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テイルズで学園なり茶しませんか?オリキャラも募集!

1華凜:2011/12/15(木) 19:01:27 HOST:i223-216-14-155.s41.a022.ap.plala.or.jp
タイトルの通りです!
恋愛や戦闘もありですよ♪

ルール
オリキャラは1人1役、テイルズキャラは1人3役まで
自分のキャラと他の人のキャラの恋愛はちゃんと了承を得てください。
まだ登録されてないキャラとの恋愛は駄目です!
また、BLやGL、R-18は禁止です。
キスや押し倒しまでで、いき過ぎた表現はやめてください。
テイルズキャラとの家族関係、友人関係は自由です。

オリキャラ登録用のコピペ
名前・
性別・
性格・
容姿・
特技・
学年、クラス・
武器・
周りとの関係・
その他・

教師の場合は学年、クラスを担当に変えて下さい。
武器から下はナシでもOkです

102名無しさん:2017/06/30(金) 16:41:05 HOST:i60-47-112-194.s10.a028.ap.plala.or.jp
マクリル浜に出るライフィセットとポリー、すると……
浜辺には業魔らしき魔物がちらちら徘徊していて
『はっ!?……』
一気に不安が全身を襲うライフィセット
ベルベット達と一緒ならあまり心配がないように思えたはずだが、今は一緒じゃない。ライフィセットは恐怖で震えていた。
        
              ×        ×       ×

ショートチャット   ポリー:見事だったよ
           ライフィセット:……うん、でも……

 業魔は岩に埋もれて動く様子がなかった
『も……もしかして……これって……やった……のかな?』
「うん、そういうことだよ。僕と君の力だけで業魔を倒したんだよ」
 すると、どきどきした様子かライフィセットは興奮しているように見えた。2人だけで岩のように大きな業魔を倒したのだから抑えられないのだろう
『本当にやったんだね?僕達だけで……』
 信じられないとでも言いたそうな様子だった
「うん、大手柄だよ」
『し……信じられないよ。本当に…』
僕達だけで……ベルベットやロクロウ達抜きで……
ライフィセットは業魔のいる方を見た。岩が崩れ落ち埋もれて見えなくなっていたが、反応はなかった
「業魔だからって気にすることないよ。襲って来る気配がないなら構う必要はないし……」
『う……うん』
そして、業魔に警戒しながら浜辺を歩いて行くとビエンフーに似た種族でそれらしき小さな生き物を発見した。大きな三角帽子をかぶり、眼鏡をかけている
『あっ!あれって……』
「うん、アメノチ様のご登場……じゃない?」
アメノチ?「…………」
するとアメノチ様は言ってしまう
『あっ!待って……』
っと追いかけようとするライフィセット……が
??「ぐぎゃあああ!!」っとトカゲの業魔が立ち塞がる
『うわあああ!!』思わず身をかがめてしまうライフィセット
業魔が飛びかかってくる
『もう……駄目だ。ごめん、ベルベット』っと思わず目をつむってしまうライフィセット
すると
??「ぎゃあああ……」業魔は吹き飛んでいく
『……い、痛くない?……』
ポリーがバリアを貼っていた
「大丈夫か、ライフィセット?」
『……う……うん……でもこの状況じゃ……僕達は……』
「逃げても責めないよ。連れ出したのは僕なのに変わりはないしね」
『ポリーは戦う気なの?』
「逃げてちゃ、血翅蝶は務まらない。この程度なら僕は打破して見せる」
そう言い、ポリーは剣を構える
業魔は再びこちらを標的に突進してくる
「逃げるなら今のうちだよ。港まで走れば……」
『……なら僕も戦う。例え今ここにベルベットがいなくても……』
そう言い意を決したのかライフィセットも紙葉を取り出す
「君は成長したね。いやこれからもっと成長するかもしれないか?」
『そんなこと言ってる場合じゃ……』
 しかし、わずかにながらガタガタと震えてる様子も窺えた
 無理もない今ここにベルベット達がいないのだから
 すると、何か策があるのかライフィセットに言う
「僕があの業魔を引き付ける。ライフィセットは僕の合図であそこの崖に思いっ切り聖隷術を放って……」
『え?』

ショートチャット    ポリー:あそこに聖隷術を放つんだ
            ライフィセット:そ、そんなこと言ったって……

 一瞬、きょとんとするライフィセット
 ポリーはその一瞬で業魔と対峙した。
『崖って言ったの!?』
 ライフィセットは慌てて言い返す
「そう、僕の合図であそこの崖に聖隷術を放つんだ」
 ポリー対峙しながらそう言う。だがポリー1人で対峙しているのに戦況は思ってた以上に不利に追い込まれていない様子だった。それどころか業魔の動きを読みながら難なく攻撃を仕掛けている
「空襲剣!」
 斜め後方に業魔を斬り上げる。後ろに後退はしなかったもののもうろうとしているのか動きが止まった。チャンスだった。ライフィセットは紙葉もう一度を構え直す
「君は僕の言ってることが分からないの?あそこの崖に聖隷術を放つんだよって言ったんだよ?」
『そんなこと言ったって……』

103名無しさん:2017/06/30(金) 16:41:59 HOST:i60-47-112-194.s10.a028.ap.plala.or.jp
ライフィセットはポリーの指す海岸の崖を見る。しかし、そこはどうみても業魔のいる方向と違い方向がまるで違った。もしやさっきのアメノチ様っていうビエンフーと同じ聖隷の近くに業魔がいるのかもっと見回すが……アメノチ様らしき面影はまだ見えていたが、業魔の姿は確認できない。それどころか崖はアメノチ様のいる方向とも食い違っている
『意味分かんないよ?どうしてそんなことするの?あっちに業魔なんていないのに……』
 そう言った瞬間、再びトカゲ業魔は
グアアアアアという雄叫びと共に体格が赤くなった
「これは……もしや……。ライフィセット、早くするんだよ」
ガアアアアアと口から不気味な霧を吐く。何なのかはすぐに分かった、猛毒だ
 だが、ポリーはすかさず前方にバリアを張る。どうやら霧を防ぎあっという間に飛ばした?そしてすぐに再び応戦に入っていき、ポリーと業魔の対峙が再開した。……がその業魔もすっかり頭に血が登ったのか攻撃が激しくなっていた。
「何をしてるの!?……大丈夫、僕を信じて……」
『分かった』
 これ以上、ポリーに負担を掛けさせる訳にはいかない。府に落ちないがライフィセットはポリーがさした崖に狙いを定め、聖隷術を唱え始めた。……が
『合図って何の合図?』
……と一瞬ためらってしまう。そんな時だった、突然銃声の音がした、そしてすぐに
「今だ!!」っと叫ぶポリー
『白黒混ざれ!シェイドブライド!』 
 ライフィセットの聖隷術が海岸の崖に炸裂する。すると、ドカーンと爆弾が爆発するかのように崖が崩れ、大きな岩が落ちて来る
『これで……いいんだよね?』
 ポリーが……自分の友達がそう言ったから……口をかみしめ、苦い表情をしながらポリーに視線を移すライフィセット
『えっ!?』
 ポリーと業魔の姿がいない。さっきまでこっちにいたはずなのに……そう思い焦って周りを見回すライフィセット。すると、
『ポリー!?』
 見るとポリーと業魔は崖近くにまでいた。様子からしてポリーが業魔を崖に追い込んでいるようだった。そして、やがて大きな岩が落ちて来る。その瞬間だった
「絶風刃!(剣を高速に動かして疾風の衝撃破を生み敵を飛ばす」
そして……
ガアアアアアア!業魔の頭上に大きな岩が落ち、大きな雄叫びと共に埋もれて入った

104名無しさん:2017/06/30(金) 16:42:57 HOST:i60-47-112-194.s10.a028.ap.plala.or.jp
              ×        ×       ×

ショートチャット   ポリー:見事だったよ
           ライフィセット:……うん、でも……

 業魔は岩に埋もれて動く様子がなかった
『も……もしかして……これって……やった……のかな?』
「うん、そういうことだよ。僕と君の力だけで業魔を倒したんだよ」
 すると、どきどきした様子かライフィセットは興奮しているように見えた。2人だけで岩のように大きな業魔を倒したのだから抑えられないのだろう
『本当にやったんだね?僕達だけで……』
 信じられないとでも言いたそうな様子だった
「うん、大手柄だよ」
『し……信じられないよ。本当に…』
 僕達だけで……ベルベットやロクロウ達抜きで……
 ライフィセットは業魔のいる方を見た。岩が崩れ落ち埋もれて見えなくなっていたが、反応はなかった
「どう?僕達だけ倒した勝利の感覚は……」
『うん……格別……』そう言おうとした時だった
??「まったくあんたたちでよくあんな無茶できるわね。まだ生まれてまもない聖隷なのに……。命が惜しくないのかしら」

105名無しさん:2017/06/30(金) 16:44:06 HOST:i60-47-112-194.s10.a028.ap.plala.or.jp
見ると、あのアメノチ様がこちらを見つめながら、ため息をつく
『あ……ごっ、ごめんなさい』
「あなたがアメノチ様ですよね?ライフィセット、古文書を出して」
『あ……うん』
 そう言いライフィセットは古文書を取り出す。そして、アメノチ様に見えるようにおそるおそる見せて見る
『あの……これをか、かいどくって……』
??「あっそ……」
 ……が古文書に見向きもせずに海を眺めている
『あ……アメノチ様。あのー……』
 まったく興味を示さない様子だった。すると、
「マギラニカ・ルゥ・メーヴィンって御存知ですか?」
??「……あんた、あのどーでもいいあの子のこと知り合いなのかしら?」
『ポリー……マギラニカって……確か』
??「マギルゥ……あたしの教え子よ……一応はねぇ」
『じゃああなたがグリモワール……グリモ姐さんなんですか?』
グリモワール「……姐さんはいらないわ」
 グリモワールは相変わらず興味を示さなさそうなアンニュイな表情を浮かべている
『お願いします!どうかこの古文書の解読をお願いします』
 ライフィセットは頭を下げた
 ライフィセットの必死な思いが通じたのか古文書に目をやるグリモワール
グリモワール「また厄介そうな本ね。どうしてあたしにその本の解読を頼むのかしら?」
『それは……』
「僕達この本の内容が凄く気になって、開いてみたら古代語で書かれていて読めないのです。マギルゥの知り合いのグリモワールって人物に頼めば解読ができるって……」
グリモワール「嘘ね。さっきみたいに戦うあんた達が只の興味本位で解読の依頼を持ち込むようには思えないのだけど……」
「見透かされてるね……」
グリモワール「あたしに嘘は通じないわよ。この歳になったらね、いくら上手に嘘を言っても分かるの」
「バレバレだね」
グリモワール「あんた、あの業魔に襲われる時にも立ち向かう時にもベルベットっという名前を口に出したわね。その人のために何かをしようとしてるのしてるんじゃない?」
 っとライフィセットに向かって視線を向けるグリモワール
『それは……』
 心臓がどきりと打った
グリモワール「あんた面白いわね」
「ライフィセットはベルベットの力になりたいんだよね。そのベルベットには倒さないといけない相手がいる、その相手を倒すためのヒントがこの古文書にかかれている」
グリモワール「でも今ここにはあんた達しかいない。訳は聞かないけど……関わればとんでもないことを背負わされるってことね」
『解読はやはり無理でしょうか?』
グリモワール「そういうのは、やってないわよ」
『……』

106名無しさん:2017/06/30(金) 16:46:46 HOST:i60-47-112-194.s10.a028.ap.plala.or.jp
すると、
「じゃあ、僕達で頑張って解読してみない?」
『え?それって……』
「僕達で頑張って古代語を覚えるんだ。勉強する本は持ってるんでしょ?」
グリモワール「……へぇ、自分達で勉強して読む気?」
「そうです。僕達聖隷は読書が好きですから……。特に誰かのために一生懸命になる君ならね」
 っとライフィセットを見ながら少しニヤけるポリー
『///なっ!?何言ってるの、ポリー?』
 っとライフィセットは少し頬が赤くなる
グリモワール「あんた、やっぱり面白いわね。……そんな健気に頑張るあんたに免じて読んであげるわ」
『……ありがとう』
 真剣なライフィセットの顔を見て、グリモワールは苦笑した

「じゃあ、一旦。港に戻ろっか。ベルベット達がついてるかもね」
『うん、そうだね。あのー……』
 っとグリモワールにおそるおそると尋ねようとするライフィセット、すると
グリモワール「悪いけどここから港まで距離があるわ。もう日も暮れ始めてるのよ。長く出歩くのは勘弁してくれない?この先にハリアって村があるわ」
『僕達の仲間が港で待ってるかもしれません。ですから……』
グリモワール「ならあんた達で勝手にしたら?この本は返すわね」
 っと古文書を返そうとしてくる
「分かりました。ハリア村に行きましょう」
グリモワール「港にあんた達の仲間が待ってるんでしょう?」
 グリモワールがそう告げる頃、ポリーはシルフモドキを呼び出した
グリモワール「シルフモドキ……あんたそんなこともできるんだ」
「はい、そうです。じゃあ今の状況を伝えて見たら、ライフィセット」
『……うん』
「大丈夫、ありのままに伝えたらきっと向こうも分かってくれるよ。でもくれぐれも業魔と戦ったことは伝えないようにね」
『分かった』
 そう言い、ライフィセットはシルフモドキに自分達の現状を伝える
『『アイゼン、僕達は無事、サウスガンドのイズルトに着いたよ。でもごめんなさい、また勝手に行動しちゃって、でも大きな成果をあげたよ。待っている間、僕達はグリモワールていう人の情報収集をしてたんだ。そしたら、イズルトのみやげ屋の人にビエンフーと似た人形が売っていたんだ。ポリーに聞いたらアメノチ様って水の聖主だって言うんだけどポリーがそれを見て、思いだしたみたいなんだ。アメノチ様は想像をはるかに超えた知識を蓄えてるって……。1つの可能性を見出した僕達はそのアメノチ様がどこにいるかみやげ屋の人に聞いたんだ。すると港を出た海岸で見たって……。シルフモドキで連絡ができる今、もし浜辺にアメノチ様がいたらと思って、僕達は浜辺に行くことにしたよ。何度もごめん、でもそれでも僕はアイゼンの言う流儀で行動してるつもりだから。「自分の舵は自分で握るって……」えーと、続きを行くね、浜辺を歩いていると本当にビエンフーに似た聖隷がいたんだ。今、一緒にいるからね。彼女に尋ねてみたら彼女がグリモワールでマギルゥが教え子だって聞かされたよ。それで解読のことなんだけど……何とか解読をしてもらえるように交渉できたよ。でもその頃には日が暮れていて、僕達はこのままイズルトの東にあるハリアっという村に行くことになったんだ。浜辺からはそっちが近いって言うし。そういう訳で僕とポリーはハリアの村の宿屋で古文書を解読しながら 待つことにするね。本当に……本当に……何度も何度も勝手に行動しちゃってごめん。ベルベットやエレノアも僕のことを心配してるかもしれない。でも……僕達は本当に大丈夫……だから、ベルベット……皆、ハリア村で待ってるね』』
『届いて!』シルフモドキを飛ばすライフィセット
「じゃあ行くか」
『うん』
こうしてライフィセットとポリーがグリモワールを連れてハリア村に向かうのであった

