■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
【ss】小鈴「まずは蓮ノ湖横断からだよ、泉ちゃん!」
-
……
泉(ああ……光だ。この暗い水底を照らす光……)
-
……
泉「うん? 今何と言ったのかな? 小鈴さん」
小鈴「うん、蓮ノ湖横断をしよう、って言ったよ、泉ちゃん!」
泉「聞き間違いではなかったようだね。話が見えないのだけど、説明してくれないかな」
小鈴「昨日のFes×LIVEのあと、徒町と一緒にチャレンジしたいって言っていたでしょ? だからまずは蓮ノ湖を横断してもらおうと思ったんだ!」
泉「なるほど、……それは私の名前が泉だからかな? だとしたら泉と湖の違いを説明させてもらうことになる」
小鈴「へえ、何が違うんだろう。……ってそうじゃなくて、れっきとしたチャレンジの一環だよ」
泉「私のイメージしていたチャレンジは、この間のイベントの企画のようなものだったのだけど、……それとは少し雰囲気が違うようだね」
-
小鈴「でも、初めてのチャレンジといえば蓮ノ湖横断だって決まっているんだよ!」
泉「初めて聞いたけど……それも蓮ノ空の伝統なのかな?」
小鈴「そう! 蓮ノ空での徒町のチャレンジも、去年の蓮ノ湖横断から始まったんだ! ほら見て、このバッジ! これがさやか先輩にもらった徒町の最初のバッジなんだ」
泉「ふむ……察するに、それは伝統ではないね」
小鈴「ううん、……確かにまだ挑戦者は徒町だけかもしれないけど、泉ちゃんが一緒にチャレンジしてくれるって言うから、これから伝統になるんだよ!」
泉「これから伝統になる、か。……そうか! それは面白そうだ!」
小鈴「うん! それじゃあ、早速蓮ノ湖に向かおう!」
さやか(小鈴さん、あれをやるんですね……どうかお気をつけて)
-
期待
-
……
小鈴「と、いうことで!」
セラス「やってきました、蓮ノ湖〜!」
泉「……どうしてセラスもいるのかな?」
セラス「それはもう、泉が面白いことをやると聞いたからには、パートナーである私が見届けないといけないから!」
泉「面白いことをやるつもりはないんだが」
セラス「……ねえ泉、ひしゃくお化けって知ってる?」
泉「ああ、……知っているよ」
セラス「船に乗っていると、『……ひしゃくをくれ〜』って話しかけてくるんだよ……」
-
泉「セラス」
セラス「どうしたの? 一緒にトイレ行ってあげようか?」
泉「ありがとう。でも、さすがにこんな昼間から怖がったりはしないよ」
セラス「無理しなくていいんだよ。恥ずかしいことじゃないよ。あ、対処方法も教えてあげる。『ひしゃくをくれ〜』って言われてひしゃくを渡すと舟に水を入れてきて沈没させられちゃうの」
泉「そうだね。恩をあだで返すんだね」
セラス「だから、底の抜けたひしゃくを渡すと、一生懸命舟を沈めようとするんだけど、底が抜けてるからうまくいかないの」
泉「忠告ありがとう。でも……」
小鈴「泉ちゃーん、準備できたよー!」
泉「どうやら、ひしゃくで沈められるほど上等な舟ではないようだ」
-
セラス「え、あれは……」
泉「小鈴さん、一応聞いておくけど、その筏とすら呼べないような板切れと、オールと言うには頼りない木の棒を使うということかな?」
小鈴「そう! これが、由緒正しい蓮の湖横断のスタイルだよ!」
泉「これは……さすがに無理があるんじゃないかな」
小鈴「大丈夫! 徒町でもできたんだ、泉ちゃんならきっとできる!」
泉「いや、しかし……私の体格でその板に乗ったら、おそらく安定して浮くことは難しいだろう」
小鈴「……泉ちゃんは、苦労しなくても簡単にできちゃうチャレンジをしたいの?」
泉「!」
