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エレン「ナイショの話」

1進撃の名無し:2014/10/01(水) 23:21:08 ID:pMQ13FI60

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※進撃中卒業後の話――みんな高校生

※基本ほのぼの日常――稀に修羅場も有!?

※エレアニ――イチャイチャ注意

※自由に書く――荒らしは勘弁願いたい

141進撃の名無し:2015/02/23(月) 22:50:04 ID:qr9Iz2BM0

ガチャリ――
言うが早いか。
重厚そうな扉から人が現れた。


出迎えてくれたのは、気品漂う女性だった。
綺麗な女性だなぁ。
第一印象から素直にそう思った。


一目でエレンのお母さんだということがわかる。
艶のある髪、端正な顔立ち、瞳の色。
ただ一つ目元が優しそうなふんわりした印象を受けた。

142進撃の名無し:2015/02/23(月) 22:57:09 ID:IPkBKpK2O
>>138 「破竹の勢い」じゃないか?
もう少し更新速度が早ければ素直に支援と書けるのだが……

まあ良いか支援

143進撃の名無し:2015/02/23(月) 23:39:37 ID:2bqh00Ec0

カルラ「おかえり――エレン」

エレン「ああ…」

カルラ「ああ、じゃないでしょ。っと――あら、その娘は…」

アニ「あっはい…。あ、アニ・レオンハートとい、申します」

カルラ「ふふ……いいのよ。そんな緊張しなくても…

カルラ「私がエレンの母親、カルラといいます」

144進撃の名無し:2015/02/24(火) 00:14:52 ID:7s7aVGRs0

カルラ「アニちゃんね…この娘がエレンの彼女?」

エレン「ん、まあ…」

カルラ「こんなところで立ち話もなんだから中に入りましょう」

エレン「わかったよ…」

と、エレンは何の躊躇もなく豪邸に足を踏み入れようとする。
当たり前か…自分の家なんだから。


カルラ「ストップ!」

145進撃の名無し:2015/02/24(火) 00:44:23 ID:7s7aVGRs0

エレン「なんだよ…ただいまは明日からするから」

カルラ「それは当然。アニちゃんをエスコートしてあげなさいな」

アニ「い、いえ…私は……」

カルラ「ダメよ。男の子は女の子に優しくしてあげないとね」

エレン「へいへい……。アニ、お手をどうぞ――」

アニ「はい…」

146進撃の名無し:2015/02/24(火) 00:57:19 ID:7s7aVGRs0

私はエレンの手に自分の手を重ねた。
まるでお城の舞踏会に招待されたかの如く、家の中に通される。


カルラ「二人ともお似合いよ!」

エレン「…あ、ああ」

内装も清潔感溢れ、大理石の床にガラス張りの広々とした玄関。
いや、エントランスが広がっている。
吹き抜けになっていて、そこから自然光が差し込み――明るさを演出している。

147進撃の名無し:2015/02/24(火) 01:05:50 ID:7s7aVGRs0

エレン「しっかし、何で今朝いきなり彼女連れて来いなんて言ったんだ?」

エレン「彼女がいるなんて一言も言ってないのに……」
カルラ「最近やけに嬉しそうだなぁと感じてピンときちゃった」


こんな可愛い娘だとは思わなかったけど
と言って…。
私の方を見る。

148進撃の名無し:2015/02/24(火) 01:15:29 ID:7s7aVGRs0

カルラ「うふふ。エレンのことだったら全てまるっとお見通しよ!」

カルラ「後でアニちゃんにも教えてあげるわね」

アニ「あっ…はい。よろしくお願いします…」

エレン「ちょっと!アニまでやめてくれよ…」

149進撃の名無し:2015/02/24(火) 01:29:36 ID:7s7aVGRs0

>>1です

支援ありがとうございます
更新速度のペースはなるべく努力します

150進撃の名無し:2015/03/09(月) 22:47:54 ID:Hxu0avz60

開放感のある白を基調としたリビング。高級そうなソファーにテーブル、
無駄が一切省かれ、洗練されたインテリアが並べられている。
キッチンも色と質感を統一し、モダンテイストな空間が整えられている。


