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エレン「異常な精神力を持つ男」【ループ】

1進撃の名無し:2014/11/23(日) 14:36:08 ID:QAH2b9EMO


…前が半分見えない。

どうやら、右目をやられたらしい。


畜生、と掠れた声で罵りながらも左手だけで前へ進む。

口にブレードを持ち、あのクソッタレの猿へと。


勿論、それを見逃さない巨人じゃない。


その巨人は、ボロ雑巾のようなオレを鷲掴みして、口元まで持っていった。

2進撃の名無し:2014/11/23(日) 14:44:30 ID:QAH2b9EMO


巨人テメェ!!この手を離せ!!
皆から離れろ!!

そう口に出そうとしても声が出ない。どうやら喉が本当に潰れたようだ。


…ふと下を見ると、もう人間は誰も立っていなかった。


兵長はハンジさんと折り重なるように倒れてる。

ジャンは憲兵団の死体に囲まれて倒れてる。マルロとヒッチって奴も一緒だ。

アルミンはどこにいるかわからない。ついさっき巨人に突っ込まれるのは見た。

…ミカサ。アイツも………。

3進撃の名無し:2014/11/23(日) 14:49:27 ID:QAH2b9EMO


おいライナーテメェ。何の真似だそれは。泣き真似かおい。

…超大型巨人が右手になにか宝石みたいな物を持ってる。…アニか?

左手には気絶してるっぽいヒストリア、そしてユミル。…無事みたいだな。


猿の野郎がなにか指示を出してやがる。おい待て。お前だけは…この手で……!


あぁクソ。
臭い口臭が近づいてくる。
兵長じゃねぇけどもう少し口洗えよお前。…無理か。

4進撃の名無し:2014/11/23(日) 14:53:55 ID:QAH2b9EMO


最後の抵抗とばかりに、顎と首を使ってブレードを振った。


…何だ。顎の力と首を振る力とで巨人の皮膚って切れるんだな。鍛えれば駆逐が進むぜ。

そんなことを考えてる内に、巨人の歯は近づいてくる。


巨人化は出来ない。ブレードはもうない。誰も助けてくれる奴もいない………。


それでもオレは、巨人どもを呪いながら死んだ。

5進撃の名無し:2014/11/23(日) 15:01:40 ID:QAH2b9EMO


エレン「……そう。そこまでがさっきまでのオレの記憶。…間違いなくオレは死んだ」

エレン「…じゃあ今しゃべってるオレは何だ?」

エレン「その前にどこだよここ。何にもねぇ…」キョロキョロ


…気がついたらオレは真っ白な地面に座っていた。

いや、地面というより床か。

エレン「…」スクッ

エレン「……え」


なにかないか探してみようと思って立ってみた。…そう、立つことが出来たんだ。

オレの両足はライナーにくれてやった。

右腕も巨人に喰われた。

…なのに今のオレに怪我はない。よく考えれば右目まである。



…巨人化でもしたか?いや、巨人化はもう体力がなくて出来なかった筈。

6進撃の名無し:2014/11/23(日) 15:06:48 ID:QAH2b9EMO


エレン「…ま、いいか」

分からないことを考えても仕方ない。オレはアルミンみたいに頭が良いわけでもないし。

…気を取り直して回りを見渡す。すると、壁がすぐ近くにあることに気がついた。

何か文字が書いてある。

エレン「ん……?」


『人生をやり直したいか?』

壁には、そう書いてあった。

7進撃の名無し:2014/11/23(日) 15:16:59 ID:QAH2b9EMO


エレン「当たり前だろそんなの」

一拍も置かずにそう言ってやった。

母さんが死んで、父さんまで死んでいた。

ミカサの両親、アルミンの家族も。

ライナーたちに裏切られて、ユミルはヒストリアを助けるために狂って。ヒストリアはヒストリアで馬鹿みたいな選択をしたし。

マルコに34班のみんな、コニーにサシャ。104期の連中。

オレを信じて着いてきてくれたミカサ、アルミン、兵長やハンジさんに、教官やピクシス指令、総統。

オレに希望を託した、大勢の市民…。



…皆、皆………。

8進撃の名無し:2014/11/23(日) 15:23:19 ID:QAH2b9EMO


『なら人生をやり直させてやろう』


エレン「………………………は?」

壁は文字を変えてこう言ってきた。

…いやいやいやいやいやいやいや。

壁が勝手に動くのはおかしいだろ。
しかも今オレの呟きに答えたよな?
更に人生をやり直させてやるだぁ?

…駄目だ、完璧にキャパオーバーだ。

9進撃の名無し:2014/11/23(日) 15:32:33 ID:QAH2b9EMO

…あれ、急に眠くなってきた。

いや、待てよ。もう少し知りたいことが…。

……駄目だ。もう無理だな。


エレン「」ドサッ



…男は倒れた次の瞬間、溶けるように消えた。

残ったのは一つの壁と………1人の女。



「…あなたなら大丈夫。輪廻を繰り返す者は誰でも廃人になってしまうけど……異常な精神力を持つあなたなら」

「持ち越すのは能力、記憶、技能。そしてこれが二周目。」

「…私もすぐに行く。もっとも、私は皆と同様、直ぐに記憶を含めて全て無くしてしまうのだけれど」

「けれど大丈夫。今周も私はあなたを守るために獅子奮迅の立ち回りをするから」

「それは運命。変わることがない…絆」

「待っていて………エレン」


そう言った女も、男と同じように溶けるように消えた。


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