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ARS総合....452912807

1フォルスカーター ◆fugkHaZ5pY:2012/04/29(日) 18:48:27
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ttp://ikushio.info/ars99/

ARS総合来ました(。・ω・。)

850光平、決断の時!-2:2016/01/17(日) 12:34:12

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851光平、決断の時!-2:2016/01/17(日) 12:35:34
数分後、戦闘は終息していた…。
辺り一面は爆発によるクレーターと更地だけが残り、
建造物の類は全て跡形もなく消滅していた事は、
つい数分前までここで行われていた戦いの激しさを物語っている。

真木「やりましたね少佐。敵の反応は完全に消えました」

一人残った京介に、側近の真木司郎が駆け寄る。

京介「仕留めた訳じゃない。敵の方から逃げてくれたのさ」
真木「は…?」
京介「…いや、僕に全く興味を示さずにさっさと撤退したと
 言った方が正しいか。そうでなければ僕の方がヤバかったかも」
真木「少佐、今なんと…?」
京介「なんでもないよ。これでクレムリンへの義理も果たした。
 僕らもこんな場所からはさっさと引き揚げよう」


***堕神界の神殿***

宇宙創世の太古の時代、各次元世界の全知全能の創造主にして
魔族のみならず神族や人間を含む全ての母たる「混沌の海」は、
この世に生きとし生ける者全てに、善と悪、光と闇に分かれて
永遠に戦い続ける二元論の宿命を与えた。
それこそが自らが生み出した子供たちに、更なる成長と進化を
もたらすとの意思があったからである。

しかしその定めに対して公然と反旗を翻した神の一族があった。
安らかな安寧と怠惰のみを望んだその神々は、自分たちの肉体に
機械を埋め込むという禁忌まで犯し、「混沌の海」の逆鱗に触れた。
結果、「堕落」の烙印を押されたその神々の一族は、
表の時空世界から追放され、歴史の闇の中へと葬り去られたのである。

そしてここは「堕神界」と呼ばれる世界…。

我々のよく知る次元世界からは完全に隔絶された空間。
紫の空に雲海が無限に広がる中央に、宮殿のような建造物が立っている。
その中の一室では、天空にビジョンが示され、
世界各地で続くブレイバーズとGショッカーの戦い、
ETFやフリーザ軍などのエイリアン混成軍による各惑星への侵攻、
サイバトロン(オートボット)とデストロン(ディセプティコン)の
二つの勢力に別れたトランスフォーマー同士の衝突、
そして魔界同盟の差し向けた魔物の軍勢と人間の王国の軍隊による
熾烈な戦いが次々と映し出されている。

アークシセイザー「未だに我らの存在にも気付かず、争いを続ける愚かな者ども。
 消滅の時をただ、静かに待っておればよいものを」

852光平、決断の時!-2:2016/01/17(日) 12:36:33
堕神の大審官アークシセイザーは不気味に笑っていた。
そのアークシセイザーから離れた場所に高く掲げられた台座の上に、
壁面にめり込んだようにして目を閉じている少女の姿が確認できる。

リリス「…でも、シグフェルはやがて気付く」
アークシセイザー「我らと同じ堕神の因子を持つ者。そして我らに仇なす者」

目を閉じて口も開かず、一見壁にめり込んだまま
封印でもされているかように眠っているようにも見えるが、
その少女の意識がハッキリしていることは、
テレパシーによる意思の疎通でハッキリしていた。

リリス「早くシグフェルと遊びたいな」
アークシセイザー「シグフェルが覚醒したのも全ては貴女様のため。
 もうしばらくお待ちください。リリス様…」

リリスと呼ばれた少女の前に傅くアークシセイザー。
くすくすと笑っているリリスの傍らには、彼女を守るように
巨大な十字槍を構え、全身を甲冑に身を固めた
堕神の大管令アーククルセイダーが仁王立ちのように立っている。

アーククルセイダー「………」

リリス「シグフェルを真っ赤な血で染めてあげる。
 あの綺麗な翼をバラバラに引き裂いてあげる。
 楽しみだな…」

ばっとローブを翻して立ち上がるアークシセイザー。

アークシセイザー「時は来た。我ら堕神の大いなる復讐の成就は近い!
 光も闇も全ては我らの前にひれ伏す事になるのだ」

アークシセイザーの笑い声が木霊する。
実はこの男こそが、何を隠そう一連の戦乱を陰で操る首謀者なのだが、
ブレイバーズもGショッカーも、
まだ誰一人としてこの男の存在すら知らない…。

853光平、決断の時!-2:2016/01/17(日) 12:38:44
○乾巧/仮面ライダーファイズ→悩む牧村光平にアドバイスして励ます。ローズオルフェノクに殺されかけた光平を間一髪で救う。
○園田真理→悩む牧村光平にアドバイスして励ます。
○青梅大五郎/デンジブルー →牧村光平の目の前で変身して正体を明かす。
○チャック・スェーガー →牧村光平の危機に駆けつける。
○セーラームーン→牧村光平とはぐれた沢渡優香を現場まで案内する。光平の危機に駆けつける。
○ボウケンレッド →牧村光平の危機に駆けつける。シグフェルにフレアセイバーを返還。
○剣持保→正式に牧村光平をブレイバーズの仲間として迎え入れる。
●村上峡児/ローズオルフェノク→Gショッカー入りを拒否した牧村光平を抹殺しようとするが、ブレイバーズに阻止される。
●天王路博史/ケルベロスⅡ→Gショッカー入りを拒否した牧村光平を抹殺しようとするが、ブレイバーズに阻止される。
●地獄大使/ガラガランダ→Gショッカー入りを拒否した牧村光平を抹殺しようとするが、ブレイバーズに阻止される。
△兵部京介→ソ連政府からの要請を受け、ソ連とヘルマジスタンの国境付近でスネイザ、ガーミッドと交戦。
△真木司郎→戦闘を終えた兵部京介を出迎えに現れる。

○牧村光平/シグフェル→Gショッカー入りを拒否し、ついにブレイバーズの仲間になる決断をする。
○朝倉慎哉→牧村光平の外出に気づかず、家で熟睡。
○沢渡優香→牧村光平のブレイバーズ加入の決断を側で見届ける。
●ラミアクィーンイーバ・スネイザ→ソ連の秘密研究施設を襲撃して、兵士たちを皆殺しにする。兵部京介と交戦。
●タランチュラロードイーバ・ガーミッド→ソ連の秘密研究施設を襲撃して、兵士たちを皆殺しにする。兵部京介と交戦。
●キマイライーバ→ソ連の秘密研究施設を襲撃。
●アークシセイザー →堕神界の神殿奥部から一連の戦乱を陰で操る。
●アーククルセイダー →堕神界の神殿で堕神王リリスを守っている。
●堕神王リリス→アークシセイザーに一連の戦乱を引き起こす陰謀・工作を一任している。

【今回の新規登場】
△兵部京介(絶対可憐チルドレン/THE UNLIMITED 兵部京介)
エスパー解放を掲げる犯罪組織P.A.N.D.R.Aの首領で、多数の能力を持つ強力なエスパー。
実年齢80歳だが、超能力でテロメアをコントロールし若い肉体を保っている。
第二次大戦中は陸軍特務超能部隊に少年兵として所属していた。
普段は飄々・策士然としているが、その実、大人気なく身勝手な性格。

△真木司郎(絶対可憐チルドレン/THE UNLIMITED 兵部京介)
兵部京介の片腕である合成能力者。犯罪組織P.A.N.D.R.Aの中間管理職的存在。
ボサボサの髪型が特徴。合成能力で体内の炭素を操る。

●堕神王リリス(闘争の系統オリジナル)
堕神の支配者。見た目は少女だが、その正体は不明…。

●アーククルセイダー(闘争の系統オリジナル)
常に堕神王リリスの傍らに控え守護する親衛隊にして、堕神の大管令。
アークシセイザーと同格か、やや上位の地位にあると思われる。
その実力は未だ未知数…。

854シグフェル、新たなる戦いの始まり-1:2016/01/24(日) 12:06:13
***サラジア共和国・副大統領官邸***

謎のヒーロー・シグフェルの正体は牧村光平であった。
Gショッカーが掴んだこの情報は、
直ちにサラジア共和国のアフマド・アルハザード副大統領の下へも打電された。

アルハザード「牧村光平…。
 まさか…いや、名前からして間違いない…。
 うむ…やはりそうだ…!」

ネロス帝国から送られてきたシグフェルの資料を持つアルハザードの手は、
わなわなと震えているのであった。

秘書N「牧村光平、17歳。
 東京の海防大学付属高校に在籍している学生です」
秘書R「彼の両親は幼い頃にサラジアで死亡しており、
 現在は東京都内の朝倉家という民間人の家庭に身を寄せているようです」
アルハザード「その両親が問題なのだ!
 エゴスのホウタイ怪人が調べ上げたというこの資料によれば、
 奴の父親はあの牧村陽一郎ではないか」
秘書N「10年ほど前、中近東方面で活動していた日本の外交官ですね」
秘書R「ご存じなのですか? 副大統領」
アルハザード「うむ。奴はちょっとした有名人でな…。
 もう20年近く前の事だが、光一郎は赴任先のアルジェで
 石油王アルシャード一族の娘と恋に落ち、
 そのまま駆け落ちしてしまったそうだ。
 お前達はまだ子供だったので知らんだろうが、
 アルシャードは激怒して日本への石油の輸出を止めるとまで言い出し、
 それはもう大騒ぎになったものよ」
秘書R「そのような事が…」
アルハザード「結局、何とか事は穏便に収まったが、
 日本の外務省を揺るがす一大スキャンダルだったゆえ、
 政府はこの件を一切シークレット扱いにしておる。
 噂によれば、駆け落ちした二人の間には息子が生まれたとの事だが、
 どこでどうしているのか、知る者は今まで誰もいなかった…」
秘書N「その息子こそが、この牧村光平…」

しばらく押し黙っていたアルハザードは、
顔に噴き出す冷や汗をハンカチで拭うと、呟くように言った。

アルハザード「…殺さねばならん」
秘書N「はっ…?」
アルハザード「牧村陽一郎の息子は抹殺せねばならん。
 万が一にも奴が父親からあの秘密を聞かされていれば…。
 この私にとって一大事となる」
秘書R「…?」
アルハザード「もたもたしている暇はない。
 一刻も早く牧村光平をこの世から葬り去るのだ!」
秘書N・R「…! かしこまりました!」

855シグフェル、新たなる戦いの始まり-1:2016/01/24(日) 12:06:50
***日本・東京メガロシティ 海防大学付属高校テニスコート***

放課後の部活練習時間……。
だが今日はいつもとは違い、テニス部のコートに
牧村光平の姿はない。

優香「光平くん、今日も学校お休みなのね…」
慎哉「あのバカッ…」

陸上ウェア姿の沢渡優香が、テニスコートのフェンス越しに
テニスウェア姿の朝倉慎哉と話をしている。
慎哉は、光平がブレイバーズに加わった事に
まだ納得していない様子である。

優香「光平くんがブレイバーズに行ったこと、まだ怒ってるの?」
慎哉「そんなんじゃねーよ……」
優香「熟慮の末に光平くん自身が決めた事だもん…。
 私たちもその判断を尊重してあげようよ」
慎哉「………」


***ブレイバーベース・バトルシュミレーションルーム***

エルファ「これよりシュミレーションスキャンを開始します。
 準備はいいですか?」
シグフェル「ああ、やってくれ!」

ブレイバーベースのナビゲータービジョンロイド・エルファの開始の合図と共に、
何もない荒野の中央に一人立つシグフェルを狙って、無数の訓練用球体型バトルポットが
浮遊しながら群れを成し、次々と猛スピードでビーム攻撃を仕掛けて来る。

シグフェル「……!!」

シグフェルは瞬速で頭上に飛翔し、高速で接近してくるバトルポットたちをかわしつつ
無駄のない動きで、炎の手刀を用いて片っ端からバトルポットを切り裂いて戦闘不能にしていく。
超人機メタルダーの必殺技「レーザーアーム」を参考にして編み出した攻撃技「フレイムアーム」だ。

さらにシグフェルは、残ったバトルポットを谷間へと巧妙に誘導し、
そこに敵機が集中してきたところで両手で印を結び、
胸部の辺りより超強力な熱光線を発射した。

シグフェル「――ヴァジェト・レイ!!!!!!」

残っていたバトルポットは、これで全て全滅した。広範囲に跨る敵に対しては有効な破壊光線技だ。
古代エジプトの蛇の女神「ヴァジェト(Vaget)」が悪を焼き尽くすために用いたと伝えられる
燃えさかる炎にちなんで、この技は「ヴァジェト・レイ」と名付けられた。

シグフェル「――!?」

訓練用MA「グゴゴゴォ…!!」

間髪入れずに新たな敵の気配に気づいたシグフェル。背後に振り替えると、
そこには全長60メートルはあろうかという巨大モビルアーマーが立ちはだかっていた。
モビルアーマーはシグフェルめがけてメガ粒子砲を連射してくる。
まるで虚空を舞うように、容赦のない敵の攻撃を回避し続けるシグフェルは、
右腕を天高く掲げて叫ぶ!

シグフェル「フレアセイバー!!」

シグフェルの右手の拳が炎に包まれ、プレシャスの剣フレアセイバーが掌の中で具現化する。
戦闘力が急激に上昇したシグフェルは、真上から一刀両断でモビルアーマーを
真っ二つに切り裂いた。轟音と共に爆発し崩れ落ちるモビルアーマー。

856シグフェル、新たなる戦いの始まり-1:2016/01/24(日) 12:07:27
ガラス越しにシュミレーションルームでのシグフェルの戦闘能力解析作業の
様子を見守っているブレイバーベース科学陣の面々。

四ッ谷「凄まじいまでの戦闘能力じゃな」
ギルモア「これでシグフェルの持つ全スキル及び
 スペックに関する解析は問題なく終了じゃ」
佐原「だが問題は次だ…」

ブレイバーベースでは、光平本人の同意も得た上で、
血液や毛髪の採取、遺伝子の分析、CTスキャンによる体内画像の解析に至るまで、
医療スタッフによるシグフェルの身体の分析作業が開始された。
これは光平本人も元から望んでいた事であった。
しかしブレイバーズの誇る宇宙最先端の医学と科学技術力を持ってしても、
超生命体としてのシグフェルの肉体の秘密に迫る事は困難を極めた。

光平「…つまり、どういう事なんですか?」
ウルシェード「お前さんの体は原子レベルの段階で
 ナノマシンと置き換えられとる。信じ難いことじゃが、
 こんな技術は地球上は勿論、宇宙のどこの星にだって
 まだ存在しない」
豪「こんなことを言われるときっと不快に思うだろうけど、
 君の肉体はナノマシンが神経組織を伝って全身の細胞に侵食していて、
 まさに戦うための生体兵器というべき存在に進化しているんだ」
光平「生体…兵器……」

基地内の診察室で、光平はドクター・ウルシェードと尾村豪から
分析結果の説明を受けていた。予感していた事とは言え、
「生体兵器」という言葉に光平は少なからずショックを受ける。

佐原「光平君、落ち着いて聞いてほしい。
 残念ながら今の我々の科学力では、
 君の肉体を元に戻す事は不可能だ。
 お役にたてず申し訳ない…」
光平「いえ、気にしないでください。
 ショックじゃないと言えば嘘になりますけど、
 これでスッキリしました」
豪「光平君…」
光平「実の事を言えば、もうこの身体の事は諦めてたんです。
 だけど俺はここに来て、俺と同じように自分の意思に反して
 普通の人間とは違う力を身につけてしまった人たちが
 他にも大勢いる事を知りました。そしてその人たちはみんな、
 事情や経緯はどうあれ、その力を世の中のよいことのために
 役立てようと前向きに頑張っています…。俺もそんな人たちに
 少しでも近づければ…」

ブレイバーズにとって思惑が外れた点は、謎の怪物群「イーバ」の正体について、
シグフェルから何か有力な情報を得られるのではと期待しながら、
実際はシグフェル=牧村光平自身もイーバについてはほとんど何も知っておらず、
具体的な証言や情報の類が全く得られなかった事である。

しかし、光平をシグフェルに改造したと思われる東条寺理乃が、
イーバとも何らかの関係を持っている可能性が高い。
そちらの方は警察機関の方で継続して追跡・捜査が行われるだろう。

光平をシグフェルへと変えた謎の人体実験による生命改造技術…。
エゴスのホウタイ怪人は光平に「改造神(ゴッドサイボーグ)」と呼んでいたが、
果たしてどのような関係があるのであろうか…?

857シグフェル、新たなる戦いの始まり-1:2016/01/24(日) 12:08:01
○四ッ谷博士→シグフェルの戦闘能力と肉体構造を詳細に検査する。
○アイザック・ギルモア→シグフェルの戦闘能力と肉体構造を詳細に検査する。
○佐原正光→シグフェルの戦闘能力と肉体構造を詳細に検査する。
○ドクター・ウルシェード→シグフェルの戦闘能力と肉体構造を詳細に検査する。
○尾村豪→シグフェルの戦闘能力と肉体構造を詳細に検査する。

○牧村光平/シグフェル→ブレイバベースで詳しい検査を受ける。
○朝倉慎哉→牧村光平がブレイバーズに入隊したことに、まだ不満顔を示す。
○沢渡優香→牧村光平のブレイバーズ入隊の決断を尊重する。
○エルファ→シグフェルの戦闘能力をスキャンして分析する。
●アフマド・アルハザード→シグフェル=牧村光平が牧村陽一郎の息子と知り、日本に刺客を放つ。
●秘書N→ネロス帝国から届いたシグフェルの正体の情報を、アルハザードに報告。
●秘書R→ネロス帝国から届いたシグフェルの正体の情報を、アルハザードに報告。

858シグフェル、新たなる戦いの始まり-2:2016/01/24(日) 12:08:47
光平がブレイバーズの長期研修のため
朝倉家を離れて一週間ほど経過した…。
あれから連絡等は全くない。

慎哉「………」

慎哉が自室のパソコンで何やらハッキングして
熱心に何かを調べている。

慎哉「よしっ! わかったぞ!」
優香「これからどうするの?」
慎哉「決まってんだろ。光平の様子を
 直接見に行くのさ」

慎哉は今まで、光平が現在どこにいるのかを
あちこちに情報検索して調べていたのだ。
全ては光平の身を心配しての行動だった。
慎哉が優香を伴って一緒に自宅から外へ出て来ると、
玄関先の前では一台のパトカーが停まっていた。

チャック「よっ!」

優香「チャックさん…」
慎哉「………」

この付近を管轄しているメガロシティ署の刑事である
チャック・スェーガーと桂美姫の2人が、ずっと家の前を見張っていた。

慎哉「チャックさん、美姫さん……いや、これからは超音戦士ボーグマンと
 ファントムスワットの隊長さんとお呼びしましょうか?」
チャック「やれやれ、すっかり嫌われてしまったな」
美姫「黙っていた事は謝るけど、その件に関してはお互いさまよ」
慎哉「じゃあ、俺たちは急いでますんで、これで…」
チャック「どこへ行く?」
慎哉「ちょっと出かけて来るだけですよ」
美姫「光平君が戻って来るまで、あなた達の身に万一の事がないよう
 こっちはガードを固めてるのよ」
慎哉「余計なお世話です。自分の身くらい自分で守りますから。
 沢渡、さっさと行くぞ!」
優香「…え? あ、うん。チャックさん、美姫さん、
 私たちはこれで」

優香は申し訳なさそうにペコリとお辞儀をして、
慎哉と共にその場から去るが、チャックと美姫は
パトカーに乗り込んで尾行する。

慎哉「沢渡…」
優香「なあに?」
慎哉「次の曲がり角を右に入ったら走るぞ」
優香「…え!? あ、ちょ…ちょっと待って!!」

慎哉とは優香の右腕を引っ張り、急に走り出した。
そして右の角を曲がった時、もう2人の姿はどこにも
見当たらなかったのである。
あらかじめチャックたちの尾行を想定していた慎哉が、
事前に彼らの尾行をまくためのルートも下調べしておいたのだ。

チャック「しまった! どこにもいないぞ!」
美姫「やられたわね…」

859シグフェル、新たなる戦いの始まり-2:2016/01/24(日) 12:09:21
***レッドマフラー隊・関東基地***

優香「いったいどうやって中に忍びこむの?」
慎哉「へへっ、任せとけって♪」

慎哉は持参して来た携帯端末から回線に繋いで、
あっさりと非常口のロックを解除して
まんまと基地内に潜入してしまう。

巡回の兵士たちに見つからないよう、
安全なルートを検索して訓練用グラウンドまで
辿り着いた二人が見たものは、年下の南三郎少年に
訓練でしごかれている迷彩服姿の光平の姿だった!

三郎「なんだそのへっぴり腰は!
 しっかり走らないか牧村隊員!」
光平「はい!!」

この光景を目にした慎哉と優香はびっくり仰天。

慎哉「あの教官、どう見ても中坊だろ!
 なんで光平があんな奴の言いなりになってんだ!」
優香「やっぱり光平くん、ブレイバーズの人たちから
 いじめられていたんじゃ…」
慎哉「だから俺は反対だったんだ!」

よりにもよって年下の少年から光平が
悪しざまに罵詈雑言を浴びせられている光景を見て、
慎哉は激しく憤慨。優香も心配そうな表情で様子を見つめる。
そこへ、たまたま通り掛かった海野隊員が…。

海野「コラッ君たち! こんなところで何をしている!」

優香「――!?」
慎哉「やべっ…」

◇    ◇    ◇

巡回中の海野隊員に見つかってしまった慎哉と優香。
ブリーフィングルームへと連れて来られた2人は、
案の定、剣持隊長からカミナリが落ちる。

剣持「君の友人でなければ、即座に不法侵入で
 逮捕するところだ!」
光平「申し訳ありません。責任は全て俺が取ります!」
慎哉「おい光平っ、もうこの人たちなんかに
 ヘーコラする必要なんかないぞ!」
光平「コラッ慎哉…。ここは俺がどうにかするから
 お前たちは黙って――」

騒ぎを聞いて驚いて駆けつけて来た光平は、
なんとかその場を取り繕うとするが……。

慎哉「これ以上お前が新人いびりされてる光景なんか
 見てられるか!」
優香「そうよ! あまりにもひどすぎます!」

慎哉と優香の猛抗議は収まらない。

860シグフェル、新たなる戦いの始まり-2:2016/01/24(日) 12:09:56
光平「新人いびりって……誰が?」

慎哉「え…?」( ゚д゚)ポカーン
優香「で、でも…! あの中学生くらいの男の子から
 ひどい言葉を浴びせられていたじゃない!?」

慎哉たちから「中学生」と言われて、光平にはそれが
南三郎少年の事を指しているとすぐに思い当った。

光平「ああ…三郎君の事か。確かに彼は俺より年下だけど、
 たとえ年少でも俺より遥かに経験豊かなベテラン戦士なんだ。
 ブレイバーズでは俺の先輩に当たるんだから当然だよ」
優香「でも……」
剣持「牧村隊員、君はたった今、ここにいる友人二人の
 不始末の責任を自分が取ると言ったな?」
光平「はい、確かに言いました」
剣持「では懲罰として、君に今からグラウンド50周を課す!」
慎哉「…ちょ、ちょっと待ってくれ!」
優香「悪いのは私たちです! 光平くんは何も悪くありません!」
光平「いいからここは俺に任せて、二人とも黙ってろ」

お互いに庇いあう光平と慎哉と優香。

剣持「では3人とも一人ずつ25周として軽減しよう。
 3人分合わせて合計75周だ。南隊員、君が最後まで
 しっかりと監督して見届けるんだ」
三郎「了解しました、剣持隊長!」
慎哉「………(コイツ、さっきの光平をいびってた中坊!!)」

◇    ◇    ◇

三郎「へえ…3人ともなかなかやりますね」

三郎が感心しながら見ている中、
光平たち3人がグラウンド25周を走り終えた頃には、
もう全員ヘトヘトになってその場に倒れ込んでいた。

慎哉「…ハァ…ハァ。こう見えても俺は運動部なんだ…!
 この程度大したことなんてあるか…! なめんなよ!」
優香「…ハァ…ハァ。私だって…ハァ…陸上部なんだから!」
光平「慎哉…優香……」

そこへ3人分のバスタオルを持って、佐原千恵と小野隊員がやって来た。

小野「シャワーの準備をしてあるわ」
千恵「せっかくだからそこの二人も汗を流して行きなさい」

861シグフェル、新たなる戦いの始まり-2:2016/01/24(日) 12:10:34
お言葉に甘える形でシャワーを借りた慎哉と優香が、
汗を流して着替えて出て来ると、ブリーフィングルームでは
さっきとは一転した驚きの光景が…。

光平「こんな簡単な問題も解らないのか!」
三郎「イテッ!!」

なんと光平が三郎の頭に拳骨を食らわしていたのである。
どうも光平が三郎の勉強を見てやっているらしいが…。

優香「…こ、これって!?(汗」
慎哉「いったいどうなっているんだ!?」

てっきり三郎が光平をいじめているものとばかり思い込んでいた二人は、
さっきとは光平と三郎の立場が逆転している様子に困惑している。
そこへクスクスッと笑みを浮かべながら、佐原千恵が話しかけて来た。

千恵「これで分かった? 光平君が決して"新人いびり"なんて
 受けていないってことが」
優香「いったいこれはどういうことなんですか!?」
千恵「それはね…」

千恵は、優香と慎哉の二人に事情を丁寧に説明した。
南三郎は13歳の時にブレイン党の攻撃で両親と姉を失い、
天涯孤独の身となった。その点では幼い時に両親を失った
光平とも境遇はよく似ている。

光平「ほら、ここの公式はこうやって解くんだよ」
三郎「あーなるほど、さすが光平さんだね♪」

三郎は、まるで実の兄が出来たかのように光平に懐いており、
また光平の方も可愛い弟のように三郎を可愛がっていた。
そしてこうして今も実の兄弟のように無邪気にじゃれ合いながら、
光平が三郎の学校の宿題を見てやっている。
二人は実は大いに仲が良かったのだ。

意外な展開に些か拍子抜けしながらも、
ひとまずは納得して帰路に着く慎哉と優香であったが……。

優香「よかった。光平くんが楽しくやっているみたいで…」
慎哉「…でも、なんかブレイバーズに光平を取られたみたいだよな?」
優香「………」

一応安心はしつつも、慎哉と優香の二人は
複雑な寂しい思いに駆られるのであった。

――その時、二人の頭上を、
何か飛行物体が通り過ぎたような気がした。

優香「……?」
慎哉「…なんだ今の?」
優香「自衛隊の戦闘機か何かかしら…」

◇    ◇    ◇

レッドマフラー隊の関東基地へと向かっている謎の飛行物体。
それは自衛隊や在日米軍の戦闘機などではなく、
国籍不明のモビルアーマーだった!

コクピットには、サラジアシークレットサービス所属の強化人間である
エージェントSSS8が操縦している。

SSS8「まもなく目的地の上空に到達する。攻撃準備…」

862シグフェル、新たなる戦いの始まり-2:2016/01/24(日) 12:14:24
○チャック・スェーガー →朝倉慎哉と沢渡優香の身辺をガードしていたが、尾行をまかれる。
○桂美姫→朝倉慎哉と沢渡優香の身辺をガードしていたが、尾行をまかれる。
○剣持保→基地内に不法侵入してきた朝倉慎哉と沢渡優香に激怒。
○南三郎→先輩戦士として牧村光平の訓練教官を担当。光平とは実の兄弟のように仲がよい様子。
○海野隊員→基地内に不法侵入してきた朝倉慎哉と沢渡優香を見つける。
○小野隊員→グラウンドを走り終えた牧村光平たちのために、シャワーを用意してあげる。
○佐原千恵→朝倉慎哉と沢渡優香に、牧村光平と南三郎が仲の良い事を伝える。

○牧村光平→ブレイバーズ新人隊員として研修中。
○朝倉慎哉→牧村光平の事が心配になり、レッドマフラー隊の基地に忍びこむ。
○沢渡優香→牧村光平の事が心配になり、レッドマフラー隊の基地に忍びこむ。
●エージェントSSS8→サイコガンダムに乗り、シグフェルのいるレッドマフラー隊基地を攻撃するため出撃。

【今回の新規登場】
●エージェントSSS8(闘争の系統オリジナル)
 サラジアシークレットサービス所属の工作員。強化人間であり、
 ティターンズから横流しされたMRX-009サイコガンダムの同型機を操る。
 その与えられた任務は、シグフェルこと牧村光平の抹殺である。
 戦闘訓練を受けたためか、格闘技のセンスもあるようだ。

863シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/24(日) 12:15:09
その夜、国際平和部隊レッドマフラーの関東基地は、
国籍不明のモビルアーマーに襲われた。
地球連邦軍のニュータイプ機関・ムラサメ研究所が開発した、
強化人間専用モビルアーマー=サイコガンダム。型式番号MRX-009。

かつてティターンズが使用していた機体が
サラジアシークレットサービスに横流しされた物であり、
サラジア船籍のタンカーで密かに運ばれ
日本国内へと持ち込まれたのだ。

SSS8「………」

日本国内某所のサラジアの秘密工作拠点から発進した
サイコガンダムは、モビルアーマー(モビルフォートレス)形態から
モビルスーツ形態に変形し地表に降り立った。
操縦しているのはサラジアシークレットサービスの
SSS(スリーエス)ナンバーのコードネームを持つ
強化人間のエージェントSSS8だ。

剣持「対空砲用意!! 迎撃準備急げ!!」

不意の奇襲攻撃を受けたレッドマフラー隊側は対空砲で応戦するが、
三連装拡散メガ粒子砲やビーム砲内蔵型のマニュピレータなどを用いた
制圧射撃で押して来る。

三郎「ワンセブ〜ン!! 来てくれ〜!!」

空中を旋回するサブマシンの上から呼び掛ける南三郎少年の声に応え、
天空の彼方から飛行要塞型のワンセブンが飛来。二足歩行型の戦闘ワンセブンへと
変形してサイコガンダムと対峙する。

ワンセブン「………」
SSS8「……!!」

巨体同士の取っ組み合いが始まる。
サイコガンダムに白兵戦用の装備がない以上、
近接格闘戦ではワンセブンが有利だと思われた。

ワンセブン「グッ……!?」

三郎「どうしたんだワンセブン?」

ワンセブンの方が押されている。
実はこのサイコガンダムには、主にガンダムファイトで用いられる
モビルファイター特有のモビルトレースシステムを応用した
操縦装置が追加内蔵されていたのだ。
格闘技にも精通しているSSS8は、徐々にワンセブンを追いつめ、
両腕でワンセブンの首を締めあげようとする。

三郎「ワンセブンが危ない!?」
シグフェル「俺が行く!」

ワンセブンの窮地を察したシグフェルが空高く飛翔し、
サイコガンダムに向かって突進していく。

864シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/24(日) 12:15:47
シグフェル「食らえ!!」

シグフェルはフレイムアームで、サイコガンダムの巨大な右腕部を斬りつける。
その隙にワンセブンはサイコガンダムの腕を逃れ、体勢を立て直しにかかる。

SSS8「………」

サイコガンダムはシグフェルの姿を視認するや否や、
攻撃の矛先をそちらへと向けて来た!