スキット    姐さんはいらない

『グリモ姐さん』
グリモワール「姐さんはいらないって……」
「きっとあなたに敬意を払ってそう呼んでるのですよ」
グリモワール「そんな敬意はいらないわ。あの子と同じ呼び方をしても……」
「っということはマギルゥもあなたのことをそう呼んでいたのですか?」
グリモワール「あの子だけじゃないわよ。あの子が持ってる……」
「ビエンフーだね」
グリモワール「その様子じゃあの子達は相変わらず妙チクリンなようね」
「妙チクリン……(汗)」
『姐さんはいらない……じゃあ……グリモ師匠……じゃないよね?』
グリモワール「あたしがあんた達みたいに戦えるとでも言うのかしら?あんた達の言うベルベットて人物はよっぽどな相手みたいね」
『……』
「確かにそれは否定できないかも」

107名無しさん:2017/07/07(金) 11:50:16 HOST:i60-47-112-194.s10.a028.ap.plala.or.jp
ショートチャット  ハリア村

「ハリア村って、確かテレサがオスカーに業魔がいるって言ってたな」
『そ……そうだった。本当に行くの?』
「グリモ姐さんが言ってるんだから信じよ」
『……うん』

        ハリア村に近づくと

グリモワール「あれがハリア村よ」
「見た感じ問題なさそうに見えるけど……」
『だといいよね』

        ハリア村に入ると
「どうやら業魔はいないようだね」
『うん……ほっとしたよ』

 無事、ハリア村の宿屋に着き……
グリモワール「じゃあ、解読を始めるわ」
「僕たちも手伝おっか?」
『うん、グリモ先生、何か手伝えることはありますか?』
グリモワール「……気に入ったわ、それ。あんたには古代アヴァロスト語を教えてあげる」
『ありがとうございます、グリモ先生!』
「じゃあ、古代語を覚えるよ」

108名無しさん:2017/08/01(火) 16:10:40 HOST:211.7.142.10
21解読、そして……
「う〜ん……なかなか難しいなあ」
『えーと……これはこうで……』
グリモワール「あんた急に勢いが弱くなったね……。そんなんじゃ古代語を解読は難しいわよ」
『わ、分かってます。……』
「ベルベット達が無事ここに来るか心配だよね?」
『……うん、ごめん』
「分かった分かった。解読はベルベット達と合流してからにしよう。」
『うん……』
グリモワール「あたしは止めないけど……勝手になさい」
そう言って宿屋を出ようとしたやさき

バーーーン
っという荒々しい音を立ててドアが開かれた、そして
「「ライフィセット!!」」と聞き覚えのある声がライフィセットに聞こえた
2人の声が聞こえたがどちらもライフィセットにとっては大事な仲間であるのに変わりなかった
そして、ライフィセットも声がする方に振り向く
ベルベット「ライフィセット!」  
エレノア「無事ですか?怪我はありませんか?大丈夫ですか?」
『う……うう……べ……ベルベットーーー!』
気づけばライフィセットの目には涙が浮かんでいた。わずか2、3日離れていただかなのに何年も会えなかったかのような気持ちのようだった。
『良かった……ほんとに良かった』
気づけばライフィセットはベルベットに思わず抱きついていた」

エレノア「さあ、ポリー約束通り、詳しく聞かせてもらいますよ」
「その様子、僕がライフィセットを誘拐したような口ぶりだね。僕とライフィセットは使役時代からの友達だよ」
すると、ライフィセットもベルベットから抱きやめ
『うん、ポリーは悪くないよ。ポリーのおかげで海に落とした羅針盤が戻ってきたしね』
「おいおい、海に落としたって」
『あっ!?そうだった。そうじゃなくて……』
ベルベット「落ちたって……ポリー、あんた。ライフィセットを……」
『ち……違うよ、ベルベット。ポリーは悪く……』
ベルベット「ライフィセット、あんたは黙ってなさい」
「うん、ライフィセット連れてイズルトの浜辺で泳いでたよ。そしたら偶然にもベルベットが落としたと思われる羅針盤を見つけてね……それでライフィセットは凄く興奮してたんだ。なんせ傷ひとつつかずに無事だったから……ほら、ライフィセット見せてやりな」
『う……うん、これ。僕をベルベットが連れ出した時、ベルベットが持ってた羅針盤だよ』
ベルベット「(呆れてる)まったく、あんた達は呑気なものね。こっちは嵐でなかなか船を出せなかったってのに……」
そうこう話してると
グリモワール「あんた達騒がしんだけど……騒ぐなら外でやってちょうだい」
するとベルベット一行はグリモワールに向き直り
ベルベット「あ……あんたは……」
マギルゥ「グリモ姐さん、御無沙汰じゃのー」
ビエンフー「御無沙汰でフー」

109名無しさん:2017/08/09(水) 13:24:08 HOST:211.7.142.10
グリモワール「あんた達は相変わらず妙ちくりんねえ」
「っでどうする?ベルベット達も無事着いたことだし解読を再開する?」
っとライフィセットに聞くポリー
『うん、もう一度お願いします。グリモ先生』
グリモワール「再開できてやる気が出たつもり?また同じようにならなきゃいいけど」
『今度は大丈夫だよ。皆一緒だし』
ベルベット「ちょっと、ライフィセット。あんたも解読を手伝う気なの?」
『うん、グリモ先生。僕に古代アヴァロスト語を教えてくれるんだ』
エレノア「アヴァロスト語をですか!?」
驚きを隠せないエレノア
「じゃあ、解読の方は任せるよ、ライフィセット」
『うん……ポリーは手伝ってくれないの?』
「僕には君の保護者からの拷問があるから外で対応しとくよ。君を連れ出した責任を取らないとね」

110名無しさん:2017/08/28(月) 15:13:21 HOST:211.7.142.10
 そう言いポリーは宿屋にライフィセットを残し、ベルベット達を連れて外に出る

「……で何から話し欲しいの?僕達だけで船を出した事?探索戦の皆も海賊病だったし、それでもライフィセットは羅針盤のことを気にしてたからね。ダイルは海賊病にかかってないし……」
っとベルベット一向に説明を続けるルートン。さすがに血翅蝶の一員なだけあって上手く情報を操作して納得させていく
 
ベルベットやエレノアはやや府に落ちない様子だったが……。辺りは深い夜に包まれ始めていた
「そろそろ戻らない?解読急いでるんだろ?」
ベルベット「分かってるわよ」


       スキット   ごまかしは聞かない

アイゼン「お前達、異界に行ったのか?」
「宝物庫にあるあれを見れば分かるか……」
アイゼン「それもあるがシルフモドキが飛んで来たのは南の方からだ」
「さすがだね。でもくれぐれもあの保護者2人には内緒にしといてね。これは今後のライフィセットのためでもあるし」
アイゼン「ああ、それは言わん。あいつの舵はあいつの手にあるからな」
「ライフィセットも凄く感動してたみたいだよ。しばらく興奮が止まらなかったみたいだし」
アイゼン「ふっ、そうか」

 宿屋に戻ると
「解読は進んでる?」
『あ……うん』
グリモワール「この坊や見事にやってくれたわ。あんたと再会できた影響かしら?あの後は凄い集中力を発揮してくれたわ?語学センスが抜群にいいわ」
『グリモ先生の教え方が上手だからだよ』
グリモワール「そんな風に言われると本気になっちゃいそう」
ベルベット「は?」
グリモワール「さぁて……読んであげて。古文書に書かれた歌を……」
『はい、先生』
ベルベット「歌……?」
 ライフィセットは、解読できた内容をベルベットに披露した。

111名無しさん:2017/09/27(水) 11:35:26 HOST:211.7.142.10
『八つの首持つ大地の主は 七つの口で穢れを喰って
 無名に流るる地の脈伝い いつか目覚めの時を待つ

 四つの聖主に裂かれても 御稜威に通じる人あらば
 不磨の喰魔は生え変わる 緋色の月の満ちる望み

 忌み名の聖主心はひとつ 忌み名の聖主体はひとつ」

グリモワール「カノヌシを表す図と、かぞえ歌。この古文書はその意味を解読した“注釈書”なのよ」
ベルベット「もったいぶらずに。その注釈ってやつを教えて」
『ごめん……まだ、かぞえ歌の歌詞しか解読できてないんだ』
ベルベット「……そう」
すると、ポリーが
「う〜む……とすると恐らくはカノヌシは8つの首があり、そのうち7つの口で『穢れ』という何かを喰べ、その穢れを地脈を通じて本体に送っていて復活の時を待っているのかもしれないね」
アイゼン「……なかなかいい推測だ。可能性はあるかもしれん」
『凄いよ、ポリー』
「いや……ライフィセット程でもないよ」
ベルベット「じゃあ後の続きはどう解釈するの?」
「これはあくまで推測だよ。それがあっているとは限らないし。だから引き続き解読を頼むね。ライフィセット」
『……うん』
ベルべット「続きは?」
「推測だと、四つの聖主は恐らく地水火風の四聖主を表す。裂かれるってことは四聖主とカノヌシは拮抗関係の可能性もあるね。四聖主の力でカノヌシの口を破壊されても御稜威に通じる……これもどういう意味かは分からないけどカノヌシとその何かに通じる人がいれば……穢れというものを食べる喰魔は……」
『生え変わる!?』

112名無しさん:2017/10/04(水) 14:45:04 HOST:211.7.142.10
マギルゥ「おメガネにかなった導師アルトリウスがカノヌシを覚醒させようとしておるとすれば、話は合う」
ベルベット「なら、七つの喰魔を探し出して、“カノヌシの首”を潰せばいい」
ロクロウ「だが、喰魔はどこにいる」
「喰魔は地脈を通じて穢れというものをカノヌシに送っている。だから……」
アイゼン「ああ、喰魔を配置するとすれば“地脈点”に配置するのが最も効率がいい」
ベルベット「地脈点?」
マギルゥ「地脈の力が集中する特別な地のことだ」
「ライフィセットも感じたことあるだろ?聖主の御座の時とか」
『あっ、そうか。だとすれば……確か』
 するとライフィセットはカバンの中からワァーグ樹林で捕まえたクワブトを取り出す

113名無しさん:2017/11/15(水) 14:06:30 HOST:211.7.142.10
『ね、この虫がいた場所に結界があったよね?』
「うん、そうだったね。界ならローグレス離宮にもあったしね。……なるほど、ライフィセットはこのクワブトが喰魔じゃないかと考えてるんだね」
『うん……今、そう考えたとこだよ』
エレノア「まさか……いえ、だとしたら聖寮が捕獲していた説明がつく」
「……とすると離宮で大司祭を喰い殺したあの魔物も喰魔ってとこだね」
ベルベット「あれも喰魔……?喰魔の姿は、それぞれ違うってことね」
ロクロウ「ローグレスへ行って確かめるか?」
ベルベット「解読を始めたばかりだし、焦って無駄足を踏みたくない。古文書の中身をもう少し知っておきたいとこだけど……」
グリモワール「…………」
マギルゥ「なにか気になるのかえ?」
グリモワール「喰魔が“生えかわる”っていうのが……ねえ」
『あっ!!』
不思議な感覚が、ライフィセットの全身を駆け抜けた
『ワァーグ樹林のときと同じ感覚がする!』
「!……ライフィセット、羅針盤を出してみて」
『……うん』
羅針盤をポーチから取り出すライフィセット。針はしばらく揺れていたが、やがて落ち着き、一つの方向を指し示した
マギルゥ「この方角は、聖主アメノチの聖殿パラミデス……今は聖寮の施設じゃったか?」
「パラミデス……そういえばオスカーの派遣先がパラミデスってテレサが言ってたな?」
『あっ!ポリー、それって……』
「うん、イズルトで聞いたあの会話だよ?オスカーとテレサの……」
ベルベット「あんた達、あの2人に会ったの!?ポリー、あんた……」
「まったく、すぐ僕を疑う。こうしてライフィセットも無事なんだから少しは信じてもいいんじゃないか?本当に出会ってたら僕やライフィセットも無事じゃ済まない事ぐらい分かってるだろ?」
ロクロウ「ああ……そうだな」
これにはロクロウも同意した
『僕達はイズルトで偶然オスカー様とテレサ様が話をしているのを目撃したんだ。見つからないようにこっそり聞いていただけだよ』
「そういうこと、っで話を戻すよ、羅針盤の針がパラミデスを指してるということは……」
エレノア「ええ、地脈点を意味している可能性があります。聖殿や祭壇は霊的な力に満ちた場所に造られると聞いたことがありますし」
アイゼン「地脈点は世界中に数多くある。喰魔が七体なら、ほとんどの場所がハズレだ」
「その中でも聖寮が完備しているとなると可能性は高くない?ワァーグ樹林もローグレス離宮も?」
アイゼン「確かにな……。それも否定できん」
ロクロウ「なら早いとこ行って確かめてみるか?」
ベルベット「解読を無為に待つ気はないわ。ライフィセットの感覚の正体もわからないし……」
ライフィセットも自分の感覚が気になっているようだった
『ねえ、ポリーは感じなかった、さっきの感覚?』
「……君ほどじゃないけど、確かに針の指してるパラミデスに感覚はあるよ」
『そっか……』
ほっとした様なそうでもないような不思議な様子のライフィセット
グリモワール「……ひょとしてだけど喰魔を殺すと……」
ベルベット「なに?」
グリモワール「どの道確かめないとわからないか……いいえ、気をつけていってらっしゃい」

114名無しさん:2017/11/15(水) 15:08:06 HOST:211.7.142.10
22聖殿パラミデス

聖殿へ向かうため、ハリア村で準備を整えていると、見知らぬ少女が声をかけてくる
ベルベット「あんたは?」
少女「宿の娘です。あの……パラミデスへ行くと話されているのを聞いてしまったのですが……」
ベルベット「聖寮に通報したのか?」
「聖寮ならいるだろ?エレノア」
エレノア「はい……聖寮対魔士エレノア・ヒュームです。どんな御用でしょう」
エレノアがその少女に近寄っていく
少女「人捜しをお願いしたいのです。ある母娘が、聖寮の施設に行ったまま帰らないのです」
エレノア「二人とも行方不明に?」
少女「母親はアメノチ様の巫女、マヒナさん。娘は、娘はモアナちゃんという小さな女の子です」
エレノア「アメノチ様の巫女ということは……」
少女「はい、アメノチ様の聖殿が接収されてからマヒナさんは何度も聖寮に抗議しました。でも、ある日帰って来なくなって……そして、モアナちゃんまで消えてしまったのです。きっとマヒナさんを捜しに行ったんだと思います」
エレノア「その二人が聖寮の施設にいると?」
少女「いえ……でも、あのマヒナさんがモアナちゃんを捨てるなんて考えられません。巫女の後継者として、厳しく育てていました。本当にモアナちゃんを愛していたから。抗議のことはお許しください。どうか聖寮の御力で、二人を捜していただきたいのです」
エレノア「できる限り調べてみましょう」
少女「ああ、ありがとうございます!私も、母と二人で育ったものですから他人事とは思えなくて……」
エレノア「……母娘か」
ベルベット「行きましょう、対魔士様」
 こうしてハリア村を後にした

115名無しさん:2017/11/30(木) 15:27:03 HOST:58x156x99x34.ap58.ftth.ucom.ne.jp
 聖寮の計画を妨害する行為になりかねなかったが、エレノアは戸惑いながら
エレノア「私は、アルトリウス様がなされようとしていることを……今、この世界で起こっている事実を知りたいのです」
 と言うのであった。どうやらエレノアも、アルトリウスのやり方の是非に迷いを抱いているようだ

