんでしたね」

『塞川』の質問に対し、『讃岐』は緩やかに首を振る。
つまり、彼自身には思いもよらない『不意打ち』だったのだろう。

>「…質問ばかりで申し訳ありません。
>オレも逆に、答えられることならば答えます」

  「――――お前、……ああ、いや」

何か言いかけた『安山』だが、その口を閉じる。
しばらく無言を貫いた『安山』だったが、ややあって口を開く。

  「お前の妹は、『ピアノ』を弾いていたな。
   ――――『星見ピアノコンクール』、覚えているか?」

412鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/27(土) 00:23:15
>>411

「そうですか。捜査に熱心な方であることを願っています」

『讃岐』さんの言葉に頷く。それが真であれ偽りであれ、この人は既に色々と便宜を図ってもらっている。
当然教えられない情報はあるだろうし、自分もそれで構わない。
むしろ『讃岐』さんが責任問題で追及されることなどあってはならない。
こちらに質問を投げかけようとした『安山』さんの方を見て、それを待つ。


>  「お前の妹は、『ピアノ』を弾いていたな。
>   ――――『星見ピアノコンクール』、覚えているか?」

そしてその口から出てきたものは、かなり想定外のものだった。思わず目を見開いた。
内心、事件に関する理解不可能な点について。つまり『スタンド』についての質問が来ると思っていたからだ。

「…はい。オレの妹は、事件のケガが原因でコンクールに出ることは叶いませんでしたが…」

413塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/27(土) 00:27:18
>>411
(新たな『情報』はなし……か。
ならば『木山』に、あのことを確かめなければな)

考えを巡らせながら、『安山』の話を聞く。

414『凍える刃』:2020/06/27(土) 00:41:35
>>412-413(鉄&夕立)
>「…はい。オレの妹は、
>事件のケガが原因でコンクールに出ることは叶いませんでしたが…」

   「今年はな」

   「だが、『去年』はどうだ?」

『夢』で見た一日、『星見ピアノコンクール』の当日。
それについて『安山』が言及する。

   「去年の『星見ピアノコンクール』。

    会場にいた何人かが、『体調不良』を起こしている。
    耳鳴りや眩暈、症状自体は大したことはなかったが……」

   「一応、警察でも現場は調べたが、
    大した物証もなく、事件性はなしとなった」

横で聞いている『讃岐』も不可解そうに首を傾げている。
何故、この話をするのか解らない、といった表情だ。

   「これだけだ。俺が知ってる話は。

    後は何もない。たった、これだけだ」

415塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/27(土) 00:56:55
>>414
(何の話だ?『星見ピアノコンクール』…………
いや、そうか……『安山』。こいつがこの話を出してきた理由……)

ふと思い至り、思わず取り繕うのも忘れて質問する。

「そういう『催事』には、『来賓』がつきものだよな?
その回に……出ていたのか? 『切江ギヤマン』が」

416鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/27(土) 00:59:29
>>414

>   「去年の『星見ピアノコンクール』。

>    会場にいた何人かが、『体調不良』を起こしている。
>    耳鳴りや眩暈、症状自体は大したことはなかったが……」

「──────────」

「感謝致します、『安山』さん」

腰を深く折り曲げて、頭を下げる。ここまでの収穫が得られるとは予想だにしていなかった。
訊ねたいことは訊ねられた。あと話を伺うとすれば、『木山』さんぐらいか。
だが彼に問い訊ねた結果がどうあれ、自分に行動指針ができたのは、大変ありがたい。

「お二人とも、ありがとうございました。…もし禁じられていなければ、
 できれば『連絡先』を交換したいです。以前お話させて頂いたように、
 得体の知れない力が捜査を妨げている時は、力になれます」

『スタンド』を体感したことのない人間には、何も知らない小僧の戯言、と取られても仕方あるまい。
連絡先を知ることができなければ、そのまま今回は引き下がろう。
塞川さんの質問が全て終えるのを待って、警察署を出よう。

417『凍える刃』:2020/06/27(土) 22:01:59
>>415(塞川)
ふと、思い至った『可能性』を口にする。

  「……さあ、それは知らんな。

   来賓者の中に名前はなかったが。
   父兄として来ていたかどうか、俺には解らん」

『安山』は太い首を振って、思い至らないと表現した。

>>416(夕立)

   「『讃岐』さんは忙しい。
    お前たちの相手は、俺がする」

『安山』は仏頂面のまま、名刺を渡す。
名前と電話番号だけが書かれた、シンプルなものだ。
捜査用に発行しているものだろう、と想像は付く。

>ALL

   「では、お気をつけて」

『讃岐』が温和な表情を浮かべたまま、二人を見送る。
そっぽを向いた『安山』は、見送りはしていなかった。

外を出ると、既に日が沈みかかっている。
『夕立』には特に門限は定められていないが、
余り遅いと両親と妹が心配するだろう。

418鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/27(土) 22:23:40
>>417

「ありがとうございます」

『安山』さんに感謝を述べ、名刺を受け取る。
そして懐にしまい、二人に対して一礼をして『警察署』を後にした。

入る時に比べ、夜の帳が近付いている空を見る。そろそろ切り上げ時だろうか。
幸い、これから調べることは現地に行かなくても可能なはずだ。

「…時間も遅くなってきましたね」
「そういえば、さっきの口調と態度はなんだったんですか?」

419塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/28(日) 20:56:12
>>417-418
「大して『前進』した感じはしねーが、
『現状』が知れた事…・・・それに、『星見ピアノコンクール』。
その辺りは『収穫』、かもしれねーな。
『加佐見』の方にも、面会には行けるだろーが……どうするかね。
『木山』にも聞きたい事はあるが、大した事じゃあねえんだよな、『確認』レベルだ」

確認した内容を反芻しながら呟く。

「ああ? あれか。
ああいう方がやりやすい相手の場合もあるからなァ。
情に篤い相手の場合は、特にな。
それに、くだらねー警官だと私みたいなのは難癖つけられんだよ。
それとも……ン゙ンッ、それとも、ああいう感じの方が好みでしたか? 夕立君」

片手ではスマホでどこかへメッセージを送りながら、
わざとらしく『鉄』の腕に触りながら、声色を変えて話しかけた。

「……おお、鍛えてるだけあんなァ〜〜。
ま、ンな事はどーでもいい。
送るか? 『夕立』。車なら、すぐ来るぜ」

420『凍える刃』:2020/06/28(日) 21:51:04
>>418-419(夕立&塞川)
『塞川』の口調について『夕立』は問い質す。
それに対し、『塞川』は敢えて『声色』を変えて、
慣れた様子で答えを返した。

(※果たして、役に立つ時は来るのだろうか……?)

421塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/28(日) 22:05:04
>>420
スマホで呼んだ『迎えの車』が来たなら、
後部座席に乗り込み、帰宅する。
特に断られないなら、『鉄』も乗せていく。
送りついでに、件の妹の顔ぐらい見てやってもいい。

422鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/28(日) 22:21:19
>>419-420

「っ…!」
「さ、塞川さん…異性に対して、その、気軽に身体的接触をするのは、どうかと…」

驚いて横を向いた。
いくら慣れた女性とはいえ、身体に触れられるのはまた別の緊張を伴う。
軽く腕を引いて剥がすと、改めて塞川さんへと向き直った。ふー、と息を深く吐いて、平静さを取り戻す。

「…まぁ口調は面白かったので、あれはあれで録音しておけば良かったですね」
「それはさておき、オレの妹が『通り魔』に狙われたのは偶然ではない可能性が出てきました。
 去年の『星見コンクール』の出場者、あるいはその関係者か。何らかの関わりがあるかもしれません」
「ほんの少しでも手がかりになりそうなものが見つかったのは、僥倖でした」


>送るか? 『夕立』。車なら、すぐ来るぜ」


「いえ、帰りも軽くランニングして行こうかと…」

思っていたのだが、そんなやり取りをしている間に既に迎えの車が来ていた。
相変わらず、塞川さんの知人の繋がりは謎めいている。ともかく、来てもらったのに
お断りするのも失礼なので、今日は送ってもらおう。帰った後で、風呂前にでもランニングすればいい。

「すみません。それではよろしくお願いします」

423『凍える刃』:2020/06/28(日) 22:39:23
>>421-422(塞川&夕立)

    ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・

真っ白なセダン車に乗って現れた男は、
『夕立』を一瞥するも、慣れた様子で後部座席のドアを開ける。

車に乗り込み、二人は『鉄邸』へと向かう。
『星見ピアノコンクール』の出場者、若しくは関係者なのか。
……だとしたら、何故『朝陽』は狙われたのだろうか……。

   ―――――  ガチャッ

『鉄邸』の前で、セダン車は停止した。
玄関の前には『蛇尾川』と『朝陽』がいる。
何らかの用事でやってきた『蛇尾川』を、
対応した『朝陽』が見送っているようだ。

  「あれ、『夕立』君?」

  「お兄ちゃん、おかえりー。
   ――――こ、こんばんはー」

車を降りる『夕立』、車内には謎の男女。
『蛇尾川』は『塞川』を見て、ニヤリと笑っている。
『朝陽』は戸惑っていたが、とりあえず挨拶をしたようだ。

424鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/28(日) 22:48:13
>>423

「おや、『蛇尾川』さん。こんばんは」「そしてただいま、朝陽」

車から降りて、二人に挨拶をする。そして塞川さんに、『蛇尾川』さんの紹介をしよう。
妹の方は、何度も名前を言っているし、今更必要ないか。

「塞川さん。こちらの方が、昨日お話させて頂いた、頼れる『調律師』の蛇尾川さんです」
「で、こちらが…この前知り合った、塞川さんです」

流れで塞川さんの説明をすることになったが、なんと言えばいいのか。
とりあえず、お茶を濁しておこう。蛇尾川さんの笑みの意味は分からないが、まぁそこは重要ではない。

「『蛇尾川』さん、今日はどのようなご用件でしたか?」

ピアノのパーツはまだ出来ていないだろう。昨日今日で製作できるものではないと、
『蛇尾川』さん自身が言っていたからだ。ならば、今夜は何故訪れたのだろうか。

425塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/28(日) 23:03:29
>>423-424
「よお、ちょっとその辺で時間潰してな。
また呼ぶからよ」

運転席の大柄な男に言い残して、返事も待たずに車を降りる。
ふと、笑みを浮かべる『蛇尾川』を見て、怪訝そうに眉を顰めた。

「どーも、『この間知り合った塞川さん』だ。よろしく。
あんたが、例の妹ちゃんか。
カワイイじゃねーか、血が濃いな」

適当に挨拶をした後、不可解な笑みを浮かべる『蛇尾川』に何となく目線をやる。

(『被害者』に細かい話を聞くのが、一番『解決』に近づくとは思うんだが……
『夕立』は、その辺の話はしねーな。
何も『見てない』っつーことか……?)

426『凍える刃』:2020/06/28(日) 23:28:34
>>424-425(夕立&塞川)
「こんばんは。『調律師』の『蛇尾川』です」

『蛇尾川』は朗らかな挨拶を返す。
そして、『夕立』の肩にグッと長い腕を回し、

   コソ
        「『夕立』君、いやあ君も隅に置けないねェ」
    コソ

        「スッゴイ美人じゃん。脚の長い、指もキレイだ」

意味ありげな笑みを浮かべていたが、
どうやら『夕立』を揶揄いたかっただけのようだ。

    コソ  「頼れる『調律師』って紹介してもらっといてなんだが、
         昨日、ちょっと忘れ物しちゃってね……」

     コソ  「スケールを一本、ピアノの中にね。
          慌てて『朝陽』ちゃんにお願いして、
          ついさっき、取りに来たってわけだ」

『10cm』ほどの『鉄定規』をポケットから取り出し、
『蛇尾川』は『夕立』にそれを見せる。

    「えへへ、そーですかー。

     キャー、スッゴイ美人ッ!
     『シシドカフカ』に似てるって言われないですかー?」

    「……ところで、お兄ちゃん、どーいう関係?」

急な『美人』の来訪に色めき立っている『朝陽』だが、
兄に向ける視線は何処か冷たい。

427鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/28(日) 23:40:43
>>426

「いえ、塞川さんとはそういった関係では…」

眉根を寄せる。
塞川さんの顔立ちが整っていることに対して否定はしないが、蛇尾川さんの推測する間柄ではない。
恐らく本気でそう思っているわけではないだろうが、一応首を横に振っておこう。

「はは、そういう事だったんですか」
「それなら、無事に見つかって良かったです。紹介に対して、少ししまりは悪くなりましたが」

納得して頷く。蛇尾川さんにもそういうところがあるんだな、と知った。
より一層、初対面の際に抱いていた距離感のようなものが、縮まっていった気がする。

「えっ」
「いや、だから、この前知り合った人で……友人だ…が…」

何となく語尾が小さくなってしまう。
『通り魔』に襲われたからには、朝陽が知らない人間に警戒するのも分かる。
だが、初対面の蛇尾川さんはすぐに受け入れたのに、塞川さんはダメなのか。
いや、これはどちらかというと自分に対しての厳しい視線だろうか。

428塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/06/29(月) 00:09:35
>>426-427
「ゴテイネイにどーも。『塞川』だ」

『蛇尾川』へ挨拶を返しながら、何となく、『朝陽』の腕を眺める。

(ふん、思ったよりは元気そーだな。
切られたのは『腕』……だったか)

「はっは、口が上手いじゃねーか。
そーいうとこは、『お兄ちゃん』に似てねーなァ。
そおだろ、『夕立』。『友人』なんて、連れねーこと言うなよなァ。私とあんたの仲だろ?」

にたりと嫌な笑みを見せて、強めに背を叩く。

「じゃあな、また連絡するぜ。
くれぐれも、勝手に動くんじゃあねーぞ」

ぼそりと『鉄』に言い残し、特に引き留められなそうなら、車を呼び戻す。

429『凍える刃』:2020/06/29(月) 00:34:22
>>427-428(夕立&塞川)
「スマンね、それじゃあボクはこれで」

ポンポン、と『蛇尾川』は『夕立』の肩を叩き、
『塞川』に軽く片手を上げて、その傍を通り過ぎていく。

その間、『塞川』は『朝陽』の腕を眺めていた。
長袖のカーティガンを羽織った『朝陽』の様子に、
変わったものは見られない。

>「いや、だから、この前知り合った人で……友人だ…が…」

>『友人』なんて、連れねーこと言うなよなァ。私とあんたの仲だろ?」

『夕立』に逃げ場はなかった。
一撃入れて去っていく『塞川』、最後に言い残した言葉は、
果たして『夕立』の耳に届いていただろうか――――

     「お兄ちゃん。あんなキレーなお姉さんと?

      どこで? 病院で?
      もー、あやしいことばっかりしてると、
      私まで門限、早くなっちゃうんだから!」


    ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・


冷ややかな視線と共に、『朝陽』の追及が始まる。
なんだかんだで、『夕立』の自室に戻った時には、
すっかり疲れ切っていた。

塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』 → 『離脱』

430鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/29(月) 00:50:33
>>429

「・・・・・・・・・・」

ベッドに腰掛け、深く、静かに溜め息を吐く。
何だか『警察署』に行った時よりも朝陽からの追及の方が疲れた気がする。
だが、このまま眠りにつくわけには行かない。一秒でも早く、『通り魔』への手掛かりがほしい。

「…よし」

まずは去年の『星見コンクール』についてスマホで調べたい。
体調不良者が出たのは、どの程度ニュースになっているのか。できればその名前も調べたい所だが。

431『凍える刃』:2020/06/29(月) 00:59:48
>>430
去年の『星見ピアノコンクール』について、
『スマートフォン』で調べてみる。

――――『ニュース』にはなっていない。
それほど『大事』にはなっていなかったようだ。

スマートフォンで探した結果は、
コンクールの概要を乗せたホームページに、
出場者とその成績が載っているくらいだ。

出場者は全部で『16名』。
当時に所属していた小中学校と名前が載っている。

432鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/29(月) 21:21:37
>>431

『16名』。それぞれの名前と出身校、そしてそのコンクールでの成績をメモ帳に記す。
そして今年の『星見コンクール』の出場者も確認して、両方に共通する人間の名前を探してみよう。
一番可能性が高いのは、その人物周辺か。

433『凍える刃』:2020/06/29(月) 22:58:03
>>432(夕立)
成績は以下の通り。


第XX回星見ピアノコンクール

 1:市立はばたき小学校四年生 『若草千広』
 2:市立湖西小学校五年生    『菅野幸生』
 3:市立はばたき小学校五年生 『四谷祐樹』
 4:市立やまなみ小学校五年生 『真下沙琉厳』
 5:私立清月学園小等部五年生 『杉沢香月』
 6:私立清月学園小等部五年生 『杉沢日輪』……審査委員長特別賞
 7:市立湖西小学校六年生    『遠山麗印』
 8:市立星見中学校三年生    『藤宮徐杏』
 9:市立星見中学校二年生    『榊原征矢』
10:市立湖西中学校一年生    『エリカ・レーネック』
11:市立雪ヶ丘中学校二年生   『月宮あゆみ』
12:私立清月学園中等部三年生 『加藤夜趣庵』……優秀賞
13:市立雪ヶ丘中学校一年生   『戸田正明』
14:私立清月学園中等部二年生 『鉄朝陽』……最優秀賞
15:私立光檀女学院中等部一年生『須藤友奈』
16:市立星見中学校三年生    『嘉村良平』

参加者、成績は以下の通りだ。
今年のコンクールに出場したのは、菅野、真下、杉沢姉妹、榊原、加藤のようだ。
―――――この16人を全員会って調べるなら、『丸々一ヶ月』は掛かるだろう。
5人に会って調べるのなら、『二週間』は必要になる。

      B r r r .  .  .

スマートフォンが震え、メッセージの着信を告げる。
内容は以下の通りだ。

【場】『 PC間連絡スレ ―星間通信― 』【他】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/97

434鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/29(月) 23:40:00
>>433

「…『五人』か」

半分以下には絞り込めたが、まだ多い。更に絞り込む必要があるだろう。
だが、その為のフィルターは、今のところ思い当たらない。顎に手を当て、更に思考を深めようとする、と。
『スマホ』にメッセージが届いた。塞川さんからだ。

「オレが持っている情報の確認か…確かに必要なことだ」


>〇鉄朝陽への通り魔事件
>→いつ、どうやって
>→→『星見ピアノコンクール』との関係

数ヶ月前、人混みの中で見えない刃物に切られたと本人談。
『ピアノコンクール』との関係性は現時点では明確ではない。

>〇切江と鉄朝陽・鉄夕立との接点
>→『鉄朝陽』は『切江』のことを知っているのか。

>→『切江』が両者の事を認識したタイミングは?

『不明』。少なくとも自分は切江の存在は知らなかった。
朝陽も含め、一方的に知られてた可能性が高いが、妹にも訊ねる必要あり。

>〇『星見ピアノコンクール』
>→『鉄朝陽』が体験した事
>→→起こった『耳鳴り』や『眩暈』について

『不明』。本人は特に体調不良を訴えてはいなかったように思える。
こちらも訊ねる必要あり。

>今後の調査事項
>〇切江について(加佐見・木山へ確認)
>→『作風』が変化したタイミング
>→→『星見ピアノコンクール』との関係
>→→→そもそも『出席』していたのか。

『要確認』。

>→『通り魔』との関係
>→→『協力者』だったのか?
>→→『目撃者』だったのか?
>→→『被害者』だったのか?
>→→→『切江』に『傷』はあったか。
>→→→→『鉄朝陽』が再び襲われる可能性


『切江』は全身を刃物のようなもので切られ、抵抗もせずに死亡した。関係性は不明。


「・・・・・・・・・・」

ここまで纏めたところで、まだ送信はしないでおく。
朝陽に会いに行こう。明らかにしておくべきことがある。
今は自室にいるだろうか、それともリビングか。

435『凍える刃』:2020/06/30(火) 21:42:08
>>434(夕立)
『塞川』からの質問に対し、情報をまとめる。
そのメールは送信せず、『朝陽』の部屋へと向かう。


      .。
     /
   / \
  .|Zzz...|
     ̄ ̄

部屋の前についたが、『就寝』を示すボードが貼られている。
今、叩き起こしたら、手痛い反撃を喰らいそうだ。

     ――――そろそろ、『夕立』も寝る時間だろう。

436鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/30(火) 21:53:34
>>435

「・・・・・・・・・・」

流石に妹を起こしてまで質問するのは心苦しい。
それに痛みには多少慣れているが、かといって好き好んで味わいたいものでもない。
塞川さんには申し訳ないが、質問の内容についての返信は、明日まで待ってもらおう。

「『すみません、明日情報をまとめて返信します…と」
「オレも寝るか…」

とりあえずのメールを送信すると、また自室に戻る。
『星見ピアノコンクール』についてより深く考える為に、今は頭を休めよう。
体力は無限ではない、自分は凡人であるから知っている。だからこそ頭も身体も、効率よく動かして鍛えなくては。
就寝しよう。

437『凍える刃』:2020/06/30(火) 22:19:08
>>436(夕立)

    パチンッ

自室の電灯を消し、『夕立』は布団に潜り込んだ。
まるで闇に熔けるように、ゆっくりと意識が混濁していく。

『星見ピアノコンクール』について、深く考えなければならない。
そう、『夕立』は思考する。『参加者』、『見学者』、『朝陽』自身に、
――――もっと、探るべき部分はあるだろうか?
         .
ぐっすりと、『夢』さえ見ることなく、『夕立』は眠りに就いた。

     ・

     ・

     ・

『朝陽』は珍しく、『夕立』よりも早く、中等部へと登校していた。

別段、『夕立』を避けているわけでもなく、『母親』にそれとなく聞いたところ、
どうやら、クラスの『合唱コンクール』の『ピアノ伴奏』を頼まれ、
『朝練』とやらに出ていったのだと、嬉しそうに話したのだ。

――――着実に、『日常』は回帰しつつある。
後は二度と壊れないように、『夕立』に出来ることをするだけだ。


     「――――道場に、礼!
      ――――お互いに、礼!」

     「では、解散!」

『剣道部』の活動を終え、『夕立』は帰路に着く。
修理に出していた『籠手』を受け取るため、『武道具店』により、
そのまま『バス』に乗って、家の最寄りまで移動する。

     「あれ、お兄ちゃんもバス?」

奇しくも、『朝陽』もまたバスに乗っていたようだ。
他の乗客は数人。『鉄邸』に移動するバスとしては、変わった様子はない。

――――話を訊くなら、今がチャンスだろう。

438鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/30(火) 22:43:34
>>437

「そうか。…それなら、本当に良かった」

母親共々、笑みを浮かべた。
会ってはいないが、それでも今朝、家を出て行く朝陽の顔が想像つく。
きっと、やる気と幸せに満ちていただろう。ならば、自分はそれを必ず守るだけだ。
『音仙』さんにも、そう誓った。それが故の『シヴァルリー』。刃の向かう先を、見極めよう。



>     「あれ、お兄ちゃんもバス?」

「お、朝陽か」「今日は剣道具の『籠手』を修理してもらっていて、それを受け取りにいったんだ」
「…いつも思っているが、改めて両親に感謝しなくては、と感じるな」
「オレたちがこうやって好きな事をやらせてもらえるのは、二人のおかげだ」
「だから大人になったなら、しっかり恩返しをしなくちゃあな」

例えば親より先に亡くなるなどは、最大の親不孝と聞く。絶対に、そんな事になってはならない。

「…ところで朝陽。『時雨蛙』という作品を知っているか?」

439『凍える刃』:2020/06/30(火) 23:06:35
>>438(夕立)
「……・相変わらずジジむさいよねー」

今がある有難味を『朝陽』に伝える『夕立』だが、
当の『朝陽』は眉根を寄せて、一言で切って捨ててしまった。

>「…ところで朝陽。『時雨蛙』という作品を知っているか?」

   「あっ、ニュースで見たよ。作者の人、亡くなったんだよね。

    ――――って、それでしか知らないよ。
    読んだこともないし、『時代劇』のマンガって、
    私、『銀魂』しか読んだことないから」

『朝陽』はニュースで一連の事件を知っているが、
逆を言えば、それ以外の接点は全くなさそうだ。
友達と『少女漫画』や刺激の薄い『レディコミ』を貸し借りするか、
流行りの『少年漫画』を『夕立』の部屋から持っていくのが、『朝陽』の嗜好だ。


    バアァァ―――z_____

バス停から一人の男が乗り込んできた。
ベンチコートのフードを目深に被り、その容貌は伺い知れない。
何やらブツブツと呟きながら、ゆっくりと『夕立』と『朝陽』に近づいてくる。

   「……ソ」

              「……ッソ」

440鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/30(火) 23:26:43
>>439

>「……・相変わらずジジむさいよねー」
「・・・・・・・・・・」

割と大切な話をしていたつもりだったが、鮮やかな切り方で返されてしまった。
だが、耐えられる。自分は長男なので耐えられた。次男なら危なかった。心の傷はそっとしまっておこう。

「いや、女子中学生がその作品や作者対して、どれくらい認識されているのか
 知りたがっている人がいてな。やはり今時の子は知らないのか…」

嘘はついていない。気になっているのは塞川さんで、知りたいのは朝陽の認識だけだが。
やはり知らない、しかもニュースを見たならその顔を見たのだろう。
となると、街で何かしら話したことがあるとか、『星見ピアノコンクール』にゲストとして招かれた、などもなさそうだ。

「そういえば、─────」

『朝陽』に次の質問をしようとして、新たに入ってきた乗客に目が行った。
極めて怪しい人間だ。フードを目深にかけるならまだしも、なにかを呟いているのは奇妙だ。
音楽を聴きながら小さく歌っている可能性もあるが、用心に越したことはない。
朝陽と新たな乗客の間に立ちながら、学校の鞄を腰元に構える。
刃物なら『シヴァルリー』で如何様にもできるが、鈍器の類を取り出したなら鞄を盾にする算段だ。

441『凍える刃』:2020/06/30(火) 23:34:25
>>440(夕立)
『長男』としての矜持が、『妹』の暴言を耐え抜いた。
『朝陽』の回答は、ほぼ『空振り』に近いものだろう。
故に、『夕立』は次の質問を切り出そうとする。


      スウゥ. . .


『フード』の男は、ポケットから何かを取り出した。
装飾の施された『ダガーナイフ』、その刃が鈍く光る。


     「ァ、ヒッ」


『朝陽』が『夕立』の腕を掴む。
双眸を見開き、瞬く間に顔の血色が失われる。
『夕立』は、乗客との前に立ち塞がる。

  「ッソが」

         「クッソが、クッソがよォォ!!!!」

逆手に握った『ダガーナイフ』、
それが『鉄』の肩口へと振り落とされる。

442鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/06/30(火) 23:43:42
>>441

使われたのは『鈍器』ではなく『刃物』。それならば、何も問題はない。
『斬撃を統制する能力』。『シヴァルリー』の前では、どのような刃物も意味を為さない。

『シヴァルリー』を発現、即座に『ダガーナイフ』の切れ味を奪う。
そうなれば、その『刃物』は斬撃はおろか、打撃ですらも何も傷付けることはできない。
念のため腰元の鞄は上の方に上げつつ。
鞄を持つ手とは逆の手を握りしめ、刃物を振り下ろしスキだらけの男の顎をブン殴る。

443『凍える刃』:2020/06/30(火) 23:59:21
>>442(夕立)

      サシュッ!

『シヴァルリー』の前に、あらゆる『刃物』は無力と化す。
それは、男が振り翳した『ダガーナイフ』も例外ではない。


  トスッ
       「ん、ぁ、―――えっ?」

肩口に触れた『ダガーナイフ』は、寸前で『停止』する。
……いや、触れた感覚すら解らないほど、『威力』が減衰し、
『夕立』のカッターシャツにホツレ一つ作れぬまま、止まってしまったのだ。

     ゴスッ!

無用となった『鞄』とは対の手、握り拳が形作られる。
そして、ガラ空きの顎下を吹っ飛ばすように、

       「おぶぉ!」

  ドサァ――――

思いっきり振り回され、『男』の前歯が吹っ飛んだ。
そして間もなく、『男』が半回転するように身を縺れさせ、
バスの床に思いっきり鼻先をぶつけ、ぶっ倒れる。

       「お、お兄ちゃん!? 大丈夫!?」

『朝陽』が心配そうに金切り声を上げた。
無論、『夕立』は振るった拳以外に痛みを覚えていない。

     スゥゥ . .  .

--------------------------------------------------------------------
   【スタンドの名は『グッドナイト・キッス』】


         【手ずからの『介錯』をした『騎兵』から『スピード』を簒奪する。】


   【『切り返し』や『引き抜き』さえも『見えない刃』として追撃が起きる。】

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453051228/182
--------------------------------------------------------------------

『シヴァルリー』によって、奪い取られた『ダガーナイフ』。
その『詳細』が『夕立』の脳裏へと浸透していく――――

444鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/01(水) 00:13:38
>>443

「ああ、大丈夫だ」「朝陽たちは危ないから、下がっていてくれ」

平坦な声を出しながら、『シヴァルリー』の右手に『グッドナイト・キッス』を発現。
倒れた男を片手でひっくり返し、床にうつ伏せに押しつけながら男の片腕を背中にねじり。
『グッドナイト・キッス』を喉元に当てる。

「『スタンド使い』か」「何が目的だ?」
「『五秒以内』に答えろ」

445『凍える刃』:2020/07/01(水) 00:27:03
>>444(夕立)

 どよどよ・・・


    「ちょっと、何」

                「ヤダ、ケーサツ!」


何人かの『乗客』は事態に気付き、どよめきながら席を立つ。
『運転手』もブレーキを踏み、バスを路肩に停める。

       グリッ

>「『スタンド使い』か」「何が目的だ?」
>「『五秒以内』に答えろ」

押さえ付けられたまま、『フードの男』は待った。
三秒、四秒、――――男は、口を開いた。

    「悪いかよ」

    「……殺し損ねた『獲物』を」


   ウ   ゾ      ――――『男』の被っていた『フード』が外れ、
               痩つれた人相の悪い顔が明らかとなった。
     ゾ

その左頬には、唇の肥大化したような『人面痣』が、
ドロドロと蠢きながら、『夕立』を睨み付けていた。

    「もう一度狙って、何がワルイ ガよ」

『フードの男』は呻き声を上げる。

446鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/01(水) 00:34:07
>>445

「『通り魔』か」「『切江』とはよろしくやっていたようだな」

朝陽には男の姿が見えないよう、自分の身体の位置を調整する。
そして男とも近付き過ぎないよう、一定の距離を保つ。『シヴァルリー』の射程距離『2m』だ。
そして『グッドナイト・キッス』の刃で人面痣を薄く切りつける。男を殺傷しないように精密に。

447『凍える刃』:2020/07/01(水) 00:46:38
>>446(夕立)

   「フ、フフフッ」

『フードの男』は圧し潰されての呼吸か、
それとも含み笑いか、漏れる声に理性は感じられない。

     スカァッ!

『グッドナイト・キッス』の刃が、
『人面痣』を薄く切り裂き、一筋の血を流す。

     『AAAAWAAAAAA . . .』

『人面痣』は呻き声を上げ、唇を悲痛に歪ませる。

448鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/01(水) 01:03:38
>>447

『切江』との間柄に関しては一切喋らず。そして『逃走』に関して必死ではないようだ。
あるいはこの『人面痣』こそが能力で、この男は無関係の可能性もあるかもしれない。
何にせよ、彼我の距離は保つ。今後自分に対してあらぬ疑いをかけられないように。

「そんなに負け犬であることが惨めなのか?」

だから、あえて挑発するような言葉を使う。
もし犯人の動機が『コンクール』での勝者である朝陽を狙ったものなら、これは少なからず効くはずだ。
それ以外でも、ある程度含みを持たせたような質問で、言葉を引き出したい。
ここでこの男を捕まえて終わりならば、何の問題もないからだ。そうでない事に備える。
何も答えないならば、人面痣を細かく切り刻む。

「朝陽、警察に電話をかけてくれるか」

既に乗客がかけているかもしれないが、念のため通報をするように頼んでおく。

449『凍える刃』:2020/07/02(木) 22:50:57
>>448(夕立)
>「そんなに負け犬であることが惨めなのか?」

     ピクッ

『男』の表情が変わったように見えた。
憎しみ、怒り、それらを孕んだ、引き攣った顔。
だが、それも一瞬の内。

    「惨めだから、
     こうやって、憂さ晴らししてるんだろうが」

その声には怒気は籠らず、『諦念』だけが浮かんでいた。
それは『殺戮』が敵わなかった、諦めなのだろうか……。

>「朝陽、警察に電話をかけてくれるか」

     「う、うんっ」

    ウゥゥ―――

                 ゥゥゥ―――

動揺しながらも『朝陽』が携帯電話を取り出すが、
それよりも早く、『サイレン』の音が近づいてくる。
『警察』は既にこの男を探していたようだ。
『逃亡犯』なのか、あるいはそれに類する者か。

――――『人面痣』を切り裂くのは容易だ。
もしも『始末』するのであれば、『警察』が来る前でなければ、
『距離』を取ったとはいえ、疑いの目を向けられるのは明白だ。

450鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/02(木) 23:20:36
>>449

「・・・・・オレの妹を狙ったのも、ただの憂さ晴らしか?」

男の心のどこかには引っ掛かったようだが、明瞭な返答ではなかった。
この『スタンド使い』が、本当にあの日朝陽の腕を切りつけた本人なのだろうか。


>    ウゥゥ―――

>                 ゥゥゥ―――

警察が来たなら、後はそれに任せよう。法の裁きが最も望ましい形なのは理解している。
これ以上の追撃はしない。彼らが来るのを待つだけだ。

「…ところで朝陽。こいつの『刃物』が見えたのか?」

451『凍える刃』:2020/07/02(木) 23:35:03
>>450(夕立)

>「・・・・・オレの妹を狙ったのも、ただの憂さ晴らしか?」

  「そうに、決まってるだろ」

  「へへ、ヘッ、それ以外、何があるかよ」

男の『正体』を訝しみながら、
『夕立』は追撃を止めて、『男』の拘束に留める。

>「…ところで朝陽。こいつの『刃物』が見えたのか?」

 「う、うん……」

『グッドナイト・キッス』は実体化していた。
一般人の『朝陽』が見えていても、不思議ではない。
『朝陽』は怯えてはいるものの、『男』が押さえ付けられており、
何よりも『兄』が傍にいるからか、『恐慌』には至っていない。

    「こ、こっちです!
     高校生の子が、抑えてくれて――――」

    「『新塚英夫』、コイツ何してやがるッ!?」

    「『執行猶予中』だぞ、正気じゃあねぇーだろ!」

老齢の『バス運転手』が掠れた声で叫んでいた。
二人の『警察官』が、停車したバスに飛び込んでくる。
倒れ伏した『新塚』に駆け寄り、その四肢を押さえ付けた。

    「君、離れなさい!」

    「ご協力に感謝する、これからは我々の仕事だ!」

床に落ちた『グッドナイト・キッス』を、警察官は視認している。
そうこうする間に、『新塚』は手錠を掛けられ、バスから降ろされる。

『グッドナイト・キッス』は本体の手によって動かす『器具型』だ。
自由を奪われれば、『警察官』が被害に会う心配はないだろう。

452鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/03(金) 00:25:48
>>451

「そうか。男の顔に、何か見えるか?」

念のために、朝陽に男の『人面痣』が見えるか確かめておく。
こちらは『スタンド』なのか?実体化しているのか?
こいつが逮捕される事で全てが解決するなら、何も問題はないはずだ。
だというのに、何故か全く安心できない。ひとまず『シヴァルリー』を解除する。

「新塚英夫」

犯人の名を後で調べておかねばならない。一体何の犯罪で最初に捕まったのだろうか。

453『凍える刃』:2020/07/03(金) 01:08:55
>>452(夕立)
>「そうか。男の顔に、何か見えるか?」

怪訝そうにしていた『朝陽』だが、やがて首を振る。
『男の顔に見覚えがあるか?』という意味と解釈したようだ。
この解釈をする以上、『人面痣』自体が見えていないか、
若しくは『違和感』を覚えていないか、どちらかだ。
――――『人面痣』は実体化している。

    「乗客の皆様、お怪我はありませんか?
     容体の悪い方は、いませんか?」

若い『警察官』が現れ、少ない『乗客』に声を掛けている。
やがて、『警察官』は二人の前に現れた。

    「君が、『新塚』を止めてくれたんだね。
     ケガはないかな? そちらの、妹さんは?」

    「え、えと、私は大丈夫です。
     ――――お兄ちゃん、本当に大丈夫なの?」

『夕立』はケガ一つしていないが、『朝陽』は心配そうに眉を寄せてる。

    「まずは、親御さんに連絡を。
     それから、少し話を訊かせてくれるかな?」

恐らく、『新塚』との関係性、事件発生までの経緯を訊かれるのだろう。
『朝陽』や『加佐見』の時と同じだ。――――もうすっかり、慣れたものだ。

……それから『一週間』、『夕立』の放課後は『事件聴取』に費やされた。
『新塚英夫』は『押し買い事件』を起こした詐欺グループの一人だったが、
有能な弁護士によって『執行猶予』を勝ち取り、社会復帰していた。
――――最も、それは『外面』だけだったのは、事件が明らかにしてた。

『朝陽』が犯人の顔を見ておらず、『新塚』本人が『自供』している以上、
『通り魔事件』の犯人は『新塚』で間違いないと、警察は断定している。
事件発生の翌日、『執行猶予中』の男が事件を起こしたと報じられた。

『夕立』の『両親』は二人を抱き締め、無事を喜んだ。
そして、娘を傷付けた『犯人』への憤りを隠さぬ一方、
――――もう二度と、事件は起きないと、安堵していた。

事件発生から数日、『朝陽』は平静さを取り戻していた。
テレビ局が家に押し掛けず、近所から無遠慮な詮索も起きない。
『夕立』が犯人を抑えつけたという噂は何処から流れたのか知らないが、
『妹を守った立派な長男』だと、周囲は何かと褒めそやすようになっていた。

また、『朝陽』はピアノを弾き始めた。
『蛇尾川』は予定より早く、ピアノのオーバーホールを完了させていた。
部品一つ一つを駆け回って集め、何とか『コンクール』に間に合わせたかったと、
寝不足の目を光らせながら、朗らかな笑顔を浮かべ、『夕立』に語っていた。

そう、『朝陽』はまた、『湖畔』の『コンサートホール』でピアノを弾くのだ。
少し前から『ピアノコンクール』に出場しようと、準備を進めていたという。
部屋から漏れ聞こえる澄んだ音色は、『夕立』の心に染み入り、癒していく。
――――そう、少しずつ『日常』が戻ろうとしている……。

454『凍える刃』:2020/07/06(月) 20:46:56
>>452-453(夕立)
その日、『夕立』は純喫茶店に来ていた。
普段の『夕立』が立ち入る類の店ではないが、
――――ある男に、『夕立』は呼ばれていたのだ。

    「『夕立』君、ここだよ」

上質なソファとコーヒーテーブルの置かれた、窓側の席。
既にホットコーヒーが湯気を浮かせている。

    「弁護士の『タダヒト』です。
      .今日は来てくれてありがとう」

襟元には『向日葵』を模したバッチが鈍く輝いていた。
仕立ての良い『サヴィル・ロウ』を着こなした、四十そこそこの男性。
『ピエール』や『蛇尾川』とは違う、黒髪黒目をした純日本人の面構えだ。
背丈も『夕立』と変わらないが、実業家然とした堂々たる雰囲気を醸し出す。

――――『飯塚』の『執行猶予』を勝ち取った弁護士が、
『夕立』に電話を掛けてきたのは、つい昨日のことだった。
彼は『加佐見』の弁護士も兼任していると『夕立』に告げながら、
『事件』について聞きたいことがある、と巧みに『夕立』を誘い出してきた。

     ズ
     ア    「言葉を並べるより、『見た』方が早いだろう」
      ッ

『夕立』の分のオーダーを訊きに来た『ウェイトレス』が傍に来た瞬間、
『タダヒト』は『ウェイトレス』の傍に、ヴィジョンを発現する。

    「そういうことだ。
     ――――『コーヒー』を飲むなら、ホットがいいよ」

アドバイスをする『タダヒト』。その傍では細身のヴィジョンが佇んでいる。

455鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/06(月) 22:27:25
>>453-454

警察の事件聴取に対して、『スタンド』に関することだけぼかしながらも、他は正直に答える。
その夜、塞川さんにナイフのスタンド使いが朝陽を狙ってきたが、逮捕された、とだけメールを返信した。

そうして時間が過ぎる。
捕まった男は犯罪集団の一人だった。とはいえ詐欺であり、直接的な暴力を伴うものではない。
警察は、男を『通り魔』の犯人とした。
自分は完全に納得はしていなかった。詐欺グループが、何故一介の中学生を切りつけたのか?
『星見ピアノコンクール』で起きた体調不良の原因は?あの人面瘡は何だったのか?
疑問は残る。

だが、両親の安堵した顔。ピアノと朝陽の心の再生に尽力してくれた蛇尾川さん。
そして、妹の部屋から時折流れてくる、心地よいメロディが。そんな疑問も、段々と忘れさせていった。




>    「『夕立』君、ここだよ」

「ご存知だとは思いますが。鉄 夕立(くろがね ゆうだち)です。よろしくお願いします」

一礼して、席につく。
眼前の男の襟元には向日葵のバッチ。法を預かる者の証だ。
そしてその法に則り、あのナイフのスタンド使いを拘置所から出した男でもある。
一体、今日は何の目的で呼び出したのか。全く予想がつかない中、『タダヒト』と名乗った男は『スタンド』を発現した。

「──────────」

メニューに暖かい緑茶があれば、緑茶を。なければオススメのホットコーヒーを頼もう。
僅かに拳を握る力を込めながら、『タダヒト』さんの目を正面から見返した。
『スタンド使いの弁護士』。『新塚』も『加佐見』も担当している男。

「あなたは、そういった事件を主に取り扱っているんですか?」

456『凍える刃』:2020/07/06(月) 22:55:08
>>455(夕立)
『純喫茶』の拘り故か、『緑茶』の用意はなかった。
『ホットコーヒー』を注文し、静かに『タダヒト』を見返す。

>「あなたは、そういった事件を主に取り扱っているんですか?」

   「『スタンド使い』に関わる事件を探しては、
    その被疑者を『弁護』し、適切な『裁き』を受けさせる」

   「今回は、よろしくない『結果』を招いてしまったが、
    私はそれを生業にしている」

『夕立』に対し、遠慮を示す様子はない。
『タダヒト』はホットコーヒーを啜り、平然としている。

   「そう、よろしくない『結果』だ。
    『新塚』という男は、派遣業を転々とした普通の男。
    ハッキリ言って、『通り魔』をするようなタマには見えない」

   「『押し買い事件』も闇金業者の債務者同士、
    意気投合してやっただけ、計画性もほとんどない」

   「――――とはいえ、彼の『スタンド』に興味があった。
    『執行猶予』を与え、スタンドの出所を探るつもりだったが、
    私との待ち合わせを破り、何故か『路線バス』に向かっていった」

   「彼は『逮捕』され、その凶器が『押収』された。
    所持していた『ダガーナイフ』を、だ。
    ―――――その意味が解るかい?」

半ば捲し立てるように、それでも朗々と聞き取りやすい語調を維持し、
『タダヒト』は一気に『夕立』へと事件までの概要を説明した。

457鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/06(月) 23:09:06
>>456

「…適切な裁きであるならば。それは素晴らしいことだと思います」

彼の行動の結果、確かに今回は一般人が犠牲になりかけた。
自分の『シヴァルリー』でなければ。たまたま朝陽と同じバスに乗ることができなければ。
妹がまた、あの凶刃に倒れていたかもしれない。

だが、その点に関して『タダヒト』さんにこれ以上追及するつもりはない。
人間誰しもミスは起こり得るものだ。そして誰も犠牲にならずに終わったことだ。
更に言うなら、『スタンド使い』の事件の取り扱いは難しい。
それを取り扱い、罪を軽くさせず、重すぎもさせず。
真に公平な裁きを求めるならば、その生き様はとても正しいものだろう。

「・・・・・」 ピタリ

運ばれてきたコーヒーを飲もうとして、彼の言葉に手が止まった。
あの男が『通り魔』かどうかに対して疑問を抱いていたのは、自分だけではないと知ったからだ。

「…『スタンド使い』から『スタンド』を取り上げる?」
「そんな事が可能な『スタンド』が、いるということですか?」

訊ねた後、ホットコーヒーを一口飲む。少し苦いが、確かに美味い。

458『凍える刃』:2020/07/06(月) 23:36:11
>>457(夕立)
>「…『スタンド使い』から『スタンド』を取り上げる?」
>「そんな事が可能な『スタンド』が、いるということですか?」

    「いいや、そんなスタンド使いは、
     私はまだ、聞いたことはない……」

    「事態は『真逆』で、もっと単純な話だ。
     ――――釈放された当日、『新塚』は『ダガーナイフ』を購入した。
     地下アーケードの防犯ショップで、何の迷いもなしに、だ」

地下アーケードは、何処か『アングラ』な雰囲気が漂っている。
『夕立』も『骨董品店』に立ち寄ったことならあるだろう。

    「つまり、スタンドのナイフを持ちながら、
     わざわざ『ダガーナイフ』を別に用意してたわけだ」

『タダヒト』の話は全く単純で、だからこそ不可解な状況だった。

    「私の弁護を、彼は拒否している。
     つまり、だ。彼は『刑務所』行きを望んでいる」

    「……不可解じゃあないか。
     まるで、『通り魔』として逮捕されたがってる」

459鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/06(月) 23:46:41
>>458

「…本来なら、『スタンド』を隠し凶器不在で捜査を少しでも妨害するはずのところを。
 わざわざ自前の証拠を買って、あの男は犯行に及んだということですか」

地下アーケード街には、少し物騒な品も売っている。自分も『骨董品屋』で日本刀を見つけた。
もし付近で戦闘になれば、それも用いようと思って調べておいた。
珈琲カップを置き、拳を握りしめる。この事件の不自然さが、浮き彫りになっていく。

「何者かに、『通り魔』に仕立て上げられようとしている」
「そんな事をして得になる人間など、本物の『通り魔』ぐらいでしょうか」
「『新塚』の人面瘡は、あなたが弁護を始めた時からあったものですか?」

460『凍える刃』:2020/07/07(火) 00:08:33
>>459(夕立)
>「何者かに、『通り魔』に仕立て上げられようとしている」

  「ああ、若しくは『通り魔』と協力して、
   その『身代わり』になっている、どちらかだ」

不可解な状況を『タダヒト』は説明するが、
靄の掛かったような曖昧さはない。

  「その『人面痣』の話を、しなければならない。
   ――――君はどうやって『スタンド使い』になった?」

話題の切り出しであり、特に答える必要はないのだろう。
『タダヒト』は小さなミルクポットを手にし、その蓋を開ける。

  「スタンドに目覚める方法は、様々だ。
   不可解な夢から醒めたら、スタンド使いになった者。
   己の心の声を聴き取られ、スタンド使いになった者。
   怪しげな『道具屋』へ訪れ、スタンド使いになった者」

  「――――『孵化』と名乗る、人間がいる。
   彼はそう、……『降霊術』によって、スタンドを目覚めさせる」

スタンド犯罪を語る言葉の数々を、『タダヒト』は決して緩めなかった。
しかし、『降霊術』という言葉だけは、周囲を気にしてか濁すように語られる。

  「逮捕された詐欺集団は、全員『孵化』の手を借りている。
   顔に浮かぶ『人面痣』は、まさに『魂』が宿った証。
   ――――それも、とびきりの『罪人』の、魂だと聞いている」

『スタンド』とは掛け離れた、明らかな『オカルト』めいたヨタ話。
そう、聞き流すには『タダヒト』の目には真剣さが宿っていた。

461鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/07(火) 00:22:17
>>460

「我が身可愛さに『押し買い』をするようなヤツが、自ら『刑務所』に入る可能性も…?」

恐らくは脅されて、あるいは『新塚』にとって何か価値のあるものを渡されて、かと思ったが。
そんな男が、自ら身を投げ出すほどの何かを持った『通り魔』の可能性もあるか。
可能性は幅広く考えておこう。

「・・・・・」

『タダヒト』さんに訊ねられ、少し口ごもる。
だが、その後に続いた言葉からして、既に『音仙』さんのことは知っているのだろう。
あえて説明する理由もなく、そのまま彼の言葉の続きに耳を傾けた。

だが、流石に『降霊術』という言葉には思わず眉根を寄せてしまった。
空気が変わったか、そう思ったが。相変わらず『タダヒト』さんの目は真剣そのものだった。
言ってしまえば、『スタンド』も十分オカルトの範囲内だ。まずは信じなければ、その先には繋がらない。

「…『新塚』以外の詐欺集団から、『孵化』の情報は得られなかったんですか?」

まず全体として、その『孵化』という人間が何者かは分かっていないのだろう。
それなら『孵化』に関わった人間から情報を得ようと考えるはずだ。
実際、『新塚』に対して彼はそうしていた。

462『凍える刃』:2020/07/07(火) 00:41:32
>>461(夕立)
>「…『新塚』以外の詐欺集団から、
>『孵化』の情報は得られなかったんですか?」

    「首魁である『松本尊氏』は現在も逃走中、
     捕まった『班目』、『神原』は弁護を断った」

    「『新塚』だけが、『執行猶予』と引き換えに、
     『孵化』の情報を話す、と取引を持ち掛けてきた」

『待ち合わせ』の理由は、この件に関係していたのだろう。
『タダヒト』は僅かに歯噛みするように、口角を引き攣らせた。

    「元々、彼等は『逃亡犯』だった。
     だが、『人面痣』の力を使い、
     『夢』の世界に逃亡していた……」

    「あまつさえ、夢世界の人間を無差別に『殺害』し、
     その世界を『拡充』し、自分達の『王国』を作るつもりだった」

    「最も、それはスタンド使い達によって打破され、
     一人は『スタンド能力』を失った――――」

    「痣のない我々は、『夢世界』には入れない。
     だからこそ、『孵化』を知る者から『夢世界』にアプローチし、
     残りの一人、『松本尊氏』を捕えようと、動いていた矢先だ……」

『夕立』が『入院中』に、大規模な事件が起きていたようだ。
無論、『夢の中』の話など、『夕立』が知る術などなかったはずだが。

463鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/07(火) 00:56:30
>>462

「成る程。『孵化』を裏切ったのは『新塚』だけ、というわけですね」

他にその可能性があるのは、首魁である『松本』ぐらいか。
そしてその『待ち合わせ』中に『新塚』は何かをされたか、あるいは脅されたか。
それとも元から話すつもりなどなかったか。
詳細は不明だが、どちらにせよ今の『新塚』は『孵化』を裏切らないつもりなのだろう。
ならば『松本』の居場所などの情報も引き出せないのかもしれない。

「…『夢の世界』は、『スタンド』によって作り出されるもの、と認識していきます」

『降霊術』の次にまた突拍子もないワードが出てきたが、この際突っ込まない。
全て事実として、捉えていこう。

「その、打破した『スタンド使い』というのは?」「彼ら、もしくは彼女らはどうやって夢の世界に?」

464『凍える刃』:2020/07/07(火) 01:23:18
>>463(夕立)
>「その、打破した『スタンド使い』というのは?」
>「彼ら、もしくは彼女らはどうやって夢の世界に?」

『夕立』の問い掛けに、『タダヒト』は悩ましげに首を振った。

    「恥ずかしい話だが、まだ掴めていない。
     我々は『夢世界』に入ることは出来ないが、
     『バイタルサイン』を聴き取るスタンド能力によって、
     断片的ではあるが、『夢世界内』の情報を入手した」

    「だが、会話は『ノイズ』がヒドく、ほとんど聞き取れなかった。
     彼等が『夢』で交戦し、結果的に『逮捕』されたという情報以外、
     何も入手出来てはいない……」

『夢世界』から『孵化』を追う情報は、完全に頭打ちのようだ。
だからこそ、『執行猶予』を餌にしてでも、『新塚』と取引をした。
それを逆手に取られた、というのが事態の真相のようだ……。

    「もし、『飯塚』が『通り魔』と取引をしたのなら、
     ――――それは恐らく、『夢』の中だ」

    「……そして、恐らくだが……」

    「君の『妹』が狙われた理由も、
     『孵化』や『夢』に関わっている」

    「そう、思えてならないんだ――――」

465鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/07(火) 01:34:33
>>464

「…あなた方は、とある『組織』なんですね」「それも、『スタンド使い』の」

我々、と称しただけではなく、『バイタルサイン』を聴き取るスタンド能力によって、と言った。
自らのスタンドを出したにも関わらず、そういう言い方を使うということは、恐らく『タダヒト』さんの能力ではない。
それが弁護士の繋がりなのか、それ以外の何かは分からないが、彼は『スタンド使い』の集団に所属している、というのは理解できる。

>    「君の『妹』が狙われた理由も、
>     『孵化』や『夢』に関わっている」

>    「そう、思えてならないんだ――――」

「オレの妹が…?朝陽は、『スタンド使い』ではない一般人のはずです」

だが、仮に何故と問いかけても、この弁護士も露知らずであろう。
むしろそれが分かれば、『孵化』の情報を何らかの形で得られるはずだ。
再びコーヒーを飲んで、しばし思案する。

「去年の『星見ピアノコンクール』、体調不良者が何人か出ましたが…それも関係している可能性がありますか?」

466『凍える刃』:2020/07/07(火) 02:05:51
>>465(夕立)
>「…あなた方は、とある『組織』なんですね」
>「それも、『スタンド使い』の」
            . . . .
    「ああ、『アリーナ』という。
     ……その詳細は、今は省こう」

    「別の形で逢えれば、
     良かったとは思っているさ」

『タダヒト』はそう告げる。
『組織』についての隠匿で話を切ったか、
――――あるいは、最後の言葉が『本心』なのだろうか。

>「去年の『星見ピアノコンクール』、
>体調不良者が何人か出ましたが…それも関係している可能性がありますか?」

    「……それは、まだ当たっていなかったな。
     『星見ピアノコンクール』、か」

オカルトめいた刑事事件やスタンド能力に比較し、
小規模なコンクールは『タダヒト』の目に入らなかったのだろう。
思案顔を作り、やがて頷きと共にスマートフォンを取り出した。

    「君の『妹』、『鉄朝陽』が参加していたコンクールだね。
     ……当たってみよう。正直、どうなるかは解らないが、
     今は『頭打ち』だ。少しでも情報が欲しい、そういう状況だ」

『タダヒト』は立ち上がり、伝票札を手に取った。
ふと、『夕立』の胸ポケットに何か違和感を感じ取った。

    「何かあったら、連絡をするんだ。
     しばらくはこの町に滞在している」

『夕立』の胸ポケットには名刺が入っている。
そこには『タダヒト』の連絡先が書かれていた。

467鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/07(火) 21:27:24
>>466

「オレも同じく、情報が欲しいです。何かありましたら─────」

だが、こちらが携帯電話の連絡先を伝えるより早く。既に胸ポケットに『名刺』が入れられていた。
目にも留まらぬ超スピードだとか、恐らくそういうのではない。入れられるまで違和感が全くなかった。
もし彼がこちらを殺すつもりなら、ナイフで心臓を突き刺すのも容易かったろう。

「…これがあなたの『能力』ですか?」

『タダヒト』と名乗ったこの男の、ただ人ならぬ一面を感じ、思わず訊ねる。
そして同じく、彼が全力を尽くしても中々尻尾を見せないほどの存在だということか。『孵化』という人間は。

「これからよろしくお願いします。そして、ご馳走様でした」
『ペコリ』

伝票を手にした『タダヒト』さんを見て、椅子から立ち上がり一礼をする。
彼が店を出ていくのを見届けたなら、自分もその後同じく外に出よう。
…あまりに新しい事実が多過ぎる。これも仲間と共有しなければ。

468『凍える刃』:2020/07/07(火) 22:28:27
>>467(夕立)
>「…これがあなたの『能力』ですか?」

    「そうだ。……だが、今は大して役には立たない。
     『孵化』を、『松本』を、真の『通り魔』を探すには、
     『スパイロ・ジャイラ』では、力にはなれないだろう」

不可解なスタンド能力、背後に醸し出される組織力、
それらを以ても尚、『通り魔』の正体を突き止められないでいる。
先の解らぬ危険に対する『警告』、そうも受け取れる行動だった。


           カラン コロンッ


『タダヒト』は去った。
『星見ピアノコンクール』、その仔細を調査するつもりだろう。
彼にどれだけの『組織力』があるかは伺い知れないところだが、
聞き込みなどの『人海調査』であれば、容易く行えるように見える。

―――――『夕立』独自の、アプローチをする必要があるだろう。

469鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/07(火) 23:15:17
>>468

『タダヒト』さんが動く中で、自分には何ができるか。
多人数で動いた方が効率的な調査は、彼に任せた方がいいだろう。
自分にあって、『アリーナ』にはないもの。自宅へと向かいながら考える。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

まずは『音仙』さんと知り合いであるかどうか。
恐らく彼らは藤原しおんを知っているが、協力関係にあるかは分からない。
…だが、仮に自分が『音仙』さんに助けを求めても、彼女に何かする義理はないかもしれない。
『シヴァルリー』を目覚めさせてもらった時点で彼女に恩義はあれど、これ以上協力を求めるのは筋違いか。

他には、個人的な知り合いの『スタンド使い』か。
だが、自分の知る限りでは『情報収集』の能力を持つスタンドはいない。
ひとまず、『通り魔』の件を伝えてある三人には今日の出来事を話しておこう。
何にせよ、このような危険な人間がいる、ということで警戒しておいた方がいいはずだ。
『塞川 唯』『夢見ヶ崎 明日美』『斑鳩 翔』の三人へとLINEを入れておく。
『真の通り魔』『降霊術を用いてスタンドを目覚めさせる、「孵化」という人間』
『夢の世界の中で悪事を働いていた四人の詐欺集団』についてだ。

そして何より、実際に狙われている可能性のある、朝陽と兄妹である点だろう。
『通り魔』が捕まっていると思っている今なら、多少当時の質問をしても、心の傷が開くことはないだろう。
今はもう家に帰っているだろうか?こちらも自宅に帰ろう。

470『凍える刃』:2020/07/07(火) 23:40:22
>>469(夕立)
『塞川 唯』『夢見ヶ崎 明日美』『斑鳩 翔』、
この三人にスマートフォンでメッセージを発信した。

『夕立』は自宅へと戻る。
『朝陽』はまだ、ピアノ教室にいるようだ。
今日の曜日であれば、仕事帰りの母親が迎えに行くので、
しばらくすれば、帰ってくるだろう。

誰もいないリビングに足を踏み入れる。
応接用のソファと、プラズマテレビが置かれている。
部屋の隅にはビデオカメラが置かれている。
今度のコンクールに備えて、父親が練習でもしたのだろう。

471鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/07(火) 23:48:08
>>470

母親が迎えに行くのならば、ひとまず安心だろう。
これからまた、『通り魔』に対して気の抜けない日々が始まる。
幾ら警戒しても足りないほどだが、流石に人の集まる『ピアノ教室』で事は起こさないはずだ。

何とはなしに、ビデオカメラを触ってみる。父親はいつのまに録画していたのだろうか。
中の記録を見てみよう。
父親は、今度は実際に演奏している姿を見られるので、張り切っているのだろう。

472『凍える刃』:2020/07/07(火) 23:53:34
>>471(夕立)
何の気なしに『ビデオカメラ』を手に取った。
最新映像は『昨晩』だ。タッチパネル式の液晶をタッチする。

  Pi!

晩酌のついでだったのだろうか。
テーブルに置いたビール瓶とコップが映っている。
コップに反射したビデオカメラ、それを持った『父親』が、
映像をズームしたり、誰もいないリビングを映している。

実に10秒ほどの映像だ。唯の撮影テストだったようだ。
内臓メモリには『家族旅行』の動画や、『夕立』の試合動画、
――――『星見ピアノコンクール』の動画も、残されている。

473鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/08(水) 00:00:35
>>472

映像からも、父親が上機嫌になっているのが分かる。思わず苦笑した。
とはいえ、扱いには問題がないようだ。これなら次の『コンクール』で撮り逃しをすることもないな。

「・・・・・・・・・・」

過去の映像を見返す中、去年の『星見ピアノコンクール』の動画が映った。
ふと、思う。このカメラは、基本的には朝陽を中心に撮っていたが。
何かしら、他にも前には気付かなかった何かが、映っている可能性があるのでは。

映像を巻き戻し、最初から見ていく。
『スタンド』はビデオカメラに映らない。
だが見知った顔、あるいは挙動の不自然の人間くらいは分かる。

474『凍える刃』:2020/07/08(水) 00:47:54
>>473(夕立)
『星見ピアノコンクール』の動画アイコンをタッチし、
液晶画面に映る映像を注視する。
             . . . .
『夕立』の言う通り、『スタンド』は写真や動画記録に映らない。
スタンド使いの持つ『感覚の目』でしか、その姿を捉えられない。

            「エントリーナンバー、14番。
             私立清月学園中等部二年、『鉄朝陽』さん」

アナウンスの後、舞台袖から『朝陽』が現れる。
ピアノの前に腰を下ろし、緩やかに両の腕を伸ばす。
それに従って、ビデオカメラはゆっくりとズームしていく。

―――――『切江』だ。
前列の左端、老人が僅かに横を向く。
その横顔には見覚えがある。『塞川』の予想が当たった。

>「そういう『催事』には、『来賓』がつきものだよな?
>その回に……出ていたのか? 『切江ギヤマン』が」

『来賓』というわけではなさそうだが。
やがて『演奏』が始まる。万雷の拍手を招いた伴奏が、

    ――――― ♪

                ―   ―  ―




         -
                            ィ
                      -ィ

            \
                         
 
                   /


                 ィ
  -        |


                 イ
                       ・

             i


                   ァ


                い


               m



               、

475『凍える刃』:2020/07/08(水) 00:49:05
>>473-474(夕立)
―――――『音』が違う。
それは、『生演奏』と『録画』の違いという次元ではない。

『ピアノ』には門外漢の『夕立』であっても、ハッキリと理解できる。
『ビデオカメラ』から響く『音』、左右の耳朶に通った一本の糸を、
小刻みに引っ張られるような、物理的な『不快感』。

聴こえる『伴奏』のリズムは同じはずなのに、
『ノイズ』の主張が激しく、意識をかき乱されていく。

それは『痣』でありながら、『人面』の形を象る。
『新塚』の顔に浮かんだ、『人面痣』にも似ていた。

    T 
      <   。
        ノ \        ィ レ  ル
            ツ                  。
                            ノ \
                                ツ
              ノl ィ   |
                        l/ ノレ . .


     『   Jよ ぃ  れ  ぅ  』


          バアアアアァァァァ――――z______


万雷の拍手が鳴り響く。

476鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/08(水) 01:16:29
>>474-475


                『コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛』


「何だこれは・・・一体何が起きているんだ・・・・・ッ?!」

録画した映像に手が加えられている?だとしたら、どうやってこんな事を?
そして、わざわざこの行動をした意味は?頭の中が疑問符で埋め尽くされる。
ただ、誰が、だけはある程度予想が付く。『孵化』か、その手の者だろう。

嫌な予感がする。背筋を寒気が襲ってくる。
連絡をもらってすぐになるが、『タダヒト』さんにスマホで電話をかける。
何か、少しでも『孵化』の能力に関してデータはないだろうか。
映像はそのまま再生を続けておく。

477『凍える刃』:2020/07/08(水) 01:39:11
>>476(夕立)
ステージから『朝陽』が去れば、映像も終わるだろう。

『夕立』は真っ先に、映像の改竄を疑った。
しかし、『改竄』よりも妥当な見解があると、すぐに思い浮かぶ。

>   「去年の『星見ピアノコンクール』。

>    会場にいた何人かが、『体調不良』を起こしている。
>    耳鳴りや眩暈、症状自体は大したことはなかったが……」

>   「一応、警察でも現場は調べたが、
>    大した物証もなく、事件性はなしとなった」

会場で訴えられた『耳鳴り』や『眩暈』、その『原因』は何か。
『朝陽』の演奏によって、会場にいた何人かが『体調不良』を起こした。
そして、その『不協和音』は、過去の『夕立』では気付かず、今の『夕立』に気付けた。


      ヵ シ  テ

                    ネェ


         代
         貝

               ι


           て


『朝陽』が一礼し、ステージから歩いていく。
『夕立』は『タダヒト』に連絡を取る。


       T r  r  r  r  .  .  .


           T  r  r  r  r  .  .  .    ブッ


   「『タダヒト』だ。

     ン ワ
             に  か


        解  っ       」


             「ザザザザザザザザザザザ」」



      「音、  ひd  ィぞ」


              「どg    いぅ?」


      「ヵ して ょ」
                         、、
                 「か ラ  夕  」
              、、
      「 い ぃ ナこ
                ろ」

                      「なぁ」


          よこせ




.

478鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/08(水) 21:58:07
>>477

「まさか、『体調不良』はこの不協和音が原因なのか・・・?」

体調が悪くなったのは、この朝陽の演奏を聞いたから?
だとしたら、以前は聞こえなかったのが今は聞こえるのは何故だろうか。
一年前の自分と、今の自分の違い─────『スタンド使い』であるか否か?
そうだとしたら、去年体調が悪くなった人間は、全て『スタンド使い』ということか?

「・・・・・案の定、か」

『タダヒト』さんへの連絡が出来ない現状に、首を振った。
やはり連絡はできないか。嫌な予感が当たった。この分では、三人への連絡も出来ていないかもしれない。
それはともかくとして。

「貸して、じゃあないだろ。ましてや寄越せ、などとは何様のつもりだ?」
「人から大切なものを貸してもらいたければ、まずは電話口じゃなく直接赴いて相談すべきだろうが」

情報の媒介に干渉するスタンドか?
しかし、それではこちらのやり取りは全て監視されていると考えるべきか。
そうなると、ヤツが本気で身を隠せば誰にも見つからないことも可能かもしれない。
『弱点』を探さなくては。

479鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/08(水) 22:44:16
>>477

「まさか、『体調不良』はこの不協和音が原因なのか・・・?」

体調が悪くなったのは、この朝陽の演奏を聞いたから?
だとしたら、以前は聞こえなかったのが今は聞こえるのは何故だろうか。
一年前の自分と、今の自分の違い─────『スタンド使い』であるか否か?
そうだとしたら、去年体調が悪くなった人間は、全て『スタンド使い』ということか?

「・・・・・案の定、か」

『タダヒト』さんへの連絡が出来ない現状に、首を振った。
やはり連絡はできないか。嫌な予感が当たった。この分では、三人への連絡も出来ていないかもしれない。
それはともかくとして。

「解ってる、ちょっとだけだぞ!」

480『凍える刃』:2020/07/08(水) 22:47:05
>>478-479(■■)
『■■』は体調不良の原因を考察する。
気持ち良かったに違いない。自分の身体だけではない。
一つの肉体に魂が二つ。隙間から浸透する。当然だ。
明確な『拒絶』さえなければ、滑り込む余地は幾らでもある。

スタンド使いかどうか、それよりも『素質』があるかだ。
霊的な素養を受け入れる土台。スタンドという『異能』がある方が、
それを作りやすい。後天的な素質だ。芸術家にもその気がある。
どの道、素養のある魂を宿した者は、『スタンド使い』になれるのだから。

『タダヒト』への連絡は不要だろう。
他の三人にメッセージは届いているが、
それをどう捉えるかは不明だ。良い便りと思うに違いない。

    「、と、 音が――――」


    「優先されてる――――」


    「なんだ、コレ」

『スマートフォン』は不要だろう。
『夕立』はリビングに服を脱ぎ捨て、二階に上がる。
布団の中に潜り、電気を消すことにした。

       パチンッ

481『凍える刃』:2020/07/08(水) 23:15:39
>>480(夕立)

    ―――――― ―――― ――― ―― ―

『夕立』は目を開ける。
背中が痛い。『石畳』に仰向けになっている。
左右に反り立つ『石壁』には、掘り込まれた『燈篭』が映る。
学校の『廊下』ほどの高さ、広さをした『通路』だと理解できる。


     ザシュッ      ザシュッ


『夕立』は自らの意思に反し、眠ってしまったのだと思い出した。
今、思い返してみても『謎』だ。何者かの『思念』まで流れ込んで来ていた。
服一つ着ていない現在では、スマートフォンで連絡を取ることもできない。


    「GWWWWWWWUUUUUUU...」


『燈篭』の光が届かない通路の奥、
そこから現れたのは、巨大な『グリズリー』だ。
――――いや、『グリズリー』なのか定かではない。
左右の目に加え、額からも目が輝いている。


    「GWWWWWWW!!!!!」


『グリズリー』めいた怪物が、7〜8m先から、
『夕立』へとタックルを仕掛けてくる。

482鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/08(水) 23:37:09
>>480-481

「─────・・・・・」「ここは…?」

身体を起こして、周囲を見渡した。
全く見覚えのない景色だ。寝ている間に連れてこられたのでなければ、これが『夢の世界』か。
だとすると、流れ込んできた『思念』はやはり『孵化』の能力によるものなのだろう。
降霊術といったが、アレが霊とやらの思念なのか。身体を欲する、という理屈には合う。

しかし、全く抗えなかった。気付いた時には身体の自由が奪われていた。
侮っていたわけではない。敵の行動を知りたかった。だが、結果がこれかと
衣服もなく、見知らぬ場所に置かれた自分を見て思う。浅はかだったかもしれない。


>    「GWWWWWWWUUUUUUU...」

だが、後悔しても既に遅い。『グリズリー』らしき生き物が現れている。
あの生き物が現実のそれと同じなら、人間など紙人形のように容易く引き裂く。
『シヴァルリー』の膂力で立ち向かえるか?もう少し手札が欲しい。
もし『シヴァルリー』を発現できなければ、かなり死が近付く。まずは発現を試みて、可能であれば『灯籠』を倒して道を塞ぎつつ逆方向へ。
恐らく都合よく刃物はないだろう。何か破片ができそうな割れ物を探したい。
逃げられる速度でなければ、正面から立ち向かう他ないか。

483『凍える刃』:2020/07/08(水) 23:58:30
>>482(夕立)

   ズギャッ!

現状に迷いを見せながら、『シヴァルリー』を発現する。
スタンドは通常通りに扱えるだろう。肉体の感覚も異常はない。
――――いや、一点だけ。自身の左肩に、何かが見える。

     ゾゾッ

      『ノょ ぃ れ ナこ 』

             ゾゾォォ

『人面痣』だ。
蠢く痣痕が貌を象り、喘ぐように言葉を紡ぐ。
右肩は問題なく動かせる。どうやら『異常』はないようだ。

        バッキャァァ!!

『燈篭』は壁に彫り込まれている。
よって、『倒す』ことは出来ないが、
破壊すれば『破片』によって、『刃物』を作れるだろう。
既に、手の届く距離に『燈篭』が彫られている。

※壁に『窪み』が作られ、その中に『燭台』があるイメージ。
  『燭台』を保護するように『鉄格子』がハメられている。
  大きさは『30cm×30cm』ほど。

484鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/09(木) 00:16:58
>>483

「ッ!」「『人面痣』か…魂に入り込むって言うのはこういうことなのか?」
「そうして意のままに操るのか…『新塚』もそうやって再洗脳して、『犯人』に仕立て上げたのか?」

『シヴァルリー』の左手で鉄格子を外し、右手で彫り込まれた『燈篭』を掴み出す。
すぐに『グリズリー』へと向き直り、距離にまだ余裕があれば、『シヴァルリー』の精密さでタイミングを測って
廊下の天井へと燈篭を叩き付け、その破片を迫り来るグリズリーの頭上へと降り注がせる。
その余裕がなければ、すぐさま燈篭を『グリズリー』の顔面へと放り投げる。
そもそも放り投げる余裕もないほど近付かれていたなら、左手の鉄格子を使ってガードを試みる。

485『凍える刃』:2020/07/09(木) 23:08:56
>>484(夕立)

 「WHOOOOAAAAAWW……」

『人面痣』は呻き声を上げる。
『シヴァルリー』は『鉄格子』を引き外し、
すぐさま『グリズリー』の顔面に、『燭台』を投げつけた。

      バキャァ!!

    「GWUUUUAAAAAAA!!!!!」


『グリズリー』の額に命中する。
額の目を潰された『グリズリー』は雄叫びを上げながら、
以前として、その勢いを殺さず、『夕立』目掛けて飛び掛かる。

        ドォンッ!!

    「三つの目は、どれを狙ってもダメだッ!」

    「鼻先を狙って、思いっきりぶん殴れ!」

野太い声が背後から飛んでくる。
それと共に、『夕立』の背後から飛んできた『砲丸』が、
『グリズリー』の額に命中し、強烈な衝撃が怪物を襲う。

四つ足を止めた『グリズリー』。
その距離は『1m』。『シヴァルリー』の射程距離内だ。

486鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/09(木) 23:22:18
>>485

「流石の巨体だ…『2m』超えの選手に竹刀を打ち込んだ時は相手が大木のように感じたが、
 『グリズリー』はそれ以上、さながら『大型トラック』だな」

やはりその突進は止まらない。『シヴァルリー』の全力で踏ん張れるか。
『鉄格子』を盾がわりに掲げて、まずは突進を止めようとして。

>    「三つの目は、どれを狙ってもダメだッ!」

>    「鼻先を狙って、思いっきりぶん殴れ!」

「ッ?!」

予想外の声だ。自分以外に人がいたというのも驚きだが、ましてやこちらを助けようとしてくれるのは。
そして言葉を裏付けるように、後ろから『砲丸』が投げられてグリズリーを打ち据える。信用するには十分。

「『シヴァルリー』ッ!」

即座に右拳で『グリズリー』の鼻先をブン殴り、そして能力を発動。
燈篭にぶつかり破片を撒き散らしながらも近寄ってきたグリズリーは、破片よりこちら側の位置にいる。
その『破片』の内大きいもの四つの『殺傷力』を右拳へと収束させ、正面以外からも刃物による攻撃を加える。
もしそれで更に『グリズリー』が手前へ寄ってきたなら、更に追撃でもう一度鼻っ柱を殴りつける。

487『凍える刃』:2020/07/10(金) 21:01:19
>>486(夕立)
>「『シヴァルリー』ッ!」

    ド  バキャァッ!!


    「BWAAAAAA!!!」


『シヴァルリー』の放った右拳が、
『グリズリー』の鼻面に思いっきり突き刺さる。
悲鳴を上げる『グリズリー』に、更なる追い打ちが掛かる。


   ドスッ
            ビスス!!

破片を象った『殺傷力』が分厚い『毛皮』を突き抜け、
『グリズリー』の巨体を穿ち、反撃の手を止める。

そこへ、『シヴァルリー』の追い討ち、左拳のストレートが放たれる。

    バッグォォ!!

         「GHAAAAAA!!!」


      ドサァ―――z_____

『グリズリー』が口から泡を吹き、その身を痙攣させる。
強烈な一撃だ。生命力次第だが、半日は動けないだろう。

      ブワ サッ

『鉄』の裸体に、背後から『マント』が掛けられる。
砲丸の男が掛けたようだ。たちまち、身体にピッタリと馴染む『服』となる。

     「服を渡すのは、これで『二度目』だな」

     「それにしても、『夕立』君。
      ――――君はどうして、ここにいるんだ……?」

背後に立つ男。……『夕立』はその声に聞き覚えがある。

488鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/10(金) 21:45:56
>>487


>      ドサァ―――z_____


ふぅ、と息を吐く。ひとまずの危機はやり過ごした。
この『グリズリー』の命を奪っておくべきかと少し考えたが、止めておく。
こいつが起きるまで、ここでのんびりしているつもりはない。なら殺さずに済む方がいい。

「ッ!」「これは…」

かけられた『マント』が一瞬にして『服』になる。明らかに現実の物理法則を超越している。
この『三つ目の灰色熊』といい、夢の世界(そう仮称する)では現実と様々に異なると見ていいか。

「ご助力ありがとうございました─────」

最初は、マッサージの終わりに衣服を渡された事を思い出して、『音無』さんだと思った。
だが、呼び名が違う。彼は自分のことを『夕立』、と名前で呼ぶ。
つまり、この男性の名は。

「『立石』さん」

489『凍える刃』:2020/07/10(金) 22:11:08
>>488(夕立)
>「『立石』さん」

   「ああ、久しぶりだね」

振り向いた先には、強面の男が微笑んでいた。
今や『クリニックセンター』で生死の境を彷徨っているはずの、
『立石』は臙脂色の革鎧を身に纏い、手には『アイアンボーガン』を持つ。

最も、これはサブウェポンのようだ。
腰には『長刀』、そして『革袋』を下げた、ファンタジーな出で立ちだ。

   「気付いたら、この『迷路』をずっと彷徨っていた。
    『ロード・オブ・ザ・リング』でしか観たことのない、
    おぞましい怪物達から闘い、逃げ惑い、何日だろうな……」

   「不思議と腹も空かないし、眠くもならないんだ。
    唯、『痛み』と『恐怖』は感じる……。それだけが『生』の実感だ」

怪物の弱点を瞬時に看破したのも、『経験』が成せる技だろう。
最後に会った時よりも、頬は痩せこけ、肌や髪にも水気がない。

   「何にせよ、君と出会えて良かったよ。
    ――――現実の私は、昏睡状態なのは解っている。

    ……君も、私が誰に切り刻まれたか、知りたいと思う。
    この迷宮の出口を探しながら、答えよう――――」

                   . . .
   「何せ、この迷宮は『真っ暗』だ。

    灯り一つない。私は夜目の利く『薬草』を飲んでいるが、
    ……『夕立』君。君はもしかして、この迷宮が見えるのか……?」

『立石』は怪訝そうに『夕立』を見る。
等間隔に灯った『燈篭』によって、通路を視認することは出来る。

     ジジッ

『シヴァルリー』の手に、微かに『火傷』がある。
投げ付けた『燭台』に灯っていた『火』が、掌を焼いたのだ。

490鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/10(金) 22:24:48
>>489

「お久し振りです。一時的に、『警察官』から『冒険者』へと職替えですか?」

軽い冗談を口にする。
久方振りに彼と話をできた喜びもあるが、そうして少し雰囲気を
和らげたくなるほど、今の『立石』さんの出で立ちは痛々しかった。
だが、話を聞けばそれも肯ける。
このような得体の知れない場所で、安息の地もなく何日も何日も戦い続けていけばそうなるだろう。


>    ……君も、私が誰に切り刻まれたか、知りたいと思う。
>    この迷宮の出口を探しながら、答えよう――――」

「はい、よろしくお願いします。ちなみに『讃岐』さんも『安山』さんも心配していましたよ」

立石さんに、襲われた時のことの仔細を訊ねつつ、前へと進もうとする。
だが、立石さんが妙なことを言うので足を止めた。

「『真っ暗』…?オレの目には、『燈篭』が彫り込まれた通路に見えますが」

『シヴァルリー』が手に負った『火傷』を見る。
スタンドは自分から干渉する時、スタンド以外からも干渉される事がある。
次から気を付けて取り扱おう。

491『凍える刃』:2020/07/10(金) 22:38:58
>>490(夕立)
>「一時的に、『警察官』から『冒険者』へと職替えですか?」

   「ハハッ、一時の『天下り』さ。

    ――――『讃岐』さんには、苦労を掛けるな。
    『ヤッス』も、周りに当たり散らしてなきゃいいんだがな」

『夕立』の気遣いを察してか、『立石』は冗談めいて返答する。
その目尻が微かに光る。かつての職場を思い出し、感傷的になったようだ。
『立石』は石壁に掌を当てて、先に進もうとするが、

>「『真っ暗』…?オレの目には、『燈篭』が彫り込まれた通路に見えますが」

    「この燈篭に、『火』が灯ってるというのか?」

『立石』は先を進み、『燈篭』の鉄格子へと掌を伸ばす。
ベタベタと触っていたが、何か違和感を覚えたのか、
慌てて掌を引っ込める。

    「なんだ!?  痛ッ

     ……見えない『炎』か、焼かれているッ」

『光』も『熱』も、一般人の『立石』には感じられない、『スタンド』の炎。
『立石』も火傷を負わなければ、その存在に気付きもしなかっただろう。

    「これも、君達の言う『スタンド』というヤツか。

     ……やはり、私の理解を超えた存在だ」

492鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/10(金) 22:55:25
>>491

かつての『同僚』の名前は、『立石』さんに希望や力を湧かせてくれたように思える。
少し安心したのも束の間、壁に触った『立石』さんが見えない『火』に焼かれたと言い、驚いた。

「成る程、『燈篭』はスタンド…立石さんには見えないようですね」

(しかしその武器、何故そんなものをわざと与えるのか…孵化』の一味に取ってみれば、
 立石さんは真実を知る人間の一人だ。敵の利益になるような事はしないはずだが)
(足掻く様を見て楽しむ悪趣味なタイプか、あるいはこの夢の世界も一枚岩ではないのか…?)

推論を立ててみるが、ここで結論が出る話ではない。
貴重な情報としてしっかり覚えつつ、『スタンド』の見える自分が先を進もう。

「自分が『立石』さんの目になります。先へ進みましょう」

立石さんが来た側と逆の方へと進んでいく。
しかし、これもやはり『謎』だ。この『燈篭』がスタンドだとしたら、その能力は何なのか。
何のためにここにいくつも設置されているのか。本体はどこなのか。

493『凍える刃』:2020/07/10(金) 23:17:10
>>492(夕立)
スタンドの『炎』に推論を立てながら、
『グリズリー』の脇を抜けて、通路の先へと進む。

    「結論から言うと、だ。

     ――――私を切り刻んだのは『切江』さんだ。
     そして、『切江』さんを切り刻んだのは、……私だ」

砲丸を拾い上げ、革袋に突っ込んだ『立石』は、
重々しい口振りで事件の真相を告白する。

    「勿論、私の意思でやったわけじゃあない。
     『切江』さんも同じだと思うが、……『痣』だ。

     あの『ピアノの音』を聴いた時だ。
     身体が疼いて、何かが聴こえてくるんだ」

    「『貸して』、『入れてよ』、『お願い』……。

     気付いたら、私はこの『迷宮』にいた。
     そして、後から思い出したんだ。あの『惨劇』を――――」

『燈篭』が途切れ、脇道には地下へと潜る『階段』が続いている。
この先は真っ暗だ。何処にも『燈篭』はないが、奥から『光』が灯る。

    「どうした、急に立ち止まって」

『立石』は怪訝そうに問う。

494鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/10(金) 23:33:36
>>493

「・・・・・」「成る程、理解しました」
「それは恐らく、『孵化』の『降霊術』によるものですね」
「かく言うオレもまた、そうして乗っ取られてこちらへ来たわけです」

そう言って、『痣』の出来た肩を見せる。
『切江』の時雨蛙、その最終回もひょっとして『孵化』によって描かされたのか?
いつから乗っ取られていたのだろう。少なくとも『立石』さんは、切りつけられる直前のようだが。

「『階段』があります。その先に『光』が」「『罠』かもしれません。警戒していきましょう」

途切れる前の最後の『燈篭』を『シヴァルリー』の片手で持ち、左手に鉄格子を持って階段を降りていく。

「…ちなみにその『ピアノ』の音は、どうやって聴いたんですか?」

495『凍える刃』:2020/07/10(金) 23:52:12
>>494(夕立)
>「それは恐らく、『孵化』の『降霊術』によるものですね」

  「こ、『降霊術』!?

   ――――頼む、ファンタジーは『1個』にしてくれないか?」

『立石』は泣き言を漏らすが、既に事態は進行している。
『夕立』が痣を露出するのに合わせ、『立石』も革鎧の胸当てをズラすと、
分厚い胸板にクッキリとした『痣』が浮かんでいるのが確認できた。

       グイィ

燈篭から外した『燭台』を『シヴァルリー』の右手に持ち、
左手には『30cm角』の『鉄格子』を掴んだ。

    カツ

             カツ


>「…ちなみにその『ピアノ』の音は、どうやって聴いたんですか?」

   「『切江』さんと二人で『仕事場』にいた。
    あの時、証拠を検分する為に『捜査員』を呼ぶため、
    現場に待機していた。……その矢先、だったな――――」

   「今思えば、『生演奏』ではなかった。

    何かに『録音』していた、そう思う。
    ノイズが酷くて、マトモに聴けたものじゃあなかったが……」

   「そうだ。『切江』さんが、『パソコン』に向かったんだ。
    メールの着信がある、と言って、パソコンのある机に移動して、

    ……そして、何やら操作して、『音』が流れた。
    エントリーナンバーが、呼ばれて、……そうだ……」


    カツ

             カツ

『螺旋階段』が間もなく終わろうとする。

496鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/11(土) 00:04:59
>>495

「言ってしまえば、『スタンド』もファンタジーのようなものでしょう」
「もっとも、実際に体験できてしまう以上。『夢の世界』も『降霊術』も『スタンド』も現実に他ならないですが」

立石さんの『痣』を確認し、やはりと肯いた。
朝陽のピアノの音をトリガーに、悪霊のような『痣』を他人の心に入り込ませる。
そしてその精神は、この『夢の世界(仮称)』に取り込まれる。
一方悪霊は、身体を好きなように動かせるのだろう。そうして二人を同士討ちさせたわけだ。

「…その動画は、多分オレの妹の演奏です」
「もっとも、本物の演奏はあんな『不協和音』なんかじゃあない。
 『孵化』の手によって、聴くに耐えない耳障りな音に変えられてしまった」

『切江』は意図的にメールを開いたのだろうか。
それとも『孵化』と繋がりはあったが、それまでは支配されていなかったのだろうか。
本人が死んだ今となっては、それも分からない。死ぬとは、そういうことなのだろう。

「もうすぐ『階段』が終わります。蛇が出るか、鬼が出るかは不明ですが」

振り返り、立石さんに戦闘の準備を促す。問題なさそうなら、その先へと歩いていこう。

497『凍える刃』:2020/07/11(土) 00:31:22
>>496(夕立)
>「…その動画は、多分オレの妹の演奏です」

   「その、『孵化』という者に、
    ――――『呼び水』にされたということか」

   「『演奏』によって、『幽霊』を呼び出し、
    聴いた者に『憑依』させる――――」

   「……君の妹が『通り魔』に襲われたのは、
    『憑依』の『呼び水』にする、その準備のためなのか?」

『立石』は『呼び水』にされた『朝陽』の演奏によって、
『降霊術』を行われる、と納得する。……が、順序は『逆』だ。
『星見ピアノコンクール』の演奏は、『朝陽』が襲われるより前だ。

    カツ

                カツ


     「待ち望んでいたよ……。

      『スタンド使い』でなければ、この迷宮は突破できない。
      私も『迷宮』を改竄するだけの『力』は保有していない」

     「ついでに言うならば、『電球』を開発するだけの、
      知識も技術もなかったから、無理矢理に『炎』を作ったが……」

その男は『発光』していた。
まるで『玉座』のように堂々とした『電気椅子』に腰掛け、
床から微かに『浮遊』している。『電気椅子』から時折、スパークが飛ぶ。
これが『火種』となって、スタンド炎を起こしたのだろう。

伸び切った長髪、もさもさとしたヒゲ、紫色の装束。
明らかに只者ではない。全てを諦めたように、男は話を続ける。

     「――――ようこそ、『夢の世界』へ。
      『牢獄』から逃れるために、『夢』に逃げ込んだはずが、
      いまや『囚人』と変わらぬ立場でね。笑いたければ、笑うといい」

長髪の男は、覇気もなく溜息を吐く。
『立石』はアイアンボーガンを構え、怒鳴るように問い掛ける。

     「お前、何者だ……?
      いや、『見覚え』がある。確か、そ」

     「『松本尊氏』。『タカウジ』でいい」

498鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/11(土) 00:44:08
>>497

「いいえ、それはむしろ逆のようです」
「どこかでオレの妹の『演奏』を聴いて、『呼び水』に狙われた」
「『通り魔』はその後です。…それがヤツらにとって、どんなメリットになるかは分かりませんが」

予想としては、朝陽の心理的な変化がマイナス方向に近付くことで、
『降霊術』をより広範囲に行えるのかもしれない。『素養』が大事だと悪霊は言っていたが、
素養の浅いものにまで降霊術を行えるとしたら、どうだろうか。
あくまで予想でしかないが。そして、螺旋階段の先へ。

「・・・・・」

そして現れた電気椅子の『スタンド使い』。だが、敵なのか?
どうやらこいつも同じく『迷宮』に囚われているらしい。
名前を聞く限りは、かつて『孵化』の息のかかったものだったはずだが。
見捨てられたのだろうか。

「アンタはここから脱出する方法を知っているのか?」

499『凍える刃』:2020/07/11(土) 01:05:08
>>498(夕立)
「そうか、『逆』なのか」

   「……だが、『演奏』をさせたいのだとしたら、
    『通り魔』にとっては、『逆効果』だっただろうな」

『通り魔』の怪我によって『ピアノ』の演奏を止めていた。
それを指摘し、ままならないものだと『立石』は皮肉げに呟いた。

>「アンタはここから脱出する方法を知っているのか?」

   「フゥー、ああ。『夢』から目覚めれば、脱出できる。

    君は『魂』をまだ『夢』に囚われていないのだから、
    目覚まし時計か、母親次第で現実に戻れるさ」

『タカウジ』は露骨な溜息を付く。
表立って『敵対』する意思を、彼からは感じられない。

   「お前、確か『押し買い事件』の――――」

   「君の方が有名人だがね、『立石警部補』。
    何せ、『現職警察官』が『殉職寸前』だとすれば……。

    ……ああ、すまない。
    若い子と話すのは久しぶりでね。
    何を話せばいいか。……フゥー、どうかな……」

『タカウジ』は空を見詰め、呆としている。
片目だけが左右に揺れている。片方は『義眼』だ。

500鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/11(土) 20:26:37
>>499

立石さんの言葉に、考える。
まず『切江』が朝陽の演奏動画を入手していることからして、『孵化』は動画のデータを持っているはずだ。
後はいくらでも演奏できるから、オリジナルはもう要らないということか。
だが、そもそも『孵化』はどうやって朝陽の演奏に介入しているのか?
むしろ名のあるピアニストなら他にもいるだろうに、何故朝陽の演奏でなければならなかったのか?
…駄目だ、あまりに分からないことが多過ぎる。

「それなら、立石さんやアンタはどうすれば現実世界に戻れるんだ?」

少なくとも自分に関しては、誰かしら家族が起こすだろう。
母か朝陽か、全裸で眠る自分に驚くだろうが、まぁそこはいい。命を落とさなければ重畳だ。
それよりも重要なのは、『スタンド使い』でない立石さんの生還と。
そして『情報』だ。

「『タカウジ』、アンタは『孵化』についてどれ位知っている?」

501『凍える刃』:2020/07/11(土) 21:08:03
>>500(夕立)
『孵化』はどうやって、『朝陽』の演奏に介入しているのか。
そして、何故『朝陽』でなければならなかったのか。

>「それなら、立石さんやアンタはどうすれば現実世界に戻れるんだ?」
>「『タカウジ』、アンタは『孵化』についてどれ位知っている?」

    「――――少々、待ってくれるかな。
     あの光を用いて、人を呼びだす必要があった。
     つまり、だ。私が『少数派』でなければならなかった」

    「常に、だ。私は『少数派』に属している。
     だから、話をするために。――――『アウェイク』」

      カ ア  ア  ァ――――

『夕立』が問い掛けた後、『タカウジ』は問答染みた言葉を発し、
――――瞬間、その身体が激しい『電流』と共に、『発光』する。

    「大体、理解したよ。
     ……そうか。君達は『孵化』を追っている、という『共通認識』だな」

    「いいだろう。君達と話が出来る。
     ――――代わりに、私の質問に答えて欲しい」

口から黒煙を吐きながら、悠然とした態度を取る『タカウジ』。
先程、『夕立』が問い掛けた、二つの質問に答える。

>「それなら、立石さんやアンタはどうすれば現実世界に戻れるんだ?」

    「同じだよ。『夢』から目覚めるしかない。
     そちらの警部補は、医療技術に期待するしかない。

     私は、肉体ごと『夢』の世界に来ている以上、
     ……さて、どうやったら『脱出』できるかな?」

呆けたような口振りで、『タカウジ』は答えを返す。

>「『タカウジ』、アンタは『孵化』についてどれ位知っている?」

    「私達は『押し買い詐欺』で広域手配を掛けられていてね。
     やむなく、郊外まで車を飛ばして、何処かの駐車場に逃げ切った。

     そこに停車してたトラックにいたのが、『孵化』だ。
     顔立ちはハッキリと覚えていない。男だったと思うが。
     『力』が欲しいか、と聞かれ、我々はとりあえず承諾した。
     この男を拉致して、トラックで逃走しようとしたのだ……」

    「男と共に『アルミバン』に入り、成すがままに『儀式』が始まった」

    「まず、『鮮血』が必要だと言われ、手の甲を斬られた。
     その後、ICレコーダーを渡され、『ピアノの音』を聴かされた。

     ピアノに混じって、 『貸して』、『貸して』とうるさくねだられてね。
     ――――私は『闇金』を営んでいたから、慣れた言葉だったが、
     やはり、暗闇で聞いて気持ちのいい言葉じゃあない」

    「そして、君と同じく、『スタンド』に目覚めた。
     もう一つ、おぞましい『オマケ』が憑いてきたが」

    「つまり、だ。『孵化』とは行きずりの関係だよ。
     彼も何故、我々に『亡霊』を憑依させたかは解らない」

502鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/11(土) 21:38:30
>>501

電気椅子に電流が流れたのか、『発光』する男を見て目を細めた。
『降霊術』をくらって『夢の世界』に飛ばされて、その先にいた電気椅子に座っていた男が光だした、
なんてそのまま言ったら、相手が『スタンド使い』だったとしても、精神病院を勧められるかもしれない。

この場にいる自分としても、正直かなり胡散臭い光景だった。
だが、一転して『目覚めた』らしいタカウジの言葉は明確で、こちらの疑問にはっきりと答えてくれた。
これがこいつの『スタンド』なのか?…『スタンド』…なんだよな?

