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ユミル「トランプでもしないか?」

1進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:18:40 ID:Qo.OABsU0
ウォール・マリア 壁上



ヒュオオオオオオオオオオ




ユミル「どこからだ…どこから私は間違った」



エレン「俺たちは!!」バッ


クリスタ「人類の命運を賭けて!!」バッ


クリスタ「ほらユミルも!」


ユミル「あ、ああ…」バッ



ライナー「俺たちは!!」バッ


アニ「故郷への執念を賭けて!!」バッ


アニ「ベルトルト!」


ベルトルト「う、うん…」バッ



「やるぞ!!」

「ストリップ・ポーカー‼︎‼︎」ゴォォォォォォ

2進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:25:05 ID:Qo.OABsU0




ユミル「…?スト…?」


アニ「…あれ、これ普通のポーカーじゃないの?」


ライナー「ん?ああしらなかったのか?」


エレン「ストリップ・ポーカー、通称ストポー。負けた奴から服を一枚ずつ脱いでくんだ」


「!!?」


ユミル「はぁぁあああ?!」


アニ「そんな…!?聞いてない…!」


ライナー「最後一人が生き残るまでがゲーム、その生き残りが属するチームの勝ちだ」

3進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:28:35 ID:Qo.OABsU0


エレン「ちなみにゲームが終わるまで、服は着ちゃいけねえんだよな?」


ライナー「ああ、当然だ」


アニ「」ドサッ


ユミル「アニィィィ!!」


ユミル「おいヒス…クリスタ!お前も何か言えよ!」


クリスタ「?私、ストポー以外のポーカー、知らないんだけど…」


ユミル「な!?」


ベルトルト「いやまあ、男子寮でやってた遊びだから知らないのは当然なんだけど…逆にクリスタはなんで知ってるんだ」


アニ「わ、私降りる…」

ユミル「私もだ…付き合ってらんねえ」


ライナー「ちなみにこれ、チーム戦だから棄権者が出たチームはその場で不戦敗な」


アニユミ「」




かくして人類と巨人、双方の命運を賭けた戦いが最果ての壁、ウォール・マリアの上で始まったのだった…



♬オープニング

4進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:32:37 ID:Qo.OABsU0






ユミル(どうしてこうなった…)



ユミル(私達はウォール・ローゼの壁上でライナー、ベルトルトに捕まったんだよな…)


ユミル(そして巨大樹の森で目覚め…調査兵団がこっちに向かってるのに気づいたんだ)


ユミル(それから…クリスタを掻っ攫い、ミカサ達を撒き…あん時の104期の奴らの悲壮な顔がまだ目に焼き付いてやがる)


ユミル(それで走りに走ってここに辿り着いた)


ユミル(いや、ちょっと待て…その前に何でアニがここにいるんだ───



─────
─────────
─────────────

5進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:39:05 ID:Qo.OABsU0

暫く前



ユミル(…)


クリスタ「…」


エレン「…」


ライナー「…」


ベルトルト「…」


ユミル(…)



ユミル(気まずい…)


ユミル(ここにたどり着いてから一時間ってところか…誰も口を開かない)


ユミル(月の位置からして、今は夜の7時頃。寝るにはまだ早い…よな)


ユミル(いやわかるよ、敵同士だもんな。話したいとか思わないもんな、普通)


ユミル(でもさ、流石にこの状況が次の夜まで続くってのは耐えられねえなーっつうか)


………


ユミル(…喋れよ…)

ユミル(誰でもいいから…頼む何か喋ってくれ…)


クリスタ(ユミルが居づらそう)

6進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:42:01 ID:Qo.OABsU0





エレン「…」


クリスタ「…(なんか喋った方いいのかな)」


ライナー「…」


ベルトルト「…ハァ」



ユミル「…な、なあ」


四人「…」


ユミル「上…月、綺麗だな…その…コニーの頭みたいだ」


ユミル「ほ、ほら訓練生の頃さ、よくコニーが自分の頭太陽に重ねて『日食‼︎』とかやってたじゃんか」


ユミル「あれ割とツボでさ…」


クリスタ「…」プルプル


ユミル(あ、くらってる)


ユミル「…」


ユミル(もう一押し…ハッ そういえば)ゴソゴソ

7進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:44:28 ID:Qo.OABsU0





ユミル「あーじゃあアレだ、その、ただの提案なんだが…」




ユミル「トランプでもしないか?」ジャーン


エレン「…」ピクッ


クリスタ「…」ピクピクッ


ユミル「…」


ユミル「な、なあお二人さんよ」


ライナー「…」ウズ


ベルトルト「…」ウズウズ


ユミル(こいつらチョロい)


