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ヨハネ「慰安旅行に行きましょうウミウシ!」
-
番外編ウミ虐ヨハネです。
1
ヨハネ「ウミウシ達!ご飯よ」
「ウ、ミ……」
「フニフニィ…」
6畳の部屋には10体のウミウシがいた。
せっかくのご飯だというのにどの個体もあまり乗り気ではない。
それもそのはず、ヨハネが持ってきたのはウミウシが最も嫌う食べ物、梅干しだった。
ヨハネが梅干しをウミウシ達の近くに置くと一番近くにいた個体が臭いで大きくのけぞった。
「ウシィ…!ゲポッ!」
ヨハネ「さぁて10分以内に食べないとキツイお仕置きが待っているわよ!」
「!?」
「ウ、ミィ……」
ウミウシたちはヨハネの「お仕置き」の怖さを熟知している。
10匹はそれぞれ自分の梅干しにかぶりついた
「ゲポッ!ケホケホ!!」
「ウ゛ミャァ!!!ゲポッ!」
「ウミャム…ケポォッ!!!」
どの個体も懸命に小さな口で梅干しに齧り付くが、酸っぱさで口に含むたびに咽せていた。
ウミウシは辛いものや酸っぱいものが大嫌いなのだ。
ヨハネはここしばらくウミウシには梅干ししか与えていない。
嫌いなものばかり食べさせて生きながらえさせる実験を行なっていたのだ。
-
ウミウシからしたら食べなければどうなるか分かったものではない。
噂によると飢えるまで放置されたり、逆にヨハネに食されるという話もある。
「ウミィ…ウミィ…」ポロポロ
「ウ、ミィエエエエ!!!」ゲロゲロ
ついには泣き始める個体もいた。
ゲロを吐いてしまった個体もいたが、そのゲロは自分で再び胃に入れないと処刑の対象になる。
「ウミィ…!」ポリポリ
「カプッ!!ウミウミ…ケポォッ!!」ゲロゲロ
ヨハネ「ウミウミ〜ww早く食べるウミィ〜ww」
勢いよく食べる個体もいたが次第にむせて吐いてしまっていた。
10分後、何とか全てのウミウシが梅干しを食べ終えた。
「ウミィ…ウミィ…」
「ウミャム…」ブリブリ
床に這いつくばり白いう◯こを漏らしている者もいる。
ヨハネ「さて!あんたたちは素晴らしいわ!よく梅干し生活に耐えたわね。ご褒美に今日から慰安旅行に行きましょう!」
「ッ!?」
「ウミィ!?」
まさかヨハネから慰安旅行なんて言葉が出るとは思っていなかったのだろう。
床に這いつくばっていた下等生物共は一斉に起き上がりヨハネを見た。
-
本編じゃないのか…
-
ヨハネ「えぇ、ウミウシ如きに慰安なんていらないという人もいるわ。けど私は違う!いつも頑張っているウミウシには報酬が支払われるべきと思ってる!」
「ウ、ミ……ウミャア!!」パチパチ
「フニーーーフニーーーー!!!」ペチペチ
皆一斉に起き上がり小さな手で拍手を送り始めた。
ヨハネは続ける。
ヨハネ「旅行先はアンタたちで決めてもらうわ。1匹が代表してクジを引くの。クジに書いてある場所が旅行先になるわ」
「ウシィ!」
「ウミィ〜♩」
ウミウシ共は1分間の話し合いの結果まだ生まれて10日も経っていない赤ちゃんウミウシを代表にすることにした。
「ウシィ!!!」フンス
赤ちゃんウミウシはやる気満々だ。
ヨハネは3本のくじを赤ちゃんウミウシに差し出した。
-
ペチペチ拍手メッチャかわいい
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始まったな
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地獄への旅行になりそう
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生後何日くらいまで赤ちゃんウミウシで何日で成人する設定なんだ?
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待ってた
-
何日ぶりだ?