「・・・・・・・・・・」

例え立石さんがこの世界で何をしようとも、目覚めには関係がないということか。
口には出さないが、心中を察する。
いつ目覚めるかも分からずに化け物と戦い続けるなど、正気の沙汰ではない。

「…途中までは推測通りだが、『鮮血』は初めて聞く情報だな」
「乗っ取るだけでなく、『スタンド使い』として目覚めるには必要なのか…?」

しかし行きずりの関係となると、これ以上の情報は求められないか。
有益な情報はあまりなかったことに、溜め息を吐く。

「それで、アンタの質問というのは何なんだ?」

503『凍える刃』:2020/07/12(日) 00:06:48
>>502(夕立)
現状に面食らう『夕立』であるが、無理もなかった。
座したまま浮遊する『タカウジ』の変容に、
『立石』も首を捻っている。

その返答は『明朗』であり、
それこそが『関係』の希薄さを如実に示していた。

>「それで、アンタの質問というのは何なんだ?」

    「君達の『共通認識』は理解しているが、
     君自身のみが知り得る『情報』を、私は理解できない」

    「いや、元々が話をせずには何も得られないというのなら、
     それは当然だ。これは私の『アウェイク』の中での制限に過ぎない」

    「私は、かつて『四人』で『押し買い詐欺』を働いていた。
     夢の世界で共に活動をしていたが、
     あるスタンド使い達と抗争になり、他の三人は夢の世界から追い出された」

    「……現実世界で、彼らが無事でいるとは思えない。
     やはり、既に『逮捕』はされているのかな……?」

悪党同士とはいえ、『タカウジ』はかつての仲間の顛末が気になるようだ。

504鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/12(日) 00:16:25
>>503

(…複数の人間に対して少数派となることで、相手の『共通認識』を理解する能力か?)
(しかし、個人に対しては同じ一対一となるためか、能力が及ばない…とりあえずの予想としてはこんな所か)


>    「……現実世界で、彼らが無事でいるとは思えない。
>     やはり、既に『逮捕』はされているのかな……?」

「『神原』と『班目』は弁護を断り、いずれ有罪が確定するだろう」
「『新塚』は取引で『執行猶予』と引き換えに、とある弁護士に『孵化』の情報を渡そうとしていたが…
 その最中に突如凶行に走り、その場で逮捕された。その後は二人と同じだ」
「弁護を断り、『刑務所』に入ろうとしている。恐らくは余罪も被ってな」

じっと『タカウジ』を見据える。

「推測だが、『孵化』の仕業だと睨んでいる。…仲間だけあって、気になるのか?」

505『凍える刃』:2020/07/12(日) 20:33:37
>>504(夕立)
「そうか。捕まっていたか……」

『タカウジ』が反応するよりも早く、
『立石』が納得したように頷いた。
夢に囚われた彼もまた、『現世』の情報を知らないのだろう。

    「『マスミ』、『ルンバ』……。そうか。
     まあ、長くは続かないと思っていたが、
     やはり呆気ないな。――――悲しいモノだ」

先程と変わらぬ、諦念の籠った言葉。
しかし、何処か憂いを帯びたように、
『チーム』の解散を惜しんでいた。

    「そして、『新塚』。……ああ、愚かなことを。
     君にも宿る『人面痣』には、宿主を操る性質がある。

     しかし、それは『一時的』なモノに過ぎない。
     精々が『何十秒』かそこら。――――私には解る。

     人を、心を『操る』というのは、決して容易ではない。
     私の『アウェイク』も、同じ力を宿しているからだ……」

『夕立』は『タカウジ』を見据える。
『タカウジ』もまた、義眼の入った双眸で『夕立』を見返す。

     「彼は恐らく、自分の『意思』でやったのだろう。
      誰の差し金か、知る由もないが……」

    カツ

                カツ

     「誰だ……? 私達の他に、誰が?」

階段を降りる『足音』が聴こえてくる。
訝しんだ『立石』が振り向き、『タカウジ』も視線を向けた。

     スウゥ...

フードを纏った長身の男だ。
彼は一言も言葉を発さず、階段を降り続ける。

     「ようこそ、『夢の世界』へ。
      本日は『千客万来』だね」

『タカウジ』が呟いた。『立石』はアイアンボーガンを向ける。

壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁
壁壁□□□□□□□□□□□□□壁
壁壁□□□□□立□□□□□□□壁
階段男□□□夕□□松□□□□□灯
壁壁□□□□□□□□□□□□□壁
壁壁□□□□□□□□□□□□□壁
壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁

※1コマ=おおよそ1m
※灯=燈篭。30cm角。スタンド炎が灯る。

506鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/12(日) 22:04:02
>>505

「・・・『何十秒』がせいぜい、だと・・・?」

これまでの推測と大きく異なる言葉をぶつけられ、思わず訊き返す。

「本当に『新塚』は自分の意思で、やっていないものも含めて『刑務所』に行こうとしているのか…?」
「いや、それにだとしたら『切江』も本当に自分の意思で『孵化』に協力していたのか…」

二人とも、一体誰の命令で動いていたのか?
それに、『孵化』が朝陽の演奏を用いて『悪霊』に取り付かせている理由は何だ?
思い通りに操ることではなく、『スタンド使い』を探しているのか─────?


>    カツ
>                カツ

『シヴァルリー』を正面に立たせて、階段の方を向く。
フードの男だ。あまりこういう姿の男には良い印象がない。『新塚』を思い出す。

「どうも。剣呑で申し訳ないが、そこで一旦止まって頂けるだろうか。互いに自己紹介をしたい」
「それ以上進んだ場合は、敵対の意思があると見なす」

左側(MAP下方向)へと移動しながら、その旨を告げる。
また『シヴァルリー』の左手の『鉄格子』、外した際に千切れた金属部分が鋭くなっているか確認しておく。
フードの男が怪しい動きをすれば、投擲するよう準備しておこう。

507『凍える刃』:2020/07/12(日) 22:37:22
>>506(夕立)
愕然とする『夕立』。
『立石』も同じだ。顔を蒼褪めさせている。

    「た、確かに『切江』さんが襲い掛かったのは、
     『数十秒』、か。私の刃物を避けなかったから、
     結果的に、それくらいになった、とも言えるが……」

『新塚』に関しては、明らかに『命令』をした者がいる。
それを『夕立』は否定できない。

>「どうも。剣呑で申し訳ないが、そこで一旦止まって頂けるだろうか。互いに自己紹介をしたい」
>「それ以上進んだ場合は、敵対の意思があると見なす」

    「…………」

        ≪MWUUUUUUUU...≫

           ≪RRRRRRMMMMMMMMM...≫

男は黙して語らない。
だが、服の下から聞こえてくる『人面痣』の呻き声。
明確な『敵意』を感じる。

        ザッ

一歩、確かに踏み出した。
それを見た『タカウジ』は電気椅子を滑らせ、
背後へと大きく下がっていく。

      「止まれェ!」

  ズダムッ!

『立石』が『アイアンボーガン』を発砲する。
それは胴体に直撃するも、男の身体はぐらつかない。

『鉄格子』の尖端は鋭い。
突き刺されば十分、人を傷付けられる。

508鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/12(日) 23:02:38
>>507

「『鉄球』が・・ッ?!」

クロスボウによって放たれた鉄球を、男は避けもせず、防ぎもせず、そのまま食らってみせた。
得体の知れなさを感じながら、左手の『鉄格子』を男の脚めがけて投擲。パス精BCB
『鉄球』の打撃が通じないならば、『斬撃』ならばどうか。
それに足を上手く傷付ければ、敵の移動に制限がかけられる狙いもある。
『人面痣』に操られているのか、それとも今は寄生されているだけなのかは分からないが。
ひとまずは無力化したいところだ。

敵は接近していることからして、『シヴァルリー』と同じく近距離戦が得意なのだろう。
踏み込まれる距離にならないよう、警戒しておく。

509『凍える刃』:2020/07/12(日) 23:12:32
>>508(夕立)

   ―――――シュゥゥ...

『鉄球』は地面に落ちることなく、その場から消え去った。
『立石』は口をアングリと開け、『アイアンボーガン』を投げ捨てる。

    「ならば『剣』で――――」

     バシュッ!

『シヴァルリー』が『鉄格子』を投擲する。
狙いは『脚』。『質量』も十分であり、『シヴァルリー』のパワーが載る。
突き刺さらなかったとしても、命中すればダメージを見込めるだろう。

         ギィンッ!

フードの男は胸元に手を当て、それによって『釘』は弾かれる。
金属的な音が響いた。そして、『投擲』の直後、隙の出来た『シヴァルリー』。

      シュッ
                ブワァッ!!

マントがはだけ、その内側から『剣』が振るわれる。
胸に充てていた『手』には、既に剣の柄が握られていたのだろう。
肉厚の刃が『シヴァルリー』の胸板目掛け、真一文字に振るわれる。

510鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/12(日) 23:16:21
>>509 質問

・胸元に手を当て、弾かれた『鉄格子』は見えない何かによって弾かれた様子でしょうか?
 それとも胸元に手を置いた後、男の脚に触れたが弾かれた様子ですか?

511『凍える刃』:2020/07/12(日) 23:18:49
>>510
・胸元に手を当て、弾かれた『鉄格子』は見えない何かによって弾かれた様子でしょうか?
 それとも胸元に手を置いた後、男の脚に触れたが弾かれた様子ですか?

『後者』。男の『脚』に触れた瞬間、物理的に弾かれました。
(※バリアや風圧のような、見えない何かに弾かれたようには見えなかった)

512鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/12(日) 23:34:37
>>509

(こいつ…コートの中に何か仕込んでいるな…?それで『鉄格子』を弾き飛ばしたのか?)
(だが、重量を伴う『鉄球』は仮に鎧を着込んでいたとしても、ノーダメージでは済まないはずだ)
(隠し持っている武器は、『鉄格子』を弾いたそれだけじゃあないだろう)

そして少なくとも、仕込んでいた武器の一つは明らかになった。
『剣』だ。現代の世界では珍しい品物だが、この『夢の世界』ではそうでもないらしい。

「無駄だ」

だが、何の時代であろうと、どんな場所であろうと。『シヴァルリー』に『斬撃』は通用しない。
念のため『シヴァルリー』の左手を掲げつつも、男の刃の『殺傷力』を左手へと奪い無力化しつつ。
『剣』を振るうその隙に、右手の『燈篭』を投げつけたい。
男のフード姿に延焼させ、その姿。そして他の武器もまだあれば、それを明らかにさせる狙いだ。

513『凍える刃』:2020/07/12(日) 23:45:26
>>512(夕立)
この『夢の世界』では、剣は珍しくはない。
そして、『シヴァルリー』にとって、
最も『お誂え向き』な凶器である。


      ――――パシュゥ!


刃の『殺傷力』を奪い取り、
なまくらと化した刃を、

         バシュ ォォ!!

左手に触れた瞬間、『シヴァルリー』を通じて、
『夕立』に激痛が走る。――――溶けている。

     ジュォォォ . . .

『酸』だ。
刃に触れた瞬間、掌に『酸』が浴びせられ、
『シヴァルリー』の左手を蝕み、皮膚肉を溶かしていく。

     「『夕立』君ッ、な、なんだこれは――――」

激痛によって狙いはブレ、『燈篭』はあらぬ方向へ飛んで行った。
『立石』は剣を抜き、フードの男へと斬り掛かる。

          バシュッ!

それは、容易く受け止められた。
男の手にした『盾』が、不意打ちを受け止めたのだ。
一見すると『木製』に見える『盾』には、『剣』は食い込まない。

       ゴ
                ゴ

          ゴ

その理由を『夕立』は理解している。
『大通り』で理解した『剣』の情報と同じだ。
全く同じ情報が、手にした『殺傷力』から流れ込む。

-----------------------------------------------------
一対の『剣』と『盾』のヴィジョン。
『盾』は受け止めた攻撃を『紋章』に変え、
『剣』に宿すことで攻撃を『反射』する。

よって、あらゆる攻撃では『盾』を傷付けられず、
『剣』は斬撃に限らず、多彩な攻撃を仕掛けられる。

『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』
破壊力:B スピード:C 射程距離:C
持続力:B 精密動作性:C 成長性:B
-----------------------------------------------------

514鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/13(月) 00:14:40
>>513

「ぐうっ…?!」

あまりの激痛に、思わず後ずさってしまう。
この『酸』は、『剣』そのものの攻撃ではない。
『剣』に付随するものなら、全ての『殺傷力』を奪うのか『シヴァルリー』だ。
では何故食らってしまったのか。その『剣』を奪うことで、その理由を知った。

即ち『酸』は剣に仕込まれた効果ではなく、剣そのものから射出されていたこと。
そして『鉄球』を何なく耐えてみせたのも、フードの下に隠していた『盾』で防いだのだろうと。

「─────『ジュリエット・ザ・リックス』」「『音無ピエール』さん。あなたまでも、狂ってしまったんですか」


>     「『夕立』君ッ、な、なんだこれは――――」

「立石さん、この男は『スタンド使い』です。盾に食らった攻撃は全て無効化します」
「一旦離れていて下さい。『刃』の殺傷力は奪いましたが、それでも危険です」

下がりながら、投擲した『鉄格子』と『燈篭』の場所を確認する。
もちろんフードの男からはなるべく目を離さずに。

515『凍える刃』:2020/07/13(月) 00:33:32
>>514(夕立)
激痛から後退り、『夕立』は呟いた。
その男の正体を、嘆くように。

    ブワサッ

   「何故だ。――――私は『少数派』だ。

    そして、君達もだ。――――『38対2対1』ッ!」


  『ぁぁ、  ぃい』
                       、、
                『ヵ‘ ラ 夕 』

  『もっ ど』
                      、
                『き ゆ つ 〈 っ』

男はマントを脱ぎ捨て、その裸体が露わになる。
胸元に彫られた『天秤』の入れ墨、それさえも覆うように。
――――無数の『人面痣』が、蟻の群れのように蠢いている。

     バッ
             ギィンッ!!

『ピエール』は『立石』目掛け、その刃を横薙ぎに振るう。
『立石』は咄嗟に長剣でガードをするが、
いとも容易く、その長剣が砕け散る。

    「な、何故ッ!」

    「この『夢の世界』は希釈された『魂の世界』、
     純然たる『魂』である、スタンドには決して勝てないッ」

『タカウジ』の解説が入り、刃は薙がれるままに『夕立』へと向き、
その尖端から『鉄球』が勢いよく射出される。


壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁
壁壁□□□□□□□□□□□□□壁
壁壁□□□立□□□□□□□□□壁
階段□□□男□夕□□□□□松□灯
壁壁格□□□□□□□□□□□□壁
壁壁□燈□□□□□□□□□□□壁
壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁

516鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/13(月) 01:10:48
>>515

「そういうことか…」

音無さんの身体は、あまりに多くの『悪霊』が取り憑いている。
例え一つで操れるのが『数十秒』だとしても、あそこまで多く憑依されては、自分の意識など保てないだろう。
音を聴く、という行為は半ば無意識に行われる。一度流れてしまえば、防ぐことなど不可能だろう。
未知の状態であるならば、だが。対策は打てないわけではないはずだ。

「立石さん、逃げて下さい。それと、まだ『クロスボウ』の弾丸はありますか?」

問い訊ねながら、右側(MAP上方)へと飛び退いて回避する。
『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』の能力は理解している。故に、先程盾で『クロスボウ』を防いだ時点で、使うことは予想出来る。
あの『剣』は今は鈍な以上、その驚異は『反射』による攻撃だけだ。
あるいは、その『鉄球』に今の立石さんの『斬撃』を載せている可能性もある。
その場合は『刃物』となる。回避に全力を注ぎつつ、『殺傷力』を奪えるか試す。

517『凍える刃』:2020/07/14(火) 21:22:07
>>516(夕立)
>「立石さん、逃げて下さい。
>それと、まだ『クロスボウ』の弾丸はありますか?」

   「ぐ、ぬぬ……」

   「『アイアンボーガン』は、
    あの一発だけだ。二発目はない」

>>509にて『アイアンボーガン』を投げ捨てている。
鉄球を拾えば再装填できる『アイアンボーガン』故に、
二射目は用意していなかったのだろう。

この場で役立てぬと解り、
『立石』は悔しそうに歯噛みし、『ピエール』から退く。

    ドヒュンッ!!!

至近距離の射撃であったが、
回避に全力を注ぎ、身を倒れ込ませながら飛び退いた。
『鉄球』が視界の端を過ぎる時、『殺傷力』の奪取を試みるが、
この『鉄球』からは『殺傷力』を奪うことは出来なかった。

『鉄球』に斬撃が付与されていなかった、という理由だけではない。
仮に斬撃が付与されていたとしても、『鋭さ』を持たない『武器』であれば、
何かを『切断』する様を見なければ、殺傷力の奪取は敵わないからだ。

      ズザザッ

着地によろめきながらも『夕立』は踏ん張り、姿勢を取り戻す。
『ピエール』は剣を振るう勢いのまま、その身を半回転させ、
身を捩らせた『夕立』へと居直り、『ジュリエット』の切っ先を向ける。

        「ぬっ」

     パアンッ!!

『アウェイク』に座したまま浮遊する『タカウジ』は流れ弾を回避し、
鉄球は『燈篭』を砕いて、石の床に転がった。

壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁
壁壁□□□立□□□□□□□□□壁
壁壁□□□□□□□□□□□松□壁
階段□□□ピ.□□□□□□□□●破
壁壁格□□□□夕□□□□□□□壁
壁壁□燈□□□□□□□□□□□壁
壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁

518鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/14(火) 22:26:50
>>517

「了解しました」

折れた剣を捨ててボーガンで援護に回ってもらおうと考えたが、
どちらにしろあの『鉄球』を回収しなければならないわけだ。
それならば、今は単純に下がってもらった方がいいだろう。

「くっ?!」

すぐに体勢を立て直し、立ち上がる。
ボーガンで撃たれた経験は初だが、ここまで速いとは。
盾に吸収されたのを見て、少し距離があったにも関わらず、回避に全力を注いでギリギリだ。
二度目は分からないし、これ以上近付いたり、攻撃の隙を狙われれば確実に食らってしまうだろう。

そして同時に理解したことがある。
『シヴァルリー』はあらゆる切れ味を奪い取るが、その切れ味は目視できる切れ味でなければならない。
例えば能力で付加された切れ味などでは、何かを切るまで『刃物』とは認識できないということだ。
もし音無さんが『立石さんの斬撃』を『ジュリエット』に付加していても、目視するだけでは切断力を奪えない。

「───タカウジ。『夢の世界』で負傷したり、死亡した場合、現実の世界ではどうなる?」

音無さんと向き合いながら、若干立ち位置を移動して、立石さんの折れた刃との間に音無さんを挟む。
そして『シヴァルリー』の右手に、奪い取った『殺傷力』を発現する。

「『ジュリエット』」

目の前の敵と同じく切っ先を向けながら、タカウジの返答を待つ。
それ次第では、タカウジにも協力してもらわなければならない。
あの発電はどれ程のパワーなのか。電気ショックで意識を奪えるだろうか。

519『凍える刃』:2020/07/14(火) 23:21:08
>>518(夕立)
『夕立』はアイアンボーガンの初速に舌を巻き、
『立石』は一度は捨てたアイアンボーガンを拾い上げる。

>「───タカウジ。
>『夢の世界』で負傷したり、死亡した場合、現実の世界ではどうなる?」

    「『夢の世界』の負傷は、夢から醒めれば『治る』。
     目覚めと共に『魂』は再構成され、元の肉体に戻る。
     だが、『死亡』した場合は、話は別だ。

     ―――――別だが、どうなるかは解らない。
     誰もその『共通認識』を持ち合わせてはいないのだ」

『夢の世界』について話しながら、『タカウジ』は事態を静観している。
『夕立』に情報は与えているが、彼自身が協力する気はなさそうだ。

    キンッ
           『ほιぃ』

   『サムぃよぉ...』      「逃ゲ 口」

            。
       『ぃっは ぁ ι )』

   『もっど ぉ』

『ピエール』に憑依した『人面痣』が啜り泣き、
『盾』と柄が擦れ、金属音を発生させる。

     スゥゥ...

互いに切っ先を向け合う、二振りの『ジュリエット』。
折れた『刃』に挟み撃ちにしようと、『夕立』が動いた時、

     ドヒュォッ!

『ピエール』が動いた。
『ジュリエット』を袈裟懸けに振り回し、
『シヴァルリー』の肩口を切り落とさんとする。

壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁
壁壁□□□立□□□□□□□□□壁
壁壁□□□刃□□□□□□□松□壁
階段□□□ピ.□□□□□□□□●破
壁壁格□□□夕□□□□□□□□壁
壁壁□燈□□□□□□□□□□□壁
壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁

520鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/14(火) 23:39:08
>>519

「承知した」

タカウジの返答を聞いて、頷く。
腕や足の一本を切り裂いたぐらいなら、すぐに『止血』をすればしばらくは死なずに済むだろう。
どちらにせよあの怪しい男の協力は望めなさそうだ。顔見知りを切る覚悟を決め、腹を括ろう。

「・・・・・・・・・・」

剣道の試合に似ている。切っ先を向け合い、互いの動きを探っている状態。
緊張感は段違いだが。こちらの『射線』に相手を挟もうとした瞬間、音無さんが仕掛けた。

「ッ!」

それに対して、こちらは剣道の『引き技』に似たバックステップで後ろに下がる。
距離を開けることで、敵の攻撃の相対速度を落として対応しやすくする。
かわせたなら御の字だが、不可能なら『ジュリエット』を掲げ、『シヴァルリー』の精密さで受け流したい。
そして『射線』の関係上、殺傷力を奪う刃と標的の距離が開き、自分が標的と近い位置の方が狙いやすい。

また立ち回り次第で『無敵』の防御力を誇る『リックス』だが、本人が盾で防ぐという条件がある。
つまり、『死角』からの攻撃には弱い。
折れた刃の『殺傷力』を奪い、『シヴァルリー』の胴体が左腕か、車線を確保できる方に目掛けて引き寄せる。
こちらは視線のみで発動でき、回避後にすぐ発動できる。
あの『人面痣』に視覚があるか、あるいは風切り音を感じ取れば反応できるだろう。
だが、後ろに盾を向ければそれも隙となる。こちらがそれを狙うには十分。

521『凍える刃』:2020/07/15(水) 00:08:30
>>520(夕立)

    バッ
         ―――シュラァッ

『夕立』は背後へと飛び去り、
迫る『ジュリエット』に対し、己の『ジュリエット』を掲げ、
振り落とされる刃を防ぎ、あまつさえ受け流して見せる。

     ドシュッ!

   「やった、よろめいたっ!」

姿勢の崩れた『ピエール』に『長剣』の殺傷力が放たれ、
その脇腹を穿った殺傷力は霧散する。
スタンドの見えない『立石』にも趨勢は理解できる。
初撃を受けてよろめいた『ピエール』を見て、歓声を上げる。

      『ァノ \ 』

          『ゃっ ナこ  やった』

『人面痣』が嘲笑うようにざわめいた。
脇腹を抉られた『ピエール』は脚を止めることなく、
まるで『操り人形』のように、再び『ジュリエット』を振り上げる。

  「バランスは崩したはずッ」

      「――――操られているんだ」

      ブオォン!!

『横薙ぎ』に放たれる『ジュリエット』。
まっすぐ『シヴァルリー』の脇腹目掛け、
胴を斬り倒さんと刃が振り回される。

522鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/15(水) 00:24:22
>>521

やはり『死角』からの攻撃には、熟練のスタンド使いといえど打てる手は少ない。
多方向からの攻撃、そしてそれらを合わせた連撃が『シヴァルリー』の得意とする所だ。
背後からの刃に怯んだところに、止めの『ジュリエット』を─────。

「何だと・・・?!」

怯まない。負傷も、痛みも、意に介さない。
これが操られているということ。これが『降霊術』ということか。
完全に不意を打たれた。
だが、音無さんは止まりこそしなかったものの、受け流された刃を再度振り上げる時間はあった。
再度『ジュリエット』を掲げ、音無さんの刃の軌道に割り込ませたい。
今度は受け流すことなどできそうにない。ただ、幸い『シヴァルリー』の方が人間より膂力は上だ。
刃をなんとか弾き、負傷を浅くする狙いだ。
『スタンド』と通常物質ならば『スタンド』が勝つとタカウジは言っていたが、
例え『立石さんの斬撃』といえど、『ジュリエット』を介して放たれるのなら、容易くはないかもしれない。

523『凍える刃』:2020/07/15(水) 00:39:06
>>522(夕立)

       ガキィンッ!!

『シヴァルリー』は『ジュリエット』を容易く受け止める。
金属音こそ響くが、『衝撃』は一切感じられない。
殺傷力を奪われた『刃』では何も傷付けられないのだ。

    パシュゥ
              ブワシャァァァ!!

だが、『ジュリエット』は解除された。
『シヴァルリー』の握る『ジュリエット』は解除されないが、
『ジュリエット』に刻まれた『紋章』に封じられた何かが、
スタンドの解除によって、『夕立』目掛けて飛び散っていく。

   ジュォォォ〜〜〜〜〜ッッ

――――これは『油』だ。
熱した『油』が『シヴァルリー』を透過し、
『夕立』の胴体目掛けてぶちまけられる。

524鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/15(水) 22:11:21
>>523

(この手応え、『斬撃』ではない・・・・?)

先程盾で吸収したはずだが、直前(>>519)で『ジュリエット』に移していたのは『斬撃』ではない。
それでは、移したのは何か。すぐに自らの目で知ることになった。

>   ジュォォォ〜〜〜〜〜ッッ

「これは、『油』・・・・・ッ!!」

熱湯ですら、人間の体には耐え難い熱さだ。しかし熱された油となれば、容易く100℃を超える。
食らうのは非常にマズい。しかし、既に『シヴァルリー』の身体を投下して浴びせられている。
『スタンド』を使っての回避は難しいだろう。

「くそッ!」

既に負傷している左手を盾のようにして半身になりつつ、後ろに飛ぶ。
左手は『酸』を食らっている以上、『シヴァルリー』と言えど精密な動きには使えない。
それならば、ここで使い捨てても構わない。むしろ、他の部分を負傷する方がよろしくない。
盾にするといえど、『リックス』に比べるとあまりに心許ないが。

想像以上に、音無さんはこの戦いに備えている。
自分より先に『夢の世界』に飛ばされたのか、『酸』や『熱した油』などを『リックス』に吸収していた。
音無さんは『リックス』に吸収したものの性質を理解できるが、自分はどうか?
その盾に刻まれた紋章を、理解できなくともせめて『数』は確認しておく。

525『凍える刃』:2020/07/15(水) 22:45:17
>>524(夕立)
咄嗟に『左腕』を突き出し、
その勢いに任せて半身になりながら、
ぶちまけられる『油』から身を守ろうとする。

     ジュアアアアアァァァァ!!!!

瞬間、神経を掻き毟られる、強烈な『痛み』に襲われる。
爛れた膚肉となった『左腕』に追い打ちを掛けられ、
『夕立』の意識が吹っ飛びかける。

点滅する視界の中、他の油は『服』に吸われ、
辛うじて『左腕』のみの犠牲で済んだと、理解できた。

    「ゆ、『夕立』ィィ〜〜〜〜〜ッッ!!」

    「どこから、こんな油を用意してきたんだ……?」

眼前の惨状に耐えられず、絶叫する『立石』。
『タカウジ』は疑念を抱きながらも、その姿は視界から外れる。

ぐらつく意識の中、『夕立』は『ザ・リックス』を見た。
今までは『盾』が翳されず、その表面には注目しなかった。
しかし、揺らぐ視界の中、『夕立』はその『盾』をしっかりと目視した。

吸収できたのは『ジュリエット』までであり、
『ザ・リックス』の能力の概要は知ることは出来たが、
その『貯蔵』の内容を直感的に理解することはできなかった、

『ザ・リックス』の『紋章』は『十二個』まで貯蔵できる。
罅割れた鐘楼の『大紋章』の中、以下の紋章が見えた。
┌───────────────────────
│ 1.林立する『五寸釘』の紋章
│ 2.火花を散らす『電動丸鋸』の紋章
│ 3.地面に激突する『コンクリートブロック』の紋章
│ 4.スパークする『工具バッテリー』の紋章
│ 5.壁を掘削する『電動ドリル』の紋章
│ 6.白煙を噴出する『消火器』の紋章
│ 7.粉塵を吹き飛ばす『エアーダスター』の紋章
│ 8.鞭のように跳ねる『鋼線』の紋章
│ 9.赤々と熱された『鉄串』の紋章
│10.鋭い『長剣』の紋章
└───────────────────────


    スウゥ――――


    「逃ゲロ」

    「『夕立』――――」

苦悶する『夕立』を虚ろな目で捉えた『ピエール』は、
空の手を『夕立』へ突き出し、僅かに手先を引いた。

526鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/15(水) 23:44:59
>>525

「〜〜〜〜〜ぐッ!!」

奥歯を噛み締めて、痛みに耐える。油を浴びた場所が、皮も肉もなくなり、激痛だけが存在するかのよう。
人生初の、想像を絶する苦痛だ。そして二度と経験したくもない。
だが、被害は左手のみに抑えられた。わめいて勝てる相手ではない。
正面を見据える。

「はっ…はぁっ………『完全装備』か…」

『酸』と『油』を除いても、まだ『10個』残っている。
紋章の形から、幾つかはある程度予想はできるが、それでも受け手に回るのは悪手だ。
攻めて、削り倒す。なるべく、意識だけを奪うように。

>    「逃ゲロ」

>    「『夕立』――――」

「・・・・・・・・・・」
「逃げられるならば、逃げたいですよ。知人と刃を交えたくはないですから」
「ですが、これはオレが『原因』かもしれませんし。何より知人を見捨てるわけには行きません」

『長剣』の殺傷力を奪ってそれが消えてから、『一呼吸』は経っているだろう。
もし経っていなければ、立石さんが手に持っている、折れた『長剣』の方でもいい。
『シヴァルリー』の右手、あるいは右足を動かしそこへ再度『殺傷力』を引き寄せ、その精密な狙いで『音無』さんの脚を斬りつける。
脚の筋が傷付けば、例え痛みを無視しようとも、物理的に、移動に対して阻害が生じるだろう。
そのまま音無さんの『右手側』へと回り込んで接近したい。

527『凍える刃』:2020/07/16(木) 00:29:45
>>526(夕立)
『紋章』が記す凶器の数々。
それを翳しながら呟かれる『警告』を、
『夕立』は蹴って、『殺傷力』を引き寄せる。

>『長剣』の殺傷力を奪ってそれが消えてから、『一呼吸』は経っているだろう。

『殺傷力』の奪取から解除、更に再奪取をするには、
『殺傷力』の解除から『1分』のインターバルが必要になる。
よって、『立石』が持っているであろう、折れた『長剣』を探し、
『視認』するために、『夕立』は視線を彷徨わせる必要があった。

    「追い詰められているのか……?」

折れた剣を持ったまま、『立石』は移動していた。
この位置から射出した『刃』では『ピエール』を狙えない。

攻撃が続く混戦の中、『剣』や『盾』を注視する他なかった。
移動に気付けなかったのは、『運』が悪かったという他にないだろう。
しかし、『移動』する可能性のある『刃』を使うのであれば、
事前に『位置』を特定しなければならないのは、確かだった。

       ドッ

掌底を打つかのように、『ピエール』の右手が突き出された。
刹那、『ジュリエット』が瞬時に発現し、『シヴァルリー』の左肩に、
その切っ先が触れ、

         ――――ドスッ!

瞬間的に発現された『ジュリエット』を見る間もなく、
『シヴァルリー』の右肩に深々と刃が突き刺さった。

    ボト ト . . .

『夕立』の右肩から赤赤と血が滴り落ちる。
『ピエール』が、その柄を握り締める。

壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁
壁壁□□□□□立□□松□□□□壁
壁壁□□□刃□□□□□□□□□壁
階段□□□□□□□□□□□□□破
壁壁格□□□ピ.夕□□□□□□□壁
壁壁□燈□□□□□□□□□□□壁
壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁

528鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/16(木) 00:33:31
>>527 質問


>【殺傷力を奪う過程】
>2.途中にある無生物は透過し、生物には命中。このスタンドに触れると吸収される。
>  壊される、生物の体に阻まれるなどすれば霧散し、一呼吸後に刃の殺傷力が回復する。
> 生物に命中し、貫通した場合などは霧散せずそのまま進む。

詳細にある通り、奪う途中で霧散した場合は、一呼吸後に殺傷力が回復します。
この場合は解除には当たらないと思うのですが、いかがでしょうか。

529『凍える刃』:2020/07/16(木) 00:41:40
>>528
了解しました。レスを訂正します。

>>526(夕立)
『紋章』が記す凶器の数々。
それを翳しながら呟かれる『警告』を、
『夕立』は蹴って、『殺傷力』を引き寄せる。

     ドシュッ!

『長剣』の破片から『殺傷力』が飛来し、
『ピエール』の左脚を掠め、出血させる。
戦局の変化により、互いの位置もまた移動している。
脚の機能を阻害するほどの強烈なダメージは与えられなかった。

    「追い詰められているのか……?」

長剣の『殺傷力』は『シヴァルリー』に吸収される。
折れた剣を持ったまま、『立石』は移動していた。
この位置から射出した『刃』では『ピエール』を狙えない。

       ドッ

掌底を打つかのように、『ピエール』の右手が突き出された。
刹那、『ジュリエット』が瞬時に発現し、『シヴァルリー』の左肩に、
その切っ先が触れ、

         ――――ドスッ!

瞬間的に発現された『ジュリエット』を見る間もなく、
『シヴァルリー』の右肩に深々と刃が突き刺さった。

    ボト ト . . .

『夕立』の右肩から赤赤と血が滴り落ちる。
『ピエール』が、その柄を握り締める。

壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁
壁壁□□□□□立□□松□□□□壁
壁壁□□□刃□□□□□□□□□壁
階段□□□□□□□□□□□□□破
壁壁格□□□ピ.夕□□□□□□□壁
壁壁□燈□□□□□□□□□□□壁
壁壁壁壁灯壁壁壁壁灯壁壁壁壁壁壁

530鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/16(木) 01:40:29
>>529

『シヴァルリー』が脚を狙うタイミングで、音無さんも動き出す。
当然敵も棒立ちとはいかず、双方の位置は移動している。故に擦り傷に止まり、狙いの移動阻害はできなかった。

そして、唐突にかざされる右手。
反応する間もなく、その手に『ジュリエット』が発現し。『シヴァルリー』の右肩に突き刺さった。

「ぐあっ・・・!」

これは刃を発現する際に、勢いを持たない『シヴァルリー』にはできない一手だ。
そもそも『リックス』と組み合わせることで本領を発揮する『ジュリエット』。
単純に『ジュリエット』を活かした斬り合いとなれば、扱いの熟練度も含めてあちらに軍配が上がる。
そして柄を握りしめる音無さん。このまま力を込めれば、肩はより深く斬り裂かれ、致命傷になるだろう。


もっとも、これは『狙い通り』だ。
最初は移動を阻害、つまり旋回を行いにくくしてから音無さんの『右手側』に行くことで
『リックス』での防御を行いにくくする狙いだったが、自ら『ジュリエット』で攻撃してくれた。

「『酸』も『油』も痛かったですが、やはり『斬撃』も相当ですね・・・・・」
「─────だが、その『攻撃』があなたを拘束する」

その突き刺さっている『ジュリエット』から『殺傷力』を奪う。すると、どうなるか。
突き刺さっている『ジュリエット』は何も傷付けることができず、これ以上刃を動かして肉に干渉し、傷口を広げることもできない。
一切肉体を傷付けずに刃だけを引き抜くような、外科医のような精密さも常人にはないだろう。

それならば、『ジュリエット』を解除するか。あるいは手を離して腕を引くか。
それでもいい、再発現するより早くこちらが攻撃する。
そもそも握る柄に力を込めている今、とっさにその判断をするにはワンテンポ遅れるだろう。
『リックス』で防御をするにも、こちらは『右手側』に回り、音無さんは『右手』を突き出している。
左手の『リックス』で右手を守るのは遅れるはずだ。その為に回り込んだ。

「片腕、頂戴します」

『シヴァルリー』のパワーで『ジュリエット』を振り下ろし、音無さんの右腕を切断する。パス精BCB
もし切断できたなら、そのまま腕ごと遠くへ蹴り飛ばす。『リックス』の紋章も移動させない。

531『凍える刃』:2020/07/16(木) 23:54:24
>>530(夕立)
『夕立』の肩に深々と突き刺さる『ジュリエット』。
苦痛の声を漏らしながらも、『夕立』は――――

>「『酸』も『油』も痛かったですが、やはり『斬撃』も相当ですね・・・・・」
>「─────だが、その『攻撃』があなたを拘束する」

     ズギャッ!

突き刺さった『ジュリエット』から『殺傷力』を奪う。
『殺傷力』の奪取は『何をしてもダメージを与えられない』だけであり、
『ダメージを与える行為が出来ない』わけではない。

    「お、抑え込んでいるぞ――――」

         「いいぞ、『準備』は出来ている」

よって、根本的には『夕立』の狙い通りとはならなかったが、
自らの肉体を『鞘』として『ジュリエット』を抑え込むのは、
力で勝る『シヴァルリー』であれば、容易いことだった。

    ググッ  グッ

よって、『ピエール』の突き出した『右手』が止まる。
そして、『拘束』されたスタンドは『解除』できない。
突き刺さる右肩から生じる激痛を堪えながら、
『シヴァルリー』が手にする『ジュリエット』が振り落とされる。

     ブォォンッ!!

               ――――ドスゥッ!!

『シヴァルリー』の振るった『ジュリエット』は、
『ピエール』の肩口を深々と喰いこみ、その骨を断ち割らんとする。
もう少し、力を込めて喰いこませれば、目的は達成できる。

――――そう、『ジュリエット』は依然として、『シヴァルリー』が掌握している。
『殺傷力』を奪われた刃は、何も傷付けられないはずだ。

┌─────────────────────────────┐
│では、『シヴァルリー』の右肩を貫いた、この『刃』は何者だ……?    │
└─────────────────────────────┘

    ズシュッ
            ズシュッ

『ピエール』の右腕、そこに巣食う『人面痣』が波打つ。
違う。『人面痣』が移動している。――――『ジュリエット』へと。
『ジュリエット』から奪い取った、そう『誤認』していた『殺傷力』の正体。
それの情報が『夕立』へと流れ込んでいく。

-----------------------------------------------------
『ジュリエット』は『■■■■■』の影響を受けている。
『殺意』を『研ぎ澄ませる』能力。

研ぎ澄ませた『殺意』は『殺傷』に対する、
天賦の『感性』を与え、『殺傷』自体への抵抗感を削ぐ。
人を殺傷する凶器であれば、その『殺傷力』を著しく高めるだろう。

本体の『降霊術』によって憑依させた『呪われた魂』は、
いずれも禍々しい『殺意』を秘めており、能力によって磨き上げれば、
本体の『殺意』を先鋭化させずとも、この能力を行使できるだろう。
-----------------------------------------------------

532鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/17(金) 00:34:58
>>531 質問

・『人面痣』が移動した『ジュリエット』は、音無さんの方が持つ『ジュリエット』ですか?

533『凍える刃』:2020/07/17(金) 00:39:44
>>532
>・『人面痣』が移動した『ジュリエット』は、音無さんの方が持つ『ジュリエット』ですか?

その通りです。
『人面痣』は『ピエール』の右手を伝って『ジュリエット』に移動しています。

534鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/17(金) 21:53:15
>>531

「──────────」「これは、『ジュリエット』じゃあない…?!」

流れ込んでくる、謎の『スタンド刃』の情報。
『殺意』を研ぎ澄ませる能力。これが、『孵化』の『スタンド能力』の一部なのか?
『通り魔』を作るにはうってつけの能力だが、現在はその対象が音無さんに向かっているのか。
今の『ジュリエット』はマズい。そちらを優先して破壊すべきだ。

右手を離し、こちらの『ジュリエット』を食い込ませたままにする。
『ジュリエット』には、斬撃の破壊力を乗せるだけの重みがある。敵が右手を動かす際の重りになるだろう。
そしてこちらの右手で、突き刺さった『スタンド刃』の刀身を掴み、右膝を振り上げて刃を折る。パス精BCB
『ジュリエット』を破壊すれば、あるいはそれに移った『人面痣』も消えてなくなるかもしれない。
視線はその『スタンド刃』に集中し、もし『殺傷力』が生まれても、すぐに吸収する。

535『凍える刃』:2020/07/17(金) 22:42:44
>>534(夕立)
『シヴァルリー』は掴んでいた『ジュリエット(偽)』を手放し、
『ピエール』の手にする『ジュリエット』の刀身を掴む。

      ゴッ!

右膝を振り上げ、『ジュリエット』に亀裂を走らせる。
分厚い『西洋剣』を一撃で圧し折るのは難しいが、
数発のダメージを与えれば、間違いなく破壊できる。

        ズシュッ

  『ナょ ん でぇ……』

    『ぎ、ぎぇ ぢゃゥゥ――――』

   「『31』、『30』――――

    この場の『人数』が減っている。
    その刃が『吸収』しているのか……?」

            ズシュッ

『ピエール』に憑依する『人面痣』が嗚咽じみた悲鳴を上げる。
捉えられた『ジュリエット』に憑依した『人面痣』が、
瞬く間に吸収され、その『亀裂』を修復していく。

     スウゥ

『ピエール』が『ザ・リックス』を『柄』に近づける。
接触によって何らかの『紋章』が『ジュリエット』に移るが、
『シヴァルリー』のパワーで固定している以上、
今はまだ、その『紋章』を解放することは出来ない。

     ブォンッ!!

    「『シールドアタック』ッ!

     クソッ、間に合え――――」

しかし、『ザ・リックス』を近づけたのは、それだけが目的ではなかった。
鉄枠で囲われた『盾』の側面が、『シヴァルリー』のコメカミ目掛けて振るわれる。
『剣』を掴まれる程の『近距離』故の反撃。

右手から『剣』を離せば、紋章解放による『反撃』が行われる。
酸と油に爛れた左手を翳して防げば、『激痛』に見舞われるだろう。

536鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/17(金) 23:32:52
>>535

「『日本刀』とは違うか」

西洋剣は、日本のそれと違い基本的に厚く幅広のものが多い。
その分重みがあり、頑丈で横腹を殴り付けても一撃では割れないようだ。
だが亀裂が入った。それならば、繰り返せば折れるということだ。
しかし、当然敵も棒立ちではいない。『人面痣』が動き出し、再度『ジュリエット』に取り憑いた。

「傷が、修復されていく・・・!」

『悪霊』のストックが切れるまで、この修復は行えるのだろう。
そこまで攻防を繰り返せるか?自分の負傷はかなり大きい。
消耗戦ではなく、一撃でこの『スタンド刃』を折る必要がある。より強力な力で。

「ッ!」

そして反撃は、『リックス』による『シールドバッシュ』、あるいは『シールドアタック』とも呼ばれる盾での殴打だ。
盾を使う機会の少ない日本剣術と違い、西洋には盾と剣を組み合わせた剣術が多いと聞く。
そして端が金属で補強された『リックス』の一撃、食らえば最悪昏倒もあり得る。
しかし、右手を離せば『紋章解放』による攻撃が来るだろう。
これだけの至近距離で、繰り出されれば、回避は難しい。だから、全てを同時に乗り越える。

「『シヴァルリー』ッ!」

現在、『シヴァルリー』は右肩に突き刺さった刃を右手で掴んでいる。
そして敵の左手から繰り出される殴打は、当然『シヴァルリー』の右コメカミを狙ったものだろう。
最小限の動きでやり過ごす。右手の刃を掴みつつ手を回し右肘を上げ、頭部を守るように。
『シヴァルリー』の膂力で盾を受け止める。

そして反撃は、右手を離して再度『ジュリエット(偽)』を掴む。
掴む際の右手は、『ジュリエット』と『リックス』の間を通るように。
そして引き抜き、『シヴァルリー』の精密さで『リックス』に素早く静かに触れる。
『ジュリエット(偽)』に『紋章』を移すのだ。使うのは地面に激突する『コンクリートブロック』の紋章だ。
今の状況で必要なのは、斬撃や刺突、その他電撃や熱などではない。
一撃で『ジュリエット』を叩き折れる打撃力だ。
完全に内容を把握しているわけではない、多少の賭けになる。だが、元より必ず勝てる手段などない。
一度に移せる紋章は二つ、火花を散らす『電動丸鋸』の紋章も移動させる。パワーが足りなかった場合、追撃が必要だ。

「───『ジュリエット』ッ!」

肩に力を込め、『ジュリエット(偽)』を『ジュリエット』に叩き付ける。
そしてすぐさま『コンクリートブロック』の紋章を使う。二つの力で、『ジュリエット』を叩き折る。
音無さんを解放させるために、音無さんの力を借りる。

537『凍える刃』:2020/07/18(土) 00:04:56
>>536(夕立)
消耗戦となれば『夕立』の不利は間違いない。
故に『一撃』での破壊を模索する。

    グァギッ!!

『シヴァルリー』の肘を跳ね上げ、『ザ・リックス』を防ぐ。
痛みと痺れが肘に走る。完全には防ぎきれていない。
仮に『シヴァルリー』の『手腕』で弾き飛ばせば、
『ダメージ』はなかったが、止むを得ないだろう。

そして、『ザ・リックス』を振り上げる『ピエール』の右肩から、
『ジュリエット(偽)』が引き抜かれ、

        スチャッ

――――その『刀身』が『ザ・リックス』に触れる。
『紋章』の奪取。『ジュリエット』をコピーした以上、
『ジュリエット(偽)』に出来ない道理はない。

   ググッ
                ブオオンッ!!

『コンクリートブロック』、『電動鋸』の紋章を奪取する。
『シヴァルリー』が右腕を振り上げるも、右肩に激痛が走る。
脂汗が溢れ、視界が点滅する。

    ズブゥ!!

その隙を突き、『ジュリエット』が引き抜かれる。
そして、『刺突』によって『紋章』を解放しようとした瞬間、

        ドバァンッ!!

            ガキィンッ!!

赤熱した『鉄球』が『ジュリエット』を弾き飛ばす。
注視していた『ジュリエット』が宙を舞う中、
視界の端に『アイアンボーガン』を構えた『立石』の姿を捉える。

     「クソッタレッ! これでどうだッ!」

     「『アウェイク』の電流で焼きを入れた『鉄球』だ。
      一時的だが、『スタンド』相手でもぶっ壊せる――――」

先程の鉄球を『タカウジ』が回収し、
『アウェイク』の電流で熱した上で、『立石』に手渡したのだろう。

    ヒュンッ
            ヒュンッ

弾き飛ばされた『ジュリエット』は中空で回転し、
『ピエール』の眼前へと落ちてくる。

――――今なら、『右腕』が動く。

.

538鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/18(土) 00:29:14
>>537

「ぐうっ・・・!」

右手で剣を握ったまま、最小限の動きで防ぐとなると、やはり無理が生じる。
だが、意識はある。まだ戦える。そして『紋章』の奪取に成功した。
こちらの反撃の準備は整った。この『二撃』で、全てを決める─────。

「か、はっ・・・・・?!」

振り上げた右腕に痛みが走った。刃を深々と突き刺されているのだから当然だろう。
激痛に思わず呼吸が乱れ、意識が一瞬飛んでしまう。その隙を見逃してくれる相手ではない。
これが『死』か。だが例え死ぬとしても、せめて『ジュリエット』は破壊して、音無さんだけでも元に戻す。
そう歯を食いしばり、攻撃に備えようとしていた時だった。


>        ドバァンッ!!

>            ガキィンッ!!

『ジュリエット』が舞い上がる。

「・・・再びのご助力、感謝致します」

右腕が動く。この機会を逃せば次はない。
『シヴァルリー』の右手に持つ『ジュリエット(偽)』。
それを振り下ろし、真なる『ジュリエット』を地面に叩き付ける。パス精BCB
先程も言ったように、『ジュリエット』のような西洋剣には重さがある。叩き割るには適している。
そして『紋章』を開放し、『コンクリートブロック』も、『電動鋸』も、『結果』を放ち。
『三連』だ。三重の攻撃をもって、完全に『ジュリエット』を破壊する。

539『凍える刃』:2020/07/18(土) 00:57:24
>>538(夕立)
死を想起する程に追い詰められた直後、
思わぬ『救援』によって絶好の隙が生まれた。

    ブォンッ!

『ジュリエット(偽)』を握り、一気に振り下ろす。
『ピエール』が『ジュリエット』を掴もうとするが、
『シヴァルリー』の方が早い。

    ガゴッ
           ギャギッッ!!

一撃目。強烈な『斬撃』が『ジュリエット』に命中し、
修復中だった『ヒビ』は巨大な『亀裂』へと変じる。

二撃目。おそらくは『高所』から落とされた『コンクリートブロック』が、
そのまま飛び出して『ジュリエット』に命中し、その刀身を大きく揺らす。

       ギャゴゴゴッッ
                ――――パァァンッ!!

そして、三撃目。
強烈な『火花』が飛び散ったかと思えば、
『ジュリエット』は真っ二つに断ち割れる。

     「やったぞ、『夕立』君ッ!」

     「いや、『悪霊』がいる――――」

『ピエール』は『ジュリエット』を拾い上げ、
それによって『人面痣』が『ジュリエット』へと移動する。

     「『27』、『26』……。
      あれだけの『破壊』だ。
      間違いなく『悪霊』を消耗する――――」

     「『夕立』、と言ったね?
      彼の『洗脳』は私が引き受けよう」

     「君は、その男を押さえてくれ」

     スウゥゥ――――

『アウェイク』に腰掛けた『タカウジ』が滑空し、
『夕立』と『ピエール』の傍へと接近していく。

540鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/18(土) 01:16:58
>>539


>     「やったぞ、『夕立』君ッ!」

>     「いや、『悪霊』がいる――――」

そう、その通りだ。
肩で息をするほど余裕のないこの状況でも、まだ『悪霊』がいる。決して『勝利』ではない。
そいつらがいる限りは、『ジュリエット』は修復される、その前に、可能な限り力を奪っておかねばならない。

「はぁーっ………はぁーっ………」

『ジュリエット』を拾い上げた音無さんを見て、再びこちらも『ジュリエット(偽)』を構える。
あの悪霊どもが『ジュリエット』を直す前に、拾い上げられないように攻撃しなければ。
しかし、ここで三度の助力が訪れた。しかも、予想外に手を差し伸べたのは『タカウジ』だ。

「『洗脳』…?…音無さんが助かるなら、頼む」
「オレはアンタに、狙いが行かないようにすれば、いいんだな?」

『ジュリエット(偽)』を勢いよく敵の眼前に突き付けつつ、『シヴァルリー』の右足で相手の右足を払う。
眼前の剣に注目を向けさせた所で、地面に転倒させるか片足を折る。
地面に倒れ伏したなら、そのまま片腕を捻り上げようとする。
本来なら既に傷のある音無さんの右腕を狙うべきだろうが、
どうやら『修復』で悪霊を消費した方が『タカウジ』には都合が良いようだ。
掴ませたままで、身体の自由を奪いたい、

541『凍える刃』:2020/07/18(土) 01:34:06
>>540(夕立)
>「『洗脳』…?…音無さんが助かるなら、頼む」

    「いいや、助かりはしないさ。
     少し、話が出来る状態にするだけだ」

       スガッ!

『シヴァルリー』の足払いで、
『ピエール』を後方へと転ばせる。
そこへ『タカウジ』が飛び降りた。

       スダッ!

          ――――ジャギッ

空となった『アウェイク』の座面に、
よろめいた『ピエール』が腰を落とすや否や、
電気椅子から現れる『拘束具』が四肢を縛る。

     「『アウェイク』。スタンド能力は『洗脳』。

      だが、『支配』や『魅了』には全く適さない。
      『人の心』を操るのは、それだけ難しいことだからだ」

     バビビビビビビビッッ!!

『電気椅子』から発生する強烈な『電流』が、
『ピエール』の全身に流れ、激しい痙攣を引き起こす。

     「私の『洗脳』は、既に君達も施されている。
      気付かぬ内に、少しずつではあるが――――」

     「おい、あれ大丈夫なのか!?」

只ならぬ『ピエール』の様子に、『立石』が大声を上げる。

542鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/18(土) 21:42:10
>>541

>     「私の『洗脳』は、既に君達も施されている。
>      気付かぬ内に、少しずつではあるが――――」

「…おい。さらりとふざけた事を言うなよ」

音無さんの状態と同じくらい、こいつの言葉も気にかかる。頼るしかないのが事実だが。
念のため、『ジュリエット(偽)』で自分の腕に『センノウ』と書いておくか。
万が一、気付かぬ間に『洗脳』されても理解できるように。

「恐らく、大丈夫です。ここでこいつが音無さんを殺すメリットはない。
 だから、少なくとも今の状況よりは良くなるはずです。…多分」

543『凍える刃』:2020/07/18(土) 22:01:52
>>542(夕立)
>「…おい。さらりとふざけた事を言うなよ」

    「まあ、私の話を聞けば解る。

     ――――君、作った夕食をテーブルに並べる時、
     ご飯を左側、みそ汁を右側に並べるだろう?」

     ビビビビビビビビッッ!!

無論、剣呑になる『夕立』を前に、『タカウジ』は落ち着いた態度を取る。
『電流』は流れ続け、『ピエール』は既に白目を剥いて、泡を吹いている。

    「空き缶というと、自然と『缶ジュース』を思い浮かべないか?
     缶詰だって珍しくないはずだ。一斗缶はどうだろう、ちょっと『非常識』か?」

      プスプスプスプス・・・

           ―――― ギュゥンッ! ギュァァ

電流の止んだ『ピエール』から『電極』が突き出て、
肌の至るところから『電気回路』が浮かび上がる。

    「始めまして、『松本タカウジ』と申します。
     お名前を、お伺いしてもよろしいでしょうか?」

    「……ん、あぁ、……『音無ピエール』だ」

    「『音無』さん。どうぞ、よろしくお願いします。

     ――――このように、名前を名乗って『挨拶』をすれば、
     まずは『名乗り』と共に、挨拶を返してくれる」

胡乱気な目となり、自己紹介をする『ピエール』。
何処か、言わされている感じが醸し出されているのは、
『タカウジ』の言う『洗脳』によるものなのだろう。

    「あらゆる『私的感情』や『シチュエーション』を無視し、
     取れる行動の一切を、『常識的』にする。

     それが私のスタンド能力。
     君達も既に受けている。『常識』と言う名の『洗脳』を……」

    「私の手ではなく。『世間』によってね」


     ゴ
                     ゴ

                     アウェイク
            ゴ     「『 覚 醒 』」
 
                      「失われた『亡霊』よりも、
     ゴ                 生き続ける『常識』の方が、遥かに強い」


.

544鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/18(土) 22:41:38
>>543

「…確かに、そうだが」

推測で夕ご飯の並びを当ててみせる。
一見超能力のようだが、違う。これは世間の中で、基本的に行われている事だ。
当たる人間の方が多い。『コールド・リーディング』とやらに近いだろう。

「何の話だ?『一般常識』のチェックをしているのか?」

ごく自然、当たり前とも言える質問を繰り返すタカウジの意図が分からず、訊き返す。
空き缶と言われて、中身の入っていない一斗缶を連想するのはかなり珍しいはずだ。
と、こちらが疑問を浮かべているその間に、音無さんへの処置は完了したようだ。
正直かなり不安な状態だが、他にどうすることもできない。



「・・・・・成る程な」
「言わんとすることは分かる。人間のそういう部分に働きかける『能力』か」
「『少数派』になることにより出現する『能力』が、『多数派』が作り出す常識を使うんだな」

どこか酩酊しているような音無さんの姿を見て、納得した。
怪しい様子だが、こちらを襲ってくるよりは何倍もマシだろう。

「…音無さんの『魂』は、どうだ?『夢』に囚われているのか?」

タカウジに訊ねる。

545『凍える刃』:2020/07/18(土) 22:53:25
>>544(夕立)
>「『少数派』になることにより出現する『能力』が、
>『多数派』が作り出す常識を使うんだな」

   「その通り。

    ……どれ、まずは『質問』をしてみよう。
    大前提だが、この場での『多数派』は『悪霊』だ。
    よって、彼は理性のある『悪霊』として振る舞うことになる」

   「『会話』は出来る。『悪霊』は嘘を付かない。
   
    ――――だが、それ以上を強いることは出来ない」

『タカウジ』は静かに忠告をする。
『ピエール』との会話は『悪霊』との対話に等しい。

   「『ピエール』さん。
    ――――貴方は『夢』から脱出できますか?」

   「……ああ、君達と同じだ。
    外から起こされれば、脱出できる」

   「では、その『宛て』はありますか?」
                   . . . .
   「難しいだろう。私は今、囚われている」

機械的な問答の中、『ピエール』から飛び出した言葉。
それを聞いた『立石』が、疑問を浮かべる。

   「まさか、『孵化』に?
    ……しかし、何故彼が拉致された……?」

546鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/18(土) 23:14:03
>>545

「囚われて・・・・・ッ?!」

つまりは、『拉致』されているに等しいのだろう。
外部から起こされることのない状況で夢に囚われてしまえば、
何か想定外の事態にならない限り、起きることはできない。

「・・・・・オレが接触していたからかもしれません」
「あるいは。彼は個人でも『通り魔』のことを調べると言ってくれました。それも原因かもしれません」

自分も音無さんへと向き合い、質問する。

「『音無』さん。あなたはどこに囚われているんですか?あるいは、囚われる前は何をしていたんですか?」

547『凍える刃』:2020/07/18(土) 23:29:09
>>546(夕立)
>「『音無』さん。あなたはどこに囚われているんですか?
>あるいは、囚われる前は何をしていたんですか?」

  「……私は、『鉄朝陽』を襲った『通り魔』を調べていた。

   とはいえ、何か『心当たり』があるわけじゃあない。
   だが、『星見ピアノコンクール』に観覧したお婆さんから、
   『耳鳴り』や『頭痛』がすると、相談を受けたのが切欠だ」

『ピエール』は淡々とした口振りで、現状に至る経緯を話していく。

  「市役所に予約を取って、湖畔にある『多目的ホール』に向かった。
   ひょっとして、何か怪しいものがないかと調べていたが、
   何ら収穫はなく、引き上げようととした時だ――――」

  「……これから話すことは、とても信じられることではないと思う」

『ピエール』は声を落とし、『夕立』を真っすぐ見据える。

  「だが、どうか。聞き入れてくれないか――――」

548鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/18(土) 23:33:38
>>547

─────やはり。切っ掛けの一つは、『星見コンクール』。
あの体調不良は、『孵化』が呼び出した『悪霊』によるものなのだろう。
相談に来たそのお婆さんが『スタンド使い』ではなさそうな事を考えると、
体調不良を訴えた人全員が悪霊に乗っ取られたわけではなさそうだが。

「はい。オレはあなたを信じます」

真正面から、音無さんの言葉に向き合う。
そもそもここに至るまでが、昨日までの自分なら、にわかには信じがたい出来事だ。
その『多目的ホール』でどのようなことが起きたとしても、驚かないだろう。

549鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/18(土) 23:45:19
>>547
─────やはり。切っ掛けの一つは、『星見コンクール』。
あの体調不良は、『孵化』が呼び出した『悪霊』によるものなのだろう。
相談に来たそのお婆さんが『スタンド使い』ではなさそうな事を考えると、
体調不良を訴えた人全員が悪霊に乗っ取られたわけではなさそうだが。

「はい。オレはあなたを信じます。
 だから、貴方にオレの身体を貸し出します」

真正面から、■■の言葉に向き合う。
そもそもここに至るまでが、死に至るまでの『仮想儀礼』に等しい。
肉体の全てを奪われ、禁忌とも言える『 』に触れることさえ厭わない。

550『凍える刃』:2020/07/18(土) 23:50:37
>>548-549(夕立)
                    . . .
>>  「だが、どうか。聞き入れてくれないか――――」

>「はい。オレはあなたを信じます」

      「ありがとぉ...」

        「ょヵっ タ 」

  ズルルルゥゥゥ――――

                  ゾジュ..。
                          ゾジュ 。

焼け爛れた『左手』が『ピエール』の顎先に触れ、
『ピエール』は薄笑いを浮かべ、唾液の絡んだ舌根で、その指を舐める。

    「まさかッ!
     『アウェイク』の洗脳も、半々かッ!?」

┌───────────────────────────┐
│一つの肉体に魂が二つ。隙間から浸透する。当然だ。     ......│
│明確な『拒絶』さえなければ、滑り込む余地は幾らでもある。   .│
└───────────────────────────┘

    「何をしている、『夕立』君ッ!
     その手をすぐに引っ込めろォォ――――!!」

二人の間に『立石』が割って入り、強制的に引き離される。
だが、その左腕には既に、『人面痣』が巣食っている――――

    「スタンドが、襲ってきた。
     咄嗟に『ザ・リックス』を翳し、攻撃を防いだが……。

     甘かった。敵は『二人』いたのだから。
     私は体の自由を奪われ、車に押し込められた」

    「――――スタンドを『奪われた』まま。
     『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』は誰もが手に取れる。

     そして、拘束されたスタンドは『解除』できない。
     私は一切の『自由』を奪われ、郊外の施設に拉致された」

    「建物の外観は見えていない。

     ……だが、あれは……。
     ……あれは、そうだな。
     ……ちょっと、耳を貸してくれるか?」




.

551鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/19(日) 00:06:04
>>550

「──────────」

己の甘さを改めて知った。
『悪霊』とは言っていたが、乗っ取られる前の『記憶』を有しているからには、『音無』さんの側面もあると思っていた。
だが、全て演技に過ぎなかった。悪霊に乗っ取られた人間を、記憶の面から看破する事は難しいと分かる。

「─────『ジュリエット』ッ!」

『ジュリエット』で自分の左手を斬り落とす。『人面痣』に乗っ取られた箇所ごと。
このまま身体を明け渡してたまるものか。そうすればどんな惨劇が起こるか、分かったものではない。

「触るんじゃあないッ!二度とオレの目の前に現れるな!」

耳を貸せ、という『悪霊』の言葉に対して明確に拒絶する。
まだ喋り出すようなら、顔面を殴って黙らせよう。

552『凍える刃』:2020/07/19(日) 00:07:12
>>551

553『凍える刃』:2020/07/19(日) 00:18:02
>>551(夕立)

>「─────『ジュリエット』ッ!」

   ズバシュゥ!!

『ジュリエット(偽)』により、
『夕立』は自らの左手を斬り落とす。

    ブシュウウウゥゥ!!!

    「バカなッ 仮にも治るとは言え……」

噴出する血液を目前に、『立石』は唖然としている。
『タカウジ』も驚いたのか、両目を丸くしている。

>「触るんじゃあないッ!二度とオレの目の前に現れるな!」

    「ぅぅ、ぁぁぁぁぁ……』

        ギシギシッ
                 ギシシッ

『夕立』の怒声が迷宮に響き渡った。
『ピエール』は涙を流し、哀れにも咽び声を上げる。
整った長髪を振り乱し、拘束具に抵抗するように両腕を振る。

    【ぁ、ああ」  「だから、」

    「気付けば『作業場』にいた。
     聴こえるのは、ピアノの音だけだ」

    「一人、また一人と、私の身体に忍び込んでいく。
     自由にならぬ肉体を求め、おぞましい囁きが聴こえる

     脊髄に温いスープを注がれるような、
     違和感と嫌悪感が、ひっきりなしに訪れる――――」

    「奪われた『盾』に手当たり次第の『凶器』を詰め込まれ、
     私は薬剤を嗅がされ、『眠り』に就いた……。

     『スタンド』を発現したまま眠りに就いた私は、
     『悪霊』と『殺意』の赴くまま、君達を襲ったのだ――――」

554鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/19(日) 00:35:13
>>553


「『立石』さん、何か、布があれば、縛って、頂けますか」

歯を食いしばり、痛みに耐えながら、少しずつ喋る。
ここまでして『拒絶』しなければ、一度同意してしまった以上、抗えないと思ったからだ。
だが、この左手を蝕む激痛に見合うだけの価値はあったようだ。
『悪霊』によるおぞましい感覚が、薄らいでいくのを感じた。

「っ・・・・・」

右手で左腕を抑えながら、耳だけはしっかりと『悪霊』の言葉に向けておく。
もはや、二度と『同意』などはしない。ただ喋り出すままに任せる。

「・・・・・『作業場』?」

『夢の世界』に送り込む『刺客』として、音無さんは作られたようだ。
スタンド能力も完全に理解されている。『二人組』の片割れは、そういう能力なのだろうか。

「多目的ホールで襲ってきた『二人』は、どのような人間だった?」

555『凍える刃』:2020/07/20(月) 22:36:46
>>554(夕立)
>「『立石』さん、何か、布があれば、縛って、頂けますか」

   「……――――ッッ!!

   あ、ああ、これでどうだ?」

   バツッ
          ギュッ

『立石』は床に落ちていた『長剣』の破片を拾い、
革鎧のベルトを斬り外し、『夕立』の手首を締め上げる。
血液の噴出は収まるが、完全とはいかない。

>「・・・・・『作業場』?」

   「ああ、作業台に道具の数々が置かれていた。
    『ザ・リックス』に収められた工具は、
    すべて『作業場』から持ち出したものだ」

『ザ・リックス』の射程距離は『8m』だ。
『ピエール』を監禁した以上、『ザ・リックス』に入れる道具は、
手近なところから調達しなければならない。

>「多目的ホールで襲ってきた『二人』は、どのような人間だった?」

   「目撃できたのは『人型』のヴィジョンだけだ。

    ……だが、そうだな……。
    私が『壇上』へ上がろうとした時、
    攻撃は仕掛けられた――――」

   「『壇上』に何かあった、としか思えない。
    それを見られたくなくて、『妨害』したと……」

    ザザザザザ――――z_______

           『――――ぃちゃん』


  ザザザザザ――――z______

   『――――いちゃんってばッ!』

不意に目眩みが襲う。
遠くから聞こえる『朝陽』の声。

556鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/20(月) 22:54:26
>>555

「・・・・・ッ!」
「…思ったより、映画やドラマみたいに、簡単に止血は、できないものですね…」
「ですが、助かります。今日は二度としたくない経験ばかり、重なります…」

逆に言えば、後遺症や治療などを考えずに、痛みを味わうことができたのは良かったかもしれない。
これで次同じような目に合う時に、前もって覚悟はできる。
もっとも、繰り返しになるが、やはり二度と受けたくはない。

「・・・・・犯人の一人は、そういった『工具』を使う作業場を持っているのか」
「そしてそこに『音無』さんは監禁されている・・・・・」

手に入れた情報をしっかり覚えるように繰り返す。
命の危険はあったが、それでも貴重な情報を手に入れた。それだけの価値はあったということだ。

「…『人型』のスタンド、そして『壇上』への妨害」
「そこに、何らかの手がかりがあるのか…それも、容易く消したり動かしたりできないものなのか」


>  ザザザザザ――――z______

>   『――――いちゃんってばッ!』

「…朝陽か」

「すみません、立石さん。オレはもう行かなければならないようです」
「ですが、傷を治せる『スタンド使い』を見つけるか、治療の目処を立たせるなどして
 必ずこの『夢の世界』から救い出します。それまで、どうか生き延びて下さい」

音無さんも助けるが、それはここにいる『悪霊』に対して言っても意味があるまい。
そして、タカウジへとも身体を向ける。

「協力に感謝する。もし機会があり、かつアンタが望むなら、アンタも『夢の世界』から助け出そう」

もっとも、その後は仲間と同じく『刑務所』に入るのだろうが。

557『凍える刃』:2020/07/20(月) 23:29:36
>>556(夕立)
>「・・・・・犯人の一人は、そういった『工具』を使う作業場を持っているのか」
>「そしてそこに『音無』さんは監禁されている・・・・・」

    「『S市』は自動車や産業機械の『重工業』が盛んな都市だ。
     それらの一次、二次下請の工場だけでも、数百はある。

     ――――何か、手掛かりがあれば……」

『立石』は悔しそうに歯噛みする。
だが、『夕立』の様子に気付くと、諦めたように頭を振った。

>「すみません、立石さん。
>オレはもう行かなければならないようです」

    「悔しいが、君に託す他はない。
     ……いいや、元よりそういう話だったな。

     『金庫泥棒』を捕まえるはずが、
     こんな大事にまでなるとは、解らないものだよ」

『立石』は苦々しい笑みを浮かべる。
その一方、『タカウジ』は項垂れた『ピエール』に視線を向けたままだ。

    「さて、どうしたものかな。
     .……そうだね。才気ある若者からの言葉は、
     .素直に受け取っておこうか。……よろしく頼むよ」

    ザザザザザ――――z_______

           『――――きてってばぁ!』


  ザザザザザ――――z______

    ドンドン

    『―――けてっ!  ほら、――――れてっ!』

             ドンドンドンドン!!!!

       ザザザザザ――――z______

558鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/21(火) 00:11:42
>>557

立石さんの言葉に同意する。
何か特徴的な道具の一つでもあれば別だが、先程の『リックス』の紋章を見る限り、あるのは普通の工具ばかりだ。
怪しそうな工場などを片っ端から当たっていては時間がないし、察知されて逃げ出されるかもしれない。

「拉致されている場所で聴いた『ピアノの音』も、録音しておけば、いつでも再生できますからね」

そうなると、やはり直接的な手掛かりは『多目的ホールの壇上』のみか。
音無さんの言葉が真実なら、敵もまた必ず動いてくるはず。

「それでは、また近い内に。失礼致します」

立石さんに対して、一礼。そして現実世界へと戻ろう。

559『凍える刃』:2020/07/21(火) 22:50:22
>>558(夕立)
『立石』へと一礼し、『現実』から漏れるノイズに身を任せる。
『夢』はたちまち混濁し、緩やかに意識が遠のいていく。

    ・

    ・

    ・

気が付けば『夕立』は布団の中に潜っていた。
部屋の電気は消えているが、カーテンは開いたままだ。
窓からは夜風が吹き込み、微かに押し入れの戸を揺らす。

『ビデオ』を観てから『二時間』は経過している。
恐らく、『朝陽』も母親も帰って来ているだろう。

   ドンドン

     「お兄ちゃん、いるんでしょ!?」

       「服脱ぎっぱなしで何やってるの!?」

                           ドンドンッ!!

『朝陽』の豪快なドアノックが部屋の中に響く。
この音と呼び掛けによって、意識が戻ったようだ。

怒ったような『朝陽』の呼び声が聴こえてくる。

   ドンドン
                       . . . .
     「もー、無視してないで開けてよ!」
              . . .
         「入れてったらー!」

                       ドンドンッ!!

部屋のドアは閉ざされている。       . . .
『夕立』が内鍵を開ければ、『朝陽』が入ってくるだろう。



.

560鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/21(火) 23:17:30
>>559

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

まずは上体を起こし、左腕を確認する。
しっかりと手首から先が付いていることに安堵して、立ち上がった。
流石に全裸で出るのはマズいだろう。幸いここは自室であるからして、下着と寝巻き代わりの甚平を着る。

そしてドアを大きくノックする朝陽。
返事をしてドアを開けようとして、ふと考える。
─────この朝陽が、本物の朝陽である保証はあるのか?
あるいは音無さんのように、『悪霊』に乗っ取られている可能性は?
だが、そもそも『通り魔』が『孵化』の仕業なら、その時に接触して音無さんのように悪霊を取り憑かせてもいいはずだ。
しかし、そもそもまず切りつけた理由も分からない。合理的に判断したつもりでも、見落としがあるかもしれない。

「…今起きたところなんだ。先にリビングに行っていてくれ」

どちらにせよ、得た情報をメモにまとめておく必要がある。今朝陽を中に入れることはできない。

561『凍える刃』:2020/07/21(火) 23:48:06
>>560(夕立)
『夕立』は左腕を確認する。
左手はくっついている。切断痕すら存在しない。
酸による爛れも、油による火傷も残ってはいない。

                 ゴ
       ゴ

     『WHooooooMoooooo . . . 』

     『Mlalala...』     ゴ

               ゴ

いや、『人面痣』だ。
左掌に刻まれた『人面痣』は苦悶の声を上げている。

┌─────────────────────────────────┐
│>「───タカウジ。                                         │
│>『夢の世界』で負傷したり、死亡した場合、現実の世界ではどうなる?」    .│
│                                                │
│    「『夢の世界』の負傷は、夢から醒めれば『治る』。                   │
│     目覚めと共に『魂』は再構成され、元の肉体に戻る。              .│
└─────────────────────────────────┘

『夕立』の負傷は、夢からの『目覚め』で完全に回復した。
『魂』が再構成されたからだ。―――――だが、もしも。
『魂』に異物が存在したまま、再構成されたとすれば……。

『タカウジ』は敢えて黙っていたか、それとも何も知らなかったか。
それは定かではないが、生前に『悪霊』を憑依させた『タカウジ』と仲間達は、
寝ても覚めても『人面痣』と共に過ごしていただろうから、気付く余地はないだろう。

『左肩』の人面痣も健在だ。
どちらも呻き声を上げるだけで、目立った『弊害』は感じられない。

>「…今起きたところなんだ。先にリビングに行っていてくれ」

『朝陽』が『悪霊』に憑依されている可能性を考慮し、
『夕立』は甚平に袖を通しながら、『朝陽』の呼び掛けに素っ気なく応える。

       「ど」
            . . .
           「どムカぁぁー!」

『朝陽』の怒り声がドアの向こう側から響いた。
『夕立』が連れない態度を取った場合、時たま響かせる『奇声』だ。

    バタンッ

              バッダッ  バッダッ

『朝陽』の部屋の扉が、勢いを付けて閉まる音が響いた。
しばらくして、天井裏からバタバタと這う音が聞こえてくる。
――――『朝陽』が天井裏を這って、『夕立』の部屋に迫ってくる。

『朝陽』と『夕立』の部屋にある『押し入れの『戸袋』、
その天板を押し上げて『天井裏』に入れる上に、互いの『部屋』に行き来できる。
小さい頃、『ひみつワープ』と称して、『朝陽』が『夕立』を驚かすのに使っていた。

しかし、何かの拍子に『朝陽』が天井裏を破って『夕立』の部屋に落っこちて、
母親に(何故か『夕立』も一緒に)こっぴどく叱られて以来、利用を禁じられていた。

      バタバタ

   「せっかく心配してるのにッ!」

            「なにそれェ!」

       バタンッ
                  ボフッ

――――その禁が破られる。
『押し入れ』の上段に仕舞った『掛け布団』が潰れる音、
『朝陽』が『ひみつワープ』を行使したのは明白だった。

562鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/22(水) 00:01:27
>>561

『人面痣』。
容易く取れてはくれないか。今でこそ大人しくしているが、ただ宿主に不快感を与えるだけではないだろう。
深く溜め息を吐く。もっとも、後悔しても致し方あるまい。
ひとまず、得た情報を整理しようと立ち上がり─────。


>       「ど」
>            . . .
>           「どムカぁぁー!」

「・・・・・マズいな」

朝陽の怒声を耳にして、腕を組む。ドアを蹴りつけてくるか、それとも。
いや、行使したのは『禁じ手』の方だった。そうとう頭に来ているようだ。
屋根裏を伝って、怒りの主が近付いてくるのを感じる。もはや逃げ場はない。
今ならドアを開けて外に出られるが、そうすれば火に油を注ぐことになるだろう。
諦めて、椅子に腰を掛けて乱入者が出てくるのを待とう。

563『凍える刃』:2020/07/22(水) 00:26:29
>>562(夕立)
甚平を着た『夕立』は、
大人しく『朝陽』の登場を待つことにした。

   ガララァー

      「なーんだ、ちゃんと服着てるじゃん」

      「もー、脱いだら脱ぎっぱなしで!
       .部屋の前に置いといたからねっ」

         スタンッ

内側から押し入れが開き、上段には『朝陽』が屈んでいた。
床上に飛び降り、座して待っていた『夕立』の真ん前に立つと、
両手を腰に当て、整った柳眉を吊り上げ、ご立腹の様相を見せる。

   シュンッ...

      「……って、疲れてるもんね。お兄ちゃん」

      「あの『通り魔』が捕まってから、
       .警察の取り調べとか、いっぱい呼ばれて」

      「私、一応『被害者』なんだけど、
       なんかあんまり、お呼びじゃないみたいで。

       ……お兄ちゃんが、私の分まで答えてくれるんでしょ?
       『お兄さんが言ってたけど』って、よく刑事さんが最初に言うから」

一転、『朝陽』はしおらしい態度になる。
彼女なりに『夕立』を心配しているのは、間違いないようだ。

564鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/22(水) 00:37:54
>>563

「…申し訳ない。色々あって、少し疲れていたんだ」
「流石にこれでは、兄として示しがつかないな」「次からは、しっかり片付けるさ」

嘘はつけない。だが、事実は隠す。
朝陽はピアノを再開して、今は心身ともに少しずつ健康に向かっている。
余計な心配はかけられない。だから、左手もそれとなく上から右手を重ねて、隠しておく。

「…?」

だが、想定外に朝陽の勢いが小さくなった。
どうやら妹なりに、色々と感じて考えているようだ。…それもそうか。彼女も、いつまでも子供ではないのだ。

「気にするな。オレで答えられることなら、代わりに答えているだけだ」
「一時期怪我こそしたが、基本的に身体は健康だからな。オレの方が呼ばれやすい、それだけの事だろう」
「それよりも、想定外にピアノが早く直って良かったな。オレもまた、お前の演奏が聴けるのが楽しみだ」

あまり負の方向で心を引きずらせたくない。話題を変えよう。

565『凍える刃』:2020/07/22(水) 01:01:10
>>564(夕立)
>「流石にこれでは、兄として示しがつかないな」
>「次からは、しっかり片付けるさ」

『朝陽』に余計な心配は掛けられない。
『夕立』は『事実』を隠し、『朝陽』も小さく頷いた。
追求がないのは、『夕立』の疲弊を見かねてだろう。

『左手』の人面痣を隠すように右手を重ねる。
路線バスの時と同様、『朝陽』には普通の怪我にしか見えないが、
『朝陽』に見せて要らない心配を掛ける必要もない。

>「それよりも、想定外にピアノが早く直って良かったな。
> オレもまた、お前の演奏が聴けるのが楽しみだ」

    「うん。『三日後』だから、忘れちゃダメだからね」

『通り魔』の騒動に追われている間に、日は過ぎていった。
『夕立』の頑張りもあり、『朝陽』がピアノに向き合う時間は、
十分に用意できただろう。

    「スゴイねー、『祥悟』さん。
     .『調律』してもらって、ずっと弾いてるけど、
     .なんだか、私の演奏じゃあないくらい、音が澄んでるの」

    「今度の『課題曲』も選んでくれたし、
     .きっと、いい演奏ができると思うなー」

振られた話題に乗って、『朝陽』が至って順調そうな様子を見せる。
ピアノについては『朝陽』も気負った態度は見受けられない。

    「去年の『星見ピアノコンクール』は、
     ――――良かった、ってよく皆に言われたけれど、
     なんか、ちょっと変な感じがしたから……」



.

566鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/22(水) 01:24:53
>>565

「それは期待できるな。去年の演奏の時点で、とても心に響く演奏だったのに」
「そこに『蛇尾川』さんの力が加わったなら、きっと今年も良い結果が出せるだろう」

「だが、一番は結果よりも楽しめるかどうかだ。オレが言うほどの事でもないだろうが」

去年よりも成績が落ちて、それで再び気落ちしてしまってはいけない。
一番は、またピアノを演奏できて、朝陽が笑顔になってくれることだ。

「──────────」

「…変な感じとは、どんな感じだ?それは今のピアノの演奏では、感じないのか?」

努めて冷静に、訊ねる。

567『凍える刃』:2020/07/22(水) 23:31:31
>>566(夕立)
>「…変な感じとは、どんな感じだ?
>それは今のピアノの演奏では、感じないのか?」

   「……あの時、だけだったかな」

『星見ピアノコンクール』の後、
『朝陽』はわざわざ入浴中の『夕立』を訪ね、
何やら不安げにしていたのを、『夕立』は思い出す。

   「なんだろう。少し、音が高かったような……。
    硬くなった空気が震えるような、そんな感じ。

    何か、話してみると小さなことなんだけど、
    私の『演奏』じゃあなかったみたいだな、って」

   「心をひどく揺さぶられるようだったって、
    『審査委員長』の人は絶賛してたけど――――」

『朝陽』の説明は要領を得ないところがある。
本人も話している上で、些細なことだと捉え直してしまっているようだ。

568鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/23(木) 00:08:23
>>567

「・・・・・そうか」
「『星見ピアノコンクール』で使われるピアノは、普段のそれとは違うんだろう?」
「そういう事もあるかもしれないな」

音無さんも言った通り、やはりあの『壇上』のピアノに何かあるのだろうか。
彼を妨害したことからして、それを見つけられたり、破壊されたりすれば『孵化』の狙いは達成されないのだろう。
あの場所に向かわなければならない。あと『3日』の間に。

569『凍える刃』:2020/07/25(土) 23:16:08
>>568(夕立)
>「『星見ピアノコンクール』で使われるピアノは、
> 普段のそれとは違うんだろう?」

    「『グランドピアノ』だから、
     ――――そーいうものだよ、ね」

残り『3日』。
明確な『タイムリミット』が心中にて定められる。
必然、険しくなる表情を察してか、『朝陽』が踵を返す。

    「じゃあ、しっかり休んでね。

     ……だけど、脱ぎっぱなしはダメだからね。
     ほら、これッ  後、スマホもっ!」

    バササッ

脱ぎ散らかされた制服が、脱衣かごに入ったまま渡される。
籠の上には『スマートフォン』が置かれている。

    「それじゃあ、おやすみー」

    バタンッ

『朝陽』が部屋の扉を閉める。
『スマートフォン』のLEDが点滅している。
誰かからの『着信』があるのだろう。

┌────────────────────────┐
│>>>469(夕立)                          │
│>『塞川 唯』『夢見ヶ崎 明日美』『斑鳩 翔』、         .│
│>この三人にスマートフォンでメッセージを発信した。   │
└────────────────────────┘

『夕立』はこの三人にメッセージを送信している。
それらに対する『返信』の可能性もある。

メッセージの内容は――――

【場】『 PC間連絡スレ ―星間通信― 』【他】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/

570<削除>:<削除>
<削除>

571『凍える刃』:2020/07/27(月) 21:56:24
>>568(夕立)
偽物の『通り魔』、『詐欺グループ』、『孵化』と『夢の世界』。
それらを簡潔に説明したメッセージを、
『夕立』はスマートフォンで送信している。

  PI!

『夢の世界』に行っている間、
三人からはそれぞれ返信があった。
また、『タダヒト』からの不在着信も残っている。
あれから何度か掛け直しをしたのだろう。

『夢の世界』に囚われていたため、二時間ほど返信が滞っている。
『夢の世界』の詳細も含めて、話しておくべきだろうか……。

572鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/27(月) 22:23:18
>>571

三人から返信が来ていた。その中でも、特に目を引く内容は『アリス』のものだ。
タダヒトさんの言葉にあった、『夢の世界でヤツらを打破したスタンド使い』の一人が、彼女かもしれない。
今すぐ三人へ『返信』するか、それとも着信のあった『タダヒト』さんへ電話するか考える。
恐らく、通話もできず電話が途切れた自分を『タダヒト』さんは心配しているだろう。
それならまずは先に彼へと連絡すべきか。…今度は『悪霊』からの妨害がなければいいが。

スマホを使って、『タダヒト』さんへと電話をかける。

573『凍える刃』:2020/07/27(月) 22:48:18
>>572(夕立)
三人からの返信に目を通し、
優先順位として、通話の途切れた『タダヒト』へ電話を掛ける。

   P r r r r . . .
 
 ――――PI!

    「ああ、今出よう」

         ガラララララッ

スマートフォンから声がしたかと思えば、
押し入れの扉が開き、下段にて屈んだ『タダヒト』が見える。

    「一向に連絡が取れず、もしやと思ってな。
     駆け付けては見たが、君の『妹』が部屋に入ろうとする」

『タダヒト』は昼間と変わらぬスーツ姿のまま、
収納されていた段ボールの隙間に身体を嵌め込んでいる。

    「しかし、君に『憑依』したそれは――――」

    「やはり、『悪霊』。呪われた魂、『孵化』のものか……」

スマートフォンを取る『右掌』に重なり、
本来は見えるはずのない『人面痣』を一早く発見し、
『タダヒト』は難渋そうに顔を顰めた。

574鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/27(月) 22:59:43
>>573

>   P r r r r . . .
> ――――PI!
>    「ああ、今出よう」

「…もしもし?」

既に電話に出ているのに、今出ているとはどういうことなのか。
それとも、他の誰かと勘違いしているのか?などと疑問を抱いていると、突如押し入れのドアが開く。
こちらが構えて『スタンド』を発現するより早く、何故か『段ボール』の中に入った『タダヒト』さんが現れていた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

疑問もツッコミも放棄して、とりあえずは『タダヒト』さんの話すままに任せる。
幸い、彼の理解は極めて早い。『人面痣』すら把握しているのは彼の『スタンド』が関係しているのか?

「その『悪霊』が憑依するトリガーに、オレの妹の演奏した『曲』が使われています」
「『切江』や、今入院している『立石』さんもその曲を聴かされて、悪霊を憑依させられたようでした」
「先ほどまで、オレもそれで『夢の世界』に飛ばされていました」

575『凍える刃』:2020/07/27(月) 23:35:50
>>574(夕立)

   ヒュオオォォ――――

言及を放棄した『夕立』の横顔を、
空いた窓から吹き込む夜風が撫でる。
この窓から、『タダヒト』が侵入したのは間違いない。

>「その『悪霊』が憑依するトリガーに、オレの妹の演奏した『曲』が使われています」
>「『切江』や、今入院している『立石』さんもその曲を聴かされて、悪霊を憑依させられたようでした」

    「君の『妹』は、何故そんな『曲』を奏でられるんだ?

     ……念のため、『スパイロ・ジャイラ』で確かめて見たが、
     君の『妹』は、スタンド使いじゃあないだろう」

『孵化』や『悪霊』を知る『タダヒト』は、真っ先に『曲』へ注目した。
無論、『朝陽』が弾いたのは『フランツ・リスト』の楽曲であり、
有名な『楽曲』である以上、曲そのものは重要ではない。

>「先ほどまで、オレもそれで『夢の世界』に飛ばされていました」

    「――――それは、その『人面痣』によるものか。

     『悪霊』をその身に憑依させた者は、『夢世界』を知覚できる。
     『孵化』は君の妹を利用し、様々な者達に『悪霊』を憑依させていた。

     ……その目的は、『夢世界』の住人を増やすことか?
     それとも、『悪霊』の副産物……。『スタンド使い』を増やすことか?」

『タダヒト』は『夢の世界』と聞き、微かに眉を跳ね上げた。
『夕立』へと近づき、掌に宿った『人面痣』を凝視する。

    『WUUUUUAAAALALALALALAAAAA...』

    「見れば見る程、怖気が走る造形だな。
     『サルバドール・ダリ』の『戦争の顔』という絵画があるが、
     あれに良く似ているよ。理解を超えている、という面も含めて、だが」

    「君が『無事』だったと、ホッとしていたが、
     どうやらそうも行かなかったか……。

     身体に異常はないか?
     ――――しかし、どうやって取り除く……?
     ムカつくことに、コイツにも『知覚』や『意思』はあるようだが……」

『タダヒト』は『夕立』の手首を取り、真剣な目つきで『人面痣』を眺めている。

576鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/28(火) 00:01:57
>>575

窓が開いていたことを確認して、成る程ここから入ったのかと納得しかけ、
では何故『段ボール箱』の中に入っていたのかと新たな疑問が浮かんだ。
が、それは彼の『スタンド能力』に触れることだろうし、万が一何の理由もなかったなら
それはそれで恐ろしいので、やはり言及はやめておいた。

>    「君の『妹』は、何故そんな『曲』を奏でられるんだ?