一行はハリアと聖殿パラミデスのあいだに広がってる磯場、マーナン海礁を渡る

ロクロウ「磯場が続くなァ。ナマコを踏みつぶさないように気をつけろよ」
ベルベット「はあ?どういう注意よ」
ロクロウ「いや、ナマコを踏むとスゴイことになるだろ?内臓がブシャドロ……っと」
エレノア「ええ……あれはちょっとトラウマになります」
ロクロウ「まあ、あの内臓を塩漬けにするといいダシにできるんだが―」
エレノア「あれを食べるんですか!?」
ベルベット「ナマコ程度、今更なんでもないわ」
アイゼン「ナマコはともかく、サンゴはあまり踏むなよ」
エレノア「はい、サンゴも生き物ですからね」
ベルベット「宝石になるお宝じゃないの?」
アイゼン「そういう意味じゃない。同じ磯場でもマクリル浜とこのマーナン海礁は形成過程がまったく異なる」
ロクロウ「そういえば……ここは岩場に覆われてるよな」
「うん、このマーナン海礁は地下洞窟が“浸食”してできた磯場なんだ」
アイゼン「ああ、その通りだ」
エレノア「波に削られたってことですか?」
アイゼン「それもあるが、ほとんどは岩を溶かして喰らった‟暴食テーブルサンゴ“の仕業だ。長く触れていると、生き物も‟浸食”されるぞ」
エレノア「ひええ!?」
ロクロウ「なるほど、サンゴに触れるとビリビリするのはそのせいか」
ベルベット「そっちの注意を早くしなさいよ」

     スキット   ポリーの作戦

ロクロウ「ところでポリー、1つ聞きたいんだが……」
「ん?何、ロクロウ」
ロクロウ「マクリル浜で大きながけ崩れがあったみたいだが……」
アイゼン「ライフィセットが大きな聖隷術を放ったのか?」

ショートチャット   地脈

ロクロウ「どうだ、なにかを感じるか?ライフィセット?」
『うん、聖寮の施設の方角、さっきより強くなってる』
「ここまでこの羅針盤が正確だと……海に落としたままだったら……」
『そうだね。すごいよね、色々と……』

ついに、聖殿パラミデスに着くベルベット一行……が
 パラミデスの入口前に対魔士が倒れている

ベルベット「これは……!?」
??「グォォォォォォォォォッ!」 
対魔士「うわああっ!」
エレノア「業魔!」
マギルゥ「噂の業魔かの?派手に暴れておるわ」
ベルベット「この混乱に乗じるわよ」
こうして一行はパラミデスの中へ入っていくのであった

 パラミデスを探索のするなか、一行の前に業魔が現れた。
その胸に見えるのは、巫女の証。ハリア村で聞いた話の母娘の母のほう。
マヒナであるようだ。業魔は元には戻れない

116名無しさん:2017/12/06(水) 16:14:13 HOST:211.7.142.10
マギルゥ「こやつ、胸にアメノチ様の紋章のペンダントをつけておる。あれは巫女証じゃぞ」
『じゃあ、この業魔は……』
「あの宿のお姉さんが探してたマヒナさんだろうね、きっと」
エレノア「そんな……!
 そうこう言ってる間に業魔は襲い掛かってくる

ショートチャット    マヒナ

ベルベット:ぼけっとしないで!喰われるわよ!
エレノア:わかっています!でも……!
 一行は襲い来るマヒナを退けると……
 弱っていく巫女の業魔
エレノア「巫女を務め、村の人たちから慕われた人が業魔になってしまうなんて……」
『エレノア……?』
エレノア「もう元には戻れない。こうするのが、せめてもの……。‟理“であると!」
『あっ……これって』
「この奥に地脈を感じるね」

 すると、咄嗟に逃げていく巫女の業魔
エレノア「しまった!!…………」
ベルベット「業魔は放っておけばいい」」

 そういい一行は聖殿のさらに奥へと進めのであった

117名無しさん:2017/12/06(水) 16:15:33 HOST:211.7.142.10
ショートチャット    奥に進むと

『力を感じてたのはこの奥だよ』
マギルゥ「さぁて、喰魔が出るか、クマが出るか!」

 聖殿パラミデスの奥に到達すると、そこにはやはり結界があり、中に切り株の化け物のような「」業魔が捕らえられていた
ベルベット「やっぱりいたわね」
ロクロウ「当たりだな。こいつも“喰魔”ってわけか」
「地脈のほうはどう?」
『うん……てた場所はここだよ』
マギルゥ「坊の方も大当たりのようじゃな」
『ワァーグ樹林のときと同じ感覚。僕が感じてたのは、地脈点だったんだ』
「羅針盤を見せてよ」
『あ……うん』
「うん、寸分に狂いなくそこを指してるね。じゃあ後は……やるんだろ?」
 ポリーはベルベットに向かって言う。ライフィセットもベルベットに向き直る
ベルベット「言われなくても……喰魔を倒してカノヌシの首を潰す。それだけよ」

 全員で畳みかけるような攻撃で、喰魔はみるみる弱っていったが……
ロクロウ「この喰魔は小さくならないなあ」
すると、そこへマヒナの業魔が飛び出し喰魔の前に立ちはだかる
エレノア「さっきの業魔!?」
エレノア「今度こそ終わりにしましょう」
 エレノアが前に出る、そして槍でその業魔を貫いた
 マヒナは吹き飛び喰魔の直前に倒れた
 すると、次の瞬間、背後にいた喰魔が大きく口を開けてその業魔にかぶりついた
エレノア「喰魔が……業魔を食べている……!?」
 エレノアが驚きの声をあげる
マヒナ「ゴっ……!べェン……ネ。モ……バ……ァ……。ご、めん……ね……」
 喰魔になった娘?に喰われながら、母親は苦しそうにうめいていた
エレノア「!!?」
『喰魔が……食べてる。穢れって業魔のことだったんだ』
「……少し違うだけどね……今は……」
ベルベット「業魔を喰らう……だから喰魔か」
次の瞬間、喰魔も少女の姿に変化した
少女「……お母さん……お母さん」
『喰魔が女の子になった』
エレノア「まさか……モアナ!?」
モアナ「なんでお母さんはモアナをおいていなくなるの?モアナが悪い子だから?ごめんなさい……ごめんなさい……」
 自らを食べてしまった母親を求めて、少女は泣きじゃくる
エレノア「嘘……こんなのって……」
モアナ「モアナ、がんばって強くなったんだよ。聖寮のひとが強くしてくれたんだよ。だからかえってきてよぉ、お母さん」

118名無しさん:2017/12/19(火) 19:29:19 HOST:211.7.142.10
ベルベット「聖寮がモアナを強くした?」
マギルゥ「‟喰魔にした“……ということかな?つくづく生贄が好きな連中じゃな」
エレノア「そんな、あの人は―娘を助けるために……」
モアナ「お母さん……お母さん……モアナ、さみしいよぉ……お母さん……」
アイゼン「救えなかった我が子の腹を満たすために死にゆく自分を差し出した」
エレノア「ああ……私が……私のせいで……」
ロクロウ「どうする?連れて行くのか?」
 するとポリーがモアナに近寄っていく
ロクロウ「おいおい……」
『ポリー!』
「嘆くのはまだ早くない、エレノア。母親はいないけどこの子を村に連れて帰るのが約束なんでしょ?」
ポリーがそう言う
エレノア「そう……ですよね。はい……ごめんなさい」
 エレノアは涙を手でぬぐいすぐにモアナのとこに寄って行く。その後にライフィセットも続く
 するとそこへ
オスカー「喰魔に手を出すことは許さない」
 っとパラミデスに派遣されていたオスカーが一行の前に現れた
 一行はオスカーに向き直る。さらにエレノアはオスカーの方へ歩み寄る
エレノア「オスカー!聖寮はなにをしているの?お願い、教えて」
オスカー「エレノア……君は知らなくていい」
エレノア「よくない!?私が、母親を倒したせいでこの娘は……」
オスカー「……例の業魔を喰らったか。だが、君が気に病むことはない。すべては世界の痛みをとめるために必要な犠牲なのだ」
エレノア「業魔じゃない!あの人は母親だった。この娘の、たった一人の……お母さん……だった」
 エレノアが涙を流しオスカーに訴える。それでもオスカーはあまり動じず……目を伏せると
オスカー「だとしても強き翼をもつものは……」
 そう言おうとした直後、ベルベットが奇襲をかけ、オスカーを一蹴する。
オスカー「ガっ!?」
 オスカーは壁に打ちつけられ気を失う
エレノア「!!?」
ベルベット「女の涙には気をつけなさい」
 するとポリーも
「少しの間だけごめんね、モアナ……」
 バリアの聖隷術をモアナに飛ばす。威力を抑えているのかそれほど大きな威力ではないが……
モアナ「……ああ!お……かあ……さん」
 モアナも壁に打ちつけられ……気を失う
『ポリー…』
「気を失ってるだけだよ。道中、泣かれたままだとまずいでしょ?後、結界を潰しといてね」
ベルベット「……分かってるわよ」
 そう言うとベルベットは業魔手を振りかざし……周囲の結界はベルベットの業魔手に吸い込まれていった
 ポリーはバリアでモアナを包み、抱きかかえエレノアに渡した
「はい、これであのお姉さんに報告したら?でもこの姿だから村の人がこの娘を受け入れてくれるかは分からないけど」
エレノア「はい……分かっています。ありがとうございます」
 エレノアが気を失っているモアナを抱きかかえる
『大丈夫?エレノア』
 っとライフィセットも心配そうにモアナを抱きかかえているエレノアを見つめる
エレノア「はい、大丈夫です。ありがとうございます」
「バリアを解くね。この分だと穢れる心配はなさそうだし」
 そして、バリアを解くポリー。これでエレノアは直接モアナを抱いてることになる
エレノア「モアナ……」
モアナ「……おかあ……さん」
 小声だがまだ母親のことをつぶやいてようだ

ロクロウ「あの分だと連れて帰る、感じだぜ。やらなくていいのか?」
ベルベット「別にいいわよ。殺すのはいつだってできる。それにグリモワールの言葉が気になる
ロクロウ「なら、さっさと引き上げよう。敵の拠点に長居は無用」

119名無しさん:2018/01/10(水) 16:15:07 HOST:211.7.142.10
一行はモアナを連れてパラミデスを出た
 すると、ハリア村の方角に黒いもやみたいなものが出る

アイゼン「まずい……穢れが強まっている」
マギルゥ「ほぉ。早くも影響が出始めたようじゃのー」
 
 アイゼンがつぶやき、マギルゥがそれに続けた
 ハリア村に戻る途中、モアナが目を覚ました
モアナ「……う〜ん……あれ?」
エレノア「目が覚めたのですね」
 エレノアはゆっくりモアナを降ろした
モアナ「ここはどこなの?お母さんは?……」
ベルベット「ちっ……目を覚ましたか、やっかいね」
 ベルベットの表情が少し険しくなる
エレノア「お母さんは……」
「遠くに出掛けているんだ。巫女の仕事が大変なんだって、いい子にして家で待ってるんだよって……」
エレノア「ポリー!なんてことを……」
モアナ「分かった。じゃあモアナいい子にして家で待ってる」
「いい子だね、モアナ」
 ポリーが上手くてなづけてしまい、モアナが泣くことはなかった
ロクロウ「おお……なかなかうまいじゃないか」
「とりあえずこれで穏便に村に返せるでしょ?」
ベルベット「助かるわ」
モアナ「えっと……」
「僕はポリー、君を抱っこしていたお姉ちゃんがエレノア」
『僕はライフィセット。今、僕達は君のいる村に行くとこだよ。だから一緒に行こう』
モアナ「……うん」
 モアナはそういうと少し大人しくなった

 モアナを連れてハリア村に戻ると、思いがけない事態に見舞われていた
 グリモワールが一行の前に出てくる
マギルゥ「グリモ姉さん、どうしたんじゃ?解読でなにかわかったのかえ?」
グリモワール「違うわ……穢れが強すぎて……解読で本を読んでいる場合じゃなくなったのよ」
ベルベット「穢れ……?」
「……あの黒いモヤみたいなやつだね」
ベルベット「あんた知って……」
「モアナ、君の家はどこ……」
モアナ「モアナの家、こっち」
 ポリーはモアナに家を案内させて行ってしまう
ベルベット「ちょっと、あんた達……」
エレノア「待ちなさい!」
『ポリー!もう……』
 エレノアにライフィセットも続く
グリモワール「あの子、もしかして……」
ベルベット「喰魔よ」
グリモワール「やはりね……」
アイゼン「気を付けろ、業魔になるぞ」
村人A「ぐあああっ!」
村人Bおおおおっ!」
 村人は次々と業魔になっていく

一方でモアナを連れたポリーやライフィセットの方も
モアナ「どうしたの皆。何か変だよ」
モアナは村の友達に近づこうとする……が友達はすぐに業魔化し、モアナを襲おうとする
モアナ「キャアアア!!」
 思わずモアナが悲鳴をあげて「ポリーがすさずバリアで業魔がはねのけた
「ここは危険だ。一旦、村を出るよ、モアナ!」
モアナ「皆……こわいよ〜。 どうして……」
エレノア「村の皆が業魔病に!?」
『早く村から出よう!』
エレノア「そうですね、モアナ!ここは一旦離れましょう!」
 エレノアがモアナの手を引っ張る
『ポリーも……』
「分かってる」
モアナ「モアナ……あそこでお母さんを待ってる」
「あそこがモアナの家か……」

 すると遠くからロクロウが寄ってくる
ロクロウ「おーい、お前等!対魔士が村に入って来てる!船に戻るぞ」
 するとポリーが
「エレノア、ライフィセット。モアナを連れて先に行ってて……後で追うから」
 ポリーは自身をバリアで覆い、モアナが指してた家に入って行く
『もう!ポリー……何やってるんだよ』
ロクロウ「あいつなら大丈夫だろ。なあ……」
エレノア「ですが……」
『うん……分かった。ポリー!必ず戻って来てよ!行くよ、モアナ。エレノア』
モアナ「……うん」
『エレノアも』
エレノア「……ええ、そうですね」
 こうしてライフィセットとエレノアはモアナを連れて村を出た
 ロクロウはもちろん、ベルベットやアイゼン達は村にいる様子はなく既に港に向かっている様子だった

120名無しさん:2018/01/10(水) 16:18:04 HOST:211.7.142.10
23業魔化

一行はモアナを連れてパラミデスを出た
 すると、ハリア村の方角に黒いもやみたいなものが出る

アイゼン「まずい……穢れが強まっている」
マギルゥ「ほぉ。早くも影響が出始めたようじゃのー」
 
 アイゼンがつぶやき、マギルゥがそれに続けた
 ハリア村に戻る途中、モアナが目を覚ました
モアナ「……う〜ん……あれ?」
エレノア「目が覚めたのですね」
 エレノアはゆっくりモアナを降ろした
モアナ「ここはどこなの?お母さんは?……」
ベルベット「ちっ……目を覚ましたか、やっかいね」
 ベルベットの表情が少し険しくなる
エレノア「お母さんは……」
「遠くに出掛けているんだ。巫女の仕事が大変なんだって、いい子にして家で待ってるんだよって……」
エレノア「ポリー!なんてことを……」
モアナ「分かった。じゃあモアナいい子にして家で待ってる」
「いい子だね、モアナ」
 ポリーが上手くてなづけてしまい、モアナが泣くことはなかった
ロクロウ「おお……なかなかうまいじゃないか」
「とりあえずこれで穏便に村に返せるでしょ?」
ベルベット「助かるわ」
モアナ「えっと……」
「僕はポリー、君を抱っこしていたお姉ちゃんがエレノア」
『僕はライフィセット。今、僕達は君のいる村に行くとこだよ。だから一緒に行こう』
モアナ「……うん」
 モアナはそういうと少し大人しくなった

