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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その3

1『名無しは星を見ていたい』:2018/08/18(土) 19:51:06
短編、単発のミッションなどにお使いください。
長編やシリーズものの予定でしたら、自分のスレで行うことをお勧めします。

2『ペイズリー・ハウス』:2018/08/18(土) 20:06:06

【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その2からの大体のあらすじ


夢見ヶ崎明日美 天雨サトリは、砂金(いさご)と言う年配の貴婦人から
ひそひそ星の園と言われる、孤児院兼託児所のような施設で年長の一人
『アオキ』と、園児の『カンナ』『まつり』『くぬぎ』の世話を頼まれた。

明日は夕暮れに台風が来ると言う予報を、送迎バスで聞きながら
二人は、午前中は一緒に遊んだり、森へ水浴びをしたり おやつを作るなどして
四人との交友を深めていく。

少々、読めない過去か事情を抱えているアオキを誘い。外でのお茶会と
洒落こむ事になったのだった……。

 ―――――――――――――――――――――――――――
(前回の980-981から続き)


まつり「あっ! お茶を運ぶのでしたら、『ヴァロッテ』を
使えば楽に運べましてよ!」  パシーンッ!

園児の一人。何処ぞの裕福な家庭の子らしい まつりはスタンド器具である
杓を取り出し。椅子へと十二冠位の色で構成した群体にさせるらしい能力を
かける。なるほど、確かにそれを使えば茶器を持ち運ぶのも簡単かも。

アオキ「シートは……ロッカーに置いてる」

カンナ「運ぶの手伝うぞー!」

くぬぎ「……わ……たし……も」

 まつりは、スタンドでティーポットなり食器を運ぼうとしている。
アオキとカンナ くぬぎの三人はシートを運ぶ事をするようだ。

このまま、玄関から出て外で優雅なお茶会は出来そうだ……
何か不足があれば、その前に指摘すればいい。

3夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/18(土) 21:29:53
>>前スレ981
>>2

「あ〜〜〜……」

『ヴァロッテ』かー……。
わるくないっちゃあわるくないけど、だいじょうぶか??
いや、マジで。
ここでおとすとかしたら、なにもかもぶちこわしになるきしかしないんだけど。
ふあんだ……。

  チラッ

ひそかにサトリにアイコンタクトを送る。
本当に任せていいものか、どうにも判断に困る。
だからといって、せっかく良さげな雰囲気になっているのに、
あれこれ口うるさく言うのはマイナスになりかねない。

「ポットは、わたしがもちたい!!いいよね??
 わたしも、みんなみたいにかつやくしたい!!」

内心の不安を表に出さないように注意しつつ、
念のためにポットだけは確保する。
信じてないワケじゃないけど、落としたとしても被害は抑えられる。
保護者として、最悪の事態まで想定しておくべきだ。
その代わり、カップとかは任せたい。
ここで全部取り上げると反感を買いそうだ。

4天雨 サトリ『10cc』:2018/08/19(日) 00:23:38
>>2(GM)
>>3(夢見ヶ崎)

夢見ヶ崎からのアイコンタクトを受けて―――

「『ヴァロッテ』でしたら、『カップ』を運ぶ方が適任に感じますわ。
 ポットは数がたくさんはないけど、カップは沢山必要ですもの」

「運ぶのに何度も往復していたら、
 折角のお紅茶が冷めてしまいますし、
 それをまつりさんにお任せしてもよろしくって?」

すかさずポットから遠ざけるように動く。
そのための手段は『もっといい仕事があるよ』だ。

           「私はディップソースとパンを運ぼうかしら」

      カチャ

それと、『全員で分担をする』という口実により、
まつりだけが敬遠されていると思わせないよう努力する。

『ヴァロッテ』の能力は今のところ完全には把握していないが、
見た限りでは『同種』のものを操作している。つまり同種が多い方が良い。
確信しているように話すのは、まつりからの『訂正』で正答を引き出す狙いもある。

5『ペイズリー・ハウス』:2018/08/19(日) 19:32:03
>>3-4(ALL)

まつり「ん〜 まぁそうですわね! では、カップにしておきましょう!」

パシーンッと、再度振り直すと。陶器のカップが紫・青・赤・黄・白・黒の
色合いへと変わり。ピョコンとまつりの頭や肩に飛び移る。

まつり「カップが余っちゃいますけど。これもご愛想と言うものですわ!」


……まつりの『ヴァロッテ』も、特に問題は無くスタンドを扱い。誰一人と
して転倒して、おやつなり何なり台無しになると言う事はなく外に出る。

雲も殆どない、良い天気だ。シートを敷くと、各自でお茶を注いで
おやつのスティックを食べ始める。和やかな空気が形成されていく

アオキ「……美味しい」

カンナ「みんなで一生懸命作ったんだー!」

くぬぎ「……紅茶も……おいし……ぃ」

まつり「ふふんっ! 我が家の直伝ですものっ」

そして、園児三人は森でフキを貰った老婆の話をし始める。
アオキは。『あの、御婆ちゃんか』と得心を浮かべたので、知り合い
な事は間違いないだろう。カンナが積極的に質問に移る。

カンナ「なーなーっ。アオキは何で此処に来る事になったんだ?」

核心的で、直球だ。それに対し、アオキは僅かに眉毛を片方あげる。
だが、特に空気が張り詰めるとか。激昂するとか言う様子でもなさそうだ。

アオキ「……まぁ、言うなれば能力制御の特訓。
あんた達がスタンド能力教えてくれるなら、私の事情を詳しく説明する事を
考えてもいいけどね」

カンナ「んー? スタンド能力をかー……」

まつり「個人事情ですわねー……それはー」

普段から無口のくぬぎを除き、この言葉は流石に二人もプライベートと言うか
軽々しく話す内容でないと思ったのか、閉口する。

だが、貴方たちの話術によっては。彼女も事情を説明してくれるかも?

6夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/19(日) 22:46:23
>>4
>>5

「わたしはアンコとブルーベリーとヨーグルトぜんぶがけにしよ!!」

早速、全種類ディップして食べ始める。
うまいのかって??きくな!!
このひょうじょうをみれば、いちもくりょうぜん!!

(なんか……スゲーいいふんいきだなー)

ほんの少し前までは、
こんな風に全員でお茶できるなんて考えてもみなかった。
今でも、ちょっと信じられない。
うんうん、いいことだ。

(お??カンナ、イイぞ!!ナイスだ!!)

カンナが話を振ってくれたのはありがたい。
アオキのことを聞き出す絶好のチャンスだ。
『能力の制御』というのは、
さっきパソコンで見た『アレ』と関係があるんだろう。
事前にサトリに教えておけなかったのは失敗だったかもしれない。
まぁ、それは仕方がない。

(『のうりょく』をおしえる――かぁ〜〜〜)

言ってみれば『交換条件』のようなもの。
おそらくアオキは、
どの程度の気持ちで聞いているかを試しているのではないだろうか。
自分の能力を教えても惜しくないかどうか――といったところだろう。
平然とスタンドを使っているように見えるカンナやくぬぎが、
自分のスタンドについて話すのを躊躇うのは少々意外だったが。
さすがに最低限のラインは心得ていたか。

「――いいよ」

「 『ドクター・ブラインド』!! 」

      ズギュンッ

あっさりと事も無げに言って、『ドクター・ブラインド』を傍らに発現する。
黙っておいた方が今後のお世話には都合がいいけど、
アオキの口からアオキの話が聞けるのなら、そちらの方がいい。
別に、この四人が敵になるということもないだろうし、
ペラペラと周囲に喋るという心配も少ないだろう。

「『ドクター・ブラインド』はめがみえない。
 そのかわりに『それいがい』はスゴイ」

「そして、このツメで『それ』を『いしょく』できる」

「――なんなら、やってみせてもいいけど??」

傍らに立つ『ドクター・ブラインド』は、
手術に臨む執刀医のように両手を持ち上げた構えを取っている。
決して『嘘』は言っていない。
『伏せていること』はあるが。

7天雨 サトリ『10cc』:2018/08/20(月) 00:00:13
>>5(GM)
>>6(夢見ヶ崎)

「お口にあったなら良かったですわ」

           スッ

笑みつつ、紅茶を一口。

     「……!」

「まつりさん……腕がよろしいんですのねぇ。
 この私でも、あなたくらいの年の頃に、
 こんな風に見事には淹れられなかったもの」

褒めるためではなく本音もかなりある賞賛だ。
しかし――――和気藹々の団欒は長く続かない。
カンナが投げ込んだ剛速球に一瞬硬直してしまうが……

(……いや、タイミングとしては悪くない。むしろ、かなりいい。
 アオキさんの機嫌が良く、この三人もいるこの場なら話は聞きやすい)

          (……という打算は顔に出さないように気を付けて)

個人事情とはいえカンナやまつりは能力をかなり見せている。
話すのと見せるのでは後者の方が重いような気もするのだが、
まあそのあたりは『詳細まで話す』事を想定しているという事か。

   スゥ

「『10cc』」

             ポンッ★

小さく上げた手にアンティーク調の如雨露を発現する。

「能力は水をあげたところに『草』が生える事――――
 この草は『振動』を探知して、私に教えて下さるんですの。
 そして、草は時間が経つと『果実』になり、やがて枯れてゆく」

     「それと、果実を食べれば疲労が回復しますわ。
       精神疲労や継続する疲労までは消せませんけれど」

    ポタ…

「果実の味は、まあ……一流の物ではありませんわ。酸っぱすぎますのよ」

言葉だけで能力を説明したのち、地面に少しだけ水を遣る。
こちらもある程度見せておいた方が信頼にもつながるだろう。

「もちろん、私が教えたからといって皆にも話せというわけではなくってよ。
 『10cc』はそうでもないけれど、『種明かし』が致命的な能力もあるでしょう」

           「私はここで明かしても良いと思った。それだけの事」

能力を明かした理由にも、『信頼』をほのめかす。
ただし現時点でそこまで距離感が近いわけでもないし、
その言葉をはっきりと口に出すような事はしないでおく。

そして能力の内――――『制圧』に用いる事が出来そうな部分にはあえて触れない。
それを使わなければならない状況で、なおかつそれが『この面々に対して』だとすれば、
もはや信頼を維持するとか、そういう段階ではないだろう。良い状況にせよ悪い状況にせよ。

8『ペイズリー・ハウス』:2018/08/20(月) 19:40:14
>>6-7(ALL)

貴方たちは、『信頼』を見せるためにスタンドを発現して能力を
軽く披露しつつ説明を始める。
 それに乗じて、カンナや、まつりも説明をし始めた。最初こそ
プライベートで、周囲の人間には他言無用な事を言われてたかも
知れないが。交友を深めた事が、彼女達の口を軽くしたのだろう。

カンナ「私の『スティール・パンサー』は黒豹になるぞ!
素早く機敏に動ける! 一直線ならマラソンの選手並み!」

まつり「『ヴァロッテ』は、七……六色でしたわね。
その色合いで同じ種類の無機物に序列をつけて動かせますのよ。
大体12か14m程度までの広範囲で操作できますし。体に
身に着けて動かす事も出来ますわ」

二人は、これまで見せている範囲で説明する。だが、これ以外でも
まだ深い部分は存在する気もする……最後に、くぬぎだが。

くぬぎ「……わ……た し……自分の……能力……わかんない」

これには、園児二人も少々面食らった表情を浮かべた。
 どうやら、くぬぎは自分のスタンドがどういったものか自分でも
わからないらしい……どうやら、彼女の能力も中々特殊なようだ。
皆のスタンドが見えてる事から、くぬぎがスタンド使いである事は
間違いない。とりま、今のこの場で主導権があるのはアオキだ。

アオキ「……ふむ。まぁ、そう言う風に誠意を見せられたら。
考えたけど、やっぱり話すの やーめたなんて事は出来ないよね」

そこまで大人げない事、したくないし。と、彼女は少し吐息と共に
強い視線を投げかける。……まつり、そして『天雨』 貴方に。

アオキ「アスミのスタンドは、近距離型だね。それは、別に良いや
サトリ、そして、まつり。貴方たちが手を貸すなら私がどう言う訳で
どうして、頑なに人と余り接したくないか解る筈だよ。
 けど、これを知ってあんた達が拒絶するんなら……それはそれで良い。
ただ来年には、もう此処の園に来る事はないって事だけは覚えておいて」

どうやら、貴方たちに対して更に『誠意』を証明して貰いたいようだ。
まつりは、その言葉に少し懊悩した顔をしてから、いいですわ と
了承の声を出す。となると、最後に貴方の返事だ……。

アオキ「YESなら、その『10cc』を私のほうに差し出してくれる?」

 ……アオキは、二人に強い目線で問いかけている。

9夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/20(月) 22:43:33
>>7
>>8

(よしよし、よしよし)

見た感じ、場の流れは良い方向に向かっている。
このまま順調に進めば、アオキについても聞けそうだ。
しかし、予想していないことも一つあった。

「――わからない??」

意外な答えを聞いて目を丸くする。
カンナとまつりの能力は既に見ているが、
くぬぎの能力は今まで一度も目にしていない。
とはいえ、そのことに対して特に疑問を抱いてはいなかった。

別に無理にスタンドを使わなければならない状況があったワケでもないし。
鬼ごっことかもあったけど、
あの時は単に逃げるには向かない能力なんだろうと思ってた。
だから、自分の能力が分からないという答えは想定していなかった。

(まだ『ねむってるじょうたい』とか、そんなんか??)

『能力が分からない』という言葉は、どう解釈したらいいんだろうか。
そもそもスタンドの発現ができないのか。
それとも、一応スタンドは出せるが、能力を使えないのか。

「『スタンド』はだせる??」

アオキからは『別にいい』とか言われてるし、その間くぬぎに話しかける。
どうしてサトリとまつりだけに問い掛けているのかが分からないが、
アオキのスタンドとタイプが似ているからだろうか。
考えても仕方ないし、すぐ答えは出るだろうから、そっちは任せよう。

10天雨 サトリ『10cc』:2018/08/20(月) 23:53:54
>>8(GM)
>>9(夢見ヶ崎)

(『ヴァロッテ』はともかく――――『スティール・パンサー』は、
 私が見聞きした僅かなサンプルの中でも少し『シンプル』過ぎますわね)

          (くぬぎさんは………………)

くぬぎの答えはかなり謎だが、それは夢見ヶ崎に任せた。
サトリが答えるのはもちろん、主導権を握っているアオキ。
回答を誤ればこの場自体が崩れかねないゆえ、迅速に『差し出す』。

               スッ           

「構いませんわ。私の『手』と繋がってますから、お手柔らかに」

信頼と妄信は違う。故に最低限の釘は刺しておいた。
流石に破壊したりはしないだろうが、万が一もある。
器具型=『身体とはつながりがない』という感覚は有り得る。

とはいえ言葉より早く『10cc』はアオキに差し出しており、
誠意に関しては示している――――その上での『安全確認』も一言で済ませている。

                      ・・・妄信はしていないが、信頼はしている。

11『ペイズリー・ハウス』:2018/08/21(火) 22:32:54
>>9(夢見ヶ崎PC)

貴方の質問に、くぬぎはつっかえつつも答える。
 今まで、一生懸命念じたりしたけど、能力が出た試しはない事。
くぬぎ「けど……お父さんに、お母さんは……私のスタンドを
知ってる見たい。だから、いつも寝る時は別々で寝てる」

「アリーナの人も、小さいのに……随分凄い能力を持ってるって
言われたけど、詳しく教えて貰えなかったの……」

午前中に、色々と気にかけてくれた貴方だからか。自分が体験した
スタンドに関わりある事を説明してくれた。
 能力や発動条件は不明だが、どうやら両親が意識して自分の娘と
一緒に寝ない所を見ると、危険なのだろうか?

>>10(天雨PC)

 「……わかった。――驚かないでよ」

ガシッ

 アオキは、貴方の『10cc』と『ヴァロッテ』
如雨露と笏に対し、両手の手袋を脱いで握る。

グゥン……ッ

まつり「あら??」

 その瞬間、握られた園児と。貴方も感じた不思議な感覚

……スタンドの主導権が、離れた気がした。

 「手を離してみなよ」

アオキの言葉に促され、手を離しても……『10cc』と『ヴァロッテ』は
解除される事なく、アオキの手に握られている!

   ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

アオキ「……成程、生物に絶え間なく振りかければ。怖い事も出来るね これ」

……! 能力の説明していない所まで、アオキは把握している。

アオキ「私のスタンド能力 『サバジオス』
 大体、どんなのか解ったでしょ? 回答してみる?」

パッと、彼女が手からスタンド器具を離すと。解除された
 貴方の体の中に、スタンドが舞い戻ってきた感覚がした……。

12夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/22(水) 00:15:22
>>10
>>11

「ふんふん、ほうほう、なるほどなるほど」

念じたけど出ないということは、
やっぱりスタンド自体の発現ができないということか。
少なくとも、自分の意思では出せないようだ。
そして、両親やアリーナの人間は知っている。
知っていて本人に言わないというのは、言いたくない理由があるのだろう。
または、言うとマズイ訳でもあるのか。

(ねるのはべつべつ??
 でも、ふだんはイッショにいられるワケだ。
 まるで『ねてるときがキケン』みたいなカンジだな……)

『本体が寝てる時』に無意識に発動する能力なのだろうか。
くぬぎが寝てる時に、こっそり様子を覗いてみるのもいいかもしれない。
別に絶対に知らなきゃならない理由はない。
だけど、こういう『未知の香り』を匂わされると、
『アリス』としては気になってしまうのだ。
――『見てみたい』な。

「――なっ」

「なにぃぃぃ〜〜〜っ!?!?」

驚くなと言われたが、本人でもないのに驚いた。
だって仕方ないじゃん。
『海にいるはずのイルカが空を泳いでいる光景』を見かけて、
驚かない人間がいる?

しっかし、まさか『ヒトのスタンドをパクる』のうりょくとは……。
あのふたりだけにいったってことは、
パクれるのは『どうぐタイプ』だけか……。
あぶねーあぶねー、さっき『だまってたコト』がバレるトコだった。

でも、アオキはのうりょくのせいぎょになやんでるとか、
あのサイトにかいてたような。
じぶんのいしでつかったりかいじょできるってことは、
せいぎょできてるようにみえるけど??
アオキが『ジンセーつまんねー』って、
『さめたティーンエイジャー』みたいなカオしてるのともむすびつかないし、ナゾはまだある。

13天雨 サトリ『10cc』:2018/08/22(水) 04:30:43
>>11(GM)
>>12(夢見ヶ崎)

「まあ…………! こういう『能力』もあるんですのね。
 私の『10cc』を深い所まで理解している――面白くってよ、『サバジオス』」

手元に帰って来た『10cc』の表面をなでる。
能力について黙っていた部分があるのがばれたのは気まずいが、

(『サバジオス』の本質に近付くきっかけにはなった。怪我の功名ですわね)

全部話しますとは一言も言ってはいないし『不義理』でもあるまい。
持ち主に危険があるとか、まるで本質と違う説明というわけでもないのだ。

(触れるだけで道具のスタンドを奪える――――というよりは『奪ってしまう』かしら?
 人を寄せたがらない理由は分かるけど『何か』が足りない。情報と食い合わない。
 手袋を着けていないと自動的に発動するのは確かに、危険……とはいっても、
 別に『道具型スタンド使い』という狭すぎる範囲以外には何の関係もないし、
 返すことも出来るなら私が『人間に水をかけるとまずい』のとさほど変わらない危険性。
 つまり『うっかりやるとまずい』領域で、『人を避けなければならない』程とは思えない。
 人型スタンドは『奪えない』のかそれとも『奪わない理由』があるのか……
 興味が薄い楽器を天才的に演奏できるのは、無関係な『ただの才能』と片付けていいものかしら)

         (…………あるいは、『所有権』や『技能そのもの』を奪っている?
           所有と言う形が色濃い道具型のスタンドにも偶然効くというだけで、
            物の権利や『一般的な技能』も奪えるなら、警戒する理由はわかりますわね)

思考で頭を満たす。

スタンドを才能と捉えるか、技能と捉えるか、あるいは単なる道具と捉えるか、
サトリは己の『新しい武器』程度に考えているつもりだが、そこ次第だろうか。

「――――触れた『道具』の所有権を自分に移行させ、『使いこなす』事が出来る。
 といったところかしら。ただ所有権を移すだけなら『使い方』までは分からないでしょうし」

               「この答えは100点満点で何点くらいでして?」

満たされた思考を、口という『蓮口』から流しだす。

あえて『才能を奪う』という危険な路線の追及は後回しにし、
言葉としても『奪う』と言うネガティヴなものは避けるようにする。
要らない気づかいかもしれないが、こういう気づかいはしておかないと落ち着かないのだ。

14『ペイズリー・ハウス』:2018/08/22(水) 22:27:35
>>12-13(ALL)

カンナと、まつりは。『サバジオス』の力に対し
すげーっ、と呟いたり。面白いですわねーと単純な感想を述べる。
 能力が不明な、くぬぎは黙って事の成り行きを見ている。

夢見ヶ崎の驚きようには、特に気分を害した様子はない。
予想できえた反応ではあるからだろう。

そして、天雨の回答。

>触れた『道具』の所有権を自分に移行させ、『使いこなす』事が出来る

アオキ「……まぁ、80点台。
正確に言えば『手で使える器具』なら、ほぼ全て所有権を移せるよ。
パソコンとかは、精密器具だし複雑だからか。まだ大丈夫だけど
成長したら触れただけで使いこなせるようになるって言われた……。
 こんな力、言っておくけど欲しくない。
楽器だって、手で扱えるものは全部プロレベル。携帯ゲーム機だって
勝手にクリア出来ちゃう。料理だって、何だって……努力なんてしなくても。
 アオキちゃんは何でも出来ちゃうんだねって、皆が笑ってない目で
褒められる気持ち、わかる? 物事には、限度があるんだよ……」

 スクッと、アオキは立ち上がるとウォークマンを再度付けて
ぶっきらぼうに皆に告げた。

「……事務室に戻るよ」

 プライベートな事を吐いた所為で、感情も昂った所為で不機嫌になったのだろう。
難しい年頃だし、言った事以外でスタンド能力の所為で苦労もあるのかも知れない。
彼女は、困った様子の園児達に見送られつつ園の入口へ向かう……。

カンナ「……なんか、大変そうだな」

まつり「そっとしておくべきかしら? 
夕食まで、何をしましょう」

アオキの様子も気になるが。夕食まで数時間はある……自由時間だし
好きな事を皆でするのも良いだろう

15夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/22(水) 23:48:51
>>13
>>14

「――ま、それがいいんじゃないの」

まつりの言葉に対して、あっけらかんとした何気ない口調で同意する。
人は誰でも一つや二つは抱えてる物があるものだ。
それは何もアオキに限った話ではない。
カンナにだって、まつりにだって、くぬぎにだってあるだろう。
おそらくはサトリにもあるだろうし、夢見ヶ崎にもある。

アオキに何かしてやりたいという気持ちはある。
しかし、こういった話は今すぐ解決できる問題ではないし、
その必要も感じない。
こういう心の問題は、本来は時間をかけて解き解していくものなのだ。
だから、考えるべきは解決そのものというよりは、そのきっかけとなること。
これは最終的にはアオキ自身が自分で答えを出すべき問題なのだから。

(いまは、なんもおもいつかんけど――)

「よし!!みんな、ちゅうもく!!
 さっきはリョウリでカツヤクできなかったかわりに、
 いまから『わたしのウデマエ』をみせてやろう!!」

この重い空気を払拭するために、元気よく全員に声を掛けて、
自分の鞄を漁る。
持ってなかったら、今すぐ取ってくる。
鞄から取り出すのは『爪の手入れに使う道具』だ。

「ネイルアートとかマニキュアとかつかわなくても、
 ぜんたいのかたちをととのえたり、
 ひょうめんをみがいてツヤをだすだけでも、
 だいぶミバエがちがってくるからなぁ〜〜〜」

「さーて、きねんすべきさいしょの『オキャクサマ』はぁ〜〜〜……
 ジャジャン!!まずは、カンナからだ!!
 さぁさぁ、エンリョはいらんぞ。ここにきなさい」

ニヤリと笑いつつ、片手に握った『爪ヤスリ』をユラユラと動かしながら、
自分の前をポンポンと叩く。
軽くチャチャッと『ネイルケア』してあげよう。
さっき言ったように、やるのは爪の形を整えることと、表面のツヤ出しだ。

爪の長さにもよるが、カンナは『スクエアオフ』でいいか。
爪の先端を四角く削る『スクエア』の角を少し丸くした形状だ。
爪を長く見せる効果があり、強度を保てるので衝撃にも強く、
活発かつ『豹』に変化するスタンドを持つ彼女にも合うだろう。

16天雨 サトリ『10cc』:2018/08/23(木) 00:08:24
>>14(GM)
>>15(夢見ヶ崎)

「…………ええ、話してくださってありがとう」

お礼を今言おう。話しづらい事を話してくれたお礼を。
情報を得た『損得』ではなく、『教えてくれた心』へのお礼を。

(…………『私も昔から何をやっても上手く行っていましたし、
 家柄が良い事もあって妬まれたり不遇に甘んじる事もあったので、
 お気持ちは少しは分かると思いますわ』なんて慰めは恐らく望まれていない)

己の中に溜まった毒を吐き出した後は、嫌な気持ちになるものだ。
しかし時間が経てば『吐き出せた』分だけは楽になる物もあるだろう。
もちろんこれは一般論ですらないサトリの考えで、例外もあるだろうが。

        (それにしても……)

(それで楽器や1人用ゲームに興じているのは『自暴自棄』?
 ダンスや園芸、あるいは知的ゲームなら能力の範疇外のはず。
 パソコンがあるならオンライン対戦のオセロとかもあるでしょう。
 …………というのは『無責任』かしらね、能力はあくまで原因。
 重要なのは『どう見られてきたか』の方でしょうし、彼女はまだ子供)

           (いずれにせよ、今は静観が一番ですわね)

手で扱う道具に依存しない、かつ極めるために『努力』を要する趣味があれば、
少しは自己肯定感も回復するだろうか? しかし人に押し付けられる趣味などない。
せめて同年代の友人が作れるような環境にいられるのなら良いのだろうが・・・

           クル

最後までアオキの背を視線で見送ってから、夢見ヶ崎の声に振りかえる。

「まあ、まあ、その爪はご自分で手入れしていらしたんですのね!
 爪やすりを持ってらしたからまさかとは思っていましたけれど、
 てっきり普段のメンテはプロの方がなさってるのかと思いましたわ」

              「なにせ、とてもお上手ですもの」

ここからは彼女のステージのようだ。良い感じに持ち上げて盛り上げよう。

17<削除>:<削除>
<削除>

18『ペイズリー・ハウス』:2018/08/23(木) 19:25:55
>>15-16(ALL)

カンナ「おっ! ねいるけあか! やるぞ、やるぞー!」

まつり「良いですわねぇ! 爪の手入れは淑女の基本ですもの」

夢見ヶ崎の提案に、重たい空気を払拭させ園児達は喜色の声で応答する。
アオキについては、今は時間が解決するのを待つのがベストだと
二人は考えた。それは、多分 正しい。

   ……コケ―コッコ

くぬぎ「? ……にわ……とり……さわいでる」

 自然に、最後尾として待っていた くぬぎが裏手のほうの
鳴き声を聞きつける。ヨタヨタと駆けだしてそっちへ向かう。

くぬぎ「ちょっと……見てくる……ね」

19夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/23(木) 20:44:19
>>16
>>18

「あっ、そうみえた??
 じつをいうと、ふだんのていれは『プロ』がやってるんだー。
 だって、わたしが『じぶんで』ていれしてるからね!!
 なにがいいたいかっていうと、
 『プロなみ』のウデなら『プロ』をなのってもいいんじゃない??ってコトで。
 じぶんでいうのもなんだけど、わたしは『ウマい』からさぁ〜〜〜」

とことん調子に乗る。
あくまでも場を盛り上げるため。
――というのは半分くらいで、
もう半分は本当に調子に乗ってるだけだったりする。

「ほほう!!カンナよ、いい『コトバ』をしってるではないか!!
 そう、『ネイルケア』だ!!
 これは『スクエアオフ』っていうカタチだから、
 おみせでちゅうもんするときは、そういうんだぞ!!」

        シャッ    
             シャッ
                   シャシャッ

慣れた手つきで爪ヤスリを扱い、手際よくカンナの爪を整えていく。
さすがにプロ並みとはいかないかもしれないが、爪にはこだわりがある。
そんじょそこらの女学生やOLには負けない。

「――おん??ニワトリがさわいでる??ハラでもへったか??
 ねえ、サトリちゃん??」

子供達を心配させないために口ではそう言いながら、
『何かあったんじゃないか』とも思っていた。
たとえば、森の中にいる動物が園の庭に迷い込んでしまった。
もしかすると、そんなこともあるかもしれない。
くぬぎ一人に行かせるのもどうかと思うが、今は手が放せない。
たぶんサトリが何かしてくれるだろうと期待しているので、そっちは任せる。

「カンナがおわったら、つぎはまつりちゃんだ!!
 しんのしゅくじょは、ツメのさきにまできをつかうもの。
 このわたしが、キミのツメをプリンセスにしてあげよう!!」

カンナの番が終わったら、次はまつりに取り掛かる。
爪の側面から先端にかけて緩やかなカーブを持たせ、
全体的に上品なイメージを醸し出す形――『オーバル』に整えよう。
イイとこの『お嬢様』である彼女には似合うはずだ。

20天雨 サトリ『10cc』:2018/08/23(木) 22:04:14
>>18(夢見ヶ崎)
>>19(GM)

「とても良い自信ですわね、根拠のある自信は素敵でしてよ」

プロの定義には特に口を挟まないで、賞賛だけ送っておくことにした。
現にその技術は高いように見える。自分の爪を任せるのに何の不安もない程度には。

「……そういえば鶏も気になっていましたのよね。
 私も少し様子を見てきますわね、ごめんあそばせ」

夢見ヶ崎にこの場を引き続き任せて、くぬぎの後に着いて行く。
鶏は中々凶暴と聞いているし、一人で行かせてまずい事になってからでは遅い。

(……とはいえ、改めて考えても『スタンド』で対応出来ないと言うことはないでしょう)

(もっとも、私のスタンドはどうにも非戦闘タイプだけれど。
 ……だからと言って遅れを取るか、と言えばそこまで甘くはなくってよ)

アオキやくぬぎのような『能力を使いこなせない子供』もいる以上、
本格的な身の危険を及ぼす生き物はまず敷地内にはいないはず。
子供たちが危険な目に合うのもあるし、能力の暴走を招きかねない。
外部の人間を使ってでもそれを抑制しようとする意思がこの施設にはある。

(……あるいは、狐は鶏を襲ったりするのかしら?
 よく考えてみたら狐の食性ってよく知りませんわね)

単純に鶏が凶暴で暴れてる線を除くと、この可能性も浮上する。
いずれにせよ『10cc』は発現状態を保っておいて、いざという時はすぐ動けるように努めよう。

21『ペイズリー・ハウス』:2018/08/24(金) 19:28:21
>>19(夢見ヶ崎PC)

カンナ「おーっ、きれいだ きれいだー!」

まつり「もし、道具に不足がなければ。ジェルネイルも
施して下さいまし」

カンナは単純に喜び、まつりは爪のコーディングに注文を少し付ける。
その間にも、サトリは裏手のほうへと消えてった。

 ―コケ―コッコ   コーコッコッコッ……!

まつり「何だか随分と騒がしいですわねぇ。
あのチキン達、凶暴ですから心配ですわ」

段々と騒がしくなる鶏の鳴き声に、首を回しつつ嘯いた。


       ――クェェェェエ゛ラ゛ァエ!

カンナ「わっ! なんだなんだっ?」

突如、心配してる方向から奇声が轟いた。鳥獣らしき鳴き声だ

>>20(天雨PC)

貴方は、くぬぎの後をついて裏手へと回る。
鶏小屋と10mほどの距離のある場所で、くぬぎは立ち止まって何やら凝視してる。

  カンッ カンッ カンッ カンッッ゛

  パシッッ゛   ピシッ゛    ブチブチ……ッ゛!

 『コケ―コッコッコッコッ』
        『クェーカッコッーコッ!』

鶏小屋は、大体↓のような形状をしている。
ttps://www.inugoyak.com/blog/archives/16408

鶏の様子を、安全に観察出来るように金網が施されているが。雨や時間による
老朽化の所為だろう。一部分が茶褐色に染まり劣化してるところがある。

そこに向かって、何匹もの鶏達が……鋭い嘴で網を攻撃して既に
拳大サイズの穴を形成している!!

 『……クェェェェエ゛ラ゛ァエッッ!!』

  バシュッ!!   ……タラーーッ

 『……クックッェクッッェエッエッエッッ』

       ――ガシ

         ――ガシッ
    
           ―――ガシッ

 ……鋭い眼光をした、人が膨らませた風船よりは少々小さいサイズの
鶏が、金網から這い出て来た。
 残忍な、感情を殆ど出さない小さな眼光が二人へと向けられる。

   ――ギラッ

 鶏は、おもむろに其の片方の前足の鋭い爪を掲げ光らせる。

22夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/24(金) 22:06:13
>>20
>>21

「よっしゃ!!まかせとけ!!
 ――と、いいたいところだけど、
 それはワリとやることがおおいから、ちょっとじかんがかかるぞ。
 ジェルネイルは、またあとでやってあげる。
 そのかわりに、わたしのおきにいりのネイルオイルをぬってあげよう」

注文されるということは信頼されていると受け取った。
上機嫌で、まつりの爪にネイルオイルを塗っていく。
保湿効果で爪に潤いを与える、いわば爪の美容オイル。
これはフローラルな花の香りがするタイプで、最近よく使ってるヤツだ。
ついでに、カンナの爪にも塗っておいてあげよう。

「さてと、あともうひとり『オキャクサマ』がのこってるんだけど――」

「――って、うるせーな!!そんなにハラへってんのか??」

あの鶏が、そんなに凶暴だとは知らなかった。
サトリがその話を聞いている時は、
くぬぎと喋っていたので聞いていなかったのだ。
ちょっと見にいってみるか。

「ふたりとも、まっててくんない??
 つぎはくぬぎちゃんのばんだし、ちょっとみてくるわ」

さっきまで食べてたオヤツのパン屑とか残ってないだろうか。
残ってたら、それを片手に握っておく。
それから、レジャーシートを畳んで、もう片方の手に持つ。

     ズギュンッ

『ドクター・ブラインド』を発現して、奇声が聞こえた方向へ歩いていこう。
本体の耳でも聞こえるが、『超聴覚』を使えば、
より正確に位置が分かるだろう。
『超嗅覚』で鶏の臭いを捉えれば、更に探知の精度は上がる。

23天雨 サトリ『10cc』:2018/08/25(土) 01:47:53
>>21(GM)
>>22(夢見ヶ崎)

(――――信じられない、としか言いようがありませんわね!)

                ス

くぬぎの前に出るように立つ。
ニワトリ程度なら絞めるなり蹴るなりして殺せるのもあるし、
明らかにこのニワトリたちの様子はおかしい。
小屋から逃げ出すとかより、こちらを攻撃してくる可能性すらある。

(小屋の老朽化を放置していたこと、
 鶏の凶暴性を把握していなかったこと、
 少なくとも以前から鶏は暴威を振るっていたでしょうに)

          (……などと文句を言っても今は仕方がない。
            クライアントが有能な方が珍しいのだから)

サトリに積極的な攻撃能力はほとんどない。
そしてこちらから刺激する理由もない。

「――――くぬぎさん、私より後ろにいてくださいまし。
 あるいはこの場から離れて、ユメミガサキさんを呼んできて。
 このニワトリたちの様子は何やら異常ですわ。ここは私にお任せなさい」

如雨露を構え、いつでも反撃の散水を行えるよう構えつつ、くぬぎをとにかく自分より後ろへ。

24『ペイズリー・ハウス』:2018/08/25(土) 22:55:13
>>22(夢見ヶ崎PC)

貴方は片手にレジャーシート。そしてスティックパンの残りを携行して
『ドクター・ブラインド』の『超感覚』を展開する。

クゥゥウウゥッッッッゥエッエッエエ!!

 クェッ クエ クエッ ェッ エッ    

タンッ  タンッ……

まだ少し距離はあるにも関わらず、耳にこだまする叫び。
複数の、鶏であろう声と。地面を掻くような、跳ねるような音も聞こえる。

カンナ「うーん、くぬぎも心配だし。うちらも付いていくぞ!」

まつり「人手は多いに越した事がありましてよっ」

 二人は、貴方の制止に対し否定の声かけをする。
彼女達は庇護の対象ではあるが、それと同時に一端のスタンド使いだ。
自分自身を守るか、本当に危険なら逃げる実力は自負してる故の行動だろう。

>>23(天雨PC)

 「クゥゥウウゥッッッッゥエッエッエエエッッツ!!」

  タンッ! タンッ!! タンッ!!!   バサバサバサッッ!

 小刻みに、恐怖に震えるくぬぎを下がらせて。貴方は前に出る

その貴方に対し、今まで培ってきた平穏を打ち破る鬨の声と独特の
右、左の足を蹴りつつ翼を羽ばたかせつつのステップ。もし人であれば
ボクサーがリズムを取るかのような動きだ。鋭い猛禽類の瞳は
貴方の一挙一動を見逃さないように、睨みつけている。
 距離は未だ十メートルはある。

 『クエェ! クエェッ!!』 バサバサッ

その背後からは、次々に網から戦闘姿勢をとる鶏よりは大きいサイズの
同種達が、バサバサと翼を鳴らし鼓舞をとるように鳴いている。

25夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/25(土) 23:53:33
>>23
>>24

二人の気持ちも分からないでもない。
だけど、こっちにも『責任』というものがある。
万が一にも子供達に危険が及ぶようなことがあってはならない。
もしそうなったら、それは『自分達の責任』ということになる。
だからこそ、できるだけ子供達に危ないことはさせたくない。

「しかたないなぁ〜〜〜。
 じゃあ、わたしとサトリちゃんがピンチになったら、たすけてくれ!!
 なかまのききにかけつけるヒーローだ!!かっこいいぞ!!
 でばんがくるまではうしろにいてムチャはしないこと!!オーケー??」

ただ単に『後ろで待て』と言うだけでは効果が薄いのは目に見えている。
だから、『もしもの時のための助け舟』という役割を与えるのだ。
こう言っておけば、無闇に前へ出ることはしないだろう。

「――ほっほ〜〜〜う」

『超聴覚』を駆使して、ニワトリの『進行方向』を捕捉しよう。
その方向に向かってニワトリは進んでいるはずだ。
つまり、その方向と逆の方向が、ニワトリの『背後』ということになる。

       ――コソ……コソ……

小屋をグルッと回り込んでニワトリの後ろに回り、
少しだけ顔を出して様子をうかがう。
サトリはニワトリの正面に立っているはず。
狙うは手堅く『挟み撃ち』だ。

26天雨 サトリ『10cc』:2018/08/26(日) 01:00:46
>>24(GM)
>>25(夢見ヶ崎)

「お静かになさい」

         ヒュンッ

「これは見世物ではなくってよ」

境界線を引くように前方に水を撒く。
突然突進して来たなら当たるように。
あるいは、本当の意味で『線』を引くように。

(――――血を流すのは不味いですわね。
 服の上からであれば傷も隠せるでしょう、
 私よりむしろ鶏を『そうする』のが難しい)

        (それにしてもこの動き……
          普通の鶏じゃありませんわね。
           闘鶏か何かを仕込まれているか、
            あるいは何かに操られているか?)

当然だが人間は鶏より強い。
が、それは普通の鶏なら、
なおかつ全力で死闘を繰り広げるならだ。

「家畜の分際でこの私に勝負を挑むのはけっこう。
 ですが、その線を超えればただの『じゃれ合い』では済みませんわよ」

子供を守りながら、あまり血みどろにならず、危険な鶏と戦う。

              (…………)

汗は暑さのせいだけではない――――だがやるしかないだろう。
鶏が自分以外、たとえばくぬぎや、背後などに気を取られないよう堂々と構える。

27『ペイズリー・ハウス』:2018/08/26(日) 23:07:28
>>25(夢見ヶ崎PC)

 貴方は、カンナとまつりに対して何かあるまでは後ろに控えるよう告げる。

それに対して、了解と言う意味合いの返答を二人は返しつつ小走りに付いて行く。

ひそひそ星の園の鶏小屋に向かう裏手は、サトリ達の方向と逆方向から
向かう事は可能だ。少々遠回りではあるが、それでも辿り着ける。

 コケ―クォッコォッコ     コケ―ッ! コケーコッコッコッ!
  
   ――クエェェェッッ゛!

 裏側に辿り着いて目にしたのは、6〜7羽程度の普通の鶏が羽ばたく中。
それより、少し小さな鶏がサトリの『10cc』が生やしたらしい
横列に伸びた草木へと突進する姿だった。

>>26(天雨PC)

貴方は、真横に振りかけるように『10cc』のスタンド水を振りかける。
数秒経って地面から伸びる草木、そして花が咲き誇る。

 ――――クエェェェッッ゛!

 盛んに鳴き立てる鶏達の声を受けながら、軍鶏のような闘気を纏う
ボス鶏は、草木に向かって 駆ける(スB) ……早い!

    ――クァッ゛ラァ゛ァクカァァ!!
                 ザシュッゥゥッ!

 貴方の生やしたスタンド植物に対し、その鶏は宙を跳ねて
一回転したかと思うと……その鋭い前足を突き出し、草花数本を切り飛ばす!
 凄まじい切断力だっ! もし、人体に受ければ皮膚の表皮より深く筋肉
にまで届きそうな斬撃を、その鳥は備えている!

  『クゥゥゥ゛ァァアァッッ゛』  タンッ゛ タンッ゛ッ

 着地すると共に、約1m程。また再度右足、左足を地面に蹴りつつの
ステップを刻み、咆哮する。

 この鶏は、そのサイズに見合わない戦闘のポテンシャルを秘めている。
だが、何をそこまでして。この鳥は猛り天雨に対し敵意を向けてるのだろう?

28夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/27(月) 00:23:14
>>26
>>27

(まさかとおもったけど、マジでだっそうしてやがる……。
 しかも、なんかすげーキレてるし。
 だけど――それも、すぐにオワリにしてやるぜぇ〜〜〜)

いくら獰猛でもニワトリはニワトリ。
ただのニワトリなら、まさかスタンドを認識できるワケもない。
まず、『ドクター・ブラインド』の片手にパンの残りを握らせる。
そして、自分は姿を隠したままで、『ドクター』だけを接近させよう。
静かに音もなく、大体3メートルくらいまで近付きたい。

(ショクブツがきられた――あれ??)

『10cc』によって生み出された植物が実体化しているかどうかは、
まだ聞いてなかった。
もしそうでなければ、あのニワトリはスタンド使いの可能性もある。
心の中に警戒心が生まれる。

(スタンドつかいだろーと、そうでなかろーと――)

本体の自分はレジャーシートを広げて両手で持っておく。
広げる時には音を立てないように気をつける。
これだけうるさければ、たぶん平気だろう。

(つぎのしゅんかんには、みたことのないモノをみせてやる)

サトリの動きを見守りながら、仕掛けるタイミングを待つ。
次のサトリの動きに合わせて、背後から飛び掛るつもりだ。
相手も速いが、虚を突いた方が『より速い』。

29天雨 サトリ『10cc』:2018/08/27(月) 01:30:06
>>27(GM)
>>28(夢見ヶ崎)

数本。数本であれば特に問題はない。じきに実が現れるだろう。
鶏が『飢えている』という線もあるので、その場合は餌になり得る。

(――――速い)

             タラ…

これは自分でも明確にわかる。冷や汗。

(そしてやはり、脱走ではなく『人間に危害を加える』つもりでいる。
 ……何故そうなるのか、他に可能性があるなら飼育環境か、知らない人間への警戒)

           (先ほど建物から見た時は、特に騒いでいなかった。
             飼育環境や生来の性質よりは警戒がありえるかしら?
              ……でも、それにしては騒ぎ出したタイミングがおかしい)

鶏が騒ぎ出したのは誰も小屋を見ていなかった時だ。
ありえるとすれば見ていないその隙に誰かが何かをしたか、
本来行われるはずだった何かが行われなかったか――――餌説はやはりあり得る。

(……この速度と鶏の自然から外れた動作。単純な水撒きは躱されそうだけれど)

                    ヒュン

「草刈りがお得意ですのね」

             「幾らでも追加はありましてよ」

再び水を撒く。今度は鶏にもかかるような――――ではなく、『現在位置のすぐ前』にだ。
もし前に出てくれば水を被らざるを得ないように。後ろに退くとか動かないとかは問題ないのだ。

30『ペイズリー・ハウス』:2018/08/27(月) 22:17:21
>>28(夢見ヶ崎PC)

 カンナ「アレは! ボス鶏の『オピネル』だっ」

 まつり「まぁ! 金網を蹴り破ったのですねっ」

二人の園児は、現状を見て小さく叫ぶ。そして、スタンドにパン屑を
握らせつつ、貴方はレジャーシートを持って静かに忍び寄ろうとするが……
ここで問題が生じる。
 ボス鶏と天雨は大体2m程の間合いで睨みあっており。それを見守るように
6〜7m付近で陣を組んで、手下であろう鶏達が騒いでいる。
 一人と一匹の戦闘に集中してるので、まだ夢見ヶ崎達には気づいていないが
ボス鶏を挟み撃ちにするには、少し工夫が必要だ。手下の鶏達が気づいて
騒げば、ボス鶏も貴方に気付くだろう。

>>29(天雨PC)

 ジョロロロロロㇿㇿ

  ――クゥゥゥ゛ゥッ゛エェ゛……!

 天雨は、スタンド水を自分の前に振りかける。言うなれば
スタンド水のカーテンによる防壁。土に振りかけ植物が生えるのを
このボス鶏ことオピネルも視認している。
 体を膨らませるように、鶏らしからぬ鳴き声を発しながら天雨を
睨みつけつつ、タンッタンッと地面を鳴らす。

 『――クェェェエッッ!』

   『クエッ!』 『クエッッ!』 『クエッェ!』

 貴方と対峙するボス鶏が一声を発すると、傍観していた鶏達が
一斉に距離を詰め始める……。天雨の『10cc』の水カーテンを
打ち破る秘策が、その行動に意味があるとでも言うように。

 『コォォケェェェェ゛ェ゛』

 鶏冠を震わせ、ボスは一際強く跳ねた。

31夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/27(月) 23:32:53
>>29
>>30

『ドクター・ブラインド』は射程限界の5メートルまで離して先行させる。
そして、そのまま『オピネル』に近付いていく。
途中でニワトリ達が気付いて騒ぐだろうが、
ニワトリに視認できるのは『夢見ヶ崎のみ』だ。
夢見ヶ崎の前にいる『ドクター・ブラインド』を見ることはできない。
だから、『夢見ヶ崎』は注意を引くための囮だ。
さらに言えば、『オピネル』が『夢見ヶ崎』に注意を向けたなら、
今度はサトリがフリーになる。
どちらにしても、一人は自由に動けるというワケだ。

「そぉ〜〜〜れ!!『おしょくじ』のじかんだ!!」

   ブンッ!!

『オピネル』がこちらに気付いて顔を向けた瞬間、
その顔に『パン屑』を投げつける(パス精DBB)
『ドクター』のパワーは強くはない。
まかり間違っても失明させるようなことはないと思うが一応手加減はする。

「そして――くらえぃ!!」

           ババッ!!
                    シュバッ!!

間髪を容れず『ドクター・ブラインド』で飛び掛り、
パン屑を投げたのとは逆の腕を振るう(パス精DBB)
その指先に備わったメス状の爪で軽く引っ掻き、
『存在しない視覚』を移植する。
                       ブラックアウト
『ドクター・ブラインド』の『切り札』――『盲 目 化』を発動させる。

直後、『オピネル』の視界は闇に閉ざされるだろう。
『オピネル』が見たことのないモノ――
目を開いているにも関わらず、
何も見ることのできない『真の暗闇』を見せてやる。

32天雨 サトリ『10cc』:2018/08/28(火) 00:18:24
>>30(GM)
>>31(夢見ヶ崎)

「私は一対一で済ませてあげようとおもっていたのに」

       「貴方が先に仲間を使ったんですのよ」

空中に逃げ場は存在しない。
なのに空中に行ったのだから、
そこに何かしらの策があるのだろう。

ハッキリ言ってここまでの武闘派に一人では勝てまい。
鶏の域と思って油断していたが、明らかに別生物の次元。

――――だがこちらには『夢見ヶ崎』がいる。

「群れを成す動物で最強は人間。
 社会動物の真価を教えて差し上げましょう」

           バシャ

サトリの『10cc』が戦いで出来る事は基本的に『これだけ』だ。
空中に水をまいた動きの延長で両腕を交差させ、如雨露で顔を守る。

背後にくぬぎがいる以上、
後ろに跳ねたり避けたりは不可能。
ここは――――『防御』を選ぼう。
鉄を刎ねる威力は流石に無いと思いたい。

33『ペイズリー・ハウス』:2018/08/28(火) 22:24:27
>>31-32(ALL)

 夢見ヶ崎は『ドクター・ブラインド』によるパン屑の投擲と
必殺の『盲目化』をお見舞いしようとスタンドを前衛に。

 そして、天雨は背後にいる くぬぎの守備のため。スタンド如雨露
『10cc』を構えてオピネルの攻撃に備える。

 対して、現状の敵であるボス鶏の動きだが……そいつは、貴方たちの
予想斜め上の行動を繰り出した!

 ――クゥェェエッ゛ッッ!

     バサバサバサッッ!!

 クエェ! クエェェ!!

 何と! 鶏達は、ボスの号令の下に一気に羽ばたく!
無論ニワトリと言う生き物は飛行能力は最低ランク。精々必死に
動いても1m上昇出来るかどうかが関の山。
 だが、その1m程羽ばたく鶏達より高く跳躍していたオピネルはと言うと。


   ――コォォォォッッ!!  ケェェェエェアッ!!

       タンッ  ――ターーーンッッ!!

な、何と『飛行する鶏達を踏み台』に、更に高く空中を跳ねた!!?

約4m程の高度。羽ばたき終えた鶏達が、ドクターブラインドの投げたパン屑を
啄むのを尻目に、ボスの小柄な鶏は獰猛な目つきで滞空時間を利用しグルっと
首を回し、二人を睨みつける。その目の何とも凄まじい事か!

 カンナ「気を付けろーーー! 多分、どっちかに滑空して攻撃してくるぞー!!」

 まつり「足に気を付けるんですわー!」

 二人の園児が注意喚起する。相手も必殺技を繰り出してきそうだが……
こちらも迎撃の時間の猶予がある!

34夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/28(火) 23:56:57
>>32
>>33

「おぉん??なんだなんだ〜〜〜??
 そのみるからに『はんこうてきなめつき』はよぉ〜〜〜??
 そんなモンでビビるとでもおもってんのか??」

     バサッ

「――なんのために『コレ』をひろげたとおもってんだよ!!」

踏み台にするのは想定外だが、
攻撃してくること自体は最初から『予想済み』だ。
今、手の中には広げた『レジャーシート』を構えている。
こっちに突っ込んでこようものなら、
この『レジャーシート』を盾にして防御する。

いくら威勢が良かろうが、所詮はニワトリだ。
『力』そのものは大したことはない。
要するに、爪や嘴を食らわなければ大事には至らない。

滑空に対して、『レジャーシート』を構えた両腕を大きく伸ばして、
その攻撃を防ぐ。
防御しきれたなら、それはそれで良し。
貫通されたなら、それを利用してオピネルを『拘束』する。

「さっきから『カァカァ』うるせーぞ!!この『ヤキトリ』が!!
 てめーは、だまって『コレ』でもくらってろ!!」

防御と同時に、
背後から『ドクター・ブラインド』で一撃を浴びせる(パス精DBB)。
『狙い』は『同じ』だ。
さっきは外したが、『二度目』は『ない』。

            チキン
この思い上がった『鳥類』に一発ブチかます。
攻撃対象がサトリだった場合は全力でそちらにダッシュし、
着地する寸前に『ドクター』で切り掛かる。
続いて、上から『レジャーシート』を被せ、暴れようが力ずくで押さえ込む。

35天雨 サトリ『10cc』:2018/08/29(水) 03:05:05
>>33(GM)
>>34(夢見ヶ崎)


「『大声』と『睨み』で恫喝し!」

         「部下を足蹴にする!」

言葉に深い意味はない。
言うならば心を確かめ、整えるため。

交差させていた腕を振るい、空中に向けて水を撒く。
この動きで顔の前、頭上にジョウロを位置させる事で、
即席の盾とし、上空からの攻撃軌道の『不自然化』を狙う。

ただでさえ普通の鶏には出来ない動き。
防御を避けて回り込むなど高度になれば、
なった分だけ攻撃の勢いや到達速度は削られる。
自在な制空能力があるならわざわざこんな飛び方はしまい。

「そんな『代表』がこの天雨サトリに勝てる道理はなくってよ……!」

             ヒュン

そして――――もし真っ直ぐ攻めてくるならそれでもいい。
自分を囮にし、気持ちよく一撃を入れてきたところで、
夢見ヶ崎の『ドクター・ブラインド』の奇襲が成功するように。

あるいは――――気の迷いで水に触れたなら、『行動不能』を予約するように。

36『ペイズリー・ハウス』:2018/08/29(水) 18:58:08
>>34-35(ALL)

 ――コォォォッケェェラァァ゛ッ!

 シュンシュンシュンシュンッッ  ズバァッッ!

 『オピネル』は、凄まじい旋回と共に『夢見ヶ崎』目がけ
滑空を行う。それは、鶏の形をした手裏剣のようなものだろう。

だが、二人のタッグコンビネーション……スタンド使い二人の
併せ技。『10cc』のスタンド水飛沫 及び 『ドクター・ブラインド』
とシートの防御と迎撃は……上回る!!

 パシャァッ   グングンっ

   『クェア゛ッ!!?』

   バサァ!    バシュッ!!

     『ギャァ゛ッケェェエ!!』

 滑空する中で受けた水飛沫。宙で自在に方向転換が出来るなら未だしも
『オピネル』には、天雨が大きく振り撒かれた『10cc』を防ぐ手立てはないっ!

数秒遅れて体に生える植物。突如の異物により滑空のスピードも衰え
隙が出来る。ソレを逃す事なく、夢見ヶ崎のシートが覆いかぶさり
『ドクター・ブラインド』の『盲目化』の爪撃が掠める。

 ――ガサガサガサガサッ!   ギャェ゛ェェ!

小さな悲鳴と共に、シートの中で激しく暴れる小さな隆起が見られる。

まだ、このボス鶏は自分が盲目になってる事も理解してないかも知れない。
今なら、思う存分死角から攻撃を繰り出す事も可能だが……。

37『ペイズリー・ハウス』:2018/08/29(水) 19:09:18
>>34-35(ALL)

 ――コォォォッケェェラァァ゛ッ!

 シュンシュンシュンシュンッッ  ズバァッッ!

 『オピネル』は、凄まじい旋回と共に『夢見ヶ崎』目がけ
滑空を行う。それは、鶏の形をした手裏剣のようなものだろう。

だが、二人のタッグコンビネーション……スタンド使い二人の
併せ技。『10cc』のスタンド水飛沫 及び 『ドクター・ブラインド』
とシートの防御と迎撃は……上回る!!

 パシャァッ   グングンっ

   『クェア゛ッ!!?』

   バサァ!    バシュッ!!

     『ギャァ゛ッケェェエ!!』

 滑空する中で受けた水飛沫。宙で自在に方向転換が出来るなら未だしも
『オピネル』には、天雨が大きく振り撒かれた『10cc』を防ぐ手立てはないっ!

数秒遅れて体に生える植物。突如の異物により滑空のスピードも衰え
隙が出来る。ソレを逃す事なく、夢見ヶ崎のシートが覆いかぶさり
『ドクター・ブラインド』の『盲目化』の爪撃が掠める。

 ――ガサガサガサガサッ!   ギャェ゛ェェ!

小さな悲鳴と共に、シートの中で激しく暴れる小さな隆起が見られる。

まだ、このボス鶏は自分が盲目になってる事も理解してないかも知れない。
今なら、思う存分死角から攻撃を繰り出す事も可能だが……。

38夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/29(水) 20:36:49
>>35
>>36

   グググッ……!!

本体の両腕で、シートの上からオピネルを押さえつける。
ここまで持ち込めたなら、『やること』は『一つ』だ。
『次の攻撃』で、この『馬鹿騒ぎ』を『終わらせる』。

「さぁ〜〜〜て――『おしょくじ』のあとは『おひるね』のじかんだよ??
 よぉ〜〜〜くねむれるように、
 やさしく『こもりうた』をうたってあげるからねぇ〜〜〜??」

     シュバッ!!

『ドクター・ブラインド』で、
オピネルの露出している部分に切りつける(パス精DBB)。
移植するのは――『超人的聴覚』だ。
それから、サトリの方を向いて呼びかける。

「サトリちゃん――わたしといっしょに、
 『ハラのソコ』から『ぜんりょく』で『おおごえ』だしてくれない??
 いま、このしたであばれてる『コイツ』にむかって」

     ――スゥゥゥゥゥ……

深く息を吸い込み、肺に目一杯の空気を溜め込む。
そして、レジャーシート越しにオピネルの耳元に顔を近付けていく。
次の瞬間、その口が大きく開かれる――。

   「アァァァァァァッ!!!!!!!!!!

        ルゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!!!!

            カァァァァァァッ!!!!!!!!!!

               ラァァァァァァ――ッ!!!!!!!!!!」

『至近距離』から、全力で叩き付けるような勢いで、
                    シ ャ ウ ト
オピネルの耳元に『大音量』の『子守歌』を轟かせる。
これが普通の状態なら、せいぜい『うるさい』という程度だろう。
                ブースト
だが、通常の数倍にまで『鋭敏化』された『超聴覚』では、
『うるさい』などという生ぬるい程度では済まない。

この『安らかな子守歌』でオピネルをぐっすり『オネンネ』させてあげよう。
――もし眠らなかったら?
『オネンネ』するまで何度でも『繰り返す』だけだ。

39天雨 サトリ『10cc』:2018/08/30(木) 01:12:06
>>37(GM)
>>38(夢見ヶ崎)

動物をいじめるのは勿論好きではないが、
ここまで本気の敵に情をかけるつもりもない。

              スゥ

      バシャ
             バシャ

                   バシャ

如雨露は――地面に水をかける道具だ。
レジャーシートの上から、粛々と水をかけ続ける。

「ええ。構わなくってよ。
 このニワトリも情など望んでいないでしょう」

「くぬぎさん、耳をおふさぎなさい。
 私こう見えて、本気を出せば声が大きいので」

               「すぅーーーー・・・」
     ス

地面に膝を付け、如雨露をシートに近付けることで、
もし仮に飛び出してきてもすぐ打ち落とせるようにする。
もちろん、声を叩きつけるにも、距離の近さは重要だろう。

「わあああああああああああああああああああああああああああああああ」

                  スゥ

        「あああああああああああああああああ」

                      ゥーー

              「ああああああああああああああああああああああッッッ」       

言葉を選ぶ必要はない――――もっとも自然に大きな声を出し、『ニワトリ』の意識を吹き飛ばす。

40『ペイズリー・ハウス』:2018/08/30(木) 18:21:42
>>38-39(ALL)
アァァァァァァッ!!!!!!!!!!
ルゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!!!!
カァァァァァァッ!!!!!!!!!!
ラァァァァァァ――ッ!!!!!!!!!!

わあああああああああああああああああああああああああああああああ!!

シート越しに『ドクター・ブラインド』で『超感覚』をオピネルへ移植させる。

そして、タッグによる大絶叫。

 ギェ゛ァッ! と言う、小さな鳴き声か悲鳴が聞こえた後。
その後、長い沈黙が起きた。シートを取り外せば……舌をダラリと出して
白目を向いて痙攣しているボス鶏の屍が転がっていた。
 無論、比喩的な表現であり。気絶してるだけで、暫くしたら覚醒はするだろう。

カンナ「ふぅ〜〜っ! 危げなく勝てたぜっ」

まつり「しかし、何でまたあんなにあらぶってたんでしょうね?
このチキンは……何か鶏小屋にでもあるのでしょうか」

二人の園児は、そう呟いて鶏小屋まで近づく。くぬぎは、少し
心配そうに指先で、痙攣しているオピネルの足部分を突っついている。

 パン屑を突っついていた部下達だが……その餌を咥えると一目散に
鶏小屋の中に戻っていた。腹が単純に空いてたのだろうか?

41夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/08/30(木) 20:02:45
>>39
>>40

「よしよし、ちゃんと『ねてる』な。いいコだ。
 やっぱり『デュエット』だと『あんみんこうか』もばいぞうだな〜〜〜」

シートを外して、『子守歌』の効果を確認した。
サトリ共々ケガはしなかったし、オピネルにも大きなケガはさせていない。
大方『理想的な勝利』と呼んでも差し支えないだろう。

「サトリちゃん、さっきの『みず』と『こえ』のおかげでたすかった!!
 ちじょうにまいおりた『てんしのうたごえ』……
 そのうち、ふたりでアイドルデビューもできるな!!グッジョブ!!」

屈託なく笑いながら、サトリに向けてビシッと親指を立てて見せる。
それから小屋の方に視線を移す。
この惨状も、どうにかしなければいけないだろう。

「で――『コイツ』も、こやのなかにいれとくとして……。
 サトリちゃぁ〜〜〜ん、この『あな』もなんとかしたほうがいいよね??
 とりあえず『しゅうりや』には、わたしかられんらくしとくけど」

   カシャッ

スマホで小屋の写真を撮影し、その画像を添付したメールを作成する。
送り先は『金一』だ。
文面は以下の通り。

  『鶏小屋が壊れてるから直しといてってイサゴさんが言ってた』

        ピッ

金一が来たら、掃除のついでに直させよう。
送信したらスマホをしまい、オピネルを両手で抱える。
その時、取り巻きのニワトリ達が視界に入った。

(エサをくわえて……なかにはいった。
 なんで、すぐにたべないんだ??)

「こやのなかに、なんかいる??」

小屋の中にいる誰かにエサを運んでいるとすれば筋が通る。
しかし、外から何者かが中に入ることはできなかったはずだ。
とすれば、考えられる可能性は一つ。

「『ピヨピヨ』――なんつったりして」

オピネルに与えた『超聴覚』を解除する。
『ドクター・ブラインド』に戻ってきた『超聴覚』で、小屋の中の音を聴く。
ひょっとすると、『何かの鳴き声』でも聞こえてくるかもしれない。
まぁ、直に見た方が早いか。
オピネルを抱えて小屋に近付いていく。

42天雨 サトリ『10cc』:2018/08/31(金) 09:23:58
>>40(GM)
>>41(夢見ヶ崎)

「成功は貴女の『ドクター・ブラインド』の力あってこそ。
 誇りなさい。それにしても……アイドル。悪くありませんわね。
 ただ、舞踏はともかく、私歌にはさほど覚えがありませんのよ。
 ルックスはまあ、言うまでもございませんけれど…………」

           スッ

「とりあえず板か何かで抑えておくのがいいでしょう。
 修繕費は流石にイサゴさんがお出しになるでしょうし、
 なるべく早く来てくださる『修理屋』を見繕って下さいまし」

自分はその修理屋が来るまで――――多分明日とかだろう。
それくらいまで、空いた穴を塞いでおくための板でも探す事にする。
木製でもいいし、金属の板があるならそれが一番話が早い。

とはいえ、それ以上に気になるのは――――

「怪我をしている鶏がいて、外敵に過敏になっている……
 あるいは何か別の生き物が中にいるか。いずれにせよ、
 警戒すべき事態ですわね。…………見てみれば早いかしら」

      「少なくとも尋常な防衛本能には見えませんでしたわよ」

ただ人間が小屋に近付いたから、と言うだけではない何かがあるのだろう。
上述したように穴をふさぐための資材が視界に無いかは探しつつ、
自分も小屋に近付く。ただし子供たちが違う場所に行こうとしたらそっちに着いて行く。

43『ペイズリー・ハウス』:2018/09/01(土) 19:31:31
>>41-42(レス遅れ失礼しました)

 夢見ヶ崎は、写メで鶏小屋の破損を金一に報告する。イサゴの
指示ではないが、彼女が居ても恐らくは翌日に来る彼に掃除のついでに
任せた可能性もあるし不自然ではない。文句を言いつつも修理はするだろう。

天雨は、その傍ら。修理担当が来るまで、鶏小屋を補強する板を探す。
丁度、このオピネルの対策としてか何枚かの大き目な木の板らしきものは
施設の壁に鎮座していた。適当なサイズは置いてあるので、適当に一枚
破れた金網の横に置けば一先ず安全だろう。

カンナ「普段は、あんな風に破って出てこないけどなー」

まつり「餌やりの為に出入口を開けても。無理に触れようとしたり
しなければ、あぁも襲ってこない筈ですけど」

 園児二人も、普段の様子を説明しつつ鶏小屋へ近づく。

超感覚では、成体の鶏以外で複数の。予想している『ヒヨコ』らしき鳴き声
もしている。だが、近づいて貴方たちには分かったが、ヒヨコはヒヨコで
元気に鳴いているが、鶏達は子供にパン屑を渡してる様子はないし、餌も
十分餌箱に置いている。水も勿論そうだ

          ――クックルゥー……

鶏小屋奥に、一羽が藁に座っている。その姿は、烏骨鶏のように普通の
ニワトリ達より白く、美しい容姿をしている。

 だが、座り込んでいる様子には力が無く。鳴き声も何処となく元気がない

『コォーケッケ!』

ニワトリ達は、夢見ヶ崎から入手したパン屑を近くに置くも。その烏骨鶏
らしき生き物は、少しだけ顔を上げるも口づける様子はない。

カンナ「あれは……確か」

まつり「ボス鶏の番いですわ。まさか……弱ってる彼女に滋養の良い
餌を与える為に脱け出そうとしたんですの……!?」

 
 園児二人は予想を立てる。それが正しければ、あのボス鶏こと
オピネルの昂っていた行動にも納得が出来る。

 しかし、弱ってる鶏。どう対処すれば良いのだろうか

44夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/01(土) 22:01:28
>>42
>>43

「――たいへんだ!!『ジュリエット』がつらそうにしてる!!
 『びょうき』か??『おさん』か??くぬぎちゃん、なんかしらない??」

もちろん本当の名前は知らない。
だが、今この瞬間、このニワトリを『ジュリエット』と呼ぶことにした。
別に、特別な理由など何もないが。
とりあえず、一番ニワトリを気にかけていたくぬぎに、
何か知らないか尋ねる。
まぁ、つきっきりだったワケでもなし、何も知らなくても無理はない。

「あ〜〜〜……『じゅうい』でもよぶ??
 しょうじき、それくらいしかおもいつかないなー。
 『シロート』のウチらがなんかして、それがぎゃくこうかになって、
 もっとひどくなるかもしれないし。
 それか、『げんだいっこ』らしく、ネットでしらべるとか??
 でも、それだって、
 かいてあるのがホントかどうかなんてわかんねーしな〜〜〜」

自分達は『獣医』でも『動物学者』でも『養鶏家』でもない。
下手に手出しをして、それが原因で状態が悪化するというのが一番怖い。
とはいえ、何もしないというのが心苦しいのも事実だ。

「わたしの『ドクター』は『げか』せんもんだし……。
 だいいち、『ちりょう』なんかできないしな……」

「――とりあえず、『けんしん』だけでも……」

『オピネル』を下ろしてから、『ジュリエット』に近付く。
『超人的聴覚』で、『ジュリエット』の『呼吸音』と『鼓動音』を聴く。
周りにいる『取り巻き』の『呼吸音』および『鼓動音』と比較して、
現在の具合を確かめる。
ひょっとすると、何が原因で苦しんでいるのか分かるかもしれない。
もっとも、いくら『超人的』とはいえ、
流石に音だけで分かるとは思っていないので、期待はしてない。

「あ――」

その時、ふと思いついた。
袖を捲って腕を外気に晒す。
そして、その腕をサトリの方へ差し出す。

「サトリちゃん、わたしに『みずやり』してくれない??
 『ノイチゴ』ができるんだよね??
 それを『ジュリエット』にたべさせてみるってのは??
 いまより、すこしはマシになるかも。どう??」

「コイツは『ジュリエット』のためにとびだしたワケで……。
 でも、わたしの『ノウリョク』で『トドメ』さしちゃったから、
 それがダメになったワケで……」

「だから、ブッたおれてるコイツのかわりに、
 『なんか』しとかないとねってコトで――」

「いま、わたしがおもいつくのは――まぁ、これくらいかな」

「――どう??」

提案してサトリの意見を聴く。
根本的な解決にはならないが、今より悪くなることもないはずだ。
サトリに他の案があれば、それも聴こう。

45天雨 サトリ『10cc』:2018/09/02(日) 00:51:00
>>43(GM)
>>44(夢見ヶ崎)

「まあ、まあ、まあ……美談じゃあありませんこと!
 獣医は後で、電話で手配いたしましょう。
 今は『初期対応』について考えるべきですわね」

(身内を助けるために他を脅かす――――
 獣の考え方だけれど、獣だからこそ『美談』になる)

「夢見ヶ崎さん、その必要はありませんわ。
 人間に実った果実じゃ『警戒』されるかもしれない。
 ――――『そのニワトリ』に、そろそろ実りの季節が来ますわよ」

当然その分『オピネル』は疲労するわけだが、死ぬような疲労ではない。
そして、つがいを守るために身を切るべきは夢見ヶ崎ではなく彼だろう。

「彼が手に入れた、いえ、少なくとも『彼が関わった餌』である方が、
 ニワトリにとっては『プライド』や『男心』を守れるんじゃあないかしら。
 返り討ちにあったうえに敵に情けを掛けられてしまった――――
 というよりは、返り討ちで受けた『怪我の功名』で仲間を救う方が良い」

         「絵面は少し、えげつなくなりますけれど」

そうは言いつつも、夢見ヶ崎の腕に如雨露を差し出す。

「とはいえ、貴方の気持ちも分からなくはないですから。
 腕に実が着くまで『30秒』ほどはございますわ。
 もし不要であれば、言って下さったら解除しますわよ」

                 ス

「それに、『重ね掛け』は出来なくとも、果実の量は少しでも多い方が良いでしょう」

水を掛けたら、そのあと自分の腕にも僅かに水を掛けておく。
暴れるとか他の鶏に邪魔されるとかで、『野イチゴ』が無駄になったときのための『保険』だ。

46『ペイズリー・ハウス』:2018/09/02(日) 22:39:20
>>44-45(ALL)

オピネルの番い、もとい夢見ヶ崎命名のジュリエットの変調を
名付け親の夢見ヶ崎が、くぬぎに聞くと少し思考してから答える。

「卵……温めてたと 思う」

孵化の最中との事だ。恐らく、全身全霊で我が子を外に出す為に
栄養失調になりかける程に、生命を注いでるようだ。

『呼吸音』と『鼓動』は、他の鶏達と比べると低い気はするが……
烏骨鶏と言う種類からかも知れないし。出産を控えてる為に
衰弱してるからかも知れない。後者の可能性は高そうだ。

 ドサッ、と鶏小屋の中に横たえた『オピネル』に『10cc』が
振りかけられる。クゥッ と、仮称ジュリエットが心配気に夫の鶏を
見つめ、生えて来た植物と実に更に目玉が丸くなるのが見えた。

カンナ「食べなよ! 食べないと倒れちゃうぞ」

まつり「そうですわ。生まれてくる雛の為にも力を付けませんと!」

 ククゥ……

烏骨鶏の妻は、不安気にオピネルと生えてる草木に実を交互に見る。
 行き成り、このように自分の旦那から産み出された植物を食べろと
言われても困惑はするだろう。このまま食べないと思ったが、その時
ようやく、パチリと白目を戻してオピネルは覚醒した。

 『クァアア゛ァェッ! ……クゥア?』 パシッ  『っ……! クゥアッ』

 覚醒すると、自分が戦闘中であった事を思い出して翼を広げて高く鳴くが
訝し気に、自分に生えてる植物を見て足で器用に切断し。落ちてくる実を
嘴で受け止め咀嚼し、その効能を理解してか目を瞠る。
 夢見ヶ崎と天雨、園児達をズラッと鋭い目で一瞥した後。複数の実を
妻のほうに、コォアッ! と高く鳴いて渡す。

 ……パクッ  ……!!
    ……コォー コッコルゥ

 反応は劇的だった。信頼する夫が特に何事もなく無事な様子と
そして食べるように薦めた事で。その妻ニワトリは一つ口にすると
人間で言えば、とても美味しいわ と言う感じの鳴き声を柔らかに唱えた。

 ポロ ポロ ポロ……! 『クァァ゛ァエ゛ッ』

 オピネルも、自分の妻が何も口にせず衰弱していたのが少しでも
改善した事に安堵の涙を流す。愛する二羽達は、互いに伸ばした首を
絡め合いながら、その確かな絆を更に確かめ合うのだった。


……。

カンナ「いい話だったな゛ーっ」

まつり「グスンッ…! ふ、不覚にも思わず涙が出ましたわっ」

 突然の感動ストーリに、園児二人も感動の涙を流して感想を口にする。
くぬぎも、声にはせずとも顔は感動で溢れていた。

 もはや、居る意味が不要になった鶏小屋を出ると。あっと言う間に
5時近くだ。遊んだり、鶏達を観察してただけでも楽しい時間は早く過ぎる。

 カンナ「……んっ!? なんか……凄く美味しそうな匂いが園からする!」

 まつり「これは  カレーの匂いですわーー!」

 二人の言う通り、玄関のほうに戻ってくると とても良い匂いがしてきた。
カレーの匂いだ……作ってる人物は、間違いなく彼女だろう。

47夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/02(日) 23:10:33
>>45
>>46

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ッ」

わざとらしく思いっきり派手な溜息をついて、一足先に小屋から出る。
そして、誰にも見られないようにコッソリ袖を直す。
この一連の行動は、まぁ照れ隠しみたいなものだ。

「――はぁっ……」

小屋に背中を預けて、今度は小さな溜息をつく。
その意味は――まぁ色々とある。
無事で良かったとか、単純に疲れたとか。
とにかく、騒ぎは終わった。
しんじられるか??これでまだ『いちにちめ』の『ごご』だぜ??

「なんだ、もうバンめしのよういしてんのか??
 まぁ、そだちざかりばっかりだしな〜〜〜」

「みんな、カレーはなにがすき??」

「わたしは『チキンカレー』が――いや、なんでもないなんでもない」

「あーえー、『からくち』がすき??『あまくち』がすき??」

うっかり口を滑らせてしまったが気にせず話を続ける。
ごまかしているとも言う。
わたしのたくみなわじゅつをもってすれば、だれもきにしないはずだ。

「よし!!ちゅうぼうのほうへいってみようぜ!!
 なんかてつだうことがあるかも」

子供達――特にカンナとまつりは、放っておいても厨房へ向かうだろう。
ちゃんと様子を見ておかなければいけない。
手伝うことがあれば、手伝えるかもしれないし――
拒否されなければだが。

48天雨 サトリ『10cc』:2018/09/03(月) 01:24:48
>>46(GM)
>>47(夢見ヶ崎)

「………………………」

              ハァァ

(少なくとも――――多くの『初期問題』は解決したでしょう。
 他にトラブルになりそうな物は、『くぬぎさんのスタンド』と、
 ……台風。あとはハチの巣と狐……まあこれは良いでしょう。
 少なくとも、蟲は雨天の時わざわざ人の住処には近寄らない)

ため息を吐きつつ、『10cc』を解除する。
真意を口には出さないが、『悪い気』はしていない。
だが今何を言ってもそれは余計な演説にしかなるまい。

「カレー! よろしくってよ。素晴らしい御馳走じゃあないですの」

                  ニコ

「甘口から辛口かで言えば……間を取って中辛ですわね。
 スパイスの味があってこそだから、甘口じゃ満足できない。
 けれどアツくて辛いと何を食べているのか分からなくなりますから」

             「贅沢にいいとこどりですわ」

(私が本当に好きなのはホウレン草のカレー。
 ……そして好きな具は『シーフード』だけれど、
 これを言えばチキンが再燃しそうだし、やめましょう。
 この子達の好きなカレーの具を知れるチャンスにせよ、
 この3日でもう一度カレーを作るとは思えませんもの)

             スタ
               スタ

「そうですわね、カレーはアオキさん一人で作れても、
 付け合わせとか、炊飯とか……やる事はいくらでもありますもの」

             (無ければ探せばいいんですもの)

一人で何もかもできてしまうアオキに、一人で何もかもはさせない。
外にいるうちに服のほこりを払い、板をとりあえず穴にあてがい厨房へ行こう。

49『ペイズリー・ハウス』:2018/09/03(月) 19:19:43
>>47-48(ALL)

 トントントントン

 鶏小屋の一時的な補強をした後に、五人は厨房へと向かう。
丁度、アオキが寡黙にニンジンやジャガイモと言うカレーでは
当たり前に入る材料を切ってる最中だ。寸胴鍋からカレーの湯気が立ってる

アオキ「お帰り……ひとまず中辛のルーで入れてるから。
甘さや辛さは、希望すれば調節するから」

カンナ「はいはい! 甘口で! うちは鶏肉たっぷり入れてー!」

まつり「私は、ポークですわっ! それと牡蠣も入れて欲しいですわ!
隠し味でリンゴジャムを入れてくださいまし!」

二名の園児は各自勝手な事を告げるものの、アオキは慣れてるからか
はいはい、と二つ返事で言われたものを出して別のフライパンで
調理をしようとする。くぬぎは無言であるが、それに対し自分から
要望を聞く気はそれ程無さそうだ……。

アオキ「なに? 別に見てても面白い事なんてないけど」

 少し、じと目で夢見ヶ崎と天雨を見て返答する。
おやつの一件で、余り後味良くない別れ方もした手前、少しだけ
ギスギスした様子は見られる。

50夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/03(月) 22:01:12
>>48
>>49

「おっ、いいねぇ〜〜〜。
 やっぱ『ツウ』なら『ちゅうから』だもんな〜〜〜。
 さすが、サトリちゃんはわかってる!!」

とかなんとかいってるそばから、
カンナが『トリニク』とかいってるんだが……。
『デリカシー』ってコトバしってる??
そこは、せめて『ビーフ』にしときな。
さっき、あれだけかんどうてきなシーンがあったってのに、
ほかのふたりもとくにきにしたようすがないし……。
せっかくウチらがきをつかったのが、まったくのムダじゃねーの!!

「――まったく、このくうかんには『こまやかさ』がたりてないなぁ」

誰よりも真っ先に『チキンカレー』と発言した自分を棚に上げて、
小さな声でブツブツ独り言を言う。
それからアオキの方を向く。
その顔に浮かぶのは、何とも言えない微妙な表情だった。

「いや、そうともかぎらないよ。
 『なにもみたことのないヒト』にとっては、
 ほかのヒトがあたりまえにおもえるようなコトだっておもしろいし、
 キョーミあるからさ」

特に気負った雰囲気のない何気ない口調で、それだけ言う。
そして、子供達の方を振り返る。
その表情は笑顔だ。

「――さっ!!みんな、いこ!!
 こんなにおおぜいだと、さすがにココせまいし。
 カレーができるまで、むこうでまつよ!!」

     チラッ

(サトリちゃん、ここは『やくわりぶんたん』ってコトで……)

二人でアオキを手伝うとなると、子供達を見ている者がいなくなる。
かといって子供達に手伝わせるというのも、
アオキと話しながらでは目が行き届かなくなる可能性が高い。
サトリに視線を飛ばし、こちらの意思を伝えよう。

自分は、子供達の面倒を見る。
その間、アオキの方はサトリに任せたい。
料理なら、彼女の方が向いているだろうというのもある。

     ドンッ
         シュカッ

そして、できる手も打っておく。
厨房を出た直後に『ドクター・ブラインド』を発現し、
厨房の外の『壁』に『聴覚』を移植する。
『無生物』に移植した『感覚』は、
全て『ドクター・ブラインド』にフィードバックされる。
これにより、厨房の中で交わされる『会話』や『音』を聴き取る。
あとは、子供達を遊戯室にでも誘導しよう。

51天雨 サトリ『10cc』:2018/09/04(火) 07:29:12
>>49(GM)
>>50(夢見ヶ崎)

「いいですわよ、もっとお褒めなさい。
 私こう見えてカレーを食べ歩いたこともありますのよ」

等と言っているうちに厨房に到着した。

「只今帰りましたわ。見ているだけではなく、手も出すつもりですの」

     「『料理』の『正解』は料理人の数だけ有り!
      かくいう私もカレーには一家言ありましてよ。
      勿論、味付けに口は出しませんけれど……
      食材の準備を手伝わせてはくれませんかしら?」

ここは子供達を夢見ヶ崎に任せ、手伝いを申し出る。
別のフライパンがあるという事は働き口があるという事だ。

いくら『調理器具』を使いこなせるとしても人手は1人分だし、
手が増えることにはアオキにとってもそれなりの意味はあるだろう。
それに―――――料理は『道具を使うのがうまいから上手い』物ではない。

「くぬぎさんは何かお好きな味付けとかございまして?」

           スッ

どけ!!!!とでも言われたら流石に引き下がるが、
ここでまたアオキを一人にする気はサトリには無い。
鬱陶しそうにされる程度なら居座って手伝わせてもらう。

ついでなのでくぬぎの要望も聞いておく。無ければ別にいいが、調理場に立つついでだ。

52『ペイズリー・ハウス』:2018/09/04(火) 19:39:41
>>50(夢見ヶ崎PC)

 まつり「それじゃあ、私。少々パソコンを使わないといけない
御用時を思い出したので、事務室に行きますわ」

 カンナ「うちも、カレーが出来るまで。ちょっと体動かすかー」

二人は、貴方に促されると。一人は事務室、もう一人は遊戯室で
少々汗をかきそうな運動をしに向かう。
 どちらの様子を見守るもいいし。カレーが出来るまではフリーで
自分のしたい事をしてて問題ない筈だ。

 『ドクター・ブラインド』で、聞こえる会話は……。

>>51(天雨PC)

 「手伝うって言うんだったら。カレー以外で、あのお婆ちゃんの
野菜でも下処理してもらえる?」

 付け合わせにするなら、あの好意で貰ったフキも一緒に食べるのは
カレーの味に合わない事はないだろう。

 くぬぎ「……あま……ぐちで……ヨーグルド」

アオキ「ヨーグルド入りね」

 貴方のフォローで、食べたいもののリクエストも受け取った。
彼女は冷蔵庫からヨーグルドを取り出す。そして、思い出したように
天雨に振り返って聞く。

「そう言えば、二人はなにカレーが食べたいの?」

 態度はつっけんどんな所が多いが。別に完全に仲違いしてる訳でもない
夢見ヶ崎が出るまで忘れてたようだが、要望に沿おうとする意志はある。

53夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/04(火) 21:40:46
>>51
>>52

とりあえず、事務室や遊戯室付近の廊下に立っておく。
ここで、くぬぎが厨房から出てくるのを待っていよう。
しかし、ただ待つだけというのもヒマだ。

(あっ、そうだ〜〜〜。『アレ』があるじゃ〜〜〜ん。『アレ』が〜〜〜)

小さく鼻歌を歌いながら、スマホを取り出して弄る。
アオキが見ていたサイトの名前やら管理者名やらは覚えている。
それらを検索して、あのサイトが引っかかるかどうか試してみよう。
引っかかったらラッキーだ。
更新順に内容を閲覧する。

(むこうも、いまのところは『イジョーなし』――と。
 こどもむけなんだから、『あまくち』にするのは『だとう』だな〜〜〜)

厨房内の会話は、まだ当たり障りのないものだ。
味や具材の好みについてはアオキに言わなかったが、
これといって注文はない。
まぁ、その辺はサトリが適当に対処してくれるだろう。
よっぽどヤバいものが出てきたりしない限りは、特に何でも構わない。
あの二人なら、その心配もなさそうだし。

54天雨 サトリ『10cc』:2018/09/04(火) 22:30:19
>>52(GM)
>>53(夢見ヶ崎)

「私に野菜を任せるとはお目が高いですわね。よろしくてよ」

(カレーが主役なのだし、あまり凝った物はやめておきましょう)

とりあえずフキの下処理を始めよう。
無難にやる。あまり色気を出して失敗するのも不味い。

(ヨーグル『ド』? 言い間違いにしては……それとも)

「私は、『シーフード』とか『野菜』が好みですから、
 冷蔵庫からそれらしいものを探させていただこうかしらね。
 夢見ヶ崎さんの好みは存じ上げませんけれど…………
 チキンカレーなら、無難においしく食べられるんじゃあないかしら」

要望を聞いてもらってばかりだが、ここはちゃんと答えよう。
夢見ヶ崎についてはカンナが言ってしまったのだから問題無いだろう。

          「そういうアオキさんは何カレーがお好きですの?」

そして、フキの下処理がひと段落したら実際に冷蔵庫を覗きに行く。

55『ペイズリー・ハウス』:2018/09/05(水) 19:20:06
>>53(夢見ヶ崎PC)
貴方はスマホで、アオキが居眠りをしてた時に盗み見たサイトを
再検索する。『イマジン』と呼ばれるサイトと運営者の『キーア』は
絞り込まれてる為に直ぐサイトは表示される。

最近の内容は、全て大まかに外国での訪れる観光客たちとの交流
近所のペットが起こした珍事など、日常のふとした事を日記風に
撮影したらしい写真を掲載しつつ書かれてる。
 アオキ宛てに乗せた返信は、プライベートルームなどで書かれた
ものらしく、スマホで見る限り盗み見た時と同じページは出てこない。

>>54(天雨PC)
(あ、ヨーグル『ド』は普通に誤字なんで気にしなくて大丈夫です)

アオキ『じゃあ、そっちは『シーフード』、アスミはチキンね。
……私? しいて言えばスープカレーかな」

 天雨が冷蔵庫を開くと、魚介類を解凍させてたらしい具材もあり
シーフードカレーを作るのに最適なものは全部 用意できる。

「カレーと、フキの野菜……あと福神漬け用意するとして。
何かほかにいる? 要らなさそうなら、ちゃっちゃと作るけど」

 好みのカレーが決まったのなら、あとは本格的にそれを用意するだけだ。
サバジオスと言う、手で握れば自動的にクッキング出来るであろう事を
考えても、多くのオーダーを引き受ければ相応の時間が掛かる。

これ以上、余計な手間が増えるのは流石にアオキも嫌だろう。
 カレーを食べた後に、あの食欲旺盛な園児達ならデザートでも希望しそうだが。

56夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/05(水) 20:01:56
>>54
>>55

「ふんふん」

今度は『古い順』に記事を見ていく。
一番古い日付は、どれくらい前だろうか。
アオキのことは置いといて、このキーアについて調べよう。
本人はどういう人間か、また周りにいるのはどんな人間か。
そして、彼らは現在どのような状況にいるのかとか、そういったことをだ。

(『がいこくにいく』っつってたな……)

昔ここにいたアオキの友達は、みんな外国へ行ってしまったらしい。
そして、イサゴは確か『外国へ行く』とか言っていた気がする。
キーア達の所へ行ってるんじゃないかと夢見ヶ崎は考えていた。
イサゴの立場を考えれば、様子を見に出向くのは不思議ではない。
多分、キーア達は外国に引き取られたんだろうし。

(――でてこない)

こうして廊下で突っ立っているのも飽きた。
スマホを弄りながら、事務室に入っていく。
もちろん、『聴覚』の射程外に出ないことを優先する。

「なにしてんの??マインスイーパー??」

まつりに呼びかけてから、そちらに近付いていく。
個人的なことだったら気まずいからだ。
特に問題なさそうだったら、後ろからディスプレイを覗き込む。

57天雨 サトリ『10cc』:2018/09/05(水) 22:54:03
>>55(GM)
>>56(夢見ヶ崎)

冷蔵庫から必要そうな食材を集めよう。

「いえ、私からは特に他には。
 それじゃあ作ってしまいましょうか」

手は2本しかない。
なのでアオキがまだやっていない事、
かなり種類の多い食材の下処理とか、
福神漬けの開封、皿の準備といった、
カレーの調理と両立出来ない作業をする。

(スープカレーの話――――は広がらなさそうかしら?
 どうせ調理には時間がいるのだし、するだけして見ましょう)

「スープカレーってなぜか『スープカリー』って言いがちですわよね。
 グリーンカレーとか、バターチキンカレーとかは『カレー』ですのに」

            「有名な店がそう名乗ってるのかしら」

手を止めるほどではないとりとめのない話もしておく。
興味を引く話題かどうかは知らないが、『話せる空気』を作りたいわけだ。

58『ペイズリー・ハウス』:2018/09/12(水) 09:14:30
(レス遅れ失礼しました)
>>56(夢見ヶ崎PC)

一番古い日付は、『一年と数ヵ月前』……アオキが以前この園に居た頃など
逆数すれば、出て直ぐにフェイスブックらしきサイトを開始した事がわかる。
最初のページには『僕らの第二の家族と、第一の親友の為に作ったサイト』と
記入されている……書き込まれたコメントも概ね好印象だ。
 時々一人が寂しいと思う時に聞きたい曲や画像なども張り付けたりなど
遠くの人間を想っての丁寧な作業も欠かせてない。

 「ふっふっ……好調 順調 絶頂ですわ」

事務室に入ると、何やら怪しげな笑みでパソコンを見る まつりの姿。
話しかけても、特に反応せず熱中して何かを観察している。
 後ろに近寄ると、画像が小さな頭部の上から覗き込める。
……これは、『株価チャート』?

 「わっ! ちょっと、嫌らしいですわよっ。そんな乙女のプライバシーを!」

後ろに立って見た時に、ようやく気付いて少し怒った素振りで
まつりは、体をパソコンの背にして隠した。……この歳で 株?

>>57(天雨PC) 

 「何かのCM効果とかじゃない? よく私も知らないけど」

特に無視をする訳でもないが、話しが広がる感じでもない。
 受け応えはするものの、仲の良い女の子同士での長話となる
雰囲気でもない。その辺の割り切りは継続している。

 「……」

アオキ「……なに?」

 くぬぎは、厨房の出入り口付近でモジモジしつつその様子を
眺めている。料理している様子が興味深いからと言う感じでもなさそうだ。

その視線に、少し手が止まってアオキが少々強い口調で尋ねる。
 くぬぎは、顔を横に振って何でもないと言うジェスチャーをすると
アオキは顔を顰めつつも、無言で調理を続け始めた。
 多分、入所当初から。どちらも遠慮し合うので良い空気が生まれないのだ。
誰かがフォローに入れば、もしや……?

59夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/12(水) 17:48:42
>>57
>>58

キーアの人柄については大体分かった。
遠く離れていても、アオキのことを気にかけているのが、よく伝わってくる。
そして、アオキもキーアのことを大切に思っているはずだ。

「いやいや、さっきちゃんとよんでたし。
 ゆだんしすぎなんじゃな〜〜〜い??
 ケーカイがたりないよ、ケーカイが」

「ヒミツにしときたいんなら、もっとヨージンしないと。
 いつだれにみられるかわかんないよ??
 たとえば――ホラ、いまみたいに!!」

満足した様子で、まつりの慌てた様子を眺める。
カブなんかより、こっちを見てる方がよっぽど面白い。
まつりが見てたのは、たぶん自分の家のカブかなんかだろう。
無理に確かめるのはやめておく。
見ても楽しくなさそうだし、まつりの機嫌が悪くなると困る。

「それって、おもしろいの??
 『セミのウカ』のどうがみようぜ!!
 すげーキレイだから!!」

横に移動して、画面が見えない位置に立つ。
同時に、厨房で行われている会話も聞き逃してはいない。
サトリとアオキの間では他愛のない会話が続いている。
しかし、唐突にアオキが誰かに言葉を投げた。
ここまでの流れから判断すると、サトリではなさそうだ。

(コレは、くぬぎちゃんか……)

まだ厨房から出てきていないところを見ると、そうらしい。
言葉は発していないものの、くぬぎが何かしたのだろう。
それに対して、アオキが反応した。
しかし、それっきり話が続いてないということは、
そこでやり取りが終わってしまったのだろう。
まぁ、何事にも遠慮がちなくぬぎと、
はっきり要求されない限り動かないアオキでは、そうなるのが当たり前か。

60天雨 サトリ『10cc』:2018/09/12(水) 21:43:13
>>58(GM)
>>59(夢見ヶ崎)

「流行り言葉とテレビは切っても切れませんものね。
 CMじゃなければ、バラエティ番組か何かか……あら?」

下手に距離を詰める気はない。
今後も関係性は続くかもしれないけれど、
それならそれで今は無理に距離を詰めない。

だから会話をアオキのパーソナリティに結び付けたり、
自分語りを混ぜたりはせず、『雑談』として継続する。

「くぬぎさん、どうかなさいましたの?
 ヨーグルト以外で何か希望が出ましたの?
 ……それとも、何か別のご用がありまして?」

「まあ遠慮はするでしょうけれど、
 出来るだけ遠慮なく仰いなさいまし」

くぬぎについても無理にこちらに引っ張ったりはせず、  
何か言いたげな所だけをくみ取って発言を促しておく。

アオキとくぬぎをいきなり何でも言い合える仲には変えられないので、
まずは自分が間に入って『疎通する意思がある』事を明確にしていきたい。

61『ペイズリー・ハウス』:2018/09/13(木) 17:39:58
>>59(夢見ヶ崎PC)

>『セミのウカ』のどうがみようぜ!!

「つまんなそーですわ! それなら未だドッキリ動画でも
見るほうが有意義そうですわよ」

 すげなく返される。まぁ、彼女も本気で夢見ヶ崎が提案
してると思ってない。雑談の延長線で冗談を飛ばしてると受け取ってる。

 pululululu……!

 「あら? お電話ですわ」

事務室の子機から電話が鳴り響いた……。

 pululululu pululululu!

 そして、壁伝いの会話は……。

>>60(天雨PC)

 >出来るだけ遠慮なく仰いなさいまし

 「……あの ね」

「…………良かった ら。あし たにでも……たいふう 過ぎたら……」

 「……………………」

 ガタンッ。

 「言いたい事があるなら、はっきりしなよっ」

 くぬぎが、何か言いたげだが。その間が余りに長い事に対し
ボルテージが上がり過ぎたのか。アオキは、調理の為に使用してた
鍋を思わずと言った調子で強めにコンロに置きつつ声を荒げた。

 びくんっ……! タッタッタッ……ッ

 くぬぎは、その強い口調に涙目になると。背を向けて小走りに
厨房から立ち去ってしまった。外までは出ないと思うが……。

 「……ぁー くそっ」

 アオキも、本心で嫌悪しての行動ではない。色々な鬱憤が溜まっての
はずみの行動だと自覚してるし、園児にあたる事が間違っている事も
理解はしてるようで、顔を顰めている。だが、追う気はなさそうだ……。

62<削除>:<削除>
<削除>

63夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/13(木) 19:24:51
>>60
>>61

なに、つまらんだと!!
セミのヨウチュウは、なんねんかんも、つちのなかですごすんだぞ!!
がんばってちじょうにでてきて、4じかんもかけてウカするんだ!!
ヨウチュウのせなかがわれて、
なかからシロっぽいセイチュウがでてくるところをみたコトがあるのか!?
セイメイのしんぴ、ちいさなウチュウ、みちなるロマンをかんじるだろう!!

――などと、2じかんほどかたりたくなったが、ウンがよかったな。
こんかいは、ゆるしてやろう。
まったく、いまどきのコドモはジョウチョってもんがうんぬんかんぬん。

「いやいや〜〜〜ドッキリどうがよりも、
 『なまドッキリ』のほうがオモシロイって!!
 さっきのあせったカオなんて、なかなかみごたえあったし??
 あ!!カメラかまえときゃよかった。しっぱいしっぱい」

サラッと流しつつ、厨房の会話にも耳を傾ける。
どうやら、ちょっとしたトラブルのようだ。
今は手が空いてるし、自分がくぬぎを追いかけるべきかとも思った。
しかし、サトリが行くなら彼女に任せた方がいいだろう。
そんな時に、電話が鳴った。

「あー、わかったわかった。いまでるから、そうせかすなって。
 え〜〜〜オホンオホン――よし」

相手に伝わるはずもないが、鳴り続ける電話に静止の声をかけつつ、
受話器に手を伸ばす。
同時に軽く咳払いして、喉の調子を整える。
それから電話に出る。

「――お待たせ致しました。こちらは『ひそひそ星の園』でございます。
 本日は、どのようなご用件でしょうか?」

思いっきり猫を被って、まるで受け付け嬢のような声色と物腰で対応する。
電話の向こうにいるのが、まさかこんなヤツとは夢にも思うまい。
やる意味?そんなこときくな!!

64天雨 サトリ『10cc』:2018/09/14(金) 04:54:33
>>61(GM)
>>63(夢見ヶ崎)

「……………………」

アオキをたしなめるべきかは悩ましいが、
実際くぬぎの話し方はここまでくると『困る』。

(とはいえくぬぎさんも、まだ子供。
 けれど、アオキさんもまだ子供。
 どちらかの個性が悪いとはしたくない)

大人相手ならくぬぎが悪いうえで、
アオキの『言い方も悪い』で済むが、
子供の話し方に『悪い』とは言いたくない。

(とはいえ――――くぬぎさんを放置すると不味い)

「アオキさん、貴女は料理を。
 私がくぬぎさんを見てきますわ」

        「美味しいカレーを期待してますわよ」

まずはくぬぎを追おう。
アオキには目の前の料理に集中してもらって、
とりあえずあまり思いつめないようにしてもらいたい。

65『ペイズリー・ハウス』:2018/09/14(金) 22:15:47
>>63(夢見ヶ崎PC)

 猫っ被りで、電話の対応をする貴方を。まつりが少々不気味なものを
見る目つきで眺めてるのを横目に、電話口から少々の間のあと
若い男らしき声が聞こえて来た。

 『……あれ? あの、おっさん。此処の園に今は園児と世話係の
学生ぐらいの子しかいねぇって言ってた筈だが。
 あー、そちら。園の事務の人ですか?
明日、金一って人に手伝い頼まれて。清掃と、あと台風が来る前に
補強の手伝いに来る者なんですがね。
 午前中には来ようと思うんですけど、そちらの希望に沿った時間に
来ようと考えてるのと、それと他に必要なものがあれば持ってきますが
何かいま現在で不足の物はあるでしょうか?』

 そう、青年らしい声の人物は聞いてきた。どうやら、金一と同行して
やって来るようだ。

 それと 事務室を横切る小さな影も目の端で捉えられた。

>>64(天雨PC)

 >アオキさん、貴女は料理を。
 >私がくぬぎさんを見てきますわ


 「……うん、頼むよ」

 アオキは、少々気落ちした声でカレーのほうに目線を戻す。

厨房を出ると、廊下を走る くぬぎの小さな背中が見える。
ある程度の速さを保ちつつ、園の出入り口に到着し。小さな手で扉を押し
外へと出ようとする所だ……。

66夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/14(金) 23:20:03
>>64
>>65

(どーよ??なかなかのモンでしょ??
 『オジョーサマ』じゃなくても、これくらいはできるってコト)

        フフッ

まつりの方を向いて、ニヤリと笑ってみせる。
さっきは、まつりに『面白いもの』を見せてもらった。
そのお返しに、今度はこっちが『面白いもの』を見せてあげよう。

「『金一さん』ですか。あの方は存じています。
 少し、そそっかしい所がありますからね」

別に不都合があるワケでもないが、すぐにバラすのは面白くない。
よって、このまま続行する。
ちなみに、演技の参考にしているのは他ならぬ『天雨サトリ』だ。

「かしこまりました。時間は、午前の内に来て下されば結構です。
 必要なものも、今は特にございません」

「電話があったことは、後でアルバイトの子達にも伝えておきます。
 何か要望が出れば、『金一さん』に連絡させていただきますね。
 その際は彼を通して、そちらにも連絡が行くと思いますので」

        チラッ

いけしゃあしゃあと言葉を続けながら、小さな人影を目撃した。
それがなくとも、厨房での会話を聴いていれば、
その人影がくぬぎであることは明白だ。
そちらはサトリが対応するようだし、とりあえずは任せる。
この電話が終わったら、遊戯室にいるはずのカンナの様子を見に行こう。
その後で、電話があったことをサトリに伝えに向かうつもりだ。

67天雨 サトリ『10cc』:2018/09/15(土) 00:33:23
>>65(GM)
>>66(夢見ヶ崎)

「くぬぎさん、どこに行きますの?」

後ろから声を掛ける。
今の今でアオキが、ならともかく、
特に何もしていない自分のことを、
すげなく無視するような子ではないだろう。

どちらにせよ、大人の歩幅で距離を詰める。
子供には子供の考えがあるだろうし、
無理やり力で捕まえるつもりはないが、
勝手に外に出て事故にでも会われたら不味い。

「お外に出るならお供させて頂戴。
 料理のけむりを吸い過ぎましたから、 
 少し外の空気を吸いたかったんですの」

        「――――お嫌かしら?」

はっきりした拒絶が無ければそのまま着いて行く。

今、無理やり連れ戻すよりは、様子を見守っておく方が良い。
連れ戻すにしても言葉が良いが、加熱した子供は簡単には冷めない。
そして喋り方は急には治らないし、アオキの気分も落ち着いていないはず。
であればお互い少し時間をおいて、頭を冷やすのがちょうどいい。

・・・ただし、敷地外に出ようとするとか森に行こうとするなら何としてでも止める。

68『ペイズリー・ハウス』:2018/09/15(土) 18:23:35
>>66(夢見ヶ崎PC)

「わかりました。それじゃあ、大体10時頃を目途に向かいます
おっさん……金一さん含めて三人で来所しますので宜しくお願いします」

pu tu- tu- tu-……

 まつり「見事な化けの皮でしたわねー」

まつりから、微妙な賞賛を受けつつ電話は切れた。明日の午前には
清掃と台風対策の男手が来るらしい。一先ず、女性陣だけで窓に戸板を
つける等の力仕事は無くなったようだ。

 通路で、サトリが横切っていくのが見える。

>>67(天雨PC)

 >お外に出るならお供させて頂戴。

「……」コクっ
 
 僅かに、目元に涙を貯め込みながら縦に少女は頷く。

「……ブランコ 乗る」

 そのまま、言葉通りに。最初にちゃんと姿を目にした時のように
ブランコへと向かうと、くぬぎはゆっくり漕ぎ始めた。

 「……きらきら お目め きらきら光る 髪の人♪

 まっくら空に 一番星つけて お月様の友達つくろう♫

    きらきら お目め きらきら光る 髪の人♪

 お空の星を輝かせて♫  ひとーつ ふたつ 夜明けまで……♬」


 何か不思議な調子の歌を くぬぎは口ずさみながらブランコを漕ぐ……。

69夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/15(土) 19:21:14
>>67
>>68

「はい、お待ちしています。こちらこそ、当日はよろしくお願いしますね。
 それでは、失礼します……」

    ――ガチャリ

「ふっふ〜〜〜ん。ザッとこんなモンよぉ〜〜〜。
 ダレがむこうにいるかわかんないんだから、
 デンワにでるときはチューイするんだぞ〜〜〜」

ちゃっかりと教育指導も行いつつ、視界にサトリの姿を認める。
とりあえず向かった先が分かっていればいい。
自分は後で行くことにする。

「さーて、いまごろカンナはなにをやってんのかなー??」

まずはカンナの様子を見るために遊戯室へ向かおう。
一応『聴覚』の移植も継続する。
アオキの性格だと独り言を言うことはなさそうなので、期待はできないが。

70天雨 サトリ『10cc』:2018/09/15(土) 22:55:27
>>68(GM)
>>69(夢見ヶ崎)

 スタ  スタ

くぬぎについてブランコの方に向かおう。
もし二つあったりするなら、自分も腰掛ける。

(……聞いた事のない歌ですわね。
 それに不思議な調子。海外の歌を、
 日本語に訳して歌っているとか……)

    (あるいはオリジナルかしら?
      きらきら光る『髪』の人……?)

調子もだが、歌詞も聞き覚えの無いものだ。
星月夜を想う歌なのだろうか――――

「お歌が……お好きなんですの?」

歌を遮らない程度に尋ねる。
パーソナリティを知る助けになるかもしれない。

71『ペイズリー・ハウス』:2018/09/16(日) 17:30:05
>>69(夢見ヶ崎PC)

 厨房からは、黙々と鍋でカレーを調理してると思われる音が
超感覚から捉えられる。遊戯室では、カンナが再度 服を脱いで
豹らしきスタンドを身に着けて、三転倒立やバク転などの新体操を
行っていた。まつりと一緒に部屋に入ると、運動を止めて近づく。

カンナ「お! ちょーど暇だったところだっ。
なんか御飯前に楽しいことやりたいぞ! なんかない?」

 適当に、カレーが出来るまで暇をつぶしたいようだ。

>>70(天雨PC)


「……まえに 夢でね……会った人が唄ってたの」

「優しそうにしてたけど…………たぶん こわいひと」

 天雨の問いかけに、静かに くぬぎは少し暗い顔つきで呟く。

「こわいひとだけど……お歌は いっしょに会うたびにコレだけは
教えてくれたの……いろんなことを解決できる おまじないの歌だって」

「歌ったら……みんなで仲良くできるかな」

 そう、天雨に顔を向けて少女は尋ねる。

72夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/16(日) 20:45:47
>>70
>>71

(もうなんもなさそーだな)

『ドクター・ブラインド』の『聴覚』を解除する。
そして、スタンド自体も解除する。
ずっと出しっぱなしにしているのも疲れる。

「ふっふーん、そういうときに『ちょうどいいゲーム』があるんだ〜〜〜。
 みんなで『カードゲーム』しようぜ!!『トランプ』ある??」

ここは遊戯室だし、トランプの一つや二つくらいあるだろう。
カンナとまつりと自分に、それぞれ『1〜5までのカード』を配る。
もしトランプが見当たらなければ、適当な紙に数字を書いて使えばいい。

「――『ルール』をせつめいしよう。
 いまくばったヤツが『てふだ』だよ。
 みんなでどうじにカードを『ば』にだして、すうじのおおきいヒトがかち」

「かったヒトは、『ば』にでてるカードをぜんぶとれる。
 とったカードは『てふだ』とはべつにおいておく。
 それを『5かい』くりかえして、
 いちばんたくさんカードをもってるヒトが『ゆうしょう』!!」

『戦争』と呼ばれているトランプゲームを自分なりにアレンジしたものだ。
ルールは単純だが、それなりに頭を使うゲームでもある。
たとえば、『1』に勝つために『5』を出してしまうのは明らかな損だ。
『1』に勝つためには『2』を出すのが最善ということになる。
このように、次に相手が出すカードを予想することが必要になるのだ。

二人がゲームに乗るなら、早速開始したい。
このゲームは、最初の内は予想が難しい。
自分は、まずは様子見で『3』を出すつもり。

73天雨 サトリ『10cc』:2018/09/16(日) 23:48:51
>>71(GM)
>>72(夢見ヶ崎)

(夢――――そういう能力の持ち主と考えるか、
 深層心理の記憶と考えるか。どちらにせよ、
 この歌がくぬぎさんにとって大事なのは間違いないけど)

(夢で会う『たび』というのが気になりますわね…………それより)

「ええ、そうですわね……仲良くできますわよ。
 けれど、歌う『だけ』では仲良くなれないでしょう。
 『おまじない』をしているだけじゃあ前には進めない。
 仮に絶対に当たる当たり付きのアイスがあっても、
 それを食べなきゃ『当たりの棒』は出ないでしょう?」

                 キィ…

ブランコを少し揺らす。

「おまじないは、自分のやるべきことを勇気で後押ししてくれるもの。
 歌うのは素敵だけれど――――みんなで歌うために、何かをしなくちゃあ」

ここで『出来るに違いない』と宣言するのは簡単だが、
くぬぎにはこれから十年以上の青春時代と、数十年の人生がある。

祈っていれば解決するよ、といってあとは助けてやるだけ。それは『だめだ』。
いくら『見ているだけの仕事』でも、そんなふうに育ててしまうのは『見てられない』。

74『ペイズリー・ハウス』:2018/09/17(月) 19:53:35
>>72-73(ALL)

 カンナ「へー、それじゃ私は ホイっと」

 まつり「中々知的な遊戯ですわね。……それと、トランプの他にも
面白いものを見つけましたわ」

 夢見ヶ崎は、ちょっと私用ルールを交えたトランプ遊戯に誘う。
カンナは『4』を出して、まつりは様子見で『2』と言う感じで……。
(勝敗の結果で、特に心象の悪化とかは考えてないので、順位は
好きに決めて貰って構わない)


>何かをしなくちゃあ

 一方、くぬぎの助言を天雨は行っていた。暫く、くぬぎは
ブランコを揺らして押し黙っていたが。短くも そうだねと言う
ニュアンスの呟きをしてから、ブランコを降りて園の入口に戻る。

 そのまま、彼女は何やら遊んでる三人へ気づき。入口から顔だけ出して
覗く感じで様子を伺う。(合流するなりして一緒に遊ぶのは自由)

 
 園児三人が思い思いに動いていて十数分。ある程度遊んだ頃合いに
アオキが少し大きめに厨房方面から告げた。

 「出来たから、受け取りに来てっ」

 カレーが出来上がったようだ。良い匂いが充満し始める……。

75夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/17(月) 22:13:06
>>73
>>74

「――ほほーう、そうくるか……。
 『いっかいせん』は『カンナのかち』だ……。
 さぁ、『ば』にでているカードをうけとりたまえ……」

     ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ……

(さいしょの『いって』……。
 これでふたりのケイコウがよめたぞ……!!
 カンナは、『つよいカードをさきにつかってしまうタイプ』……。
 はんたいにまつりは、『よわいカードからさばいていくタイプ』とみた……!!)

      ド ド ド ド ド ド ド ド ド

「それでは、『にかいせん』をはじめよう……。
 ……じゅんびはいいかね?――『オープン』ッ!!」

(おそらく、つぎにカンナがだしてくるのは『5』のカード!!
 ならば、わたしは『1』をだすッ!!
 よそうがただしければ、まつりのカードは『1』か『3』……)
 つまり、『にかいせん』も『カンナがかつ』……。
 しかし!!カンナのしょうりは『そこまで』だッ!!)

       バァァァァァァ――――ンッ!!

(はるかに『かくした』のカードあいてに、
 『さいきょう』のカードをうしなったカンナのかちは、そこで『ストップ』するッ!!
 フフフフフ……コレこそが『ゆめみがさき』の『せんりゃく』……!!
 『さいごにかつ』のは――この『アリス』だ!!)

――とかなんとかやってあそんでた。

いか、『さいしゅうけっか』をはっぴょうします。

いちい:まつり
にい:ゆめみがさき
さんい:カンナ

「――カンナのうごきにきをとられて、はんだんをミスってしまった……!!
 まさか、あのきょくめんでハッタリをかますとは……まつりちゃん、やるな!!
 ゆうしょう、おめでとー!!ハイ、はくしゅ〜〜〜!!」

カンナと一緒に、優勝したまつりに拍手を送ろう。
その途中で、くぬぎに気付いて、五人で第二ゲームをやったかもしれない。
しばらくして、アオキの声が聞こえてきて、顔を上げる。

「あ、もう??はやいなー。
 わかった〜〜〜!!いま、いくから〜〜〜!!」

返事をしつつ立ち上がり、子供達と厨房へ向かおう。
その道中で、サトリに話しかける。

「サトリちゃん、どんなカレーだとおもう??
 わたしは、あまくちでヨーグルトがはいってるとおもうな。
 ただの『カン』だけど」

まぁ、ホントは『カン』じゃないことはすぐバレるだろう。
それから、だいじなコトがひとつあった。

「あ、そうそう。
 あしたごぜん10じごろに、そうじとかもろもろのヒトたちがくるんだって。
 で、なんかひつようなモノとかないかってきかれたけど、なんかある??」

76天雨 サトリ『10cc』:2018/09/17(月) 23:24:07
>>74(GM)
>>75(夢見ヶ崎)

「何か思い付いたら私におっしゃいなさい。
 手伝える事なら手伝ってさしあげますから……」

あまり無責任なことはしたくないので、
そこは伝えておく。やるかどうかは自由意志に任せるが。

     ・・・
             ・・・ 
                      ・・・

    「――――あら!出来ましたのね。
     それじゃあ参りましょうか、皆さん」

自分の手札を山札に混ぜてしまって立ち上がる。

「――――私もそんな気がしていますわ。
 私、一番良いと思う所に賭けるタイプなので」

     (この場合『一番悪い』なんてありませんもの)

               「……?」

「ヒト『たち』? イサゴさんは金一とやら一人のような口ぶりだったけれど、
 その彼が孫請けで別の誰かを雇った……という認識でよろしかったかしら?」

            「『金一』から、そう連絡がありましたの?」

夢見ヶ崎の言葉には一抹の疑問が生まれる。
まあこの規模の施設の掃除だし、一人で全部やるのは厳しいのは分かるが、
もし仮にその男自身からは何の連絡も無いなら流石に『社会人』としておかしい。

「ま、必要な物は特に思いつきませんけれど。
 食べ物の備蓄も、あれだけあれば流石に十分でしょうし」

77『ペイズリー・ハウス』:2018/09/18(火) 20:45:51
>>75-76(ALL)

トランプ遊びは中々白熱の盛り上がりとなった。
 軍配は子供達に上がったようだが、誰々が勝ったから有頂天に
なったり機嫌が悪くもなりはしない。少しは、悔しいかなーと
感想は呟かれるだろうが、美味しい御飯を食べれば収まる範囲だ。

『金一』から、他の手伝いが来る連絡が来ない事に天雨は疑問を述べる。
 元々彼女には預かり知らぬからして、男の素性や性格を知らないから
ズボラ故に連絡しないのか、または何か悪意あって隠してる可能性だって
もしかすれば有り得る。ただ、悪意があるとして何を目的にするかだ。


 厨房へ向かうと、幾つかの鍋から湯気が立ち昇っており
カレーの匂いが強烈に立ち籠っている。

 カンナと夢見ヶ崎が要望したチキンカレー、まつりの海産物を
のせられたカレー。天雨のシーフドに、くぬぎのヨーグルト入り
甘口カレーも出来ている。


アオキ「明日の朝の分までは有るからね」

 一日寝かせたカレーは美味しいと言うし、スタンドで自動的に
作れるとして、使うのは自分の肉体。今日作り置きすれば朝食での
手間暇も掛からない事を考えれば良い判断とも言える。

アオキ「それじゃあ、飲み物は好きに注いでね」

 そう言って、彼女は皆の横を通り過ぎて出て行こうとする。

? 夕飯は食べないつもりだろうか……。

78夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/18(火) 23:49:34
>>76
>>77

「ちょっとまえに、じむしつにデンワがかかってきたんだ。
 『キンイチ』のなまえをだしてたから、
 たぶんアイツにたのまれたんじゃない??
 くわしくはわかんないけど」

「まぁ、そそっかしいヤツだし。
 だから、ジブンからはレンラクいれてないのかも。
 そんなんだからウダツがあがらないんだなぁ」

そう言いつつ、自分のスマホを見てみる。
ひょっとすると、連絡が来てるかもしれない。
まぁ、期待してないけど。
ついでに、こっちから確かめてやろう。
以下の文面で金一にメールを送る。

『明日、午前10時頃、三人で来るってこと忘れずに』

      ピッ

送信を済ませたら厨房に入る。
そして、出来上がった数種類のカレーを見た。
内心『頑張りすぎだろ』と思ったが、それを顔には出さない。

「おー、ウマそうだ!!よし、もってくぞ!!」

これは正直な感想だ。
しかし、そこでアオキの行動に疑問を感じる。
まったく『キョーチョーセー』のないやつだなぁ。

これは一人で食べたいのか?
それとも食欲がないのか?
なんにせよ、何か理由があるのは確かだ。

「コレはカンナとわたし、こっちはまつりちゃん。
 アレはサトリちゃんで、そっちはくぬぎちゃん」

「――で、『アオキのぶん』はドレだっけ??」

指差して言いながら、キョロキョロと視線を動かす。
実際に探しているワケではない。
立ち去ろうとしている理由を間接的に聞くためだ。

79天雨 サトリ『10cc』:2018/09/19(水) 02:59:11
>>77(GM)
>>78(夢見ヶ崎)

「私、貴女にならこういう事を言っていいと考えてるけれど、
 ……私はその『人たち』とやらのことを少し警戒していますの。
 いえ、『金一』のことも警戒していると言っていいでしょう。
 この場所は少し繊細過ぎるから……考えすぎなら、良いのだけれど」

懸念を話せる相手は貴重だ。

とりあえず金一への確認は夢見ヶ崎に任せておく。
その男が話を知っているならダメな大人というだけだが、
もし『そんな事は聞いていない』とでも言い出したら?
あるいは返信が無ければ――この箱庭では些細な悪意すら危険に繋がる。

兎も角、今はカレーを食べるのだが。

(アオキさんは――――流石に気まずいのかしら?
 無理してでもここで食べろとは流石に言いづらいし、
 ここは夢見ヶ崎さんの流れに乗るのがいいでしょう。
 私がすべきなのは……食べない理由わけをちゃんと言える、
 自然な逃げ場を用意する事かしらね。無言で去らせるのは不味い)

流石に残された子供三人が気まずいだろうし夢見ヶ崎を止めない。
が、一緒になってアオキを呼び止めるのは彼女に厳しすぎる気はする。

「お皿はこの大きさでよろしかったかしら?
 皆様、手に持つのはスプーンでよろしいですわよね?」

アオキが答えに窮するか、空気が険悪になりそうになってから口出ししよう。
今は何も言わない理由付けとして、全員分の食器を用意しておく。『6セット』だ。

80『ペイズリー・ハウス』:2018/09/19(水) 21:39:45
>>78(夢見ヶ崎PC)

 貴方は金一にメールする。すると、ショートメールで
返信が少しして表示される。

 『おう 宜しくな』

…………簡潔な内容から、ズバリ 件の要らぬ懐疑を呼び起こした
駄目男が、真に駄目男である事を貴方は理解出来た。

 >『アオキのぶん』はドレだっけ?

その言葉に、アオキはピタッと厨房出入口で立ち止まり。少しだけ
顔を顰めて振り返った……。

>>79(天雨PC)

貴方は、胸の中に浮かぶ不安を吐露する。まぁ、今しがた
夢見ヶ崎のスマホから鳴り響いた返信が次の段階で。金一と言う
ウダツの上がらないマダオがマダオなだけだったと理解するだろう。

アオキを含めた全員の食器を用意する。言葉に対して
カンナとまつりは、元気よくYESの答えが返された。


>>ALL

アオキ「……さっきの事は 御免」

そう、くぬぎへと視線を軽く向け。顔を俯いて彼女は謝罪を小声で口にした。

アオキ「…………私 やっぱ。人と一緒にいても
嫌な気分にさせるだけだよ。能力だって、良いもんじゃないし。
 だから、御飯は後で一人で食べる」

 くぬぎとの件が、彼女にとっては深く陰鬱になる要因になってるらしい。
このまま食事は一人ですると告げるが。このままでは、より彼女と
三人の園児達の溝が深まるばかりだ……。

81夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/19(水) 23:02:53
>>79
>>80

こうして、金一と彼が雇ったらしい二人に対する疑いは、
見事に晴れたのだった……。

           《 The End 》

――いや、ちがうな!!
なぜなら、もうひとつの『ふあんようそ』があるからだ!!
あのボケナスの『ひんのなさ』は、
コドモたちに『あくえいきょう』をあたえかねないぞ!!

心の中で、ひそかに『ある決意』を固める。
まぁ、今はあのアホのコトなんかどうでもいい。
それよりも――。

「………………」

アオキの言葉を耳にして、キョトンとした顔をしてみせる。
アオキとくぬぎの一件は、厨房にいなかった自分には分からなかったはずだ。
それを知っているのは、こっそり『聴いていた』からなのだから。

今ここで自分が口出しするのは不自然に思われてしまう可能性がある。
だから、呆気に取られたフリをした――ワケではなかった。
実のところ、本当の意味でキョトンとしていた。

(……おもったよりも、あのコトきにしてたんだなー。
 なんだかんだいって、やっぱりアオキもトシゴロのコドモってコトか……。
 かわいいトコあるじゃん)

とりあえず自分は黙る。
あの場にいなかった自分が先に口を出すのは、やはり変な感じだ。
ここは、実際に現場にいたサトリの判断に任せよう。
自分は、そのフォローをすればいい。
あと、後押しとか必要になった時に備えて、
さりげなくくぬぎの側に移動しておく。

82天雨 サトリ『10cc』:2018/09/19(水) 23:49:46
>>80(GM)
>>81(夢見ヶ崎)

「………………」

(最悪じゃあないけれど、ここまでダメな男なんですのね……!
 この組織に一般的な企業のような『型にはまった常識』が無いのは、
 あの運転手『杉夜』から何となく察せたけれど……これは覚悟すべきかしらね)

最悪の事態である『悪意がある何か』は無いようだが、
これはこれで不安要素だ。知り合いの夢見ヶ崎相手だからこの態度で、
知らない自分や子供達相手にはもう少し『考えて動ける』なら良いのだが・・・

そうではない場合は彼らをあまり長く施設に留まらせたり、
子供達とは積極的に交流させないようなない考えも必要か。
少なくとも『台風で帰れなくなり一つ屋根の下』は厳しそうな相手だ。

            ・・・ともかく。


「アオキさん」

「貴女がもし、『自分が』気まずいから後で1人で食べたいのなら……好きになさい、と。
 私はそう言ったでしょう。貴女が無理をしてまで一緒に食べる必要はありませんもの。
 それで、『後』になって1人で食べるのが嫌になったらこっそり私をお呼びなさいと」

              「そう言ったでしょうけれどね」

(きちんと『謝罪』はしているし、物に当たったりもしないし)

           「けれどね」

      (アオキさんが悪いような空気にすべきではない)

「貴女は今、『人が嫌がるから』、だから後で一人で食べると言いましたわよね。
 もし『皆のために』放っておいて欲しいなら、それは大きな間違いでしてよ。
 私は『皆のために』貴女を引き止めます。当然、その皆にはこの私も含まれていますわ」

「少なくとも私は貴女と食卓を囲むのを嫌だとは思わないし、
 貴女のスタンド能力で作られたこのカレーを喜んで食べますから」

             「それは――――きっと、私だけじゃあないでしょう?」

視線を夢見ヶ崎、カンナ、まつり、そして最後に『くぬぎ』に向ける。

自分1人だけが『そんな事はないから一緒に食べよう』と言っても、
現にくぬぎとアオキは嫌な思いをしていて、自分は部外者である。
重要なのは『くぬぎの口から否定する』事で、自分はお膳立てをする。
アオキの言葉で恐らく静まり返る場を、情感を込めた本音で暖め直し、発現しやすくする。

――それはすなわち。まつりやカンナ、そして誰よりくぬぎを信じる事にはなるが、彼女らの『援護』を期待する事だ。

83『ペイズリー・ハウス』:2018/09/20(木) 22:34:00
>>81-82(ALL)

駄目な大人(金一)の事より、今の状況で重要なのは『アオキ』だ。

夢見ヶ崎は、何時でも手を差し伸べられるように静観しつつ
天雨は言葉を投げかけて、園児達三人にも意識を向ける。

カンナ「? べつに、カンナは一緒で食べても嫌がらないぞ」

まつり「くぬぎさんと、喧嘩でもしたんですの?
ちゃんと謝ってるのですし、わたくしは気にしませんわよ!
 たけとりの令嬢として、罪を憎んで人を憎まずですわっ」

外野の二人のフォローを受けつつ、くぬぎはアオキの言葉を
吟味するように少し硬直してから。おずおずとアオキに近寄る。

くぬぎ「…………わたしも、ごめん ね。上手く しゃべれ なくて」

くぬぎ「……一緒に、あした。みんなで 花火 しよう?」

アオキ「っ! ……うんっ、一緒にやろう」

 ギュッ……!

仲直りの握手が、アオキ くぬぎの間でなされた。
 先ほどまでの蟠りが 一気に解消される音が聞こえた気がした。



…………。


カンナ「このカレー めっちゃうめー!」

まつり「ふーっ! ちょっとだけ感じる辛みと牡蠣が上手く調和されてますわ
我が家の専属シェフに、大人になった時に来て貰いたい腕前ですわね!」

昼のピザはともかく。このカレーの腕前は『プロレベル』だ。
 『サバジオス』の技量が、そう成すからだろう。

くぬぎも、無言であるが食べ進めるスピードが美味しさを暗に表現してる。

アオキ「みんなが満足してくれるなら。良かったよ……」

少し照れくさそうに、はにかんでいるアオキは軽く耳朶を撫でて答える。
 段々と、彼女も皆の輪に溶け込んでいるようだ。

まつり「夕食が終わったら、先程のトランプ以外で見つけた
面白いもので勝負しませんこと?」

 唐突に、まつりはカレーを半分ほど食べ進めて宣言する。
いったい何を始める気だろうか。

84夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/20(木) 23:25:17
>>82
>>83

めでたしめでたし――。
ここでエンドクレジットがながれれば『ハッピーエンド』だろう。
だけど、わたしはさらにうえをめざす。
まだまだこんなもんじゃおわらないぞ!!
てにいれるのは『しんのハッピーエンド』だ!!

     「――しょくよくをそそるほうじゅんなかおり」

  「まるでシルクをおもわせる、きめこまやかなしたざわり――」

      「どこまでもおくぶかく、コクのあるあじわい――」

         「つまり、『このカレー』は――」

             「 『 う ま い 』 」

わざわざ『超感覚』を使って無駄に細かく分析した末に、
あまりにもシンプルな結論を下した。
『アオキ』という『一人の少女』が、
自分たちのために作ってくれた料理の味を表現するのは、
その一言だけで十分だろう。
とてもうまかったのでスプーンが止まらず、すぐに完食してしまった。

「――おかわり!!」

そして、二皿目に取り掛かる。
頭の中では、『今なら、もう一皿いけるな』とか考えていた。
自重しようと思ってはいるが、
時と場合によっては実行しかねないかもしれない。

「その『しょうぶ』、のったッ!!こんどは、わたしがかつッ!!」

     ビシィッ!!

右手の親指を立て、その先を自分に向ける。
内容を聞いていないが、そんなことは気にしない。
何か分からないが、『面白いもの』なら歓迎だ。

85天雨 サトリ『10cc』:2018/09/21(金) 04:04:16
>>83(GM)
>>84(夢見ヶ崎)

(――――これにて一件落着、と行けばいいのだけれど)

             フゥ

内心胸を撫でおろす。
上手く行ってよかった。が、次が無いとも限らない。
まつりとカンナ、まつりとアオキ、カンナとアオキ、
あるいはくぬぎと他の二人……そして明日くる大人たち。

(人間の性根はそう簡単には変わらない。
 それが『個性』で『多様性』ゆえに尊重すべき。
 だからこそ……『衝突』しないように考えなくてはね)

(……まつりさんは世俗の『粗野な人』と接した経験値はあるのかしら?
 こうして一人で託児施設に預けられてるなら、極端な箱入りではないにせよ)

             (……そもそも、どういう人が来るのかにもよりますわね)

天羽サトリは、そういう他者を『見下ろす』考え方をする。
侮っているのではなく、『悪い方に動いても仕方ない』と思う。
そして、その中でも自分だけはそうはならないように――高く立つ。

まあ、今はそんな事よりカレーを食べるのだが。

「素晴らしい。シーフードがただ入ってるだけじゃありませんわね。
 私こういうカレーが好きなんですのよ。……? トランプ以外のゲーム?」

「どうせ時間もあるし、よろしくってよ。危険なものじゃあなければですけれど」

長く講釈を垂れそうになったが、夢見ヶ崎の簡潔な感想で思いとどまる。
それから――まつりの唐突な提案も、理由だ。いったい何をしようというのだろうか?

86『ペイズリー・ハウス』:2018/09/21(金) 22:57:36
>>84-85(ALL)

夢見ヶ崎は、収束しあい結末にてなされるであろう
『ハッピーエンド』に想いを馳せ。
天雨は、明日の来訪者に対し幾つか憂いを持って。

両者心境は違えどカレーに舌鼓をうつ。

まつり「やるのは『キャット&チョコレート』ですわ!」

カンナ「きゃ……なんだ、それ?」

まつりは、トランプのようなカードを高く掲げる。
 そして簡単な説明を全員にし始める。
(※詳しいルールについては、ネットにて見て下さい)

まつり「私たち三人と、アオキさん含めた
明日美さまとサトリさまの三人のチームで優秀な答えを
三回戦のうち、2ポイント先にとったほうの勝ちですわ!
 なお、この竹取まつりの独自ルールも加えての勝負!
優勝したチームには、厨房で見つけた。この!」

 ドンッ

まつり「……期間限定! 星見町クーポン券
10000円分を賭けて勝負ですわあああ!」

カンナ「いええええええええええぇぇいっっ!!」

園児たち三人は、クーポンをかけて勝負を挑んできた。

まつり「まぁ、行き成り本番は厳しいと思うので
チュートリアルですわ。
『貴方がたはワインの保管庫に入った。だが、入ったと同時に
扉は閉められてしまった!』
 この状況を切り抜くのに使用できるアイテムは『二つ』ですわ!」

夢見ヶ崎
『かばん』『自己啓発本』『チョコレート』
天雨
『ズボン』『チェーンソー』『札束』

まつり「なお、自分のスタンド能力込みでの回答もオッケーですわ!
これが独自ルールですの!」


 どうやら、ちょっとした大喜利のようなゲームらしい…。

87夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/22(土) 00:09:58
>>85
>>86

「ほうほう、おもしろそうじゃん。やろーぜ、みんな!!
 ところで、『しょうひん』はさんにんでやまわけってコトでいいの??」

もらったら、新しいネイル用品でも買おう。
ちょっとお高めのヤツに手を伸ばすか?
それとも普段から使ってるヤツをドッサリ買うか?

「いやぁ〜〜〜まようなぁ〜〜〜」

頭の中で皮算用をしつつ、頭を働かせる。
二つということは、パターンは三つしかない。
『カバン』と『本』、『チョコ』と『カバン』、『本』と『チョコ』だ。
だけど、どれもこれも、ろくなもんがねーな!!
『二つ』と言われたので『ワイン』は使わない方向で考えよう。

「よし、わかった!!
 チョコをつまみながらワインでイッパイやって、
 『だっしゅつにせいこうしたユメ』をみる!!」

「――ってのは、かるいジョークで……」

「ホンをカバンにいれてグルグルふりまわしてからドアにたたきつける!!
 あ、『わたし』がじゃなくて。
 なんかいもたたきつけてハデなおとをだして、
 なかにダレかいるコトをソトにしらせる!!」

「または、ホンをやぶいてチョコで『ヘルプミー』ってかいて、
 ドアのスキマからソトにだす!!」

「――まぁ、わたしのは2ばんめのヤツでいいよ。
 くそ!!われながら、これじゃあダッシュツできるきがしねえ!!
 サトリちゃん、ヘルプミー!!」

張り切りすぎて合計で三つも答えてしまったが、
コレはチュートリアルってコトだし。
もちろん本番は一つしか答えないつもりだ。
そして、これはチーム戦。
自分がポイントを稼げなくても、他にも仲間はいる。
大きな期待を込めた眼差しを向けながら、サトリの解答を待つ。

88天雨 サトリ『10cc』:2018/09/22(土) 01:36:43
>>86(GM)
>>87(夢見ヶ崎)

「確か――――自主製作のテーブルゲームですわね。
 よろしくてよ、そういう『発想』ゲームは私の得意分野」

                   スゥ

      「私の答えは……」

期待の視線に指を立てる。

「使うのは『札束』と『チェーンソー』で良いでしょう。
 扉をチェーンソーで切り開く。シンプルで良い。それに、
 現代のワインセラーなら電気が通じていないとは思えない」

言葉に迷いは作らず、決まった事のように話す。
前提条件の後出しは、ゲームとして『しづらい』。
だからこそ今見えている条件を有効活用する。

「ただ貴女がた、と言っているのですから人は複数いる。
 その状態でチェーンソーを手に取れば……つまり、
 チェーンソーで脱出する前に札束で懐柔しなくては、
 武器を持っている私を恐れて犯行が起きかねませんわね」

(脱出とチェーンソーは相性が良すぎて逆に難しいですわね。
 サバイバルを出来るようなアイテムがあればよかったのだけれど)

と、つらつらと述べ終えて口を閉じる。
間違いかもしれないが、チュートリアルなら問題は無い。

それと――――賞品のクーポンにはコメントしないでおく。
山分けにするのが面倒な額だし、アオキから夢見ヶ崎が欲しがるならそれがいい。

89『ペイズリー・ハウス』:2018/09/22(土) 23:27:59
>>87-88(ALL)

まつり「あ! クーポンは三万円ぶんあるので。
一人一万相当のクーポンは配れますわよ!」

付け加えた賞金の配当額と共に、チュートリアルがなされる。

アオキ「私のアイテムは『傘』『コート』『ナイフ』だったから……。
まず『コート』で暖をとりつつ、ナイフは十徳ナイフだったので
サバジオスの能力込みでナイフを扱い施錠を解除して脱出するかな」

まつり「うんうん! good! ですわ!
じゃあ本番をいきますわよ!」

  

キャット&チョコレート
『地下室へ降りる。そこは広い墓地だ
大量のグール(食屍鬼)が地面から這い出てきた。
貴方は奥にある宝を取らなくてはいけない……』

夢見ヶ崎『携帯電話』 『猫』 『ライター』

天雨『液体の入ったビン』 『コイン』 『スーツケース』

まつり「最初からハード! 使うアイテムは三つ全部ですわ!

尚、アオキのアイテムは『拳銃』 『油』 『オルゴール』だ・・・。

90夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/23(日) 21:49:11
>>88

「ふむふむ、あらかじめ『ゲンナマ』をチラつかせるとはぬかりがない……。
 さすが、オジョーサマだ!!サトリちゃん、やるな!!」

「ほうほう、いわゆるピッキングですな。
 わたしも『ヘアピン』でガッコーの『ロッカー』あけたコトあったなぁ〜〜〜。
 このちょうしで、ウチらが『しょうひん』ゲットするぞ!!」

大きく頷きながら、サトリとアオキの答えに同意した。
二人とも、自分よりも良い答えだったと思う。
っていうか、わたしだけダッシュツできてないぞ!!
おいていかれてしまった!!
こうなったら、あびるほどワインのんでゲンジツトウヒするしかねーな!!

まぁ、二人だけに任せるつもりはない。
自分は自分の考えでやってみることにする。
その結果、『こうなった』のだった。

91夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/23(日) 21:49:48
>>89

『 ALICE IN THE DEAD LAND (邦題:死霊の国のアリス) 』
          
                                   《PG12指定》

こんどの『アリス』のぼうけんのぶたいは、
ちにうえたグールたちがはいかいする、
おそるべき『シリョウのクニ』だった!?
アリスは、あいぼうのネコ『チェシャ』とともに、
おそいくるグールのむれをかわし、
セカイをすくうチカラをもつ『イニシエのオーブ』をおいもとめる。
どとうのおおたちまわりのすえ、
アリスたちは『オーブ』がふういんされている『ちかぼち』――
つうしょう『グールのす』にあしをふみいれる……!!

「アリス、入れたはいいけど、これからどうする気だい?
 このままじゃ、ボクらはグールのオヤツにされて、
 アタマからバリバリ食べられてしまうよ」

「ここまでくれば『オーブ』はめのまえ……
 よし、まずはあわてずに『もちものかくにん』からだ。
 どんなしなものだろうと、そこに『きてん』があわされば、
 そのいりょくは『すうじゅうばい』にもなるという!!」

「アリスの言うことはアテにならないからなぁ。
 明日、『隕石が地球に落ちて人類が滅亡する』って話の方が、
 まだ信じられる気がするよ。
 で――今あるのは、『ライター』と『携帯電話』だけみたいだ」

「いや、もうひとつあるぞ。とうだいもとくらし。そう、それは『ネコ』だ!!」

「マジに血も涙もないな……。グールが驚くレベルだよ。
 一応相棒なんだから、
 もうちょっと優しくしたってバチは当たらないと思うけど……」

「まぁまぁ、それくらい『しんらい』してるってコトさ!!
 『オーブ』、まってろよ……。
 もうすぐオマエを『アリス』のモノにしてやる!!」

まず、墓石に身を隠し、音量最大にして『携帯』のアラームをセットする。
そして、その携帯を別の墓石の陰に投げ入れる。
それから、相棒の『チェシャ』もとい『ネコ』を囮にして、
グールの群れを片側に引きつける。

その反対側には、さっき投げた『携帯』が落ちている。
そのアラーム音によって、『ネコ』に釣られなかったグールを誘導する。
こうすることで、真ん中を手薄にする。

      ドギュンッ!!

『ドクター・ブラインド』を発現し、『ライター』を持たせる。
あとは、『ドクター』を正面に立たせてグールどもを突っ切る!!
わがあいぼう『チェシャ』よ、キミのコトはわすれない……!!

「どけどけ!!ちかよってくるヤツから『がんめん』に『ほうか』するぞ!!」

近付いてくるグールの顔を、片っ端からライターで焼く。
『ドクター』のスピードと精密さ、そして『超感覚』を駆使すればたやすい。
五感で獲物を追ってるなら、それを使えなくしてやる。
感覚を喪失した隙に、正面から蹴りを入れて突き飛ばして後ろに倒す。
そして、ドミノ倒し』みたいにどんどん転倒させていく。

   「うおぉぉぉ〜〜〜ッ!!」

                バシッ

                   「――とったッ!!」

「『アリス』!!こっちは、もう限界だ!!『オーブ』はまだかい!?」

「おお、『チェシャ』!!ぶじだったか!!しんぱいしてたぞ!!
 このとおり、みごと『オーブ』はゲットしてきたぜ!!」

「相棒を囮に使っておいて、よく言うよ……。
 『ボクが実はネコじゃなかった』っていう話と同じくらい信じられるね。
 とにかく……今は脱出しよう!」

          (中略)

かくして、『古のオーブ』の力で『死霊の国』は救われた。
しかし、『アリス』の冒険に終わりはない。
生まれ変わった『死霊の国』を後にし、『アリス』は『チェシャ』と共に、
次なる冒険の舞台に旅立つのだった……。

92天雨 サトリ『10cc』:2018/09/24(月) 04:32:58
>>89(GM)
>>90-91(夢見ヶ崎)

クーポンに関してはこれで安心というわけだ。

「十得ナイフとは考えましたわね、アオキさん。
 一見使い道のない道具でも可能性はある、か」

「それにしてもさすが、想像力が豊かですわね……夢見ヶ崎さんは」

言ってから煽りっぽい気がしたが、本音は中々配慮を噛ませ辛い。

(私もそういうクリエイティビティのようなものを持つべきかしら?
 持とうとして持てる物かは分からないけど、無理という事はないでしょう)

自分もストーリー仕立てにしようとも考える。
が、少し考えると――――それは今の誉め言葉を台無しにする気がした。

(参考にするとしても次から、今やると『私もそれくらい出来る』のような、
 本音とかけ離れた『アピール』だと思われてしまう可能性がありますもの)

               (……そう、本音とは離れていること。
                プライドの為に『勝つ』必要はない。
                彼女が優っている事は既に知っているから、
                それを評価し、あえて挑まないのも一つの一流)

上手く行く前提みたいな考え方だが、
失敗する前提というのも変な話だ。
他人絡みや未知の場所、初挑戦の物事なら下限を想定して然るべき。
だが天羽サトリ一人で完結する事象であれば『自信』を持って挑めばいい。

夢見ヶ崎が自分より圧倒的に優れているのは『想像』や『発想』、
そして『気安さ』『親しみやすさ』といった部分だと考える。
そこで無理に勝負をする必要はないと理性でしっかり確認する。

「なら、私は――――まず、液体を頭から被りますわ。
 食屍鬼の存在が噂される地に来る私は当然、『聖水』を持ち込んでいる」

(問題はコインとスーツケースだけれど――――後者が厄介ですわね。
 中身まで勝手に指定してしまうのは、ゲームとしていかがなものでしょう)

           (それなら)

「それだけでは不安ですから、コインを遠くの壁に投げ当てますわ。
 彼らは音や光る物に反応する。盗掘者を妨げる番人なら当然の性質。
 その隙に宝がある場所まで近づき――――スーツケースの中に宝を入れる」

「スーツケースは空。地上に出た時に宝を怪しまれず運ぶための物でしたけど……
 コインを使った時に、ゾンビの特性を把握できたのは重畳でしたわね。
 光る物に反応して宝を盗んだ物を攻撃するグール達は、これで見つけられなくなる」

                 「これで3つ。いかがかしら?」

93『ペイズリー・ハウス』:2018/09/25(火) 21:19:26
>>91-92(ALL) (レス遅れ失礼しました)

夢見ヶ崎こと、『アリス』は『携帯電話』での攪乱
ドクター・ブラインドと『ライター』のコンボでグールを撃退しつつ
相棒の『猫(チェシャ)』との共同作業で宝をget!

天雨は財宝を衆人の目に晒さないようケースを上手く使い。
さらに『液体入り瓶』を聖水として扱い、コインをグール誘導に使った。
見事に、こちらも財宝getだ!


まつり「んっん〜〜! トレビアンっですわ!
二人共good!」

アオキ「私は、アイテムが使いやすかったから。
油を撒いてグールの足取りを乱しつつ『オルゴール』で一か所に纏める。
サバジオスで精度がプロとなった『拳銃』でグールを一網打尽。
安全になってから財宝をgetかな」

年長者チームの回答は最初から順調だ!

描写は省くが年少チームのキャット&チョコレートも中々優秀だったが
年長者チームに最初が軍配上がった。
(※特に重要性はないので。余りに問題に対し回答がGMにとって
違和感を抱く内容でない限り、PCチームが勝つ進行です)

カンナ「うーんっ、最初はそっちの勝ちが。
えーっと、次の問題だぞ!」

君は 魔法陣のある部屋に到着した。魔法陣の中から邪悪なる存在が
召喚され、部屋の中にいる君へ襲い掛かるだろう!

使用アイテムは、今回も『三つ』だ!

夢見ヶ崎 『鏡』 『仮面』 『ダイナマイト』

天雨『口紅』 『スプレー』 『ロープ』

94夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/26(水) 00:27:23
>>92

「いやいやいやいやいやいやぁ〜〜〜」

サトリに褒められて、少し照れたように頭をかく。
今のように視力がなかった頃は、何かと想像を働かせることが多かった。
だから、色々なことを空想するのは昔から好きだった覚えがある。

「『ちてきでクールなおんな』をえんしゅつしても、すぐボロがでそうだし。
 いや、ひょっとすると、もうておくれか??
 それに、わたしにはサトリちゃんのマネできないしさ」

まだ出会って間もない間柄ではあるが、これまでの関わりの中で、
『天雨サトリ』がどういう人間なのかは、
ある程度分かっているつもりだった。
彼女は『落ち着いた態度』と『論理的な思考』の持ち主だ。
冷静沈着な彼女だからこそ、
このゲームの中でも『理路整然とした答え』を弾き出してくれるだろう。

自分が同じことをやろうとしても、自信はあまりない。
なので、自分は場を盛り上げる役割に徹することにした。
そういう人間が一人くらい混じっていた方が、
楽しい雰囲気作りには都合がいい。

実際は、単に自分がやりたかっただけというのもある。
サトリという『しっかりした後ろ盾』があるからこそ、
自分は思いっきり自由に振舞える。
もし自分一人だけだったらできなかったかもしれない。

95夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/26(水) 00:29:14
>>93

『ALICE IN THE LAND OF CHAOS(邦題:混沌の国のアリス)』

                      《映像特典付きディレクターズカット版》

『シリョウのクニ』をあとにした『アリス』と『チェシャ』は、
『ヤミのまじゅつし』にしはいされた『こんとんのクニ』におりたった!!
もとは『ちつじょのクニ』であったが、
あるときあらわれた『ヤミのまじゅつし』によってだいちはコウハイし、
ヒトビトのココロはみだれ、キョウボウなモンスターたちがばっこする、
『こんとんのクニ』にかわりはててしまったのだという。
むらのちょうろうからふるい『いいつたえ』をきいた『アリス』と『チェシャ』は、
ちつじょをつかさどる『ヒカリのせいれい』のチカラをかり、
『ヤミのまじゅつし』とそうぜつな『まじゅつがっせん』をくりひろげたすえ、
ついに『ヤミのまじゅつし』をうちたおすことにセイコウしたのだが……!?

「ぐッ……私を倒して勝ったつもりでいるのか?
 この身が滅びても、我が力が費えることはない!
 守ろうとした世界の終焉を――その目で見届けるがいい!!」

        グラリ……
                ドサッ……

「ふぅ〜〜〜ッ、かったッ!!
 さすがのアリスも、こんどばかりはヤバかったな……!!
 きょうてきリストのベスト5にはいるくらい、てごわいあいてだったぜ……」

「勝てたのはいいけど……あいつの言い残したことが気になるな。
 アリス、まだ何かありそうだよ。気を抜かないようにね」

「まったくチェシャは、しんぱいしょうだなぁ。
 あんまりしんぱいしすぎてると、アタマのけがぬけるぞ。
 だいじょうぶだって。ほら、もうゼンゼンうごかないし。
 これで、ゼンブもとどおりに……」

「アリス!あいつの後ろに『魔方陣』がある!
 きっと、やられる前に仕掛けておいたんだ!」

「ハッ!?し、しまった!!いそいでこわさなければ!!」

しかし、かんいっぱつでまにあわなかった!!
『ヤミのまじゅつし』がさいごにのこした『マホウジン』がはつどうし、
きょうだいなアクマ――『こんとんのけしん』がすがたをあらわす……!!
『こんとんのけしん』は、そのりょうめをブキミにかがやかせ、
しっこくの『こうせん』をはなってきた!!

「いまこそ、コレをつかうとき!!
 『さんしゅのジンギ』のひとつ――『セイレイのカガミ』!!」

『カガミ』を盾のように掲げ、放たれた光線を反射する。
はね返された『漆黒の光線』は『混沌の化身』自身に命中し、
一瞬の隙が生まれた!!
そこで、すかさず『第二の神器』を振りかぶる!!

「『だいにのジンギ』――『セントエルモのひ』だ!!」

『セントエルモの火』すなわち『ダイナマイト』を投げつける。
ただし、『混沌の化身』にではなく、その『頭上』にだ。
天井を破壊し、落下する瓦礫で『混沌の化身』の動きを封じる!!

「かった――ッ!!あれ??まだうごいてる??
 もうナニもかんがえてないんだけど。え??え??」

「――アリス!!『仮面』だ!!『第三の神器』を使うんだ!!」

「おお!!ナイスだ、チェシャ!!よし、『かめん』をかぶったぞ!!
 で、つぎはどうするんだっけ??」

「違うよ、アリス!そいつの顔に『仮面』を被せるんだ!
 そいつは『混沌の象徴』……だから、『秩序の仮面』を被せれば……!」

「なるほど……『そういうコト』か……!!
 さすがは、わたしのあいぼうだ!!
 そうとわかれば、アイツがたちあがるまえに!!」

『秩序の仮面』を被せた瞬間、『混沌の化身』は断末魔と共に消滅した。
『混沌』が『秩序』によって塗り替えられたのだ。
こうして、『混沌の国』は『秩序の国』に戻ることができた。
しかし、アリスの冒険に終わりはない。
『秩序の国』を後にしたアリス達は、また新たな世界へ旅立つのだった……。

96天雨 サトリ『10cc』:2018/09/26(水) 00:52:30
>>93(GM)
>>94-95(夢見ヶ崎)

「およしなさい夢見ヶ崎さん、
 私が知的でクールなんて……
 本当のことでも照れましてよ」

         フフフ

「ま、貴女も知的ですけれどね。『知』はテストの点だけじゃない」

理路整然とした思考も知だが、
無から有を生み出す思考も知だ。
サトリは上に立つ者ゆえに前者を優先するが、
新しい何かを作る者には後者もまた求められる。

(私もいずれは新しいプロジェクトを生み出す必要がある。
 この際ですから、夢見ヶ崎さんの考え方を参考にしましょう。
 そう……勝つ勝たないではなく、リスペクトして学ぶのこそが肝要)

             「……さて!」

「邪悪なる存在――――ご存知でしょうけれど、私は日本人。
 そして現代人でもありますわ。魔法陣と言えば西洋風ですが、
 出て来る存在まで西洋の存在とは言ってない。むしろ私に合わせるべき!
 ホラー映画でも、邦題で『ピエロ』が暴れたところで怖さは半減でしょう?」

「出てきたのは妖怪『口裂け女』――――それを事前に知っていた私は、
 頬まで口紅を塗りたくった自分の口を見せ、彼女を『動揺』させられる。
 まさか遭遇した相手まで口裂けとは普通思わないでしょうもの……
 私は、そこにすかさず整髪スプレーをかける。『ポマード』はご存知でして?
 口裂け女はポマードという整髪料に弱いんですの。スプレー状のそれを振りかける。
 そして弱った所をロープで拘束ですわ。『物理攻撃』しか出来ない妖怪ですもの」

                   フッ

「縛れば何もできない。これにて妖怪退治完了ですわね」

厳密には口裂け女は妖怪じゃないが、そこまで詳しくは知らない。
ポマードも普通スプレーじゃないのだが、『そういう物もある』。
話の幅を広げるために、『オカルト』分野の本も多少読んでいて助かった。
専門知識は専門家に任せればいいが、浅く広い知識を持っておいて損する事は無い。

97『ペイズリー・ハウス』:2018/09/26(水) 22:44:35
>>95-96(ALL)

魔法陣から出て来た邪悪なる存在! それを打ち倒すために
各自が産み出した対応!

夢見ヶ崎は邪悪なる存在を『混沌の化身』として
『鏡』で光線を跳ね返し『ダイナマイト』で天井を破壊!
 更に、とどめに秩序の『仮面』で相手を消滅させた!

天雨は邪悪なる存在を『口裂け女』と称した!
 口紅で自分も口が裂けてると思わせて立ち往生させてからの
整髪ポマード『スプレー』で怯ませる! 最後にロープで捕縛だ!