>     ……念のため、『スパイロ・ジャイラ』で確かめて見たが、
>     君の『妹』は、スタンド使いじゃあないだろう」

「…その通りです。何故なのか、オレも分かりません。身内の贔屓目もありますが、
 オレの妹の『ピアノ』はかなり上手な方だと思います。ですが、流石に世界一ではないでしょう」
「『秘密』があるとするならば、あるいは『星見ピアノコンクール』の会場、
 その壇上にあるピアノかもしれません。…実際、それを調べようとした『友人』が
 謎の『二人組』の襲撃に遭い、現在も囚われています。『夢の世界』では悪霊を憑依させられ、襲ってきました」
「…ですが疑問は残ります。同じピアノを使用した他の演奏者ではなく、何故妹なのか、と」

続く『タダヒト』さんの疑問にも、頷く。

「『夢の世界』には、松本…タカウジがいました。ヤツの話では、『孵化』とは行きずりの関係で、
 『スタンドに目覚めたいか』、と訊ねてきたそうです。少なくとも力尽くではないようでした」
「『夢の世界』といえば…先程伺った、他の三人を打破した『スタンド使い』。その内の一人は、オレの友人のようですね」

「『悪霊』に取り憑かれる前なら、明確な意思をもって『拒絶』することで憑依を防げるようです」
「…ですが憑依された後では、不明です」
「先程戦闘した『友人』は恐らく『孵化』のスタンドの影響を受けていて、
 それにより発現した『刃』を修復する際に、悪霊を消費していましたが」

「『新塚』の人面痣を切り裂いた時も、痛がりこそすれど、体から出て行く様子はありませんでした」

577『凍える刃』:2020/07/28(火) 00:40:24
>>576(夕立)
>「『秘密』があるとするならば、
>あるいは『星見ピアノコンクール』の会場、
>その壇上にあるピアノかもしれません。」

    「――――『ピアノ』か。

     君の言う通り、既に『被害者』がいるのなら、
     その信憑性は高いな。……誠に『残念』だが――――」

『タダヒト』は被害者の行く末を案じながらも、
『ピアノ』の重要性には同意を示している。

>「『夢の世界』には、松本…タカウジがいました。
>「…ですが憑依された後では、不明です」

    「悪影響があっても『遅効性』か。
     油断ならないが、メリットがあるのも事実……」

『新塚』や『タカウジ』など、長期間での『憑依』であっても、
肉体的な悪影響が見受けられない点を、『タダヒト』は指摘する。

    「どの道、『時間』はなさそうだな。
     少なくとも、君の『友人』を救出しなければ、
     何が起きるか解らない。……ここは『協力』しよう」

『夕立』の話を聞き終えた『タダヒト』は、
思案顔を作って、『夕立』に申し出る。

    「『孵化』の正体は全く掴めていないが、
     その『友人』は『孵化』と接触しているのは確かだ」

    「私は、その『友人』を探し、『救出』することに尽力しよう。
     .君の眠る姿を見られる以上、『肉体』ごと『夢』に行くわけじゃあない。

     .実体は何処かに『監禁』されている。
     .彼を助ければ『孵化』の正体を掴めるだろう」

『タダヒト』はあくまでも冷静に意見を述べる。
『人命救助』の中にも、『情報』を得るための計算を感じ取れる。

    「君は、その『ピアノ』を調べて欲しい。
     .『ピアノ』じゃあないとしても、『壇上』にある何かを、
     .『孵化』どもは隠したがっているようだからな」

タイムリミットの『三日間』に充てる以上、どちらも選択する時間はないだろう。

578鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/28(火) 01:01:53
>>577

「よろしくお願いします」

腰を深く折り、頭を下げる。
仮に『通り魔』を見つけ、全てが解決したとしても、それで音無さんが犠牲になっては意味がない。
彼を助け出すのもまた、最優先事項の一つだ。

「彼、『音無ピエール』さんは『作業場』の近くに幽閉されているようです」
「オレは『湖畔』にあるコンクール会場へと赴いて、ヤツらを誘い出します」

タダヒトさんの言葉に頷き、同意する。元よりそのつもりだ、断る理由などない。

579『凍える刃』:2020/07/28(火) 01:28:19
>>578(夕立)
>「よろしくお願いします」

   「……此方こそ。
    『夕立』君。私こそ、深く感謝しているよ。

    ――――先程から半日きりとはいえ、
    私の情報網では全く、『孵化』に届かなかった。

    君の身を削って得た『情報』なら、きっと『孵化』に届く」

頭を下げる『夕立』に対し、『タダヒト』も礼の言葉を述べる。

何処か『慇懃』にも取れる言葉遣いなのは、
年下の少年に『憑依』を許した『不手際』や、
そこまでの到達に先んじられたことへの『プライド』の刺激、
いずれにせよ、素直に喜べない状況を歯噛みしているようだ。

    「『作業場』、か。
     ――――『星見町』の工場は『300ヵ所』を越える。

     何か、手掛かりがあればいいが……」

『タダヒト』は踵を返し、『窓枠』に手を掛ける。
このまま、『夕立』の部屋から退場するつもりだろう。
言い残した『手掛かり』はあるだろうか。

580鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/28(火) 22:02:30
>>579

「・・・・・・・・・・」
『タダヒト』さんの言動からは、大人のプライドのようなものを感じる。
自分個人としては、責任は自分で負うと覚悟していたのでこの結果も仕方ないと受け入れられるが。
優秀であり、強力なスタンドを持つが故の自負なのだろうか。何となく、楽には生きられないタイプだな、と感じた。

「…参考になるかは分かりませんが。捕らえられた『音無』さんは、『郊外』の施設だと」
「それに、彼がスタンド攻撃に用いたものは、全てその『作業場』にあったようです」

「『熱した油』『酸』『五寸釘』『電動丸鋸』『コンクリートブロック』『工具バッテリー』
 『電動ドリル』『消火器』『エアーダスター』『鋼線』『熱した鉄串』、この全てです」

自分ではこれだけの情報で絞り切れないが、タダヒトさんの情報網ならば、何かの足しになるかもしれない。

581『凍える刃』:2020/07/28(火) 22:50:24
>>580(夕立)
>「…参考になるかは分かりませんが。
>捕らえられた『音無』さんは、『郊外』の施設だと」

『夕立』が列挙する『工具』の数々を、
『タダヒト』は相槌一つ打たず、真剣に聞き届けた。

    「……ありがとう。

     『音無ピエール』、彼のスタンド能力は知っている。
     訳あって、その大部分を目撃する『機会』があった」

    「――――故に、今のでほぼ、『居場所』は掴めたよ。
     後は『人海戦術』だ。やっと、『聞き役』を卒業できる」

『タダヒト』は口角を吊り上げた。
そして、『窓枠』から身を滑らせ――――

    シュバッ
             ズダッ

庭に降り立ったと思われる落下音、去っていく足音。
『タダヒト』はその姿を消した。

582鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/28(火) 23:08:45
>>581

今の情報だけで、『居場所』をある程度掴めたというのか。
しかも音無さんの『スタンド能力』を知っているとは。接点があるようには見えなかったが。
何者なのだろう、彼の所属する『アリーナ』とは。

「・・・・・・・・・・速いな」

窓枠に手を当て、彼が去っていった方向を見る。その時には既に後ろ姿すらない。
『アリーナ』もそうだが、彼のスタンドもまた謎の能力だ。『スパイロ・ジャイラ』。
いや、今の機動を能力に寄らない身体能力で行なっている可能性もあるか。

とりあえず、『タダヒト』さんへの連絡は済ませた。
次は『三人』への返信を行いたい。追加の情報もある、窓を閉じてスマホを開こう。

583『凍える刃』:2020/07/28(火) 23:14:42
>>582(夕立)

    ガララララッ

『夕立』は窓を閉め、三人への返信を検討し始める。

【場】『 PC間連絡スレ ―星間通信― 』【他】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/

584鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/31(金) 00:54:50
>>583

「・・・・・・・・・・ありがとうございます」

一旦スマホをスリープさせ、『蛇尾川』さんの連絡先を思い出す。
自分で分からなければ、両親あるいは妹に訊ねてみよう。

585『凍える刃』:2020/07/31(金) 21:53:59
>>584(夕立)
『夕立』は『蛇尾川』と電話番号を交換していた。
連絡を取ろうと思えば容易だろうが、時刻は『午後11時』。
電話に出られるかどうかは、半々と言ったところだろう。

586鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/31(金) 22:24:02
>>585

「もうこんな時間か…」

流石にこの時間に電話をかけるのは、非常識かもしれない。
幸いすぐ翌日に『コンクール』というわけではない。どちらにしろ、『湖畔』へ赴くのも明日になる。
今日は適当に食事を済ませ、入浴して寝るとしよう。電話も同じく明日に行う。
…果たして自分は普通に寝られるのだろうか。

587『凍える刃』:2020/07/31(金) 22:41:44
>>586(夕立)
時刻を確認し、『夕立』は思い留まった。
卓上にラップの掛けられた、一人前の夕食。
それを温め、一人きりの食事を済ませる。

   ジャボッ

湯の残っていた風呂に浸かる。
衣服を脱げば、否応にも『人面痣』が目に入る。
『眠り』に就けるのか、不安になるのは否めない。

     パチンッ

自室の消灯をし、『夕立』は布団を被った。
目を瞑る。墨を塗ったような『闇』が視界いっぱいに広がる。

     『WHooooooo...』

       『MHUUUUUUU...』

いつまでも、いつまでも離れることはない。
『人面痣』の呻き声が耳朶に響き、消えてくれない。
眠りに落ちることも、目覚めることもない、暗闇に放逐された意識。

不愉快にもハッキリとした思考は、様々な出来事が思い浮かぶ。
人面痣、疲弊した『立石』、呼ばれるエントリーナンバー、ダガーナイフ、
喫茶店の苦いコーヒー、呪われた『ピエール』、『蛇尾川』に叩かれる肩、
『塞川』と乗ったセダン車、『タダヒト』のバッチ、常識が洗脳になる、

    「―――――  へ」

『朝陽』の顔、ぼやけてハッキリと見えないが、人影が佇む。
それを皮切りにして、意識がゆっくりと遠ざかっていく。

    ・

    ・

    ・

     『Buuuuuu...』

       『ぉ、ぉ、ぉ、気ぉ  ...』

『人面痣』の不快な呟きによって、『夕立』は目を覚ます。
時刻は『9時半』。決して、寝不足とは言えない睡眠時間のはずだが、
気怠さはぬぐえない。『人面痣』による『妨害』なのだろうか。

――――今日から世間は『三連休』だ。
『三連休』の最終日に、『朝陽』の参加するコンクールは催される。

588鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/31(金) 23:05:42
>>587

「・・・・・・・・・・」
「『悪影響』は、あっても『遅効性』と『タダヒト』さんは言っていたが」
「既に、これも十分な悪影響だな…『耳栓』でも買ってくるべきだろうか?」

一人呟き、まずはスマホで『蛇尾川』さんに電話をかけよう。
蛇の道は蛇、という。『ピアノ』のことに関してから、専門家に訊ねるのが早いはずだ。

589『凍える刃』:2020/07/31(金) 23:08:53
>>588(夕立)
寝不足を実感しながら、『蛇尾川』に電話をする。

  P r r r r . . .

            ――――Pi!

   「もしもし、『夕立』君?

    珍しいねェ、君から電話するなんて。
    何かあったか? ひょっとして、ピアノに不調でも?」

『蛇尾川』が電話に応じた。

590鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/31(金) 23:19:05
>>589

「おはようございます、『蛇尾川』さん」
「いいえ、『調律』して頂いたピアノは絶好調のようです。朝陽も自分の演奏ではないかのよう、と言っていました」

「今日お電話させて頂いたのは、明後日の『星見ピアノコンクール』、
 その壇上のピアノを調律された方を、蛇尾川さんならご存知ではないかと思いまして」

あるいは公式に情報が載っているかもしれないが、同じ職業でしか知らないこともあるかもしれない。

591『凍える刃』:2020/07/31(金) 23:26:30
>>590(夕立)
>「今日お電話させて頂いたのは、明後日の『星見ピアノコンクール』、
> その壇上のピアノを調律された方を、蛇尾川さんならご存知ではないかと思いまして」

   「ああ、それならボクだよ。

    とはいえ、まだ完全には終わってないよ。
    明日、最終調整を済ませるつもりだけど……」

   「しかし、妙なところを気にするね、君も。

    ――――『朝陽』ちゃんの『演奏』が気になるのは解るが、
    あの娘はコンディションも絶好調だ。心配は要らないよ」

『夕立』の問い掛けに、平然と答える『蛇尾川』。
『調律者』を気にする『夕立』の様子を疑問には思っているようだが、
それほど深くは突っ込んで問い返しては来ないようだ。

592鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/31(金) 23:40:22
>>591

「・・・・・そうだったんですか」
「ちなみに、去年の『ピアノコンクール』で調律を担当した方はご存知ですか?」
「朝陽が、去年の演奏に自分で違和感を覚えていたらしく、そういった影響もあるのか、と思ったのですが」

『調律』ではなく、もっと直接的に。
例えば『スタンド』そのものが『ピアノ』に取り憑いている可能性もあるか?
であれば、外からどうこうしたところで変わらないだろうが。

593『凍える刃』:2020/07/31(金) 23:46:48
>>592(夕立)
>「ちなみに、去年の『ピアノコンクール』で調律を担当した方はご存知ですか?」

    「去年? ……いや、流石に解らないな。
     唯、あれは癖のあるピアノだからね……」

    「こう言ってはなんだけど、
     『前任者』の調律は杜撰だったよ。

     あれでは、あのピアノは生きて来ないね。
     『朝陽』ちゃんが違和感を覚えるのも無理はないよ」

流石に『前任者』までは『蛇尾川』も知らないようだ。
それどころか、意外にも『辛辣』な評価が返ってくる。

    「そういう意味じゃあ、今回は安心してくれていいよ。
     『朝陽』ちゃんの演奏を引き出せるように、
     最高の『チューンナップ』を施すからね」

自信に満ちた表情が目に浮かぶような、
『蛇尾川』の朗らかな声色が電話越しに響いた。

流石に調子の良さや『リップサービス』もあるのだろうが、
彼が『調律』に自信と誇りを持っているのは間違いないようだ。

594鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/07/31(金) 23:51:37
>>593

「…ありがとうございました。これで後顧の憂いなく、『コンクール』に臨めそうです」
「朝陽に精一杯楽しんでもらえるよう、オレも全力でサポートします。朝早くにご応答頂き、感謝致します」

そのまま何事もなければ、電話を切る。直接見ることでしか、手掛かりは得られなさそうか。
ひとまず私服に着替えて、そして塞川さんに連絡をしよう。

595『凍える刃』:2020/07/31(金) 23:59:09
>>594(夕立)
>「…ありがとうございました。
>これで後顧の憂いなく、『コンクール』に臨めそうです」

   「相変わらず堅いねェー。

    そんなに気になるなら、見に来たっていいんだよ。
    まあ、折角の三連休だからさ。気が向いたら電話してね」

鷹揚な態度を崩さず、『蛇尾川』は見学に誘ってくれた。
『夕立』が『タダヒト』を生き辛そう、と感じたのと同様に、
『蛇尾川』もまた、同じような印象を抱いてるのかも知れない。

   「じゃあ、またね」

     ブツッ

電話が切れる。
『夕立』は私服に着替え、『塞川』に連絡を取る。

【場】『 PC間連絡スレ ―星間通信― 』【他】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1456056964/117-

596鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/01(土) 21:48:00
>>595

塞川さんへの連絡を終えて、朝食を食べる。
彼女との約束は『二時間後』だが、その『三十分前』に多目的ホールに着くように家を出よう。
ワンショルダーバッグの中に荷物を入れて、肩にかけておく。

597『凍える刃』:2020/08/01(土) 23:32:04
>>596(夕立)
朝食を摂り、『湖畔』へ向かうバスへと乗り込む。

    『LUUuuuuu . . . 』

『左手』、『左腕』の人面痣が、苦しそうに呻く。
バスの乗客は誰も、痣の声が聴こえていない。

『塞川』は来るだろうか。
正体の掴めない『孵化』、そして肉体を欲する『悪霊』。
危険かどうかさえも解らない、得体の知れない存在との対立。

『ピエール』は拉致され、『タカウジ』と『立石』は夢に囚われている。
それらを知った上で尚、『夕立』に協力する者は、果たしているのか……。


     ブ ロ ロ ロ ロ ロ  ロ ロ ロ  ・  ・  ・


バスが走り去る。『多目的ホール』前のバス停に到着する。
果たして、『塞川』は来ているか――――

598塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/01(土) 23:53:59

「『命を掛ける』……か。
ふん、くだらねー事言いやがって」

>>595のやり取りからきっちり二時間後。
白のスポーツカーの後部座席のドアを開いて、ホールの前へと姿を現す。

-----------------------------------------------------------------
ガラス細工の鳥のスタンド。群体型。
身体を擦りつけた物にガラスの羽を植え付け、『ガラス化』させる。
また、頭部に核があり、破壊されるなどで露出したこれに触れた物は、
大きな物、分厚い物などであっても一気に『ガラス化』されてしまう。

『クリスタライズド・ディスペア』
破壊力:E スピード:B 射程距離:B(12m)
持続力:E 精密動作性:C 成長性:B

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/177

--------------------------------------------------------------
【持ち物】
ハンドバッグ・日用品・文庫本

【簡易プロフィール】

【記】『スタンド使い記録スレッド』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/98

『鉄夕立』の協力者となり、『通り魔事件』を追う。

599鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/02(日) 00:06:08
>>597

腕を抑えながらバスに揺られ、改めて思う。あまりに異常な状況だ。
敵の正体も能力も『不明』。しかして敵のやり口は『陰惨』であり、少しの間とはいえ身体を乗っ取られる可能性もある。
そして、今は自分から敵の領域に踏み込もうとしている。家族の命が懸かっていなければ、自分だってこれは酔狂だと感じるだろう。
無謀とも言い換えられる。誰も、これに好き好んで付き合う義理などない。

だが、彼女は来ると言った。自分はそれを信じて待つだけだ。
予定時刻の30分前に着き、そこから一時間ほど待機する予定だ。
それで彼女が来られなければ、やはり当初の予定通り一人で壇上を調べよう。

600『凍える刃』:2020/08/02(日) 00:21:38
>>598(塞川)
>>599(夕立)
バスが到着し、『夕立』は『多目的ホール』にの前で待ち続ける。
そして、定刻となった。

    ブルオオォォォ――――

真っ白なスポーツカーが、『夕立』の目の前に停まる。
後部座席のドアが開き、颯爽と降り立ったのは、

     バァンッ!

『塞川』だった。
二人は邂逅し、共に『多目的ホール』を仰ぎ見る。

大小様々な会議室、大・小ホールのある『多目的ホール』。
コンサートの他、カルチャー講習や企業の説明会など、幅広く利用されている。
入口の扉は開いている。目的の『コンサートホール』は、本日は何も催されていない。
入るのは容易いだろう。

601塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/02(日) 01:42:55
>>600
「よし……2時間ジャストだな。
助かったぜ、『モチオ』。……またな」

運転席の男へ軽く手を振って別れ、
走り去るスポーツカーを尻目に、『鉄』の背を叩く。

「よお、早いな。『鉄』。
じゃ、行くか」

602鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/02(日) 21:55:34
>>600-601

「・・・・・」「変わったお名前の方ですね。モチモチの木、という絵本を思い出しました」
「ははっ」

いつも通りの現れ方をした塞川さんを見て、口上を述べた後に思わず笑ってしまう。
少し肩の力が抜けたのを感じた。深く息を吸って、深呼吸を。

「ええ、行きましょう」

塞川さんの言葉に頷き、まずは入り口の中に入る。
去年も来た場所だ、中の構造は案内図を見なくてもわかるだろう。
『コンサートホール』を目指そう。また、辺りを見回して他の利用者の姿も確認しておく。
どれくらいの人がいるのだろうか。

603『凍える刃』:2020/08/02(日) 22:39:45
>>601(塞川)
アッシーに車を走らせ、
『塞川』は目的地へと降り立った。

>>602(夕立)
『塞川』の登場に安堵する。

>ALL
催しがないため、受付には誰もいない。
にも関わらず、一般開放されているのは、
『図書館分室』を利用する市民のためだろう。

周囲には人気はない。
『コンサートホール』の扉は、

     ギィィ――――

開いている。中に入れそうだ。

604塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/02(日) 22:57:16
>>602-603
「ん? ああ、まあなァ」

金持ちだからな、と続けた後、
深呼吸をする『鉄』をじっと見つめる。

「……今回は、あまり『無茶』をするなよ。
ここで襲ってきた奴らが居たとして、そいつを絶対に倒す必要があるわけじゃあねえ。
そいつの『正体』さえつかめば、後はどうとでもなる。
ギリギリの『判断』が必要になった時は、『妹』の事を考えろ」

普段と違い、真剣な面持ちでそう続けて
歩きながら、『クリスタライズド・ディスペア』を1体、手の内に発現する。

「まずは、こいつで『探る』。
私の『スタンド』は、そっちの方が向いているからな」

『クリスタライズド・ディスペア』をコンサートホールの扉を潜らせ、内部に侵入させる。
そのまま、ホールの天井付近まで飛び上がらせて、全体を俯瞰したい。

605鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/02(日) 23:05:48
>>603-604

「いかにも罠、という雰囲気ですね」「無論、足を止めるつもりはありませんが」

>「……今回は、あまり『無茶』をするなよ。
>ここで襲ってきた奴らが居たとして、そいつを絶対に倒す必要があるわけじゃあねえ。
>そいつの『正体』さえつかめば、後はどうとでもなる。
>ギリギリの『判断』が必要になった時は、『妹』の事を考えろ」

「…確かに、その通りですね。こちらは敵の情報を知らない分、何か正体に関するものを
 掴めたなら得になる。そうして仲間で情報を共有できれば、ヤツを追い詰めることに繋がる」
「いざとなれば、退くことも視野に入れろ、ということですね」

これ程の静けさなら、音無さんを昏睡させ、連れて行くのも容易だったろう。
近くに車を止めておけば、何の問題もない。そのまま監禁場所へと一直線だ。
そのまま中へ踏み込もうとしたが、先に塞川さんが動いた。
まずは彼女の『クリスタライズド・ディスペア』に任せよう。
射程距離が長く、飛行能力を持ち、破損した際の被害も少ない。まさに打ってつけだ。

606『凍える刃』:2020/08/02(日) 23:15:53
>>604-605(塞川&夕立)

    ズギャッ

『塞川』は『クリスタライズド・ディスペア』を発現し、
扉を押し開けて隙間を作り、ホール内へと飛び放たせる。

     シュパァァ――――

一通り飛び回り、ホールの全容を把握する。
小規模だが、作りの確りした演奏用ホールだ。

     ポロロンッ
             ――――ポロロンッ

グランドピアノには『蛇尾川』がいる。
鍵盤に触れ、音の具合を確認しているようだ。

       スゥゥ...

その視線は『クリスタライズド・ディスペア』を捉えた。
思案顔を作り、中空を飛ぶヴィジョンを眺めている。

※参考
ttps://culture.city-hakusan.com/matto_learning_center/guide/hall/

607塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/02(日) 23:34:47
>>606
「………『蛇尾川』だ。
『調律』の日か?それでも、何の『妨害』もなくピアノに近づけている……」

『クリスタライズド・ディスペア』を『グランドピアノ』に向かわせる。
『グランドピアノ』や『蛇尾川』の手元に、一目でわかるような『異常』があるかどうかを調べに行く。

「いや、違う……こいつ、『目が合った』!
私の『クリスタライズド・ディスペア』を認識しているぞ、『夕立』ッ!」

小声で『夕立』へと話す。

「あいつがスタンド使いとわかった今……
私の『スタンド』に対して、どう動くかが知りたい。
見知らぬ『スタンド』に対して、戦闘力のある『スタンド』なら、
間違いなく自分も『スタンド』を出して警戒する筈だ。
その後は、『夕立』。あんたに任せるぜ」

608鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/02(日) 23:48:05
>>606-607

>「………『蛇尾川』だ。
>『調律』の日か?それでも、何の『妨害』もなくピアノに近づけている……」

「・・・・・・・・・・」
「『覚悟』はしていましたが、できれば思い違いであってほしかった」
「まだ確定ではないでしょうが」

少なくとも、『蛇尾川』さんは即座にスタンドを攻撃してきたりはしていないようだ。
『クリスタライズド・ディスペア』が未だに内部の様子を伝えてきているのがその証拠だ。
だが、即座に敵対行動をしてくる可能性もある。
自分は背後を警戒しながら、『シヴァルリー』を発現。塞川さんの言葉を待ち、次の行動に移る。

609『凍える刃』:2020/08/02(日) 23:56:02
>>607-608(塞川&夕立)

    ドヒュゥンッ!!

『クリスタライズド・ディスペア』は、
グランドピアノ目掛け、滑空していく。

    「何の用かな?」

『蛇尾川』は接近するヴィジョンに問い掛ける。
椅子から立ち上がり、『クリスタライズド・ディスペア』を、
迎え撃つように、グランドピアノの前に立ち塞がった。

    「止めて欲しいな。明後日には本番だというのに。
     ――――ヴィジョンが小さいな。遠距離型、本体はどこだ?」

『クリスタライズド・ディスペア』と『蛇尾川』、両者の距離は『5m』。
楽譜や調律の道具以外、不審物は見当たらない。

そして、『夕立』は背後を警戒するが、怪しい気配はない。

610塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/03(月) 00:09:10
>>609
「『夕立』……あんたの言う通り、
『スタンド使い』である事がイコールで『犯人』とは限らない。
そして、私の見た限りで『異変』が見当たらない以上は……
現時点で『糾弾』する事は難しいな」

『クリスタライズド・ディスペア』は『ピアノ』から一旦距離を取り、ホールの座席の1つにでも止まらせる。
小声で話しながら、『コンサートホール』の扉に手を掛ける。

「なら、私が行って話をする。
何事も無く『ピアノ』が調べられればそれでよし、
そうでなければ『犯人』……とわかる。あんたがな」

と言い残して、『鉄』を取り残して『コンサートホール』へと入ろうとする。
もし『鉄』の静止や意見がありそうなら、それに従う。
(二人で入る、の場合も特に反論はしない)

611鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/03(月) 00:22:27
>>609-610

「・・・いえ、オレも行きます」

そう言って、塞川さんに二本の指を見せる。

「一つ、オレが『スタンド使い』という情報は恐らく敵にバレているようです。
 故に『蛇尾川』さんが敵であれば、オレもここにいることは推測できるはずです」
「逆に彼が味方であれば、オレが『スタンド使い』であることを知ってもらった方が
 色々と都合が良いです。これから朝陽を守る上で、話が円滑に進みます」

「二つ、もし蛇尾川さんが敵でかつ、『近距離パワー型』、あるいは『飛び道具型』のスタンド使いだった場合、
 塞川さんが一人で矢面に立つのは危険です。オレの『シヴァルリー』の方がまだ対処がしやすいでしょう」

そう言って、まずは自分から先頭に立って扉を開け中に入る。
そのままゆっくりと中へ進もう。

612『凍える刃』:2020/08/03(月) 22:46:00
>>610-611(塞川&夕立)
『蛇尾川』がスタンド使いだと、『塞川』は確信する。
扉を開けようとした矢先、『夕立』の右腕が割って入り、

    ギィィィ ・ ・ ・

扉を押し開けた。
『夕立』が先導し、舞台へと続く通路を下っていく。

    「あれ、『夕立』君。
     それに、『塞川』さんも」

    「――――ひょっとして、その『鳥』は……?」

『鳥』を追っていた『蛇尾川』の視線が、二人に向けられる。
そのまま、その『鳥』はどちらのスタンドか、と問い掛ける。
スタンドを前にしても尚、『蛇尾川』は鷹揚な態度を崩さない。

    「なんだ。来るんだったら、言ってくれれば良かったのに。

     ――――『調律』も終わったんだ。
     折角だから、一曲訊いていかないか?」

    「『演奏』を聴けば、
     『朝陽』ちゃんにピッタリの『楽器』だと、
     きっと君も理解してくれるはずだ」

本番に相応しい『調律』を誇示したがるように、
『蛇尾川』は歩み寄る二人へと笑いかけ、
椅子に腰掛け、鍵盤の上に十指を伸ばした。

613鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/03(月) 23:09:13
>>612

「─────そのまま、動かないで下さい」

開口一番に、それを伝える。
自分たちのどちらかが『スタンド使い』だとして、何故スタンドを出したのか。
そもそも、本番を前に自分たちは何故ここを訪れたのか。
そういった疑問があるはずなのに、その質問が一切出てこない。
蛇尾川さんの穏やかな立ち振る舞いが、かえって警戒心を増大させる。

「そのピアノを調べようとしたオレの友人が、何者かに『拉致』されました」
「非常に剣呑な事態なんです。オレたちには余裕がない。協力して下さい」

そう言って『シヴァルリー』を前方2mに進ませながら、自分も歩調を早め、ピアノに近付く。

614塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/03(月) 23:10:46
>>612
「言うまでもないが………『演奏』は『危険』だ。そうだな?
私には、この『状況証拠』だけで十分に思える。
奴が怪しいというならな」

『鉄』に続いて、コンサートホールへと入っていく。
問いに直接は答えず、長髪を大仰に手で払って
『蛇尾川』の居る壇上を睨めつけ、『鉄』へと囁く。

(どちらにせよ『距離』は必要か……
しかし、奴が真に『人面痣』を操れるなら、この勝負は……)

615『凍える刃』:2020/08/03(月) 23:34:29
>>613(夕立)
>「─────そのまま、動かないで下さい」

    「穏やかじゃあないな」

『蛇尾川』は驚いたように両手を止め、
ヴィジョンを発現した『夕立』を凝視する。

    「何にしたって、『騒ぎ』は止した方がいい。
     『コンクール』が中止になったら、
     『朝陽』ちゃんの練習の成果が台無しだよ」

酷く心配そうな表情を作って、
『蛇尾川』は親身な素振りを見せる。

   カッ  カッ
           カッ  カッ . . .

『夕立』は『シヴァルリー』と共に、前進する。
足音も高く、舞台へと続くステップを昇り、壇上へと到達する。
『蛇尾川』と『グランドピアノ』まで『5m』。

>>614(塞川)
『塞川』は足を止め、入口付近から二人を見下ろす。
音の響くホール内では、離れていても二人の声は聞こえる。

    「『塞川』さん。どういう訳なんだ?

     『コンクール』は『明後日』だ。
     調整を済ませておきたいだけなんだが――――」

『蛇尾川』は困惑したように、『塞川』へ状況の説明を要求する。
その様子には、一切の『害意』が感じられない。

616鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/03(月) 23:47:38
>>615

>    「何にしたって、『騒ぎ』は止した方がいい。
>     『コンクール』が中止になったら、
>     『朝陽』ちゃんの練習の成果が台無しだよ」

「オレも同意見です」
「ただオレの知る限りでは、このまま何もしなくとも、『コンクール』が台無しになる可能性があります」

足を止めて、まずは対話をしたい。まだ敵と決まったわけではない。
なら、彼が仲間になってくれる可能性もある。不要に警戒させることは避けたい。

「『蛇尾川』さんは、いつから『スタンド使い』なんですか?」

彼は去年の朝陽の演奏を聴いているはずだ。
その時既に『スタンド使い』だったなら、悪霊の影響を受けていてもおかしくない。

617塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/03(月) 23:52:59
>>615
歩き出した『鉄』に少し遅れて、自らも階段を下りていく。
『ピアノ』を調べるにも、『蛇尾川』と対決するにしても、まずは距離を詰める必要がある。

「ああ……悪いなァ。
『調整』は、終わったんだろ?
その『ピアノ』……少し触らせてもらえないか?
『夕立』が、気にしててな」

(『事実』だけを考えろ。
『壇上』を調べると『襲撃』に遭った。
そして、今日はその『壇上』に『スタンド使い』がいる………。
全くの『無関係』である可能性は、どれくらいだ?)

「協力してくれるよな? 『蛇尾川』」

618『凍える刃』:2020/08/04(火) 00:26:29
>>616(夕立)
>「ただオレの知る限りでは、このまま何もしなくとも、
>『コンクール』が台無しになる可能性があります」

    「……そういうことなら、
     君の『見解』を聞かせて欲しいな」

『夕立』は足を止め、『コンクール』の危機を訴える。
それに応じ、『蛇尾川』はその意図を問い返してきた。

>「『蛇尾川』さんは、いつから『スタンド使い』なんですか?」

    「物心付いた時から、『スタンド』が使えたよ。
     ボクの父も、祖父も、ボクと同じように、ね」

    「スタンド能力は『血』によって遺伝する」

『蛇尾川』は生まれついてのスタンド使いのようだ。

     ブブッ
             ブブッ

     ブブッ

『夕立』のスマートフォンが小刻みに振動する。
このリズムは、『電話番号』に紐付けて送信される『ショートメッセージ』だ。
およそ『70文字』までしか利用できない機能のためか、
連続してメッセージを受信しているようだ。

『蛇尾川』と『ピアノ』まで、『5m』。


>>617(塞川)
>その『ピアノ』……少し触らせてもらえないか?

座席の間の通路を通り、階段を降りながら、
『塞川』は『蛇尾川』へとお願いしてみる。

    「『鍵盤』にちょっと触って、って話じゃあなさそうだね。

     ボクの正直な気持ちを言わせてもらえば、『No』だ。
     解るだろう? 完璧な『調律』を施しているんだ。
     君だって、キッチリまとめたヘアスタイルを崩されたら、
     イヤじゃあないか? ボクもピアノも、そーいう気持ちだ」

『調べる』、との言葉に『分解』や『解体』を想像したのか、
『蛇尾川』はハッキリと拒絶した。……『後ろめたさ』ではない。
毅然とした態度には、宿った『職業意識』を感じられる。

『蛇尾川』と『ピアノ』まで、『10m』。

※下記のMAPで『L-4』、『L-5』の間に『塞川』がいる。
  『夕立』は正面から見て『左側』の舞台上。『蛇尾川』と『ピアノ』は中央。
ttps://culture.city-hakusan.com/media/pdf/matto_learning/hall_seat.pdf

619塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/04(火) 21:19:26
>>618
「あんたの言う、『完璧な調律』とはなんだ?」

会話を続けながら、階段を下っていく。
同時に、席に止まらせた『クリスタライズド・ディスペア』で振り返り、
ホール全体の様子を確認しておく。

(生まれついての『スタンド使い』……。
ここまで『敵意』が無いのは、流石に不自然か?
だが、『芸術家』ってのは、今一図りかねる部分があるからな……)

620鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/04(火) 21:37:45
>>618

「・・・・・『蛇尾川』さんは、去年の朝陽の演奏を聴いて、何も感じなかったんですか?」
「あの『コンクール』の時、オレは朝陽の素晴らしい『演奏』を聴いたはずでした。
 ですが『スタンド使い』になった今、改めてあの演奏を聴くと、中に酷いノイズが混ざっていたんです」
「コンクールの中で、体調を崩した人が何人かいましたが、それも含めて『孵化』という人間が関わっています」

一瞬だけスマホをポケットから引っ張り出し、差出人を見る。そしてすぐに正面を向き、ポケットにしまう。

「『蛇尾川』さんは、どれくらいの頻度でこのピアノの調整を?」

621『凍える刃』:2020/08/04(火) 22:34:29
>>619(塞川)
>「あんたの言う、『完璧な調律』とはなんだ?」

    「ピアノは『生きている』。

     『調律』というのは整備じゃあない。
     『車』の整備だったら、新車同然を目指せばいい。
     だが、『調律』は違う。『ピアノ』自身にさえ、その正解は解らない」

『蛇尾川』は静かな口振りながら、熱弁を振るう。
『塞川』は階段を降りる。『クリスタライズド・ディスペア』の視覚を使い、
ホール全体を観察する。※現在、『F-5』の脇。

>>620(夕立)
>「・・・・・『蛇尾川』さんは、去年の朝陽の演奏を聴いて、
>何も感じなかったんですか?」

    「素晴らしい『演奏』だったよ。

     電話でも話したが、この『ピアノ』の調律は最悪だった。
     ポテンシャルを理解せず、規格に収めるような杜撰な整備で、
     唯々、音を鳴らすだけの器物に仕立て上げられていた……」

   チラッ

スマホを引っ張り出す。差出人は『タダヒト』だ。
最初のメッセージの冒頭だけが辛うじて読める。
ショートメッセージアプリを起動すれば、全文が把握できる。

┌────────────────────
│音無ピエールは無事だった。ひどく衰弱し...
└────────────────────

    「にも関わらずッ!
     この『グランドピアノ』の本質をその指は捉え、
     息吹を注いだかのように、『音』を取り戻して見せた――――」

    「君には『ノイズ』に聴こえたようだが、なんてことはない。
     そのピアノは……いいや、その『楽器』にとっては、それが『正解』だ」

『蛇尾川』は立ち上がり、軽やかに一歩、踏み出した。
『調律』を終えたばかりの楽器を、愛おしげに撫でながら。

                  アルモニア
    「『鉄朝陽』は、この『 楽 器 』に選ばれた。
     見出した『才能』を愛で、活かすことが」

    「『孵化』の役割。また一人、『目覚めた』ようだ……」

『蛇尾川』は『夕立』を見る。
伸びやかな体躯は佇んだまま、何の『害意』も見せない。
不自然なまでに。『警戒』をさせないように押し殺されたかのように。

622鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/04(火) 22:59:04
>>621

音無さんの無事に安堵する。流石は『タダヒト』さんだ。
同時に、話を聞きながら言葉の進んでいく先を察知して。
片手をバッグに突っ込んで、中から『鉄釘』を掴む。十五本の内の、何本かがとりあえず掴めればいい。

「あなたの『調律』を朝陽は気に入っていたようでした。家のピアノは、ですが」
「残念だ」

掴んだ釘をシヴァルリーのパワーと精密性で、壇上に撒く。釘とシヴァルリーの間に蛇尾川を挟むように。
この距離でも動じない事からして、恐らく相手は『近距離パワー型』か。
『シヴァルリー』の距離でもあるが、スタンドにはほぼ必ず『能力』がある。
それでどう相手の裏をかくかが、勝負の分かれ目だ。こちらはまず布石を打つ。

623塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/04(火) 23:06:09
>>621
「……やはりな、とは言わねえよ。
私にはあんたの顔は見えなかった。
大したタマだぜ。芸術家って人種は、本当に……」

椅子に止まらせた『クリスタライズド・ディスペア』を飛び上がらせ、
『蛇尾川』を『鉄』と挟みこむ位置になるよう移動させる。

624『凍える刃』:2020/08/04(火) 23:30:31
>>622(夕立)
『ピエール』の無事に『夕立』は安堵する。
そして、眼前の『敵』に対し、『鉄釘』をバラ撒く。

    「何故、『決別』のような態度を取るんだ?

     『朝陽』ちゃんの演奏は、多くを魅了するだろう。
     生者も死者も問わず、彼女の音色を誰もが求める」

『蛇尾川』は疑問符を浮かべながら、
『夕立』に噛み砕くかのように説明を加えていく。

    「君も知っている『切江ギヤマン』のように。

     彼もまた、彼女の『音色』に魅了された。
     故に、その肉体は『亡霊』に捧げられた」

>>623(塞川)
己とは相反する『芸術家』という人種。
その特異さに舌を巻きながら、『塞川』はスタンドを操作し、
『鉄』の前へと割って入らせる。

    「肉体、だけじゃあなかったか。
     『感性』も、憑依した魂に引きずられる――――」

    「誰もが『音楽』に酔い狂える。
     身も心も『旋律』に捧げられる――――」

┌─────────────────────────┐
│    「『切江』先生に、何かあったのかも知れない。    ..│
│      自身の『人生観』を揺るがすような事件が、     │
│      ――――その『少女』が何かの切欠なのか」    .│
└─────────────────────────┘

『時雨蛙』の異様な『最終回』を見た直後、
普段の作風なのかと訝しむ『塞川』に対し、
『加佐見』はその血生臭さを否定していた。

   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□..| Piano.!..□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
扉□夕※□□蛇□□□□□□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□□□□□□□□□■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
扉 ̄ ̄塞□□□□□□□ ̄ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉

※:バラまかれた5本の釘、
  その上に『クリスタライズド』が1mほど浮遊する。

625鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/04(火) 23:35:21
>>624 質問

・蛇尾川を挟み込むように投擲したのは失敗した、という認識で正しいですか?

626塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/04(火) 23:49:34
>>624
少しわかりにくかったですが

>椅子に止まらせた『クリスタライズド・ディスペア』を飛び上がらせ、
>『蛇尾川』を『鉄』と挟みこむ位置になるよう移動させる。

『クリスタライズド・ディスペア』と、『鉄』で、『蛇尾川』を挟み撃ちにするつもりでした。
可能なら訂正をお願いします。

627『凍える刃』:2020/08/05(水) 00:09:39
>>625-626(夕立&塞川)
>・蛇尾川を挟み込むように投擲したのは失敗した、という認識で正しいですか?

>『クリスタライズド・ディスペア』と、『鉄』で、『蛇尾川』を挟み撃ちにするつもりでした。
>可能なら訂正をお願いします。

以下のようにレスを訂正します。


   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□..| Piano.!..□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
扉□夕□□□蛇□※ク.□□□扉
扉□□□□□□□※□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□□□□□□□□□■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
扉 ̄ ̄塞□□□□□□□ ̄ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉

※『蛇尾川』の頭上を越えて、
  釘5本が投げられ、バラ撒かれている。

628塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/05(水) 00:32:19
>>624-627
(『釘』………『シヴァルリー』の能力を使う気か!
切れ味、そのものをを『刃』とする・・…『能力』!)

『シヴァルリー』の能力は既に知っている。
『釘』と『シヴァルリー』との間へ入らないよう注意しながら、
『クリスタライズド・ディスペア』は『ピアノ』の真上へと向かわせる。

更に、自らの『足元』へ更に一羽、『クリスタライズド・ディスペア』を発現。
座席の陰に隠れるような低空飛行で、舞台の下へ。
(MAP上、蛇尾川の4マス下の□を目指す)

(私の『スタンド』……まだ能力はバレてはいない。
そして、こいつの『急所』は『ピアノ』の筈……そこを突ければ)

629鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/05(水) 00:38:08
>>627

色々と言いたいことも訊ねたいこともあるが、一番重要なのは一つだ。

「朝陽はそんな演奏を望んではいない」

敵は『二人組』と言っていた。もう一人はどこに隠れているのか。
『シヴァルリー』を自分の正面に移動させて、スマホを取り出す。
そしてゆっくりと蛇尾川に近寄っていく。

「あなたが拉致したオレの友人は助け出されたようですよ」
「まだ『スタンド』を出していない…敵対の意思がなければ、事を荒立てるつもりはありません」
「投降して下さい」

もちろん、そうなることはないだろう。
ただ、未だにスタンドを出さない蛇尾川への警戒を隠すためにあえて言う。
人型ではない場合、既にこのピアノに隠している可能性もある。
蛇尾川を中心に、視界の中で動くものはないか。

630『凍える刃』:2020/08/05(水) 01:26:09
>>628(塞川)

    スウゥゥ――――

『クリスタライズドA』を『ピアノ』の上へと飛ばし、
『クリスタライズドB』を座席の下へ潜らせ、『蛇尾川』へと接近させる。
『クリスタライズドA』は射程距離の『12m』まで離しきっている。

    「……その『アルモニカ』に触れるな」

『ピアノ』に留まる『クリスタライズドA』を横目で見遣り、
『蛇尾川』は警告を発する。

>>629(夕立)

>「朝陽はそんな演奏を望んではいない」

    「一度、弾けば解ることさ」

    「聴衆が熱狂する『快感』には、
     『奏者』であれば誰もが抗えない」

投げられた『釘』と『クリスタライズドA』に背を向け、
『蛇尾川』はゆっくりと『夕立』に近づいてくる。

>「あなたが拉致したオレの友人は助け出されたようですよ。

    「それは、『肉体』の話だろう?」

視界の中で動くモノは、『蛇尾川』と『クリスタライズド』の他にない。
両者の距離は『2m』。近距離パワー型の射程距離内だ。

>「投降して下さい」

その要請に対し、『蛇尾川』は緩く首を振った。
ジャケットのポケットに手を入れ、引き抜かれる。
取り出されたのは、何の変哲もない『ボールペン』だった。

    ズ ズ ズ ...

『ボールペン』からは腫瘍にも似た『染み』が広がり、
やがて、水に落とした『墨』のような黒い靄を纏い始める。

   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□| A  |..□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
扉□夕□蛇□□□※□□□□扉
扉□□□□□□□※□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□□□□□□□□□■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席B.席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
扉 ̄ ̄塞□□□□□□□ ̄ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉

631鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/05(水) 21:58:58
>>630

「そんな『悪霊』に頼った方法でなくとも、オレの妹の演奏は本物だ」
「聴衆を感動させるのに、狂った手段などいらない」

『蛇尾川』の言葉からして、『音無』さんを夢の世界から帰すには、ただ起こすだけではダメなのかもしれない。
『タカウジ』の言葉と齟齬が出るが、現実の状況に詳しいのは蛇尾川の方だ。ハッタリではなさそうだ。

取り出した『ボールペン』、それが能力の起点か?予想に反して『近距離パワー型』ではなさそうだ。
それなのに、わざわざここまで自分を接近させたのは何が狙いなのか。
ひとまず、まずは様子見の一撃だ。

「行くぞ」

『シヴァルリー』を前方へと走らせ、蛇尾川の足元を力を弱めた右足で払う。パス精CCB
あのボールペンをどうやって使うかは分からないが、染みから黒い靄へと変わっている様子からして、
範囲が広がっていくタイプと推測する。ならば手元から離れた足元へと攻撃し、転倒させる狙いだ。

632塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/05(水) 22:09:51
>>630
「ふん、 『触るな』? 成程。
私は、正直『ピアノコンクール』なんてどーでも良い。
そして、あんたらみたいな『芸術家』にも辟易している……。
つーことはだ、あんたの言う、そのアル、なんとか?
そいつを『ぶっ壊して』、全部ご破算にしてやるのも良いかもなァ〜」

ピアノの屋根が空いているなら、『クリスタライズド・ディスペア』Aを、
そのままピアノの内部へ、一拍置いて突っ込ませる。
ただ、『ピアノ』内部をどうこうしようというつもりはない。

(私を狙って来い! 格闘性能に優れる『夕立』のスタンドにとって、
その隙を突くなんてことは、造作もない事だぜ……)

本体は、『クリスタライズド・ディスペア』の操作を優先しつつ、
操作の邪魔にならない程度にゆっくりと階段を数段降りる。

633塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/05(水) 22:15:19
>>632 追記
屋根が開いていないなら、ピアノの裏側を狙う。
狙いは蛇尾川の気を引くことなので、場所は問わない。

634『凍える刃』:2020/08/05(水) 23:15:38
>>631(夕立)
『ピエール』は果たして夢から戻れたか。
そう、疑問を抱きながら、『夕立』は『シヴァルリー』を放ち、
『蛇尾川』を転倒させようと、『足払い』を繰り出す。

     シパッ
            ガッ!

瞬間、『蛇尾川』の身体から抜け出すように、
人型のヴィジョンが飛び出し、『足払い』を蹴り止める。

    「その攻撃は、『様子見』だな」

    「濃度が薄い。――――『殺意』が足りない」

蹴りの速度は『シヴァルリー』よりも早く、
『シヴァルリー』の『踝』を正確に制している。
そして、蹴り足を踏み砕く程の破壊力は有していない。

    「『殺意』が足りない。だからこそ、
     『鉄朝陽』の演奏は聴衆を惹きつけなかった。
     ――――昨年の『星見ピアノコンクール』、以外では」

┌────────────────────────────────┐
│『最優秀』に選ばれたのは、――――『鉄朝陽』だ。                .│
│『奨励賞』などに選ばれた時はあったが、『一位』は生まれて始めてだ。    │
└────────────────────────────────┘

      ギチチチチチッッ

『蛇尾川』は淀みなく話を続ける。
逆手に握られた『ボールペン』は山羊角のように捻じ曲がり、
そのペン先を鋭利に尖らせていく。

     ブォンッ!

そして、『シヴァルリー』の脇腹目掛け、振り下ろされる。

>>632(塞川)
『塞川』は数段、階段を下って舞台へと近づいていく。

>つーことはだ、あんたの言う、そのアル、なんとか?
>そいつを『ぶっ壊して』、全部ご破算にしてやるのも良いかもなァ〜」

     「やれるのか、君に?」

挑発するかのように『塞川』は『クリスタライズドA』を飛ばし、
屋根の奥へと侵入させる。『蛇尾川』は止めない。
『シヴァルリー』の足払いに対処していたのが、『塞川』にも見える。

     「仕方、ないか」

>ALL

   『OOOOOoooooHHHHHooooo』

諦めたように『蛇尾川』が呟いた後、『塞川』と『夕立』に呻き声が聞こえる。
『夕立』の人面痣ではない。声は『蛇尾川』の首筋から発せられている。

     ズギャッ!

          <KYOOOO!!!!!>

『蛇尾川』の首筋から現れる、小柄な『カラス』のスタンド。
黒い翼をはばたかせ、『塞川』へと飛び掛かって来る。


   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□| A  |..□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
扉□夕シ蛇□□□※□□□□扉
扉□□□□□□□※□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□鴉 B□□□□□□□□■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席塞席席B.席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□ ̄ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉

635『凍える刃』:2020/08/05(水) 23:27:14
>>634(MAP訂正/クリスタライズドBの位置を修正)

   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□| A  |..□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
扉□夕シ蛇□□□※□□□□扉
扉□□□□□□□※□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□鴉□□□□□□□□□■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席塞席席B.席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□ ̄ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉

636鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/05(水) 23:39:07
>>634

「ッ!やはり『近距離パワー型』かッ!」

速度はこちらより上。精密さは同等か、あるいは上か。膂力はこちらより下。
格闘戦は同等か、もしくは敵の能力次第では不利となる。『シヴァルリー』は直接触れる事により発揮される能力ではない。

「朝陽の演奏に、『殺意』があったと本気で思っているのか?」
「そのボールペン、知っているぞ。『殺意を研ぎ澄ませる』能力だと」

単なる刃ならば『シヴァルリー』の敵ではないが、そうではないだろう。
そのボールペンから『殺傷力』を奪いつつ、剣道の小手のように、ボールペンを持つ手首を払いたい。パス精BCB
直接あのボールペンに触れるのはマズい気がする。

「『スタンド』が、もう一体だと・・・・・ッ?!」

回避に成功したなら、壇上から下がるように移動したい。
『クリスタライズド・ディスペア』は防御にはあまり向かないスタンドだろう。
いざとなれば、あの『カラス』もシヴァルリーで迎撃する。

637塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/05(水) 23:40:43
>>634
(バカな、こいつ……私のハッタリを見抜いている?
『クリスタライズド・ディスペア』……確かに、何かを『破壊』するようなパワーはない。
だが、そう判断する材料は、少なくとも現時点ではなかった筈。
ただ『勘』が優れているだけか? それとも、もっと別の………)

『鴉』のスピードと大きさは、『クリスタライズド・ディスペア』と比べてどうだろうか。
『クリスタライズド・ディスペア』Bを手元に呼び戻しつつ、
引っ掛けるように来ていたスーツの上着を手に持ち、『鴉』を待ち受ける。
『鴉』が真っすぐに突っ込んで来るなら、体を一歩右にずらしつつ、『上着』を被せて捕獲するつもりだ。

638『凍える刃』:2020/08/06(木) 00:05:19
>>636(夕立)
>「朝陽の演奏に、『殺意』があったと本気で思っているのか?」
      . . . .
    「なかったとも。だからこそ、惜しいと思った。
     素晴らしい『演奏』だった。欠けていたのは二つ。
     奏者の『殺意』と、アルモニカを仕上げる『調律』だ」

      ドスッ!

『シヴァルリー』は『殺傷力』を奪い、手首を払って受け流す。
『スピード差』こそあったが、真正面からの攻撃故に間に合った。
しかし、その切っ先は『脇腹』を掠め、浅い『刺し傷』を負わせる。
※『殺傷力』の詳細は>>531と同じ。

    「一瞬、『消えた』な。
     ボクの『殺意』が、ほんの一瞬――――」

    「だが、『研ぎ続けている』。
     触れている限りは、……どうした?」

『夕立』が壇上から降りようとするのを、『蛇尾川』は見咎める。
ヴィジョンの左手が『手刀』を作り、そこに『痣』が浮かび上がる。

    「あっちもこっちも、手が届くわけがないだろう。
     余所見は止してくれよ。――――『助けられない』ぞ」

先程までと打って変わった、挑発的な態度。  .シヴァルリー
『夕立』への『殺意』を隠せない、尖った視線が『 騎士道 』を射抜く。

    ギチチチチッッ

              パ ラ モ ア ー
    「――――『 愛ゆえに 』 ッ!」

『パラモアー』の手刀が捻じれ曲がり、
『シヴァルリー』の胸部を穿たんと放たれる。

>>637(塞川)
『カラス』のスピードは『クリスタライズド』と同等だ。
その大きさは文字通り、『ハト』と『カラス』ほどに違う。
スーツの上着を脱ぎ、闘牛士のように構える。

       バスゥッ!!

         ――――ボボボッ!!

スーツの上着は『クチバシ』に貫かれた。
瞬間、上着は激しく『炎上』し、『塞川』は熱に負けて上着を手放す。

   ボオオォォ――――

『カラス』の姿は消えている。
燃え盛る『スーツ』の中に、黒い染みが見え隠れする。

639鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/06(木) 00:17:21
>>638 質問

・現在ボールペンを握っているのは人型スタンド、『パラモアー』ですか?

640『凍える刃』:2020/08/06(木) 00:20:27
>>639
>・現在ボールペンを握っているのは人型スタンド、『パラモアー』ですか?

『パラモアー』が掴んでいます。

641塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/06(木) 00:24:04
>>638
「夕立! 私のことはほっとけ!
私は……私は、あんたの『足手纏い』になるために、
のこのことついてきたわけじゃあねえ!」

燃え盛る『鴉』の背後に見えた『鉄』の姿に、
一瞬、我を忘れて声を上げる。

「なんだ、こいつの『スタンド』は………?
そして、予定とは違ったがやる事は変わらねえ」

呼び戻していた『クリスタライズド・ディスペア』Bを、その勢いのまま
燃え盛る『スーツ』へと突っ込ませて、スーツ越しに床にぶつけて『特攻』の条件を満たし、
『ガラス化』を試みる。

(この場所からは、一歩も引かない……
奴の『スタンド』の正体も、暴いて見せる)

そして『クリスタライズド・ディスペア』C を『ハンドバッグ』の内部へ発現する。
(あるいは、発現し、ハンドバッグへと入れる)

642鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/06(木) 01:25:26
>>638

「ならば、そんな外法を用いずともオレの妹の『演奏』の価値は証明されている」
「どこの誰が何と言おうと、あのピアノは素晴らしかったとオレが思っている」
「それだけで十分だ」

『カラス』のスピードは速いようだ。
少なくとも『シヴァルリー』よりは上、『クリスタライズド・ディスペア』と同等か?
なんとか間に割って入れるか─────。


>    「あっちもこっちも、手が届くわけがないだろう。
>     余所見は止してくれよ。――――『助けられない』ぞ」


>「夕立! 私のことはほっとけ!
>私は……私は、あんたの『足手纏い』になるために、
>のこのことついてきたわけじゃあねえ!」

「─────」「承知しました」

考えを、改める。蛇尾川へと、向き直り。元の立ち位置へと近付く。
助けたいならば、一刻も早く『本体』を叩くべきだ。つまり、蛇尾川を斬るべきだ。

捻れた手首に浮かび上がる『痣』。これもまた『殺意』を纏った武器か。
『殺傷力』を奪う『シヴァルリー』なれど、『殺意』までは奪えない。
そして敵は素早い。故に、『シヴァルリー』を下がらせながら右手に『ボールペン』の刃を発現。
それを握り、フェンシングのフルーレのように突き出すことで、速度の代わりにリーチで補いたい。
手刀に突き刺せればベストだが、あまりに早ければ逸らすだけでも行いたい。パス精BCB

「一つ訊きたい」「朝陽を斬ったのはアンタか?」

そしてこちらの反撃は、敵の背後に転がした『釘』。
その内の一つの『殺傷力』をシヴァルリーの右手へと奪い、間にいる蛇尾川、あるいは『パラモアー』へと背後から突き刺す。パスBC

643『凍える刃』:2020/08/07(金) 22:39:30
>>641(塞川)

   ギュアアァァ――――ッ

        パァァンッ!!

『クリスタライズドB』は燃え盛る『スーツ』に特攻し、
床を利用することで、スーツ全体に『衝撃』を伝わらせる。
結果、炎上する『スーツ』そのものを『ガラス化』させることに成功する。

    シュウウゥゥゥ ・ ・ ・

スーツは鎮火し、床上には熱を吸収してドロドロになった『ガラス細工』が残る。
そして、ガラスの内側には『カラス』が変身した『黒点』だけが残っているが、
ガラスに閉じ込められた今、『脱出』することは出来ない。
                     . . . .
    「まさか、唯の『一撃』でやられるとは」

『蛇尾川』は驚いたように声を漏らした。
だが、予想外とはいえ、焦燥感は垣間見えない。
『カラス』自体は彼の切り札ではなさそうだ。

     ズギャッ

『クリスタライズドC』をハンドバックの中に発現する。

>>642(夕立)

   シュガッ!

『ボールペン』の刃を発現し、迎撃するように突き出す。
スピード差が生じ、逸らすのに精いっぱいと言ったところだ。

     パァンッ!

『ボールペン』の刃がへし折れ、解除される。
ヴィジョンの一撃は武器に成り得る『硬度』があるようだ。

>「一つ訊きたい」「朝陽を斬ったのはアンタか?」

    「その通りだ」

      ドシュッ!!

『夕立』は視線を『釘』に向け、『殺傷力』を引き寄せる。
『蛇尾川』の背後目掛けて、『殺傷力』を突き刺そうとする。

     ズパァンッ!!

『蛇尾川』の両の肩甲骨から、二本の『腕』が突き出し、
『殺傷力』を弾き飛ばし、バラバラに霧散させる。
それは『パラモアー』とは異なる、全く別の『ヴィジョン』だ。

    「まさか、それによって、
     彼女の『ピアノ』を奪った、だなんて」
     . . . .
    「見当違いの批判をするつもり、じゃあないよな……?」

     ドッ
           シュシュシュシュッ!!!

前進する『パラモアー』は両の手首を捩じり尖らせ、
『シヴァルリー』目掛けて、突きの連打を放つ。

644塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/07(金) 23:23:38
>>643
「……倒した、のか?
少なくとも、こいつをブチ破ってくるだけのパワーは無いようだな」

『クリスタライズド・ディスペア』D を発現し、
『蛇尾川』の顔面めがけて突っ込ませる。
『クリスタライズド・ディスペア』のパワーは低いが、眼球など柔らかい部分を狙えば、
そこを傷つける鋭さはある。

(……という『欺瞞』を挟む事で、これが『陽動』でない事がバレなきゃあいいが。
ヤツの『勘』……あるいは『能力』。何かを感知しているのか?
そして、複数の『像』………この能力の『謎』とはなんだ?)

『鉄』との交戦、そして自らへと飛来する『スタンド』。
それに隠して、『蛇尾川』の背後に位置する、
本命の『クリスタライズド・ディスペア』Aをピアノから天井へ向けて飛び上がらせる。
『射程制限』にかかりそうなら、本体が前方へと進み、行う。

645鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/08(土) 00:18:45
>>643

「いや。それだけ分かれば十分だ」「アンタは必ず『再起不能』にする」

背後からの攻撃は防がれた。
先程のカラスといい、『人面痣』がスタンドを発現できるようだが
それだけでなく、独自に『視界』も持っているようだ。
でなければ、背後から飛来する釘を正確に打ち落とせないだろう。

『パラモアー』の手刀、その切れ味は武器に等しい。正面から受け止めればただではすまない。
パワーはこちらの方が上だが、被弾覚悟で一撃を当てるのもまだマズい。

『シヴァルリー』と共に後ろに下がりながら、両腕を掲げボクシングのピーカブーのように正面を守る。
そして接触の瞬間に『パラモアー』の両手の手刀から『殺傷力』を奪い、ダメージを減らす。
すぐに殺傷力は復活するのだろうが、どちらにせよこの『手刀』はこちらの武器にもなる。
少しでも損害を軽くできたならそれでいい。

646『凍える刃』:2020/08/08(土) 01:21:40
>>644-645(塞川&夕立)

     ドシュバババッ!!

手刀のラッシュに対し、『夕立』は顔を守りながら背後に後退る。
背後は『扉』。背が触れても、押し開けられる感覚はない。
――――追い詰められている。

   シュバゥゥ――――

『塞川』は『クリスタライズドD』を発現し、
『蛇尾川』の顔面目掛け、突っ込ませる。
しかし、至近距離での『乱戦』となっている今、突撃が成功するかは怪しい。

    スゥゥ

『クリスタライズドA』を天井へと向かわせようとするが、
天井の高さはおよそ『11m』。『塞川』が舞台に上がらなければ、
『クリスタライズド・ディスペア』の射程距離内に収められない。

だが、『クリスタライズドA』の視覚から、『舞台上』の様子は把握できた。
複数の『幕』や『スクリーン』を巻き取るための『ウィンチ』や『ロール』、
演者を照らすための『ライト』、それらを固定する『鉄骨』が設置されている。

    「『B4』ッ」

         『Urrrrrr...Fuuuuu...』

両肩からざわめくような呻き声が漏れ聞こえ、
肩から突き出す『B4』の腕が、何かを握っている。
捻じれた『ボールペン』。それが『クリスタライズドD』に放たれ、

       ドスッ
              ギュル バァ!

抉るように突き刺さり、『クリスタライズドD』は破壊される。
そして、勢いを殺すことなく、『塞川』目掛けて『ボールペン』が飛んでくる。

     パスッ
            シュバッ!

『パラモアー』の手刀が『シヴァルリー』の頬を掠め、
鮮血を滲ませる。その刹那、『パラモアー』の手刀から殺傷力を奪う。

    ドシュシュシュッ!!

依然として、『殺意』を研ぎ澄ませた手刀には、切れ味が残る。
ガードを固めた両腕に、大小バラバラの『裂傷』が生まれていく。
しかし、『シヴァルリー』に蓄積された『殺傷力』から、新たな情報を得る。

------------------------------------------------------------
『殺意』を『研ぎ澄ませる』能力。

研ぎ澄ませた『殺意』は『殺傷』に対する、
天賦の『感性』を与え、『殺傷』自体への抵抗感を削ぐ。
人を殺傷する凶器であれば、その『殺傷力』を著しく高めるだろう。

『パラモアー』
破壊力:C スピード:B 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:B 成長性:E
------------------------------------------------------------

ヴィジョンの破壊力、スピードが『直感的』に理解できる。
『両腕』の刃を使うのであれば、『シヴァルリー』の『両腕』に宿るだろう。

>「アンタは必ず『再起不能』にする」

    「ダメだな。何故、『殺す』と言えないんだ?」

    「……いいや、『殺さず』に済むと考えているか。
     ならば一つ、君に教えておく必要があるな」


   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□| A  |..□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
扉夕シ蛇□□□□※□□□□扉
扉□□D.□□□□※□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□塞□□□□□□□□□■
■席席衣席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□ ̄ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉

【舞台図】
ttps://culture.city-hakusan.com/media/pdf/matto_learning/hall_stage.pdf

【緞帳などのイメージ図】
ttps://jp.os-worldwide.com/products/solution/stage.html

647塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/08(土) 20:21:16
>>646
ボールペンを構え、投擲された瞬間、
咄嗟に『クリスタライズド・ディスペア』Dを左方向へ軌道修正して、ボールペンを避けようとする。
それでもこの至近距離、『クリスタライズド・ディスペア』へのダメージは避けられないとは思うが……

(『核』さえ破壊されなければ、『クリスタライズド・ディスペア』は『完全には』破壊されない。
『像』のパワーは、まだ残るはずだ……)

そうして、仮に『クリスタライズド・ディスペア』Dが一部破壊されるだけで済んだなら、
そのまま、ふらふらと墜落するように『鉄』の背後の『扉』へと特攻し、『ガラス化』する。
『鉄』がどういう選択をするかはわからないが、『選択肢』はできる。
『スタンド』で叩き割る事ができれば、『パラモアー』の追撃からの逃げ道となるだろう。

(しかし、この距離、私は避けられねえ……)

上記が上手く行ったにせよ、失敗したにせよ、
本体は咄嗟に『ハンドバッグ』を掲げて『ボールペン』を防御しようとする。
優先度は『クリスタライズド・ディスペア』Dの操作→防御。
そうしながらも、足は止めず、壇上へと向かおうとする。

648鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/08(土) 21:31:18
>>646

(速いな)

横方向へ投擲された『ボールペン』、できれば殺傷力を奪っておきたかったが。
直接触れている限りは『殺意』は研ぎ澄まされる、つまり触れ続けなければ、一度奪った切れ味は復活しないのだろう。
しかし、あの背中から生えている腕のヴィジョンも、それなりに格闘戦をこなせるスペックはあるようだ。

「オレは命を懸けて戦いに臨んでいるが、それでも死ぬつもりはない」
「命を奪わせる気がないのなら、また相手の命を奪うのは道理が通らない」

「…アンタの願い通りに動くのが、気に障るのもあるがな」

相手に向かって左側へと動きながら、『パラモアー』の手刀を『シヴァルリー』の両手に装備。
半身になりながら、両手を突き出し『パラモアー』の右腕を狙う。
その手刀に『硬度』が存在するのは確認済みだ、これはそのまま相手の斬撃から手を守る刃となる。

そして同時に、まだ背後にある『釘』の殺傷力を奪い、またシヴァルリーの右手へと飛来させる。
ヴィジョンと本体の視覚は同時に使えない。ならば、あの『痣』のスタンドと『パラモアー』は同時に迎撃できるのか?
それを確かめる。

また、もし両手の突き刺しが『パラモアー』の右手に防がれた、あるいは直撃したなら。
左手の手刀を解除することで、その切れ味を『パラモアー』の左手に戻す。
もっとも、その途中に右手や体があった場合、手刀は容赦なくそれらに突き刺さるだろう。
そのために、相手の右側から攻撃を行う。

動作として、両手の突き刺しのみ。そして他は能力の使用、そして解除だ。

649『凍える刃』:2020/08/08(土) 23:16:30
>>647(塞川)

    パァンッ!
             グゥゥ ―――

『核』を含め、ヴィジョンが破壊されるのは、
『ボールペン』の軌道からも明らかだった。
『クリスタライズドD』を左方向へ旋回するように操作し、
片翼を犠牲にして、『扉』へと特攻を仕掛ける。

     パァンッ!!

『夕立』が背にする扉板が『ガラス』と化した。
扉板は厚く、破壊には相応の時間を有するが、
この『ガラス化』が『脱出』に有利に働くだけではないのは、
『シヴァルリー』の能力を知る『塞川』は理解できるだろう。

>>648(夕立)

      ズギャッ!

『シヴァルリー』の両腕が捻じ曲がり、
『パラモアー』から奪った『殺傷力』を投影する。

     『WuuuuuHHAaaaaaa――――』

        『ぃぃ、  ぃぃょぉ !」 ! !、』

歓喜の声が『左肩』と『左手』から響き渡る。
『夕立』に憑依した『人面痣』は咽び泣き、
『殺意』の投影を歓迎するように、絶叫している。

>「…アンタの願い通りに動くのが、気に障るのもあるがな」

    「願いじゃあない、『殺意』だ」
                    . .
    「そして、それはボクだけじゃあない」

    ドシュシュッ!!

『パラモアー』の手刀に対し、強化された『両腕』を突き出そうとする。
だが、その『意思』は敵わなかった。『左手』が疼く。『左腕』が戦慄く。
眼前の男は、『切江』の命を奪った『殺人者』であり、
利己的な理由で『朝陽』を傷付けた『通り魔』だ。

    ┌─────────────────────────┐
    │『殺す』に足る男。『夕立』に宿った黒い感情が囁いた。    │
    └─────────────────────────┘

         ブォシュッ!!

『シヴァルリー』はその身に『刺突』を受けながら前進し、
正確無比に、『パラモアー』の喉笛を狙い、貫手を繰り出した。
硬質なヴィジョンを貫いた瞬間、『夕立』にじわりと高揚感が広がって来る。
しなる『竹刀』が相手を打ち据え、凄烈な破音を響かせた時にも匹敵する。

    「いいぞ、素質があるッ!

     『殺意』がインストールされた瞬間、正確に『喉』を狙ったな。
     切り刻むだけの『切江』や刑事とは違うッ 当て勘も十分だッ」

    ゴボッ . . .

本性を見せる前と同じような鷹揚とした口調で、
『蛇尾川』の絶賛がステージに響いた。
『パラモアー』の喉が抉れ、『蛇尾川』にもダメージが伝わり、
胸部から噴出する血液が、ワイシャツを染め上げていく。

一方、『夕立』に残る『理性』は事態を冷静に把握していく。
『パラモアー』の右腕を狙う攻撃も、『釘』による不意打ちも出来なかった。
それらの微々たる攻撃よりも、左腕の一撃が『殺害』に適していたからだ。
上塗りされたような『殺意』が、借り物めいているのも十分に理解している。

今は不意を打たれた故に、『殺意』の実感に乏しかった。
しかし、己の『意思』で発揮すれば、『シヴァルリー』のパワーも強化される。
ガラスと化した、背面の『扉板』を一撃で粉砕できるのは間違いない……。
この『殺意』は『解除』できる。だが、早々に投げ捨ててしまうのは考え物だろう。
『殺害』ではなく、『破壊』に用いることも出来るのだから。

650『凍える刃』:2020/08/08(土) 23:20:11
>>649(追記)

>>647(塞川)
飛来する『ボールペン』を『ハンドバッグ』で受け止めた。
『ハンドバッグ』を貫通した『ボールペン』の破壊力は、
明らかに通常の『投擲物』を逸脱している。

     ギャルギャルギャルッ

依然、『ハンドバッグ』を貫こうと、回転を続けている。
塞川は一歩、二歩と、『舞台』へ向けて進み始める。

651鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/09(日) 00:13:07
>>649

「『人面痣』が・・・・ッ?!」

借り物の『殺意』にでも、反応するのか。
耳障りな叫び声をあげながら、咽び泣いている様子に不快感を覚える。

「・・・アンタだけでなく、『悪霊』の望みでもあるということか?」

だが、そんなものは関係ない。敵の思惑通りに動いてたまるものか。
朝陽を傷付けた通り魔を、殺してやりたいと思ったことがないとは言えない。
だが、戦いの場で冷静さを失うわけにはいかないし、彼女の兄たる自分が容易く人の命を殺めてはならない。

─────にも、関わらず。

放った攻撃は、『殺意』にまみれた貫手だった。
敵の打突に合わせて、カウンターで『突き技』を決めた時に等しい。
審判に旗を上げられずとも、確実に一本決められたと確信できた打突だ。

「チィッ!」

思わず舌打ちする。
予想以上に強力に引っ張られる、これが『殺意』か。危険だが、同時に確信する。強力な手札でもある。
だが、何故これを使うようにこいつらは仕向けたのか?敵に塩を送る殊勝な心意気とは思えない。
…しかし、選択の余地は多くない。正面からのなぐりあいは、ヴィジョンの数も含めて不利だ。

「・・・・・・・・・・」

腕に『殺意』を込め、背後のガラス扉を叩き割る。
幅広く距離を使うことと、『刃物』を増やすこと。この二つは必要だ。

652塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/09(日) 00:42:39
>>649
(常軌を逸している……なんだ、この威力は
いや、『能力』か! )
ハンドバッグ内の『クリスタライズド・ディスペア』Cにて
ボールペンの接触部分を『ガラス化』しつつ、
ボールペンの威力を後ろへ受け流すように、体ごとハンドバッグを斜めにして逸らそうとする。

「私の忠告は忘れてないよなァ、『夕立』!
    ・ ・ ・ ・
敵に『のまれる』な! あんたは、あんたの守るべき人間の事だけを考えろ」

壇上へとたどり着き、『鉄』へと声を上げる。
そして、背後の『ガラス化』した扉を叩き割るのに合わせて、
再度、背後のピアノに潜む『クリスタライズド・ディスペア』Aを天井の鉄骨へ向けて飛翔させる。

653『凍える刃』:2020/08/09(日) 22:02:42
>>651(夕立)
>「・・・アンタだけでなく、『悪霊』の望みでもあるということか?」

    「君は、どう思う?」

本性を見せる前から、『夕立』の質問に答え続けてきた『蛇尾川』は、
ここに来て初めて、『夕立』に問い返してみせた。

   ガガッ

    ――――グ、パァンッ!!

捻じれた『左腕』を振るい、
『シヴァルリー』は背後の『ガラス扉』を殴りつける。
肘鉄で二発、背後へ振り抜いた拳、それだけで『ガラス』が飛散する。

本来の『シヴァルリー』ならば在り得ない『パワー』が宿っている。
人体に振るえば、唯の一撃で『四散』する。誰も『夕立』を邪魔できない力。
『塞川』の忠告が聴こえる。左腕の感覚は冷え切った鉄のようだ。

    「いいぞ、『殺し』の才能がピッカピカだッ

     生まれ持った素質を磨き、極上のパフォーマンスに仕立てる。
     君の『妹』も、ピアノに『感情』を込める才能が有った」

    「だが、込めるべき『感情』に乏しかった。
     運動センスはあったが、『筋力』や『肺活量』に劣るような、
     とにかく、『経験値』が足りなかったから――――」

『ガラス戸』を砕く瞬間は、絶好の隙だったにも関わらず、
『パラモアー』は追撃をせず、『シヴァルリー』から身を離す。
背後の『ガラス片』はいずれも『鋭利』さを保っている。

    「『パラモアー』で軽く傷を付けた。
     無論、『ピアノ』が弾ける程度の浅い傷だ。

     だが、『朝陽』ちゃんはピアノを弾けなくなった。
     ――――何故だと思う?」

>>652(塞川)

     ドギュルルウッッ
                バキャキャキャッッ

捻じれ続ける『ボールペン』を反らそうと、
『塞川』はハンドバッグ内の『クリスタライズドC』で触れ、
『ガラス化』を試みるが、その効果は乏しい。

『ボールペン』が『ガラス』と化しても硬度はほぼ変わらず、
自壊させるのなら、力の逃げ場を失くさなければならないからだ。
間もなく、『貫通』するだろう。


       バサァァァ――――ッ!!

『塞川』は壇上へと到達し、
『クリスタライズドA』は天井の鉄骨へと飛翔する。

    「勇気があるね。見たところ、身を守れるスタンドじゃあない。
     ここからなら『射程距離』だが、――――さて、どうしようかな」

壇上へと上がってきた『塞川』を、
『蛇尾川』は値踏みするように一瞥した。

   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□| A ←――――――現在、高度6m
■■□□□└──┘□□□■■
∴夕□□蛇□□□※□□□□扉
扉□□□□□□□※□□□□扉
■□□塞□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□□□□□□□□□■
■席席衣席席席席席席□席席■

654塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/09(日) 22:37:17
>>653
ハンドバッグの内部へと『クリスタライズド・ディスペア』Cが触れ、
『ハンドバッグ』の布地を、一部『ガラス化』により、『ボールペン』の貫通を防ごうとする。
そうしながら、ハンドバッグは身体から離して持つ。(ボールペンの貫通軌道上に自身の身体が無くなるように)
内部の『クリスタライズド・ディスペア』Aも同様に貫通されても『核』が破壊されないようにしておく。

「1対2だ。数の有利を使うためには、私自身も攻撃に加わらなきゃあな……。
と、思っていたが、あんたの『スタンド』は何だ?
明らかに『ふたつ』の能力……しかも、それを使いこなしている」

『クリスタライズド・ディスペア』Aに気づく要素は(恐らく)なかった筈。
Aの視点を使って蛇尾川の位置を見つつ、鉄骨を伝って『照明』へと向かう。
そして『照明』と『蛇尾川』の位置関係を確認する。

(私が次に狙うのは『照明の落下』だ……。
吊り下げられている支柱部分を、部分的に『ガラス化』することで、
『照明』の重量で支柱を自壊させる……)

だが、『ぶっつけ本番』のためタイミングを計る事は難しそうだ。
都合良く『蛇尾川』の真上に『照明』でもあれば、上記の方法で落下を試みる。

655鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/09(日) 23:01:31
>>653

「分からない。だが、意味もない。どちらにせよ、オレの意思を決めるのはオレだ」

想像を上回る『殺意』の力だ。
膂力でいえば『シヴァルリー』の一段上。いや、それを更に超えるかもしれない。
有効に使いこなせば、極めて強力な武器になるだろう。
だが、それは相手を殺す上での話だ。自分は蛇尾川を殺めるつもりはない。
塞川さんの言葉に頷く。大丈夫だ、自分はまだ戻れる。冷静だ。

「『経験』などいずれ得るものだ。焦る必要などない」

『左手』で大きいガラス片を二つ指で挟み、力を込める。
先程壁を破壊した時と同じように、モノに対しての『殺意』を込めて。

「・・・・・『恐怖』からか?」

そしてガラス片二つの投擲、狙うのは『グランドピアノ』。
自分は蛇尾川を倒さずとも、あれを破壊すれば目的は達成できる。
蛇尾川は手を伸ばして防ぐかもしれないが、スピードはともかく膂力ではこちらが上だ。

656『凍える刃』:2020/08/10(月) 00:17:56
>>654(塞川)
『ハンドバッグ』をガラス化するが、
既に『ボールペン』が貫通している。間に合わない。

    ボッ
          バスゥッ!!

貫通した『ボールペン』が吹っ飛び、『塞川』の左耳を削り飛ばす。
背後に吹っ飛んだペンは、座席に突き刺さった。

>明らかに『ふたつ』の能力……しかも、それを使いこなしている」

    「使いこなしてるように、見えるかな」

      バサァァ!!

『クリスタライズドA』が飛翔し、『スポットライト』の位置を確認する。
『蛇尾川』が後、2〜3歩背後に下がれば、丁度『真下』になりそうだ。

>>655(夕立)
>「・・・・・『恐怖』からか?」

    「『パラモアー』によって、彼女には『殺意』を宿した。
     この『アルモニカ』との親和性を高めるためだ。

     だがね。実に『安定』していたよ。
     無論、人は滅多に『殺意』を頼ることはない。
     それでも尚、彼女の『心』は揺らがなかった」

『シヴァルリー』に宿って初めて理解できる『殺意』の衝動。
『朝陽』はそれを制御できるだけの『理性』を保っていた。
そしてそれを、『パラモアー』を通じて、『蛇尾川』は理解している。

    「君がいたからだよ。『夕立』君。
     『兄』である君が、彼女の『殺意』を鈍らせていた。
     『兄妹』故の『安心感』。それが邪魔をしていたってわけだ」

     ギュバッ!!

『シヴァルリー』はガラス片を投擲し、『グランドピアノ』にぶつける。
強烈な『轟音』が響き、黒檀のカバーが大きく歪み、

          ギチチチチチッ

その破損が修復されていく。
まるで『生きている』かのように――――

     ドォォ――――ンッ!!!

瞬間、『シヴァルリー』の右腕が弾かれたように跳ね、
『夕立』は何かに殴られたように、膝から崩れ落ちる。
腹部に『投石』を喰らったような痛みが走る。

    「『アルモニカ』の演奏は、『フィードバック』する。
     こいつは生きているんだ。自分の身を守る術はあるのさ」

『夕立』と視線を合わせるように『蛇尾川』は屈んだ。
グランドピアノの下、己の『仕事道具』を収めた鞄を手に取る。

657塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/10(月) 00:38:22
>>656
念のために確認したい。
>『蛇尾川』が後、2〜3歩背後に下がれば、丁度『真下』になりそうだ。

『蛇尾川』の背後というと、ステージの奥側だろうか?

もし可能なら、現在確認できている分だけで良いので、MAPに天井の『照明』の位置を追加してほしい。
(照明は複数あると思われるので)

658『凍える刃』:2020/08/10(月) 00:58:49
>>657(塞川)

>『蛇尾川』の背後というと、ステージの奥側だろうか?
『蛇尾川』は『夕立』と対峙しているので、
彼の背後はステージの右側に相当します。
※下のライト図を参照。


   ■■■■■■■■■■
   扉□━━━━━━□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□━━━━━━□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉◎□□◎    ◎□□◎扉
■■□□□└──┘□□□■■
扉□◎蛇□◎□□◎□□◎□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■□◎□□◎□□◎□□◎□■
―─―段――――――段―――

◎:スポットライト
━:アッパーホリゾントライト

659鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/10(月) 01:16:45
>>656

「ぐっ?!」

腹部への衝撃に思わず蹲ってしまう。
まさかこの『グランドピアノ』までもが、擬似的に『スタンド使い』になっていたとは。
もはや何でもあり、と見ていいだろう。蛇尾川が他に『スタンド』、つまりいくつ『人面痣』を宿しているのかは分からないが。
何を攻撃に用いてきてもおかしくない。少なくとも、ピアノへの攻撃は得策ではない。
そう思い直し、立ち上がる。目的の一つである、ガラス片を奥側へ放ることには成功した。
ちなみに黒檀のカバーが歪んだ際に、中の機構、『ピアノ線』は見えただろうか。

「…話を聞いたところで、流石は朝陽としか思えないが」

足元にある『ガラス片』を両手で二つずつ拾い上げながら、『シヴァルリー』と共に前進し、蛇尾川と塞川さんの間に立つ。
これがもっとも立ち回りやすい形なのは、『スロウダイヴ』との戦いで実証されている。
やはり直接『パラモアー』を叩くしか方法がないのであれば、塞川さんと共に仕掛けなければ。

660塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/10(月) 23:32:40
>>656
「グ、アッ! 糞……!」

ぼたぼたと血が流れる耳を、片手で押さえる。

(あとはタイミングだけだ……。
最初の一回、然るべき場所へと落下させれば、かなりの確率で当てることはできる。
だが、『夕立』との連携、それが出来なければ……)

ハンドバッグを片手で持って、数歩右へとずれるように移動する。

661『凍える刃』:2020/08/12(水) 23:18:58
>>659(夕立)
『夕立』は『グランドピアノ』のスタンド使い化を疑う。
見たところ、『ピアノ』に『人面痣』のような『傷』は見当たらない。

>「…話を聞いたところで、流石は朝陽としか思えないが」

    「だが、押し込めていた『殺意』は、大きく揺らぎ始めた。
     『動揺』していたわけだ。――――君の『入院』によって」

砕かれたカバーの隙間から、『ピアノ線』が見える。
『パラモアー』は鞄の中に手を入れ、道具を取り出した。
一方、『シヴァルリー』も硝子片を手にし、立ちはだかる。

     ゾゾゾゾ . . .

    「押し殺された『殺意』を解放する。
     彼女の『表現力』で、この『アルモニカ』を呼び覚ます」

『パラモアー』の手にした道具は、
その原型を留めない程に捻じれ尖っている。
大振りの『ナイフ』にも似た刃は、否応にも『殺傷力』を想起させる。

>>660(塞川)
流血を抑えながら、右にズレて移動する。
『グランドピアノ』が修復されていく中、
『塞川』は破壊された外装から、ピアノの内部を覗き見えた。

    ビガッ
            キラッ

『ピアノ』の部品の多くは『木』が用いられており、
ピアノ線の『鋼』、ハンマーを覆う『羊毛』の三つが主となる。
その『素材』に注目できたのは、『塞川』のスタンド能力が、
それに大きく携わっていたが故の、『共感性』が成せる結果か。

――――『ガラス』だ。
『ハンマー』を始めとする部品は『木製』に見えるが、
まるで『備長炭』のように『ガラス化』している。
外装や天板も、恐らくは表面のみが『黒檀』なのだと推察できる。

>    「君には『ノイズ』に聴こえたようだが、なんてことはない。
>     そのピアノは……いいや、その『楽器』にとっては、それが『正解』だ」

この楽器は『グランドピアノ』ではない。
ピアノに『擬態』した別の何か、直感的に悟っていた。

   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□| A ←――――――現在、天井付近
■■□□□└──┘□□□■■
∴夕□□蛇□□□※□□□□扉
扉□□□□□□□※□□□□扉
■□□□□塞□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□□□□□□□□□■
■席席衣席席席席席席□席席■

662鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/13(木) 21:02:31
>>661

(・・・・・『孵化』の手によるものではないのか?)

あるいは、アレは『スタンド使い』ではなく『スタンド能力』で生み出されたものの可能性があるか。
どちらにせよ、あのピアノを破壊するという作戦は使えない。それは念頭に置こう。
ひとまず、『パラモアー』から奪った『殺傷力』は解除しておく。

「オレは死なない。約束があるからな」

先程(>>659)で塞川さんの方に移動していたが、彼女が移動するのに合わせて更に右の方へ。
そして両手に持った計4つの『ガラス片』を中空へ放り、また蛇尾川の背後へと落とす。
再度、あの背中の腕のスタンドが背後を警戒するように。

「朝陽はまた『コンクール』に出て、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。それだけだ」

663塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/14(金) 18:35:45
>>661
「がっ、『ガラス製』の『楽器』だと?
いや、そうか、『アルモニカ』………思い出した」

『楽器』に目を奪われながらも、
『クリスタライズド・ディスペア』Aを『蛇尾川』に最も近い照明(蛇尾川の左手)へと移動させておく。
自身は『蛇尾川』を睨みながら、数歩左に移動して階段の前へ。

「私の男のうちのひとりに、音楽家志望の奴がいる。
あまり自分から話をしない、陰気な奴だったが……ある日、興奮気味に語っていたぜ。
その『仕組み』自体に特に謎はねえ。
『ガラスの共鳴』によって、奇妙な音を奏でる『楽器』……
だが、問題はその『いわく』だ」

「演奏によって頭痛や眩暈、精神病を引き起こし、
ついにはコンサート中に『死人』まで出したという。
『アルモニカ』……別名、『悪魔の楽器』! それが、これかッ!」

「しかし……私も実物を見た事はないが、
当然こんな『ピアノ』のような『形』ではないし、
そもそも『ピアニスト』が演奏することなど出来ない筈!
『蛇尾川』……これは一体、なんだ?」

話をしながら、『鉄』が合流してくるのを待つ。
もし『蛇尾川』が仕掛けてくるなら、舞台の下へと逃れるつもりだ。

664『凍える刃』:2020/08/17(月) 21:55:35
>>662-663(夕立&塞川)
『アルモニカ』と呼ばれる奇妙な楽器の仔細を、
『塞川』は思い出し、その不可解な造形を問い詰める。

>『蛇尾川』……これは一体、なんだ?」

   「ボクの一族は代々、『調律師』を生業にしてきた。
    その目的は唯一つ。『禁制』された『アルモニカ』を組み換え、
    密かに、長い年月を掛けて、――――『ピアノ』に換装させるために」

   「かの大戦によって何もかも『遺失』したが、この町にあると解った。
    今となっては、先祖の目的も、この町に流れ着いた理由も解らないが……」

『塞川』は『クリスタライズドA』を『蛇尾川』の頭上付近へ飛ばし、

    シュゥゥ...

『夕立』は『両腕』の殺傷力を解除する。
それに呼応するように、『パラモアー』もまた、
両腕の殺傷力を解除し、手にした『ナイフ』を突き付ける。

>「朝陽はまた『コンクール』に出て、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。それだけだ」

    「『朝陽』ちゃんが『アルモニカ』に触れ、この空間を震わせた時、
     『パラモアー』の歓喜に気付いた。ああ、この娘が『奏者』なのだとッ」

    「君の言う通りだ。この『アルモニカ』の為にッ」

     ブオッ!!

『夕立』が破片を上空に投擲した瞬間、『蛇尾川』は駆ける。
『パラモアー』は逆手にした凶刃を、『シヴァルリー』の腹部へ突き放つ。パス精CBB

   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□|    │□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
∴□□□□□□□※□□□□扉 
扉□夕蛇□□□□※□□□□扉
■□□塞□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□□□□□□□□□■
■席席衣席席席席席席□席席■

※クリスタライズドAは、
  『夕立』の頭上、天井付近。

665鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/18(火) 22:25:58
>>664

『シヴァルリー』がガラス片を放り投げると同時に、『パラモアー』は接近してくる。
背後から迫り来る刃を警戒するなら、当然の対策と言える。
ましてや『パラモアー』は速度で『シヴァルリー』に勝り、足りないパワーは『殺意』で補える。
格闘戦では自分に分がある、と蛇尾川は考えているはずだ。それは正しい。

だからこそ、あえてガラス片を放った。自ら接近戦を挑んでくるように。
既に放り投げた『ガラス片』の殺傷力は吸収してある(>>662メ欄)。
『パラモアー』が接近してくるのに合わせて、そのガラス片を両手に二つずつ発現し、指の間に挟む。
自ら距離を詰めてくる以上、必然的に投げた『ガラス片』は蛇尾川の背後の方に落ちることになる。

「『二式』」

その状態で能力を『解除』する。この場合、戻る際に生じる刃の力は『シヴァルリー』とは別の動力だ。
そこに『シヴァルリー』の力を加えて、両拳ごとガラス片を突き出す。パス精BCB+BC
戻す刃が生物を貫通できず消えてしまうのは、そのパワーで貫き切れなかった時だ。
そこに『シヴァルリー』の膂力を加えて、威力と速度を拳に追加する。
投擲したガラス片に合わせて刃は戻ろうとするため、正確に部位を狙えないという欠点はあるが、
多少ならば『シヴァルリー』の膂力と精密性でコントロールできる。

666塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/18(火) 22:44:01
>>664
「バカな……それがあんたの『正体』………だと?
『アルモニカ』を復活させることが『目的』………」

『蛇尾川』の告白を聞きながら、表情が青ざめる。
それは、決して負傷した耳からの出血のせいだけではない。

「ならば、それ以外の物事をどう解釈すればいい……。
『人面痣』を統べる『能力』が、この『楽器自体』に備わっているとでもいうのか?」

『クリスタライズド・ディスペア』Aは、その場で待機。
『クリスタライズド・ディスペア』Cの接触によって、『ハンドバッグ』全体を『ガラス化』していく。
本体は二人の拳の射程から逃れるように一歩後ろへと下がり、階段に足を掛ける。

(両者が近すぎる……『照明』を落とすと、『夕立』に当たってしまう!
なんとか、『夕立』にだけわかる方法で、知らせる事が出来れば………)

667『凍える刃』:2020/08/19(水) 00:03:14
>>665-666(夕立&塞川)

     バヒュゥゥ!!

『夕立』の投げ放ったガラス片を追うように、
『殺傷力』を握った『シヴァルリー』の拳が飛ぶ。

『背後』を狙って投げたガラス片を追う為、
『アッパー』に近い、上擦った軌道で『蛇尾川』の顎先を狙う。
(※背後を狙う以上、頭上を越えて『弓なり』に投げると解釈します。)

    「!?」

    「弾けば消える『刃』のパワーを、
     握ったまま『活かし』てきたかッ!」

狙いを読んだ『蛇尾川』だが、駆ける脚は止まらない。
下手に留まるよりも、『突っ切る』ことを選んだようだ。
『拳』と『刃』が擦り合うように『交差』する。

     バッ
          ゴォォ――――ッッ!!

『夕立』の腹部に『パラモアー』の刃先が薙がれ、
衣服を切り裂くに留まらず、その『臓腑』にまで刃が達する。
視界が揺らぐような激痛、夥しい鮮血が舞台を染めていく。

    バッグゥゥ!!

そして、『シヴァルリー』の拳は『パラモアー』の顎先を打ち抜き、
ヴィジョンの頭部が大きくひび割れた。『再起不能』の負傷だ。

    「素晴らしい一撃だ。ハッキリと、気迫が伝わって来る。
     ――――ボクじゃあなかったら、既に事切れてたろうな……」

脳を揺らされた『蛇尾川』はつんのめり、
舞台の『袖幕』に倒れ込み、幕布を掴んで体勢を維持する。
――――『ダメージフィードバック』が薄い、『夕立』は理解する。
ヴィジョンの『喉』を抉られても、出血程度で済んだ『突き』の時と同様、
何かが『阻害』するかのように、『蛇尾川』にダメージが通されない。

>「ならば、それ以外の物事をどう解釈すればいい……。
>『人面痣』を統べる『能力』が、この『楽器自体』に備わっているとでもいうのか?」

    「あれを『支配』するのは敵わない。
     ボクに出来るのは、『エサ』を与えるだけだ」

    「『殺意』というエサで、飼い慣らしてるに過ぎない」

『塞川』はハンドバッグの硝子化を完了した。
階段に足を掛ける。『夕立』にだけ知らせる方法を模索する。

   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□|    │□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
∴□□□□□□□※□□□□扉 
扉□夕□□□□□※□□□□扉
■蛇□塞□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□□□□□□□□□■
■席席衣席席席席席席□席席■

668鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/19(水) 01:01:43
>>667

「が、はぁっ・・・・・!!」

腹部に走る激痛、そして腕を切断した時を思い出させるかのような量の出血。
間違いなく、内臓のどこかが傷付けられているだろう。このままでは長くは持つまい。
しかし、スタンドのパワーではこちらが上回っている。
互いに一撃を決めたなら有利なのは『シヴァルリー』だ。

「・・・・・ッ?なんだとッ?!」

『二式』により加速させた拳は、間違いなく頭部を捉えた。確かに『パラモアー』の頭部もひび割れている。
本来ならば確実に『再起不能』だ。にも関わらず、蛇尾川は未だに動いている。
脳への振動はそのまま伝わったのか、よろめいてはいるが。
人面痣を用いているとはいえ、『スタンド』を複数操っているからか、
『群体型』のように一体辺りのダメージフィードバックが少ないのか?

「くそっ・・・!」

塞川さんの方へと下がりながら、上着を脱いで傷口を縛り、少しでも出血を食い止めたい。
『クリスタライズド・ディスペア』でガラス化させた状態で一撃を叩き込めば、あるいは倒せるか?
連携を用いる必要がある。そこまで自分の身体が持ってくれれば、という前提だが。

669塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/19(水) 21:22:54
>>667
「相打ち……ですらないッ!
こいつ、この『能力』は、一体……
『スタンド』がふたつ、そして、ダメージが分散されている……」

『蛇尾川』と『鉄』が離れた瞬間を見逃す理由もない。
『ガラス化』したハンドバッグを、体勢を崩した『蛇尾川』の顔面目掛けて投擲する。
更に『クリスタライズド・ディスペア』E を発現し、ハンドバッグと同じ軌道で『蛇尾川』へ突っ込ませる。

670『凍える刃』:2020/08/21(金) 23:41:04
>>668-669(夕立&塞川)

    ググッ

『夕立』は『塞川』の下へと後退し、上着を脱いだ。
腹部に縛った上着が『傷口』に喰い込み、『激痛』が走る。

一方、『塞川』は態勢の崩れた『蛇尾川』目掛け、
ガラス化した『ハンドバッグ』を投げつける。
『蛇尾川』は背を向けているため、『後頭部』を狙って、だ。

    バギャァッ!

『蛇尾川』の双肩から現れるヴィジョンの『両腕』が、
『クリスタライズドE』ごと、ハンドバッグを客席へと弾き飛ばした。
『クリスタライズドE』は頭部を破壊され、ヴィジョンが強制解除される。

    ズズズズズズ . . .

    「スタンドは一人につき『一体』だ。
     君のように『複数』のヴィジョンがある場合も、ね」

    「何故なら、人には『一つ』しか『魂』が宿らないからだ。

     もし、二つもスタンドを使える者がいるならば、
     それは『魂』を切り分ける程の『二面性』を持っているに他ならない」

『袖幕』に包まるように身を隠しながら、『蛇尾川』は滔々と語る。
彼の触れた『袖幕』がゆらりと揺れ、元の黒よりも色濃く『漆黒』へと染め上がる。

    「いい、一撃だった。
     ヒグマでも『ノックアウト』出来る、強烈なパワーだ。
     ――――『パラモアー』と、この『悪霊』が憑いてなければ、
     今の一撃で『再起不能』だったろうね」

   ゾルゾルゾル
             ゾルゾル...