-
「ウミィ……!!」
「「「ウーミッウーミッ♩」」」フリフリ
くじを引こうとする赤ちゃんウミウシを他の個体はケツを振りながら応援していた。
ヨハネ「……」
「ウミャア!!」
パッ
ウミウシがついにクジを引いた。
紙に書かれていた文字は………。
『天の国』
「ウミャア!?」
「ウミィ?」
聞いたことのない場所にウミウシたちは驚いていた。
ヨハネは優しいので無知なウミウシに丁寧に説明する。
ヨハネ「流石ね!そこはマカロンとオレンジジュースが飲み放題の素晴らしい場所よ!」
「ウミィ!?」
「ウ、ミィャァ!?」
「フニフニィ!!」
ウミウシの好物が食べ放題と聞き、飛び上がって皆興奮し出す。
ヨハネ「さぁ、天の国へ招待するわ!みんなカゴに入って入って!」
「「「ウミィ!!!」」」
全員声を合わせて返事した。
楽しい旅行の始まりである。
-
〜山奥の小屋〜
ヨハネはミシマの山奥に小屋を買っていた。
10畳程度しかない小さな小屋。
ずいぶん昔に購入したもので、一度も利用していなかったため今回旅行と称してウミウシたちを連れてきたのだ。
ちなみに先ほどのクジは全て天の国だった。
どれを引いても同じだったのだ。
ヨハネはカゴからウミウシたちを10匹出してやる。
するとウミウミとテンションの上がった鳴き声でフワフワ飛び始めた。
「ウシィ♩」フワフワ
「ウミャァ♩」
ヨハネ「整列ッ!!!!!」
「「「ウミィ!?」」」ビクッ
ヨハネ「誰が遊んでいいと言ったの!?この汚物!!早く並べ!!早く!!!5.4.3.2.....」
「ウ、ウミィ!!」
ヨハネの大声にビビり倒した10匹はすぐさま列を作る。
もし並べなければ命はない。
-
ヨハネ「よし…並べたわね」
「「「ウミィ!!!」」」
ヨハネ「ではこれより第10回強化トレーニングを行う!!!」
「ウミィ…?」
「フニフニ…?」
ウミウシ共は互いの顔を見合わせ困惑する。
トレーニングって何のこと?という様子だ。
ヨハネ「では代表の赤ちゃんウミウシ!このトレーニングに対する意気込みを50音シートで示しなさい!!!」
「ウ、ウミィ!!」
小さなウミウシはシートの上に乗り、自分含め皆の思いを代弁する。
『トレーニングって何のこと?マカロンはどこ?』
ヨハネ「ッ!!ふぅー…くく、あははは!!!」
「フニィッ!?」ビクッ
急にヨハネが笑い出し怯えるウミウシ。
ヨハネ「……慰安旅行が終わったからトレーニングを始めるのよ」
「フニィ!?ウミウミ!!!」
理不尽なことを言うヨハネに赤ちゃんウミウシは急いでシートに乗り意見を続ける。
『まだ旅行は始まってもいない!!マカロンを食べたいよ!!』
-
ヨハネ「あなたたちは慰安旅行の話を聞いた時どう思った?そしてここにくるまでの間どんな気持ちだった?」
「ウミィウミィ!!!」
『楽しみだったよ!梅干しじゃなくてマカロンを食べ放題なんて!リフレッシュできると思ってワクワクしてたよ!』
ヨハネ「そう…楽しみ、ワクワク、この気分を移動中味わえただけで慰安は完了しているのよ」
「ウミィ…!?」
「フニィ!!!!」バッ
「ミャァ!?」
ヨハネの言葉に絶句している赤ウミだったが、我慢ならなかったのか最年長(60日生存中)のウミウシがシート上の赤ちゃんウミウシを退かして自分の意見を示し始めた。
『そんなのあんまりだよ!!詐欺師と変わらない!!』
ヨハネ「あ゛?」
「ウミィッ!?」ビクッ
ヨハネがあまりに恐ろしい顔で年長ウミウシを睨んだため、一同は恐怖のあまり身を固まらせる。
-
やっぱ地獄じゃん
-
ヨハネ「待って待て待て待て…私今誰に発言許可与えたんだっけ?…あれ、誰だったかな。私間違えてないよね?あれ〜ー…間違えたのかな?おいおいおい…ありえないってクソが…」ポリポリ
ヨハネがぶつぶつ言いながら頭を掻きむしり始めた。あまりのムカつきからか頭皮が傷付き、血が溢れ出していた。
ヨハネ「おい」
ヨハネ「おい…」
「ウ、ウミミミ……」ガクガク
ヨハネ「コラァァァァァァァ!!!!!!!」ガァン
「フニャァァァァァァァ!!!!!!!」
ヨハネ「誰にっ!!!許可を得てッ!!!!発言してんだ!!!!舐めてんのかアンタっ!!!!!!!コラァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
ヨハネは大声を出しながら年長ウミウシを手で掴んだ。
「ウ、ウミヤァ!!!!ウウ!!!」クネクネ
手の中で懸命に暴れるウミウシ。
可愛らしく手から露出しているウミウシの頭を壁に押し付けると、絵を描くようにウミウシを壁の粗にすりつけ始めた。
ヨハネ「お絵描きタイム開始ッ!!!!!」
「イミャァァァァァァァ!!!!!」ブシャァァァァ
壁の粗はかなり尖っていたため、ヨハネが手を動かすたびにウミウシの頭の皮膚が削れ、血が吹き出す。
皮肉なことにそれが絵の具のように鮮やかな色のため、壁には赤くヨハネの描いた弧が鮮明に写っていた。
「フニャァァァァァァァ!!!フニ!!フニィ!!!??」ジタバタ
頭をかなりの力で壁に押さえつけられているため、手からはみ出した下半身を暴れさせるしか抵抗の手段がない年長ウミウシ。
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ヨハネが手を止めると壁にはある文字が浮かび上がっていた。
『交尾訓練』
「ウミィ?」
「ウミャァ…?」
その単語を見て他のウミウシたちは困惑していた。交尾に訓練ってどう言う意味だろう、
ウミウシは交尾は好きな個体としかやらないのに…と言いたげだ。
「ウ゛、ウウウウ、ミィ…」ガクガク
一方で絵の具にされたウミウシは痛みで痙攣していた。
ヨハネが年長ウミウシを投げ捨て口を開く。
「ウ゛ミッ!!!」ドテッ
ヨハネ「あなた達にはこれから赤ちゃんを産めるだけ産んでもらいます!!泊まり込みで一ヶ月間。それでは交尾開始っ!!!」
「ウミャァ!?」
「ウ、ウミ……」フルフル
ウミウシ達は困惑する。
急に交尾しろと言われてもすぐに行動に移せるはずがない。
ヨハネ「あなた達が好きな相手としか子を成さないのは知っています!けど私からしたらそんな事どうでもいいの。交尾しないなら24時間苦しめ抜いて拷問した後、標本にします」
「フニャァァ!!!??」
「ウミィ…ウミィ!!!??」
あまりに理不尽な要求に赤ちゃんウミウシがシートで自分の意見を述べる。
『それはいくらヨハネさんでもウミ権を尊重して無さすぎです!!撤回してほしい』
ヨハネ「ウミ権……」
『ウミウシを尊重する権利のことです!』
ヨハネ「このやりとりも何度目かしらね。ウミウシ如きが一丁前に権利とか言ってくる……笑いを堪えるのが大変なのよね」
ヨハネ「ウミウシの権利っていうのはね……こういうことよ!!」
ヨハネは倒れていた年長ウミウシを再び掴んだ!!
