チョコミント乙
あんなおとこおんな誰が好きなんだよwとか言われてる
と思ったけど普通に人気ありそうな気もする
俺が貰っていきますね
平安名
ラブライブ史上1番モテモテまであるだろ
男との絡みがあまりに描写なくてイメージし辛い
逆に身内以外の男との絡みあったキャラなんて歴代でも数人くらいしかいないでしょ
中学時代、ドジっ子のきな子に高校進学したら告白しようってクラス中の男子から想われてたけど、上京するって聞いて茫然自失になり、そこに追い打ちをかけるように東京で男をつくるきな子……
道ガキの脳はもうボロボロ
島ガキと道ガキの概念すこ
ラブライブで優勝してしまったきな子はどんどん都会に染まっていき、あの頃の芋臭いきな子は居ないと咽び泣く
でもいつまでもきな子が忘れられなくて一生きな子の幻影を追わないといけない呪にかかった上、死ぬ間際も幻のきな子が出て来て触れることも出来ないまま息を引き取るんだよね……
カースト高そうなキラキラした集団（かのちぃクゥクゥすみれ恋）の一員であることに怯みとっさに物陰に隠れてしまう
みたいな情景が欲しい
しかも北海道からの上京だもんな……
恐らく頼れる仲間も東京という魔境では数少ない孤独な道ガキにとってショックな光景だったに違いない……
きな子の幻だけを追いかけて焦がれ死にした道ガキは
彼を慕い続け彼の死に涙した同級生がいたことを知らない
「桜小路きな子…道ガキくんの魂を奪った女が憎い」
「みんな潰す！桜小路きな子もリエラもスクールアイドルも！！」
なおLiella!には神社の娘が居るため普通に悪霊退散して貰った模様
しかも最大の難関が、よりにもよってきな子が美少女陽キャ集団Liella!に入ってしまったとかいう詰み状態
留学先俺くん「諦めなければ絶対その願いも叶うよMs.小原」
中学俺くん「中川はその真面目さならどこでもやってけるよ」
中学我くん「くそっ！高校では絶対に俺が1位を取るからな唐！」
他校私ちゃん「あなたは夕霧綴理であって、スクールアイドルではない」
中学俺くん「俺がA判定なんだからお前も受かるに決まってるよポルカ」
どうしていきなりそんなことを言ってしまったのか、今でもわからない。でも、あいつが、……桜小路が東京に行くって聞いたとき、思わず口走ってしまっていたんだ。
中国は我くんなの芸が細かくて好き
俺が通う中学は北海道の真ん中、上川地方の田舎にある。とはいえ、本当のド田舎とは違って、1学年に1クラスある、まあまあな田舎だ(しかも1クラス20人以上もいる！)。
もちろんクラス替えはないから、クラスの顔触れは小学校入学から9年間同じ。それどころか幼稚園から、いや、生まれたときから10年以上の付き合いがあるやつだっている。
そんな環境だから、小さい頃は桜小路ともよく一緒に遊んだ。そのころの印象は、はっきり言うとどん臭くてよく転ぶやつ。起き上がるのに手を貸してやったことも数知れずだ。
でも、不思議と人望はあったらしい。だから、ドッジボールのチーム決めのときは最後に、はないちもんめでは最初に選ばれるような、そんなやつだった。
そういえば、どんなときでも、あいつはいつもニコニコして楽しそうだったな。
>>55
きな子ってそれほどキラキラ陽キャ揃いじゃない同期とつるんでる時の方が多そうだし
道ガキ君も声ぐらいはまぁ…
（自分も御容赦……）
でも道ガキ君はかのん千砂都すみれ恋みたいなきな子に勝るとも劣らない美少女軍団に腰を抜かして落ち込むんだよね……そして北海道に居た頃の自分は井の中の蛙だったと……
真面目に考察するとあんな美少女軍団に近付くのも勇気が居るだろうし、月日が経てば9人になり、更に11人になる
道ガキは相当に苦悩した青春時代を過ごすことになるんだ……東京という大都会で……
続けてほしいですの