『漆黒』に染まった『袖幕』は端々が捻じれていく。

   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□|    │□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
∴□□□□□□□※□□□□扉 
扉□□夕□□□□※□□□□扉
■蛇□塞□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□鞄□□□□□□□□□□■
■席席衣席席席席席席□席席■

671鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/08/22(土) 22:05:35
>>670

「ぐ・・・ゔあっ・・・・・!!」

あまりに痛い。人生で最も痛かった腹痛の時、それを何十倍にしたかのようだ。
また入院はしたくない、朝陽の心に影を落としてしまう。
今泉さんの力を借りられるだろうか。蛇尾川を倒した後に、彼女を呼んで間に合えばいいが。

「塞川さん、何か策はありますか」
「蛇尾川には、直接的なダメージは効果が薄い・・・今のところ自分が
 思いつくのは、なんとか蛇尾川を『ガラス化』させて一撃を叩き込むくらいですが」

流石に反映されるダメージが軽いと言えど、粉々に砕けば本体も破壊されるだろう。
両手足を砕けば、ガラス化の影響で失血死もないはずだ。
もっとも一番の問題は『クリスタライズド・ディスペア』をどう当てるか、ということだが。

「ヤツは『暗幕』を武器にするようですね」「下がって下さい」

蛇尾川と塞川さんの間に入って、『シヴァルリー』を構えさせる。
あの巨大な幕が殺意で武器になったなら、そのリーチは極めて長いだろう。
だが、その作業に集中しているなら隙はできるかもしれない。
塞川さんの前に移動したことで、先程扉を破壊した時のガラス片との間に蛇尾川を挟みやすい位置にいる。
『シヴァルリー』の位置を左側(MAP下側)に少し調整しつつ、その左足へと『ガラス片』の殺傷力を吸い寄せる。パスBC
背中から手が生えようが、その大きさは人並みならば蛇尾川が屈まない限り、足元を狙う攻撃には届かないだろう。
ちょうど蛇尾川が『暗幕』に集中して、動かないでいる今なら当てられるはずだ。

672塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/08/23(日) 18:31:06
>>670-671
「蛇尾川を直接に狙う『策』があるか、だと?
いや、『そっち』の策はもうない。………今使った」

『ハンドバッグ』に『腕』が攻撃を仕掛ける寸前、
『ハンドバッグ』内部に潜む『クリスタライズド・ディスペア』Cが飛び出し、
『蛇尾川』の頭部目掛けて『特攻』を行う。

(……攻撃によりつんのめった瞬間を狙った!
『ダメージ』こそ少なくとも、『ガラス化』したハンドバッグ内部の『ガラス細工のスタンド』、
『クリスタライズド・ディスペア』を判別できるような『余裕』はない……そのはずだ)

そうしながら、上記の発現中に自身の背中に手を回し
人差し指を上に向けて、天井の『クリスタライズド・ディスペア』Aの存在を暗に伝える。
その後、『蛇尾川』が暗幕に包まるのに合わせて、『鉄』の言う通り位置を交換する。

(暗幕にも、先の『ボールペン』のような破壊力を付加するつもりか?
なら『クリスタライズド・ディスペア』による『ガラス化』は逆効果か……?)

673『凍える刃』:2020/09/02(水) 22:26:18
>>671-672(夕立&塞川)
『夕立』は『塞川』と『蛇尾川』の間に入り、
ガラス片の『殺傷力』を引き寄せようと試みる。

    ドヒュゥゥ――――

   パァンッ!!

ハンドバッグを隠れ蓑にした『クリスタライズドC』の特攻は、
『蛇尾川』の頭部に命中し、その全身を『ガラス』へと変えた。
そして、『殺傷力』は浮いた右脚へと滑空し、

      バァァンッッ!!

『蛇尾川』の左脚に大きな『ひび割れ』を作り出した。

    「いい、コンビネーションだ。
     一朝一夕じゃあない。何処かで発揮されたモノか……」

『袖幕』を掴んだことが功を奏し、『蛇尾川』は倒れ込まない。
だが、『重心』の大きく変じた『ガラス人形』である『蛇尾川』を、
倒すことは容易であるだろう。

    「『パラモアー』、もういいだろう」

『蛇尾川』は嘆息を吐き、『袖幕』を握り締めた。
無風の室内で『袖幕』が翻り、

    ズシャアァァァァァ――――

舞台を横断するよう『袖幕』が広がっていく。
幕を下ろすスピードは速い。まるで『パラモアー』が走るような速度だ。
『袖幕』に掴まった『蛇尾川』もまた、そのスピードに追従していく。

    ドヒャッ!
            ゥウウンッ!!

『パラモアー』の殺意ある『刃』によって引き裂かれていた『袖幕』は、
鞭を振るうように鋭く尖った『切れ端』を暴れさせ、『夕立』を襲う。
鋭く捻じれた『袖幕』の裾が『複数』、四方から襲うその切れ味は、
『夕立』の腹部を裂いた『刃物』に匹敵するだろう。

    「この身に取り憑いた『悪霊』は、
     そのどれもが『極刑』となった『犯罪者』のものだ」

    「『罪人』の魂には『力』が宿る。
      それを限定的に行使できるのが『パラモアー』の力だ」

    「狂った音楽に惹かれた『悪霊』全てが、君達の『敵』だ」

   ■■■■■■■■■■
   扉□□□□□□□□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□□□□□□□□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉□□□|    │□□□扉
■■□□□└──┘□□□■■
∴□□□□□□□※□□□□扉 
扉□□□□□□□※□□□□扉
■蛇→夕塞□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□鞄□□□□□□□□□□■
■席席衣席席席席席席□席席■

674塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/09/02(水) 23:28:42
>>673
「そして、残った『策』も今使う!
やつを一瞬止められるか? 『夕立』ッ!」

脚部を破壊され、機動力を失った『蛇尾川』と、一方向に横断する『袖幕』。
そして『袖幕』の端の部分を『鉄』への攻撃に使っているのなら、
『蛇尾川』が掴んでいるのは『袖幕』の、少なくとも端の部分ではない筈。
つまり、『袖幕』の広がりに伴って『蛇尾川』の移動が始まるのには、一拍の間があるはずだ。
移動する方向も、タイミングも、簡単に読むことができる。
待機していた『クリスタライズド・ディスペア』Aを操作し、
天井の『ライト』の支柱部分に触れることで『ガラス化』。
『ライト』の重みによって『ガラス化』した部分を破壊して、こちらへ向かう『蛇尾川』目掛けて落下させる。
本体は『鉄』の動きの妨げにならないよう、数歩後退する。

(問題は、この『策』が機能しない場合だが……。
わかっていると簡単に避けられる以上は、ぶっつけでやるしかなかった。
そればっかりは、運だ。ここだけは)



   ■■■■■■■■■■
   扉□━━━━━━□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□━━━━━━□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉◎□□◎    ◎□□◎扉
■■□□□└──┘□□□■■
扉□◎□□◎□□◎□□◎□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■蛇★夕塞◎□□◎□□◎□■
―─―段――――――段―――

※ ★部分のライトを落下

675鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/09/03(木) 00:37:56
>>673 質問

・弾かれた『ハンドバッグ』は、床に落とされた際に砕けていますか?
・袖幕を掴んだ『蛇尾川』は、袖幕の舞台側の方にいますか?客席側にいますか?

676『凍える刃』:2020/09/03(木) 00:45:10
>>675(夕立)
>・弾かれた『ハンドバッグ』は、床に落とされた際に砕けていますか?
砕けてはいません。ヒビが入った状態。

>・袖幕を掴んだ『蛇尾川』は、袖幕の舞台側の方にいますか?客席側にいますか?
舞台側にいます。

677鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/09/03(木) 21:51:42
>>673-674

「───承知しました」

蛇尾川は『袖幕』を千切り取って使うのではなく、端を切り裂き、そこを刃として横断してきた。
あの刃が端まで辿り着いたならば、自分たちの身体も横断され、その後カーテンコールだろう。
だが、塞川さんには策がある。蛇尾川の足を止めさえすれば、勝負を決められると信じている。
ならばどうするか。突っ込んで止めるのは危険だ。
塞川さんの策に巻き込まれる可能性もあるが、あの巨大な刃と化した横断幕を止められるかは分からない。
止めるのは『蛇尾川』だ。ヤツの動きさえ止められればそれでいい。

「・・・・・・・・・・」

再度バッグの中にある『釘』を『シヴァルリー』で掴み、『殺傷力』を奪いながら、袖幕の進行先に置く。
幸いなのは、足を痛めた蛇尾川が袖幕を移動に使っていることだ。軌道は決まっている。
そして発現した『4本』の釘を両手から宙に投げて『解除』。宙から足元へ向けて斜めに釘を降らせる。

殺傷力を奪う際、また解除する際の刃は、非生物に干渉できない。つまり袖幕に干渉して弾くことはできない。
だが、それがいい。逆に袖幕に弾かれることなく、蛇尾川を狙うことができる。
そして袖幕の迫るスピードよりも、刃が戻るスピードは遅い。つまり、蛇尾川の進路上に長く停滞することができる。
また刃が戻るパワーは、『パラモアー』の力より上だ。力で退かすのは容易くないだろう。
そうなれば、刃を食らうか袖幕を離さざるを得ないはずだ。
上から斜めに降る釘を食らえば縫い止めるように動き、また袖幕を離せば、
片足を負傷した蛇尾川の機動力では、すぐさま移動することはできないだろう。

だが、ここで問題はできる。即ち迫り来る袖幕をどうするか?
蛇尾川が手を離したところで、止まらない可能性もあるだろう。
だから、『シヴァルリー』に両手を掲げさせ、攻撃を食らう瞬間に後ろに下がりつつ、
身体を丸めて頭部から腹部にかけて腕でガードするしかない。
腕が使い物にならなくなるかもしれない。しかし、それだけの価値はあると信じている。
蛇尾川の足を止めることに全力を費やし、防御はシンプルに、負傷を両腕に集中させるだけだ。

678『凍える刃』:2020/09/07(月) 00:13:39
>>674-677(塞川&夕立)
『クリスタライズドA』はライトの支柱を『ガラス化』させる。
鉄に比べれば脆いとはいえ、『ガラス』にも強度はある。
触れた瞬間、『破壊』されることはない。

     バスッ
              ザシュゥ!

接近する『袖幕の刃』が、『夕立』の身体を切り裂く。
距離がある故、まだ尖端が撫でる程度に過ぎない。
その最中、『夕立』は手にした『五寸釘』を宙へと投げた。

     「その釘で何が出来るッ!?」

袖幕に掴まったまま、接近する『蛇尾川』
暴れる『袖幕の刃』も同様に近づき、『シヴァルリー』の身を裂く。

       バシュッ!!

『シヴァルリー』の両腕が深々と切り裂かれた。
『夕立』の袖が真っ赤に染まり、焼けるような激痛が走る。

そして、『パラモアー』の握った『刃』が、突き出され――――

     ビシ
           ビキキッ

――――『熱』だ。
『舞台用ライト』は発光の際、強力な『熱』を発生させる。
既に『ライト』は熱され、発光によって今も尚『加熱』されている。
鉄よりも低い『軟化融点』に近づいたガラスは罅割れ、
支柱を固定するボルトを砕き、

      ヒュォォ―――――

『落下』する。
            パァンッ!!

     「『B4』」

『蛇尾川』の双肩から映えるヴィジョンの腕が、
頭部に迫る『ライト』を弾き飛ばした。
だがそれは、『ガード』の緩さを如実に示している。

      ドギュゥ!!

          ――――― ドススススッ!!

『ガラス人形』となった『蛇尾川』の身体に、
『五寸釘』から放たれた『殺傷力』が林立する。
岩に打たれた『タガネ』のように、『袈裟斬り』の亀裂が、
『蛇尾川』の身に刻まれる。

     「後、『一撃』だったが」

            ――――ドスゥ!!

幕は閉ざされた。
急所を守ったが、全身を切り刻まれた『夕立』。
『パラモアー』が投げ放った刃が、背中に突き刺さる『塞川』。

     「何人もの人間を殺してきたが、
      ここまで食い下がってきたのが、君達が初めてだ」

     「――――この身に宿る、『悪霊』の記憶を探っても、
      それは同じだ。……優れた資質、尚のこと惜しいものだ」

『塞川』が硝子化を解除すれば、出血多量で『蛇尾川』は倒れるであろう。
『袖幕』を手にし、辛うじて『蛇尾川』は立ち上がっているに過ぎない。

   ■■■■■■■■■■
   扉□━━━━━━□扉
   扉□□□□□□□□扉
  ■■□━━━━━━□■■
  扉□□□┌──┐□□□扉
  扉◎□□◎    ◎□□◎扉
■■□□□└──┘□□□■■
扉□◎□□◎□□◎□□◎□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□夕塞◎□□◎蛇□◎□■
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

679塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/09/07(月) 01:16:27
>>678
「ハァー……ハァー……。
身体は、まだ動くか、『夕立』。
『携帯』は、持っているな……」

『クリスタライズド・ディスペア』Fを発現させ、
本体によって『袖幕』を潜らせて、舞台の外へ放ち、視覚を共有。
外の様子、特に『ガラス化したスーツ』の方を確認する。
本体は負傷部位を庇いながら、『蛇尾川』の方を向く。

「あんたの『負け』だ、『蛇尾川』。
これから、応援を呼ばせてもらう。
このまま……大人しく負けを認めてジッとしているなら、
私も能力を『解除』したりはしねえ。
だが、ちょっとでも妙な動きをしてみろ。
その『傷』が全部開けば、いくら『頑丈』なあんたでも、出血多量でぶっ倒れるだろーよ」

(『スーツ』の『ガラス化』が有効な時間は、まだ2分……いや、3分は残っているか。
あれだけの『傷』……間違いなく致命傷の筈だが、
ある種の『余裕』を感じるのは何故だ…… まだ何か『策』を残しているのか?)

680鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/09/07(月) 21:35:49
>>678-679

─────速い。
釘を投げたのと、『袖幕』の先端が自分に触れたのはほぼ同時だった。
だが、それでも投擲には成功した。後は能力を解除するのに、一切の動作は必要ない。
しかし、だ。それまで自分の身体が持つだろうか?
『袖幕』の刃が、自分の両腕を切り刻んでいく。

「〜〜〜〜〜ッ!!」

夢の中で、腕を焼かれたのが幸いだった。痛みに耐性が出来ていたか、意識を手放さずに済んだ。
能力を解除、釘で蛇尾川を縫い止める。だがそれより早く、敵の頭上に何かが落下してきた。
これが塞川さんの策か。意識外からの攻撃、結果的に塞川さんが足を止める側になった。

蛇尾川が反応する。背中のスタンドがライトを弾き飛ばす。
だが、既に釘は解除されている。ガラスは肉や骨よりも脆い。それに殺傷力の刃が打ち込まれた。

「はぁっ・・・はぁーっ・・・・・!!」

「『幸運』に、恵まれたな・・・ッ」

膝をつきながら、腕の損害を確認する。
大して動かせないことは確実だが、塞川さんの言葉通りスマホを取り出して動かせるだろうか。
可能ならば『タダヒト』さんに電話をかけ、余裕があればその後で今泉さんにも連絡を取りたい。
今にも自分の身体が死に向かっているのは分かるが、朝陽に心配をかけたくない。
病院の世話にならずに済むならその方がいい。

681『凍える刃』:2020/09/08(火) 23:05:32
>>679-680(塞川&夕立)
『塞川』は『クリスタライズドF』を発現し、
袖幕を潜らせ、外の様子を確認する。
ガラス化したスーツに、特に異常はない。

『夕立』の腕は、既に『神経』を断たれている。
僅かな指の動きしか敵わないと、激痛の中で察した。

    PI

『スマートフォン』の指紋認証から電話機能を起動させ、
まずは『タダヒト』へと電話を掛ける。

>「あんたの『負け』だ、『蛇尾川』。
>その『傷』が全部開けば、いくら『頑丈』なあんたでも、出血多量でぶっ倒れるだろーよ」

    「既に負っている『ダメージ』であれば、
     『悪霊』による『フィードバック』の減少も敵わない」

    「君の言う通り、君の意思一つで、
     ボクの命は失われるだろう……」

『塞川』の宣告を『蛇尾川』は聞き入れる。
余裕ある表情だが、『硝子化』によって負傷を無視しているからに過ぎない。

    P r r r r r r . . .

    ≪君か。心配なのは解るが、『音無ピエール』は無事だ。
      今、ある方法で『除霊』を試みている。上手く行けば、だが、
      君に宿った『悪霊』も取り除けるはずだ。≫

スマートフォンから『タダヒト』の声が聴こえる。
先程のメッセージを見て、電話をしたと思ったのだろう。

>ALL

     「これはこれは……。

      いやはや、惨い有様でいらっしゃる。
      しかしながら、見事に貴方は目的を成し遂げた――――」

『夕立』の殺意ある一撃によってぶち破られた扉。
そこからのっそりと現れたのは、みすぼらしい装いをした『曳舟』だ。
目の前の惨状に驚きを隠せぬまま、腰を折り曲げて近づいてくる。

     「人を惹き合わせ、運命を加速させる。
      それが『仲介人』としての矜持、その意味では」

     「貴方の『仲立ち』をした甲斐あってのこと。
      そのいずれも、貴方は立派に成し遂げられました」

     「なんと、喜ばしいことでしょう……。
      凶刃を浴び、その身を悪霊に蝕まれながら、
      遂に、『本願』を叶えた。――――実に、実に素晴らしい……!」

『塞川』の時と同じ。仕事を成し遂げた後、『曳舟』は現れた。
『需要』と『供給』を結ぶ卑俗な小男は、目ヤニだらけの双眸から感涙を流している。

682鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/09/08(火) 23:33:24
>>681

「・・・・・『タダヒト』さん」
「今、音無さんを拉致した主犯の一人・・・『蛇尾川』を倒しました」
「ただ、増援が来ないとも限りません。オレたちは今、『湖畔』の『多目的ホール』にいます」
「できれば、来て頂けると助かります」

携帯を持つこともできないまま、膝立ちでなるべく口元を近付けて喋る。
手の傷口もそうだが、腹の傷がもっとも生死に関わるだろう。
『アリーナ』には、ケガを治せるスタンド能力はいるだろうか?
もしいるなら、その人の力を借りたいところだ。


>     「これはこれは……。


「『曳舟』さん。・・・随分と事情に詳しいんですね」
「ここへ来たということは、また何か『需要』と『供給』が結び付いたんですか?」

両腕がズタボロになった『シヴァルリー』を、念のために前に立たせておく。
曳舟さんの足元にはまだガラス片がある。いざという時はそこから『殺傷力』をぶつける。
この人は、どこまで行っても油断ならない人だ。恩はあるが、それは常に感じている。

683塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/09/09(水) 00:10:18
>>681
「………『曳舟』、か」

見知った顔に、僅かに緊張を解く。

「やはり、便利な『能力』だな。
『端折る』『能力』」

「私達の望みは、『蛇尾川』の『拘束』と『治療』。
あんた自身がその能力で、どの程度現状を把握できているのかは知らんが……
このままだと、あいつは数分でくたばるぜ」

>>682
「『夕立』………。あんたは、何かないのか? 『蛇尾川』に対して。
私は以前『曳舟』の能力を見た。
『アナーキー・イン・ザ・UK』……発動は一瞬だ。
チャンスは、今の内しかないだろーよ」

(しかし………『二人』。
それが、少し気に掛かる。
奴の二体目のスタンド、『B4』。
そいつを示した言葉だったのか……?)

684『凍える刃』:2020/09/09(水) 00:55:23
>>682-683(夕立&塞川)
>「今、音無さんを拉致した主犯の一人・・・『蛇尾川』を倒しました」

    ≪――――まさか、……いや、よくやってくれた!≫

    ≪すぐに……『一分』だッ!
      すぐにでも、『曳舟』の力を使えば――――≫

『タダヒト』はその名を口走る。
『負傷』と『治療』、『需要』と『供給』がマッチすれば、
即座に『夕立』を救えると、『タダヒト』の声色からも伝わってくる。

その当の本人を前に、『夕立』は警戒の色を隠さない。

>「私達の望みは、『蛇尾川』の『拘束』と『治療』。

    「左様でごぜぇますか。
     『塞川』の姐さん、お望みは承知しております」

腰を折り曲げ、へりくだった姿勢で『曳舟』は答える。
ゆっくりと、『曳舟』は二人に近づき、

    ス ゥ ゥ ゥ . . .
        . . . .
その傍を通り過ぎた。
                        . . .
     ≪曳舟!? ダメだ、ソイツは使うな!≫

床に置かれたスマートフォンから、大声が響き渡る。
『夕立』はその声の主を知る。彼の名は『音無ピエール』だ。
『夕立』に『曳舟』の存在を伝えた男。

     ≪曳舟の『需要』と『供給』を操る力でッ!
       私は、その『多目的ホール』へ招かれたッ!≫

     「左様でごぜェます……。

      その身を『悪霊』に蝕まれたまま、
      『犯罪者』達に『悪霊』を宿し、夢の世界を乱し、
      『アルモニカ』の巫女に近づき、目下の障害であった『騎士』までも、
      ここまで『追い詰める』とは――――」

     「その『手段』に思うところはありますが……。
      何にせよ、我が『依頼人』が目的を成し遂げることに、
      ――――『仲介人』として、これほどの『感激』はありませんなァ」

『曳舟』は二人に背を向けたまま、『蛇尾川』へと話し続ける。

     「――――で? もう、依頼は済んだはずだ。
      何故、ノコノコとやってきた? 傷の手当でもする気か?」

     「『破傷風』にでもされたら敵わないな。すぐに帰ってくれ」

『蛇尾川』は『曳舟』を邪険に扱うも、『曳舟』は悠長に話し続ける。

     「もう一人、おりますなぁ……。
      今から、貴方は彼女の『力』を使うはず」

     「ですが、それは私にとって都合が悪ィのです」

    ブオガッ!

     「帰れっつってんだろ、この乞食野郎がッ!」

『蛇尾川』は激高し、ガラス化した片腕で『曳舟』を殴りつける。

685塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/09/09(水) 21:18:32
>>684
(そうか……馬鹿か、私は!
そもそもが、この件は『依頼』……ではない!
つまり、『前回』の『立石』のように、何者かが依頼をし、そして……)

「『曳舟』……今回の『依頼』とは何だ?」

『蛇尾川』に話しかける『曳舟』の姿に、そのことに気づき、
『曳舟』へと問いかけるが、答えが返って来るかどうか、微妙なところだろう。
そのまま、同時に二人のやり取りを見る。
片手を『鉄』を静止するように挙げ、ぼそぼそと喋りかける。

「『夕立』……先に言っておくが、今は『静観』しておけ。
あんたにもわかるかもしれないが、雲行きが怪しい。
それに……私の勘では『曳舟』、あの男は、『敵』とか『味方』とか、そういうんじゃあない」

686鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/09/09(水) 21:53:53
>>684-685

>     ≪曳舟!? ダメだ、ソイツは使うな!≫
>     ≪曳舟の『需要』と『供給』を操る力でッ!
>       私は、その『多目的ホール』へ招かれたッ!≫

───やはり、だ。
『需要』と『供給』を満たす能力といえど、そのスタンド能力を使うかどうかは本体の意思に委ねられる。
そして曳舟は、何も一派閥からだけの依頼を受けるわけではない。
当然のごとく、敵にもなれば味方にもなる存在なのだろう。

「・・・・・」

だが、妙だ。中立を貫くならば、何故このタイミングで介入してくる?
ましてや『依頼人』である蛇尾川の望みに反する行動で、だ。

「曳舟さん、あなたには関係のない話のはずだ」
「仕事でなく、これ以上この場所にいるというのなら…中立ではいられなくなります」

スマホをその場に置いて、『シヴァルリー』の蹴撃が届く位置、『2m』まで接近する。
塞川さんの言葉ももっともだが、一度決着がついた勝負に横槍を入れられるのは許せない。
だが、まだ攻撃には移らない。彼女の言葉通り、一旦は成り行きを見る。

687『凍える刃』:2020/09/10(木) 23:33:35
>>685-686(塞川&夕立)
>「『曳舟』……今回の『依頼』とは何だ?」

訝しむ『塞川』に対し、『曳舟』は振り向いた。
ドブネズミにも似た汚俗な風貌は、あの時と変わらない。

    「『アルモニカ』の奏者たる『巫女』を探し出し、
     その『力』を解放する、それこそが『蛇尾川』の旦那が命じた、
     私めへの『依頼』でごぜェます……」

    「その為に多くの『運命』を捻じ曲げて参りました。
     生贄となる『犯罪集団』と引き合わせ、巫女の潜在能力を察した『漫画家』を遠ざけ、
     『巫女』の師と縁深くなるよう、偽の『通り魔』で世間の目を欺くよう、
     あらゆる『帳尻』を合わせてきた――――」

    「そして、後々の障害となる『騎士』を『破滅』させ、
     『巫女』に拠り所なき『絶望』を与え、『アルモニカ』を奏でさせる」

    「大仕事ではありましたが、――――後一歩でごぜェました。
     この方が、『切江ギヤマン』を殺さなければ、全てが成り立つはずだった」

   ボダッ
           ボダッ

朗々と語る『曳舟』の下へ、『夕立』は死力を振り絞って接近する。
警告の言葉を突き付けられても、『曳舟』は常時通りの卑屈な態度を崩さない。

    「『夕立』の坊ちゃま、……いいえ。『力』の暗示を持つ騎士様。
     関係はあるのです。我が依頼において、『殺人』は常に禁じられている。

     取り決めにはなくとも、――――『魂』が契約するのです。
     それを無意識に破る『殺意』の力を持つ者、彼は危険極まりない……」

    「今回は『仕事』ではありませんが、私の『矜持』でごぜェます……。
     今、『蛇尾川』の旦那を捧げなければならないのでごぜェます……」

    「フフフッ、それに、『決着』は既に付いております。
     貴方が後ろを振り向けば、それだけで旦那は無力となる」

    ボスッ
              ブツッ

かつて『名刺』を差し出した『曳舟』の人差し指と中指が、腐り落ちる。
『パラモアー』の力ではない。――――『曳舟』の力であるのは間違いない。

    「ゴチャゴチャと何を言っている、そこを退けッ!
     お前まで『テニメント・ファンスター』の射程距離に入れる気はないッ!」

    「『巫女』を守る、唯一つの『目的』が達成されるのです。
     ――――貴方は、穢れのない『魂』を持つと見受けられる。
     これ以上、無意味な『荒事』に身を投じる必要がありますかな……?」

     ブォシュッ!!

           「『パラモアー』、ソイツを黙らせろッ!」

『曳舟』の言う『スタンド能力』は、『蛇尾川』の言葉通りなら既に発動しようとしている。
だが、『曳舟』が動じない以上、それを食い止める術はあるのだろう。

>鉄 夕立『シヴァルリー』
>塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』

     ・後ろを振り向く。     → 『ミッション終了』、『ENDING』へ。
     ・後ろを振り向かない。  .→ 『ミッション終了』、『最終章』へ。

※シナリオとしての結末に変更はない。

688鉄 夕立『シヴァルリー』:2020/09/11(金) 00:06:34
>>687

「・・・・・・・・・・」

改めて、曳舟さんの力の恐ろしさを感じる。
運命すらねじ曲げて、ありとあらゆる物事を『依頼人』の都合の良いように巡り合わせる。
もし本体が自由に能力を使えたなら、この世に何一つできないことなどないのかもしれない。
ただ、彼がこの仕事をしていることからして、あるいは本体はあくまで『仲介役』しかできない縛りがあるのかもしれないが。

「その『取り決め』には同意しますが、ならば蛇尾川を殺すことはないのでしょう?」
「『捧げる』、とは一体?」

まだ理解しかねることは多々ある。しかし、知らぬまま終わるのがもっとも楽なのだろう。
だが、それが本当に自分の妹を守ることに繋がるのか。そしてそれは道理に反していないことなのか。
曳舟さんの行うことは正しいのかどうか、自分は己の判断で知っておきたい。
二人の動作を伺う。

689塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/09/11(金) 00:19:31
>>687
「ふん、大層な『暗躍』だな。
実際のところ、かなり危ないところだったってわけだ」

傷を庇うように立ち、横目で『鉄』の表情を伺う。
自分の考えではそうではないが、
ある意味では、曳舟も『黒幕』……といってもおかしくはない立ち位置だ。
怒る『鉄』を止めるのは、自分の役目だろう。
そうなった場合には、だが。

「『善悪』でなく『矜持』……か。
『捧げる』…………?」

静観し、『鉄』に倣う。
曳舟の言葉を信じ、振り向く事で『蛇尾川』を『無力化』するのか、
あるいはそれに背いて『見極める』のか、
決めるのは私ではないだろう。

690『凍える刃』:2020/09/11(金) 00:53:39
>>688-689(夕立&塞川)
>「『捧げる』、とは一体?」
>『捧げる』…………?」

奇しくも二人が同じ疑問を抱いた瞬間だった。
その光景を二人は見た。

     ズドッ!

『パラモアー』の貫手が深々と『曳舟』に突き刺さる。
『夕立』が庇うにも、『塞川』がスタンド能力を解除するのも、
両方とも間に合わない。それほどまでに躊躇のない一撃だった。

    「クソッ、殺せなかったか……。
     間に合わないッ  『魂』を引きずり込んでしまう――――!」

  シュオオオオォォォォ――――z_______

真っ白な『霧』が『塞川』の背後から吹き込んでくる。
『袖幕』の閉じられたステージは密閉され、濃霧が蔓延していく。

    「やはり、この為の『時間稼ぎ』でしたか……。
     『蛇尾川』の旦那、貴方に最初から『殺意』なんて」

    「――――なかったのでごぜェますね。
     このスタンドを出すための、『時間稼ぎ』に過ぎなかった」

      バァンッ!!

濃霧の向こう側、大扉が開く音が聞こえてくる。
複数の男の怒鳴り声、『夕立』の名を呼ぶ声が聴こえて来る。

    「『ピエール』の旦那、『タダヒト』の旦那。
     ――――彼等は間に合わなかったようですな」

    「ヘッヘッヘッ、……では、お二人とも……。
     願わくば、『夢』の中でお会いしましょう――――」

『曳舟』の卑屈な笑い声が響く中、二人の意識は消えていく。
微睡みにも似た朦朧とした混濁の中、

鉄 夕立『シヴァルリー』……『力』の暗示
塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』……『恋人』の暗示
蛇尾川『パラモアー』……『死神』の暗示
曳舟『アナーキー・イン・ザ・UK』……『運命の輪』の暗示

――――――『夢』へ

音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』……『節制』の暗示
タダヒト『スパイロ・ジャイラ』……『星』の暗示
新塚『グッドナイト・キッス』……『吊るされた男』の暗示
タカウジ『アウェイク』……『塔』の暗示

――――――『夢』へ至らず。戦線離脱。

691『その夕立に雨傘を』:2020/09/27(日) 22:20:35
『夕立』と『塞川』が『多目的ホール』に集合し、
『蛇尾川』と遭遇する、その時を同じくして――――

『斑鳩』、『一抹』、『朝山』、『氷山』。
その四人は今、ある場所に集められていた。

境遇も性別も異なる、四人の共通点と言えば、
小中高大一貫のマンモス校である『清月学園』に通う生徒である点。

――――いや、それだけではない。
四人の身に宿る『特異』なる共通点を見出され、
その者は四人と個別に話し、この場所に呼び出したのだ。

三連休の初日、顔を合わせるのも初めての相手もいる中、
四人は制服姿にて、その者と対峙する。

四人の共通点。それは――――


.

692朝山『ザ・ハイヤー』:2020/09/27(日) 23:04:24
両腕の『関節部』を『球体』と化した人型スタンド。
『球体』が命中した物体に『モーションキャプチャー』を設置し、
『一動作』に限定し、『スピード』と『精密動作性』を『再分配』する。
『再分配』のトリガーは『ザ・ハイヤー』の『腕』が動いた時である。

『ザ・ハイヤー』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E
持続力:D 精密動作性:C 成長性:B

スタンド能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/34

持ち物、服装↓
学生服
学生鞄(中身:スマホ、ハンカチ、おかめのお面
ジュースの入った水筒、星の味金平糖 一袋)

簡易プロフィール
身長147cm、黒いショートヘアで黒目
どこからどう見ても、明るそうな空気を纏っている。
以前『エクリプス』で何も知らずアルバイトをして、全員去った後に
自分が後を継ぐ事になったと思い込んで悪の首領を名乗ってる。
よく大通り等で、お面を被りつつ悪の首領だと宣伝してる。

693一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/09/27(日) 23:15:08
>>691
十字架の意匠を各部に持つ、人型のスタンド。
手で触れた者の悪感情を、触れている限り『鎮静』する。
また手の甲から『刃』を伸ばし、『苦痛を伴わない』斬撃が可能。

『インダルジェンス』
破壊力:B スピード:C 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:A 成長性:C

スタンド能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/153

持ち物:スマホ・スクールバッグ(最低限の筆記用具、財布、リコーダー)
服装:清月学園中等部の制服

『簡易プロフィール』
清月学園中等部一年生。
透き通った肌は血管が薄く見えて、淡い青色に微かなエメラルドの反射が混じる瞳。
ウルフカットの白髪。
涼しく刺すような玲瓏とした風貌のあどけない少年。
『甘やかし』たがりで、育ての親に『捨てられた』過去から生じる無意識の怒りを抱える。
感傷的で敵に同情しがちだが最終的に殴るタイプ。脳筋。

694氷山『エド・サンズ』:2020/09/27(日) 23:22:03
江戸期の『捕り物』に用いられた『捕具』を発現する。
発現はスタンドの手だけでなく、射程内の『味方』の手にも行える。
半自立型スタンドでどこか和風の意匠を持つデザインの人型。

『エド・サンズ』
破壊力:B スピード:C 射程距離:D(3m)
持続力:B 精密動作性:C 成長性:B
詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463235536/325

持ち物
財布 スマホ 学生手帳 カバン

服装
清月学園高等部の制服

プロフィール
栗毛色の髪を肩のあたりまで伸ばした高等部一年の女子生徒
『時代劇』のクライマックスのような素晴らしい場面や、主人公のようなかっこいい人物が好き
自分のスタンド『エド・サンズ』のファンであり、彼がかっこいい事をすると楽しい
普段は常識的な性格のため、江戸っ子で調子のいい『エド・サンズ』に振り回される事が多いが
『いい場面』を見るためなら常識や保身・倫理をかなぐり捨てて、死地に飛び込む事がある

695斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/09/27(日) 23:35:07
幾重もの鎖に縛られた、纏うタイプのスタンド。
その鎖の先端を四肢と首から少しだけ垂らしており、
これを伸縮・切り離し・連結させる事が任意で可能。

この鎖は単なる道具ではなく己を縛る枷でもあり、
自ら鎖を解除する事で、部位に『影の部位』が重なる。

『ロスト・アイデンティティ』Lost Identity
破壊力:C スピード:C 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:B 成長性:B

スタンド能力詳細
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/120

持ち物、服装
服装:(ダサいから)改造(した』学生服
所持品:スマホ2台 バイクのキー 鉛製の釣りの重り1つ

簡易プロフィール
身長176cm、軍人風の整えた短髪に赤いスカーフ
生徒会に所属し、常に笑顔を絶やさず、優れた容姿の周りには笑顔が絶えない
……しかし 彼曰く、『何でもそつなくこなせるが、だからこそ熱中できるものもなく、
誰とでも平均的に仲がいいが、共に居ることを心から楽しんでいる様子もない。』
その証明であるかのように、その瞳はいつ何時も笑っていない。
三重人格のマザファザコン。

696『その夕立に雨傘を』:2020/09/27(日) 23:57:15
>>692-695(ALL)

      バァンッ!!

   「どうして――――」
          .. . . .
   「どうして出来ないのよォォ〜〜〜〜ッッ!!」

掌が教壇に叩き付けられる。
直後、『音楽室』に金切り声が響き渡った。

   「貴方達は、真面目にやってるんですかァ!?」

   「二十年間……ずっと、ずっと音楽教師をやってきて……」

   「こんなにヒドイ合唱を聴かされたのは、はじめてです!」

『清月学園』で開催されるクラスごとの『合唱コンクール』。
『体育祭』や『文化祭』に比べると生徒達のモチベーションは乏しく、
教師達もそれを解ってか、特に指導もなく、各自の自助努力に任せている行事だ。

   「先生は、ずっと教えてきました……。『音楽』に『垣根』はないのだと……。
    スラムにはジャズ、宮廷にはオペラ、生徒さんにはアニメソングにJ-POP……。
    誰もが『音楽』に親しみ、『音楽』と触れ合える、素晴らしい『文化』です――――」

……この『音楽教師』、『若草百合子』を除いては。
中等部・高等部の音楽の授業を担当する彼女にとっては、
『合唱コンクール』は生徒達の文化的素養を育てる一大行事であり、
それは乱痴気騒ぎの口実となる『文化祭』より遥かに重要視されている。

   「それでも尚ッ! 『合唱』の輪を乱しッ! ハーモニーを狂わせるのはッ!
    皆様が『垣根』を作っているからです! なんで、『音楽』に飛び込まないのッ!?」

四十代そこそことは思えぬ老け込んだ顔立ちに、スクエアフレームの銀縁眼鏡。
痩せぎすの身体に羽織ったサマーカーティガンを振り乱し、『四人』に激高している。

   「ハァァ――――  フゥゥ――――」
                                       . . . .
   「中等部、高等部の全てのクラスの合唱を聴いて尚、ハッキリと言います……」

   「貴方達は、全く『音楽』を愛していないッ!!」

『四人』には『共通点』がある。
『若草』に見出され、見過ごされなかった『特異』なる性質とは――――

   「だから、皆の『合唱』からハミ出しているのですッ!!」

――――四人とも、全くの『音痴』だったのだ……。

697氷山『エド・サンズ』:2020/09/28(月) 00:25:57
>>696
「ちょっと待ってください、若草先生!
 それはちょっと聞き捨てならないですよ!」

『音楽』を愛していないとは、随分な言い草だ
確かに同世代の友達が聞いているJ-POP、K-POPには興味がないし
最近はカラオケに誘われることも全然ないが、
それでも小学校の頃の応援歌は大きな声で歌えてると褒められた事もある

「いいですか? よく聞いてくださいね?」

「 あ”  あ” ぁ” ぁ”  ぁ”ぁ”ァァァアアアアアアアアア!」

確かに大きな声で自信を持って歌えている
うん、恐らく本人も、これは会心の出来だ!と思っているのだろう

   ・・
  『音程』ガ全然出鱈目ナンダヨォォ! 手前ェノ『歌』ハッ!


心の底で自身のスタンド『エド・サンズ』がつっこむ声がする・・・・
下手に大声で歌っている分、『悪目立ち』する歌声が周囲に響く

698一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/09/28(月) 01:03:04
>>696
「あぅぅ…お、仰る通りです…」

自分の不甲斐なさに泣き出しそうな表情で答える。
半分程度は心当たりがあるので耳が痛い言葉だ。
彼女の言う『垣根』を取っ払うつもりは欠片もないが…

(口パクもバレそうだし厄介ですね。
みんなの足を引っ張り続けるのも嫌だから頑張りますか)

他者の様子を気にして開幕から置き去りにされてしまい、
次第に自信の無い気弱な声になってしまう。
そう、自分が役立たずだから…

>>697
と、思った矢先に上には上が居ることを思い知らされた。
これは流石に擁護できない領域だ。

(あぁ、神よ…! もう助けてください!)

『音楽』とは一体…?
これはもう諦めた方がマシかもしれない。
今、この場に救いなどあるのだろうか?

699斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/09/28(月) 01:17:20
>>696

――音楽は兎も角、文化にゃ垣根がある気がするけどなぁ
そうじゃなけりゃあホイットニーのヤツも、白黒仲良くしろよなんて歌詞につけねぇだろうに

  ニッコリ

しかしてそんな抗議が目の前の惨状に効果があるわけでもなし 金切声に対して
斑鳩 翔と名付けられた、腐った17歳のやる事は、ただ曖昧に微笑むだけであった。

  「――すいませェん!」

(でも、『愛してない』というのは的を得ているかもしれないな)

 「いやー僕は愛してるつもりなんですけど、音楽が僕を愛してくれないんですよねー、なんでですかねー。」
 
(僕が愛しているのは祖父母とネコと両親くらいのものだし。)

 「顔と性格には自信があるんですけどね!顔と性格には!すいません若草センセ!」


一切悪びれなく、努めて明るく、笑顔を絶やさず道化のように。出る杭は打たれる物だが、沈んだ杭を叩く奴はいない。
謝る時はまず謝罪し、間に言い訳=理由を挟んで再度謝罪せよ。人の心の隙をつけ。

  ルーティンワーク                      ジョウダンジャナイ
…何時もの事だ。反吐が出る。合わせてやるなどまっぴら御免。
こんなの手抜きでじゅうぶんだ。

700朝山『ザ・ハイヤー』:2020/09/28(月) 08:58:27
>>696

「あ〜〜ぁ゛〜〜♪ あの柔らき月の清らさ〜〜〜と♬ 
共に〜あゆも〜〜〜う♩ われらき よ つ きぃ〜〜♫」

>貴方達は、全く『音楽』を愛していないッ!!

「いや!! わかわか先生!! 私は愛しているっス!!!
校歌も一番までならソラで唄えるっスし、ニュー・エクリプスダンスをしつつ
唄う事だって出来るようになったスよ!!
 うおおおおおおおぉぉぉ!!! 魂のリピドーを今見せつけるっス〜〜〜!!!」

あ〜〜ぁ゛〜〜嗚呼ああぁぁ!!♪(クルクルクルクル!!!※高速回転)
あの柔らき月の清らさ〜〜〜とぉぉぉっ♬ (シュッ※ちょっとチャンプ)
共に〜あゆも〜〜〜うっス!!♩(タンッ!※着地)
われらっ き よ つ きぃ〜〜いいいぃっ♫(シャキーン※決めポーズ)

先生にこの情熱のニュー・エクリプスダンス及び校歌バージョンを
見せつけるっス。音楽とダンスの融合で先生の怒りを冷まし!
音楽とは初心に戻り楽しむと言う事を見せつけてやるっス!!

701『その夕立に雨傘を』:2020/09/28(月) 20:58:47
>>697(氷山)
『若草』の余りにも無体な評価に対し、『氷山』は抗弁する。
言葉だけでは収まらない。その『実力』を示そうと、思い切り息を吸い。

>「 あ”  あ” ぁ” ぁ”  ぁ”ぁ”ァァァアアアアアアアアア!」

    「それが全てですッ!」

『若草』のダメ出しが放たれる。

>>698(一抹)
自責の念が『一抹』に重く圧し掛かる。
その耳に響き渡る不協和音。否応なしに自覚する。

『一抹』の歌もまた、この騒音とさして変わりないのだと――――

>>699(斑鳩)

> 「――すいませェん!」

    「先生はァ! 謝って欲しいんじゃあありません!」

『斑鳩』の空虚な謝罪は切って捨てられた。
その後の弁明も、果たして彼女に耳に入ったか怪しい。

>>700(朝山)
燃え滾る情熱を歌とダンスに変えて、『若草』に披露する。
一般的に『スローテンポ』にて作曲される『校歌』に対し、
キビキビとした振り付けのミスマッチが、『朝山』の実力を物語っていた。

    「神聖な『校歌』に、不純物を混ぜるんじゃあないッ!」

      バァンッ!!

再び、『若草』の張り手が教壇を叩いた。

>ALL

    「今日から『三連休』だろうと関係ありませんッ!
     皆さんが心を入れ替え、皆の輪に入って合唱が出来るまでッ」

    「先生は絶対に、ぜェェェ〜〜〜ったいにッ!!」

    「諦めませんッ!! 頭から爪先まで『調律』して差し上げますッ!!」

ヒステリックに叫ぶ『若草』、最早逃げることは敵わないだろう。
『若草』が教壇から降り、音楽室の片隅に置かれたピアノへ向かおうとした時、

    ガラララララ――――

    「あの、『若草』先生。教頭先生が職員室まで来るように、って」

    「あ、あらぁ〜〜〜〜〜ッッ  『鉄』さん。
     お休みの日まで『音楽室』に来るなんて熱心ねェ〜〜〜〜ッッ」

『音楽室』の扉を開いたのは、中等部の生徒だった。
『鉄』と呼ばれた少女は長い黒髪を揺らしながら、緩やかに『若草』へと近づく。
先程まで激高していたはずの『若草』は、しなを作って『鉄』を歓迎している。

    「解りました。全く、こんな大事な時に呼びつけるなんて、どうかしてるわ。
     ねェ、『鉄』さん。先生が戻るまでの間、ちょっとお願いがあるのだけど……」

    「えぇーっと、『合唱コンクール』の課題曲を弾く、ってことですか?」

    「そう、そうなのよォォ〜〜〜ッッ  『鉄』さんなら安心よぉ。
     この子達の『訓練』に付き合ってあげてくれないかしらぁ?」

    「うーん……。そういうことなら、やります」

『鉄』は思案顔を作り、やがて大きく頷いた。
『若草』はニッコリと笑顔を作り、踵を返して教室を後にする。

    「いいっ!? 『鉄』さんの足を引っ張らないでちょうだいよ!」

  ―――――ピシャンッ!

去り際に釘を刺しながら、『若草』は肩を怒らせながら扉を閉めた。

702斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/09/28(月) 21:33:27
>>701

 「まったく……『能力差別』だぜ あれ。センセのする事じゃねーな。」

『若草先生』の足音が去って行くのを、覗き込むように確認しながらぼやく
ま、ヒステリックな女教師の叫びよりは調律されたピアノの旋律の方が億倍マシという物だ、僕の苦笑いが光る。

しかしアレであそこまで怒れるのだから、
もしあの女教師が……異次元からの歌声を聞いたらどんな顔をするか、見物ではある
なにせあの歌声(?)はここの4人を纏めて浅瀬に打ち上げるようなマリアナ海溝からの侵略者だからな。

『ディープブルー』でしょうか?いいえ、『日本以外全部沈没』です。肩をすくめよ。

 「さぁて。」

後はここから如何逃げるかの算段をつけなくっちゃならねぇ、歌唱訓練?んなもんヒトカラで充分だ。
そういや前に『鉄』のヤツをカラオケに誘った事だし 100点くらいサクッと取っておきたい……?

 「ん?……『鉄』?」

視線を向ける はて、何時の間に背が縮んで性別が変わったのだろうか。
いや、確か彼には妹がいた……となると。

 「ああ、妹さんか…奇遇な事も有るもんだな。」

703朝山『ザ・ハイヤー』:2020/09/28(月) 21:36:12
>>701
(※PCが難しい思考が出来ないので、こちらの括弧でPL目線で
推理をさせて頂く。以降PCが破天荒な行動をする時はPLの思惑も
添えつつするのでご容赦を)

「え〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!??!!?
三連休なのに合唱の練習だけするんスか!!
そんなの悪の首領的にNO GOODっスよ!!
この三日間でニュー・エクリプスのみんなとくのいち先生と一緒に
ケーキバイキング行ったり、紅葉の掃除しつつ悪の焼き芋大会しようと
いっぱい計画を立ててたんっスよ!!! あんまりっス!!
悪の首領としてストライキを申し上げるっス!!!!」

そう両手を上げつつ跳ねながら文句を言ってたら、中等部の同い年ぐらいに
見える女の子が入って来たっス!

「こんにちわっス! 自分は朝山 佐生っス!!
中等部二年でうちゅーとーいつ部の部長でもあるから、もし
入りたかったら何時でも私に言って欲しいっスよ!」

わかわか先生が居なくなったけど、『鉄』って言う娘が
私達の先生代理になるみたいっス!! まぁ、ともかく最初は
自己紹介っス! もしかしたら悪の団員になる気もあるかも知れないっスからね!

704一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/09/28(月) 21:45:57
>>701
どうにも昔から歌うという行為が苦手だ。
それを正せない私自身の存在は間違っている。

(やったァ〜! 若草先生からは解放された!
喧しい彼女の声が苦手だったんだよなァ〜!)

先程までの泣き出しそうな表情から笑顔に変える。
最後まで自分が残される可能性は無視する。
この世には考えない方が良いこともあるのだ。

「あれ? 『鉄』先輩じゃない?」

「『鉄』先輩の妹さんかな?」

本当に鉄先輩の妹さんなら安心だ。
鉄先輩は真っ直ぐな方だったし、妹さんも似た性格かもしれない。

705氷山『エド・サンズ』:2020/09/28(月) 22:04:09
>>701
「ええぇ〜〜〜〜〜〜!」

全力で歌ったのに何故・・・・解せぬ、というような表情を浮かべながら
不平不満をアピールする

ところで、今更ながら周囲を見渡してみる
自分以外にも何人か補講を受けている生徒がいるようだが・・・・

>>(一抹)
なんだか気弱そうな子がいるなあ、と思いながら同情を覚える

(他の人達と比べるとまともそうですね・・・・
 良かった! 私以外にもまともな人がいて!)

>>(斑鳩)
やる気がなさそうな先輩がいるなあ、と思いながらちょっと引いてる

(先生に向かってあの態度・・・・怖いなぁ、不良ですよ)

>>(朝山)
何アレ?という謎の生物を見るような視線で見ている

(悪の首領・・・・? 悪の焼き芋大会・・・・?)


『鉄』という生徒が入ってきた途端に変貌する若草の様子を見る
あの厳しい若草先生があんなに甘い猫なで声になる程の子・・・・
よく知らないけど、凄い実力者なのだろうと自分を納得させて

「よろしくお願いします、鉄さん!」
 「年長の生徒もいますけど・・・・」 ちらりと斑鳩に視線を向ける
    「厳しい指導をお願いします!」

706『その夕立に雨傘を』:2020/09/28(月) 22:26:12
>>702(斑鳩)
この場から去った『若草』の態度をぼやいた。
異次元の歌声を持ち出し、一人ほくそ笑みながら、
此方に歩み寄って来る少女の正体について、考えていた。

>>703(朝山)
三連休の予定がどうなるかは未知数だ。
此方へ近づいてくる少女を警戒しながら、
残された他の三人に対し、自己紹介をする。

>>704(一抹)
耳をつんざく金切り声が止んだことを、まずは安堵した。
『鉄』という珍しい苗字。加えて、少女の目鼻立ちを見ると、
『夕立』に近しい雰囲気を覚える。

>>705(氷山)
『氷山』の頑張りは、残念ながら評価されなかった。
残る三人はそれぞれ個性的で、『氷山』とは全く異なる人種ばかりだ。
近づいてくる『鉄』に対し、『氷山』は自己紹介をする。

>ALL

    「こんにちはっ! 中等部三年の『鉄朝陽』です。
     ――――なんだか、大変なことになっちゃったね」

集められた四人へと歩み寄り、『朝陽』は自己紹介をする。
同情するように眉尻を下げながらも、明るく穏やかな声色だった。

    「外からも聞こえてたけど、……そんなに『音痴』なのかな?
     ほら、合唱ってみんなと一緒になって歌うものだし、
     割り振られた『音域』に合わせなきゃいけないから、
     ……悪目立ちしたり、タイミングがズレちゃうだけだと思うんだけどねー」

一人ひとりの顔を眺めながら、『朝陽』は『若草』の品評を疑問視している。

> 「ああ、妹さんか…奇遇な事も有るもんだな。」
>「『鉄』先輩の妹さんかな?」

     「あれ、兄さんのお友達ですか?
      いつも、兄がお世話になってますっ」

『斑鳩』と『一抹』に対し、『朝陽』は小さく頭を下げた。
所作の礼儀正しさは、何処か『夕立』を思わせる。

>「厳しい指導をお願いします!」

    「指導ってそんな、大それたこと出来ないですよっ」

    「でも、『若草』先生って本当に居残りをさせるタイプの先生だから、
     折角の『三連休』を楽しく過ごせるために、みんなで頑張りましょう!」

朗らかに笑いながら『朝陽』はゆっくりとピアノの前に腰を下ろす。

707氷山『エド・サンズ』:2020/09/28(月) 22:41:21
>>706
「あ、私、高校一年の『氷山あきは』っていいます!
 へぇ〜、お兄さんも同じ学校なんですねー」

この場の何人かは『鉄朝陽』の兄と知り合いらしい
そんな情報を仕入れながら、『朝陽』の所作に好感を覚える

    ちゃんとしてる!

朝陽の話を聞き、どうやら若草先生よりもしっかりと教えてくれそうだ、と思う
三連休を補講で潰さないためにも頑張らないと、と意気込み

もっとしっかりと歌うために大きく息を吸った

708朝山『ザ・ハイヤー』:2020/09/28(月) 22:54:48
>>706
(※PLとしては、かなり警戒はしてるかな。多分、ピアノ弾いたら
もうトリガーになるんだろうなぁとは思ってもPCはメタ的な情報
入手出来ないし無警戒ではしゃぐだけだね)

「ひょえ〜っ! ス!! 本当に居残りで練習なんっスねぇ。
まー、偶には皆で合唱練習も良いもんっス!
 それじゃあ頑張って一生懸命歌うっスよ!!」


決めポーズも何時も通り絶好調っス!!

あめんぼあかいな あいうえおーーっ!!! スッ!!!!!
クルクル! シュッ!! タンッ シャキーン!!!

709一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/09/28(月) 22:56:02
>>706
目鼻立ちと物腰の柔らかさは鉄先輩そっくりだ。
流石は兄妹だ、と感心してしまった。

「えっと、まぁ、友達というより困ったら助けるみたいな感じです」

『FAX』を介してスタンドを送り込む『窃盗犯』を撃退した彼は強い。
『凶器』のヴィジョンを取るスタンド相手なら完封すら有り得る。
もし、自分の助けが必要とされるなら手が足りない時だろう。

「私が足を引っ張ってないか心配で心配で…
 朝陽先輩の足を引っ張らないように頑張りますね」

>>703
(よく考えたら『悪の首領』ってなんだろう?
誰もツッコミを入れないから流していいのかな、これ)

710斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/09/28(月) 23:28:39
>>706

「――じゃあ、目立ち過ぎたんだな へっ」

妹の方に向き直る、コレで人違いだったらどうしようかと思った。

「どうも、しっかり所は確かに兄妹と見た。」

握手を求める右手を差し出す

「斑鳩 翔だ。君の兄さんにも世話になってるんで、彼にも頭が上がらなそうだ」
「流石に彼の妹の前で逃げたら、彼に怒られそうだしなぁ……仕方ない。」

しかしこんなに可愛い妹がいるのだから…彼の行動も解る気がするという物だ
『辻斬り』……その被害に会ったと思えない快活さを見せてはいるが。

「さっくり終わらせますかね。」

自分一人逃げるのは容易いが、かといって悪影響を与えたなどと誤解されても事だ
『共通の秘密』を持つ仲は、仲良くするに限る。

悪事はこっそりと、良い事は目立つようにせよ。

僕は歌唱の為に定位置に戻った。

 「あ、その悪の首領はドーナツ作りで捕獲できる程度の首領だから、流していーぜ。独り言。」

711『その夕立に雨傘を』:2020/09/29(火) 00:18:19
>>707(氷山)
>へぇ〜〜、お兄さんも同じ学校なんですねー」

    「大きい学校ですからねぇー。
     .校舎も別だから、余り実感もないですけど」

『氷山』に対し、やんわりとした相槌を合わせた。
『朝陽』からあまり兄の話をしたがらないのは、
年頃らしい気恥ずかしさもあるのだろう。

大きく息を吸い込み、歌唱に備える。

>>708(朝山)
> それじゃあ頑張って一生懸命歌うっスよ!!」

    「その意気だよ、朝山さん!」

『朝山』のハリキリを見て、『朝陽』は声援を送った。

>>709(一抹)
>朝陽先輩の足を引っ張らないように頑張りますね」

    「もー、寂しいこと言わないで、
     みんなでやるのが『合唱』なんだからさっ」

卑屈な『一抹』を諭すような後押しの言葉。
『朝陽』は屈託なく笑い、『一抹』を勇気付けようとしている。
『悪の首領』について、他の誰も深く突っ込もうとはしない。
これもまた年頃故の暴走、くらいに思っているのだろうか。

>>710(斑鳩)
>「どうも、しっかり所は確かに兄妹と見た。」

    「あははっ、よく似てるって言われます」

『斑鳩』が受けた印象を口にすると、『朝陽』は笑顔のまま肯定した。
自分から兄の話を振らないのは、思春期故の衒いもあるのだろう。

    「あっ、これですね。どーぞ、……でも要るのかな?」

差し出された右手に、『朝陽』は卓上にあった教科書を差し出した。
教科書には課題曲の『COSMOS』の譜面や歌詞が記載されている。

>ALL

    「じゃあ。朝山さんがソプラノ、氷山さんがアルト、
     一抹君がテノール、斑鳩さんがバス、でやってみましょう」

    「あっ、ちょうど『混成合唱』になったね」

今までの会話で『声質』を聞き分けたのか、
『朝陽』はテキパキと四人のパートをそれぞれ指示した。

    「じゃあ、課題曲の『COSMOS』、はじめましょうっ」

『朝陽』はピアノの前に腰を下ろし、鍵盤に長い指をそっと載せる。
『教科書』を『斑鳩』に渡した以上、彼女は何も見ずに伴奏をすることになる。

     〜〜〜〜〜〜♪

            〜〜〜〜〜〜♪

ピアノが奏でられる。
小さな星々の瞬きを思わせる穏やかな音色が『音楽室』に響き始める。

※『COSMOS』
 作詞・作曲:ミマス(アクアマリン所属)
      .編曲:富澤裕
 『しし座流星群』の鑑賞を切欠に、
 世界の広さと己の人生を見詰め直したミマスが、
 天文少年だったあの頃、星々に憧れを抱いた思いを胸に、
 「一人ひとりが輝く星である」というテーマを込めて制作された楽曲。

 デモテープを入手した小学校教諭の働きかけにより、
 富沢裕の編曲を経て、合唱曲として広く歌われるようになった。

712氷山『エド・サンズ』:2020/09/29(火) 00:52:30
>>711
「スゥ〜〜〜〜〜!」

正直、音程というものが良くわからない
どうやら、『アルト』に分類されたらしいが・・・それってなんだろう

教科書に書いてあった知識ではソプラノよりも高い音階らしいけど、
実際にその高さを意識した事はない

「(とりあえず・・・・・全力で頑張ってみますか!)」

「あ”ああ” あ” 〜〜 〜〜  〜 ♪” ♪”」

――――『COSMOS』
星の寿命と人の生涯を重ね合わせた美しい歌詞の曲だ
そんな名曲を完全に粉砕してしまっている!

「あ”  ああ”〜〜〜〜 ♪」

声量は申し分ない、感情表現もまあいいだろう
しかし・・・・音がとにかく平坦だ! かと思えば妙なところでやたらと外れた音が出る!
音程を意識してないから・・・・・普通に下手なのだ・・・・

     〜〜〜〜〜〜♪

            〜〜〜〜〜〜♪

歌唱の途中にピアノの音色に意識が向かう
流石に、若草先生から指導を任せられただけあって、上手い
ふと、その音色に声を合わせていこうという意識が生まれる

「〜〜〜 〜” 〜〜〜〜♪」

        「〜〜” 〜 〜” 〜〜〜〜〜♪」


ほんの少しだけ・・・・歌唱の中に音程が合う部分が現われ始めた
音程に意識が向いた分、声量がやや落ちているが、合唱をする上では良いか

713一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/09/29(火) 01:07:48
>>711
「ふふっ、何気なく優しい感じが鉄先輩そっくり。
 ちょっと肩の力を抜いて歌ってみますね」

どうにも宗像さんや小林お兄さんのような落ちついた歳上の人達には頭が上がらない。
たまには『素直』になってみるのも良いだろう。

「宇宙が〜♪ 時の流れ〜♪」

それにしても普通は教科書も無しに『演奏』など可能なのだろうか?
この教室に集まったメンバーの声質に合った役割を即座に割り振ることは普通の学生には難しいはず。
あの若草先生に信頼を寄せられるからには音楽の『才能』
でも持っていそうだ。

>>710
「!?」

内心を言い当てられて飛び上がりそうになる。
彼女をチラチラ見てたから言い当てられても不自然ではない。

(このお兄さん、頭が良いのでは?)

714朝山『ザ・ハイヤー』:2020/09/29(火) 10:38:12
>>711

>>710
>その悪の首領はドーナツ作りで捕獲できる程度の首領だから

「ぶ〜っス! ドーナツ作りを手伝って上げたのに、程度はないと思うっスよ!!
いかるん先輩は中々な毒舌っス! ポイズンワードなんっス!!」

ぶーっ! と唇を突き出しつつ軽口を言って、一先ず合唱を始めるっス!。

「ソプラノ、ソプラノっスか。あ〜♫ あぁ〜ぁ〜っ(甲高く)
よっしゃ! いっちょやるっス!」

君の温もりは〜♩ 宇宙がぁ 燃え〜ていたぁ(拳を握りつつ)

そう、燃やすっス! 我が心のコスモスを燃やしつつ甲高い声で唄うっス!

715斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/09/29(火) 11:40:48
>>711
        ドクソノモノ
 「ははは 悪の首領がほざきよるわ。」

頭からスタンドその他諸々を海馬に押しやり
悪の首領からのブーイングをスルーして歌詞に眼をやる
……適当に合わせていたが、こういう歌詞だったのか。

 「にしてもバス(最低音域)か……ま、喉を痛める心配は無いか。」

咳ばらいを数度し、演奏に合わせて歌詞をなぞる
音楽そのものは嫌いではない…作曲家と演奏者、そして乱れぬ歌唱が合わされば
野人の心すら震わせる調和(ハーモニー)として成り立つだろう、人の手に起こせる数少ない奇蹟だ。

 (……まあ学生にそれを期待するのは酷と言うもんだが。)

マックのバーガーの肉だけを神戸牛にしたところで、肉の美味さにバンズがついていかず素材の酷さが際立つだけだ
周囲の素材を用意できないなら肉のレベルを落とす他は無い

     『〜♪』

もっとも、今はそれもよく解らない
『天使にラブソングを』なら何度も見たのだが。

 (こんくらいかな…自信ねぇなあ『人に合わせる』って。)

716氷山『エド・サンズ』:2020/09/29(火) 13:33:20
>>712
ソプラノよりも高い音階→ソプラノよりも低い音域

717『その夕立に雨傘を』:2020/09/29(火) 22:49:15
>>712(氷山)
『氷山』は大きな声量を維持しようと、
一本調子な音程のまま、歌おうとしている。
そして、声量故に発生する『息継ぎ』の時、
声が裏返り、突拍子もない高音が発声されている。

だが、何度か合唱を繰り返す内、
伴奏に導かれるように、声量が安定していく。

>>713(一抹)
自信の欠如していた『一抹』だったが、
『朝陽』の後押しを受け、肩の力を抜いて合唱に取り組んだ。

>「宇宙が〜♪ 時の流れ〜♪」

『一抹』の歌唱と伴奏が調和し、心地好いハーモニーが生まれる。
周囲の音程は相変わらずだが、少しずつ四人の合唱に一体感が生まれる。

>>714(朝山)
内に燃える『コスモ』を輝かせ、『朝山』は歌い始めた。
最初は調子外れの叫び声に過ぎなかった歌唱は、
何度も『合唱』を繰り返すにつれ、少しずつ変わっていく。

>君の温もりは〜〜; 宇宙がぁ 燃え〜ていたぁ(拳を握りつつ)

それは良くも悪くも『ノリやすい』気質によるものか。
無意識の内に、伴奏に乗せられた『朝山』の歌唱は、
籠る感情を表現しながらも、全体のリズムに溶け込んでいく。

>>715(斑鳩)
喉の痛みを気にし、最初から『成功』を諦め、
今までの合唱も適当に合わせていただけの『斑鳩』は、
伴奏に合わせて歌い始める。

音楽そのものは嫌いではなく、
友人を『カラオケ』に誘う程度には関心もある。
そうした『斑鳩』は旋律に任せるように、合唱に加わる。

>(こんくらいかな…自信ねぇなあ『人に合わせる』って。)

今、『斑鳩』は人に合わせてはいなかった。
美しく響き渡る『伴奏』の流れるままに歌っていた。
とどのつまり、『斑鳩』は度を超えた音痴だったわけではなく、
――――純粋に『合唱』そのものに『やる気』がなかっただけなのだ。

>ALL

    「すごいすごい! みんな、どんどん上手になってる!」

    「さあ、ラストにもう一本! 最高のを聴かせてよ!」

『朝陽』もすっかりやる気に火が灯り、皆を鼓舞しながら伴奏を始める。
決して『おべっか』ではない。他の三人との『ハーモニー』が生まれつつあると、
四人の誰もが『心』で理解している。――――まるで『音楽』に惹かれるように。

     〜〜〜〜〜〜〜〜♪

            〜〜〜〜〜〜〜〜♪

そしてまた、ピアノの音色が響き始める。

718氷山『エド・サンズ』:2020/09/29(火) 23:11:43
>>717
「君も星だよ〜〜♪ みんな〜 みんな〜 ♪」

伴奏に合わせる事を通して、初めて音程という概念を理解した
少しずつ 少しずつ 音程が伴奏に近づいていく
そして、何度かの合唱の後、氷山の歌はようやく『聞ける』レベルまで達した

「う・・・・ う・・・・・っ!
 鉄さん・・・・いえ、『鉄先生』! ありがとうございます・・・!
 私!ようやく『歌』が理解出来た気がします」

「今まで私がやってた『アレ』は・・・・『歌』じゃなかったッ!
 これが皆と一緒に歌うって事なんですね・・・・!」

音程を合わせて、周りと協調する、それは今までの氷山の人生に無かった概念だ
初めて音楽というものの意味を教えてもらった鉄朝陽に、感極まった声で感謝を伝える

「鉄先生・・・・みんな! 私たちならやれますよ!
 『三連休』のためにも、若草先生に目に物を見せてやりましょう!」

  そうだ! 気弱な男の子も、やる気なさげな先輩も、テンション高い悪の首領も!
   今の私たちは最高の『仲間』になれるはず―――――――


今までで最高の集中力を発揮させ、ピアノの音色に歌を合わせていく

719斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/09/29(火) 23:21:33
>>717

「…………。」

上手く行っているのが素直に喜べないのは単に自分がひねくれているせいだろう。
彼女…『朝暘』の手際に余人を纏めるカリスマのような物が有るのかもしれない、などと。
今も理由探しをしている。

「驚いたな。」

口笛をひとつ

おだてれば猿も木に登る、何とも現金で気に入らない言葉だが、認めざるをえないらしい。
少なくとも此処にいる4人や、先程の『○○○○』の『金切声』の手腕で無いのは確かだからだ。

 「こりゃ兄貴が可愛がるわけだ……からかうネタが増えたぞ。」

ぼそりと誰に告げるでもなく呟く
誰かに聞こえないように咳払いをしつつ、次の演奏に備えた。

720一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/09/29(火) 23:29:17
>>717
無理に合わせられるのではなく、朝陽先輩の『演奏』に
導かれ自然と他の子達と一体化している。
『一体感』など経験したことがない私は感動さえ覚えそうだ。

「『天才』だ。流石は鉄先輩の妹さん。
 朝陽先輩は私たちの希望です!」

ただ、ほんの少しだけ彼女の『才能』が怖い。
バラバラだった私達を一つにする『音楽』の力に支配されているような気がして…
だが、この『一体感』と感動の前では些細なものだ。
今の集中力を切らさぬよう『演奏』に合わせて歌う。

>>718
(気弱に見えてたかな。私以外が元気すぎるだけでは?
男子組のテンションが低すぎるだけかな)

721朝山『ザ・ハイヤー』:2020/09/29(火) 23:36:55
>>715
ははは 悪の首領『ドクソノモノ』がほざきよるわ

「ほぅほぅ! 毒っスか! 
つまり……朝山 佐生 あれは毒ですよ…………」

そこで、珍しく朝山は。しょぼんとした顔になると皆を見渡した。
「……いかるん先輩、あきあき先輩(※氷山)、いちまっつん(※一抹)
そんでもって、お歌を教えてくれる あさひー先輩」

「……あくたーじゅはなんであんな終わり方をしちゃったんスかね」

しょぼんとしてるっス。今の私は(´・ω・`)って顔をしてるっス。

「何時も今でも、あくたーじゅがアニメ化する夢を時々見ちゃうんスよ」

>>717

なんて事っス……! いま風が吹いてるっス! 皆のパッションとリピドーが
融合しあって音楽による奇跡が起こり得そうなんっス!
 もう、もう自分……何も怖くないっス!!

「うおおおぉぉぉーーー!!!
百億年の歴史が今 体に流れてる〜♪
この広い 広い 大空に〜〜〜♬!!!!」クルクルクルクルッッ!!

感激の余りニュー・エクリプス ターンも決めつつ渾身の想いで唄うっス!!!

722『その夕立に雨傘を』:2020/09/30(水) 22:01:16
>>718(氷山)
>「今まで私がやってた『アレ』は・・・・『歌』じゃなかったッ!
> これが皆と一緒に歌うって事なんですね・・・・!」

   「ううん。あれも、『歌』だと思います」

   「下手っぴでも、がむしゃらでも、
    ――――何かを伝えたい、って『想い』が、
    私は、『音楽』なんじゃないかって」

鍵盤に指先を置いたまま、『朝陽』は応えた。

>>719(斑鳩)
『斑鳩』は伴奏に潜む理由を探すが、
『合唱』そのものに関心の薄い『斑鳩』に、
その答えは見つからない。

>>720(一抹)
>「『天才』だ。流石は鉄先輩の妹さん。
> 朝陽先輩は私たちの希望です!」

    「ほら、おだててないで次だよ、次」

感動する『一抹』に苦笑し、『朝陽』は次の演奏に備える。

>>721(朝山)          . . . .
『朝山』が口にしたのは、今この場には関係のないことだった。
迸る情熱を込め、『朝山』の喉が軽やかに歌詞を弾ませていく。

>ALL

    〜〜〜〜〜〜〜♪

             ――――トォーン♪

そして、最後の『合唱』が終わった。
歌い終えた四人全員に気持ちのいい汗が流れる。

     パチパチパチパチィィ――――

『朝陽』が立ち上がって拍手をする。
何かを言おうと口を開けた時、その口がピタリと止まる。

    「ハァ……ハァ……」

    「貴方達、『朝陽』さん……」

顔面を蒼白にし、大きく息を荒げた『若草』がいた。
『合唱』に熱中した三人、扉が死角になっていた『斑鳩』は、
彼女の接近に気付かなかった。

     カッ  カッ  カッ  カッ

室内用の『ミュールサンダル』の踵を鳴らし、四人に近づく。
既に『一時間』が経過している。『若草』の指導なきままに、
四人は格段の『成果』を上げたのだ。

『斑鳩』の考える通り、これは彼女の『手腕』ではない。

723朝山『ザ・ハイヤー』:2020/09/30(水) 22:12:35
>>722

「いやぁ〜〜〜!! みんな、すっごく上達したっスね!
この悪の首領も鼻高々っスよ!
 一番の功績はあさひー先輩のピアノが皆を纏め上げてくれたからっスけどね!
お礼と言っちゃなんだけど、あとで私が持ってる星の味金平糖をちょぴっと
分けてあげるっスよ!」

いい汗をかいたっス!! このまま練習を続ければ、もしかすれば
のど自慢大会で一等賞をとれるかも知れないっス!!!

そう自分がコンサート会場にいる未来を夢想していたら、わかわか先生が
戻ってきたっス!

「あっ! わかわか先生お帰りっス!!
……どうしたっスか? なんか顔色が悪いっス!
歌の練習なら、あさひー先輩がいっぱい頑張って私達もすっっごい
上手になったから。具合が悪いなら早めに休んだほうがいいっスよ!」

何だか、わかわか先生の様子が可笑しいっス!
季節の変わり目は風邪を引きやすいから、調子が悪いなら
あったかくして早く寝るべきっス!!

724氷山『エド・サンズ』:2020/09/30(水) 22:34:59
>>722
「〜〜〜〜〜〜 ッ♪」

  ―――――やりきった!

  最初の歌に比べて格段に『良く』なった事が自分でもわかる
  おや?『若草先生』が血相を変えて戻ってきたみたいだけど

>>723
「フ・・・・フフフ・・・・首領さん
 どうやら若草先生は私たちの『歌』に度肝を抜かれたみたいですね!」

「見てくださいよ、あの表情!
 きっと、私たちがあまりにも凄い急成長を遂げた事で言葉を失ってしまったんですよ!」

そう、解釈した
目に物を見せてやったぜ、というどやっとした表情で若草先生を出迎えた

725斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/09/30(水) 22:43:24
>>722

 「知らねえよ何の話だよ。 続編希望だって話なら僕だって『バーティミアス』の映画化まだ待ってんだよ。」
 「『ハリポタ』に対抗できる作品がようやく出たと思ったのによぉ……。」

おのれハリウッド。ライラの冒険も一作で終わってしまった。

 閑話休題。

 「――――ふぅ。」

『努力』して、『汗をかく』
言葉にすると実に単純だが、一昔前の俺には難しかった事だ

 (ま、及第点だろう、興味がない僕にしては だが。)

息を整え、僅かな達成感に気をよくしていた僕は
すぐにその気分を暴落させる事になった

 「げっ。」

鉄の妹さんの視線を追えば
あの教師が息を荒げながら近づいていた所だ

残念ながらこの位置では『影』をつかっても死角になって見えない。
何にでもできる事と、出来ない事はある。

 (まあ…怒られはしないだろ 逃げてはいないし、努力してないわけでもないしな。)

その上で理不尽に怒るようなら早々に逃げてやろうと考えた
自分から苦難に突っ込むのはバカのやる事である。少なくとも正気ではない。ブッダもそう言ってた。

726一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/09/30(水) 22:52:30
>>722
「ふゥ〜〜! 歌うのって気持ちが良いものですね!」

ハンカチで汗を軽く拭きながら微笑む。
若草先生への軽い殺意も帳消しになるほどだ。
テンションが上がって変なことを口走るのも仕方がない。
そう、変な名前で呼ばれたのも些細なこと。

「………ウワッ」

いつの間にか帰ってきた若草先生を見るなりテンションが一気に下がる。
若草先生と朝陽先輩が交代してしまう可能性が脳裏に浮かび、思わず嫌悪感を表情に出しかけた。

727『その夕立に雨傘を』:2020/09/30(水) 23:33:09
>>723(朝山)
『若草』の様子は明らかにおかしい。
呼び出された『教頭』と何があったのか、
少なくとも、『体調不良』ではないだろう。

>>724(氷山)

      ドヤッ☆

四人の『急成長』に度肝を抜かれたと解釈し、
『氷山』は自慢げに『若草』を出迎える。

>>725(斑鳩)
スタンド能力による『攻撃』が実行できない。
『斑鳩』は佇んだまま、動かない。

>>726(一抹)
高揚した気分に冷や水をぶちまけられる。
露骨な『嫌悪感』が思わず顔に出る。

>ALL

    「貴方達、 ハァ……ハァ……私がいない間に、
     ゼヒィー…… 随分と練習をしていたようね……」

    「え、ええ、みんなすっごく頑張ってて――――」

『若草』の只ならぬ様子に『朝陽』は冷や冷やしている。
『若草』は早足で四人に迫って来る。強烈な『香水』の匂いが漂う。

    「貴方達ッ!」

『若草』は四人の鼻先にまで詰め寄り、


        ガバッ!!


    「本当に、よくやってくれたわァ〜〜〜〜〜ッッ」


四人丸ごと、『若草』の痩躯に抱き締められる。
『若草』はメガネの奥に涙を浮かべ、鼻を啜っている。


    「素晴らしい、素晴らしい『ハーモニー』だったわ!
     皆が心を一つにして、垣根を越えて、『音楽』と向き合った結果よ!」

    「先生は、厳しいことを言ったけれど、
     皆さんを信じて、ゥゥ…… 本当に良かった……」

    「ズビビ……教頭先生を一時間掛けて説得した甲斐があったわ……。
     休日を潰してやることか、なんて頭の堅い難癖ばかり付けて……」

    「『朝陽』さん、貴方もありがとうね……。
     生徒の力だけで成し遂げられたことを……
     ゥゥ……グズッ……先生は誇りに思います……」

一人で盛り上がっている『若草』だが、
ハンカチを取り出して涙を拭き、気を取り直したように声を上げる。

    「さあ、この素晴らしい『合唱』を押し込めるわけにはいかないわ!
     全員、『講堂』に行くわよ! この『音楽』をもっともっと、皆に聴かせるのよ!」

728斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/09/30(水) 23:58:35
>>727

   ……ニッコリ

(――教頭もうちょい頑張れよ!)

…などという悪態をおくびにも出さず、柔らかな笑顔だけを維持した僕は褒められてもいいとおもう。
何故ある程度年を食った女の香水という物は、鼻が曲がる程に心底不快なのか。

 「ハイ ハイ アリガトウゴザイマス センセ」

極めて心のこもってない感謝が歯の隙間から漏れ出す、自己陶酔に浸った教師には気づくまい。

 「ハイ センセノオカゲデス」

うるさい、勝手に誇りにするな、お前は何もしてねぇだろ。涙と鼻水を学生服に飛ばすな。
おまけにまだ休日潰れんの?聞く限りコレあんたの独断専行の可能性が有るよな?

(――よし、帰ろう。講堂に行く際にそっと列の後方から離れてダッシュだ。)

鉄の妹への義理立ても通しただろう。
場合によっては手足を『4本』使う事も厭わぬと決めた。

729朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/01(木) 00:08:09
>>727

「うっぷっス……っ!
わ、わかわか先生くるじいっす・・・っ゛」 ぱんぱんっ!

タップするっス! こんな悪の首領を揉みくちゃにするなんて失礼っス!


「ぷはぁ〜苦しかったっス! しかも、わかわか先生は香水を
ちょっと付けすぎっス! あんまり付け過ぎると周りの人が体調崩したりとか
そう言ったエチケットを気にしないと駄目っスよ!」

ちょっと鼻がもげるかと思ったっス!! 皆を代表として、私が抗議するっスよ!!

>全員、『講堂』に行くわよ!

「ええええ〜〜〜〜〜〜!!!!??
まだ練習するんスかっ! もう声もガラガラっス!!
お腹も空いたっス!! あさひー先輩だって、ちょっと休憩させないと
可哀そうっスよ!! ずっとピアノを弾いてたら指が痛くなっちゃうっスよ!!」

もうだいぶ練習したっス! これ以上はパワハラっスよ、パラーハラスメントっス!!

730一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/01(木) 00:15:15
>>727
主張の激しい悪臭を嗅ぐまいと息を止める。
公害に近い悪臭だが我慢できる領域だ。

「えぇ、まぁ、先生が私達を案じてくれていたことは
 伝わりました」

「クルシイ…」

熱血指導も私達を案じての事だと思えば抱擁も我慢できそうだ。
それに努力の成果を褒められるのも悪い気はしない。

「えっ? みんな? 若草先生、冷静になってください。 『講堂』で聴かせるほどの人数が居るんですか?」

音楽馬鹿だとしても興奮の仕方が異様だ。
『負』の感情ではないから『インダルジェンス』の
『鎮静』は通用しないだろう。
つまり、逃げられない。持ち上げられて連れ去られてしまうのは避けられない。

731氷山『エド・サンズ』:2020/10/01(木) 00:19:59
>>727

「フフフ・・・・! やはり、若草先生も気づいたみたいですね!」

  「私たちの急成長に!」

若草先生には正直ムカついてたけど、褒められて悪い気はしない
相変わらず、どやっとして、にやっとした緩み切った表情を浮かべている

「それもこれも全て、ここにいる『鉄先生』のおかげです!
 フヘヘヘ・・・・鉄先生がいなかったらどうなっていた事か・・・・!」

暗に『若草先生じゃあ無理でしたよね』というdis表現を入れてみた
やっぱり、ちょっとイラっときていたのだ これくらいの意趣返しは入れておかないと


ところで、この『香水』は嗅いだ事のある匂いだったりします?
例えば、デパートとかその辺で売ってるとか?
また、補講のために呼び出しを受けた時、若草先生は同じ匂いの香水をつけてましたか?


「ちょ、ちょっと待ってください、若草先生?
 何をするつもりですか? 皆に聞かせるってどうやって?」

今日は休日、校内には部活に励んでいる生徒くらいしかいないだろう
率直な疑問を先生に伝える

732『その夕立に雨傘を』:2020/10/02(金) 23:06:09
>>728(斑鳩)
『朝陽』への義理立てを十分に要した。
『スタンド』の行使を心に決め、『斑鳩』は立ち去る準備をする。

>>729(朝山)
>お腹も空いたっス!! あさひー先輩だって、ちょっと休憩させないと
>可哀そうっスよ!! ずっとピアノを弾いてたら指が痛くなっちゃうっスよ!!」

    「『朝山』さぁん、もうちょっとガマンしてねぇ〜〜〜〜」

    「鉄は熱いうちに打て、よっ
     貴方達の喉が温まっている内に、
     皆さんの心のコスモスを燃やすのよっ!」

おぞましい猫撫で声が『朝山』を諭すように謳われる。

    「と、とりあえず、講堂に行ってみようか。
     あの調子だと、もう一度聴かせれば満足しそうだし……」

『朝陽』が小声で耳打ちをしてくる。

>>730(一抹)
>「えっ? みんな? 若草先生、冷静になってください。
>『講堂』で聴かせるほどの人数が居るんですか?」

    「だぁいじょうぶよぉ〜〜〜〜〜ッッ
     『講堂』では高等部の『卓球部』が練習してるの。

     ほら、『一抹』君も上級生を応援すると思って!
     もうひと踏ん張り、しっかり頑張ってね!」

『若草』が卓球部の顧問を務めていると、『一抹』は耳にしたことがある。
練習に口を出さないので、とりあえず悪い評判はないようだが……。

>>731(氷山)
>「それもこれも全て、ここにいる『鉄先生』のおかげです!
> フヘヘヘ・・・・鉄先生がいなかったらどうなっていた事か・・・・!」

    「そうでしょうそうでしょう!
     あの『コンクール』で優勝した時、本当に嬉しかったわッ!
     この才能がやっと世間に評価されるって、もう感動して――――」

皮肉交じりの『氷山』の言葉も、『若草』の面の皮には全く通じない。
香水は以前から『若草』が嗜んでいた種類のものだ。
興奮による『発汗』により、益々悪臭を漂わせている。

>ALL

    「あの、先生。『講堂』のピアノって確か、修理中じゃあ」

    「あら、もう終わったのよ。つい昨日、――――大分急いでたわね」

    「そう、これは天の思し召しよ! 全ての星が一つとなった銀河ッ!
     さあ、何をグズグズしてるの! この学び舎にビッグバンを響かせるのよ!」

『朝陽』も乗り気ではないようだが、『若草』の勢いに気圧されている。
勝手に先導する『若草』から離れて、四人に向き直る。

    「――――しかたないかぁー。
     でも、『講堂』はもっと歌が反響して綺麗に聴こえるし、
     ……直ったばかりのピアノ、ちょっと興味あるんだよね」

『朝陽』は前向きに現状を受け入れるつもりのようだ。

733斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/02(金) 23:16:51
>>732

どうぞお好きに前だけ見つめていてくれ、僕はその隙に後方から自由への『大脱走』だ。
3つのトンネルは無いが、僕にはそれ以上の物がある……そんな事を考えていたが、どうもかの妹君はやる気らしい。

こうなると参った事になった、無視して逃げても大した影響はなかろうが
ほんの少しの亀裂が堤を崩す事態なら嫌というほど知っている。

味方は1人でも欲しい、余計な敵は御免被る。
その点において友人の不興を買うのはあまりよろしくない。

 「……『卓球部』の連中が羨ましいね、タダであのピアノが聞けるんだから。」

こうなると逃げられる望みは薄いが、後からついて行く他は無い
苦笑しつつも若草センセの後からついて行くことにした。

――なるべく後ろから。

734氷山『エド・サンズ』:2020/10/02(金) 23:39:49
>>732
   プ〜〜〜ン

「うっ!」

嗅いでみたら予想以上に嫌な臭いだった
一瞬鼻を摘まみそうにそうになるが、一応先生の手前だ、ここはこらえる・・・・

>>729
・・・っと、思ったら 中学生の『首領さん』が代弁者になってくれた
内心で『首領さん』の言動を称え、若草に見られないようにサムズアップした右手を朝山に向ける


「『コンクール』・・・・えっ、凄い!
 鉄先生はどこかの『コンクール』で優勝した事があるんですね!
 その時は若草先生が指導されてたんですか?」

『鉄先生』の凄いエピソードが聞けそうな予感を感じた
興味本位で若草にその辺りの武勇伝を聞いてみる

「あの〜〜〜〜・・・テンション高めのところ、失礼しますが
 せっかくの練習中に横から私たちが歌ったら、その人たちの迷惑になるんじゃあ・・・
 まあ、仕方ないっか」

一応、抗議はしておくが、反対するのも面倒なので諦めぎみに許容する

735一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/03(土) 00:02:43
>>732
朝陽先輩の才能に惚れ込んでいる若草先生からすれば、
彼女の演奏力を披露する良い機会なのかもしれない。
大勢の前で歌うのは気恥ずかしいが朝陽先輩への恩返しと思えば多少は我慢できる。

「び、ビッグバンですか。『音楽』は生物の感情に影響を与えるので…まぁ…」

卓球部の方々の迷惑になるだろうが自分では止められない。
最悪の場合は『インダルジェンス』で仲裁するしかないだろう。

736朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/03(土) 00:08:55
>>732

>と、とりあえず、講堂に行ってみようか。
>あの調子だと、もう一度聴かせれば満足しそうだし……

「うーん、そうっスかね? まっ! もう一回だけなら良いっスよ!!
それに、この悪の首領の美声を大観衆の前で披露すれば感激の余りに
団員も増えるかも知れないっスからね!!!」

そう言えば、最近悪の団員がま〜〜〜ったく集まらないのも悩みだったっス!
これを都合よく利用すれば、もしかすれば一気に学園の半数が我が悪の
ニュー・エクリプス軍団の手中に収まるかも知れないっス!!

>『講堂』では高等部の『卓球部』が練習してるの

「なーんだっ。卓球部だけなんスか。
うん? 卓球部って何名の集まりだったスっけ?」

わかわか先生へ話を振ってみるっス。

737『その夕立に雨傘を』:2020/10/03(土) 00:50:56
>>733(斑鳩)
強引にまとまりつつある『合意』に身を任せ、
『斑鳩』は逃走を取りやめ、『若草』の後を追う。

>>734(氷山)
> その時は若草先生が指導されてたんですか?」

    「あらいやねェ、私の後輩が指導したのよ。
     ホホホホホッ、あの時は審査員も大絶賛ッ!
     議員の耳なんて信用ならなかったけれど、
     あの審査委員長なんて、ボロボロ泣いちゃって……」

    「凡庸な課題曲をあそこまでリリカルに弾きこなすなんて、
     まるでモーツァルトが取り憑いてたかのようねェ」

『朝陽』の演奏に対しては絶賛の嵐だった。
彼女だけでなく、耳の肥えている審査員達にも好評のようだ。

    「あはは、あの時は、たまたまですよ」

『朝陽』が乾いた笑い声を漏らす。
彼女の賛辞にはあまり乗り気ではないようだ。

>>735(一抹)
>「び、ビッグバンですか。『音楽』は生物の感情に影響を与えるので…まぁ…」

    「そうよ! 私は前々から腹正しくてならなかったの!
     野球部やサッカー部には吹奏楽団をバックに引き連れていて、
     一生懸命練習している、あの子達に『音楽』の恵みがないなんて!」

プリプリと憤慨している『若草』。
迷惑ではないかいう『一抹』の不安を『氷山』が代弁している。

>>736(朝山)
>「なーんだっ。卓球部だけなんスか。
>うん? 卓球部って何名の集まりだったスっけ?」

    「全部で『15名』よ。
     決して多くはないけれど、皆さん懸命に汗を流してます。
     その頑張りを、『朝山』さんの歌で応援してあげてね!」

『朝山』は皮算用を企みながら、『若草』に質問を投げかけた。
『若草』はにこやかにほほ笑みながら、その質問に答える。

>ALL
そして、四人全員が『講堂』へと集まった。
ちょうど『休憩中』だった『卓球部』の面々は講堂の壁に寄り掛かり、
スポーツドリンクを飲みながら、雑談に花を咲かせていたところだ。

    パンパンパンパンッ!!

    「はーい、はいはいはい! 全員ちゅうもぉぉ〜〜〜く!
     今日も練習お疲れ様。さあ、もう一息、その前に……」

    「今日は素敵なゲストが来てくれましたよッ!
     ほら、皆さん。ステージの上に集まって!
     皆さんの『合唱』で、この子達を『応援』さしあげて!」

さあさあ、と『若草』は四人をステージの上に誘導する。
『朝陽』は卓球部員に頭を下げてから、ピアノの下へと向かう。

    「今度はなんだよ『若草』先生は……」

    「まあとりあえず従っとこうぜ、顧問だしさぁ」

    「てか、『合唱』って何のつもりだよ?」

    「正気かよおい、音痴の『氷山』だぞ」

    「いかるがー、オメェーCDデビューかぁー!」

『若草』の無茶振りには慣れっこなのか、部長の執り成しに従って、
卓球部員達はやおら立ち上がり、ステージの周囲へと近寄ってくる。
『氷山』のクラスメイトが不安げに見上げ、『斑鳩』のクラスメイトはヤジを飛ばす。

    ポーンッ♪   ポーンッ♪

    「あれ、このピアノ……」

    「さあ、『朝陽』さん! はじめてちょうだい!」

『若草』の号令が響く。
何かを疑問視した『朝陽』だが、やがて伴奏を始める。

     〜〜〜〜〜〜〜〜♪

                 〜〜〜〜〜〜〜〜♪

738斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/03(土) 01:20:15
>>737

聞いた声に背を向け
額に手を当て肩を竦め、呆れた口調でぼやく

 「……卓球部にアイツがいるの忘れてた。」

やれやれだ。15名の観客に向き直ると
野次に対してサムズダウンしながら、口角を吊り上げて叫ぶ。

 「おう!今度サイン付きで渡してやらぁ!プレミアもんだぜっ!」

アレでもゲラゲラと笑いながら中身の無い会話をするならいい友人なのだ。

退路は無く、分岐も無いなら前に進む事にためらいは無い。
それに……癪に障るというのもある。

 (伴奏に負けっぱなしというのもな…勝つのは俺だ。)

739一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/03(土) 01:30:06
>>737
ペコリと頭を下げて卓球部の面々に失礼のないようにする。
無茶振りに慣れている生徒たちが文句を言いつつも従う姿に同情してしまう。

(朝陽先輩…? 直ったピアノの使い勝手が悪いのかな)

演奏のド素人である私には分からない苦労があるのだろう。
それに異音が混じれば若草先生が即座に反応するはずだ。
そう、素人の自分は歌うことに集中すればいいのだ。
気になるのは朝陽先輩の戸惑うような反応だけだが…

740朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/03(土) 09:58:28
>>737

「うおっしゃぁ〜〜〜っス!!
私の美声を講堂いっぱいに拡散させるっスよ!!
 
時の流れに〜♬ 生まれたものなら〜♩」

自分は悪の首領だから、皆の真ん中に陣とってソプラノで唄うっス!

741氷山『エド・サンズ』:2020/10/03(土) 10:42:04
>>737
「あれ? 鉄先生はそんなに嬉しくなさそうですね?」

若草は大絶賛しているが、鉄先生が微妙な顔をしているのが気になる
まるで『自分では思ってもみなかった部分が評価されてしまった』ような・・・・

>「正気かよおい、音痴の『氷山』だぞ」

「む!?」

 あれは同じクラスの・・・・そういえば卓球部だった

「フ・・・フフフ・・・・確かに、この前までの私は『音痴』だったみたいですけどね!
 『目覚めた』んですよ!ここにいる鉄先生のご指導で!
 あなたにも聞かせてあげますよ・・・・私たちの『歌の力』を! 後悔する事でしょうねえ!」

微妙に『悪役』じみた事を言いながら、直後には伴奏に聞き入り・・・・
そして、『歌』を――――――――

742『その夕立に雨傘を』:2020/10/04(日) 20:26:26
>>738(斑鳩)
> 「おう!今度サイン付きで渡してやらぁ!プレミアもんだぜっ!」

『斑鳩』は野次に応え、呼吸を整える。
『伴奏』につられるばかりではなく、己の『リズム』を作ろうと、
鳴り始める音色に従って、発声を始める。

>>739(一抹)
『一抹』の耳にはピアノの異常は感じられない。
それは『若草』も同じようだ。伴奏を待ち望んでいる。

>>740(朝山)
ノリにノってる『朝山』の勢いは止まらない。
並び始める三人の間に割り込み、中央を陣取った。

>>741(氷山)
> あなたにも聞かせてあげますよ・・・・私たちの『歌の力』を! 後悔する事でしょうねえ!」

    「先輩、マジに耳ふさいどいて下さいよ……」

    「あんまり邪険にすンなよ、いいから聴こうぜ」

大柄の上級生に肩を叩かれ、『氷山』のクラスメイトは渋々ステージに近づく。

>ALL

     〜〜〜〜〜〜〜〜♪

                 〜〜〜〜〜〜〜〜♪

『朝陽』の言う通り、『伴奏』も『合唱』も『講堂』には良く響く。
おっかなびっくりだった何人かの卓球部員達も、
調和する歌声に耳を傾けている。

    「ンまぁ、素晴らしい『合唱』だったわっ!
     さあ、皆さんっ! 惜しみない『拍手』を――――」

今までに一番の『ハーモニー』だと四人が自覚する。
『合唱』を聴き遂げ、『若草』がステージの上から『拍手』を要求する。
卓球部員達は棒立ちになったまま、ピクリとも動かない。

     ダッダッダッダッ ・ ・ ・

           ――――ガバッ!!