 モアナを連れてハリア村に戻ると、思いがけない事態に見舞われていた
 グリモワールが一行の前に出てくる
マギルゥ「グリモ姉さん、どうしたんじゃ?解読でなにかわかったのかえ?」
グリモワール「違うわ……穢れが強すぎて……解読で本を読んでいる場合じゃなくなったのよ」
ベルベット「穢れ……?」
「……あの黒いモヤみたいなやつだね」
ベルベット「あんた知って……」
「モアナ、君の家はどこ……」
モアナ「モアナの家、こっち」
 ポリーはモアナに家を案内させて行ってしまう
ベルベット「ちょっと、あんた達……」
エレノア「待ちなさい!」
『ポリー!もう……』
 エレノアにライフィセットも続く
グリモワール「あの子、もしかして……」
ベルベット「喰魔よ」
グリモワール「やはりね……」
アイゼン「気を付けろ、業魔になるぞ」
村人A「ぐあああっ!」
村人Bおおおおっ!」
 村人は次々と業魔になっていく

一方でモアナを連れたポリーやライフィセットの方も
モアナ「どうしたの皆。何か変だよ」
モアナは村の友達に近づこうとする……が友達はすぐに業魔化し、モアナを襲おうとする
モアナ「キャアアア!!」
 思わずモアナが悲鳴をあげて「ポリーがすさずバリアで業魔がはねのけた
「ここは危険だ。一旦、村を出るよ、モアナ!」
モアナ「皆……こわいよ〜。 どうして……」
エレノア「村の皆が業魔病に!?」
『早く村から出よう!』
エレノア「そうですね、モアナ!ここは一旦離れましょう!」
 エレノアがモアナの手を引っ張る
『ポリーも……』
「分かってる」
モアナ「モアナ……あそこでお母さんを待ってる」
「あそこがモアナの家か……」

 すると遠くからロクロウが寄ってくる
ロクロウ「おーい、お前等!対魔士が村に入って来てる!船に戻るぞ」
 するとポリーが
「エレノア、ライフィセット。モアナを連れて先に行ってて……後で追うから」
 ポリーは自身をバリアで覆い、モアナが指してた家に入って行く
『もう!ポリー……何やってるんだよ』
ロクロウ「あいつなら大丈夫だろ。なあ……」
エレノア「ですが……」
『うん……分かった。ポリー!必ず戻って来てよ!行くよ、モアナ。エレノア』
モアナ「……うん」
『エレノアも』
エレノア「……ええ、そうですね」
 こうしてライフィセットとエレノアはモアナを連れて村を出た
 ロクロウはもちろん、ベルベットやアイゼン達は村にいる様子はなく既に港に向かっている様子だった

121名無しさん:2018/01/10(水) 16:18:53 HOST:211.7.142.10
モアナの家に入ったポリーは
「何かモアナが大事にしてそうなものは……」
 モアナの家の中を見回してみるがこれといったものは……
業魔「グアアアア!!」
 けたたましい業魔の雄たけびが村中に響き渡り、村を荒らし始める
 そこに
対魔士A「なんてことだ!村人皆が業魔なってるぞ」
対魔士B「すぐに生存者の確認を……探し出せ」
 対魔士と業魔の混戦になる
 一方でモアナの家の中を探しているポリー
「これといったものは……これは……薬か?メモがついてる。えーと……この薬は苦く、モアナは飲むのを嫌がります」
 業魔グアアアア!!」
 業魔が家の中に入ってきて、ポリーを感知した
「どうやら探すのはここまでみたいだね。じゃあ行くか……」
 ポリーはそのモアナの薬?を持ち出し村を出る

 ポリーを除くベルベット達は無事、イズルトまで戻ってきた。

   スキット   どこ行くの?

モアナ「どこ行くの?モアナ、ハリア村でお母さんを待ってないと……」
『村ではさっきの怖い業魔が暴れていて危ないんだ』
モアナ「でも、モアナ、お母さんにあいたい……」
「あいたいよね……でもそのモアナが業魔に襲われたら悲しむのはお母さんだよ」
『わあああ!?』
エレノア「驚かさないで下さい、ポリー」
モアナ「……でも……」
「今は一緒に行こう。元気な姿で母親にあうんだ」
モアナ「……わかった。いっしょに行く。お母さんを悲しませたくないから……」

   スキット   どうやって来たの?

『ポリー……どうやって来たの?』
「どうやってって……何も不思議に思うことってないだろ?僕の能力を使ったちょっとした近道だよ」
エレノア「近道ですか……」
マギルゥ「そうじゃ、ポロ坊ならではののう?」
「そういうこと……この姿自体常識じゃないから、非常識な行動だって取れる。だろ?ベルベット?」
ベルベット「はいはい……」

 船着き場に就くと、ベルベットがアイゼンに問いかける
ベルベット「話してもらうわよ。業魔病と穢れのこと」
グリモワール「あんた。聖隷の禁忌を破るつもり?」
アイゼン「こいつら次第だ」
 すると
「ベルベットに隠しても無駄だろうし……って僕が教えてあげるよ?」
 ポリーが言う
アイゼン「何!?」
『ポリー……』
 「エレノアは大丈夫?どんな真実でも受け入れる覚悟はある?っといても背けられるようじゃ困るけどね。ライフィセットの器だし……」
エレノア「私は…」
『エレノア……?』
 ライフィセットが心配そうにエレノアを見る
エレノア「私は……知らないまま。自分をごまかして進むことはできません」
「そう……じゃあ話してあげる。僕はもう半分業魔だし……覚悟はできてる。業魔病という病気は世界には存在しないいんだ」
アイゼン「ああ……、人間は、元々誰もが業魔になる。心に抱えた‟穢れ”が溢れればな」
エレノア「“穢れ”とはなんなのですか?」
マギルゥ「理性では抑えきれぬ負の感情―」
「つまり怒りや憎しみ、悪意とかいったね」
マギルゥ「そうじゃ、人の誰しもが持っている心が本質として抱えている“業”じゃよ」

122名無しさん:2018/01/17(水) 16:24:29 HOST:211.7.142.10
「人間はね、常に穢れを発して生きているといってもいいぐらい、業からむと負に傾いちゃうんだ。聖主」の御座でアルトリウスに突っ込んでいくベルベットやお兄さんを前にして戦うロクロウみたいに……」
ロクロウ「おお!なるほど」
マギルゥ「ほう……なかなかいい例じゃのう?」
ベルベット「……否定はしないわよ」
エレノア「でもそれはあなた達が異常なだけで」
「じゃあ、もしここでベルベットがモアナに手をかけようとしたらエレノアは……」
エレノア「させません!そんなことは……」
 エレノアからうっすらと黒いモヤが出る
「ほら出た」
エレノア「……!?」
「ね。どうしても感情ではなってしまうでしょ?」
マギルウ「そうそう。むしろ業魔が本来の姿で、ささやかな理性で人間の形を保っているだけやもしれん」
ベルベット「民衆が、そんな事実に気づけば大混乱になる。だから聖寮は“業魔病”という仮病を広めた」
アイゼン「だろうな」
エレノア「嘘です!だって開門の日以前に業魔はいなかった」
「いなかったんじゃなくて、人間の目には見えなかったんだよ」
エレノア「……」
アイゼン「霊能力のない人間にはな。俺達聖隷や業魔は本来、特別な霊的存在」
マギルウ「波の人間には、突然狂暴化しただけに見えたんじゃよ。その異常さは“悪魔憑き”や“獣人化”などと呼ばれて伝わったがな」
ロクロウ「なんで急に見えるようになったんだ」
アイゼン「人間全体の霊能力が増幅」されたのだろうが……」
「聖霊を従え、業魔を狩る対魔士が増えた。降臨を境にね」
ベルベット「きっとアルトリウスが絡んでいる」
エレノア「……でも、病気でなければ村人が一斉に業魔になるはずがありません」
『『八つの首持つ大地の主は七つの口で穢れを喰って』喰魔は、人が出す穢れを吸収して、カノヌシニ送る。なのに僕達が地脈点から(モアナ)を連れ出したから……』
「その通り、よく分かったね。吸収されなくなった穢れが村に溢れた可能性があるね」
ベルベット「つまり、あたしのせいか」
エレノア「…………」
モアナ「ねえ、どうしたの?なんかみんなこわいよ……」
ベルベット「おかげで、古文書の記述が信用できるとこがわかったわ。地脈点から、すべての喰魔を引き剥がす。カノヌシの力を削ぎ、覚醒を阻止するために」
『でも、喰魔を奪ったら人間がどんどん業魔になっちゃうんじゃ……』
ベルベット「やらなきゃアルトリウスを殺せない」
「それがベルベットの決断なんだね」
ベルベット「そうよ」
マギルゥ「げに恐ろしき女よの〜」
アイゼン「真実を知って進むか……いいだろう」
 一行は決断し、船に向かうそんな中エレノアはまだ港に立ち止まる。ライフィセットも立ち止まり、エレノアを心配そうに見ている
エレノア「人と業魔の違いは……」
「エレノア、モアナとライフィセットが見てるよ」
 ポリーはそう言い、船に向かう
エレノアはモアナとライフィセットが未自分を見ているのに気づく
エレノア「え……ああ……ごめんなさい」
モアナ「元気だして、エレノア。エレノアのお母さんも、ずっと見てるよ」
 モアナがエレノアに笑顔を見せてみせる
エレノア「……はい、そうですね」

ベンウィック「副長“血翅蝶”のボスから連絡(シルフモドキ)が届いたよ。依頼があるからローグレスまで来いっていてるけど、どうしますか?」
「ちょうどいいじゃない?離宮の喰魔や他の喰魔の情報も聞けるかも」
ベルベット「そうね」   アイゼン「ああ、そういうことだ。ローグレスへ向かうぞ。出向の準備だ」
ベンウィック「いつでも出られるっての!!」

123名無しさん:2018/01/28(日) 19:11:50 HOST:211.7.142.10
こうして、一行は再びローグレスに向かうためゼクソンを目指した。バンエルティア号にはモアナやグリモワールも乗っている。船内で古文書の解読作業を続けてくれている。
 そんな中、とある船室にて……
「モアナ、このハンカチをよーく見て」
モアナ「うん、見てるよ」
「これをこうすると……ぱぱーん(ハトが飛び出していく)」
モアナ「ああ!すごいすごい!!なんで……ハンカチからハトが出るの?教えて!」
『僕も知りたい!ポリー、マギルゥから教えてもらったの?』

124名無しさん:2018/02/05(月) 15:08:21 HOST:211.7.142.10
チャット   探索船帰還

「アイゼン、探索船は無事、港に着けてるよ」
アイゼン「既に確認済みだ」
「勝手に操船してごめんね」
アイゼン「お前はライフィセットのために動いたのだろう?操船までするとはな……。それだけお前も世界を渡り歩いてるというわけか」
「アイゼンほどじゃないよ。でもおかげで新しい羅針盤が手に入ったんだ。壊れた羅針盤は修理してもらってる」
アイゼン「そうか……」
「後、見返りに探索船、もう1隻手に入れたから。イズルトに誰も使っていない船が1隻あって、動くかどうかも確認しといたから。これで、異界探索も1度で2ヵ所探索できるよ」
アイゼン「ほう……いいだろう。お前が見つけた船も探索船として使わせてもらう」
「いつでもいいよ」

 こうして、一行は再びローグレスに向かうためゼクソンを目指した。バンエルティア号にはモアナやグリモワールも乗っている。船内で古文書の解読作業を続けてくれている。
 そんな中、とある船室にて……
「モアナ、このハンカチをよーく見て」
モアナ「うん、見てるよ」
「これをこうすると……ぱぱーん(ハトが飛び出していく)」
モアナ「ああ!すごいすごい!!なんで……ハンカチからハトが出るの?教えて!」
『僕も知りたい!ポリー、マギルゥから教えてもらったの?』
「後でね、今はもう1度ハトを出すと騒ぎになるから……」
モアナ「え〜知りたいー、教えて教えて」
「そうだ!ライフィセット、モアナに羅針盤を見せてあげなよ。興味を引くかも……」
『うん……。ほら、モアナ。これが羅針盤だよ』
モアナ「おお〜、何かすごーい」
 船室ではしゃぐモアナ、それにモアナの面倒を見るライフィセットとポリー。その少し離れた場所でエレノアが様子を見守りながら……
エレノア「ふふふ……モアナ、あんなにはしゃいじゃって……元気になって良かったです」
 そう1人でつぶやきながらペンダントを取り出す
エレノア「(業魔が私から母を奪った……その一方で私は喰魔であるあの子を守った。私は……)」
 するとモアナがエレノアに気づき、やがて持っているペンダントに気付く
モアナ「わぁ!きれい」
『エレノア、時々眺めてるね』
「エレノアの母親の形見なんだよね?」
エレノア「……ええ、私の母がくれた宝物です。これを見ると勇気が湧いてくるの。モアナも見る?」
モアナ「みる!きゃぁあああ!」
『どうしたの?』
「モアナ!」
モアナ「こわい!モアナの顔、こわいよう……!」
エレノア「あ……!」
モアナ「やだぁ!こんなのやだよぉ……!お母さんにもきらわれちゃう。おかあさぁん……おかあさぁん……」
 モアナは泣き出してしまった
 すると
「モアナ、こっち向いてみて……」
『ポリー……?』
 ポリーは自分の足を見せてみる。足は変わらず、業魔化していて禍々しさが漂っている」
モアナ「……どうしたの、その足」
「僕もモアナと一緒だよ?こわい?」
モアナ「……ううん、そんなことない。大丈夫?」
「僕なら大丈夫、ありがとう」
エレノア「(ポリーもさすがですね。私も頑張らないと……)モアナ!私も見て下さい」
モアナ「すごいキズ……!どうしたの?」

125名無しさん:2018/02/05(月) 15:09:46 HOST:211.7.142.10
エレノア「大きくて怖い傷でしょう?私の体にもあなたやポリーみたいに怖いところはあります。モアナは私が怖い?」
モアナ「……ううん、こわくないよ。それより大丈夫?いたくないの?」
エレノア「ありがとう、全然平気よ」
「そのキズ……もしかして、エレノアの村を襲った業魔に……」
エレノア「……はい……そうです」
『……』
エレノア「怪我をして動けなくなった私を、母が自分を囮にして逃がしてくれたんです」
『それじゃあお母さんは……?』
エレノア「『……強く生きて』それが最後の言葉でした」
『…………(下にうつむく)』
「モアナ、もう大丈夫?僕やエレノアも君と同じだから……もう泣かないでね」
モアナ「うん……モアナ、泣かない。ポリーやエレノアはモアナのこと怖くない?」
「うん、平気だよ」     エレノア「私もです」
『ふん……』
「どうしたの?ライフィセット」
『な///……なんでもない』
「すねてる?」
『す……すねてない!』
「ほら見て、モアナ。ライフィセットのアホ毛、すねると真っすぐに伸びるんだよ」
モアナ「あ〜ほんとだ☆ライフィセット、面白い」
 モアナはライフィセットのアホ毛をなでる
『ちょっと///……やめてよ、モアナまで……もう……』
 少しぷんぷんと怒った様子のライフィセット
エレノア「ふふふ……仲がいいのはいいことですよ」
 すると、そこへベルベットが入ってくる 
ベルベット「グリモワールの古文書の解読が進んだわ。デッキまで」
「りょーかい」
 ポリーは船室を出る
『う……うん』
ベルベット「……顔が赤いけど、どうしたの?」
『な///……なんでもないって……!』
 ライフィセットも慌てて船室を出る
ベルベット「……あんた、ライフィセットに……」
エレノア「何もしていません」
モアナ「エレノアは悪くないよ。……ね?」
エレノア「……はい」
ベルベット「……」