シグフェル「こいつ…狙いは俺か!?」

サイコガンダムが伸ばして来る手を、
シグフェルは素早い身のこなしでかわしていくが、
業を煮やした敵はメガ粒子砲を辺り構わず撃ちまくる。
基地ごとシグフェルを葬るつもりだ。

シグフェル「マズイッ…このままじゃ!!」

敵の攻撃を回避すると、かえって味方に被害が増える。
思わず立ち止ったシグフェルに、今にも敵のビームが直撃せんとす!
だがしかし――

ワンセブン「グゥゥゥッ…!!」
シグフェル「――ワンセブン!?」

ワンセブンが盾となってシグフェルを庇い、
腹部にメガ粒子砲の直撃を受けたのだ。

三郎「ワンセブン〜!?」
ワンセブン「………」

シグフェル「許さん!!――フレアセイバァァーッ!!!!!!」

怒りの込み上げたシグフェルは、愛剣フレアセイバーを抜いて
戦闘力MAXの状態で真上からサイコガンダムを一刀両断にして斬り捨てた。

SSS8「――!?」

振り下ろされた高熱の刃が、鋭い殺気と共に
サイコガンダムの巨体を真っ二つにする。
凄まじい衝撃と轟音と共に、敵の機体は爆発した。
中の操縦者ごと……。

海野「やったぞおお〜!!」
村中「さすがシグフェル!!」

地上で応戦していたレッドマフラー隊員たちから
たちまち歓声が沸き起こった。

865シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/24(日) 12:16:27
周囲が勝利の喜びに湧く中、シグフェルは茫然と立ち尽くしている。

シグフェル「………」

南三郎と剣持がシグフェルの側に駆け寄る。

三郎「やったじゃないか光平さん! さすがすごいよ♪」
シグフェル「………」
三郎「…どうしたんですか? 敵はみんなやっつけたじゃないですか!」
シグフェル「……敵のパイロットは…どうなったんだ…?」
三郎「えっ…?」

シグフェルの言葉に戸惑う三郎。シグフェル=光平は、
生まれて初めて"人を死に至らしめた"事実に恐怖と不安を覚えているのだ。

剣持「"人を殺す"のは初めてか?」
シグフェル「剣持隊長…」
剣持「慣れろとは言わん。それではただの人殺しだからな」
シグフェル「正直に言うと、俺は怖いんです…。
 自分が自分でなくなってしまうみたいで…」
ワンセブン「ソレデイインダ…」
シグフェル「ワンセブン?」

大鉄人ワンセブンが頭上から、悩むシグフェルに語りかける。

ワンセブン「武器ヲ持ツ事ノ重サ、敵ヲ傷ツケル時ノ重サ、
 ソレヲ忘レタ時、ドンナ戦イも戦イノタメノ戦イデシカ
 ナクナッテシマウ…」
シグフェル「俺は決して忘れない。今日の戦いで感じた
 武器を持つことの重さ、そして、戦いで流れる人の血の重さを…!」
剣持「その気持ちさえ忘れなければ大丈夫だ!」

決意を強くするシグフェルと、それを笑顔で優しく見守る
南三郎と剣持隊長と大鉄人ワンセブン。
シグフェル=牧村光平は、こうして今日もまた一つ
戦士として成長した。

◇    ◇    ◇

こうしてその後は特に何事もなく、さらに数日が経過した。
今まで暫定的にレッドマフラー隊預かりの身だった牧村光平は、
無事にブレイバーズ隊員としての新人研修を修了することになったのだが、
ある日、佐原博士と剣持隊長に呼び出された。

光平「え! 歓迎会…ですか?」
佐原「そうだ。新たな心強い仲間が増えた事を祝って、
 ブレイバーズの有志一同が歓迎パーティーを開きたいそうだ」
光平「そんな…俺なんかのために」
剣持「遠慮しなくていい。これはブレイバーズのメンバー同士の
 親睦を深める意味もある」

それを聞いた光平は、ほんの少し考え込むが…。

光平「それでは、俺から一つお願いがあるんですが…」
佐原「なんだね? 遠慮なく言ってみたまえ」
光平「実は――」

866シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/24(日) 12:17:04
千恵「ごめんなさいね。窮屈な思いをさせて…」
優香「いえ、気にしないでください。私たちは平気ですから」
慎哉「でもなんか緊張するよなぁ…」

佐原千恵が運転する車の後部座席には、
沢渡優香と朝倉慎哉が目隠しをさせられた状態で座っている。
突然光平から電話がかかって来て「パーティー向きの装いに着替えて、
家で迎えの車を待て」と言われ、言われた通りにして自宅で待機していたら、
佐原千恵の運転する車が迎えに現れた。

3人の乗る車が向かっているのは、ブレイバーズの秘密基地ブレイバーベースだ。
優香と慎哉が目隠しをしているのは、最重要機密でもあるブレイバーベースの位置を
知ってしまう事によって2人の身に危険が及んだりしないようにとの配慮である。

千恵「着いたわよ。目隠しを外していいわ」

千恵の指示に従い、目隠しを外して車から降りた慎哉と優香の目の前には
驚きの空間が広がっていた。

慎哉「す、すげー! ここが最先端科学の粋を集めたブレイバーズの秘密基地か…」
優香「驚いたわ…」

感嘆する慎哉と優香。そんな2人を立体映像のエルファが丁重に出迎える。

エルファ「朝倉慎哉さんに沢渡優香さんですね?
 お待ちしておりました」
優香「あなたは…?」
エルファ「当ブレイバーベースのアシスタントナビゲーターを務めます
 ビジョンロイドのエルファと申します。ようこそブレイバーベースへ♪」
慎哉「わぁぁ…恐れ入ったぜ。意思人格と質量を備えた立体ホログラフィが
 もうここまで実用化されていたなんて!」

やがて2人は、エルファによってパーティー会場へと案内された。

慎哉「あそこにいるのって…まさか人気アイドルのANGELとTHE HEARTS、
 それに最近再結成したばかりのスリーライツじゃないのか?」
優香「剣崎真琴ちゃんに早坂アコさん、大物女優で歌手の野乃七海さんまで
 いるわよ! あ、向こうにいるのは民自党の若手ホープと呼ばれている
 小早川議員じゃないかしら…」
慎哉「俺たち、もしかして来る場所間違えてないか…(汗」

政財界や芸能界の名だたる大物たちを目の前にして、
慎哉と優香は緊張で固まってしまう。…が、そこに
2人の緊張を解くほぐしてくれる者が現れた。

うさぎ「優香さ〜ん! 慎哉く〜ん!」
慎哉「あ、アンタ……」
優香「うさぎちゃん!」

月野うさぎたちが手を振って慎哉と優香の前に来てくれたのだ。
知り合いに会えた事でホッとした優香は、うさぎと仲良く抱き合う。

優香「うさぎちゃん、しばらくね♪」
うさぎ「さあ一緒に行こう!」
レイ「光平くんなら向こうの方にいるわよ」

微笑ましく談笑しながら光平のいるところへ向かう優香とうさぎたち。
そこへ慎哉が何か気まずさそうに呼びとめた。

慎哉「あの…月野さん」
うさぎ「え!…なぁに?」
慎哉「この間は…その……ひどい事言って悪かったよ。ごめん…」
うさぎ「ああなんだ、そんなこと」
まこと「誰も今更そんなこと気にしてないよ♪」
慎哉「許してくれるのか?」
亜美「許すも許さないもないわ。私たちはもう友達ですもの」
美奈子「さあ早く行きましょう! 光平くんが待ってるわ」

867シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/24(日) 12:17:40
光平「優香! 慎哉!」
優香「光平くん!」
光平「遅かったじゃないか。ずっと待ってたんだぞ」
慎哉「待たせてわりぃ。でも驚いたよな。
 まるでセレブ界のVIPが集まるパーティーみたいだ。
 それでいて誰一人としてお高くとまったような
 人はいないんだから」

最初は緊張していた慎哉と優香だが、
他のブレイバーズメンバーたちの屈託のない親しげな態度に
徐々に緊張が解れていったのだった。
だが彼らにとって、もっと驚く事が待ち受けていた。

土橋「やあ光平君!」
光平「土橋さん!」

土橋竜三――現・内閣安全保障室長であり、
光平の亡き父・陽一郎とは昔からの付き合いがある
古株の高級官僚だ。

土橋「慎哉君に優香ちゃんも元気そうだな」
慎哉「ご無沙汰してます」
優香「土橋さんも久しぶりですけど、お元気そうで」
土橋「…まったく、君がシグフェルだと聞いた時は
 腰が抜けそうになったぞ!」
光平「すみません…」

土橋の言葉に対して釈明の余地が見つからず、
ばつが悪い思いをする光平たち3人だったが…。

土橋「…ささ、総理、こちらです」
光平「総理…??」

光平たちの目の前に現れたのは、
大抵の日本人なら誰でもテレビのニュース番組や
新聞の一面や政治面などで必ずよく見かける顔だ。

慎哉「…そ、総理大臣!?」
光平「――!?」
桃太郎「牧村光平君というのは君か?」

現内閣総理大臣・剣桃太郎。
今度は慎哉たちが腰を抜かす番であった。

桃太郎「君のお父上には、生前に大変お世話になった」
光平「父をご存知なんですか!?」
桃太郎「私がまだ一年生議員だった頃、
 当時の牧村参事官とは共に日本外交のあるべき道
 について真剣に熱く語り合ったものだったよ」
光平「父と昔にそんなことが……」
優子「総理、残念ですがそろそろお時間です。
 今からでないと予算委員会に間に合いません」
桃太郎「そうか、すまないな。光平君、
 いずれ機会があればゆっくり話をしよう」
光平「はい、僕からも是非お願いします!」
土橋「では光平君、すまないが我々はここで失礼するよ」

868シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/24(日) 12:18:19
残念ながら国会でのスケジュールのため、
剣桃太郎はすぐにパーティーの席から中座したが、
光平は短いながらも貴重な在りし日の父の思い出話を
聞く事が出来て嬉しかった。
今の日本政府の上層部にも、父を認めてくれている人間がいたのだ。

そして光平は、優香と慎哉にも改めて感謝の気持ちを切りだす。
ブレイバーズの仲間入りを果たした今も、光平は決して2人の事を
忘れていた訳ではなかったのだ。

光平「優香、慎哉、今まで本当にありがとう。
 俺がここまでやってこれたのも二人のおかげだ」
優香「どうしたの、急に改まって?」
光平「俺にはまだまだ至らない点ばかりだけど、
 どうかこれからも俺を支えてほしい」
慎哉「当然だろ♪ たとえお前がイヤだって言っても、
 俺の方からお前に地獄の果てまでついてってやるぜ!」
優香「私もよ、光平くん♪」
光平「ありがとう…本当にありがとうッ…!」

こうして牧村光平は、ブレイバーズの正式な一員として
気持ちを新たにするのであった

869シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/24(日) 12:19:49
○ワンセブン→サイコガンダムの攻撃からシグフェルを守る。あくまで戦闘中での出来事で
 相手が敵とはいえ、生まれて初めて人間を殺してしまった牧村光平を優しく諭す。
○南三郎→ワンセブンと共にサイコガンダムに応戦。
○村中隊員→攻めて来たサイコガンダムに対空砲等で応戦。
○海野隊員→攻めて来たサイコガンダムに対空砲等で応戦。
○剣持保→あくまで戦闘中での出来事で相手が敵とはいえ、生まれて初めて
 人間を殺してしまった牧村光平を優しく諭す。
○佐原正光→牧村光平に歓迎会が開かれる事を伝える。
○佐原千恵→朝倉慎哉と沢渡優香をブレイバーベースまで車に乗せ案内する。
○月野うさぎ→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○水野亜美→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○火野レイ→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○木野まこと→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○愛野美奈子→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○土橋竜三→牧村光平の歓迎パーティーに出席。
○木場優子→牧村光平の歓迎パーティーに出席。
○剣桃太郎→牧村光平と初めて会い、光平の亡き父・陽一郎について思い出話を語る。

○牧村光平/シグフェル→戦闘中に敵機を中の操縦者ごと破壊してしまい、人生で初めての殺人を経験するが、
 ワンセブンたちに諭され決意を新たにする。
 その後、佐原博士に願い出て、自分の歓迎会に沢渡優香と朝倉慎哉も招待する。
 パーティー会場で初めて内閣総理大臣・剣桃太郎と出会う。
○朝倉慎哉→牧村光平の計らいでブレイバーベースに招かれる。
 月野うさぎたちに以前の非礼を謝罪する。
○沢渡優香→牧村光平の計らいでブレイバーベースに招かれる。
○エルファ→ブレイバーベースに到着した朝倉慎哉と沢渡優香を案内する。
●エージェントSSS8→シグフェルにサイコガンダムごと撃破され、死亡。

870ホウタイ怪人 ◆sEGOS2kBD6:2016/01/24(日) 15:43:23
>>854訂正

アルハザード「うむ。奴はちょっとした有名人でな…。
 もう20年近く前の事だが、陽一郎は赴任先のアルジェで
 石油王アルシャード一族の娘と恋に落ち、
 そのまま駆け落ちしてしまったそうだ。
 お前達はまだ子供だったので知らんだろうが、
 アルシャードは激怒して日本への石油の輸出を止めるとまで言い出し、
 それはもう大騒ぎになったものよ」

871シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/25(月) 00:59:52
***サラジア共和国・アルハザード私邸***

秘書N「閣下、エージェントSSS8は、残念ながら…」
アルハザード「殺られたか」
秘書R「シグフェルの恐るべき戦闘能力の前に、
 搭乗していたサイコガンダムごと粉砕されたとの事です」
アルハザード「………」

シグフェル抹殺作戦の失敗を聞いたアフマド・アルハザード副大統領は、
険しい表情のまま眉一つ動かそうとしない。
そのまま長い沈黙が流れ…
やがて顔を上げたアルハザードは、小さく嘆息してから二人の秘書に言った。

アルハザード「私は明日から、3日ほど公務を休む。
 外部には急病とでも説明しておけ。
 予定されていたロリシカ国大使との会談もキャンセルだ」
秘書N「承知いたしました」
アルハザード「しばらく地下室に籠もる。
 絶対に誰も近付けるな。私が呼ぶまで、
 お前達も決して部屋に入ってはならぬ」
秘書R「心得ましてございます」
アルハザード「…私を夜の闇に包め!」
秘書N・R「ははっ!」

魔道師バルゴグの姿となったアルハザードは、
私邸の秘密の地下室で祭壇に火を焚き、魔法杖をかざす。
杖の先端から放たれた一筋の光は小さな時空の穴を形成し、
バルゴグはそこに手を差し入れると、
時空の向こうの世界から不気味に光り輝く一個の宝石を取り出した。

バルゴグ「フフフ…。闇のルビーよ、
 今こそ我に力を与えよ!」

〝闇のルビー″。バルゴグが異世界で手に入れたこのアイテムは、
かつては砂漠の城にある魔王像の両眼にはめ込まれていた物であり、
心悪しき者の力を増幅させる魔力があるという。

バルゴグ「シグフェル…。待っておれ!
 遠からずこの私が直々に貴様を葬ってくれよう」

闇のルビーの光に照らされて、
バルゴグの邪悪なパワーがどんどん増大してゆく。
シグフェルとの決戦に備えて力を高めるバルゴグに、
果たしてシグフェルは勝てるのであろうか…?

872シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/25(月) 01:04:46
>>869追加修正

○ワンセブン→サイコガンダムの攻撃からシグフェルを守る。あくまで戦闘中での出来事で
 相手が敵とはいえ、生まれて初めて人間を殺してしまった牧村光平を優しく諭す。
○南三郎→ワンセブンと共にサイコガンダムに応戦。
○村中隊員→攻めて来たサイコガンダムに対空砲等で応戦。
○海野隊員→攻めて来たサイコガンダムに対空砲等で応戦。
○剣持保→あくまで戦闘中での出来事で相手が敵とはいえ、生まれて初めて
 人間を殺してしまった牧村光平を優しく諭す。
○佐原正光→牧村光平に歓迎会が開かれる事を伝える。
○佐原千恵→朝倉慎哉と沢渡優香をブレイバーベースまで車に乗せ案内する。
○月野うさぎ→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○水野亜美→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○火野レイ→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○木野まこと→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○愛野美奈子→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○土橋竜三→牧村光平の歓迎パーティーに出席。
○木場優子→牧村光平の歓迎パーティーに出席。
○剣桃太郎→牧村光平と初めて会い、光平の亡き父・陽一郎について思い出話を語る。

○牧村光平/シグフェル→戦闘中に敵機を中の操縦者ごと破壊してしまい、人生で初めての殺人を経験するが、
 ワンセブンたちに諭され決意を新たにする。
 その後、佐原博士に願い出て、自分の歓迎会に沢渡優香と朝倉慎哉も招待する。
 パーティー会場で初めて内閣総理大臣・剣桃太郎と出会う。
○朝倉慎哉→牧村光平の計らいでブレイバーベースに招かれる。
 月野うさぎたちに以前の非礼を謝罪する。
○沢渡優香→牧村光平の計らいでブレイバーベースに招かれる。
○エルファ→ブレイバーベースに到着した朝倉慎哉と沢渡優香を案内する。
●エージェントSSS8→シグフェルにサイコガンダムごと撃破され、死亡。
●アフマド・アルハザード→シグフェルとの決戦に備え、闇のルビーの力で自らを強化する。
●秘書N→エージェントSSS8のシグフェル抹殺失敗をアルハザードに報告。
●秘書R→エージェントSSS8のシグフェル抹殺失敗をアルハザードに報告。

873ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/26(火) 12:17:29
>>868の続き。

慎哉「それにしても、ブレイバーズの人達って色々な人がいるなあ・・・・」
優香「本当ね」

先程、剣総理を始めとする大物政治家やANGELやTHE HEALTSといった
有名芸能人が、この場にいる事に驚いた2人だが、ブレイバーズにそういった
VIPがいるかと思えば、剣持達レッドマフラー隊の様な軍人やそういった人々とは
無縁そうな民間人も所属しており、実に驚かされる。

優香「ブレイバーズって、ここにいる人達だけなのかしら?」
????「全員、この歓迎会に参加している訳じゃないよ」
光平&慎哉&優香「―!」

光平達は後ろを振り向くと、地球連邦軍の軍服を着用した若い軍人が
立っていた。その軍人こそ、ロンド・ベル隊のエースパイロット、アムロ・レイ
だった。

光平「あなたは確か・・・・!」
慎哉「一年戦争の英雄、アムロ・レイ大尉!」
アムロ「よしてくれ、英雄なんて呼ばれる柄じゃないさ。所で君が
 シグフェル・・・・・牧村光平君だね?噂は聞いているよ」
光平「あ・・・ありがとうございます!」

一年戦争を始めとする多くの戦争を戦ってきたアムロ・レイに声を
掛けられ、光平は少しばかり照れ臭くなる。アムロの乗るラー・カイラムは
ジオンの残党を追う任務についているが、その関係で地球に降り、
ブレイバーベースで補給の為、立ち寄った所、光平の歓迎会が行われると
聞いて、出席したのであった。

アムロ「・・・・・今回の件はすまなかった」
光平「えっ?」
アムロ「剣持隊長から聞いているかもしれないが、コルベット准将による
 君を無理やりにでも捕獲しようとした事は、同じ連邦軍人として申し訳
 ないと思っている。だからすまなかった・・・・」

コルベット准将がシグフェルを捕獲する為に行った事を、アムロは地球連邦の
軍人として謝罪し、頭を下げた。

光平「あ、頭を上げて下さい!今回の事は、もう気にしていません。それに
 ブレイバーズに入って、佐原博士達から連邦政府の中には、そういった事を
 するタカ派の勢力がいるという事を聞きました。だから、アムロ大尉は気にしないで
 下さい」
アムロ「そうか、ありがとう。コルベット准将の様に連邦内部には、極端な地球至上主義を
 掲げて、非ナチュラルを排斥しようと動いている勢力がいる。だが、平和を実現するのに
 ナチュラルだとか、そうでないとかは関係ない。お互いが心を通じ合ってこそ、平和は実現する。
 それを実現する為に、俺達は集まったんだ。これからの戦い、お互い頑張っていこう!」
光平「はい、がんばります!」

佐原博士達から、連邦内部に存在する極端な地球至上主義者達=ロゴスの事を聞かされた
光平はアムロに頭を上げるように言う。そして、アムロはロゴスの様な勢力にも負けず、平和の
為に戦おうと光平に言うのであった。

アムロ「・・・と、少しばかり説教くさかったかな?日本に来る事はあまりないが、もし宇宙に行く事が
 あれば、また会おう」
光平「はい!」
アムロ「じゃ、俺はあっちに行っているよ。君達もパーティーを楽しんでくれ。
 あっちには美味しい料理が出されているらしいから、そこへ行くといい」
慎哉「(・・・・・あの人が伝説のパイロット、アムロ・レイか)」
光平「よし!アムロ大尉の言うとおり、あっちで美味い料理を食べるとするか!
 行こう、慎哉、優香」
優香「うん!」
慎哉「よ〜し、腹いっぱい食べるとしますか!」

そしてアムロは光平達と別れる。その場から去るアムロの後姿を見ながら
慎哉は思う所はあったが、3人は料理を食べようと、その場から移動する。

874ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/01/26(火) 12:19:20
光平「アムロ大尉が言っていたのは、ここだな」
慎哉「うぉ〜、すっげー美味そうだね!」
優香「どれから食べたらいいのか、迷っちゃいそうね」

歓迎会で出されている料理がある場所に移動した3人は、実に美味しそうな
料理の品々に、心が奪われそうになる。

鴻上「君がシグフェルこと牧村光平くんだね?」
光平「あなたは・・・・」
慎哉「確か、鴻上ファウンデーションの会長の方・・・・ですよね?」
鴻上「よく存じているね。朝倉慎哉くん。私もここのスポンサーの1人として
 出席したんだが、君にはこれをプレゼントしよう!里中くん」

大会社の会長である鴻上の登場に、少しばかり緊張する光平達。鴻上は
控えていた秘書の里中エリカを呼びつけると、里中はラッピングされた箱を
光平に渡す。光平は箱を開けると、中にはケーキがあった。

鴻上「君と私の出会いにハッピーバースディ!!」
光平「あ・・・・ありがとうございます(汗」
鴻上「君の今後の活躍を期待させてもらうよ。では失礼する!」

光平は鴻上の独特のテンションに、少しばかり引いていた。
ケーキを光平に渡して鴻上も里中と共に、その場を後にした。

優香「変わった人ね・・・・」
慎哉「そういえば、うちの学校の校内に鴻上ファウンデーションの
 自販機が置いてあるけど、ジュースとか出ないし、何の為にあるんだろう?」

慎哉は海防大付属高校の校内に、鴻上ファウンデーションで製造された
自販機が置いてある事をふと思い出すが、その自販機がバイクに変形できる
という事を彼らは知らない。その後も光平達は歓迎会を楽しむのであった。

875シグフェル、新たなる戦いの始まり-3:2016/01/26(火) 12:47:50
>>872追加修正
○ワンセブン→サイコガンダムの攻撃からシグフェルを守る。あくまで戦闘中での出来事で
 相手が敵とはいえ、生まれて初めて人間を殺してしまった牧村光平を優しく諭す。
○南三郎→ワンセブンと共にサイコガンダムに応戦。
○村中隊員→攻めて来たサイコガンダムに対空砲等で応戦。
○海野隊員→攻めて来たサイコガンダムに対空砲等で応戦。
○剣持保→あくまで戦闘中での出来事で相手が敵とはいえ、生まれて初めて
 人間を殺してしまった牧村光平を優しく諭す。
○佐原正光→牧村光平に歓迎会が開かれる事を伝える。
○佐原千恵→朝倉慎哉と沢渡優香をブレイバーベースまで車に乗せ案内する。
○月野うさぎ→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○水野亜美→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○火野レイ→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○木野まこと→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○愛野美奈子→パーティー会場で沢渡優香と再会を喜び合う。
○土橋竜三→牧村光平の歓迎パーティーに出席。
○木場優子→牧村光平の歓迎パーティーに出席。
○剣桃太郎→牧村光平と初めて会い、光平の亡き父・陽一郎について思い出話を語る。
◯アムロ・レイ→牧村光平の歓迎パーティーに出席し、コルベット准将の所業について
  同じ地球連邦軍人として光平に謝罪する。
◯鴻上光生→牧村光平の歓迎パーティーに参加して、光平にケーキをプレゼントする。     
◯里中エリカ→鴻上からの指示で、ケーキの入った箱を光平に渡す。

○牧村光平/シグフェル→戦闘中に敵機を中の操縦者ごと破壊してしまい、人生で初めての殺人を経験するが、
 ワンセブンたちに諭され決意を新たにする。
 その後、佐原博士に願い出て、自分の歓迎会に沢渡優香と朝倉慎哉も招待する。
 パーティー会場で初めて内閣総理大臣・剣桃太郎と出会う。またアムロ・レイや鴻上光生と出会う。
○朝倉慎哉→牧村光平の計らいでブレイバーベースに招かれる。
 月野うさぎたちに以前の非礼を謝罪する。
○沢渡優香→牧村光平の計らいでブレイバーベースに招かれる。
○エルファ→ブレイバーベースに到着した朝倉慎哉と沢渡優香を案内する。
●エージェントSSS8→シグフェルにサイコガンダムごと撃破され、死亡。
●アフマド・アルハザード→シグフェルとの決戦に備え、闇のルビーの力で自らを強化する。
●秘書N→エージェントSSS8のシグフェル抹殺失敗をアルハザードに報告。
●秘書R→エージェントSSS8のシグフェル抹殺失敗をアルハザードに報告。

【今回の新登場】
◯里中エリカ(仮面ライダーOOO)
 鴻上ファウンデーション会長秘書。自身は辛党だが、普段の仕事は鴻上会長が
 作ったケーキの処理役で、よくケーキを食べさせられる。給料さえ出れば、どんな事も
 仕事として請け負うが、残業はしない主義。しかし手当てされ出れば行う。後藤が
 バースの装着者となった後は、バースのサポート役として後藤と伊達を補佐した。

876ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 15:57:35
>>本編984修正
黒鬼「オニー」
ナナシ連中「ナナ、ナナ」

悲鳴の上がる場所へと行くと、風神の配下である黒鬼と隙間から
異形の化物が出現して、市民を襲っていた。

刃「こいつら、風神の仲間か!」
武蔵「むむ、こやつらはナナシ連中か!?」
刃「武蔵、それにイサミ達も何でいるんだよ!あと、クリームついてるぞ。」
武蔵「そんな事はどうでもいいわい。あれはナナシ連中といって、三途の川
  から隙間を通って、現れるアヤカシじゃ。」

武蔵は騒ぎの現場へと駆けつけて、口元のクリームを拭いた後
隙間から現れたナナシ連中について説明する。

刃「とにかく、こいつらを倒すぞ!」
しんせん組「「「はい!」」」
武蔵「さやかよ、後ろに下がっているのじゃ。」
さやか「はい。・・・あれ、源太さんは?」

刃は鞘からクサナギを引き抜き、しんせん組の3人もバトルコスチュームに
姿を変えて、黒鬼とナナシ連中に向かっていく。さやかは後方へと下がるが、
一緒にいた筈の源太がいない事に気づく。
刃とイサミはその魔剣クサナギと龍の剣で切り倒し、トシは龍の目で
黒鬼やナナシ連中にぶつけ、ソウシは龍の牙を射て戦う。

黒鬼「オニ〜!」
ナナシ連中「ナナ〜!」
トシ「へへ、だまぁみろ!」
???「・・・面白い連中がいるなぁ〜」
刃「誰だ!」

そこへ隙間から現れたのは、下半身がでかい顔になっているアヤカシ
カゲカムロが現れる。

???「イェ〜イ!」
刃&しんせん組「「「「うわぁ!」」」」

さらに刃達を攻撃したのは、巨大な殻を被ったカタツムリが現れる。

刃「てめぇは、カタツムリ男!」
カタツムリ男「デンちゃん、再登場イェ〜イ!」

かつて鬼丸が召還した八鬼の一体、ナメクジ男改め
カタツムリ男である。

カゲカムロ「行くぞ!」
カタツムリ男「イェイ!」
イサミ「キャァァア!」
トシ「ウワァ!」
ソウシ「うう・・・」
刃「お前ら!」

カゲカムロ達の登場に、苦戦を強いられるイサミ達。絶体絶命のピンチ
だと感じた時、異変が起きる。

ドォーンドォーンドォーン

刃「太鼓?」
カゲカムロ「この音・・・まさか!」

いきなり太鼓の音が流れ、どこからともなく現れた舞台でお馴染みの
黒子が陣幕を張っていく。

武蔵「あの家紋は・・・もしや!」

太鼓が鳴り終わると、陣幕から5人の男女がそこに立っていた。

877ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 16:02:18
>>本編986修正
○鉄刃→さやかとデート中、外道衆とカタツムリ男と戦う事になる。
○峰さやか→刃とデート中に、戦いに巻き込まれる。
○宮本武蔵→しんせん組と一緒に、刃とさやかのデートを隠れて見る。
○しんせん組→刃とさやかのデートを隠れて見ていたが、外道衆とカタツムリ男と
         戦う事になる。
○シンケンジャー→外道衆、カタツムリ男の前に現れて変身する。
○梅盛源太→刃とさやかに、寿司を握る。そして、シンケンジャーと共に変身する。
○ダイゴヨウ→源太を慰める。
●カゲカムロ→ナナシ連中を引き連れて、大江戸市の人々を襲う。
●カタツムリ男→刃としんせん組を襲う。
【今回の新規登場】
○志葉丈瑠=シンケンレッド(侍戦隊シンケンジャー)
「火」のモヂカラを受け継いだ志葉家19代目当主。自他共に厳しいながらも
他人を巻き込みたくないという心優しい性格を持つ。元々は外道衆から
18代目当主である薫の存在を隠す為に育てられた影武者だが、
終盤、薫によって(法律上無理だが)養子となり19代目当主となる。
幼少の頃は泣き虫で、今でもお化け屋敷が苦手。

○池波流ノ介=シンケンブルー(侍戦隊シンケンジャー)
「水」のモヂカラを受け継いだ侍。歌舞伎役者の家系だが、
外道衆との戦いに召集された時、舞台を捨て、丈瑠の下へと馳せ参じた。
真面目で忠義に厚いが、融通が利かず天然ボケで暑苦しい所がある。

○白石茉子=シンケンピンク(侍戦隊シンケンジャー)
「天」のモヂカラを受け継いだ女侍。幼稚園のアルバイトをしていたが、
外道衆の戦いに召集され、丈瑠の下へ馳せ参じた。冷静で鋭い観察眼に
優れており、面倒見が良いが落ち込んで弱っている人間を放っておけない
性格をしている。夢は結婚だが、料理が壊滅的にヒドイ。

○谷千明=シンケングリーン(侍戦隊シンケンジャー)
「木」のモヂカラを受け継いだ侍。シンケンジャーに召集される前は
卒業間近の高校生で、一番の現代っ子。侍として最低限の知識しか
教えられていないので、主従関係を受け入れず修行にも不真面目だった。
しかし丈瑠を超える事を目標に、戦士として成長していった。

○花織ことは=シンケンイエロー(侍戦隊シンケンジャー)
「土」のモヂカラを受け継いだ女侍。京都で家業の竹細工作りをしていたが
体の弱い姉に代わり、シンケンジャーとなる。純粋で心優しい性格だが、
度を越えた天然ボケで、良くも悪くも空気の読めない所がある。また、
幼少の頃、いじめられていた事と姉を思う気持ちから強い忍耐力を持つ。

○梅盛源太=シンケンゴールド(侍戦隊シンケンジャー)
丈瑠の幼馴染である「ゴールド寿司」を営む寿司職人。幼少の頃、家族が
夜逃げする時に丈瑠から烏賊折神のディスクを受け取り、丈瑠の力になろうと
独学で剣の修行とモヂカラを解析し、電子モヂカラを開発。反面、寿司の
修行が十分では無かったので、味は普通。「光」のモヂカラを用いて、
海老折神やダイゴヨウ等を開発した。

○秘伝提灯ダイゴヨウ(侍戦隊シンケンジャー)
源太が自分の代わりに戦えるように開発した提灯のサポートメカ。
源太以上に江戸っ子口調で話す。十手を手足として、侍巨人にもなれる。

●カゲカムロ(侍戦隊シンケンジャー)
鎧兜のような、人間を食った巨大な笑い顔のような姿を持つアヤカシ。
下半身が巨大な顔面を模し、大勢の人々に「仇をなすぞ」と常に大口を
叩く自信家。武器は刀身が顔を模した2本の刀「悲喜双顔刀」
妖怪「大かむろ」の伝承のルーツとされている。

●カタツムリ男(YAIBA)
鬼丸が召還した八鬼の一体であるナメクジ男が殻を被り、
パワーアップした姿。「イェイ」が口癖。塩が掛かると消えてしまう。

878ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 16:05:16
>>本編987修正
シンケンジャー達は持っている刀-「シンケンマル」でナナシ連中と
黒鬼を斬っていく。

シンケンゴールド「ダイゴヨウ、久しぶりの戦いだ。気合をいれてけよ!」
ダイゴヨウ「合点でさぁ、親分!」

シンケンゴールドは十手を持って、ダイゴヨウを盾に使いながら
ナナシ連中や黒鬼を倒していく。

刃「おっと、俺達も行くぞ!」
イサミ「は、はい!」

いきなりの登場に呆然としていた刃達も再び、
黒鬼やナナシ連中と戦う。

ナナシ連中「ナナー!」
イサミ「きゃ!」
シンケンレッド「下がってろ!」

しかしナナシ連中の攻撃で尻をつくイサミ。そこにシンケンレッドが
ナナシ連中を斬って助けた。

イサミ「ポー///」
シンケンレッド「ボーとするな。死にたくなければ、下がってろ!」
イサミ「あっ・・・ごめんなさい!」

自分を助けてくれたシンケンレッドに見惚れていたイサミだったが、
シンケンレッドは厳しい物言いで、イサミを下がらせようとする。

シンケンブルー「シンケンマル・水流の舞」
シンケングリーン「シンケンマル・木枯らしの舞」

シンケンブルーはシンケンマルに青い龍ディスクをセットし、
水の斬撃で攻撃し、シンケングリーンはシンケンマルに緑色の
熊ディスクをセットして、木枯らしを纏って、攻撃した。

シンケンピンク「シンケンマル・天空の舞」
シンケンイエロー「シンケンマル・土煙の舞」

シンケンピンクとシンケンイエローはそれぞれ、桃色の亀ディスクと
黄色の猿ディスクをセットして、ナナシ連中と黒鬼を風で舞い上げ、
土煙を起こして攻撃した。

カタツムリ男「鉄刃、覚悟!」
刃「お前の弱点なんて、とっくに知っているんだよ!
  塩、塩は無いのか?」
ソウシ「でも、塩はどこに?」
シンケンブルー「少年、塩が必要なのか?ならば、私が手を貸そう。」

カタツムリ男の弱点は塩だが、塩が無いかと刃達は探す。
そこにシンケンブルーはショドウフォンを取り出し、「海」と書くと
流ノ介のモヂカラによって、海水が出現した。

カタツムリ男「や、や、やばい・・・体が溶ける〜!」

海水に含まれる塩分のせいで、みるみるカタツムリ男の体は溶けていき
あっけない最後を迎えてしまった。カタツムリ男がいなくると黒鬼達も
退散していく。

シンケンレッド「ふん!」
カゲカムロ「何の!」

一方、シンケンレッドはカゲカムロと刀で斬りあいをしていく。

カゲカムロ「(く、このままでは水切れが起こす。何とか隙を作らねば)」

三途の川に住むアヤカシは、体が乾いてしまうと現世では生きていられない。
だからこそ、三途の川を溢れさせて暴れるのが外道衆の目的なのだが
このままでは負けるとオオカムロは隙を作ろうとしていた。

ビューン

シンケンレッド「うっ!」

その時シンケンレッドは何者かの攻撃を受ける。攻撃した方向を
見ると、帽子にピアスを付けた長い鼻をした妖怪テングが妖怪軍団
の戦闘員ドロドロを引き連れて現れた。

トシ「今度は天狗!?」
テング「外道衆との同盟により、助太刀しに来たぜ!」

新たにテングとドロドロが加わり、このままでは全滅すると一同が
思った矢先、そこに5枚の手裏剣が飛んでくる。手裏剣の投げられた
方向を見ると、5人の男女がそこにいた。

イサミ「さっきのクレープ屋さん!?」
テング「き、貴様らは・・・カクレンジャー!?」

その5人は先程、イサミ達が食べていたクレープ屋の店員達だった。
イサミは何故、この場にいるのかと驚く。だが、この5人こそ、隠流の
忍者であるサスケ達カクレンジャーだった。

カクレンジャー「「「「「スーパー変化、ドロンチェンジャー!」」」」」

印籠の形をした変身アイテム・ドロンチェンジャーにより、
5人の忍者はそれぞれ赤、白、青、黄、黒の忍者へと姿が変わる。

ニンジャレッド「ニンジャレッド、サスケ」
ニンジャホワイト「ニンジャホワイト、鶴姫」
ニンジャブルー「ニンジャブルー、サイゾウ」
ニンジャイエロー「ニンジャイエロー、セイカイ」
ニンジャーブラック「ニンジャブラック、ジライヤ」
ニンジャレッド「人に隠れて悪を斬る、忍者戦隊」
カクレンジャー「「「「「カクレンジャー見参!」」」」」

かつて妖怪軍団と戦った5人の忍者はカクレンジャーとなり、
刃やしんせん組、シンケンジャー達の前に現れた。

879ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 16:08:37
ニンジャホワイト「お久しぶりです、丈瑠さん。」
シンケンレッド「鶴姫殿・・・」

古来から志葉家と隠流は、この世を守るべく異形の存在と戦っていた者
同士、協力関係にあった。当主である丈瑠も、鶴姫とは昔から交流がある。

カゲカムロ「おかげで、助かったぜ。もうすぐ水切れになるから、任せるぞ!」
シンケンレッド「させるか!皆、行くぞ。」
サスケ「俺達も、行くぞ!」

カゲカムロがその場をテングに任せて、自分は三途の川に戻ろうと
するが、そうはさせまいとシンケンジャー、カクレンジャー達は
敵の方へと向かっていく。

トシ「あいつを隙間に入れなきゃいいんだろ。くらえ、龍の目シュート!」
ソウシ「そして、龍の牙!」
カゲカムロ「ぐぅぅう!」

トシは隙間に入れないように、龍の目でカゲカムロを空中にまで
蹴り上げる。そして、ソウシは龍の牙で矢を放った。

シンケングリーン「お前ら、やるなぁ。」
シンケンレッド「止めだ。烈火大斬刀・大筒モード!」

シンケングリーンはトシとソウシを褒め、シンケンレッドは止めを
指すべくシンケンマルを烈火大斬刀に変えて、大筒モードに変形した。
そこにシンケンジャーは、それぞれの秘伝ディスクをセットする。

シンケンレッド「兜五輪弾!」
カゲカムロ「ぐわぁぁあ!!」

必殺の五輪弾により、カゲカムロは倒される。
一方、カクレンジャーはテングとドロドロを相手に戦っていた。

ニンジャブラック「YEAR!」
ZUBAAAAAAN!!