小学校高学年ごろからは、男女分かれて遊ぶことが増えたから、桜小路との接点もあまりなくなった。
学校行事では一緒に頑張るけど、普段は特に仲が良くも悪くもない、そんな普通のクラスメイトだ。……客観的には。
実際のところ、桜小路は学年一の美少女というわけではない、はずだ。……そりゃあ、どちらかというとかわいい方だとは思うけど。
男子がみんな夢中になっているのは、よく桜小路と一緒にいる、美人と評判のあの子の方だ。だから、俺も空気を読んで、あの子はかわいいよな、なんて話を合わせる。
その割に、あの子に告白したなんて話を聞かないのは、男どもが意気地なし揃いなのか、互いの牽制が効いているのか。
そして俺はといえば、すまし顔のあの子を見るふりをしながら、気が付くとその隣でコロコロ表情を変える桜小路に目を奪われてしまっている。
気付けば平安名はLiella!入って連覇して卒業後もスターになって、接点ないまま自分は「テレビの前の人」になっちゃって
あの平安名が誰でもなかった頃に動いてれば俺のものに出来てたかもしれないというあり得ない妄想を繰り返したい
子役時代の鬱屈とした感情からやさぐれた中学時代のすみれ……
たまに授業をサボっては屋上で時間を潰す日々が続くが……ある日、同じく授業をサボる怠ガキと出会う……
怠ガキも複雑な家庭環境から鬱屈とした感情を抱えており、"男友達"、"女友達"となるのにお互い時間はかからなかった……
視聴者少ない時はコメントに毎回反応してくれてたのに……みたいなね
同じく都内に進学するけど中学時代と打って変わってキラキラオーラを纏って美少女軍団の中にいる姿を見て愕然とするんだよね…
目が合ったけど、夏美はバツの悪そうな顔して通り過ぎていく……みたいな
俺がその域にすら達していなかったせいで全く共感できないのも悲しい
まさかあいつ俺のこと…（×n）
色んな夢を諦めたという過程で色んな部活やグループにも顔出してそうでしかもあの性格だし顔は広そう
ただある日突然諦めるから深い仲も出来てなさそうだし
あの子こなくなったけどどうしちゃったんだろう⋯深い仲になりたかったなぁという男子はどこかしこで発生させる罪な女度結構高いとは思っている
その概念めっちゃいいな
いつかお前が喜ぶような
偉い姉者になりたくて
奮闘努力の甲斐もなく
今日も涙の
今日も涙の日が落ちる
日が落ちる
千砂都←◯◯ガキ
すみれ←◯◯ガキ
可可←上海ガキ
恋←◯◯ガキ
きな子←道ガキ
夏美←牛久ガキ
四季←◯◯ガキ
メイ←◯◯ガキ
マルガレーテ←◯◯ガキ
冬毬←牛久ガキ
コンプリートを目指せ！
かのん←原宿ガキ
千砂都←丸ガキ
すみれ←虫ガキ
可可←上海ガキ
恋←お嬢ガキ
きな子←道ガキ
夏美←牛久ガキ
四季←理科ガキ
メイ←悪ガキ
マルガレーテ←音楽ガキ
冬毬←牛久ガキ
ウィーンはオーストリアガキでええんじゃね
原宿ガキとお嬢ガキと理科ガキ悪ガキはどんな概念か詳しく頼む
幼少期のひたすらマルに執着してた千砂都を虐めてた男子的なガキ
の前にマルガレーテは流石に高嶺の花ポジション過ぎて
このスレタイのワンチャン俺でも⋯系ではなさそうだけと
手の届く距離に居たラブライブキャラが最早遠くに行ってしまい、ただただ悲しみを抱えてシコるしかない葛藤と鬱屈を示した称号みたいなものだから……
その罪悪感と情けなさから片想いを抱きながら何も言えないで悶々とするクソガキ概念が当時からあったな
それまではあのクソガキ許さねぇみたいな風潮だったのが流れ変わった覚えがある
メイとか男友達普通にいそうだし、〇〇ガキ概念は余裕でありそうなんだよな
中学で仲が良かったオタク男子が高校進学後、メイと鉢合わせて以前のように会話するも……背後のキラキラ美少女軍団を見て、もう話しかけれるような近い存在じゃないんだ……って悲しく悟る概念