まつり「う〜〜〜〜〜んっっ! ナイスっっ!」グッ

カンナ「ダイナマイトで簡単に相手を倒そうとしなかったのも良いし、
敵が口裂け女で、スプレーがポマードも面白いなー」

くぬぎ「けど……ラスト……難しい」

 アオキ「確かに、この内容は難しそうかな。
あ、因みに。私のアイテムは『ペンダント』 『懐中電灯』 『マネキン』

だから魔法陣から出た悪魔へと予め私と同じ格好にさせてた『マネキン』を
立たせて囮にしたあとに、悪魔が嫌う聖なる『ペンダント』を身に着けつつ
日の光を嫌う悪魔へと、特に光源が強い懐中電灯を浴びせて撃退する」

まつり「アオキさんのもナイスでしたわ! では 最後ですわよ!
最初に使った札も全部シャッフルしつつ、いきますわ。はい!」



 キャット&チョコレート 最終問題

貴方の目の前に、貴方が一番怖いと思う存在がいる
なんとかしてみよう

アイテム

夢見ヶ崎『猫』 『コップ』 『ナイフ』

天雨『チョコレート』 『拳銃』 『コイン』

アオキ『ナイフ』 『ライター』 『札束』

98夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/27(木) 20:21:23
>>96

「おっ、いいね〜〜〜。
 まさか、『くちさけおんな』がでてくるとは……。
 さすがのわたしもよそうがいだった……!!
 『とうよう』と『せいよう』のユウゴウをやってのけるとは、やるな!!
 こりゃあ、いっぽんとられた!!」

なんというか、もっと優等生っぽい答えが返ってくると思ってた。
だから、これは意外な展開だった。
サトリのコトは、それなりに分かってきたつもりでいた。
しかし、彼女にも、まだまだ知らない一面があるようだ。
それを見るのも、自分にとっては楽しみの一つと言える。

「しょうひんとして、サトリちゃんには、
 わたしのことをニックネームでよぶケンリをシンテイしよう。
 『ユメミン』でもいいし、『アリス』でもOK!!
 でも『アルカラ』だけは、もうしわけないけどNGで!!」

「それか、『ファーストネーム』でもいいよ」

子供達のこともそうだが、できればサトリとも仲良くなりたいと思っている。
呼び方が変わったからって親しさが増すとは限らない。
そもそも断られそうな気がする。
彼女は親しくなるまで時間がかかりそうタイプに見えるし、
親しくなっても、あまり馴れ馴れしいのは好きじゃなさそうだ。
でもまぁ、いちおういっておこう。いちおう。

99夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/27(木) 20:25:17
>>97

『ALICE IN THE DARK(邦題:暗闇の国のアリス)』

                   《『アリス・トリロジー』完結編》

アリス達が最後に訪れたのは、『深い闇』に閉ざされた『暗闇の国』だった。
ここを抜けた先に、アリスが目指す『光の国』があるのだ。
アリスはチェシャと共に、全てを包み込むような『闇』の中に歩み寄る。

「チェシャ、『見えない』よ。私には何も『見えない』」

「――やっぱり『光の国』なんてないのかな」

気落ちした表情で、闇に覆われた空間に座り込む。
隣には、おなじみのチェシャがいる。
今は見えないけど。

「あるよ。『光の国』は、きっとある」

「ありがと。ちょっと気が楽になった。ちょっとだけね」

「気休めじゃないよ、アリス。ボクには見える。
 この闇の向こう側に微かな光が見えるんだ」

「――え?」

『猫』の暗視能力は、人間よりも遥かに高い。
だから、チェシャには闇の先にある小さな光が見えるのだろう。
そこが、私の目的地でもある。

「アリス、行こうよ。あの光を越えた先にさ」

「私――『このまま二度と見えなくなったどうしよう』って思ったんだ。
 それで弱気になってた。でも、もう大丈夫」

立ち上がって、チェシャに笑いかける。
やっぱり見えないんだけど。
私が一番怖いと思うのは『光を失うこと』だ。

だから今、私の前には『闇』がある。
だけど、たとえ『闇の中』でも進むことはできる。
私は、それを知っている。

「『ドクター・ブラインド』」

     ズギュンッ

スタンドを発現する。
視覚を持たない代わりに『超人的四感』を持つ、もう一人の自分。
私の手の中には『コップ』と『ナイフ』があった。
私は、ナイフの刃をコップにぶつける。
このコップは『金属製』だ。

        キィィィィィィィィィィ――――――ン

       エコロケーション
「いわゆる『反響定位』ってヤツ」

『反響定位』――音の反射によって周囲の状況を探知する方法だ。
動物の中では、コウモリやクジラなどが、これを行うことで知られている。
ちなみに、動物ほどじゃないけど『人間』でも少しはできるよ。
『目の見えない人』が、杖で床を叩いた時の反響で、
近くに壁があることが分かったりするんだって。
まぁ、本で読んだ話だけど。

『超人的聴覚』を使って、跳ね返ってきた音を聴き取り、地形を把握する。
『チェシャ』は『目』で『光』の位置を掴み、私は『耳』でそこまでの道順を掴む。
一人と一匹の共同作業だ。

「――よし、行こう!!」

「うん、それでこそ『アリス』だ」

チェシャと一緒に力強く歩き出す。
やがて、私達は『闇』を抜け、『暗闇の国』を出ることができた。
たどり着いた先にあったのは『光に満ちた世界』――『光の国』だ。
アリスの冒険は、これからも続いていく。
だけど、今はこの辺りで一休み――。

        《THE END》

100天雨 サトリ『10cc』:2018/09/27(木) 21:59:09
>>97(GM)
>>98-99(夢見ヶ崎)

「上を目指すなら常に進歩する必要がありますもの。
 オカルト分野にそれ程明るい訳ではないけど、
 使える物なら使ってみるのも『統率者』の能力ですわ」

貴女のやり方をまねた、とは言わない。
勝ち負けではなく、わざわざ口に出す事でもない。

「明日実さん。と呼ばせていただこうかしら。
 貴女も私をファーストネームで呼びますし」

    「統一した方が何かと良いでしょう」

ニックネームで仕事仲間を呼ぶほど気安い意識はない。
プライベートな友達じゃあないんだし、そこはラインを引く。
いざという時天秤に載せる物を間違わないためにも。
リスペクトに仕事を逸脱した『慣れ合い』を混ぜないためにも。

(そう……友達を作りに来たんじゃないんですもの)

「さて、一番怖い物――――あまり想像もつきませんわね」

貧困とかそういうのは怖い気もするが、
リアリティを以て想像する事が出来ない。
親の会社がいきなり倒産しても貧困にはならないし、
その場合不幸に見舞われるのは自分より周囲の人間だろう。

あるいは無くしものか……大怪我。そう、大怪我は怖い。
もし頭や手が使い物にならなくなったら自分に価値は残るだろうか?

               ゾク

(……って、そういう話じゃあありませんわよね。
 目の前に再起不能の私の幻が現れたら介錯して終わり。
 今わの際にチョコでもかじらせて、冥土の土産にコインを。
 …………そんなの、ゲームの回答としていかがなものかしら)

            (……何か、何かもう少し……マイルドに)

夢見ヶ崎の答えはなんとなく察している。彼女は以前『目を患った』のだろう。
その影響で今も弱視なのだとすれば、ここまでの考えにつじつまが合って来る。

「私の目の前に現れたのは『誘拐犯』。営利目的で私を監禁していますの」

当然そんな経験はない。サトリの結論は『今新しく恐怖を作る事』だ。
夢見ヶ崎のように器用なストーリ―は作れないが、自分にも想像力はある。
先ほどゼロから作り出したのとは違い、自分の中の原初の恐怖に形を与える。

「私の食糧はチョコレートだけ……拳銃は犯人が手にしていますわ。
 私に出来る事――――『コイン』で日の光を反射させて犯人を怯ませ、
 その隙に『10cc』で思い切り頭か顎、急所を殴打いたしますわ。
 一般人にはスタンドの間合いを見切れませんから、成功するでしょう。
 そもそも殴ったという事にすら気づけるかどうか……といったところ」

「そしてその隙に拳銃を奪い取って、突き付けますわ。
 ……勿論私が持っていても大した脅しにはならない。
 迷わずに撃てるような精神性でもございませんし……
 仮に撃てるとしても、向こうはそうは思わないでしょう。
 ゆえに私は即座に、銃口にチョコレートを詰め込んで撃てなくしますわ。
 チョコはコインでも使った窓から差し込む日と、体温で溶かし済み。
 それから『10cc』の果実を食べて、監禁されていた疲労を癒す私……」

もちろん実際にはそんなスマートな自分はいない。
その場で思い付けるか、思い付いたとして動けるか。
サトリはその懸念を自信で塗りつぶす。そうやって上へ行く。

「後は――――丸腰で負傷した一般人と元気なスタンド使い。間違いなく私の勝利ですわね」

101『ペイズリー・ハウス』:2018/09/29(土) 19:52:57
>>99-100(ALL)レス遅れ失礼しました

夢見ヶ崎にとっての『恐怖』は『光が閉ざされる事』。

天雨は、不鮮明な自身の恐怖を『誘拐犯』と言う形にする。

そして、口八丁でアイテムと自由な想像力で困難な展開を
切り開く創造をする。これぞ『キャット&チョコレート』の醍醐味!
 見事、二人の答えは感心の出来栄えとして園児達に評価される。

まつり「あら? アオキさん、答えは……」

アオキ「…………ん、あっ 御免……一番の自分にとっての恐怖ってのを
改めて思い返してみて……ちょっとね。
 私は、そうだね。ある『犯罪者』がいる とても凶悪な犯罪者だ。
本来、私みたいな非力じゃ太刀打ちできない奴だけど千載一遇の
機会で、私は奴の頭上を陣取れるタイミングがあった。
 『ライター』で大量の『札束』を燃やし、上空から降り注ぐ
形に至れた私は。その後、サバジオスの手で投げ『ナイフ』を
プロレベルで投擲し、そいつを倒した……こんな所さ」

カンナ「いいんじゃないか? けど、怖いもんかー。
うちは、嫌いなもんは酢豚のパイナップルかな!」

まつり「それは、怖いものではありませんわっ」

 やいのやいのと、騒ぐ中。くぬぎがぽつりとつぶやく。

くぬぎ「……おふ……ろ」

アオキ「あー、もう良い時間だね。それじゃあ入ろうか。
どう言う順番で入る?」

 そろそろ入浴時間だ。どう言う順番で、どの人と入ろうか?

102夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/29(土) 20:57:15
>>100
>>101

「うんうん、あらためてよろしく!!」

大きく頷いて、サトリに笑顔で言葉を返す。
名前呼びはともかく、ニックネームうんぬんは半ば冗談だったので、
特に気にしない。
サトリの性格を考えれば、まずありえないだろうと思っていたし。

「しかし、ユーカイかぁ……。オジョーサマってたいへんなんだなぁ。
 まさかサトリちゃんが、そんなくろうをしていたとは……」

神妙な表情で、そんなことを言っている。
どうやら、『実話』に基づいた話だと思ったようだ。
真実味のあるサトリの話しぶりから、そう感じたらしい。

「いや〜〜〜、なかなかたのしかったね〜〜〜。
 あ、わたしはまだほかにもコワいモノがあるんだー。、
 『まわらないスシ』とか『こうきゅうヤキニク』とか、
 『すうりょうげんていチョコレートケーキ』とか。
 うわぁー、コワイなぁ〜〜〜。コワいコワい」

アオキの怖いものというのは少し気になったが、今はいい。
ベツに聞かなきゃいけないコトでもなし。
それよりも――。

「あー……おフロねぇ……。わたしはベツにいつでもイイんだけど……。
 サトリちゃん、どうしよっか??」

まだ幼稚園児くらいなんだし、一緒に入浴した方が良さそうな気がする。
全部で6人いるから、3人ずつに分けるか?
それとも、2人ずつに分けて入るべきか……。

「『ひとりではいりたい』ってヒトがいないんだったら、
 『3にんずつではいる』か『2ずつではいる』かするのがイイとおもうんだけど。
 おフロのサイズにもよるけどね。ここのおフロって、ひろかったっけ??」

それ以外にも、ちょっとした『個人的な問題』もあったが。
たぶんなんとかなるだろう――と思っているので言わなかった。
ただひょっとすると、一緒に入るヒトにアレコレ頼むことになるかもしれない。

103天雨 サトリ『10cc』:2018/09/29(土) 22:47:33
>>101(GM)
>>102(夢見ヶ崎)

「私の苦悩溢れる過去はご想像にお任せしますわ。
 ……こういう知的ゲームは良いものですわね」

最後のお題は若干デリケートだったが、
子供にそう言う配慮を求めるのは違う。
成長してから、あれはマズかったかも?と思えばいい。
べつに思わなくても良い。あくまで、ゲームなのだから。

「っと、そうですわね。台風が近づいてきているなら、
 お湯が出なくなってもおかしくはないのだし……
 というのは大袈裟だけれど、早めに浴びておきましょうか」

(子供三人は一人でお風呂に入れるか不安ですわね。
 夢……明日実さんやアオキさんは、流石に平気でしょうけど。
 いや、目が弱いならシャンプーとリンスを間違えたりするかしら?)

「広さにもよるけれど……3人がいいんじゃあないかしら。
 3回に分けて入浴していたらお湯が冷めてしまうでしょう。
 追い炊きが出来るなら別に、6回に分けてもいいけれど。
 ともかく、私と明日実さんは分けて入るとして……」
         
「そう、一人風呂をお望みの方はいらっしゃらないのかしら?
 流石に――――お風呂を共にするのを強要は出来ませんものね」

夢見ヶ崎の状態が推測通りなら、小さい子と二人きりするのは不味い気がする。
まあなにもかも、子供たちの持つ『条件』と、風呂の実物を見てからではあるか。

104『ペイズリー・ハウス』:2018/09/30(日) 21:09:20
>>102-103(ALL)

カンナ「ここの風呂は、結構ひろいぞー!」

まつり「まぁ、広いといっても精々大人が三人でも窮屈でない程度ですわね」

カンナやまつりの口振りからして、三人程度なら余裕で入る事は出来るのだろう。

くぬぎは、小走りで洗面用具を取りに行くと事務室まで向かう。
アオキは、夢見ヶ崎と天雨の提案を耳にした後に口開いた。

アオキ「それじゃあ、三人で入るか……。どちらか、この子達一人と
私達年長組みで二人。で、もう一人が二人と一緒にって感じで。
……三人ともそれで良い?」

カンナ「私は誰とでも良いぞー!」

まつり「午前中に、明日美さんとも、サトリさんとも
色々と楽しくやりましたしね。誰とでも構いませんわ」

 二人はどちらでも良いようだ。くぬぎは、事務室に向かった為
その意見を聞くのは後で良いだろうが……。

さて、どう言う組み合わせの2グループにしよう?

105夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/09/30(日) 21:49:04
>>103
>>104

「へ〜〜〜、ひろいのかー。じゃ、だいじょうぶだな!!」

入浴する時は、当然サングラスは外す。
しかし、このサングラスを外すと正常な視力は失われる。
これが自宅なら、慣れているので何の問題もない。

ただ、知らない場所となると少し手間取るかもしれない。
裸眼の視力がどうなるかは、その時の体調や周囲の状況にもよるので、
状態は一概には言えない。
今日はそこそこ運動して疲れもあるから『光の有無』が分かる程度だろうか。

もちろん、まともに見えはしない。
でも、別に難しいコトをやるワケじゃないのだ。
ただ風呂に入るだけだし、大きな問題は起こらない――と思う。

「んじゃあさ――だい1グループが、わたしとアオキとくぬぎちゃん。
 だい2グループがサトリちゃんとカンナとまつりちゃんってのは??」

さっきまでは自分がカンナとまつりを見ていた。
そして、サトリがアオキとくぬぎの近くにいた。
だから、今度は担当を逆にしてみようという提案だ。
自分が入る時は、年長のアオキがいた方がイイという都合もあった。
小さい子に頼むよりマシだろうし、
何だかんだアオキと喋れてないというのもある。

「まぁ、ほかのキボウがあったら、そっちでもイイけど。
 わたしからは、コレで。どう??」

そう言って、サトリの方を見る。

106天雨 サトリ『10cc』:2018/09/30(日) 22:00:35
>>104(GM)
>>105(夢見ヶ崎)

こちらを見る夢見ヶ崎に頷く。

「それで構わなくってよ、アオキさん、明日美さん」

特に異論は無い。
ここまででほぼ全員と満遍なく交流してきたし、
夢見ヶ崎に思惑が何かあるなら任せてしまおう。

(くぬぎさんとアオキさんなら……
 明日美さんの『目』について何か、
 万が一があっても大丈夫でしょうし)

逆にまつりとカンナの相手は自分がすべきだろう。
二人は放っておいたらスタンド戦をしていた実績がある。
もうしないと思うが、お風呂で気が大きくなれば懸念程度はある。

「それにしても……広いお風呂があるのは良いですわね。
 私、膝を抱えて湯船に入る事になるのを戦々恐々してましたの」

               「あれはとても窮屈でしょう」

とりあえずここは、話ながらくぬぎの戻りを待つことにしよう。

107『ペイズリー・ハウス』:2018/10/01(月) 19:34:48
(ミッションのスムーズな進行を優先し、1レスで重要な部分以外
簡略して入浴場面に関しては終わらせて頂きます)

>>105(夢見ヶ崎)
ヨタヨタと、タライにシャンプーなりタオルなり入れたのを抱えて
くぬぎは戻って来た。皆の提案に異論はない。
 浴槽へと入る。二つほどシャワーと椅子が備えており一度に二人は
洗身できる造りになっている。照明も、サングラスを外していても
気を付けて歩行すれば滑る必要ないし、他二人も騒ぐ性質でないから安心だ。
 ズルッ……。
アオキ「ふー……あんまり動いた気がしなくても、夏だから汗ばむね」

上半身が裸になった彼女の右胸から背中にかけて……『切り傷』のような
ものが見られる。くぬぎも、少し目を瞠らせて見つめるし貴方も気づく大きさだ。
 アオキは、その視線に気づくと気分を害した様子はなく淡々と告げる。

アオキ「ちょっとした事故でね……大金さえ支払えば、全く傷痕なく
処置してくれるって紹介はあったけど。色々とあって止めといたんだ」

それで、話しは終わりだと暗に雰囲気が告げていた。
 その後は、差し障りない雑談だ。問題なく入浴は終わった……。

>>106(天雨)

 湯船は、貴方が足を広げ園児二人が入っても問題ない程度には広い。
ある程度のリラクゼーションは期待できるが、予想できた事だが
お転婆傾向の二人は、お湯を跳ねさせ掛け合いっこなどする。
 注意を2、3言すれば素直な斉唱で止め。彼女達も軽くお湯の中で
喋りつつ、その中でこんな話をした。

カンナ「ここだけだと、カンナの秘密おしえちゃうぞっ。
アオキにも言ってないけどな! うちのスタンドには一撃必殺があるんだ!
 けど、危ないから絶対ピンチ以外で使うなって言われてるー」

まつり「そうなんですのー。それはヴァロッテでも敵わないほど?」

カンナ「そーかもなーっ。でも、カンナは絶対に使わないんだっ」

まつり「わかりましたわー」

そんな和やかだか、少し気になる会話。

カンナの『スティール・パンサー』は。おやつ時に公表した以外で
隠された能力があるらしい……それは、どうやら危険なものなようだ。

まつり「それにしても、くぬぎさんの能力はどんなものなんでしょう?」

カンナ「気になるよなー」

やはりであるが、園児二人も。今までまったく能力の片鱗が見られない
仲間の一人の力に興味があるようだ。

108夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/01(月) 21:29:14
>>107

サングラスを外していては『ほぼ見えない』。
せいぜい『暗いか明るいか』が判別できる程度だ。
だから入浴の前に、サングラスをかけた状態のままで、
あらかじめ浴室を観察しておいた。
その間、二人は脱衣所で服を脱いでいた。
そして戻ってきた時、サングラスを外す前に、アオキの傷を見た。

「『治療』には沢山お金が掛かるからねー」

何気ない口調で、それだけ言った。
普通に考えれば、費用を工面できなかったというコトだろうとは思う。
思うけど――ま、いいや。

「――あ、わるいんだけどシャンプーとってくれない??
 『ゆげ』のせいでみづらくて」

手探りでボトルを見つけるが、中身までは分からない。
なので、アオキに頼むことにした。
そんなこんなで――。

「あ〜〜〜サッパリした〜〜〜。
 れいぞうこにサイダーおいてる??
 フロあがりには、いつもサイダーのむコトにしてるんだ」

アオキに聞いてみる。
ところで今どんな格好をしてるんだろうか?
寝巻きなら、白地にブルーのラインとリボンがあしらわれたのを着てると思う。
スカーフは付けてないので髪は下ろしてる。
サングラスはもちろんかけている。

「メシはくったし、フロもはいったし、これからなにする??
 えいがでもみよっか??きょうはなにやってたっけ??
 もしコワいやつだったらどうする〜〜〜??
 よなかにトイレいけなくなるかも!!」

「ところで、ウチらってどこでねればいいのかね??
 みんな、いつもどこでねてんの??
 ぜんいんで、なかよくならんでねるとか??」

109夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/01(月) 21:32:07
>>106

110天雨 サトリ『10cc』:2018/10/01(月) 21:56:16
>>107(GM)
>>108(夢見ヶ崎)

「ふぅ……やはりお風呂は良いですわね」

「一撃必殺? それは恐ろしいですわねえ。
 けどまあ、ピンチなんて無いに限りますもの。
 使わずに済むに越したことは無いですわね」

『ピンチになってから最強』は本当に『最後の手段』だ。
『ピンチにならない最強』であればどれ程頼もしいのだろう。

(あるいはくぬぎさんの能力も……
 『ピンチになったら』発動するかもしれない。
 それがどんな物か分からない以上は、
 私や夢見ヶ崎さんの手でその芽を摘むべきですわね)

「お返しに『10cc』の秘密を教えますわ。
 実は私の能力で生えてくる草は、
 振動を探知して私に教えてくれますの」

             「内緒ですわよ」

夢見ヶ崎にはすでに明かした秘密だが、
この二人に明言した記憶は無いので、
秘密の共有という空気には出来るだろう。

それに、知らない人間と嵐が来る明日以降を考えれば、
こちらの能力を自然に教えておけるというのはむしろありがたい。

111『ペイズリー・ハウス』:2018/10/02(火) 20:55:02
>>109-110(ALL)

今の全員の恰好は寝間着。子供達は半袖のナイトウェアに身を包み
アオキは短パンにシャツと言った感じで何時でも就寝体勢が出来ている。

夢見ヶ崎の要望にも特に拒否なくアオキは短く肯定の声をあげ、天雨や
他の子達の飲み物もついでに厨房から持ってくる。
 その後、風呂上りの冷たい一杯を遊戯室で飲んで一心地つくだろう。

>ウチらってどこでねればいいのかね?

アオキ「ん……昨日までは。各自好きなように布団を出して
好きな場所に寝てたけど」

カンナ「今日は全員で寝るぞ! 枕投げ大会だ!」

まつり「いえいえっ。此処は人生ゲームなどでいきませんことっ」

アオキ「……とまぁ、こんな調子だし。此処で、布団並べて寝る形で
いいんじゃない?」

苦笑ではあるものの、今まで愛想よくなかったアオキは段々と表情を
柔らかくして自然体になってきた。

くぬぎは、近くの新聞を持ってテレビ欄を広げる。
本日の夜にやってる映画と言えば……『リ〇グ』だ。

112夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/02(火) 21:45:14
>>110
>>111

「いいんじゃない。こういうのってたのしいしさ。
 ウチらにとっては、あんまりできないたいけんだしね」

アオキに対し、にやっと笑いながら肩をすくめる。
これといって問題はない。
ただ、心の中ではくぬぎに注意しておこうと思っていた。

くぬぎの両親は、寝る時は別々だと言っていた。
普通、幼稚園児の子供を一人で寝かせはしない。
両親が薄情でなければ、何か理由があるのだろう。

そして、これからみんなが同じ場所で寝るワケだ。
その時に何かが起こるのではないかと予想している。
多分、くぬぎのスタンドに関わる何かが。

「きょう『リン○』やるんだって。みない??
 ユウメイどころだけど、わたしまだみたコトなくて。
 みんな、しってる??コワぁ〜〜〜いヤツ」

「こぉ〜〜〜んなふうにでてくるヤツだよぉ〜〜〜。
 しってるぅ〜〜〜??」

前かがみになり、うつむいて左右にユラユラ揺れる。
言わずと知れた『アレ』だ。
別に無理に見せる気はないし、枕投げでも人生ゲームでも、
子供達のやりたいコトをすればいいと思うが。

「……サトリちゃん、ちょっと」

折を見て、さりげなくサトリの側に行き、小さな声で呼び掛ける。
夢見ヶ崎にとっても、懸念を話せる相手は今はサトリだけだ。
何事もなければいいが、言っておいて損はない。

「あのさ……ひょっとして、
 『ねてるあいだになんかあるかも』っておもってるんだけど。
 ひるまに、あのハナシきいたからさ。
 で、わたしはみんなねるまではおきてようとおもうんだ」

「サトリちゃんまでおきててほしいってワケじゃないけど、
 いちおういっとくね」

113天雨 サトリ『10cc』:2018/10/02(火) 22:54:24
>>111(GM)
>>112(夢見ヶ崎)

「――――ええ、かまわなくてよ。
 一人で寝るのも味気ないですもの」

(雑魚寝なんていつ以来かしら?
 けれど、贅沢は言えませんものね)

「ホラー映画が好きですの明日美さん。
 私もまあ見れない事はございませんけど、
 子供が見るにはいかがなものかしら」

            「……」

言ってから、この言い方だと逆に焚き付けてしまうと気付く。
知識としてのオカルトは兎も角、『ホラー映画』は……
ハッキリ言ってそれほど得意なジャンルでもないので、
出来れば人生ゲームあたりで穏便に行きたかったのだが。

ともかく。

「……? なんですの?」

「ああ……それについては私も同感ですわ。
 少なくともくぬぎさんが寝るまでは待ちましょう」

「まあ、ご両親は能力を確認した……その上で、
 『別れて寝た』のでしょう。つまり『生きている』。
 それに『同じ建物にいるのは大丈夫』と見ている。
 それ程危険極まる事態には……ならないはずだけれど、ね」

くぬぎの話は謎が多いのだが、『気を付ける』に越したことはない。
夜型というわけではないが夜更かしが苦手でもないので、頑張って起きよう。
なにせ、夜だ。暗闇というロケーションが想定されるなら夢見ヶ崎の目も怪しい。

114『ペイズリー・ハウス』:2018/10/03(水) 19:32:04
>>112-113(ALL)

貴方たちは、こっそりと『くぬぎの謎』について話し合う。
 それからは……まぁ子供達が騒がしいのは当たり前。
一昔にブームになった恐怖映画に、子供達もおっかなびっくりで
視聴を終えて、その後にまつりの提案で人生ゲームやカンナの
枕投げで一通り遊びほうけた後に就寝に移る。

 
 ……。

貴方たちは、子供たちが眠りについた後も未だ覚醒している。
既に夜の十一時を過ぎた頃合いだ。アオキも静かに寝息を立てている。

 ――ムクッ

 くぬぎが、体を起こした……。

「……とい れ」

 そう、小声で呟きフラフラと立ち上がる。

115夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/03(水) 21:55:05
>>113
>>114

夜の11時――普段なら、まだ起きている時間帯だ。
しかし、今日は色々あったせいで疲れている。
正直、何度か寝かけていたが、どうにか我慢して起きていた。

(だって、なにがおこるかみてみたいじゃん!!)

確かに懸念もあったが、それ以上に好奇心の方が強かったのだ。
目の前に『不思議』があれば、迷うことなく飛び込んでいく。
それこそが『アリス』なのだから。

(――おん??)

サングラスは外していたので、くぬぎが起きたらしい『音』と『声』を聞いた。
さては、はじまったか??
かとおもったら、なんだトイレか〜〜〜。
――などと、気を抜くと思ったら大間違いだ。
ひょっとするとひょっとするかもしれない。

(じゃ、『しろウサギ』をおいかけるとするか。
 『フシギのくに』がまってるとイイんだけど)

まず布団から出て、サングラスをかける。
それからサトリに目配せし、立てた人差し指で自分を指差した後、
同じ指で遊戯室の外を指差す。
様子を見に行ってくるというジェスチャーだ。

      ススス……

そして――廊下に出て、くぬぎの後を追いかける。
自分もトイレに行きたくなったコトにしておこう。
しかし考えてみると、くぬぎの側で何か起きるとは限らない。
ひょっとして、遊戯室の方でなんかあるかもしれない。
もしそうだったとしたらヒジョーにザンネンだ。

116天雨 サトリ『10cc』:2018/10/03(水) 22:53:55
>>114(GM)
>>115(夢見ヶ崎)

この時点で推論はいくつかある。

まずA。『夢』のスタンド。
同じ部屋にいる人間に夢を共有するとか、
夢の世界に引きずり込んでしまうとか、
あるいは室内に夢通りの空間を作るとか、
そういう可能性だ。そりゃ親も隔離するだろう。

次にB。『寝ている間だけ発現する』スタンド。
くぬぎが寝ている間にだけ、スタンドが出て来る。
本体の意のままにならないがゆえに強力、
というのはいかにも『ありそう』な話だし、
くぬぎが知らないというのも能力の一環になり得る。

それにC。『夢遊病』のスタンド。
寝ている間のくぬぎが何かの能力を行使し、
夢遊病者のように暴れまわるという可能性だ。
それならくぬぎ本人は覚えていないのも無理はない。

(……これは、『C』かしらね)

当然推論通りではない可能性もある。
くぬぎがいない部屋で何かが起きるとは考えづらいが、
夢見ヶ崎と二人で後を追うのはさすがに『露骨』すぎる。

         コクリ

ハンドサインに頷いて、ここは部屋で待機しよう。
自分だけを指さしたという事は、夢見ヶ崎の意図も『それ』だ。
寝ないようにしばらくスマートフォンでも触っておくことにする。

117『ペイズリー・ハウス』:2018/10/06(土) 11:27:47
>>115(夢見ヶ崎PC)

 トイレに辿り着いた。フラフラと頭を揺らしつつも、くぬぎは
貴方が心配して声をかけても。大丈夫と告げてトイレに座り個室の
扉を閉める。まぁ、そこは人としてのプライバシーの領域だ。

 ジジ……。

くぬぎ以外、人気を感じさせないトイレは少しだけ暗さと静けさが
籠っており時折点滅するのが不安感を掻き立たせる。

          ……トン。

 ?

いま、貴方はくぬぎが用を足しているトイレの個室の向かい側に面して
立っている。
 トイレの出入り口のほうに……『誰か立っているような影』がある。

>>116(天雨PC)

 ハンドサインで夢見ヶ崎を見送り、貴方は手持ち無沙汰を埋めて
スマートフォンを操作する。
 熱中して画面を見つめようとしても、部屋の暗さと子供達の寝息
以外に何もなく、普段一日を過ごす自宅と違う環境が妙に貴方の
神経を少し張らせる。

 ……?

いま貴方たちが就寝している遊戯室の出入り口。その廊下の省エネで
小さな明かりのみついている電灯によって……出入口に『人型の影』
らしきものが立っているように思える。

 夢見ヶ崎や、くぬぎにしては……影は不気味に動かない。

118夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/06(土) 19:18:00
>>116
>>117

(――だいじょうぶかな??)

ただトイレに行って戻るだけだ。
何も危ないことはない。
しかし、気になるのは気になる。

        ビクッ

今日初めて来た場所。
いくらか慣れたとはいえ、真夜中だと少し違って見える。
『ちょっと怖いと思った』……かもしれない。

しかし、そんなことでビビッてはいられない。
ねるまえにみた『○ング』にくらべれば、かわいいモンだ。
なにより、『いまだしらない』とかいて『みち』をおそれていては、
『たんきゅうしゃのしょうごう』たる『アリス』はつとまらんのだ!!

        ゾクッ

(……ダレか、いる)

普通に考えれば、遊戯室に残った四人の内の誰かだろう。
でも、なぜ立っているのだろう?
どうして入ってこないのか?

       ズギュンッ

『ドクター・ブラインド』を出して、『音』を探る。
ただ立っているだけでも『呼吸音』や『衣服の擦れる音』がするはずだ。
……それが人間なら。

119天雨 サトリ『10cc』:2018/10/06(土) 21:16:20
>>117(GM)
>>118(夢見ヶ崎)

下手にスマホに集中しないよう、当たり障りのない電子書籍をめくる。
音は出さないし、通知も全て切ってある。外の変化にすぐ気付けるように。

「…………!」

(明日美さんやくぬぎさんが一人で戻ってきた……にしては、
 違和感がありますわね。なぜあんなところで止まっているのかしら)

(あるいは、これが…………?)

凝視はせず、出入り口周辺を広く見据える。
暗さで分かりにくいだろうが、大きな変化があれば分かるはずだ。

(寝ていた部屋を出ると発現される……?
 これが寝室を分ける理由なのだとしたら、
 危険な事が起きてもおかしくはないけれど)

    ズギュン

            (……ここからどう動きますの?)

スタンドは布団の中で発現しておくが、意味があるかは謎だ。
そもそも何をする人影なのかもよく分からないし、害があるのかも不明。
急いで排除しなくてはならないとか、そういうものではなさそうに見える。

少なくとも両親がその『結果』を見て部屋を分けたのだけが事実だが、
それについても状況の又聞きでしかない。今はなるべく観察は続けておくことにする。

120『ペイズリー・ハウス』:2018/10/06(土) 22:07:19
>>118-119(ALL)

 夢見ヶ崎は『ドクター・ブラインド』で影の正体を見極める。
『衣服の擦れる音』も『呼吸音』もない。ただ、影のみが貴方の目の
中でじっと動く事なく揺れてる。

  ――ザーッ  ガチャ        ――フッ

 「……おわっ た」

眠そうに、目を擦りつつ。くぬぎがトイレの戸を開ける。
 同時に、影も消失していた……。


サトリのほうも同じだ……人型の影らしきものは。貴方が凝視しても
特に襲い掛かったり、動く様子もない。僅かに、そのまま影は経ってた
かと思うと、そのまま何をするわけでもなく消失してしまった。
 その後、夢見ヶ崎とくぬぎも何事もなく戻って来た。あとは、くぬぎも
完全に朝まで熟睡して……朝になった。



      ――コケ― コッコー!

 カンナ「んー よく寝たーっ」

 まつり「ふわぁー 今日の朝食はなんですわー?」

アオキ「カレーの残り……置いてるから。あっ、て言うかもう
9時近いのか……台風が来るまで、そんなに無いな」

 昨日の疲れが残ってたのもあるが、全員けっこうな時間まで寝ていた。

朝食は、昨日の残りもあるしカレーで問題ないだろう。

 アオキ「さて、今日はなにしようか……あっ、鶏達に餌あげてない」

カンナ「じゃー餌やりいくかー!」

まつり「朝ごはんを食べてからですわねっ」

 まずは、御飯を食べてから。鶏たちに餌やりらしい

121夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/06(土) 23:45:47
>>119
>>120

なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??
なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??
なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??
なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??
なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??
なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??
なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??
なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??
なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??
なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??なんだ??

――と思っている内に寝てしまい、いつのまにか朝になっていた。

   「 だ か ら な ん な ん だ 〜〜〜 ッ ! ? 」

            ガバァッ

そう言いながら飛び起きた。

「よし!!まずはメシだな!!」

朝食の後でエサやり。
特に異存はない。
『ジュリエット』は無事か?

「サトリちゃん、きのうのヤツなんだとおもう??
 いや、『なにか』はわかってんだけどさ」

「でてくるのは、たぶん『よなか』だよね??
 ウチら、ひるまに1かいもみてなかったし」

「こしつにはいったらでてきた……。
 こしつからでてきたら、きえた……。
 だから、ここで『スイッチ』がはいったとおもうんだよね」

「こしつにはいったら、ソトからはみえなくなる……。
 ほんたいがみえなくなったらでてくる……??
 だから、くぬぎちゃんはみたコトないのかな……??」

「かずは一ついじょういる……。
 でてきたのは、どっちも『でいりぐち』……。
 くぬぎちゃんがとおったから……だよね??」 

「みまもってるっていうか……ボディーガードっていうか……。
 そんなカンジなのかな……??」

「それとさ……
 わたしがみてないときに『れいの3にん』がきたらコッソリおしえてよ
 『ようじ』があるから」

122天雨 サトリ『10cc』:2018/10/07(日) 00:24:31
>>120(GM)
>>121(夢見ヶ崎)

「ご機嫌よう、皆さん。良い朝ですわね」

(アラームを合わせ忘れていましたわ。
 と言っても、早く起きる必要もないけれど)

朝食のカレーを食べ、餌やりをする。
特に異論もないしその通りにしよう。
今自分の中にある引っ掛かりはほぼあの『人影』だ。

「夜中と見るか、『くぬぎさんの就寝中』と見るか。
 後者であればお昼寝にも気を付ける必要がありますわ」

「それにしても……なにか妙ですわね。
 『個室に入ったら発現する』能力で、
 恐らく『通過した出入り口に発現』して、
 『室内の者に危害を加えたりはしない』。
 私も『見守る』ような能力を想像しているけれど、
 ならご両親はなぜ部屋を分けて寝たのかしら……?」

就寝中に自動攻撃をするとかなら、わかる。
だが『部屋から出て』『個室に入る』という、
推定される発動条件とはつながりが見えない。
あれなら別に部屋を分ける必要はなさそうだが。

「恐らく、私達は何か重大な点をまだ見ていないのでしょうね」

つまりは何か、未知の危険性があるのだろう。

もちろん単に怪奇現象に怯えてかもしれないが、
その答えは他の答えが全て無くなってからで良い。

「用事? ええ、よくってよ。
 スマートフォンに連絡しますから、
 肌身離さず持ち歩いていてくださいまし」

    スッ

        「――――さて、いただきます」     

とりあえずカレーを食べてしまい、餌やりもしてしまおう。
特別な変化が無いのであれば、その間は気を張る必要はない。

123『ペイズリー・ハウス』:2018/10/07(日) 20:42:09
>>121-122(ALL)

 貴方たちは『くぬぎ』の十中八九スタンドである『影』について
相談しあう。昨夜は特に何事もなく過ぎた……だが寝泊まり最終日の
今日はどうなるのか? それは定かでない。

 
 ――さて

カレーに舌鼓をうつ。一晩ねかしたカレーはやはり美味しい!

うまいうまいっ と園児たちも喜びつつ食べ終わり。ようやく
鶏に餌をあげるかと、食器を洗い終わった頃合いで。


  ――ブロロロロロロォ    キィ――!

     ブルルルゥン  キィ――!


 「う  ぉーーーーーーーい! アルカラー いっかーー!!?」

 ?「おっさん、うるせぇよ! 園の子たちが吃驚するだろうがっ!!」

 「いいんだよっ!! こちとら補強と小屋の修理やったら、すぐ
帰るんだからな! てめぇ等こそ喧しい口とじて早く修理道具出しとけ!
 おーーーーいっっ!! きたぜーーーー!!!」


 どうやら例の奴が来たようだ。車とバイクらしきものが止まる音が
聞こえた。あと馬鹿の大声が。

 ポカーンとした顔で園児たちとアオキは音の方向に顔を向けてる。

カンナ「え? なに?? 不法侵入者???」

まつり「あんなに目立つ侵入者っているのかしらね」

アオキ「……あんた達の事? アルカラって」

 呆れた顔つきを女性陣は隠さない。

124夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/07(日) 21:47:19
>>122
>>123

「――『アルカラ』??さぁ〜〜〜いったいダレのコトやら……。
 どっかのミュージシャンのナマエかなんかじゃない??」

すっとぼける。
どうやらサトリに連絡してもらう必要はなかったようだ。
今こそ『密かな決意(>>81)』を実行に移す。

「サトリちゃん、ちょっといってくるから。コッチはたのんだ。
 もしかしたらキョーイクジョーよくないコトになるかもしれないけど」

       ガラッ……
                ササササッ……

サトリに言ってから、開けた窓を通って建物の外に出る。
気付かれないように、姿勢を低くして『金一』の背後に回る。
『ターゲット』を確認した――次のプロセスへ移行する。

  ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!

『ターゲット』である『金一』に向かって全速力で駆け抜ける。
そして――。

             ダァンッ!!

勢い良く地を蹴って跳躍し、『金一』の背中めがけて両足から突っ込む!!
助走の加速と全体重を乗せた『ドロップキック』だァァァァァ――――ッ!!
『金一が来たら一撃ブチ込む』という『決意』を現実のものとするッ!!
言うまでもなく、あくまでも『全力』であり、『容赦皆無』。
そして、ブッ飛んで倒れるであろう『金一』に近付いて冷たく見下ろす。

          「 う る せ え 」

氷のような声色で、その一言を言い放つ。

125天雨 サトリ『10cc』:2018/10/08(月) 00:05:39
>>123(GM)
>>124(夢見ヶ崎)

「まあっ――――!」

(なんて下品なのかしら! これが『金一』の一味ですのね)

とはいえ来ていただいた理由はありがたいし、
自分達だけでやれと言われても困る事なので、
決して顔には出さないようにしつつここに残る。

「私も『アルカラ』というのは存じませんわね。
 明日美さんも知らないのですし、『冗談』かしら?」

「……そういえば貴女、用というのは」

         「あら」

頼まれごとは果たさなくてよくなったが、
用事とはいったい何だったのだろう?

「……え、ええ。頼まれましたわ。
 何をなさるのかは聴きませんけれど」

引き止めるでもないが、後で聞けばいいか。

「とりあえず、お茶でも入れて差し上げましょうかしらね。
 私が招いたわけではないけど、招かれざる客ではなくってよ」

「施設の修理業者、と。伺っていますわ。
 想像していたより、少々荒々しいですわね」

不審者のまま通すのも不義理な気がするし、
一応子供達に嘘ではない程度の紹介をしておく。

その間にコップを幾つか用意し、冷えたお茶でも準備しておこう。
作業を始める事で、外の『教育上良くない事』から視線を逸らさせるのも狙い。
まあ、この手の手合いは甘くし過ぎればつけあがるが、厳しすぎれば反感を買う。

                         ・・・最初に飴をあげよう。

126『ペイズリー・ハウス』:2018/10/08(月) 22:29:27
>>124(夢見ヶ崎PC)

 窓からの迂回。スニーキング ひそひそ星の園の入口へ大股に
近寄りつつ張り叫ぶ金一の背後……取った! 同行者は二人らしく
髪を染めた青年が車のトランクを開き。もう一人は金一より少し横を
歩いて園を見上げている。

  ――ダダダダダダダダダッ!!  ダァンッ!!

金一「っむ!!? 殺気っ!  アルカラぁぁぁああ! 甘いぜっ!!」

 な、何と金一は貴方のドロップキックの瞬間に。余裕の小憎らしい
笑みと共に体を捻って避けようとするっ!?

金一「こちとらアリーナの猛者共と談判する身っ!
てめぇのヘナチョコ飛び蹴りなんぞ『へいっ トンカチ!』ぁん!!?」

  シュルシュル  ガンッ!!   ドゴォォオ!!

金一「ぐほおおおおおomeopi,rei!!!!!」

 ……捻って回避しようとしたが。その前に修理道具をトランクから
取り出して投げ渡そうとした連れの一人が投げたトンカチが当たり。
夢見ヶ崎のドロップキックが止めとなり、見事 小悪は滅びた……。

そして、ドロップキックをした貴方だが。プロのレスラーでも中々
難しい蹴りだ、着地するとなると難しく。大きく尻もちをついて腰を
痛める可能性もある。だが、その前に一つの影が地面に触れる前に
貴方の腰と背中を抱えた。そのまま貴方が直立するように補助する。

「……大丈夫ですか? 余り無茶をしないでくださいね」

 少し、儚いと言うか変わった気配を持つ青年だ。
学生服をバンカラマントのように羽織っている。


>>125(天雨PC)

カンナ「なーんだ、修理の人か」

まつり「台風も来てますし。ありがたいですわ」

アオキ「……今の声、どっかで聞いた覚えがするな」

園児達は、納得した顔つきだが。アオキだけは、何かを思い出したのか
嫌そうに顔を一瞬顰めた。

 貴方はお茶の用意を始める。冷えたての麦茶もちゃんと冷蔵庫に
入っている、冷たいグラスも万端だ。

カンナ「あっ! うちら果物たべたいっ」

ピョコンと、彼女が顔を出して注文つけた。

127夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/08(月) 23:33:47
>>125
>>126

「おっとっとっとっとっ――」

「おうおう、わりーな、にいちゃん」

バンカラ風のお礼を言って、青年から離れる。
そして、何か意味ありげな視線で、その姿を見つめる。
これといった理由はない。
ただ珍しかったからだ。
珍しいものがあったら見るというのが、夢見ヶ崎の習性なのだ。

「『モサとダンパン』〜〜〜??で、そのケッカが『コレ』なんだ〜〜〜??
 スゲーおもしろいわ。こんせいきイチバンわらえるジョーク。
 どれくらいオモシロいかっていうと、
 みちばたにおちてる『いしころ』くらいオモシロいわ〜〜〜」

薄ら笑いを浮かべて皮肉を言いながら金一に近付いてケツに蹴りを入れる。
ついでに『ドクター・ブラインド』で『超人的聴覚』を移植してやる。
さっきみたいにデカい声でやかましく騒げば、自分の耳を傷めることになる。

「きょうは、きてくれてありがとうございます〜〜〜。
 なにかあったら、わたしかもうひとりのコにいってくださいね〜〜〜。
 それじゃ、よろしくおねがいします〜〜〜」

「おらっ、おきろボケナス!!さっさとはたらけ!!
 それと、ちいさいコがいるんだから、しずかにしてろよ??
 うるさくしてると……そっちがこまるコトになるんだからさぁ。
 よ〜〜〜くキモにめいじときな」

「――ねっ??『キンちゃん』っ」

二人に挨拶した後、金一に釘を刺してウインクし、園内に戻る。

128天雨 サトリ『10cc』:2018/10/09(火) 01:24:40
>>126(GM)
>>127(夢見ヶ崎)

「『金一』という男だけれど、ご存知?
 私は会った事がありませんから、
 どういうお方かはよく知らないんですの」

もし相性が悪い人間だとすれば、
解れてきたアオキに会わせたくはない。
仮にそうなら彼女が自主的に引っ込むよう、
名前は伝えておく。こちらから促しはしない。

……名前を聞いただけでアウト、といった、
極端なアレルギーではない事は祈りたい。
まあ、そこまでになるほど悪意は無さそうだが。

(悪意が無い方が厄介なのだけれど、ね)

「果物? ええ、そうですわね。
 デザートに用意しましょうか。
 アオキさん、適当に選んでもよろしくて?」

まだお茶は注がない。
実際に会ってからでいい。
出すだけ出して、来るのを待つ。

飴はあげるが『召使い』にはならない。
イサゴに雇われたもの同士、『対等』の範囲で対応しよう。

129『ペイズリー・ハウス』:2018/10/09(火) 22:36:48
>>127-128(ALL)

ヤジ「あっ うん。俺は……鈴木 一郎と言う名前だが
頻繁にヤジを唱えるんで、ヤジちゃんとでも気軽に呼んでくれ。
俺は非スタンド使いなんだ。けど、ある程度の知識はあるから
何か困った事があったら気軽に頼んでくれな」

小林「私は、小林 丈(たける)と言います。清月の高等部三年です…
本日は、短い間ですが。宜しくお願いします」

若者二人は、そう軽く自己紹介を唱える。

ヤジ「一先ず、建物内部をザッと見て掃除するところ見て。
子供たちにも挨拶するか」

小林「まぁ、それが賢明です。……金一さん 立てますか?」

金一「痛つつっ ……心配がおせぇよ」

 タフな年長者も体を起こすと、軽く腰を叩き。園へと全員が入っていく。

そこから天雨とも合流し、全員がひとまず顔をつきあわせる。
 そして最初にアオキが、ゲッと言う明らかに少し嫌そうな顔を浮べた。

アオキ「…アリーナの銭ゲバ」

 金一「あぁんっ!? 初対面に失礼な口振っ 痛つ
いま耳がキーンってしたぜ……あ〜 そういや一年ほどまえに
見かけた気がするぜアリーナで、お前さんの事。
惜しいなぁ〜〜〜 もうちょい年齢が上だったら、闘技場の
選手にもなれんだがなぁ〜〜……」

アオキ「ノーセンキュー」

こう言う輩なので、アオキも少し前に一度顔合わせあった程度らしいが
印象に残ってたようだ。互いに毛嫌いする程度ではないが
アオキからすれば、警戒対象と言うより 馴れ馴れしい駄目大人
と言う感じで、あんまり付き合いたくないのだろう。

カンナ「なぁなぁ!? アリーナ闘技場ってなんだ!」

金一「おぅ! 聞きたいかっ!? アリーナってのはな……」

金一が脱線して園児達に嬉々とアリーナ闘技場について語ろうとするが。
今回、彼らの仕事は清掃及び修理だ。思い出させるべきだろう

130夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/09(火) 23:35:21
>>128
>>129

「ふぅん、じゃあ『ヤジちゃんタケちゃん』だ。シクヨロ!!
 で、ふたりはバイトかナンカなの??」

「あ――それから、きのうデンワしてきたのってヤジちゃん??」

思いがけず随分と若いのが来たようだ。
たぶん、年齢はそう変わらないだろう。

「ねぇねぇ、ナゾナゾだしていい??
 『ジブンでいったコトもおぼえてないアホ』のコトをなんてよぶ??」

後ろから金一のケツを蹴り上げる。

「こたえは『キンイチ』っていうんだよ――しってた??」

「クチうごかしてるヒマがあったらァ――ッ!!カラダうごかせよォ――――ッ!!
 よけいなムダバナシしてないでェ――ッ!!さっさとシゴトにかかりなァ――――ッ!!」

       ブースト
『聴覚』を『鋭敏化』させた金一の耳元で叫んでやる。
それから、普通の声量で子供達に呼びかける。

「ほら、『オピネル』や『ジュリエット』たちがオナカすかしてるよ!!
 ゴハンもってってあげなきゃ!!」

次に、サトリの近くへ行こう。
移植した『聴覚』とスタンドは解除しておく。

「みてのとおり『あんなの』なんだ。
 まぁ、キケンはないとおもうけど。
 でも、あんまりコドモたちにちかづけないほうがイイかもね」

131天雨 サトリ『10cc』:2018/10/10(水) 00:18:54
>>129(GM)
>>130(夢見ヶ崎)

「ああ、貴方がたが! 始めまして。
 朝早くからありがとうございます。
 私は――――天雨(あもう) サトリ」
 
「ええと、貴方が金一さん。
 お噂はかねがね伺っております。
 そちらのお二人も、ご機嫌麗しゅう」

顔を突き合わせた段階で、挨拶はしておく。
スカートの裾をつまむ『カーテシー』の動作で、
わざとらしいくらい『気位が高そう』に見せて、
あまり馴れ馴れしく接してこないよう牽制はしておく。

(この子達も『アリーナ』と無縁の人生は送れないでしょう。
 であれば、知るのは悪い事じゃあないのでしょうけれど……)

子供に『闘技場』の話をする大人はどうかと思うが、
ただの子供ではない。そこは前提としてある。

「終わったらお茶を用意していますから、
 お仕事の方よろしくお願いいたしますわ」
     
           「期待していますわよ」

コップとお茶については後に回そう。
この手のやつへの褒美はやる事をやってからでいい。
仕事をとにかく始めるように促して、ペースを断ち切ろう。

「……」

「あの馴れ馴れしさ、危険ですわね。
 悪い人間じゃあ無さそうだけれど、『余計な事』をしそうで。
 大人がやっているから自分も……でカンナは流されかねない」

              「私もなるべく見ていますわ」

激しい調子で金一を牽制する夢見ヶ崎に対し、
自分は『冷たく』『ビジネスライクに』牽制していく。
少なくとも野放しにしていたら子供達を余計な流れで呑みそうだ。
もちろん、いい仕事をするならば正当に評価をするのが前提だが。

132『ペイズリー・ハウス』:2018/10/11(木) 21:07:32
(レス遅れ失礼しました)
>>130(夢見ヶ崎PC)

ヤジ「俺は、諸事情でアリーナに立ち入る事が出来てな。そんで
事務所なりの待合室で少し暇してたら、おっさんに手が空いてるなら
日当一万で働かないかっで感じで……」

ヤジ「あぁ、あのおっさん自分からやらなさそうだから 俺が……って
もしかして事務の受付嬢と思ってたのって、君かっ!? 声色上手いな」

金一は耳を抑え苦悶の表情を浮かべる。

金一「わーった わーったっ! だから其のスタンド解除しろや!
ったく手厳しよなーアルカラは。
あっ、んでもって今度チーム戦やろうと思ってんのよ。三人チームで
プロレス見たいにピンチなら交代するのも何度か可能って感じで。
この仕事が終わった後でいいから考えてみてくれよな」

小林「まずは窓の補強からいきましょう」

三人は、一先ず。園の窓を補強するようだ

>>131(天雨PC)

小林「これは御丁寧に……わたくし共は昼過ぎには帰所する予定ですので
過剰なもてなしは構いません」

天雨に、男性陣の中で一番礼儀正しい人物であろう青年が対応して
帰る時間は大体2時前後である事を示唆して移動を開始する。

ヤジ「おぉっ、なんか悪いねー。俺ら適当に園の自販機利用するのに」

金一「ぁん? ここ自販機なんて取り付けてんのか」

ヤジ「そりゃあ取り付けてるさ。元は『対策本部』にも利用してたらしいし」

男手は雑談しつつ外へと出ていくだろう。



 カンナ「なんか面白いおっさんだったなー」

 まつり「そうかしら? いかにもマダオって感じでしたわ。
若い人たちも、随分と丁重な方と ヤンキーめいた格好の人と。
アリーナの人達は奇特な人が多いですのね」

 アオキ「アレは連中の中でも特殊だと思うけど……さて
餌やりに行こうか」

 子供達とアオキも、気を取り直しつつと言う様子で裏手に移動し始める。
ジュリエットもとい、オピネルの奥さんの調子はどうだろうか?

133夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/11(木) 22:23:35
>>131
>>132

「そうやってさけぶとジブンがウルサイだけだって、いわなかった??
 はいはい、『カイジョ』しましたァ〜〜〜」

(ったく、『アルカラアルカラ』って……デリカシーがないんだから)

子供達がヘタに興味を持たないように伏せておいたのが台無しだ。
まぁ、もう言ってしまってるものは仕方がない。
もし何か聞かれたら当たり障りのない返事でもしておこう。

「へー……。ケッコーおもしろそうじゃん。
 ま、かんがえてあげてもいいよ。ジカンがあいてればね」

内容を聞く限りでは悪くない話だ。
出場するのもやぶさかではない。
なんにせよ、今はこの仕事が最優先なのだが。

「では皆さん、どうぞ宜しくお願い致しますね。
 私達は、裏手にある鶏小屋の方へ行っております。
 何かお聞きになりたいことがありましたら、ご遠慮なく仰って下さい」

電話に出た時の声色で金一達に挨拶して、子供達と小屋に向かう。
もちろんジョークだ。

「きのう、こんなカンジでデンワにでてみたら、
 うけつけのヒトとまちがわれちゃったよ〜〜〜。
 ちなみに、さんこうにしたのは、あのユウメイなアモウサトリさんなんだ。
 どう??『ハイソサエティ』っぽくみえるかな??
 ところで、『ハイソサエティ』ってなんなんだろうね??」

「それとさ――きにならない??『タイサクホンブ』って。
 もしかしたら、チカシツに『ヒミツキチ』とかあるかも。
 『じかようジェット』とかおいてないかな??」

そんなこんなで鶏小屋の様子を見る。

「よう、オピネルよ。ジュリエットのぐあいはどうかね。
 こんどこそ『ピヨピヨ』か??」

134天雨 サトリ『10cc』:2018/10/12(金) 01:11:31
>>132(GM)
>>133(夢見ヶ崎)

「来てもらっておいて自販機で済ませろだなんて、
 とても言えませんけれど……台風の前ですものね。
 長居していただくのも申し訳ない話でしたわ」

           「それでは、ごめんあそばせ」

流れに従い、スッと会話を打ち切る。
早く帰るのを引き止める理由もないし、
無礼にならないならお茶は無しでもいいか。

(『対策本部』? ……『孤児院』ではなく?)

「ゆかいな方々、でしたわね」

「明日美さんも中々愉快ですわよ。
 まあ、私に似てはいませんけれど……
 そう悪くない『ハイソサエティ感』ですわ」

「ちなみに、ハイは高い、ソサエティは社会。
 すなわち、『上流社会』――――
 簡単に言うと『金持ち』という意味でしてよ」

餌やりには自分も同行する。
フルーツを切る許可も出ていないし、
1人で切って待つほど時間がかかるとも思えない。

「私、畜産は然程詳しくないけれど……
 『台風』の具合次第では、
 夜は餌やりが出来ない気もしますわ。
 いつもより少し多めにあげておくべきかしら?」

        「そういうのは健康に良くないのかしらね」

とりあえず鳥小屋の様子を見て、餌もやってしまおう。

135『ペイズリー・ハウス』:2018/10/12(金) 21:33:06
>>133-134(ALL)

カンナ「アスミねーちゃん、アリーナって所の闘技者なのか!
すげーっ! 強いのかっ?」

大体予想してたが、この中でも一番アウトドア的な園児は
目をキラキラさせてアリーナの選手アルカラである貴方に聞いてくる。
勝負を挑もうまではしなくても、思い出す度に色々質問はするだろう。

外に出ると、三人はガラスシートを貼り付けたり網戸を付けるなど
地道に作業している。話しかけない限り作業は継続されるだろう。

 コーコッコッ……

鶏の集団は今日も元気に鳴いている。オピネルは、出入口側で外を
睨みつけており。貴方たちを見るとクェェ……! と少し威嚇する
鳴き声を発するものの、昨日のように行き成り襲い掛かる様子はない。
貴方たちがどのような人物なのか、交戦したある程度理解はしたのだ。

オピネルの妻らしき鶏は、奥側でじっと座り込んで孵化を続けている。
 傍には多くの鶏は接しておらず、心なし幾らかの仲間達も落ち着きない。
多分 今日の夕方頃。台風が『山場』なのだろう。

 カンナ「しっかり孵すんだぞー」

 まつり「頑張るのですわー」

 アオキ「余計な刺激させるのは、今は止めておくべきだね。
……ぁ そう言えば、あの連中は完全に初対面だし。行き成り
修理で近づかせても、オピネルが過剰に反応すると思うけど……どうする?」

ここでアオキは気づいた顔で、貴方たちに相談を投げかけた。

ふむ、確かにこのままだと。あの三人がどの程度強いのかさておき
ひと悶着おきる可能性は高い。

136『ペイズリー・ハウス』:2018/10/12(金) 22:34:54
>>133-134(ALL)

カンナ「アスミねーちゃん、アリーナって所の闘技者なのか!
すげーっ! 強いのかっ?」

大体予想してたが、この中でも一番アウトドア的な園児は
目をキラキラさせてアリーナの選手アルカラである貴方に聞いてくる。
勝負を挑もうまではしなくても、思い出す度に色々質問はするだろう。

外に出ると、三人はガラスシートを貼り付けたり網戸を付けるなど
地道に作業している。話しかけない限り作業は継続されるだろう。

 コーコッコッ……

鶏の集団は今日も元気に鳴いている。オピネルは、出入口側で外を
睨みつけており。貴方たちを見るとクェェ……! と少し威嚇する
鳴き声を発するものの、昨日のように行き成り襲い掛かる様子はない。
貴方たちがどのような人物なのか、交戦したある程度理解はしたのだ。

オピネルの妻らしき鶏は、奥側でじっと座り込んで孵化を続けている。
 傍には多くの鶏は接しておらず、心なし幾らかの仲間達も落ち着きない。
多分 今日の夕方頃。台風が『山場』なのだろう。

 カンナ「しっかり孵すんだぞー」

 まつり「頑張るのですわー」

 アオキ「余計な刺激させるのは、今は止めておくべきだね。
……ぁ そう言えば、あの連中は完全に初対面だし。行き成り
修理で近づかせても、オピネルが過剰に反応すると思うけど……どうする?」

ここでアオキは気づいた顔で、貴方たちに相談を投げかけた。

ふむ、確かにこのままだと。あの三人がどの程度強いのかさておき
ひと悶着おきる可能性は高い。

137夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/12(金) 23:54:45
>>134
>>135

「ほうほう、つまり『サトリちゃんち』みたいってコトか〜〜〜。
 いいなぁ〜〜〜わたしもあやかりたいなぁ〜〜〜。
 ま、ウケたんならソレでよし!!」

頭の中では、バスタブの中で札束に埋もれる映像が流れていた。
もし口に出していれば、
それは上流社会ではなく成金だとつっこまれたかもしれない。
ただし、口に出さずとも顔には出ていたが。

「――あ、うん。えっと、まぁね」

知らないことを知りたいという気持ちはよく分かるが、
この年で殴り合いに興味を持たせすぎるのもどうか。
ここはカンナを煽らないように注意して答えておこう。
もっとも、『強い』という部分は否定しないが。

(まったく、キンイチときたら……。
 シゴトしにきたくせに、こっちのシゴトふやしてどーすんだ)

呆れた表情で、三人の方を一瞥する。
まぁ、ああやって仕事している分には、新たな問題は起こさないだろう。
そう思っていた矢先だった。

「あ〜〜〜……それがあったか……」

言われてみれば、その通りだ。
ある程度は和解した自分達に対しても、まだ威嚇している。
相手が全く知らない人間なら、もっと攻撃的な態度に出るだろう。

「つまり、さんにんとオピネルをあわせなきゃイイんだよね??
 でも、オピネルをヨソへうつすってのはゼッタイにムリでしょ。
 だったら、さんにんのかわりにウチらがしゅうりするとか??
 でも、このテの『DIY』のケイケンってゼンゼンないしなぁ〜〜〜。
 だいいち、しゅうりするのは、むこうのシゴトでしょ」

「ダキョウアンで、ウチらがあいだにたって、
 トラブルがないようにみはるっていうのは??
 どっちみちキンイチには、しずかにさせとかなきゃダメだろうけど」

138天雨 サトリ『10cc』:2018/10/13(土) 01:14:06
>>136(夢見ヶ崎)
>>137(GM)

「もっとうらやんでもよろしくてよ!
 なにせ私の家はお金持ちですし、
 うらやまれるのは気分がいいですから」

        フフ

「それで……そうですわね。
 今すぐ慣れさせられれば一番でしょうけど、
 餌やりを代行させた程度では厳しいでしょうし」

そもそも餌やりをさせるのも危険だろう。
それが問題無くできるなら家も大丈夫なはず。

「見張っておくのが無難でしょう。
 ただ、それで『オピネル』が納得するか。
 知らない人間3人に対して、私達は2人。
 戦いでも『数』の優位を活かそうとしていた、
 あの鶏の感覚では『心もとない』気がしますわ」

「ここは人数を分けて1人……せめて2人で小屋を直していただいて、
 残りの人は施設の方を引き続き進めていただくのはいかがかしら?
 それならば多少は信用を得ている私達の方が人数が多くなりますし」

               チラ

三人組に視線を向ける。
まとまって一カ所で作業しているのだろうか?
それとも、各々で進めている感じだろうか?

「なにも、3人そろわないと作業が進まないわけでも無いでしょう」

プロの修理屋とかなら役割分担とかの都合もあるだろうが、
金一はともかく他二人はバイト。『やり方』にこだわりや決まりは無いはず。

139『ペイズリー・ハウス』:2018/10/13(土) 19:09:04
>>137-138(ALL)

 天雨が見るかぎり、三人は一階の窓を手分けして窓が割れないシールの
貼り付け作業などしていた。いま、君達は鶏小屋に集まってる形になるので
三人は表玄関の窓の作業をしているので、見える場所に居ない。
 相談する最中に、一通りの道具を提げた青年が向かって来る。

ヤジ「……んっ、どうかした?」

カンナ「ヤンキーのにーちゃん。表は終わったのかー?」

ヤジ「ヤンキーじゃなくて、ヤジな。
大体一階は連れが終わらせそうだから。パッパーと裏側を俺がね
……あ、なんか問題とかありそうっすか?」

 ある程度聡いらしく、貴方たちの表情から何か不味い事か
ありそうに気づいて鶏小屋より少し距離ある場所で立ち止まる。

 ヤジ「鶏小屋の修繕とか先にして貰いたいなら。俺一人でも
やりますよ。ただ、スタンド関連でなんか問題あるなら
俺一人だと管轄外になるから、手伝い欲しいのが正直な所なんすけど」

 彼一人でも、金網の修繕は可能らしいが……。

140夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/13(土) 21:31:19
>>138
>>139

「――『イギ』なし!!」

サトリの言葉に同意したところでヤジが来た。
彼の方に向き直る。
イタズラっぽい表情で。

「いやー、ベツにたいしたモンダイじゃないよ。
 スタンドとかカンケイないし」

「ただ『ブチキレたキョーボーなニワトリにおそわれる』ってだけだから。
 スタンドにくらべたら、どうってコトないよねぇ〜〜〜??」

ニヤニヤしながら冗談めかして言う。
ま、悪ふざけはこのくらいにして。

「ヤジちゃんはウチらでガードするからさ。
 そのあいだにパパッとやっちゃってよ。
 くれぐれもニワトリさんをシゲキしないよーにね」

         ズギュンッ

トラブルに備えて『ドクター・ブラインド』を発現しておこう。
本体は、作業するヤジの近くに立って、オピネルの動向に気を配る。
『ドクター』は、鶏小屋の中に入ってヤジとオピネルの間に立たせておく。
もしオピネルが飛び掛ってきたら、すぐに妨害できるように。
オピネルにスタンドは見えない。
ジャマされるコトはないハズだ。

141天雨 サトリ『10cc』:2018/10/13(土) 22:16:18
>>139(GM)
>>140(夢見ヶ崎)

「あら――――ちょうどいいところに。概ね明日美さんの言う通り。
 鶏の気が立っているから、大勢で行くと危なそうなんですの。
 だから誰か一人でやっていただいて、その方を私達がガードしようと」

「危険な役目ですし……無理強いはしませんわよ。
 貴方方と私達は『対等』。命令権はありませんもの」

無理強いはしないと言われて『じゃあやめときます』とは言いづらいものだ。
もちろんどうしてもいやなら他の二人に当たるが、出来ればヤジに任せたい。

「ああ、そうですわ。お疲れになったら仰いなさい。
 私のスタンド、『10cc』は『疲労回復』が出来ますから」

「ただし、『肉体疲労』に限りますけれどね」

受け入れられたら、『10cc』を発現。
鳥小屋から少し離れた位置に水を撒き、
いつでも『野イチゴ』を供給できるようにする。

疲労は進捗の敵。必要ならどんどん食べてもらい迅速に済ませよう。

142『ペイズリー・ハウス』:2018/10/14(日) 22:16:32
>>140-141(ALL)

 ガシ ガシ

ヤジ「狂暴なニワトリ……ねっ。金網の修繕の原因ってのは
そいつなのかい? まぁ、スタンド扱えるわけじゃねぇなら……」

 ポリポリ……

ヤジ「…………ぁー なんかしてるんっすか?」

 最初は頭をかきつつ、そして頬を掻いて天雨が如雨露を傾けるのを
不思議そうに彼は何をしてるのか理解してない表情を浮かべる。

  ――思えば。

貴方がたは最初の交戦時にも、疑問を覚えていた。
天雨の扱うスタンド『10cc』 それに立ち止まり警戒して
近づかない行動をとった『オピネル』に。

ヤジには『10cc』と『植物』が見えていない……と、言う事は。

       ――クェェエエッッッ……!!

 見知らぬ青年。園の中へ入って来た見知らぬ侵入者。
園児達や、アオキ。それに夢見ヶ崎や天雨に関しては別に良い。
 だが、全く匂いも気配も未だかつて認識したことのない大柄な生き物。

ボス鶏にとって、最愛の番いが孵化の為に命を削る今。寛容と言う
感情はなく、ただ排除のみの意思を瞳に宿す。

 ギンッ――!

 オピネルの二束の足の片方に……『銀色の刃』らしきスタンドが。
軍鶏がつける武器のように発現される! 
 昨日でも、植物を切る際に行われてた回転と共に一瞬。これが出ていたのだ!

 『クゥゥウウッッエェェ工!!』

アオキ「っっ相当 ぶち切れてるよ!」

ヤジ「な なんか話が違くねぇか??
 そいつの迫力や気配。普通の鶏の比じゃねぇんだが」

 オピネルは毛を逆立て、いまにもヤジに襲い掛かりそうに
破れた金網から体を覗かせる。
 捕捉された彼との距離は2、3m程で。貴方たちとボス鶏の距離も
同じ程度だが、オピネルの標的はヤジのみだ……。

143夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/14(日) 23:35:14
>>142

「――めんどくせえ」

その光景を前にして、げんなりした表情と共に本音が口から出た。
しかし『ガードする』と言っちゃった手前、やっぱやらなきゃならんよね。

「あ、ヤジちゃん??なんかコイツ、『スタンドつかい』だったんだってさ。
 いやぁ〜〜〜はじめてしったなァ〜〜〜」

まるで他人事のようにノンキな口調でヤジに告げる。
ちょっと驚いたが、襲ってくるのは予想していたコトだ。
『対処』はできる。

「サトリちゃ〜〜〜ん、
 このまえのタッグマッチでタイセンした『オピネル・ザ・チキン』から、
 『リベンジマッチ』のもうしこみがきてるみたいだよ??」

オピネルから視線は逸らさず、サトリに声をかける。
言葉は冗談めいているが、表情はマジだ。
りりしくひきしまってキリッとしてるぞ!!たぶん。

あと、ちゃんときづいてたからな!!
きのう、やられてるクセにスタンドださなかったから、
もってないとおもっただけで!!
はい!!ショウコのビデオをどうぞ!!

           ↓ 以下、証拠の動画を再生します

>>28

(ショクブツがきられた――あれ??)

『10cc』によって生み出された植物が実体化しているかどうかは、
まだ聞いてなかった。
もしそうでなければ、あのニワトリはスタンド使いの可能性もある。
心の中に警戒心が生まれる。

(スタンドつかいだろーと、そうでなかろーと――)

             ※動画ここまで

はい!!ストップ!!
おわかりいただけたでしょうか!?シチョウシャのみなさん!!

「ヤジちゃん、サトリちゃんのそばにいて」

          「サトリちゃん、ガードはまかせた」

                   「ジュリエット、なんとかいってやってよ」

現在、オピネルはヤジにのみ注意を向けている。
多分、次の瞬間には襲い掛かるだろう。
『それでいい』。
                       ブラックアウト
ヤジに攻撃を仕掛ける瞬間を狙って『盲 目 化』を行う。
当然だが、オピネルが飛び上がったりした場合は、
手の届かない位置に行く前に切り付ける。
『ドクター』のスピードと精密さなら十分に可能な芸当だ。

ないとは思うが、オピネルが攻撃を仕掛けなかった場合は様子を見る。
攻撃するのは確実に隙ができる瞬間でなければいけないからだ。
それに、攻撃される前に攻撃するのは何となく気分が良くない。

ヤジを守るコトはサトリに任せる。
当のヤジ本人にしても、スタンドは見えなくてもオピネルは見える。
逃げるなり避けるなりはできるハズだ。

144夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/14(日) 23:46:47
>>143
オピネルの攻撃が自分にも当たりそうなら、その場から動いて避ける。
直接狙われてなくても巻き添えで食らうコトはありうる。
ただし、優先順位はスタンドの操作の方が上。

145天雨 サトリ『10cc』:2018/10/15(月) 01:30:47
>>142(GM)
>>143(夢見ヶ崎)

「『10cc』――――私のスタンドは『如雨露』ですの。
 今は水を撒いているところ。勿論意味がありますのよ」

          と。

ここで予想外の事が起きた。
正しくは、一度は予想していたが切り捨てた可能性だ。
あれだけ押して発現していなかったのだから、
てっきり無いものと――単に『無茶な強さの鶏』と思っていた。
草を刈り飛ばしたのも、単に『鋭い前足』だと――甘い考えだったか。

「群れを守る自分は『強者』でなければならない。
 昨日負けた私たちに挑む心持はそういう物かしら?」

                ザッ

「明日美さんは嘘を言ったわけではありませんわ。
 このニワトリはスタンドを『隠していた』。
 彼女は間違える事はあるけど嘘はつかない。
 信用できる人間であると、それだけは伝えておきたい」

今後の仕事のこともある。
ヤジに弁明を入れつつ、
彼とオピネルの間に立つ。
これは話すより早く、可能な限り迅速にだ。

「受けて立ちましょう、明日美さん。
 ヤジさん、下がっていてくださいまし。
 貴方は私が『スタンド使い』としてお守り致します」

                 ジリ

「人間の言葉は通じないでしょうけれど、
 これだけは言っておきますわ。
 この方はあなた方の家を直しに来ただけ」

「だから引くとは言えないのが、『雄鶏』の辛い所かしらね」

『10cc』をやや傾けながら目の前に構え、
攻撃を受けてでもヤジに通さない事を考える。
同時に足元に水を流し続け、自分の目の前に草を生やしておく。

146夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/15(月) 16:41:49
>>144
余裕があれば視線を動かして、金網の穴を塞ぐのに使っていた板を探す。
とりあえず場所を把握しておく。

147『ペイズリー・ハウス』:2018/10/15(月) 22:13:26
>>143-146

簡易マップ 現在位置

□■□□
□□□○   ■=鶏小屋及びオピネル
□△☆□   ○=アオキ達 ☆=夢見ヶ崎・天雨 △=ヤジ


ヤジ「えぇ えぇ! 言われずともさっ」

及び腰で、彼は注意深く余り目の前の猛禽類を刺激しないように
ソロソロと数メートル後退を開始する。

 クェェェェッッ!  タンッ  タンッ!

対して、オピネルは行き成り襲い掛かるだろうと二人は考えてたが
始める行動は、貴方たちと交戦の際も行った。その場でのリズムを刻む
跳躍だ。それを行いつつ、ヤジも睨みつけて鳴きながら
貴方たち二人のスタンドに対しても首を向け、唸る。

修繕前に立てかけていた板は、鶏小屋の金網すぐ横に掛かっている。
 ジュリエットもとい、オピネルの妻は孵化に集中して動けない。
そして、天雨は言葉を投げかける。

>これだけは言っておきますわ。この方はあなた方の家を直しに来ただけ


 『クゥゥゥ……ッ! クゥゥウゥ……!!』

その言葉に、激しく鶏冠を横に振りつつオピネルは鋭い威嚇の
細い鳴き声を出しつつ間合いが大分あいたヤジに未だ睨みつけている。

……どうも、何か気に入らない事があるようだ。

148夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/15(月) 23:50:51
>>145
>>147

「おもったんだけどさー……。
 いま、はじめてまともにスタンドをだしたのかもしれないね。
 きのうはスタンドが『でかかってて』、ちゃんとだしたのはいまがはじめてとか。
 もしかしたら……ジュリエットをたすけようとしたのがゲンインで、
 めざめちゃったんじゃないの??」

「きのうのアイツ――あきらかに『ゼンリョク』だった。
 だったら、スタンドださないリユウはない。
 こっちはスタンドつかってたんだから、なおさらそう。
 もし『だしおしみ』してたとしも、
 やられるまでスタンドをださないなんてありえない。
 キゼツさせられちゃったら、ジュリエットをたすけられなくなるんだから」

「めいたんてい『アリス』の『スイリ』――どう??」

           フフン

口元に笑みを浮かべて得意げに胸を張る。
ともかく――。

「なにソレ??
 『リアルバウト』じゃなくて『タップダンス』でたいけつしようって??」

いっそのこと、さっさと襲い掛かってくれたら早く済んだのに。
狙いが分からないから、今は下手に動かない。
板の位置は把握したので、必要があればすぐに確保する。

「なんかさぁ〜〜〜、
 コレってヤジちゃんがいなくなればカイケツするんじゃない??
 サトリちゃん、どうおもう??」

気に入らないコトがあるとすれば、どう考えても一つしかない。
このままヤジの姿が消えれば、暴力ナシで問題解決するんじゃないかと思える。

「でも、そのばあいダレがシュウリすんの??
 ウチらがやる??えぇ〜〜〜??」

「いや、バイトがヒトリでもできるくらいだし、じつはカンタンなのか……。
 デンワでシジとかしてくれたら、そのばにいなくてもイイとおもうんだけど。
 それってどう??」

「まぁ、ヤジちゃんをみとめさせるよりウチらがやっちゃったほうが、
 はやいしラクだよね、たぶん」

「――オジョーサマ、いかがいたしましょう??」

ここは、サトリに意見を求めよう。

149天雨 サトリ『10cc』:2018/10/16(火) 00:19:10
>>147(GM)
>>148(夢見ヶ崎)

あからさまな警戒動作。
サトリは――少しだけ如雨露を下ろす。
自分まで相手を警戒させる必要はないからだ。
ただ、万一の場合に備えて解除などはしない。

「……ヤジさん、そのまま下がり続けて。
 このニワトリの人見知りは想像以上ですわ」

深読みはおそらく必要ないだろう。
なにせ相手は動物だからだ。
ヤジを拒否している――――素直に受けとる。

「明日美さんの考えが正しいとすれば、
 彼は自分の能力を上手く制御出来ない可能性もある。
 そうなると『少し離れる』だけではまだ危険かもしれませんわね」

「……やりましょう明日美さん。私達で、修理を」

                フゥ〜ッ・・・

想定外の仕事にため息をつく。

ヤジに出来て自分たちに出来ない事はあるまい。
なにせ彼はただのバイトだ。『偶然頭数になった』人間だ。
同じく『偶然自分たちが修理をする事になった』二人と、そう変わらない。

「…………相手が動物である以上、
 説得は出来ない。何で妥協するのかも見えない。
 スタンド使いでないヤジさんを『認めさせる』危険も大きい。
 であれば、分かり易く『警戒の元』を断つしかありませんわ」

「ヤジさん、こちらの小屋の修理――『手順』などはありまして?
 それとも、全てアドリブで行うように言われているんですの?」

電話か何かで遠隔指示を貰うか、
あるいは指示書でもあるならそれを借りよう。

それはヤジにとっては不本意――――というわけでもないはずだ。

150『ペイズリー・ハウス』:2018/10/16(火) 22:29:07
>>148-149(ALL)

ヤジ「まぁ しゃあないか。下手に俺が居続けて
面倒事が多くなるのも、あんた達には酷だろうしな。
 見たところ全体的に錆びも幾つか見られるし。
穴の開いてる場所の網ごと良い機会だから全部取り替えるほうが早いかもな」

夢見ヶ崎と天雨の言葉に、彼は素直に引き下がる。
オピネルが同種を守り抜こうと殺気立っている以上、ベストでなくても
危険が起こる確率が低いベターの妙案を選ぶのも一つの良い選択だ。

ヤジ「とりあえず金網だけは出させて貰いますよ。取り外したりとか
限りなく俺が、その鳥公の目に入る危険がるのは御ふた方に任せるって事で」

彼は金一が乗ってきた車のトランクから、新しい金網を出すと
オピネルが見えない位置に置いた。そして、園の内部の清掃に入ると
中に消えていくだろう。
 金一と小林は窓の補修作業を大体終えそうな形だ……。
オピネルは、ヤジの姿が消えるのを視認すると。落ち着きを取り戻し
妻の近くに座り込む。外に向ける目線は鋭いが、園児たちや貴方たち以外
目に入らないうちは、また逆上する事は低いだろう。

151夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/16(火) 23:37:24
>>149
>>150

「よし、きりかえていこう!!かんがえたってしかたない!!
 あんがい、こういうのもいいケイケンになるかも。
 それに、わたしってテサキはキヨウだしさ。
 チャチャッやっちゃおう!!」

大きく頷いてサトリに同意する。
アオキから危惧を聞いた時点で予想はしていたが、案の定の展開になった。
でもまぁ、やるしかないなら手早くやってしまおう。

「あー、ここにきたのがキンちゃんだったらオモシロかったのになぁ――
 って、お〜〜〜い!!トリツケカタとかは〜〜〜??
 セツメイショとかないの〜〜〜!?」

ヤジが去ってしまう前に聞いておく。
もしかしたら説明書があるかもしれない。
もしあるなら、それを見る。

「サトリちゃん――わたし、シンパイなコトがあるんだけどさ。
 ソウダンにのってくれる??」

子供達に聞こえないように、小さく抑えた声でサトリに言う。
平常時と比べると、どことなくマジメな顔つきだ。

「じつは……きのうのよるにカレーたべすぎたから、
 ウエイトコントロールがみだれてないかどうかコワくって……」

タイジュウケイにのるのがコワい……!!
でも、そだちざかりだし、たぶんダイジョーブでしょ。ね??
そう自分に言い聞かせ、この大いなる恐怖を乗り越えよう。

「それはおいといて、もうイッコ――」

         チラッ

小屋の中に戻ったオピネルを一瞥し、言葉を続ける。

「ここをシュウリしたとするじゃん。でも、スタンドもってるでしょ。
 そのきがあったらカンタンにダッソウできちゃうんじゃない??
 しかも、あのセイカクだし」

まだスタンドの詳細は見ていないが、大いに考えられることだろう。
あの外見から判断すると、ひょっとして金網に穴くらいは開けられるかもしれない。
一回では無理でも、何度も繰り返していれば壊される可能性は十分ある。

「いちおう、あとでキンイチにはいっとくよ。
 ここのニワトリは『スタンドつかい』だって。
 アイツをとおして、イサゴさんにつたえてもらえるように」

「いままでどおりココにおいとくってのは、ちょっとムズカシそーだよね。
 ちいさいコがいるしさ。
 『キョーボーなニワトリのスタンドつかい』がおなじばしょにいるのは……
 さすがに、ねえ??」

ここにいる子供達もスタンド使いとはいえ、子供は子供だ。
常識的に考えれば、危害を加える可能性がある動物が、
子供達と同じ敷地内にいるのはマズイだろう。
まぁ、その辺はここを運営している『アリーナ』が決めるコトだろうけど。

152天雨 サトリ『10cc』:2018/10/17(水) 01:51:42
>>150(GM)
>>151(夢見ヶ崎)

ヤジに聞いた事は夢見ヶ崎が聞き直してくれたので、
こちらから二度目は言わないでもいいだろう。
同じことを何度も言われるのは気分も悪いだろうし。

「ええ、いずれこの経験が生きる日も来るでしょう。
 ――――とりあえず軍手でも用意しましょうかしら?」

金網、鶏に対して素手はやや怖い。
そういう手袋のようなものが無いだろうか。
それと、建物方向に水を撒いておく。
金一などが近づいて来るのを察知する用だ。

それから――――

「心配? よろしくってよ明日美さん。
 …………ウエイトは重要だけれど、
 この作業でカロリーは消費出来ますわ」

         「きっと」

カレーのカロリーについては口を濁す。

「……問題はこの作業では済まない方ですわね。
 オピネルは――――流石に看過できませんわ。
 性格だけなら卵が孵るまでの事で済んだけれど、
 貴女の言う通りスタンドを持っているのは不味い」

「とはいえ私達で解決できる話ではありませんものね。
 もし解決するなら、報告しかないでしょう。出来る人間に。
 今は少しでも脱出を防ぎやすいよう、補強するのが出来る事」

         (移動で済めばいいけれど……ね)

自分がスタンド使いを運用する組織ならば、
能力に目覚めた動物を――ただ飼いはしない。

              「……」

(オピネルに罪は無いけれど、そこまで面倒は見切れない。
 子供に無理をさせるよりは、鶏に無理をさせる方が良い。
 ……両方を取れるなら迷わず取るけれど、今は思いつきませんわ)

153『ペイズリー・ハウス』:2018/10/17(水) 20:51:00
>>151-152(ALL)

 夢見ヶ崎がヤジの背に声をかける。彼は、その声に立ち止まり
ポケットからサラサラっとメモ用紙に一枚付け方などの一連の流れを
記入させたものを、金網と一緒に置いた。尚、他にも軍手やら釘と
トンカチなど必要な一式も置いている。

 ヤジ「じゃあ、何か他に必要なものあったら連れか、あのおっさんに
聞いてください。俺個人に用事あるんなら、中で作業してますから」

そう言って、今度こそ彼は立ち去る。

他に残る問題があるとすれば、『オピネルの処遇』だ。
 スタンドが使える以上、このままずっと園で過ごさせるのはどうかと
二人は悩む。それを聞いてたアオキも意見を出す。

アオキ「まっ……こいつは今は奥さんが緊急事態だから気が立ってるけど。
普段はそこまでつっけんどんではないと思うけどね。
でも、スタンドが使えるなら。ただこのまま世話し続けるって言うのも
問題だよね……そのイサゴって人の判断しだいなのかな」

 貴方たちの意見寄りの姿勢だが。ある程度の世話をした愛着もある
正直に言えば、このままの状態でも構わないが。露骨に反対はしない様子だ

カンナ「修理中は、暇だなー」

まつり「餌やりも終わりましたわ」

園児たちは、暇をもてあそんでいる……。

154夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/17(水) 22:29:40
>>152
>>153

「――……??」

不意に押し黙ったサトリの表情を、怪訝そうな顔つきで見つめる。
危険を指摘したとはいえ、夢見ヶ崎にはサトリほどの先見性はない。
別の場所へ移されるだろうとは考えているが、
それからどうかなるかまでは考えが及んでいなかった。

(サトリちゃんはオトナだから、きっとイロイロかんがえてるんだろーな)

自分が思いつくコトといえば、
アオキを含めた子供達が寂しがるだろうということくらいだ。
特に、一番ニワトリ達を気にしていた様子のくぬぎは寂しく思うだろう。

「コドモたちも、オピネルがいなくなったらサビシイとおもうけど……。
 こればっかりは、そのリユウだけじゃねぇ……。
 アンゼンがダイイチだろーし」

相手は動物だ。
お互いに悪気がなくとも、
誤解が重なって大きな事故に発展するという可能性も捨てきれない。
子供達の安全を最優先に考えるなら、やはり共生するのは難しいだろう。

「ま、『ホーコク』はさせてもらうよ。
 『しってるのになんでいわなかった』っておこられるのイヤだし」

とりあえず今やるべきコトは小屋の修理だ。
まず軍手をはめよう。
そしてメモの通りに作業を開始するコトにする。

「あ!!どうせならさ、カナアミを『ニジュウ』にしとく??
 なんなら『サンジュウ』でもいいかも。ま、できそうならだけど」

サトリに声をかけつつ、子供達の方を見る。
退屈してるみたいだし、
あのままにしとくと目が届かないところで何かするかもしれない。
かといって、自分達は今は手が離せないし、手伝わせるというのも危ない。

「ちゅうもく!!キミたちに『ジューヨーニンム』をあたえよう!!
 あのオッサンたちが、ちゃんとシゴトしてるかどうかみはっててくれ!!
 もしかしたらサボってるかもしれないぞ!!」

なので、子供達にも『シゴト』を与えよう。
もちろん本気で言ってるワケじゃない。
修理が終わるまでの間、子供達に大人しく過ごしてもらうための口実だ。
言葉とは逆に、金一らに子供達を見張らせるという意味もある。
子供達の世話は彼らの仕事じゃないが、近くで危ないことをしていれば、
さすがに止めてくれると思う。
彼らも作業中だろうが、ヤジが抜けてきていたところを見ると、
手一杯の状態というワケでもなさそうだ。

「……アオキ、さんにんをコッソリみといてくれない??」

そして、アオキにも念のために頼んでおこう。
子供達の注意を金一らに向かせ、子供達の背中をアオキに見守ってもらう。
万一の場合にも対処できるだろう。

「――サトリちゃん、どうかな??」

顔を動かして、小さな声でサトリにお伺いを立てる。
彼女に他の考えがあれば、それを聞きたい。

155天雨 サトリ『10cc』:2018/10/17(水) 23:30:54
>>153(GM)
>>154(夢見ヶ崎)

「ええ、助かりますわ。ありがとう」

            ニコ

とりあえず軍手やらの道具を用意し、作業に入ろう。

「ここに残したい気持ちは分かりますけれど、
 能力がどういうものか分からない以上は…………
 少なくとも網を強化するとか、専用の飼育員を雇うとか、
 何かしらオピネルのストッパーは必要になるでしょうね。
 普段来る職員がそういう能力の持ち主なら話は早いでしょうけど」

「当座は明日美さんの言う通り、二重三重にでもしましょうか」

内心は、そう上手くはいかないだろうと考えている。
大人と言えば聞こえはいいが、小賢しいだけかもしれない。
サトリはそれを恥ずかしい事とは思わない。『成熟』はそういうものだ。

                     チラ

と、暇そうな子供たちが目に入った。あまりよくなさそうな兆候だ。

(……子供達にも何かひまつぶしを与えるべき?
 遊びの指示までするのは過保護な気がしますわね。
 とはいえ……どうしましょう。私達に構ってあげる余裕はない。
 作業の邪魔になる可能性もあるし、金一達に近付けるのは……
 けど、勝手に近づくよりはいいかしら? 何か『やること』を与えれば)

機能から見ている限りではそこまで分別がない子たちではない。
空気は読めるというか、真剣に作業しているのを邪魔したりはするまい。

「…………」

(見張り――――私達が作業を代わっているのだから、
 その分ということで仕事としての妥当性もありますわね)

「とても重要な任務ですわよ。私達の家の安全に関わる事ですもの!
 しっかり見張っておやりなさい……ただし、手は出さないようにね。
 あの方たちにはあの方たちなりの『進め方』があるでしょうから、
 おかしな事をしてたりサボっていたら戻ってきて報告してくださいまし」

             「出来るかしら?」

子供に仕事をさせるのはどうかとは思うが、
これくらいならまあ、お手伝いの範疇だろう。
あとで時間があれば御褒美に何か作ってあげる気はある。

カンナなどの暴走を防ぐためにも、異常事態が起きた場合は戻るよう補足する。
また、目的をはっきりさせるために『手出し無用』も明言しておくのがいいだろう。

                 「――――私なら、こうしますわ。
                   それ以外に変える必要はない。
                     名案だと思いますわよ明日美さん」

夢見ヶ崎には、同じく小声でそう返しておく。彼女の案ありきなのでそこははっきり伝えておく。

156『ペイズリー・ハウス』:2018/10/19(金) 20:20:58
>>154(夢見ヶ崎PC)

貴方はアオキに対し三人の見張りを頼みつつ修理に勤しもうとする。
 だが、彼女の返答は肯定とは異なった。

アオキ「私も手伝うよ。一人だけじゃ、何かと大変だろうし
そっちも知ってる通り。わたし、こう言う『手仕事』に関しては
専門分野だよ?」

 少し淡く輝く手、『サバジオスの手』でトンカチを握るアオキ。
なるほど、確かに彼女はこう言う仕事ならプロレベルだ。
 効率を考えるなら、彼女が修繕を担当しつつ。補助に誰か一人
付けば短時間で終わるだろう。

アオキ「逆に、三人の見守りは。サトリか、明日美どっちかに
お願いしたいんだけど どう?」

>>155(天雨PC)

 カンナ「あいつらの見張りかー しょーがないなー」

 まつり「その代わり、お昼は豪華にお願いしますわー」

二人は口々に勝手に告げて了承に入り、園児三人は表口に向かおうとする。

そこで、アオキから貴方に対し提案を向ける。

アオキ「別に見守りが嫌とかじゃなくて、効率を考えると私が
修繕したほうが確実に早いんだよね。一応、支えたり鶏が勝手に
逃げ出したりしないように一人手伝いは欲しいから。その間だけ
どっちか、あの子達の御守りをしてくれない?」

 と、言うのがアオキからの提案だ。

157夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/19(金) 22:21:06
>>155
>>156

「おうおう、たのむぞ!!
 セカイのメイウンは、キミたちにかかっているのだ!!」

テキトーなことをほざきながら、三人を送り出す。
ひとまず、あっちはコレでよし。

「じゃ、さぎょうのメインはアオキにまかそっか??そっちのほうがはやいね。
 のこるのは、わたしがリッコウホしようかな〜〜〜。
 ニワトリがにげだしたら、ババッととっつかまえるよ」

『ドクター』はパワーに関してはイマイチだが、
ニワトリ一匹くらいならどうとでもなる。
パワーがなくとも、『能力』を使って抑え込めばいいんだし。

「サトリちゃん――むこうのほう、たのんでもいい??
 キンイチがキョーイクジョーよくないコトしてたら、ビシッといってやってよ」

ニワトリ達の方も気にしながら、サトリに問いかける。
個人的にアオキと話したいというのもあるが。
結局、昨日は入浴中もあんまり喋れなかったし。

「ま、アイツはソンザイじたいがキョーイクにはんしてるかぁ。
 『ハンメンキョウシ』ってヤツ??
 いや、そんなコトいったら『ハンメンキョウシ』にシツレイだなー」

好き放題のことを言っているが、良心は痛まない。
実際にそう思っているからだ。

158天雨 サトリ『10cc』:2018/10/19(金) 22:46:26
>>156(GM)
>>157(夢見ヶ崎)

「――――ああ! それもそうですわね。
 でしたらお任せしましょうかしら……
 ええ、お手伝いは明日美さんに任せましょう」

明らかに適役である『サバジオス』というか、
アオキを手伝わせるのを想定していなかった。
彼女は『仕事』でやってるわけじゃないからだ。
が、本人がやるというのなら任せない理由がない。
そして『サバジオス』に欠けた点を埋めるなら、
自分よりも夢見ヶ崎の『ドクター・ブラインド』がいい。

「つまり見張りは任されましたわ。
 私が見張っているからには、
 余計な事は起こさせなくてよ」

(もっとも……金一もこちらから構わない限り、
 少なくとも今の時点では何も妙な事はしていない。
 信用出来る人柄ではないにせよ、やはり悪党ではないのでしょう)

自分から騒ぎを起こすとか、ちょっかいをかけにくるとかは無い。
むしろ子供達が迷惑をかける事を懸念した方がいいのかもしれない。

ただ、聡明な夢見ヶ崎がああも厳しく当たる相手だ。
ちゃらんぽらんという言葉だけで済まされないような、
何か致命的な『やらかし』をする可能性もなくはない。

「――――やっぱり私も着いて行きますわ!
 何かあるたびいちいち報告に戻ってきてもらうのも、
 貴女達を無駄に走らせるようで申し訳ありませんものね」

(あの小林という人もどういった人間か分からないし、
 あまり楽観視はせず――――『仕事相手』として見ましょう)

そういうわけで、数に余裕がないとかではなければ軍手はしたまま、
三人の子供について、金一たちがいるであろう方へと向かうことにする。

159『ペイズリー・ハウス』:2018/10/20(土) 22:48:10
>>157(夢見ヶ崎PC)

アオキ「アスミは、あの金一って言う人の事。随分毛嫌いしてるんだね」 フッ……

僅かに笑いつつ、彼女はプロフェッショナルにトンカチを扱い新しい
金網を取り付けていく。オピネルは少し鋭い目つきでアオキと貴方を
睨んでるが大人しい。数羽の鶏が千鳥足で外に出ようとするが、スタンド
を使わずとも取り押さえて中に戻せるだろう。

アオキ「……正直さ。アリーナの人達って あんまり好きじゃないな
以前、ちょっと事件に巻き込まれた時から。色々としてくれてるけど
はっきり言うと、あんまりプライベートな生活にまで口出しして欲しくないし」

アオキ「何でも屋てきな人達なんだろうけどさ。別に正義漢でやってるでもないし
趣味とか自分の好奇心満たすのが第一見たいな所があって。それが何か嫌
 助けてもらってる手前、強くは言えないけど……これって我がままかな?」

アオキはアリーナに対しては幾分と含むところがあるらしい。

>>158(天雨PC)

 貴方たち四人は正面玄関に行く。
ヤジは、既に中だとして。残る二人だが……一階の窓の補強は終わったらしく
作業はしてない。代わりに、窓付近で座り込むようにして、小林が何やら
じっと目を閉じて図面のようなもの持って固まってる。金一は貴方達の
目に入る場所にはどうも居ない。

カンナ「なんだー? にーちゃん寝てんの?」

小林「ん……あぁ、四人とも鶏たちへの餌やりは終わりましたか?
 どうも、彼が少し諍いを起こしてたようですが。何か気分を害する
ような事はありませんでしたでしょうか?」

まつり「ボスの鶏が、あのヤンキー風味の方が気に入らなかったですの。
……あら? そう言えば、何故その場に居なかった筈の貴方が知ってますの?」

小林「私の力、ですね。いま、その力で二階から天井付近を観察しています。
宜しければ、御一緒に拝見しますか?」

小林と名乗る青年は、丁寧な口調で貴方達に告げると共に上空30m程から
ビー玉程度のブリキの金魚らしいものを収めたスタンドらしいものを降下させて
貴方たちに見せる。これが、彼のスタンド能力のようだ。

小林「遠隔操作で視察できる能力です。これで、屋根や人の手が届きにくい
窓の傷などを観察して金一さんにご報告してから修理する手筈です」

カンナ「じゃあ、その金一のおっさんは今は何処なんだ?」

小林「二階へ上がってる最中ですね……そろそろ顔を覗かせても良い筈ですか」

小林青年の言葉が確かなら、金一はいま園の二階内部のようだ。

160夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/21(日) 01:07:41
>>158
>>159

(ふんふん、さすがさすが――このペースならパパッとおわりそーだなー)

アオキのテキパキした仕事ぶりを見て、心の中で思った。
また彼女の気分を損ねても困るので、あえて口には出さなかったが。

「――『けぎらい』ねぇ〜〜〜。そうみえる??」

ニワトリ達の見張りをしつつ、そう答える。
実際、客観的に見て厳しく当たっているように思えるのは事実だろう。

「まぁ、ショージキなところ『キライ』ってワケじゃないかな。
 あれは、なんていうか――
 いっしゅの『アイジョウヒョウゲン』みたいなもんだよ」

別の言い方をすれば――『オモチャ』にしているというコトだ。

「あ!!だからって、ベツに『スキ』ってワケじゃないから!!
 カンチガイしないでよね!!」

誤解を招くような言葉を使ってしまったことに気付き、即座に否定する。
いかんいかん、われながらシツゲンだった。
いご、チューイしよう。

「ま、なんつってもアイツはイイカゲンなヤツだしさぁ。
 じっさい、わたしはヒガイシャになったコトあるし」

……いっとくけど、わたしは『あのコト』をわすれてないぞ。
『アリーナ』でシアイをしたとき、
わたしはたたかうまえからノウリョクをかけられた。
かりにもサポーターのクセに、
そのカノウセイをこれっぽっちもシテキしなかったコトをなァ――ッ!!
わたしは、そのコトをちゃんとおぼえている。
だから、イマイチしんようしてないのだ。
デカいクチをたたくワリに、うだつがあがらないというのも、
シンヨウのひくいリユウのひとつではあるケド。

「いや〜〜〜それはフツーでしょ。
 プライバシーしんがいされるのは、だれだってイヤだとおもうよー。
 わたしだって、かってにジブンのへやにはいられたらキレるし」

とはいうものの、アオキの場合は事情が違ってくる。
彼女は、『アリーナ』が運営する施設で暮らしている身だ。
立場上、言いたいことがあっても大きな声では言えないのは辛いだろう。

「……なんつーかさ、これからモヤモヤするコトがあったらいってよ。
 ココロにたまってるモノはきだすと、ちょっとはラクになるしさ。
 かわりに、わたしがモヤモヤしたときもきいてもらうけどね!!」

文句を言えないアオキの代わりに、『アリーナ』にアオキの要望を伝える――
とまでは言わない。
できるならしてあげたいとは思うけど、
そんなことが簡単に実現するとも考えていない。
だけど、アオキの愚痴を聞くくらいはできる。
根本的な解決にはならなくとも、いくらか気持ちを軽くできるかもしれない。

161天雨 サトリ『10cc』:2018/10/21(日) 23:35:55
>>159(GM)
>>160(夢見ヶ崎)

一階の窓を一通り確認してから、小林に近付く。
一瞬サボってるのかと思い眉を顰めたが――

「『能力』を仕事に役立てていますのね、
 素晴らしい事ですわ……ああ、
 向こうのことはお気になさらないで。
 諍いの原因はヤジさんではなく、
 うちの『ニワトリ』の方ですもの……」

むしろ逆だったらしい。素直に賞賛を入れておく。

「勿論ニワトリにも罪はないけれどね」

オピネルが悪い、という空気にはしない。
それはくぬぎなどには居心地が悪いだろう。

(金一の現在地も把握しているあたり、
 数は一体じゃあないという事かしら?
 それとも単に推測をしているだけ?
 ……スタンドが絡むと『推理』は無理ですわね)

「……せっかくここまで来たんですし、
 金一さんの様子も見てみましょうかしら。
 小林さんのスタンドの『視察』は、
 私達が見ていたら集中出来ないでしょうし」

(金一に子供達を近づけるのはよくない、
 気はするけれど……下手に避けるのも失礼。
 子供達はあの男に特別嫌悪感もないでしょうし、
 私もそれほどは無い。明日美さんとアオキさんはある)

    (……このメンバーで話しておくのが無難ですわね)

一度くらい交流をした、というのは意味がある過程だ。
金一はかなりの話好きに見えたし、無言で帰るのは『モヤモヤ』もあるだろう。
サトリが見ていないところで勝手に妙な話をされるよりは、今『機会』を設けたい。

            ・・・まずないと思うが、仕事の手抜きが無いかも見ておきたいし。

162『ペイズリー・ハウス』:2018/10/23(火) 20:51:14
レス遅れ失礼しました
>>160(夢見ヶ崎PC)

>カンチガイしないでよね!

「はは。わかってるよ」
アオキは貴方の言葉に笑いつつ、テキパキと作業を済ませていく。
一枚の金網はほぼ取り付けられて重ねる二枚目の修繕に移る。

 「……アリーナに入るようになったのはさ。一度、浚われかけた事が
あったんだ。風呂場での傷も、それが原因」

 ぽつりと、彼女は表情を薄くして呟く。

 「アスミは、『エクリプス』って知ってる?」

>>161(天雨PC)

小林「わかりました。何かありましたら、此処で図面のチェックに
暫くあたっているので報告して下さい」

金一「おーしっ、着いたぜー! とりあえず何処からだ、おいっ」

小林青年の言葉が終えると共に、金一が窓から身を乗り出す形で顔を出す。

小林「まずは屋根の、東側の地点ですね。少し罅が入ってますから……」

金一「おぅ! んっ、あぁ そこの嬢ちゃん達。わりーんだが
もう一人の連れに掃除器とか雑巾の置き場所教えておいてくれ!
 これから俺たち結構忙しいからな!」

金一と小林青年は、これから屋根の本格的な修理に移行するようだ。
となると、ヤジが園の内部の清掃に集中するのだろう。
 中から掃除機をかける音などは聞こえない。もっとも、中に入った
ばかりだろうし、チリトリや箒で掃除してる可能性もあるが……。

尚、明日美と天雨も昨日いろいろと内部を見回った事で掃除器具など
何処ら辺に置いてあるか把握してる(※何処に置いてあるかPLが
勝手に決めて問題ない)

163夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/23(火) 22:24:42
>>161
>>162

「『エクリプス』――」

その名前には聞き覚えがあった。
金一から聞いたし、ベティからも確か聞いたような覚えがある。
スタンド使いを擁する犯罪者の組織。
もっと分かりやすく言うと『なんかすげーヤバいヤツら』。
夢見ヶ崎の中での印象は、大体そんなところだ。

「うーん、どっかできいたようなカンジがするけどなぁ。
 『けしょうひんメーカー』だっけ??あ、あたらしい『ファッションブランド』??」

一見とぼけたような言葉を返す。
それから、おもむろに『サングラス』を外した。
『ドクター・ブラインド』を出しているので、何かあれば『音』で分かるから問題ない。

「スタンド使いの『犯罪組織』――私が知ってる事は、それくらい」

「……続けて。私、聞くから。さっき約束したもんね」

鶏小屋を背にして、アオキの話に耳を傾ける。
手の中では、外したサングラスを弄んでいる。
これを外したのは、気持ちを切り替えるためだ。
今、目は見えていない――。

164天雨 サトリ『10cc』:2018/10/24(水) 00:11:44
>>162(GM)
>>163(夢見ヶ崎)

「ご機嫌よう、金一さん。
 掃除用具――――ああ! そういえば、
 私達の方からは説明していませんでしたわね」

(この様子だと監視を本当にやる必要はありませんわね。
 少なくとも自分の仕事には熱心に取り組んでいる。
 あとはヤジさんに場所を案内して、それから戻れば、
 恐らくはアオキさんの能力なら一通り済んでる頃でしょう)

「ええ承りました、伝えてまいりますわ。
 屋根に上るんでしたらくれぐれもお気をつけて」

    クルッ

「そういうわけですから皆さん、ヤジさんのところに行きましょう」

自分以外の一行に、次の目的地を告げる。

掃除用具はまとめて置いていたはずだ。
トイレやふろ場、洗い場などの用具は、
それぞれの場所の近くにあったが、
基本的な床清掃の用具はまとめてある。

(――――それにしても、一人で全部やるのかしら?
 まあ、仕事を私が無償で手伝うのは筋違いだけれど)

なかなか重労働だろうし、案内は早めにしてやろう。
とりあえずヤジが居るであろう場所に向かうことにする。

165『ペイズリー・ハウス』:2018/10/24(水) 20:43:07
>>163(夢見ヶ崎PC)

アオキ「……あいつ等はさ。数年前に、まだ子供だけどスタンドを
宿してる奴等を浚ってたんだって」

「私も……その一人として目を付けられた。まぁ、スタンドを覚えたてで
まだ周りの事なんて気にかける事が疎くて私が馬鹿だったのも原因の一つだよ。
学校の音楽の授業や、図工とかでも神童レベルのものを演奏したり工作したら
どうなるかなんて、普通に考えればわかる筈だったのにね。
 ……端的に言えば、いま此処に私はいるし助かったけど。あんまり正確に
思い出すのが嫌なぐらいな体験はした。犯罪者だって事は知ってるけど、目の前で
浚ったやつらが死ぬ場面も見たし。家族も危険に晒して、関係も悪化したし……」

そこで、ふぅーと長い溜息がこぼれた。金網の二枚目も完了しそうだ。

「だから、こんな手。私にとっては半分ぐらい忌まわしいさ。
誰かは神の手って言うけど。私からすれば呪い見たいなもんだしね。
……けど、こんな手を持ったから。今日と昨日は幾らか楽しく過ごせたって
思えば、まっ……サバジオスも悪くないのかもね」

そう、少しだけ口の弧を吊り上げて笑う姿に陰は余り見えなかった。

>>164(天雨PC)

 小林の指示に従い、金一は軽い調子で屋根に上がりつつ修理道具を
携えて仕事を開始する。命綱などは無いが、いざとなれば小林もスタンドで
助けるし、アレも一応スタンド使いの筈だし問題ない。

園児たち三人が素直にはーいと言うのを聞きつつ、園に入る。
 掃除をする音などは聞こえない。もっとも、清掃をする器具を探してる
最中だろうし、まだ始めてない可能性もある。

まつり「何処に行ったのかしら?」

カンナ「うーんっ、事務所っぽいと思うぞ! あっ、さぼって
そうなら脅かしてやろう!」

まつり「そうですわね!」

 三人はひとまず事務所に行こうとするようだ……。

166夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/24(水) 22:20:42
>>164
>>165

アオキの話に黙って耳を傾ける。
彼女は笑ってくれた。
話を聞くことで心を軽くする試みは成功したと考える。

「そう――だね」

フッと微笑し、軽く頷く。
それ以上は蛇足だ。

「じゃ、今度は私の話も聞いてもらおうかな。
 ――っていっても『私の友達』の話だけど」

「その子、生まれつき目が見えなかったんだって。
 『先天性の視覚障害』ってやつ。
 誰もが当たり前に持っているものを、その子は持ってなかったんだ。
 『リンゴが赤い』ことも分からない。
 『赤い色がどんな色なのか』さえも分からない」

「この世界は『持ってる人間』が暮らしやすいようにできてる。
 だから、その子は小さい頃から怪我や事故が多かった。
 人にぶつかったり、物につまづいたり、車に轢かれそうになったりして、
 いつも生傷を作ってた。
 誰も気にしないようなほんの小さな段差でさえ、
 『持ってない人間』にとっては命に関わりかねない」

「でも、その子は無事に育った。
 『音』で『匂い』で『手触り』で、『見えない闇』の中を進み続けて成長した。
 辛いこともあったけど、でも前に進めた。
 だけど、一人じゃ無理だったと思う。
 『支えてくれる人』がいたから、それができた」

「今、その子は見えるようになったんだ。
 『支えてくれた人達』のお陰で、『光』を得られた。
 ずっと暗闇の中にいて、光のある世界を初めて見た時、
 凄く感動したんだって。
 目に映る全てが輝いて見えた。
 『リンゴが赤い』ことも分かる。『赤い色がどんな色か』も分かる。
 家族の顔も、その時初めて知った」

「私も、アオキを『支える人』の一人になりたいな。
 もちろん、アオキを支えてくれる人は他にもいると思う。
 だけど、その一人になりたい。
 『彼女』が見た『光』を、アオキにも見せてあげたいと思う。
 ――そう考えるのは良くないことかな」

167天雨 サトリ『10cc』:2018/10/24(水) 23:18:39
>>165(GM)
>>166(夢見ヶ崎)

「良い推理ですわね、カンナ。
 私が掃除道具を探すなら――――やっぱり事務所ですもの。
 それとも倉庫か。けれど倉庫の鍵なんかも事務所でしょうし」

           「早速行きますわよ!」

遅れたり、先に行きすぎたりしないよう、
三人と共に事務所へと向かう事にした。

「……ああ、そういえば」

        スッ

「そろそろ『台風予報』が来ているかしら?
 機能は夕方くらいとは言っていましたけれど、
 アレは相当『気まぐれ』なものですものねぇ」

「空はまだ、おかしな様子でもありませんけれど」

道中、スマホを取り出して天気予報を調べておく。
具体的に『何時くらいになるか』、そろそろ出ている筈。

(…………それにしても、静かですわね。
 車の音も、BGMもない。思い返すに『自然豊か』ですわ)

掃除以外の音なども聴こえない、
環境音一色の状況だろうか?
だとすればそれは心地よい物だが、
ヤジを探すためにも耳は澄ませておく。

それから、いつでも『夢見ヶ崎』に繋げる画面にしておく。
不測の事態は何度もあったし、彼女に何か伝えるのは早い方がいい。

168『ペイズリー・ハウス』:2018/10/25(木) 19:50:27
>>166(夢見ヶ崎PC)

アオキ「…………悪いわけ ないよ」

「きっと……きっと、その『光』は
とっても綺麗なんだろうなぁ」

そう、アオキは少しだけ。少しだけ頭上を見上げて
万感の思いを込めるように呟く。

アオキ「……でも、まだ私にはさ。
そんな光を見れるか、自信はないよ。
――よし 出来上がった」

 修繕は、一通り終わったようだ。これで
オピネル含め、鶏たちは簡単に出で来れないだろう……。

>>167(天雨PC)

鳥のせせらぎ、森のざわめき。遠くからは金一と小林が
仕事の応答する声が聞こえる。
台風の来る予測時間は『午後六時』だ。

事務所に歩いて行くと、背を向けた人影の姿が見られる。
カンナとまつりが小声でやりとりをする。

カンナ「やっぱ事務所だ。掃除してないぞっ」

まつり「なら、こっそり近寄って大声をあげましょうか」

そう、ソロソロと近寄ろうとして。ヤジの声が静かな一室から
零れるように聞こえて来た。

 「――はい。笹金 蒼樹(あおき)
器具型の支配の女王。今のところ問題あるようには」

 ピタ・・・と、園児たちも聞こえて来た内容と声が
さきほどまで鶏に威嚇されタジタジになってた若者とは大きく異なる
真剣味がある声色を敏感に感じ取って立ち止まる。

 「……はい。残る三人と雇用されてる二名に関しても初期対応のみですが
ランクの兆候はありません。……はい、引き続き任務は続行します」

 pi……。

スマホを切る音が聞こえてくる。まだこちらには気づく様子はなく
扉と言う遮蔽物もあるし、ひっそりと距離もとれるだろう。

だが、ヤジは……彼は何かの『任務』で『アオキ』に関わっている?

169夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/25(木) 20:51:45
>>167
>>168

「――ありがとう」

「見られるよ。その子にだって見られたんだから。
 アオキにだって、いつか見られるはず――」

「私も手伝うし、ね」

サングラスを掛け直す。
修理は終わった。
マジメな話も、ここまでだ。

「さってと〜〜〜シュウリもおわったし、あっちもどろっか??
 ま、サトリちゃんがいるコトだし、ダイジョーブだとおもうケド。
 オピネル!!こんどこそ、おとなしくしてろよ〜〜〜。
 ジュリエット、コイツのボーソーとめてくれよな!!」

「――っていうか、わたしなんもやってなくない??
 ヤバイ!!このままだと、
 きのうたべすぎたぶんの『カロリー』をしょうひできないぞ!!
 この『ギリシャしんわのめがみ』のような、
 ひるいなきプロポーションがくずれてしまう!!」

「ハッ!?そうだ!!はしろう!!
 はしってかえれば、『カロリーしょうひ』できるハズだ!!」

修理の道具やら余った金網やら、そこらに落ちているものを拾い集める。
そして、修理で消費できなかったカロリーを消費するために、
全力ダッシュで園の方へ走り出す。
その前に――。

「あ!!さっきのはナイショにしといてよね!!イメージがくずれるから!!
 アイドルはイメージがたいせつだからさぁ〜〜〜」

と、一言アオキに言っておこう。

170天雨 サトリ『10cc』:2018/10/26(金) 02:34:59
>>168(GM)
>>169(夢見ヶ崎)

       ―――― シュッ

指を口元に走らせ、『静かに』のジェスチャーを取る。
夢見ヶ崎に連絡したいが、今はわずかな物音も危険。
意識しているわけではないが、真面目な顔はしている。

(落ち着けば特に『おかしい』言動ではない。
 アオキさんの能力の有用性を考えれば、
 むしろ『監視の目』を寄越すのは自然。
 無い方が『いい加減』すぎる……けれど、
 ――――それを『偶然居合わせた一般人』に任せるのは不自然)

私情を掘り返せば穏やかじゃない』物を感じなくもないが、
アリーナという組織が無償で、何の対価も求めず、
子供達のための施設を用意しているはずなどない。

もちろん子供に対価を求めるのは『下品』だが、
ビジネスの世界で『上品』を求めるのは浪漫が過ぎる。

(それと、問題は……『ランク』。初めて聞く言葉ですわ。
 兆候という言い方からして『症状』か『状態』か、
 少なくともあれだけ短い邂逅時間で判断出来る『なにか』)

問題は闇組織の実態などという一朝一夕で片付くものでなく、
監視を続ける『主因』であるらしい『ランク』なる言葉についてだ。

それは自分と夢見ヶ崎には知らされていない。
わざわざ仲間のはずの金一や小林と離れて一人で、
立ち聞きの危険を冒してまで電話で話している辺り、
『緊急性』と『隠密性』がある『重大任務』なのだろう。

(アオキさん自身もだけれど――――私と明日美さんに危険が及ぶ可能性がある。
 わざわざ素性を隠して、『人手が足りない』アリーナがエージェントを派遣している。
 アオキさんを調べたいなら彼が世話係にもなれたはずなのに、私達を選んでいる。
 昨日一日何があったかを確認するでもなく、彼しか知らない何かの基準で動いている。
 この感じ、本命は彼。私達は何かを知らされていない――――最悪、『捨て駒』かもしれない)

それはある意味仕方がないのかもしれない。
大義の為の犠牲というのは否定できない。
だが、自分や自分の仲間をその箱には入れない。

          (……もしくは、第三勢力の息が掛かっているか)

(私は『天雨サトリ』。私は仕事に責任を持たねばならない……そして向こう見ずではいけない)

                  「…………」

今問いただしても事実を聞き出す事は出来ないだろうし、
子供達にも危険が及ぶ可能性がある。それは仕事に反する。

≪貴女たち、少し扉から離れていてちょうだい≫

が、ヤジに用があって探しているのも事実――距離を取る訳にもいかない。
子供達を少し遠ざけてから、その分の時間を置いて、事務所の戸を叩く。

その前に夢見ヶ崎に一言、『事務室』とだけ文を送っておく。これは戸を叩く直前でいい。

171『ペイズリー・ハウス』:2018/10/26(金) 21:56:25
>>169(夢見ヶ崎PC)

貴方は修理に貢献してなかったと言うが。鶏達が脱走しない
牽制としての役目は出来てたし、金網を押さえたりするのも
立派な仕事だ。

アオキ「ちょっと、そんな走らないでよっ。
はは 女神にアイドルって…!」

 文句を言いつつも、アオキの顔つきは明るい。

正面に到着すれば、小林が声をあげて図面を見つつ指示を下し
金一も、それに応じた掛け声を出しつつ修理してるのが見えた。

小林「うん……あぁ、天雨さん達は園の中ですよ」

青年がそう短く、不在の人物たちの事を告げると作業へ戻っていく。
それと共にスマホが震えた。天雨から『事務室』と短い送信がきてるのが
確認できるだろう。

>>170(天雨PC)

 
貴方は、『ヤジ』かアリーナ、若しくは別勢力の手勢である事を
認識しつつ、それに対して思考を巡らしつつも行動をしていく。
子供達は、コクッと無言で首を振りつつ遊戯室のほうまで静かに後退する。

 トントン

事務室へのノック。ヤジは、一瞬だけピクッと肩を揺らして首を巡らし
僅かにだが鋭い目つきが扉の窓越しに天雨の目とぶつかった。

 「うん……あー、なんだ天雨さぁん。いやー、掃除道具探してたんスけど
なくて途方にくれてて、俺ってばうっかり」  ハハハハ

 彼は、顔をくしゃっと如何にも何処にでもいる三枚目な剽軽(ひょうきん)
さを纏い……謂わば鶏小屋で相対してる時と同じ軽々さを戻した上で
天雨に少し近づいて声かける。

 「……なんか聞こえました?」

 その笑顔のまま、天雨に尋ねてくる。目は、余り笑ってない。

172夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/26(金) 22:31:11
>>170
>>171

「すぅぅぅ〜〜〜ッ……はぁぁぁ〜〜〜ッ……」

入り口まで来たところで足を止め、深呼吸する。
なかなかイイうんどうになった。
これで、きっと『100kcal』くらいはショウヒできたな!!

「りょーかいッ!!」

小林に告げ、園内に入る。
金ちゃんは……どうでもいいや。
屋根から落ちたりしたら面白いけど。
持ってきた道具とかは、その辺にまとめて置いておく。

「――おん??」

スマホを確認する。
『事務室』――つまり、そこへ行けというコトだろう。

「『ジムシツ』だって」

アオキに言ってから、事務室に向かう。
『ドクター・ブラインド』は出しっぱなしなので、
近くまで行ったら『声』が聞こえるハズだ。

173天雨 サトリ『10cc』:2018/10/26(金) 23:02:34
>>171(GM)
>>172(夢見ヶ崎)

「あら、ヤジさん。こんなところで何をなさってるの?」

          「――――ああ! 掃除道具」

鋭い眼だ。自分も真面目な目をしていると思った。
憶する理由は特にないので、こちらからも近づく。
手の動きには警戒しておく。流石に無いだろうが……

「きっとそうでしょうと思って、探しておりましたの。
 床掃除に使うような『掃除道具』は倉庫ですわ。
 鍵はここにありますから――ちょうどいいですわね」

          ス

鍵かけの方を指さす。

「なにか……『聞こえたか』ですって? それは」

「なにか物でも壊したんですの?
 安心なさい。聴こえませんでしたわよ。
 修理の代金も経費で落ちるでしょう」

「それとも『スマホゲーム』でもしてまして?
 そういう音も聴こえませんでしたわよ。
 まあ、私の部下でもありませんし、
 それを咎める権利はありませんわね」

例示を繰り返して話を長引かせる。

「それとも…………貴方、ここで、なにか。
 私に聞かれては不味いような話でも、してましたの?」

これを聴く権利は『ある』。
むしろ聞かねば仕事に反する。
自分はイサゴと金銭契約を交わして、
子供たちの世話をする様指示を受けた人間だ。

要するに、今この施設の『監督者』のような存在ということだ。
一人で事務室に入り、『何か聴こえました?』などと宣う、
不審な『アウトソーシング』に話を聴く権利は…………ある。

(……問題は、世の中はそういう『常識』だけじゃ回らない事だけれど)

もちろんしらを切られればそれで構わない。
おどけてかわされても、小バカにされても、
こちらに知られたくない一心ならかまわない。
外に出せない長期的な計画というのはあるものだ。
それがこの園やアオキに害をなすことだとしても、
今の自分達の仕事と無関係なら首を突っ込み過ぎてはいけない。

問題は暴力を振るわれた場合や、脅迫を受けた場合についてだ。
立ち聞きのリスクを自分で生んで、そんな手に走る連中がマトモなはずがない。
そんなマトモじゃあないやつに任せた掃除も、マトモな結果になるとは限らない。
これの目撃者が必要になる。だから夢見ヶ崎を呼んだ。これは『子供』じゃだめだ。

夢見ヶ崎明日美は信用できるビジネス・パートナーだ。だから危険な役回りを押し付ける。

174『ペイズリー・ハウス』:2018/10/27(土) 23:02:22
(このレスだけ、順序を逆に投下する)

>>173(天雨PC)

『ヤジ』の服装は、小林と同じ清月の制服を着崩した格好だ。
 手元は、片手はズボンのポケットに。もう一つの手は一瞬
胸のポケットを掻くものの、まだ特に不審な動きはない。

貴方の例示と、切り込むような問いかけに対し数秒だけ
沈黙を生じさせた後、少し悩むように目を閉じて頭を彼は掻く。

「……いんや。何も不味い事は話してないさ
まっ、こりゃ俺の独り言だが。上は身辺がしっかりしてる
彼女よりも、『あんた等』のほうが情報が少なすぎて不審だとよ」

 片目を軽く細めて開けて彼は忠告するように告げる。

「あんた等が、ただの世話好きのスタンド使える以外は普通の
可愛い少女ってだけなら何も問題ないって事さね。
 薮蛇つつかず、って奴さ。お互いな」

 さーて、掃除っすっか と。
彼は、そこで真剣味を完全に打ち消して軽い雰囲気に立ち戻り
清掃を開始し始めた。

>>172(夢見ヶ崎PC)

 貴方たちは使用した大工道具類や器材を纏めておく、片付けるのは
男手の小林がやってくれそうだ。

園に入ると、最初に目に付いたのは。遊戯室の中から顔を出すように
事務室方面を見る子供たちだった。

アオキ「? 三人とも、どうしたの」

『しー……っ』

子供たちは口元で指を押さえるジェスチャーを同時に行う。
不思議そうにアオキが見遣る方向では、少し固い表情に見えるだろう
天雨が事務室の前に立っていた。

 ブィーーーーン……!

掃除機の音がし始める。どうやら、ヤジが清掃を開始し始めたようだ。

175夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/28(日) 00:03:45
>>173
>>174

「しっかりキアイいれてはたらけよー」

掃除の音を聞いて、独り言を言う。
こっちは小屋の修理を代わりにしてやったのだ。
その分、1ミクロンのホコリも見えないくらいピカピカに掃除してもらおうじゃないか。

「――で、こっちは??
 『でんしレンジでタマゴあっためようとしてバクハツした』とか??
 それをやるんなら、タマゴをアルミホイルでつつんでから、
 ミズをいれたマグカップにしずめてチンするとイイぞ。
 ただし、やるときはオトナのヒトといっしょにするコト」

サトリに声をかけたいが、なんだかわからんが近寄りがたい雰囲気だ。
本体は腕を組んで入り口前の壁に寄りかかり、様子を窺う。
『ドクター・ブラインド』は事務室に入り、サトリの横に立つ。

   《 L(エル) 》 
                     《 I(アイ) 》 
            《 G(ジー) 》 
  《 H(エイチ) 》 
                 《 T(ティー) 》

『ドクター』は誰に言うでもなく、無機質な声で独り言を呟いている。
それから、『ドクター』はサトリに向けて肩を竦めて見せた。
『何かあった?』という意味のボディランゲージだ。

176天雨 サトリ『10cc』:2018/10/28(日) 01:33:25
>>174(GM)
>>175(夢見ヶ崎)

返答は想像以上に『真っ当』な物だった。不穏さこそあるが、
不審と目されている自分達への態度としては十分上等と言える。

「私は――――天雨家の長女、天雨サトリ。
 貴方のおっしゃる通り、『世話好き』で『才色兼備』の跡取り娘。
 それ以上の事はありませんし、それ以上の事も出来ませんわ」

          ニコ…

「貴方が『掃除のお手伝い』である限りは、ね。
 ――――それでは、お掃除お願いいたしますわね」

少なくとも、自分が彼や彼の上司なら『丸腰』ではない。
これ見よがしな胸ポケットか、手を入れたポケットか、
何かしら武器を持ってはいるのだろう。今は関係ないが。

こちらとしても『仕事』を邪魔しない限りは何もしない。
というより出来る事がないし、する理由も見当たらない。
事務室の入り口から数歩離れて、ドアを軽く閉めておく。

≪事務室に立ち寄ったら、彼が中で誰かに電話を掛けていましたの。
 察するに――彼は『アリーナ』か何かのエージェントのようですわ。
 恐らく私達の『監視』、あるいは『観察』を任務として受けている。
 ……『ランク』というものの『兆候』が無いかを見張っていて、
 今のところ、私達含めてそれは誰にも出ていないと、そう言っていた。
 それが具体的にどういうものなのかは、聞き出せそうもなかったけれど≫

≪それと……素性の知れない私達は警戒されてるそうですわよ。
  ねえ、まるで『サスペンス・アクション映画』じゃありませんこと?≫

夢見ヶ崎ならこの話を聞いてヤジを襲うような、
短絡的な行動はしない。そういう信頼がある。

≪もっとも、私は『ハートフル・コメディ』をしに来たのですけれどね。
  厄介事には首を突っ込まず、この『三日間』きちんと仕事を終えましょう≫

               ≪向こうから厄介が飛び込んで来ない限りはね≫

スタンド会話で、声を潜め子供達には聞こえないよう、『ドクター・ブラインド』に話す。
それを終えたら『10cc』を解除して、子供達や夢見ヶ崎本人と合流する事にしよう。

177『ペイズリー・ハウス』:2018/10/28(日) 23:59:46
(レス遅れ失礼しました)
>>175-176(ALL)

天雨の言葉に対し、ヤジは特別に何か反応するでもなく
短い返答と共に事務室の掃除を続けていく。

彼がアリーナ、それに関わるであろう組織的な人物で監視員のような
役割である事を二人は互いに共通した。ソレを薄々察するのは
さきほど驚かそうとした園児たち三人も含むのだろう。

カンナ「……なんか、あのヤンキーにーちゃん怪しいんだな」

まつり「まぁ、君子危うき近寄らず ですわっ」

アオキ「? なにがあったかは知らないけど。あまり他所から
手伝いにきた人を邪魔しないようにしよう」

自分が中心となり動きがあるとは思ってないアオキが子供たちを
誘導すると共に、そう言えばと言葉を続ける。

アオキ「昨日の川原に連れてってくれる? お婆ちゃんに
会えるかも知れないし。会いたそうにしていたのなら
挨拶はするほうが良いから」

中にいても、掃除音で子供たちも気になると考えての配慮だろう。
それに、色々隠して動いてる者が近くにいれば敏感な子供達なら
気が散るだろうし、良いアイデアではある。

178夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/29(月) 00:55:41
>>176
>>177

《おっ、いいねぇ〜〜〜。おもしろくなってきたじゃん。
 いよいよ『スリルとサスペンス』のまくあけってカンジぃ??》

《ま、このまま『あかるくたのしいファミリーむけロセン』でもイイけどさ》

とりあえず『ドクター・ブラインド』は解除する。

「かわら――イイんじゃない??じゃ、いってみよっか。
 そういやフキもらったんだっけ。
 っていうか、フキってどうやってたべるモンなの??
 さすがに『ナマ』でくうのはキツそうだよね。
 『テンプラ』にするとか『おひたし』にするとか??
 それとも、やっぱり『ケーキ』か……」

アオキに同意しつつ、四人の後ろから少し遅れてついていく。
その道中、小さな声でサトリに話しかける。

「さっきのハナシさ――わたしのにらんだところによると、
 『ランク』ってのは『キケンかどうか』ってコトなんじゃないかな。
 『ヤツはランクAだ。シマツしろ』みたいな??
 『なつやすみえいが』にはむいてないね、コレだと」

自分達は警戒されており、何か知らないが『ランク』なる物を見張られている。
そして、その『ランク』が変化するような『兆候』は現段階では出ていない。
これらを考え合わせて真っ先に思い浮かぶのは、
自分達が『危険人物かどうか』を調べているという可能性だ。
警戒されているという前提を考慮すると、それが一番妥当に思える。

「それと、コレじたいが『テスト』ってセンもあるんじゃないかなぁ〜〜〜。
 デンワのないようをきかせたのは『エンギ』で……
 わざとアヤシイそぶりをみせて、
 ウチらがどういうタイオウをするかみようとしてるってコト。
 もしヘンなコトしたら、『ソイツはキケンだ』ってコトになるワケだしさぁ〜〜〜」

監視役というからには、きっと重要な役割だろう。
そんな大事な仕事を任されている人間が、
そうそう簡単に正体を知られるというのも不自然といえば不自然だ。
あえて正体を曝すことが目的であったとするなら納得はいく。
そして、もしそんなことをする理由があるとすれば、
まず『テスト』という可能性が浮上する。

「――でもまぁ、たぶんソレはナイとはおもうケド」

軽く笑って、たった今自分が口にした可能性を否定する。
だが、内心では『もしかしたら』とは思っている。

「あと、きになるのは……コレって『ミス・イサゴ』のシジだとおもう??
 『アリーナ』っておっきいからイロイロとゴチャゴチャしてるみたいだからさぁ。
 ってことは、『ほかのトコ』からおくりこまれてきたってコトもあるかもねー」

『アリーナ』は様々な派閥を持つ組織だ。
組織でありながら、集団に近いと呼んでもいいだろう。
だからこそ、イサゴ以外の派閥が監視役を送り込んでくる可能性も、
十分に有り得る。

179天雨 サトリ『10cc』:2018/10/29(月) 06:13:17
>>177(GM)
>>178(夢見ヶ崎)

「何か妙な事をしている、という様子でもありませんでしたから、
 お二人の言う通り、あまり近寄って邪魔しないようにしましょう」

まつり達の言葉には短く、それだけ返す。
細かい事情はアオキの前では口にしない。
過剰に警戒して、一触即発になるのは避けたい。

(…………とはいえ、彼に今すぐ子供達に手を出す理由はないでしょうし、
 じきに来る台風より恐ろしいものではないでしょう。……少なくとも、今は)

実際の彼の立場は分からないのでなんとも言えないわけだが、
何か起きるまでは気にしない、というのが正解なのだろう……とは、思う。

「河原? ああ! そうですわね、雨風が来る前に外に出るのはよろしくてよ」

「ちなみにフキはほかに煮物か、炒めるか、何かと和えるか……
 あとは、そう、伽羅蕗(きゃらぶき)なんかも有名ですわね。
 私もそう頻繁には食べないし、子供好みの味かは……存じませんけれど」

そういうわけで、異論もないので河原に向かうことにしよう。
施設に男三人を残すのはやや不安だが、どうせずっと見張ってもいられない。

「アオキさんに今のところ問題はない、他の五人にもランクの兆候はない。
 ……記憶が定かなら、確かそのような言い方をしていた気がしますわ。
 そう考えれば貴女の説は支持出来ますわね。危険度、あるいは価値判断か」

それでも完全に忘れる、とはいかないのが人情。
夢見ヶ崎の考えは興味深い。同じく、声を潜めて推測を返していく。

「わざと聞かせた、というのもあり得ない話ではないでしょうね。
 私が彼を探したのは、金一さんにそれを頼まれたから……でもありますの。
 そして、小林さんは私の位置を把握できそうな能力を持っている。
 これを組み合わせれば、程よいタイミングで『電話』を始める事は出来ますわ」

「そして、その対応から危険性を探る。無理筋とは言えませんわね。
 ……だとすれば、明日美さんにノータッチなのは気にかかるけれど。
 偶然私に仕掛けられそうな状況だったから、アドリブでやった、という目もある」

金一が探すように仕向け、小林の能力で位置を把握し、丁度いいタイミングで電話を聞かせる。
急造チームならともかく、元より知り合いにも見えるあの三人なら、出来ないコンビネーションではないはず。

「……まあ、『あり得るかもしれない』くらいに思っておきましょう。
 仮に試されていたとして、それが仕事に影響するとも限りませんものね」

決めてかかればドツボにハマりかねないし、あくまで想像に留めてはおく。
それに基づいて動いたりすると、それこそ危険と見なされてもおかしくない。

「ああ、イサゴさん……私がイサゴさんなら、監視を送りたい気持ちは分かる。
 というより、三日間放置するのはあまりに怖過ぎますもの。
 金一さんだけでは足りないと考え、他の手勢を使う……無くはない話。
 この場合、金一さんや小林さんも同じ任務を担っているか、
 少なくとも……任務について、承知はしているのが自然でしょうね」

子供の世話、というだけでも、見知らぬ二人組に任せたくはない。
ましてや『宝石』や『武器』を凌ぐ価値と危険に満ちた子供達だ。
金一だけでは足りぬと考え、非スタンド使いながら聡明そうな彼を送るのは『分かる』。

「逆に、イサゴさん以外の『派閥』がこの施設に噛んでいるとすれば……
 自派閥以外が雇った『素性の知れない人間』を警戒して、人を寄越すのも分かる。
 この場合、推定・非スタンド使いを寄越した理由は見えませんけれど……ね」

この場合イサゴが金一を、他の派閥が金一に乗じてヤジを、という事になるか。
これもまた自然だが、幾分か憶測の色が濃い話にはなるだろう。
非スタンド使いを送る理由も、人手不足で一応の解説は出来るとはいえ不透明だ。

「……まっ、彼が誰の差し金にせよ、仕事を全うしている限り『敵』にはならないでしょう。
 もし私達を無条件で排除するつもりなら、不審視している事を伝える理由はありませんもの」

180『ペイズリー・ハウス』:2018/10/29(月) 21:12:03
>>178-179(ALL)

 彼『ヤジ』が、アリーナ直属の配下なのか。小林や金一も
隠してるだけで、それに関わっているのか。
ランクとは、いったい何を指しての言葉なのか。
 幾つかの疑問は増えたものの、それでも彼らが清掃業のために
来たのは間違いない。貴方たちは再び昨日と同じように森林浴に
繰り出す。今回は、水着も持参してないしアオキ一人も増えたと言う
違いはあるものの、森は変わらず過ごしやすい気温だ。空を仰げば
南西付近に黒っぽい雲が未だ遠くながらも漂っているのが見えるだろう。

 「……うん。おぉ アオキちゃんかぁい。久しぶりやねぇ」

河原まで行くと、あの老婆が同じように山菜取りに来てるのに遭遇できた。
皺くちゃの顔を綻ばせ、老婆とアオキは暫し再会の感動を味う。

 「フキは美味かったえ?」

「あー、まだ食べてないんです。今日にでも佃煮にしようかなって」

 「そうかいそうかい。今日は嵐が来るからねぇ
みんな早めに家でじーっとしとるんやよ」

 『はーい』

 子供達の元気な賛同の斉唱に、目を柔らかに細めて小刻みに
老婆は頷くと共に、夢見ヶ崎と天雨にゆっくりと顔を向ける。

 「あんた達も、嵐の夜は気をつけてなぁ。
此処いらは、たーまに変な風で体を切るのも珍しくねぇからなぁ」

「特に嵐の晩わだ。昔、爺さんの家の者の血筋のもんが
度胸試しだと馬鹿やって、嵐の晩に出て体を切り刻めたってぇ話だ」

 カンナ「へー、そんな事あったんだ」

 まつり「物騒な鎌鼬ですわねー」

……老婆の話だと、夕方 嵐が吹きすさんでる時に屋内から出る事は
余り良く無さそうだ。尤も、老婆の話が信憑性におけるものかさておいて。

アオキ「今度、ゆっくり時間があれば家に顔を見せますので」

 「あー、えぇなぁ。そん時は、腕によりかけて甘い餅でも作るでぇ」


老婆との会話、それに森林浴を楽しむと十二時頃になった。
遅い朝食だったからして、まだそんなに貴方たちのお腹空かない
かも知れないが、万年欠食童子たちは別だ。

カンナ「今日は何のピザだー!」

まつり「十二時はピザと決まった訳ではないですわ。
それで、何のランチなのでしょうか?」

アオキ「うーん……せっかく貰ったフキもあるし、どうするかな」

昼食の献立は未定だ。流石にカレーはもう殆どないか空だろう。

181夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/29(月) 22:31:05
>>179
>>180

「そだねー。
 ガッコーの『ふくそうケンサ』みたいなモンだとおもっときゃあダイジョーブでしょ。
 このままフツーにやってれば、ナニゴトもなく『ハートフル・コメディ』に……」

「でも、もうちょいシゲキがあるのもワルくないかなぁ〜〜〜」

「――なぁんて??」

口ではこう言っているが、サトリの意見には同意する。
自分達は子供達の世話を頼まれたバイトなのだ。
見張られていようといまいと、それをこなしてお給料をもらえばいい。
さすがにプライベートな部分まで見られることはないだろう。
もしそうなったら、うったえてイシャリョウせいきゅうしてやる。

「あ、シューリはちゃんとおわったよ」

「あとさ……アオキは『エクリプス』にさらわれて『アリーナ』にたすけられたんだって。
 『エクリプス』っていうのは、スタンドつかいの『ギャング』みたいなモンで、
 なんかスゲーヤバいヤツら。
 そんなこんなでアオキはココにいるみたい」

本人が近くにいて話すのはどうかと思ったが、
タイミングを逃すと忘れそうなので言っておこう。

「ボチボチきそうだなー……」

空模様を見て呟く。
『視力』を得てから『台風』というものを見たことはまだなかった。
もっとも、『台風』は見るものではないだろうが。

「ほうほう……」

老婆の話を興味深げに聴く。
これこそ、もとめていたシゲキじゃないか??
『カマイタチ』――話では聞いたことがあるが、見たことはもちろんない。

「『アラシのよるにはソトにでない』――ま、ジョーシキだよね」

そう言うものの、内心は『嵐の夜に外に出てみたい』という気持ちがある。
『不思議の気配』が心を惹きつけるのだ。
『怪奇現象・カマイタチ』――なんとも好奇心をそそられる。

(よなかに、ひとりでコッソリでてみるか??)

心の中では不穏なことを考えている。
いや、ソレはちがうぞ。
ワタシはコドモたちがおなじようなコトをしないようにケイカイしておこうと……。
とくに、カンナとかはギャクにキョーミもってソトにでるかもしれないし!!

「フキねぇ〜〜〜。じゃ、『フキのピザ』とか??」

「それがダメなら、いためモノとかてっとりばやいんじゃない??
 おにくやキノコなんかといっしょにいためて、ササッともりつけてできあがり!!
 テンプラとかニモノはジカンかかりそうだし。
 おひたしじゃメインにはならないしさ」

「もしくは、フキをミキサーにかけて『フキジュース』!!
 まいにちのケンコウにコレいっぽん!!」

あれこれと言いながらサトリの方を見る。
彼女の意見を聞こう。

「そういえば、あのさんにんは??おべんとうとかもってんのかな。
 っていうか、まだかえってないよね??」

さすがに三人の分まで作ってやる義理はない。
作業が長引くなら、たぶん昼食は持参してるだろうし。
だから、一応言ってみただけだ。

182天雨 サトリ『10cc』:2018/10/30(火) 15:10:58
>>180(GM)
>>181(夢見ヶ崎)

「……刺激は『くぬぎさんのスタンド』で十分。
 自分から作るような物ではございませんわよ。
 何事もなく、普通に……それが一番、大切な事ですわ」

口ではこう言っているが、内心『アリーナ』の影は消せない。
解決するのは無理だろう……無理だと分かっている。
危険な事に首を突っ込んで仕事を台無しにするのは、駄目だ。
勿論分かっているし、弁えているが、脳裏から消す事は出来ない。
気にし続けながら『ハートフル・コメディ』を最後まで演ろう。

「ひとまず、お疲れ様ですわ明日美さん。
 あとで一応、私も強度を確認はしますけれど、
 手を抜いたりしないのは『信頼』していますから」

「飴でも食べます? ………………」

などと思っていたらアオキの素性にも大きく絡んできた。
まあ、これで『アリーナ』がアオキを観察する理由が、
少なくとも表向きは『保護』なのは察する事は出来るし、
それは安心なのだが……『テロ組織エクリプス』ときた。

(…………ええ、そうでしょう。私だって考えは出来る。
 私の能力はともかく、夢見ヶ崎さんやまつりさん、
 アオキさんの能力を『テロ』に使えば莫大な戦力になる。
 スタンド能力を得て『平和利用』で終わらせるのは、
 それなりに、己を律している……その証左だという事は、
 心のどこかで理解はしていたけれど……やはり『いる』んですのね)

スタンドを『商売』に使う『アリーナ』がいる。
なら当然、スタンドを『破壊』に使う集団がいてもおかしくない。
アオキの『サバジオス』など、その気になればいくらでも悪用は出来る。

・・・そうなると、『アリーナ』による監視は絶対に『必要』なのだ。

(勿論、『アリーナ』がそういう野望を秘めていないとは言えないけれど)

「……かまいたち? 噂には聞いた事があったけれど、
 本当に被害に合った話を聞くのは初めてですわね。
 お話ありがとうございますわ、おばあ様。
 一層気を付けて家から出ずに済むようにしておきましょう」

鳥小屋や花壇くらいしか家の外に施設がないし、
流石に人の命に代えて良いものであるはずはない。
懸念があるとすれば、くぬぎ等がそれらを守るために無茶をする事か?
カンナが遊びた過ぎて外に出る……というのは、流石に子ども扱いし過ぎか。

(……夜中に鶏の様子が気になって、くぬぎさんが外に出る。
 追いかけようとしたところをあの『スタンド』に阻害される。
 有り得なくはなさそうな話ですわね、考えてはおきましょう)

(あるいはかまいたちでオピネルたちが被害を……
 というのは、少し『ネガティブすぎる』発想かしらね)

当然夢見ヶ崎が何を考えているかなどは把握できていない。
サトリは彼女をやや知性的に美化して見始めている節があるのだ。

「フキ……フキ料理は思いつくけれど、流石にレシピまでは……
 インターネットで調べましょうか。幸い、合わせる食材はありますもの」

何も見ずに調理できる『フキ』料理のレパートリーでも
パッと出せたらかっこいいのだが、流石に思いつかない。

「彼ら(三人)の分は……まあ、そうですわね。
 特には考えなくていいんじゃあないかしら?
 確かお昼には帰るような事を言ってらしたし、
 台風を考えれば足止めするのも悪いでしょうから」

「仮にどうしても食べたい、と言い出したら、少し分けて差し上げましょう」

せいぜいお茶の一杯と、なにかお茶請けでも出すくらいが適正だろうし、
それも固辞されてなんらおかしくはない。昼食を共にする必要までは無いだろう。

183『ペイズリー・ハウス』:2018/10/30(火) 20:49:21
>>181-182(ALL)

 貴方たちは、老婆から『かまいたち』の話を聞き、そして
『エクリプス』と言うスタンドを悪用する破壊的な組織たちについても聞いた。
アオキは、夢見ヶ崎の話しを首を向けたが、それに対して特に自分から
何か話したりする様子はなかった。多分、自分が中心の話題だとしても
それが身の危険に直接関わるものでなく、そして話してる事が貴方たちの
仕事としても必要ならばと考えた上での黙認なのだろう。

 さて……貴方たちは園へと戻った。

そして

――驚愕なる場面を目にする事になる。




    ――ジュ―   ジュ―……っ!


カンナ「…………なんで、おっさんは料理をしてんだ?」

 「おぅ! お前ら帰って来たかっ。あと、俺はおっさんじゃなくて
金一って言う素ん晴らしい名前があんだよ! ちびっ子ぉ!
 なんで俺が料理してっかっで!?
小腹が空いたから、この俺が特製金一炒飯作ってるってだけだよ!
 なんならお前等も食うか!? 一人、500円だがなぁ!!」

 まつり「……はぁ……」

 
 ……厨房で、金一が何やら炒飯を作っていた。
でかめのフライパンで、まず御飯を炒めている。隣には、この園の
食材らしき野菜なり解凍したらしい肉も置いてるし……ちゃっかり
貴方たちが老婆から貰ったフキまで置いている。

 色々疑問はある。こいつは修理の為に来てたんじゃないだろうか?
普通、掃除のために来ただけの奴が。なんの許可もなく炒飯を作るのか?
 これは、もしかしたら何か新手のスタンド攻撃なのではないのか……。

ヤジ「……何で俺は、このおっさんと同行する事に頷いてしまったんだろう」

小林「あぁ、お帰りなさい。窓などは割れないように保護は終わりましたし
屋根の修理も終わらせておきました。内部の清掃に関しては、この一階は
終わらせましたが二階が、もう一時間かかると言った感じですね。
 ……このように、あの方が料理をしてる事に関しては私も少々状況を
理解するのに時間を費やしてる次第です」

厨房の隅で、ヤジが頭を抱え。小林青年は貴方たちに出迎えの挨拶と
共に修理と清掃の過程を説明してくれた。残り一時間もしたら終了のようだ。

184夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/10/30(火) 22:56:58
>>182
>>183

   ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
               ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
                            ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

            「このヤロー……」

      「なんてコトをかんがえやがる……」

            「『まさか』ッ!!」

            「『それ』はッ!!」

       「 『 チ ャ ー ハ ン 』 ッ ! ! 」

     バァァァァァァァァァァ――――――ンッ!!!!

炒飯ッ!!それは炊いた米飯を多種多様な具材と共に油で炒めた料理であるッ!!
中華料理の一種として分類されるが、冷蔵庫の残り物を活用することができ、
短時間で気軽に作れるという理由から、家庭料理としても根強い人気を誇っているッ!!

「はぁぁぁ〜〜〜ッ」」

「なんかもうリアクションするのもつかれた。
 ランチくらいジマエでよういしとけよな」

「みんな、こんなオトナになっちゃダメだよ。
 しぬまでうだつのあがらないジンセーおくるコトになるから」

大げさな動作でため息をつき、呆れた表情でサトリの方を見た。
『ドクター・ブラインド』で『引っかきラッシュ』でもしてやろうかと思ったが、
さすがに火を使っている時は危ない。
小屋の修理の代わりに昼食を作らせるというのも、まぁ悪くはないかもしれない。
マズいとか、変なモノが入ってなければだが。

「――『ひとり500エン』??『いいよ』」

言いながら、サトリに目配せしておく。
『考えがある』という意味だ。

「でも、アジにジシンはあるんだろーね??」

料理の様子を見る。慣れた手つきだろうか?
金一の好みは知らないが、おかしなモノを混ぜてる可能性もなきにしもあらず。
同時に金一の全身を観察し、念のために『サイフ』の在り処を探す。

185天雨 サトリ『10cc』:2018/10/31(水) 23:40:03
>>183(GM)
>>184(夢見ヶ崎)

「まぁ〜〜〜〜……っ!!! 金一さん貴方……」

無能とかそういう問題じゃないだろう。
何故勝手にフキを使っているのか。
何故勝手に厨房を占拠しているのか。
何故勝手に金を取ろうとしているのか。

「…………呆れましたわ!!」

          「私、呆れましたッ!!!」

「『仕事場』でそのような行いを………………! ましてや『出向先』でっ!!」

天雨サトリはこういう『バカなやつが起こす予定外』が本当に嫌いなのだ!
とはいえ大騒ぎしては子供達を不安がらせるし、自分の『級位』を落とす。
 
     「…………」

             「はぁ〜〜〜〜っ」

「…………ふぅ〜っ。呆れ返って逆に…………落ち着いてきました。
 ヤジさん、小林さん、金一さん、修理の方はありがとうございますわ。
 あと1時間ほど、ええ……最後までよろしくお願いいたしますわね」

                 ニコ…

「ただ、私達も昼食のために厨房を――――明日美さん?」

(どういうつもりなのかしら? ここで500円を払えば、
 それは炒飯は食べられるでしょうけれど…………
 それがマズければ最悪ですし、美味しかったとしても、
 場違いな事をした金一を図に乗らせてしまうだけなんじゃあないのかしら?
 それとも、彼と以前から付き合いがある明日美さんには違う物が見えている?)

夢見ヶ崎に何か考えがあるなら、乗ってみるのもまた一興だろうか?
いつ終わるかもわからない炒飯作りを待ち、その後残った食材だけで、
なんとなく昼ごはんを作るよりは、『金一炒飯』を選ぶのもいいのかもしれないが。

「……まあ、妙なものが入っていないなら、止めはしませんけれど」
 
             「私達のご飯の食材はちゃんと残っていますかしら?」

とりあえず夢見ヶ崎を止める事はせずに、冷蔵庫でも見てみよう。
なんか妙な食材が減ってたりしないだろうか? そこでもある程度当たりは付けられる。

186『ペイズリー・ハウス』:2018/11/01(木) 19:35:10
(レス遅れ失礼しました)
>>184-185(ALL)

>アジにジシンはあるんだろーね?

金一「おいおいっ。こちとら、もう34歳だぜ!?
家事 洗濯 自炊なんでもこざれだぜ!」

自信のある口調で動かす手つきは、確かに言う程度には慣れた手つきだ。
ラー油とか入れすぎな気がしないでもないが、まぁ 普通の炒飯だ。
だからと言って、勝手に親切な老婆がくれた食材を使ってるのは大幅な減点だが。

カンナ「おくさんとかがしてくれないのかー?」

金一「おふっΣ ……ごふっ……」

まつり「カンナさん、察してあげなさいですわ」

カンナの純粋な質問に、軽く金一は崩れ落ちかける。ズボンの後ろ
ポケットに、趣味の悪い色柄な財布がはみだしていた。
 
>私達のご飯の食材はちゃんと残っていますかしら?

