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愛「へー……3人の名前に因んでるのかぁ」
111
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/20(金) 23:27:07 ID:r.At8cz6
.
「2人とも迷惑かけて、ホントごめんね」
.
112
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/20(金) 23:27:59 ID:r.At8cz6
菜々「……ええ、そうですね。私も何となく分かる気がします」
歩夢「そう?」
菜々「はい。友達が多いのも、そういう愛さんの誠実な部分の賜物なんですよね、きっと」
菜々(3人のこういう関係、ちょっと羨ましいなぁ私……)
……………………
……………………
歩夢「で」
歩夢「その後は徐々にオバカに浸食されて、わたしの対人恐怖症はグングン治りました♪」😁✌
菜々「き、急に台無しにしてきた!?」💦
歩夢「今ではこの通り逞しく生きてます! 上原歩夢をヨロシクね」
菜々「さっきの回想と落差がヒドい! 最早ポケモン的な進化を疑いますよ! 何があったんですか!?」
菜々「この数年どんなに濃い時間すごしてきたんですか!」
歩夢「それはもう、チーズ特盛り濃厚でハイカロリーな毎日でした」
菜々「胸焼けしそうです!」
エマ(さっきから大声で何してルんだろ)
.
113
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/20(金) 23:28:50 ID:r.At8cz6
.
歩夢「…………」
歩夢(ごめん菜々ちゃん……ちょっとだけ嘘ついた)
歩夢(でも許してほしい。例え菜々ちゃんでも……自分が虐めの標的にされていた過去は伏せさせてもらいたい)
歩夢(まだ少しだけ、わたしは過去に縛られているから。そういう過去を人に知られるのは、少しだけ怖いから)
歩夢(だから───ごめんなさい)
.
114
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/21(土) 00:03:54 ID:GPt5m7/Y
いい話だ
115
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:40:54 ID:Ad0Bd5LM
>>114
ありがとう
励みになります
116
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:41:07 ID:Ad0Bd5LM
───璃奈の避難所
カタカタカタ…
制作部B「衣装の進捗確認メール来てます?」
制作部A「(カチカチ…)や、まだっぽい。遅れてるみたいだわ」
制作部A「一応、途中でも進行状況は送るように言っておく」
制作部C「ごめん、その辺りにハサミ無い?」
制作部E「ホワイトボードんとこに掛かってるよ。あー部長、NK1仕上がりどうです?」
部長 「もうラストスパートに入ってる。この分なら、今日の活動内には何とか仕上がるわ」
制作部E「ナイス! このペースなら間に合いそうですね」
ガー…ガー… カチカチ… カタカタカタ…
カリカリ… ガチャガチャ… ガー…ガー…
制作部D「忙しい所すいません部長、今度の文化祭配信なんですけど───」
部長 「何かあった?」
制作部A「あー……コピー用紙が切れてるわ スーパーホワイト在庫まだある?」
制作部E「それならロッカーに……無いな。ちょっと印刷室で借りてくる。待ってて」
制作部D「という事なんですけど」
部長 「あー……そうなると枠自体を入れ替えなきゃならなくなるかも」
制作部D「じゃあ、いっそ1年枠を最後に回しますか……? んーでもそれだと───」
制作部C「ラミネーターは……あった。ちょっとコンセント1つ使うわ」
制作部B「部屋の端のが空いてるから、そっち使って」
璃奈 「…………」Zzz
.
117
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:41:37 ID:Ad0Bd5LM
-制作部-
歩夢「はい、お茶だよ」🍵
部長「ん、サンキュー。助かる」
歩夢「それで、さっきから気になってたんだけど……璃奈ちゃん何してるの? こんな所で」
璃奈「…………」Zzz
部長「ああ」ズズ…
部長「何かちょっと前……半月前くらいかな。フラッとここに来て、ここで休憩しても良いか、みたいな事を言ってきたんだよ」
歩夢「休憩? ここで?」
部長「そう。んで以来、昼休みは大体ここで昼寝してる」
部長「俺も気になって、それとなく訊いてみたんだけど……何か、俺達の作業してる環境音が最高に落ち着くらしい」
歩夢「えぇ……?」
歩夢「───」👂
歩夢「これが?」
部長「俺と同じ反応してら」
歩夢「いや(笑)だって、気が散るじゃん……」
部長「親父から聞いたんだけど、あんま静か過ぎると逆に落ち着かなくなる人もいるんだと。音楽掛けないと眠れなかったり」
歩夢「そうなの?」
部長「職場でも、特に事務方の仕事してる人に多いらしい」
歩夢「へ、へぇー……璃奈ちゃんも何かやってるのかな」
歩夢「何にしても、ちょっと変わってるね」
部長「な、変わってるよな」ズズ…
歩夢「まあ、とりあえず」
部長「?」
歩夢「1つ言えるのは、これ愛ちゃんには教えない方が良さそうだって事だよね」
部長「余さず同感だわ」
.
118
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:42:17 ID:Ad0Bd5LM
愛 「何か最近……昼に璃奈と会ってない気がするんだよなあ」
エマ「? 璃奈ちゃん、最近は制作部に顔を出しテルよ?」
愛 「え、何で」
エマ「さあ?」
.
119
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:42:37 ID:Ad0Bd5LM
歩夢「皆、熱心にやってるね。いま昼休みなのに」
部長「入試前に頑張った甲斐ありだよ。報酬も充分に出してるからな」
部長「始めたら何かしらデカいトラブルも起こると思ってたけど、今の所は割と上手くやれてる」
歩夢「このペースなら、来週の全体新曲も出来そう?」
部長「おかげさまで何とか。本当に有難い限りだよ」
部長「皆の力あって、こうして2年目も順調に出来てる」
歩夢「感謝しないとね」
部長「いつもしてるよ。勿論、歩夢達にも」
歩夢「どーいたしましてー♪」
歩夢「ふふ……」
制作部A「爆発しろ」ボソッ
制作部B「おいやめろって……」ヒソヒソ
.
120
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:43:11 ID:Ad0Bd5LM
璃奈「…………」Zzz
歩夢「さ、そろそろ時間だし、璃奈ちゃん起こさないとね」
歩夢「にしても、そっちは璃奈ちゃんいて気が散ったりしないの?」
部長「いや……作業効率が落ちてるとかは無い」
部長「寧ろ逆だよ。皆、女の子が居るってんで余計に気合い入ってる。寝息は聞こえるけど、別にうるさい訳でもないしね」
歩夢「な、なるほど」
歩夢「…………」
歩夢「ねーねー」
部長「?」
歩夢「わたしがいたらさ……もっとモチベーション上がる?」
部長「上がるんじゃないの? 皆、良くも悪くも素直だから」
歩夢「……」
部長「……」
部長「な、なに」
歩夢「いや……あなたは?」
部長「俺……? いや俺は……」
部長「……ノーコメント」
歩夢「は?」👹
部長「ブチ上がるに決まってんじゃーん」😅
歩夢「ふふん」
制作部C(爆発しろ)
制作部D(爆発しろ)
制作部E(爆発しろ)
璃奈 (バルス)
.
121
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:44:00 ID:Ad0Bd5LM
───兄2人と姉1人もいます
かすみ「そういやアンタ、そろそろ誕生日だよね?」
弟 「んあ? あーそうだっけ」
かすみ「そうだっけって……記念すべき小6の誕生日でしょ。そろそろ大人の仲間入りだぞ?」
弟 「いつもと変わらねーだろ別に。どうせ夕飯が気持ち豪華になるだけだし……」
かすみ「んっふー、そんなこと言って良いのかなー? 折角だから、お姉ちゃんプレゼント用意してあげなくもないけど」
弟 「え、マジで? ……いやでも、どうせ自作のパン寄越してくるオチ……」
かすみ「いやいやあ、1万円までなら金掛けてあげなくもないよ? 12歳は結構な節目なんだから」
弟 「……いや、別に金は掛けてくれなくてもいいし。気持ちだけで」
かすみ「おお? ほーん、子どものくせに生意気なことを……」
弟 「うるせえっ。姉ちゃんだって子どもだろ!」
かすみ「あははっ♪」
.
122
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:44:33 ID:Ad0Bd5LM
かすみ「じゃ何が欲しいの。まさか要らない訳ないよね?」
弟 「そりゃまあ貰えるなら……。欲しい物もあるっちゃある、けど」
かすみ「言ってみ、ホラホラ♪ お姉ちゃんに出来るなら何だって良いよ?」
弟 (…………)
弟 「じゃあ……貰ってきて」
かすみ「ん?」
弟 「だ、だから……サインが欲しい。姉ちゃんトコの人の」
かすみ「わたしのトコ……あ、同好会の人の!?」
弟 「声デケーって!」
かすみ「へえ、へええー。まさかアンタがね」😁
弟 「なんだよ……そういうの駄目なのか?」
かすみ「あ、いや別に構わないけど。……うん、規約的にはセーフだね」
かすみ(寧ろ素直に嬉しいし。でもまさかコイツがね……ませてるなあ)
かすみ「……それで誰のサイン? え、もしかして全員分くれとか」
弟 「そんなに欲張るつもりねーよ流石に。……その」
かすみ「ん?」
弟 「みやし」
かすみ「待って」
弟 「…………」
.
123
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:44:56 ID:Ad0Bd5LM
かすみ「ごめん待って、ちょ待って」
弟 「な、何だよ……」
かすみ「いま誰の名前を言おうとした? みやし?」
弟 「うう……」
かすみ「って来たら1人しか居ないよね? まさか愛先輩なの?」
弟 「……そ、そうだよっ! おれ宮下愛ファンなんだよ悪いかよ!」
かすみ(えぇぇエぇ絵ぇェぇェえエ江ぇエぇ得ェえエぇ絵エ江ぇエぇえーっっ)
弟 「分かってんだよ! 高望みやめろとか言うんだろッ! でも仕方ねーよ、ファンなもんはファンなんだから!」
かすみ(なんということでしょう)
弟 「何で頭抱えてんだよッ」
かすみ「いやあの、あのね? ちょっと厳しいこと言うんだけども」
弟 「どうせオレに宮下愛は勿体無いから乗り換えろとか」
かすみ「いやちがっ! そうでなくてね!」
かすみ「単に……その、理想くらい高く持った方がいいよって言おうと思って……みたいな」
弟 「……わけわかんねーんだけど」
かすみ(ぬぐうううぅ!)
.
124
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:45:22 ID:Ad0Bd5LM
↓↓ここから中須の思考概略↓↓
わかってる……誰のファンになろうが当人の自由って事くらい……そんなの百も承知
でも駄目なの! 姉として複雑過ぎるの! よりによって愛先輩が“推し”だなんて!
あの人はファンに見せてる姿と普段の姿じゃ、日本刀と丸めた新聞紙くらい差があるんだよ!
仮の話、愛先輩にサインを頼んだら……あの予測不可能者の事だもん、“特別に会ったげるよー♪”とか言い出す可能性も!
もしそうなったら、12歳の少年をアレに直面させるのは酷過ぎる! かすみん上手く捌き切る自信無い!
もしかしたら奇跡的に空気読んで、カッコいいままの愛先輩でいてくれるかもしれないけど……
ぶっちゃけ! 愛先輩が愛先輩でいる以上! どう転んでも不安は消えない(辛辣)! 弟の夢は姉が守る!
↑↑思考概略以上(この間4秒)↑↑
.
125
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:45:47 ID:Ad0Bd5LM
弟 「……なあなあ、もしかして姉ちゃんも宮下愛のファ」
かすみ「冗談でもやめてくんない?」
弟 「ん?」
かすみ「何でもない」
弟 「……え、いま何か」
かすみ「わたしの事はいいの! それよりサインだよサイン!」
弟 「姉ちゃんに出来るなら何でも良いんだろ? 宮下愛にサイン頼んできてよ」
かすみ「そ、それだけは」
弟 「何なんだヨさっきから!」ガーッ!
かすみ「あはは……」
かすみ「あー、じゃ2番目! 2番目にファンの人にしよっか! ね!? 悪いことは言わないから!」
弟 「ふざけんなー! ……なあ、何でそんな必死なんだよ。姉ちゃん変だぜ、何かキモいんだけど……」
かすみ「い、いいから! 愛先輩は……えーと、そう! 厄介なファンが多くて!」
弟 「厄介な……?」
かすみ「そ、そう! 最早ストーカー紛いの! だから本人もウンザリしてて!」
かすみ「特に最近はサインとかそういうの、あまり乗り気じゃなくなってるっていうか……」
かすみ「ほらその、書いてはくれるだろーけどね? 同じメンバーとして、サイン頼むのも気を使っちゃうというか、そのー……」
かすみ「えへっ」
126
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:46:10 ID:Ad0Bd5LM
弟 「───」
弟 「……姉ちゃん」
かすみ「は、はい?」
弟 「嘘が下手すぎる」👉💥
かすみ「をえ゙」😨
弟 「誤魔化すのも下手すぎる」👉💥
かすみ「うぐぅ……」😵
弟 「ついでにパン以外の料理も下手過ぎる」
かすみ「関係ないわそれは!」
弟 「俺にそんなの通じねーぞ。何で嘘つくんだよ、コソコソなに企んでんだ?」
かすみ「た、企みなんてそんな」
弟 「あるんだろ?」
かすみ「ぐぬ……」
弟 「やっぱね。分かりやすい姉で助かるわー」
かすみ「うぎぎ……」😡
かすみ「う、うるさーい! 子どもの癖に口答えすんなっ!! とにかく愛先輩はナシ!」
弟 「…………」😒
かすみ「な、何だよその目はっ」
弟 「別にぃ? また出たと思って。姉ちゃん負けそうになると、いつも勢いでゴリ押ししてくる」
弟 「悪い癖だよ」
かすみ「う、うるさ───」
弟 「そんなんだから、彼氏とも2ヶ月で駄目に」
かすみ「言ってはならんコト言ったな貴様!!」
.