カルラ「どうぞ、自分の家だと思ってくつろいでいいのよ」

アニ「はい……」

促されるまま洗面所で手を洗った私はエレンと共にフカフカなソファーに掛け、
カルラさんは夕食の支度のため、キッチンの方へ移動していった。

151進撃の名無し:2015/03/09(月) 23:10:00 ID:Hxu0avz60

カルラ「あっそうそう。アニちゃんの好きな食べ物ってなに?」

エレン「チーハン!」

カルラ「それはあんたでしょ…」

エレン「アニも好きなんだよ、な!」

アニ「うん…」

カルラ「わかったわ。腕によりをかけて作るから楽しみにしていてね」

152進撃の名無し:2015/03/09(月) 23:23:13 ID:Hxu0avz60

私も手伝うと申し出たが…疲れているだろうから大丈夫だと言い残して
フリルの付いた小花柄の白いエプロンを掛け、調理に取り掛かる。
エレンはソファーにもたれ掛かり早速うとうとし始める。あんたが私を呼んだんでしょと
文句の一つでも言って頬を抓ってやりたいが堪えて、
カルラさんの料理の手際を間近で見るために台所へ行った。


カルラ「あら、アニちゃん。休んでいてもいいのに…」

アニ「いいえ。ぜひ見学させてください」

カルラ「あら、そう。アニちゃんもよく家でお料理するの?」

アニ「はい。お料理は好きです」

カルラ「女子力高いわねぇ…そんなところにエレンは惚れたのかしらね…」

153進撃の名無し:2015/04/06(月) 07:30:33 ID:S2P22l6s0

家庭的な女の子がタイプだという事を聞いて、私はもう少し女の子らしくしようと思った。
まずは……料理の腕を磨いて、服装や仕草も女の子らしく。
容姿に関しては女性らしく出ている所は出ているから大丈夫。
だけど、そんな私でいいの。そんな虚像みたいな私を好きで居続けてくれるの?
普段の私を好きになってくれたのに――


カルラ「でもね…、実はほっとしているのよ。あなたみたいな良い娘があの子の傍に居てくれて」

カルラ「ほら、あの子…巨人――巨人っていつも執着していたでしょ」

154進撃の名無し:2015/04/06(月) 07:58:15 ID:S2P22l6s0

カルラ「だから…普通の女の子に興味が無いのだって思っていたの……」

アニ「確かに巨人を憎んでいましたけど、最近はそれも弱まってきて――」

アニ「それに……私が好きで一緒にいるだけです」

カルラ「そう言ってもらえて嬉しいわ。アニちゃんこれからもよろしくね!」

アニ「はい――」

155進撃の名無し:2015/04/06(月) 08:05:22 ID:S2P22l6s0

そして――瞬く間にテーブルを埋め尽くす程の料理が完成されていった。
言うまでもなく、チーハン以外の料理もとてもおいしそう。
極めつきはチーハン――これでもかとトロッとしたチーズがかかっていて
鉄板の上で肉が踊っているかのようにじゅうじゅうと音を発している。


匂いだけでご飯が食べられるほどだ。
早く食べたいという衝動を抑えきれない。

156進撃の名無し:2015/04/06(月) 08:08:14 ID:S2P22l6s0

カルラ「アニちゃんがエレンを起こしてあげて。絶対喜ぶから」

アニ「わかりました……。エレン!起きて」

エレン「う…ん――ああ。アニか、…可愛いな」

アニ「何言ってんの!寝惚けてる?」

エレン「いや……起きてる起きてる」

カルラ「あら、エレンったらどこでそんなこと覚えたのかしら」

エレン「うわっ!?居たのか…母さん」

157進撃の名無し:2015/04/12(日) 22:52:39 ID:sXxye0K20

いただきます。
三人して手を合わせ合唱する。
なんだか家族になったみたい――うん、家族…。

カルラ「本当美味しそうに食べるわね」

アニ「えっ…あ」

カルラ「いいのよ。私も作りがいがあるわ」

カルラ「たくさん食べてね」

158進撃の名無し:2015/04/12(日) 23:25:55 ID:sXxye0K20

噛むたびにあつあつの肉汁が口の中でたっぷりと溢れてくる。
粗びき挽肉とブレンドされた香辛料が絡み合い、折重なり一つになって…
それら全てをチーズが包み込み、喧嘩することなくお互いの風味を引き出している。
おいしい。これが…これがお母さんの味……。


