可可「まったく、これだからすみれは〜！」
すみれ「何か文句あるの？」
可可「そういうところがグソクムシだと言うのデス！」
すみれ「グソクムシ言うなー！」
ワーワー、ワーワー
生徒A「ねぇ、可可ちゃんって何でいつもすみれちゃんにあんな態度なの？」
生徒B「なんなんだろうね。あんなに偉そうに」
生徒A「ムカつかない？」
生徒B「ちょっと反省してもらおっか」
かのん「可可ちゃん、衣装のデザインの方はどう？」
可可「はい！ もう少しでお見せできると思いマス！」
千砂都「楽しみにしてるね！」
可可（あれ、私の下駄箱……）ｶﾞﾁｬｯ
可可「……！」
かのん「あれ、可可ちゃん……？」
可可「あ、可可ちょっと忘れ物しちゃいマシタ！」
可可「追いかけるので先行っててクダサイ！」
千砂都「待ってるよ」
可可「いえ、本当に先行っててクダサイ！」ﾀﾀｯ
かのん「……」
かのん（可可ちゃん……？）
可可（可可の下駄箱にイタズラされてマシタ）
可可（靴の中には石鹸が入っていマシタ）
可可（それと……）
勘違い女
帰れ、中国人
可可「……！」ｷﾞｭｯ
可可（誰がこんなことを……）
夏美「さあ、帰りますの！」ﾀﾀｯ
きな子「夏美ちゃん、待ってっすー！」ﾀﾀｯ
かのん「可可ちゃん、帰ろ♪」
可可「はい！」
昇降口
かのん「それで、その時ちぃちゃんがね……」ｶﾞﾁｬｯ
可可「そうだったのデスか」ｶﾞﾁｬｯ
可可（あ……）
可可（また可可の下駄箱に……）ｽﾞｷｯ
かのん「……！」
かのん「可可ちゃん、それ……」
可可「ぁ……」
かのん「ひどい。誰がやったの？」
可可「……」
可可「わかりません……」
かのん「……いつから？」
可可「先週くらい、から……」
かのん「……」
かのん「職員室行こ」ﾊﾞｯ
可可「！？ ま、待ってクダサイ！」
かのん「先生に言って、止めて貰わないと」
可可「それはダメです……」
可可「誰にも……誰にも言わないでクダサイ」
かのん「どうして……？」
可可「先生に言って、もし可可の親に連絡がいったら、とても心配されてしまいマス……」
可可「もしかしたら、帰ってこいと言われるかも」
かのん「そんな……」
可可「それに……」
可可「すみれにはこのこと、知られたくありまセン……」ｷﾞｭｯ
かのん「可可ちゃん……」
可可「おやすみなさい……」
可可「…………」
可可（うぅ……なんだか最近、眠れないデス……）
可可（どうしてもあの下駄箱のことを考えてしまいマス……）
可可（毎日あんなことをする人は一体誰なんでしょうか……）
可可「……」ｷﾞｭｯ
可可（なんでこんなことするのデショウか）
可可（可可、何かしてしまったのデショウか）
可可（何か、その人を不快にさせるようなことを……）
可可「う、うう……」ﾎﾟﾛｯ
可可「どうして……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
可可（今とっても寂しいデス……）
可可（すみれに電話……は、さすがに迷惑デスよね……）
可可「……」ｷﾞｭｯ
可可（こんなの、終わって欲しいデス……）
ワイワイ、ガヤガヤ
すみれ「ねぇ可可、今日の練習なんだけど」
可可「……」ﾎﾞｰｯ
すみれ「可可ったら！」
可可「あ、はい！ 何デスか？」
すみれ「どうしたのよ、ぼーっとして」
可可「いえ、別に何も……」
可可「……」
すみれ「……？」
すみれ「ねえ、かのん。可可のことなんだけど」
かのん「え、可可ちゃんがどうしたの？」
すみれ「最近元気ないじゃない。何か知ってる？」
かのん「え、えっと……そうなの！？」
かのん「し、知らないなぁ……」ｱﾊﾊ
すみれ「何か知ってるのね？」ｼﾞｯ
かのん「え！？」ｷﾞｸｯ