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「ウミャァァァ!?」
ヨハネ「よく見ておきなさい!!」
ヨハネはアイスピックを取り出して年長ウミウシの頭に小さな穴を開ける。
プス、と柔らかい肉が盛り上がり、ピックの先がウミウシの体内に突き刺さる。
「フニャァァァァァァァ!!!!ァァ゛!!」
よりによって先ほどの頭を削られた部分に針先を刺したためウミウシに激痛が走る。
中から再び鮮やかな赤色の血がトクトクとワインのように吹き出してきた。
ヨハネはその中に細いストローを無理やり捻り込む。
「ヴミィャァァァ!!!!」ビクッガクッ
ヨハネ「ふぅ…朝一番の飲料ね」
ヨハネ「ズゾゾゾゾ!!!!!」
ヨハネは何と年長ウミウシにストローを突き刺したかと思えばそのまま体内の血をジュースのように啜り出した。
ヨハネ「ズゾゾゾゾ!!!!」
「ヴ、ミミミミミ!!ヴミョォォ!!!!……」ジタバタ
みるみるうちに年長ウミウシの体液がヨハネによって吸い出される。
先程までのふっくらした愛らしい見た目は今はげっそりと骸骨のようになってた。
「フニィ…フニィ……」シクシク
「ウミャァ…」グスッ
ヨハネの理解できない行動に他の9匹は涙を流して怯えていた。
-
狂ってんなあ
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ヨハネ「ごちそうさま」
「ウミュー…ウミューーー…」ゼェゼェ
体液を根こそぎ奪われた年長ウミウシは生きるのも精一杯という様子で息を切らしていた。
ヨハネは残りのウミウシ達にたった一言命令する。
ヨハネ「やれ」
「ウミャァ…」
「フニフニィ…」シクシク
ヨハネの言葉が本気だとわかるとウミウシたちは互いに体を寄せ合い嫌々交尾し始める。
ヨハネ「さぁ…これから一ヶ月、私自身の戦いでもあるのよね」
これはどういう事か。
実はヨハネはこの一ヶ月自給自足をしようと思っていた。
理由はヨハネ自身を鍛えるため。
ウミウシたちを連れてきたわけは非常食として使用するためだ。
毎日休みなく交尾させ子を生ませ、その親を食べる。
そして生まれた子が子を産み親になり、親を食す。
このループで一ヶ月持つのかも検証したかった。
もちろんウミウシだけを食すのではなく周りの山で食材集めも怠らない。
このトレーニングでいつ身を追われる立場になっても生き延びれる技術を身につけようと思っていた。
-
2日後
いきなりヨハネに限界が来た。
ヨハネ「早く産みなさいよ!!!!」ガァン!
「フ、フニィ!!」
「ウミウミ……」ビクビク
休みなく交尾させてるのは知っている。
しかしまだどの個体も妊娠には至っていなかった。
ヨハネの腹は限界に達していた。
腹の虫が食料を催促する。
グゥゥゥゥ
ヨハネ「仕方ないか…」
未だか細く生きていた年長ウミウシを摘み上げると小屋の外に連れ出す。
そして木の皮を皿がわりにウミウシを上に置き、虫眼鏡を使い太陽光を集める。
集めた太陽光をウミウシに直接当てる。
ジュッ!!ジュゥゥゥゥ
柔らかい肉に焦げ目がつき始める。
「ヴヴヴ、ヴミョォォァォ!!!!!」クネクネ
暴れる体力もないのか今まで聞いたことのないような奇妙な鳴き声を捻り出し懇願のダンスをゆっくりと踊る年長ウミウシ。
ワーシマーのウミウシは生でも食べられる。
しかし万が一のことを考え最初は歩を通しておきたかったのだ。
「ヴミィ…!!」
下半身にしっかりと火を通せたため、踊り食いを開始する。
ヨハネ「うまっ!…ガチュ…グチャ…モグモグ」
-
えぇ……
-
うまそう
-
空腹は最高のスパイスとはよく言ったもので味付けなしでも美味しいようだ。
焼けた部分は白身魚のような味がし、噛むたびに肉汁が舌に幸福を与える。
二口目
ガチュ!!