127
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:46:45 ID:Ad0Bd5LM
かすみ「とに」
弟 「また“とにかく”だろ」
かすみ「とにかく!!」
弟 「うわ突破してきたよこいつ。そういうとこ逆に尊敬するわ」
かすみ「と、に、か、く! 愛先輩はナシ! これには深い理由があるんだから!」
かすみ「小6なら聞き分けなさい!」
弟 「何だよ小6ならって……押し切ろうたってそうは……」
かすみ「うるしゃーい! とにかく愛先輩は駄目なのッ!」
弟 (やっぱファンなんだろ姉ちゃん……)
かすみ「そういう訳だから2番目の推し! さあ言ってみ、誰なん!?」
弟 「うっ……」
かすみ「誰!? それなら良いから! サインでも手形でも貰ってきてあげる! さあ!」ズイッ
弟 「に、2番目って……そ、それは……」
かすみ「誰!?」ズズイッ
弟 「近いんだけど」
かすみ「言わないとこのままチューね」
弟 「やめろって。……あーえっと、その……」
弟 「…………」
かすみ「?」
弟 「……」
弟 「ぜってー言わね」ムスッ
かすみ「へ」
弟 「姉ちゃんにだけは言わねえから絶対」
かすみ「な、なーんでよぉー」
弟 「う……あーもうるせっ! こうなったら何が何でも宮下愛のサイン貰ってきてもらうからなッ!」
かすみ「えええー……チューするけど良いの?」
弟 「死ねっ」👊ブンッ
かすみ「甘い! 喰らえいっ!」💗ムッチュ
弟 「ギャーッ!?」
.
128
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:47:08 ID:Ad0Bd5LM
───で
愛 「え、誕プレにサイン? ふーん、かすみ弟さんいたの」
かすみ「はい……えへへ」
かすみ(普通に終われ普通に終われ普通に終われ普通に終われ普通に終われ普通に)
愛 「良いね姉弟愛! 任しといて、サインくらい何枚でもあげる!」
かすみ(ヨシ!)👈😼
愛 「んじゃ、オマケで今度、特別に会ってあげ」
かすみ「Notヨシ!!!」👈💀
愛 「え、なに!?」ビクッ
.
129
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:47:46 ID:Ad0Bd5LM
───ここで感染しました
-スクールアイドル同好会 部室-
歩夢「あれ、日誌ここで書いてるの?」
愛 「お、歩夢おつかれー」
歩夢「お疲れさま」
愛 「そーなんだよね。今日アタシ日直だったから……」
愛 「相方の人に、文章苦手だからって押し付けられちゃってさー」
愛 「アタシだって手書き文はド苦手だってのにもー……」
歩夢「でも、ソコで断れないのが愛ちゃんの良い所だよね」
愛 「はっは、まーね。愛さん見た目通り優しいから」
歩夢「そういうとこだよ愛ちゃん」
愛 「え」
歩夢「でも……相変わらず綺麗な字だよね、本当に」
愛 「え……あ、ああ、まあね。数少ないアタシの自慢出来そうなとこだからねー」
愛 (気のせい気のせい……そうに決まってる)
.
130
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:48:09 ID:Ad0Bd5LM
歩夢「ところで、それとは関係無いんだけど」
愛 「うん」
歩夢「重くないの? 背中のそれ」
彼方「スヤァ…………」
愛 「うん、やっとツッコんでくれたね。待ってたよ」
歩夢「物凄い体勢なんだけど……どうなってるの」
愛 「だよね。よく座ってる人間に寄り掛かって寝られるよね」
愛 「何か“あったかいんだからぁ〜♪”とか言ってのし掛かってきて、面倒だからそのままにしてたんだけど……」
愛 「気付いたら背中から寝息が聞こえ始めてさ。仮にも先輩を弾き落とすのもマズいし」
歩夢「あはは……訳分かんない」
歩夢「それで、どうするのそれ。生徒会行って遥ちゃん呼んでくる?」
愛 「いや、遥よりエマっち呼んできて……」
愛 「あの人ならメンバーでは一番苦無く持ち上げられるから。これ」
彼方「😪」←これ
.
131
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:48:30 ID:Ad0Bd5LM
歩夢「は、はあ……じゃあ、急いで呼んでくるね」
愛 「頼むわ。ホント動けないからマジで」
歩夢「も、もう少し頑張ってね」タタタタ…
愛 「よろしーくー」
愛 「…………」
愛 「ふぃー……疲れるわぁ」
愛 (これ剥がしたら、レッドブル1杯やりにいこ)
彼方「トリニク……キュウリ……Zzz」
愛 「…………」
璃奈「…………」
愛 「あのね」
璃奈「…………」
愛 「いまアタシ迂闊に動けないからアレだけど、本気で心臓止まるかと思ったからね」
愛 「急に璃奈が居て」
璃奈「…………」
愛 「璃奈? ちょっと?」
璃奈「…………」
愛 「り、りなりー?」
璃奈「それやめてって言ったでしょ」
愛 「すんません」
.
132
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:48:54 ID:Ad0Bd5LM
璃奈「…………」チラリ
愛さん鞄「くっ」
璃奈「…………」スタスタ
璃奈「……愛先輩って確か、さ」ガサゴソ
愛 「ち、ちょっと璃奈!?」
璃奈「普段からさ、スマホのロック掛けない派、だったよね?」つ愛スマホ
愛 「───!?!??」
愛 「や、やめて!! 早まんないで!! それだけはやめ」
彼方「…ウルヒャイ」ベチッ
愛 「あでっ」
璃奈「これと……これと……これも」ポチポチ
愛 「あ」
愛 「あ、ああああああぁ……あああ、あああ!」
璃奈「何かデッドプールの画像が大量に……あ」
璃奈「これ……いつ撮ったの。私の寝顔」
愛 「や、やめてそれだけはぁ……」
璃奈「はい削除ォ」ポチポチ
愛 「いやあああぁ……!」
愛 「やめてぇえええおねがいぃ……!」
彼方「ふぁ……?」
.
133
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:49:22 ID:Ad0Bd5LM
璃奈「これは……まあいっか」ポチポチ
璃奈「これは駄目だね」ポチポチ
愛 「あ、あ、ああ……アタシの思い出が……」
璃奈「やかましい」
璃奈「これは駄目……これは、まあよし」ポチポチ
璃奈「……ッッ!? さ、削除ッッ」ポチッッ!
璃奈「先輩……後で話あるから」ギロッ
愛 「ああああああああああああ!」
愛 「ああああああああああああ!!」
……………………
……………………
歩夢「…………」
エマ「え、ええと……何カナ、これ」
歩夢「…………はぁ」
歩夢「自業自得だよ。愛ちゃんのオバカ」
愛 「ふ、ふたりとも璃奈を止めてぇ……」
歩夢「いやです。少し頭を冷やしなさい」
歩夢「さっ行きましょ、わざわざ呼び出してすみません。お詫びに後で美味しい物ご馳走しますね」
エマ「あ、ありがと……デモ良いの? 愛ちゃん泣いテルよ……?」
歩夢「いいんですよ。寧ろ良い薬ですから」
彼方(つい起きちゃったけど……ちょっと寝たふりしてよ)ノシカカリ
愛 「いいいいぃ↓やああああぁ!!↑(裏声)」
.
134
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:51:45 ID:TOzGW9Ic
───1人に渡すことで頭がいっぱいでした
愛 「メリーバレンタイーン☆」
歩夢「ハッピーバレンタインね」
愛 「それだと略したらハピバじゃん。ややこしいじゃん豆板醤」
歩夢「略さなきゃいいじゃんジャンバルジャン。……で、そのパンパンの紙袋なに?」
愛 「これ? ふっふ、お待ちかねのブツだぜ相棒」ガサッ
歩夢「相棒じゃなくて友達」
愛 「同じ同じ。はいチョコ、歩夢の分ね。メッセージカード入ってるよ」🍫
歩夢「やっぱりチョコなんだ。ありがと……にしても毎年よくやるね、愛ちゃんも」
愛 「何言ってんのー。イベントは楽しむためにあるんだぜ、知らんの?」
歩夢「まあ、そうだけどね」
歩夢「……え、ていうかそれ……紙袋の中、全部チョコなの? 多くない?」
愛 「そう、全部チョコ」
愛 「あ、でも殆ど普通のガーナね。クラスの男子にあげるやつ」
歩夢「……パリピ(死語)だね愛ちゃん」
愛 「ノンノン、愛さんパリピ(死語)じゃないよ。単に買い出し役になっただけ」
歩夢「?」
.
135
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:52:28 ID:TOzGW9Ic
愛 「実はアタシのクラスね……明日、女子だけ早く行って、男子にサプライズする事になってさ」
歩夢「サプライズ……? あーもしかして、ホワイトボードに絵とか描いたりする感じの」
愛 「大」😊
愛 「正」😄
愛 「解」😉
愛 「日頃クラスを面白くしてくれる感謝の気持ちを込めてね」
歩夢「ふーん……」
歩夢「誰が発案者?」
愛 「宮下愛っていう子」
歩夢「パリピ(死語)じゃん」
愛 「パリピ(死語)ちゃうよー」
歩夢「あっはははは」
愛 「あっはははは」
愛 「じゃあ、はい」✋
歩夢「…………」
愛 「…………」✋
.
136
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:52:52 ID:TOzGW9Ic
歩夢「何この手」
愛 「……え? いや、チョコは?」✋
歩夢「…………」
愛 「歩夢から愛さんへのチョコは?」✋
愛 「……永遠の友情を誓うチョコは?」✋
歩夢「…………」
愛 「……」✋
歩夢「……」
愛 「おい」👊
歩夢「ごめんド忘れ!」ダッ
愛 「オラッ! 逃がすかっ!」ダッ
歩夢「明日! 明日に渡すから!」
愛 「許さん!」
.
137
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:53:21 ID:TOzGW9Ic
───同好会に入ってからは、特に
果林(155cm)「ちょっと近江さん! こんな所で何してるの!」
彼方「んー……Zzz」
果林「ほら起きなさい! 早く!」ユサユサ
彼方「んがっ……んーなんね……誰アンタ……」
果林「授業もう始まってるって言ってるでしょ! さっき2限目終わったんだけど!?」
彼方「え……」
彼方「ふぁっ!? うっそ!?」ガバッ
果林「やっと起きた……」
彼方「ちょ、あーえっと……」
果林「委員長の朝香果林。もう4月も終わるんだから、いい加減に覚えて」
彼方「お、おう朝香ちゃんね。……ところでいま西暦何時?」←寝惚け
果林「……」👉
彼方「……」( 👀)
時計「10:53」
彼方「……おうマジか」
彼方「あああぅおおおしまっっっっっったあああああぁぁぁ……」😱
果林「まったく。学校の中庭で寝過ごす人なんて見たことないんだけど」
果林「たまたま私が見つけたから良かったけど、そうじゃなかったら大変な事になってたわ」
.
138
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:53:44 ID:TOzGW9Ic
彼方「ち、ちげーんだって! ほら、かな……わたし上京して日が浅いからワクワクしてさー」
果林「アンタも上京組だったの」
彼方「鹿児島からねー」
彼方「んで今夜、住んでる学生アパートがね、何か歓迎会みたいなの開いてくれるってんでワクワクしてたら、今朝かなり早く起きちゃったんだよ」
果林「なるほど、あるあるね。良い所じゃないそのアパート。……それで?」
彼方「やる事も無いし調子に乗って始発で来たら、校門は通れたんだけど、当然まだ校舎は開いてなくて……」
彼方「仕方ねーから中庭のベンチで待ってたら……はい」
果林「寝落ちた、と」
果林「そういうこと?」
彼方「しょうゆこと!」
果林「そう……(無関心)」
彼方「そーなんすよ!」
果林「よく分かった」
果林「じゃ、それカンカンに怒ってる先生の前で言ってくれば」スタスタ
彼方「ぬおおおおお!」ガッシ!
果林「ぎゃああああ!? 何すんのよっ!?」
.
139
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:54:34 ID:TOzGW9Ic
果林「ちょ、この、やめろ変態! 変なとこ掴むな見えちゃうでしょ!」
彼方「どうか御勘弁をォォ」
果林「私が勘弁して何になるってのよ! 自業自得でしょ諦めなさい!」
果林「こういうのは素直に頭を下げておくのが一番なの。ほら放して」
彼方「特待生としてあかんのや心証とか色んな意味で……」
果林「特待生も六芒星もあるか。素直に怒られなさい間抜け」
果林「…………」
果林「特待生ってなに?」
彼方「? あれ、言ってなかったっけ」
彼方「わたし、まあLD科の主席入学者で、簡単に言えば特待生なんだ」
果林「……」
彼方「だから拙いんだよう、こんなポカやらかしたら、立場ある者として……」
果林「……」
彼方「……どしたん?」
果林「なンでもなイ」←補欠合格者
彼方「???」
果林「早ク行くワよ」ズルズル
彼方「ぐええ」ズルズル
彼方「にゅおおおおお許してええええズルズル
.
140
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 04:54:59 ID:TOzGW9Ic
……………………
……………………
果林「彼方ァ!」
彼方「ふぁっ」
果林「いつまで寝てんの起きなさい!」👊💥ボカッ
彼方「あ痛ァ!?」
彼方「んがっ……? おう果林ちゃん」
果林(167cm)「おう、じゃないわよ。もう授業始まるわよ」
彼方「…………」
彼方「やっぱロリ巨乳よか、こっちの果林ちゃんだね」
果林「は?」
彼方「何でもなーい。懐かしい夢を見てたのさ」
果林「……?」
彼方「なあ果林ちゃん」
果林「なによ」
彼方「期末、順位どうだった?」
果林「なに急に……アンタ何か気持ち悪いわよ」
果林「LD科で12位だったけど」
彼方「そっか……」
彼方「えらいねぇ」ナデナデ
果林「ちょ、何なのよ! 馬鹿にすんじゃないわよ万年首位のくせに!」バシッ
彼方「…………」
彼方「ははっ、時間が経つのは早いなーと思ってさ……」ゴロリ
果林「???? ……アンタ風邪でも引いたの?」
果林「って何また寝ようとしてんのよ。起きなさい、ちょっと」
彼方「おやすみー」
果林「ちょっと!」
.
