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けいおんSS集

1軽音部員♪:2010/07/16(金) 23:43:10 ID:pgaviL/s0
このスレは
1、SSを書く人
2、それについてのコメントをする人
の集まりです。
注意事項は
百合を書くにも視聴者の好き嫌いがあるため抑え目にした方がいいという点ぐらいです
さあ。SSを作りましょう。

67軽音部員♪:2012/07/27(金) 10:48:24 ID:givTbo3kO
夏休みが明け二学期が始まると、今後の進路について皆あわただしくなっていた。
そんな中でもマイペースな田井中さんとそれを窘める秋山さん。
この時の二人に違和感を感じ何か嫌な予感がした。

高校最後の学園祭、クラスの出し物がロミオとジュリエットに決まった。
ロミオ役に秋山さんの名前を書いたが、ジュリエット役の名前を書けずにいた。
時間ギリギリに目に入った若王子さんの名前を書いてしまったが、投票の結果ロミオ役に秋山さん、ジュリエット役に田井中さんと決まってしまった。

「ごめん!澪がまだ皆の前じゃ恥ずかしいって」
「皆、ごめん…」
頭を下げて教室から出て行く。人が少ない所で練習するらしい。
「あら、律ったら台本忘れてるわね」
台本を手に取り真鍋さんが言った。
「私、届けて来ようか?」
「じゃあお願いしようかしら」
私は台本を受け取り教室を出た。

少し考えれば良かった…台本なんて一冊あれば練習位出来るって…

廊下を歩きながら二人が行きそうな場所を考えた。
人が少ない場所、屋上か音楽室。
私は取り敢えず音楽室へ向った。

68軽音部員♪:2012/07/27(金) 11:35:50 ID:givTbo3kO
階段を上り音楽室の前に立つ。
ドアノブに手を掛けようとした時、中から声が聞こえて手が止まる。
ドアの隙間から中の様子が見えた。
二人は抱き合っていた、ただロミオとジュリエットの台本と違い

キスをしていた…

「…みお…はぁ…んっ」
「…はっ…ん…りつ…!」体が動かない
「が、学校じゃダメって言っただろ…」
「良いじゃん、澪も二人きりになりたかったんだろ」
「で、でも誰かに見られたらどうするんだよ」
周りの音は聞こえず二人の声だけが耳に入って来る。
「あーあ、あの時のみおしゃんは大胆だったのになー」
「あっあれは…!!」
「あれは?」
「律がムギと二人だけで遊んだって言うから」
赤くなり秋山さんが俯く。
「うん、それで?」
「律の事、取られちゃうと思って…」
「ふふっ…急に泊りに来いだもんな」
いたずらっぽく笑いながら秋山さんの顔を覗き込むと続けて
「まさかみおしゃんに押し倒されるなんてなー」
「だ、だからあれは…」
「大体、あたしが拒んだらどうするつもりだったんだ?」
その言葉を聞いて秋山さんが泣きそうになる。
あわてて田井中さんが
「嘘、冗談だよ!あたしが澪を拒む訳無いだろ。ただこういう事って、どっちかっていうとあたしからって思ってたから何か悔しかったなー」
照れながらもう一度軽く口づけた…

69軽音部員♪:2012/07/27(金) 12:01:34 ID:givTbo3kO
「学校じゃダメなら今日は帰って続きする?」
「でも練習が…」
そう言って台本に手を伸ばすと
「もちろん練習もするけど、澪が恥ずかしがってる内は練習にならないぞ」
からかいながらその手を取った。
「努力するよ」
「ん、帰ったら特訓だな。和にも断わっとかないと」
秋山さんの手を引きドアに近づいて来る。
私は二人に気付かれない様その場を後にした。

屋上から校門を見ていると二人が出て行くのが見えた。
さっきの事を思い出す。悲しくないと言えば嘘になるが、思った程ショックは大きくはなかった。
本当は分かっていたから、私は…皆も…
夏休み明けに感じた違和感、田井中さんの進路が決まった後、秋山さんは推薦を断り進路をN女子大に変えた。いくら軽音部の仲が良くても普通じゃない。
ロミオ役が秋山さんに決まった時も、ジュリエット役は田井中さんだと分かってた。私や秋山さんのファンだけが見て見ぬふりをしただけだった…