 デッキに集まる一同
        チャット   解読の続き

グリモワール「かぞえ歌の二段目……覚えてる?」
『四つの聖主に裂かれても 御稜威に通じる人あらば 不磨の喰魔は生えかわる 緋色の月の満ちる望み』
グリモワール「そう。それについて話とかなきゃと思って、集まってもらったわけ……」
ベルベット「『選ばれし者によってカノヌシと喰魔が甦る』って、解釈したわよね」
グリモワール「どうにも『生えかわる』が引っ掛かるのよね……で、少し考え方を変えてみた。カノヌシに選ばれた誰かが喰魔をつくるのではなく、カノヌシが喰魔になる誰かを選ぶ……としたら?」
エレノア「……?」
「御稜威に……つまりカノヌシの力に適合した人間や生き物が喰魔に生まれ変わる?モアナは人間……ライフィセットのクワブトは昆虫」

126名無しさん:2018/02/07(水) 20:02:25 HOST:211.7.142.10
「御稜威に通じる……つまりカノヌシの力に適合した人間や生き物が喰魔に生まれ変わる?モアナは人間……ライフィセットのクワブトは昆虫だし……」
ロクロウ「おお、そういえばそうだよな」
「っとはいうものの、モアナのような小さな子供までカノヌシの力に適合すれば、聖寮はお構いなしに喰魔に作りかえてるってとこだろうな」
エレノア「モアナ……」
ベルベット「『個よりも全』それがアルトリウスのやり方よ(アルトリウスの……)」
エレノア「そんな……」
グリモワール「しかも『生え変わる』ではなく、あえて『生えかわる』と書かれている……。『生え変わる』と『生え替わる』の2つの意味が込められていると読み解けるのよ……」
ベルベット「……喰魔は生まれ替わる。それなら『不磨』……不滅という意味が通じる」
マギルゥ「どうやら、全よりも“子”を優先してモアナを殺さなくて正解じゃったようじゃの」
ベルベット「……“殺さない”じゃない。カノヌシの覚醒を阻止するためには―喰魔は“殺せない”」
「ライフィセットのクワブトもね」
『……うん!ますます大事にしないとね』
ベルベット「頼んだわよ、ライフィセット」
『任せて……』
ロクロウ「っとするとだ。もし喰魔を殺してしまったら」
アイゼン「別の適合者が喰魔に生まれ替わることになる」
「場合によれば第2のモアナができることになるね。人間に適合者がいればね」
エレノア「そんなことは絶対にさせません!」
ベルベット「……でも、穢れを喰らう口は七つで―喰魔の数は決まっているみたいね」
『殺さなければ、次は生まれない』
「正確には殺さないように、殺させないようにしないとね。特に聖寮には」
アイゼン「ああ、その通りだ。つまり俺たちは七体の喰魔を地脈点から引きはがした上で聖寮に奪還も殺害もされないよう、守らねばならん」
マギルゥ「難易度高すぎじゃろー」
「難易度落とすとしたらマギルゥが喰魔になるとか?」
ロクロウ「おお、それいいんじゃねえ?」
マギルゥ「にょにょ!?ポリ坊もさらっと酷いこと言ってくれるわ」
ロクロウ「しかし、こうなってくるとアジトが欲しいな。アイゼン、秘密基地とかないのか?」
アイゼン「男のロマンだが……ない」
ベルベット「人知れない場所で、かつ安定した“食事”を供給できる“穢れ”に満ちた場所」
マギルゥ「人気がないのに、穢れが満ちた場所か。難儀なトンチ問題じゃのー」
エレノア「聖寮が管理するこの大陸にそんな都合のいい場所なんて……」
「第四種管理地区とか……」
ロクロウ「おお!そんな場所もあったな。聖寮も放置してるんだったよな」
ベルベット「却下。そこに行くだけであたし達も只じゃすまないわよ」
「……とするとタバサに聞いてみるのがいいか。何か情報を知ってるかもしれないし」
ベルベット「そうね。ローグレスであの喰魔の情報と合わせて聞くことにするわ。ローグレスに急ぐわよ」
 こうして一行はローグレスを目指してゼクソン港に船を進めた

127名無しさん:2018/04/02(月) 16:20:15 HOST:58x156x99x34.ap58.ftth.ucom.ne.jp
ゼクソン港に着いたベルベット一行、バンエルティア号から降りると船乗りたちがもめていた
船乗りA「オヤジ、水と食い物をありったけくれ!」
船乗りB「バカ野郎、こっちが先だ!二日も漂流しちまって死ぬとこだったんだ」
船乗りC「日頃の行いが悪いからだ!ざまあねぇな!」
船乗りB「なんだと、やんのか!?」
店員「やかましい!騒ぐ前にどっちもツケを払いやがれ!」
『なんかすごい……』
「荒れてるね〜」
ベルベット「船乗りは短気なのが多いだけよ。怖がらなくていいわ」
 その時、ベンウィックも船止めともめ始めた
ベンウィック「おい、どういうことだよ!?」
ベルベット「どうしたの?」
ベンウィック「船止め料を上乗せしてきやがったんだ」
アイゼン「ほう……いい度胸だな」
船止め男「そりゃあ、あなた方の船止めを受ける男ですから。だが、一級手配の海賊団だけでなく、“特急手配犯”まで匿うとは承知していない。追加分には別料金を請求するのが筋でしょう?」
アイゼン「……たしかにそうだな。ベンウィック、いい値で払ってやれ」
ベンウィック「へーい!副長も船長も、やっかいな奴に甘いんだから」
船止め男「さすがアイゼン副長。今後ともごひいきに」
ベルベット「……迷惑をかけたようね」
アイゼン「想定のうちだ、気にするな。短気じゃない船乗りもいるということだ」
ベルベット「覚えておくわ」
 一行は再びローグレスを目指した
 ダーナ街道の途中で

128名無しさん:2018/04/02(月) 16:45:26 HOST:58x156x99x34.ap58.ftth.ucom.ne.jp
タバサの酒場に着くと
「タバサ、帰って来たよ」
タバサ「久しぶりねえ、ポリー」
「ライフィセットもいるから久しぶりにマーボーカレーをお願いね」
『えっと……マーボーカレーをお願いします』
タバサ「坊やも久しぶりねえ。今、用意するわね」
「タバサ、この対魔士様にもライフィセットと同じマーボーカレーを用意してあげて……」
エレノア「!」
 エレノアは警戒してか険しい表情になる?しかし……
『エレノアは僕達の大事な仲間なんだ……』
タバサ「ええ、分かっているわ。坊やが大事そうに彼女の手を握っているもの。……噂では聞いているわ……坊やの前ではあまり言えないけど……。こんな薄気味悪いとこでしょうけどゆっくりしていってね」
エレノア「……はい、ありがとうございます」
 すると、すぐにそこへベルベットが入って来て
ベルベット「話は済んだ?じゃあ要件を言いなさい」
タバサ「あなたも久しぶりねえ。ピーチパイはどう?」
ベルベット「あたしは要件を聞きに来ただけよ」
「もう少し余裕を持てって言ったんだけどね……。まだ難しいみたいなんだ」
 ポリーがマーボーカレーを食べながら言う。ライフィセットも久々の味にとても満足している様子。
『ねえ?タバサのとこのマーボーカレー、美味しいでしょ?』っとエレノアと話している
ベルベット「……後で、ピーチパイ頂くわ」
タバサ「ふふふ……分かったわ。要件は……この人を王都から連れ出して欲しいの」
ベルベット「……キナくさい依頼ね。目的地は?」
タバサ「お上の手が届かないところまで」
ベルベット「そんな場所があったら、こっちが知りたいわ」
ロクロウ「……俺達もそんな場所が必要なんだが、なかなかうまい話はなくてな」
タバサ「そういえば……ここしばらく聖寮本部と監獄島タイタニアの連絡が途絶えているって噂よ」
ベルベット「監獄島……!」
アイゼン「監獄島は聖寮が管理している施設。それが連絡もつかないほどの状況になったというのか?」
ベルベット「灯台下暗し……監獄島は使えるかもしれない」
ロクロウ「アジトにか。確かにあそこなら喰魔が食べる穢れも多そうだしな」
マギルゥ「しかも、逃げ出した囚人が好き好んで戻るとは、お行儀のいい聖寮は考えんじゃろーなぁ」
「どうやら、行き先が決まったみたいだね。監獄島」
『どんなとこだなんだろう?』

129名無しさん:2018/04/09(月) 13:33:34 HOST:211.7.142.10
ベルベット「灯台下暗し……監獄島は使えるかもしれない」
ロクロウ「アジトにか。確かにあそこなら喰魔が食べる穢れも多そうだしな」
マギルゥ「しかも、逃げ出した囚人が好き好んで戻るとは、お行儀のいい聖寮は考えんじゃろーなぁ」
エレノア「ええ、それに聖寮と連絡がつかなくなった理由を確かめてみる必要がありますね」
「どうやら、行き先が決まったみたいだね。監獄島」
『どんなとこなんだろう?』
「秘密基地になりそうだったらいいね」
『僕はそんなこと……』
ロクロウ「おお、そうだ。別に秘密基地に熱くなってもいいぞ」
『……うん、そうだね』
ベルベット「後、もう1つ聞きたいんだけど。聖寮が業魔を匿っているって情報はない?」
タバサ「……離宮にいた業魔なら別の場所に移ったようよ」
ベルベット「どこへ?」
タバサ「今言えるようなことはないけど、近いうちに必ず」
ベルベット「……わかった。こいつを逃がす報酬は業魔の情報よ」
タバサ「承知したわ。アイゼン副長、メルキオルとやりあった件は聞いたわ。情報をつかめなくてごめんなさい」
マギルゥ「あれは完敗じゃったな……」
アイゼン「いい。もう済んだことだ」
ベルベット「アイフリードのこと、あきらめるの?」
アイゼン「いいや、アイフリード海賊団は聖寮の計画を潰しに動く。俺たちがでかい被害を与えれば、聖寮はアイフリードに人質の価値を見いだすはずだ。罠を仕掛けてきた時を狙って、あいつを奪い返す」
ベルベット「攻撃で活路を開こうってわけか」
『やっぱりアイゼンって凄いよ』
「今のアイフリード海賊団全体の舵を握っているからね。もしかしたらそのやり方が……」
アイゼン「ああ、アイフリードならこの策をとる。そういうことだ」
 こうして一行は血翅長の依頼である『素性は不明の謎の人を連れてタイタニアを目指すこと』を引き受けたのであった

130名無しさん:2018/04/09(月) 13:37:13 HOST:211.7.142.10
ゼクソン港の戻るとベンウィックがまた誰かとと揉めていた
ベンウィック「だから高いって!足元見すぎだろ!?」
物資屋「これ以下をお望みなら、どこかの慈善家を捜していただいた方がよろしいかと……」
ベルベット「またなにか揉めてる」
 そう言い、ベルベットがベンウィック達に近寄ろうとしていたその時だった
 突然、白い何かが北から南に向かって通り抜けていった
『!?』
 するとベンウィックも物資屋も急に大人しくなった
ベンウィック「……」
物資屋「……」
 しかし、実際はベンウィックと物資屋だけでなく街の人全体が急に大人しくなった感じである
エレノア「こ、これは!?」
ベルベット「しっかりしなさい、ベンウィック!」
ベンウィック「あ……れ……?俺、補給の交渉をしてて―」
物資屋「……物資は適価で……いえ、自由にお持ちください」
エレノア「!?」
物資屋「人間は、営利行為などではなく、私心なく公益に奉仕することでの自己実現を達成すべきであり……」
ベンウィック「は!?本当にいいのかよ?」
物資屋「……いや……私はなにを……」

 するとライフィセットが北の方を向く
「さっきの波、北の方からだったよね」
『ポリーも感じたんだ。もう消えたけど……』
アイゼン「聖隷がもつ力の支配圏―“領域”だ」
エレノア「ここの北って……」
ベルベット「聖主の御座からか」
 ベルベットが寄ってくる
ロクロウ「カノヌシとアルトリウスが何かやったってことか?」
ベルベット「……わからない」
「今いえることは早めにここを離れた方がいいかもしれないね」
アイゼン「ああ、その通りだ。すぐに出航するぞ」
 そう言い船に向かうベルベット一行
 1人、依頼の対象になっている正体不明の人が立ち止まり
??「鎮静化……か」
 っとつぶやいた

ロクロウ:気持ち悪いがタバサからの依頼が先だ。アジトも見つけなきゃだしな」
ベルベット:そうね

バンエルティア号でタイタニアに向かう一行。向かう道中、甲板で
ロクロウ「さあて、無事に出航したことだし、そろそろ顔ぐらい見せたらどうだ?」
??「……そうだね、失礼した」
 正体不明の男がフードを脱ぎ、顔をあらわにした
エレノア「やはり、パーシバル殿下……!」
アイゼン「パーシバル・イル・ミッド・アスガード。ミッドガンド王国の第一王子とはな」
ベルベット「……次の国王か」
パーシバル「私の正体に気付いていたんだね」
エレノア「お召し物から、王家の方々のみが使うことを許された香木の香りがしましたから。いったい何故このようなことを?」
パーシバル「話さなければ、連れて行ってもらえないかな?対魔士が裏社会の者といる理由もしりたいのだが……」
「王子が裏社会にある血翅長に依頼するということは……」
『聖寮に対して何か不満があるってこと?』
パーシバル「君の推測は間違っていないよ」
ベルベット「理由なんてどうでもいいでしょ。こっちも、こっちの都合で利用させてもらうだけよ」
パーシバル「好きにしてくれていい。もう私は戻れないのだから……」
 王子はそう言い、船の中に入って行った

131名無しさん:2018/04/16(月) 14:56:22 HOST:211.7.142.10
25喰魔
 
タイタニアに着いたベルベット一行
『島全部が監獄なんだ……』
「制圧できたら秘密基地になりそうだね」
『……うん』
ロクロウ「やけにしずかだな」
マギルゥ「見張りの対魔士も見当たらんのー」
パーシバル「……」
ベルベット「中の様子を確かめる」
 一行はタイタニアの中に入って行く

 中に入ると、対魔士が1人、玄関口でよろけていた
アイゼン「対魔士がいるぞ!」
 その対魔士はすぐに崩れ落ち、倒れた
エレノア「しっかりして下さい!」 
 っと言い駆けつける
対魔士「……うっ……首のない騎士……ぅ……う……ま……」
 対魔士はそう言い息絶えた
エレノア「……亡くなりました」
ベルベット「首のない騎士の業魔?」
『うわっ!!』
 そこへテナガザル系の業魔が現れる
「首はあるし、騎士ではないけど……」
ロクロウ「襲ったのは業魔に違いないな」
マギルゥ「また暴動が起こってるのかえ?」
ロクロウ「クロガネ!ダイル!お前たちはモアナと王子を守れ!」
ダイル「おう!!」    クロガネ「承知!!」

 一行はテナガザル系の業魔を一蹴する

ベルベット「聖寮は囚人たちの制圧に失敗したのか」
ロクロウ「おかしいな。かなりの対魔士が配備されていたはずだが」
アイゼン「……蟲毒が行なわれたのかもしれん」
『コドク?』
「業魔同士で喰らい合わせることだよ。それによってより強い業魔を生むんだ」
アイゼン「ああ……そういうことだ」
ロクロウ「囚人業魔が悔い合って、対魔士も敵わない業魔を生み出しちまったってことか?」
エレノア「暴動が起こったからですね」
マギルゥ「誰かさんのせいで、のう?」
ベルベット「なにがあったかは問題じゃない。ここを手に入れるために、なにをすべきかよ」
『死んだ対魔士は「首のない騎士の業魔」って言ってたよ』
「う〜ん……最後のほうは『……う……ま……』って言ってた発言につっかかりがあるけど、業魔には違いないかな」
マギルゥ「おりょ?ポリ坊、何か意味ありげじゃのう?」
「とりあえずまずは首のない騎士の業魔を捜してみよう」
ロクロウ「応!そいつを捜し出して、ぶっ潰そう」
ベルベット「島を制圧するまで、この広間を拠点にする。王子とモアナはあんたたちに任せるわ。侵入する敵はすべて排除して」
クロガネ「わかった」      ダイル「あんまり期待しないでくれよ」
エレノア「モアナ、なにかあったら私を呼んで。必ずあなたを守りに戻るから」
モアナ「うん。エレノアも気をつけてね」
(「うまくここを秘密基地に出来たらモアナとかくれんぼとかして遊んであげる?それともグリモ先生の解読を手伝う?」)
(『……う〜ん、グリモ先生の解読も手伝いたいけど……モアナとも遊んであげなきゃいけないよね』)
ベルベット「行くわよ」
 こうして一行は首のない騎士の業魔を手掛かりにタイタニアの奥へと進んで行くのであった

132名無しさん:2018/05/14(月) 16:53:34 HOST:58x156x99x34.ap58.ftth.ucom.ne.jp
タイタニアの奥へたどり着くと
『首なしの騎士!』
「確かにね」
ベルベット「こいつが蟲毒の親玉か」
ロクロウ「なるほど狂暴そうだ」
マギルゥ「なあに、ベルベットほどじゃないわい」

ショートチャット:声はどこから?
 