かのん「いや、知ってるっていうか、その……」
すみれ「言いなさい」
かのん「いやいや、私何も知らないよー！」ｱﾀﾌﾀ
すみれ「言いなさいったら言いなさい！！」
かのん「ひいいいい！！」
すみれ「可可が……イジメられてる……？」
かのん「うん……」
すみれ「どうして黙ってたのよ！」
すみれ「早く先生に相談しましょ」
かのん「その、可可ちゃん、誰にも言いたくないって……」
かのん「すみれちゃんにも言わないでって言われてたんだけど……」
すみれ「……」
すみれ「誰？」
かのん「え？」
すみれ「誰が可可のことイジメてるの？」
かのん「それはわからないんだ……」
すみれ「そう」ﾀﾀｯ
かのん「すみれちゃん……？ どうするの？」
すみれ「別に。何もしないわよ」
すみれ「さ、帰るわよ」
可可「あ、可可はまだやることがあるので……」
すみれ「いいから帰るわよ！」ｸﾞｲｯ
可可「ぁ……」
可可（マズいデス。このままでは、すみれにバレてしまいマス……）
可可（だって、可可の下駄箱には……）
昇降口
可可（きっと今日も……）ｶﾞﾁｬｯ
可可「…………」
すみれ「どうしたの？」
可可「いえ、何でもないデス……！」
可可（今日は何もされてなかったデス）ﾎｯ
すみれ「まったく恋ったら、こういうところ真面目なのよね」ﾃｸﾃｸ
可可「レンレンはそこがいいところデスから！」ﾃｸﾃｸ
可可「あれ、すみれ。こっちは方向違いマスよ」
すみれ「今日はアンタを家まで送るわ」
可可「え？」
すみれ「もう少しアンタと話したい気分なの」
可可「そうデスか」
すみれ「さあ、帰りましょ」
可可「はい！」
あれから下駄箱へのイタズラはピタリと止みマシタ。
毎日感じていた、可可に対する誰かからの悪意が、今はカケラも感じなくなりマシタ。
それは良かったのデスが……
可可「筆箱落としマシタよ」ｻｯ
生徒「あ、うん。ありがとう……」ﾀﾀｯ
可可「……？」
最近、クラスメイトとの関係に違和感を感じてしまいマス。
みんな可可に優しくしてくれるし、楽しく話してくれマス。
でも、どこか可可に特別に気を遣っているような、そんな違和感があるのデス。
まるで壊れやすいガラス細工を扱うみたいに、可可のことを見るのデス。
まあ、可可の気のせいだと思いマスが……
すみれ「衣装の方は順調？」ﾃｸﾃｸ
可可「はい！ もう出来上がりマスよ」ﾃｸﾃｸ
すみれは毎日、可可のことを家まで送ってくれるようになりました。
そんなことしなくていいのに、すみれは「私がしたいからするの」と頑なデス。
別に嫌ではないデスけど。
すみれ「可可、もしかして疲れてる？」
可可「確かに今日は少し疲れマシタ……」
すみれ「そういえば、千砂都と2人で練習してたわよね？」
可可「はい。可可の苦手なステップを千砂都に相談したら、特別な練習メニューを使ってくれたのデス」
可可「そのメニューが、可可にはかなりキツかったのデスが……」ｸﾞｯﾀﾘ
可可（可可のために一生懸命コーチしてくれて、千砂都には感謝デスね）
すみれ「……」
すみれ「そう、千砂都もそういうことするんだ……」ﾎﾞｿｯ
可可「…………？」
可可「すみれ……？」
すみれ「大丈夫よ、可可。全部私に任せて。大丈夫だから」
可可「何がデスか？」
すみれ「何でもよ」
私の家の前まで来ると、すみれは安心したような表情で、私に手を振りました。
すみれ「じゃあまた明日」
可可「また明日デス！」
私はすみれが見えなくなるまでその後ろ姿を見守っていマシタ。
すみれったら、たまには家にあがっていけばいいのに。
おわり
乙
これに恋ちゃんも加わったら学校にいられなくなるよ
ちぃちゃんが不安になってきたな……
すみれが面識無かったり親しくない人にどんな態度をとって何をしてきたかを