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【SS】千歌「果南ちゃーん!ひま〜! 遊びにきたよー!」
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果南「おっ!ナイスタイミング!ちょうど千歌に電話して家に呼ぼうかなって思ってたところだったんだよ!」
千歌「おおー!まさに通じ合ったってやつだね!これぞ幼なじみパワー!」
果南「それよりも千歌!誕生日おめでとう!」
千歌「………………えっ!?」
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果南「ふふっ、驚きのあまり言葉も出ないようだね。そこまで反応してくれると私としても嬉しいよ」
千歌「いや、それはそうなんだけど、サプライズとは関係ないところでというか……」
果南「ん?どういうことかなん?」
千歌「私の誕生日、明日なんだけど……」
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果南「……」
千歌「……」
果南「…………」
千歌「…………」
果南「………………まじ?」
千歌「まじだよ………………」
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果南「あちゃー!そろそろ8月になるとは思ってたんだけど、まさか明日だったとは!」
千歌「まあ果南ちゃんはどちらかというと感覚で生きてるタイプだもんね」
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果南「ちゃんとカレンダー確認しとけばよかったなぁ……」
千歌「ひ、日にちは間違っちゃったかもだけど、お祝いしようとしてくれたのはすごく嬉しいよ!!ありがとう果南ちゃん!」
果南「まあ実質今日も誕生日みたいなもんでしょ!オールオッケーってことで!」
千歌(それ絶対間違えた側の人が言うセリフじゃないよね……)
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果南「さて、冗談はこのくらいにしときますか」
千歌「……あ、冗談なんだ」
果南「当たり前でしょ!いくら私だって日付くらいわかるよ!」
千歌(ごめん、果南ちゃんならあり得るかもってちょっとだけ思っちゃった……)
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果南「今月も既に善子の誕生日会したしもうバレてると思うから言うけど、明日はみんなで盛大にお祝いするからね!」
千歌「わかった!楽しみにしてるね!」
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果南「で、ちょうどよかったって言ったのは本当なんだよね。実は今からカレー作ろうとしてたんだ。千歌も食べるでしょ?」
千歌「わー!カレー!実は朝がちょっと少なくてお腹減ってたんだ!私も手伝うから一緒に作って食べよ!」
果南「千歌ならそう言ってくれると思ってたよ」
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かわいい
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千歌「でもカレー作るなんて珍しいね。果南ちゃんがカレー作るのって初めて見るかも」
果南「実はAqoursの団結力を高めるためにみんなにカレーをふるまおうと思ってさ。今日はその練習ってわけ」
千歌「へー……カツを食べてゲン担ぎみたいな話はよく聞くけど、カレーで団結力っていうのは初めて聞いたよ」
果南「そりゃそうでしょ。私が勝手に言ってるだけだし」
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千歌「……ほぇ?」
果南「だってカレーってルーでつながってるでしょ?ごはんと具材がさ。まさに団結力の象徴に相応しくない?」
千歌「無理やりにもほどがあるよ!?ルーに団結力の象徴任せるのやめて!?」
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ちかなんすこ
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果南「まあいつまでも玄関で立ち話もなんだし、上がりなよ」
千歌「果南ちゃんが長々とボケるからでしょ!お邪魔します!」
果南「はーい!1名様ごあんな〜い!」
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千歌「よく考えたら、果南ちゃん家のキッチンに入るの久しぶりかも!」
果南「まあ普段は遊びに来てもすぐ私の部屋行くしね」
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千歌「というかさ、なんでそんなこじつけてまでカレーで団結力を高めたいの?」
果南「カレーは器の中の民主主義だから」
千歌「カレーが民主主義!?どゆこと!?」
果南「ひとつひとつの具材が尊重されていて、それでも対等でいられる……これこそ民主主義で、私の思う理想の団結の形なんだよ」
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千歌「さっきから果南ちゃんが何言ってるのか理解できないよ……単にカレーが食べたいから振る舞いたいとかじゃないんだ?」
果南「それもある」
千歌「あるんかい」
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果南「ところでご飯はどれくらいあればいいかな?30合で足りると思う?」
千歌「……そうだね、9人分で3合は流石に少ないんじゃない?」
