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【妄想】着ぐるみ小説スレ第11章【連載?】

1 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/05(土) 02:59:09
【ルール】
■執筆者以外の人はsage進行でお願いします。
■あなたが作ったオリジナルの文章を募集します。
■長い文章は何回かに分けて連載してください。(何話でも可)
■1回の投稿では30行以内で書いてください。
■執筆者は識別の為、名前欄には『必ず』ペンネームとトリップを入れてください。
■1度使ったトリップは変えないでください。
■題材が着ぐるみならどんな内容でもOKです。(アダルト可)
■文章を読んだ人はこのスレに感想を書いてください。(任意)
■関連・過去スレは>>2-10の辺りに記載します。

749 名無しさん@着ぐるみすと :2018/06/24(日) 14:22:14
話は逸れたが、その光景をカナコさんに置き換えると何だか笑えてしまい
同時に一つの仮定と企みが俺の中に芽生えた。
すぐに王冠の側面を見ると…やはり視界確保のための穴らしきものが確認できる。
気づくのが遅くなったが、どうやら頭頂部の穴は操演者の頭が通過するためのもので
それに王冠を付けて隠す仕様らしかった。
店内のスタッフはまだマスコットのデザインを知らない…。
王冠の用途はぱっと見た感じで分かりにくい。
この着ぐるみを使ってカナコさんにイタズラ…いや…ささやかな復讐をしてしまえ。
俺の中の悪魔がそう囁いた。

こうして俺は王冠を袋の中にしまい、それを入れた段ボールを部屋の片隅へ
追いやった。そう…今回のイベントもとい復習劇にあの王冠は邪魔だったのだ。
仮に後で文句を言われても「気づきませんでした」で済む様な状況の現場だし
どうせもうすぐ退社する身だ。
そんなことを考えているうちにカナコさんが到着。
イベント開始まであまり時間がないので着用に取り掛かることになった。
胴体に足を入れるカナコさんに語りかける。

カ「え?…ああ…頭に被るヤツかあ。これ絶対付けなきゃダメなの?」
俺「汗吸い取る役目なんですから…新しい着ぐるみですし汚しちゃまずいっすよ」
そうだ。今回はこの布っ切れが主役なんだから付けてもらわないと困る。
王冠の存在がないことになってる今ならなおさらだ。
カ「もお…。ちょいあっち向いてて」
モジモジ君スタイルが恥ずかしいのか、そう催促する彼女。
どうせこの後いくらでも見られるにも関わらず無駄な抵抗だ。…そう…いくらでもね。
丸い穴から伺える少し紅潮したカナコさんのお顔を尻目に
俺は巨大な頭部を持ち上げた。

750 名無しさん@着ぐるみすと :2018/06/24(日) 14:22:53
俺「んじゃ頭かぶせますよ」
カ「ん…お願い」
カナコさんにとっては一刻も早く自分の頭を隠したかったんだろうが
の願いも次の瞬間には無惨に崩れ落ちた。
カ「へぁ?!」
頭部を装着することによる蒸し暑く視界不良の世界に
未だ自分がいないことに違和感を覚えたのか
カナコさんの第一声はその姿もあいまって非常に滑稽なものだった。

俺「ぷっ…マジいいかんじっすよカナコさん」
カ「ふぇ…?この穴って何?」
ようやく登頂部の穴に気づいたらしいが、もう遅い。
王冠が無い限り、その様相どころか表情すら隠せないのだ。
俺「ん〜…このキャラの原版が手元に無いんで確認できないんですけど、
多分こういうマスコットなんじゃないんですか?
両耳の間だから、あんこうの触角みたいな…それがカナコさんの頭なんすよ…きっとw」
カ「えええ?!そんなこと聞いてないし…
じゃアタシの頭を含めて一つの着ぐるみってこと?!」

俺「そうっすねw
でも、わざわざ顔が出るように造ってあるってことは喋んなきゃダメですよ〜!
ほら!ウサギって話せないでしょ?だから人間部分が出てるとこで会話するんすよ!
触角だしw」
カ「ひぇえ?!声も出さなきゃダメなの?!」
俺「ウサギっぽくカワイイ声でお願いします。解り易い様に語尾に〜だぴょん!
…を付けなきゃですね。じゃなきゃ顔を白く塗るしかないですよおw
それなら人間部分(ちょっとだけ)消えるし…」

751 名無しさん@着ぐるみすと :2018/06/24(日) 14:23:47
カ「それはヤダ!」
言い終わらない内の即答だった。ちょっと言い過ぎたかと反省し
なだめるような口調で続けた。
俺「まあ…カナコさんキレイですし、折角のお顔を汚すのはキツイっすよね。
実際、恥ずかしいと思いますけど子供達も待ってますし…
皆の夢を壊さないように、なりきって頂けませんか?」
夢ならとっくにブチ壊しちゃうわけなんですけどねw
…とは言え、これは全くの嘘ではなかった。多くの人に、この姿と
カナコさんの表情を見て貰い、そして何より俺自身が
それらの視線を恥じらう彼女の顔を見てみたかったんだ。

言い忘れてたが俺はドSだ。
目を潤めかせカナコさんは答えた。
カ「ぅう…わかったよお…やるから…もぉ…」
そして彼女は多分ドMだ。
俺「すみません…いつもながら迷惑かけます」
カ「ホントだよ…まあ欠員出たんだし…しゃあないかあ…」
カナコさんの希真面目な性格が裏目に出て結局やることになった。
それも、かなり強引な設定付けである「言葉を話すアンテナ役」
まで引き受けてくれたのである。とにかく、その場は時間が圧していたので
カナコさんには「子供達の前での振る舞い」をレクチャーすることになった。