ニンジャイエロー「どりゃ!」
BAGOOOOOOON!!

斬ったり、蹴ったりする度にそんな擬音が飛び出しそうだった。

ニンジャレッド「行くぜ、テング!雷鳴剣ヒカリマル。」

ニンジャレッドは三神将の一人、ツバサマルから授けられた
雷鳴剣ヒカリマルを取り出した。

ニンジャレッド「隠流雷鳴斬!」
刃「俺も続くぜ、かみなり斬り!」
イサミ「てりゃああ!」
テング「ぬぅう」

テングを相手に、刃、ニンジャレッド、イサミはそれぞれの
必殺技をぶつける。周りのドロドロも他のカクレンジャー達によって
倒された。

880ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 16:10:59
>>本編987修正
ニンジャホワイト「お久しぶりです、丈瑠さん。」
シンケンレッド「鶴姫殿・・・」

古来から志葉家と隠流は、この世を守るべく異形の存在と戦っていた者
同士、協力関係にあった。当主である丈瑠も、鶴姫とは昔から交流がある。

カゲカムロ「おかげで、助かったぜ。もうすぐ水切れになるから、任せるぞ!」
シンケンレッド「させるか!皆、行くぞ。」
サスケ「俺達も、行くぞ!」

カゲカムロがその場をテングに任せて、自分は三途の川に戻ろうと
するが、そうはさせまいとシンケンジャー、カクレンジャー達は
敵の方へと向かっていく。

トシ「あいつを隙間に入れなきゃいいんだろ。くらえ、龍の目シュート!」
ソウシ「そして、龍の牙!」
カゲカムロ「ぐぅぅう!」

トシは隙間に入れないように、龍の目でカゲカムロを空中にまで
蹴り上げる。そして、ソウシは龍の牙で矢を放った。

シンケングリーン「お前ら、やるなぁ。」
シンケンレッド「止めだ。烈火大斬刀・大筒モード!」

シンケングリーンはトシとソウシを褒め、シンケンレッドは止めを
指すべくシンケンマルを烈火大斬刀に変えて、大筒モードに変形した。
そこにシンケンジャーは、それぞれの秘伝ディスクをセットする。

シンケンレッド「兜五輪弾!」
カゲカムロ「ぐわぁぁあ!!」

必殺の五輪弾により、カゲカムロは倒される。
一方、カクレンジャーはテングとドロドロを相手に戦っていた。

ニンジャブラック「YEAR!」
ZUBAAAAAAN!!

ニンジャイエロー「どりゃ!」
BAGOOOOOOON!!

斬ったり、蹴ったりする度にそんな擬音が飛び出しそうだった。

ニンジャレッド「行くぜ、テング!雷鳴剣ヒカリマル。」

ニンジャレッドは三神将の一人、ツバサマルから授けられた
雷鳴剣ヒカリマルを取り出した。

ニンジャレッド「隠流雷鳴斬!」
刃「俺も続くぜ、かみなり斬り!」
イサミ「てりゃああ!」
テング「ぬぅう」

テングを相手に、刃、ニンジャレッド、イサミはそれぞれの
必殺技をぶつける。周りのドロドロも他のカクレンジャー達によって
倒された。

881ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 16:14:25
>>本編988修正
ニンジャホワイト「お久しぶりです、丈瑠さん。」
シンケンレッド「鶴姫殿・・・」

古来から志葉家と隠流は、この世を守るべく異形の存在と戦っていた者
同士、協力関係にあった。当主である丈瑠も、鶴姫とは昔から交流がある。

カゲカムロ「おかげで、助かったぜ。もうすぐ水切れになるから、任せるぞ!」
シンケンレッド「させるか!皆、行くぞ。」
サスケ「俺達も、行くぞ!」

カゲカムロがその場をテングに任せて、自分は三途の川に戻ろうと
するが、そうはさせまいとシンケンジャー、カクレンジャー達は
敵の方へと向かっていく。

トシ「あいつを隙間に入れなきゃいいんだろ。くらえ、龍の目シュート!」
ソウシ「そして、龍の牙!」
カゲカムロ「ぐぅぅう!」

トシは隙間に入れないように、龍の目でカゲカムロを空中にまで
蹴り上げる。そして、ソウシは龍の牙で矢を放った。

シンケングリーン「お前ら、やるなぁ。」
シンケンレッド「止めだ。烈火大斬刀・大筒モード!」

シンケングリーンはトシとソウシを褒め、シンケンレッドは止めを
指すべくシンケンマルを烈火大斬刀に変えて、大筒モードに変形した。
そこにシンケンジャーは、それぞれの秘伝ディスクをセットする。

シンケンレッド「兜五輪弾!」
カゲカムロ「ぐわぁぁあ!!」

必殺の五輪弾により、カゲカムロは倒される。
一方、カクレンジャーはテングとドロドロを相手に戦っていた。

ニンジャブラック「YEAR!」
ZUBAAAAAAN!!

ニンジャイエロー「どりゃ!」
BAGOOOOOOON!!

斬ったり、蹴ったりする度にそんな擬音が飛び出しそうだった。

ニンジャレッド「行くぜ、テング!雷鳴剣ヒカリマル。」

ニンジャレッドは三神将の一人、ツバサマルから授けられた
雷鳴剣ヒカリマルを取り出した。

ニンジャレッド「隠流雷鳴斬!」
刃「俺も続くぜ、かみなり斬り!」
イサミ「てりゃああ!」
テング「ぬぅう」

テングを相手に、刃、ニンジャレッド、イサミはそれぞれの
必殺技をぶつける。周りのドロドロも他のカクレンジャー達によって
倒された。

882ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 16:17:06
>>本編989修正
イサミ「やった、これで大丈夫ね。」
シンケンレッド「まだだ、“2の目”がある。」
ニンジャレッド「ああ、終わりじゃない。」

その言葉通り、妖怪エネルギーに満ちた落雷が落ちてテングが
巨大化して復活。カゲカムロもアヤカシの特性により、2つ目の命
通称「2の目」により巨大化して復活した。

イサミ「お、大きい・・・」
トシ「どうする?イサミの家に戻るにしても、時間がかかるぞ。」
ニンジャレッド「大丈夫だ、俺達に任せろ。」
シンケンレッド「ああ。」

イサミの家はご先祖によって、巨大なロボットに変形できるカラクリ
仕掛けとなっている。だが戻るにしても時間がかかるので思案していると
カクレンジャー、シンケンジャーは自分達に任せろと言う。

カクレンジャー「「「「「隠流・巨大獣将之術」」」」」
シンケンジャー「「「「「折神大変化」」」」」
シンケンゴールド「来い!イカちゃん、エビゾー。ダイゴヨウも
          巨大化だ!」
ダイゴヨウ「合点でさぁ。」

カクレンジャーの5人は、忍術によってレッドサルダー、ホワイトカーク
ブルーロウガン、イエロークマード、ブラックガンマの5体の獣将を呼び出す。
一方のシンケンジャーは所持している獅子折神、龍折神、亀折神、熊折神
猿折神を巨大化。シンケンゴールドもスシチェンジャーで「ゴールド寿司」の
水槽にいる烏賊折神と海老折神を呼び出してダイゴヨウも巨大化する。

ニンジャレッド「忍者合体」
無敵将軍「無敵将軍!」

5体の獣将はレッドサルダーを中心に、ホワイトカーク、ブルーロウガンが
両手となり、イエロークマードとブラックガンマは両足に変形、最後に
兜が装着されてまるで、城の様なロボットが誕生した。これこそ、
三神将の一人、無敵将軍である。

シンケンジャー「「「「「侍合体」」」」」
シンケンゴールド「侍合体、イカダイカイオー」キタキタキタキター
ダイゴヨウ「ダイゴヨウ、大変化」

一方、「合」のモヂカラで獅子折神を中心に亀折神と猿折神が両腕に
変形し、龍折神と熊折神は両脚となった。そこに兜が装着され、侍巨人
シンケンオーとなった。そしてシンケンゴールドの海老折神は侍変形により
ダイカイオーとなり、烏賊折神と侍武装して「イカダイカイオー」となる。
最後にダイゴヨウは十手が手足となり、侍巨人となった。

シンケンジャー「「「「「シンケンオー、天下統一」」」」」
シンケンゴールド「イカダイカイオー、天下一品」

合体を終えて無敵将軍とシンケンオー、イカダイカイオー、ダイゴヨウの
4体がカゲカムロとテングの前に現れるのであった。

883ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 16:19:12
>>本編990修正
カゲカムロ「大ナナシ連中!」
さやか「あんなでっかいのもいるの〜!」

カゲカムロはビルの隙間から、巨大な大ナナシ連中を呼び出す。
巨大な大ナナシ連中にさやかは驚愕する。

シンケンゴールド「周りの雑魚は、俺とダイゴヨウが引き受けた。」
ダイゴヨウ「そっちは任せましたぜ。」

そういって、イカダイカイオーとダイゴヨウは周りの大ナナシ連中を
攻撃していく。無敵将軍やシンケンオーはオオカムロとテングと交戦。

カゲカムロ「うぉぉりゃぁぁ!」
シンケンレッド「秘伝シールド!」

カゲカムロの攻撃を円盾の秘伝シールドで防ぎ、すかさず巨大な
日本刀・ダイシンケンで攻撃する。

ニンジャレッド「将軍花吹雪」
テング「ぐぉぉお!」

テングも目からビームを出すが、無敵将軍も負けじと胸から
花吹雪を起こす。

シンケンレッド「長引くのは面倒だ。一気に畳み掛けるぞ!」
シンケンジャー「「「「「ダイシンケン・侍斬り!」」」」」
シンケンゴールド「槍烏賊突貫」
ダイゴヨウ「秘伝ディスク乱れ撃ち」
カゲカムロ「ちっくしょ〜!」

ダイシンケンに「斬」のモヂカラを込めて、オオカムロを一刀両断。
イカダイカイオーも大ナナシ連中を相手に「突」の電子モヂカラが
込められた氷を纏った大槍で標的を貫く。そして、ダイゴヨウは
必殺の腹部から秘伝ディスクを乱射して大ナナシ連中を切り刻んでいく。

カクレンジャー「「「「「火炎将軍剣」」」」」
テング「く、今度こそ妖怪ナンバー1になりたかった〜!」
無敵将軍「南無三!」

無敵将軍は鯱の形をした燃え盛る炎の剣・火炎将軍剣で
テングを一刀両断した。

シンケンゴールド「よ〜し、勝利の一本締め!皆々様ご一緒によ〜」

ポン

シンケンレッド「これにて一件落着。」

シンケンゴールドに吊られ、刃達やカクレンジャーは一緒に
勝利の一本締めを行い、戦いに幕を引いた

884ユガミ博士 ◆AOwcv36qk.:2016/02/02(火) 16:22:02
>>本編991修正
○志葉丈瑠→烈火大斬刀・大筒モードとシンケンオーで
            カゲカムロを倒す。またイサミを助けた。
○池波流ノ介→「海」の文字で海水を作り、カタツムリ男を倒した。
○白石茉子→外道衆と戦う。
○谷千明→外道衆と戦う。
○花織ことは→外道衆と戦う。
○梅盛源太→外道衆と戦い、巨大戦の後、勝利の一本締めを行った。
○ダイゴヨウ→侍巨人となって大ナナシ連中を倒す。
●カゲカムロ→シンケンジャー、カクレンジャー、刃達に倒される。
○サスケ→テングを倒す。
○鶴姫→妖怪を倒す。
○サイゾウ→妖怪を倒す。
○セイカイ→妖怪を倒す。
○ジライヤ→妖怪を倒す。
●テング→カゲカムロを助けるが、カクレンジャーに倒される。
○鉄刃→サスケ、イサミと共にテングを倒した。
●カタツムリ男→海水を被り、消滅する。
○花丘イサミ→丈瑠に助けられた後、刃、サスケと共にテングを倒す。
○月影トシ→カゲカムロに龍の目をぶつける。
○雪見ソウシ→カゲカムロに龍の牙の矢を射る。

【今回の新登場】
●テング(忍者戦隊カクレンジャー)
黒い帽子と長い鼻に、ピアスが特徴の妖怪。『週刊妖怪』で
「強い妖怪ランキング3位」に入った程の強力な妖怪。
ユガミ博士による妖怪レプリカと共にカクレンジャーを追い詰めた。

885地球の騎士『天凰輝』誕生-1:2016/02/06(土) 12:24:57
***ギガントホース・艦橋司令室***

渡された情報ファイルをまじまじと見つめている
ザンギャック地球派遣艦隊の司令官ワルズ・ギル。
その手はわなわなと震えている…。

ワルズ・ギル「まさかシグフェルの正体が、こんな地球人のガキだったとはな…」

以前にGODのキングダークと合同で行った東京制圧作戦は、
突如何の前触れもなく現れた謎のヒーロー・シグフェルの前に
完膚なきまでに叩きのめされてしまった。

黄泉がえり現象により再びこの世に復活した自分の復帰戦が、
自分より年少の地球人の少年たった一人によって黒星をつけられたのだ。
今もワルズ・ギルの怒りは尋常ではなかった。

ワルズ・ギル「ダマラス! 我が栄光あるザンギャック帝国の再起を掛けた一戦が、
 こんな辺境の惑星の鼻垂れ小僧一匹によって汚されてしまったのだぞ。
 お前はなんとも思わんのか!?」
ダマラス「お怒りはごもっともでございます」
ワルズ・ギル「ならば早急に手を打たんか!」

周囲に当たり散らすワルズ・ギルに、参謀長ダマラスは冷静に進言する。

ダマラス「殿下、ここはキアイドーに任せてみるべきかと存じます」
ワルズ・ギル「…キアイドーだと?」

宇宙の賞金稼ぎキアイドー。これまでに150もの凶悪な賞金首を打ち倒し、
1億ザギンを超える報酬を受け取っている実力者でもある。
その狂気じみた闘争心は、あのキャプテン・マーベラスことゴーカイレッドすら
恐怖と敗北感を深々と植え付けて震え上がらせたという。

ワルズ・ギル「なるほど、確かに奴なら適任かもしれんな…」


***成田空港・国際線ターミナルロビー***

光平を取り巻いていた一連の問題がとりあえず収束し、
彼の当面の進むべき道も決まった事を見届けたフィリナは、
フランスへ帰ることになった。成田まで見送りに来た光平たち。

フィリナ「これからは、このナジブをあなたとの連絡役にするわ。
 彼は信頼できる男よ」

別れ際に、光平はフィリナから
一人のアルジェリア人男性を紹介された。
フィリナの会社での側近らしい。

ナジブ「ナジブと申します。フィリナ様からお話は伺っております。
 何かお困りの際は、どうぞなんなりと仰せつけくださいませ。光平様」
光平「…そんな、様だなんて!? 俺の事はただ"光平"でいいですよ(汗」
ナジブ「………」
フィリナ「じゃあ光平、ブレイバーズではいろいろと大変な事もあるだろうけど、
 あなたならきっとやり抜く事が出来ると信じてるわ。頑張ってね」
光平「ああ、フィリナも気をつけてな」
慎哉「フィリナさんもお元気で」
優香「また日本に遊びに来てください」

こうしてフィリナは日本を飛び立ち、フランスへと帰って行った。

886地球の騎士『天凰輝』誕生-1:2016/02/06(土) 12:25:32
光平「じゃ、フィリナを見送った事だし、俺たちも家に帰るか」
ナジブ「御車をご用意しましたので、私が皆さんをお送り致します」

フィリナを見送った光平達は、成田空港を出てナジブが用意した車で
家に帰る事にした。光平達を乗せたナジブの車は、高速道路に入る。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢

光平「・・・・・・・」
優香「どうしたの?光平くん」
光平「いや、こうして見るとこの辺も結構荒れているんだなぁと思って・・・・」
慎哉「この辺はガストレアや幻獣が出現したっていうからな」

高速道路から見える景色は、ガストレアや幻獣といった前大戦の影響による
荒らされた景色だった。あまり気に留めていなかった光平だったが、
ブレイバーズに入り、改めてこの荒れた景色を見て、この景色がまた起きないように
戦っていこうと内心、決意する。だが、その時・・・・・。

――キキィッ!!

優香「キャッ!!」
慎哉「うわぁ!」
光平「どうしたんですか?ナジブさん!」
ナジブ「目の前に人が!」

突然ナジブが急ブレーキをしたので、車の中で慌てる3人。ナジブが
指差す方を見ると、赤いエイリアン―賞金稼ぎキアイドーだった。

キアイドー「貴様がシグフェルか」
光平「お前は何者だ!」
キアイドー「俺の名はキアイドー。ザンギャック帝国から貴様を始末するように
 依頼を受けてな。貴様の命を貰い受ける」

車から降りた光平はキアイドーと対峙する。キアイドーは自身の名を名乗り、
剣を光平に向けた。

ナジブ「下がってください。こいつは危険です!」
キアイドー「俺が用があるのは、そこのガキだけだ。だが俺の邪魔をするのなら
 貴様も斬るぞ!」
光平「―!」

ナジブは光平を守ろうと前に出て、ファイティングポーズをとるが
キアイドーは「邪魔をするのなら斬る」と殺気を放つ。キアイドーから
発せられる殺気を受けて、光平に緊張が走る。 

光平「下がってください、ナジブさん。俺が戦います」
ナジブ「しかし・・・・」
光平「俺よりも慎哉と優香を守って下さい。お願いします」
ナジブ「・・・・分かりました。光平さんも気を付けて」

光平はキアイドーと戦う事を決め、ナジブに慎哉と優香を守ってもらうように頼む。
光平の決意を察したナジブは了承した。

優香「光平くん・・・・」
光平「心配すんなよ。俺は大丈夫だから」
慎哉「必ず戻ってこいよ!」

心配する優香と慎哉をナジブに託して、光平はキアイドーに目を向けた。
優香、慎哉、ナジブの3人は車の影に身を潜めて事態の成り行きを見守る。

キアイドー「別れの挨拶は終わったか?終わったのなら早くシグフェルに
 変身しろ!」
光平「何だとっ!?」
キアイドー「俺は退屈が一番嫌いなんだ。そんな俺の虚しさを埋めてくれるのは
 金と戦いだけだ。聞けば貴様は圧倒的な強さを持つというじゃないか。
 貴様は俺を楽しませてくれるか?」
光平「ふざけるな!翔着(シグ・トランス)!!」

887地球の騎士『天凰輝』誕生-1:2016/02/06(土) 12:26:07
キアイドーと対峙した光平はシグフェルに変身する。シグフェルは
炎の手刀「フレイムアーム」でキアイドーに斬り込んでいくが、
キアイドーは容易く受け流してしまう。

シグフェル「(全部、受け流してしまうなんて何て強さなんだ!)」
キアイドー「この程度か?」
シグフェル「何を!だったら、これならどうだ。フレアセイバー!!」

余裕な態度をとるキアイドーにシグフェルは炎に包まれた右手の掌から
フレアセイバーを具現化する。そして一刀両断しようと構えるが・・・・・。

キアイドー「遅い!」
シグフェル「ぐわぁ!!」

だが、シグフェルがフレアセイバーを振り下ろすよりも早く、キアイドーは
その剣でシグフェルを斬る。その凄まじさにより、シグフェルは倒れてしまった。

シグフェル「ぐぅぅぅ・・・・」
慎哉「光平!」
優香「光平くん!」
ナジブ「危険です!行ってはいけません」

倒れた光平を心配して駆けつけようとする慎哉と優香だが、ナジブは
2人の身を案じて引き留める。

キアイドー「期待して来てみれば、貴様の強さはこの程度か。
 つまらん。あの赤い海賊はもっと俺を楽しませてくれたぞ…!」
シグフェル「くっ…!」
キアイドー「これでは俺の退屈はちっとも治らん。
 貴様など殺す価値もない」
シグフェル「・・・・ま・・・・待て!」
キアイドー「しつこいぞ。それ以上、無様な事をすれば
 本当に殺してやろうか?」
シグフェル「――!」
キアイドー「ふん!」

シグフェルは倒れながらもキアイドーになお挑もうとした。しかし、
キアイドーの更なる殺気を受けて、シグフェルは倒れた。
そしてキアイドーは倒れ伏すシグフェルに見切りをつけると、刀を鞘に納め
その場を後にする。この時キアイドーに惨敗した光平は初めて死の恐怖を
経験し、挫折を味わうのであった。

888地球の騎士『天凰輝』誕生-1:2016/02/06(土) 12:27:03
●司令官ワルズ・ギル→シグフェルを打倒する為、キアイドーを差し向ける。
●参謀長ダマラス→シグフェルを打倒する為、キアイドーを推挙する。
●賞金稼ぎキアイドー →ワルズ・ギルからシグフェルを打倒するように依頼され、
   シグフェルを叩きのめすが、仕留めずに帰還する。

◯牧村光平/光凰輝シグフェル→フィリナを見送った帰りにキアイドーに
  襲われる。シグフェルに変身して戦うが、敗北する。
◯朝倉慎哉→フィリナを見送った帰りにキアイドーに襲われる。
◯沢渡優香→フィリナを見送った帰りにキアイドーに襲われる。
◯フィリナ・クラウディア・アルシャード→フランスに帰国する。別れの際、光平達にナジブを紹介する。
◯ナジブ→連絡役としてフィリナから光平達に紹介される。
 光平達を家に送る為、車を運転していたがキアイドーに襲われる。

【今回の新規登場】
●賞金稼ぎキアイドー(海賊戦隊ゴーカイジャー)
 宇宙帝国ザンギャックが雇った宇宙一の賞金稼ぎ。これまで150もの
 凶悪な賞金首を打ち倒し、1億ザギンを超える報酬を受け取っている
 実力者。細身のソードを武器に様々な宇宙の体術を駆使した戦いを行い、
 全身を覆うアーマーは赤熱磁場でコーティングされ、あらゆる弾丸を弾き返す。
 退屈を嫌う戦闘狂で、かつてキャプテン・マーベラスに恐怖と敗北感を
 植え付けた事がある。

◯ナジブ(闘争の系統オリジナル)
 フィリナの秘書兼ボディガードを務めるアルジェリア人の青年。
 武術の達人。主にフィリナと日本で暮らす光平との間の連絡を
 取り持つ繋ぎ役。

889地球の騎士『天凰輝』誕生-2:2016/02/06(土) 12:27:45
***千葉・房総半島の海岸某所***

道着姿に着替えた光平は、海岸の岩の上で
静かに目を閉じて座禅を組み瞑想している。

光平「………」

キアイドーに完膚なきまでに打ち負かされた光平は、
生まれて初めて感じた死の恐怖を打ち勝つためには、
こうなれば自分の精神力で自分自身に勝つしかないと考え、
荒波が迫る中、一人で修行に励んでいた。

光平「やあぁぁぁっ!!!」

立ち上がった光平は木刀を手に持ち、
目の前の大きな岩に何度も繰り返し打ちかかるが、
岩はビクともしない。

光平「やっぱりダメだ……」

玄海「無駄じゃ!光平君」

光平「――!?」

光平が驚いて声がした方向に振り向くと、
そこには弟子の弁慶を伴った玄海老師の姿があった。
どうやらシグフェルがキアイドーに敗れたとの話を聞き、
わざわざ駆けつけて来てくれたらしい。

弁慶「………」
光平「玄海老師!? いつこちらへ?」
玄海「迷いの心で幾ら打ちつけたところで、その石は割れん!
 かえって己自身の恐怖は増すばかりじゃ!」
光平「ではどうしたら!?」
玄海「ついてきなさい」


***志葉邸***

玄海老師と弁慶に伴われて、光平がその足でやって来たのは、
武家屋敷風の広い邸宅だった。

彦馬「これは玄海老師、わざわざのお運び、
 誠に恐縮にございます」

玄関先でこの家の執事か用人らしき
初老の和服に袴姿の男性が、礼儀正しく玄海らを出迎える。

玄海「ご当主の丈瑠殿はご在宅かな?」
彦馬「はい。只今ご案内いたします」
玄海「いやなに、気遣いは無用。勝手知ったる屋敷じゃ」

890地球の騎士『天凰輝』誕生-2:2016/02/06(土) 12:28:37
光平「あの弁慶さん、ここはいったい…?」
弁慶「ここは江戸時代に、房総半島の内この地帯を治めていた大名で、
 旧華族である志葉家のお屋敷だ。…と言っても、今のお前には
 アヤカシ外道衆と戦った侍戦隊シンケンジャーの本部と言った方が
 解り易かろう」
光平「ここが噂に聞いたシンケンジャーの……」

志葉家初代当主・烈堂は、クサレ外道衆の頭目・脂目マンプクを封印した功績を
徳川家康に認められ、今の千葉県北部の辺りを治める大名となった。
以来、志葉家は代々外道衆のアヤカシと戦い続ける宿命にある。

そういえば、自分の歓迎会の時にほとんどのヒーローたちと面識が出来た光平だったが、
あの時あの場で志葉家の当主の姿を見た覚えはない。その事を弁慶に尋ねると――

弁慶「ははは…志葉のご当主は、そういった賑やかな催しが
 苦手だと聞いているからな」
光平「……???」

応接間で出された茶を飲みながら、この家の主が現れるのを待っていると、
一人の若い青年が姿を見せた。

丈瑠「玄海老師、お久しぶりにございます」
玄海「光平君、引き合わせよう。こちらは志葉家19代目当主・志葉丈瑠殿じゃ」
丈瑠「志葉丈瑠だ。よろしく」
光平「よ、よろしくお願いします!……(この人がシンケンレッド)」
玄海「相手が剣を使うのであれば、こちらも剣の使い手に
 教わるのが一番じゃ」

ブレイバーズにも剣を武器に戦うヒーローは数多いが、
シグフェルは炎の剣フレアセイバーを武器としている以上、
同じく火を力にする剣士である丈瑠が特訓相手に選ばれたのは、
玄海老師の慧眼である。

丈瑠「俺との修練は厳しいが、覚悟はあるか…?」
光平「…覚悟はあります。俺に教えてください、丈瑠さん!」
丈瑠「その覚悟、確かに俺が預かった!」

林の中で互いに竹刀を構える丈瑠と光平。

丈瑠「一応、剣の心得はあるようだな?」
光平「小さい頃に沖縄の祖父に習って、少しかじったことがあります」
丈瑠「…なるほど。薩摩示現流か」

ちなみに光平の父方の祖父・靖臣は、江戸時代に琉球に移住した薩摩藩士の末裔である。
幕末においても、かの新撰組が何より恐れたのが薩摩藩士の操る示現流であった。

丈瑠「キアイドーのような強敵を相手にする真剣の立ち合いでは、
 竹刀剣道のように振り回す剣法は役に立たない。
 一撃必殺の打ち込みと気迫で勝負が決まる。
 ひたすら気迫と一撃に鍛錬を極める示現流は、
 正にそれに適している」
光平「はい!」
丈瑠「良し。そしてキアイドーに強力な一撃を加える為にも、お前には
 自身の持つ火の力、キアイドーの剣の速さを凌ぐ速さを鍛えてもらう
 必要がある。俺は技を教えるつもりは無い。だが、それらを鍛えれば
 自ずと己の技が見えてくる筈だ」
光平「火の力に速さか・・・・・」
丈瑠「まずは速さを鍛える。さぁ、俺に打ち込んで来い!」
光平「行きます!タァ!!」

丈瑠に鍛えていく部分を教わった光平は丈瑠に剣を打ち込んでいく。
そして始まる丈瑠との修練は実に険しく、時には他のシンケンジャーを
相手に剣技を磨いていく。そしてその様子をそっと見守っている
サングラスの青年――地場衛の姿があった。

衛「………」

891地球の騎士『天凰輝』誕生-2:2016/02/06(土) 12:29:15
***ギガントホース・艦橋司令室***

一方、ザンギャックの旗艦であるギガントホースに帰還したキアイドーは
シグフェルを仕留めずに戻ってきた事をワルズ・ギルから責められていたが
キアイドーは気にせずケロッとしていた。

キアイドー「俺は、俺の流儀で仕事をするまでだ」
ワルズ・ギル「ぐぬぬ、貴様〜!」
???「・・・その様な賞金稼ぎ風情に頼るからですよ、殿下」
ダマラス「何奴!?」

ワルズ・ギル達の前に現れたのは、1万年前最強の護星天使と謳われ
地球救星計画で地球を破壊し、新たに星を創り出そうとした救星主の
ブラジラだった。姿を現すと、ワルズ・ギルに膝をついて、頭を垂れる。

ワルズ・ギル「・・・・お前は確かブラジラとかいったな。何しに来た?」
ブラジラ「はい、殿下。この私めも殿下の配下にお加えいただく参上いたしました」
ダマラス「お待ち下さい殿下!こ奴は自分の目的の為に、様々な組織を利用してきた者。
 信用されてはいけませぬぞ!」

自分を配下に加える様に言うブラジラだが、ブラジラが過去ウォースター、
幽魔獣、マトリンティスと様々な組織の一員となり、その裏で利用してきた
という経歴を知るダマラスはブラジラがワルズ・ギルの配下に加わる事に
反対する。

ブラジラ「流石は皇帝アクドス・ギル様の懐刀で在らせられるダマラス参謀。
 私の様な者を警戒されるのは至極同然。ですが、私もヒーローには恨みを
 持つ身・・・・私を配下に加えて下さるのであれば、かならずやシグフェルを
 討ち取ってみせましょう」
ワルズ・ギル「・・・・良し。ブラジラよ、お前を我が配下に加えてやろう。そして
 キアイドーと共にシグフェルを倒して来い!キアイドーもそれで良いな?」
キアイドー「俺の邪魔をしなければ、構わん」
ダマラス「殿下!うぬぬ・・・殿下に妙なマネをすれば、その時は覚悟しろ!」
ブラジラ「かならずや、ご期待に副えましょう(・・・ふん、ザンギャックの力、
 利用させてもらう」

ワルズ・ギルはブラジラを自分の配下に加える事を決め、反対していた
ダマラスもしぶしぶ承諾する。だが、ワルズ・ギルの配下に加わった
ブラジラは内心ではザンギャック帝国の力を利用しようと考えていた。
そしてキアイドーとシグフェルの再戦は刻一刻と近づくのであった。

892地球の騎士『天凰輝』誕生-2:2016/02/06(土) 12:29:55
◯玄海老師→キアイドーに敗北した牧村光平に、志葉丈瑠を引き合わせる。
◯弁慶→玄海老師と共に牧村光平を志葉邸へ連れてくる。
◯志葉丈瑠→牧村光平に修練を積ませる。
◯日下部彦馬→牧村光平、玄海老師、弁慶を出迎える。
◯地場衛→丈瑠の下で修練を積む牧村光平の様子を見守る。
●司令官ワルズ・ギル→シグフェルを仕留めなかったキアイドーを責める。
  そして救星主のブラジラを配下に加え、キアイドーと共に
  シグフェルを始末するように命令を下す。
●参謀長ダマラス→ブラジラが配下に加わる事を反対するが、しぶしぶ承諾する。
●賞金稼ぎキアイドー →ワルズ・ギルにシグフェルを仕留めなかった事を責められる。
●救星主のブラジラ→ワルズ・ギルの配下に加わる。内心ではザンギャックの
  力を利用しようと考えている。

◯牧村光平/シグフェル→キアイドーに敗北した為、1人修行に励んでいた所、
  玄海老師によって、志葉丈瑠と引き合され、丈瑠から修練を課される。

【今回の新規登場】
●救星主のブラジラ(天装戦隊ゴセイジャー)
 ウォースター、幽魔獣、マトリンティスといった様々な組織を渡り歩いた
 ブレドランの正体。1万年前、幽魔獣を封印した最強の護星天使で
 ゴセイナイトの本来の持ち主。人間を根絶やしにして汚れきった地球を
 一度破壊し、新しい星を創る「地球救星計画」を画策し、そうして創った
 星の「命を導く者」として君臨しようとしていた。ダークヘッダーを配下として
 従えている他、様々な組織で活動していた「ブレドラン」を分身体として
 呼び出す事が出来る。趣味はコスプレ。

893地球の騎士『天凰輝』誕生-3:2016/02/06(土) 12:31:11
***志葉邸***

光平「タァッ!」
丈瑠「ふん!」

光平と丈瑠の下で修練を始めてから数日。志葉邸の庭では光平
丈瑠は向かい合い、今日も竹刀を振るっていた。庭には2人だけでなく
家臣である他のシンケンジャーや慎哉や優香が見守っていた。