ヤジ「えーっと……くそ、あのおっさん。炊飯器の飯ほとんど
使ってやがる。冷蔵庫とかには、まぁ食材は余裕であるけど
これから早炊きすんのも面倒だぜ」

小林「冷凍食品などもありますから。御飯に限定する事もないでしょうが……」

御飯は、ほとんど。あのバカが使ったようだ。

冷蔵庫からは、野菜類とパックに入っていた牛肉類と卵も減っていた……。

187夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/01(木) 21:48:28
>>185
>>186

「――お、おう……」

激しい憤りを見せるサトリの剣幕に気圧されて、やや後ずさる。
なだめようかとも思ったが、それをやるのも躊躇われた。
なので、サトリが落ち着きを取り戻してくれたことに内心で安堵していた。

「ふぅ〜〜〜ん。
 じゃ、そのコトバがホントかどうかたしかめてあげるよ。
 だから、『6にんぶん』よういしてよね」

サトリの方を向いて、悪戯っぽい笑みを浮かべながらウインクして見せる。
こちらの意図は伝わったようなので『ここは任せて』という意思を伝えておこう。
それから――。

     チラッ
          ズギュンッ

金一に悟られないように、金一の背後で『ドクター・ブラインド』を発現する。
金一が料理とカンナの質問に気を取られている隙に、
『ドクター』のスピードと精密さを生かし、ポケットから金一のサイフを抜き取る。
そして、中から『3千円』を抜いて自分のポケットに入れ、
サイフは元通り金一のポケットに戻す。
それから『ドクター』を解除してしまう。
少しでも気付かれそうな気配があるなら、これらの行動は止めておく。
教育上よろしくない行為なので、
抜き取る際は子供達にも見られないように注意したい。

(※テレビのまえのよいコは、けっしてマネしないように!!)

サイフから札を抜いたからといって、別にそのままくすねようとは思ってない。
それは犯罪だし、自分は犯罪者になりたいとは思わない。
これは、あくまで金一がゴネた場合の『念のため』だ。
だから別にできなくても構わないが、まぁできても後で返せばいい。

(みなさん、おしずかに……)

『3千円』の抜き取りが成功した場合は、口元で人差し指を立てて、
黙っておいて欲しいことを三人の子供達以外の全員に伝える。

188天雨 サトリ『10cc』:2018/11/03(土) 16:46:31
>>186(GM)
>>187(夢見ヶ崎)

「どうも、見てくださってありがとう。
 今夜と明日の分が残っているならよろしくってよ」

米が無くなったのは、もう仕方ない。
金一を使わざるを得ない懐事情が悪い。
台風への備えが残っていればそれでいい。
フキの扱いはやや義理を欠くが、食べる訳だから最低限良い。

「…………」

夢見ヶ崎がやろうとしている事は褒められたものではない。
綺麗事だけでは仕事は進まないが、進んで汚い事をする理由もない。
……とはいえ、彼女は私怨で攻撃に走る人間とは思えないし、
今のアイコンタクトは「私に策あり」という意味のはずだ。

ここは強いて止めずに静観し……少しサポートする。

「そういえば、フキを炒飯に入れるのは初めて聞きますわ。
 貴方のレシピ……金一炒飯では普通のことですの?
 それとも、『ある食材を活用する』のが貴方流という事かしら」

           「拝見させていただいても、よろしいですわよね?」

                   ススッ

横から近づいて、調理風景を観察しておく。
あくまで横からだ。後ろからだと振り返られかねない。
また、調理中の腕が当たったり、油が跳ねまくる距離も避ける。

料理を監視するのは自然な動機があるし、実際見ておく必要はあるだろう。
それが夢見ヶ崎の講じる策の補佐にもなるなら一石二鳥、といったところだ。

189『ペイズリー・ハウス』:2018/11/04(日) 20:11:20
>>187-188(ALL)
(ちょっとだけ進行早めるレスでお送りします)

夢見ヶ崎は、六人分の言葉に簡潔に おいおーいと悪い意味での
適当な返事と共に半ばあざとくプロっぽい感じで御飯など上に投げる
金一の背後にスタンドを忍びよらせ……見事、財布から三千円を巻きあげた!

まぁ、この行動に対して園児たちも結構近くにいるので。流石にバレずにと
言うのは不可能だ。だが、彼女たちもアオキや清掃の他ふたりも含め
貴方の行動は悪いものの、指摘するような悪とは感じなかったようで黙認する。
まつりとかは、クスクス笑いそうなのを手で抑えて一瞬気づかれそうになった
ものの、無事に財布も金一のケツの同じ場所に収め直せた。

金一が気づかなかったのは、隣で天雨が横につき背後への気配りを彼の
選択肢から潰したのも大きいだろう。

金一「これは俺の持論だが……フキであれ何であれ。
刻めるもんであるなら、細かく刻んで炒めれば食べれないものはねぇ!!」

アオキ「絶対に威張って言う事じゃないと思うんだけど」

そんな、不安が微妙に拭えない金一のスペシャル炒飯クッキングは
続いて行く。フキの葉や茎を細かく刻んで牛肉、人参などと炒め
更に最初に炒めた御飯と混ぜて溶き卵を終盤部分で混ぜる……そして。

  ドン!!

金一「出来たぜ……これぞ我が金一秘伝の炒飯だぜぇぇぇ!」

カンナ「なに……っ この味は……!」

まつり「そんなっ……期待通りの、焦げた御飯を包む卵とフキの味
更に大体こんな感じだろうなぁと思う炒めた野菜に隠し味だろう醤油っ……」

『ふ……普通の炒飯だーーー!!?』

金一「……ふつーに失礼だなっ、てめぇ等」

 なお、作成終わった炒飯は子供たちには余り好評価とならずだった。
まぁ、不味すぎるとかでもないだけマシ……か?

金一「おぅ、アルカラ。そんで三千円な!
 …………あれ? うん……? ……何時つかったけっなぁ? 俺」

ヤジ「どうかしたのか、おっさん」

金一「あー、うん。何でもない」

三千円も結構な額ではあるため、金一は夢見ヶ崎から受け取った時に
財布の中を改めて、妙な顔つきはしたものの。この状況で盗んだとか
何とかと言っても自分が不利な事を理解する頭はある。
 微妙な感じで、お金を受け取り後片付けなどはした。

 ・・・。

金一「さーって、あとは二階をさっさと済ますかぁ。おら二人とも行くぞぉ!」

ヤジ「……絶対、アレが指揮とるの間違ってんだよなぁ……」

午後になり、残る清掃が開始される。勿論、貴方たちにソレを手伝う
理由もないし、子供たちも参加する気はない。

カンナ「どうすっかなー。河原も行ったし、なんか暇だー!」

まつり「お昼寝するにも早いですわねー」

暇を持て余し始めている……アオキも、少々夕方まで時間あるのを
どう埋めるか悩んでる顔だ。

190夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/04(日) 22:27:05
>>188
>>189

        「――こ、これはッ……!!」

         「この『アジ』はッ……!!」

     「『いたってフツーのチャーハン』ッ!!」

   ドォォォォォォォォォォ――――――ンッ!!

「とくにウマイってわけじゃないけど、かといってマズイってほどでもない……。
 『えッ??おいしい!!』ってハンノウもできないし、
 『ぶッ!?なにコレ!?』ってリアクションもできない……。
 これは――『いちばんコメントにこまるヤツ』だ!!
 『コメンテーターなかせ』だ!!うわーん!!
 『コメンテーターつぶしのキンイチ』という『ふたつな』をしんていしてやる!!」

こんなので500円も取ろうとしてたのか。
その根性だけはスゴイけど、500円も払うほどの価値はない。
まぁ、払ったけど。『金一のサイフ』から。
こんなイイ加減なヤツへの対応は、これで十分だろう。

元々は、500円『払うとは言ってない』と言って、
逆に500円請求してやるつもりだった。
味見してやったお駄賃という名目だ。
当然、金一が出すはずがないのは分かっているので、
お互いの認識に誤解があったという理由で、
こっちが金を受け取らない代わりに、
金一にも金は払わないという形に収めようとしていた。

だけど、まぁ収まったんならイイかな。

「サトリちゃん、おこってない??」

「もしかして――おこってる??」

厨房での自分の行いについて、おそるおそるサトリに尋ねてみる。
やったのは自分だが、かといって良いことだと思ってるわけじゃない。
サポートしてくれたものの、サトリも同じようなことを考えただろうと思う。

「なにしよっかなぁー。たいふうっていつくるの??
 もうそろそろきてるかな??」

窓から外を見て、現在の空模様を確かめる。

「まだきてないんだったら、ニワトリごやのようすでもみにいく??
 たいふうがすぎるまでは、みられなくなりそうだしさ」

特にやることを思いつかないし、
今の内にオピネル達の様子を見ておくのもいいかもしれない。

191天雨 サトリ『10cc』:2018/11/05(月) 03:40:48
>>189(GM)
>>190(夢見ヶ崎)

「確かに、『刻む』と食感は分かりにくくなるし、
 味も――――濃い味付けなら、ごまかせますものね」

         「悪くない発想ですわ」

その刻んで味をごまかした食材は『貰ったフキ』なわけだが。
まあともかく、実食に入るとしよう。食べないのは大損だ。

「これは…………」

(……普通ですわね。大学の頃食べた『学生食堂』の炒飯に似てますわ。
 工夫しているようで特に工夫はなく、材料が混ざっただけの味……
 フキの風味も何もあった物じゃあないけれど……けど、ある意味、
 子供たちに『山菜を普通に食べさせる方法』としては悪くないのかしらね)

「ええ、味も……悪くは無くってよ。ご馳走様」

(当然、この場で……結果が良ければ総て良し、などと言うつもりは無いけれど)

そして、食後。

「…………『外道』には『外道』。
 明日美さんが責められる謂れは無くってよ。
 清廉潔白ですべてが丸く収まるとも思っていない」

「貴女が――――特別間違ったことをしたとは思いませんわ」

           「だから、私は怒ってませんわよ」

夢見ヶ崎には、そのように答えておく。
もちろん子供達にはこのやり取りを聞かれないよう気を遣う。

そうありたい、とサトリは思っている。
合理が感情に勝るのは、仕事の場ではほぼ間違いない。
グレーな状況で、夢見ヶ崎を強く糾弾する事など出来ないし、したくない。

「そろそろ空が怪しくなってきても、おかしくない頃ではあるけれど……」

「そうですわね、一度オピネルたちを見ておきましょうか。
 何かと気がかりですもの……今のうちに不安を減らしておきましょう」

192『ペイズリー・ハウス』:2018/11/05(月) 20:24:57
>>190-191(ALL)

空を見てみると、黒く目立つ積乱雲と思しきものが未だ少し遠くのほうながら
漂っているのが確認出来た。

朝食も9時ぐらいで、お昼ご飯は三時間おいたかおいてないか位で
食べたからして、流石にお腹いっぱいだ。

 コーコッコォコッ・・・

カンナ「おー、綺麗に直ってる」

まつり「相も変わらず、奥さんは動いてませんわねー」

鶏小屋へ六人へ赴くと、ギラッとした眼光でオピネルは入口に
近づいたが。貴方たちである事を視認すると、直ぐに関心失い
また自分の番いの元へ戻っていく。

アオキ「……あっ!」

まつり「どうかしました?」

アオキ「ブレーカー落ちた時、懐中電灯使わないといけないけど。
電池が未だ使えるかちゃんと確認してなかったよ」

成程、確かにそれは大事な事だ。いざと言う時、使えなかったとなれば
一大事に他ならない。

アオキ「事務室の引き出しだったね、確か」

カンナ「うーん、カンナは庭でもう少し遊びたいっ。
腹ごなしの運動もまだだしなー」

まつり「わたくしは、事務室に行くのは吝かでもありませんわ。
少し、確認する事もありますし」

 どうやら、また分担して別行動になりそうだ……。

193夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/05(月) 21:51:37
>>191
>>192

「おー、それはイチダイジだ。アリス・イン・トラブル!!」

「ちなみにブレーカーってどこにあるの??
 そのばしょもおしえといてくれると、さらにオトクでイイよね。
 『セットでかうと50エンびき』くらい」

一日経って、この園の構造も大体は把握できた。
もし真っ暗になっても、ある程度は安全に行動できる自信がある。
暗闇の中で動くことは慣れているからだ。
とはいっても、明かりがあった方がいいに決まってる。

「わたし、のこっていい??
 ダイジョーブだとおもうけど、オピネルとジュリエットのようすもきになるし。
 なんかあったらなんかするから」

「それに、まだ『カロリーしょうひ』できてないし。
 ちょっとカラダうごかしたいなぁ〜〜〜って。
 このスタイルをいじするのもタイヘンでさ」

「でも、もうそろそろ『きそう』だし、ほどほどにしとくよ」

まだ離れているとはいえ、もう目で見える距離だ。
本格的に風が吹き荒れるようになるのも時間の問題だろう。
カンナが避難を渋ったりしなければいいけど――という不安はある。

194天雨 サトリ『10cc』:2018/11/06(火) 04:58:20
>>192(GM)
>>193(夢見ヶ崎)

「特に問題なさそうですわね」

オピネルはある程度慣れてくれている。
人に慣れやすい、というのは良い所だ。
もちろんなついてくれる事は無いだろうが。

「では、私も事務室に行ってまいりますわ。
 運動は後で、室内で出来る物をするつもりだから」

「まつりさんも着いて来て下さる?」

アオキについては当然来るのだと思うが、
まあもし来ないとしても探すのに時間はいるまい。

(まさかヤジさんがまた『密談』をしてる、
 ……なんてことがあったら困りますわね)

予想外の事態はいつでもありえるので、
一応人の気配には気を配っておくことにする。

事務室は先ほどヤジが掃除していたはずなので、
金一や小林と遭遇する事もまずない……とは思うが。

195『ペイズリー・ハウス』:2018/11/06(火) 17:35:19
>>193(夢見ヶ崎PC)

アオキ「ブレーカーは、厨房を向かう通路に配電盤らしいのがあったから
それだね。あれ、結構古そうだけど まぁ大丈夫かな」

ブレーカーの位置を教えつつ、アオキたちは事務へと向かう。

カンナ「よーし、それじゃあ かけっこだ! 園の周りをグルっと
一周して、最初に到着したら優勝だ!」

 タッタッタッ!

カンナは競争を提唱すると、賛成の合否を決める間もなく走り出した!
 くぬぎも慌てて走るが、元々の運動神経の差ゆえかカンナは数秒経たず
建物の陰へと入っていく……。

>>194(天雨PC)

アオキ、まつり そして貴方は事務室へと入っていく。
 ヤジは、居ない。清掃音が二階から響いている。順調に三人とも
掃除は進行していってるのだろう。

 アオキ「大型のは一台だけか……小型のは結構あるけど」

手で提げるタイプの、普通の懐中電灯より大き目のサイズのが一つ。
 在宅にでも一つは置いている、小型の懐中電灯は人数分は置いている。
どれも、スイッチを入れてみたが問題なく使えそうだった。

 その点検の最中、まつりが「株を見るのですわー」と、適当な
パソコンを起動させる。

まつり「ふふふふ♬ 売上は順調に伸びてるようですわー。
えーっと、あら? あれ? 待ち受け画面に戻るのにどうすれば良かった
ですっけ えい このっ!」

アオキ「こらこら、そんな乱暴に……」


      ――ヴゥン

 まつり「あら……誰でしょう?」

 まつりが出鱈目にキーを走らせると、履歴に残ってたのか
誰かの人が映っている画面に切り替わった。
 
大よそ20代の後半ほど。グレーのジャケットを身に着けて
左目より少し斜め下に三日月のような古い切り傷を帯びている男性写真だ。

  ガタンッ

 その画面が映ると、不意に物音が響いた。

視点を切り替えると、アオキが近くの椅子を倒しつつ尻もちをついている。
その顔は真っ青になり、僅かに脂汗を流して画面を凝視している。

 アオキ「……どうして」

 呼吸が荒い……全身が小刻みに震えているのが見て取れる。

196夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/06(火) 20:09:50
>>194
>>195

(――『ジムシツのひきだし』だったな……)

例のカマイタチの正体を確かめる時に、懐中電灯は役に立ちそうだ。
外に出るチャンスがあったら使わせてもらおう。
多分いくつか用意してあるだろうし、一つくらいならヘーキだろう。

「!!」

「カンナさん、おまちなさい!!」

(ただ、ここでくぬぎさんをおいていくのもよくないですわね……)

サトリの物真似をしつつ、カンナの後を追う。
運動神経がいいとはいえ、幼稚園児の脚力だ。
スタンドを使われなければ追いつくのは難しくない。
しかし、そうなるとくぬぎを放置することになる。
なので、くぬぎの横につき、同じくらいのペースでカンナを追いかけることにする。

(ジブンからルールをテイジしたいじょう、
 ヒトリでどこかへいくコトはないとはおもうけれど……)

カンナにルールを破る気がなくても、『外部の要因』の介入も考えられる。
台風が近付いている今、カンナを見失うことは避けたい。
常に自分の目の届くところに置いておく必要がある。

197天雨 サトリ『10cc』:2018/11/06(火) 21:58:12
>>195(GM)
>>196(夢見ヶ崎)

(株取引――――でなくて、彼女のグループの株ね。
 この年で自社の業績に興味を持つなんて、感心ですわ)

などと思いつつ起動したパソコンを見ていたが。

「――――――??」

アオキの動揺する『写真』には、まず奇妙に思った。

この部屋に入った人間は、自分達以外ヤジだけのはず。
わざわざ彼が――――アオキに悪影響を与える写真を、
履歴に残したのだろうか? 見るとも限らない履歴に?
視点を変えて言えば、『見てしまうかもしれない履歴に』?

(見せたいなら印刷でもして、置いておけばいい。
 どうせ『状況証拠』で誰がやったのかは分かる事。
 それなら『印刷したのを取り忘れてた』とででも言えばいい。
 あるいはストレートに『こいつを知ってるか』と聞いてもいい。
 いつ見るかも分からないパソコンを使うのは悪手でしょうに)

(逆に、これがヤジさんとしても見せたくない写真なら、
 意図が分からない……単純に消し忘れただけにせよ、
 わざわざこのパソコンで見る理由が私には見出せない。
 彼も金一さんのように『抜けている』のだとしたら、
 今度はそんな男を密偵として使っている理由が分からない)

(あるいは……第三者が? いえ、まずありえないでしょう。
 現状で答えが出せないからと珍答に走るのは悪癖ですわよ)

「――――まつりさん、待ち受けに戻す操作はこうするんですのよ」

横からマウスに手を伸ばして、その画面を『最小化』して消す。

(恐らくこの、不可解な状況に対する回答には何かピースが足りない。
 ヤジさんの目的か、この男の正体か、あるいはこのページの意味か……)

なので今はその男の顔だけ覚えておく。あと、『閉じる』ではなく『最小化』だ。
アオキをこの場から外した後戻ってきて、確認しておきたい。
どういうページから飛んだのか、とか。写真以外に情報はないか、とかだ。
下手な詮索すら危険な男なら、よそのパソコンに画像を残すまい。

「……アオキさん、落ち着けとは言いませんから、少し外してお休みしましょう」

「話は……話せるなら、その後で聞かせて頂戴。無理なら構いませんわ」

なんにせよ、とりあえずアオキのケアが先だ。
無理をさせるわけにもいかないのでとりあえず言葉で促す事にする。
画面という大本を断っている以上、それほど長引かない事は願いたい。

            ・・・一応、懸念事項が一つあるので、『10cc』は発現しておく。

198『ペイズリー・ハウス』:2018/11/07(水) 20:05:09
>>196(夢見ヶ崎PC)

貴方は仲間の物真似をしつつ、くぬぎと並走しつつカンナを追う。

カンナ「うわーっ?!」

すると、軽い悲鳴が聞こえてくる! 何事かと思い走って追いつくと……。

カンナ「来ないでっ! ヘビ嫌いっ!」

 カンナが自身のスタンド、スティール・パンサーを纏うと共に
大きな蛇に、あっち行けと言う風に爪を振るっていた。

大きな蛇だ……アオダイショウらしき蛇は、少し威嚇するように
鎌首をもたげている。

>>197(天雨PC)


アオキ「……ぇ あ……あぁ、うん」

蒼褪めていたアオキだが、貴方の言葉に我に返り
未だ少々気が動転している様子ながらも事務室から出る。
まつりは、何が起きたのか分かってない様子だ。

まつり「大丈夫なのですわ? わたし 厨房で何か
飲み物をとってきますわ」

 とにかく、出来る事をしようと彼女は厨房に向かう。清掃音は
まだ上で続いている。

アオキ「……あれ あの写真。
私を、私を誘拐しようとした奴」

アオキ「何で今更? わ、私……忘れようとしてたのに」

 そう、何処となく目の焦点が合わさらぬままに呟いている。
余り、気分が安定しない様子だ……。

199夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/07(水) 23:26:47
>>197
>>198

「――カワイイ……」

大きなヘビを見ても夢見ヶ崎はビビらない。
むしろ好きな方だ。
なにせ、以前『爬虫類カフェ』で大きな白ヘビを首に巻いたこともある。
(参照→ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647744/301)

ヘビってヌメヌメしてると思われがちだよね。
でも、実はヘビの鱗ってサラサラしてて肌触りがいいんだ。
あと冷たいイメージがあるけど、手に乗せるとほんのり温かいし。
手に乗ったヘビがスルスル動いて、
少しずつ腕に巻きついていくのを見守るのが楽しいんだよなぁ。
持ち方がヘタだと動き回るけど、上手い持ち方だとちゃんと落ち着いてくれる。
ヘビは『気持ち悪い』とか『危ない』とか言われて差別されすぎ!!

ペットとしても人気があるんだぞ!!
散歩しなくていいし、毛も落とさないし、鳴くこともないし、臭いもないし、
エサは二週間に一回とか月一くらいでいいし……。
でも、脱走すると見つけるのに骨が折れるけど。
『冷蔵庫の下』とかの狭くてあったかい所によくいるらしいよ。
(『爬虫類カフェ:Funny Little Forest』での体験談と店長から聞いた話である)

『ドクター・ブラインド』を発現させて、カンナとヘビの間に割って入る。
だが、ヘビを攻撃したりはしない。
そんな可哀想なことができるワケがない。
しかし、カンナも放っておくことはできない。
とりあえず、カンナをヘビから離すことが第一だ。

「カンナ、そのままうしろにさがりな。ダイジョーブだって。
 このコは『アルカラ』がなんとかするから。
 いったでしょ??わたしは『アリーナ』の『ファイター』なんだぜ。
 ここはセンモンカにまかしとけって」

カンナを落ち着かせ、退避を指示する。
万が一ヘビが襲ってきたとしても、間に立っていれば『ドクター』で対応できる。
カンナとヘビの両方を守る――それが夢見ヶ崎の方針だ。
おそらくは、くぬぎも同じようなことを思ってるんじゃないだろうか。

「でも、いじめたりはしないよ。ダイジョーブ。よそへはこぶだけだから」

くぬぎには、そのように言っておく。

200天雨 サトリ『10cc』:2018/11/08(木) 00:09:59
>>198(GM)
>>199(夢見ヶ崎)

「――――お願いいたしますわ、まつりさん」

清掃音を考えれば、単独で金一たちと鉢合わせ、
意図せぬ時間を食う――――という事も無いだろう。
それを狙ってあえて音を響かせている可能性は、
否定できないがそれを言い出すと何も否定できない。

(仮定するなら――『ランク』とはあの男の能力に関する言葉。
 現在あの男をアリーナ、いいえヤジさんの勢力は追っていて、
 画像を情報共有に……いや、それなら尚更、ここのPCは使わない)

問題になるのは、それをヤジに問い質すべきかどうか。
現状問題はないとか、ヤジらがなんとかしてくれるなら、
わざわざこんな話題を長引かせる必要はないし、やめるべきだ。
あるいはヤジがわざと見せようとしたなら、問い質しても無駄だろう。
それすら望み通りでしかないか、言い訳を用意しているか、のはずだ。

だが――『コレ』が故意ではなく、『ヤジも想定外』という可能性がある。
故意にここのパソコンであの画像を残す理由は、あまりにも『分からない』。
欠けているピースがあり、それが決定的な理由になるかもしれないが…………

(そこを聞いただけで『踏み込み過ぎ』になるなら、私はそんな線は認めない)

何らかの閲覧理由があって、ただの消し忘れならいい。
悪びれず『見るかもしれないと思った』などと言い出してもいい。
絶対にバレると分かっていて『知らない』というのなら、それもいい。
恐ろしいのは――――『そんなの見た覚えはない』と、本気で言われた場合。

「そうでしたのね……アレが……」

「…………なんでそんな画像が残っていたのか、分からないけれど。
『アリーナ』が介入した事件なら、消し忘れたデータが残っていたのかもしれない。
 あるいは……閲覧履歴でも残っていたのかしら。あの三人の誰かがこの部屋に入って、見た?」

「私からアリーナの人間にきつく注意しておきますわ。アオキさんは……今は、ただ、休みましょう」

ここは、仮に嘘になる可能性があるとしても、『あの3人のせい』かつ『唯のミス』と仮定する。
第三者の介入など無駄に不安をあおる必要はないし、アリーナへの不信感を強めすぎるのも不味い。
アリーナ全体ではなくヤジらの『ミス』とするのは、最低限度の不安感に留めるのが狙いだ。

なお、アリーナに注意をするのは『適当な話』ではない。何か特別な事情でも無いならこれは重大な過失だ。

201夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/08(木) 06:38:43
>>199
カンナとヘビの間に入るのは『ドクター・ブラインド』だけ。

202『ペイズリー・ハウス』:2018/11/08(木) 22:10:36
>>199(夢見ヶ崎PC)

カンナ「アスミねーちゃんは蛇が好きなのか? うちは
ほんっっとに嫌い。このにゅるにゅる動くのとか全部
すっごく苦手だぞ……っ」

どうやら、カンナは大の蛇きらいなようだ。
活発なカンナの怖いものと言うのは、どうやら目の前に
いるそいつのようだ。夢見ヶ崎の背後に回り、少しビクビク
しつつ蛇の動向を彼女は見守る。

蛇は、カンナが離れると。ニョロニョロと回って雑木林の
方角に体全体を迂回させる。多分、そのまま逃げるつもりだろう。

>>200(天雨PC)

アオキ「あぁ……あっ、うん。そうだよね
あいつ等、アリーナから来たんだし。私に関する資料集とかで……写真
出したんだろうね。
 私、私……ちょっとだけ、遊戯室で休んでるよ」

 天雨が優しくフォローするものの、未だ少々気の動転から回復するには
時間が掛かるようだ。それ程、彼女のトラウマと言うのは根深いのだろう。
 フラフラと遊戯室へ彼女は移動する。まだ、まつりは厨房から帰らない。

 ――ウィ――ン……シュウン。

金一『おーし! 大体こんなもんで良いだろっ!』

 上階から、野太い金一の終了の声と。掃除機の掛ける音が途絶えるのを
天雨は耳にする事が出来た。そろそろ、彼らの仕事も終わりのようだ。

203夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/08(木) 22:33:02
>>200
>>202

「まあな!!つぶらなオメメがキュートだ。
 ドウブツはだいたいスキだぞ!!
 まえに『はちゅうるいカフェ』にいったコトもあるし!!」

怖がらせないために、詳しい内容は話さないようにしよう。
『首に巻いた』とか言ったら、どんなリアクションをするか見てみたいような気はするが。
でも、カンナをいじめたいわけじゃないからやめとこう。

「ばいばーい」

そのままヘビを見送る。
アオダイショウというのは人家の近くにいることが多いと聞いた。
エサになるネズミが人家にいるからだ。
だから、この辺りにいてもおかしくはない。
毒はないし、大人しい性質らしいから、こっちから手出ししなければ何もしてこないだろう。

「――さて、ベツなコトしたほうがよさそうだね。
 ニワのまんなかでかけっこでもやる??
 まぁ、わたしがかつけどな!!」

空模様を気にしつつ、カンナとくぬぎに提案する。

204天雨 サトリ『10cc』:2018/11/09(金) 03:04:09
>>202(GM)
>>203(夢見ヶ崎)

「――――ええ、それがいいでしょう。
 私はまつりさんの様子を見てきますけれど、
 きっと早く行きますから……少しお待ちになっていて」

まつりが戻ってから遊戯室に案内したかったが、
これは当然誰を責める事も出来ない状況だ。
とりあえず、厨房に行ってまつりの様子を見る。
記憶が定かなら、それほど距離はないはずだ。

火等を使っていて危険な目に合っているのが最悪だが、
この短時間でならそこまで深刻な事にはならないのが自然。
都合よく厨房に手練れの侵入者がいたとかなら別だが・・・

(っと、また珍説に頭が回っていますわね……)

アオキについては横にべったりついているべきなのか、
それとも少し一人にしてやるべきかも、答えを出せない。

(…………懸念があるとすれば、あの3人。
 アオキさんの居場所は誰にも言っていないけど、
 小林さんも加担しているなら筒抜けかもしれない)
 
(もし、万が一、あえてあの画像を見せたなら、
 一人になったアオキさんを狙う可能性がある。
 本格的に手なずけるにせよ、暴走させたいにせよ、
 そんな不合理で非道な手を選ぶ理由は薄いけれど)

普通に考えてありえない手ではあるが、
ヤジの思惑も分からないし警戒はしておく。
2階から降りる足音には注意しておこう。
厨房に向かう道中に遊戯室前を通るなら、
発現している『10cc』で水を撒いて草を生やしておきたい。

(……念は入れておきましょう。
 もしも、ということはありえる。
 私しか居場所を知らないのは不味い)

移動中、夢見ヶ崎に『アオキは遊戯室で休んでいる』旨をメール。
自分しか居場所を知らないという致命的な欠陥を塞いでおく。
まつりと合流出来たあとは、そのまま遊戯室に二人で向かう。

なお、もし『この場から厨房に向かう方法が複数あり』、
『ここから動くとまつりとすれ違う可能性が高い』場合は、
大人しく動かずに待つ。メールについてはその状態で行う。
ここで1日半過ごしているので、その辺りの構造は把握できている筈だ。

205『ペイズリー・ハウス』:2018/11/09(金) 18:24:43
>>203(夢見ヶ崎PC)

カンナ「庭のほうで駆けっこ? いいよ!
まあ、カンナの勝ちは決まったも同然だけどなっ」

カンナは蛇との遭遇による恐怖は、アオダイショウが
居なくなると直ぐに抜けたようだ。普通の怖い対象ではあるが
そこまで引き摺る子ではないと言う事だ。

 庭のほうで、特に危険もない平和な駆けっこを少し行う。

〜♫

スマホにメールが来る。アオキが遊戯室で休んでると言う内容が
天雨から送られてきたようだ。

 ――キィ。

金一「あー、疲れた……三人いても結構しんどかったな」

小林「大体予定通りには終われましたし、十分でしょう」

玄関から二人出てくる……金一と 小林だ。清掃道具の入った大き目の
袋を置いて金一は伸びを行い、もう一人は他の道具を車の中に入れている。
 
>>204(天雨PC)

 貴方は、遊戯室で蹲るようにして休むアオキに声をかけてから
厨房に入る。

まつり「あぁ、すみません さとりおねーさま。
どうせ飲み物を持っていくのなら、気持ち落ち着かせるハーブティー
でもと思って作ってるんですのよ」

厨房で、小さい彼女はそう告げて陶器の食器を用意していた。
お湯は電子ポットで湧かせており、台所の火は使っていないが
それでも熱いお湯を子供一人で使うのは少々危ない事ではある。

『10cc』には、振動の反応はおきない。然し階段から早足で
ドタドタと五月蠅く降りる音と、それに続く足音。二つの歩行音を
天雨は耳にする事が出来た。音はそのまま玄関まで向かったようだ。

まつり「出来ましたわ。早く、アオキおねえさまのほうに行きましょう」

 ゴボゴボ・・・

ハーブティーは完成したようだ。

206夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/09(金) 21:29:52
>>204
>>205

「――おん??」

二人と庭を駆け回った後、サトリからのメールを確かめる。
なんでもない内容に見えるが、少し前のことを思い出す。
『事務室』というメールが送られてきて、行ってみたら一悶着あった。

(またなんかあったのか??)

前回、サトリからのメールを受けて現場に向かうと何かが起こっていた。
今回もそうである可能性は十分ある。
ただちょっと休んでるというだけなら、
いちいちメールを送ってくる必要はないだろう。

「あ〜〜〜つかれた。カンナ、まんぞくしたか??」

そろそろ台風が本格的に近付いてきてもおかしくない。
この辺りで切り上げるべきだろうかと思いつつ、黒雲の様子を見る。
ついでに『ドクター・ブラインド』を発現して現在の『湿度』を確かめる。
台風の接近に伴って、かなり高くなっているだろう。

「あ、おわった??おつかれ!!もうひとりはまだやってんの??」

小林と金一に呼びかけて近付いていく。

「それと、キンちゃん――ちょっときなさい」

「ふたりは、ちょっとまっててね」

カンナとくぬぎを待たせておき、軽く手招きして建物の陰に金一を呼ぶ。
いくつか聞きたいことがある。
こんなヤツでも、一応『アリーナ』所属だし。
まぁ、大してアテにはしてないけど。

「わたしの『のうりょく』はしってるよね。
 それをあちこちでベラベラしゃべったりしてない??」

まず、これを聞いておく。
金一が知ってるのは仕方ないとして、
ヤジや小林に知られてないか確認する。
仮に『アリーナ』から来た人間でも、
『アリーナ』が保有する全てのスタンド使いの情報を、
無制限で知ることはできないはずだ。
一行が来た時点で『聴覚』の『移植』は見せているが、
それだけで全貌を把握されるということもあるまい。
まぁ、金一がウソをつかないというのが前提だが、ウソはつかせない。

207天雨 サトリ『10cc』:2018/11/09(金) 22:57:55
>>205(GM)
>>206(夢見ヶ崎)

(よかった、こちらはトラブルなく済んだようですわね)

         ホッ

「いい心がけですわ、まつりさん。流石淑女ですわね。
 ええ行きましょう。一人でいさせるのはやはり心配ですわ」

ヤジをはじめ誰も『草』の意味を知る筈はないし、
振動探知が行われていないならだれも近付いていないはず。

他にあの部屋に入るとすれば、窓から侵入するか、
天井裏から入るくらいだが、どちらも音や振動を伴う。
推定一般人のヤジなら、少なくともそうなるはずだ。

「少し重そうですし、私が持ちますわね。
 そう、『役割分担』といったところですわ」

          スッ

      「アオキさん、お気に召すと良いのだけれど」

ハーブティーは自分が持ち、やや足早に遊戯室に向かう。
当然ながら足元には気を付けるし、驚いても手は離さない。

手に持っていた『10cc』は小脇にでも抱える事にしよう。
あるいは、肘に掛けて手を空けても良い。ここで解除する必要はない。

208『ペイズリー・ハウス』:2018/11/10(土) 17:17:31
>>206(夢見ヶ崎PC)

カンナは、まーまーだっ! と無駄に威張りつつ貴方の指示に
元気よく返事して、くぬぎと適当なタイヤに座り待機する。

『ドクター・ブラインド』を発現させ、気候の変化を確認する。
段々と湿度は高まってきているのが超感覚でわかる。

小林「親友は……確か、少し見ておきたいものがあるから少々
時間が欲しいとの事です。二階のピアノが置いてある休憩スペースの
居室にいる筈ですよ」

ヤジは、どうやら何かの用事があって少し残ってるようだ……。

金一「あん? へーへー何ですかっと。

あぁん? 俺が、あの二人に。お前の能力教えてるか ってか?
あのなぁ、アルカラ。俺とてアリーナの経営に口挟んでる立場なんだぜ?
そりゃ、この前の観戦に居たとかならともかく。俺個人で明け透けに
人のスタンド能力教えるわけねぇだろ。そりゃ、超えちゃいけない部分だ」

俺だって自分の能力を人に見せる事殆どねぇんだぜ。
弱っちいからって事もあるけどさ、と付け加えつつ金一は喋る。
超感覚でも、嘘をつく音色や不自然さは無い。

>>207(天雨PC)

貴方と、まつりはハーブティーを運んで遊戯室に向かう。
 敵の襲撃などは無い。元より、そう言う物騒な鉄火場は
そうそう、この平和な園の空間ではありえないものだ。

アオキ「あ……ありがとう。うん、美味しいね……」

遊戯室では、少し意志薄弱な 心此処にあらずと言う感じのアオキが
居たが、まつりがカップを差し出すと。お礼を告げてホッと一心地ついた。

アオキ「御免ね。行き成り 心構えないままに
あの男の姿を見ちゃったから、一気に記憶がフラッシュバックしちゃって」

まつり「ほんのちょっとだけ拝見しただけですけど。怖い人なのですわ?」

アオキ「うん……とっても、恐ろしい奴だった。
何人もさ、あいつは。
 ……ぁ。う、うん 恐ろしいんだっ! とにかくね」

年長者の天雨はともかく、まだ情操教育を受けてる過程の まつりには
ショッキングすぎる内容だと考えたらしく、全てを告白するのを
アオキは中断する。

 〜〜♫

 まつり「ん? ピアノの音ですわ」

上階。アオキもピアノを弾いてた場所から演奏が流れてくる。

――トロメライだ。プロ級までは行かずも、何度か引き慣れてる
音程が園に満ちていく……。

209夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/10(土) 20:44:25
>>207
>>208

「――ふーん……」

金一の言葉に対し、ある程度は納得しつつも、
完全には拭いきれない疑いの眼差しを向ける。
言ってることは確かに真っ当だ。
ただ、それが本当に心からの言葉なのかどうか。
念のために確認させてもらおう。

         ドシュッ

金一が喋り終わる前に、『ドクター』の手を金一の口の中に突っ込み、
『舌』を摘んで(>>206)軽く爪を立てる。
一応、血は出ないように手加減はしておく。
『ドクター』のパワーは弱いから、金一が大きく動けば振り解けるだろう。
しかし、舌に爪を立てた状態で激しく動けば、自分で舌を傷つけることになる。

「ちゃんとたしかめとかないと。ひょっとすると『2まい』あるかもしれないから。
 けど、『1まい』しかなさそうだね」

少し観察した後で、金一の舌から手を離す。
もちろん一枚しかないことは最初から分かっている。
これは『ウソはつくなよ??』という意味を込めた軽い牽制だ。
もし金一に避けられていたら、上記の行動はなかったことになるが。

「ところで――わたしの『ランク』ってどれくらい??」

そして、もう一つの質問を投げかける。
質問の中にある『ランク』という言葉が何を指しているのかは、
こちらからは説明しない。
どのようにでも受け取れる質問を投げかけることで、
それに対する金一の反応を見るのが狙いだ。
つまり、曲りなりにも『アリーナ』に所属する金一が、
『ランク』という単語をどのように解釈するかということだ。

210天雨 サトリ『10cc』:2018/11/11(日) 04:48:12
>>208(GM)
>>209(夢見ヶ崎)

警戒し損ではあるが、異常事態なのは確かだ。
まあ、ただの『ドジの積み重ね』かもしれないが、
気がかりなことが続いている今くらいは損をしてもいい。

「見るからに凶暴な顔つきでしたものね。
 まあ――――その話は、今はよしましょう」

男の話については、流す。
気分がもう少し落ち着いてからでいい。
というか、話させるのは酷なものだろう。

それにしても。

「トロイメライ――――ですわね」

クラシックにはそれなりに造詣があるので、
これくらい有名な曲であれば流石にわかる。
問題は、誰が、なぜ引いているか。

(……『音が鳴るかを確かめた』?
 そういう言い訳を私なら思いつくし、
 実際、それをしてもおかしくはない)

       チラ

アオキの顔色を窺う。様子はおかしくないか?
これも、彼女の核心に触れる何かかもしれない。

ただピアノがあったから弾いてみました、という、
平和な可能性ももちろん大いにあるわけだし、
それなら聴き入っておかないのは損なのだが、
これについても――――『今は損をしてもいい』。

「ヤジさんか誰かが弾いてるのかしら?
 中々お上手ではあるけれど……また、勝手に」


また一応、可能性は低いが、これが何かの引き金かもしれない。
部屋の様子や、自分の身体には注意しつつ、手近な壁に水を撒く。

「アオキさん、紅茶のお供に『果実』はいかが?」

実際、80%くらいはそういう理由でやっている。あとは僅かばかりの警戒心。

211『ペイズリー・ハウス』:2018/11/11(日) 19:20:30
>>209(夢見ヶ崎PC)

金一「わ わーふぇっふほ(わ わーってるよ)!」

スタンドに舌を握られ、舌に爪たてられても。素直に返答するだけで
彼は自ら、スタンドを発現して抵抗する様子もない。
……以前、アリーナに参加した時からでもあるが。彼自身、まったく
スタンド使いである素振りは見えない。スタンドが見えると言う事以外は。

金一「ランク? そりゃー、何かアルカラ。闘技場での出場における
成績って話なら、お前はまだまだ駆け出しのCぐらいだぜ。この前勝ったから
Bランクに昇るのも夢じゃないけどな。まぁ百戦錬磨の使い手が蔓延る
Aや栄光を決めるSランクまで行くには、まだまだ精進が必要だがな!
でも、お前にはそうなって欲しいぜ。そうなれば俺はアリーナ最短で
闘技場Sランク闘士を産み出した慧眼スポンサーよ!」

貴方の『ランク』と言う言葉に、アリーナの闘技場の話だと思ったようだが
ヤジの言ってた『ランク』とは、多分 恐らく いや絶対に無関係だとは解る。

>>210(天雨PC)

 この園では、まだ平和が保ってるが。スタンドが絡む以上 何時その
均衡が崩れるかも判らない。『警戒』を余念なく続ける貴方の意志は
決して無駄にはならないであろう。

弾かれる『トロイメライ』に、アオキは特に反応しない。少し上に目線が
向けられたがピアノを弾いている事実を認識したぐらいで、それが
トラウマであったりする事はないようだ。

アオキ「有難う、うん」

『10CC』の効力を、『サバジオス』によって理解してるのだろう。
警戒なく、アオキは実を口にする。幾らか顔色も良くなるのが見てとれる。

その間に、ピアノの伴奏は止まった。そして、少しの間の後に10CCの
振動が伝わると同時に、遊戯室にヤジが入って来た。小脇に、何か厚みのある
本らしきものを抱えているのが見て取れる。

ヤジ「掃除 終わりましたよ……そっちの娘、大丈夫ですか?
何か体調が凄く悪いとかなら、良ければ町の病院まで直ぐ送るんでね。
 大丈夫なら、それで良いんですが。
それと、ちょっと事務室のコピー機借りますよ」

 そう言って、彼は事務室へ行くために背を向ける。

まつり「……何か怪しい動きですわね! サトリおねーさま。
宜しければ、私が見張っておきますわっ」

まつりも、つい先程にヤジがアリーナか何かの組織と不自然な会話を
立ち聞きした仲間だ。警戒心を露わにしている。
 勿論、貴方が代わってヤジに直接質問をするのも良いだろう。
彼は何か隠し事をしてるのは間違いないが、先程のパソコンの件にも
関わっているのなら、動機を確かめる必要もある。

212夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/11(日) 20:35:13
>>210
>>211

「わかればよろしい」

世の中、戦闘向きではないスタンドはいくらでもいるだろう。
今の相棒であるサトリの『10cc』がそうであるように。
金一のスタンドも、恐らくはそういったタイプだと判断する。

どちらかといえば『ドクター』も味方の補助のような役割の方が向いているのだ。
今は他に適任者がいないから、自ら戦闘の矢面に立ってはいるが。

「そう、ありがと。
 まぁ、わたしがAとかSになれたときは『それなりのたいぐう』はキタイしてるよ。
 イマみたいなあつかいしてたら、ベツのサポーターにクラガエしちゃうから」

金一の答えは、ある意味当然のものだった。
闘技場に関わる人間なら、普通はこう来るだろう。
しかし、元々たいしてアテにはしていなかった。
だから、期待外れという程でもない。

「もういっていいよ。ごくろーさん」

これ以上聞いても、実入りのある情報は得られなさそうだ。
軽く手を振って、金一と別れる――その前に。

「さいごにもうイッコ。
 あのふたりってキンちゃんのしりあい??」

「それとも『めんせつ』でもしてえらんだとか??
 『ソウジがとくいか』とか『テサキがきようか』とかさ」

「もしかして、いつかファイターとしてつかおうとかおもってないよねえ??」

最後に、これだけ聞いておく。
あの二人は、金一が選んで連れてきた人間なのかどうか。
それによって、こっちの判断も変わってくる。
ファイターうんぬんというのは質問の意図を誤魔化すための方便だ。

213天雨 サトリ『10cc』:2018/11/11(日) 22:51:35
>>211(GM)
>>212(夢見ヶ崎)

ピアノはただの趣味か、何か試していたのか。
まあ、特に変化はなさそうだし、今は気にしない。

「ご心配なく、『貧血』のようなものですわ」

ここからは小声だ。

「如何にも怪しい動きは『誘導』かもしれない。
 ここは私にお任せなさい、まつりさん――――
 彼が秘密を知られているのは、私一人の方が良いはず」

「私達にとっても、彼にとっても、ね」

まあ秘密はもうみんな知ってるに近い訳だが、
探りを入れるのが――――というニュアンスだ。

まつりやアオキの立場を考えれば、
彼女らがアリーナに妙な態度を見せると不味い。
自分ならせいぜい『睨まれる』程度だろうし、
睨んだところでこの仕事を終えれば埃も出ない。

自分の仕事を果たすために一人奔走するヤジに対して、
明確に反目する気もなく……『こっちの仕事も果たす』だけだ。

「借りるのはよろしいですけれど……
 さっきの金一さんの件もありますから。
 使うところは横で見させていただきますわ。
 もちろん貴方を疑うわけじゃあ、ないけれど」

食材無断使用事件を盾に、堂々とした監視を申し出る。
正直ヤジが『不穏な側面』を見せていなかったとしても、
この理由から監視はしておきたい。たらればに過ぎないが。

ともかく明確に断られでもしない限りは、ヤジについていこう。
当然『10cc』を発現した状態で、『自衛の意志』は保つ。

「まつりさんはアオキさんに着いていてくださいまし。
 明日美さんがここに来たら、私は事務室に行ったと伝えて頂戴ね」

そう伝えておく。
もし違う所に向かうならメールなりで軌道修正する。

残される二人はやや心配ではあるが、夢見ヶ崎がじきに戻るはず。
この状況で警戒とは一所に固まって身を寄せ合うだけにあらず、
何が真の警戒すべき対象なのか、この目で見極める必要があるだろう。
ここでヤジを大人しく好きに動かすのは、彼の不透明さからして避けたい。

           ・・・必要な危ない橋の、渡り方を示すのは『上に立つ者』のつとめだ。

214『ペイズリー・ハウス』:2018/11/13(火) 21:11:49
>>212(夢見ヶ崎PC)

金一「おいおい、お前のスポンサーは俺 一筋!
そう思ってくれねぇと、俺も困っちまうぜ。
ん? あぁ、あいつ等な。
 まず、あの『ヤジ』って奴だな。俺が色々と次のイベント決めるのに
事務で上の奴等に話してる時に、あのイサゴの婆さんから清掃の連絡
あってよ。面倒くせぇし、断ろうかと思ったけど。まぁ小金も少々
欲しいと思ったから結局引き受けたんだが……。
 話が逸れたぜ。で、あいつも何の用か知らないけどアリーナに居たわけよ。
清掃って結構重労働だろ? けど、んなスタンドも余り関係ねぇ事に
時間を割こうって物好きは地下闘技場の場所に居ないんで、少し頭を
捻ってた時、ちょうど、あいつが何かある程度簡単で危険のない仕事が
あるか聞いてきたんで、こりゃ都合が良いやって事で雇ったんだよ」

広範囲を見渡せる能力のツレの手伝いも得たし、結果オーライだよなと。
金一は、殆どヤジの素性や背後関係を知らず引き受けたようだ……。
まず、そんな都合よく手伝いを申し出る事に疑問も思わなかったのだろうか?

>>213(天雨PC)

貴方は、まつりに言い聞かせてヤジと共に事務室へ入る。スタンドも
危険性を見越して発現したままだ。

ヤジ「まぁ、大した用じゃないんスけどね。このアルバム、何枚か
コピーしたいってだけなんで」

 彼が抱えてたのは、一冊のアルバム。園に置いてあるのだろう何年か
前の昔の子供達を撮ったものだ。アオキが過ごした頃よりも、もっと昔
である事は、風景や写真を撮った日の記載からわかる。

ヤジ「何でこんなのコピーするのかって顔してるから、簡単に説明すると。
俺 此処の元出身。
 つっても、一年未満だし、俺の事覚えてるやつはまず居ないんだけど……。
アルバム見てたら、何人か世話してくれた懐かしい人達が載ってたんでね」

コピー機が稼働するのを、彼は壁に凭れ掛かりつつ作業が終えるのを
待っている。ポケットから飴など取り出し、舐めつつ呟く。

ヤジ「そんで、そちらは多分 俺の事かなり警戒してるだろうから。
これ終わったら、もう帰って。町で偶然ブラブラした時に会うとか以外で
滅多に顔は合わせないと思うんで。疑問とかあれば答えますけど」

まぁ、俺に命令してる人の情報教えろとかは無理だけど。
と、彼も天雨が幾らか警戒した事を読み取って告げる。

ヤジ「俺は、あのおっさんとは別の命令で動いてはいるけど。
あんた等に危害加えろとか、完全に秘密裡で仕事を完了させろとかの
スパイ行動してる訳じゃないんでね。
 出来るなら、美女との別れ方はさっぱりした形で終わりたいのよ」

世辞を交えての、彼からの親切心による提案のようだ。

215夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/13(火) 22:29:05
>>213
>>214

「へー、そりゃ『ラッキー』だったね。スゲーいいタイミングじゃん。
 まぁソージするだけなら、わざわざスタンドつかうコトもないし」

口ではそんなことを言っているが、心の中では全く逆のことを考えている。
ヤジが金一が『清掃のための人手を探している』ことを知っていたことは、
まず間違いない。
だから、自分から金一に接触したのだ。
そうすれば金一はヤジを採用し、ここに連れてくる。
それが分かっていたからこそ、『仕事がないか』と聞いたのだろう。

ツレの小林は分からない。
あるいは、小林が本命でヤジはダミーということもありうる。
ヤジが怪しい動きを見せて注意を引いている間に、
小林がスタンドを使って色々するとか。
普通の状況なら、一般人よりスタンド使いを警戒するのは当たり前のことだ。
ヤジが一般人だというのは自己申告なので、
それも信用できるかといえば怪しいが、考えを進めるために、
とりあえず一般人ということにしておく。

とはいえ、金一は小林の能力を知っているらしい。
おそらく小林が喋ったのだろう。
本当に何かする気なら自分から能力を明かしたりするか?
この点が引っかかる。
だから、ひとまず小林は『シロ判定』ということにする。

ヤジはいうまでもなく『クロ判定』だ。
別に悪人とかじゃないが、分かりやすいので『クロ』と呼ぶ。
彼は、誰かから指示を受けている。
それがイサゴか別の誰かか。
そこが問題だ。

仮にイサゴだとする。
そうなると金一には言わなかったわけだ。
まぁ、それも当然かもしれない。
わたしだったら、絶対こんなヤツに頼みたくないし。
よって、頼んだのがイサゴだったとしても別に不思議はない。

イサゴではないとすると?
その誰かはイサゴが金一に清掃を任せたことを知った。
そして、ヤジをその中に紛れ込ませたことになる。
目的は既に分かっている通り、ここにいるスタンド使いの監視だろう。
正体は不明だ。

現状、ヤジを送り込んだのがイサゴか別人かは判断する材料がない。
なので、この点は保留とする。
現段階では、どちらもありうる。

普段は監督するであろう大人がいないから、自分達を連れてきた。
そして、子供達と自分達が上手くやっているか心配で見張りを送る。
『イサゴ説』だと、こうなる。

『別人説』も大体は似たようなところだが、少し違う。
より正確に言うと、『心配してる』というよりは、
『危険視している』という言い方の方が正しいような気がする。
わざわざ回りくどいやり方でヤジを送ってよこしたところを見ると、
表立って見張りを送れない理由でもあるのか?

あぁ、忘れてた。
多分、金一も『シロ』だろう。
ヤジがここに来る口実として利用されたところを見ると、そう考えるのが妥当だ。

(――こんなトコか……)

一通りの考察を終えて、現実に立ち戻る。
色々と考えてはみたが、これが意味のあることなのかも正直分からない。
自分達の仕事は子供達の世話だ。
それ以外のことをやる必要はないし、する気もない。
ヤジが金一達と帰ってしまえば、それで終わりという気もする。

(……ま、かんがえすぎかもね。
 なんでもないなら、ソレにこしたコトないケド……)

台風のこともある。
そろそろ園内に戻るべきか。
遊戯室にいるらしいアオキのことも気になるし。

     ザッ

「イサゴさんとは、ふるいツキアイなの??
 『コゾーあつかい』されてたみたいだけど??」

カンナとくぬぎの下へ戻りながら、金一に尋ねる。
『ドクター』は解除する。
それからカンナとくぬぎを連れて、園に戻ることにしよう。

216天雨 サトリ『10cc』:2018/11/14(水) 00:16:50
>>213(GM)
>>214(夢見ヶ崎)

「そう、アルバムを……では、ここで見ておりますわ。
 ああっ、勿論写真を覗いたりはしませんので。お気になさらず」

         「プライバシーですものね」

やや離れた位置から、コピーを取るヤジの様子を見守る。
写真は言葉通り凝視はしない。写真を抜き取って、
勝手に持ち帰ろうとしているなどは、流石に見れば止める。
つまりアルバムではなくヤジの『手つき』を観察するという事。

「……ええ。露骨に警戒していて申し訳ないのだけれど、
 私は子供達を平穏に過ごさせるのが仕事ですから。
 貴方が掃除とは違う動きをするなら、それは監視しますわ。
 もちろん、貴方だけじゃなく、金一さんや小林さんでもね」

「けれど……私の仕事は、あくまで平穏に過ごさせること。
 謎を解いたり、この園にまつわる真実を暴いたりは横道に逸れる。
 才色兼備なのは貴方の言う通りだけれど、ひけらかすつもりもなし。
 だから、私達に危害を加えるつもりがない……それが真である限り、
 貴方のしている事を探ったり、邪魔したりはしませんわ。私は、ね」

          クルッ


「――――ただ、一つだけよろしくって?」


先ほどの『例の画像』のパソコンに向き直り、
最小化していた画面が画面下に残っているか確認する。
もし何らかの理由で残っていないようなら、
それはそれでいい。見せつけるのは狙いではない。

「ここのパソコンで……妙な『傷面の男性』の画像を見ていたのは貴方かしら?
 他にこの部屋に入っていた人間が思い当たらないから、消去法ですけれど
 一応子供達も使う事があるから、履歴は消しておいて欲しかった、という話ですの」

「私くらいなら大丈夫だけれど……突然表示されたら、中々びっくりしますものね」

責めるような口調ではなく、あくまで『パソコンを勝手に使ったこと』を、
すなわち『勝手に料理をした金一』の延長上にある行為を指摘するにとどめる。

狙いは糾弾や罰を与える事ではなく、事態を把握する事。そのために、反応を見たい。

217『ペイズリー・ハウス』:2018/11/14(水) 22:23:25
>>215(夢見ヶ崎PC)

『ヤジ』が、誰の指示を受けて潜入してきたのか。
砂金(いさご)の可能性もある。だが、朗らかで子供達の世話を重視
してた彼女が、わざわざ非スタンド使いの彼を潜り込ませてまでアオキを
密かに監視させると言うのは妙な感じがある。ならば『第三の謎の人物』だが
こうなると情報不足だ。これ以上金一から得られるものも無いだろうし。

金一「あの婆さんの事については、余り話したくねぇ!
良い思い出がねぇんだよな〜。やれ、言葉遣いが宜しくねぇ
ヤクザめいた仕事やるより、あんたは真っ当に社会生活送れだの
俺のオカンかってぇの!
 まぁ、正直いって経歴とか結構な人だぜ。オウムとか有名所の
カルトめいた組織とも、若い時はだいぶやりあって先頭きって
その功績あって、今はアリーナの重鎮として海外も行ったりきたり
してるしな。まぁ、俺は俺でアリーナ闘技場の経営トップの座に
いくんだから、イサゴのばーさんなんぞ目じゃねぇんだ!」

言うなれば、会社の平社員と専務ぐらい立場が異なるのだろう。
とりあえず、イサゴはかなりの大物らしい。
 貴方は、くぬぎの周りをスタンド込みのバク転などして暇つぶしてた
カンナを共に引き連れて園の中に入っていく。
 事務室から、コピー機を稼働する音が聞こえてくる。

>>216(天雨PC)

 彼は数枚の写真をカラー印刷する。作業が終わるとアルバムの中へ
写真は戻し、その行動に特に問題はない。このアルバムは別に事務に
置いといて、上に戻さなくても別に良いんでと彼は告げる。

>ここのパソコンで妙な『傷面の男性』の画像を見ていたのは貴方かしら?

「――あ? ……ちょっと待ってくれ、どう言う事だ?」

 ヤジは、露骨に訝しむ顔になった。
貴方に詳細を訊き、それが終わると無言で画像が出てたパソコンへ向かい
それを表示する。そして、マウスカーソルを動かし、履歴部分をチェックする。

「……最後の表示は2週間前。……ギボスの写真を誰が残した
一体 どう言う意図で……」

 画面を覗くヤジは、独り言のように呟く。その顔つきは先程までの
陽気さが残ってたのが消えて強張っている。
 その顔つきのまま、天雨に向き直り短く告げる。

「……悪いな。このまま俺は事の次第をアリーナに報告しに戻る。
あんた達には迷惑かけた」

 画像を、もう一度最小化し直すと。彼は幾分険しい顔で
印刷した写真を懐に収めると、事務から出る。帰るつもりだろう

218夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/14(水) 23:26:02
>>216
>>217

「ダイジョーブ、ダイジョーブ。キンちゃんだったら、きっとなれるよ。
 たぶん『1000ちょうネンご』くらいだとおもうケド」

金一の妄言はテキトーにあしらっておく。
この調子が今後も続くのなら、人類の歴史が終わるまで下っ端のままだろう。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
とりあえずイサゴが大物だということは分かったが、
それは既に大方の予想はしていたことだ。
既に知っていることを改めて再確認しただけで、新しい収穫にはならなかった。

「ゴメンね〜〜〜またせちゃって。ちょっとハナシがあったからさ。
 『アリーナ』でやる『つぎのシアイ』のうちあわせしてたんだー」

        エヘッ

この園には、何か秘密めいたところが感じられる。
しかし、秘密の一つや二つくらいなら、誰だって持っているものだ。
それに園の背景に何があろうと、自分達の仕事とは基本的に関係がない。
自分は今こうして事情を探っているが、
それは自らの好奇心による部分がほとんどなのだ。
『未知への興味』――それは夢見ヶ崎明日美を動かす大きなエネルギーだ。

とはいえ、完全に『それだけ』というわけでもない。
この園に何かがあったとして、
それが子供達に害を及ぼすものではないという保証はない。
もし、その『何か』が子供達の幸せを脅かし、未来に影を落とし、
『光を奪う』類のものであるとしたら――。
自分自身と『ドクター・ブラインド』の力で、その『何か』に立ち向かう意思がある。
なぜなら、わたし達の仕事は子供達を楽しく過ごさせることなのだから。

(――なーんて、カッコつけてるのは『らしくない』、か……)

(でも――そうおもっちゃうんだよね。『かなしいコト』に)

事務室から機械の音が聞こえる。
誰かいるのかもしれない。
ひょっとすると、『さっき』みたいなことも考えられる。
ただ、今は自分一人じゃなく、カンナとくぬぎもいる。
ここで二人を巻き込むわけにはいかない。

「じゃ、こんどはユウギシツであそぼっか。
 カンナとくぬぎちゃんはナニしたい??」

カンナとくぬぎに声をかけて、立ち止まらず真っ直ぐ遊戯室に向かわせる。
自分は、その少し後ろからついていく。
その途中で――。

      ズギュンッ
              ドシュッ

『ドクター・ブラインド』を再発現し、事務室前の壁に『聴覚』を移植する。
そのまま事務室を素通りし、遊戯室を目指す。
『内偵』という分野なら、『ドクター』も得意とするところだ。
壁に設置した『聴覚』は、さながら『盗聴器』の役割を果たす。
それによって、遊戯室にいながら事務室内の『音』や『声』を聞き取る。

219天雨 サトリ『10cc』:2018/11/15(木) 22:14:33
>>217(GM)
>>218(夢見ヶ崎)

「へえ? 『ギボス』 ……そう、それがこの男の名前ですのね。
 まあ、詳しい事は聞かないし、貴方も喋ってはくれないでしょう」

本当にきな臭い事態になってきた。
二週間前ならほぼ間違いなく、『アリーナの人員』がここに居たはずだ。

(普通に考えてアオキさんと監視で二人きりにはしないでしょうから、
 恐らくでしかないけれど……『3人』は監視の目があったはず。
 それらの目を盗んで、する事が『画像を見る』事だけ……あり得る話かしら?)

(いいえ、あり得ない。『アオキさんが』『履歴欄をいちいち確認して』……かつ『一括削除せず』に、
 『覚えのないページも閲覧する』事を確信しないと、そんな仕掛けはしないし……したところで、動揺させるのが関の山)

(実際……今日の今日までアオキさんは履歴の確認をしていなかったし、
 まつりさんがアオキさんが見ている時に操作ミスをしたのも、『偶然』なのは明白ですもの)

見せるために残すなら『閲覧履歴』を使うのはやはり不可解だ。
溜まった履歴は、消すためにある。履歴にしか残さないのは迂遠すぎる。
なら、もし二週間前に『見せた』なら? アオキの言動と食い違う。
ただ見ただけ? なら履歴を消さないのは単なるドジか? ……思考は堂々巡りだ。

今出せる推論は……もし大きな見落としが無いなら、『アオキを害する為の策』とは思えないという事。

(今これ以上考えても、きっと私の先入観を固めてしまうだけですわね。
 少なくとも結論を断定してはいけない。そのために動くべきではない。
 視野は広く……そして遠くを見据える。なぜなら私は天雨サトリなのだから)

きっと他の目的か、見落としがある。それは今は深追いしないでおく。

「……明日美さんには、事の次第を伝えさせていただきますわ。
 万が一という事もありますから。それから私の雇い主にも、ね」

「貴方は台風に気を付けてお戻りなさい。そして、余さずお伝えなさい」

アリーナにも悪意はあるかもしれないが、
それはより大きな悪意への傘にもなり得る。
ヤジが本当にアリーナとは限らないのだが、
今そこを疑っていては、お話にならない。

「あっ、そうですわ。明日美さんは特にこの件を探ったりしていませんから……
 彼女は特に危険な素振りはなかったと、上の方にお伝えなさってくださる?」

「ファイターというのをやっているそうですし……
 悪評は、そちらの評判にも関わりかねませんから」

信じられるかは知らないが、夢見ヶ崎はこの場にいないし、
先ほども場にいなかった。疑いを解く理由には薄いとはいえ、
そもそもの疑う理由も『素性が知れない』くらいのものだろうし。

「私の方は……どうかしら? 貴方にはやっぱり、私は今も得体の知れない女に見えていまして?」

こっちはもちろん、ある程度冗談だ。

サトリは頭が良いし、家柄も良いが、他社の思考を推し量るのは厳しい。
それは『経験』で得る能力だ。そして得なければならない。
ヤジとの『交渉』も、そういうものだ……得たかった経験を、将来に活かせる。

220『ペイズリー・ハウス』:2018/11/15(木) 23:06:04
>>218(夢見ヶ崎PL)

金一「おぅおぅ、甘く見てると後悔するぜっ。今に見てろよ
数年以内には経営の中核に触れるぐらいに昇格してやるからよ!
 つうか、あいつおっせぇなぁ。クソでもしてんのか??」

小林「宜しければ、親交ある女性の前とは言え、もう少し丁寧な言葉遣いを。
あと数分待ちましょう。あとは車を発進するだけですし」

既に帰り支度は万端になったようだ。貴方の言葉に
カンナは『頭使わんゲーム!』 くぬぎは『おままごと』と小声で告げた。

アオキ「……ん、あぁ お帰り」

少しだけ顔色悪い様子ながら、笑みを見せてアオキは貴方を出迎える。

アオキ「御免、ちょっとだけ横になってていい? もう少しだけ
何も考えず休みたいんだ……」

そう、彼女は申し訳なさそうに告げた。だいぶ 疲れてる様子だ。

事務への壁に『聴覚』を移植……して会話は↓

>>219(天雨PC)

>詳しい事は聞かないし、貴方も喋ってはくれないでしょう

ヤジ「……口伝にはなるが、既に『故人』だよ。
アリーナの戦闘派とやりあってな、ガセじゃなきゃ確かだ」

彼は、少し固い顔つきながらも そう教えてくれた。写真の男は既に
死亡しているらしい。

>彼女は特に危険な素振りはなかったと、上の方にお伝えなさってくださる?
>貴方にはやっぱり、私は今も得体の知れない女に見えていまして?

ヤジ「出来れば、此処の子供達や雇われには余り刺激せずって言われてるが。
どうにも、こちら側の組織も一枚岩って訳じゃないようだから助言するが。
 あの『アオキ』って娘の能力は、更に急激な成長を遂げれば恐ろしい
兵器運用にも利用出来るらしい、そして、スタンド使いの中には稀にいるんだよ
能力を制御するんじゃなく、自分の力に溺れてしまう奴もな。
 幸い、今日見たところ。酔いしれてるとか、園児達を道具見たいに使役してる
危険な兆候やあからさまな不審点は無かったし、ほぼ俺はシロと思ってる。
んで、得体が知れないってのは。それ俺へのブーメランにもなるからな。
スタンドが使えないのに、諜報部員まがいの事してるって時点でよ」

「俺は、俺が目にしたものと。あんたの発言を信じるよ
あんた達の任務が、穏やかに収束するのを祈っている」

 それじゃあな、と彼はそこで言葉を止めた。
事務を出て、外に通ずる道へ行く。もう数分もすれば
彼らは車を走らせ、この園から完全に消え去るだろう……。

221夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/16(金) 00:18:16
>>219
>>220

「じゃ、『アタマつかわんオママゴトゲーム』でもやるかぁ」

それがなんなんのかはしらないけど。
しってたらおしえてね。
あてさきは、わたしのココロ。
アイがあれば、とどくはず。
『つたえよう、ひろげようキャンペーン』じっしちゅう。

「あ、うん。
 みんな、アオキはおひるねするからしずかにしてよう」

案の定だが何かあったか。
事務室ではサトリとヤジが話しているようだが、
アオキの変調は二人の会話と無関係ではないだろう。
しかし、そのやり取りも終わった。
どうやら少しばかり出遅れたようだ。
その代わり、金一から色々と聞き出してはいるが。

(――そろそろ『ふたりきりで』はなしたいかなー……)

この園に来てから様々なことが起きた。
それらの対処に追われて、
サトリと一対一で話し合う機会をなかなか見つけられていない。
別行動になったり、そばに子供達がいたりで、
落ち着いて意見を交換できていないのだ。
それが自分達の仕事なのだから当たり前といえば当たり前ではあるが、
一度くらいは話し合いの場が欲しいところだ。
既に二日目も後半に入っているし、タイミング的にも今くらいが丁度いいだろう。

     『ここらで、ちょっとそうだんしない??』

               ピッ

『機会を見て、二人だけで意見の交換をしたい』旨を、サトリにメールで伝える。
その間は子供達に目が行き届かなくなるが、全員が遊戯室にいてくれるなら、
『ドクター』の『聴覚移植』で、ある程度の状況把握は可能だ。
こちらが入手した情報も伝えておきたいし、今後も何か起こらないとも限らない。
その何かが起こる前に、話し合う機会を設けたいというのが本音だ。
起こった後では、話をするどころではなくなるかもしれないから。

222天雨 サトリ『10cc』:2018/11/16(金) 22:50:56
>>220(GM)
>>221(夢見ヶ崎)

「故人? ――――そうなんですのね」

どういった人物なのかを知りたかったが、
ヤジも多くを知らないのだろう。
それに、死んでいるなら情報の価値も死ぬ。
今アリーナの発表を疑う理由も、合理もない。

「スタンドの成長がどういうものかは、存じ上げませんけれど。
 『サバジオス』は今でさえ、悪用せずとも多くの可能性がある」

「善悪問わず、人を動かすのも頷けますわね。
 幸いアオキさん自身に、その気はないようだけれど」

価値があるからギボスとやらは動いたのだろうし、
価値があるから今はアリーナの庇護下にいるわけだ。
サトリと夢見ヶ崎が彼女の味方をするのには、価値は関係ない。

「ええ、ありがとう。貴方も息災を。
 無事に伝えて下さるのを祈っておりますわ」

「……」

ヤジを引き止める理由はもうない。
アルバムだけ、回収しておくことにする。
それからパソコンに向かい、履歴を確認する。
ギボスの写真の前後は何のページを見ていた?
とりあえず、履歴欄からタイトルだけでも見る。

(そういえば、明日美さんはもう、戻っているのかしら)

操作の間にスマホにも軽く視線を走らせ、連絡の有無を確認しておこう。

223『ペイズリー・ハウス』:2018/11/17(土) 18:01:08
>>221-222(ALL)

ブロロォ……。

車を走らせる音が遠ざかっていく。清掃員と秘密裡に動くエージェントと共に。

カンナ「おままごとかー、まぁ沢山走ったし 良いかっ
うちは、お父さん役だっ」

まつり「くぬぎさんは、ママの子供ですわ!」

くぬぎ「うん……」

おままごとは、比較的拒否なく受け入れられてる。アオキは、じっと
目を瞑り心を休めている。

夢見ヶ崎からの情報交換のメールは、天雨に届く。天雨も、それを
確認するので、廊下なり問題の画像があった遊戯室なりで相談は可能だ。
 子供達が大人しく十数分遊んでる間は意見を交換出来るだろう。

天雨は、問題の画像のあった履歴の前後も確認する。
 
履歴の後ろにあったのは、エクセルで作成された何かのデーターの
数字のみが羅列されており、特にそれ以上の情報はない。
前のほうには、ある事件の記事が記載されていた。約五年ほど前の
『誘拐事件』が記載されている。内容は簡潔に纏めると
以下のような文面が表記されている。

『〇月▽日、笹金家に何者かが侵入し笹金〇〇氏が重傷
長女の笹金蒼樹氏が誘拐される。
 警察では、ここ最近の頻発する児童誘拐事件の関連を疑っている』

『星見町に激震走る? 住居不法侵入 児童誘拐の魔の手!

最近に渡り、星見町の幾つかの家宅に昼夜問わず違法な手で
侵入し、児童を誘拐する異常な事件が目立っている。
 この一連の事件は、目撃した住民によると顔面に特徴的な
傷を帯びた20から30代の男性との事だ。
 警察は、この男に関し児童売買などの闇グループに関与する
可能性を示唆した上で、近辺住民に警鐘を鳴らしている』

どうやら、『アオキ』に関わる事件の記録のようだ。中々
大きな事件だったようで、新聞かネットにも掲載した事はあったようだ。
(※PCの記憶で、この事件の知識を大まかに保有してるか
どうかは各自任せる)

履歴で重要と思えるのは、それだけだ……。

224夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/17(土) 20:07:51
>>222
>>223

三人が乗っているであろう車が、園から離れていくのを見送る。
これでサトリと話しても聞かれる心配はない――などと安心はできない。
ヤジが何らかの『仕掛け』を残していった可能性があるからだ。

(どっかに『しこんで』ねーだろーな??)

ヤジが清掃作業のために来たというのは、あくまでも表向きの理由だ。
実際の目的は、園内の内偵にあったらしい。
そして今日、ヤジは清掃という名目で、園内を自由に歩き回っていた。
例えば『盗聴器』などを仕掛けようと思えば、いくらでもチャンスはあっただろう。
自分も似たようなことをしているからこそ、その可能性に疑いの目を向ける。

「みんな、ここであそんでて。
 ジムシツでオシゴトしてるから、なんかあったらよんでねー」

        シュパッ

子供達に言っておき、事務室前に設置した『聴覚』を解除してから、
遊戯室の壁に移植し直す。
これで何かあったら分かるはずだ。
そして事務室に出向くとしよう。

《ババン!!みなさん、こんにちは。『アリス・ヘッドライン』のおじかんです。
 ほんじつさいしょにおとどけするニュースは、カンナにかんするわだい。
 どうやら、カノジョはヘビがニガテらしいとのコト!!》

スタンド会話を使って、事務室のサトリに声をかける。
自分の口から言わないのは、『盗聴』を警戒してのことだ。
カンナとヘビの話が聞かれたからどうってこともないが。

《ヤジちゃんって、あちこちスキなようにうごいてたでしょ??
 なんか『しかけてる』カノウセイがヒテイできないからさぁ。
 だから、ねんのため》

むしろ、何か仕掛けるのがメインで、
ヤジが子供達や自分達の様子を見ていた方がオマケとも思える。
清掃の間だけ見ているというのは、見張りというには不完全だ。
それに、もし何か仕込んだとして、それを確認するのがヤジとは限らない。

《ここでゾクホウがはいりました。
 キンイチのキョウジュツによると、
 『イサゴのばーさんからソウジをたのまれ、
 めんどくさいとおもっていたちょくごにヤジがセッショクしてきた』とのコトです》

《また、キンイチに『ランク』というコトバをなげかけたところ、
 『アリーナ』の『ファイターランク』だとかいしゃくしたもよう》

《では、げんばのサトリきしゃをよんでみましょう。
 サトリちゃんさん、なにかあたらしいハッケンはありましたでしょうか??》

冗談めかしているが、これでも気持ちは至ってマジメである。
ついでに、サトリが見ているパソコンの画面を覗き込んでおこう。
そこに載っている情報は頭に入れておくことにする。

225天雨 サトリ『10cc』:2018/11/18(日) 00:45:16
>>223(GM)
>>224(夢見ヶ崎)

             クルンッ

椅子を回転させ、入室してきた夢見ヶ崎を手で招く。
パソコンの画面を見せるためだし、密談をするためだ。

≪賢明な判断ですわ。――――そう、蛇が。
 意外ではあるけど、珍しくは無いですわね≫

カンナは虫とか爬虫類は大丈夫だと思っていた。
彼女を下手に刺激しないために、覚えておく。

≪ヤジさんは『アリーナ』に情報を持ち帰ると話していましたわ。
 情報を照合するに、『金一さんとは別の派閥』なのでしょう。
 金一さんがアリーナの『エンターテインメント』部門なら、
 彼は『諜報』部門であるとか、『長期計画』部門であるとか……
 スタンドが無くても、知能や忠誠心で果たせる仕事をしている≫

           ≪まあ、そこの真相は今は解けないとして≫

≪こちらで得た情報は、彼がここの出身者であるということと、
 この『アルバム』から何枚か写真を抜いてコピーしてましたわ。
 まあ、コピーをしたいのが本音で、出身なのは建前かもしれないけれど≫

≪申し訳ないけれど、どの写真をコピーしたかは謎ですわね≫

              パララララララ

適当にページをめくる。抜けそうになってる写真でもあれば、
アルバムから抜いて入れたばかりだと推測できなくもないが、
確証に繋がるというわけでもないので……あまり気にし過ぎない。

≪もう一つは――――アオキさんを誘拐したという、このニュースの男。
 この男の『写真』が、なぜかこのパソコンに履歴として残っていた。
 それも、私達が来るより少しばかり前、この履歴が正しければ『2週間前』に。
 それをまつりさんが偶然開いて見てしまったのが、アオキさんの今の状態の原因≫

≪2週間前の来園者を調べられれば、意味はあるかもしれませんわね≫

まだ残っていても夢見ヶ崎に画像は見せない。
見る事がトリガーになる、という可能性を考慮してだ。
それなら、回りくどくても画像を残す意味にはなる。

≪名は『ギボス』。ヤジさんがおっしゃるには、アリーナとの戦いで既に故人だそうだけれど……≫

          ≪『スタンド使い』ですもの、万一は有り得るでしょう≫

ギボス本人でなくとも、その信奉者や、仲間がいる可能性は捨てきれない。
まあ自分なら、得体のしれないスタンド使いが二人も増えていて、しかも台風の時には来ないが、
その『まあありえないだろう』という安易な予想が生む『隙』を突く――――いかにもありえる。

≪ま、私達の仕事は見えない敵と戦う事ではないから……気にし過ぎはよくありませんけれど≫

      けれど、その存在は覚えておいた方がいいでしょう――――と、暗に伝えてはおく。

226『ペイズリー・ハウス』:2018/11/18(日) 19:52:58
>>224-225(ALL)
(※前準備に必要な事があれば、纏めて記述して貰えれば助かります)


貴方たちは盗聴を警戒して、スタンド会話で情報交換を行う。
ヤジの不審な動きや所属、カンナの苦手なもの。アオキの心の傷を
大きく占める存在であろう『ギボス』

ヤジがコピーしたであろう、差し込みが真新しい写真が形成した
ページであるが、まずアルバム自体はアオキが話してた時系列よりも
古い写真ばかり貼られている。彼女に関わる年上の人物を調べてたのかも
知れないが、一度抜き取ったと思われる写真には、アオキと関係は薄いだろう
子供達と、成人近いであろう男女が仲良く写っている。
多分ではあるが、この写真はアオキと無関係な気はする……。
(※夢見ヶ崎はパソコンを閲覧しようとして、天雨は写真を見せないよう
ロールしてるが。どちらかを優先するかはPCの判断に任せる)

……ゴロゴロ。

カンナ「あ、暗くなってきたぞっ」

まつり「そろそろ近いですわねー」

特に、それから2、3時間経つものの。目立った異常は起きてない。
アオキは幾らか小康状態に戻り、見た目は回復したように思える。
園児たち三人は、おやつで冷蔵庫の菓子か缶詰の果物など貴方たちに
注文して食べて、夕飯までは適当に遊んでいた形だ。

 時刻は5時……天気予報での嵐が来る。

227夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/18(日) 22:07:46
>>225
>>226

《ふむふむ――たぶんサトリちゃんのいうとおりだろーね。
 さすが!!とぎすまされたチセイがヤミをきりひらく!!
 そのなは『あもうサトリ』!!》

ヤジがここの出身だというなら、幼い頃から『アリーナ』に関わっているはずだ。
それは忠誠心の裏づけになるし、重要な仕事を任される理由にもなる。
園内に保管してある過去の資料を調べれば、
出身者という言葉が本当かどうか分かりそうだが、今はそこまですることもない。

《スタンドもってないから、しんようされてるってのもあるのかもね。
 ま、ユウシュウじゃなきゃたのまないだろうケド。
 キンイチとかゼッタイありえないし》

スタンド使いに重要な仕事を任せることは、『裏切り』のリスクを伴う。
一般人にも同じことは言えるが、
スタンド使いと比べれば一般人の方が格段に制御しやすい。
だからこそ、逆に大事な役割を任せることができるという風にも考えられる。

《さっき、ちょっとかんがえてたんだ。
 ヤジちゃんの『おくりぬし』はだれかってコト。
 『イサゴせつ』と『そのたせつ』――サトリちゃんはどっちだとおもう??》

ヤジを寄越した人間が誰かは不明だ。
それは自分達に分かることではないかもしれない。
だが、考えるのは自由だ。

《アルバムねぇ……。ソレ、もしかしてヤジちゃんがうつってるとか??》

抜き取られたと思しき写真に、ヤジの昔の姿が写っているかもしれない。
さほど期待はしてないが、一応『少年』に絞って確認する。
多めに見積もっても十数年前だろうし、面影は残っているだろう。

《『ギボス』――ソイツは、ゆるせんヤツだな!!
 もし、そのときにわたしがいたら、
 『あっ!!』というまにボコボコにしてやったんだけどなー……》

まぁ、その時はまだスタンドに目覚めていなかったので、できなかったと思うが。
仮に目覚めていたとしても、
あくまでジョークなのでボコボコにできたかは定かではない。
とりあえず『ギボス』の画像は見ないようにしておく。
サトリに考えがあるなら、それに従おう。
彼女が知っているなら問題はないし、無理に見ないといけない理由もない。

《りれきってコトは、ダレかがみてたってコトだよねぇ??
 フツーにかんがえたら、ここのヒトかな。
 『なんのために』っていうのはわかんないなぁ》
 
《『かくにん』してた??ってことは、もしかして??
 まさか――ねえ??》

確認する必要があったとすれば近い内に何か起こると予想したとも考えられる。
もしそうだとするなら、それは『ギボス』と無関係ではないだろう。
現段階では、確たる根拠のない推論の域を出ない話ではあるが。

228夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/18(日) 22:12:30
>>227

《あと、いいわすれてたけど、アオキといっしょにくらしてたトモダチは、
 みんながいこくへいっちゃったみたいだよ。
 きのう、アオキがねてるときに、わたしがパソコンこっそりみたでしょ??
 そのときひらいてたサイトに、ソレがかいてあった》

《イサゴさん、がいこくいくとかいってたし、もしかしたらカンケーあるかも》

可能性はある。
ここはイサゴの息がかかった施設で、彼女は子供達を気にかけていた。
他所へ行った後も様子を確かめているというのは不思議ではない。

《それと……サトリちゃんに、わたしの『ヒミツ』おしえちゃおっかな。
 ホントに『まんいち』ってコトもあるし》

《ちょっとチクッとしていい??『10びょう』でもどるから》

        シュッ
                ブラックアウト
一言断ってから、サトリに『視覚移植』を行う。
口で説明するより、実際にやった方が早いと思ったからだ。
『ドクター』の『切り札』だが、サトリは信用できると考えるから明かした。

《もし『なにか』あったら、やくにたつとおもうよ。
 サトリちゃんのサポートにもなるし。
 あ、いちおう『サイン』とかきめとく??
 じゃ、わたしが『ベロ』だしたら、いまのヤツやるから》

オピネルの一件もある。
サトリの言うように、目に見える危険と遭遇する確率はゼロではない。
順位しておくことは無意味ではないだろう。

《――ところで、かいちゅうでんとうってドコのひきだしにあるんだっけ??》

ついでに、サトリに懐中電灯の場所を聞いておこう。
カマイタチの正体を確かめる時に使うかもしれないからだ。
もちろん、そんなことを考えているというのは少しも表に出さないが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おー、いよいよほんばんか〜〜〜。
 そういえば、きょうのディナーはなにがいいかな??」

――そして時間は過ぎ、いよいよ嵐が訪れる。
夕食のメニューを考えつつ、窓から外を確認しよう。
外を確認したら、厨房に行ってみる。
食材とか調味料に『匂いの強いもの』がなかっただろうか。
それと、調味料の中に『レモン汁』がないかどうか探したい。

229夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/18(日) 22:21:11
>>228

事務室にいる間に、『防犯ブザー』がないか探しておく。
小さな子供達がいる施設だし、あってもおかしくはないと思う。
もし見つけられたら、それを二つポケットに入れておきたい。
数が少なければ一つでも構わない。

230天雨 サトリ『10cc』:2018/11/19(月) 04:13:11
>>226(GM)
>>227-229(夢見ヶ崎)

≪もっとお褒めなさい。――――まあ、いずれにせよ、
 彼が『アリーナ』の子飼いなのはほぼ間違いないでしょう。
 もっとも、イサゴさんが寄越したにせよ第三者にせよ、
 今ある情報だけでは……少し、『不自然』ではありますけれど≫

≪どちらかと言えば、『イサゴさん』絡みじゃあないかしらね。
 でなければ『得体の知れないスタンド使い』が二人もいる上に、
 『どんな能力かもわからない子供三人』が制御されている保障もなく、
 それに……警戒対象のアオキさんも自由の身。そんな『魔境』に、
 わざわざ一般人を寄越したというのはあまり意図が分かりませんもの≫

組織にとってそれほど『重用できる一般人』というのは、
単に『組織のために働くスタンド使い』より希少なはず。

それを、金一のような信用のおけないスタンド使いと、
戦闘能力にそれほど長けていると思えない小林だけつけて、
最悪『サバジオス』の帝国と化していたかもしれないこの場所に、
なおかつサトリ達二人がいる状況で放り込むのは『悪手』であろう。

≪もちろん、私達には把握できない事情の中で……
 何か、仮定をすべて裏返す要素があるかもしれませんから≫

              ≪あくまで『推測』ですけれどね≫

アルバムは夢見ヶ崎に任せ、自分はパソコンの電源を落とす。
一応、時間があれば他のパソコンにも『ギボスの履歴』が無いか見ておく。

≪ええ、許しがたい非道ですわ。
 ……今となっては、どうしようもないけれど。
 というより、『どうしようもなくあるべき』ですけれど≫

≪人に見せたくて残したという風ではありませんから、
 何か調べなくてはいけない理由があったのかもしれませんわね≫

事件のことも調べていたあたり、ギボス個人を調べていたとは限らない。
これも現段階では、どうしようもない未確認事項……一応覚えてはおくこと。

≪外国? そうですのね。
 事情は分かりませんけれど、
 繋がりはありそうですわね……≫

単にアリーナは外国にも支部を設けている、
という可能性もある。あるいは日本が支部か?
その辺りはサトリには分からない事だが……

いずれにせよ、重要なのは

≪――――!≫

            ≪これは…………≫

今わかる事、今この場で判断出来る事をどう考えるかだ。
大局的な視点を無視するわけにはいかないが、
今の自分は、あくまでも現場で働く人間だからだ。

             ニコ

≪良く教えてくださいましたわね、明日美さん。
 かしこまりましたわ、その合図で使っていただきましょう≫

だから、夢見ヶ崎の力と、自分の力で、
今目の前に迫りつつある問題をなんとかしよう。
出来る。お互いに信頼し合える、有能な二人なら。

           ≪ちなみに、懐中電灯はそこですわ≫

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「今のうちに、皆様の必要なものの場所は確認しておきましょうね。
 今夜は…………明日美さんに何か、アイディアがあるんだったかしら?」

率先して材料を探し出す夢見ヶ崎に何か策有と見た。
違ったり、メニュー自体は案が無かった場合を考え、断定口調にはしない。

231『ペイズリー・ハウス』:2018/11/19(月) 19:46:59
>>227-230(ALL)

夢見ヶ崎は匂いの強い食べ物を事前に準備する。
匂いの強い食べ物……ならばシュールストレミング   は流石にない。
『レモン』はあるので、レモン汁を用意するのは簡単だ、容器も望む物は
手に入る。改めて匂いの強い食べ物と言ったら、セロリとか沢山あるだろう。
懐中電灯の場所を確認し、防犯ブザーも数種類 約10個は保管されてる。
夢見ヶ崎だけでなく、園児達含め全員の常備も可能だ。

天雨は、他にもギボスの履歴がパソコンに記されてるか確かめてみた。
すると……他のパソコンにも同じ二週間前に載っている。
こうなると、たまたま偶然に まつりが誤ってクリックしたのが画面に
表示された可能性は消えた。誰かの『確信犯』だ。子供達、及び
アオキが確認するように、予め細工されてたと思える。
 貴方は相棒の能力の切り札を知る。肌に薄っすらと刃が走ったが
出血なども無い。三十分もすれば傷とすら言えない痕は消えるだろう。


 ゴロゴロゴロゴロ……   ザアアアアアアアアァァァ……

カンナ「うわー 振ってきた! 風もつよーい!」

まつり「直ぐに過ぎて欲しいですわねー くぬぎさんも
今日は夜に花火がしたいって楽しみにしてましたし。
 そう言えば、花火は何処でしたっけ?」

アオキ「事務に……いや、上だったけ? ちょっと置き場所曖昧だな。
手分けして探そうか」


彼女達は花火を探し始める……アオキとくぬぎ、まつりは二階へ行くようだ。

アオキ「そっちは一階を探して貰って良い?」

カンナ「りょーかいだ。カンナは遊戯室を探すぞー」

 子供達が分散した……今の所、まだ特別とした異常はない。
激しい雨が屋根に当たる音 吹き付ける風が強まっていくのが感じ取れる。
アオキは貴方達に一階を探索してくれないかと提案しつつ移動する。
  
 ――ゴロゴロゴロ……ッ

232『ペイズリー・ハウス』:2018/11/19(月) 19:55:39
『ヤジ』に関してだが、写真には彼の面影がある人物は
何処にもない。天雨との会話の最中で、彼はアルバムを
借用する際にこうも言ってた事を貴方たちは思い出す事になる。

ヤジ『俺がこの園で暮らしてたのは一年未満で
写真とかも撮らなかったし、撮らせなかったよ』

その言葉が真実ならば、このアルバムの何処にも彼はいないだろう。

(※描写の中で大事な部分を書き忘れてました、すみません)

233夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/19(月) 22:46:27
>>230
>>231

           チラッ

視線を向け、『セロリ』と『レモン』があることを確認した。
レモン汁は容器に詰められているものがあれば良かったが、
一から作ったとしても、そう手間でもない。
一旦、冷蔵庫から目を離し、サトリ達の方に向き直る。

「――あっ、そうそう。
 カレーとかチャーハンとか『ゴハンもの』がつづいたから、
 きぶんをかえて『めんるい』とかどう??
 サッパリした『れいせいパスタ』とかいいかも。
 『トマトとツナのれいせいパスタ』とか。どう??」

「デザートに、くちあたりのいい『ドリンク』もよういしてさ。
 フルーツとかヨーグルトとか、あとほかのモノもつかって。どう??」

パスタ、トマト、ツナ、粉チーズ――その辺の材料があるか確かめる。
まぁ、パスタさえあれば他のものはどうとでもアレンジできる。

ちなみにドリンクの材料は、『果物とヨーグルトとセロリ』だ。
セロリを言わなかったのは、それを言うと子供達が拒否すると考えたからだ。
セロリだけを飲むのは無理だが、果物やヨーグルトと混ぜると飲みやすくなる。
健康にもいいし、『セロリ』と言わなければ気付かないだろう。

「はなびはだいじだね、うん。
 そのまえに、みんな『コレ』もってて。
 ジムシツでみつけたんだ」

「もしなんか『あぶないこと』があったら、ならすんだぞ。
 ――あるワケないんだけど」

「『イチオー』ね、『イチオー』」

厨房を出る前に、アオキと三人の子供達に『防犯ブザー』を一つずつ渡す。
ピンを引き抜くと音が出るタイプだ。
自分も一つ持っておく。
それから、サトリにも一つ渡しながら小声で言う。

「サトリちゃんにも、ひとつわたしとくね。『まんいち』のために。
 れいの『りれき』のコトもあるから」

履歴に残されていたのが何者かの細工である可能性が浮上している。
あってはならないことだが、『万一』も考慮しなければならない。
それが『今日明日である』かは定かではないが、
『今日明日でない』とも言い切れない。
 
「――また『ぜんりょくでさけぶ』っていうのも、なかなかシンドイし」

『防犯ブザー』は防災用として使われることもあるが、本来の用途は『防犯』だ。
その本来の用途で使う機会が訪れる可能性は捨てきれない。
今まで共に仕事をしてきて、なおかつ明敏なサトリなら、
『こちらの意図』を察してくれるだろうと期待している。

「あ、ちょっとさきいっててくれる??すぐいくから」

カンナとサトリに言って、厨房で少し『下ごしらえ』する。
レモンを絞って『レモン汁』を作り、適当な小さい容器に入れる。
料理に使う分は隠し味程度だし、そんなに沢山はいらないので、
ポケットに収まる程度の容器に入ればいい。
完成したら、それをポケットに入れて二人の後を追う。

234天雨 サトリ『10cc』:2018/11/20(火) 05:27:29
>>231(GM)
>>233(夢見ヶ崎)

「――――――――?????」

(な、なんでここまで『露骨』な事をしておいて、
 肝心の見せる手段は用意していないんですの……?
 見せるまでのタイムラグを作りたいにしたって、
 これじゃあそもそも見ないかもしれませんのに……)

傷を撫でつつ、新たに浮かんだ新事実に思いを巡らせる。

まつりが偶然操作したから見た、というだけだ。
もしアオキが几帳面で、履歴を定期的に消していたら?
仮になにか意図したタイミングで見せたかったにせよ、
捨てアドを用いてのメールの予約送信とか……方法はあるはず。

(もしまつりさんがしたような事を、外部から人間を入れて、
 意図的に履歴を誤表示……それなら適当にサイトを作って、
 誤操作を装ってアクセスさせる方が効果的で楽じゃないですの。
 ああ、もうっ、考えても仕方ないと分かってはいますのに……)

       (ノイズを思考から省きましょう。
         重要なのは『謎の第三者』の存在。
          2週間前に、ここに仕込みをした誰か。
           ギボスとアオキさんの関係を知る、誰か)

何故この方法を取る必要があったのだろうか?
偶然を装える、というのがこの方法のメリットと考えていた。
だが、これでは『意図があって残しました』と言ってるようなもの。
重要なピースが欠けているのは分かる。だが、気になりすぎる。

「洒落たメニューを思いつきますわね、明日美さん。
 湿気も強くなってきますし、爽やかな冷製パスタは最適ですわね!」

                 ニコ

イタリアンは好きだ。
ヨーグルトのドリンクも好きなので、イイ夕飯になる。

「…………例の履歴、全部のPCに残ってましたわ。
 意図が分からないけれど、意図的なのは確定ですわね」

夢見ヶ崎には小声でそう返して、ブザーを受け取りポケットへ。
用途は想像がつくが、まあ、それ以外にも幾らかの使い道はある。

「ええ、先に一階に行っておきますわ。遊戯室はお任せしますわね、カンナ」

流石に今団体行動をする必要はないだろう。
防犯ブザーを渡したばかりなのだから、
それを使ってもらう事で不安は忘れておく。

とりあえず、事務室にはないだろうから、他で目についた部屋に適当に入ろう。

235『ペイズリー・ハウス』:2018/11/20(火) 22:36:40
>>233(夢見ヶ崎PC)

アオキ「防犯ブザー? まぁ、この屋内で殆ど使う事はないと思うけど……」

まつり「襲い掛かって来るような不審者も、この嵐じゃ外から来ようにも
大変でしょうしね。窓も全部閉まってますし」

 ゴロゴロゴロ  ――ピカッ   ドーンッ
防犯ブザーは全員に手渡された。他の面子が移動する中
まつり「わっ 今の、結構近かったですわ」


貴方も厨房に向かい、レモンを絞ってレモン汁を小瓶に入れる。  


その時だ。

      ――ピカァ   ドーンッ……!

稲光と、轟音。そして、電灯が点滅して部屋が暗くなる。

 ――停電だ。

>>234(天雨PC)


貴方は不可解に思える工作に疑念を覚える。アオキに対する
悪辣な仕掛けだとしても、粗が多く どのような意図や目的が
あったのかも、今のままでは不明だ。
 究明するには必要な情報が少ない……そのような場合は一旦
放置するのも手だ。貴方がたの任務は子供達が健やかに過ごせる為であり
スパイを探したり、危険な組織の裏を読む事ではない……。

貴方は二階にアオキ・くぬぎ・まつりが向かうのを目にし
カンナは遊戯室の物を色々と引っ張り出してるのを見る。夢見ヶ崎は厨房だ
となると、恐らくある確率は低いだろうが風呂場の脱衣所などにも色々と
箱など入ってるのを思い出し、そこへ入るだろう。

その時だ。

 ――ピカァ   ドーンッ……!

風呂場の閉めきったすりガラスが一瞬眩く光ると共に、強い音が走る。
すぐ近くに雷が落ちたのだろう。
 そして、脱衣所の電灯がフッと消える。

数秒もすれば、非常灯は付くだろうが……。

236夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/20(火) 23:20:55
>>234
>>235

「――……」

(……よけいなコトいわないほうがいいかな)

サトリが思い悩んでいることは、彼女の様子を見ていれば何となく分かる。
しかし、自分の意見を言ったりして余計な茶々は入れないことにした。
幅広い視点から物事を深く考えることはサトリに任せよう。
夢見ヶ崎明日美の基本思考は、『瞬発力重視』の『アドリブ思考』なのだ。
いくつもの過程を積み重ねて結果を導き出すような思考には向いていない。

ともかく出来立ての『レモンジュース』をポケットに――。

            フッ

         「 ! ! 」

「――って、なんだテイデンか〜〜〜。おどかしやがって、コイツめ……」

光が消えたことに一瞬驚いて、反射的に身を固くした。
停電したなら、ブレーカーを確かめる必要があるかもしれない。
ブレーカーの場所は事前に聞いてある。
スマホのライトで照らしながら、ブレーカーの場所まで向かう。

『ドクター・ブラインド』を発現した状態で――だ。
どんな小さな音も聞き逃さないように耳を澄ます。

237天雨 サトリ『10cc』:2018/11/21(水) 21:37:54
>>235
>>236

現状明らかに危険なのは自然災害だ。
『悪意の第三者』の存在については、
流石に度外視出来るようなものではないが、
かといって現状では先入観を厚くするだけ。
何か起きるまでは、思考の片隅へと追いやろう。

          「!!」

(雷……相当近いですわね、これは)

                 ブンブンブン

如雨露を足元に数回振るい、
振動探知を開始しつつ、
もう片手でスマホを取り出す。

すぐに電気がつけばいいのだが、
一応の備えとしてのライト代わりだ。

(安否確認は……電気がついてからでいいでしょう。
 今大声で叫んだら混乱させてしまうかもしれないものね)
 
      (……もし電気がつかなかったらどうしましょう?)

懐中電灯があるし、スマホもあるので、
最低限必要な明るさは確保できるだろうが、
子供達には不安な夜になる。今はまず復旧を待とう。

238『ペイズリー・ハウス』:2018/11/21(水) 22:42:44
>>236(夢見ヶ崎PC)

雷が落ちる。とは言うものの、こう言う施設は大抵非常用の電灯は
備え付けられている。廊下に出ると、薄っすらと光源が戻っている。
とは言え、非常用だけに完全に明るい訳ではない。鈍く小さな光は
逆に不安感を煽る感じでもある。

……そして。

   ジジ    ジジジ

        ヲヲヲォ……

夢見ヶ崎がスマホのライトを付けブレーカのほうへ歩く道中。異変が起きた

『影』だ   昨日の時、トイレで見かけた時と同じ人の形の影が
貴方のライトを照らす中で、くっきりと姿を現した……!

影は貴方のほうにスーッと近寄る……!(スC)

>>237(天雨PC)

貴方は持っているスマホで辺りを照らす。脱衣所に通ずる廊下に設置した
非常電灯が鈍く辺りを照らしているのが見える。

   ヲヲヲォォ……。

! すると、貴方が光を照らす中で。唐突に人型の影が姿を現した

影は、貴方に音もなくにじり寄る……!(スC)

239夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/21(水) 23:55:19
>>237
>>238

           「 ! ! ! ! 」

  (この『カゲ』は――)

               (ゆうべの『スタンド』!!)

夜に発現するのかと思っていたが、今は夕方だ。
台風が近付いて外は暗いだろうしメインの照明も落ちているが、夜ではない。
それでも出てきたということは、夜は発動条件ではないのだろう。
夜は暗く、昨夜と今の園内も薄暗い。
そう考えると、『暗さ』が関係しているのかもしれない。

(『コイツ』はテイデンしたあとにあらわれた)

(スナオにかんがえれば、それがカギになってるとおもっていいハズ)

停電したことで出現したなら、電灯が復旧すれば解除される可能性が高い。
おそらくは落ちているであろうブレーカーを上げれば、解除されるかもしれない。
予定通り、ブレーカーの方へ向かうことにする。

       ババッ
             ダッ

『影』に対して『ドクター・ブラインド』を構えさせながら、影を迂回するように走る。
念のため、非常灯の側を通るようなルートで走ることにする。
相手が『影』では音もしない。
『ドクター・ブラインド』の『超人的感覚』がもたらす利を生かせないのは痛い。

(おいかけてくる??それとも……??)

『影』が追いかけてくるようなら、スマホのライトを『影』に対して向けてみよう。
このスタンドに『暗さ』が関係しているなら、何か反応を見せるかもしれない。

このスタンドの本体は『くぬぎ』だ。
だが、彼女に操作できないのなら、それは十分な危険を孕んでいると言える。
まだ能力は明らかではないが、警戒するに越したことはない。
この園には他の子供達もいるのだから、なおさらだ。

しかし、今までもくぬぎが他の子供達と寝泊りしたことはあったはず。
その時には何もなかったことになる。
実際、昨日も『影』は動かなかった。
でも、今は動いている。
『動かない時』と『動く時』の違いには疑問がある。

昨夜はくぬぎが個室から出てくると『影』は消えた。
それを考えると、やはり『影』の挙動には、
本体であるくぬぎの状態が関わっている可能性がある。

  (『ケイカイ』はしてるんだけど――)

                (『キョーミ』はあるよね、やっぱり)

突如として出現した『未知の存在』。
内心じっくり観察してみたいという思いはあるが、今はガマンしよう。

「おきゃくさまのなかに、
 『サトリちゃんさん』はいらっしゃいませんかァ〜〜〜??」

ついでに、二階には聞こえない程度の程々のボリュームで、
一階のどこかにいるサトリに呼びかけておこう。
彼女の現在位置を把握しておくためであり、できれば協力したいというのもある。

240天雨 サトリ『10cc』:2018/11/22(木) 00:26:03
>>238(GM)
>>239(夢見ヶ崎)

「……!」

(これは……恐らくくぬぎさんの『スタンド』。
 発現条件ははっきり分からないけれど、
 いきなり攻撃をしてくるとは思えませんわね)

「ご機嫌よう……私に何か御用ですの?」

(もしそうなら寝室を分けるだけじゃあ済まないもの)

多少の危険性はあってもおかしくない、という事だ。
可能なら脇を抜け、無理そうなら後退し、
いずれにせよ距離を取ってみることにする。
声を掛けるのに深い意味はないが、
『意思』の存在は知る事が出来るかもしれない。

「明日美さん、まだ1階にいらっしゃる!?
 私は『風呂場の脱衣所』ですわ!
 例の『影のスタンド』が1体出て来ましてよ!」

2階にいる子供達には、多分聞こえないだろう。
……別に影の事は聞かれても問題ないけれども。
自動操縦ならくぬぎが気に病むような事でもないし、
気に病むとしても『黙っててもっと危険になる』より良い。

スマートフォンの光は一旦消す。『それ』が原因かもしれないし、
これくらいには明るいなら必要もない。充電を持たせるのが優先とする。

241『ペイズリー・ハウス』:2018/11/22(木) 19:48:01
>>239(夢見ヶ崎PC)
貴方は天雨に呼び掛ける。すると声が厨房より少し向こうの
風呂場がある場所から聞こえる……。

>私は『風呂場の脱衣所』ですわ!
 >例の『影のスタンド』が1体出て来ましてよ!

どうやら、そちらにもスタンドが出現したようだ。
貴方は懐中電灯の光を向ける。だが、影は硬直するどころか
更に光によって影の濃さは強まり早くなった!(スB)

 ズズ……っ

すると、人型の影と夢見ヶ崎の体から伸びる影が『同化』していく。
 そして……。

   ――グゥゥン

目の前に、真っ黒な球体上の『闇』が徐々に貴方のいるブレーカーの
ある廊下に出現する。廊下一体を人をすっぽり覆う程の巨大な球形の闇だ。
 

>>240(天雨PC)

>ご機嫌よう……私に何か御用ですの?

貴方の問いかけに、『影』は何も反応しない。そのまま人が歩く速度で
近づくと、特に攻撃などするでもなく。光源によって出来た貴方の
影に同化する……そして。

   ――トン   トン  

 

廊下を歩く反響音、それが聞こえると共に廊下の角より
人影が近づいてくる音が聞こえる。夢見ヶ崎か? いや……もっと背丈がある。

   ┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ・・・

 !? 現れたのは……『ヤジ』だ。
馬鹿な、彼は車に乗って確かに町へと戻った筈……それとも
何かしらのトリックで、二人だけ帰し。彼はこの園に密かに
潜伏していたと言うのだろうか?

ヤジ?『………』  トン   トン

貴方に対し。無表情で、ポケットに手を入れて歩み寄って来る

242夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/22(木) 21:08:08
>>240
>>241

   「 !?!? 」

                「 ヤバッ―― 」

    ドグシャアァァァァァァァァァァッ!!!!

彼女が最期に見たのは、『光』を覆い隠す程の巨大な『闇』だった――。

                         リ タ イ ア
夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』⇒『再起不能』





と、そんなユメをいっしゅんみたきがしたんだが、どうおもう??
ともかく――。

「まるで『えいが』みたいだ。キミ、しってる??
 ほら、アレよアレ。ことしイチバンのわだいさく」

「『ALICE IN THE DARK(邦題:暗闇の国のアリス)』
 《『アリス・トリロジー』完結編》」

「それをイメージした『アトラクション』かな??
 かんせいきねんに『しゅえんじょゆう』をよぶとは、イイえんしゅつだ!!」

スマホのライトは切る。
そして、目の前の『闇』だが、さすがに入っていくことは躊躇する。

「――こっちにもでた!!」

「ひかりあてたら、なんかかそくした!!」

「わたしのカゲとガッタイした!!」

「めのまえに『まっくろくうかん』みたいなのがでてきた!!」

「とりあえず――いまからそっちいく!!」

ブレーカーを上げることが第一目標だったが、少々変更する。
前方の闇から目を離さず、後退してサトリとの合流を図る。

身体に何かしら変調は見られないだろうか?
『ドクター・ブラインド』にも変化はないか?
『影』は消えているのか?
自分の影は、今どうなっている?

243天雨 サトリ『10cc』:2018/11/23(金) 02:46:42
>>241(GM)
>>242(夢見ヶ崎)

夢見ヶ崎の声を聞き、状況と照合する。
自分の目の前には、ヤジが現れている。
夢見ヶ崎の目の前には、『暗闇』がある。
暗闇……それを自分は聞いたはずだ。間違いない。

その物語の名は……

「明日美さんッ!」

「私の前に現れたのは、ヤジさんですわ!
 私が警戒していた『武器』の所有も仄めかしていましてよ!
 この存在は貴方にとっては、先が見えない『暗闇』で……
 私にとっては、計算を狂わせる『暗躍』の容疑者!
 もしこれらが一致するとすれば……『恐るべきもの』という点ッ!」

『ALICE IN THE DARK(邦題:暗闇の国のアリス)』(>>99

「もしくは警戒心、敵への恐怖、不安! ……なんでもよろしいけど!!
 ヤジさん本人では無い。『私達の心の影』と言ったところかしら!?」

大きく声を上げ、夢見ヶ崎に位置を伝えつつ、推理を重ねる。
当然ながらスマホなど、光を作るものはしまっておいて、自身も光源からは距離を置く。

これ見よがしに叩くポケット。
暗闇というロケーションにおいて、
不意を打たず前から現れる不自然さ。
せっかく多少の顔見知りではあるのに、
言葉で油断や安心を誘おうとしない点。

ヤジ本人がこんな真似をする理由はない。
タイミングを考えても、これは能力だ。
おそらく『警戒心』とかそういうもの、
負の心に由来する『具現化・投影』の能力。
あるいは、具現化の能力で、あえてそういうものを選んでいる。
外れていても良い。得体の知れない恐怖と混乱が、
この状況を悪化させる前に……論理的な仮説を建てる。

「明日美さんっ! もし私の想像が正しければ、
 今この瞬間、真に危険なのは……私達じゃあない!
 危険なのは……濃密なトラウマを持っている人間のはず!
 それも、目に見えるトラウマを……! あるいは不安な存在を!」

         「つまり――アオキさんは危ないッ!
          あるいは他の三人も、過去に何かあったら……
          いずれにせよ全員が合流するべきだと考えますわッ!!」

どんな能力か、もちろん詳細までは分からない。
が、アオキがもしこの術中に置かれたとして、
想像通りの効果があるなら……現れる存在は明確だ。

――『ギボス』。

こうなると、あの残された写真にも大いに意味が生まれる。
イメージの火種という意味が……仕掛け人は、未だ読めないが。
この偽ヤジに対しては、分析の目とともにジョウロの先端を槍のように向ける。
まずは夢見ヶ崎と合流し、然るのち、子供達全員との合流を目指すことにしよう。

244『ペイズリー・ハウス』:2018/11/23(金) 21:38:25
>>242-243(ALL)

夢見ヶ崎の前に出現した『闇の球体』 天雨の前に出現した『ヤジ』

これ等を総合し、判断する。これは『心の影』 貴方たちの不安や
恐怖の具現化であると! そして、天雨が推察した、『アオキ』に
危険が迫っている……それは、次のけたたましい音が事実として報せる。

  ピリリリリリ―――――!!!!

防犯ブザーが鳴る。場所は、二階! そして遊戯室、カンナが花火を
探してた方向からもだ!

『ドクター・ブラインド』 『10CC』同様、異常は見られない。
影も切り離されたり、消えた様子もなく普通だ。恐らく、影と同化するのは
貴方がたが抱える闇をトレースする意味合いが強く、相手の影を利用して
スタンドが実体化してるとか、そう言うものでは無いのだろう。だが
光をあてたら動きが加速した事から、何かしらこの影に関係もある。

夢見ヶ崎は目を離さず後退しようとする。だが、『闇の球体』の速度は
人が普通に歩く速度だ!(スC)後退しようとする貴方よりも早い! が
天雨がいる脱衣所のほうまで近づけた。そちらに『ヤジ』もいるのが
認識が出来る!

天雨は『10CC』を『ヤジ』に対し向ける。だが、戸惑う事なく
貴方に肉薄して、その『10CC』に対し片方の手をポケットから抜いて
掴む! ……が、強制的に破壊しようとするよりは、相手が暴力的に
動こうとするのを防ぐ意味合いが強そうな掴み方だ。

ヤジ?「……此処カラ離レロ コノ家屋カラ」

ヤジ?「我々ノ主ノ元ヨリ遠クヘ……」

 そう、機械的な口調で命令を発している……。

245夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/23(金) 23:31:00
>>243
>>244

「なるほど!!どうりで『みおぼえ』があるとおもった!!
 くそ!!『ライセンスりょう』はらえ!!『そしょう』おこすぞ!!
 さすが、サトリちゃん!!とぎすまされたちせいがいかりゃく!!」

自分にとって、闇は恐れるものだ。
だが、それがスタンド能力の産物に過ぎないと分かれば、
行動を縛る程の恐怖ではない。

「――ってことは、
 『テイデンする』→『くぬぎちゃんがこわがる』→『カゲがでてくる』
 ってカンジだろ!!」

「きのうのよるにでてきたのも、
 くぬぎちゃんがなんとなくフアンをかんじてたからでてきたのか……。
 よるにヒトリでトイレいくってこわいもんな!!」

「あのとき『カゲ』がうごかなくてイマうごいてるのは、
 『ボーダーライン』こえちゃったからか??
 ほんたいが『フアン』をかんじるとスタンバって、
 それが『コワイ』にかわるとうごきだす――そんなトコだろ!!」

このままでは追いつかれてしまう。
だが!!もんだいはないな!!

    ――――ガララッ!!

本体の手で脱衣所の扉を全開にする。
そして――。

「そっかァ〜〜〜、ココからでていけばいいんだァ〜〜〜。
 なァ〜〜〜だ、カンタンじゃァ〜〜〜ん」

「――って、でれるワケねーだろ!!ソトみろソト!!
 オメー、『いっぱんてきなジョーシキ』ってモンがねーのかよ??
 あかちゃんからやりなおしてこい!!
 ハナシのつうじんヤツには――『こう』だ!!」

      ドシュッ!!
              シュ バッ!!

『ドクター・ブラインド』で脱衣所に突入する。
そして、『10cc』を掴んでいる腕の手首に、素早く精密な『蹴り』を叩き込む。
パワーは弱いが、サトリが手を振り解く助けにはなるだろう。

「チンタラやってられねーんだよ、コッチは!!」

防犯ブザーの音。
今すぐにでも駆けつけねばならない。
そのために、まずサトリを救う。

「……カクゴきめるか」

当然その間にも『闇』は迫ってくるだろう。
自分が飲み込まれることは承知の上だ。

246天雨 サトリ『10cc』:2018/11/24(土) 16:47:33
>>244(GM)
>>245(夢見ヶ崎)

「ッ…………」

夢見ヶ崎の攻撃に合わせ、とにかく手を振りほどき逃げ出すのに専念する。
多少乱暴でいい。これでくぬぎにダメージが伝わる可能性は極めて低いはず。
動きによる狙いのブレも『ドクター・ブラインド』の精密性なら苦にならないだろう。

『自分にダメージが伝わる大群』は、自衛として本末転倒が過ぎる。
自分は『ジョウロ』使いだからほどくだけで済むが、
例えば『ハサミ』使いなら両断してもおかしくないのだ。
本体にも『制御不可』な能力である点も、ダメージリンクの不在を裏付ける。

「……くぬぎさんにとっては貴方がたは守護者でしょうが、
 その行動がアオキさんやカンナ、まつりさんの危険に繋がっているッ!
 今、皆さんを危機に追いやる事でくぬぎさんの心の平穏が訪れるはずはない……
 …………この天雨サトリに『論理的妥当性』の無い説得は通じなくってよ!」

もちろんこのスタンドにとっては妥当な結論なのだろうが、
くぬぎ本人はそういう思想ではない……と、信じている。

ともかくこの状況から脱し、遊戯室なり二階なりへ向かわなくてはならない。
くぬぎを救出し能力を解除出来れば、それが一番早いと言えるが……カンナも無視できない。

247『ペイズリー・ハウス』:2018/11/24(土) 20:26:35
>>245-246(ALL)

 天雨は、ヤジを模倣する。元々のヴィジョンは影であるスタンドが
自身のスタンドを確保している手から逃げようと引っ張る。
無言で、それを制止しようと力が強まる。だが、『10CC』が破損
するほどの強さではない。そこに、夢見ヶ崎が『ドクター・ブラインド』
により横から急襲を行う!

 ドガァ――!

『ドクター・ブラインド』の蹴りは、精密に彼の腕へ命中する。
パワーは低くとも、鋭い速さを乗せた威力は天雨のスタンドに集中していた
ヤジ? は回避せず、その腕が弾かれ僅かに蹈鞴を踏んで天雨から見て
左へとよろける。

ヤジ?「……警告スル 離レロ」 ググッ

ヤジの姿形の存在は、体勢を直立に戻すと。馬鹿の一つ覚えのように
天雨に近寄ろうと、再度歩いて距離を詰めようとする。

今のが、DFでくぬぎに伝わったのなら。二階で何かアクションが起きても
可笑しくない筈(防犯ブザーで聞こえない可能性もあるが)

だが、スタンドに変化はない。このスタンドは……ほぼ自立して動いてる
可能性がある。ならば、くぬぎ自体をどうにかしなければ。

 遠くから、カンナの叫び声が聞こえる。

カンナ「うわああああああぁぁぁぁ!!! 来るな来るな来るなぁぁ!!」

その声は、普段の活力が消えて恐怖に満ちている。駆けつけて
対処しなければ、何か危険な感じもする!

248夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/24(土) 21:54:41
>>246
>>247

    「 ジ ャ マ を―― 」

               「 ――す る な ッ ! ! 」

    シュババババババババババ――――ッ!!!!

サトリに近寄る偽ヤジに向けて、『ドクター』の両腕で追撃の『ラッシュ』を放つ。
偽ヤジの行動を妨害し、サトリの脱出を援護する。
サトリの脱出を確認したら、時間稼ぎのために脱衣所の扉を閉める。

「サトリちゃん!!」

「わたしはカンナをたすけにいく!!」

「ハンダンはまかせた!!」

二手に分かれるのは効率的だ。
しかし、同じ場所に二人いた方ができることは増える。
その判断はサトリに一任しよう。

自分は全力で遊戯室に走る。
この場合、現れるのは『アレ』しか考えられない。
カンナの苦手な生き物だ。
つぶらなオメメがかわいらしい『アレ』。
わたしは、けっこうスキな『アレ』。

「カンナ!!!!わたしはココだ!!!!いまいくぞ!!!!」

廊下を駆け抜けながら、声を張り上げてカンナに呼びかける。
それによって、少しでも恐怖を打ち消せるように。
『カンナが抱える恐怖』と『自分自身が抱える恐怖』の二つを、だ。
『球体の暗闇』は無視する。
包まれると視界が利かなくなるのだろうが、構わない。
『見えないこと』には慣れている――そう考えることで心を平静に保つ。

249天雨 サトリ『10cc』:2018/11/25(日) 00:12:33
>>247(GM)
>>248(夢見ヶ崎)

           ダッ

駆けて距離を取る。そして、階段へと向かう。

(やはりというか意思……自我はない。
 くぬぎさんの本能の忠実なガードマンであって、
 彼女の理性や性格のやさしさとは、恐らく無関係……)

「――カンナは任せましたわよ!
 二階の三人を放ってはおけませんわ!」

カンナ、蛇、夢見ヶ崎。
いずれも近接戦を行う生物で、
自分がそこにいても邪魔になる。

その上でヤジの偽物まで乱入させてしまう。
これはもう明らかに、別れるべきだ。

(『闇』は明日美さんの恐れるもの……だとしても、
 彼女の『ドクター・ブラインド』の能力はむしろ、
 闇の中での戦闘に極めて向いているとも言える)

          (野生の感覚を持つカンナも同じ)

「明日美さんがすぐそちらに行きますわカンナッ!!!」

「そして私は――――今から二階に向かいますわよッ!!!!」

階段までたどり着いたら大声で叫び、駆け上る。
後ろからは影が来るだろうが、幸いにして、
天雨サトリがヤジを恐れるのは『得体の知れなさ』。
姿だけ似ている傀儡におびえる理由はない。焦らず急ごう。

250『ペイズリー・ハウス』:2018/11/25(日) 22:32:34
>>248(夢見ヶ崎PC)

>ジ ャ マ を――――す る な ッ ! ! 

 貴方の咆哮とドクター・ブラインドのラッシュの鋭きメスの如き
爪ラッシュが偽ヤジの体を直撃する。

 ――ド  ガァッッ!!

ヤジ?「……っ」 グ ググッ

普通の人間なら、喰らった衝撃と出血によって戦意を喪失して可笑しくない
に関わらず、傷口と思しき部分は黒色に輝き血は流れない。しかしダメージは
無視出来ないらしく、幾らか立ち上がるのに苦労している。
 天雨を無事脱衣所から出してドアを閉じる。あいにく、外から施錠する
タイプなどで無いが幾らかの時間稼ぎにはなる!

カンナに対し、助ける事を大声で宣告しつつ『闇の球体』を ――突っ切る!

  ――ブゥン

 ――デテイケ  ――デテイケ  ――デテイケ ――デテイケ

球体の中に入ると同時に、体全体に強い圧迫感。幻聴と思しき
外へと出ていくように、偽ヤジが告げたような命令が耳にリフレインする。
かつて、貴方が盲目の頃だった時に感じていた不安感が胸を責める。
 息が苦しく感じた頃に……突っ切った! 疲労感は中々あるが体力の
残りはある感じだ!

 カンナ「うわああああああああああ!!!」

遊戯室が見える! その窓から見える光景は中々凄まじい。
 一人の活発な園児に、大量の『アオダイショウ』と思える蛇が
部屋全体を徘徊しているのだ! 何匹かはカンナに纏わりついている。

 カンナ「ああ  ぁ   ぁ  ……ぅ゛  ぁ゛」

 ピクピクと、カンナは『スティール・パンサー』を帯びつつ
白目を剥きかけている。 ……嫌な予感がする!

>>249(天雨PC)

貴方の前で、偽ヤジが夢見ヶ崎のスタンドのラッシュで吹き飛ぶのを
視認した。そして相棒が脱衣所の扉を閉める。
 彼女はカンナを助けるのを叫びつつ、自分のトラウマの産物だろう
闇の球体を突っ切っていった。数秒して、球体は夢見ヶ崎を追って
遊戯室方面に歩く速度で移動していく。どうやら、トラウマの形をした
影は、その対象のみ追尾するようだ。

 天雨は急いで階段を上がっていく。軽く振り向けば、偽ヤジが
負傷を残しつつも、歩く速度で追って来るのが見える。
 
  ピりリリリリィィ!!

防犯ブザーは喧しい音を響かせている。二階通路の『視聴覚室』と
思える場所だ。

まつり「さとりおねーさまっ」

と、通路で『まつり』を見つけた。彼女は背後に『ヴァロッテ』で
形成したのだろうパイプ椅子を引き連れている。音を聞きつけて
今まさに視聴覚室の中に入ろうとしたようだ。

まつり「何が起きてますの? 一階でもカンナさんの悲鳴が聞こえましたの
こっちでもブザーが鳴ってますし」

 困惑した顔だ。だが、恐怖に囚われてる様子でもない。
理由は不明だが、彼女はまだ くぬぎのスタンドの能力に干渉されてないか
回避出来ているようだ。

251夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/26(月) 00:37:12
>>249
>>250

       ゾ   ク   ッ

     「――……ッ!!!!」

『闇の球体』に突入した瞬間、思わず息が詰まった。
覚悟は決めていたはずだった。
それでも、完全に『恐怖』を拭い去ることはできなかった。
無意識に心臓の鼓動が速まるのを感じる。
『見えないことに対する恐怖』――それが胸の内に蘇ってくる。

(きっと、カンナも苦しんでるはず――)

そのことを、心の中で強く思う。
助けを求めるカンナの悲痛な叫び声が耳に木霊する。
それは、無機質なリフレインが響く闇の中でも聞こえるものだ。

     「 
        う 
          る 
            せ 
              え 
                ッ
                  ! 
                    ! 
                      ! 
                        ! 
                            」

肺に空気を一杯に貯め、腹の底から声を出して、押し寄せる不安感に抗う。

   《――やっぱり『光の国』なんてないのかな》

      《あるよ。『光の国』は、きっとある》

『光の国のアリス』――それは空想の物語に過ぎない。
だけど、『闇を照らす光』は現実に存在する。
それは『天雨サトリ』であり『夢見ヶ崎明日美』でもある。

そう――私は『光の国のアリス』だ。

  ダダダダダダダダダダダダダダダ
                 ダダダダダダダダダダダダダダダッ!!

252夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/26(月) 00:47:30
>>251

         《 L(エル) 》

                     「 どけ! 」

               ドシュッ!

        《 I(アイ) 》

                  「 どけ!! 」

            シュバッ!!

      《 G(ジー) 》

                 「 どけ!!! 」

           バシュッ!!!

     《 H(エイチ) 》

                「 どけ!!!! 」

         ババッ!!!!

              《 T(ティー) 》

  ババババババババババババババババババババッ!!!!

遊戯室に突っ込み、片っ端からヘビの群れを蹴散らし、カンナに接近する。
腕の届く範囲なら薙ぎ払い、足元にいるなら横へ蹴り飛ばす。
偽ヤジならともかく、相手がアオダイショウならパワー不足は問題にならない。
これが本物なら、もう少し優しい手段を選ぶが、これらは『影』だ。
なら、遠慮をする必要はない。

     「――『ドクター・ブラインド』ッ!!!!」

カンナに近付けたら、その身体に巻き付くヘビに『爪』を向ける。
大きさや種類によるが、ヘビの巻き付く力は強い。
『ドクター』のパワーは標準的な人間の力に劣る。
それらを考え合わせると、引き剥がせない可能性もありうる。
だから――こうする。

   ズババババババババババァァァァァ――――z____ッ!!!!

『メス状の爪』でカンナに巻き付いたアオダイショウを切り刻む。
パワーが弱いといっても、同じ箇所を連続で切り続ければバラバラにできる。
『手術中の名医』を思わせる正確な手捌きで、迅速に行う。
『ドクター・ブラインド』のスピードと精度なら、それが可能だ。
同時にカンナを傷付けてしまう心配もない。

      「 ――――カ ン ナ ! ! ! ! 」

             ドシュッ!!

アオダイショウの除去が済み次第、カンナに『聴覚移植』を行う。

           ブースト
カンナの聴覚を『鋭敏化』し、思い切り叫んで呼びかける。
こちらの声を届かせ、カンナに意識を取り戻させる。
カンナは、『スティール・パンサー』には隠された力があると言っていた。
その内容は不明だが、この状況が引き金となる可能性は否定できない。
そして、その隠された力が更なる混乱を引き起こす恐れもある。
万が一にも、『スティール・パンサー』と争うような事態になることは避けたい。

253天雨 サトリ『10cc』:2018/11/26(月) 00:51:18
>>250(GM)
>>251(夢見ヶ崎)

「――――?? まつりさんは平気ですのね!?
 お聞きなさい、『スタンド事故』が発生していますわ」

(子供だからまだトラウマが無い? けれどトラウマ……というほど、
 私はヤジさんを恐れてはいないけれど、いえ、『つい最近』の記憶で、
 印象が強いから呼び出された……というのなら、つじつまは合いますわね。
 数か月前のミスより、今日の『ひやりとさせられた』体験が強いのは自然)

       (……けれど、苦手な物や怖い物が、
        一つもない事なんてあるのかしら?
        まつりさんも大変そうな境遇ですし、
        私だって昔はお化けとか怖かったですのに)

(……何か条件があるのか、単に『苦手さの強弱』の範疇の事なのか、
 判断は出来ないし、出来ても今から私や明日美さんの苦手を消せはしない)

攻撃、という言葉は避けた。

「人影のようなスタンドをご覧にならなかったかしら?
 それに襲われると、自分の『こわいもの』ですとか、
 もっと単純に『苦手なもの』とか、そういうのが出てきますの」

    「『それだけ』かどうかは、分からないけれど」

「私の『苦手なもの』も多分、私を追いかけてきていると思いますわ」

くぬぎのスタンドだ、という事も明言は避ける。
まつりに妙な不安を与えてしまう事は避けたいし、
今のところ、100%確実な答えというわけでもない。

「恐らくこの視聴覚室の中にも、『誰か』の心の影が出ているのでしょう」

「……まつりさん、『ヴァロッテ』の椅子を1つか2つ、
 室内へ先行させられまして? 様子見は必要ですわ。
 ドアを開けるのは私がやりますから……お願い出来るかしら」

     スッ

「それと、私がドアを開けた時点で危険なものが見えたら、
 すぐに離れて頂戴。その時は……私が先に動きますわ」

言葉通り、ドアに手を掛ける。
了解が得られないようなら、
自分がまず入室するつもりでいる。

いきなり二人して部屋に飛びいるような真似は、しない方が良いだろう。
急ぐ気持ちはやまやまだが、戦略を建てれば無計画より結果的に早く済み得る。

室内にいるのはかなり高い確率でアオキだ。
となるとその影、『ギボス』がいる可能性が高い。
もちろん、何か別の姿をしているかもしれないが、
ヤジがサトリが警戒する武器の所持をほのめかしたように、
スタンド使いのギボスは『能力』を持っていてもおかしくない。

・・・もちろん、アオキがそれを知っているなら、の話にはなる訳だが。

254『ペイズリー・ハウス』:2018/11/26(月) 22:22:46
>>252(夢見ヶ崎PC)

『光の国』 それを追い求める『アリス(貴方)』は
一室で恐怖に囚われる少女を救うべくジャバウォックに果敢に
立ち向かうかのように、貴方に気付き寄って来る蛇たちを切り払う!
 
 ザシュザシュザシュ――!

普通の蛇か、操作されるスタンド蛇なら興奮して噛みつくなどして
来るかも知れないが。コレ等はスタンドで出来た、『カンナのトラウマ』だ。
ヤジ?に関してもそうだが。恐怖や不安の化身ではあるが、直接的な危害は
今の所ない。相手の精神を蝕むものの、それを克服する『勇気』を
貴方は兼ね備えている! そして、勇気を分け与える秘策もあるっ。

 > カ ン ナ!!!!

カンナ「ぅ  ぅ゛  あ  アスミ…ねーちゃん?
 ……ぅ  ひぐっ アスミねーちゃぁん゛」

貴方に気付き、恐慌状態で装具型スタンドが半身ほど鋼のような変色を
してたのが徐々に薄らいでいくのが見えた。そして、カンナは泣き出し
抱き着いてくる。
 蹴散らした以外の蛇は未だ残っているが、取り囲まれるまで猶予はある。
だが、貴方が入って来た出入口から闇の球体が入り込もうともしている。
時間は少ない……本体をどうにかしない事には!

255『ペイズリー・ハウス』:2018/11/26(月) 22:44:56
>>253(天雨PC)

>人影のようなスタンドをご覧にならなかったかしら?

それに、合点がいった様子でまつりは頷く。

まつり「あぁ、アレは誰かのスタンドだったのですの? 光の
加減か何かと思って気にしなかったのですけど。
でしたら……あぁ、良かったですわ。この表示はスタンドの悪戯ですのね!」

そう、まつりは。何処かの株が暴落してるらしい画面を携帯を取り出し
安堵した様子を見せた。……どうやら、彼女の苦手と言うか不安は
『投資してる株が大暴落』する事のようだ。現金と言うか、何と言うか……

まつり「わかりましたわ。では紫と青を先行させましょう」

貴方の言葉に了承して、紫と青のパイプ椅子がガタガタと前に出る。
 そして扉を開ける……まつりがギョッとした顔をした後、顔を蒼褪める。

まつり「……あ……アオキ……おねーさまが血だらけに」

その言葉に、貴方は部屋の中に入る事になり そして見るだろう。

   ゴロゴロ…   ズガーァン

          ザアアアアアアアアァァァ

   ザアアアアアアァァァァ

雨が降り注ぐ   雷が鳴る。激しい雷雨が窓に照らされる中

テレビが置かれ 幾つかの長机や黒板が置かれる視聴覚室で。

床に広がる血 そこに仰向けに倒れ、痙攣するアオキ。

そして、目の下に月とも言える疵を宿す男がそれを見下ろす。

         「……なんと穏やかな夜だ」

   「……クィーン 前に言ったな? 必ず お前を迎えに行くと」

       「ようやく それが叶うぞ……家に向かおう クィーン」

 そう告げ、男は振り向く。不気味な光 影のスタンドが実体化した動き
とは思えぬ『自我』とも言えるものが仕草にしっかり宿っている。

       「……有象無象の月下に蠢く影法師共が」

       「クィーンは我等エクリプスのモノだ 今も昔も」

         「これからもだ 永遠にな」

 アオキの恐怖 彼女に決して拭えぬ傷の象徴。

それが、嵐が吹きすさぶ中で発現した……!

256夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/27(火) 00:39:54
>>253
>>254

「よしよし、こわかったねー。もうダイジョーブだぞ」

カンナを抱きしめて、背中を撫でて落ち着かせる。
無事にカンナを救えたことに安堵する。
しかし、まだ危険な状況であることには変わりない。
まず、カンナに与えた『超聴覚』を解除する。
そして、カンナの両肩に手を置いて、ゆっくりと言葉を告げる。

「カンナ、よくきいてね。マドからろうかにでて、2かいにいってくれる??」

「サトリちゃんたちといっしょにまってて。わたしも、あとからいくから」

        ザッ

カンナに『窓』からの脱出を指示し、『ドクター・ブラインド』と共に立ち上がる。
ヘビの群れはカンナを追跡する。
だから、まずはカンナを遊戯室から逃がさなくてはいけない。

       「――ジャマすんじゃねーぞ」

    「ちかづくヤツから『コマギレ』にしてやる」

           シャキィィィィィンッ

カンナを守るような形で共に駆け、
近寄ろうとするヘビを手当たり次第に駆逐する。
当然、『闇の球体』にも注意を払う。
カンナを逃がした後は、自分が脱出しなければならない。

(さっきの感じだと、一回抜けただけでも、かなり精神を削り取られる……。
 もう一度同じように突破するのは、多分危ない)

(だけど、相手が『暗闇』じゃ単純な攻撃は効きそうにない。
 何とか触れられずに切り抜けないと……)

カンナの脱出を見届けたら、自分も部屋から脱出する。
さっきは『後退』を選んだために距離を詰められた。
しかし、脇目も振らない『前進』ならば容易に距離は縮まらないはずだ。
おそらく『闇の球体』は、そのまま入り口から侵入するだろう。
ならば、自分はカンナに続いて『窓』から脱出する。
カンナに『窓』からの脱出を指示したのは、
廊下に面した『窓』を開けておいてもらうためだ。
もしかすると背が足りなくて届かない可能性があるかもしれないが、
『スティール・パンサー』の身体能力なら問題なく実行できるはずだ。

余裕があれば、カンナが落とした防犯ブザーを拾っておこう。
ピンを差して音を止め、ポケットに入れておく。
余裕がなければ、放っておいて構わない。

(このスタンドの『本体』――くぬぎちゃんを落ち着かせなきゃいけない)

(今は、二階にいるサトリちゃんを信じる……!)

サトリのことは信頼している。
もちろん彼女に全てを任せるつもりはない。
しかし、今は彼女を信じ、この場からの脱出を最優先する。

257天雨 サトリ『10cc』:2018/11/27(火) 02:49:25
>>255(GM)
>>256(夢見ヶ崎)

「落ち着きなさいまつりさん。『スタンド攻撃』ですわ。
 あれも……『心の影』が見せる幻影かもしれませんから。
 そうでなくても、落ち着かなければ、この状況には対応できません」

想定していた展開であり、実際さしたる驚きはないが、
冷静にならなければ突撃を選んでしまいかねない精神状態。
とりあえずまつりの見せた株の銘柄は覚えておくことにする。
ここには戦いに来たわけではないので、話題の種はあるだけ良い。

           チラッ

それからアオキにも視線を向ける。怪我は目に見えるものだろうか?

(異常な状況であるほど、『冷静』にならなければならない。
 捕縛されてもいないし、ブザーを止められもしなかったのは不可解。
 幾ら気絶させていても、『サバジオス』対策で手くらい封じるはず)

       (それにこんな演説もせずに、すぐ連れ去るべき。
        少なくとも、ここに私達が乗り込んできた時点で。
        ……『怖がらせたい』『不安がらせたい』のでなければ)

(可能性は……私のように『漠然としたトラウマ』ではないからこそ、
 『ギボスの再来』という恐怖を明確に想像出来るアオキさんだからこそ、
 これほどはっきりと……『人間』にしか見えないヴィジョンを作り出した。
 けれど本人ではなく『恐怖の具現化』だから、恐怖させる行動しか取らない)

        (これが有力には思えますわね)               

恐らくは『トラウマの強弱』が、この現象の出力に影響する。
恐らくは弱いトラウマでは漠然とした再現しか出来ず、
その場合『影』そのものの性質が色濃く出るという事か。
例えば『暗躍』こそがヤジに抱く恐怖心なのであって、
スタンドを素手で掴んで止めるなどと言うのは明らかに違う。

(攻撃手段は……いずれにせよ、危険なのは間違いないでしょう。
 仰向けに倒れている辺り、背後からの不意打ちなどではない?
 私が『過労死』させるのはあまり現実的ではない、でしょうね)

得体の知れない相手であり、戦いを挑むのが得策と思えない。
アオキの『影』が見当たらない以上、この男がそうなのは間違いない。
もちろんギボスがネクロマンシーで復活したゾンビとかかもしれないが、
いずれにせよ……ここで必要なのは、アオキ救出のための隙。

「『エクリプス』だか何だか存じ上げませんが、所詮『一夜限りの蝕み』
 私を示す名は、常世を潤す『天雨』――――この時点で格が違いますわ」

     ザッ

自我があるという事は『怒らせる』事が出来るという事だ。
数的優位を生かすためにも、まずは敵のできる事を見ておこう。
また、それによって隙を作ればまつりにつなぐことも出来るはずだ。

「それに……これからも何も、『クィーン』を最後まで手に入れられず、
 『アリーナ』に負けて死んだ駒が貴方でしょうに。 …………違うかしら?」

            スチャ

「ああ、もし違っても『死人に口なし』! 貴方の話を聞く耳も無し。
 ゲスな品性の児童誘拐犯がどれほど大物ぶったところで、
 この『天雨サトリ』にとっては滑稽な『人形芝居』でしかなくってよ」

(理想は『くぬぎさんを止める』こと、けれどアオキさんを放置していいはずはない。
 ただ怖がらせるだけなら、一時的には放っておいても良かったでしょうけれど……)

当然、敵は本物なら大物だ。口では何とでも言えるが油断はできない。
如雨露を構え、『ギボス』を目される男からは視線を外さず、アオキに近付く。
なお、その際まつりとアオキを繋ぐ直線上には入らないよう、位置はやや調整しておく。

「この男も影なら、『スタンド本体』……を、
 止めなければ恐らく完全には解決できない。
 けれど止めに行くにはアオキさんを放置できない」 

「……まつりさん、私があの男と攻撃を交わしたら、その隙に、
 貴女の臣下の椅子でアオキさんをこっちまで運んでくる事は出来て?」

         「もしくは貴女が椅子で攻撃し、私がアオキさんを救出するか」

また、近くにいるまつりには聞こえる程度のトーンで、作戦方針を明かしておく。
彼女も子供だ。完全に頼れはしないし、守らなければならない対象でもある。

だが、彼女もスタンド使いだ。『何もさせない』より、彼女に出来る事をいくつか提案する。
正直、『10cc』だけでこの状況をどうにかするのは無理だ。余裕があるうちに、やっておく。

258『ペイズリー・ハウス』:2018/11/27(火) 19:11:20
>>256
夢見ヶ崎PCへ

>マドからろうかにでて、2かいにいってくれる?

との事ですが。これは、窓から一端 外に出て別の空き室・通路窓
などを経路にし廊下の通路に向かうと言う意味合いで宜しいでしょうか?

いま考えてる構図としては
               ●影の球体  〇出入口
  外               ▼夢見ヶ崎・カンナ
□□□窓□□□窓□□□
□□□□□□□□□□▼
□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□●□
□〇□□□□□□□〇□
    通路


通路側に面する出入口にある換気などの窓は、小学校の教室と同じ感じで
大人が脚立など使わないと開けないイメージで考えてたので。そちらは
自然と園児のカンナだと開けるのは物理的に困難だと思われるので。
外側に一端出て迂回し、園の通路に入ると処理して問題ありませんか?

259夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/27(火) 19:58:41
>>258

>>250
遊戯室が見える その窓から見える光景は中々凄まじい。

この描写から、廊下に面した窓があると想像していました。
失礼しました。
通路側に窓がないのであれば、窓から出るという箇所を、以下の行動に変更させていただきたいです。
それが許可されないのであれば、GM氏の判定に一任します。

            ↓

「カンナ、よくきいてね。いまから、いっしょに2かいにいくよ」

「あっちのほうのいりぐちからでよう。そこのいりぐちはヘンなのがきてるから」

『球体』がいる場所を通って出て行くのは問題外。
それなら、『もう一つの出口』しかない。
『もう一つの出口』まで全力で走り、そのまま通路に出て階段を目指す。
後ろから追ってくるだろうが、『球体』の速度は特別速いわけではない。
全力で駆け抜ければ、即座に距離は縮まらないはずだ。
群がっているヘビは、適宜排除する。

ここで考えられるのは、『もう一つの出口』を出た直後に、
『球体』が通路に出てきて、そのまま『通せんぼ』されるという事態だ。

よって、『もう一つの出口』まで来た所で『球体』の位置を確認し、その可能性を潰しておく。
『通せんぼ』される可能性が高いと判断した場合は、『
もう一つの出口』の手前で少し立ち止まり、ある程度まで『球体』を引き付ける。
『もう一つの出口』から出ても前方を『球体』に塞がれない距離まで引き付けることが目的だ。
その場合も、カンナと共に通路を出て階段まで全力で走る。
もちろん、その『通せんぼ』される可能性がなければ、そのまま全力で階段へ走る。

260 『ペイズリー・ハウス』:2018/11/27(火) 22:25:37
>>259

いえ、こちらこそ申し訳ありません。
描写として、遊戯室の内部が覗けるドア窓からの光景と細かく記入
するべきでした。内容の変更は受け取りましたので
そのような形で返信ロールさせて頂きます。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

>いまから、いっしょに2かいにいくよ

カンナ「うんっ……わかった!」

 貴方はカンナと共に蛇が徘徊する遊戯室の出入り口の一箇所を
突っ切る! 前方を徘徊するアオサンショウなどはカンナ目掛け
進むが、それを『ドクター・ブラインド』はものともしない!
 蛇達は、全て鋭い両手のメスの如き一撃の元に両断される。

    グググ・・・

カンナ「! 真っ黒なのが来るっ」

闇の球体は、入り口から入ると。夢見ヶ崎を追うように最短距離で
歩く速度で進んでくる。だが、二人の走行には及ばない。
 遊戯室から出て、一気に通路へ出る。カンナは夢見ヶ崎に一旦離れ
勢い良くピシャリと出入り口の一つを閉じる。闇の球体は、出入り口の
ほうで立ち止まる。閉じられた入り口に数秒膠着して……。

     ――ズ  ズズッ

カンナ「! 真っ黒いの、入り口を通過しようとしてるよ!」

 スタンドの形や、元も影と言う物理的なものではない。一応
障壁を真っ直ぐ透過するのは難しいようだが、それでも殆ど時間を
かけずに通り抜ける事は可能なようだ。恐らく、どんなに障害物を積んでも
結果は同じ。……本体(くぬぎ)がやはり要だ。

261 『ペイズリー・ハウス』:2018/11/27(火) 22:48:53
>>257(天雨PC)

   ピリリリリリリリリリィィ

ゴロゴロゴロ…!   ザァァアアアアアアアアァァ

 ブザーの音  雷鳴が落ちる前の前兆 降り注ぎ止む気配のない雨

 挑発をしつつ、まつりへ指示を行いつつスタンドを貴方は構え
油断する事なく『ギボス』の動きを見る。

貴方の言葉に、ギボスはゆっくりと骨を鳴らすように首を回し抑揚の
ない調子で喋る。

「お前は アリーナの尖兵ではないのか。ならば 背後にいる者もだな。
……あぁ、そうか。我々(エクリプス)は滅びたのかな?
 いや、そうなる道筋を辿ろうとしているのか」

         ブゥン

男の片手に『光が見えない鍔もない刀』の形をしたものが発現される。

 「はははは   はははははははっ!!!」

「お前が何を述べようとも 降り注ぐ冷たき真実が如何に残酷であろうと
このうねり狂う嵐の上では、輝いてるのだぞ 陽が例え死のうとも
凛然と、あの空に輝く美しき冷酷なる円球は!」

「クィーンは我々(エクリプス)の元へ送り届けるっ!
この ギボス(十三夜)が!!
蘇りし『ブラック・ムーン』(黒月)が、生誕の産声を紡ぐのだ!!!」

       ザシュゥ――!

まつり「突撃しなさい! ヴァロッテッッ!!」

       
ギボスは『ブラック・ムーン』と唱えた剣を倒れるアオキの元に振りかざす。
それを防ごうとするように、まつりも『ヴァロッテ』の先行させた
パイプ椅子 その二脚を一斉に敵スタンド向け 体当たりさせる!

262夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/27(火) 23:45:28
>>257
>>261

           「――……!!」

『闇の球体』の動きに、思わず目を見開く。
驚いたからではなく、心の中に眠る『恐怖』を呼び起こされたためだ。
今、自分は『視力』を得たことで『光』を手にすることができている。
それは同時に、『光を失うことに対する恐怖』を知ることでもあった。
あの『闇の球体』は、まさしく自分の恐怖の象徴なのだ。

            ド ク ン ッ

無意識に、怯えた表情を浮かべてしまいそうになる。
しかし、自分が不安な顔をしていては、カンナを心配させてしまう。
そう思うことで恐怖を抑え込み、明るい口調でカンナに語りかける。

「だいじょうぶ!!もうカンナには、コワイおもいさせないから。
 アオキにも、まつりちゃんにもくぬぎちゃんにもね!!」

「――いまのうちに『2かい』へいくよ!!」

       ダダッ

カンナを促し、二階へ続く階段へ走る。
階段に着いたら、カンナを先に二階へ上がらせる。
『偽ヤジ』が近くにいるかもしれないが、カンナが狙われることはないだろう。
自分は後ろから続き、同じように階段を上っていく。
後ろから追ってくる『球体』と『ヘビ』に追いつかれないように急ぐ。

「カンナはサトリちゃんたちといっしょにいて。そのほうがアンゼンだから」

「サトリちゃ――――ん!!!!いま、カンナがソッチいくから!!!!」

先に二階へ向かったサトリに大きな声で呼びかけて、無事を知らせておく。
とりあえず二階へ上がって状況を把握しよう。
『影』が消えていないということは、まだ事態は収まっていないことは分かるが。

(――それにしても……)

現時点で一番面倒と思えるのは、『闇の球体』だ。
『偽ヤジ』や『ヘビ』のように、
スタンドで攻撃して一時的に撃退することもできそうにない。
自分が原因とはいえ、厄介な存在が生み出されてしまった。

(いざとなったら……『後始末』は自分でつける……)

最悪、『闇の球体』は自分に引き付けておけばいい。
そうすれば、少なくともサトリ達には被害が及ばずに済む。
自分の心が生み出したものなら、自分で相手をしてやる。

しかし、それは最後の手段だ。
今は、他にもできることがある。
残された時間は少ないが、それを有効に使う。

くぬぎを落ち着かせるにしても、取り巻きの『影』が邪魔になる。
ここには『偽ヤジ』と『ギボス』がいるだろう。
『ヘビ』と『球体』が上ってくる前に、まずそいつらの姿を視界に収めよう。

(私の役目は『影』の足止め――あいつらに邪魔はさせない……!)

263天雨 サトリ『10cc』:2018/11/28(水) 11:39:00
>>261(GM)

>>257
>想定していた展開であり、実際さしたる驚きはないが、
>冷静にならなければ突撃を選んでしまいかねない精神状態。
>とりあえずまつりの見せた株の銘柄は覚えておくことにする。
>ここには戦いに来たわけではないので、話題の種はあるだけ良い。

>           チラッ

>それからアオキにも視線を向ける。怪我は目に見えるものだろうか?

アオキのけがの状態やまつりの画面は、
確認できなかったかしてる隙が無かったと認識してよろしいでしょうか?

264『ペイズリー・ハウス』:2018/11/28(水) 11:50:13
>>263

まつりの見せた株は『ライ〇ファンド』とかの、自分の家の株では
ない事は確認出来ました。また、結構な出血量と思しき血だまりの
中で仰向けにアオキは倒れてるが。胸部などの衣類は裂けてる様子は
見られない。また、かなりの血が出てると思うが顔に恐怖の色は濃くも
死相が見られない事がわかる。

265天雨 サトリ『10cc』:2018/11/29(木) 02:28:35
>>264
回答に感謝

>>261(GM)
>>262(夢見ヶ崎)

「『十三夜の月』も『日蝕』も――――所詮は天上のもの。
 『天雨』に遮られれば誰にも顧みられることはなくってよ」

(――――! やはり、と言うべきかしら。
 それとも『運が良かった』と考えるべき?
 この『ギボス』の能力が本当にただ偶然、
 くぬぎさんの現象と極めて似ているとか、
 そういう事でない限り――――これは)

恐怖体験の『再現』だ。
ギボスの言葉も彼女の恐怖する男の『再現』。
そのスタンドも、彼女が見た物の『再現』。
血に沈む身体も彼女の最悪の日の『再現』。

――――そう考えるのが自然だ。

もちろん万が一があるし、『再現』がすべての原理に優先される、
というのも『希望的観測』でしかない。この場は解決する必要がある。

(……今!)

             ダッ

アオキへと一気に距離を詰める。
仮に『ブラック・ムーン』の一撃を『ヴァロッテ』が止められないなら、
自分が割って入り、構えた『10cc』によって受け止めるのが狙いである。
ヤジの例から考えれば影は物理的実体を有するのだし、痛いかもしれない。
この『痙攣』と『出血』は『斬られたという思い込み』から生じる可能性はある。
単なる恐怖でも、無防備な状態で繰り返されれば『深刻』になりかねない。

「『恐怖を再現するスタンド』ッ!」
「アオキさん、これは『再現』に過ぎませんわ!!」

言葉の励ましは大きな意味はないかもしれないが、
アオキが目覚めて、動けるようになってくれれば良い。
そのために出来る事があるなら、今はそれを選択する。

「まつりさん! そちらへ攻撃が行くなら貴女だけでもお逃げなさい!
 きっと明日美さんも二階に来る……すぐに合流できるはずですわ!!」

攻撃が行かないなら、ここに残ってアオキ救出を手伝ってくれればありがたい。
行くならギボスは自分が食い止め、残りの面々でくぬぎを救ってもらいたい。

なお、もしギボスが椅子で吹き飛ばされるなどすれば、その隙にアオキを担ぐ。
無視できるならしたいし、かといってくぬぎを探すまでアオキを放置はできない。
くぬぎを見つけても、すぐに能力が解除される保証はどこにもないのだから。
ゆえに『ヴァロッテ』か自分の手で連れまわし、追撃を逃れながらくぬぎを探すのがベター。

                  ・・・最短の解決は放置なのかもしれない。だがそれは選べない。

266『ペイズリー・ハウス』:2018/11/29(木) 20:09:21
>>262(夢見ヶ崎PC)

貴方は二階にいる天雨へと大声でカンナが行く事を報せつつ階段を
駆けのぼる。『闇の球体』はようやく封鎖した入口を抜けて、通路から
階段を昇ろうとする。遅れて、『蛇』も夢見ヶ崎が開放していた扉から
這い進むが。物理的な動きが不明な球体はともかく、蛇たちはその構造的に
階段を登れるのだろうか……?

カンナ「!? ヤンキーのにーちゃん? ……いやっ、偽物か!
どいて! 邪魔!」 ドガッ

階段を上がると、少し奥側に複数の椅子を動かし視聴覚室の中を
睨むように緊迫した顔で見てる『まつり』が。まつりへ近づくように
『偽ヤジ』が歩いていたが。それを偽物と気づいたカンナが
『スティール・パンサー』の力込みの素早い跳躍からの飛び蹴りで
通路横に蹴っ飛ばす。前に集中していたヤジは消火器の付いた場所へと
頭からガツンと倒れ込むのが見えた。

まつり「カンナさんっ いい所へ! こっちに怪しい敵がおりますの!」

カンナ「わかった! ヘビじゃなきゃカンナが助太刀するぞ!」

>>265(天雨PC)

>『恐怖を再現するスタンド』ッ

ギボス「ハハハハハハハハッ!!! 今の状況が『再現』と言うならば
正解だ! だが、この黒月の恐怖が映画のような造り物だと思ってるなら
大きな間違いだ!! ハハハハハハハ!!!」

哄笑と共に、男は『アオキ』へと『ブラック・ムーン』を振るう。
いや、正確には『アオキの直ぐ傍で鳴り響く防犯ブザー』だ。

 ザシュゥッ    ――ピリリリリッ……

   キィィ――ンッ……

瞬間、けたたましく鳴り響いていた音は消失する。
 すると、ギボスが持つ『ブラック・ムーン』は途端に高速で
黒い刀身が全体的に真っ白へと変色し始めた……!