カ「〇〇(キャラの名称)だ…ぴ…ょん…//…こう…?」
俺「とりあえず笑顔っすね。仮にも人の顔から声が出てるんですし。あとポーズ。
片脚を出して、つま先を上で。同時に手を開いて重心は出した脚の方へ。
その時カナコさん自身の頭も脚の方にくいっと…」
カ「え…?!…ちょ…アタシの頭は関係ないじゃん//」
俺「そっちの方が感情が伝わり易いですって!」

752 名無しさん@着ぐるみすと :2018/06/24(日) 14:24:20
カ「そ…うかな…?んじゃ…〇〇だ…ぴょん//」
俺「」
目覚まし時計の上部の金具の様な彼女の白い頭から覗く
その時の笑顔は俺の何かを覚醒めさせた。
カ「何か言え」
俺「カワユス」
カ「死ね…//」
そして、とうとうカナコさんの出番がやって来たのだ。

今回のアミューズメント施設は所謂、大人の遊び場だ。
彼彼女らが銀色の玉や絵合わせで夢中になる、せわしい会場の一画に
その帰りを待つ子供達の楽園がある。
そこへはバックの扉から直通なので大きなお友達にはあまり出くわさないであろうが
問題は子供達の反応だ。
ここまでやっておいて何だが俺自身が不安に取り付かれていた。
カナコさんの心情ともなると尚更恐いんだろう。顔を真っ赤にして俯いていた。
しかし着ぐるみの構造上、頭を穴の中に引っ込めることは出来ず
文字通り逃げも隠れも叶わずといった状況であった。

まあそれ以前に、その扉へ辿り着くまでが大変だった。
バックルームの通路を、えっちらおっちら歩くカナコさんの姿は
スタッフの注目の的であったのだ。
女スタッフ「あ…お疲れ様です…〇〇君、初めて見ました…w」
俺「お疲れス。思ってたより本格的な造りですよね。かわいいじゃないですか。」
女ス「はいwあの…頭の上とか特に…w何かカワイイですよね…顔だけ出てるのってw」
着眼点が…やっぱりソコに目がいくわけか…。この分だと先が思いやられる。

753 名無しさん@着ぐるみすと :2018/06/24(日) 14:24:53
彼女的には褒め言葉なんだろうがカナコさんにとっては羞恥を煽るのに
充分な言葉だったらしい。それを聞いた瞬間、体をびくつかせ再び涙目になり
さらに頭を沈ませてしまった。
女ス「あ…いや…ホントにカワイイですよ!モエヤンって感じで!」
モジモジ君と言わなかったのは、せめてもの女性への配慮だったのだろうが
既に着ぐるみ自体を褒める配慮は無いらしい。
カナコさんは今にも泣き出しそうだ。
何とか、この状況を打破するべく俺がとった策はコレだった。
俺「カナコさんならできます。子供の夢…叶えたげてください」

苦し紛れだったが、どうにか使命感に自らを奮い立たせたようだ。
カ「ん…大丈夫。とりあえずやってみる」
俺「今カナコさんは〇〇君ですから…それだけ考えてくれればいけますよ」
女ス「あ…それじゃよろしくお願いしますね!〇〇君、頑張ってねえ!」
女性スタッフはカナコさんに手を振りながら、そそくさとバックの奥へと消えていった。
マスコットの名で呼ばれたことで少しその気になったのか
律義なカナコさんは、恥ずかし気な笑顔で手を振り返す。
胴体の中で必死に腕の棒を上下に動かすカナコさんを想像すると、何だか可笑しかった。

そして扉の前に立つ。
マジックミラー越しから遊び場が見えるが、奥の方まではわからない。まだ朝も早いせいか子供は見えなかった。
俺は扉を開放し、〇〇君を外の世界へと誘う。
バックを出たカナコさんは心なしか歩くスピードが早かった。
大人やスタッフにはできるだけ遭遇せずに遊び場へ行きたかったんだろうが、狭い店内だとそうもいかない。
うちから派遣したキャンペーンの女の子に遭遇してしまった。
キャン「えぇ?!ちょwカナさん何やってんですか?!w超カワイイw」
俺やカナコさんと年齢は変わらない、いつでもテンションが高い美人だ。

754 名無しさん@着ぐるみすと :2018/06/24(日) 14:28:39
そのせいか、この子も普段からカナコさんに口煩く指摘を受ける人間の一人だ。
ニヤリと笑ったのを俺は見逃さなかった。
カナコさんはというと、初めて俺以外の知り合いに姿を見られたことにより、顔を引きつらせ硬直していた。
カ「あ…ぅ…」
キャン「これ〇〇君ですかぁ?!顔出したまんまこっち出て来るとか…よく勇気ありますねえw」
俺「いや…何かこういうキャラっぽい」
キャン「うそwカナさんハズくないですか?!頭にタイツとか体張りまくりじゃないですかww」
俺「だからこういうキャラなのwてか今は〇〇君だから!夢壊すなw」








某所でのもらいものだが誰か続きを書いてくださらないか
投稿者様にお願いしたらお忙しいとのことでしばらくは難しいので代筆は構わないとのことです
こういう晒し系は好きなのでどうかお願いします

755 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/06/26(火) 22:47:36

7.
まずは、服を脱いで全身タイツに着替える。
更衣室がないので祐也には向こうを向いてもらう。
恐竜の赤ちゃんの内部にローションが侵入してもいいように全身タイツはゴム製になっている。
着づらいゴムの全身タイツをようやく着たものの、この姿を祐也に見られるのは嫌だった。
何故なら、体のラインが出ることと、黒い全身タイツから顔だけ出ているのが、我ながら滑稽だったから。
かといって今さら引き返せない。


