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『プリキュアシリーズ』ファンの集い!2

263一六 ◆6/pMjwqUTk:2017/04/16(日) 10:59:40
「まゆみ〜! ここにあるプレゼントは、全部この袋に入れちゃっていいの?」
「うん! あ、だけど、持ち上げられないほどは入れちゃダメだよ、かな」
「そんなことしないよ〜」
 大学生になった今も、あの頃と同じように仲良く笑い合う二人を見ながら、みらいが小さく微笑む。
 今日はクリスマス・イブ。例年通り、サンタたちはみんな、朝から子供たちにプレゼントを配る準備で大忙しだ。
 この津奈木第一中学校の体育館を開放してもらってプレゼントを仕分けし、袋に詰めていくのだが、毎年のことなので、みらいたちはもう手慣れたものだ。だが、今年はいつもの年とは違って嬉しい助っ人がやって来るとあって、みらいは勿論、仲間たちもみんなとても張り切っていた。

 この春、数年ぶりにナシマホウ界にやって来たリコとことは、それにジュンたちは、みらいとモフルンとの感動の再会の後、中学時代の仲間たちとも久しぶりの再会を果たした。ことはが余りにも変わっていないとみんな驚いていたが、すぐに懐かしい話に花が咲き、全員があっという間に中学時代に戻ったかのような、楽しい時間を過ごしたのだ。
 明日はそれ以来の再会となる。もっともみらいは、今年の夏休みはリコの休みに合わせて魔法界で過ごしたのだが、誰よりも再会を心待ちにしているのは、勿論みらいだった。

 夏休み、魔法学校のリコの部屋で、クリスマスの話題になった時のことを思い出す。四人で朝日奈家で一緒に過ごしていた頃の話をしている最中に、リコがこう切り出したのだ。
「そう言えば、ナシマホウ界のクリスマスって、今どうなっているの? みんなとっても心配していたんだけど」
 その言葉がきっかけになって、魔法界とナシマホウ界のクリスマスの話になった。離れている間にそれぞれに変化した、二つの世界のクリスマスの。
「よぉし。じゃあ今年は、両方のクリスマスに行ってみよう!」
 ことはが相変わらず元気いっぱいにそう叫んだが、今は二つの世界を行き来するのに、カタツムリニアで数日かかってしまう。
 そこで、今年はみんなでナシマホウ界のクリスマスに参加して、来年のクリスマスは魔法界で過ごそう、と約束したのだが。

(わたしの勘が正しければ、きっと……。リコにちゃんと見せられたらいいなぁ)

 手の中のプレゼントの包みに目をやって、みらいが楽しそうに微笑む。
「またリコちゃんやことはちゃんに会えるなんて、最高過ぎ!」
 プレゼントをせっせと袋に詰めながら、まゆみもみらいの顔を見て、ニコリと笑う。するとその隣から、かながふと思い出したように言った。
「あ、そう言えば、花海さんなら今朝見かけたけど?」

「え?」
 思いがけない言葉に、みらいが目をパチクリさせる。
 普段はナシマホウ界と魔法界の向こう側の、そのまた向こう側に居るということはは、春に再会した時も、そして夏に魔法界に行った時も、みらいとリコ、二人が揃うとどこからともなく現れた。
 リコたちは、夕方こちらに着くことになっている。だからみらいは、ことはもその頃に現れるものだとばかり思っていたのだが。

「はーちゃんを、どこで見かけたの? かな」
「通学路の並木のところで。凄く楽しそうに、スキップしながら歩いてたわ。声をかけようと思ったんだけど、見失っちゃって」
「え? あの道、一本道なのに?」
 今度はまゆみが不思議そうに問いかける。
「そうなの。それで、こっちに手伝いに来てくれたのかなぁって思ってたんだけど、そう言えば見かけてないわよね?」
「うん……」

 みらいがプレゼントを袋に入れるふりをして、斜め掛けにした鞄の中をこっそりと覗き込む。今は鞄の中に隠れているモフルンが、不思議そうな表情でみらいを見上げ、ふるふると首を横に振った。

(この世界に来ているのに、はーちゃんがわたしたちの前に姿を現さないなんて……)

「何かあったのかな」
 みらいが心配そうにポツリと呟いた、その時。
「みんな、久しぶり〜! カタツムリニアが、やけに早く着いてさぁ。だから、手伝いに来たぜ」
「ちょっと、ジュン! カタ……か、片付けまで居られればいいんだけど、早く帰らないといけないかもしれないし」
 体育館の入り口から聞き慣れた声がして、四人の女性がこちらに近付いて来る。その姿を見て、みらいはぱぁっと顔を輝かせた。


〜続く〜


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