カルラ「どうしたの?アニちゃん…お腹痛いの」

エレン「大丈夫か…アニ、オレの分少しやろうか」

アニ「ううん……そうじゃないの」

アニ「そうじゃなくて……」

159進撃の名無し:2015/04/12(日) 23:28:20 ID:sXxye0K20

自分でも気がつかないうちに、頬が濡れていた。
発生源を指で添える。
俯いたまま――。

私はあまり自分のことを話さない。
たとえ、友達であっても…。
話したくないというわけではない。話す必要がないと思っているから…。

160進撃の名無し:2015/05/06(水) 22:14:40 ID:8kAXAfxY0

Eren side
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オレは何も知らなかった。
聞こうともしなかった。考えてみればオレはアニのことを何一つ
わかっていなかったのかもしれない。
彼女のこと――アニ・レオンハートのことを。
一番身近にいたのに……。
そして、アニは静かに語りだした。

アニ「私には……お母さんが…いません」

161進撃の名無し:2015/05/06(水) 22:34:04 ID:8kAXAfxY0

最初からいなかったわけではない。
アニを産んでから程なくして亡くなったそうだ。
幼い娘を残したまま…。
それゆえ――母親との記憶がない。写真とかでは見たことはあるが、
母親の愛情を知らないまま今日まで父親と二人暮らしで過ごしてきた。


だから、彼女は強くあろうとした。父親に迷惑をかけないように。
誰かに頼ることのないように…。

162進撃の名無し:2015/05/06(水) 22:59:15 ID:8kAXAfxY0

アニ「だから…だから、初めてだったんです」

アニ「…お、お母さんというものを知らなかった…――」

3人とも食事の手を完全に止め、聞き入っていた。
母さんが席を立ち、ゆっくりとアニの方へ歩み寄った。

カルラ「いいのよ…アニちゃん」

カルラ「これからは私のことお母さんと呼んでも――」

泣きじゃくった。
母さんに抱きついたまま声を上げて――
今まで甘えられなかった分、幼子のように…。

163進撃の名無し:2015/05/06(水) 23:39:37 ID:8kAXAfxY0

人生の半分位は泣いたかと思う。
その間、母さんは何も言わず、ただアニの想いを受け止めていた。
身体的に精神的にも…。オレには何も出来なかった。
ああ…母は強いな。

カルラ「さ、楽しいお食事の時間を続けましょう」

パン!
と両手を合わせて言った。その声はとても明るく
しんみりしたムードを払拭するかのようだった。
アニはオレと目が合い、思い出したかのように恥ずかしくなり
視線をすぐに逸らした。

164ナンジ・ネエ:2015/05/15(金) 01:06:55 ID:Hq5e9sc.0


165進撃の名無し:2015/05/25(月) 22:15:24 ID:H/at5iOs0

カルラ「はい、家族――」

カルラ「今日から私たちは家族よ…」

そう言い、グラスを持ち、改めて乾杯をした。
家族に…。

カルラ「うふふ、娘が出来て嬉しいわ」

カルラ「いつでも遠慮なくこの家に来てもいいのよ」

アニ「お、お母さん…」

166進撃の名無し:2015/05/25(月) 22:37:12 ID:H/at5iOs0

いい雰囲気だなあ。
オレの割り込む余地なしって感じだ。
まあ、ここは暖かく見守るのが男ってもんだ。


カルラ「よし!食事終えたら私の部屋に来てね」

アニ「えっ…」

カルラ「い・い・か・ら」

先に行って用意してるね、と部屋の場所を簡単に伝え、
足早に出て行った。
残されたオレとアニは顔を見合わせる。

167進撃の名無し:2015/05/25(月) 23:29:58 ID:H/at5iOs0

アニ「ねえ、何で呼ばれたの?」

エレン「んー…オレからはなんとも…」

きっとあれだ。
誰彼構わず誘うあの趣味だ。
いつもなら――興味ないね、とか言いたいところだが
今日は見てみたい気がする。

エレン「ま、食べようか。少し冷めてしまった」

アニ「美味しさは変わらないよ」

エレン「そうだな…美味しい」

アニ「ところで…さっき少し分けるって言ったよね」

168進撃の名無し:2015/05/25(月) 23:57:51 ID:H/at5iOs0

エレン「聞いてたのか…」

アニ「うん。男に二言はないんでしょー」

エレン「おし――そのかわり、あーんするからな」

アニ「えっ、じゃあやっぱいいや…」

エレン「ダメだ。はい口開けて」

アニ「ん、あ…――ん」

うう、いざやるとなると…なんかこうくるものがあるな。
目閉じてるし、睫長いし、少し赤くなってるし…。

169進撃の名無し:2015/05/26(火) 00:01:54 ID:6g0Dir/o0

エレン「うまいか…アニ」

アニ「味が…よく、わからない」

アニ「でも、なんかいいかも……次は私から――ね」

食べ終えて、
私もこのハンバーグを作れるようになるから、
と片付けの途中でくるっと振り向いて言ってきた。
まったく、いちいちかわいいやつだ…。


というわけで、現在二人を待っている状況。
特にやることもなく、ただ時間を浪費している。
しょうがない……宿題でもやっつけるかと立ち上がろうとしたとき、
目の前になぜか先生のような姿をしたアニがいた。