ライフィセット:こいつどっから声を出してるの?
ポリー:業魔の形態としてはクロガネと同じタイプかな?戻ったら聞いてみたら
ライフィセット:うん、そうしてみる
アイゼン:余裕をかませるようになったな

 一行は、「首のない騎士」と思われる業魔を撃退する」
ロクロウ「よし、これで一件落着だな」
ベルベットが捕まっていた監房を見下ろしながら「そうね……」とつぶやいた

 すると、ここでライフィセットが地脈の気配を感じる
『また感じた……!』
ベルベット「まだ穢れが?」
『ううん、地脈点よ。この島にもあるみたい』
「僕も感じてる。恐らくこの下……」    
アイゼン「ああ、その可能性が高いな。俺も感じる」
『この下って……』
 するとベルベットがその真下に敷かれている蓋を開けた
 一行はその真下に下りてみる

エレノア「ここは……?」
ベルベット「監獄島で、一番厳重に閉ざされた特別監房よ。ライフィセット、どう?」
 ベルベットに促され、ライフィセットは羅針盤に手を添えて地脈の流れを探る
『うん、ここが地脈点だと思う』
エレノア「地脈点につくられた特別監房ということは、ここに捕まっていたのは喰魔……?」
「ここに捕まっていたんだね、ベルベットは……」
 何のためらいもなくあっさり告げるポリー
エレノア「え!?……」
『それって……』
ベルベット「ええ、そうよ。ここに捕まっていたのはあたし。あたしは飢えていた喰魔。毎日放り込まれる業魔を喰らって腹を満たし、血まみれの唇をぬぐった。島に何百という業魔や悪党の発する“穢れ”をカノヌシに送っているとも知らずに。ある日、絡繰りを知る女聖隷が現れ、結界を解いて喰魔を檻から出した。喰魔は、その聖隷すら容赦なく喰らった。そして―あたしは手に入れた。弟の仇を討つための“力”を」
『ベルベットが……喰魔……!』
「そういうこと」
 ライフィセットは大きく息をのみ、ポリーが控えめに断定する
アイゼン「監獄島は、囚人の出す穢れを喰魔に喰わせる“エサ場”だったんだな」
 アイゼンが重々しく口を開く
ロクロウ「だが、ベルベットが脱走したせいで穢れが溢れた」
マギルゥ「モアナの村と同じことが、ここでも起こったんじゃな」
 ロクロウが相槌を打ち、マギルゥが神妙な表情で頷く。すると、エレノアが首を振って
エレノア「アルトリウス様が、そんなことするはずが……」
ベルベット「そんな……って、どれのことよ?病弱な義弟を生贄にしたこと?喰魔になった義妹を監禁したこと?全部、あんたが讃える導師様がやったことだ!カノヌシの力を手に入れるために!!」
エレノア「きっと……なにか……お考えが―
ベルベット「どんなっ!!」
 ベルベットがエレノアの胸ぐらを掴んで叫んだ
ベルベット「世界の痛みをとめる?ふざけるな!!あの子の痛みは誰がとめるんだ!!あの子の絶望は誰が癒やすんだ!!世界のためなら……ラフィは!あたしの弟は殺されて当然だっていうのかっ!!」
 ベルベットはエレノアの胸ぐらを放すが……エレノアには返す言葉がなく
エレノア「…………」
ベルベット「…………」
 ベルベットもそれ以上エレノアに叫ばなかった
ベルベット「とにかく、これで喰魔を一匹探す手間が省けたわね」
『ベルベット……』

133名無しさん:2018/05/21(月) 15:57:45 HOST:211.7.142.10
一行に沈黙が訪れる。その時だった
モアナの叫び?「……たすけて……エレノアァ……」
エレノア「モアナ?」
マギルゥ「なんじゃ?怒鳴られて幻聴が聞こえるようになってしまったのかえ?」
エレノア「……嫌な感じがします。モアナになにかあったのかも」
『でも、もう首なしの騎士は倒したよ』
「モアナの悲鳴でも聞こえたの?」
エレノア「……はい、はっきりとではないですか、確かに私に助けを呼ぶ声が……」
「ってことはもう1体、首なしの騎士がいたかあるいは他にも強そうな業魔が……」
『!もしそうだったら大変だよ。急いで戻らないと……』
 こうして一行は急いで広間に戻ることにした

広間に戻っていくと
モアナ「きゃあああ!!」
エレノア「モアナの悲鳴!」

 広間に戻ると、エレノアは
エレノア「モアナ!」っと叫び駆け出す
モアナ「エレノア!!本当にきてくれたね……」
エレノア「約束ですから」
『首のない騎士と―馬の業魔!!』
「!?つっかかりが取れた。あの対魔士は“首のない騎士と馬”と言いたかったんだ」
マギルゥ「おお!そうじゃ、それでようやく納得が言ったのう」
ロクロウ「ってことはこいつが蟲毒で生まれた本物の親玉か」
アイゼン「ああ、奥で戦ったやつより穢れがはるかに強い」
ベルベット「なんでもいい。全部倒して監獄島を制圧する!」

一行は本物の首なしの騎士と馬の業魔を退ける
ロクロウ「さすが蟲毒だ。さっきの首なし鎧より強かったな」
クロガネ「首なし鎧?」
ロクロウ「お前のことじゃない」
『ふふ……』
 ロクロウがクロガネに突っ込み、ライフィセットが思わず笑ってしまう。その時
モアナ「きゃああっ!!」
 モアナの前に馬の業魔の首が転がり落ちたのだが、突然動き出した
エレノア「モアナッ!!」
 その首はモアナに襲い掛かるが、その時、突如離宮にいた業魔が現れ、その首を喰らい穢れを吸い込んでいく
ベルベット「離宮にいた業魔!」
マギルゥ「いや、穢れを吸い込みおったぞ。そやつは喰魔じゃ」
パーシバル「いや、その鷹は私の唯一の友―グリフォンだよ」
ベルベット「……タバサが『近いうちに必ず』と言ったのはこういう意味だったのね」
エレノア「殿下、なぜあなたが喰魔!?」
パーシバル「だから言った通りさ、グリフォンは子どもの頃からの親友なんだ」
「つまり『王子』という立場を無視して離宮に束縛された親友、グリフォンを自由の身にしたかったって訳?」
パーシバル「ああ、そうさ。例えこいつが喰魔になってしまってもね」

134名無しさん:2018/05/26(土) 19:12:23 HOST:211.7.142.10
アイゼン「喰魔と知って逃がしたんだな。なにをたくらんでいる?」
パーシバル「なにも。私はグリフォンを、ただ逃がしたいだけなんだ」
マギルゥ「さすがは未来の国王、第一王子陛下。わがまま放題じゃのー」
パーシバル「ふふ、わがまま……か。そんなもの、一度だって許されたことはないよ。王子とは人ではなく“公器”だ。自分のことより国と民を優先するように“つくられる”んだよ。……例えば、法律の勉強中に背中がムズムズしたら、君ならどうする?」
『背中をかく、普通に』
「それが公器の立場だと国の勉強より背中がかゆいという個人の感情を優先したと叱責される……」
パーシバル「そうさ、皮膚が裂けそうになるほどね」
『…………』
パーシバル「そんな私にとって、こいつが空を飛ぶ姿を見て自由を想像することが、唯一の慰めだったんだよ。だが……こいつがカノヌシの力に適合してしまった」
ベルベット「聖寮が喰魔をつくってることをミッドガンド王家も知っているのね」
パーシバル「もちろんだ。王国は、導師アルトリウスの理と意志を全面的に支持している。だが、私は……こいつが閉じ込められ、空を奪われることだけは許せなかった。どうしても。私は警備の対魔士を欺き、結界を解除させた。その時……対魔士はグリフォンに襲われて命を……」
『だから、もう戻れないって』
マギルゥ「対魔士ひとりの問題ではあるまい。喰魔をはがせば、王都の穢れも増大するじゃろう」
パーシバル「……全部わかっていた。それでも私は……友としてグリフォンを犠牲にしたくなかった」
エレノア「……陛下」
ベルベット「世界より一羽の鷹か。……鳥はなぜ空を飛ぶと思う?」
エレノア「それはアルトリウス様の!」
『解剖学の本には、骨が軽くて、翼を動かす筋肉がすごい力があるからだって―』
「人間や他の動物に比べて身体が軽く、地上にいる天敵から逃れるために空中に滞空している時間が長くいられるように鳥は羽は進化させていったっていうしね」
パーシバル「ふふ……君達はなかなか面白いことを言うね。でも私はこう思うんだ。飛べない鳥は鳥ではないからだとね……」
ベルベット「……事情は分かった。この島の中なら自由にしていいわ。ただし、逃げようとしたら殺す」
アイゼン「いいだろう。聖寮に対する人質としても使えるしな」
パーシバル「承知した。グリフォン共々よろしく頼む」
ロクロウ「話はついたな。じゃ、アジトづくりといくか!」
 こうして一行はタイタニアを制圧に成功し、一息ついたのである。

135名無しさん:2018/05/28(月) 17:29:18 HOST:58x156x99x34.ap58.ftth.ucom.ne.jp
26余談
 
タイタニアで一行は一息をつき、日が暮れようとしていた。ベルベットは広間にいた。そこにモアナが言い寄ってくる
モアナ「ねえ、ベルベット。エレノアしらない?」
ベルベット「あんたと遊んでたんじゃないの」
モアナ「うん、でもいつの間にかいなくなっちゃったの。なんだかかなしそうな顔してたから心配……。おねがい、さがして」
ベルベット「なんであたしが」
モアナ「う……(悲しそうな表情?)」
ベルベット「……わかったわ。もう、すぐ泣くんじゃないの」
 モアナは静かに頷いた

グリモワール「……へえ、そういう解釈か……じゃあ、あんたならここはどう読む?」
『う〜ん、「ロニカイル」って読むと「ヘソ出し」って意味になっちゃうから……「ミュゼミラ」……かな?』
「なるほど、ライフィセットはそう読んだんだ?確かにそっちの方があってそうだね。僕はてっきり『アスヒュー』かなーと思ってたんだけど……解読はもう君に任せるね」
『そんなことないよ。でも……確かに「アスヒュー」だとラントってどこかの地名になっちゃうしおかしいね。それで、グリモ先生、「ミュゼミラ」であってる?』
グリモワール「残念……そう読むと『パレンジ美味しい』って意味になっちゃうわ……」
『違うのか……僕も違ったみたい』
「さすがにアヴァロスト語は難しいね。解読しがいある?」
『うん、僕の解読がベルベットの役に立てるなら……』
ベルベット「ライフィセット……」
『どうしたの、ベルベット?』
ベルベット「あんた達、エレノア見なかった?」
『僕は見てないけど……あ……監視してなくてごめん』
「僕はちらっと奥へ行くのを見たけど……何か考え事をしてる感じだったかな?」
ベルベット「……そう。ライフィセット、本はもっと明るいとこで読みなさい。目が悪くなるわよ」
『うん……』


ベルベット「ロクロウ、エレノア見なかった?」
ロクロウ「いやあ、見たかもしれんが呑み過ぎてよくわからん。ひっく!」
ベルベット「……ほどほどにしときなさいよ」
ロクロウ「しかし、またえらいことになったな。これで俺たちは第一王子誘拐犯だ。脱獄にヘラヴィーサ壊滅、導師襲撃……前科何犯だろうな?」
ベルベット「数える気にもならないわ。嫌なら無理に付き合う必要はないわよ」
ロクロウ「いや、まだ恩返しが済んでない」
ベルベット「恩返しっていうけど、あんたはシグレを倒したいだけでしょ?」
ロクロウ「そのふたつは俺の中では繋がってるんだ。話すと長くなるんだが―」
ベルベット「じゃあ、いい」
ロクロウ「お前も一杯どうだ?」
ベルベット「だめよ、まだ十九だから」

ベルベット「エレノア知らない?」
アイゼン「いや、俺はベンウィックたちとアイフリード捜索の打ち合わせをしていたからな」
ベルベット「……そっちの件はいいの?聖領には、もうアイフリードを生かしておく理由がない、喰魔より先に捜したいでしょ?」
アイゼン「確かに時間もないが、有力な手掛かりもない。聖寮を揺さぶり、手掛かりを引き出す必要がある。だったら、お前が立てる波風が強いだろう。……お互い様ってわけね」
アイゼン「安心しろ、俺は俺の都合で動く。それにあいつは死なないさ」
ベルベット「よっぽど強い男なのね、アイフリードは」
アイゼン「ああ、俺と同じ船に乗り続けていたのに死ぬどころか風邪すらひかなかった」
ベルベット「……それ、なんとかは風邪をひかないって訳じゃ?」
アイゼン「ふっ、そうかもしれん」

ベルベット「ねえ、エレノア見なかった?」
マギルゥ「そんなの儂が知るかえ。人のことを気にするほどヒマではないわ」
ベルベット「超ヒマそうだけど?」
マギルゥ「そうじゃ、ヒマであることに忙しいんじゃ」
ベルベット「はあ?」
マギルゥ「わからぬか、ひっきりなしにヒマということは、つまりヒマじゃなくなくなくないということじゃ」
ベルベット「……ほんと変な奴」
マギルゥ「いやいや、逆じゃ。お主ほどわかりやすい者が、そうおらぬのじゃよ」
ベルベット「……面倒になれば、さっさと消えると思ってたけど、こんなところまで来て、どういうつもり?」
マギルゥ「他にやることも全く完全に心底ないからのー、ようするに儂は―」
ベルベット「ヒマなのね」
マギルゥ「そういうことじゃの。……楽しみといえば、賭けの結果だけじゃよ」