「ヴ、ヴヴヴヴ…ヴーーーー」ガクガク
生きたまま食されるウミウシは痛みと絶望感で痙攣していた。
ヨハネは空を見ながらため息をつく。
ヨハネ「たまには誰もいないところでこういうのも悪くないわね」
「ヴヴヴ……」
「ヴ、…」
「」
ヨハネ「あらら…死んじゃったか。これ食べ終えたら山に山菜でも取りに行きましょう」
ついに年長ウミウシが力尽きた。
15分かけウミウシの全身を喰らい尽くしたヨハネは山登りを開始する。
-
ヨハネ「取れた取れた~」
ヨハネは食用の山菜を山ほど抱えて小屋に戻った。
部屋を開けると机の上に可愛らしい模様の卵が3つ置かれてきた。
「フ、フニフニ!!」フワ
「ウミャァ!」フワ
ヨハネの帰りと同時に三体のウミウシがヨハネの周りを飛んで何か訴えている。
おそらく「私たちが産んだんだ!」と言っているのだろうがヨハネは鬱陶しかったのか近くにいた一体を手で掴み床に叩きつけた。
「ヴミャッ!!!」ドチャッ
「ウ、ミィ…!?」
ヨハネ「ウ、ミィ…!?じゃないのよ。たかが卵3個程度で何喜んでんの?今日までにもう3個生まないと全員殺すわよ」
「フニィ!?」
「フ、フニフニ」シクシク
ヨハネの理不尽な要求にウミウシの間にまた絶望が走る。
-
次の日
ヨハネ「よし、雨降ってる!」
ヨハネは完全に自給自足をするため水すら持参していなかった。
そのため落ちていたペットボトルとバケツに雨水を貯める。
ウミウシには飲み水は与えていない。
ヨハネの尿を飲ませているからだ。
するとパキ!と机の上から音が鳴りヨハネは振り返った。
パキパキパキ
パキン!
「ウミャーーー!♩」フワ
「ウミウミ♩」
「フニィ!」フワ
3匹のウミウシの卵が孵化したのだ。
3匹とも元気いっぱいに空を飛んでウミ活を楽しもうとしている。
ヨハネ「よしよし…」
「フミッ!?フミフミ」スリスリ
赤ちゃんウミウシたちはヨハネを見ると親と認識したのか擦り寄り始めた。
ガシッ!!
「ウシィ!?」
ヨハネはその3匹のうちの一体を掴むとそのまま生で食し始める!
ヨハネ「グチュ、ガチュ、うむうむ…」
「ウミャァァァ!!!ウミャァァァァァ゛!!!!!」ジタバタ
まさか生後10秒で噛みちぎられるとは思っていなかったのだろう。
「ウ、ミィ……?」
「…フニィ?」
他の2匹は呆然とヨハネを見ている。
ヨハネはこの一体を殺す気は無かった。
体の三分の一を下半身から食した後傷薬を塗り放置した。
「ヴヴ……」カタカタ
今にも死にそうな赤ちゃんだがウミウシは切断には強い。生き残れるだろう。
ヨハネは朝のタンパク質を摂取した後まだ寝ているウミウシを爆竹で起こす。
パァン!!
「ウミャァッ!!???」ガバッ
「フニャァァァァァァァ!!!!」ガバッ
ヨハネ「起きなさいクズども!!この小屋に新たな新人が加わったわ!!赤ちゃん3匹とも挨拶しなさい!!」
「ウ、ミィ……」
「ヴミィ、」
そうは言っても2匹は今し方行われた凶行が脳にこびりついており何が何だか分かっていなかった。
ヨハネに下半身を食い破られた個体は口から泡を噴いて痙攣していた。
-
やっぱヨハネだわ
-
朝のタンパク質って精……
-
このヨハネ半分人間やめてるだろ…
-
かわいそう
-
ヨハネ「……どうしたの?」
「ウミッ……」ビクッ
ヨハネ「言いたいことがあるならシートで言ってみなさい」
「ウ、ミィ!」フワ
赤ちゃんのうちの一体が50音シートに乗り、凶行のわけを尋ねる。
『何故同胞を食べたの?』
ヨハネ「お腹が空いていたから」
「ッ!!」
ヨハネ「何かおかしい?お腹が空いてたからウミウシを食べる。あなたたちはお腹が空いてたからマカロンを食べる。何が違うの?」
「ウミィ!」
『あなたは食べるものがいっぱいあるはず。ウミウシを食べるのはおかしい』
ヨハネ「何でアンタに私の食べるものを決められないといけないの?なんかムカついたわ」ザッ
ヨハネは反声的な赤ちゃんウミウシに距離を詰めるとその首根っこを二本指で摘む。
「ウミャァァァァァ!!!!!!」ジタバタ
ヨハネは赤ウミの口をピンセットで無理やり開けるとそのまま奥に押し込み、声帯に必要な部位を千切った。
「〜〜〜〜ッ!!!!」
-
ヨハネ「アンタは文句ある?」
「ミ、ミィ~ミ!!」フルフル
全力で首を横に振り否定する赤ちゃんウミウシ。ヨハネは満足そうにうなづくと今日の仕事をウミウシ達に告げる。
ヨハネ「さぁ新たな仲間が増えて浮き足立ってるところ悪いけど今日は頭を使うトレーニングをするわ。それが終わったらまた交尾ね!!」
「フニィ?」
ヨハネ「返事ァァァ!!!!!!!」ガァン
「「「ウミィ!!!」」」
ヨハネ「よし!では今日は『ウミ権』、『ウミ生』について学習します。いまから3時間議論してこの二つの命題の正解と思われる内容を紙に書き記しなさい!!」
「「「ウミィ!!!」」」
ウミ権、ウミ生の事とあればとばかりにウミウシは両手でガッツポーズを作りやる気に満ちていた。
どうやらヨハネに本当のウミウシの権利を知ってもらおうとしているようだった。