    ――ドガァッッ!   ガシャアアァァッッ!!

ギボス「ごはぁっ……!  は  ハハハハッ! ハハハハ!!
痛いなっっ! あぁ憎らしい!! だが、良い気分だ!
『痛み』は『生きる証』だ! 『苦痛』と『生命』は両立しているのだ!
もっと、もっともっともっともっともっとだっっっっ!!!
俺に生きてる事を思い出させてくれよっ!!!」

まつり「な なんなんですの……こいつ」

『ヴァロッテ』の操作するパイプ椅子。強化された二脚の一撃で
備品の黒板に叩きつけられ倒れつつも、ダメージを無視してるかのような
邪悪な気配と嘲笑に、まだ純真さを抱える園児は圧倒される。

アオキ「……さ…………さい……げん?
で   でも……あいつは……あの振る舞いは……再現なんか……じゃ」

アオキは、未だ辛うじて正気だが。天雨が助け起こすも、その肌は冷たく
全身が恐怖に襲われてるのが解る。なお、助け起こしてわかるが
彼女の背中に返り血とおぼしき血はべったりだが、刀傷など目立った怪我
が体に無い事がわかる。怪我はしてないのだ。

267夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/29(木) 21:23:59
>>265
>>266

蛇は木登りが得意だが、その中には垂直の壁を這い登れる種類もいる。
鱗の凸凹を壁に引っ掛けることで、上手に上っていく。
そうでなくとも、蛇というのは非常にフレキシブルな生き物だ。
これが現実の蛇なら、階段程度の段差なら苦もなく上ってこれるだろう。
もっとも、『影の蛇』はカンナの恐怖から生み出されている。
カンナが『蛇は階段を上れない』と思ってるなら、その通りになる可能性はある。
もしそうだとするなら、『影の蛇』に関しては放置できることになるが……。

「ふたりとも、あのへやにはわたしがいく。
 カンナは、そのニセモノをおいはらってくれる??
 ソイツはサトリちゃんをねらってるから。
 ただし、ムリはダメだよ。あぶなくなったらよんでね。」

カンナとまつりに言って、視聴覚室に近付いていく。
『スティール・パンサー』の力なら、『偽ヤジ』を食い止めることはできそうだ。
小さな子供に戦わせるのは気が進まないが、今は仕方がない。

          シュバッ
                      ブラックアウト
念のため、倒れた『偽ヤジ』に対して『視覚移植』を行い、カンナを援護しておく。
このスタンド達に『ドクター』の能力が通じるかどうかを確かめる意味もある。
スタンドとはいえ五感があるなら、もしかすると通じるかもしれない。

「それと――さっきの『ヘンなの』がちかづいてきたら、すぐおしえて」

『球体』が見えたら知らせてくれるよう、二人に頼んでおく。
そして、まつりと共に視聴覚室の入り口に立つ。
まだ中には入らず、室内を覗き込んで様子を窺う。

『偽ヤジ』が向かっていたということは、中にはサトリがいるのだろう。
サトリがいるということは、そこにアオキもいるはずだ。
アオキがいるのなら――おそらくは『ギボス』がいると考えていい。

サトリを見つけたら、少しだけ顔を出して自分の存在を知らせておく。
まだ何が起こっているか分からないので、声は出さない。
自分を追ってくる『球体』も警戒するが、今は状況確認を最優先にする。

268天雨 サトリ『10cc』:2018/11/30(金) 04:44:06
>>266(GM)
>>267(夢見ヶ崎)

「お手柄ですわまつりさんっ! 異様な男ですけれど、
 ダメージを意に介さないのは『ヤジさんの影』も同じだった。
 そして、これも同じく吹き飛んだり倒れたりと『物理的な反応』は備えている。
 極めて厄介な敵ではあるけれど……『無敵の存在』ではありませんわね」

(『痛い』? ……こいつには『ダメージ』があるんですの?
 それともやはり、『痛いだけでヤジさんのように攻撃は効かない』?)

こいつは特別だ、こいつだけは強すぎる。
そういう『恐怖』は蔓延させるわけには行かない。
そう、自分もだ。サトリ自身も『恐れてはいけない』。

「まずはこの部屋から外に出ましょう、アオキさん」

吹き飛んでる内にアオキと共に扉の方へと引こう。
手に持った『10cc』は黒板側、ギボスの方へと構えておく。
こちらから攻撃をするのはあまり意味を感じられないし、
『疲労』する様な存在なのかは正直な所かなり怪しいだろう。
ここは退避に全力を注ぎたい。折角生み出してくれた隙なのだ。

(月は静寂の象徴でもある。粗暴な男だけれど、
 もしそうだとすれば随分『詩情』的な能力ですわね。
 あるいは『斬撃を無生物に』行う事自体がトリガーで、
 黒い色が抜けたのは――――ブザーに攻撃力を移した?)

(……スタンドなんて考えても意味はないかもしれないけど、
 推測して『可能性』を頭に用意しておくのは意味があるはず)

防犯ブザーをなぜ『今更切った』のか?
恐らく――――『音』を攻撃に活かす能力か、
あるいは音に限らず切った器物を活かすような能力か。
だが、下手にブザーをどうにかするより距離を取るのが一番だろう。
ブザーを介した遠隔攻撃とかだと危険だが、それは近づいても危険だ。

「それなら『記憶からの再現』じゃなくったっていいけれど、
 要はアレは貴女の恐怖から生まれた『偽物』でしかない。
 『ギボス』は死んでいて、この悪夢はスタンド解除で止まる。
 暗黒の儀式でよみがえった地獄からの使者というわけでも、
 執念深い悪魔でもなく、私の如雨露の草と同じ『スタンド存在』」

「それはまず間違いない。……そして原因は『謎の敵』でもない」

怖がるな、なんてことは出来るはずがない。
怖いだろう。それは仕方ない事だし、怖がるべきだ。

だが、必要以上の恐怖はいらない。
理解不能の『復活』ではなく、能力の産物。
それを認識して貰い、不条理への恐怖を消す。

(大丈夫……この前提は合っているはず。『ギボス』だけ経路が違うにせよ、
 わざわざこのタイミングという事は『くぬぎさんの能力』がトリガーなのは間違いない)

(そして……くぬぎさんの能力を知っていてアオキさんのいる施設への滞在を許可したなら、
 これはくぬぎさんさえ止めれば止まる、『永続する能力』ではない……その前提は信じなければ)

仕事の依頼主――――とは別の管轄なのかもしれないが、『前提』を信じる。
くぬぎを止めれば止まる、それくらいシンプルでないなら、この現場自体存在し得ないはずなんだ。

269『ペイズリー・ハウス』:2018/11/30(金) 21:08:31
>>267-268(ALL)

 シュバァ!  ザシュッ……ッ

ヤジ?「……」

夢見ヶ崎は『ドクター・ブラインド』の『視覚移植』もとい
『ブラックアウト』を行う。一瞬、動きが硬直するものの
壁に手をつけ、のそっと起き上がると視聴覚室へと迷いなく
偽ヤジは足を運ぼうとする。どうやら、『視覚移植』の効果は薄いようだ。

カンナ「通せんぼ― だ!」

まつり「此処から先は行かせませんわっ」  ガタガタッ

『スティール・パンサー』 『ヴァロッテ』の群体椅子が進行しようと
する偽ヤジを封鎖する。サトリが産み出した心の影自体には特殊な
能力はない。あくまで平均的な男の姿で、筋力も良くて平均男性並み。
獣並みのスピードを持つスティール・パンサー。複数の攻撃が出来る
ヴァロッテなら抑え込む事は可能だ。
 夢見ヶ崎が視聴覚室に入る時に、カンナの声が届く。そして、サトリが
扉の場所にアオキの肩を支えつつ歩いてきた。奥に月のような痣を目の下に
宿す不気味な眼光の男が真っ白な刀のようなものを向けてるのが見える……。

カンナ「あ! 黒いのが階段を上がって来たっ」

天雨は、アオキに説得を試みつつ肩を支え扉まで移動する。アレは
恐怖によって産まれた再現なのだと。そして、スタンドの暴走を
解除すれば消えるのだと。

アオキ「きえ……消える、の? っ だ だとしても。
駄目だ、サトリ だ 駄目だっ。 あいつは……あいつの能力は」

     「――遅すぎる 『蝕(エクリプス)』の力 受けるが良い
      『ブラック・ムーン』 解き放て 月の威光を」

        ――キィィンッッ

 白く染められた刃が淡く光る。

 ――何か不味い  危険な予感を夢見ヶ崎・天雨は感じ取る!

270夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/11/30(金) 21:38:53
>>269

視覚移植された偽ヤジに、
『非ターゲットの人間』を見えなくなっているらしい様子はあるでしょうか?
近くにはカンナとまつりと夢見ヶ崎がいますが、
それら『サトリ以外の存在』が見えている気配はあるでしょうか?

271『ペイズリー・ハウス』:2018/11/30(金) 22:36:28
>>270(夢見ヶ崎PC)

『非ターゲットの人間』に関しては、まつりとカンナが阻害した時に
軽く二人を見たような仕草をした為、他の人物を認識はしている様子である。
ただ、特殊スタンド 自動操縦型などにも見られる形で、二人を
攻撃などするより、サトリ自体に接近して何かしら干渉しようとしてる
様子が見られる。

272夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/01(土) 01:26:23
>>271
回答、感謝します。

>>268
>>269

『影』から生まれたスタンド達が、
『ターゲット』の捕捉に五感を用いていないことは最初から分かりきっている。
『球体』は明らかに五感を持っていないにも関わらず、
正確に夢見ヶ崎を追っているからだ。
だから、サトリを追わせないために『視覚移植』したのではない。
重要なのは、『視覚移植』によって『非ターゲット』を見えなくさせられるかどうかだ。
『ギボス』に対して『視覚移植』を行う前に、『実験台』として『偽ヤジ』を使った。

「…………」

しかし、偽ヤジのリアクションが分かりにくい。
カンナやまつりは『声』を発しているし、攻撃を仕掛けてもいるのだから、
見えなくとも大体の位置くらいは察しがつくだろうし。
結局は、直接『ギボス』にやってみるしかなさそうだ。
アイツは他のと違ってベラベラ喋ってるから、リアクションも分かりやすかろう。

「つかえないヤツ」

偽ヤジから視線を外して、『ギボス』らしき男を見る。
器具型のスタンド――つまり、『サバジオス』の『能力対象』。
アオキにあの刀を握らせれば、支配権をアオキに移せるかもしれない。
だが、所詮は『影』に過ぎないアレに対して能力行使できるかどうかという疑念があるし、
仮にできたとしても、今のアオキの状態では、まず不可能だ。

(攻撃が来る……!ここで一番危ないのは、部屋の中にいる二人!)

(私に何が出来る?『ドクター』を間に割り込ませて二人の盾にする?)

(でも……!)

男の言葉から、あの攻撃には何らかの『チャージ』を要すると見た。
もしそうなら、この攻撃を放った直後が、反撃のチャンスだ。
二人に手を貸したい気持ちを押し殺し、もう一つの判断を選ぶ。

「二人とも、急いでこっちへ!!あいつが何かする!!」

せめて二人に叫んで注意を促し、邪魔にならないよう自らも扉から飛び退く。
その時、レモンジュースの小瓶を取り出して蓋を開ける。
そこに『ドクター・ブラインド』の両手の指を突っ込み、満遍なくレモン汁で濡らす。

「……あっちのヤツも来たか。ある意味、『挟み撃ち』ってことにはなるけど――」

「『タイミング』は――悪くないね」

『球体』が追ってくることは、必ずしもデメリットだけにはならない。
考えようによっては『利用できる存在』とも言える。
通じるかは不明だが、試す価値はあると判断する。
攻撃を放った後、『ギボス』が室外に出てくるようなら、
自分は通路の奥に向かうつもりだ。
ないとは思うが、『ギボス』が室内に残るなら、
自分から視聴覚室に踏み込むことを意識しておく。

273天雨 サトリ『10cc』:2018/12/01(土) 23:38:55
>>269(GM)
>>272(夢見ヶ崎)

≪『防犯ブザー』! この攻撃の前に彼はそれを斬りましたわ!≫

夢見ヶ崎たちに状況を伝達しつつ――――


「――――――逃げますわよアオキさんッ!!」

(――――『斬撃を飛ばす』ような能力であれば、
 アオキさんを殺しかねないこの状況で使うとは思えない!)

        バッ

           (恐らく想像もつかない能力……!)

とにかく急いで廊下に出て、
アオキを軽く引きずっててでも、押してでも、
ギボスとの射線上に『廊下の壁』と『サトリ』を挟む位置へ。
よほどでない限り、悪手になりえない手を選択する。

            ア
           サ
――――――扉――――――――

         ギ

↑こういう位置取りを目指す。

この際『10cc』は解除していい。両手を使い、急ぐ。

(少なくとも狙いはアオキさんのはず。
 であれば『私に出来ること』は、狙いを遮ること!
 壁と私自身で――――『射線』を塞いで、止める)

      (危険な賭けになるけれど…………
       既に一撃を受けている可能性が高い、
       アオキさんをこれ以上攻撃はさせませんわッ)

それらの回避動作を行いながら、片目は閉じる。
動作を終えられたら耳も塞いでおく。『月の威光』と言う発言と、
音が出る物を選んで切った事――――『光や音』への警戒。

また、『痙攣』というアオキのダメージが恐怖由来でない場合、
そうした感覚に訴えかける『ショック』が原因である可能性もある。

274『ペイズリー・ハウス』:2018/12/02(日) 22:19:55
>>272-273(ALL)

夢見ヶ崎が行ったのは『警告』だった。『ドクター・ブラインド』の
両手の鋭きメスの如き五指にレモン汁をたっぷり濡らせつつ扉から飛び退く。

天雨は『回避』を行った。サトリを半ば強引に引っ張りつつ廊下へと出て
床に対しうつ伏せになり両耳を防ぎ、片目は用心のため閉じておく。

 その瞬間だった。


   ――パァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!

 『破壊音』と称して良い、音波。それが視聴覚室から砲撃のように
発生した。天雨に関しては、両耳を防いだ為 多少耳鳴がする程度だ。

夢見ヶ崎に関しては、幾分深刻なダメージが発生した。
『ギボス』の直線状に居ないとは言え、『ドクター・ブラインド』は
視覚を除く四つの器官の精度が高い。それが災いして音響兵器と言って良い
ブザー音を凝縮に凝縮させ、脳にダメージが及ぼしかねない高音波が
扉から離れてる場所とは言え夢見ヶ崎の耳を通して頭を一瞬かき回し
かねない痛みを感じる。だが、怪我の功名でも無いが貴方は
『ブラック・ムーン』の能力の一端を、その身で理解出来た。
あの黒刀は切りつけた物体から発生する音 目に見えないものを
ブラックホールのように吸引し、蓄積させる事が出来ると言う事を……!

まつり「っ な、何ですの今の爆発音……!」

カンナ「あ 頭が一瞬割れかけそうだったぞ」

園児たちも、子供ゆえに性能高い聴覚が夢見ヶ崎程では無いが耳と
頭を苦しめて苦悶の表情を浮かべている。

 ピリリリリリィ――!

また防犯ブザーの音が視聴覚室から鳴り響く。

275夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/03(月) 00:19:32
>>273
>>274

  「――――――ッ!!!!!」

                    (こ……『これ』は……!!)

一瞬、意識が飛びかける程の強烈な衝撃を受け、
反射的に仰け反らせた顔が苦痛に歪む。
同時に、『ギボス』の能力が身を以って理解できた。
『ギボス』が放った一撃は、
自分がオピネルを大人しくさせた時に使ったのと『同じ手』だ。

「――くっ……うっ……」

(まさか、『これ』を自分が食らうことになるなんて……)

頭を軽く揺すって、どうにか意識を保つが、まだ耳鳴りが残りそうだ。
言ってみれば『自分の十八番』――
当たり前のことだが、それを自分自身が受けた経験はなかった。
その強烈さが、改めて身に沁みる。

「この攻撃は、確かに凄く厄介……。
 でも……今ので、アンタをどうにかする方法を思いついたよ」

「サトリちゃん、ここは私が何とか食い止めてみせる。
 その間に、くぬぎちゃんを見つけて」

小さな声でサトリに声をかけ、『ギボス』を見据える。
『ドクター・ブラインド』を構えさせ、堂々とした態度で声を上げる。
瓶に指を突っ込んだ『ドクター』の爪の先からは、
レモンジュースの雫が滴っているはずだ。

「 『エクリプス』の『ギボス』!!
  私は『アリーナ』のファイター『アルカラ』!!
  その私が、アンタに『決闘』を申し込む!! 」

名乗りを上げたものの、別に本気で『決闘』なんてしようとは思っていない。
この言葉で少しでも『ギボス』の注意を引いて、
サトリ達が離れるまでの時間稼ぎをするためだ。
もちろん――『戦わない』という意味ではない。

       ビシュッ!
              ビシュッ!

『ドクター』の両手を交互に振り、その勢いを利用することで、
銃弾並みの速度でレモンジュースを飛ばす。

一発目の狙いは『ギボス』の顔。
『影』である『ギボス』に通じるかは不明だが、
その目にレモン汁を当てることで怯ませたい。
仮に効かなかったとしても『ギボス』の反応速度を推し量る参考にはなるだろう。

二発目の狙いは『ギボス』の胴体だ。
こちらの目的は匂いによる『マーキング』。
これから行う攻撃のための準備をする。

       ――――ダッ!!

レモンジュースの発射とほぼ同時に、視聴覚室に踏み込む。
刀が届かない距離を保った状態で、
グルッと円を描くような軌道で『ギボス』の周囲を移動し、
『ギボス』の背後に移動する。
これは『ギボス』の背後を取ることが目的ではない。
こちらに注意を引き付けることで、
『ギボス』の背後に入り口の扉が来るようにすることが狙い。
要約すると、入り口と自分の間に『ギボス』が入るようにし、
『ギボス』の背後に扉が来るようにするということだ。

276天雨 サトリ『10cc』:2018/12/03(月) 16:58:08
>>274(GM)
>>275(夢見ヶ崎)

                 「フッ」

「―――――――やはり私はスタンド戦においても『聡明』ですわ」

「彼の『ブラック・ムーン』は『斬ったものから生じる音』……
 音だけとは限らないけれど、ともかく斬って溜めて開放する能力」

カンナとまつりにそれを伝えるのは、次以降の防御のためだ。

敵の攻撃は『ちょっと耳鳴りがする』程度。
耳を塞ぎ、壁を跨げばその程度という事は、
この戦場を離れてしまえば大きな影響はない。
 
                グイッ

「明日美さん、貴女の能力は恐らくこいつと複雑な相性関係にある。
 貴方ならば『相性が良い』側に寄せられる…………信じますわよ」

『ドクター・ブラインド』を狙い撃つような攻撃能力ではあるが、
『ドクター・ブラインド』の攻撃を受ければ封殺される能力でもある。

「アオキさん、この場から離れますわよ!
 あいつの攻撃は『厄介』だけれど、
 攻撃の間合いは剣士でしかない……
 今のうちに離れれば、然程怖くありませんわ」

「仮に追ってこようとすれば皆さんが止めて下さいますッ」

アオキが動けなくなっていそうなら手を引き、
即座にこの場から離れる。くぬぎを探しに行く。
ここに残っても援護などできないし、価値がないからだ。
アオキも、この場にいては危険な状態が続く。
くぬぎ探しを手伝える精神状態かどうかは怪しいが、
少なくとも自分が離れるついでに連れて行く必要はある。

「私達でくぬぎさんを探しましょう。危険な状態かもしれませんから」

            「――――くぬぎさん! どこにいますの!?
              聞こえたらブザーを鳴らしてちょうだい!!」

来た方向とは違う方向へ動きつつ、くぬぎに呼びかける。
彼女の性格を考えれば大声で返事があるのは期待できないので、ブザーがあるのは幸いだ。

277『ペイズリー・ハウス』:2018/12/03(月) 22:12:17
>>275(夢見ヶ崎PC)

奇しくも貴方が日中にオピネルへ繰り出した技が貴方に一時的な
頭痛と眩暈を引き起こす。だが、未だ我慢して戦闘は継続可能だ!

貴方の宣言に、哂うようにしてギボスは謡うように口開く。

「ハハハッ! 居るに決まってるよなっ 影在る場所に光が潜むのは
当たり前の事だ! 来い!! 例えこの身は朽ちても、そう易々と
倒せるものだと思うなよ!」

 バシュ  バシュッッ!

「っ ちぃ、やはり。影の身では動きも鈍らだ」

両手に滴らせたレモン汁の射撃は、ブラック・ムーンを振って迎撃
しようとしたギボスよりも早く 目と胴体に直撃する。
軽く、目頭を拭い舌打ちを行う。偽ヤジと異なり、アオキのトラウマが
鮮明な故か、その動作や受けるダメージも現実の人間に似通ってるようだ。

タタッと回り込む夢見ヶ崎に対し、それに倣ってギボスも体を反転する。
 
 ――ズバァ!   ピリリリリリ――

ブラック・ムーンの刀がブザーに再度当たる。音が鳴り止み、黒刀が白く
変色していく

>>276(天雨PC)

カンナ「わかった! 何とか別の方法でぶっ倒す!」

まつり「ヴァロッテの操作が中断されてしまいましたわ。
もう一度、掛けなおさないと……!」

ギボスの能力に注意喚起し、くぬぎを探す。

アオキ「く……くぬぎ。
そうだ、あの子。雷が窓の近くに落ちたのを間近で見て、倒れたんだ。
介抱しようとしたら、あいつが……あいつが気付いたら後ろに現れて
ショックで、くぬぎの事を忘れてた。視聴覚室以外の場所に、誰か
連れ去ったかも知れない……」

視聴覚室の目に見える範囲に居たのはアオキと実体化したギボスのみ。
くぬぎは雷が園の窓の近くに落ちるのを見てショックを受けたようだ。
あの影のスタンドが、自動的に彼女を安全と思える場所に移動した
可能性は高い……だが、一体何処に?

278夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/04(火) 00:30:10
>>276
>>277

とりあえず、サトリ達を逃がすという最初の目的は達成できた。
次にすべきなのは、『ギボス』の足止めだ。
今、『ギボス』の背中側には入り口の扉があるはず。

   (さて……)

          (『そろそろ』――かな……)

>>272の時点で、『球体』が階段を上ってきていることは確認している。
球体の速度は人間の速度と同等。
遊戯室の一件を見ても、入り口から入ってくると見て間違いない。
そして『球体』は、生み出した本人である夢見ヶ崎を追跡する。
この瞬間、夢見ヶ崎と『球体』の直線状には『ギボス』が立っている。

           「そう――」

      「『影』ある場所に『光』がある」

           「なら――」

       「『光』の中にも『影』はある」

回り込んだ狙いは一つ。
『ギボス』の背後から迫る『球体』――
自分自身の心が生み出した『闇』に『ギボス』を飲み込ませること。
もちろん『ターゲット』ではないので、一時的なものになるだろうが……。

       ダンッ!!

夢見ヶ崎から生まれた『闇』が『ギボス』を飲み込んだ瞬間――
『ドクター・ブラインド』を『闇』に突っ込ませる。
元々『視覚』を持たない『ドクター』に、
『闇』で視界が効かないというデメリットは存在しない。
さらに、>>275で『マーキング』を行っている。
『闇』に包まれていても、『レモンの匂い』は探知できる。
その匂いを頼りに、『ギボス』の位置を正確に特定する。

               シュバァッ!!

鋭利な爪を閃かせ、音速の攻撃が発動する前に『ギボス』を切り裂く。
『ドクター・ブラインド』の速度が『影ギボス』を上回っているのは確認済みだ。

そして狙うのは――『聴覚移植』。

              ブースト
『ギボス』の『聴覚』を『鋭敏化』させ、自らの放つ強烈な音の一撃を、
今度は『自分自身』に体感させてやる。
『ドクター』は聴覚を失うので問題ないが、夢見ヶ崎本体は両手で耳を塞ぎ、
音波攻撃に備える。

279天雨 サトリ『10cc』:2018/12/05(水) 00:40:23
>>277(GM)
>>278(夢見ヶ崎)

「忘れるのは仕方ないですわ、状況が状況ですもの。
 ただ――――この騒動を収める鍵は恐らく彼女にある」

「そう。この現象……皆さんの怖いものが現れる現象は、
 恐らく……彼女自身も把握していない『防衛反応』のスタンドですわ。
 許容量を超えた恐怖で、本人も制御出来ずに強制発現したのでしょうね」

            「あくまで推論、だけれど」

これはアオキには話しておいた方が良いだろう。
解除までの過程でどうせ知られるのだし、
隠しておいてわだかまりを生んでしまうよりは、
あらかじめくぬぎに責任はないことを強調して伝えるべきだ。

(さて…………『影』の言葉が真実なら、屋内なのは確実ですわ。
 それにまあ、いくら人間の常識が通じない存在といっても、
 台風の中に自分の主人を放り出しはしないでしょうものね)

(…………問題は、私はまださほどくぬぎさんを知らない。
 この施設でも彼女は大抵花壇やブランコにいましたもの、
 屋内で彼女が『安心』を覚える場所……それはどこなのか)

ここが彼女の自宅なら、自室とか寝室とか答えは出るのだが。
あるいは、そういう『表面的』な話ではなく、より安全を突き詰めた場所なのか?
単に雷の響く外から遠い、家を立方体と見たときの『中心点』というのが無難な線だろうか?
この園の構造を思い出す。最も『真ん中』に近い部屋はなんだっただろうか。

280『ペイズリー・ハウス』:2018/12/05(水) 21:15:05
>>278(夢見ヶ崎PC)


「ハハハハ!! 自棄になったかっ!? 自分で退路のない
場所へと立ち位置を変えるとは、それとも背水の陣のつもりかっ!」

    キィィンッ

 「これで、貴様は終わ」

            ズゥン――!!

             「な――!!?」

見事だ!
 夢見ヶ崎の狙い通り、『闇の球体』は『ギボス』を呑み込む。
その行き成りの影スタンドのトラウマが包んだ事により、かつての
エクリプスの凶悪犯も流石に虚を突かれたようだ。動きを停止する。
 そして、追いうちとばかりにレモンの香りを追尾して
『ドクター・ブラインド』の襲撃が繰り出される!

         ザシュザシュゥ!!

   ――パァァァァァ――ッッ!!    パリンッ

         「がっっっ!!?!!!」

 両手で耳を塞ぎ、音波に備える。『ドクター・ブラインド』に相手の
スタンド『ブラック・ムーン』の音波砲撃が直撃する危険性もあったが
突如の暗闇からの精密な攻撃には相手も成す術を失い、天井の蛍光灯が
割れるに止まる。部屋が一段階暗くなると共に、夢見ヶ崎の視界の中で
通り過ぎた暗闇の中で、両耳から血を垂れ流し白目を剥いて膝をつく
ギボスの姿が見えた……全身で痙攣し、ダメージはかなり深刻だ。
 『闇の球体』は愚直に貴方へと歩く速度で追いかけている。

>>279(天雨PC)


アオキ「くぬぎの……スタンド。……あぁ、もっとあの子に
構ってあげたら、こんな風な騒動にもならなかったのにな」

アオキ「あの子が、スタンドで保護されてるなら……何処だろう?」

くぬぎを恨んだり怒ったりなどの様子は見られない。彼女も以前は
スタンドで周囲に恨まれたり、妬まれた過去もある様子だった。だからこそ
くぬぎの暴走に関しても同情こそあれど、負の感情は無さそうだ。

彼女と一緒に貴方も考える。此処『ひそひそ星の園』の中心……。
2Fであれば……確か『ピアノのあった部屋』
 あそこが一番真ん中に近かった筈だ。

281夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/05(水) 23:19:48
>>279
>>280

            「ふう――」

『ギボス』の様子を確認して、軽く息をつく。
なにしろ音の発生源は『ギボス本人』だ。
あれを至近距離から食らっていたら、こっちが危ないところだった。

     「『相性』が悪かったみたいだね――『お互いに』」

どうやら成功したらしい。
でも、まだ安心はできない。
『影』とはいえ相手は『エクリプス』だ。
最後まで何をしてくるか分からない。
油断なく『ドクター・ブラインド』を構えさせる。

   「『過去』の『影』が『未来』の『光』を遮れるなんて有り得ない」

     「だから『月明かりの影絵芝居』は――」

                        「――これにて閉幕」

282夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/05(水) 23:21:51
>>281

         『 L(エル) 』

                    シュバッ!!

『 L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル)
  L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル)
  L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル)
  L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル)
  L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) L(エル) 』

 ズバババババババババババババババババババババババババ
   バババババババババババババババババババババババババ
     バババババババババババババババババババババババババッ!!!!

          『 L(エル) 』
           
                           『 I(アイ) 』
                
                 『 G(ジー) 』
                      
      『 H(エイチ) 』       
                           
                      『 T(ティー) 』
  ズババババババ
            ババババババ
                    ァァァァァ――――z____ッ!!!!

『ドクター・ブラインド』の『爪ラッシュ』で『影ギボス』の全身を切り刻む。

                                ブラックアウト
一発目が当たった時点で『視覚』を移植し、ギボスを『盲 目 化』させる。
これにより、10秒間の間、視界を封じる。
続けて、二発目の命中と同時に『触覚』を移植する。
ダメージ自体は変わらないが、皮膚を裂かれる痛みは何倍にも増幅される。

「カンナ!!まつり!!今の内にコイツを取り押さえちまいな!!」

ラッシュを浴びせる最中、視聴覚室の外にいるカンナとまつりに呼びかける。
『ヴァロッテ』と『スティール・パンサー』の二人がかりなら、
弱体化した敵を鎮圧するには十分だろう。
自分は、間近に迫る『闇の球体』を回り込むようにして回避し、
二人と入れ替わりに部屋の外へ出る。
さっきは役に立ってくれたが、これもこれで面倒な存在であるのは変わりない。
もし『球体』を回避できそうになければ、
仕方がないので最初の時のように走って突っ切り、そのまま廊下に出よう。

283天雨 サトリ『10cc』:2018/12/06(木) 04:16:47
>>280(GM)
>>281-282(夢見ヶ崎)

「私くらい親や周囲に構われてた人間でも、
 子供の頃は雷が落ちたら怖かったですわよ。
 アオキさんの落ち度でもございませんわ」

くぬぎの能力を知る者がいなかった以上、仕方がない。

人間は自然災害には勝てない。
出来るのは負けない事だけだ。
今回は負けてしまった。それだけ。

「雷――――」

「窓が無い、内側の部屋。
 あるいは地下ですとか、
 家屋の『中心』になる位置、かしら」

「ピアノを演奏していた部屋は、中心に近い気がしますわね。
 スタンドがそのような素直な考えをするかは、存じませんけれど」

とりあえずそこに向かう。
他の可能性はそれから当たろう。

影のヤジに遭遇した場合に備え、如雨露は発現しておく。
人間より単純なロジックで動く人間並の存在とはいえ、厄介なのは事実。

284『ペイズリー・ハウス』:2018/12/06(木) 21:32:12
>>281-283(ALL)

  L(エル)L(エル)L(エル)L(エル)L(エル)!!!!

『ドクター・ブラインド』の猛烈なメスラッシュ!
最初の盲目化を含め、聴覚ブーストによって音波攻撃の自爆によって
深刻な麻痺状態に至っていた『ギボス』に防御する術は無い!

 呻いたり、断末魔を生じる間もなく全身から出血……は、影ゆえに
しないものの、全体がほぼ影である内部の闇が全体の半分ほど露出し
倒れ込むのが夢見ヶ崎の目に映る。

カンナ「やった! 倒したっ!?」

まつり「勝った! 『ペイズリー・ハウス』 完!! ですわ!!!」

二人が口々に言いつつ、倒れ伏すギボスに駆け寄る。その間にも
『闇の球体』は歩く速度で近づいてくる。呑み込まれれば、まず良い事には
起きないので、貴方は廊下へと再度避難する。アオキと天雨がピアノのある
部屋のほうへと向かうのが見えた。
 通路には、サトリによって産み出された偽ヤジが、ヴァロッテに操作
されてるパイプ椅子二脚で抑えつけられてるのが見える。拘束から抜けようと
単調な動作を偽ヤジは繰り返してるが、暫くは脱出出来ないだろう。

天雨と、少し後ろへ下がり何やらポケットに手をつっこむアオキが見える。

             キラキラ……

           ―――? アオキの後ろの床が光っている……?

アオキ「二階は、ほぼ窓が備え付けられている部屋ばかりだから確信は
ないけれど。けど、ピアノ部屋は収納してる棚とか、子供が隠れられそうな
収納スペースもあるし、窓も他と比べれば小さいから……」

天雨とアオキはピアノのある部屋の扉前まで辿り着く。中の見えるドアに
付いた真ん中の覗き窓からは中が真っ暗で見えない。
 通路端の消火器設置近くで、二脚のパイプ椅子に押さえ込まれる偽ヤジが
見えるが、大した脅威では今の所ない。階段からシャーッと言う蛇特有の
呼吸音らしきものが段々近づいてくるのが聞こえて来た。
 アオキが扉を開こうとするが、どうやら内側から鍵が掛かっているようだ。

アオキ「あれ、鍵かけたっけ? ……えぇっと、ちょっと待って暗いから
少し見やすい場所に……」

 そう、天雨より少し2、3m開けてポケットを手探りでアオキは
スペアの扉の鍵を持ってるか探そうとする。
 視聴覚室から、ラッシュ音。そして夢見ヶ崎がこちらへ近寄るのが
天雨は見えた……。

285夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/06(木) 23:09:13
>>283
>>284

「……やったか??コイツら『カゲ』だから、なんかわかりにくいんだよな〜〜〜。
 うーむ、イマイチしんようできん。イチオー『やった』ってことにしとくけど」

疑念は拭い切れないが、ひとまず無力化したと考えていいのだろうか。
しかし結局のところ、くぬぎをどうにかしなければ根本的な解決にはならない。
例の『球体』も、しつこく追ってきているし。

「ふたりとも、ちゃんとみはっとくんだぞ!!
 そとにいるニセモノも……。まぁ、たぶんダイジョーブだとおもうけど。
 なんかあったら、よぶように!!」

防犯ブザーを拾い上げ、ピンを元通りに押し込んで音を止める。
視聴覚室を出る前に、それをカンナに渡しておこう。
『影ギボス』に付加した『聴覚』と『触覚』は、念のために残しておく。

「お、あんなところに……。お〜〜〜い」

「――??????」

アオキとサトリを見つけて二人に手を振りながら声をかける。
その時、床が光っているのが目に留まった。
その正体は分からない。

(わからん……)

(なにかわからんけど……)

(なにかわからんが――『ヤバい』ッ!!)

しかし、今は『非常事態』だ。
その騒ぎの中で、『奇妙な現象』が起きている。
正体が分からなくとも、警戒する理由としては十分だろう。

「――――サトリちゃァァァァァァァァァァん!!
 『アオキのうしろ』に、なんかいるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

二人に注意を促しつつ、アオキに向かってダッシュする。
『ドクター・ブラインド』を前方に出し、射程距離5mに入り次第、
アオキを突き飛ばすようにして、光っている床から離れてもらおう。
パワー不足ではあるが、今はスピードを優先する。
サトリが何かする方が早かった場合は、突き飛ばすのは止めておく。
その時は、『光る床』の前で立ち止まり、その様子を注視する。
現状、最も厄介な存在となっている『闇の球体』も無視できない。
しかし、今は謎の『光る床』の方を警戒するべきだと考えた。

286天雨 サトリ『10cc』:2018/12/07(金) 00:02:40
>>284(GM)
>>285(夢見ヶ崎)

「アオキさん、失礼いたしますわッ!!!」

      グイッ

             ダンッ!!!!

アオキに近付いて全力で引っ張り、
彼女の背後の床――――あるいは『影』を踏み潰す。
可能であれば彼女の影全体を、両脚で踏んでおく。

床が突然光り出したと考えてもいいが、
アオキの影が光り出したと考える事も出来る。
ゆえに『影踏み』という原始的な方法で、
そこから『なにか』が出るのを塞ぎたい。

(影さえあれば何度でも――――と言う可能性もある。
 あるいは私の体に出来た影でも問題ないのかもしれない)

         (けれど、何もしないのはありえませんわ)

もし見当違いなら――――駆け寄って来た夢見ヶ崎に任せる。
どちらにせよ、引いた時点で床が光った部分からアオキを逃がせてはいるだろうし。

287『ペイズリー・ハウス』:2018/12/07(金) 21:35:06
>>286-287(ALL)

 >『アオキのうしろ』に、なんかいるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!
>アオキさん、失礼いたしますわッ!

 ズ  オォォォオォォッ!!

夢見ヶ崎は大声で注意喚起しつつ駆ける。丁度、その時に視聴覚室の
『ギボス』へ移植した感覚が解除されるのを感じた。

天雨はアオキを引き寄せつつ、床をタンッと強く踏みつける。それと
同時に彼女の背後にあった光る床、謂わば影のある場所が直立して人型に
構成される。だが、貴方の踏みつけてる部分と重なるのを嫌ったのか
約1〜2mほど離れると、徐々にその姿形は変化していく。

 『が……っ  くっ…… はーーっ はーっ……』

予想は出来てたが、『ギボス』だ。『ブラック・ムーン』を右手に提げ
肩を上下し、何やら酷く疲弊した様子でサトリとアオキを睨み、そして
憎々しい表情で駆けよる夢見ヶ崎にも視線を送る。

ギボス『やって……くれたな。
くそ……俺が……俺として動く限界が、近づいてる。
 …………行動を変える、か。せめて……俺を呼び出した餓鬼だけでも
連れて行く、ぞ。そうすれば、いずれまた何度でも 何度でも甦る機会はある』

ギボス『終わらん エクリプス(蝕)は 月は太陽がある限り不滅だ……!』


階段から蛇の首が覗かせる。カンナのトラウマも迫っている
闇の球体も、あと十数秒で夢見ヶ崎のいる通路まで迫るだろう。
 『ギボス』も、自身の意志で危害を加えようとするのにも活動限界
があるようだ。倒されれば、その分その限界も近くなるのだろう。
此処が『正念場』だ……!

288夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/07(金) 23:26:39
>>286
>>287

「『いずれまた』だとォォォォォ〜〜〜??
 ケッ!!そんなセコいセリフ吐いてる時点でよォォォォォ〜〜〜」

  ダダダダダダダダダダダダ          
               ダダダダダダダダダダダダッ!!!!

「――――既にッ!!!!『負ける側』なんだよォォォォォッ!!!!」

依然として、ギボスめがけて全力で駆ける。
今、ヤツは消耗しているはず。
もしかしたらダメージがないんじゃないかと思ってヒヤッとした。
だけど、確実にダメージはある。
このまま攻め続けることで、残っている余力を削り取ってやる。

「まつりィィィィィィィィィィ!!!!階段から上がってくるヤツラを頼んだ!!!!」

「カンナァァァァァァァァァァ!!!!私の後ろから全力でコッチ来てくれ!!!!」

まつりにヘビの対処を任せ、カンナには後ろから追従するように指示を出す。
その分だけ偽ヤジが自由になってしまうが、現状そこまでの脅威ではない。
もし偽ヤジが邪魔になった場合は、カンナに吹っ飛ばして妨害してもらえばいい。
カンナを呼んだものの、積極的に争いに介入させるつもりはない。
しかし、スタンド使いの人数が多ければ多いほど牽制になるはずだ。

「テメーは!!!!この『アルカラ』がキッチリ最後までブチのめすッ!!!!」

攻撃する構えを見せつつ、正面から真っ直ぐ突き進む。
ただし、あくまで『見せる』だけだ。
ギボスの攻撃を誘い、次に来るであろう一撃を避けることに意識を集中させる。
『ドクター・ブラインド』が持つ『超人的四感』――
『超触覚』で空気の流れを感じ取り、『超聴覚』で風を切る音を察知する。
それらによってギボスの攻撃の軌道を読み取り、回避に全力を傾ける。

もし余裕があるなら、その時に再び『聴覚移植』を試みたい。
同じ対象に同じ感覚を連続で『移植』するには『一分』の間を置く必要がある。
さっきは勝手に解除されてしまったが、
コイツに対してインターバルなしの『移植』ができるかどうか確かめておきたい。

      チラッ

行動の直前、一瞬だけサトリに視線を送る。
ギボスの注意が僅かでも夢見ヶ崎に向けば、サトリが動ける。
サトリの『10cc』は、まだ能力を知られていない。
あの『疲労させる』能力なら、ギボスの余力を削り切れるはず。
そういう意図を込めたアイコンタクトだ。

289夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/08(土) 00:22:47
>>288

ギボスの攻撃が横方向なら素早く身を屈めて避ける。
縦方向なら横に跳んで回避したい。
いずれにしても回避が最優先で、余裕があれば直後に『聴覚移植』を行う。

290天雨 サトリ『10cc』:2018/12/08(土) 21:39:42
>>288(GM)
>>289(夢見ヶ崎)

「…………アオキさん、扉の近くへ。
 私達で必ずこの男を押し留めますわ」

自分が『10cc』に目覚めてから、その使い道は日夜考えてきた。

           スッ

如雨露を構える。
水をかけるため、それだけではない。

「『剣士』であり、なにかを『斬る』ことで発動する能力。
 それが貴方の敗因……『多勢に無勢』の時点で勝敗は決していた」

ギボスの位置は夢見ヶ崎と自分の間であり、
夢見ヶ崎と自分を同時には攻撃できない。
そして、彼女は自分より攻撃に向いたスタンドを持つ。

               ダンッ

アオキの状態から察するに、おそらくは斬られて出る血も『幻』だ。
当然大人しく斬られるつもりは無いが、その事実は脚を動かしてくれる。

「『10cc』」

「決して人を傷つけるための力では無いけれど……
 人ならざる貴方には、躊躇せず……振るえましてよ」

夢見ヶ崎のアイコンタクトに合わせ、踏み込み、構えた如雨露をギボスの頭に振るう。
振るう軌道は、水を撒き散らし彼に浴びせるだろう。そして鉄の打撃を見舞うだろう。

これの目的は2つある。
1つはシンプルに、強烈な一撃で行動力を刈り取ること。
もう1つは……水が掛かった段階で、ギボスは確実に攻撃に気付くだろう。
頭に正体不明の能力を浴び、背後から鈍器を振るわれ、前方からは敵が迫り、
さらに未知のスタンド使いがそれに随行している焦燥で、『処理能力』を削る事だ。

当てることが仮に叶わなくても、焦りと恐怖で力を奪う。
それは奇しくも、このスタンドが生み出す状況の『意趣返し』になる。

291『ペイズリー・ハウス』:2018/12/09(日) 18:19:21
>>288-290(ALL)

夢見ヶ崎は駆け、そして天雨は如雨露を構える。
アオキの影へ瞬間転移したのだろうことに気付いたカンナとまつりも
廊下へと返答しながら飛び出してくる。黒い球体は物理法則を無視しつつ
開いてる入口を無視して通路に面する壁から通過するのが見える。
 今の立ち位置からして

□□□□□□
□▼□□夢□   ←のような状態で、▼=ギボス
□サ□□□□

になっている。ギボスは微かに怒りと笑いと言う相反する感情を
混ぜた複雑な笑みを見せつつ呟く。

「本当 苛つく奴等だ……くそっ あんまり『切り札』は使いたく
なかったんだよ。わかるか? 奥の手って言うのは絶体絶命と
自分から曝け出してるようなもんだからな。そう言うのは弱者の力だ」

 「俺が『剣士』だって言ったな? ははは……違う 
俺は『戦士』だ。どのような手段を使おうとエクリプスが栄光を
築く為ならな、俺は幾らでもこの命を差し出そう ――『ブラック・ムーン』」

  そう、『ギボス』は『何もない空間』。その右手に提げた黒刀を
水平に微かに振って虚空に僅かに刃の先端を振るようにする。

天雨の如雨露から雫が敵の頭から肩に降りかかる。芽が咲き乱れ
夢見ヶ崎の『ドクター・ブラインド』が直ぐにメスを振りかざす事が出来る。
 にも関わらず『ギボス』は疲労の脂汗を流しつつも、未だ勝利を捨ててない
目に強い光を伴わせ、せせら笑いと共に告げる。


 「――さて? 対処方法を考えてみろよ」

敵のスタンド『ブラック・ムーン』
ブザーの音を吸引して、その音を貯め込み貯蓄して音波攻撃が出来た。

……なら、何もない空間へ振ればどうなる?

292夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/09(日) 21:46:50
>>290
>>291

「――カンナ、そこでストップ」

   スッ

片手を伸ばして、こちらへ駆けてくるカンナを静止させる。
自分の2mほど後方で待機させておきたい。
危険だからというのもあるが、次に行う攻撃のためでもある。

     「『命を差し出す』?それは違うね」

  「そういう時は『命を差し出した』って言わなきゃ」

   「死んだ人間に『命』なんてないんだから」

     「――だよねえ??サトリちゃん」

『ドクター・ブラインド』を自分の正面に立たせる。
その後ろでハンカチと小瓶を取り出し、レモン汁でハンカチ全体を湿らせる。
ギボスに悟られないように行いたいが、気付かれても別に構わない。

    「奥の手があるなら、やってみせなよ。
     『見せないまま終わり』なんてみっともないからさ」

   「やることやって、悔いが残らないように『成仏』しな」

   「もっとも、アンタの残り少なくなった寿命も、
    『10cc』の力で底を突きかけてるところだろうけど」

      「――ね、サトリちゃん」

既に『10cc』の花が芽吹こうとしている。
ギボスが自由に振舞える時間は少ないはずだ。
必ず終わらせる。

 「この映画は『ハートフルコメディ』――
  アンタみたいに『教育に良くないヤツ』の名前は、
  キャスティングリストのどこにも載ってない」

      「――だよね、サトリちゃん」

『ドクター・ブラインド』は『存在しない視覚』を移植することで、
対象から『視覚』を消す。
『何も存在しない空間』を斬るという行為が、それと似通っているとしたら。
あの黒刀には『無』が蓄積されているとは考えられないだろうか。

この状況において、ギボスの狙いは、くぬぎの確保だ。
ここにいるスタンド使い全員を相手にしてしていては、それは不可能だろう。
おそらく、自分達よりも先にくぬぎの身柄を手中に収めようとしている。

主に意識を向けるのは、扉の方向だ。
くぬぎの居場所は知らないが、サトリとアオキがいたことから考えると、
そこの扉の奥にいる可能性は高いと判断する。
ゆえに、そちらの方向にギボスが向かうことを警戒する。

逆に言えば、次にギボスが向かう方向に、くぬぎがいると考えられる。
ギボスがくぬぎの位置を知っているかは不明だが、闇雲ではあるまい。
少なくとも、検討はつけているのではないだろうか。

293天雨 サトリ『10cc』:2018/12/09(日) 22:38:12
>>291(GM)
>>292(夢見ヶ崎)

「命は、一度賭けて負けたのでしょう?
 今のそれは他人に借りたコインでしかない。
 羽より軽いベットで、逆転勝利は叶いませんわ」

空気を貯蓄して空気の爆発でも起こすか、
空間そのものを貯蓄して空間移動でもするのか。
無を貯蓄することで無をバラまくことが出来るのか。
空気中の水分? ほこり? 静電気? 光? 酸素?
何も斬っていないなら『何も起きない』かもしれない。

ハッキリ言うと…………全く予想はつかないが、
ギボスしか答えを知らないクイズに付き合う気はない。

何が正解でも、あの音より強大な一撃は、
自分のスタンド・この位置からでは防げまい。
今度はスタンドを解除して守りに徹するわけにもいかない。
避ければアオキやくぬぎに被害が及ぶ可能性は高いだろう。

ならば――――『振らせなければいい』。

「そう――――明日美さんの言う通りですわ」

頭に振り下ろした如雨露は幸い、
まだ敵に命中はしていなかったようだ。
なら勢いのまま軌道を曲げ、剣を持つ側の肩を狙う。

既に頭に水がかかる程度に振り下ろされている。
一呼吸も要さず、そのまま打ち抜く事も出来るはず。

「貴方は所詮『前作』のやられ役に過ぎない。
 今日ここにいる事、それ自体が間違っている」

             「場違いですのよッ!!」

自分の位置取りはアオキとギボスの間。
この状態から下手に逃げても遅いだろうし、
ガード出来るような性質の攻撃かも不明だ。

ゆえに、『既に開始し当たる寸前であろう攻撃』を素直に続け、
予備動作を終えたばかりの『今から来るであろう攻撃』を潰す。

(もし失敗したら――――明日美さん、任せますわよ…………!!)

294夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/10(月) 17:47:16
>>292
近付きすぎないように注意し、まだ相手との距離を保っておく。
既に距離が近い場合は、少し後退して離れたい。

295『ペイズリー・ハウス』:2018/12/10(月) 17:50:21
>>292-293(ALL)

天雨は、相手の能力発動を潰えさせようと如雨露を叩きつける。
夢見ヶ崎は、ギボスが能力発動後に移動する事を警戒して一端立ち止まる。
なお 『同移植』は出来そうだ。一応同じ対象だが、夢見ヶ崎から受けた
ダメージが表皮部分に少ない事も含め、ある種のリセット機能のような
ものが付いてるのだろう。能力の行使は何時でも行ける。

 ガツンッ と金属が体に当たる音が通路に響く。天雨は手応えを
感じ、ギボスも痛みからか顔を歪めるが……『笑っている』

 「――受けろ 黒き月が織りなす真の力を」

「さっきも、お前達は見たよな? ブザーが『ブラック・ムーン』に
触れて、音が消えたのを。ある程度予想してる通りさ
俺が認識する、物理でないものの確実に存在するものは吸引して蓄積
そして、刀の先端に指向性をもたせ発射出来る。
 ならば……ただの『空気』を吸わせれば……その周囲はどうなる?」


      ギュ      


  ゴ!!!!   キュォオオオオッッッッッ!!!


 「――く っ   は  はははははは!!!」

 なんと!

『ブラック・ムーン』が刻んだと思える部分を中心として周囲の空気が
吸い込まれ、乱気流を通路全体に引き起こす。スタンドを装備しなくては
いけないギボスが一番踏ん張りがきかず、その中心の空気の渦へ飲まれて
体がキリモミ状態へと移動しようとするが。もっとも不味いのは『天雨』
そして、背後に控えてた『アオキ』だろう。一番間合いの近くにいた
貴方たちも、風の渦の中に引っ張られる。
 『ブラック・ムーン』の空気の蓄積がどの程度で終了するのか不明なものの
吸引時点の竜巻のような状態な中心に生身で晒されれば、それは大気で
出来た蟻地獄だ。受け身もとれず地面に墜落すれば大ダメージに繋がる。

夢見ヶ崎は、少し離れた場所にいるが。それでも急激な風の引力を
体で受ける。通路脇でヴァロッテの椅子に縛られてた偽ヤジも、余波で
椅子ごと体が『ブラック・ムーン』の中へと入ろうとする。

ギボス「これが           俺の切り札 
   『黒き月の呼吸(ブラック・ムーン・アナプノエ)』だッッ!!

 全てが荒れ狂いし風の裁きを受ける! 貴様ら全員が重傷負った瞬間
装填された風の砲丸で纏めて仕留めるぜ! 」

 ギボスは、宙に逆立ち状態になりつつ勝利を織った叫びを上げる。

凄まじい力だ。状況は中々芳しくない

天雨とサトリは、体勢が暴風により崩れつつもギボスに限界まで手を伸ばせば
触れられる距離にいる。

夢見ヶ崎は2〜3mほど距離があり、通路横に偽ヤジと椅子
それより背後2m程で反射的に地面に這いつくばって『ブラック・ムーン』の
必殺技から逃れようとするカンナが。
 そして扉に齧りついて必死に自分は吸い込まれるのを阻止してる
まつりが居て。状況は確かに芳しくないが、だが未だ望みはある筈だ。

考えようによっては、誰も犠牲を払わず一瞬で『ブラック・ムーン』を
鎮圧する事だって出来るかも?

296夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/11(火) 00:56:04
>>293
>>295

         「――……ッ!!」

『ドクター・ブラインド』――
もう一人の自分の存在に気付いてから、この力を使う機会は何度かあった。
しかし、だからといって豊富な経験があるわけではない。
おそらくは、生前のギボスの方が多くの修羅場を潜っていただろう。

だが、そんな自分でも積み重ねてきたものはある。
その中で学んだのは、どんな時でも冷静でいなければならないということ。
スタンドの強さは精神の強さ――
本体の動揺は、スタンドにダイレクトに伝わってしまうのだから。

「……全然大したことないね。
 こんな『そよ風』で私達全員を破ろうだなんて本気で思ってるの?」

「ああ――『だから』負けたんだ」

だから、ギボスの宣言も平然と受け流す。
心の中に生じた動揺も、決して表には出さない。
ここで焦ってはいけない。
この攻撃はギボス自身にとっても、かなり無茶なものであるはず。
先程の音波攻撃を見ても、その持続時間は短いと考えていい。

「そして、アンタは『また』負ける」

           バッ

その場で姿勢を低くして風を受ける面積を減らし、風圧を堪える。
強烈ではあるが、瞬時に吹き飛ばされるレベルではない。
ここは、ひとまず耐え切る。

「カンナ、何とか頑張って!!カンナは強い子――
 こんな『扇風機』なんかに負けない子だ!!」

用意した策は、今の状況では使えない。
だから、今は使うことを諦める。
策を準備することは確かに大事だが、
それが使えなくなったと判断した時点で潔く策を捨てることも同じくらい重要だ。
しかし、まだ策を完全には捨てていない。
今は使えないが、風が止めば使える。
その時が来た時のため、カンナには今の位置で耐えてもらわなくてはいけない。
ギボスと自分とカンナが直線上に並んでいることが必要なのだ。

(でも――その必要もなくなるかもね)

最初にギボスと対峙した時のことを思い出す。
あの時(>>272)、自分はこう考えていた。

  >器具型のスタンド――つまり、『サバジオス』の『能力対象』。
  >アオキにあの刀を握らせれば、支配権をアオキに移せるかもしれない。

                    ――と。

「アオキ、怖いのは分かる。私だって怖いよ。
 ほら、もう私のすぐ近くまで『アレ』が来てるんだもん。
 また『アレ』に包まれることなんて考えたくもない」

自分の身体が『闇の球体』に飲み込まれるまで、持って残り十数秒。
正面にギボスがいる以上、挟み撃ちにされているようなものだ。
逃げ道はない。

「でも、アオキだけに怖い思いはさせない。
 『アレ』は私が引き受ける。まだ怖いけど、アイツに皆の邪魔はさせない。
 『アレ』は私が生み出したものだから」

『闇の球体』は、自分の恐怖が生み出したものだ。
だから、それを食らうのは自分だけでいい。
『ハッピーエンド』を思えば、何てことないくらい『軽いリスク』だ。

   「――――アオキ!!!!『サバジオス』だ!!!!
    サトリちゃん……『サバジオス』なら……!!!!」

           スウゥッ……
                    パッ

ギボスの近くにいるアオキと、彼女の近くにいるサトリに呼びかける。
同時に、『ドクター』にハンカチの両端を握らせて大きく広げ、
それをギボスの顔がある方向へ向けて手を離す。
ハンカチは風に乗ってギボスめがけて飛んでいってくれるだろう。
そして、事前に湿らせたハンカチが顔に張り付けば視界を封じられるはず。
成功すれば、多少の時間稼ぎにはなる。
また、これが当たれば再びレモン汁が付着する。
それによって、もう一度『マーキング』を施しておこうという意図もある。

297天雨 サトリ『10cc』:2018/12/11(火) 04:51:28
>>295(GM)
>>296(夢見ヶ崎)

『サバジオス』で『ブラック・ムーン』に触れられる。
この距離、そして誰よりバランスを失ったギボス。
もし『サバジオス』の本体が自分なら、それが出来る。

(アオキさんに出来るかは……分からない。
 本当はそんなこと、させるべきじゃあない。
 傷に向き合うのは必要だけれど、荒療治が過ぎる)

          (けれど)

アオキにも、それをしてもらいたい。
しなければ余計に危険だからだ。
風を無限に吸えるとは思えないが、
持ちこたえ続けるには流石に限度がある。

安全圏にいても良いならいさせてやりたい。
だが、ここは既に危険域に突入している。
ならば『危険』を切り開く意志こそ、安全を呼ぶ。

「――――アオキさんッ」

            ヒュンッ

「貴女なら出来るなどと、軽率には言いませんわ……
 けれど、貴女の『サバジオス』が今、誰より的確な仕事が出来るッ」

          「私は私の仕事をする」

               ブンブンブンブンッ!!!

  「明日美さんは明日美さんの」

         「貴女は傷つかない事が仕事ッ!
          だけど、それに一番近い道は、
          手を伸ばして――――奪い取る事ッ!!」

「活路は私達で拓きますわッ!
 私達だけでも、きっとこの男を止めてみせましょう!
 けれど、貴女も乗ってくれるなら――――『手を伸ばして』!!」

サトリ自身は如雨露を振り回し、大量の水を撒き散らす。
これは全て風に乗り、ギボスへと殺到することになる。
自分達も巻き込まれるかもしれないが任意解除できる。
なにより、自分とアオキだけが――――この水の全てを知っている。

ギボスは知らない。
『10cc』の水の性質を。
付着した自ら生まれる草の意味を。
仮に歴戦のスタンド使いなら、それを僅かでも警戒するはず。

水で視界を潰し――――そして得体の知れない攻撃への警戒で、
もしアオキが手を伸ばしてくれるなら、それを邪魔されないようにする。
そしてアオキなら……手を伸ばす先がどこであるかは、頭では分かっているはず。

                 ・・・あとは心だけだ。彼女の心を信じる。剣を取る心を。

298『ペイズリー・ハウス』:2018/12/11(火) 22:15:31
>>296-297(ALL)

 (俺は大ダメージを受ける。だが、このガキ共だって同じだ!
ブラック・ムーン・アナプノエに晒されれば、その風の中心へと
全て引き込まれ、最終的に受け身を取る事が出来ず地面に墜落する。
続行不可能なダメージを受けても、俺が俺自身のトラウマの主『アオキ』が
意識継続すれば、また行動継続が可能だ!)

『ギボス』は、自分自身が くぬぎの影として動いてる。アオキのトラウマ
によって産まれた事は自覚してた。トラウマになり得る恐怖の影法師
時に心の闇は只のスタンド能力以上の力を持つ事もある。
 この心の影を産んで持ち主以外は、その安全圏から排除すると言う力。
その持ち主を害する能力から逸脱した異常と言える行動。エクリプスへの狂信

乱気流に体が宙に浮かび、黒き穴に何もかもが引きずり込まれようとする。
人が人として生きるのに欠かせない空気 未来への希望すらも巻き込み。

だが、闇(ギボス)には理解出来ない事がある。光にしか分らない可能性がある

  ――――アオキ!!!!『サバジオス』だ!
       貴女も乗ってくれるなら――――『手を伸ばして』!

アオキ「……わ   たしは    私は!!

未だに そうさ あんた(ギボス)が怖い。縮こまって ついさっきまで
何も出来ずにいた。私より小さい、あの子達や 友達だって思ってる
二人に迷惑かけっばなしで  ――でもっっ!!!」

  「皆がくれた 与えてくれた 教えてくれたものは私の胸の中にある!
受けた時間の短さや 年齢の違いとか関係ないんだ!
 私はあんた(過去の闇)なんかに負けない!! 
       私は・・・私は光(未来)をつかみ取るんだ!!」

          キィィィィンッッ!!!!

アオキは、まず『10CC』に手を伸ばした、それと共に荒れ狂う突風で
今にも天雨の手から離れかけた如雨露は持ち直され、そこから飛び散る
水に更なる不思議な輝きが宿り、その水を受けるギボスの体全身から
生い茂る草花はアオキと天雨に届くほどの長さへと変わる。
 『サバジオス』がなす『10CC』の『可能性の成長』が織りなす力。

 草花を、必死てアオキが掴み強引にギボスを掴み『ブラック・ムーン』を
握ろうとする。だが、相手も素直に応じようとはしない。

 「きさ ま  無駄な抵抗を  す   る」

       ヒュゥゥゥ   バサッ!!

                「な!!!?」

その時、『夢見ヶ崎』のハンカチがギボスの視界を覆う。
 反射的に動きを止める。僅かなタイムラグは、ブラック・ムーンを
強引に出鱈目に振って『サバジオス』の手から逃れようとする機会を失わせる。
 そして、遂に……。

    ガシッ     ――キィィィィンンッッ!!

 「ちく  しょ  
  やめろっ   やめろやめろやめろーーーーーー!!!!」

 風が収束しようとする。アオキの意志で、吹きすさぶ風が
天雨を 夢見ヶ崎の体勢を安全に着陸させるかのように其の場で停滞する
穏やかなものへ代わっていく。ただ、ギボスだけは更に取り巻く風が
暴風と化して無規則にその場で変則的に体がしっちゃかめっちゃかに
回転するのが視認出来る。


「……い け」

無事に地面に足を付いた夢見ヶ崎は、軽く肩を叩かれた。
 見ると、ブラック・ムーンの暴風で椅子からの拘束を逃れた
偽ヤジが立っている! ただ、攻撃や危害を加える様子はなくギボスに
対し止めをさすように示唆しているようだ……一体?

偽ヤジ「……主への 危害を加える発言。危険度を優先……」

どうやら、この自動操縦型の影で出来た産物も。ギボスの主人に
危害を加えようとする発言を聞き取って、行動指針を変更したようだ。
闇の球体も、この分なら偽ヤジが制止してくれるかも知れない。

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301夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/12(水) 07:57:17
>>297
>>298

「…………どーも」

思いがけず偽ヤジが告げた言葉に対し、微妙な表情を浮かべて返答する。
『危険度を優先』ということは、『ギボス』が済んだら次は『ウチら』だろう。
今すぐ襲われるという状況ではなくなったらしいが、まだ安心はできない。

「ほら、あっち行ってな」

       シッシッ

軽く片手を振って、間近に迫る『闇の球体』を追い払う。
さっきまでなら何の意味もないが、今なら止まってくれるだろう。
覚悟をしていたとはいえ、接触を避けられるなら避けておきたい相手だ。

         「――ありがとう」

    「アオキのお陰で、みんな助かった」

         「――――ね?」

アオキに笑いかけ、まつりとカンナの方を振り返って言葉を掛ける。
そして、再び正面に向き直る。
視線の先にいるのは、当然『ギボス』だ。

「あ〜〜〜、そうそう――」

「まだ『アンタ』がいたんだっけ」

どうやら用意した作戦を使う必要はなくなった。
しかし、せっかくカンナを呼んでおいたのだ。
何もさせないというのも忍びないので、ちょっとだけ活躍してもらおう。

「カンナ、そのまま真っ直ぐ走って『ジャンプ』してくれる?
 アイツの上から頭でも踏んづけてやってよ。私が『トランポリン』になる」

「『カンナ』と『アルカラ』の『コンビネーションプレイ』を見せてやろう。
 ここが『アリーナ』じゃないのが残念だけど」

そう言って、カンナに自分の背中を踏ませるために少し姿勢を低くする。

まず自分がカンナの『踏み台』になり、『ギボス』の頭上から奇襲を仕掛ける。
上方向に注意を向かせた隙に、手元の小瓶を『ギボス』の足元に転がす。
それを踏ませて体勢を崩させ、カンナの攻撃に合わせて『ドクター』で突っ込む。
そんな感じの作戦を考えていたのだ。

       「さて、と――――」

         スタ 
              スタ

カンナが『ギボス』の頭を踏んづけている間に、『ギボス』に歩いて近付いていく。
とばっちりを食うといけないので、カンナには横に退いておいてもらおう。
『最後の仕上げ』をしなくちゃいけない。

「もう一度だけ言ってあげるよ」

「『過去の影』が『未来の光』を遮れるなんて絶対に有り得ない」

「誰かを傷つけようとするヤツは、この場所には必要ないってこと。
 今のアンタの姿は『コメディ』だけどさ」

「それに、『ハートフル』なラストは『ハッピーエンド』じゃなきゃ――ね」

『ギボス』に対して、『ドクター・ブラインド』を構えさせる。
そして、サトリに視線を向ける。
ここに来てから何度も行っているアイコンタクト。
そこに込められた意味は、これから『最後の仕上げ』に入るということ。
静かに呼吸を整え、前を見据える。

302夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/12(水) 08:15:30
>>301

         《 L(エル) 》
                   ドシュッ――

『ドクター・ブラインド』が爪を振るい、『ギボス』に『視覚移植』を行う。
それによって『ギボス』は『視力』を奪われ、『ギボスの世界』は『闇』に閉ざされる。
同時に起こるのは、『もう一つの変化』。

             ――スウゥッ……

『ドクター・ブラインド』の閉ざされた両眼が開き、盲目のスタンドに『光』が宿る。
『視力』を得た両眼が、『ギボス』の姿を正面から捉える。
今、『ドクター・ブラインド』は『闇の世界』から『光の世界』に辿り着いた――。


 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》
 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》
 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》
 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》
 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》
 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》
 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》
 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》
 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》
 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》 《L(エル)》

 ズバババババババババババババババババババババババババ
   ババババババババババババババババババババババババババ
    ババババババババババババババババババババババババババ
     ババババババババババババババババババババババババババ
      ババババババババババババババババババババババババッ!!!!

   《 L(エル) 》
           《 I(アイ) 》
                  《 G(ジー) 》
                          《 H(エイチ) 》
                                   《 T(ティー) 》
 シュバババババババ
              バババババババ
                        ァァァァァ――――z____ッ!!!!


全身全霊の力を込めた『ドクター・ブラインド』の『爪ラッシュ』――
『名医が執刀する高度な外科手術』を思わせる速度と精度で、
『闇の世界』に堕ちた『ギボス』の全身をズタズタに切り刻むッ!!
さっきは途中で逃げられたけど、もう『次』はない。
完全に決着をつけ、この『悪夢』を終わらせる!!

303天雨 サトリ『10cc』:2018/12/12(水) 22:29:08
>>298(GM)
>>301-302(夢見ヶ崎)

「お手柄ですわよ……アオキさん。
 私の『友』を称するにふさわしい、
 いえ、むしろ『理想的』と言えるでしょう」

        「貴女を誇りに思いますわ。
         貴女の『未来』はきっと明るい」

(『サバジオス』……戦術に取り入れれば、
 これ程の効果を発揮するだなんて。
 私の想像以上――――まさしく『女王』)

アオキのスタンドに。
勇気ある行動に敬意を表する。

万が一を考え、彼女は自分の後ろに下がらせよう。
ギボスとの決着は『今』だろうが、悪あがきは考慮する。

「――――もうお分かりでしょう?
 貴方のようなヴィランの末路は一つ。
 『主演』達の光を引き立たせる『やられ役』ッ」

       「そして、今日の主演は、
        アオキさんと……もう一人」

地に伏す事になる敵を見下ろす。
『10cc』は言わば監督者の力。

現場を〆るのは――――我らが『アリス』。

「――――さあ、やっておしまいなさい! 明日美さん!!」

如雨露の水で彼女の射線を遮るのも悪い。
既に十分すぎるほど浴びせているし、
これ以上は流石に『蛇足』というものだ。
とどめは彼女に任せてしまえば、問題ないだろう。

自分はポケットからハンカチか何かを出して、
そこに水を掛けておく。『実』をいくつか作り出し、
夢見ヶ崎と子供たちのために体力回復の準備をしておく。

         ・・・それが『上に立つ者』の俯瞰的な行動だ!

304『ペイズリー・ハウス』:2018/12/13(木) 18:52:30
>>302-303(ALL)

まつり「ちょっと ちょっと、お待ちくださいな。カンナさんばかり
最後に良いところをもっていくのは、ずるくてはなくて?」

カンナ「おー、まつり。なら……
とらいあんぐるふぉーめーしょんアタックだ!」

まつり「ですわ!!」

 まつり「ヴァロッテ!」 カンナ「スティール・パンサー!」

     夢見ヶ崎「ドクター・ブラインド!!!」

カンナ「ちぇぇぇすとぉぉっ!!」 ドゴッ!!

まつり「ヴァロッテ ダブル スタンプッ!」  ゴスンッ!!


まずカンナがスティール・パンサー込みで、夢見ヶ崎の言われた通り
背中から肩にかけ、跳躍台にタタッとギボスの頭上をとると、暴風の
台風の目の中を突っ切り、思いっきり踵落としを喰らわせる。
 更に、地面に撃墜して勢いのままバウンドしたギボスを、まつりが
操作権を戻したパイプ椅子の二脚で体当たりさせ挟み込む。
 そして……。

 LLLLLLLLLLLLL!!!!

 L I G H T!!!! 
               ズババババババッッ!!!

ドクター・ブラインドのラッシュが決まる。ほぼオーバーキルと言って
良いダメージだ。もう、ギボスが動く事はできない。

          『……く  くく』

    『……せい  ぜい、今は勝った気で  い  ろ』

       『弓』     『そう 弓だ……』

   『それが在る限り  継承者が生きてる限り……』

     『おれ  たちは……エクリプスは……滅び……な』


           ……シュゥゥゥゥ…………


                     〜〜〜♫


カンナ「……あれ? ピアノが鳴ってる」

まつり「……きらきら星ですわ、この音色は」


ギボスの捨て台詞、天雨の『10CC』で全員がある程度の精神的疲労を
回復して、偽ヤジや闇の球体は停止してたが再起動しそうな気配になった時。


ピアノのある部屋から『きらきら星』が鳴り始めた……。ドアは開かない
だが、その前に立つと声が聞こえる。

?「あはは  合言葉をどうぞ」


    ゴゴゴゴゴゴゴ…… 

誰かがいるようだ。

305夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/13(木) 23:28:00
>>303
>>304

           「『それだけ』でいいの?」

            「もっとほざけば?」

     「今、アンタにできるのは『それだけ』なんだから」

たとえ人間のような姿をしていようと、影は影でしかない。
CGがどれだけリアルになったとしても、CGは所詮CGに過ぎない。
それと同じように、影が影以上の存在になれることなど有り得ない。
もし、ここでギボスが勝利を手にしていたとしても、
その勝利には何の意味もなかっただろう。
ただ自分の哀れさが際立つだけの空しい勝利だ。

       「そして、もう『それ』すらできなくなる」

          「アンタには『何も』できない」

         「『感じること』も『考えること』も――」

          「――『存在すること』も」

『ギボス(過去の影)』の消滅を見届け、背を向ける。
『過去』は『過去』。
自分達は、『未来』に向かわねばならない。

「お〜〜〜サトリちゃん、さっすが〜〜〜!!
 みんな、キチンとおれいをいおう!!おてほんをみせるからねー。
 『サトリちゃんさん、ありがとう!!』
 はい!!『サトリちゃんさん、ありがとう!!』」

サトリから『実』をもらって、体力を回復しよう。
さすがに少し疲れた。
そういえば、まだ夕食も食べてない。

「――アイツにとっても『ハッピーエンド』だよね〜〜〜」

「これ、いちおう『ファミリーむけ』さくひんだし」

サトリの横に立ち、小さく声をかける。

偽りの勝利を得たところで、ギボスの運命は変わりはしない。
元々、今夜こうして出てきてしまったことが、そもそもの間違い。
本来あるべき場所に戻り、二度と姿を現さないこと。
それが、ギボスにとっての『ハッピーエンド』であり、
だからこそ今夜の敗北は彼の『ハッピーエンド』なのだと思う。

「アオキ、まつりちゃん、カンナ――
 さんにんは、ちょっとうしろのほうにいてくれる??」

「『キョウイクジョウよくないシーン』がはいると、
 『ネンレイシテイ』がついちゃうから」

「『ファミリーむけさくひん』だし」

三人を室内に入らせないように下がらせてから、扉から少しズレた位置に立つ。
そして、無言のままサトリに目配せを送る。
『扉を開ける役目を頼みたい』という意味だ。

       「 『エアリー・フェアリー・ナンセンス』 」

サトリが扉を開ける前に、『コーヒーにミルクを入れる程度の気軽さ』で口を開く。
別に『意味はない』。
ただ『言ってみただけ』だ。

306天雨 サトリ『10cc』:2018/12/14(金) 22:59:28
>>304(GM)
>>305(夢見ヶ崎)

「そういう思わせぶりな捨てセリフは、
 映画の中だけにしておきなさい。
 ここは現実――――虚構は貴方だけ」

              「二度滅びなさい」

弓、継承者、それが何を意味するかは知らないが、
この場でこの仕事に関わらないのであれば、
あとでイサゴにでも報告しておけばそれでよかろう。

「呼ぶなら『ちゃん』か『さん』どちらかになさいまし!
 まったく『さかなクン』さんじゃあないのだから……」

        「……ええ」

「今夜は『蛇足』でしょうもの。あの男にとっても」

恐らく、アオキの負傷を考えるに――――
ギボスの行動は、『結果』を生めない状態だったのだろう。
でなくとも、くぬぎのいるこの邸宅からは出られなかったろう。

(あのギボスの写真を考えるに、
 それを仕組んだ誰かがいる。
 あくまで、ギボスは『傀儡』だった)

ある意味では哀れな人形。同情はしないが。

目くばせを受け、前に出る。
扉に向かい……

「――――合言葉?」

(…………合言葉???)

ともかく、問題は目の前に浮上してきた『合言葉』とやらの方だ。
それらしい言葉があっただろうか? どこかで聞いていただろうか。

「まさか『開けゴマ』――――というわけでもないでしょう?」

(まずいですわ。記憶から抜け落ちているのか、発想が違うのかしら……)

307『ペイズリー・ハウス』:2018/12/15(土) 18:43:54
>>305-306(ALL)

>エアリー・フェアリー・ナンセンス

>開けゴマ

貴方たちは、一先ず廊下の中央部分に三人を待機させる。まだ敵がいる
可能性も考えられる。アオキも了承して移動する。

 〜〜♫    ガラッ……

きらきら星の旋律が続く中、扉は開く状態になった。

  〜〜〜♪

『きらきら星』が唐突に『A Heroe's Life』の曲調に移った。

「あはは 私も好きですよ。エアリー・フェアリー・ナンセンス
『開けゴマ』 あはは、古典的ですがソレでも良いですよ。
でも、宜しければ。この子がブランコで歌ってた一節を思い出して
くれたら満点でしたね。まぁ、戯言ですが あははは」

グランドピアノを、一人の女が弾いている。殆ど色が無い真っ黒な
長髪は風もないのに僅かに宙に浮いて靡き、ラメスプレーでも吹き付けた
ように、宇宙の星空のように輝いている。
 台風は、激闘の最中で過ぎてたのか。もう雨音はしなくなっている。

「夢見ヶ崎さんは、お久しぶりですと 告げておきますよ。そちらの方は
始めてお目にかかりますね。まぁ、肩の力は抜いて構いませんよ。
この子も眠ってるだけです、この曲が終わったら目覚めますから」

謎の女の腰掛ける椅子の傍らで、毛布を纏って眠る『くぬぎ』がいる。
頭には、僅かに輝く『スタンド枕』らしきものが目立っていた。

「物語の賓客である貴方たちに、二言 三言だけ告げようと思いましてね。
今日の嵐のように、これから先は激しい時流になるかと思いまして。
 その荒波の中を船で漕ぐか、それとも防波堤で見るだけに留まるか。
どちらであっても、幸運をと。まぁ、人生の暇人からのご忠告をね」

まったくもって戯言ですが、と軽やかに女は笑っている。
 伴奏は、もうそろそろ終了しそうだ。
謎の女の言葉が本当なら、くぬぎもそろそろ目覚める。この嵐の一夜の
騒動は終わりになるのだろう。

308夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/15(土) 22:59:47
>>306
>>307

「サトリちゃん――『コイツ』しってる??わたしはしらない」

「ちなみに、さっきいったのは『アパレルブランド』のナマエか
 『コスメティックメーカー』のナマエか『コーヒーショップ』のナマエかなんか」

「ところで、おおどおりに『花時計』っていう『ケーキやさん』があるんだよ。
 そこの『マスカルポーネ・ティラミス』がオススメ。あと、『彩りフルーツゼリー』も。
 イートインがあるから、こんどふたりでいかない??」

世間話をするような何気ない調子で、隣に立つサトリに話しかける。
同時に女とくぬぎの姿を確認し――
おもむろに『サングラス』を外して胸元に引っ掛ける。
それから、事前に見た位置と寝息を辿って、くぬぎの所まで歩いていく。
当然『視力』を失うことになるが、この行動には意味がある。
あくまで個人的な意味であり、客観的には大したものではない。
その歩みは見えている時と何ら変わらない。
見えない状態で歩くことは慣れているし、今は『ドクター・ブラインド』も傍らにいる。

「――――…………」

くぬぎの所まで近付けたら、彼女を抱きかかえて入り口まで引き返すつもりだ。
まだ彼女は起きない方がいい。
くぬぎが目覚めるのは『全て』が終わってからではなくては、
後味を悪くする以外に何の益もない『不要な記憶』が残ってしまう。
今は、まだ『全て』は終わっていない。
この得体の知れない女が居座っているのだから。

309天雨 サトリ『10cc』:2018/12/16(日) 03:18:00
>>307(GM)
>>308(夢見ヶ崎)

「きらきら星――――いえ、『きらきらお目め、きらきら光る髪の人』」

「それが貴女だと言うのかしら?」

そういえば――――歌っていた。謎めいた歌を。
あれは実はきらきら星で、ひいては――――この女。
くぬぎの関係者であろう、この女を歌っていたのか。

(…………ずっと見ていた、ということですの?
 なぜわざわざ? くぬぎさんを見守っている存在?
 突然出て来て試すような真似……あまり気に食わないけれど、
 『挑む』べき相手ではないのは……言うまでもない、ですわね)

超然としたものを感じる女だが、不審者であり、
挨拶もないあたり『常識』の世界の人間ではないだろう。
それでも話は通じそうな相手だ。話で済ますに越した事はない。

「――――私も存じませんわ。
 こういうスピリチュアルな方は人脈に乏しいんですの」

夢見ヶ崎と相手の言動は食い違っているが、そこは追及しない。

「フルーツゼリーと聞けば、黙ってはいられませんわね。
 よろしくてよ! この仕事が終わったら同席させていただきましょう」
 
            「…………それで? 『忠告』とは?」

くぬぎの以前からの知り合いらしき人物とはいえ、いやだからこそ、
はっきりいうと限りなく『怪しい』が……言葉に『意味』はあるだろう。

耳を塞いで逆上される、または情報を逃すよりは、一応聞いておくことにする。
一貫して言葉に反応しない方向を選んだ夢見ヶ崎の『逆張り』で、状況を補強する。

310『ペイズリー・ハウス』:2018/12/16(日) 17:30:18
>>308-309(ALL)

>『コイツ』しってる?
「あはは そう、露骨に赤の他人だと言う対応をされるも傷つくんですけどね
ああ なんて事でしょう 悲しくて倒れそうです」

>それが貴女だと言うのかしら?
「あはは つい今しがた言いましたが、別にとって食おうって訳じゃない
ですし、どうぞ気を楽に。ま、私が影で出来てるが それとも実体がある
得体の知れない産物かどうかなんて、明日に世界の裏側で恵まれぬ人々が
一喜一憂するぐらい、とるに足らない事ですよ 貴方」

〜〜♪
 二人の異なる対応にも、特にどちらの発言で気分を極端に害したり
快く受け取るような事は無さそうだ。ピアノの曲調は終わりに差し掛かっている。

「『忠告』になるかどうか知りませんがね。まぁ、大雑把に言えば
そう遠くない昔で『エクリプス』は瓦解する前に、スタンドを発現できる
『矢』と『弓』の情報を持っていた。
 そして、その『弓』の真の能力を解放して使用出来れば世界を手中に
収められると考えてる。まぁ、そんな事を考えてると言う事ですよ」

「あとは、貴方がたの依頼者が答えてくださる筈です。
それでは、御二人とも またご縁があれば お会いしましょう」

    〜〜〜♪
            あははは

曲の終わりと共に、一瞬部屋が停電と化し室内が真っ暗になると同時に。
 音色の余韻と共に、名も知らぬ正体不明の女は笑い声だけ残し消えた。


くぬぎ「……    うん  ……ん」

 カンナ・まつり『くぬぎ(ちゃん/さん)!』

 アオキ「……良かった、くぬぎ」

 目覚めた彼女は、何が起きたのか理解が足らず一瞬当惑した顔をする。

くぬぎ「……ぁ   わ  た し…
また……みんなに 力で 迷惑……」

 だが、誰かが責めずとも子供ならではの鋭さでわかる事もある。
そう、涙目で何やら悟った様子となった。

311夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/16(日) 22:47:14
>>309
>>310

確かに以前、自分は女の姿を見たことがあった。
しかし、素性を一切明かさない相手のことを『知っている』とは表現しない。
前に遭遇したのが『夢の中』であれば、なおさらだ。
だから『知らない』と答えた。
その目的や正体について、自分は何も『知らない』のだから。

「――――…………」

正直言って、あれは全部『ただの夢』だと思っていたのだ。
自分が『おかしな夢』を見ただけに過ぎないと。
だから、ヘンなヤツが出てきてヘンなことが起きても、別にヘンじゃなかった。

「……………………」

でも違った。
夢で見た女が現実に現れて、あの夢が『ただの夢』じゃなかったことが分かった。
だからこそ、この正体不明の女に警戒心を抱いている。

「…………――――」

何より、『見えない者』を弄ぶような態度や振る舞いが好きになれない。
夢見ヶ崎明日美は、本当に感情的になった時、『無口』になる。
ケーキ屋の話とか、今の状況と関係ないような話をした大きな理由は、
気持ちを落ち着けるためだ。

「――ふぅ……」

女の気配が消えた後で、『サングラス』を掛け直す。
これを外した理由は単純。
女が消えそうになかったので、自主的に『視界』から消しただけ。
まぁ、消えたみたいだけど。
だけど、あの神出鬼没さを見ると、また出くわす可能性はあるのかもしれない。

「ユミねぇ。『ユミちゃん』のシンのチカラってなんだろね。
 アレかな、『おりがみアーティスト』のサイノウがあるとか??
 それでセカイをてにいれるって、なんかヘイワてきじゃない??
 セカイじゅうのヒトが、ヒトリいっこずつ『オリヅル』をおって、
 それで『センバヅル』をつくるとか。ね、サトリちゃん」

視界が利かなくなっても、耳は問題なく機能する。
だから話は聞こえていた。
それを信じるかどうかは別として。

「でも、ウチらにはカンケーないハナシだろーけどね〜〜〜。
 『ユミちゃん』についてのハナシがホントだったとしても。
 まぁ、もしホントだったら――ショージキちょっと『みてみたい』けどさ……」

「コレ、イサゴさんにいったほうがイイのかな??
 でも、なんとなく、もうしってそうなきもするけど。
 それに、ジョーホーの『ソース』をきかれたときに、こたえづらいし……。
 ソレかんがえると、やっぱだまっといたほうがイイとおもう??」

「サトリちゃんは『オトナ』だから――まかせる!!」

最終的な決定は、サトリに一任することにした。
こうした判断は、自分よりも彼女の方が向いている。
天雨サトリは、『上に立つ存在』なのだから。

        そして――――。

「ほーら、くぬぎちゃん『みて』。みんなダイジョーブだよ。みえるよね??」

くぬぎの力が騒動を巻き起こしたことは否定しない。
それは事実だ。
事実を捻じ曲げることはしない。
本人に自覚がある以上、事実の捻じ曲げは、却って周囲との溝を深くしてしまう。
それによって一番傷付くのは、他でもないくぬぎだ。

「くぬぎちゃんのコト、ダレもキライになってないよ。
 みんな、くぬぎちゃんのコトがスキだから。ね、みんな??」

だけど、全員がくぬぎを恨んだり嫌っているなどという事実はどこにもないのだ。
それもハッキリさせておかなければいけない。
みんながくぬぎを愛していることを伝える必要がある。
『影』を消し去るのではなく、影に打ち勝つ『光』を持つこと。
くぬぎの将来に大切なのは『それ』だと、自分は思っている。

「――――わたしも、くぬぎちゃんがスキだよ」

         スッ

そっとくぬぎの手を取り、両手で軽く握る。
その時、『ドクター・ブラインド』で、くぬぎに『触覚』を移植する。
もちろん最大限に注意を払い、極めて繊細な手つきで行う。
『触覚』の移植によって、手が触れ合う感覚は普段よりも鮮明に伝わるだろう。
その感覚は、自分が告げた言葉の『裏付け』になってくれるはずだ。

312天雨 サトリ『10cc』:2018/12/16(日) 23:54:01
>>310(GM)
>>311(夢見ヶ崎)

「――――スタンド使いを生む『弓と矢』」

声を出したのは、女が消えてからだ。
どうにも、話し相手とは思えなかった。

「貴女にスタンドを目覚めさせた人間、
 私のスタンドを呼び覚ましたあの女性。
 ――――現にそれが実在するのですから、
 弓と矢とやらが実在してもおかしくはない、ですわね」

人ではなく道具である方が、ある意味納得はいく程だ。

「さて、ね。全人類をスタンド使いにするか、
 逆に自分たち以外をスタンド使いじゃなくするか。
 私達では恐らく、推測してもし切れない事でしょう」

              フ

落ち着いて、笑みを浮かべる。

「ですから分かりそうな人に……つまり。
 イサゴさんには、報告すべきでしょうね。
 ソースを追及された時の事は……
 その時に考えましょう。勿論、主に私がね」

謎の女はともかく、ギボスについては、
くぬぎとアオキが遭遇する度起こり得るリスクだ。
結局、『ギボスの写真』を残した悪意の第三者は、
ここに至るまで特定できていない。黙っておくべきではない。

「子供が人に迷惑をかけてしまうのは『当然』!
 そして、それで嫌ったりしないのは大人として『当然』。
 私達も、貴女ぐらいの頃は周りに迷惑をかけて生きていたのだから」

あえて『スタンド使い』特有のテーマには触れない。
力があるとかないとかではなく、子供に対して接する。
スタンドが全て片付いた今、イサゴの言葉を思い出す。
 
「……けれど、貴女はそれを自覚して『申し訳ない』と思えている。
 それは素晴らしい事ですわ。くぬぎさん、貴女はいい子なんですのね」

『怒る』ことはしても、『嫌う』ことはしない。
アオキやカンナ、まつりにそれを強要はしない。

                     だが――――彼女らも、きっと。

313『ペイズリー・ハウス』:2018/12/18(火) 18:10:29
>>311-312(ALL)

カンナ「うん ちょっとびっくりしたけどな。おこってはいないぞ」

まつり「たまには映画のようにスリルを味わうのも たけとり家の
令嬢の嗜みですわ」

園児二人も、今度の騒動に対し不平や不満はない。

アオキ「……いいんだ。今回の事 逆に良かったかも知れない。
何時までも、昔の事を引き摺ってはいけないって気づけたから。
……私、楽器の件で喧嘩別れになっちゃった子と、もう一度
向き合おうって思うんだ。
 だから、さ。……ありがとう くぬぎ そして、みんなも……」

怒鳴られる覚悟もあった筈の心の影を産む少女は、その言葉に対し
少し硬直してから、またポロポロと涙を流す。
 けど、それは悲しみからではない。未来の光が射しこんだゆえの
熱い涙だから。

その後、少女たちは約束していた花火を台風が過ぎ去り満点の
星空が織りなす空の下で行い 就寝……その後。


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
翌日  午前、お昼前

    ブロロロロ・・・

カンナ「お? くるまが来た!」

まつり「あっ! こぜにくろうのバスですわっ」

嵐が止み、快晴となった空の下。軽く運動の為に外に出ていた全員だったが
良く周囲が見渡せる土手のほうから大型バスと、数台の車が共に来たのを
確認出来た。

カンナ「あっ うちの車だ」

まつり「くぬぎさんが乗って来た車もありますわ。
知らない方の車もありますけど」

どうやら、『迎え』が来たようだ……。

314夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/18(火) 20:47:38
>>312
>>313

もはや言葉はいらない。
終わったのだ。
ひとまず理想的な形で。

「よし、ハナビのまえにメシくおう!!もうオナカすいちゃってさ!!
 メニューは『トマトとツナのれいせいパスタ』と、
 『セロリとレモンをつかったヨーグルトドリンク』だ!!
 きょうは、わたしがつくるぞ!!」

       そして――――。

「――みよ!!これが『ひぎ・りょうてもち』だ!!」

火花を噴き出す花火を両手に持って、同時に点火する。
しかし、この程度で驚いてはいけない。
まだまだ、こんなもんじゃないぞ!!
                              ク イ ン テ ッ ト
「そして、これがキンダンのワザ『せんこうはなび・ごじゅうそう』だ!!」

五つの線香花火を纏めて持って火を付ける。
こうすることで、普通よりも大きな球が出来上がるのだ。
ちいさいコはマネするなよ!!

       それから――――。

「イイてんきだな〜〜〜。『あめふってじかたまる』ってヤツですな!!
 ――――あってる??」

トントンと地面を踏みながら、サトリに尋ねた。
その時、園に近付く車の群れが視界に入る。
『帰る時間』が来たらしい。

「なんだかんだあったけど、たのしかったね。
 ハートフルでコミカルで、ちょっとしたサスペンスもあり……。
 で、さいごはやっぱりハートフルで……」

「はじめてみたんですけど、すごくよかったです!!
 しゅやくのふたりがキラキラかがやいてました。
 こどもたちも、とってもかわいらしくて……。
 ラストのアクションシーンも、はくりょくまんてんでしたね。
 ちかいうちに、またみにきたいとおもいます!!
 (16歳女性・清月学園高等部一年)
 ことし、さいこうにわらってなけるえいがナンバーワンかな??
 だいにんきにつき、ぜんこくロングランじょうえいけっていだな!!」

「…………でも、けっきょく『カマイタチ』みられなかったな…………」

思わず、つい声に出してしまった。
それが心残りと言えば心残りだ。
いつか真相を確かめる日が来た時のために、このことは忘れずメモっておこう。

「――あ、そういえばジュリエットはどうなった??」

帰る前に、鶏小屋を覗いてみよう。
昨日は出産間近の状態だった。
もしかすると生まれてるかもしれない。

315天雨 サトリ『10cc』:2018/12/19(水) 23:46:24
>>313(GM)
>>314(夢見ヶ崎)

「…………ええ。自分の中の悪い何かと向き合う、
 とても苦しい事だけれど、きっと大事な事だから……
 それが出来たのは、本当に素晴らしいことですわ」

自分は金持ちだし頭も顔も良いのだが、
人の心を救う経験は今までになかった。
スタンドの力がこの場に導いてくれたなら、
やはり『10cc』は――――上に立つ者にとっての福音だ。

           そして。

「明日美さん貴女多才ですのね!
 このドリンク、相当美味しいですわよ。
 セロリの『可能性』というものを感じますわ!」

            食事や・・・

「ちょっ、およしなさい、危ないでしょう貴女!
 まったく、私が正しい花火のやり方を教えて差し上げますわ!」

                 花火を楽しみ・・・

    ブロロロロ・・・

「正しくってよ。あらゆる意味で。
 まさしく『雨』は恵みの象徴ですわね」

翌日。

ぬかるんだ地面、少し汚れた靴。
ここに来た時とは少し違っているが、
それはきっと『良い方向』への変化だと思う。

「このお話の主役が私達かどうかは、
 まあ、議論の余地があるでしょうけど……
 少なくとも『名優』として、貢献は出来ましたわね。
 私と貴女が揃っていたから『ハートフル』に出来た。
 それは間違いないでしょう……誇っていいことですわ」

夢見ヶ崎のスタンド、そして機知には幾度となく助けられた。
もちろん自分の知恵もあってこそだという自信はあるけど。

「ただ、多少『謎』を残してはいるけれど――
 『映画』も『仕事』も、それが普通かもしれませんわ。
 かまいたちは、起きなくてよかったと思いますけれどね」

結局、この園に悪意をもって仕掛けられた唯一の攻撃、
すなわち『ギボスの写真』については分からずじまいだ。
が、それは今回自分たちに与えられた仕事ではないし、
おそらく『アリーナ』や、もっと実績のある者が当たるだろう。
結果的にアオキのトラウマは緩和されたとはいえ、あれは危険だ。

(報告するまでが仕事。もう少しだけ……気は抜けませんわね)

「皆さん、改めてだけれど忘れ物ややり残しはなくって?
 私は明日美さんと少し鶏小屋を見てまいりますけれど」

鶏小屋に向かう夢見ヶ崎のあとに続きながら、最後の確認をする。
まあ、彼女らは親が迎えに来ているのだし、あまり引き止めるのも悪いが。

316『ペイズリー・ハウス』:2018/12/20(木) 22:36:59
>>314-315(ALL)
貴方は皆で花火を楽しんだ。
 線香花火の裏技は園児達には中々受けたのが記憶に残るし
食事や楽しい出来事は、嵐の中の悪夢を濯ぐに十分な暖かさの日常の一幕だ。
アニマルバスと、親御さん達の車が来るのを視認しつつ裏手に回る。
 鶏小屋を開くと、鋭い目つきのオピネルが最初に出る。そして

ジュリエット「……クー クックゥ」
 
    ピピ   ピヨ  ピヨ

……玉のような、黄金色に輝くヒヨコを連れ立てて。人であれば
微笑んでるような雰囲気のオピネルの番いも共に現れた。

オピネル「 ……クエェッ」 スッ  キラリ……

オピネルは、二人へ近づくと。おもむろに、前足の片方を差し出す。
その鉤爪部分に、二枚の硬貨らしきものが挟んでいる。
 スタンドを備える、中々知性のある鶏だ。恐らく、自分の妻の妊娠に
色々と助けた、彼なりの礼なのだろう……。
 用が済むと、威嚇するような鳴き声と共に自分の子供とジュリエットを
小屋へ戻したあとに自分も戻っていった……。


表に戻ると、アニマルバスが到着する。車も駐車され、カンナやまつり
くぬぎのほうへ両親たちが近づくのが見える。
 
バスから、1人の老婦人が降りる。『砂子(いさご)』だ
それを見て、カンナが声をあげる。

カンナ「あ! 和菓子の、おばあちゃん!」

砂子「あらあら、覚えてくれてて嬉しいわ。前に会ったのは
結構前だったのに。良い子ねぇ
 はい、良かったら胡麻蜜の お焼き。皆でお食べなさい」

……どうやら、砂子は子供達には名前を明かしてはいないが
面識はあるようだ。三人に和菓子を渡したあと、杖をつきつつ
SPらしいバスの他にも乗ってる複数の男女に待機の合図を出しつつ
貴方達に近づく。

砂子「お二人とも、この二日間有難う御座いました。
子供達も、見る限り楽しい時間を過ごせたようで何よりです
……あの子も、前に見た時より大人びた顔になりましたねぇ」

砂子が連れて来た、恐らくはアリーナ関係の大人であろう人達と
何やら話をしているアオキを一瞥しつつ、僅かに遠い目を浮かべ
再度 微笑を保って二人に告げる。

「宜しければ、この二日間。何が大事な事が起きたり
気になる事がありましたら、お話してくださいな。
 私も、出来る限りお答えしますから」

317夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/21(金) 02:52:49
>>315
>>316

「――――へえぇぇぇ〜〜〜〜」

ヒヨコ達と共に現れたジュリエットを見て、歓声を上げる。
無事に生まれたようで何よりだ。
それから、オピネルの方に視線を移す。

「なによ、カワイイじゃないの〜〜〜……おん??」

不思議そうな表情を浮かべて、硬貨のようなものを受け取った。
本当にコインなのか、それに似た別の何かかもしれない。
よく裏表を見て確かめておこう。

「コレって、アイツなりのカンシャのシルシってトコかね??
 ニワトリにしとくにはおしいな!!
 ま、せっかくだしエンリョなくもらっとこう」

もらったものをポケットにしまう。
しかし、今後が気がかりではある。
『スタンド使い』であるオピネルの処遇についてだ。
このまま園で暮らすというのは、やはり考えにくい。
確かに、出産前と比べれば随分とマトモな状態ではあるのだが……。

「じゃあね、オピネル!!ジュリエット!!
 ジカンがあったらコドモのなまえもつけたいところだったけど……。
 アンタらのシアワセは、いのっといてあげるよ!!」

できることなら、彼らには幸せでいてほしいと思う。
もちろん自分には何かを決められる権利はない。
最終的な決定は、アリーナが下すのだろう。

(さて――どーなるのかね……)

そして――イサゴと向き合う。
外国に行くと聞いていたので、まさか直々に現場へ現れるとは思わなかった。
忙しい人間だから、一ヶ所に長くは留まらないということだろうか。

「いえ、こちらこそ良い勉強になりました。
 短い間でしたが、子供達と過ごしたことで、私も少し成長できたように思います。
 その実感を得られたことが、私にとって何よりも大きな収穫です」

人が変わったように丁寧な口調で、イサゴに応じる。
いや、だってSPとかいるし、シツレーなこといったら鉛玉飛んでくるかも。
――というのは言い訳で、本当は単に『そういう気分だった』というだけだが。

「分かりました。『報告』については、主に彼女の方から。
 私からは、何か思い出した時に付け加えさせていただきます」

「――天雨さん、お願いします」

そう言いつつ、少しだけサトリの後ろに下がる。
自慢じゃないけど、こういうことは得意じゃない。
逆に、サトリは得意だろう。
なんといっても、彼女は『オジョーサマ』――天雨家の跡取りなのだから。
『任せる』と言ったことでもあるし、ここはサトリに任せて、
自分は補足のような感じで後から何かしら付け足せばいい。

318天雨 サトリ『10cc』:2018/12/21(金) 10:55:42
>>316(GM)
>>317(夢見ヶ崎)

「あら……こんな気を利かせるだなんて、
 本当に『鶏』にしておくには勿体無いですわ。
 ……勿論、鶏である事が貴方の幸せなのでしょうけど」

           「達者になさい」

オピネルから硬貨を受け取り、礼をする。
硬貨が彼の能力とはとても思えないので、
恐らく実在の品だろう。外国のコインか?

彼の処遇は気になるところではあるが、
嘘をついてもいずれは気付かれるだろう。

               クルッ

そして、現れたイサゴの方に向き直り、
カーテシーのような仕草でお辞儀をする。

「お忙しい中御足労ありがとうございます、イサゴさん。
 こちらこそ、御満足いただけたようで何よりでしてよ」

アオキやくぬぎの抱える問題を全て解決したとは思わない。
だが、自分と夢見ヶ崎に任せられた任務以上の働きはした、と思う。
 
「さて、幾つか早急に報告すべきことがありますので、
 全体のあらましの前にそちらからさせていただきます。
 時系列に沿わない所があるでしょうけれど悪しからず」

夢見ヶ崎の前に出て、報告を始めよう。
それが終わって、家に着くまでが仕事だ。

「まず…………単刀直入に、『ギボス』という男をご存知かしら?
 その男に関する事で二、三ほど報告がございます。
 他の何より、これが一番大事な……重大な報告と言えるでしょう」

時系列を無視することにはなるが、
オピネルの暴走なんかは後回しでいい。
そこには明確な悪意がないから、だ。

だがギボスの写真を施設に残した『何者か』の存在と、
ギボスが(あの謎の女が)語った弓と矢という存在。
これは明確な悪意、あるいは悪の遺志が絡む話題で、
それゆえに大組織であろうアリーナに知ってもらうべき事だ。
金持ちとはいえ一般市民の自分が抱えていても、どうにもならないのだから。

319『ペイズリー・ハウス』:2018/12/21(金) 20:05:21
>>317-318(ALL)

オピネルの『コイン』は、夢見ヶ崎は『赤』く。
天雨は『青』い色の硬貨だった。ゲームや外国の通貨では無さそうだ……。

夢見ヶ崎の説明などには、老婦人はニコニコと笑みを崩さぬまま
軽く相槌など打って耳を傾ける。

>『ギボス』という男をご存知かしら?

しかし、天雨の言葉には流石に和やかに聞く事は出来なかったのだろう。
真顔になりつつ、話しの続きを促して貴方から全貌の概要を聞く。
パソコンへの仕込み、くぬぎのスタンド暴走によりアオキによって産まれた
影のギボスなど……全て聞き終われば、幾分溜息を吐いてから口を開く。

「……ギボス。覚えてますとも、今でもあの男の事はね。
数年前、アオキさんや 他の同年代の子も浚われかけました。あの者達の
組織が活発の頃は、青田刈りと表現するには余りに不謹慎な言葉ですが
未だ我々の保護下にいない者達を浚い、ゆくゆくは彼らの手足となるよう
才能ある子供達を無理やり彼らの組織に連れ去ろうとね……。
 あの男は、私が目にかけてた部下や 他にも何人かの正義を志す者達を
亡き者と化しました。死因も、スタンド能力による自分も含めてアリーナの
者達を道連れにしてでしてね……現場に居合わせていた、あの娘のトラウマ
は相当なものでしょう」

此度は、たまたま上手い具合に物事が進んでくれたようですが。と前置き
と共に、パソコンの仕込みに対し独自の見解を述べる。

「……アリーナも一枚岩ではありません。
職員の中にも、彼等のシンパか ソレに連なる者達が紛れ込んで
可笑しくはないのです。強硬手段に出るような恥知らずが居ない事は
不幸中の幸いですが、陰湿に工作する者達は今も数多く居ます。
 愚かしい事に物事が大きく動いた時にしか解決に乗り出せないのは
恨めしい事ですよ」

『弓』と『矢』についても、彼女は十分深刻な事と理解した様子で
重々しく語る。

「えぇ、スタンド能力を宿す因子を備える『矢』 私もある程度
年を食った上で、幾らかの地位ですが現物は目にした事はありません。
 アリーナの信用おける者の誰かは、知られず所有してると耳にしますが……。
『弓』についても似たようなものですが、アオキさんの能力と『弓』が
合わさる事には懸念を覚えています。決して良い出来事が芽生えるとは思えません
 彼女自身の性質に関係なく、彼等は『弓』の担い手を昔から探してるようです。
無論、私達はそのような未来を断じて認めはしませんとも」

そこで、一旦話を区切った。
 他にも、聞きたい事や掘り下げたい事があれば今の内に聞いたほうがいい……。

320夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/21(金) 21:22:08
>>318
>>319

(しかし、『コレ』なんなんだろーな。
 ニワトリのセカイでつかわれてるオカネか??
 コレでパンくずでもかってこいって??
 『かわせレート』は『1コケ』=90エンくらい??)

それぞれ異なる色のコイン。
ポケットに手を入れて、その感触を確かめる。
普通のコインなら金属だが。

説明はサトリが言ってくれているので、特に口出しはしない。
理路整然とした彼女の報告を、大人しく黙って聞いている。
ギボスに関するイサゴの話は、大体は予想していた通りだ。
アリーナの人間を巻き込んで自滅ということは、あれを使ったということか。
アオキがいなければ、自分とサトリも危なかったし、他の子供達も危険だった。

(『サバジオス』が『ユミ』のチカラをひきだす――か)

エクリプス残党の一部が狙っているのも、そういうことなんだろう。
それが実現することをイサゴは否定している。
当然だろうし、正しいことだと思う。

(ショージキ、ちょっとみてみたいけど。
 でも――これは、いわないほうがイイよね)

一体どんなことが起きるのか、興味はある。
でも、みんなの幸せのためには、
それは現実にならないのが一番いいことなんだろうとも思う。
それでも、この好奇心が消えるわけじゃないけど。

「二日目に来ていただいた『金一さん』には、お世話になりました。
 それから、連れの『二人』――『小林さんとヤジさん』も。
 わざわざ手配してくださって、ありがとうございました」

サトリの報告と、それに対するイサゴの反応が一段落した頃を見計らって、
三人について言及する。
もっとも、金一の名前を出したのは単なる口実で、実際はどうでもいい。
本当に聞きたいのは、それ以外の二人――特にヤジについてだ。
金一についてはイサゴの手配だが、後の二人は多分違うはず。
その辺りの事情について、イサゴの反応を見たい。

321天雨 サトリ『10cc』:2018/12/21(金) 22:22:25
>>319(GM)
>>320(夢見ヶ崎)

(見たことが無い……硬貨?
 そもそも『貨幣』なのかしら?)

謎のコインについては一旦、保留しておく。
おそらくスタンドなどと同じ、考えても答えの出ない物だ。

「成る程……巨大な組織のサガですわね。
 弓と矢のことも含めて、興味深いお話を知れましたわ。
 それに、貴女がとても深い良識を備えてらっしゃる事も」

「お話、心より感謝いたします」

イサゴの言葉にはいくらか『エゴ』も見えるが、
それは『正しい側』に立つ者の『意志』に感じる。
もちろん、巧妙に隠された悪意もあるかもしれないが、
少なくともこの老婆が今、自分達の敵になる事はあるまい。

(弓と矢は『一組』ではない、という事かしらね。
 とはいえここは、あまり掘り下げるべきではないでしょう)

スタンドを生む弓と矢。
手に入れれば『勝者』になり得る、
莫大な力だが……触れるべきではない力だ。

自分は『天雨』という力の中にいて、
いずれそれを率いることになるであろう人間。
余計な欲をかけば、破滅が待つのは必然。

「そういえば――――鶏小屋の雄鶏だけれど、
 イサゴさんは、あの鶏の素性はご存知でして?」

ヤジについては夢見ヶ崎が言及してくれたので、
自分はオピネルについて報告しておくことにする。

「私の『10cc』が見えていたような、気がしましたわ。
 つがいの雌鶏のことになると少し気性が荒くなるようですし、
 小屋の金網はもう少し強靭にした方がいいんじゃあないかしら」

  「『刺激』しなければ、問題ないかもしれませんけれど――ね」

ここに住む『アオキ』や今後ここを訪れる子供達を考えれば、
黙っておいて危険を招くのは絶対にやってはいけない選択肢だ。

あえてギボスの話のあとに持って来た事、
そして雌鶏を攻撃性のトリガーとして挙げる事で、
『家族』を引き裂く選択肢を取りづらくするのは情と言える。

322『ペイズリー・ハウス』:2018/12/22(土) 19:55:37
>>320-321(ALL)

『金一』については、あの子が何か粗相をしなかったかしらと
笑いつつ呟き。そして『小林とヤジ』については、眉を少し顰める。

「……部外者の方ね。あの子(金一)が個人的に雇ったようで
余り軽はずみに他所の方を手伝いに行かせるのは控えて貰いたかったですが。
 報告は、あの子に事後で聞いて注意はしましたけどね。
身元も、こちらで軽く調べた上で。どちらも今の所特筆して不自然な方では
無さそうですけど……何か不安はありまして?」

砂金も、どうやら二人の事を詳しくは把握してないようだ。スパイ行動を
とっていた『ヤジ』も、彼女の部下では無いのだろう。

『オピネル』については、深くなった眉間の皺が和らいだ。

「あぁ、彼ですね。スタンドを出したのは驚いたでしょう?
いえ、貴方がたに。あの鶏達の先頭がスタンド使いである情報を
公開してなかったのは、礼儀に反してましたね。申し訳ありません……」
そう、彼女は背を曲げて謝罪の意を示す。

「ですけど、彼もまた。この園の一部として必要なのですよ。
あの子は、まぁ自分の番いが産卵時期な時は神経過敏ですが……それ
以外で、庇護しなくてはいけない人の子や護らなくてはいけない者について
熟知しております。そうでなくは、あの子達だけで此処に住まわせんよ」

どうやら『オピネル』は一種の『防犯装置』との事だ。

「……この園は。かつてはテロリスト達に対応する為に組織が運用していた
拠点の一つでしてね。自然に囲まれ、見晴らし良く襲撃にも気づける。
激しい抗争でPTSDを発症した者の治療や、重要な密会の場としても
重宝されてました。時経つにつれ 前者の意味合いでギボスの時のように
親を失った子達が里親を見つけるまでの仮の家としての形に至りましたが」

今のように、園児達が暫くの休みを満喫する施設。そう平和に稼働して
貰うのが、園としても喜べるものだと思います。と言葉を終える。

 ……まだ幾らか質疑応答は出来るだろう。もし無ければ、彼女達の
両親がこちらに来そうな感じだ。

323夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/22(土) 21:51:59
>>321
>>322

「いえ、何も。金一さんには私からも『注意』はしておきましたし」

なにしろ、出会い頭に全力の『ドロップキック』をブチこんでやったのだから。
もっとも、アレはどちらかというと個人的な意味合いの一撃ではあったが。
ともかく、これでイサゴが関知していないことは確定した。
とはいえ彼女が知らないのなら、これ以上は聞いても無駄だろう。
身元は洗ったという言葉は、あまりアテにはしてないけど。

「――そういえばヤジさんは、ここのご出身だそうで。
 それなら身元は確かですね。小林さんの方は知りませんけども」

話の最後に、こう付け加えておく。
口では身元は確かだと言ってるが、内心は逆のことを思っている。
イサゴに対して、遠まわしに注意を促すという狙いもある。
まぁ、園の出身かどうかは調べればすぐに分かるだろうからウソじゃないと思う。
だからといって全面的に信用できるとも言えないのも当然のことだ。

「鶏小屋は新しくした方がいいと思いますけどね。
 あれ、かなり古そうに見えますから。
 子供も生まれたことですし、新しいお家に引越してもいいんじゃないでしょうか」

(まったくもう、『ボーハンソーチ』が『ボーソー』してどーすんだよ。
 ソレ、カンペキに『コショー』してるって。
 ウチらだってケガしかけたし、そのへんキチッとやっといてほしいよな〜〜〜)

番犬ではないが、確かに部外者に対する警戒としては意味があるだろう。
しかし、管理が行き届いてないことも事実だ。
あの気性と小屋の老朽化を把握していたなら、今回の脱走も予想できたはず。
防犯装置として置いているものが、
そこで過ごす子供達に危害を加える可能性があっては本末転倒だ。
イサゴは忙しい人間だからなかなか手が回らないのかもしれないが、
何でもかんでもその理由だけで片付けられては困る。

(でもまぁ、ヨソへうつされないのはよかったけどさ。
 さっきもみたけど、フダンはマシみたいだし……。
 あばれそうになったらジュリエットがとめてくれりゃーイイんだけどな)

後は特に言うことも聞くこともない。
しいて言えばイサゴと自分の感覚にちょっとばかりズレがあるのを感じたくらい。
どこがどうなのかと言われると答えにくい。
なんというか、上に立つ人間に特有の物の見方というか……。
たとえば、ここは『いわくつきの物件』と呼べなくもないし、
そこで子供達が暮らすというのは微妙なものがある気がしなくもない。

一緒に仕事をしたサトリからも、感覚の違いは少し感じてきた。
やはり、彼女も『人の上に立つ人間』だからなのだろう。
しかし、サトリから感じる感覚の差は、あくまでも少しだ。
年齢が近いのもあるだろうし、彼女が『跡取り』という立場で、
まだ実質的なトップに立ってはいないのもあると思う。
いずれにせよ、この仕事の間、自分はサトリのことを信頼してきたし、
彼女がいたから成功させられたのは間違いない。

「私からは特に気になることはありません
 イサゴさん、今日は来ていただいてどうもありがとうございました」

会釈して、サトリに軽く視線を向ける。
彼女から何かあれば、それを聞こう。
その間、ポケットに手を入れて例のコインを取り出してみようかとも思った。
イサゴに見せれば、その正体が分かるかもしれないからだ。
だけど、万が一没収されても困るので、それはやめて大人しくしておくことにした。

324天雨 サトリ『10cc』:2018/12/23(日) 00:27:44
>>322(GM)
>>323(夢見ヶ崎)

「ええ。私達は幸い『無傷』ですから。
 礼儀の範疇という事で、その謝罪だけで十分です」

分かり易い作り笑顔を作り、言葉の裏で牽制を掛ける。

もし自分が『ブラック・ムーン』のような、
攻撃性の強いスタンドを持っていたとしたら?
自分が夢見ヶ崎ともども『情』が無かったら?

あるいは『試す』つもりだったのかは知らないが、
少々を通り越してかなり『不用心』な対応と言える。

「とはいえ、私達二人だけでも無力化してしまえましたし、
 『エクリプス』の野望を考えれば、アオキさんは常に危険。
 せめて警備のために常在できるようなスタンド使いが一人でもいれば、
 安心できますわね。いえ、事情を知らない小娘の考えではありますけれど」

ハッキリ言って非戦闘員に近い自分込みでの二人で、だ。
アリーナは人手不足だ、とは言っているものの、
『エクリプスの野望』がアオキを狙っている(いた)という、
重大にもほどがある案件であれば優先的に人は回すべきだろう。

(……ヤジさんの事を警戒していたようだったのは、
 防犯装置としての『本能』のような物だったのかしら?)

オピネルについても防犯の役に立つかはかなり眉唾だが、
イサゴがあの施設の全てを決めてるわけでもなさそうだし、
これ以上は『忠言』になるまい。仕舞いこんでおく。

夢見ヶ崎からのアイコンタクトには、横に軽く首を振って返した。

「――――そうですわね、私からも、それだけですわ。
 大変お忙しい中御足労いただき、ありがとうございました」

       「またご機会がありましたら、どうぞよろしく……」

325『ペイズリー・ハウス』:2018/12/23(日) 22:41:40
>>323-324(ALL)

「えぇ、あの子(オピネル)の事では御迷惑おかけしましたわ
これを機に、少し改装する事にしますよ。新しい家族も出来たようですし」

夢見ヶ崎達の報告から、それとなく裏手の様子を見て事情を察して
戻った部下の話も聞いたうえで砂金は告げる。

「ヤジ……渾名ですかね。まぁ後で金一から詳細を聞いておきましょう
アリーナで会ったと言うのなら、私の管轄外の部門の者なのでしょうが……」


「……アオキさんの事ですけどね」
天雨の声を聞き、少しだけ悲しそうな表情を砂金は浮かべる。

「貴方たちも、ある程度詳しい身の上を彼女から聞いたと思います。
それで……彼女は」

アオキ「そこからは私が話すよ」

アリーナの職員と会話していた彼女は、一先ず話すべき内容は告げ終わった
ようで貴方たちの元に戻って来た。

アオキ「……今すぐって訳じゃないけど。多分 暫く私
この町を離れるか、身を隠すなりする事になると思う。
 この施設でのパソコンの件もそうだけど、エクリプスの動きが
活発化してるようだから……それが落ち着くまでは」

アオキ「ずっと 会えなくなる訳じゃないよ。
ただ……ほんの少し、再会できる時間が先延ばしになるだけだよ
明日美 サトリ」

彼女の事情を考えれば仕方がない事かも知れない。少々衝撃的な
内容ではあったが、これは永遠の別れではない
 いずれ 貴方たちと彼女や子供達が再び交錯する時も来るのだろう。



……その後、各園児たちの両親が二人の元で
子供達の世話への感謝の言葉を贈った。カンナの両親はどちらも
活発そうで、くぬぎの両親は父親は意外にもガタイの良く母親はおっとりしてる。
最後にまつりの両親は、やはり名家らしい天雨のような品格高い雰囲気が
見え隠れしていた。まつりの両親は、二人に粗品を渡しつつ母親は
少し眉を顰める調子でこう零した。

「それにしても、お世話して頂いた手前このような事は余り
言いたくはありませんけど。このような子供だけでたかが数日とは言え
シッターをするのは少々無責任ではありません事?
 せめて、一人でも成人の方がいれば宜しかったのですけど」

そう正論が飛び出してきた。釈明出来れば良いのだが……

326夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/24(月) 00:36:46
>>324
>>325

「――――そうなんだ」

「いや、私もそれでいいと思う。というより、『そうすべき』だよ。
 っていうか、そうするのが『自然』ってもんだね、うんうん」

アオキについては、さほど意外な話でもない。
むしろ、このまま何の対策もしない方が間違ってる。
大きな危険が去るまで身を隠すというのは妥当な判断だ。
そして、喋っている内に少しずつ口調が崩れてきたぞ。
なぜかっていうと、段々と『飽きてきた』からに他ならない。

「まぁまぁ、エンがあったらまたあえるさ。
 ようするに、あとのオタノシミがイッコふえたってコトだな!!
 ウチらのコトわすれんなよ!!」

「あ、そうそう――」

もはや完全に元に戻り、アオキに別れの挨拶を送る。
その別れ際に、自分の鞄から『ツメやすり』を一本取り出し、アオキに渡した。
自分からの『餞別』だ。

「ソレ、あげるよ。ヨソへいってるあいだ、ちゃんと『ツメのおていれ』しときなさい。
 こんどあったとき、そのツメにあう『ネイルアート』をよういしとくから。
 じゃ、そういうコトで――――」

       「 バイバ〜〜〜イ!! 」

アオキに向かって、大きく手を振る。
その姿が米粒みたいに小さくなり、すっかり見えなくなってしまうまで。
『エクリプス』と『アリーナ』の両方から干渉される少女――『アオキ』。
それでも、彼女には幸せでいて欲しいと思う。
自分が思うことは、ただそれだけだ。

        そして――――――。

「いやはや、おかあさまのゴイケンはシゴクごもっとも……!!
 タイセツなオジョーサマをおもうキモチはワタクシよ〜〜〜くリカイしております。
 ですが!!ごあんしんください!!
 ワタクシこうみえても、コトシで『21』でございますので!!
 ネンレイのモンダイにつきましては、いっさいシンパイはございません!!」

一分の隙もない堂々とした態度で、いけしゃあしゃあとデタラメを語る。
まだ二人とも成人してないんだから、納得させるにはハッタリを使うしかない。

      と、まぁ――そうおもって、こういうコウドウにでたワケだが……??

327夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2018/12/24(月) 00:59:11
>>326

まだアオキとわかれてなかったら、わかれるときにてをふるってコトで!!
イマのはアレだ、シミュレーションだから!!いや、シュミレーションだっけ??
コレって、ニラレバとレバニラどっちがただしいかっていうのとにてない??
やっぱり『シミュレーション』なきがしてきたな……!!

328天雨 サトリ『10cc』:2018/12/24(月) 01:23:28
>>325(GM)
>>326(夢見ヶ崎)

「……ええ、それはきっと、『正しい』選択ですわ。。
 貴女は否応なく『力ある者』の宿命の中にいる。
 私の『私情』で、貴女に迷惑は掛けられませんわね。
 ――――私からも餞別ですわ。お受け取りになってくださる?」

              スッ

カバンから新品の『いちご飴』を袋ごと手渡す。
アオキには少なからず情は移っているし、
友人との別れを惜しみたい気持ちはある。

「――――実はこれ、私の家の新製品ですの。
 次に会ったら、是非感想を聴かせてちょうだいね」

              「待ってますわよ」

だからこそ『引きとめる』とか『未練を残す』とか、
あるいは『その品だけでつなぎとめる』事はせず、
再会の『意味』を作るような、ちょっとしたものを渡したい。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・そして。

保護者たちに礼節を以て対応していたが、
まつりのご両親(今後のために顔は覚えた)
の言葉に、思わずピシっと背筋が伸びた。

「あの、奥様、ちょっとよろしくて??
 明日美さん、貴女もちょっと。
 いえ、『気のせい』なら良いんですけれど」

「若い女手二人だけでご不安お掛けしましたのは、
 スタッフのスケジュール管理の不手際などを、
 大変申し訳なく存じあげるのですけれど――――」

    「私」

              スッ

「これでも、『国民年金』を支払っているのですけれど……!?」

森ガールとゴスロリを混ぜたような独特な衣装が、
あるいは雰囲気が年齢を推し量りにくい物にしているのだろうか?

天雨サトリ――――『20代前半』の、立派な『成人女性』である。

329『ペイズリー・ハウス』:2018/12/24(月) 22:11:33
>>327-328(ALL)

アオキ「……うんっ! みんな   ――またね!」


二人からの餞別を受けつつ、彼女は車窓から顔を出して手を振りつつ先に
星見の町中心へ帰り去っていく。
 もう会えない訳ではない それでも別れは寂しいものだ。
いずれ、またこの園で会える時もある。だから 今は笑顔で見送ろう……。


 ……そして。


>これでも、『国民年金』を支払っているのですけれど……

 
くぬぎ「……ぇ」

カンナ「……な」    まつり「……ん」   etc「だっ」


   『――てぇぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!??』


 青空の下で、『ひそひそ星』で過ごした中で一番の大絶叫が迸る。
何事かと、その大声量に鶏達が鳴き出す程だったとか。

 この園での思い出を抱え、夢見ヶ崎と天雨は再度違った運転手の導きで
星見町に戻り家路へと辿り着く。

 そして、『謎のコイン』の効力も段々とか悟れた。
何日かして、二人とも連絡を取り合う事なくとも『偶然』外出する先の
道中などで頻回に顔を会わせる時が、そのコインを携行してる時に限って
より頻回だったから。
 『奇妙な園』の子供達の触れ合いから、『奇妙なコイン』を持ち帰った
貴方たち二人。これから先の未来でも、貴方たちの先に『奇妙な道先』が
待ち受けるのだろう……。


 夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』→『依頼達成 二十万獲得』
 携行すれば、対となるコインを持つ者と引き合う力が強まる奇妙なコイン
                    『ナードマグネット 獲得』

         天雨 サトリ『10cc』→『依頼達成 二十万獲得』
                    『ナードマグネット 獲得』

                   『ペイズリー・ハウス』→終了

330『ペイズリー・ハウス』:2018/12/24(月) 22:28:57

  ……カチ。

?「……で 結果は纏めると失敗かぁ    ……あー、うん
『弓』の真の力を引き出せる子、通称クィーンを数で園を制圧して捕獲
するのも一つの手だけどね。まぁ、優先事項としては中の中
 余り大きく動くと『抑止』が働いちゃうからさ。以前もそれで
痛い目見ちゃったから『エクリプス』も指針が済し崩しに消えちゃったし。
 幾らかフェアでやらないと……あーぁ、面倒だな。

うん 嫌がらせとしてはベストだったかな。
 ま こっからが本番さ。『弓』と『矢』 どちらも一揃いにして
『射手座』を創り上げる。それが最終目標だから

……そろそろ本格的に始動しようか」

……カチ。




 ……ジー。

?「経過報告 特定人事災害対策部門

対象の『アオキ』の心理グラフ及び、アリーナに潜伏していると思える
敵対組織の人為的工作によって彼女のスタンド及び精神が変質化する危惧
を汲み、比較的ダメージの少ない場所で観察するにあたって人の手で扱える
器具型を掌握する特異性の高いスタンド『サバジオス』が濫用されてる
可能性は極めて低く、今の所彼女が以前の事件から精神的ショックによって
自動的に発動する形でのスタンドによる地雷を埋め込まれた『ランク』を
下げる事にする。園児たち及び雇用した者達の素性も危険性は少ない。
 敵の工作痕は発見した。今後も攻撃は継続すると思われる。
それでも我々は最後の一人を処理するまで戦争を続けていく」



                       ……to be continued?

331『ペイズリー・ハウス』:2018/12/24(月) 22:47:11
『野性味と少し硬度に不安あるダイヤのようなハート』 『カンナ』のスタンド

全身を黒と茶色の体毛で、狼男のような恰好へと瞬く間に変身する。
 変身後は獣のような山野を駆け巡る速さと力強さを兼ね備えるが
未成熟ゆえに、その体は出来上がってはいない。それは心も同じ
 喜怒哀楽を全て失くし、心が鉄のようになれば体も同じく鋼のように変貌し
周囲にいるものを全て切り刻む機械獣と変わる。

 『スティール・パンサー』


破壊力:C(B) スピード:B 射程距離:E(1m)
持続力:B 精密動作性:D 成長性:A


『世界は自分を中心に回る そして回すのは自分の手』 『まつり』のスタンド

スタンドの『笏(シャモジのような木で出来たカンペ棒)』のヴィジョン 器具型

この笏で指す 触れた同質、同量の複数の物体は六色の異なる色へと変化する。
スタンドの影響を受けた物体は本体の簡易的な命令を忠実に守りぬく。
 冠位十二階のように、紫の色合いにかけ椅子であれば、より元の材質より
幾らか頑丈になり逆に黒であれば脆くなる。

 『ヴァロッテ』

破壊力:D スピード:E(C) 射程距離:E(C)
持続力:A 精密動作性:E 成長性:A

※:( )は能力の影響下

(※破壊力、頑丈性が元々ある同じバイクであれば
1:A 2:B 3:C 4:D 5:E 6:E- と出来る)

332『ペイズリー・ハウス』:2018/12/24(月) 23:07:41
『小さな身の中に 人々の負う影を斬る心の刃』を持つ 『くぬぎ』のスタンド

彼女は自分自身の意識の中でスタンドを出さない。
 無防備な精神の中でこそ、自身を害そうとする者達に対し
その敵達の自分自身の闇(影)を利用し立ち塞がる。
 ヴィジョンは、倒れた際の頭部を防護するクッション(枕)として
発現するが、それはほんのスタンドの片鱗でしかない。

『コーン(KoЯn)』

破壊力:―(B) スピード:― 射程距離:―(B:家一軒分の範囲)
持続力:意識覚醒まで 精密動作性:― 成長性:A

(※:このスタンドには明確な破壊力・スピード・精密性と言うものは
存在しない。能力の影響下に晒された者の『心の影』によって
スペックは変動していく トラウマのレベルによれば本物より強くなる事も
稀にあるが、基本は弱体している)

『あらゆる手で扱う者達の救世の可能性』を備える『アオキ』のスタンド

彼女のスタンドは、その両手である。
 ありとあらゆる『手で扱えるもの』の真の力を引き出し行使出来る。
単純な道具であればある程に、その引き出す力も強まる。今はパソコンなど
精密器具の脳をオーバフローしそうな物は本人の危機処理により自動拒否
されるが、それもやがてどうなるか誰にも分からない。

 『サバジオス』
破壊力:― スピード:― 射程距離:―
持続力:∞ 精密動作性:― 成長性:B


『エクリプス』 尖兵 あらゆる意味で正道にして忠実なる戦士『ギボス』

黒い刃状のヴィジョン。気体・音など手で触れる事は出来ないが現実に
存在するものを『ミクロブラックホール』のように吸引させ圧縮させ
砲撃のように外部へ放つ事が出来る。
 既に故人であり、影によって形成された存在であるため大幅に
弱体化しているが、生前は効果を及ぼす能力射程も広く
本体自体の戦闘力も高く、歴戦のアリーナの武闘派の幾らかも死傷者を出した。
『弓と矢』の継承者を確保する一件の際、アオキを巡った不注意で重傷を負い
任務の失敗を悟って同行した重要な仲間を逃走する最中に自爆した。
 
 『ブラック・ムーン』
破壊力:C スピード:E 射程距離:E
持続力:―(影の為) 精密動作性:E 成長性:―(影の為)

333アリーナシステムの整理と調整:2018/12/30(日) 08:02:40
☆アリーナとは
 ◆『この町のどこか』に存在する空き倉庫、そこで週に一度、行われている『ファイトクラブ』である。

☆基本システム
 ◆アリーナ
  基本的に『NPCとのバトル』を目的とした『アリーナ』である。
  『アリーナ』には、PCかGMのどちらかで参加が可能である。

 ◆PCとして参加する場合
  PCとスタンド名などの情報を以下のテンプレートに沿って提示すること。
  以下、テンプレート。

  ========================================================================
  ◇『異名』(+適当なカッコいいルビ)
  ========================================================================
  ランカー名:『登録名』
  スタンド名:『スタンド名』
  入場曲:『入場曲』

 ◆GMとして参加する場合
  NPCとスタンド名などの情報を以下のテンプレートに沿って提示すること。
  以下、テンプレート。

  ========================================================================
  ◇『異名』(+適当なカッコいいルビ)
  ========================================================================
  ランカー名:『登録名』
  スタンド名:『スタンド名』
  ランク:『登録ランク』
  ステージ:『ステージ名』
  賞金額:『XX万円』
  入場曲:『入場曲』

334アリーナシステムの整理と調整:2018/12/30(日) 08:04:12
☆基本ルール
 ◇当スレッドでのバトルは原則として、
  ・ 『PC、NPC共にスタンド使いである』
  ・ 『対戦は一対一で行われる』
  ・ 『殺人は不可。決着は再起不能レベルまで』
  この三つを守ってバトルしてもらいたい。
  GMと相談することで条件を外すことも可能であるが、原則的にこのルールに則る。

 ◇勝利条件
  ・対戦相手のノックアウト。
   対戦相手がノックアウトなど戦闘続行が不可能な状態になった場合、勝利となる。
  ・対戦相手のギブアップ。
   対戦相手がギブアップなど降参に類する行動を行った場合、勝利となる。
  ・対戦相手のリングアウト。
   対戦相手の全身が金網、床、天井を超えて、かつ、帰還困難な場合、勝利となる。

 ◇道具の持ち込み
  ・道具の持ち込みは、日常的に手に入って、かつ、危険でない物品に限り、自由である。
   ただし、持ち込みすぎなどの場合、なんらかのペナルティが入る場合がある。
   これらの裁定はレフェリー(GM)次第である。判断に困る場合、GMに相談すること。

335アリーナシステムの整理と調整:2018/12/30(日) 08:06:09
☆『闘技場』ステージのテンプレート。
  参加者は手前(青コーナー)、NPCは奥(赤コーナー)からの入場となる。
  『闘技場』から場外に出たらリングアウトで敗北となる。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は砂やコンクリートなどで、1タイルの大きさは1x1m。素材はGMが選択。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。GMの選択で高さや、素材への変更が可能。
∴:観客席。

PCとの相談により、柱やギミックなどが設置される事もある。(要相談)

―――側面図―――

━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━
┌──────────籠───────────┐
│■      │                        │      ■│
│■■    │                        │    ■■│
│■■■  │                        │  ■■■│
│■■■■└============┘■■■■│
   座席                        座席

横から見た闘技場ステージ図。
『━』は天井、『─』はフレーム。
これは横から見た図であり、実際はフレームは『十文字』。

籠:実況者のいる実況席。
また、天井や座席の一部にはカメラが設置されている。

―――天井付近まで上昇した視点から見た構図―――

∴∴∴∴■■□┃□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□┃□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□┃□□□□■∴∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
━━━━━━━籠━━━━━━━
━━━━━━━籠━━━━━━━
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴∴■□□□□┃□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□┃□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□┃□■■∴∴∴∴

横軸のフレームは実際は太い一本で、がっちりと支えている。
縦軸のフレームは比較的細いが、それでも頑丈に見える。

336『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 08:10:09
==============================================================================================
◇『皇帝之意思』(ザ・フリーダム)
==============================================================================================
ランカー名:アレックス
スタンド名:『キサンドリア』(Xandria)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=NDTmp2XrrA0 (『皇帝出陣』)

アレックスさんですね。
この人に関してはなんと言っていいのかわかりません。
理由は対戦すればわかるでしょう。『意外な一面』が見られると思いますよ。


==============================================================================================
◇『死風迅来』(デスブリンガー)
==============================================================================================
ランカー名:イクストルフ
スタンド名:『ザスター』(Xasthur)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=1ftld7Ohojg (『旧支配者のキャロル』)

ひ弱で小柄な少年です。
ですが、精神のたくましさは中々のものです。
死の風を運ぶ虫人の像のスタンド『ザスター』の使い手です。


==============================================================================================
◇『終焉一刀』(ラスト・ブレード)
==============================================================================================
ランカー名:我道 戦(ガドー イクサ)
スタンド名:『シャビ・トーレス』(Xavi Torres)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=8iSG4jIUkcU (『そばかす』)

和風然とした日本人女性です。
スタンドは日本刀型の『シャビ・トーレス』。
攻防一体の能力を持っているそうです。

337『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 08:10:48
==============================================================================================
◇『大海笑』(ラフィング・シー)
==============================================================================================
ランカー名:ブルバックス
スタンド名:『エクサーツ』(Xcerts)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=wzzD6Y4eqHc (『TSUNAMI』)

漁師の格好をした『海の男』です。
海に関連した破壊力の大きいスタンドを使うそうです。


==============================================================================================
◇『世中金哉』(マネー・イズ・パワー)
==============================================================================================
ランカー名:エキセントリス
スタンド名:『ゼニア』(Xenia)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=A44ZehP53xE (『銭形平次』)

美人ですが、がめつい女性です。
スタンドの名前は『ゼニア』。
……どういう意味かおわかりですね?


==============================================================================================
◇『移気揚々』(ヴァリアブル・ガール)
==============================================================================================
ランカー名:クスクス
スタンド名:『シュシュ』(Xiu Xiu)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=lYmSnjgmu00 (『笑顔』)

含み笑いが好きな白人の女の子です。
小さな体を馬鹿にしていると痛い目を見るのでお気をつけて。

338『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 08:11:11
==============================================================================================
◇『修羅竹林』(グリーン・デスティニー)
==============================================================================================
ランカー名:シエ・チュウ
スタンド名:『チュソ・ジョーンズ』(Xuso Jones)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=U_AY5PZ6RXk (『グリーングリーン』)

拳法家の男性です。
まとうタイプのスタンド『チュソ・ジョーンズ』の使い手です。
バランスがよいタイプなので苦戦するかもしれません。


==============================================================================================
◇『猿陣全開』(モンキー・マジック)
==============================================================================================
ランカー名:ワイルダックス
スタンド名:『エックス・ワイルド』(X-Wild)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=4w3zUgaehfo (『愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない』)

服を着たスタンド使いの猿?です。
なぜ猿?なのかですって?
それは対戦してみてのお楽しみです。


==============================================================================================
◇『材産木録』(ゴールデン・ウッズ)
==============================================================================================
ランカー名:セニョール・エグズ
スタンド名:『ザイモックス』(Xymox)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=SzpvteZH5y0 (『We Are The Golden Eggs』)

木材で一財を成した、恰幅のいい太った白人男性です。
戦い方もなかなか豪快だそうですよ。


==============================================================================================
◇『私刑鞭』(ヘル・タイトロープ)
==============================================================================================
ランカー名:アルケックス
スタンド名:『イグジビット』(Xzibit)
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=HIRfc3ybbPg (『Emotions』)

一結びにした金の長髪と黄色のマスクの男です。
『鞭』のようなスタンドを用いた近〜中距離戦を得意としているようです。

339『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 08:23:28
街を歩いていた水瀬留美子はあるポスターを見つけた。
スタンド使いにしか見えない『特殊なポスター』だ。
そこにはこう書かれていた。

┌─────────────────────────────────────
│『挑戦者募集中!
│ 超高額アルバイト!勝ったら30万円!負けたら悔しい!
│ 危険的な戦闘スリルと魅力的な報酬がアナタを待つ!』

│『連絡先:XXX-XXXX-XXXX
│ 場所:XXX
│ 労災:対戦上で負った全ての傷は当方で治療させていただきます。』
└─────────────────────────────────────

 それを目にした水瀬はポスターを手に、指定された場所……
 『町はずれの倉庫街』へと向かうのだった。

340『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 08:30:55
そして、ここは『町外れの倉庫街』。

立派な倉庫が立ち並んでおり、最低限の明かりもある。
しかし、周囲は薄暗く、あまり活気のある場所とは言えない。
女性一人で来るには少し危険な場所ともいえるだろう。

こんな所に『噂のバイト場所』があるのだろうか?
(『アリーナ』についての噂や知識がある場合、それとの関連性に気づいてもよい。)

>水瀬PC
反応レス及び、【外見】【能力詳細】【持ち物】の提示をお願いします。

341水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/30(日) 13:05:28
>>340

「ウヒッ」


街頭で見かけた胡散臭いチラシにホイホイと誘われてやってきたのは、ただのアラサー女。


「高収入バイトだって言うけど何もないじゃないの!
ひょ、ひょっとして『ドッキリ』ですかな…しかし何故よりにもよって、私がターゲット!?
こ、こりゃあ参ったわフヒヒッ!」

オタク特有の上擦った笑い声を漏らしながら、周囲を見渡します。何かそれっぽい施設はあるのですかな。


【プロフィール】
学生時代虐められたせいで、色々と拗らせたオタク女。
承認欲求を満たすためなら『嘘松』もなんのその。
また友達らしい友達が居た経験もないので他人とコミュニケーションを取るのが苦手で、
本人もその事に関して非常に強いコンプレックスを抱えてある。


【外見】
中肉中背の成人女性。髪型は黒髪のストレート。
欧米人のクォーターだが顔の掘りはそこまで深くない。
全体的に挙動不審。


【能力詳細】

黒い尾を持つ、小柄な人型のスタンド。
尾で触れた『砕屑物』を底なしの泥沼の入り口にする。

『ブラックボトム・ストンプ』
破壊力:B スピード:C 射程距離:D(4m)
持続力:B 精密動作性:B 成長性:D

能力詳細:
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/83

【所持品】
スマホ、メガネ等の日常品の他には、(可能ならば)
500mlのペットボトルに入った砂×2.
500mlのペットボトルの入った小麦粉×1

342『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 14:50:07
>>341
>オタク特有の上擦った笑い声を漏らしながら、周囲を見渡します。

フヒヒヒヒヒヒヒヒ……オーヒョヒョヒョヒョヒョ……キョキョキョロキョロ……

辺りを見回すと……

>何かそれっぽい施設はあるのですかな。

……あった。

とある倉庫の入口にそれらしいサインがあった。
街頭で見かけた胡散臭いチラシと同様の『スタンド使いにしか見えないネオンサイン』が煌々と光っている。
読むと……
┌─────────────────────────────────────
│    『アリーナ:セクションX-II 興行中』

│           『挑戦者募集中』

│ 『このサインを読める方の挑戦をお待ちしております』
└─────────────────────────────────────
と書かれている。
おそらくは、アレが目的の場所だろう。

そして、それが目に留まったとほぼ同時だろうか?水瀬は後ろから突然、声をかけられた。

少年の声「お姉さん、お姉さん。お姉さんはあのサインが見える人?」
少年の声だ。

343水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/30(日) 16:22:22
>>342
「う、うわァ〜〜っ!胡散臭ぇえ〜〜ぇぇェェ!!
セクションXー『II』〜〜ーっ?

続編商法されても某は知らないからピンとこないんだが〜〜ッ!
10年ぶりにあのゲームの新作が登場でメシウマーッと思いきや、
案の定ハードがスマホのソシャゲでズッコケなんだがぁ〜〜ッ!
それに大体世界一ピュアなキスをする『アレ』も『Ⅹ-2』になったら途端につらぽよでぇ〜〜!」


目の前に現れた看板の文字、誰に語るわけでもなく懐疑的な意見を発していたらーー


> 少年の声「お姉さん、お姉さん。お姉さんはあのサインが見える人?」

「んあ〜ッ!ヒ、は、はい!
いや、『スマホ商法』最高ですよね…すみません」

背後を振り向きます。

344『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 16:54:08
>>343
振り向くと……美少年がいた。

なんてったって美少年である。

金髪碧眼!中性的で端麗な顔立ち!年齢15歳くらい!丁寧な刺繍がされたパリッとした衣装!なんかシュッとしてスマートで少し小柄な体型!

人生ボーナスゲームか、この野郎!(GMの表現能力の限界)

act.1
少年 (あ〜、ちょっとヤバい人に声をかけちゃったかな) と言う顔。

act.2
少年 (まぁ、気を取り直して) という顔。

act.3
少年 「お姉さん、あのサインが見えてるね。『僕らへの挑戦者』ってわけだ。僕ら、セクションX-IIの。」

act.4
少年 「ついてきてよ。興味あるなら、案内するよ。」

そういうと、少年は『怪しい倉庫』の入り口へ歩き始めた。水瀬を手招きしている。

345水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/30(日) 17:33:04
>>344

「フヒッ!す、すみません何処かでお見かけした記憶があるのですか、
どのメーカーの『乙女ゲー』に出演されって、ええ〜現実っすかコレ……」

突如として現れた絵にも描けないような『美少年』に思わず言葉を失うが、
どうやら彼が『小銭稼ぎ』の相手らしい。
掛けているアンダーリムのメガネのブリッジを上げる行為を『スイッチ』とし
ダダ漏れになっていた『クソ松』なオタクを閉じ込め、何処にでもいるアラサーの女に切り替え.

「んっ、ありがとうございます。
それではお言葉に甘えてお邪魔します」

少年に続いていく。

346『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 18:05:28
>>345
倉庫の入り口へと歩きながら、少年は話していく。

少年「僕はアレックス。
    『セクションX-II』の看板っていうのかな、そんな感じのことやってる。」

少年「お姉さんは、今回のお仕事と言うか、『アリーナ』は初めてだよね。」

少年「『アリーナ』は簡単に言うと『スタンド使いのバトリング』というか、『闘技場』だよ。
    スタンド使い達のバトルを放映して、収入を得ている団体。」

少年「まず、お姉さんには『ランカー』として登録してもらった後、
    こちらのスタンド使いたちの中から一人を指名してもらう、
    その人と戦って、勝てば丸儲けだし、負けても怪我は治してもらえる。
    あとは……」

>>333-335のルールを説明された。

少年「なにか『アリーナ』について、質問はある?なければすぐに登録に移っちゃうけど。」

話しているうちに倉庫の入口へと着いた。

ここを越えると戻れない気がする。

347水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/30(日) 18:39:01
>>346

「はあ、なるほど、

(地下闘技場で超能力者同士が戦う映像を肴に悪い金持ち達が酒を呑むとか、
ジャンプ的な展開キタコレ!キマシタワァァァァ〜〜〜!
『スタンド』ってあの『中二病』みたいな奴でござろう!
小生の中の中学二年生が荒ぶってるでござるよぉ〜!ハイハイハイハイッ!!
他人が殴りあってるのを眺めて悦に浸る悪いお金持ちのことなんか、
小生はこぉぁるェェ(巻き舌)ぽっちも知りやしませんが、
買ったらお小遣いをゲットってビッグドリームですぞい!
『お正月ガチャ』が控えてるこの時期に臨時収入はでっかいでーす!
小生、今年は多忙で『夏』と『冬』に開催される、異臭漂うオタク百鬼夜行な『アレ』の参加を見送ったのでェェーーーッ!
ここでの『ガチャ代』はメシウマーーーーーーッ!!
此処はやるッキャ騎士(ナイト)ォォ!!!)

ルールは把握しました。ご説明ありがとうございますフヒッ」


脳内を駆け巡る金銭欲と承認欲求で混濁とした邪な感情などおくびにも出さず、
澄まし顔で『アレックス』の話に頷きを挟む。
『水瀬留美子』は浅ましい人間ではあるが、ある程度の『擬態』なら出来る。


「ならばひとつお尋ねしたいのですが、
その『闘技場』にはこちら側が希望する『ギミック』を設置することは可能なのでしようか?」

348『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 18:54:04
>>347
>「ならばひとつお尋ねしたいのですが、
>その『闘技場』にはこちら側が希望する『ギミック』を設置することは可能なのでしようか?」

少年「うん、可能だよ。希望することはできる。」

少年「ただまぁ、こっちもコレがアレだからね」(お金のハンドサイン)

少年「あまりに有利すぎるギミックとかはダメ。一方的な試合とか観客的にコレでしょ。」(テンションsageのサイン)

少年「なにごともバランスってヤツだね。」

少年「希望が叶うかは審判次第、ってとこかな。『誰を相手にするか』でも変わるかもしれない。」

少年「そんなとこだね。」

349水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/30(日) 19:03:15
>>348
「承知しました。ならば大丈夫です。
『闘技場』のお話お受けいたします。書類の提出が必要ならはサインしますが」

350『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 19:18:54
>>349
少年「グッド!」

少年「ザビエル!新規の挑戦者さんだよ!」
少年が倉庫の入り口へと声をかける。

すると、

   ヒュウ……

と風が吹いたかと思うと禿頭(トンスラ)の男が立っていた。

ザビエル「お話、聞かせていただきました。」

ザビエル「この度のアリーナへの登録、誠にありがたく存じます……」

ザビエル「それでは、こちらの書類へとご記入ください。」

↓ のような書類が出された。結構適当である。

┌─────────────────────────────────────
│ ========================================================================
│ ◇『異名』(+適当なカッコいいルビ)
│ ========================================================================
│ ランカー名:『登録名』
│ スタンド名:『スタンド名』
│ 入場曲:『入場曲』
└─────────────────────────────────────

ザビエル「現在登録中のランカーは、>>336-338になります。」
あなたは、>>336-338の情報を得てもよい。

ザビエル「ただ幾人かは、休暇中につき、実際に戦えるのは以下の○がついたメンバーになりますね。」

┌─────────────────────────────────────
│『セクションX-II』戦闘員リスト

│ ○『皇帝之意思』の『キサンドリア』
│ ×『死風迅来』の『ザスター』      →休憩中
│ ○『終焉一刀』の『シャビ・トーレス』
│ ×『大海笑』の『エクサーツ』      →休憩中
│ ○『世中金哉』の『ゼニア』
│ ×『移気揚々』の『シュシュ』      →戦闘不能
│ ○『修羅竹林』の『チュソ・ジョーンズ』
│ ○『猿陣全開』の『エックス・ワイルド』
│ ○『材産木録』の『ザイモックス』
│ ×『私刑鞭』の『イグジビット』     →休憩中
└─────────────────────────────────────

351『セクションX-IIからの挑戦状』(仮):2018/12/30(日) 19:20:04
>>350 追記

ザビエル「どなたと対戦なさりたいか、お選びください。」

352水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/30(日) 23:58:44
>>350

「ザ、ザビエルって宣教師の方じゃあないですよね。
それじゃあ、この『シャビ・トーレス』というのをお願いします」

突如現れた愉快な髪型の人間に動揺しつつも、書類に必要項目を書き込んでいきます。

┌─────────────────────────────────────
│ ========================================================================
│ ◇『黒女王』(コールタール・ウィッチ)
│ ========================================================================
│ ランカー名:『水瀬留美子』
│ スタンド名:『ブラックボトム・ストンプ』
│ 入場曲:『ttps://m.youtube.com/watch?v=G6earlGo0b0』
ジェニーハイ/片目で異常に恋してる
└─────────────────────────────────────

353『黒女王』vs『終焉一刀』:2018/12/31(月) 00:29:21
>>352
あなたは『終焉一刀』の『シャビ・トーレス』に挑戦希望をした。
どこからともなくBGMが流れた。

BGM:ttps://www.youtube.com/watch?v=M4ITkPRHlxk

============================================
          ラスト・ブレード
          『終焉一刀』

          シャビ・トーレス
         『Xavi Torres』
============================================

ザビエル「それでは失礼して……『ザヴィエル・ラッド』!」

       ドシュゥッ!

水瀬の身体の中を『一陣の風』が通り抜けた気がした。だが、それによる違和感は特にない。

ザビエル「……登録作業は、以上でございます。」

ザビエル「それでは、お入りください。」

倉庫のドアが開き、入るように促される。水瀬を祝福するかのように、通路の光がこぼれ出た。

ザビエル&少年「ようこそ、『アリーナ』へ!!」

この先に待つのは栄光だろうか?それとも挫折だろうか……?

    → To be continued......