小鈴「確かに大変かもしれない。……でもそれを乗り越えることがチャレンジなんだよ」
泉「…………くくく……そのとおりだね。私としたことが、こんなことで怖気づいてしまうなんて。……すまない、私が間違えていた。お詫びに、今からこの私、桂城泉が優勝請負人と呼ばれる所以をお見せしよう!」
小鈴「うん! 頑張って!」
セラス「泉……何か変なスイッチ入ってる?」
-
おいおい
死んだわアイツ
-
はやくさやかちゃんを呼べ
-
これは良SS👏
続きたのしみ
-
泉ってノリがいいよね
そしてアホなんじゃないかと思うとかもあるね
-
泉「ところで、制服のまま来たけど、服装はこのままやるのかな?」
小鈴「そうだよ!」
泉「そうか、落ちたらずぶ濡れ……それでこそやりがいがあるというものさ」
小鈴「もし落ちても、今は夏だから水温も高いはず。条件は悪くないよ!」
セラス「……でも、その代わり藻がすごいです。それにちょっと生臭い」
泉「……よし、それじゃあ、行ってくるよ。小鈴さん、セラス、私が見事やり遂げるところを見届けてほしい」
小鈴「任せて! バッチリ見てるから!」
-
泉(さて……やり遂げるとは言ったものの、まずはうまくバランスが取れるかが問題だが……)
小鈴「頑張れ! 泉ちゃん!」
泉(やはり……乗るだけで脛まで沈んでしまう。成功すれば濡れないなどというのは都合のいい考えに過ぎなかったか)
泉(なんとかバランスを取って、この棒で……漕ぐ! ……ふむ、さっぱり前に進まないね)
泉(ならば、ここは回転を上げて一気に進む!)
泉「……!! しまった! バランスが……!」
泉「おぼぼぼぼぼぼぼぼ……」
-
……
泉(ここは……蓮ノ湖の中か……)
泉(薄暗い……水底。どこか安心する光景だ)
泉(水の中なら、灰は積もらないだろうか)
泉(それとも、やはり沈殿してしまうのか)
泉(ああ、無数の手が、ひしゃくなどいらないとばかりに、底に引きずり込もうと手を伸ばしてくる)
泉(そんなに引っ張らなくても、すぐにそっちに行くさ……)
泉(……おや、あなたはただ私のほうを見つめるだけで、私を引っ張ろうとしないのかい?)
泉(……そうか、あなたは、昔の私か)
泉(ふふ、幻滅しているかな。いつになっても、私は私。からっぽのまま、何も変わらないと……)
泉(……いや、なんだ? ……私を見ているわけでは、ない? 私の向こう側を、見ている……?)
泉(反対側には、一体何が……)
泉(……眩しい)
泉(ああ……光だ。この暗い水底を照らす光……)
泉(……太陽!)
-
……
泉「ぶはっ!」
小鈴「泉ちゃん!!」
セラス「泉!? 大丈夫!?」
泉「はあ……はあ……」
泉「……はあ……ふう……この程度……問題ない。……しかし、知識としては知っていたが、着衣水泳がここまで大変だとはね」
セラス「よかった。……うわ、びしょ濡れ。しかも藻が絡まって、ちょっと生臭いよ」
泉「セラス、あなたもやってみるといい。あの光に導かれたらそんなことは気にならなくなるさ」
セラス「光って、だからそれ! 私に言ったやつー!」
-
>>14
ここ活動記録
-
小鈴「一回目であんなに行けるなんて、すごいよ泉ちゃん!」
泉「そうかな? しかしまだ道半ばだ」
小鈴「大丈夫! 何度も挑戦したら、きっとできるよ!」
泉「ああ。……ところで、板と棒はあそこに浮かんだままだけど、どうやって回収したらいいかな?」
小鈴「うん、泳いで取りに行ったらいいよ!」
泉「ふむ……今私は何も持たずに、やっとのことで戻ってきたのだが、さらにあれを持ってくる、と言っているのかい?」
小鈴「そう! ……さやか先輩は徒町を引っ張りながらでも大丈夫だったから、今回は徒町がいない分楽なはずだよ!」