すみれより恋じゃない？
確かに恋も高嶺の花だったろうな
その二人は、普段はあたりが強くて避けられがちなんだけど、
ふとしたときに優しいところ、面倒見がいいところ、夢に真っすぐなところ、笑うとかわいいところとかを見つけたそれぞれのやつが
あいつのそんなところを知ってるのは俺だけだろうな、ってなるイメージ
すみれ「…どうもしないわよ」
すみれ「今までと同じよ……街で…スカウト探して……それで…」
怠ガキ「そうかぁー、じゃあ、有名になったらなんでも見に行くわ」
すみれ「…ふふっ、勝手にしなさい」
こういうやり取りがあったかもしれない事実
多分すみれが目指してる方向性が女の子の憧れる女の子系だからだと思うけど
続き！
泣いた
これはラブライブ版秒速5センチメートル
そうだ、白状しよう。俺はどうやら桜小路のことが気になっているらしい。なんとあのどんくさい桜小路のことを！
クラスの連中は彼女のことを好きなやつがいるなんて夢にも思わないだろう。彼女はなんというか、垢ぬけていない、どこにでもいる普通の田舎の女の子という感じだ。……まあ、それがいいところなんだけど、他のやつにはわからないだろうな。
しかし、気持ちを自覚したとはいえ、それで何か行動を起こすほどではない。
仮に告白したとして、フラれたら落ち込むのか？ オーケーしてもらったら恋人同士になる？ どうも成功も失敗もその後がイメージできない。
それに、これでも俺たちは受験生だ。将来を決める大事な時期に余計な悩みを増やすわけにはいかないし、それくらいの分別はあるってことだ。
それでも、受験が終わったら、卒業までにこの気持ちを伝えてもいいのかもしれない、なんてのんきに思っていた。
俺がこんな馬鹿なことを考えているときに、桜小路が一大決心をしているとは露ほども知らずに。
北海道の夏は短い。それでも、あれは残暑と呼ぶにはまだ暑すぎる日だったから、夏休みが終わってすぐのことだったはずだ。
たまたま桜小路と教室で二人きり、弾む気持ちを抑えつけながら、最近どうよ、なんてぎこちなく話をしていた。
そんなときに女子とする話なんて、学校のこと、勉強のこと、進路のこと、まあそれくらいだ。だから、自然と進路の話になった。
うちの中学からの進路は、割と近くにある頭のいいやつから普通のやつまでが行く高校、少し遠くにある馬鹿から少し馬鹿までが行く高校、ほとんどがこのどちらかだ。(ちなみに近所といっても田舎基準の近所だ。少し遠くの方は言うまでもないだろう)
そして、少数のすごく出来のいいやつは、旭川の進学校に進む。
彼女の普段の様子からするとおそらく近所の高校だろう、そんな風に考えていた俺は彼女の口から放たれた予想外の言葉に衝撃を受ける。
「実は、……東京の高校を受けようと思ってるっす」
なんで？ 東京ってあの東京？ 家の事情？ それとも、でも東京に行ったらもう……、と一瞬で様々な思いが脳内を駆け巡った結果、俺の口からこぼれ落ちたのは、冒頭のあの言葉だった。
かのんは渋柿ではないのか
桜小路にとっても予想外の言葉だったのだろう。俺も東京に行くと聞いて、目を丸くして驚いていた。
それでも、(本当は取り繕っただけだが)俺の真剣な顔に本気だと思ったのだろう。すぐに
「じゃあ、東京仲間っすね。でもまだあまり人に言っていないから、秘密っすよ」
と、人差し指を唇にあて、嬉しそうに笑いかけてきた。
全く、こういうところなんだよなあ。真っ直ぐにこちらを見つめてくる彼女の視線から逃れるため、俺は窓の外にそびえる雲に目をやった。
その後、俺は自分のことはうまくはぐらかしながら、彼女の志望校が渋谷にできたばかりの女子校であること、合格したら一人暮らしをする予定であることなどを聞き出すことに成功した。