-
「フニィ!ウミウミ」
「「「ウシィ」」」
「イミャウミ」
「「「ウシィ」」」
ヨハネ「……」
ヨハネからすれば何を議論しているのか全くわからないが本人同士では意思疎通できているらしかった。
よくもまあウミウミ言っているだけで会話が成り立つとヨハネは感心する。
リーダー格のウミウシが皆に何かを言って全員が返事し、書記係が紙に汚い字で内容を書いていた。
ヨハネ「ん…?」
リーダーが他の個体に何か指示を飛ばすと3匹ペア同士で離れ、それぞれのグループで議論し始めた。
まるで人間のようだとヨハネは思う。
神は何を考えてこんな生物を作ったのか。
ヨハネはいたずら心からリーダー役のウミウシを後ろから握った。
「ヴ、!!〜!!」
突然の苦しみに叫ぼうとするリーダーウミウシだったが、喉を握っているため声は出せない。
ヨハネはそのまま離れの物置に連行した。
他のウミウシ達は気づいていないようだ。
-
ヨハネ「随分熱心ね。しかも偉そうに」
「ウミャァ!!ウミウミ!?」
ヨハネ「ほらシートで会話しなさいゴミ」
「ウシィ!!!」
『何でここに連れてきたの!?とても大事な話をしていた!』
ヨハネ「大事って…ウミ権のこと?それは世界で最も価値のないものよ」
『そんな事ない!!ウミウシはマカロンを食べてオレンジジュースを飲む権利がある。私達にとってとても大事な事だよ!!』
ヨハネ「頭足りてる?そんな権利ウミウシが勝手に決めた自慰行為よ」
「ウ、ミィ…!!」
元々リーダーを務めるようなウミウシだ。
ウミ権についてウミ1倍大切に思っていたのだろう。ヨハネの途切れぬ侮辱に耐えきれなくなり、ウミウシの必殺技、「頭突き」を繰り出す。
「フニィィィィ!!!!」プニプニ
ヨハネ「はー…」
効かぬ攻撃をヨハネの頬に何度も与えるウミウシ。
ヨハネは幾度となくみた光景に心底めんどくさそうにしていた。
-
どんどん人間辞めてるしあと数話したらウミウシの言葉理解してそう
-
ヨハネ「あー…はいはい。分かったわよ、アンタにマカロンをあげるわ」
「ウシィ!?」ピタッ
動画を一時停止した時のようにピタッと頭突きを止めるウミウシ。
何故ここでマカロンをくれるのか気になりウミウシはシートの上に再び腰を下ろす。
『どうして?』
ヨハネ「アンタの必死な様子に心を動かされたのよ。お詫びに3個あげる!」
「ウ、ミャン……ジュル…」
ウミウシは口から涎を垂らし期待を込めた目でヨハネを見ている。
2分後
机の上にはマカロンが3つ並んでいた。
「ウミャァァァァァ!!!ウミウミ♩」フリフリ
先程までの怒りはどこへやら。
色鮮やかなマカロンを前にケツを振りながら喜びの舞をしていた。
その様子を見たヨハネが口を開く。
ヨハネ「ケツ振りダンス可愛いわね。ねぇ、せっかくだからここで腹見せダンスもやってくれない?」
腹見せダンスとは仰向けになり両手と下半身を揺らす行為である。
相手に信頼を寄せている証でもある。
「ウミ!!!」
ウミウシは指定された場所で仰向けになる。
ベチャァ…
「……ミィ?」
何やら背中にネトネトしたものが付いたが気のせいだと流して踊り始める。
「ウミウミ♩ウミミ!!」フリフリ
ヨハネ「……」
-
1分後
「ウ、ミャン…ウミウミ…」ゼエゼエ
ウミウシは踊り通した。
ダンスが終わってからも疲労からか仰向けに倒れたままだ。
しかしその表情は今までで一番晴れやかに見えた。
ヨハネ「お疲れ様。はい、食べていいわよ」
「ウミィ!!!」
「ウミィ?」ググ…
ヨハネにマカロンを許可され、ウミウシは起きあがろうとした。
しかし起き上がれない。疲労のためでもない。
「ウ、ウミミ~~~!!!」グググ
ヨハネ「あ!その場所超強力接着剤が塗ってあったんだった!!忘れてた〜」
「ウミャッ!?」
ヨハネの衝撃の告白に腹を見せながら驚くウミウシ。
ヨハネ「そのままじゃ食べれないわよね?かといって引き剥がしたら背中の皮膚まで千切れるでしょうね」
「ウ、ウミミ!?」
ヨハネ「まぁいいわ、食べさせてあげる」
-
ヨハネはカッターナイフを取り出してチャキチャキチャキと刃を露出させる。
「ウミィ!?フニィ!!!フニィ!!!??」ジタバタ
ウミウシは何をやってるんだ!!と言わんばかりに暴れるが背中の接着剤が逃亡を許さない。
ヨハネ「マカロン食べたいんでしょう?我慢しなさい」
リーダーウミウシの体長は18センチほど。
ヨハネはウミウシの首に刃を入刀する。
プツ、と柔らかい皮膚が裂けウミウシの体内に刃が入る。
「ヴミャァァァァ!!!ヴミィ!!フニフニィゲポ!!!!!」
グネグネとうねりながらやめてくれ!と暴れるウミウシ。
しかしヨハネはその刃をウミウシの体の下へ下へと移動させていく。
ツーーーー……
柔らかい肉が裂け続け、中から鮮やかな血が溢れ、臓器が見えている。
「ァァァアア!!!!ヴミャァァァァ!!!!ウウウウーーー!!」
もはや暴れることもせずに絶叫のみ発声し続けるマシーンと化したウミウシ。
激痛の「範囲」が拡大していく。
痛い!痛い!痛いよ!!!