 ベルベットは一行のメンバーに話し掛けながらエレノアを捜して行く

136名無しさん:2018/06/04(月) 17:29:18 HOST:58x156x99x34.ap58.ftth.ucom.ne.jp
奥を探してもエレノアの姿は見かけなかったが、エレノアがタイタニアの見晴し台の方へ行くのを見かけた情報をベルベットが海賊団の1人から聞き出し、見晴らし台の方に向かうのであった。
 ベルベットが見晴し台を登ると外は既に暗くなっていた。夜の海風が吹き込んでくる。そんな中、遠くの海を眺めている人影が見えた。それはまぎれもなくエレノアであった。
 ベルベットは人影がエレノアだと気づくとゆっくりと歩み寄っていく
ベルベット「こんなところにいたのね。モアナが心配してたわよ」
エレノア「わざわざ捜しにきてくれたんですか?」
ベルベット「泣く子には勝てなくてね」
エレノア「……そうですね。喰魔だけどモアナは小さな女の子です。あななたちと旅をして、初めて知ったことです。怖ろしい業魔も喰魔も、道具だと思っていた聖隷も、人と同じ想いを抱えて生きている」
ベルベット「…………」
エレノア「私は、なにも知らなかった。教えられたことを、ただ信じていただけで。業魔病の真実も、聖寮がなにをしているかも、なにひとつ……」
ベルベット「知らない方が幸せってこともあるわ」
エレノア「それは対魔士にとって卑怯な道です!なにも知らず!だから責任もとれない!私は、そんな生き方は――」
 そう言い視線をベルベットから再び海の方に向けるエレノア
エレノア「……もう少し、ここで頭を冷やします。モアナには大丈夫だと伝えてください」
ベルベット「ほどほどにね、海風は冷えるわよ」
エレノア「……ありがとう」
ベルベット「違う。あんたが倒れでもしたら、モアナやライフィセットが心配するからよ」
 ベルベットはそう言い返し、エレノアに背を向け、戻っていく

 一夜が明けた翌日、一行はエレノアを除いて広間に集まっていた。そこへ
エレノア「お話があります」
 っとベルベットの方へ声をかけるエレノア
 ベルベットがエレノアの方へ視線を向ける。ライフィセットたちも同様に
エレノア「今まで隠していましたが、私はアルトリウス様の特命を受けたスパイでした。『聖隷ライフィセットを保護し聖寮本部に回収せよ』味方の命を奪うことすら許された最重要の特命です」
『僕を回収……』
「……だろうね」
エレノア「!?気づいていたのですか?」
「僕は血翅長という理由もあるけどライフィセットもベルベットも薄々気づいてたんでしょ?」
『うん……。ごめんね、エレノア。今まで黙っていて』
ベルベット「あたしが気づいてないとでも……?」
エレノア「……私はもうライフィセットを聖寮に連れ出そうとは考えていません」
「もう聖寮の特命に従わないってこと?」
エレノア「はい……」
ベルベット「アルトリウスを裏切るってわけ?」
エレノア「いいえ、アルトリウス様が目指す世界も、その志も、人の世を慮ってのことと信じます。でも、その方法を信じられない自分がいるのです。ですから……」
 エレノアがモアナを見て言葉を続ける
エレノア「喰魔の保護に協力します。私自身の“答え”を見つけるまで。私は、本当のことを知りたいんです。自分に恥じない生き方をするために」
 エレノアがそういうとロクロウが突然笑い出し
ロクロウ「ははは!思いっきり感情論だな」
アイゼン「それがお前の“流儀”か」
マギルゥ「ようこそ、悪党の世界へ〜」
エレノア「一緒にしないでください!感情で納得できないのに行動することこそ“理”に反するんです」
「そうだね、それが人間本来の生き方でいいじゃない?エレノアらしい生き方で……」
エレノア「私らしいですか」
ベルベット「ほんと面倒なヤツ……」
エレノア「面倒でもいないと困るでしょう!」
『うん、エレノアは僕の器だからね』
ベルベット「はいはい」

137名無しさん:2018/06/25(月) 12:14:49 HOST:211.7.142.10
27釣り

 ベルベット達は新たな喰魔を探すため、手掛かりとなる地脈点を求めて再び監獄島の特別官房に向かった。
『えっと……地脈は大地を流れている自然の力。そして地脈点は、地脈が集中してる場所のことなんだよね?』
「うん、その通りだよ」
アイゼン「カノヌシは地脈を利用して穢れを喰らい、覚醒しようとしている」
 ライフィセットの問いかけに、ポリーが答え、さらにアイゼンが付け加えた
『前にここに来た時感じたんだ。ずっと先にも、ここと同じ場所があるって』
「本当!?実は僕も何となく感じてたけど……君の方ははっきりと感じてた?」
『うん……確証があるって訳じゃないけど』
アイゼン「お前達、地脈を通じて、離れた地脈点を探知できるのか!?」
「ライフィセットの方が特にみたいだね」
『でも……喰魔がいるかはわからないけど』
ベルベット「それでも重要な手がかりよ。お願い、試してみて」
『うん』
 ベルベットの要望にライフィセットが頷き、ゆっくりと目を閉じると、その身体が淡い光に包まれた。それと同時に鼓動が早くなるのを感じる。目を閉じた暗闇の中には、小さな光が、小さな光がポツリと点滅している
『見つけた……地脈点は何十個もあるけど、特に大きいのが幾つかあるよ』
「凄いよ!ライフィセット。僕ですら数も大きさもあまりはっきりわからなかったのに……」
アイゼン「大きさまでわかるというのか」
『うん……』
 ポリーが褒め、アイゼンが驚き、感嘆の声を漏らす
ベルベット「だとすると、その大きな地脈点のどれかに喰魔がいる確率が高いわね」
「そこの地脈点に聖寮の施設か何かがあればより確実にね」
ベルベット「ええ……そうね」
ロクロウ「お手柄だぞ、ライフィセット」
マギルゥ「いやはや大したもんじゃわ。やはり坊は只者ではなさすぎるのー。しかもポリ坊のお墨付きじゃしな」
『そっ、そんなことないよ……』
「そうと分かればどうする?早速、大きな地脈点からあたってみる?まだそこが聖寮が管理してるかは分からないけど……いちいち情報をつかむまで待機なんてしないでしょ」
アイゼン「当然だ」
ベルベット「言われるまでもないわ」
「だって……ライフィセット、じゃあまず近場で大きそうな地脈点の方角わかる?」
『うん……やってみる』

138名無しさん:2018/07/16(月) 16:46:14 HOST:58x156x99x34.ap58.ftth.ucom.ne.jp
一行がタイタニアの広場に戻ってくると……
クロガネ「また折れたか……未熟!」
ダイル「刀が弱いんじゃなくて、あんたが馬鹿みたいに硬いだけだろう?」
クロガネ「いや、俺を斬れないようでは話にならん。もっと硬い素材で、硬い刀を打たねば……金剛鉄を試したいが……さすがに夢物語か」
『“金剛鉄”って、この世で一番硬い金属だよね?』
「うん……。確かね、数百年前に古代遺跡から塊が発掘されたって聞いたことがある」
『そうなの……』か
アイゼン「本当なのか、ポリー。俺もカケラを見たことあるが刀を打てるほどの塊は聞いたこともない」
クロガネ「いや、坊主、。お前の言う通り儂も古代遺跡から発掘されたという噂を聞いたことがある。だが、運んでいた船が嵐で沈んでしまったと」
ロクロウ「地の底から海の底へか」
ダイル「沈没船かぁ……。海の底の財宝とか、船乗りのロマンだよな」
ロクロウ「場所がわかれば引き上げられるんじゃないか?」
クロガネ「船乗りも全員沈んだ。場所も知る者はいない。そもそも何百年も昔の噂だ。アテにはできん」
ダイル「そりゃそうだ。ないものねだりをしても仕方ない。きっと別にいい材料があるさ」
クロガネ「ダイルのくせに、まともなことを言う」
ダイル「ダイルのくせとはなんだよ」
モアナ「ダイルのくせに、怒ってるー」
ダイル「その使い方はおかしいだろ、モアナ?」
モアナ「モアナのくせに、おかしいかなー?」
『ふふふっ!』
「ははは……モアナらしいね」
エレノア「そうですよ」
モアナ「あはははは!」

139名無しさん:2018/08/20(月) 15:08:55 HOST:211.7.142.10
スキット   地脈を近い順に

ベルベット:じゃあ、まずはここと似た大きさの地脈点。タイタニアから近い順に調べるわよ。方角はどっち?
ライフィセット:近い順……それなら西の方角にひとつあるよ
ポリー:西の方角……この位置から西に大陸って……まあ羅針盤を頼りに行ってみよう
ライフィセット:うん

ベンウィック:副長から聞いてるよ。地脈点とかいうのを探すんだってな。出航準備はできてるぜ。出航するかい?

     スキット:海の底の地脈点

ライフィセット「ここ!ここが地脈点だよ!」
マギルゥ「……見渡す限りの大海原じゃな。地脈点は海の底かえ?」
ライフィセット「あう……」
「ちょっと羅針盤出してみて……」
『うん……』
 バッグから羅針盤を取り出すライフィセット。羅針盤の針はここの地脈点をさすように揺れていてやがて止まった
「やっぱりここで間違いなさそうだね。僕も薄々探知はしてたけど」
アイゼン「世界の大半は海だ。海底に地脈点があっても、なんの不思議もない」
マギルゥ「そりゃそうじゃろうが、、海の底なら海脈点でも良かろうに」
エレノア「海の底にも大地はあるじゃないですか」
マギルゥ「う……」
エレノアが正論でマギルゥを黙らせる
エレノア「なので、地脈点で問題ないと思います。しかし、いくら聖寮でも、海底に喰魔を捕まえておくのは難しいのではないでしょうか」
ベルベット「そうね」
「まあこの辺りに聖寮が管理している海底神殿があるなんて情報なんてないしね……。でもどうする、ライフィセット?僕のバリアなら海水に干渉されずに海底まで潜ることも出来るけど……」
『ええっ!?……うーん、でも……』
 急に海に対する恐怖を思い出し、少し後ずさるライフィセット
「なーんて、あの保護者2人が許してくれるわけないだろうし……今は他を当ってみよう」
『ごめん……ポリー』
 そう言い先に船室に入っていたベルベットやエレノアに続いてライフィセットやポリーも続く。その時だった
ロクロウ「ちょっと待った!」
 っとロクロウが大声で引き止めた
ロクロウ「今、思いついたんだが虫の喰魔がいたんだ。魚の喰魔ってこともあるんじゃないか?」
アイゼン「……一理あるな」
 アイゼンが口元に手を当てながら同意を示す
アイゼン「海底の岩場に縛りつけたり、広く網を張って囲っている可能性も考えられる。喰魔がいないと判断するのは早計かもしれん」
「確かに……その可能性もあるよね?ライフィセットはどう?」
『……うん、虫の喰魔がいたんだ。きっと魚の喰魔だっているかもしれないよね。すごいよ。ロクロウ、アイゼン』
「それにここに死神のアイゼンもいるし、釣りでもすればただの魚じゃなく喰魔の魚が釣れるかもしれないしね」
アイゼン「察しがいいな」
 アイゼンがニヤリと微笑みながら少し頷いて見せる。そして、船室から釣り竿を取り出してくる
ベルベット「本当にそんな釣り竿で釣る気?」
アイゼン「ただの釣り竿ではない。“フジバヤシの船竿”だぞ」
「僕、知ってる……タバサから聞いたことがある」

140名無しさん:2018/09/03(月) 15:14:10 HOST:211.7.142.10
ベルベット「餌の付け方……こうだっけ?」
ロクロウ「ははは、なんだ釣りは苦手か?」
ベルベット「久しぶりでド忘れしただけよ。昔は、弟と時々行ってたんだから」
『僕、釣りなんて初めてだ』
「まあこうして海の上で何かするのは初めてだろうし……ちなみに僕は釣りじゃなくてこっちをしたことがあるんだけどね」
『ええ!?何、その大きな網?』
「底引き網……この大きな網を海底付近まで沈めて引き上げると一網打尽に魚を捕獲できる。でもバンエルテイア号で釣りをするんだったら僕は探索船を少し借りてやってみる?これで海の底まで探りを入れられるから喰魔が入れば捕獲できる確率は高いと思う。アイゼン、ちょっと探索船を1隻借りるよ、設置したいし」
アイゼン「いいだろう……お前の好きにするがいい」
「ありがとう……」
『……(汗)じゃあなんか大変そうだけど、頑張って、ポリー……』
 ライフィセットはやや呆れた様子で再び釣りに向き合おうとする。すると
「なんかエレノアが釣りうまそうだよ。教えてもらいなよ」
『あっ……ほんとだ。エレノア……』
ベルベット「ライフィセット……」
 どうやらベルベットがライフィセットに釣りを教えようとしていたのか、しかし声と同時にライフィセットはエレノアのほうに行ってしまっていた。一方のポリーも底引き網の準備に探索船を待っていた
 案の定、エレノアは釣りがうまく、しかも面倒見がいいため向こうからライフィセットに教えを被る程だった
『エレノアは、釣りができるんだ』
エレノア「ええ。子供の頃、同じ村のデネブおじさんが教えてくれたんです。トリエットドジョウを百匹釣ったこともあります」
『百匹!すごい!』
 ライフィセットが感動して手を合わせると、エレノアは嬉しそうに胸をそらした
エレノア「まずは仕掛けをつくりましょう。針に糸をこう結んで……」
『難しそうだな』
ベルベット「ちょっと……」
エレノア「覚えてしまえば、目をつぶってもできるようになりますよ」
『わかった、やってみる』

141名無しさん:2018/10/08(月) 14:12:53 HOST:211.7.142.10
ベンウィック「あ!ベルベット、そんな軽い仕掛けじゃダメだよ。ちょっと貸してくれ」

『へえ、デネブおじさんって変わった人だったんだ』
エレノア「ええ、釣りをしながら不思議なことを言って笑わせるんです」
『どんな?』
エレノア「意味はわからないけど、面白いんですよ。『はとぽっぽぽろぽろはひふへほ』とか」
『あははは!ほんとだ、なんか笑っちゃうね』
ベルベット「……楽しそうね」

「あれ?ベルベット。なんからしくない顔だね」
ベルベット「別に……あんたはそんな網で魚を釣ろうっていうの?」
「釣りじゃない。漁獲だよ。これで魚も海の喰魔も一網打尽」
ベルベット「へえ〜……まあせいぜい頑張って……」
「そんなにライフィセットとエレノアが仲良くするのが気に入らない?ライフィセットはこれが初めてなんだから仕方ないじゃない?でも……そのモヤモヤを解消するというなら自分が真っ先に喰魔を釣り上げるか……大胆にダイビングに乗り出すっというのも1つの手だけど……ライフィセットの気を引くならね。ダイビングスーツなら、血翅長から頼んでもいいよ」
ベルベット「……そんな手の込んだことしないわよ」

ロクロウ「アイゼン、どっちが大物を釣れるか勝負しようぜ」
アイゼン「くだらん、釣りとは己と戦うものだ」
ロクロウ「ほう、含蓄のある言葉だ」
アイゼン「……とはいえ、この竿を試してみたいのも事実」
ロクロウ「ああ、わかる。俺も、いい刀をもつと無性に斬りたくなるからなぁ」
アイゼン「そう、いい道具とは血を騒がせるものだ」
ロクロウ「応!俺の場合は『血を降らせる』だがな」
ベルベット「……どっちも血の気多すぎ」
ロクロウ「なんにせよ、どうせ釣るなら勝負した方が血が騒ぐぞ」
アイゼン「……いいだろう、相手をしてやる。結果は見えているがな」
ロクロウ「ほほう、ずいぶんその竿に自信があるようだが、思い通りにいかないのが釣りと人生……。いざ、尋常に勝負だ!」
ベルベット「いつの間にか釣り大会になってる……」
マギルゥ「魚を愛でたいのならば、釣ろうなどと考えぬことじゃ。どんなに美味しいエサをぶらさげようと、針にかかった魚はのたうつからのう」
ベルベット「魚を愛でる趣味はないわ。魚は釣ってさばいて、食べる物よ」
マギルゥ「同感じゃ。刺身に煮付けに塩焼き……どれもいいの〜♪ふふふ、食い物と割り切れば、のたうつ死も、愛しさに変わるわい」
ベルベット「…………」