そして、二人の秘密という言葉に浮かれる一方で、自分の発言を思い出し、親や先生に何と説明しようか頭を抱えながら帰路についたのだった。
結果から言うと、東京の高校を受けることについては、何とかなった。
自分で言うのも何だが、一応俺は「すごく出来のいいやつら」の末席あたりに位置していたから、親も期待してくれていたのだと思う。
とてもじゃないが本当の理由を告げることはできず、せめて不合格なんて格好悪いことにはならないよう勉学に励む日々が始まった。
桜小路も、これまでの中の下くらいの印象とは一転、真面目に勉強に取り組んでいたようだ。授業中の集中度合いからも、彼女が本気で東京に行きたいと思っていることが伝わってきた。
こうして受験に集中した成果か、めでたく俺も桜小路も志望校に合格、二人とも晴れて四月から東京都民になることが決定した。
一学年から二人も東京に行くなんてのは前代未聞のことらしい。クラスメイトからは羨ましがられたり、今から遊びに来る約束をさせられたり、大人たちからはしっかり頑張れよと発破をかけられたり、すっかり注目の的だ。
だから、桜小路と話す時間もあまりなく、卒業式の日もとてもじゃないが想いを伝えるなんて暇はなかった。
まあ、これから二人で東京に行くんだ。いくらでも機会はあるだろう。そう、東京だ！ もちろん不安はあるが、クラスメイトたちより一足先に大人の仲間入りをしたようで、高揚していることが自分でもわかる。
しかもそれが、気になっている女の子と一緒にとなったら、浮かれない方が無理があるだろう？
卒業式後の数週間は入学準備に加えて引越し準備もしなければならず、目が回るような忙しさだった。それでも何とかやるべきことを片付け、無事東京に降り立ったのは、三月末のことだった。
まず面食らったのは、東京の異常な人の多さだ。本当にあの混雑具合は常軌を逸している。
入試のときも人だらけだと思ったが、本当に混雑するのは平日だと知った。考えてみれば、休日と違い、みんなが同じような時間に移動するわけで、通勤通学時間帯がピークとなるのは当然なのかもしれない。
北海道では、祭りがあってもこんなに人が集まることはないだろう。しかし、こんな人混みの中、桜小路みたいなのんびりしたやつが、何事もなく目的地に辿り着けるのだろうか。
しばらくの間、引越しや買い物を手伝ってくれたあと、入学式を見届けた母親が北海道に帰った。いよいよ本格的な一人暮らしのスタートだ。
諸々のクオリティには改善の余地があるが、まあ大体なんとかなるものだ。これについては、東京行きの希望を伝えてから、一人暮らしに必要なことをみっちり叩き込んでくれた両親に感謝すべきだろう。
レシピと睨めっこしながらキッチンに向かっているとき、スマホが中学クラスのグループチャットに投稿があったことを知らせる。桜小路の投稿だった。
どうやら桜小路も無事一人暮らしを始められたらしい。初めての手料理の写真が貼り付けられている。しかし、これに関しては俺の勝ちだ。負けじと今日の夕飯の写真を投稿する。
夜なのに明るすぎるこの空の下で桜小路も頑張っていると思うと、これから何が起きてもなんとかなるような気がしてくるんだから、単純なものだ。願わくば、少しでもいい、彼女も同じ気持ちでいてくれますように。
入学から少したち、新生活にも慣れてきた。まあ概ね順調、ではあるが、……それだけではなくなってきた。
まず、これまで自分のことを一応「すごく出来がいいやつら」に含まれると思っていたが、その評価は改めなければいけないようだ。もちろん、レベルの高い学校に入ったんだから、周りのレベルも高いことは覚悟していた。それに、入学直後の実力テストでも半分よりは上、授業も予習復習が大変ではあるが、ついていけないレベルではない。
でも、なんというか、同級生たちは要領がいい。例えば新入生交流会の準備、例えば化学実験の手際、中学までのペースで取り組んでいると、みんな一歩先にいってしまう。