354水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/31(月) 08:43:08
>>353

「うおっ、まぶし!
っていきなりバロォースタート!?」

あまりの手際の良さに驚いたりしたが、善は急げだ。

「ウヒヒ…、まさかこの歳で『トーナメント』デビューするとは、ヒヒッ。
いやあ修羅場という修羅場をくぐり抜けてきた拙者も興奮を隠せないでござるなぁぁ……フヒッ!」

誰に言うわけでもなくポツリと呟くと、意を決し『闘技場』へと進んでいく。

355<削除>:<削除>
<削除>

356『黒女王』vs『終焉一刀』:2018/12/31(月) 09:07:41
>>355
意を決して、『闘技場』の通路を進んでいった……。

……

今、あなたは『アリーナ』の青コーナーへと続く通路にいる。

アレックス少年やザビエルは『アリーナ』の準備があると言い、途中で別れた。
今、傍らにいるのは、選手のサポートをするという、『黒い背広の女』だけだ。

黒い背広の女「『入場』の『合図』があるまで、この通路でお待ちください。」

黒い背広の女「今回の勝負は両コーナーからの開始となります。
          入場後、青コーナーで『開始』の『ゴング』をお待ちください。
          『ゴング』が『戦闘開始』の『合図』です。」

薄暗い通路の先に、鉄網と青いラインの引かれた道が見えた。
この道を真っ直ぐ進めば、『闘技場』の青コーナーに入場できるのだろう。

黒い背広の女「入場パフォーマンスの有無は任せます。気軽にご提案ください。」

入場パフォーマンスを提案するとセッティングしてくれるようだ。
君は提案してもしなくてもいい。

黒い背広の女「これが、戦闘前の最終確認となります。何か疑問点・要望があればお受けいたしますが……。」

何か質問をするなら今のうちかもしれない。

┌───────────────────────
│ →よし待とう
│   考えながら待とう
│   ダイナミックエントリー!
└───────────────────────

357水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/31(月) 10:15:33
>>356

「入場パフォーマンスは

(陰キャの某には荷が重いですぞぉぉォッ!
そんな『ウェイ』な事、とても考えつかないでござる〜!おろろォォ〜!
此処は『アリーナ』にお任せするのが確実だと思うんだがー)

特に希望はないです。お任せします。
ちなみに何ですが『闘技場』の床の材質はどうなってるのでしょうか?
もう出てしまった以上、今確認しても仕方ないのですが一応念の為に、ね。
フツーに『地面』だと凄く助かるのですが、フヒ」

質問は以上だ。入場の合図を待つ。

358『黒女王』vs『終焉一刀』:2018/12/31(月) 10:31:44
>>357
黒い背広の女「今回の床は……『マットレス』となっておりますね。」

黒い背広の女「タイル状の『マットレス』を敷き詰めた形になります。」

黒い背広の女「ですが、『マットレス』を剥がせば、『地面』が現れるかもしれませんね。なにぶん工事が雑ですので。」

と答えられた。

359『黒女王』vs『終焉一刀』:2018/12/31(月) 10:34:54
>>357
待っていると、『ステージ』からの声が聞こえた。

       『ワーアー!  ワーアー!』

通路の先で、ギラギラと輝く照明が、マットレス敷きの『ステージ』を照らしている。

   「レディィィス ゥアアアンッ ジェントルマアアンッ!」

   「本日の実況はわたくし!謎の覆面解説『レディ・Q』であります!」

         「副実況はわたくし!『セクションX-II』の『ザビエル』です!」

   「みんな!今日は大晦日年越しアリーナに来てくれてありがとうぉぉぉぉぉぉ!!」

      『ウオオオオオオオオオオオオッ!!』
      歓声が響く。

   「みんな!年越しには血沸き肉躍るバトルが見たいよなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

      『イェェェェェェェェェェェス!!』
      歓声が響く。

   「そんな今宵のバトルに来てくれた挑戦者が1人!」

   「羊の皮を被った狼か!はたまた羊の皮を被った羊か!」

   「自分が悪いのか!世の中が悪いのか!どす黒い闇の女王!」

      『ウオオオオオオオオオオオオッ!!』
      歓声が響く。

   「その名も! その名も!」

                     コールタール・ウィッチ
   「青コーナアアア――ッ!   『黒女王』ッ!
           『ブラックボトム・ストンプ』の『水瀬 留美子』――――ッ!」


BGM:ttps://m.youtube.com/watch?v=G6earlGo0b0


  入場曲が耳を弄するほどの轟音で鳴り響く。
  『入場』の『合図』だ。『ステージ』へと入るタイミングだろう。

君はすぐに入場してもいいし、ちょっと待たせてもいい。

┌────────────────
│ →準備オッケー!
│   ちょっと待って
│   そうだトイレに行っておこう
└────────────────

360水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/31(月) 12:19:18
>>358-359

「ん?ごめんなさい、聴こえなかったんですが。
ええい、ままよ!」


心臓が口から飛び出そうな程緊張しているが、せっかく『お膳立て』してくれたのだから、
せめて『黒女王』の渾名に相応しい立ち振る舞いを見せまいと悠揚迫らぬ様子で、ゆっくりと闘技場へと歩いていく。



「フフッ、ど、どうも。どうも。
こんな感じでよろしいんですかね、イェイ」



湧き上がる観客に手を振って応じ、
所定の位置を確かめる為に足元へと目を落としたが、先程歓声にかき消されよく聴こえなかった『黒い背広の女』の回答を理解するーー


「…ッて、
お、
おイイイイイィィィィィィィーーー!!
床に『タイル』ビッシリなんですけどオォォオォォオォォォーー!!!
私、聞いてないんですけどオォォオォォオォォォーーーー!!!
私、こんな足場じゃあ『逆刃刀』を奪われた流浪人なんですがアァァァァァァァーー!!!
薫殿と一緒に東京に帰れないし『紅蓮腕』でワンパンですがァァァーーー!!
この下に徳川埋蔵金でも埋まってるんですか、この野郎オォォオォォオォォォ!!!!!」


床がマットレス貼りという想定外の事実に、思わず押し殺していた『オタク』の人格が一気に噴きあがり、
周囲の観客の存在を忘れ、インターネットでよく見る『銀』の『アレ』が好きな『オタク』みたいなリアクションを取ってしまう。


「こ、これはマズイ!!マズイ!!
あ、あわあわあわあわあわあわあわあわあわあわ」

361『黒女王』vs『終焉一刀』:2018/12/31(月) 13:15:01
>>360
『レディ・Q』 「……」

   ザビエル「……」

      観客『……』

君のリアクションに会場内が一瞬、シィンとなる。

『レディ・Q』 「え、えー。」

『レディ・Q』 「青コーナー、『黒女王』。早くも個性的な面を見せておりますが!」

『レディ・Q』 「この中に一体どんな獣性を秘めているのか、期待が持てるところであります!」

『レディ・Q』がなんとかフォローのコメントを絞り出した。

ステージ内は以下のような感じだ。

〜〜〜地図〜〜〜

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□柱□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□水□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』

362『黒女王』vs『終焉一刀』:2018/12/31(月) 13:16:38
>>361
「一方!一方! 戦闘集団『セクションX-II』からの刺客!」

「手にした刀で終わらせる!おしとやかな外見に隠された切れ味鋭い闘志!」

                    ラスト・ブレード
「赤コーナアアア――ッ!    『終焉一刀』ッ!
              『シャビ・トーレス』の『我道 戦』――ッ!」

BGM:ttps://www.youtube.com/watch?v=8iSG4jIUkcU

入場曲と共にしずしずと、一人の女が対面の位置から姿を現す。

女の姿は武道着に袴、古きよき時代の和装戦闘服と言った佇まいだ。

我道戦「よろしくお願いします。」
女は水瀬の方に丁寧な礼を行った。

   『 イクサッ! イクサッ! イクサッ! 』

   『 今日も真っ二つでお願いするよー! 』

   『 サムラーイ!ショウダウン! 』

   観客から応援の声が上がっている。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□戦□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□柱□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□水□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』
戦:我道戦『シャビ・トーレス』

363水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2018/12/31(月) 20:38:13
>>362
「ハッ!驚きのあまり『腐女子』のテンプレみたいなリアクションをォ…ォォ。
私とした事がぁぁ〜〜〜〜、こんなんじゃあ切ない夜なのにあの人の笑顔を思い出せないよォォ〜〜!」


1人頭を抱えながら闘技場内に流れる大昔のアニメソングの歌詞を引用し
今、全身を支配するこの『羞恥心』を言語化する事で、一刻も早く消し去ろうと試みる。


「ああ〜ッ!よろしくおねがいしますゥゥ!
その、わざわざ『そばかす』を入場曲にするって事は好きなんですか?『流浪人』の漫画ぁぁぁ?

私も世代なので勿論愛読してはいましたが、
やはり『流浪人』よりも『元・新撰組』や『ミイラ男』の方が好きですかね!
『主人公』は『鉄の棒』で人の頭殴っておいて『殺さず』は今考えたら流石にどうかと思いますし!
それに、言っている事は欺瞞に満ちてると思うんですよ!!!!

今『月刊誌』で連載している『新作』も最初は楽しみにしていたんですが、
作者が『児童に関心』で『書類送検』を起こした件ですっかり興が削がれてしまいましたな!!」

オタクが『同士』を見つけた時に駆け寄るスピードは光よりも速い。
数秒前の『失態』の事など既に消え失せた。自分の知っている『アニメソング』を流した『サムライ』とコミュニケーションを取ろうと試みる。

364『黒女王』vs『終焉一刀』:2018/12/31(月) 21:57:12
>>363
   我道戦「そうですね。
        好きなものは好きなんですよ。
        それに、たとえ作者が間違いを犯したとしても、
        その作品には罪はないと思っていますし……。」

『レディ・Q』 「えーっと、試合前の交流はいいことだけどもーーー!
         時間が押してるので、そろそろゴング鳴らしちゃうぜーーー!」

   我道戦「ふふっ……よい勝負にしましょう。」

『レディ・Q』 「それではー! 両者構えて!」
『レディ・Q』 から『構え』の合図が出た。

『レディ・Q』 「ルールはいつも通り!」

『レディ・Q』 「闘士はスタンド使い! 一対一! 殺しは抜き!」

『レディ・Q』 「両者ともにスタンド以外の武器はなし!」

『レディ・Q』 「ナイスファイトを期待してるよォ――ッ!」


   我道戦「『シャビ・トーレス』!」 シャキィィン!

   『構え』の合図とともに、我道がスタンドを発現した。
   『シャビ・トーレス』……噂通りの日本刀のスタンドだ。なのだが、刀身が妙に『赤黒い』……。まるで『鬼滅のなんたら』の刀のようだ。

365『黒女王』vs『終焉一刀』:2018/12/31(月) 22:11:58
>>363
『レディ・Q』 「それでは開始します!」

『レディ・Q』 「レッツ!」  「STAND & FIGHT !!!」

        『カァアア――ンッ』

      開始のゴングが鳴った! 戦闘開始だ!


   我道戦「参ります……!!」

   バッ……我道がその日本刀のスタンドを上段に構えた。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□戦□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□柱□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□水□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』
戦:我道戦『シャビ・トーレス』

366水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/01(火) 20:37:15
>>364
「か、刀ァァァー!!!キタコレーーー!!!!
日本刀を擬人化したボーイズラブなユニットが紅白歌合戦で歌うこのご時世に『日本刀』ォォーーーーーッ!
『スタンドガチャ』の『SR』来ちゃったァァーーーーー!
その『ガチャチケ』は何処で手に入るのですかなッ。
我も是非おこぼれに預かりたいですな!!!」


『我道戦』が発露した見るからに禍々しい『それっぽい』日本刀に思わず大興奮。
メガネのツルを上下に動かし、じいっと凝視。


「我は基本的に『売れ線』に走りがちなのですが、元々は『雑食』ッ!!
『ジャンプ』は勿論、『BL』やゴリッコリの『エロ』もなんでも食うポリバケツですがぁぁーーーーーッ!!
こんな『ネタ』を提供されてしまったら、来年の我の『薄い本』が厚くなってしまい、アッーーーーーー!!!!!!!」


ゾギョン


≪パミィィーーーーッ!≫

傍に『ブラックボトム・ストンプ』を発現。
鼻息荒げながら、『我道戦』との距離を詰めていく。

367『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/01(火) 21:27:32
>>366
    ≪パミィィーーーーッ!≫

君は刀を凝視しつつ、スタンドを発現し、我道に接近!!

「面白い方……」
彼我の距離 11m!

「……そして、来ますか!
 この『シャビ・トーレス』に正面から!」
我道が刀に力を込めたのが見える。

彼我の距離 10m!

「ならば応えましょう!」
我道の上段に構えた刀がゆらりと揺れたかと思うと……

彼我の距離 9m!   だが、まだまだ刀の届く距離では……

「壱の太刀!」
刀がフッと高速で振り下ろされ……(スピード:B)

「赤閃ッ!」
       ビュンッ!
なんと!縦一文字の『赤い剣閃』を放った!

     シュパーーーーーーーーーーーーッ!
『赤い剣閃』が水瀬へと迫ってくる!
直線的ではあるが、人の剣技とは思えぬ、かなりのスピードで!(スピード:B)

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□戦□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□↓□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□↓□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□↓□□□□□■∴
∴■□□□□□閃□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□柱□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□水□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□↑□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□↑□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□↑□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』
戦:我道戦『シャビ・トーレス』
閃:赤い剣閃。水瀬目がけて一直線に飛んでくる。

368水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/01(火) 22:02:41
>>367
「オゲェーーーー!!百八煩悩砲ーッ!!
第1話で飛ぶ斬撃ィィィィィィィーーッ!!ありえないッ!
初手でそんな大技を使ってくるとは『アリーナ』は初心者に厳しいのだがーッ!」

想像の片隅にはあったが、いきなり飛来して来た『飛ぶ斬撃』に驚愕の声を漏らす。

「だが」

その軌道は偉く『直線的』な上、『縦一文字』だ。いくら速度があろうともこの距離なら避けるのは容易い筈。
大きく、一方(左)斜め前に前進し回避ッ!


「そしてッ!こちらも『壱の秘拳』って!
えーっと、ええい『炎殺黒龍波』ァァーーッ!!」

『ブラックボトム・ストンプ』のその小柄な体躯に似つかない獣のような膂力を用い、
床に貼り付けられた『マットレス』をPK戦のサッカー選手のように蹴り上げ、
その精密さを活かし刀を振り回してる『我道戦』めがけ吹っ飛ばす。(ついでにマットレスの下の『床』を確認したい)

369『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/01(火) 22:42:53
>>368
高速で飛んでくる『赤い剣閃』に対し、回避を選択!

     ビシュンッ!

すんでの所で回避は成功!
水瀬の真横を『赤い剣閃』は奔っていった!

我道「なるほど……少し間合いが甘かったですね。
    逆を言えばもう少し、近づけば……でしょうか。」

>その精密さを活かし刀を振り回してる『我道戦』めがけ吹っ飛ばす。
そして、反撃に『ブラックボトム・ストンプ』でマットレスを吹き飛ばす!

    バッコォォォン!!!

我道「ふむ……マットレスを飛び道具に……。
    しかし、間合いの甘さはお互い様と言ったところでしょうか。」

スッ……

スピードと間合いの関係もあってか、我道は無駄な動きもなく、かなりの余裕をもってマットレスを回避した様子だ。
しかし、移動スピードは人間並み……と言ったところだ。
先程の剣技のハンドスピードと比べると、そのスピードは圧倒的に劣っている。

そして、お互いに近づいた結果!
彼我の距離 5m!

我道「この距離ならば……!」
チャキッ……我道が刀を構え……

>(ついでにマットレスの下の『床』を確認したい)
横目でちらりとマットレスの下を確認する……マットレスの下は『地面』だ。『土』の『地面』がある。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□◇□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□戦□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□◆□□□柱□■∴
∴■□□□□水□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
◇:飛んでいったマットレス。
◆:地面。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』
戦:我道戦『シャビ・トーレス』

370水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/02(水) 18:11:08
>>369

「オーホッホホ!オーホッホホ!!
また斬撃が来るのですかな。こりゃあ参りましたな!
これは某もここから『名誉卍解』しなければならないですな!
さーて、来週のマットレスの下はッ!」

剥がした床の下の『地面』を一瞥し、『沼』化できそうか確認しておきたい。
(ある程度『砂』があるのならば可能な筈)


「あーッ!ヤバイッ!果たしてこれはッ!どうなってしまうのでしょう。
こんなに怖い思いをしたのは中学生の時に初めて『アニメショップ』に入った時以来ですゥー!
ふへへ、ふへッ!
偉い人も『虎の穴に入らずんば薄い本を得ず』と申しましたがッ!
やっぱり、こ〜わ〜い〜!おろろ〜!!!!!」


『飛ぶ斬撃』が来ると予想したが、やはり怖いッ!
なのでここは一度、足を止め『我道戦』の様子を見る。

371『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/02(水) 19:32:55
>>370
>剥がした床の下の『地面』を一瞥し、『沼』化できそうか確認しておきたい。
『沼』化できそうだ。

>なのでここは一度、足を止め『我道戦』の様子を見る。
君は足を止めて、相手の様子を見る。

相手は……

我道戦「……取りに行く!」
一足で一気に距離を詰めながら、斬り込んできた!

我道戦「壱の太刀!」
刀がフッと高速で振り下ろされ……(スピード:B)
       ビュンッ!

我道戦「赤閃ッ!」
水瀬目がけて縦一文字の『赤い剣閃』を放った!
やはり速い……!(スピード:B)

     シュパーーーーーーーーーーーーッ!

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□◇□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□↓□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱↓□□□□□□■∴
∴■□□□□↓□□□□□□■∴
∴■□柱□□戦□□□□□□■∴
∴■□□□□閃◆□□□柱□■∴
∴■□□□□水□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
◇:飛んでいったマットレス。
◆:地面。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』
戦:我道戦『シャビ・トーレス』
閃:赤い剣閃。水瀬目がけて一直線に飛んでくる。

372水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/02(水) 19:54:54
>>371
質問です。『我道戦』は一足で一気に距離を『3m』移動したのですか?
(マップ情報を見た限りではそう思えましたので)
大変お手数ですが回答をよろしくおねがいいたします。

373『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/02(水) 20:08:05
>>372
>質問です。『我道戦』は一足で一気に距離を『3m』移動したのですか?
YES。
待ちの水瀬に対し、飛び込み斬りに近い形で一気に移動してきた。
待ちの態勢を取っていたので、近づかれる前に反応のレスをしてもいいが、接近されることには変わりがない。

374水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/02(水) 20:37:40
>>371>>372

「キターーーッ!!『飛飯綱』ッ!

ひょっとして貴女は『石動雷十太』先生のフォロワーなのですかッ!
確かに『先生』は周りが『チャンバラ』やってる最中、1人『飛び道具』を使って『ガチ感』を出していたのですが、
いかんせんメンタルが豆腐で、『流浪人』風情に敗北してしまいましたがッ!」


先程と違い既に『飛ぶ斬撃』は見ているし警戒もしている。
『様子』を見るという事は『警戒』すると言う事だ。
こちらも『案山子』ではないのだから、『我道戦』が『人並み』のスピードで一気に『3m』のも距離を詰めてきたのならば、
流石にこちらも何かしらの『反応』ができる筈だ。
なので一方的に『零距離』まで移動される事はないだろう。


「ンフォッ!妊娠確実ッ!
先生!日本の剣術の未来の為、我に力をッ!!!」


更に言えば、『斬撃』はまたも『縦一文字』で、その軌道はひどくわかりやすい。
なので必死で斬撃をマットレスを剥がした方向へと回避し、
『ブラックボトム・ストンプ』に生えている『尻尾』を振るい地面スレスレでの軌道の『足払い』を『我道』に放ち転倒させたい。

375『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/02(水) 21:39:58
>>374
君は『赤い剣閃』を回避しつつ、スタンドの『尻尾』での『足払い』を仕掛ける!

まず、『赤い剣閃』の回避……成功!
水瀬の横を『赤い剣閃』は奔っていった!

そして、スタンドの『尻尾』での『足払い』……!

我道戦「ハンドスピードはこちらが上!」

だが、我道もまた『案山子』ではない。
振り下ろした刀を素早く返し……(スピード:B)

我道戦「壱の太刀!」
   ヤバい!これは『尻尾』と『交差するような横軌道の斬撃』……!(スピード:B)
                  『尻尾』を引くべきか?引くべきではないか?

       ビュンッ!

我道戦「赤閃ッ!」
   しかも、同時に『赤い剣閃』を放とうとしている!
                  『横軌道』の『赤い剣閃』!

      ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
おそらく『どちらかには当たってしまう』。

水瀬とスタンドに取捨選択を迫る『通常の斬撃』と『赤い剣閃』!!

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□◇□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□柱□□戦□□□□□□■∴
∴■□□□□刀黒□□□柱□■∴
∴■□□□□□水□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
◇:飛んでいったマットレス。
◆:地面。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子
黒:『ブラックボトム・ストンプ』(◆地面の上)
戦:我道戦
刀:『シャビ・トーレス』(『赤い剣閃』を放ちながらの斬撃)

376水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/03(木) 20:07:15
>>375

質問です。

・我道は速度差を用いてこちらが『尻尾』を振るうと同時に刀を素早く返した、とありますが
この『軌道』は『横薙ぎ』のような斬りかたと考えてよろしいでしょうか?
また水瀬は斬りはらいと同時に『赤閃』を出すのを予期したとの事ですが、
これは『我道』が「赤閃」と言葉を発した事で直感的に予期できたという事ですか?
それとも『日本刀』から『赤閃』の予兆が見えたのでしょうか?あるいはもう放たれてますか?

また『赤い剣閃』は通常の『斬撃』の軌道をなぞる様に放たれる、と描写されていますが、
同じ軌道で放たれるならば延長線上にいる『ブラックボトム』と『水瀬』の『取捨選択』の意味がよくわかりません。
大変お手数ですが、ご返答の方よろしくおねがいします。

377『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/03(木) 20:47:20
>>376
>・我道は速度差を用いてこちらが『尻尾』を振るうと同時に刀を素早く返した、とありますが
>この『軌道』は『横薙ぎ』のような斬りかたと考えてよろしいでしょうか?
『横薙ぎ』に近いが、ななめ要素もある。
少なくとも『ブラックボトム・ストンプ』の尻尾と交差する軌道。
地図で言う『刀』の位置から『黒』の範囲を斬ろうとしている。

>また水瀬は斬りはらいと同時に『赤閃』を出すのを予期したとの事ですが、
>これは『我道』が「赤閃」と言葉を発した事で直感的に予期できたという事ですか?
>それとも『日本刀』から『赤閃』の予兆が見えたのでしょうか?あるいはもう放たれてますか?
『日本刀』から『赤閃』の予兆が見えた。刀から『赤い何か』が放たれつつある所。

>同じ軌道で放たれるならば延長線上にいる『ブラックボトム』と『水瀬』の『取捨選択』の意味がよくわかりません。
・我道と『ブラックボトム』との戦闘を中心に描写しているが、
 『赤閃』の範囲的に、場合によっては、『ブラックボトム』の後ろにいる『水瀬』も巻き込まれるということ。
・何を避けて、何を避けないのか、『取捨選択』をする必要があるということ。
・少なくとも『無傷で全てを避ける』のは難しい状況であるということ。
を表現したかったのですが、伝わらなかったら、申し訳ありません。

378水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/03(木) 21:47:23
>>375

「ンゴ〜〜wwwwww
なんという挙動の速さッ!我でなければ見逃してしまうニキ〜〜ッ!
た、助けてくれメンス〜〜!!!」


いくら『速度差』があるとはいえ、こちらの行動の間に『二挙動』を行えるとは全くもって『想定外』だ。
この先も同じような手で責められたら、『泥沼』だ。


「なあんちゃって」


あえて『足』ではなく『尻尾』を使って攻撃を仕掛けたのには理由がーー『ある』。
床に触れる軌道で『尻尾』を振るったのは、露出した『地面』に触れる事で『底なし沼』化する為だ。
(>>374メル欄)
振るった『尻尾』を持ち前の『精密さ』を活かし、『底なし沼』化した『地面』の中へとズブブと沈め、迫る横薙ぎの『斬撃』を『空振り』させ回避する。


交差する『尻尾』の先目掛け放った『斬撃』と同じ軌道の『飛ぶ斬撃』が『スタンド』の真後ろにいる『水瀬』に当たるとは到底思えない。
『尻尾』を狙った軌道はかなり低いはずだ。
ならば『赤閃』は『床』に向かって進んで行き、水瀬は勿論『ブラックボトム』にも届かずそのまま『床』を切り裂くだけに終わる筈。
ーー『取捨選択』など必要ない。これだけで回避できる。


「ハァーッ! ハァーッ!ゼーッ!ハァーッ!
格ゲーでェー!『必殺技』使いがちな奴はァー!
ガードされた時の『硬直時間』を軽視しがちィィィィィヒィィィィィィィ!!
拙者は『ウメハラ』なんだッ!誰がなんと言おうと『ウメハラ』なんだッ!ウヒヒ!!」

≪パァミイィィィィィィィーーーーー!!!≫


ビチャ!ビチャ!ビチャ!


そして『底なし沼』に潜らせた『ブラックボトム』の尻尾を払い上げ、
『沼』の中に存在する『コールタール』のようにどす黒い『泥』を飛ばし、
思い切り刀を振り抜き硬直しているであろう『我道』目掛け『泥』の『目潰し』を放つ。

379『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/03(木) 23:11:03
>>378
>交差する『尻尾』の先目掛け放った『斬撃』と同じ軌道の『飛ぶ斬撃』が『スタンド』の真後ろにいる『水瀬』に当たるとは到底思えない。
>『尻尾』を狙った軌道はかなり低いはずだ。
>ならば『赤閃』は『床』に向かって進んで行き、水瀬は勿論『ブラックボトム』にも届かずそのまま『床』を切り裂くだけに終わる筈。

ちょっと位置関係を整理します。

[上から見た図]
 戦
 刀黒
   水
 ↑

[↑方向から見た図。簡略化のため、剣閃は画面に対し垂直方向に進むものとする。]
刀の軌道(実際はもう少し横薙ぎだが)


  \
   \――― ←回ってくる尻尾の足払い
――――――
地面   \
       ┘
      剣閃はこの方向(床)に進むわけではなく、画面に対し垂直方向に進む。

という処理なのですが、納得いきますか?

(納得いかないようでしたら、そちらの解釈を優先します。長い議論は不毛なので。)

380水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/03(木) 23:39:57
>>379
こちらの質問不足にも一因はありますが、
現在に至るまで『剣閃』の方向や軌道に関する明確な描写がなかったですし、
この局面で『斬撃』と『剣閃』の軌道が違うと言われてもやはり納得できません。
我を通す形になってしまいますが、今回のレスだけは私の解釈を優先して判定して頂きたいです。

また危険度難易度CCとは言え、解釈違いですれ違った結果、ペナルティを追うのだけは避けたいので、
今後、『斬撃』と『剣閃』の方向性が違う場合は描写を希望します。
大変申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

381『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/04(金) 05:12:01
>>380
>今後、『斬撃』と『剣閃』の方向性が違う場合は描写を希望します。
極力努力はします。しかし、希望に沿えないケースもあるでしょう。

>>378
君のスタンドは尻尾に迫った『斬撃』と『赤い剣閃』を『底なし沼』に沈めて回避した。

         ズブリズブリ……!

   ただ、予想と違ったところが一つ……
   『赤い剣閃』は床を切り裂くものと思ったが、一瞬びしゃりと『赤い何か』が床に広がり、そして消えた。
   床に傷はない……『赤い剣閃』は『斬撃』を飛ばすわけではなく、『赤い何か』を飛ばしているようだ。

そして、君のスタンドは『我道戦』目掛け『泥』の『目潰し』を放つ。(ス精CB)

         ≪パァミイィィィィィィィーーーーー!!!≫
             ビチャ!ビチャ!ビチャ!

我道戦「ぐぅっ……!」
ハンドスピードに優れていてもこれは防ぎきれない。
刀を避けられたのも、『泥』が出てくるのも予想外、液体はなおのこと避け辛い。
『泥』は我道戦の目に直撃した。

我道戦「身を……身を守らなくては……!」
泥を喰らった我道は怯んだかのように一歩下がったかと思うと……

我道戦「『シャビ・トーレス』!」

我道戦「弐の太刀!黒鎧!」
赤黒い刀から『黒い何か』が移動し、我道の身体を覆っていく!(スB)

            ゾワワワワワワワワ

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□◇□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□戦□□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□黒□□□柱□■∴
∴■□□□□□水□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
◇:飛んでいったマットレス。
◆:地面。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子
黒:『ブラックボトム・ストンプ』(◆地面の上)
戦:我道戦『シャビ・トーレス』

382水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/04(金) 21:38:12
>>381

「おっほォッ!大成功ッ!
実況の『レディQ』氏とオーディエンス様、今の手はどうしでしたかァぁ〜?」


場内を盛り上げる為に上擦った声で精いっぱい喜びを表現するが、
そこで放たれた『斬撃』の『異変』に気付く。


「ややッ!!!これは明らかに異常ッ!!!
名探偵水瀬氏は今のは『血液』なのではないかと思ったんだがァ〜〜。
『血』で『鉄分』をウンタラカンタラしてるのならば、『黒鎧』の正体は『鉄』だと考えらレール!
エリエール!けれどこの推理は頭がしあわせ素肌!
ちなみに私は『サイドギャザー』ですが!!」


『我道』は一旦距離を取り『守り』に入る事を優先した。
顔の『泥』は付着したままーー隙だらけだ。
この機に乗じない手はない。『沼』に落ちた犬は沈める。


「ならば、我も『第二の奥義』を思いつき…ではなく、
使わせてもらいますぞ!

滲み出す混濁の紋章、不遜なる狂気の器、
湧き上がりィ、否定し、痺れ、瞬き、眠りを妨げる
爬行する鉄の王女!絶えず自壊する泥の人形!
あと、えっと、ええい!『黒棺』ッ!!!」


『我道』はわざわざ「守りを固める」と宣言し、全身を『黒い何か』で覆い始めた。
ならば、『何か』の正体が『硬度』を与えるものである可能性は充分にありあえる。
ここから意気揚々と殴りかかったが、『我道』が固かった為ダメージは通らなかった場合を考慮し、ここは殴りかかるのではなくーー


≪パミィィーーーー!!!≫ ガシィ!


『ブラックボトム』の小柄な身体をめいいっぱい捻らせ、その両手で『我道』の足元に敷かれた『マットレス』を力いっぱい引っ張りその上に立つ『我道』を転倒させたい。パス精BCB。
『我道』を覆う『黒い何か』は床を巻き込んでいない。ならば床には『固定』されていない筈だ。
『ブラックボトム』に『鉄板』に穴を開ける程の『膂力』はないが、
『鉄』を持ち上げる程度の『腕力』はある。
なので此処は『ブラックボトム』の能力を『過信』するのではなく、『敵』である『我道』の『言葉』を信じるべきだ。

383『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/05(土) 20:54:36
>>382

   ≪パミィィーーーー!!!≫ ガシィ!

君のスタンドは追撃に我道の足元の『マットレス』を引っ張り上げる!

   ズルンッ

成功!

我道「きゃぁっ!」
目が見えず、顔の泥を取ろうともがいていた我道は……

   ガインッ!

受け身も取れずに転倒した!硬い音を立てながら!

我道「うっ……ぐぅっ……」
我道は転倒した衝撃と顔の泥でもがいている!

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□◇□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□戦□□□□□□■∴
∴■□柱□□□黒□□□□□■∴
∴■□□□□□◆□□□柱□■∴
∴■□□□□□水□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
◇:飛んでいったマットレス。
◆:地面。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子
黒:『ブラックボトム・ストンプ』 (手にマットレス持ち)
戦:我道戦『シャビ・トーレス』(転倒) (◆地面の上)

384『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/05(土) 20:55:44
>>383
   レディ・Q「うーん、これはいい手です!我道選手なすすべなく、スッ転びました!」

   レディ・Q「そして水瀬氏、我道の能力を『鉄』と読みましたが、副実況のザビエルさんこれはどうでしょう!?」

ザビエル「うーん、かなり近い……とだけ言っておきましょう。」

   レディ・Q「それでは、ぶっちゃけの『お年玉クイズボード』を出してみましょう!」

   レディ・Q「当たれば、賞金に『レディ・Q』ちゃんからのお年玉『3万円』をプラス!」

ザビエル「お年玉3万円!これは大きく出ましたね!」

   レディ・Q「これで正解したらスゴイですよ。」

   レディ・Q「なにせ、我道は能力を出す暇をほとんど与えられてませんからね……」

ザビエル「そうなんですよ。『セクションX-II』の一番槍としての本領を発揮してほしい所であります……。」

385『黒女王』vs『終焉一刀』お年玉クイズボード:2019/01/05(土) 20:59:15
>>384
※○の数は適当。大体当たっていれば正解。不正解のたびに金額が下がる。

  ┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
  |                    スタンド名―『シャビ・トーレス』
  |                          本体名―我道 戦
  ├――――――――――――┬――――――――――――┬――――――――――――┤
  |       破壊力─?         スピード─?※         射程距離─?
  ├――――――――――――┼――――――――――――┼――――――――――――┤
  |       持続力─A         精密動作性─?        成長性─E
  ├――――――――――――┴――――――――――――┴――――――――――――┤
  |                能力─ ○○○○○『日本刀』の像のスタンド。
  │                     対象を○○○○○○能力を持つ。
  │                     他者に○○○○○○○○○○○○。
  └──────────────────────────────────────┘
             ※本体の移動スピードはC

    A-超スゴイ     B-スゴイ     C-人間と同じ     D-ニガテ     E-超ニガテ

386水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/05(土) 23:34:40
>>383-385

『黒い何か』が移った『日本刀』の見た目はどうなってあるのだろうか確認する。
刀身から『黒』が抜けて『赤単色』になっているのだろうか?


「おぉっ!適当に言ったのに『近い』とはー!
フヒへッ!余計に『ガチャ』を回す為にここは水瀬氏いっちょ張り切るんだがー」


『ブラックボトム』と水瀬は共に一歩前進する。
またその際に『底なし沼』を『無視』して移動するようにしておく。


「う〜ん!う〜ん!『我道』氏は私の『同志』ですからねェ〜!
私と同じく『ユニーク』な一面がありますしぃ!
ここは『シャビ・トーレス』の『シャビ』を『錆』とかけていると読んで、
ずばり『我道』氏は『錆』を操る『使い手』だと予想しますぞぉぁ〜〜!」


「あ、そだ」


「ところで『我道』氏ィ、つかぬ事をお尋ねしたいのですがァ〜〜、
『和服』の下って『履かない』って本当ですかぁ?

あッ、いやいや!変な意味はないのですよ!
我はノンケですからなッ!百合は二次元に限ります!フヒッ!
…けれど、もし『ノーパン』ならある意味とても『ラッキー』ですぞッ!」


ただ『我道』を転倒させるのが目的なら『マットレス』を『テーブルクロス抜き』のように最低限の動作で引っ張るだけでいい。
態々、スタンドの体躯を派手に捻らせる必要がない。
勿論、この動作にも理由がーー『ある』。

それは『ブラックボトム』の小柄な身体を派手に捻らせる事で、
そのヴィジョンの延長線上にある全長1mの『尻尾』を『我道』の足元の『地面』に触れ『沼』化する為だ(>>382メルラン)。
上記の行動が成功しているのならば『我道』の足元は既に『1m×1m』の『底なし沼』だ。


「だってオキニの下着を汚さずに済みますからなッ!」


受け身を取れず転倒した『我道』の身体は『沈む』。
『ブラックボトム』の『底なし沼』に『吸引力』などはない為、
『我道』はちょいと身体を使えば這い上がれるだろうがーー


≪パァミィィーーーーー!!!≫

手に持った『マットレス』を間に噛ませ、
倒れている『我道』の身体を思い切り踏み付けて、更に沈める。パス精BCB。
『マットレス』越しに『我道』を蹴れば『黒い何か』が『ブラックボトム』に直接触れる事はない筈だ。

387水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/05(土) 23:35:26
>>384

┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
  |                    スタンド名―『シャビ・トーレス』
  |                          本体名―我道 戦
  ├――――――――――――┬――――――――――――┬――――――――――――┤
  |       破壊力─?         スピード─?※         射程距離─?
  ├――――――――――――┼――――――――――――┼――――――――――――┤
  |       持続力─A         精密動作性─?        成長性─E
  ├――――――――――――┴――――――――――――┴――――――――――――┤
  |                能力─ 『錆』を纏った『日本刀』の像のスタンド。
  │                     対象を錆び付かせる能力を持つ。
  │                     他者に付着した『錆』はその肉体を蝕んでいく。
  └──────────────────────────────────────┘
             ※本体の移動スピードはC

    A-超スゴイ     B-スゴイ     C-人間と同じ     D-ニガテ     E-超ニガテ

388『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 00:09:33
>>386
>刀身から『黒』が抜けて『赤単色』になっているのだろうか?
赤黒いままだ。
(目の付け所は良い。)

>受け身を取れず転倒した『我道』の身体は『沈む』。
我道戦「な、なに……地面がッ!?」
君は!既にッ!地面を『底なし沼』にしていた!

       ガボンッ!!!

我道戦「シャ、『シャビ・トーレス』……能力を解除し……!」
『底なし沼』に沈む我道は能力を解除して、這い上がろうとするが……

>手に持った『マットレス』を間に噛ませ、倒れている『我道』の身体を思い切り踏み付けて、更に沈める。パス精BCB。
君のスタンドの容赦のない『踏みつけ』が我道の体を更に沈める!

我道戦「ガッ……ガボッ……」
もろに喰らった我道戦の姿がみるみるうちに『底なし沼』の中へと消えていく……。

(君はメール欄を見てもよい。)

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□◇□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□柱□□■∴∴
∴■□□□柱□□□□□□□■∴
∴■□□□□戦黒□□□□□■∴
∴■□柱□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□水□□□柱□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□柱□□□■∴
∴∴■□□柱□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床は白いマットレス。一辺の大きさは1x1m。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
◇:飛んでいったマットレス。
◆:地面。
∴:観客席。
柱:コンクリートの角柱。壊せば壊れる。
水:水瀬留美子(◆地面の上)
黒:『ブラックボトム・ストンプ』 (手にマットレス持ち)
戦:我道戦『シャビ・トーレス』(沈降中)

389『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 00:10:09
>>386
   レディ・Q「あーっと!強力な踏みつけが決まったァーーーッ!」

   レディ・Q「我道選手、沈みます!沈みます!これはもう決まったかァーッ!」

ザビエル「うむ、これはもうほぼ決まったようなものですね。」

390『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 00:10:53
>>387
   レディ・Q「そして、お年玉クイズボードですが……」

ザビエル「うーん、惜しい!2行目まではほぼ合っております!非常に惜しいのですが、ここは不正解としておきましょう!」

   レディ・Q「ザビエル氏!なにかヒントはありませんか!?」

ザビエル「それでは、ヒント・オープン!ジャカジャン!」

  ├――――――――――――┬――――――――――――┬――――――――――――┤
  |       破壊力─?〜?    スピード─?※       射程距離─?
  ├――――――――――――┼――――――――――――┼――――――――――――┤

   レディ・Q「な、なんと、これは破壊力が変化する系!?」

ザビエル「Exactly(そのとおりでございます)」

   レディ・Q「これは大きなヒントです!」

   レディ・Q「さーて、現在のお年玉金額は『2万円』!ここから当てられるでしょうか!」

  ┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
  |                    スタンド名―『シャビ・トーレス』
  |                          本体名―我道 戦
  ├――――――――――――┬――――――――――――┬――――――――――――┤
  |       破壊力─?〜?       スピード─?※       射程距離─?
  ├――――――――――――┼――――――――――――┼――――――――――――┤
  |       持続力─A         精密動作性─?        成長性─E
  ├――――――――――――┴――――――――――――┴――――――――――――┤
  |                能力─サビついた『日本刀』の像のスタンド。
  │                   対象を『サビ』つかせる能力を持つ。
  │                   他者に○○○○○○○○○○○○。
  └──────────────────────────────────────┘
         ※本体の移動スピードはC

    A-超スゴイ     B-スゴイ     C-人間と同じ     D-ニガテ     E-超ニガテ

391水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/06(日) 20:54:03
>>388


「フヒヒッ!ならば『サビ』つかせる事で『斬れ味』を増すって事ですかなッ!?」


場内に響く『レディQ』の声に答える。
そして沼に沈んでいく『我道』に下卑た笑みを向け、


「フヘア〜、我道氏ようこそ『沼』へぇ〜!
苦しそうですなぁ〜!かわいそうですな〜!
我だってすっごく心が痛いのだがぁぁー!

しかし、ガボガボと溺れる様は『大便器』に顔を押し付けられた『JC』の我にそっくりですなぁ!

単純な暴力や、教科書捨てられたり、制服を『冬のプール』に捨てられたり、
文化祭の打ち上げに呼ばれなかったり、様々なイジメを受けてきましたが、
大抵のイジメは我の『固有スキル』である『寝たフリ』で乗り切りましたがッ!
あの時の『便器』はヒッジョオオ〜に辛かったですぞブヒッ!」


自身のイジメの経験をさも『良い思い出』かのように話し始めるが、
その顔付きは徐々に、徐々に険しくなっていく。

「ーーおっと、我とした事が『黒歴史』を語って自滅してしまいましたぞ。

まッ!我をイジメていた連中は学力も低く全員『大学』には進学できなかったみたいですし、
今頃、キティちゃんのタオルで内装を飾った汚い『軽ワゴン』に、
襟足が伸びた名前の読めない『クソガキ』を乗せて『ドンキホーテ』にでも行ってるのでしょうが!
とりあえず此処は『女剣士様』を『沼』に沈めて『憂さ晴らし』といきますかな」

≪パミッ!パミィィィィーーーーン!!≫


バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!


イジメられた経験が人格を歪めたのか、それとも人格が原因でイジメを受けたのかは最早誰にも分からないが、
この『水瀬留美子』という女は『愚か』で『下劣』な『最低』の人間だ。
瀕死の人間に『追い討ち』を掛ける事に躊躇などーー『ない』。
溺れている『我道』に『ブラックボトム』の蹴りの連打を叩き込み、『再起不能』へと追いやりたい。

392水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/06(日) 20:56:19
  ┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
  |                    スタンド名―『シャビ・トーレス』
  |                          本体名―我道 戦
  ├――――――――――――┬――――――――――――┬――――――――――――┤
  |       破壊力─?〜?       スピード─?※       射程距離─?
  ├――――――――――――┼――――――――――――┼――――――――――――┤
  |       持続力─A         精密動作性─?        成長性─E
  ├――――――――――――┴――――――――――――┴――――――――――――┤
  |                能力─サビついた『日本刀』の像のスタンド。
  │                   対象を『サビ』つかせる能力を持つ。
  │                   他者に『サビ』を移す事で『斬れ味』が増していく。
  └──────────────────────────────────────┘

393『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 21:20:31
>>391
>溺れている『我道』に『ブラックボトム』の蹴りの連打を叩き込み、『再起不能』へと追いやりたい。

    ≪パミッ!パミィィィィーーーーン!!≫

我道戦「きゃああああああああああああああっ!!!」

バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!
バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!
バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!
バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!
バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!
バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!
バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!バギィ! メギッ!バゴォ!バギャ!

我道戦「ゴボッゴボッゴボボボボボボボーーーーーーーーーーー!!!」

我道戦「………………………………………………………………………ゴボンッ!」

大便器のようなうめき声を挙げて、我道戦の身体は完全に『底なし沼』へと沈んでいった。

君の勝利だ!

⇒『戦闘終了』

394『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 21:21:48
>>393
           『カァンカァンカァン!!!』

              ゴングの音が高らかに響く。

                                      ウィナー
レディ・Q「戦闘終了ーーーーーーーーーーーーーっ!    勝者:水瀬留美子!」

        『ワーアー!  ワーアー!』

                『水瀬ーッ!  水瀬ーッ!』

        『コールタール・ウィッチ! コールタール・ウィッチ!』


ザビエル「ああ、これはまた回復が大変そうだ…………」


レディ・Q「それでは最後にヒーローインタビュー!」


   スルスルスル……

水瀬の前に上空からマイクが降りてきた。

┌────────────────────────────────────
│ →1.勝者としてなにか一言言っておこう
│   2.特に言う事はない (終了パートへ)
│   3.クールなパフォーマンスで決めよう (アドリブの道をひた走る)
└────────────────────────────────────

395『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 21:23:14
>>392
   レディ・Q「そしてそして!クイズの結果は!」

ザビエル「ンンッ……………『大正解』であります!!!」

   レディ・Q「それでは賞金に『お年玉』として『2万円』プラスーーーーーーーッ!」

      パラッパラッパーーーーーーーーーーー!!!

  ┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
  |                    スタンド名―『シャビ・トーレス』
  |                          本体名―我道 戦
  ├――――――――――――┬――――――――――――┬――――――――――――┤
  |       破壊力─C〜A       スピード─B※            射程距離─E
  ├――――――――――――┼――――――――――――┼――――――――――――┤
  |       持続力─A         精密動作性─本体次第        成長性─E
  ├――――――――――――┴――――――――――――┴――――――――――――┤
  |                能力─サビついた『日本刀』の像のスタンド。
  │                   対象を『サビ』つかせる能力を持つ。
  │                   他者に『サビ』を押し付ける度に切れ味が上がっていく。
  └──────────────────────────────────────┘
         ※本体の移動スピードはC

    A-超スゴイ     B-スゴイ     C-人間と同じ     D-ニガテ     E-超ニガテ

396水瀬留美子『ブラックボトム・ストンプ』:2019/01/06(日) 22:04:40
>>393-395

「フーヒッ!ヒヘ!お年玉ゲットですぞ!
2万円ゲットー!ゲットー!メシウマァーーーーーーッ!!!!
これで『課金』が捗るわ〜ッ!
とりあえず『ガチャ』を回して『レアキャラ』を引いてフォロワーに差をつけるべし!」


ジャケットの中にしまっていたスマホを取り出し、『ソシャゲ』アプリを起動。
さっそく『課金』しようとするがーー


「あのー、『我道』氏が浮かび上がってこないのですが、
コレってひょっとして死んでるのでは案件では…?
スタンドで『回復』してどうこうなるとは、とても思えないですが…?

『我道』氏が溺死してしまった場合、私が罪に問われるのでは?
我の輝かしいキャリアに傷が付いて刑務所暮らし………?
そ、それはご、ご勘弁〜〜〜ッ!!!」
≪パ、ミィ、イ!≫


発現した『底なし沼』を全て解除し、『我道』の身体を現実世界へと戻す。
勿論、『我道』の身を案じての行動ではない。『殺人者』の業を背負いたくないという、己の『保身』の為だ。
『愚か』で『下劣』で『最低』な人間に、他人を思いやる感情などーー『ない』。

397『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 22:18:03
>>396
君はスタンド能力を解除する。

    シュポーン!!!

我道戦が勢いよく地面から飛び出してきて……(破スBC)

    ドグシャッ!!!

勢いよくマットレスに叩きつけられた。

                \ │ /
                 / ̄\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               ─( ゚ ∀ ゚ )< あけぼのフィニッシュ!!!
                 \_/   \_________
                / │ \

我道戦「あっ……あっ……あっ……」   ピクピクピク……

辛うじて息はあるようだ。

        『ワーアー!  ワーアー!』

                         『ワーアー!  ワーアー!』

                                            『ワーアー!  ワーアー!』

観客からの歓声を背に受けながら、君は退場する。



レディ・Q「   以上、最後までオタッキーな水瀬さんでしたー!!!   」

レディ・Q「今日の実況はわたくし!『レディ・Q』と!」

         ザビエル「副実況のザビエルでした!」

レディ・Q「観客のみんな!年越しアリーナ楽しんでくれたかな!?」

レディ・Q「それでは、今年もよい年になりますように!」

レディ・Q「来週もまた見てアリーナ!!!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【最終結果】

『水瀬留美子』 ⇒ 『勝利』
             『無傷』。
             賞金『30万円』+お年玉『2万円』ゲット!

『我道戦』   ⇒ 『敗北』。『怪奇!埋まり女』。
           『ザビエル・ラッド』で『治療』。『無傷』。『再起可能』。
           『トイレの流す音が怖くてたまらない』。

398『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 22:19:09
  ┌――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
  |                    スタンド名―『シャビ・トーレス』
  |                          本体名―我道 戦
  ├――――――――――――┬――――――――――――┬――――――――――――┤
  |       破壊力─C〜A       スピード─B※            射程距離─E
  ├――――――――――――┼――――――――――――┼――――――――――――┤
  |       持続力─A         精密動作性─本体次第        成長性─E
  ├――――――――――――┴――――――――――――┴――――――――――――┤
  |                能力─サビついた『日本刀』の像のスタンド。
  │                   対象を『サビ』つかせる能力を持つ。
  │                   他者に『サビ』を押し付ける度に切れ味が上がっていく。
  └──────────────────────────────────────┘
                     ※本体の移動スピードはC

    A-超スゴイ     B-スゴイ     C-人間と同じ     D-ニガテ     E-超ニガテ

399『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 22:20:29
☆我道 戦(本体)

和風然とした日本人女性。
おしとやかな外見の割りに結構マニアックな性格をしている。

我道 戦(本体)
破壊力:C  スピード :C  射程距離:―
持続力:― 精密動作性:C  成長性 :―

400『黒女王』vs『終焉一刀』:2019/01/06(日) 22:21:34
☆『シャビ・トーレス』 Xavi Torres

サビついた『日本刀』の像のスタンド。
対象を『サビ』つかせる能力を持つ。
他者に『サビ』を押し付ける度に切れ味が上がっていく。

・このスタンド自身は当初『サビ』に覆われており切れ味が低いが、
 『サビ』を他者に押し付けることで切れ味が増していく。
・スタンドを解除すると『サビ』はリセットされる。(初期の切れ味に戻る)
・『サビ』がついた箇所は、動きがサビつき、スピードが下がる。
 合計2段階のスピード低下分だけ、『サビ』を落とした時に破壊力が最大となる。
 像としては 『サビた日本刀』→『普通の日本刀』→『光輝く日本刀』と変化する。
・『サビを飛ばす』という形で飛び道具として用いる事ができる。
 この際の『サビ』の落ち方は通常よりも低い。
 『直触り』の方が『サビ』が落ちやすいことは言うまでもない。
・『サビ』の種類は選択する事ができる。
 ・赤サビ:脆い。主に敵に付着させる。
 ・黒サビ:硬い。主に自分に付着させて防御に使う。
・『サビ』は『剥がす』などすれば力づくでも解除可能だが、怪我を伴う。
・このスタンドの強度は『強固な日本刀程度』。これは切れ味の増減に依存しない。

『シャビ・トーレス』 Xavi Torres
破壊力:C〜A スピード :B※      射程距離:E(能力射程:C)
持続力:A    精密動作性:本体次第 成長性 :E
※本体の移動スピードはC

401『せんせいのかくしごと』:2019/01/14(月) 22:42:40

「―――ああ、たぶんあそこだ。
 あのデカい家の隣、あれが例の『美容クリニック』だろう」

栗色ソフトモヒカンワインレッドジャケットマフラーつきの不動産屋、
『門倉』の少しだけ後を『鈴元』はついていく。
『門倉』が指した方向には、まだまだ小さいが、
確かにクリニックめいた看板や建物が確認出来る。

 ……… ……… ……… ……… ……… ………

事の発端は、正月の寒空の下、
『鈴元』が『門倉』の悩みを訊いた事にある。

なんでも『門倉』の営む『不動産屋』が爆破され、
その再建や保障に金が要るという話。
それで『門倉』が独自に怪しい『依頼』を受けてきたのはいいが、
独りでは不安で悩んでいる、そんな話だった。

『門倉』の強引なミッション同伴勧誘を『鈴元』はサラッと受け、
そして数日経った今、二人は舞台となる『美容外科』へと向かっている。

この『美容外科』では『顔が崩れる』という、奇妙な事件が起こっているという話。
人気だったこのクリニックはその騒動により、客足が減っているとの事だった。
院長はこれを『呪い』と称し、解決する術を探っており、
それを解決するのが今回の『鈴元』(と『門倉』)の『任務』というわけだ。

(jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647631/548-561n)


※『プロフィール』『能力詳細』『持ち物』
 『外見』『女装ってどう思う?』を提示・返答しつつ、レス下さい※

402鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/15(火) 00:08:12
>>401

門倉の後ろを歩く。
距離にしておよそ三歩。
とてもよく馴染んだ、よく分かっている距離感。
兄と歩く時も、姉と歩く時も、母と歩く時も、父と歩く時も、お弟子さんたちと歩く時も、はじめは必ずこの距離。
なんとなくの遠慮。
なんとなくのこの位置。

「……」

呪いというのがひっかかり、少し緊張した表情だ。
向かうことに抵抗はないが、何が起きるのかは分からない。
分かっていることは、頑張るという気持ちがあることだ。

プロフィール
『鈴眼』という和菓子屋の次男坊。
思春期。
何かが足りない。

能力詳細
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/76

持ち物
巾着袋(スマホ、大福、小さいスティック羊羹)
和服。羽織。足袋。下駄。
和傘。

外見
肩にかかるぐらいの黒い癖毛を平織りのミサンガを使い、低い位置で結んでいる。
結んだ髪が小さな尻尾のようになる形。
和服に羽織を着ている。
どちらかというと狐っぽい顔。

女装
服装のひとつで、個人の自由。
洋装や和装と同じくらいで見ており、ちょっと変わったファッションという感覚。
見るのに抵抗はなく、するのもまぁまぁまぁ。
昔、親戚の集まりの座興で、母親の和服を着たり大正の女学生風の格好をさせられたが、嫌な思い出とは思っていない。

403『せんせいのかくしごと』:2019/01/15(火) 00:44:34
>>402(鈴元)

「まあ、『呪い』だの『幽霊』だの言うけどもね―――
 その類の殆どは『スタンド』だと思っているよ、俺は。
 『呪い』なんか『スタンド能力』そのものだし、
 『幽霊』は死亡時に発動するタイプってだけだろう。
 あるいはこれもまた能力の産物か―――

 いずれにせよ………一般にとってはまったくの『未知の脅威』でも、
 俺たちスタンド使いにとっては仕組みの知れた『既知の問題』。
   冷静に対処すればなんて事はないはずだ。

                            ………そのはずさ」

『鈴元』の緊張が伝わってきたのか、『門倉』はそんな事を言ってのける。
だが、独りで不安だからと任務に誘ってきたのは『門倉』の方だ。
だとするとこれは半ば、自分に言い聞かせる為の虚勢に近い『語り』なのかもしれない。

     「…………」

      なんとなくの距離を保ちながら、二人の歩は進む。

『鈴元』の方で今のうちに『やっておきたい事』や
『確認しておきたい事』などあれば今のうちに行動に起こしておくといいだろう。
さもなければ、ほどなくして二人は『目的地』へと着くはずだ。

404鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/15(火) 01:25:47
>>403

「その気持ちもまぁ、分かるんやけどぉ……」

未知ではなく、既知。
スタンドを知っていれば、スタンドを持っていれば、あらゆることがスタンドのせいのように思える。
実際、スタンドによる問題も見てきた。
そういう現場に一度でも赴けば、耳に入る不思議な出来事がスタンドに関わるものなのだろうと推理してしまう。
……その場合、未知の脅威が既知の問題になるが、未知のスタンドという脅威が浮き彫りにもなる。

「頑張らせてもらうわ……」

目的地に向かおう。
今はしておくべきことが思いつかない。

405『せんせいのかくしごと』:2019/01/15(火) 20:00:31
>>403(鈴元)

『鈴元』の考えは正論だ。

『スタンド』というシステム自体を知っていてもその挙動は千差万別。
到底、『既知』などと軽々しく呼べる代物ではなく、
結局、『未知の脅威』である事には変わりないのだ。

妙に落ち着かないところをみると、『門倉』もそのへんの理屈は分かっているようだが―――
先ほどの言は結局、『門倉』自身を奮い立たせる為の詭弁だったのかもしれない。

 ……… ……… ……… ……… ……… ……… ………

そうして二人は『門倉』の言う『デカい家』の前を通り、
依頼主の居る『阿多美容クリニック』に到着する。

「あた……いや、ええと、おた、だったか。
 『阿多(おた)美容クリニック』。
 ここの『阿多先生』が今回の依頼主となるね。
 午後の診察前に話をしておきたいという事だが―――」

現在、13時20分過ぎ―――クリニック前の看板を確認すると、
診察時間は午前が9時〜12時、午後が14時〜18時となっていた。

クリニックの外観は『おしゃれなカフェ』といっても通じるような風体の上品な建物だ。
入り口から玄関まで小道のようなものがあり、
その周りには車が10台ほど停められそうな駐車スペースがある。

          「さあ―――行こうか」

『門倉』は小道を渡り、ずんずんと玄関まで向かっていく。

406鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/15(火) 21:23:15
>>405

「阿多」

「これでおた、なんよねぇ。あたって読んでまいそうやけど」

(この字ぃ、なんかで見た気ぃがするんやけど、なんやったかな)

名前というのは難しい。
自分の家の店の鈴眼も、スズメと呼ばれることもある。
眼をまなこと読ませるのは一般的な用法ではないのかもしれない。
そんなことを思い出した。

「……」

ぱっとクリニックを見る。
洒落た建物だ。
車を停めるスペースも十分。
お金が色々かかってそうだ。

「はいな、あんさん」

そう言って門倉について行く。

407『せんせいのかくしごと』:2019/01/15(火) 23:20:55
>>406(鈴元)

玄関まで来ると、透明なドアからホテルのカウンターのような豪奢な『受付』が見える。
ドアの前に行けば、開けるまでもなくドアが開く。自動ドアだ。

『受付』には、穏やかそうな、タレ目の女性。
20才そこそこだろう。胸の名札には『水野』と書いてある。

『水野』は突然入ってきた2人を交互に見やると、

「ええとォ………製薬会社の方ですかァ。
  それとも医療機器の方ァ?
 どっちでもお断りしてるんですけどォ〜〜〜」

見た目通りというべきか―――スットロい口調で話しかけてくる。
どうやら時間外にやってきた二人を医療関係の『営業』だと判断したらしい。
『和服の少年』と『栗色の髪の男』を一瞥しての『判断』。
あるいはオツムの回転も少しスットロいのかもしれない。

「いいや―――そのどちらでもない。
 俺は君に『お断り』されるような存在じゃあないんだ。

  怪しい存在とはわけが違う―――

            なあ、『鈴元』君………そうだろう?」

『水野』に応える『門倉』が、なぜか不意に『鈴元』に話をふってくる。

 それに呼応し、『水野』の視線が『鈴元』へと移る―――

どうやら、『鈴元』の最初の任務(ミッション)は『院長への取次』を頼む事となりそうだ。

408鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/16(水) 06:24:41
>>407

「……ふふ」

なんだか毒気を抜かれるようだ。
緊張して張りつめていたぶん、水野の抜けた受け答えが妙におかしかった。
しかし笑っていても仕方が無い。
門倉からの白羽の矢が立っている。

(うっとこの贈答品でも持ってきとくんやったなぁ)

挨拶に行く時は手土産を持っていくのが礼儀かもしれない。
だとしたら礼を失した。
失礼というやつだ。
あまりいい出だしとは言えない。

「ええっとぉ……初めまして水野さん。僕は鈴元涼ぉ言いますぅ。ほんでこっちのお人さんが門倉さん……」

「今日は門倉さんのお仕事の付き添いで、無理言って着いてこさせてもろてます」

ぺこりと頭を下げる。
この場合どう言うのが効果的か。
単刀直入に呪いの話をしたとして、院長が自分たちのことを言い含めてないと通用しない。
遠回しに伝えたとしてこの女性が壊滅的に察しが悪ければ頓挫する。

「阿多センセに用事があって……個人的な用事やから診察の時間外でこさせてもろてんけど、その……アポイントメント? っちゅうんはとってあるはずなんやわぁ」

「ねぇ、門倉さん?」

なので、とりあえず院長に用があるのを伝える。
鈴元涼は子供だ。
大人の門倉が主体であるように門倉を見る。

『名刺とかあらはるんやったら出した方が信用あると思うけど……』

スタンドを通じてそう言っておこう。

「阿多センセ、いはるやろか?」

409『せんせいのかくしごと』:2019/01/16(水) 20:02:34
>>408(鈴元)

「あァ、これはこれは。受付の『水野 貴理子(みずの きりこ)』です。
 ふぅん……約束はしてあるんですねェ〜〜〜」

『鈴元』のしっかりとした挨拶に『水野』の態度が緩むのを感じる。
スラリとした少年がはんなりとした口調で伝えたのが功を奏したのだろう。
このままいけば、問題なく取り次いでもらえるかもしれない―――

 【名刺―――そうか、それがいいね】

そして『門倉』が『鈴元』の『スタンド会話』での指摘を受け、
         ダメ押しと言わんばかりに名刺を取り出す。

 「そうそう、彼の言う通り、アポはとっているんだ。
        申し遅れたが―――こういう者です」

『水野』は軽く会釈しつつ、『門倉』が差し出した名刺を受け取る。
そこには『門倉不動産 門倉 良次』と書かれており、
その下には会社の連絡先と思しき電話番号、FAX、メールアドレスが記載されている。

それはいいのだが………電話番号とFAX番号には黒ペンで二重線が引かれていた。
そういえば、店舗が爆破したとかいう話だった。
当然、そのへんの『連絡先』も現在、使えないという事なのだろう。

                             「………………」

受け取った『水野』はあからさまに怪訝そうな表情を浮かべる。
連絡先が消された名刺を見て怪しむくらいの知能はあるようだ。

 ………
         ………
                 ………


      そして。

「………まァ、きいてみますねェ〜〜〜しばしお待ちを」

しばらくの沈黙の後、『水野』はカウンターの奥へと消えていく。
それは熟考の末に取り次ぐ事を決断したというより、
考える事に疲れ果てとりあえず院長に丸投げしようという態度にも思えた。

『水野』がそそくさと去った後、

 「うまくいったね。早くも名コンビの様相を呈してきたんじゃあないか?」

『門倉』が得意げな顔で『鈴元』に語りかけてくる。
そもそも取次の依頼程度の些末事をややこしい任務に仕立て上げたのは、
『門倉』の不審な挙動や準備不足のせいな気もするが、
彼にそんな事を気にしている様子はなかった。

410鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/16(水) 23:24:55
>>409

「……」

門倉の名刺に視線を落とし、少し目をそらす。
身元が明らかである方がいいかと思ったが、店舗の情報が塗りつぶされていた。
明らかと不明の狭間の名刺だ。

「名コンビて……」

くすぐったそうに笑う。
女性的な雰囲気のある顔がふにゃっと歪む。

「まぁ……とりあえず、取次は出来たわ」

411『せんせいのかくしごと』:2019/01/17(木) 22:32:45
>>410(鈴元)

様々な思いを抱きながら『鈴元』は取り次ぎの結果を待つ。
そして、ほどなくして『水野』がドアから出てくる。

「院長がお会いになるそうですよォ〜〜〜。これよりご案内いたします」

当然と言えば当然なのだが、院長が許可を出したようだ。
『水野』がカウンターの脇からせかせかと出てきて、二人を導いていく。

          ……… ……… ……… ………

改めて『カウンター前』からクリニック内を見やると、
いかにも高級そうなソファとテーブルが余裕をもって並べられている。
どうやら『待合スペース』といったところらしい。
外から見えないように観葉植物や衝立でうまい具合に隠されているのは、
プライバシーに配慮しての事だろう。

『水野』はその横を抜けたところにある通路へと進もうとしている。
通路の先を見やると『診察室』『カウンセリングルーム』
『セラピールーム』『レストルーム』『W/C』などと書かれたドアが並んでいた。

「さて―――行こうか」

『門倉』が『鈴元』に声をかける。
『水野』や『門倉』と話しながら向かってもいいだろうし、
気になる事があれば確認しながらついていくのもいいだろう。

412鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/18(金) 00:10:16
>>411

「はいな」

とてとてと二人について行く。

「……いろんな部屋があるんやねぇ」

「レストルーム、セラピールーム、カウンセリング……全部違う部屋なん?」

あと通路に何か変なものが飾られたりしてないか確認しよう。
なにか呪いに関するものがあるかもしれない。

413『せんせいのかくしごと』:2019/01/18(金) 21:50:53
>>412(鈴元)
通路を確認しつつ『鈴元』は歩を進める。
ところどころに観葉植物や暖色をメインとした『抽象画』が飾られている。
さすがに『お札』などは貼られていない―――少なくとも見える範囲には。

部屋の名はそれぞれ違うドアに書かれている。
ここまで分かれている意味があるのかどうかは確かに疑問だろう。

「『レストルーム』は施術が終わった後休んで頂くような部屋ですね。
 あとどうしても他の患者様に会いたくないとかの場合に待機して頂いたりって感じです。
 『セラピールーム』は患者様がリラックス出来るように
  いろんな話を聴いてさしあげる部屋です。
 『カウンセリングルーム』は具体的な悩みや希望を確認したり、
  施術の説明を行ったりする部屋となりますよ〜〜〜」

『水野』がそれぞれの部屋の解説をしてくれる。
一応は分かれている意味がある、という事だろう。

   ……… ……… ……… ……… ………

通路を進み切るとT字に曲がる構造となっており、右と左に分かれている。
右を少し見やると『手術室』『スタッフルーム』とそれぞれ書かれたドア、
そして『非常口』のマークが見える。

左には『院長室』と書かれたドア、そして『水野』はそこへと一直線に向かう。

           コン  コン  コン

                             「―――どうぞ」

 『水野』のノックに、少し低い『女性』の声が応える。

414鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/18(金) 23:48:05
>>413

「はぁ、なるほどぉ」

色々プライバシーとか客の精神などに気を遣うのだろう。
多分、ほかのどんな医者よりも注意すべき点かもしれない。
見た目に関する部分を商売にしているのだから。

そうこうしているうちに院長室の前に着いた。
深呼吸をひとつ。
少し心臓が早く動いているのを感じる。
緊張している。
それも仕方の無いことだ。
職員室に向かうのとはまた違う感覚だ。

「入ろか……」

入室する。

415『せんせいのかくしごと』:2019/01/19(土) 18:18:48
>>414(鈴元)
『鈴元』は覚悟を決め、入室する。
まずは『水野』、続いて訪問者である『門倉』『鈴元』の二人という流れだ。

『院長室』には、まず応接の為のローテーブルとソファが中央にある。
奥にはしっかりとしたデスク。書類やらパソコンやら電話やらがおかれている。
脇には書類棚やクローゼットのようなものが設置されている。

そして、デスクに座り、じっと入室者たちを見据えているのが、『白衣の女性』。
キャラメル色の長い髪は先に軽くパーマがかけられている。
メイクもばっちり決まっており、一般的な医者のイメージとはややかけ離れている。
年のころは………30代? 20代?
化粧のせいもあり、少々、年齢不詳のきらいがある。

「『院長』に面会したいという方々、お連れしましたァ」

  『水野』の言葉に女性が頷き、口を開く。

「初めまして、私が院長の『阿多 佳久子(おた かくこ)』。

       ―――水野さん、ありがとう。戻って構わないわ」

その言葉に『水野』は一礼し、部屋を出ていく。

ドアが閉まる音を背にして、『阿多』がデスクから中央の応接テーブルに移動する。
そして、手ぶりで『鈴元』達にソファに座るよう促す。

              「………あなた達が、『呪い』を解いてくれる
                   っていう人たち、という事なのよね?」

『阿多』は二人を値踏みするように眺めながら、そう問いかける。

416鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/19(土) 22:17:32
>>415

「ん」

(ハイカラなお人さん……)

一般的な……鈴元の中にある医者のイメージとは違う。
明るい髪色やその化粧はテレビの中で見るものの側面がある。
いわゆる女優……いや、この場合は文化人と呼ばれる人たち。
そういう人たちの雰囲気に近い。

(おかしいことやないよね)

美容外科の院長は美人の方がいいのかもしれない。
ある種の説得力を生んでくれる。
自分の院で行う治療は全て自分が最初に受ける、そんな医者もこの世にいる。
富豪が服や革靴で財力を示すように、美容外科医は見た目で腕を示す……のだろうか。

「鈴元涼ぉ言いますぅ。よろしゅうに、阿多センセェ」

阿多佳久子。
おたかくこ。
お高く子、では無いことを祈りたいがどうか。
値踏みするような視線はお高いところから注いでくるような気もする。

「えぇ、はい。僕らが、その呪いを解くって仕事を請け負ってるんです」

417『せんせいのかくしごと』:2019/01/20(日) 02:30:36
>>416(鈴元)

『鈴元』が挨拶の口火を切ると、

「ああ、そうです。私が連絡させて頂いた『門倉 良次』と言います。
 よろしく―――よろしくお願いします」

『門倉』も話を繋げていく。

「彼、鈴元君は―――『解呪』のプロフェッショナルでしてね。
 見て下さいよ、この『出で立ち』。いかにも、な感じがするでしょう?

 私は普段は『不動産屋』なんて標榜してますが、
 『仲介』するのは『物件』だけじゃあないって事です。
 こういった類の優れた人材と不可思議な事件を『仲介』する………

                    ―――つまりはそういう事です」

ペラペラと思いつくままに語っている感はあるが、
それなりに上手くまとまったところで、

「それでは、院長先生。『依頼内容』の方を改めてお教え下さい」

                       早速、『門倉』が、促す。

418『せんせいのかくしごと』:2019/01/20(日) 02:34:54
>>416(鈴元)

「まずは『呪い』について
 ―――発端は、去年の夏の話」

                 『院長』は語る。

「患者様の話を聴いていた『ナース』がここに駆け込んできてね、
 『患者の顔が崩れた!』とパニック気味に報告していたの。
 慌てて『セラピールーム』に駆け込んで患者様の顔を見ると………

  目や鼻や口がみんな顔の下の方に集まっていた。
  ………不謹慎だけど、季節柄、解けたアイスクリームを連想してしまったわ。

 奇妙な事にそれらの機関はすべて通常通り、機能していた。
 目は見えるし、匂いはわかるし、喋れる―――

 『レントゲン』なんかをとったわけじゃあないから
  具体的にどう繋がっていたかは不明だけど、
  少なくとも現在の医療の知見ではおよそ説明のつかない現象」

  『院長』は小さな溜め息をつき、また語る。

 「患者様もまたパニックに陥っていて、ろくな話は聞けなかった。
  もっとも自分でも『何が起きているか』分からなかったようだから、
  多少冷静でも、得られる情報はなかったでしょうね。

 私は途方に暮れながら、患者様を『レストルーム』に待たせておいた。
 すると、一時間ほどで、なぜだか分からないけど『症状』は勝手に収まっていた。
 私はとりあえず、患者様に十分な『謝罪金』を渡して、彼女を家に返した。
 念入りに『口止め』してね。
                        …………それが『始まり』」

              『院長』はさらに語る。

「その後も、ぽつ、ぽつ、とこの『崩顔の呪い』の発症は続いた。
 日時や時間は関係なく、タイミングや法則は一切、不明だけど、
                  ・ ・ ・ ・ ・
        それは大抵、『話をする場』で現れた。

 そして、対象も患者様だけじゃあなくて、医療スタッフにも『症状』は出た。
 まさに『無差別』………このクリニックが『呪い』にかけられているとしか思えない。
 『呪い』が出るたび『口止め』はしていたけど、少しずつ外部に広がりつつある。

 まだそれなりに患者様は来て下さっているけど、
  いずれは完全にそっぽを向かれてしまうでしょう。
          だから、今、食い止めなくてはならないの」

 ここで『院長』は二人を見る。だから『鈴元』たちに依頼した、そういう事だろう。
 このタイミングで何か訊いておきたい事などあれば口を挟むのもいいかもしれない。

419鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/20(日) 13:24:40
>>417-418

(また適当言わはって……)

解呪のプロフェッショナルではない。
ただの和菓子屋の次男坊で、学生だ。
訂正して混乱させてもいけないので鈴元はにこにこ笑うだけに留めた。

「……顔の下の方ってことは、福笑いにみたいに集まっとったって?」

想像するに尋常ではない事態だ。
途方に暮れたというがそれでもレストルームに患者を通すという判断が出来たのは良かったのかもしれない。
何も出来ないより、何かが出来た方が良かったのかもしれない。

「話をする場ぁ。最初はセラピー? の部屋で、それからはセラピーのとこ以外でもってことでええんやろか」

「反対に、呪いが起きへんかった場所ってあるん?」

部屋の種類が多い。
セラピールームとカウンセリングルームは多分呪いが起きる場所なのだろう。
だとすると、休む目的のレストルームは安全なのだろうか。
事実、レストルームで待たせたら呪いが解かれたわけであるし。

「後、最初の呪いが起きる前になんか、変わったことってしはった?」

「新しく人を雇ったぁとか、新しい業者の人が出入りしたぁとか……」

420『せんせいのかくしごと』:2019/01/20(日) 14:15:03
>>419(鈴元)
「一つずつ答えていくわね」

『鈴元』の数々の問いに『阿多』が応じる。

「『福笑いのように集まった』―――そうね、
 これも不謹慎かもしれないけど、ちょうどそんな感じ。
 最初は下に集まっただけだったけど、それからの事例では、
 『顔のパーツ』は様々な位置に配置されていた。乱雑にね」

「『最初はセラピーの部屋で次からはほかの部屋でも起こったか』。
 そうね、最初は『セラピールーム』で起こったけど、
 その次は『カウンセリングルーム』。主にこの二部屋で起こりやすい事例ではあるけど、
  スタッフの休憩室、『スタッフルーム』で起こった事もあった。
  『診察室』でも一度だけあったわね。
  その流れが呪いにとって『偶然』か『必然』かは、分からないけれど」

「『呪いのおきた事のない場所』………この部屋もそうだし、
 あとは『手術室』や『レストルーム』あたりもまだ出ていないわね。
 記憶している限りだと、先ほど挙げた場所以外では報告例はないはず」

「『最初の呪いが起きる前に変わった事』……………。
  ………ああ、そうね。少し、忙しくなっていたので、
           『ナース』を一人雇ったくらいかしら。
  『鬼塚 郷子(おにづか きょうこ)』さん。
  この『呪い』が始まってからも、辞めないで働いてくれているわ」

『阿多』は『疑問』への応答を終える。
これ以上『問い』がなければ、彼女の話は先ほどの続きに戻っていくだろう。

421鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/21(月) 01:14:08
>>420

一つ一つ、答えを確認する。
手術室やレストルームはまだ呪いが起きていない。
となると、顔が崩れる現象は何かの言葉がきっかけなのかもしれない。

(診察室で一度だけ……後でそのへんも聞いとこか)

「鬼塚さん。なるほどぉ」

静かに頷く。
話を続けてもらおう。

422『せんせいのかくしごと』:2019/01/21(月) 22:25:50
>>421(鈴元)
「―――それで、『依頼内容』というのは
 『この現象をなんとか止めて欲しい』という事。
 その為の『援助』は惜しまないわ」

『鈴元』の質問への返答も終わり、
『阿多』が話題を戻す。
『門倉』がそこへ口を挟む。

「そう―――その為に俺達はここへ来た。
  その『解呪』ッ 成し遂げてみせましょうとも!

  ………ただ、それには『情報』が必要でしてね。
       多ければ多いほど『解呪』の確率は上がる。

        ですので、しばらく『調査』の時間を頂いても?」

『門倉』の言葉に『阿多』は頷く。

「もちろん、最大限の協力はするわ。
 ここのスタッフに話をきいてもらっても構わないし、
 本日の予約の患者様に実際に接して頂いて、
  場合によっては『呪い』を引き起こしてもらっても構いません。

 ………こういう状況でもクリニックに通って下さる患者様を
     『実験台』にするのは心苦しいけれど、今日が『正念場』だと私は捉えているの。
     この事態を乗り切る為には………やむを得ないでしょう」

423『せんせいのかくしごと』:2019/01/21(月) 22:34:14
>>421(鈴元)

「それで、『患者様への接し方』だれど、
 流石に外部の人間として聞き込みをするのは『不審』極まりない。
 ですので、もし患者様と実際に接するというのなら、
 あなた達には『ナース』に扮してもらいます」

そして、『阿多』はさらっとそんな事を言い出した。

「ここには『カウンセリングルーム』と『セラピールーム』があるわ。

 『カウンセリングルーム』は一般の美容外科にもよくある、
 患者様のご要望や施術の希望など具体的な話を聴く場所。
 ここでは異性に聞かれたくないコンプレックスやデリケートな話題が出るので、
 基本的には『同性のナース』が対応している。

 一方、『セラピールーム』は当院独自のサービスとなっているわ。
 ここでは『異性のナース』が話し相手となって患者様を肯定し、
 癒して差し上げる空間です。患者様の話したい話をじっと傾聴する。
 そんなサービスが当院の人気の一端となっているの。

 当院の患者様はほとんどが女性、だから、
 『カウンセリングルーム』は女性のナース、
 『セラピールーム』は男性のナースが配置されている。

  ・ ・ ・
 どちらの『ナース服』も用意出来るので、必要ならば言って頂戴」

  ……… ……… ………
                  ……… ……… ………

ふと、『門倉』を見ると、少し目を泳がせながら『鈴元』に目くばせをしている。
おそらく、『鈴元君に任せるよ』のアイコンタクトだ。おそらく。

方針はすぐに決めなくてもいいだろうし、
一端、外に出て『門倉』と作戦会議をしてもいいだろう。

424鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/22(火) 00:22:57
>>422-423

「わかりましたぁ」

協力は最大限に頂こう。
実際に被害にあった患者に会って得られる情報もある。

「え、あぁ……」

ナース。
その言葉に動揺した。
どうするべきか。
門倉に視線でどうするか尋ねようとしたが向こうはこちらに任せる気らしい。

(どないしよかな……)

(門倉さんが女の人のナースは無理があるやんなぁ……)

「ちょ、ちょっと門倉さんと相談させてもらってええやろか?」

425『せんせいのかくしごと』:2019/01/22(火) 21:37:41
>>424(鈴元)

「―――ええ、いいわよ。聞かれて困るのだったら、
 外に出てもらっても私は構わないし」

 『鈴元』の『相談したい』という申し出に『阿多』はそう答える。

「………それと、一つ言っておきます。貴方たちに頼むのは『今日一日』『クリニックが終わるまで』。
      正直に言ってしまえば、貴方たち以外にも『解呪』が出来るというツテはあるの。
      数日かけるくらいなら、そっちに頼んだ方が『クリニックの為』と私は考えている。
      申し訳ないけれど、それを踏まえて効率的に動いて欲しいものね」

 突然告げられる『タイムリミット』。
確かにいつまでもグダグダ調査してもラチが明かないのは事実だが………。

「承知しました―――もちろん、本日中に『解呪』させてもらいますよ。
 じゃあ、『鈴元君』。外で、少し、話し合おうか」

『門倉』は『阿多』の言葉に頷き、『鈴元』と共に廊下へと出た。
幸いに、というべきか廊下は静まり返っており、誰もいない。

426『せんせいのかくしごと』:2019/01/22(火) 21:40:37
>>425(鈴元)

「さて―――『鈴元君』。とにもかくにもまずは『情報』が必要だが、どうしようか」

 廊下にて『門倉』が早速、語り掛けてくる。

「『院長』に提示された情報収集の方法は

 1.『スタッフへの情報収集』
 2.『カウンセリングルームで患者へ対応』
 3.『セラピールームで患者へ対応』         の三点。

  もっとも、『スタッフ』は複数いるのだろうから、
  その選択肢は更に細分化されるだろうね。

 また、あくまで『優先順位』の話だから、時間があれば、
 最終的には全ての選択をとる事も可能かもしれない。
 ―――時間があれば、だが。

 あとはせっかく、二人居るのだから『分担』するのも手だ。
 君が重点的に調べたいところは君自身が行くといいが、
 そうでなければ俺が単独で調査して、後で情報を擦り合わせる事も出来る。
 『セラピールーム』はともかく、『カウンセリングルーム』の対応は
 俺には『ちょっと厳しい』というのもあるからね―――興味はあるけれど。

もちろん、『院長』が提案した『調査』以外の行動をとるのも自由だろう。
要は『呪いの正体』を暴き、それを無くせればいいのだから。
『解呪』への道筋はいくらでもあるという事さ―――」

『門倉』が状況をまとめる。『院長』との会談時に言葉少なだったのは、
頭の中で『鈴元』と話し合う事を整理していたのだろう。

『門倉』はあくまで『鈴元』に判断を任せていく方針のようだが、
その思惑通り、『どうするか?』をさっさと決めてしまってもいいし、
もう少し『門倉』と相談するのも悪くないだろう。

427鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/22(火) 22:28:29
>>425-426

「どないしよか……」

今日中だ。
今日一日で今回の件に決着をつけなければいけない。
そのためにはもっと情報が必要だ。

「やっぱり……カウンセリングん所は難しいやんねぇ……」

セラピーでもカウンセリングでも、異性の対応であることは変わりない。
男性を相手にする時もそうだが、人によって怒りなどのポイントが違う。
なので、どちらに言っても失敗する可能性はある。

「カウンセリングの所は僕が行くわ。僕もそんな似合うかとか不自然じゃないかはわからんけど」

「門倉さんは……セラピーの所でぇ」

それからどうするか。

「あと、鬼塚さんってナースさんにお話聞きたくて、それと診察室で一回って言ってはったからその時の患者さんの話も」

「鬼塚さんはナースさんやからお仕事の空き時間に話を聞くとして、患者さんの方は都合つくかわからんよね」

仕事などの用事で手が空いていない可能性がある。

「やから、お電話でもええから話出来へんか、阿多センセに掛け合ってもらいたいんよ」

「僕から患者さんに直接……やと怪しいかもしれんから、阿多センセから患者さんにお願いした方が確実かなぁって」

鈴元はカウンセリングルームでの調査を選んだ。
どこかの空いた時間でナースの鬼塚と可能なら呪いを受けた患者からの聞き取りを行う。
門倉にはセラピールームでの仕事と、阿多に患者へアポイントを取ってもらえるかのお願いをしておく。

428『せんせいのかくしごと』:2019/01/22(火) 22:53:26
>>427(鈴元)

「ふむ―――順番としては

 『院長に、診察室で【呪い】の出た患者の話を聞く』
 『出来るのであればその患者と電話にて話をする、その仲介は院長にお願いする』
 『その後は、俺は【セラピールーム】で男性ナースとして、
  君は【カウンセリングルーム】で女性ナースとして、
  それぞれ患者の相手をして呪いの発現をチェックする』
  『時間の調整やアポがとれたら鬼塚ナースと診断室の患者と話をする』 という流れでいいかい?

  今はええと、13時50分か。
  おそらくだけど『患者』は『午後開始』の14時を回れば来てしまうのだろうね。
  それまでに二人で、『院長』から『診察室の呪い』について訊いてしまうのはどうかな。
  ついでに『患者』や『鬼塚ナース』へのアポ調整の依頼もそこで行う―――

  その後にそれぞれの『ルーム』へ………とこんな形でどうだい?」

『鈴元』の意見を『門倉』なりに整理して、再度、確認をしてくる。

429鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/23(水) 02:20:20
>>428

「うん。それで大丈夫です」

門倉の言葉に頷く。
問題は無いはずだ。

「それじゃあ、あんじょうよろしゅうお願いします」

430『せんせいのかくしごと』:2019/01/23(水) 22:16:47
>>428(鈴元)

「よし―――じゃあ善は急げ、だ」

『門倉』は再び『院長室』のドアを開け、
眼前の『阿多』におもむろに語る。

「さて………調査方針が決まりました。

まず、私、『門倉』は『セラピールーム』で、男性ナースとして、患者の『呪い』を見る。
一方、『鈴元君』は『カウンセリングルーム』で女性ナースとして、患者の『呪い』を見る。
つまりハサミ討ちの形となるわけですね。

あとは、時間が出来たらでいいので、新人ナース、『鬼塚さん』と話をしたいので調整をお願いします。

それともう一つ―――『診察室で起きた呪い』について『院長』に訊いておきたいのです。
出来るなら、当事者である患者さんにもお電話か何かでお話してみたいのですが」

『方針』を一気に『阿多』に伝える『門倉』。

                             それに対し、

「分かったわ。正直、『門倉』さん。貴方が女性ナースに扮するのは少し難しいように感じていたけど、
 『鈴元』君なら、当院の技術を用いれば十分に可能よ。
 といっても ――フフフ――― メスを入れたりはしないから安心してね。

 『鬼塚』さんはじゃあそうね、大体、一人目の『患者様』の対応が
 終わった後くらいに、話が聞けるように時間調整しておくわ。

 あとは―――『診察室』の患者様と話したいという件は………
 一応、連絡はとってみるけど、『デリケート』な話だから難しいかもしれない。

 私の方で知っている事は伝えられるけど、具体的にどんな事を訊きたいのかしら。
 もう最初の『予約』まで時間もあまりない事だし、手短に済ませられるといいのだけど」

                             『阿多』がこう返してくる。

と、いう事なので、『鈴元』の方で『診察室』での『呪い』について、
特に重点的に訊きたい点があれば、提示してみるのがいいだろう。
『門倉』の説明に問題があれば、補足をいれてもいい。

431鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/24(木) 00:18:11
>>430

「お、お手柔らかによろしゅうお願いしますぅ……」

「あの、肌があんま強なくて、お化粧とかするんやったらその辺も……」

不安だ。
メスは入らないにしてもどんなことを受けるのだろうか。
ナースになる過程が分からなくてドキドキしてしまう。

「患者さんは出来たらで大丈夫です。そん時は阿多センセにその診察室の時こと聞かせてもらえるとありがたいけど」

今の所、何か呪いが起きるきっかけになる言葉があるのではないかとにらんでいる。
患者に起きたことだから患者の発した言葉が鍵なのだと思うが、その場にいたなら先生でも大丈夫だろう。
それとも今の予想とは違うところが核心なのか。

「診察室の時に一回だけって聞いて思ったんやけどぉ」

「何か、普段とは違うことしたとかあるんやろか?」

「普段せん話したとか、なんか失敗があったとか」

432『せんせいのかくしごと』:2019/01/24(木) 23:42:18
>>431(鈴元)
「そう……それならウチにお肌の状態まで
 しっかり考えてやってくれるナースがいるから、その娘に頼むわね」

『鈴元』の『ナース変身』への不安に、『阿多』が医師として応える。

「そして………患者、『玉置(たまおき)』さんの事ね。
 あの人のことは印象に残っている。30代の女性だったんだけど、
 事前に『セラピールーム』で長時間、愚痴を言ってたにも関わらず、
 私の診療の時も、施術と関係のないお喋りをちょくちょく、しててね。
 なんでも『結婚詐欺』にあったとかで、それの愚痴。
 次はもっといい男を見つけてやる、って事で、二重にする相談をしていたのだけどね。

 彼女の愚痴をしばらく、どこか上の空で聞いていたのだけど、
 突然、短い悲鳴のような声が聴こえたから、ハッと『玉置』さんを見たら………
 崩れてきていたのよ―――『顔』が。
     『目』が離れていったと思ったら、『鼻』が曲がったりね。

 『話』にはきいていたから、私はすぐに彼女に落ち着くよう声をかけて、
 ―――しばらくして『レストルーム』に連れて行って休んでもらったわ。

 一応、彼女には『整形する際の不安が顔に現れる事がある』なんて
 もっともらしい事を言っておいたけど、半信半疑という感じだった。
 結局、彼女に関しては整形代をこっち持ちにして、それとなく『口止め』して、
 それで………おしまいね。特に『失敗』したとかそういうのは無かった」

『もういいかしら』というふうに『阿多』はここで話を止める。

433鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/25(金) 00:19:36
>>432

「おおきに……」

ナースになるのはそんなに気負わなくてよさそうだ。

「結婚詐欺……それは、えらい難儀な……」

それで美容外科に来たということか。
よりいい男性と巡り合うためだろうか。
鈴元には理解しにくい感覚だが、女性の心はそういうものなのかもしれない。
そうでなければ、その感情故に衝動的になっていたのか。

「うわの空ってことは、そんなに詳しくは覚えてはらへんってことでええ?」

「それやったらそれで大丈夫なんよ。お話しいただけるだけで御の字やし」

だから、それ以上情報がなければ変身することになる。
ナースに。

434『せんせいのかくしごと』:2019/01/25(金) 01:12:00
>>433(鈴元)
「ええ………ごめんなさいね。それ以上は特には」

『阿多』が首を振る。

「でも、一応、『玉置』さんには連絡しておくわ。
 大丈夫そうなら、アポをとっておきます」

そういうと『スマホ』をいじり始める『阿多』。
『玉置』の連絡先をチェックしているのだろうか―――

          と………
 ♪
    ズズズズン ズンズン
             ズッズッ ジャジャジャジャァ〜〜〜〜ン
                                       ♪

 なにやら勇ましい音楽が『阿多』の『スマホ』から流れてくる。
  特別、聴き覚えはないが―――

                ………   ポチッ

 『阿多』が尋常でなく素早い動きでスマホのボタンを押し、音量をミュートにする。

         ……… ……… ……… ………

「………じゃあ、『ナース』達には連絡しておくから、
 『スタッフルーム』に行って頂戴。貴方達にはそこで着替えてもらいます。
 もう最初の患者様が来るまで、そんなに時間はないから」

そして、『阿多』は先程のメロディには一切触れずに
少し厳しい口調で二人を『スタッフルーム』へと誘導する。
確かに時間がないのは事実だろう。

435鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/25(金) 01:21:58
>>434

「……」

にこっと笑って、少し頭を下げる。
聞かなかったことにすることに決めた。
波風を立てるようなことを言うのは好きではない。
そもそもこの音に対しての指摘が問題になるかは分からないが、無音状態にする速度があまり触れられたくないのを表している気がした。

「じゃあ、行ってきますぅ」

スタッフルームに移動する。

436『せんせいのかくしごと』:2019/01/26(土) 00:06:55
>>435(鈴元)
公の場でスマホの音を鳴らしてしまい、焦るような事はままある事だ。
時間もない―――『鈴元』はそのまま『スタッフルーム』へと向かう。それに続く、『門倉』。

 ……… ……… ……… ……… ………

「ここだったね」

『スタッフルーム』前に行くと、『門倉』が躊躇なくノックし、そのまま入っていく。それに続く、『鈴元』。

『スタッフルーム』はいわゆる『休憩室』のようで、大きなテーブルに複数の椅子が備えてある。
冷蔵庫や電子レンジ、流し場なども設置されている。ロッカーもある。
また、奥の方に男女に分かれたトイレ、また、文字通りの『化粧ルーム』も設置されているようだ。

『スタッフルーム』には二人の男女が居る。いずれもナース服を着ている。

「ようこそいらっしゃいました。私は『武藤』と申します。
 『武藤 暮(むとう くれる)』、看護師をしています。
 例の怪事件を調査している方々―――ですよね?」

眼鏡をかけた長い髪の女性が二人に会釈をする。
落ち着いた上品な印象だ。

「アレ、一人はまだ若いんじゃん? でもなんか雰囲気あるねェ〜〜確かに。
 『霊』とかそうゆうのバッとハラってくれそうなカンジ?
 こりゃあイケるんじゃあないのぉ? 『インチョウ』もイイ人呼んできたんじゃない?
 あ、オレは『角田 連(つのだ れん)』。よろしーく」

対照的にチャラい男。金髪に近い伸びた茶髪。わりに目立つピアス。
一般的な医療職のイメージとかけ離れているが彼も『ナース服』を着ている。

「―――『少年の方』………貴方ですね。
 『カウンセリングルーム』で私と共に患者の話を聞きたいとの話を伺っています。
 お聞きでしょうが、ここは『同性のナース』が立ち会う場所。
 でも、そうですね―――『院長』が言っていたとおり、貴方なら、大丈夫でしょう。
 早速、『化粧ルーム』に、共に行きましょうか」

二人が『スタッフルーム』に来るまでの間に、『院長』が連絡してくれていたようだ。
どうやらこの『武藤』が当面、『鈴元』の面倒をみてくれるらしい。

「あ、『セラピールーム』の人はオレとねェ〜〜〜」

一方の『門倉』は『角田』と、という事のようだ。

437鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/26(土) 00:25:42
>>436

「鈴元涼ぉ言います」

二人のナースに頭を下げる。
男性の方はなんだかナースというか医療従事者っぽくないが、院長と同じ理由だろう。
……多分だが。

「えっと、じゃあ武藤さんと一緒に、やね」

「よろしゅうお願いします」

「門倉さん、なんかあったら連絡でぇ」

門倉に小さな声でそう伝えて、化粧ルームに移動しよう。

438『せんせいのかくしごと』:2019/01/26(土) 01:07:44
>>437(鈴元)

「ああ―――分かった。幸運を祈るよ」

『門倉』も自己紹介を終え、『角田』と共に準備を始めた。
しばらくは別行動となるだろう。

 ………  ……… ……… ………

「では、始めます………

   ―――力を抜いて―――

              まずはスキンチェックから………」

『鈴元』は『武藤』と共に『化粧ルーム』に行き、

     そして―――

               桜が舞うように

                            生まれ変わる―――ッ!

  これが私……?  そう! これが『鈴元 涼』ちゃんだッッ!
  鏡を見れば、すぐそこに『ナース服の少女』が居る!
  『武藤』のスタンド能力か? と疑うばかりの超絶テクニックで、
  パッと見は完全に少年から少女に変化した『鈴元』。

「髪………束ねたままでもいいですけど、
 ミサンガをとってしまてもカワイイと思いますよ。どうします?」

『武藤』が尋ねてくる。
『医療の場』としては束ねておいた方がよさそうだが、
やはり少し価値観が違うのだろう。

439鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/26(土) 02:02:47
>>438

「は、はい……その、優しゅうしてな……?」

少しビクつきながらそんな風には返した。
力を抜いて、相手を受け入れる。

「こ、これが僕なんやね」

(なんかエラいことになってもうたなぁ)

武藤のテクニックに感嘆する。
と同時に客観的に自分の女装というものを久しぶりに見た。
正月などに親族の余興で母の着物を着たり、姉の服を着たが、それとは訳が違う。
本気の、全身全霊の、女装である。

「ミ、ミサンガ取るん?」

「うん……武藤さんがそう言うんやったら」

「僕はエエよ……?」

慣れた手つきでミサンガを解く。
癖のある黒髪が解放されて揺れる。
ふうと息を吐いた。
ポケットがあるならそこにミサンガを入れておこう。

「これで、エエ?」

440『せんせいのかくしごと』:2019/01/26(土) 02:30:25
>>439(鈴元)
ミサンガをとり、解き放たれる『鈴元』の黒髪。
それなりに彼を知っている者でも
彼だという事を認識できないかもしれない。

「いいんじゃないでしょうか。
   やはり、そちらの方が―――いいですね」

『武藤』が自然に『鈴元』の髪を慈しむように撫でる。

「では、そろそろ行きましょう。患者様には
 すでに『カウンセリングルーム』でお待ち頂いています」

『武藤』と共に、化粧ルームを出る。すでに『門倉』達の姿はない。
『セラピールーム』の方へ移動したのだろう。
『鈴元』たちもそのまま『カウンセリングルーム』へと向かう。

「30歳、女性、会社員、『戸葉 彩江(とば あやえ)』様。
 今からカウンセリングする方です。鼻を高くしたいとのご要望。
 具体的な施術の確認や説明は私が行いますので、
 『鈴元』さんは彼女の『思い』を傾聴してもらえれば、と思います」

着く間に簡単な説明を受ける『鈴元』。
せっかくの機会、この間に『武藤』に質問があればしておくといいだろう。

441鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/27(日) 00:39:46
>>440

「あ……え……」

思わず頬が赤くなる。
くすぐったそうに笑う。

「う、うん。行こか……」

いそいそと武藤について行った。

「戸葉彩江さん……」

「そういえば武藤さんは長いことここに務めてはるん? 落ち着いてはるって言うか……」

「あぁ、いや、こんなん仕事と関係あらへんし、聞かれても困るやんね? えっと、呪いって見たりとかしてはります……?」

442『せんせいのかくしごと』:2019/01/27(日) 01:01:47
>>441(鈴元)
「ええ、もう随分長く勤めていますね。『院長』には、とてもお世話になっています」

『武藤』がそう答える。

「『呪い』……ああ、例の『顔』が崩れてしまう………。
 はい―――ありますよ。二回ほど。

 ………貴女は、あれを調べているんでしたね。

         ………では、聴きますか? 『その時の音声』」

『武藤』から意外な提案を受ける。

「『院長』には内緒ですよ?
 『院長』はプライバシーを重視しているのでそういう事は禁止しているのです。
 ただ、いざ『クレーム』が来た時に困るのは私ですからね。
 適正な対応を行った『証明』として、ひそかに録音しているのです。

 ………もちろん、今すぐは無理ですよ。『予約客数人』の対応がありますからね。
                          それが終わった小休憩の時間にでも」

そんな話をしているうちに『カウンセリングルーム』はもう間近だ。
一応の収穫はあったが、最後に一言二言で
確認できる事があれば、さらに何か聞けるかもしれない。

443鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/27(日) 01:39:01
>>442

「長いんやねぇ。落ち着いてはるというか、慣れてはる感じやったからそうなんかなと思うて」

実際そうらしい。

「え、聞いてエエの? 音声」

「出来るんやったら聞かせてもらいたいんやけどぉ」

真実に近づくことが出来るのなら必要なことだ。
多少院長からの心象が悪くなるかもしれないが、こっちも期限がある。

「あ、その音声ってどこの部屋のやつやろか」

444『せんせいのかくしごと』:2019/01/27(日) 02:06:49
>>443(鈴元)
「音声はここ、『カウンセリングルーム』のものよ」

『武藤』が質問に答えるのとほぼ同時に二人は部屋と辿り着く。

  ………

          コン コン コン

   「失礼します―――『戸葉』様」

そして、『武藤』が一礼しながら部屋を入り、『鈴元』も続く。

部屋には『院長室』と同じような応接用のテーブルとソファが設置されている。
そのソファにどっかりと座るのは少し太めの、セミロングの髪の女性。
この女性が『戸葉』だろう。施術したいという『鼻』は………
確かに少し上向きでお世辞にも高いとはいえなかった。

「少し遅いんじゃなァい?
  ええええと、『武藤』さんだっけ? あとはぁぁ―――」

『戸葉』の視線が『鈴元』に注がれる。

「ナースの『鈴元』と申します。新人なので何卒よろしくお願いいたします」

その視線を跳ね返すがごとく、先輩として『武藤』が『鈴元』を紹介する。
これからこの『戸葉』の話を聴かなくてはならない。
『鈴元自身』からもしっかり挨拶しておいた方がいいだろう。

445鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/27(日) 02:57:35
>>444

「失礼します……」

少し緊張きた心地で中に入る。
この女性が戸葉なのだろう。
頭を下げて一礼をする。

「鈴元です。まだ未熟者ですけど、よろしゅうお願いします」

なるべく標準語のアクセントで話そうとするが、どうしてもお国の言葉が顔を出す。
多分、少し訛っているように聞こえるだろうが、誠意は変わらない。
にこっと微笑む。

446『せんせいのかくしごと』:2019/01/27(日) 23:57:30
>>445(鈴元)
「よろしくお願いいたします、『戸葉』さん」

『武藤』も『鈴元』にあわせ、礼をする。

「ふゥん、『鈴元』さんねェ―――
 随分と若そうだけどダイジョウブなのかしらねェ」

『戸葉』は値踏みするかのように『鈴元』を眺める。

「それはもう………『院長』も認めた『優秀』な人材ですので。

 それでですね、『戸葉』さん………本日はこの『鈴元』に、
   『お話の聞き役』をさせて頂いてもよろしいでしょうか。

    『新人』にもいつかは『経験』させなければいけない事。
     心優しい方にしか頼めない事なのです―――『戸葉』さんのような」

 『武藤』がそんな『戸葉』に依頼する。

 『戸葉』は『えェ〜どうしようかなァ〜〜』などと渋るフリをしていたが、
   『武藤』のヨイショに気をよくしたのか、最後には許可してくれた。

「いいわよォ、じゃあ、『鈴元』さんだったっけ。

   まずきかせてもらうけど、
                   アナタ、『人生の目的』ってなんだと思うゥ?

          『人って何を目指して生きていけばいいのォ?』」

そして『戸葉』が『鈴元』に問いかけてくる。
 見かけのわりに、いや見かけどおりの、『ちょっとヘビィ』な話し始めだ。

447鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/29(火) 01:58:12
>>446

(そら、若いわな)

中学三年生だ。
この院内の平均年齢を下げている一員である。

「人生の目的……ですか?」

考える。
どう答えるか、ではなく答えてもいいかという意味で。
こういう場はなるべく相手に合わせるべきだ。
特に、こういうタイプの人間は。

「美意識」

「あるいは、納得とか哲学と言ってもいいですけど」

じんわりと背に汗がにじむ。
鈴元涼の背にある刺青。
咲いた桜のそれは鈴元涼が咲いた桜のようになりたいと願ったから掘られたものだ。

「なので、何を目指すかと言われれば、自分の思う自分、かと」

448『せんせいのかくしごと』:2019/01/31(木) 22:47:31
>>447(鈴元)
「へェ〜〜〜『自分の思う自分』か。
        そうねェ、その通りかもねェ〜〜〜〜」

『鈴元』の答えに『戸葉』はそういうと高笑いする。
印象はけして悪くはなかったようで、彼女はそのまま話し始める。

「ワタシも自分の『美意識』を信じて頑張っていたわ。
 若いころはね〜〜〜志も信念もあったわねェ〜〜〜。

 でも、世の中、いろんな形の『障害』が多すぎるのよ。
  自分の思う自分を目指して一本気に生きても、
    つまァ〜〜らない事で
       足をすくおうとする連中が多すぎるのねェ〜〜〜

  だから、ワタシはもっとも単純で、だけど、
   大抵の困難を解決してくれる魔法の『切り札』を集める事にしたの。

            それはァ〜〜〜『お金』。
      私の『人生の目的』は『大金持ち』になる事よォ〜〜〜〜

    こういうと見下す人もいるけど、シンプルでいいと思わない?
     悩み続けるのも大事かもしれないけど、
      分かりやすい『価値』を見つけたら後はそれを目指せば、
       限りある人生の時間を一番有効に使えると思うのよねェ〜〜〜」

『戸葉』は自分の話を一方的に語りだす。
自分がいかに苦労したかや『金もうけ』の話などを怒涛の勢いで喋り倒していく。

これを聴くというのが、このクリニックのサービスに
なっているようだが、聴く方は結構、大変かもしれない。

とはいえ『鈴元』の目的は『呪いの発現』。
それがこういうシチュエーションで出やすいというのであれば、
とりあえず口を挟まず、彼女に喋らせておくのも手だろう。

あるいは、『戸葉』に『クリニック』について、尋ねてみるのも悪くないかもしれない。

449鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/31(木) 23:36:35
>>448

「なるほどぉ」

人間の喋りというのはだいたい三つ。
話したがりか、寡黙か、聞かれれば答えるだ。
寡黙はそもそも答えも淡白で会話になりにくい。
目の前の人間は話したがりだ。
自分の話した言葉をフックにして別の話を展開する。
こういうタイプは気持ちよく合いの手を入れてあげればいい。

「それは大変でしたねぇ」

同調。
下手に口を挟まず、とりあえずは喋らせておいてみよう。

450『せんせいのかくしごと』:2019/02/02(土) 03:49:49
>>449(鈴元)

『鈴元』のとったの態度は『同調』。
それに乗じて『戸葉』はペラペラと話を続ける。


  ペラペラ
          ペラペラ
    ペラペラ
                 ペラペラ

         ペラペラ
                          ペラペラ

  ………
           ………
                       ………

上手く行き過ぎたようで、『戸葉』の話は止まらない。
これがいいのか悪いのか――――

とりあえず、いまのところ、『呪い』の兆候は一切ない。
そんなに数多く出現するような話ではなかったので、
あるいは『戸葉』のケースでは『呪い』は発動しないのかもしれない。

「それでその娘、『株』とか『投資』とかそうゆうのは『よくない』っていうのよね。
 それは『ギャンブル』なんだって! 『邪道』なんだってさァ〜〜〜。
 あ、バカなんだ、って思うわよね。
 日本の教育ってお金を稼ぐ方法については教えないじゃない?
 むしろ『真面目に働く』のが唯一の道、みたいなノリだものね〜〜〜
 あれじゃあ仕方がないのかしらね。ああいう娘が産まれちゃうのは。

 でも、ふふふ、それなのによォ〜〜〜、ふふふ、笑っちゃう。
 その娘、体よく『カモ』にされちゃったのよ。
 ちょっとイケメン風の………ふう、よ。ふう。
 よく見たら大した事のない男に『マルチまがい』の商材
 押し付けられてヒイヒイ言っているの!
 『それだけで儲かる! 大金が入る!』
 そんな話を信じちゃうのねェ〜〜〜〜愚か。

 最後は『戸葉さァん、この化粧品買ってくださァい』なんて
 ナメた事言ってきたから、ブロックして、完全無視。

 今、どうしてるのかしらェ〜〜〜
    転落人生まっさかさまかしら? 自業自得だけど」

『これ、美容外科で話さないといけない話ィ?』みたいな無駄話が続く。
ただ、そういう話をサービスで聴いてあげているから、ここは流行っている(た)のだろう。
『王様の耳はロバの耳』。愚痴の吐露の場の提供は、それだけで『癒し』という事か。

451『せんせいのかくしごと』:2019/02/02(土) 03:53:27
>>449(鈴元)


 ………
         ………


 ゴゴ
            ゴゴゴゴゴ

          ゴ

                 ゴ
                                ゴ


 ―――そして、『その瞬間』は唐突に。

            ふと、『鈴元』は『異変』に気づく。

正確なタイミングは分からなかったが、
 いつのまにか―――『手』。
 『目』を覆うのにちょうどいいサイズの『小さな両手』。
  それが『戸葉』のそれぞれの目を覆っていた。

  その『デザイン』は人間のそれではなく、
           『鈴元』が馴染む『異能』の意匠だ。

  ゴ    ゴゴゴ  ゴ ゴゴゴ ゴ ゴ ゴ

 『戸葉』や『武藤』はそれに気づいていないように思える。
 もちろん、そういう『演技』をしている可能性はあるが―――
 少なくとも目が塞がれている『戸葉』は『見えて』いれば、
 何かしらのリアクションをするのではないだろうか。

 ………

      「………? あら? あらァ?」

『戸葉』が混乱し始めたのは『手』が動き出し、
彼女の目がそれにあわせ、左右に明確に離れていってからだ。
あそこまで離れれば『視界』に確実に影響があるだろう。

『手』は更に移動し、それにあわせ
 『左目』は『頬』に『右目』は『額』に移動し始めた。
『戸葉』は何が起きているのかわからず、
 自分の顔を触りだすが、『現れた手』は『戸葉の手』を『透過』する。

「ちょ、ちょっとォ? なに!?

      どう、どう、どうなってるのォぉぉ〜〜〜〜!?」

『戸葉』の悲鳴にも似た訴え。
『武藤』は意外なほど冷静だが、
彼女はこの現象をすでに何度か見ているとの事。
『覚悟』がある、という事なら、
取り乱したりしないのはおかしい事ではないのかもしれない。

このまま『観察』を続けるか、
     あるいは何かしらの『干渉』を行うか。
              それは、『鈴元』の考え次第だろう。

452鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/03(日) 00:21:58
>>450-451

「それは難儀でしたねぇ……」

柔らかく笑みんで返しながら相手の様子を見る。
話の内容も重要なので聞いておくが、気分のいい話ではないかもしれない。
否定できる立場でも人生でもないし、性格でもないからちゃんと聞くが。

「……!」

(出た、出てきた……!)

特に引っかかるような特別な言葉はなかったはずだ。
だとしたら、これは言葉に反応するものではないのか?

(来て……)

『ザ・ギャザリング』を発現し、現れた手を掴みに行く(パス精CCC)

「……多分、心のどっかの不安な気持ちが出てきてるんだと思いますから」

「目を閉じて深呼吸を……必要なら手を握っても……」

聞きいれられるかは分からないが、一応声はかけておく。
自分が取り乱しても相手の動揺をあおるだけだし。
どんな人間でもここに来た以上は自分の客だ。
この場で安心安全の保障は出来ないが、不甲斐ない姿は見せられない。

453『せんせいのかくしごと』:2019/02/03(日) 00:53:01
>>452(鈴元)
「不安………そう、なの………!?
 でも! グルグル目がァ〜〜!
  『メマイ』って、れ、レベルじゃあないわよォ〜〜〜!!」

『戸葉』に声をかけるが、容易に心を落ち着かせられる状況ではないようだ。

そこで、『鈴元』は、祈り、念じ、

           『 ハ ラ リ 』

     舞い落ちるように『ザ・ギャザリング』を発現する。
               そして、すぐさま、元凶の『手』を掴もうとするが………

                      ―――『するり』

『手』は『ザ・ギャザリング』のそれを『透過』して掴ませない。
おそらくだがこれは『能力(?)』の『象徴』のようなものなのだろう。
すでに『発動』してしまっている証―――普通のやり方で止める事は難しそうだ。

  ………

          ………

『一分』ほど経っただろうか。『両手』はおもむろに消える。
そして、後に残るは『手』が最後に消えた位置に『目』を持つ『戸葉』だった。
『右目』は顎の部分、『左目』は鼻の横あたりで固定されてしまっている。
そんな事態になっても、ずっと『見えて』はいたようだ。

    「…………ど、どうなっちゃったのォ!?」

『戸葉』にとってみれば『視界』が動くのが止まった形だろう。
このタイミングを逃さず、慌てて自らのバッグからミラーを取り出し、

   そして………
                       パたリ。

     自らの顔を確認した『戸葉』は、『意識』を失う。

「………倒れてしまいましたね。まあ、無理もないと思いますけど」

『武藤』が呟くようにそう語る。冷静そうにみえるが、その顔は蒼白。
やはり、『覚悟』していても『呪い』をみるのは
気持ちのいいものではない、という事なのだろうか。

「手伝ってもらえますか?」

『武藤』は部屋の奥に置いてあった『担架』を持ってきた。
さきほどは気付かなかったが、奥のスペースに『ベッド』もあるようだ。

               「一度、ベッドに寝かせてしまうので」

454鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/03(日) 01:57:24
>>453

(うわ)

触れない。
すでに顔の変質は決定づけられている。
回避は事前に謎を潰しておくしかない。

「……」

やってしまった。
申し訳なさそうに目を伏せた。

「はいな……」

武藤を手伝って担架を持とう。

「武藤さん、慣れてはるんやね。僕まだ心臓がバクバクして、全然アカンかったわ……」

「すんません……」

455『せんせいのかくしごと』:2019/02/03(日) 02:29:40
>>454(鈴元)
「『初めて』なら仕方がないでしょうね。
 先ほども言いましたが私は『二回』、直接目にしていますし
 他の人が見た話も聴いてますから―――」

二人がかりで『戸葉』をとりあえずベッドに乗せた。
グッタリとする『戸葉』。目の位置は奇妙な場所のままだが、
改めて見ると、まるで始めからその位置についていたかのような自然な癒着だ。

「―――大丈夫。時が経てば治りますよ。
 今までの発症した方すべてがそうでしたから」

『武藤』が『鈴元』にそう声をかける。

「………次の『予約』まで、まだ時間があります。
 少し落ち着いたら『戸葉さん』を『レストルーム』に運んでしまいましょう。

 ―――しかし、本当になぜ、こんな事が起こるのかしら。
     『呪い』だとか言うけれど『院長』は本当に頑張っていらっしゃるのに」

『武藤』が軽くため息をつく。
幸か不幸か、『呪い』のおかげで少しだが時間が出来た。

『考察』をするもよし、『情報収集』するもよし、いっそ『休息』したっていいだろう。

456鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/04(月) 04:22:59
>>455

「そうやとしても、流石です」

こういうことがそう何度も起きると院としても大変だ。
やはりこれはなんとかしないといけない問題である。

「……武藤さんが前に呪を見はった時もこんな感じやったん?」

457『せんせいのかくしごと』:2019/02/04(月) 21:55:04
>>456(鈴元)
「ええ、そうですね。私の時も、二度とも患者様の『話』を聴いていたら
 患者様の顔の部位があんな風に目まぐるしく崩れていって………
 終わる時間も大体あのくらいでした」

『手』の事には触れない武藤。
 時間については『能力』の施行時間とみるべきか。
 そして『条件』については、素直に考えれば、
  やはり『話』が怪しい、という事になるのかもしれない。

「先程も言いましたけど『録音』についてはのちほど。
 一刻も早く、貴方達に、『呪い』を解いてもらいたいものです」

『武藤』は心から心配しているようにみえる。
もちろん、人間の心中などそう容易く
分かるわけはないので、絶対とは言えないが―――

458鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/05(火) 00:26:38
>>457

「その時になんか変なもん見たりとかせぇへんかったですか?」

多分、手は見えてないのだと思う。
もしも見えていたのだとしたら教えてくれていただろうとも考える。
人を疑うより、人を信じていたかった。
少なくとも、現段階においては。
『ザ・ギャザリング』で攻撃する振りをすれば、反応があるか確かめられるかもしれないが、それをする気にはなれなかった。

「そうやね、録音とかも確認して考えんと」

「実際この目で見れたんは収穫といえば収穫やけど」

院的には起こさないに越したことはないだろう。

459『せんせいのかくしごと』:2019/02/05(火) 22:22:27
>>458(鈴元)
「変なもの……? この現象そのものが変と言えば変ですけど………?」

『武藤』が首をかしげる。やはり、心当たりはない、といった様子ではある。

 ………

        とぅるるるるる

と、ここで『カウンセリングルーム』の電話が鳴る。
手際よくそれに出る『武藤』。

「『武藤』です。

    ―――はい ――――はい。

                    分かりました。伝えます」

少しのやり取りで『武藤』は電話を切り、『鈴元』に話しかけてくる。

「『院長』からでした。『鬼塚』さんの時間がとれそうなので、
 もし、今、話を聴きたいのであれば、『院長室』まで来てほしいとの事です。
 ただ、まだ、他の『患者様』の話を聴きたいのであれば、
 『後回し』にしても構わないとの事でしたが―――」

『鬼塚』は確か、呪いが起こる前に雇ったナースという話だったか。

「いずれにせよ『戸葉』さんを『レストルーム』に運んでから、という事で構いませんか?」

460鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/06(水) 00:23:23
>>459

「いや、ええんよ。ちょっとそう思っただけで」

ひとまず、そういうことにしておこう。
現実はどうか分からないが。

「鬼塚さん?」

思ったより早かったか。
いや、これぐらいの予想だったか。

「……そうやねレストルームに運んでから、鬼塚さんとお話させてもらおかな」

461『せんせいのかくしごと』:2019/02/07(木) 00:02:14
>>460(鈴元)

『鈴元』の言葉に『武藤』は深く頷く。
二人は再度、協力し合い、担架に『戸葉』を乗せた。

 ……… ……… ……… ………

赴いた『レストルーム』は、部屋の雰囲気は他の物と似ていた。
大きなソファとテーブル、中央には『お菓子』が置かれており、落ち着いた雰囲気。
個別にトイレルームが取り付けられており、大きな鏡と洗面台もある。
奥にベッドがいくつかあるのも特徴か。
これなら何人か、倒れても問題はないだろう。

協力し合い、『戸葉』を『レストルーム』のベッドに移す。

「ありがとうございます。後の事は任せて頂ければ。
『院長室』は、分かりますよね?」

『武藤』が軽く会釈する。問題なければ、
そのまま『院長室』へと向かい、『鬼塚』と会うといいだろう。

462鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/07(木) 02:18:23
>>461

ベッドがいくつもあるのはそれだけ人が入れられるようにするためだろう。
他にも理由はあるかもしれないけど。
またこのベッドに寝る人が増える日を作らないといけない。

(それはそれで問題か)

施術が立て込み過ぎている。
鏡で身だしなみを一応チェックしておこう。

「うん。院長室は一人で行けます」

「ありがとうございます」

頭を下げて礼を言って、院長室に向かう。

463『せんせいのかくしごと』:2019/02/08(金) 07:04:11
>>462(鈴元)
まずは鏡で身だしなみをチェック―――
清潔感溢れる『ナース服』、そして主張しすぎない『ナチュラルメイク』。
『鏡に映る鈴元』は『鈴元自身』が見ても十分に『女子』に見える。

その後、『武藤』へ一礼し、『院長室』へと向かう『鈴元』。
『呪い』を『単純なスタンドの腕力』で防止できない以上、
とにもかくにも『解決』には情報が必要だ。
今は黙々と必要な情報を集めていく時だろう。

 ……… ……… ……… ……… ………

「―――どうぞ」

『院長室』にてノックすると、『院長』の声が『鈴元』を出迎える。
部屋に入ると、『阿多院長』および、少し陰鬱そうな印象を受ける
細身の女性が居た。女性は『鈴元』と同じナース服を着ている。

「『調査』は順調? 話のとおり、『鬼塚さん』を呼んできたけど」

 『阿多』の言葉に、

 「『鬼塚』です……よろしくお願いしします………」

ぽつぽつともう一人の女性が喋る。彼女が、『鬼塚郷子』なようだ。

「どうする? 私が居るとよくないなら、席を外すけれど―――」

『阿多』がそう提案する。

464鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/09(土) 00:24:46
>>463

「……」

見られる女装なのがやっぱり不思議な気分だ。
もう少し所作に気を使えば女性として一日過ごせてしまいそうで。

(……うぅ)

自分の男性性に不満は無いが、これこれで困りものだ。

「はは……おかげさんで」

院長の言葉に曖昧に笑う。
順調というか呪いを起こしてしまった。
収穫といえば収穫なのだが。

「鈴元涼ぉ言いますぅ」

鬼塚に頭を下げた。

「あ、えっと……鬼塚さんが院長とおった方が話しやすいんやったらそれで大丈夫なんやけど」

465『せんせいのかくしごと』:2019/02/09(土) 13:54:11
>>464(鈴元)

「いえ……別に、話せます。一人でも」

『鬼塚』がそう答える。大人しそうな感じではあるが、
流石に一人で話せないレベルでは
ここの仕事はこなせないという事だろう。

「そう………では、私は『診察室』の方へ行っているわね。
 そろそろ『セラピールーム』の患者様を診る準備をしておきたいし」

『阿多』はそう言うと、立ち上がる。
『セラピールーム』は『門倉』が立ち会っている方か。
『何事』もなければ、その後に『診察』という流れなのだろう。

このまま行けば、『阿多』は出ていくだろう。
そこから『鬼塚』との会話が始まるはずだ。

自分から何か言うようなタイプではなさそうだし、
『鈴元』から、会話を引き出してあげるといいのかもしれない。

466鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/09(土) 23:15:05
>>465

院長にはご退室願おう。
……『ザ・ギャザリング』を出現させ院長について行かせる。
セラピールームにいる門倉に呪いを起こしたのを伝えるためだ。
射程外の場合はスタンド会話で叫んでおこう。
一応、鬼塚にも見えているか少し確認だ。

「えっとぉ……改めて、鈴元涼です。今回の呪いの騒動をなんとかして欲しいと依頼されて、ここにおります」

改めての自己紹介。

「院長先生に呪いが起きる前に変わったことは無かったか聞いて、忙しなったから人を雇ったって話を聞いたんよ」

「それが鬼塚さん、でええんよね?」

467『せんせいのかくしごと』:2019/02/10(日) 00:25:01
>>466(鈴元)

『ザ・ギャザリング』が院長の後に続く。
『鬼塚』は見えていないように思えるが、それは、あくまで『印象』だ。

「あ、はい……『鬼塚』です」

『鈴元』の再度の自己紹介につられるように『鬼塚』も再び名乗る。

「え………『院長』がそんな事を言ってたんです?
 私が『変わった事』って………や、確かに『変な事件』が起こる少し前に
  私が入ったのは間違いないですけど………

   え………疑われているんですか? もしかして私が?」

『鬼塚』は敏感なところがあるのか、今の話だけで不安になってしまったようだ。

468鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/11(月) 04:27:57
>>467

鬼塚は心配性なのだろうか。
口数が少なそうな感じであるし、そうなのかもしれない。
警戒されたり不安な気持ちがある状態では話もしにくいか。

「でも院長さんはこの呪いが始まっても辞めずに働いてくれてるって言ってはったよ」

「院長さんからしたらありがたいことやと思うし、多分鬼塚さんが頑張ってはるん知ってるんやと思うんよ」

あの呪いを何度も見れば辞表を出したくなる者も出るかもしれない。
しかし、それでもこの病院には人がいる。

「それに僕の聞き方も悪かったんやと思うわ」

「変わったことはないかぁなんて、怪しい人の出入りとかなかった? って、聞くべきやったやんねぇ」

「鬼塚さんが来はったんは、変わったことは変わったことでも、嬉しいことの方やよ」

柔らかく笑ってそう伝える。
鬼塚が気にする事は何一つないのだと伝えたい。

469『せんせいのかくしごと』:2019/02/11(月) 11:51:22
>>468(鈴元)

「え………『院長』が私をよく思っているって事ですか?
 えへへ……本当ならうれしいな。
 『院長』、いつも、カッコいいし、趣味もいいし………」

『鬼塚』は照れる。不安はいくらか解けたようだ。

「それで………訊きたい事というのはなんですか?
 初めに言っておきますけど、私………『呪い』なんて全然分かりませんからね。
 ほかのベテランの方と違って、遭遇した事もないですし……」

真剣な表情で『鬼塚』は語る。

470鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/13(水) 02:06:54
>>469

「僕はそうやと思うます……うふふ、鬼塚さん、院長先生の事尊敬してはるんやねぇ」

信頼というか、憧れのようなものだろうか。
そういう関係になる人がいるのはいいことだろう。
目標のような存在だ。

「とりあえず呪いを見た時のことを……へ?」

遭ったことがない。
遭ったことがないといったのか。
ベテランか若手というのは恐らく関係がない。
鈴元自身が呪いを確認したのだから、きっと関係はないはずだ。

「……それは」

なんでと相手に聞いても分からないだろう。

「鬼塚さんって他のお人さんと対応が違うんやろか……」

「あ、鬼塚さんは一人で患者さんの応対とかのお仕事してはるんやろか」

471『せんせいのかくしごと』:2019/02/13(水) 04:52:49
>>470(鈴元)
「え………そういう話出ちゃってます?
 『鬼塚の対応なんか違うよねー』みたいな感じですか……?
   う……うう……が、頑張っているんだけどなぁ………。

 ひ、一人で応対する事もありますよ……。
   穏やかな方とか………大人しい方とかは………

   でも、私………なんか、『会話』を盛り上げるのが苦手で………
      よく喋る患者様は、『気持ちよく喋れない』とかで、先輩方を指名したり………

       イライラするとか……  なんとか………
                                   ………ううう……」

『鬼塚』は話しているうちに、だんだんと辛そうな感じになってくる。
話の限りでは、『患者が話す時間』が回数、質ともに
圧倒的に他のスタッフより少ないのだろう。

それでも『鈴元』よりは多いだろうが………
逆に『鈴元』が一発目に引き当てたのが『奇跡的』だといえるのかもしれない。

ともあれ、『鈴元』が『呪い体験』について
『鬼塚』に訊きたかったのであれば、あてが外れた事になるが―――

472鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/13(水) 22:57:08
>>471

「あぁ、すんません、辛いこと思い出させてもうて」

「誰で初めのうち慣れへんと思うし、ゆっくりで大丈夫やと思うよ?」

鈴元は彼女が今回の騒動の中心にいるのだと考えていた。
単純な考え方で、犯人の疑いがあると思っていた。
だから接触をしてみようと考えた。
若干毒気を抜かれた感があったが、しかし話してみれば犯人ではなさそうである部分の方が強い。

(気持ちよく……かぁ……)

「鬼塚さん、よかったら一緒にカウンセリングしてもらわれへんかな」

473『せんせいのかくしごと』:2019/02/14(木) 04:25:03
>>472(鈴元)
「あ………
        はい……ありがとうございます………。

 私、こういう感じなので、他の場所ではあんまり上手くいってなくて………
 『院長』みたいなステキな方の元………働けるのは本当に嬉しいです」

『鈴元』の優しい言葉に、『鬼塚』は礼を言う。

『犯人』………アレが『スタンド』ならば基本的にはそれを操る『本体』がいるはずだ。
極論を言えば、『本体』をどうにかすれば『スタンドの謎』など解かなくても事態は解決する。
『呪い』の能力の詳細や、発動条件だけでなく、本体自体を特定するというのも一つの手か。

「え………『カウンセリング』? ああ……今、『鈴元さん』がやっているんでしたっけ。
 『院長』が許してくれるんであれば………別にいいですけど」

『鈴元』の申し出を承諾する『鬼塚』。もっとも彼女が言う通り、
責任者である『院長』の許可は必要だろう。

474鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/15(金) 01:06:13
>>473

「うんうん。大丈夫やよ。いまお話してても鬼塚さん、ええ人やって思うし」

しかし鬼塚が犯人でないとなると困ったものだ。
院長の答えからすると新しい人の出入りもなさそうだし。
……流石に全スタッフを調べるのは難しそうだし。

「そう。もしかしたら呪いが起きる条件みたいなんがわかるんかもしれんと思って……」

「院長さんにお願いしてみよか……?」

475『せんせいのかくしごと』:2019/02/15(金) 07:53:12
>>474(鈴元)
『鈴元』は犯人について考える。
全スタッフ………そもそも全スタッフは何人なのだろうか。
『医師』は、おそらく『院長』一人。
更に『呪い騒ぎ』で人が辞めているとなると、意外と多くないのかもしれない。

「『呪いの条件』……? 私が居たら分かるんです……?
 でも、それが分かって『院長』が喜ぶなら私もうれしいです……
  『院長』、趣味もいいし、私に優しいし………」

『鬼塚』も乗り気のようだ。これ以上訊く事がなければ、
『院長』にお願いしにいくのもいいだろう。

476鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/16(土) 02:29:54
>>475

鍵になりそうなのは今のところ院長か鬼塚だろうか。
まだ分からないが。
原因が分からないことには絞り込みも難しいところだ。

「分かるっていうか、呪いが起きへんのはなんでかって調べられるんちゃうかなって」

(ほんまに院長さんのこと信頼してはるんやね……)

過剰とも思われるものかもしれないが、鈴元にとってはそれくらいの気待ちが普通だった。
院長にお願いしに行こう。

477『せんせいのかくしごと』:2019/02/16(土) 03:41:10
>>476(鈴元)

「なるほど……なんにせよお役に立てるなら喜んで……」

そんな『鬼塚』と共に、『鈴元』は『院長』の元、『診察室』へ向かう。

  ………

そういえば『ザ・ギャザリング』は無事、『門倉』の元へ行き、呪いの事を『スタンド会話』で伝えられた。

『ザ・ギャザリング』で確認した限りでは、『セラピールーム』では最初の患者との対話が終わっていた。
『セラピールーム』で『呪い』が発現した様子はなく、『角田』がそれとなく『門倉』にダメ出しをしていた。
さらっと聞いた感じだと、『門倉』がやたらと喋りすぎてしまったようだ。

そんなわけで『ザ・ギャザリング』は『門倉』に伝言を届けたまま、『セラピールーム』に居る。
そのままそこに居させてもいいし、一旦、戻すのもいいだろう。

        ………

そして、『鬼塚』と共に『鈴元』は『診察室』の前まで来た。

「……そう! ワタクシ、顔をいじるなんて! と思ってましたけれど、
 大事なお友達がねェ、しちゃったって言うんですのよォ。ですから………」

中から声が漏れてきている。どうやら『診察中』のようだ。

流れとしては『セラピールーム』で、『門倉』達が対応した患者なのだろう。
声が非常に大きいようで、それなりに分厚い『診察室』のドアからも患者の声が漏れ聞こえる。

「………主人も、子供たちも賛成してくれて、
     ワタクシ、感激してしまったんですのよ。

  センセは『独身』でしたっけ?

  ………あらそう。

   おキレイなのにねェ〜〜
    やっぱり女のお医者サマだと色々と難しいのかしら? おほほ」

478鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/17(日) 02:31:00
>>477

(喋り過ぎ……かぁ……)

やはり喋る量なのだろうか。
鬼塚が呪いを見た事がないのが気持ちよく話せないからなら、その辺も関係がありそうだ。
まだ一応セラピールームにスタンドはいてもらおう。

「……」

診察室から聞こえてくる会話に少しだけ瞳が揺れた。
無意識のものだ。
あまり聞きたい話ではない。
阿多がどんな人生を歩もうとそれは自由で、独身であることも綺麗であることも何一つ問題は無い。
扉の向こうの客が笑う意味が鈴元には理解出来なかった。

「もうちょっとおろか」

479『せんせいのかくしごと』:2019/02/17(日) 10:33:48
>>478(鈴元)

『鈴元』は『診察室』の前で待つ事を『鬼塚』に提案する。
『鬼塚』は、無言。見ると明白な『怒りの表情』だ。
怒りのあまり、返事もできないような状況なのだろう。

「―――え?
 ああ、少し声が大きかったかしら?ごめんなさいねェ。
 『セラピー』の方であんまり話せなかったもので、つい。

  でも、ワタクシ、さすがにあの『ナース』さん、良くないと思うんですのよォ。
  自分ばっかり話しちゃって、アレじゃあねェ〜〜」

『ザ・ギャザリング』の情報と合わせて考えれば、『門倉』の事か。

ともあれ、『阿多』が患者の声が大きい事をそれとなく伝えたのだろう。
これ以降、『診察室』から声が漏れる事はなくなった。

「………『武藤さん』に聞いたんですけど、かなり昔に
 『院長』には『真剣にお付き合いしている人』が居たんですって。
 でも『お仕事』の事とか色々あって、結局、『結婚』しなかったって。

 『院長』はそれだけこの仕事に賭けているんですよ。
 ああいう厚顔無恥で極悪非道な誹謗中傷にも負けないくらいに………」

『怒気』と『気遣い』が、『鬼塚』の語りから感じられる。

480鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/19(火) 00:36:27
>>479

「……そんなことがあったんやね」

「やとしたら……まぁ、やとせんでも、さっきのは気持ちのええ物言いではなかったわぁ」

鬼塚の言葉に小さく頷いて同意する。
阿多を否定することなどできない。
自分が助ければいけない依頼人だからじゃない。
鬼塚に、人にこれほど慕われるにはよほどの魅力がなければならない。
ただ、人は時が経てば咲く花ではない。
努力の上に実を結ぶものがあるのだ。

「僕は今日のお仕事が終わったらさよならやけど、鬼塚さんはいてはるから」

「その院長センセの賭けを支えたってください」

(……)

そういえば、だが。

(さっき呪いを受けたお客さんもたしかあんな風に人を悪う言うてはったはず……)

(喋りたがりなんも一致してるんかな……)

(服の乱れが心の乱れ。じゃあ言葉の乱れは……)

顔の乱れか?
まさか。

481『せんせいのかくしごと』:2019/02/19(火) 20:34:33
>>480(鈴元)

「はい……! もちろんですとも……!
 『院長』は、出来る女で、趣味がいいですからね………!
  ずっとついていくつもりです………!」

 『鬼塚』が『鈴元』の言葉に強く頷く。

   そして―――

                               バタン

『診察室』から樽のような熟女が出てきた。
チャラチャラとつけた高価そうな装飾品は見せびらかす為につけているかのようだ。

彼女の顔に『異常』はみられない(元々の顔つきは『悪い』が)。
『言葉の乱れ』に着目した鈴元の憶測は、
少なくとも彼女に対しては当てはまらなかったようだ。

女はそのまま受付へと向かおうとしている。
これで『院長』はフリーになっただろう。

482鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/20(水) 23:25:49
>>481

(趣味がええのは知らんけど)

そこまでになると崇拝だが。

部屋から出る人を見る。
憶測は外れた。
また別のところから考えよう。

「行こか?」

鬼塚と院長のところに向かおう。

483『せんせいのかくしごと』:2019/02/21(木) 01:26:00
>>482(鈴元)

気を取り直し『阿多』のところへ向かう二人。
ノックすると、『どうぞ』の声。そのまま入る。

「―――ああ、お話はもう終わったの?
 何か実のある話が出来たならよかったけれど」

『阿多』は二人にそう話しかける。

「え………あ、はい。なんとなく、話は、出来ました。
 それで、ええと………『事件解決』の為に、
  私が『鈴元』さんと一緒に、『カウンセリング』を
    行おうという話になったんですけど………大丈夫でしょうか」

先程の話は『鬼塚』の方からしてくれた。

「それは、別に構わないわよ。
 『カウンセリング』の方は、もうしばらくしたら
 新しい患者様が来る予定だし」

あっさり許可を得る事が出来た。

484鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/22(金) 02:07:59
>>483

「ありがとうございますぅ」

「……正直、意外というか、ええんですか?」

慣れてない同士のペアということになる。

「鬼塚さんが呪いにあったことないってことで、話を聞いてたんやけど」

というか院長は知らなかったのか。

485『せんせいのかくしごと』:2019/02/22(金) 07:32:23
>>484(鈴元)

「………このままじゃあこのクリニックは潰れてしまう状況よ。
 だから『非科学的』だと思っても貴方たちに依頼した。
 『解決』のためだと言うのならよほどの事じゃあなければ許可します。

ただし、私には貴方たちが『本物』かどうか確かめる術はない。
 だから、期限は今日かぎり。今日だけはとにかく信じるし、
 今日で無理なら他を探す、そういう線引きをさせてもらっているわ」

『阿多』はそう答える。確かに補佐をつけているとはいえ
『鈴元』や『門倉』に直接、患者対応させている時点で、
それなりの『覚悟』はあるのだろう。

「『呪い』にあったことがない……ああ、『鬼塚さん』は当たった事がないんでしたっけ。
 『呪い』について訊きたいという事だったのなら、事前に言っておけばよかったわね」

『呪い』の直接体験は重要な情報ではあるが、他の情報に価値がないわけではない。
『阿多』としてはその他の情報を得るために『鬼塚』に接触したのだと思っていたのだろう。

 ………

それはそうと『ザ・ギャザリング』の視覚で、
『セラピールーム』にて『門倉』が一人になっているのが見えた。
どうやら『門倉』の相棒のナース、『角田』が何かの用事で席を外しているようだ。

もし、何かあるのなら一度、『門倉』と相談して
『現状の整理』や『新たな方針の模索』などしてもいいだろうし、
このまま、『鬼塚』と次の患者の『対応』を行ってもいいだろう。

もちろん、他の行動をするのも『鈴元』の自由だ。

486鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/22(金) 23:18:30
>>485

「……おおきに」

頭を下げる。
こちらとしても今日という日を全うしなければならない。
全て、だ。
全てを完全にしないと終わらせられない。

(もっと色々情報をとっときたいけど、どこからにしよかなぁ)

まだ手札も少ないし。
いったん整理した方がいいだろうか。
このまま呪いが起きるかどうかを確認し続けても、前進の兆しが見えないかもしれない。

『門倉さん、僕です』

『えっと、相談してもええやろか』

門倉が了承してくれたら以下のことを伝えよう。

『さっきお話聞いてたら呪いが起きて、その後に鬼塚さんから話を聞いてたんよ』

『鬼塚さん、呪いに当たったことがないって言うてはって』

『もしかしたら、呪いが起きへん理由がなんかあるんかと思ってこれからカウンセリングするんやけど』

『そっちの具合はどない?』

487『せんせいのかくしごと』:2019/02/23(土) 01:01:41
>>486(鈴元)
『鈴元』は『阿多』の話を受け、少し押し黙った。

  ―――ように『阿多』や『鬼塚』には見えただろう。

 ………

実際は『門倉』と『スタンド会話』を行っていた。

【こっちはまだ一人対応しただけで『呪い』に出会っていないね。
 少し、ほんの少しだけ『トラブル』があったが―――
 まあ『呪い』自体とは関係ないだろう】

    『門倉』が喋りすぎてしまった件の事だろう。

【『呪い』の起きない理由、か。
 ううん……時間があればそれもアリなんだろうが、
 話をきくに『呪い』が起こる確率はさほど高くはないんじゃあないか?
 それが『意図的』なのか『偶然』なのかは分からないが。

 例えば今回、俺が立ち会った際に『呪い』は起きなかったわけだけど、
 それが俺のせいかどうかは証明出来ない。鈴元君が明確な根拠の元、
 『実証』の段階に入っている、というのなら話は別だが―――】

     『門倉』はいつもの調子で長々と語る。

【個人的には今回の依頼、いくつか解決の糸口はあると思う。
 具体的には『呪いの条件』『呪いの理由』『犯人』あたりか。

 今、俺達は『呪いの条件』を中心に探っているわけだけど、
 これはもうとにかく『サンプル』を増やさないと難しいように感じる。
 出来るだけ多くの『発症事例』を集めて、それらを精査する事で条件を探る―――
 正攻法だとは思うが、時間がかかるし袋小路に陥る可能性もある。

『呪いの理由』はそもそもなぜこのクリニックが『呪いの標的』になっているのか、という話だ。
これが分かればその理由を排除する事で解決に導く事も出来るし、
更にさっき言った『犯人』にそのまま繋がる可能性がある。

『犯人』………もしかしたらそんな者はいないのかもしれないが、
俺はこの事件はあくまで『スタンド使い』が起こしている事件だと思っている。
だから、いわゆる『本体』だね。それを見つければ解決はグッと近づくんだが】

   『門倉』の言い分を信じるならば、『呪いの条件』と並行して、
   『呪いの理由』や『犯人』に繋がる情報も探っていくべきかもしれない。
   ただそうはいってもこちらも途方もない道な気がするが―――

【それはそうと鈴元君、君は実際、『呪いの現場』を見たという事だが………
 そこでこの『呪い』、いや、『能力』がどういうものか、何か感じた事はなかったかい?

 そもそもどういった『能力』なのか、それが理解できれば、
  芋づる式に『条件』や『犯人』も分かる可能性だってある】

488鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/24(日) 01:26:48
>>487

『鬼塚さんが呪いにおうたことがない理由は……その、おしゃべりが他の人より苦手ってことやと思うねん』

『僕ん時は相手のお人さんが喋りはる人やったから相槌を打っとったんやけど』

『やから、おしゃべりの中身になんかきっかけがあるんかと思ったんよ』

ただ、それは確証ではない。
予想の範囲を出ないものだ。

『うん、そういうところも探りたくて』

途方もないが、核心は近い。
それに犯人も理由も密接にかかわっている。
どちらかが分かれば大きな前進と言って差し支えないはずだ。

『……手ぇやった。スタンドで触ろうと思ってんけどすり抜けて』

『武藤さんが本体じゃないんやったら、勝手に動いてるんやと思う』

『手ぇのスタンドじゃなくて、能力を使うために手ぇが出てるんかもしれへんね』

『……手ぇが目ぇを動かしてて……福笑いみたいに……』

『そういえば、目ぇの位置だけ動かしてた気が……』

思い出してみよう。
あれは目だけを動かしたのか?
多分、そのはずだが。

489『せんせいのかくしごと』:2019/02/24(日) 08:54:35
>>488(鈴元)

【『おしゃべりの中身』、ふむ………そうだね。
 その話をきくに可能性としてはありそうだ。

 そして、『勝手に動いているであろう触れられない手』か。
  こちらのスタンドで無理やり止めるなんて事は出来なそうだね。
   『自動操縦』みたいなものだったら、やはり『条件』がありそうだが――――

 ………目が手を動かす。

           ………『福笑い』………

      確かに、今の話を聞くにその言葉はしっくり来るね】

『鈴元』は記憶を呼び起こす。『手』の動きに沿って動いたのは『目』だけだった。
だが、『阿多』は呪い時には『目や鼻や口がみんな顔の下に集まった』と証言していた。
『目』だけでなく顔のパーツがおかしな方向に動く………
それに『鈴元』の見た『手』を合わせて考えれば、『福笑い』というのは適切な見立てだろう。

【………やはり『鈴元君』を連れてきてよかった。
 そういえば君は最初から、そう表現していたね(>>419)。
 その『直観』―――俺にはないものだよ。

 『福笑いを模した能力』………
  仮にそれが正しいとすると、『呪い』という言葉とは違う趣きを感じるね。
 『条件』『理由』『犯人』、それらに繋がるヒントになるような気もする。

  それを軸にもう一度考察してみて、そして―――

    ………あ、すまない。『角田』さんが帰ってきた。
     この会話なら継続出来なくもないが、
     こちらもこちらで今の話を元に『情報収集』に集中してみるよ。

                            では、また―――】

『門倉』は一方的にまくしたて、そして、一方的に会話を中止する。
『ザ・ギャザリング』の視覚でも確かに角田は帰ってきている。

 ………

「………あの、じゃあ、『カウンセリングルーム』、行きましょうか?」

『鬼塚』が語りかけてくる。

当初の予定通り、彼女と『カウンセリング』しに行ってもいいだろうが、
『名探偵』とは気まぐれなもの。
『門倉』との会話を踏まえ、まったく別の事をしてもいいだろう。

また、どうしてもまだ『門倉』と相談したいという事なら、
その旨を『スタンド会話』で伝え、どこかで合流するのも手だ。

490鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/25(月) 23:16:47
>>489

『せやと、ええんやけど……』

福笑い。
なにか繋がるものはないか。
正月。
笑う門には福来る。
お亀……お多福。

(あぁ、お多福って阿多福やったか……)

そんなことも考えつつ。
ひとまず門倉とは解散しておこう。
後で合流出来そうならすればいい。

「……そうやね」

とりあえず鬼塚とカウンセリングに向かおう。

491『せんせいのかくしごと』:2019/02/26(火) 22:45:56
>>490(鈴元)

様々な思いを巡らせながら、
『鈴元』は『鬼塚』と共に、『カウンセリングルーム』と向かう。

「―――よろしくね」

去り際に『阿多』からの言葉。

 ………

「ええと……次の患者様は『板槻 波音(いたつき なみお)』さん。
 二重手術がしたい方みたいですね」

『カウンセリングルーム』に向かう間に『鬼塚』がそう教えてくれた。
『阿多』から渡されたのであろう資料を見ての発言。

移動にさほど時間はかからないだろうが、
今のうちに『鬼塚』に何か訊いておきたい事があれば、
訊いておいてもいいだろう。

492鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/28(木) 01:45:10
>>491

「二重手術」

まぶたを二重にするのだろう。
生まれつき二重の自分にはやはり縁がない。

「そういえば阿多先生って落ち着いてはるやんね」

「こないな呪いが起きてるけど取り乱してる様子もないし」

「怒ったりすることとかあるんやろか」

493『せんせいのかくしごと』:2019/03/01(金) 05:54:37
>>492(鈴元)
移動時に『阿多』の話題をふる『鈴元』。

「え………『院長』の話? 『院長』に興味がある?
  『鈴元』さん、もしかして『院長』を狙っているんですか………?」

    何やらおかしな方向へと話を展開させる『鬼塚』。

「やめといた方がいいですよ! やめといた方がいいですよ!
 『院長』は付き合えるようなタイプじゃあないんです!

『どこかに行きましょう』って誘っても、大抵断られる………
『阿多 佳久子』………院長は、33歳、独身……
仕事はまじめでクールビューティーな、『趣味』のいい女性……
なんだかエリートっぽい気品ただよう顔と物腰をしているため、
女子スタッフのあこがれの的だけど、オフの姿はほとんどみせない………」

謎の説明と共に『鬼塚』の話は続く。

「『呪い』についてはずっと起きている事だから、
 もう『取り乱す』という段階は超えているんじゃないですかね………。

『怒ったり』………ですか。
 ミスをすればそれなりに叱られますけど、それも仕事熱心だからでしょう。
 家だって隣だし、何かあったらすぐに対応できるようにしているんです……」

494鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/01(金) 22:32:18
>>493

「え、あ、え、いや、なんで?」

急にそんなことを言われて慌ててしまう。
ぽっと頬に赤みが差した。
別にそんなつもりはなかったのだが。

「あぁ……さいですか」

阿多福というよりはやっぱりお高い人か。
鬼塚の熱意が強いのは十分理解できた。

「家も隣なんや」

不思議な話ではないか。
通勤が楽である。
そのかわり、仕事とプライベートの境目が無くなっていくが。

「やっぱり落ち着いた人なんやねぇ」

『ザ・ギャザリング』にその家に呪いの原因がないか探しに行かせてみよう。

495『せんせいのかくしごと』:2019/03/02(土) 01:39:37
>>494(鈴元)

隣の家―――『門倉』が言っていたデカい家か。
『鈴元』は改めて『クリニック』と『デカい家』の位置関係を思い出す。

『ザ・ギャザリング』の射程距離は『20m』。
隣といってもデカい家、駐車場や塀、庭の位置関係から考えるに、
20mでは『家』を遠巻きに見るのが精いっぱいだろう。

そして仮に入れる距離だったとしても、
鍵がかかっていれば正規の方法では入りづらい。
強行突破するか、あるいは正規の方法、『阿多』に話を通すか―――

 ………

そうこうしているうちに『カウンセリングルーム』はすぐそこだ。
腐っても『鬼塚』は正規のナース、
『カウンセリング』は彼女に任せてもいいだろうが………

496鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/02(土) 02:54:29
>>495

無理そうか。
まぁ、それも仕方ない。
『ギャザリング』は近くに呼び戻しておこう。
何かの役に立つかもしれない。

「……」

とりあえず今回は鬼塚に任せてみようとは思う。
何が原因なのか、というのが気になる。
起きなかった場合と起きた場合の違いだ。
自分が口を出して呪いが起きてしまった時は、手の挙動が気になる。
あの時は目だけだったのには理由があるかもしれない。

「じゃあお願いしますぅ」

497『せんせいのかくしごと』:2019/03/02(土) 03:12:27
>>496(鈴元)

とりあえず、『ザ・ギャザリング』を呼び寄せつつ、
『鈴元』は『鬼塚』と共に『カウンセリングルーム』に入る。

 ………

「どうもォー、板槻です」

中には大学生くらいの茶髪の女性が居た。
切れ長の目は濃いメイクで大きく見せる努力がされている。

「え……あ、はい………あの……『鬼塚』………です。
 お話をききに……あ……ここの『看護師』なんですけど………」

対する『鬼塚』は露骨に緊張している。
腐っても正規のナースのはずだが………

 「あ……はい、よろしくお願いします」

『板槻』は笑顔を見せるが、どことなくぎこちない。
『鬼塚』の対応に少し戸惑っているのだろう。
助けを求めるかのごとく、ちらっと『鈴元』の方を見てくる。

498鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/02(土) 21:44:40
>>497

「……」

正規ナースの仕事振りだ。

「……」

鈴元の目的は基本として呪いが起きないケースを確認して起きたケースと照らし合わせることだ。
だから、極力鬼塚に任せよう。

「……」

任せよう。

「……」

それでも手を差し伸べてしまうのが鈴元の欠点である。

「えっと、鈴元って言いますぅ。今回は鬼塚さんの補佐で入らせてもらってるんですけど」

「お話をさせてもらって、ご要望とかご希望を聞かせてもらいますぅ」

にっこりと笑って話して、相手にリラックスして貰えるように努める。

499『せんせいのかくしごと』:2019/03/02(土) 22:04:58
>>498(鈴元)

「あ、はい。よろしくお願いします。

 あなたが……補佐………あー……補佐なんですね。

   ………なるほど。はい、では、ちょっとお話聞いてもらいますね」

『鬼塚』より明らかに流暢に喋る『鈴元』。
『板槻』は、そんな『鈴元』が『補佐』という立場な事に疑問を覚えたようだったが、
『鈴元』と『鬼塚』の年齢差を確認し、自分なりに納得したらしい。

 ………

「ええと、私は今、大学生なんですけどね。
 高校時代はすごく地味な存在で、クラスの隅で一人で
  本読んでるようなタイプだったんですけど。

 せっかく大学入ったんだからってんで、すこし頑張ってみようかなと思って。
  『普通』になる努力してみてるんですけど、ハハハ、どうも上手くいかないというか。
    自信ってのは『一朝一夕』で、つかないもんなんですよね」

そして、『板槻』は話し始める。

 ここから『鬼塚』に相槌を打たせるか、『鈴元』が話を繋ぐかは自由だ。

500鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/02(土) 22:44:52
>>499

鬼塚に任せよう。

「なかなか難しいですよねぇ」

「自信はねぇ」

相槌はうっておくが。

501『せんせいのかくしごと』:2019/03/02(土) 23:31:16
>>500(鈴元)

「そ………そ………そうですよね………
 自信……自信……そうなんですよね………

         それさえあれば……あれば………」

『鈴元』は『鬼塚』に対話の主導権を任せる事にしたが―――
適度な『鈴元』の相槌と違い、『鬼塚』のそれは、なんというか、『重い』。

「……あー、はい。
  そうなんですよ。自信がなくて、
   出来るだけ友達増やそうとしたり、
    メイクに力入れたり………。
      でも」
         「ダメだった……!
          そうですよね。そんなに性格変えられたら苦労しませんよね………。
          分かる、わかる、分かります………

            私も、本当、どうすればいいのか………
            ………ねえ、どうすればいいんでしょう?」

そして、今度は『板槻』の語りをもぎ取るように途中から『鬼塚』が言葉を紡ぐ。

 ………

話しやすい環境を作るのに確かに『共感』は有効だ。
もしかするとこれが『鬼塚』なりに
必死に編み出した『話法』なのかもしれないが………

「……ええと、あー、どうなんでしょうね。

 とにかく、まあ、私は自信がないので一番のコンプレックスである
  『一重』をなんとかしてもらおうとここに来ました。

   …………あー ……、あとは『先生』と話せば大丈夫ですかね?」

明らかにそわそわし出した『板槻』は
 話を相当端折ってこの場を終わらせようとしている。

  ………

    これが『鬼塚郷子』の『カウンセリング風景』―――ッ!

502鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/04(月) 01:13:15
>>501

不味い。
参考になるならないの問題ではなさそうだ。
もう少し話してもらおう。

「……二重に、とのことですが」

「どのような印象にしたいかなど、理想はございますか?」

「先生ぇにお話頂いてもいいのですけど、術前の時間は限られますので」

「有名人の方のように、とのことでしたら、そう、伝えておきます」

503『せんせいのかくしごと』:2019/03/04(月) 22:07:49
>>502(鈴元)

 「あー……はい。そうですね」

スラスラ問いかける『鈴元』に、『板槻』はホッと胸を撫で下ろす。

ゴソゴソとバッグからスマホを取り出すと………

「この人みたいな感じが理想なんですけど………」

画面に映る写真を見せてくる。

そこには、くっきり二重の20歳くらいの女性が映っていた。スタイルもいい。

「『華麗度100%ッ!』で有名な『成増・カレイド・万華(ばんか)』です。
 成増三姉妹の長女の………知ってますよね?」

『鬼塚』を見ると、オオ……という感じの表情を浮かべている。
彼女も知っているようだ。

「え………そりゃあ………さすがの私も知っています………
 凄いですよね、あの身のこなし………火の扱い………」

504鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/04(月) 22:51:40
>>503

「身のこなし……火の扱い……」

知らない。
世俗には疎い。
疎いというか、数が多すぎて実際に会わないと記憶できない。
テレビの向こうはどうにも世界が違うように思えて。
自分とは違う輝いた世界に見えて。

「こういう風に……ですね?」

「お好きなんですか?」

505『せんせいのかくしごと』:2019/03/04(月) 23:06:33
>>504(鈴元)

「あー、そうですね、憧れの人です。
 『仮面舞踏部 〜ドサ回り編〜』の頃から好きなんですよね。

 アレが出来るって信じられないですよね?

           『めくーるめーく♪ スピィいン ダーンス♪』」

『板槻』がニッコリと笑う。
知っていれば理解できる話なのだろうが………

 ………

このまま『鈴元』が話を促していくのも、
『板槻』との対話をほどほどに打ち切って次の行動に移るのもいいだろう。
もちろん再度、『鬼塚』にチャンスを与えてもいい。

506鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/04(月) 23:33:34
>>505

(ドサ回り編……?)

するのだろうが。
するのだろうが、そこを描写していいのだろうか。

(どこの層を狙って……?)