ヨハネ「ん〜〜プニプニのお肌ね」
ツーーーー…………
ヨハネはわざとゆっくりと刃を下ろして肉の感触を楽しんでいる。
刃はウミウシの腹の真ん中まで到達していた。
「ウ゛ウ゛……………」ブリッ
ヨハネ「あはははは!!脱糞してるじゃん!!!!」
ウミウシは痛みから生理機能のコントロールが効かなくなり白い糞を漏らしていた。
まるでウミウシのバイブレーションのようだ。
カタカタカタと震えながらか細くウミウミと鳴いていた。
-
ヨハネ「ゆっくりお腹を裂きまちゅよ〜」
ヨハネは赤ちゃん言葉でカッターナイフを握り直し、ツツ……とウミウシのお腹をまるで荷物を開封するように広げ続ける。
「ウウウウウウーーーー!!!」
もう暴れることをせずに低く唸るのみだ。
ヨハネはカッターの刃を尻尾付近まで下ろしてウミウシの体をしっかり切り開いた。
そしてマカロンを一個手に取り腹の中へ詰める。
「ウウウウミミミィ!!!!!????」
ヨハネ「一個は入るわね。なら2個目はどう?」
「ミ、ミ、ミ、ミ………!!」パタパタ
常軌を逸したヨハネの行動に恐怖と懇願の意味を込めて両手をパタパタと振るウミウシ。
しかしヨハネは2個目を催促していると勘違いしたみたいだ。
ヨハネ「3個って約束だもんね。任せなさい」
「ウ………ウ…………!!」
-
ヨハネは1個目のマカロンを上半身に押し込み、2個目のマカロンを腹に詰めた。
ブリブリ………
ウミウシは再び脱糞した。
ヨハネ「汚い!う◯こも腹の中に入れときましょうw」
ポトッポトッ…………
「ウ゛ミャア!!」
まさに鬼畜の所業。
腹の中にピンセットで白いうんちを摘んでマカロンのなかに混ぜた。
その後ヨハネはウミウシの腹の中に無理やり3個目を捻り込む。
ウミウシの腹の中はマカロンでパンパンになり溢れていた。
裁縫道具を取り出して開いた皮膚をつなぎ合わせるヨハネ。
まるで手術を行う医者だ。
「ミ、ミ、ミ、ミ……!ミ、ミ…………」ガクガクガク
妊婦のように腹を肥大させ、ウミウシは両手を大の字にして微かに震えていた。
ヨハネ「さぁて議論がどうなっているか見に行きますか」
ヨハネは哀れな姿になったリーダーウミウシをその場に放置して小屋に戻った。
-
〜小屋〜
小屋の中ではリーダーが消えた事にどの個体も気づいておらず、議論を続けていた。
「ウミウミ…ウシィ」
「フニィ」コクン
「ウミャン。ウシウミ?」
「ウミィ……フシウミィ」
「ウミィ!」コクン
ツーペアでそれぞれ片方が主張すれば相槌を打ちもう片方が話し出す。
ヨハネは見ていてイライラし始めた。
ヨハネ「(人間の真似事してんじゃないわよ。ウミ虐を始めた当初を思い出すイラつきね)」
ヨハネはむかつきのあまりハンマーを持ち出してきて議論中のウミウシ一体の頭上に振りおろした。
ガァン!!!
ぶにぃ!!!!!!!
柔らかい肉に無慈悲な鋼鉄が襲い掛かる。
青い肉が面白いくらい凹み脳が陥没した。
「ミ゛ッ!!!!!」ドテ
「ウミャーーーーー!?」
「フニャアアアアアア!!!???」
殴られたウミウシは運良く即死は免れたようだ。
しかし突然の衝撃に頭を抑えて身を捩っていた。
他のウミウシ達はパニックになりその場から離れる。
ヨハネ「死ね!!!!!!死ね!!!!!!」
ドチャア!!グチィ!!!ドチュ!!!!
「ウミィ!!!」
「ミ゛ッ!!ミッ…………」
「…………」
倒れたウミウシの体をめちゃくちゃにハンマーで殴り続けたヨハネ。
ウミウシは次第に動かなくなり死亡した。
ヨハネ「ぺっ!!!」
ヨハネはとどめとばかりに死骸に唾を吐きかけた。
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ここで皆にワイの描いた可愛いウミウシを見てもらたい。
https://postimg.cc/fJqCg0Vg
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やっぱバカは治らねえんだな、ヨハネ……
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意外とでけえなウミウシ
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ヨハネ「さぁ読ませて貰おうかしら!ウミ権とやらを」
「フ、フニィ………」ブルブル
「ウミミ……」ブルブル
突然目の前で仲間が殴り殺された件について皆知りたがっている様子だったためヨハネは説明してやる。
ヨハネ「なぜ仲間を殺したかって?アイツ私の顔を見て笑ったのよ!!ウミウミ〜ヨハネキモいウミ〜って!!!ねぇ!?許せる!?許せるこれ!!!??あんたらでいうウミ権を侵害されたのと同じよ!?コラァ!!!!!!」ガァン
「「「ウミャーーーーー!?」」」
ヨハネ「許せるわきゃないでしょうが!!!!!!はいこの話はおしまい。紙見せなさい」ピラッ
「ウ、ウミ………」
どの個体も全く納得していない様子だったが文句を言えばどうなるか分かったものではない。
皆感情を押し殺した。
ヨハネ「代表のウミウシ!!!前に出なさい」
「ウミ?」
「フニィ?」
リーダーウミウシを探しているが先ほどヨハネがマカロンの刑に処したため見つけられない。
ヨハネは適当なウミウシをリーダーに選出した。
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ヨハネ「ふむふむ………」
ウミウシ達が汚い字で書いた文を読み始めるヨハネ。
「『ウミ権とは』…人間には人権があります。ウミウシにも権利がある。それがウミ権です。
ウミ権とは、全てのウミウシは楽しく幸せに暮らす権利があるという事です。これは生まれた瞬間からウミウシなら全匹知っています。その権利を守るためには命さえかけられる」
ヨハネ「ほう?」
「人間もウミウシも等しい命です。互いに尊重しなければならない。人権とウミ権は対立しないと思います。故に我々は手を取り合い生きていけると思います」
ヨハネ「……」
「次は『ウミ生』です。ウミ生とは人間で言う人生のことです。ウミ生で大切なことが三つあります。それは『マカロン』、『オレンジジュース』、『ダンス』です。マカロンとオレンジジュースはウミウシなら皆大好物です。この二つを味わっている間私たちは幸せです」
「最後のダンスですが私たちは嬉しいことがあるとすぐにお尻やお腹を見せてダンスをします。これは本能のようなものです。ヨハネさんはウミウシのダンスが嫌いみたいですが私たちと一緒に住むなら私たちの特性も理解して欲しいです」
ヨハネ「…………………」
「ウミ生は、」
ヨハネ「ぺけぇええええええええ!!!!!!!!!」
ビリビリビリ!!!