141
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/30(月) 21:48:12 ID:WwtcYLN6
部長は爆発するべき
142
:
名無しさん@転載は禁止
:2021/08/31(火) 09:04:24 ID:lY1Kxrz2
クライシス好きなのか
143
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:39:38 ID:BaB6SNrc
>>142
今でもやる程度には
144
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:39:54 ID:BaB6SNrc
-給湯室-
歩夢「あれ、栞子ちゃんだ」
栞子「ん……ああ、上原先輩ですか。御無沙汰してます」
栞子「前に巣鴨で会って以来ですね」
歩夢「だね。美味しかったよ、美舟庵の塩豆大福」
栞子「あはは……ありがとうございます」
歩夢「お茶いれてるの? 随分、沢山あるね……」
栞子「これから生徒会で会議がありますので、全員の分を用意してるんです。先輩もですか?」
歩夢「うん。でもわたしは1人分だけ。お疲れみたいだったからね」
栞子「?」
歩夢「あ、ううん。こっちの話なの」
栞子「? ……はあ、そうですか?」
……………………
……………………
栞子「それで、今日は練習は無いんですか? 制服のままですけど」
歩夢「うん、今日は無いの。部員の半分以上、何となく部室に集まってるけどね」
歩夢「昨日やっと新作の撮影が終わったんだ。暫く制作部の皆が忙しくなるから、本格的な練習再開は、ちょっと先かも」
栞子「いろいろあるんですね」
栞子「あー……そういえば、見ましたよ。この前のMV」
歩夢「えっ!」
.
145
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:40:49 ID:BaB6SNrc
歩夢「うそっ!? 栞子ちゃんも見てくれてるの!?」
栞子「……そんな驚きます?」
歩夢「あ、いや……何かイメージというか、あまりアイドルとか見向きしなさそうだなーって」
栞子「……」
歩夢「ご、ごめんなさい」
栞子「いえ……」
歩夢「ち、ちなみに誰推し? やっぱり果林先輩とか?」
栞子「推し……とかは特に。単に、あんな凄い映像が撮れたり、皆さんあんなに踊れて凄いな、とか思うだけで」
歩夢「愛ちゃんは?」
栞子「愛さんは昔から知ってますもん。今更そんな特別に入れ込む事なんて無いですよ」
歩夢「え……そ、そうなんだ(笑)」
歩夢(案外、乾いてる所あるよねー栞子ちゃんって)
栞子「あ、でも」
歩夢「?」
栞子「……そうですね。近江先輩は、ちょっと気になるかもしれません」
歩夢「え、彼方先輩?」
栞子「はい」
歩夢「へー意外。え、どの辺りが?」
栞子「まあ……毎日のように特待生がどうの自慢されるので、嫌でも気になるというか」
歩夢「ん?」
.
146
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:41:23 ID:BaB6SNrc
───桜坂家の日常
姉 「しずく……最近ちょっと思うんだけどね」
しずく「なに?」←米研ぎ中
姉 「あなた……その、この頃メイクが派手になったんじゃないの?」
姉 「っていう話、なんだけど……」
しずく「メイク?」ジャッコジャッコ
しずく「ああ、これは……」ジャー
姉 「もしかして彼氏でも出来た?」
兄 「なに! 遂に来たか!!(歓喜)」ガタッ
しずく「ぶっ!? ち、違うよっ!!」バッシャ
しずく「あっ」
.
147
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:41:47 ID:BaB6SNrc
───桜坂家の日常2
兄 「おはよう、しずくは出たの?」
姉 「おはよう兄さん。つい今しがた出ましたよ」
兄 「そうか……相変わらず健康優良児だね」
姉 「そうですね。たまに本当に私達の妹なのか疑っちゃいます」
兄 「不穏なこと言わないでよ……」
姉 「ふふふっ」
兄 「……でも、あれだね。君の事を思ってだとは分かってるけど……いい加減、寮に入るのを納得させたい」
姉 「そうなんですよねぇ……私もそれとなく言ったんですけど、“嫌です”の一点張りでしたよ……」
姉 「私の身体の事は気にしなくて良いのに。毎日、鎌倉から東京まで大変そうですよ」
兄 「優しすぎるんだよ、しずくは。誰に似たのかな」
姉 「兄さんですよ、きっと」
兄 「いや、君だよ」
姉 「兄さんです」
兄 「君だ」
姉 「兄さん」
兄 「君」
姉 「兄さ」
母親「イチャついてないで早く支度なさい!!」
.
148
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:42:15 ID:BaB6SNrc
───桜坂家の日常3
姉 「すくーる……あいどる?」
しずく「そうなの! 面白そうだったから、思い切って受けちゃった!」
兄 「スクールアイドルって……字面的に何となくアレだけど、具体的に何をするの?」
しずく「えーっと、部活動でアイドルグループ作って、配信とかライブもやって、それでそれで───」
しずく「そうだ! 配信されてる動画もあるの! 見てみる?」
兄 「へえ……」
姉 「どれどれ?」
……………………
……………………
兄 「あー何か、これ見たことある? かも……」
姉 「え、本当?」
兄 「去年の終わりくらい、かな。朝の情報番組の……何だろ? そういう特集に出てたような気がする」
兄 「よく見てなくて気付かなかったけど、あれ虹ヶ咲だったんだねぇ」
しずく「うん、テレビで特集された事もあるって言ってたよ」
姉 「え、凄いじゃない! そんな所からスカウトされちゃったの!」
兄 「はは、まあ何にしても凄い偶然だね」
しずく「そうなの! もうビックリしちゃって!」
しずく「まだ詳しくは教えてもらってないんだけど、部長さんて人が何か凄いみたい」
.
149
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:42:38 ID:BaB6SNrc
兄 「まあ最終的に判断するのは父さんだけど、僕らから特に言っておく事は無いね」
兄 「しずくが、そのスクールアイドルをやりたいなら、それでいい」
しずく「!」
姉 「そうね。しずくが楽しいのが一番よ」
しずく「ありがとう! わたし頑張るね!」
兄 「はは……あーところで、演劇部の方はどうするの?」
しずく「え?」
姉 「あ、そういえばそうだった」
姉 「しずく確か、最初は演劇部に入るつもりだったんでしょ?」
しずく「あ、えと」
姉 「確か、入学式の日に仮入部届は提出しちゃったのよね?」
.
150
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:44:32 ID:V8LrQ.qs
兄 「もう辞退する事は伝えたのかな?」
しずく「……」
兄 「しずく?」
姉 「?」
しずく「……」ダラダラ
兄 「───」
兄 「まさか、兼部する気でいた?」
姉 「え」
しずく「ひょ」ギク
姉 「……そうなの?」
しずく「あ、その」
兄 「……」
しずく「ええと」
しずく「……」
しずく「だめぇ?」
兄 「絶対に駄目だ」
しずく「あうあ」😵
姉 「そうよ。いくらあなたでも限度があります」
しずく「うぅ……」😢
.
151
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:51:46 ID:AER//btY
まさかの続き来た
読んでる
152
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/22(土) 23:54:18 ID:V8LrQ.qs
>>151
ありがとう
丁度この先で詰まってるけど結末は出来てるから頑張るよ
153
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/01/23(日) 01:02:03 ID:jaR2.EEY
待ってるよ
154
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:11:17 ID:4JLCejPU
───え待って超イケメンなんだけど私!
璃奈「先輩……何の写真を見てるの?」
愛 「おう璃奈か」
璃奈「まさか、また変な写真……」
愛 「ち、違う違う」
愛 「これね、この前、菜々達と池袋でコスイベに参加してさ」
璃奈「コスイベ……? コスプレしたの?」
愛 「そう! その時の写真を見てたんだよ。これ菜々。どこから見ても別人にしか見えないよ、ほら」
璃奈「……! 綾華だ」
愛 「アヤカ……? あーそうか。このキャラ、アヤカっていうんだ」
璃奈「え」
愛 「コスプレって奥が深いんだよー、ただ服着て終わりじゃないの。原作のシチュエーション再現してみたり、他の人達と合わせてみたりとか」
愛 「アタシこんなの初めてだったけど、本当に別人になったみたいで、イベント中ずっとキャラに寄せて関西弁で話してたんだ。似非だけど。いやー楽しかった」
愛 「ちなみに衣装を作ったのは、ウチの衣装担当の知り合いの人だよ。アタシは、こっちのミニ浴衣の子ね。衣装以外あんまり普段と変わんない感じで笑っちゃったよね」
璃奈「…………」
璃奈「……ねえ先輩、自分がコスプレしたキャラの名前、憶えてる?」
愛 「え? あー……ちょっと憶えてないなあ。確か宮本がどーとか」
璃奈「宵宮」
愛 「え?」ビクッ
璃奈「宵宮(威圧)」
愛 「り」
璃奈「 よ い み や 」
愛 「……よいみや」
璃奈「覚えて、今すぐ」
愛 「は、はい……お、覚えます……?」
璃奈「よし」
愛 「り、璃奈さん……?」ビクビク
.
155
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:11:48 ID:4JLCejPU
璃奈「……ところで、こっちのトーマと綾人は誰?」
愛 「え、どれ?」
璃奈「👈 ト ー マ 、 あ や と 👉」
愛 「わ、分かった分かった覚えるよ」😓
璃奈「よし」
愛 「はは……え、この肩組んでる2人の事?」
璃奈「そう。イベントで一緒になった人?」
愛 「……ふふふふ」ニヤーッ
璃奈「な、なに」
愛 「ふふん。これね、璃奈もよーく知ってる人なんだ実は」
璃奈「え?」
愛 「凄いでしょ、部長と果林先輩だよ」
璃奈「……」
璃奈「……????」
.
156
:
参考画像
:2022/05/03(火) 03:13:15 ID:4JLCejPU
https://i.imgur.com/il2QeAw.jpg
左から宵宮、綾華、トーマ、綾人
157
:
参考画像
:2022/05/03(火) 03:14:34 ID:4JLCejPU
───そうやって人は輪を広げる
菜々(あー……最近は特に忙しいなぁ……ちょっと疲れちゃった)
菜々(確か近くに自販機があるし、何か買って飲もっと)
……………………
……………………
菜々「さてさて鶴瓶さんの麦茶……。……え」
菜々(えー、売り切れてる。マジ最悪なんだけど)←素
菜々(まあ仕方ないか。別のにして……)
菜々(あれ……これ、よく璃奈さんが飲んでるのだよね)
菜々(モンスターエナジー……あー、これ爪跡のマークだったんだ。唐辛子の絵だと思ってた)
菜々(辛いのかな? 何かいっぱい種類あるけど、やっぱり色毎に味が違うんだよね?)
菜々(カラフルだな……)
菜々(どうしよう、お茶を買うつもりだったのに───気になっちゃう)チラチラ
菜々(ひえっ、200円もするんだ。何でこんな高いんだろう)
菜々(あ、こっちのは知ってる。愛さんが飲んでるレッドブルっていうやつ)
菜々(よく2人で並んで飲んでるとこ見るよなぁ)
菜々(缶を片手に……楽しそうに話しながら……)
菜々(…………)
菜々(よくよく思い返せば、愛さんが一方的にペラペラ話してるだけだ)
.
158
:
参考画像
:2022/05/03(火) 03:15:02 ID:4JLCejPU
でも正直な所、ちょっと……ああいうの良いなと以前から思っていた
2人で共通の趣味を楽しみながら、ああして何でもない雑談に興じる姿……
世辞にも同好会外の友人が多いと言えない自分には、一種の憧憬のような感情がある
菜々(あれは……そう、大人達がタバコ吸いながら談笑したり、酒を飲みながら難しい話を交わしている姿を見た時の気分に似てる)
菜々(自分がやったことない事、出来ない事を、他人が片手間でやってる姿、それが何かカッコいいような……羨ましいような気がして)
菜々(ちょっとだけ自分もやってみたい、でも少しだけ怖い気も───そんな感じの)
菜々(……でも、あれは所詮、清涼飲料水の一種。当然、成人してないと飲んじゃ駄目、という訳では全くない……)
菜々(それなら……)
菜々「…………」
菜々(いったれ)
……………………
……………………
菜々(ああ、つい買っちゃった……何か可愛かったから、ピンク色のやつ)
菜々(開ける)プシコン
菜々(開いちゃった……当たり前だけど)
菜々(ニオイは……フルーツ系? 普通のジュースみたいな感じ)クンクン
菜々(シュワシュワしてる……何か凄い色)
菜々(……)
菜々(一体さっきから何を怖がってるんだろう私は)
.
159
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:17:46 ID:Fz48WUAo
菜々(普通の飲み物じゃないか。別に飲んだら身体が灰になって死ぬ訳でもない)
菜々(飲み物なんだから飲めば良い。簡単なことだ)
菜々(そう、簡単簡単)
菜々「はー……ふー……」←意味も無く深呼吸
菜々(……よし、いくぞっ)
菜々(いくぞー! ほんとにいくぞー!)←えいえいおーのポーズ
栞子(何あの人……)
菜々(せーの、そいやっ!)グイッ
ゴク……ゴク……
菜々「…………」ゴクン…
菜々「…………」シュワシュワ
菜々「───」
パキ…
菜々(うわ、思ったより甘かった。でも……うん、普通に美味しい)パキ…
菜々(何だ、案外)パキッ
菜々(……案……外……)パキパキッ
菜々(あ、やばっ)パキ
菜々「
https://i.imgur.com/5CTtgpb.jpg
」パキーン
.
160
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:18:43 ID:Fz48WUAo
果林「それでね、皆で秋葉原までカラコンとウィッグとか選びに───」
エマ「……」
果林「……どうしたのエマ?」
エマ「ほら、あれ」👉
果林「え? ……あら、1人増えてるじゃない」
果林「菜々もハマったんだ、あのケバい缶のやつ」
エマ「レッドブルと……えーと、サンスターだっけ?」
果林「モンスターね。寧ろ歯周病リスク高めるわよ」
エマ「ほえー」
果林「練習直後だってのに、あんな変な味なの飲んで、よく平気ね。しかも炭酸」
エマ「飲んだことあるの?」
果林「あるわよ。モンスターは無いけど、レッドブルは1回だけ試しでね」
果林「でも……ぶっちゃけ子ども用の飲み薬と変わらない味で、すぐ駄目になっちゃった」
エマ「へえー」
果林「エマは飲んだことないの? 確かレッドブルはヨーロッパ生まれじゃない」
エマ「うーん、ないなあ。そんな美味しくないみたいだし、ああいうのに頼るほど疲れる事なかったから」
果林「……そう考えると、あの3人は日常的に飲むくらい疲れてるってこと?」
エマ「分かんないけど……一応、部長サンに報告しておく?」
果林「な、何か急に不安になってきた。後で私から話しとくわ」
エマ「うん……」
.