慎哉「光平・・・・」
優香「光平くん・・・・」

連日の厳しい修練により、光平が帰宅してくると、その疲労さは
剣の素人である慎哉にもありありと伝わって来た。故に慎哉は
光平が倒れてしまうのではないかと心配でしょうがなかった。
そしてそれは優香も同じ思いだった。

刃「よぉ、邪魔するぜ」
さやか「もぉ、ちゃんと挨拶しなさいよ!」
ソウジ「お邪魔します。シンケンジャーの皆さん」
千明「おっ!刃にソウジも来たのか」

そこへ鉄刃と峰さやか、そしてキョウリュウジャーのキョウリュウグリーンこと
立風館ソウジが志葉邸にやってくる。刃やソウジもシンケンジャー同様、
光平の修練の相手をしていたのであった。

刃「大分、様になってきたみたいだな。光平の奴」
流ノ介「うむ。光平は中々飲み込みが速いようでな。間もなく修練の
 仕上げの段階となったのだ」

光平の剣裁きなど数日で格段に上がっている事に気付いた刃に
流ノ介は修練が仕上げの段階になった事を話す。

丈瑠「・・・・良し。では、修練の仕上げに入る。変身しろ」
光平「えっ、シグフェルにですか?」
丈瑠「そうだ。修練の仕上げは変身して俺と戦う事だ。一筆奏上!」

丈瑠から告げられた修練の仕上げはシグフェルに変身して、丈瑠と
戦う事だった。丈瑠はシンケンレッドに変身する。

光平「しかし・・・・」
シンケンレッド「お前の覚悟はその程度か。その様な覚悟ではキアイドーに
 勝てんぞ!」
光平「―!・・・・・分かりました。翔着!」

丈瑠の言葉により、自分の持つ覚悟がまだまだ半端だった事に気付いた
光平は気持ちを改めて丈瑠に挑もうと、シグフェルに変身し、両者は己の
武器であるシンケンマルとフレアセイバーを構える。

シンケンレッド「さぁ、来い!光平・・・・いや、シグフェル!!」
シグフェル「うぉぉぉぉ!!」

シンケンマルとフレアセイバーの刀身は激しく燃え、シンケンレッドと
シグフェルはぶつかるのであった・・・・・・・。

♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢

光平「イテテ・・・・・」
優香「大丈夫、光平君?」
光平「うん、何とか・・・・・黒子の皆さんが良い傷薬を塗ってくれた
 おかげで痛みも大分、和らいできたよ」
慎哉「全く無茶しやがって。俺も優香もヒヤヒヤしながら見ていたんだからな!」
光平「ハハハ、心配かけて御免」
慎哉「・・・・まぁ、無事でなによりだけどさ」
丈瑠「・・・・・傷の方は大丈夫か?」
光平「丈瑠さん・・・・・」

志葉家に仕える黒子達により手当てを受けた光平に、慎哉や優香は
心配で光平の側にやってくる。そこへ同じく黒子の手当てを受けた
丈瑠がやって来た。シンケンレッドとのぶつかり合いで、シグフェルに
変身した光平は今までの修練を経て、編み出した技をぶつける。
それによりシンケンレッドを倒したが、外道衆と激しい戦いをしてきた
シンケンレッドの攻撃により、シグフェルも倒れてしまったのだった。

光平「・・・・すいません、丈瑠さん。丈瑠さんの方こそ身体の方は?」
丈瑠「これぐらい、何でも無い。だが、お前の編み出した技は見事だった。
 これならば修練の方は終えても良いだろう」
光平「本当ですか?ありがとうございます」

丈瑠から修練の成果を認められた事で、ついに光平は丈瑠からの
修練をクリアしたのであった。

流ノ介「うぉぉぉ、私は感動したぞ!よくぞ厳しい修練を耐えたな、光平!」
茉子「声が大きいわよ、流ノ介。でも、がんばったわね。光平君」
千明「ああ、丈瑠のシゴキに耐えられるなんて大した奴だぜ」
ことは「よう、がんばったなぁ。偉いで、光平君」
源太「こりゃぁ、寿司でも握ってお祝いしないとな!」

修練を終えた光平にシンケンジャーの面々は、それぞれ労いの
言葉を掛ける。

刃「へへ、2人の戦いを見ていたら、俺も戦いたくなってきたぜ。
 今度は俺と勝負な!」
さやか「怪我人相手に、何を言っているのよ!」
ソウジ「だけど怪我が治ったら、是非俺とも戦ってほしい。良いかい?」
光平「はは、まいったな・・・・でもあのキアイドーに勝ったら、その勝負
 受けてたちます!」

光平と丈瑠の戦いを見ていた刃やソウジから、勝負の申し込みを
受けられた光平は強敵キアイドーに勝った時、勝負を受けると
約束するのであった。

894地球の騎士『天凰輝』誕生-3:2016/02/06(土) 12:31:48
彦馬「さぁさぁ、お前達。殿も光平殿もお疲れだ。騒ぐのはその辺に
 しておきなさい」

彦馬は修練で傷ついた光平や丈瑠を案じて、騒がしくしている
流ノ介達を諌める。だがその時・・・・・・。

カラカラカラカラ

丈瑠「ム!」
彦馬「これは!?」

三途の川から隙間を通って現世に現れるアヤカシに反応する
隙間センサーが鳴り響く。彦馬はアヤカシが何処に現れたのか
調べる。

彦馬「殿、どうやらアヤカシは大江戸市の様です」
刃「なっ!俺の所かよ」
丈瑠「皆、すぐに支度だ!」
優香「でも、丈瑠さん。その身体じゃ・・・・」
丈瑠「アヤカシが出たのであれば、退治する。それが俺の・・・・
 俺達の使命だ!だからこそ、この程度の怪我だろうが出陣する!」

刃やしんせん組が住む大江戸市にアヤカシの反応が出た事を知り、
出陣しようとする丈瑠に対して、優香が心配する。しかしアヤカシとの
戦いが使命である為、出陣しようと支度を始める。

光平「俺も行きます・・・・」
慎哉「光平!お前だって、怪我しているじゃねぇか!」
光平「心配なのは分かる。でも、俺もブレイバーズの一員になったんだ。
 だからこそ、人が悲しむ思いをしないように俺が出るんだ!」

心配する慎哉に光平はブレイバーズの一員になったからこそ、
人々を守る為に戦いに赴こうとしていた。

丈瑠「・・・・分かった。お前も出陣の支度をしろ」
光平「ありがとうございます!」
刃「よ〜し、光平のフォローは・・・・」
ソウジ「俺達に任せてくれ!」

怪我をしている光平のフォローをする為、刃とソウジも赴く。
そして一同は大江戸市へと向かった。

895地球の騎士『天凰輝』誕生-3:2016/02/06(土) 12:32:30
***大江戸市***

イサミ「タァッ!」
ナナシ連中「ナナ〜!」
トシ「おりゃぁ!」
ビービ「ビビ〜!」
ソウシ「くらえ!」
ゴーミン「ゴゴ〜!」

一方、大江戸市ではイサミ、トシ、ソウシ達しんせん組の3人が
大江戸市で暴れるナナシ連中、魔虫兵ビービ、ゴーミンを相手に
戦っていた。

刃「お前らー!」
イサミ「刃さん!それにシンケンジャーの皆さんも」
ソウシ「キョウリュウグリーンのソウジさん、それとシグフェル・・・・
 牧村光平さんですね」
光平「ああ、確か君達はしんせん組のイサミちゃん、トシくん、
 ソウシくんだったね?」
ソウジ「君達も大丈夫かい?」
トシ「ソウシにソウジ・・・・ややこしい」

戦っていたしんせん組の3人の所へ、シンケンジャー、刃、ソウジ
そして光平が合流する。光平は歓迎パーティーでしんせん組の
3人と顔を合わせたばかりだった。そしてしんせん組のソウシと
キョウリュウジャーのソウジは名前が似ている為か、トシはややこしいと
感じる。

流ノ介「しかし、外道衆のナナシ連中だけでなく魔虫兵ビービに
 ザンギャック帝国のゴーミンまで暴れているとは・・・・」
茉子「彼等の狙いは何?」
千明「何でもいいけど、やっちまおうぜ!」
ブラジラ「ようやく現れたな。ブレイバーズの諸君」

ナナシ連中らを相手に戦おうとしていた彼等の前にブラジラが
立っていた。その横手にはキアイドー、そしてブラジラが血祭の
ブレドランを名乗っていた時に従っていたアヤカシ、マダコダマがいた。

光平「キアイドー・・・・・」
キアイドー「ほう、貴様か。俺を楽しませる程強くなったか?」
光平「貴様・・・・!」
丈瑠「待て、光平。貴様達の目的は何だ!」
ブラジラ「知れた事。ワルズ・ギル殿下はそこにいるシグフェルの
 存在にひどくご立腹である。故に、この救星主のブラジラ改め・・・・
 ザンギャックのブラジラが引導を渡してくれる!」
光平「俺を殺す為だけに、街を襲ったのか!許さないぞ!」
ブラジラ「ふん。ブレイバーズの者達共々、くたばるがいい。
 行け、お前達!」
キアイドー「邪魔立てはするなよ」
マダコダマ「やっと出番か。行くぜ!」

ブラジラは光平そしてブレイバーズを始末するべく、キアイドー、
マダコダマそしてナナシ連中や魔虫兵ビービ、ゴーミンに命令を
下し、キアイドー達は襲い掛かる。

丈瑠「いけるか、光平」
光平「勿論です。丈瑠さん」
丈瑠「そうか。ならば行くぞ、お前達!」
シンケンジャー5人「「「「「一筆奏上!」」」」」
源太「一貫献上!」

ガブリボルバー@音声「ガブリンチョ!ザクト〜ル!」

ソウジ「キョウリュウチェンジ!」

ガブリボルバー@音声「ファイア!」

シグフェル「―翔着(シグ・トランス)!!」

それそれシンケンジャー、キョウリュウグリーン、シグフェルに変身し、
刃、しんせん組と共に立ち向かう。

シンケンレッド「シグフェル、ブラジラ達の相手は俺達がする!
 お前はキアイドーと決着を着けろ!」
シグフェル「はい!」

そしてシグフェルは決着をつけるべくキアイドーに向かっていくのであった。

896地球の騎士『天凰輝』誕生-3:2016/02/06(土) 12:33:16
◯志葉丈瑠/シンケンレッド→修練の仕上げとして光平と戦い、その成果を認める。
  街に現れたブラジラ達と戦う為、シンケンレッドに変身する。
◯池波流ノ介/シンケンブルー→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンブルーに変身する。
◯白石茉子/シンケンピンク→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンピンクに変身する。
◯谷千明/シンケングリーン→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケングリーンに変身する。
◯花織ことは/シンケンイエロー→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンイエローに変身する。
◯梅盛源太/シンケンゴールド→光平と丈瑠の戦いを見届けた後、街に
  現れたブラジラ達と戦う為、シンケンゴールドに変身する。
◯日下部彦馬→ブラジラ達が大江戸市に出現した事を報せる。
◯鉄刃→光平と丈瑠の戦いを見届ける。街にブラジラ達が現れた為、
  しんせん組と合流する。
◯峰さやか→刃と共に光と丈瑠の戦いを見届ける。
◯立風館ソウジ/キョウリュウグリーン→光平と丈瑠の戦いを見届ける。街に
  ブラジラ達が現れた為、キョウリュウグリーンに変身する。
◯花丘イサミ→街で暴れるナナシ連中に攻撃する。
◯月形トシ→街で暴れる魔虫兵ビービに攻撃する。
◯雪見ソウシ街で暴れるゴーミンに攻撃する。
●救星主のブラジラ→シグフェルを打倒すべくキアイドー達に攻撃を
  命じる。
●キアイドー→ブラジラ達と共に街に現れ、光平達に襲い掛かる。
●マダコダマ→ブラジラ達と共に街に現れ、光平達に襲いかかる。

◯牧村光平/シグフェル→修練の仕上げとして丈瑠と戦い、技を編み出して
 修練の成果が認められる。街にブラジラ達が現れたのでシグフェルに変身する。
◯朝倉慎哉→牧村光平と志葉丈瑠の戦いを見守る。
◯沢渡優香→牧村光平と志葉丈瑠の戦いを見守る。

【今回の新規登場】
●マダコダマ(天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕)
 山水画ような、閻魔大王のねぶたのような姿を持つアヤカシ。放たれた
 モヂカラや天装術を右肩の岩の穴で吸い込み、それを元に左肩の閻魔
 大王の口から攻撃を吐きだす能力を有する他、空中に水蒸気のレンズを
 作り出す事も出来る。血祭のブレドランの護星界壊滅の野望に加担し、
 この世に侵攻。外道衆に関わらず、骨のシタリに従わず、外道シンケンレッド
 の炎のモヂカラをレンズで増幅させ、護星界への道を開く事に成功した。
 山彦の伝承のルーツとされるアヤカシ。

897地球の騎士『天凰輝』誕生-4:2016/02/06(土) 12:34:15
フレアセイバーを構え、シグフェルはキアイドーに斬りかかり、
激しい剣のせめぎ合いをしていく。

キアイドー「貴様、どうやら体にダメージを負っているようだな。そんな
 状態で、俺に勝てると思っているのか?」
シグフェル「俺は勝つ!勝ってお前から受けた恐怖と敗北を乗り越えて
 みせる!」
キアイドー「ならば、せいぜい俺を楽しませてみせろ!」

先程、丈瑠との戦いで身体にダメージが残っているが、自分に恐怖と
敗北感を植え付けた強敵に勝利すべく、フレアセイバーを振るった。
一方、シンケンジャー達は、ブラジラとマダコダマを相手に戦っていた。

ブラジラ「シンケンジャー・・・・貴様達を相手にするのであれば、この姿で
 相手をするとしよう」
シンケンレッド「行くぞ、ブレドラン!」

ブラジラはカモミラージュの天装術で「血祭のブレドラン」に姿を変える。
血祭のブレドランはシンケンレッドを相手にし、他のメンバーはマダコダマや
ナナシ連中等の相手をする。

ソウシ「“正義の矢”をくらぇぇ!」
マダコダマ「甘い!!」

ソウシはエネルギーを纏わせた矢をマダコダマに向けて放つが、
マダコダマは右肩の岩の穴で吸い込んでしまう。そして吸い込んだ
矢は左肩の閻魔大王の口から放たれて、攻撃にしてしまう。

シンケンブルー「あのアヤカシは、我々のモヂカラやゴセイジャーの
 天装術を吸い込んで、攻撃として吐き出してしまうのだ」
刃「そういう事、早く言ってくれよ!」
シンケンピンク「以前戦った時は、モヂカラと天装術を組み合わせた
 攻撃をぶつけて何とかなったけど・・・・・」
マダコダマ「ゴセイジャーがいない今、貴様らなんぞ敵では無い!」

マダコダマは以前、モヂカラと天装術が合わさった技を吸収しきれず
吹き飛んでしまい、結果として敗北する切欠となったのだが、この場には
ゴセイジャーがいない為、シンケンジャー達はどの様に活路を開くべきか
思案する。

???「“稲妻連動・三段打ち”!」
???「“ガブリボルバー”!」
マダコダマ「ぬぉ!?」

突如、マダコダマに錐状の電撃とビームが命中する。咄嗟の事
だったのでマダコダマは吸い込む事が出来なかった。

キョウリュウゴールド「お待たせしたでござる。ソウジ殿!」
キョウリュウブラック「Sorry、女の子とデートがあったものでね」
キョウリュウグリーン「イアン、空蝉丸来てくれたのか!キング達は?」
キョウリュウゴールド「キング殿達は、後から合流してくるでござる」
キョウリュウブラック「遅れてきた分、キング達が来る前に片付けようぜ!」

マダコダマを攻撃したのは、キョウリュウグリーンの仲間である
キョウリュウゴールドとキョウリュウブラックだった。キョウリュウグリーンが
戦っていると聞き、駆けつけたのであった。

シンケンブルー「他のキョウリュウジャーも来てくれたか。心強い!」
イサミ「でも、攻撃を吸い込んじゃう能力をどうすれば・・・・」
キョウリュウブラック「心配するなよ、お嬢さん。良い考えがあるぜ!」

敵の能力に太刀打ちできるか心配なイサミにキョウリュウブラックは
ある秘策を思いつく。

898地球の騎士『天凰輝』誕生-4:2016/02/06(土) 12:34:50
キアイドー「いいぞ、シグフェル!やはり貴様をあの時仕留めなかった
 のは正解だったなぁ!」

一方、シグフェルとキアイドーの戦いはダメージを負った身体だが、
修練の成果によりキアイドーを凌ぐほどの剣裁きを身に着ける。
シグフェルが自分を上回る強さにまで成長したと理解したキアイドーは
新しい玩具を与えられた子供の様に喜んだ。

シグフェル「(このまま、こっちの体力が尽きる。どうすれば・・・・)」
ゴーミン「ゴゴッ!」
キアイドー「邪魔だ!」ズバッ
ゴーミン「ゴゴ〜!」
シグフェル「―!」

キアイドーに決定打を打てないか思案していたシグフェルだが、
そこへ1体のゴーミンがキアイドーとシグフェルの間に入ってしまい、
キアイドーに邪魔者として斬られてしまう。

シグフェル「仲間なのに斬るなんて・・・・」
キアイドー「仲間?ふん、俺の楽しみを邪魔するのであれば、
 誰だろうと斬る。さぁ、もう一度俺と戦え!」
シグフェル「・・・・・仲間を斬る様な奴に俺は負けない!
 今度こそ、貴様を倒す!はぁぁぁぁ!!」

シグフェルは力を貯め、フレアセイバーの刀身を炎で包むと、
瞬時にキアイドーの間合いに立ち、その動きはまるで舞を
するかの如くキアイドーの体を斬りつけていく。

キアイドー「急に、剣の速さが上がっただと・・・・」
シグフェル「はぁぁぁぁ、<<火焔十字の舞(クロスプロミネンス)>>
 ――チェストォォォッッ!!!!!!!!!」

そしてキアイドーの胸に横へ一閃、さらにフレアセイバーを天高く
上へ突き上げると、そのまま縦に強力な一撃が加わる。キアイドーの
胸には炎で燃える十字が刻まれた。これこそ丈瑠との修練で得た
必殺技『火焔十字の舞(クロスプロミネンス)』だった。

キアイドー「ぐわあああっ!!!」

899地球の騎士『天凰輝』誕生-4:2016/02/06(土) 12:35:26
一方、マダコダマを相手に戦うブレイバーズ。キョウリュウブラックは
皆にある秘策を伝える。

キョウリュウブラック「シンケンジャーのモヂカラとゴセイジャーの
 天装術を組み合わせて倒せたのなら、今度はモヂカラとブレイブの
 力、そして皆の力を合わせればいいってことさ」
キョウリュウゴールド「おお、モヂカラとブレイブさらに皆の力を
 合わせるのでござるか!」
キョウリュウグリーン「まるで、キングが言いそうだね」
キョウリュウブラック「そういえば、そうだな。どうやらキングに
 影響されたらしい。だが、その方がブレイバーズって感じだろ?」
シンケンイエロー「うん。その方がええわ」
刃「やってやろうぜ!」

キョウリュウブラックの秘策を受けて、彼らは動き出す。まずは
キョウリュウゴールドとシンケンピンク、ソウシがマダコダマの
前に立った。

シンケンピンク「私の【天】のモヂカラと」
キョウリュウゴールド「拙者の雷の力」
ソウシ「そこにルミノタイトでエネルギーとなった精神力を加える!」

シンケンピンクから放たれる【天】のモヂカラとキョウリュウゴールドが
発した電気は、ソウシが放ったエネルギーの矢と合わさった事で
強力なエネルギーの塊に変わり、マダコダマの右肩の穴に吸い込まれる。

マダコダマ「ぐぅうう、い、イカン!エネルギーが強すぎて受け止められん!
 ぐわぁぁああ!」

その強すぎるエネルギーを処理できずマダコダマは吹っ飛んでしまう。

キョウリュウブラック「アームドオン、パラサショット!」
トシ「こいつも持っていきやがれ!!」

そこへパラサショットを装備したキョウリュウブラックが
ガブリボルバーと一緒にマダコダマに向けて弾丸を放つ。
更にトシも龍の目を強烈なシュートでぶつけた。

シンケンブルー「我らの出番だ。行くぞ!」

そしてシンケンブルー、シンケングリーン、シンケンイエローが
シンケンマルで斬りつけていく。

キョウリュウグリーン「トリニティストレイザー!」
刃「かみなり斬り!」
イサミ「龍の剣!」
マダコダマ「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

さらにキョウリュウグリーン、刃、イサミがフェザーエッジ、
魔剣クサナギ、龍の剣でトドメをさされた事でマダコダマは
倒された。

900地球の騎士『天凰輝』誕生-4:2016/02/06(土) 12:36:30
血祭のブレドラン「キアイドーが!?」
シンケンレッド「余所見などするな!」
血祭のブレドラン「ぬうぅ!」

シンケンレッドと戦っていた血祭のブレドランはキアイドーが
シグフェルの新技『火焔十字の舞(クロスプロミネンス』によって
倒れたのに驚愕する。

キアイドー「ぐ、ぐうう・・・・見事だ。今の・・・・・貴様との戦いは、
 赤の海賊との戦いを思い出したぞ」
シグフェル「キアイドー・・・・・」
キアイドー「ふ・・・・ふふふはははは!もっと・・・・戦いたかっ・・・・た」ドサァ

『火焔十字の舞』を受けたキアイドーは最後の言葉を振り絞ると
力尽きて倒れる。今、シグフェルは恐怖と敗北を乗り越えた瞬間だった。

血祭のブレドラン「ええい、キアイドーが倒れるとは!ならば私がこの手で!」
シンケンレッド「させるか!」

キアイドーが倒されるのを見た血祭のブレドランは自分の手で
シグフェルを倒そうと襲い掛かる。しかし、血祭のブレドランを
シンケンレッドが阻んだ。

シンケンレッド「まだ、やれるか?シグフェル」
シグフェル「はい、シンケンレッド!」

シンケンレッドとシグフェルはそれぞれ、シンケンマルと
フレアセイバーを構えるとブレドランの体に炎を纏わせた
刀身で斬りつけていく。そして、ブレドランの前後に
シンケンレッドとシグフェルが向かい合った。

シンケンレッド&シグフェル「「獅凰双炎斬!!」」
血祭のブレドラン「ぐわぁぁぁあ!!」

向かい合った2人の斬撃から、それぞれ炎の獅子と
鳳凰が出現してブレドランに大ダメージを負わせる。

血祭のブレドラン「貴様らぁ〜!こ・・・このまま手ぶらで帰る訳には
 いかん。せめてシンケンレッド・・・・貴様を葬る!」
シンケンレッド「―!」
シンケンゴールド「あぶない、丈ちゃん!ぐわぁ!」
シンケンレッド「源太!!」

大ダメージを受けた血祭のブレドランは、せめてシンケンレッドを
葬ろうと攻撃するが、シンケンゴールドが代わりに攻撃を受けて
倒れてしまう。

血祭のブレドラン「ちぃ、仕留める事が出来なかったか。
 ならば行け!ビービ虫よ!」

シンケンレッドを仕留める事が出来なかった血祭のブレドランは
ビービ虫を用いて、キアイドーを復活させて巨大化させる。
時を同じくして、倒されたマダコダマも【二の目】となり巨大化して
復活する。

901地球の騎士『天凰輝』誕生-4:2016/02/06(土) 12:37:08
***ギガントホース・艦橋司令室***

ワルズ・ギル「ええい、結局あのシグフェルを倒せなかったではないか!」
ダマラス「殿下、落ち着きくだされ。インサーン、スゴーミン達を出撃させよ!」
インサーン「はっ!」

シグフェルとキアイドーの再戦を観ていたワルズ・ギルは作戦の失敗に
地団太を踏む。ダマラスはインサーンにスゴーミンの出撃を命じて、
出撃したスゴーミンはインサーンの開発した巨大化光線により巨大化して
街で暴れるキアイドーやマダコダマのいる所に現れる。またビルの隙間から
三途の川を通って、大ナナシ連中も出現した。なお、そのドサクサに
紛れ、血祭のブレドランは姿を消す。

シンケングリーン「おいおい滅茶苦茶いるじゃねえか!」
キョウリュウゴールド「とにかくプテラゴードン達を呼ぶでござる」
イサミ「あれは!?」

獣電竜を呼び出そうとしたその時。ブレイバーズの旗艦の一つである
地球連邦の戦艦ラー・カイラムが現れ、マジンガーZやν‐ガンダム等
ブレイバーズに所属するスーパーロボット達が出撃する。

ν‐ガンダム@アムロ「補給を終えて日本から出る予定だったが、
 出撃する事になるとは・・・・。だが相手はゴーカイジャーや
 シグフェルを一度は倒した強敵。皆、油断はするなよ!」
マジンガーZ@甲児「了解!マジンガーも久々の出撃なんだ。
 行くぞ、ロケットォォパァァァアンチ!!」

アムロ達ラー・カイラムのクルーは補給を終えた為、日本から
出国する所だったが、巨大化したキアイドー達が暴れていると
情報が入った為、甲児達ブレイバーズのスーパーロボットの
パイロット達と共に出撃したのであった。

キョウリュウジン@キョウリュウレッド「お〜い、イアン達!遅くなっちまった」
キョウリュウジン@キョウリュウブルー「敵は“テキ”パキ倒すよ!」
キョウリュウジン@キョウリュウピンク「行くわよ〜!」

遅れてきたキョウリュウレッド、キョウリュウブルー、
キョウリュウピンクは獣電竜ガブティラ、ステゴッチ、
ドリケラが合体した獣電巨人キョウリュウジンに
乗り込み、他のスーパーロボット達と共に大ナナシ連中や
スゴーミンと戦っていく。

キョウリュウゴールド「こちらもキング殿達に合流するでござる!」

キョウリュウゴールド、キョウリュウグリーン、キョウリュウブラックの
3人はパートナーである獣電竜プテラゴードン、ザクトル、パラサガンを
呼び出し、カミツキ合体によってプテライデンオー・ウェスタンとなり
巨大戦に加勢する。

シンケンレッド「大丈夫か?源太」
シンケンゴールド「・・・うぅ、すまねぇ丈ちゃん。今はこれ以上
 無理みたいだ・・・・」
シンケンレッド「お前のおかげで助かった。今は休め。
 源太の事を頼む」
イサミ「はい」

シンケンゴールドはシンケンレッドを庇って受けたダメージにより
これ以上は戦えなかった。シンケンゴールドをイサミ達に託すと
シンケンジャーは折神を【折神大変化】で巨大化させる。

シンケンレッド「お前も来い!」
シグフェル「え!?」

巨大化した相手にシンケンジャーは一気に侍合体でシンケンオーと
なるが、シンケンレッドによってシグフェルもシンケンオーの中に乗り
込む事になる。その影響なのか、シンケンオーのダイシンケンは
光り輝く。

プテライデンオー・ウェスタン@キョウリュウゴールド「あのアヤカシは我らが!」
キョウリュウゴールド&キョウリュウグリーン&キョウリュウブラック「プテライデンオーウェスタン・
 ブレイブフィニッシュ!!」
マダコダマ「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

右腕のパラサビームガンに3体のキョウリュウスピリッツが放たれ、
マダコダマは消滅した。

シグフェル「ここがシンケンオーの中・・・・」
シンケンレッド「シグフェル、俺達に合わせろ!」
シグフェル「は、はい!」
シンケンジャー&シグフェル「「ダイシンケン侍斬り!!」
キアイドー「ぬぉぉぉぉぉお!!」

シンケンオーのコックピットに来たシグフェルは、シンケンオーの
中に入った事により戸惑う中、シンケンジャーがシンケンマルを
降るのと同時に、シグフェルもフレアセイバーを振り下ろす。
そして、キアイドーはその光り輝くダイシンケンによって断末魔を
挙げながら倒されるのであった。

902地球の騎士『天凰輝』誕生-4:2016/02/06(土) 12:37:58
○志葉丈瑠/シンケンレッド→シグフェルと共にキアイドー、血祭のブレドランを撃破。
◯池波流ノ介/シンケンブルー→マダコダマと戦い、撃破する。
◯白石茉子/シンケンピンク→マダコダマと戦い、撃破する。
◯谷千明/シンケングリーン→マダコダマと戦い、撃破する。
◯花織ことは/シンケンイエロー→マダコダマと戦い、撃破する。
◯梅盛源太/シンケンゴールド→シンケンレッドを庇って負傷する。
◯キョウリュウレッド゙→キョウリュウジンに乗って出撃する。
◯イアン・ヨークランド/キョウリュウブラック→キョウリュウゴールドと共に助けに
  駆けつける。巨大戦ではプテライデンオーウェスタンに乗り込む。
◯キョウリュウブルー→キョウリュウジンに乗って出撃する。
◯立風館ソウジ/キョウリュウグリーン→マダコダマと戦い、撃破する。
  巨大戦ではプテライデンオーウェスタンに乗り込む。
◯キョウリュウピンク→キョウリュウジンに乗って出撃する。
◯空蝉丸/キョウリュウゴールド→キョウリュウブラックと共に助けに
 駆け付ける。巨大戦ではプテライデンオーウェスタンに乗り込む。
◯鉄刃→マダコダマと戦い、撃破する。
◯花丘イサミ→マダコダマと戦い、撃破する。
◯月影トシ→マダコダマと戦い、撃破する。
◯雪見ソウシ→マダコダマと戦い、撃破する。
◯アムロ・レイ→ν-ガンダムで出撃する。
◯兜甲児→マジンガーZで出撃する。
●ワルズ・ギル→作戦が失敗したのでスゴーミンを出撃させる。
●ダマラス→作戦が失敗したのでスゴーミンに出撃させる。
●インサーン→出撃させたスゴーミンに巨大化光線を当てる。
●キアイドー→シグフェルの新技「火焔十字の舞」によって撃破される。
  ビービ虫によって巨大化するが、シンケンオーによって倒される。
●救星主のブラジラ→カモミラージュにより「血祭のブレドラン」に変身する。
  倒されたキアイドーをビービ虫を使って巨大化させる。
●マダコダマ→シンケンジャー達によって撃破される。二の目により
  巨大化した後、プテライデンオーウェスタンによって倒される。
 
○牧村光平/天凰輝シグフェル→必殺技「火焔十字の舞(クロスプロミネンス)」を会得し、
 キアイドーを撃破。巨大戦ではシンケンオーに乗り込む。

903地球の騎士『天凰輝』誕生-5:2016/02/06(土) 20:04:13
***秩父山・赤心寺***

強敵キアイドーに見事勝利したシグフェルは、
翌日、玄海老師の許に報告に訪れたが…。

玄海「光平君、見事であった!」
光平「玄海老師、ありがとうございます」
玄海「君に引き合わせたい人物がおる。入られよ!」
光平「……?」

本堂へと入って来た青年は、サングラスを外して
玄海老師に対して一礼して正座する。

衛「玄海老師ですね。お初にお目にかかります」
玄海「地場衛殿じゃな?」
光平「地場衛…? それって確かうさぎちゃんの……」

地場衛――またの名をタキシード仮面。
そしてもう一つの名を、地球の次期女王ネオ・クィーン・セレニティの
王配となるべき人物キング・エンディミオンである。
セーラームーン=月野うさぎと将来を誓い合った恋人である。

衛「光平君、君の戦いぶりは確かにこの目で見届けさせてもらった。
 今日は君に大事な話があって来た」

衛は、光平に「地球の騎士」の称号について話を切り出した。

光平「地球の騎士…?」
衛「厳密に言えば、女王の騎士(Knight of the Queen)だ。
 地球連邦の象徴的存在である歴代国王が代々一人だけ
 選ぶことが許される、言ってみれば懐刀みたいなものかな」
光平「それを俺に!? どうしてですか?
 そんな大事な役割なら水野さんや火野さんが…」
衛「あいにく女王の騎士に任命される資格があるのは、
 地球生まれの男性だけなんだ」
光平「それでしたら俺なんかよりも
 もっと経験豊富で適任の人が…」
衛「いや、君が一番相応しい。うさ子と同世代で歳も近く、
 側にいて信頼して心を開ける人間は、他に君しかいない」
光平「買いかぶり過ぎですよ…」

困ってしまう光平。まだ駆け出しの戦士に過ぎない
自分にはあまりにも荷が重すぎる。

玄海「光平君、せっかくの話、受けてみたらどうじゃ?」
光平「玄海老師まで…」
衛「そう難しく考えなくていいんだ。残念ながら
 俺は事情があってうさ子の近くには当面
 一緒にいてやれない。代わりに君に彼女を
 支えてやってほしい。ここは人助けと思って
 引き受けてはもらえないか?」

光平は少し考え込んでから、静かに口を開いてこう答えた。

光平「少し…考えさせてください」

904地球の騎士『天凰輝』誕生-5:2016/02/06(土) 20:04:47
***PU旗艦 エトワール・ド・ラ・セーヌ***

そして数日後……。
プリンセス・ユニオンの総本山ともいうべき
見目麗しき巨大戦艦 エトワール・ド・ラ・セーヌ内にある大広間において、
ささやかながら「女王の騎士(Knight of the Queen)」の叙任式が執り行われた。

西洋風の甲冑とマントに身を包んだ礼装をした牧村光平が、
ゆっくりと大広間を奥へと進み、上座に立つ次期女王のドレスを来た月野うさぎと
次期王配の礼装をした地場衛の前へと出る。

光平「我は神々と精霊に恩寵を受け、生を賜りし光のしもべ。
 我、剣と共に全てを次期女王陛下に捧げます」

衛「………」
うさぎ「………」

光平が差し出した儀礼剣を受け取るうさぎ。
その剣の腹で、光平の肩を叩き、
かしゃり、かしゃりと2回叩く音がする。
うさぎから剣を返された光平はそれを受け取り、
剣を鋭く3回振り払い、鞘に納める。

光平「我が剣、我が力、我が身体、我が魂からの忠誠は
 全て女王(Queen)のもの。女王(Queen)こそが我が魂の主人にて、
 我が希望の宿り主。その忠義、今ここに我が主と精霊に誓います」
うさぎ「牧村光平、汝を今ここに女王の騎士(Knight of the Queen)に任じます」

こうして叙任式は恙無く終わり、牧村光平は名実ともに
ネオ・クィーン・セレニティに仕える騎士となったのである。

衛「光平君、赤心寺に行ってみるといい。
 玄海老師がお待ちかねだ」
光平「玄海老師が…?」


***秩父山赤心寺***

光平は再び玄海老師に赤心寺へと呼び出された。
いったい何事だろう?と寺を訪れた光平だったが、
法堂へと案内された彼の目の前で、玄海老師は自ら筆を奮い、
一筆を書いて光平に贈る。その場には志波丈瑠も同席していた。

光平「天凰輝(テンオウキ)…?」
玄海「天に輝く鳳凰の騎士という意味じゃ」
丈瑠「まさに今の光平に相応しい言葉だ」

女王の騎士(Knight of the Queen)となった光平に、
玄海老師が祝福の意味を込めて書いたものだ。

玄海「これからは天凰輝シグフェルと名乗るがよい!」
光平「天凰輝…シグフェル!」

今ここに名実ともに地球の平和を守る新たなヒーロー、
地球の騎士、天凰輝シグフェルが誕生した!


