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「新入生は日野下花帆くん」√梢
1
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 00:52:44 ID:B1WnxJww
とってもいい天気。
窓から覗く日差し。ぽかぽかのお日様。
最高の目覚めだったけど、絶対におかしな光景。
どうしてじっかの
2
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 00:56:54 ID:B1WnxJww
とってもいい天気。
窓から覗く日差し。ぽかぽかのお日様。
最高の目覚めだったけど、絶対におかしな光景。
どうして実家の私の部屋?
花帆「なんで寮じゃ……あ、あれ?」
もう一つの違和感。
壁には何故か学ラン……男の子用のものがかけられていた。
どうして?
気になって近づいていく、その前に。
鏡に映ったあたしの姿。
花帆「え……へ、へぇ!?」
髪は短く、胸は平坦。
そこに映る人を、それでも脳はあたし自身だと言っている。
可愛げな顔を──自画自賛?──しているけれど、そこに映るのは……間違いなく男の子だった。
花帆「なっ……なんじゃこりゃ〜〜〜!?」
3
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 01:03:17 ID:B1WnxJww
☆☆☆
状況を整理しよう。
一先ず1週間を過ごしてわかった事。
まず、あたしは今は中学3年生。
高校生ですらなかった。
男の子である事も、周囲は当たり前の様で。
どうやらおかしいのはあたしの方みたい。
それともう一つ。
……これはあたしにとってはマイナスな事。
身体が病弱である事が治っていない。
激しい運動は避ける様に生きてきたらしい。
女の子の頃よりも体力が無いと感じている。
4
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 01:09:10 ID:B1WnxJww
それでも案外適応してきたあたしは、なんだかんだ中学生を謳歌していた。
でも、心にぽっかりと穴が空いている。
皆に会いたい……。
蓮ノ空女学院じゃないから、スクールアイドルクラブの皆に会えない。
それどころか、知り合いですら無いんだと思うと。
ひどく、たまらなく寂しくなった。
でも帰る方法も分からない。
それを考えだしたら日に日に憂鬱になってしまっていた……けれど。
あたしはそれを見つけた。
蓮ノ空女学院が共学化する事を。
しかも来年! 受験に間に合う……!
私の頭には、もうそこに入学する事しかなかった。
5
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 01:13:22 ID:B1WnxJww
お母さんをなんとか説得して蓮ノ空女学院、じゃなくて蓮ノ空学院への受験を勝ち取った。
それからは絶対に落ちるわけにはいかないと猛勉強。
もしかしたら、誰も居ないかもしれない。無駄な努力をしているかもしれないけれど、やらない訳にはいかない。
そしてその努力の甲斐もあり、あたしは見事蓮ノ空に入学を果たした。
……そして入学早々にとんでもない障害とぶつかる事になる。
共学化したはずなのに……。
男子が……!
花帆(あ、あたしだけ〜……!?)
6
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 01:13:52 ID:B1WnxJww
今回はこう言う感じです。
また明日に。
7
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 04:25:38 ID:EJFjvkVk
期待
8
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 06:33:54 ID:U.Z6O7jY
記憶が残ってるのはいいですね
性欲うさぎに期待
9
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 08:15:39 ID:A2aexQtM
期待大の始まりですね、やっぱり花帆君は女子の時同様虚弱体質なんですね、共学化したばかりの蓮ノ空で男子は花帆1人か、更新楽しみです。
10
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 09:39:17 ID:kBrbPN1Y
女性陣から冷たい目で軽蔑されそう
初対面でもまともに相手してくれるの綴理ぐらいかな…
11
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/07/31(水) 23:59:12 ID:xv/mUZSE
梢とさやかちゃんから白い目で見られたら辛すぎる
ちょっとめぐちゃんが甘やかしてくれたら即堕ちですよ
12
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/01(木) 00:25:51 ID:wzm2sAFs
「どういう事? 女子校じゃなかったの?」
「なんか今年から共学になってるんだってー」
「だからって普通女子校だったところに来る?」
「なんかやらしー……」
花帆(うぅ、こんなはずじゃ……)
……教室に入るまでに、他の誰も姿を確認できていない。
上級生の梢センパイ、綴理センパイ、慈センパイならまだしも……同級生のさやかちゃんと瑠璃乃ちゃんが見当たらないのは……。
いや、まだわからない。
とりあえずこの後の入学式……そこで探してみよう。
☆☆☆
それにしても、というのかな。
肩身が狭い……!
当たり前だけど、あたし以外全員女子だから目立ってしまって仕方ない。
でも一つ幸いなのは、あたしの身長が変わらず155cmのままだから紛れ込めている気がしなくもない。
「わ……本当にいる」
「絶対下心あって入学してきたよ」
「やだ〜……」
そう思っているのはあたしだけみたい……。
13
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/01(木) 00:31:25 ID:wzm2sAFs
……とにかく!
入ってしまったものは仕方ない!
いまはわずかな望みにすがるしかないけど、あたしの不安をかき消してくれる何かを……!
花帆(あ……)
クラスは分けられており、別々に体育館に集まるのだけれど。
その中に、ようやく見つけた。
花帆(さやかちゃん……! それに瑠璃乃ちゃんもいる!)
2人は同じクラスなんだ! どうせならあたしも一緒が良かったけど……この際贅沢は言っていられない。
でも良かった……ここに来た意味がちゃんとあった。
あとは、どうやって仲良くなるかだね……。
14
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/01(木) 01:01:26 ID:wzm2sAFs
新たな課題に頭を悩ませていれば、入学式なんてあっという間に終わってしまった。
☆☆☆
この世界の蓮ノ空はどうやら、なんでもいいから部活動に入る必要があるらしく。
どうした物かと困っているところだ。
身体が弱いから運動部は避けたいし……。
それに本当は。
入りたい『クラブ』はある。
変わらずにある物。
蓮ノ空、学院スクールアイドルクラブ。
でも今のあたしでは……。
部室の前まで行って、分かりきっている事が頭の中で何周も駆け巡る。
体力もない、そもそも今の性別だって男子。
入れる……気がしない。
もしここに、梢センパイ達がいたとして、受け入れてくれるかも分からない。
……やっぱり帰ろう、そう思って引き返そうとした時。
梢「あら……あなた、どうしたの? 何か御用かしら?」
花帆「!」
とっても、聞き慣れた声。
でもこの1年間はとんと聞いていなかった。
ネット上に動画も何故か無かったから……!
花帆(梢センパイ……!)
思わず呼びそうになったけれど、初対面である事を忘れてはいけない。
15
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/01(木) 01:06:08 ID:wzm2sAFs
梢「……あなた、もしかして噂の新入生の子? 唯一の男子生徒っていう……」
花帆「あっ、は、はい……ひ、日野下花帆、って言います!」
梢「元気でよろしいわね。……それで、日野下くん。スクールアイドルクラブに用がありそうに見えたけれど……?」
花帆「あっ、えと……!」
どうしよう、何を言えばいいか分からない。
というかあたしとしては、なんとか心の安寧の為にここで梢センパイとの関係を作っておきたい……!
正直にいってみる
16
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/01(木) 01:08:21 ID:wzm2sAFs
正直に言ってみる?
場合によってはドン引きされるかもしれないけれど、梢センパイならもしくは……!
花帆「あ、あの……ぼくも……スクールアイドルクラブに……」
梢「……?」
最後まで聞こうとしてくれている梢センパイ。
誤魔化せない、けど……!
花帆「……ま、マネージャー……とか、って募集してます、か?」
最後に捻りを加えてしまった。
17
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/01(木) 01:09:54 ID:wzm2sAFs
また明日に。
口調がガバるかもしれません。
基本的に話はずっと明るいです。
18
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/01(木) 01:10:46 ID:i/U228uU
期待してる
19
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/01(木) 16:48:26 ID:F4w5l9TM
お話作るの頑張って下さい。
20
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/01(木) 20:01:57 ID:6uhVWiPg
楽しみにしてます
21
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/02(金) 01:00:57 ID:bxPIqkro
梢「……マネージャー? いえ、今までそういったのは特には……」
梢「いえ、待って。日野下くん、一つ聞かせてもらえるかしら? あなたは……スクールアイドルにはなりたくないの?」
花帆「え……え?」
……なんだか思ってたより前向きに考えてくれてる?!
さ、さすが梢センパイ……! 包容力がすごい!
花帆「あ……ぼくは、その身体が弱くて……部活も、運動部は避けようと思ってて……!」
花帆「でも、スクールアイドル……に、ちょっと興味もあって……」
梢「そういう事なら、一度見学してみてはどうかしら? 日野下くん以外にも、入部希望の子が2人いるの」
2人……もしかしてさやかちゃんと瑠璃乃ちゃんかな。
梢「……女子生徒ばかりで、男子1人なのは不安だと思うけれど、私はあなたを歓迎するわ」
梢「自己紹介が遅れていたわね。私の名前は乙宗梢」
花帆「……こ……乙宗、センパイ」
部室の前で、ようやく名前を呼んだその時。
部室の扉がガラガラと音を立て、中から──
綴理「こず、なに話してるの?」
22
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/02(金) 01:11:26 ID:bxPIqkro
梢「綴理、入部希望の子よ。マネージャー志望だけど、ね」
綴理「……おとこのこ?」
花帆「は、初めまして! 日野下花帆、です!」
綴理「うん、はじめまして」
梢「……日野下くん、この子は夕霧綴理。ちょっと変わってるけど、きっと歓迎してくれるわ」
綴理「うん。ボク、来るもの拒まず」
……教室や、入学式の時の周りの反応が嘘みたいに、受け入れてくれる。
あぁ、やっぱり……ここに来て良かった。
それに、何より……。
また皆に会えた。それが本当に嬉しい。
23
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/02(金) 01:13:44 ID:bxPIqkro
3年生組が卒業までには梢綴理慈はやっておきたいところです。また明日に。
24
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/02(金) 05:30:01 ID:dxV0lz6k
共通ルートって感じで続きが楽しみです
さやかだけ最初のバスで個別ルート入りそうだけど
25
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/02(金) 07:11:34 ID:09hsVODo
>>24
確かにさやかとの出会いはバスだったもんね、となると吟子との出会いは花帆が部室に赴くと吟子が寝転がってる所に出くわすわけね、まぁ徒町よりかはマシなファーストコンタクトかなぁ。
26
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/03(土) 00:16:06 ID:jSsSVBuA
慈「ん〜、なになに? ……んん? その子は?」
更にもう一人、慈センパイが現れる。
慈「あ〜、そういえば。ハーレムを目論んだ勇敢な子が入学してきたって噂になってたっけ?」
梢「慈、あまりそういう事を言うんじゃありません」
慈「あはは、冗談冗談。ほんとは中から聞いてたんだって。……うんうん、私も別にいいと思うよ、可愛い顔して、人畜無害って感じだし」
梢「慈……あまりそれは褒め言葉にはならないのよ」
27
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/03(土) 00:39:44 ID:jSsSVBuA
綴理「そうなの? 可愛い顔なのは褒め言葉じゃない?」
梢「いえそっちじゃなくて……まぁいいわ。とにかく、日野下くん。改めて、私達はあなたを歓迎するわ」
こうしてあたしはスクールアイドルクラブのマネージャーになった。
そしてやっぱりと言うべきか、入部希望の2人はさやかちゃんと瑠璃乃ちゃんで合っていた。
二人もあたしの事を受け入れてくれて──さやかちゃんはちょっと戸惑いつつも──あたしもこれでようやく安心できた。
だけど、それはそれとして。
授業中とか、移動中とか。
肩身が狭いのは変わらない。
せめて同じクラスにさやかちゃんと瑠璃乃ちゃんが入ればだいぶ違ったかもしれないけれど、もう今更言っても仕方ないよね。
28
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/03(土) 01:13:57 ID:jSsSVBuA
……まぁ、お昼は1人でこっそり。
人気の少ない場所……屋上とかで食べる。
さやかちゃんと瑠璃乃ちゃんを誘う……のは難しい。既に友達が出来ていて、さすがにそこには飛び込めなかった。
花帆「とほほ……まさかこんな事になるとは」
本当にスクールアイドルクラブの皆がいなかったら、今度こそ脱走してたかもしれない。
花帆「まぁ、放課後になれば……」
梢「放課後になれば?」
花帆「わっ!?」
全くの意識の外。
びっくりしすぎてお尻が浮いてしまった。
梢「ご、ごめんなさい、驚かせるつもりではなかったの」
花帆「あ、ぼくの方こそ……でもどうして乙宗センパイ、こんな所に……」
梢「どちらかといえば、それは私のセリフね。日野下くんこそ、どうして屋上で?」
花帆「……それは、まぁ」
かくかくしかじかと。
梢「そうね……確かに居心地は良くないかもしれないわね。それで、購買のパンをここで食べているのね」
花帆「学食も、やっぱり行きにくくて……」
梢「……日野下くん、もし良かったら、明日は私と一緒に学食に行く? もちろん無理にとは言わないけれど……」
花帆「えっ、そんな……乙宗センパイが良ければ、ぜひ……!」
やっぱり梢センパイは優しいなぁ……こんなに優しくされたら、すぐに好きになっちゃうよ。
もう大好きだけどね。
梢「それじゃあ、明日のお昼は食堂で待ち合わせましょう」
29
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/03(土) 01:15:03 ID:jSsSVBuA
また明日に。
30
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/03(土) 01:44:28 ID:klu6k3Ss
後輩組はしっかり5人分クリアしてからにして欲しいという思いがある
31
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/03(土) 14:19:15 ID:cSb2tg2o
男でも関係なく距離感近い接し方の綴理に期待してる
32
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/04(日) 00:57:40 ID:hhZSO1Zo
☆☆☆
そして翌日。
いざ食堂へ……しかし随分と緊張しちゃう。
もう皆、いい加減あたしに慣れたというか、飽きてきたというのか。あまり反応も少なくなってきた。
けれど、梢センパイと一緒となれば話は全くの別だった。
皆、どうして梢センパイとあたしが一緒に? と不思議そうにチラチラと。
33
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/04(日) 01:29:10 ID:hhZSO1Zo
梢「日野下くん、学校には……まだ慣れてないかもしれないわね」
花帆「うぅん……今は、とにかくこの環境を当たり前にしないといけないな、って思ってて」
大浴場も、あたしが入るのはあたし以外全員が入浴を済ませた後。
それに寮の部屋も、あたしだけちょっと離れてるところだし……学院側も、共学化したはいいけど、その辺りはもう少しなんとかしてほしかったかも。
梢「さて……今日からいよいよ新体制のスクールアイドルクラブの活動を開始します。そこで日野下くんにやってもらいたいことを説明するから、放課後は部室に集合よ」
花帆「はい!」
34
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/04(日) 01:45:08 ID:MK03Me9c
時間限定とはいえ、大浴場に入れるのか…
35
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/04(日) 20:03:13 ID:fHvVrQ1c
>>34
いずれ男子寮が整備されたりするんだろうね、こういう女子校が共学化したハーレム物って意外と男1人って浮くって展開も多いよね…。
36
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/04(日) 23:14:42 ID:I6E7.mOg
当然脱衣所も共用だよね…誰かの忘れ物とか見つけてドギマギしそう。
37
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/04(日) 23:17:56 ID:wmNFfRMk
大浴場使わせてもらえるわけがないんだよなぁ
多少の時間を空けても湿度で匂いがものすごいことになっててフル勃起不可避
絶対シコってるだろ
38
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/05(月) 05:04:49 ID:IXZmzFCY
梢センパイと楽しいお昼休みを過ごして、午後の授業。
を、乗り越えて放課後。
部室に集合し、今年度の目標等の展開。
その中でわかった事が複数。
蓮ノ空ではユニットでの活動が伝統とされていたけれど……この世界線では全員で一つのグループとして活動しているみたい。
まぁ確かに、すっごく変な話だけど、あたしが居ないのなら、梢センパイは誰と組むんだってなるしね!
それはさておき、次に学院でのLIVEについて。
撫子祭、竜胆祭、蓮華祭等で行い……
39
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/05(月) 05:10:08 ID:IXZmzFCY
12月の全国突破を目指す。
梢「今年度からは、更に上を目指してやっていきます。練習もハードになると思うけれど、皆、問題ないわね?」
それに誰も、異を唱えない。
あたしも皆が快適に練習出来るようにしないと……!
……本当はそこに居たい気持ちもあるけれど、本当に踊れそうにないから。
40
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/06(火) 09:50:57 ID:DRFrAPMs
それはそれとして、あたしのやる事は。
タオルの準備とか、スポーツ飲料の準備。
マネージャーとは良く言うけれど、要は雑用係なのは間違いない。
これはあたしが活動していたから出来る事だけど、ちょっとしたアドバイスも。
アドバイスと言うと偉そうだけど、それがきちんと的を射ているから、皆も聞き入れてくれる。
梢「日野下くん、よく人を見ているのね」
梢センパイが感心したようにそう言う。
花帆「マネージャーとして、出来る事はしたいですし、皆さんには優勝してほしいですから!」
41
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/07(水) 08:50:59 ID:284WUAT2
梢「……そうね。私達も、その期待に応えないとね」
☆☆☆
あたしがスクールアイドルクラブのマネージャーになってから、約2ヶ月。
スクールアイドルクラブの活動も大切だけど、それとは別に学校行事も当然あるわけで。
体育祭……。
花帆(でも多分見学になるかな……)
正直、あたし自身が驚く程に体力が持たない。
普通の生活は出来るけれど、走ったり激しい運動は避けるべきで。
1種目くらいなら大丈夫かもしれないけど……。
「ねー、日野下くん何出る?」
「うちには男子がいるんだから、かなり有利なはず」
入学した当初こそ、扱いがぞんざいだったけど、あたしの事を理解してくれたクラスメイト。
その結果というべきか、妙な期待が集まっていた。
一応、身体が弱い事は話してはいるんだけどね。
42
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/07(水) 08:57:53 ID:284WUAT2
☆☆☆
さやか「それで、リレーのアンカーになってしまった、と」
花帆「うん……」
放課後、部室に集まって雑談の時間。
梢「実際、注目は集まるでしょうね。……でも日野下くん、無理はしないのよ? あなたの身体の限界は、あなたしか分からないのだから」
花帆「はい……! ところで皆さんは、何の種目に……」
無理をしないで、か。
この時は、その言葉を守るつもりだった。
そのつもりだった。
43
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/07(水) 09:03:51 ID:284WUAT2
☆☆☆
体育祭当日。
よく晴れた日、青空が広がる空。
6月、梅雨時期だったけれど、遮るものは何もなく日差しが強いくらいだ。
花帆(暑い……)
少し心配になるけど、練習の時はなんとかなった。
程々にしていれば、問題ないかな。
そして体育祭は始まった。
その中でも注目を集めていたのは、やっぱり梢センパイだった。
黄色い歓声があがって、梢センパイの人気ぶりが窺える。
花帆(やっぱり、梢センパイはすごいなぁ……)
44
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/07(水) 17:43:39 ID:TpFgBdvk
無自覚天然綴理の距離感バグったスキンシップ見たい
45
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/08(木) 09:23:05 ID:zt6pKjag
身近になりすぎて、感覚が麻痺しそうになるけど。
なんでも出来るし──機械と、絵を除いて──美人でスタイルも良くて。
花帆「……」
花帆、って呼んでほしいな。
今は日野下くんだから……。
花帆(男子として会うと、仲良くなるまでのスピードが違う気がするや……)
46
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/08(木) 09:33:36 ID:zt6pKjag
花帆(だったら……)
ちょっとここで、かっこいいところ見せて梢センパイに褒めてもらおうかな!