161
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:19:15 ID:Fz48WUAo
果林「まあでも、何だかんだ良かったと思うわ」
エマ「なにがー?」
果林「ほら、ここの2年生って4人中3人が幼馴染じゃない?」
エマ「だね」
果林「それで菜々、最初の頃ちょっと疎外感みたいなの感じてたみたいで……あ、これ言わないでよ?」
エマ「ほえー」
果林「コスイベの時もだけど、色々と切掛け作って、最近は割と馴染めてるみたいだし、良かったなって」
エマ「……」
果林「エナドリでも何でも、そうやって菜々が、友達の輪を広げる入口を持てるのは良い事だと思うの」
エマ「そーなんだー」ニコニコ
果林「…………」
エマ「どーしたの?」ニコニコ
果林「ねえ……さっきからどうしたの。話ちゃんと聞いてる?」
エマ「聞いてるよぉ」ニコニコ
エマ「ただ、嬉しいなって思って。果林ちゃんが、そうやって人のこと考えてあげられる子なのが」
果林「……その節は大変お世話になりました」
エマ「ふふふー、どーいたしましてぇ」
.
162
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:19:40 ID:Fz48WUAo
エマ「……でも、何か不思議とカッコいい気もするよね。ああいうの」
果林「そう?」
エマ「うん。昔パパが、近所のおじさん達と、タバコ吸いながら世間話してたの思い出しちゃうんだぁ」
果林「そ、そんな渋そうな光景と一緒に考えていいものかしらね」😓
.
163
:
本編に歓迎はありません
:2022/05/03(火) 03:20:46 ID:Fz48WUAo
・歩夢:普通科特進(保健委員)
→味が予想の数倍濃くて駄目だったタイプ
・愛:普通科特進
→始めはイマイチだけど舌と喉が覚えちゃうタイプ
・菜々:普通科特進
→やめられない
・璃奈:情報処理科
→とまらない
・かすみ:普通科一般
→全く興味ないけど飲んだらハマるタイプ
・しずく:国際交流科(体育委員)
→半分くらい飲んだ所でリタイアし掛けるけど根性で飲みきるタイプ
・果林:LD科(風紀委員)
→子ども用の飲み薬と違いが分からないタイプ
・彼方:LD科(保健委員)
→死ぬまでコーラ派です(キリッ
・エマ:国際交流科(3ーB)
→得体の知れない物を口に入れたくないタイプ
・部長:芸術科B(音楽クラス)
→そもそも清涼飲料水に手が伸びないタイプ(緑茶が最近ブーム)
・遥:普通科一般(生徒会役員)
→期待しないで飲んだら割と好みの味でびっくり
・栞子:普通科特進(生徒会役員)
→シュワシュワ飲めない😝
.
164
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:21:50 ID:Fz48WUAo
───ちょっと過去作ネタ
歩夢「ねえねえ! 璃奈ちゃんさ、今度の土曜日、わたし達と出掛けない?」
璃奈「え……わたし?」
璃奈「土曜に、何かあるんですか?」
部長「俺の兄貴が久しぶりに個展やるんだよ。神山町のレンタルギャラリーで」
璃奈「個展? 神山町って……もしかして、うちの近所?」
部長「大分ね。場所はスクランブル交差点から……ええと、確か文化村通りに入って暫くの……」
歩夢「そう、コンビニの隣にある建物だね」
璃奈「本当に近所だった……」
.
165
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:22:15 ID:Fz48WUAo
璃奈「部長先輩のお兄さんって確か……」
歩夢「そう、マルチアーティストの五十嵐大樹さんね」
部長「周りからは新進気鋭とか言われてるけど、まあ俺からすりゃ飲んだくれの───」
歩夢「こらっ!」
部長「…………」
部長「えーと、やっぱ知ってる? 俺の兄貴のこと」
璃奈「うん。造形雑誌とかで……でも、何となく触れたらいけないかな、って思ってて」
部長「いいよいいよ別に。何か疾しい事があるでもないし」スマホポチポチ
部長「これね、ちょっと前に兄貴が関わった、ゲーム作品の背景コンセプトアート」👉📱
璃奈「! うわぁ……綺麗」
部長「たまに関わった作品に出した中で、お蔵入りになったのを急に見せびらかしてくるんだよ。暇な人だよな」
歩夢「暇な人とか言わない」
.
166
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:22:38 ID:Fz48WUAo
部長「でも、こういう世間的に貴重な絵とかも放出同然に出したりするから、きっと今回も個展外じゃ見られないのがあるよ」
璃奈「そうなんだ……」キラキラ
歩夢「かなり興味あるみたいだね!」
璃奈「うん……行ってみたいかも」
愛 (愛さんも興味あります!)📡⚡
歩夢「…………」
部長「…………」
璃奈「わたし、一緒に行ってもいい?」
歩夢「え……あ、うん勿論だよ! じゃあ一緒に行こうね!」
部長「よ、よし! じゃあ集合場所は駅前交番で、大体9時くらいに───」
愛 (愛さんも行きたいなー))📡⚡
.
167
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:23:36 ID:Fz48WUAo
部長「ただ、天王寺さんは一般入場扱いになるから、ちょっと手間取るかもしれないんだけど……」
璃奈「そのくらい大丈夫。有名アーティストの未公開作が見られるなら」
部長「そ、そっか。そう言われると何か嬉しい気もするな」
愛 (愛さんも行きたいなー!))📡⚡
璃奈「でも、2人はいいの? わたしが居ても」
歩夢「え、何が?」
璃奈「だって2人は……その」
璃奈「あの……お邪魔になっちゃう、みたいな」
歩夢「あ……」
部長「あー……」
愛 (あーいーさーんーもー))📡⚡
歩夢「い、いいのいいの大丈夫! その日はそういうのじゃないから!」アセアセ
部長「……その、気遣ってくれてありがとう」
部長「でも天王寺さんは気にしないでほしい。俺達2人で話し合って決めた事なんだ」
歩夢「そうだよ! そういうのは抜きにして、一緒に楽しもうね!」
璃奈「そ、そうなの?」
愛 (いーきーたーいーどーん))📡⚡
.
168
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:24:13 ID:Fz48WUAo
璃奈「……うん、じゃあ……行きたい」
歩夢「大歓迎だよ!」
愛 (あー! いー! さー! んー! もー!))📡⚡
部長「よし、じゃあ朝9時くらいに……まあハチ公像前でいいか。そこに集合で」
璃奈「うん、分かった」
愛 (つー! れー! てー! けー! にゃー!))📡⚡
歩夢「見終わった後で、部長がランチに連れてってくれるから、それも楽しみにしててね」
部長「!?」
歩夢「だよね?」
璃奈「そうなの?」
部長「お、おう。任せて」
愛 (───)👹
.
169
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:24:52 ID:Fz48WUAo
歩夢「じゃあ、そういう事だから、そろそろ練習に───」
愛 「ヘイ! 無視してんじゃねーぞ2人ともァ!」
璃奈「!?」ビクッ
歩夢「あーもー聞こえないフリしてたのに!」
部長「うるせえよお前、さっきから!」
璃奈「え……え? 何のこと?」
歩夢「さっきから愛ちゃんが一緒に行きたいってうるさいんだよお……」
璃奈「愛先輩ずっと音楽聴いてたけど……」
愛 「なんで無視すんだよ2人して! 愛さんも連れてけよう! 泣いちゃうぞコラ!」
歩夢「ちゃんと口に出さないから無視するんだよ! 子どもじゃないんだから横着やめなさい!」
璃奈「???????」
.
170
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:25:32 ID:Fz48WUAo
璃奈(深入りしない方が良いのかな)
愛 「じゃあ口に出して言うぜ、アタシのイケボを堪能しろ」
愛 「アタシも行きたい、連れて行ってください(イケボ)」
部長「いや、無理だよ」
愛 「絶望した(イケボ)」
愛 「何で!? ちゃんと口に出して言ったでしょ!?」
歩夢「それとこれとは話が別だよ」
愛 「意地悪か!」
歩夢「別に意地悪してる訳じゃなくて、単にチケットがもう……」
愛 「皆と一緒に楽しく休日を過ごしたい!」
歩夢「だから違うから。話を───」
愛 「あわよくばランチにたかりたい!」
部長「おい」
愛 「ねー璃奈? 愛さんも行って良いよね?」
璃奈「……わたしは、別に(どうでも)いいけど」
愛 「ほらー! やっぱ璃奈は分かってる! 愛さん参戦決定!」
部長「だから、駄目なんだよ! お前は連れて行けないんだ! だって」
愛 「仲間外れやめてくださーい!」
部長「いや、だから」
愛 「いーじゃーん! 皆と行きたいのー! 連れてって連れてってつーれーてーってー!」
部長「だーから! 連れていこうにも出来ないんだっつの!」
愛 「───」
愛 「へ?」
.
171
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:25:58 ID:Fz48WUAo
歩夢「理由も無いのに連れて行かないわけないでしょ。いい? 訳を話すよ?」
歩夢「お兄さんの個展かなり人気あるから、混雑避けのため前売チケット買わないと入場は出来ないの」
部長「一般入場チケットは、ここにある残り1枚しかないから、どっちにしろ無理なんだよ」
愛 「……マジ?」
部長「マジだよ。世間的には……まあ、兄貴の作品は結構レア物らしいからな」😖
愛 「じゃ、じゃあつまり……」
部長「手元にあるのは、兄貴から俺と歩夢に送られてきた、関係者用の個人優待チケット1枚ずつ」
部長「それとオマケで兄貴が一枠だけ確保した一般チケット1枚、これはもう天王寺さんに渡した」
愛 「……」
歩夢「もう一般チケットは、とっくの昔に完売してる」
歩夢「で、璃奈ちゃんが最後の1枚使うから、愛ちゃんは来れないよって事」
部長「そういう事。悪いなのび太」
愛 「ぬがっ」😨
.
172
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:26:30 ID:Fz48WUAo
璃奈「……残念だったね」
愛 「そ、そんなあああ……!」😭
部長「泣くほどかよ……」
歩夢「ね、別に意地悪してる訳じゃないの」
歩夢「代わりに今度、何か美味しいもの作ってあげるから」
愛 「……じゃあ、マリトッツォ食べたい」
部長「歩夢、付け上がるから放っておこう」
歩夢「だね、璃奈ちゃん行こ」
璃奈「はあ」
愛 「あー! ちょ待って待って!」
璃奈「……」
.
173
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:27:14 ID:Fz48WUAo
───欲を言えば自分も映りたかったらしい
Psycho:Got the bastard!
愛 「おっしゃああああ! 倒したあああぁぁぁ!!」💪
愛 「やったぞ少佐! 仇を取ったぞオォ!」
愛 「これで最後だ───」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ……
愛 「───と思ったんだけ、ど……違うの?」
愛 「えラスボス? ……うそラスボス?! 次が最後!?」
愛 「よ、よっしゃ! やっちゃるぜ! どこだ……? どこから来るんだ……?」
愛 「え、海……。……え、なにこの……? でか……え、こいつラスボス?!」
愛 「あ、まさか……そうだ、さっき海を泳いでたやつ!? デカ過ぎだろ!?」
Psycho:Whoa... shit! They brought out the big guns.
Psycho:Nomad, take out those cannons!
愛 「よ、よおし! これで最後だ!」
愛 「デカさがなんぼのもんじゃ! オラッ! 来いオラッ!」
愛 「こちとらっ……! ガウスライフルに……! ミニガンと……!」
愛 「おまけにミサイルランチャーもフル装備だっつの……!」カチカチカチカチカチカチカチカチ
愛 「うわっ! 何これ……こ、こいつもバリア持ちだとぅ?!」
愛 「ぎゃー! また冷凍光線! か、カッチカチやぞ……ちょ、動けな」カチカチカチカチ
愛 「あっあっあっ」カチカチカチカチ
───NOMAD IS DEAD
愛 「やだぁ!(CV:IKKO)」
→continue
.
174
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:27:37 ID:Fz48WUAo
愛 「リトライ!」
───NOMAD IS DEAD
愛 「悔しいですッ!」
→continue
.
175
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:28:11 ID:Fz48WUAo
愛 「撤退! クソ食らえ!」
───NOMAD IS DEAD
愛 「アタイ……許せへん……!」
→continue
.
176
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:28:33 ID:Fz48WUAo
愛 「崖っぷちが最高のチャンスなんだぜ!」😼キリッ
───NOMAD IS DEAD
愛 「諦めんなよオマエ!(自己暗示)」
→continue
177
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:29:13 ID:Fz48WUAo
愛 「ダヴァイ♥ ダヴァイ♥」
───NOMAD IS DEAD
愛 「ぶりゃーち!」😠
→continue
.
178
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:29:42 ID:Fz48WUAo
───NOMAD IS DEAD(n回目)
愛「……」
愛「💔」パリーン
愛「だーーーーーー」
愛「かーーーてーーーねーーーーーー!」←n回目
.
179
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:30:07 ID:Fz48WUAo
愛 「だー……くそぅ………………ル」
愛 「何だよアイツ……何度やっても冷凍光線でやられるし……」
愛 「あ゙ー……」
愛 「……」
愛 「……」
愛 (ゲームでクヨクヨしたって仕方ないか)コロッ
愛 (大丈夫! 何回もトライしてれば、その内すんなり行けるさ)
愛 (散歩してこよ。帰ってきたら勉強して、モチベ戻ったら再開しよう、そうしよう)
愛 「しゃっ!」ガバッ
.
180
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:30:56 ID:Fz48WUAo
愛 「おばーちゃーん! ちょっと出掛けてくるねー!」
<ハイよー
愛 「フライデー! 東京都、今日の天気と気温は? これから散歩するんだけど!」
アレクサ:アレクサです
アレクサ:現在、都内全域が概ね晴れ……現在地近辺の気温は、摂氏20度です
アレクサ:今日は、1日を通して過ごしやすく、外出日和となるでしょう
愛 「良いね!」
愛 「じゃあ駅前辺りまでブラブラ───」📱<キャプテンデェーップゥー♪
愛 「良い所で……あれ、璃奈だ」
***************
璃奈:先輩があまりに不憫なので、
撮った写真を何枚か送ります
璃奈:気に入ってくれるとうれしいです
璃奈:ちょっと待ってて
***************
愛 「り、璃奈ぁ……↑ 何て良い子なんだ君は……!」
ピロン♪
愛 「お、来た来た!」
愛 「どれどれ、どんな写真……が」ポチポチ
愛 「……」
・何かよく分からない象の抽象画みたいなの
・複数の男女が寄り添って空を見上げているラフ画
・何やら激レア物らしい、未来都市を描いた油絵
・その他なんか凄そうな作品数点の画像
***************
璃奈:撮影OKの物だけです
璃奈:ごめんなさい
***************
愛「り、璃奈ぁ……↓」
愛「ありがとうね……でも違う、そうじゃないんだ……いや嬉しい。嬉しいんだけどそうじゃないんよ……!」ポチポチ
.