仕方なくこの姿を晒し、ここからは祐也に協力してもらう。

まず足を曲げた状態でしラップを巻きその上から粘着テープでしっかりと固定する。
足は自分でできるが、腕はそういう訳にはいかない。
仕方なく祐也にラップで腕を拘束した上から粘着テープでしっかりと固定してもらうが、いつもと違い異性に拘束されていると変に興奮を覚え乳首が勃起し始める。

平静を装って他のことに気を逸らそうとしたが、全然ダメ。

さらに粘着テープを巻く祐也の手が私の乳首に当たり、何度か変な声を漏らしてしまった。

それからは恥ずかしくて祐也の顔を見ることができなかったのだが、祐也の顔が喜びに満ちていることに私は気づかなかった。

756 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/06/26(火) 22:49:53
8.
次は全身を覆うラバー製のドギースーツを着るのだが、ドギースーツは文字通り犬のように四つん這いになるスーツ。
手足を折りたたんだ状態では、もちろん一人で着ることができない。

祐也に抱き抱えられ、ドギースーツへ。
抱き抱えてくれた祐也も興奮しているようで、股間の辺りが大きく膨らんでいる。

ドギースーツは私の全てを覆い尽くし、呼吸は顔から突き出ているホースだけ、そのホースを恐竜の呼吸用の穴へと接続することを説明し、ファスナーを閉めてもらった。

背中のファスナーを閉められると、私の視界は完全に奪われる。
同時にピッタリしたドギースーツは私の体をさらに圧迫し興奮が増す。

このまま、恐竜の赤ちゃんの着ぐるみを着せられる。
恐竜の着ぐるみは腹の部分にファスナーがあり、四つん這いになった私に恐竜の着ぐるみを被せるようにして着せ、呼吸用のホースを繋ぐ。

そして仰向けにされて、短くなった手足を恐竜の脚へと入れていく。
最後に腹のファスナーを閉めれば完了。
ファスナーは恐竜の皮膚が覆い隠してしまい閉めれば分からなくなった。

757 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/06/26(火) 22:51:33
9.
恐竜の赤ちゃんにされた私の周りを祐也は写真を撮りながら回っているようで、シャターを切る音がする。

仰向けにされたままなので、動けるようにうつ伏せの体勢に戻そうとするが、上手くいかない。

ホースを咥えた口で、言葉にならない声をあげて祐也に戻して欲しいことを訴えてみる。

しかし、微かに聞こえてきた祐也の声は「まーだ」

早く戻して欲しく続けて訴えていると、胸の辺りを触られる感覚。
祐也の手が私のオッパイを正確に触ってきた。

びっくりして短い腕で胸を隠すようにするが、短い腕に加えて着ぐるみで動きを制限されているので、防げるはずもなく後はされるがままとなった。

興奮を抑えられなくなったのであろう、祐也は一旦恐竜の着ぐるみのファスナーを開けて、中に手を突っ込んできた。

私の固く勃起した乳首を摘んだり、胸を揉み始めた。
そしてその手はもう愛液でグチュグチュになったアソコへと伸びる。

これにも抵抗できず、ドギースーツ、全身タイツの上からではあったが、簡単に逝かされてしまった。
声も頑張って抑えていたが、途中からは記憶がない。

758 名無しさん@着ぐるみすと :2018/06/26(火) 23:03:35
恐竜館一ヶ月以上更新なかったのに別作品が上がった途端更新してワロタw
書きためてたのか?

759 名無しさん@着ぐるみすと :2018/07/21(土) 22:51:35
チェック

760 名無しさん@着ぐるみすと :2018/07/22(日) 20:43:32
まぁまぁ…
書いてくれるだけでありがたい

761 名無しさん@着ぐるみすと :2018/07/22(日) 22:24:10
わざわざ別の掲示板作って混乱をさらに煽ったりと小説スレの住民は破滅をさらに加速させるのが好きなんだねw
ももぴを追い出したり感想の意味を取り違えてた時点でカウントダウンは始まってたんだけどねえ

762 名無しさん@着ぐるみすと :2018/07/28(土) 11:10:37
書く側としては
ホスト規制がほんと萎えた(小並感)

763 名無しさん@着ぐるみすと :2018/07/28(土) 17:31:06
全くです。

あと、誹謗中傷も

764 名無しさん@着ぐるみすと :2018/07/28(土) 18:18:27
「あと」ではなく誹謗中傷が全ての原因
ホスト規制が意味もなく行われていると思ってる限り掲示板を使うのは難しいのでは?

765 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/07/31(火) 23:58:52
以前に書いたものを修正しながら投稿します。この為、季節感が…。

・サンタコスの彼女

12月も後半に差し掛かった時期の大型ショッピングモール。
モール内の店や通路はクリスマスの装飾で華やかに彩られている。
この日はクリスマスセールに加え、日曜日ということもあり、モール内は通路を歩くのも苦労する程、混み合っていた。

俺はお気に入りのスニーカーが安売りしているので買いに来たものの、その混雑ぶりに目的だけ済まし、さっさと家に帰るべく出口を目指していた。
これだけ混んでいると、とても他の店を見る気にはなれない。

人波を避けながら歩を進めていると、少し離れたところにある、若い女性向け洋服店の前でビラを配っている人に目が留まった。

766 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/01(水) 00:02:16
他にも店員が呼び込みや、ビラ配りをしている店舗が幾つもある中で、その店に目が留まったのは、ビラ配りをしている人がお面を被った女性だったからだ。

このシーズンだからか、サンタコスのワンピースに真っ赤なブーツを履いており、遠目からでもかなり目立つが、それ以上に被っているお面が目立っていた。
俺は気になって、その店の前を通り、近くで見てみることにする。

女性は行き交う客に手を振ったりしながら、ビラを配っている。
近くにいって見てみると、ただ、お面を被っている訳ではない様だ。

(着ぐるみ?)