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果南「もー千歌ったら!3合じゃなくて30合だって!」
千歌「聞き間違いじゃなかった!?30合って3升だよ!?Aqoursって9人だよね!?どういう計算したらそうなるの!?」
果南「1人3合分、9人で27合をベースにしたうえで、みんなからほとばしる“おかわり前提の熱意”を加味したんだけど……」
千歌「いくら普段運動してるからってそんなに食べられるわけないでしょ!?よく食べる人たちを考慮したって10合でも多いくらいだよ!?」
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果南「大丈夫だって!万が一余ったとしても冷凍すれば保存できるから!」
千歌「万が一じゃなくて100%余るの!!!」
果南「まあ千歌のいう通り仮にみんなで10合しか食べられなかったとして、残り20合でしょ?9人いるから……そこそこの大きさのタッパーだとしても大体1人3〜5個くらいあれば持って帰れるって!」
千歌「そういうところだけ妙に現実的なのがなんか腹立つなぁ……」
果南「まあ千歌がなんて言おうがもう30合分を炊き始めてるからどうしようもないんだけどね」
千歌「知ってたよ!キッチンに入った瞬間部屋の隅であんなに大きな炊飯器が稼働してるんだから!でも突っ込まずにいられないじゃん!」
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果南「自分で言うのもなんだけど、いい買い物したと思うよ。ここ数ヶ月分のお小遣いと貯めてたお年玉を崩したかいがあるってもんだね」
千歌「金輪際使わないであろう物にそこまで投資できるのはある意味ですごいよ……」
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果南「じゃあそろそろカレーを作ろうか。千歌は玉ねぎを用意してもらえる?」
千歌「……え、これ全部使うの?」
果南「うん、8個分」
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千歌「だからさっきから全てが多いんだって!!!果南ちゃんの頭の中どうなってるのさ!?」
果南「泣くほど玉ねぎを切ることで、Aqoursに迫り来る悲しみを肩代わりしてもらおうかと思って」
千歌「誰もそんなこと頼んでないし玉ねぎにそんな力ないから!」
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果南「うぅ……千歌に具材の量を減らされた」
千歌「当たり前でしょ!全くもう!いいから果南ちゃんは玉ねぎを炒めておいて!にんじんとじゃがいもはこっちで切っちゃうからね!」
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果南「いいけど、にんじんは皮を残してね」
千歌「あ、果南ちゃん家はむかない派なんだ?なにかこだわりがあるの?やっぱり栄養かな?」
果南「だってその方がにんじんの性格が残るでしょ?」
千歌「うん、その理由で皮をむかないのは世界中で果南ちゃんだけだと思うよ」
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果南「今日のにんじんはちょっとツンツンしてるけど、ちゃんとしたら甘い感じだね」
千歌「ツンツンって……あと、ちゃんとしたらってなにさ?」
果南「ちゃんとはちゃんとだけど?それ以外にちゃんとってある?」
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千歌「……じゃあ、じゃがいもはどうするの?」
果南「じゃがいもに関してはそれはもう“全面的に信頼してる”から好きにしていいよ」
千歌「じゃがいもに信頼!?生まれて初めて聞いたんだけど!?」
果南「ほら、口はほどほどにして手を動かそうよ。さっきから全然進んでないよ?」
千歌「この……!」
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千歌「はい、お肉」
果南「ありがと。ちなみに本番では豆腐にしようかと悩んでるんだ」
千歌「え?お肉じゃないの?なら最初から豆腐カレーにしたらよかったんじゃ……」
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果南「今突然インスピレーションが下りてきたからね。豆腐とルー、柔らかいもの同士に共鳴を感じたよ」
千歌「感じないで!?共鳴する要素なんて1つもないからね!?」
果南「安心しなよ!大豆は畑のお肉だから!」
千歌「さっきから安心できる要素が1つもないんだけど、それは大丈夫そう?」
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千歌「そろそろルーを用意しないと」
果南「今回は6つのルーをブレンドしようと思う」
千歌「あ、そこはこだわってるんだね。どれどれ……中辛115g3箱と230g3箱ずつ?」
果南「市販のルーだけど、うまく組み合わせることでコクと旨みが増すからね。これが私が見つけ出した黄金のブレンドなんだ」
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千歌「いやこれ量が違うだけじゃん!?実質ただの中辛のカレーだからね!?同じ銘柄のルーを使うにしても、せめて違う辛さのルーを混ぜるとかやりようはあるでしょ!?」
果南「みんなが食べやすいように中辛を選んでるのがポイントだよ」
千歌「私が言ってるのはそこじゃないんだよなぁ……」
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果南「でもこういう発想の柔らかさが団結力につながると思う」
千歌「こういうのは柔軟な思考とは言わないから」