181
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:32:04 ID:Fz48WUAo
***************
プリントして神棚に飾っとくね♥:愛
あと出来れば璃奈が楽しそうにし:愛
てる写真をいただけないかなーと
璃奈:いまレア物に囲まれてて良い気分
だから余計なこと言わないで
***************
愛「……」
愛「……」
愛「外出中止ィィィッ! 次こそブッ倒す!(現実逃避)」
愛「フライデー! エイリアンの戦艦を一撃で破壊する方法!」
アレクサ:一撃は無理です。まず砲台の破壊に集中しましょう
→to be continued
📱<Maximum Effort!
愛 「ん? ……え、あいつから?」
***************
五十嵐:感謝しろよ
五十嵐:*画像*
***************
愛 「こ、これは!」
愛 「……」
愛 「……今度ランチ奢ったるか……」➡☁
.
182
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 03:32:42 ID:Fz48WUAo
遅くてごめんね
183
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:07:40 ID:XsVqOjug
───家族の誰よりも大切な
エマ「あれー?」
彼方「どしたん」
エマ「なんかー……いまスマホの電源を入れたんだけど、開いた憶え無いアプリが開かれててぇ……」
彼方「は? 何のアプリよ」
エマ「インスタ……」
彼方「───ちょい、貸してみ」
エマ「え、はい……」
……………………
……………………
彼方「見た所、変な投稿があるでもなし……アカウントが弄られた形跡も……なし」
彼方「大丈夫っぽいね、うん。返すよ」
エマ「あ、ありがと」
彼方「でもエマっちよお……それヤバいかもしれないぜえ」
エマ「そお?」
彼方「そお、じゃねえぜ……」
.
184
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:08:08 ID:XsVqOjug
ガラッ
愛 「お疲れサンマでー……す?」
愛 「どしたん2人して深刻そうな顔して」
彼方「おう愛後輩」
エマ「愛ちゃんイエーイ」🙌
愛 「エマっちイエーイ」🙌
彼方「……」
エマ「……」チラッ
愛 「……」チラッ
彼方「やらんぞ彼方ちゃんは」
愛 「なんだよう」
.
185
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:08:40 ID:XsVqOjug
愛 「へえ、エマっちのスマホが?」
彼方「そうなんだよ、こいつ呑気そうな顔しよってからに」
エマ「えへっ」
彼方「何がウェヒヒだ」
エマ「そんな言い方してないよぉ……」
愛 「でも今日はインスタ開いた憶え全然ないんでしょ? 普通に怖いわな」
彼方「気のせいって可能性もあるかもしれない。でも心配するに越した事も無いじゃんか」
エマ「そうだけどぉ……何も無いみたいだし、気にしなくても良いかなぁ、って」
愛 「いやよかないっしょ……行き過ぎた寛容は身を滅ぼすよ」
彼方「それみろそれみろ」
エマ「むう」
彼方「今日、長くスマホ手放してる時間なかった?」
エマ「……あ」
エマ「そういえば……2限の後で移動教室あって、その間HR教室の机の中に入れっぱなしだった気も」
彼方「怪しいとしたら、間違いなくそこだねぇ」
愛 「深刻に考えた方が良いよエマっち。こういうの、何か起こった後じゃ取り返しつかないんだからね」
愛 「愛さん嫌だからね。折角こうして仲良くなった人が、こんな事で苦しむかもしれないなんて」
エマ「……うん」
愛 「あ、ごめん。キツい言い方になったけど、別に怒ってるんじゃないからね」
エマ「ううん、分かってるよぉ」
.
186
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:09:18 ID:XsVqOjug
彼方「てゆーかさエマっち、これつまり、スマホのロックが通り抜けられてるって事じゃね」
エマ「ロック?」
彼方「暗証番号なり掛けてるっしょ? それがどっかで知られてるって可能性も───」
エマ「掛けてないよ?」
彼方「……は?」
愛 「あ、アタシも」
彼方「何で!?」
彼方「いや愛後輩オメー、あんな偉そうに言っといてロック掛けてないんかい!?」
愛 「ウェヒヒ」
彼方「えへっ、て何だよ!」
愛 「言ってない言ってない」
愛 「いやあ、アタシ自分でも引くくらい四六時中スマホと一緒だから、出す度に解除するの面倒でさー」
エマ「わかる」
愛 「だよね!」
エマ「正直、今まで掛けなくて困った事なかったからー……」
彼方「……(絶句)」
.
187
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:10:06 ID:XsVqOjug
彼方「お2人さんよう……スマートフォンは個人情報の塊なんだぜ?」
彼方「しかも彼方ちゃん達こういう立場にいるんだよ。何が言いたいか分かるっしょ?」
エマ「うん。だから、わたしは今日からロック掛けるようにしようと思います」
愛 「アタシはパスしようと思います」
彼方「おーい」
愛 「いや、だって! スマホ使い始めて長いけど、ロック解除するの手間なんだもん!」
彼方「……はあぁ、もう好きにしなされ」😰
彼方「でも、そんなこと言ってオメー……いつか墓穴掘っても知らんぞ?」
愛 「大丈夫だってえ。アタシ以外と抜け目ないからね!」
彼方「どーだかね」
エマ「2人とも設定のやり方おしえてー」
彼方「はいはい……」
愛 「任せろ!」
彼方「……この後、変な電話とか掛かってきたら、すぐ部長さんに言えよ? マジで」
エマ「うん、分かったあ」ポワポワ
彼方「……本当に分かってんのかい君」
.
188
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:10:50 ID:XsVqOjug
愛 「ここをこうして……ほい、出来た」
エマ「おおー」
彼方「あとは好きな番号を設定するだけだね。やってみー」
エマ「分かった」
エマ「……」
彼方「……」
愛 「……エマっち?」
エマ「ごめん、何が良いんだろ、こういうのって」
彼方「ええ……そんなの、別に好きな数字入れれば?」
エマ「そ、そうなんだけど……わたし、こういうの忘れっぽくて」
.
189
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:11:35 ID:XsVqOjug
彼方「んーまあ、チョイ捻った方が良いのはあるけど、そんな難しくても忘れた時があれだからね」
エマ「彼方ちゃんのロック番号は何なの?」
彼方「いや教えねーよ(笑)」
エマ「あ、そっか」
愛 「ちなみにアタシはロック使ってた頃“531128”にしてた」
彼方「……その心は?」
愛 「松平健の誕生日! おばーちゃんが好きだから!」
彼方「あ、ああそう……」
エマ「まつけんさんば?」
愛 「おお! エマっち知ってんの?!」
彼方「後にせい! 今はロック番号!」
愛 「へーい」
.
190
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:12:06 ID:XsVqOjug
彼方「まーつっても、誰かの誕生日に設定するのは定番かもしれんね」
彼方「実際、彼方ちゃんのロック番号もそうだし」
愛 「あ、そうなんだ」
エマ「じゃあ、わたしも……うん、ガブリエルの誕生日にしよう」ポチポチ
愛 「誰よ」
エマ「同い年の弟」
彼方「まあ彼方ちゃんは、そこに一捻り加えてあるけどね」
エマ「一捻り?」
彼方「逆さまにしただけだよ。それだけでも防犯効果は飛躍的に上がるぜ」
エマ「おおー」
愛 「……ちなみに誰の誕生日?」
彼方「なあ、さっきから君ら彼方ちゃんのスマホ暴こうとしてね?」
エマ「そんなそんな」
愛 「まさかまさか」
彼方「ガキ共!」
.
191
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:33:45 ID:XsVqOjug
───意識の奥の奥底に眠る、きっと願望
-?????-
愛 「ただいまー!」
歩夢「……ほあ?」
愛 「ただいまー……あれ、どしたん歩夢、そんなとこでボッとして」
歩夢「ううん、なんれも……。わたし、髪こんらに明るくしたかなって」
愛 「えー?」
愛 「こないだアンタらが2人揃って染め直してきたんじゃん。これで3人お揃いだーって」
歩夢「ええ……そーらっけ?」
愛 「そうだよ! アイツなんかコッソリ耳まで開けてきて、普通そんなの忘れる?」
愛 「さては寝惚けてんな。それとも、まだ酔ってんの?」
.
192
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:34:31 ID:XsVqOjug
歩夢「……酔うってなあに? わらしィまら未成年らよ?」
愛 「やっぱり酔ってんのか……ほら、家事はアタシらでやるから。暫く寝てな」
歩夢「?? はれぇ、がっこおは?」
愛 「───はああ? アンタいつの話してんだよ一体。重患だなこりゃ」
歩夢「……ふくーるあいどるは?」
愛 「しかも高校時代まで戻ってんのかよ……」
愛 「こ! こ! は! アメリカ! ニューヨークのマンハッタン!」
歩夢「……まんはったん?」
愛 「そう! 日本じゃないでしょ、シッカリしなよ!」
愛 「それにアタシら、もう30近いでしょ!」
歩夢「……はええ?」
.
193
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:34:56 ID:XsVqOjug
部長「どうしたんだ? ……ん、起きたのか歩夢」
愛 「あ、ちょっと聞いてよ、歩夢ったらさー」
歩夢「…………」
歩夢「…………」
愛 「んで、何つったと思うよ。聞いて驚け“スクールアイドルはぁ?”だとよ」
部長「なっつかし……! マンハッタンまで来て下積み時代の夢かよ……(笑)」
愛 「おっかしいよねー」
歩夢「…………」
歩夢「……えへ……へへぇ」ニヘラァ
部長「まったく、弱いのに無理して飲むから……」
.
194
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:36:58 ID:0ViMokxU
部長「バナナ買ってきて良かったな。スムージー作ってやろう」
愛 「あ、アタシにも作ってー」
部長「お前は酔ってないだろ……」
愛 「いーいーじゃーん! 好きなんだもん、作ってハニー♥」
部長「やめろ歳を考えろ。……特別だぞ」
愛 「やったぜ」
歩夢(なんだ、そうだったね)
歩夢(そうだ、そういえば、そうだった)
歩夢(わたしと愛ちゃんは、あれから何の運命が働いたか、歌手として世界的に有名になって……)
歩夢(いまは故郷から遠く離れた地で暮らしてて)
歩夢「あは……あははっ」
部長「?」
そういえば、そうだった
───そうだったね、そうだったんだ!
そ お だ っ た ん だ あ
.
195
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:37:34 ID:0ViMokxU
歩夢「ふ、ふふ、ふふふ」
部長「あ、あゆ、む?」
歩夢「あははっは、はは。おかしいなぁ……なんで今更あんな夢、見てたんだろ」
歩夢「あはははっ! 何でかなぁ! あははっ!」ケラケラ
愛 「……」ゾクッ
愛 「……ねえ、大丈夫なの、こいつ。ヤバくない? 今までこんな酔い方しなかったよね?」
部長「ああ。お、おい歩夢、明後日の公演やめにするか? 体調がアレなら無理しないでも……」
歩夢「ううん! 大丈夫! 寧ろ最高の気分だよ! 今なら……この3人なら、何でも歌えそう!」
歩夢「あははっ! あはははっ!」
歩夢「ねえ2人とも! ───大好きだよ」
愛 「……は、はあ?」
部長「な、何だよ。どうしたんだ急に」
歩夢「わたしね、いまとっても幸せ」
歩夢「離れたくない。ずっと2人といられるなら、わたし何でもする」
部長「……おまえ」
愛 「あ、歩夢……アンタ一体」
歩夢「だから……」
歩夢「これからも3人で───ずっと一緒に───
ず っ と
侑 「はい、そこまで」
歩夢「えっ?」
……………………
……………………
.
196
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:38:19 ID:0ViMokxU
-東京都中央区銀座 上原家-
チュン チュン
チュン チュン
歩夢「…………」
歩夢「…………」
歩夢「最悪……」
.
197
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 20:38:58 ID:0ViMokxU
ここまでね
198
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 21:07:43 ID:PyAnwMIs
続き来た
五十嵐君羨ましすぎる
と思ったら何か良からぬことでもあったのか
199
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/03(火) 23:06:24 ID:g7xUXvgw
まさか更新があるとは
202
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:16:50 ID:sTkOJ2JU
.
.
.
前回までの虹ヶ咲!
.
.
.
……目を醒ますと、そこは知らない天井だった
窓から見えるのは、見慣れた東京の街並みではない、どこか遠い国の摩天楼
朦朧とする意識の中、歩夢は自身に起きた事態を何とか思い出そうとする
スクールアイドル同好会……2人の大切な人……そして、知らない記憶の断片
そこに突如として現れた愛と部長は、歩夢に対して驚愕の事実を告げる───
それは歩夢の意識の奥底に眠る、かつての彼女の弱さ、醜さの片鱗
過去に捨て置いてきた筈の、独占欲と逃避衝動の発露……
───歩夢が無意識に抱いていた、剥き出しの願望の顕れ
一体……彼女に、このような悪夢を見せたのは誰なのか?
今朝2時頃、豊島区上空にて観測された謎の巨大思念波との関連は?
そして、時を同じくして就寝中の近江彼方を襲った怪現象の正体とは……?
全ての鍵は……あの宮下愛が握っている……?
…………
…………
-虹ヶ咲学園 生徒会室-
栞子「ん……ねえ、もしかしてテレビつけてるの?」
栞子「うん、少しボリューム落として。声よく聞こえない」
栞子「……」
栞子「ん、良い感じ。聞こえる聞こえる」
.
203
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:17:46 ID:sTkOJ2JU
栞子「……うん……うん……へえ、そんな事が」
栞子「こっち? うん、元気だよ皆。愛さんも会いたがってた」
栞子「いや、一緒に日が暮れるまでバスケで勝負してた人でしょ。憶えてないの?」
栞子「そう……」
栞子「…………」
栞子「本当? ……じゃあ、うん。分かった、やってみる」
栞子「うん……うん……スケジュールは何とか調整してみるね」
栞子「……うん、私も楽しみにしてる」
栞子「それじゃ……うん、またね」ピッ
栞子「ふう……」
遥 「えへっ」ヒョコ
栞子「わっ!?」
遥 「みーふねさん! そんな隅っこで、お電話ですか?」
栞子「こ、近江さん……もしかして聞いてたの?」
遥 「今の英語だよね! 三船さん英語もペラペラなんだ!」
栞子「ま、まあね……小さい頃から海外には行ってたから……」
遥 「誰? 誰と話してたの? もしかして三船さんって親戚に海外の人が───」
栞子「ち、違うから……中等部の頃、ショートステイでウチに来てた子」
遥 「?」
.