***朝倉家・光平の部屋***

朝倉家へ帰って来た光平は、自室で亡き両親の写真を手にとって
静かに決意を語りかける。

光平「父さん…母さん…。元々思い描いていたものとは少し違っちゃったけど、
 これで父さんが志した道に俺もようやく近づけたよ。天国で見ててくれよな…」

905地球の騎士『天凰輝』誕生-5:2016/02/06(土) 20:05:21
***永田町・首相官邸***

土橋「いやあ、めでたいめでたい♪
 光平君の晴れ姿、陽一郎君にも見せてやりたかった!」

光平が女王の騎士(Knight of the Queen)に叙任された事を、
まるで自分の孫の事でもあるかのように喜んでいる土橋竜三。
これによって、これまで光平を一方的に反日危険分子と看做していた
永田町や霞が関の一部上層部も、迂闊に彼に手出しをする事は
出来なくなったのである。

土橋「これでワシも光平君の監視役から晴れてお役御免♪
 もう党の長老たちも彼にちょっかいを出すような心配も
 いらなくなるでしょう」
桃太郎「そうなるといいがな…」
土橋「はい…?」

剣桃太郎は、さっきからずっと執務室の窓から、
何かよからぬ予感しているように、
じっと外の景色を見つめている。

桃太郎「確かに永田町の奥の院も、あの少年に対して下手な干渉は
 控えるようになるだろう。だがそれも表向きの話だ…」
優子「総理は"影"が動くと読まれているのですね?」
土橋「まさか……」

今までは表向きの監視状態に置かれていただけだったが、
その牧村光平が公の地位に関わる称号を得たとなると、
表では動きにくくなった以上、これからは影の部分が
代わって動き出すのは、ある意味必然であると言えた。

桃太郎「………」


***天童菊之丞邸・茶室***

聖天子付き補佐官・天童菊之丞が茶を立てている中、
一人の編笠を被った尼僧が茶室の脇へと控える。諸国探索の任務より戻った
天童の女忍者・千坂朱音である。

朱音「御前、ただ今戻りました」
菊之丞「ご苦労であった。では報告を聞こう」
朱音「大阪エリア指導者・斉武宗玄、並びに仙台エリア首相・稲生紫麿、
 いずれも東京に対して異心を抱いているのは明白にございます。
 特に斉武は京都の仙洞御所に連なる旧華族の何人かとも接触を
 繰り返している形跡がございます」
高坂「もし斉武が、京都におわす治天の君と結びつくようなことがあれば、
 聖天子様にとっても由々しき事態…」

茶室に同席している天童家の用人・高坂正眼は、朱音の報告を聞き憂慮する。
「治天の君」とは日本国の先々帝であり、当代の聖天子から見て高祖父に当たる人物だ。
天子の位を退いてからは京都の仙洞御所に引き籠り、すでに御歳は100歳を軽く超えているといわれる。

菊之丞「北陸の様子はどうであった?」
朱音「金沢エリアには、今のところ目立った動きは見られませぬ」

金沢エリアは、大阪や仙台と同様に、日本が道州エリア制を導入してから、
新潟県、富山県、石川県、福井県の4県を統括する上位行政区分である。
首長が大統領的な権限を握っている大阪エリアや仙台エリアとは異なり、
金沢エリアには「北陸宮」と呼ばれる宮家が御輿として招かれており、
現在も名誉職的な存在の首長として公務に励んでいる。

高坂「本日その方を呼び戻したのは他でもない。
 そなたに渡す物がある」

高坂が朱音に手渡した大判の封筒の中には、
高校の教員免許が一枚入っていた。

朱音「御用人様、これはいったい?」
高坂「与党の老人どもが閣下に泣きついて参ったのよ。
 その方にはこれよりメガロシティにある海防大学付属高校に
 教師として赴任してもらう。手続きもすでに済ませてある」
菊之丞「………」
高坂「仔細については追って沙汰を下す。
 それまで待て」
朱音「ハハッ」

906地球の騎士『天凰輝』誕生-5:2016/02/06(土) 20:05:57
○地場衛→牧村光平を「女王の騎士(Knight of the Queen)」に推挙。
○月野うさぎ→牧村光平を「女王の騎士(Knight of the Queen)」に叙任。
○玄海老師→シグフェルに「天凰輝」の称号を一筆書いて贈る。
○志葉丈瑠→玄海老師が牧村光平に「天凰輝」の称号を一筆書いて贈る場に同席。
○土橋竜三→牧村光平が「女王の騎士(Knight of the Queen)」に叙任された事と
 自分が光平の監視役を事実上解かれた事を喜ぶ。。
○木場優子→これから牧村光平に"影"の手が迫るであろう事を憂慮する。
○剣桃太郎→これから牧村光平に"影"の手が迫るであろう事を憂慮する。
△天童菊之丞→千坂朱音に海防大学付属高校への潜入任務を命じる。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→地場衛の推挙によって「女王の騎士(Knight of the Queen)」に任命される。
 さらに玄海老師から一筆を贈られ、以後は変身後のコードネームとして「天凰輝シグフェル」を名乗る。
△千坂朱音→諸国探索の任務から帰還し、東京に戻る。天童菊之丞から教師として海防大学付属高校に
 潜入する任務を新たに命じられる。
△高坂正眼→千坂朱音のために教員免許を用意し、海防大学付属高校に新任教師として
 赴任できるよう手続きを済ませる。

【今回の新規登場】
△高坂正眼(闘争の系統オリジナル)
 天童家の家令(執事長)であり、天童菊之丞に仕える用人。

907天凰輝シグフェル、最初の事件-1:2016/02/06(土) 22:08:03
――夜。

***メガロシティ・テームブロック***

ここはメガロシティの中でも最もファッショナブルな繁華街である。
多くの若者たちが通りを行き交う中、
一人の若い女性が、ショーケースの向こう側と睨めっこしている。

女性「これが今年最先端の水着かぁ…。それにしても高い!
 この値段じゃちょっと考えるわねぇ〜」

お財布の中身と相談した結果、泣く泣く買うのを諦めた女性は、
店から離れて人通りの少ない裏道へと入っていく。

女性「……?」

その時、通りの奥の暗闇から何が赤く光ったような気がした。

女性「変だなあ…。何か光ったような気がしたけど。
 ま、いっか!」

しかし、それは決して気のせいなどではなかったのである!

妖魔獣バランダ「グオオオッッッ…!!!!!」
女性「ええっ!? キャアアッ――!!」


――翌朝。

***メガロシティ住宅街・岡島家***

山本アナウンサー@テレビ「これでテームブロックで起きた女性失踪事件は7件になります。
 事態を重く見た警視庁では、メガロシティ署に特捜本部の設置を決定しました」

雄大「………」

朝食を取りながら、朝のニュースを興味深く見つめている岡島雄大。

雄大の母「雄大、早く行かないとそろそろ学校に遅れるわよ」
雄大「あっ、いけね!」

雄大は慌てて食べかけのトーストを口にしたまま、
カバンを持って玄関から飛び出した。

雄大「行ってきま〜す!」

908天凰輝シグフェル、最初の事件-1:2016/02/06(土) 22:08:52
一方、その頃…。

***日本海溝・ブレイバーベース***

シグフェル「ズバッと参上、ズバット解決――」
グレートサイヤマン「それは怪傑ズバットの決め台詞だ!」
シグフェル「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が――」
グレートサイヤマン「それは仮面ライダーストロンガー!」
シグフェル「月に代わっておしおき――」
グレートサイヤマン「違う違う! それはセーラームーンの名乗り口上だろ!」
シグフェル「す、すみません……」
グレートサイヤマン「さっきから聞いていれば他人のパクリばかり。
 ダメじゃないかシグフェル! もう君も一人前のヒーローなんだ。
 名乗りの際の決めポーズはきちっと決めておいてもらわないと!
 特別に僕が見本を見せてあげよう!

 ――私は正義を愛する者、グレートサイヤマンだ!!!」

シグフェル「………(汗」

シグフェルの目の前で、派手で大胆なポーズを取って見せるグレートサイヤマン。

海野「何やってるんだ? あの二人は…」
小野「何でも決めポーズの練習なんですって…」

呆れて様子を見ている、レッドマフラーの海野隊員と小野隊員。
そこへ佐原千恵が何かを伝えにやって来た。

千恵「光平君、そろそろ学校の時間じゃないの?」
シグフェル「ヤバッ!? 俺、そろそろ学校に行かないと
 遅刻しちゃうんで、この辺で失礼します」
グレートサイヤマン「うむ。この次はとっておきの新ポーズを伝授してあげよう!」
シグフェル「ははは…(汗」

シグフェルの姿のままブレイバーベースから飛び立ったシグフェルは、
学校の近くまで来たところで周囲に誰もいないのを確認して、こっそりと変身を解除。
牧村光平の姿に戻り、校門前で待っていた朝倉慎哉や沢渡優香と合流した。

慎哉「随分と遅かったじゃないか?」
光平「ごめんごめん!」
優香「光平くん、チャックさんと美姫さんから、学校が終わったら
 警察署の方に寄ってほしいって」
光平「チャックさんと美姫さんが…?」


――そして、学校の放課後。
光平たちは言われた通り、帰りにメガロシティ署へと立ち寄った。

***メガロシティ警察署・刑事課***

チャック「よっ、お前ら! わざわざ来てもらってすまなかったな」
光平「どうしたんですか?」
美姫「あなた達も、ここ最近メガロシティ署管内で
 連続して発生している女性失踪事件については知ってるわね?」
優香「ええ…」
慎哉「そりゃ俺たちだってニュースは見てますから。
 それがどうかしたんですか?」
美姫「…あなたたち、何か思い出さない?」
光平「――!!」

美姫の言葉で、光平たちはハッとなる。
かつてメガロシティ近辺では同じような事件が起こった事があった。
その犯人は東条寺理乃。光平に人体実験をしてシグフェルにした張本人と思われる女だ。
理乃は、他にも同様に多数の女性たちを拉致して実験のモルモットとして利用し、
無残にも殺害していた事が判明している。

光平「もしかして東条寺がこの街に戻ってきたんじゃ!?」
チャック「それについては、まだ何とも言えん」
美姫「だけど一応警戒は促しておこうと思ってね」
光平「俺も今夜からパトロールに加わってみます!」
優香「光平くん…」
美姫「光平、今のあなたは一人ではないわ。私たちがついている。
 だから決して一人で先走ったりしてはダメよ」
光平「わかってますよ♪ 心配しないでください」

909天凰輝シグフェル、最初の事件-1:2016/02/06(土) 22:09:27
――再び、夜。

***メガロシティ・テームブロック***

繁華街の中をそれとなく警戒しながら歩く光平。

光平「……(特にどこも異常はないみたいだけどな)」

その光平をこっそりと尾行する人間がいた。
光平たちの後輩である岡島雄大だ。
雄大は光平の日頃の挙動不審から、
「実はシグフェルの正体は光平ではないか?」と
勘づき始めていたのだ。

雄大「やっぱり今日も光平先輩は同じところに出かけてる…。
 そういえば最近マスコミでシグフェルの話題が急に流れなくなったけど、
 ますます怪しい。今日こそシグフェルの正体を暴いてやるぞ!」

気付かれないようにこっそりと光平の後をつける雄大だったが、
同じく付近を巡回中だったチャック・スェーガーに捕まり職務質問を受ける羽目に…。

チャック「コラッ! 小学生がこんな夜遅い時間に
 こんなところで何してる!?」
雄大「失敬なッ! こう見えても僕は立派な高校生ですよ!
 ……ってアレ? もしかしてチャック先生??」
チャック「……??」
雄大「お忘れですか!? サイソニック学園の初等部にいた
 岡島雄大ですよ!」
チャック「ええっ!? お前、まさかあの泣き虫っ子の雄大か!?」

記憶を辿り、ようやく思い出したチャック。
実は雄大はサイソニック学園の卒業生であり、
教師時代のチャックの教え子だったのだ。

雄大「いやあ懐かしいなあ…」
チャック「あのちびっ子雄大がこんなに大きくなってたとはなあ」
雄大「では僕はこの辺で…」
チャック「ちょっと待て! たとえ高校生だとしても
 未成年者には変わりがないぞ! 夜遊びを見過ごすわけにはいかん!
 このまま家に送り届けて親御さんにしっかり叱ってもらうからな!」
雄大「だから夜遊びじゃないんですったら!
 放してくださいよォ〜!!」

雄大はチャックに無理やりパトカーに乗せられ、自宅に強制送還されてしまったのだったww。
その様子をこっそり遠くから見ていた光平、慎哉、優香の三人。

光平「参ったな。まさか雄大まで俺の正体に気づき始めていたなんて…」
慎哉「アイツ妙なところで勘が鋭いからなあ…」
優香「このまま秘密にしているのも、好奇心旺盛な岡島くんには
 かえって危険なんじゃないかしら。いっそのことシグフェルの正体を
 打ち明けて事情をしっかり説明した方がいいのかもしれないわ」
光平「そいつは剣持隊長たちとも相談だな。
 とりあえず明日も続けて周辺をパトロールしてみるよ」

910天凰輝シグフェル、最初の事件-1:2016/02/06(土) 22:10:03
――さらに翌日。

翌朝のことである。学校への登校途中だった光平たち三人は、
通学路で黒髪のロングヘアの若い女性が
数人のチンピラに絡まれている現場に遭遇した。

朱音「いやあ! 何をするの!!」
チンピラA「このアマッ!!」
チンピラB「騒ぐなよ。これから俺たちと楽しい事しようぜ。ヒヒヒヒ…」
朱音「誰か助けてえ!!」

優香「大変ッ!?」
慎哉「すぐに助けなきゃ!!」

光平はチンピラ一人の腕をぐいっと掴む。

チンピラA「痛タッッッッ!!!」
光平「よせよ! その人は嫌がってるじゃないか!」
チンピラB「なんだこのガキッ! すっ込んでろ!!」
チンピラC「やっちまえ!」

逆上したチンピラたちは一斉に光平めがけて襲いかかってくるが、
光平はいとも簡単に余裕で全員を返り討ちにする。

チンピラA「…ち、ちきしょう! 覚えてやがれッ!!」

チンピラたちは皆一目散に逃げ出して行った。
光平たちは倒れていた女性を介抱する。

朱音「………」

光平「しっかりしてください! 大丈夫ですか!」
優香「気を失っているわ」
慎哉「もう学校まですぐそこだ。医務室まで運ぼう!」

気絶しているその女性を学校の医務室まで運ぶ光平たち。
ベットの上で女性はようやく目を覚ました。

朱音「ここは……」
光平「気がつきましたか?」
朱音「あなたたちが助けてくれたのね? どうもありがとう。
 なんとお礼を言ったらいいのか…」
光平「いいですよお礼なんて。困った時はお互い様です。
 気にしないでください」
優香「いったいどうしてあんな目に遭っていたんですか?」
朱音「道を歩いていたら、突然チンピラたちに因縁をつけられて…」
慎哉「ひどい奴等もいたもんだな。まったく…!」
光平「あの連中ももうこれに懲りてちょっかいを出してくる事は
 ないと思いますよ」
朱音「だといいのだけれど…」

その時、学校の始業時間を告げるチャイムが鳴った。

慎哉「まずい!」
優香「早く教室に行かないと!」
朱音「あなたたちここの学校の生徒なんでしょう?
 私の事なら大丈夫だから、早く教室に行きなさい」
光平「すみません。校医の先生に話は通してありますから、
 落ち着くまでゆっくりして行ってください」
朱音「ありがとう」

911天凰輝シグフェル、最初の事件-1:2016/02/06(土) 22:10:40
慌てて教室に滑り込み、遅刻を免れた光平たちだったが、
何やら教室が騒がしい…。

慎哉「どうしたんだいったい?」
男子生徒A「なんだよ朝倉に牧村、知らないのか?
 今日新しい担任の先生が来るんだってさ」
男子生徒B「なんでも凄い美人らしいぜ♪」
光平「ふ〜ん…」

そして暫くして現れたのは、先程のチンピラから助け出した女性が、
教壇に立つ姿だった。驚く光平たち。

光平「ええっ!?」
慎哉「どうなってんだいったい!?」

朱音「本日から産休に入った鈴木先生に代わって、
 このクラスを担任として受け持つ事になりました千坂朱音です。
 担当科目は英語科になります。みなさんよろしくお願いしますね♪」

千坂朱音は、同時に光平と慎哉の所属する男子テニス部の顧問も
担当する事になった。朱音はその美しい容姿もさることながら、
生徒たちにも分け隔てなく親しげに接し、あっという間に
校内ナンバーワンの人気教師となった。

朱音「英語で一番大切なのはメッセージを伝える事です。例えば"猫の手も借りたい"を
 "I want to borrow Cat's hand"と直訳する人がいますけど、これは当然間違い!
 要は"忙しい"という"I'm busy"という意味が伝わっていないといけないわ♪」

生徒たち(特に男子)の中には、いつも明るい授業をしてくれる
彼女に対して親しみも込めて「朱音ちゃん」と呼ぶ者も次第に増えて来た。
当の朱音本人は「せめて授業中は先生と呼ぶように」と注意しつつも、
本音では「朱音ちゃん」と呼ばれる事に満更でもないらしい。

光平たちも、そんな朱音に完全に信頼を寄せるようになるのに
そう時間はかからなかったのである。

慎哉「さすが朱音ちゃんだよな。昔この学校にいた東条寺理乃とはエライ違いだ♪」
優香「東条寺先生なんかと比べたら朱音先生に失礼よ!」
慎哉「そりゃそうだ。あははは!!!」
光平「朱音ちゃんの英語の授業は本当に分かり易くていいよ。
 こんな楽しい授業もあるんだなって初めて知った」

だが、この千坂朱音には、実は光平たちも知らない
裏の顔が隠されていたのである…。

◇    ◇    ◇

その日、学校の授業を全て終えて
自宅のマンションの部屋へと帰宅した千坂朱音。

朱音「……?」

玄関ドアの間に、忍びの合図に用いられる鷹の羽根が挟まっているのを確認した朱音は、
それを抜き取ると部屋の中へと入る。そこでは彼女の上役と思しき
黒サングラスにロングコート姿の男が待っていた。

文蔵「首尾は…?」
朱音「上々です」
文蔵「して、近づいた手口は?」
朱音「街のゴロツキを金で雇い、私を襲わせました」
文蔵「他愛もない手だが、連中にはそれが一番効く…!」
朱音「はい…」

ロングコートの男の名は「世羅 文蔵」という。
天童菊之丞に仕える隠密衆の組頭であり、云わば朱音の本当の上司だ。
朱音が光平たちの通学路途中でチンピラに襲われていたのは、
全ては光平に近づくために仕組んだ芝居だったのだ。

文蔵「それで、その後のブレイバーズの動きは?」
朱音「メガロシティで起こっている連続女性失踪事件の捜査に
 何やら肩入れし始めた様子にございます」
文蔵「よいか朱音、ブレイバーズは言わば休火山。
 世間の連中から"正義の味方"だの"世直し大明神"だのと
 持て囃される奴らが、いつ噴火して日本の国家体制を揺るがすか、
 それは誰にもわからん。特にあの牧村光平という少年は、
 その出自に曰くがある存在。片時たりとも気を許すな」
朱音「必ずやご期待に添うと、天童閣下にお伝えくださいまし」

912天凰輝シグフェル、最初の事件-1:2016/02/06(土) 22:11:17
○山本アナウンサー →メガロシティ署管内で発生している連続女性失踪事件について報道。
○グレートサイヤマン→シグフェルに決め台詞&ポーズの特訓をする。
○海野隊員→シグフェルとグレートサイヤマンの決めポーズの練習を見て呆れる。
○小野隊員→シグフェルとグレートサイヤマンの決めポーズの練習を見て呆れる。
○佐原千恵→グレートサイヤマンと決めポーズの練習中のシグフェルに、そろそろ学校に登校するように促す。
○チャック・スェーガー →メガロシティ署管内で発生している連続女性失踪事件について、牧村光平たちに警戒を促す。
 その後、夜に巡回中に教師時代の教え子だった岡島雄大と再会する。
○桂美姫→メガロシティ署管内で発生している連続女性失踪事件について、牧村光平たちに警戒を促す。
●妖魔獣バランダ→メガロシティのテームブロックで、若い女性を襲っている。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→グレートサイヤマンと決め台詞&ポーズの特訓をする。
 その後、夜になってからメガロシティのテームブロック繁華街をパトロールする。
○朝倉慎哉→メガロシティ署管内で発生している連続女性失踪事件について、桂美姫たちから警戒を促される。
○沢渡優香→メガロシティ署管内で発生している連続女性失踪事件について、桂美姫たちから警戒を促される。
○岡島雄大→シグフェルの正体が牧村光平ではないかと怪しみ始める。光平を尾行中、小学生時代の恩師だった
 チャック・スェーガーと偶然再会する。
△千坂朱音→海防大学付属高校2年A組に新任の担任教師として赴任。
△世羅文蔵→千坂朱音から報告を受ける。

【今回の新規登場】
●妖魔獣バランダ(超音戦士ボーグマン)
妖魔の犯罪組織GILの三神官の一人ケルベルス配下の妖魔獣。
外見は巨大なバッファローのような姿で、舌を伸ばして獲物を捕らえる。
人間から生体エネルギーを吸収してマネキンに変えてしまう。

△世羅文蔵(闘争の系統オリジナル)
天童忍軍の組頭で、千坂朱音の直属の上司。

913天凰輝シグフェル、最初の事件-2:2016/02/07(日) 12:46:39
***メガロシティ・テームブロック***

その日の夜も、光平はテームブロックをパトロールしていた。
同じように雄大もしつこく光平を繰り返し尾行する。

雄大「やっぱり今日もここへ来てる!
 今日こそシグフェルの正体を確かめてやる」

しばらく繁華街を見回りながら歩いていた光平だったが、
どこからか謎の声が聞こえた…

???「……(助けて!)」
???「……(誰か助けて!)」

光平「――!!」

光平にはシグフェルとしての超感覚能力で、
普通の人間には聞こえない声や音が聞こえるのだ。

光平「これは…!?」

声のする方向へと導かれるように、
人の少ない裏通りへと入り込んでしまう光平。
やがて長い間使われていないらしい倉庫のような場所へと辿り着いた。
倉庫の中には誰も人はおらず、代わりにマネキンだけが多数並べられている。

マネキンA「………」
マネキンB「………」

光平「人がいるような気配がしたんだけど、誰もいないのかな…?」

マネキンA「……(助けて)」
マネキンB「……(ここから出して)」

なんとマネキンの中から助けを求める声が聞こえる。

光平「まさか!? このマネキンの中から聞こえるのか!」

その時突然、今まで暗かった倉庫内部の照明がパッとついた。

ウォンゴット「見たなッ…!」
ケルベルス「何やら鼠が入り込んだようだな?」

光平「誰だ!?」

光平の前に現れた二人組の怪しい男。一人は頭部の一部が機械化されており、
そしてもう一人は頭にもう一つの小さい顔がある不気味な容姿をしていた。
他にも巨大なバッファローのような装甲に覆われた怪物も脇に控えていた。

光平「これはお前たちの仕業なのか!?」
ケルベルス「いかにもその通り! このバランダに生気を吸い取られた人間は
 こうしてマネキンに変わってしまうのだ」
バランダ「グゥゥゥゥ…!!」

妖魔獣バランダは、人間の生気を吸い尽くすことによって、
やがて手のつけられないほどの怪物へと進化するという。

ウォンゴット「妖魔ブティックへようこそ。
 お前もマネキンに変わるがいい! やれっ妖魔獣よ!」
光平「妖魔!? 今回の事件は東条寺の仕業じゃなかったのか…!」

914天凰輝シグフェル、最初の事件-2:2016/02/07(日) 12:47:33
ウォンゴットとケルベロスに命令された妖魔獣バランダが光平に迫る!
ところがそこへダンボール箱が、バランダの行く手を阻むように
勢いよく投げつけられた。

雄大「光平先輩、逃げてください!!」
光平「雄大!?」

光平が妖魔に襲われようとしている現場を目撃した雄大は、
敵の注意を引こうと片っ端からそこら辺にある荷物を
必死に辺り構わず投げつける。
光平を助けようとして、勇気を振り絞っての行動だった。

ケルベルス「生意気な小僧め。バランダよ、やってしまえ!」
雄大「うわああッ!?」
光平「雄大ッ!?」

勢い勇んで出て来たものの、雄大はあっけなく
妖魔獣の触手のように伸びる舌に絡め取られ捕まってしまう。

雄大「…先輩ッ! 光平先輩ッ!!」
光平「……(どうする! 雄大のいる前じゃ
 シグフェルに変身できない!)」
ウォンゴット「まずはこの小僧からマネキンに変えてくれる」
雄大「助けてええッ!!!」
光平「やめろオオッ!!!」

その時、どこからか手裏剣が飛んできて触手を切り裂き、
雄大は妖魔獣の拘束から解放された。

雄大「うわっ!?」
光平「――今のは!?」

一瞬だけ光平は、手裏剣の飛んできた方向のビル屋上に
女性らしき人影が見えたが、それはまずさておき、
雄大の手を引っ張って必死に逃げる。

光平「雄大ッ、とにかく今は逃げるぞッ! こっちだ!!」
雄大「あ、はいっ…!」

ケルベルス「くくくっ…逃げられると思っているのか?」

懸命に逃げる光平と雄大だったが、
やがてバランダに街区の一角の隅にまで
追い詰められてしまう。

雄大「行き止まり!? そんな…」
光平「くっ…!!」

915天凰輝シグフェル、最初の事件-2:2016/02/07(日) 12:48:10
バランダに追い詰められる光平と雄大。
もはやこれまでかと覚悟したその時、
バトルランチャーの砲弾がバランダに炸裂した。

バランダ「グガァァァァ…!!」

光平「チャックさん!!」
雄大「チャック先生!…いや、ボーグマン!
 来てくれたんですね!?」

光平と雄大の視線の先には、バトルランチャーを構える
ボーグマン=チャック・スェーガーの姿があった。
サイソニック学園の卒業生でもある雄大は、
かつての妖魔王との最終決戦において
チャックたちボーグマンの雄姿を当時間近で見ている。

チャック(ボーグマン)「二人とも怪我はないか!?」

光平「俺たちなら大丈夫です!」
雄大「――アッ!! 光平先輩、危ない!!」
光平「えっ!?」

バランダ「グオオオッッッ…!!!!!」

体勢を立て直したバランダが不意に放った猛火攻撃で、
哀れ光平と雄大は微塵となって消えてしまった?

雄大「うわあああッッ!!」
光平「ぐっ…!! うわあああッッ!!」

チャック(ボーグマン)「――しまった!?
 光平ッ!! 雄大ッ!!」

◇    ◇    ◇

ここは、再び先程の倉庫である。

ウォンゴット「我ら妖魔は地球の覇権争いで
 Gショッカーや妖怪帝国に後れを取ったが、
 これでその差も取り戻せる!」
ケルベルス「地球はいずれ我ら妖魔の物となるのだ。
 フハハハハ…!!!」

目撃者の光平と雄大の口を完全に封じたと思い込んだ
妖魔集団GILの幹部ウォンゴットとケルベルスは
アジトで祝杯をあげる。勝利の美酒に酔いしれる彼らだったが――

???「果たしてそれはどうかな?」

どこからかウォンゴットたちの悪事を咎める声が
エコーのように響いて来た。

ウォンゴット「…だ、誰だ!?」
ケルベルス「何者だ! 姿を見せろ!」

驚くウォンゴットとケルベルス。そして周囲に一瞬広がる紅蓮の炎…。
それこそは、この世の悪を焼き尽くす正義のしるしである!
颯爽とその姿を悪党たちの前に現す地球の騎士、その名は天凰輝シグフェル!

シグフェル「天、悪蔓延ればそれを滅する! 俺はお前たちを地獄の業火で裁く使者!
 天凰輝シグフェルッ!!」

916天凰輝シグフェル、最初の事件-2:2016/02/07(日) 12:48:57
ウォンゴット「………(汗」
ケルベルス「………(汗」

掛け声と共に派手なポーズを自信満々に決めるシグフェル。
ウォンゴットとケルベルスは、見てて唖然としている。

シグフェル「……(決まったぁ! これで悟飯さんにも褒めてもらえるぅ〜!)」

一人で勝手に余韻に浸っているシグフェル。
思わず心の中でガッツポーズをしているww。

ケルベルス「なんだお前は…?」
ウォンゴット「天凰輝シグフェルだと? バカな! シグフェルといえば
 噂に聞く神出鬼没のニューヒーロー。こんなところにいるはずがない!」
ケルベルス「なんだかよく分からんが構わん! バランダよ、
 お前のパワーがどれだけ上がったか試してみるがいい!」

バランダ「グオオオッッッ…!!!!!」

シグフェルVS妖魔獣のバトルが開始された!
口から高熱の炎を吐き出すバランダだったが、
シグフェルはそれを涼しげに振り払う

シグフェル「俺に炎の攻撃は通じやしないぞ!」

ブレス攻撃が通じないと見るや、バランダはその巨体で
シグフェルめがけて突進してくる。

ケルベルス「いいぞバランダ! そのまま押し潰してしまえ!」
シグフェル「そうはさせるか! 一気に決めてやる!
 ――フレアセイバァァーッ!!」

バランダの突進を撥ね退けたシグフェルは、
右手に愛剣フレアセイバーを具現化させ、
示現流必殺の構えを取る!