767 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/01(水) 00:15:57
素肌が露出するはずの腕、脚、首回り等は肌色のタイツで覆われおり、お面も頭からすっぽり被るもので髪の毛もウィッグの様なものだ。
ワンピースはフワフワな生地だが、タイトなラインの為、着ぐるみを着ている人の体の線がハッキリと出て、綺麗な胸の膨らみに思わず視線がいってしまう。
更にワンピースの丈の短いスカートからは肌色のタイツがピタリと密着した細い脚が窺っていた。

768 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/01(水) 00:18:01
顔を隠していて、素肌もタイツに覆われて見えないが、それ以外から読み取れる情報が、この着ぐるみを着ているのは女性で、かなりスタイルが良いということを示していた。
被っているお面は、漫画キャラの様な大きな瞳に、落ち着いた色合いの薄紫色のロングの髪の毛が揺れており、派手なサンタコスと対比して彩りをより鮮やかにしている。

769 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/01(水) 00:18:41
俺が近くを通ると、その着ぐるみが元気にチラシを手渡してくれた。
近づきながらマジマジと観察していたが、いざ間近にくると何か照れてしまい、視線を外す為に受け取ったチラシに目をやった。

『クリスマスセール!全品20%OFF!』

大きな文字で、そう書かれた下には

『更に今なら5,000円以上お買い上げのお客様に当店イメージキャラクター リリィのキーホルダーをプレゼント!』

チラシの下の方にはリリィという名のキャラクターが印刷されたキーホルダーの写真が載っている。
ディフォルメされたキャラクターだが、顔の特徴や薄紫色の髪の毛から、それがチラシを渡してくれた着ぐるみと同じだと分かった。
何故、着ぐるみがチラシ配りをしているのかと疑問に思っていたが、このブランドのイメージキャラクターの着ぐるみなら納得だ。

そんなことを考えながら受け取ったチラシを通路の隅で見ているとリリィの着ぐるみが、こちらに近づいてきた。
多くの人がチラシを受け取らないか、受け取っても素通りしてくのに対し、足を止めてチラシを見ている俺を脈アリの客と思ったのだろうか。
リリィは俺に近付くと、お店の中へどうぞというジェスチャーをする。

「――いや……」

店の外からでも店内にある洋服が、若い女性向けのモノばかりなのは明白だった。
着ぐるみの視界が悪くて、チラシを配る相手まで識別出来ていなかったのか、それとも相手を気にして配っていないのか。
そもそも、この着ぐるみはどこから視界を得ているのか?
お面の位置関係からは大きな瞳のどこかからと思うが、スリットや穴等は見当たらない。
黒目の部分がサングラスの様になっているのかもしれない。

770 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/01(水) 00:19:28
そんなことを考えながら、まじまじと顔を見ていたせいか、リリィは『何?』という感じに、両手を口に当てて首を傾げる。
そんな動きが可愛らしくドキリとする。

「俺、男ですし……」

指摘されて店の客層とマッチしていないことに初めて気付いたのか、リリィは慌てて頭を下げた。
必死に頭を下げるリリィが少し可哀想になった俺は

「あ! でも彼女のプレゼントに良いかもな。他の店も見てから考えてみるよ」

咄嗟に、いもしない彼女の存在をでっち上げて、社交辞令で応える。
それを聞くと、リリィは下げていた頭をピョンと上げて、俺の左手を両手で包む様に握手をしてきた。
着ぐるみということで言葉は話さないし、お面の表情は変化しないのに、ジェスチャーで『宜しくお願いします』と言いたいんだなと、なんとなく伝わってくる。
肌色のタイツ越しに握られた手からは、その中にある細い指の柔らかな感触と人の体温が感じられた。
俺はチラシをポケットにしまい、立ち去ろうとすると、リリィは可愛く手を振り、見送ってくれた。

出口に続く通路を歩きながら、リリィの着ぐるみのことを思い出していた。
スタイルが良く、タイツで肌を隠していても、色っぽさを感じるサンタコス。
そして手を繋いだ時の華奢な指の感触。
そんなことを考えていたら俺は、リリィの着ぐるみの中の人が、どんな人か気になってきた。

丁度、この後は用事もなく、ただ家に帰るだけだ。
冬とはいえ、全館空調で暖房が効いたモール内では、着ぐるみでは暑くて大変だろうし、あの格好で店の前に出ているのは、そう長い時間でもないだろう。
俺は踵を返し、リリィのいる店舗の方に戻ると、店が見える位置にあるショッピングモールのベンチに腰掛けた。
ここで待っていれば着ぐるみを脱いだ中の人の素顔が見られるかもしれない。

771 名無しさん@着ぐるみすと :2018/08/01(水) 05:53:06
新作キター!

772 名無しさん@着ぐるみすと :2018/08/01(水) 11:12:23
やったー!

773 名無しさん@着ぐるみすと :2018/08/01(水) 13:23:37
これは良作の予感ッ!