170進撃の名無し:2015/06/28(日) 23:47:10 ID:IPgVzC0.0

アニ「…コホン、どこかわからないところはないかな?」

眼鏡を掛け、白いブラウスに膝上まである黒いタイトスカート。
典型的な教師の服装。
フォーマル、だがそれがまたいい。
化粧もうっすらとされてあり、色気が増している。


普段は厳しいけど問題を解いたら優しく褒めてくれそうだ。
マンツーマンで放課後にでも勉強を教えて欲しい。

171進撃の名無し:2015/06/28(日) 23:53:34 ID:IPgVzC0.0

屈むとブラウスから覗く胸の谷間が強調され、授業中集中できそうにないな。
ずっと見ていたら気付かれると思いながらも目を離せないでいる自分がいた。

カルラ「うふふ、どう――どう、エレン?」

エレン「どうって……」

カルラ「感想よ」

カルラ「この胸の谷間の加減が絶妙だと思わない。ガン見してたんじゃない」

気付かれてたー。
ということは……とアニを見やる。
うっすらと耳が赤くなっていることが確認できた。

172進撃の名無し:2015/06/29(月) 00:02:12 ID:9Lh5bZkg0

アニ「あんまり…み、ないで」

清楚な服装で身体の突出した部位を隠すように身をよじり、
甘い吐息を漏らしながら貴重な恥らってる姿に興奮を覚えた。

カルラ「さ、どんどん行くわよ。アニちゃん七変化」

そう言うと、また二人して奥に引っ込み、
次の準備を始め出した。
なんというか…もう友達だな。

オレは目に焼きついたアニの教師姿を思い出しながら、
次は何がくるかと楽しみに待っていた。

173進撃の名無し:2015/06/29(月) 00:25:08 ID:9Lh5bZkg0

そして――
登場したのは、レスラー?


水着に比べ…露出度は決して高くはないが、
身体のラインがくっきりと浮かび上がる。
ん、よく見ると…ヒールっぽいな、ヒールレスラー。
できることなら思いっきりコブラツイストをかけて欲しいかも。

174進撃の名無し:2015/06/29(月) 00:36:10 ID:9Lh5bZkg0

エレン「やっぱり、こーゆー強調した服似合うな」

アニ「…恥ずかしい、変じゃない?」

エレン「変じゃない。いつもぶかぶかな服着てるから男に間違えられるぞ」

カルラ「あんたはいっつも一言余計なのよ!」

カルラ「せっかくのスタイルなんだから見せつけていきなさい!」

カルラ「エレンが嫉妬するくらいにならないとね…」

茶化すように、それでいて半分本気で楽しそうに笑う。

175進撃の名無し:2015/06/29(月) 00:50:32 ID:9Lh5bZkg0

アニ「嫉妬…」

カルラ「エレンの嫉妬姿見たくなあい?」

いやいや…見たくないから。
とアニに眼を向ける。

アニ「見たい……かも」

カルラ「そうよね。次、これなんてどう?」


母さんが言って着て出てきたのが、
普段ならあまり見たくないところである、警察官。

176進撃の名無し:2015/09/21(月) 20:33:56 ID:IxOFZYMw0

それでも、オレの眼を惹きつける魅力を備えていた。
こんな婦警になら逮捕されてもいいかな、と思えるほどに…。
制服を着崩すことなく凛と着こなしている。
露出はミニスカ要素以外ほとんど皆無だ。さすが母さん分かっている。

カルラ「つかみはバッチリ。そこで決め台詞よ」

アニ「あ、あなたの心を逮捕しちゃうぞ!」

177進撃の名無し:2015/09/21(月) 20:44:11 ID:IxOFZYMw0

言って、アニは指差ししたまま石のように固まった。
というか古っ、この言葉のチョイス絶対母さんが言わせたに違いない。
硬直を続けるアニをよそに母さんが呑気に言う。

カルラ「一日署長とか似合いそうじゃない」

その後も続いた、メイド、浴衣、巨人等々。
中には宇宙人というものもあった。よくそんな服揃ってるな…。
本人も結構ノリ気で楽しんでいる様子なのでよしとしよう。
いや、オレが一番楽しんでいるかもしれない……。