ユミル「…なんかこう、何もしないで次の夜を待つってのも退屈だしよ」

8進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:48:08 ID:Qo.OABsU0




ユミル「眠くなるまで、トランプでも…⁉︎」


ドドドドドドドド



ライナー「な、何だ!?」


クリスタ「あ、あれは…」


エレン「女型…」


ユミル「あいつ…どうやって!?」


ドドドドドドドド

ピョーン ガシッ

ドドド


クリスタ「壁を登ってきた…」

9進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:54:08 ID:Qo.OABsU0






アニ「…」シュゥゥゥ…


ベルトルト「アニ…」ジワァ



アニ「なんか…見張りが居なくなったから…」


アニ「逃げてきたら…あんた達がいた」


ユミル「イヤイヤ、お前逃げるって…それそんな簡単なことじゃねーから」


ユミル「第一ここに来るまでどんだけ掛かったんだよ…」


ベルトルト「それに、内地を抜けても調査兵団がいるし…あ」


アニ「そう、偶然にもその日はあのサルが動き出した時だったみたいでね…調査兵団は殆ど南方に駆り出されてたみたい。ホント助かったよ…」


ライナー「そうか…」


アニ「まあ、エレンやクリスタを連れ帰るっていう目的は果たせなかったけど…」


アニ「こうしてまた皆に会えて嬉し…」クルッ



エレクリ「…」

10進撃の名無し:2015/07/26(日) 23:59:13 ID:Qo.OABsU0







アニ「…」


エレン「…ハァ…」




エレン「俺の努力は何だったんだ…」


クリスタ「あ、あはは…」



エレン「何かもう全部どうでもよくなってきた」ドサ



アニ「な、何で…」


ユミル「こいつらが攫ってきたんだ」


ライナー「ああ…あとユミルは俺とベルトルトについて来た。こいつも巨人…ハゲの巨人さ」


ユミル「んだとコラ」



アニ「な…」


ベルトルト「感謝してるよ…」

11進撃の名無し:2015/07/27(月) 00:02:03 ID:2XPzVoUw0









ヒュオオオオオオオオオオ




エレン「…なあライナー」


ライナー「どうした、エレン」


エレン「お前、俺とクリスタを故郷とやらに連れ帰って何をするつもりなんだ?」


クリスタ「…」

12進撃の名無し:2015/07/27(月) 00:05:54 ID:2XPzVoUw0



ライナー「そうだな…」


ライナー「俺たちの…仲間になってもらうか、それが無理なら…」



クリスタ「…殺す、でしょ?」


ベルトルト「クリスタ…!?」


ライナー「…まあ、もう隠す必要もない…あとはお前らの選択次第だがな」

13進撃の名無し:2015/07/27(月) 00:09:43 ID:2XPzVoUw0




エレン「そうか…」







カルラ『生き延びるのよ…‼︎』



ジャン『だからエレン!!お前…本当に、頼むぞ?』




エレン(俺はまだ、こんなところで死ぬわけにはいかねえ…父さんや母さん、ミカサ…104期の皆のためにも)


エレン(感情を、咬み殺せ…)






エレン「…わかったよ」


アニ「え…」

クリスタ「エレン!?」

14進撃の名無し:2015/07/27(月) 00:14:11 ID:2XPzVoUw0






エレン「わかったって言ってんだ…お前らの仲間になってやるよ」


ベルトルト「…」

ライナー「フン、どうだかな…こっちとしてもお前が裏切れないよう相応の対策はするつもりだぜ」


ユミル「おいおい、正気か?エレン。奴等は人類の仇…お前はあの三年間、奴等を殺すために力をつけてきたんじゃねえのか?」


エレン「黙ってろ…だがな、こっちもタダで連れてかれようなんて思ってるわけじゃねえ」


ライナー「タダもなにも、それしかお前に道は残されていない…」








エレン「…ゲームだ」


ライナー「何?」

15進撃の名無し:2015/07/27(月) 00:19:58 ID:2XPzVoUw0



エレン「ゲームをして、俺が勝ったらお前らには人類への攻撃をやめ、そのままユミル、クリスタを解放して故郷とやらに帰ってもらう」


エレン「俺が負けたら、そんときは観念して…お前らに従うよ。抵抗もしねえ」


ベルトルト「…待ってくれ、エレン。君がもし負けたとして、君が本当に僕たちに従うって保証はどこにある?」


ベルトルト「そんな実態のない約束、信じられるわけ無いじゃないか!」



エレン「ベルトルト…お前、俺がゲームで罰を放棄して逃げた事が一度でもあったか?」



ベルトルト「!た、確かに」


ユミル(いや納得するんかい)

16進撃の名無し:2015/07/27(月) 00:32:54 ID:2XPzVoUw0




ライナー「い、いやでもな、ここまで来ちまった以上、お前らに選択の余地は無いっていうかあると困るっていうか何て言うか…」ゴニョゴニョ




クリスタ「…逃げるの?」


ライナー「!」



クリスタ「ライナー…エレンは負ければあなた達に従うって言ってるのよ!かつては同じ屋根の下で過ごした仲間でしょ!そんな仲間が命を賭けてるのよ!あなたも覚悟を決めなさい!」



ライナー「クリスタ…」




ユミル(ああ知ってる、これ詭弁ってやつだ)


ユミル(クリスタは兎も角、エレンはライナー達の仲間に喰わせればいいんだし…そんな危険冒すだけ損だよな…うん)




ライナー「ああわかった、わかったよ!!やってやる!俺は戦士だ!!」


ユミル(マジか…)ハァ



アニ「ライナー?!」


ユミル(コレ大丈夫なの?巨人陣営まともな奴いるの?)