頭の回転が速いのか、そもそも生活のペースが違うのか、とにかく必死についていこうとしても、いつの間にか引き離されてしまう。
レベルの高い学校だからなのだろうか。それとも、東京はどこもこうなのか。
……桜小路は大丈夫だろうか。北海道基準でものんびりしたやつだから、この街の慌ただしさに面食らっていないといいが。
そして何より、東京者はどこか洗練されている。同じ制服を着ているのに、どうしてこんなにも差が生まれるのか。ましてや私服のことなど、想像もしたくない。
桜小路のことを垢抜けていないと思っていたことを謝ろう。東京者と比べたら、俺も含め地元のみんな全員垢抜けていない田舎者だ。
その日、俺は原宿の有名な通りを歩いていた。
少しでも東京に慣れるため、というのが半分、桜小路が過ごす街に来てみたかった、というのが半分だ。
しかし、足を踏み入れてすぐに後悔し始めていた。これまでのどこよりも、ここは自分の居場所ではないと感じる。カラフルで雑多な街並みも、そこを歩く人々も、自分とは違う世界の存在のようだ。
道の両脇にずらりと並ぶ店に足を踏み入れることなどできず、一刻も早くその場を離れようと足早に通りを進んでいた。
そのとき、おしゃれで垢抜けた人々の中でも、一際目立つ五、六人の集団が正面から歩いてくるのに気づいた。学校の制服姿なのに、そこだけ周りより一段階明るく見えるような、華やかな雰囲気のある人たちだ。芸能人ってこんな感じなのかなと視線をやったとき、集団の中心に桜小路がいることに気づいた。
つい最近まで毎日顔を合わせていたはずなのに懐かしくて、知らない街で同郷の仲間に会えたことが嬉しくて。……でも、知らない街の中にいる彼女は、楽しそうに笑っていた。誰もが目をやるような集団の中でも見劣りすることなく、ひどくまぶしく見えた。
ちょっと書き込もうかね
そばに伸びる何のためなのかよくわからない列に並ぶふりをして、集団から、桜小路から顔を背けた。
なぜか声をかけようという選択肢は頭になく、ただ気づかれたくないという思いで、古びたスニーカーのつま先を見つめていた。
いや、なぜか、というのは嘘だ。まだ東京に来てそれほど時間はたっていないのに、街を歩く桜小路がすっかり都会に馴染んでいるように見えて、そんな彼女に中学から何も変わっていない自分を見られたくなかったんだ。
桜小路は高校でスクールアイドル部に入ったらしい。スクールアイドルといえば、大会の様子がテレビでも取り上げられるほどの人気競技だ。(競技と言っていいのかは知らないが……)
あのとき見た集団はきっと部の人たちだったんだな。
桜小路がスクールアイドルとは意外だが、友人に頼み込まれでもしたのだろう。彼女のことだ、きっと断りきれずなし崩し的に入部することになったに違いない。
しかし、あまり向いているとは思わないな。歌やダンスなんてまともにやったことはないんじゃないか。それに、彼女の魅力はアイドル的なものとは違うような気がする。まあ、三年間補欠止まりだったとしても、それが無意味だったなんてことにはならないと思う。
……でも、あのとき見た桜小路は、本当に俺の知っている桜小路のままなのだろうか。
今日は代々木で行われるスクールアイドルのイベントを観に来た。これまでの俺だったらスクールアイドルのイベントになんて興味がなかっただろう。
そもそもこのイベントを知ったのは、みんなに応援してほしいという桜小路の書き込みからだ。このイベントは配信も予定されているから、当然そういう意味で書き込んだんだろう。だが、それでも直接見に来ずはいられなかった。