178進撃の名無し:2015/09/21(月) 21:15:05 ID:IxOFZYMw0

カルラ「…と、もうこんな時間ね」

カルラ「エレンはどのアニちゃんが一番可愛かった?」

エレン「あー、個人的にはナースかな…」

正直に答える。
事実、アニのナース姿は入院してでも拝む価値があると思った。
純白の白衣に身を包み、さながら現世に舞い降りた天使。
コスプレとは感じられないほど、自然な感じで
とにかく似合っていた。

179進撃の名無し:2015/09/21(月) 21:42:02 ID:IxOFZYMw0

診察しまーす。と言った瞬間、魅力が8割増し。
ぜひお願いしますと即答しそうになった。

カルラ「お望みとあらば、もっと刺激的な服もあったんだけどねえ」

カルラ「アニちゃんが激しく拒否するものだから、ねえ」

アニ「当たり前です。あんな、あんな…破廉恥な」

一体、どんな服なのかオレの想像力に乏しい頭では検討もつかないが
きっと…オレの想像の斜め上なんだろうな。

180進撃の名無し:2015/09/21(月) 22:58:20 ID:IxOFZYMw0

カルラ「アニちゃん、疲れたでしょ。お風呂入ってく?」

カルラ「私と入る?――それともエレン」

何なんだその二択は…。

アニ「いえ…もう、遅いので」

カルラ「あら…あらあら、もうこんな時間。楽しいときは過ぎるのも早いわね」

カルラ「そうね。お父さんが帰ってきたら面倒くさくなりそうだから」

カルラ「エレン、アニちゃんを送ってあげなさいな」

181進撃の名無し:2015/09/21(月) 23:27:57 ID:IxOFZYMw0

言われるまでもなく送るつもりだ。
反論しようとしたが、無駄な討論になるだろうと思い辞めた。
それに、アニがいる前でこれ以上恥をかくわけにはいかない。

エレン「じゃあ、行こうか。後ろ乗ってけよ」

アニ「背中に?」

エレン「なんでだよ!自転車にだよ」

アニ「えー」

カルラ「えー」

182進撃の名無し:2015/09/21(月) 23:44:19 ID:IxOFZYMw0

母さんまで…。二人して同盟でも組んでるのか。
別れ際、母さんがチーハンを持たせアニに対しいつでも遊びに来てもいいのよ。
とそんな事を言った気がした。

アニ「んー、つかれたー」

エレン「着せ替え人形並みに着替えさせられたからな」

送る道中――
他愛のない話で盛り上がった。
もうすぐ文化祭だ。催しものはなにがいいか。
そんな取り留めのない会話だ。
月に照らされた二つの影が夜道を疾走する。
しかし、決して速度は速くない。風切り音で会話が遮られない程度の速さで
夜道を疾走していった。

183進撃の名無し:2015/09/22(火) 02:27:23 ID:hTrwGJ9o0

アニ「カルラさんってファッションデザイナーだったんだね」

エレン「元だけどな…」

アニ「今度私にも服をデザインしてくれるんだって」

そう興奮気味に話すアニは何だか子供っぽかった。
あまり感情を顔に出さない彼女にとって今日の事は彼女の中の
なにかを変えたようだ。
こういう打ち解けた感を感じられることはこの上のない進歩だと思った。


また明日学校で…と別れを告げ再び家路に着いた。
曲がり角まで進んでからふと後ろを振り返るとアニがまだ家に入らずに手を振り続けていた。
……そんなこんなで。
この日、アニの自宅の住所を始めて知った。

184進撃の名無し:2015/09/22(火) 02:32:25 ID:hTrwGJ9o0

―次回予報―

アニ
気分が曇りのち晴れの確率 60%
寝間着のまま学校へ行く確率40%
ミカサに喧嘩売られる確率20%
そして勝つ確率10%

エレン
登場する確率 30%
ずる休みする確率15%

新キャラが登場する確率 90%
それがサシャの確率70% 芋を食いながらの登場確率20%
女子たちの闘いが始まる確率 60%
ジャンにラブロマンスが生まれる確率 7%
ベルトルトに春が訪れる確率 5%