十五人の内、『五人』がステージの上へと上がり始める。
全員が『階段』を使わず、ステージの縁から身体を乗り上げてくる。
全員の両目が『虚ろ』だ。何か感想を言いたげな様子もない。

内、『十人』が講堂の側扉へと向かっていく。
『用具室』や『化粧室』のあるエリアへと続いている。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□斑一氷□□□□□□■
■□□□□□□□□朝□□□□若□□■
■□□□□□□□□◎◎◎◎◎□□□■
―─―段――――――────段―――
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□◎◎□□□□□□□□□□□■
扉□□◎◎◎□□□□□□□□□□□■
扉□□◎◎◎□□□□□□□□□□□■
■□□□◎◎□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

743氷山『エド・サンズ』:2020/10/04(日) 21:24:32
>>742

「〜〜〜♪」
「・・・フフフフ、あまりにも凄い歌声だったから声を出すのも忘れてるみたいですね!
 ですが、鉄先生へのお触りはNGですよ!」

彼らの目的が鉄先生への接触だと勘違いし、ピアノの近くに寄る
そうしながら、周囲を観察する

虚ろな目で壇上に上がる彼らの様子は何かを狙ってるように見えますか?
また、若草や鉄先生はどんな様子でしょうか?

744斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/04(日) 21:46:12
>>742

(……やはり癪だな。)

演奏は素晴らしかった、歌唱のあわせも最高だ
故にどうしても気に入らないのは何故なのか?

演奏が終わり、若草先生が歓喜の顔で拍手を求める最中
どうにも自分は気分が悪い。間違いなく負けてはいない筈だ。目を泳がせる。

 (……アレか、『負けてはいないが、自分だけが勝っていない』からか。)

競技、勝負、闘争、それが終われば勝者と敗者はおのずと陰陽やプラスマイナスでなく
もっとはっきりと出る物の筈だ、しかしこの演奏はそうではない、あえて言うなら全員が勝者だ。

 (それでは不満だ、だって僕は『自分だけが勝ちたい』んだから。)

勝者が1人いるのならば、残りの全てが敗者でなくてはならない
金メダルを受け取れるのはただ一人だけだ、そうでなくては何の意味がある?
勝負が競争でないというなら、スコアボードなど必要ないだろうに。

 (とはいえ、それより不快な事が起きつつある……か?)

ステージの上へ『観客』が階段すら使わず這い上がってきている
階段はすぐそこで、其方の方が圧倒的に楽だろうに、まるで熱狂的なファンかジョージ・ロメロ作品のようだ。

 (いや、熱狂的なファンでも節度くらいは守るという物だ。これは完全に『異常』だろう。)

 「――おい、サイン会は後だぜ僕のファン共。壇上から降りろ。」

効果の分かり切った制止をしながら、一歩下がりつつ両腕にスタンドを部分展開する。
準備が必要だ、両腕の鎖を2mずつ、計4mまで伸ばす準備が。

 「若草センセ!何か様子がおかしいんですけど!?」

声を出して現状を確認させる…この場にいる全員に。
……僕も慣れてしまったようだ。残りの連中が出口を塞ぐように動くのが気がかりだが、今はコレが限度だろう。

 (しかし これは何が原因だ…?演奏か?しかし演奏ならもう終わっている…筈だ。)

745一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/04(日) 21:56:08
>>742
ほんの少し自慢気な顔で卓球部の面々を見つめる。
拍手は貰えずとも褒めて欲しい。期待の眼差しも追加で送る。

「ふぇぇっ!? ちょ、何して、怖い怖い!!」

棒立ちの時点で期待した程でもなかった、ぐらいの非難が飛んでくると思っていたが…
これはおかしい。『虚ろ』な瞳からは意思が感じられない。
自分以外の元音痴カルテットの面々は大丈夫だろうか?

「朝陽先輩ッ! 若草先生!」

「朝山さん、お隣を失礼します!」

朝陽先輩と若草先生の名前を大声で呼ぶ。
この『現象』の正体と意識を失う理由が分からないので下手な行動を起こせない。
やれることは一つ。下から這い上がって来る生徒への対処のみ。

「『インダルジェンス』ッ! 軽く蹴り落とせ!」

朝山先輩の隣を通り抜けながら『インダルジェンス』を先行させて這い上がって来る生徒たちに手加減した蹴りを入れる(パス精:CCA)
出来るだけ手を狙って蹴りを入れたい。

「この人達は足止め役のはず。残りが武器を調達役かな…?」

全員で襲いかかられては『インダルジェンス』での抵抗も封じられてしまう。
しかし、残り『10人』は『5人』を置いて扉に向かっている。
共通の『目的』を果たそうとしているようで不気味だ。

746朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/04(日) 22:09:51
>>742

「時の流れに〜♪ 生まれたものなら〜♬
一人のこらず♫ 幸せになれるはずー♩
 みんな♩ いのち(生命)を燃やすんだ〜♬
星のようにー♩ 蛍のように〜♪」

うつろな瞳でステージに上がって来ようとする卓球部員達。
 それにも関わらず朝山は『熱唱』していた。
――ちょっと過剰なスタンディングオベーション+アンコールだと思ったからだ!!

ズギュンッ!

『「光の声が天(そら)たかくきこえる〜♪
僕らはひとつ♩ みんなみんな〜♪」』

パワフルなノリと勢いで、『ザ・ハイヤー』も出しつつ
スタンド音声でも自分の歌声を同時に発しつつ高らかに唄う!!

747『その夕立に雨傘を』:2020/10/04(日) 22:30:14
>>743(氷山)
『氷山』はピアノの傍へと歩み寄る。
『朝陽』の表情はピアノに隠れて見えないが、
演奏を終えたまま、特に動きを取ろうとしていない。

>>744(斑鳩)
『合唱』に不満を覚えながら、
『斑鳩』は『ロスト・アイデンティティ』の両腕を発現する。

    ジャララ

両腕の鎖を『2m』ずつ伸ばす。

>>745(一抹)
『一抹』は『朝山』の傍に駆け寄り、
『インダルジェンス』を発現し、蹴りを入れる。

    ババシュッ!

前方にいた二人をステージの下に蹴り落とした。

>>746(朝山)
既に伴奏は終わっているが、『朝山』は歌い続ける。
『ザ・ハイヤー』を発現し、スタンド会話でも歌い始める。

>ALL

      バァンッ!!

二人の卓球部員が『インダルジェンス』に蹴り落とされる。
そして、『斑鳩』の両腕からも鎖が垂れ落ち、『2m』の伸長を完了する。
『朝山』もまた、『ザ・ハイヤー』を発現する。

      「AAAAAAWAAAAaaaa!!!」

      「HWUUUUUUUU!!!!」

卓球部員達は生気を失ったまま唸り声を上げ、
三人まとめて『一抹』に詰め寄り、鬼気迫る様子で掴み掛かる。
『インダルジェンス』のスピードでの迎撃は、不意を付いても『二人』までだ。

     ゾゾゾゾゾ . . .

卓球部員達の顔に、いつの間にか『痣』が出来ている。
何処か人の顔にも似ている『人面痣』、『一抹』はそれに見覚えがある。

     「ちょっと、貴方達! 何をしているの!」

     「いきなりどうしたの、やめなさい! すぐにやめなさい!」

『若草』は血相を変え、生徒の一人の襟首を掴んだ。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□斑□□□□□□□□■
■□□□□□氷□□朝一◎若□□□□■
■□□□□□□□□□◎◎□□□□□■
───段──────────段───
■□□□□□□□□◎◎□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
◎◎◎□□□□□□□□□□□□□□■
◎◎◎□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

748斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/04(日) 22:56:26
>>747

 「おいおい、いきなり蹴り飛ばすのか!?」
 
 (見た限りは……触れて広がるってわけじゃなさそうだな)
 
なにやらこの手の相手が初めてではない気もするが、今は置いておくとして

 「うおっ きったねぇ痣。さっきなかっただろソレ。」

この4人に影響はない。先生にも朝暘にも無いように見える。
……にしても動きが手馴れている上に4人ともスタンド使いとはどういう事だ。
砂漠で砂金粒どころか猿がタイプライター適当に叩いてシェイクスピアの一幕とかその辺りの確率だろうに。

この教諭もそうか…?妹さんの方は兄に『ひっぱられて』という事もあり得るが

 (妹さんが本体ですとかは勘弁してくれよ…一番問題だろ。)

 「ま、今は目の前の問題だな……どうも正気じゃなさそうだし、ジョージ・ロメロ監督もこんな原因の解らない展開は…。」

 ――原因。

そういえばピアノを見てあの妹さん、何か気づいた事があったか?驚いていたような……。今は薄くても手掛かりが欲しい。

 (聞いてみるか。) 

チラリと前衛を見る、掴まれているが近距離パワー型なら問題ないだろう、呑気に合唱してるのもいるし

 「ガンバ悪の首領+ハイキッカー、僕ァやる事がある。」

妹さんの傍へ移動しながら『2m』分でそれぞれ鉄球を5発計10発作成。
串に刺した団子のようで、多少見栄えは悪いが、分離しない限り相応の重量は発生しないので問題は無い。

 (投擲には0.5mあれば投石器としては充分…鉄球1発に20cm…とはいえ使いたくはねえもんだな。)

 「――朝暘さん?聞きたい事がある。そのピアノ、見覚えが?」

749氷山『エド・サンズ』:2020/10/04(日) 23:20:41
>>747
「え・・・?」

雰囲気がおかしい 卓球部の皆の様子がおかしい 何かがおかしい
一瞬、この場の異様な空気に飲まれそうになるが・・・

 『ボケットシテンジャネエゾ!あきはァァ!
  誰ダカワカンネエガ・・・俺達ハ攻撃ヲ受ケテルゼ!』

   『見極メロ・・・味方ヲ!』

『エド・サンズ』を発現 鉄先生をかばうように構える

「そうでした・・・味方・・・味方・・・とりあえず!」

『大捕物』の能力を使用する!
状況が読みにくいため制圧に向いた非殺傷武器としてオーソドックスな『さすまた』を
自分を含めたスタンド使い四人と、鉄先生、若草の手元に出現させる

「皆が暴徒化してるみたいです! 今から手元に武器が出ます!
 それで身を守ってください! 若草先生は暴徒を捕らえるのに御協力してください!」

あえて、暴徒という強い言葉を使う
それによって若草に生徒を守る教師としての責任感を励起させるのが狙いだ
スタンドも見えるようになってしまうが・・・鉄先生と若草にそれが見えたときの反応も観察しておく

750一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/04(日) 23:38:40
>>747
『夢世界』でルンバとの戦闘中に浮かび、『インダルジェンス』が切除した『人面痣』と同じだ。
今も『夢世界』に潜む『タカ』の仕業だろうか?
しかし、あの男のスタンドヴィジョンである『電気椅子』と『人面痣』に繋がりが見出だせない。

「ぐぐっ、皆さん…この『人面痣』はスタンドじゃないし、スタンド使いの本体という概念も無いから『人面痣』だけを…!」

「罪も無い人に…だけど、ごめんなさいッ!」

掴み掛かる生徒たちの『人面痣』を『慈悲の刃』で切り刻む(パス精:BCA)
『人面痣』の位置が分からない生徒は『鎮静』を試しながら引き剥がそう。

「若草先生!? スタンド使いじゃないのに意識が…?」

この場に居るスタンド使いは元音痴カルテットの我々だけと思っていたが、まさか彼女もスタンド使いなのだろうか?

「気が抜けるから歌わないで朝山さん! こいつが増えそうだから!」

最年長っぽい先輩が元凶と思わしきピアノに向かって行って助かる。
朝山さんが多少なりとも格闘が可能なスタンドだと助かるのだが。

751朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/05(月) 00:03:58
>>747

「『みんなみんな〜♪』」

熱唱してたら、なんか周りが騒がしいっス!!
んもぉ、みんな悪の首領である私が美声を轟かせてるって言うのに
失礼な話っス! ……と、言う感じでプンスカ周りを見てたら
なんだか何時の間にか大混乱っス!!

「なんすか?? うーん、なんか知らんけど。
――とりあえず、暴れてるなら こうだっス!!」

キィィ……ン!

『ザ・ハイヤー』 『変動』 スピード(C→B)精密(C→D)

「ちょいや、サー!!」 パンッ! 

『ザ・ハイヤー』でいちまっつん(一抹)に掴みかかる相手に
高速掌底(パス精CBC)を胸元目掛け繰り出してステージから叩き落すっス!
余裕があるなら、もう一人に対しても同じ攻撃を繰り出すっス!!

752『その夕立に雨傘を』:2020/10/05(月) 00:58:22
>>748(斑鳩)
卓球部員に囲まれる『一抹』から離れ、
『斑鳩』は『鎖』の連結によって、『鉄球』を作成する。

> 「――朝暘さん?聞きたい事がある。そのピアノ、見覚えが?」

『朝陽』から返事はない。

>>749(氷山)
『エド・サンズ』を発現し、全員に『捕具』を持たせる。

     「な、何これ!?」

『若草』が甲高い声を上げ、『さすまた』を握る。
『氷山』の叫びを耳にはしているが、まだ現状を把握できていない。

      カラランッ

『朝陽』の手中に発現した『さすまた』がステージの床に落ちた。


>>750(一抹)

      ズバシュッ!!

『インダルジェンス』の『慈悲の刃』は、一人の『人面痣』を切り裂いた。
『夢の世界』であれば、これで『人面痣』が消えるはずだ。

>>751(朝山)

      バァンッ!!

能力によって加速した『ザ・ハイヤー』が掌底を放つ。
命中した『卓球部員』がバランスを崩し、ステージから落下する。
『精密動作性』の下降により、切り返してもう一人への攻撃が敵わない。
――――『手加減』をしなければ、話は別だが。

>ALL
>「皆が暴徒化してるみたいです! 今から手元に武器が出ます!
> それで身を守ってください! 若草先生は暴徒を捕らえるのに御協力してください!」

『四人』の手中に『さすまた』が握られた。
叫び声から察するに、『氷山』によって発現されたものだ。
彼女もまた、傍にスタンドのヴィジョンを発現させている。

     「WOOOOOOOO――――!!!」

『人面痣』を斬られた卓球部員が雄叫びを上げ、地面に倒れ伏す。
しかし、『一抹』には気絶するほどのダメージを与えたつもりはない。
――――これは、『人面痣』そのものが『解除』されている。

    バシィ!!

    「ッ!  なにするのォ!?」

襟首を掴まれていた卓球部員が、『若草』を振り払う。
激高した『若草』がさすまたで羽交い絞めにし、その動きを拘束する。

     ボォォォ―――――ンンッ!!

ピアノから『伴奏』とは思えないメチャクチャな音が響いた。
『朝陽』が鍵盤に突っ伏し、意識を失っている。

     ガバッ!

『インダルジェンス』で蹴り落とした『卓球部員』の二人が、
ステージの縁から這い上がり、『朝山』と『斑鳩』の前に立ち塞がる。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□□□□□□□□□□■
■□□氷□□斑□□朝一◎若□□□□■
■□□□□□□◎◎□●□□□□□□■
───段──────────段───
■□□□□□□□□◎□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
□□□□□□□□□□□□□□□□□■
□□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

◎:卓球部員
●:気絶した卓球部員

753斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/05(月) 01:39:48
>>752

 「――な。」

 (……気絶?気絶した?スタンドが意思で力を振るう以上、彼女が本体という線は限りなく薄くなったが)
 (同時に、話もこれでは聞けない……線が途切れたな。)

 「……ふむ。」

まあ良い事も有る、原因はまず間違いなく『ピアノ』だ
コイツを破壊する也したい所だが、生憎そんなパワーは持ち合わせがない。他の3人に期待する他ないだろう

 (先の演奏でこの事態が起きなかった以上、演奏者や曲の種類が問題ではない筈だ……が)

 『天を翔けるは怒れる牙――Lost Identity』

 その声に応えるかのように、斑鳩の全身に、鎖が蛇の如く巻き付き始める。

 眼前の生徒に左腕を振るい、鉄球を解いて瞬時に2m分となった鎖を3mに伸ばしながら、胴めがけて『鞭』として振るう(パス精CCB)
 全身に巻き付けた鎖を即座に『結合』し、拘束した生徒の脚部の鎖を解除させて発現させた『影の足』で膝関節を蹴り飛ばし
 バランスを崩した所に右腕の鎖を解除して『右腕二本』で持った『さすまた』で体重をかけ、首を抑え込む。
 
 影の部位は本体の動作を阻害せず、動作の精密性は達人に等しい。
 這い上がってから眼前にくる以上は先手のタイミングも取るに容易く、両腕両脚の片方だけでも動きを封じれば、二足歩行はバランスを取るのすら一苦労
 高所の優位とはこういう事だ。

 「邪魔だ。」

 拘束で動けなくなったのを確認したら、鞭を切り離してから鉄の妹さんのところへ行って、とりあえずは…床に寝かせよう
 ピアノを調べるのはその後からでも遅くは有るまい。

 まあ俺としちゃあ若草センセが気になる所だが、いい動きしてんな、オイ。

754一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/05(月) 02:20:10
>>752
以前ほど派手な消滅をしない事からしてルンバに憑いていた奴より弱そうな印象を受ける。
ただ、異常な数が本当に厄介だ。本当に武器まで持ち出されたら手加減などしてられない。
『さすまた』は『インダルジェンス』に持たせる。

「ありがとうございます、悪の首領! 氷山先輩! 今、行くから若草先生は押さえててッ!」

一応、若草先生も女性だ。武器込みだろうと男子生徒を押さえ込み続けるのは困難だろう。
彼女が羽交い締めにする生徒の『人面痣』を『慈悲の刃』で斬りつける。

「朝山さん! 気絶しても『人面痣』が消えない限りは安心しちゃ駄目ですよ! この『人面痣』は『悪霊』なんです!」

最後にルンバが『人面痣』を『悪霊』と呼び、鎮めようとしていた事からして憑いているのは本当に『悪霊』なのだろう。
連中の性質を伝えながら朝山さん側に這い上がって来た連中の『人面痣』を同じく斬りつけたい。
下側に残る一人にも気をつけておく。

「若草先生。私の後についてきてください。
 ピアノを直した人物について聞きたいところですけど、
 今は色々忙しいので」

まさかとは思うが休日出勤や練習中の学校関係者に『悪霊』が取り憑いている可能性も有り得る。
『スタンド』とは異なる不条理に不安ばかりが募る。

755氷山『エド・サンズ』:2020/10/05(月) 08:58:11
>>752
若草はスタンドが見えるようになった事に驚いている様子はありますか?
それとも、異常なものが見える事にさえ気を払えないくらい取り乱している様子ですか?

756『その夕立に雨傘を』:2020/10/05(月) 18:19:58
>>755(氷山)
>若草はスタンドが見えるようになった事に驚いている様子はありますか?
>それとも、異常なものが見える事にさえ気を払えないくらい取り乱している様子ですか?

周りが見えていない状態です。

757朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/05(月) 20:03:15
>>754

>この『人面痣』は『悪霊』なんです!

「悪霊!!?? それは……っ
……うん?? それってスタンドとかと、どう違うんスか?」

朝山は、その言葉の意味が上手く呑み込めない!!

>>752

「んもーーー!! しつこいっスよぉ!!
それに、さっき出て行った人達も多分戻ってくるならキリないっス!
ザ・ハイヤー!」

 ポシュッ! キィィ―ンッ!

「ぬおおおぉぉ!! 行くっス!!」

立ちふさがる卓球部員を突っ切る為に、私自身に『モーション・キャプチャー』を
ザ・ハイヤーに放って『再分配』!
スタンドの片腕の動きを(スD精B)ゆっくりにすると同時に
 私自身は直線にステージ上を突進! ステージの下にいる卓球部員に
体当たりする勢いで走るっス!(スB精D) 
 妨害される事も考えて、あきあき先輩の能力で産み出された『さすまた』
は本体である自分が一番近くの卓球部員に突き出すように構えつつ走るっス!

「このまま勢いと共に、講堂の出入口を塞ぐっス!!!」

758氷山『エド・サンズ』:2020/10/05(月) 20:22:40
>>752

「ピアノ・・・・? 『人面痣』・・・・!?」

混乱極まる状況だ
周囲の状況を観察して収集した情報を頭の中で整理する

(この状況・・・・私たち元音痴カルテット全員がスタンド使いだというのは驚いたけど・・・)

周囲を見て、それぞれのスタンド能力を確認する

(斑鳩先輩は『鎖・・・?』の能力で、一抹くんは『刃物』の能力、首領さんは・・・よくわからないけど
 でも、全員同じように襲われているみたいだし、味方と考えていいのかな?
 『敵』の能力は『人面痣』をくっ付けた相手を操る能力・・・?)

ぶるっと体が震える
『人面痣』みたいな妖怪モノは専門外なのだ 怖い!

(『人面痣』については一抹くんが何か知ってるっぽくて・・・対処も出来るみたいですね)

(それと『ピアノ』・・・・?
 斑鳩先輩は『この現象』が起きた途端にピアノを気にし始めた
 確かに・・・このピアノの演奏が終わってから突然おかしくなったみたいだし
 もしかして『ピアノ』に何か原因が・・・・?)

(若草先生は・・・・上手くやれてるみたいですね
 取り乱しているみたいだけど、今のところは巻き込まれただけの一般人と考えていいのかな)

(鉄先生は気絶してる・・・ 斑鳩先輩が介抱に向かったみたいだけど
 他の人と状況が違う この現象と何か関係が・・・・?)

高速で思考を巡らせ、次にやる事、言うべき事を決める
メンバーの中には『この現象』について断片的な知識がある人間が何人かいるらしい
――――故に

「一抹くん! 『人面痣』について知ってることを教えてください!」
「斑鳩先輩! 『ピアノ』に何かあるんですね!?
 なら・・・・任せてください! ぶっ壊します! 『さんずさん』!」

『ヨシキタァ! ウオオオォォォォ!』

『さすまた』は本体が握っておく
ピアノの側板を『エド・サンズ』の両手で握りしめ、
外側から中心に向かって抉る様にピアノを破壊していく パス精BCC

759『その夕立に雨傘を』:2020/10/05(月) 21:23:33
>>753(斑鳩)

      ジャラララッ!!

『3m』の鎖を振るい、『卓球部員』の胴体に巻き付ける。
だが、『卓球部員』は『斑鳩』へ接近している為、縛る鎖は『緩む』。
『拘束』の役には立たず、『鎖』を振り回した『隙』だけが生まれる。

     グァシッ!!

『斑鳩』の喉元に『卓球部員』の両手が喰い込み、締め上げる。
『膝関節』を蹴り飛ばすが、『卓球部員』は掴んだ両手によってバランスを保っている。
この『至近距離』では『さすまた』のリーチさえも邪魔になるばかりだ。

      ギヂヂヂヂヂヂ・ ・ ・

頸動脈が止まり、『斑鳩』は顔を真っ青にして苦悶の表情を浮かべる。

>>754(一抹)

      ズバシュッ!!

    『GWOOOOOOO!!!!』

『悪霊』を切り裂いた後、『卓球部員』は倒れ込む。
返す刀を振るうには距離が足らず、『インダルジェンス』を飛ばし、
『朝山』の傍にいた『卓球部員』の『人面痣』を切り裂いた。

>「若草先生。私の後についてきてください。

    「な、何がどうなっているの……。
     ロックフェスティバルじゃああるまいし、
     大人しい『卓球部』の子達が暴れるなんて――――」

『若草』は現状を理解できていないが、正気は失っていない。
唯一の武器である『さすまた』を手に持ち、駆け出した。

>>757(朝山)

  ポシュッ!

『ザ・ハイヤー』による『スピード』の変動は『腕』の動作中に起きる。
故に、『ザ・ハイヤー』のスピードそのものを『減速』させてしまえば、
変動自体の『持続力』は格段に向上する。――――その理論に『矛盾』はない。
『ザ・ハイヤー』の緩やかな腕の振りが終わるのは、『5〜6秒後』だろう。(※残り1レス)

    キィィ―ンッ!
                ――――ドヒュッ!!

バイクにも匹敵する『高速移動』でステージから飛び降り、
立ち上がりかけていた『卓球部員』を、『さすまた』を突き出す『体当たり』で転倒させる。
『朝山』自身もバランスを崩す。スピードと引き換えに『精密動作性』を減少させた代償だ。

      ダダダダダッ!!

バランスを立て直しながら、『講堂』の出入り口へと向かう。

>>758(氷山)

    ギギギギギギッ
                   バキャァ!!

『エド・サンズ』はピアノの側板をへし折った。
ステージの証明に照らされ、ピアノの内部が露わとなる。

>ALL

      ズパァッ!!

『人面痣』を斬られた『卓球部員』が倒れ伏した。
『悪霊』に対抗できる唯一の武器、それが『慈悲の刃』だ。

    「『斑鳩』さんッ!!  ちょっと、しっかりなさい!」

『若草』が金切り声を響かせる。
『卓球部員に首を締め上げられた『斑鳩』の顔は無残にも鬱血し、
眼球が弾け飛ぶほどに両目を見開き、口端から唾泡を垂らしている。

    ダッ!!

『若草』がさすまたを突き出し、『斑鳩』を締め上げる『卓球部員』へ駆ける。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□□□□若□□□□□■
■□□氷□□斑□□□一●□□□□□■
■□□□□□□◎●イ.●□□□□□□■
───段──────────段───
■□□□□□□□□◎□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
□□□□□□□□□□□朝□□□□□扉←渡り廊下、校庭に繋がる。
□□□□□□□□□□□□□□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

760氷山『エド・サンズ』:2020/10/05(月) 22:05:08
>>759

「あ、あれ・・・・?」

予想に反してピアノの中にはこれといって怪しいものはない
ピアノをさらに破壊して内部を見てみようかと思った最中・・・・

>「『斑鳩』さんッ!!  ちょっと、しっかりなさい!」

首を締めあげられる斑鳩の姿が見えた!

「斑鳩先輩!」

なんとなく・・・・『人面痣』に操られる人間の特徴が分かってきた
『人面痣』に操られると痛みを無視して行動を行う事が出来る・・・・のだろう
『鎖』の放たれる音を聞く限り、普通の人間なら痛みで少しくらい隙が出来るはず

(てゆーか、私だったら痛くて床を転がってますよね!あれ!)

その素振りを一切見せずに、斑鳩への攻撃を続行しているという事は
『人面痣の解除』、『物理的な人体の破壊』、『パワーでの拘束』以外は効果が薄いか

「下手に近づくと危ないって事ですね・・・・!
 間合いを取って対処しないと近づかれて大変な事になります!」

『ッテ事ハヨォォォ! ヤッパリ、コイツガ「有効」ッテ事カヨォ!
 ドウスル・・・?斑鳩ヲ助ケニ行クノカ!?』

「いえ・・・・」

(理屈はわからないけど、一抹くんのスタンドは『人面痣』を除霊できるみたいだし
 斑鳩先輩なら多分このままじゃ終わらせないはず・・・
 順調に『操られてる人』の数は減っているけど・・・・)

ここで思い浮かぶのは用具室に向かった10人の生徒たちだ
今はまだ、戦力はこちらが優勢だが、彼らが戻ってきたら逆転される可能性が高い

「すいません! 私は残りの『10人』が気になります!
 鉄先生と斑鳩先輩を頼みます!」

手に持った『さすまた』は放り捨てる
その代わりに『エド・サンズ』の両手で抱えるように『3mの四方梯子』を発現
地面と水平になるように両手で持ち、側扉(地図左のもの)へと駆け出す!
目的は『四方梯子』を扉に対して『バリケード』のように使い、生徒たちが戻ってくるのを防ぐためだ

761<削除>:<削除>
<削除>

762一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/05(月) 22:25:20
>>759
「斑鳩先輩ッ! っオラァ!」

斑鳩先輩を絞殺せんとする生徒の腹部を狙ってスタンドに持たせた『さすまた』を投擲(パス精:BCA)
下の生徒に足首を捕まれないように警戒しながら斑鳩先輩を襲う先輩の『人面痣』を斬る。

「若草先生は下の生徒を警戒してください!」

余裕が有るなら這い上がって来るであろう生徒の『人面痣』も斬っておきたい。

>>758
「話が長くなるので色々省きますけど『人面痣』は『悪霊』とやらに憑かれた証です!
そして、『悪霊』に憑かれながらも意識を保っている者はスタンド使いの可能性が高いです!」

「『人面痣』持ちのスタンド使いは高確率で敵!
 『夢世界』について話すと長くなるので省略!
 弱点は『人面痣』ですッ! 私のスタンドで『解呪』してるっぽいですけど…続きは全滅させてから!」

763斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/05(月) 22:39:03
>>759

何やら視界が妙に狭まっていくのを解した時には、
既に窒息寸前だと言う事を狭まる脳細胞で感じるばかりであった。

 (…………コイツ、『悪霊』ってジェイソンpart6かよ…いや、以前かな)

さすまたは投棄。此奴が俺の首を直接絞めているわけでは無い……そこに『鎖がある』
俺のスタンドは纏うタイプなのだから。

右手二本を楔に自らの首の根元に鎖を消しながら差し込み、消失させて隙間が出来次第影の両脚で蹴り飛ばしながら離脱

左手の鎖を相手の腕へ巻き、胴の鎖と接続せて即座に『縮める』(パC)
どうやら痛みなどは存外鈍いらしい、遠慮は無用だろう。

全て同時に動き、這い上がりを狙ったのに距離が近すぎたなどというふざけたミスだが。
……まだ取り返せるミスだ。酸素が続く限りは。

764朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/05(月) 22:48:23
>>759

「えーっと! うーんとつ!
とりあえず、バリゲートっス! ちょっとやそっとで
扉が破られないものっスね!」

ひとまず、扉のほうを見て。誰か直ぐに侵入して来なさそうなら
卓球部がさっきまで練習してた『卓球台』とかあるだろうから。それを
出入口に引っ張って扉の重しにするっス。
『ザ・ハイヤー』の再分配は、一先ず解除っス。
 多分、応援を呼ぼうとしても。いちまっつんの話の感じからして
操られてる奴が先に出ても可笑しくないっスからね!

卓球部員の残りが入って行った出入口は、あきあき先輩に任すっスよ!

765『その夕立に雨傘を』:2020/10/05(月) 23:52:47
>>760(氷山)
手に持った『さすまた』を解除し、『四方梯子』を発現する。
現在、『一抹』、『朝山』、『若草』、『斑鳩』が『さすまた』を手にしており、
『四方梯子』の発現により、最大発現個数である『5個』となった。

     ダダダダッ

    『BOOOOOHOOOOOO!!!』

『四方梯子』を『エド・サンズ』に持たせ、階段を駆け下りる。
そして、扉の奥から二人の『卓球部員』が現れた。
その手には『消火器』が握られている。

>>761(一抹)

      ブォンッ!!

『さすまた』を槍投げのように投擲し、『卓球部員』の腹部へ打ち込む。
隙が生まれたところを、『斑鳩』が死に物狂いで脱出する。

    ズバシュッ!!

這い上がってきた『卓球部員』の『人面痣』を切り裂くと、彼は力なく倒れ伏した。

>「若草先生は下の生徒を警戒してください!」

    「黙ってられないわよ!」

『さすまた』をやけに使いこなせる『若草』はヤケになってるのか、
『斑鳩』の首を締め上げていた『卓球部員』に躍りかかる。

>>763(斑鳩)
『纏うタイプ』である一方、巻き付く『鎖』はスタンド物質だ。
一般人である『卓球部員』の両手は、『鎖』を透過して首にしがみ付いている。

故に、『鎖』を消失させても、首を絞める両手に隙間は生まれない。
絶体絶命の時、
              ドシュッ!!

『インダルジェンス』の投擲した『さすまた』が、『卓球部員』の腹部に打ち込まれた。
絶好の隙が生まれ、両の『影脚』で卓球部員を蹴り飛ばし、何とか距離を取る。

    「私の教え子に手ェ出すんじゃあなァい!!」

    ゴスッ!!

ブラックアウト寸前の意識を回復するべく、呼吸を整えている間に、
絶叫する『若草』が卓球部員を『さすまた』で組み伏せ、仰向けにさせる。

>>764(朝山)
『朝山』は扉の付近まで辿り着き、
『再分配』を解除した上で、外の様子を伺う。

    「お゙ぉー 清・月・ファイ! 清・月・ファイ!」

    「足たるんでるぞ! それで甲子園行けんのかよ!」

グラウンドでは『野球部』がランニングに精を出している。
『講堂』の様子に気付くどころか、何の異変も感じられない。
異常が起こっているのは、この『講堂』の中だけだ。

>ALL
『若草』の手により、さすまたで『卓球部員』が組み伏せられる。
息を荒げながらも『若草』は『一抹』を睨み、絶叫する。

    「早くソイツでぶった切れェェェェ!!!!!」

事情も解らずに巻き込まれた『若草』であっても、
今までの乱闘、『悪霊』の仔細を述べられる『一抹』の態度から、
『インダルジェンス』によって『悪霊』が無力化できると直感している。

       スチャッ!

そして、『消火器』を持った二人の『卓球部員』は、
接近する『氷山』目掛け、『消火器』のノズルを向ける。

     カッ

ピンが引き抜かれ、二人は『レバー』を思いっきり握り締める。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□□□□□□□□□□■
■□□□□□斑□若□一●□□□□□■
■□□□□□□◎●イ.●□□□□□□■
───段──────────段───
■□□□□□□□□●□□□□□□□■
■□□氷□□□□□□□□□□□□□■
消□【梯子】□□□□□□□□□□□朝扉
消□□□□□□□□□□□□□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

766斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/06(火) 00:27:41
>>765

 「う゛え゛っほ!げほっごほっ!」

涙と鼻水を袖で拭かざるをえない事態に陥っていた、ハンカチを今日に限って忘れたのは不運だった
彫像の如き僕の首に跡がつかない事を祈るばかりだ、ダメージが残りにくい締め上げだったのが不幸中の幸いと言うべきか。

 「サンキュー一抹!危うく火星の酸素取り戻す時のシュワちゃんみたいになる所だったぜ!」
 「クソが!阿保か俺達は心底ダセェな!距離の確認と能力の把握なんぞ初歩だろうに眼ぇついてんのか!ガラス玉と変わんねえよ!」

悪態をつきながら四つ脚をついて体を起こす
そんな事を言われても今のは僕も初めて知った欠点だ
まさか敵のお手手がすり抜けてるとは思わなかった。描写されてないし、スタンドってすり抜けるんだねおじいちゃん。

                                     ニ ク ダ ン セ ン
 (……思えば一方的にやられるか、ほぼ無傷で勝つかで、『こういう経験』は始めて。『勝利』の弊害か。)
 (マジに防御力ねえなぁ『コレ』 防ぐためにあらかじめ巻かなきゃなんねぇの?)

 「とりあえず今のマジに恥ずかしい失態でやり方は解った、距離を取って手足を拘束する方が肝心だが…問題は数か。」

若草センセの抑え込んでいる生徒の鎖を縮めて縛り上げた後に切り離し、余りを右の手首に巻く 残り14m。
これで少し経てば右腕には鎖が戻るだろう…その間にピアノを調べにかかる。
 
 「『朝暘』…鉄の妹さんは演奏前に一目見てなにかに気づいた…となると視線的にペダルか鍵盤か、楽譜付近…解り難いって事はねぇ筈だが…」
 「向こうも気になるな…外しとくか。」

首の鎖を外し、『影の頭部』を扉の監視に回す、相手との距離を見誤るのはもう御免だ。

767氷山『エド・サンズ』:2020/10/06(火) 00:29:01
>>765

『オイ、ヤベェゾ、あきはァァ!
 厄介ナモンヲ持チ出シテキヤガッタゼェ!』

「わかってます・・・・!」

改めて計算してみると、『捕具』の数がかなりギリギリだ
戦力を考えて出し直していかないと不味い・・・・

『彼ら』はやはり用具室で武器になるものを探していたらしい

(『消火器』・・・・忍者が使う煙幕みたいに、私たちを攪乱して・・・
 本命の『何か』で致命的な攻撃をするつもりでしょうか?)

卑劣な攻撃だ 人数も多い
時代劇の主人公ならこの程度の人数、BGMとともに簡単に斬り捨てられるだろうが・・・

(私にはちょっと荷が重いですね・・・・ まずは時間を稼がないと!)

「首領さん! さっきの人達が武器を持って戻ってきました!
 少しだけ時間を稼ぐので手伝ってください!」

 ――――呼びかける!

『消火器』――― 
武器として使う場合、役割は『煙幕』や『鈍器』だろうか
故に氷山は行動を起こす


『エド・サンズ』は『四方梯子』を横向きに抱えたまま入口の通行を塞ぎにかかる
そして、本体は入口近くの壁際に移動して、『消火器』を投げられても当たらないように壁にへばりつく


下記の位置に移動したい

■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□□□□□□□□□□■
■□□□□□斑□若□一●□□□□□■
■□□□□□□◎●イ.●□□□□□□■
───段──────────段───
■□□□□□□□□●□□□□□□□■
■氷□□□□□□□□□□□□□□□■
消梯エ□□□□□□□□□□□□□□朝扉
消子□□□□□□□□□□□□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

(『さんずさん』には普通の武器は通じない・・・
 これで時間を稼ぐしか・・・・・!)

恐らく、行動の途中で消火器による『煙幕』が発生するだろうが
『梯子』で入口を塞ぐ程度の行動であれば、位置を記憶していれば見えなくても行えるはず

ついでに本体は行動内の様子をちらっと確認し、
使われていない『さすまた』、つまり『斑鳩』・『一抹』の分を解除しておく

768一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/06(火) 00:57:25
>>765
「は、はい! 斬りますから斬りますからッ!」

ほぼ戦闘要員と化した若草先生の怒声に従って最後の『人面痣』を斬る。
少しだけ『元凶』ではないかと疑っていたが疑う気すら失せた。

「あぁ、もうッ! 本当に鬱陶しい! ピアノを調べる暇もない!」

「斑鳩先輩ッ! 大丈夫ですか! ヤバかったですよ!」

若干、キレ気味になりながらピアノを移動させる時に使う『キャスター』部分のロックを解除したい。
残り『10人』を警戒してピアノを突っ込ませる準備だけでもしておく。

「飛び道具の盾とするか、屋根部分を使うかは後続次第。
 こうなったのはピアノのせいだから『責任』を取らせる
ッ!」

氷山先輩が塞ぐであろう入口側にピアノを移動させる。
まだ落とすつもりはないが上と下の段差が激しい場合は車輪が壊れてしまうかもしれない。
階段部分を使って滑り落とせないものだろうか…?

769一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/06(火) 02:48:22
>>765
>>766
「っと、斑鳩先輩はピアノを調べるようですね。
 調べ終わるまでは何もしません」

斑鳩先輩がピアノを調べ終わるまでに『キャスター』のロックを解除しつつ、下からも何かしらの『仕込み』がされていないか見る。
ピアノを移動させる前に氷山先輩が攻撃を直接受けるなりした場合は援護に向かうことを優先する。

>>767
「氷山先輩ッ! 遠距離から攻撃、または投げられる
 武器をください! 私のスタンドは精密動作性が高い!」

770朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/06(火) 10:29:39
>>765

「うーん・・・? 外はなーんも可笑しな様子はないみたいっス!」

どうやら、なんか卓球部員が全員暴れたりしてて変なのは『講堂』のみっス。

あさひー先輩も、なんか寝ちゃってるし。わかわか先生もアクション映画の
主人公みたいっス!! こりゃー私もパワフルに動かないといけないっスね!!

「とりあえず、戸締りっス」

こっちの出入口は、ちゃんと閉めておくっス。
鍵をかけられそうなら、閉めて誰かが入って来れないようにするっス。
事情をよく知らない人が入ってきたら混乱して更に大惨事っスからね!!
鍵が掛けられないなら仕方がないっス。
 あきあき先輩(氷山)に手を貸したほうがいい気がするから
扉から向き直って、そっちを見てみるっス。

>767 「首領さん 手伝ってください!」

「わかったっス!! 何時でも援護は任せて欲しいっスよ!」

『さすまた』を『ザ・ハイヤー』に持たせておくっス。
いっぱい残りの卓球部員が来たら、投げて一人はノックダウンっス!!

(※卓球台など、大きな障害物に出来そうなものがあれば知りたい)

771氷山『エド・サンズ』:2020/10/06(火) 10:40:11
>>767

 「一抹くん・・・・・わかりました!」

『さすまた』の解除後、『四方梯子』のクーリングタイムである4秒が経過したら、
一抹の手元に『大捕物』で『微塵』を出現させたい

※『微塵』
西洋で言うボーラのように鎖分銅が3本放射線状に束ねた捕縛武器

772『その夕立に雨傘を』:2020/10/06(火) 22:53:38
>>766(斑鳩)
首に痣が残るかを気にしながら、『斑鳩』は体勢を立て直す。
『人面痣』を切り裂かれ、既に気絶した卓球部員に鎖を巻き付け、
『影頭』の視界によって『氷山』の方を見張るが、『粉煙』に包まれて何も見えない。

――――何故、『朝陽』は『ピアノ』の異変に気付いたのだろうか。
一目見れば気付くような『不審点』はピアノの外観にはない。

>>767
>>771(氷山)

      ガンッ!!

    ――――ブシュォォォォ!!

『四方梯子』を押し付け、出入り口を『封鎖』する。
その直後、消火器から『粉煙』が噴き出し、視界を遮る。
だが、目に染みることも、呼吸が阻害されることもない。

『一抹』と『斑鳩』の『さすまた』を解除し、『一抹』に『微塵』を発現する。
直後、『氷山』を『粉煙』が覆う。この視界では他者に『捕具』を発現できない。

      ググ   グググッ

『四方梯子』は押されているが、まだ二人分のパワーだ。
『エド・サンズ』のパワーであれば、まだ十分に耐え切れる。

>>768(一抹)

     ズバシュッ!!

『人面痣』を切り裂き、卓球部員は地面に倒れ伏す。
キャスターのロックを解除し、ピアノの内側を見る。

……側面の破損部やピアノの下部を見たところ、
『現在』の破損部から見える箇所に、怪しいところは見当たらない。
『一抹』に『ピアノ』に対する知識があれば、話は別だが。

>>770(朝山)
『扉』を施錠しようとするが、内側から閉める機構は存在しない。
外から鍵を掛けなければならないが、その心配はなさそうだ。

少し離れた場所に『卓球台』が二台、置いてある。

>ALL

    「不審者対策訓練で受講した『さすまた』を、
     生徒に振るわないといけないなんて……」

    「『氷山』さんっ! 一人じゃあ危ないわよ!」

『孤立』した『氷山』を慮った『若草』が、
『さすまた』を手にしてステージから飛び降りる。

     グググ ・ ・ ・

『四方梯子』に掛かる力が、じょじょに強くなっていく。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□□□□□□□□□□■
■□□□一斑□□□□□●□□□□□■
■□□□□□□●●□●□□□□□□■
───段──────────段───
■※□□□若□□□●□□□□□□□■
■氷※□□□□□□□□□□□□□□■
消梯エ.※□□□□□□□□□□□□朝扉
消子□※□□□□□□□□□□□□□扉
■□※□□□□□□□□□□□□□□■
■※□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

773氷山『エド・サンズ』:2020/10/06(火) 23:16:28
>>772

 『オメェラニ恨ミガアルワケジャネェケドヨォォォ!
  「一揆」デ人ヲ傷ツケルヤツハ許シチャアオケネェナァァァァ!』

  「大丈夫・・・・大丈夫です・・・まだ!」

『何か』に操られているとはいえ、生身の人間であれば『エド・サンズ』を傷つける事は出来ない
この状況を破られる可能性は三つ――――

(一つは彼らがスタンドを傷つける『武器』を手に入れる事
 この可能性は否定してもいいですね・・・・流石に用務室に偶然そんなものがあるわけもないですし
 もしも彼らがそんな武器を持っていたら、もうすでに使ってるはず)

 白く煙る景色の中で必死に力を込める
 準備が整わないうちに『10人』が入ってきたら流石に不味い
 その場合、気を失った鉄先生が真っ先にやられてしまうだろう

(二つ目は彼らのうち何人かが『四方梯子』の隙間からこちら側に漏れてしまう事
 その場合、一番危ないのはここにいる私ですが、
 みんなの力を合わせて、一人ずつ各個撃破していけばなんとかなるはず・・・・)


   グググッ・・・・

(三つ目・・・・これが一番危ない可能性ですが・・・・!)

   『エド・サンズ』は確かに人間を超えたパワーを持つ
    一人や二人なら抑える事が出来るが、もしもそれ以上に数が増えたら・・・?

(『さんずさん』が力負けする、または『四方梯子』が破壊される可能性
 そうなった場合、『10人』が一気にこちら側に押し寄せてきてしまいます・・・!
 対処するためには・・・・準備を整えて迎え撃つ体制を作らないと・・・・・!)

現在、『四方梯子』は両手で必死に抑えている
『捕具』を使うために片手を話した途端に敵があふれ出る可能性もある

ここはじっと堪え、両手両足に力を込めて『四方梯子』に込める力を緩めない

「『さんずさん』・・・・頑張ってください・・・・!
 皆さん! 用具室にいった『10人』が戻ってきます!
 迎え撃つ準備をしてください!」

現在の捕具(4/5):四方梯子(氷山)、微塵(一抹)、さすまた(若草)、さすまた(朝山)

774一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/06(火) 23:55:09
>>772
「氷山先輩側の二人を処理してきます。
 斑鳩先輩は…頭が良さそうだからピアノの分析をッ!」

「最初に音を鳴らした時に朝陽先輩は違和感を感じてたので…!」

『インダルジェンス』の怪力と精密動作性を駆使すれば、内部をバラせるだろうが『10人』を処理するのが先。
『微塵』をスタンドに渡して三本の鎖分銅の一つを外しながらステージから飛び降りる。

(迂闊に喋ると位置がバレるし、ちょっと黙ろうか)

自分の前にスタンドを立たせて本体は姿勢を低くしながら
卓球台側に移動。
足音に釣られて生徒が飛び出して来たら鎖分銅の方を生徒の両足に巻きつくように投げる(パス精:BCA)
拘束が狙えないようなら足を狙う。

>>770
>>773
[朝山さんッ! 卓球台を持ってきてください!
私が取りに行く前に敵が来ます!]

[氷山先輩はヤバかったら退避しましょう!
もし、大勢なら私が呼び掛けるので梯子を!]

スタンド会話で二人に話し掛ける。
『悪霊』がスタンド会話を聞けるなら無駄だが試しにやってみる。

775斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/06(火) 23:55:14
>>772

 「――駄目だな、パッと見て『外観』に異常は無い、あるなら『内部機構』か。」

 「朝暘の視線から見て…コイツがグランドピアノで、蓋が開いていたと仮定しよう」
 「内部機構も座る前に当然見える、アクション(ハンマーとダンパー)弦、響板、ブリッジ、フレーム……見えるのはこれくらいか。」

3人目があの音楽室で毎度きざったらしく演奏しているせいか、嫌でも中身を見る機会がある
……まあ、ありゃあ幽霊みたいなもんだが、この楽器は年数がたとうとそれほど内部機構が変わるわけでもない。

 「キーを叩けば連動したハンマーが弦が震わせ…内部増幅した音が周囲に漏れ出す…音楽室のピアノで起こらなかった以上はコレが原因の筈なんだ。」
 「あるいはコレと…妹さんが加わって初めて動く仕掛けなのか?目的が見えねえし、用途も限定的過ぎる…が、もしそうなら」

中身に余分な機構…いや、なんなら妙な『傷跡』やら『マーク』というのも十分考えられる筈だ
『スタンド』が関わる以上は妙な先入観は捨て去るべきだ、勝ち目をあげる事にもつながる。

 「で、どうするんだ後輩?こいつを『バリケードにする』というのは悪くない案だと思うぜ」
 「なんなら運びやすいように『鎖』も巻き付けてやれる。……キャニスター含めても約300㎏の重量を加味すればそれでも大変だとは思うが。しないよりマシだ。」
 「向こうみたいに煙幕を張りながら乱戦に持ち込まれれば、俺達の勝ち目は限りなく低い。……上に引っかける部分があれば、そっちに逃げるのも考えたが。」

影の頭で監視を続けながら、本体の頭で内部機構を眼を皿のようにして探す。

 「…時間がありゃあ『ホームアローン』みたいにしてやるんだがな。もっとも、ありゃ凶悪過ぎるけどな」

迎撃を考えるなら直ぐに鉄球を補充した方がいい……鉄球2発に20cm、間の鎖を60cmと考えれば作成可能な『ボーラ』は10発くらいか。
両腕の『鎖』を伸ばしながら、可能な限りは20cmずつ使用しては切り離して『鉄球』を作る…目標は10m分を使用して50発。脳が二つあるとマルチタスクはやりやすくていい。

 (何故若草センセがまだ動けてるのかも…妙な話だが…共通点といえば…『香水』か?べっとり臭いはついたものな)
 (弦の内部機構が震えて、空気中に何かしらの臭気を拡散させる…いや、仮定が過ぎるな、置いておくか。)

776一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/07(水) 00:15:28
>>775
「『インダルジェンス』のパワーだと下側に移動させる前に氷山先輩が犠牲となりそうですから…」

「自分が下に降りて卓球台を盾に突っ込む戦車戦法の方が良さそうです。戦ってる間に朝山さんに取ってもらいます」

「もう片側から『5人』とか来そうですし、面攻撃で立てなくなるようにボコっちゃいます。『解呪』が私以外にも出来れば…『人面痣』を『無痛』の刃で斬ってるだけなんですよ…」

777朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/07(水) 19:14:18
>>772

 タタッ

「ザ・ハイヤー」
 
   「モーション・ボール  ――発射っス!」 ポンッ!

朝山は氷山の一番近くの『卓球台』へ走りつつ、そして迷う事なく
『エド・サンズ』へと、ザ・ハイヤーの『球体』を飛ばす!(ス精CC)

そして自身が卓球台に辿り着く頃合いには、エド・サンズに命中するだろう
氷山と、命中させたスタンドに告げる。

「あきあき先輩と、サンちゃん!!(※エド・サンズの事)
――押さずに、引いてから! また、押してるほうに叩きつけるっス!」

朝山は普段頭が良くない。その反面で、こう言った緊急時に対し機転は働ける。

複雑に考えた訳では無いが、このまま氷山がスタンドで産み出した梯子で
封鎖を試みるのは、残り一分保つかどうかだ。多分、自分が卓球台で
バリゲートを作る前に、間違いなく突破されるほうが高い。
十人もの質量では、間違いなく常人よりリミッターが外れていれば梯子を
壊すなり何なりされるだろう。……ならば。

「安心して欲しいっス! ――タイミングは絶対外さないっス」

叩きつける際に、自身のスタンド。『ザ・ハイヤー』の再分配で
エド・サンズが梯子で突破しようとしてくる卓球部員共々へ梯子で
叩きつける動作を『変動』し自身のスタンドの腕の動作を
とってもスローリィ(ス精EA)にし。叩きつけを神速(ス精AE)にする。

幾らノーコンであろうと、でかい梯子で、開けた入り口に叩きつける動作を
失敗するのは難しい。突破しようとする前衛の卓球部員達を衝撃で吹き飛ばし
時間を大きく稼ぐ事は出来る筈だ!

778『その夕立に雨傘を』:2020/10/07(水) 20:57:34
>>773(氷山)
一見すると『拮抗』する状況下で、『氷山』は三つの懸念に至る。
『四方梯子』に掻い潜れる隙間はなく、対スタンドの武器は論外だ。
『スタンド物質』である『四方梯子』に一般人の軍勢が対抗できているのは、
『エド・サンズ』が彼等を押し戻そうと『干渉』しているからに過ぎない。

――――だが、『三つ目』の懸念は今、現実になろうとしている。
力がじょじょに強まっていく。二人が並べるだけの狭い出入口のはずが、
彼等は『四方梯子』を押し戻そうと十全な膂力を発揮している。

>>774(一抹)
『朝陽』は疑念を抱く前に、鍵盤を僅かに押して『音』を出していた。
そこに至った『一抹』は『斑鳩』に伝え、ステージから降りる。

『足音』につられて卓球部員が飛び出すことはない。
仮にあったとしても、その光景は『粉煙』に遮られ、視認できないだろう。

>>775(斑鳩)
『鎖』をまとめて『鉄球』を作りながら、『ピアノ』を観察する。
『ピアノ』のハンマーが鈍く輝いている。――――これは『ブラックガラス』だ。
本来であれば『羊毛』と『木材』で構成されている部品となる。

>>777(朝山)

       ポンッ!!

『ザ・ハイヤー』が『球体』を飛ばすが、『氷山』には命中しない。
距離の遠さに加え、『粉煙』に囲まれた『氷山』に狙いが定まらない。

『卓球台』の前に到着する。

>ALL

    「お゙ぉ゙ リャあぁ!!!」

『粉煙』に単身突っ込んできた『若草』は、
前方にいるであろう『卓球部員』に『さすまた』を突っ込ませる。
瞬間、『エド・サンズ』の体勢が崩れ、押し込まれるままに『四方梯子』を弾かれた。
『ダメージフィードバック』により、『氷山』もその場に転倒する。

      ズラァァ――――

『四方梯子』が舞う勢いで『粉煙』が乱れ、『エド・サンズ』の視界が正体を捉える。
消火器ごと『四方梯子』を押していた『卓球部員』の背後から伸びるのは、
U字の切っ先を突き出した『さすまた』の群れだ。

     「あれは、『不審者対策講習』で使った――――」

全容を垣間見た『若草』が呆然と呟いた。
『さすまた』であれば狭いスペースから十全の力で押し込める。
それは『さすまた』を扱った者であれば、誰もが理解できる『利点』だ。

      ゴウゥ!   ブォンッ!!

『四方梯子』を弾かれた衝撃を受け、腰を抜かした『若草』。
粉煙が薄れる中、二人の卓球部員は『消火器』を『若草』目掛けて振り下ろす。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□□□□□□□□□□■
■□□□□斑□□□□□●□□□□□■
■□□□□□□●●□●□□□□□□■
───段──────────段───
■※□□□□□□□●□□□□□□□■
■氷[.梯子.]一□□□□□□□□□□□■
又消エ.※□□□□□□□□□□□□□扉
又消若※□□□□□□□□□□□□□扉
■□※□□□□□□□□□□□□□□■
■※□□□□□□□□□□朝□□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

779氷山『エド・サンズ』:2020/10/07(水) 21:37:34
>>777-778
「押さずに引いて・・・え? ええ?」

残念ながら白煙に阻まれてしまい助けの『球体』が届かなかった
仕方なく、改めて力を入れ直そうとするが・・・・

>    「お゙ぉ゙ リャあぁ!!!」

『・・・・・ッ!?』
         「若草先生、何をッ!?」

 バッシィィィィ―――――ッ!    ドサッ   「痛――――ッ」

拮抗していたパワーバランス・・・ギリギリまで注いだグラスから水が溢れるように、それが崩壊する
『エド・サンズ』が弾かれると同時に氷山自身もその場で転がり落ちる

『コイツハ・・・・ヤバイ状況ダゼェ・・・・・ッ』

『さすまた』はお前たちだけの専売特許ではないとばかりにずらりと並ぶ
ただの暴徒であればこちらも対応する事が出来た
だが、武器を持ち、統制を取った暴徒は・・・・・・・

    ――――それではまるで『軍隊』だ

(若草先生を守り・・・・彼らの攻撃を防ぎ、彼をもう一度押し戻す
 全部の行動を十全に達成するのは『無理』・・・・ですね)
                      「・・・・・私一人なら」

誰に頼り、何を行うべきか
方向性を定め・・・・・実行する!

「若草先生! 両手を前に!消火器に伸ばしてください!
 それと首領さん! さっきの『能力』・・・・もう一度お願いします!」

まずは二人に呼びかける
それと同時に『若草のさすまた』と『自分の四方梯子』は意志の速さで解除する
これからの行動の邪魔になるからだ

(首領さんの『能力』はよくわからないけど、たぶん『速くなる事』
 次の一手にはどうしても『速さ』が必要になります)

若草が両手を伸ばすと同時に『大捕物』で若草自身の手の中に『四方梯子』を発現させる
勿論、急にそんな物を出されたところで、連携が取れてない以上、若草は取り落とすだろう
だが、当然、『四方梯子』の用途は『武器』にするためではない

     「若草先生を守る!」

消火器が振り下ろされると同時に『四方梯子』を発現させる事で
『消火器』を阻む『防御』の役割を期待する
完全な防御は難しいかもしれないが、若草への致命傷を避ける事が出来れば御の字だ

『テメェラニハモウ一度引ッ込ンデモラウゼェェ!』

『四方梯子』が『消火器』を防いだ直後に、
隣にいる『エド・サンズ』がそれを両手で掴み、立ち上がって再び彼らを押し出したい パス精BCC
人並みのスピードではここまでの行動は難しいかもしれないが・・・・・『ザ・ハイヤー』のサポートに期待する

780朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/07(水) 21:52:04

『モーション・キャプチャー』(球体)は氷山に命中せず
壁などに透過して抜けて行った形? まだぎりぎり本体(朝山)の
見える視界にあるでしょうか?

氷山に一番近い卓球台に走る、と自身のレス内の行動で記入しましたが。
図で見る限り、朝山の立ち位置は氷山の付近の台と反対にいますが。
これは行動的に氷山に近い卓球台に走ろうとしてる段階の途中で
行動レス的に終わってしまったと言う認識で良いですか?

781一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/07(水) 22:09:24
>>778
「見えたッ! 若草先生は『さすまた』で防御して!
 二人は私が対処しますからッ! っオ”ラァ!」

今まさに若草先生へと消火器を叩きつけんとする二人組に『微塵』を投げる(パス精:BCA)
鎖分銅の部分を絡ませて二人を拘束したい。
『微塵』だけで無理ならば取り外した鎖分銅を残る一人の腹部に投擲。

「くっ、『人面痣』の処理が面倒臭いッ!
 ん? 臭い…香水の臭さが効くわけないか…」

拘束した二人の『人面痣』を『慈悲の刃』で処理。
弾かれた『梯子』、または氷山先輩が再発現するであろう『梯子』をスタンドに掴ませて『さすまた』の群れを押し返す。

「ぜぇっ…ぜぇっ…氷山さん『梯子』…ッ!」

有るなら呼び掛けは要らないが念のためだ。
あの群れを押し返せる大物は『梯子』のみ。
それを予測して行動する。

「斑鳩先輩ッ! 援護ください!」

スタンド使い二人と一般人には荷が重すぎる。
残る二人の援護が必要となるレベルの相手に持ちこたえるのは厳しい

782『その夕立に雨傘を』:2020/10/07(水) 22:18:08
>>780(朝山)
>『モーション・キャプチャー』(球体)は氷山に命中せず壁などに透過して抜けて行った形? 
>まだぎりぎり本体(朝山)の見える視界にあるでしょうか?

■※□□□□□□□●□□□□□□□■
■氷[.梯子.]一□□□□□□□□□□□■
又消エ.※○□□□□□□□□□□□□扉
又消若※↑□□□□□□□□□□□□扉
      現在、この位置にあります。

>氷山に一番近い卓球台に走る、と自身のレス内の行動で記入しましたが。
>図で見る限り、朝山の立ち位置は氷山の付近の台と反対にいますが。
>これは行動的に氷山に近い卓球台に走ろうとしてる段階の途中で
>行動レス的に終わってしまったと言う認識で良いですか?

“一番近くの『卓球台』に走る”と誤読してしまいましたが、
行動に掛かる時間として適切でもあるため、
『走っている途中』として、レスを入れてください。

783<削除>:<削除>
<削除>

784朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/07(水) 22:47:19
>>782(回答感謝)
>>778

タタタッッ!!

朝山は、走りつつ『ザ・ハイヤー』から再度『さすまた』を本体である
自分が受け取りながら。よく目を凝らして氷山達のいるほうを見る。

「――煙が晴れたッ! 見える! はっきりと!!」

 キィィン――ッ!

「そして……『私のすべき未来』もッ!! ッス!!!」

 『ザ・ハイヤー』 (ス精EA)

『ザ・ハイヤー』と『球体』はその『スピード』と『精密動作性』を、
任意に『変動』させることが出来る。
それ且つ、『精密動作性:A』となった『球体』は『ホーミング能力』を持ち
対象を……『追い続ける』!!

「うおおおおぉぉぉ!!!
サンズゥゥウウッ!!! 俺の最初の『希望』だぜーーー
受け取ってくれーーーーッ!! ッス!!!」

本体である朝山は、尚も『卓球台』。氷山の居る付近の台まで走る!

785斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/07(水) 22:55:49
>>778

 「……コイツか」

アクション部のハンマーは夜色のブラックガラスで構成されている
少なくともこれで構成されているピアノを見た事は無いし、それで作成した奴は相当の酔狂者だろう。

 「だが、どうすりゃいい?こいつを破壊して……戻るのか?」

これが『入口』だというなら、下手をすればこの妹さんが永遠に目覚めない事すらありうる
とはいえ現状も相応に切迫している……破壊して悪化しないという可能性はない

 (もしコレを俺が作ったとして、異常が発生し、これを原因と推理させた時…異常は隠すだろうな。)
 (それを態々隠さない……一度で目的は達成されるからか?あるいは、『破壊させる』ためか?)


そこまで考えた時、影の視界が動きを捉える
消火器が今まさに振り下ろされんという事態と、後輩の助けを呼ぶ声を


 「――射線を開けろ後輩ども!」


両腕の鎖を1mずつ、計2m伸ばしつつ回転させ、両手を手刀として照準の如くとし、振り返りざまに狙いを定め
足元に精製した大量の鉄球を、回転させた鎖の先端に『接続』遠心力を乗せて『分離』を繰り返す。

 (――まず10発。)

行使されるのは石器時代からの由緒正しい攻撃方法
銃が広まろうとなお廃れず、今でも誰かが使用する……その名は『投擲』。
射程20m、両腕での精度の悪さも、このスタンドの特性(精密動作B)と頭部が二つあれば分割行動として補える。

今や暴徒と化した操られた学友の胴・脚を狙い、鉄球10発を連続して(パス精CCB)投擲する。

786『その夕立に雨傘を』:2020/10/07(水) 23:30:47
>>779(氷山)
『四方梯子』を弾かれ、丸腰となった『エド・サンズ』。
その眼前では真っ赤な『消火器』が倒れた『若草』に振り落とされる。

>「若草先生! 両手を前に!消火器に伸ばしてください!

    「――――あ゙ぁ! ままよ!」

落とした『さすまた』を拾おうとした手を止め、
『若草』は命じられた通りに『両手』を伸ばす。

      ガァァンッ!!

            ――――バァンッ!

発現した『四方梯子』が『消火器』を防いだ。
『エド・サンズ』が『四方梯子』を受け取り、思いっきり押し込む。

>>781(一抹)

     ヒュ    ガッ!!

死角から飛ばした『微塵』は二人の『脇腹』へと命中した。
消火器を取り落とし、二人の卓球部員は苦悶の表情を浮かべる。
脇腹の骨がへし折れているのは、間違いないだろう。

二人に駆け寄り、『人面痣』を切り裂こうと刃を振るうが、
標的は後方に圧し戻され、巨大な『四方梯子』が邪魔をする。
――――だが、急な発現に対しての話であり、
『インダルジェンス』の精密動作性ならば、『梯子』の隙間から狙える。

>>784(朝山)
『超高速』で標的に球体を接近させ、『自動追尾』で確実に命中させる。
そうした『両取り』は出来なかった。『球体』の移動中、『変動』は起こせない。
(※『ザ・ハイヤー』の変動が『一動作ごと』なのと同様。)

『朝山』は全力疾走し、『卓球台』へと辿り着く。

>>785(斑鳩)
『不審点』は判明したが、事の仔細は解らない。
何が隠されているかは解らないが、現状の脅威は『ピアノ』ではない。
『悪霊』に憑依された『卓球部員』の暴動こそが、対処すべき相手だ。
目の前の事態に立ち向かわなければ、先へは進めない。

> 「――射線を開けろ後輩ども!」

  ヒュンヒュンヒュンヒュンッ

ステージの上からであれば『ロスト・アイデンティティ』は狙い撃てる。
だが、『鉄球』の投擲には『鎖』に十分な『回転力』を付ける必要がある。
現状の危機に対し、すぐさまには『投擲』には移れない。
また、両手を別々に使用する以上、その身ごと捩って『狙い』を付けなければならない。
細かな手の動きで狙いを定めるのは、現状の方法では出来ないだろう。

>ALL

   ダッダッダッダッ!!

『エド・サンズ』が仰け反り、『四方梯子』を受け取る間に、
『六人』の卓球部員が三々五々に講堂へと雪崩れ込む。
『三人』ずつの『さすまた使い』が二組、それぞれ『氷山』と『若草』を取り囲む。

   ドシュゥ!!

『三人』は『さすまた』を突き出し、『氷山』と『若草』を抑え込もうとする。

       パシュゥ――――

そして、狙いは定まらなかったが、放たれた『球体』は『エド・サンズ』に命中する。
いや、『氷山』の意思に反し、『エド・サンズ』が自ら動き、『球体』に触れたのだ。
『エド・サンズ』の周囲を『キャプチャボール』が取り囲んだ。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□□□□□□□□□□■
■□□□□斑□□□□□●□□□□□■
■□□□□□□●●□●□□□□□□■
───段──────────段───
■※又□□□□□□●□□□□□□□■
■氷又又□□□□□□□□□□□□□■
消梯エ一□□□□□□□□□□□□□扉
消子若※□□□□□□□□□□□□□扉
■又又□□□□□□□□□□□□□□■
■又□□□朝□□□□□□□□□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

787一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/08(木) 00:21:21
>>786
「氷山先輩ッ! 隙間から敵に攻撃できそう!」

隙間から押し戻された二人の『人面痣』を狙って『慈悲の刃』を差し込む。
脇腹の骨を折られた激痛に抗いながら『慈悲の刃』を避けるのは難しいはずだ。

「斑鳩ッ! 氷山先輩側の連中を頼みます!
 氷山先輩は『梯子』をください! 後方を死守するのでッ! 『微塵』は解除して大丈夫!」

「朝山さんは私の代わりに『梯子』を支えられますか!
 私の背後に若草先生は逃げて!」

孤立している若草先生、氷山先輩のどちらか守りが無い側に『インダルジェンス』と向かう。
『梯子』を発現してもらった後は『さすまた』部隊に突っ込む。
隙が有れば『人面痣』を狙いたいが両手が塞がってしまうだろう。
朝山さんの助力を待ちながら死守に徹する。

788氷山『エド・サンズ』:2020/10/08(木) 00:22:03
>>786

『アア、確カニ受ケ取ッタゼ!
 アリガトヨォ! 「首領」ォ!』

『エド・サンズ』が『キャプチャボール』を受け取り、周囲に『球』が展開する

(とはいえ・・・・首領さんの能力は単なるスピードアップではなさそうですね
 首領さんはさっき自分に能力を使ったみたいですけど、変なバランスの崩れ方をしてました
 スピードを上げる代わりに、バランス?か何かを失わせる能力?)

 『コノ「速度」デ決メテヤルゼ・・・・「四方梯子」ノ一撃ヲ・・・』
   「『さんずさん』! 梯子は離してください! 『体当たり』で攻撃を!」

       『・・・・・? ワカッタゼ!』

『エド・サンズ』に提案し、梯子を両手から離す
そして、『さすまた』による敵の攻撃にタイミングを合わせるように、
敵集団の真ん中に向けて、大きく手を横に伸ばしながら体当たりする

『ザ・ハイヤー』の能力が加われば、道具を使えなくなる可能性がある
それを見越して、シンプルな突撃で敵の攻撃を滅茶苦茶にするのが狙いだ

(時間を稼げば、後は一抹くんや斑鳩先輩がどうにかしてくれるはず)

あえて声を出して『エド・サンズ』に提案した狙いはもう一つ
『四方梯子』を落とす事を宣言する事で、『インダルジェンス』が梯子の隙間を狙いやすくする事だ
いくら『インダルジェンス』が精密に動けるとはいえ、予期せぬ動きをすれば狙いがズレる可能性もある
不確定要素はなるべく除去しておきたい

(若草先生の救援には・・・・一手足りないか・・・・
 ごめんなさい、若草先生・・・・!)

現在の捕具(3/5):四方梯子(氷山)、微塵(一抹)、さすまた(朝山)

789氷山『エド・サンズ』:2020/10/08(木) 00:26:55
>>788
一連の動作の際、本体は一抹の方へ視界を向けておく
そして、一抹が消火器学生二人を無力化した直後に
『一抹の微塵』の解除と『大捕物』による一抹の手元への『3m四方梯子』の発現を行いたい

790斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/08(木) 00:51:10
>>786

 (12345……6人か 4人足りない。何処だ?まあいい、入口は二つしかない。)

四つ足が敵に向き直り、両腕は纏う鎖を唸りをあげる狼の如く回し続ける。

 「『モーターのコイルも充分温まった』…骨の2、3本は勘弁して貰うかねぇ」

とっくの昔に狙いはついた、残弾も充分。後は引き金を引くだけだ。
僕らにはこれができる、どれだけ仲が良かろうと、かつての友人だろうと。大事なのは一つだけだから。

回す鎖に接続するのは微かにだろうと触れれば繋げるスタンドの特性上容易い事
右腕の狙いを眼前手前の三名に20発分を機関砲の如く投擲する。(パス精CCB)

 「――お前も!」

左腕の狙いを奥の三名からさらに左上空へ。10発分(パス精CCB)
遠心力をかけて放たれた鉄球を、その回転力でフックの如く捻じ曲げ
投げた鉄球表面を僅かに切り離して形状を変え、更にその軌道を捻じ曲げる。

左上から右下へ振り下ろすように、或いは鳥の群れの如く捻じ曲がる10発。
威力は相応に劣るが、牽制にはなろう。

 (足元の残り……20発。)

791朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/08(木) 18:57:40
>>786

>朝山さんは私の代わりに『梯子』を支えられますか!

「えっ! 卓球台じゃなくて梯子っスか!? わかったっス!」

忙しいっス! 忙しいっス!! と叫びつつ、いちまっつんの助力へ
向かうっス!

>『さんずさん』! 梯子は離してください! 『体当たり』で攻撃を!

「ほい、きたっス!! タイミングは任せろっス!!!」

いちまっつんに、駆け寄りつつ。あきあき先輩とサンちゃん(エド・サンズ)に
目は離さない!!

『エド・サンズ』が『体当たり』へ移行すると同時に。

キィーッン!!

『ザ・ハイヤー』の片腕の動作を物凄いスローリィ!(ス精EA)

これによって、『エド・サンズ』の体当たりは超高速の威力となる!

「名付けて! ハイヤー・エド・キャノンッ(パス精BAE)!!! っス!」

792『その夕立に雨傘を』:2020/10/08(木) 21:34:31
>>787(一抹)

     ドシュシュッ!!

『四方梯子』の隙間から二連突きを放ち、
『人面痣』を切り裂き、瞬く間に二人は倒れ伏す。

返す刀で救援へ向かう。――――どちらに?
咄嗟の判断を要するが、『氷山』に群がる卓球部員を狙って、
『斑鳩』が『投擲』を放つのが確認できた。『若草』の下へ駆ける。

>>788(氷山)
>>790(朝山)
『エド・サンズ』は両腕を大きく広げ、
さながら『ダブルラリアット』のように前方へ突貫する。

>「名付けて! ハイヤー・エド・キャノンッ(パス精BAE)!!! っス!」

      ゴ ギャォォォンンン!!!!

密集した『卓球部員』達はさすまたを構えるも、『蟷螂の斧』でしかない。
『全力』の体当たりは卓球部員の三人を吹っ飛ばし、壁や床に激突する。
さすまたが緩衝材となり、辛うじて『致命傷』には至らなかったが、
ショックでまともに身体が動かない。頭から血を流している者もいる。

いずれにせよ、彼等は『戦闘不能』だ……。
ステージの段壁に『エド・サンズ』が激突し、収納扉が大破している。
巻き込まれたのは『卓球部員』だけでなく、『朝山』が手にする『四方梯子』もだ。
『エド・サンズ』の手により破壊され、強制解除される。

>>790(斑鳩)

       ドスッ    ビスッ!

軌道を捻じ曲げる程の『形状変化』を行えるほど、
『鎖』の脱着は自在ではない。だが、この場では曲射は不要だった。
放った数発が卓球部員に命中し、その一帯を『エド・サンズ』が薙ぎ払った。

>ALL

       ガスッ!
               ゴグググッ!!

     「ゔぁぁ、ぐっ……ゲハッ  ァ、がぁ」

『一抹』が駆け付けるが、『若草』は既に引き倒され、
その喉をさすまたで押さえ付けられ、『斑鳩』のように鬱血させている。
追い討ちとばかりに、さすまたの柄部が『若草』の鳩尾に突き刺さる。

     ゴスッ
             「ぐぁ、は、な…じ」

まるで『パッション』のメル・ギブソンの如き『凄惨』な表情を刻み、
『若草』は断末魔を上げることさえ許されず、生徒の拷問を受けている。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
■□□└─┘□□□□□□□□□□□■
■□□□□斑□□□□□●□□□□□■
■□□□□□□●●□●□□□□□□■
──―段──────────段───
■●エ.□●□□□□●□□□□□□□■
■氷□●□□□□□□□□□□□□□■
●□□朝□□□□□□□□□□□□□扉
●□若一□□□□□□□□□□□□□扉
■又又又□□□□□□□□□□□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□台台台□□□□台台台□□□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□■

793『その夕立に雨傘を』:2020/10/08(木) 21:36:01
>>792
×まるで『パッション』のメル・ギブソンの如き『凄惨』な表情を刻み、

〇まるでメル・ギブソンの『パッション』の如き『凄惨』な表情を刻み、

794一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/08(木) 21:50:06
>>792
質問です。
『四方梯子』は手元に発現されましたか?

795『その夕立に雨傘を』:2020/10/08(木) 22:05:03
>>794
GMの描写漏れです。発現されました。

796氷山『エド・サンズ』:2020/10/08(木) 22:08:20
>>792

「フッ・・・・フフフ! 見ましたか!? これが『さんずさん』と首領さんの合体技!
 『ハイヤー・エド・キャノン』ッ! ですが・・・・」

吹っ飛ばした卓球部員3人に視線を向ける
軽自動車が衝突したような惨事に一瞬言葉を失う
予想よりもずっとずっと凄惨な光景だ・・・・命を奪わずに済んだのは幸運だろう

「う・・・・ごめんなさい」

『・・・・生身ノ人間ニ対シテアマリヤリタクネェ「必殺技」ダナ
 ソレヨリモ・・・・・「若草」ノ奴ヲ助ケナキャアヤベエゾ!』

            「そうでした!」

  「首領さん!もう大丈夫です、『スピードアップ』を止めてください!」

朝山に呼びかけて、能力の解除を提案する
能力の解除が確認され次第、『エド・サンズ』の手元に再度『さすまた』を発現し、
若草に殺到する生徒のうち、壁側の生徒から順番に突き倒していきたい パス精BCC

(若草先生・・・・最初はあなたの事が鬱陶しくて嫌いだったんですけど・・・・
 あなたのその、土壇場での度胸と生徒思いなところ・・・・結構尊敬したんですよ
 だから・・・・・)

      「こんなところで死なないでください!若草先生!」


現在の捕具(3/5):四方梯子(一抹)、さすまた(朝山)、さすまた(エド)

797一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/08(木) 22:23:10
>>792
「っ”オオ”リ”ャァァーーーッ!!」

リンチ中の生徒三人に怒号を浴びせながら『梯子』を盾に突進する(パス精:BCA)
散開すれば『梯子』を交わせるが背後の朝山さんに攻撃され、受け止めるには密集するしかない。

「朝山さん! こいつらが避けたらよろしく! 」

「拮抗に持ち込めた場合は代わりに持ち上げて!」

距離が近いために『梯子』を振り回すと隙が生じてしまう。
なるべく壁際に追い込みたいが三人に一人では負けてしまう可能性がある。
朝山さんのスタンドと力を合わせたいところだが…

798斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/08(木) 22:49:13
>>792

「……娯楽は兎も角、リアル『スプラッター』はあまり趣味じゃねえんだよな。」

見える限りでは残り3、弾数の残りは20発
増援の気配は無く、敵は20m以内にいる。この状況で攻撃を止める理由は無い。

 (一応、射線内で漏れがいたら追撃しておくか……早々無いと思うが。)

右腕の回転を維持し、10発分を続けて一抹達を避けて残りのさすまた持ちに投擲する(パス精CCB)
若草相手に専念しているなら回避も防御もし難いだろう。

左手は回転を停止、胴の鎖を伸ばして残弾の5m分の『鉄球』を補充する。

799朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/08(木) 22:58:11
>>792

>首領さん!もう大丈夫です、『スピードアップ』を止めてください!

>朝山さん! こいつらが避けたらよろしく!

「ふぃ〜〜〜!!! きりがないっス!! 万事解決したら
とりあえずオムライスターとバニラチョコスムージーを奢って貰うっスからね!」

言われた通りに『エド・サンズ』への『再分配』は解除。
『さすまた』を『ザ・ハイヤー』に持たせて。いちまっつんの攻撃の余波とか
卓球部員の動向に気を付けつつ、いちまっつんの言われた通りに
卓球部員が回避したら、とりあえず一番目に付く生徒へと『ザ・ハイヤー』の
『さすまた』突きで転倒させる事にするっス!!

「そー言えば、あさひー先輩は大丈夫なんスかね」

余裕があるなら、ピアノのほうを一瞥したいっス。

800『その夕立に雨傘を』:2020/10/08(木) 23:35:33
>>796(氷山)
>>799(朝山)
『鬼手仏心』。止む無き行為と解っていながら、
『氷山』は心を痛める。その優しさは言葉になって現れる。

>      「こんなところで死なないでください!若草先生!」

   「ぁ、ぐ――――」

助けを求めるように、『若草』の虚ろな目は『氷山』へ流れた。
だが、その視線に覇気が籠る。生の輝きが両の目に宿った。

    ググググ

   「『声楽』で、鍛えた『肺活量』――――」

       グオォッ!!

   「な゙ め ン じゃァ ないわよ゙ォ!!」

     ――――ドシュゥッ!!!

『若草』は死力を振り絞り、首を制する『さすまた』を押し返した。
体勢を崩した卓球部員の一人に、『氷山』と『朝山』のさすまたが突き放たれる。
胸部と膝裏をさすまたで挟まれた卓球部員は、滑るように転倒する。

>>797(一抹)

       ドォォンッ!!

『さすまた』を構える卓球部員の二人を、『四方梯子』で圧し飛ばす。
二人は『さすまた』を取りこぼし、その場に転倒する。
これより先、『捕具』は要らない。――――『慈悲の刃』が怜悧に輝いた。

>>798(斑鳩)

    ドヒュッ   ドシュッ!!

次々に倒れ伏す『卓球部員』に『投擲』の追い討ちを掛ける。
全体を『俯瞰』出来る位置取りにある『斑鳩』は、
『消火粉』を散布した二人の卓球部員へ視線が向く。

      スチャッ

『アーチェリー』を構えた二人の『真打』が現れる。
その矢先は『一抹』と『氷山』を真っすぐに狙っている。
乱戦の最中、他の三人は死角からの危機に気付いていない。

弓を構えた『斑鳩』の同級生が、かつては『アーチェリー部』に所属していたと、
何かの折に聞いたことがあるが、――――それを回想するよりも早く、

        キラッ

付属する『レーザーポインター』の赤い光が『一抹』と『氷山』を照らした。

□■■■■■■■■■■■■■■■■■■
□■□□□□□□□□□□□□□□□□■
□■□□┌─┐□□□□□□□□□□□■
□■□陽│  │□□□□□□□□□□□■
□■□□└─┘□□□□□□□□□□□■
□■□□□□斑□□□□□●□□□□□■
□■□□□□□□●●□●□□□□□□■
□──―段──────────段───
□■●□□●□□□□●□□□□□□□■
□■□□●□□□□□□□□□□□□□■
弓●□□氷□□□□□□□□□□□□□扉
弓●□若又朝□□□□□□□□□□□□扉
□■□一□□□□□□□□□□□□□□■
□■□□□□□□□□□□□□□□□□■
☆■又又□台台台□□□□台台台□□□■
□■□□□台台台□□□□台台台□□□■
□■□□□□□□□□□□□□□□□□■

801斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/09(金) 00:02:30
>>800

(……ッ!)

――残弾10発。補充した5m分は25発。
気づいているのは僕だけ。

 残弾10。片方の回転は補充の為に止めてしまった。矢か?敵か?

 『――上だ!』 

 叫ぶ。

左手の補充を中止し、手首の1m分を回転開始。
2発をそれぞれ弓手に投擲(パス精CCB)し、8発と補充した限りを矢の射線に。残弾無し。

切り離した鎖は伸縮は出来ない、ただし消滅させることはできる。

 (直撃だけは避けなくてはならない、僅かでも時間を作り、逸らせば良い!)

X.Y.Z軸に沿って鉄球を構成する鎖を消滅させ、鉄球を『8分割』
鎖の散弾として矢の射線上にばら撒く(パス精密CCB)

802氷山『エド・サンズ』:2020/10/09(金) 00:11:19
>>800

 「―――――先生ッ!?」

        『ヤルジャアネエカ!』

流石は若草先生だ、そんな思いが脳裏を駆ける
先生が見せた『ガッツ』に応えるように卓球部員達を突き、制圧した

「これで残るはあと二人・・・・」

用具室に入った卓球部員は10人
消火器を持つ2人、さすまたを持つ6人、あと2人が用具室に残っているはず
『レーザーポインター』で狙われている事に気づかず、
残りの『2人』の索敵のために用具室へ向かう扉へと視線を向けた

803一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/09(金) 00:33:19
>>800
「ハァ…ハァ…お前たち『悪霊』に『慈悲』しか与えてやれないことが無念だ…ッ!」

この世の者ではない『悪霊』は『慈悲の刃』で苦痛もなく何処かに消え去る。
その無責任な在り方に激怒しつつも『梯子』を置いて残る二人の処理に向かう。

>『――上だ!』

「頭に血が上ってて忘れてたッ! 上? ど、何処?」

二人の始末に向かう途中で聞こえた斑鳩先輩の警告。
即座にしゃがんで上と背後などの死角に視線を向けて敵の姿を探す。
敵の姿と攻撃を確認できたらスタンドに防がせる。

「斑鳩先輩の立ち位置的に敵は真上か、私の背後ッ!
 何が来た…? 何を持ってきた!?」

804朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/09(金) 17:20:32
>>800

「ふぅーっス! あらかた片付けたと思うんスけど
まだ、何か物凄く早くなりたかったら声を上げて欲しいっス!
まだモーション・キャプチャーは四回使えるっスからね!」

30秒経過すれば、モーション・キャプチャー(球体)も充填だ。
それでも敵が新たに出没しないとも限らない。

>801

「んっ!!? まだどっかに隠れてるっスか!?」

いかるん先輩の言葉に、辺りをキョロキョロ見回して襲ってくる奴が
いないか確認するっス。全方位を見渡してみるっス!!

805『その夕立に雨傘を』:2020/10/09(金) 19:22:17
>>801(斑鳩)

     ヒュンッ!!
             ヒュンッ!!

『アーチェリー』の威力に対し、『散弾』の質量は明らかに心許ない。
だが、矢の軌道前に『散弾』をバラ撒き、何とか矢を反らそうとする。

      カッ
            シュッ!!!

矢は放たれた。『斑鳩』の動体視力では、逸れたかどうかは解らない。

>>803(一抹)
>>804(朝山)

>『――上だ!』

    ドシュッ!!

『上』と叫んだ『斑鳩』の叫びを聴き、二人は周囲を探す。
だが、『天井』には誰もいない。振り向こうとした時、

     ガッ!
              ドスッ!

『朝山』の脹脛、『斑鳩』の肩口に『矢』が突き刺さる。
『十人』の出入りしていた通用口の奥、そこに弓を構えた『卓球部員』がいた。
レーザーポインターが輝き、二人の『眉間』に赤い光点を映し出す。

>>802(氷山)
用具室に向かった残り二人、その動向を探るべく視線を向ける。
瞬間、飛来物が『氷山』の頬を掠め、『朝山』と『一抹』に突き刺さった。

弓を構えていたのは『氷山』のクラスメイトだ。
彼がかつて『アーチェリー部』に所属していたと、
『氷山』が思い返すと同時に、『若草』の絶叫が響いた。

     「イ、イヤアアアアァァァァ――――!!」

>ALL
追撃によって息の根を止めようと、二人が矢を番えた時だ。

     「『デ・ラ・ソウル』ッ!」

     シュカッ!

扉の影からヴィジョンの右腕が突き出し、
掌底から伸びる『極針』が『卓球部員』の首筋に突き刺さる。
『出血』はない。だが、その『極針』が光り輝き、

     バビビビビビビッ!!

『電流』だ。並んだ二人を丸ごと突き刺した『極針』から、
スパークするように『火花』が散り、二人はその場に倒れ込む。

     「間に合わなかったか……。
      君達、『矢』は抜くなッ 出血がひどくなる!」

倒れた卓球部員を跨ぎ、一人の男が現れる。
頭骨や頬骨の目立つ長身の男。首にはストールが巻かれている。
『講堂』の惨状を目の当たりにし、『朝山』と『一抹』へ荒げた声を掛ける。

806朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/09(金) 19:51:15
すみません、私の勘違いと言うか勘括りでしたら申し訳ないですが。
レス返信で、一抹PCと自分への返信で『斑鳩』の肩口に矢が刺さる
描写が生じされるのって、もしかして『一抹』の肩口の誤記なのか? と
思った次第で確認させて頂きました。
 立ち位置の構図的にも、ステージの方面の斑鳩PCが矢に全く気付かなかったと
言うのも、少し可笑しいと思ったので。

807『その夕立に雨傘を』:2020/10/09(金) 19:57:04
>>806
ご指摘の通り、
×斑鳩
〇一抹 の誤記です。

808氷山『エド・サンズ』:2020/10/09(金) 20:37:30
>>805

「一抹くん! 首領さん!?
 ど、どうしよう・・・・油断したせいで・・・あの『2人』の事を見落としていたせいで・・・ッ!」

『クラスメイト』の凶行に対して、怒りはない、
ただ・・・・年少の二人が傷ついてしまった事への後悔が・・・・

     『「ボケ」ットスンジャネエゾ!あきはァ!
       状況ヲ確認シヤガレ! マダ「危機」ハ去ッチャアイネエンダ!』


『エド・サンズ』の言葉で我を取り戻す
『新手のスタンド使い』の出現 そして、倒れ伏す15人の『敵』達・・・・

「貴方は誰です!? 傷ついた二人の事をお願いしてもいいんですか!?」

闖入者に対して誰何する
それと同時に、自分自身は『捕縛縄』を出来る限り長い長さで発現させ、
地面に倒れる『卓球部員』達の手を連続的に縛り上げていく

現在の捕具(4/5):捕縛縄(エド)、四方梯子(一抹)、さすまた(朝山)、さすまた(エド)

809朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/09(金) 21:44:11
>>805

 ドシュッ!

「え?」

一瞬、何が起きたかわからぬものの、自分の脹脛に刺さる短い棒と矢じり
 そして燃えるような熱と痛みが足を襲い転倒する。

「……ぃ……たぃ……っス」

つぐつぐ『足の怪我』に縁がある。辻蹴りの時にも包帯を巻くような
怪我をしたと(※刺さった足の部位は任意で決めていい?)その部分を
見つつぼんやりと考える。

「ぐぅぅ……痛いけど……パワフルっス」

懸命に足の痛みを堪えて再度立ち上がる。そして、突然現れた
謎の不審人物に目を凝らす。

810一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/09(金) 22:21:14
>>805
「イギッ!? や、ヤバいッッ!」

自分の眉間を確実に射ろうとする生徒の姿に歯軋りする。
が、間一髪で新手のスタンド使いに助けられたようだ。
『電流』を見てタカの存在が脳裏に浮かぶも本体らしき男性の姿を見ることで安堵する。

「いえいえ、最高のタイミングですよ!
 射殺されるところだった! 少し怖かった!」

「じゃ、お前たちは負けね。二度と現世に面を見せられないようにしてやるッ!」

そろそろ立ち上がってくるであろう残りの生徒二人に近づき、『慈悲の刃』で『人面痣』を斬りつける。
抗うなら力任せに床へ叩きつけて片方を踏みながら空いた手で残りを『解呪』しよう。

「私より若草先生と朝山さんの傷が深いんじゃないですか!?」

「若草先生は歳ですし、朝山さんは首領ですから」

実際は冷や汗が止まらないほど痛いが若草先生と氷山先輩に微笑んで誤魔化す。
若草先生が『さすまた』で拘束していた最後の一人を『解呪』するために三人の居る方向へと戻る。
ついでに生存報告の代わりに斑鳩先輩へと手を振る。

811斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/09(金) 23:17:55
>>805

「――新手?」

既に起きている敵はいない
恐らく正気はある相手だろうが……

「ったく、今日だけで何度驚きゃいい物か……!」

完全に味方であるという証拠も無い、朝暘さんのほうの無事を確認しよう。

812『その夕立に雨傘を』:2020/10/10(土) 00:01:07
>>808(氷山)
>「貴方は誰です!? 傷ついた二人の事をお願いしてもいいんですか!?」

    「治療の宛てを探してるなら、役には立てないよ。
     『デ・ラ・ソウル』が出来るのは、『神経伝達物質』を流して、
     一時的に『意識』を保つくらいだ。『止血』くらいなら出来るが……」

       ビリリ

『ストールの男』は残念そうに肩を竦め、首に掛けた『ストール』を外す。
そして、『デ・ラ・ソウル』のパワーによって、真っ二つに切り裂いた。

    「とにかく、まずは『保健室』に行こう。
     あの二人を、見たところ君も相当『疲弊』している」

    「この惨状を見れば解る。――――最前線で闘ったのは君だね。
     そして、気絶した生徒の拘束。現状が最も理解できているのも君だ」

男は講堂内に視線を一瞥させ、穏やかな口振りで『氷山』に話しかける。

>>809(朝山)
『右脹脛』に焼けるような激痛を覚えながら、何とか立ち上がる。
『脹脛』からはじわりと鮮血が溢れ始め、ソックスを赤く染めていく。

    「無理に立たなくてもいい。
     ――――まずは『治療』が先だ」

男は『朝山』に『ストール』を持った手を差し出した。
頭骨の目立つ大陸系の輪郭に、目元の優しい『甘いマスク』をしている。

    「太腿を縛って、『止血』しよう。
     ――――警戒するのは解るが、言うことを聞いてくれるかい?」

『デ・ラ・ソウル』を解除した男は、立膝を着いて『朝山』の『治療』に当たろうとする。

>>810(一抹)
矢の突き刺さった『左肩口』が激痛に焙られていく。
倒れた『卓球部員』の『人面痣』を斬り、『悪霊』を祓った。

    『WOOOOOOOBOOOOO!!!』

    「『人面痣』が……消えていく……?」

現状の光景に『ストールの男』は驚きを隠せないようだ。

>>811(斑鳩)
『朝陽』の様子を確認するが、先程と変わりはない。
『一抹』は左肩口を、『朝山』は右脹脛を刺されている。
最前列に立った『氷山』は疲弊の色が見え、『若草』は床に倒れ込んだままだ。

>ALL
『四人』の内、誰もが『ストールの男』と面識はなかった。
――――いや、一人だけ『例外』がいた。

    「申し遅れました。ボクは『キム・クァンガン』。
     単刀直入に聴こう。『鉄朝陽』というのは、誰かな?」

    「……長い黒髪と聞いていたが、君達二人は違うようだね」

その名を耳にした時、映画に詳しい『斑鳩』はピンと来た。
『青龍映画賞』で『主演男優賞』、『助演男優賞』にノミネートされながら、
その栄光を掴む前に業界を去った『俳優』だ。
洋画にも『日本人役』として何作か出演している。

    「スタンド使いの君達になら、話しておかなければならない。
     ――――彼女は現在、あるスタンド使いに狙われている。
     勇気あるスタンド使いの二人が、その男を追っているが、
     二人は『消息』を断った。――――『妹』の為に、その身を投げ出した……」

    「『朝陽』さん、『一抹』君! 気を確かにね!