リレーのアンカー。
正直あたしからしたら男子だとか、女子とかはあまり関係はない。
でも皆はそうは思わない。
だからこそ、ここで負けちゃったら、カッコ悪いよね!
そんな想いを胸にあたしは走った。
47
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/09(金) 09:49:13 ID:3o3BE1D2
バトンを渡された時、最下位だった。
けれどそこまで差はなく、背中は見える。
虚弱とはいえ、ギリギリ男の子の身体のポテンシャル。
それに。
ここで1人も抜かせないなんて事になったら。
あたしが悔しい!
☆☆☆
綴理「みてみて、かほ。ごぼう抜き」
慈「張り切ってるね〜、良い所見せようしてる」
梢「……」
綴理「……こず? どうしたの?」
梢「いえ……あの子、身体があまり強くないという話だから、少し心配で」
48
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/09(金) 09:59:27 ID:3o3BE1D2
梢「あんなに思い切り走って、大丈夫なのかしら……」
私の心配を他所に、日野下くんは走り切った。
1着で役目を果たして……。
梢「……!」
☆☆☆
花帆「はぁっ、はぁ……やった……!」
アンカーを任されて、どうなるかと思っていたけれど。
なんとかその役目を果たせた。
遠くでさやかちゃんと瑠璃乃ちゃんも喜んでくれている。
良かった……梢センパイ達も、見てくれてたかな。
花帆「はぁっ、はぁ……ハァっ……っ…っ!」
……肩で息をしている。
落ち着こう、深呼吸、深呼吸……。
花帆「っ、ひ……げほっ、ハァっ、ハァっっ……!」
足に力が入らない。
これは、まずい。
地面が浮く感覚。
地面が。近付いてくる。
花帆(違う……)
あたしが倒れてるんだ……。
ぶつかる……。
49
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/09(金) 10:04:43 ID:3o3BE1D2
梢「──日野下くん!」
倒れかけたその身体を支えられる。
梢センパイ……駆けつけてくれたんだ。
梢センパイ達のテントからじゃ、かなり早くあたしの異変に気付かないと間に合わない距離……。
花帆「みててくれてたんだ……」
梢「日野下くん……少し、揺れるけど我慢して頂戴」
身体が浮く。
けどそれは、身体の異常じゃなくて。
梢センパイに抱きかかえられている。
お姫様抱っこだ……。
恥ずかしい気もしたけれど、そんな事考える気力もない。
梢センパイの腕の中で、気絶する様にぐったりとしていた。
☆☆☆
50
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/11(日) 20:50:48 ID:/4oDZ1z6
待機
51
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/14(水) 23:59:09 ID:ZdGylIu2
☆☆☆
……目が覚めると、あたしは保健室のベッドの上だった。
体育祭の途中だったけれど……。
梢「あ……日野下くん、具合はどう?」
花帆「梢センパイ……」
ずっとそこに居てくれたのか、梢センパイはあたしが目を覚ますと安心したようにほっと一息をつく。
梢「心配させて……無理をしてはいけないわ。日野下くん、あなたは……」
花帆「ごめんなさい……皆にいいところ見せたくて」
梢「もう……でも」
梢センパイがあたしの頭を撫でる。
梢「カッコ良かったわよ、日野下くん」
女神みたいな微笑みに、窓から夕焼けが差し込み、さながら後光の様だった。
そんな嘘みたいなシチュエーションに、あたしは。
花帆「……へ、えへ……」
分かりやすく照れてしまった。
52
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 01:23:17 ID:SOtur636
☆☆☆
体育祭から数日が経ち、あっという間に撫子祭がやってくる。
あたしとさやかちゃん、瑠璃乃ちゃんの3人でスクールアイドルクラブをアピールする校内新聞を作成する。
それとは別に文化祭らしくクラスでの出し物を決めるんだけど、準備段階で決まったのはメイド喫茶だった。
「去年までは女子校だったから、どーせ男子とかいっぱい来るよ」
「それなのにメイド喫茶ってのもやだな〜」
「まぁ投票で決まったしさー」
花帆「そうかもねー、じゃあ皆はメイドさん頑張って! ぼくは裏で料理とかを……」
「や、それなんだけどさー日野下くん」
53
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 01:32:32 ID:SOtur636
「わたしらは前から思ってたんだけど……日野下くん結構可愛い系の顔してるじゃない?」
花帆「……う、うん?」
「せっかくだしさ〜♪ ね、ね?」
花帆「……あ、あのぉ、その手はなんでしょうか……み、みんな!? なんか目が怖いよ!?」
☆☆☆
数分後……。
「きゃ〜ん♡かわいい〜!」
「写真撮らせて写真撮らせて!」
「いや〜これ程とは……」
花帆「ぅ、うう……どうしてこんな事に……」
メイド服にうさ耳。
メイクまでされてあっ、という間に女の子にされてしまった。
花帆(ほとんどあたしだぁ……)
鏡に映る自分は、女子の時そのままだった。やっぱり顔とかはほとんど変わってないんだ。
「可愛すぎてなんか悔しい……」
「余裕で私たちより可愛いんじゃ……」
花帆「……え、ちょっと待って? 本当にぼくがこの格好で?」
「う〜ん、そうだなぁ……そうだ! 呼び込みしてよ! 看板持ってさ、下手に話さなくてもいいから、多分楽楽!」
☆☆☆
さやか「……それでそんな感じになってるわけ、だと」
瑠璃乃「花帆くんめっちゃ可愛い〜!」
花帆「2人まで……」
この姿を梢センパイたちに見られたら……。
54
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 01:37:51 ID:SOtur636
梢「あら、さやかさん、瑠璃乃さん……それ、と……?」
花帆「あ……」
恐る恐る振り向くと、梢センパイと綴理センパイ、慈センパイがそこに。
慈「あれ? もしかして花帆くん? おもちゃにされてるね〜」
綴理「……」
花帆「わっ、え、綴理センパイ?!」
無言で綴理センパイが胸を触ってきた。
綴理「ほんとに、かほかなって」
花帆「そこで判断するんですか!?」
綴理「おっぱい、なかったから」
花帆「そ、そりゃあそうですけど……」
55
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 01:41:56 ID:IVXjoM4A
つづ良いね
56
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 01:42:39 ID:SOtur636
というか、梢センパイのリアクションがさっきから何も……。
梢「……」
花帆「……梢センパイ?」
スマホを扱っているけど、いつものように上手く扱えていない。何をしたいんだろう……?
梢「綴理、これはどうしたら……」
綴理「ん……ここ、おして」
指定された様に梢センパイがタップすると、カシャリとシャッター音。
花帆「え……写真撮りました?」
梢「日野下くん……これは記録に残しておくべきよ」
花帆「梢センパイ!?」
☆☆☆
57
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 01:52:55 ID:SOtur636
いろんな騒動はあったけど、それからはしばらく看板娘(?)を続けてメイド喫茶に貢献し続けた。
梢「日野下くん、頑張ってるわね」
お昼頃に、梢センパイがまた来てくれた。
今度は様子のおかしくない普通の状態で。
梢「そういえば……日野下くん、まだここに居ていいの?」
花帆「へ? まぁ……そろそろ戻ろうかなとは思ってましたけど」
梢「あら……もしかしたら、皆黙っているのかしら」
花帆「?」
梢「そういう事なら、日野下くん。急いで体育館に向かった方がいいかもしれないわね、一緒に行きましょう」
☆☆☆
『さぁ〜実はこっそり人気企画! 蓮ノ空ミスコン! 今回も3名の審査員と、会場の男性投票で蓮ノ空クイーンを決めてまいります!』
花帆「なにそれぇ〜〜〜!?」
58
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 02:10:19 ID:SOtur636
花帆「て、ていうかまさか……!」
梢「参加者に日野下くんの名前があったから……」
花帆「どうしてですかぁ!?」
いや、絶対みんなが面白半分でエントリーさせたんだ!
『審査員は前回人気すぎて同点1位、殿堂入り扱いとして、スクールアイドルクラブの乙宗梢さん、藤島慈さん、夕霧綴理さんの3名です!』
梢「そういう事だから、日野下くん、頑張って!」
花帆「が、頑張るも何も……!」
こ、こうなったらヤケクソだぁ!
☆☆☆
『え〜、それでは最後に……ふ、ふ……』
花帆(何笑ってるの!?)
『新入生の日野下花帆ちゃん、です〜!』
花帆「あ……ひ、日野下花帆です……!」
「うお……かわいいぜあの子……」
「うさ耳も似合ってるな……」
「胸はねーけど、小柄で守りたくなっちまうな……」
『さてさて日野下花帆ちゃんのアピールタイムは何を話してくれるのでしょうかぁ?』
花帆「えっ!? え、えっ〜と、その……ぼ……あ、あたしは……」
そこであたしは完全に言葉につまり、顔を真赤にして下をうつむくだけで終わってしまった。
なのになぜか「恥ずかしがる姿も可愛い」とか「守ってあげたい」とか前向きに捉えられた。
慈「ていうか女声完璧すぎて別の才能あるんじゃないの、あの子」
梢「えぇ、一瞬日野下くんが男の子って忘れそうになるわ」
☆☆☆
59
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 02:26:46 ID:SOtur636
☆☆☆
瑠璃乃「いやあ〜まさか花帆くんがクイーンになっちゃうとはねぇ」
花帆「これ来年からぼくはどうすればいいのかな……?」
スポットライトが当たった瞬間、女子の歓声がすごかった。
笑い声も多かった気がした。ちょっとそれは気持ち分かるから許せてしまった。
だってさ……。
綴理「みんな、かほにメロメロ」
慈「他の子は複雑かもだけどね〜」
梢「まぁ私たちも後押しをしてしまったから……」
さやか「でも実際、この状態の花帆くんは可愛いですから」
花帆「もう……ま、いっか。皆楽しそうだったし。それより、この後は皆の頑張る時間ですよ!」
スクールアイドルクラブとしての活動……ライブだ。
あたしにとっては、それが一番の楽しみだった。
60
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 02:28:57 ID:SOtur636
また明日に。
61
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 03:40:55 ID:I5BzjKAY
すっかり打ち解けて受け入れられてる感じがいいね。
花帆くんちゃんの人たらしもあるのかな
62
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 07:50:13 ID:b3rgXEb.
元々の自分である女性を演じるんだからむしろ恥ずかしさなんて無さそうな気もするのだけれど
もう心も身体もすっかり男性になってしまったのね、花帆…
63
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 11:41:18 ID:.0IDMERk
☆☆☆
あたしが出る訳ではないのに、なんだか妙に緊張してしまう。
梢「さあ、新体制では初のLIVEにになります。気を引き締めて、楽しんで行きましょう」
☆☆☆
5人でのパフォーマンス。
そこにあたしが居ない事が、ほんの少しだけ寂しいけど。
その分あたしは、その光景を記録に収める。
動画で撮っている間、それぞれの写真を撮っていく。
花帆(皆楽しそう……)
写真でも、動画でも。
もちろん、直で見る皆が一番だ。
そうして撫子祭は無事に終了した。
☆☆☆
花帆「写真現像出来ましたよ〜」
数日後の放課後、部室に集まり撫子祭で撮った写真を広げる。
瑠璃乃「お〜、めっーちゃたくさん撮ったね」
梢「来年の校内新聞にも使えそうね」
64
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 11:54:39 ID:.0IDMERk
慈「……ね、なんか梢の写真だけ多くない?」
花帆「……へ?」
綴理「3倍は多いね」
……そんなに撮ってたっけ。
梢「あらあら……ふふ」
花帆「と、とりあえずファイルに保管しちゃいましょう!」
65
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 12:07:17 ID:.0IDMERk
誤魔化すようにファイルを取り出す。
そこには去年の写真があり、1年生の時の梢センパイ達が載っている。
慈「あ、これ去年のミスコンの時の」
さやか「そういえば去年の同点1位だと……」
慈「そうそう……あっ、そうだぁ……」
にぃ〜、と慈センパイが口角を上げる。
……なんだろう、イヤな予感。
66
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 12:31:45 ID:.0IDMERk
慈「もし花帆くんが審査員だったらさ、私達の中なら誰を選ぶのかな〜って」
花帆「えっ!? そ、それは……!」
慈「あ、皆1番とか無しだからね!」
梢「慈……あんまりいじめないの」
そうは言うけれど、梢センパイの目線もチラチラとこちらに向いている。
あたしは……。
花帆「……ぼくなら……梢センパイを選びます」
67
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 13:01:42 ID:9wPBX.UY
そこはよぉ
照れ隠しも込めて綴理を選ぼうぜ
68
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 15:12:08 ID:.0IDMERk
☆☆☆
自分の名前が呼ばれると、考えていなかった。
梢「あら……そ、そうなの?」
花帆「あ、あぁいやでもその! そんな変な下心とかじゃなくて、頼れるセンパイというか……!」
分かりやすく顔を赤くして慌てふためく。
なんだかそれが可愛らしくて、少しいじわるをしたくなる。
梢「……私の、どんなところが良いのかしら?」
花帆「えっ!? えと、え、と……」
慈(案外ノってきたな……)
花帆「……そ、の。綺麗なとことか……優しいとことか……」
69
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 15:32:18 ID:.0IDMERk
部室の空気がしっとりとしてきた。
この話題は、もうこれくらいにしておいた方がいいかもしれない。
梢「ごめんなさい、少しからかいすぎたわね」
そう言って、その場は一先ずお開きとなった。
☆☆☆
綴理「ねぇ、こず」
梢「何かしら」
綴理「暑い?」
梢「……?」
綴理「ううん、さっき部室で話してる時から……耳がずっと赤いから」
70
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 21:00:33 ID:/ckQ9yos
ええぞ〜
71
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/15(木) 22:17:52 ID:IaPLsp5g
そういうのって、今までにあまりにも言われ慣れてるから別に動じないのかなって思いました
72
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/16(金) 06:37:03 ID:CDvkS24o
僕の梢先輩だからね
73
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/16(金) 23:01:48 ID:wrAEKG9M
梢「えっ」
思わず自分の耳を触って確認してしまう。
……わずかに熱が残っている。
梢「……どうしてかしら」
どうしても何も、思い当たるものは一つしかない。
……男の子にそんな事を言われるのは、初めてだったから。
梢「……そうね、暑いかもしれないわね。……『花帆』くんのせいね」
綴理「?」
☆☆☆
そして夏が来る。
夏休みに突入して数日。
カンカン照りの空の下、あたしたちは6人揃って梢センパイの別荘に来ていた。
合宿の夏が、やってきた。
とは言っても、初日は。
慈「うぅみだー!」
瑠璃乃「めぐちゃん待ってぇ〜!」
梢「さや、うきわ膨らませて」
さやか「はいはい、少し待っててくださいね」
海で遊ぼうとなり、水着を着て砂浜へ。
花帆(しっかり日焼け止め塗っとかないと……)
こういう所にも気を使う必要がある。
中々やっかいな身体だ。
74
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/16(金) 23:16:45 ID:wrAEKG9M
花帆「ぐ、ぐぐ……背中……」
梢「……花帆くん、背中、私が塗ってあげるわ」
花帆「あ……梢センパイ」
水着姿の梢センパイ。
今のあたしには刺激が強い……。
梢「ほら、日焼け止め。貸して頂戴」
花帆「お、お願いします……」
ひんやりとした液を、梢センパイの手で塗りたくられる。
花帆「うっ、ふはっ、こ、梢センパイくすぐったいです……!」
梢「ほら、動かないの。ちゃんと塗れないから……」
なんとか手の届かない背中も塗ってもらい。
梢「……花帆くん、申し訳ないのだけれど、私にもお願い出来るかしら、背中……」
あたしに背を向け、髪が邪魔にならないように手で束ねる。
花帆「じ、じゃあ……」
……その背中の、柔らかさに驚く。
しなやかな筋肉、綺麗な身体。
手のひらに、吸い付くようで……。
イケない事をしているみたいだった。
75
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/16(金) 23:18:40 ID:wrAEKG9M
梢「……んっ……」
花帆「わぁ!? ご、ごめんなさい冷たかったですか!?」
梢「いえ……ちょっぴりくすぐったい、だけよ」
高めの声が漏れて、あたしの心臓が一瞬激しく飛び跳ねる。
花帆(び、びっくりした……)
76
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/16(金) 23:25:23 ID:wrAEKG9M
その後は日焼け止めを塗ったあたし達も海へ。
夕方になるまで遊んで、くたくただった。
それでも皆でご飯を食べて、お風呂に入り──しっかり順番を守って──後は寝るだけといった所で。
梢「ごめんなさい、少し良いかしら」
全員の前で梢センパイが挙手。
その内容は……。
梢「ベッドなんだけど……困った事……いえ、困ったというと、花帆くんに悪い気もする事なのだけれど」
慈「なにー? はっきり言ってみなよ」
梢「これはきちんと確認していなかった私の不手際なのだけれど……ダブルベッドが3つしかなくて」
77
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/16(金) 23:34:00 ID:wrAEKG9M
つまり、誰かはあたしと一緒のベッド……という話で。
花帆「……ぼく、ソファとかでも良いですけど」
慈「だめだめ、身体痛めるよ」
梢「そうよ、花帆くん……確認していなかった私が悪いのだから、花帆くんが嫌じゃなければ、私と同じベッドでも良いかしら?」
☆☆☆
……と言うことがあり。
梢「それじゃ、……おやすみなさい」
花帆「おっ、おやすみなさい……」
……すぐ隣に梢センパイ。
お風呂上がりだからか、まだ良い香りが漂っている。
花帆(こ、こんな状態で眠れるわけないよ〜!)
78
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/16(金) 23:35:42 ID:wrAEKG9M
こゆか文化祭とか、体育祭や夏合宿の話のベースをそのままに、キャラ変更して細かく変えていく感じです。
79
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/17(土) 00:57:03 ID:70VKMS3g
無粋なツッコミだが、流石にソファか何かで寝ないか…?