70軽音部員♪:2012/07/27(金) 12:26:05 ID:givTbo3kO
二人が完全に見えなくなったのを確認すると、私は教室に戻った。
教室に入ると真鍋さんに声をかけられた。
「ごめんなさいね。せっかく探してくれたのにあの二人帰っちゃったの」
「ううん、良いのさっき屋上を探してた時二人が出て行くのが見えたから」
「そうだったの、本当にごめんなさいね」
半分本当で半分嘘
「それじゃあ私、向こうに居るから」
「うん」
本当はあの時、声をかける事も出来た。今来た風を装って…
でも私は逃げてしまったのだ。

高校最後の学園祭、3年2組のロミオとジュリエットは大成功に終わり、私の恋は気持ちを伝える事も無く幕を閉じた。

71軽音部員♪:2012/07/27(金) 12:58:32 ID:givTbo3kO
アルバムを閉じ元の場所に戻す。
思い返すと最後まで楽しい人達だった。
卒業式の後の教室ライブ、皆笑顔でお別れ出来た。皆笑顔で新しいスタートが切れた。
軽音部の四人は揃って大学に合格していた。
あの二人は今も、そしてこれからもお互い支え合って行くのだろう。

目を閉じれば、イベント好きの田井中さんが、恥ずかしがる秋山さんの手を引いて同窓会に現れる。
そんな姿が目に浮かび自然と笑みがこぼれる。

私の憧れた人、秋山さん
そして
私の好きになった人、田井中さん

久しぶりに二人に、皆に会いたくなった。

机に向かいペンを取る。



高橋風子 ○出席

終わり?

72軽音部員♪:2012/07/27(金) 13:12:34 ID:givTbo3kO
高校最後の学園祭、私のクラスの出し物はロミオとジュリエットに決まった。
そんな中私は、ある大役を任される事になった。
その役は、いながらにして動く事はもちろん、喋る事も許されないとても難しい役だった。
『木G』
私が失敗すると劇の雰囲気が壊れてしまう位重要な役だと和ちゃんが言っていた。
この役が決まってから、私は部室で一人特訓をしていた。


じっとする事30分、部室の前で二人の声が聞こえて来た。
この声は、りっちゃんとみおちゃんだ!!
これは特訓の成果を見せるチャンスだと思い部室の真ん中で木になりきった。

これが間違いだった…

73軽音部員♪:2012/07/27(金) 13:38:39 ID:givTbo3kO
部室の中に二人が入って来た。
まだ私に気付いて無いみたい。と言うかお互いしか見えてないみたい。
私の目の前まで来るとりっちゃんが
「みーお」
甘えた声でみおちゃんの手を取った。
「り、りつ、練習するんだろ」
顔を真っ赤にしてりっちゃんの手を払うと、りっちゃんは拗ねた顔して
「やだ!!あたし我慢出来ない」
そう言ってみおちゃんに抱きつき手を頭に回して

口づけた


一体どれくらい時間が経ったのだろう。1、2分位かも知れないが私にはとてつもなく長く感じた。

「…みお…んっ…」
「りつぅ…はぁ…りつぅ…」
二人の甘ったるい声と舌を絡ませる音だけが聞こえる。
「みお…はぁ…」
「う…ん…りつぅ…」
バカみたいにお互いの名前を呼びあう。
「…んんっ…はぁ…みお…」
―りっちゃん―
「りつぅ…り…はぁ…」
―みおちゃん―
「んあ…はぁ…」
―私、ここにいるよ―
「……ん…あっ…」
―気付いて―



気付かれなかった。
目の前にいるのはロミオとジュリエットじゃなくてただのバカップルだった。

部室の前に誰かの気配を感じたけどどうでも良かった…

こうして私は『木G』の役を物にし
本番でもくしゃみが出そうになるというハプニングを乗り越え、劇を大成功に導いたのだった。




74軽音部員♪:2012/07/27(金) 18:52:25 ID:givTbo3kO
申し訳ありませんでした

75軽音部員♪:2013/01/07(月) 23:44:33 ID:BvUgQ/EAO
5ヶ月ごしですけど乙です。
風子ちゃん、という難しいところの視点がとても上手く表現出来ていて素晴らしいと感じました。
次回作にも期待してます。

76軽音部員♪:2017/07/02(日) 12:46:05 ID:WJx8REo20
4年以上も放置されてるのか

けいおんSSといえば「飴に唄えば」が最も印象に残ってる
あれはもう立派なSF短編だと思う


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