すごい盛り上がりだ。情報としては知っていても、直接体感しないとこの熱気はわからなかっただろう。次々と女の子たちがパフォーマンスを披露していく。素人から見ても技量の上手い下手はあるが、みんな一生懸命で楽しそうだということは伝わってきた。やはり、こんな世界に桜小路がいることが実感できないでいると、桜小路の学校名がアナウンスされた。一気に心拍数が上がり、ひときわ盛り上がる観客の頭の間からステージを必死にのぞき込んだ。しかし、そんな必要もないくらい、当たり前のように舞台袖から桜小路が現れた。ステージに上がりスポットライトを浴びるその姿は贔屓目抜きにしてもキラキラ輝いて見え、何かの間違いで慣れ親しんだ垢ぬけない姿が現れることを期待していた俺の想いは、当然のごとく打ち砕かれた。
桜小路は桜小路だ。もちろんそれはわかっているのだが、中学の教室で見ていた彼女と、観客席に手を振る彼女のギャップをうまく消化できないのが正直な感覚だった。
どれくらいそうしていただろうか。とっくに桜小路たちのパフォーマンスは終わっているのに、ライトを持った手をだらりと下げたまま、俺はただステージを眺めていた。
イベントを終え最も話題を集めたのは優勝した特別参加のスクールアイドルだったようだが、その陰に隠れて桜小路も少なくない数取り上げられていた。上辺だけ見て、桜小路のことを何も知らないくせに、期待の新人だなんだと好き勝手に盛り上がっている。
……いや、わかっている。そうだ、桜小路のことを何も知らなかったのは俺の方だ。
夏休みになり俺は実家に帰省していた。夏休み前の時点ですでに灼熱地獄となっている東京から逃れるためでもあったが、本命は中学の同窓会だ。まだ半年も経っていないだろうと言われるとそのとおりなのだが、地元を離れているからか、自分でも意外なほど楽しみにしていた。
実際、久しぶりに会う友人たちと中学のときと変わらない馬鹿騒ぎをして、久しぶりに腹筋が痛くなるほど笑って、いい会だったと思う。
ただ、桜小路は来なかった。しかも、帰省はしていたらしいのにだ。どうやら、高校の同級生たちが桜小路の家に泊まり、合宿をしていたらしい。まあ、彼女以外にも参加しなかった人は何人かいる。そんなこともあるだろうと思いつつも、どこか寂しい思いをしていたのも事実だ。
もしこのとき桜小路も参加してくれていたら、俺は昔と変わらぬ彼女に会えたのだろうか。
夏休みが明けてからは、特筆すべきこともなく、日常が過ぎていった。
そんな俺とは違い、ラブライブ！の大会は秋から冬にかけてがシーズンらしい。三年生にはなかなか厳しい日程だな。
桜小路の学校は、東京大会の優勝候補の一角と言われている。去年は二位だったが、一位になり全国大会に出場した学校が全国でも優勝した。その学校を最も苦しめたのが桜小路の先輩たちだったという評価になっているようだ。
そして、その東京大会本番、ライバルを破り桜小路の学校が東京大会を突破した。しかも、桜小路もメンバーとして、ステージに立っていた。つまり、あのプロが使うような会場で行われて、全国放送もされるラブライブ！本戦のステージに彼女が立つということになる。
彼女は地元では一躍時の人となった。中学のグループチャットもその話題で持ちきりだ。中学の頃は見向きもしていなかった連中も、揃ってファンを自称しているのだから現金なやつらだ。
俺はというと、大会当日は東京にいる予定ではあるが、チケットを取るべきなのか決めきれずにいた。観にいきたい気持ちと観たくない気持ちが絡まり合って、身動きができない状態だ。
ところが、冬休み期間中なのをいいことに、中学の同級生が何人か応援に来ると決めたらしい。そうなると、俺が東京の案内役にご指名されるわけで、……幸か不幸か、俺自身の意思とは半ば無関係に桜小路の晴れ姿を観に行くことになった。
……圧巻だった。
数万人は入る会場を満員にする観客に、代々木のときとは比べ物にならないくらい作り込まれたステージと演出、そしてそれに負けないくらい輝いている出場者たち。スクールアイドル最大のイベントというのも誇張ではないとわかる。