80
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/17(土) 03:29:09 ID:jP7io1Nk
創作なんだからもっと気楽に考えなさいな
81
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/17(土) 21:08:54 ID:eT0t7LsU
作者さん、暑いので熱中症に気を付けて下さいね、更新ありがとうございます。
82
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/17(土) 23:16:14 ID:qLsG52vM
☆☆☆
慈「……ね、るりちゃん。あの2人、どう思う?」
瑠璃乃「んん? どう、って……」
慈「花帆くんと梢の事。最近仲良いし、頑なに日野下くん呼びだったのに、気付いたら花帆くん呼びだったし」
慈「しかも今日、海に入る前なんかは日焼け止め塗り合ってたよ」
瑠璃乃「……妬いてるの?」
慈「違う違う、そうじゃなくってさ……なんというか、仲良くするのはいいけど……」
瑠璃乃「友達に彼氏ができるかもってジェラシーってぇ感じ?」
慈「ちーがうってば……いや、純粋にさ、同じベッドで寝るってさ……変な事してないよねって……」
瑠璃乃「大丈夫だと思うよー、花帆くん、そゆことはしなさそうだし」
慈「なら良いけどね〜……」
☆☆☆
花帆「……う、うん……」
なんだかんだと眠っていたけれど、夜中に目が覚める。
トイレ……と起き上がるけれど、隣に梢センパイがいない事に気付く。
花帆「あれ……梢センパイもトイレかな」
☆☆☆
でも別荘の中にはどこにもいなくて、もしかしてと砂浜へ向かうと。
花帆「梢センパイ……」
梢「あら……花帆くん、眠れない?」
梢センパイが海を眺めていた。
花帆「梢センパイこそ……」
梢「私も眠れなくて……」
☆☆☆
梢「私も眠れなくて……」
その理由が、花帆くんが隣で眠っているからとは言えない。
大人ぶって、一緒のベッドで問題ないとは言ったけれど、大アリだったわね……。
83
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/17(土) 23:26:30 ID:qLsG52vM
梢「少し話さない?」
花帆くんを隣へ誘う。
眠たくなるまで、真夜中の海を眺める。
花帆「……わ、お月さま……綺麗に浮かんでますね」
梢「本当……辺りの照明も何も無いから、月明かりと星が特に輝いて見えるわね」
海に反射する月がゆらゆらと揺れる。
波の音と共に。
花帆「……梢センパイ、こんな機会だから、話したい事があるんですけど……いいですか?」
梢「? なにかしら」
84
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/17(土) 23:27:09 ID:qLsG52vM
綴理はいろいろ考えています。
梢の次は綴理予定です。
85
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/18(日) 03:09:36 ID:GmoOW3kU
わぁい
86
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/18(日) 13:55:16 ID:N8a8bd.2
>>84
良い順番だと思います。
87
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/18(日) 23:52:42 ID:IdupT/tM
少し頬を染めて、照れくさそうに。
花帆「入学してから、4ヶ月くらいですけど……ぼく、本当に今が充実してて……これも全部、梢センパイのおかげです」
梢「……私は何もしてないわ。充実させられているのは、花帆くん、貴方の力よ」
……本当にこの子は。
素直で、可愛らしい子ね……。
思わず頭を撫でてしまいたくなる。
よしよししてあげたい。
梢「それに、花帆くんが来てくれたおかげでスクールアイドルクラブも活気があって……私からも感謝を伝えたいくらい」
波音が心地よいBGMになり、会話が弾む。
……そろそろ瞼も重たくなってきた。
花帆くんと共に、ベッドへと戻る。
……緊張も溶けている。
お互いに、ぐっすりと……。
☆☆☆
88
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/19(月) 00:21:37 ID:OAYYJhPE
☆☆☆
花帆「うぅん……ん、ん……!?」
ぐっすりと眠って、頭はスッキリしている。
だからゆっくりと瞼を開く……と。
お互い寝返りをうつから、そうなるタイミングがあってもおかしくないのだけど。
目の前に、すやすやと寝息をたてる梢センパイの顔があればびっくりもしてしまう。
胸がドキぃっ、と跳ねた事がよくわかる。
花帆(……やっぱり、梢センパイって本当に綺麗だなぁ……)
寝顔も見惚れてしまう。
花帆「……」
こうして梢センパイの事を見てると……ずっと胸がドキドキしてしまう。
今までは、こんな感じになる事、なかったのに。
ここ最近は増えてしまっている。
花帆「……」
まだ頭が驚いていて落ち着かないのかもしれない。
先にベッドから出て、顔を洗ってくる。
☆☆☆
二日目は初日と変わり、たっぷりと練習。
あたしもタオルや飲み物、見直し用の動画撮影、活動報告用の写真撮影、お昼ご飯を用意したり。
皆の練習が滞りなく進む様に様々な雑用を行う。
花帆「ごはんできましたよー!」
お昼ご飯には海の家チックに焼きそば。
エネルギー満タンになった後は、夕方まで練習を続ける。
☆☆☆
汗を流してさっぱりして、眠るまでゆっくりと……と考えていた時。
慈センパイがこんな提案をしてきた。
慈「夏の合宿といえば、肝試しだよね〜!」
89
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/19(月) 00:34:54 ID:OAYYJhPE
肝試しかぁ……。
あんまりそういうのは得意じゃないけど……。
梢「花帆くん、平気?」
花帆「も…、もちろんです! 任せておいてください!」
梢センパイの手前強がってしまった。
肝試しのルートとして選ばれたのは暗い夜の森。
どうやら慈センパイが昼間に、肝試し様に仕掛けを用意しているらしく、目的地まで行き、それを持って戻る……までが流れらしい。
だから、草陰から何かが飛び出してくるとか、誰かが驚かせてくるとかは無いとは考えられるけれど……。
花帆(このおどろおどろしい感じ……得意な人いるの?)
梢「……」
梢「花帆くん、一ついいかしら」
90
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/19(月) 00:40:41 ID:OAYYJhPE
花帆「はっ、はい!」
梢「……実は私、あまりこういう事が得意じゃなくて……花帆くんが嫌じゃなかったら」
すっ、と手のひらを差し伸べる梢センパイ。
梢「私と手を繋いでいきましょう? そうすれば、怖さも半減するはずだから」
花帆「……こ、こちらこそ梢センパイが、良ければ……」
お言葉に甘えて、梢センパイの手を握る。
昨日背中に触れた時と同じ、しっとりとして柔らかい。
花帆(……梢センパイ、あたしに気を使ってくれたんだ)
怖がっている事に気付いて。
それを情けないと感じるあたしもいる。
けど、今はそれ以上に。
梢センパイと手を繋げたことが、嬉しかった。
91
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/19(月) 00:40:52 ID:OAYYJhPE
また明日に。
92
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/20(火) 00:19:23 ID:xgGa1Eww
繋いだ手から、全身に熱が巡る。
手に汗とかかいてないかな……。
梢「……花帆くん、最近体調はどう? 暑い日が続いているけれど、平気?」
花帆「はい、全然……いつかは心配させてごめんなさい」
梢「頑張りすぎてたものね。来年の体育祭は、セーブしておくように」
花帆「はーい」
他愛のない話をして、肝試しだという事を忘れてしまう。
ゴール地点にあったコインを手に、折り返して戻る。
その帰りも、ずっと手を繋いだままで……。
☆☆☆
慈「おかえりー、結構早かった……おやおや?」
瑠璃乃「手ぇ繋いでる……?」
綴理「こず、かほ。仲良し」
梢「あっ、いえ、これは別に……」
梢「や、やましい事があるわけでもないのだから、手を握るくらい、何も……」
93
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/20(火) 00:31:19 ID:xgGa1Eww
さやか(なんだかいい雰囲気……)
その後もやいのやいのといじられながら、二日目が終了した。
そして合宿が終わり、それぞれが帰路につく。
楽しかっただけに、終わる時は寂しく感じてしまう。
☆☆☆
梢「ふぅ……」
合宿を終えて、自室に1人。
常に誰かといて、賑やかな時間だったから、この一人だけの部屋の静けさが妙に感じてしまう。
梢「……」
いろいろあった……花帆くんと同じベッドで眠ったり、手を繋いで肝試し……。
梢「……もっと他にも、いろいろあったはずなのに」
真っ先に思い出すのは、彼が絡んでいる事ばかり。
94
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/20(火) 01:12:43 ID:xgGa1Eww
健気な姿が可愛らしい男の子。
身体があまり強くなくて……だから、というわけではないけれど、つい甘やかしてしまいたくなる。
少しいじわるすると、困りながらも一生懸命なんとかしようとする姿も愛らしい。
梢「……いけないわね。こんなことばかり考えていては。花帆くんに失礼になってしまう」
そんな時だった、花帆くんから連絡があぅたのは。
95
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/20(火) 11:02:24 ID:p.hZoh82
てぇてぇ
96
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/22(木) 00:01:47 ID:qIP5mxqU
梢「花帆くん? どうしたの?」
花帆『あっ、梢センパイ……あの、ですね』
なにやらモジモジとしていそうな声。
花帆『梢センパイ……もしご迷惑じゃなかったら……ぼくと出掛けませんか?』
梢「……? もちろん、それは構わないけれど……どこへ?」
花帆『えと……遊園地なんですけど……』
☆☆☆
遡る事しばらく。
実家から送られてきた荷物の中に、2枚のチケットが。
花帆「なんだろこれ……」
確認すると学園から少し離れた場所にある遊園地のチケットだった。
どうしてこんなものが?
気になってお母さんに連絡すると……。
『あぁ、それはね。最近よく話してる梢センパイと一緒に行けるかなぁ〜、って思ってね』
花帆「え、えぇ!? 一緒に?」
『いっつも話してるから、その梢センパイの事が本当に好きなんだろうなぁって』
花帆「す……」
好きって……いや、そりゃあ好きだけど。
今のあたしがそれを言ったら、意味が変わってきてしまう……。
97
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/22(木) 00:13:12 ID:qIP5mxqU
花帆「……で。でも……確かに、せっかく送ってくれたんだし……無駄にするわけには、いかないよね……」
☆☆☆
と、いうわけで。
後は梢センパイがなんと答えてくれるか……。
梢『……そうね。可愛い後輩のお誘いだもの。一緒に行きましょう』
花帆「! ありがとうございます、梢センパイ!」
98
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/22(木) 23:55:35 ID:qIP5mxqU
梢『……あ、一応なのだけれど……他の皆にはあまり言わないように。……慈が知ったら、とても、それはとても面倒な事になるわ』
花帆「あっ、はい! 内緒にします!」
☆☆☆
梢「ふぅ……」
とんとん拍子で花帆くんとデー……うぅん、お出かけする事になった訳だけれど。
梢「歳下の男の子と二人で出かけるのは、初めてね……」
こういう時はどういう格好で行くべきなのかしら。
遊園地と言っていたし、動きやすい格好の方がいいのか……。
梢「それとも……」
……いえ、変に着飾る必要もない、か。
☆☆☆
外出当日。
二人で同時に学園を出ていたら怪しいから、時間を分けて。
あたしが先に向かい、後から梢センパイがやってくる。
99
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/23(金) 00:34:14 ID:idEUPO6w
入口の前で梢センパイを待つ。
この時間が妙にそわそわする。
花帆(……あたし冷静に考えたら、状況からしたら)
後輩が勇気出して先輩を遊びに誘っている訳で。
でも梢センパイも嫌とは言わずに受け入れてくれたわけで。
1人で勝手にもやもやしてる間に、梢センパイも到着。
ドレープの効いたシャツを、細めのデニムにタックイン。
梢センパイのスタイルの良さが際立つ。
花帆(あ、足ながぁ〜い……)
……こう見ると、あたしってせっかく(?)男の子になったのに、身長変わらないんだもん。
どうせなら梢センパイより背高くなって、見上げられてみたかった。
100
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/23(金) 00:44:55 ID:idEUPO6w
梢「ごめんなさい、すこし待たせちゃったかしら」
花帆「いえ全然! さっ、行きましょう梢センパイ!」
☆☆☆
一方その頃。
慈「今日は梢と花帆くん居ないんだね」
綴理「どこか出掛けたんだ」
さやか「あぁ、確かに。私も花帆くんが門から出ていくのを見ました」
瑠璃乃「へ〜、2人同時に外出かぁ」
さやか「…」
101
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/23(金) 00:56:00 ID:idEUPO6w
さやか「まあ、たまたまなんでしょうけど」
慈「……でもさ、実際どう思う? もし花帆くんと梢がくっついたら」
綴理「くっついちゃうの?」
さやか「綴理先輩、この場合のくっつくは、2人が、その。恋人同士になる、という意味で」
瑠璃乃「もしそうだったら……もちろん応援するけど、花帆くんはものすごーい責任を負うことになるねぇ」
慈「梢は人気すごいから、そんな梢様に彼氏ができた……なーんて事になったら、大事だね。ま、でも、なんだかんだそういう事はなさそう」
慈「本人がしっかりしすぎてるから、もし彼氏が欲しい、ってなるなら頼りがいのある逞しい人に惹かれるんじゃない? あ、花帆くんが頼りがい無いって言うわけじゃないけどね」
瑠璃乃「まぁ、花帆くんってカッコよくて頼れる、ってゆーより、可愛らしくて守りたい、ってタイプじゃんね」
綴理「うん、かほは可愛い」
さやか「実際ミスコンで優勝するくらいですし……」
そう考えると……。
全員の気持ちは一つになる。
そういう関係になるのなら、それはそれで良いけれど。
多分、そうはならない、と。
☆☆☆
そんな噂話をされてるとも知らない、2人きりの遊園地。
花帆「梢センパイは遊園地に来たら何に行きます?」
梢「そうね……やっぱりジェットコースターかしら。醍醐味とも言えるものだから」
102
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/23(金) 00:57:01 ID:idEUPO6w
また明日に。
103
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/23(金) 03:52:47 ID:ra.YM4yc
花帆ちゃんくん……
104
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/23(金) 07:42:19 ID:R7df69jw
花帆くんちゃんが男性からも女性からもナンパされちゃうのプリーズ
105
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/23(金) 07:57:40 ID:ju67LkRw
みんなの会話があるのいいですね
106
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/23(金) 08:43:52 ID:2z6sAfPg
つづかほジェラート見たい
さやかジェラシーも見たい
107
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/23(金) 15:55:08 ID:oyWccXDE
これまでで男体化して体型が変わったのはサンシャインの千歌だけか、1人称も僕でなく俺だったから個人的に千歌君シリーズ好きでしたね、穂ノ果ルートとルビィルートが大好きです。
108
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/25(日) 02:36:21 ID:ZRFPxp7I
というわけで、早速ジェットコースターへ向かう。
それなりに人が並んでいたけれど、梢センパイと会話をしていればあっという間だった。
それはどんなアトラクションの待ちでも同じで、なんなら梢センパイとお話できる時間がいっぱいあって嬉しいくらいだ。
ご飯を食べたり、また別のアトラクションに向かったりして楽しんだ。
たっぷり楽しみ尽くして、門限に間に合わせる為に乗れてもあと一つとなった時。
花帆「観覧車! やっぱり締めくくりにはこれですよ!」
109
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/26(月) 03:21:10 ID:vQBdOhbI
最後に景色を楽しんで、まったりとしたい。
梢「……花帆くん、今日は楽しかったかしら?」
花帆「もちろん! ……梢センパイはどうでした?」
梢「私ももちろん楽しかったわ。……ところで、1つ聞きたい事があるのだけど、いいかしら?」
花帆「聞きたい事? はい、なんですか?」
梢「いえ……確か、今日はチケットが2枚あるからと、誘ってくれた訳よね?」
梢「どうして私を誘ってくれたのかしら?」
花帆「……どうして、って」
110
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/26(月) 03:54:11 ID:vQBdOhbI
☆☆☆
花帆「……どうして、って」
少しいじわるな事を聞いてしまったかもしれない。
こんな事を聞いたところで、何があるというのかしら。
梢(と言うよりも……私はどうしてこんな事を聞いてしまったの)
花帆くんが良い反応をするから?
それを面白がっている私がいるのかもしれない。
それなのに、花帆くんはあっけらかんとした顔で。
花帆「それは……梢センパイと行きたかったから、ではだめですか?」
111
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/26(月) 07:18:31 ID:sCQ0mUGs
さやかちゃんに言ったら、きっと断られたよね
112
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/26(月) 16:40:03 ID:vQBdOhbI
梢「……! そう、そうね……」
真っ直ぐな瞳に、たじろいでしまう。
これじゃまるで……。
梢(私が、この子の事を意識しているみたい)
☆☆☆
2人で楽しんだ1日も終わり、自室にて1人。
ベッドに横になり、今日のことを振り返る。
梢(私はどうしてしまったのかしら……ずっと、花帆くんの反応とか、真っ直ぐな好意を見せられて……)
私もそれに応えたくて、つい甘やかしてしまうのだけれど。
梢(……眠れない)
不思議な気持ちがずっと心に。
113
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/26(月) 17:52:08 ID:vQBdOhbI
梢(……それに意識する、だなんて……)
後輩の男の子、可愛らしい感じの……。
……可愛いと感じているのは、それはどういう目線から?