204
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:24:43 ID:xf0qQFuI
遥 「ショートステイ?」
栞子「そう、ショートステイ。1週間のね」
遥 「……」
遥 「あ、ああ! ホームステイのこと!」
栞子「そう、香港から」
遥 「ほんこん……」💭
栞子「……ちなみに、その島は台湾の方」
遥 「きゃー! 人の考え覗かないでー!」
.
205
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:25:16 ID:xf0qQFuI
遥 「中等部って事は、1年か2年前くらいの話?」
栞子「つい去年の話」
栞子「前年にショートステイ行事が中止になったからって理由で、その年は夏と冬の2回あったんだけど……その子、何と2回ともうちにステイ希望したの」
遥 「えっ何でさ」
栞子「……その、私の家って結構な日本家屋で……それが気に入ったみたいで。帰国してから今までも割と連絡を取ってるの」
遥 「ほおー……愛されちゃってますなあ三船さん」
栞子「べ、別に? 愛されてるのは私の家の方だし」
遥 「ぬぬ! 三船さんが照れています! 遥さんジェラシーですよジェラシー!」
栞子「馬鹿じゃないの……」
.
206
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:25:44 ID:xf0qQFuI
遥 「それで、今のは何の電話だったの?」
栞子「今度、こっちで会う約束をね。……向こう、結構な財閥の娘さんで、ちょっと無茶な所あって」
栞子「こうと決めたら絶対に曲げないタイプなの。決して悪い子じゃあ、ないんだけどね」
遥 「……ふふふふ」
栞子「なに」
遥 「あ、ううん。ちゃんと三船さんにも仲良い子いてよか……あ、何でもない」
栞子「ばっ馬鹿にしてんの?! 友達くらいいるわ普通に!」
遥 「こないだ見たけど三船さん教室で1人だったじゃん」
栞子「あ、ぐ……う、うるさい! 友達なんか多くても面倒なだけだもん!」
遥 「え」
栞子「は?」
.
207
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:26:16 ID:xf0qQFuI
遥 「……ほ、本当に1人なの?」
栞子「───」
栞子「!!!」カアァァ
遥 「その、流石に予想外でした」
栞子「こ、こ、この……! 騙し、騙した……!」
栞子「この卑怯者お!!」
遥 「うひょー!」
会長「…………」
遥 「あ」
栞子「あ」
……………………
……………………
遥 「怒られたじゃん……」ヒソヒソ
栞子「あんたのせいでしょ……」ヒソヒソ
.
208
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:27:22 ID:xf0qQFuI
遥 「でも……そっか、三船さんの家かあ」
遥 「───」
遥 「……よし」
栞子「嫌だからね」
遥 「わたし今度、三船さんの家で勉強合宿したい」
栞子「聞きなさいよ」
遥 「意外に思うでしょうが、わたし実は学業成績が芳しくございません」
栞子「うちの役員で知らない人はいないと思うけど」
遥 「きこえなーいきこえなーい」
栞子「……(呆れ)」
遥 「三船さんとわたし、何だかんだ知り合ってちょっと経つ訳だし、これを機に更なる親密性の向上を図りたい!」
栞子「なら後で一緒に自習室……」
遥 「却下します」
栞子「あなたね」
遥 「お願いします。三船さんと同じ環境で、同じ負荷を受ける事で、何か得る物がある筈なのです」
遥 「そのためにも何卒、近江遥、近江遥を三船さんのハウスに……」
栞子「選挙カーか」
.
209
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:27:50 ID:xf0qQFuI
遥 「お願いします……! 何でもします……!」🙇
栞子「だーかーら……」
栞子「…………」
遥 「…………」🙇
栞子「はあ……分かった。まあ正直、私も近江さんの成績は不安だったから」
遥 「!」
栞子「私で良ければ見てあげる。その代わり、今度の定期で結果出さなかったら酷いからね」
遥 「やったーい!」
遥 「……」
遥 「酷いとは?」
栞子「さあ? その時に乞う御期待って事で」
遥 「ぬぐっ……が、頑張るぜ!」
栞子「その意気その意気。何でもするって言ったからね、あなた」
遥 「こ、近江遥は過去を振り返らない」😼キリッ
.
210
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:28:32 ID:xf0qQFuI
遥 「この合宿を通じ、近江遥は優等生に生まれ変わってみせる」
栞子「はいはい」
遥 「頼りにしてるよ三船さん」
栞子「任せなさい。私、割と人に教えるのは得意なんだから」
遥 「おおー」
栞子「……で、本心は?」
遥 「三船さんの家どんなのか気になります!」
栞子「そんなこったろうと思ったわ!!」
会長「呼んだ?」
栞子「ないです、ごめんなさい……」
会長「静かにね」
栞子「はい……」
遥 「やーい怒られた」
会長「…………」
遥 「ごべんなざい……」
.
211
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 00:32:21 ID:xf0qQFuI
>>198
そんな深くシリアスに潜る事はないので安心してね
>>199
何とか完結まではこぎ着けたい
212
:
名無しさん@転載は禁止
:2022/05/06(金) 09:33:03 ID:HMCXcRic
急になにかと思ったわw
ランジュも出るのかなこれは
213
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:41:09 ID:ywxN01d.
───受け継がれる愛
-虹ヶ咲学園 普通科特進(FB)1年教室-
ざわ… ざわ…
ざわ… ざわ…
菜々「そもそも作中にプリキュアが1人だけっていう案は過去にあったものなんですけど、震災の煽りを受けて一度は立消えになっちゃった背景がありまして」
歩夢「そうなの? え、震災ってあの?」
菜々「です。震災のあった翌年に“1人で孤独に戦うヒロイン”はどうなの、って事で色々と計画が見直されて───」ペラペラ
歩夢「あー……そういう感じのね」
菜々「はい! で最終的に、その年は当初と真逆の“5人で力を合わせる”コンセプトに落ち着いた経緯があるんですよね」ペラペラ
歩夢「へえー……じゃあこれも、その企画のリベンジを今になって、っていう事なのかなあ」
菜々「まさに! そういう事なんですよ! いや公式は何も明言してないんですけど、ファンとしては本当、遂に来たか! って感じで!」
菜々「しかもタイトルが……もう原点作に喧嘩を売ってるとしか思えませんって、こんなの」
歩夢「“ふたりは”に対する“わたしは”って事なんだね」
菜々「そうなんですよ! しかも予告PVを見るに敵組織は小さい女の子向けアニメを原作とするものにあるまじき───」ペラペラ
🚪<ガラッ!
彼方「へーい歩夢チャーン!」
菜々「ッ!?」
彼方「おっ、菜々チャンもおるやん」
歩夢「わっ……彼方先輩?」
.
214
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:42:38 ID:ywxN01d.
彼方「あーごめんごめん驚かした? 今度から静かに登場しようね」
歩夢「大丈夫ですけど……何か御用ですか?」
彼方「そーよ。あーちょっと1個お願いなんだけど……どっちかジャージ貸してくんない?」
歩夢「ジャージ……?」
彼方「せやせや。申し訳ないんだけど、この後の体育で使うんだよー」
彼方「昨日の朝、確かに洗濯したんだけど……うっかり鞄に入れとくの忘れてたっぽいんだよねー」
彼方「今日グラウンド授業だから、この寒さで半袖短パンは流石にキツくってさ」
菜々「……すいません、私のは今日は無いですね」
歩夢「あ、じゃあわたしが貸しますよ。ロッカーに予備の置くようにしてますので」
彼方「おお! いやー助かるよ歩夢チャーン。今度モンエナでも奢ったげるね」
菜々「あ、いいな」
歩夢「あはは、お気持ちだけで大丈夫ですよ」😅
菜々「えっ」
彼方「あらそう? 遠慮せんでいいのに」
歩夢「あ、じゃあ待っててください、いま取ってきますので」
彼方「ごめーん、感謝感激よ」
菜々(もんえな……)😫
彼方「後で無理矢理にでも渡すから、歩夢ちゃんにくれるよう頼んでみな」
菜々「な、何も言ってないです!」
歩夢「?」
……………………
……………………
.
215
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:47:33 ID:ywxN01d.
歩夢「はい、これです」
彼方「おうセンキュー」
彼方(すげー良い匂いするんだが)クンクン
歩夢「ナチュラルに嗅がないでくださいよ!」
菜々「でも、どうして先輩ここまで借りに来たんですか?」
彼方「んー?」
歩夢「あ、そうですよね。ここLD科から離れてますし」
彼方「おう……ははは、悲しいことに彼方ちゃん、LD科じゃ友達ゼロのボッチちゃんだからね」
歩夢「え」
菜々「え」
彼方「冗談どえーす」
歩夢「あらっ」ガクッ
菜々「何なんですか! もう!」
彼方「ここの近く通り掛かったタイミングで、たまたま忘れてるの思い出したってだけよ」
.
216
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:50:51 ID:ywxN01d.
菜々「でも……それにしたって学年違うとジャージの色も違いますよ? それで授業出たら目立つんじゃ……」
歩夢「そうだよね」
彼方「ははは……彼方ちゃん別に気にしないよ、そんな事」
彼方「それにね君ら、彼方ちゃん達は仮にもアイドルやってるんだよ? そんな目立つ事なんて今更だと思わんか」
歩夢「え、ええ……? それは何か目立ち方のベクトルが違う気が」
菜々「ロックですね彼方先輩……」
菜々「(ボッチだけに)」
彼方「何か言った?」
菜々「あっいえ、さすがは彼方先輩だなあ、と」
彼方「褒めるな褒めるな。まあ彼方ちゃんはそろそろ引退だけどねー」
……………………
……………………
.
217
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:51:59 ID:ywxN01d.
彼方「んじゃそーゆーことで! 洗って明日に返すねー!」😉
歩夢「お、お構いなく」😅
彼方「しーゆーれいらー」
🚪<ガララ……パタン
菜々「……行っちゃいました」
歩夢「言動がのんびりしてるだけで、実は賑やかな人だよね」
菜々「ですねえ、あれで友達いないは無理がありまくりですよ」
歩夢「大体あの人、果林先輩って友達がいるもんね。言ったら全力で否定しそうだけど」
菜々「あの2人、いい加減お互い素直になれば良いのにって思いますよね」
歩夢「あはは、本当だよね。それで……。……あ、あれ? 何の話してたんだっけ」
菜々「えっ?」
歩夢「ほら1つ挟まるとすぐ忘れちゃう。歳かな」
菜々「やめてくださいよ、私達まだ高校生ですよ……」
菜々「確か……えーと……あれ、何の話してたんでしたっけ」
歩夢「菜々ちゃんもじゃん。わたし達、若年性健忘症コンビだね」
菜々「急にリアルな病名出さないでください! うぐぐ……私は若者……私は若者……」←自己暗示
歩夢(若年性健忘症コンビ……次回の配信で使ってみようかな。例のサジェスト消せるかも)
菜々「えーとえーと……あ、そうだ! 大人向けプリキュアがアマプラ限定で配信される話!」
歩夢「ああっ! そうだったそうだった! もー2人揃っておばさんじゃん」
菜々「私は若者ですもん……あーそれで、確かタイトルが原点作に……」
菜々「……」
.
218
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:53:50 ID:ywxN01d.
菜々「……」
歩夢「菜々ちゃん? え、どうかした?」
菜々「あ、いえ……ちょっと冷静になる時間があったので」
歩夢「え?」
菜々「よくよく考えたら私、さっきから自分ばかり話してて……」
菜々「その、ちょっと調子に乗り過ぎたかなと」
歩夢「……どういうこと?」
菜々「私、その……アニメの事とか話し始めると際限無く、みたいな所ありますよね?」
歩夢「───」
菜々「彼方先輩を挟んだら、急に自覚が出てきて……それで、ちょっと」
歩夢「……」
菜々「あの、歩夢さん?」
歩夢「あ、ううん、何でもない」
歩夢「なるほどね。もしかして菜々ちゃん、それで友達に引かれちゃった経験があったり?」
菜々「うっ……は、はい、実の所」
歩夢「ふふふ、ごめんね変なこと訊いて」
菜々「い、いえいえ! そんな事は!」
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219
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:54:44 ID:ywxN01d.
歩夢「でも、菜々ちゃんの気持ち分かるよ。話したい事が溢れて止まらなくなる時、あるよね」
菜々「え?」
歩夢「何を隠そう、わたしもそうだもん」
菜々「そ、そうなんですか? 歩夢さんも?」
歩夢「うん、気付いたら自分ばっかり話してたりね」
歩夢「でも、そういうの割と誰にでもある部分だから、あんまり気にしなくて良いと思う」
菜々「……そう、言ってくれるのは、嬉しいですけど……」
歩夢「別に菜々ちゃんの顔色とか伺ってる訳じゃないよ? わたしの本心だよ、これは」
歩夢「それに、菜々ちゃんの話って聞いてて元気が出るし、菜々ちゃんがどういう人かも知れるから、わたし嬉しい」
菜々「!?」
歩夢「だから、そんな事は気にしないで、これからも沢山お話してね」😊✨
菜々「……あ、わ」
菜々「……」ササッ
歩夢「あれ……菜々ちゃん? え、どうしたの、急にそっぽ向いて」
菜々「いえ……その」
菜々「すいません……いまの歩夢さん、私には眩し過ぎて直視出来ないです」
歩夢「えええ?」
菜々(この人、本当に元対人恐怖症なのかな……)
.
220
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:55:22 ID:ywxN01d.
───別れ、の、その先に
かすみ「ヴ……えぅ……」😢
菜々 「おはようござ……うわ」
しずく「あ、おはようございます」
愛 「よっすー。ピーナッツ食べる?」ポリポリ
菜々 「あ、どうも」ポリポリ
菜々 「……どうしたんですか、彼女。何かヘッドホンして泣いてますけど」ポリポリ
愛 「あー……ね。何か時間差で来た寂寥感、だそうだよ」
菜々 「え?」
しずく「“イニシアティブ”を聴いてるんですよ、さっきからずっと」※果林ソロ曲
菜々 「果林先輩の……」
しずく「はい、卒業式の後はスッキリお別れ出来てたみたいですけど……」
愛 「週が明けて部室に来たら、この1年間のこと色々と思い出しちゃったみたいでさ。さっきからずっと、あの調子」
愛 「イニシアティブは果林先輩とデュオで歌った事もあったし、きっと思い出の曲なんだろね」
菜々 「……そういうことですか」
かすみ「うぐ……うぇ……」😢
.
