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【ss】すみれ「ずっと一緒に」
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代行
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すみれ「すぅ……すぅ……ん……んぅ……」
すみれ(……?)パチ…
すみれ(ここ、どこ……? 病院……?)
??「おや、起きましたか?」
すみれ「!? だ、誰っ!?」
??「わ、そんな大きな声出して。びっくりしてしまいます」
すみれ(優しそうな……可愛らしいおばあちゃん。病院の人……?)
すみれ「ごめんなさい……あの、ここは病院ですか?」
老婆「そんなところです。大丈夫、怖いところじゃありませんから」
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期待
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すみれ「私、どうしてここに……確か、何かしなきゃいけないことがあったような……」
老婆「あらあら、どうしたのですか? 何かの撮影? それともオーディション?」
すみれ「えっ!? ち、違いますっ、私、今スクールアイドルやってて」
老婆「! そう……そうでしたね。スクールアイドル」
すみれ「スクールアイドルを知ってるんですか?」
老婆「もちろん! よく中継や配信を見ていますよ」
すみれ「そうなのね。も、もしかして私のことも知ってたりなんて……」
老婆「当然知っていますよ、平安名すみれちゃん。ずーっと一番に応援していますから」
すみれ「一番……! あ、ありがとうございます……!」
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ホラー系?
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老婆「いーえ、好きでやっていることですから。スクールアイドルのすみれちゃんと会えて、嬉しいです」
すみれ「え、ええ……」
すみれ(おばあちゃんは喜んでくれてるけど、思い出さなきゃ……私は……何を……)
『すみれには……関係ないデス』
『……嫌いデス』
『可可は皆と楽しく歌っていたいのデス』
すみれ「……!!」
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すみれ「わたし、私、行かなきゃ……!」フラ…
老婆「そんな、今起きたばかりなのに。もう少しおばあちゃんとお話ししてくれませんか?」
すみれ「ごめんなさい、だめなの、行かなきゃ……今頑張らないと友達が上海に帰っちゃうの……」
老婆「!」
すみれ「可可が……くぅくぅ……」グスッ
老婆「……泣かないで。大丈夫、大丈夫……あなたを置いていったりしませんよ」
すみれ「でも、でも、勝たなきゃあの子は連れ戻されちゃうの! もう一緒にいられなくなっちゃうの……!」
老婆「大丈夫です。もしかしたら少し離れてしまうこともあるかもしれないけれど、それでもすぐに戻ってきますから」ポンポン
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期待
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すみれ「だけど……」
老婆「そんな泣き顔で行ったら可可ちゃんもびっくりしてしまいますよ? だから少し落ち着いてから行きましょう?」
すみれ「……うん」
老婆「よしよし、すみれちゃんはいい子ですね。そうだ、おばあちゃんに可可ちゃんの話を聴かせてくださいな」
すみれ「可可の話……?」
老婆「ええ、なんでもいいですよ。悪口でも」クスッ
すみれ「悪口なんて言わないわよ!」
老婆「ああ、ごめんなさい。よく可可ちゃんに色々言われてるようですから」
すみれ「よく知ってますね……ほんとに私たちのファンなのね。ならこれも知ってるでしょう、あの子は私のこと嫌いなんです」
老婆「……」
老婆「それでもやり返さないなんて、すみれちゃんは偉いですね」
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すみれ「だって私は……可可のこと好きだから……」
老婆「……」
老婆「…………」グッ…
すみれ「……? おばあちゃん?」
老婆「いえ、ごめんなさい、なんでもありません」ゴホン
すみれ「そう……?」
老婆「それで、すみれちゃんは可可ちゃんのどんなところに恋をしたの?」ウキウキ
すみれ「!? 違っ、好きってそういう意味じゃ……!」
老婆「いいえ、おばあちゃんはわかっています。すみれちゃんは可可ちゃんのことが大好きだって」
すみれ「う、うぅ……」
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すみれ「んー……えっと……かわいいとこ……顔もだけど、仕草とか……声も好き」
老婆「はい、はい」ニコニコ
すみれ「あとはやっぱり、すっごくかっこいいところ。私の運命を変えてくれたの。それなのに日頃は手が掛かるというか、ほっとけないとこもあって……」
老婆「可可ちゃんのそういうところを好きになっちゃったんですね」ニコニコ
すみれ「うん……まあ、それで言うとかのんも当てはまるんだけど」
老婆「えっ」
すみれ「え?」
老婆「かの……かのんちゃん、ですか?」
すみれ「そ、そうだけど」
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おっ?!…期待
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老婆「すみれちゃんは、かのんちゃんも、好き……?」
すみれ「え……そ、それはまあ……? 時々、みんなには内緒ね? とか言って自分の家の喫茶店に誘ってくれたり……優しいし」
老婆「な、なんですかそれは!? 知りませんよ!?」
すみれ「いくら大ファンでもこんなことまで知ってたら怖いわよ!」
老婆「二人……そんなことして……時々……あの頃に……?」ブツブツ
すみれ(この動揺具合……おばあちゃんまさかかのんのガチ恋? でも私を一番応援してくれてるんじゃ……?)