梢(それに花帆くんだって、あんなに無邪気に好意をぶつけてきて……)
もしかして誰にでもそういう事を言っているのかしら。
……なんだかそう考えると、少しもやもやするわね。
梢(いやでも……)
……。
……。
……。
☆☆☆
花帆「……梢センパイ? なんだかすごくキツそうですけど、大丈夫ですか?」
梢「……え、えぇ。大丈夫よ、ありがとう」
……あの後結局全然眠れなかった。
今日も練習だけれど、そんな理由で眠れなかったから参加しないとは言えなかったから、体に無理をさせている。
スタミナ作りのランニング。
8月の炎天下、寝不足の体にはかなりきつかったけれど、それもようやく走り切った。
花帆くんが心配していた理由は、私のペースがいつもよりも遅かったから。
他の皆は先に室内に戻っていた。
梢「……」
花帆「……センパイ? 梢センパイ──」
☆☆☆
梢(……)
梢「……え?」
……保健室のベッド……どうして……。
花帆「梢センパイ! 良かったぁ、目が覚めた……」
直ぐ側に花帆くんがいた。
私の手を握っていて……。
梢「花帆くん、私は……」
花帆「梢センパイ、ランニングが終わったら倒れちゃって……なんとかここまで運んで……」
梢「……ごめんなさい、花帆くん。先輩として情けないわ……」
花帆「そんな事ないです! 今日は特に暑かったですし、無理してランニングを入れることもありませんでしたし、ぼくももう少し考えていれば……」
114
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/27(火) 08:57:27 ID:x57kki.w
☆☆☆
梢「……! 花帆くん、あなたどうして……」
花帆「あ、あれ? あれっ、おかしいな……はは、は……」
安心したのか、花帆くんは涙を流していた。
梢「……大丈夫よ、もう私は元気だから」
指で涙を拭う。
花帆「……今日はゆっくりしててくださいね。皆からもしっかり見張ってるようにって言われてるので」
花帆「梢センパイはきっと無理して、戻ろうとするからって」
梢「……大丈夫、安静にするから。……それに」
梢「泣きべそをかいちゃった後輩を、安心させてあげないといけませんから」
花帆「も、もう! 梢センパイ!」
115
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/27(火) 17:48:33 ID:x57kki.w
☆☆☆
慈「やっ〜ぱり良い雰囲気だよね、あの2人」
瑠璃乃「微笑ましいよねぇ」
綴理「こずがあんな風になるの、はじめてみた」
さやか「み、皆さん覗きみたいな事はやめましょう?」
瑠璃乃「そう言いながらも一緒に来てるじゃんね」
慈「まぁまぁ、とりあえずさ。ここは2人の行く先を温かい目で見守ろうよ」
116
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/27(火) 17:53:03 ID:x57kki.w
また明日に
117
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/27(火) 20:05:02 ID:JLRb05V2
意識しだした梢ちゃんええぞ〜
118
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/27(火) 22:57:51 ID:.QJQMISI
1人目だと他のキャラからの嫉妬が無いのが物足りないぜ
119
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/28(水) 14:55:41 ID:h9ihZd6c
☆☆☆
新学期が始まり、スクールアイドルクラブとしての1つ目の目標が迫りつつある。
ラブライブ地区予選が10月末。
そしてこれはあたしが勝手に勘違いをしていただけになるけど、竜胆祭が無い。
元の世界とは多少の違いがあるってことかも。でもそれはそれとして、待っているのは地区予選。
スクールアイドルクラブはそれに向けてのフォーメーションの練度を高め、全員気合を入れていた。
120
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/29(木) 08:00:43 ID:EB/oDrPE
あたしも精一杯フォローを行う。
……でも、結局最終的に頑張るのは皆で。
あたしに出来る事は、どこまで行っても応援なんだ。
梢「──今日はここまでにしましょう。もう少しで定期テストだから、赤点を取って補修になったりなんてしてはダメよ、慈」
部室を後にして、それぞれ解散。
あたしも勉強をしないと……。
花帆(あ、携帯。部室に置いてきちゃった)
部室に戻って携帯を回収……で終わりのはずだったけれど。
花帆「あれ、梢センパイ?」
誰もいないと思っていた部室には梢センパイがいた。
ギターを抱えて。
梢「少し、気分転換をと思って。……良ければ聴いていく?」
もちろんあたしはお言葉に甘えた。
……梢センパイのギターを聴くのは久しぶりだった。
鼻歌と一緒に、音色が心地よくて身体が動いてしまう。
梢「ちょっと弾いてみる?」
花帆「でもぼく、ギター弾いたことなくて」
梢「ふふ、ちゃんと教えてあげるわ」
基礎的な事を教えてくれて、手取り足取りレクチャー。
花帆「う、ううん……」
指が短いからか──手が小さいとも言う──上手く弦を押さえられない。
それを横で見ていた梢センパイが、あたしを後ろから覆いかぶさる様に、手を重ねてくる。
花帆「わっ……!?」
梢「ここを、こうやって押さえるの」
耳元で小鳥のさえずりの様な梢センパイの声。
ハグされているみたいな格好だから、密着感が……う、ぐぐ。
花帆(なんだか良い香りがする……)
でも梢センパイは純粋に教えてくれてるだけなんだから、そんな事考えてたらダメ!
梢(……)
121
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/29(木) 08:16:05 ID:EB/oDrPE
☆☆☆
花帆くんにギターを少し教えて、そろそろこれくらいでと各々の部屋に戻った後。
私は少し、自身の行動を反省していた。
あまりにも露骨に花帆くんをからかいすぎたかもしれない。
梢「まるで誘惑しているみたい……」
戸惑う花帆くんのその反応が可愛らしくて、ついそういう事をしてしまうのだけれど……あまりよろしくはない。
どうしたものかしら……。
梢「……」
私、あまりこういう事をしないと思っていたのに。
花帆くん相手だと……。
☆☆☆
後輩の子達の事は皆大切。
さやかさんも、瑠璃乃さんも、花帆くんも。
贔屓しているつもりはない。
……つもりは、ない。
けれど、私の行動はそうなっていない。
何か美味しい物を食べた時、花帆くんにも食べさせてあげたいとか。
面白い動画を見たら花帆くんにも教えてあげたいとか。
2人には申し訳ないけれど、そこでさやかさんと瑠璃乃さんが出てこず、花帆くんが先に出てくる。
そう思うあたり、私は贔屓はしてしまっているのかもしれない。
122
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/29(木) 08:58:02 ID:PqGm6EqE
梢先生の誘惑授業じゃん
123
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/29(木) 10:00:04 ID:0AUVQELo
、をわ、わ
124
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/29(木) 12:23:58 ID:ldd0WZ/w
ええぞ〜
125
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/29(木) 22:43:23 ID:EB/oDrPE
私は、私が思うよりも人を選ぶのかもしれない。
☆☆☆
練習の日々が続く。
その積み重ねが自信へと繋がっていく。
間違いなく良い結果を残せると。
やってきたことは裏切らない。
そう思えたし、ここにいる全員がきっとそう思っていた。
花帆「みんなのフォーメーション、最初より何倍も完成度が高まってきてますね!」
録画を担当していた花帆くん。
彼の目には、私達はどう映っているのか。
……少なくとも、スクールアイドルとして、花帆くんを楽しませられている。
126
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/29(木) 23:01:08 ID:EB/oDrPE
けれど私達には、それだけでは足りない。
大勢を魅了しないといけない。
……それがどれだけ難しいか。
それはきっと、ここにいる全員がそう思っている。
その不安と、心配をかき消す為に練習を続ける。
どれだけやっても、終わりはない。
今から100%の力を持って。
本番で120%の力を出して。
勝って、ラブライブ!優勝を目指す。
127
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/30(金) 03:58:56 ID:mR47leV6
実際、地区予選は問題なく突破出来た。
……全国の壁の高さは、わからない。
初めての挑戦。
私達がそこに立てるのか。
全国のスクールアイドルのレベルに匹敵するのか。
そして……。
優勝したい。
憧れ続けた象徴の形。
それがもうすぐそこにある。
本当に目の前にある。
……その全てが試される日が、もう1週間後。
私を含めた全員が、落ち着かない様子。
128
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/30(金) 04:20:17 ID:mR47leV6
花帆「大丈夫です! 皆こんなに頑張ってるんですからっ、間違いなく優勝です! ぼくが保証します!」
その言葉にどれだけの効果があるかはわからないけれど、少なくとも私達の胸に響いた。
こんなにも身近に応援してくれるファンがいる。
この子の期待に応えてあげたい。
それが大きな原動力にもなっていた。
だから大丈夫。
私達は大丈夫。
きっと……。
☆☆☆
☆☆☆
☆☆☆
129
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/30(金) 04:27:06 ID:mR47leV6
冬の冷たい風が肌に刺さる。
身体が小刻みに震えて体温を取り戻そうとしている。
吐き出す息も白くて、そんな時期になったのだと改めて実感する。
……。
結論から言ってしまうと、蓮ノ空学院スクールアイドルクラブは、優勝を逃した。
全国の壁は、やっぱり……高かった。
……心の何処かで、あたしはそうなってしまうんじゃないかと思っていた。
実際にそうなった未来を、あたし自身が体験していたから。
でもそうなって欲しくなかった。
花帆「……」
敗退から3日程経って、スクールアイドルクラブの活動を再開する。
あの時のみんなには
130
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/30(金) 17:44:25 ID:mR47leV6
あの時の皆には、休息が必要だった。
☆☆☆
梢「ふぅ……」
久々に感じる練習を終えて、部室に1人。
1つの目標が無くなり、燃え尽きた気持ちもある。
131
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/30(金) 17:45:57 ID:mR47leV6
全キャラそうするつもりですが、入学〜3月までの1年間の話にします。収集がつきやすいので。
132
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/08/30(金) 17:46:23 ID:mR47leV6
収拾
133
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/01(日) 00:48:43 ID:guUBT5.I
梢「……終わってない」
目標が無くなっただなんて。
私達が口にしてはいけない。
諦めてなんかいない。
次こそは、次が……。
次が最後……。
ざわりと心にざらついた風が吹いたようだった。
最大のチャンスを逃した事実が胸に。
梢「……」
悔しい。
悔しい……!
梢「うぅ、っ、ぅ……」
私達のパフォーマンスは最高だったと自負できる。
だからこそ負けた事がなお悔しい。
まけたくなかった。
あの子に。
優勝を届けたかった。
134
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/01(日) 22:35:16 ID:guUBT5.I
下顎が引きつる。
こぼれる涙を押さえつける様に両手で顔を覆う。
いい加減立ち直らないといけないと分かっているのに。
それでも私は……!
花帆「……梢、センパイ……?」
梢「っ!?」
扉を開ける音に気付けなかった。
そこに花帆くんがいて、私に気付いて近付いてくる。
花帆「梢センパイ、泣いて……?」
梢「違うの、これは……」
抑えようと思っても体が言う事を聞いてくれない。
花帆くんから背を向けても、震える姿を見せるだけになってしまう。
135
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/01(日) 23:03:08 ID:guUBT5.I
花帆「……梢センパイ、そのまま聞いてください」
花帆「ぼくは皆が絶対に優勝するって信じていました。でも結果は……そうはなりませんでした」
花帆「きっと、ぼくなんかよりもずっと悔しいと思います……ぼくは応援する事しかできませんから」
花帆「だけど……そんな立場のぼくでも……」
花帆くんの声が震えている。
滲む視界を拭うと、花帆くんの目に涙を溜めている。
花帆「ぼくの中で、最高のスクールアイドルだったから……」
花帆「たまらなく悔しくて……」
梢「花帆くん……」
花帆「……梢センパイが泣いていたら、ぼくも悲しいです……梢センパイはぼくにとって大切な……」
花帆「大切な、センパイなんです」
136
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/01(日) 23:34:16 ID:guUBT5.I
梢「……」
花帆「だから、梢センパイには……笑っていてほしいんです」
梢「……ありがとう」
その優しさに。
胸がいっぱいになる。
……胸が……何故か少し、せつなくなった。
その理由はわからなかったけれど……ただ、今は。
梢「ありがとう……花帆」
☆☆☆
……泣いたあの日から数日。
私にはとある異変が起きていた。
どうにも花帆の事を目で追ってしまう。
話しかける時も、なんだか緊張してしまうし……。
137
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/01(日) 23:34:37 ID:guUBT5.I
また明日に。
138
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/02(月) 23:45:04 ID:Aw5lKenQ
花帆「お疲れ様です〜」
花帆の事を考えていたら花帆が部室にやってくる。
梢「こんにちは、花帆」
花帆「あ……へへ……」
照れくさそうに頭をポリポリと掻いている。
そういう所も可愛いわね……。
慈「……」
☆☆☆
慈「ねぇ梢。ちょっと聞きたいんだけどさ」
梢「何かしら?」
とある日のお昼。
慈達と過ごしていた時。
慈「や、違ったら別にいいんだけど……実は花帆くんと付き合い出したとか無い?」
梢「!?」
139
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/02(月) 23:54:57 ID:Aw5lKenQ
梢「ど、どうしてそうなったのかしら?! 突然……」
慈「梢の花帆くんに送る視線が熱すぎてね……」
綴理「じっ〜……と見てた」
梢「そ、それは別に……私と花帆は……」
慈「あと急に名前呼び捨てになってるし」
梢「そ、それは……」
梢「ま、待って頂戴? 私と花帆は本当に付き合ってる、とかではないの」
慈「ふ〜ん…」
140
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/03(火) 00:29:46 ID:2gdQoKcg
疑惑の目。
付き合っていない事は信じたかもしれないけれど、それ以外には何かあるだろうと疑っている。
綴理「……」
梢「……綴理?」
……何かしら。
すごく、嫌な予感が……。
綴理「……こずとかほは仲良しなんだよね?」
梢「え? ぇ、えぇ……そうね」
綴理「ボクは、付き合うとかそういうのはよくわからないけど……でも、ボクもさやの事大好きだから、ぎゅっとしたりする事あるよ」
慈「……? どゆこと?」
梢「……っ!? つっ、綴理っ、あなたっ……!?」
綴理「この前部室で、こずがかほの事をぎゅってむむむむむ」
梢「ななななっ、何をいっているのかしら!?」
慈「へ〜……」
梢「め、慈ちが、今のは……!」
……いえ、何も違わない。
だってそれは本当の事だから……。
☆☆☆
あの日の部室で。
梢『ありがとう……花帆』
花帆『いえ、ぼくはただ……わっ……!』
どうにも自分を抑えられなくなって、花帆の事を抱きしめてしまった。
花帆『あ、あ、こ、梢センパイ……?』
梢『……』
梢『……あ、ご、ごめんなさい。私……』
花帆『い、いえ……全然……』
梢『……な、内緒よ? 今の事……』
花帆『は、はい……』
☆☆☆
……という事があって。
慈「綴理がそんな嘘言うとも思えないし、梢のその慌て様……これはもう、そういう事ってわけ!」
梢「だ、だから私は……!」
綴理「かほの事、好きじゃないの?」
梢「綴理……!?」
さっきから的確に鋭い攻撃を受けている気分。
綴理が今この場においては厄介としか思えないわ。
141
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/03(火) 00:36:27 ID:2gdQoKcg
慈「そうだそうだ〜、どうなのさ〜梢〜」
梢「わ、私は……」
好きとか何とか。
そんなの私だって、どうなのか分からない。
いえ……好きなのは好き。でも、それが。
私の花帆への感情は。
まさか、そんな。
信じたくない、という事ではなく。
それがこんなにも特別な感情なのかと、驚いてしまうから。
梢「……」
綴理「ふさぎこんじゃった」
慈「ありゃ、ちょっとごめんって、言い過ぎたから……」
梢「……よ」
慈「んん?」
梢「……好きよ、私……花帆の事……」
梢「……後輩としてじゃなくて、きっと……」
梢「恋してる、って意味で……」
142
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/03(火) 00:36:57 ID:2gdQoKcg
また明日に。
143
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/03(火) 02:57:28 ID:yGORX3bk
可愛い
144
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/03(火) 05:38:43 ID:cgExLLRE
きたきた
145
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/03(火) 08:47:18 ID:odtMqtH.
つづめぐ全然出なかったからようやく出てきたって感じだな
146
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/03(火) 11:19:27 ID:Eh9uhLXc
花帆くんに「花帆っち〜、愛さんと付き合おうよwお試しでいいからさw」とか言ってくるギャルはいないのか?
見る目ないな
147
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/04(水) 00:29:32 ID:8w.Jl6uc
ついに吐露した本当の気持ち。
花帆への気持ちが嘘だとは思えない。
……これが私にとって、初めての恋心だった。
慈「……で。どうするの?」
梢「どうするって……」
慈「好きなんでしょ? だったらこのままなんて無理でしょ!」
梢「……」
慈「綴理も何か応援してあげなよ」
綴理「ふれー、ふれー」
梢「……」
梢「ありがとう、慈、綴理……」
梢「私……この気持ちを花帆に伝えるわ」
☆☆☆
瑠璃乃「うぉ〜い花帆くーん? おぉ〜い」
花帆「……」
さやか「こんなに文字通りの上の空ってあるんですね……」
ここのところ、考えるのは梢センパイに抱きしめられた事ばかり。
148
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/04(水) 00:39:19 ID:8w.Jl6uc
あれは一体なんだったんだろう……。
今思い出してもドキドキしてしまう。
瑠璃乃「わ、なんかニヤニヤしてる」
さやか「何か嬉しい事でもあったのでしょうか……」
いい匂いしたなぁ……梢センパイ……。
……。
もう一度だけでいいからまた抱きしめてくれないかな……。
男の子だと……そういう事も気軽になんか出来ないから。
『そういう関係』でもない限り……。
149
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/04(水) 00:47:24 ID:8w.Jl6uc
花帆(そういう関係かぁ……)
いわゆる彼氏と彼女の事を言う。
……あたしと梢センパイが?
……無理だよね。
あたしなんかが、梢センパイとは釣り合わない……。
花帆「……ねぇ瑠璃乃ちゃん、さやかちゃん」
瑠璃乃「わっ、急に意識を取り戻した」
さやか「どうしたんですか?」
花帆「梢センパイって……彼氏とかいるのかな」
瑠璃乃「んん!? ……何々どうしたのさ花帆くんてば」
さやか「いないとは思いますけど……」
150
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/04(水) 01:04:26 ID:8w.Jl6uc
花帆「そっかぁ……」
瑠璃乃「……え、花帆くんもしかして……梢先輩にほの字な感じ?」
さやか「そ、そうなんですか?」
花帆「……どうなんだろう」
梢センパイの事は大好きだけど、あたしは……。
さやか「……花帆くん、それなら1つ考えてみてください。梢先輩が、他の男性とお付き合いを始めたら、と」
花帆「梢センパイが……」
……言われた通りに想像してみる。
梢センパイが誰かと付き合っちゃう事を。
……すると、不思議な事に。
花帆「……」
すごく、すごく嫌な気持ちになった。
心がすごく苦しくなって。
頭がくらくらするというか。
絶対にあたしの方が先に好きだったのにって気持ちになる。
花帆「……嫌だ、そんなの想像したくないよ……」
さやか「……それなら、そういう事だと思いますよ。花帆くんは、梢先輩の事を」
花帆「……そっかぁ……そうなんだ……」
151
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/04(水) 01:10:04 ID:8w.Jl6uc
さやか「……梢先輩のことなら、もっと詳しい人達に聞くのが1番だと思います。慈先輩や綴理先輩にもアドバイスを貰いに行きましょう」
花帆「ありがとうさやかちゃん……! 瑠璃乃ちゃんも……って」
瑠璃乃『うぃ〜……』
花帆「充電が……」
☆☆☆
花帆「……という、事で。慈センパイ、綴理センパイ……何か、ぼくにアドバイスをくれませんか!? どうしたら梢センパイが振り向いてくれるか!」
慈(うっはぁ〜! り、両想いだ〜!)
綴理「それなら大丈夫、こずももももも」
慈(ちょっと待って綴理! ここで簡単に両想いって教えたら……)
綴理(教えたら?)
慈(つまんない! 両片想いの2人を端から眺めるのが1番楽しいしキュンキュンできるんだから!)
綴理(きゅんきゅん?)
花帆「あ、あの〜?」
慈「あっ、ごめんごめん! ……それならとっておきのアドバイスをしてあげようかな、可愛い可愛い後輩のために!」
152
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/04(水) 01:10:21 ID:8w.Jl6uc
また明日に。
153
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/04(水) 02:11:08 ID:fj6kwy.c
同じ部内でカップルが出来てしまうことに不満や心配は無いのだろうか
154
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/04(水) 15:02:48 ID:oLRCGvWk
花帆くんにハーレムルートすら違和感ないポテンシャルがあったなんて…
155
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/05(木) 00:19:33 ID:0dZMF3vE
花帆「はっ、はい! お願いします!」
☆☆☆
☆☆☆
ある日の部室にて。
花帆「……こ、梢センパイ! お疲れ様です!」
梢「あ、ありがとう、花帆……」
練習終わりに汗を拭う為にタオルを手渡す。
慈『花帆くんはね、いつも通りに梢と接していればいいんだよ』
慈センパイのアドバイスはそれだけだった。
……本当にそれだけでいいのかなぁ?