     ――――ああ、どうか死なないで! 神様ァ……!」

『若草』は矢が刺さった二人の心配をしている。
よろよろと立ち上がり、『一抹』の『矢』を引き抜こうとする。

813斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/10(土) 00:29:15
>>812

妹さんを助け起こそうとはしてみるが、あれだけの騒動があっても気絶したままだ
息はある物だと考えても、このまま眠り姫と変わりそうにねぇ。

 「…………。」
 
 「参ったな。鉄君に何て言えばいいのだろう。」

キスしたら起きるかもしれねぇが、残念だが王子役のキャストが不在ときた
ディズニーオペラの如く歌いながら現れても構わねえぞ俺ァ

そんな事を考えていたら、あの『スタンガンマン』が妙な事を言い出した。

 「――クァンガン? あの俳優キム・クァンガン?」

ちょいと俳優の方に目を向けられる奴ならその名前は覚えがある筈だ
『青龍映画賞』…その『主演男優賞』、『助演男優賞』双方にノミネートされ、そしてその栄光を
(何方か、あるいは両方が確実だと噂されていた あくまでも噂だが)
ど ぶ に捨てた男。こいつが留まってりゃあ『あの作品』はあんな顔が良いだけの馬の骨がやらずに済んだろうに。

……まああの洋画で『日本人役』で出た事はムカツクが、それは今の日本人役者が英語の出来ない大根しかいないからだ。

ただ、それとこの男が信用できます等という保証には繋がらない。
でもどさくさ紛れにサイン貰えねぇかな、等と考えてた時、もっととんでもない事を口にした。

 「待て! ……待て、キム・クァンガン。今、『妹の為にその身を投げ出した』って言ったか……?」

その言い方じゃあ、まるで……そう、まるで…。

 「『鉄 朝暘』は此処にいるが……!」


 頼むから。

          ソノミヲナゲダシタ
 「『鉄 夕立』が『消息を絶った』って言ってるのか!アンタは!」

 ――違うと言ってくれ。

814氷山『エド・サンズ』:2020/10/10(土) 01:11:02
>>812-813

 「は、はぁ・・・・? キム・クァンガンさん?
  斑鳩先輩は知っているんですね?」

疲れた身体を酷使して、『捕縛縄』で気絶した卓球部員達を縛り上げながら生返事を返す
能力で出した『縄』ではいずれ消えてしまうから、後でちゃんとした縄で縛りなおそう
一度、『エド・サンズ』は引っ込めて敵意のない事を示す

(キム・クァンガン・・・・キム・クァンガン・・・・?
 うーん、洋画とかは、家ではお父さんしか見ないからなあ・・・)

邦画以外の俳優はそれほど詳しくはない
そのため、俳優らしいこの男に対して、若干の訝しげな視線を向ける
何故、こんな日本の学校に『俳優』が?という疑問だ

――――だが、そんな事よりも

「そうだ! 一抹くん、首領さん! 早く治療をしないと」

一瞬、『119番』に連絡しようかと思うが、止める
何が原因で彼らに『悪霊』が憑いたかわからない以上、
この場に多くの人を呼び込むのは危険な気がしたからだ

「すいません、若草先生、ちょっとだけどいていてください」

若草の行いに、ちょっとだけひやっとさせられるが、
一抹から遠ざけるように手で距離を取らせる

そして、もう一つ『捕縛縄』を発現し、傷口よりも心臓に近い方を縛ろうとするが・・・

   (・・・・・あれ? え、えーっと・・・・映画とかだとこれをこう巻いて・・・・ん?)

「す、すいませーん・・・キムさん
 『止血』ってどうすればいいかわかります?」

応急手当の方法がわからない
仕方ないので、『縄』だけを残し、疲れた身体を床に横たえる
流石に全開で『スタンド』を行使したのだ、肉体以上に精神が疲労している

>「『鉄 夕立』が『消息を絶った』って言ってるのか!アンタは!」

隣では今回の事件に関係のある事柄について会話が進んでいる
鉄先生が狙われている事、スタンド使い2人が行方不明な事・・・・そして

(『鉄 夕立』・・・・確か、鉄先生のお兄さんの)

815一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/10(土) 01:47:42
>>812
「いっ…いた…痛いっ…矢を抜くと血が出るから…」

矢を引っこ抜こうとする若草先生を『インダルジェンス』で押し止める。
『悪霊』が若草先生に憑依しなかった理由が気になるけど傷の手当ての方が先だ。

「私達のために戦ってくれてありがとうございます。
 教育者というより一人の人間として立派でしたよ」

「しかし、若草先生を守りきれませんでした。
 ごめんなさい…若草先生…」

慣れっこの自分が傷つくのは構わないが若草先生を危機に晒したのは自分の判断ミス。
近接特化らしく前線に素早く飛び込むのが遅すぎた。

「気絶したりすると消えるモノなんでしょうか?
 無茶苦茶タフだから私は『人面痣』を斬って『解呪』
 してましたが…」

この『人面痣』を知っている男性は何者だろうか?
敵ではない感じだし、鉄先輩の現状も知っている。
宗像さんから聞いた町の裏側に潜む組織の一員かもしれない。

「もしかして、鉄先輩たちは夢の世界に?
 この『人面痣』を宿したスタンド使いは夢の世界
 で襲ってきたから元凶はそっちに居そうです」

「夢は『魂』を再構成する儀式。世界と『自己』の狭間
 毎夜、これを経て『魂』は生まれ変わる…とか。
『魂』を司るスタンドが存在するなら、それは『夢』
 や『眠り』によって働きかけるだろうとも…」

「これを仕組んだスタンド使いも、そういった奴なんじゃないかな、と」

助けてくれたが深く信用するのも駄目だ。
宗像さんから聞いた話によると複雑な組織らしいので本当に信用して良いのか悩む。

816朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/10(土) 21:23:43
>>812

>無理に立たなくてもいい

「わかったっス、お願いするっス・・・」

言われた通りに足を投げ出して座りなおすっス。
足がズキズキするっス……痛くてパワフルになれないっス。

しょんぼりした顔で皆の話を聞いてたら、聞き捨てならない単語が
飛び出てきたっス。

「『キム・クァンガン』・・・?
――えっ!!!?? あの韓流サスペンスアクション映画
デドン監督が手掛けた作品の主役だった、キム・クァンガンっスか!?

う わーーーーーーーっス!!!! 凄いっス!!! 本物大スターっス!
自分、あの映画大好きなんっス!!! 握手して欲しいっス!
サイン・・・あっ、いま手元に色紙ないから上着に佐生ちゃんへって
ペンか何かでサインして欲しいっ!!」 ピョンッ! ピョンッ!!

――ズキッッ!!!

「っぎゃぁぁぁあああああ〜〜〜っス!!!!」ごろごろっ!!!

足に矢が突き刺さってるのに関わらず、大スターに会えた感激で
忠告を聞かず興奮しつつ立ち上がって跳ねた事により痛みが増して
朝山は七転八倒とばかりに再度地面に転がる。
 とにもかくにもパワフルさは戻った。

817『その夕立に雨傘を』:2020/10/10(土) 21:47:59
>>813(斑鳩)
>          ソノミヲナゲダシタ
> 「『鉄 夕立』が『消息を絶った』って言ってるのか!アンタは!」

    「君は『夕立』君の友人か。
     ――――酷な話だが、その通りだ」

    「彼が何処に消えたかは解らない。
     ……だが、今は彼女の『保護』が先だ」

『クァンガン』は『斑鳩』を慮ってか、静かに事態を告げる。

>>814(氷山)
>「す、すいませーん・・・キムさん
 『止血』ってどうすればいいかわかります?」

    「彼の負傷部位なら、腋下の動脈を締め付けた方がいいよ。
     ――――ちょっと待ってて、すぐに彼の手当をするから」

『クァンガン』は『心臓』より下部の負傷をした『朝山』を優先したようだ。
『矢』を抜こうとする『若草』を、『氷山』は手で制そうとするが――――

>>815(一抹)
>「しかし、若草先生を守りきれませんでした。
> ごめんなさい…若草先生…」

    「何を言って、謝るのは私の方よ。
     こんなのが刺さって、痛かったでしょうね……」

『若草』は目に涙を浮かべながら、『矢』を引き抜こうとする。
それを『インダルジェンス』で押し留めようとするが――――

>>816(朝山)
>「っぎゃぁぁぁあああああ〜〜〜っス!!!!」ごろごろっ!!!

    「ハハハッ、その元気があれば大丈夫だ。
     『サイン』はまた後で。ほらっ、じっとしてて」

    ギュッ

『クァンガン』は苦笑をし、『ストール』を『朝山』の太腿に巻き付ける。

>ALL

    「矢を抜いたらいけないのは解っているわ。
     ――――けれど、これが最善だって」

      ヒュッ

    「私の『心』が歌っているのよ……」

己の成す行為に違和感を覚えながら『若草』は手を伸ばした。
『エド・サンズ』よりも『インダルジェンス』よりも早く。

    ズズズズズズ・・・
                 ブシュッ

その右腕には頑強な『ガントレット』が嵌められている。
人を超えたスピードで『矢』を引き抜き、『一抹』の肩口から出血が噴き出る。

    グシャリッ
             ボド ドッ

抜いた矢が握り潰され、『一抹』の肩にドロリとした液体が降り注ぐ。
肩のキズが癒える。様子を見ていた『クァンガン』は大口を開ける。

    「彼女は、元々の『スタンド使い』……?
     いや、事態を把握できていない。たった今、目覚めた……?」

    「彼女には『悪霊』との親和性があった。
      『才能』があったというわけだ。――――『運』が良かったことに」

倒れ伏した『卓球部員』達を一瞥し、『クァンガン』は手を上げて『若草』を呼ぶ。
同じ方法で『朝山』の治療もしてもらおうと考えている。

>「もしかして、鉄先輩たちは夢の世界に?

    「その可能性もあるけど、『夢』に乗り込む方法はないな……。
     とにかく、『朝陽』ちゃんの様子を見せて貰おうか」

『クァンガン』は立ち上がり、『斑鳩』のいるステージへと上がっていく。

818一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/10(土) 22:34:47
>>817
「イ゛ッダァァァッ゛!?」

覚悟を決める暇もなく引っこ抜かれた肩の矢。
焼けるような痛みの元凶が傷を癒す光景に目を見張る。
若草先生が元々からスタンド使いだったと思えない。

「これが先生のスタンドッ! いつの間にッ!?
 馬鹿な…若草先生はスタンド使いじゃなかったはず…
 『悪霊』を従えた? ルンバのように…?」

「若草先生、ありがとうございます!
 朝山さんの傷もお願いしますッ!」

朝山さんの隣に駆け寄り彼女を支える。
そして、安心させるように微笑みながら囁く。

「痛いの一瞬だけですよ。死ぬほど痛いだけです。
 首領だから泣いてはいけませんよ。いいですか?」

逃げられないように朝山さんを捕まえる。
誰だって痛いの嫌なものだ。その気持ちは分かる。
だから駄目押しで『インダルジェンス』で支える。
逃げられないように…

「朝陽先輩は気絶したままだけど『人面痣』が無いです。
 スタンド使いなのか、『悪霊』に憑かれたままなのか
 キムさんは分かります?」

ステージに上がるキムを警戒しながら見守る。
斑鳩先輩なら会話から上手く情報を引き出したりするだろう。

819氷山『エド・サンズ』:2020/10/10(土) 22:36:34
>>817

「若草先生・・・・ッ!? それは・・・・?」

視線が若草先生の奇妙な『ガントレット』に向けられる
思わず、がばっと起き上がってしまった

 『ホウ・・・・目覚メタミテェダナ
  若草・・・・・ソイツハお前さんノ「精神の力」・・・・・
 「生徒」ヲ助ケテェッテ云ウお前ノ心ガ産ンダ「能力」ダ・・・・!』

     チカラ
『ソノ「能力」ノ事ヲ俺達ハコウ呼ンデイル・・・・・!』

     ス タ ン ド
   『「傍に立つもの」・・・・・・ッ!』

「『目覚めた』っていうんですか・・・・!? この土壇場で・・・・!?」

この場面で『治療』を行える能力が目覚めた・・・・?
状況の都合のよさに、若干の懸念を覚えるが、すぐにそんな思いは意識から外れる
『鉄先生』の事を思い出したからだ

「そうだ! 鉄先生!
 斑鳩先輩、鉄先生の容体はどうですか?」

どうやら下級生二人は若草先生に任せればよさそうだ
そう思い、クァンガンと一緒にステージに上がる

820朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/10(土) 22:49:19
>>817-819

>『クァンガン』は手を上げて『若草』を呼ぶ。
同じ方法で『朝山』の治療もしてもらおうと考えている
>痛いの一瞬だけですよ。死ぬほど痛いだけです。
 首領だから泣いてはいけませんよ。いいですか?

「い いいいいいいやいやいや結構っっス!!!
もう、こーーーーーんなに元気一杯っっス!!!!
クァンガンに出逢えた事でパワフル100%っスよ!!!
 そ、それよりもっス! あきあき先輩にサンちゃんが良い事を
言ってくれたっス! あさひー先輩がさっきから全然動かないんっス!
わかわか先生は早くそっちを診るべきっスよ!
 この悪の首領は、首領だからまだこれ位は暫く我慢出来るっス!!!」

絶対痛い奴っス! 抜いたら絶対に凄く痛いやつなんっス!!

いちまっつんの手から逃れて、あきあき先輩の背に隠れつつ
上手い具合に話を逸らせて、あさひー先輩の看護で、どさぐさ紛れに
痛い治療から逃れるっス!!

821斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/10(土) 22:51:51
>>817

 「…………」



 「そうかい……否定。 しないんだな。」

朝暘をそっと寝かせておくと
傍を離れ、力任せに近くの壁に拳を突き立てる。

 「――馬鹿野郎が。」

お前が先に倒れてどうする……!
妹さんが大事だと言っていたのは嘘だったとでもいう気か?
大事だからと突っ走って戻らず、次は妹さんがこの有様など無様の極みだ。

 「『鉄 夕立』の…大馬鹿野郎ッ…!」

そうして今、顔を下げて悔しがる事しかできない自分もまた、度し難い大馬鹿野郎なのだ。

822一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/10(土) 23:01:10
>>817
>>820
(それはそうと怪しいから先生に『人面痣』が見当たらないか見ておくべきだ。ルンバとの違いを見極める…)

拘束するフリをして一度だけ朝山さんを囮にする。
そっと逃げられるよう程度に支える。

「朝山さん、先生が怪しいから囮になってくれるかな。
 『人面痣』の様子が気になりますから。余裕が有れば…」

こっそりと朝山さんに囁く。反応次第で若草先生の危険性を判断したい。

823『その夕立に雨傘を』:2020/10/10(土) 23:24:30
>>818(一抹)
>「朝陽先輩は気絶したままだけど『人面痣』が無いです。
>スタンド使いなのか、『悪霊』に憑かれたままなのかキムさんは分かります?」

    「『デ・ラ・ソウル』で『テスター』をしてみれば、
     少なくとも、『痣』があるかは解るはずだよ」

『クァンガン』は階段を上がりながら、『一抹』に答える。
それはともかくとして、『インダルジェンス』で暴れる『朝山』を抑えつける。

>>819(氷山)
>     チカラ
>『ソノ「能力」ノ事ヲ俺達ハコウ呼ンデイル・・・・・!』

>     ス タ ン ド
>   『「傍に立つもの」・・・・・・ッ!』

    「これが……『音楽』の力……?」

解釈は様々だが、『エド・サンズ』の説明に『若草』は納得したようだ。
『クァンガン』と共にステージへ上がり、『朝陽』の下へ駆け付ける。

>>820(朝山)
>「い いいいいいいやいやいや結構っっス!!!
>わかわか先生は早くそっちを診るべきっスよ!

    「おだまりっ! 貴方が一番『重症』なのよ!」

カッと両目を見開き、『若草』が吼えた。
逃れようとするが、『インダルジェンス』にガッチリとホールドされている。(パス精BCA)

    「触れた『武器』を破壊し、『軟膏』に変える……」

    「――――『ヴァセリンズ』ッ!!」

    ブスッ     ――――グシャッ

身動きの取れない『朝山』の太腿から、『若草』が矢を一気に引き抜いた。
握り潰された『矢』から粘液が滴り、太腿のキズに触れると、たちまちに癒える。

>>821(斑鳩)
> 「そうかい……否定。 しないんだな。」

    「ああ、……ボクの『友人』も『再起不能』だ。
     首から上だけは辛うじて『除霊』出来たが、
     『悪霊』が多すぎた。――――既に四肢は動かない」

『クァンガン』は沈痛そうに視線を下げ、『朝陽』の下へと向かう。

>ALL
ピアノに突っ伏したままの『朝陽』の顔を上げさせ、
意識を確認した後、『クァンガン』は自身の上着を脱ぎ捨てる。

    「『デ・ラ・ソウル』で調べたが、『痣』はない。
     ――――腕に傷跡がある。これが『通り魔』のものか……」

その場の『斑鳩』と『氷山』に説明を加え、『朝陽』を床上に横たえさせる。
自身の上着をシートにし、丁重に扱っている。

    「彼女が『多目的ホール』で『アルモニカ』を弾いた時は、
     『悪霊』を呼ぶだけで『気絶』はしなかった。……何故だ?

     ――――気絶、『夢の世界』、……いや、まさか……」

『クァンガン』の指先は『朝陽』の閉じた瞼へと触れる。

    「この『力』なら、あの子達を治せるわ――――」

一方、治療を終えた『若草』は立ち上がると、
倒れた『卓球部員』達の下へと向かう。

824一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/11(日) 00:08:22
>>823
「やっぱり痛い。これは痛い。絶対に痛い」

教育者としての使命感なのか周囲に倒れ伏す生徒たちを治療する若草先生に同行する。
万が一に『悪霊』が混ざっていようが自力で祓える。

「肋骨が折れたり色々吹き飛ばした生徒も治せる感じでしょうか?」

肩の傷口を見ながら制服の穴を恨めしそうに見つめる。
武器となる『さすまた』なら辺りに散らばっていたはず。

「気絶しただけの先輩たちの『悪霊』は、っと…」

気絶するだけで祓えるなら全力でボコッておけば良かったかもしれない。
『慈悲の刃』で処理した覚えのない生徒に『人面痣』が残っていないか見ておく。
残っていたら軽く処理しよう。

「意外とあっけない…朝陽先輩を夢世界に引きずり込むのが目的で『悪霊』はついで…」

「『アルモニカ』…? 不吉な話はゴシップのはず。
 演奏者に霊感を与えるとか、催眠状態にするとか」

かつて『タカ』の言っていた『魂』への干渉手段である『催眠』の話もある。
朝陽先輩の『才能』と敵のスタンド能力が組み合わされば、与太話とされる数々の現象を起こせるかもしれない。

825氷山『エド・サンズ』:2020/10/11(日) 00:37:37
>>823

「通り魔? アルモニカ? 夢の世界?
 一抹くんも何か知っているみたいでしたが・・・・
 鉄先生は何か良からぬ事に巻き込まれている、という事ですか?」

『クァンガン』の挙動に気を配る
丁寧な物言いと紳士的な態度に多少、気を許しているが、まだ警戒を解いたわけじゃない

「誰か・・・または何かの組織が、鉄先生を利用して『悪霊』を呼ぶ演奏をさせてる、とか?」

何らかの組織・・・・思い当たる『組織』の心当たりとして『アリーナ』の存在が思い浮かぶ
しかし、あの『組織』はエンタメ偏重な『スタンド試合』が好きな集団だった
流石に違うかな、と思い容疑者からはずす

「それに・・・・これ・・・・!」

『朝陽』の腕をつかみ、袖口を捲り上げる
『通り魔』に襲われた際の傷を露わにして、『クァンガン』に問いかける


「何なんですか・・・・? こんな・・・・酷い傷・・・・ッ?」

 (鉄先生の演奏は・・・・音楽の事がわからない私でもわかるくらい、良いものでした・・・・!
  なのに・・・・演奏をするための腕にこんな・・・・しかも、この子はまだ中学生なのに・・・・!)

 「悪い事に巻き込まれてこんなに傷ついてるのだとしたら・・・・
   こんなに酷い事はないですよ・・・・・」

  「教えてください、キムさん
   鉄先生は一体何に巻き込まれているんですか!?」

826斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/11(日) 00:42:30
>>823

(…………。)

 「朝暘は無事らしいが、起きる様子はない」
 「ピアノ側の原因はハンマーに使われていた『ブラックガラス』だろうな」

 「……問題は、夢の中に落ちた相手を如何こうする手段は無い事」
 「このピアノの製作者や製造元だの、運んで来た運送会社から当たるべきか…?」

しかし、スタンドを使われれば証拠という物は殆ど無くなるものだ
何かしら一枚挟まれば、学生の自分にはお手上げだろう。

 (…アリーナに話を持っていってみるか?だがそんなコネも無い…。)

腕を組み替える、そもそもどうすればいいのかすら解らない。
海図があっても目標が無い航海等と、迷って当然だ。

 「『ジョン・ウィック』ごっこしようにも、これじゃあな。」

ペットは別に殺されてねぇけど。

827朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/11(日) 18:57:53
>>823

>おだまりっ! 貴方が一番『重症』なのよ!
>触れた『武器』を破壊し、『軟膏』に変える……
>――――『ヴァセリンズ』ッ!!」
>ブスッ     ――――グシャッ

「ぎぃええぇぇぇぇああああ゛あ゛っっっ゛!!!!! ッス!!!!
うぅぅぅぅうううう・・・ん? 痛みがスーッて無くなったっス!!
うわぁ!!! 足の怪我も完治っス!!
悪の首領大復活っス!!! わかわか先生凄いっス!!!」

クルクルッ シュッッ タンッ シャキーッンッ!!!!

朝山は怪我が直ってパワフル全快だ!!!

「ふぅーーー!!! なんか可笑しくなった卓球部員も
全部ケチョンケチョンにやっつけたし!! 
 もう、これで万事解決っスね!!
我が部下達よ、お疲れ様っス!!! 自分はご飯食べに戻るっス!」

そう言いつつ、朝山は講堂の扉へ入り
『化粧室』や『用具室』のある場所に入っていく。

828『その夕立に雨傘を』:2020/10/11(日) 21:37:21
>>824(一抹)
>「肋骨が折れたり色々吹き飛ばした生徒も治せる感じでしょうか?」

    グニャッ

『一抹』の言葉通り、『若草』は『さすまた』を手に取り、
『ヴァセリンズ』の握撃によって捻じ曲げるが、『軟膏』は滴らない。

    「ダメね。……怪我をさせた『武器』じゃあないと、利かないみたい……」

『若草』は残念そうに首を振った。
『エド・サンズ』に吹っ飛ばされ、『鎖』の投擲で追い討ちを掛けられた卓球部員達は、
いずれも痛々しい姿のまま、床上に転がっている。

>>825(氷山)
>「何なんですか・・・・? こんな・・・・酷い傷・・・・ッ?」

    「ああ、……この娘が負うべきキズじゃあない」

鋭利な刃物で斬られた『傷跡』は、うっすらと残っている。
憤りを覚える『氷山』同様、『クァンガン』も険しい表情を浮かべる。

>「教えてください、キムさん
> 鉄先生は一体何に巻き込まれているんですか!?」

    「『アルモニカ』は死者の『魂』を呼び覚ます。
     ……誰もが一人は、もう一度、声だけでも聴きたいと、
     『生き別れた』人を望むことを、止められないと思う……」

    「だが、この町では、決して許してはいけない。
     ――――かつて滅びた『巨悪』の群れが甦ることは、
     決してあってはならないからだ……」

>>826(斑鳩)
『夢』へと至るアプローチも、他の手段を探すことも出来ない。
一個人の限界を感じながら、『斑鳩』は『クァンガン』の言葉を聞く。

>    「『アルモニカ』は死者の『魂』を呼び覚ます。
>    ……誰もが一人は、もう一度、声だけでも聴きたいと、
>    生き別れとの『再会』を望むことを、止められないと思う……」

>>827(朝山)
>クルクルッ シュッッ タンッ シャキーッンッ!!!!

既に『朝山』は絶好調だ。
『朝陽』は一向に目覚めないが、それも何とかなるだろう。
『三連休』の予定も詰まっている。歌い疲れてお腹も空いてきた。

    スッ

『化粧室』へと通じる『通用廊下』へ至る扉に手を掛ける。

>ALL

    「……君達は、善意ある『スタンド使い』だと感じているんだ。
     操られた生徒達は、治療できる程度の『怪我』で済んでいる。

     ――――だから、君達に『全貌』を伝えたい、そう思っている」

『クァンガン』は自身の知る限りの情報を『四人』に伝えた。
『黒幕』の正体、彼が手掛けた事件、スタンド能力と『悪霊』の親和性、
『アルモニカ』に秘められた『神秘』、――――そして、これらの情報が、
『アリーナ』に所属する『タダヒト』という男によって、集められ、報告されたことを。

――――その中に、『夕立』と『朝陽』については、記載されていないことも。

    「『スタンド』の覚醒に関わるとなればば、悲しいが『アリーナ』は手に入れたがるだろう。
     ――――スタンド使いの『闘い』こそが、『組織』の維持に不可欠だからね。

     だが、『諸刃の剣』だ。……目覚めさせてはいけない『悪党』がいる。
     『第一種』と僕達が呼ぶ、その『巨悪』は永遠に眠らせなければならない」

    「――――かつて、この町を壊滅させようとした、『エクリプス』。
     それも、逃げ隠れた『残党』なんかじゃあない、

     最前線で『悪逆』を尽くし、何人ものスタンド使いを道連れにした、
     邪悪の権化ともいえるスタンド使い……彼等もまた目覚めてしまうッ!」

『※伝えた内容は以下の通り』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1601890582/2

829一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/11(日) 22:31:13
>>828
「私が肋骨を折った先輩たちの武器は…
 貴重なスポーツ選手生命を絶ってしまったら…」

「みんな…ごめんなさい…」

幸いにも死者は一人も出ていないが彼等の傷は深い。
償っても償いきれない傷を残してしまった。
堪えきれず涙を流しながら謝罪を口にする。

「どこまでも『無責任』なッ! 生き別れとの『再開』など! もし、会えたら八つ裂きにしてやるッ!」

仮にも『アルモニカ』の力で実母と再開してしまった場合、この『殺意』を抑えきれるだろうか。
溢れ出す自分の『殺意』を『インダルジェンス』に『鎮静』させながら敵の名を聞く。

「ふぅ、冷静に…冷静に…そんなマフィアみたいな集団が?」

「ううっ、そんなスタンド使いたちに勝てる気がしないです。『鎮静』と『無痛』じゃ蹴散らされちゃう…」

実害を二度も被って自分が生きているのは奇跡だ。
この場に集まった中でも地味な分類に入る自分のスタンド。
こんな自分が『役立てる』時が来るのだろうか?

830氷山『エド・サンズ』:2020/10/11(日) 22:47:37
>>828

「『アルモニカ』に・・・『エクリプス』・・・・!」

俄かには信じられないくらい話が大きくなってきた事を感じる
『音仙』以外にスタンドを目覚めさせられる手段の存在に、『悪の組織』の実在

「『アリーナ』の人達は、血気盛んなだけでそれ程悪そうには思えなかったのですが・・・」
   『マア、「派閥」ノ違イッテヤツダナ・・・・デカイ組織ニハママアル話ダゼ』



「それにしても、『エクリプスの悪霊』なんて・・・・
 ハハハ・・・・なんだか、その『悪の組織』って首領さんが
 いつもやってる『ニュー・エクリプス』に名前が似てますね」

本当はただの『名前被り』ではなさそうな雰囲気は感じている・・・・
だが、いつも能天気で元気な朝山と、人々を苦しめる悪の組織・・・・
その両者に繋がりがあって欲しくないという思いもまたある

「まさか、首領さんこそが『エクリプス』の残党だった――― なんて?
 フフフ・・・・まさか、まさか、ですね」

故に冗談めかした口調で朝山に話しかける
そんなのと一緒にされたら困るッス、と否定して欲しくて

831斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/11(日) 22:47:53
>>828

「演奏すれば悪霊を呼び出す『スタンド』ピアノか……。」

使えんな、舌打ちを打つ
生きている人間に対しては傷つける以外の役割を持たない楽器など何の役にも立たない。
すくなくとも自分達にとっては。

挙句の果てにはスタンド使いでも敵が多ければ抵抗出来なくなる?
まったく、露悪趣味等とどこか遠い所でやっていろというのに。

 ――『蛇尾川祥悟』
 
 (見れば敵だろう、必ず殺さねばならぬ。)

此奴が心の底から暴力と流血が好みだの、悪意あるスタンド使いをよみがえらせる等とは心底どうでもよい。
14年前の亡霊が、何処で何をしようと知った事ではない。友人の妹が餌食になった等ともはや催事。

ただ、こいつは自分達の邪魔をしたのだ。

 (その名前、覚えたぞ。)

特別な理由無く人を殺傷せしめたのだから。
特別な理由無く殺されても文句は言えまい。

 「…それで?」

わざとらしく肩を竦める。
レ・ミゼラブルの如く、無関心で終わりというわけにもいかない。

 「全貌だけ伝えてはい、サヨナラか?それを聞かせて何がしたいのだ?『キム・クァンガン』。」

832朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/11(日) 23:16:18
>>828

>かつて、この町を壊滅させようとした、『エクリプス』

「ふ〜〜〜〜むっス! そんなすごそーな奴等が居たんスね。
でも安心して欲しいっス。いま、この街を支配してるのは
『ニュー・エクリプス』っス! その秘密組織の首領ちゃんは
以前通り魔もボッコボコのケッチョンケチョンにやっつけた
とーーーってもみんなが憧れるような凄い人なんっス!!」

クァンガンに、さりげなく自身の隠された正体の武勇伝を自慢しつつ
この星見町の真の無敵の首領の事を教えてあげちゃうっス!!

けど、『エクリプス』っスか…………『エクリプス』

…………うーん、前にトイレとか廊下とか買い物を任されて
お小遣い貰えてた場所の名前と一緒の気がするっスけど。
まっ!! 世の中同じ顔の人は世界に数人いるって言うし
多分、自分が働いてた所と名前が同じなのは偶然の一致っスよ!!


>830

>まさか、首領さんこそが『エクリプス』の残党だった――― なんて?

「うん?? 私は『うちゅーとーいつ部』の悪の首領っスけど
『ニュー・エクリプス』の首領は大通りで活動している
とっても強くてエクスプレッソで知的でじゃあくなふいんき満点の
『モーニング・マウンテン』ちゃんの事じゃないっスかね!!
 間違えたらいけないっス! 自分は朝山 佐生で
モーニング・マウンテンちゃんとは赤の他人なんっスよ!!!」

あきあき先輩は悪のマナーって言うのがなってないんっス!!
悪の首領は正体不明じゃないといけないんっス!
 朝山佐生とモーニングマウンテンは皆には別人と思われるように
振舞われないといけないんっス!!!

「あ、そう言えばトイレもしたかったんス」

丁度、この扉の先にあったかも知れないっス。半分扉を開けるっス

833『その夕立に雨傘を』:2020/10/12(月) 00:10:09
>>829(一抹)
『卓球部員』達の末路を想起し、『一抹』に暗い影を落とす。
追い討ちとばかりに、『エクリプス』の存在を示唆されれば、
『一抹』は肩を落とし、すっかり殻に籠ってしまう。

>>830(氷山)
>   『マア、「派閥」ノ違イッテヤツダナ・・・・デカイ組織ニハママアル話ダゼ』

    「『サンズ』さん。貴方の言う通りだ。賛同者は多くないかも知れない。
     ――――だが、『スタンド使い』が増やせると解って、
     それを利用する連中が何をするか、……ボクは口にはできない」

『クァンガン』は言葉を選ぶように、ゆっくりと『エド・サンズ』に同意した。
その態度は『悲惨』な未来を醸し出すには十分過ぎた。

>>831(斑鳩)
> 「全貌だけ伝えてはい、サヨナラか?それを聞かせて何がしたいのだ?『キム・クァンガン』。」

    「参ったね。――――言い出しにくい話だから、ついつい後回しにしてしまったよ。
     悪霊を斬り裂ける彼の言う通り、『鉄夕立』は『夢の世界』に連れていかれたと思う。

     時を同じくして、『鉄朝陽』も気絶し、……彼女は今、『夢』を見ている。
     眼球運動で解るんだ。これは『偶然』ではない、『必然』だ」

   「――――とある『血縁』には、『DNA』や『生育環境』を超越した、奇妙な『因縁』がある。
    同一の『痣』が浮かび、家族の危機や居場所を『第六感』で把握できる。

    ……『鉄夕立』と『鉄朝陽』、二人は今、同じ『夢』を見ている。
    『夢』に誘うスタンドのパワーが、『鉄朝陽』にも働いている――――」

>>832(朝山)
『エクリプス』という全く聞き覚えのない組織の存在を、
『朝山』は知らず存ぜずを突き通す。
傍から見れば『すっとぼけてる』と取られる言動ではあるが、
本人にとっては真面目な反論なのだ。――――例え、他人がどう思おうとも。

    「そうか。――――ならば、是非ともお願いしたいことがあるんだ。
     似た者同士がいるというのも、君にとってはやりづらいだろうしね」

『クァンガン』は微笑みを浮かべ、去ろうとする『朝陽』を呼び止める。

>ALL

    「ボクのスタンドは『デ・ラ・ソウル』。
     その能力は『半導体』に変える、この『テスター』を使ってね」

『クァンガン』は『デ・ラ・ソウル』を発現し、極針の切っ先を『朝陽』に向ける。

    「たった今、彼女の『脳波』を『テスター』でトレースした。
     同じように『電流』を流せば、君達も同じ『夢』を見られる」

    「願いは二つ。『鉄朝陽』を救出して欲しい。
     そして、同じ夢を見ているなら、『鉄夕立』も一緒に、だ」

    「ボクが気絶すればスタンドは解除されてしまう。
     ――――君達にしか出来ないんだ」

『クァンガン』は大海を湛えるような、曇りのない目で『斑鳩』と『氷山』を見る。
そして、打ちひしがれて地面を眺める『一抹』、この場から去ろうとする『朝山』を。

834氷山『エド・サンズ』:2020/10/12(月) 00:46:55
>>832

「・・・・・・! ま、まあ、そうですよね!
 ハハハ、私とした者がとんだ勘違いをしてしまいました」

『エクリプス』と『ニュー・エクリプス』との関係について思い切って聞いてみたが・・・
どうも完全に当てが外れてしまったようだ
気が先走り過ぎた自分の推測を恥じ、赤くなった顔を俯かせる

「すいません、どーもこんな状況で余計な事を考えていたみたいですね」

あれ?でも悪の組織の首領って言ってたような・・・
いつも、ニューエクリプスダンスを踊ってたような・・・・
などという疑問は取り合えず心の底にしまっておく

>>833

「つまり・・・・ここにはいない『鉄先生のお兄さん』が『夢の中』に閉じ込められた事で
 『鉄先生』までその『能力』の影響が届いた、って事ですね? キムさん」

「そして、あなたの能力なら夢の世界に飛び込んで、鉄先生とそのお兄さんを助けられる、と」

 『クァンガン』の澄んだ目にニヤリと微笑みを返す


「願ってもないチャンスですよ
 鉄先生にはとても大きな・・・・大きな恩があるんです!」

 それは『音痴を直してもらった』程度の恩ではあるが、恩義に大小は関係ない
 恩師がピンチだというのに、助けないという選択肢を選ぶ気は氷山にはなかった

「それに・・・・」

  それに―――――
 『夢の世界』であれば、今よりもさらに素晴らしいものが見れるかもしれない
  ドラマや映画を超える程の素晴らしい『何か』を・・・・

         「・・・・・いえ、なんでもありません」

835斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/12(月) 00:50:29
>>833

 「理屈はいい。ようはぽっと出のあんたじゃ行けないから、代わりに行ってくれという事だろ。」

 「『鉄 夕立』は決して精神的にも弱い人間では無かった。そんな奴でも戻ってこれない処に。」
        
                                            バカ
 「そんな命の危険の大盤振る舞いな事を押し付けて、はいやりますと頷く奴がいると思ってるのか?」

 

 「……運がいいぜあんた、少なくとも今日此処に一人いるからな。僕を連れていけ。」


煮えたぎる重油のような、燃え盛る汚泥の如き仄暗い意志を瞳に宿し、懇願に対して回答する
僕は別に自分が負けないと考えているわけではない、事実さっき首を絞められて負けかけているのだから。
ただ……『やらねばならない』と考えた事を実行しているだけだ。

命は惜しい、進めなければ己の心が死ぬのだから。

進めるものだけが果て無く行くのだ。

 「とはいえ……『インセプション』を自分でやるとは思わなかった、トーテムが欲しかったな。」

例えば、ずっと回り続けるコマとか。

836一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/12(月) 00:57:43
>>833
「あーッ! その手が有った! 『電流』だ!」

このままの敵の思惑通りにさせやしない。
結局はやれる事をやるしかないのだ。
キムさんの元に駆け寄る。

「鉄先輩とは困ったら助け合う約束をしてます。
 それに朝陽先輩は音痴を治してくれましたから助けに行きますよ」

「前に放り込まれた時と『夢世界』のルールが同じか分かりませんが多少は役に立つ…立てるかな…」

このままでは終わらせない。絶対に。
やりたい放題やって『痛み』のひとつも与えられずに逃げられるのは許せない。

「連れて行ってくれますか? 断る要素は無いはず。
 それと若草先生は、えっと、どうしますか?」

消火器使いの二人と『ハイヤー・エド・サンズ・キャノン』で気絶された生徒以外は軽傷だったはず。
可能なら来て欲しいが若草先生はスタンドに目覚めたばかりだ。
やはり、歳的にもキツイかもしれない。

>>830
「朝山さんは首領ですよ! 残党ではなく首領!
 たぶん、組織が別物ですよ。ドーナツに弱いらしいですけど」

純粋な瞳で朝山さん首領説を唱える。
割と本気で信じている顔だ。

837朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/12(月) 11:03:08
>>833

『クァンガン』は穏やかな大海のような色合いの輝きと共に皆を見渡す。
悪夢に囚われる少女、恐ろしき再生の為に蠢く悪霊。
 斑鳩、氷山、一抹が賛同の声を上げる中、朝山は遅れて呟いた。

「……うーん、でも私じゃ荷が重すぎるっス。
お腹もペコペコっスし、クァンガンは大スターだし協力したいけど
私はただの中学二年生の一般市民っスよ。
あ、 ちょっとトイレに行ってくるっス」

 バタン……。 『通用廊下』に通ずる扉へ朝山は姿を消してしまった……。

――そっからの行動は早い。

 ジーッ!(鞄のチャックを開く音) 
パリッ ガッ! ガリガリポリポリガリッ!!  ゴクゴクゴクッ!!

星の味金平糖の袋を勢いよく破り、口の中で咀嚼して水筒のジュースを飲む。
これで、お腹も一杯!! 色んな味で口の中が凄い事になってるっスが
背に腹は代えられないっス!! そして、鞄の下に大事に携行していた
『おかめ仮面』を顔に貼り付け……っ!!


   「――話は全て聞かせて貰ったっス!!」 バンッ!!

いま閉めた扉を、勢いよく蹴破る感じで出てくるのは……そう!
エクリプスのいた事務所の机に置いてた『後片付け宜しく』と言う伝言を元に
真の邪悪なる首領になった(と思い込んでる)・・・モーニングマウンテンン!!

そうっ!! 『ニュー・エクリプス』の首領、モーニングマウンテンっス!!!!

「フッ・・・まさか清月学園で悪の素養ある人物を探してた際に
この大いなる悪の首領を差し置いて、そのような陰謀が渦巻いていたとは。
その『エクリプス』と言うのも運が無いっスね!!!
この星見町の真の支配者を除き、そんなチャチな悪の芽を咲かす訳にいかないっス!
 この、たまたまトイレに入っていた。そこを通りすがった
朝山 佐生ちゃん達の話を、たまたま聞いた悪の首領である
モーニングマウンテンがっ!! 君達と一緒に、あさひーせん
じゃなかった! 朝陽君とやらを、悪夢から解放する手伝いをしてあげるっス!!
 まっ、その代わり報酬として君達には我がニュー・エクリプスの部下に
なって貰うのと、そっちのクァンガンには後でサインを貰おうっスかね!!!」

『おかめの面』を被った朝山 佐生ことモーニングマウンテンは
仕切り直して皆と一緒に夢の中に行く事を宣言しつつ皆の近くへ
ズンズンと、じゃあくなオーラを纏いつつ大股で歩く。

838『その夕立に雨傘を』:2020/10/12(月) 20:57:33
>>834(氷山)
昂りを『笑み』に変えて、『氷山』は快諾する。
恩義の為に危険へ身を投じる『義侠心』と『好奇心』が芯に熱を入れる。

    「ありがとう。君がいるならば心強いよ。
     それじゃあ、『朝陽』ちゃんの隣で、横になってくれるかい?」

『クァンガン』は柔らかい笑みを浮かべ、『氷山』へ近づく。

>>835(斑鳩)

    「ハハハッ、なかなか手厳しいね」

『斑鳩』の毒づきに対し、『クァンガン』は鷹揚に答える。
指摘された『本音』を隠す気はないようだ。

>「……運がいいぜあんた、少なくとも今日此処に一人いるからな。僕を連れていけ。」

    「――――残念だよ。……君には、死なないで欲しい」

      バンッ

どろりと濁った双眸には、計り知れない『熱』が籠る。
『クァンガン』はそれを見定め、掌を『斑鳩』の肩に置いた。

    「それじゃあ、その娘の隣に寝そべってくれるかな?」

『クァンガン』は掌先で『氷山』を指し、その隣に寝るように示す。

>>835(一抹)
>「連れて行ってくれますか? 断る要素は無いはず。

    「いいとも。――――君の『刃』はきっと、
     皆を助けてくれる、ボクはそう思えてならないんだ」

『激昂』と『消極』、起伏が激しい『一抹』に期待を込め、
『クァンガン』は応援の言葉を送った。

    「さあ、君は『朝陽』ちゃんの隣で眠ってくれるかな?」

『クァンガン』は掌先で『朝陽』の隣を指し示し、位置する場所を指示する。

839『その夕立に雨傘を』:2020/10/12(月) 21:00:58
>>837(朝山)
>   「――話は全て聞かせて貰ったっス!!」 バンッ!!

『朝山』は『おかめ仮面』を顔に張り付け、高々と『到来』を宣言する。
突き付けられる条件の数々に『クァンガン』は目を丸くし、やがてニコリと笑った。

    「まさか、『首魁』が自ら参られるとは。
     ――――お言葉ですが、今は此方の交渉の場」

    「『モーニング・マウンテン』様のような『悪のカリスマ』に、
     思想を超えた『条件』を突き付けられ、この交渉が『破談』してしまえば、
     此方としても立つ瀬がございません。――――どうか、この場はご容赦を」

仮に『正義』の心を持つ者が、不調法にも『ニュー・エクリプス』への入団を断れば、
『クァンガン』としては非常に困ると、礼節を崩さぬままに『朝山』へと言い添える。

    「不肖の身ではありますが、
     まずは、この『キム・クァンガン』を配下にお招き頂きたい。

     サインは勿論、小さな店ではありますが、ボクの『焼肉屋』で、
     『黒毛カルビ』と『タピオカミルクティー』のご用意もありますよ」

    「些末な『働き』が精一杯ですが、
     ご満足頂けるなら、『上座』の方へ横たわりください」

その場に膝を付き、『朝山』と視線を合わせ、『クァンガン』は進言する。
掌先が示すのは、舞台では『上座』とされる左端。『一抹』の隣だ。

>ALL
> それと若草先生は、えっと、どうしますか?」

    「話のほとんどは解らないけれど、それはみんな同じはず。
     『鉄』さんが危険ならば、私も助けに――――」

    「マダム。……『デ・ラ・ソウル』の『半導体化』は『5つ』まで。
     『朝陽』ちゃんを『半導体化』して『脳波』をコピーする以上、
     勇気ある『エクストラクト』は四人まで。――――貴方は連れていけない」

    「――――ッ!!  何とかしなさいよ、貴方の『熱意』が足りないんじゃ……」

ヒステリーを起こし、肩を怒らせながら『若草』はステージへと駆け上がる。
膝を付いていた『クァンガン』は立ち上がり、『若草』の至近まで近づき、

      スッ

『若草』の乾いた唇に、そっと己の人差し指を宛がった。
虚を突かれて声を失う『若草』の左手を、両の手で包むように己の胸元で握り掲げる。

    「皆が『夢』へと旅立てば、誰が地に伏せた生徒達を守るのですか?
     事情を知らぬ輩が、この惨状を騒ぎ立て、謂れのない中傷が飛び交う。

     マダム。彼等には『帰る場所』が必要なのです。
     貴方の教師としての『手腕』と、その暖かな『心』でどうか、
     彼等の『学び舎』を守り通してほしい。――――ボクと一緒に」

    「……そ、そうよね。私がいなくなったら、部外者の貴方だけじゃあ、
     誰が来るか解らない、この『講堂』を守れない……」

『クァンガン』は澄み切った声色を響かせ、『若草』へ情熱に満ちた説得をする。
一方、打って変わって『若草』は気持ちを鎮め、静かに頷いた。

    「聡明な方だ。貴方に教わる生徒達が、輝いて見えるのも腑に落ちる。
     貴方の望みを聞いてあげられない、このボクをどうか許してほしい……」

    「な、何を言ってるの! ……私は、皆さんを信じます!
     皆さん、辛い旅になるかも知れないけれど、――――『鉄』さんをお願いね!」

    「先生は、あの『合唱』を信じています! 絶対に、みんなで帰ってくるのよ!」

『若草』は瞳に涙を浮かべ、寝そべる皆にワン・オクターブほど高いエールを送る。
その頬へ朱が灯ったことに、気付いた者もいるだろう。

840氷山『エド・サンズ』:2020/10/12(月) 21:50:01
>>837-839

「・・・・わかりました」

『クァンガン』の指示に従い、『朝陽』の隣で横になろうとしたところで・・・

>   「――話は全て聞かせて貰ったっス!!」 バンッ!!

「・・・・・!?」

『モーニング・マウンテン』が現れた
態度の大きな足取りでこちら側に近づいてくる『モーニング・マウンテン』を眺め・・・

「(え? あれって首領さんですよね? なんです?アレ!)」
『(アー・・・ マア、ソウイウ事ナンダロウゼ・・・・)』
「(えっ? えぇー? どういう事ですか?)」

どう見ても『朝山』にしか見えないその姿を見て混乱を極める脳内
喧々諤々の脳内会議(+『さんずさん』)の末、まいっか、と、もうどうでもよくなってしまった!
ついでに先ほどまで懸念していた『エクリプス』との繋がり疑惑も完全に吹っ飛んだ!

「それにしても・・・・」

悪の首領の登場の横で、
大昔に流行った韓流ドラマ顔負けの『メロドラマ』を繰り広げる二人を見る
『クァンガン』の紳士的な態度にはそれなりに感心をしていたのだが、
ここまで歯の浮くような様を見せられると・・・・

 (ちょっと、ないなぁ〜って感じですよねー・・・・)

とりあえず、おとなしく横になろう

841斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/12(月) 22:19:26
>>838

(よく一息で喋れたな……。)

それにしても馬鹿の多い学校だ
自分から進んで苦難に突き進む人間など、狂しているかマゾヒストの何方かだろうに。

 (さてさて、自分は何方に入るのかね?)

どの道死にたくないだけだ。

他人の為といえば聞こえはいいが、それで不都合が起きた場合、その責任はその他人が受け持つのだろうか?
だったら自分の意思で、自分の為に戦う方が余程いい。

 (まあ僕が生きてきた中で、願って思い通りに行った事は殆どないけどさ!)

俺でも僕でもこの意見については相違ない、時間の無駄だ
さっさと寝転んで終わらせるとしよう。

842一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/12(月) 22:46:15
>>838-839
「大スターに言われると自信が出てきますね。
 みんなの『役に立って』みせます!」

「朝陽先輩…みんなで助けに行きますからね」

朝陽先輩の隣に座り彼女の救出を誓う。
先ずは一歩だ。『エクリプス』という古き『悪霊』を祓う一歩を踏み出す。

「朝山さァァ〜〜ん!変身してたんですか?
 今度、ちゃんとした仮面を作ってあげますね。
 衣装もキチンとしなきゃ駄目ですよ」

朝山さんを手招きしながら待つ。
若草先生が来れないのは残念だがスタンドの限界は気合いでは覆せない。
前回より味方が二人も多い。これ以上は贅沢だ。

「若草先生、現実の方はよろしくお願いします。
 朝陽先輩と一緒に帰って来ますから!」

(凄いな、キムさんが上手いこと若草先生を操縦してる。
あれが『男』の魅力。私には無理そうですね)

若草先生に手を振ると眼を瞑る。
朝陽先輩の『夢世界』に思いを馳せながら…

843朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/12(月) 23:03:54
>>839-842

>ボクの『焼肉屋』で、
『黒毛カルビ』と『タピオカミルクティー』のご用意もありますよ

「ほほぅ!! 大スター・クァンガンは首領に対する心得と言うのを
良く知ってるっスね! しかーしっ! っス。我は謙虚な悪の首領だから
全て万事解決した後の焼肉パーティは、皆の無事を祈って留守番する
わかわ・・・教師若草と、朝山君達を同窓して上げて欲しいっス。
無論っ! 後でサインは貰うっスがね!」

>朝山さァァ〜〜ん!変身してたんですか?

「ちっちっちっ! 何をおっしゃる明智君! ならぬ、いちまっつん!
我は正体不明の悪の首領、モーニングマウンテン!
この姿は、とても君の知り合いであるプリチーで頭脳明晰な朝山君に
似てるかも知れないっスけど、私と彼女は赤の他人なんっス!
そこんところを覚えて欲しいっスよ!

さぁ! 斑鳩君に氷山君! 朝陽君の為にも、君達は正義の味方かも
知れないが、此処は断腸の思いで、この悪の首領と一致団結して
彼女を助けに行くっスよ! と言うわけで横になるっス!」

こんなに説得したんだし、自分が朝山 佐生とは誰にも
ばれない筈っス! 言われた通りにいちまっつんの隣りで
横になって目を閉じるっス!!!

844『その夕立に雨傘を』:2020/10/13(火) 00:04:36
>>840(氷山)
『クァンガン』の真意はともかく、『時代劇』とは全く異なる、
甘ったるい『メロドラマ』には、『氷山』も辟易とする。

>>841(斑鳩)
既に『斑鳩』の意思は固まっている。
その身を横たえ、静かに時を待つ――――

>>842(一抹)
『クァンガン』の弁舌に感心しつつ、『一抹』は目を閉じる。

>>843(朝山)
自らの『正体』は隠しきった。
『焼肉パーティー』の約束を取り付け、『朝山』は床に寝転んだ。

>ALL

    「気になっているだろうから伝えるけれど、
     君達に『悪霊』は憑いていない。安心していいよ」

『テスター』によって『痣』の有無を調べ、『クァンガン』は四人に告げる。
一人ひとりの傍を回り、冷たい針先を首筋に当てている。

    「だが、もしも『悪霊』に身体を貸すように囁かれたら、
     断固とした意志で『拒絶』を言葉で示すんだ。声に出して、ノーと言うッ」

    「それ以外の言葉を、『悪霊』は『肯定』と解釈する……。
     ――――多くの『悪霊』が憑依すれば、肉体を乗っ取られる。

     だが、言語による『誘惑』以外で、『悪霊』が憑く方法はない。
     確固たる『言葉』を持てば、君達は『悪霊』に負けはしない」

一人一人を勇気付けるように、『クァンガン』は声を上げる。
そうだ、と何かを思い付いたのか、『クァンガン』は声を潜める。

    「試しにやってみよう。――――この言葉を『宣言』とし、
     ボクは『デ・ラ・ソウル』で、君達を『夢』へと誘おう……」

    「スタンド使い達よ。……その身体を貸してはくれないか?」

845氷山『エド・サンズ』:2020/10/13(火) 00:36:06
>>844

「へーっ 『悪霊』にもそんな『ルール』があるんですね
 わかりました! 『NO!』ですね! 『NO!』」

床に寝そべりながら、ノー、ノー、と小さく呟く
準備は万全だ・・・・・あとは合図を待つのみ・・・・

>「スタンド使い達よ。……その身体を貸してはくれないか?」

「・・・・っ! 絶対に『NO!』です!」

846朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/13(火) 00:42:14
>>844

朝山こと『モーニング・マウンテン』は寝るのも首領級だ。

「Zzz……No……すッ」

847一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/13(火) 00:48:04
>>844
「迂闊に戦闘中に曖昧でも肯定的な言葉を使うと不味いって感じですね。相手をしっかり指定して言わないと…」

『インダルジェンス』を引っ込める際に『慈悲の刃』を見つめる。
自分とみんなの『魂』に『悪霊』が寄生した時に使えるかもしれない。

(成る程、『あの時』にルンバが言うべきだったのは…)

「『断る』『嫌だ』『貸さない』」

『悪霊』を拒絶する言葉を3つ重ねる。
だが、きっと『悪霊』たちは狡猾な罠を仕掛けるだろう。
これまで以上に警戒心を高める。

848斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/13(火) 01:08:18
>>844

「NO」

849『その夕立に雨傘を』:2020/10/13(火) 23:30:07
>>845(氷山)
>「・・・・っ! 絶対に『NO!』です!」

力強い『拒絶』の言葉を『氷山』は答える。

>>846(朝山)
>「Zzz……No……すッ」

既に微睡みながらも、『朝山』は確かな『寝言』を返す。

>>847(一抹)
>「『断る』『嫌だ』『貸さない』」

否定の三連撃を口にし、警戒心を強めていく。

>>848(斑鳩)
>「NO」

実にハッキリと、これ以上にない『拒否』の言葉だ。

>ALL

    バチチッ

空気の割れる『放電音』が聴こえ、脳が急速に『切り替わる』のを感じる。
研ぎ澄ませた『警戒心』が薄れ、確固たる『意志』が弱まっていく。
しかし、これは『罠』ではない。生物の本能であり、人々が求める『安寧』への誘い。

――――これから見るのは『夢』。しかし、都合の良い『夢物語』ではない。
『夢』は何時だって『理不尽』で、『無秩序』で、己の意思では逃れられない。

   サ ア ア ァ ァ ァ  ァ  ァ  ァ  ――――

やがて、『四人』は意識を喪失し、『現実』との接点を断たれる。

    ・

    ・

    ・


.

850『その夕立に雨傘を』:2020/10/13(火) 23:31:36

   ジャーン ジャラララーン ジャララーン ジャララララーン

   PI♪

    「『クァンガン』です。――――『タダヒト』さん。
     『鉄朝陽』は『夢』の中です。……ええ、一足遅かったですよ」

    「『曳舟』さんがいれば、もっと早くに人員を手配出来ましたけれど、
     ――――大丈夫。勇敢なスタンド使いが数人、夢に向かっています」
           . . . .
『クァンガン』は折り畳み式の『スマートフォン』を手に、定時連絡をする。
『タダヒト』は実力も勿論のこと、共通する『理念』を抱く『同志』ともいえるスタンド使い。
彼が『本業』を蹴ってまで、この国の滞在を選んだのも、偏には『彼』に協力するためだ。

    「どれだけの手練れでも、『蛇尾川』はたった一人。
     数多のスタンドを使おうと、複数で掛かれば必ず『隙』は出来ます。

     ましてや『悪霊』は対策さえ取れれば、恐るるに足りません。
     彼等は『憑依』しなければ、スタンドを使えないのですから」

己の懸念を振り払うように、努めて明るい声色で『クァンガン』は話す。
『悪霊』は希薄な存在が故に、生者の『肉体』を求めるために甘言を尽くす。
『拒絶』という対策を知った彼等にとっては、最早『ガヤ』でしかない。

    「……――――『タダヒト』さん。これは、唯の『杞憂』かも知れません。
     もし、『アルモニカ』ではないにして、今回の『第二種』禍が『偶然』だとしても、
     『エクリプス』の何人かが、『死者』の復活を画策していたとしたら……」

声を潜める『クァンガン』に対し、『タダヒト』は電話口で静かに話す。
かつて捕縛した『エクリプス』の残党は『アルモニカ』について、何も話さなかった。
『ロンドン・コーリング』による『真実』からの言葉であり、疑う余地はない、と。

あるスタンド使い達の『亡霊』が事故に見せかけた『大量殺人』という、
極めて『非効率』な方法で『復活』を画策していた、という事実もまた、
『アルモニカ』の存在を知らなかった、という理由付けになっている。

    「そうですか。ええ、『安心』しました。           . .
     どの道、『悪霊』に堕ちた今では、彼等も『蛇尾川』に使役される存在。
     ならば、――――、えっ、待てよ……」

『クァンガン』は愛用の『タブレット』を取り出し、メール画面を開く。
『タダヒト』のレポートに目を通し、

        ガシャンッ

タブレットを取り落とした。

    「『タダヒト』さん。貴方は数多のスタンド使いと闘ってきた。
     今更、『最強のスタンド使い』を問うのはナンセンスだ。

     ――――だが、今敢えて聞かせて欲しい。
     前に貴方が零した、『二度と闘いたくない』、スタンド使いを」

『杞憂』であって欲しい。唯の過ぎた『警戒』であって欲しい。
だが、『クァンガン』の口から、思い至るスタンド使いの名前を言えなかった。
何かを察した『タダヒト』は、事務的な口振りで、二人のスタンド使いを伝える。

851『その夕立に雨傘を』:2020/10/13(火) 23:33:35
一人は『裏切りの太門』。
かつては『アリーナ』に所属し、名うてのファイターとして数多の試合を闘った。
『タダヒト』の他、『A級』にこそ惜敗したが、健闘を称える拍手は鳴り止まなかった。
――――だが、彼は『アリーナ』を抜け、『エクリプス』へ寝返った。

銃弾の『雨』を駆け抜け『無傷』、防御不能の『刺突』は『鉄塊』をも貫く。
『太門』の『サンダー』は多くのファイターを屠るも、ある『女』に追い詰められ、
試合と実戦、二度の敗北を喫した果てに、『自刃』を選んだ男。

    「『太門』は強かった。ファイターとしての『誇り』もあった。
     何故、『悪』に堕ちたかは解りませんが、……惜しい男だった。

     だが、敗北の果てに『死』を選ぶなんて、『アリーナ』に反している。
     生きるための闘いのはずだ。だから、貴方が再度の『闘い』を拒絶するのも解る」

    「――――もう一人。いるはずでしょう。
     貴方の口から言いたくないのを、承知の上で聞かせて欲しい。
     ……『最悪』のスタンド使い。『エクリプス』からも嫌われた『悪党』」

    「スタンドは強く、本体も何をも恐れない『傲慢』が力を生む。
     敵味方問わず、多くのスタンド使いに追われても、意地汚く生き延び、
     ――――貴方が追い詰め、『殺害』したスタンド使い……」

『タダヒト』の口は重い。空白の時間が終わることを『クァンガン』は望んでいた。
ややあって、『タダヒト』はその名を告げた。――――『クァンガン』は全てを察した。

    「――――やはり、か。
     スタンドの名は『ゴールデン・イヤリング』。       . .
     『イヤリング』なんて名前に似合わない、おぞましい『拘束』の力」

    「その力があれば、『悪霊』になっても『自我』を保てる。
     『自我』を保てれば、『肉体』なき虚の世界であれば自在に振る舞える」

    「『蛇尾川』の『殺意』によって、スタンドを行使できる『悪霊』のように。
     ――――彼等には無事でいて欲しい。『夢』から目覚めれば傷は癒える」

――――だが、『夢』に囚われたままなら、それは叶わない。
『クァンガン』に出来るのは『祈る』ことのみ。『現』と『虚』は断たれたのだ。

単独の身でありながら、『エクリプス』を追われた後も、『第二種』禍となった男。
彼との闘いを拒んだ末に『失踪』した、実力あるスタンド使いも珍しくなかった。
『タダヒト』が告げる、その名は―――――


.

852『その夕立に雨傘を』:2020/10/14(水) 01:21:11
――――霧が晴れた時、『塞川』は『多目的ホール』にいた。
同時に、この世界が『現実』ではないと、直感することが出来た。

今まで闘っていた『ステージ』の上ではない。
見下ろすだけだった『客席』に腰掛け、ステージを眺めている。
ステージの上には『グランドピアノ』が置かれ、その前には『朝陽』が座っている。

       〜〜〜〜〜〜〜〜♪

           〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪

あれほど興味を示していた『塞川』がいるにも関わらず、
『朝陽』は『ピアノ』に没頭し、話しかけようともしない。
『ピアノ』の奥には白い『靄』が見え、向こうの景色が解る。

┌───────────────────────┐
│『鉄夕立』が『蛇尾川祥悟』と闘っている――――    │
└───────────────────────┘

     ジャラッ

駆け寄ることは出来ない。
両の肘掛けに『手錠』が嵌められ、どちらの両端も『塞川』の手首を拘束する。
そして、『塞川』の両隣には二人の『男』が立っている。

    「あらぁん? お目覚めェェ〜〜〜〜〜?」

    「折角の『特等席』なのにィ、眠っちゃあイ・ヤ・よォォ〜〜〜ッッ」

『ジュストコール』を連想させる、ド派手な外套の前面をバッサリと開き、
ムダ毛のない屈強な肉体を見せる、大柄な『男』が『塞川』に視線を向ける。
前髪をリーゼント、後ろ髪をポニーテールにした特異な『髪型』に加え、
分厚い『口紅』を始めとする『厚化粧』を施し、作ったような高音で話しかける。

    「でもでもォォ〜〜〜〜ッッ  良く来てくれたわねェェ〜〜〜〜ッッ
     ア・タ・シ、ずっとずっと、貴方みたいな娘、待ってたのォォ〜〜〜ッッ」

    「キレーなお顔、男装してもバッチリ似合いそう、背もスラッっとしてて……
     ンン! ちょっと妬いちゃうッ! 黒髪もサラサラ、イジってみたくなるぅ!」

キャピキャピと気色悪い声を上げながら、『塞川』の顔に触れる『男』。
もう一人の男は『槍』のスタンドを手にし、無言のまま『薄靄』を眺めている。

    「んもう! 『太門』ちゃん! ちょっと聞いてるのぉ?
     ア・タ・シ、お話に混ざらないで、ブスっとしてるの大嫌い!」

    「――――お前の目論見は解ったが、この『夢』から出る方法を探さねば。
     コスメの話は後だ。今のままでは、『現世』に戻れるのは一人だけ……」

    「あぁん! その冷静なところ、だぁーいすき!
     解ってるわよォ、あの娘を殺せばぁ、夢から出られるんじゃなぁい?」

    「早計だな。あの少女が弾いているのは、『アルモニカ』だ。
     かつて存在した『狂気』を呼ぶ楽器。あれによって、我々が呼ばれたなら、
     その『弾き手』を殺害すれば、この『霊体』が維持できなくなる可能性がある」

二人もまた、巻き込まれたことに変わりはないようだ。
だが、『塞川』の拘束を外す気もない。会話の端々に物騒な単語が散見される。

    「ヘッヘッヘッ、『塞川』の姐さん。――――エラい目に会いましたね。
     あの二人は、かつて存在した『エクリプス』と呼ばれる『悪党』の一味。
     死んだはずですが、……何故にこうも『自我』を保っているのか……」

そして、『塞川』の隣には『曳舟』が座っていた。
彼もまた両手を拘束され、力なく椅子に身を預けている。

※能力詳細などのプロフィールの投稿をお願いします。
 (『微成長』後の内容に、能力詳細のリンクを差し替えてください)

   ■■■※※※※■■■
   扉□□□□□□□□扉
    扉□□┌──┐□□扉
  ■■□.陽.|    │□□■■
  扉□□□└──┘□□□扉
  扉□□□□□□□□□□扉
■■□□□□□□□□□□■■
扉□□□□□□□□□□□□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□〇□□多□□□□□■
■席席□席席賽曳席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■

※参考
ttps://culture.city-hakusan.com/matto_learning_center/guide/hall/

853塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/14(水) 20:59:45
>>852
実際の所、私はあいつに何を望んでいるのだろうか? と考える事がある。
あいつと、その妹。私が交わってきたのとは、正反対の真っすぐで善い奴ら。
その2人が、降って湧いたような困難を手を取って乗り越え、幸せな人生を送るのを見届ける。
そんな欠伸の出るような結末を見ることが、本当に私の望みなのか。
あるいは、その『逆』こそが………。


「……………最低の目覚めだなァ」

ぼんやりとした頭を左右に振って、最初に『手錠』が掛けられていることに気づいた。
目の前の男の耳障りな声と遠慮のない行動にげんなりしながら、脚を組んで椅子に座り直し、周囲を見渡す。
壇上の『朝陽』とその奥の映像。
そして隣に座る『曳舟』が目に留まった。

「『曳舟』………無事だったか。
『負傷』なんかが反映されないのは、まさに『夢』って感じではあるが……」

「『自我』………? あんた、どこまで知っている?
私に『協力』する気があるなら、知ってる事は今話すんだな」

目の前の『二人』、そして壇上の様子も気になるが、
一つずつ片づけていこう。


-----------------------------------------------------------------
ガラス細工の鳥のスタンド。群体型。
身体を擦りつけた物にガラスの羽を植え付け、『ガラス化』させる。
また、頭部に核があり、破壊されるなどで露出したこれに触れた物は、
大きな物、分厚い物などであっても一気に『ガラス化』されてしまう。

『クリスタライズド・ディスペア』
破壊力:E スピード:B 射程距離:B(12m)
持続力:E 精密動作性:C 成長性:B

【能力詳細】(微成長後)
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463236020/281


--------------------------------------------------------------

854『その夕立に雨傘を』:2020/10/14(水) 21:38:16
>>853(塞川)
命を賭してまで『夕立』に協力する理由は何か。
白濁した意識の中で思考する『塞川』、――――まだ答えは出ない。

>「『自我』………? あんた、どこまで知っている?
>私に『協力』する気があるなら、知ってる事は今話すんだな」

    「勿論、『協力』させて頂きますぜ。
     『アナーキー・イン・ザ・UK』の力が使えない以上、
     もっぱら、私めの卑賎な『知識』だけしか、お役に立てませんが……」

    「『悪霊』に自我なんてごぜぇません。『生身』を欲する『渇望』だけ……。
     だからこそ、あやつらは何としても『生者』に憑依しようとするんです……」

背景は異なるものの、『夕立』から聞いた情報を一致している。
逆を言えば、『夕立』が知らない『悪霊』の情報を、『曳舟』が知らなさそうだ。

    「『エクリプス』はかつて存在した『巨悪』でごぜぇますが、
     組織としては『壊滅』し、その残党が僅かに残るのみ。
     末路はドブ浚いかゴミ漁りか、私めと然程変わりはありませんがァ」

   ゴッ!

『曳舟』の言葉が過ぎたのか、『太門』は槍の『石突』を『曳舟』の喉に打ち込む。
口を挟みはしない。ケバい『男』の会話に、面倒そうに相槌を打っている。

    「ゲヘッ、……そこの二人は死んだはず……『悪霊』のいる世界とはいえ、
     何故に『自我』を以って、霊体を保っているか、私めには解らんですわ……」

    「スタンド使いのファイトクラブ、『アリーナ』を裏切り、
     『エクリプス』に寝返った『裏切りの太門』様に、
     かつて『最悪』と恐れられ、誰もに忌み嫌われた――――」

    「ダ・メ・よォ  もっとムーディーに褒めてぇー、コジキさぁん」

     CHU!    ―――― ギチィ……

ケバい『男』は振り向きざまのウィンクと同時に、分厚い唇で『投げキッス』を放った。
その瞬間、『曳舟』の口に『猿轡』が嵌められ、続く言葉を飲み込まざるを得なかった。

    「ねーぇー、おねぇさぁん。あなたぁ、どっちが『推し』?
     あのハーフの彼、『ゲルマン』のガッチリとした骨格にぃ、
     『アジアン』の柔らかい輪郭のマッチング、尊いわよねぇぇ……」

    「でーもー、頑張ってる男の子にも、アタシ弱いのよぉぉ〜〜〜〜ッッ
     ああん! どっちも応援しちゃう! どーおー? どっちぃー?」

ケバい『男』は身をくねらせながら、『塞川』の隣に座って顔を覗き込む。

855塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/14(水) 22:18:11
>>854
(『悪霊』……こいつらが、『そう』なのか?
見た目は『人間』と変わらないが………)

黙って『曳舟』の話を聞く。
途中で、突然『猿轡』が嵌められた『曳舟』に、
ケバい『男』と、手元の『手錠』へと順番に視線を移した。

「人をこんなもんで拘束しといて男の話とは、随分と礼儀正しいヤツだな。あぁ?
こいつを外してくれるなら、一晩でも付き合ってやるよ。
そうでなけりゃあ、さっさと『本題』に入ったらどうだ?
それとも、あんたらも単に『巻き込まれた』だけか?」


(こいつ……『蛇尾川』のことを知らないのか……。
つまり、ヤツが『夢へと巻き込むスタンド』……『テニメント・ファンスター』を操るもの、という情報もない筈。
私の方に有利な手札といえば、それくらいか………。
なんとか、こいつらを抱き込んで、『夕立』の元へ向かわなければ……)

856『その夕立に雨傘を』:2020/10/14(水) 22:51:07
>>855(塞川)
その身を『拘束』され、スタンド使いに囲まれても尚、
『塞川』は冷静に思考を展開し、自身に有利な材料を見出す。
そして、挑発混じりにケバい『男』へと、『本題』に入るように切り出した。

    「そう、アタシ達も『巻き込まれた』だけなの。
     でーもー、ある意味では、『狙い通り』ってところかしらぁ」

    「このターイクツな『死』から『復活』するには、
     『肉体』が必要なの。出来れば、キレーで、手足が長くてぇー、
     アタシの『ファッション』を着こなせる、キビキビした身体よねェー」

ケバい『男』は物欲しそうに『塞川』のスレンダーな肢体を眺めている。
『太門』は不愉快そうに眉を寄せていたが、やがて口を挟んだ。

    「このまま喋っても埒が明かないぞ。
     お前が気に入ったのなら、まずはその身体はくれてやる。
     どうせ俺は、お前の『ゴールデン・イヤリング』で死に永らえた身だ」

    「あらぁ! なんだかんだで最後は折れちゃう『太門』ちゃん、だーいすき!
     じゃーあー、『遠慮』はナッシングで、ゴチになっちゃおうかしらぁ〜〜〜〜ッッ」

ケバい『男』は舌なめずりをし、『塞川』の黒髪に触れる。
太く節くれ立った五本の指が、手櫛によって髪を梳いていく。

    「姐さん、身体を『貸せ』とか『くれ』とか言われたら、
     ……モチのロンでしょーが、ぜってぇに断ってくだせぇ」

    「声に出してハッキリと! あの『男』にだけは渡しちゃあダメですぜ……」

      ガスッ!

普段とは異なる『曳舟』の焦燥、『スタンド会話』で『塞川』に早口で告げる。
無論、『石突』は『曳舟』の額を突き、彼は成す術もなく昏倒する。

    「あれ、は、『最悪』のスタンド使い……ぜってぇ、生かしては……」

    「もー、悪口言う男ってキライ! 『サンダー』、グッジョブ!

     それじゃあ、自己紹介させてもらうわぁ。誤解なきようにねぇー。
     だってぇ、これから『一晩』どころか、『一生』付き合う相手だもの」

『男』は緩やかに立ち上がり、踊るようにターンしては『塞川』の前に立つ。
粘っこい視線が『塞川』を舐めるように見る。

    「死して尚、夢の世界に咲く、一輪の薔薇。
     ――――『愛欲のアダージョ』よぉ、よろしくね?」

    「じゃーあー、早速だけど、――――身体ちょうだい?」

┌────────┐
│. .太門『サンダー』.│
└────────┘

┌─────────────────┐
│ アダージョ『ゴールデン・イヤリング』  .│
└─────────────────┘

┌─────────────────┐
│ 『エクリプス』、――――『未だ健在』   .│
└─────────────────┘

857塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/14(水) 23:23:30
>>856
(明確に『拒絶』することで、侵入を防ぐことが出来る……
『夕立』の、情報どおり……か。
そして『猿轡』に対しても『スタンドによる発声』は有効……)

「ふん、生きた『身体』が必要……
だが、あんた達にどうしてそれがわかる?
つまり……区別がつくのか? 悪霊と、人間の……」

纏わりつくような『アダージョ』の視線を受け、
じゃらりと手錠を揺らし、真っすぐに睨みつけて口を開く。

「――――断る。
私の名前は塞川唯だ。
別に、後生大事にしてるわけでもねーが、
あんたみたいな女の扱いもわかんねーような野郎には、
私の身体はやれねーなァ」

そして、『アダージョ』の肩越しに壇上の状況を見る。

858塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/16(金) 20:29:23
>>856
(明確に『拒絶』することで、侵入を防ぐことが出来る……
『夕立』の、情報どおり……か。
そして『猿轡』に対しても『スタンドによる発声』は有効……)

「ふん、生きた『身体』が必要……
だが、あんた達にどうしてそれがわかる?
つまり……区別がつくのか? 悪霊と、人間の……」

纏わりつくような『アダージョ』の視線を受け、
じゃらりと手錠を揺らし、真っすぐに睨みつけて口を開く。

「――――こと『受け入れる』。
私の名前は塞川唯だ。
別に、後生大事にしてるわけでもねーが、
あんたみたいな女の扱いもわかんねーような野郎には、
私の身体はやれねーなァ」

そして、『アダージョ』の肩越しに壇上の状況を見る。

859『その夕立に雨傘を』:2020/10/16(金) 20:30:27
>>857-858(塞川)

  パリンッ

        シ ュ ォ ォ ォ ・ ・ ・

『塞川』の言葉を切欠とし、その顔に『痣』が焼き付く。
『拒否』したはずの言葉は、己のモノとは思えないおぞましい声に『上書き』される。

    「あらぁ? 確かに『取り憑いた』はずなのに……。
     ンもう! なんなのこれー、ムカつくわねぇー」

    「お前は『亡霊』とは違う。『自我』が濃い故に、
     お前の霊体を『取り込む』には足りなかったのだろうな。

     若しくは、その女が――――」

    「構いやしないわ! 後、『5回』やればいいってことでしょ。
     でーもー、お口がちょっとムカつくのよねェェ〜〜〜〜ッッ」

    ガシュッ!

『塞川』の喉に『アダージョ』の手指が喰い込み、首を締め上げる。
意識が断たれそうになる中、右手の『手錠』が『消失』していることを確認できた。
己のものではない『声』が喉奥から響いた時、確かに『手錠』が解除されたのだ。

    「アタシが代わりに『答えて』あげるから、塞川ちゃんは眠っててちょーだい。
     『tu fui ego eris』。貴方の墓標に飾ってあげるわ――――」

   ギ ギ ギ ギ ギ ・ ・ ・

    『ぃぃぞぉー!』    『しめあげろぉー!』

    『こ・ろ・せ!』   『こ・ろ・せ!』

虚薄な声が周囲からこだまする。
無人のはずだった『観客席』に輪郭も虚ろな『亡霊』が集まっている。
『朝陽』の演奏に惹かれ、現世から集まってきた『悪霊』達だ――――

860塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/17(土) 00:28:03
>>859
「………ッ!? なんだ、いまのは……!
ぐ、がっ……! カ…………ッ!」

(『クリスタライズド・ディスペア』………!)

『クリスタライズド・ディスペア』A、Bを発現。Aは上空に飛翔させ、
そのまま急降下。『アダージョ』の頭上目掛けて『特攻』を行う。
Bは背中の後ろに回した左手の中に発現。右手では自身の首を絞める手を掴んで抵抗する。

(『手錠』が緩んだ理由は………『同時』に発現できないから、か……?
だが、『自由な事を喋らせる』と『手錠』……が、『同じ能力』とは……)

861『その夕立に雨傘を』:2020/10/17(土) 01:00:18
>>860(塞川)

    ズギャッ!

      バサァァァ――――

『クリスタライズド・ディスペア』を二羽、『塞川』は発現する。
『クリスタライズドA』は上空から急降下し、『アダージョ』の脳天を狙う。
派手な飛翔の一方、『クリスタライズドB』は『塞川』の手中へ残る。

    『スタンドじゃねぇーか!』  『アダージョに勝てるかよ!』

    『チンケな鳩じゃあ腹の足しにもならねぇーぜ!』

スタンドの登場に色めき立った『亡霊』達は、好き勝手に騒ぎ立てる。
『アダージョ』は分厚い『唇』をニヤリと歪めた。

    「『ゴールデン・イヤリング』ッ!」

    ズギャッ
               シバァッ!

『アダージョ』から発現する、『電波塔』を連想させる細身のヴィジョン。
『クリスタライズド』を超える高速で突き出された掌は、小鳩を容易く握り締めた。

    「かーわいいじゃない。これが貴方の『切り札』ぁ?」

    ギチチチ……

『ゴールデン・イヤリング』は手中の鳩を握り締める。
まるで『強度』を確かめるように、ゆっくりと力を掛けていく。
『アダージョ』の手首を掴み、喉輪を外そうと試みるが、
スタンド能力を除いても『男』と『女』の腕力差に適わない。

>朝山、斑鳩、一抹、氷山

    シュォォォォ――――

四人の意識は覚醒し、気付けば『多目的ホール』にいた。
舞台には『朝陽』が虚ろな目をしながら、一心不乱にピアノを弾いている。
ステージの奥には『薄霧』が漂い、そこからは『駅前広場』の様子が見える。

そして、観客席を埋め尽くし、歓声を上げる『亡霊』の群れ。
彼らが注目しているのは『観客席』の最前列。四人の男女がいる。
槍を構え、渋い面構えをした男。座席に『手錠』で拘束された、みずぼらしい男。
そして、ド派手なコートを着た『ケバい男』に、彼に首を締め上げられる、スーツ姿の女。

    「なんだ……? お前らは……?」

槍を構えた男が睨むように四人を見回す。

   ■■■※※※※■■■
   扉□□□□□□□□扉
    扉□□┌──┐□□扉
  ■■□.陽.|    │□□■■
  扉□□□└──┘□□□扉
  扉□□□□□□□□□□扉
■■□□□□□□□□□□■■
扉□□□□□□□□□□□□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□□□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□ア□□多□□□□■
■席席□席席賽曳席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
扉 ̄ ̄朝氷□□□□一斑 ̄ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■

862一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/17(土) 02:21:22
>>861
自分が知る『夢世界』とは程遠い光景に悪霊の群れ。
鉄先輩には協力者が居るとキムさんは言っていた。
明らかに『ケバい男』は違うと思うが…

「『エクリプス』。ご存知では…?」

それとなく組織名を出して各々の反応を見る。
『蛇尾川』とやらには協力者が居るらしい。
『アルモニカ』の演奏者である朝陽先輩の側に護衛役が居てもおかしくはない。
『人面痣』持ちを探しながら『誘惑』の警戒をしよう。

(異常な外見の子供を依代に選ぶ物好きは少ないはず。
彼等が欲しいのは現世で動くための器となる肉体。
さっさと殺しに来るかもしれませんね)

(そんなことよりも『悪霊』たちの意識が明確すぎる
あの『電波塔』っぽいスタンドの影響?)

『ケバい男』『槍の男』が動き始めたら『インダルジェンス』を発現。
特にスタンドを先に発現している『ケバい男』が怪しい行動をした場合、即座に伏せて攻撃を避けよう。

863氷山『エド・サンズ』:2020/10/17(土) 06:29:35
>>861

「『NO』••••まずはそう言っておきましょうか、あなた達のような『悪霊』に対しては」

まずは『拒絶』の意思を示す
どの程度の応対から『憑依』の危険性が出てくるのかはわからないが警戒はしておこう
周囲を確認し••••舞台上でピアノを弾かされる『朝陽』を認めた


「その上で名乗らせていただきます••••
 『元音痴カルテット』氷山あきは! そこでピアノを弾かされている鉄先生には『恩』がありましてね••••」

『ソシテ、ソノスタンド「エド・サンズ」!
 マ、ソウイウワケダ! 「義」ニヨッテ助太刀ニ参ッタゼ!
 オイオイオイオイ、悪党ども! 神妙ニお縄ニツキヤガレ!』


威勢よく啖呵を切ると同時に周囲を確認する
客席には4人の男女••••ケバケバ男が女性の喉を掴んでいる
状況はまだよくわからないが••••少なくとも、男女の力の差をたてに暴力を振るう者が善人とは思えない

「助太刀します! 『それ』を悪霊の顔にぶつけてください!」

『大捕物』を発動、『投卵子』をフリーとなっている塞川の右手に出現させる
『投卵子』は唐辛子、鉄粉、石灰などの刺激物を卵殻で包んだ催涙武器だ
人間と同じようにダメージを受ける存在なら、ひとたまりもないはず

864塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/17(土) 09:38:58
>>861
(ぐ、『スタンド像』……! このスピードは、こいつ……
私の『クリスタライズド・ディスペア』よりも………!)

『ゴールデン・イヤリング』が掴んでいる部分を、
『クリスタライズド・ディスペア』Aによって『ガラス化』する。
そして『左手』の『クリスタライズド・ディスペア』によって『左手の手錠』を『ガラス化』。
手錠を手摺に叩きつけて、破壊を試みる。

「ぐ、ぐ………ッ、やっと、きたか…………!」

『太門』が警戒の台詞を発したのを聞いて、
絞められている喉から絞り出すように呟く。

(『誰か』は知らんが、状況が転ぶなら何でも良い……。
この男の『スタンド』の速度を掻い潜るには、少しでも気を逸らさなければ……)

865斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/17(土) 15:12:47
>>861

襟元の赤いスカーフを締め直し、スタンドを全身に展開。

左右の手首から50cm分、計1mを伸ばし
2m分2つ 計4mを纏めて『鉄球』2発分として、左右の鎖先端にそれぞれ形成し。
左右の鎖の回転を開始し、最も近い敵の射程20m内に移動する。

 (あの女、切り離した『鎖』は5mで約8㎏って言ってたっけな……ようは『2リットルのペットボトル4本分』だろ。)
 (『繋いでいる間はアシストがある』し問題ねぇけど、片手で振り回せる重量じゃねぇなあ。切り離すのは考えもんだ。)

 (そんで、えーと……あの女の首掴んでんのと槍持ってる男は敵か、何か襲ってるし。一番近いのは槍の方か。)
 (射程20m内に移動しなきゃな。)

866一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/17(土) 15:39:27
>>862
>>864
「あっ、なるほど…そちらが協力者の方…」

スーツの女性の言葉を聞いて即座に『インダルジェンス』を発現。
目の前の席を『槍の男』に向かってぶん投げる(パス精:BCA)
足の速さでは斑鳩先輩に敵わないと思うので後を全力で追う。

867朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/17(土) 19:01:55
>>861

『亡霊』は見た感じで、実体は無く透けてる形? 
スタンドなら接触可能と思われる?

椅子は固定されてる? 固定してると仮定し
椅子、そして扉などはパB程度でひっぺがせそう?

868『その夕立に雨傘を』:2020/10/17(土) 22:47:01
>>867
>『亡霊』は見た感じで、実体は無く透けてる形? 
>スタンドなら接触可能と思われる?
『輪郭』はなく虚ろな印象。
接触可能かは、触れてみないと解らない。


>椅子は固定されてる? 固定してると仮定し
>椅子、そして扉などはパB程度でひっぺがせそう?
固定されている。
椅子は破壊力Bで破壊可能だが、扉は破壊に時間を有する。

869朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/17(土) 23:37:43
>>868(回答感謝)

>>861

「『NOООッ!!』ッス!!」

 ズンッ!! キィ――zノッンッ!!

『ザ・ハイヤー』発現。更にスピードC→B 精度C→D

「『NOッ!』ッス!!」

  ブォ――ッン!!

そのまま目前にいる『亡霊』『六体』
中央の六席の列、最後尾である席の『亡霊』の首目掛け
ザ・ハイヤーでラリアットの要領で攻撃を行う!(パス精BBD)

870『その夕立に雨傘を』:2020/10/18(日) 00:20:45
>>862
>>866(一抹)
>「『エクリプス』。ご存知では…?」

   「『エクリプス』にお前みたいなガキがいたか?」

『太門』は不愉快そうに眉を寄せた。
己の問い掛けに対しての回答ではないことに、不快感を示している。

    ググ……  バキッ

座席を『インダルジェンス』で破壊し、手に持った。
固定された座席を『投擲物』として手に持つには、それなりに時間が掛かる。

>>863(氷山)
> 『元音痴カルテット』氷山あきは!
>『ソシテ、ソノスタンド「エド・サンズ」!

    「……元アリーナ、今は『エクリプス』。
     『裏切りの太門』。スタンドは『サンダー』」

簡素ではあるが、『太門』は律儀に自己紹介を返した。

    「なるほど。俺達の『復活』を邪魔しに来た、
     『敵』というわけか。――――誰の差し金だ?」

    「それとも、唯々『恩義』とやらで動いているのか……」

『太門』は『氷山』と『エド・サンズ』を値踏みするように見る。
『塞川』の右手に『投卵子』を発現させる。

>>864(塞川)

     ガァンッ! パリィンッ

『手錠』の鎖をガラス化し、手摺に叩き付けて破壊する。
『手錠』は解除され、両腕は完全にフリーとなった。

    スッ

『塞川』の右手に収まる、『カプセル』にも似た何かが握られる。

>>865(斑鳩)
先程までの皮肉気な台詞は鳴りを潜め、
『斑鳩』は無言のまま、『ロスト・アイデンティティ』を発現。
既に『20m』圏内にいる。(1マス=およそ1m)

『鉄球』を二つ付け、両の鎖を回転させる。
通路付近は『鎖』を振り回すには『椅子』が邪魔するが、
己の身に近づけて『縄跳び』のように回すなら支障はない。

>>869(朝山)
>「『NOООッ!!』ッス!!」

完全に『文脈』を無視し、否定の言葉を連呼しながら、
『朝山』は周囲の『亡霊』目掛けて、『ザ・ハイヤー』の腕を振り回す。

    スカッ

だが、『亡霊』はすり抜ける。存在そのものに干渉できない。
故に『肉体』を求めるのなら、道理も通るが……。
スタンドを展開する二人は、明らかに『実体』を持っている。

>ALL
                 . .  . .
    「マトモに喋れるのは一人と一体だけか。
     『アダージョ』。『鎖』の男は俺がやる」

    「任せたわぁ、『太門』ちゃん。
     んーん、どの子も『より取り見取り』じゃなーい!」

『アダージョ』は身をくねらせながら、首絞めを続行している。
一方、『太門』は槍を構え直し、

    ――――ザッ!

椅子の『背』を駆け上がりながら、『一抹』と『斑鳩』に接近。
人の身を超えたスピードで二人に接近し、

       ドヒュッ!  バチチッ

手にした槍、『サンダー』を『斑鳩』目掛けて、その身ごと突き出す。
『サンダー』は火花にも似た『エネルギー』を散らし、
槍の穂先は一直線に『斑鳩』の『心臓』を狙う。

■□□□□□□□□□□□□■
―─―段――――――段―――
■□□□□ア□□□□□□□■
■席席□席席賽曳席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席太席□席席■
■席席朝席席席席席席□席席■
扉 ̄ ̄□氷□□□□一斑 ̄ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

871一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/18(日) 01:20:50
>>870
氷山先輩に自ら裏切り者と名乗った男性。
彼の礼儀正しさに少し困惑する。裏切りを行う卑劣さを感じないのだ。

「質問に質問で返すのは失礼でした。
 名前は一抹 貞世。友達の妹を助けに来ました」

『インダルジェンス』に持たせた椅子を『太門』と呼ばれた男性に向けて振るう。
手にした槍が秘める『電気』らしきエネルギーで本体を強化しているかもしれない。
それに『夢世界』の希釈された『魂』で構成される椅子はスタンドで簡単に切り裂かれる恐れがある。

「キムさんと『タダヒト』って人達が所属する組織の裏切り者? こんな場所に何故ッ! 」

>>863
「氷山先輩ッ! 鎖のような拘束に適した武器を! この人、恐ろしく速いッ!」

何かしらの武器で対応しなければ、心臓を突かれて死ぬのは自分だ。
片手を空にして氷山先輩に発現してもらう武器を『太門』へと叩きつける。

872氷山『エド・サンズ』:2020/10/18(日) 09:12:57
>>870

「言うつもりはありませんよ!」
『答エル気ハネエナ!
 タダ・・・・お前さんモ随分ト「律儀」ナ野郎ダナ・・・
 裏切者ノクセニ、自分カラ裏切者ダ、ナンテ名乗ルトハヨォォォ!』

互いに名乗りあい、闘争の気配が渦巻くこの状況
氷山の心中に浮かび上がるは緊張感と・・・・・ほんの少しの高揚
だが、そんな高揚は舞台上でピアノを弾く朝陽の姿を再確認し、抑え込む

「ところで、あなた達にとって『鉄 朝陽』さんは何なんですか・・・・?
 私にとって、彼女は・・・・『先生』です・・・・『あんな扱い』を見ていられないくらいには」

『大捕物』をもう一度発動
『一抹』と『氷山』に『微塵』を1個ずつ出現させる(使用3/5 『微塵』×2、『投卵子』)
すぐに『エド・サンズ』に渡し、3本の鎖の一端を掴んで鎖分銅のように回転を始める
投射の体制・・・・・狙いは朝陽が弾くピアノだ


「だから、壊します・・・・・この夢ごと!」

アダージョに聞かせるように言い放ち、ブンブンと唸りをあげて鎖を回す

目的は二つ
ピアノを破壊するために十分な『遠心力』を発生させること
そして・・・・・『アダージョ』の注意を集める事だ

突然現れたスタンド使いが人間以上の力で鎖をぶん回せば、
その威圧感は相手にとって『脅威』と認識されるだろう
それこそ、『拘束』し、もはや『獲物と同等の認識をしている相手』以上に・・・・

鎖を回す事の真の目的はアダージョの意識を逸らし、
塞川の行動のサポートをする事にある!

873朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/18(日) 16:05:00
>>870

>『アダージョ』。『鎖』の男は俺がやる
 >任せたわぁ、『太門』ちゃん

ピク

『亡霊』に対しザ・ハイヤーの攻撃はスカッた。ならばと椅子でも壊し
いかるん先輩もとい斑鳩達の助力に向かおうと思った矢先の言葉に
『モーニング・マウンテン』はあらぶる動きを止める。

 「……『アダージョ』?」

朝山には、当たりまえだが初耳の、今まで聞いた事もない名前だ。
 だが、何故か気になる名前だと直感で思えた。

女性『塞川』の首を絞める、けばけばしい男がそう呼ばれたのだと知ると。
椅子を破壊しようとするのを止めて。

―タンッ! タタタタッ!!

『ザ・ハイヤー』を前面に出しつつ、MAP上の真上の通路を直進して
『アダージョ』目掛け接近する!

874斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/18(日) 18:45:20
>>870

即座に前方へ翔けると同時にスライディング 頭部と脚部の鎖を解放。
姿勢を低くしながら影の脚を展開し、地面を蹴り飛ばし距離を稼ぎつつ立ち上がる。

人の考案した剣術・槍術は『同高度にいる人型相手の物』
地を滑る様に翔ける相手等想定してはいない。であれば極端に姿勢を低くしながら移動すれば初撃は躱せる。

 (あの速度と席を翔ける精密性、点では避けられる…線ならどうだ?)
 
左手の鎖を鉄球を解きながら遠心力の勢いで薙ぎ払い、『太門』の四肢と座席の一つを巻き込むように結合し、切り離す。
(パス精CCB)

 (『器物型の弱点』は…本体の防御能力が殆ど無い事、躱すなら距離が取れる、防ぐなら其処を起点に巻き付かせて縛る。)
 (兎に角前へ走り続けなければな…『突き』の後は『払い』がきかねない。)

875塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/18(日) 23:39:15
>>870
(な、なんだ...こいつらは......
私は、せめて目の前の2人の未知の人間であればと思っていたが、マジで『味方』なのか? 
こんな幸運が、私の人生にあって良いのか?)

断片的に聴こえてくる声から、なんとなく状況はわかるだろう。
叩き割ったガラスの破片を持った手を振るい、アダージョの顔面へとガラス片を飛ばし、
一拍遅れて右手のものでもアダージョの顔を狙う。

(マジに信じていいのか?
いや、ほかに選択肢はない...
どれだけ強力なスタンドであろうと、操るのは人間...処理能力には限界がある!)

876『その夕立に雨傘を』:2020/10/19(月) 00:01:30
>>871(一抹)
『インダルジェンス』は手にした椅子を振るい、『太門』を迎え撃つ。

    バシィッ!!