シグフェル「――はぁぁぁぁ、<<火焔十字の舞(クロスプロミネンス)>>」

バランダの胴体に横へ一閃、さらにフレアセイバーを天高く
上へ突き上げると、そのまま縦に強力な一撃が加わる。
バランダの顔と胸には炎で燃える十字が刻まれた。

シグフェル「チェストォォ――ッッ!!!!!!!!!!」

フレアセイバーの必殺剣による一刀両断が見事に決まり、
バランダは木っ端微塵に撃破された。

ウォンゴット「おのれ、まだ人間の生気が充分ではなかったか!」
ケルベルス「覚えておれシグフェルとやら。この次こそは必ず!」

ウォンゴットとケルベルスは捨て台詞と共に逃げて行き、
マネキンに変えられていた人々も、妖魔獣が倒されたことにより、
みんな無事に元に戻ったのであった。

◇    ◇    ◇

戦いを終えて光平の姿へと戻るシグフェル。
そこでは雄大とチャックが待っていた。

雄大「光平先輩、やっぱり先輩がシグフェルだったんですね!?」

やはり光平がシグフェルだったと知り、一人感激している雄大。
親しい先輩が憧れのヒーローだと分かり、嬉しくて舞い上がっている様子だ。

チャック「とうとうコイツにもバレちまったな」
光平「仕方ないですね…。でも雄大、
 この事は学校の他のみんなには内緒だぞ」
雄大「その点なら安心してください。
 こう見えても僕は口が堅いですから!
 ……ただ、その、先輩」
光平「…どうしたんだよ?」
雄大「大変言いにくいんですけど……何なんですか、
 さっきの決め台詞とダサいポーズは…。正直に言って
 見てたこっちも恥ずかしかったですよ…」
光平「ええっ!? ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!
 二週間も寝ないで考えたのにぃっ!!」
チャック「ハハハ…(汗」

雄大の率直な指摘に、思わず凹んでしまう光平。
来週までには今度こそカッコイイ決め台詞と決めポーズを
考えておこうと心に誓う光平であった(笑。

917天凰輝シグフェル、最初の事件-2:2016/02/07(日) 12:49:37
それにしても、あの時手裏剣を投げて
妖魔獣の触手から雄大を救ってくれたあの女の人影は、
いったい誰だったのだろう…。

朱音「お頭…」
文蔵「朱音、お前の使命はブレイバーズを監視する事であって、
 手助けする事ではない。それだけは忘れるな」
朱音「ハハッ!」

◇    ◇    ◇

――そして翌日の朝。

***海防大学付属高校・校門前***

雄大「おっはようございさます!先輩方♪」
光平「お、おう…! おはよう雄大」

いつもの朝の登校風景だが、校門前で光平たちと合流した雄大は、
いつにも増して元気そうである。

慎哉「今日はやけに元気そうじゃないか?」
雄大「ズルいじゃないですか慎哉先輩、それに優香先輩も!
 僕一人だけに光平先輩の事を内緒にしてたなんて!」
優香「あ、そ…そのことね…(汗。
 そういえば岡島くんにもバレちゃったんだっけ…」
光平「コラッ、雄大! 声が大きいってば…!
 他のみんなもいる前だぞ」

慌てて雄大に口止めする光平だったが、
そこへ眼鏡を掛けた一人の青年が歩いて近づいて来た。

悟飯「やあ、光平君!」
光平「あ、悟飯さんじゃないですか!」
優香「光平くん、この方は知り合い?」
光平「ちょうどいい機会だから、みんなにも紹介するよ。
 こちらは海防大学の準教授を務めていらっしゃる孫悟飯さん」
悟飯「君たちが光平君の友達だね。彼から噂には聞いているよ。
 僕は孫悟飯だ、よろしく♪」
慎哉「は、はじめまして」
優香「よろしく」

悟飯と握手を交わす優香たち。

雄大「悟飯さんって中国の方なんですか?」
悟飯「今日から海防大学に赴任する事になってね。
 毎朝パオズ山の自宅から舞空術で通勤しているんだよ」
優香「……(ブクウジュツ…? 何のことかしら?)」
慎哉「……(パオズ山? 聞いたことのない地名だな)」
悟飯「高等部とは隣接しているとはいえ敷地が違うけれども、
 これから何かと君たちとも顔を合わす機会も多いと思うんで、
 こちらこそよろしく」

実はこの孫悟飯こそ、シグフェルに変な決めポーズをいろいろと吹き込んで伝授している
張本人「グレートサイヤマン1号」その人である事など、慎哉たちは知る由もなかったのであった(笑。

918天凰輝シグフェル、最初の事件-2:2016/02/07(日) 12:50:22
○チャック・スェーガー →妖魔獣バランダに襲われていた牧村光平と岡島雄大を助ける。
○孫悟飯→海防大学に準教授として赴任。
●ウォンゴット→人間マネキン化作戦をシグフェルに阻止される。
●ケルベルス→人間マネキン化作戦をシグフェルに阻止される。
●妖魔獣バランダ→人間の生気を吸い取りマネキンに変えていたが、シグフェルに倒される。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→妖魔獣バランダを撃破。岡島雄大に正体がバレる。
○沢渡優香→牧村光平に孫悟飯を紹介される。
○朝倉慎哉→牧村光平に孫悟飯を紹介される。
○岡島雄大→シグフェルの正体が牧村光平であると知るが、内緒にすると約束する。光平に孫悟飯を紹介される。
△千坂朱音→妖魔獣バランダに襲われていた岡島雄大を、手裏剣を投げて救う。
△世羅文蔵→千坂朱音に「お前の役目はブレイバーズを監視する事であって、助ける事ではない」と釘をさす。

【今回の新規登場】
●ウォンゴット(超音戦士ボーグマン)
 妖魔の犯罪組織GILの三神官の1人で、妖魔機械を指揮する。頭の一部が機械化されている。
 昔は天才発明家であった。ダストジードを疎ましく思い、響リョウ諸共抹殺すべく
 ギルトライアングルのエネルギーを攻撃に転用する『トライアングルビーム』で攻撃するが、
 難を逃れたジードの剣で逆に返り討ちにされてしまう。

●ケルベルス(超音戦士ボーグマン)
 妖魔の犯罪組織GILの三神官の1人で、妖魔獣を指揮する。頭にもう1つの顏を持つ。
 昔は超一流の科学者であった。メガロシティに最後の妖魔石を設置するために
 自らも妖魔獣人となって出撃するが、スーパーサンダーの突撃を受けて戦死する。

919>>323加筆修正:2016/03/02(水) 15:26:02
○城戸真司、秋山蓮→手塚と霧島に助けられた後、ライダーに変身する。
○手塚海之、霧島美穂→真司と蓮の未来を予知し、霧島と共に真司、蓮を助ける。
○桃井令子→真司と共に行方不明事件を調査。
○木下陰人→真司、蓮がミラーワールドに連れて行かれるのを目撃するものの気絶。
●神崎士郎→真司、蓮にカードデッキを渡す。
●東條悟→真司、蓮がライダーになるのを邪魔しにきたが、逃走する。
●デストワイルダー→タイガに召喚され、ムチを切断する。

【今回の新登場】
○城戸真司=仮面ライダー龍騎(仮面ライダー龍騎)
OREジャーナルの記者見習い。正義感は強いが、単細胞で底無しの
お人好しのため騙されやすい。
「モンスターから人々を守る、ライダー同士の戦いを止める」ことが
ライダーとしての目的。料理が得意で、中でも餃子が得意。

○秋山蓮=仮面ライダーナイト(仮面ライダー龍騎)
「意識不明の恋人小川恵里を目覚めさせるため」に仮面ライダーになった。
短気で喧嘩っ早い部分が目立つが、根は思いやりのある心優しい性格。
しかし目的のために冷徹に振舞うこともある。大金に弱い面を持つ。

○手塚海之=仮面ライダーライア(仮面ライダー龍騎)
「変えられなかった運命を変える為に」仮面ライダー同士の争いを
止めるため奔走する。このことから真司の共感を得ることになる。
的中率ほぼ100%の占い師で、口癖は「俺の占いは当たる」。

○霧島美穂=仮面ライダーファム(仮面ライダー龍騎)
浅倉に姉を殺されており、遺体の冷凍保存にかかる費用を稼ぐべく
結婚詐欺を働いていた。また、姉の殺害事件の裁判で弁護を行なったのが
北岡であったことから北岡を恨んでいる。「浅倉への復讐・姉の蘇生のため」
ライダーバトルに参戦する。真司に好意を抱いている。
なお、「霧島」は結婚詐欺のための偽名。

○桃井令子(仮面ライダー龍騎)
OREジャーナルのジャーナリスト。真司の先輩であり、危険な仕事でも
逃げないジャーナリズムの持ち主。

○木下陰人(焼きたて!!ジャぱん)
「パンタジア」南東京支店店長。実は日本最大のサーカス・木下大サーカスの
御曹司で、それゆえ他人のパンのコピーをすることが得意。さらに分身の術まで
身につけており、何人にも分身し、仕込み・陳列・応対・会計という南東京支店
の全ての業務を1人だけでやってのけていることができる。ただオリジナルのパン
を作ることに関しては全くダメなため、ほとんど注目はされず影が薄い。

●神崎士郎(仮面ライダー龍騎)
清明院大学・江島研究室に所属していた大学院生。旧名は高見士郎(たかみ しろう)。
神崎優衣の兄。アメリカでは死亡したことになっている。人を仮面ライダーに
変身させる技術を開発し、ライダー同士の戦いを仕組んだ張本人。優衣の事となると
見境が無くなる。

●デストワイルダー(仮面ライダー龍騎)
 仮面ライダータイガと契約している二足歩行の白虎型ミラーモンスター。
 刀の様な巨大な爪が武器で、その一撃はダイヤモンドをも斬り裂き、
 100tの物体を持ち上げる程の怪力。ファイナルベント時には敵を決して
 離さず地面を引きずり回す。

920女帝会談-1:2017/07/16(日) 11:48:11
***山梨県富士・青木ヶ原樹海***

青木ヶ原は、山梨県富士河口湖町・鳴沢村にまたがって広がる森で、富士山の北西に位置する。
近くにキャンプ場や公園があり、青木ヶ原を通り抜けられる遊歩道も整備されており、森林浴には最適なところである。
青木ヶ原と湖と富士山からなる景観も美しく、首都圏から容易に行けることもあり、人気の高い観光地でもある。

だが人目の多い遊歩道入り口の駐車場は避け、車で入れる森の奥地ギリギリに乗り入れた数台のライトバンがあった。
その中からそっと降り立ったのは、まるでおとぎ話の妖精のような真っ白なドレスを着た高貴な少女と、
それに付き従う白髭の偉丈夫である。その二人を数名の自衛官が整列し、無言のまま敬礼して出迎える。

聖天子「ご苦労様です」
自衛官「この先は徒歩になります。ご案内いたします」
聖天子「お願いします」
菊之丞「………」

現場の責任者(隊長)らしき自衛官に先導されて、樹海の森へと密かに足を踏み入れていく少女と老人。
この2人こそ、日本の国家元首にして東京エリアの統治者・聖天子と、その補佐官・天童菊之丞である。

聖天子「今でもまだ気乗りしませんか? 菊之丞さん」
菊之丞「私は今でもまだ直接の会談には反対です。剣総理から何を吹き込まれたのかは
 存じませぬが、何もわざわざ聖天子様御自ら向こうに出向かずとも…」
聖天子「これは私の意思で決めたことです。内閣の意向は関係ありません。
 それに菊之丞さん、貴方が奥崎政権時代に進めた"よからぬ企て"についても
 きちっとけじめをつける必要があります。だからこそ私が行かなければ
 ならないのです」
菊之丞「よからぬ企てとは心外な仰せ。それがしが動くのは
 全ては聖室の恒久の繁栄のためにございます」
聖天子「………」

この聖天子や菊之丞に同行している少数の随員の中に、
民警である里見蓮太郎とその相棒(イニシエーター)藍原延珠の姿があった。

延珠「蓮太郎、まだなのかぁ〜?
 もう疲れたのだ〜!」
蓮太郎「我慢しろ。もう少しだ!」

蓮太郎の叱咤に対し、延珠は「足が棒になった!」と
ブーブー言いながら不満そうに顔を膨らませている。
だがそう言う蓮太郎自身も、今回の目的地に赴くのは初めてである。
この先に「異世界」との扉が開かれたゲートがあるというが、
はたしてどのような物なのか。あとどれくらい歩けばそこに辿り着くのか。
実は蓮太郎にも見当はつかなかった。

蓮太郎「………」

なぜ蓮太郎と延珠が聖天子に同行して、今こうして富士の樹海をかき分けて
苦労しながら歩いているかというと、その理由は一週間前まで遡る。

921女帝会談-1:2017/07/16(日) 11:49:02
― 一週間前 ―

***東京都千代田区永田町・首相官邸***

その日、里見蓮太郎は、内閣総理大臣・剣桃太郎に呼び出された。

桃太郎「久しぶりだな。里見蓮太郎。達者にしていたか?」
蓮太郎「ああ、何とかおかげさまでな。アンタも元気そうだな、総理」
桃太郎「例の目黒の秋刀魚の一件以来か」
蓮太郎「そうだったかな…」

首相執務室のデスクに座る桃太郎と、他愛もない挨拶の応酬をする蓮太郎。
内閣総理大臣と言えば政府の代表であり、蓮太郎たち民警にとっては
最大のお得意様である。出かける前にも社長の天童木更から、
「くれぐれも粗相のないように」と耳に胼胝ができるくらい
言い含められてきた蓮太郎だが、普段からぶっきら棒な彼の辞書に
「営業スマイル」という言葉はないようだ。
尤も、桃太郎も蓮太郎のそんな部分を気に入っている節がある。

桃太郎「早速だが仕事の依頼だ。蓮太郎、今のお前のIP序列は
 藍原延珠とのペアで210位だったな?」
蓮太郎「ああ、そうだよ」
桃太郎「ならば機密情報へのアクセス権限で知っているはずだな?
 神聖エルダント帝国の存在を――」
蓮太郎「………」

日本国は現在、「銀座事件」を契機としてその存在が地球側に明らかになった
異世界「特別地域」通称「特地」にある「帝国」と国交を結んでいる。
だが世間に公となっている「特地」の他に、実は日本はもう一つ、
全く別の異世界と交流のチャンネルを秘密裏のうちに築いていた。
それが「神聖エルダント帝国」である。
「特地」絡みで、その未知のフロンティアの権益を狙った中国・ロシアなどの
地球上の近隣諸外国は無論のこと、同じ西側同盟国であるはずのアメリカやEUの
介入まで招いてしまった日本国内は、時空を超えた向こうの特地共々大いに混乱した。
その苦い経験から、当時の日本政府は「神聖エルダント帝国」の存在を
海外には徹底して秘匿することにしたのである。
幸いにして、銀座の街中のど真ん中にゲートが開いた特地と違って、
神聖エルダント帝国と結ばれたゲートがあるのは青木ヶ原樹海の奥地。
情報隠ぺいは比較的容易であった。

桃太郎「近々聖天子様が神聖エルダント帝国の皇帝、
 ペトラルカ・アン・エルダント三世陛下との会見のため
 御自ら向こうの異世界に赴かれる。
 里見蓮太郎、お前には藍原延珠と共に聖天子様の護衛として
 随行してもらう」
蓮太郎「断る」
土橋「おいおい、キミ!」

総理直々の要請をあっさり断る蓮太郎に、
先ほどから桃太郎の側に控えていた首相側近の
内閣安全保障室長・土橋竜三が冷や汗をかきながら諫めに入るが、
桃太郎が「構わない」と手を振って制止する。

蓮太郎「俺たち民警の仕事はガストレア退治が専門だ。
 いつまでもお姫様の御守を押し付けられるのはゴメンだね」
桃太郎「どうしても断るのか?」
蓮太郎「聖居の護衛隊がいるだろう」

聖天子の護衛隊は、蓮太郎の評するところ、
以前は実戦になると対応策すら立てられない無能な甘ちゃん揃いだったが、
前任者の隊長・保脇卓人が失脚して、現在の羽柴隊長になってからは
かなり陣容も改善されてきたと聞く。
今ならわざわざ自分が出向くまでもないはずだ。
蓮太郎はそう考えていた。

922女帝会談-1:2017/07/16(日) 11:50:09
優子「話は最後まで聞きなさい」
蓮太郎「アンタは?」

黒髪ベリーショートの美女が蓮太郎の前に進み出る。
蓮太郎には初めて見る顔だ。

桃太郎「そういえば彼女は初めてだったな。
 せっかくの機会なので引き合わせよう。
 内閣府官邸付医務官の木場優子君だ。主に私の主治医として
 日々のメディカルチェックをお願いしている」
蓮太郎「…主治医? アンタみたいな屈強な男にも
 医者がいるのか?」
桃太郎「フフフッ…政治家たる者、毎日の健康管理も
 大事な務めの一つだ」
優子「これからも貴方とは度々顔を合わせることになると思うわ。
 よろしくね、蓮太郎くん」
蓮太郎「………」

蓮太郎は少し意外そうな顔をする。
そもそも政治的なスケジュールを話し合う場に、
医務官が同席しているというのも変な話だ。
三流週刊誌の記者ならば、もしや「総理の愛人では?」と
下種の勘繰りを入れてくる者もいそうだ。
後で聞いた話では、板垣重政政権の時代から
官邸に出入りしていた女性らしい。
しかしそんな蓮太郎の疑問にも、
桃太郎は適当にはぐらかす。

桃太郎「話を本題に戻そう。聖天子様の護衛とは表向きの話。
 実はある男に会って来て、その人となりを見定めてきて
 もらいたいのだ。お前自身の目でな」
蓮太郎「ある男…?」
桃太郎「その名を、加納慎一という…」


― そして現在 ―

樹海の奥を突き進む聖天子一行。
そしてそれに同行する里見蓮太郎と藍原延珠。

剣桃太郎の話によれば、当時タカ派とよばれていた奥崎・F・真太郎政権は、
「文化侵略」という形で「神聖エルダント帝国」の植民地化を画策していた。
その陰謀を阻止したのが、「加納慎一」という名の青年。
日本とエルダントの両国が共同出資で設立した
「総合エンターテイメント商社アミュテック社」の総支配人として、
今もエルダント側に日本文化を広めるために
現地に留まり活動を続けているという。

なぜその「加納慎一」の人となりを見定める役目で
自分に白羽の矢が立ったのか解せない蓮太郎だったが、
結局、経営不振が続く天童民間警備会社への政府からの補助金をチラつかせられ、
ほとんどゴリ押しに近い形で引き受けることになった蓮太郎だったが…。

蓮太郎「延珠、知ってるとは思うけど、青木ヶ原は自殺の名所だ。
 グズグスしていると、何か化けて出てくるかもなww」
延珠「…お、脅かしっこなしなのだ蓮太郎!」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

蓮太郎の脳裏には、ある考えが浮かんでいた。
今の総理である剣桃太郎は、結局のところ「神聖エルダント帝国」をどうしたいのだろうか?
以前の奥崎総理と同様に、日本の属国にしてしまおうと企んでいるのか。それとも――?。

菊之丞「着きましたぞ」
聖天子「………」

菊之丞の言葉に、聖天子は息を吞む。
一行の目の前には、異なる時空を結ぶ、
一本の狭い超空間通路が拡がっていた…。

923女帝会談-1:2017/07/16(日) 11:52:34
***首相官邸・首相執務室***

土橋「総理、たった今、聖天子様の訪問団が
 無事に超空間通路を超えてエルダント側に到着したとの
 連絡が入りました」
桃太郎「そうか。ご苦労」

さっきから桃太郎は立ったまま窓から、じっと外の景色の様子を見つめている。

優子「総理はいずれ、神聖エルダント帝国の存在を公表されるおつもりなのでしょう?」
桃太郎「今すぐではないが、いつまでも隠しおおしておけるものでもないからな」

剣桃太郎は、慎重にタイミングを見計らいながら、
神聖エルダント帝国の存在を地球連邦政府に報告する機会を
以前から探っていた。
彼の考えにあるのは、一方の国が利権を搾取する植民地化などではなく、
あくまでも地球と異世界との平和的な共存・共栄に会った。
それについては、すでに「トランプ王国」改め「トランプ共和国」という
異世界の国家との外交で確固とした実績もある。

そのための重要なキーとなる存在が「加納慎一」である。
日本と神聖エルダント帝国両国の未来を託せるに値する男か否か?
東京から容易に離れられない自分に代わって、桃太郎はそれを
見定める役目を里見蓮太郎に託したのだ。

それに桃太郎には今一つ不安なことがあった。
神聖エルダント帝国を日本が侵略しようとの計画――
――その企てが、官邸サイドすら与り知らぬところで
再び動き出しているというのである。

土橋「あの話なら奥崎政権が崩壊した時点で、立ち消えになったはずでは?」
桃太郎「天童菊之丞の中では、まだ終わってはいないらしい…」

自分の支持率向上のために多くの罪なきヒーローたちを
無実の罪に陥れんとした陰謀が発覚し、奥崎・F・真太郎首相は失脚した。
対神聖エルダント帝国文化侵略計画も奥崎政権時に進められていたものであったが、
それを背後から強力に後押ししていたのは、実は宮中であったとの噂が、
今もまことしやかに流れている。

大阪エリアの統治者・斉武宗玄、仙台エリアの首相・稲生紫麿など、
今も東京に君臨する聖天子の威光を脅かす存在は日本国内にも多い。
それらの脅威から敬愛する聖天子を守るために、
彼女を支える補佐官たる天童菊之丞が神聖エルダント帝国を
欲したとしても何ら不思議ではない。

桃太郎「………」

今、内閣総理大臣・剣桃太郎の脳裏には、動乱の気配を感じさせる
一抹の不安が過っていた。

924女帝会談-1:2017/07/16(日) 11:53:42
〇聖天子→皇帝ペトラルカとの会見のため、神聖エルダント帝国へ向かう。
〇里見蓮太郎→聖天子に同行して、神聖エルダント帝国へ向かう。
〇藍原延珠→聖天子に同行して、神聖エルダント帝国へ向かう。
〇剣桃太郎→里見蓮太郎に神聖エルダント帝国行きを依頼する。
〇土橋竜三→剣桃太郎が里見蓮太郎に神聖エルダント帝国行きを依頼した場に同席する。
〇木場優子→剣桃太郎が里見蓮太郎に神聖エルダント帝国行きを依頼した場に同席する。
△天童菊之丞→聖天子に同行して、神聖エルダント帝国へ向かう。

925帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-1:2017/07/25(火) 14:12:11
***無幻城・邪神謁見の間***

ネロス帝国の帝王ゴッドネロスは、
グライアーとなった彩堂寺戒を伴って至高邪神に拝謁し、
大ショッカー軍の十二邪将を初めとする多数のGショッカー幹部らが居並ぶ中、
シグフェルの細胞から創り出したこの超怪人の完成を報告した。

ゴッドネロス「全宇宙の支配者であられる至高邪神よ。
 御前に控えまするこの者こそは、
 我らネロス帝国がシグフェルの細胞から生み出したる究極の戦士、
 その名をグライアーと申します」

ゴッドネロスに紹介され、グライアーは恭しく至高邪神のビジョンに向かって臣下の礼を取る。
ネロス帝国が独自にシグフェルを研究して開発した太古のサーベルタイガーの如き怪人の姿に、
謁見の間の左右に控える十二邪将や他の大幹部達からはどよめきが沸き起こった。

グライアー「帝王ネロスより新たな命を授かりしグライアーにございます。
 偉大なる至高邪神様のご尊顔を拝し、恐悦至極に存じ奉ります」

感情の籠もらない冷たく無機質な声で至高邪神に奏上するグライアー。
グライアーには離反を防ぐため薬物投与による強力な洗脳が行われており、
元々の彩堂寺戒の人格はほぼ完全に抹消されてしまっている。
今の彼はただ忠実にGショッカーの命令に従って戦う生きた戦闘兵器なのだ。

大首領の顔「シグフェルの細胞から第二のシグフェルを生み出すとは、
 さすがは旧日本軍の科学者でもあったゴッドネロスよ」
星王の顔「シグフェルにはこれまで、
 幾多の怪人が戦いを挑んでは敢えなく敗れてきたが、
 そのシグフェルの力をこうして我らのものに出来たとなれば、
 もはやブレイバーズとて恐れるに足るまい」
ゴッドネロス「仰せの通りにございます。
 シグフェルの死、そしてブレイバーズの壊滅、
 どちらもこのグライアーの手により間もなくご覧いただける事でありましょう」

ゴッドネロスは指先から一筋のビームを放ち、空間に映像を作り出した。
先のゴーストバンク地下コロッセウムでの戦闘で、
シグフェルと互角以上に渡り合っているグライアーの戦いぶりがそこに映る。

マシーン大元帥「だがゴッドネロスよ。
 この時の戦いでグライアーはシグフェルを見事追い詰めたが、
 あと一歩というところで突然の変調を起こし戦闘不能になったそうではないか」
大教授ビアス「シグフェルには未だ解き明かせていない謎が多い。
 まだ全容の不明な超パワーを怪人に取り込んで実戦で運用するのは、
 予測不能のリスクを伴うのではないか?」
ゴッドネロス「確かにシグフェルの謎、
 未だ全てが解明されたわけではないとは申せ、
 研究・分析は我らの手で着実に進んでおりご懸念には及ばぬ。
 前回の戦闘中にグライアーに起きた不慮の異変についても、
 直ちにメンテナンスが行われ不具合は既に解消されておる」

シグフェルの未知の超パワーを怪人に組み込めばどんな想定外の事態が起こるか分からない…。
これはクールギンもゴッドネロスに度々忠告していた意見だったが、
自らを超一流の科学者と自負するゴッドネロスは、
確かに今後、グライアーにはいくつかのトラブルが起こり得るとしても、
問題発生の度にその原因を調べて解決して行く事は自らの力で可能だという自信を持っていた。
恐れを知らぬゴッドネロスの態度に、表裏六柱の至高邪神も満足げに頷く。

大魔神の顔「良かろう。グライアーが抱える未知の要素については、
 ここは科学者としてのゴッドネロスの腕を信じようではないか」
創世王の顔「そうとなれば躊躇は無用。
 直ちにグライアーを出陣させ、その絶大なる力でシグフェルを葬るべし」
総司令の顔「Gショッカーの他の軍団からも、
 援軍を惜しみなく送ってグライアーに加勢させ、
 大規模なシグフェル抹殺部隊を編成するのだ。
 もしブレイバーズの仲間達がシグフェルの助太刀に来れば、
 それもまとめて道連れにしてしまうがよい」
ゴッドネロス「ありがたき幸せ。
 必ずやシグフェルを初めとするブレイバーズの戦士どもの首を取り、
 御前に据えて見せましょう」
闇の帝王の顔「ただし、獅子身中の虫には気を付けよ」

メガール将軍「………」

ミケーネ闇の帝王がそう言うと、
大幹部らの末席に控えていたドグマのメガール将軍の顔色がさっと変わった。
無論それを見逃し、至高邪神の言葉の意味を掴み損なうようなゴッドネロスではない。

ゴッドネロス「その儀は、お任せを…」

ゴッドネロスは短くそう答えて拝礼し、
グライアーを連れて謁見の間から退出した。

926帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-1:2017/07/25(火) 14:16:32
***海防大学付属高校***

光平「(彩堂寺…。今頃どうしているんだろう)」

ゴーストバンクの地下コロッセウムでのシグフェルとグライアーの戦いから三日が過ぎていた。
ネロス帝国に捕らわれ改造人間にされてしまった彩堂寺戒の事が心配な牧村光平だったが、
戒はあれからまだ一度も海防大学付属高校には登校していない。

朱音「エリート選定コースの彩堂寺くん?
 彼なら、病気だそうで連休明けからずっと欠席よ」
光平「そうですか…」

担任の千坂朱音に聞いたところによると、
戒は連休の間に体調を崩してしまい欠席するという連絡が学校に入っているらしい。
具合はかなり悪いそうで、しばらく休む必要があり、
いつ元気になって授業に復帰できるかは分からないとの事であった。

慎哉「病欠か…。どうせネロス帝国の嘘だろうけどな。
 あいつら、彩堂寺を光平とできるだけ接触させないようにしてるんじゃないか?」
光平「いや、俺と戦った時、
 彩堂寺は急に苦しそうにもがき出して倒れてしまったんだ。
 無理な改造手術の影響で、本当に体の調子が悪くなってるのかも知れない」
優香「彩堂寺くん、無事だといいけど…」

放課後、学校の屋上に集まって不安げに話し合う三人。
するとその時、光平が持っていたブレイバーズ専用の通信機が鳴った。

光平「はい、牧村です」

相手と互いの顔を見ながらTV電話が可能なスマートフォン型通信機の通話ボタンを押し、
着信に応答する光平。
通信機のディスプレイに映ったのは人間ではなく、
黒いシェパード犬の姿をした動物型ロボット、
超人機メタルダーの相棒スプリンガーの顔であった。

スプリンガー@通信「よう光平。俺だ。
 まだ学校にいるって時に悪いな」
光平「スプリンガー!
 いや、もう授業は終わったから大丈夫だよ。どうした?」
スプリンガー@通信「至急ブレイバーベースに来てくれないか。
 お前の耳に入れたい情報があるんだ。
 もしかしたら、お前が心配してる彩堂寺戒にも関わってくるかも知れない話だぜ」
光平「何だって…!?
 分かった。すぐ行くよ」

通信を切った光平は置いていたバッグを手に取り、
慎哉と優香をその場に残して急ぎ学校を出たのであった。

927帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-1:2017/07/25(火) 14:22:21
***ブレイバーベース***

スプリンガーからの連絡を受け、
光平は学校からブレイバーズの基地であるブレイバーベースへと直行した。
基地内のブリーフィングルームではメタルダーこと剣流星とスプリンガー、
そしてレッドマフラー隊の剣持保隊長が光平を待っていた。

光平「ネロス帝国の内通者?」
剣持「うむ。表の顔は桐原コンツェルン傘下企業の社員で、
 凱聖クールギン配下の忍びである軽闘士・影の一人と名乗る男が、
 ゴッドネロスとクールギンを見限り我々ブレイバーズに味方したいと、
 先程極秘に連絡を寄越してきた」

剣持の話によると、ブレイバーズに接触してきたのはヨロイ軍団の諜報部隊・影の一員で、
桐原コンツェルン傘下企業の埼玉支社に勤めている小幡という男性社員。
これまでゴッドネロスに仕えて忍びとして彼の悪事に貢献してきたが、
改心して組織を抜けたいと考えるようになり、
ゴーストバンクの極秘情報が記録されたディスクを盗んで脱走したので、
急ぎブレイバーズに身柄を保護してほしいという。

剣持「現在、彼は盗んだディスクを持って埼玉県内を逃走中だと言っている。
 裏切り者は容赦なく始末されるのが悪の組織の掟だ。
 一刻も早く保護しなければ彼の命が危うい」
流星「もしその人の話が本当なら、
 これはネロス帝国の内部情報を得られる大きなチャンスだ。
 グライアーに改造されてしまった彩堂寺君についても、
 そのディスクに何か手がかりとなる情報が記されているかも知れない」
スプリンガー「けど、俺達が彩堂寺の事で気を揉んでいるこのタイミングで突然この話だ。
 ちょいと都合が良すぎって気がしなくはないぜ」
光平「俺達を……いや、俺を誘き寄せる罠って可能性がある訳ですね」

ネロス帝国は究極の対シグフェル兵器・グライアーを完成させたばかりである。
光平が同じ学校の生徒である戒の身を案じている心情も見透かした上で、
戒についての情報のリークという餌でシグフェルを釣り、
誘き出してグライアーの力で抹殺、というシナリオが描かれている事はあり得るだろう。

剣持「これは非常に危険な賭けだ。
 もし話が本当ならば大至急その男を保護する責務が我々にはある一方、
 甘い撒き餌に釣られて出て行ったところで、
 あの恐るべきグライアーが手ぐすね引いて待ち構えている事も十分考えられる」
光平「でも、例え罠だったとしても、
 グライアーとはそこでもう一度接触できる…。
 彩堂寺を助け出す好機として、奴らの罠を逆手に取る事もできるんじゃないでしょうか」
流星「光平君…」
光平「その話が本当だろうと嘘だろうと、
 こうしてただ手をこまねいているよりは何か進展があるはずです。
 危険は承知で、俺はその内通者の人を迎えに行ってみようと思います!」

意を決して力強くそう宣言する光平。
剣持は腕組みをしてしばし考え、やがて頷いた。

剣持「虎穴に入らずんば虎子を得ず、か…。
 いいだろう。やってみろ。もし罠だった場合、
 このミッションはそこで直ちに彩堂寺戒救出作戦へと切り替わるわけだな」
光平「ありがとうございます。
 例え罠でも全力で切り抜けて、彩堂寺を助け出してみせます!」

こうして、火中の栗を敢えて拾いに行く決断をした光平。
果たして彼を待ち受けているものは何であろうか…!?

928帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-1:2017/07/25(火) 14:27:37
●至高邪神→グライアーの完成に喜び、シグフェル抹殺作戦を指令する。
●ゴッドネロス→完成したグライアーを至高邪神と他のGショッカー幹部らに披露する。
●マシーン大元帥→完成したグライアーをゴッドネロスに披露されて驚く。
●大教授ビアス→完成したグライアーをゴッドネロスに披露されて驚く。
●メガール将軍→完成したグライアーをゴッドネロスに披露されて驚く。
○剣持保→ネロス帝国の内通者と名乗る人物を保護するため牧村光平を向かわせる。
○剣流星→ネロス帝国の内通者と名乗る人物について牧村光平と話し合う。
○スプリンガー→牧村光平をブレイバーベースに呼ぶ。

○牧村光平→ネロス帝国の内通者と名乗る人物を保護しに向かう。
○朝倉慎哉→グライアーとなった彩堂寺戒を心配する。
○沢渡優香→グライアーとなった彩堂寺戒を心配する。
△彩堂寺戒→ゴッドネロスに紹介されGショッカー至高邪神に謁見する。
△千坂朱音→彩堂寺戒の病欠を牧村光平に知らせる。

929帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-2:2018/03/25(日) 12:03:04
***埼玉県・川越市***

光平「待ち合わせの場所はここか…」

ネロス帝国の脱走者の小幡と名乗る男と電話で連絡を取り合った光平は、
彼を保護するため、待ち合わせ場所である川越市内の倉庫にやって来た。

光平「戦国大名・北条氏康ゆかりの古戦場跡か…。
 こんな時でなければ、ゆっくり歴史探訪とでも行きたいところだけどな」

この辺りは桶狭間の合戦、厳島の合戦と並んで、
日本三大奇襲戦の一つに数えられている川越城の合戦の主戦場だったと伝わる場所である。
戦国時代、この戦いで北条氏康は関東公方・上杉憲政らの大軍を流言で油断させてから夜襲で不意打ちし、
散々に撃ち破って関東にその名を轟かせたが、
そんな故事で有名な地をわざわざ待ち合わせ場所に指定してきたのは、
これは罠だぞと暗に教えてくれている敵からの粋なメッセージではないかと勘繰りたくなる。

小幡「あなたが…牧村さんですか?」
光平「そうです。あなたが小幡さんですね?」

薄暗い倉庫の中に光平が足を踏み入れると、
黒いアタッシュケースを手に提げた一人の男がそっと物陰から現れた。
追っ手から顔を隠すためか帽子を深く被っていて顔が見えないが、
声色からして数時間前に電話で話した小幡という内通者に間違いなさそうである。

小幡「よく来てくれました。これでもう安心だ」
光平「ご無事で何よりです。
 あなたの身柄は僕らブレイバーズが責任を持って保護します」
小幡「ありがとう。
 ゴーストバンクから持ち出した機密情報のディスクは、
 このケースの中に入っています」
光平「…確認させていただきます」
小幡「ええ、どうぞ」

万が一、中身が爆弾だったりする場合も想定して用心し、
手渡されたアタッシュケースをその場で開いて確かめようとする光平。
だが、開封されたケースの中に入っていたのはディスクでも爆発物でもなく、
妖怪のような不気味な面相をした小さな猿の怪物であった。

オニザル怪人「キキィーッ!!」
光平「…!?」

アタッシュケースから勢いよく飛び出した猿はすぐに大きくなり、
ゴルゴムのオニザル怪人の姿となって光平に襲いかかる。

光平「やっぱり罠だったのか!」
小幡「フフフ…死んでもらうぞ牧村光平!」

小幡も被っていた帽子を脱ぎ捨て、
邪悪な冷笑を浮かべながら光に包まれて青い鮫のような怪人の姿に変貌する。
彼の正体は同じくGショッカーに属するアクアクラスのファンガイア、
シャークファンガイアだったのである。

930帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-2:2018/03/25(日) 12:05:42
オニザル怪人「キキィーッ!!」
光平「っ…!」

甲高い奇声を上げながら俊敏な動きで飛びかかって来たオニザル怪人を、
光平は敵の勢いを利用した背負い投げで倉庫の壁に思い切り叩きつけた。
そこへシャークファンガイアが突進を仕掛けるが、
光平は人間離れした後方へのハイジャンプで襲撃を回避し、
倉庫の片隅に高く積み上げられていた大きな木箱の山の上に飛び乗る。

光平「どうせこんな事だろうとは思ってたんだ。
 川越の古戦場で不意打ち作戦って、
 歴史にちなんだ場所選びのセンスはまあまあ悪くなかったと思うぜ」
シャークファンガイア「さすがはシグフェル。
 お褒めの言葉、ネロス帝国の帝王ゴッドネロスもさぞ喜ぶだろうよ」
光平「彩堂寺はどうした?
 せっかくだからこの機会に吐いてもらうぞ!」
シャークファンガイア「生意気な…。やれるものならやってみろ!」

手に装備していたブーメランを光平に向けて投擲するシャークファンガイア。
光平は木箱の山から素早く飛び降りてブーメランをかわし、
そのまま空中で変身の体勢に入った。

光平「翔着(シグ・トランス)!!」

重力に引かれて落下しながら赤い炎に包まれ、天凰輝シグフェルに変身する光平。
紅蓮の鳳凰が焼けつくような熱波を放ちつつ翼を広げてしなやかに着地し、
敢然とファイティングポーズを取って二体のGショッカー怪人に立ち向かう。