156
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/05(木) 00:32:34 ID:0dZMF3vE
☆☆☆
梢「……」
どうしたものかしら……。
花帆「梢センパイ! これどうぞ!」
花帆の事を好きだと自覚してからというもの。
花帆「梢センパイこれ見てください!」
花帆の勢いが強まっている気がして。
梢(落ち着かない……!)
私の気も知らないで……いえ、知っているわけは無いのだけれど。
梢(……いえ、良い方向に考えるのよ。それだけ慕われているのだと)
でもそれだけじゃ……。
157
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/05(木) 00:54:21 ID:0dZMF3vE
梢(こんな気持ちは初めてだから……どうすればいいのか……)
花帆(うぅ〜好きなの分かってて平然を保って接するのが、こんなにもやもやするなんて……)
どうにかなってしまいそう……。
☆☆☆
それからというもの。
花帆くんと梢はもじもじした期間が続いた。
お互いに探り合う感じ、一歩が踏み出せない感じ。
これはサポートが必要かなと、とっておきのいい日にとある企画を建てた。
12月24日。
冬休み、クリスマス。スクールアイドルクラブの皆でクリスマス会をやろうと声をかけた。
慈(世話が焼けるんだから)
もちろん皆参加。
部室にて、外出して買ってきたケーキやチキンを皆で囲む。
クリスマス会も盛り上がって、中盤と言った所で。
慈「じゃあ〜ここで! 王様ゲームはっじめるよ〜!」
158
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/05(木) 01:00:35 ID:0dZMF3vE
もちろん仕込み済み。
普通にやるわけがない。
事前に綴理、さやかちゃん、るりちゃんには話をしてある。
るりちゃん達も花帆くんを応援したいからと快く協力をしてくれる。
☆☆☆
花帆(王様ゲームかぁ……)
初めてするなぁ……ちょっと楽しみ。
命令したこと、されたことをしたらいいんだよね。
「「王様だーれだ!」」
慈「お、私が一発目の王様だね。……」
慈「……それじゃあ〜、2番と3番が、王様ゲーム中は手を繋いでいる事!」
花帆「あ、2番です」
梢「! ……私が3番」
159
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/05(木) 01:04:12 ID:0dZMF3vE
花帆「あっ、そ、そうなんですね……!」
梢「そ、そうよ。……隣に、移動するわね」
梢センパイがあたしの隣に。
もちろん手を繋ぐ為に。
梢「お、王様の命令は絶対だもの。花帆、手を……」
花帆「は、はい……」
……肝試しの時と違う。
今、あたし……すごくドキドキしてる。
160
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/05(木) 01:04:29 ID:0dZMF3vE
また明日に。
161
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/05(木) 02:49:30 ID:4z6meBt.
2828タイム!
162
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/05(木) 03:44:33 ID:LQmt6Wqw
めぐちゃんナイス!
163
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/05(木) 22:59:54 ID:IL94WwH2
映画記念でニジガクのアフター誰かたのむよ
164
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/06(金) 00:38:50 ID:hQw3IS5Q
慈「王様ゲーム中はずっとだからね〜……さっ、つぎ!」
「「王様だーれだ!」」
綴理「あ……ボク、おうさま」
綴理「え〜と……そうだね」
綴理「じゃあ、3番……は、4番を次まで膝の上に乗せてあげる」
花帆「えっ」
梢「あ、あら……」
あたしが4番、梢センパイが3番だから……。
花帆「い、いいですか……?」
梢「えぇ、もちろん……このまま……」
梢センパイの膝にお邪魔する。
花帆「お、重くないですか……?」
梢「全然平気よ。むしろ軽すぎて……男の子なのだから、心配になってしまうわね……」
梢センパイの手がお腹に。
細い腰を心配そうに触られる。
花帆「ひゃっ!? こ、梢センパイ急には……!」
梢「ご、ごめんなさい、つい……」
慈(何もしなくてもイチャついてるな)
165
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/06(金) 00:48:50 ID:hQw3IS5Q
「「王様だーれだ!」」
梢「あ……私ね」
慈(毎回毎回、2人にばかり何かあっても不自然だし、調整は必要だからね)
梢「……そうね。それじゃあ……」
さやか(……あれ、今……)
梢「……5番は王様の……好きなところを5個言う」
花帆「……あっ、えと、またぼくです」
慈(今……)
瑠璃乃(膝の上に乗せてるから……)
さやか(番号を盗み見した……?)
166
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/06(金) 01:05:01 ID:hQw3IS5Q
花帆「え、っと……ここで?」
梢「私は構わないわ」
膝の上から梢センパイの好きなところを5個。
……場所的に皆に見られながらになるから、すごく恥ずかしい……!
花帆「えっと、まずは……梢センパイはすごく綺麗な美人で……」
梢「……」
花帆「スタイルもすごく良くて……あっ、これってセクハラとかになっちゃいますか!?」
梢「いいえ、私はそのまま褒め言葉と受け取るわ」
花帆「ほっ……後は」
花帆「……ぼくが入学したばかりの時、優しくしてくれて受け入れてくれた事」
花帆「勉強もできて、ギターも上手くて……もちろんダンスだって」
花帆「歌声も子守唄みたいで、透き通っていて……」
慈(もう5個超えてるけど面白いから黙ってよう)
瑠璃乃(梢先輩、顔がどんどん赤くなっていってる)
☆☆☆
……梢センパイの好きな所なんて溢れるほどある。
ちょっとした仕草も、言葉遣いも。
あたしを見つめる瞳も。
好きじゃない、ところがないって言っちゃっても過言じゃない。
……だから、あたしはそんな梢センパイが好き。
花帆「……だから、ぼくはそんな梢センパイが好き」
瑠璃乃「……」
さやか「……」
慈「……」
綴理「わぁ」
梢「……花帆?」
花帆「……あ」
167
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/06(金) 01:14:30 ID:hQw3IS5Q
花帆「……あぁっ……!」
思っていた事がつい口に出てしまっていた。
あたし、そのまま全部……!
梢「かっ、花帆? 今のは……!」
花帆「こっ、こ、梢センパイ!」
あたしは立ち上がる。
もうこうなったらヤケだよ!
……ここで今のはそういうのじゃないなんて、誤魔化したら。
もう、本当の気持ちとして伝えられない気がした。
花帆「急ですみませんっ、伝えたい事があるので一緒に、ちょっと外に行ってくれませんか!?」
梢「えっ!? か、花帆……!」
たまらず梢センパイの手を引いて部室から飛び出す。
皆には悪いけど、今だけは自分勝手に決めさせてほしい……!
☆☆☆
花帆くんと梢が飛び出していって、のこされた私達。
慈「いやぁ〜、さすがにフリーズしちゃったね」
さやか「まさかあそこでポロリと溢してしまうとは……」
瑠璃乃「でも、誤魔化さずに勝負しに走り出したのは、かっこいーね」
綴理「これでこずとかほは恋人同士になるの?」
慈「ま、そうだね、いやぁ〜、こんなに帰りを心配しないで済むのは楽だね。あ、帰ってきたら余ってるクラッカーでも鳴らして祝福する?」
瑠璃乃「めぐちゃんそれ採用!」
☆☆☆
168
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/06(金) 01:16:47 ID:hQw3IS5Q
>>163
やりたい気持ちもあるのですが、もう虹ヶ咲に関してはやり尽くした感があるので……侑ヒロインはいつかやりたいです。
169
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/06(金) 01:16:57 ID:hQw3IS5Q
また明日に。
170
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/06(金) 23:37:25 ID:hQw3IS5Q
☆☆☆
……梢センパイの手を引いて、校舎の外へ。
冬の寒さが少し肌に染みる。
けど、もうそんなものは大した問題じゃない。
あたしはもう、暑くて暑くて仕方ない。
花帆「……」
梢「花帆……お話してくれる?」
花帆「……はい」
深呼吸。
あたしはこれから……梢センパイに告白する。
171
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 00:19:19 ID:akAQ34yI
花帆「……ぼくはある事情でこの蓮ノ空学院に来ました」
花帆「最初は……心細くて、やっていけるか不安でした。でも……そこに梢センパイが居てくれました」
花帆「すごく優しくて……頼りがいがあって……」
花帆「……綺麗で。見惚れる事もあっちゃって……」
花帆「……ごめんなさい、梢センパイ。もっと上手く伝えたいんですけど……!」
花帆「ぼくは……梢センパイの事が大好きです! ぼくと付き合ってください!」
☆☆☆
……夢を見ているようだった。
それもそう、好きな男の子から、これだけ真っ直ぐな気持ちをぶつけられて、嬉しくないわけがない。
……どう言葉を返してあげたらいいか。
素直に「私も好き」と答えてあげればいい。
梢「……花帆」
花帆「は、はい!」
梢「……ありがとう、とっても嬉しいわ」
梢「……誤魔化さずに、私からもはっきり伝えます。……私も、花帆……あなたの事が、好き」
梢「……私と、お付き合い……してくれるかしら?」
花帆「こ……梢せんぱぁい!」
たまらず梢センパイに抱きついてしまう。
172
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 00:24:30 ID:akAQ34yI
梢「あっ、ふふ……」
梢センパイもそんなあたしを抱き留めてくれる。
梢「……クリスマスに、だなんて。ロマンチックね」
花帆「ほんとですね……あ、雪……!」
まるであたしたちを祝福するかのように、タイミング良く降り出した雪。
花帆「梢センパイ……」
梢「ん……もう少し、このままでいましょう……」
173
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 00:40:07 ID:akAQ34yI
しばらく梢センパイと抱き合ったまま、喜びを噛み締めていた。
☆☆☆
それから部室に戻ると、皆がクラッカーを手に持っていた。
……どうやら慈センパイはあたし達が両想いだとわかっていたみたい。王様ゲームも途中までは仕込みだったとか。
慈「あまりイチャつきすぎて浮かれすぎないように……って言いたいところだけど、次回のラブライブ!予選までかなり間があくし、存分に愛し合い給え〜」
……振り返ってみると慈センパイ、すごく協力してくれてたんだなぁ。感謝しないと。
でもイチャすぎないように、と言われても。
あたしからは多分、目一杯甘えに行くかもしれないけど……梢センパイはそういうところしっかりしてそうだし。
☆☆☆
付きあって二日目。
早速梢センパイから連絡が来ていた。
梢『花帆とたくさん、お喋りがしたい気分なの。……私の部屋で、待っているから』
174
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 00:51:16 ID:akAQ34yI
冬休み中といえど、外出もほいほいとは出来ない今、お互いのどちらかの部屋に行くのは、自然な事かもしれない。
でも……あたしはこの状況をよく考えてみる。
男の子として部屋に誘われて、男女二人きり……緊張してしまう。
でも梢センパイは純粋な気持ちでお喋りしようって言ってくれてるんだから、あたしもそこは自然体で行こう!
☆☆☆
梢「ええと、どうしましょう……」
あたふたと、部屋の中をぐるぐると回っている。
思えば男の子を部屋に招き入れるなんて初めての事。
梢「いえ、こういう時こそ落ち着くべきよ、乙宗梢……先輩として、しっかり花帆をもてなすのよ」
よし、と気合を入れるとコンコンとノック。
梢「ん、んん……いらっしゃい、花帆」
花帆「お、お邪魔します……!」
175
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 01:00:26 ID:akAQ34yI
梢「ここまでの間とはいえ寒かったでしょう? 温かい紅茶を用意してるから」
花帆「ありがとうございます!」
2人で横に並び、温まりながらお話。
他愛もない事から、つぎこそラブライブ!優勝と意気込みを語ったり。
それだけでも十分楽しかったけれど、話題は次第に、恋人同士だからこその内容に変わっていく。
花帆「……梢センパイは、ぼくのどんな所を好きになってくれたんですか?」
梢「……そうね。私もいろいろあるけれど、一生懸命に頑張る所……笑顔が素敵なこと」
梢「……辛かった時に、励ましてくれた事。側にいてくれた事」
梢「……今思えば、好きになったのは、あの時だったわ。思わず抱きしめてしまった、あの日」
花帆「……」
花帆「……こんなに言われちゃうと、ものすごく照れちゃいますね……!」
176
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 01:07:09 ID:akAQ34yI
梢「そうね……本当に」
少しの間が開く。
梢「……花帆、抱きしめていいかしら」
花帆「えっ、ええ!? も、もちろんあたしは……いつでも……」
両手を広げてくれる。
私は遠慮なく花帆を抱き寄せる。
……ハグ、という行為がこれだけの満足感を得られるなんて知らなかった。
梢「……好きよ、花帆」
☆☆☆
梢「……好きよ、花帆」
……平常心。
花帆(を、保っていられないよ〜!!)
梢センパイの香りがそもそも部屋から漂っているし。
本人からも甘い香り。
そして抱きしめられるから、その……。
当たるものが、当たってて……!
信じられないくらいに心臓が暴れている。
177
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 01:07:35 ID:akAQ34yI
また明日に。
178
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 01:19:48 ID:GdKYihUU
野暮なツッコミだが女子寮にホイホイ入れるのか…?
179
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 05:46:35 ID:pSuqUdUM
そこら辺はお約束ってやつよ
180
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 09:12:12 ID:0J.XfVGo
こまけぇことはいいんだよ
181
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/07(土) 20:34:49 ID:pSuqUdUM
乳首69は体勢がキツいのかすぐ終わってしまうのが残念
182
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/08(日) 02:08:54 ID:YiBgoKBw
梢「……私、こうしていると本当に落ち着けるの」
花帆「へ、へぇ……」
梢「花帆の体温……花帆の呼吸。……それを肌で感じるの」
だめ……ドキドキしすぎて今言われても頭に入らない。
梢「……から……ても……良い……?」
花帆「へ……はい……」
梢「……ありがとう」
……何を言われたんだろう。
内容も理解せずにとりあえず返事をしてしまった。
梢「……ん」
花帆「んっ!?」
梢センパイの顔が……もう信じられない近さに。
というか……唇が、フレ、触れて……!
花帆(き、キス……!?)
ぐわ〜……と頭に血が登っていく。
顔が真っ赤になっていると自覚できる。
梢「ん、は……」
花帆「は、っはぁ、ぁ……!」
梢「……花帆は……嫌かしら。付きあって2日目にこんな事してくる先輩は……」
花帆「い……嫌じゃないです……」
183
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/09(月) 17:48:18 ID:HeqgeIOw
明日再開。
虹ヶ咲完結編良かったですね。
7thLIVEが楽しみです。
184
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/10(火) 09:21:25 ID:1AbCPK5U
嫌な気がするわけもない。
好きなんだから。
びっくりはしたけど。
むしろそういう事をしたいと思ってくれてる事が嬉しかったりする。
花帆「……あの、ぼくからもいいですか……?」
梢「もちろん……」
身長差があるから、少しだけ上向きに。
あたしから梢センパイにキス。
……付きあって2日目には確かにちょっと早いかもしれない。
けどあたし達がそうしたいんだから、別にいいよね。
梢「……今更だけど、ごめんなさいね。女子寮まで来させて」
花帆「いえ全然……! ちょっとドキドキしましたけど」
あたしがここにいる事がバレるとあまりよろしくはない。
でも梢センパイを仮の男子寮に連れてくる、それの方が色々まずいと思った。
だから本当は部屋で会うのなら、消灯後の人が出歩かない時が一番良い。
……そのドキドキする感じも、結構好きとは口には出せないけど。背徳感というか、スリルというか。
185
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/10(火) 09:29:22 ID:1AbCPK5U
梢「もし万が一の時は、部活の皆で遊んでいたと誤魔化しましょう」
花帆「わぁ……梢センパイからそんな感じの言葉が出るの、不思議な気分になりますね」
梢「私だって、時には悪知恵を使うのよ」
☆☆☆
それから数時間、二人きりの時間を過ごして、窓の外が暗くなっていた。
梢「そろそろ入浴時間ね……花帆はいつも最後だから、早く入りたい時は大変ね」
花帆「いえいえ、仕方ないですよ。何か事故があっても、まずいですから」
1年生の皆となら、ギリギリ許してくれそうだけど、2年3年は一発で大事になりそうだし……。
186
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/10(火) 09:42:15 ID:1AbCPK5U
☆☆☆
夜は自室で過ごす。
それにしても、未だに実感がない。
あたし、本当に梢センパイと付き合い出したんだ。
唇に触れる。
昼間、確かに梢センパイと初めてのキスをした。
……すごかったなぁ。
胸が幸せいっぱいになって、夢中で続けていた。
花帆「……いつか、その先もするのかな」
でも寮の部屋でだと想定すると、かなり気をつけないといけない。
それに、そういう道具……避妊具もないし。
花帆「……ううん、すぐそういう事ばかり考えるのはダメ。えっちな事したいっていうのが見え見えな男子は嫌われるって言うし」
187
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/11(水) 10:23:45 ID:vSHU6W9M
だから、そういう事は考えないからとびきり甘えさせて欲しいな……。
☆☆☆
困った事が1つ。
花帆「梢センパーイ!」
昼間は周りを気にして、元気なコミュニケーションをとるくらいだけれど。
人目を避けられる時間。
二人きりの、部屋では。
花帆「梢センパ〜イ……♡」
甘えた子猫みたいに抱きついてくる。
恋人同士なのだから、仮にあっても別に何も構わないのだけれど、下心とか、そういう事をしたがる様子もなく。
ただ純粋に甘えられている。
梢「ふふ、二人きりになったら甘えん坊さんね」
花帆「だって、みんなの前では出来ませんから……」
188
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/11(水) 16:51:08 ID:vSHU6W9M
私もそんな花帆が可愛いから、好きな様にさせている。
一緒に動画を見たり、いつかデートに行けたら一緒に行きたい所を話したり。
夜も深くなり、そろそろ部屋に戻る……といつもなら言い出す頃。
花帆がもじもじとしながら私にこんなお願いを。
花帆「あの〜、梢センパイ……明日はお休みですし……朝は早く起きて男子寮に戻りますから、今日は一緒に寝たいなぁ……って」
189
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/11(水) 18:00:48 ID:ZY2H0xM6
発情うさぎ出たな
190
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/11(水) 18:18:30 ID:vSHU6W9M
上目遣いで可愛らしくてお願いされれば断れる訳もない。
……この子、最近自分が可愛いって事を自覚していないかしら?