774 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/01(水) 20:45:12
今日はクリスマスセールということで、この店の店員さんがリリィの着ぐるみを着て客寄せをしているのだと俺は予想した。
店舗の中を見ると女性店員が何人かいるが、皆、アパレル店員らしくお洒落で綺麗な人が多い。
接客している店員さんのルックスを見ると、着ぐるみを着ている人も、同様に綺麗なのではないだろうか。
俺は、どんな人なのか期待に胸を膨らませリリィが着ぐるみを脱ぐ、その瞬間を待つ。

しかし、待っていてもなかなかリリィが着ぐるみを脱ぐ様な素振りはない。
俺は携帯を弄る振りをしながらチラチラとリリィの様子を伺っていた。

暫く観察していると、そもそもリリィが客寄せになっているか、かなり疑問に思えてきた。
派手なサンタコスをした着ぐるみということもあり、かなり人目は引いていて、中には一緒に写真を撮っている人もいた。
ただ、それで集まった人やチラシを貰った人が店内に入っていくかというと、そうではない。

そもそも配られるチラシも、半分以上の人が受け取らないし、受け取っても殆ど見ることなく店舗の前を素通りしていく。
俺の様に足を止め、チラシの内容まで確認するのは少数派だ。

皆、着ぐるみが何なのかと一旦は興味は示すが、近付いていくのは小さい子供や、写真でも撮ってSNSにアップするのが目的なのか店には入っていかない。
歩いてくる人達に手を振ったり、チラシを配ってはいるが、それが集客効果に繋がっている様には思えなかった。
健気に頑張っているが、報われていないのが、派手な見た目とは逆に哀愁すら感じさせる。

775 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/01(水) 20:54:52
そんな時、リリィに3〜4歳くらいの女の子と、それを追ってその両親と思われる男女が近付いてきた。
女の子がトコトコと歩み寄ると、リリィはしゃがんで女の子の目線に合わせ、優しく手を上下させて握手をする。
それが嬉しかったのか、女の子は満面の笑みを浮かべてリリィに抱きつくと、リリィもハグをし返す。

俺の座る所からは2人を真横から見る角度だったが、女の子が抱き付いて、押し付けられた体によってリリィの胸の形が変わっているのが見える。
圧し潰された胸の感触を想像すると、決して同じことが出来ない自分には、素直に女の子が羨ましい。

しかし、困ったことにリリィがハグを止めても女の子はなかなか離れてくれない。

「ほら、雛乃! もう離れなさい」
「嫌! サンタのお姉さんのお洋服、フワフワで気持ち良いんだもん!」

お母さんが注意するが女の子は言うことを聞かない。
リリィは引き剥がす訳にもいかず、困惑しているのが無表情なお面をしていても挙動で見て取れる。

「いい加減にしなさい!」

とうとう、お母さんは女の子を後ろから無理矢理引き剥がした。

「もう! でも、サンタクロースのお姉さんにギュッとしたもらえて良かったねぇ」
「うん!」

すると、それを横で見ていたお父さんが思わぬ要求をした。

776 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/01(水) 21:11:35

「パパにもギュッてやって〜」
「ちょっと! やだ! 止めてよ!」

お母さんはお父さんの背中をぴしゃんと平手で叩き、リリィも想定外の要求に、手を口に当て困惑したジェスチャーをするが、お父さんは両手を広げてハグ待ちの状態だ。
のっぴきならない状況に、リリィは少し背伸びをして、お父さんの両肩に軽く両手を添えると、寄り添うような控えめなハグをする。

「ありがと〜!」

お父さんはおちゃらけた感じで、大きな声でわざとらしいお礼を言うと、寄り添うリリィを両手でガバッっと力強く抱きしめた。
突然抱きしめられたリリィがビクッとしているのが、俺が見ているところからでも分かる。
リリィを開放した後も、お父さんはニヤニヤとしてご満悦という表情だ。

「もう! 恥ずかしい! 本当にすいません……」

お母さんはリリィに謝罪するが、それは実際にはリリィの着ぐるみの中の人に向けられたものだろう。

そしてその家族は、買い物の続きをすべく俺が座っている方に歩いてくる。

「パパも雛乃と同じだね」

女の子にそう言われたお父さんの鼻の下は完全に伸びていた。
着ぐるみとはいえ、スタイル抜群のサンタコス店員とハグ出来たのだから、そうなるだろう。

「――もう! 沢山の人がいるのに止めてよね。着ぐるみ着ている人、スタイル良かったし、絶対に若い女の子よ。こんなおじさんとハグさせられて可哀想に……」
「そうかぁ?」

そう言う、お父さんの返事はとても白々しく聞こえた。
それと同時に子供をダシにハグの要求をサッとしてしまう、このお父さんの行動力が少しだけ羨ましくもあった。

777 名無しさん@着ぐるみすと :2018/08/01(水) 22:00:40
支援!

778 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/02(木) 20:54:06
その後もリリィの様子を見ていたが、大きな出来事もなく、ベンチに座ってから1時間程が経過していた。
モール館内は暖房が効いているし、1時間以上、面を被っていて暑くないのだろうか。
それでも、リリィというキャラクターを演じているからか、動きに疲れ等は感じさせない。

ただ、相変わらず集客効果はなさそうだなと思っていると、店内から30歳位の綺麗だがキツめの感じの女性が出て来た。
文字までは読み取れないが、胸には名札をつけており、この人も店員なのだろう。
女性店員はツカツカとリリィの方に一直線に歩いてくると

「ちょっと!」

かなり棘のある声色でリリィに肩にパンッと手を置く。
リリィはお面の視界的に死角となっていて、予期していなかったのか、思いっきりビクッという反応をした。

女性店員は周りチラリと見渡すと、モールを行き交うお客さんが沢山いるのを配慮してか、リリィに耳打ちをし出した。
俺には内容は全く聞こえないが、女性店員のキツい表情と、さっきまで行き交う人達に相手をされなくても可愛らく愛想を振りまいていたリリィが、露骨に肩を落としている感じから悪い内容だと容易に想像がつく。
一通り言いたいことを言ったのか、女性店員は踵を返すとリリィの方を振り返ることもなく、店の中に足早に戻って行った。