たぶん自分以外の層だと思われる。
それとなく鬼塚に目配せしてバトンタッチしよう。
多分、この話題なら膨らませられそうだし。

507『せんせいのかくしごと』:2019/03/06(水) 02:58:52
>>506(鈴元)

それとなく会話からフェードアウトする『鈴元』。
会話のスイッチを伝えるべく『鬼塚』に目配せをしたが、
緊張する『鬼塚』にはあまり伝わっていないようだった。

だが、彼女には彼女なりの仕事への『使命感』がある。
憶する事なく、『板槻』との会話へ突入していく。

 ………

20分ほど経っただろうか―――
ぎこちなくはあるがなんとか『鬼塚』の対応は続く。
『板槻』の方も『こういう人なんだ』と受容してくれたらしく、
それなりに会話は継続できていた。

「………あー、でも、ここでこんなふうに話が出来てよかったです。
 やっぱり悩んでいたんですよね。結構シリアスに」

『板槻』はどうやらある程度満足できたようだ。

「………そうですよね。眠れなかったりとかもあったんでしょう?」

『鬼塚』が相槌をうつ。だいぶ緊張は解けてきたようだ。

「ハハハ、寝つきの悪い日々が続いていたのは事実ですね。
 でもそれも今日で終わるかもしれません。
 整形なんてする必要ないよ、なんて言ってくれる人もいるんですけどね。
 あー、なんていうか、心と体って繋がっているんですよね。
 身体のもやもやをどうにかする事で心のもやもやを解決出来るなら、
 私はそれでいいと思っています」

 ………

508『せんせいのかくしごと』:2019/03/06(水) 03:00:53
>>506(鈴元)

 ………



   ギ   ュ   ウ    ン

     そして―――

『鈴元』にとっては二度目の邂逅が訪れる。

     『小さな一対の手』。

『板槻』の鼻と口あたりに出現している。
初出の場所はなんというか、それほど精密ではないように感じられる。
この能力が『福笑い』なのだとすれば、出現場所も『無作為』なのかもしれない。

例によって、この場にいる二人、『鬼塚』と『板槻』はこれに気づいていないようだ。


   ゴゴゴ   ゴ  ゴゴ  ゴ ゴゴ

『手』はゆっくり無軌道に動き出す。
『口』と『鼻』がそれにあわせ、奇妙に動き始める。

「………? なんだか、なんだろう。……おかしい、です」

それにあわせ『板槻』が異変を口にする。
対面する『鬼塚』の顔は、見てわかるほど青ざめている。
彼女にとっては『初』の対面となるのだからそれも止む無しか………

509鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/06(水) 10:11:30
>>507-508


なんとか穏やかに進行しているようでよかった。
あの手の発動条件が何かはわからない。
鈴元的には何らかの言葉があると思っていたが。

「!」

想定内だが、予想外だ。
板槻の言葉に荒っぽさや問題のある言葉はなかったはずだ。
前に見た時との類似点は現状見られなかったように思える。
だとしたら何が問題だったのか。
時間か?
それとも別の要因か?
というか、目の悩みなのに鼻にも手が出ている。
分からないが、この手の妨害は不可能らしいことは分かっている。
ただ、何とかしないといけない。

「……」

『ザ・ギャザリング』を発現。
板槻の顔に触れ、少しだけ揺らす。
花びら化を行い、手の目を奪えるか試す。

510『せんせいのかくしごと』:2019/03/06(水) 23:04:22
>>509(鈴元)

様々な要因に思いを巡らせながら、
『ザ・ギャザリング』を操作し、板槻の顔を揺らす。

 ゆ さ ゆ さ
                  は ら り

少しの揺れの為、『花びら』が数枚、舞い落ちる。
それは『板槻』の肌の表面が変化したものだ。

『花びら』が付着したものの『目を奪う』―――
その効力が『手』に効果があるか確かめたかったが………

   す る り

そもそも『花びら』は『手』をすり抜けて落ちてしまう。
先程もそうだったが『手』は顔のパーツ以外に干渉しないし、されないようだ。

 「え………肌が……? 今度は何………?」

実体化した『花びら』は『鬼塚』に混乱を生み出していた。
『板槻』も『ザ・ギャザリング』に揺らされ、混乱しているようだ。

 ………

 そして、『手』は『口』と『鼻』をバラバラな位置に置いた後、ふっと消えた。

511鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/07(木) 07:22:22
>>510

(あかんか)

花びらは解除しておこう。
やはり干渉はできない。
手が出てきてからでは遅いようだ。

「……」

さて問題はこれからどうするかだな。

512『せんせいのかくしごと』:2019/03/07(木) 23:47:36
>>511(鈴元)

『ザ・ギャザリング』の花びらは解除される。
しかしそれでも場は混沌としていた。

 ……… ……… ……… ………

沈黙が訪れる。実際はそれほど長い時間ではなかったのだろうが、
やけにゆったりと時が流れているように感じる。

「………私、なんか、おかしいんですけど」

 しばらくして、そう発言したのは『板槻』。

口が額近くまで移動しているのだから、異常な感覚があって当然。
だが、現実味がないこの現象に完全にはついていけていない、そんな様子だ。

確か、この『呪い』は時間で切れるという話なはず。
『レストルーム』あたりに上手く誘導して、付き添いつつ、
少し休んでもらうのがいいのかもしれない。
『鈴元』がそれをやってもいいし、傍らで目を白黒させている『鬼塚』か、
あるいは他のスタッフを呼んでその者に依頼してもいいだろう。

もちろん、他の思惑があれば、それを行うのも自由だ。

513鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/08(金) 00:16:44
>>512

「……術前のストレスが原因かもしれませんね」

「一旦休んでから経過を見ましょう」

それっぽいことを言いつつ。
冷静に考えればストレスで顔の部位の位置は変わらない。

「鬼塚さん、レストルームまでお願いできますか?」

「先生への質問は私がしておきますから」

鬼塚に付き添いをお願いしよう。

514『せんせいのかくしごと』:2019/03/08(金) 00:35:28
>>513(鈴元)

「あー………はい。
 声がなんか、頭に響いておかしい感じなので。
 はい、少し休ませてもらいますね」

『板槻』はどこかぼんやりとした様子だ。
明らかな奇異な現象に理性がついていかないのだろう。
感覚はメチャクチャだろうが、鏡などは見ていないので、
とりあえずまだ信じられそうな『鈴元』の言葉に飛びついた形か。

『鬼塚』は無言で『鈴元』の言葉にぶんぶんと首を振る。
かなりのショック状態のようだが、職務はなんとかこなしてくれるだろう。

                         ばたん

そして、二人は『カウンセリングルーム』を出ていく。

 ………

これから『鈴元』はどうするべきか―――

『カウンセリング』の継続、『武藤』が持っているという『録音』の確認、
『阿多』への報告や対話、『門倉』との相談、他スタッフへの情報収集………
その他もろもろ、やれる事は様々だ。

515鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/08(金) 23:47:27
>>514

椅子に座り、天井を向く。
すっかりあてが外れてしまった気分だった。
言葉の乱れでは無いのだろう。
門倉が相手をした患者には起きず、今回の患者には呪いが起きた。
喋る長さなのだろうか。
だとしたは門倉自身が呪いを受けていないとおかしくはないだろうか。
だとしたら、そこではない何かが問題なのだ。
武藤の持つ録音の確認で真実に近付けるだろうか。
……犯人や原因にはまだ遠い。
福笑いという発想が正しかったとして、そこに繋がる部分もまだわからない。

「一旦せんせと話し合うべきなんかな」

情報収集という意味では重要だ。
院全体のことを把握しているのも彼女だろう。

「……」

外部からの犯行でなければ内部からということになる。
呪いが起きる前にあった主な出来事である鬼塚の勤務。
怪しいかと思っが、鬼塚自身は特に関係がなさそうだ。
病院で働く人間は全員灰色だが、重要度が高いのは阿多だ。
彼女が知らず知らずのうちにスタンドに目覚めている、という可能性もあるかもしれない。

「阿多せんせぇー」

カウンセリングルームか、院長の部屋で話をしよう。

516『せんせいのかくしごと』:2019/03/09(土) 23:24:48
>>515(鈴元)
鈴元は独り、途方に暮れる。

 そこで、考える。考える事は重要な事。

   そして、出した答えは―――『阿多』に話を訊く事だ。

 ………

『鈴元』は『院長室』を訪ねる。
幸いというべきか、『阿多』はそこに一人でいた。
自分の机で何やら『書き物』をしていたようだ。
『鈴元』が来ると書いていた紙を裏にし、さっと引き出しにしまう。

 「ああ、貴方………『カウンセリング』は終わった?」

『阿多』が問いかけてくる。
どうやら『板槻』が発症した事はまだ伝わってないようだ。

517鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/11(月) 12:51:24
>>516

「……はい」

何を書いていたのか。
病院に関することだろうか。
それともカルテか何かか。
機密事項なのだろうが、今この場においてはなるべく多くを知っておきたい。
恥ずべきことだが覗き見させてもらおう。

「終わったのは終わったんですけどぉ……呪いが出て……」

『ザ・ギャザリング』を発現。

「とりあえず現状の確認とかも兼ねてお話をしたいんやけど」

「その、試したいこともあるしカウンセリングルームまで来てもろてもええでしょうか?」

カウンセリングルームに移動する流れになったら『ギャザリング』に引き出しを開けさせて中の書類を確認する。

518『せんせいのかくしごと』:2019/03/11(月) 21:16:57
>>517(鈴元)

「『呪い』がまた………」

『鈴元』の報告に、『阿多』は一瞬眉を顰める。

「試したい事? ………ええ、いいわ。
 『解決』の足しになるのなら、付き合いましょう」

『阿多』は『鈴元』の申し出を素直に受ける。
二人は部屋を出て、『カウンセリングルーム』へ―――

 ……… ………

そして、部屋に残されたのは、『鈴元』の異能、『ザ・ギャザリング』。
彼の目当ては、『阿多』がしまった紙だ。

ただの重要書類というだけかもしれない。しかしそうでないかもしれない。
引き出しを開け、紙を取り出し、裏返すと………

        なんだろう、これは?

そこに書いてあるのは、絵だ。『阿多』は絵を描いていた。
『落書き』といってもいいそれはかなり上手い部類に入るだろう。

そのモチーフは―――『奇妙な人型』。
ゴーグルをつけた顔は『皿』のようなものに埋まっている。
身体は黄色を基調としたスーツに覆われている。
傍らには『笑顔のディッシュ』と走り書きがしてあった。

519鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/12(火) 23:30:30
>>518

(え……?)

絵。
なぜ絵を描いていたんだ?
手慰みというか、暇潰しか趣味か?
しかし、この絵はなんというか象徴的だ。
皿に乗った顔。
皿は作った料理を乗せる物だ。
笑顔のディッシュ。

「そういえばせんせぇは仕事熱心な人やって聞いたんやけど」

「ご趣味ってあったりします? お散歩とか絵を描くとか、そういうのは」

「そこで会った人とかそういうのをしてる時に起こったこととかが関係してるかもしれへんから一応」

520『せんせいのかくしごと』:2019/03/13(水) 22:14:58
>>519(鈴元)

「………趣味?」

『カウンセリングルーム』への道すがら、
『鈴元』は『阿多』に問いかける。

その問いかけに怪訝そうな表情を浮かべる『阿多』。

  「いいえ、私は『無趣味』なのよ。残念ながら」

 『阿多』はきっぱりと自らに趣味などないと宣言する。

 「だから、そのへんの事はなんら関係ないでしょうね」

単純な『探り』のレベルでは、『阿多自身』はこれ以上、
この件、つまり『趣味』に関して何か喋る事はなさそうだ。

521鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/14(木) 01:39:14
>>520

「さいですか」

「それやったらよかったです」

微笑んで言葉を返す。
仕事の鬼、ということらしい。
笑顔のディッシュについて急に切り出すと怪しまれる可能性もある。
もう少し、話をしている流れで差し込んだ方がいいだろか。
カウンセリングルームに向かおう。

「カウンセリングを始めんとね」

522『せんせいのかくしごと』:2019/03/15(金) 03:31:45
>>521(鈴元)

『鈴元』は思案し、そして、二人は『カウンセリングルーム』に入る。

『カウンセリングルーム』には、誰もいない。
『鬼塚』は『板槻』を『レストルーム』に連れていっている。
おそらくだが次の『カウンセリング』患者はもうしばらく後に来るのだろう。

 「―――で、試したい事というのは何かしら?」

『阿多』が『鈴元』に早速、こう切り出してくる。

523鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/15(金) 18:20:59
>>522

「カウンセリング……ちゅうか、報告っちゅうか」

阿多が椅子に座ったら自分も座ろう。
座らないなら立ち話でいい。

「現状、二件の呪いと聞き取りの結果の報告」

「それからちょっと阿多先生ぇに聞きたいこともの質問」

「同時に、その間に僕らのどっちかに呪いが起きるかどうかも確かめますぅ」

これからするのはそういう事だ。

「最初の聞取りでなんか患者さんの言葉が呪いを起こすんかと思って調査しました」

「途中で鬼塚さんが呪いを見た事がないって聞いて……呪いが起きた時との相違点を探そうとして」

結果としては呪いが起きた。
鬼塚に任せたままにすれば恐らく起きなかっただろう。

「最初に考えた『言葉』が呪いを起こすっていう予想、僕の見た二人の患者の発言に似たような言葉はなかった」

方向性は似ていても違う悩みであるので当然とは言える。

「やから今度は時間にも注目しようと思います」

だからこの部屋での会話を選んだ。

(まだ発言が鍵であるとは思うけど)

524『せんせいのかくしごと』:2019/03/16(土) 00:51:26
>>523(鈴元)

『カウンセリングルーム』―――
『阿多』が座るのに合わせ『鈴元』も席に座る。

「なるほど………
 それで、『時間』というのは『話している所要時間』という事?
 しばらく『話し続ける』必要があるというわけかしら?」

 『阿多』はチラリと『腕時計』を見る。

「あまりにも長い間、話すのなら、スケジュールを調整しないといけなくなるわね」

 『患者』の予約などもあるし、当然といえば当然か。

「出来たらそういう実験は、
 他のスタッフにお願いしたいところだけど―――そうもいかないという事かしら」

525鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/16(土) 22:53:31
>>524

「そう、ですねぇ」

「この呪いがどこから来たのか、はまだ分からんけど」

「外からならこの病院が狙われてるってことで、同時にそれは院長が狙われてる可能性もありますから」

要は阿多に恨みを持った者が犯行をしているのではないかということだ。
だから、趣味のことを聞いたりした。
そういう説明をしよう。

「お忙しいとは思うので、その場合は他の人に手伝ってもらいますぅ」

「それと……ひとつ聞かせてもらいたいことがあるんですけど」

「『笑顔のディッシュ』って言葉に心当たり、あります?」

無いとは言わせないが。
時間が無くてもこれの答えぐらいは聞かせてもらおう。

526『せんせいのかくしごと』:2019/03/17(日) 18:48:15
>>525(鈴元)

「私が………狙われている。
 そうね、この呪いが『営業妨害』を意図しているなら、
 恨みを持っていると考えるのが自然ですものね」

『鈴元』の説明に『阿多』は首を振りながら答えた。

そんな『阿多』に『鈴元』は問いかける。
『笑顔のディッシュ』という言葉について―――

 「………」

一瞬、沈黙があったが、すぐに、

「……ああ、確か、『鬼塚』さんが好きな……
 何かのキャラクター………だったかしら?」

 そう答えた。

527鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/17(日) 20:50:44
>>526

「せやから、出来たら阿多先生からお話聞かせていただけた方が、とは思うんですけど」

そう言って笑いかける。

「……」

本当に鬼塚の好きなキャラクターなのか?
だとしたらなぜそれの絵を阿多が描いている。
指摘すべきか。

「先生の好きなもんやと思ってたんやけど」

どう反応するか。

528『せんせいのかくしごと』:2019/03/17(日) 21:46:47
>>527(鈴元)

「………なぜ」

 『鈴元』は、『阿多』の態度が硬直しているのを感じる。

  「なぜ、そう思うのかしら?」

『証拠』として『絵』の事を出すのは簡単だろう。
ただ、その場合、『鈴元』が何らかの方法で絵を盗み見た事を告白する事になる。
有益な反応が得られる可能性もあるが、信頼関係は損なわれるだろう。

529鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/18(月) 23:38:04
>>528

明らかな緊張。
やはり、何かあるのだろう。
つまびらかに話せば問題になる。
上手く切り抜けなければ心のシミを残す。
ハッタリにはハッタリで返してもいいが。
どう返すか。

「笑顔を作るんは阿多先生の仕事やから、かな……?」

「仕事熱心で尊敬するって鬼塚さんも言ってはったし」

誰からどこで笑顔のディッシュという言葉を聞いたのかは答えない。

「阿多先生大丈夫です?」

「なんか緊張してるっていうか、強張ってますけど」

530『せんせいのかくしごと』:2019/03/19(火) 20:46:39
>>529(鈴元)

「………なんでもないわ」

 『鈴元』の言葉に『阿多』は言葉少なに返す。

「………もう、いいかしら?
 さっき提案してた実験は『武藤』さんか『鬼塚』さんに手伝ってもらう形でお願いするわ。
 好きな方を使ってもらって構わない」

そして、話を強制的に打ち切ろうとする『阿多』。
これ以上、『笑顔のディッシュ』について語る気はないようだ。

531鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/20(水) 23:48:25
>>530

「……」

ここで阿多に行かれのは好ましくないかもしれない。
だが、恐らく彼女の中で自分への信頼度というものは下がっているだろう。
警戒の対象となっているような気はする。
下手に刺激しない方が得策なのかもしれない。

「阿多先生」

「この仕事をする以上、一日で出来ることは確実に全部潰さんとあかん」

「ごまかしや隠し事はお互いの勝手やけど、少なくとも僕は、今日の仕事を適当にしようとは思ってへん」

だからとりあえず、自分の想いだけでも伝えておきたい。

「今日のこの仕事で生まれる感情は一瞬。ただ、今日片づけられる問題を片付けられへんで終わる後悔は一生」

「やる以上は、やりきらせてもらいます」

532『せんせいのかくしごと』:2019/03/21(木) 05:57:26
>>531(鈴元)

「―――確かに私は貴方に依頼して、
     今日いちにちは貴方に協力する、そう言ったわ。

 ただ、それには限度というものがある。
 たとえば確たる理由や根拠もなく『裸になれ』と言われても、
 さすがにそれに応じる気はないという事よ。

 ………貴方にも何か思うところがあるようだけど。

        ………

             ごめんなさい、そろそろ失礼するわ」

『鈴元』は自らの思いを伝える。
『阿多』にもいくらかは響くところはあったのだろうか―――

  だが、結果として『阿多』は何も語らず

                                      バタン

            部屋を出て行った。

  ……… ……… ………

『阿多』が『笑顔のディッシュ』を話した以上に知っているのはあの絵からも明白だ。
しかし、彼女はそれをぼかした。
『裸になれ』などという喩えを出してきた。
それほどまでに隠したい事なのだろうか。

    ―――『先生の隠し事』

ただ、『阿多』は『確たる理由や根拠もなく』とも言っていた。
『笑顔のディッシュ』と『阿多』の具体的な関連、
あるいは事件に関わるであろう根拠をやましくない方法で収集、
提示できれば、彼女も観念して、何か語ってくれるかもしれない。

もちろん違う方向から事件を探ってもいい。
現在、『鈴元』の予定は白紙であり、フリー(自由)だ。

533鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/21(木) 21:34:17
>>532

「……どうも」

会釈をして阿多を見送る。
とりあえずはこのぐらいが限界だろう。
腕を組み、息を吐く。
どっと疲れが出たような気がする。
重たいものが体にまとわりつく。
人の心に深く踏み込むようで、どうにも気を張ってしまう。
礼儀、遠慮、それこそを美徳としつつも意志を伝える。
やはり作法とは難しい。

「『笑顔のディッシュ』かぁ……」

自分たちは笑顔を皿には載せない。
皿に載せた和菓子が笑顔を作った。
言葉というものを扱ったとしても、皿に載せるのは言の葉のサラダだ。

「門倉さんにもお願いしてみよかな……」

『ザ・ギャザリング』を操作して、門倉に『笑顔のディッシュ』についての調査をお願いしてみよう。
とりあえず鈴元自身もカウンセリングルームを出る。

534『せんせいのかくしごと』:2019/03/21(木) 22:07:45
>>533(鈴元)

『鈴元』は今あった事に思いを馳せながら、
『門倉』の方に『ザ・ギャザリング』を向かわせる。

―――『門倉』が居るであろう『セラピールーム』のドアは閉まっており、
中から薄っすら話し声が聴こえる。どうやら女性の声だと思われるので、
おそらく『患者』の対応中なのだろう。
『ザ・ギャザリング』が入るにはドアを開ける必要があり、
スタンド使いでない者が見れば、誰もいないのになぜかドアが開く形となる。
まあ、その中に『門倉』以外スタンド使いが居なければ
『不思議だね』で終わる話かもしれないが―――
しばらくすれば話も終わるだろうから、
それを待ってから用を済ませてもいいかもしれない。

『鈴元』は、『カウンセリングルーム』を出る。外には誰も居ない。

『セラピールーム』は使用中、おそらく『門倉』と男性ナースの『角田』が患者の対応をしている。
『阿多』はおそらく『院長室』か『診察室』に戻ったか。
『受付』にいけば受付嬢である『水野』や、場合によっては待っている『患者』に会えるかもしれない。
『武藤』や『鬼塚』は『スタッフルーム』や『レストルーム』あたりにいるのだろうか。
行ってないのは『手術室』や『トイレ』あたりだが、特別、理由もなければ行く必要もないか?

  さて―――

535鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/22(金) 00:18:31
>>534

『笑顔のディッシュを!』

叫ばしてみよう。
なにか反応があればきっかけになるかもしれない。
門倉にすぐ反応がなくてもいい、とりあえず自分がいることを知らせられるならそれで。

(行ってない所に行ってみよかな……)

手術室は難易度が高そうなので、さしあたってはトイレがいいか。

「あ」

今の自分は女性の格好をしているはずだ。
職員はこのことを知っているだろうが、不用意に入って大丈夫だろうか。
もちろん、男トイレにだ。

「……」

客は女性が多い。
ならば、男性トイレで誤解を招く可能性は低い。
男性トイレに入ろう。

536『せんせいのかくしごと』:2019/03/22(金) 07:34:20
>>535(鈴元)

『ザ・ギャザリング』が唐突に叫ぶ。
『門倉』は中でビクッとなっているだろう、おそらく。
他にもビクッとなった者が居れば怪しいのだが………
中を覗き見る事は出来ない。後で確認するといいかもしれない。

 ………

そして『鈴元』は『トイレ』に向かい―――
どちらに入ればいいか思案する。
昨今、議題にもあがるデリケートな問題………

とりあえず今回は『鈴元』は男子トイレを選んだ。

中には洗面台が二つ、立ってするタイプのトイレが二つ、二つの個室。
更に掃除用具置き場であろう細いドアが一つ。そして―――

  「………うわッ」

洗面台で手を洗う一人の男が居た。
20代中盤くらいか? ここのナース服を着ている。
名札には『武藤(拓)』と書かれていた。

「………あ、あなたは? ここは男子トイレですよ!」

『鈴元』がナース服を着ている事に疑問を覚えつつも、
とりあえず男子トイレである事を主張してくる。

537鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/22(金) 22:58:05
>>536

「あ……」

会ってしまったスタッフか。
大丈夫だ。
自分は男だ。

「あ、や、その、ちゃうんです。僕は鈴元涼っていって、院長先生から聞いてへんかなぁ、あの」

「呪いの件で来てて、それで……」

わたわたとしながら言葉を返す。
何かないかと言葉を探して、ぱっと目に付いたのはいての名札。

「武藤、さん……?」

「武藤暮さんじゃなく?」

538『せんせいのかくしごと』:2019/03/23(土) 00:36:19
>>537(鈴元)

「ぼ、僕ッ娘………」

『りょう』という名は女性にもある。
声はそれなりに低いだろうが、
それよりも『外見』のインパクトに引きずられ、
『誤解』は解けていないようだ。

「……あー、『姉』を知っているんですかね?
 俺は『武藤 拓馬(むとう たくま)』。
 『姉弟』ともども、こちらでお世話になっています」

混乱しながらもとりあえず、自己紹介をするこの男。
どうやら『武藤暮』の弟らしい。

「俺が後から来たんでここで『武藤』といえばもう姉の事になっちゃってますね。
 俺はもっぱら『弟』とか『拓馬』とかそう呼ばれる感じです」

更に補足までする。マイペースな人物のようだ。

539鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/23(土) 01:05:10
>>538

「え、いや……」

まだ誤解されている。
かと言ってじゃあここで証拠を見せるというのもはしたない話だ。
ゆっくり話していれば納得されるだろうか。

「あぁ、弟さんなんやね」

「拓馬さん、って言いはるんや」

優しく笑んで会話を続ける。

「拓馬さんはいつぐらいから働いてはるんやろか」

540『せんせいのかくしごと』:2019/03/23(土) 01:34:33
>>539(鈴元)

「………関西の人? とりあえず外に出ましょうか」

『拓馬』に促される『鈴元』。

「俺は二年半くらいかなあ。姉の紹介でそのままって感じですね」

多分『拓馬』は『鈴元』が何者かよく分かってなさそうだが、
とりあえずベラベラと訊いたことに答えてくれる。

「アレですか? トイレを間違えたんです? 女性はあちらですよ」

『誤解』は解けていないようだ。

541鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/23(土) 02:34:02
>>540

「……出身は京都やけど」

こちらに住んでどれくらいになるだろうか。

「二年半……長いんやねぇ」

となると呪いのことは知っているだろう。

「え、いや、僕……男の子なんよ……」

「今はカウンセリングのお手伝いと調査があるからお化粧とかさせてもろてるけど」

ぱっと相手の手を握ろうとする。

「ほら、手ぇとか男の子の手ぇやろ」

白くて柔らかい手だった。

542『せんせいのかくしごと』:2019/03/23(土) 11:41:27
>>541(鈴元)

「へェ〜〜京都。よさそうなところですね。

   ……って、男? 男って言いました?」

困惑する『拓馬』の手をギュッと握る『鈴元』。
白くて柔らかい温もりが『拓馬』に伝わっていく………

 ………

「あ〜〜いや! これは女ですね! まごうことなき女の手!
 俺は騙されない。むしろ君が親から騙されていたのでは?

  京都の名家で長男が欲しい両親は女に産まれた君を
  男として育ててそれに洗脳された君は自分が男だと
  思い込んでいるんですよ。マインドコントロールですよ。

  その『呪い』が今、解き放たれつつあるという事ですね。
  さっき言ってた『呪い』の件でズバリ! それでしょ?」

『誤解』は深まる。
まあ別に解く必要もないのかもしれないが―――

543鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/24(日) 00:43:31
>>542

「いや、男なんやけど……」

困ったように笑う。
手から年齢が分かるというのは嘘だったのだろうか。

「そんなに疑うんやったらお姉さんに聞きはったらええですよ……」

「えっと、呪いっていうんは顔の……」

あまり大きな声では言えないことだ。

「あべこべに変わるっていうあれ」

「それの調査」

544『せんせいのかくしごと』:2019/03/24(日) 12:47:11
>>543(鈴元)

「え〜〜本当ですか? ホントにホントォ?
 じゃああとで『姉貴』にきいとくか………」

 なおも疑う『拓馬』だったが、とりあえずその話題は終える。

「『呪い』ってあれか。顔が変わるやつ。
 俺もまあまあ見てますよ。グロい感じでイヤですよね。
 あれの調査かァ〜〜、そうかァ〜〜」

うんうんと頷く『拓馬』。思い込みはやや激しいようだが、
悪い人物ではなさそうだ。何かあれば訊いておいてもいいだろう。

545鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/24(日) 16:39:25
>>544

「そう、それなんですけど」

「拓馬さんも見たことってあります?」

とりあえずその辺から聞いてみよう

546『せんせいのかくしごと』:2019/03/24(日) 18:43:42
>>545(鈴元)

「ん、ああ、さっきも言った通りまあまあ見てますよ。
 顔のパーツがグシャーと色々動いたりするのがねー結構キツいですね」

『拓馬』の証言に『小さな双手』への言及はない。

「調査っていうと色々調べてどうにかしようってわけですかね?

 ん〜〜、俺なりに考えてみた事ありますけど、老若男女問わず
 アレは現れますし、話している『内容』もな〜〜バラバラって感じです。
 話している『時間』だって、話し始めてすぐに出るパターンもありましたしね。

 まったくのランダムか、あるいは、『言ったら出る』みたいな言葉があって、
 それに反応しているか………そんな感じじゃあないですか?」

『拓馬』が自説を述べる。

547鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/24(日) 21:07:08
>>546

「なるほど」

頷く。
拓馬の認識は自分のそれに近い。
どちらかと言うと、話している内容がバラバラであるという考えが補強された気もする。
全くのランダムというのは考えにくい。
鬼塚が見たことがない理由があの対応ゆえだとしたらやはり『言ってはいけない言葉』があるのだろう。

「僕の方もそんな感じの認識で」

「やっぱり何かしらの言葉に反応してるとは思うんやけど」

「心当たりとかってあります?」

548『せんせいのかくしごと』:2019/03/24(日) 21:36:22
>>547(鈴元)

「う〜ん、そこなんですよね。
 肝心のキーワード的なものが分からない。
 それがあるとしたら『一つ』じゃあないのは確かでしょうけど」

 『拓馬』はそう答える。確かに『一つ』であれば、
  数多い事例の中、絞り込む事が出来ただろう。

「……まあそもそも謎のパワーなんで、そういうの全部無視して
 まったく未知の何かで動いているのかもしれないですけどね」

『スタンド』の存在を知らない一般人にとっては、
これ以上の『考察』は果てがなく、難しいかもしれない。
(もちろん彼がスタンド使いではないという保証はないが)

 ………

『拓馬』はチラと廊下を見やる。
彼も仕事中だろうから、そろそろ戻るべきなのかもしれない。

549鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/25(月) 23:58:27
>>548

(まぁ、そうやんねぇ……)

事というのはそう単純ではない。
方向性のようなものを絞り込んだ方がいいかもしれない。

「拓馬さん、最後に聞かせて欲しいんやけど」

「『笑顔のディッシュ』って言葉に聞き覚えあらへんかな?」

「そのままじゃなくて、似たような言葉とかでもエエんやけど」

550『せんせいのかくしごと』:2019/03/26(火) 20:52:24
>>549(鈴元)
「『笑顔のディッシュ』―――
 ああ、確か、『鬼塚』さんがなんか言っていたな。
 専門的な話だったんで半分きいていなかったけど」

『拓馬』はそう答える。出てきたのはまた『鬼塚』の名前だった。

「なんか仲間が居るんですよ。『怒ったナイフ』……? とか、
 『明るいスプーン』みたいな名前の。

 ……すみません、自分が知っているのはこんなもんですかね。
    じゃあ、このへんでそろそろ。『呪い』の調査、上手くいくといいですね」

『拓馬』はそのまま去ろうとしていた。

551鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/26(火) 21:32:15
>>550

「鬼塚さん?」

阿多からではないのか。
それは阿多に悪いことをした。
言ったことは事実で間違いなかったのだろう。
気になるのは何故それを描いていたのかだが、そこはいま重要ではない。

「ま、待って……! それって有名なもんなんですか?」

専門的な話と言っていたが世間的に浸透しているのだろうか。

「鬼塚さんだけがそれを知ってるとか?」

552『せんせいのかくしごと』:2019/03/26(火) 22:07:06
>>551(鈴元)

「有名ってほどじゃあないみたいですよ?
でも『番組』でやってるらしいから知っているのは
『鬼塚』さんだけじゃないでしょうね」

『拓馬』はそう答える。

「『鬼塚』さんはそーゆーの好きみたいですね。
 アニメとか漫画みたいなの。
 自分も子供の頃は見てましたけど今はねェ……ちょっと」

 『拓馬』は軽く苦笑いする。

「詳しく知りたいならそれこそ『鬼塚』さんに訊いてみるのがいいんじゃないですかね」

553鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/27(水) 17:59:50
>>552

「分かりました。ありがとうございます、拓馬さん」

頭を下げて礼を言う。
スマホで確認してみよう。
ついでに『ギャザリング』で鬼塚を探す。

「……」

何か、進んでいるような気はする。

554『せんせいのかくしごと』:2019/03/27(水) 23:31:40
>>553(鈴元)

『スマホ』を取り出し、検索窓を開ける。電波はバッチリ。
得た情報を総合し、『検索ワード』を入れるといいだろう。

それはそれとして『ザ・ギャザリング』は『鬼塚』を探す。

 ………

いや、探すまでもなかった。
『男子トイレ』の隣、『女子トイレ』から『鬼塚』が出てきたのだ。

「え………あ、どうも………」

なんとなく気まずいのか『鬼塚』がペコリと礼をし、下を向いて立ち去ろうとする。

555鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/28(木) 23:36:34
>>554

「どうもぉ」

優しく笑って会釈する。
スマホを後ろ手で隠し、ギャザリングに操作させる。
触れられるならタッチパネルを操作出来るのではなかろうか。

「それで、どないでした? 患者さんは……」

一旦業務の話をしよう。
『笑顔のディッシュ』はそれからだ。

556『せんせいのかくしごと』:2019/03/31(日) 22:36:09
>>555(鈴元)

「ああ、あれから『武藤』さんがうまく話してくれて……
 『レストルーム』のベッドで休んでくれています。
 時間が経てばあの『呪い』も消えるはずですし……
 大事にはならないかと」

『鬼塚』が言う。ここで出てくる『武藤さん』は女性の、
つまり先程の『拓馬』の姉の方だろう。

「えー……『鈴元』さん、院長との話は終わったんですか?
 また、私が『患者さん』の相手をした方がいいんですかね?」

逆に『鈴元』の方から問いかけてくる。

557鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/01(月) 22:56:54
>>556

「そうなんですねぇ」

武藤が対応したなら安心だ。

「院長先生とのお話は終わったんやけど、他にも疑問があって」

「……『笑顔のディッシュ』について聞きたいんやけど」

558『せんせいのかくしごと』:2019/04/03(水) 07:00:18
>>557(鈴元)

「そうなんですよー」

『鈴元』の反応をオウム返しする『鬼塚』。
その様子は朗らかだ。
                  ………『その時』までは。

 ゴゴゴ
        ゴゴ

    ゴゴ

                         ゴゴ
             ゴゴゴ

『笑顔のディッシュ』という言葉を『鈴元』が発した途端、
『鬼塚』の様子が一変する。
何か、ただならぬオーラを放っているような気がする。

『鬼塚』の方を見る。その表情は時が止まってしまったかのように読めない。

「『笑顔のディッシュ』……? そう言いましたか………?

                               それって」


   ―――そして。

「それってローカルTV制作ながら口コミでプチバズりをめくるめく繰り返し
 今まさにクライマックス編を迎えようとしている『満腹戦隊タベルンジャー』、
 そのムードメーカーにしてノリボケ担当、黄色を司る『笑顔のディッシュ』!
 (タベルンディッシュ)。彼の事ですか?いや彼の事ですよねそりゃあね、
 他にそんな特徴的な名前のキャラなんているはずもないですよね(笑)。
 ああでも私としてはリーダーの『憤怒のナイフ』(タベルンナイフ)推しかな
 彼っていつも義憤に駆られてるんですけど落ち着くためにリンゴの皮剥き
 するんですよね。その皮の長さで怒りの強さが分かるって演出がエモい
 んですけどこの前のナイフ妹回見た?って見てないないですよねハハ
 皮が床までいって蛇がトグロ巻くみたいになっちゃってタベルンカップ、
 ああもちろん『安楽のカップ』の事ですけど彼に心配されるんですよ、
 あのカップがですよ?そこが尊いというか、いや別に刃×杯推しじゃあ
 ないんですよ?基本は刃×匙、いや匙×刃だな。うん。で、ナイフが
 結局、妹助けるんですけど、そのシーンがまた、またね……(極泣)。
 でも妹、意外と怪しいんですよね。今更六人目はないと思うんですけど
 三月で終わりですしね。いやでもマジで三月で終わっちゃうんですよ。
 終わったら私はどうすればいいんです?ロスってレベルじゃないですよ
 デスですよキルですよ、あああ、なんだか辛くなってきたどうしよう……」

怒涛の詠唱が始まった。
適当なところで止めないと延々と続いていきそうだ。

559鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/03(水) 23:13:50
>>558

「……」

(お兄ちゃんみたいやなぁ)

ここにはいない兄の姿を思い浮かべる。
思い返しても仕方のないことだが。
鬼塚に喋らせ続けてもいいが、終わりが見えない。
多分、終わらない。
鬼塚という人間の対話能力というのはカウンセリングである程度認識している。

「あ、あぁ、その笑顔のディッシュなんやけど……」

「院長先生と話してる時にそんな事聞いて。『鬼塚さんが好きなキャラクター』って」

「センセにも笑顔のディッシュの話しはったんかな?」

「後、そのキャラクターの見た目ってこんな感じ?」

阿多の描いた絵の特徴を伝えよう。

560『せんせいのかくしごと』:2019/04/04(木) 21:34:47
>>559(鈴元)

 !   !    !    !     !    !
   !    !    !    !     !    !

言葉のマシンガンの合間をくぐり、『鈴元』はなんとか自分の疑問を挟み込む。

「それは確かに『笑顔のディッシュ』ですね。
 あと、先生にも勿論話しましたよ。だって…………」

  と、ここで『鬼塚』の言葉が濁る。

「………い、いやなんでもないです。

 ……それよりアレですね、アレ。ディッシュ回の話します?
    『さらわれた』と『皿割れた』がダブルミーニングになっていた回。
    アレはガチでヤバい!て思っちゃいましたよね。途中で離脱とか
    アリなの!?って………」

何か不自然に話題を捻じ曲げた様子がありありと見てとれた。

561鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/05(金) 01:04:06
>>560

不自然。
どう突いたものか。
あまり優しくばかりしていても駄目だろうか。

「何でもあらへんことないよ」

「だって、何?」

「ディッシュ回も匙×刃もあんたさんの思うエモい(?)もオモロいも全部聞く境に、隠さんと僕に教えて欲しいんよ?」

562『せんせいのかくしごと』:2019/04/06(土) 23:03:30
>>561(鈴元)

「………いや! なんでも、なんでもないですよ!
 あ………そうだ、私は仕事中なんです!
       そうなんですよ!」

 『鬼塚』が何か『隠し事』をしているのは明白だろう。
 それも『阿多』に関する事のようだ………

「そろそろ失礼しなくてはいけないんですよ!
 先生は私と違うタイプだから………
 裏切るわけにはいかないんですよ! 残念ながら!」

『鬼塚』は半ば強引にその場から去ろうとしている。
『隠す理由』、それを指摘してやれば観念するかもしれないが………

563鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/07(日) 00:58:13
>>562

「……僕も仕事中やで」

何故隠す。

「それは、阿多センセが絵を描いてまうぐらい笑顔のディッシュのフアンやからですか?」

「それとも鬼塚さんと違うタイプのお人さんやからですか?」

確実に一歩進める好機が目の前にある。

「それとも、これが呪いの問題に関わっとるからですか?」

「鬼塚さん。それを聞くまでは僕はなにがなんでもこだわらせてもらいます」

564『せんせいのかくしごと』:2019/04/07(日) 23:59:33
>>563(鈴元)

 「え………あ………あ―――」

去ろうとしていた『鬼塚』に『鈴元』は言葉を浴びせる。

「絵を………そっか、『先生』の絵を見てしまいましたか。

        ………仕方ないですね。秘密ですよ?」


そして、『鈴元』はついに観念したようだ。
 深いため息をついた後、


  「『阿多先生』は――
                  『隠れオタ』なんですよ」


  信託を告げるようにそう言った。

「私がこのクリニックに来たそもそものきっかけは、
 『先生』がイベントでマンセ(※GM注:満腹戦隊の略)のグッズを
 買い占めているのを見かけたからなんです。
 その姿に見惚れた数日後、偶然、『先生』のクリニックの求人を見て、
 矢も楯もたまらず応募しました。
 そして無事、勤める事が出来たんですけど………。

  でも、『先生』は私がいくら『満腹戦隊』の話を振っても食いついて来ませんでした。
  ピンと来ました。『先生』は『迫害』を避けているのだと………。
  この趣味は色々悪く言う人がいますからね―――
  それを責める気には、なりません。私だって色々ありましたから。

   けれど、私は知っています。油断した時のスマホの着信音が『ゆけ!タベルンジャー』だったり、
   たまに満腹戦隊、特に『笑顔のディッシュ』の絵を練習している事を………。
   先生は手術も上手いし、とても器用なんですよね、だから絵を描くのも上手い」

『鬼塚』は至って真面目な口調で、ウソを言っているようには見えない。
やたらと『阿多』の事を『趣味がいい』と言っていたのはこれが原因だったか。

「………ってわけです。
 たぶん、鈴元さんは『呪い』絡みの『隠し事』だと思ったんでしょうけど、
 全然関係ない話なんですよ!

  話をきかないと納得しないでしょうから話しましたけど………

         ………みんなには、内緒ですよ?」

565鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/08(月) 12:46:04
>>564

「……さいですか」

「言わんよ。誰にも」

言ってどうなるというのだろうか。
それを言うことで解決するのなら心を鬼にするがそうでない限りは掘り起こしはしない。

「……」

あてが外れた感じがする。
また情報を探すところから始めよう。

566『せんせいのかくしごと』:2019/04/09(火) 23:13:17
>>565(鈴元)

「ならよかった。
 じゃあ私はこれで―――

 あ………マンセの話ならいつでもたっぷりしてあげますので」

『鬼塚』は『鈴元』が沈黙したのを機にペコリと礼をして去っていった。

 ………

何か意味ありげな『笑顔のディッシュ』はただのローカルな戦隊モノの
登場人物の一人で『院長』はそれについて知られたくないから隠していた。
『鬼塚』の見解では彼女が『隠れオタ』だったから………

普通に考えれば、『呪い』とは程遠い情報だ。
無用な情報に振り回され、無駄な時間を過ごしてしまった。
そういう事なのだろうか―――

                     ………

「………あ、居た。鈴元君」

 入れ変わり立ち変わり………
  トイレという場所柄だろうか、次にやってきたのは『門倉』だ。

「いったい何だったんだい? 『笑顔のディッシュを!』って」

 『ザ・ギャザリング』の叫びを『門倉』は聴いていたらしい。

567鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/11(木) 01:24:45
>>566

「どないしよかな……」

「あ、門倉さん」

ぺこりと会釈をした。

「あぁ、いや、笑顔のディッシュって戦隊モンがあるらしくて」

「それが関係あるみたいやったから、それを伝えたんやけどぉ……」

効果があるかどうかは分からない。

「鬼塚さんが好きみたいで、院長先生は……ええっと」

言わないと約束した。
何か言い変えられないか。

「院長先生も興味あるみたいやわ」

568『せんせいのかくしごと』:2019/04/12(金) 00:10:41
>>567(鈴元)

「『戦隊モノ』………?」

 『門倉』が怪訝そうな顔をする。

「そういうのって小さな『子供』が見るものじゃあないのか?

  『鬼塚さん』が好き………?
     『院長先生』も興味がある………?

                その話、本当かい?」

 『理解できない』といった顔で『門倉』は首を振った。

 つまりはこういう反応がイヤで、『阿多』は、『笑顔のディッシュ』に造詣が深い事を隠している。

            ………そういう事なのだろうか?

 ………

「とにかく、それが『呪い』と関係がありそう、という事なんだね?」

569鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/12(金) 00:28:27
>>568

「うん、多分……」

本当にそうなのだろうか。
たしかにこの反応が嫌なのもあるだろうが、それだけか?
何か、どこかで繋がっていないのだろうか。
スタンドが精神の現れなら、その精神に関わるそれが関係していてもおかしくはない。

「……」

そう言えばスマホを起動させていたはずだ。
笑顔のディッシュを改めて調べておこう。

570『せんせいのかくしごと』:2019/04/12(金) 20:00:52
>>569(鈴元)

鈴元はスマホで『笑顔のディッシュ』を検索し、一番上のサイトを開く。
どうやら『満腹戦隊タベルンジャー』の紹介文のようだ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

○満腹戦隊タベルンジャー○

ローカルケーブルテレビ『ホシフル』にて○○年〜××年(去年から今年)の間、放送されている『戦隊モノ』。
制作者が『自らの顔をあげてまで飢えを癒す超有名ヒーロー』に感銘を受け、
『お腹一杯食わせるヒーロー』をテーマに掲げ、作られた。
登場するのは『憤怒のナイフ』(タベルンナイフ:赤)・『冷静のフォーク』(タベルンフォーク:黒)
『哀愁のスプーン』(タベルンスプーン:青)・『笑顔のディッシュ』(タベルンディッシュ:緑)
『安楽のカップ』(タベルンカップ:黄)の五人。
低予算でのチープなつくりだが、イケメンの俳優陣を揃えた為か
メインターゲットである『少年層』だけでなく、その『母親層』からもそれなりの支持を受けている。

〜あらすじ〜

飽食の時代と呼ばれる現代日本―――
毎日、大量廃棄される食糧たち―――

『そんなに捨てるのならば、俺たちなど要らないよなあ』

雑に扱われた食べ物たちの『恨み』が集い産まれたのが『飢餓人(キガジン)』達だ。
食べ物を模したデザインの彼らが、あれやこれやの手で人間たちを飢えさせようと画策して来る。

その事態を見るに見かね、大事に使われていた『食器』たちの思いが一つとなり、
五人のヒーローを生んだ。それが『満腹戦隊タベルンジャー』である。
果たしてタベルンジャーとキガジン達の戦いの行方は………

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 「ふぅん……」

 いつのまにか『門倉』も『鈴元』のスマホを覗き込んでいた。

   「あ、やはりメインターゲットは『少年層』なんだな。そりゃあそうだろうね」

     変なところに興味を示し、うんうんと頷いている。
      自分の感覚が正しいと確信できた、というところか。

571『せんせいのかくしごと』:2019/04/12(金) 20:04:14
>>570
(誤)
>登場するのは『憤怒のナイフ』(タベルンナイフ:赤)・『冷静のフォーク』(タベルンフォーク:黒)
>『哀愁のスプーン』(タベルンスプーン:青)・『笑顔のディッシュ』(タベルンディッシュ:緑)
>『安楽のカップ』(タベルンカップ:黄)の五人。

                    ↓

(正)
>登場するのは『憤怒のナイフ』(タベルンナイフ:赤)・『冷静のフォーク』(タベルンフォーク:黒)
『哀愁のスプーン』(タベルンスプーン:青)・『笑顔のディッシュ』(タベルンディッシュ:【黄】)
『安楽のカップ』(タベルンカップ:【緑】)の五人。

572鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/12(金) 23:21:13
>>570

「まぁ母親層……女性からも人気はあるみたいやし」

若干フォローのようなことを言っている自分がいる。
何となく、悪い印象を与えたままにしておくのが申し訳ない気がしている。
でも多分鬼塚が好きなのは関係性も含めた作品の内容であって、イケメンだからというわけでもないのだろうけど。

「そう言えば、看護師の人と話してんけど、言ったら呪いが発動する言葉があるんじゃないかーって考えてはるみたいで」

「僕もそうかなぁって思うんですけど、どないやろうか?」

この場合のどう、というのは正しいと思うか否かという部分と、この番組もどこかに噛んでいると思うかという部分がある。

「福笑いっていう発想からは離れるけど」

「例えば、作品の内容になんか絡んでるとか」

573『せんせいのかくしごと』:2019/04/13(土) 02:11:09
>>572(鈴元)

「『母親層』か―――そういうものなのかね」

『門倉』は納得したようなしていないような、ビミョーな表情を見せる。

 ………

「『呪いが発動する言葉』か………うん、その可能性は大いにあるんじゃあないかな。
 被害者に共通点は見つかっていないし、長く喋る事でたまたまそのワードを踏んでしまった。
 という事なら『無差別』に『呪い』が出ている現状に説明がつく。

 そして………作品というのは『コレ』か。

   ………

     ………そもそも『コレ』が絡んでいるという根拠がよく分からないんだが」

 ここで『門倉』は声をひそめる。

「『鈴元君』としては、コレが好きな『鬼塚さん』、
  あるいは『院長』が、その………『犯人』だと思っているという事なのか?」

574鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/13(土) 22:24:09
>>573

「……やっぱり、繋がりとかなさそうやんね」

阿多が絵を書いていたのが思ったよりも引っかかったのだ。
ただそれだけの事だろう。
何かあるかと思うが、話しているうちに呪いとこの作品に繋がりはないと考えている。

「……今のところは」

「呪いが起きる前後に働き始めた鬼塚さんは、他の人よりは怪しいとは思ってる」

575『せんせいのかくしごと』:2019/04/14(日) 15:21:22
>>574(鈴元)

「なるほど………なかなか難しいな」

『門倉』が腕組みして考え込む。

「前も言ったかもしれないが、謎を解き明かすには
『犯人』『犯人の目的』『呪いの詳細』『呪いのキーワード』あたりを
明らかにしていくのがいいんじゃあないかと思う」

『犯人』――――――『呪いの起きる前後に働き始めた』という理由で
             『鬼塚』は確かに怪しいのかもしれない。

『犯人の目的』―――ただ、その場合、『目的』はなんだろう。『鬼塚』は
             少なくとも表面上は『院長』を慕っているように見える。
             『呪い』が続き、ここが潰れてしまえば『院長』と
             『鬼塚』の関わりは絶たれてしまう。
             そもそも、『呪い』が続きここが潰れる事で
             『利する者』など今まで会った関係者の中にいるのだろうか―――

『呪いの詳細』―――『呪い』………『小さな手』が『顔のパーツ』を無作為に動かす。
             それは『福笑い』という児戯、『呪い』とはかけ離れた言葉が
             ピッタリ来るように思うが、仮に能力がそれをモチーフに
             しているとしてなんだというのか―――

『キーワード』―――『福笑い』がモチーフだとしても単純に『笑い』や逆に『怒り』などが
             関係しているわけではないようだ。
             もっと他の、関連した『何か』がキーワードか―――
             ………もちろん、これは『福笑い』が『正しい』としたらの話だが。

「『犯人候補』である『鬼塚さん』を更に問い質すか………
 地道に『キーワード』を探るために『呪い発現』のケースをもっと収集していくか………
 『調査』を進めるならこんなところかな?」

『門倉』が提案する。それに従ってもいいだろうし、
『鈴元』に何か『閃き』があれば、それに沿ってもいいだろう。

576鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/15(月) 23:47:28
>>575

「んー……」

指が髪の毛をいじる。
どうするか。
現状、ひらめきは無い。
だからまた地道にやるしかない。

「とりあえず、キーワード探しかなぁ」

577『せんせいのかくしごと』:2019/04/16(火) 21:19:50
>>576(鈴元)
『鈴元』は『キーワード探し』について考える。
『キーワード』について調べるならば………

『カウンセリングルーム』にて新たな面接を行い、『呪い待ち』する。
あるいは『武藤』が持っているという『呪いの録音』を聞かせてもらう。
後は『阿多』に頼んだ以前『呪い』に遭ったという『診察室の患者』との
電話アポがとれているかを確認する。

このあたりだろうか。もちろん間接的に『キーワード』についての
心当たりを聴いて回るなどの挙動も考えられる。

 ………

「なるほど……ならば、俺はまた『セラピールーム』の方へ戻ろうか。
 二人目の面接も終わったが、まだ『当たり』がなくてね。
 少ししてから三人目が来るようだし、立ち会うのがいいかな」

『キーワード探し』という言葉を受け、『門倉』はそう提案する。
何か別の事をやって欲しいのなら頼んでおくといいのかもしれない。

578鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/17(水) 00:28:21
>>577

とりあえず武藤の録音を確認しに行こう。
情報は多い方がいい。
今までの分と照らし合わせられる。

「じゃあ、僕は武藤さんが持ってる録音を聞かせてもらおかな……」

「……門倉さんにはセラピールームをお願いして」

現状、鬼塚についてなどは憶測の域を出ない。
徒労になる可能性もあるので、同じ分野で呪いの謎を解きに行こう。

579『せんせいのかくしごと』:2019/04/18(木) 06:47:37
>>578(鈴元)

「分かった。ではまた―――」

『門倉』はそう言うと、『セラピールーム』の方へ向かう。

 ………

『鈴元』は、『武藤』に会いに行く事にする。
『武藤』が居るのは『レストルーム』か『カウンセリングルーム』、
あるいは『スタッフルーム』あたりだろうか。
『鈴元』に対応できる時間の余裕があればいいのだが―――

580鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/18(木) 23:32:00
>>579

武藤はどこにいるだろうか。

「……んー」

レストルームかもしれない。
呪いを受けた患者の応対は彼女がしているはずだ。
あの落ち着いた態度なら混乱した相手が落ち着いてからの話し相手としては適切だろう。
レストルームに向かう。

581『せんせいのかくしごと』:2019/04/19(金) 19:01:53
>>580(鈴元)

『武藤』の居場所に見当をつけ、『レストルーム』に向かう『鈴元』。

 ………

『レストルーム』のドアを開けると、予想通り、
そこには『武藤』が居る。パニックを起こした
患者たちはベッドで休んでいるようだ。

「あら、『鈴元さん』………調査は進んでいますか?」

よく見ると少し奥の方に『鬼塚』も居る。

582鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/20(土) 00:22:20
>>581

「どうもぉ」

「調査はまぁおかげさんで……」

「弟さんにもお世話になって」

武藤の方に近寄る。
録音の確認は人前でおおっぴらに出来ないだろう。

「録音の確認をさせてもらいたいんやけど……」

そんな風に耳打ちをしよう。

583『せんせいのかくしごと』:2019/04/20(土) 00:59:22
>>582(鈴元)

「弟……? ああ、不肖の」

『武藤』は一瞬だけ眉を顰めた。

「そして、『録音』ですか。そうですね―――
 ここは『鬼塚さん』に任せれば大丈夫ですし、
 次の患者さんまでは少し間がありますし。

      『スタッフルーム』に行きましょうか」

そう言うと『武藤』は『鬼塚』に少しだけ言付けし、
『鈴元』を促すように部屋を出ていこうとする。

問題なければ彼女と共に『スタッフルーム』に向かえばいいだろうし、
その道中、『確認したい事』があれば訊いておけばいいだろう。

584鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/20(土) 01:18:44
>>583

「ふふ……」

笑ってみせるが内心、ひそめられた眉が気になる。
どこかで自分もそんな風に言われているような気がしている。
しかし、それは今は関係の無いことだ。

「スタッフルームやね」

武藤に一緒に向かおう。

「そういえば、レストルーム内で呪いが再発したりとかってあるんです?」

585『せんせいのかくしごと』:2019/04/20(土) 01:38:44
>>584(鈴元)

二人は『スタッフルーム』へと向かう。

「『レストルーム』での『再発』は………確かなかったはずですね。
 大人しく休んでいる限りでは大丈夫という事なのかしら」

『武藤』はそう返答する。

 ………

そして、『スタッフルーム』に着く二人。
中には誰もおらず、気兼ねせず『録音』を確認できそうだ。

『武藤』はロッカーから『ボイスレコーダー』のようなものを取り出し、操作する。

「―――さて、準備はできました。再生して良いですか?」

586鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/20(土) 01:58:12
>>585

「やっぱり話したりせんのがエエんやろか?」

なにかキーワードが引き金になっているなら、だが。
カウンセリング中にキーワードをよく踏むのなら、ある程度傾向もありそうではある。

「えぇ、再生をお願いしますぅ」

587『せんせいのかくしごと』:2019/04/20(土) 02:01:25
>>586(鈴元)

「では、早速―――」

『武藤』は『ボイスレコーダー』をインタビュアーのマイクのように『鈴元』に向けた。
聞こえやすいようにという配慮か。『録音』は確か、『二名分』という話だったか―――

「まずは、『上条沙織(かみじょう さおり)』さん。
 目的は目尻の皺取りだったかな。彼女の『愚痴』は夫の母についてでした。

                         では、再生しますね」

  ポ  チ


 <……義母は私の事を家政婦かなんかだと思っていたんでしょうね。
     最初の頃のように時折ガミガミ言うだけならまだ可愛げがあったんですけど………
     夫と共謀して私を貶めてくるのには本当に辟易しました。
     夫の姉なんかも巻き込んで私を追い詰めてくる事もあったり。
     離婚? そりゃあ勿論考えてはみましたけど………
     でも子供がいるから。子供には罪はないから。
     別れてしまうという事までは考えられませんでした。
     それでですね、ある日………

                 え……          ええ  ! ? >


                             ポ  チ

 「この『えええ』のタイミングで顔が崩れたのに気付いたんですね。
 その後はパニック音声が続いていますが………
 『呪いの条件』を知るという事でしたらここまでで良いでしょう」

  『武藤』は淡々と説明していく。

  顔が崩れるのに『痛み』などの感覚はないようだから
  気づくのに『タイムラグ』がある可能性は大いにある。
  とはいえ、これだけ事前に会話まで再生したのであれば
  もし『キーワード』があるのならば、おそらくはこの中にあるのだろう。

588『せんせいのかくしごと』:2019/04/20(土) 02:03:17
>>586(鈴元)

「続いては『多摩川 糸子(たまがわ いとこ)』さん。
 この方は………頬を削る手術でしたか。
 『派遣社員』として働く理不尽を愚痴られていました。

  ポ チ

<いや―――そりゃあね………アタシだって
 『派遣』の道を選んだのはアタシ自身だってのは分かっているよ。
 でもさ、名前すら呼ばれない。ただ『ハケン』って頭ごなしに呼びつけられて………。
 『正社員』の奴ら以上の仕事してるってのに見下されっぱなしで過ごす事の屈辱!
 『ハケンの癖に』『ハケンが口出ししていい事じゃあない』
 『ハケン黙ってろ』『ハケンのせいじゃあないの?』
 ハケンハケンハケンハケンハケンハケン………アタシには人格があるんだ!
 『多摩川糸子』って名前があるんだ! うううう……

                       ……… ………ううううう………>

                            ポ チ

「この後泣きじゃくってしまって気づくと『顔』が崩れてしまったのでした。
 この方はなだめるのが大変でした―――」

『武藤』は淡々とした口調を変えず、

                      「―――以上です」


         『録音披露』を終えた。

589鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/21(日) 00:58:59
>>587-588

「……」

愚痴であることは共通点だ。
呪いがキーワードで起きるなら、両方に共通するものがもっとあると思うが。
……特定の言葉でなく、言葉の方向性だったりするのだろうか。
愚痴ってるというだけなら、門倉の応対した患者もそうだった気がする。
鬼塚と応対した患者は割とリラックスした感じでもあったし……

「……武藤さんからして、どう思います?」

「弟さんと話した時は、なんか呪いを起こす言葉があるんやないかーって、言ったりもしてたんやけど」

「武藤さんはなんか心当たりはあったりします?」

590『せんせいのかくしごと』:2019/04/21(日) 07:46:37
>>589(鈴元)

「弟がそんな事を………不束な」

『武藤』はそう言うと少し考え込む。

「でもまあ、そうですね。私の役割として悩みなどを聴くケースが多いので
 必然的にそういうシチュエーションでの『呪い』が多いですけど、
 そうでない和やかな雑談でも『呪い』は出ていると聞きますし、
 場面や話題は様々といった印象はあります。
 だから、そういった雰囲気とは関係なく、何か、特定の言葉を
 言ってしまうと『呪い』が出るというのは、まああり得る事なのではないでしょうか。

 ただ、その言葉がまったく同一のものではないでしょうね。
 それならさすがに私たちの誰かが気づく―――
 あとは、その言葉をそのまま使っているケースは
 もしかしたら少ないのかもしれません。つまり、
 会話の流れの綾でたまたま、その言葉を言ってしまっている、とか。
 そうなると『分かりづらさ』は更に増しますからね」

『武藤』も、もう一つの『武藤』と似たような見解のようだ。

591鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/22(月) 21:18:40
>>590

「はぁなるほどぉ」

見解は一致している。
少なくとも現場にいる人間が肌感覚で感じていることは重要だ。
ただやはりと言うべきか、呪いの現象、そのシチュエーションの幅が広い。

「あるいは、特定の言葉っていうより発言の方向性とかその時の感情とかも見るべきなんかもしれへんですかね」

「……」

この言葉、ではなくこの方向性。
感情の発露。
いや、それも遠いか。

「……」

福笑い、その考え方で言えば笑って欲しい時とか。
どこか悲観的な発言をした時に、とか。
ただ板槻の時はそれほど悲観的でもなかった気がする。

「録音、聞かせてもろておおきに」

592『せんせいのかくしごと』:2019/04/23(火) 03:40:19
>>591(鈴元)
「発現の方向性――― 感情―――
 そういう可能性もあるかもしれないけれど

  ………そのあたりの一貫性となると私には分からないですね」

『武藤』が返す。彼女にはおそらく『呪い』時に出る『小さな手』が見えていない。
見えていればその推理に差があったのかどうか………

「いえいえ。お役に立てる事があれば最大限に協力しますね」

『武藤』は大きく礼をした。何事もなければ仕事へと戻っていくだろう。
その後、『鈴元』はどうするか考えなくてはならない。

593鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/24(水) 23:55:25
>>592

「……」

「ほんま、おおきに」

多分、新しい閃きがないかぎりは武藤への質問で新しい鍵は得られないだろう。
現状それが浮かんでいない限りは武藤の時間を取るのはしのびない。

次は阿多の所に行ってアポが取れてるかの確認をしよう、

594『せんせいのかくしごと』:2019/04/26(金) 20:59:50
>>583(鈴元)
『武藤』に礼を言い、部屋を出る『鈴元』。
その足で『院長室』へ向かう。

 ………

『院長室』をノックすると、

    「―――どうぞ」

『阿多』の声が聴こえる。
その言葉に従い、入室する『鈴元』。

「………ああ。
  ………なにか、用かしら?」

『阿多』は自分の机の椅子に座っていた。
少々、苛立っているようにみえるのは、先程、『笑顔のディッシュ』について
問い詰めた件があるからだと思われる。

595鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/27(土) 00:56:42
>>594

「阿多先生、さっきはすいませんでした」

最敬礼。
謝罪する。
踏み込まれたくない部分に踏み込んだのは事実だ。
許して貰えるとは思わないが、謝らなければならない。

「さっきの無礼は仕事の結果でお返しさせていただきます」

596『せんせいのかくしごと』:2019/04/27(土) 14:17:12
>>595(鈴元)

「…………」

『阿多』は、ほんのわずかの間だけ値踏みするように『鈴元』を見る。
だが、すぐに目を深く閉じ、そして開ける。

「こちらこそ、申し訳なかったわね。
 失礼な態度をとってしまって―――」

『笑顔のディッシュ問題』―――

『阿多 佳久子(おた かくこ)』がそれを隠しているのは『隠れオタ』だから。
いい大人が理由もなく『子供向けの特撮』に興味を持っているのを
良く思わない人間も居る。だから隠している………

                ―――『鬼塚』の見解では、そういう事らしい。

 「………それで、用件は何かしら?
  仕事の結果で返すという事は何か朗報でもあった?」

『笑顔のディッシュ』についてはそれ以上は触れない。
ただ、『隠れオタク』というだけであれば、これ以上掘り下げる意味はなさそうではある。
そっとしておくべきか―――

597鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/27(土) 23:01:39
>>596

鬼塚の見解が正しいかはともかく、いま触る部分ではないのは確かだろう。
……鬼塚から聞いた話とかをすれば認めてくれたりしないだろうか。

「朗報、と言われるとそうとも違うとも言えへんのですけど」

「呪いの輪郭、みたいなのは分かってきてる感じですぅ」

「それで……アポイントメントの件なんですけど」

確認してみよう。

598『せんせいのかくしごと』:2019/04/27(土) 23:14:35
>>597(鈴元)

『鬼塚の話』をぶつければ観念して話してくれるかもしれない。
そんな想定をしつつも、とりあえずはアポの件を『阿多』に問う『鈴元』。

「そう……進んでいるのならよかった。
 『アポイント』……? ああ、『玉置』さんの件ね。

 彼女には連絡がとれて―――
  『少しなら話してもいい』と言ってくれているわ。

  貴女の準備がいいのなら、私から再度、電話するけれど」

『玉置』………『診療室』で呪いが出たという30代の女性(>>432)。
どれだけの情報が得られるかは不明だが、一応話はできるようだ。

599鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/28(日) 12:13:00
>>598

「僕の準備は大丈夫です」

そう告げる。
現状後ろに詰まったものは無い。
であれば時間が惜しい。
すぐにでも電話を取り次いでもらおう。

「今からでも大丈夫ですか?」

600『せんせいのかくしごと』:2019/04/28(日) 12:28:34
>>599(鈴元)

「ええ、分かったわ」

『阿多』は電話の子機を操作し、電話をかける。

 ………
                   ガチャ

「―――もしもし、私、『阿多美容クリニック』の阿多と申します。

 はい、はい……そうです。
                    先程話した件なのですが………

   大丈夫ですか―――では、ただいま代わります」

『阿多』が『玉置』に話をつけてくれたようだ。
子機を『鈴元』に渡してくる。

601鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/28(日) 21:23:56
>>600

「おおきに」

阿多に例を言って子機を受け取る。

「お電話代わりました。鈴元涼ぉ言います」

「玉置さん、でよろしいでしょうか」

どんな人だろうか。

602『せんせいのかくしごと』:2019/04/28(日) 21:40:40
>>601(鈴元)
「あァはい。玉置です。アナタがアレですか?
 何か話をききたいとかいう―――

  あの時の事は………辛い思い出なんですけど」

少しだけ早口の電話越しの声。彼女が『玉置』か。
自分の顔が崩れたという謎の事件は確かにあまりいい思い出ではないだろう。

「幸い後遺症なんかは一切なくて、
 落ち着いてから、手術もしっかりとして頂けましたから
 満足はしているんですけどもね………ええ」

603鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/29(月) 23:18:18
>>602

「はい。こちらとしても、思い出させるようなことになって申し訳ないです」

こちらはゆっくりと会話をする。
相手の早口に合わせるとお互いに焦ってしまう。

「お話しいただける範囲だけで大丈夫なので……」

「それで、当日の事を聞きたいんですけど、よろしいですか?」

604『せんせいのかくしごと』:2019/04/29(月) 23:53:11
>>603(鈴元)

「当日の事、ええ、ええ、ええ。
 先生と私の話は『録音』してあったので、
 ―――忘れちゃっている事でも時間をかければ答えられると思います」

 『玉置』が答える。

「あ。『録音』してあったのは別に変な意味があったわけじゃありませんよ。
 『先生』は分かりやすく説明してくれますけど、それでも
 一回じゃあ理解できない時もあるんでその復習の為に。ええ、それだけの意味です」

どうやら彼女は当日のやりとりを『録音』していたようだ。
『武藤』といい、最近は『手軽な記録』として
『録音』や『録画』はメジャーなものなのかもしれない。

605鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/30(火) 00:55:32
>>604

(録音か)

録音した事実自体は関係ないとは思う。
何を話したか、どんなことがあったのかが問題だ。
とりあえずはその時のことを聞いてみよう。

「まずは当日のことをお聞かせ頂いてもエエですか?」

「どういうお悩みで来られて、どんな話をしたとか」

「その時のお気持ちとか……」

606『せんせいのかくしごと』:2019/04/30(火) 08:00:57
>>605(鈴元)

「ええと………私は当時………
 男に捨てられたんですよね。
 『更科 健(さらしな けん)』………
  ああ、いま思い出してもおぞましいこの名前!
  結婚まで考えていたんですよなのに………」

『鈴元』の問いに『玉置』が語りj始める。

「気持ち? だから最悪ですよね。
  それで吹っ切って新しい人を探すために
   『二重手術』をしに来たんですけど………
    思いのたけを爆発させちゃってつい
    『先生』に長話をしちゃっていた記憶があります」

当日、彼女はかなり怒っていたようだ。

「話はだから、あいつ―――健の事ですよ。
 健は眼科医だって話で親も代々開業医だって言ってたのに
 すべて出鱈目、騙されていたって話をしました」

607鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/04/30(火) 23:53:24
>>606

「それは……」

辛いですね、と言いかけて少し考える。
辛い思い出を思い返させているのはこちらだ。

「大変でしたねぇ……」

まぁ、その後また大変なことになったのだけれど。

「それで、話をしていた時に、お顔が……?」

608『せんせいのかくしごと』:2019/05/01(水) 00:18:41
>>607(鈴元)
「そう………ですね。
 精神的なものだと………説明は、されましたけど」

『玉置』が答える。
そういえば『阿多』は『整形する際の不安が顔に現れる事がある』などと説明したと言っていたか。

「そこまで不安定だった気はしないんですけど………ね。
 そりゃあ、健に騙された事でそれなりにやさぐれてはいましたけど」

精神的には不満はあったものの特異なものではなかったようだ。

609鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/01(水) 23:18:01
>>608

阿多の言葉も真相が明らかになれば間違いではないのかもしれない。
あくまで、カモしれないという話で今まで出会った患者がそうなのかは分からないが。
……そうでない人もいたような気がしないでもない。
実際彼女もやさぐれてはいても不安はそこまでなかったようだし。

「……お顔のことが起きる前にどんなことを話してたかとかは、お話頂けますか?」

何か、キーワードのようなものがないか探す。
この言葉のあたりで、というのが分かれば前進にはなると思うが。

「より具体的にというか、こんな感じでこんなことを話してた、というようなことをお教え頂きたいんですけど」

610『せんせいのかくしごと』:2019/05/01(水) 23:50:44
>>609(鈴元)
「顔の変化が起こる前に話していた事………
ええと、さっき言ったとおり、いわゆる『結婚詐欺』、
騙された事に対する愚痴のような話です」

『鈴元』の問いに答える『玉置』。

「―――よければ、電話越しに流しましょうか? 『録音』」

そして、『玉置』が提案してくる。
一字一句覚えているわけではないだろうから、その方が『正確』ではありそうだ。

611鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/02(木) 10:36:06
>>610

「お願いします」

録音の確認が出来るのはありがたい。
確実なことだ。
玉置にその旨を伝えたい。

(今回はどんな感じか……)

612『せんせいのかくしごと』:2019/05/02(木) 19:12:17
>>611(鈴元)

「はい、ではちょっとお待ちください」

  ガサゴソ
             ガサゴソ

電話越しに何かをいじる音が聞こえる。
『レコーダー』を構っている音か。
しばらくして―――


「………はい、準備出来ましたので、再生しますね」

  カ チ

       ジィィ……………



<―――そうですね。未だにふっきれていない、というのはあると思います。
      でも彼………本当にいい人だったんですよ。
      更科健………ダマせるような男じゃあないと思っていたのに。
      だけど――それは私の思い込みだったんですよね。
      これから新しい人生を過ごしていきたい、心からそう思います。


                ………え? なんですか?>


                            カ チ


 「………こんな感じでしたね。このタイミングで『先生』で
  顔がおかしいのを指摘されて、『レストルーム』に案内されたというわけです」

613鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/02(木) 22:20:10
>>612

「なるほど……」

「その先生っていうのは、阿多先生でお間違いないですね?」

そこもとりあえず聞いておこう。

「……」

内容的にはやはりと言うべきか不安という感じはない。
言葉自体もポジティブである。

「その後は変化もなく、手術へ……?」

「レストルームでは特に問題は起きませんでしたよね?」

614『せんせいのかくしごと』:2019/05/03(金) 09:43:45
>>613(鈴元)

「ええ、先生というのは『阿多先生』ですね。

 手術は『レストルーム』で休んで落ち着いてから………

 問題といえばもちろん、『顔』の事でしたけど、
 少しの間、『顔』の色々な部分が動いたように思えましたが
 そのうち穏やかになって、そしてしばらく経って、
 その症状も消えて………それからは至って普通、という感じでした」

『玉置』が素直に答える。
『呪い』の流れは今までの証言や目撃例と同様という感じか―――

615鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/03(金) 13:10:32
>>614

「症状が消える時は自然に? ゆっくり部位が戻る感じでした?」

これまでの情報と比べるべきところは、やはり呪いが起きるまでに話していた内容だろう。
ただ今回は患者に対して質問が出来る状況だ。
なるべく、呪いについて突っ込んでおきたい気持ちがある。

「何か変なものが見えたり、聞こえたりとかは……?」

616『せんせいのかくしごと』:2019/05/03(金) 14:23:55
>>615(鈴元)
「症状は……なんかある瞬間、パッとすべて戻った感じでした。
 一気に『解放』された―――そんな感触です」

『玉置』は考え考え発言を続ける。

「変なもの………視界が目にあわせておかしかったですけど、
 そういう事はなかったように思います」

『小さな手』の目撃証言はここでもない。

617鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/03(金) 15:13:46
>>616

「一気に……特に前触れとかもなかったですか?」

能力の解除条件にハマった感じだろう。
であれば時間制限のある能力か。

「おかしいものの見聞きもない、と……」

やはりスタンド。
顔をこねくり回すあの手。

「……目の他にこの部位がおかしかったとかは分かりますか?」

顔の変化に法則性があるかもしれない。

618『せんせいのかくしごと』:2019/05/03(金) 18:58:07
>>617(鈴元)

「前触れ………分かりませんでしたね。
 『目』の他は、『鼻』が動いてしまった感覚がありました」

『玉置』はそう答える。
『顔が動いた』という事以外におかしかった部分というのには気付かなったようだ。

619鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/03(金) 20:17:30
>>618

「それは下の方に落ちていきましたか?」

「いえ、その、覚えてらっしゃらなかったり、思い出したくない場合もあると思いますので……」

辛ければいい、ということだ。
阿多の話では最初の患者は顔の下にパーツが集まっていたと言っていたはずだ。
自分が見た患者は横に移動していた。
なにか差異があるのだろうか。
とりあえず聞いておこう。

「あと、病院に来る前に不審な人に出会ったとかは無いですね?」

620『せんせいのかくしごと』:2019/05/03(金) 20:45:06
>>619(鈴元)
「下……どうだったかしら。
 とにかくまるで『遊んでいる』かのように
 フラフラと動いていた記憶があります」

『玉置』の返答は続く。

「不審な人……? いえ………

 駅から歩いて行きましたけど、
 『学生さん』とか『主婦』の方とか
 人のよさそうな『お婆ちゃん』とか、
 そういった普通の方々とすれ違っただけですね。

  その人たちと特別何かあったというわけでもないですし」

621鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/04(土) 22:38:36
>>620

「遊んでいる?」

遊んでいる。
スタンド自身の動きになにかあるのか。
挙動そのものになにかの意思が。

「福笑いとか、そんなふうにですか?」

思い切って聞いてみる。
迷ってる感じでないのなら、そういう感情で動かしていたのだろうか。

「不審な方はいないと」

良かった。
病院の外からの要因なら探すのに骨が折れる。

622『せんせいのかくしごと』:2019/05/05(日) 21:25:26
>>621(鈴元)
「『福笑い』………あァ、そうですね。
 デタラメな動きは何か悪意を持ってやっているというより
 子供が楽しんでやっているような―――そんな印象でした」

『玉置』はそう答える。

「ええ………『不審』というのがどういうものか分からないですし、
 さっき言ったとおり幾人かの人に会うのは会いましたけど」

『呪い』の犯人が必ずしも『不審者』とは限らないが……
とりあえず『玉置』はそう返答した。

623鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/06(月) 23:33:18
>>622

被害者の実感として福笑いに同意を得らたのは大きい。

「子供が……」

「……ありがとうございます」

「他に何か感じられたことはありますか?」

624『せんせいのかくしごと』:2019/05/06(月) 23:58:16
>>623(鈴元)
「他には―――特にないですね」

『玉置』は答える。

「私は、その、確かにおかしな現象に巻き込まれたんですけど、
 『阿多先生』にはそれはもうしっかり手術をしてもらって、信頼してます。
 『医療一筋』という感じで『院長先生』として頑張っている姿が尊敬できるというか―――

 詳しい事は分からないですが、貴方が『先生』を助けられるというのなら、
 ぜひ………頑張って下さい」

                         そして、そう話を締めた。

何事もなければ終話すればいいし、まだ何かあれば確認してもいいだろう。

625鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/08(水) 22:18:22
>>624

「はい、必ず」

「改めて、ありがとうございます」

話を終えよう。
聞けることは聞けているはずだ。
これ以上、鈴元の中に聞いておかねばならないこともなかった。

「……終わりました。せんせぇ」

子機を返そう。
門倉の進捗も気になるところだ。
スタンドを動かして確認してみるか。

626『せんせいのかくしごと』:2019/05/08(水) 23:53:51
>>625(鈴元)
「そう、よかった。
 ―――何かいい情報があったのなら更に良いけど」

『子機』を受け取る『阿多』。更に、

「………私への用事はこれで終わり、という事でいいかしら?」

 ………

『ザ・ギャザリング』を『門倉』の方へと向かわせる。
居るであろう『セラピールーム』の前まで行くと、
ドアが薄っすらと開いており、見ると、中で『門倉』が一人伸びをしていた。

627鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/09(木) 22:50:58
>>626

「……そうですねぇ」

阿多に微笑む。
それから少し考えて、鈴元は言葉を発した。

「福笑いってどない思いますか?」

一方で『ザ・ギャザリング』を使って門倉に声をかけた。

『進捗どないです?』

628『せんせいのかくしごと』:2019/05/10(金) 08:19:42
>>627

「えっ? ………福笑い? あの正月の遊びの?」

『阿多』は虚を突かれたように答える。

「どう思うと言われても―――
 特別な感情はないので答えづらいわね」

 ………

「あ、『鈴元君』のスタンドか!
 出たよ! 『呪い』! 今、患者さんはナースの『角田さん』が
 『レストルーム』に連れて行って介抱しているところだ」

『ザ・ギャザリング』のスタンド会話に『門倉』は興奮気味にそう返してくる。

629鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/10(金) 22:18:57
>>628

「なるほど……」

まぁ、そりゃあそうかもしれない。
福笑いなんて年がら年中するものでは無いし。
そもそもしないかもしれないし。

「……もしかしたら、それが呪いを解く鍵なんかもしれないんです」

「変な話かもしれへんのですけど」

………………

『そうなんですか?』

『それで、どんな状況でした?』

ギャザリングを通して門倉に話しかける。
鈴元自身が口に出さないように気をつけておこう。

『……角田さん?』

『あの男の人ぉ……やんね?』

630『せんせいのかくしごと』:2019/05/11(土) 01:11:18
>>629(鈴元)
「『呪いを解く鍵』……なの? 『福笑い』が……?」

『阿多』は困惑しながら返す。
とりあえず『福笑い』というワードで
あからさまに動揺したり、思い当たるフシがある様子はない。
………もちろん、『演技』の可能性がないわけではないが。

これ以上の反応は漠然とした問いや説明では難しいかもしれない。

 ………

「『角田さん』はその通り、俺と一緒に患者さんの対応をしていた男のナースさ。
 そして、今回俺達が対応したのは『斉出 進太(さいで しんた)』さんという
 男性の患者さん。髭の脱毛がしたいという話で来たんだ。
 どうにもモテないという話でね―――そこで色々話してくれていたんだが。

 ああ! 『鈴元君』に聴かせようと思って、
 持っていた『タブレット』でこっそり『録音』しておいたよ。
 ―――聴いてみるかい?」

また、『録音』。ただ、『録音』していない際にも『呪い』は起こっている。
これは『発動条件』とは関係ないだろう。

631鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/11(土) 23:28:10
>>630

「えぇ」

「今回の件、僕は初めに『福笑いみたいに?』って質問をしたと思うんですけど」

「さっきの患者さんも『デタラメな動きは子供が楽しんでやってるような』……と」

悪意を持っている感じではない。
そう彼女は言ったのだ。

「やから、関わりはない訳では無いと思うんですよ」

………………

『録音とってはったん?』

手際のいいことだ。

『うん、聞かせてもらえるやろか?』

632『せんせいのかくしごと』:2019/05/12(日) 04:05:11
>>631(鈴元)

「………よく分からないのだけど、つまり、
      ここで起こっている事は『呪い』じゃあなくて
       その―――『福笑いをしている』って事なの?
           誰かが……なんというか………超常的な力で?

              ………そんな不謹慎な事、いったい何の為に」

ほんのわずかだが、『阿多』が動揺しているように感じる。
それだけ『鈴元』の話が衝撃的だったのか、それとも―――

 ………

「よし―――
   じゃあ行くよ」

                 タ  ン

<女なんか結局のところ顔で人を選ぶんですよね……
 僕だってね、いろいろ研究したんですよ。
『モテる人がやっている108の行動』とか『これが正しいナンパ術』とか
『つれない女を確実に落とす語録集』とか『恋とは?愛とは?決定版』とか
 バンバン読んで研究したんですよ。でもね、だけれどもね、
 ちっともちっともモテやしない。こりゃダメだ。何がダメだ?
 つまり、つまりは顔だったんですよ!顔さえよけりゃあ、
 こんな苦労はしなくていい。というわけでまずは
 手始めに髭面直しにここに来たとそういうわけなんですよね。

                  ………あ、 あれ?>

「………とまあ、こんな感じだね。
  気付くと彼の顔を『小さな手』が覆い出した。
   『口』とか『目』とかをグルグル動かし始めて、
           そして一分ぐらいで唐突に消えた、というわけだ」

『門倉』は述べる。『鈴元』が見た光景とさほど変わりはないだろう。

633鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/13(月) 01:08:12
>>632

「おかしな話ではあるんですけどぉ」

「でも無から花が咲かないように、呪いも誰かが種を蒔いた、とは考えられます」

少なくとも鈴元はそれをスタンド能力として捉えた。
自分に見える数少ない超常のもの。

「……何の為にかは僕にはまだ分かりません」

「知ってるとしたら犯人か、狙われてる人間……」

「もしかしたら、阿多先生自信が知ってはるかもしれません」

………………

『ん』

『んー……』

口と目か。
鼻とか目をいじくるのは見た事がある気がするが、口。
それは初めてのパターンか?

『門倉さんは、なんやキーワード? になりそうな言葉とかは検討つきます?』

『この言葉を境に……みたいな』

『後はこの患者さんのことどないな人や思いました?』

634『せんせいのかくしごと』:2019/05/13(月) 20:04:42
>>633(鈴元)

「………私が知っている? どういう意味?」

 『阿多』が答える。

「…………何か言いたい事があるなら、ハッキリ言って頂戴。

       言っておくけど、『犯人』についての心当たりなんてないわよ。
       『恨み』とかも、少なくとも私には思い当たるフシがない。

    具体的な根拠をもって『犯人』を示すのは、貴方の仕事じゃあない?」

 少し苛だっているように感じられるのは、
 先だっての『笑顔のディッシュ』の問い詰めが尾を引いているのか、
 あるいは『調査』があまり進んでいないように感じられたからか―――

「―――ところで。

     言ったと思うけど、貴方たちに頼むのは『クリニックが終わるまで』。
                          もう、そんなに時間はないわよ」

 『阿多』の言葉に、壁にかけられた時計を確認すると
 時刻はいつのまにか『17時』を回っている。
 午後の部が終わるのは確か『18時』………タイムリミットは迫っている。

 『鈴元』はこれまで数々の『情報』を収集してきた。
 そろそろ、それらを『分析』し、『推理』として
 依頼主である『阿多』に突きつける段階なのかもしれない。

 少なくとも眼前の『阿多』は、『曖昧な問い』ではなく、
 『具体的根拠』を提示した建設的な『推理』でないと
 ろくな返答をしてくれないように感じる。

 もちろん、まだ『情報』が足りない、というのであれば、
      これからでも『情報収集』に回るしかないが―――

 ………

「患者はオドオドしていかにもモテなそうなヤツだったな。
 口説くには『押し』と『ウィット』が必要だよね」

 それはそうと、『門倉』もまた、『鈴元』の問いに答える。

「話のどのへんで『発現』したかは分からなかったんだよな。
 集中力が続かなかったかというか―――すまないね。

 『キーワード』か………『福笑い』って事なら
  『笑う』とか『遊ぶ』あたりかとも思ったけど、そんな言葉は言ってなかったし。
   逆にそれならすぐ分かる気もするしね。
    そういう直接的なワードではないのかもしれない」

 今現在、『門倉』は、あまりいい案は浮かばないようだ。
 ただ、聞き方によっては『門倉』の発想が何かヒントになるかもしれない。

『鈴元』が独力で何かに辿り着けるのならそれに越した事はないが、
今ある『情報』を精査しても、どうしても何の『目星』もつけられないようならば、
『門倉』に問いかけてみるのも一つの手だ。

635鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/13(月) 22:44:18
>>634

「そのまんまの意味ですよ……まぁ、知らへんみたいですからそれ以上どうこうっちゅうつもりもあらへんけど」

「……もうこないな時間なんやね」

(あかんな)

現状、答えにたどり着けてはいない。
ただ現在てもとにある情報以上に劇的なものがこれから見つかるのかは疑問だ。

「まぁ、あと一時間の付き合いやから、そないに怒らはらんでもええんよ」

お互いに必死だ。

「僕らがあかんかったらまた別なお人に頼みはるんやろ?」

…………

『それもせやねぇ』

誰にでも分かるキーワードではないのは明らかだ。

『……門倉さんってスタンド自体に意識があるとかってどない思います?』

                     オ
『いや、僕自身そういうお人さんに会うたことはあるけど』

『福笑いをしてるんはあのスタンドの手ぇやんね?』

『スタンドに意志があるんやとしたら、特定のキーワードっていうよりはもっと別の気持ちで動いてるってことはないんかな?』

636『せんせいのかくしごと』:2019/05/13(月) 23:22:10
>>635(鈴元)

「―――そのつもりよ」

 『別の人に頼む』という言に『阿多』は答える。

 「………そんな事を言うなんて、もう諦めているという事?」

『阿多』のアタリは、相変わらず強い。
『笑顔のディッシュ』などという『子供向け』のキャラクターに
興味がある事を探られようとしたのが、そんなに気に障ったのか………
いわゆる『オタク』であるという事はそこまでして隠したい事なのか―――

 ………

「『スタンド自体』に意識というと、『自立型』みたいなものか。
 その可能性はもちろんあるね。あるが………そうなると
 『射程距離』がひどく長かったり、場合によったら本体が死んでいるなんて恐れもある。
 『犯人』………『本体を探す』というのは難しくなるかもしれない。

 『福笑い』をしているのは確かにあの『手』だ。
 『小さな手』………俺はあの『小さな手』が、
 本体の手と『連動』して動いているものだと思っていたけど………」

  『門倉』のトーンが少し暗くなる。
  『自立型』の可能性は『本体』という存在から遠ざかる―――
  もちろん否定は出来ない可能性ではあるが………

「別の気持ち―――というのは被害者の心境という事かい?
 まあ、悩んでいたり不安がっていたりといった共通項はありそうだけど、
 でもそれって『整形』を受けに来た人々には大抵当てはまりそうだね。
 もっとたくさん出てもおかしくはない気はするが―――」

『呪い』が出た人々のみが抱いた気持ちの共通項………
少なくとも『門倉』にはまるで見当がつかないようだった。

637鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/13(月) 23:49:53
>>636

「いいえ。今日が終わるまでは当然、全力で……」

オタクであることをそこまで隠したいのか?
本当にそうか?
知らぬ存ぜぬを通せばそれで切り抜けられる問題ではないのだろうか。
……何かがあるのかもしれない。

(……多少のイケズは言わしてもらおか)

「嫌やわぁ。そないに思われてたやなんて」

「そないに気に障りました? 笑顔のディッシュ」

「別に誰が何を好きやなんて自由な話やし」

………………

『……やとしたら、スタンドの意志って考えるんは難しいかなぁ』

『ちゅうか、門倉さんはなんで本体の手と連動してると思いはったん?』

ギャザリングは鈴元自身とは連動していない。

『ほんまに連動してたらそれこそ整形手術みたいやけど……』

638『せんせいのかくしごと』:2019/05/14(火) 00:24:55
>>637(鈴元)

「『笑顔の――― ああ、またその話?
  貴方、さっきから変な話題ばかりね。

   以前も言ったとおり、『笑顔のディッシュ』とかいうのは
         『鬼塚さん』が好きなキャラクターでしょう?
   それをなんでか知らないけど私に結び付けて話してくるのは、正直、困惑するわ。

      ………それとも、何? 『鬼塚さん』あたりが変な事言っていたの?」

 『阿多』は呆れたように返す。
  正直、『鈴元』の信頼はかなり失われているようにも感じられるが、
   のらりくらりやっている時間は、もうあまりない。

 ………

「ああ、確かに………念じれば動く以上、連動している必要はないか。
 ただ、なんといっても『福笑い』は『遊び』だろう?
  もし本体がいるなら、『小さな手』とあわせて
  グルグルと自分も手を動かして遊んでいるじゃあないかと思っただけさ」

 『門倉』はそう述べる。『福笑い』で遊んでいる本体のイメージ。
 『小さな手』を動かして『遊ぶ』………
 それをなぜこの『クリニック』で起こす必要があるのか。

「『整形手術』か………。それなら、『阿多先生』の無意識のスタンドとかいう
 ケースもあるが、プロフェッショナルである彼女のスタンドにしては
 『稚拙』過ぎるというか―――せいぜい『整形手術ごっこ』レベルな現象だね」

639鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/14(火) 00:49:36
>>638

「じゃあなんで、絵ぇ描いてはったんですか」

「お上手に、お皿と黄色いスーツの……えぇっと、笑顔のディッシュでタベルンディッシュやっけ?」

………………

『手ぇを……』

本体が手を動かしている。
たしかに、納得は出来る。

『ほんまの福笑いやったら別室から手を動かして、あえて見えへん状態で遊ぶんも出来るか……』

……誰が本体だ?

『整形手術ごっこやったら、やっぱり犯人は阿多センセではないやんねぇ』

『ここの病院で誰かがやってる……誰かが阿多センセの真似をしてる……?』

『いや、真似っていうか、このクリニックの中でそんな風にするんって挑発的というか、意志は感じるんよ』

『別に街中でもええのに、ここでやることに意味があるか、ここでしたい意志があるんやないかとは』

640『せんせいのかくしごと』:2019/05/14(火) 02:27:30
>>639(鈴元)

「…………」

  『鈴元』の言葉に『阿多』はしばらくの沈黙。
  そして―――

「どこで聞いたのかは知らないけど、
 ………そうね、確かに『絵』は描いていた。

   ―――『鬼塚さん』に渡そうと思って。
       彼女が好きなキャラクターだから。

                  それだけよ。何か、問題?」

『阿多』は、『子供向け番組』のキャラクターの絵を描いた。それを『渡す相手』は、『鬼塚』だった。

   ―――それだけならば、隠す必要などない。おそらくはどこかが、『ウソ』。

    しかし、闇雲にそれを指摘しても、彼女はシラを切るだけな気がする。
      『阿多』はいったい、何をそこまで、隠したがっているのか。

        「―――もう、いいかしら? 私には仕事があるの。
             貴方のような人が続いて、結局、『呪い』が解けなければ
             その仕事もなくなるかもしれないけど。

             ………それもいいかもしれないわね。
                  『クリニック』が潰れたら、
                  仕事もせず、『家』でゆっくり長期休暇―――」

    『阿多』の『皮肉』の言が響く。
    その声色は『それもいいかも』などとはまったく思っていない事を思わせる。

    『鬼塚』いわく、『阿多』には昔いい相手がいたらしいが、
    『仕事』の事で色々あって『結婚』はしなかったらしい(>>479)。
    それほど『仕事』に賭けているのだろう。

 ………『阿多』の頑なな態度を見るにこれ以上の曖昧な『探り』は難しいように感じられる。
      であるならばこのまま『クリニック終了時間』を迎えるしかないのか―――

  ………

「『阿多先生』の真似か………彼女を慕っている『職員』は
 結構居るみたいだから真似しそうな『スタッフ』は居そうではある。
 ただ、そもそも、自分が勤める『クリニック』が潰れるような真似をするかな。慕っていると仮定するなら余計に。
 仮に『稚拙な能力』で上手くコントロール出来ない、けど使いたい! とかなら、
 それこそ『鈴元君』の言うように街中でもどこでも存分に『福笑い』なり『整形手術ごっこ』なりすればいい。
 まあ暴走しているとかで本体の意志に沿わない動きをしているならお手上げではあるが………

 あるいは『患者』? 手術がすでに終わった『患者』なら
 『クリニック』が潰れてもまあ問題ないともいえる。
 ただこれだと『射程距離』の問題がある。
 あの『小さな手』は、いわゆる『近距離パワー型』には見えないし、
 ある程度の『遠距離型』かもしれないが、それにしたってそれなりに近くに居続けなきゃならないだろう。
 『クリニック』に居ても怪しまれない『職員』ならまだしも、『患者』はいつまでも『クリニック』には居れない。

 あ、いや、射程距離が広範なら、『駐車場』とか『近くの路地』にでも潜み続けるといった手もあるか。
 ただ、『屋外』で、そんな不審者がいればすぐに噂になるはず。やっぱり難しそうだな」

『鈴元』の話を受けて『門倉』が語るが、彼が正しいのであれば、
それはつまり『本体』の目星をつけるのが、非常に困難な事を示していた。
『鈴元』が本日会ったのは、『門倉』を除けば『職員』と『患者』のみ。
その中に『本体』が居ない事になってしまう………

もちろんここは『推理小説』の世界ではないので、
『登場人物以外の存在』が『犯人』でも問題はないだろうが……
そんな人物を特定する事など果たして可能なのか――――?
せめて『居場所』でも分かればいいのかもしれないが………

もちろん『門倉』の推理が間違っているのかもしれない。
町一つレベルの『超遠距離型』の可能性や
さきほど除外した『本体』などいない
『自立型』の可能性もないわけではないが………

641鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/14(火) 21:32:38
>>640

「僕みたいな人がねぇ……」

否定はしない。
完璧な人間だとも、優秀だとも思っていない。
常に不完全で、未熟で、足りていない人間だと理解している。
劣等感を抱えてきている。
しかし、鈴元家の男子として不甲斐ないままで終わるつもりもない。

「ふふ、嘘ばっかり」

「好きなんを隠してはるんやろ?(>>564)」

「聞いたで、ぜぇんぶ」

流石に全部では無い気がするが。
聞けば鬼塚が話を振ってもそれに反応はしなかったのとことだ。
ならば、鬼塚に渡すはずなどない。
それに鬼塚から絵の練習をしていると聞いている。
あれもその練習ではないのか。
この矛盾は阿多が何かを隠しているからか、それともなにか別なことが理由か。

………………

『……いや、やっぱりこの中に犯人がおるはずやと思う』

選択肢は多すぎる。
だが、現状周りに不審者がいたという情報はなかったはずだ。
そもそもそんなものがいれば対処されているだろう。
なら、やはりこの中にいたと考えた方が自然に思える。

『潰れるようなことをする……っていうのは確かに不自然、やけどそれでも構わへんとしたらどないやろか』

『慕ってるのの逆やったら、そっちの筋は通りますよね?』

阿多に対しての感情が逆なのだ。

『もしあの手が本体の手と連動してるんやったら、その場におる時は発現できへん』

『カウンセリングルームやらの外なら問題はないし』

642<削除>:<削除>
<削除>

643鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/14(火) 21:41:47
>>641 (阿多への発言を追記)

「着信音までそれにしてるってのも聞いたけど」

「鬼塚さんが振っても知らんふりなんやんねぇ?」

「それに、だいたい鬼塚さんは『憤怒のナイフ』が好きなはずなんやけど?」

644『せんせいのかくしごと』:2019/05/14(火) 22:50:31
>>641>>643(鈴元)

『鈴元』は『阿多』の『かくしごと』を怒涛の勢いで糾弾していく。
『鬼塚』からきいた『阿多の"好き"の秘密』。
『着信音』。『鬼塚が好きなものとの矛盾』。

  ……… ……… ………

『阿多』は神妙な顔でそれを聞いていた。
『鈴元』の言葉ひとつひとつが彼女にどう刺さっているのか―――

 『鈴元』の話が終わる。すると、

       「………好き? 好きって、『私』が?
            私が『笑顔のディッシュ』を好きだって、あなたは言いたかったの?」

『阿多』は、噛みしめるように言葉を紡ぐ。

 そして―――


              フフ
                               フフフ


                    漏れたのは、笑い声だ。

「フフフ……
  そういう事なら―――そうか、そうよね。
               『鬼塚さん』みたいな人もいるんだものね。

    ―――そうね、私が、好きなのよ。『笑顔のディッシュ』」

 何か重荷がとれたかのような、あっけらかんとした『阿多』の告白。

  これが『鈴元』が求めた答えなのか―――?
  だとして、これで何かが変わるのか―――?

                              刻々と時は過ぎる。

 ………

「『クリニックが潰れても構わない』というのは確かに感じなくもない。
 『鈴元君』はそれが、慕っているの『逆』、つまり、『憎悪』から来ていると予想しているんだね。
 確かにこの短い調査じゃあ、人間の裏までは見通せない。
  『職員』の中に『阿多先生』を憎んでいる者がいてもおかしくはないが―――

  そして、まあ、休憩中とかなら『能力』を使えない事もないか………
  というかそもそも、『手を連動させる』というのも俺の勝手なイメージだしね。
  立ち会いながら能力を使えないという根拠には薄いか」

 そう、確かに『鈴元』の推測は一理ある。
                     ただ………

「ただ……これだとこれ以上、『本体』を絞り切れないかもしれないね。
 『鈴元君』が俺の知らない有力情報を持っているなら別だけど。
 時間を考えると新情報確保もそう多くは出来ない。
 となると『本体』の線からこの事件を解決するのは難しいのかな」

『門倉』が首を振るのが見える。他の線といえば『発動条件』あたりか。
だが、これにも新しい情報やひらめきはなく、一筋縄ではいかなそうだ………

645鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/16(木) 17:42:29
>>644

「……」

「なんで隠してはったんですか?」

このことが明らかになったとて、事件の解決に繋がるかは分からない。
しかし、なぜ阿多がそれを隠したのかは気になる。
このことが何かを隠す蓑になっていないか。

………………

『……視点を変えて発動条件の確認をしよか』

『……今までの流れやと、なんか能力を発現させるキーワードがあると考えてて』

『鬼塚さんは呪いを見たことがなかった』

ひとつずつ確認する。
まずは大きな部分からだ。

『鬼塚さんは話す量が他の看護師さんより少ないからキーワードを踏まんかったって結論になって……それで……』

『キーワードはこれっていう言葉じゃなくて複数あったり意味合いが近いもん、みたいな感じやったやんね?』

キーワードがあるのではないかというのは、鬼塚とのカウンセリングの後だったはずなので話の流れは多少前後している気はする。
が、とりあえず大まかな確認ならこれでも大丈夫だろう。

『……門倉さんも初めは呪いを見はらんかったよね?』

あれは門倉が話しすぎた、というのを患者が話しているのを聞いた。
それもキーワードによる発動条件というのを補強する事実だ。

『ここまでで、まだ足りてへんところとかはあるやろか?』

646『せんせいのかくしごと』:2019/05/16(木) 19:43:37
>>645(鈴元)

「それは―――

           『恥ずかしかった』からよ」

『鈴元』の問いに『阿多』は答える。
プライドの高そうな医者が『子供向け番組』のキャラクターを
好きだというのが恥ずかしくて、隠していた。
シンプルだが、ありそうな答えではある………

「………さて、さっきも言ったけれど、私には仕事がある。
 貴方にも『呪いの解明』という仕事があったはずよね。
 残りは、そう………30分くらい?

  まだほとんど何も分かっていないようだし、
  最後の調査にでも行ってきたらどうかしら?
  最後の1秒まで待つのは、待ちます―――」

ここで『阿多』は院長室の出口を手で指す。
『お引き取り下さい』のポーズ………
本来、『呪い』を解決してくれるというのなら、
多少遅れたところで歓迎してくれるはずだが………
追及が効きすぎたか、『鈴元』は相当、『阿多』の心証を損ねているようだ。

 ………

「まあ、『発動条件』についての流れはそんな感じなのかな。
 今、君から初めて聞く事もあるにはあるが―――
 気になる事はなんでもいいから教えておくれよ」

『鈴元』と『阿多』が険悪なムードになっている事など露知らず、
『門倉』はノンビリとそう答える。

「さて、こういう事を言うのもアレだけど、
 今更、『キーワード』以外の可能性を考える余裕はない気はするね。

  後は『具体例』を精査して『キーワード』を探すか、
  あるいは想像して、決め打ちするか。

 ただ、前者は俺には難しい―――というのも、
 結局自分では『一例』しか『呪い』を確認できていないからね。
 『鈴元君』はそれよりは確認出来ているだろうから、
 それを思い返してみるのもいいかもしれない」

今、この瞬間に『発動条件』でも言い当てる事が出来れば、
『阿多』の興味を引き、話を続ける事、
そこから更に『解呪』の糸口を掴む事も出来るかもしれない。

あとは『犯人』や『動機』………
あるいは『阿多』がどうしても反応せざるを得ない話題、
そんなものを提示出来れば―――
もっとも、そこまでして『阿多』と話を続ける必要があれば、の話だが。

………あるいは、『諦める』というのも一つの道である。

     そもそも『門倉』が受けた依頼であるし、
     一番の協力者であるべき『阿多』の態度はけして褒められたものではない。

     であるならば………

647鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/16(木) 23:29:21
>>646

『……』

『いま、思い出す……』

これまでの流れを一度思い出す。
症例は何度も見た。
残り時間が限られている以上、今出来るのはそれだけだ。
だから、それをするしかない。

『まだ、まだ時間はあるから』

諦めるわけにはいかない。
たとえこの場の全員が反発しても、この場に来た以上は仕事をこなす。
この場に来たのは門倉に協力を頼まれたからだ。
自分が断れば誰かが誘われるか門倉が一人で仕事をするだけだろうが、鈴元にとっては大事な舞台だ。

『ちょっと待ってて……』

648『せんせいのかくしごと』:2019/05/17(金) 02:35:50
>>647(鈴元)

     『鈴元』は必死に考える。思い起こす。

『犯人』『動機』『条件』、どれか一つでも分かれば大きな『進展』となる。
だが、逆に今の段階でもまるで見当もつかなければ、
時間内に『解決』するのは難しいといえるだろう。
もちろん、まだ時間はある………あるが、今にも追い出されそうな現状、
早急に『答え』を導き出さなければならない。

『桜吹雪』のように頭の中に今までの『情報』を散りばめ、分析していく………

【『発動条件』について】

『鈴元』が得た『呪いの瞬間の言葉群』は―――

一例目、自らが立ち会った『戸葉 彩江』(>>450-453
二例目、自らが立ち会った『板槻 波音』(>>507-508
三例目、『武藤』が録音した『上条 沙織』(>>587
四例目、『武藤』が録音した『多摩川糸子』(>>588
五例目、電話で録音を確認した『玉置』(下の名前不明。
      騙された相手は『更科健(さらしなけん)』(>>612
六例目、『門倉』が録音した『斉出 進太』(>>632)。

以上の『六例』か。

『キーワード』についての考察は
『武藤拓馬』(>>548)・『武藤暮』(>>590)の『武藤姉弟』がしてくれていた。
これが正しいのだとすれば、
『キーワードは一つではなく、また、そのまま使っていない可能性が高い。
つまり話の流れの綾でたまたま出てしまった』という事になる。

一つではない複数の言葉………
考えられるのは、『一つの事象を複数の言葉で表す』パターン、
たとえば『大判焼』は地方によって『今川焼』『回転焼』
『おやき』『御座候』など複数の呼び名を持つ。
もう一つはいわゆる『カテゴリ』のパターン。
『動物名』とか『植物名』とかそういう事だ。

そして『そのまま使っていない可能性』というのは、
『同音異義語』、たとえば『雨』と言ったのに『飴』と判別されるパターン、
あるいは文の繋がりで言葉になってしまったパターン、
たとえば「パスタをゆでた。孫と一緒にね」と言った際に
『ゆでたまご』と言ってしまったと判別されるパターンか。

【『本体とその動機』について】

『発動条件』とは別に『本体』やその『動機』についての分析。
これらは先程から行っている『門倉』との問答で言及されていた(>>638-644)。

『今までの関係者に本体はいないように思える』という突飛な『門倉説』(>>640)。
それに反論する『鈴元説』(>>641)。
『門倉』は『阿多を慕っている者の犯行』、『鈴元』は『阿多を憎んでいる者の犯行』と考えた。
実際にはどうなのか―――

『福笑い』という能力推測はおそらく当たっているのだろう。昔ながらの正月の遊び。
そのイメージを『呪いという言葉とは違う趣きを感じる』と評したのは『門倉』だったか(>>489)。
確かに『呪い』や『憎悪』とは程遠いイメージ………
ただ、善良そうな能力で悪行を働く者だって当然、居る。
負の感情から行われた事ではないとは『断定』出来ない―――出来ないが………
仮に『正の感情』からこの事件が行われたとしたら、犯人は、
『よかれと思った事が「呪い」と評されるような
 災いになっているのが分からない精神的に未熟な人物』なのかもしれない。
あとは『クリニックが潰れる事が「いい事」』と考えているなどという可能性もあるか―――

そして、今回の事件の情報の隙間に奇妙に纏わりついているのが『笑顔のディッシュ』だ。
『阿多が隠れオタクだから、子供向け番組のキャラクターについて興味がある事を隠していた』
という『鬼塚』の説は一見、正しいように思えるし、それだけの事ならば事件とは無関係なのだが………
『鈴元』が追及した際にあっさり認めた『阿多』の『言動(>>644)』の怪しさ。
これがもしウソならば、『鬼塚の見た光景(>>564)』、
笑顔のディッシュの絵を練習し、グッズを買い漁っていたのはいったい『何の為だったのか』?

 ………

他にも細かい情報はあっただろうが、
重要そうな『情報』はあらかた反芻出来たように思われる。

厳しい『阿多』の視線と、すがるような『門倉』の視線、
二つの異なる視線を浴びながら、『鈴元』は―――

649鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/17(金) 20:13:18
>>648

この呪いがもし行き違いならば。
この呪いの仕掛け人が本当に良かれと思っているのなら。
もしも自分が何かを仕掛けるのなら。
あるいは、自分がこの仕事をする上でしたい事は。

(人の笑顔……)

人を笑顔にする存在。
『人を笑顔にしようとする』その行為が幸か不幸か『人の顔を弄る』という方面なのだとしたら。
だとすればそこに悪意が存在はしないのかもしれない。
……今まで見た患者はどうだったか。
愚痴以外に共通点はあるか? 案外それが正解だったりするのか?

「……」

呼吸が荒くなる。
時間はない。答えを見つけなければならない。
答えを提示することだけが必要なのだ。
涙が出そうだ。
鈴元涼は自身が今よりも子供だった頃のことを思い出しそうになった。
まるで走馬燈だ。

「……あれ?」

「……阿多センセ、子供いはる?」

泣き笑いのような微妙な表情で鈴元は言った。
そう言えば自分は、阿多の家を覗いてはいない。

「……ねぇ、もしかしてグッズ買い占めてはったんも、絵の練習も、着信音をそれの曲にしてたんも、全部、お子さんのためにやってはった?」

「さっき、『鬼塚さんみたいな人もいるんだものね』って言いはったんって、自分の身近にはちゃんとお子さんのフアンがおるからじゃなんですか?」

真剣に付き合った人間がいたが結婚はしていない。
だが、子供がいるという可能性は消えていない。

………………

『……門倉さん、ちょっとお願いやねんけど』

『ちょっと、愚痴ってみいへん?』

もし、阿多に子供がいて、その子供が仕事に疲れた母の愚痴を聞いていたとしたら。
その母を笑顔にしたいというのが、子供の願いなのだろうか。
それとも母と仕事を変わって患者を笑顔にしたいのだろうか。
どちらにせよ、愚痴という方向性を狙ってみる。
どのみち、阿多への質問が合っていなければ駄目な話だが。

650『せんせいのかくしごと』:2019/05/17(金) 21:29:58
>>649(鈴元)

時間に追われ、追い詰められながらも、『鈴元』が捻り出した『答え』。
それは『問いかけ』にかわり、『阿多』に投げかけられる。
                ・ ・
   『阿多佳久子には、子供がいるのではないか?』

            『 ! ! ! ! 』

     その問いに『阿多』は、すぐには答えない。
       しかし、その表情には露骨な『驚愕』が張り付いている。

        それは彼女の『かくしごと』の核心に
        『鈴元』が辿り着いた事を示していた。

『子供向け番組』のメインターゲットは当然、『子供』。
一般に親世代である『阿多』が、その番組にこだわりを示しているなら、
まずは『子供の為』であるという可能性を考慮すべき。
気付いてみれば実に単純な話だが、大きなお友達である
『鬼塚』の言動が結果的に『煙幕』になってしまっていた、という事か。

もちろん『阿多』が『独身』だという事も、『煙幕』の一つにはなっただろうが、
しかし、逆に考えれば『独身』だからこそ、
『子供』の存在が『阿多』にとって『かくしごと』になったとも考えられる。

さて―――今まで『呪い』とまるで結びつかなかった『笑顔のディッシュ』が、
       『新たな登場人物』と繋がった事で事態は大きく変動した。
       『福笑い』……『整形手術ごっこ』……『正の感情』……
       『呪い』を解決したい『阿多』をこれから上手く『説得』できれば、
       先程までの最悪の事態を脱し、新たな局面を迎える事が出来るだろう。

  ………

 「え!? 愚痴!?  ど、どういう事だい?」

戸惑う『門倉』。
彼にしてみれば考え込んでいた『鈴元』が
唐突にあらぬ事を口走ったようにみえただろう。
『門倉』には『院長室』の出来事は一切分からない。
もう少し説明が必要だろう。

ただ、今、『鈴元』は非常に重要な情報を一つ得ている。
『犯人』『動機』『条件』の三つを並行して追うより、
一つ一つ確定していき、深めていった方が『調査』は捗るかもしれない。
もし移動する事があるなら、ついでに『門倉』と合流してしまうのも手だ。

651鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/17(金) 22:05:07
>>650

見つけられたようだ。
ひとつの糸口が。

「落ち着いて、聞いて下さい。僕も落ち着きます……」

深呼吸。
阿多からの評価は最悪だ。
必要なのは諦めと承認、それから合致。
目的を合致させ、阿多からの承認を得て、隠すことを諦めさせる。
ひとつの結論に落ち着くのはそれが問題だ。

「さっき僕が言った福笑い……つまりは、悪意のない……言い換えれば真心のある行為」

「それが呪いと呼ばれる現象の中に隠れてたもんでした」

「これはひとつの可能性の話ですけど、もしかしたらそのお子さんの、子供の無邪気さが今回の鍵を握ってるかもしれへんのです」

だが、それを認めるのは心情的に辛いものがあるかもしれない。

「……お察しは出来へんけど、今まで隠してた部分と晒さなあかんということ、グッズを買ったり絵ぇを練習しはるほど思ってはった我が子が問題の中心におるかもしれんこと」

「……辛いとは思います……」

「でも、事実が明らかになるまでは、どうか、力を貸して欲しいんです」

深く、頭を下げる。
説得を試みる。

652鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/17(金) 22:05:47
>>650

見つけられたようだ。
ひとつの糸口が。

「落ち着いて、聞いて下さい。僕も落ち着きます……」

深呼吸。
阿多からの評価は最悪だ。
必要なのは諦めと承認、それから合致。
目的を合致させ、阿多からの承認を得て、隠すことを諦めさせる。
ひとつの結論に落ち着くのはそれが問題だ。

「さっき僕が言った福笑い……つまりは、悪意のない……言い換えれば真心のある行為」

「それが呪いと呼ばれる現象の中に隠れてたもんでした」

「これはひとつの可能性の話ですけど、もしかしたらそのお子さんの、子供の無邪気さが今回の鍵を握ってるかもしれへんのです」

だが、それを認めるのは心情的に辛いものがあるかもしれない。

「……お察しは出来へんけど、今まで隠してた部分と晒さなあかんということ、グッズを買ったり絵ぇを練習しはるほど思ってはった我が子が問題の中心におるかもしれんこと」

「……辛いとは思います……」

「でも、事実が明らかになるまでは、どうか、力を貸して欲しいんです」

深く、頭を下げる。
説得を試みる。

653鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/17(金) 22:34:05
『あぁ、飛んでた……すんません』

ひとつずつ説明していこう。

『まず、阿多センセにはお子さんがおるかもしれへん』

『センセにそう聞いてみて……はいともいいえとも言わんかったけど、顔の感じやと当たってる』

『子供がやったんやったら悪意がないのも、整形手術ごっこなんも説明はつくやろ?』

子供のスタンド使いがいても、おかしくは無い。
自分も……自分では言えないが世間的には子供なのだし。

『それで、そのお子さんと会ったりしてみたいんやけど、一応阿多センセの説得をしてるとこ』

『……隠してはったところやしねぇ』

門倉と合流したいが、阿多との話がひと段落ついてからの方がいいだろうか。
突然院長室に来られると阿多も混乱するかもしれない。

654『せんせいのかくしごと』:2019/05/18(土) 02:10:37
>>652-653(鈴元)

一つ一つ、積み上げるように、
『鈴元』は『阿多』に言葉を投げかける。
『阿多』が隠していた子供が今回の『問題の中心』に居るという事。

それを丁寧に、『阿多』に告げる。


    それを聴いた『阿多』から出たのは―――大きなため息、ひとつ。


「―――もっと早く、率直に言ってくれればよかったのに。
     早々にその結論にたどり着いていたんでしょう?
     『玉置』さんの電話が終わって『福笑い』の話を始めた時にはもう。

     『デタラメな動きは子供が楽しんでやってるような』

                 なんて意味深な事を言っていたものね」

『阿多』が語る。
そういえばそんな話をしたか………(>>631)。
その後、『阿多が動揺しているように感じられた』(>>632)のは、
『自らの子供』の事を想起していたからだろう。

その後の会話の流れを思い返すに、『阿多』は薄々、
真相に気づいていたが、それを自分では認めたくなく、
『鈴元』からの決定的な『宣告』を待っていたという状態だったか。

その観点から見ると、『子供』に繋がる『笑顔のディッシュ』を
持ち出しておきながら、なかなか『真相』を告げない『鈴元』は
『蛇の生殺し』であり、『多少のイケズ』どころではなかっただろう
(これが『京都人』のやり方か)。
『阿多』が必要以上に怒ったのもやむを得ないといったところか―――

「………幼い子供が『念動力』で騒動を起こす『映画』を見た事があるわ。

     私の子、『福助(ふくすけ)』もそういった『超能力』を持っていて、
                   この『呪い』を起こしているかもしれない。

     だったら、会いに行きましょう。
      彼は隣にある『私の家』に居る。

            そこで真偽を確かめる。
                             ―――それでいいでしょう?」

『阿多』はすでに怒りを収めている様子だ。
『子供の存在』も今更、隠す気はないらしい。
この分だと、この『呪い』の『本命』に会いに行くことが出来るようだ。

 ………

「へェ、子供がねェ〜〜、あれ、でも結婚してなかったんじゃあなかったっけ
                      ………いやまあ、そういう事もあるか」

『門倉』は素直に納得する。

「でも確かに『子供』なら、今回の『犯人像』に適しているね。
 『福笑い』という『遊び』が能力、『先生を慕っている』、
  クリニックの隣の『家』に居るなら、物凄い遠距離型じゃあなくても問題ない。

  ああ、あの『スタンド』の手が『小さなサイズ』だったのも、
     『子供』の手と『連動』していたのだったら、納得がいくね」

『門倉』はうんうんと頷く。
『阿多』との交渉も順調であるし、問題なければ、
適当なタイミングで拾ってあげるといいのかもしれない。

655鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/18(土) 06:14:26
>>654

「いえ、恥ずかしい話やけど、この瞬間までは至らんかったです」

「自分の察しの悪さが一番の敵やったかもしれないです」

たどり着いてみれば、これまでの情報で十分に判りうることだっただろう。
道は平坦ではなかったが、蛇行していたのは自分自身だ。

「ええ、よろしくお願いします」

阿多の家に行こう。
解決までの時間は早い方がいいし、子供が呪いを起こしているかの真偽を確かめなければならない。

………………

『なんとか考えがたどり着いて良かったわぁ』

『……あ、センセの家行けるみたいやわ。行こか』

阿多の家に向かう途中で門倉と合流しておこう。

656『せんせいのかくしごと』:2019/05/18(土) 17:31:15
>>655(鈴元)

「そうなの?
 ………まあ、いいわ。とにかく、行きましょう」

寸前まで分からなかったという『鈴元』の話に、
『阿多』は少し首をかしげたが、すぐに話を進める。
その真偽を今、議論していても意味がない、と判断したのだろう。

 ………

二人が『院長室』を後にすると、ほどなくして『門倉』が合流してくる。
そのタイミングに『阿多』が怪訝そうな表情を浮かべる。

それに対し、

「―――これが『超能力』ですよ、『院長』!
     『鈴元君』と俺は『不思議な力』で交流出来るのです!
     大体の流れは把握済みなんですよ!
     出てくるタイミングもそれで分かったのです!」

          『門倉』が得意げにこう宣言する。
          事実ではある。事実ではあるが
          ………胡散くさい事、この上ない。

「………

     まあ、そういう力がある、と
     認めないといけないんでしょうね」

『阿多』のため息と共に、三人は『クリニック』の外へと出た。

来た時と比べ、周囲は少し暗闇を深めている。
これから『阿多の家』まで歩を進めていくのだが、
その間に『阿多』に訊きたい事などがあれば確認しておくのもいいかもしれない。

657鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/18(土) 19:10:34
>>656

「……」

門倉の発言に少し頭が痛くなった。

(静かにしといてもらった方がええんやろか……)

ゆっくりと息を吐いて首を横に小さく振った。

「阿多センセ」

阿多の家に着く前に阿多に質問を投げかける。

「阿多先生ぇはお家でお仕事の話はしはるん?」

658『せんせいのかくしごと』:2019/05/18(土) 19:29:37
>>657(鈴元)

「仕事の話? 『福助』と?
    ………あまりしないわね。
  もちろん、こういった仕事をしている、というのは教えてあるけど」

『阿多』が答える。

 「―――そもそも、話す機会があまりなかったの。
      今までは、本当に忙しかったから。
      最近は………わりと早くに帰れるようになってはいたけれど」

『今までは』というのは、『呪いが始まる前までは』という事か―――

659鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/18(土) 19:53:59
>>658

「……そうですか」

それまでかけた情熱の分、話す機会が失われている。
悲しいことだが、阿多としてはそれも子を思って働くからなのだろうか。
もしこの事件が解決した時、阿多は我が子と穏やかな時間を持てるのだろうか。

「……」

家に向かおう。

660『せんせいのかくしごと』:2019/05/18(土) 20:04:29
>>659(鈴元)

 ………

そして、三人は『阿多邸』にたどり着く。

               ピ ン ホ ゚ ー ン

インターホンを鳴らす『阿多』。

                   「―――はいィ」

ほどなくして応答したのはしわがれた『女性の声』。

  「佳代子よ。戻ったわ」

                 「あァ、はい、はい」

 『女性』が答え、しばしの時間が流れる。

「………私の『祖母』よ。『福助』の面倒をみてもらっているの」

その間に『阿多』が『鈴元』達に説明してくれる。

661鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/18(土) 20:14:37
>>660

「お祖母様がいらっしゃるんですね」

となると、福助くんの面倒は基本的にこのおばあちゃんが見ているのだろうか。
鈴元は実家の祖父母を思い出した。
優しくも厳しい二人だった。
この人はどんな人なのだろうか。

(……ん? あれ?)

鈴元はひとつの疑問が浮かんだ。
事件についてのことではない。
ごくごく、個人的なことだ。

(僕、着替えてへん……!)

自分は、女装したままで来ている。

662『せんせいのかくしごと』:2019/05/18(土) 20:39:32
>>661(鈴元)

 ガチャリ

「『佳久子ちゃん』、今日は早いねえ」

 そう言って出てきたのは狸のような容貌の『老婆』だった。
 もしかすると電話で話した『玉置』の目撃証言にあった
 『人の好よそうなお婆ちゃん』が彼女かもしれない。
 確かに『不審者』とは表現出来ない風貌である。

「………今日は、『お客』が居るの。
    『佳久子ちゃん』は………やめてくれる?」

 『阿多』は少し憮然とした表情で、老婆に語り掛ける。

「あらあら、これは失礼しましたァ。
 ええと、お二人は病院の『職員』さんかねェ。
 はじめましてェ―――
  『佳代子』の祖母の『阿多ヌキ(おた ぬき)』でございますゥ」

大仰に頭を下げる『ヌキ』。
ナース服を着ている『鈴元』と『門倉』を『職員』と思うのは自然な話か。
そして『鈴元』は………自身の懸念どおり女性と思われているだろう。

「しかし………初めてじゃあないかい?
   『佳代子』が職員さん連れてくるのなんて」

『阿多』は『子供』を隠していた。
であるならば、職員達を連れてこないのは当然と言えば当然か。
だが、これだけ近くに『家』があれば、『隠しきる』のは相当な苦労だっただろう。

663『せんせいのかくしごと』:2019/05/18(土) 20:44:57
>>662
五行目:
(誤)『人の好よそうなお婆ちゃん』が彼女かもしれない。
(正)『人のよさそうなお婆ちゃん』が彼女かもしれない。

664鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/19(日) 02:40:54
>>662

「うふふ……ええんちゃいます?」

人のよさそうな人だ。
……彼女も今回の呪いに関わる人なのだろうか。
いや、とにかく今は福助のことを考えていた方がいいとは思うが。

「初めまして、鈴元涼ぉいいます」

「まぁ、ちょっと色々ありまして……お邪魔させてもらいます」

665『せんせいのかくしごと』:2019/05/19(日) 11:15:51
>>664(鈴元)

『鈴元』は丁寧に『ヌキ』に挨拶する。
それにあわせ『門倉』も名乗りつつ、一礼。

「あァら、あら、ご丁寧にどうもォ」

『ヌキ』も深く一礼。朗らかに挨拶は済んだ。


 「………そういう事で。
                『福助』は部屋?」

『阿多』がややつっけんどんに『ヌキ』に問う。
怒っているというより、照れがあるのかもしれない。

「そうねェ、『福助ちゃん』は部屋にいるはずよォ。
 最近は『バぁバ』と遊ばずに一人で遊んでる事が多いわねェェ」

『ヌキ』の言葉に『阿多』は頷く。
そして、『鈴元』達に目配せしつつ、家の奥へと進んでいく。

666鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/19(日) 15:21:51
>>665

一人で遊ぶことが多くなってる。
もしかしたらそれも呪いが起きてる原因なのかもしれない。
あるいはスタンドに夢中になってるのかもしれない。
そういう可能性はある。

お祖母様に会釈をして、家の奥に進んでいこう。

667『せんせいのかくしごと』:2019/05/19(日) 18:49:23
>>666(鈴元)

家は外から見たとおり、『豪邸』といってもいいものだった。
地方都市で駅からそれなりに離れた場所とは言え、
結構なお値段なのではないだろうか。

『阿多』についていき廊下を進むと、
つき当たりに『おた ふくすけ』と表札のある部屋があった。

             「―――福助、入るわよ」

『阿多』が一声かけ、部屋へ入る。

  ……… ……… ……… ………

室内は『おもちゃ箱をひっくり返したような』という表現そのものの状態だった。
様々な『遊び道具』がそこら中に散乱している。

『カルタ』『羽子板と羽』『折り紙』『けん玉』『双六』などなど―――
『昔ながらの遊び道具』が多いのは『お婆ちゃん』に育てられたからか。
それにより『福笑い』という古風な遊びを知っていた、という事かもしれない。

             バ ッ

「あ! おかあさん! おかえり!
 きょうは ほんとうに はやいねェ〜〜!」

そして、『阿多』に飛びついてきたこの少年。
彼が『福助』という事で間違いないだろう。年齢にして4、5才くらいか。
本来、『幼稚園』や『保育園』に通っていてもおかしくはない。

喜色に染まる、ぽっちゃりした赤ら顔。
本当に『阿多』……『母親』の事が『好き』という事が雰囲気で伝わってくる。
仮に彼が本体だとして、やはり『恨み』という線は無いように思われる。

                  「………!  このひとたちは?」

ワンテンポ遅れて、『福助』が後ろにいる『鈴元』と『門倉』に気づく。
途端に顔が曇るのは、嫌われているというより人見知りによるものか―――

「大丈夫―――私の
              ………『病院』の人たちよ」

『阿多』が優しく紹介する。
格好の事もあるし、下手に本当の身分を紹介しても
混乱させてしまうという『配慮』だろう。

668鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/19(日) 19:38:57
>>667

(……カルタとか双六とか……)

正月にするような遊び道具も見える。
福笑いというモチーフにも納得がいくような気がした。
片付けがなされていないのは歳を考えれば仕方ない。

(……)

微笑ましい光景だ。
しかし、自己紹介をしないといけない。

「こんにちは」

「鈴元涼ぉいいますぅ。阿多、福助くん、やんね?」

「よろしゅうに」

669『せんせいのかくしごと』:2019/05/19(日) 20:35:51
>>668(鈴元)

先程同様、『鈴元』とあわせて『門倉』も挨拶をする。

「あ……うん、おた、ふくすけ……です」

『福助』は戸惑いながら、ゆっくりと返答する。
年頃もあるし、あまり、人と接する機会もなかったのだろう。
ただ、困惑しながらも素直に答えはしてくれる。

「ええとね、福助。
 今日は、少しね、ききたい事があるの。

                          その………」

そして、『阿多』が質問を切り出そうとする。
単刀直入に言えば、『呪いを起こしているのは「福助」かどうか?』。

だが、『阿多』は言い淀んでしまう。
おそらく、これからどう質問していいか、分からないのだろう。
それはそうか―――『阿多』にはあの『手』は見えないのだ。
『福笑い』の細かいニュアンスは分からないし、
そもそもがまだ『半信半疑』な部分もあるだろう。

「………」

助けを求めるように『阿多』が『鈴元』を見る。
そして更に、『門倉』もまた『鈴元』を見ていた。
『門倉』にしてみれば、すべては『鈴元』から聞いた断片的な情報にしか過ぎない。
まだ彼の中で状況を完全に咀嚼できていないのかもしれない。

結局のところ、
今この場で『福助』を上手く問い質す事が出来るのは『鈴元』だけ、という事か。

670鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/19(日) 21:17:31
>>669

「……座ろか」

「ええかな?」

福助と目線を合わせるためもあるが、立っているのも疲れる。
貴重品を入れていた巾着袋を持ってきていたら中の和菓子を阿多や福助に振る舞いたい。
子供を問い詰めるのは少々酷だ。

「改めて、鈴元涼って言います。今日は福助くんに聞きたいことがあってここに来たんよ」

笑顔で話す。

「そういえばさっきおばあちゃんから最近一人でことが多いって聞いてんけど、ほんま?」

その辺から聞いてみよう。

671『せんせいのかくしごと』:2019/05/19(日) 21:51:57
>>670(鈴元)

「………うん」

初対面の『鈴元』が話しかけてきた事で『福助』は一瞬硬直する。
しかし、母親である『阿多』が大きく頷くのをみた事で態度を軟化させる。
遊具で散らかった部屋をかき分け、自分用の小さな『椅子』にちょこんと座った。

この部屋はあくまで『福助の遊び部屋』らしく大人用の椅子はない。
『鈴元』は床に直に座る必要があった。

貴重品が入っているからか、お腹がすいた時の非常食用か、
その理由は『鈴元』自身が一番よく知っているだろうが、
ともあれ、『鈴元』はナース姿になっても『巾着袋』を有していた。

和菓子を渡すと、『福助』の緊張が少し解けたように感じた。
最近だと洋菓子を好み、和菓子が苦手な子もいるようだが、
『お婆ちゃん』に育てられた彼の口にはあうようだ。

「………うん、そうだよ。いろいろ、いそがしいんだ、ぼくは」

『独りでいる事が多いのか』という問いに『福助』はそう答える。

672鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/20(月) 22:36:59
>>671

「そうなんや」

一人でいることが多い。
それを忙しいと福助は言った。

「忙しいんって、なんか勉強とかしてるんかな?」

忙しいということは、何かをしているのだろう。
それが呪いに関わることなら分かりやすい話だ。
現実もわかりやすい話で終わってくれるのかは謎だが。

「良かったら、何してるか教えてくれへんかな?」

とりあえず聞いてみる。
福助にとって秘密にしたいことなら、多分隠されるだろうが。

673『せんせいのかくしごと』:2019/05/21(火) 19:41:58
>>672(鈴元)

「べんきょう? べんきょうは…あんまりしてない」

 少し申し訳なさそうに『福助』は答える。

「でも、"おてつだい"は、がんばっているんだよ!
 でばんが いつきてもいいように、ひとりでまっているんだ。
 おばあちゃんとあそんでいたら、"おてつだい"が
 まにあわないかもしれないしね―――」

『何をしているか教えてほしい』という問いに対して、
『お手伝いをしている』というのが『福助』の答えか。
返答がまどろっこしいのは幼児特有のものかもしれない。

674鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/21(火) 21:21:17
>>673

「お手伝い……?」

それが呪いになっているのか。
焦ってはいけない。
福助にとっては好意からくる行動。
もしそのお手伝いが呪いだったとしても辞めさせ方には気をつけなければならない。

「おばあちゃんのお手伝いじゃないってことは、誰のやろか?」

「もしかして……おかあさん?」

675『せんせいのかくしごと』:2019/05/21(火) 21:49:05
>>674(鈴元)

「うん、そうだよ」

 『福助』はあっさりと答える。

「おかあさん、"おしごと"ばかりで、いそがしそうで。
 ほんとういうと ぼく、さびしかったんだ。
  だって たくさん あそんでほしかったからね。

 だから はやく かえってこれるように "おてつだい"。

  カオをかえてあげる"おしごと"を てつだってあげていたの。

   そしたら さいきんは はやく かえってこれるようになった!
                       きょうだって そうでしょう?」

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『阿多』の方に視線を向けるなら、
 彼女の顔が複雑に歪んでいるのが分かるだろう。
  様々な感情が彼女の胸中に去来しているのは間違いない。

676鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/22(水) 01:20:53
>>675

「……」

今回の件、犯人が善意で呪いをまいている場合、問題がある。
いかにそれを辞めさせるかだ。
悪意のあるものは力による解決も出来るだろうが、この場合はそうもいかない。
好意を無下にするのがひとつの答えであり、相手の心遣いを無にするのがひとつの答えだ。
阿多は悪くない、そして福助も悪くない。
故に、難しい。

「福助くん、ちょっと手ぇを見ててもらえる?」

巾着を右手に持ち、『ザ・ギャザリング』を発現する。

「僕も福助くんと似たような……そうやねぇ、超能力というか……守護霊というか、そういうのを持ってるんよ」

『ザ・ギャザリング』の手で巾着を揺らし、花びらに変えていく。
とりあえず、巾着が半分くらい無くなるまでやる。

677『せんせいのかくしごと』:2019/05/22(水) 02:17:05
>>676(鈴元)


     ――― ぎ ゅ い い ン ―――

部屋に溢れるどこか緊迫した雰囲気を切り裂くかのように、
『鈴元』の傍らから産まれいずるは、『ザ・ギャザリング』。
『福助』の視線は当然のようにそのヴィジョンに引き込まれる。

              しゃあ ぁ ぁ ぁ ァ   ァ  ァ

その『ザ・ギャザリング』がしなやかに巾着袋を揺らすと、
巾着はその身を『花びら』に変え、散っていく―――
ここでようやく『阿多』も、この場で『特異な事』が起こっているのに気付いたようだ。
複雑だった彼女の表情の中で、驚愕の色が強くなる。

「わああ、すっごい! すっごいねェ!
  かっこいい……… 『たべるんじゃー』みたいだ!
      それに、おもしろいことができるんだねェ〜〜〜」

『福助』は『ザ・ギャザリング』の姿に好きな戦隊もののヴィジョンを見出したらしい。
『花びらに変える』能力もお気に入りのようだ。

678鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/22(水) 23:14:20
>>677

「うふふ……おおきに」

「でも、福助くんも出来るやろ? やってみてくれへんかな?」

「お手伝いしてんの見して?」

福助のスタンドを見てみよう。
スタンドの対象は門倉にやってもらえばいいだろう。
多分。

679『せんせいのかくしごと』:2019/05/23(木) 18:57:05
>>678(鈴元)

「え? "おてつだい"を?
  う〜ん でもなあ………」

『福助』は小さな腕を組んで考え込む。

「いつ どうして "おてつだい"できるかって
  ぼくにも わからないんだよね。
  そのときがきた! というのはわかるんだけど」

 ………

  どうやら『福助』の能力行使は多分に受動的なものらしい。
  口ぶりからするに『発動条件』すら理解していない様子だ。

「でばんがきたら、ぼくのてをね、うごかすんだ。
 あいてのかおは わからないんだけど
 さわった かんかくで め とか くち とか
 なんとなくわかるから あとは うまくうごかすんだよ」

本体も『手』を動かすのではないか、という『門倉』のカンは当たっていたか。
『相手の顔すら分からない』というのは
『福笑い』という能力予想からしてみると妥当なところか―――

出来上がった滅茶苦茶な配置も
『福助』にしてみれば『上手く動かした』という感覚だったようだ。
『幼児が描く似顔絵』が時に芸術的すぎる
配置になるのと似たような感じなのかもしれない。

680鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/23(木) 23:19:30
>>679

「……ふむ」

発動条件はあるがそれが分かっていない。
キーワードを言った人間が対象なのだろうが、本人が分からないのもしょうがない。
盗み聞きをして発動しているわけではなさそうだし。

「……そういえば、家におる時はお手伝いできるようになったりせえへんのかな」

キーワードのヒントになりそうなことを聞いてみよう。

681『せんせいのかくしごと』:2019/05/23(木) 23:37:30
>>680(鈴元)

「………どういういみ? うちは、ここだけど………。
 "おてつだい"は、いつも うちにいるときにやっているんだよ」

『福助』は困惑しながらそう答える。

682鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/24(金) 00:46:49
>>681

「あぁ、えっと……」

「例えば阿多せんせと一緒におる時とか、おばあちゃんと一緒におったり話したりしてる時に」

「その顔を動かすお手伝いが出来るって感じた時はある?」

683『せんせいのかくしごと』:2019/05/24(金) 12:44:41
>>682(鈴元)

「いっしょのひとのかおをうごかせたことはないよ。
 ぼくは"おしごと"の"おてつだい"をしているんだからね」

『福助』は答える。

つまり、『お仕事の現場』―――『クリニック』のみが能力下なのか、
それか、『福笑い』だから『見えている顔』に能力は使えないのか、
あるいはその両方なのかもしれない。

 ………

現状、『スタンドが見え』、『能力の発動説明が出来る』
『福助』が『呪い』の本体である事は、ほぼ間違いないだろう。
そして、『鈴元』達の目的は『呪いの解除』である。

『手伝わない』と願えば、能力はオフになるのかもしれないし、
仮に『能力発動』しても『手を動かさない』ようにしてもらえれば、
顔は動かず『呪い』も発動しないという事にはなる。

今、無理に『実演』してもらう必要はないのかもしれない。
(それはそれとして『発動条件』は気になるところだが)

684鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/24(金) 21:58:08
>>683

「あくまで院内でって、ことやね……」

何が当たりかをこの場では判断できないらしい。
なら無理に当てる推理をするよりは、福助に辞めてもらう方にシフトするのがいいかもしれない。
キーワードの特定は出来ないが、福助の説得なら出来る。

「そっか、分かった。おおきにね」

「それで今日阿多センセにここに連れてきてもらったんはね、福助くん」

「福助くんのお手伝い、してもらわんでも大丈夫って、お願いしに来たんよ」

あまり強い言葉を使うべきではないだろうと、言葉を選ぶように鈴元は言った。

「そうなるに至った流れは……阿多センセからの方がよろしいかな?」

阿多に視線をやり、話を振る。
呪いが起きてからのことなど、それをよく理解しているのは阿多だ。
それに、母親がその呪いに困っているだとか、そういうのを理解してくれると話が早い気もする。
……福助としてはあまりいいことでは無いのかもしれないが。

685『せんせいのかくしごと』:2019/05/24(金) 23:05:19
>>684(鈴元)

「えッ………ああ、そう
       ―――そうね」

突然、話をふられて戸惑う『阿多』。
状況は理解できているだろうが、
まだショックから抜け切れていないのだろう。

「福助、あのね………
 私は福助には苦労をして欲しくないの。
 いつも遅くまで帰ってこれないのは申し訳ないけど、
 『お手伝い』………それはしなくて大丈夫だから。
 お婆ちゃんと遊んで待っててくれると嬉しいな」

至った流れの説明といっても、
さすがに『手伝いが仇となって客が減った』
『困っている』とは母親の口からは言えないようだ。
大量の『遊び道具』に満ちた部屋をみるに、
意外と子供を甘やかすタイプなのかもしれない。

「………ぼくはべつに くろう していないよ。
     おかあさんがはやく かえってきたほうが うれしいよ」

そんな漠然とした説得に『福助』が反論する。
まあ、当然の流れか―――

 ………

このまま『阿多』の説得を見守るか、
『鈴元』が助け舟を出すか、
あるいは、他の方法を探るか………

686鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/25(土) 00:22:25
>>685

「……」

まぁ、人の心、親の心とは難しい。
鈴元涼が思うよりもずっと。

(僕が悪モンになった方が早そうかな……)

阿多には阿多で思うものがあるのだろう。
……気乗りのする話という訳でもないが、自分がある程度嫌われ役を買った方がスムーズになると判断した。
ただ、もう少しだけ見守ってみよう。
下手を打てば親子の絆にヒビが入るかもしれない行動だ。
だから少しだけ阿多に任せてみる。

687『せんせいのかくしごと』:2019/05/25(土) 01:46:59
>>686(鈴元)

「―――あのね、福助」

 『鈴元』が様子を窺っていると、
 『阿多』がポケットから一枚の紙切れを取り出し、
 『福助』に手渡した。

「あ! えがおの『でぃっしゅ』!」

 『福助』が興奮する。
  紙切れは『鈴元』が確認した例の絵が描かれたものだ。

「そう、『笑顔のディッシュ』。
 確か、この前に一緒に見た時、彼が言っていたわよね。
  『子供は子供らしく笑顔で遊べる世の中を作るのが私の仕事だ!』
                          ―――覚えているわよね?」

 『阿多』の言葉に『福助』は大きく頷く。

「私も一緒なのよ。

 子供―――『福助』が子供らしく笑顔で遊べるようにするのが、
   私―――『母親』の"おしごと"なの。

  『福助』が私の仕事を手伝ってくれるの、『先生』としての私は、とても嬉しい。

   でも、『仕事』は『大人』がする事。
      いつ来るかわからない『お手伝い』で
       お婆ちゃんと遊んだりしないで『福助』が一人で居るのだったら、
            『母親』としての私の"おしごと"が果たせなくなっちゃう。

                 私に『笑顔のディッシュ』の言葉を、守らせて」

 『阿多』が切々と語る言葉に『福助』は真剣に耳を傾ける。

   そして―――

  「………うん、わかった。『でぃっしゅ』のいったことだもんね」

                    なんとか納得してくれたようだ。

688鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/25(土) 18:39:03
>>687

「……」

どうやら納得してくれたようで、これなら呪い……おてつだいはもう起きないだろうか。
それでもまた何かあるのなら、それこそ自分たちが何とかするしかない。
家族の絆を超越するほどの出来事ではないと思いたい。

「門倉さん……」

そろそろお暇した方がいいだろうか。
一応、門倉に頼まれてきた形だ。
彼がいいと判断したのなら、それでいいとも思う。
もちろん、その上の阿多がまだ何かあるのならそれを聞こう。

689『せんせいのかくしごと』:2019/05/25(土) 22:17:28
>>689(鈴元)

「ああ―――」

 いい雰囲気の『親子二人』から少し離れ、『門倉』は頷く。

「これで一応は『依頼達成』というわけだね―――
 流石は『鈴元君』。俺が見込んだだけある。

         ………まあ、残った『謎』もあるけどもね」

『門倉』は親子二人に聞こえないように『鈴元』に呟く。
残った『謎』―――

「―――そう、『能力発動条件』だ。
 まあいずれ『福助君』が自身で気づくとは思うけど、
             個人的には気になるところではある」

 ………

『能力発動条件』。

『本体』『動機』『条件』のうち、最後まで残った『謎』。
『愚痴』なのではないかという推理もしてはみたが、
『阿多』は『福助』に仕事の話はあまり話していなかったようだ。
となると、少し的外れであるように思える。

基本的な考えは先ほど脳内で情報をまとめた路線でいいのかもしれない(>>648)。
すなわち―――

『キーワードを口にすると発動』『キーワードは複数ある』
『キーワードそのものではなく意図せず発語されたのかも』。

『院長室』ではついに解けなかったが、
実際に本体である『福助』を訪ねた事で、
『鈴元』は何か『大きなヒント』を掴んでいる可能性もある。

『スタンド』は無意識の才能。
『福助』が無意識に『キーワード』にするような
『複数の言葉』とは一体なんなのか―――

………

『門倉』の言う通り、一応は『依頼達成』できており、緊急性のある『謎』ではない。
『鈴元』が今、この瞬間に『ひらめいた』のなら告げるべきかもしれないが、
そうでなければ、この場はこれで終わり、という事でいいだろう。

690鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/26(日) 01:48:19
>>689

「まぁ、僕も頼まれたさかい頑張らしてもろたわ」

柔らかく門倉に微笑んだ。
持ち込まれた案件を解決できたのはいいことだ。
門倉の力になれたという事実が鈴元の中に満ちていく。
足りない自分の中を何かが埋めていっているような気がする。
これが自分の求めていたものなのかもしれない。
桜のような人間になりたいという思いを達成するとはこういうことなのだろうか。
少し、違う気持ちもあるけど。

「……発動条件なぁ……あんまりピンとは来てへんけど」

「タベルンジャー関係やと思うんよね。皿とか顔とか、そういうタベルンジャーに登場する言葉に関連してるんかなぁ?」

そんな事を鈴元は呟いた。

691『せんせいのかくしごと』:2019/05/26(日) 05:21:54
>>690(鈴元)

『鈴元』は事件を解決した事に達成感を感じる。
紆余曲折あったが、終わりよければすべてよし、だ。

 ………

「『タベルンジャー』………ああ、『福助君』の好きだという。
 確かに彼の『思い入れ』が能力に繋がっているという事は大いにあるだろうね」

『門倉』がぐるっと部屋を見渡す。
『鈴元』もそれをまねると、数々の『遊具』に紛れて、
『タベルンジャー』関連の遊具、
特に『笑顔のディッシュ』のものが多く存在する事が分かった。

「ただ、少なくとも『顔』という言葉は、『顔のパーツ』だの『顔が崩れる』だの
     さんざん『クリニック』で発声していたけど、『呪い』は発動しなかった………」

『皿』に関しても『鬼塚』が発声していたような気がする(>>560)。
そもそも『キーワード』が『タベルンジャー』関連であれば、
『鬼塚』に大量に『呪い』が発生していても不思議ではないが、そんな話は聞かなかった―――

「う〜ん、もし、いい『キーワード』があれば、『クリニック』にいる
 スタッフに連絡して『実験』でもしようかと思ったけど、
  俺にも、今はちょっと思いつかないな」

 『門倉』は首をふる。

「まあ―――いいか。
  すべてが分かるというのも味気ない気がするしね。

 さて、『請求』は………後日でいいかな」

そして、どうやら『門倉』も帰る判断をしたようだ。
『鈴元』がこれ以上、ここでやる事がなければ、共に帰路につく事になるだろう。

692鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/27(月) 23:07:59
>>691

「そこはお力になれんですいません」

頭を下げて、門倉に謝罪する。
後で気付くかもしれないが、今はまだ。

「センセ、僕らそろそろ……」

ギャランティの請求は後日門倉にやってもらおう。
帰る意思を阿多と福助に伝えておこう。
早く着替えないと本格的に不味い気もするし。

693『せんせいのかくしごと』:2019/05/28(火) 00:42:41
>>692(鈴元)

「いいさ――――
    なんて言ったって、俺にもまるで分からないんだからね」

『鈴元』の謝罪に『門倉』が爽やかにそう応じる。

 ………

「ああ―――そうね。
 本当に今日はありがとう」

『お暇』を告げる『鈴元』に『阿多』は、『鈴元』と『門倉』に深々と礼をする。
何の事かよく分からないだろうが、『福助』も母親にあわせ、礼をしてくれた。

「―――後日、伺いますので本日はこのへんで失礼しますね。

ああ、『福助君』。もしかしたら君は、ええっと、そう、
 『お手伝いの出番』がまだ時々出ちゃうかもしれないから、
 その時は『手』を動かさないでおいてほしい。
 お仕事はプロフェッショナルである『お母さん』に任せるといいよ」

『門倉』はそう言いつつ、自らの『携帯の連絡先』を『阿多』に渡す。後日のやりとりの為だろう。
また、確かに『福助』は『能力のオンオフ』すら上手く出来ない可能性がある。
その際でも『手を動かさない』事で『呪い』は十分に防げる―――

「ああ、着替えなどありますので『クリニック』に一度寄りますね」

『門倉』が更に言葉を重ねると『阿多』は『連絡しておく』との事。
『阿多自身』もそのうち戻るのだろうが、
今はもう少し『息子』との時間を楽しみたいというところか。

時計は『18時』をちょうど回ったところだ。
今となっては意味のない『期限』ではあるが、
一応、時間内に目的は達成できた事になる―――

694鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/05/28(火) 17:11:21
>>693

「……一応、時間内やね」

門倉にそう耳打ちして、もう一度阿多たちに頭を下げた。

「またなんかあったら、そんの時も門倉さんまでで」

帰ろう。
自分の家に自分の母はいないけど、電話くらいはかけてもいいかもしれない。

「それじゃあ、はばかりさんでした」

695『せんせいのかくしごと』:2019/05/29(水) 05:33:52
>>694(鈴元)

『鈴元』と『門倉』は『阿多邸』を後にし、
着替える為に『クリニック』に戻る二人。

『クリニックスタッフ』には『呪い』については『解決』した事、
『阿多』は所用により、『家』に帰った事を告げた。

結局のところ、『クリニックスタッフ』は『呪い』とは無関係であり、
残ったスタッフは逆境にも関わらず『阿多』を信じてついてきた面々だ。
彼らがいればこの『阿多美容クリニック』もきっと持ち直す事だろう。

『武藤』に化粧を落としてもらい、『鈴元』はいつもの『鈴元』へと戻った。
『武藤』が名残惜しそうな視線を送っていたように思えたのは
果たして気のせいだったのか―――

 ………

「―――ああ、はい。分かりました。
 それがいいですよ。『福助君』も喜びます。

   ええ、では……また、後日、よろしくお願いします」

―――『帰路』。

『門倉』が『阿多』からの電話を受け、今まさに切ったところだ。

「『阿多先生』は、今後、『福助君』を
 『クリニック』につれていく事にしたそうだよ。
  『お婆ちゃん』も一緒にね」

『鈴元』は『門倉』からそんな説明を受ける。
それなら『福助』の寂しさも解消する事だろう。

「『福助君』を今まで隠していたのは、
 『医者』としての職務を蔑ろにしたくなかったから、らしいよ。
 『子育て』しながら働く女医さんもたくさん居るだろうにね―――」

『門倉』はそう言うが、『阿多』の医者人生の中で思わせる『何か』があったのだろう。
彼女が『シングルマザー』なのも一因なのかもしれない。
ともあれ、今回の件はその信念を覆すきっかけになったようだ。

『せんせいのかくしごと』は、『せんせいの"かくしご"と』の件だった。
それを紐解いた事で無事、『解呪』は果たされる。

『呪いの正体』は、『福笑い』であり『母を思う子の思い』。
『災い転じて福となす』―――
これから『母子』の新しい幸せがやってくるに違いない。

今はまだ『一月』―――
なんだかひどく時が経ってしまったような気もするが、

新しい時代もやってくる。
『鈴元涼』の『今年』はこれからだ。


                             『せんせいのかくしごと』→『了』

696『せんせいのかくしごと』:2019/05/29(水) 05:38:00

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  禍福は糾える縄の如し。呪いも祝いも笑うが勝ち

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

戦隊ヒーローのような『お面』のヴィジョン。
『能力発動』時のみヴィジョンが現れる。

指定した場所で条件を満たした者の顔を『福笑い』にするのが能力。
『福笑い』になった相手に対し、本体の手の動きにあわせ、
自由に『顔のパーツ』を入れ替える事が可能。

入れ替える際には対象の顔の前に、
一対の本体と同じサイズの『小さな手』が浮かび、
その手が本体の手の動きと連動し、『パーツ』を入れ替える。
この『手』はヴィジョンというより能力の『象徴』に近く、
他スタンドによるものを含む、あらゆる物理的干渉を『透過』する。

入れ替え時間はおよそ『10秒』で、その時間が終わった後、
『顔のパーツ』は入れ替わった位置で『固定』される。
この際、顔のパーツがその機能を失う事はない。
(目や鼻や口がどの位置にこようが、見たり嗅いだり喋ったり出来るという事)
『固定』は一時間ほどで解除される。

能力の発動条件は―――『不明』。

『ディッシュ(笑)』 Dishwalla
破壊力:なし スピード:なし 射程距離:E(能力はA)
持続力:D 精密動作性:なし 成長性:A

・スタンド名の読み方は『ディッシュワラ』(スタンド名検索時に引っ掛かるように記載)。
 好きな戦隊モノのキャラクターから、事件後に本体が名付けた。
・(笑)にネットスラング的な悪意を感じない世代。
・能力下に入った者の大よその位置のみ本体は把握出来るが、
 肝心な『対象の顔』を把握する事が出来ない。
・また自分が何らかの方法で『視認している者』に能力施行は不可能。
 本体と対象との『距離』こそが『福笑い』における『目隠し』の役割を果たしている。

697『せんせいのかくしごと』:2019/05/29(水) 05:39:43

後日、『クリニック』を訪れ、報酬を貰ったという『門倉』から『10万円』が支払われた。
(『門倉自身』の取り分は全て自身の『不動産屋』の事故補填にあてたようだ)

  また『門倉』からなぜか『阿多美容クリニック』のメンバーの連絡先をもらった。
  なんだかそういうノリになってしまってね―――と言うが、どういうノリだったのかは不明だ。

「特に武藤さん………女性の方だね、彼女が『また連絡ください』って言ってたよ。
 『鈴元君』―――これは色恋の季節の始まりかもしれないよ。大事にするんだよ」

  『門倉』はそう言っていたが、『武藤暮』の目的は別にあるような気もする。
  ともあれ、気になるなら『連絡』してみるといいだろう―――


           鈴元涼『ザ・ギャザリング』→『10万円』&『阿多美容クリニック』
                            メンバー等との『コネクション』GET!