俺は冷静さを装いながらも、興奮する友人たちに当てられて、これまでにない昂りを覚えた。わかりやすくいうと感激してしまっていた。
ただ、その感情は元クラスメイトに向けるものというよりは、歌手や芸能人に向けるものに近かったと思う。勝手な話だが、転んで涙目になっているところを手を引いて起こしてやっていたクラスメイトが、あの夏の日に俺だけに笑顔を向けてくれていた桜小路が、本当に手の届かないところに行ってしまったのだという喪失感にも包まれていた。
桜小路たちが一際輝いて見えたのは、俺だけではなかったらしい。彼女らは見事優勝を果たし、今年度一番のスクールアイドルとなった。知り合いがその一員だなんて、そんなことがあるものなんだな。
彼女ができた。
まあ、話を聞いてほしい。春休みに帰省した俺は、夏休み同様、地元の友人たちと集まって遊んでいた。主な面子は夏と大体一緒。桜小路がいないのも同じだった。
午前中から暗くなるまで散々遊んで、さすがに遊び疲れた帰路でのことだった。いつの間にか他の連中の姿は見えず、ある女子と二人きりになっていた。覚えているだろうか。中学のとき、よく桜小路と一緒にいた、クラス一の美人で、みんなが狙っていたあの子だ。
そこで、まあ告白されたわけだが、そこから先の詳細は割愛させてもらう。ただ、予想外の展開に戸惑ったのは確かだ。
でも、東京に行ったことで離れ離れになってしまって、ショックで一度は諦めようと思った。東京の人達に比べたら田舎者で魅力はないかもしれないけど、でも行動に移さずに終わるのは嫌だったから、……なんて言われたら、心を動かされないやつはいないだろう？ しかも、何も行動できていないやつにとっては尚更だ。
それでも、桜小路の顔が浮かび、正直断ろうかと思った。でも、気づいてしまったんだ。浮かんだその顔は中学生の頃の桜小路だと……。
そんなわけで、東京と北海道、学生の身分では自由に行き来のできない距離を挟んで遠距離恋愛が始まることになった。
一年間離れて暮らしていたことで当初は不安もあったが、元クラスメイトで、それなりに気心の知れた仲だ。実際に始めてみると楽しいものだった。幸い好きなときにビデオ通話もできるし、そんなに離れているという感覚もない。それに、彼女と話していると、地元の空気感というのかな、穏やかで懐かしい時間の流れを感じて心地良い。
あるとき、なぜ俺のことを……？ と聞いてみたことがある。
その問いかけに対して彼女が答えたところによると、思っていたよりも以前からのことらしい。それこそ小学生の頃から、みんなに優しいところを見て、好印象を持ってくれていたそうだ。自分としては、俺はそんな奴だったかなと思わなくもないが、褒められて悪い気はしない。
ただ、中学のときはあまり話せなかったけど、たまに目が合うことがあって嬉しかったなんて言われると、若干の後ろめたさを覚えながらも、そう言われればそうかもなどと誤魔化す他なかった。
もちろん、本当は俺が見ていたのはその隣だったのだとは口が裂けても言えるわけがない。
彼女と桜小路は、今でも仲が良く、たびたび連絡を取り合っているようだ。時折桜小路の部活動についても話題にあがり、どの程度の反応を返せばいいのか、その度に頭を悩まされる。
しかし、おかげで意図せず情報が入ってきてしまうため、むしろ以前よりもスクールアイドルについて詳しくなったかもしれない。
一人で会場に足を運ぶことはないが、二人で配信を観る機会は増えた。というかほぼ欠かさず観ている状態だ。改めて見ても、ステージの上の桜小路は、あの桜小路と同じ人間だと思えない。それについては彼女も同意見のようで、遠い世界の人になったみたいだと、よく感想を言い合っている。