221
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:57:17 ID:ywxN01d.
愛 「アタシ2番目に部室に来たんだけど、その時からずーっとあんな感じ」
愛 「肩ゆすって、どうしたのって聞いたら……」
───ただの時間差で来た寂寥感です、放っておいてくださいませ
愛 「って」
菜々 「何かキャラ変になってる……でも、そ、そうですか……じゃあ、そっとしておいてあげましょう」
愛 「だね」
しずく「かすみさん大丈夫かな……今日も練習なのに」
愛 「そこは……大丈夫っしょ、かすみ絶妙にクレバーな所あるから」
菜々 「ですね、練習に対してはストイックですもんね。いざ始まればコロッと練習モードですよ、多分」
しずく「信頼度が凄まじい……」
愛 「ここに入るために虹ヶ咲を受けた、なんて豪語された側とすりゃね」
菜々 「試しに練習開始のチャイム鳴らしてみます? 即座にヘッドホン放り出しますよ」
しずく「や、やめたげてください、怒られますよ」😅
かすみ「ぐすっ……ひっく」🎧🎶
.
222
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/01(土) 23:57:59 ID:ywxN01d.
愛 「3人いないだけで、本当に静かになるもんだよねぇ」
しずく「もう2人の喧嘩も、エマ先輩が何かやってるのも見られないんですもんね……」
菜々 「な、何かやってるって何ですか」
愛 「あー……そういやエマっちって、いつも何かやってたもんね……」
菜々 「分からないでもないですけど……でも、もう少し他に無いんですか表現的に」
しずく「一度、部長さんから貰ってプラモデル作ってた事ありましたよね、あの……ええと、あの大きいの」
菜々 「VF-31AX“カイロスプラス”!」キリッ
しずく「な、名前までは憶えてないですよぉ」
愛 「あー、あったね。接着剤が指に付いて半泣きになっててさ」
愛 「……あれ今どこにあるんだろ。持って帰ったのかなエマっち」
しずく「他にも発掘恐竜やってたり、スライムで遊んでたり……」
愛 「あと一時期ネット麻雀にハマってた事もあったっけ」
菜々 「ありましたありました。本当、何事も全力でエンジョイする人でしたよね」
愛 「最初の頃、2人で横浜まで遊びに行った事あって、その時に聞いたんだけど……ずっと憧れてた土地らしいんだよね、この国」
愛 「だから、滞在してる間は楽しくて仕方なかったんだと思うよ」
しずく「何か妙に嬉しくなっちゃいますね。日本に住む1人としては」
愛 「ねー」
.
223
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/07/02(日) 00:00:09 ID:Fbp8BXWI
かすみ「ぐす……えぐっ」🎧🎶
愛 「ちなみに横浜には、雑誌に載ってたベーカリー目当てで行ったんだけど……」
しずく「えっ!? もしかしてそのベーカリーが……」😲
愛 「かすみん家じゃないんだなあ、これが」😁
しずく「あらっ」ガクッ
菜々 「愛さんはもう……意味も無くそういう事しますよね」
愛 「だはは……あー、かすみはまだ泣いてるね」
しずく「果林さんの曲、もう何ループ目なんだろ……」
菜々 「そういえば果林先輩、勉強見てあげたり、かすみさんには何かと良くしてあげてたみたいですよね」
彼方 「赤点連発者同士、ほっとけなかったんだよ。あいつ昔はマジのドベだったからね」
愛 「え」
菜々 「……私も話には聞いてましたけど……果林先輩って本当に勉強が苦手だったんですね」
.
224
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/07/02(日) 00:02:19 ID:Fbp8BXWI
しずく「私の知ってる果林先輩は、あまりそんな感じしませんでした」
彼方 「そう。あいつ1年の頃ずっと勉強で苦しい思いしてたから。かすみちゃんに同じ苦労を背負わせたくなかったのさ」
菜々 「果林先輩が……」
彼方 「当の自分は体調崩して人に迷惑掛けて……どこまでもアホだった癖にね」
しずく「そうだったんですか……でも、お優しい人だったんですね」
しずく「……」
菜々 「……」
菜々 「かなたせんぱい?」
彼方 「よう菜々ちゃん」
しずく「かな、た先輩?」
彼方 「ハローしずっちゃん」
愛 「……」
愛 「ピーナッツ、食べる?」
彼方 「おっ! せんきゅー愛後輩!」
菜々 「え、えっ!? (💥ガッ)あ痛ッちょあっ!? な、なん、彼方先輩なんで!?!」
しずく「か、彼方先輩!? どうして?!」ガタッ
かすみ「すみませんちょっと静かに……!?」
かすみ「えええ彼方先輩!?」ビクビクッ
彼方 「おう、彼方先輩! 元気してるか皆!」
ガチャ
歩夢 「こんにちはー……え、彼方先輩!?」
部長 「どうした歩夢彼方先輩!?」
しずく「彼方先輩!」
菜々 「彼方先輩!」
- 彼 方 先 輩 ! ? -
愛 「皆ちょっと落ち着きなって」
璃奈「彼方先輩……」
彼方「いえーい、皆さんお揃いで」ポリポリ
.
225
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/07/02(日) 00:04:12 ID:Fbp8BXWI
───何でここにいるんですか!? 卒業しましたよね!?
───いやあ、ちょっと特待生の最後の仕事が残ってて
───最後の仕事……?
───来年の1年共に学科代表メッセージを残さなくちゃならないんだけど……
───間抜けなことに、先生がそれウッカリ忘れてたみたいでねー
………………
………………
愛 「はは、まさか彼方先輩が来るとは。別れの余韻ブチ壊しだよ」
愛 「でも、これで今度こそ、明日から7人だけになっちゃうね……」
璃奈「……うん」
愛 「璃奈は寂しい?」
璃奈「……」
璃奈「ううん、寂しくない」
愛 「お?」
璃奈「もう二度と会えない訳じゃないし……それに」
璃奈「皆がいるから」😊
愛 「……」
愛 「へへ、そっか」😁
.
226
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/07/02(日) 00:09:22 ID:Fbp8BXWI
>>212
ごめん
出す予定ない
227
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/07/02(日) 02:12:39 ID:wY8v3qUY
突然の復活
228
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/07/04(火) 10:25:40 ID:v3e57M62
───だって女子ばっかだし気は遣うし
愛 「夏はガリガリ君に限るね!」
エマ 「すいかばー❤ すいかばー❤」
📲♪
***************
朝香果林 :この時期いちご練乳氷あるわよね? あれで
かなたそ :完熟マンゴーのアイスバーよろ
かす☆みん:ラムネバーを所望します
桜坂しずく:チョコモナカジャンボお願いします
宮下AI :あずきバーとかじゃなくて?
桜坂しずく:チョコモナカジャンボお願いします!😡
NNNA :アイスの実カフェオレ味!無ければぶどう味で!
ぽむさん :あいすくりん最中
宮下AI :それ高知限定だわ!
ぽむさん :じゃあバニラのワッフルコーンで
R!NA :スイカバー食べたい
EMMA.V :あ、わたしと同じだ❤
R!NA :❤
宮下AI :❤
R!NA :💔👋
宮下AI :😭
***************
.
229
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/04(火) 10:27:40 ID:v3e57M62
ミーンミンミン…
-セブンイレブン 学園前店-
愛 (あいつから返ってこないな……アタシと同じで良いか)
愛 「エマっち日本の夏は好きかい」
エマ 「あんま好きくないです……」
愛 「愛さんもー……」
愛 「でも虹ヶ咲学園は最高だね、どの部屋もエアコン完備だもん」
エマ 「学園の夏は好きです!」
愛 「愛さんも! 戻ったら涼しい中で練習とかいう天国が……」
店員A「御会計¥(#値下げしろ全日本)です」
愛 「あっはい、ペイペイで」📱
店員A「かしこまりましたー」
.
230
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/04(火) 10:28:40 ID:v3e57M62
<アリガトーゴザイマシター
ミーンミンミン…
愛 「うわ暑ッ!? 外あっつ!? ヤバいヤバい、早く部室に戻らないと皆のアイス溶けちゃう」
エマ「早く戻ろうね」
愛 「うん……うわ見てよ、外気37.8℃だって……まさに酷暑」😳
エマ「国書?」
愛 「酷い暑さで“コクショ”ね」
エマ「あえ……えーと……“猛暑”じゃないんですか?」
愛 「どっちでも同じだよ。好きに使えば良いの」
エマ「日本語難しいです……」
愛 「分かる」
愛 「アタシもモスクワから日本に来たての頃はそう思ってた」
エマ「そうなんだ」
エマ「……」
エマ「……えっ!? 愛ちゃんロシアに住んでたの!?」
愛 「生まれも育ちも豊島区巣鴨でーす」
エマ「……」イラッ
愛 「エマっち?」
エマ「ッ! な、何でもない! 何でもないよ! もー愛ちゃんてばあ」
愛 「?」
エマ(危ない危ない……ここではエマは優しい子……簡単には怒らない子……)🌀ミョンミョン
.
231
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/04(火) 10:29:54 ID:v3e57M62
-虹ヶ咲学園 スクールアイドル同好会部室-
愛 「ふー焦ったぁ……早いとこ冷凍庫に入れちゃおこれ」
エマ「ひゃー練習前なのに汗びっしょりだよぉ。エアコン付けて良いかな」
愛 「多分もう付けられると思うよ。でも涼しくなるまで暫く温風が出てくるだろうなあ」
エマ「うぐっ……で、でも天国のためなら」ピッ
エアコン:冷房運転を開始します
愛 「うわっ……」😵
エマ「な、生温い風がぁ……」😣
愛 「が、我慢だぞエマっち……暫くすれば、涼しい中で皆とアイスの時間が待ってるからな!」
エマ「ううう……もうYシャツ脱ぎたいよぉ」←汗だく
愛 「そ、それはアカン! 特にエマっちは!」
エマ「脱ぎたいよぉ……ベタベタやだよぉ」😭
232
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/04(火) 10:31:06 ID:v3e57M62
_、<(>''~:\/: : : \/: : : : : /\: : : / \: : : :/\ / / ///, ::::|
lニニ,、<(>''~\/ : : /\: :..:.:/\: : : /: : : \/ : : : \/: : : / / / /:/, :::|
_、<\>''~\: : : /\ /: : : \:/: : : \/: : : : : /\: : : :/\: :/ / /// : /,::::|
ミーンミンミン… _、<(_>''|: : :\: / : \/: : :/\: : : :/\: : : :/\: : : /: : : \:/: : : :/ / /..::.////,: :|
_,、<(>'''~: : |: | |\: :.\: : :/\:/: : :.:\/: : : :\:/: : : \/: : : : : /\: :./ / /// :.://:|:::|
_,、<(>''~: |\ |: : :|: | |: :| \: :.\: : :/\: : : :/\: : : :/\: : : :/\: : : /: : : :./ / /: : ///:.:.:/:|:::|
_,、<(>''~ |: : |\| : : |\:|: | |: :|.:.:.:.:\: :.\: : : :\:/: : : \:/: : : \:/: : : \/ : : : / / ///: : ///:.::|:::
__,、<(>'':|\|: : |\|: : |\ |: : :|: | |: :|.:.:.:.:.:.:/\.:.:\ : : /\: : : :/\: : : :/\: : : /\: :./ / /: : ///: : //::|::
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/|/ / |-‐|…'T¨|二ニ=||‐ | `'< ̄ ̄ ̄ ゙̄/`丶、__|_|,,.. ⊥ -一 |'' ~ ̄|ミト|ミ|--─</ `'く ̄
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二二| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄丁|二| ̄ ̄| ̄|¨|-‐|…'T¨|二ニ=||‐ |\: .:.:.:|三三三|二ミ| |.:.:.:|_|,,.. ⊥ -一 |'' ~ ̄|ミト|ミ|Tr────''"´ ̄
 ̄| ||¬iー┬┴┬::|-‐|…'T¨|二ニ=||‐ |/\__|三三三| |\|´|_|,,.. ⊥ -一 |'' ~ ̄|ミト|ミ|:::| |工工工工工工
__|_____..|..| | | :| ̄ ̄|-‐|…'T¨|二ニ=||‐ |アアアアアアニ| | |=|_|,,.. ⊥ -一 |'' ~ ̄|ミト|ミ|:::| | |::::::| |二二二
/\ /\ /\ ̄ ̄/\ ̄\‐=ニ二:|__「二| ̄「| ̄「l<ニニ| | |: |_|,,.. ⊥ -一 |'' ~ ̄|ミト|ミ|:::| | |::::::| |::::::::::::::::
──--------'' ¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨` ¨¨ ““¨¨””” ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ”” '''' TニニニニニニニTニi──
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名無しさん@転載は禁止
:2023/07/04(火) 19:20:55 ID:llUCYmBo
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234
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名無しさん@転載は禁止
:2023/09/11(月) 23:56:04 ID:bYssF/66
愛 「Foo! やっと少し涼しくなってきたね!」
エマ「うう……まだ汗で気持ち悪い」
愛 「そうだねー……練習で流す汗は気持ち良いくらいなのに」👜;ガサゴソ
愛 「……お、あった。シート使う? 小さいやつだから顔しか拭けないけど」
エマ「ありがとー❤❤❤」😍
愛 「喜びっぷりが凄まじいなオイ」
エマ「あっ……ご、ごめんね、今度から校内でも持つようにする」
愛 「お、おうアタイ別に怒ってるわけやないよ」
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235
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名無しさん@転載は禁止
:2023/09/11(月) 23:56:49 ID:bYssF/66
エマ「顔サッパリ❤ でも身体ベタベタのまま……」😣
愛 「そっちは練習に入れば気にならなくなるって。それに練習後のシャワー、きっと極楽だよ」
エマ「それもそっか」😆
愛 (表情コロコロ変わるな)
───校内にいる生徒の皆さん、夏い中での部活動、お疲れ様です
───体調に注意して、健やかな一時を過ごしましょう
愛 「お、そろそろ皆も来る頃だね」
エマ「皆とアイス♪ 皆とアイス♪」
愛 「はいはい、もう少しだからね……あー、やっとマシになった」
エマ「アイス♪アイス♪」
愛 「そんなに楽しみか」
エマ「うん!」
🚪<ガチャ
部長「あれ、早いな」
愛 「おーっす、ガリガリ君でいい?」
部長「いや何の話だよ」
エマ「部長サンお疲れー」
部長「先輩も暑い中ありがとうございます」
エマ「いえいえ♪」
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236
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名無しさん@転載は禁止
:2023/09/11(月) 23:57:36 ID:bYssF/66
…………
…………
部長「え、アイス?」
愛 「そうだよ……アンタ本当に個人アカの反応薄いよね。アイス買ってくるから何にするかって送ったのに」
部長「え、マジで? じゃあ俺あずきバー」
愛 「遅いわ! もう買っちまったよ! 大人しくアタシとガリガリ君をガリガリしろ」
部長「なんてこった……でもありがたく貰う」
愛 「冷凍庫の中に入ってるから皆が来たら一緒に食おうぜ」
エマ「皆とアイス❤」
愛 「……さっきから変に拘るね? エマっち」
エマ「うん! わたし夏の日本で大勢の友達とアイス食べるの夢だったの!」
愛 「随分ピンポイントな夢だね!?」
エマ「好きな小説にそういうシーンがあって、ずっと憧れてたんだ!」👜ガサゴソ
エマ「ほら見て、風鈴もある! これ吊っておけば、もっとアイス美味しくなるんだよね!」🎐
部長「それは初耳なんですが……」
愛 「本当エマっちってアタシらより日本人してるよね」
.