明らか沈んだ感じのリリィだったが、すぐに切り替えたのか行き交う人達に、これまでの様にチラシを再び配り始める。
ただ、これまでとは違う点が一つあった。
今までは通路の隅で人の邪魔にならない様にチラシを配っていたが、今度は通路の真ん中あたりに出て、チラシを配りながらお店の方へ、どうぞという感じで誘導する様にしている。
1時間以上、観察していて、これまでそういった素ぶりは全くしていなかったのだから、この変化はさっきの女性店員の指示だろうか。

779 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/02(木) 21:07:37
しかし、そんな必死の努力も効果はあまりなく、お店に入っていく人の数はあまり変わらない。
逆に通路の真ん中でチラシ配りをするリリィが、人の流れを邪魔している感じだ。
中には露骨に嫌そうな顔でにリリィを見ている人もいる。

そして、人の流れがドッと増えたタイミングで、誰かがリリィと接触した。
着ぐるみの視界の死角からの不意打ちだったのか、リリィは抵抗も出来ずに尻餅をつき、持っていたチラシが床に散らばる。
ぶつかった相手は、気にもせず歩き去ってしまった。

散らばったチラシを拾い集める人もおらず、転んだリリィとぶちまけたチラシを避ける様に人が流れ、まるでそこだけが空間から切り離された様だ。

流石に踏んだり蹴ったりの状況が不憫になり、俺は散らばったチラシを集めるのを手伝う為にベンチを立つ。
リリィは床に屈んで必死にばら撒いたチラシを集めるが視界が悪いのかお世辞にもスピードが早いとは言えない。
俺はリリィから離れた位置に散らばったチラシを優先して集めた。

一通り集め終えたところで、リリィの方を窺うが、やはりスピードは遅いままだ。
見てみると指先もタイツで覆われているせいで、床に落ちたチラシの一枚一枚を拾うのに難儀している。
仮にリリィだけで散らばったチラシを集めたら、かなり時間が掛かりそうだ。
チラシを集めるのに必死で、下に視線を送っているせいか、俺の存在には気付いていない。

780 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/02(木) 21:37:28
俺は屈んでチラシを集めるリリィに駆け寄ると、ちょうど後ろから覗き込むような形になる。
下を向いているせいか、転んだ拍子かは分からないが、リリィの薄紫色の髪が乱れ、隙間から中の人の後頭部が丸見えになっていた。
肌色のタイツは頭からすっぽり被っていて、背中のタイツのファスナーは頭の上の方まで伸びていた。
中の人が髪の毛をまとめているのか、首筋のあたりに、ぽこんとした膨らみがあり、お面を固定する為のゴムが肌タイツのファスナーと後頭部で交差している。

首筋とお面のつなぎ目の僅かな隙間からは、中の人の顎のラインも見え、もう少しで顔の一部が見えそうだ。
こういう部分を見てしまうと、どれだけキャラクターを演じていても、中には人が入っているんだと改めて実感させられる。

「――あの……これ。集めたので……」

俺が少しぶっきらぼうに声を掛けると、振り向いたリリィは、自分の周り以外のチラシが片付いているのに、やはり今、気付いた様だった。
そして俺からチラシを受け取ると深々と頭を下げた。

「通路の真ん中で配るのは危ないから、止めた方が良くない」

恐らく、あの女性店員からの指示だとは思うが、着ぐるみを着てやるには無理があると思い、アドバイスはしておく。
すると、リリィの面の中からくぐもった声で

「――ありがとうございます。気を付けます」

喋るとは思ってなかったので少し驚く。
小さい上に、お面の中で声が篭って聞き取り辛いが、女性の声なのは間違いない。
ただ、少し鼻声の様にも聞こえる。
もしかして泣いているのだろうか。

781 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/02(木) 21:42:14
「えっと……大丈夫ですか?」

俺は色々な意味を込めて問う。
するとリリィは今度は声を出さず、頷いて、以前の様に通路の隅に戻っていった。
俺はそれを見届けると、一安心して再びベンチに腰掛ける。

しかし、安心したのも束の間で、暫くすると再び、先程の女性店員がやってきた。
前回以上に棘のある雰囲気で、顔からは怒りの感情が容易に読み取れる。

「ちょっと、あなた! どういうこと!」

感情的になっているのか、先程は周りの客に配慮していた女性店員だったが、今度は公然とリリィを叱責した。
リリィが、女性に何かを耳打ちする。
先程は俺に喋ったとはいえ、他の客も見ている場で声を出すのは避けたいのだろうか。

「はぁ? もういいわ! ちょっと来なさい」

女性は吐き捨てるように言うと店内に引き返し、少し間隔を空けてリリィも店の奥に、とぼとぼとした足取りで帰っていく。
俺は、いよいよ着ぐるみを脱ぐところが見れるかもしれないという気持ちと、女性店員にリリィの中の人が何を言われるのか心配な気持ちが入り混じっていた。
しかし、座っているベンチからでは、中の様子が詳しくは分からない。
女性向けブランドのアパレル店に一人で入るのは憚られるが、ここまで1時間以上待っているという意地もあって、「彼女の洋服を見る彼氏」なのだと自分に言い聞かせて店内に入った。

782 名無しさん@着ぐるみすと :2018/08/02(木) 22:33:29


783 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/05(日) 09:34:49
少し距離を開けてリリィの様子を伺いながら店内に入るが、女性店員とリリィは『STAFF ONLY』と書かれたドアの中に入っていってしまった。
よくよく考えれば、着ぐるみを公衆の面前で脱ぐことはないだろうし、人目に付かない所で着替えるのは当然だが、そこまで考えが及んでいなかったことに今更気付いた。
このドアの向こうではリリィのお面を外して、中の人が素顔を晒しているのだろうが、ドアを開ける勇気は流石にない。