付き合いだしてから、そう思う事が増えていた。
1人用のベッドだと少し狭いけれど、2人で身を寄せ合う。
お互いに向き合って、眠くなるまでお喋りを続けた。
花帆「……梢センパイ」
梢「どうしたの? ……ぁ」
花帆が顔を近付けたと思った時には唇を奪われていた。
軽く、ちゅっ、と音がする程度のキス。
花帆「……えへ、したくなっちゃいました」
自分からしたのに、言いながら照れてモニョモニョとしていて。
梢「かっ、花帆ったら……♡」
たまらず花帆をぎゅっと抱きしめてしまう。
あまりにも愛しくておかしくなってしまいそう。
花帆「わっ、梢センパイ……♡」
梢「したくなっちゃったのなら、仕方ないわね……私もしたいから、お返し……」
唇を食む、リップ音を鳴らすキスを夢中で続ける。
あぁ、本当に……こんな夜が来るだなんて、思いもしなかった。
191
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/11(水) 18:19:09 ID:vSHU6W9M
また明日に。
192
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/11(水) 20:49:45 ID:.q.l2FaY
ウサギは早いが回数が多い
193
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/12(木) 08:32:06 ID:p2eg5Otc
☆☆☆
花帆「ん、ん……♡」
梢センパイに全身で抱きついて、好きなだけキスを続ける。
それを受け入れてくれる。
それがもう本当に嬉しくて、幸せを噛みしめる。
花帆(好き、好き、大好き……♡)
けれどあたしのその気持ちと。
あたしの体は、まったく違う反応が起きてしまう。
股間の一部が固く、下着を盛り上げていることがよく分かる。自分の体だから。
花帆(……っ!?)
そんなつもりじゃなかった。
でもこんな状態じゃ、梢センパイと眠る事なんて出来ない。
194
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/12(木) 17:50:00 ID:p2eg5Otc
あたしはまるで飛び跳ねるようにベッドから脱出。
梢「か、花帆? どうしたの?」
花帆「い、いえ……あのぼく、やっぱり自分の部屋に戻ります……!」
背を向けて部屋から出ようとする。
けどあたしの体を、まるでお気に入りのぬいぐるみを抱きかかえる子供みたいに梢センパイに引き止められる。
梢「ま、待って花帆? 私が何か嫌なことをしてしまったのな……ら……」
花帆「あ、あぅ……!」
☆☆☆
花帆がどうしていきなり帰ろうとしたのか。
それは花帆の下腹部、よりも下。
股間の部分……そこが盛り上がっていた。
涙目で何も言えなくなってしまっている花帆を見れば、これがバレたくなかったのだと理解する。
花帆「ご、ごめんなさい梢センパイ……」
梢「……どうして謝るの?」
花帆「だってこんな……ぼくは……」
きっと、私に気を遣ってくれているのね。
それと、やましい気持ちがあると思われたら、誤解されたらどうしよう……そんな気持ちかしら。
なら、私がしてあげられる事は。
梢「……大丈夫よ花帆。……私はこんな事で花帆を嫌いになったりしない。するわけ無いじゃない」
花帆「……ほんとですか?」
梢「もちろん。……それに、こうなってしまったのも……私にも原因があるものね」
膨らみに手を重ねる。
ぴくりと跳ねる。
生き物を触っているみたい。
花帆「こ、梢センパイ……?」
梢「大丈夫……私がなんとかしてあげるから……」
195
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/12(木) 17:55:28 ID:p2eg5Otc
花帆を抱きかかえたまま、『それ』を続ける。
梢「腰……あげてくれる?」
花帆は素直に言う事を聞いてくれる。
腰を少し上げて、ズボンを下げ、次には……。
花帆「あ、ぁ……!」
梢「……!」
ピンッ、と男性のシンボルが元気よく跳ねる。
花帆も男の子だもの、当たり前だけれどついているし、興奮すれば健全に勃起をしてしまう。
梢「……触るわね」
花帆「は、はい……」
逆手で花帆のモノを優しく包み込む。
触ると血液が集中していて熱を持ち、ピクピクと反応を見せる。
196
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/12(木) 17:56:32 ID:p2eg5Otc
花帆のは可愛らしいサイズです。
197
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/12(木) 20:15:26 ID:nJFK307c
きたー!
198
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/13(金) 23:03:30 ID:wMi6DxDg
梢「……すごく硬くなってる」
骨があるわけでもないのに、こんなに硬くなるなんて。
それだけ興奮している、ということなのかしら。
梢「私もこういう事は経験がないから、上手に出来るかは不安だけれど……」
手でしてあげるのは当たり前だけれど初めて。
それでもなんとか続けてみる。
擦ってあげて、花帆の反応を見てみる。
最初はなんだかくすぐったそうにしていたけれど、気付けば……。
花帆「っ、う、ぁ……!」
ピクッ、ピク……と反応が増えてくる。
それに加えて、先から透明な液体が漏れてくる。
確かカウパー腺液……男の人が射精の前に、精液の通りを良くする為にでてくる物……そして、興奮を覚えている時。
つまりは射精の準備ができている訳で……気持ちよくなれていると捉えていいはず。
199
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/13(金) 23:18:04 ID:wMi6DxDg
梢「花帆……気持ちいい?」
花帆「は、はいっ……!」
暗く静かなこの部屋に、次第にカウパー腺液が手のひらに付着して、しごく度に、にちゅにちゅと粘り気のある音が加わる。
花帆「はぁっ、ぁ。ぁ……こ、梢センパイ……!」
梢「出ちゃいそう? ……良いのよ、好きな時に……手のひらに出して……?」
花帆「っ、あっ、ぁっ……!」
☆☆☆
花帆(な、にこれぇ……!)
梢センパイの柔らかな手に優しくしごかれて。
梢センパイはあたしを抱きかかえて、あまり声も出せないから、耳元でずっと「気持ちいい?」とか「すごく硬い」とか「我慢しないでいいから」とか。
ASMRとかいうのを、直接そのまま味わっている。
それに……あたしはまだ射精をしたことが無い。
だから、このたまたま……がうずうずする感じがその前兆なのか。
ただ1つ分かることは。
射精はきっと……すごく気持ちいい。
花帆「こ、梢センパイっ、く、くるっ、なにかっ、ぁ、あっ……!」
梢「いいのよ、我慢しないで、びゅっ〜、って……」
花帆「っ、ひっ、ううっ……!」
こめかみ、眉間あたりか。
ぎゅっ、と力を込めると、下半身に力が入らなくなる。
開放感というか。
梢「あっ♡ すごいわね……すごい勢い……」
勢いよく飛び出した精液は梢センパイの手のひらに。
出してる最中も、優しくしごいて、尿道に残っているかもしれない残りの精液も絞り取ってくれる。
花帆「あ、ぁ、は……」
初めての射精。
その感想は。
花帆(き、気持ちいい……♡)
200
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/15(日) 01:12:38 ID:479ayGTc
☆☆☆
手のひらの温かな体液。
花帆の身体から漏れた性。
……ふと冷静になると、私すごい事をしてしまったのでは?
花帆が素直に言う事を聞いてくれたから良いものの、いやらしい先輩と思われてないかしら……。
梢「……少し、待っていてくれる? 手を洗ってくるわね」
手のひらの精液を洗い流しに洗面所へ。
粘り気が強くて、洗い流してもカピカピとしてこびりついている感覚。
梢「……」
ほんの興味本位で臭いを嗅ぐ。
……なんとも言えない独特な臭い。
洗い流してこれなのだから、直接だとどれだけ……。
梢「……」
201
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/16(月) 23:53:58 ID:.WgFT4y6
☆☆☆
……ひとまず、お互い汚れてしまった部分を洗って。
花帆「……」
梢「……」
ベッドに横たわり、ふたりとも無言。
何を話せばいいか、わからなくなっていた。
このまま眠ってしまえばいいのだけれど、なんだかそう言う気分でも無くて。
花帆「……梢センパイ」
梢「……どうしたの?」
花帆の元気のない声。
どこか申し訳無さそうな、弱々しい声。
花帆「……本当は、普通に接したいんです。でも、もしかしたら……今後も、あぁなっちゃうかもしれなくて……」
花帆「それでも梢センパイは……許してくれますか?」
梢「……許すも何も、私は全く怒っていたりもしていないもの。……花帆。大丈夫、また……してあげるから」
花帆「こ、梢センパイ……えっち……」
梢「あなたが言う? それに……えっちな先輩は嫌?」
花帆「……ヤじゃないです」
202
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/17(火) 00:43:11 ID:EmPGmSc2
そう言って、また軽くキスをして眠りにつく。
これからも、適度な距離感……恋人同士として、できる範囲の事はしてあげたい。
……私も興味がある、というのもあるけれど。
☆☆☆
そうして気付けば新年を迎える。
みんな一度実家に帰り、数日過ごして、またここに返ってくる。
さやか「なんだか、ここも落ち着く場所になりました」
慈「お、嬉しい事言ってくれるね〜」
梢「ここが皆にとって、大切な場所になっているのね」
梢センパイの言葉にあたしもうんうんと頷く。
部室に置いたコタツでぬくぬくとしながら。
瑠璃乃「……ありゃ、花帆くん、なんか寝ちゃってる?」
☆☆☆
花帆「……zzz」
梢「あら……」
暖かくて眠ってしまったのね。
あどけない寝顔。二人きりだったら何かしていたかもしれない。
綴理「かわいいね」
梢「えぇ、本当に……」
慈「おぉ……なんか、今湿度が違ったね」
花帆を起こさないように、少し小声で。
慈「……ところでさ、まだそんなに経ってないけど。花帆くんとはどう?」
梢「どう……って」
203
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/17(火) 00:54:16 ID:EmPGmSc2
梢「そんな……私と花帆は至って健全なお付き合いをしているわ。慈が考えている様な事は……」
慈「え〜、私が考えている様な事ぉ?」
梢「……め・ぐ・み?」
んべー、と舌を出して誤魔化している。
さやか「……」
梢「……さやかさん?」
さやか「……あの、キスとかはしたんですか……?」
梢「さやかさん!?」
204
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/17(火) 01:03:50 ID:EmPGmSc2
予想外なところからの質問に面食らう。
悪意も無く、純粋に興味津々に聞いてきている。
恋バナの感覚かしら……いえ実際これは恋バナというものなのかしら。
全員の視線が一斉に集まる。
梢「……しま、した」
おぉ〜……と控えめな反応。
慈「やるな〜花帆くん」
瑠璃乃「幸せ者だね〜」
205
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/17(火) 01:04:16 ID:EmPGmSc2
また明日に。
206
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/17(火) 03:53:54 ID:k6778yUU
恋バナ…
女子トーク……
ええぞ………!
207
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/17(火) 07:44:54 ID:MpscvW4M
ムラムラ村野
208
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 00:16:29 ID:zrtFtr1A
そんな風に言われているとも知らずにすやすやと寝息を立て続ける。
梢「……ほら、花帆。コタツで寝ると風邪をひいてしまうわよ」
花帆「んん……」
花帆が目をこすりながら身体を起こす。
花帆「あれ、寝ちゃってました……」
梢「夜眠れなくなっちゃうわよ?」
花帆「うぅん……その時はぁ……梢センパイが寝かしつけむぐっ」
ぱしっ、と勢いよく花帆の口を封じる。
寝ぼけてとんでもない事を言おうとしていたわね……!
慈「……」
瑠璃乃「……」
さやか「……」
綴理「いっしょに寝てるの?」
梢「い、いえ今のはそういうのじゃ……! 寝ぼけて変な事を言っていただけだから……!」
☆☆☆
その後上手く誤魔化せたは分からないけれど、あれ以上は特に何も追求はされなかった。
というより、見逃されたというべきかしら……。
梢「もう、あまりうっかりしすぎているのもダメよ、花帆」
花帆「はぁい……」
今日も花帆は私の部屋に。
最近、ここまで辿り着く事が上手くなったと言う。
バレた時の保険も用意してはいるけれど、なるべくそうはなりたくないものね。
梢「……ちゃんと眠れそう?」
花帆「……」
209
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 00:28:22 ID:zrtFtr1A
もじもじと身を捩る。
それが『眠れそうにない』と表していた。
梢「……あの時、本当にびっくりしたんだから」
花帆「ご、ごめんなさい……」
私と花帆の間の、『寝かしつける』の意味。
梢「……今日も口で?」
花帆「こ、梢センパイが嫌じゃなかったら……」
あの日……花帆にしてあげた日から、私が花帆の昂りを鎮めてあげる事が増えた。
一度すっきりさせてあげてから、一緒に眠る……とてもじゃないけれど、これは人に知られたくない。
210
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 00:42:31 ID:zrtFtr1A
梢「はい、ズボンおろして……」
ベッドに腰掛けた花帆が、ピンッと起ち上がったそれをさらけ出す。
初めて口でしてあげた時は、私も初めてで上手く出来た気はしなかったけれど、花帆は随分と気に入った様で、よく口での寝かしつけを求めてくる。
梢「ん……」
花帆「っ、ぁ……」
咥えると口の中でぴくりと跳ねる。
それを押さえつける様に、舌を絡ませる。
舌の上で裏の筋を優しくなぞる様に。
これをすると、花帆は良い反応を見せてくれる。
花帆「こ、梢センパイっ、う、ぅ……!」
本当に気持ちいいみたいで、涙目になってか細く息を漏らす。
211
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 01:03:25 ID:zrtFtr1A
裏筋を舌先だけでチロチロと、蛇みたいに舐めると花帆は天を仰いで悶える。
花帆「梢センパイっだめっ、それだめっ、だめっぇ〜……!」
どうにもここは弱点の様で、ここを攻めていると花帆はすぐに達してしまう。
梢「ん……」
口から離し、少し落ち着かせる。
花帆もどうせなら、長く気持ちよくなっていたいだろうから……。
梢「落ち着いた? あまり声も出しちゃダメよ? ……手を握っててあげるから、出そうな時は、ぎゅっと握り返してくれる?」
そう言うと花帆はこくりと頷く。
梢「それじゃ……」
再び咥えて、今度は優しく優しく、丁寧に……。
して、あげたいけど……。
梢「んむっ、ん、ん……」
花帆「っ、〜〜〜っ、っ……!」
花帆のその反応がみたいから、私も夢中になってしまって……。
手を握る力が強まり、花帆の限界を知らされる。
それと同時に、私の口内に勢いよく精液が流し込まれる。
花帆「はっ、ぁ、ぁ……!」
びくびくとさせて、射精が続いている。
出し切ってもらう為に、舌で絞り出すように、全体を押さえながらスライド。
尿道に唇だけをつけ、ちゅ〜……と吸い取る。
これに意味があるかは分からないけれど、花帆が気持ちよさそうだから良しとする。
梢「ん……」
最初は出された精液は吐き出していたけど……。
梢「ん、ん……」
花帆「梢、センパイ……の、飲んじゃったんですか……?」
梢「……こうすると、喜んでもらえるって書いてあったから……」
212
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 01:07:38 ID:zrtFtr1A
花帆「……確かに……嬉しい……気がします」
梢「……どうしたの? すっきりできなかった?」
花帆「い、いえ……その……飲み込んだ時の梢センパイが……て、エッチすぎて……」
……その答えは目の前に。
梢「元気いっぱいね……」
花帆「ご、ごめんなさい……」
梢「大丈夫よ。……眠たくなるまで、何回でも射精させてあげるから……」
そうしてその後は、手でしてあげて満足出来たようで、少し夜更かしをしてしまったけれど2人で眠りについた。
☆☆☆
213
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 01:07:51 ID:zrtFtr1A
また明日に。
214
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 01:20:25 ID:zrtFtr1A
☆☆☆
……と、まるで眠れたかのように思えたけれど。
花帆「……zzz」
梢「っ、ん、っ……」
……あんな事をして。
私自身……何も感じない訳もない。
下着は替える必要があるほど湿っていた。
……これが終わったら、と自慰行為を続ける。
ベッドの中で、花帆の目の前で。
梢(か、花帆ばかり気持ちよくなって……ずるいのよ……)
私だって触られたい……気持ちよくしてほしいけれど、花帆からはまだ動きはない。
だからまだ、人の手で味わう快感を、私は知らない……。
梢「人の手で……」
……頭によぎる。
今、目の前に紛れもなく。
花帆の手が、指がある。
梢(か、花帆が悪いの……してくれないから……)
恥ずかしいかもしれないけれど、次はぼくが、と男気を見せてほしい。
だから、今日は……。
梢「っ、ぁ……!」
花帆の指を、私の……クリトリスに触れさせる。
たったそれだけなのに……。
自分のものじゃない、人の指。
しかも眠っている花帆の。
してはいけない事をしている、その背徳感。
梢(あっ、だめ、ぁっ──)
甘い、甘い痺れ。
花帆の目の前で……。
梢(……こんなの……癖になってしまう……)
……そうしてなんとか満足できた私もようやく眠るのだった。
215
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 03:46:05 ID:tp6IxgLA
男を見せるんだ花帆!
216
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 08:06:10 ID:XetaAYt2
いいや、自分から手を出してはダメだ
ただのエロ男子と変わらなくなってしまう
217
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 23:34:59 ID:zrtFtr1A
☆☆☆
お正月気分も抜ける1月中旬。
いよいよ私は限界を迎えそうになっていた。
はっきりと言うなら性欲が。
梢「……」
あまりこういう事は言いたくはないけれど。
花帆。
私の相手もして欲しいわ……自分ばかり気持ちよくなるんじゃなくて。
梢(それなら私からしてほしいと言えばいいじゃない)
わかってはいるけれど、どうしても言い出せない。
恥ずかしい……。
そう考えると、花帆はきちんと自分の気持ちを伝えられる分、私より立派ね……。
218
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/18(水) 23:59:48 ID:zrtFtr1A
……よし。
それなら私も、ちゃんと素直になるべきね。
……今夜、花帆がしてほしいって言ってきたら私からも伝えましょう。
そう考えていたら、もう夜になる。
梢「いらっしゃい、花帆」
花帆「失礼しま〜す……」
今日は中学校の頃の話だったり、将来の話だったり。
お互いの知らない事を、たくさん知った日。
そして……いつもなら、と言った時間に近づく。
219
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/19(木) 00:35:56 ID:V3S1LFy2
いつもなら、そろそろ……!
花帆「……梢センパイ」
きた……!
梢「し……仕方ないわね、もう……」
花帆「へ?」
梢「え……?」
花帆は布団を被っていた。
どういう事……?
花帆「……寝ないん、ですか?」
梢「え?! え、えぇ、そうね……」
そ、そんな……どうして今日は……!?
☆☆☆
最近、あたし自身反省しないといけないなと思っている事。
それはここ最近……ずっと梢センパイにしてもらっちゃってる事。
梢センパイは嫌がる素振りも見せず射精させてくれるけど……いつもいつもは、言葉にはしなくてもきっと嫌だよね。
……本当はあたしも……梢センパイの身体に触りたい。
でもそれが言えない……。
花帆(とりあえず今日は……ああいうことがしたいだけじゃなくて、梢センパイの事本当に好きなんだってわかってほしいな……)
花帆「おやすみなさい、梢センパ……」
い、が言えなかった。
お腹の上に圧迫感。
目を開くと、梢センパイがあたしの上に跨っていた。
梢「花帆……」
花帆「梢センパイ……!?」
何故か涙目になっている梢センパイ。
どうしたんだろう、あたし何かしちゃった……!?