オニザル怪人「キェェーッ!」
シャークファンガイア「ほう…それが噂に聞くシグフェルの姿か」
シグフェル「ああ。行くぞ怪人!」


***ネロス帝国・ゴーストバンク***

秘書K「天凰輝シグフェルの誘き出し作戦は、まんまと成功しました」
秘書S「オニザル怪人とシャークファンガイアが、
 ポイント9の倉庫内で現在シグフェルと戦闘中です」
ゴッドネロス「来たかシグフェル…!
 直ちに全軍団員を出撃させ、シグフェルを袋叩きにせよ!」
ドランガー「ははっ! 承知致しました!」
ゴッドネロス「ただし、グライアーとムカデリヤはまだ出陣に及ばず。
 戦機が熟するまで、ゾルベゲール博士と共に今しばらくここに残るがよい」
ムカデリヤ「はっ、心得ました」
ゾルベゲール「帝王の仰せのままに…」
グライアー「………」

ゴッドネロスはグライアーとムカデリヤ、
そしてゾルベゲール博士を除く全てのネロス軍団員に地上への出動を命じた。
本来ならばすぐにでも最強兵器のグライアーをシグフェルと対戦させたいところだが、
前回、予期せぬトラブルが起きて突如グライアーが戦闘不能に陥ってしまった事から、
長時間の戦いはまだコンディション面での不安が大きいとゾルベゲールが進言したため、
まずは他の軍団員達を先に戦わせてシグフェルを消耗させ、
弱らせたところで止めにグライアーを投入するという二段構えの作戦が取られる事になったのである。

ガマドーン「さ〜て、見ていて下さいよ帝王。
 グライアーの出番なんてこれっぽっちもねえまま、
 俺達がシグフェルをギッタギタにやっつけちまいますぜ」
ロビンケン「言葉を慎めガマドーン。
 グライアーは帝王の覚えめでたき新たなる懐刀だぞ」
バルスキー「いや、戦うからにはそれぐらいの意気込みが必要だ。
 総員、死力を尽くしてシグフェルを殲滅するのだ!」

バルスキーらに率いられ、続々とゲートから地上へと出撃してゆくネロス帝国の戦士達。
こうして皆が出払い、ゴーストバンクの玉座の間にはゴッドネロスとグライアー、
そしてゾルベゲール博士とその用心棒のムカデリヤだけが残った。

ゾルベゲール「(ケケケ…上手く行ったわい)」

ゾルベゲールは出撃する軍団員らを見送りながら、
玉座のゴッドネロスには気取られぬよう、
隣に立っているムカデリヤにそっと目配せをした。

931帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-2:2018/03/25(日) 12:08:50
***地上・川越市の倉庫内***

オニザル怪人「キキィーッ!」
シグフェル「くっ、ちょこまかと動き回って…!」

猿の怪人らしい身軽な敏捷性を活かして倉庫の中をあちこち素早く跳び回り、
ヒット&アウェイ戦法でシグフェルを翻弄するオニザル怪人。
鳳凰の戦士であるシグフェルもスピードには優れるが、
それでもオニザル怪人のすばしっこさには手を焼いていた。

シグフェル「だったらこれでどうだ?
 フェニックス・トルネード!!」

シグフェルは自分の体を高速回転させ、
周囲の空気を巻き込んで竜巻を生成しオニザル怪人に向けて飛ばした。
かねてから密かに訓練して編み出していた新技で、
以前、GOD悪人軍団のタイガーネロがシグフェルに対して使った、
タイガー竜巻地獄を自分の技に取り入れ応用したものである。

オニザル怪人「キキィーッ!?」
シグフェル「今だ! ヴァジェト・レイ!!」

飛んで来た竜巻に巻き込まれて回転しながら吹き飛び、
倉庫の壁に叩きつけられてよろめくオニザル怪人に、
シグフェルは掌から発射した灼熱の火球をぶつけて止めを刺した。
オニザル怪人は一瞬でその身を焼き滅ぼされ、蒸発して無に還ってゆく。
 
シャークファンガイア「おのれシグフェル、これを喰らえ!」
シグフェル「おっと!」

激昂したシャークファンガイアが投げてきたブーメランの軌道を見切り、
片手で見事キャッチしたシグフェル。
シグフェルが指先でさっと表面を撫でると、
ブーメランは超高温のエネルギーを指から伝導されて燃え上がり、
真っ赤な炎を纏った。

シグフェル「つぁっ!!」
シャークファンガイア「グォォッ!?」

翼で羽ばたいて一気に加速し勢いよく突撃したシグフェルは、
燃えるブーメランでシャークファンガイアの右肩から左腰までを力強く斜めに斬り下げた。
シャークファンガイアの体に深々と赤い炎の裂傷が走り、
振り返って残心の構えを取るシグフェルの背後で、
シャークファンガイアは仰向けに倒れて絶命、大爆発する。

バルスキー「相変わらず見事なものだなシグフェル。
 だが、今の二体の怪人はまだまだ小手調べに過ぎんぞ」
シグフェル「ようやく出たな。ネロスの軍団員!」

火の消えたブーメランを地面に投げ落として一息ついたシグフェルの前にバルスキーが現れた。
彩堂寺戒の救出を目指すシグフェルとしてもゴルゴムやファンガイアの怪人ではなく、
ネロス帝国の軍団員が出て来てくれたのは望むところである。

ウォッガー「シグフェル抹殺作戦を開始する! 者ども出合えぃ!」

続いて現れたヨロイ軍団の雄闘ウォッガーが武器である大型の銛を振るって呼ばわると、
ただならぬ数の敵が四方八方から倉庫内へと一斉に雪崩れ込んで来た。
ゴーストバンクから出撃してきた総勢三十名を超えるネロス帝国の軍団員達が今、
広い倉庫の中央に立つシグフェルをぐるりと取り囲んだのである。

932帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-2:2018/03/25(日) 12:13:23
クロスランダー「シグフェル! 
 この俺に大破の屈辱を味わわせてくれた礼、たっぷりとさせてもらうぞ!」
ゴブリット「俺もあの時のリベンジ、楽しみにしてたぜ!」
タグスキー「数々の強敵を倒してきた勇者と名高き天凰輝、
 その首級はこの太刀で頂く!」
ジャムネ「俺様のストレートパンチで今度こそお陀仏だ!」
ブライディ「ガルゥゥゥ! 殺す!」
ダムネン「今日こそ遂にシグフェルの最期。無念ダムネン!」
メガドロン「全機、射撃用意!」
ブルチェック「目標、ロックオン!」

そして、シグフェル包囲の輪に加わっているのはネロス帝国の軍団員ばかりではなかった。
Gショッカーの他の組織の怪人達もゴッドネロスの要請に応じ、
シグフェル殲滅戦に援軍として参陣していたのである。

アブゴメス「アブルルゥゥ〜! 覚悟しろシグフェル!」
カマキリジン「ソドム、アシュラ、イシュタール、
 アスタロテ、ベルゼブブ、サタンの神に貴様の命を捧げてやる!」
アンキロサウルスヤミー「お前の運命もここまでだ!」
カイモズー「死んでもらうぞシグフェル!」
バラミサイラー「ウォォォ…!」
デーボ・ペシャンゴ「ペシャンと逝けぇ〜! ペシャンと!」
ウツボビースト「ギャゥゥ〜ッ!」
ウニノイド「ここがお前の墓場だ。シグフェル!」
サーベライザ「俺様のサーベルの錆となるがいい!」

アブゴメス(ショッカー)
カマキリジン(ネオショッカー)
アンキロサウルスヤミー(ヤミー)
カイモズー(デスダーク)
バラミサイラー(バラノイア)
デーボ・ペシャンゴ(デーボス軍)
ウツボビースト(マドー)
ウニノイド(バイオロン)
サーベライザ(ジャマール)。
大ショッカー軍、大ザンギャック軍、巨獣軍の三軍からそれぞれ加勢に現れた怪人軍団が、
ネロス軍団員らの輪に加わり、唸りを上げてシグフェルに迫る。

シグフェル「くっ…! 超豪華オールスターでお出迎えって訳か!」
ガルドス「フハハハハ! どうだ!
 いかにシグフェルと言えども、
 これほどの大軍が相手ではもはや命運尽き果てたというものだろう」
アブゴメス「諦めて素直に覚悟を決めろ。
 抵抗さえしなければ、俺様の毒針で楽に死なせてやるぞ」
サーベライザ「だが栄光あるブレイバーズの戦士ともなればそうも行くまいな。
 せいぜい無駄な悪あがきをするがいい。
 皆でじわじわと嬲り殺しにしてくれる!」
シグフェル「(グライアーは……彩堂寺はいないのか…?)」

何十体もの敵の大軍団の中にグライアーの姿を探すシグフェルだが、
間違いなく出て来るはずと思われたグライアーはなぜかどこにも見当たらない。
だがいずれにせよ、今の状況はもはやそれどころではないほどの絶体絶命の大ピンチである。

バルスキー「さらばだシグフェル。全軍、総攻撃開始!!」

933帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-2:2018/03/25(日) 12:19:09
バルスキーの号令で一斉にシグフェルに襲いかかるGショッカーの大軍団。
だが次の瞬間、まるで衝撃波のような強い一陣の風が吹き、
今にもシグフェルに攻撃を届かせようとしていた先頭集団のジャムネ、ゴチャック、
アブゴメス、カイモズーの四匹が見えない横殴りの打撃を受けてまとめて弾き飛ばされた。

ドランガー「むっ…!?」
ゲルドリング「な、何や今のは!?」

ドランガーやゲルドリングらの指揮官が思わぬ事態に戸惑う中、
どこからか聞こえてくる英語の電子音声…。

――Time Out. Reformation――

シグフェル「あ…あなたは!」
ファイズ「よっ! ちょいと助けに来たぜ」

シグフェルの目の前で超高速移動を止め、
軽く片手を上げて手首をスナップさせる独特の仕草をしながら振り向いたのは、
光平の顔馴染みのクリーニング屋の店員――乾巧が変身した仮面ライダーファイズであった。
展開していた胸部のフルメタルラングを閉じ、
アクセルフォームから通常形態へと戻るファイズ。

アギト「ハァッ!!」
ウニノイド「グォォッ!?」
デデモス「て、てめえはアギト!」

続いて数十メートルの長距離ジャンプで倉庫の外から怪人達の輪の中へと飛び込み、
ストームハルバードでデデモスとウニノイドを薙ぎ払ったのは、
風の力を宿した≪超越精神の青≫――ストームフォームにフォームチェンジした、
津上翔一が変身する仮面ライダーアギトであった。

シグフェル「津上さん……いえ、仮面ライダーアギト!」
アギト「間に合って良かった。
 俺達と一緒に戦おう。シグフェル!」
シグフェル「はいっ!」

爽やかな明るい声でシグフェルにそう言葉をかけながら、
アギトは通常フォームである≪超越肉体の金≫――グランドフォームの姿に変化する。

チューボ「仮面ライダーのアギトとファイズか。
 だがお前達二人が助太刀に来た程度でこの劣勢が覆せるはずもあるまい。
 ただ墓標の数が二つ増えるだけの事だ」
ファイズ「どうかな? シグフェルの仲間は俺達だけじゃないぜ」
アギト「あれを見ろ!」

アギトが右手をかざして外を指し示したその時、
遠くからけたたましいエンジンの爆音が響き、
七台のスーパーバイクが一斉に倉庫内へと乗り込んで来た。
強化改造されたネオサイクロン号を始めとするそれらのマシンから降り立ったのは、
正義のレジェンドとしてその名を轟かせネロス帝国の面々からも畏怖されてきた、
1号からストロンガーまでの栄光の七人ライダーであった!

1号「仮面ライダー1号!」
2号「同じく、2号!」
V3「ゲルドリング!
 仮面ライダーV3の二段キックの味はまだ覚えているか?」
ゲルドリング「何やとぉ!? おんのれ〜V3!」

以前のメタルダー回収作戦の際にゲルドリングと一戦交えているV3が挑発すると、
ゲルドリングはあの時やられた悔しさを思い出して地団太を踏む。

シグフェル「皆さん…来てくれたんですね!」
ライダーマン「レッドマフラー隊の剣持隊長から連絡があったんだ。
 Gショッカーから君の仲間を助け出すためにぜひ協力してほしいとね」
X「敵は随分と派手な顔触れだな。
 ネロス帝国の四軍団がフルメンバーでご登場とは、
 ゴッドネロスもどうやら本気のようだ」
アマゾン「だが、今はシグフェルにも沢山のトモダチがいる事を忘れるな!」
ストロンガー「行くぞGショッカー!
 お前達の野望は必ず俺達が阻止してみせる!」

七人の仮面ライダーが次々とファイティングポーズを取り、
アギト、ファイズ、そしてシグフェルがそれに続く。
悪の大軍団に立ち向かう、十人の気高き勇者がここに颯爽と並び立った。

バルスキー「バカめ! お前達がシグフェルの加勢に来る事など、
 偉大なる帝王ネロスは最初からご承知済みだ。
 そのために他のGショッカー組織にも声をかけ、
 これだけの大兵力を用意したのだからな」
ゲルドリング「ワシらに倒されに雁首揃えて来てくれるとはご苦労なこっちゃ。
 シグフェルと一緒に、仮面ライダーどももまとめてあの世に送ったるでぇ!」
ドランガー「地獄の軍団Gショッカーの恐ろしさ、思い知るがいい。
 者どもかかれ! 総員突撃だ〜!!」
1号「よし、みんな行くぞ!」
2号「おう!」
シグフェル「はいっ!」

かくしてネロス帝国を主力とするGショッカー軍団と、
九人ライダー&シグフェルの一大バトルが始まったのであった!

934帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-2:2018/03/25(日) 12:27:38
○仮面ライダー1号→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダー2号→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーV3→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○ライダーマン→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーX→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーアマゾン→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーストロンガー→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーアギト→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーファイズ→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
●ゴッドネロス→誘き出されたシグフェルを倒すため全軍団員に出撃を命じる。
●ゾルベゲール博士→全軍団員が出撃する中、グライアーやムカデリヤと共にゴーストバンクに待機。
●ムカデリヤ→全軍団員が出撃する中、グライアーやゾルベゲール博士と共にゴーストバンクに待機。
●シャークファンガイア→ネロス帝国の脱走者を装い、シグフェルを誘き出して戦うが倒される。
●オニザル怪人→シャークファンガイアの罠で誘き出されたシグフェルを襲うが倒される。
●タグスキー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●チューボ→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ウォッガー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ロビンケン→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ジャムネ→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●バルスキー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ガルドス→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ゴチャック→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●クロスランダー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ゴブリット→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●デデモス→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ゲルドリング→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ブライディ→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ガマドーン→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ダムネン→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ドランガー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●メガドロン→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ダーバーボ→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ブルチェック→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●アブゴメス→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●カマキリジン→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●アンキロサウルスヤミー→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●カイモズー→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●バラミサイラー→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●デーボ・ペシャンゴ→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●ウツボビースト→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●ウニノイド→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●サーベライザ→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→罠にかかりネロス軍団員とGショッカー怪人軍団に包囲されるが、九人の仮面ライダーに助けられる。
△彩堂寺戒/グライアー→シグフェルを倒すため、ゴッドネロスの出撃命令を玉座の前で待つ。

935帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-2:2018/03/25(日) 12:30:37
【今回の新規登場】

●シャークファンガイア(仮面ライダーキバ)
アクアクラスに属するファンガイアで、鮫の能力を持つ怪人。
真名は「灰の彼岸へと至る切手」。
水中戦が得意だが陸上での戦いでもその強さを如何なく発揮し、
両手に装備したブーメランを武器とする。
執念深い性格で、一度狙った獲物はどこまでも逃がさず追い続ける。

●オニザル怪人(仮面ライダーBLACK)
暗黒結社ゴルゴムの改造人間で、猿の能力を持つ怪人。
人間に化けたり体を縮小したりする事ができる。
鋭い爪を武器とし、身軽で俊敏な動きによる奇襲戦法が得意。
長い尻尾が弱点で、これを掴まれると弱体化してしまう。

●アブゴメス(仮面ライダー)
ショッカーの改造人間で、アブの能力を持つ怪人。
口には人間を即死させるほどの猛毒を仕込んだ毒針があり、
両腕には小型ロケット弾を装備している。

●カマキリジン(新・仮面ライダー)
ネオショッカーの改造人間で、カマキリの能力を持つ怪人。
人間減らし計画が難航しているネオショッカー日本支部に海外から援軍として送り込まれた強豪で、
両手の鋭い鎌は大木を真っ二つにするほどの切れ味を誇る。
ベルゼブブやサタンなどの悪魔を神として崇拝しており、
捕らえた人間を生贄に捧げようとする。

●アンキロサウルスヤミー(仮面ライダーOOO)
アンキロサウルスの能力を持った恐竜系成長ヤミー。
真木清人が持っていた水筒の氷にセルメダルを投入した事で出現した。
無数のトゲが生えた硬い皮膚に全身を覆われており、
硬質の球状となった右腕の拳を凄まじい怪力で振り回して攻撃する。
氷に変化させた全身のトゲを散弾のように撃ち出す他、
口から吐く冷気で敵を氷漬けにする事もできる。

●カイモズー(大戦隊ゴーグルファイブ)
暗黒科学帝国デスダークの合成怪獣で、貝の能力を持つ怪人。
アンモナイトを象った杖を武器とし、左手にはロケット弾、
頭頂部には必殺のカイモズー大砲を備えている。

●バラミサイラー(超力戦隊オーレンジャー)
マシン帝国バラノイアのマシン獣で、
皇帝バッカスフンドがドローラ星から呼び寄せた。
右腕に装備したミサイルを武器とし、腹部からは鎖を射出して敵を拘束する。
後に地球のマグマの無限のエネルギーを浴びて超マシン獣として強化再生された。

●デーボ・ペシャンゴ(獣電戦隊キョウリュウジャー)
デーボス軍のデーボモンスターで、
スクラップカー、フォーククロー、ハエ叩きなどを成分とする怪人。
「住処を破壊された人間は哀しむ」というアイガロンの考えから生まれ、
人間の哀しみの感情を集める事を使命としている。
ペシャン光線で発生させた特殊なエネルギーでどんな物でもペシャンコに潰して破壊してしまう。
破壊という任務には忠実だが、それ以外には潰しの利かない破壊職人。

●ウツボビースト(宇宙刑事シャリバン)
宇宙犯罪組織マドーの魔怪獣で、ウツボの能力を持つ怪人。
モトシャリアンに付着した人工受精卵から誕生して成長した。
地を走る火花を放つ杖を武器とし、鋭い爪と牙で敵を切り裂く。

●ウニノイド(機動刑事ジバン)
犯罪組織バイオロンのバイオノイドで、ウニの能力を持つ怪人。
全身に生えたトゲを飛ばして敵を攻撃する他、
手の鋭い爪やニードル状の光線も武器。
田村直人と五十嵐健三博士の命を奪い、
図らずもジバン誕生のきっかけを作る事になった怪人でもある。

●サーベライザ(重甲ビーファイター)
ジャマールの傭兵戦士で、サーベルを武器とする剣の名手。
ジャマールの地球攻撃部隊の先鋒として地球に襲来しビーファイターの初陣の相手となった。
目から破壊光線を発射する。

●雄闘ウォッガー(超人機メタルダー)
ネロス帝国・ヨロイ軍団雄闘。
水中戦が得意で、電撃を放つ大型の銛を武器とする。
残酷な性格で、女奴隷ユリコを騙して自爆作戦を取らせるなど非道な手も厭わない。

936帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-2:2018/03/27(火) 00:22:02
>>933差し替え

バルスキーの号令で一斉にシグフェルに襲いかかるGショッカーの大軍団。
だが次の瞬間、まるで衝撃波のような強い一陣の風が吹き、
今にもシグフェルに攻撃を届かせようとしていた先頭集団のジャムネ、ゴチャック、
アブゴメス、カイモズーの四匹が見えない横殴りの打撃を受けてまとめて弾き飛ばされた。

ドランガー「むっ…!?」
ゲルドリング「な、何や今のは!?」

ドランガーやゲルドリングらの指揮官が思わぬ事態に戸惑う中、
どこからか聞こえてくる英語の電子音声…。

――Clock over!!

シグフェル「あ…あなたは…!」
カブト「おばあちゃんは言っていた…。
 俺は世界を照らす太陽。
 Gショッカーが例えどんなに巨大な闇だろうと、
 俺という太陽は全てを明るく輝かせる…!」

クロックアップから通常の時間流へ戻ってシグフェルの目の前に姿を現わし、
片手を上げて指先で空を指し示す独特の仕草をしながら振り返ったのは、
天道総司が変身する仮面ライダーカブトであった。

アギト「ハァッ!!」
ウニノイド「グォォッ!?」
デデモス「て、てめえはアギト!」

続いて数十メートルの長距離ジャンプで倉庫の外から怪人達の輪の中へと飛び込み、
ストームハルバードでデデモスとウニノイドを薙ぎ払ったのは、
風の力を宿した≪超越精神の青≫――ストームフォームにフォームチェンジした、
津上翔一が変身する仮面ライダーアギトであった。

シグフェル「津上さん……いえ、仮面ライダーアギト!」
アギト「間に合って良かった。
 俺達と一緒に戦おう。シグフェル!」
シグフェル「はいっ!」

爽やかな明るい声でシグフェルにそう言葉をかけながら、
アギトは通常フォームである≪超越肉体の金≫――グランドフォームの姿に変化する。

チューボ「仮面ライダーのアギトとカブトか。
 だがお前達二人が助太刀に来た程度でこの劣勢が覆せるはずもあるまい。
 墓標の数が二つ増えるだけの話だ」
カブト「どうかな。シグフェルの仲間は俺達だけじゃないぞ」
アギト「あれを見ろ!」

アギトが右手をかざして外を指し示したその時、
遠くからけたたましいエンジンの爆音が響き、
七台のスーパーバイクが一斉に倉庫内へと乗り込んで来た。
強化改造されたネオサイクロン号を始めとするそれらのマシンから降り立ったのは、
正義のレジェンドとしてその名を轟かせネロス帝国の面々からも恐れられてきた、
1号からストロンガーまでの栄光の七人ライダーであった!

1号「仮面ライダー1号!」
2号「同じく、2号!」
V3「ゲルドリング!
 仮面ライダーV3の二段キックの味はまだ覚えているか?」
ゲルドリング「何やとぉ!? おんのれ〜V3!」

以前のメタルダー回収作戦の際にゲルドリングと一戦交えているV3が挑発すると、
ゲルドリングはあの時やられた悔しさを思い出して地団太を踏む。

シグフェル「皆さん…来てくれたんですね!」
ライダーマン「レッドマフラー隊の剣持隊長から連絡があったんだ。
 Gショッカーから君の仲間を助け出すためにぜひ協力してほしいとね」
X「敵は随分と派手な顔触れだな。
 ネロス帝国の四軍団がフルメンバーでご登場とは、
 ゴッドネロスもどうやら本気のようだ」
アマゾン「だが、今はシグフェルにも沢山のトモダチがいる事を忘れるな!」
ストロンガー「行くぞGショッカー!
 お前達の野望は必ず俺達が阻止してみせる!」

七人の仮面ライダーが次々とファイティングポーズを取り、
アギト、カブト、そしてシグフェルがそれに続く。
悪の大軍団に立ち向かう、十人の気高き勇者がここに颯爽と並び立った。

バルスキー「バカめ! お前達がシグフェルの加勢に来る事など、
 偉大なる帝王ネロスは最初からご承知済みだ。
 そのために他のGショッカー組織にも声をかけ、
 これだけの大兵力を用意したのだからな」
ゲルドリング「ワシらに倒されに雁首揃えて来てくれるとはご苦労なこっちゃ。
 シグフェルと一緒に、仮面ライダーどももまとめてあの世に送ったるでぇ!」
ドランガー「地獄の軍団Gショッカーの恐ろしさ、思い知るがいい。
 者どもかかれ! 総員突撃だ〜!!」
1号「よし、みんな行くぞ!」
2号「おう!」
シグフェル「はいっ!」

かくしてネロス帝国を主力とするGショッカー軍団と、
九人ライダー&シグフェルの一大バトルが始まったのであった!

937帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-2:2018/03/27(火) 00:23:29
>>934差し替え

○仮面ライダー1号→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダー2号→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーV3→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○ライダーマン→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーX→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーアマゾン→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーストロンガー→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーアギト→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
○仮面ライダーカブト→ネロス軍団員とGショッカー怪人の大軍に包囲されたシグフェルを助けに現れる。
●ゾルベゲール博士→ネロス帝国の全軍団員が出撃する中、グライアーやムカデリヤと共にゴーストバンクに待機。
●ムカデリヤ→ネロス帝国の全軍団員が出撃する中、グライアーやゾルベゲール博士と共にゴーストバンクに待機。
●シャークファンガイア→ネロス帝国の脱走者を装い、シグフェルを誘き出して戦うが倒される。
●オニザル怪人→シャークファンガイアの罠で誘き出されたシグフェルを襲うが倒される。
●タグスキー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●チューボ→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ウォッガー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ロビンケン→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ジャムネ→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●バルスキー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ガルドス→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ゴチャック→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●クロスランダー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ゴブリット→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●デデモス→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ゲルドリング→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ブライディ→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ガマドーン→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ダムネン→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ドランガー→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●メガドロン→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ダーバーボ→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●ブルチェック→シグフェルを包囲し、援軍に現れた仮面ライダーごと撃滅するため戦う。
●アブゴメス→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●カマキリジン→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●アンキロサウルスヤミー→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●カイモズー→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●バラミサイラー→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●デーボ・ペシャンゴ→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●ウツボビースト→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●ウニノイド→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。
●サーベライザ→ネロス帝国の軍団員と共にシグフェルを包囲する。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→罠にかかりネロス軍団員とGショッカー怪人軍団に包囲されるが、九人の仮面ライダーに助けられる。
△彩堂寺戒/グライアー→シグフェルを倒すため、ゴッドネロスの出撃命令を玉座の前で待つ。

938帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-3:2018/03/31(土) 00:52:46
***地上・川越市の倉庫内***

シグフェル&九人ライダーとGショッカー軍団の決戦が遂に始まった。
薄暗い倉庫内のあちこちでヒーローと怪人の超パワーが激突し、
エネルギーがスパークして眩しい火花を散らす。

X「ライドルホイップ! Xライダー!!」
タグスキー「我こそは豪将タグスキーなり。いざ勝負だX!」
タグスロン「兄者、加勢つかまつる!」

ベルトから万能武器ライドルを抜き、
切っ先で宙にX字を描いて名乗りを上げたXに対し、
タグスキーとタグスロンはそれぞれ得物の刀と槍を振りかざし、
魂の通じた義兄弟の息の合った連携プレーで左右から攻めかかる。

ジャムネ「行くぞ2号。俺のアッパーカットを受けてみろ!」
2号「くっ、いいパンチしてるな!」

一方、≪力の2号≫の異名で知られる2号は、
ボクサーであるジャムネとノーガードの激しい殴り合いを展開。
そこへカイモズーが大きなアンモナイトの装飾を付けた杖を振るい、
ジャムネの猛攻にやや押され気味となっていた2号を倒そうと襲いかかる。

カイモズー「死ね、ライダー2号!」
ライダーマン「そうはさせん! ロープアーム!!」

2号のピンチを見たライダーマンが、
腕のアタッチメントからロープを射出してカイモズーの杖を絡め取り、
動きを封じて横槍を入れるのを妨害。
その間に2号は反撃に転じ、ジャムネの脇腹にライダーパンチの重い一発を打ち込んだ。

ウツボビースト「ギャゥゥーッ!」

ストロンガーはウツボビーストを相手に一進一退の攻防。
ウツボビーストが振り回していた杖の先端を力強く地面に突き刺すと、
そこから激しい火花が迸って倉庫の床を高速で伝い、
間合いを取って数メートル先まで飛び退いたストロンガー目掛けて勢いよく向かっていく。

ストロンガー「負けるか! エレクトロファイア!!」

だがストロンガーは咄嗟に自分の拳を同じように地面に叩きつけ、
地を走る電撃を手から発射してウツボビーストが放ってきた火花にぶつけた。
電撃と火花が正面衝突して地表に爆発が起こり、
倉庫の床を舗装していたアスファルトがめくれ上がって粉々に飛び散る。

ストロンガー「これを利用すれば…。よし、電ショック!」
ウツボビースト「ギャァァァッー!」

二人の間に濛々と舞って視界を曇らせているアスファルトの粉塵に、
ストロンガーは手から一万ボルトの電気を流し込んだ。
超高圧電流を帯びた粉塵が吹いてきた風に乗ってウツボビーストの全身に降りかかり、
感電したウツボビーストはばたりと倒れて敢えなく爆死したのであった。


***ネロス帝国・ゴーストバンク***

ゴッドネロス「………」

ゴーストバンクの玉座に悠然と座るゴッドネロスは、
指先から発したビームで空間に立体映像を作り出し、
そこに映っている地上での戦いの様子をじっと無言のまま眺め続けていた。
 
ゾルベゲール「仮面ライダーどもがシグフェルの応援に現れるのも、
 帝王のご慧眼の通りでございますな」
ムカデリヤ「Gショッカーの他の組織にも呼びかけて、
 大がかりな怪人軍団を編成した甲斐があったというものです」
ゴッドネロス「激戦でシグフェルや仮面ライダーらが消耗したところへ、
 無敵の力を誇るグライアーが推参して全てを一網打尽に討ち滅ぼす。
 ブレイバーズの戦士どもよ、力の限り戦うがよい。
 死に向かって華々しく舞い踊るのだ」
グライアー「………」

ゴッドネロスの足下には、グライアーが無言のまま片膝を突いた姿勢で傅いている。
洗脳を施された今のグライアーはただ与えられた指令にのみ従う忠実な戦闘マシーンであり、
元々の彩堂寺戒としての思考、感情、人格などは完全に消去されてしまっていた。
氷のように冷たく硬直した表情のまま微動だにせず、
ネロス帝国の生ける決戦兵器と化したグライアーは主君からの命令をただ静かに待ち続ける…。

939帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-3:2018/03/31(土) 00:54:50
***地上・川越市の倉庫内***

バルスキー「このバルスキーが相手だ。来いシグフェル!」
シグフェル「(この戦闘ロボット…。
 ちょっとやそっとの強さじゃない…!)」

サーベライザと爆闘士ダムネンを連続キックで蹴散らしたシグフェルに、
戦闘ロボット軍団のリーダーであるバルスキーが勝負を挑んだ。
いずれ劣らぬ精鋭で曲者揃いのロボット戦士らを優れた手腕と高い人望で統率するバルスキーは、
その地位に相応しく非常に高い実力と経験値を持つ一流の猛者である。
これまで多数の強敵を見事に倒してきたシグフェルも、
相手が只者でないのはすぐに見抜いて戦慄を覚えていた。

シグフェル「フレイムアーム!」
バルスキー「メタルダーから学んだ技か。だが甘い!」

得意技である炎のチョップをバルスキーに叩き込もうとするシグフェルだが、
動きを見切ったバルスキーは身を半歩ずらしてそれをかわすと強烈なカウンターパンチを放った。

シグフェル「うわぁっ!」

強い衝撃で数メートル後ろへ弾き飛ばされたシグフェルは、
翼の羽ばたきで前への推力を発生させる事で何とかブレーキをかけ踏みとどまる。

ガマドーン「隙あり! こいつを喰らえシグフェル!」
シグフェル「しまった…!」

再び勢いをつけてバルスキーの前に突っ込もうとしたシグフェルだったが、
そこへガマドーンが横から緑色のスライム状の粘液を投擲。
両足に付着して固まった粘液で地面に貼り付けられ、
その場から一歩も動けなくなったシグフェルに、
今度はザーゲンが疾風の如き速さで襲いかかった。

ザーゲン「覚悟ォッ!」
シグフェル「ぐあっ!」

ザーゲンの右手の鎌がシグフェルの左肩にぐさりと突き刺さる。
シグフェルのボディを覆う硬い装甲を貫いて鎌の先端が深く肩へ喰い込み、
傷口から漏れ出した血がシグフェルの腕を伝って地面へと滴り落ちる。

アマゾン「ケケーッ! 大切断!!」
ザーゲン「グォォッ!?」

アブゴメスと戦っていたアマゾンがシグフェルの危機を見てその場から大ジャンプし、
飛びかかりざまに必殺の手刀を振り下ろして、
鎌の付いたザーゲンの右腕を肘の辺りから叩き斬った。
片腕を失い、切断面から火花を噴きながら後ろへよろめいたザーゲンに、
すかさずV3が回し蹴りを浴びせて吹っ飛ばす。

V3「大丈夫か。しっかりするんだ!」
シグフェル「はい…まだまだこのくらいは…ッ!」

シグフェルの肩に刺さったまま持ち主から切り離されたザーゲンの鎌を抜き、
よろめくシグフェルを支えて助け起こすV3。
戒を助け出すためにも、ここで倒れてしまう訳には絶対に行かない。
指先から発した炎で両足に付着した粘液を焼き払ったシグフェルは闘志を振り絞り、
なおも次々と襲いかかって来る怪人達に必死に反撃してゆく。


***ネロス帝国・ゴーストバンク***

ゴッドネロス「シグフェルが手傷を負ったか」
ムカデリヤ「死神と名を取るザーゲン卿が、
 痛恨の一撃をシグフェルめの肩に叩き込んだようですな」
ゾルベゲール「九人の仮面ライダーどもも苦戦し、
 軒並みエネルギーを消耗しております。
 恐れながら帝王、今こそグライアー出撃の時かと」
ゴッドネロス「うむ…」

地上での戦いも酣。
シグフェルらのダメージが次第に蓄積してきたのを見て取ったゾルベゲール博士は、
ここで最終兵器のグライアーを投入するようゴッドネロスに進言した。

ゴッドネロス「良かろう。
 勝敗を一気に決すべくグライアーを出陣させる。立てグライアー!!」
グライアー「………」

ゴッドネロスが威厳のある声でそう言うと、
彼の足下に控えていたグライアーが無言のまま静かに立ち上がった。

940帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-3:2018/03/31(土) 00:57:56
ゴッドネロス「出陣の前に、グライアーの武運を祈願して余から杯を取らせる。
 ひと思いに飲み干した後に力強く杯を打ち砕き、
 戦場へと赴く戦士の心意気を示すがよい」

ゴッドネロスはそう言って杯を取り、用意されていた上等の祝酒を自らそれに注いだ。
これから戦場へと出陣する将が主君から一献の酒を賜り、
それを飲んでから杯を思い切り床に投げつけて粉々に砕き割るという、
古来、武士が好んで行なった決死の覚悟を示すための儀式で、
現代では外宇宙のローエングラム朝銀河帝国軍にもプロージットと呼ばれる同じような風習がある。

ゴッドネロス「さあ飲めグライアー。
 太古の猛獣サーベルタイガーの如く雄々しく戦い、
 汝の宿敵シグフェルを見事討ち取って参れ」
グライアー「………」

両手で恭しく杯を頂き、自分の口へゆっくりと近付けるグライアー。
ここまでは完璧に儀式の仕来たり通りの所作である。
だが次の瞬間、脇に控えてその様子を見守っていたゾルベゲールが顎で小さく合図を送ると、
グライアーは口元に運びかけていた杯を、
まだ一滴も中身を飲まないまま思い切り足元へと投げ捨てた。

ゴッドネロス「ムッ!?」

砕け散った杯の破片が、中に注がれていた上等の酒と共に床へとぶちまけられる。
作法に反する突然の奇行をゴッドネロスが咎める暇さえなく、
グライアーは自分の肩に装備したファングブレイカーの片方を引き抜くと、
その刃を勢いよくゴッドネロスの胸に突き刺した!