それでも待っていれば、スタッフルームから中の人が出てくるかもしれない。
俺は洋服を見る振りをしながら、スタッフルームの近くを周る。
何回か店員さんに声を掛けられたが、自分で選びたいからと断りを入れた。
正直、かなり恥ずかしかったが、ここまでくると、どうにでもなれという気もしていた。

10分ほど経った頃、ドア開き、中から先程の女性店員だけが出てくる。
続いてリリィの中の人も出てこないかと、暫く様子を見ていたがドアが開くことはなかった。
もしかしたらスタッフルームはショッピングモールの裏と繋がっていてリリィの着ぐるみの中の人は、そちらから出ていってしまっているのかもしれない……。
そんな風に思えてきて、半分諦め気味でもあったが、それでも俺は最後にと、店内を、もう一回りだけして待つことにした。

するとドアが開き、中から若い女性が出てくる。
年齢は20代前半という感じで、まだ幼さも感じさせるものの、可愛らしい雰囲気の人だ。
この人がリリィの中の人だろうか?
身長はリリィとあまり変わらない気もするが、着ている服がゆったりとしたワンピースで体のラインは読み取れず、確証は持てなかった。

その若い女性は店内を見回すと、誰かの元へ小走りで向かっていく。
その相手は例の女性店員だった。

784 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/05(日) 09:39:58
俺はさりげなく二人の近くに移動すると、会話の内容が聞こえてくる。

「――あの……チーフ。着替えは済んだんですけど、ちょっとお化粧崩れてしまって……。直してきても良いですか?」
「はぁ? この忙しいのに?」
「だって、その……。あれを被っていたので、少し汗もかいてしまって……」

『着ぐるみ』や『リリィ』といった直接的な単語は避けてはいるが、話の内容から、この若い女性がリリィの着ぐるみの中の人に間違いなさそうだ。

「言い訳しない! それにあなたが不注意で転んで、着ぐるみの中で泣いたりしてるから化粧が崩れたんじゃない? 着ぐるみで店頭に出ても全然集客出来なかったのに、その上、更に店を外すなんて!」

女性店員がイライラした感じで言い捨てる。
確かに若い女性の目が少し腫れぼったく見えるのは、メイクが崩れた影響だけではなさそうだ。

「――本当にすいません……」

その迫力に押されてか若い女性は平謝りで、本当に小さくなってしまっている様にすら見えた。

「もう、いいわよ。でも、10分で戻ること」
「はい! ありがとうございます」

チーフと呼ばれいる女性店員の言い分は理不尽に感じるが、そんな理不尽な叱責を受けても耐えている若い女性の姿が、店舗の前でお客さんから相手にされなくても頑張っていたリリィの姿と被る。

785 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/05(日) 09:45:46
彼女は化粧を直す為か、再びスタッフルームに戻ってくるところで、その近くをウロウロしていた俺と鉢合わせる。
暗い表情だった彼女が、俺を見るとパッと明るい表情に変わったと思うのは、自意識過剰だろうか。

「あ! いらっしゃいませ。彼女さんのプレゼントは決まりましたか?」
「え!?」

予想外の問いに言葉が詰まる。
彼女も咄嗟に、しまったという表情をし、誤魔化すように苦笑いを浮かべる。
確信をしていたものの、今の質問で彼女がリリィの中の人だということが、よりハッキリとした。

念願だった、あのサンタコスをしたリリィの着ぐるみの中の人が目の前にいる。
期待していた通りの可愛らしい女性だし、このワンピースの下は、あのスタイルの良い体が隠れているのだろう。

本当は今日あった色々なことについて、聞いてみたいのが本音だ。
しかし、彼女の雰囲気から、そこには触れない方がいいのだなと察して、心の中で涙を飲んでリリィのことは流すことにする。

「――あ、あ〜……。まだ、悩んでて決まってないんだよね……」
「イメージとかご予算とか教えて頂ければ、ご案内しますよ」
「えと……良いんですか?」

786 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/05(日) 09:47:32
俺の良いんですかは、チーフの女性から10分で戻れと言われていることに対してだが、彼女は俺がその話を聞いていたことは知らない。

「勿論です。では、彼女さんのプレゼントはどういったものをお考えですか?」

結局、その後、存在しない架空の彼女の為の服選びに付き合ってもらった。
嘘を付いていることに対しての罪悪感はあったが、それでも彼女と色々な話が出来、一緒に居られるのが楽しかったというのが勝ってしまったからだ。
そして、彼女の仕草は所々でリリィと重なるところがあり、それを見ながら、あのお面の中では彼女が笑ったり、泣いたりしながら演じていたのだと想像をしていた。

服を選んでくれる彼女を後ろから眺める。
肩より下まで伸びた髪の毛が、少し乱れていて癖も付いている。
リリィの着ぐるみを着るのに縛っていたからだろうか。

「この服はどうですかね?」

そう言って振り向いた彼女から、少しだけ汗の酸っぱい匂いがした。

おわり

787 中の人フェチ ◆4iSBiGGFMw :2018/08/05(日) 09:48:37
NGワードに引っ掛かって、ちょいちょい修正したので、読み辛かったらすいません。

788 名無しさん@着ぐるみすと :2018/08/06(月) 00:16:30
終わるのがもったいない、続きがあったりしますか?