    「無駄だ。俺は既に『槍』そのもの」

『太門』の頭部に命中するも、火花が散り、容易く弾かれた。
そして、『椅子』には亀裂が走るも、破壊されていない。

>それに『夢世界』の希釈された『魂』で構成される椅子はスタンドで簡単に切り裂かれる恐れがある。

――――『情報』の入手経路は『不明』だが、
容易く破壊されるのは夢見人のイメージに乏しい『創作物』のみ。
即ち、『鎧』や『長剣』、『魔術』であれば破壊される一方、
夢見人の見知った物体であれば、現実通りとなる。

>>874(斑鳩)

     ズザザザァァー!!

スライディングをするには『助走』が足りなかったが、
『斑鳩』は身を滑らせ、『槍』の一撃から辛くも逃れる。

    バァンッ!!

無理な体勢などない、『影脚』を利用して身を跳ねた。
無言のまま、身を起こして『鎖』を――――

振り回せない。
周囲を『椅子』に囲まれ、更に身を倒した今、
『鎖』は床や椅子にぶつかり、その『回転力』を失っている。

>>872(氷山)
>「ところで、あなた達にとって『鉄 朝陽』さんは何なんですか・・・・?

『太門』も『アダージョ』ではなく、その質問に答えるのは――――

    『この娘のピアノの演奏が、俺達を震わせる!』

    『みなぎるパ・ワァ! WOOOOAAAAAA!!!』

座席の『悪霊』達が歓声を送る。
彼等の『復活』を想像させる、おぞましいファンファーレだ。

>>877(朝山)
> 「……『アダージョ』?」

イタリア語で『くつろぐ』を意味する、スローテンポを示す音楽用語。
もし、『朝山』の知識にあるとすれば、その程度でしかない。

     ダダダッ!!

『アダージョ』目掛け、通路を駆けていく。

>>875(塞川)
己の巡り合わせに疑念を抱く。
『曳舟』も虚ろな意識を呼び覚まそうと呻いている。
彼の差し金ではないのは、状況を見ても明らかだ。

  ヒュッ       ――――パァン!

投げ放った『ガラス片』を、『アダージョ』は身を捻って避ける。
喉輪を締める掌を離し、思わず『塞川』を見返した時だ。

877『その夕立に雨傘を』:2020/10/19(月) 00:02:00
>ALL
>「だから、壊します・・・・・この夢ごと!」

    「私の『夢』を、ジャマしないでくれるぅー?」

   ズギャッ   ヒュォンヒュンッ

『アダージョ』はねっとりとした声を上げ、『氷山』を見る。
『氷山』と『一抹』の手に『微塵』が握られ、
『エド・サンズ』に振り回される『微塵』は回転力を蓄積する。

    パァンッ!!  バキャァ

    「ん、ぎゃぁぁぁぁ!!!」

『塞川』の捕具が『アダージョ』の顔面にて炸裂する。
視界を塞がれ、思わず『アダージョ』は飛び退いた。
野太い悲鳴は『塞川』の口から零れた『否定』の声と同じだった。

    「な、なんなのぉ!?
     けしょうが、アタシの化粧がぁぁぁぁ!!」

    「まさか、私めの『アナーキー・イン・ザ・UK』ではありやせん。
     ――――仮初ではない、本物の『運命』が味方した……?」

『曳舟』は周囲を見回し、四人の存在を確認する。
『太門』も事態を把握し、槍の尖端が『座席』へと突き刺さる。

    グニョ    シュパァッ!

『棒高跳び』の要領で空中へと飛ぶ。
槍を握ったまま、手の届かぬ天井付近から全員を見据える。

   『このエネルギー、現世に届けるぜぇ!』

   『だから、てめぇら!』 『身体をよこせぇぇ!!!』

興奮した『悪霊』達が大声を張り上げる。

―─―段――――――段―――
■□□朝□ア□□□□□□□■
■席席□席席賽曳席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席斑席席■
■席席□席席席席席破□席席■
扉 ̄ ̄□氷□□□□一□太 ̄扉

878氷山『エド・サンズ』:2020/10/19(月) 00:33:39
>>876-877
>    『この娘のピアノの演奏が、俺達を震わせる!』

>    『みなぎるパ・ワァ! WOOOOAAAAAA!!!』

身を竦ませるほどの大音声
恐ろしき『悪霊の軍勢』が自分たちの『復活』を予期して上げる歓声は
心の弱い人間が聞けばそれだけで心を萎縮させるほどの『恐怖』だろう・・・・

『ナア・・・・あきはヨォ・・・』                        「はい?」
『コイツラニトッテモ「朝陽」ノ「ピアノ」ハ大事ミテェダナァ・・・』     「ですね」
『デモヨォ・・・コイツラニトッテ演奏ハ「ただの復活手段」デシカナイミテェダ』「・・・・・・。」


     「なら・・・・取り戻さないといけませんね」   『アア・・・!』


             『「あの演奏を・・・・・私達(俺達)の手で・・・・ッ!」』


>   『このエネルギー、現世に届けるぜぇ!』

>   『だから、てめぇら!』 『身体をよこせぇぇ!!!』

『ヤルワケネエダロッ! 馬鹿野郎!』

       『「断る!」』

このおぞましい『悪夢』に肯定的なケバ男(アダージョ)は明らかに『敵』だ
その『敵』と敵対している女性(塞川)は・・・・『敵の敵』だから多分『味方』でいいだろう

  ヒュンヒュンヒュンヒュン・・・・・・!


高速で回転する『微塵』の方向をほんの少し微調整、『アダージョ』に向ける
後方のこの位置から見ればピアノもアダージョもほぼ同じ一直線に並んでいるため
修正はほんの少しの運指の変化で行えるはず

そしてその『力』を・・・・・『アダージョ』が飛び退いた瞬間に開放する! パス精BCC
狙いはアダージョの首元から肩にかけて
鎖分銅による純粋な『破壊力』と、鎖が絡みつくことによる『拘束』を狙う

  ダッ!

『微塵』の解放と同時に左手側の通路を使ってステージ前まで走る
この程度で『悪霊』を仕留められるとは思っていない
恐らく、アダージョは何らかの方法で抵抗するだろう
追い打ちをかけるためにも、自分にとって最も有利な間合い(相手から4-5m程度の距離)まで近づきたい

使用捕具(3/5):『氷山微塵』『一抹微塵』『塞川投卵子(破裂)』

879塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/19(月) 01:16:10
>>876-877
「……ッ! ゲホッ! かはっ!
っ、ハァーッ、ハァーッ………」

やっと解放された喉で、息を吸い込みながら
肩に発現した『クリスタライズド・ディスペア』で周囲を見る。
それぞれが戦闘行動を行う、4人のスタンド使いが目に入った。
『鉄』と同じ制服のものもいる……『学生』の『スタンド使い』。

「そうか……『曳舟』。だが、これは私のじゃあねえ。
『命』を『運ぶ』と書いて『運命』……
『鉄 夕立』の『運命』が、私の袂へ4人の命を運んで来たか……ッ!」

『アダージョ』へと追撃したいが、いつまでも隙を見せるような男でもないだろう。
『クリスタライズド・ディスペア』Aの拘束が緩んだなら、素早く脱出して手元に戻す。
そうでなければ『B』と新たに発現した『C』で『曳舟』の両方の手の『手錠』を『ガラス化』。
椅子から立ち上がり、声を上げて宣言する。

「ならば、私のやる事はひとつ!
こいつらを打倒して、『朝陽』を取り戻し、『夕立』の元へ向かうッ!
『4人』ともッ、『協力』してくれ!」

「そして、『悪霊』ども!
あんた達への答えは『NO』ひとつだけだ!
私が応じる答えはな……」

『手錠』をガラス化した『クリスタライズド・ディスペア』BCはそのまま飛び上がり、
周囲の『スタンド使い』、その行動の巻き添えにならないように気を付けつつ、
『アダージョ』の方向へと向かわせる。

880一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/19(月) 04:34:57
>>876-877
「『断固拒否』するッ!! 」

『アルモニカ』の影響を受ける『悪霊』たちの『誘惑』にハッキリと拒絶の意思を叩きつける。
おそらく『アルモニカ』の演奏が続く限り『悪霊』は無限に集まり続ける。

「戦い慣れした動き。これが元『アリーナ』の戦士の戦い方…」

斑鳩先輩が鎖を振り回せないように『太門』の槍も座席が障害となる。
しかし、天井から狙われてしまうと回避する側にとって座席が邪魔になる。
逃げるにも近すぎて無理だ。稲妻のような素早さで追いつかれるかもしれない。

「『槍』と『一体化』しているなら硬いし、あのように
 器用な真似が出来て当然。ならば…」

『インダルジェンス』に持たせた座席を『太門』に投擲しつつ、片手の『微塵』を振り回しながら『太門』に向かって移動。
天井を蹴るなどして突撃される前に『微塵』を叩きつけて鎖分銅の部分で拘束したい。
『槍』を振り回せないほど接近して隅っこに追いやり、斑鳩先輩が鎖で仕込みなどをする時間を稼ぐしかない。

>>879
「よし、鉄先輩の協力者だった!」

あの『硝子化』するスタンド能力は『太門』の天敵となるかもしれないが『ケバい男』の相手で手一杯のはず。
それに『太門』も、それを理解しているはずだ。
彼女が狙われるのは不味い。

881朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/19(月) 17:01:00
>>876-877

「『NOОООッ!!!!』ッス!!」 チャキンッ!

周囲の『亡霊』及び他の声に対し、変わる事ない拒絶の声を上げつつ
『ザ・ハイヤー』の片腕の手の平の照準を『アダージョ』へ合わせる。
もう残る手は、朝山の体を制止するようなポーズで胸に付くかつかないか。
本体の胴体へ、スタンドの手の平が翳されている。
『変動率』スピードC→B 精度C→Dへと変更しておく。

まだ『球体』は発射しない。氷山、塞川の動きによっては
アダージョがどう予測しない動きで回避行動をとるか解らない。
二人の動きによってはアダージョはこちらへ攻撃してくる可能性もあるし
運が味方すれば二人の攻撃で動きが止まり、ザ・ハイヤーの『球体』で
完全に動きを止めてラッシュを繰り出す事も出来る。

『アダージョ』の動きに全身全霊で意識を集中し、発射の機会を待つ。

882斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/19(月) 21:22:41
>>876-877

 (移動しようのない空中に飛んだ…何のつもりだ?)

『アダージョ』の方は保留するとして……『太門』か。
速度と精密動作は一級品、本体を『硬化』といっていい防御力がある
現にあの速度にカウンター気味であてた椅子の方が砕け散った。
逆に破壊力は座席に突き刺さる程度……槍の鋭さが精々と見た。

 (――考えるの面倒くせぇなぁ。)

移動しようのない空中なら攻撃のチャンスか?
……あえて不利な場に行く理由がわからない 罠にも見える。

何故真っ先に自分を狙ってきた?会話できないと判断…というならあの首領も同様だ
距離の近さ…というのもあの速度では関係なかろう

後は……見た限りでの判断なら、僕は『鎖』を持っている。
無制限に『硬化』できるなら、並みの近距離型などアレは相手にならないだろう
……そうなると態々突っ込んでくる理由が無い。散歩する様に歩いて振るえばそれで終いだ、速度は隠した方が奇襲になる。

 (『高速移動中のみの硬化』…か?これなら態々動きを制限されかねない自分を狙うのも、不利な空中に飛ぶ理由にもなる)

とはいえ……微妙だな、今は推測の域を出ない
影の頭に太門を監視させておくとしても……周囲には『座席』ばかり。

 (空を飛んでくるなら今度こそ避けるのは困難だろう…どうする?回避を優先するか?)
 (それよりも鉄の妹さんが…あのピアノを盾に…動きは直線的だが…速度なら向こうの方が早い)
 
 近くの座席に左手を振るい、鎖を解き、巻き付けて結合・切り離し、そこに残す…残り14m。
 そのまま影の頭で『太門』を見つつ、右手の鎖を回して最前席へ走る。

 (これで鎖の接続点が出来た……後は最前席へ出来る限り走るのみ)
 (ヤツから目を離すなよ『ロスト・アイデンティティ』…一手遅れたら心臓から槍が生えちまうぞ。)

883斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/19(月) 22:16:09
>>876-877

 (移動しようのない空中に飛んだ…何のつもりだ?)

 「『俺』は当然、『承諾』するつもりだが……」

『アダージョ』の方は保留するとして……『太門』か。
速度と精密動作は一級品、本体を『硬化』といっていい防御力がある
現にあの速度にカウンター気味であてた椅子の方が砕け散った。
逆に破壊力は座席に突き刺さる程度……槍の鋭さが精々と見た。

 (――考えるの面倒くせぇなぁ。)

 「ですので、『私』は身を任せることにします」

移動しようのない空中なら攻撃のチャンスか?
……あえて不利な場に行く理由がわからない 罠にも見える。

何故真っ先に自分を狙ってきた?会話できないと判断…というならあの首領も同様だ
距離の近さ…というのもあの速度では関係なかろう

後は……見た限りでの判断なら、僕は『鎖』を持っている。
無制限に『硬化』できるなら、並みの近距離型などアレは相手にならないだろう
……そうなると態々突っ込んでくる理由が無い。散歩する様に歩いて振るえばそれで終いだ、速度は隠した方が奇襲になる。

 (『高速移動中のみの硬化』…か?これなら態々動きを制限されかねない自分を狙うのも、不利な空中に飛ぶ理由にもなる)

とはいえ……微妙だな、今は推測の域を出ない
影の頭に太門を監視させておくとしても……周囲には『座席』ばかり。

 (空を飛んでくるなら今度こそ避けるのは困難だろう…どうする?回避を優先するか?)
 (それよりも鉄の妹さんが…あのピアノを盾に…動きは直線的だが…速度なら向こうの方が早い)

「ここは……。『僕』が貸すしかありませんね」

 近くの座席に左手を振るい、鎖を解き、巻き付けて結合・切り離し、そこに残す…残り14m。
 そのまま影の頭で『太門』を見つつ、右手の鎖を回して最前席へ走る。

 (これで鎖の接続点が出来た……後は最前席へ出来る限り走るのみ)
 (ヤツから目を離すなよ『ロスト・アイデンティティ』…一手遅れたら心臓から槍が生えちまうぞ。)

884『その夕立に雨傘を』:2020/10/19(月) 22:40:04
>>878(氷山)
>『ヤルワケネエダロッ! 馬鹿野郎!』

>       『「断る!」』

両者の『否定』はホールに響き渡り、
回転力を貯めた『微塵』を『アダージョ』へ投げ放つ。

    ダッ

そして、間髪を入れずに『距離』を詰める。
『アダージョ』を射程に入れる一方、『朝山』や『塞川』とも連携が取れるだろう。
破壊された『投卵子』の解除を理解する。――――無論、『アダージョ』の視界は奪われたままだ。

>>879(塞川)
>『命』を『運ぶ』と書いて『運命』……
>『鉄 夕立』の『運命』が、私の袂へ4人の命を運んで来たか……ッ!」

    「『運命』をたばかる『異形』である私めには、
     眩しすぎますわぁ……」

『クリスタライズドB、C』は『曳舟』に向かい、『手錠』の一部をガラス化する。
『クリスタライズドA』は緩やかな握撃により、全身にヒビが入っている。
『頭核』も露出しているが、破壊には至らない。普段通りに操作できる。

    「姐さん。勿体なき助力でごぜぇます……!」

『曳舟』が這いつくばるような礼をし、手錠を叩き割ろうとする。

>>880(一抹)

    ブォンッ!

上空へ飛んだ『太門』目掛け、『椅子』を投擲する。
『太門』の真下へ移動しながら、『微塵』の回転を始める。

>「ならば、私のやる事はひとつ!
>こいつらを打倒して、『朝陽』を取り戻し、『夕立』の元へ向かうッ!

『塞川』の心強い宣言が『一抹』にも聞こえた。

>>881(朝山)
>「『NOОООッ!!!!』ッス!!」 チャキンッ!

『ザ・ハイヤー』の変動率を操作し、『朝山』は隙を狙う。

>>882-883(斑鳩)
敵のスタンドを『高速移動中の硬化』と推測し、
鎖を解いて『影頭』を展開。『太門』の動きを観察する。

     ジャララッ

左手を振るい、近くの座席に鎖を巻き付け、『結合』と『切断』。
右手の鎖を振り回し、『太門』の真下へと接近する。
一切が『無言』。『悪霊』の呼びかけに『否定』も『肯定』も返さない。
そのつもりだった。

885『その夕立に雨傘を』:2020/10/19(月) 22:40:23
>ALL
>「『俺』は当然、『承諾』するつもりだが……」
>「ですので、『私』は身を任せることにします」
>「ここは……。『僕』が貸すしかありませんね」

今まで無言を貫いてきた『斑鳩』が不意に声を発する。
それも一度ではない。何故か一人称を変え、『影頭』に話しかけている。

    『なんだぁ、コイツぅ!?』  『一人で喋ってやがるぜ!』

    『なんにせよだぜ……おじゃましまぁーす!』

『三体』の悪霊がその身を躍らせ、『斑鳩』へと吸い込まれていく。
『斑鳩』の顔面におぞましい『人面痣』が宿り、それは一人で喋り始める。

    『ひゅぅぅー、これで現世に帰れるぜェェ〜〜〜ッッ』

    『お、おで、しあわぜ……。また、お人形で、あそべる、うれじい……』

『斑鳩』の脳内で蠢く『異物』。異響の声が肉体を震わせる。
憑依を目の当たりにした『太門』は忌々しく舌打ちをした。

    「無様だな。――――『一思い』にやってやるか……」

   ブォンッ!

『太門』は手にした『サンダー』を『斑鳩』へと投擲する。
流星の如く放たれた『槍』は、『椅子』とすれ違うように飛来し、

    バヒュゥゥ――――
                             . .
『太門』もまた、超スピードで投擲された『槍』に追従して滑空する。
椅子を投げ、右手では『微塵』を回す『一抹』では、『防御』が間に合わない。
『斑鳩』の腹部目掛け、『槍』の穂先が燦と煌めいた。

    「なっ……」 パリンッ

一方、『曳舟』の手錠は叩き付けるより早く、砕かれた。
右手だけではない、『クリスタライズド』が触れるより早く、
左手の手錠も砕かれている。

    「――――アタシと同じタイプのスタンド使ぁい?
     やってくれたわねぇ……可愛いお顔、どうしてくれようかしら……?」

視界を塞がれたはずの『アダージョ』は両目を瞑ったまま、
飛来する『微塵』へと『ゴールデン・イヤリング』の手を伸ばし。

    パシィッ!

当たり前のように掴んだ。微塵の勢いは完全に殺され、
『アダージョ』の眼前を『微塵』の鎖端が揺れ、通り過ぎる。
不規則に揺れる『鎖』をいなせる『精密動作性』以上に、
完全な不意打ちに対応できる、異常なまでの『手の速さ』――――

    「ところで、アンタ誰ェ?
     おかめちゃん、でいいのかしらぁ?」

『アダージョ』は『朝山』へと視線を向け、手にした『微塵』を掲げる。
いつ解除されるかも解らない武器を手に、『アダージョ』は悠然と佇んでいる。

―─―段――――――段―――
■□□朝□ア□□□□□□□■
■席席□席席賽曳席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席氷席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□★←鎖の巻き付いた『座席』
■席席□席席席席席破斑席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□一□太 ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

886氷山『エド・サンズ』:2020/10/19(月) 23:40:13
>>885

「斑鳩先輩・・・・・ッ!?」

後方で、普段の斑鳩先輩らしからぬ殊勝な承諾の言葉が聞こえる
だが、後方に気を配る余裕は・・・・残念ながら今はない

「随分と器用に動けるんですね・・・・」

『投卵子』は確実に彼の視野を奪い、『微塵』は正確に彼を捉えていたはず
だが、確実にクリーンヒットするはずの『微塵』は
今や『ゴールデン・イヤリング』の手の中に収められている

こうなってはもはや敵を利するのみだ
『アダージョ』に利用される前に急ぎ、『微塵』を解除しようとする

(ケバケバの人のスタンドがとてつもない『素早さ』と『正確さ』を持っていた・・・・?
 いいえ・・・・どんな凄いスタンドでも『視野』を奪われた状態であれだけの動作はありえない
 そう考えると・・・・)

―――――『アダージョの能力』。
それが『微塵』を止めた可能性が高いか

「器用な『能力』ですねぇ、ケバケバなセンスのお兄さん
 『人を拘束』したり、『物を止め』たり・・・・『拘束』があなたの能力ですか?
 目に見えないものでも『わかっていれば』使う事が出来る・・・・とか?」

『アダージョの能力』について当てずっぽうの推測を口にする
と同時にこれまで捕らわれていた曳舟の手錠が砕けているのを確認する

「ですが、使える能力の数に制限があるんじゃあないですか?
 それこそ・・・・そこの卑屈なおじさんを捕え続ける事が出来ないくらいに
 限界ギリギリまで能力を使っているのでは?」

能力使用回数の制限
同じ種類の制限を持つ自身にとっても悩ましい問題だ
だが、『アダージョ』も同じ種類の問題を持っていたとしたら?

「お姉さん! おじさん! 『鉄先生』を助けるため、私も協力します!
 『武器』を渡すので使ってください!」

再度、『大捕物』を使用する
『氷山』、『曳舟』、『塞川』に『さすまた』の手元に『さすまた』を出現させる
同時に、自身の『さすまた』を『エド・サンズ』に手渡し、『アダージョ』の首元目掛けて突いていく パス精BCC

『コレダケノ人数ノ攻撃ナラヨォォ! 「止め」キレネエンジャネェェェカァァァ!?』

使用捕具(4/5):『氷山さすまた』『曳舟さすまた』『塞川さすまた』『一抹微塵』

887一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/20(火) 00:15:38
>>884-885
「不味い不味い不味いッ! 『悪霊』が3体もッ!!」

「『槍』と動きも『連動』しているなら…!」

『槍』に追従するようにして移動を始めた『太門』に『微塵』を絡ませて引っ張る。
『太門』に届かないようなら『槍』に『微塵』を絡ませて引き寄せたい。
本体と『槍』が移動方向まで『一体化』しているなら片方の軌道をズラせば、もう片方にも影響が現れるはず。

>>882
「斑鳩先輩ッ! 策が無ければ『鎖』を私に!
 引っ張ります! 3体の『悪霊』が内側から何かするとヤバいです! 『解呪』しましょう!」

呼び掛けに返事が有れば『インダルジェンス』に鎖を握らせる。
倒れるような体勢を『影』の足で支えながら引っ張れば回避できるかもしれない。
内側の『悪霊』が動作の邪魔をしなければ…

888斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/20(火) 03:48:22
>>884-885

 「ばッ……!?」

咄嗟に口を塞ぐ…等という行動は無意味だった
今、誰が何を喋った?そう考えた瞬間には自分以外の何かが既に内に入っていた。
 
 (ありえん…!口だけなら兎も角『動作』まで!何故太門の前まで走っている!?何の能力だ…もう1人か!?)

気持ちが悪い。
まあまともさでは悪霊の方がまともかもしれないが。
なにしろ自分は人間失格だからな。

一抹が呼び掛けているが、今の自分では体が動く保証がない
どうにか両腕か、足だけでも動かしたいもんだが

 (こいつが槍と追従して動くなら…さっきのは今使えるんだが。)
 
 左腕を座席に振るい、鎖の鞭を座席と結合
 右腕の鎖を解きながら振るい、インダルジェンスまで伸ばし
 4脚のすべてを全力で地を蹴り飛ばし座席の合間に倒れ込む
 高速移動する物体の前方にワイヤーを貼るような物だ。動ければ。

 (……問題はこいつのパワーと強度だな金属の拘束すら振り払うならお手上げなんだが。)

889朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/20(火) 18:10:22
>>885

>ところで、アンタ誰ェ?
>おかめちゃん、でいいのかしらぁ?

「『NO――ッ!!』っス!」

朝山の発言に淀みは無い。
 『アダージョ』と面と向かうと、鳥肌が立つような感じがしないでもない。
『辻蹴り』と相対した時よりも更に強烈な威圧感が彼? にはある。

 ポンッ!

『変動率』スB精Dの状態で『アダージョ』へ目掛け『球体』を二発発射。

他の仲間達が急襲すると同時に『再分配』を行う。
勿論、アダージョが完全に鈍間になるように、ザ・ハイヤーはス精AEに変更。
これによってアダージョはスE精Aとなる。

890塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/20(火) 20:38:35
>>884-885 >>886
>「お姉さん! おじさん! 『鉄先生』を助けるため、私も協力します!
> 『武器』を渡すので使ってください!」

「こいつはッ……似たタイプの『能力』を………ハッ!」

『クリスタライズドA』は『朝山』の方向へ向かわせる。
『クリスタライズドB』は座席に隠すように自らの足元へ。
そして他の者にも伝わる様に声を上げる。

「ヤツの『能力』は、触れずとも『拘束具』を生み出す!
私が見たのは『手錠』と『猿轡』……!
そして『手錠』が消えた! 何かが来る! もっと大掛かりな、別の『何か』が……!」

嫌な『予感』はあるが、それが何かわからない以上攻撃行動を行うしかない。
自身は『氷山』に従って『さすまた』の突きを繰り出す。

891『その夕立に雨傘を』:2020/10/21(水) 21:35:58
>>888(斑鳩)
> (ありえん…!口だけなら兎も角『動作』まで!何故太門の前まで走っている!?何の能力だ…もう1人か!?)

> そのまま影の頭で『太門』を見つつ、右手の鎖を回して最前席へ走る。

申し訳ありません。
このレスを読み違え、『太門』の方へと走る、とGMレスをしてしまいました。
斑鳩PLはレスの訂正をお願いします。

892斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/21(水) 23:40:18
>>891
>>888

「――今更だが 『NO』だ。丁度いい燃料だよ。」 『妬め。』

 必要なのはパワーでもスピードでもない
 『距離』と『精密動作』と『タイミング』、『行動力』そして少しの『勇気』である。

 怨霊?死にぞこないの便所にへばりついたタンカスが、三人がかりでガキ独りにかかるものが?
 精身体だと言うなら精神を燃料に動くエンジンたるスタンドの燃料としてくべるのみ。

 勝手に下宿してきたんだ、家賃を絞りカスになるまで取らねぇとなァ…!
 慣れてるんだよ、人の身体に複数いるのはッ!

 「オマエ。槍の投擲に準じて追従する形でしか移動してないな……!」 『恨め!』

 器物型の欠点がもう一つ、両腕を封じられれば何も出来ない事。
 打撃を許さぬ硬度と凄まじい速度で動く敵ならば、腕の可動域外である『背後から絞殺する』しかない。

 『――怒れ!!』

 手首の『鎖』を合わせ、連結。両手の間に一本の鎖を渡し、交差させ円を作る
 座席を足蹴に4ッ脚の瞬発力で跳躍。槍の軌道上を通る相手の頭上から、馬の手綱を握るが如く。相手の首めがけて投射。
 背後に回り、交差させて首を閉めつつ鎖を結合、収縮、影の脚で両手首を、自身の脚で胴を抑え込み。捕縛と窒息を狙う。

 『――嗤え!!!』

 軌道が解れば置くように鎖を放つのは容易い事、影の頭部で常に見やれば如何なる速度であろうと既にそこを通ると解っている
 例え凄まじい速度であろうと、枷を放ち、縛れるのならば振り落とされる事も無い。距離を稼げば後は『実行できるかの問題』だ。

 「『殺せェェェエ―――ッ!」』

893『その夕立に雨傘を』:2020/10/22(木) 01:29:33
>>886(氷山)
『アダージョ』の握る『微塵』を解除しようとするが、
――――『解除』できない。この感覚は、ヴィジョンの『拘束』と同じだ。
(※スタンドのルール。『拘束』されたスタンドは『解除』できない。)

……だが、それはあくまでもスタンドヴィジョンの話であり、
『捕具』は誰かに握られていても、『解除』は『氷山』の自由なはずだ。

>「ですが、使える能力の数に制限があるんじゃあないですか?
> それこそ・・・・そこの卑屈なおじさんを捕え続ける事が出来ないくらいに
> 限界ギリギリまで能力を使っているのでは?」

    「アタシが限界ギリギリまで頑張ってるのは、
     体脂肪くらいよぉ。――――やってごらんなさいな」

   ズギャッ

不敵な笑みを浮かべる『アダージョ』を囲むように、
『氷山』、『曳舟』、『塞川』、『朝山』の手に、『さすまた』を発現する。

     ドシュッ!

『朝山』以外の三人が、手にした『さすまた』を突き放つ。

>>890(塞川)
>「ヤツの『能力』は、触れずとも『拘束具』を生み出す!

    「『拘束具』なんて、野蛮な言い方、イヤねぇ。
     ――――こ・れ・はぁ、『愛』が形を成したに過ぎないのぉ」

眼前の脅威に対し、『塞川』は声を上げて、予感を訴えた。
『クリスタライズドA』を『朝山』へ飛ばし、『B』を足元へ隠す。

     ドシュッ!

『塞川』の手中に現れる『さすまた』。
間髪入れず、『氷山』と『曳舟』と共に、それを突き出した。

>>889(朝山)
>ポンッ!

狙いはブレるが、この至近距離であれば外さない。
『球体』を二発、『アダージョ』へ発射する、その刹那、

     グォンッ!

『アダージョ』が手にした『微塵』を投擲した。パス精BAB
『微塵』に絡み付いたのは、サッカーボール大の『鉄球付き足枷』。
それが唸りを上げ、動作後の『ザ・ハイヤー』目掛けて、

        ゴ シュッ!

脇腹に命中し、『朝山』の肋骨を容易く圧し折った。
背後によろけ、後ずさる『朝山』。口からは血が滴る。
だが、『球体』は最早『アダージョ』の眼前まで迫っている。

>>887(一抹)

    ギュンッ
          ――――バシィッ!

放った『微塵』は『太門』に触れた瞬間、弾かれた。
『椅子』と同じだ。――――これは『硬度』ではない。

>>892(斑鳩)
> 「オマエ。槍の投擲に準じて追従する形でしか移動してないな……!」

身に宿る『怖気』を振るうように、『斑鳩』は叫ぶ。
『座席』を踏み台にし、『四ツ足』を蹴り、滑空する『太門』の上を取る。

>『恨め!』

    ジャララッ   ギィィ―――z_____

『太門』の首に『鎖輪』を掛け、その躰にしがみ付いた。

>『――怒れ!!』

    「既に『弱点』は気付いているか」

    ギチチィ――――z_____

『太門』の言葉は続かない。
喉元に鎖が通り、その気道を塞いだ。

894『その夕立に雨傘を』:2020/10/22(木) 01:30:11
>ALL

     ド  ギャンッ!

三本の『さすまた』が突き放たれ、その全てが空を穿つ。
さすまたの尖端がぶつかり合い、ホールに金属音を響かせた。
――――『アダージョ』が、忽然と姿を消した。

    「こ・こ・よぉ」

立ち上がり、猿轡のままへっぴり腰で『さすまた』を突いた『曳舟』の背後、
先程まで『曳舟』がいた座席に、『アダージョ』が足を組んで座っている。
そして、『エド・サンズ』目掛けて、優雅に『投げキッス』を放ち、

    CHU!  ――――ガギィンッ!

『さすまた』を突いた両の手に、『手錠』が嵌められる。
『氷山』の両手首にも、冷たい『圧力』が掛かる。
(※スタンドのルール。ヴィジョンが拘束されれば、スタンド使いも拘束される。)

     パシュッ

    「『仮面』のお嬢さん……。ジャマをして申し訳ごぜぇません……。
     卑しい身を縛るこれも、――――『枷』なのでごぜぇますね……?」

『ザ・ハイヤー』の放った『球体』は、飛び出した『曳舟』に命中する。
猿轡を嵌められた『曳舟』は、緩やかな動きで謝罪をする。

    「ア・タ・シ、恋愛に『秘密』は作らない主義なの。
     ――――とっておき、全部見せちゃぁう!」

   ドロォ・・・

『ゴールデン・イヤリング』の無機質な貌に、分厚い『唇』が浮かぶ。
一方、『アダージョ』の口元には革鋲の『マスク』がハメられた。

> 『――嗤え!!!』

     バチチチチチチィィ――――z____!!

一方、『斑鳩』の身体には強烈な『火花』が降り注ぐ。
『太門』に接触した『斑鳩』の身体に、強力な『反発』のエネルギーが襲う。
『鎖』で気道が塞がれるも、『太門』は槍から空いた右手首で、首を庇っている。

>「『殺せェェェエ―――ッ!」』

      バァンッ!!

着地の瞬間、拮抗は破られた。
工具の『サンダー』の如く、火花を受けた『鎖』は断ち切られ、
着地の衝撃で『斑鳩』は跳ね飛び、『悪霊』を透過して座席へ転がっていく。

『両手脚』の鎖に護られた『斑鳩』に、『火傷』などのダメージはない。
――――だが、四肢の鎖はバラバラに飛び散り、『修復』には時間と手間が掛かる。
無傷の鎖は『座席』に巻き付いたもの、頭部に巻かれた鎖の残数だけだ。

    「その『鎖』は、武器ではなく『枷』。
     それも、『自分』を抑え込むための……」

    「なるほどな。『アダージョ』が恐れる理由も解る」

『サンダー』は突き刺さる。『太門』も無傷ではない。
『斑鳩』の抵抗から逃れるため、着地に失敗し、
身体を大きく『階段』にぶつけ、追撃はままならない。

    「ゴホッ、お前の言う通り、『停止』こそが『サンダー』の弱点。
     ……だが、お前達に、俺が止められるのか?」
              . . . . . .
    「俺は、俺達は、死んだところで止まらない」

『太門』は笑みも浮かべず、冷たい闘志を二人に向ける。

    『やれー! 太門!』   『鎖男、後一人で身体の自由を奪えるぜ!』

    『アダージョ、テメェが入れよ!』   『カマ野郎! 男に入れるのは得意だろ!』

    『は・い・れ!』  『は・い・れ!』  『は・い・れ!』  『は・い・れ!』

『悪霊』達の下品なコールがホールに響き渡る。

  『枷付き鉄球』に拘束された『微塵』
―─―↓――――――太―――
■□朝★□□曳□□□□□□■
■席席氷A 席賽.ア席席□席席■
■席席□席席席席席席□席斑■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□『微塵』→★席□★←鎖の巻き付いた『座席』
■席席□席席席席席破□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□一□□ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

895一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/22(木) 08:12:35
>>893-894
>>892
『太門』のやり取りから『サンダー』の弱点を理解する。
と、同時に『アダージョ』のスタンド能力を目にして斑鳩先輩の『ロスト・アイデンティティ』が連中の天敵であることを確信した。
既に自分を『拘束』し、律する斑鳩先輩は縛れない。

>『鎖男、後一人で身体の自由を奪えるぜ!』

「なっ!? スタンド使いは6体まで『悪霊』の憑依に耐えられるはずじゃ…」

一人称を変えて『影頭』と会話していた様子からして斑鳩先輩は『魂』二人分の何かを宿しているのかもしれない。
だとすれば、今の斑鳩先輩は水を限界まで注がれたコップのようなもの。

「斑鳩先輩ッ! 『悪霊』が先輩を残り一回で乗っ取れるって! 『悪霊』を祓わないとヤバいッ!」

斑鳩先輩に駆け寄り『人面痣』を『慈悲の刃』で斬る。
流血が視界の邪魔にならないように斬りたい(パス精:BCA)

「もう一回殺します。私のスタンドには『手段』がある。それしか取り柄がないのですから」

しかし、『微塵』を巻きつかせる前に纏うエネルギーで弾かれてしまう現状、突出した能力を持たない『インダルジェンス』で『太門』は止められない。
故に別の手段を取る。氷山先輩に『投卵子』の発現を要請しよう。
突っ込んで来る方向を見極めて『太門』へと『投卵子』を投擲(パス精:BCA)
『硬化』と『反発』の性質を併せ持っていても呼吸はしているはず。
催涙さえも効果が無ければ別の手段を探すしかない。

>>886
「氷山先輩ッ! 解除をッ! 代わりに『投卵子』をください!」

無茶振りだが『サンダー』への対策が他に思いつかない。
『反発』と『硬化』を解除するには足元を乱れさせて勢いのまま激突、或いは迂闊に突撃が出来ない状況を作るしかない。

896氷山『エド・サンズ』:2020/10/22(木) 13:47:21
>>893-894
(すいません、朝山さんには『さすまた』を発現させてなかったのですが
 >『氷山』、『曳舟』、『塞川』、『朝山』の手に、『さすまた』を発現する。
 この部分の記述については間違いという事でよかったでしょうか?)



「・・・・・・・ッ!?」

―――――困惑する
アダージョに握られた『微塵』が解除できないことなどから
彼の能力について漠然と、何かを『捕え』たり、『支配』する能力だと考えていた
しかし・・・・・・この『応用』は想定外であった・・・・

すぐさま追撃を――――と考えたが

          CHU!     ガギィンッ

     『ナッ!?』          「えぇっ!」

『悪霊ノ分際デ「岡っ引き」ヲ逆ニ「縛につける」タァ・・・・・ナメタ真似シヤガッテ!
 モウ許サネェ・・・・お前ら全員縛り上げテ、あの世ノ閻魔様マデ送ッテヤラァ!』

自分の腕を縛る『手錠』を見つめながら『エド・サンズ』は啖呵を切る
とはいえ、未だ有効な決定打を見つけられていないのは確かだ
『曳舟』のように行動を操られてしまう可能性もあるため、『自分』と『曳舟』の『さすまた』は解除しておく

「・・・・・・こんな縛ってばかりの『愛』なんて、私は嫌ですけどね
 そんな事ばかりやってると皆から嫌われてしまいますよ」

負け惜しみのように苦々しい口調で言う
実際、有効打を打てていないので負け惜しみでしかないのだが・・・・

(『瞬間移動』もできる能力・・・・?
 いえ・・・・『瞬間移動』ではなく座席に『納まりにいった』と考えれば・・・・)

 考察を深める氷山・・・・・
       『やれー! 太門!』   『鎖男、後一人で身体の自由を奪えるぜ!』

(『アダージョ』の能力は対象を自然な形で『拘束』し、『拘束』したものの行動を『支配』する事?
 発動に『接触』も『視認』も必要なく、ただ考えるだけで能力を使える・・・・?)

       『アダージョ、テメェが入れよ!』   『カマ野郎! 男に入れるのは得意だろ!』

(制限なく、あの技が使えるとするなら、どうやって攻撃すれば・・・・)


       『は・い・れ!』  『は・い・れ!』  『は・い・れ!』  『は・い・れ!』

「むーっ・・・・」

『ウルセエエエエエエエ! 邪魔ダ!テメェラ!
 若い娘っ子どもノ前デナァ! 品ノネェ事バッカ言ッテンジャネェヨ!』

悪霊たちの下品な『コール』に、巡った思考を中断させられる
目の前では『アダージョ』が何か『ヤバイ事』をしようとしている
まずは彼が何をしようとしているのか見極め、いなす必要がある

「えー・・・っと・・・・せっかくの『とっておき』なんですから、
 『成仏』するまで秘密にしといた方がいいんじゃないですかねー・・・・」

一抹の要請に応じて、『大捕物』を発動
『一抹』と『氷山本体』の手の中に『投卵子』を発現させる
視線はアダージョに集中し、『何』をしようとしているのか、動向を見極める

使用捕具(5/5):『塞川さすまた』『一抹微塵』『アダージョ微塵』『一抹投卵子』『氷山投卵子』

897塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/22(木) 20:42:14
>>893
「何……!
こいつ、このスピードは一体……!?」

『アダージョ』の出現に、拳の射程から逃れるべく数歩舞台の方へと離れ、ふと目線を上にやる。
『クリスタライズドA』の視界で『氷山』のスタンドに『手錠』が掛かったのがわかれば、
『氷山』の方へと進路を変え、『手錠』の鎖を『ガラス化』する。
元々『朝山』か『氷山』のどちらかの『拘束』を叩き割るために、『クリスタライズドA』は動かしていた。

(……そう、か……こいつら……!
いや、元々は奴らの『言葉』、可能性は半々だが……。
上手く、あっちの男を引き離せれば……)

そして、『さすまた』を構えなおし、手元へ『クリスタライズドC』を発現する。

898朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/22(木) 23:03:33
>>893-894

  グォンッ!  ―― ゴ シュッ!

 「ノ――ッ」 ゴギャンッ!

よろけるどころでは無い。一般の女子中学生の体躯である朝山には
パワー型スタンドの鎖粉塵もとい砲丸と言う鉄の塊を受けて肋骨が
へし折れれば、尻もちつくように転倒する。不幸中の幸いは意識がそのまま
飛ばなかった事だろう。

(あ……こ……れ……不味い……や…つ……ッス)

激痛で気が遠くなる。このまま何も考えず目を閉じれば
きっと楽になれるだろう。
 景色が朧気で、直立しているザ・ハイヤーも段々別の大人の男性に見えてきた。

――佐生 きっと これからも お前は苦しい事にも辛い事にも
……俺達には立ち向かえなかった者に、お前は臆さず進むんだろうな。

――なぁ、佐生。俺達は…………     ――――。

 「……我が……名……わ゛」 ゲホッ

「『ニュー・エクリプス』 あく……の首領 『モーニング・マウンテン』……ッ」

歯を食いしばり、血を吐きながら『さすまた』を両手で掴み
渾身の力を込めて立ち上がる。

『猿轡のおっちゃん……ソレは……【枷】だ……!
――今なら奴に【通じる】!』

曳舟へ、いや全員に聞こえるように。ザ・ハイヤーのスタンド音声で
言い切り、片腕(曳舟に放ったのは右腕)と別の腕を翳し……。

『サンズ……!』

『エド・サンズ』へとモーション・キャプチャーを放つ!
変動率スC→B 精C→Dへスタンドを変更、キャプチャーも同等だ。

『アダージョ……ッ! お前の力は
【拘束の支配及び、支配した対象以外の干渉の無効化】・・・!』

899朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/22(木) 23:04:55
余裕があれば『ザ・ハイヤー』で転がっている
『足枷鉄球』を拾い上げたい。恐らくキャプチャーを放つのみで
行動は終了すると思うが。

900『その夕立に雨傘を』:2020/10/22(木) 23:25:43
>>896
>(すいません、朝山さんには『さすまた』を発現させてなかったのですが
> >『氷山』、『曳舟』、『塞川』、『朝山』の手に、『さすまた』を発現する。
> この部分の記述については間違いという事でよかったでしょうか?)

申し訳ありません。誤りとなります。
『朝山』にはさすまたは発現されていません。
朝山PLはお手数ですが、現在のレスの訂正をお願いします。

901朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/22(木) 23:29:55
>>900(了解しました)

>>893-894

グォンッ!  ―― ゴ シュッ!

 「ノ――ッ」 ゴギャンッ!

よろけるどころでは無い。一般の女子中学生の体躯である朝山には
パワー型スタンドの鎖粉塵もとい砲丸と言う鉄の塊を受けて肋骨が
へし折れれば、尻もちつくように転倒する。不幸中の幸いは意識がそのまま
飛ばなかった事だろう。

(あ……こ……れ……不味い……や…つ……ッス)

激痛で気が遠くなる。このまま何も考えず目を閉じれば
きっと楽になれるだろう。
 景色が朧気で、直立しているザ・ハイヤーも段々別の大人の男性に見えてきた。

――佐生 きっと これからも お前は苦しい事にも辛い事にも
……俺達には立ち向かえなかった者に、お前は臆さず進むんだろうな。

――なぁ、佐生。俺達は…………     ――――。

 「……我が……名……わ゛」 ゲホッ

「『ニュー・エクリプス』 あく……の首領 
『モーニング・マウンテン』……ッ」 シャ キーンッ

歯を食いしばり、血を吐きながらも渾身の力を込めて立ち上がる。ついでにポーズも

『猿轡のおっちゃん……ソレは……【枷】だ……!
――今なら奴に【通じる】!』

曳舟へ、いや全員に聞こえるように。ザ・ハイヤーのスタンド音声で
言い切り、片腕(曳舟に放ったのは右腕)と別の腕を翳し……。

『サンズ……!』

『エド・サンズ』へとモーション・キャプチャーを放つ!
変動率スC→B 精C→Dへスタンドを変更、キャプチャーも同等だ。

『アダージョ……ッ! お前の力は
【拘束の支配及び、支配した対象以外の干渉の無効化】・・・!』

推理を口にしつつ、転がっている『足枷鉄球』を拾い上げようとする。

902斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/22(木) 23:35:29
>>893-894

 「――『NO』だッ!」 『v V V ウ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛!!!』

引き裂くような笑みと共に影の頭部が獣の如く咆哮する中、4手4足が椅子から跳ね上がる様に立ち上がる
今は悪霊に構っている時ではない、先のカウンターは『相手が知らなかったから決まった』のだ
次に決まる理由は無い、ヤツが倒れている間に追撃しなくてはならない。今すぐに。

 「……『死んでも動く』なら『首をガードする』必要はなかった」

奴の首を縛りあげたのは…纏めていた『4m分』の鎖だった
今、それは盾代わりになって爆発して……爆心地から『奴と僕の周囲に散らばっている』。

 「意識が無くなれば『スタンド』は解除される。お前の『反発』もなくなる。」

本体が触れれば僕の鎖は再度『接続』できる。
……地面の鎖に触れ、奴の足元を最後に、外側から渦を巻くように接続していけば
そのまま引っ張りあげるだけで奴を『雁字搦め』にできる。

 『テメェの首を引きちぎって!槍ごとカマ野郎に投げつけてや゛ら゛ァ゛!!殺゛せ゛ェエエエェェェッッッ!!!』



胴から鎖を引き出し、両手に巻き付け、ブレスレットの如く形成…残り使用できる距離は椅子と散らばった物を差し引くなら『10m』

これで両腕の鎖は『再生』する。後はまだ原型を留めている鎖の繋がりを探し、触れて、引き上げ、接続して『拘束する』事。

……もっとも、バラバラならあまり期待は出来ない。まずは両腕の『鎖の再生』と足場の確保の為に『太門のいる通路に出る事』だ。



首に1本巻き付いただけでアレなのだ、反発が無くなれば後輩の一抹が『浄化できる可能性もある』
全身に巻き付ければどうなるか?…やってみる価値はある。絶対に殺す。

903一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/23(金) 00:00:26
>>893-895
>>902
「……分かりました。『悪霊』祓いは後回しにします。
 斑鳩先輩に策が有るなら乗りますッ!」

『インダルジェンス』を先行させながら『太門』に向けて走り始める。
斑鳩先輩の策が成功することを祈り『投卵子』の発現を信じ、『太門』が押しきりそうであれば顔面目掛けて投擲。
私のことを『太門』は侮っているはずだ。
斑鳩先輩の事ばかりを狙う方針からして明らかに舐められている。

「そっちが死んでも止まらないなら私達は死ぬまで止まらないッ!」

拘束が成功したならば『慈悲の刃』を最大限まで伸ばしてラッシュの準備をしたい。

904『その夕立に雨傘を』:2020/10/23(金) 22:06:38
>>895
>>903(一抹)
>「氷山先輩ッ! 解除をッ! 代わりに『投卵子』をください!」

  シュンッ   バヒュッ!

『一抹』は階段に寄り掛かった『太門』へ駆ける。
手中に『投卵子』が現れ、それを投げ放った。
『ラッシュ』の射程距離には至っていない。

>>902(斑鳩)
> 「――『NO』だッ!」 『v V V ウ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛!!!』

     バァンッ!

影の四肢を振り絞り、座席から立ち上がる。
着地点の『鎖』はバラバラに飛び散っており、
『接触』が必要な以上、すぐには『結合』できない。

   ズルル

胴体の鎖を引き抜き、両手首にブレスレットのように結わえた。

>>896(氷山)
>『ウルセエエエエエエエ! 邪魔ダ!テメェラ!
> 若い娘っ子どもノ前デナァ! 品ノネェ事バッカ言ッテンジャネェヨ!』

    『カマトトぶってんじゃねェぞ!』  『スタンドが喋ってんじゃねェ!』

    シュンッ!

『悪霊』達の野次が飛ぶ。
『氷山』は『微塵』を解除し、『氷山』と『一抹』に『投卵子』を発現する。
視線を『アダージョ』に向ける。『アダージョ』は目元をコートの裾で拭う。

    「解ってないわねェ。奥の手を、秘密にする気はないの。
     だってェェ〜〜〜〜ッッ  貴方達、ここでオシマイだから」

『ゴールデン・イヤリング』に取り憑いた『アダージョ』の唇から、
不敵な笑みと言葉が漏れる。既に『視界』は回復したようだ。

>>897(塞川)
>こいつ、このスピードは一体……!?」

『曳舟』の背後へ向かうには、『塞川』と『曳舟』をすり抜ける必要がある。
これは『超スピード』ではない。例えるならば、『瞬間移動』だ。

   ヒュンッ     パキィ

『クリスタライズドC』を発現する。
『クリスタライズドA』が飛翔し、『エド・サンズ』の手錠の鎖をガラスに変えた。

     パリンッ

だが、それはすぐに『破壊』されるように解除される。
――――『塞川』が拒絶を『肯定』に上書きされた時と同じだ。

>>901(朝山)
>「『ニュー・エクリプス』 あく……の首領 
>『モーニング・マウンテン』……ッ」 シャ キーンッ

    「フゥン、――――『初耳』ねぇ」

   バシュッ!

『ザ・ハイヤー』が球体を放ち、『エド・サンズ』にモーションキャプチャを付ける。
『朝山』の宣言を、『アダージョ』は冷ややかな視線を向け、聞き遂げた。

     ゴドッ

『ザ・ハイヤー』が『鉄球』を拾い上げる。
ずっしりとした重量が『ザ・ハイヤー』に伝わってくる。

905『その夕立に雨傘を』:2020/10/23(金) 22:11:56
>ALL

    クッ  「遅いな」

『インダルジェンス』の投擲した『投卵子』は、
『太門』が首を曲げるだけで、容易く避けられた。
『槍撃』だけではない。『太門』自身もまた、高速動作を可能とする。

    「さっきから投げてる、その『卵』がお前の切り札か?
     ――――『暗器』は不意を打ってこそ、その効果を発揮する」

『太門』は立ち上がり、階段から飛び降りる。
そして、真正面から向かってきた『一抹』に対し、

     ギュンッ!

左側から薙ぐような、高速の『切り払い』を放つ。
その機動は『一抹』の首を抉ろうと狙っている。

    ――――シュパッ!

そして、『アダージョ』が再び、その姿を消した。
現れた位置は、先程まで『アダージョ』がいた位置と同じだ。

    「『ゴールデン・イヤリング』ッ!
     『サンズ』ちゃぁん、――――絶対に逃がさない」

   ダッ!

『氷山』が操作するより早く、『エド・サンズ』が現れた『アダージョ』に駆ける。
――――これは、『講堂』で『モーションキャプチャー』を自ら受けた時とは違う。
『氷山』でも『エド・サンズ』でもない、何者かの『意思』によるものだ。

    「『投げキッス』で形を成す『愛』はぁ、手足を拘束するだけなのぉ。
     でーもー、こうやって、『直』で能力を発動すればぁ――――」

両手を拘束された『エド・サンズ』の両肩を『ゴールデン・イヤリング』が掴む。
『エド・サンズ』が盾になり、『朝山』は『鉄球』を投擲できない。

    「なんでしょう……これは……」

『曳舟』は冷や汗を流し、一連の動作を見守ることしか出来ない。
『朝山』のアドバイスに対し、動けない。『アダージョ』の瞬間移動に追い付けていない。

    「スタンドと人間の禁断の『愛』、はじめてみなぁい?」

    ズキュゥゥゥ―――――z____ンッ!!

『ゴールデン・イヤリング』に宿った分厚い『唇』が、
『エド・サンズ』の唇と重なり合った。

    ブチュ……   ジュル……

『氷山』は『エド・サンズ』と『視聴覚』を共有していない。
故に、このおぞましい『触覚』を味わうことはなかった。

    ガシャンッ!!

    「『鉄の鳥籠』。むかぁしむかしは、これに『少女』を閉じ込めて、
     つめたぁーい水に沈めて、その『生死』で魔女かどうか、確かめたのぉ」

    「ア・タ・シ、『拷問』って趣味じゃあないけど、ゾクゾクしちゃうのぉ。
     『本心』を知るために手練れを尽くすって、これも一つの『愛』じゃなぁい?」

『ステージ』の床から伸びる、太い樫の柱。
くの字に折れた柱の先に繋がる、頑丈な『鉄輪』に括られた『鳥籠』。
その中に窮屈そうに押し込められたのは、身を屈めた『エド・サンズ』だ。

この体勢からでは、本気の『破壊力』を発揮できない。
増してや『鉄の鳥籠』を破壊するには、相当の『時間』が必要だろう。

     グググ・・・

そして、『ダメージフィードバック』により、
『氷山』もその場に蹲り、身動きが取れない。
周囲の『椅子』に囲まれ、『視界』も制限される。
――――『一抹』と『斑鳩』に『捕具』は届けられない。

扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□柱□□□□□□□□□■
―─―籠――――――段―――
■□朝□ゴア 曳□□□太□□■
■席席氷A 席賽席席席□席席■
■席席□席席席席席席一席斑■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□★←鎖の巻き付いた『座席』
■席席□席席席席席破□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□□ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

※横から見た図
  ┏━━━┓
  ┃柱┏鎖┛
  ┃柱┃籠←『エド・サンズ』入り
  ┃柱┃
┌┸─┸階
└────段氷

906氷山『エド・サンズ』:2020/10/24(土) 00:24:22
>>904-905
>GM
すいません! 能力詳細に書き忘れてましたが、視聴覚リンクありました
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463236020/240

    フラァ・・・・・

「さ、『さんずさん』・・・・!?」

『エド・サンズ』は・・・・『意思を持つスタンド』ではあるが、
常に氷山の傍に立ち、絶対的な味方として振舞ってきた・・・・
その『エド・サンズ』が自分ではなく、『敵』の言葉で動いている!

「あ・・・・ あぁ・・・・・・」


その『事実』は氷山の心を傷つけるのに十分過ぎる衝撃であった!

   『さんずさん』はいつも強く、正しい事を言ってくれる
   『さんずさん』は時代劇のヒーローみたいにかっこよく悪と戦ってくれる
   『さんずさん』は私が危ない目にあったときに助けてくれる

   『さんずさん』は・・・・

   『さんずさん』は・・・・

その『さんずさん』が・・・・・

    ズキュゥゥゥ―――――z____ンッ!!

       「ああぁぁぁァァアア――――――――ッ!」

抵抗もできず、ただ敵の意思のままに『唇』を奪われる
共有した感覚を通して、自分にもその感触が伝わってくるが・・・・・そんな事はどうでもいい
『鳥籠』の中に閉じ込められ、自分自身もその場に『拘束』されてしまうが・・・・そんな事も・・・・

    『オイ!あきはァ! ナニぼーっトシテンダ!? クソッ!
     俺達ハマダ負ケタワケジャネエ!』
   
    「・・・・・・・・・『さんずさん』」

    『俺達ニ出来る事ハ・・・・・・マダ「ある」ハズダ!』

もう一度・・・・闘志に火をつける
『さんずさん』はまだ諦めていない・・・・
自分にとっての『主人公』が諦めていないのであれば、まだまだ心が折れるわけにはいかない!


    「そうですね・・・・・まだ・・・・まだ、出来る事が・・・・・」


とはいえ、この体勢で出来る事などほとんど『無い』
貝のように身を縮めて状況が好転するのを必死になって祈るしか・・・・・

・・・・・と、思っているだろう、アダージョは!
だが、そう思っている相手にこそ・・・・油断している相手にこそ!『不意打ち』は有効となる!

掌中の『投卵子』の頭尾側両端の卵殻を崩し、内容物が漏れないように指で押さえながら『孔』を開ける
そして、『朝山』の攻撃するタイミングに合わせて、顔をあげ、『孔に息を吹きつける』!
『投卵子』の内容物は粉末状の刺激物になっている
通常は卵殻に包んだ状態で敵の顔に投げつけるものであるが、一直線に孔があけばそこに『空気』を通す事ができる!
『粉末刺激物』を息にのせて吹きかけ、アダージョの顔面にふきかけるのが狙いだ!

使用捕具(4/5):『塞川さすまた』『一抹微塵』『拘束された微塵』『氷山投卵子』

907一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/24(土) 00:59:10
>>904-905
「氷山先輩ッ! 時間が無い…!」

スタンドと共に飛び退き倒れるようにしながら『微塵』を『サンダー』に叩きつけ、弾かれる衝撃で切り払いを回避したい。

「今の私には二重の意味で突き刺さる言葉…」

(飛び込んで『慈悲の刃』を伸ばし、不意打ちの刺突という方針も考えたけど弾かれる可能性が高い)

(『太門』の言う通りだ。『慈悲の刃』は確実に突き刺さる時に使わねば…)

908斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/24(土) 01:30:57
1.太門の足元に>>902で考案した拘束可能な量の鎖があるか
2.両腕の鎖は何スレで回復するか、それとももう回復したか
3.曳舟の位置は『アダージョ』による瞬間移動『前』と同じか

909朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/24(土) 19:16:11
>>904-905

「……ッ」ゴポッ……!

時間の猶予は少ない。肋骨が折れ、このまま全力で本体である朝山は
移動出来ない。『ザ・ハイヤー』で『鉄球』に対し『モーション・キャプチャー』を
サンズへ放ったほうの左腕で能力を使用しつつボーリングを投げるような
フォームに移り……『ゴールデン・イヤリング』へと人が近くの人に
バスケのボールを軽く渡す程度の速度(ス精DB)で胸元目掛け投げ。

「ザ・ハぃ゛ヤー ――解き放てッッ゛」 キィィンッ!!

『鉄球』へと再分配。その速度を最速(スA精E)に。ゴールデン・イヤリングの
手に届く範囲で能力を発動する!

余りにも遠い間合いであれば回避か、当たらない可能性が高いが。
手を伸ばし届く程度の胸元の位置ならば、必ず何処かには直撃する。

もし『瞬間移動』が発動するとしても。その発動によって今の位置で一番
危険な状態である氷山から距離を離す事は出来る。

910『その夕立に雨傘を』:2020/10/24(土) 20:25:15
>>908(斑鳩)
>1.太門の足元に>>902で考案した拘束可能な量の鎖があるか
『鎖』はバラバラに飛び散っている為、
『鎖』を這わせるなどして、集めなければ『拘束』は実行できません。

>2.両腕の鎖は何スレで回復するか、それとももう回復したか

ヴィジョンの『鎖』は、一度スタンドを解除すれば、再発現で回復します。

※能力詳細を仔細に読んだところ、
  ヴィジョンの『装飾の鎖』と、スタンドで引き出せる『実体の鎖』は『別物』のようです。
  この場合、PCに有利なよう、『サンダー』の斥力によって飛び散った『装飾の鎖』であっても、
  『実体の鎖』と同様に、『結合』が可能であると、今回は判定致します。

  但し、この『装飾の鎖』を解除した以降は、
  『装飾の鎖』は『結合』の出来ない鎖として扱います。

>3.曳舟の位置は『アダージョ』による瞬間移動『前』と同じか
同じです。

911朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/24(土) 21:02:06
>>904-905(文章に少し抜けがあったので追記させて頂きます)

「……ッ」ゴポッ……!

時間の猶予は少ない。肋骨が折れ、このまま全力で本体である朝山は
移動出来ない。『ザ・ハイヤー』で『鉄球』に対し『モーション・キャプチャー』を
サンズへ放ったほうの左腕で能力を使用しつつボーリングを投げるような
フォームに移り……『ゴールデン・イヤリング』へと人が近くの人に
バスケのボールを軽く渡す程度の速度(ス精DB)で胸元目掛け投げ。

「ザ・ハぃ゛ヤー ――解き放てッッ゛」 キィィンッ!!

『鉄球』へと再分配。
左腕をゆっくり掲げるように『変動率』(ス精EA)
そして『鉄球』の速度を最速(スA精E)に。ゴールデン・イヤリングの
手に届く範囲で能力を発動する!

余りにも遠い間合いであれば回避か、当たらない可能性が高いが。
手を伸ばし届く程度の胸元の位置ならば、必ず何処かには直撃する。

もし『瞬間移動』が発動するとしても。その発動によって今の位置で一番
危険な状態である氷山から距離を離す事は出来る。

912斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/24(土) 21:07:18
>>910 GMへ回答感謝、重ねて質問

【部位の分裂】
10.他の部位の鎖を巻きつける事で、元の状態に戻す事が可能。
  この場合巻き付けた鎖を起点にその部位を縛る鎖が復元される。
  ただし巻き付けてから鎖の復元までには『10秒』ほど時間がいる。

>>902で両手首にブレスレットのように胴の鎖を巻き付けた
しかし今回の損傷では以上のルールは適用されないと言う事か?

 
 >>894
 無傷の鎖は『座席』に巻き付いたもの、『頭部に巻かれた鎖の残数』だけだ。

 この『頭部に巻かれた鎖の残数』は、何処の誰にどんな距離で巻かれているか。

913『その夕立に雨傘を』:2020/10/24(土) 22:07:31
>>912(斑鳩)
>>【部位の分裂】
>>10.他の部位の鎖を巻きつける事で、元の状態に戻す事が可能。
>>  この場合巻き付けた鎖を起点にその部位を縛る鎖が復元される。
>>  ただし巻き付けてから鎖の復元までには『10秒』ほど時間がいる。

>>902で両手首にブレスレットのように胴の鎖を巻き付けた
>しかし今回の損傷では以上のルールは適用されないと言う事か?

『鎖』の『巻き付け』による『自動復元』をレス内に適用しておりませんでした。
この『自動復元』を適用し、『10秒後』に『両腕』の鎖は『自動回復』します。

また、部位ごとの『鎖の解除』により、部位から切り離した鎖を『強制解除』する点も、
ミッション内で適用していなかった為、此方は以降のGМレスから適用します。
※既に切り離した『鎖』については、解除による『回収』をするまで適用しません。

>>>>894
>>無傷の鎖は『座席』に巻き付いたもの、『頭部に巻かれた鎖の残数』だけだ。

>この『頭部に巻かれた鎖の残数』は、何処の誰にどんな距離で巻かれているか。

『サンダー』の反発力で『両腕脚』の『鎖』が破壊された後は、
『斑鳩』の『頭部』に巻かれた『鎖』のみが残存している、という意味で書きました。
実際は『胴体』の『鎖』も残存している為、『頭部』と『胴体』のみとなります。

914斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/24(土) 22:36:26
>>904-905

 胴に手を当て引き出せば鎖が伸びる
 両腕は再生中なら使える鎖は此処だけだ。

 胴に接続されたままならば、例え5mの限界まで引き延ばそうと、扱う事に何の支障も無い

 胴の鎖を最大まで引き出しながら『サンダー』の頭上へと降り伸ばし、手首のスナップで軌道を生ける蛇の如く歪ませる。

 影の頭部と脚部に攻撃へ即時に対応可能なように準備させつつ
 一抹への攻撃に合わせてカウンター気味に『鎖の鞭』を叩き込み、絡みつかせて結合・捕縛する。

 『――uuUAaaaaaaa!!』 

 一抹への攻撃に集中するなら直撃し、回避させれば攻撃は疎かになる
 防御するならそのまま絡め捕って四肢の自由を奪うのみ。如何なる速さで動けようと、奴に頭は二つも無いのだから。

915塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/25(日) 17:25:05
>>904
「……!? 能力が、『上書き』されている……!
そして、今、確かに『消えた』………」

(こいつが、ひとつの『能力』だというならば……。
それは、何らかの『概念』に干渉する……『能力』!
『能力』のステージが私とは一段階違っている、強すぎる!)

『クリスタライズドA』を『籠』に特攻させる。
そして、本体は『クリスタライズドC』と共に『舞台』へ走る。

「だが、そんなことで諦めるかッ!
確かめてやる、『クリスタライズド・ディスペア』!」

一瞬でも『ガラス化』できたなら、『鎖』が重量で千切れるかもしれないし、
『エド・サンズ』のパワーによって破壊できるかもしれない。
本体は『曳舟』の後ろを通り、舞台の段差を乗り越えて舞台上へ。
椅子の背程度の高さの段差なら、簡単に登れるはずだ。

916塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/25(日) 17:29:32
>>915(追記)
『さすまた』が行動の邪魔になりそうなら、手放していく。

917『その夕立に雨傘を』:2020/10/26(月) 21:02:52
>>906(氷山)
>『俺達ニ出来る事ハ・・・・・・マダ「ある」ハズダ!』

冷たく狭い『檻』に閉じ込められても、
『エド・サンズ』はまだ、『氷山』のヒーローたる振る舞いを見せる。
それは、本体である『氷山』にまだ残る、闘う意思の現われだった。

    ファァ…

身を折り曲げながら、『投卵子』の外殻を割り、息を吹きかける。
吹き上がる『粉末』だけでは、真横を向いた『アダージョ』の視覚を奪うには足らない。

――――だが、その『注意』を引くことは出来る。
『アダージョ』は喰らった『捕具』を警戒している。冷たい視線が『粉塵』越しに向けられる。

>>911(朝山)
>「ザ・ハぃ゛ヤー ――解き放てッッ゛」

  キィィンッ!!  ブォンッ!

キャッチボール程度の緩やかな速度の『鉄球』が、
『ザ・ハイヤー』の能力により、誰にも予測できない『暴れ球』に変わる。

    「キャァ、何この大暴投っ!?」

舞い上がる『粉末』に気を取られ、『アダージョ』は防御が間に合わない。
至近距離であることも幸いし、『鉄球』は『アダージョ』の左肩へと喰い込んだ。

>>915-916(塞川)
>確かめてやる、『クリスタライズド・ディスペア』!」

   ダダッ     バァンッ

『さすまた』を投げ捨て、『塞川』は舞台へ駆ける。
先導するのは『鳥籠』へと特攻する、『クリスタライズドA』だ。
転がるように『舞台』へと上がり、一段高いところから『全体』を俯瞰できる。

>>907(一抹)

    グァンッ   ――――パァン!

叩き付けた『微塵』が弾かれる。
そして、それを振るった『インダルジェンス』の腕も、同様に弾かれた。

   ゴロロッ

身体を『椅子』の隙間に飛び込ませ、『斬り払い』を回避しようと試みる。

>>914(斑鳩)

     ギュゥンッ!!
                ―――――バシィッ!

『胴体』から伸ばした『鎖』を捻り伸ばし、『太門』へと襲わせる。
だが、その一撃も『サンダー』の『火花』によって容易く弾かれた。
『太門』には『八本』の腕脚もなく、『二つ』の頭も持ち合わせていない。
――――唯の『槍』一本で、二人を凌駕している。

918『その夕立に雨傘を』:2020/10/26(月) 21:06:07
>ALL
『アダージョ』は視界に迫る『鉄球』を捉えた。
――――鉄球を『解除』すれば、自由の身となった『微塵』が絡み付く。
無軌道の『鎖』が絡み付けば、自身が『球体』の餌食となるのは、明らかだった。

     ゴシャァ!!!

        「いったぁぁ〜〜〜〜い」

故に、『アダージョ』は肩口をぶつけ、鉄球を喰らった瞬間に『解除』した。
肩で弾いた程度では『鉄球』の衝撃は殺せず、確かに『左肩』が大きく揺れた。
掠めた鉄球は舞台へと逸れた後に消え、『微塵』は彼方へと飛んで行った。
『微塵』の端が『舞台』の上にいる『塞川』の黒髪に触れ、その数本を引き抜いた。

    「左肩、ヒビ入っちゃったじゃぁない。
     んん〜〜〜〜ッッ これじゃあ、困るのよねェ……」

――――『暴れ球』は、今回こそ成功した。……だが、次は『誰』を襲うか解らない。
味方に誤射する直前での『解除』など、『朝山』の動体視力では出来ないだろう。

     アトツギ
    「『総統』ってウソつく、わるぅーい娘を、痛めつけるのにぃ〜〜〜〜ッッ」

      ブォンッ!!

肩をぶつける軌道のまま、『ゴールデン・イヤリング』が目にも留まらぬ速さで腕を伸ばす。
真正面にいる『朝山』目掛け、『ゴールデン・イヤリング』の『拳』が襲い掛かる。
『スピード』を落とした『ザ・ハイヤー』の防御も、『氷山』の『捕具』の発現も、間に合わない。

       ドグシャァ!!

『アダージョ』は陽気な語調に反し、その視線は冷え切っている。
『朝山』の『鎖骨』を圧し折る、強烈な『拳打』が『ザ・ハイヤー』にぶち込まれた。

      パキィ!  ――――ビシシッ

そして、『クリスタライズドA』の特攻は、柱と鳥籠を繋ぐ『鉄輪』に命中した。
即座に『ガラス化』する。――――が、自重でヒビは入るも、『破壊』には至らない。
『鉄』ほどではないが、『ガラス』にも金属に匹敵する『強度』が存在する。
今までの手錠の『鎖』と違い、鉄輪には『鉄籠』を吊り下げる程の『太さ』を持っている。

     シュゥゥ―――

『サンダー』の斬り払いから、『一抹』は辛くも逃れた。
だが、払われる『石突』の機動に沿い、『太門』が空中で横薙ぎに移動する。
握った『槍』も追従し、『太門』は座席の影に隠れた『一抹』を補足し、

     ドスゥ!

距離を取ったが故か、『威力』は浅かった。
だが、『一抹』の脇腹に『槍』の穂先が突き刺さった。
まるで『メル・ギブソン』が手掛けた『パッション』のように。

    ブシュゥゥゥ――――

『一抹』の脇腹から『血液』が沸く。臓腑の一部を抉られた。
『太門』は突いた槍を素早く引き戻し、座席へ石突を振り落とす。

       グニャァ

    「逃げ回るヤツは『サンダー』で殺した。
     立ち向かったヤツも『サンダー』で貫いた。

     『アリーナ』でも『エクリプス』でも、
     お前達より弱いスタンド使いは、誰一人とていなかったッ!」

   『ヒュー、流石は『裏切りの太門』ッ!』  『アイツは『アリーナ』じゃ物足りなかったんだ!』

   『ルールはねぇんだ、殺せッ! 殺せッ!』  『半殺しだッ! 俺達の身体だゾッ!』

『有効打』が命中し、『悪霊』達が騒ぎ立てる。

扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□柱□塞□□□□□□□■
―─―籠――――――段―――
■□朝ゴア□ 曳□□□□□□■
■席席氷席席席席席太□席席■
■席席□席席席席席席□一斑■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□★←鎖の巻き付いた『座席』
■席席□席席席席席破□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□□ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

919『その夕立に雨傘を』:2020/10/26(月) 21:40:12
>>917-918(塞川)
×そして、『クリスタライズドA』の特攻は、柱と鳥籠を繋ぐ『鉄輪』に命中した。
×そして、『クリスタライズドA』の特攻は、『鳥籠』に命中した。

申し訳ありません。レスを読み違えていました。
上記の内容にレスを変更します。『鉄輪』を『鳥籠』に含めるかは、
次レスにてお伝えください。

920塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/26(月) 22:07:38
>>917-918
『鉄籠』と、能力範囲に入っていれば『鉄輪』までもを『ガラス化』する。

「これじゃあ、『おとり』にしたようなもんだが………」

そのまま、舞台の奥へと向けて走る。
その途中で『舞台』の奥に映る映像を見た。

「―――『朝陽』!
いつまでも寝ぼけてんじゃあねーぞ、あんたは!」

『朝陽』へと近づきながら、大声で呼びかける。
そして、『クリスタライズドB』の視界で舞台上を見ておく。
『クリスタライズドC』は、舞台の上空へと向けて飛翔させる。

921氷山『エド・サンズ』:2020/10/26(月) 22:41:43
>>917-918
鉄籠は腕一つ出すことが出来ないくらいギチギチに詰め込まれていますか?

922『その夕立に雨傘を』:2020/10/26(月) 22:48:14
>>921(氷山)
>鉄籠は腕一つ出すことが出来ないくらいギチギチに詰め込まれていますか?

『鉄籠(※現在は硝子籠)』には、腕が抜ける『隙間』はあります。
しかし、現在の体勢では、柱と繋ぐ『鉄輪』まで腕が届きません。

923氷山『エド・サンズ』:2020/10/26(月) 23:26:24
>>917-918

「首領さん・・・・ッ!」

面前で繰り広げられる暴力を目の当たりにして絶句する
このまま、この男の狼藉を止める事は出来ないのか・・・・・?

      パキィ!  ――――ビシシッ

そんな中、『エド・サンズ』の聴覚を通して、異音を聞く
この音は・・・・確か・・・・・夢の世界に先に来ていたあの女性の・・・・?
氷山の中で・・・・次にやるべき事が決まった

「・・・・・ふ、フフフ・・・・フフフフフ・・・・・」

アダージョの冷たい視線を見て、含み笑いをする
こんな状況で何故・・・・・・気が狂ったのだろうか!?
   ――――いいや、そうではない
 

「嘘じゃあないですよ・・・・そこにいらっしゃる方は紛れもなく『首領さん』なんですから」

先ほどのアダージョの言葉が気になった・・・・

――――『総統』。
その言葉が意味するものはやはり『悪の組織のトップ』なのだろう
今では朝山が自らを称しているその『肩書』に、アダージョは思いの外、反応している!
挑発をするにはいい状況だ

「あなた達は確かに強くて、悪くて、皆から恐れられていたんでしょうねぇ
 殴って、暴れて、人を傷つけて・・・・・・殺して」

「でも・・・・それももう昔の話なんですよね
 今の『ニュー・エクリプス』は・・・・そこに立っている『首領さん』の組織なんですから
 活動内容は・・・・・なんでしたっけ?
 あ、そうそう、皆で踊って、歌って、愉快な雰囲気を振りまいて・・・・・」

「『悪くて怖いエクリプス』なんてものは・・・・・今じゃあどこにも残ってないんですよ!
 そこにいる『首領さん』こそが! 今の『トップ』なんですからねぇ!」

この状態で出来ること・・・・・それは言葉を使う事だ
挑発し、罵倒し、『エクリプス』としての誇りも何もかもを汚す
アダージョが自分だけを見て、自分だけを攻撃するように・・・・誘導する

その間に『エド・サンズ』は密かに行動を進める!
まず、使い終わった『投卵子』『さすまた』を意思の早さで解除
そして、腕を籠から出して、掌中に『鉄鞭』(長さ1m程度の鍛鉄製の杖)を発現する

そして、天井にある『鉄輪』の中を通すように『鉄鞭』を伸ばし、
てこの原理で力を込め、『鉄輪』を破壊する! パス精BCC

通常は自分が捕らえられた籠の天井裏に『鉄鞭』を通すのは難しいかもしれない
しかし、氷山本体はアダージョの目を見る・・・・フリをしてその背後の『籠』を見る事で
視聴覚リンクを通して『エド・サンズ』の行動をサポートする

最終的な狙いは・・・・氷山本体がアダージョを挑発し、怒りを焚き付け、
頭上への注意が逸れた瞬間に『ガラス化した鉄輪』を破壊、同時に体を揺する事で
アダージョ、または『ゴールデン・イヤリング』の頭上に『ガラス化した籠』ごと落下する事だ!

使用捕具(3/5):『さんず鉄鞭』『一抹微塵』『拘束された微塵』

924朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/26(月) 23:26:31

・朝山の今の体勢は? 立っている状態なのか、ダメージで
仰向けに倒れた状態でしょうか?

・鎖骨が折れた。と言う事は両腕での攻撃は不可能に近いが
『モーション・キャプチャー(球体)』は未だ可能?

・アダージョとは肉薄している状態だとして、朝陽(アルモニカ)との
現在の距離はどの程度でしょうか?

925『その夕立に雨傘を』:2020/10/26(月) 23:33:35
>>924
>・朝山の今の体勢は? 立っている状態なのか、ダメージで
>仰向けに倒れた状態でしょうか?
立っている状態です。

>・鎖骨が折れた。と言う事は両腕での攻撃は不可能に近いが
>『モーション・キャプチャー(球体)』は未だ可能?
『鎖骨』は破壊され、両腕の攻撃はほぼ不可能です。
但し、『モーションキャプチャー』の残数を鑑みて、『左右』のどちらの『鎖骨』が折られたか、
『朝山』PLは選択可能となります。

鎖骨を破壊された方の腕で『モーション・キャプチャー』の攻撃をする場合、
狙いが定まらないため、『球体』の精密動作性を『B』以上にする必要があります。

>・アダージョとは肉薄している状態だとして、朝陽(アルモニカ)との
>現在の距離はどの程度でしょうか?

1マス=1mとして計算をしてください。

926斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/27(火) 00:47:37
>>917-918

 「NOだ…磔刑にはまだ早い」『殺せ』

僕にはこの後輩が茨の冠を被るようなタマだとは思えないし
そうさせるつもりも無い。

一抹の傍の座席に2m分の鎖を薙いで巻きつけ、結合し、切り離す。

 「後輩、その椅子を根元からもいで『盾』にしろ、お前ならできる。」『殺せ』
 「最初、奴の槍は座席に刺さりはしたが貫通はしてない、むしろ一度刺されば槍は止まる、その時に捩じり上げて掴め」『殺せ』

素早く引き抜いたのは恐らく奴のパワー不足だ。
 
                          ボ ク
 「さて太門だったか……そういう台詞は、『俺』を殺してから言え。」『殺せ』

残りの3mを両手首に接続し、一つの橋のように渡し、四ツ足を跳躍の態勢に構える
あの時のカウンターの再現のように。

 (背後は壁、相手までは3m、両腕の再生は10秒……見逃さない事、実行する事、諦めない事。)

 「それとも僕は狙わないか?数十秒前、お前はその弱い奴に……してやられたものなァ」『殺す』

927一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/27(火) 01:00:15
>>917-918
「グウゥゥっっアァァッ!! ふざけるなッ!
 黙れッ! 『渡さない』と何度言えば分かるッ!」

無駄に喧しい『悪霊』たちへと『否定』を返す。
臓腑を抉られた身では超高速の攻撃を避けられない。
出血による衰弱の恐ろしさは二度も味わっている。

「ハァ…ハァ…もう長くは戦えない…
 あの『斥力』に逆らって刃を届かせるしかない…!」

手短な椅子の脚に『微塵』を叩きつける、または『慈悲の刃』で切断して『インダルジェンス』に持たせる(切れ味:B)
斑鳩先輩が疾走中の『太門』を全力で拘束した一瞬、『サンダー』の『斥力』が大幅に弱体化した。
そして、私を刺した時も『斥力』で内側から爆裂でもさせれば殺せたのにしなかった。

「これだけの『武』に至ってやることがチンピラ…?
 その先に何があった? 貴方は死んでるんですよッ!」

「生きてる時も、死んだ今もッ! 『アリーナ』を
 裏切った? 違う、きっと貴方は迷走しているだけ!」

「真っ当な奴はこんな肥溜めに居ないんだッ!
 私は正道を歩くんだッッ! 退けよッ!」

挑発にブチギレて椅子を盾に『太門』へと突っ込む。
迫り来るであろう『サンダー』を椅子に突き刺させて『停止』させたい。

928一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/27(火) 01:04:52
>>917-918
もし、『サンダー』が停止したら刺さった槍を掴む。
退いて逃れるなら追いかけてでも槍を掴んで離さない。

929一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/27(火) 01:23:31
>>917-918
椅子は斑鳩先輩が『鎖』を巻いた物を選びます。

930朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/27(火) 20:34:11
>>925(回答感謝)

>>917-918

――ドグシャァ!!!!

耳元でパンパンにつまった買い物袋が歩道橋から誤って落ちたような音が突き抜け
『左側』に激痛が起き、急速に力が其の部分から抜けて行く。虫歯で神経を抜くような
感覚が左肩に突然発生したような、そんな感じだ。

(あぁ・・・これ、じゃあ・・・権三郎に家で帰って
キャッチボールで遊んであげるのも難しいっス)

未だかつてない事態は、朝山の意識を溶かしていく。悪霊達の叫び声、旋律
現実味のない光景に麻痺するような痛みと音色が思考を今の状況から別の所へと。

家ではきっと何時も通り権三郎が、お昼寝をしてるだろう。
帰って御飯を上げて、そして食後はいつも通りランニングに行くんだ。
キャッチボールをしよう。権三郎にボールを投げて、咥えてよだれが付いた
ボールを拭いて、また投げて。『あの人達』とも一緒にボールを投げよう。
・・・? 『あの人達』って誰だったけ

――佐生

――二度と 会えなくても 大丈夫だよ、佐生は

――私達が世界から忘れ去られても、佐生はきっと幸せに・・・

……嫌なんだ。

そんな事を言って欲しくないんだ
大好きなんだ 憧れなんだ 忘れたくなんてないんだ
両腕が折れてだって掴んて引き留めて、離れて欲しくなんてないんだ。
何時だって笑って欲しかった 悲しい顔なんてして欲しくなかった
一緒にもっともっと過ごして欲しかった ずっと傍にいて欲しかった

私は、私は――

931朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/27(火) 20:34:41
>>917-918

――カッ!!

「『我が名は ――モーニングマウンテンッ!
みん゛なの……悪の゛ 首領ッッ゛!!』」 

 『――この距離なら 必ず当てるッ!』

折れたのは左腕。空いていたザ・ハイヤーの右手は腰元だとして
自身に攻撃して手を伸ばせば直ぐ届く範囲の『ゴールデン・イアリング』へ
鎖骨が折れてないほうならば、瞬時に『球体』の銃口にもなる手を翳す事は
可能な筈! 『変動率』スA 精Eの『球体』を『ゴールデン・イアリング』に放つ!

 ――キィィンッ!!
 『パァァァワァァ!!!』  

すかさず命中すると共に『ザ・ハイヤー』の右手を懸命に
小刻みに振動させるように動かし(スA精E)ての『再分配』!
(スE精A)ほぼ仁王立ちに近い奴の足へと鋭いローキック!(パス精BCC)

朝山はザ・ハイヤーが『追従』するギリギリの射程圏内まで後ずさる。

932『月隠れのグラン・ギニョール』:2020/10/28(水) 19:11:32
【ミ】『懸葬』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/7528109028421/91-

   ギギギ ・ ・ ・ 

    「ハァ……ハァ……殺せ」

    「知恵も命も搾り尽くした……。もう、俺に『手』はない……」

四肢を『ゴムロープ』で幾重にも拘束され、『太門』は身動き一つ取れなかった。
遠くに立つ『女』が手を振るえば、首を締め上げ、容易く己に『終焉』を与える。
――――『アリーナ』の敗北とは違う。『死』という不可逆の敗北が、目前に迫る。

    「『命』と『誇り』を賭けた『決闘』と言えば……、誰もが望んで、ゴホッ……姿を現す。
     『裏切者』と侮蔑し……激昂し……、看取る観客もいない舞台で、……貫かれる」

『アリーナ』の旗下に結集したスタンド使い達が、悪党が集いし『エクリプス』を討伐する。
善意あるファイター達は賛同した。――――だが、『太門』は冷ややかな目で見ていた。
戦場に『決闘』はなく、誰の意思かも解らぬ『作戦』や『考察』に右往左往し、無能のせいで命を落とす。
『太門』の望んだ『アリーナ』はそこになく、……『エクリプス』に寝返るのに後悔はなかった。

    「お前が鎬を削った、『アリーナ』のファイターを一人一人、
     ――――だから、殺せ。……最期の闘いに、したい……悔いを……」

彼に掛かる罵声と二つ名に反し、『太門』は『アリーナ』を裏切ったとは思わなかった。
誇り高き決闘の場を、治安維持の『夜警』に貶めた連中の方が、その言葉に相応しかった。
『後悔』があるなら、己に膝を着かせた『女』と、二度と雌雄を決せないこと――――

    「だから   「――――それだけ?」

身を縛るロープが解除される。『太門』は倒れ込み、コンクリートが頬を撫でた。
                  . .
    「どうでもいいの。貴方程度が刺し殺せたなら、その程度の人生だったってだけ。
     なのに、ダラダラダラダラ……拾える『勝ち』だけ拾って、格上相手にフィナーレを迎えたいだけ」
                                 . . . .
    「ダラしないのよ、その負け犬根性が。死に逃げで守れるプライドごときに必死になって、
     天国で腕組んで現世を憂うOBを気取りたいのなら、さっさとそれで首吊ってくれる?」

     パサッ

    「ほら、早く。ほーらー、ダラダラしてないで、さっさと輪っか作って、そこの梁にロープ縛って。
     ぴょんぴょん跳ねるグニャグニャ槍で、上までジャンプするのよ。はーやーくー」

    「――――それが出来ないなら、拾える命だけさっさと拾って、
     二度とその小汚い無職顔、見せないでね」

   カッ  カッ  カッ  カッ  .  .  .

手にした麻縄は頑丈だった。廃工場の梁は太く、己の体重を支えるのに十分だった。
縄の軋む音が歯奥に響いた。言われるがままに輪を作り、太い首を挿し入れて、

      ギシシシ    ガグンッ!

    「グゥゥ…… グ ……ァァ……」

    「あ゙ あ゙ あ゙ ぁ゙ ァ゙ ――――z______ッッ!!!」

    ズシャッ   ジュッ

それを支える貌が吼えた。白濁とした双眸には、生暖かい涙が流れていた。
『サンダー』を無我夢中に振り回し、顔中に傷を作りながら、ロープを切り裂いた。

         ドサァ!

    「ぁ゙  ヴぇ、 ゲッ  ガハッ  ―――ァァ、 ウゥ……」

    「ぃ、ウゾ  ぐぞ、 ぅぅ……グ…… ァァ…  クソォォ!!!」

   ダァン!  ゴッ  ゴッ!   ゴボッ   ビチャ...

無様に血反吐を零し、壊れたコンベヤに癇癪を向け、当たり散らし、吐く。
彼を見守るのは毒々しくも間近に迫った『満月』と、――――闇奥に浮かんだ、分厚い唇。

933『その夕立に雨傘を』:2020/10/28(水) 19:49:46
>>920(塞川)
『塞川』は『クリスタライズドC』を天井へ飛ばし、
『朝陽』の下へ駆け寄っていく。

      〜〜〜〜〜〜〜〜♪

           〜〜〜〜〜〜〜〜♪

『朝陽』は『アルモニカ』を弾き続けている。
『アルモニカ』には『楽譜』の彫られた鉄板が置かれ、
『楽譜の末尾』には、一文が記載されている。

┌────────────┐
│ “Dal segno senza fine”   . │
└────────────┘

>>921(氷山)
>「嘘じゃあないですよ・・・・そこにいらっしゃる方は紛れもなく『首領さん』なんですから」

含み笑いを醸し出しながら、『氷山』が『アダージョ』に真実を告げる。
『アダージョ』は太く描かれた片眉を吊り上げ、マスカラに塗れた両目を燃やす。

    「アタシ達が死んだのをいいことに……好き勝手、しやがって……」

      ブツゥゥ――――z_____ンンッ!!

    「ゆ、る、」    「さねェェェ!!!!!」

『氷山』の狙い通り、『アダージョ』はブチ切れた。
だが、それで『拘束』を完了した『氷山』を狙うかは、また別の話だ。
彼の怒りの矛先は、当然ながら『不届きもの』へと向けられたままだ。

     シュガッ     ビキキキッ――――

『エド・サンズ』が鉄鞭を伸ばし、『硝子輪』に引っ掛けた。
そのまま力を込め、硝子輪を砕こうと、片腕の力を込める。

>>930-931(朝山)

     パシィッ!

『ザ・ハイヤー』の『球体』が『アダージョ』に命中する。
そのまま、一気に『スピード』を下げ、ローキックを――――

       パァンッ!

    「ノロイ蹴りでイキってんじゃねェ!」

――――弾かれた。
『アダージョ』は超高速に加え、『微塵』をいなす程の器用さを持っている。
故に、『スピード』を下げたところで、『精密動作性』が上限に至ってしまう。
『ザ・ハイヤー』は『変動』の能力であり、直接『鈍足』や『散漫』にさせる能力ではない。
※行動が多いため、『朝山』は背後には下がれなかった。

     ガッ    グォォ!!!

    「このままアタシを『圧し潰す』つもりだろーが、
     ――――させるわきゃね゙ェーだろ、ファントム共ッ!」

    「ガキだとナメてりゃあチョーシにノリやがってッ!
     亡者も入居拒否するくれぇーに、テメェらの死体をボロ雑巾にしてやるわッ!」

>>926(斑鳩)

    ジャラッ

『鎖』を振り回して巻き付けるには、周囲の『椅子』が邪魔をする。
『斑鳩』はその手で『鎖』を巻き付け、『座席』での防御を『一抹』に進める。

     ギュギュッ

『手錠』を掛けるように両手首に『3m』の『鎖』を巻き付けた。
無論、『結合』が発生する以上、容易く解けることはない。

>>927(一抹)
>「ハァ…ハァ…もう長くは戦えない…
> あの『斥力』に逆らって刃を届かせるしかない…!」

『覚悟』を決めた『一抹』は固定された『椅子』を破壊し、『盾』にする。
>>870の通り、固定された座席を破壊し、手に持つには時間が掛かる。

>「生きてる時も、死んだ今もッ! 『アリーナ』を
> 裏切った? 違う、きっと貴方は迷走しているだけ!」

    「知ったような口を、聞くんじゃねェ……!」

『一抹』の啖呵に青筋を浮かべる『太門』。
石突を『椅子』にぶつけ、『サンダー』の長柄はグニャリと曲がっている。

>「真っ当な奴はこんな肥溜めに居ないんだッ!
> 私は正道を歩くんだッッ! 退けよッ!」

                                   アリーナ
    「テメェの身体を乗っ取って、もう一度あの『舞台』に立つんだよォ!」

     グォンッ!

『一抹』は『座席』を突き出し、向かってくるであろう『太門』の身を阻む。

934『その夕立に雨傘を』:2020/10/28(水) 19:50:36
>ALL
   『や、やめでぐれー!』 『アダージョ、そーいうとこだぞ!』

   『テメェなんかエクリプスに要らなかったんだ!』 『死んでも迷惑かけんじゃねぇー!』

既に『アダージョ』がブチ切れているのは、誰の目にも明らかだ。
『悪霊』達が震えあがる程に、雄々しいまでの『闘気』が肉体を漲らせている。

       グアァ!   ドォバァ!

『氷山』にも聞こえた『ガラス』の破壊音は、『アダージョ』の耳にも届いていた。
故に、『アダージョ』は『ザ・ハイヤー』に突撃し、頭部に『頭突き』を繰り出しながら、
『朝山』諸共、『ザ・ハイヤー』を壁際へと押し退ける。

     「嫌われても、蔑まれても、『エクリプス』がアタシの居場所だった……。
      『悪』には『悪』の居場所が必要なのよ……。唯、それを失っただけ……」

     「『エクリプス』を再興するのは、『愛欲のアダージョ』よッ!
      ふざけた仮面のガキィ、テメェの居場所は地獄の底だァ!」

    バキキキ   ミシシィ

強烈な『頭突き』によって『額』が割れ、『鼻骨』が捻じ曲がり、『朝山』の意識が遠くなる。
そのまま『壁』を叩き付けられ、既に『呼吸』さえも敵わない。
『硝子輪』は砕け始め、このままなら『落下』する。――――だが、それ以上の結果は残さない。

     シィィ

『エド・サンズ』の視界から、『猿轡』の破れた『曳舟』が『アダージョ』の背後へ忍び寄る様が見える。
『アダージョ』は気付いていない。――――この激闘に生じ、『曳舟』は何かをするつもりだ。

       スッ      クッ クッ

『硝子籠』を指差し、『曳舟』は掌を下げる仕草をする。『落として』、と伝えてくる。

      グニャッ     バビュッ!!

準備に時間を要した『一抹』の『突撃』は読まれ、不発に終わった。
『槍』を曲げた勢いで跳躍した『太門』は、低空飛行で『一抹』を飛び越え、
壁に両足を付けて勢いを殺しながら、『斑鳩』の頭上を取っていた。

    「ザコ共がッ! 言葉と行動くらい、釣り合わせてみろ!」

『槍』を曲げていた時点で、その行動が『予測』出来ていなければ、
いかなる『準備』や『心構え』も無為と終わる。それを教えるように――――

   バチチチチチチッ!!    ドスゥ!!

『斑鳩』の右肩口に『サンダー』の一撃が突き刺さった。
『鎖』の存在しない『肩』を狙った、痛烈な一撃だ。
そして、その一撃で『穂先』は『停止』するはずが――――

     ブブブブ    バチチチチチッ!!