すみれ「あの、もしかして私よりかのんの方が好き?」
老婆「!?!? なっ、げほっ、うぇ、ごほっ」ゴホゴホ
すみれ「おばあちゃん!? ご、ごめんなさい! 軽い気持ちで聞いたの、そんなに焦らなくてもいいですから!」サスサス
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ちぃちゃんかこれ?
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老婆「はぁ、はぁ……ごめんなさい……その、昔おな……似たようなことを言われたことがあって」
すみれ(おばあちゃん、罪な女だったのね……)
老婆「かのんちゃんのことは大好きです。とっても、とっても……。でも私は生涯をかけてすみれちゃんを応援したと、自信を持って言えますよ」
すみれ「ありがとう……でも、まだまだ応援してね?」
老婆「ええ、それはもう。すみれちゃんのためにも、もう少し長生きしなくちゃいけませんから」
すみれ「あと、かのんも好きだけど可可への気持ちとは違うわ。だから安心してね」
老婆「……私もあのとき、そう言ってあげればよかったんですね」
すみれ「おばあちゃんは昔なんて答えたんですか?」
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気になる展開
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老婆「……ちょっと拗ねただけかと思って、ほんの意地悪で『そうです』と言ってしまったんです。そうしたら帰ってこなくなってしまって」
すみれ「ひどい! その人も不安だったのよ、それはおばあちゃんがいけないわ」
老婆「ええ、そうですね。たくさん謝りました。戻ってきてくれて本当によかったです」
すみれ「大事にしなきゃだめですよ。……でも、おばあちゃんは大事にされる側かしら。可愛いし」
老婆「そんな、可愛いだなんて。もうこんなおばあちゃんになってしまいましたよ」
すみれ「ううん、可愛いわよ。あんたはずっとかわいいわ」
老婆「……!」
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すみれ「? ……あれ、私今……?」
老婆「……ふふ、そうですか。嬉しいです。すみれちゃんも……あなたも、いつまでもとっても可愛いですよ」
すみれ「おばあちゃん……えっと」
老婆「楽しいお話を聴かせてくれてありがとう。たくさん喋って疲れたでしょう、今日はもうゆっくり休んで?」
すみれ「え……でも……」
老婆「大丈夫、可可ちゃんにはまたすぐに会えますから」ナデナデ
すみれ「ん……本当……?」トロン
老婆「嘘なんかつきません。可可はこれからもずっとあなたのそばにいます」トントン
すみれ「うん……ずっと……」
老婆「はい、ずっと……最後まで、です」ギュッ
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すみれ「……すぅ……すぅ……」
老婆「かわいい寝顔ですね……」
老婆(……最初は寂しくてたまらなかった)
老婆(ずっと一緒に過ごしてきた思い出が失われてしまうと怯えて。どうか忘れないで、あなたのままでいてと祈って)
老婆「……それなのに、あなたときたらどれだけ記憶が飛んでも私のことばかり。もう、笑っちゃいます」
老婆「最近は話を聴くのが楽しみになってきてしまったではないですか」ツン
すみれ「んぅ……zz……」
老婆「ふふ……我爱的人。次は何歳のときのあなたに会えるでしょうか」
完
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あぁ…そういうことか…
泣いた
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え?すみれは記憶喪失かなんかなん?
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しゅみれ😢
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乙です!しんみりした
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乙やで
>>21
くぅすみが老夫婦になるまで寄り添って、すみれが認知になってるみたいな感じやないかな
野暮な解説だったらすまん
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>>24
理解した
ありがとう
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いい話だった
本当に最期の時まで寄り添いそうな解像度があるのがこの2人
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真ん中バースデーにいいもん見た乙
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スレタイ星屑クルージングから取ってるんか?ええやんけ
クゥすみたすかる
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最後まで読んで理解した
良いssだった
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すみれを介護し終わったらククもすぐ逝きそう感ある
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こういうのに弱い...
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美しい作品
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