したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

◆出◆ニュービーのための忍殺文体ドージョー◆張◆

44 名無しさん :2016/05/10(火) 04:49:33
(これまでのあらすじ:ネオサイタマの東にある村ヤギリヴィル。旧家の息子マサオ少年は13歳、マサオの家に家政婦として通う17歳の従姉タミコは一緒に遊ぶ仲であった。この二人の間に幼い恋が目覚めるのは、ブッダでなくとも見通せるというものだった――)

文学に詳しい読者は、この地でミヤモト・マサシが「ヤギリの渡し船」を作詞作曲したことをご存知だろう。だがマサシが歌い上げた美しい自然は絶えて久しい。エドリバーの水は重金属によって汚染され、中国地方から広がるジャングルはささやかな文明のともしびを覆い尽くそうとしている。ヤギリヴィルの村人は古くからのしきたりを守り、狂った自然と戦っていた。

マサオとタミコが連れ立って村はずれの道を歩くのは久しぶりであった。コメ畑の傍ら、汚染された自然に耐えて咲くバイオ植物は美しく、マサオは足を止めた。マサオは手荷物を脇に置くと、バイオ野菊の花を一握り採った。

タミコはタタミ10枚ほど先まで歩いてから気づいて振り返り、駆け戻ってきた。「タミコ=サン、そんなに急いで戻らなくても僕が行くのに」「マサオ=サン、何をしていたの? あら、綺麗なバイオ野菊! 私に半分くださいな。私は野菊これが大好き」

「僕はもとから野菊が大好き。タミ=サンも野菊が好きなのですね」「私は野菊が大好き。きっと前世が野菊ね」「どうりでタミ=サンは野菊めいた人だ」タミコはマサオから分けられた半分の野菊を顔に押し当て、ウレシイという表情を見せた。

「マサオ=サン、私が野菊めいているって、ナンデ?」「どうってことはないけれど、タミ=サンは実際野菊めいている」「マサオ=サン、それで野菊が好きだと……?」「僕は大好きさ」

サイオーホースめいた偶然の問答で、少年と少女はお互いの気持ちを知った。二人はしばらく言葉を継ぐこともできなかった。なんたるオボコ! とりとめもないタマゴめいた恋を芽生えさせたばかりの二人に、ヨシノガミを突き破るほどの力はまだないのだ!

しかし、奥ゆかしい日本のムラ社会において、ナコウドを立てない男女交際はムラハチの対象である。しかも親族同士で、女性が年上というのは、因習抵触ポイントがおおよそ三倍点である。厳しいムラの掟、そしてマッポーめいた土地開発とニンジャの猛威は、容赦なく幼い恋人たちを襲うのであった。おお、ブッダよ、寝ているのですか!

(「トゥーム・オブ・ワイルド・クリサンテーム」次回につづく)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

■ したらば のおすすめアイテム ■

裸にいっぴん - 青山 裕企


この欄のアイテムは掲示板管理メニューから自由に変更可能です。


掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板