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あの時もう少し信奉強く探していれば…
35
:
10月27日 ばあちゃん
:2015/10/27(火) 09:46:55 ID:???
The Woodspurge
風がざわめき、風がしずまった――
林と丘を吹き抜け、急に死んだようにやんだのだ。
私は風の命ずるままに、歩き通してきたのだが、
やっとの思いで腰を下ろした、――風が静まったから。
両膝に間に顔をうずめてじっとしていた、――
堅く結んだ口からは、悲しみの言葉も出なかった。
垂れ下がった髪が草の上にかぶさり、
鋭くなった耳には、陽射しが過ぎてゆくのが聞こえた。
目を大きく見開くと、ずっと向こうまで?がった、
十本ばかりの雑草がはっきりと眼に映った。
光を避けるようにして生えていた数本雑草の中に
燈台草が花を付けていた、――一つの花に三つの萼。
悲しみが極まれば、分別がどう、
況や思い出がどう、といった事は問題にならない。
その時、私が知り、今でも記憶に残ってることは唯一つ、――
燈台草の花には三つの萼があるということ……。
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