とはいえ、連絡を取り合っている感触としては、普段はそんなことはない、……らしいが、俺はあのとき原宿で見かけた桜小路の姿がいつまでも頭から離れない。
今年も、ラブライブ！の予選が始まった。俺は彼女と一緒に、東京大会の配信を観ていた。
聞いたところによると、今回の曲は制作に桜小路が大きく関わっているらしい。楽しみだね、と話しかける彼女に生返事を返していたが、ステージ上に桜小路が出てきた瞬間、その姿に目が釘付けになる。……まあ、それはいつものことといえばそうなのだが、今日はいつもとは訳が違った。同系統ではあるが、明らかに桜小路だけ衣装の色が異なる。そして着いた位置もステージの中心、……桜小路がセンターだ。
そして始まった歌は、勢いのある曲調でも、尖ったフレーズがあるわけでもない、でも優しい曲だった。
少し自信が持てなかったけど、前を向いて一歩踏み出していく、そんな歌詞が心地いい。そこには桜小路がいた。中学のときのままで、でも少し大人になった桜小路が、いた。
最後に紡がれる言葉が胸に刺さる。
"大好きだって しあわせだって 伝えるんだ もう迷わない"
俺は気がついたら涙を流していた。自分でもなぜ泣いているのか分からず、困惑した様子の彼女に、大丈夫と繰り返すことしかできなかった。
昨日までの雨も上がり、今日は実にいい天気、結婚式日和だ。……ああ、もちろん俺の結婚式だ。
高校の頃から付き合って十年になるからな。そろそろ年貢の納め時ということさ。
一応言っておくが、妻のことは、まあ、その、……愛しているし(照れくさいな)、もし中学生に戻れたとしても同じ相手を選ぶだろう。
田舎の学校だから、みんな結婚するのが早い。中学のクラスメイトはもう半分以上既婚者だろう。俺もこれまで何度も友人たちの結婚式に出席してきた。
でも、今回は俺も妻も同級生だから、久しぶりに元クラスメイトが男女関係なく集まる。俺は成人式には出られなかったから、この数に一度に会うのは、高校三年時の同窓会ぶりだろうか。
新婦の着付け中に、招待客控え室に足を運び、懐かしい顔に挨拶して回る。
男はみんな黒一色だが、女性は色とりどりで華やかだ。一際騒がしい中学のクラスメイトの女子が集まる一角に、鮮やかな黄色いドレスを見つけ、ほんの少し心拍数が上がる。
……でも、それだけだ。おう、久しぶり、今日はありがとう。なんて当たり障りのない会話をしてその場を離れる。
さあ、そろそろ着付けも終わったころだ。新郎新婦控え室に戻ろう。こういうときの第一声はとにかく褒め倒さないといけないらしい。さて、なんと言ったものか。
……昔から苦手なんだよな、想いを口に出すのは。
長々と話してきたが、これでこの情けない男の話は終わりだ。まあ、どこにでもあるつまらない話だったな。
桜小路のことが心から消えることはないのだろう。だけど、それが占める割合はほんの少し、普段はそこにあることにも気づかないくらいのものにすぎない。それでも、その少しの想いが時折表層に出てきたときに感じる、ちりちりとした痛みを抱えながらこれからも生きていく。人生には一つや二つそんなことがあるってことだ。そうだろう？
人生ってそんなもんだよな
いや、十分ハッピーエンドだ
- エピローグ とある四人の会話 -
聞いてほしいっす！ この間中学のクラスメイトの結婚式に出てきたっす！
二人ともすごくキラキラしていて、素敵な式だったっす！
ほらこれ、披露宴で撮った写真っす！
お、ヘアアレンジかわいいな、……って、おいおいこの写真……
……はあ、相変わらずですの。もう少し距離感を気にした方がいいですの
無自覚の罪
え、え！？ なんのことっすか？？
なんでもありませんの。まあ、それも魅力ですの
周りは苦労しそうだけどな
夜道に気をつけて
なんなんすか！？ 教えてほしいっす〜！！