「ウ、ウミャア!?」
「ウ、ウミミィ!!!!???」
ヨハネは突然叫び始め、ウミウシ達が一生懸命書いた紙を破り捨てた。
ウミウシ達の間に衝撃が走る。
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ヨハネ「ウミウシ法第一条ォォォォォォォォ!!!!!!!」
「「「フニャーーーーー!?」」」
急にウミウシ法という聞いたことのない単語を大声で叫ぶヨハネにウミウシ達は怯えていた。
ヨハネ「ウミウシは人間の奴隷である」
ヨハネ「ウミウシ法第二条」
ヨハネ「ウミウシは人間の許可なしにケツを振ってはならない」
ヨハネ「第三条:ウミウシは喜んで人間と交尾しなければならない」
ヨハネ「第四条:ウミウシは人間の雑用を笑顔でこなさなければならない」
ヨハネ「第五条:主を信じよ」
ヨハネ「第六条:自由恋愛を禁ず」
ヨハネ「第七条:主の家に住んでいるウミウシは主に対し対価を払わなければならない」
ヨハネ「第八条:自らの生命は主のものであると心の底から思わなければならない」
ヨハネ「第九条:主に対する攻撃的行為の一切を禁ず」
ヨハネ「以上の法を破った場合、死刑。もしくは身体的、精神的苦痛を伴うお仕置きを受けなければならない」
ヨハネ「これはウミウシが守らなければならない法律よ!!文句あるウミウシは挙手!!」
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ウミ権のくだりほんと好き
殺さずにウミ権の無意味さゴミさ下らなさを説いてればウミ権に価値などないことを理解するウミウシも現れるだろうか
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生まれた瞬間から理解してるものだから本能の一種だから厳しいのでは?
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「「「ウ、シィ……?」」」
ヨハネの理不尽な要求にウミウシ達は唖然とした後、リーダーに任命された1匹が怒りの声を上げた。
「フニィ!!」プンプン
ヨハネ「50音シート!!!!殺すぞアンタ!!」
「ウミィ!!!」
勇ましくシートに乗り、皆の意見を代弁するウミウシ。
『ウミ権が一切守られていない!!!どういうことですか!?』
ヨハネ「バカぁ!!!ウミ権なんてアンタらが勝手に決めたごみルールを人間に押し付けんな!!これからはこの法を命をかけて守ってもらう!!」
ヨハネ「手始めに法を犯したリーダーウミウシ!!アンタを壁打ちの刑に処す!!!」
「ウミャア!?」
バシッ
ヨハネはリーダーウミウシを片手で掴むと皆に宣言する。
ヨハネ「法を犯すと言うことはこう言うことよ!!!今から死ぬこのゴミウミウシの姿を目に焼き付けなさい!!」
「ウミャーーーーー!!!フニフニィ!!!!」ジタバタ
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ヨハネ「1発目!!!!!」
ドチャ!!!
ヨハネは手から露出させているウミウシの頭を壁に思い切り打ち付ける!
鈍い音と共にウミウシの頭が凹んだ。
「ウ゛ッ!!!!」
短い悲鳴と共に頭部から出血し始めるウミウシ。
リーダーウミウシは俯いてグッタリしていた。
朦朧とするウミウシにヨハネは顔を近づけて大声を出す。
ヨハネ「聞いてんのかぁアンタ!!!こらぁ!!!このゴミウミウシがぁ!!!!おいっ!!!!あんまり人間なめんじゃないわよ!!!生まれてきてごめんなさいしろ!!!オイッ!!!!しなさいよ!!!!!!」
「ッ~~~~!!」
至近距離から浴びせられる罵詈雑言にウミウシは朦朧としながらも嫌そうに顔を背けた。
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ヨハネはウミウシを机の上に叩きつけ足に釘を刺し、ハンマーで殴りウミウシと机を縫い付ける。
ガァンガァンガァン!!!!