梢「私には……魅力を感じない……?」
花帆「え……?」
220
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/19(木) 00:48:37 ID:V3S1LFy2
梢「花帆……お願い……」
梢センパイが身を寄せる。
そして……あたしたちの。
何かが壊れる音がした。
梢「私を……抱いて……?」
☆☆☆
触れるだけの生優しいキスじゃない。
お互いを求め合う、性的なキス。
花帆「ごめんなさい梢センパイ……ぼく、ずっとそんな想いをさせていたなんて……」
梢「いいの、私も……素直になれなかったから……」
221
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/19(木) 00:48:52 ID:V3S1LFy2
また明日に。
222
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/19(木) 12:21:30 ID:2snPPJoE
うひょー
223
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/19(木) 13:00:04 ID:1vsiAJzI
こずせん、どこで性的知識を仕入れたの?
224
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/19(木) 23:56:35 ID:V3S1LFy2
>>223
かなり痛い所を突かれましたね。
なんとか調べられた事にしておいて下さい。
225
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/20(金) 00:42:34 ID:S2eOT55k
梢センパイはあたしを押し倒して、夢中でキスを続ける。
力が強くて抵抗が出来ない。
……されるがままになってしまう。
梢「……でも、ごめんなさい。するのは……お互いにとっての前戯だけ……その先は、ちゃんと避妊出来る時に、ね……?」
花帆「は、はい……」
梢センパイの口からそんな単語が出るとドキドキしてしまう。
梢「ん……」
する……と布がこすれる音。
梢センパイが服を脱いでいく。
……下着だけになると、そのスタイルの良さが際立つ。
綺麗に細く割れた腹筋、なのに吸い付く様な柔らかい肌。目に入れても痛くなさそう……言葉通りの意味で。
花帆「梢センパイ……あの……」
梢「……見たい?」
花帆「そ、そりゃあもちろん……」
ブラを外して、たゆんと揺れる2つのお山。
お、大きい……大きすぎる……。分かっていた事なのに。
なんなら、女の子だった頃に見た事あるのに、初めて見た気分になっていた。
あまりの迫力に言葉が出なくなっちゃった。
226
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/20(金) 01:02:20 ID:S2eOT55k
花帆「さ、触っていいですか……?」
梢「もちろん……」
お言葉に甘えて、両手をその胸に沈める。
……この時、まっさきに感じた事は。
柔らかいとか、手に収まらないとかもあるけれど。
触っちゃった、が1番大きい。
こんなあたしが、こんな良い想いをしてしまっていいのかな……。
梢「……花帆」
花帆「は、はい……」
梢「好きな様にしていいのよ、花帆がしたい事を、私にぶつけて……?」
そんな事を言われたのなら。
遠慮なんて何もしない。
その胸に飛び込む。
梢「ぁ……♡」
胸に、乳首に吸い付く。
無我夢中で、音をたてながら……。
梢「もう……赤ちゃんみたいね……♡」
227
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/20(金) 01:05:23 ID:S2eOT55k
虹ヶ咲完結編が気に入りすぎてまたアフターとか書きたいと思ったりもします。完結編3章までには。
228
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/20(金) 02:08:02 ID:0MLHVkIk
もしアフター書いてくれたらとてもとても嬉しいです
229
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/20(金) 23:34:34 ID:S2eOT55k
吸い付いては離して、ちゅぱちゅぱとあたしが梢センパイを求めれば求めるほどに。
梢「……花帆」
梢センパイの手があたしの手を掴む。
そしてそのまま、下半身へと。
梢「……ここも触ってくれる?」
花帆「は、はひ……」
ついに梢センパイの全てがさらけ出される。
綺麗に整えられたアンダーヘアー。
ドキドキする、異常に。
230
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/23(月) 05:07:21 ID:LWgP830Y
……変な話、自分でする分。
女の子の頃、一人でシてた時……どうしたら気持ちよくなれるかは分かる。
でも人にしてあげるとなると……どうするのが正解なんだろう。
花帆(そうだ……)
興味があった事。
それは、女の子にとってかなり敏感で繊細な場所。
そこを舐められたりしたら、どうなっちゃうんだろうって。
その箇所に顔を近づけ……クリトリスを舌で舐める。
梢「えっ……?!」
触るでもなく、いきなり舐めだしたからかなり驚いていた。
231
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/24(火) 09:46:51 ID:hrxZTaBA
明日再開。
232
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/24(火) 12:34:52 ID:XqoHpP6w
待ってます
233
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/25(水) 02:30:06 ID:8ys7hb7s
☺️
234
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/26(木) 17:14:02 ID:yHseO73k
また延期された…
235
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/28(土) 08:44:40 ID:2x2s0A/.
梢「か、花帆、そんなところ舐めたら汚いわ……」
花帆「そんな事、ないです……梢センパイの身体はどこもきれいです……それに、ぼくのも舐めてもらってたんだし、ぼくが出来ないなんて言えません!」
クリトリスを飴玉をゆっくり溶かすように、舌で優しく丁寧に。
少し大きめだから、舐めやすい……舌先で突くと、その度に梢センパイは声を漏らしていた。
236
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/29(日) 22:23:30 ID:sHJgy4dA
花帆(あたし、ちゃんと出来てるんだ……)
それが自信に繋がって、あたしの気持ちも高まる。
梢「あっ、ぁ、っ、ん……あっ……!」
梢センパイは声を抑えられないみたい。
……声が響いてバレたりしたらまずい。
花帆「……梢センパイ」
梢「か、かほ、んっ……」
梢センパイの口をキスして塞ぐ。
片手は梢センパイのクリトリスを、くにくにと弄る。
梢「ん、ん……」
ぎゅうっ、と枕を握っている。
もう限界が近いのかな……?
梢「ふぁ……か、ほ……私、私……!」
花帆「っ……はい、このまま続けるので、いつでも……」
梢「はっ、ぁ、ぁ、あっ……!」
梢センパイの腰が一瞬浮く。
その後はふるふると震えて、腰が力なくベッドに沈む。
イッちゃったんだ……あたしの指で。
237
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/29(日) 22:48:02 ID:sHJgy4dA
……次は。
梢「……花帆は、なにがしたい?」
……本音を言えば、もう……最後までしてみたい。
だけど今日はダメ、ちゃんと避妊しないとだから……。
花帆「あの……それじゃあ……」
梢センパイの股に擦り付ける……素股、っていうらしい。
そして足を閉じて……太ももに包まれる。
花帆「っ、ぁ……」
梢センパイの太ももむにむにしてて気持ちいい……。
238
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/29(日) 23:22:06 ID:sHJgy4dA
そして時折触れるクリトリスの突起が、裏筋を撫でて……それが、また……。
……でも。
こうしていると、段々と強くなる。
このまま入れたら、どうなるんだろうの疑問。
そして次第にそれは願望になっていく。
花帆「こ、梢センパイ……」
梢「ん……どうしたの……?」
梢センパイも、どこか心ここにあらずと言った感じで、ぽ〜……としている。
花帆「あの……その……」
ダメってわかってる。
我慢しなきゃって分かってる。
でも……。
花帆「……ご、ごめんなさい、なんでもないです」
梢「……」
239
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/29(日) 23:51:58 ID:sHJgy4dA
梢「……花帆」
花帆「は、はい」
梢「……ちゃんと、外に出すって約束出来るなら……」
梢「……このまま、最後まで……」
花帆「……! い、え、ぁ、はい!」
梢センパイからの許しが貰えた。
あたしはもうそれだけで一気に身体の中心から、ぐわぁっ〜と熱くなる。
……梢センパイの、その大切な場所。
亀頭を押し付けると……本当に、びっくりするくらい熱い。
でもその温かさが、触れるだけで気持ちいい。
あたしはこれから……この中に……。
花帆「う……」
梢「ん……」
ぐっ、と思っているよりも押し込む。
にちち……と肉をかき分ける音。
亀頭にぞりぞりとした刺激。
その上体内の熱が伝わる。
要はどういう事で何が言いたいのかというと……。
花帆(き、きっ、きもち、ぃいっ〜……ぁあっ、うっ……!)
動かなくても気持ちいい。
じゃあ動いたらどうなっちゃうんだろう……。
240
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/30(月) 00:02:35 ID:XSGWEbyw
梢「っ……全部、入れられた……?」
花帆「は、はいっ……で、でも……気持ち良すぎて、う、動けないです……」
梢「……それなら」
そう言って、梢センパイはあたしの身体を抱き寄せて、胸に沈める。
頭をよしよしと撫でながら……。
梢「少し落ち着くまで、こうしていましょう……」
花帆「ふぁ、い……」
241
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/30(月) 00:14:41 ID:Uk3txsIw
はい、射精
242
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/30(月) 00:25:09 ID:XSGWEbyw
あ……すごい……。
今あたし……すっごく贅沢な状況だ。
梢センパイとこんな事が出来て……。
花帆「梢センパイ……すき……」
梢「えぇ……私も……」
10分くらい……そんなに経っていないかもしれないけど、あたしはようやく落ち着いた。
花帆「う、動いてみます……」
不慣れながらも、腰を動かしてみる。
引き抜いて、前に押して。
テクニックも何も無い、ただ出し入れしているだけ。
今のあたしには、そんな技術はないから……。
そんなあたしを、梢センパイは愛おしそうに見守ってくれている。
梢「花帆……きもち、いい……?」
花帆「す、すごく……」
☆☆☆
あぁ、ついにこの一線を越えてしまったと。
花帆の身体を抱いて。
泣きそうな顔の花帆。
私はどうしても花帆には甘くなってしまう。
それに……。
梢(っ、た、たまに当たるっ、こ、これ……)
かり、かり……と引き抜く時に引っかかるこの感じ。
それは明確に気持ちいいと感じた。
思わず「そこが良い……」と言いかけるけれど、羞恥心が勝って口を噤む。
花帆「はぅ、あっ、ぅ……こ、梢センパイ……!」
顔を歪ませて、限界が近いと訴える。
梢「ん……出す時は……お腹の上に……」
花帆「はぁっ、ぁっ、は、はいっ……!」
にゅぽん、と勢いよく引き抜いたとほぼ同時に、花帆は限界を迎えて射精していた。
勢いよく飛んだ精液は私のお腹の上に……。
熱くて……たくさん……。
花帆「はっ、はぁ、はぁ〜……」
恍惚とした表情の花帆。
梢「……次は、ちゃんと避妊をしましょうね」
花帆「はい……」
☆☆☆
そうして私達の初体験が終わった。
243
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/30(月) 00:25:57 ID:XSGWEbyw
もう少し続きます。
また明日に。
244
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/30(月) 00:42:45 ID:gpcl1JWI
少ししか続かないの…?
245
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/30(月) 03:11:51 ID:gLCYtNX6
初々しいクンニ好きなので作者さんには感謝しかありません
246
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/09/30(月) 23:52:14 ID:XSGWEbyw
あの体験は私達の関係こそ変えないけれど。
距離をより近く、濃く。
全てを許した相手として。
ここにきて見る目が変わった。
花帆の一挙手一投足が愛おしい。
やる事すべて、目で追ってしまう。
慈にも「見すぎだよ」と言われてしまった。
247
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/01(火) 00:24:56 ID:Rws7iu/U
けれど仕方ないじゃない。
この感情は理屈じゃない。
好きなものは、好きなのだから。
そして今日は、そんな花帆の為に。
梢「今日は頼りにさせてもらうわね、さやかさん」
さやか「いえいえ、私もお力になれるように頑張りますね」
バレンタインに向けて、花帆へ送るチョコレートを作る。
良いものを作ってあげたいから、ここは料理の得意なさやかさんに力を借りる。
さやかさんは手際よく全ての工程を進めていく。
それに続いて私も作り上げていく。
チョコレートのタルト。
さやかさんのおかげで満足のいくものが出来た。
さやか「楽しみですね。花帆くん、喜んでくれるといいですね」
梢「そうね。……さやかさんもありがとう、協力してくれて」
☆☆☆
248
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/01(火) 00:33:36 ID:Rws7iu/U
花帆「──わぁ! すっごく美味しいです!」
梢「ふふ、喜んでもらえてよかったわ」
放課後、私の部屋で2人。
花帆は手作りのチョコレートのタルトを嬉しそうに頬張っている。
梢「もう、口の端についてるわよ」
花帆「ふぁむ……」
249
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/01(火) 00:42:35 ID:Rws7iu/U
ハムスターみたいに頬を膨らませて。
こんなに可愛らしいのに。
夜は……しっかり男性としての姿を見せてくる。
あの夜から1ヶ月。
後日私は外出して、避妊具を買ってきた。
ちゃんと着けてからするようになり、経験回数も増えた。
花帆もその度に経験値を積んでいるのか、明確に気持ちよくされている、と感じてきている。
それでもあまり声を出さないように等、気を使うことがまだ多い。
いつかは、2人で外泊して……。
花帆「梢センパイ?」
梢「……あっ、なにかしら?」
花帆「ホワイトデーのお返し……なにがいいかな、と思って」
250
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/01(火) 00:48:47 ID:Rws7iu/U
梢「……ホワイトデー」
花帆からのお返し……。
今私が一番欲しいもの……。
梢「……それなら、私は。花帆と2人でお出かけ……デートがしたいわ。花帆の時間をくれるかしら?」
花帆「そんな事ならお安い御用ですよ! むしろ、ぼくにとってもご褒美です!」
花帆は嬉しそうに私により掛かる。
この子は本当に、感情を身体で表すのね。
花帆「あっ、それじゃあお互い、外出届け出しておかないとですね!」
梢「……」
花帆「あれ、梢センパイ?」
梢「花帆……外出届けじゃなくて……」
梢「外泊……に、しましょう」
251
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/01(火) 00:49:01 ID:Rws7iu/U
また明日に。
252
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/01(火) 12:17:36 ID:aKe/l03s
外泊!
外泊!!
253
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/02(水) 00:19:23 ID:ugKEjfuU
花帆「えっ……お泊りって事ですよね?」
梢「そうね……夏に、皆で泊まった別荘があるでしょう? 夜はそこに、2人で……」
花帆「2人きり……」
梢「……誰の、じゃ……介入もない、静かな夜を過ごしましょう」
花帆(今邪魔って言いかけた……)
花帆(それだけ……)
花帆「……じゃあ、外泊届け。ちゃんと提出しないとですね」
☆☆☆
それからの日々は。
どうにもどこか、呆けているというか。
身が入らないというか。
1日が経つ毎に、そわそわしてくる。
理由はもう分かっているよ。
ホワイトデーが近付いてくる。
梢センパイとお泊り。
しかも2人で。
254
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/02(水) 00:46:11 ID:ugKEjfuU
そんなの意識しちゃうに決まってるよ。
でももちろん、純粋にデートも楽しみだよ?
誰に、何の言い訳をしているか分からないけれど。
気付けば、もうその日が迫っていた。
☆☆☆
いよいよこの日が来たホワイトデー。
あたしと梢センパイはお泊りに……。
☆☆☆
慈「一応2人共、そうだとは言わなかったけどさ〜。絶対2人でのお泊りだよね」
瑠璃乃「花帆くんとか、そわそわしてて落ち着きなかったし」
さやか「まぁ……あんまり詮索はしないであげましょうよ。察するって事で……」
綴理「お泊り、いいな。ボクも行きたかった」
さやか「綴理先輩、それは察しが悪すぎます……」
255
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/02(水) 00:50:54 ID:ugKEjfuU
☆☆☆
☆☆☆
梢センパイとショッピングモールでお買い物。
洋服を見たり、アクセサリーや小物。
お洒落なカフェで休憩して、カラオケに行ったり……。
今夜別荘で作る晩御飯の食材を買って、その後に食べようねとアイスも買ったりして。
楽しいなぁ。
本当に、楽しい……梢センパイといられて。
あたし、こんなに幸せでいいのかな?
いいんだよね?
256
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/02(水) 00:56:50 ID:ugKEjfuU
別荘につき、梢センパイと一緒に晩御飯作り。
ビーフシチュー……もう梢センパイの手作りってだけでもあたしにはものすごい付加価値。
何倍にも美味しく感じた。
お喋りして、楽しく夜を過ごして……、後はお風呂と、眠るだけ。
梢「……花帆。良かったらだけど……」
花帆「? なんですか?」
梢「……お風呂、一緒に入らない?」
257
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/02(水) 00:57:47 ID:ugKEjfuU
また明日に。
全員ホワイトデーが最後のイベントって感じでやっていきます。
258
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/02(水) 01:15:32 ID:j0f4uNK.
クレープ食えよ
259
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/03(木) 00:14:13 ID:SpVBoG8A
花帆「えっ……それはつまり……」
梢「か、花帆! ……入るの? 入らないの……?」
花帆「あ……はい……」
☆☆☆
別荘についているお風呂はやっぱり広くて。
二人きりだとそれが際立つ。
梢「……花帆。浸かる前に体……ちゃんと洗っておきましょう」
花帆「は、はいっ……」
梢センパイの裸は……この2ヶ月くらいで何度か見た。
触れもしたけど、あたし自身に梢センパイの裸への耐性があるかといえばそういうわけでもなく。
まだまだ目のやりどころには困るし、見られるのも恥ずかしい。
横目でおっぱいチラチラ見ちゃう……。
梢「ほら、座って」
シャンプー泡立てながら梢センパイはあたしを腰掛けさせる。
梢センパイの指が頭を揉む。
まるでマッサージみたいに洗ってもらえる。
気持ちいい……うっかり寝ちゃいそう……。
260
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/03(木) 00:31:35 ID:SpVBoG8A
梢「痒い所はないかしら?」
花帆「いえ、むしろ気持ち良すぎて……」
梢「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいわ」
261
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/04(金) 00:41:08 ID:FHT.qSpw
梢センパイの指使いが丁寧でシャンプー途中なのにウトウトとしてきてしまう。
梢「……花帆、寝ちゃダメよ」
花帆「ふぁ……!」
むにゅ、とうなじ辺りに柔らかな感触。
梢センパイが胸を押しつけてきていた。
梢「……さ、流すわね」
頭を洗った次はと言うともちろん体だ。
ボディタオルにボディソープを染み込ませ、また泡立てて。
あたしの背中を流してくれる。
背中、肩、脇腹。
だんだんと下へと向かい……。
梢「ここも……しっかり洗わないといけないから……」
花帆「あっ……」
あたしの股間に梢センパイの手が迫る。
優しく包みこんで、泡で洗われて。
梢「ちゃんと剥いて、綺麗に……」
亀頭までしっかりと。
……でも、これだと。
梢「……花帆、大きくされちゃったら、洗いにくいわよ?」
花帆「だ、だって、こんなの……」
ほぼ手でしてもらってる様なもので。
反応するなっていう方が無理だよ……!
262
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/04(金) 12:53:01 ID:qJwJzRJU
おほーっ!