789 名無しさん@着ぐるみすと :2018/08/06(月) 06:55:28
すごいよかった
彼とこの子のこの後とかもっと見たいな

790 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/08/23(木) 23:29:28
10.
気づいた時には再び恐竜の着ぐるみのファスナーは閉じられ、四つん這いにされて写真を撮られていた。

「中は暑いの?」祐也の声が遠くで聞こえる。
暑いに決まっている。
着ているだけでも暑いのに、逝かされたのだから。
当然の質問に腹が立ったので、唸り声をあげた。
祐也の姿が見えていれば、突進してやりたいところだが、なにせ全く見えない。
不意に体が浮いた。
祐也に抱き抱えられているようだ。

手足をバタバタさせるが、所詮折りたたまれた短い手足では抵抗しれている。

「そうそう、そんな感じ」
祐也の声ではない。
奈々の声。
私の記憶が飛んでいるうちに、奈々が戻ってきていた。

「この細いホースをここに繋いで、卵の外に出す」
え、私卵の中に入れられたの?
嫌だよ。
普段でも着ぐるみの中までローションまみれになり後始末が大変なのに。
恐竜の唸り声をあげるが、繋がれたホースのせいで声が上手く出ない。

791 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/08/23(木) 23:31:02
11.
「あとはローションを卵の中に注いで、卵に蓋を被せて完成よ」
「ありがとう、奈々ちゃん」
「じゃあ、また分からないことがあったら呼んで!」
その後、奈々の声は聞こえなくなった。

「じゃあ、ローションいくよ」
祐也の声とともに卵の中に液体が流れ込んでくる。

ん?

ローションの量がいつもより多い。
普段は卵の半分ほど、しかし半分を過ぎてもまだ祐也はローションを注ぎ続ける。
奈々のやつ、ちゃんと祐也に伝えなかったなぁと心の中で思う。
ローションは恐竜の赤ちゃんを完全に飲み込み始めていた。

ん?あれ?

いつもと臭いが違う?
着ぐるみの下にも何重にもラバースーツなどを重ね着しているので、分かりにくいがいつもとは明らかに違う。
シンナーのような臭い。

「じゃあ、卵閉めるよ」
卵の中を液体で満たされて祐也の声もほとんど聞こえなくなっていた。

792 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/08/24(金) 21:56:32
12.
ローションなら体が動くのだが、なぜか体にまとわりつくような感覚。
そしてそれは時間経過とともにどんどん強くなってくる。

私の体がほとんど動かなくなってから、奈々の声がした。
「えええ!祐也くん、コレ」
「卵にたっぷり入れたよ、で蓋もした」

「大変!」
普段慌てることのない奈々が大声で慌てているので、ただ事でないことは想像できた。
「麻美、大丈夫?」
「うぅぅ」
言葉にならない返事を返すと、
「すぐ技術スタッフ呼んでくるから」
そう聞こえてすぐ奈々の声は聞こえなくなった。

私にはこの時、自分に何が起こっているか分からなかった。


奈々の声が遠ざかっていくとともに私の意識も遠のいていった。

793 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/08/24(金) 21:57:21
13.
卵をノックする音で、私は再び意識を取り戻した。

「卵、今から壊すからね」
奈々の必死な声が聞こえる。

どういう意味かは、その時は分からなかった。
後で聞いた話では、祐也が卵の中にローションと間違えて接着剤を大量に投入したということ。
この接着剤は本来卵の殻の蓋をする時に使うものがたまたま大量に準備されていて、祐也によって誤って卵に投入された。

そして速乾性の接着剤は私が動くことで上手く攪拌されて、固まっていった。
しかも、卵の中いっぱいに注がれた接着剤は私の呼吸用のホースを残して今は割れることのない卵の化石のようになっている。

展示のこともあるが今は私の救出を最優先に、卵を壊し始めたのだが、それは思うように進まなかった。

794 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/08/24(金) 21:58:32

14.
恐竜の赤ちゃんの着ぐるみを着て卵に閉じ込められてからどれくらい経ったのだろう。
曲げた手足の痺れもピークを過ぎて、感覚がなくなってきている。


周りからの声でなんとか意識を保っていたが、それも接着剤の匂いに次第に意識を奪われていった。



私を呼ぶ声が遠くでしている。
私、何してたんだっけ。
思い返そうとするが思い出せない。
私を呼ぶ声がだんだんと近くなる。

目を開けると施設内の医務室のベッドに寝ていた。

傍らには目を真っ赤にした祐也がいた。
そして、同じく目を真っ赤にした奈々。

意識を失っているうちに、私は大変なことになっていたことは容易に想像できた。
この後、元気になった私は祐也とともに迷惑をかけたスタッフ全員に頭を下げた。

795 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/08/24(金) 21:59:24
15.
恐竜の赤ちゃんの着ぐるみも、卵も破損してしまったため、私の仕事ができないため、しばらく休むことになった。

私を助け出す時に、接着剤を溶かすために有機溶剤を使ったのだが、そのせいで恐竜の赤ちゃんの着ぐるみも所々溶けて恐竜のゾンビのようになってしまっていた。

祐也は責任を感じてか、恐竜の着ぐるみを買い取ることを申し出ていた。
恐竜館からの帰り、恐竜の着ぐるみは私と繋ぐ手の反対側にあった。

祐也は何か言いたそうにしているが、言い出せないでいるのが私には分かった。

「家で着てあげるよ、着ぐるみ」
私の言葉に祐也の顔がパッと明るくなった。
「でも、今日は休ませて、疲れたから」
祐也は大きく頷いて、私をハグした。



お終い

796 名無しさん@着ぐるみすと :2018/08/27(月) 17:42:59
>恐竜
久々に見たがGJ

797 恐竜館 ◆dkf/aF6sqI :2018/08/27(月) 22:41:48
ありがとうございます

798 名無しさん@着ぐるみすと :2018/09/04(火) 01:23:33
乙!


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