「イミャーーーーーー!!!!!!」
釘先が足にめり込む激痛に、朦朧とした意識が無理やり回復させられたウミウシ。
両手で縫い付けられた釘を取ろうとするが全く釘は動かない。
「ウミャア!!!フニィ~~~~!!!!!」ジタバタ
ヨハネ「楽になりたい?良いわよ!!」
ヨハネはウミウシの体を掴むと力任せに引っ張った。
しかし今ご存知の通りウミウシの足は釘で拘束されている。
そんな状態で引っ張るともちろんウミウシの足は「引きちぎられる」
ブチィ!!と嫌な音が響き血と共にウミウシの体が釘から離れた。
「ウ゛ミャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
絶叫とともに。
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「ミ………ミ………」ガタガタ
ウミウシは蹲りながらちぎられた足を抑えていた。
トクトクと血が流れ続けており、両手に血が付着している。
「ウミィ……ウミィ……」シクシク
痛みと恐怖のためかウミウシは涙を流し始めた。
しかし「刑罰」はウミウシが死ぬまで終わらないのだ。
ヨハネ「両手要らなくない?」
ヨハネはカッターを使いウミウシを仰向けに押さえつけた。
そのままウミウシの左手に刃をあてがう。
「ウミィッ!!!フニャアアアアアア!!!!」ジタバタ
ヨハネ「カットォォォォ!!!!!」
ギコギコギコ!!
「アアアアアアア!!!!!」
ギコギコと刃を上下させウミウシの左手を切り落とした。
切り落とされた手をウミウシの目の前でゴミ箱に投げ捨てた。
ヨハネ「こんなペラペラの手、おもちゃじゃない!?」
「ウウウウウ!!ウミャアウミャア!!!ウミャアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
ヨハネ「んー?」
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ヨハネは幾たびの経験でウミウシの鳴き声の種類が何となく理解できた。
今の叫びは「仲間に対するお願い」だ。
ヨハネの推理通り別のウミウシがシートの上に乗り、素早く文字を示し始めた。
「ウミウミ!!!!」
ヨハネに「こっち見て!!」と鳴きながら。
ヨハネはそれをあえて無視して右手の解体を始める。
ヨハネ「いっくぞーーー!!!!」
ギコギコギコ………
グチ、ブチッ!!
「ウミャアアアアアアアアア!!!!!イミャアアアアアアアアア!!!!!!」
ヨハネは切り取った右手をつまむと乱雑に床に捨てた。
ヨハネ「あ、なんか用?」
わざとらしくシート上のウミウシに問うヨハネ。
「ウ、ウミィ!!」
『そこのウミウシはもう反省している!まだ生まれてきてマカロンもオレンジジュースも飲んでいないウミウシなんです。許してあげてほしい!!』
ヨハネ「な、なんですって!?」
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ヨハネ「そ、そんな……ウミ生の大事な二つを経験してないと言うの!?」
「ウミウミ!」コクン
ヨハネ「それでこそ罰になるのよ」
「ウミィ!?」
ヨハネは満足そうにうなづくとヨハネ塾名物「スズメバチと結婚」の式場を用意する。
これは山で捕まえたスズメバチの入ったカゴに瀕死のウミウシ入れ、死ぬまで放置するというものである。
スズメバチ「…」ブゥンブゥン
「ウミャーーーーー!!!ウミウミィ!!!!」
ヨハネは叫ぶ罪人ウミウシを死のカゴの中に入れた。
スズメバチは腹を空かせているのか強靭な顎でウミウシの腹に食らいついた。
ガブッ
「イミャーーーーーー!!!!!」
ガブガブガブ
「アアアアアアア!!!!ウミャアアアアアアア!!!!!」フルフル
両手を失い無抵抗になったウミウシの肉が減っていく。
しかしここでウミウシの首振りがたまたま当たり、スズメバチを壁際まで吹っ飛ばすことに成功した。
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「ウ、ウミィ?」
スズメバチを倒したと思ったのか意外そうな顔をしたウミウシだがその考えはすぐに吹き飛ぶ。
吹き飛ばされたスズメバチは必殺の針をウミウシの顔に突き刺した!
プスッ!!!!
「ウ゛ッ!!!!!!」ビクン
人すら殺す猛毒がか弱いウミウシの顔に刺さればどうなるか。
ウミウシは短く悲鳴を上げた後、刺された箇所が紫に変色した。
そしてみるみるうちに顔が紫色に腫れあがり、口から青色の血液を吐き出し始めた。
「ウ゛ミ゛ェ……ウミェ…………」ドポポポ
ウミウシは目、口、ケツ穴………穴という穴から黒い泥のようなものを吹き出し続けて横たわった。
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スズメバチ「ガブュ……ガブガブ」
「ウ………ウ…………」ブリュリュリュ
ウミウシは糞を垂れ流しながら生きたままスズメバチに食われていた。
ヨハネは興味深そうに最初見ていたが次第に飽きてウミウシどもに振り返る。
「ウ……ウ……ミィ」シクシク
「ウミィェ……」ゲロゲロ
ウミウシ達は恐怖で吐いている個体もいた。
ヨハネに逆らってはいけない。強く心に刻み込んだ。
ヨハネ「ウミ権よりウミウシ法の方が大事よね?」
「「「ウシィ!!!」」」
ヨハネはそれから合宿を早めに切り上げた。
ウミウシのヨハネへの恐怖と忠誠心がかつてないレベルで見て取れたからである。
こうしてワーシマー2回目攻略の「駒」がまた増えたのだ。
※マカロンの刑に処されたウミウシは蟻に食われました。
終わり
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読んでくれて感謝。
また会おうノ
あとオリジナル小説もよろしく…⭐︎
https://ncode.syosetu.com/n5388iq/
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トータルで見たらむしろ減ってない……?
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びっくりするほど痛快や
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乙
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ウミ虐本当に助かる
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