698『せんせいのかくしごと』:2019/05/29(水) 05:43:22

※ミッション特別報酬※ 『阿多美容クリニック』のメンバー等との『コネクション』について

①『武藤暮』とのコネクション

 「あの子………なかなか『良い』素材でしたね」

 ミッション中、『鈴元』に化粧を施し『女性ナース』に化けさせた『武藤暮』(>>438)。
 『鈴元』はどうやら彼女に『素材』として、気に入られたようだ。
 『武藤暮』の卓越した技術による『女装』を無料で依頼可能。
 ただしこの『女装』はあくまで『技術』。
 高度ではあるが、絶対ではなく『見る人が見れば分かる』。
 (言い切りで『見抜かれる』可能性は十分にある)

②その他の人物とのコネクション
 その他の人物や福助にも【場】『 PC間連絡スレ ―星間通信― 』【他】 で呼びかけてくれれば交流可能。
 ミッション内人物に何か用事があれば連絡するといいだろう。

※基本は【場】『 PC間連絡スレ ―星間通信― 』【他】で呼びかけてくれれば対応する。
 ①に関しては『門倉PL』がいなそうな時や、急を要する時、
 あるいは詳細を隠しておきたい時、気が乗らない時などは
 呼びかけずに『言い切り』で用いてくれても構わない。
※基本的に『場スレ』でのフレーバー、あるいは『鈴元PLのGMミッション』での利用を想定。
 『参加ミッション』や『GMが居る場』での利用の可否は『GM次第』。

699『月夜のV』:2019/07/27(土) 18:46:47

夜の街に月が差し込み、人は行き交い影は舞う

700『月夜のV』:2019/07/27(土) 18:51:24

         ザワ
             ザワ ザワ

歓楽街――――『星見横丁』。
いわばメインストリートである『星見街道』と比べると、その雰囲気には小さくない違いがある。
今のような時間帯は、それが特に顕著だ。
穏やかな月明かりと眩いネオンの輝きに照らされて、多種多様な人々が夜の通りを行き交っている。
その雑多な群集の中には、『彼』――『神原幸輔』も含まれていた。

       コッ コッ コッ

神原の前方から、一人の女が歩いてくる。
露出の多い『パンクファッション』風の女だった。
キャミソールに革のショートパンツ、網タイツ、ブーツ――そんな格好だ。
その上から、トレンチコートのように裾の長いノースリーブのジャケットを着ている。
フードを目深に被っていて顔は分からず、口元に引かれた真っ赤なルージュが目立っていた。

   コッ コッ コッ

女と神原の距離は、次第に縮まっていく。
当然だが、正面からぶつかるようなコースではない。
ごく普通に歩いていれば、何の問題もなく擦れ違えるだろう。

701神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/07/27(土) 20:41:35
>>700

先輩に飲みに行かないかと呼び出されたのがきっかけ。
しかし、先輩は嫁からのストップがかかってしまったらしい。
その連絡を見たのはもう出てしまった後のことで、腹をすかして戻るのも癪だった。
料理をする気にもならないだろうし。
だから、ちゃんとこちら側にやって来た。
一人で飲むのは退屈だが、師匠がいるならまぁ問題ない。
師匠は酒を飲めないが、飲んでいる人間と同じくらいは話す。

『ん』

「どうしたの師匠」

周りからは師匠である『ストロンガー・ザン・アイアム』が見えないので小声で話す。
最近はハンズフリーキットという便利なものがある。
片耳のワイヤレスイヤホンをしていれば通話しているのだな、なんて思ってくれる人が多い。

『あそこの女性だ。目深にフードを被っている……』

「案外サマになってるね」

『ははは。どこに目を付けているんだ。顔は見えないがお前が好きそうな雰囲気じゃないか?』

「ははは。そういう話はよそうか」

神原はいたって普通に、『ストロンガー・ザン・アイアム』は女性を見ながらすれ違おうとする。

外見
所々金髪に染めた黒い髪をゴムで縛っている。
181cm
下はスラックス、上は『ごめんあそばせ』と書かれた日本刀がプリントされているTシャツ。

簡易プロフィール
プロレスラー。
自身のスタンドである『ストロンガー・ザン・アイアム』を師匠と呼ぶ。

持ち物
スマホ、財布、プラスチック容器に入ったラムネ菓子、片耳のワイヤレスイヤホン

能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/75

702『月夜のV』:2019/07/27(土) 22:31:20
>>701

自身の『精神の象徴』であり、『師匠』でもあるスタンド――『ストロンガー・ザン・アイアム』と共に歩く。
師匠との会話は、スタンドの見えない一般人からすれば奇妙な光景に映りかねない。
しかし神原の考えている通り、ワイヤレスイヤホン一つで自然な場面に様変わりさせる事が出来る。

      ――――スッ

神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』が、『パンクファッションの女』と擦れ違った。
『ストロンガー・ザン・アイアム』が観察していたが、特に変化は見られなかった。
たとえば、擦れ違う瞬間に何かをしてくるといった様子もない。
そんな出来事は滅多にない事なのだから、当たり前といえば当たり前なのだろう。
そのまま何事もなく女は歩き去り、神原と『師匠』から離れていく。

       ワイ        ワイ
            ワイ       ワイ

目下の問題は、『飲む場所』を決めるという事になるだろうか。
この辺りは、飲食店や飲み屋には事欠かない。
今いる場所から見渡してみても、結構な数の店が確認できる。
当初の予定は潰れてしまったが、隣には『話相手』もいるのだ。
少なくとも、退屈はしないだろう。

と――――。

          ドンッ

「おいッ、きィつけッ…………」

髪を青く染めた少年の肩が、神原の身体とぶつかった。
言葉の最初の方は威勢が良かったものの、最後に行くにつれて声のトーンは小さくなっていく。
ぶつかった相手――すなわち『プロレスラー』である神原の体格が、予想外に良かったせいらしい。
『青髪』の後ろでは、連れ合いである『緑髪』の少年が立っている。
二人とも改造した制服を着用しており、一目で『不良』と分かる出で立ちだった。

703神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/07/28(日) 00:08:29
>>702

「あぁ、ごめんね」

当たったという事実だけに反応したのだろう。
他人から見ればあたまひとつ抜けて大きいのだから。
体格だって筋骨隆々という訳では無いが鍛えているから普通よりは大きい。

「危ないよこの辺」

改造制服だ。
若者がこの辺りをうろつくのは問題がある。
風紀的な話もあるが、明らかなカモだ。
その道のプロなら分かる事だ。

「気をつけてね」

704『月夜のV』:2019/07/28(日) 20:05:55
>>703

少年に軽く謝罪しつつ、ささやかな忠言を送る。
客観的に見て、それは極めて真っ当な対応と呼べるだろう。
神原が考えているような危険を彼らが理解しているかどうかは定かではないが、
『身の程』を知らない事は確かなようだ。

「ハハッ!なァに、ビビッてんだよ?」

「あァ?誰がビビッてるっつったよ!」

二人のやりとりを見ていた『緑髪』の少年が、『青髪』を煽る。
そして、『青髪』も乗せられやすい性格らしい。
神原の前に意味もなく立ちはだかり、口を開いた。

「――あァー……その、アレだ。アレだよアレ!わかんだろうが!」

ちっぽけな意地を張っているのか、何か気の利いたセリフでも言おうとしているらしい。
しかし、中身のある言葉が出てくる気配は一向にない。
それを見物している『緑髪』も、特に止めるつもりはないようだ。

            ザッ――――

その時、神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』には見えた。
二人組みの後方から、一人の若者が近づいて来る。
先程の『パンクファッション』の女とは違い、明らかに神原達がいる方向を目指して向かってきている。
顔つきや身なりから少年達より年上である事が分かり、体格も彼らよりは良いようだ。
神原のように部分的ではなく、髪の全体を金色に染めている。

705神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/07/28(日) 21:17:52
>>704

「……分かんないなぁ」

だからカモなのだ。
職業柄、あまり大事にしたくもないが。
ここでぶつかったのがもっと粗野な人間でなくて良かったな、という話だ。
酔っぱらい程度ならともかく、そういう仕事を生業にする者だったら、頭を下げて済む問題が金を払って済ませなければならない問題になる。

「なにをそう躍起になるのか。お小遣い稼ぎなら、もっと考えてしないと……」

『幸輔、人が来てる』

視線の向きを変える。
師匠が指さした先にいる金髪の若者。

「友達かな?」

誰にいうわけでもそう呟いた。
視線は外さない。

706『月夜のV』:2019/07/28(日) 23:31:19
>>705

彼らにとって、ぶつかったのが神原だったのは幸運と言える。
そして神原にとっては、そうでもない。
もちろん神原が本気で退かそうと思えば、どうとでも出来る相手だ。
いや、本気になる必要すらない。
ただ、相手をするのが面倒な種類の人間ではあるだろう。

       ザッ ザッ ザッ

神原の言葉が聞こえたらしく、二人組が後ろを振り向いた。
その間も、金髪の若者は足を止めずに歩み寄っている。

「ヤベッ――」

「うッ……『譲原』さん……」

『緑髪』は視線を泳がせ、『青髪』は若者の名前らしきものを口に出した。

       ザッ

「――――『小出』、それと『田丸』」

金髪の若者が声を掛ける。
神原にではなく、二人組に対してだ。
どうやら、『青髪』は『小出』で『緑髪』は『田丸』という名前らしい。

「ほっつき歩いてないで、さっさと帰れ。『あの事』もあるからな」

「…………分かりましたよォー」

『譲原』に注意された『小出』と『田丸』は、渋々といった調子で立ち去っていく。
彼らの様子から判断すると、友達というよりは先輩という雰囲気だった。
二人がいなくなってから、『譲原』は神原に向き直る。

「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした――『神原』さん」

      スッ

謝罪の言葉と共に、姿勢を正した『譲原』が深々と頭を下げる。
名前を口にした所を見ると、どうやら神原の事を知っているようだった。

707神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/07/29(月) 22:58:32
>>706

『先達というのは大変だな』

学生の間でもそういうのはある。

「大変だね」

「俺の事知ってるのは意外だったけど」

「……あの事って?」

708『月夜のV』:2019/07/30(火) 00:49:56
>>707

「どうしようもない奴らですが、あんなのでも世話を焼いてやらなきゃいけなくて」

譲原は、少々はにかんだような表情を見せる。
先程の二人と異なり、譲原は私服だった。
チンピラ風のストリート系ファッションだが、物腰は丁寧だ。

「実を言うと、あなたのファンの一人ですから。試合を観に行った事も何度か――」

「それで、ええと……」

神原を見つめる譲原の目には、決して弱くはない尊敬の色があった。
ファンとしての話を続けなかったのは、
今の神原が『プライベート』である事に気を遣ったせいかもしれない。
ともかく、彼は話題を変えた。

「最近の事なんですが、この辺りで何人か『襲われてる』って話があるんですよ。
 やられているのは俺達みたいなのばかりで、『同じ人間』の仕業らしいですね。
 今は、被害に遭った全員が入院中です」

「『同じ人間』というのは、その――『手口』が同じと言いますか……。
 これは眉唾なんですが、話を聞く限りだと『得体の知れない何か』みたいなものにやられたとか……。
 それが本当かどうかはともかく、怪我の具合を見ると『凄い力』だった事は確かみたいですね」

「とにかく、『物騒な事件』が起きている――という事なんです。
 神原さんが被害に遭う事は恐らくないでしょうし、
 もし遭ったとしても、神原さんなら滅多な事にはならないとは思いますが……」

譲原の言葉の端々からは、神原に対する気遣いが滲み出ていた。
もし何か聞く事があれば、尋ねてみてもいいだろう。
知っている限りの事なら、彼は答えてくれるはずだ。

709神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/07/30(火) 23:40:49
>>708

「まぁ、世話を焼くのも仕事といえば仕事……立派な話さ」

自分の出会ってきた先輩たちもそうだった。
付き人として後輩がサポートすることもあるが、先輩は当然その背中を見せ続けなければならない。
培った経験を持って試合のアドバイスもしてくれた。
感謝しているし、だからこそ自分もそうしようと思う。
これは先輩から受け継ぐ意思だ。

「そう。嬉しいよ、こうやって会えるのもなかなかないしね」

もしかしたら物販の時に会ってるかもしれない。
だとしたら申し訳ないことだ。

「……物騒な話だね」

『得体の知れない何かというと、スタンドか』

その可能性は否定できない。
自分も以前怪盗騒動に巻き込まれたことがある。

「はは……格闘家がストリートファイトで負けるのも珍しい話じゃない」

「犯人の特徴は分からない?」

誰もその姿を見ずにやられたならよりより厄介だ。

710『月夜のV』:2019/07/31(水) 01:23:51
>>709

   スッ

神原の労いを受けて、譲原は黙ったまま頭を下げた。
何か言葉を言うより、そうした方が伝わりやすいと考えたのかもしれない。
あるいは、自分は気の利いた言葉を言えるような人間ではないと思ったか。

「それが、全員が『不意打ち』みたいな形でやられたらしくて……。
 犯人が現れているのは今のところ『夜』だけなんですが、
 暗い場所で気配を感じたと思ったら、もう――という感じみたいですね。
 気付いたら、近くの壁に叩きつけられていたそうです」

神原には、『温泉旅館』での事件解決に貢献した経験がある。
あの事件は、事前の調査と綿密な計画に基づいて行われた大掛かりな犯行だった。
それ程の規模ではなかったとしても、この件に『スタンド』が関わっている可能性は大いに有り得る。

「――だから、まともな目撃者がいない状態なんですよ。
 人影を一瞬だけ見た奴もいますが、特徴らしいものは何も……」

そう言いながら、譲原は軽く頭を横に振った。
現状で、犯人の姿を見ている人間はいないようだ。
神原の考えている通り、より厄介な状況と言えるだろう。

「そういえば――特徴とは少し違うんですが、やられた奴には別の共通点もありました」

「やられているのは確か五人か六人ですが、その内の半分くらいは『火傷』を負っていました。
 『顔』や『手』に、です。
 そんなに酷いものじゃなかったと思いますが……」

「俺が見た限りだと『根性焼き』されたって感じでもなかったですし、
 何となく腑に落ちない気はしますね……」

もし『スタンド』の仕業であるなら、譲原達のような『一般人』には分からないのも無理はない。
『スタンド使い』である神原か『スタンド』である『ストロンガー・ザン・アイアム』なら、
何らかの手掛かりになる可能性はある。
今後、二人が事件に関わる事があればの話にはなるが――――。

711神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/07/31(水) 22:54:40
>>710

「不意打ちかぁ」

『まぁ、闇討ちとなればそうだろうな』

面と向かっていざ尋常にとはいかないだろう。
そうなのであればもっと話が広まっているだろうし。
ままならないし、厄介な相手のようだ。

「火傷を顔や手に?」

根性焼きとは違うもの。
スタンドであればそれも可能か。

『顔や手につくということはそこに食らったわけだろうな』

(手についてるのは顔をかばったからかな……ガードの上から叩いたか)

『もしくは、そいつ自体に触れてしまったか』

出した拳に燃えるスタンドが……というパターンもあるだろう。

「そっか。ありがとう」

712『月夜のV』:2019/08/01(木) 04:00:05
>>711

「いえ、これくらい何でもありませんよ」

神原の謝辞に対して、譲原は含みのない笑みを見せた。
スタンドによるものなら、彼が語った話から考えられる可能性は少なくない。
いずれにしても、これで譲原の話は一段落したようだ。

「では、俺はこれで失礼します。他にも様子を見ておかなきゃならない連中がいるので……」

「神原さん――――お会い出来て光栄でした」

最後に改めて一礼して、譲原は立ち去っていく。
その時、彼を呼び止める者が現れた。
髪を赤い色に染めた、『レザーファッション』の男だ。

「よう、『譲次』ィ!街中でバッタリ会うとは奇遇だなァ」

「――あッ、お久しぶりです!」

『赤毛の男』が呼んだ『譲次』というのが、譲原の名前らしい。
譲原と『赤毛の男』は、親しげに挨拶を交し合っている。
その様子から判断すると、どうやら顔見知りのようだ。

――――そして勿論、神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は自由だ。
何の問題もなく、何処かの店に入って一杯やる事が出来る。
少なくとも、そのための場所に困りはしない。

713神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/01(木) 22:15:10
>>712

「またね」

「次は会場で」

手短に挨拶を済ませる。
あまり立ち話をして引き止めるのも悪いだろう。

『譲原譲次』

「……なに急に」

歩き出してから師匠がそんなことを口にした。

「あぁ、なるほど。譲原譲次で、あだ名はジョジョって?」

『そうだ。よく気づいたな』

精神の表れだというのならそれくらいは分かる。
よく分からなくなる場面もあるが。

「変だよ。そんなあだ名。響きが悪くない?」

『そうか? いい名前じゃないか?』

「……ま、どーだっていいや」

飲める場所を探そう。

714『月夜のV』:2019/08/02(金) 02:36:10
>>713

  ザッ

己の精神である『師匠』と掛け合いを交わしながら、神原は再び夜の街を歩き出す。
譲原のニックネームについては定かではないが、そう呼ばれていてもおかしくはないのかもしれない。
『赤毛の男』と譲原は、互いの近況について話しているようだ。

「おっと、お前は用事があるんだったなァ。つい話し込んじまった。じゃ、またな」

「はい――また近い内に」

『赤毛の男』は立ち去り、譲原も何処かへ歩いていく。
神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』が立ち寄るのに適当な店は、すぐに見つかった。
二人は店内に入り、不穏とは無縁の穏やかな一時を過ごす――――。

「――ありがとうございました〜」

若い女性の店員に見送られて、神原達は店を出た。
一杯やり初めてから、およそ二時間か三時間くらい経っただろうか。
心なしか、夜の色も濃さを増しているように思える。

                   ――――ガシャンッ

不意に、何かが倒れるような音が聞こえた。
空き缶やペットボトルの詰まったゴミ箱が、勢い良く横倒しになったような音だ。
そして、神原の足元に何かが転がってくる。

    カランッ
           コロコロコロコロコロ…………

それは、何の変哲もないスチール缶だ。
どうやら、近くの暗い路地の中から転がってきたようだった。
辺りには、神原以外の人間も『ストロンガー・ザン・アイアム』以外のスタンドも見当たらない。

715神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/02(金) 21:37:37
>>714

『穏やかじゃないな』

「誰かが酔った勢いで倒しただけならいいけどね」

脳裏によぎるのは件の通り魔じみた存在だ。
もし近くにいるのなら対処しなくてはならない。
神原がスマホのライト機能を起動して路地を照らし、師匠が前に出る。

「もしもーし」

716『月夜のV』:2019/08/03(土) 17:37:16
>>715

脳裏に浮かぶのは、例の『傷害事件』――その可能性は十分ある。
酔っ払った誰かが倒したという可能性も、それと同じくらいにはあるが。
いずれにせよ、実際に現場を確かめてみれば分かる事だろう。
神原の呼び掛けに対し、答えが返ってくる様子はない。
少なくとも、今の所は。

               ――――パッ

スマホのライトが、狭い路地を明るく照らす。
今の時点では、まだ特に目立つような何かはない。
ただ、奥の方にゴミ箱の中身らしきガラクタが散らばっているのが見えた。

        コロコロコロ…………

夜風に流されて転がり始めたペットボトルが、ビルの壁面に当たって動きを止める。
散乱したゴミの位置から見て、それらは路地を進んだ先の曲がり角の向こうでブチ撒けられたらしい。
さっき見かけたスチール缶も、その一部だったようだ。

「…………ッ」

風の音に混じって、それとは違う何かが聞こえた。
微かに聞こえる程度ではあるが、人の声に似ていたようだ。
神原の言葉に、誰かが答えたのだろうか。
『ストロンガー・ザン・アイアム』は、本体である神原の前に出ている。
仮に何者かが急に現れたとしても、対処する事は出来る筈だ。

717神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/03(土) 22:42:03
>>716

奥に進むしかないようだ。
ここで放っておくのも面倒と言えば面倒なのだ。
もうライトを照らしてしまった。
奥に誰かいるならもう自分がいることを教えてしまっている可能性が高いから。

「行こうか」

『あぁ』

師匠が前で神原が後ろ。
神原は後ろから誰か来ていないか警戒する役目を担っている。
師匠は拳を固め、臨戦態勢だ。

718『月夜のV』:2019/08/04(日) 17:44:53
>>717

    ザッ ザッ ザッ

万一の場合に備えて臨戦態勢を整え、路地の奥へ進む。
スマホは神原が持っており、後ろに注意を払いながら歩いている。
そのため、前方を照らす行為は少しばかり疎かになるかもしれない。
しかし、今の行動に支障が出る程ではないだろう。
神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は、散乱するゴミを踏み越えて角を曲がった。

「うッ…………」

曲がった先の路地裏に、誰かがうつ伏せに倒れている。
ライトの明かりが、その人物の姿を照らし出した。
顔は見えないが、服装や髪の色には見覚えがある。

            ヒュオォォォォォ…………

夜風が吹き抜ける路地裏に倒れているのは、数時間前に別れた『譲原』だった。
正確な状態は分からないが、負傷している事は間違いない。
神原達から見える限りでは、『一方的に叩きのめされた後』のような印象だ。

「…………ッ」

譲原の意識は、まだ辛うじて残っているようだ。
しかし、おそらくは限界が近いのだろう。
現在の様子から、それが察せられた。
譲原の傍らには、液晶の割れたスマホが落ちている。
どうやら、これは彼の私物らしい。

719神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/05(月) 21:03:09
>>718

「大丈夫、じゃなさそうだね」

神原は譲原の近くにしゃがみこむ。
怪我の具合などを見て立ち上がれるかなども確かめる。
師匠は師匠の視聴覚を持っているから周辺の警戒をしてもらう。

「例の?」

720『月夜のV』:2019/08/05(月) 23:08:11
>>719

譲原の状態を確認するため、彼の側に歩み寄る。
かなり痛めつけられている様子だが、少なくとも命に別状はないようだ。
間近で見て分かったのは、彼が手や顔に『火傷』を負っているという事だった。
譲原自身が話していた通り、それほど酷いものではない。
ただ、客観的に見て『火傷』だと判断できる程度ではある。

「――――あ…………ぐッ…………」

今にも閉じられようとしていた譲原の両目が、神原の姿を見て僅かに開いた。
既に、意識を失う寸前らしい。
おそらく、自力で立ち上がる事は難しいだろう。
返事の代わりに、彼は視線を動かした。
路地裏を抜けた先――道路を挟んで反対側の方向に当たる路地だ。

       ヒュオォォォォォ…………

周囲を警戒していた『ストロンガー・ザン・アイアム』は、奇しくも同じ方向に視線を向けていた。
その視界に、何かが映り込む。
夜の闇の中で確かに動くものがある――――『人影』だ。
道路を隔てて、それなりの距離が開いている。
暗さのせいもあって朧に見えるだけだが、神原達から遠ざかっている事は分かった。

                 ォォォォォォォォォォ…………

――――その傍らには、『人型スタンド』らしきものが見える。

721神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/05(月) 23:31:57
>>720

「悪いけど、担架は呼べない。だから今は寝てていい」

「仕事が出来たからな」

スイッチが入る。
人影と人型スタンド。
状況から見てあれが犯人である可能性は十二分にある。
譲原のことは心配だが救急車を呼んでいると逃げられてしまう。

「仇は打つ。神原幸輔にはそれが出来る」

『俺達がなすことだ』

人影に向かって走る。
師匠は『メディシンボールを発現』(www.amazon.co.jp/dp/B07JVZNL9R)
スタンドに向かって投げる(パス精BBC)

722『月夜のV』:2019/08/06(火) 20:06:32
>>721

譲原の容態を考えると、救急車は必要だろう。
しかし、一刻を争うという状態でもない。
ひとまずは、寝かせておいても問題ない筈だ。

    ダッ――――

瞬間――神原の心に火が灯る。
それは、熱い闘争の炎だ。
ここは試合会場ではなく、神原の活躍を見守るギャラリーはいない。
だが、今の彼を突き動かすのは賛辞や脚光ではない。
胸に宿る情熱のために、神原幸輔は走り出す。

              ド 
                シ ュ ッ ! !

ズッシリした重みのある『メディシンボール』。
本来は体幹トレーニングに用いられる『それ』を、人間を超える『師匠』の膂力を以って投げ放つ。
重さ『5kg』の球体が、人型スタンドめがけて高速でブッ飛んでいく。

「――――ッ!!」

                 ババッ

人影の近くに控えていた人型スタンドが、素早くガードの態勢を取った。
走り出した神原の足音が聞こえたか、あるいはボールが風を切る音に反応したのかもしれない。
スタンドの動きは、『ストロンガー・ザン・アイアム』に匹敵するスピードだ。
結果として、投じられたメディシンボールは防御を固めたスタンドの両腕付近に命中する。
状況的には相手に気付いていた神原達が有利だったが、距離があったために防がれたようだ。

                           ザッ

人影と人型スタンドは、足早に路地の奥へ消えていく。
人間以上である『ストロンガー・ザン・アイアム』の投擲を受けても、態勢を崩さなかった。
それを考えると、パワーも同等のようだ。

          ダダダッ

当然、それだけで終わる訳はない。
神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』が、人影と人型スタンドを追う。
その時だった。

     ガァ――――ッ
               ガァ――――ッ
                         ガァ――――ッ

目の前の道路を、三台の自動車が立て続けに横切っていく。
それらが通過した直後、人影とスタンドは神原達の視界から消えていた。
周囲は、再び静寂に包まれる。

                   キラッ

先程まで人影が立っていた辺りで、小さな何かが光った。
それ自体が光を放っているのではなく、月明かりを反射しているのだ。
人影とスタンドに意識を向けていたため定かではないが、走り出す前はなかったと感じられる。

  ザッ ザッ ザッ

ほぼ同時に――背後から何者かの足音が聞こえてきた。
誰かが、この路地裏に入ってこようとしているらしい。
足音は、徐々に近付いてくる。

723神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/07(水) 23:54:42
>>722

師匠は背後の警戒をする。
敵ならば直接攻撃ができる師匠が対応した方がいい。
神原は光ったなにかを見る。

『誰だ?』

「なんの用?」

724『月夜のV』:2019/08/08(木) 21:53:44
>>723

『何か』の正体を確かめるために、暗闇に目を凝らす。
しかし、それは小さく距離も遠い。
詳しい事を知るには、もう少し近付く必要がありそうだ。

  ズルッ

「おッ――――」

       ガッシャァ――――ンッ

曲がり角の向こうで、歩いてきた人物が倒れたらしい音が聞こえた。
不意に声を掛けられた拍子に、足元のガラクタを踏ん付けるかどうかして転んだようだ。
その声には、多少の聞き覚えがあった。

「――ッてェ〜……」

譲原と別れた後で、彼と話をしていた『赤毛の男』の声だ。
もし彼が敵なら、相当に間の抜けた行動と言えるだろう。
敵でないなら、間抜けではあるが『それ以上』ではない。

725神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/08(木) 23:05:21
>>724

「大丈夫ですか?」

師匠と前後を交代。
何かが向こうから接近する可能性は否定できないから警戒は続ける。
自分が赤毛の男に向き合う形になる。

「どうかしましたか?」

「譲原さんは?」

とりあえず聞いてみる。
譲原が倒れているのは知っているのだろうか。
倒れている譲原を見てこちらに来たのか?
それとも関係なく勝手に転んだのか。

師匠は『ツイストボール(ttps://www.amazon.co.jp/dp/B0727Z71D5)』を発現。
向こう側の何かを狙って投げつける(パス精BBC)

726『月夜のV』:2019/08/09(金) 00:14:36
>>725

おそらく、赤毛の男は譲原の存在に気付いてはいないだろう。
神原自身、角を曲がった時点で初めて譲原を見つけたのだ。
角の向こう側にいる人間が、事前に気付ける可能性は極めて低い。

「いや、ヘーキだよヘーキ。いきなり話しかけられたもんだからよォ……」

曲がり角の向こうから、赤毛の男が姿を現した。
照れ隠しなのか、ぶつけたらしい頭を触っている。
しかし、倒れている譲原を見て顔色を変えた。

「――――オイ、譲次じゃねェかよ!大丈夫か!?」

赤毛の男が譲原に駆け寄った。
そして、先程の神原と同じように譲原の状態を確認する。
ギリギリ意識が残っていたらしい譲原が、赤毛の男を見返した。

「すぐ救急車呼んでやる。おい、アンタ救急車呼んだか?呼んでねえなら俺が呼ぶぜ」

神原の返事を待たずに、男は自分のスマホを取り出した。
だが、番号を入れようとした所で何かに気付いたように動きを止めた。
その視線は、『ストロンガー・ザン・アイアム』に向いている。

「あー、何ていうかよ……。もし間違ってたら申し訳ねェんだが……」

「――――『アンタがやった』ってワケじゃねェよな?」

       ズズ

男の右手に『スタンド』が発現する。
リボルバータイプの『拳銃』のヴィジョンだ。
男の手は下ろされたままであり、当然のように銃口も下を向いている。
敵対されてはいないが警戒されているらしい。
神原が人影を見て犯人だと察しをつけたように、赤毛の男も似たような事を考えたようだ。

            ドシュッ

一方で『ストロンガー・ザン・アイアム』は、発現した『ツイストボール』を投げつける。
暗さと距離と小ささが災いし、人間並みの精度では命中させる事は難しかった。
直撃はしなかったが、衝撃の余波を受けた『何か』は軽く弾き飛ばされる。

                  コロン…………

結果的に、その小さな『何か』との距離は縮まった。
そして、『ストロンガー・ザン・アイアム』は『それ』を確認する事が出来た。
小さな装飾品――『バラを象ったブローチ』だ。
そこに『スタンドの気配』は感じられない。
『スタンド』である『ストロンガー・ザン・アイアム』には、それが何となく分かった。

      ヒュオォォォォォ…………
              
             コロコロコロ…………

それまでよりも強い風が吹き、『バラのブローチ』が『ストロンガー・ザン・アイアム』の足元で止まる。
『半自立型』である『ストロンガー・ザン・アイアム』には、『それ』をどこかで見た覚えがあった。
『それ』を見たのは最近の事だ。
雑踏の中で擦れ違った『パンクファッションの女』――
そのジャケットの襟に、同じようなデザインのものが着いていた。
擦れ違う瞬間、女の方に注意を向けていた『ストロンガー・ザン・アイアム』は、それを確認していた。

727神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/09(金) 01:05:08
>>726

「救急車はそっちで呼んで貰っていいかな?」

「それと、僕も同じようなことを考えてる。僕の師匠の能力はあくまで『トレーニング器具を出す』だけだからね」

『メディシンボール』と『ツイストボール』は解除しておく。
それから、師匠はブローチへと視線を落とす。

『幸輔、このブローチ、パンクの女がつけていた』

「パンクの女?」

『彼らと会う前にすれ違った女性だ』

「……あぁ、なるほど」

鍵を握っている存在であることに間違いない。
のだが、問題は赤毛の男だ。

「僕はやってない。信じるかどうかは君次第だけど、僕は僕ですることがある。邪魔をするなら、誤解を言葉以外で解く必要もあるかもしれないね?」

728<削除>:<削除>
<削除>

729『月夜のV』:2019/08/09(金) 20:58:00
>>727

改めて『ブローチ』を見ると、どちらかというと『パンク』よりは『上品』な印象があるように感じられた。
そして、発現していた二つの『トレーニング器具』を解除する。
赤毛の男は、それらを横目で眺めていた。

「『トレーニング器具』――ねェ……。今そこらに転がってた『ボール』も、その一部ってワケかい?」

       チラ

「ま……『トレーニング器具』で『火傷』したヤツの話は聞いた事がねェな」

赤毛の男は、譲原に視線を向けた。
正確には、彼が負っている『火傷』を確認したようだ。
その負傷が、『ストロンガー・ザン・アイアム』の能力と関わりがない事は理解したらしい。

「俺の『得物』は見ての通りだ。大体の予想はつくだろうが、相手から離れている方が都合が良い。
 多分、アンタのは逆だろ?近い方が有利なハズだ」

「もしアンタが敵だったら、力尽くで俺を黙らせるのが手っ取り早い。
 今みたいに近い距離なら、尚更アンタの方が有利だろうからな」

「だがアンタは仕掛けてこない。
 『この距離で攻撃がない』って事は、アンタの言葉が信用出来る証拠だと解釈するぜ」

どうやら、赤毛の男は納得したようだった。
救急車を呼ぶためか、再びスマホを弄りだす。
『拳銃のスタンド』が消えていないのは、近くにいるかもしれない『本当の犯人』を警戒しての事だろう。

「だがよ――『何があったか』ぐらいは聞かせてくれるよな?
 譲次とは、それなりに付き合いがあるからよォ。俺にとっても他人事じゃねえんだ」

ひとまず、赤毛の男が敵になる事態は回避出来たようだ。
今の所、彼は状況の説明を求めている。
付近には、神原達以外の気配は感じられない。

730神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/09(金) 22:18:43
>>729

ブローチは神原が拾っておこう。
何かに使えるというものでは無いかもしれないが、もしかしたらということもありえるし、手がかりになる可能性もある。

「……納得されて良かったよ」

別に赤毛と揉めたい訳でもないし。
狙うべきは譲原たちを襲った犯人でそれ以外は問題ではない。

「あぁ、それはね……」

譲原を見つけるまでと、見つけてからの話をしておこう。

731『月夜のV』:2019/08/09(金) 23:18:41
>>730

   スッ――――

神原はブローチを拾い上げた。
詳しくは分からないが、安物ではなさそうだ。
そこそこ値が張りそうなものに見える。

「――――なるほどなァ。『その話』は俺も聞いた事がある。大体の事情は分かった」

神原が話し終えると、赤毛の男は軽く頷いた。
その間に通報も済ませている。
しばらくすれば、救急車が到着するだろう。

「俺は……この件に首を突っ込む事にしたぜ。
 他の連中については知らねえが、譲次は気の良いヤツなんだ。
 こんな目に遭わされる理由なんかないと、俺は信じてる」

「だからよォ〜……その『犯人』ってのをとっ捕まえて、お灸を据えてやりてえんだ。
 ついでに、何でこんな事やってんのか吐かせたいと思ってる」

「――――アンタは?」

           ヒョイ

神原に問い掛けながら、赤毛の男が譲原のスマホを拾う。
電源を入れようとしたが、入らなかった。
壊れているようだ。

732神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/10(土) 00:26:13
>>731

「首を突っ込むのは問題ないよ、大丈夫。因縁という意味では僕の方が薄い」

赤毛は譲原の先輩筋にあたるだろうから、神原よりもよっぽどまっとうな理由だ。
神原は警察でもなんでもないから何かをしようとする意志だけで動いている。

「見逃して……なんて出来る問題でもないしね」

「彼は僕のファンだしね」

イイ所は見せたいわけだ。

「ところで、君の名は?」

733『月夜のV』:2019/08/10(土) 21:14:30
>>732

「それなら俺達の『目的』は一致してる。手を貸すぜ」

「俺は『花菱蓮華』――『蓮華』って呼ばれてる。アンタも、そう呼んでくれ」

「コイツは『スウィート・ダーウィン』。『死因の再現』が能力だ。
 『6発中5発』は『死』を『お試し体験』出来る『偽死弾』さ」

自身の名前とスタンドについて告げた蓮華は、『スウィート・ダーウィン』を解除した。
神原の話を聞いて、既に犯人は立ち去っていると判断したのだろう。
周囲を見渡した蓮華が、軽く頭を掻く。

「さて――――犯人がトンズラした後なら、もう近くをウロウロしちゃいないだろうな。
 とりあえず、今日の所は俺達も引き上げた方が良さそうだぜ」

「救急車が来たら、色々と説明しなきゃならねえだろうしよ。
 まぁ、その辺は俺がやっとくが…………」

喋っている途中で、不意に蓮華が黙り込んだ。
何事か考えているらしい。
数秒後、彼は再び口を開いた。

「アンタ、明日は時間作れるか?
 明日の夕方頃までに、こっちで調べられるだけの事は調べとくからよ。
 その時に、次の行動について話し合いてェんだ」

「『Priceless』って喫茶店がある。出てこれるんなら、明日そこに来てくれ。
 連絡先を教えといてくれりゃあ、後で場所を送るぜ」

やがて、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。
もう少しで救急車が到着するようだ。
負傷した譲原に関しては、これで心配ない。

「――――そういや、まだ名前を聞いてなかったな。良かったら自己紹介してくれねェか?
 そっちの『師匠』も含めてよ」

734神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/10(土) 23:44:25
>>733

「……怖い能力だね?」

『リング禍の再現だけは勘弁してくれるか?』

危険と隣り合わせの仕事ゆえにそのあたりが気になってしまう。
微妙に苦い顔だ。
6発目については聞かないでおこう。
多分本物の死だと思うし。

「明日? 問題ないよ」

連絡先も教えておこう。
それに救急車も来たようで安心だ。

「New_Generation(新世代) New_Order(新秩序) New_Ruler(新支配者)」

「革命のギフテッド。Pro-Wrestling Stargazer、神原幸輔」

「ってのが表向きのお仕事」

『俺はストロンガー・ザン・アイアム』

『幸輔の師匠だ』

735神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/10(土) 23:45:02
※翌日に移行していただいて大丈夫です

736『月夜のV』:2019/08/11(日) 22:05:08
>>734

「イイねェ〜!随分とイカした自己紹介じゃねえか。ハハッ!好きだぜ、そういうのは」

連絡先の交換を済ませていると、救急車が現場に到着した。
降りてきた救急隊員が、手際よく譲原を担架に乗せて運び込む。
救急車に歩み寄る蓮華が、最後に神原達の方を振り返った。

「――――じゃ、『また明日』だ。よろしくな、神原さんよ。それから『ストロンガー・ザン・アイアム』もな」

蓮華が同乗した救急車が、明々と灯るサイレンと共に闇の中を走り去る。
神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』も、夜の歓楽街を後にした。
そして夜が明け、多くの人間にとって普段と変わらない一日が始まる――――。

  ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・
              ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・
                          ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

    ザッ ザッ ザッ

その日の夕方、神原は蓮華との待ち合わせ場所に向かって歩いていた。
場所と一緒に送られてきた時間までには、まだ少し間がある。
ふと気付くと、そこは昨夜の犯行現場の近くだったようだ。
昨日の一件が伝わっているらしく、行き交う人々の何人かは現場の前で足を止めている。
もっとも既に片付けられているため、『事件の跡』を匂わせるようなものは見当たらない。

                スッ
                           スッ

大半の野次馬は、そこに立ち止まり続けてはいない。
通り過ぎる途中で少し眺めている程度らしい。
しかし、その場に佇んでいる人間が一人だけいた。
ワインレッドの『パンツスーツ』を着た女だ。
今の位置からは、角度的に後姿しか見えない。

737神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/12(月) 22:42:07
>>736

(?)

やけに目立つ服装の人間がいる。
なにかあるのかもしれない。
近づいてみよう

738『月夜のV』:2019/08/12(月) 23:37:45
>>737

  ザッ ザッ ザッ

やや進路を変えて、『パンツスーツの女』に近付いていく。
今の所、女の様子に大きな変化は見られない。
何かがあるのかは分からないが、そこに立ち続けている事は確かだ。

             ――――ザッ

神原と女の距離は、かなり近付いた。
途中で女が角度を変えたため、その横顔が見える。
両サイドが吊り上っている『フォックスタイプ』の眼鏡を掛けた、『キャリアウーマン風』の顔立ちだ。

「――――…………」

神原の接近に、女は気付いていないらしい。
相変わらず、無言で事件現場を見つめ続けている。
その視線の先を見ても、ただ路地裏の地面があるだけだ。

                         ザワ ザワ
                                ザワ

周囲を歩く人々の何人かが足を止め、また歩き去る。
それらは、ごく普通の野次馬だ。
しかし、『パンツスーツの女』は立ち去ろうとしていない。

739神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/13(火) 16:00:51
>>738

「警察の方ですか?」

そんなふうに声をかける。
ドラマなんかでは犯人は現場に戻ってくると言われるがこの人がそうなのかは分からない。

『幸輔、怪しい動きは見逃すな』

(分かってる)

ただ現場近くなので本当に犯人かもしれない。
花菱か呼んだ人間なのかそうじゃないかも分からない。
警戒はしておくが、悪い人ではない可能性にかけたいところだ。

「気になるものでも?」

740『月夜のV』:2019/08/13(火) 21:45:07
>>739

近くで見て分かったが、女の目線は一点に固定されてはいない。
路地裏の全体を見渡すように、音もなく揺れ動いている。
その表情には、僅かに『焦り』の色が窺えた。

「――――…………えッ?」

  クルッ

『パンツスーツの女』が、神原の方を振り向く。
不意に声を掛けられて驚いたらしい。
女が答えるまでには、若干の空白があった。

「いえ、まさか……。私は単なる一市民ですよ」

「ただ、ちょっと考え事をしていたんです。その、個人的な事で……」

「『とても大事なもの』をなくしてしまって。多分、この辺りだと思うんですが……」

女は平静を保とうとしているようだが、今一つ落ち着きが欠けていた。
おそらくは、よほど大事なものなのだろう。
それが何かは分からない。

女の首からは、ストラップ型のカードホルダーがぶら下がっていた。
どうやら、どこかの『社員証』のようだ。
距離が近いため、内容を読み取る事は簡単に出来る。

741神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/15(木) 16:36:43
>>740

「あぁ、そうなんですね。失礼しました」

「昨日知り合いが襲われまして……」

社員証を確認。
大事なものをなくしたとは運が悪い。

「気が立ってたみたいで」

師匠は女を見続ける。

「なくしたって、なにを?」

742『月夜のV』:2019/08/15(木) 20:12:34
>>741

「いえ、気になさらないで下さい」

本人が言った通り、女の態度は一般市民の域を出ていない。
これといって、怪しい動きのようなものはなさそうだ。
ここにいるのが不審と言えば不審だが、その理由は説明している。

「そう……でしたか……。お知り合いの方が……」

「――――お気の毒です」

女は表情を曇らせ、軽く目を伏せた。
おそらくは、同情の意思表示なのだろう。
そして、神原は女の胸元にある社員証に目を向ける。

┌─────────────――
│  株式会社Belladonna 社員証  
│―――――――――――――――
│       研究開発部        
│                       
│         調香師          
│                       
│         紅 儚          
│                       
│     KURENAI HAKANA     
└─────────────――

社員証には、そのように明記されていた。
『紅儚』というのが、『パンツスーツの女』の名前らしい。
添付されている顔写真も、目の前に立つ女の顔と同じだ。

「ええ――小さな『アクセサリー』です。誕生日に弟から貰ったもので、大切な……」

「……すみません。関係のない方に、こんな話をしてしまって」

女――――『紅儚』は、丁寧に謝罪の言葉を述べる。
それから、彼女は再び現場に視線を移した。
なくした場所について、他に心当たりがないか考えているのかもしれない。

743神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/16(金) 19:37:38
>>742

(いい名前だな)

『ん、いい名前だ』

儚という字はネガティブな印象もあるけれど、美しさだとかたおやかさのようなものを感じる。

「アクセサリー……? どんなのですか?」

「昨日もしかしたら見たかもしれないですね……」

あの拾い物だろうか。

744『月夜のV』:2019/08/17(土) 19:11:08
>>743

路地裏を見つめる儚の横顔には、隠し切れない不安と悲哀が滲み出ていた。
どこを捜すべきか、見つからなかったらどうすべきか。
そういった考えが、頭の中で渦巻いているように見える。

「えッ…………ご覧になったんですか!?」

   バッ

神原の言葉を聞いた儚が再び振り向く。
その表情には、驚きと期待が入り混じっていた。
思わぬ所で見つけられる希望が得られたせいだろう。

「『ブローチ』です」

「小さな『バラ』の形をした……」

話を聞く限りでは、神原が拾ったものと似ているようだ。
しかし、必ずしも同じものとは断定できない。
似ているだけで、実際には別物という可能性もある。

「――――ご存知でしょうか…………?」

儚は、すがるような目で神原を見た。
彼女からすれば、これが最後の希望という所なのだろう。
それを決定する権利は、神原が握っている。

745神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/17(土) 23:06:44
>>744

「これですか?」

拾ったブローチを彼女に見せよう。
隠したところで何かに使えるとは思えない。
彼女が持ち主なら返しておこう。
当然、彼女はかなり疑わしい人物になるが。

「これだとしたら、落とした時の状況って覚えてらっしゃいますか?」

『何があったか、覚えているか?』

それ以前にスタンド使いなら師匠が見えている可能性が高い。
目線なども見ておこう。
何かあるかもしれないし。

746『月夜のV』:2019/08/18(日) 00:57:49
>>745

『ブローチ』の存在は、疑いを掛けられる根拠としては十分すぎる。
しかし、状況証拠と言ってしまえば状況証拠だ。
『たまたま似たようなアクセサリー』を着けていて『たまたま同じような場所でなくした』という可能性が、
絶対に有り得ないとは言い切れない。
もちろん、常識的に考えれば『ほぼ有り得ない』レベルの可能性である事は確かだろう。
だが『事実は小説よりも奇なり』という言葉があるように、
そうした話が現実に起こる場合がある事も事実だ。

「あッ……!それです!良かった……。本当にありがとうございます……!」

    スッ――――

神原からブローチを受け取った儚は、それを左胸に着けた。
ワインレッドのスーツに、バラのブローチが映えている。
どうやら、少なくとも『同じ市販品』ではあるようだ。
オーダーメイドではなさそうなので、完全に同一かどうかまでは分からない。
改めて見ると新しい品物らしく、細かい傷の有無などで見分ける事も難しそうだ。

「……いえ、よく覚えていません。お恥ずかしい話ですが、少々お酒を飲んでいたもので」

「この辺りで転んだ事は覚えていたので、多分この近くだろうと……」

「猫を見かけて路地に入ったら転んでしまって……。猫が好きなんです」

それが、紅儚の証言だった。
この言葉が真実であれば、彼女は容疑から外れる事になる。
偽りだとすれば、犯人である疑いは濃厚だ。
だが、それを確かめるのは難しいだろう。
本人が自白するか、実際に『犯行現場』を押さえる事が必要になってくる。

                チラッ

儚の視線は、時折『ストロンガー・ザン・アイアム』の方向に向いていたような気もする。
しかし、それは神原達の後ろで歌っている『ストリートミュージシャン』を見ていたのかもしれない。
かなり目立っているので、そちらに注意が向いたとしてもおかしくはないだろう。
儚に『師匠』が見えているのかどうかについては、微妙な所だ。
現段階では、『どちらとも判断できない』と言える。

…………そういえば、それなりに時間が経過しているようだ。
蓮華との待ち合わせに間に合わせるなら、そろそろ向かった方がいいかもしれない。
多少の遅れ程度なら、大きな問題はないだろうが。

747神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/18(日) 21:33:00
>>746

「そうですか……」

時間が危ない。現状グレーというのが最終評価だ。
遅れて何かあるとまずいし。

「それじゃあ、気を付けて。無差別犯らしいですし……」

最後に少しだけ撒き餌を残す。
不良ばかり狙っている、というのを知っているかのカマかけだ。
これが済んだら移動しよう。

748『月夜のV』:2019/08/19(月) 19:17:30
>>747

もし神原が拾ったブローチが事件の前からあったなら、もっと話は簡単になる。
あれを見つけた時、神原達の意識は人影に向いていた。
地面に落ちていたブローチに気付くのに、多少の遅れがあったかもしれない。
儚にしても、酔っていたなら場所も正確には覚えていなかっただろう。
『グレーゾーン』という神原の判断は、至って適切だ。

「『無差別』…………そんな人が近くにいるなんて信じられませんね」

「――――酷い事です」

ブローチを見つけた事で精神状態が安定したらしく、儚の対応は冷静だった。
ただ、どこか『驚き』のようなものがあったような気はする。
それは単に、『無差別犯』という言葉のインパクトに驚いただけかもしれないが。

「あなたも気を付けて。ブローチを拾って下さった事は本当に感謝しています」

立ち去る神原に向けて、紅儚が丁寧に一礼する。
その時、儚の『手の甲』が見えた。
ブローチを受け取るために差し出した方とは逆の手だ。
そこに、まだ新しい『火傷』の跡がある。
その意味は定かではないが、何かあるのかもしれない。

    ザッ ザッ ザッ

やがて、神原は待ち合わせ場所である『Priceless』の前に到着する。
中に入るために扉を開けた時、それと入れ違いに『毛のない猫』が外に出て行った。
紅儚が見たと言っていた猫と同じかどうかは不明だが、おそらくは違う。
『スフィンクス』と呼ばれる珍しい種類だが、この一件とは何の関係もないだろう。
カウンターでは、西洋人と思しき初老のマスターが客にコーヒーを出していた。

「――よぉ、神原さん。ココだぜ」

店内の一角から、蓮華が神原を呼んだ。
テーブルの上にはチョコレートケーキとアイスココアが乗っていた。
甘党らしい。

749神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/21(水) 02:52:50
>>748

「……そうですね。困ったことで」

火傷については言及しない。
彼女が関係者なら自ずと分かることだろうから。
だからいまは聞きはしなかった。

(お)

『猫か』

可愛い。
こういう緊張感のある時に出会うより桜の花が咲くような季節に会いたいところだ。

「どうも」

「……僕も同じものを」

席に着いたら注文をとりあえずしておこう。

750神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/21(水) 02:53:07
>>748

「……そうですね。困ったことで」

火傷については言及しない。
彼女が関係者なら自ずと分かることだろうから。
だからいまは聞きはしなかった。

(お)

『猫か』

可愛い。
こういう緊張感のある時に出会うより桜の花が咲くような季節に会いたいところだ。

「どうも」

「……僕も同じものを」

席に着いたら注文をとりあえずしておこう。

751『月夜のV』:2019/08/21(水) 19:18:41
>>750

「お待たせ致しました。ガトーショコラ・クラシックとアイスココアです」

「――――どうぞ、ごゆっくり」

少し待った後で、神原が注文した二品をマスターが運んできた。
月日を感じさせる穏やかな微笑と共に、ケーキとココアがテーブルに置かれる。
彼が立ち去ってから、蓮華は話を始めた。

「ここのケーキは結構イケるぜ。ちょっとした穴場ってトコだな」

「あれから色々と聞き込んできた。
 『被害者』とか『被害者になりそうな連中』によ。
 それで、例のヤツが次に現れそうな場所が割り出せたんだ」

「ヤツには一定の『パターン』があるらしい。
 いわゆる『溜り場』みてェな場所を狙って出てくる。
 そんで、そこにたむろしてるヤツらを襲ってるって話だ」

「二回目に現れたのは、最初の場所から一番近い溜り場だった。
 三回目の場所は、二番目の場所の最寄だ。
 つまり、少しずつ『行動範囲』を広げてるんじゃねェかってのが俺の考えだな」

「その理屈が正しいんなら、次に現れるのは『昨日の場所から一番近い溜り場』って事になる。
 そして、ソコはまだやられてねえ。
 だから、次に出てくるとすりゃあ多分ソコだろうって結論になるんだ」

蓮華は話を一旦止めて、代わりにケーキを頬張った。
彼の話には続きがあるようだが、神原の見解を求めているのだろう。
当然ではあるが、彼は『紅儚』については知らないようだ。

752神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/23(金) 00:06:37
>>751

「それは楽しみだね」

ガトーショコラにフォークを突き刺す。
ぐっと力を入れて切り分けて口へと運んでいく。

「パターンか」

『ありえない話じゃあないな』

師匠がその言葉に頷く。

「法則性のある動き方をしてるなら今後もそういうことをしてくる可能性はあると思う」

「その法則性をズラすっていうなら、僕や師匠や君を警戒して衝突を避けてるってことになるけど」

『不良ばかりを狙う跳ねっ返りなら向かって来てもおかしくない』

犯人が何を思うかは知らないが、来てくれた方がありがたい。
それくらい簡単な相手であればいいが。

「あ、そういえばここに来る途中で……」

紅儚の話をしておこう。

753『月夜のV』:2019/08/23(金) 18:53:23
>>752

切り分けたガトーショコラを、手元の皿から口の中に運ぶ。
濃厚でコクのある甘さの中に、少々のほろ苦さが感じられる奥深い味わいだ。
これから『大きな動き』が待っているとすれば、丁度いいエネルギーになってくれるだろう。

「あぁ、言われてみりゃあ『パターンから外れてくる』って可能性も有り得るな。
 ヤツが病院送りにしたのは一人や二人じゃねえ。
 自分を追ってくる人間を警戒してたとしても、おかしくはねえと思うぜ」

「まぁ、その辺は実際に現れるまでは判断できねェ部分だろうけどよ……。
 少なくとも、今までの行動を見る限りじゃあ『法則』がある。
 だから、次も同じような感じで現れる見込みが高いってのは確かだぜ」

「『跳ねっ返り』か……。
 そういうヤツなら、警戒があっても自分で決めた『パターン』は崩さねェかもな。
 相手をビビらせたいとか、ビビッてると思わせたくないってのは有りそうな理由だしよ」

そして、神原の口から紅儚の話が語られる。
それを聞いた蓮華は、自分のスマホを取り出して操作し始めた。
社員証に記載されていた会社について検索しているようだ。

    スッ
           スッ

「…………『化粧品メーカー』だな。『香水』をメインに作ってるらしい。
 ま、ちょっと調べただけで何か分かるとは思ってなかったけどよォ」

紅儚が勤めているのは、そういった会社らしい。
『調香師』という肩書きとも一致する。
もっとも、それが手掛かりになるという訳ではなさそうだが。

「で――――話の続きなんだが、俺の方で一応の『作戦』も考えといた。
 さっき言ったように、ヤツが次に現れる場所の目星は付けてある。
 俺達で、ソコを『待ち伏せ』するってのはどうだい?」

「俺が囮になるから、神原さんは適当な場所に隠れといてくれねェか?
 上手くすりゃあ『挟み撃ち』を狙えるかもしれねえ。
 俺も――自分で言うのも何だが、『被害者』に近い見た目ではあるしよォ」

赤毛でレザーファッションの蓮華は、見方を変えれば『チンピラ風』とも言える外見だ。
神原が考えた通り、彼は既に襲われている譲原の先輩筋らしい。
もし犯人が現れたとすれば、『標的』にする可能性はあるだろう。

「それに、まだ俺のツラは割れてねえだろうしな。
 アンタは、姿を知られてるって可能性もある。
 まぁ暗かったんなら見られてないかもしれねェが、念のためって事でよ」

             グビィィィ――――ッ

そう言いながら、蓮華はココアを飲み干した。
昨夜の『人影』が、神原の顔を確認していたかどうかは不明だ。
神原側も相手を正確に見た訳ではないので恐らく『人影』も同じだろうが、絶対とは言えない。

754神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/23(金) 21:57:13
>>753

「……それでいこうか」

彼の提案に同意する。
敵の性格は分からないが、何度も繰り返している時点で跳ねっ返りの犯人の可能性が高い。
だから、法則を信じる。

「危険は承知の上なんだろう?」

「僕も全力を尽くすよ」

その言葉に支障が大きく頷いた。

755『月夜のV』:2019/08/23(金) 23:15:55
>>754

「あぁ、リスクに見合うリターンが期待できるんなら悪くねえ賭けだ。
 『虎穴に何とか』の精神ってヤツでよ」

蓮華の表情には、明確な意思が感じられた。
尽力を告げた神原や、それに同意を示す『師匠』と同じ種類のものだ。
囮役を買って出た彼にも、覚悟は出来ているのだろう。

「それに、俺だって『スタンド使い』の端くれだからな。
 最悪でも一発でノックアウトされやしねえさ」

犯人のスタンドには、まだ不明な点が多い。
しかし、今まで襲われたのは『一般人』ばかりだった。
その点において、今回は大きく違う状況であると言える。

「さて――――腹に詰めるもん詰めて方針も決まった事だし、そろそろ『準備』に出掛けるとすっか。
 さっき言った場所まで案内するからよ。
 実際に現場を見て、細かい動きを検討しようぜ」

    ガタッ

「いや、待てよ……。うっかり忘れちまうトコだった。
 もう一つだけ言っときてェ事があってよ」

     サッ

立ち上がりかけた蓮華は、途中で席に座り直した。
何か思い出した事があったらしい。
ジャケットのポケットを探り、そこから『壊れたスマホ』を引っ張り出す。

「コイツは『譲次』の持ち物なんだが、ちょっと気になる点があってよォ。
 意見を聞きてェと思って持ってきたんだ」

              トン

『譲原のスマホ』が、テーブルの上に置かれた。
液晶は無残に割れていて、既に使い物にならないのは一目で分かる。
昨夜の時点で、神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』も確認していた事だ。

「見ての通り、ブッ壊れてる。まぁ、そりゃ分かるんだが――――」

              クルッ

「――――問題は、『コッチ側からも壊れてる』って事だな。どう思う?」

蓮華の手が、スマホを引っくり返す。
割れた液晶の反対側――そこにも『破壊痕』が残っていた。
つまり、『二度』に渡って損傷を受けたと解釈する事が出来る。

756神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/25(日) 01:21:37
>>755

『無謀でないならいくらでもフォローは出来る』

「……出来る範囲でね?」

何事にも無茶というのはあるからして。

「スマホ……?」

『……裏側からも破壊されている』

おかしなことだ。
二度にわたってスマホを破壊する意図が読めない。

「踏んだ?」

「……踏んだにしても両方が?」

『両側に傷がつくほどの衝撃であればそれ自体が耐えられない可能性が高い』

一応スマホとしての形を保っているのだからそれはおかしい話だ。

「能力は火傷のはず……」

なら、なぜ両面に傷がついている。
思い出すのはいつかの事件。
あれは能力の発動に条件が課されるものだった。

「挟み込んだりするのが能力の条件……?」

「表面を叩いて裏側が傷つく能力って言うのは考えにくいから、そのパターンかな」

757『月夜のV』:2019/08/25(日) 21:03:24
>>756

かつて神原が遭遇したのは、『転移』を能力とする異形の『宝玉怪人』だ。
あのスタンドは、能力の発動に『宝石』を必要としていた。
同じように何らかの『条件』が存在しているという考えは、全くの的外れではないだろう。

「…………なるほどなァ。
 俺は、てっきり『証拠隠滅』するために念入りに壊したのかと思ったぜ。
 譲次が犯人の写真でも撮ってたのかと思ってよォ」

「アイツも事件の事は知ってたし、怪しいヤツには注意してたからな。
 もっとも、壊されちまってるから中身を確かめようがねェんだが……」

「それか、よっぽどの『スマホ嫌い』かもしれねェな。
 スマホを見ると、つい叩き壊したくなる性分とかよ。…………ねえか」

よく見ると、二つの破壊痕には多少の違いがあった。
液晶側の破壊よりも、裏側の破壊の方が大きい。
スマホにとって致命傷になったのは、どちらかというと裏側の傷だったかもしれない。

「――何にせよ、『故意に壊した』って事だけは間違いないと思うぜ。
 巻き添えになって偶然壊れたとかじゃあねえ。
 もし偶然なら、二度もやられてねえだろうからな」

     ガタッ

「じゃ――――行くか」

蓮華が立ち上がり、スマホをポケットに戻す。
先程の提案通りに、これから『作戦現場』に移動するようだ。
ケーキとココアが胃袋に収まっていれば、神原も彼と共に向かう事になる。

758神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/26(月) 20:45:33
>>757

「証拠隠滅にしたって、やり方はあるからね」

少なくとも神原が考えるようなことを犯人はしなかった。
何度か首を鳴らして息を吐いた。

「行こうか」

759『月夜のV』:2019/08/26(月) 22:14:34
>>758

分からない事があるのは確かだが、為すべき事は決まっている。
神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』の心には、それがある。
そのために、二人は共に動き出す。

「――――ありがとうございました」

マスターに見送られ、神原達は『Priceless』の外に出た。
既に日が沈みかけている。
夜の訪れも、そう遠くはない。

「ここから少し歩くが、そこまで時間が掛かるって程でもねえ。
 ヤツが現れるとしたら暗くなってからだろうしな。
 ま、ぼちぼち行こうぜ」

蓮華は、自分の物らしい『バイク』を手で押しながら歩いている。
それに乗らないのは、神原と『師匠』に気を遣っているからか。
ともかく、神原達は夕日に染まった街を歩いていく。

「いざ『やり合い』になった後の事なんだけどよ――」

「俺の能力については少し話したが、昨夜も言った通り『飛び道具』だ。
 面と向かってタイマン張るには向いてねえ。
 アンタの『師匠』みたいなタイプが相手だと、なおさら分が悪い」

「だから、俺は基本的に『援護射撃』に徹するぜ。
 神原さんと『師匠』には『前衛』をやって欲しいんだ。
 アンタらなら『タイマン向き』だと思うしよォ」

「それで構わねェか?」

現場に向かう道中で、蓮華は再び話を始めた。
客観的に見て、彼の能力が『前衛向き』であるとは言い難い。
蓮華自身も、『後衛』に徹した方が活きる能力だと考えているようだ。

760神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/27(火) 19:08:06
>>759

バイクは置いて行かないらしい。
愛車なのだろう。
神原もなんとなくその気持ちはわかる。
バイクはそこまでだが、道場の器具などは人一倍大事使うように心がけている。
若手の間から世話になったものだし、これが次世代を作っていくから。

「レスラーが君たちの後ろに立ってちゃあ格好つかないよ」

だから、飛び道具でなくとも自分が前に出るつもりだ。
援護してくれるだけありがたい。

761『月夜のV』:2019/08/28(水) 19:04:17
>>760

蓮華は何も言わなかったが、おそらくは神原が考えた通りなのだろう。
神原と蓮華は、別々の場所で生きている人間だ。
しかし、『共通する部分』もある。

「ハハハッ!そりゃそうだなァ。頼りにさせてもらうぜ――『革命のギフテッド』さんよ」

      ザッ ザッ ザッ

「それから、俺が撃つのはヤツとアンタの距離が離れてる時だと思ってくれ。
 パターン通りなら、ヤツが現れるのは暗くなってからだからな」

「視界が悪いと、どうしても命中精度が落ちる事になる。
 だから、お互いに至近距離でやり合ってるような状態では、俺は基本的に撃たねえ。
 狙いが狂ってアンタや『師匠』に当てちまったら、シャレにならんからよォ」

「何か合図を出してくれりゃあ、その時は上手く合わせるぜ。
 合図がなくても、俺が必要だと感じたら『自己判断』で撃つ事にする」

「――俺からは、そんなトコだな。神原さんからは何かあるかい?」

                 ザッ ザッ ザッ

通り過ぎた店の幾つかは、仕事を終えた客を迎える準備を進めていた。
道を歩く人々の中に、派手な化粧の女が混ざり始める。
少しずつ、街に『夜の匂い』が漂い出していた。

762神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/29(木) 22:44:36
>>761

「分かったよ。僕としても撃たれたくは無いしね」

『同士討ちは危険だ』

承知した。
確実に当てられる場面なら強力な援護になりそうだ。
そういう状況を作られればの話だが。

「……特にはないかな?」

763『月夜のV』:2019/08/30(金) 19:11:13
>>762

「まぁ気楽にってワケにはいかねェが、後は臨機応変にやるとしようぜ」

それだけ言って、蓮華は話すのを止めた。
続きがあるとすれば、『現場』に到着してからになるだろう。
そして、神原達は歩き続ける――――。

   ザッ ザッ ザッ

「…………よし、ここだ」

                 ザッ

神原達が辿り着いたのは、入り組んだ路地の突き当たりに位置する『袋小路』だった。
蓮華の話通りなら、この場所が溜まり場の一つになっているらしい。
そして、次に『犯人』の出現が予想される場所でもある。
例の噂が広まっているせいか、あるいは時間帯が違うからか、他に人の姿はない。
そこにいるのは、神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』と蓮華だけだ。

「さっきの作戦なんだがよォ、俺は『向こう側』で待つ事にするぜ。
 ヤツを『こっち側』に誘い込めれば、『退路』を無くしてやれそうだしなァ」

蓮華は、バイクを押しながら『路地の奥』に向かって歩いていく。
ここは『袋小路』であるため、当然その先は行き止まりになっている。
自分を囮にして、進む事が出来ない方向へ犯人を誘導しようという考えのようだ。

「神原さんと『師匠』には『反対側』を頼みてェんだ。
 ヤツが現れた後で『そっち側』を塞いじまえば、アンタと俺で『挟み撃ち』が出来る。
 もちろん上手くいけば……だがよ」

そう言いながら、蓮華は周囲を見渡した。
彼の視線の先には、幾つかの『非常階段』が見える。
『袋小路』の両脇に立つ雑居ビルの階段だ。

「――――『あの辺』なんかどうだい?悪くないと思うぜ」

蓮華が指差したのは、『袋小路の入り口』に最も近い位置に設置されている『非常階段』だった。
四階分くらいの高さがある。
踊り場のスペースも、そう狭くはない。

「俺の方に意識が集中してれば、『頭の上』に気を回す可能性は少ないだろうしよ。
 もし視線が向いたとしても、姿勢を低くしてりゃあ気付かれにくい。
 あの場所からなら全体が見えるし、待ち伏せするのに都合が良いんじゃねェか?」

街を染め抜く空の色が、徐々に『赤』から『黒』に変わりつつあった。
本格的な『夜』の到来までには、まだ余裕が残されている。
考える時間も、準備する時間も十分だ。



【MAP】左端が入り口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
□傘□□□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
神□□□□□□□□□□□□□□□□□□華□壁
師□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□ポ□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原
師:ストロンガー・ザン・アイアム
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

764神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/08/31(土) 22:56:16
>>763

「挟み撃ち……単純だけど間違いない戦略だね」

『こちらに意識が集中していれば君の銃弾が背後を狙う形になるか』

敵が複数でなければ有効な手段だ。
地形的にも有利を取れるかもしれない。

「階段か」

『うむ。あそこでいいか?』

「どの場所で待つかが問題だね。四階だとバレないだろうけど、下りるのに時間がかかる」

『トレーニング用のロープでも出しておくか? だが、一気に下りるとなると難しいか』

「……一旦登ってみてどんな感じか確かめようか。手伝ってもらえる?」

出来るなら二階の踊り場辺りで待機したいが、実際に目で見てどうなのか確認してもらおう。

765『月夜のV』:2019/09/01(日) 20:46:56
>>764

あまり複雑な作戦になると、その分だけ隙も増える事になる。
単純な作戦は、それが少ない。
もちろん状況によるが、神原が経験した『怪盗騒動』程の複雑な作戦は必要なさそうだ。

「構わねェぜ。本番前に『リハーサル』でもしてみるとするか。
 俺が『犯人役』だ。下から見上げたとして、どんな感じに見えるか教えるからよ」

「――『俺の役』はコイツにやってもらう」

                   ザッ ザッ ザッ

突き当たりに停めたバイクに触れてから、蓮華は路地の入口まで移動する。
犯人が現れるとすれば、そちらの方向からだろう。
そして、神原は非常階段を上っていく。

            カン カン カン

足を踏み出す度に、金属的な軽い音が響く。
大きな音ではない。
慎重に進めば消せるだろうが、急いで下りたりすれば目立ちかねない。

「――――よし、行くぜ。スリー・ツー・ワン…………『アクション』!」

    ザッ ザッ ザッ

入口付近に立った蓮華が、二階の踊り場にいる神原達に合図を送った。
緊張感のない言い回しだが、彼なりに場をリラックスさせようとしているのだろうか。
緩やかな速度で歩き出し、立ち止まって頭上に視線を向ける。

「……『微妙』な所だなァ。そこまで高い位置でもないからよ。
 ジッと見られるとか、見られた時に動いたりしたらバレるかもしれねえ。
 俺の方に意識が向いてりゃあ、上を見る事は多分ねェだろうが……」

「まぁ、『本番』は真っ暗な状態だからな。
 見つからない可能性は、今より多めに見積もってもいいとは思うぜ」

四階なら見つかる確率は極めて低いが、下りるまでに時間が掛かる。
二階なら素早く下りられる代わりに、見つかる確率も相応に上がる事になる。
ロープで下りるにしても、その最中にバレないという保証はない。
途中で見つかれば、逃げられてしまうかもしれない。
あるいは、向こうから攻撃が来る可能性もあるだろう。

「俺はどっちでもいいぜ。なるべく上を向かせないようにはするからよ」

正面に気を取られたなら、上を見る確率は低い。
しかし、何かの拍子に視線が上を向く事が絶対にないとは言い切れない。
判断は、神原と『師匠』に委ねられている。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
□傘□□□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□華□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□ポ□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階部分にいる)
※:建物の裏口

766神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/02(月) 22:50:25
>>765

「……見つからないように祈ろうか」

『君の演技にもかかっているぞ』

彼が敵の視線の誘導をしてくれる。
その効果を信じよう。

「じゃあ師匠、あれでいこうか」

『ロープではないのだな?』

トレーニングチューブ(ttps://www.amazon.co.jp/dp/B011UJZIOM)を2本発現。
一番負荷に強いものを選ぶ。
これを手すりに結んでおこう。
明るい色だが闇の中なら紛れるだろう。
そこも確認してもらう。

「あぁ、後ポリバケツを一個階段の近くに置いといてくれないかな?」

「下りる時の目印にしたい」

767『月夜のV』:2019/09/03(火) 19:10:31
>>766

「ああ、こう見えても『演技』には自信があるからな。下手なドジは踏まねェさ」

「俺の表向きの顔は『スタントマン』なんだ」

それが蓮華の職業らしい。
もっとも、演技力の根拠になるかは定かではない。
少なくとも、即座にバレてしまうようなヘマはしないだろう。

       ズギュンッ

筋力トレーニングに用いられるゴム製の『トレーニングチューブ』を発現し、手すりに結び付ける。
鮮やかなグリーンの色合いは、やはり明るい場所だと目に付いてしまう。
闇の中なら、多少は見えづらくなるか。

「便利なもんだな。そいつを使って下りるってワケか?消防士みてェだな。
 そういうのは俺も『現場』で見た事があるぜ。『仕事場』って意味だけどな」

「もし視界に入ったら、ちょっと目立っちまいそうな気はするが……。
 まぁ、そっちを向かせないようにすりゃ平気かもな。
 そこら辺は真っ暗だろうしよ」

蓮華の言葉には、少々の不安が窺えた。
しかし、ハッキリ言わなかった所を見ると大問題という程でもないらしい。
実際にどうなるかは、その時の行動次第になりそうだ。

「分かった。この辺でいいかァ?」

       ガラガラガラッ
                 ゴトッ

蓮華が、近い方のポリバケツを神原達の真下に移動させる。
運んでいる最中に、バケツの内側で何かが転がる音が聞こえた。
そこから判断すると、中身は空き缶やペットボトルのようだ。

「――他に何かあるかい?俺の方は『準備万端』だぜ」



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
□傘□ポ□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□華□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

【質問:手すりに結ぶトレーニングチューブは二本でしょうか?】

768神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/03(火) 23:29:55
>>767

「あぁ、なるほどね。お互い体が資本じゃないか」

しかも過酷なタイプの肉体労働者だ。

「黒いののがいいんだけど、今ぱっと浮かんだのがこれだったんだ」

結んだ2本のゴムチューブを引っ張る。
長さ的に厳しい所があるのであくまで飛び降りた時の勢いを和らげるためのものだ。

「うん、ポリバケツはその位置で」

「これでいいかな……」

769『月夜のV』:2019/09/04(水) 20:07:32
>>768

「よし、なら後は待つだけだな。俺は向こうで待機してるからよォ」

「今夜は、俺とアンタと師匠で『チーム』だ。ビシッと決めてやろうぜ」

      グッ

神原達にサムズアップを送った蓮華が、突き当たりの位置に戻っていく。
犯人を待ち受ける準備は整った。
そして、街に『夜』が訪れる――――。

  ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

待機を始めてから、『二時間半』が経過していた。
袋小路に差し込んだ月明かりが、辺りを薄暗く照らしている。
犯人らしい人間は、まだ姿を現していない。

    ザッ…………

遠くの方から、微かに物音が聞こえた。
靴底が地面を踏みしめる音だ。
それは、確かに『何者か』の足音だった。

         ザッ
              ザッ
                   ザッ

一つの足音が、徐々に近付いてくる。
どうやら、神原達が待つ方向へ向かっているようだ。
このまま進んでくれば、もう少しで姿が見えるだろう。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
□傘□ポ□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□華□壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

770神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/04(水) 20:33:08
>>769

「お互い全力で」

『……』

「師匠?」

『【ソウルフル・ラストマン】でどうだ?』

「チーム名考えてたの……?」

呆れた様子で神原がつぶやいた。
しかし、そんな雰囲気も待機をしていれば消えてしまうものだ。
神原はそこで息を殺す。

「……」

足音が聞こえるがまだそちらの方は見ない。
そこを見ることで感づかれるのは避けたいところだ。

771『月夜のV』:2019/09/05(木) 20:39:39
>>770

非常階段の踊り場で、神原は息を潜めて待ち続ける。
その間、足音は一度も止まる事なく接近していた。
音までの距離から判断すると、残り数歩で姿が見える所まで来ているはずだ。

                 ――――ザッ

不意に、足音が止まった。
その音源は、かなり近い。
理由は分からないが、ギリギリ姿が見えない程度の位置で停止している。

  …………ザッ

その時、神原達の耳は『別の物音』を聞き取った。
『もう一つの足音』だ。
『最初の足音』とは別の誰かが、この袋小路に足を踏み入れたらしい。

             ザッ ザッ ザッ

どうやら、『一人目』と同じ道筋を辿って近付いてくるようだ。
『一人目』は立ち止まったままで、その場から動く様子がない。
『二人目』の方は――――依然として進んで来ている。

772神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/05(木) 23:20:12
>>771

(二人目……?)

確かに犯人が複数の可能性もあったが、これはこれで少しまずい。
不意をつく奇襲が難しい。
片方に気付かれれば終わりだし、音が近い以上下手な動きはできない。

「……」

息を殺し、もう少し待つ。
彼が上手くやってくれればいいが。

773『月夜のV』:2019/09/06(金) 20:24:52
>>772

「――――おい、アイツら来ないってよ。集まりがワリィよなァ〜」

唐突に声が聞こえた。
どこか無謀で軽薄な響きのある若い声だ。
その声には聞き覚えがある。

    ザッ ザッ ザッ

路地の向こう側から、『一人目』が姿を現した。
髪を青く染めた不良少年だ。
通知を確認していたらしく、手にスマホを持っている。

              ザッ ザッ ザッ

「そりゃ、お前『アレ』のせいだろ。だから今夜は止めとけっつったんだ。
 昨日は譲原さんがやられたっていうじゃねえかよ」

青髪に続くように出てきた『二人目』は、緑髪の不良だった。
神原達は、この二人を知っている。
昨夜、神原に絡んできた『小出』と『田丸』だ。
譲原から注意を受けたにも関わらず、また出歩いていたらしい。
スマホをしまった『青髪』――『小出』が、奥に立つ蓮華の姿を見つけた。

「何だよ、揃いも揃ってビビりやがってよォ〜。
 …………あぁ?先客がいるじゃねぇか。ここらじゃ見かけない顔だなァ〜?」

「――――チッ」

小出に絡まれた蓮華は、対応に迷っているようだ。
犯人が現れる前に大きな騒ぎを起こしたくないと考えているのだろう。
まだ、彼が何かしらの行動を起こす様子は見られない。

「――もう行こうぜ。俺らだけ来てたって仕方ねぇだろ」

『緑髪』の不良少年――『田丸』が言った。
不意に頭を上げた彼が、頭上の『月』を見上げる。
おそらく深い意味はないのだろうが、視線の方向が少しズレたら神原達の方を向きかねない。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
田傘□ポ□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
小□□□□□□□□□□□□□□□□□□華□壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

田:田丸
小:小出
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

774神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/06(金) 23:11:10
>>773

(これは……)

『……面倒だな』

小さな声で師匠が呟き、小さく神原が頷いて返す。
彼らが本来の被害者だろう。
だが今日この場においては神原と蓮華が加害者になるはずだった。
しかしここに来られると犯人が来た時に襲われる可能性が高い。
この立ち位置だと二人ともあの二人組を守れない。

「……師匠」

『うむ』

師匠に様子をうかがわせる。
あの二人組の後ろ、もっと入口のほうだ。
師匠に気づいたのなら彼らはスタンド使いとなり、逆に犯人の可能性がわいてくる。
気づけないなら、師匠に犯人が来てないか見てもらう。

775『月夜のV』:2019/09/07(土) 21:27:24
>>774

独立した視聴覚を持つ『ストロンガー・ザン・アイアム』が後方を窺う。
二人組が歩いてきた方向には誰もいなかった。
その先は曲がり角になっているため、様子は分からない。

「――――…………」

    スゥゥゥ――――ッ

ぼんやりと月を見ていた田丸が、おもむろに顔を下ろす。
一瞬だけ神原達の方向に視線を向けたが、偶然だろう。
『師匠』の姿が見えている気配はなく、身を潜める神原にも気付かなかったらしい。

「おい、一人来るってよ。ゲーセンの裏に来いとさ。どうする?」

ポケットからスマホを取り出した田丸が、小出に声を掛ける。
それを聞いた小出は田丸に向き直った。
蓮華は、二人の動きを観察しているようだ。

「――あぁ?こっちに来ればいいのによ。
 余計な手間掛けさせやがって。仕方ねえなァ〜」

           ザッ

どうやら、彼らは別の場所へ移動するようだ。
このまま新たなトラブルが起こらなければ、二人が邪魔になる事はなくなる。
ちょうど月が雲に隠れたらしく、辺りの暗さが増した――――。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
田傘□ポ□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
小□□□□□□□□□□□□□□□□□□華□壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

田:田丸
小:小出
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

776神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/08(日) 21:19:19
>>775

「……」

胸がざわつく。
敵が来ないのは被害者が出ないことだが、待っている身としては少々じれる。
焦るといい事ないのでなるべく落ち着くように務める。
心配しすぎては良くないし、こちらも見栄のお仕事だ。

『これでゲームセンター裏に来たら最悪だな……』

「それが無いでもないから怖いところだね」

ひとまず二人が去るのを待とう。
一度蓮華と相談する必要があるのかもしれない。

『……月に叢雲華に風』

「平穏には嵐だね」

777『月夜のV』:2019/09/09(月) 20:32:02
>>776

二人が背を向けたのを確認してから、蓮華が神原達の方に視線を向けた。
その目を見れば、彼も神原と同じような事を考えているらしい事が分かる。
苛立ちを紛らわせるためか、軽く頭を掻いている。

                   ザッ ザッ ザッ

「――――さっきのヤツよォ、もしかして『例の犯人』なんじゃねえかァ〜?
 髪も『真っ赤』でスゲー怪しいぜ」

「おいおい、喋る前に鏡で自分のツラ見て来いよ。
 頭が『真っ青』のヤローが言えたギリか?」

小出が口を開き、田丸が応じる。
どうやら小出は蓮華に疑いを抱いたらしい。
いずれにせよ、この場を去るのであれば大きな問題はない。

            ザッ ザッ ザッ

「お前だって緑一色の『芝生頭』だろうがよ。
 その頭で『ゴルフ』でもやろうってのかァ〜?」

「うるせえよ。なら、お前の頭は『釣堀』か?
 オメーは『釣る側』じゃなくて『釣られる側』だろうけどな」

    ザッ ザッ ザッ

「『釣堀』なんてチッポケなもんじゃねえ。
 この色は『大海原』を表現してるんだぜ。
 そんぐらいデカい男になりてえって意思表示でよォ〜」

「そりゃ確かに大海原だな。
 『カエルから見れば』って話だがよ。
 こういう言葉を知ってっか?『井の中の――――」

遠ざかりつつも聞こえていた話し声が、唐突に止んだ。
まるでスピーカーのスイッチを切ったかのように突然の出来事だった。
闇夜の静寂が、辺りを包み込む。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
□傘□ポ□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□華□壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

778神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/09(月) 22:47:58
>>777

唐突に。
それは、おかしい。
あきらかな異常。

「……!」

『蓮華! 不味いぞ!』

『奴はスデにッ、ここに来ている可能性がある!』

立ち上がり、入り口側に視線をやる。
師匠は右腕を上げ、ケトルベル(ttps://www.amazon.co.jp/dp/B01GNM1C3W)を右手に発現。
敵の姿は見えるか?

779『月夜のV』:2019/09/10(火) 19:49:22
>>778

ウエイトトレーニング器具の一種である『ケトルベル』を発現する。
言い換えれば、重さ『20kg』の『鋼鉄の塊』だ。
『ストロンガー・ザン・アイアム』の膂力であれば片手で軽々と持ち上げられる。

                          スッ

『師匠』の言葉を聞いて、蓮華が頷く。
彼の表情にも緊張が走っている。
蓮華は、右手をジャケットのポケットに突っ込んだ。

           シィィィィィ――――ン

立ち上がり、静まり返った闇の中に目を凝らす。
まだ敵の姿は見えず、目立つ物音も聞こえてこない。
しかし、『何か』が起きている事は間違いないだろう。

  …………コッ

曲がり角の向こうから、乾いた靴音が響いた。
先程の二人組とは種類の違う音だ。
おそらくは、『ブーツ』のような靴を履いているのだろう。

        コッ
               コッ
                      コッ

月明かりの失せた暗闇から、『何者か』が確実に近付いてくる。
その足取りからは、『罠』に気付いているような気配は感じられない。
距離を考えると、まもなく姿を確かめられるはずだ。

    ザッ――――

蓮華が、やや前方に位置を変える。
暗くなった事による命中精度の低下を補うためらしい。
その右手は、相変わらずポケットに入れたままだ。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
□傘□ポ□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□華□□□壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

780神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/11(水) 06:43:27
>>779

神原は両膝を曲げる。
手はしっかりとチューブを握っている。
しゃがむのは溜める体勢だ。
跳ぶために必要なこと。
そして隠れるための姿勢でもある。

『……!』

師匠はそのままだ。
こちらに気づいたらケトルベルを投げてやる。
待つ。
その時を待つ。

781『月夜のV』:2019/09/11(水) 21:02:46
>>780

身を屈めた低い姿勢を保ちながら、両膝に力を溜める。
姿を隠すための体勢であると同時に、跳躍の準備でもある。
おそらく、『その時』が来るのは近いだろう。

           コッ――――

闇の中から、足音の主が現れる。
昨夜、譲原達と出会う前に擦れ違った『パンクファッションの女』だ。
格好も、あの時と同じだった。

「――――…………」

女の傍らには、『人型スタンド』が佇んでいる。
闇に溶け込むような漆黒の外套を身に纏う女性的なヴィジョンは、どこか本体の姿と似ていた。
顔の上半分はフードで覆われており、露出した口元には紅が差している。

「なッ――お、おい……『ソイツ』は……!?」

やや芝居がかった声色で、蓮華が言葉を発する
女は答えなかった。
返事の代わりに、スタンドが片手を持ち上げる。

    グイッ

その腕の先に――――『人』がいた。
スタンドが小出の胸倉を掴み、そのまま持ち上げている。
譲原と同じく命に別状はなさそうだが、気を失っていた。

              ドサッ

女のスタンドが、小出の体を軽く放り投げた。
わざわざ持ってきた理由は定かではないが、あるいは相手の恐怖を煽るためかもしれない。
蓮華の視線は『パンクの女』に注がれ、女の視線も蓮華に向けられている。

              スゥッ…………

女が腕を上げ、人差し指を蓮華に突き付けた。
『予告』のつもりだろうか。
今の所、上で待つ神原達には気付いていない。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小傘□ポ□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
黒□□□□□□□□□□□□□□□□華□□□壁
女□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

女:パンクファッションの女
黒:人型スタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

782神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/11(水) 22:52:57
>>781

やはり来ていた。
あの女か。
必ずこの場で仕留める。
だが位置が悪い。
挟み撃ちをするためにはあともう少しの前進を望まないといけない。

「……!」

敵の動きを見据える。
まだ気づかれていないならそのままでもいい。
観察するのはスタンドの方だ。
蓮華に攻撃するのならスピードなどをよく観察する。

783『月夜のV』:2019/09/12(木) 20:37:46
>>782

もし攻撃すれば、気付かれるのは明白だ。
敵の方も、これが『罠』だと悟る事になる。
そうなれば、逃げられてしまう可能性が高いだろう。
今の位置から攻撃しても、挟み撃ちには出来ない。
『職業的な戦士』でもある神原は、冷静に観察を続行する。

    コッ コッ コッ

「――――くッ、来るんじゃねえッ!!」

自らのスタンドを引き連れて、『パンクファッションの女』が歩いていく。
向かう先は蓮華がいる方向だ。
蓮華は焦ったような表情を見せている。
当然、これは演技だろう。
若干オーバー気味ではあるが、幸いバレる様子はない。

            コッ コッ コッ

「…………」

無言のまま、女は接近を続けている。
速くもなく遅くもない。
迷いや躊躇のない歩き方だ。
単に力を振るいたがっているというよりは、何かしら『明確な目的』を感じさせた。
あるいは、それが『動機』に関係しているのかもしれない。

                    コッ コッ コッ

高まる戦意を胸に秘めながら、神原は『人型スタンド』に目を向ける。
スタンドの両手には、長さ数cm程度の『爪』が備わっていた。
外見通りの鋭さを持っているとすれば、それは『武器』だと考えていいだろう。
そして、女とスタンドは共に距離を詰めている。
おそらくは、『ストロンガー・ザン・アイアム』と同じタイプと思って良さそうだ。

                       グッ

ポケットに突っ込んだ蓮華の右手には、力が篭っているようだ。
『パンクの女』とスタンドは、神原達に近付いている。
しかし、今の位置では女の視界に入ってしまうため、背後を取るのは難しい。
もう少しだけ待つ必要がある。
それも長くはないだろう。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小傘□ポ□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□黒□□□□□□□□□□□□□華□□□壁
□□□女□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

女:パンクファッションの女
黒:人型スタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

784神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/12(木) 22:59:22
>>783

(頼みの綱は彼だ。だからこそ信じる)

あのまま接近を続けてくれるならいいが。
気になるのは小出もそうだ。
途中で意識が戻って反応されたら厄介ではある。
すぐに起きるようなことはないと思うが。

(爪?)

武器になる。
スマホの両面が壊れていたのはあの爪で摘んだからか?
そんな単純なことなのだろうか。
それなら、普通の指でもなるはずだ。
精密動作性が低いとしてもそうはならないと思う。
それにあの爪が火傷とどう関係する?
未知の部分が多い。
とにかく待つしかない。

785『月夜のV』:2019/09/13(金) 20:38:47
>>784

     コッ コッ コッ
               コッ…………

不意に『パンクファッションの女』が足を止めた。
スタンドを正面に向かせたままで、本体が後ろを振り返る。
『待ち伏せ』に気付いたという雰囲気ではない。
おそらくは、『昨夜の出来事』を思い出したのだろう。
背後からの『メディシンボール』の投擲――
そうした『不測の事態』を警戒しているのかもしれない。

            バッ

それをチャンスと見てか、蓮華が右腕をポケットから引き抜いた。
その手には『スウィート・ダーウィン』が発現している。
正面に向き直った女を狙って、銃口が突き付けられた。

「動くんじゃあねェぞ。『コイツ』が何だか分かるな?
 今から指一本でも動かしたら、その瞬間にブチ抜くぜ」

「テメーは何者だ?何が目的で、こんな事をしてやがる?」

銃口を向けながら、蓮華が女を問い詰める。
神原の存在までは考えが及んでいないだろうが、
蓮華が敵である事は悟ったらしい。
その場から動かず、おもむろに口を開いた。

「――――あいつらが、どんな奴だか分かってるの?」

「まるで小石を蹴飛ばすような軽い気持ちで人を傷付けておきながら、
 その事を何とも思わずに平気な顔をして街を歩いている」

女の声は――聞き覚えのあるものだった。
夕方に出会った『紅儚』の声だ。
雲間から覗き始めた月明かりを受けて、
女の襟に留められた『バラのブローチ』が小さく光っている。

「あなたは――――そんな奴らの味方をするつもりなの?」

『パンクファッションの女』――『紅儚』の注意は、蓮華の方に向けられている。
今ならば背後を取れるだろう。
『月夜の終わり』が始まろうとしている。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小傘□ポ□□□自□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□黒□□□□□□□□□□華□□□壁
□□□□□□儚□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

儚:紅儚
黒:人型スタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は二階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

786神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/13(金) 22:49:44
>>785

『行くぞ……』

跳躍、手すりに着地してから降りていく。
着地点はポリバケツの上。
着地出来たらチューブは解除する。
ケトルベルは発現したままでいい。

「……」

目はそらさない。

787『月夜のV』:2019/09/14(土) 20:37:27
>>786

    バッ

手すりを踏み台にして跳躍し、非常階段から『戦場』へ降り立つ。
儚と蓮華は睨み合いを続けている。
そして神原達は、事前に移動させておいたポリバケツの上に着地した。

        ガタッ

着地と同時に、足元から微かに音が鳴る。
ほんの一瞬、蓮華の視線が神原達の方に向いた。
その僅かな瞬間を狙って、儚が動いた。

          ガシッ――――
                     ブォンッ!!

『儚のスタンド』が腕を伸ばし、手近にあった『放置自転車』を掴む。
両手で軽々と持ち上げると、蓮華めがけて勢い良く投げ飛ばした。
投擲のスピードは『高速(スB相当)』だ。

「――うおッ!?」

          ガァァァァァ――――ンッ!!

咄嗟に地面を蹴った蓮華が、横に跳んで倒れ込みながら発砲する。
その弾丸は、命中する事なく虚空を飛び去っていった。
投げ付けられた自転車も、蓮華には当たっていない。
自転車のように大きなサイズなら、当てられてもおかしくはなかった。
あくまで威嚇のつもりだったらしく、最初から直撃させる気はなかったようだ。

           ズザッ

「…………ッ!!」

振り返った儚が、神原の姿を認めて息を呑んだ。
フードを被っているが、驚いている事は分かる。
蓮華は地面に倒れており、まだ起き上がれていない。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小傘□神□□□黒□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□儚□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ華□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』(現在ポリバケツの上にいる)
儚:紅儚
黒:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

788神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/14(土) 22:10:10
>>787

なるほど。
速さは同程度。
となると今度はパワーと精密性だ。
それはおいおいとわかる事だ。

「やぁ」

ケトルベルを投擲(パス精BBC)
相手を狙い、MAPの左側気味に投げる。
回避するために右に回避して蓮華と自分に挟まれればそれでいい。

789『月夜のV』:2019/09/15(日) 20:31:44
>>788

     ――――ドシュッ!!

神原は、挨拶代わりに短い言葉を投げる。
一方、『ストロンガー・ザン・アイアム』が投げたのは『ケトルベル』だ。
容赦のない『鋼鉄の剛速球』が、紅儚に迫る。

「――くッ!?」

            ババッ

それに対して儚が選んだのは、『回避』ではなく『防御』だ。
素早く割り込んだ『儚のスタンド』が、放たれた『ケトルベル』をガードする。
強力な『ストロンガー・ザン・アイアム』の投擲だが、完全に防ぎ切られた。

「この『パワー』と『スピード』…………」

「昨夜の『アレ』も、あなただったようですね」

スタンドを近くに立たせた儚が、神原に問い掛ける。
儚が神原に対処している間に、蓮華は立ち上がる事が出来た。
『ケトルベル』は、『儚のスタンド』の足元に落下する。

「あなたは『彼』の仲間だと考えて宜しいですか?」

「私には――――あなた方と積極的に争う意思はありません」

『スウィート・ダーウィン』の銃口は、儚に向いている。
そして、儚は神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』の方を警戒している。
一瞬、彼女の視線が袋小路の入口側に向いた。

      ダッ     ダッ     ダッ
          ダッ     ダッ     ダッ

路地の入口に向かって、儚とスタンドが走り出す。
その軌道は真っ直ぐではなく『ジグザグ』だ。
背後からの銃撃を避けるためだろう。

    ガァァァァァ――――ンッ!!

              ガァァァァァ――――ンッ!!

「クソッ!狙いが定まらねえ!ワリィが何とか頼むぜ!!」

立て続けに発射された二発の弾丸は、儚の横を通り過ぎた。
その光景を視認した蓮華が、神原に叫ぶ。
このままでは逃げられかねない。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小傘□神□□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□黒□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□儚□□□□□台□□□□□ポ華□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』(現在ポリバケツの上にいる)
儚:紅儚
黒:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

790神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/16(月) 20:22:57
>>789

『ケトルベル』は解除しておこう。
敵に武器にされたら面倒だから。

「昨日の事? あぁ、もちろん」

「ほんとは心のどこかで気付いてたんじゃない?」

敵の意識をこちらに向かせ、自分は観察。
火を放ったりするわけではなさそうだが、どうか。

「僕らには争う意思があるんだ」

『ここで止まってもらう』

「どんな理由があろうとね」

鍛練用木刀(ttps://www.amazon.co.jp/dp/B01H3GA81E)を発現。
儚の前に割り込むように接近して木刀を振る(パス精BBC)
長さがある分、ジグザグにも対応できるはずだ。

791『月夜のV』:2019/09/17(火) 06:18:11
>>790

抜け目なく『ケトルベル』を解除し、代わりに『木刀』を発現する。
儚の傍らに立つ『漆黒のスタンド』の能力は、未だに不明だ。
少なくとも、『火を飛ばしてくる』ような様子は見られない。

「――『ボール』に『木刀』……。
 先程の物は見た事がありませんが、何か『共通点』があるようですね……」

儚に『何かしらの理由』があるように、神原にも『戦う理由』がある。
『木刀』を手にした『ストロンガー・ザン・アイアム』が、
勢い良く正面を薙ぎ払う。
1m弱の長さは、リーチとしては十分だ。

    ガシィッ!!

「それは…………ええ、そうかもしれません」

                ギギギギギ…………

儚の前に出た『漆黒のスタンド』が、両腕を使って『木刀』を受け止めた。
そこから感じられる『パワー』は、『ストロンガー・ザン・アイアム』と『同等』だ。
現在、両者は拮抗した状態にある。

「…………そうですか」

「争いが避けられないのであれば、私も『全力』で立ち向かいます」

「『礼には礼を以って』――――」

          ド
            シ ュ ッ ! !

『木刀』を掴んだまま、『漆黒のスタンド』が蹴りを放った(パス精BBC)。
『パワー』・『スピード』・『精密性』――
それら全てが、完全に『互角』の一撃が飛んでくる。
神原と儚の距離が近いため、蓮華は撃つ事を躊躇しているようだ。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小傘□ポ□□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□神□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□黒□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□儚□□□□□台□□□□□ポ華□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』(特に指定がない場合は同位置)
儚:紅儚
黒:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

792神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/17(火) 23:15:39
>>791

「話し合いでもいいんだけど、それで解決するかは分からないからね」

「……少なくとも、襲撃事件の犯人には」

力も同等。
厄介だ。
つまりはこちらに何かがあれば、一歩劣る場面が増えるということ。
それゆえに、警戒はより強くなる。

「これはお礼回りだッ!」

木刀を押すようにして力を籠める。
しかし攻撃の主体は木刀ではない。
木刀を『解除』
押し込もうとする力を回転力に変えて、姿勢は低く。
蹴りを放った相手の軸足に下段回し蹴りを放つ(パス精BBC)
相手の蹴りが上段なら姿勢を低くすることでかわせる。
中段か下段ならガードする準備もしたいが、攻撃を優先する。

793『月夜のV』:2019/09/18(水) 13:04:31
>>792

  フッ――――

          「――――ッ!?」

                        ガクンッ!

攻撃の刹那、神原は『木刀』を解除した。
それによって、『漆黒のスタンド』の体勢が一時的に崩れる。
しかし、既に放たれた蹴りは止まらない。

      ド ガ ッ ! !

                 ド ガ ァ ッ ! !

『漆黒のスタンド』が繰り出した低めの蹴りが、
『ストロンガー・ザン・アイアム』の胸板を強かに捉える。
『解除』を行った分だけ、
神原側に『僅かな遅れ』が生じたのだ。
だが、それだけではない。
『漆黒のスタンド』の蹴りは、
『体勢の崩れ』のために勢いが減衰し、
『当たるまでの時間』が引き延ばされていた。
結論として、両者の蹴りは『ほぼ同時』に命中する事になる。

            ドサァッ!

「――くッ!」

軸足を払われて支えを失った儚と『漆黒のスタンド』は、
その場に倒れ込んだ。
一方で、神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は、
後方に吹っ飛ばされる。
その先には、ポリバケツが置かれていた。

              ――――ガシャァァァンッ!!

派手な音と共にバケツが転がり、
中身である空き缶やペットボトルが散乱する。
ポリバケツがクッションになった事で、
壁面や非常階段に衝突する事はなかった。
神原達は、仰向けに倒れた状態にある。

「――……ッ」

両手を地面に置いて上半身を起こした儚とスタンドが、
神原を見据える。
タイミングは『ほぼ同時』ではあったが、
向こうの蹴りが当たる方が『少しだけ』早かった。
敵の蹴りが先に入った事で、
回し蹴りの威力も幾らか落ちていたのだ。

「『互角』…………」

「『基本的な性能』は、お互いに『互角』のようですね……」

蹴りを食らった箇所に、確かな痛みを感じる。
だが、行動に大きな支障を及ぼす程のダメージではない。
そして、それは儚も同じだろう。

        ダダッ

『スウィート・ダーウィン』を下ろした蓮華が走り出した。
向かう先は、放置自転車の奥に位置する『非常階段』だ。
何か考えがあるのかもしれない。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小傘□神ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□華□□□□□壁
□□□黒□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□儚□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
黒:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

794神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/18(水) 23:09:25
>>793

「ッッッ!」

『……ハードコアだなァ』

ポリバケツに突っ込むのは久しぶりだ。
突っ込むにしてもスチール製のものが多かったから。
敵へと視線を向けるが、向こうも体勢は崩れていた。

「そう、互角だ。だからこそ、技術がモノをいう」

「……一本調子だけど、あれでいこうか」

『知的にいこうか』

立ち上がりながら次に発現するのは『ジムハンマー』(ttps://www.amazon.co.jp/dp/B0067UUDAE)
ハンマーでタイヤを殴るトレーニング『タイヤ打ち』などで使われる道具だ。

「!」

『頼んだぞ蓮華!』

ほんの少しマップ左に動き、入り口側に寄る。
相手に視線を送り続け動向は見ておく。
蓮華の動きに敵の意識を一瞬でもそらせないか試すためだ。

795『月夜のV』:2019/09/19(木) 12:15:32
>>794

この場所は、神原が立ち慣れた『リング』ではない。
しかし、『やる事』は共通している。
即ち、目の前の相手を叩く事だ。
『ストロンガー・ザン・アイアム』と神原が、体勢を立て直しかける。
その時だった。

「あなたは随分と『場慣れ』しているようですね…………」

「ですが――――そうそう好きにはさせませんッ!!」

    バンッ!

『地面に置いた両手』をバネのように使い、儚が前方に飛び出した。
彼女の動きに追随して、
『漆黒のスタンド』が低姿勢の『タックル』を仕掛けてくる。
立ち上がる事を優先したため、それに即座に反応するのは難しかった。

             ガバァッ!
                       
                     ――――ドサッ!!

『ストロンガー・ザン・アイアム』が、『漆黒のスタンド』に押し倒された。
現在、二体のスタンドは『キス』が出来る程に至近距離だ。
オールスチールの『ジムハンマー』は、問題なく発現している。

「ハァッ……ハァッ……。
 そうやって次から次に『何か』を出され続けると、非常に困ります。
 時間が立てば立つ程に、私が不利になってしまうでしょう」

息を切らしながら、儚は呟くように言葉を続ける。
突っ込んできた時の勢いでフードは外れ、素顔が露わになっていた。
この姿の時は『コンタクトレンズ』に変えているらしく、眼鏡は掛けていない。

「そうなる前に――――『手』を打たせて頂きます」

       ガシッ ガシィッ

『漆黒のスタンド』の両手が、
『ストロンガー・ザン・アイアム』の両腕を掴む(パス精BBC)。
まだ『爪』には触れられていない。
しかし、その切っ先が食い込むまで長くは掛からないだろう。

                 カン 
                   カン 
                     カン 
                       カン 
                         カン

蓮華は、脇目も振らずに非常階段を駆け上がっている。
どうやら、攻撃しやすい上方から『狙撃』する考えのようだ。
儚にも階段を上がる音は聞こえているはずだが、
今の彼女は神原を最優先している。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小傘□神ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□黒□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□儚□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
黒:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は二階の踊り場手前まで上っている)
※:建物の裏口

796神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/19(木) 19:01:04
>>795

『ストロンガー・ザン・アイアム』は馬乗りになられた状態という認識で正しい?

797『月夜のV』:2019/09/19(木) 21:52:00
>>796

その認識で正しい。

798神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/19(木) 22:50:37
>>797
回答感謝

>>795

(面倒だなぁ)

マウントポジションを取られている上に腕まで掴まれた。
手が空いているから能力は使えるが押さえつけられては道具を振るえない。
設置も面に触れないといけないわけであるし。
厳しいところがある。

『……ロデオだ!』

足に力を入れ師匠は敵スタンドを下から跳ねあげようとする(パス精BBC)
相手が前のめりになればいいが、それが出来そうになければ暴れて体勢を崩すのを目的とする。

「……よっと」

>>794(メ欄)神原、右足、傘、ひっかけ
神原は右足で傘をすくいあげる。
儚を狙うように傘を蹴っ飛ばすのだ(パス精CCC)

799『月夜のV』:2019/09/20(金) 12:59:30
>>798

        ――――ド ゴ ォ ッ ! !

「ぐふぅッ!?」

『ストロンガー・ザン・アイアム』の両足が、暴れ馬の如く跳ね上がった。
強力な一撃が、『漆黒のスタンド』の胴体に叩き込まれる。
それによって、両腕を掴んでいた力が緩んだ。
『爪』には触れられていない。
神原達の想定した通り、『漆黒のスタンド』が前のめりに崩れる。

「ぐッ……!これは……流石に効きますね……!」

「しかし……私の『武器』は『爪』だけではありません」

              カァッ――――

「――――激しい『キス』は、お嫌いですか?」

    ガ ッ ! !

倒れ掛かった『漆黒のスタンド』が大きく口を開き、
『ストロンガー・ザン・アイアム』の肩に『噛み付いた(>>795『bite』)』。
紅の差した口元――
その口内には、『爪』と同程度に鋭利な『牙』が生え揃っていたようだ。
『牙』の先端が食い込んだ瞬間、鋭い痛みが走る。

                    シュバッ!

しかし、神原にも考えがあった。
『半自立型』としての特性を生かし、『壊れた傘』を儚めがけて蹴り飛ばす。
本体が攻撃されたのを見て、
『漆黒のスタンド』が『ストロンガー・ザン・アイアム』から離れた。

          バシィッ!!

「『同時行動』ですか……!器用な事が出来るのですね……」

間一髪で儚の下に戻った『漆黒のスタンド』が、
放たれた『傘』に蹴りを合わせて迎撃した。
速やかに敵を引き離せた事で、
『噛み付き』によるダメージは軽減出来ている。
儚の方も、ずっと組み付き続ける意図はなかったようだ。

                       カン 
                         カン
                           カン 
                             カン 
                               カン

階段を上っていた蓮華が、三階の踊り場で足を止めた。
そこを『狙撃位置』に決めたらしく、再び『スウィート・ダーウィン』を構える。
それなりに高い位置を選んでいるのは、
下から攻撃される事を避けるためだろう。

「――――オイ!!ここにもテメーの『敵』はいるぜッ!
 せいぜい用心するこったな!!」

敵の注意を引くためか、蓮華が儚に向かって叫んだ。
儚は立ち上がろうとしており、攻撃してくる気配はない。
蓮華の位置を耳で把握しながら、油断なく神原達を見つめている。
噛まれた事によるダメージ以外の影響は、現時点では感じられない。
『ストロンガー・ザン・アイアム』と神原の肩には、『噛み傷』が残っている。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□神ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□黒儚□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□傘□□□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
黒:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は三階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

800神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/22(日) 17:39:06
>>799

『情熱的だな……!』

肩の痛みに顔を歪める。
まさか歯まで生えているとは思わなかった。

「……」

相手の動きを見つつ立ち上がる。
またタックルが来そうなら備えておこう。

801『月夜のV』:2019/09/23(月) 13:21:12
>>800

『噛み付き』のダメージは意外に深くなかった。
アクションこそ派手だったが、
元々ダメージ目的の攻撃ではなかったようだ。
神原の機転によって、速やかに敵を引き離せた事も大きい。
まだ痛みは残っている。
だが、痛みに慣れている神原なら無視できるレベルだ。

    ザッ

「今の『アプローチ』は……体の芯まで響きましたよ……」

蹴られた腹部を押さえながら、儚が立ち上がった。
その表情は、苦痛に歪んでいる。
先程の一撃が堪えているようだ。
そして、神原達も立ち上がっている。
敵が仕掛けてくる様子は見られない。

                 ガァァァァァ――――ンッ!!

    ガァァァァァ――――ンッ!!

「――――ッ!」

         バッ

闇を切り裂いて飛来した二発の銃弾が、儚の足元に着弾する。
その光景を見た儚と『漆黒のスタンド』は、反射的に後方へ飛び退いた。
ジャケットの裾を翻しながら、儚が腰の後ろに片手を回す。

「『基本的な性能』において、私達は『ほとんど同じ』ですが――――」

             スチャッ

「『能力』の方は全く違うようですね…………」

神原達の方に視線を向けつつ、儚が腰の後ろから『何か』を引き抜いた。
暗さで見えにくいが、『短い棒状の物体』である事は確認できる。
特に細くもなく、太くもないようだ。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□神ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□傘黒儚□□□□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
黒:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は三階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

802神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/23(月) 16:50:03
>>801

(火傷の原因がまだ分からない)

(傷口から発露するタイプなら、もうマーキングはされてる……)

何度か肩を回し、大きく息を吐く。
ハイスパートな試合とは違う疲れ方をする。

「能力まで一緒なら楽でいい……」

師匠は肩に担ぐようにしてハンマーを持つ。 

(警棒かな……)

「師匠」

『あぁ』

師匠が前に立ち、神原が後ろに立つ。
師匠の体勢は低く、神原は平時と同じ。
ゆっくりと前進していく。

803『月夜のV』:2019/09/24(火) 15:03:38
>>802

ダメージを与える事が目的ではなかったとすれば、
そこには『別の理由』があるのだろう。
相手が『スタンド使い』なら、『能力』のためと考えるのが妥当だ。
神原の推理は、極めて論理的だった。

「『性能』が『互角』なら、『武器』を持つ方が有利になるのは当然……」

「つまり――今は、あなたの方が有利という事になりますね」

    ザッ ザッ ザッ…………

己の分身と共に、慎重に歩みを進める。
それに合わせるように、儚とスタンドも後ろに下がっていく。
互いの距離には、まだ大きな変化は生じていない。

「『あなたの能力』は拝見させて頂きました」

「お返しに――――『私の能力』を、お見せ致しましょう」

『何か』を握っている儚の手が、おもむろに持ち上がった。
その形状は、確かに『警棒』にも似ている。
しかし、そうではなかった。

         ――――カチッ
                    パッ

儚の親指が滑るように動き、最小限の動作で『スイッチ』を操作する。
同時に、暗い地面が明るく照らし出された。
儚が取り出した物体は、『懐中電灯』だったようだ。
そこから放たれる光が、儚と神原の間に位置する地面に向けられている。
光の中に、『ストロンガー・ザン・アイアム』の片足が踏み込んだ。

                         ジュゥゥゥッ

その瞬間、『ストロンガー・ザン・アイアム』の爪先に『熱』が走った。
『光』が当たっている部分が、まるで『火』で炙られているような感覚だ。
ダメージフィードバックによって、本体である神原にも伝わってくる。

「お分かり頂けましたか?」

「――――私に近付くと『火傷』しますよ」



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□黒□□□□□□□□□□□□□自壁
□□傘神□□□儚□□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
黒:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は三階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

804名無しは星を見ていたい:2019/09/24(火) 18:40:20


805神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/26(木) 06:27:31
>>803

「僕からすればその爪や歯も十分凶器的だけどねぇ?」

『試合が出来るように歯だけは残しておいてやろう』

爪はなくなっていいだろう。

(懐中電灯?)

懐疑。
一転、熱。

「はは、火傷ねぇ。経験ないや。電流爆破、まだだしね」

笑ってみせるが熱いものは熱い。
二人同時に同じ方向へ動こう。
とりあえず光の線から抜けたい。

(……追い回されるだろうけど)

(マーキングして特定の条件下に入れることで発動する……?)

『』

806『月夜のV』:2019/09/26(木) 17:46:53
>>805

「『爪』や『牙』より『ハンマー』の方が『リーチ』は上でしょう」

「そして、『距離』という点では『ハンマー』より『懐中電灯』の方が上です」

『火傷』のダメージは、まだ軽い。
短時間ならば耐える事も出来るだろう。
だが、ずっと『光』を浴び続けているのは危険だ。

「『電流爆破』――――ですか?」

「私の知る限り、それに関わる職業は一つしか思い付きませんが……。
 道理で体格の良い方だと思いました」

『光』を浴びると『火傷』を負う。
いうなれば『吸血鬼』のような状態と呼べるだろう。
改めて見れば、儚のスタンドは『吸血鬼』を彷彿とさせるヴィジョンだった。
漆黒の外套とフード、紅に染まった口元、鋭い爪と牙。
月明かりの路地に立つ姿は、さながら『月夜の吸血鬼』だ。

  ――――ダダッ

神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』が『射線上』から脱する。
しかし、儚も何もしない訳ではない。
神原の予想した通り、手にした『懐中電灯』を向けてきた。
『懐中電灯』を持っているのは本体の儚であるため、
人間以上の速度で動く『ストロンガー・ザン・アイアム』には当てられない。
よって、彼女は神原の方に狙いを変えた。

             ジュゥゥゥッ

神原の腕に『光』が浴びせられ、火で炙られるような『熱』が生じた。
衣服に覆われている体の大部分には『光』が当たらないが、
『腕』・『首』・『顔』といった部分は露出している。
『火傷』を回避するためには、『光』を防ぐ手段が必要になるだろう。

                   コッ コッ コッ…………

儚はスタンドと共に後退し、神原達と距離を離す。
先程までのように接近してくる気配はない。
『近距離での格闘』を止めて『遠距離から削る』作戦に切り替えたようだ。

「――――『コイツ』を使えッ!」

                     バサッ

不意に、何かが神原の足元に落ちてきた。
蓮華が着ていた『レザージャケット』だ。
上から投げて寄越したらしい。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□神□□□血□□□□□□□□□□□□自壁
□□傘□□□□□儚□台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
血:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は三階の踊り場にいる)
※:建物の裏口

807神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/26(木) 20:23:47
>>806

「君の仕事は……言うまでもないか」

まぁ今はパブリック・エネミーだが。

「吸血鬼……」

『ん? ……それは転じるだろう』

噛み付いて吸血鬼が感染するという見立てなのなら、あれもそうでないといけない。
あのスタンドも吸血鬼でないといけない。

『蓮華! スポットライトを当ててみろ! 光を彼女に!』

神原はレザージャケットを頭に被り、衿口の辺から前を見る。
彼女に光を当ててみよう。
スマホのライトも簡単な懐中電灯になるはずだ。

「お互い、ままならないじゃあないか」

808『月夜のV』:2019/09/27(金) 18:26:06
>>807

「『スポットライト』――――ああ、『アイツ』の事かッ!!」

『ストロンガー・ザン・アイアム』の言葉を聞いた蓮華が、
突き当たりに停めてある『バイク』を見下ろした。
バイクには『ヘッドライト』が搭載されている。
神原の推理が正しければ、それは『強力な武器』になるだろう。

「クソッ!『キー』がねえ!どっかに落としちまった!
 すまねえ、すぐ捜す!その間、何とか食い止めてくれッ!」

レザーパンツのポケットから両手を引き抜き、蓮華は辺りを調べ始めた。
一歩ずつ階段を下りながら、落とした『キー』を捜している。
今すぐには見つかりそうになく、まだ時間が掛かりそうだ。

    バサッ

蓮華のジャケットを頭に被り、『光に対する防御』を行う。
これで、ある程度は光を防ぐ事が出来るだろう。
ただ、視界を確保するためには、その分だけ空けておく必要がある。
また、こちらからも『光の攻撃』を行うのなら、
『スマホを持つ手』を狙われる可能性もある。
それでも、先程と比べると露出部分が抑えられている事は間違いない。

「『香り』を扱う職業です。それはそれとして――――」

                      コッ コッ コッ…………

「あなたには『日の下を歩けない体』になって頂きました」

ジャケットを被り、スマホを取り出すにも、多少の時間は掛かる。
その間にも儚とスタンドは後退を続けているため、さらに距離が開いた。
それでも、『スマホのライト』を届かせる事は出来た。

「もちろん――――『私』は違いますが」

ライトを当てられた事で、儚のシルエットが壁に映し出される。
しかし、彼女は平然としていた。
大きく露出した二の腕や太腿は光を浴びているが、
全く焼かれている様子が見られない。
神原の考えは筋が通っている。
もし間違いがあるとしたら、それは僅かなものなのだろう。

「私の戦略は『単純』です」

儚が懐中電灯のスイッチを切って、それをスタンドに投げ渡す。
それから、一本目を取り出した時とは逆の手を腰に回す。
一瞬、『ホルスター』のようなものが見えた。
おそらく、そこに懐中電灯を収めていたのだろう。
引き抜かれた儚の手の中には、『二本目の懐中電灯』があった。

「――――『数を増やす』」

             パッ
                  パッ

一本目と同じく、二本目の懐中電灯がスタンドに渡される。
儚のスタンドは、その両手に懐中電灯を構えた。
先端を『ストロンガー・ザン・アイアム』の足元に向け、『点灯』する。

    ジュゥゥゥ ジュゥゥゥ

『ストロンガー・ザン・アイアム』の両足が焼け、その熱が神原にも伝わる。
神原には光を当てやすいが、露出部分が少ないためにダメージは薄い。
それに対して、『ストロンガー・ザン・アイアム』は全身を攻撃可能だ。
動きの速さは、スタンドに懐中電灯を持たせる事でカバーしている。
単純に動くだけでは、『光の攻撃』を避け切れない可能性が高い。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□神□□□□血□□□□□□□□□□□自壁
□□傘□□□□□□儚台□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
血:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
台:台車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華はキーを捜している)
※:建物の裏口

809神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/27(金) 23:04:40
>>808

『当てるのは合図があってからだぞ!』

ふむ、と考える。
彼女は平気らしい。
じゃあ彼女のスタンドはどうだろうか。

「日の下に出られないのは大変だなぁ。人前に出る仕事だし」

「……師匠、ハンマーを」

『組み方を変えるか』

スマートフォンをポケットに入れ、ハンマーを握る。
前にステップして師匠は手を地面につきトランポリン(ttps://www.amazon.co.jp/dp/B07QC54H55)を発現。
動かすのにパBはいらなさそうなのですぐに発現できるだろう。
出せたら神原はジャンプして飛び乗る。

810『月夜のV』:2019/09/28(土) 17:31:15
>>809

本体である儚に、『光の攻撃』は効果がなかった。
だが、『スタンド』には効くかもしれない。
彼女のスタンドが『吸血鬼』のヴィジョンであり、
『吸血鬼化』と呼べる能力を持っている事を考えれば妥当な判断だろう。

「――――ああ!分かったぜッ!」

蓮華からは、そのように返ってきた。
彼は二階の踊り場まで下りている。
まだ『キー』は見つからないようだ。

「…………『トランポリン』?
 それは『飛び跳ねるための器具』だと認識していますが……」

「『ボール』、『木刀』、『ハンマー』、『重りのようなもの』。
 そして『トランポリン』」

「『運動』に関わるものでしょうか?
 あなたの『職業』を考えれば有り得る話です。
 そうなると、あの『重り』は『ダンベル』か何か……」

            コッ コッ コッ

儚とスタンドは依然として後退を続け、神原達と距離を離そうとしている。
おそらくは、後方の蓮華に対処するためという意味もあるのだろう。
儚の手が、傍らに置かれていた『台車』のハンドルを掴む。

「どのような『能力』であれ、私の方針に変更はありません。
 あなたがダウンするまで、遠くから『焼かせて』頂きます」

    グッ――――
              ダンッ!

鋼鉄製の『ジムハンマー』を握り、発現した『トランポリン』に飛び乗る。
その動きに合わせて、儚のスタンドも標的を変えた。
『防御の外』にある神原の両手を狙い、『二条の光線』が浴びせられる。

    ジュゥゥゥ ジュゥゥゥ

確かな『熱』を感じるが、ハンマーを取り落とす程ではない。
儚のスタンドの精密性は『人間並み』だ。
露出面積が小さいせいで、正確に光を当てる事は難しい。
よって、神原は皮膚を焼く『熱』に耐える事が出来る。
しかし、光を当てられ続けるのが危険な事には変わりない。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□神□□□□□血□□□□□□□□□□自壁
□□傘□□□□□□□儚□□□□□ポ□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚(台車と同位置)
血:儚のスタンド
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華はキーを捜している)
※:建物の裏口

811神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/28(土) 23:03:55
>>810

「あの重り……? あぁ、ケトルベルって言うんだよ」

二度、三度、飛ぶ。
勢いをつける。
エネルギー溜める。

「僕のやり方は君の手を焼かせるやり方がいいかな?」

一気に前方に跳ぶ(パス精CCC)
師匠でなく神原がジムハンマーを持ったのは体重を増させるためだ。
増えた分の体重でトランポリンのジャンプでより勢いをつけることが出来る。
入力した力の分だけトランポリンが跳ね返す。
前により広く跳ぶための力を求めていたのだ。
一応、片手で被っているジャケットは押さえておこう。

『挨拶だ』

師匠は跳び蹴りの構えをとって攻撃(パス精BBC)
届かない可能性もあるが、届かない場合はそのまま着地する。
攻撃の構えを見れば彼女も前進はしない。
元々、突っ込む気はないのだし。

812『月夜のV』:2019/09/29(日) 19:38:38
>>811

    ギシッ ギシッ ギシッ…………!!

                    ――――ド ン ッ ! !

三度の跳躍でエネルギーを蓄積させ、一気に解き放つ。
『ジムハンマー』の重量がプラスされた神原の体は、
増加した『トランポリン』の反発力によって勢い良く弾き出され、
計算通りに夜の空へ舞い上がった。
その行動は、『鍛錬する者』としての『知識』と『経験』に裏打ちされている。

「トランポリンは『飛び跳ねるための器具』――そう認識しています」

               バッ

「だからこそ、私は『これ』を確保しました」

神原が『トランポリン』で前方に跳ぶ直前、儚も行動を起こす。
自らのスタンドと共に、彼女は傍らの『台車』に飛び乗った。
間髪入れず、『スタンドの脚』で力強く地面を蹴る。

    ダ ン ッ ! !

             ガラガラガラァァァァァ――――ッ!!

蹴りの勢いによって加速した台車は、
儚を乗せたまま後方に向かって突っ込んでいく。
神原達が想定した以上に距離が開いた事で、
『ストロンガー・ザン・アイアム』の飛び蹴りは届かない。
進行先のポリバケツを薙ぎ倒し、台車は更に奥へ進む。

                      ――――ドゴォッ!!

              「ぐッ!」

    ドサァッ!

背後の壁に激突する前に、儚のスタンドが動く。
思い切り壁面を殴り付け、台車の勢いを相殺して強引に停止させた。
無理な行動が祟り、儚は台車から投げ出されて体勢を崩している。

「――――ハァッ……ハァッ……ハァッ……」

儚の呼吸は荒い。
激しい運動によるものか、あるいは内心の緊張かは定かではない。
再び距離を離されてしまったものの、彼女の後ろは『突き当たり』だ。
『それ以上』は下がれない。
神原と『師匠』は、少しずつ儚を追い詰めている。

    ザッ

蓮華は一階まで下りてきていた。
彼も戦況は気にしているが、落としたキーを見つける事に集中している。
現在、神原達は着地した直後の状態だ。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□神□□□□□□□ポ□□儚自壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□□台壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚(儚のスタンドと同位置)
台:台車
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華はキーを捜している)
※:建物の裏口

813神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/29(日) 20:32:02
>>812

「不審なことがあるとするなら」

「それだけのパワーとスピードを持ちながら全くそれを活かしてないことだ」

トランポリンを解除、その後にもう一度発現。
師匠は足を掴んで持ち上げ、光からの盾にする。

『寝業師になるには惜しい』

「成り立った基礎の上に乗せた寝技とも違う気はするけどどうか」

前進。
それくらいしかすることはない。

814『月夜のV』:2019/09/29(日) 21:31:10
>>813
トランポリンを構える位置は、体の真ん中辺りと考えて宜しいでしょうか?

815神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/30(月) 05:06:36
>>814
それで大丈夫です。

816『月夜のV』:2019/09/30(月) 18:17:46
>>815
回答感謝します

>>813

『吸血鬼』を思わせる儚のスタンドは、
『ストロンガー・ザン・アイアム』と互角の性能を備えている。
しかし、彼女は頑なに接近戦を避けて、遠距離攻撃に徹している。
その動きは消極的とも呼べるだろう。

考えられる可能性は、いくつか存在する。
状況は『二対一』であり、
儚は神原以上にダメージを気にする必要がある。
そのために、『安全策』を選んでいるのかもしれない。

または、
多彩な武器を発現できる『師匠』の能力を警戒しているとも取れる。
単に、彼女が『スタンド使いとの戦い』に慣れていないせいであっても、
おかしくはない。
あるいは――――『別の理由』があるのかもしれない。

    ガシッ
          グッ

神原と『師匠』が『盾』を構えて前進を開始する。
大型の『トランポリン』は、体の大部分を防御する事が可能だ。
それと同じタイミングで、儚も立ち上がる。

「…………『褒め言葉』として受け取っておきます」

            パッ
                  パッ

スタンドが握る懐中電灯が、『ストロンガー・ザン・アイアム』に向けられる。
再発現した『トランポリン』は、『盾』として十二分に機能する。
しかし、完璧ではない。

    ジュゥゥゥッ 
          ジュゥゥゥッ

『ストロンガー・ザン・アイアム』の両足が焼かれる。
神原の両足にも、火の上を歩いているような『熱』が伝わる。
胴体を守るような位置に構える以上、足元までは防ぎ切れない。
だが、『より致命的になるような部分』が焼かれる事は避けられている。
痛みに慣れているからこそ、耐えて前に進む事も不可能ではない。

「負けられない……」

「私がやらなかったら……誰が……」

儚は何事か呟いているが、独り言のようだ。
おそらくは、自分自身に言い聞かせているのだろう。
蓮華は神原の前進を横目で確認しつつ、周囲を見回している。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□□□□□□□□□□神□□□□ポ□□儚自壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□□台壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚(儚のスタンドと同位置)
台:台車
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華はキーを捜している)
※:建物の裏口

817神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/09/30(月) 23:59:58
>>816

「君がやらなかったら……?」

「さぁ、どうだろうねぇ」

まだ前進する。
もっと叩き込むための距離に行かないといけない。

「やり方ってのは何事にもあるけどね」

『なぜ通り魔をする?』

『意味があるのか?』

なるべく詰めておかないと削られるのはこちらだ。

818『月夜のV』:2019/10/01(火) 18:49:19
>>817

両足を焼き続ける熱に耐えながら、神原達は前進を続ける。
『強い意志』があれば不可能な事ではない。
そして、神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』には『それ』がある。
だからこそ、ここまで進んで来れた。
だが、意思の力にも『限界』がある。

    ジュゥゥゥッ 
          ジュゥゥゥッ

神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は、同時に理解した。
お互いの足取りが、徐々に『鈍ってきている』事を。
接近の最中、ずっと足を焼かれ続けているためだ。
まだ前に進む事は出来ている。
だが、そのペースはじわじわと落ちてきていた。

「…………『弟』が」

「弟は病気で、心臓が弱いの。
 少し前、ガラの悪い連中に絡まれて発作を起こした。
 でも、そいつらは自分のした事にビビッて逃げたのよ。
 救急車も呼ばずに」

「私は……二度とこんな事が起きて欲しくないと思った。
 奴らが幅を利かせていたら、また何処かで同じ事が起こる。
 気付いたら、私の隣に『ナイトシェイド』が立っていた」

「その時、私は決めたのよ。
 あいつらに『恐怖』を教えて大人しくさせてやるって。
 だから、私は…………」

『ナイトシェイド』――――それが『吸血鬼のスタンド』の名前らしい。
感情的な口調で一気に言い切ると、儚は言葉を止めた。
やがて、おもむろに深呼吸する。

「…………それだけです」

落ち着きを取り戻した儚が、そう付け加えた。
倒れた自転車を脚で退かし、彼女は一歩後退する。
その時――――神原達は見た。

             キラッ

『キー』だ。
儚の足元に『バイクのキー』が落ちている。
『ナイトシェイド』が投げた自転車を避けた時に、蓮華が落としたらしい。
蓮華も儚も気付いていない。
『キーの存在』に気付いているのは、神原と『師匠』だけだ。

                      ガシッ

「――――あなたは?」

儚が神原に問い掛ける。
同時に、『ナイトシェイド』が片方の懐中電灯を儚に手渡した。
その分だけ空いた手が、台車のハンドルを掴む。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□神□ポ□□□儚壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□□台壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚(『ナイトシェイド』と同位置)
台:台車
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華はキーを捜している)
※:建物の裏口

819神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/01(火) 23:50:44
>>818

「……なるほど」

「理解はした。納得はしてない」

世の中にはそういうことがある。
納得と理解は別の位置だ。

「君がそうすることで君の弟や他の誰かを守れるとは思えない」

「報復には報復で返す」

復讐どうこうを論じるつもりはない。
そんな戦いに神原は興味がない。
興味のある戦いとは魅せる戦いだ。

「僕は、僕を知る人が襲われたから戦う。彼の在り方なんて知らない、だけど僕は彼が襲われるべき人間に思えなかった。それだけ」

『いつか君の弟と観戦に来るといい』

「もっと健康に心臓バクバクさせてあげるよ」

師匠にトランポリンを軽く投げ上げさせる(パス精BBC)
そしてトランポリンに『ドロップキック』(パス精BBC)
彼女の上半身方面に向かってトランポリンを蹴飛ばそう。
神原はトランポリンの影に隠れつつ前進し鍵を拾いに行く。
踏み切りは同時だ、一気に行く。

820『月夜のV』:2019/10/02(水) 19:02:42
>>819

「――――…………」

神原や蓮華が知る限り、譲原に傷付けられる理由はなかった。
儚は何も言わなかったが、表情には迷いや躊躇いに似たものが見える。
彼女も、心の中では神原の言葉が正しいと感じているのかもしれない。

    ブンッ――――

この時、神原の胸中にあるのは『極めてシンプルな解答』だった。
そして、そのように彼は行動する。
それが『神原幸輔』という人間の在り方だ。

           ド ゴ ォ ッ ! !

『トランポリン』を放り投げ、続けざまに『ドロップキック』を叩き込む。
投げ上げられた『トランポリン』を見た段階で、儚も行動を起こした。
『ナイトシェイド』の片手に台車を掴んだまま、横方向に跳ぶ。

「ええ――機会があれば」

『投げ上げて蹴る』という『二動作』に対し、儚は『跳躍』という『一動作』だ。
これが本来の状態であれば、
『ストロンガー・ザン・アイアム』のスピードに物を言わせ、
命中させる事も出来たかもしれない。
それを阻んだのは、『両足の火傷』だった。
足に力を込めるのが僅かに遅れ、『ドロップキック』に遅延が生じたのだ。
長くはない時間だったが、
それが原因で『トランポリン』は回避されてしまう。

    ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ

『トランポリン』を遮蔽物として利用し、神原は『キー』の確保に向かう。
しかし、本体である神原も『火傷』の影響を受けている。
蓄積されたダメージが響いているせいで、普段と比べて足取りが重い。
神原は、『キー』まで後一歩という所まで距離を詰められた。
だが、まだ確保は出来ていない。

               ――――ド シ ュ ゥ ッ ! !

儚が『トランポリン』を回避した直後、『ナイトシェイド』が台車を投げ放つ。
狙われたのは神原ではなかった。
その先にいる蓮華に向かって、矢のような勢いで台車が飛んでいく。

「クソッ!!」

          ガァァァァァ――――ンッ!!

キーを捜す事に気を取られていたために、
蓮華は回避が間に合わなかった。
反射的に発射された銃弾が、突っ込んでくる台車に命中する。
それによって多少は勢いを殺せたようだが、
完全に止めるまでには至らず、
なおも突き進んできた台車が彼を薙ぎ倒した。
咄嗟に『スウィート・ダーウィン』を盾にしたらしく、
直撃だけは避けられたようだ。
しかし、蓮華は倒れていて、すぐには起き上がれそうにない。

「もう『削る』のは十分です」

『ナイトシェイド』の持つ懐中電灯が、儚に渡された。
懐中電灯は二つとも『消灯』している。
両手を空けた『ナイトシェイド』が、儚の前に立つ。

「――――『決着』を付けましょう」



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□神□鍵壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□□儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
鍵:バイクのキー(トランポリンの下に落ちている)
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は台車を食らって倒れている)
※:建物の裏口

821神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/02(水) 21:46:09
>>820

『蓮華!』

「……一手、二手、遅かったかな」

しくじった。
が、まだ終わりではない。

「……決着か」

ここまで遠かった。
この距離を詰めるまでの時間は試合の距離感とは違うものだ。

「これ以上下がる場所はない」

「でも、本当に君が決着をつけられるかな?」

「スタンドで攻めて、一気に照らして隙を作って刺す、そういう作戦かな?」

二人とも姿勢は低く、踵が少しだけ浮く体勢。
的は小さく。

822『月夜のV』:2019/10/03(木) 19:22:58
>>821

「――ッ……大丈夫だ……!まだまだやれるぜッ……!」

蓮華の声には苦痛の色が混じっていたが、まだ動く事は出来そうだ。
彼は、台車の下敷きになっていた。
それを両腕で退かし、何とか体を起こそうとしている。

「『ご想像』にお任せします……」

               デッドエンド
「いずれにせよ、ここが『行き止まり』――下がる気はありません」

この戦いの行方は、未だ不透明だ。
しかし、神原と『師匠』の心には揺るがぬ『闘志』がある。
ダメージは負っているものの、戦う力も十分に残っている。
まだ終わりではない。
それは間違いのない事実だ。

「…………最後に誰が立っているかは分かりません」

「しかし――――私は『全身全霊』を以って、あなた達に立ち向かいます」

体勢を低くし、踵を持ち上げる。
神原達は、自然と前傾姿勢のような状態になった。
それを見た儚が、片方の懐中電灯のスイッチを入れる。

    カチッ
             パッ
                     ジュゥゥゥッ

神原の『顔』に向かって、光が浴びせられた。
目をやられるような事はなかったが、顔面を炙られるような熱が走る。
他の部位と比べて、反射的に一瞬の『間』が空く事は避けられない。

     ――――シ ュ バ ァ ッ ! !

その僅かな時間の間に、『ナイトシェイド』が接近してきた。
姿勢を下げた神原達を狙い打つような軌道で、
素早く強力な蹴りを放ってくる(パス精BBC)。
既に体験しているように、
力も速度も『ストロンガー・ザン・アイアム』と同等の一撃だ。

「あなたのスタンドと私の『ナイトシェイド』は完全に互角でした」

「ですが――――『今は』どうでしょうか?」

最初の段階で神原も考えていたように、双方の性能が互角であるならば、
負傷が少ない方が相対的に有利になる。
儚は遠距離からダメージを蓄積させ、コンディションの『差』を作った。
その上で攻めに転じるのが、彼女の狙いだったようだ。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□神□鍵壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□血儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
血:『ナイトシェイド』
鍵:バイクのキー(トランポリンの下に落ちている)
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は起き上がろうとしている)
※:建物の裏口

823神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/03(木) 21:28:56
>>822

「残念ながらタフマンコンテストで負けるわけにはいかないんだ」

目への閃光。
やはりそう来るらしい。
自分が相手の立場ならそうする。

「こちらが不利なら」

『受けて立つ!』

踵を浮かせたのは前に突っ込む前提だからだ。
師匠は敵の軸足に向かって突っ込む(パス精BBC)
蹴り足側の腕を使って顔面への攻撃に備えておこう。
ぶち抜くように思い切り体当たりをかましてやる。

『読めている、初めからッ!』

824『月夜のV』:2019/10/04(金) 20:17:36
>>823

    ダッ!!

『ナイトシェイド』の蹴りに対して、
『ストロンガー・ザン・アイアム』が猛然と体当たりを仕掛ける。
しかし、その出足が僅かに遅れた。
これも『両足の火傷』が原因だ。
頭では分かっていても、『突っ込む』という意思に対して、
体がレスポンスを返すまでにタイムラグが生じる。
その点に関しては止むを得ない。

          ドゴォッ!!

結果、体当たりよりも先に蹴りが命中した。
防御のために構えていた腕に、強い衝撃が来る。
だが、前に出ていた事で、力が乗り切る前に蹴りが入った。
ゆえに、『ストロンガー・ザン・アイアム』は突き進む事が出来たのだ。
相手の攻撃を食らった後だったために、軸足を狙う事は出来なかったが、
目論見通り体当たりを成功させた。

         ド ガ ァ ッ ! !

                ――――ドサッ!!

蹴りの直後だった『ナイトシェイド』は、体勢を崩して押し倒された。
最初とは逆に、『ストロンガー・ザン・アイアム』が上を取った形になる。
ダメージレースでは儚が有利だが、状況的には神原達が有利だ。

「では、私が『何をするか』もお分かりでしょう」

         パッ――――

再び懐中電灯が向けられ、
神原の顔面に光が浴びせられる。
先程は低姿勢だったために、目に光は当たらなかった。
しかし、今は違う。

         ジュゥゥゥッ…………

両目が文字通り焼かれ、これまでにない激痛を感じる。
体の多くの部分とは異なり、目は外的刺激に弱い。
最悪の場合、『失明』の恐れも有り得る。

「ぐッ…………!」

蓮華は、鉄柵に掴まって体を起こそうとしていた。
その動きは平時と比べて鈍い。
やはり、今の一撃が効いているようだ。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□神□鍵壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□血儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
血:『ナイトシェイド』
鍵:バイクのキー(トランポリンの下に落ちている)
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は起き上がろうとしている)
※:建物の裏口

825神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/04(金) 22:44:51
>>824

「あぁ、分かってるとも」

被っていたジャケットを儚に向かって投げる。
投げたジャケットが光をさえぎってくれるだろう。

『俺たちを舐めないでもらおうか』

上を取れば足の怪我は関係ない。
踏み込みが効かない分、こちらがやったような突き上げる動きをされると面倒だが、そういうのは全身で抑え込むモノだ。
それをするために動く。

『俺は俺の意志で動く』

前腕を顔面に押し付けるように振り下ろす(パス精BBC)
肘で狙いたかったが当てる方を重視する。
線での攻撃で顔面を押さえつけてやろう。

826『月夜のV』:2019/10/05(土) 17:55:55
>>825

    バッ――――

神原がジャケットを投げつける。
それが儚と神原の間を隔て、光を遮る壁となった。
同時に、『師匠』も動く。
『ストロンガー・ザン・アイアム』は『半自立型』だ。
通常のスタンドとは違い、本体との『同時行動』に支障はない。

「『一人で二人分』…………私には真似の出来ない芸当です」

神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』は個別の意思を持つ。
異なる思考を持ち、別々に行動する事が可能だ。
だが、『ダメージフィードバック』が存在する。
スタンドのダメージは本体に返り、本体のダメージはスタンドに繋がる。
従って、神原が焼かれる事は、
『ストロンガー・ザン・アイアム』が焼かれる事でもあるのだ。

「しかし――――『無敵』ではありませんッ!!」

神原から伝わったダメージで、腕の振り下ろしが僅かに遅れる。
ジャケットの投擲によって、これ以上の火傷を負う事は防げた。
だが、既に生じている『間』は変えられない。

         ド 
           シ ュ ゥ ッ ! !

振り下ろしの直前に、両手を地面につけた『ナイトシェイド』が、
両足蹴りを繰り出した(パス精BBC)。
それは、神原達が想定していた以上の行動ではない。
光による妨害がなければ、対処する事は十分に可能だっただろう。
ただ、焼かれた分だけ対応は遅れざるを得なかった。
『ストロンガー・ザン・アイアム』の胴体に蹴りが炸裂する。

                   ――――ズザァッ

蹴りを食らった事によって軽く吹っ飛ばされ、やや体勢が崩れた。
それでも普段なら耐えられたはずだが、両足の火傷が祟っている。
神原達が分析した通り、『踏み止まる力』が衰えているせいだ。
蹴られた事によるダメージもあるが、
全く同じダメージを受けた儚も動けている。
その点に関しては五分の状態と言えるだろう。

「――チッ……ヤロー……!」

蓮華は、どうにか起き上がっている。
鉄柵に寄りかかり、『スウィート・ダーウィン』を構えた。
だが、引き金は引いていない。
神原達が射線上に入っているためだろう。
銃口を向けられている儚は、『ナイトシェイド』と同様の体勢だ。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□神□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□□□鍵壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□血儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
血:『ナイトシェイド』
鍵:バイクのキー(トランポリンの下に落ちている)
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は起き上がっている)
※:建物の裏口

827神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/05(土) 18:49:36
>>826

『面倒だな』

「そうだね」

息を吐き、相手を見る。
足を負傷している分、全てが後手という気がしないでもない。

「師匠、パス」

師匠に『ジムハンマー』を渡し、儚にむかって投げさせる(パス精BBC)
神原は放置自転車の方に向かって歩いていく。

828『月夜のV』:2019/10/06(日) 18:15:49
>>827

火傷のダメージが足枷になっている事は事実だろう。
儚は、それを利用している。
彼女は彼女の意思で動くからだ。
そして神原は神原の、『師匠』は『師匠』の意思で行動する。
その行く末は、まだ分からない

    ブ ォ ン ッ ! !

『ジムハンマー』を力強く投擲する。
命中すれば無事では済まない。
よって、儚は対処を迫られる事になる。

    バンッ!!
             ババッ

                 ――――ドゴォッ!!

地面につけた両手の反動で、『ナイトシェイド』が地面を転がった。
『ジムハンマー』と儚の間に割り込み、スタンドの両腕でガードを行う。
少なからず衝撃を受けたようだが、本体には当たっていない。

        ガァァァァァ――――ンッ!!

唐突に、『ストロンガー・ザン・アイアム』の真横を銃弾が通り過ぎる。
一時的に射線が通った瞬間を狙い、
神原達の攻撃に合わせて蓮華が発砲したのだ。
狙いが逸れる恐れもあったが、撃つ事を優先したのだろう。

                      カキィィィンッ!

「――――ッ!!」

飛んできた弾丸によって、儚の手から片方の懐中電灯が弾かれた。
頑丈な作りになっているらしく、まだ壊れてはいなかった。
点灯したままの状態で儚の近くに転がり、『ナイトシェイド』を照らす。

              ジュゥゥゥッ

「くッ…………」

『ナイトシェイド』の手に光が当たり、その部分が焼けるのが見えた。
その瞬間、儚の表情が苦痛に歪んだ。
彼女は焦った様子で懐中電灯を消してから、拾い直して立ち上がる。

「これで確定じゃねェか。『相棒の推理』はよォ?」

本体の儚に対して、光は効果がなかった。
だが、『吸血鬼のスタンド』である『ナイトシェイド』は光で焼かれる。
神原達の推理は、これで裏付けられた。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□師□神自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□□□鍵壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□□儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原
師:『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
鍵:バイクのキー(トランポリンの下に落ちている)
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華は起き上がっている)
※:建物の裏口

829神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/06(日) 21:27:27
>>828

「ふぅ、まぁ、これで手の内は読めたんじゃない?」

脂汗が額に浮かぶ。
蓮華が撃ってくれると信頼して良かった。
ただ削られてるのは変わりないが。
向こうものんびりしていられないだろうし。

「師匠。コンビネーションPart4だ」

『あれでいくか』

師匠は姿勢を低くして『ナイトシェイド』に突進(パス精BBC)……の振り。
途中でストップする。
MAP上1マス分進んだあたりでいい。
先程のことがあるから迎撃を誘いたい。
一拍遅れらせて神原は鍵を拾いに行く。
師匠は囮、本命はこちらだ。

830『月夜のV』:2019/10/07(月) 20:23:25
>>829

「あなたの『忍耐力』には心から敬服しますが――――」

「このまま『ダメージレース』を続ければ、
 遠からず倒れるのはあなたの方です」

『顔』、『足』、『手』――神原は複数の火傷を負っている。
最も重いのは両足の火傷であり、それ以外は大きな負傷ではない。
だが、全体の総量で言えば、かなり『削られている』事は事実だ。

「――――しかし、それを待つつもりはありません」

儚にとっても、あまり時間を掛けられないのは確かだろう。
元々、数の上では不利なのだから。
そして、スタンドの『弱点』も知られている。

    ダダッ!!

『ストロンガー・ザン・アイアム』が突っ込む。
それは、神原が動くための布石だ。
足元に落ちている『ジャケット』を拾い上げ、
『ナイトシェイド』が儚の前に立ち上がる。
しかし、『待つ気がない』という発言とは裏腹に、
彼女は手を出してこない。
マウントを取られた経験から、用心深くなっているらしい。

「『ストレートなアプローチ』には好感が持てますが、
 自分を安売りする気はありません」

            ジュゥゥゥッ

儚が懐中電灯を向けると、
『ストロンガー・ザン・アイアム』の胴が焼かれていく。
スピードの差があるため、本来なら儚では当てにくい状況の筈だ。
それが可能になっているのは、
突進の軌道が直線的であるからだった。

                 ――――キラッ

『キー』の位置は神原の間近だ。
儚も同じ程度の距離にいる。
そして、彼女は『ストロンガー・ザン・アイアム』を警戒している。
その隙に、神原は『キー』の確保に向かう事が出来るだろう。
しかし、儚は誘いに乗っていないため、
上手く『キー』を拾えるかは『賭け』になる。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□神自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□師□鍵壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□□儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原(まだ動き出していない)
師:『ストロンガー・ザン・アイアム』(現在ストップする直前)
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
鍵:バイクのキー(トランポリンの下に落ちている)
小:小出(気絶している)
華:蓮華
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華はスタンドを構えている)
※:建物の裏口

831神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/08(火) 00:15:23
>>830

「笑わせてくれるじゃないか」

「闇討ち上手のお嬢さん」

神原の中で何かが変わる。
スイッチが入る。
歯車がかみ合う。
回りだす。
世界の見え方が変わっていく。

「ビビってんのが見え見えだ」

「拾ったジャケットはいざという時のための壁にするためだろ? 甘いぜ」

『蓮華! 今だ! ぶち込め!』

師匠は止まった勢いで前回り受け身。
これで、射線が空くはずだ。
ジャケットごと蓮華の射撃で狙わせる。
神原は予定通り鍵を奪いに行く。
師匠だけで駄目なら射撃で無理やりにでも動かしてやる。

832『月夜のV』:2019/10/09(水) 19:00:29
>>831

瞬間的に、神原の『心』が切り替わる。
現れるのは、『戦う者』としての神原幸輔だ。
それは肉体的な変化ではなく、意識レベルの変化だった。
強い意思の発露であり、確固たる決意の表れでもある。
あるいは、『覚悟』と呼ぶ事も出来るだろう。

「――――『ビビってる』?私がですか?」

    フッ

「『冗談』がお上手ですね」

軽く笑った儚の額には、汗が滲んでいる。
それは暑さのせいだけではないだろう。
彼女の表情には、確かに『焦り』の色が見えた。

         バッ――――

『ストロンガー・ザン・アイアム』の前転。
それによって『射線』が通る。
その時を待っていたのは、『彼』も同様だ。

「ブチ抜かれやがれェェェ――――ッ!!」

    ガァァァァァ――――ンッ!!

          ガァァァァァ――――ンッ!!

                ガァァァァァ――――ンッ!!

僅かな間に、『三発』の銃声が鳴り響いた。
だが、百発百中とはいかない。
やはり、この暗さが大きく影響している。
台車を投げ付けられた時のダメージも残っているのだろう。
一発目は外れ、二発目も当たらなかった。

                ――――バキャァァァンッ!!

しかし、『三発目』の銃弾は命中した。
儚が片手に握っていた懐中電灯の点灯部が、完全に破壊される。
光が消え、辺りは再び暗闇に包まれた。

「こ……の……ッ!!」

感情的に表情を歪めた儚が、蓮華を睨み付ける。
『師匠』の機転と蓮華の援護によって、
神原の動きが邪魔される事はない。
そのまま予定通り、腕を伸ばして『バイクのキー』を掴み取る。

「――――そう易々とッ!!」

    バサァッ

『ナイトシェイド』が腕を振るい、
至近距離に立つ神原の頭にジャケットが被せられた。
先程までとは違い、視界を確保する隙間はない。
完全に覆われてしまっている。
ジャケットの袖は掴んだままで、手放していなかった。
神原の読み通り、いざという時の盾にするつもりなのだろう。

           ゴ ォ ッ ! !

独立した視覚を持つ『ストロンガー・ザン・アイアム』には見えた。
ジャケットによる視界封じから間髪入れず、もう片方の腕で、
『ナイトシェイド』が神原に殴り掛かろうとしている(パス精BBC)。
おそらく、対応する時間は一秒もない。

「――んだよ……うるせーな……」

遠くから、間の抜けたような声が聞こえた。
今まで気を失っていた『小出』が目覚めかけているようだ。
もっとも、起きた所で何が出来る訳でもない。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□師□神壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□□儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原(キーを確保済み)
師:『ストロンガー・ザン・アイアム』(前転の直後)
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
小:小出
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華がスタンドを構えている)
※:建物の裏口

833神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/09(水) 21:40:55
>>832

(……暗いな)

今日は明るかったり暗かったり忙しい。
電灯が付いたり消えたりするようだ。
何をされたかは分かっている。
だからこの次のことも分かっていると思う。

『幸輔』

かつて、教わったことがある。
師匠は遠い。
間に合わないはずだ。
選ぶ手は一つ。
飛びのく。
方向は放置自転車の方向。
自転車ごと倒れてもいい、とにかく遠くへ進む。
鍵はしっかりと握っておけ。

834『月夜のV』:2019/10/10(木) 20:23:26
>>833

「――……ッ!?」

寝ぼけ眼だった小出が、目の前の状況に目を見張っている。
もちろん、全てが分かる筈もない。
彼に理解出来るのは、『常識を超えた事態』が起きている事だけだ。

    ダンッ

一秒にも満たない時間の中で、神原は瞬時に判断を下した。
火傷を負った両足に鞭打って、咄嗟に後方へ飛び退く。
息つく間もなく、眼前に『ナイトシェイド』の拳が迫る。

「『殴られた衝撃を利用して距離を稼ぐ』」

                   バッ――――

殴り掛かろうとしていた『ナイトシェイド』が、その拳を開いた。
大きく広がる五指に生えた『爪』が、神原の首を掠める。
夜の帳の中に、数滴の赤い雫が飛び散った。

           ガシッ

「――――そういう考えですか?」

視界が塞がれていても、神原には感覚で分かった。
『ナイトシェイド』に胸倉を掴まれている。
首を掴むつもりだったようだが、
神原が飛び退いた事で狙いが逸れ、
結果的に胸倉を掴む形になったらしい。

    グイィィィ――――ッ!!

神原を掴んだまま、『ナイトシェイド』が力任せに腕を引き、
その場で転身する。
敵の動きに引きずられるようにして、
強引に体の位置を動かされてしまう。
次の瞬間、突如としてジャケットが取り除かれた。

「行かせない!!『光の下』にはッ!!」

          ブ ォ ン ッ ! !

今までジャケットを握っていた腕で、
『ナイトシェイド』が本命の拳を放つ(パス精BBC)。
手を空けるために離したらしく、ジャケットは儚の肩に掛かっていた。
神原の視界が戻っているため、
儚の必死の表情と敵の攻撃が見える。
狙われているのは胴体だ。
対処に使える時間は僅かしかない。

「クソッ……!!狙えねえッ……!!」

距離が近過ぎるせいで、蓮華は撃つ事が出来ないでいる。
彼は、一瞬『バイク』の方に視線を送った。
蓮華も、神原が『キー』を拾い上げるのを見ていた筈だ。
それが分かっている以上、彼も『自己判断』で行動するだろう。
どうするかは神原次第だ。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁☆壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□師□□壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□神儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原(キーを確保済み)
師:『ストロンガー・ザン・アイアム』(体勢は立て直せている)
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
小:小出
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
☆:非常階段(蓮華がスタンドを構えている)
※:建物の裏口

835神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/11(金) 17:18:04
>>834

『ここが正念場!』

『腹をくくれ幸助ェー!』

神原は足を上げる。
身体を丸める様にして胴体の前に折りたたんだ足を出す。

「はは……!」

笑え。
窮地の時ほど胸を張れ。
回避はできないだろう。
だから受ける覚悟をしろ。
正直なところ、このパワーをまともに受ければ足を介しても内臓にダメージがいく可能性は高い。
それに、足も折れるだろう。
だが、それでもそうせねばならない。

『!』

再度の突進。
神原が足を上げ、空いた場所に滑り込むように師匠は進む(パス精BBC)
足に負傷をしているし、間に合わないかもしれない。

「……頼みます」

神原は鍵を手放した。

836『月夜のV』:2019/10/12(土) 16:47:54
>>835

腹を括り、攻撃を食らう『覚悟』を決める。
それは精神面の変化であり、身体に影響を及ぼす事はない。
だが、『覚悟』があるからこそ可能になる事もある。

          メ キ ィ ッ ! !

唸りを上げる拳が風を切り、『全力の一撃』が叩き込まれた。
神原が持ち上げた『足』――その片方に。
全身に強い衝撃が走り、呼吸が一瞬止まる。

    ビキッ

骨が折れている可能性も十分ある。
少なくとも、この痛みは『ヒビ』が入っている事は確実だ。
職業柄、神原には即座に理解出来た。
片足を犠牲にした事で、胴体部のダメージは最小限だ。
普段からの鍛錬の賜物で、呼吸の乱れも治まっている。

「ハァッ……ハァッ……」

「『一撃』で駄目なら『もう一撃』浴びせるだけですッ!!」

そして、神原が受けたダメージは『師匠』にも伝わる。
片方の足から、急速に力が抜けていく。
だが、既に突進した後であるため、まだ勢いは残っている。

「――――このッ!!」

          シ ュ バ ァ ッ ! !