柔軟性の高い『長柄』が揺れ、『槍』の動きが止まらない。
発生する『火花』が反発のエネルギーを産み、骨まで砕く一撃を生んだ。
『斑鳩』の右肩が砕け、首付近の太い血管を傷付け、大量出血を引き起こす。

    「『弱点』には対策を施す。
     『B級』に昇格する時は既に、この技を会得していた」

    「白髪のガキ、お前の身体を乗っ取ってやるッ
     年は若そうだ。身体を鍛え、一から技術を磨き直すのも悪くない……」

   ズプ

『太門』の『サンダー』が引き抜かれようとする――――

935『その夕立に雨傘を』:2020/10/28(水) 19:51:17
      シュアアアアァァァァ――――

瞬間、『サンダー』が割れるように分裂し、『エネルギー体』となった槍が飛び出した。
槍は真っすぐに『薄霧』の向こう側へと消えていく。

     「なんだ、――――『サンダー』は無事か……」

     『おいおいおいおい!!!』  『なんだよこれ!!』

     『サンダーが消え、』   『ヤベェぞ! 霧の方見ろ!』

どよめく『悪霊』に反し、『塞川』はこの現象が『シヴァルリー』による『刃』の統制と理解できた。
薄霧の向こう側では、『サンダー』を手にした『夕立』が血まみれになって闘っている。

一方、『サンダー』自体はコピーされたものの、『太門』が手にした『サンダー』に変化はない。
『夕立』が手にしても、この夢の中では『殺傷力』が失われることはない。
――――これは、『一抹』にとって、『吉』と出るか『凶』と出るか……。


   ■■■※※※※■■■
   扉□□□□□□□□扉
    扉□□┌──┐□□扉
  ■■□.陽.|    │□□■■
  扉□□□└──┘□□□扉
  扉□□□□□□□□□□扉
■■□□塞□□□□□□□■■
扉□□□□□□□□□□□□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□柱□□□□□□□□□■
―─―籠――――――段―――
■朝ア□曳.□□□□□□□□■
■席席氷席席席席席太□破席■
■席席□席席席席席席一席斑←上空2m弱に逆さの『太門』
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□★←鎖の巻き付いた『座席』
■席席□席席席席席破□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□□ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

936氷山『エド・サンズ』:2020/10/28(水) 21:34:54
>>933-934

明らかにブチ切れている『アダージョ』の顔を見て、内心ほくそ笑む
あとは・・・・切れた『アダージョ』からの渾身の一撃を耐えるしかない
相当に痛いだろうが・・・・・覚悟を決めなければ、と来るべき一撃に備えて心を決める

>    「ゆ、る、」    「さねェェェ!!!!!」

「な・・・・・・・ッ!?」

だが、『アダージョ』の次の行動は氷山にとって予想外であった!
当然狙われるのは自分だろうと、高を括っていた
朝山への攻撃が激しくなるのは想定外・・・・アダージョの心を読み間違えていた!

「ひ・・・・卑怯者ッ! 怒ったのなら私を攻撃しろ―――――ッ!
 やめて・・・・・ それ以上、『朝山』さんを殴らないでください・・・・お願いですから!
 殺さないで―――――――   」

駄目だ・・・・頭上で構える『硝子籠』もアダージョにはバレていた・・・・!
このままでは朝山の命が・・・・・!
その時、『アダージョ』の背後に忍び寄る曳舟の姿が目に入った

(あのおじさん・・・・何かをしようと・・・?
 落とす・・・? 何かわからないけど・・・・わかりました! 『さんずさん』!)

           『・・・・・・!』

こうなっては奇襲の意味が薄い・・・・だからこそ、全力の速度で行動を行う!
片手で握った『鉄鞭』に渾身の力を込めると同時に、体を思い切り揺すり、
なるべくアダージョに近い位置に落下するように『硝子輪』を破壊する パス精BCC

それと並行して、『大捕物』を発動
『朝山』の手の中に鉄製の『陣笠』を出現させ、アダージョの猛攻を少しでも食い止めたい

使用捕具(4/5):『朝山陣笠』『さんず鉄鞭』『一抹微塵』『拘束された微塵』

937一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/28(水) 22:24:38
>>932-935
「これは『シヴァルリー』の能力ッッ!?
 あの霧から我々が見えている…ならば、夕立先輩との『約束』を果たすのみ!」

『慈悲の刃』を伸ばして見えているであろう夕立先輩に軽く身振り手振りで意思を伝えたい。
上空の『太門』に突き立てるようにして霧の向こう側に居るはずの夕立先輩に向ける。
『慈悲の刃』の『殺傷力』が奪われる際に飛び出すエネルギーを『太門』へと当てたいというメッセージだ。

「そっちこそ歪な身体で私が死ぬほど苦しんだのを知らずにッ! 裏切り者の恥知らずに渡すわけないだろッ! 」

「何が『B級』だよッ! 裏切った癖に! 今更、戻ったところでアンタの『居場所』なんか無い! どれだけ恥知らずなんだよッ!」

あまりの身勝手さにブチギレながら椅子を踏み台に『インダルジェンス』を『太門』へと跳躍させ、足を掴み引きずり落とそうとする(パス精:BCA)
『殺傷力』の略奪が中途半端なら『慈悲の刃』の切れ味も落ちないはず。

938塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/28(水) 22:28:51
>>933
「……『夢』のルールなんざ知らねーが、
これが『縛り』だというのなら、私もそいつに乗っかってやる」

『クリスタライズドD』を手の内に発現し、指先をガラス化。
もう片方の指を傷つけ、血に塗れた指で楽譜の末尾に刻まれた一文、その最後の4文字『以外』を塗りつぶす。
そして、演奏を続ける『朝陽』の肩に手を置き、揺さぶろうとする。
あまり良い結果を呼びそうにないが……そうせずにはいられない。

「正気に戻れ、『朝陽』!
あんたの兄貴は……今も戦ってんだよ!
今だけじゃあねえ、『いつも』だ!」

その最中に、幾度となく目にした『シヴァルリー』の能力発動を見た。

(これは、この『映像』が、繋がっている……ということか?
いや、違う。物理的な『繋がり』じゃあない。
だが何故か、あいつの『スタンド』……『シヴァルリー』の射程範囲内に入っている!)

「『刃』だ! 『夕立』のスタンド能力は、『刃』をひきつけ、扱う『能力』!」

余裕があれば、そうやってホール内へと叫んでおく。

(だが、こちらの4人も明らかに『満身創痍』。
あっちの『二人』を何とかしなければ……。
あいつらも『悪霊』であるなら、『朝陽』の、『悪霊を呼び寄せる演奏』を止めれば、と考えたが、
『夢』のルールは『スタンド能力』とは違う。不確定要素が多すぎる……!)

939『その夕立に雨傘を』:2020/10/28(水) 22:42:14
>>933
×『アダージョ』は超高速に加え、『微塵』をいなす程の器用さを持っている。
  故に、『スピード』を下げたところで、『精密動作性』が上限に至ってしまう。

このレスを

〇『ゴールデン・イヤリング』は超高速に加え、『微塵』をいなす程の器用さを持っている。
  故に、『スピード』を下げたところで、『精密動作性』が上限に至ってしまう。

以上の通りに変更します。

940斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/28(水) 23:03:13
>>932-935

 「悪いな、捕まえるのが面倒くさかったんだ。」『――殺せ』

首から流れ出す体温が、勝利の味を引き寄せる
引き裂くような笑みを浮かべよ、勝利はお前に微笑んだ。

 「左右は壁、前に盾、動きを止めたくないお前に残されてるのは……『上』だけだよなァ」『――殺せェ!』

致命傷?それがどうした、勝利までに動ければ それが何の問題になるというのか?
使えない物は捨て去り、ただひたすらに勝利の先へ、そこに恐れも躊躇も無い。何も出来ない事こそが、真の恐怖なのだから。

 「空中で掴まれればお前はもはや動くも何も無い、終わりだ。」『――ゥヴヴヴォォオオオオ!!!』

枷から外れた影の腕が、槍を掴んで『引き寄せる』
右肩が使えない以上は、もはや何の問題があろう?右肩を貫通し、己の身体を枷にして槍は止まる。
雷は此処に捉えたり。本体の腕が太門を掴めと手を伸ばし。三本の脚が身体を支え、影の脚が追撃のの構えを取る。
腕を掴み、槍を掴み、防御も回避も許しはしない。倒れるまで力の限り蹴り続ける。 後は実行するだけだ。

 「―― 一抹ゥ゛!やれェ!」

941氷山『エド・サンズ』:2020/10/28(水) 23:12:50
>>936
すいません、下記の行動を取り消して、『硝子輪』の破壊に専念したいです

>それと並行して、『大捕物』を発動
>『朝山』の手の中に鉄製の『陣笠』を出現させ、アダージョの猛攻を少しでも食い止めたい

使用捕具(3/5):『さんず鉄鞭』『一抹微塵』『拘束された微塵』

942一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/28(水) 23:13:28
>>932-935
>>940
「まだ死ぬには早いですよ、先輩ッ!
 もっと皮肉担当なんですからッ!」

『殺傷力』の略奪が起きなければ『太門』の両足を『慈悲の刃』で切断、或いは突き刺したい。

943一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/28(水) 23:25:28
>>932-935
届くなら腕を攻撃したいです。

944朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/28(水) 23:42:36
>>933-934

怒りの咆哮と共にアダージョと『ゴールデン・イアリング』は激昂のままに
繰り出した一撃に、朝山は成す術なく壁へと其の小さな体を叩きつけられる。

 グアァ!   ドォバァ!  バキキキ…!!   ミシシィ
    パラパラ……カツンッ

被っていた、おかめの仮面も。アダージョの憤怒の一撃の頭突きによって
罅割れて上半分は砕け散り、その破片が床へと落下する。
 額から流血し、その両目の部分が晒される。鼻と口からの流血が未だ辛うじて
張り付いてるだろう、お面の下部分から赤い液体が小さい筋ながら決して
少なくない量が先に地面へ転がった欠片を深紅の色へと変えた。

> 『テメェなんかエクリプスに要らなかったんだ!』 『死んでも迷惑かけんじゃねぇー!』
>嫌われても、蔑まれても、『エクリプス』がアタシの居場所だった

   『   ――イヤ  違う  』

朝山の顔は俯いている。声も発せるかどうかの満身創痍であるが
『ザ・ハイヤー』は悪霊と『アダージョ』へ力強く言い切る。

 『――アダージョ お前は愛欲と言う名の冠するままに己の悪性を恥じる事なく
思い思いに生きていた。確かに多くは嫌う者も確かに居ただろう。
 ――ダガ 俺は知っている
お前の其の悪性に畏敬を、賞賛を、思慕を抱くものは少なからず居た事を。
ヤハリ お前は姿とて生前のままでも 心は煉獄へ長く浸り過ぎたカ……』

最初の『アダージョ』へ踊り出た際の二発。
次に『サンズ』へ向けた一発。
そして、つい先程に『ゴールデン・イアリング』への一発。
残る『モーション・キャプチャー(球体)』は二発……。

 『――アダージョ 俺達(エクリプス)は形こそ違えと終わったんだ。
お前は月の陰りに栄誉と頂きを見た。俺達は月の輝きに安らぎを見出した。
アダージョ、月が美しく彩っているのは。
太陽の光(この子)を受けてるのと、星々(お前に立ち向かう者)があるからだ』

 ――ポゥ―――ッ!! 

右手より球体発射(ス精AE) 本体(朝山)へ・・・

945朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/28(水) 23:43:24
猛スピードで猛獣のような顔つきが見えたかと思うと、かつてない
衝撃が頭と、遅れて背中にも受けた。
 朝山の中の意識が何処か、この夢の中とも異なる遠くへと抜けてく気がする……。

……声がする。

――佐生 貴方は忘れるかも知れないけど。それで構わないんだ

――あんたは私達の事を忘れて。平和な場所で生きて行けばいい

――自分だけの幸せを掴み取るんだ。俺達の事なんて気にせずに

……嫌だ。

私は絶対に……皆の事を……くなんてない。

『――アダージョ さらばだ ……お前の事は』

『「忘れない゛ッ!!」』  カッ――!

仮面の割れた場所から覗く目は未だ死んでない。爛々と太陽のように
輝く両目と共に、朝山は残る肺の空気を絞り出し言い切る!!

「わ゛だじはっ゛ も゛ーにん゛ぐぅ゛ま゛ぅんでん゛ッッ゛
ばだひがっ! み゛んな゛の『居場所』にな゛るんだっっっ゛!!!」

 ――何時か、きっと戻って来て欲しい皆がまた姿を見せてくれた時
もう一度   お帰りなさいっス!! って笑顔で言う為に!!!

「ぱ  わ゛ーーーーーッッ゛!!!!!!!」

 『アダージョ……【怒りは魂を曇らせ、大事な事まで見逃す】』

 >931メ欄 左 狙い アダ 球 ス精EA

この時に『ザ・ハイヤー』は『アダージョ』を対象として
『ス精EA(追尾性を持つシャボン速度の球体)』モーション・キャプチャーを
ゴールデン・イアリングへ右手で放つと共に密かに放っていた!

そして、未だその直線状に居たアダージョは氷山や朝山の対応に激怒し
『そのまま突進攻撃』を繰り出した……と言う事は!

 キィィン―――――ッッ!!!

ザ・ハイヤー『さらばだ』 左腕『変動率』スA精E
『再分配』により『アダージョ』は『ス精EA』

そして、右腕『変動率』ス精EA・・・。

朝山「ふるぅっっっ!!!!!」 ドォ――ッガッッッ!!!

朝山は壁を蹴りつつ……目前の『アダージョ』へ頭からまっしぐらの。
奇しくもアダージョと同等の頭突き攻撃!!!(ス精AE)

946斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/28(水) 23:50:29
>>940

右腕の鎖を解除し、影の腕の発現
槍を影の腕で掴み、肩を貫通させ引きずり込む

左腕の鎖3mを振り、槍を拘束しつつ敵本体にまで鎖を絡め、結合及び拘束。
そのまま太門ごと手繰り寄せる。

身体を三脚で支えつつ、残りの1脚で無防備な敵本体を蹴り続ける。

947『その夕立に雨傘を』:2020/10/29(木) 01:00:35
>>938(塞川)
>「『刃』だ! 『夕立』のスタンド能力は、『刃』をひきつけ、扱う『能力』!」

『ホール全体』に響き渡るように、『塞川』は大声を張り上げた。
そして、『クリスタライズドD』により、傷付けた指から滴る『血』で、
鉄の『楽譜』を塗りつぶしていく。

       〜〜〜♪   ――――――……

『朝陽』は演奏を止めたが、その指は『鍵盤』に置かれたままだ。
……『演奏』を止めたのではない。今の楽譜通り、演奏しているのだ。
塗り潰された『楽譜』には、この文字『だけ』が残されている。

┌──────────────────┐
│ “Dal segno senza fine” (初めに戻る)   │
└──────────────────┘

>>936(氷山)
>「ひ・・・・卑怯者ッ! 怒ったのなら私を攻撃しろ―――――ッ!
> やめて・・・・・ それ以上、『朝山』さんを殴らないでください・・・・お願いですから!
     . .
    「殺すッってんだろうがッ!  ガキィ、そこで指咥えて見てろ!
     明け方のドブ溝にぶちまけられた、生臭ェゲロみてェにィ〜〜〜〜〜ッッ」

    「二度と見られねェ地べたのゴミに、なるんだよォォ〜〜〜〜〜ッッ!!」

『アダージョ』の濁った声は、無慈悲な『殺意』を漲らせている。
『氷山』に出来るのは、忍び寄る『曳舟』を信じ、

     ガシャンッ     グラァ

『エド・サンズ』に力を込め、籠ごと揺らして『硝子輪』を破壊することだけだ。

>>945-946(朝山)
> 『――アダージョ お前は愛y

     ボグシャァ!

『ザ・ハイヤー』の言葉は届くはずもない。
『アダージョ』は眼前の『詐称者』の抹殺に専念している。
ましてや、『アダージョ』自身のことを知らぬ者の言葉など、猶更だ。

強烈な『アッパー』が『朝山』の顎を揺らし、その意識を――――

>「わ゛だじはっ゛ も゛ーにん゛ぐぅ゛ま゛ぅんでん゛ッッ゛
>ばだひがっ! み゛んな゛の『居場所』にな゛るんだっっっ゛!!!」

いや、『朝山』の決死の言葉は、確かにホールに響いた。
言葉だけではない。地面に這わせるように、緩やかに放った『球体』。
激戦の最中、腕が折られても、確実に追尾する『自動操縦弾』。

     「そこにアダシはい゙ね゙ェ んだよォ!」

     ゴッシャァァァ!!!!

互いの『頭突き』がぶつかり合い、『アダージョ』はたたらを踏む。
リーゼントがグシャリと潰れ、ポマード交じりの血液が滴っていく。
それを見届け、『朝山』はその身が崩れ落ち、壁にもたれるように倒れ込む。

    シュォォォォォォ ・ ・ ・ ・

『アダージョ』の身体に『モーションキャプチャー』が憑依し、
スローモーションになって、ゆっくりと倒れていく。

>>940
>>946(斑鳩)

     ドバッ   ブシュゥゥ――――!!

傷口から血液が噴出し、『斑鳩』の意識が薄れていく。
――――意識が薄れるにつれて、肉体の内側から声がする。

    『冷笑主義! 冷笑主義!』  『おで、といっじょ……人間、きらい……』

    『だから、女の子、にんぎょうにして……あぞぶ……たのぢい……』

    『本気になれないヤツは、何やったってダメなの! なんでもいっしょ!』

    『ランドセル……背負わせたまま……うべべ……まだ……やりだぁい』

身に宿る『悪霊』達が『斑鳩』に囁きかけてくる。
それは即ち、肉体を支配する『意識』が薄れているに他ない。

     グググッ     グイィ――――

『鎖』で繋がれた両腕も、動かない『影右腕』も頼れない。
残った『左腕』の一本で、『サンダー』の穂先のすぐ真上を掴んだ。

>>937(一抹)
送った『サイン』に対し、『夕立』は反応を見せない。
『インダルジェンス』を飛び上がらせ、その『刃』を走らせる。

      ズバシュッ!!

逆さになった『太門』は、その一撃を『額』で受けた。
スピードで上回り、確かな技量を持つが故に出来る、荒業の防御だ。
出血は起こる。――――『槍』が停止した今、『反発』のエネルギーは生じていない。

948『その夕立に雨傘を』:2020/10/29(木) 01:01:32
>ALL

      パッ

そして、『アダージョ』が消えた。
再びの『瞬間移動』。そして、その身体は――――

    シュゥゥ……   「――――乞食、テメェ逃げてねェのか……!」

『鳥籠』の真下へ現れた。
そこには『曳舟』もいる。身を屈め、『アダージョ』の両足を掬い上げる。

    グラァァ      「お嬢様方より、多く『枷』をハメられている卑しい身故に、
              私めの愚鈍な頭でも、そのスタンドをちょっとは理解できましたわ……」

    バキキィィ――――    バァァァァァ!!!!

    「うおおおおおおおおお!!!!!!!」

倒れ込む『アダージョ』の眼前に『硝子籠』が落下する。
たまらず『ゴールデン・イヤリング』の両拳が唸り、突きの連打を放つ。

     ガシャシャシャシャシャシャ―――――!!!!

    「『愛』を『枷』に変え、――――愛する者に『寄り添う』能力。
     貴方自身や、貴方の『一部』を瞬間移動で傍に置かせる」

    「故に、姐さんに『肉声』を寄り添わせて『悪霊』を憑かせ、
     『サンズ』の旦那に貴方の『意識』を添わせ、意のままに動かした」

    「そして、私めを利用して『瞬間移動』で攻撃を回避。
     ……故に、『猿轡』が破れた時、『回避』を察したのでごぜぇます」

『硝子籠』の真下に移動した『曳舟』の傍に、『アダージョ』は瞬間移動した。
そして今、能力の『解除』で元の位置に戻るのは、間に合わない。

     ズバババッ!!!

硝子の破片は容赦なく、『アダージョ』の肌を裂いていく。
そして、超重量に対抗するラッシュに、『朝山』がヒビ割らせた『左肩』は耐えられない。

      ボギャッ     「がああああああああ!!!!!!」

ガラス片を割り尽くした今、『アダージョ』の眼前に迫るのは――――

           | !/
           トォ       ンッ!!!

ガラス片を浴びながらも、未だに闘志失せぬ『エド・サンズ』ッ!

    グィィィィィ――――

    「この姿勢は既に、攻略しているッ!」

一方、『太門』は額から血を流しながら、
身を捻らせ、『サンダー』の石突近くを持ち、『斑鳩』の肩に体重をかける。
『サンダー』は『太門』の自重を受けて大きくしなり、片腕一本では支えきれない。

    『計算高いんじゃなくて臆病なだけ! だから無言だったんでしょ!』

    『それじゃあ生きててもつまんないじゃん! 俺達に早く、身体寄こしなよ!』

『斑鳩』の『右肩』を支点とした『シーソー』は、
『穂先』の近くを握る『斑鳩』と『石突』を持つ『太門』では、
掛かる負荷の違いは明白だ。――――これが『梃子』の原理。
『太門』の身体が落下し、それにつれて『穂先』が跳ね上がろうと暴れ始める。

    「その身を犠牲にして、『サンダー』を止めたヤツ全て!
     息の根諸共止めてやった! ――――チェーンマン、お前はここで逝けッ!」

    「この俺の前で、二度と『鎖』をブラブラ振り回すなッ!」

      ジャラララッ    ガシィッ

決死で振り回した『3m鎖』は『太門』の腕に絡むが、引っ張り切れない。
『左腕』一本では、人間の身体を引きずり込むには困難だ。
蹴り足も届かない。槍の間合いには足らなすぎる上、ここまでの『同時行動』に集中を割けない。

――――『斑鳩』と『太門』、『サンダー』を握り続けるのは、果たして……

(※『ロスト・アイデンティティ』の同時行動の保証は『実体』と『影』が同一部位の場合。
   右腕と『影腕』を同時に動かせるが、腕と脚を同時に動かすのは、肉体同様の『精密動作性』が必要。
   今回のシチュエーションでは、そもそも届かないとはいえ、両腕との同時行動は難しいと判定。)

949『その夕立に雨傘を』:2020/10/29(木) 01:01:55

   ■■■※※※※■■■
   扉□□□□□□□□扉
    扉□□┌──┐□□扉
  ■■□.陽.|    │□□■■
  扉□□塞└──┘□□□扉
  扉□□□□□□□□□□扉
■■□□□□□□□□□□■■
扉□□□□□□□□□□□□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□柱□□□□□□□□□■
―─――――――――段―――
■朝□●□□□□□□□□□■
■席席氷席席席席席席□破★←上空1m弱に『太門』
■席席□席席席席席席一.イ斑■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□★←鎖の巻き付いた『座席』
■席席□席席席席席破□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□□ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

●:
       |/
     _/←『エド・サンズ』
      〇ヽ

    \/〇
   ーく _〇_ノ
    ↑    ↑
 『アダージョ』 『曳舟』

950『その夕立に雨傘を』:2020/10/29(木) 01:19:14
>>947(訂正)
>>938(塞川)
>「『刃』だ! 『夕立』のスタンド能力は、『刃』をひきつけ、扱う『能力』!」

『ホール全体』に響き渡るように、『塞川』は大声を張り上げた。
そして、『クリスタライズドD』により、傷付けた指から滴る『血』で、
鉄の『楽譜』を塗りつぶしていく。

       〜〜〜♪   ――――――……

『朝陽』は演奏を止めたが、その指は『鍵盤』に置かれたままだ。
……『演奏』を止めたのではない。今の楽譜通り、演奏しているのだ。
塗り潰された『楽譜』には、この文字『だけ』が残されている。

┌──────────┐
│ “fine” (演奏終了)
└──────────┘

――――『朝陽』の双眸に、意思の光が戻ってくる……。

951一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/29(木) 02:09:50
>>947-948
「やらせてたまるかァァァァ!!
 甘やかせッ! 『インダルジェンス』ッ!」

落下を始めた『太門』の首筋、或いは届く場所を掴んで『悪感情』の『鎮静』を発動。
『恐怖』『緊張』『殺意』を対象にすることで一瞬だけでも『太門』の判断を遅らせる。
邪魔となる『微塵』は斑鳩先輩の足元に投げ捨てよう。

「斑鳩先輩ぃぃッッ!! 貴方がスタンドを手にした
 理由を思い出して! 大切なものを奪われていいのかッ! 」

「理不尽に怒れッ! 自分を『見失う』なァァッッ!!」

抉られた臓物の痛みを堪えながら『太門』の額から両目に『慈悲の刃』を走らせつつ、強引に首筋を切り裂く。
片腕で邪魔するなら『慈悲の刃』の伸縮を繰り返し邪魔する片手ごと頭を滅多刺しにする。

「私たちはお前たちに比べたら弱いッ!
 しかし、そんなことは夕立先輩を助けに来た…私たち
 を引き寄せた夕立先輩の『強さ』に比べたらちっぽけ
 なものなんだ!」

952氷山『エド・サンズ』:2020/10/29(木) 19:09:11
>>947-950
    バキキィィ――――    バァァァァァ!!!!

   『ドウヤラ・・・・・ソコノ「おっさん」ガ上手くヤッテクレタミテーダナ・・・・』

曳舟の『策』とアダージョの瞬間移動を見つめて、呟く
落下する『籠』の真下に移動するなど並の『覚悟』では出来ないはずだ
内心で曳舟の『勇気』を称賛し・・・・己自身も『覚悟』を決めた

   ・・             ・・
この『機会』を決して逃さないという『覚悟』を・・・・・!


 『一つ、お前らハこの町デ悪行ノ限りヲ尽クシタ・・・・』

『籠』とともに落下する
アダージョのラッシュとともに、己を拘束していた檻が弾け飛ぶ

 『二つ、お前らハ地獄の閻魔様ノ目ヲ盗ンデ、世ノ中ノ摂理ッテヤツヲ曲ゲタ』

砕ける破片
煌めきの中で切羽詰まったアダージョの顔面が見えた


 『ソシテ、三つ・・・・・手前ぇらハ、あきはノ「友達」ヲ甚振リ、あいつヲ泣カセタ・・・・!
  「ブチ切れ」テんノガあいつダケダト思ウナヨ・・・・・・・・ッ!』

 『お縄ニツケ・・・・・地獄の閻魔様ト再開サセテヤルゼ・・・・・・ッ!!』


この間合いに至っては長物である『鉄鞭』はむしろ邪魔だ、放り投げ、解除する
新たに掌中に収めるのは最も有名な『捕物』の代名詞・・・・『十手』だ


     『オラオラオラオラオラオラ――――――――ッ!』

右手に握りしめた『十手』と怒りを握りしめた左手で
             ラ ッ シ ュ
アダージョの顔面に渾身の『突きの連打』をブッ放す! パス精BCC

953塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/29(木) 19:45:58
>>947-950
「『演奏』が止んだッ。
だが 『悪霊』どもは、どうだ……?」

『クリスタライズド』C・Dを手元に呼び戻しながら、
背後を振り返り、客席の『悪霊』、そして二人のスタンド使いの様子を伺う。
そして、客席の方を向いたまま意識を取り戻したとおぼしき『朝陽』に話しかける。

「『朝陽』……『悪霊』の声が聞こえるか?
やつらの『問い』には気を付けろ。『身体を貸せ』というニュアンスの言葉に対しては、明確に『言葉』で拒絶をしろ」

「………これは『夢』だ。
あんたの『演奏』には、ここじゃあない、もっと相応しい場所がある。
だから今はジッとしてな。目覚めの時までな」

『エド・サンズ』の攻撃に間に合いそうなタイミングであれば、
『客席』に残した『クリスタライズド』Bを、地を這うように『アダージョ』へ特攻させ、全身を『ガラス化』させる。

954朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/29(木) 20:36:46
>>947-950

「……………………」

――佐生

優しい声が遠くから聞こえてくる。

それは、とても泣きたいぐらいに優しくて 暖かくて。
もう一度、その声を聞けるのならずっと動かず、このまま瞼が下りた
暗闇の中にずっと居ても良いと思える程に。

――目を開けて   佐生   


その声は、少し厳しく自分を叱咤激励するように告げる。


――貴方が守りたいものは、この中でなくて先にあるでしょう?

……私は…………。


パチッ

「……ぅ…………ぐ…………パワ……フ……ル」

瞼を開け、何とか立ち上がろうと足に力を込める。

955斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/29(木) 22:47:25
>>947-948

流血が身体を濡らし、点火した如くに熱していく
雑音が随分と喧しい、何を言っている物かよくわからないというのに。

 (父さん、母さん…まったくどいつもこいつも好き勝手言いやがるよ……)

人生は退屈だ、何をやっても完了できる
缶ジュースを買う手軽さで、血を吐くような努力を尻目に栄光と勝利は手に入る
そんな物に端から意味などみいださなかった、ただ 両親が喜んだので拾っただけだ。

そんな僕らを見るたびに彼らが好き勝手に言い、足を掴み、奪おうとする、その惨めさには恐怖するばかり
お前たちだけが悲しく、苦しいというのか?持つ者には痛苦など無いというのか?もう沢山だ、どうでもいい。

だから、そんな奴らにもう……『「NOだ』」

『お前ら死んだ負け組だろうが。何を言っても遠吠えにしかならん己の滑稽さに気づかんか?ゴミはさっさと消えておけ。』
「裏切者、我が名を抱いてただ安らかに死に絶えよ、『勝つのは僕だ』 ……僕が何故ここにいると思う?」

――自分の背後にあるのは『壁』、手繰り寄せ、敵が『重量をかければ』当然穂先の跳ね上がる先はそこに突き刺さり『固定される』。
保持の必要などもはやない、絡んだ鎖は勢いのまま伸ばせば5mまで伸縮し、敵本体を絡め捕って結合、手元を胴の鎖へと接続
後は無防備に落ちてくる、敵本体が見えるのみ。鎖は結合と連結を繰り返せば、本体の動きを邪魔せず、むしろ本体へのガイドレールだ。

速度は殺した、故に もはや槍は力を発揮しない、貫通するような力も無い。
腕の制御を本体頭部が、足の制御を影の頭部に任せ飛ぶ。

オ レ
 『僕が!』
  ワタシ

――翔けて

  エリアル
 『天翔!!!』
ショウ

――飛び

  レイジ
「『怒牙だァァァアアアア゛ア゛ア゛!!!!!」』
  イカルガ

――蹴り殺す。(パス精CCB)

956『その夕立に雨傘を』:2020/10/30(金) 00:00:02
>>953(塞川)
演奏が止んだのを確認し、『客席』を振り向く。
以前、闘い続ける二体の『悪霊』。そして、座席の『亡霊』達は――――

    『お、おしまいかよォォ〜〜〜〜ッッ』   『やめないでェェ!!!』

    『女ァ! 俺達の希望を奪うんじゃねェ!』  『嫌だ、暗闇に戻りたくない!』

    『アン・コー・ル!』  『アン・コー・ル!』  『アン・コー・ル!』  『アン・コー・ル!』

『悪霊』達は悲痛な叫び声を上げながら、必死になって『再演』を要求している。
それを尻目に『塞川』は『クリスタライズドB』を飛翔させながら、
『朝陽』へと声を掛け、事態を告げる。

    ―――――ニコッ

『朝陽』が目を向け、『塞川』に微笑みかけた。
言葉を発さない。『黒目』ではない。『硝子』のように透き通った双眸。
――――ここは『朝陽』の『夢』。……だが、目の前にいるのは……。

     モ ウ イ チ ド   エ ン ソ ウ シ マ ス
    「Вωl yЁ」  「Do ЖE Йα」

言葉の意味だけが浸透する、全く未知なる言語が『塞川』に響いた。
――――『テニメント・ファンスター』に引きずり込まれたスタンド使いの内、
『蛇尾川』と『夕立』は薄霧の向こう側へ。『曳舟』と『塞川』が『朝陽』の夢に残った。
……だが、あの『多目的ホール』にいる『スタンド使い』は、それだけではなかった。

>>954(朝山)

     ギギギ……   ググッ

朦朧とする意識、身体中を巡る鈍痛、それに耐えながら、
『朝山』はなんとか立ち上がろうと――――

      ギチチチィ!!    ドサァ

立てない。『ザ・ハイヤー』の全身に現れ縛ったのは『拘束衣』だ。
両手首を後ろ手に縛られ、『朝山』は芋虫のように倒れ込んだ。
『アダージョ』の頭突きによって『唇』が触れ、『拘束』が発動したのだ。

>>952(氷山)
『ラッシュ』によって砕かれた『硝子片』は『エド・サンズ』の肉体に刺さる。
全身をズダズダに割かれながら、『氷山』は己が心像の雄姿を見据える。

  ズ       『お縄ニツケ・・・・・地獄の閻魔様ト再会サセテヤルゼ・・・・・・ッ!!』
    ガ
  ガ       「なまぁぬるぅゥゥい、片腕で突破できるわァァァ!!!!」

   ガ      『オラオラオラオラオラオラ――――――――ッ!』

  ガ        「バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラアアアアア!!!!」

   ガ   『ゴールデン・イヤリング』は右腕一本で『エド・サンズ』のラッシュに均衡する。
        それだけではない。ラッシュの最中、己の拳を『唇』に掠めさせ、
  ガ
            ズギャアアアア!!
  ガ
        「もう一度、唇を奪って、
   ガ    テメェをアダヂの『モノ』にしでやラァァァァ!!!」

  ガ     バグゥ!!!

   ガ    拳から現れた『トラバサミ』が『エド・サンズ』の右肩に喰い込んだ。
        そのまま『ゴールデン・イヤリング』の無情なる連打が『エド・サンズ』を襲う。
  ガ
   ァ
  /          ―――――ヒュォ
   ̄\                        。
   /                       ノ \ァ
  |                           ア
    //                     ァ
   ・ ・                    ン  /
                               ・

957『その夕立に雨傘を』:2020/10/30(金) 00:00:25
>>951(一抹)
飛び上がった『インダルジェンス』が座席の背もたれに着地し、
すんでのところで『太門』の握り手を掴み、『悪感情』の鎮静を試みる。

     ―――――シュゥゥゥンン……

     「『悪』に堕ちてでも、闘い続ける――――」

     「だが、死の最中で尚、死闘が出来るとは思わなかったぞ……」

『太門』の表情が和らいだ。だが、それは『隙』を意味しない。
『殺意』や『苛立ち』、本心を突かれた『羞恥』の消えた『太門』は今、
純粋なる『闘争心』だけを剥き出しにしている。

>「私たちはお前たちに比べたら弱いッ!
> しかし、そんなことは夕立先輩を助けに来た…私たちを引き寄せた
  夕立先輩の『強さ』に比べたらちっぽけなものなんだ!」

     「ならば、お前たちを倒し、その男とも
――――」

     ヒュォォンッ!!

『慈悲』の刃が首を狩らんと狙いを定め、――――届かないッ!

>>955(斑鳩)

     ジャララララララララ―――――

路地裏の不良狩りにも似た、自負を満たすための『虚栄』を憂う。
『才能』も『栄光』も『勝利』も『人格』も持て余した『斑鳩』にとって、
『悪霊』の囁きなど耳クソ程度に過ぎない。

絡めた『鎖』ごと『太門』の身を引き、砕かれた骨を圧す『槍』の重みに耐え、
六肢二首の全てを振り絞り、『太門』を引きずり込む。

958『その夕立に雨傘を』:2020/10/30(金) 00:05:02
>ALL

   ビキキキィ      バリリリリィィ――――

     「う、嘘よ……。この完璧なボディーが、透けて――――」

     「なんで、なんでよ!  みんな、なんでおぢえてぐれないのぉ!?」

     「『ハト』も、『球』も、コジキが近くに来てるのもォォ〜〜〜〜〜ッッ!!」

     『テメェが俺らの身体を残さねぇからだろぉが!!』   『どーすんだよこの始末!!』

     『盛ったホモジジイに期待したのが間違いだったぜ!!』  『テメェは所詮鼻つまみモンだよ!!』

追い詰められた『アダージョ』を突き刺さる、『悪霊』達の容赦ない罵倒の言葉。
                                   . .
『クリスタライズドB』の特攻は、『ゴールデン・イヤリング』のみを硝子像へと変じさせる。
ヴィジョンの機能は失われない。――――だが、『ゴールデン・イヤリング』の剛力そのものが、
振るわれる度に『硝子』と化した腕にヒビを入れ、亀裂を生み、

      ガガガガガガガガッ!!!!

     「お、女ァァァ〜〜〜〜ッッ   身体目当てで、生かしておけばァァァ!!

      グオォォォ、クソッ!   解除されろ、『寄り添い』よォォォ―――――z____」

       ガッシャアアアアアアン!!!!

『ゴールデン・イヤリング』の右腕は、煌めく『十手』によって無残にも制され、
バラバラに砕け散った後は、ステージの照明により、燦燦と光を浴びて散っていく。

       シュォンッ!!

     「くら   ゴッシャアアアアア!!!!

真下から見下ろす『エド・サンズ』の視界からは、近距離の『瞬間移動』なら見切っている。
故に、『エド・サンズ』の握り落とす『十手』の尖端は、『ゴールデン・イヤリング』の眉間を突き、

     ビシシ……    ブッシュウウウウウウ!!!

額が砕かれた『アダージョ』の顔に、真っ赤な『血華』が咲いた。

      ジャララララララ――――    ドスゥ!

『鎖』の引き戻しによって、その身を引き寄せられる『太門』。
まるで『バックブリッカー』のように、『槍』の捕先は壁へと突き刺さる。

      ゆらあああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜

意識がグラつき、『斑鳩』はたたらを踏んだ。
その刹那、冷たく冴える『慈悲の刃』は生死の境を区切るように、

              i /
    ―――――ノ \   シ  ュ
                        ゥ

『太門』の首喉を切り裂いた。
振り下ろした『刃』は『太門』の着衣を切り裂き、座席へと突き刺さる。

    ドサァァ

『斑鳩』は倒れ、『太門』もまた、床へと崩れ落ちる。

959一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/30(金) 01:00:19
>>956-958
「これは…最後の一瞬だけ生前のしがらみから…」

余計なしがらみから解放された純粋な『闘士』の顔つき。
その最高の一瞬を『苦痛』を生じさせない『慈悲の刃』が切り取った。
意図したものではないが『インダルジェンス』は『太門』の渇望を満たし、救ったのかもしれない。

「ドミネ・クォ・ヴァディス(何処へ行かれるのですか?)」

「せめて最後だけは戦士らしく…裏切り者にはレクイエムを…」

二度と迷い出ることのないように『慈悲の刃』で『太門』の首を刎ねる。
最後の和らいだ表情に言い知れぬ何かを感じたのだ。
裏切り者ではあるが最後だけは安らかに…

「斑鳩先輩…まだ死ぬには早すぎますよ…」

『慈悲の刃』で斑鳩先輩の『人面痣』を斬り祓う。
続いて制服を切り裂き応急措置を施す。
アダージョとやらも氷山先輩たちに敗れたようだ。
消えないようなら祓いに向かう。

「『悪霊』たちが慌ててる…?」

『慈悲の刃』を出したまま『アルモニカ』の方向を見る。
誰かが演奏を止めたのだろうか?

960斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/30(金) 12:23:15
>>956-959

冷たい床に打ち付けられても、大量の血潮を首から流しても自分が何かは解らない、ただ舌の上に乗る血の味だけは、勝利の味だと知っている。
他人が自分を測定する物差しだというならば、生まれて人から違い過ぎた僕の物差しは、失われた家族だけだったのだから。
    ジ ブ ン ガ ワ カ ラ ナ イ ノ
―― ロスト・アイデンティティだ。

 「僕が死ぬかよ……いいから『朝暘』だろ 最初の目的はそれだ。」

首の傷口に無理やり鎖を押し込んで伸ばし 『―――■■■■■■ッ!』強引に血管を塞いで出血を止める
頸動脈が1本だけでもあるまいし、血が止まればこれで充分、その上からスカーフを巻くのは気が進まないが仕方ない、親の形見を自分の血で赤黒く染めるのは悲しい事だが。

 「向こうがどうにもできなきゃ目もあてられん。」

                      ショウリ
だから、価値が無いと解っていても『これ』を希求しなければならないのだ。
今の自分達に残っている『力』はこの『影』と『鎖』だけなのだから。

…影の頭部が悪態をついて喧しい、まあ悪感情だけで構成された人格に『鎮静化』なんて人殺しみたいなものだけど。

 (……あの槍に使われた力、『夕立』だよな まだ生きてるらしいが)
 (向こうは静かになった、アダージョは死んだ いや、砕けたか …後一回動ければいいんだが。)
 
 「増援の警戒、ピアノの停止、やるべき事は多々ある 浄化できるのは後輩だけなんだからな。」
 「……いや、ピアノは聞こえないな どうしたんだ?止められる程手の空いた奴はいなかった筈だが。」

961一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/30(金) 13:31:11
>>956-960
「あちらで比較的に自由に動けたのはスーツの女性
 だけですね。
『アルモニカ』が破壊された音もしませんでした。
 朝陽先輩の手を止めたのかな?」

「『悪霊』だけは斬り祓います。こいつらは何でもアリなんですから」

斑鳩先輩が『太門』より自分の近くに居るなら先に『人面痣』を『慈悲の刃』で斬り祓う。
『太門』の生死を確認し、既に息絶えている場合は『アルモニカ』に駆け寄る。

「『太門』と『アダージョ』は『アルモニカ』を
 少しも守ろうとしなかった。
 破壊しても勝手に直ったり反撃してくるかな?」

「『慈悲の刃』なら傷を感知できないし、『悪霊』由来なら…」

軽く『慈悲の刃』で『アルモニカ』を傷つけてみる。
『無機物』であろうと斬られた事を感知できない『慈悲の刃』は通用するだろうか?
傷つけて反応がなけれぱ鍵盤を深く斬りつけてみたい。

962朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/30(金) 13:41:12
>>956-958

(因みに質問として、最初にアダージョに放った『球体』から
もう三分程は時間が過ぎているでしょうか?)


>  ギチチチィ!!    ドサァ

「『グ…』」

拘束衣の前に朝山もスタンドも振り解く事は出来ない。
ただ何とかして移動は試みようと『朝陽』達の居る方面へ
全身を回転させて転がり移動しようと試みる。

963氷山『エド・サンズ』:2020/10/30(金) 19:25:45
>>956-958

檻の破片、『ゴールデン・イヤリング』の欠片が証明に照らされてキラキラと光を反射する
硝子によって全身が切り裂かれる苦痛、友を傷つけられた悲しみ・・・・そして、怒り
それらを心で抱えながら、なお、その光景は―――――

――――――美しかった

氷山は全力でスタンドパワーを振り絞る疲労感の中で、この一瞬だけ
目の前の光景に見蕩れていた


>    『テメェが俺らの身体を残さねぇからだろぉが!!』   『どーすんだよこの始末!!』

>    『盛ったホモジジイに期待したのが間違いだったぜ!!』  『テメェは所詮鼻つまみモンだよ!!』

そんな氷山の心をこの場に戻したのは『悪霊』たちの罵詈雑言であった
アダージョは・・・・・確かに反論の余地の無い程に『悪党』であった
理不尽な理由で『朝山さん』を傷つけ、私利私欲のために他人の体を奪おうとする

しかし、それでも・・・・・・それでもなお・・・・・・ッ!
『エクリプス』に対しての『愛』だけは・・・・それだけは『本物』だった!
同じ『エクリプス』の仲間たちからここまで言われるのは・・・・少しだけ『哀れ』に思えた

「うるさい・・・・うるさいうるさい!
 黙って聞いていればなんなんですか! あなた達は!」

―――吠える
この舞台に集った『エクリプスの悪霊』たちに

「あなた達は戦ってないじゃないですか!
 戦いは二人に任せて、『おこぼれ』狙いでわめいてるだけのくせに!
 うるさいんですよ!」

そして、告げる
アダージョに、『孤独を抱えた魂』へと

「アダージョさん・・・・あなたは『エクリプス』として『悪事』の限りを尽くしたのでしょう?
 かつて、戦い、誰かを傷つけ・・・・・・そして、倒された
 ・・・・・それでいいじゃあないですか! 悪さをして倒されて、それが終わりでいいじゃないですか!」

「それでもなお『居場所』が欲しいというのなら・・・・」


『俺ガ――――  ヤッテヤルゼ――――――ッ!
「エクリプス」ノお仲間ドモ全員残ラズ・・・・・「あの世」ニ送リ帰シテヤル!
てめえらノ「居場所」ハ「地獄」ナンダカラヨォ――――――ッ!』


額を貫いた『十手』を、地面への着地の勢いを利用してさらに下に押しつける!
『ゴールデン・イヤリング』の顔面ごと『唇』を割り砕くために!

964塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/30(金) 19:53:39
>>956
「なにッ……まさかこいつ、夕立の情報にあった『二人目』か!」

異形の『声』が響き、咄嗟に振り返る。
『硝子』のような『瞳』と目があった。

(待て……確かに『二人目』、そう考えるのが自然だ。
『舞台』のどこかに隠れ潜み『テニメント・ファスター』に巻き込まれた……。
だが、本当にそうか? あの舞台上、私が認識していたのは『4人』……。
しかし、私はもうひとつの『スタンド能力』ともいえる『現象』を見ている!)

目の前の『朝陽』の姿と、その眼前の『楽器』を見比べる。

「あんた………『アルモニカ』、か……?
まさか、って感じだが………」

965『その夕立に雨傘を』:2020/10/30(金) 22:33:42
>>959(一抹)
『座席』を迂回し、『一抹』は『太門』の下へと向かう。
『太門』の首を刎ねようと、『慈悲の刃』を喉下に宛がった。
ドクドクと血液が溢れ、喉を裂いた傷が見えない中、単純に刃物を振り下ろし

      キンッ

『太門』の襟奥に何かが隠れ、『刃』を弾いた。
破れた『着衣』の奥から、『太門』の肉体が垣間見える。

>>960(斑鳩)

      ググググ・・・    ブズズズ

『傷口』に無理矢理『鎖』を押し込むが、『止血』にはならない。
傷口の大小の問題ではなく、純粋に方法が間違っている。

>>962(朝山)

     ググ    ズリリリ

朦朧とする意識の中、『拘束衣』のまま地べたを這いずる。
そのスピードは遅い。先程までの『アダージョ』と同程度でしかない。(スE)

>>963(氷山)
>「あなた達は戦ってないじゃないですか!
> 戦いは二人に任せて、『おこぼれ』狙いでわめいてるだけのくせに!

    『ぅぅ……』   『ぐ……』

『氷山』の言葉は『悪霊』達の口を塞ぐには十分だった。
『口だけオバケ』が最後の主張を失い、彼らの輪郭はじょじょに透けていく。
――――『演奏』が止まったからだと、気付くのは難しくない。

> ・・・・・それでいいじゃあないですか! 悪さをして倒されて、それが終わりでいいじゃないですか!」

>「それでもなお『居場所』が欲しいというのなら・・・・」

    「フフフ、そうね……。
     強くて優しくて、チャーミングな娘……。
     貴方のこと、死んだって忘れないわ……」

『エド・サンズ』が飛び掛かり、『ゴールデン・イヤリング』の額に触れる。
そのまま『頭蓋』を砕き、能力の象徴である『唇』を引き裂くために……。

>『俺ガ――――  ヤッテヤルゼ――――――ッ!
>「エクリプス」ノお仲間ドモ全員残ラズ・・・・・「あの世」ニ送リ帰シテヤル!
>てめえらノ「居場所」ハ「地獄」ナンダカラヨォ――――――ッ!』

    「そうね……。
     アタシ達は、『現世』を『地獄』に変える」

      バシュンッ!

『アダージョ』と『ゴールデン・イヤリング』が、この場から姿を消した。

>>964(塞川)
>「あんた………『アルモニカ』、か……?
>まさか、って感じだが………」

      .ハ イ
    「ΕE e」

『朝陽』は寂しげに笑った。
彼女はステージ上から観客席へと一礼し、

      ドウゾ サイゴ ノ キョク ヲ タノシンデ
    「λμy TΓko νΘXαΖZz ψγο」

言葉を失った『悪霊』達に微笑みかけ、『朝陽』は『アルモニカ』に触れた。

966『その夕立に雨傘を』:2020/10/30(金) 22:34:12
>ALL

      ガシィ!

      「ナメた口利いてくれたわね、白子風情が……」

『首』を斬ったはずの『太門』が、『インダルジェンス』の右手首を掴む。
違う。『太門』から伸びる『ゴールデン・イヤリング』の右腕が、『インダルジェンス』を拘束した。

      「『枷』に嵌めれば嵌める程、アタシの『愛』は強くなる。
       ――――『全身』の拘束を続ければ、最も『愛』する者になる」

『太門』に嵌められた『首輪』、着衣の奥から現れる、裸体に喰い込む『縄』。
仰向けに倒れているので不明だが、背面にも何かの『拘束』がされているのだろう。
いや、既にこの男は『太門』ではない。

      ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ

      「『太門』ちゃんは、アタシに身を捧げることで、『死』を免れた。
       だから、アタシがこの身体をどう使っても、構いやしねェのよ!」

『アダージョ』が立ち上がり、『ゴールデン・イヤリング』を構えさせた。
その復活を讃えるように、再び『アルモニカ』が鳴り響く。

     〜〜〜〜〜〜〜〜♪

          〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪

     『アダージョが復活しやがったァァ!!!!』  『俺も復活してェ!!!!』

     『ガキ共がはもうボロボロだぞ!』  『クソガキ共を解らせてやれェ!』

アンコールに湧き上がる『悪霊』共の、汚い歓声が響き渡る。
『アダージョ』は地面に転がっていた『サンダー』を手に取った。

        ――――ドヒュンッ!!

『アダージョ』の視界の隅から、『サンダー』が飛来する。
あれは『夕立』が奪った『サンダー』の『殺傷力』だ。


   ■■■※※※※■■■
   扉□□□□□□□□扉
    扉□□┌──┐□□扉
  ■■□.陽.|    │□□■■
  扉□□塞└──┘□□□扉
  扉□□□□□□□□□□扉
■■□□□□□槍□□□□■■
扉□□□□□□□□□□□□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□柱□□□□□□□□□■
―─――――――――段―――
■朝□□□□□□□□□一ア.■
■席席氷席席席席席席□破席■
■席席□席席席席席席□席斑■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□★←鎖の巻き付いた『座席』
■席席□席席席席席破□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□□ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

967『その夕立に雨傘を』:2020/10/30(金) 22:57:55
>>962(朝山)
>(因みに質問として、最初にアダージョに放った『球体』から
>もう三分程は時間が過ぎているでしょうか?)

まだ経過していません。
次々レスで経過となります。

968塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/30(金) 22:59:50
>>966
図上の『槍』は『サンダーの殺傷力』ですか?
また、『槍』の進行方向はアダージョ→塞川 でしょうか?
よろしくお願いします

969『その夕立に雨傘を』:2020/10/30(金) 23:07:41
>>968
>図上の『槍』は『サンダーの殺傷力』ですか?
>また、『槍』の進行方向はアダージョ→塞川 でしょうか?

『槍』は『サンダー』の殺傷力であり、
『薄霧』から現れ、『アダージョ』へ真っすぐに『飛来』しています。
※『塞川』は『槍』の射線上にはいません。

970塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/10/30(金) 23:20:12
>>965
「ちっ…今更、何があっても驚かねーが……。
だが、『朝陽』はどこへやった?
あいつは、実はこの『夢』へは来ていないのか?」

『アルモニカ』の能力によって、直接的な妨害は恐らく無意味となるだろう。
『アルモニカ』へと問いかけつつ、座席の方を見る。

(あいつ……あの『スタンド』は……『復活』、だと?
やばい、『悪霊』が言う通り、奴らにもう戦う力はほとんど残っていねえ!)

『クリスタライズドC』を、『朝山』の元へ向かわせ、拘束具を『ガラス化』する。
また、『クリスタライズドD・E』を『サンダーの殺傷力』の射線に入らないよう、『アダージョ』の方向へ。

「あんたがどういうヤツかは全く知らないが……。
その『演奏』は今、無数の『善くないモノ』を呼び寄せている。
それが、あんたの『望み』なのか?」

971一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/10/30(金) 23:49:48
>>965-966
「お前ッ!! 『太門』がアダージョに…!?」

生前に捧げられたと言えど死者の肉体を弄ぶアダージョに叫ぶ。
先ほどまで憎悪の対象だった『太門』の尊厳を踏みにじるような姿に怒りを覚える。
どのような悪人でさえ死を辱しめられることはあってはならない。

「どうりで誰にも愛されないはずだよッ!
 『自己愛』が強すぎるからッ!!」

遠目に見ていた限りではスピード以外は同等のはず。
『インダルジェンス』を掴む『ゴールデン・イヤリング』の手を掴み返して『悪感情』の『鎮静化』を発動。
同時に『慈悲の刃』を格納して『ゴールデン・イヤリング』の手首を狙って伸ばす(伸びる力&速度パス精:BCA)
さらに空いた片手で『ゴールデン・イヤリング』を掴みながら飛来する『サンダー』の『殺傷力』にぶつけたい。

「ここまで来て『折れて』たまるか:ァァァ!!」

972斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/31(土) 00:08:58
>>966

 スカーフで傷口ごと首を縛り、鎖を巻きつけ収縮で強く圧迫する
 息が止まりかねないが何もしなくても動けない身体だ、文句も言えない。口を動かすのも億劫だから。

 『直接圧迫止血法』だったか知らないが、これで止まらなければお手上げだ。
 腕の鎖を両肩に、胴の鎖を両足に、筋肉の伸縮で動かせないなら
 スタンドの鎖を筋肉代わりに伸縮させて外部から動かす。

 (とはいえ身体を動かしてどうするか……サンダーの機動力に奴自身のスタンド)
 (逃げ場もなければ防ぐ手段もないときた……何とか距離を取って、突進の隙を狙うしかないが。)

 (サンダーにはまだ鎖が絡まっている…出来る限り伸ばし、本体から切り離して…座席に絡めて接続しておくか。1秒の…時間稼ぎにはなるだろ。)
 (……後は考えるしかないな。後数秒でなんとかする手段を。)

973氷山『エド・サンズ』:2020/10/31(土) 00:38:18
>>965-966

    『ぅぅ……』   『ぐ……』

「・・・・・・。」

喧しい『悪霊』たちのがなり声が収まっていく
演奏が止まった どうやらあの女性(塞川)がやってくれたらしい

『・・・・・・ッ!? シマッタ!
 ヤベェ・・・・・逃ゲラレタ・・・・クソッ、アンダケ威勢ノイイ事言ッテオイテコノ様カ!?』

『アダージョ』が消え、離れた座席に再度出現する
見落としていた・・・・考えから抜けていた・・・・『太門』が意思を残しているという事はつまり

 ・・・・・       ・・
『アダージョ』に最初から『拘束』されていたという事に!

「『拘束』が残る限り、あの人はいつまでも逃げ続ける・・・・
 逃げ続ける限り、『本当の居場所』にはたどり着けないのに・・・・」

「そうだ、『朝山さん』! 『朝山さん』を助けないと!」

地面に落ちている『硝子片』を拾い、朝山のところに向かう
そして、『硝子片』の鋭利な部分を使って『拘束衣』を開放しながら、
朝山の怪我の状態を確かめる

974斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/10/31(土) 13:40:39
>>966
>>972

スカーフで傷口ごと首を縛り、鎖を巻きつけ収縮で強く圧迫する
『直接圧迫止血法』だったか知らないが、これで止まらなければお手上げだ。

 (後…もう一回くらいだな、仕方ない)

忘れているなら思い出せ、『太門とサンダーの拘束を解いた覚えは無い』
俺の鎖は胴体から未だ『5m』、奴の全身とスタンドを『拘束中』だ。アダージョ?そもそも戦場が別々だったのだから、太門の状態など見逃したのだろう
実際傍目に見れば、それは拘束具と違いが無いのだから。

切り離さない限りは、繋がっているなら『伸縮』できる。触れているなら『接続』できる。
槍を掴ませる必要も無い、既に腕というより、全身から離れないだろうから……既に太門の全身に絡ませて、接続済みなのだから。

スタンドで『鎖を引きちぎる』のにも、精密にやらなければ本体の身体が傷つくだろう
そして、目の前でそんな事をする隙を逃す奴はいない。

スタンドで一抹へ対処するなら、その間に鎖を縮めて絞め落とす。
二度とその場からは動かさせない。

 「…素直に死んどけ。』

975朝山『ザ・ハイヤー』:2020/10/31(土) 16:23:10
>>967(回答感謝)

>>965-966

朝山は懸命に芋虫のようにもがき、愚鈍なままに進もうとしてる。
だが、その動きも。劇変する状況によって静止した。

>   〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪

     『アダージョが復活しやがったァァ!!!!』  『俺も復活してェ!!!!』

     『ガキ共がはもうボロボロだぞ!』  『クソガキ共を解らせてやれェ!』

・・・アダージョが復活した……?!」

「NO・・・っス・・・!」

 >>970による『クリスタライズドC』によって拘束衣が脆くなるのを
感じ次第、上半身で床を叩く感じで拘束衣を破壊しようと朝山は暴れる!

976『その夕立に雨傘を』:2020/11/01(日) 20:32:27
>>970(塞川)
>その『演奏』は今、無数の『善くないモノ』を呼び寄せている。
>それが、あんたの『望み』なのか?」

     イ イ エ
    「βαρ」

『朝陽』は悲し気に笑い、それでも『伴奏』を続ける。

     バヒュゥゥ――――

『クリスタライズドC』を『朝山』へ飛ばし、
同様に『D&E』を『アダージョ』へと飛行させる。

     ダ カ ラ   コノ キョク ハ アナタ ノ オカゲ
    「τυΑν καβγyρcQσ ξζV」

>>973(氷山)

     グググ ・ ・ ・   ブシュ  ブバッ

『エド・サンズ』に突き刺さった硝子片、生じる無数の『裂傷』は、
『氷山』の身体から『血液』を奪い、その身をよろめかせる。
握った『硝子片』もまた、『氷山』の掌を傷付ける。

>>975(朝山)
飛来する『クリスタライズド』を視界に捉え、
『朝山』は死力を振り絞って、地面を這いずっていく。

>>971(一抹)

     パシィ!

『インダルジェンス』の掌は、フルパワーの『ゴールデン・イヤリング』に弾かれる。
首からの出血が止まっている。乗っ取った『肉体』が完全に回復されている。

 ア ダ ー ジ ョ
『最も愛する者』に成り代わる以上、愛を注ぐ先は『完璧』が維持されている。

>「どうりで誰にも愛されないはずだよッ!
> 『自己愛』が強すぎるからッ!!」

    「その汚らしい口を閉じろォ、ハナタレの訳知り小僧!
     この『サンダー』は、テメェの蒙古斑にぶちこんでやるッ!」

払われた指先が、僅かに『ゴールデン・イヤリング』に触れ、『鎮静』を行った。
――――だが、『アダージョ』は怒りの表情のまま、『一抹』に罵声を飛ばす。
『悪感情』のみを鎮める『慈悲の力』、定義は様々とはいえ、『愛』は『悪』に含まれない。
『アダージョ』は今、己への『愛』に満ち足りたまま、『一抹』を殺そうとしている。

>>974(斑鳩)

     ジャララララ―――   ピタァ

    「チューボーのイキリチェーン程度で、
     アタシの『肉体』を縛れるかァ、ヴォケがッ!」

『アダージョ』の右腕に巻かれた『鎖』を引き絞るが、
それは『ゴールデン・イヤリング』の左手に握られ、止められる。
『パワー』が違う。最早、『ロスト・アイデンティティ』では『アダージョ』を止められない。

(※>>948の通り、『鎖』は『太門』の『腕』に絡んだのみ。)

977『その夕立に雨傘を』:2020/11/01(日) 20:33:02
>ALL
                                      ダブルパンチ
    「バカな。『サンダー』と『ゴールデン・イヤリング』の『両刀使い』……!」

身体中に『硝子片』を喰い込ませたまま、驚愕した『曳舟』は両目を見開いた。
言葉には出さずとも、この脅威に震えぬ者など、この場にいるはずもなかった。

    「あららァァ〜〜〜〜ッッ   驚くのは、早いわよォォ〜〜〜〜〜ッッ」

     ビュオッ!
             ―――――バチチチチッ!!

『アダージョ』は上空へ『サンダー』を投擲し、それに追従して『上昇』する。
肉体を守る『反発』のエネルギーと、『ゴールデン・イヤリング』の握撃により、
『ロスト・アイデンティティ』の『鎖』は、いとも容易く引き千切れた。

       シュオオオオオオオオオ!!!!

             ――――――ガキィッ!!

そして、飛来する『サンダー』の殺傷力を、『ゴールデン・イヤリング』は歯で食い止める。
前歯をへし折りながらも、長柄に『接吻』を施し、『拘束』をしたと誰もが理解する。
――――『微塵』と同じく、『枷』で拘束されたスタンドは、解除できない。

      トライホーン
     「『三槍流』だろォが!」     ギチチィ

『トラバサミ』が噛み付いた『サンダーの殺傷力』が、『アダージョ』の手に握られる。
二振りの『サンダー』を構えた『アダージョ』が、上空から『六人』を見下ろした。
この瞬間、この場にいる全てのスタンド使いは、『アダージョ』の間合いに入った。

    「ケツにツララぶちこまれたくれェ、ゾッとしただろォ!」

    「スピードは倍! 反発のエネルギーも倍ッ! アタシのプッツンも倍の倍ッ!
     今なら『タダヒト』も『ジャック』も『クァンガン』も、ズダズダに掘り放題だぜェ!」

    「十五、六のガキ共にしてやられたッ、ってブルーな気分だったがァァァ〜〜〜〜ッッ
     テメェらの無力さを、臓腑の奥まで刻み込んでやるぜェェェ〜〜〜〜〜ッッ」

    『あ゙あ゙あ゙ぁぁ!!!』   『アイツは最低最悪だけど、ムチャクチャ強かったァァ!!!』

    『頼むゥ! 奴隷になってもいいから、俺の身体だけは残してくれェェェ〜〜〜ッッ!!』

上空から木霊する『アダージョ』の宣告、阿鼻叫喚する『悪霊』達。
『絶望』がホールを支配する中、反旗を翻すように響いたのは――――

      〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪

                〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪

『塞川』がその曲を知っていたかは解らない。
だが、他の四人にとっては、芯奥に響き渡る『メロディ』であった。

『COSMOS』
ttps://www.youtube.com/watch?v=ZRYcXup6blY

978『その夕立に雨傘を』:2020/11/01(日) 20:36:37
『朝陽』は『楽譜』を追うように『演奏』を続けていた。
その呪縛から解き放たれた今、最も奏でたかった『音楽』を響かせていた。

    シュゥゥゥゥ...

『朝山』の意識が覚醒する。折れたはずの『鎖骨』が治り、割れた額も、顎も戻っている。
『氷山』の身体から奪われた『血液』が戻っていく。
『一抹』の脇腹を抉った傷は癒えていった。
『斑鳩』の肩口の傷は、『止血』の必要なくとも回復していた。

――――『塞川』の指のキズは癒えていない。
『曳舟』も同じく。この『音楽』は『四人』の中でのみ、『ハーモニー』を生んでいる。

    「コジキのお恵みかァ!?  ムダなあがきなんだよォ!」

       バシュゥゥ!!!

突如の『完全回復』を『曳舟』のスタンド能力と誤認した『アダージョ』は、
手にした『サンダー』を『朝山』目掛けて投げ放つ。

    『そのままでいい』    『――――まずは私に任せてくれ』

     バリリィィィ!!

『クリスタライズドC』が硝子に変えた『朝山』の拘束具が『破かれた』。
それは即ち、『アダージョ』のスタンド能力が発動したことを意味する。
一方、『サンダー』が迫る中、一人の『悪霊』が『朝山』へと話しかける。


   ■■■※※※※■■■
   扉□□□□□□□□扉
    扉□□┌──┐□□扉
  ■■□.陽.|    │□□■■
  扉□□塞└──┘□□□扉
  扉□□□□□□□□□□扉
■■□□□□□□□□□□■■
扉□□□□□□□□□□□□扉
扉□□□□□□□□□D□□扉
■□□柱□□□□□□□E□■
―─――――――――段―――
■朝□□□□□□□□□一ア←上空『8m』
■席?氷席席席席席席□破席■
■席席□席席席席席席□席斑■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□★←鎖の巻き付いた『座席』
■席席□席席席席席破□席席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□□ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

979朝山『ザ・ハイヤー』:2020/11/01(日) 21:09:01
>>976-978

〜〜〜〜〜〜〜♪

忘れる筈がない。『COSMOS』の伴奏
 この夢に、卓球部の皆が可笑しくなった時の前に
楽しく合唱した時と同じ……いや、それ以上に綺麗だ。

>『そのままでいい』    『――――まずは私に任せてくれ』

寝転がった状態で、自分に迫る槍『サンダー』に対し不思議と何も
恐怖も浮かべないまま、横から声が聞こえた。
『悪霊』……最初にクァンガンには、この夢の中で悪い霊の言葉には
耳を貸すなと口酸っぱく言われた。だから声が聞こえれば馬鹿な朝山は
NOを反復して叫んでいた。

……だが

「・・・わ゛か゛っ゛た゛っ゛す……ッ」

『信じる事』にした

980塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/11/01(日) 21:21:43
>>976
「ぐっ……あの、迸るような『スタンドパワー』ッ!
私の『クリスタライズド・ディスペア』ごとき、羽虫の如く払われて終わりだ……!
何かないか、なにか……!」

『アダージョ』の姿に戦慄し、『クリスタライズド』2羽はその場に滞空させる。
そのまま俯瞰視点で周囲を見渡しながら、『アルモニカ』の声を聞く。

「何………ハッ!
治っている………こいつは、一体………?
『曳舟』の能力では、こんな作用は起こせない筈。
こいつは、あんたがやっているのか……? 『アルモニカ』」

981氷山『エド・サンズ』:2020/11/01(日) 21:46:11
>>976-978

「・・・・うっ」

   ポタ・・・・   ポタ・・・・・

激闘に次ぐ、激闘で痛みを忘れていたが、
硝子片による裂傷は確かに氷山の体から血液とともに活力を奪っていた
制服に滲んだ血の量を見ても、ちょっとやそっとの傷ではないのであろう
頭に回る血が足りず、眼前が靄にかかったように視界が薄くなる
力が抜ける・・・・・ 脱力から、ふらりと体が崩れそうになり・・・・


        〜〜〜〜〜♪


薄れた意識の中で『その曲』を聞いた
この『5人』を結びつけた『メロディ』であり、自分がここに来た『理由』

――――『鉄 朝陽』を助ける
戦う理由を今一度思い起こし、絶対に倒れないように両脚に力を込めた
決して立ち止まらないように、負けないように・・・

「あ・・・・   あぁあああああああ!」

気合いを入れ直し、痛みを忘れるように声を張り上げる
・・・・・気が付くと体中の痛みが消え、傷が癒えていた

「あ・・・・・」
『コレハ・・・・ アノ「嬢ちゃん」ガ何かヤッテクレタミテーダナ』

はっきりとした視野の中で現状を認識する
『アダージョ』は・・・・最悪な形で『復活』を果たしてしまったようだ
『太門』の肉体を奪い、あまつさえ『サンダー』を両手に携えている

(斑鳩先輩や一抹くんでも手を焼くほどの『サンダー』が二本・・・
 『ゴールデン・イヤリング』も健在で・・・・)

2つの能力についてはある程度分かったとはいえ、
認識した事実は『最悪』のそのまた下をいくものだ、絶望が一瞬心中に飛来する
だが・・・・

「それでも・・・・あの人を止めないと」

『アダージョ』は・・・・居場所を求めている・・・・『古いエクリプス』を
だが、それはもはやこの世に存在しないものだ
存在しないものを求め続ける『悪霊』が現世に出てしまったらどうなるか・・・・
その『渇き』は決して充たされず、ただただ『暴力』を振るうだけの『何か』になってしまうのではないか・・・・?

「終わらせないと・・・・・・ッ!」

まずは現在、使っていない『捕具』を解除する
自分の手元の十手と一抹に預けた微塵を解除、またアダージョに拘束されていた微塵も解除を試みる
そして、新たに『エド・サンズ』の手元に『微塵』を出現させ、
中空のアダージョから見て円を描くように高速で回転させる

『サンダー』の突撃は凄いスピードではあるが直線的な動きだ
もし、此方に攻撃が向かってくる場合、突撃する刃先を絡めとる様に防御しようとする

使用捕具(2/5):『さんず微塵』『拘束された微塵』

982一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/11/01(日) 22:15:05
>>976-978
「グッ…素早さだけが負けているッ!
 それに行動原理が『自己愛』だから『鎮静』が通用しないッ!?」

どのような形であれど『自己愛』は当然のもの。
矛盾した形だが愛ゆえに他者を害するのも人間だ。
アダージョの『愛』と『鎮静』は絶望的に相性が悪い。

「『シヴァルリー』が奪った『殺傷力』をッ!?
 だけど、消えないなら夕立先輩は生きてるはず…」

「『慈悲の刃』を使ってるかもしれないのに死ねないッ!」

理不尽なら夢世界で幾度も体験したのだ。
かつて共に戦った小林先輩は決して心折れずに戦い抜いた。
それに生きながらにして無限地獄を歩む宗像さんの体験した絶望に比べたら生温い。

「これは…朝陽先輩が弾いてくれた…
 そこのおじさんのスタンド能力じゃないッ!
 鉄兄妹と私たちの手繰り寄せた希望ッ!」

「どうせ、太門との契約は弱った時に話を持ち掛けただけッ! かつての仲間から見捨てられる自分の薄っぺらさを自覚しろよッ!」

斑鳩先輩の方向に落ちているであろう椅子をスタンドに取らせつつも『サンダー』の投擲に備える。
停止しているもので勢いさえ殺せば何とかなるはずだ。

983斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/11/01(日) 23:27:19
>>976-978

 (……くそ、無理か。パワー負けしている、腕の圧迫でも握力がまるで下がらん。)
 (だが『無理』なのは5年前から変わらん、その程度で諦めるつもりは……!)

現実は非情である。
当たり前の事実を否応なしに叩きつけられる、この展開は変わらない

 (背後の奇襲も防がれた……8m、射程圏内。)

当たり前の『勝つ方法が無い』という事実 鎖を千切られて、敵が上へ、私が下へ。
『スタンド』そのものに強弱の差が無かろうと、扱う者の『精神力』は別の話

 (……僕も、この程度の男だったと言う事か。)

なぜもっと早くそうならなかったのか
何故 もっと早く父と母は…

 「……? これは?」

いつの間にか肩口の傷は止まっている
これは何だ?今響いているのはあの、耳にも止まらぬ何も響かない旋律では無い。
聞き覚えが有る。

 (解らん、解らんが…兎に角、治っているなら……!)

――自身のスタンドを解除、再展開。

984『その夕立に雨傘を』:2020/11/02(月) 00:03:07
>>979(朝山)
『音楽』が言葉の通り、『音』を『楽』しむはずだった頃。
四人が心を合わせた時の伴奏が、『朝山』の芯に響いた。

>「・・・わ゛か゛っ゛た゛っ゛す……ッ」

故にか、『朝山』は絶体絶命の中、声の主を信じた。

>>980(塞川)
>こいつは、あんたがやっているのか……? 『アルモニカ』」

     ワ タ シ  ト  コノ コ ヨ
    「νορ σ βηγχ」

『朝陽』は澄んだ瞳のまま、『伴奏』を続けている。

>>981(氷山)
流れる『旋律』は『氷山』の内なる熱を呼び覚ます。
『渇望』に支配された『悪霊』が生み出す、凄惨な未来。
現世に呼び起こしてはならないと、堅く心に誓った。

>>982(一抹)

      ドシュンッ!

『一抹』の晒した『慈悲の刃』から『エネルギー』が現れ、
『薄霧』の向こう側へと飛来し、消えていった。
『シヴァルリー』のスタンド能力であると理解できる。

    グイイ

『椅子』を手にし、『サンダー』の投擲に備える。
『アダージョ』は『一抹』の真上に位置し、何時でも狙い撃たれるだろう。

>>983(斑鳩)
目の前の敵は、暴れる卓球部員とも、
女を取られたと難癖を付けて襲って来た不良連中とも違う。
――――愛憎入り混じる『激情』を武器に闘う、スタンド使いだ。

     ジャギンッ

『ロスト・アイデンティティ』を解除し、再展開する。
『鎖』は全て回復した。『座席』に巻かれた『鎖』は解除される。

985『その夕立に雨傘を』:2020/11/02(月) 00:08:23
>ALL

      ドヒャァァ―――――ッッ!!!   バシィッ!!

『ゴールデン・イヤリング』の投げ放った、神速の『槍』。
『エド・サンズ』が『鎖』を絡めようとするも、容易く弾き飛ばされる。

     スゥゥ

『朝山』の傍に座る『悪霊』が立ち上がり、その掌を翳した。

        ――― ―― シュンッ

『火花』は散らない。『槍』は消失する。
胸に彫られた『天秤』の刺青を誇るように、
上裸の男は『アダージョ』を見上げ、睨み付けた。

    「この身に宿る『悪霊』が役立つとは思わなかった。
     ――――『悪霊』を引き寄せる『アルモニカ』に呼び寄せられ、
     今こうやって、エクソシストの真似事が出来るってわけだ」

    「『夕立』の夢には辿り着けなかったが、ね」

     『WOOOOOOAAAAAAAA . . .』

『男』の肉体にはビッシリと『人面痣』が貼り付き、
肩や指の所々に『電極』や『電気回路』が散見される。

    「誰だァ、テメェ!?
     次から次へと、ゲイバーの冷やかしみてェに沸きやがって!」

    「『鉄夕立』の協力者。――――そして、『蛇尾川祥悟』の被害者。
     『音無ピエール』。……スタンドの名は、『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』」

『クァンガン』のレポートにあった、『悪霊』の被害者。
『ピエール』の掌に掲げられた『盾』の表面には、
『稲光を散らす槍』の紋章が浮かんでいる。

        シュンッ

    「すまない。来て早々に、『悪霊』に身体の自由を奪われた。
     ――――だが、あの『アルモニカ』に救われた。……おかしな話だがね」

『アダージョ』が消え、すぐさま『ピエール』の真正面に現れる。
それを読んでいたかのように、対の掌から現れた『剣』が振るわれ、

         ドスゥ!

    「折角、君達が奪った腕だ。
     ――――そう簡単には戻させんぞッ!」

    「ゴッ、 アア゙  ァ゙  ァ゙!!!」

その肉厚の刃は『アダージョ』の右肩に深々と突き刺さった。
マスクの外れた『アダージョ』は悲鳴を上げ、無茶苦茶に腕を振り回す。

        ドゴッ!

『剣』ごと吹っ飛ばされた『ピエール』が、よろめきながらも体勢を整える。
激情に駆られた『アダージョ』が振り返り、『ピエール』を見据える。

    「失礼。――――私も、お邪魔させてもらうよ。
     ……久しぶりだね。『一抹』君。元気そうで何よりだ」

『一抹』の背後に腰掛ける『悪霊』が座したまま空中に浮遊する。
伸び切った長髪に顎鬚、紫色の法衣を着た男は、朴訥とした口調で『一抹』に話しかける。

    「『松本尊氏』。気軽に『タカ』と呼んでくれ。
     ――――訳あって、あの『ピエール』君に協力している」

    「……だが、私のスタンドは大して役には立たないが、
     ――――あれの『トドメ』を刺すのには、協力できると思うがね」

『エド・サンズ』の解除により、『拘束されていた微塵』も解除された。
既に『鉄球』が解除されており、通常解除が作用したのだ。
――――逆転しつつある状況の中、『アダージョ』は両目を血走らせる。

   ■■■※※※※■■■
   扉□□□□□□□□扉
    扉□□┌──┐□□扉
  ■■□.陽.|    │□□■■
  扉□□塞└──┘□□□扉
  扉□□□□□□□□□□扉
■■□□□□□□□□□□■■
扉□□□□□□□□□□□□扉
扉□□□□□□□□□D□□扉
■□□柱□□□□□□□E□■
―─―段――――――段―――
■朝□ア.□□ピ□□□□一□■
■席席氷席席席席席席□破席■
■席席□席席席席席席□席斑■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席破□尊席■
扉 ̄ ̄□□□□□□□□□ ̄扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■席席□席席席席席席□席席■

986塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2020/11/02(月) 00:24:58
>>985
「あいつらも『味方』!
そして、『アダージョ』の能力、強力とはいえ底は知れた……!
ヤツの『スタンド』は未だ健在だが、ここで『攻める』しかないッ」

「……『アルモニカ』、あんたは守らなくても大丈夫だな?
つまり、『現世』と同じように、『自衛』できるか? ということだが」

『アルモニカ』に最後の質問をしながら、数歩前に進み出る。
そして、『クリスタライズド』D・Eを『アダージョ』の方向へと向かわせる。

(この人数での攻めなら、絶対に隙が出来る!
もう一度奴の『ゴールデン・イヤリング』にガラス化をぶち込んでやるッ!)

987斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/11/02(月) 00:39:33
>>984-985

 (……助けに来た相手に助けられる、か。)

例えそれがどれほど美しい感情と旋律に彩られた物だろうと
助けに行くと息まいた自分には耐えがたい屈辱だ、それは天地が裏返ろうと変わらない。

 「――『サンダー』が扱えるなら、敵に攻撃可能なタイミングは停止した時以外にない!下手に移動中に殴れば弾かれる!」

だが感傷に浸るのも理由を考えるのも後で良い
――恐怖を知らない自分にも、『皇帝』のような覚悟が欲しい。

 (そう、己を恥じるのも憎むのも怒るのも……後で良い。 故に今は、氷山の援護か…!)

右腕の鎖を5mまで伸ばし右腕に巻き付けて結合。
『切り離してい無い鎖なら5mは重量に関係なく十全に扱える。』…パワーとスピードが十全に乗るなら態々振り回す必要はない。

  「およそ約『9m』……射程内!」
 
思い切り右腕全体でアダージョに向けて殴り抜ける(パス精CCB)…その瞬間『纏った鎖を散弾のように切り離す。』
『鎖弾』は1mで約5発、5mで25発。合計8㎏のその全てが(パス精CCB)で『投擲』される。
もし弾いて味方に攻撃したとしても、当たる前に解除するだけの事。

 (とはいえ『アダージョ』のスペックなら腕を怪我していようが防ぐはできるだろう…だが片手間に後輩の相手まではさせん。)

988氷山『エド・サンズ』:2020/11/02(月) 00:52:37
>>984-985

『チィィッ! 悪ィ・・・・コイツハ予想以上ニ「重い」ゼ・・・・!』

『サンダー』による刺突の一撃を防ごうとするも、やはり速度が違い過ぎる!
あえなく串刺しにされるかと思った瞬間に・・・・助け船が現れた
正体不明の協力者ではあるが・・・・・この状況で援軍はありがたい!

「ピエールさんに・・・・タカさん・・・・ですね
 あの悪霊・・・『アダージョ』は『相手を愛で拘束し、それを乗っ取る能力』を持ってます
 気を付けてください」

突然、出現した二人に簡潔ではあるが能力について注意を促す
今のところ、『アダージョ』の『拘束』は全て解除している
『アダージョ』を追い詰めるチャンスかもしれない・・・・そう思った


   ダッ!

ピエールが『アダージョ』に一撃を入れ、吹っ飛ばされた瞬間に動き出す
右肩の機能は奪われた、『サンダー』を効果的に使うには投擲による速度が必要となる
だからこそ・・・・『アダージョ』の左腕に絡みつくようにタックルをして腕の動きを封じようとする!
その際に手に持った『微塵』を『アダージョ』の左腕に巻き付けてより強く拘束しようとする

「アダージョさん・・・・・もう止めましょうよ!
 無理なんですよ! 例え、現世に戻れたとしても・・・・
 あなたがいた『エクリプス』を元に戻す事なんてできないんですよ!」

989一抹 貞世『インダルジェンス』:2020/11/02(月) 01:34:58
>>984-985
「夕立先輩は生きているッ!! そして、私のスタンド
 の能力を知っているからには…」

「『サンダー』では貫けない相手となれば『悪霊』。
 ふふっ、あちらの敵は油断して最悪な気分かな?」

『ウル星』に『悪霊』を横流しするような奴だ。
『悪霊』による防御で油断したところを斬られて頭にキテいるだろう。
この時のために『悪霊』の巣にやって来た甲斐がある。

「あっ、レポートの人! 後で、『悪霊』を斬り祓ってあげないと!」

『サンダー』に対する天敵のようなスタンド能力だ。
『ゴールデン・イヤリング』の瞬間移動は条件さえ分かっていれば、誘発して先手となる攻撃を置ける。
太門の肉体に最大限の『愛』を注ぐ今、『拘束』の発現を多くは出来ないはずだ。
それなのに嫌な予感がする。彼に発現する『電気回路』に見覚えが有るし、『悪霊』も強引に従えそう奴に心当たりがあるからだ。

「あわわっ! タカっ!? ルンバとマスミの仇を取りに…って協力関係ですか。夢の世界で居場所を作ろうとしてたのに…?」

この男のせいで毒殺された挙句、夢の中でも真っ二つにされたことはきっちり覚えている。
次に顔を見た時は以前のように隙を見せずに斬ろうとも思っていた。
胡散臭い詐欺師を見るような眼差しをタカに向ける。

「『ゴールデン・イヤリング』が投擲する『サンダー』
 は太門が使ってる時より停止させる手段が無い。
 速度と膂力が合わさった一撃に対抗する盾が無いと
 死ぬと思いますよ?」

椅子を盾にしながらアダージョに向かって走る。
首が失くなっても蘇るなら八つ裂きにしてでも消滅させるしかない。
『強引具』が発現したなら『サンダー』の投擲を警戒して椅子を盾にしよう。

「アダージョ! お前は誰にも愛されないッ!
 現世にも、夢の世界でさえも味方は存在しない!
 嘘だと思うなら『悪霊』全員に聞いてみろォ!」

990朝山『ザ・ハイヤー』:2020/11/02(月) 19:45:49
>>984-985

足に力を込める、立ち上がれる。まだ両腕は動かせる。
『キャプチャー・モーション』の最初に『アダージョ』へ放った『二発』
その『球体』が回復する輝きが『ザ・ハイヤー』から朝山は感じ取れた。

「アダージョ……自分は馬鹿っスけど。わかる事はあるっス
――あんたには死んでも取り戻したい
エクリプス
『夢』があったんスよね」

ザ・ハイヤーの右腕を『アダージョ』が居る天空へ翳す。
朝山も立ち上がり、彼を見上げ……左腕の手を自身に向けておく。
腕の『変動率』をスB 精Dへと変える。

「…………私も、きっと取り戻したいものがあったと思うっス。
けど全然覚えてないっス。だから『アダージョ』
この中の皆は、あんたの『夢』を認めないかも知れないっスけど。
それでも確かに目指すものがあるのは、凄いっス」

991『その夕立に雨傘を』:2020/11/02(月) 22:14:03
>>986(塞川)
>「……『アルモニカ』、あんたは守らなくても大丈夫だな?
>つまり、『現世』と同じように、『自衛』できるか? ということだが」
 
     フィードバック   ソウホウ
    「ψεζηι λκθ」

既に『朝陽』は口を開かず、『演奏』に没頭している。
しかし、流れる音色に混じった『声』が『塞川』に意味を伝える。
――――言葉すら『答え』になっていないが、
『朝陽』の肉体が傷付かないと、『意味』だけを理解できる。

        ヒュォォ!!

『クリスタライズドD&E』を『アダージョ』目掛けて飛来させる。

>>987(斑鳩)
>「――『サンダー』が扱えるなら、敵に攻撃可能なタイミングは停止した時以外にない!
>下手に移動中に殴れば弾かれる!」

    「ああ、君達が『決死』で見つけた『突破口』だ。
     見逃しはしないッ  ――――何としてでも喰いとめるッ!」

『ピエール』が呼応し、『盾』を構え直した。
――――が、

>  「およそ約『9m』……射程内!」

    「私もかッ!!」

   ダッ  ゴロロッ

『ピエール』は『ステージ』の縁へ盾ごと手を付き、壇上へと転がる。
それによって射線が通り、『鎖』の散弾が『アダージョ』へ放たれる。

>>988(氷山)
>あの悪霊・・・『アダージョ』は『相手を愛で拘束し、それを乗っ取る能力』を持ってます

    「私が言うのもなんだが、恐ろしい力だね。
     ……だが、あの一撃。『拘束』する手間さえ要らぬようだが……」

      ドガァ!

『タカ』は『氷山』の言葉を聞き、思案顔を作った。
『エド・サンズ』は『アダージョ』の片腕にしがみつくように、体当たりを仕掛ける。

>>989(一抹)
>「あわわっ! タカっ!? ルンバとマスミの仇を取りに…って協力関係ですか。
>夢の世界で居場所を作ろうとしてたのに…?」

    「君は良く喋るね」

疑念の視線を浴びながらも、『タカ』は飄然としている。

    「私も『アダージョ』と似たような『スタンド』を持っている。
     場の『常識』による『洗脳』。……この場全ての『悪霊』が持つ、
     『アダージョ』を嫌う『共通認識』そのものを深層心理に『焼き付ける』」

    「自我を保てないほどの強烈な『自己嫌悪』により、
     『アダージョ』は再起不能になる。……悪くないだろう?」

    「何処かの『椅子』に座らせれば、それだけで作動する」

『タカ』はボソボソとした話し方で『一抹』に提案を持ち掛ける。
――――『アダージョ』を一撃で葬れる、現状打破には魅惑的な提案だった。

>>990(朝山)
>――あんたには死んでも取り戻したい『夢』があったんスよね」

    「取り戻したい? ――――違ェんだよ……。

     決して叶いやしなかった『夢』よ……。
     お前達の『身体』を得て、アタシは現世に返り咲いてやるッ!」

『朝山』は立ち上がり、『ザ・ハイヤー』の変動率を操作した。
そして、『真正面』にいる『アダージョ』の背を見据え、左掌を自身に翳した。

992『その夕立に雨傘を』:2020/11/02(月) 22:15:00
>ALL

     バシィ!

『エド・サンズ』の『タックル』を『ゴールデン・イヤリング』の『ローキック』が押し留める。
手にした『微塵』を絡み付けられない。――――『一対一』では手負いの『アダージョ』を止められない。
しかし、その隙を突き、『ロスト・アイデンティティ』の『鎖』の散弾が『アダージョ』へと放たれた。

     「片方奪ったら解決すると思ったかよォ!?」

    ブォンッ!
              ―――――バチチチィィ!!

『ゴールデン・イヤリング』が『サンダー』を振り回しただけで、
身に触れた『散弾』は弾かれ、四方八方に撒き散らされる。
寸前で『斑鳩』は解除するが、予め『想定』していたのが功を成した。
そうでなければ、周囲も『巻き添え』の被害にあっていただろう。

>例え、現世に戻れたとしても・・・・
>あなたがいた『エクリプス』を元に戻す事なんてできないんですよ!」

    「違うッ!」

>「アダージョ! お前は誰にも愛されないッ!
>現世にも、夢の世界でさえも味方は存在しない!

    「――――その通り、アタシは誰にもいなかった。
     ……だから、敢えて『死んだ』のよ」

    「『エクリプス』も『アリーナ』も同士討ちになり、
     有象無象だけが残った世界に『蘇り』……」

    「『太門』ちゃんのように、誰もが等しく『アタシ』になる。 . .
     『アタシ』が『アタシ』を産み、『アタシ』を好きな『アタシ』だけになる」

     ビュバッ!

振り回した『サンダー』が投げ放たれ、『アダージョ』もまた『追従』する。
座席の上を滑空し、『斑鳩』の方向へ真っすぐに突っ込んでくる。

     CHU!    ――――ガシャンッ!

『アダージョ』の投げキッスを浴びた『インダルジェンス』は、
その両脚に『鎖』で繋がった『鉄枷』を嵌められた。
――――『鎖』を纏った『斑鳩』には、『枷』がハメられない。

    「来るかッ」

           ――――スォォォ

『タカ』は空中へと浮遊し、『アダージョ』から逃げていく。
座したまま『浮遊』する彼を持ち上げるように、『電気椅子』のヴィジョンが現れる。
『手足』を拘束する『枷』の付いた『椅子』に座る彼を、『アダージョ』は狙わない。


   ■■■※※※※■■■
   扉□□□□□□□□扉
    扉□□┌──┐□□扉
  ■■□.陽.|    │□□■■
  扉□□塞└──┘□□□扉
  扉□□□□□□□□□□扉
■■□□□□□□□□□□■■
扉□□□□□□□□□□□□扉
扉□□□□□□□□□□□□扉
■□□柱□鳩.ピ □□□□□□■
―─―段――――――段―――
■朝□□□□□□□□□一□■
■席席氷席席席席席席□破席■
■席席□席席席席ア.席□席斑■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席席□席席■
■席席□席席席席席破□尊席■

鳩:『クリスタライズドD&E』

993『その夕立に雨傘を』:2020/11/02(月) 22:31:03
【ミ】『念然』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1604323728/

994『その夕立に雨傘を』:2020/11/02(月) 23:04:57

    ニヤニヤニヤニヤ

    「ムシャクシャしてたんスよ。マジで。
     女なら誰でも良くて、ナイフ振り回したッス」

路線バス内での『傷害未遂』で逮捕された『新塚』は、
『取調室』の中でニヤついた笑みを浮かべた。

    「実刑でしょ? よゆーッスよ。
     どうせ派遣切りされたオレみてェなクズなんて、
     世間にほっぽり出されても、末路はどの道『犯罪者』ッスから」

    「前も言ったけど、『星見横丁』でJC斬ったのもオレだって。
     今更、罪が増えてもかわんねぇーし、協力してやるよ、ポリさんよォ」

夢に囚われた『タカウジ』との交換条件で『新塚』は冤罪を被る。
夢に現れた『蛇尾川』との契約を鵜呑みにし、二つ返事で承諾した。
失踪した『タカさん』の所在が解って嬉しかった。役に立ちたかった。
居場所のない彼が安らげるのは、『詐欺グループ』で老人を騙す時だけだった。

    「そうか。こっちも調書が捗るよ。
     ――――だが、こっちの件は一向に話さないな」

    「老人を騙した『押し買い事件』、著名人にも当たっていたな。
     雑居ビルにアトリエを構える、『切江ギヤマン』とも接触してる」

    「あー、ソイツね。会った会った。
     『磁気ネックレス』を売りつけようとしたけど、買わなかったよ。」

事件を聴取する『安山』の声は低い。ナメた悪党には激昂し、掴みかかっていた。
その心は冷え切っている。眼前の男を刺す、据えた視線が熱を帯びる。

    「思い通りにいかず、激高したお前は『刃物』を手にし、
     ――――そして、『切江』を殺害し、『立石警部』をズダズダに切り裂いた」

    「はっ? いや、何それ? そんなニュース知らねェんだけど」

    「報道されたのは、お前が『逮捕』された後だ。
     裁判が終わった頃には、報道は沈静化していた。

     ――――とぼけるなよ、『当事者』だろ?」

    「はっ? し、知らねぇし! お、おれがヤったって証拠があるのかよ!
     おい! 誘導尋問だろ! おい! ヴぉい!」

         ガァンッ!

騒ぎ立てる『新塚』の椅子を蹴り、『安山』はレポートを差し出す。
医師の鑑定結果だ。犯行に使用された刃物の『切れ味』について記されている。

    「包丁やカッターナイフ程度じゃあ、こうはならない。
     『星見横丁』の通り魔と『切江』を殺害した刃物は『共通』している」

    「お前が『通り魔』を自白した以上、このヤマもセットで付いてくるんだよ!」

       バァンッ!!

    「お前は汚らわしい『殺人犯』だッ! シャバに戻ってこられるだぁ!?
     括り首だ、クソ野郎! 二度と世間に出しゃあしねェぞッ!」

    「ち、ちが、お、おれじゃねぇ! ちがう、そんなのしらない……
     だまされたんだ、クソッ、おれ、グズッ だまされ、ゥゥ…… ォ……」

    「騙したのはテメェだろうが、メソメソ泣いてんじゃあねェ!
     夫の形見を無理矢理奪って、メル力リで売りさばいて!
     その上、人の命まで……、ゴミクズが!」

    「のぞきがバレて中学でイジメられたのも、
     ルールを破って派遣切りされたのも、全部全部テメェのせい!
     オラぁ、泣いてんじゃあねェ! 本当に泣きたかったのは――――」

   ボロ・・・

    「本当に泣きたかったのは、お前が殺した『切江』さんと!
     ……ゥ…… 、今も病院で眠ったままの『立石』さんなんだよ!」

『新塚』は『グッドナイト・キッス』を手にした。
手錠をハメられても、『ナイフ』で『安山』を殺せば『脱走』できる。
だが、出来なかった。

    「(俺は欲望のままになんだってやった……。
      人を騙して、金を盗んで、……夢なら人だって殺せた……)」

    「(でも、コイツの思い通りに『殺人者』になるのはイヤだ……。
      ゥゥ……違うのに、オレは、やっでないのに……たずけで……)」

    「(だれか、オレを、たすけてくれよ……)」


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