263
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/04(金) 13:32:16 ID:.lsY5Q/c
花帆くんは早い
間違いない
264
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/04(金) 23:12:28 ID:FHT.qSpw
花帆「こ、梢センパイ……だ、だめっ、ぁ、っ……!」
梢「ん……どうしたのかしら? 私はただ綺麗に洗ってあげているだけよ……?」
花帆「でもこれ、こんなのっ、ぁっう……!」
花帆(も、もうでる……!)
我慢する必要もないかとそのまま……と思っていたら。
ぱっ、としごく手が止まり、離れる。
花帆「なっ、なんで、なんでぇ……!?」
もうちょっとだったのに……!
265
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/05(土) 00:14:36 ID:EbeiZUUk
☆☆☆
花帆「こ、梢センパぁイ……!」
涙目で花帆が私を見上げる。
ダメね……私も意地悪で。
沢山甘やかしてあげたい私と。
泣いちゃうくらいいじめる私。
梢「どうしたの? ……身体を洗ってあげていただけ。さ、流すから背中を向けて?」
花帆「う、は、はい……」
花帆の身体を綺麗にしたあとは、次は私の番。
花帆が背中をゴシゴシと。
小さな手で一生懸命に。
266
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/05(土) 00:30:51 ID:EbeiZUUk
そして花帆の手が。
花帆「……」
梢「んっ、あら……」
仕返し、と言うつもりなのか無言で胸を背後から鷲掴み。
ボディソープのせいでぬるぬるとした感じがなんとも言えない。
梢「あっ……」
花帆「……っ、っ……!」
どさくさに紛れて体に……押し付けてきている。
梢「もう……こら、花帆。今はお風呂の時間でしょう?」
花帆「でも……」
押し付けられたそれは硬く熱く、花帆の興奮が伝わる。
少し意地悪しすぎてしまったかしら……それなら、花帆が落ち着いてくれる言葉を伝えるべきね。
梢「……そんなに慌てなくても大丈夫。……今夜はたっぷり……時間があるから」
花帆「……!」
梢「するのは、お風呂から上がってから。……もう少し、我慢してくれる?」
花帆「……はい」
267
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/05(土) 00:38:31 ID:EbeiZUUk
恐らく日曜くらいに終わります。
268
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/07(月) 03:31:10 ID:wfZGavo6
素直に言う事を聞いて、体を温める為にお湯に浸かる。
けれどその意志とは裏腹に、花帆のソレは落ち着きがない。
以前ピンッ、とそそり立っていて花帆もどこかいたたまれない様子。
はやくここから出たい、入浴を終えたい……と。
私も同じ気持ちだった。
☆☆☆
体を拭き、ドライヤーで髪を乾かし。
……下着を身につける事はなかった。
その産まれたままの姿で、2人でベッドのある寝室に。
花帆「梢センパイ……」
寝室に入るなり花帆が私に抱きついてくる。
私も花帆を抱きしめ返す。
梢「ちゃんと我慢ができて偉かったわね……ん」
花帆「ふぁん……」
花帆の唇を奪い、そのままベッドへ押し倒す。
269
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/07(月) 03:31:20 ID:wfZGavo6
素直に言う事を聞いて、体を温める為にお湯に浸かる。
けれどその意志とは裏腹に、花帆のソレは落ち着きがない。
以前ピンッ、とそそり立っていて花帆もどこかいたたまれない様子。
はやくここから出たい、入浴を終えたい……と。
私も同じ気持ちだった。
☆☆☆
体を拭き、ドライヤーで髪を乾かし。
……下着を身につける事はなかった。
その産まれたままの姿で、2人でベッドのある寝室に。
花帆「梢センパイ……」
寝室に入るなり花帆が私に抱きついてくる。
私も花帆を抱きしめ返す。
梢「ちゃんと我慢ができて偉かったわね……ん」
花帆「ふぁん……」
花帆の唇を奪い、そのままベッドへ押し倒す。
270
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/07(月) 13:08:17 ID:XuWbtJM6
バスローブだかガウン的な何か羽織らないの?
271
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/08(火) 01:52:08 ID:o1HkpgS.
即おっぱじめるんだから必要Nothing
272
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/08(火) 09:35:41 ID:CjrojDo6
何も身に着けないのは、わざわざ脱ぐ事が煩わしかったから。どうせ、こうなるのだから。
静寂に包まれた部屋で、私達の唇が触れて、離れて、また食む。
花帆のソレがお腹に突き刺さりそうなくらいに硬くなっている。
一定間隔でぴくんぴくんと暴れる。
花帆「こ、ずえセンパイ……」
梢「……もうシたい?」
花帆「は、はい……でもその前に……」
花帆の両手が私のお尻を揉む。
花帆「ちゃんと、ぼくも梢センパイの準備、してあげたいです」
273
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/08(火) 09:55:55 ID:CjrojDo6
☆☆☆
これまでの経験で、花帆に私の弱い所は知り尽くされている。
梢「ぁっ、か、花帆っ……そこ、ばっかりは……!」
花帆「んぁ、む……」
クリトリスを執拗に責められ、何度か軽く……痺れる感覚。
これをイクと呼ぶらしいけれど……どことなく、その単語が恥ずかしくて……口には出し難い。
花帆「ん……」
梢「あ……」
花帆の細い指が中に……。
すっぽりと入り、その中で指を曲げて、私の弱点をぐりぐりと指圧で刺激する。
梢「はっ、ぅ、ぁ……!」
これ、ばかりは……どう、にも……。
自分だけでは分からなかった快感。
クリトリスを刺激された時の快感とはまるで別物。
じわり、じわりと波のように快感が次第に大きくなる感覚。
それは最終的に、もう言葉にはできない程の絶頂に至る。
ものすごく簡潔に言ってしまうと。
信じられないくらいに気持ちがいい。
女に産まれた事に悦びを感じる程に。
274
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/08(火) 10:09:21 ID:CjrojDo6
頭がくらくらとしてきた頃に、指が抜かれ、花帆からキス。
梢「ん、ん……♡」
普段よりも高い、甘ったるい声が漏れてしまう。
花帆に媚びて、私の女の部分をさらけ出してしまう。
相手が花帆とは言え、れっきとした男性。
女の子みたいに華奢な体としても。
私は……男の人に抱かれている。
花帆「梢センパイ……」
梢「花帆……」
持ってきたコンドームの封を開け、花帆のモノに装着。
そしてようやく、本当の意味で。私達の夜が始まる。
梢「ぁっ……♡」
花帆「ぅ、ん……!」
指では届かない場所に届く。
梢「は、ぁ〜〜〜……♡」
これ……これが……。
どうして、こうも……こんなにも……。
梢「花帆っ、ぁっ……すごい……い、ぃ……♡」
花帆「っ、梢センパイ……締めすぎです……!」
275
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/08(火) 18:19:49 ID:CjrojDo6
梢「ご、ごめんなさいっ♡ でも体が、勝手に……♡」
普段と違い、他の誰もいない部屋。
だから声も我慢しない。
その分、日頃抑えている反動なのか、今日は特に得られる快感が多い。
肌と肌の触れる、肉体を叩きつける音。
粘液が混ぜられ、にちゅにちゅと響く。
梢「花帆、かほ……♡」
花帆を強く抱きしめ、もっとして欲しいと求める。
花帆もそれに応えるようにぐり……と弱いその場所を突いてくる。
276
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/10(木) 08:48:05 ID:FjT/FQcM
ベッドのシーツを掴んでいた私の手。
それを花帆は解き、恋人繋ぎに。
花帆「梢センパイ……」
もう片方の手は、私の頭を撫でる為に。
花帆「ッ、出ますっ、梢センパイ……!」
梢「きてっ、そのまま……♡」
腰を振るスピードが上がる。
そして最後に一突き。
花帆「ぁっ……!」
花帆の体がぶるっと震える。
射精してくれている……私の身体で……。
花帆「ふぅっ、ふぅ……」
射精が……というよりも、セックスがエネルギーを使うものだから、体力の無い花帆が心配……と最初は思っていた。
277
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/10(木) 09:05:31 ID:FjT/FQcM
花帆「……梢センパイ……」
梢「ん……まだしたいんでしょう? ……一回綺麗にしてあげるから……」
引き抜いたコンドームにはたっぷりの精液が溜まっていた。
それを外して結び、ベッドの隅に。
そしてまだ射精したばかりで敏感らしいソレを咥え、残った精液を舐め取る。
梢「ん……じゃあ次は……私が動いてあげるから……」
花帆の上に乗り、騎乗位の体位。
梢「ふっ、ほ、ほ……♡」
自分のペースで、自分の気持ちいいところに当てられる。
たまらない、たまらない、たまらない……♡
梢(虜になってしまう……♡)
セックスの……♡
☆☆☆
梢「はっ、はっ、んっ、ん……♡」
パンパンパンっと音を立て、梢センパイのお尻のお肉が目の前でぷるぷると揺れる。
花帆(は、激しいっ……! でも気持ちいぃ……)
278
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/11(金) 09:39:33 ID:Tads0N0I
眺めもえっちだし、これもすごく気持ちいいけど……。
花帆「梢センパイ……こっち向いて欲しいです……」
やっぱり梢センパイの顔が見たい。
あたしがそうお願いすると、梢センパイは繋がったままその場でぐるりと回り、蕩けた顔を見せてくれる。
あたしがそうさせているのだと思うと、胸がぐわぁ〜と熱くなる。
あの梢センパイが、あたしとのえっちでこんなに蕩けている。
もう最高って感じ……!
279
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/14(月) 00:22:56 ID:k3WRDwv6
梢「花帆……♡」
花帆「んむ……♡」
騎乗位のまま倒れ込みもう狙いの定まっていないキス。
ディープキスにしようとしていたのか、ぺろぺろと唇を舐められる。それを誘導するために梢センパイの顔を支え、あたしからも舌を絡める。
花帆(あ〜……幸せぇ……♡)
大好きな梢センパイ。
そんな梢センパイと、こんなに気持ちいいコトが出来て、しかも梢センパイもそれを望んでいる。
こんな気持ちの中での射精なんか、そりゃ……。
花帆「あっ、ぅ、ぁ……」
梢「ぁっ、でちゃった……?♡」
花帆「は、はひ……でも……!」
まだまだ出来る……!
280
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/14(月) 01:00:12 ID:k3WRDwv6
【23:10】
梢「ぁっ、そこっ、そこすごくイイっ、ぁ、ぁ……♡」
花帆「ここっ、ここですか……?」
梢「っん、そうっ、ぁっ、あっ……♡」
【0:40】
花帆「ぁっ、はぁっ、こ、梢センパイっ、さきっぽばっかり……!」
梢「んっ、んむっ、ん……♡」
【1:50】
梢「花帆っ、花帆っ、花帆……♡」
花帆「梢センパイっ、梢センパイ、梢センパイっ……♡」
【3:07】
梢「ぁっ、だ、だめっ、あっ、く……!」
弱い所をずっと攻められ、今日何度目かの絶頂を迎えそうになる。
寝バック……というらしい体位が私は好きかもしれない。
花帆「梢センパイ……」
花帆が背中にのしかかっているけれど、まったく重くもない。
むしろその分、私の奥に入ってくるようで……。
梢「っ、いっ、ひっ……♡」
また体中に電流が巡る。
それに合わせたかのように、花帆も体を震わせ射精……。
気持ちよくてこれを終わらせたくない。
それに、花帆もまだまだしたいでしょうから……♡
花帆「梢センパイ……」
ほら……♡
梢「ん……まだしたいのよね……♡」
花帆「あ……いえ、そうじゃなくて……」
281
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/14(月) 01:09:20 ID:k3WRDwv6
梢「え……?」
花帆「もう、これ……コンドーム無くなっちゃったので……ここまでかなって」
梢「え、あ……そ、そうね……」
花帆「……お互い、たくさん汗かいちゃいましたね。一緒にお風呂入って、それからゆっくり……」
梢「……ま、まって花帆!」
花帆「わっ……!」
梢センパイがあたしの体に抱きついて引き止める。
梢「ま、まだしたい……でしょう? でももうそれが無いから遠慮しているのよね……?」
花帆「え、でも、それは……」
梢「だ、大丈夫……ちゃんと外に出せば……きっと大丈夫だから、着けなくても、そのままで……」
花帆「……」
梢「花帆……」
花帆「……じゃあ、わがまま……聞いてもらってもいいですか? ……もう一回、コンドーム無しで……」
梢「! え、えぇ、もちろん……♡」
282
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/14(月) 01:09:45 ID:k3WRDwv6
また明日に。
283
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/14(月) 22:56:34 ID:U4FL/nF6
やっぱり出した後の復活も早いの?
284
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 00:05:03 ID:DjQxiI6w
☆☆☆
梢「んっ、んっん、む……ん、これくらいかしら……」
口で綺麗にして、精液を舐め取る。
花帆「っ、入れます……」
梢「んっ……♡」
薄い膜1つない状態。
初めての時も、そうだったけれど。
花帆「ぅう……!」
梢「は、ぉ、あ……♡」
あの時とはまるで違う。
興奮度合いも、身体の具合も。
☆☆☆
花帆(あっ、あっつぅい……!)
何もつけないで、いわゆる生でするのは初めての時以来だけど。
全然違う。
このとろけそうな膣内、火照りきった梢センパイ。
腕の中に抱く、この温もりが。
梢センパイを抱いている、っていう事を実感させてくれる。
それにここからは……。
快感だけじゃなくて、妊娠させちゃうリスクだってある行為。
そんな事になったら絶対にダメ。
梢センパイのこれからも台無しにしちゃう。
……そう思っているのなら、生でしなければいいのにって?
花帆(む、り……!)
気持ち良すぎて腰が止められない。
もう今夜は何度も出したのに、限界が見つからない。
285
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 00:20:15 ID:DjQxiI6w
このまま中で出したら……もうびっくりするくらい気持ちいいんだろうなぁ……。
花帆(だ、だめ……それだけは……)
梢「んぅ♡ ぁ、っ、あ、ん……♡」
梢センパイもさっきよりも気持ちよさそう……。
奥の、行き止まりの様な所に当たると特に。
梢「んうっ、ん、ぅ、く、ぅ、ぅ〜……♡」
ぎゅぅっ、と目を閉じて快感に悶えている。
涙で顔が濡れ、汗がすごい事になっている。
梢(ぁっ、だ、めっ、い、っ、い、いく、いっちゃう……)
梢センパイの膣内がぎゅっと締まる。
これはまずい……!
は、早く抜いておかないと……このままじゃ……。
花帆「こ、梢センパイ……一回ぬ、抜いて……」
にゅる……と引き抜こうとすると。
梢「っ、だ、だめ……♡!」
花帆「え、へっ!? こ、梢センパっ、うっ、ぐっ……!」
梢センパイの両足で腰をがっしりとホールドされ、動けなくなる。
286
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 00:26:35 ID:DjQxiI6w
梢「もうすこしっ、もう少しだけ我慢してっ♡ 頑張って奥、突いて……♡」
花帆「っ、う、ぅっ……!」
シーツを思い切り握りしめる。
そうやって力を入れていないと耐えられそうにないから。
そうして、無理をして腰をふる。
梢センパイがそうして欲しいと言うなら、あたしも頑張る。
奥歯に、あたしでも信じられないくらいのちからが
287
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 00:32:17 ID:DjQxiI6w
奥歯に、あたしでも信じられないくらいの力が込められている。
砕け散ってしまうんじゃないかと思う程に。
耐えろ、耐えてあたし……!
このまま中で出しちゃったら……。
花帆(絶対気持ちいい……)
違う! そうじゃないよ!
梢センパイが妊娠なんてしちゃったら……。
妊娠、させたら。
あたしが取るべき行動は?
花帆「こ、こず、こずえ、せんぱい……」
梢「んっ、花帆……♡」
梢センパイの両手があたしの顔を包む。
そして……。
梢「だして……一緒に……一緒に、イきましょ……?」
花帆「──」
あたしの中で。
たぶん、たいせつなものが壊れた。
288
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 00:47:00 ID:DjQxiI6w
限界を超えてるけれど、腰を振り続ける。
梢「あっ、ぁぁっ……♡」
花帆「梢センパイっ、梢センパイ……!」
もうあたしの頭の中には、外に出す選択肢は無くなっていた。
花帆「梢センパイ……ぼくの……」
あたしの……。
花帆「ぼくのお嫁さんになってください……!」
梢「ぅ、んっ……♡ なる、なるわ♡ 花帆の、ものに……なるからぁ……♡」
ちゅ〜……とお互いの舌を吸い取ってしまうんじゃないかと思う程の貪るキス。
上品さなんて欠片もなくて、本能だけが残った獣のように。
梢「いうっ、いっ、いくっ、イくぅっ……♡」
花帆「ぅぅ゛、いっ、ぁっ、ぁぁっ……!」
花帆「あっ……」
蛇口が壊れた、っていう表現が合っているかはわからないけれど。
ストッパーが無くなったあたしの身体は、射精を止めることが出来なかった。
花帆「あ゛っ、あ〜……ぁ、あっ、はぁっ、あ……」
梢センパイの胸に顔を埋めて。
足腰に力が入らない。
力なく、梢センパイの身体にのしかかることしか出来ない。
トクトクと、梢センパイの中に精液を流し込みながら……。
梢「はぁっ、はぁ、んっ、はぁ……♡」
花帆(も、もう限界……)
急激に眠気が襲ってくる。
頑張って耐えようとしたけれど……あたしの意識は落ちていく。
梢センパイの、胸に抱かれながら。
☆☆☆
289
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 00:48:06 ID:DjQxiI6w
次で梢√が終わり、綴理開始です。
290
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 14:33:58 ID:W58B7iY2
花帆くんのヨワヨワ精子じゃそう簡単に妊娠ないでしょ
291
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 23:37:03 ID:DjQxiI6w
☆☆☆
朝。
気付けば気を失っていた。
梢「……おはよう、花帆」
花帆「あ……お、おはようございます、梢センパイ」
先に目を覚ましていた梢センパイが、既に着替えて待っていた。
あたしだけまだ裸でなんだか恥ずかしい。
梢「……あの、花帆。昨晩に言っていた事、なのだけれど……」
花帆「……!」
梢「一応、伝えておくわね。……私は、勢いとか、よく分かってないのに応えた訳では、ないから」
梢「だから……いつかまた、伝えてくれる?」
花帆「……はい!」
……梢センパイからの、返事。
あたしにとって、何よりも嬉しい事。
だからあたしは、いつかなんて言わずに。
花帆「梢センパイ……大好きです!」
言いたい事は、すぐに伝えるの!
梢√END
292
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/15(火) 23:42:49 ID:DjQxiI6w
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/10627/1729003124/
綴理√です
293
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/10/16(水) 00:28:09 ID:tNFGuZ12
乙乙、乙宗梢
なかなか良かった
1人目だから仕方ないけど他ヒロインとの絡みがやや少なかった気がする
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