突っ込んでくる『ストロンガー・ザン・アイアム』を見て、敵が動く。
依然として神原を掴んだ状態で、
『ストロンガー・ザン・アイアム』に蹴りが繰り出された(パス精BBC)。
やはり胴体を狙ってくる。
動き出したのは『ストロンガー・ザン・アイアム』の方が早かったが、
両足の火傷で僅かに出足が遅れた。
その結果、突進とほぼ同じタイミングで蹴りが放たれる事になった。

    スルッ

「!!」

神原の掌中から『キー』が滑り落ちる。
『バイク』の方向に移動を始めた蓮華も、その光景を確認している。
『ストロンガー・ザン・アイアム』に気を取られた儚は気付いていない。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自華□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□□□□壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□神儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』(師匠は突進中)
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
華:蓮華(バイクの方向に移動中)
小:小出
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

837神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/12(土) 23:09:52
>>836

「『ストロンガー・ザン・アイアム』はただの猪じゃねえ」

「もう何度目だ? 三度? 四度? 繰り返すよなぁ、必死になればなるほど工夫は出来ない。お互いに」

神原は殴られていない方の足を伸ばして『ナイト・シェイド』の胴体を狙って蹴り飛ばしにいく(パス精CCC)
自分が掴まれている以上、『ナイト・シェイド』はこちらの攻撃を透過出来ないだろう。
これで『ナイト・シェイド』や儚にダメージを与えて動きを止めたい。

『俺の目的は攻撃じゃあない』

>>835 メ欄(鍵 神→師 キャッチ)
鍵は神原から師匠へ。
師匠の突進は純粋な攻撃のためではない、神原の鍵をキャッチするためのものだ。
攻撃の間合いの外に鍵があるならいいが、なければ少し困ったところだ。
落ちる鍵をキャッチ出来たら即座に蓮華に向かって投げる(パス精BBC)

838『月夜のV』:2019/10/13(日) 18:41:34
>>837

それは、刹那の間の出来事だった。
神原と『師匠』と儚が、それぞれの意思で動く。
行動の結果は、すぐに訪れた。

「ええ、そうですね。『お互い』に」

「ですが――――『一つ大事な事』をお忘れですよ」

    キラッ――――

誰よりも最初に行動を起こしていたのは、神原だった。
自らの体を張って確保した『キー』を、敢えて滑り落とす。
それは、次に繋げるための『予備動作』だ。

           ブ ン ッ ! !

神原の行動は、『ストロンガー・ザン・アイアム』に引き継がれた。
『弟子』から託された『キー』は、手筈通り手の中に収まっている。
寸分の迷いもなく、それを即座に投げ放つ。

          ギ ュ オ ン ッ ! !

「あなたと私の『コンディション』には、
 既に無視できない『差』が開いている事をッ!!」

    ――――ドグォッ!!

『師匠』の行動から一拍分ほど遅れて、
『ナイトシェイド』の蹴りが命中した。
『ストロンガー・ザン・アイアム』の胴体に蹴り足が突き刺さり、
そのダメージが神原にも伝達される。
同時に蹴りを繰り出せば、どうしても『ナイトシェイド』の方が速い。
スピードの違いによって、神原の蹴りは先んじて潰されてしまった。
だが、神原達の『狙い』は既に達成されている。

「――――ッ!?」

    グ ワ ァ ァ ァ――――ッ ! !

投じられた『キー』の行方に、儚が気付いた。
『ナイトシェイド』の両手が神原の胸倉を掴み、
超人的な腕力で軽々と投げ飛ばす。
それに対応する前に、
神原と『師匠』は距離にして5m近く吹っ飛ばされた。

                         ダダッ!

「目的は『受け渡し』でしたか……!」

『ストロンガー・ザン・アイアム』が投げた『キー』を拾い上げ、
蓮華が全速力で走り出す。
向かう先は、当然『バイク』の方向だ。
それを見た儚が、壊れた懐中電灯を『ナイトシェイド』に渡した。
儚の表情には、明らかな『焦り』が見える。
蓮華は『スウィート・ダーウィン』を握り締め、儚を横目で一瞥した。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□華□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□□□□壁
□□傘□□□□□□□□□□□神□□□□□儚壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
華:蓮華(バイクの方向に移動中)
小:小出
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

839神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/14(月) 19:17:41
>>838

「しばらく欠場か……?」

『生きていればそれでいい!』

「当然ッ!」

まだ戦闘の意思はある。
だから進むのだ。

「それ、壊れてるだろ」

投げて蓮華の動きを止めるつもりだろうか。

「やってやる」

師匠はトランポリンを発現。
思い切り投げて転がして、儚と蓮華の間の壁にする。

『走れ蓮華!』

840『月夜のV』:2019/10/15(火) 18:41:43
>>839

負傷は大きい。
その事実は変えられないだろう。
だが、神原の心には消える事のない『闘志』があった。
戦う意思がある限り、前進する事が出来るのだ。
その『強さ』が、神原幸輔を支えている。

「確かに壊れています――――」

「だから、こうするんですよッ!!」

             ドシュゥッ!!

剛速球の勢いで、『ナイトシェイド』が懐中電灯を放った。
しかし、神原は読んでいる。
それゆえに、対応するのは簡単だ。

    ズギュンッ
             ド ン ッ ! !

『トランポリン』の再発現。
そして、続けざまに投擲。
何ら問題はない。

                   ――――バシンッ!!

『トランポリン』が障壁となり、懐中電灯が弾かれた。
その間も蓮華が足を止める事はない。
神原と『師匠』を信頼しているからこそ、走り続ける。

「そうはさせない…………!!『絶対』にッ!!」

    バッ!!

唇を強く噛み締めた儚が、蓮華を追って走り出す。
不意に、蓮華が立ち止まった。
『スウィート・ダーウィン』の銃口が、儚に向けられている。

「そう来るだろうなァ……。
 こんだけ近いんならよォ――『目隠し』しても当てられるぜッ!!」

       ガガガガガァァァァァ――――ンッ!!

五つの銃声が重なり合うように聞こえ、『五連射』が撃ち込まれる。
『ナイトシェイド』が防御体勢に入ろうとしていたが、一歩遅かった。
そのボディに、数発の弾丸が命中する。

「なッ…………燃えッ…………!?」

               「あああああぁぁぁぁぁ――――ッ!?」

銃弾を食らった瞬間、儚が悶え苦しみ始めた。
全身が焼かれる『幻覚』のようなものを見せられているらしい。
事前に聞いていた通り、それが蓮華の『能力』なのだろう。

「『四秒』だッ!!ヤツを足止め出来るのは『四秒間』だぜ!!」

蓮華が神原に叫ぶ。
儚は、まともな行動が不可能な状態にある。
今なら体勢を立て直す事も出来るだろう。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□華□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□□儚□壁
□□傘□□□□□□□□□□□神□□□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
華:蓮華(バイクの方向に移動中)
小:小出
バ:蓮華のバイク
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

841神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/16(水) 22:33:35
>>840

「『4秒』たしかに」

『いただくぞ、勝利も名誉もすべて!』

師匠は『ジムハンマー』を発現。
神原はスマートフォンを取り出す。
そしてそのまま前進。
壁伝いに儚の方に進んでいく。

「どうする、ここが正念場だ」

「観念するか、執念で来るかはお前次第だぞ」

『どのみち俺たちはその上を行くがな』

842『月夜のV』:2019/10/17(木) 20:17:25
>>841

    ダダッ――――

儚が苦しんでいる間に、蓮華は『目的地』に到達した。
『バイク』に乗り、『キー』を差し込んで捻るように回す。
セルモーターの回転と共にエンジンに火が入り、
軽快な駆動音が辺りに響いた。

「――――ッ」

「……ハァッ……ハァッ……」

ほぼ同時に、儚の意識が『偽りの死』から帰還する。
彼女の額には脂汗が滲んでいた。
それを拭おうともせず、儚が神原を見つめて薄く笑う。

「あなたが私の立場なら、観念して両手を上げますか?」

儚は追い詰められている。
しかし、彼女の表情に諦めの色はない。
神原と同じように、儚にも『戦う意思』は残っている。

「失礼ですが、そんな人には見えませんね」

          ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ

「言った筈ですよ――――」

「私は『全力で立ち向かう』つもりだと!!」

機械の鼓動を思わせるエンジン音が小刻みに木霊する中、
儚が蓮華に向き直った。
肩に掛けていたジャケットを掴み、軽く膝を落として身を沈める。
だが、彼女が何かするよりも、蓮華が『点灯』する方が早かった。

            パ ァ ッ ! !

懐中電灯よりも数倍明るい『ヘッドライト』の輝きが、
夜の闇を切り裂いた。
その前方に立つ儚と『ナイトシェイド』に、強い光が浴びせられる。
結果は、火を見るよりも明らかだった。

「――――ッ!!」

    ジュゥゥゥッ         ジュゥゥゥッ        ジュゥゥゥッ
           ジュゥゥゥッ         ジュゥゥゥッ

「ぐッ…………うッ…………!!」

『吸血鬼』のスタンドである『ナイトシェイド』が、
『火炙り』さながらに焼かれていく。
それは儚にフィードバックし、火傷となって彼女の体を蝕む。
ただ、神原も体験したように、多少であれば耐える事も出来る。
それゆえに、儚も持ち堪えている。
しかし、そう長くは持たないだろう。

    ザッ――――

神原達は緩やかに立ち上がり、前進を始める。
やられた方の足を引き摺りながら、前に進む。
走る事は出来ず、平時と比べて歩みは遅い。
だが、まだ動ける。
だから戦える。

              スッ

スマートフォンを取り出す事は問題ない。
しかし、『ジムハンマー』を発現するための『空き』がなかった。
現在、『トランポリン』二つと『ジムハンマー』一つを発現している。
それらは解除されていない。
新たな『トレーニング器具』を手元に発現するには、
『空き』を作る必要がある。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□□儚□壁
□□傘□□□□□□□□□□□□神□□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
小:小出
バ:蓮華のバイク(蓮華はバイクに乗っている)
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

843神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/18(金) 21:51:44
>>842

現状発現してるトレーニング器具をすべて解除し、師匠に再度『ジムハンマー』を発現させる。

「はっ」

『The Mighty Don't Kneel』

「強きものはくじけない」

非常階段右隣りの壁あたりまで進もう。

「どうする? このまま炙られるのを見るのもいいが」

「それじゃあ納得できないだろう」

844『月夜のV』:2019/10/19(土) 20:37:17
>>843

光の影響を受けるのは『ナイトシェイド』だけだ。
スタンドを解除すれば、儚がダメージを受ける事はなくなる。
しかし、神原に掛けた能力も同時に解除されてしまう。
だから、儚はスタンドを消す事が出来ない。
蓮華の存在も、その理由の一つだった。

     ガガガガガガァァァァァ――――ンッ!!

バイクに乗った状態で、蓮華が立て続けに発砲した。
連射された『六発』の弾丸が、儚に向かって飛んでいく。
その正面に、『ナイトシェイド』が立ち塞がった。

     ドバババババババババババババババッ!!

銃撃に対して、『ナイトシェイド』がラッシュを放った。
繰り出された拳の弾幕によって、全ての弾丸が叩き落される。
弾丸の対処を強いられたために、光を防ぐ事は出来ていない。

「――――うッ…………ぐッ…………!!」

    ジュゥゥゥッ         ジュゥゥゥッ        ジュゥゥゥッ
           ジュゥゥゥッ         ジュゥゥゥッ

儚の体は、確実に焼かれている。
このままの状態が続けば、いずれ彼女は倒れるだろう。
しかし、もし現状に変化が起これば、
結果は違うものになるかもしれない。

「ええッ…………」

「そうッ…………ですねッ…………」

腹の底から絞り出すような声で、儚が神原に答える。
火傷によるダメージが堪えているようだ。
だが、彼女の言葉からは『退こうとしない意思』が窺えた。
残る懐中電灯とジャケットが、『ナイトシェイド』の両手に渡される。
儚は、決して勝負を捨てていない。

    ザッ
            ザッ
                    ザッ

足を引き摺りながら、徐々に間合いを詰めていく。
『師匠』の手には、新たに発現した『ジムハンマー』が握られている。
普段なら即座に埋められる距離だが、今は少し遠い。
目的の位置に辿り着くには、もう数秒ほど掛かる。
この戦いに『決着』が訪れるまで、そう長くはないだろう。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□□□□□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□ポ□□儚□壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□神□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
小:小出
バ:蓮華のバイク(蓮華はバイクに乗っている)
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

845神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/19(土) 23:05:30
>>844

「決着をつける権利がお互いに」

「お前を倒す権利は俺と仲間に」

「だが、俺を倒す権利はお前だけが持ってる」

だからまだ倒れてくれるな。
戦いが終わるまでは、まだ。
踏ん張れ。

『ぶっ叩く!』

師匠はハンマーを振ってポリバケツを儚に向けて打とう(パス精BBC)。
打ち上げる様にスイングして浮かせて飛ばしたい。
神原がやる事は一つ、スマホライトの点灯(>>843 メ欄 神原→スマホ、ライト起動準備)
たったワンタッチで起動できるはずだ。
ポリバケツを打ち上げて上半身方向への攻撃。
これによって儚は影ができることを理解するかもしれない。
『ナイト・シェイド』がポリバケツをキャッチすれば盾にできるかもしれない。
だから、神原がその可能性を潰してやるのだ。
二方向からの光だ。

846『月夜のV』:2019/10/20(日) 19:50:41
>>845

「――――フッ…………」

「素敵な…………『口説き文句』ですね…………」

神原の言葉を受けて、儚は微かに微笑んだ。
どこか儚い笑みだった。
それが何を意味するかは定かではない。
分からなくとも決着はつく。
そして、そのために神原達は行動する。

    バ ゴ ォ ッ ! !

豪快なスイングによって、ポリバケツが容易く吹っ飛ばされる。
それが向かう先には儚がいる。
スマホの『ライト機能』を駆使し、光を防がれる可能性も潰す策だ。

「そう――――」

「『あなたを倒す権利』を持つのは…………この『紅儚』ですッ!!」

              ダンッ

儚が斜め前方に跳んだ。
膝を落として身を沈めた体勢から、全力で跳躍する。
火傷のダメージが及んでいるために出足が遅れたが、
それでも彼女は動く。

         ド グ シ ャ ァ ッ ! !

                    ガラガラガシャァァァンッ!!

跳躍の遅延によって、ポリバケツは命中する寸前だった。
それを迎撃するため、『ナイトシェイド』の裏拳がバケツを薙ぎ払う。
中身がブチ撒けられ、辺りに派手な音が響く。
空き缶とペットボトルのビートが奏でられる中で、
儚は地面を転がり続ける。
彼女が止まった場所は壁際だった。

「――――チィッ!!」

    ジュゥゥゥッ         ジュゥゥゥッ        ジュゥゥゥッ
           ジュゥゥゥッ         ジュゥゥゥッ

儚が射線上から退いた事により、
結果的に神原が『ヘッドライト』の範囲内に入ってしまった。
『ストロンガー・アイアム』の全身に熱が走り、
そのダメージは本体である神原にも伝達される。
全身を焼かれる感覚は、
おそらく儚が体験したのと同じようなものだろう。
ここで神原が何もしなくても、蓮華が対応してくれる筈だ。
だが、そのために蓮華は、
一時的に儚から注意を外さなければならなくなる。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□ポ□儚□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□神□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
小:小出
バ:蓮華のバイク(蓮華はバイクに乗っている)
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

847神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/20(日) 23:09:19
>>846

神原と師匠は儚に向かって進む。
ライトはあくまでも儚に向けておく。
ここから先は小細工を弄するのが面倒だ。
決着は早々につける。

「寂しいじゃないか」

「俺から目を離すなんて」

『ハンディキャップマッチだが、試合の権利は我々にある』

痛む足を動かして走れ。

848『月夜のV』:2019/10/21(月) 20:55:09
>>847

    ザッ ザッ ザッ――――

力を振り絞り、全力で前に進む。
しかし、『走る事』は出来なかった。
片足を殴られた時のダメージは、やはり無視出来ない程に大きい。
『意思』は十分にあっても、『体』の方がついてこないのだ。
こればかりは、『意思の力』でもどうしようもない。

「位置を変えて『光』から逃れたつもりか?
 だが、一時凌ぎにしかならねェぜ。
 こっちも動けば、それで済む話だからな」

              ドルンッ

車体の方向が変わり、再び『ヘッドライトの光』が儚に向けられる。
しかし、儚の表情に『焦り』はなかった。
眩しそうに細めた目でバイクを一瞥し、息を吐きながら起き上がる。

「――――『目を離す』?」

「目を離してなどいませんよ」

    フッ

「私が注意する必要があるのは、もう『あなただけ』ですから」

起き上がった儚の視線は、神原達に注がれている。
彼女は、蓮華に対して注意を払っていない。
何故なら、『その必要がない』からだ。

「まずは――――『こう』します」

    ド シ ュ ゥ ッ ! !

『ナイトシェイド』によって、『もう一本の懐中電灯』が投げ放たれる。
狙われたのは『バイク』だ。
儚に向けられていた『ヘッドライト』の中央に、
剛速球の勢いで命中する。

                   ガシャァァァァァンッ!!

「クソッ!!やられた!!」

ヘッドライトが破壊され、光が消える。
辺りを照らしているのは、神原が持つ『スマホのライト』だけだ。
当然だが、ヘッドライトに比べれば弱い。

「――――これで『大きな光』は役立たずです」

「そして、あなたと私の距離が近ければ、彼は『撃つ事が出来ない』」

               バサッ

スマホのライトに対して、儚がジャケットを翳した。
それによって、光の大部分が防がれてしまう。
『ナイトシェイド』は、スマホのライトを避けて儚の隣に立っている。

「……来てくれて嬉しいですよ。
 『こちらから近付く手間』が……省けましたから」

「今の状態では……少しの労力でも惜しいですからね……」

                  ――――ザッ ザッ ザッ

神原と儚の距離は近い。
おそらくは、『決着の時』も同じぐらい近いだろう。
対峙する二人を見て、蓮華が『スウィート・ダーウィン』を下ろした。

「…………その女の言う通り、『この距離』じゃあ俺は撃てねえ。
 だからよ、『そいつを倒す権利』はアンタと『師匠』に譲るぜ」

    ザッ…………

そう言って、蓮華はバイクから降りる。
彼は『手を出さない』事を決めたようだ。
神原の勝利を信じているからかもしれない。
あるいは儚の言葉通り、
『今の自分に出来る事はない』と感じているとも取れる。
もしくは、ここまで全力で戦ってきた二人に対して、
『彼なりの礼儀』を払ったのかもしれなかった。

849『月夜のV』:2019/10/21(月) 21:00:58
>>848

「どのような『結果』になろうとも…………これで『最後』です」

「――――『ナイトシェイド』ッ!!」

  ドババババババババババ
      バババババババババババババババ
          ババババババババババァァァァァ――――ッ!!

「私の『全身全霊』を以ってッ!!『あなたを倒す』ッ!!」

儚の叫びと同時に、
『ナイトシェイド』の『ラッシュ』が、
神原めがけて繰り出される(パス精BBC)。
言葉通り、『全力の攻撃』なのだろう。
彼女は、『この攻撃』で『神原を倒す』つもりだ。

神原と同じく、儚にも『これ以上の策』はない。
このラッシュで神原を倒せなかった時点で、彼女の敗北が決定する。
成功しようと失敗しようと『これで最後』――
儚が口にした『これで最後』という言葉は『そういう意味』だ。

神原も儚も消耗が激しく、お互いに残る体力は少ない。
『次の行動』で『勝敗』が決まる。
『どう応じるか』は神原次第だ。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□ポ□儚□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□神□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
小:小出
バ:蓮華のバイク(蓮華はバイクから降りている)
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

850神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/22(火) 00:47:04
>>848-849

「はっ……」

「俺も、同じ気持ちだよ」

神原はしゃがみこみながらスマホを放り投げる(パス精CCC)
狙いは大まかに『ナイト・シェイド』の方だ。
ライトで焼けるかどうかは別にいい。
くれてやるだけだ。

「ストロンガー・ザン・アイアム」

『取るのは10カウントだッ!』

取るべき行動はひとつ。
全霊の力を込めて『ストロンガー・ザン・アイアム』は『ナイト・シェイド』へラッシュを仕掛ける(パス精BBC)
敵は神原に攻撃を仕掛けている。
なら、通るはずだ。
確実にぶっ飛ばす。

851『月夜のV』:2019/10/22(火) 20:38:29
>>850

お互いに『相手を倒す権利』を持ち、お互いが『それ』を行使する。
『両者の意見』は一致した。
神原と儚が、同時に『攻撃態勢』に入る。
『ストロンガー・ザン・アイアム』と『ナイトシェイド』――
『純粋な格闘戦』において、
『完全に互角』の性能を持つ『二体のスタンド』が、
事前に示し合わせたかのように動き出した。
蓮華は身じろぎ一つせず、黙って戦況を見守っている。

     ド ゴ ォ ッ ! !
                   ド ゴ ォ ッ ! !

『ストロンガー・ザン・アイアム』の拳が『ナイトシェイド』に叩き込まれ、
それと全く同じタイミングで、
『ナイトシェイド』の拳が神原に叩き込まれた。
回避が間に合わなかった理由は『三つ』ある。
第一に、神原と『ナイトシェイド』の元々の『スピード差』だ。
また、互いの距離は非常に近く、『拳が到達するまでの時間』も、
ほぼ存在しない。
『スマホを投げる』という動作を混ぜた事も、
『意識レベルの時間差』を生んでいた。
それは、『ほんの一瞬の差』でしかない。
だが、この緊迫した状況では『大きな違い』にも成り得る。

    メキメキィッ

神原の体内から、骨が軋むような音が聞こえた。
アバラにヒビが入ったようだ。
そして、おそらくは儚も。

  ドババババババババババ
      バババババババババババババババ
          ババババババババババァァァァァ――――ッ!!

  ドババババババババババ
      バババババババババババババババ
          ババババババババババァァァァァ――――ッ!!

                      デュエット
荒れ狂う暴風のような勢いで、『拳の二重奏』が響き渡る。
『ナイトシェイド』の拳が神原を打ち、
『ストロンガー・ザン・アイアム』の拳が『ナイトシェイド』を打つ。
『ナイトシェイド』のダメージは儚に伝わり、
神原のダメージは『ストロンガー・ザン・アイアム』に伝わる。
神原と儚の体は、瞬く間に傷だらけになっていった。
壮絶な殴り合いの果てに、
どちらからともなく弾かれるようにして双方が吹っ飛ぶ。

        ――――ズサァッ

神原の体は仰向けに倒れた。
『ストロンガー・ザン・アイアム』も同様だ。
全身が酷く痛む。
感覚から判断すると、骨の数本は折れているかもしれない。
一瞬、意識が消えかけたが、どうにか持ち堪える事は出来た。

                        ――――ドサッ

儚は、うつ伏せに倒れていた。
彼女の負傷も重いようだ。
片手には、まだジャケットを握り締めていた。
傍らに立っていた『ナイトシェイド』の姿は消えている。
『意識が残っているかどうか』は、見ただけでは分からない。



【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□ポ□儚□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□神□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚&『ナイトシェイド』
小:小出
バ:蓮華のバイク(蓮華はバイクから降りている)
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

852『月夜のV』:2019/10/22(火) 20:42:41
>>851

【MAP】左端が入口側、右端が突き当たり

壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁壁★壁壁壁壁壁壁壁壁
小□□□ポ□□□□□□□□自□ポ□儚□□バ壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□自壁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□壁
□□傘□□□□□□□□□□□□□□神□□□壁
壁壁壁壁※壁壁壁★壁※壁壁壁壁壁※壁★壁壁壁

神:神原&『ストロンガー・ザン・アイアム』
儚:紅儚
小:小出
バ:蓮華のバイク(蓮華はバイクから降りている)
自:放置自転車
ポ:ポリバケツ
傘:壊れた傘
★:非常階段
※:建物の裏口

853神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/23(水) 23:31:55
>>851

「……くそッ……生きてるだけでお釣りが来るな」

痛みに歯を食いしばる。
勝者と敗者の境界線、自分がどちらかは分からない。
立ち上がれるなら立ち上がろう。

「生きてるか……?」

『いまのは効いたぞ……』

854『月夜のV』:2019/10/24(木) 20:28:32
>>853

    ザリッ…………

全身を苛む苦痛に耐えて、神原は立ち上がる。
体を動かす度に、小さくない痛みが走る。
だが、それでも神原は立ち上がる事が出来た。
神原でなければ、今頃は立てなかったかもしれない。
これも日頃の鍛錬の賜物だ。

「…………う」

神原の呼び掛けに応じるかのように、か細い声が聞こえた。
それは儚の声だった。
少なくとも、『生きてはいる』ようだ。

            ザッ…………

火傷を負った両手を地面につき、儚が上半身を起こした。
スローモーションのように緩慢な動作で、立ち上がろうとする。
今にも倒れそうな様子だったが、どうにか彼女は立った。

    ズギュンッ――――

その傍らに、『吸血鬼のスタンド』が発現する。
本体の負傷を反映しているためか、その姿は何処か朧に見えた。
なお強い意志を宿す儚の両目が、神原を真っ直ぐに見つめる。

             ――――フッ
                           ドサッ

次の瞬間、『ナイトシェイド』のヴィジョンがブレるように消えた。
それに続いて、儚も崩れるように倒れ込む。
仰向けに横たわり、そのまま動かなくなった。
立ち上がり、スタンドを発現した事で、
残されていた力の全てを使い果たしたらしい。
死ぬような事はなさそうだが、もう立ち上がってはこないだろう。

「『勝った』――――みてェだな…………」

やがて、蓮華がポツリと呟いた。
神原は立っており、儚は倒れている。
それが『勝者と敗者の境界線』だ。
神原は『勝った』。
長く続いた『月夜の戦い』を制したのは、
『神原幸輔』と『ストロンガー・ザン・アイアム』だ。

    ヒュォォォォォ…………

儚の最終的な敗因は、『壁を背にしていた事』だった。
吹き飛ばされた際、壁に近かった彼女の体は、
神原よりも激しい勢いで叩き付けられた。
その要因が、儚の体力を大きく削り取ったのだ。
神原と『師匠』の奮闘あってこその勝利である事は間違いない。
それでも、もし儚が『壁際』にいなければ、
違った結果になっていたかもしれない。

855神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/24(木) 23:05:50
>>854

『けっ……ちゃく……』

「お疲れさま」

師匠と拳をぶつけ合った。
それから、蓮華にも拳を突き出す。

「君もね」

かなりしんどい状況だ。
面倒で手ごわくて、もしも次というのがあったなら自分が負けているかもしれない。

「どうしようかな……」

「えっと、紅さん?」

「意識、ありますか?」

856『月夜のV』:2019/10/25(金) 21:05:43
>>855

      ――――パァンッ

神原と『師匠』が互いの拳をぶつけ合う。
静かになった袋小路に、心地良い音が聞こえた。
耳と心に響く『勝利の音』だ。

「ああ、お疲れさん。
 アンタにばっかり傷を負わせちまって悪かったな。
 ゆっくり休んでくれ」

蓮華が片腕を伸ばし、神原の拳と自分の拳を突き合わせた。
それから、倒れている儚に視線を向ける。
神原の言葉に対して、彼女からの反応はなかった。

「完全に『気絶』してるみてェだな……。
 とりあえずは『病院』か。コイツもアンタも……」

    ピッ

蓮華は自分のスマホを取り出して、電話を掛け始めた。
救急車を呼んでいるようだ。
それが済むと、彼は神原に肩を貸した。

「ここじゃ救急車が入ってこれねェから、
 入口まで移動しなきゃならねえ。歩けそうか?」

「おい――――オメーは、そこに倒れてるヤツを連れて来い」

「えッ…………?は、はいッ!!」

           バッ
                   ダダッ

蓮華が小出に声を掛けると、彼は勢い良く立ち上がり、
儚の近くに走っていった。
両腕を使って儚の体を抱え上げ、こちらに戻ってくる。
小出は特に力持ちには見えないので、
彼女の体重が軽かったようだ。

「よし、行こうぜ」

「――……『長い夜』だったなァ」

          ザッ――――

神原に肩を貸しながら、蓮華が歩き出した。
その後ろから、儚を抱えた小出がついて来る。
角を曲がった先で、緑髪の『田丸』が倒れていた。
彼も気を失っているが、それほど大きな負傷はないようだ。
検査は必要になるだろうが、後から救急車に乗せれば問題ない。

857神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/25(金) 23:21:49
>>856

「疲れた……」

「けど、あぁー……」

小出に向かって声をかけた。
病院に行くのは問題ないがやり残したことがある。

「僕が彼女を運ぼう」

師匠もいれば大丈夫だろう。
自分も怪我をしているから、できるならでいい。

858『月夜のV』:2019/10/26(土) 19:11:16
>>857

「――――わッ、分かりましたッ!!」

神原に呼ばれた小出が、速やかに近寄ってくる。
スタンドは見えないとはいえ、あの激闘を目の当たりにした事で、
彼の中にも何かしらの変化が起こったらしい。
その彼に代わって、神原の両腕が儚を支える事になった。

    スッ――――

彼女の体は、儚い程に軽かった。
だから、重傷の身でも抱き上げる事が出来る。
先程まで熾烈な争いを繰り広げていた相手だが、今は静かだ。

「ハハッ!『革命のギフテッド』には余計なお節介だったな。
 思ったより元気そうじゃねェか」

「いや――今夜は『ソウルフル・ラストマン』だったか?
 なあ、『師匠』よォ」

神原から離れた蓮華が、軽く笑った。
そうはいっても、神原も中々の重傷である事は見れば分かる。
彼も本気で言っている訳ではなく、冗談のつもりなのだろう。

「オメーはソイツの担当だ。あー……ちょっと待ってくれるか?」

倒れた田丸を見下ろし、蓮華が小出に指示を出す。
それに従い、小出は田丸の体を起こした。
一方の蓮華は、袋小路の突き当たりに向かって歩いていく。

「『コイツ』も頑張ってくれたからよォ。
 ここに残したままにはしておけねェよな」

                        ポンッ

蓮華の手が、ヘッドライトの割れたバイクを軽く叩いた。
ここに来た時と同じように、彼は車体を両腕で押してくる。
神原が思っていた通り、やはり愛車のようだ。

         ザッ ザッ ザッ…………

儚の体を抱えて、神原は『師匠』と共に歩き続ける。
彼女は眠っているようにも見えた。
もうすぐ入口だ。
向こう側に『街の光』が見えてくる。
やがて、遠くの方からサイレンの音が聞こえてきた――――。

859神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/26(土) 20:48:30
>>858

「ははっ、レスラーが苦悶の表情を浮かべるのはね、リング上と家だけって決まってるんだ」

きついのはきつい。
こちらだって負傷しているから。
だけど彼女を倒す権利が自分にあるように、倒した人間を助ける権利も自分にはあると思うのだ。

『あぁ、俺たちはチームだ蓮華』

師匠はそう言った。
それぞれがそれぞれの仕事を持った。
サイレンに捕まる前に動こう。

860『月夜のV』:2019/10/27(日) 17:18:10
>>859

神原には儚を『倒す権利』があり、それを実際に行使した。
その結果として、神原は彼女に勝利したのだ。
だからこそ、敵であった儚を『助ける権利』も持っている。

「――立派なもんだな。全くアンタは大した男だぜ」

歩きながら、感心したように蓮華が言う。
神原達は路地を抜け、通りに出た。
まもなく救急車が到着し、神原達を乗せて病院に向かう。

    ………………
           ………………
                  ………………

そして――――『夜』が明ける。
医師の診察を受けた後、神原は病室のベッドで眠る事になった。
負傷の度合いから見て、このまま入院する事になりそうだ。
おそらく、しばらくは『欠場』扱いになる。
神原の活躍を心待ちにしているファンは、残念に思う事だろう。

        ――――コン コン コン

神原の耳に、病室の扉をノックする音が聞こえた。
今の時間は午後三時だ。
看護師は今さっき出ていったばかりだから、どうやら来客のようだ。

861神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/27(日) 19:40:36
>>860

「そんなもんじゃないよ」

神原が彼女を連れていくのは簡単な理由だ。
だが、それはまだ明らかにはしないでおこう。

………………

「欠場だねぇ……」

『まぁ今のシーズンはお前の試合が少なかったのが幸いだな』

「でも組まれてるのは組まれてたからね、申し訳ないな」

ベッドで横になってそんなふうに言う。
師匠がいると入院生活も楽でいい。
話し相手には困らないわけだし。

「ん?」

「どうぞ」

来客か。
蓮華だろうか。

862『月夜のV』:2019/10/27(日) 21:26:34
>>861

    ガラッ

「――――よう、俺だ。見舞いに来たぜ」

神原の予想通り、現れたのは蓮華だった。
片手には白い箱を下げている。
箱の表面には、『Priceless』の文字があった。

「『土産』を持ってきたから後で食ってくれよ。
 話し合う時に行ったろ?そこの店で買ってきたんだ。
 『テイクアウト』もやってるからな」

「中身は『チーズケーキ』だ。
 アンタが好きかどうかは知らないが、
 俺の知る限り、『チーズケーキが嫌いなヤツ』は見た事ないからな」

サイドテーブルの上に箱が載せられる。
ベッドの横には、小さな椅子が置いてあった。
そこに蓮華が腰を下ろす。

「実を言うと、見舞いに来たのは俺だけじゃなくてよ」

    ガラッ

蓮華の言葉の後に、もう一人の訪問者が入室した。
金髪の若者――『譲原』だ。
頭や腕に包帯を巻いており、火傷の跡も幾つか残っているが、
神原よりも負傷は少ない。

「大体の話は蓮華さんから聞きました。
 随分と御世話になってしまったようで」

「――――本当に、ありがとうございました」

ベッドに歩み寄ってきた譲原は、真っ直ぐに姿勢を正して、
大きく頭を下げた。
今回の一件について、彼にも色々と思う所はあるのだろう。
ただ、今の彼は神原に深く感謝すると同時に敬意を表している。

863神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/28(月) 01:04:44
>>862

「こんにちは。元気そうて何よりだよ」

『体が資本だからな』

ちょっと今回は出血大サービスが過ぎた。
ケガはなるべくさけたいところだし。

「甘いのは嫌いじゃない……おっと」

「君か、元気……とはいかないかもしれないけど、自分で歩けるのはいいことだね」

譲原に向かって手を挙げた。
敬意には応えないといけない。

「君も食べなよ……えっと、そういえばあの人はどうだった」

儚の具合も聞いておこう。

864『月夜のV』:2019/10/28(月) 18:40:08
>>863

蓮華も攻撃は受けていたものの、見る限りでは大きな傷はない。
これも、神原が前衛として体を張ったからこそだ。
勝利を収めた神原の怪我は、
言い方を変えれば『名誉の負傷』とも呼べる。

「ええ、俺の方は大した事ありませんよ。
 あの二人も一通りの検査を終えたら退院する予定です」

そう言いながら、譲原は笑ってみせた。
彼の方も、それなりの怪我は負っている。
自分以上に負傷している神原に対して、気を遣っているのだろう。

「ああ、『アイツ』の事か……。
 ずっと眠ってたらしいが、少し前に意識が戻ったみてェだな。
 さっき受け付けで聞いてきたんだ」

当然と言えば当然だが、儚も同じ病院に収容されたようだ。
蓮華の話では、今は目覚めているらしかった。
詳しい容態については、まだ分からない。

「で…………ついでに様子を見に行かないかと思ってよ。
 病室の場所も分かってるからな。動けそうか?」

長時間でなければ、歩き回る事は許可されていた。
ベッドの近くには松葉杖が用意されている。
自力で歩くのであれば、それを使った方が良さそうだ。

865神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/28(月) 19:37:58
>>864

「問題ないなら良かったよ。それが一番大事だからね」

何はともあれ元気が一番だ。
幼い時からそう教わってきている。
今でもそう思っている。

「あぁ、じゃあ行こうか」

細かい思考など必要ない。
彼女と会っておきたいという気持ちもあった。
対立していたし、戦っている最中は色々と思う所があるが、終わった今となってはそういう気持ちが霧散している。
戦って、自分が勝ち、彼女が負けた。
家族に手を出されたわけでもないし、それだけで手打ちにする意味がある。

「案内よろしくね」

松葉杖を使って、彼女の病室まで移動しよう。

866『月夜のV』:2019/10/28(月) 21:53:36
>>865

敵対し、互いに傷付け合った。
だが、それは過去の話だ。
少なくとも、『神原幸輔』という人間にとっては。

「ああ、行こうぜ」

「――俺も行きます。邪魔でなければ」

蓮華が短く答え、椅子から立ち上がる。
松葉杖を突いた神原が続き、譲原も同行する。
彼にも、儚に会っておきたいという思いがあるのだろう。

「この上の階だな」

先を歩く蓮華が、エレベーターのボタンを押す。
その時、神原達の後ろから近付く者がいた。
青髪と緑髪の二人連れ――『小出』と『田丸』だ。

「あッ!昨日はどうもッ!お疲れ様でしたッ!」

神原達を見つけた小出が挨拶してくる。
やたら丁寧な態度だ。
そこには初対面の無礼さはなかった。

「いやァ〜!凄かったなァ〜ッ!
 傷付きながらも立ち上がる勇ましい姿!
 あれこそ『男の中の男』って言うんッスかねェ〜。
 マジでカッコ良かったッスよォ〜!
 あ、握手してもらってもイイッスか?」

「えっとォ……俺は良く知らないんッスけど……。
 何か、すっかり世話になったらしいッスね。どもッス」

興奮した様子の小出とは対照的に、
戦いを目撃していない田丸は静かだった。
だが、彼も小出と同じく、神原に感謝しているようだ。
今回の神原の活躍は、
二人の不良に更生するきっかけを与えたのかもしれない。

867神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/29(火) 00:39:54
>>866

「握手、いいけど……」

元気だが多少騒がしくさえ感じる。
まぁいいかと手を差し出した。
更生することはいい事だ。
初めから道を違えなければもっといいけれど、そう上手くはいかないだろう。

「君たちは検査? それとも、僕たちに会いに?」

868『月夜のV』:2019/10/29(火) 17:29:03
>>867

「ああ、オレらは検査ッスよ。それが済んだら退院って事で。
 まぁ、多分大丈夫だろうって言われて――」

「どうもッ!オレ、尊敬しちゃいますよォ〜!」

    ガシッ

田丸が説明している途中で、小出が神原と握手を交わした。
これだけ元気があれば、体調も問題なさそうだ。
神原が思った通り、あまり騒がしいのは問題だろうが。

「ここは病院だぞ。もう少し静かにしろ。
 検査の前に摘み出されてもいいのか?」

後ろにいた譲原が、小出に言う。
その時、ちょうどエレベーターの扉が開いた。
最初に蓮華が乗り込み、譲原も続く。

「スンマセン。じゃ、オレらはコレで。
 なんつーか…………ありがとうございました」

「――――ありがとうございましたッ」

田丸が神原達に頭を下げた。
小出も同じように一礼する。
エレベーターに乗り込めば、儚の病室は『すぐそこ』だ。

869神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/29(火) 20:28:40
>>868

「別にいいよ」

「跳ねっかえりもほどほどにね」

手をあげて礼に応じる。

「あの人たちも無事そうで良かったね」

エレベーターに乗り込もう

870『月夜のV』:2019/10/29(火) 21:47:54
>>869

神原が乗り込んでから、蓮華が扉を閉めた。
今後は、あの二人も少しはマシになるかもしれない。
少なくとも、そのきっかけにはなっただろう。

「ま、無事に生きてりゃ十分だよな。
 マトモに生きられるんなら更に良しだ」

エレベーターが上昇し、まもなく停止した。
扉が開き、蓮華を先頭にして神原達は歩いていく。
やがて、一つの病室の前で蓮華が立ち止まった。

「『ここ』…………みてェだな」

    スゥッ――――

病室の扉をノックするために、蓮華が片手を持ち上げた。
その直後、不意に扉が開く。
扉を隔てた向こう側に、一人の人物が立っていた。

「あッ、すみません――」

病室にいたのは、線の細い少年だった。
年齢は、先程の二人と同じくらいらしい。
病院関係者には見えないから、おそらく見舞い客だ。

「えっと…………失礼します」

謝罪の言葉を告げ、少年は蓮華の横を通り抜けた。
何か用事があるのかもしれないし、
来訪者である『厳つい集団』を警戒しているとも思える。
特に呼び止めたりしなければ、そのまま歩き去るだろう。

871神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/30(水) 17:20:18
>>870

「ん?」

少年。
少年か。
なにか、引っかかるような。

「あぁ」

『なるほどな』

たしか、儚が言っていたような気がする。

「君、ここの人の弟さん?」

872『月夜のV』:2019/10/30(水) 19:00:36
>>871

儚の話によると、彼女には弟がいる筈だった。
バラのブローチを渡した時も、それを『弟から貰った』と発言している。
ある意味では、その弟が事件の発端であるとも言えるかもしれない。

「えっ――――」

「あっ、はい…………」

神原の言葉に対して、遠慮がちな肯定が返ってきた。
儚とは正反対に、気弱な性格らしい。
彼は、躊躇いながら神原を見つめた。

「あの……失礼ですけど、どちら様でしょうか?」

「その――姉が何か……?」

どこか奥歯に物が挟まったような言い方だった。
儚の弟が、どこまで知っているのかは分からない。
少なくとも、『師匠』の姿が見えていないのは間違いないようだ。

873神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/30(水) 22:56:02
>>872

「僕は……あぁ、お姉さんの知り合い? みたいな」

「こっちは僕の友達」

とりあえずそういうことにしておこう。
殴り合いをしましたとは口が裂けても言えない。

「お姉さんが君のこと、心配してたから」

「元気?」

874『月夜のV』:2019/10/31(木) 00:04:11
>>873

「――――あぁ、そうだったんですね」

安心した様子で、少年が表情を緩めた。
『実情』を伏せておいたのは正解だろう。
儚にしても、おそらく同じような事を告げる筈だ。

「その……姉は『思い込み』の激しい性格なんです」

「それでいて何というか……『正義感』みたいなものが強くて――」

「そういう性格のせいで、時々『トラブル』になる事もあったので……」

神原達との間に何か問題を起こしたのかと思ったのかもしれない。
弟からも、儚の『欠点』は認識されているようだ。
だが、迷惑がっている雰囲気はないため、仲は良いらしい。

「ええ、今は大丈夫です。薬は使ってますけれど」

儚の言葉によると、彼は心臓が弱いという話だった。
確かに体は細いものの、倒れそうになっているというような事はない。
一人で歩いている所を見ても、今は深刻な状態ではなさそうだ。

「あの――――すみません。そろそろ失礼します」

「お見舞いに来て下さって、どうもありがとうございます」

そう言って、少年は神原達に頭を下げた。
そのまま、彼は立ち去っていく。
しかし、途中で何かを思い出したように立ち止まった。

「今ちょうど、姉は『出歩いてる』みたいですけど、
 待っていれば戻ってくると思いますので…………」

875神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/31(木) 13:09:35
>>874

「あぁ、それは……感じないでもないかな」

やはり身内と言うべきか。
よく見ているのだろう。

「あぁ呼び止めてごめんね」

儚は出歩いているらしい。
元気な様子でよろしい事だ。

「……じゃあ待たせてもらおうかな」

876『月夜のV』:2019/10/31(木) 19:05:16
>>875

「ええ、僕は姉を探して来ますので…………」

少々の苦笑いを残して、少年は立ち去っていく。
彼を見送ってから、蓮華が病室の扉を開いた。
やはりというか、室内は無人だ。

「留守とはなァ。アンタといい丈夫なヤツが多いもんだ」

冗談めいた言葉を投げ掛けながら、蓮華が室内を見渡す。
ベッド脇のサイドテーブルには、大きめの角型封筒が置かれていた。
その上に、一枚の書類が載っている。
見た所、『香水』に関する内容のようだ。
『Nightshade』という商品名の隣に、
『夜の香り』というキャッチコピーが併記されている。

「――――『あれ』じゃあないでしょうか?」

窓の外を見ていた譲原が、神原と蓮華に声を掛けた。
松葉杖を突きながら、中庭を歩いてくる人影が見える。
一人でベンチに腰を下ろしたのは、確かに儚だった。

「どうしましょう?こちらから出向いた方が早い気はしますが」

877神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/31(木) 21:09:15
>>876

「頑丈じゃないとやれないこともあるからね」

儚のタフネスは予想外だが。
まぁ、決定打の攻撃も負傷してる状態からであったし仕方ないか。

「ん?」

譲原の言葉に反応して窓の外を見る。
いた。

「入れ違いか。ままならないな」

直接出向こう。

878『月夜のV』:2019/10/31(木) 21:47:26
>>877

儚も神原と同じ程度か、それ以上の傷を負っている筈だ。
彼女は見た目よりもタフなのかもしれない。
負傷した部位が、神原とは違うせいもあるだろう。

「――――仕方ねェな。ま、よくある事さ」

    ザッ ザッ ザッ

一階に下りた神原達は、中庭に続く通路を歩く。
空は、爽やかに晴れ渡っていた。
日光浴をするには、ちょうど良い日和だ。

             ザッ

向こうの方に、ベンチに座っている儚の後姿が見える。
特に何をするでもなく、静かに佇んでいるようだ。
他の患者も何人かいるが、数は多くない。

                 チラ…………

三人の足音に反応してか、儚が軽く振り向いた。
彼女の視線が、神原に向けられる。
その表情からは、敵意や悪感情は感じられない。

879神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/10/31(木) 23:09:07
>>878

「やぁ、紅さん」

まずは手を挙げて挨拶だ。
またあの弟に出会っても不自然じゃないように。

「隣、いいかな?」

880『月夜のV』:2019/11/01(金) 18:17:04
>>879

穏やかな挨拶と共に、ベンチに近付いて行く。
熾烈な殴り合いとは無縁の光景だ。
事情を知らない他人から見れば、
ごく普通の知人か何かに見えるだろう。

「ええ、こんにちは」

儚は眼鏡を掛けていた。
昨日の昼に見かけた時と同じ『フォックス型』の眼鏡だ。
あの時と違うのは、服装と体の状態だった。

「――――どうぞ」

入院着を着た儚の体は、あちこちが包帯で覆われている。
広範囲に負った火傷のためだろう。
もちろん、胴体に受けたラッシュは骨にも響いている筈だ。

「少し『考え事』をしていた所です」

「あなたの事も考えていました」

そう言って、儚は空を見上げた。
頭上に輝く太陽が、全てを明るく照らしている。
『吸血鬼』が存在できない『光』に溢れた世界だ。

「そういえば――お名前を聞いていませんでしたね」

881神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/11/01(金) 22:10:53
>>880

「へぇ、それは光栄……ほんとに?」

冗談っぽく笑ってみせる。
別に疑ってる訳でもないけれど。

「僕の名前は神原幸輔、神の原に幸せと車がつく方の輔」

一文字ずつ片付けて自己紹介。
師匠が間髪を入れずに喋りだしたので少し困った顔。

『俺はストロンガー・ザン・アイアム。幸輔のトレーナーだ』

「で、彼らは……」

二人の自己紹介は二人に任せよう。

882『月夜のV』:2019/11/01(金) 22:48:43
>>881

「ええ、本当ですよ」

「どうも、神原さん――それから『トレーナー』さんも」

儚が神原に笑い返す。
落ち着いた笑みだった。
何かに駆り立てられているような雰囲気は見えない。

「花菱蓮華だ。蓮華って呼んでくれ」

「譲原です。譲原譲次」

二人も神原と同じように、簡単な自己紹介を済ませた。
そして、四人がベンチに腰を下ろす。
まず口を開いたのは儚だった。

「あなたも私も、しばらくは『缶詰』になりそうですね」

「退院したら――また『続き』をしますか?」

そのような事を言って、儚が神原の方を見る。
至って何気ない口調だった。
本気かどうかは分からない。

883神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/11/01(金) 23:57:16
>>882

「缶詰は間違いないね」

『トレーニングも中止だな』

「そんなこと言って前はトレーニングさせたじゃん。退院する前よりも体大きくなったし」

かつての思い出に愚痴をこぼす。
怪我をしているときは療養に専念すべきだというのは共通の認識のはずだが。

「続き……まぁ、リマッチは断らないから紅さん次第でいいけど……」

「会うならそういう以外の用事がいいなぁ」

正直、『ナイト・シェイド』の相手は骨が折れる。
能力の性質が分かった今でもそう思う。

884『月夜のV』:2019/11/02(土) 20:06:20
>>883

「いえ、そのつもりはありません」

「あなたの気持ちを確かめてみたかっただけですよ」

儚は頭を横に振って、薄く微笑んだ。
彼女にも、積極的に戦う気はないようだ。
そもそも、目的のない争いはしないタイプなのだろう。

「さっき『考え事』をしていたと言いましたね」

「『やり方』が間違っていた事は認めます」

「実際に『失敗』した訳ですから――それが証拠です」

一つ一つ噛み締めるように儚は言う。
彼女なりに『正しい事』をしようという意図はあったらしい。
だが、弟の語った通り『舵取り』は上手くなかったようだ。

「『一つ』いいでしょうか?」

「俺から、その……『紅さん』に言っておきたい事が」

やや躊躇いながら、譲原が会話に入ってきた。
何か言いたい事があるようだ。
彼がついて来たのも、そのためだったのかもしれない。

885神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/11/02(土) 22:41:40
>>884

「よかった……」

「僕も君みたいな人を二度も殴りたくない」

冗談めかしているけれど本心だ。

「うん……そう言ってもらえてよかった」

「そういう風に思ってくれるだけであの戦いに意味がある」

改心、とは少し違う。
改めたのは認識だ。
それでいい。
彼女も根っからの悪人ではない。

「ん?」

譲原の話を聞く姿勢になる。
彼は彼で思うところがあるのは分かる。

886『月夜のV』:2019/11/02(土) 23:48:11
>>885

『紅儚』という人間が、根本的に変わった訳ではない。
しかし、神原の戦いには十分な意味があった筈だ。
事実、彼女は自らの認識を改める事が出来たのだから。

「俺は、あなたの弟さんを置き去りにした連中が誰かは分かりません」

「でも、もしかすると俺の知っている奴らだったかもしれない」

「だから、そいつらの代わりに謝らせて下さい」

    バッ

「――――申し訳ありませんでした」

儚に向けて謝罪の言葉を告げ、譲原が深く頭を下げた。
客観的に見て、彼は被害者であって加害者ではない。
しかし、そうしなければ気が済まなかったのだろう。

「いえ…………」

儚は、どう答えるべきか迷ったらしい。
譲原を見つめて、しばらく考えている様子だった。
やがて、おもむろに彼女は口を開く。

「私は――あなたを傷付けてしまった」

「だから、その事を謝らせて頂きます」

    スッ

「…………申し訳ありませんでした」

譲原に対して、儚が丁寧な礼を返した。
それぞれが謝罪を終え、互いに顔を上げる。
そして、二人の表情から徐々に曇りが消えていった。

887神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/11/02(土) 23:59:23
>>886

『良かったな』

「だね」

そう言ってお互いに頷いた。
儚にとっての懸念事項はこれでもうないだろう。
であれば、再びああいうことが起きることも無い。
もとより、彼女はもうそういうことをすることは無いのだけれど。

「……うん、本当によかった」

888『月夜のV』:2019/11/04(月) 04:04:21
>>887

「ああ、これで『一件落着』ってトコだな」

神原達と同じように蓮華が頷いた。
これで、この事件は、ほぼ完全に片付いたと思っていい。
後になってから新たな問題が持ち上がる可能性は限りなく低い。
『月夜の吸血鬼』が街を跳梁する事は、おそらくもうないだろう。
神原と『ストロンガー・ザン・アイアム』の力なくしては、
この結末は有り得なかった筈だ。

                  ザッ ザッ ザッ…………

「――――『衛』?」

足音を聞いて振り返った儚が、小さく呟いた。
後ろの方から、彼女の弟が歩いてくるのが見える。
姉である儚を探していて、ここまで来たようだ。

「さてと…………俺らはボチボチ引き上げるとするか。行くぜ、譲次」

「二人とも、しっかり治療に専念してくれよ。
 故障してる時に無理に体を動かして、
 それで怪我が悪化でもしちゃあ元も子もないからなァ」

蓮華が立ち上がり、軽く笑いながら神原達に言う。
それに続いて譲原も立った。
彼らの用事は、これで済んだようだ。

「――――じゃあ、いつかまたな。お疲れさん」

「お疲れ様でした。どうか、お大事に」

    ザッ

そう言い残して、二人は立ち去っていく。
後に残されるのは、神原と『師匠』と儚だけだ。
何かやり残した事があるなら、そのための時間は十分にある。
この場に留まって日に当たっているのもいいかもしれない。
神原と儚は同じ病院に入院しているのだから、何の問題もない。

889神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/11/04(月) 09:57:30
>>888

「早く現場復帰しないとね」

『待ってる人たちがいるからな!』

リングの上が自分の職場であり、生きる場所だ。
だから、あくまで今回のことは寄り道である。

「お疲れ様」

二人を見送る。
まだここに座っていよう。
今日はいい日だ。

「……今度、弟さんとウチの試合見に来てくださいよ。やられても立ち上がる強さを見せてあげますよ」

「それと……弟さんには知り合いって言っちゃったから、ちゃんと僕の知り合いになってくださいね」

890『月夜のV』:2019/11/04(月) 20:43:31
>>889

「ええ、是非そうします」

「私も、あなたの『本来の姿』を見てみたいと思っていましたから」

神原の誘いに対し、儚が穏やかに返す。
今や、熾烈な争いは過去のものとなった。
この場を包んでいるのは、どこまでも平穏な空気だけだ。

「その強さを『今後の参考』にさせて頂きますよ」

「あなたとの『やり取り』は随分と刺激的でしたからね」

「『知り合い』と呼ぶには十分すぎる程の一夜でしょう?」

口元に笑みを浮かべながら、儚が告げる。
もしかすると、神原との戦いで、
彼女の中にあった『闘争心』に火が付いてしまったのかもしれない。
だからといって、誰かに暴力を振るったりする事はないだろうが。

    ザッ

「――――姉さん、ここにいたんだ」

「あ…………さっきの方ですね」

二人の姿を見つけた儚の弟――『紅衛』が、
神原の方を見て言った。
彼には、神原は儚の知り合いだと説明してある。
それを察してか、儚が神原に視線を送った。

「こちらは『神原幸輔』さん。私の友人の一人よ」

「彼は『プロレスラー』でね。とても『強い』方なの」

そのようにして、儚が衛に神原を紹介する。
『強い』という部分には、若干の『含み』が感じられた。
『実際に戦ったから』などとは言えなかったに違いない。

891神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/11/04(月) 21:01:00
>>890

「刺激的ねぇ」

「間違いないや」

師匠も頷いて同意した。
あれが刺激的でないなら不感症だ。

「どうも……さっきも会ったけど」

衛に対してそう言って会釈をした。

892『月夜のV』:2019/11/04(月) 23:37:38
>>891

    スッ

衛も神原に会釈を返す。
それから彼は、ベンチの空いている所に座った。
衛の方を向いた儚が、彼に語り掛ける。

「神原さんが退院したら、一緒に見に行きましょう。彼の『試合』を」

「きっと良い経験になると思うわ」

「多分――――『力』を分けて貰えると思うから」

衛は病気を患っている。
今は小康状態のようだが、まだ完治はしていないらしい。
だからこそ、リングで戦う神原の雄姿が、
『良い影響』を与えてくれると考えているのだろう。

「そう……なんだ……」

「分かったよ。ちょっと怖い気もするけど……」

「でも……僕も見てみたいから」

儚の言葉に、衛が笑顔で頷いた。
それを見た儚も笑って見せる。
これも、神原がいたから実現した光景だ。

「神原さん、その時はよろしくお願いします」

「――っていうのも変ですけれど……」

「あはは……」

照れくさそうに、衛が神原に言った。
次にリングに立つ時には、紅姉弟も観戦に訪れる筈だ。
やがて、儚が口を開いた。

「その前に退院しなくちゃ。私たち『二人とも』ね」

「でないと、『魅せる事』も『魅せられる事』も出来ないんだから」

儚が神原に向き直った。
彼女の目は、神原と『師匠』の両方を見つめている。
その瞳の奥には、『奇妙な信頼』のようなものが見て取れた。

「――――そうじゃないですか?」

893神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2019/11/05(火) 01:12:53
>>892

「ぜひどうぞ」

「僕がベルトを巻くところを見せてあげよう」

自信たっぷりにそう言った。
嘘を言うつもりは無い。
すなわち、もっと強くなってリングに上がる。

「よろしくでいいよ」

「声をかけてくれればチケットもこっちで用意しますから」

それくらいは買って出よう。
せっかくのお客さんだ。

「えぇ、もちろん退院が先ですけど」

「出ればばっちり魅せますよ」

『なぜなら俺たちはプロレスラーだからだ』

強い意志を持って神原と師匠は言葉を返した。

894『月夜のV』:2019/11/05(火) 20:27:10
>>893

二人の前で、自らの『決意』を表明する。
その言葉は『意思の力』に裏打ちされており、一点の迷いもない。
それが『神原幸輔』という人間の在り方であり、
彼を支える『ストロンガー・ザン・アイアム』の存在意義なのだ。

「ええ、期待していますよ」

「その…………楽しみにしてますから」

笑顔の儚と衛が、それぞれのエールを神原に贈る。
二人とも『神原の活躍』を信じている。
新しい『ファン』が、また二人増えたようだ――――。

    ガララッ

病室に戻り、蓮華が置いていったケーキの箱を開けると、
一緒に『封筒』が入っていた。
どうやら、今回の協力に対する『謝礼』らしい。
チーズケーキの味も、なかなかの『美味』だ。

――――――――――――――――――――――――――

神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』⇒『全治二ヶ月』

『肋骨骨折』
『脛骨にヒビ』
『両足にⅡ度の火傷』
『顔・胴体・両手にⅠ度の火傷』
『全身打撲』

⇒謝礼として『三十万』獲得。



                       『月夜のV』⇒『終幕』

895『月夜のV』:2019/11/05(火) 20:59:06

★氏名―紅儚
★スタンド―『ナイトシェイド』
★能力―爪および牙で傷付けた者を『同族化』させる吸血鬼
★性別―女 ★年齢―24歳 ★身長―171cm
★血液型―B型 ★星座―蠍座
★髪の色―黒 ★瞳の色―黒
★職業―調香師 ★趣味―カクテルの自作
★好きな映画―マディソン群の橋 ★好きな色―深紅
★大事なもの―家族
★性格―基本的には落ち着いているが、
      『正義感の強さ』と『思い込みの激しさ』を併せ持ち、
      ふとした事で暴走しやすい。
★外見―つり目が目立つキツめの顔立ちで、髪型はショートカット。
      フォックス型の眼鏡とワインレッドのパンツスーツを着用し、
      『襲撃者』として活動する際にはコンタクトレンズに変え、
      露出の多いパンク風の出で立ちに着替えていた。
      着替える理由は、変装目的と自身を鼓舞するため。
★備考―主に香水を扱う化粧品会社『Belladonna』で働いている。
      自身が開発した『Nightshade』という名前の香水は、
      『夜の仕事をする女性達』に愛用されているらしい。
      『神原幸輔』との戦闘後、『襲撃者』としての活動を止めた。

896『月夜のV』:2019/11/05(火) 21:01:14

【月夜のヴァンパイア】『紅儚』のスタンド。

黒いフード付きの外套を身に纏い、
鋭い『爪』と『牙』を備えた『女吸血鬼』のヴィジョン。
『月明かり以上の光』を浴びるとダメージを受ける特性を持つ。
『爪』か『牙』で傷付けた生物を『同族化』させることが能力。

『同族化』した者は体質が変化し、
『ナイトシェイド』と同じ弱点を植え付けられる。
すなわち、『月明かり以上の光』を浴びれば、
ダメージを受ける身体となってしまう。
ダメージの性質は『火傷』に近く、
光が当たっている部分が焼かれているような痛みを覚える。

『ナイトシェイド』Nightshade
破壊力:B スピード:B 射程距離:E(2m)
持続力:B 精密動作性:C 成長性:D

897『黄昏のS』:2019/11/18(月) 22:19:12

『黄昏』に『知恵の獣』と『旅人』が『謎』を巡って『言葉』を交わす

898『黄昏のS』:2019/11/18(月) 22:24:36

ある日の夕刻、『小林丈』と『日下部虹子』は、
同じ喫茶店の別々の席に座っていた。
店の名は『Priceless』――――『金では買えない』という意味だ。
ウッド調で統一された店内には、落ち着いた雰囲気が漂っている。

《作る者は欲しいと思わず、売る者も欲しがらず、
 使う者は使っている事に気付かない》

不意に、何処かから何者かの『声』が聞こえてきた。
普通に耳にするものではなく、『スタンドを通して聞こえる声』だ。
現在、小林と日下部以外の人間は『二人』いる。
一人は主人である初老の西洋人。
彼は、カウンターの向こうでサイフォンと向き合っている。
もう一人は、奥まった席に一人で座っている子供らしき客。
背中を向けているため、顔は分からない。

《――――『それ』は何か?》

声は尚も続く。
どうやら何かの『謎掛け』のようだ。
敵意や悪意といったものは感じられない。

899小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/18(月) 22:52:54


《作る者は欲しいと思わず、売る者も欲しがらず、
 使う者は使っている事に気付かない》

 「――メメント・モリ(死を忘れるなかれ)
その答えは『棺』ですね」

 「……? どちらにおられるのでしょうか」

脅かそうと言う気配は無い。穏やかな店内に入り混じる
スフィンクスを連想とした堂々とした言葉遣い。

スタンドを使ってまで正体を明らかにしようとする気は無い。
 詮索は時に失礼に値すると言う事も学んでいる。

少し天井に顔を向けつつ声の主へ答えは告げた。



○プロフィール
清月学園高校三年生。在る過去により若干人間味が薄い
老若男女問わず丁寧な物腰を心掛けている

☆外見
清月の制服をバンカラマントのように着こなす。平日でも着用してる
顔は、特別美醜に寄らない。ただ、よく周囲に風変わりと言われる。
装飾品には無頓着だか、親友の勧めでネックレスや付けピアスも時折する。

△所持品
財布・スマホ・ハンカチ
ショルダーバック↓詳細
ttps://item.rakuten.co.jp/auc-touch-the-sky/bbm003/
バック中身下
メモ帳・筆記用具
鉛筆削りポンナイフ・水筒(マスカットジュース)


★スタンド能力概要
玩具の金魚のような小さな群体型のスタンド。
液中に発現し、周囲の液体を集め『水槽』を形作る。


『リヴィング・イン・モーメント』
破壊力:D スピード:C 射程距離:B(30m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

☆能力詳細
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/114

900小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/18(月) 22:56:05
>>899(追記)

既に注文がなされているのなら、おすすめの軽食と
マスカットがテーブルに置かれてるか、もう少し後で届く描写も
付け加えられるのなら付け加えて頂きたい。

901日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/18(月) 23:33:14
>>898(GM)

金で買えないものなんてあるんだろうか。
金で買えないなら、どうすればいいのだろうか。
金で買えないものは、金以外でも手に入らないのではないか。

こんな名前の店に来たのは、ただ、座りたかったからだ。

「『棺桶』だなんて、縁起悪〜い」

          パラ…

「縁起なんてどうでもいいけどねえ」

メニューに視線を落としていたが、顔を上げる。
薄い笑みがそこにあった。

「ね、ね、ここって『クイズ喫茶』なの?」
「注文もクイズ当てないとぉ、出来なかったりするのかな〜」

「私ね、『キャラメルマキアート』が飲みたいんだ」

●持ち物
財布とスマートフォンとカバン。
カバンの中はハンカチやティッシュ、化粧ポーチ、文庫本。

●能力
肉体内部に発現する何匹もの『ベニクラゲ』のヴィジョン。
本体の細胞と同化しており、負傷を『若返り』によって治療する。

『アット・セブンティーン』
破壊力:C スピード:C  射程距離:E
持続力:E 精密動作性:B〜C 成長性:B
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/113

●外見
垂れ目気味で童顔、小柄。バニラホワイトの髪を三つ編みにしている。
服装も白が基調となっており、雰囲気はどことなく『カイコガ』を彷彿とさせる。

●簡易プロフ
17歳を自称し、実際それくらいの年齢に見える、欲深い少女。
目に見え、数値化できる『価値』にこそ人生の真理を見出しているようだ。

902『黄昏のS』:2019/11/19(火) 00:12:45
>>899(小林)

遠隔操作可能な『リヴィング・イン・モーメント』を使えば、
相手の正体を知る事は容易い。
しかし、小林はそれを選ばなかった。
今の状況を考えれば、それは適切な選択だっただろう。

《その通り。答えは『棺』だ》

納得したような響きと共に、再び『声』が返ってきた。
小林の答えは『正解』だ。
なお、テーブルの上には、『注文した品』が既に置かれている。
(品物は自由。喫茶店にあるものなら大抵あると考えて良い)

《君は『私の声』が聞こえるようだね》

《――――それは素晴らしい》

《私は『ここ』にいる。
 手間を掛けて申し訳ないが、声のする方に目を向けてくれたまえ》

謎めいた『声』は、そのように語り掛けてくる。
そちらに視線を向ければ、『声の主』が分かるだろう。
また、小林と同じように『声』に反応した『少女』がいたようだ。

>>901(日下部)

《それは少し違う。
 店の趣向ではなく、あくまで私個人の嗜好だと思ってもらいたい》

《つまり、答えなくとも『品物』は来るという事だ》

「――――『キャラメルマキアート』ですね。少々お待ち下さい」

初老の主人が、笑顔で日下部に応じる。
『声』の言った通り、『注文』は普通に通ったようだ。

《今のは、『私の声』が聞こえるかどうかを確かめたかったのだよ》

《同時に『二人』も見つかるとは素晴らしい。
 私は、『ここ』だ。
 億劫でなければ、こちらに視線を向けてもらいたい》

穏やかな口調で『声』は続ける。
声の方向に目を向ければ、『声の主』が分かりそうだ。

「『キャラメルマキアート』でございます。どうぞ、ごゆっくり……」

そうこうしている間に、主人が『キャラメルマキアート』を運んできた。
テーブルの上に、それが置かれる。
そして、日下部と同じく『声』が聞こえた『少年』がいたらしい。

903小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/19(火) 00:21:55
>>902

「えぇ 聞こえます。私は小林
小林 丈(たける)です」

 名乗りつつ、テーブルに置いてある水差しでコップの水を
注ぎ出し、唇を僅かに湿らせ『声』のほうに体を僅かに向ける。

今の名乗りは『声』の主と『少女』どちらにも向けた。

(――『素晴らしい』の意味合い……これの意図は)

単語に対し頭の中で吟味しつつ、その視線は導かれるようにして
正体の主のほうへと向けられた。

904日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/19(火) 00:26:09
>>902

「わ〜よかった、美味しそお」
「キャラメルの匂いがする」

     スゥ

「ね、写メ撮るね。店員さぁん、ダメなら言って〜」

スマホを取り出して、飲み物の写真を撮る。
写真はいい。主観を『形』に残せるから。

そして……

「んん」

《こう? これで良さそうかな》
《首動かすくらいなんてことないよお。どこの誰?》

首は周囲を見回して声の主を探す。
もう一人店にいる『少年』には、今はまだ特に触れない。

905『黄昏のS』:2019/11/19(火) 00:57:46
>>903
>>904
(ALL)

日下部は写真を撮った。
まずまず『フォトジェニック』と呼んでいいだろう。
特に注意される事もなかった。
そして――――。

奇しくも、小林と日下部は同時に視線を向けた。
そこには『猫』がいた。
ただし、生きている猫ではない。
正確には、石造りの『猫の彫刻』だ。

《まず名乗っておこう。私は『ロダン』という》

    スッ

『声』と共に、『彫刻』の後ろから『本物の猫』が姿を現した。
よく見かける猫とは異なり、毛も髭もない。
『スフィンクス』と呼ばれる品種の猫だ。

           ズッ

《――――『スフィンクス』だ》

『猫』の傍らには『スタンド』が佇んでいた。
獅子の体に人の頭部を持ち、背中には翼が生えている。
表面には、石造のような質感があった。
そのヴィジョンは、神話に現れる『スフィンクス』と、
実在する『スフィンクス』のハイブリッドを思わせる。

《力を持たない人間には、『私の言葉』は届かない。
 ゆえに、私とやり取りが出来るのは『力を持つ人間』に限られる》

《すなわち、君達のような人間の事だ。
 そして、私は『そういう人間』を求めている》

《単刀直入に話そう。
 私の『遊び』に付き合ってもらいたい》

《といっても、何も『ボール遊び』をして欲しい訳ではない。
 少しばかり『頭』を使って頂く事になるだろう》

《もちろん『タダで』とは言わない。
 相応の『ギャランティ』も用意してある。
 無論、『人間の世界で通用するもの』だ》

『ロダン』と名乗った『猫』は、二人に語り掛ける。
『遊びに付き合う』――端的に言うと、それが目的のようだ。
どのように用意するのか不明だが、『報酬』も出るという話だ。

906日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/19(火) 01:40:06
>>904(小林)
>>905(GM)

「キャラメルの味でおいしい〜。マキアートって何だろうね?」

キャラメルマキアートに知性に欠ける感想を述べる。
今はそれ以上に集中すべき対象があった。

彫刻には流石に表情が崩すが、本物の猫には頰を緩める。
別に、猫が特別大好きというわけではないが……

《猫も……スタンド使いになることあるんだ?》

《それに、喋れるっていうのもびっくり〜》
《『スタンド』って、生き物の共通言語なのかもね》
《『ロダン』さん、よろしくぅ》

《あ! あのね、私のことは『クサカベ』でいいよお》
《どうしてもって言うなら『ニジコ』でもいいけど》

スマートフォンを机に置いた。
これを使うようなゲームではないだろう。

《頭脳遊びか。んふふ……お金をチラつかせられちゃうと弱いよお、私》

《ロダンさんそれにね、私ね、パズルの本とかよく読んでたし》
《そういうの得意かもね。才色兼備って呼ばれてみたいかも。かわいさは自信あるし》

            クルッ

そこまで言うと首をもう少し動かし、小林を見る。

《んふふ…………タケルさんはそういうの得意? 》

特に彼と知り合いとかではないが、そこにいるのだから話しかけるのだ。

907小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/19(火) 09:33:27
(すみません寝落ちしてました)
>>905(GM)

一瞬彫刻が喋っているのか? と思えたが、その背後から姿を現す
ほぼ無毛に近い産毛で覆われた猫を見て、これが声の主かと得心する。

(考える人ならぬ 考える猫……か)

「一旦失礼。こうでもしないと周りに独り言と思われるでしょうから」

攻撃の意思が無い事を宣言しつつ、水差しより
『リヴィング・イン・モーメント』を発現。これで、この場の会話に参加。

一番大き目のサイズで発現しつつ、掌に収めた金魚はロダンを見る。

『まぁ、私は物書きを生業としてる為。このやりとりだけでも
千金に値しますから、そこまで報酬に関心は有りませんが……
”遊び” えぇ楽しそうです。貴方が望むままに付き合いましょう』


>>906(日下部PC)

>タケルさんはそういうの得意?

『謎解きは、文学に携わる以上幾つか手習いしてきましたが……
まぁ多少は経験あるので、自信を以て望みますよ。日下部さん』

独特の雰囲気の女性だ。人と関わり合えば、その人物の内面が
深く潜った水面の底にある色合いが理解するように深まって知れる。

此処にいる『ロダン』と『日下部』と共に謎に接すれば
私と言う色を失くした存在にも、幾らかは昔過ぎ去った色を
思い出す切っ掛けとなりえるだろうか……。

908『黄昏のS』:2019/11/19(火) 17:58:09
>>906(日下部)

『キャラメルマキアート』の味は上々だった。
値段を考えると、安いとも思える。
案外、『隠れた名店』なのかもしれない。

《そう、『共通言語』だ。
 これがあるからこそ、私は『遊び相手』を探せるという訳だよ》

ロダンは流暢に喋っている。
その話しぶりから『オス』である事は察せられる。
年齢は分からないが、もし人間に換算したなら、
日下部や小林よりは、それなりに年上になりそうな雰囲気だ。

《それは素晴らしい。
 『相手』が見つかっただけでも歓迎すべき事だが、
 レベルの高い者なら、なお喜ばしい》

才色兼備と呼ばれるかどうかは、日下部次第だ。
少なくとも、『永遠の若さ』に近いものは既に持っている。
『若さ』を『美しさ』と捉えるなら、
片方は備えている事になるかもしれない。

日下部とは異なり、小林は報酬に大きな関心はないようだ。
『数字』を重視する日下部とは対照的と言える。

>>907(小林)

水差しの水から『リヴィング・イン・モーメント』を発現した。
小林の宣言もあって、ロダンは特に反応はしなかった。
そういえば、日下部と名乗った少女は、
特にスタンドを発現している様子がないにも関わらず、
『スタンドによる会話』に参加出来ている。
何かしら『特殊』なタイプなのだろうか?

《私は、『知恵と謎』に『至上の価値』を見出している。
 それが私にとっての『Priceless』――『最も価値あるもの』だ》

《その点、君の意見には大いに賛同出来る》

過去に失われ、欠落したもの。
それは小林の心の中にある空白だ。
こうした『非日常』の積み重ねが、
『色』を取り戻すための一助になるかもしれない。

(ALL)

《――――素晴らしい》

二人の承諾を聞いて、ロダンは満足気に唸った。

《では、『タケル』と『クサカベ』――――
 君達にゲームの『ルール』を説明しよう。
 種目は『言葉のパズル』だ》

《これから私が『五つの言葉』を提示する。
 それらの言葉には『一つの共通した法則』がある。
 それを言い当てる事が出来れば『正解』だ》

《『答える権利』は『一人につき一度』。
 すなわち、『君達二人合わせて二回』という事だ》

《『答え』は、二人で『相談』して決めてもらいたい。
 もし必要であれば、私から『ヒント』を出す》

《『ヒント』は『三回まで』だ。
 ただし、一度『ヒント』を使う度に『点数』が下がる》

《『ノーヒント』で当てた場合は『4点』を出そう。
 『ヒント』を一度使ったら『3点』、二度使ったら『2点』、
 三度使ったら『1点』だ。
 不正解だった場合は『0点』になる》

《君達が得られる『報酬』は、最終的に獲得した『点数』による。
 もちろん、数字が大きい程に『額』も増える》

《『ルール』は以上だ。質問があれば聞こう》

そこまで話してから、ロダンが言葉を区切った。
『二人で協力する』――このゲームは、そういった内容のようだ。

909 小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/19(火) 19:51:30
>>908(GM)

世の中には色々なスタンドが有る。ルールを敷いて限定の空間で
身の振り方を省みず思い思いに振舞えるスタンドであったり。
鋼のような剣、食物で成長するスタンド。人型しかり、そう言えば
夢の中でスタンド使いの動物が居て、その腹部にスタンドが付いてた事も
確かあった筈だ。彼女のスタンドも、そう言った部分的な服の裏等に
発現するスタンドなのかも知れないと考える。

(・・・夢、と言えば。ある時、私はとても長くてとても短い
夢を過ごした時があった気がするな)

自身の事は一旦置いておこう。今は『ロダン』とのゲーム

『では一つ ご質問を。いえ、このルールに関しては問題ありません
私が聞きたいのは”その先”』

『口ぶりから、言葉のパズルは第二の設問もあると踏みましたが。
その場合は獲得した得点自体を失う、若しくはソレをベットにするのは
可能なのでしょうか? 
 一問だけでしたら、私の言葉は忘れてください』


--遊び相手 彼はそう告げた。遊びは長く保ちたいと言うのが
どんな生物でも大い傾向だ。
 このルール自体は問題ない。ただ続く先に対しては隣に控える
女性とも争いかねない懸念もある。少々保険とは言わぬが確認も必要だろう。

910日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/20(水) 11:00:18
>>908(GM)

「しかも、コスパもいい〜。 ……………」

《んん〜、それなら質問とかはないかな》
《『点数』の基準も、分かりやすくて良いね》

      ニコ

《いつでも始めていいよ。『時は金なり』……んふふ》

ロダン"さん"と呼ぶのは、その声色の成熟ゆえにだ。
目を細めてその猫を見て、頷く。

>>907 >>909(小林)

《わあ〜っ頼もしそお〜。協力して頑張ろうねえ》

文学青年に笑みを向け、彼の活躍にも期待を寄せる。
日下部も読書を嗜んでいたが、知識には偏りがある。
鋭い質問を飛ばす彼の『知性』は大きな力になるだろう。

911『黄昏のS』:2019/11/20(水) 17:46:16
>>909(小林)

ふと、いつか見た『夢』の出来事が脳裏をよぎる。
『死』を間近に感じる程にリアルな体験だった。
しかし、この場は『生命の危険』などとは何の関係もない。

《君は良い所に目を付けた。
 『一回だけ』で終わってしまってはつまらない。
 だから、『問題』は『五つ』ほど用意させてもらおう》

《このゲームは『加点方式』だ。
 正解すれば『点数』は増え、不正解なら『点数』は変わらない。
 そのどちらかだけだ》

《つまり、『点数』が減る事はない。
 そして、一問目の『点数』は二問目以降に持ち越される》

《『最終的な評価』は、
 五問目終了時点での『合計点数』によって決まるという事だ》

《他に質問は?》

>>910(日下部)

《ふむ――――素晴らしい答えだ》

小林が日下部と異なるベクトルの人間である事は確かだ。
物事の考え方が多い程に、思考の可能性は広がる。
そういう意味では、日下部の存在も小林にとって助けになるだろう。

(ALL)

《あの…………》

二人と一匹のやり取りに、不意に『別の声』が入ってきた。
その声の出所は、『もう一人の客』だった。
少年とも少女ともつかない中性的な顔立ちの、小柄な人物。
フォーマルなブレザーとショートパンツという服装だ。
その姿に、小林は見覚えがあった。

《お邪魔かと思ったので黙っていました。すみません》

《『三枝千草』と言います》

    ペコリ

《小林先輩、こんにちは》

    ペコリ

千草は、小林と日下部の両方に頭を下げた。
傍らには、『人型のスタンド』が佇んでいる。
目深にフードを被り、肩にシャベルを担いだ『墓堀人』のヴィジョンだ。
奇妙な偶然だが、最初の『棺』の謎掛けとは無関係だろう。

《ほう、『三人目』がいたか。君も『参加』するかね?》

《いえ、あまり自信がありませんので……。ここで『見学』しています》

そう言って、千草は向きを変えて座り直した。
このまま『ギャラリー』に徹するようだ。

912日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/20(水) 21:36:41
>>911(GM)

《ありがとありがと〜》
《クイズの方も素晴らしい点数取るからね》

《5つあるなら……『15点』以上かな》

      ペロ

口元に垂れてる気がするキャラメル味を舐めとる。

褒め言葉よりずっと雄弁なのは点数だ。
点数が低くてもいいなんて慰めはない。
目に見える価値をまた一つ手に入れてやる。

《んん、邪魔じゃないよ。込み入った話でもないしね》
《間違えたら物投げてくるとかなら別だけど、話に入ってくるだけだし〜》

話しかけてきたのはタケルさんの知り合いらしい。
なら、まあ、別に何か邪険にするものでもないだろう。

《『見てるだけ』も同じ〜》
《見てて楽しいのかは分かんないけどねえ》

《それとも私、クイズバラエティの芸人さんみたいな派手なリアクションした方がいい?》

見た目にも可愛らしく、不愉快さは無い。
見た目は目に見えるステータスで、大事だ。

《んふふ、じゃあホラ、『観客』も来たとこだし始めちゃおうよぉ。ゴ〜ゴ〜!》

913小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/20(水) 22:21:57
>>911(GM)
(以前参加させて頂いた『夢』のミッション自体は打ち切り形式も
相まって、私のPCの中で其の体験に関しては『封印』若しくは
ほぼ記憶に覚えてない形にして頂ければと)

…スリ スリ クルクル

球体の水槽を手の平の中で転がし、ほぼ温度がない冷たさのみ伝えられ
指の感触と拒否感ない冷たさは思考をクリアにしていくのに役立つ。

何かが起きた事は確かだ。明晰夢では無い 心臓と……側頭部だろうか?
激しい痛みと熱 そして胸の奥底に埋まった大切だったと思える何かが
もう一度見えそうだった気がする。 ――何処かに在り日思ひ出

『いえ、質問はこれ以上ありません。回答有難う御座います』

(ルールは問題ない。何処かしらにトリックは見えない
あくまでも個人の知力の度合いが試される)

空白の過去への憂いを瞬きと共に追いやり、掛けられた声に
目線を向ければ、奇しくも今その放置を決めた悩みの独白を聞いてくれた
知人と久し方の邂逅を知り、微笑を作る。

「えぇ、こんにちは 千草さん」

 「……ご主人。もう一脚 貸して頂きますね」

千草さんの隣に椅子を置く。
『墓堀人』(イッツ・ナウ・オア・ネヴァー)の為の席を設け
自身も千草さんの近くへ座り直し、ロダンへ首を向ける。

『では、ゲームをお願いします』

そして、隣へと声を掛けた。

「……近くに居るだけで、勇気を貰えます。それだけで十分です
それだけで心強いのです。ですので傍で見守って下さい」――ニコッ

何時か遠い遠い場所でも、傍で誰かが共に闘ってくれた気がする……

914『黄昏のS』:2019/11/20(水) 23:09:03
>>912(日下部)

日下部が尊重する価値観は、おそらく小林のそれとは違う。
だが、そこに込められている『重み』は対等だ。
それがあるからこそ、『遊び』にも真剣さが生まれてくる。

《はい、ありがとうございます。ここで見させて頂きますね》

《頑張って下さい》

『先輩』と呼ぶからには小林と同じ学校に通っているのかもしれない。
この辺りなら清月生だろうか。
小等部か中等部かは不明だが、高等部ではなさそうだ。

《では、始めようか》

>>913(小林)

奇妙な『何か』が頭の片隅にこびり付いている。
思い出そうとしても思い出せない。
何かがあったのか、それとも何もなかったのか。
真相は『藪の中』だ。
もし何かがあったとすれば、
それはスタンド使いとしての『糧』の一部にはなっているだろう。

「あ、すみません。小林先輩」

        カツン…………

小林の用意した席に、『墓堀人』が腰を下ろした。
下ろしたシャベルの先端が床に軽く当たり、金属質の音を立てた。
立ったままでも本体の疲労が増す事はないだろうが、
小林の配慮は千草に届いている。

「何かのお役に立てるなら嬉しいです」

    ニコリ

千草は微笑んだ。
小林の深奥まで察している訳ではないだろう。
だが、小林に向けている素直な感情に偽りはない。

《では、始めようか》

915『黄昏のS』:2019/11/20(水) 23:23:57
(ALL)

《――――『ストーン・エイジ(石器時代)』》

    ブワァッ

本体であるロダンの声に応じて、『スフィンクス』のスタンドが動いた。
傍らにあった『猫の彫刻』に、『石の翼』が覆い被さる。

           ズ
             ズゥッ

『猫の彫刻』が、徐々に形を変えていく。
出来上がったのは、一枚の『板』だった。
石造りの彫刻が『石板』に変化を遂げている。
『石板』の表面には、『五つの言葉』が刻まれていた。

     『 仲間 』

                   『 成魚 』

            『 怪物 』

     『 友情 』

                『 病気 』

《これが一つ目の『問題』だ》

《さて…………考えてくれたまえ》

ロダンは言って、悠然と尻尾を揺らす。
これらの言葉に共通する『法則』を見つけ出す。
それが、小林と日下部の『勝利条件』だ。
『知恵の獣』と『旅人』のゲームが始まった。



【相談中は、基本的にGMレスはありません。
 相談が終了した時点で、その旨をメール欄で伝えて下さい。
 また、ヒントを希望する場合も、その旨をお伝え下さい】

916小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/20(水) 23:50:50
>>914-915(ALL)

「それは『仲間』を持ち それは『成魚』であり
それは『怪物』でもあり それは『友情』をも持ち
 そして……それは『病気』ともなる」

  キュルキュルキュル

水槽は回転される。何故、『リヴィング・イン・モーメント』は
『回転』を持つのだろう? 何故水槽は回転する力を秘めてるのだろう
ずっと、ブリキの金魚を見つめても。この力は声を発しはしない。

金魚……金魚……魚……私の力の源泉 私の記憶の故里(ふるさと)
今この瞬間に何を成すべなのか


 「――それは〜〜のぼりとして群れで空を舞う。
群体で成魚として特例のモノは『トビ』と言う
在来の種を荒す外来の魚としては『怪物』として
忌み嫌われもしえている。
そして、これは〜〜わずらいと通称で呼称されもする」

「……私は、この問いの答えを『コイ』と整えますが
日下部さんは、どうですか?」

917日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/21(木) 00:05:47
>>913(小林)
>>914-915(GM)

《わあ〜、タケルさんって優しいんだぁ〜》

スタンドの椅子を手配するタケルさんに笑みを向ける。
意味はない気はするけど、彼には重要なのだろう。

それから、五つの言葉……を、見る。

《仲間!》
《友情〜》
《怪物に》
《成魚、せいぎょ?》
《……病気、の五つかあ》

        クイ

カップを傾けて、唇を少しだけ甘みで濡らす。

……よく分からない。

>>916(小林・相談)

《タケルさぁん超頭いい〜、よくそんなの思いつくね》
《でも……どーかな、恋、鯉、濃い……色々考えてもさ》

《成魚は良いとしてね、病気もまあそうかも》
《怪物、ってのはちょっとしっくり来ないし〜》
《仲間と友情って、恋とは違う気がするよ?》
《友と愛ってlikeとloveで、似てるけど大違いだもん》

《んん〜〜〜》

《全部漢字だ! ってのは問題に合ってない答えでしょ》
《濁点の数とかも関係なさそう?》

漢字を目を細めて見つめる。
小林のアプローチは言葉の意味を重視している。

《仲間の間に『日』……友情の情に『月』で怪物の怪に『土』》
《でも成魚とビョーキには関係ないみたい、曜日とは違うかぁ》

日下部は目に見える、はっきりした答えを先に探す。
つまり字形や読み方、そうした『客観』で確かな部分の答えを。

918小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/21(木) 00:38:13
>>917(日下部PC)

「確証……にはなりませんが。カリフォルニア州サンノゼ市……アメリカ合衆国にある
日本庭園の名前は日本『友情』庭園で、その池に棲むのは岡山市から贈呈された『鯉』でして。
まぁ、これを謎に照らし合わせるのは こじつけに近くもありますね。
 色んな水質でも適応して生き延びる生命力もあるので、交配が募ったコイは海外では
畏れられてるのも事実なんですが」

日下部さんの客観的な視点。私には無い視点からの『疑問』もとても有益なものだ。

縛られてはいけない。ただ一つの解法でない 井の中でない海のように視点を広げてみよう。

「全部、漢字……確かに、そうだ。それが共通点で答え……」

いや、でも日下部さんは自ら違うであろうと撤回を出している。
確かに、これの共通点は全て日本語であると告げられては次からの謎に
対しても、私としては何も発せなくなるだろう。

「次善策、としてコイを入れるとして。……このような謎掛けの場合は
二つの単語に一番強く共通するものを照らし合わせ、そこから他の単語にも
手を広げるようにして解法を導くのが適当な形かと」

「私は、そのようにしてコイわずらいと成魚のコイを結び付けてみましたから」

日下部さんに、私自身の推理の仕方を説明しつつ他の答えを巡らして見る……。

919日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/21(木) 01:22:55
>>918(小林)

《やっぱ頭良いんだ〜。沢山本読んでるから?》
《んふふ……でもさ、なんていうんだろ》
《タケルさんは頭いい、『だから解ける』わけで〜》

《それを、『言葉のクイズ』として出さない気がするんだよねえ》

アメリカの日本庭園の名前なんて『知識問題』だ。
スマートフォンで検索する前提なら話は別だけど。

そういう知識は、自分にはない。ふつーは無い。
逆説。『そういう知識を求める問題』とは思えない。

《ん〜〜〜四つの繋がり、ならあるんだけど》
《仲間の『仲』以外は、全部『音読み』の漢字なんだけどねえ》

《怪物の怪と友情の情はどっちも『りっしんべん』だけど他は違う》

《文字の形とか読み方じゃ、ちょっと思いつかない……意味の方なのかなあ?》
《全部『生き物』に関係のある言葉? っていうのは範囲が広すぎるか〜》

920小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/21(木) 18:39:02
>>919(日下部PC)

成魚=病気 まず最初に、結びつきそうで結びつかない単語で
照らし合わせ、密接しそうな単語が『コイ』だった。

他には、あるだろうか? これは謎掛け 
普通の魚の病床と、謎で出題された病気で仮に結びつくとしても
他の友情 仲間 怪物が繋がり得るとは思いつかない。

……やはり、私は固定観念に囚われているのか『コイ』以上の
回答を持ち合わせられない。

『どうしますかね 私としては、既にやれやれと言う擬音が
心境に流れてる次第で。
 勇気を以って、これを答えとするか。慎重を期して
ヒントを頂きましょうか?』

この『コイ』を元に答えとするか、ヒントの提示を頼むか
協力者へと確認を行う。

921日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/21(木) 20:49:20
>>920(小林)

《んんん、もし間違えたら0ポイント》
《でもヒントをもらって正解ならそれで3ポイント》
《ふたつ貰っても……まだ2ポイント残るし》

《タケルさぁん、ねえ、ここはヒント聞いちゃおうよ》

コイ、が正答とはどうしても思えない。
成魚というのも、ちょっと微妙だ……
鯉の稚魚に別の名前があるなんて聞かない。

が、だからといって何か思い浮かぶわけでもない。
五つの言葉には見た目の共通点が浮かばない。
だから前提を間違えている可能性もある。

法則……って言い方をしていた。
数学の法則が、『主観で変わる』とは思えない。

《考え方の、向きっていうのかな〜》
《答えが分かるかは置いといてねえ》
《向きが間違ってたら、一生答えには着けない》

《私達の考え方で良いのか……早めに確認しとこ?》

もちろんそういうヒントとは限らないけど。
最初だからこそ、ここでのヒントは後にも活きるかもしれない。

922小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/21(木) 22:07:35
>>921(日下部PC)

『そうですね。成魚となれば、コイの他に代表各と言えば
ブリやスズキにボラなど連想出来ますが。病気に無理やり関連させるとして
まさぁエボラ熱で『ボラ』なんてのは厳しいし、仲間や友情 怪物といった
ものと繋がるとも思えない。ここはヒントを貰いましょう』

>GM

『……と、言うわけで。ヒントを頂いて宜しいでしょうか?』

ロダンへとヒントを頂く事にする。

彼は中々な賢者だ。我々の想像に及ばない答えを秘めているのなら
その口から、その調べを一節 聞かせて頂こう。

923『黄昏のS』:2019/11/21(木) 22:29:04
(ALL)

『スフィンクス』――――ロダンは、
黙って二人のやり取りに耳を傾けていた。
そして、小林の言葉を聞いて頷いてみせる。

《『ヒント』を出す前に言っておこう。
 これらの『五つの言葉』が、
 『一つの何か』を指しているという訳ではない。
 あくまで『共通する法則』を見つけ出す事が、このゲームの狙いだ》

《そして、これは『言葉のパズル』だ。ゆえに『知識』は問わない。
 『漢字が正しく読めるか』というような最低限の知識は必要だが、
 専門的な知識は必要としないと考えていい》

《さて…………『言葉』には様々な側面がある。
 たとえば、『文字の形』や『意味』や『読み方』などだ》

《最初にクサカベが言ったように、
 これらの言葉は全て『漢字』で構成されている。
 そう、この問は『漢字』に注目してもらいたい。
 ただし、これを解くには少しばかり『ウィット』が必要になるだろう》
 
《『行間を読む』という言い回しがある。
 この場合は『行の間』ではなく『言葉の間』だが、
 近い部分はあるかもしれない》

《こうすれば――――幾らか分かりやすくなるのではないかな》

           ブ ワ ァ ッ

『ストーン・エイジ』の翼が『石板』を包み込む。
翼が離れると、『石板に刻まれた言葉』に変化が生じていた。



      『 仲 間 』

                      『 成 魚 』

             『 怪 物 』

    『 友 情 』

                 『 病 気 』



《……?漢字と漢字の間に『隙間』が出来たみたいですね。
 どういう意味なんでしょうか……》

小林の隣に座る千草が、不思議そうに首を傾げる。
その言葉通り、二つの漢字の間に『スペース』が空けられている。

《この『法則』が当てはまる言葉は他にもある。
 数多くあると言っても差し支えない。
 そう…………今さっき出た『一生』という言葉も含まれるようだ》

《――――『最初のヒント』は、この辺りまでにしておこう》

924小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/21(木) 22:59:06
>>923


      『 仲 間 』

                      『 成 魚 』

             『 怪 物 』

    『 友 情 』

                 『 病 気 』


「――!! そうか……っ 千草さん、有難う
解りましたっ 解りましたよ! 
 正解は 『目の前にあった』! 私の隣、いや私も
我々の事っ  そう言う事かっ!」

 千草さんの手を取り、我が意を得たりとばかりに告げる。

 つまり…… こう言う事。

 
      『 仲”人”  ”人”間 』

                   『 成”人” ”人”魚 』

             『 怪”人” ”人”物 』

    『 友”人 ”人”情 』

                 『 病””人” ”人”気 』


 『答えは私達 ”人””間の事!』

925『黄昏のS』:2019/11/21(木) 23:32:55
>>924(小林)

「――――えッ?」

千草が呆気に取られた表情を見せる。
不意に手を取られたため、驚いたようだ。
そして、小林は確信を持って自らの解答を告げる。

《そう――――答えは『人』。
 より詳しく言うと、
 『間に人を入れると二つの言葉に分かれる』という法則だ》

《『一生』の間に『人』を入れると『一人』と『人生』に分かれる。
 さっき言ったように、これも『法則の範疇』と言えるだろう》

《見事な解答だ。実に素晴らしい。
 ルールに従って『三点』を授与しよう》

小林の答えに、ロダンは満足気に喉を鳴らす。
『正解』だ。
『石板』の片隅に、得点が刻まれた。

                 [現在の総得点:3/20]

(ALL)

《では、『二問目』に移るとしよう》

    ブ ワ ァ ッ

             カリカリカリカリカリ
                      カリカリカリカリカリ…………

『ストーン・エイジ』の翼が大きく広がり、
石板に『次の問題』が刻まれていく。



     『 背負い投げ 』

                      『 迷路 』

             『 お化け 』

   『 ソファー 』

                 『 糸コンニャク 』



《さて――――考えてくれたまえ》

926日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/21(木) 23:53:06
>>924(小林)
>>925(GM)

《すご〜い。私ね、ヒント貰っても分かんなかったよ》
《やっぱタケルさん頭いい〜》

小さく拍手をする……精密に、音を立てずに。
やっぱりタケルさんの力……発想力はこの勝負に大事だ。

《2問目はまた、全然分かんないね》

《迷路》
《お化け》
《ソファー》
《背負い投げ》
《糸こんにゃく》

《ぱっと見だと……『文字数』で並べられる法則〜?》

そしてクイズの方向性は、先ほどと違いそうだ。
少なくとも『漢字を割る問題』はあれ一つだろう。

《さっきの理論でなら迷路屋敷、お化け屋敷》
《糸こんにゃく屋敷なんて無いよねえ〜。んふふ》

927小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/22(金) 09:38:49
>>925(GM)

     『 背負い投げ 』

                      『 迷路 』

             『 お化け 』

   『 ソファー 』

                 『 糸コンニャク 』

先程は、空間の隙間を見つめ続ける内に天啓とも思える程に脳内物質が
著しく前頭葉の筋の隙間を冷たい液体が流れ込むかのように答えが
見いだせていた。『ロダン』の出す問題は 必ず法則性がある。

(となれば……日下部さんの文字数が一文字ずつ増える法則。
一見すれば、階段状に広がりは見せられてる。だが”それだけ”か?)

>>926(日下部PC)

『分断させ漢字を入れる事は、まず無理ですね。……カタカナにして見ますか
メイロ・オバケ・ソファー・セオイナゲ・イトコンニャク
めいろ・おばけ・そふぁー・せおいなげ・いとこんにゃく

……ふむ? どれかア行のみを抜いても単語として通用すると言うわけでも
無さそうですが、諦めるには早い。もう少々考えて見ましょう』

日下部さんにも応援の言葉を掛けつつ、自身も思考を続ける。

928日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/22(金) 14:05:52
>>927(小林)
>GM

《あ! なるほどね〜。タケルさぁん私分かっちゃったよ》

不敵っぽい笑みを浮かべて、文字を指差す。

《メイ、ロ》
《オバ、ケ!》
《ソフ、……アー》

《それから》

《……せ》 《オイ、ナゲ》
《イトコ、ンニャクう〜》

カタカナにするというアイディアがそれを見出した。
背負い投げだけ若干違うけど……まあそれはいい。
知らないだけで「せおい」って言葉もあるかもしれない。

つまり。

《姪っ子に叔母さん、祖父、甥っ子、従兄弟》
《全部、なんていうの? 親類? の名前だよねえ》
《親族だっけ〜? どっちでもいいか》

《んふふ、どうどう〜? 私、いい線行ってると思うけど》

主観の入り交じらない、はっきりした答えを用意できた。

929小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/22(金) 18:42:47
>>928

パチパチ

瞬きを数回、日下部さんの言葉に反応しての瞼の開閉を反復。

『ははぁ……成る程』

姪 叔母 祖父 甥 従兄弟

背負い投げのみ、最初の頭文字が異なるのは簡単に
謎を解かせないようにする為だろう。おい、から始まる単語だと
全ての単語の最初に注目すると容易に解読されやすくなる。

反論はない。二問目は日下部さんの快挙だ。

「お見事です」 パチパチ

大きく反響しない程度に、自分も賛同と賛意の柏手を数回打ち
ロダンへと、こちらも回答に問題ない事を示し頷く。

930『黄昏のS』:2019/11/22(金) 19:47:34
>>928(日下部)
>>929(小林)

《ほう――――》

《やはり君は『レベル』が高いようだ。
 『カナに直す』というタケルのアイディアも優れている》

《『正解』だ。これらの言葉には、全て『親族』の名前が隠されている。
 タケルも気付いたようだが、
 『背負い投げ』だけ言葉の頭でないのは『意図的』だ。
 それに惑わされなかったのは素晴らしい》

《実に申し分のない解答だ。満点の『四点』を授与しよう》

                 [現在の総得点:7/20]

《お二人とも凄いです。
 こういうのを『チームプレイ』と言うのでしょうか?
 千草も見習いたいです》

千草が羨望の眼差しで日下部と小林を見つめた。
ロダンも感心した様子で軽く頷いている。
『15点以上』という日下部の見立て通りなら、
およそ半分くらいは獲得しただろうか。

(ALL)

《では、折り返しの『三問目』だ》

    ブ ワ ァ ッ

             カリカリカリカリカリ
                      カリカリカリカリカリ…………

再び『石板の言葉』が書き換えられていく。
まもなく、『三つ目の問題』が完成した。



     『 稲荷 』

                     『 顔 』

            『 姉妹 』

     『 水 』

                   『 軍鶏 』



《さて――――考えてくれたまえ》

931小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/22(金) 22:14:20
>>930(GM)

「『チームプレイ』と言うなら。最初の問題の提示の際
千草さんが『隙間』と述べてくれなくては閃きませんでしたよ。
十分、私の力になってくれてますよ」

千草さんに、自身の気持ちを明かしつつ。日下部さんにも
微笑を向けつつ、答える。

「――私も、少々挽回しませんとね。
答えは、こうです。
稲荷⇒”い”いなり 言い成り
顔⇒”か”かお   カカオ
姉妹⇒”し”しまい 獅子舞
水⇒ ”み”みず  蚯蚓
軍鶏⇒”し”しゃも シシャモ  

ですね? ロダンさん」

932日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/22(金) 22:18:21
>>929 >>931(小林)
>>930(GM)

《やった〜〜〜。最高点だあ。んふふっ》

      ニ コォ〜

《この調子でどんどんやっちゃおうねえ、タケルさん》
《得意分野がお互い違うみたいだし》

《千草クンに良いところを見せちゃお〜》

ヒント無しで解けたのは良い。
気分も良いし、最高得点を取れたからだ。
最高得点は誰が見ても間違いなく、凄い。

次の問題もそうありたい。
石版を見て、何気なく読み上げる。

《稲荷、姉妹、顔、えー、軍鶏。水》

《いなり、しまい、かお、しゃも、みず》

《いあい、いあい、あお、あお、いう》

《い、あ、お、う》

《そだねえ、『え』の音をどれも使ってないとか?》
《んんでも、タケルさんの答えの方が綺麗かも〜。私もそっちでいいよお》

答えになり得る気はするが、タケルさんの答えはもっときれいだ。
それなら、そっちの方がいい。問題としての『完成度』を信頼する。

933『黄昏のS』:2019/11/22(金) 23:08:20
>>931
>>932

《そう、タケルの答えが『正解』だ。
 これといって私から補足する事もない。『満点』だ》

《――――非常に素晴らしい》

                [現在の総得点:11/20]

《いえ、そんな……》

《でも、役に立てたなら嬉しいです》

    ニコリ

小林の言葉に、千草は笑顔を見せた。
二人に向ける視線には『尊敬』が篭っている。
そして、再びロダンの声が響いた。

(ALL)

《タケルとクサカベ――――君達の解答は素晴らしい。
 私も、それに相応しい問いを出さねば失礼に当たる》

《君達に敬意を表して、ここからは少し『ハードル』を上げよう。
 『次の問い』は、少々手強いものになるだろう》

《だが、君達なら解けるかもしれないな》

    ブ ワ ァ ッ

             カリカリカリカリカリ
                       カリカリカリカリカリ…………

『ストーン・エイジ』が動き、石板に新たな言葉が刻まれる。
『四問目』だ。



     『 天使 』

                     『 白黒 』

             『 鶴 』

     『 変身 』

                   『 狼煙 』



《さあ――――解いてくれたまえ》

934小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/22(金) 23:55:22
>>933(GM)

『尊敬』など 一番私の価値に見合わないものだと 私自身が良く理解してる。

私に力があれば”守れた筈”だ 私に先見あれば”失わなかった筈”だ

遠く 遠く もう遙か昔。私(小林 丈)が出来る前に事。

…………そう言えば、私は。そう言った取り零しを つい最近にも
身に覚えがあった気がする。

 いや、今はよそう。ロダンが私達を試している 挑んでいる。
今は彼の期待に応える事が大事だ。

『……天使、白黒、鶴、変身、狼煙』

当たり前だが、割り込める漢字、親族等の関連、語尾を続けざまに
発音する事でも名詞が確立するようには見えない。

(……白黒、これは確かモノクロームとも読む)

ロダンは『ハードルを上げる』と告げた。

『エンジェル・モノクローム・クレイン・トランスフォーム・ビーコン』

”えんじ” ”くろ” ”いん(※印色) ”む(色)” ”こん(紺)”

(……いや、流石に英語に読み換えすのは無理がある)

ただ、発想は良い筈だ。もう少し考えを進めてみよう

935小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/23(土) 01:19:53
>>934(追記)

……駄目だ、考えが纏まらない。

もう一度、今度は平仮名で考えてみよう。

てんし しろくろ つる へんしん のろし

 …………?

『……日下部さん、これは全部”一筆書き”なのでは?』

そう考えを振ってみる。

936日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/23(土) 12:40:30
>>933-935(GM・小林)

《や〜、敬意って示されたの初めてかも。うれしいねえ》

正答の喜びもつかの間、次の問題はまた『難問』だ。

《……なんだろ〜、全部の言葉の漢字に"日"の形のパーツがある?》
《んんでも、違うな。『天使の使』をそう考えるのは無理矢理すぎるか》

ロダンさんの自信も、身のないものじゃないのが分かる。

《……あっ、一筆書きかあ〜》 《そういう方向性ねえ》

    スイスイ

《……ほんとだ》

《タケルさぁん、頭柔らかいねえ!》
《物をいっぱい知ってると、堅くなりがちなのに》

指で文字を書いてみる。
なるほど一筆書きだ。

今までの問題とはまた毛色が違う答え・・・
だけど、ハードルを上げると言っていた。ありえる。
懸念があるとすれば……やっぱり、毛色の違いか。

1問目と3問目は言葉を足す問題だった。
足すべき言葉に『法則性』があった。
2問目は言葉を抜き出す問題だった。
これも、同じ『法則性』のある言葉を抜き出した。

《うーん、これが正解な気がしてきたよ》
《ヒント貰って、確認してみるのはアリだとは思うけど》

《でも、"偶然こうなる"とは思えないよねえ》
《一筆書きのひらがなってそんなに多くはないし〜》

ひらがなにすると一筆書き。法則性はある。偶発性も低い。
だけど、それなら『発音に"え"が含まれない』のも法則だ。
これがロダンさんが想定する正答なのかどうか、というのが懸念だ。

《目に見えて分かる、立派な共通点だよお》

懸念。形のない不安だ…………形のある答えより重く見るものじゃない。

937小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/23(土) 14:52:02
>>936

”一筆書き””
  文字通り、字を書く際に離さないようにする技術。

偶然で、これ等がなされてるとは考えにくい。もう一つヒントを
頂いて確実性を高める事も出来るが……。

『いえ、これを回答と致しましょう。
日下部さんは得点を高め、最大限の報酬が出来れば欲しい。
それならばリターンを賭け、ノーヒントで。
 正解である事を期待しましょう』

実際、これ以上の共通点や関連となるものが見た所無い。
わざわざ英語に直したり等、そこまで複雑にして答えを割り出すより
平仮名で、この一点の技術のみが共通すると言う紛れもない真実に
自然と身を任せるべきだろう。

『間違っている場合は、私の報酬が差っ引いて頂ければ済む話ですし』

『と、言うわけで。ロダンさん
”一筆書きの法則” これを正解として出します』

938『黄昏のS』:2019/11/23(土) 19:00:37
>>937(小林)
>>936(日下部)

《『平仮名にすると一筆書き』になる。
 そう、それが『正解』だ。君達には聊か簡単過ぎたようだな》

《ふむ、素晴らしい成績だ。『四点』を授与しよう》

                     [現在の総得点:15/20]

    パチパチパチ
             パチパチパチ

千草が静かに拍手を送った。
隣に座る『墓堀人』も同じように手を打ち合わせている。

《ここだけの話だが、『スティーヴン』はヒントが二つ必要だった》

ロダンがカウンターの向こう側に視線を向けた。
今は奥にいるらしく姿が見えないが、
『スティーヴン』とは主人の名前らしい。
しかし、ロダンと意思疎通が可能なのは『スタンド使いだけ』の筈だ。

(ALL)

《さて…………いよいよ『最終問題』だ。
 少々名残惜しいが、この『遊び』も終わりが近い。
 私も、締め括りに釣り合う問いを披露するとしよう》

《用意はいいかな》

    ブ ワ ァ ッ

            カリカリカリカリカリ
                     カリカリカリカリカリ…………



     『 国 』

                    『 双葉 』

             『 花 』

     『 寺院 』

                   『 竹 』



《――――これらに共通する『法則』は何か?》

939日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/23(土) 20:08:22
>>937(小林)
>>938(GM)

《やった〜。タケルさん流石! かっこいい〜》

《私の目標点はこれで超えちゃったね》
《15点。ヒント一回ずつ使って全問正解と同じ》

《でも、ここまで来たらねえ》
《タケルさん、ここまで来たらだよねえ?》

次もヒント無し・・・それが理想だ。
スティーヴンに完勝したい。スティーヴン? 誰だ?
ここのスタッフのことだとは思うけど。

未知のスタンド使いっていうのは、案外いるものだ。

《国、寺院、花、双葉、竹》

《今回は一文字多いねえ、これが意味あるのかな……》

植物関係の言葉が多いのはおそらく関係ないだろう。
言葉そのものの意味は、今まで触れられていない。

《共通する法則……んん、ひらがななら……くに、じいん、はな、ふたば、たけ》
《カタカナはクニ、ジイン、ハナ、フタバ、タケ……表記を変えると分かりやすい問題が続いてた》

《双葉ってのがなんだろうねえ、他とちょっと違うのはこの言葉かな》

だからこそ今回は、というのもありえるけど・・・考えつつ、タケルさんに話を振る。

940小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/23(土) 20:35:28
>>938(GM)

拍手に対し、照れくさく軽く頭を掻いて呟く。

「いえ、滅相も。たまたま平仮名を描いたら閃いただけですから」

スティーヴンさん? の事については全く把握してない。目の端で奥の
店主が居るだろう場所を一瞥するものの、この最終問題に関して
私も神経を研ぎ済まなければいけない。

 キュルキュルキュルキュルキュルキュル……ッ

水槽を回転させる速さの如く、頭の中も回転させてみる。

>>939(日下部PC)

「日下部さん……もう一度、復唱して貰って良いです?」

 くに じいん はな ふたば たけ……上の序列から考えて

くに ふたば はな じいん たけ……と並び変えてみる。

『……んんー ”はなばたけ”と言う字が作れる。
 じいん くに で”虹”と”インク”と言う単語も。
だが、それだと”ふた”と言う字が余りますね。
蓋(ふた)と言う字は有りますが……これは法則性となるか?』

『もう少し探って見ましょう』

941日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/24(日) 00:35:46
>>940(小林)

≪くに、じいん、はな、ふたば、たけ≫

≪文字を並び替えて別の言葉?≫
≪にく、いんじ、なは、けた……ばたふ≫
≪ばたふは知らないなあ〜≫

≪はなばたけ、にじ、いんく、ふたの方がまだそれっぽいかもねえ≫
≪でも……『法則性』っていうには、今までの問題みたいに綺麗じゃない気がする≫

『1つの言葉になる』とか『どれも別の言葉になる』ならそれっぽい。
けど、そういう組み合わせは頭の中に浮かんでこない。

≪クニ、ハナ、ジイン、フタバ、タケ≫

カタカナを指で書く。

≪KUNI、HANA、JIIN、HUTABA、TAKE≫

英語っぽい発音で言ってみる。

≪漢字を分解するにしても『竹』と『花』がシンプルすぎるよねえ≫
≪竹は『ケケ』で、花は『キ』と『イヒ』……んん、カタカナに分解しても寺院とかは無理だ≫

とりあえず思いつくことはどんどん言ってみる。この問題は今まで以上に難しそうだ。

942小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/24(日) 23:41:55
>>941(日下部PC)

国 双葉 寺院 花 竹

くに ふたば じいん はな たけ

……まだ、取っ掛かりが見えない。ここは『今』に対し一旦目を閉じ
過去の流れに対し身を翻して思考を整えてみよう。

第一問は二つの漢字の中に一つの漢字を入れる事が可能な法則

第二問は親族の名前が隠されている法則

第三門は最初の語句を重複させても別の単語となる法則

第四問は全ての文字が一筆書きとなる法則

どれも全て『文字』に対するパズル。ならば字をばらばらにして
別の単語として完成出来る事も法則になるだろうか?

「どうも、しっくり来ませんね……一応、国籍マーク
寺院マーク、双葉マーク、花マーク、竹マークなんてのも
有りますが。それじゃあ最初に指摘されたように知識問題だ」

今まで覚えて来た知識はまっさらにして、これ等五つに対し
共通して当て嵌まる『法則』が 必ずある。

「……う〜〜〜ん  
日下部さん、一つ思い付いたものは、思いついたんですが……」

国⇒くにくに(意味:まがりくねるさま)
双葉⇒ふたふた(扇を動かしたり鳥が羽ばたいたりした
ときに立てる音や、そのさまを表す語)
寺院⇒陰々(薄暗く、寂しいさま)
花⇒はなばなしい
竹⇒たけだけしい

「……と、言うのはどうでしょう?」

943日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/25(月) 02:17:05
>>942

《んん……いんいん、とふたふた、かあ》
《あんまり使わない言い方だよねえ》

補足説明がある通り、『直感』を欠く気がした。
言ってしまえば言葉は変幻自在だ。
誰も使わない言葉もこの世界に『今』作り出せる。

・・・目を閉じて、すぐに開く。

《くに……にく、『憎々』しい》
《たけは……けた、『ケタケタ』笑う》
《ふたばは、ばた。『ばたばた』はよくある擬音だよね》
《じいんは『いじ』で『イジイジする』》

《……でも花は違うか、『那覇』はあるけどナハナハなんて知らないし〜》

タケルさんの答えから連想できたが、どうもこれも違いそうだ。
偶然としては一致率は高いけど、それこそ言葉は変幻自在だからとも言える。

《んんんん……突破口ってやつが見えないよタケルさん》
《悔しいけど〜……悔しさより『点数』だ。ヒントもらうのも考えた方がいいかも》

ここまできたらノーヒントが理想的だけど、意地を張って0点はよくない。
堂々巡りに陥る前に、ヒントを一つもらっても『目標』よりはずっと上の点数だ。

944小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/25(月) 18:38:50
>>943(日下部さん)

『そうですね、ヒントを仰ぎますか・・・』

一応最初の語句と、さんを付けると
苦惨・不参・持参・破産・多産となるが、当て付けが少々大きい。

一問目から四問目まで。全て美しい法則がロダンの問題には秘められていた

最後を無理くり共通項を自作するよりも、正直を美徳として
ヒントを一問貰い、正攻法に挑むべきだろう。


『――と、言う事で。すみませんがロダンさん
最後の問題のヒントを願います』

945『黄昏のS』:2019/11/25(月) 21:33:16
(ALL)

ここでヒントを得たとしても、『一点』を消費するだけだ。
手掛かりを掴む事を優先するのは正しい判断と言えるだろう。
二人のやり取りを悠然と眺めていたロダンは、
求めに応じて再び口を開いた。

《私が見る限り、君達は賢明な人間だ。
 タケルもクサカベも、このパズルの『コツ』は、
 かなり飲み込んでいる事と思う…………》

《ただし、『最終問題』は、これまでの四問とは趣が異なる。
 従って、解明には『違ったアプローチ』が必要になるだろう》

《この『謎』を解くためには、多少の『知識』を要する。
 しかし、決して『専門的知識』ではない。
 最初のヒントで述べた通り、
 あくまでも『最低限の知識』の範疇に含まれる》

《君達も、そしてタケルの隣に座っている君も、
 その『知識』を有している筈だ》

「えっ?そうでしょうか……?」

千草はキョトンとした顔をし、『墓堀人』も首を傾げている。
『分かっていない』という表情だ。
だが、ロダンは『千草にも分かる』と言う。

《――――ここまでにしておこう。
 聊か少ないかもしれないが、君達のレベルに合わせた結果だ》

946小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/25(月) 22:47:11
>>945

『違ったアプローチ』……か

「千草さんは中等部……つまり『中学生』でも既に知っている範囲の
『5個1組の概念』と合わせる、とかですかね」

となれば、幾らか挙げてみよう。

五行 - 道教で、木・火・土・金・水。

五色 - 上記の五行に相当する色で、青・赤・黄・白・黒。

五感 - 視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚。5種類の感覚。

五方 - 東・西・南・北・中。若しくは左・右・前・後・中。

五体 - 頭・首・胸・手・足。

「……と言う感じで、以上のものを国 双葉 寺院 花 竹に照らし合わせる」

となれば、一番有力なのは何だろうか……?

947日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/25(月) 23:40:04
>>945
>>946

《アプローチ……知識かあ》

《タケルさぁん、ふつうの中学生は多分ね、五行知らないと思うな〜》
《だって私も知らなかったもん。んふふ、五感はわかるけど》

《五感なら、花は鼻! で、国は……口? 寺院はじいーっと見るから目》
《でも双葉と竹が結びつかないし〜、それ以外も無理やりっぽいか》

タケルさんの方が知識はあると思う。
けど、そういうハイレベルの話ではなさそうだ。
一般常識……国、双葉、竹、寺院、花。

五つあるから五つの何かとは限らないけど……結び付けやすくはある。

《んん……そうじゃなきゃ地図記号、とかは違う》
《双葉、竹、花》
《国》 《寺院》

《それこそ最初の音読み訓読み……じゃないんだよねえ》
《寺院だけ違う》 《言葉自体には全然共通点がない》

五つの言葉だけで考えると、国、という大きすぎる言葉が共通をよく切る。
何かを接続しようとすると、言葉として用途の狭い竹と双葉が邪魔になる。

中学生でも知っている知識となると英語もか……だが双葉と寺院は『怪しいところ』だ。

948日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/25(月) 23:40:22
>>947(メール欄抜け)

949小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/26(火) 00:47:46
>>947

『双葉 寺院……この二つの単語は本当に、謎を解くにあたって
難解ですね。国 竹 花ならば、まだ何とかなりそうだが
この二つが読み解くにあたって険しい……』

一般常識……千草さんでも有する知識。そちらに視線を向ける

千草さん 『墓堀人(イッツ・ナウ・オア・ネヴァー)』

印象深い事は記憶から掘り起こしてみる。となれば、つい先程に
最初の問いに対し『隙間』を述べて、私が彼女の手を握って閃きを口に……


       …………”手”……っ

「――手」 ガタッ!

 千草さんに対し再度その片手を両手で包み込むようにして凝視する。
そして抑揚を付け述べてみる。

 「”待” ち ”人”(人さし指)
  ”花”   ”薬” (薬指)
  ”中”   ”国” (中指)
  ”双”   ”子” (小指)
  ”親”   ”竹” (親指)」

 「――日下部さんっ どうでしょうか!?」

950日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/26(火) 02:05:16
>>949

≪タケルさぁん、惜しいとは思うんだけど〜〜〜≫

≪寺院の寺は『待つ』とは違うよお≫
≪ロダンさんなら、そこをひねっては来ないと思うんだよね≫

≪花薬っていうのも私、あんまり知らないし≫

そうするなら『待合室』とでも出題すればいい。
背負い投げ、という『ズラし』はあったけど。

正解は分からない。
が、不正解をはじくことはできる。

≪でも……双葉とか竹とかの『使い方』は良い線いってる気がする≫
≪どっちも使えるような何かを用意するのがいいのかも……んん≫

≪竹……竹林、竹馬? うま……一般常識なら『干支』?≫

≪双葉、花、国、寺院……やっぱり寺院がとくに邪魔〜〜〜≫

≪寺院の線からだと繋がる言葉とかは思いつかないし、字に特徴もないんだよねえ≫
≪寺、に土、って字が入ってるから曜日か、星の名前……っていうのは強引すぎるし≫

951小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/26(火) 10:28:09
>>950(日下部PC)
(※すいません、ちょっと疲れてました)

(…………そうだ『寺』は『待』とは違う)

多分、また呆気にとられているだろう千草さんに謝罪を述べつつ手を離す。

(今までの情報……『スティーヴン氏はヒントが二つかかる』
『千草さんも把握している中学生レベルの基本的な知識を合わせる』
スティーヴン氏は、まず間違いなく海外出身)

日下部さんも行っていたローマ字変換をしてみるか?

hutaba
take
hana
kuni
jiin

「ここは寺院の”寺”部分はもう考えないほうが良いかも知れません。双葉も、もう一つの
ほうは無いものとして私は考えて見ます」

寺院 双葉、この二つの単語で考えると、竹 花 国と合わせようとすると
どうしても邪魔が入る。院 それと双 又は葉で
と、なると何が合わせられる?

952日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/27(水) 07:29:38
>>951(小林)

《そだね、今までの問題も言葉の"全部"に意味があったわけじゃないし〜》

《ノイズにしちゃうのもいいのかも》

言葉から一部の要素を抜き出す問題もあった。
今回も双葉は『双』を持ち出すための言葉かもしれない。
が、そうではないかもしれない……

よくない。考えが完全に堂々巡りしはじめている。

《んん〜〜〜、双葉さえなければね?》
《寺院は印字、国は肉、竹は桁、花は那覇……なのになあ》
《偶然にしてはよく揃ってると思うんだけど〜〜〜》

キャラメルマキアートを一口飲む。
ここまで考えても『出てこない』……しかも2人揃って。

たぶん何か、すごい見落としがあるんだろう。
だけどそれがなんなのかがわからない。

《双……は、双眼鏡、双子、双翼、双極、えーと、双六(すごろく)》
《子……双子、竹の子……他は違うね。六で数字……双六、三国志、これも違う〜》

《だめだ〜タケルさあん、私もうなにも思いつかないよ》
《ねえ〜、ちょっと負けた気はするけど……0点よりはいいし、ヒント追加しない?》

このままいくと無理筋の考えを続けるか……
そこから捻り出した無理のある共通点しか出せない。

答えになる知識は持っているはずなのに、引き出せない。
引き出すためのとっかかりがない……それを得るにはヒントが最適だ。
それでも……最初に決めたはっきりした目標、『15点』は超えられる。

953小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/27(水) 10:44:41
>>952(日下部PC)

「そうですね、少々惜しいですが……」

曜日の月 火 水 木 金 などでは当て嵌まらない。
基礎的な五つ一つの概念を語尾に色々接続してみたが未完成。

日下部さんは、幸いにも一定の目標には到達してるようだし
私自身、こうやって他の方とやりとりするだけで構わない。
極論、得点など0でも良いわけなのだから。

「ではロダンさん、改めて ですが。ヒントを……」

「それと、千草さん。申し訳ないです
二度も行き成り手を握って……」

ヒントの提示と謝罪を口にしつつ、返答を待つ。

954『黄昏のS』:2019/11/27(水) 20:25:58
>>952(日下部)

温かいキャラメルマキアートが喉を通る。
同時に、その甘味が心と体に染み渡っていく。
多少は『脳の疲れ』も取れたように感じた。

『二点』を消費し、『第二のヒント』を得る。
日下部の提案に対し、小林も同意した。
この『堂々巡り』を脱するためには必要な事かもしれない。
日下部も小林も、解明に必要な『知識』は持っている筈だ。
『第二のヒント』で、それを掴む事が出来るだろうか。

もっとも、既に『個人目標』は達成しているのだ。
少なくとも、その点における憂いはない。
しかし、これに『正解』すれば、より『上』を目指す事が出来る。

>>953(小林)

「いえ、そんな……。気にしないで下さい。
 少しビックリしただけですので……」

「何かのお役に立つのでしたら、いつでもどうぞ」

    ニコリ

小林を見上げ、千草は笑顔を見せた。
純粋で曇りのない表情だ。
しかし、隣には不気味な『墓堀人』のスタンドが座っている。
それら両者の対比が、どことなく『底知れなさ』を漂わせていた。
それが『何に由来するものか』は、まだ分からない。

(ALL)

『解答権』は『一人につき一度』だ。
このまま一か八かで答える事も出来なくはない。
しかし、確信がない状態で正解に至る見込みは薄いだろう。
『ヒント』は『二つ』残っていた。
『迷宮入り』の可能性も考慮すれば、
『アリアドネの糸』を使うのは賢明な選択と言える。

《これまでの四問を突破する上で、
 君達は様々な『解法』を編み出して見せた。
 それは非常に素晴らしい事だ。
 ただ、『複雑な方法』ばかりが『解法』とは限らない》

《『思考の選択肢』が増える事は、
 『単純な解法』を無意識に除外してしまう一因とも成り得る》

《つまり――――この『問い』は『そう複雑ではない』という事だよ》

《この『謎』を解くために幾らかの『知識』を要する事は、
 先程も話した通りだ。
 それについて、もう少し詳しく説明しよう…………》

《『五感』や『干支』や『地図記号』など、
 今までに様々な案が出されている。
 しかし、ここで必要な『知識』というのは、もっと『身近』なものだ。
 ほとんど『日常的』と言ってもいい》

《それは、一見よく覚えているように思える。
 ところが、いざ思い出そうとすると、意外に出てこない。
 慣れ過ぎている事によって、却って意識の外に置かれてしまう。
 『灯台下暗し』という言葉があるが、
 そういった類の『知識』と呼べるだろう》

《君達は『寺院』と『双葉』に手を焼いている。
 しかし、この中では『寺院』は分かりやすい方だ。
 『竹』などは少々分かりにくいかもしれない。
 『双葉』は『寺院』ほど分かりやすくはないが、
 『竹』よりは分かりやすいと言える》

《そして、この『法則』に当てはまる言葉は『五つだけ』ではない。
 他にも幾つか存在する。
 即ち、『五つで一組の概念』ではない…………》

《――――『二つ目のヒント』は、この辺りにしておこう。
 念の為に言うが、一人が解答した後も『相談』は可能だ》

「何だか頭が疲れてきました……」

    ズズ

「……千草には難しすぎるみたいです」

千草は目を白黒させながら、両手で持ったカップを傾ける。
『カフェオレ』を飲んでいるようだ。
ロダンは『スフィンクス』のスタンドと共に、また静観の構えに入った。

955小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/27(水) 22:59:10
>>954(GM)

「……えぇっと」

『墓堀人』に顔を向ける。そう言えば、彼? 彼女? は私が千草さんに対する
挙動について不服と思ってるのか、黙認しているのか。
謝罪するのも、こちらが何かふしだらな思惑があった事を肯定してるようだし
私の親友(ヤジ)にも、無闇やたらな謝罪は控えろと言われている。

「……その、応援をお願いします」

なので、傍らに控える墓堀人にも頭を下げて願う事に留めた。

《これまでの四問を突破する上で、
 君達は様々な『解法』を編み出して見せた。
 それは非常に素晴らしい事だ。
 ただ、『複雑な方法』ばかりが『解法』とは限らない》

《『思考の選択肢』が増える事は、
 『単純な解法』を無意識に除外してしまう一因とも成り得る》

《つまり――――この『問い』は『そう複雑ではない』という事だよ》

・・・・・・
複雑ではない

我々(日下部・三枝)や、外国の方(スティーヴン)でも十分回答出来るもの。

国・双葉・竹・花・寺院

『竹』などは少々分かりにくい

竹…………竹……たけ……

――たけ? そう言えば、私の下の読み方にも似てる。
『丈は中国や日本の伝統的な長さの単位』……

「嘘でしょう」

思わずと言う感じで呟く。確かに、『灯台下暗し』

国を『こく』と読み 1刻 2刻

花を『か』と読み 1価 2価

寺院は最初の語句『じ』で 1時 2時

竹は『たけ』で 一ぶ丈 2ぶ丈

双葉は『たば』で 1束 2束

『この五つ全て、別の”単価”
そう言う事ですか……?』

『日下部さん、共通と思われる法則。
一つ見つけましたよ』

956日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/28(木) 02:37:12
>>954(GM)
>>955(小林)

「いや〜、私にも難しすぎるよ。まいったまいった」

軽口を言いつつタケルさんの新しい答えを聞く。
なるほど、これなら『寺院』も『双葉』も解決だ。

・・・懸念もなくはない。

≪花のやつ、私聞いたことないなあ≫
≪一価……え〜と、理科か何かの単位?≫
≪それだけがちょ〜っとだけ不安だけど≫

花、という言葉は『難しい』と言っていなかった。
寺院は『時』でわかりやすい。
丈よりは束の方が分かりやすい。

花……一価、二価というカウントは果たして『一般知識』か?

≪でも、4つも『それっぽい』し≫
≪1つも『そうとも言えなくもない』≫

≪タケ〜ルさん、私それ、アリだと思うな〜≫

それでも、他に答えは思いつかない。
というよりこの答えを捨てるほど良い答えが浮かんでこない。

(……寺院は簡単、竹が分かりにくい? 寺院……Gん……)
(た…K? いやいや、双葉も国も違うじゃん。ここまで単純じゃないか〜)

(寺院がわかりやすい……しかも今まで以上に単純で、日常知識……???)

957小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/28(木) 07:36:21
>>956(日下部PC)

『1価は原子価の事、ですね。流石に、その価は難しいですし
1科目 2科目とかの”科”かも知れませんし』

『少なくとも、ロダンさんの説明に当てはめてみれば
寺院が、1時 2時の じ と成るとすれば、それらしい
一束や1ぶ丈などは中等部で学習しても可笑しくないでしょうし』

他にも幾つか存在する法則であり、我々にとって単価は慣れ親しんでいる。

『とにかく答えない事には、点数も只下がり。
つい少し前も言いましたが、なんでしたら報酬は一部渡しますしね。
私はこれを答えとして臨みたいと思います』

『”全ての言葉に、単価としての文字が隠れてる法則”
ロダンさん これが私の答えです』

958『黄昏のS』:2019/11/28(木) 20:21:38
>>957(小林)

《なるほど――――》

《君は知識があるだけでなく、優れた発想力の持ち主だ。
 『私も気付かなかった答え』を導き出したのだから。
 新しい何かを生み出す知性の鋭さは、実に素晴らしい》

《他には、所属を表す『一課』・『二課』なども考えられるだろう》

ロダンが小林を見やり、感心した様子で深く頷いた。
千草はロダンと小林を交互に見つめている。
『正解が出た』と考えたらしい。

《ただ…………『私の想定した解答』とは異なる。
 ゆえに、それは『正解』ではない》

小林の解答は、確かに大きな矛盾はないように見える。
しかし、ロダンの意図した答えとは食い違っていた。
つまり、『不正解』だ。

(ALL)

《残る『解答権』は『一度』のみ》

《クサカベ――――『君の分だけ』という事になる》

ロダンが日下部に向き直り、改めて告げた。
『解答権』は『一度』、『ヒント』も『一度』。
もし日下部が『不正解』になれば、『最終問題』は『無得点』に終わる。

《では…………『ゲーム』を続けよう。
 タケルの『解答権』は失われたが、先程も言った通り、
 クサカベが答えるまで『相談』は自由だ》

959日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/29(金) 03:23:21
>>957(小林)
>>958(GM)

≪あちゃ〜、だめだったねえ、タケルさあん≫
≪でも惜しかった〜≫

深い驚きはない。
これはタケルさんも想定していた。

≪あのね、報酬は分けてくれなくていいけど〜≫
≪私が正解分かるまで、考える力だけ分けてね≫

≪勝って手に入れたトロフィーは大きい方が良い≫
≪でもタケルさんだっておカネは必要でしょ?≫

不正解になっても相談は出来る。
やっぱり、彼の思考・発送を分けてもらわねば勝てない。

≪んんん〜……≫

≪寺院がわかりやすいほう……っていうのがなあ。
 それも、日常……でも意外に出てこないもの……≫

≪寺院……ジーンズ……タケルさんは心当たり、ある?≫

最後のヒントを使うのも視野に入れつつ、いったんタケルさんに振る。

960小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/29(金) 10:13:47
>>958
>>959

酷く落ち込む程のものではない。確かに、自信を以て導き出した回答が
外れていた事に対して良感情が湧き出すと言う事は普通無いだろうが
結果として単価が正解でないと言う、一つの解法を外す事は出来たのだから。

『単価は違う……となれば、言葉の中に他に隠されてるものは
一見少なそうですね。付け加えられる単語は、考えればありそうですが』

こうなると、共通の法則となる単語が隠されてる可能性は低い。
となれば、春夏秋冬などの関連ある言葉を加える事でも別の名詞となる
等といった共通性が見いだせそうなものだが。

(改めて、中高生で有する知識について掘り下げてみますか)

然し、選択肢がそれでも無数にある。自身も中等部なら
多少は心当たりを挙げられたのかも知れないが。

『漢数字やそれに関連する字を最初に付け加えると言うのは?
それですと”無双” ”小竹” ”一院” ”大国” ”一花”
と言う単語が作れますし』

他にも、色々あるかも知れませんが……と付け加え。

961日下部『アット・セブンティーン』:2019/11/29(金) 22:41:24
>>960(小林)
>GM

ロダンさんは頭がいい、頭がいいから無駄がない。
言葉全てがヒントになってると思っていいはずだ。
一見よく覚えているけど、いざ思い出すと出てこない。
その表現はまちがいなく大きなヒントになっている。

(タケルさんの言ってる数字……これは違う気がする)
(数字は思い出して出てこないってものじゃないから)

(数字)

数字。私の好きなもの。
私の好きな、数字……………………数字が書かれたもの。

(……数字? んんん、数字……ああ)

      スッ

「ああ〜〜〜〜〜〜〜〜っ」

おもむろに『財布』を出す。
そして、その中身を机の上に広げた。
私の財布にはお金がそんなに入ってない。
なぜかというと豪遊したから。

でも。

「タケルさぁん! 私、分かっちゃったよ〜」
「これ見てみて」

         ジャラララ…

「えーと、一円玉は別にいらないか」

回答になるものはちゃんと揃っていて、よかった。
五円玉。十円玉。五十円玉。五百円玉。
そして全ての硬貨に書かれた……『日本国』の文字。

「これ。五円玉の裏、ここに『双葉』でしょ〜〜〜」
「十円玉は平等院鳳凰堂……寺院だよね、これ」
「五十円玉はこれ、名前知らないけど、お花」
「百円にもあるけどね、違うお花だけど〜」

「で、ロダンさん……竹は『わかりにくい』けど、これだよねえ?」
「五百円玉のここ、竹の葉っぱ〜」「で、国は全部に書いてて」

            ニコォ…

「んふふ……この五つの共通点は〜、『日本円の硬貨に書かれてるもの』ってことだよねぇ?」

962『黄昏のS』:2019/11/29(金) 23:40:38
>>961(日下部)

《頭脳遊びか。んふふ……お金をチラつかせられちゃうと弱いよお、私》

《いつでも始めていいよ。『時は金なり』……んふふ》

≪でもタケルさんだっておカネは必要でしょ?≫

そう、『正解』は既に出ていた。
後は、『それ』に気付けるかどうか。
そして、日下部は『それ』に気付いた。
大きなヒントになったのは、小林の言葉だ。
『数字』――――それに関係するもの。

《フフ…………》

不意に、ロダンが笑った。
それは、何か意味ありげな笑いだった。
やがて、彼の視線は日下部に向けられた。

《私は『君なら分かるだろう』と思っていた。
 何故なら、今までのやり取りの中で、
 君は何度も『答え』を口にしていたからだ》

《クサカベの言う通りだ。
 それは『日常的』に触れるものでありながら、
 『価値』の方に気を取られてしまうせいで、
 表面の『文字』や『図柄』は意外に記憶に残らない。
 『日本の硬貨に刻まれているもの』――――
 それこそが、この『謎』の答え》
 
《――――『君の勝ち』だ》

             [現在の総得点:17/20]

「日下部さん、凄いです。
 知っているけど気付きにくい……。
 言われてみると、本当にそうですね……!」

「あの…………」

「『日下部先輩』とお呼びしてもいいでしょうか……?」

千草が、おずおずという調子で日下部に言った。
千草は、日下部に敬意の篭った眼差しを向けている。
どうやら、大いに『尊敬』されたようだ。

(ALL)

《これで『言葉のパズル』は終了だ。
 二人とも、私の『遊び』に付き合ってくれた事に感謝する。
 君達のように賢い者と出会えた事は、私にとって大きな喜びだ》

《では、当初の取り決めに従い、『報酬』を授与するとしよう。
 タケルとクサカベ――君達の総得点は『17点』。
 このルールにおける最高クラスの『点数』を獲得した》

《よって――――君達には、『これ』を渡したいと思う》

スフィンクスのスタンド――『ストーン・エイジ』が尻尾を持ち上げる。
その尻尾の先端が、小さな『何か』に巻き付いている。
それは、何処にでもある何の変哲もない二つの『小石』だった。

963小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/11/30(土) 19:56:21
>>962(GM)

『成程……脱帽です、日下部さん』 パチパチパチ

『Priceless』 『金』で買えない……この店そのものが
正解を暗示していた、そう称して過言でない。

私には思い浮かばず、彼女は見出した。過程より結果そのものが
重要だ。この場の華を飾るのは間違いなく日下部さん。

(千草さんも、友人に成り得る人。
人同士の縁が出来て良かった)

私はきっと、彼女の傍にも 誰の側にも長く居る事は恐らく出来ない。
異性であり 千草さんと異なり追い求めるものが空白な私よりも
執着心であれ何であれ、奥底からの熱量を何処かへと迸らせている
日下部さんのほうが、きっと千草さんの隣に居るほうが合うと思われる。



ロダンさんからスタンドを介して差し出されたもの。

『……? これは……』

『石』 と言われると、呼び起こされるものは何時か前に起きた
怪盗事件における『隕石由来のアクセサリー』だ。

(……いや、然し まさか)

軽く脳内で小首を振る。
アレはスタンドを目覚めさせるものだと言われた。そのような
貴重なものが幾つも星見町に転がってるとは余り思われない。

(然し、スタンドは惹きあうものだと謂われる……)

拒否する理由も無いのだ。素直に手を差し出し受け取る事にする

964日下部『アット・セブンティーン』:2019/12/01(日) 05:38:38
>>962(GM)
>>963(小林)

《やった〜。んふふ、まーね、私お金好きだから〜》

《言葉が好きなタケルさんの、役に立ててよかったよ》

このゲームそのものの適正はタケルさんの方が上だ。
ほとんどの問題は、タケルさん主導で解いてくれた。
最終問題も、彼との相談なしでは解けなかった。

《呼び方は、好きにしていいよ》
《私は千草くんって呼ぶからねえ》

《好きなだけ敬って、それでね、崇め奉ってえ〜》

        ニコ……

好意ってやつ自体はそれほどでもない。
けど、目に見えてわかる尊敬は、悪い気はしない。
すくなくとも、おべっかじゃない気はする。

そして・・・

《わお、これ何ロダンさぁん? 猫の通貨?》

    ジ…

《……まあ楽しかったよ、私も。たまには頭使わないとだねえ》

謎の……その辺にありそうな石を見つめ、手を伸ばす。
ほんとにただの石、かもしれない。まあ、猫だし。

とりあえず貰っておこう。まあ、その、形に残る思い出にはなる。

965『黄昏のS』:2019/12/01(日) 18:06:34
>>963(小林)

最終的に正解に辿り着いたのは日下部だが、
そこに導いた小林の助力も大きい。
それ以外の問題においても、小林は鋭い知性を発揮した。
総合的には、『二人で掴んだ勝利」と呼べるだろう。

《これは『石』だよ。
 謎掛けでも何でもなく、文字通りの意味でだ》

《もっとも、この場合は『鉱物』と表現した方が適切かもしれないが》

そして、『小石』を目にした小林の脳裏に、
かつて遭遇した『怪盗事件』の記憶が蘇る。
『スタンドを目覚めさせる隕石のアクセサリー』を狙う一味を、
同じ場に居合わせた二人の仲間と共に撃退した。
小林の考え通り、
『それ』は何処にでもあるような代物ではない筈だ。

    スッ

人知れず黙考した後――――小林は自らの手を差し出した。

>>964(日下部)

《そう、これは我々の世界で流通している『通貨』だ。
 安っぽく見えるかもしれないが、君達の使う貨幣に換算すると、
 ざっと『一万円』程の値打ちがある。
 いわば『一万円玉』とでも呼ぶべきかな》

至って真面目な口調で、ロダンは告げた。
その後で、次のように言葉を続ける。

《――『冗談』は、この程度にしておこう。
 『これ』は、我々にとって大きな価値のある物ではない。
 だが、『君達の世界』では相応に価値ある物と言えるだろう》

単なる『ジョーク』だったらしい。
冗談も言葉遊びの一種である事を考えると、
案外彼は冗談も好きなのかもしれない。
一方で、ロダンの言葉には意味ありげな響きがあった。

    スッ

そして――――日下部は自身の手を差し出す。

(ALL)

《――――『ストーン・エイジ』》

    ポイッ――――

『ストーン・エイジ』の尻尾がしなり、『二つの小石』が宙を舞った。
やはり、『ただの小石』にしか見えない。
『その時点』では。

           ブ ワ ァ ッ

『石造りの翼』が、『小石』を包み込むように受け止める。
一瞬後、翼が再び開かれた。
そこには、『二つの宝石』が輝いている。

《タケルには『ブルーフローライト』。和名は『蛍石』。
 『知性』を象徴するとされている石だ。
 持つ者にインスピレーションを与え、
 創造的かつ理路整然とした思考をもたらすと言われている》

          チカッ
                   チカッ

どこか儚げな印象も与える『淡い青色の宝石』が、
スフィンクスの『右翼』に載せられている。
小林の『リヴィング・イン・モーメント』にも、
少し似ていると言えるかもしれない。

《クサカベには『ゴールドルチルクォーツ』。和名は『針水晶』。
 持つ者に『金運』をもたらす石だ。
 特に、この『ゴールドルチル』は、その『最高峰』と呼ばれている》

           キラッ
                    キラッ

その名の通り、透き通った水晶の内部に、
『黄金色』に輝く『針状の結晶』が縦横に走っている。
その宝石が、スフィンクスの『左翼』に載せられている。

《私からの『ささやかな贈り物』だ。受け取ってくれたまえ》

《現在の相場で考えると…………
 どちらも『十万円』程の価値はあるだろう》

左右の翼に載せた二粒の宝石が、二人に差し出される。
これがロダンからの『報酬』のようだ。
その輝きは美しく、たとえ宝石の知識がなくとも、
紛れもない『本物』だと感じられた。

966小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/12/01(日) 22:30:34
>>965

『蛍石』 パワーストーンとして閃きを与える力があると言われている。

掌で、未だ翳りない日差しを受けて煌く蒼は瞳の中に映り込む。
 
「有難うございます」

長く見ていると、何処か忘却に追いやった出来事を思い出せそうになる。
何時か何処かで、私は長いような短い旅をした気がした。
その時も誰か複数の人達と共に歩みを進めて、この蒼と真逆な朱色の華を
体から撒き散らし死闘を演じたような……それは、夢現の幻想の一抹なのかも。

大切に胸元の懐へ仕舞う事にしよう。いつか、そう遠くない内に私は取り戻せるのか。
蛍石の蒼の輝きは、宙で硝子を回し浮遊する『リヴィング・イン・モーメント』にも
反射して同色の煌きを一部分染めていた。

(期待しても良いのだろうか)

(私のようなものでも、何時か追い求めたものが目の前に戻って来る事を……)

967日下部『アット・セブンティーン』:2019/12/01(日) 23:59:37
>>965(GM)
>>966(小林)

《ふうん、猫から何か買いたくなったら使えるかな〜》
《ってなぁんだ、冗談か》

   パシ

《本物の宝石だ。凄いね、良い能力だねえ》
《『ゴールドルチルクォーツ』》

     ジィィ

《きれ〜だ》

手に乗せた宝石を覗き込む。
宝石。目に見えるはっきりした『価値』のかたまりだ。

《意味とかはよくわかんないけど、高そ〜。十万!?》
《売っちゃおっかな〜、お金いるまでとっとこうかな〜》

《んふふ》

ビー玉くらいの大きさでも、その『かたち』は独特だ。
こういうのは良い。お札や硬貨よりもっとわかりやすい。

《楽しかったのがね〜、これで何倍も大きくなったよ》

《タケルさーん、ロダンさぁん、それに千草くんもありがとね》

968『黄昏のS』:2019/12/02(月) 01:44:17
>>966(小林)

小林の胸に秘められている『失われた何か』。
いつの日か、『それ』を取り戻す時が来るのだろうか。
歩み続けていれば、いつかは辿り着けるかもしれない。

    ――――チカッ

手の中の『蛍石』は何も語らない。
しかし、その『輝き』は真実としてある。
少なくとも、今日ここで巡り合った『黄昏の非日常』は、
小林の旅路を彩る小さな一歩に成り得た筈だ。

>>967(日下部)

          キラッ キラキラッ

日下部の手の中に、確かな『価値』がある。
抽象的な概念ではなく、明確な質量を持った『物質』として。
『ゲーム』の中で、日下部は『知性』という形で、
自らの『価値』をロダンに示した。
だからこそ、その報酬として得た『宝石』は、
日下部自身とも言えるかもしれない。
決して揺らぐ事のない『価値』が、今そこにあるのだ。

(ALL)

《私にとって、非常に『価値ある時間』だった。
 改めて感謝を述べさせてもらいたい》

《タケル、クサカベ――――ありがとう》

《私は常にいるとは限らないが、もし気が向いた時には、
 また足を運んでくれると幸いに思う》

《その時は――また新しい『謎』を用意しておこう》

「あの……お二人とも、とても凄かったです……。
 千草も、是非お二人を見習いたいと思いました」

    クルッ

《ロダンさん、次は千草に『挑戦』させて下さい》

二人に触発されたらしく、千草はロダンに向き直った。
ロダンは尻尾を揺らしながら、それに応じる。

《ほう、それは結構な事だ。
 しかし、日を改めた方が良くはないかな》

《――――見たまえ。もう大分日が傾いているようだ。
 今から考え始めると、夜になってしまうかもしれない》

ロダンが窓の外に視線を投げた。
彼の言葉通り、ぼちぼち『良い時間』になって来ている。
もし特に用がないと思えば、店から立ち去ってもいい頃合だろう。
もちろん、小林と日下部は客だ。
残っていたとしても、誰も咎めはしない。
どうするかは、二人の自由だ。

    スッ――――

いつの間にか、カウンターの向こう側に、
柔和な微笑を浮かべた主人――『スティーヴン』が立っていた。
ロダンが彼を見ると、スティーヴンもロダンの方に視線を向ける。
飼い主と飼い猫というような雰囲気とは違っていた。
どちらかというと、『対等の間柄』を思わせる空気が漂っている。
これも、一つの『謎』と言えるのかもしれない。

969小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2019/12/02(月) 19:07:27
>>968(GM)

『そうですね、ロダンさんの告げる通り。もう日暮れに差し掛かっている
夜更かしは私は平気ですが、千草さんは少々酷でしょう』

光陰矢の如し……か。驚く程に時間が経つのが早い
 まだ店内に残るのも構わないが、千草さん程の年齢の方を一人
学生寮に帰らせるのも忍びない。特に冬の夕暮れを一人っきりで
立ち去らせるのは親友が居合わせれば僅かに顔を顰めているだろう。

「送っていきますよ」

千草さんに声をかけつつ、マスター『スティーヴン』に顔を向ける。


「マスター『ロダンさん』随分長く居させて頂き有難う御座います。
また来る時は宜しく願います」

道のりは未だ険しく頂きは見えず。
されど、一歩は一歩 確かな前進はしている筈なのだ。今この瞬間は……

主人と、ロダンの関係性も気に掛かる。だが、それは今後来日してからの
楽しみにとっておいて良いだろう。

  ――キュルキュルキュル

ポケットに入れたリヴィング・イン・モーメントは回転を続けていく。

970日下部『アット・セブンティーン』:2019/12/02(月) 19:40:27
>>968(GM)
>>969(小林)

「あれ、もう夜じゃ〜ん。時間の過ぎ方って曖昧だよね」
「『時計』はハッキリしてるのにさあ」

     コト…

「もうそろそろ、帰らなきゃ」
「タケルさん、千草くん、私ね、寮の方じゃないからここでお別れだけど」

「また遊ぼうね、約束だよ〜」

空になっていたカップをソーサーに置いた。
外の空は誰の目にもはっきり、夜だ。

「ごちそうさま」

マスター……スティーヴンさんの方を向く。

「あのね、『キャラメルマキアート』が美味しかったから、また来るねえ」

それから、『ロダン』の方を向く。

《飲み物はおんなじ味でも、何回でも美味しいよ》
《でもね、謎解きは『新しい味』を期待してるから》

《だからまた遊ぼうね、約束だよ〜》

それだけ言って、店を出る。

971『黄昏のS』:2019/12/02(月) 21:30:42
>>969(小林)

「あっ、そうですね……。ありがとうございます、小林先輩」

「では、寮までご一緒しましょう」

    ニコリ

千草は笑顔で小林に告げる。
この場に小林の親友はいない。
しかし、今は隣に千草がいる。

「こちらこそ、ご来店に感謝しております」

「――――ありがとうございました」

《さようなら、タケル。またいつか》

          カランッ

千草と共に店を出る小林の耳に、
スティーヴンとロダンの声が届いた。
『リヴィング・イン・モーメント』は回り続ける。
小林が歩んでいく道筋を紡ぐかのように。

>>970(日下部)

「はい、日下部先輩。またお会いできる時を楽しみにしていますね」

    ペコリ

千草が日下部にお辞儀をする。
また会う事があれば、きっとまた敬意を持って接してくるだろう。

「それは何よりでした」

「是非、お待ちしております」

    ニコ……

日下部の言葉に、スティーヴンが穏やかに微笑んだ。

《さようなら、クサカベ。また会おう》

「――――ありがとうございました」

           カランッ

ロダンの『声』とスティーブンの声が日下部の耳に届く。
そして、日下部は店の外に出た。
来た時と違うのは、ほんの少しだけ『価値ある重さ』が増えた事だ。

(ALL)

そして二人は、それぞれの道を歩き出した。
『小さな非日常』は、黄昏の終わりと共に幕を下ろす――――。

(ふむ…………)

『Priceless』に残されたのは、ロダンとスティーヴンだけだった。
しばらくして、ロダンが小さく首を傾げる。

《――――どうかしましたか?》

《いや……何でもない》

スティーヴンの問い掛けに対し、ロダンはそのように返す。
しかし、少し気に掛かる事があったのは事実だった。

(チグサ――『少年』と見るべきか『少女』と見るべきか……)

(外見からは分かりにくいが、あの『匂い』からすると恐らくは……)

最後に『もう一つの謎』が残された――――のかもしれない。



小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』⇒『十万円』相当の『ブルーフローライト』獲得。

日下部『アット・セブンティーン』⇒『十万円』相当の『ゴールドルチルクォーツ』獲得。



                         『黄昏のS』⇒『終幕』

972『黄昏のS』:2019/12/02(月) 21:55:08

★氏名―ロダン
★スタンド―『ストーン・エイジ』
★能力―『鉱物』を操作するスフィンクス
★性別―オス ★種族―スフィンクス ★趣味―知恵比べ
★性格―成熟した男性を思わせる落ち着きがあり、
      『ウィット』を好む。
      通常の猫を超える高い知性を持ち、
      知恵比べに『至上の価値』を見出している。
★外見―毛も髭もない猫。
★備考―カフェ『Priceless』に間借りしている。
      主人のスティーヴンには『家賃』を払っているため、
      飼い猫ではない。
      自分の『声』が聞こえる人間を見つけては、
      報酬と引き換えに『謎掛け』を持ち掛けている。

【黄昏のスフィンクス】『ロダン』のスタンド。

人間の上半身・獅子の胴体・鷲の翼を併せ持つ、
石造りの『スフィンクス』のヴィジョン。

翼で触れた『鉱物』を別の『鉱物』に変化させる能力。
種類を変えるだけではなく、厚さや形を変えたり、
表面に言葉や模様を刻む事も出来る。

本体であるロダンは、この能力を、
『謎掛け』の出題や『報酬』を渡すために使っているようだ。
それ以外の主な用途は『家賃』の支払いである。

『ストーン・エイジ』Stone Age
破壊力:C スピード:B 射程距離:D(5m)
持続力:A 精密動作性:A 成長性:C


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