ゴッドネロス「グォォッ…! な…何の真似か、グライアー」
グライアー「………」

驚愕の表情を浮かべるゴッドネロスの問いに、グライアーは答えない。
代わりに返事をしたのは、邪悪な笑みを浮かべて立ち上がったゾルベゲールとムカデリヤであった。

ゾルベゲール「ヒッヒッヒ、
 まんまとわしらの罠に嵌まりおったな、ゴッドネロスよ」
ムカデリヤ「ご忠臣の者どもを全て遠ざけ、
 我らだけをこのゴーストバンクに残されたのは何とも迂闊でしたなあ」

かつてテラーマクロ暗殺を企んだ事のあるゾルベゲールとムカデリヤは、
黄泉がえって匿われたネロス帝国でもまた密かに下剋上を狙っていたのである。
かねて抱いていた邪心をとうとう露にした二人は、
心臓を刺されて玉座の上で苦しんでいるゴッドネロスを嘲笑う。

ゴッドネロス「ほう…ではお前達は忠臣ではないと申すか」
ゾルベゲール「知れた事。
 このゴーストバンクに入って今までグライアーの開発に携わってきたのは、
 グライアーを利用してネロス帝国を乗っ取るために他ならん。
 全宇宙をも征服できるほどの巨大なパワーを秘めたグライアー、
 自らの手でわざわざ生み出しておきながら、
 それを他人の野望のためにむざむざ献上するほどわしはお人好しではないわ!」
ゴッドネロス「この不埒者めが…。
 グライアーよ、余に叛いたこの反逆者どもの首を刎ねよ!」
ゾルベゲール「ケッケッケ、無駄じゃ!
 グライアーの脳にはわしの命令にのみ従うよう細工した服従カプセルが埋め込まれておる。
 お主の指図には、この究極の超戦士はピクリとも反応せん!」
ゴッドネロス「おのれゾルベゲール…!
 だが…例え首尾よく今ここで余を討ったとしても、
 我が配下の軍団員らはそちになど臣従するまい」

ゴッドネロスの指摘通り、仮にここでの暗殺には成功しても、
ゴッドネロスに絶対の忠誠を誓うネロス帝国の面々が大人しくゾルベゲールを新たな主君に仰ぐはずもなく、
主君を弑逆した許されざる謀叛人としてすぐに誅殺されてしまうだけなのは目に見えている。
だが、ゾルベゲールにはそんな末路を避けるための策があった。

ゾルベゲール「確かにそれはその通り。
 今ここでお主に死なれてしまってはまだわしらも困るわい。
 帝王ゴッドネロスの尊い玉体は大切な操り人形として、
 これからも最大限に利用させてもらうつもりじゃ」
ゴッドネロス「それは…如何なる意味か」
ゾルベゲール「出撃した他の軍団員が戻って来る前に緊急手術を行なう。
 この日のために密かに作っておいたもう一つの服従カプセルを、
 お主の頭に埋め込んでわしの命令を聞くようにしてやるのじゃ。
 わしの意のままに操られるロボットと化した帝王ネロスの言葉に、
 そうとは知らぬ全ての配下どもがありがたく従って励むようになる。
 そうなればネロス帝国の真の支配者はこのわしという訳じゃ!」
ムカデリヤ「フハハハハ! ネロス万歳!
 我々の傀儡としてこれからも役に立てるのを光栄に思ってもらおうか」

941帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-3:2018/03/31(土) 01:00:18
ゴッドネロス「フッ…フフフフフ…」
ムカデリヤ「…?」

だが、ゾルベゲールの野望を明かされたゴッドネロスは玉座の上で不気味に哂っていた。
グライアーが突き立てたファングブレイカーの凶刃を、
ゴッドネロスは胸元に隠し持っていた短刀で間一髪のところで防いでいたのである。

ゾルベゲール「な、何っ…!?」
ゴッドネロス(?)「フフフ…とうとう化けの皮を脱ぎ捨てたかゾルベゲール。
 一科学者として身の程を弁えながら帝王のために励んでおれば栄達もあったであろうものを、
 自ら破滅への道を選ぶとはやはりお前は愚かな奴だ」
ムカデリヤ「そ、その声はもしや…!」

ゴッドネロスの声色が聞き覚えのある別の人物のそれに変わっている事に気付き、
思わぬ事態に血の気が引いて青ざめるゾルベゲールとムカデリヤ。
玉座の上のゴッドネロスが淀んだ黒い光に包まれ、
銀色の鎧を纏った騎士の姿へと変貌してゆく。

ゾルベゲール「お、お前は、クールギン!」
クールギン「この不届き者め!
 帝王はお前達の謀叛を事前に察知され、
 この私に身代わりを命じておられたのだ!」
ムカデリヤ「そ、そ、そんなバカな!」
クールギン「ドグマでも反乱を起こした前科があるお前達を、
 易々と信じて騙されるような帝王だとでも思ったか!」

先程からずっと玉座に座していたのはゴッドネロスではなく、
影武者のクールギンが成りすました偽物だったのである。
底冷えのするような殺気を放ちながら玉座から立ち上がり、
クールギンは腰の鞘からゆっくりと剣を抜く。

ゾルベゲール「お、おのれ…! 
 だが謀叛に勘付いていたところで、
 グライアーの超パワーの前には敵うはずもあるまい。
 戦えグライアー! かくなる上はクールギンを捻り潰し、
 ゴッドネロスも探し出して抹殺しろ!
 こうなったら力ずくでゴーストバンクを制圧するのじゃ!」
グライアー「グォォォッ!!」

脳にセットされた服従カプセルがゾルベゲールの声に反応し、
グライアーが獰猛な唸り声を上げてクールギンに斬りかかる。
だがグライアーのファングブレイカーによる一撃を、
クールギンは鋭い太刀筋で見事に弾き返した。

ゾルベゲール「ぬっ、グライアーの牙剣が防がれるとは…!」
クールギン「甘いわ!
 グライアーに剣の技を指南したのはこの私なのだぞゾルベゲールよ」

素体となった戒の人格は既に完全に失われているものの、
グライアーがファングブレイカーを扱う際の動作は、
戒が長年クールギンから学んで体に刻み込んできた剣術の動きが無意識に発現される仕組みとなっている。
柳生新陰流の剣の道を高いレベルで習得した戒とは言え、
師匠であるクールギンからすれば自分が教えた技を見切って対処するのは訳もない。

グライアー「グォォォォッ!!」
クールギン「くっ…」

ファングブレイカーを防がれたグライアーが咆哮と共にパワーをチャージする。
グライアーの全身から激しいエネルギー波が迸り、
巻き起こった突風が床に散乱していた杯の破片を攫って部屋の片隅まで吹き飛ばした。

クールギン「(負けぬ…負けぬぞ…!)」

野獣のような雄叫びを発しながら戦闘力をぐんぐん高めて行くグライアーに、
相対するクールギンは余裕ありげに構えていると見せながらも内心では圧倒されそうになっていた。
まだ完成したばかりで持てる力をフルに発揮できてはいないにも関わらず、
単純なエネルギーの大きさだけならば、
この恐るべき怪物は既にクールギンさえ凌いでいると見積もってよい。

ゾルベゲール「フハハハハ! いいぞグライアー!
 お前の絶大なパワーでクールギンを粉々に消し飛ばしてしまうのだ!」
グライアー「ハァァァァッ…!」

グライアーはファングブレイカーを肩に差し込んで収納し、
両手を腰元で合わせると青い光球を掌に生成した。
シグフェルのヴァジェト・レイによく似たエネルギー弾を放つ技である。

ゾルベゲール「これがグライアーの力じゃ!
 消えて無くなれクールギン!」
ムカデリヤ「これは凄いぞ…!
 よ〜し撃てっ! 思い切りぶっ放せグライアー!」
クールギン「くっ…、負けてなるか!」

大きく膨張したエネルギー弾の発射体勢に入るグライアー。
クールギンもそれを剣で跳ね返そうと気を集中させて身構える。
そんな緊迫した勝負を、迷彩色で姿を消しながら音もなく室内を飛び回る蜘蛛のような小型メカが、
密かに撮影して別の場所へと中継している事には誰一人気付いてはいなかった…。

小蜘蛛「………」

942帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-3:2018/03/31(土) 01:04:52
○仮面ライダー2号→ジャムネやカイモズーと戦う。
○仮面ライダーV3→ザーゲンと戦う。
○ライダーマン→カイモズーと戦う。
○仮面ライダーX→タグスキー&タグスロンと戦う。
○仮面ライダーアマゾン→アブゴメスやザーゲンと戦う。
○仮面ライダーストロンガー→ウツボビーストと戦って倒す。

●ゾルベゲール博士→遂に叛意を露にしグライアーにゴッドネロスを襲わせるが事前に見破られており失敗、逃走する。
●ムカデリヤ→ゾルベゲールによるゴッドネロス暗殺に加担するが事前に見破られており失敗、逃走する。
●クールギン→ゴッドネロスの身代わりとなってゾルベゲール一味による暗殺を防ぎ、グライアーと対峙する。
●バルスキー→シグフェルと戦う。
●ザーゲン→シグフェルと戦い、鎌の一撃を浴びせて負傷させる。
●ガマドーン→シグフェルと戦う。
●ダムネン→シグフェルと戦う。
●タグスキー→仮面ライダーXと戦う。
●タグスロン→仮面ライダーXと戦う。
●ジャムネ→仮面ライダー2号と戦う。
●アブゴメス→仮面ライダーアマゾンと戦う。
●カイモズー→仮面ライダー2号やライダーマンと戦う。
●ウツボビースト→仮面ライダーストロンガーと戦って倒される。
●サーベライザ→シグフェルと戦う。

○牧村光平/天凰輝シグフェル→バルスキーらと戦闘。ザーゲンの鎌で肩に傷を負う。
△彩堂寺戒/グライアー→ゾルベゲールに操られてゴッドネロスを殺そうと襲いかかるが、
                 替え玉となっていたクールギンに防がれ戦闘になる。

943帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-4:2018/06/05(火) 15:36:06
>>936--937の差し替えは中止


***地上・川越市の倉庫内***

アマゾン「ケケーッ! 大切断!!」
ゴチャック「ウム、何のッ!」

仮面ライダーアマゾンのヒレによる鋭い手刀を、
ゴチャックは右腕をかざしてガードした。
大切断を受け止めたゴチャックの腕から火花が散るが斬断には至らず、
アマゾンは押し返される。

ゴチャック「そう何度も不覚を取り続ける爆闘士ゴチャックではないぞ!
 喰らえアマゾン。ゴチャックロック!」
アマゾン「ぐぁぁっ…!」

シグフェルとの戦いで二度に渡って無惨に破壊されたゴチャックは、
軍団長バルスキーの計らいでより強度の高い合金でボディを作り直しただけでなく、
厳しい訓練によって防御の技を各段に向上させていたのである。
アマゾンに組み付き、自慢の怪力で締め上げて苦しめるゴチャック。

カイモズー「死ね2号! カイモズー大砲!」
2号「おっと!」

カイモズーが頭部の大砲を仮面ライダー2号に向けて発射するが、
2号は大ジャンプで砲弾をかわし、
狙いを外れた砲弾が地面に炸裂して大爆発が起こる。
空中高く飛び上がった状態の2号に、
すかさず2発目の砲弾を撃ち込むカイモズーだったが…。

2号「トゥッ! ライダーキィーック!!」
カイモズー「ぐわぁぁっ!」

上空でキックの体勢に入った2号は飛んで来た砲弾を力強く蹴り返した。
自分の砲弾を跳ね返されて直撃し、カイモズーは敢えなく爆死する。

ドランガー「喰らえアギト。オールウェポン解放!!」
アギト「うわぁっ!」

一方、≪燃え盛る豪炎の戦士≫――バーニングフォームに変身し、
機甲軍団長ドランガーと一騎打ちを繰り広げていたアギトは、
敵の猛烈な火力による爆撃で倉庫の外まで吹き飛ばされてしまう。

アギト「ハァァッ…!!」
ドランガー「ようやく真価を見せる気になったか、アギトよ」

外に出て太陽の光を一杯に浴びたアギトの装甲がひび割れて剥がれ、
戦闘エネルギーの飛躍的な上昇と共に、
≪光輝への目覚め≫――最強形態のシャイニングフォームへとその姿が変化してゆく…。

944帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-4:2018/06/05(火) 15:39:15
***アラビア半島・ネフド砂漠***

乾いた熱風が荒々しく吹き抜ける、中東の荒涼とした砂の大地。
堕神の使徒・ガーミッドとスネイザは風化して崩れかけた岩の上に腰掛けながら、
足元に置いた水晶玉に映し出されたゴーストバンク内部の、
クールギンとグライアーが対峙している場面の緊迫した映像をじっと眺めていた。

ガーミッド「どうも変だな。
 シグフェルの細胞から生まれた≪ザジロード≫の力はこんな程度か?」
スネイザ「確かに妙ね…。
 いくら下界の未発達なバイオテクノロジーの産物とは言え、
 ≪ザジロード≫のパワーが≪光輝への目覚め≫をこんなにも下回っているのは、
 ちょっと納得が行かないわ」

小蜘蛛のカメラアイから送られてくる映像を通してグライアーの力を測りながら、
ガーミッドとスネイザはやや拍子抜けしたように顔を見合わせる。
一体いかなる意味か、二人が≪ザジロード≫と呼んでいる人造シグフェル――グライアーの戦闘力は、
相対するクールギンすら戦慄するほど巨大なものである。
だがガーミッドやスネイザが見立てていたところでは、
シグフェルの兄弟とでも言うべきグライアーはもっと高いエネルギー値を弾き出して当然のはずなのだ。
まだ完成したばかりで力を十分に使いこなせていない可能性を考慮に入れても、
この低調ぶりはおかしい。

ガーミッド「科学者としてのゴッドネロスやゾルベゲールの腕が、
 思ったよりもナマクラだったって事か…? とんだ期待外れだな」
スネイザ「いえ、違うわ。
 ≪ザジロード≫はわざと力を抑えられているのよ。
 恐らく、ゴッドネロスが自分の手でコントロール不能になってしまわないように、
 敢えて百パーセントの状態では稼働できないよう、
 パワーをセーブするリミッターが内蔵されているんだわ」

水晶玉を通してグライアーの体組織を解析していたスネイザが、
グライアーの巨大な力を抑え込むブレーキの役割を果たしている内部プログラムを発見して唸った。
グライアーが本来持っているはずの力を十全に発揮できていないのは不調や欠陥などではなく、
ゴッドネロスによって意図的に施された設計上の措置だったのである。

スネイザ「≪ザジロード≫がその無尽蔵のパワーをフルに解放すれば、
 自分にも手に負えない存在となるであろう事をゴッドネロスも知っていた…。
 それでエネルギー出力を抑える制御棒を組み込んで、
 ブレイバーズへの刺客となれるレベルには十分強いながらも、
 ネロス帝国の総力を挙げても鎮圧できないほどではない程度の強さに敢えて留めたのね。
 さすがは帝王ゴッドネロス、いえ村木國夫…。
 シグフェルの細胞の魅力に惹かれながらも己の帝国と地位の保全も忘れないなんて、
 ただ科学の研究にひたすらのめり込むだけのマッドサイエンティストとは一味違うわ」

「グライアーが万一暴走すれば脅威となる」というクールギンの再三に渡る諫言は、
ゴッドネロスも元より百も承知で対策を講じていたのである。
その気になればグライアーはもっと強大な戦士にもなり得たとは言え、
ゴッドネロスは純粋な強さの限界の追求には溺れず敢えて実用的な範囲にグライアーの戦闘力を抑えた。
そもそも桐原コンツェルンという企業体を用いて社会を裏から支配するネロス帝国にとっては、
その活動を妨害してくる敵を葬るための強い戦力は必要でも、
都市を吹き飛ばしたり地球を死の星に変えたりというような破滅的な超パワーは無用の長物なのだ。

ガーミッド「それこそ余計につまらんな。
 そんなリスクなんか恐れずに全力で暴れ回ってくれた方が、
 こっちとしては面白いってのに」
スネイザ「確かに、ゴッドネロスのこの慎重さは私達としては興醒めだわ。
 どうせなら、もっと後先考えず派手にやってほしかったのにね」

ガーミッドとスネイザはそう言って視線を交わすと、
やがて悪趣味な冷笑を互いに浮かべてどちらからともなく頷き合った。

ガーミッド「奴らにやる気がないようなら、
 いっそ俺達の手でやってみるか?」
スネイザ「フフッ、やり過ぎを控える自制心なんて、
 お祭りを盛り上げるのには邪魔なだけだわ。
 エキサイティングなショーに水を差す余計な回路は、
 悪いけど破壊してしまいましょう」

スネイザが指をパチッと鳴らすと、
水晶玉の中の映像の視点がゆっくりとグライアーに迫り始めた。
戦いを撮影していた小蜘蛛が、高度を下げてグライアーに近付いたのである。

945帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-4:2018/06/05(火) 15:42:09
***ネロス帝国・ゴーストバンク***

グライアー「グォォォッ!!」
ゾルベゲール「よし、いいぞグライアー! 
 早くクールギンを粉々に吹き飛ばせ!」
クールギン「…来い!」

ゾルベゲールの命令を受け、チャージしたエネルギー弾をいよいよクールギンに向けて撃とうとするグライアー。
クールギンはそれを剣で弾き返そうと気を極限まで集中させて構える。
だが発射の直前、堕神が送り込んでいた蜘蛛型スパイメカがグライアーの首筋に止まり、
その小さな針でグライアーをチクリと刺したのである。

グライアー「グッ! ガ…アァァ…ッ…!!」
ゾルベゲール「むっ? ど、どうしたのだグライアー!?」

突然、苦しげな呻き声を発してもがきつつ倒れ込むグライアー。
小蜘蛛の針から注入された特殊な毒素はグライアーの血管を通って一瞬で脳と心臓に届き、
脳に埋め込まれていた服従カプセルと、
心臓部にセットされていたエネルギー制御回路を同時に溶かして破壊してしまった。

グライアー「ウゥッ…ギャァァァッ…!!」
ゾルベゲール「おい、一体何事だ!?
 しっかりしろ! しっかりせんかグライアー!!」
ムカデリヤ「そんなバカな! よりによってこの大事な時に!」
クールギン「………」

唯一絶対の頼みの綱であるグライアーが急に変調を起こしたのを見て、
ゾルベゲールとムカデリヤは慌てふためく。
グライアーは彼らの必死の呼びかけにも反応せず、
ただ狂おしい悲鳴を上げて床をのた打ち回るばかりである。

ゾルベゲール「なぜだっ! あり得ん!
 あれほど慎重に繰り返したメディカルチェックは全て完璧だったはずだ!」
クールギン「この大事な場面で想定外のトラブル再発か…。
 不運だったなゾルベゲール。
 かつてのドグマでの謀叛の時よりは工夫を凝らした陰謀だったが、
 どうやら天はお前を見放したようだ」

動揺するゾルベゲールにゆっくりと剣を向けるクールギン。
ゾルベゲールとムカデリヤだけでは、
ネロス軍団員の首席の地位を誇るクールギンを相手に勝ち目がないのは明白である。

ムカデリヤ「おのれ無念!
 もはやこれまでです。ひとまず逃げましょう博士!」
ゾルベゲール「ええい、覚えておれよ!」

こうなってはどうしようもない。
戦闘不能に陥ったグライアーを玉座の間に置き去りにして、
ゾルベゲールとムカデリヤは大慌てで壁際のゲートに逃げ込み地上へと脱出した。
後に残ったのはそれを追いもせず蔑むような冷たい視線で見送ったクールギンと、
床に頭を打ちつけて激しくもがき苦しむグライアーだけである。

クールギン「…そこかッ!」

床を這っていた一匹の小蜘蛛が音もなくそっと飛び立ち、、
飛翔してゲートの方へ向かおうとしたのをクールギンは見逃さなかった。
一刀の下に小蜘蛛を叩き斬ったクールギンは、
真っ二つとなったその死骸――いや、残骸を拾い上げて呟く。

クールギン「小型生体メカだ。一体何者が…」

クールギンの掌の上で小蜘蛛は砂と化して崩れ落ち、
その砂粒すらも空気に溶けるように霧散して跡形もなく消え去ってしまった。
堕神が送り込んだスパイメカは大破と同時に内部に仕組まれていた自壊プログラムを作動させ、
自らを完全消滅させる事でネロス帝国の手に渡って分析されるのを防いだのである。

946帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-4:2018/06/05(火) 15:45:32
グライアー「ハァ…ハァ…。
 うっ…こ…ここは…一体…どこなんだ…?」
クールギン「改造前の人格が戻っている…!?」

体内システムの異常による全身の激痛がいくらか収まったのか、
大人しくなったグライアーが突如、彩堂寺戒の声色で言葉を発し始めた事に驚くクールギン。
恐るべきパワーを持つグライアーが万が一にも服従せず敵に回るような惨事を防ぐため、
元々の戒の人格は強烈な洗脳によって全消去したはずであった。
しかし今、小蜘蛛が針で注入した毒の作用でその洗脳も解けてしまったのか、
グライアーは一度は完全に消されたはずの戒としての意識を取り戻そうとしている。

グライアー「何だ…俺のこの姿は…?
 俺は…どうなってしまったんだ…」
クールギン「ううむ、これはいかん…。
 おい戒君、私だ。私の声が分かるかね」
グライアー「その声は…桐原…先生…?」

思いもよらぬ事態に焦りながらも、
クールギンはあくまで平静を装いつつ桐原剛造の声で戒に語りかける。
意識が戻ったばかりで状況が分からず混乱している戒に、
尊敬する桐原先生の言葉として、取り急ぎ何らかの説明をしなければならない。

グライアー「先生…俺は…これは一体…どういう…」
クールギン「落ち着いて私の話を聞いてくれ。いいかね、君は…」
グライアー「グ…グォォォァァァッ!!」

頭の中で素早く言葉を選んで説明を始めようとしたクールギンだったが、
それを遮るようにグライアーが獣のような大きな叫び声を発した。
沈静化しかけていたグライアーのライフエナジーが再び爆発的に増大し、
発生した猛烈なエネルギーの波動に押されてクールギンがよろめきながら後ずさる。

クールギン「くっ…!」

パワーの出力を規定値内に抑え込んでいたリミッターを壊されてしまったグライアーは、
体内で際限なく燃焼するようになったエネルギーが制御不能となり暴走状態に陥ったのである。
恐ろしい唸り声を上げながらどんどん戦闘力を高めていくグライアー。

グライアー「ウォォォーッ!!」
クールギン「ま、待て! やめろ! 彩堂寺君!!」
グライアー「ハァァッ!!」

大きく咆えたグライアーは両手を真上に掲げると、
掌から青色の強力なエネルギー弾を撃ち出し、
ゴーストバンクの天井をぶち抜いて地上まで繋がる巨大な穴を開けた。

グライアー「タァッ!」

天井に空いた大穴から暗い玉座の間に射し込んだ太陽の光に引き寄せられるようにして、
勢いよく地面を蹴ったグライアーは大ジャンプし、
ロケットの如く地上へと飛び出して行ってしまった。

クールギン「…バルスキー、聞こえるか。
 非常事態発生だ。ゾルベゲールの謀叛は防いだがグライアーが暴走した。
 出撃中の全軍団は直ちに作戦を中止してグライアーの捕獲にかかれ」

クールギンは地上でシグフェルらと戦闘中のバルスキーに通信機で連絡した。
だがいかにも気安げな口調で淡々と命令したものの、
果たして暴走中のグライアーを取り押さえる事など可能かどうかはクールギンにも分からない。

クールギン「遂に恐れていた事が…」

何者かの横槍によってタガが外れ、おまけに戒の人格まで回復したグライアーは、
今やネロス帝国にとってコントロール困難な危険分子となってしまった。
クールギンが以前から憂慮していた悪夢が、とうとう現実のものとなったのである。

クールギン「………」

不意に、胸の奥に浮かんだ一つの感情をクールギンは慌てて即座に打ち消した。
自分がほんの一瞬でもこのような気持ちになったのは、
彼にとってはグライアーの強さ以上に恐怖と戦慄を誘うものであり、
冷静沈着なこの男にすら身の震えを禁じ得なかった。
それは今まで彼がただ一度として心の片隅にも抱いた事がなく、
そして決して抱いてはならない、絶対の禁忌と言うべき思いだったからである。

947帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-4:2018/06/05(火) 15:49:22
○仮面ライダー2号→カイモズーを倒す。
○仮面ライダーアマゾン→ゴチャックに大切断を防がれ苦戦。
○仮面ライダーアギト→ドランガーに苦戦しシャイニングフォームに変身。
●カイモズー→仮面ライダー2号に倒される。
●ゴチャック→仮面ライダーアマゾンの大切断を防いで反撃に出る。
●ドランガー→仮面ライダーアギトを全身の火器による猛攻で追い詰める。
●クールギン→暴走状態となったグライアーに圧倒され、恐るべき事態の発生に慄く。
●ゾルベゲール→グライアーの突然の変調により反乱失敗。ゴーストバンクの外へと逃走する。
●ムカデリヤ→グライアーの突然の変調により反乱失敗。ゴーストバンクの外へと逃走する。

△グライアー→堕神が送り込んだ小蜘蛛の毒針で服従カプセルとエネルギー制御回路を破壊され暴走する。
●ガーミッド→グライアーの服従カプセルとエネルギー制御回路を小蜘蛛の毒針で破壊する。
●スネイザ→グライアーの服従カプセルとエネルギー制御回路を小蜘蛛の毒針で破壊する。

948帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-5:2018/09/02(日) 14:42:14
***川越市・郊外***

仲間の怪人軍団が徐々に倒されて数を減らして行く中、
アンキロサウルスヤミーは持ち前の怪力を振るって暴れ回り、
仮面ライダーファイズを乱暴に殴り倒して痛めつけていた。

ファイズ「つぁっ! オラァッ!」
アンキロサウルスヤミー「ガゥゥ〜ッ! それがどうした!」

ファイズも負けじとケンカ殺法の荒っぽいパンチの連発で反撃するが、
太古の鎧竜のような硬い甲羅に覆われた背中を向けてガードするアンキロサウルスヤミーには、
ファイズの猛攻をもってしても傷一つ付けられない。

アンキロサウルスヤミー「凍れ! 凍てつけぇっ!」
ファイズ「くっ、こうなりゃ…!」

あらゆるものを氷結させる冷気のシャワーを口から吐くアンキロサウルスヤミー。
地面を素早く転がって敵の冷凍ガス攻撃を回避したファイズは、
倒れた体勢のまま腕のファイズショットにミッションメモリーを装填しナックルモードに変形させた。

ファイズ「喰らえ!」Exceed Charge!!

ファイズショットの先端から放たれた赤い円錐状のフォトンブラッドが、
アンキロサウルスヤミー目掛けて矢のように飛んで行く。
アンキロサウルスヤミーは素早く身を捻って後ろへ振り向き、
背中の甲羅でフォトンブラッドを受け止めた。

ファイズ「うおおおッ!!」
アンキロサウルスヤミー「フン、俺の甲羅で防いでやる!」

立ち上がったファイズが助走をつけて猛然とそこへ突っ込み、
敵の背中に突き刺さったフォトンブラッドを押し込むように渾身のパンチを放つ。

ファイズ「オラァッ!!」
アンキロサウルスヤミー「グォァァーッ!!」

ファイズの強力技・グランインパクトは遂にアンキロサウルスヤミーの硬い甲羅に亀裂を走らせ、
甲羅の下の肉体までフォトンブラッドの光を到達させてダメージを与えた。
アンキロサウルスヤミーの背中の傷口からセルメダルが噴水のようにあふれ出し、
深手を負ったアンキロサウルスヤミーは低い呻き声を上げながらよろめく。

アンキロサウルスヤミー「グォォーッ!!
 まだだ…まだ俺は負けんぞ〜っ!」
ファイズ「ちっ、浅かったか」
ストロンガー「何て耐久力だ。
 あの重いパンチを受けてもまだ致命傷に至らないとは」
 
大量のセルメダルを背中の傷口から流出させながらも形状崩壊まではせず、
苦悶の咆哮を上げつつなお戦い続けようとするアンキロサウルスヤミー。
ならば今度はクリムゾンスマッシュをお見舞いしてやろうと、
ファイズはミッションメモリーを右足のホルスターにセットする。
だがその時、突如として地鳴りが起こり、アンキロサウルスヤミーの足元に亀裂が走った。

アンキロサウルスヤミー「ムッ!?」
ファイズ「何だ…!?」
V3「危ない! みんな離れろ!」

V3が叫んだ次の瞬間、大地が一際大きく揺れ、
アンキロサウルスヤミーの足元に走った地面の裂け目から青い光が漏れ出たかと思うと、
超高熱のエネルギー波が凄まじい勢いで地底から噴き出し、
その場に立っていたアンキロサウルスヤミーを呑み込んだのである。

アンキロサウルスヤミー「グワァァ〜ッ!!」

グランインパクトの直撃にも耐えたアンキロサウルスヤミーの体が、
まるで火山の大噴火のような激しいエネルギーの奔流に呑まれて一瞬で焼き尽くされ、
無数のセルメダルに変化する。
そのセルメダルも凄まじい高温の熱波の中で溶かされてたちまち全て蒸発してしまい、
後には直径10メートル以上の深く巨大な穴だけが残った。

1号「これは…」
ゲルドリング「い、一体何が起こったんや!?」
V3「あの頑丈な恐竜ヤミーを跡形もなく焼き尽くすとは、
 何て凄まじい熱波なんだ」
ロビンケン「今のはどう考えても自然現象などではない。
 地下からあれを撃ったのは一体誰だ?」

949帝王ネロス誅殺!?超戦士グライアーの秘密-5:2018/09/02(日) 14:47:37
皆が戦いを忘れたかのように、
突如として地面に開いたその大穴に視線を奪われて呆然と立ち尽くす。
そんな中、ライダーマンが咄嗟に何かを感じて鋭く声を発した。

ライダーマン「気を付けろ!
 穴の底に、巨大なパワーを持った何かがいるぞ!」
タグスロン「なっ…!?」

ライダーマンの声に反応して皆が一斉に身構えたその時、
穴からその“何か”――恐るべきエネルギーの源であるモノが勢いよく飛び出し、
数十メートルの高さまで飛翔してから地上に舞い降りた。
着地の瞬間、それが帯びていた強いエネルギーの波動が地面に炸裂して爆発が起こり、
地表の土やアスファルトが砕け散って煙が濛々と立ち込める。

X「あれは…」
ゲバローズ「ま、まさか…!」
シグフェル「グライアー…」

グライアー「………」

爆煙が徐々に晴れ、その中に立つ青いサーベルタイガーのような怪人の姿が影となって浮かび上がる。
シグフェルはすぐにその正体を悟って無意識の内に名を呟いた。
地下の移動要塞であるゴーストバンクの天井を破壊して地上へと飛び出したグライアーが、
再びシグフェルの前に現われたのだ。

タグスキー「おお、ようやく我らが最強戦士の推参か!」
アグミス「待っていたぞグライアー。
 さあ、お前の力であそこにいるシグフェルを…」
グライアー「………」

アグミスが近付いてグライアーの肩に手をかけようとした次の瞬間、
それまでどこか虚ろだったグライアーの両眼に鋭い殺気が迸った。

ドランガー「危ない、アグミス!」
アグミス「ぬぉっ!?」

軍団長のドランガーが警告の声を届かせる暇さえなかった。
差し伸べられたアグミスの片腕を掴んだグライアーはその手首を握ると、
思い切り引っ張って腕を肩からもぎ取ったのである。

アグミス「ぐぁぁ〜っ!!」
グライアー「ハァッ!」

右腕を根こそぎ引き千切られ、
肩から火花を散らしながらうろたえるアグミスを、
グライアーは強烈な回し蹴りで遥か遠くへ吹っ飛ばす。

ブルチェック「アグミス! しっかりしろ!」
メガドロン「ダメだ。完全に破壊されている…」

蹴り飛ばされ、路上に停まっていた自動車に勢いよく激突したアグミスに、
機甲軍団の仲間達が駆け寄るが、
既にアグミスは大破し、車ごと無惨なスクラップと化してしまっていた。

ジャムネ「おのれ、味方に何ということを!」
ゴチャック「一体どうしたのだ。落ち着けグライアー!」

グライアーが味方であるはずの自分たちを攻撃するという思わぬ事態に、
ネロス軍団員の間に当惑と動揺が走る。

バルスキー「…クールギンか?
 何っ、グライアーが暴走しただと…!?」
2号「おい、あいつ今何て言った?」
1号「暴走…!?」

「暴走」。ゴーストバンクにいるクールギンから通信を受けたバルスキーが、
思わず声に出して反芻したその一言は、
それを聞いた全ての者に衝撃と戦慄を与えた。
シグフェルの細胞から創造された悪の超怪人グライアーは今、
その底知れぬ力を制御できない暴走状態となってこの戦場に姿を現したのである。


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