泉「ふふふ……さすがはさやか先輩だ。私が思っているよりさらに上を行くね。……確かに、それなら私ができない道理はない!」
-
……
小鈴「泉ちゃん、腕を回す方向を意識して!」
泉「ああ!」
泉「おぼぼぼぼぼぼぼぼ……」
-
……
小鈴「泉ちゃん、脇だよ! しっかり脇を締めて!」
泉「脇を締めて、力の伝達効率を上げる……!」
泉「おぼぼぼぼぼぼぼぼ……」
-
……
小鈴「泉ちゃん、もう少しだよ! ちぇすとー!」
泉「チェストオオオオォォォォーー!」
-
……
セラス「ゴォールゥー!」
泉「はあ……はあ……」
小鈴「泉ちゃん! やったよ! すごいよ!」
泉「はあ……はあ…………やり遂げられたのか、私は」
小鈴「そうだよ! すごかったよ、泉ちゃん!」
セラス「うん、……やってることは意味わからないのに、なんかちょっと感動した」
泉「心の持ちようが変わったからだろうか……この達成感、胸の奥から湧き上がる熱……随分久しぶりの感情だ……」
泉「自分の力で目標に向かって進むことで、世界が色づく感覚……」
セラス「えー!? 何それ!? 瑞河での私とのスクールアイドル活動のときは!?」
泉「確かに瑞河のときも世界は鮮やかだった……でも、あのときの熱さは……セラス、君の熱を借りていたのさ」
セラス「ふーん。……まあ、これからもっとスクールアイドルにメロメロにしてやるから、いいけど」
泉「ああ、もちろんそれも楽しみにしているよ」
-
泉「ありがとう小鈴さん。正直最初はここまで素晴らしいものだとは思わなかった」
小鈴「うん、泉ちゃんがチャレンジ成功できて徒町も嬉しいよ! ……これ、さやか先輩みたいに字が上手くないけど、チャレンジ成功のバッジ、泉ちゃんにもあげるよ」
泉「小鈴さんが作ったのかい? ……ああ、嬉しいよ、ありがとう」
小鈴「えへへ、良かった。これからも一緒に色んなチャレンジをしようね」
泉「ああ、待ちきれないよ。次のチャレンジは何かな?」
小鈴「え、次? うん、次のチャレンジは、……夏休みの宿題捏造チャレンジだよ!」
泉「ほう、私はもう全部終わっているが、それでもやる価値があるチャレンジかな?」
小鈴「……あるよ! ……宿題を終わらせることが目的じゃないんだ! 困難なチャレンジに挑むのが大事なことだから!」
泉「ふむ、これも、そう簡単なチャレンジではなさそうだ。……だからこそ、楽しみだ」
セラス「あのー、小鈴先輩、実は私も少しそのチャレンジに興味が……」
小鈴「本当!? それじゃあ、三人で一緒にチャレンジだよ! ちぇすとー!」
泉、セラス「ちぇすとー!」
-
花帆「はいはい! あたしもやりたい!」
セラス「花ちゃん!? 一体どこから?」
花帆「あ、それはね、万一のときに助けに入るために、あの草むらの陰から三年生みんなで見守ってたんだ!」
泉「三年生みんなで……? ということは……」
花帆「うん、瑠璃乃ちゃんと……」
瑠璃乃「ふいー、草むらは蚊がすごいぜ〜」
花帆「……あ! その……さやかちゃん……も」
さやか「……小鈴さん、見させてもらいましたよ、全て。 チャレンジ成功は素晴らしいですが、次のチャレンジについては、お話があります」
小鈴「わ〜、さやか先輩! ごめんなさ〜い!」
※このあと、さやか先輩に叱られて、結局宿題は自力でやることになりました!
おわり
-
乙
泉の熱が感じられて素晴らしかったです
オチまで完璧で良き
-
乙
おぼぼぼぼぼぼぼぼしてる泉想像したら笑った
-
ノリノリ泉ちゃん助かる
悪巧み小鈴ちゃん残当
-
おぼぼぼぼで草
かわいかった
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■