185進撃の名無し:2015/09/22(火) 07:17:39 ID:hTrwGJ9o0

最近、忙しかったためなかなか更新できませんでした。

また通常運転で再開させてもらいます

186進撃の名無し:2015/09/25(金) 06:16:04 ID:hAuZ1bwY0
     /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://ヽ:::::::::::::::|
    l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::// ヽ::::::::::::::l
    l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::「'ヽ::::::::::://   ヽ:::::::::::|
    |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノl:::ノ l:::::::/      ヽ::::::::|
   ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ゙゙  ノ:::/ ,,;;;;;;,,    ,,,,ヽ:::::l
   ):::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/    ノ/ __,'''i: ('''__):::l
  )::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/         ̄ ̄ン:. :「 ̄`ヾ
 1:::::::::::::::::::::::「 `┤l:::::::::::::::::l          ̄   ,  ヽ ̄ l
  `l:::::::::::::::::::::ヽ  :l li:::::::::::::/           /´   `l  |   <ヴッ!!!
  ヽ::::::::::::::::::::::\_」 lヽ::::/            !:-●,__ ノ  /   
  ノ:::::::::::::::::::::::::::ノ | l `゙゙            ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,  /ヽ
,/ ヽ::::::::::::::::::::::(  l l::::::::..         /.:''/´ ̄_ソ  /  `ヽ
     ヽ:::::::::::::::ヽ | l:::::::::::...      /::// ̄ ̄_ソ  /    \
        ヽ:::::::\| l::::::::::::::::...    / :::.ゝ` ̄ ̄/ /       ヽ
           ヽ:::l l:::::::::::::::::::..      ̄ ̄;;'' /         ヽ
              l l;;;;;;:::::::::::::::.....;;;;............;;;;;;''ノ            l
              l l '''''''''''''''''''''''''''''''''''''' ̄l |             |

http://y2u.be/z2qK2lhk9O0

187進撃の名無し:2015/11/05(木) 23:32:20 ID:IOUbOv4.0

Annie side
-------------------------------------------------------------
席順はアニメ版進撃中学校参照

「今日エレンいないの?」
誰かが言ったこの言葉で教室がざわついた。

私は自分の席でいつものように頬杖をつき、窓の外を眺めていた。
眺めていた…というのはちょっと違うかな。意識していたわけじゃないし。
どちらかといえば時間を潰していたという表現が正しいかな。
特に今日のような日には…。
とはいえ、私はこの時間が好きだ。窓際の席でひとり黄昏れる
そんなひととき。

188進撃の名無し:2015/11/05(木) 23:43:33 ID:IOUbOv4.0

クラスメイトの話し声が遥か遠くから聞こえてくるような不思議な感覚。
まるで…身体はちゃんと椅子に座っているのに心はどこか遠くにあるかのようだ。

……つめた。
微小の粒が頬に触れ、ようやく気付いた。
そういえば、天気予報ではこれから雨が降ると言っていた気がする。
朝から空が雨雲に包まれていたのに関わらずすっかり忘れていた。
雨の日はどうしてなのかな。少しセンチメンタルになってしまう。

189進撃の名無し:2015/11/06(金) 00:00:46 ID:8yh48gf20

乙女チック。
そう捉えられたらどんなにいいことか。
ただ、雨の日は嫌なことを思い出してしまう。

窓に当たる雨粒の音が強くなってくる。
私は名残惜しくもあるが風邪を引いたら元も子もないので窓を閉めた。

今日は文化祭の実行委員長決めだ。
特に私には関係のない事柄。傍観者としてこの場にいるだけ。
時間が過ぎ去っていくのをただ黙って待っていればいい。
そういうことは誰か他にやる気のある人に任せればいい。
それでなくても今日はあまりコンディションが良くはないのだから。

190進撃の名無し:2015/11/06(金) 00:25:30 ID:8yh48gf20

多数決。じゃんけん。あみだ。各種ゲーム。
何かを決めるときは大抵これらを行使して物事を進めていく。
絶対的な基準がない状況で誰もが納得できる決め方はまずあり得ないと知りながらも。

私達は、私は…
否応なく従えさせられる。奴隷のごとく。
まるで呪縛のように…。

さて最初は立候補から。
「やりたい人は挙手を――」
先生の声が教室中に響く。
男子一人、女子一人の組み合わせで実行委員は決定される。


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