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果南「さて、具材も炒め終わったし、ルーを入れてこれで1度煮込もうか」
千歌「なんでカレーを作るだけでこんなに疲れなきゃいけないのさ……」
果南「いちいち大げさにツッコむからでしょ?芸人じゃあるまいし」
千歌「誰のせいだと……!もうツッコまないからね!」
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千歌「よっと……火加減はこれでいい?」
果南「オッケー!さて、ここからはカレーと向き合う時間だよ」
千歌「ただの煮込み時間だからね?」
果南「さっそくツッコんでるけど?」
千歌「………………」
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千歌「ところで、ちゃんとみんなにタッパーを忘れないように念押ししとかないとダメだよ?」
果南「ん?どういうこと?」
千歌「さっき自分で言ったでしょ?余ったご飯はみんなに持って帰ってもらうって」
果南「それは言ったけど、なんで今タッパーの話が出てくるわけ?」
千歌「なんでって、みんなを呼んでるんでしょ?だからこんなにたくさんのご飯を炊いたんじゃないの?ルーは私が来てから準備を始めたからなんとか阻止したけど」
果南「……え?呼んでないよ?」
千歌「……は?呼んでないの?」
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果南「呼ぶわけないじゃん。さっきも言ったけど今日は本番に備えての魂のリハーサルだよ?みんなを招待するのは本番しかないでしょ」
千歌「何回も言ってるけど3升はリハーサルで炊く量じゃないんだよ!みんなもこないのにどうするのこのご飯は!?既にタッパー作戦が破綻してるじゃん!カレーにかける情熱が異常すぎるよ!?」
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果南「おっ!そろそろ完成かなん?」
千歌「うん!もうこれは……夢だよね?夢ってことにしよう!はい!ゆめゆめ!」
果南「夢を語る言葉より、米を食べる千歌になろう!」
千歌「うるさい!目覚めたらきっと、全部元どおりになってるんだ……!カレーも、炊飯器にある大量のご飯も、果南ちゃんの思想も……!」
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果南「夢ってことならこの量のご飯でも食べ切れるから安心だね!」
千歌「夢の中だとしても到底食べ切れる量じゃないないんだけどね!!!悲しいかな現実なんだよねこれは!!!」
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この二人仲良くていいよね
それはそれとしてドラマCDを彷彿とさせるカオスっぷりで吹いた
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当然ご飯だけ余ったので翌日のパーティでも果南ちゃん特製のワカメおにぎりとして振る舞われました
みかんケーキとおにぎりという組み合わせにはみんな若干ひきましたが、結果的にどっちも美味しかったのでよかったです
ちなみにカレーも普通に美味しかったです
まあ市販のルーに普通の具材を入れただけなので、美味しくないわけがないのですが
ちなみに果南ちゃんの様子がおかしかったのは私と恋人になってからあげる初めての誕生日プレゼント故に迷ってしまい、寝不足の日々が続いていたからだそうです
理由があって本当によかった……よかったのかな?
それにしても普段はあっさりというかサバサバしてるのに、こういう時に優柔不断になるのは果南ちゃんらしくてかわいいです
果南ちゃんからのプレゼントなら、どんな物だって嬉しいのに……
そんな頼りにもなって、でもどこか抜けている、3人目のお姉ちゃんでもあり恋人の果南ちゃんのことが大好きな千歌なのでした
ちなみにあの炊飯器はうちの旅館で絶賛活躍中です!
思い出に残る素敵なプレゼントをありがとう!
きっとこの誕生日のことは一生忘れないよ!
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終わりです
千歌ちゃんお誕生日おめでとう!
この後出かける予定があり明日時間が取れそうにないのでフライング投稿しました!
ちかなんはいいぞ……
レスくれた方ありがとうございました!
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|c||^.-^||ええやんですわ
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このノリ見覚えあるな
ちかなん最高
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千歌ちゃん良いツッコミ
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久々にちかなん成分補給できて満足
めっちゃ面白かった
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素晴らしいちかなん
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テンポよく読めて最高だった
乙
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ちかなんはいいぞ
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わちゃわちゃかわええ
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いいちかなんでした
また書いて下さい
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