17進撃の名無し:2015/07/27(月) 01:03:19 ID:2XPzVoUw0




ベルトルト「無茶はよせ!あと一歩で故郷なんだぞ!くだらないミスでまたチャンスを逃すつもりか?!」



ライナー「俺達は人類の仇だ…それをわかった上でお前は話をしているんだな?」



エレン(ライナーは自分達について来れば、もう壁は破壊しなくてもよくなるって言ってた)


エレン(皆には心配かけるかもしんねえが、もし俺が負けてもミカサやジャンの奴らは安全に…)


エレン(イヤ!何を考えてんだ俺は…俺が負けるわけはねえんだ…勝つに決まってる…そんな考えなんて必要ねえ!)


エレン「…ああ」



ライナー「そうか…」

18進撃の名無し:2015/07/27(月) 01:28:38 ID:2XPzVoUw0





ライナー「人類の仇を心から信用するなんて事、お前にできるとは思えないがな。」



エレン「フン、いいんだよ。負けねえから」


ライナー「上等だ…それじゃ──」



クリスタ「待って!」


クリスタ「私もエレンと戦う!!」



アニ「私も…ライナーにつくよ」



クリスタ「…」ジロッ


ユミル「負けたよ、私もエレンについてやる。感謝しろよ…さて」チラッ



ベルトルト(無茶だ、二人とも負けた時のことを考えてない。そしてライナー。今の状況から見て明らかに不利な条件なのに…)


ベルトルト(エレンを殺すことに躊躇いがあるのか、それとも本当にエレン達を仲間として連れて行きたいのか…)


ベルトルト(どちらにしろ、やっぱり君は戦士には向いてないようだね)




ベルトルト「はあ、ここまで来たら僕も覚悟を決めるよ…絶対負けないからね」

19進撃の名無し:2015/07/27(月) 01:31:18 ID:2XPzVoUw0





ライナー「よし、決まったな!じゃああとは対戦方法だが…エレン」


エレン「決まってんだろ…そんなの」ニヤ


ライナー「フッ…そうだったな。ユミル、こいつを借りるぜ」パシッ


ユミル「あっ、オイ!」



ライナー「俺たちのやるゲームは…」





バンバンバンバン


「ポ ー カ ー」


♬ライアーゲーム

(デケデケデケデケデケデケデケデケ)





アニ「なっ、ポーカーだって?!」


エレン「解散式の夜…覚えてるな?」


ライナー「ああ、あの戦いの決着…つけてやるぜ」


ベルトルト「ライナー!やるんだな!?今…ここで!」


ライナー「ああ!勝負は今…ここで決める‼︎」


クリスタ「ポ、ポーカー…」



ユミル(何か始まったー!!)



─────────────
──────────
───────

20進撃の名無し:2015/07/27(月) 03:34:41 ID:5sAUZJBwO
ポーカーフェイスが苦手そうな奴が何人かいるな

21進撃の名無し:2015/07/27(月) 22:22:39 ID:2XPzVoUw0
実写化楽しみ

今夜もゆっくり投下‼︎

22進撃の名無し:2015/07/27(月) 22:24:38 ID:2XPzVoUw0








ユミル(何か始まったー!!じゃねえよ!私じゃん! 元凶私じゃん!!)


ユミル(ヤバいぞ…やばい、大変な事になってきた。私がケツポケに入れてきたなんかちょっと湿ってるトランプで人類どもの命運が決まるってか?冗談じゃねえよ!)


ユミル(いや、違う、そこじゃない。私だってか弱い乙女なんだ!何だってこんな屋外で野郎の前に肌晒け出さなきゃいけねえんだよ!)



ユミル(大体あいつら、今まではあのゲームで男の裸しか見てこなかったんだろ!何で女子も混ざってんのにあんな堂々としてられ…)




ライナー(お、おいエレン…少し考えたんだがよ、まずくねえか)ボソボソ


エレン(何がだ?まさかお前…今になって戦いを放棄するってんじゃねえよな)



ライナー(そうじゃねえ。女子だ。今までこのゲーム、女子入れてやったことあったか?)



エレン(あっ…)

23進撃の名無し:2015/07/27(月) 22:29:52 ID:7anEVCqA0



ライナー「……?」


エレン「!……!」


ライナー「……!!」シマッタアアア



ユミル(今さらァ!やっぱりあいつらバカだった!気づいてなかった!)


ユミル(い、いや大丈夫だ…!いくら人類の仇とはいえそこら辺のモラルはわきまえてるはず…!エレン頼んだぞ、あのゴリラを説得してやれ!)



エレン「…。…!」


ライナー「…。…!…!」グッ




ユミル(グッじゃねえよ!何やる気にさせてんだよ畜生ォ!)


クリスタ「ユミルがモジモジしてる…」


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