ベンウィック「ベルベット、仕掛けが準備できたぜ!クジラだって一本釣りできる最強の竿だ!あとは腕次第、がんばって釣ってくれよな!」
ベルベット「……喰魔をね。やってやるわよ。みんな目的を忘れてるみたいだし」

 こうして一行は喰魔釣りに励むのであった

スキット      釣り

『!!エレノア、引いてる!』
エレノア「焦らないで。釣りは力じゃなくタイミングです」
『う、うん……!』
アイゼン「来るぞ、準備はいいな?」
ロクロウ「応!空中で刺身にしてやるぜ」
ベルベット「喰魔だったら殺しちゃだめよ!」
エレノア「今です!」
『ええーいっ!』
 ライフィセットはエレノアの合図でその瞬間に力を込めて思いっきり引き上げた
っが引きあがったのは宝箱?中身は2本の角?らしきものであった
ベルベット「魚でも喰魔でもなかったわね」
ロクロウ「腹の足しにはならんなぁ」
『……』
「ドンマイドンマイだよ、ライフィセット。でもさっきの調子で頑張ればいいと思うよ」
エレノア「はい、その通りですよ。それにさっき釣れたものライフィセットに似合いそうですよ。着けてみたら?」
マギルゥ「名案じゃ。坊だけの個性が出るかもしれんぞ」
『僕だけの個性……』

 するとライフィセットはその釣れた角を着けてみた
エレノア「やっぱり似合う!いい感じですよ、ライフィセット」
『///そ、そうかな……』 
マギルゥ「うむ、グッと個性が強まったぞ」
「……そうだね(汗)」
ベルベット「喰魔釣りを続けるわよ
 ベルベットが毅然とした態度でそう言う。するとライフィセットは自分を思い詰めたように…
釣りを続ける
エレノア「ライフィセット、そんなに剛を詰めないでも」
『喰魔を釣らなきゃ……。そしたらベルベットは喜んでくれる』

142名無しさん:2018/10/29(月) 15:28:21 HOST:211.7.142.10
エレノア「ライフィセット、そんなに剛を詰めないでも」
『喰魔を釣らなきゃ……。そしたらベルベットは僕を認めて……』

         釣り   その2

ロクロウ「むむう……釣れんなあ……」
アイゼン「愚痴るな、思い通りにいかないのが釣りと人生だ」
ロクロウ「つれないなぁ」
エレノア「あっ!私の方にきました!ええいっ!」
マギルゥ「ぬぅぅ、儂もなんか来とぉぉぉぉる!のあぁ〜〜〜!!」

ベルベット「ろくなものが釣れないわね」
『……ろくなもんじゃなくない』
ベルベット「え……?」
 するとライフィセットはエレノアやマギルゥが釣ったアタッチメントを角に続けてさらに顔に身に着ける
『…………』
マギルゥ「おほ〜!まさに個性の塊!若さじゃの〜♪」
ロクロウ「お前、結構突っ走るタイプなんだな」
エレノア「……どうしたんですか、ライフィセット」
ベルベット「おかしいわよ、とりなさい」
『やめてよ!ベルベットに、なにがわかるの!』
ベルベット「わ、わかるわよ。そんな変な恰好……」
『わかるのは“ラフィ”のことでしょ!!』
ベルベット「!!」

 一向に沈黙が走る。するとそこへ

「おお、なんか色々獲れた!」

143名無しさん:2018/11/12(月) 16:23:08 HOST:58x156x99x34.ap58.ftth.ucom.ne.jp
「おお、なんか色々獲れた!」
マギルゥ「なんか色々って、何かのう?」
「う〜ん……とりあえず……!網を食いちぎった!?」
ベルべッ十「喰魔なの?」
 ベルベットが駆け寄っていく
「いや……大量のタコ業魔だ!」
『うああっ!?こんなにいっぱい』
「あの大きな壺から出てきている」
ベルベット「あんな壺も獲れたの?」
アイゼン「待て!あの壺は……まさか」
 しかし、その壺は大量のタコ業魔の出現で船体が傾き、転がり海に落ちていった

チューチュー!!
ショートチャット   あの壺は……
     
アイゼン:しまった!?……壺が
     チューチュー
ベルベット:そっちの心配をしてる場合!?今はチューチューうっとうしいこいつを
マギルゥ:注意せい!油断するとくっちょかれるぞい
ベルベット:はあ?
 一行はタコ業魔を退ける
アイゼン「ち……壺が」
ベルベット「まだ懲りてないのね」
「いや……まだ間に合うかも。あそこ……ベルベットの竿の近くに……」
アイゼン「なに!?確かにな。おい、引き上げるぞ」
ベルベット「はあっ!?」
マギルゥ「またお主のガラクタ集めかのう?」
『僕は手伝うよ』
「値打ちのある壺なんだろうな」

 ライフィセットやポリーの協力もあってかアイゼンはベルベットの竿でタコ業魔が入っていたと思われる壺を再び引き上げることに成功する

アイゼン「うん……実に素晴らしい」
 そう干渉に浸っている間もなく再びその壺が動き出す
ロクロウ「おい……まだなんか入ってるぞ!」

144名無しさん:2018/11/26(月) 16:21:49 HOST:211.7.142.10
ショートチャット  動く死体

ロクロウ:今度は動く死体が出てきたぞ!?
マギルゥ:これは骨壺じゃったかぁ!
ロクロウ:だいぶ骨に“身”がついてるがな
マギルゥ:きっとタコを喰っておったせいじゃろう

ベルベット「タコ軍団に死人の群れ……なんなのよこの壺?」
 再びアイゼンが壺に寄って行く
ベルベット「ちょっと……もしかしてその悪趣味な壺に興味があるの?」
アイゼン「ふっ……悪趣味か。素人はこれだから困る。いいか!これはクローディン王時代の陶芸家グリュウネの『ミヅガメ』に間違いない。“千年の至宝”といわれたが、二百年前の第二戦国期に失われてしまった伝説の壺だ。凛とした肌から、ほのかに匂い立つ色気。誘うように自己を主張しつつ、それでいてしつこくない」
エレノア「アイゼン……またですか!?」
マギルゥ「うむ。まったく理解できんが……男にはよくあることじゃよ」
アイゼン「なにより、現在は失伝した“モフモフ柚”が醸し出す景色が、今にも動き出しそうな躍動感をーなにぃっ!?」
ロクロウ「おお!本当に動いたな」
『この壺は業魔だよ!』
「つまり世にも珍しい動く壺の業魔を僕は見つけたんだね」

145名無しさん:2018/12/10(月) 15:48:29 HOST:211.7.142.10
ショートチャット   壺の業魔

アイゼン:いいか、絶対に割るなよ!
ロクロウ:切るのはいいか?
アイゼン:より悪い!
ベルベット:ぐだぐだ言ってる場合じゃない!

 壺の業魔を鎮めると
ベルベット「やっとおとなしくなったか」
アイゼン「待て!喰うなよ、ベルベット!」
ベルベット「食べないわよ、壺なんて」
エレノア「結局、ここに喰魔はいないようですね」
マギルゥ「じゃな」
「今回は喰魔が釣れないという死神の呪いが発動したのかもね」
マギルゥ「いいように解釈するのう?ポリ坊よ。じゃがここは海のうえじゃし、案外釣れなかったほうが正解かもしれぬぞ」

『僕の力……役に立たなかった』
ベルベット「そうね」
『…………』
ベルベット「でも、あんたはこれくらいであきらめるヤツじゃない。そうでしょ、フィー」
『フィー……って?』
ベルベット「あんたの愛称よ。特に意味なんてないけどー。あんたは、あんただから」
『……ベルベット』
マギルゥ「フィーか、なかなか個性的な愛称じゃな」
『うん!』
「じゃあこれからはフィーって呼ぶか」
『うーん……』
エレノア「フフフ……」
ベルベット「あきらめるなら、やめてもいいけど?」
『やだ!次の地脈点を探す!』

146名無しさん:2019/01/28(月) 17:10:44 HOST:211.7.142.10
アイゼン「む……壺の中にまだんなにかあるぞ」
 そう言い中から何かを取り出すアイゼン
アイゼン「この黄金の輝きは……金剛鉄!そうか……ここがクロガネが言っていた輸送船が沈んだ場所だったのか」
ロクロウ「やった!これをクロガネに渡せば金剛鉄の太刀ができるかもしれん!お手柄だぜ、アイゼン!ポリー!ライフィセット!」
エレノア「大変でしたが、無駄足じゃなかったですね。私も久しぶりに釣りができて楽しかったし」
『僕も、釣り、面白かったな』
「見様見真似だけど僕は底引き網で貴重な経験ができたし、濃い1日になったね」
マギルゥ「全くその通りじゃ。儂は特に、坊の個性的な扮装がの〜♪」
 マギルゥがそう言うと恥ずかしそうに目を背けるライフィセット。そして……

ベルベット「そろそろ日が暮れるわね。タイタニアへ戻りましょう」
 ベルベットがそう言い一行は釣りを終えタイタニアへ戻ることにしたのである。

147名無しさん:2019/02/18(月) 15:52:36 HOST:211.7.142.10
28余談パートII

 釣りから一夜明けて……ベルベットはタイタニアの広間に行くと仲間達は各々集まっていた

 ロクロウはクロガネに昨日釣れた金剛鉄をクロガネに渡そうとしているとこであった
ロクロウ「よう、昨日釣れた金剛鉄、クロガネに渡してもいいよな?」
ベルベット「別にかまわないわ。あたしが釣ったわけじゃないけど……でも、金剛鉄で刀なんてつくれるの?」
ロクロウ「さあな、専門家に聞いてくれ」
クロガネ「常識でいえば無理だな。だが、業魔が常識にとらわれてどうする」
ベルベット「それもそうね」
クロガネ「相手は最硬の金属だ。迷いを捨てて、無心に打ち上げる覚悟だ」
ロクロウ「お前ならできるさ、頼むぜ、クロガネ」
ベルベット「期待してるわ。ロクロウが強くなれば、あたしも助かるし」

 マギルゥはビエンフーを引き連れ、相変わらず暇を弄んでいた
マギルゥ「ベルベットや、鳩を出す練習をしておるか?」
ベルベット「は?するわけないでしょ」
マギルゥ「やれやれ、“マギルゥ奇術団”の一員という自覚が足りんのー。検問で『奇術をやって見せろ』と言われたらどうする気じゃ?」
ベルベット「……その時は、魔女を一瞬で喰らう奇術を見せてあげるわよ」
マギルゥ「ほっほぅ〜!それは面白そうじゃなぁ〜♪ま、気が向いたらいっておくれ。奇術のタネを教えてやるからの。ひとつ1万ガルドで♪」

 エレノアは広間の片隅で何か考え事をしているようだった
エレノア「……ええと、他になにか共通点は……」
ベルベット「なにしてるの?」
エレノア「地脈点の情報をまとめているんです。まず喰魔がいたワァーグ樹林とパラミデスの共通点。次に、それらがハズレだった地点との差異。それから、私が知る限りの聖寮の人員配置情報。これをライフィセットが感じた場所の情報と突き合せれば喰魔がいるかどうか判断する手掛かりになるはずです」
ベルベット「……やる気満々ね」
エレノア「なんでちょっとひいてるんですか!?やるからには全力ですよ!きまっているでしょう!」
ベルベット「そ、そうね。あてにしてるわ」
エレノア「あなたのためではありません。私自身とライフィセットのためです。あの子が、なぜ頑張っているのかわかってますよね?」
ベルベット「……わかってるわよ」

 そして、ライフィセットはポリーと共にモアナと遊んでいた
モアナ「ライフィセット、ポリーあそぼー」

148名無しさん:2019/04/01(月) 16:39:30 HOST:211.7.142.10
でも僕、用事が……』
「さあて、ここで問題。ライフィセットのカバンの中には今、何が入っているでしょう?」



ベルベット「さ、喰魔をさがしに行きましょ」
『うん、次に近そうな地脈点はミッドガンド領の真ん中あたりだと思う』
ベルベット「ミッドガンド領か……。近くに王都があるけど、グリフォンがいなくなったしどうなってるのかしら?」
ロクロウ「行ってみればわかるさ」
エレノア「行くのはいいですが、アイゼンがいません」
「あれ、聞いてなかった?これから海賊達が地下通路の採掘に乗り出すって……。アイゼンは本気で地下通路を作る気でいるらしいよ」
ベルベット「はあ?全く呆れるわねえ……まだ諦めてなかったのね」
マギルゥ「あやつがそうするなら勝手にすればいいが船はどうするんじゃ?」

149名無しさん:2019/05/13(月) 16:19:55 HOST:211.7.142.10
「なんでも船とベンウィックは貸してやるからお前たちの好きなようにやれと」
ベルベット「あ……そう?ならこっちも遠慮なく行かせてもらうわ」
ロクロウ「ん……?待った手紙が落ちてるぞ。ずいぶんかわいい便せんだな。なになにー。拝啓、寒さ厳しい折、いかかがお過ごしでしょうか。雪山の雪深さを思い返して、あなたを案じています。私の方は相も変わらずですが、先日とても珍しい品を手に入れたので、あなたに贈りー」
ベルベット「ロクロウ、他人の手紙を読むなんてどうなの?」
ロクロウ「だが、落とした人は困るだろうに」
エレノア「差出人の名は?」
『ええと……「ウフェミュー=ウエクスプ」』
「おお!それは……」
ロクロウ「ん?なんだ、ポリー……お前知っているのか?」
「いや……こういう名前の書き方は……ライフィセットちょっといい?」
『あ……うん、この名前がどうしたの?』
「この名前は……」
『……!?それって……』
ロクロウ「おいおい、この名前がどうしたってんだよ?何かすごい秘密でも隠されているのか?」
『ううん、そうじゃなくて……』
「この名前、只の名前じゃないんだ……」
ベルベット「はあ?只の名前じゃないって……」
「まあとにかく船着き場に行ってみよう。誰か知っている人がいるかもしれないし」
ベルベット「しょうがないわね……でもそもそもの目的を忘れないでよ」

150名無しさん:2019/07/08(月) 14:52:30 HOST:210.254.80.146
船着き場に行くとアイゼンがカメ人と何やら話していた
アイゼン「今回も返事は……」
カメ人「ないっす。でも、お元気せしたっすよ」
アイゼン「そうか。ならいい」
カメ人「で、壺のラッピングっすが、新作の“ひまわり柄”はいかかがっすか?」
アイゼン「ふむ……なかなか可愛いな、それで頼む」
ロクロウ「か、可愛い……?」

151名無しさん:2019/08/26(月) 16:54:44 HOST:210.254.80.146
アイゼン「なにか用か?」
ベルベット「手紙が落ちてたのだけど、心当たりー」
アイゼン「(すかさず奪い取り)読んだのか……っ!?」
ベルベット「あ、あんたのだったの!?」
ロクロウ「読んでないぞ。……ちょっとしか」
「ごめん、手紙が開いて落ちていた。その時、内容が目に入ってしまったんだ。呪いのいたずらだね」
『う、うん。死神の呪いだよ……』
アイゼン「……まあいい。こいつも一緒に送ってくれ」
カメ人「まいど!『かめにん急便』が責任と愛情をもってお預かりするっす!」
アイゼン「船はベンウィックに言ってある。お前たちの好きにするがいい。俺達は今から地下通路の工事、整備ならびに島の製造に取り掛かる」
ベルベット「あんた、本当にやる気なのね。呆れた」
アイゼン「夢を追って何が悪い……」
ベルベット「もういいわ。さっさと行くわよ、あんた達」

『アイゼン、いったい誰に送るんだろう?手紙までつけて……』
ロクロウ「相手は女だな、間違いない」
「アイゼンの女……!もしかして、あの子かな?」
ロクロウ「おっ、おいポリー、知ってるのか?」


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