237
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/11(月) 23:58:38 ID:bYssF/66
部長「……え? てゆーか、もしかして俺も頭数に入ってます?」
エマ「もちろんだよ?」
部長「えー……ハードル高ェ」
愛 「?」
愛 「あ、もしかして女子ばかりの中でアイス食べんの恥ずかしいみたいな?」
部長「ぐ」
愛 「はははっ全員アンタが集めた癖に情けないねー」😁
部長「うっせえ! 9:1だぞ当たり前だろ!」😠
エマ「恥ずかしくなんかないよ部長サン! 皆、部長サンのこと大好きだから気にしないで!」
部長「……」
愛 「見なよエマっち、美人に優しくされてキョドッてる(笑)」
エマ「愛ちゃん! 意地悪ダメ!」
部長(後で憶えてろコイツ……)
🚪<ガッチャ!
かすみ「っひゃあ゙あ゙涼しい゙ィ゙!!💢 かすみのアイスはどこですか!!💢💢」
愛 「いや開口一番それかよ!」
.
238
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/11(月) 23:59:33 ID:bYssF/66
🎐チリン
.
239
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/12(火) 08:38:28 ID:hVMOFrWI
まさかの更新
240
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/17(日) 11:49:09 ID:kqEqPCqw
───没ネタ供養、最も外れた“微ギャル設定”
しずく「ええ! ナンパですか!?」
愛 「そーなんだよねー」
愛 「この前、歩夢と渋谷に行った時に……何と2人揃って誘われちゃったよ」
しずく「大丈夫だったんですか!?」
歩夢 「だ、大丈夫だよ……こうして今ここに居るんだから」
しずく「あ……そ、そういえばそうですね(恥)」
彼方 「ナンパねぇ……漫画だけの話だと思ってたけど、そういうの本当にあるんだねー」
愛 「うん、本当に漫画で見るような、古くさーい感じのナンパだった。 “お茶しなーい?”って」
歩夢 「あー……もしかしたら、あの外見で相当なオジさんだったのかもよ?」
愛 「うわ一気にキモくなった」
.
241
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/17(日) 11:49:35 ID:kqEqPCqw
しずく「でも、何か変な事とかされたり言われたり……」
愛 「……された?」
歩夢 「あんまり、そんな感じの事は無かったよね」
愛 「だよね。普通にランチ誘われたくらい」
彼方 「典型的やん」
歩夢 「え?」
愛 「何が?」
彼方 「付いていかなくて良かったねー。それ実は危ないパターンだよ」
かすみ「というと?」
彼方 「簡単には逃げられない状況を作る口実なんだ」
彼方 「店の絶妙に奥まった席、楽しいランチの最中……男が何の脈絡も無く、万札数枚をギュッと握らせてきて───」
歩夢 「!」ゾワッ
愛 「うわぁ(笑)」
かすみ「ぎゃああああああキモいキモいキモい無理無理無理!!」ゾゾゾゾ
しずく「彼方先輩そういうの急に出すのやめてくださいよ……」←鳥肌
彼方 「はっは、失敬失敬(笑)」
かすみ「なーに笑ってんですか! 本気で背筋に来ましたよ!」ゾクゾク
歩夢 「つ、付いてかなくて良かったね、本当に」
愛 「ねー」
.
242
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/17(日) 11:50:04 ID:kqEqPCqw
歩夢 「でも……あれかな。わたし達って、そんなに遊んでそうに見えるのかな」
かすみ「いやいや、愛先輩はともかく歩夢先輩は別にそんな事ないですよ」
愛 「おい!」
しずく「そうですよ」
しずく「軽そうに見えたとかじゃなくて、歩夢先輩がそういうのに慣れてなさそうに見えたから、行けると思ったんじゃないですか?」
歩夢 「え」
しずく「きっと、その人は愛先輩より手頃な相手と決め付けて歩夢先輩を狙ってたんですよ」
歩夢 「えええ……失礼ここに極まれり」
しずく「本当ですよね」
愛 「おいコラ、まるで愛さんは慣れまくってるみたいな言い方やめろや」
彼方 「いや、そうとも言えねえかもよ。もしかしたらそのおじさん(確定)ギャル好きなのかも」
かすみ「え?」
しずく「え?」
彼方 「まあナンパ男の考えなんて分かったって何の得も無いけど……」
彼方 「厳然たる事実としてさ、歩夢ちゃんて同好会じゃ愛後輩に次いで派手そうじゃん。見た目の話」
歩夢 「えっ!?」
彼方 「性格云々は別にしてね」
歩夢 「え、えええ!? そんな事は───」チラ
しずく「…………」
かすみ「…………」
歩夢 「ないよね!? わたし地味でしょ!?」
彼方 「諦めーや」
愛 「髪色、ピアス(小さいけど)、アクセ。派手っちゃ派手だね」
歩夢 「ガチギャル星人にまで派手って言われた!」
愛 「何なん君らさっきから」
.
243
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/17(日) 11:53:15 ID:kqEqPCqw
(※璃奈とかのあれは漫画的表現ということで)
彼方 「別に知らなくても無理は無いよね。歩夢ちゃんエゴサとかしなさそうだし」
歩夢 「エゴサ?……確かに精神に悪そうなのでした事ありませんけど」
歩夢 「急に何の話ですか?」
かすみ「ああ、もしかしてあれの事ですか。知らないんです? 歩夢先輩と愛先輩のコンビが何て呼ばれてるか」
愛 「あー……あの」
歩夢 「え、わたしと愛ちゃんにコンビ名なんか付いてるの……? 嫌なんだけど」
愛 「おい」
歩夢 「でもわたしと愛ちゃんなら……普通に幼馴染コンビとか」
彼方 「虹学ギャルコンビ」
歩夢 「にじがくぎゃるこんび!?」
しずく「虹学ギャルコンビ……」
かすみ「あれ、しず子も知らなかった?」
しずく「うん。そもそも私ネットとか殆ど見ないから……」
かすみ「な、なるほど……」
.
244
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/17(日) 11:53:41 ID:kqEqPCqw
歩夢 「ぎゃる!? わたしファンからギャル認識されてるんですか!?」
彼方 「その筋で、まことしやかに」
歩夢 「まことしやかに!?」ガーン
愛 「まあ、ぶっちゃけ他メンバーと比べて髪色が明るくて、アタシと頻繁に組んでるから、ってだけな気もするけど」
愛 「つまり、ほぼ愛さん補正だね」
歩夢 「それだけの理由でぇ……?」ゲンナリ
しずく「確かに……ありますよね、そういうの」
しずく「黒髪ロングってだけで思考の古臭い清楚キャラにされたりとか」シミジミ
彼方 「いや、しずくちゃんは清楚でしょ」
しずく「え」😓
歩夢 「うん、しずくちゃんは清楚だよ。特に古臭くはないと思うけど」
愛 「寧ろ清楚しかないっしょ、って感じだね。たまに茶目っ気あるのも清楚」
かすみ「下手したら国で保護されるレベルの清楚」
しずく「そんな!?」😨
.
245
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/17(日) 11:54:25 ID:kqEqPCqw
しずく「最近メイクも変えたのに……」😢
かすみ「ドンマイしず子」
歩夢 「うう……で、でも! ピアスして髪ちょっと染めてるくらいでギャルなんて……」
彼方 「分かってないね、歩夢ちゃん」
歩夢 「え……」
彼方 「世間からしてみりゃね、結局は“見てくれ”だけが答えなんだよ」
彼方 「“そう”見えるから“そう”に違いない。もしかしたら違うのかもしれないけど、(視界の範囲の)皆が納得してるし本人達も何も言わないから“そう”で良いだろう」
彼方 「悲しいけど、それが解釈ってものなのさ」
かすみ「ですよ歩夢先輩。きっと彼らの中にも、本当は“いや歩夢ちゃんはギャルじゃないだろ”って思ってる人もいるんです」
歩夢 「……理不尽だよぉ」
愛 「髪は染めてるしピアスもしてる。外見だけならアタシに次いで派手だし、そのアタシと仲良いから、歩夢はギャルだろう、そういう程度の認識なんだよね。確かに理不尽ではある」
歩夢 「違うもん……わたしギャルじゃないもん……遊び慣れてなんかないもん……」
しずく「先輩、仲間はここにいますよ」
歩夢 「……しずくちゃん、ちょっと今から金髪にしてこよっか」
しずく「い、嫌ですよっ!」
かすみ「自分から目線を逸らさせるつもりですか歩夢先輩……」
.
246
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/17(日) 11:54:50 ID:kqEqPCqw
彼方 「それに、まだ君ら2人は良い方じゃん」
歩夢 「?」
彼方 「彼方ちゃんと果林ちゃんが何て呼ばれてるか、教えてやろうか?」
歩夢 「彼方先輩と果林先輩……」
歩夢 「……あ、“漫才コンビ”とかですか?」
彼方 「ははは、それがねぇ───おい何で分かった」
愛 「それは……うん、何となく分かるっしょ」
かすみ「ですね」
しずく「あはは……」
彼方 「解せぬ」
.
247
:
名無しさん@転載は禁止
:2023/09/20(水) 00:05:13 ID:BQY4p3ng
―別の日―
歩夢「……」📱ポチポチ
歩夢「……」📱
─────────────────────
🔍 上原歩夢 ×│🎙 🔍
─────────────────────
🔍 上原歩夢 ソロ
🔍 上原歩夢 配信 出演情報
🔍 上原歩夢 彼氏 誰
🔍 上原歩夢 彼氏いない
🔍 上原歩夢 私服 地雷系
🔍 上原歩夢 宮下愛 ギャルコンビ
🔍 上原歩夢 宮下愛 幼なじみ
🔍 上原歩夢 父 警察官
🔍 上原歩夢 嫌い
歩夢「……」
歩夢「ああああああ……」
歩夢「見るんじゃなかった……」
.
248
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/01/31(水) 04:52:13 ID:NOnxthG6
女性「社長、いま宜しいですか?」
男性「どうしました?」
女性「お電話が入っています」
男性「? はあ、どこからです?」
女性「息子さんから、なんですけど」
男性「ええ? ……ああ、またか。対応ありがとうございます。まったく大樹の奴、今度は何をやらかして」
女性「いえ、そちらではなくて」
男性「は?」
女性「若葉くん……の方から、なんですが」
男性「……」
男性「何かの間違いでは」
.
249
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:28:47 ID:sKxQrAwM
───青春
-私立星条中学校-
瑞希「ハロー、あらら随分と絞られたみたいだね」
愛 「……先輩」
瑞希「うわ声ひっく。こりゃガチな感じか」
愛 「……だいじょうぶ」
瑞希「どこがだよ、そんな項垂れて。まー酷い話だよね、愛は何も間違った事なんてしてないのに」
愛 「……」
瑞希「そもそも普通に考えりゃ分かりそうなもんだけど、平気で人を虐める連中を部に置いとくリスクの方がヤバいだろって」
瑞希「ねえ?」
愛 「……3年生は、何て?」
瑞希「んーまあ愛が言われた事と大体変わらないと思うよ? 退部させろとか何とか。空気と感情で物言ってる奴ばっか」
瑞希「そうやって腕のある人間を追い出して、その後の事なんて多分ちっとも考えてないんだよね。顧問も何か言えば良いのに」
愛 「……」
.
250
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:31:50 ID:sKxQrAwM
瑞希「でもとりあえず、安心だけはしといてよ。愛の事は絶対に退部なんてさせないから」
愛 「え」
瑞希「当たり前でしょ? 愛が辞めさせられちゃ星条バスケ部お先真っ暗だし、後腐れヤバすぎだし」
瑞希「何より友達じゃん、あたしら」
愛 「!」
瑞希「正直、主にアホ連中のせいで分の悪い展開になるだろうけど……それでも、あいつらみたいなのばかりじゃない。愛の事ちゃんと評価してる人達も沢山いるからね」
瑞希「だからさ、瑞希先輩にも少し頑張らせてよ。じゃなきゃ、大体こんなのあんまりじゃんか」
愛 「……あり、がとう」
瑞希「辛気臭いなあ……もう下ばっか向いてないでよ、ほら」
瑞希「ほい! いつもみたいに!」
愛 「あ、ありがとう」
瑞希「上を向いて元気に!」
愛 「ありがとうございます!」
瑞希「いいね」👍
瑞希(……とは意気込んだけど、これから大変になるなぁ。はてさてどうするとしましょうか)
.
251
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:32:16 ID:sKxQrAwM
部長「あの……」
瑞希「ん?」
愛 「あっ」
瑞希「……君は?」
部長「1年の五十嵐です。すみません、宮下さんがここに居ると聞きまして」
部長「その、盗み聞くつもりはなかったんですけど」
瑞希「あらま、聞かれちゃった? 恥ずかしいトコ見られちゃったね。え、愛に何か用?」
愛 「先輩、この人が」
瑞希「ん? ああー……もしかして例のカップ……ごほん、被害者2人の片方の子ね」
部長「そうです……」
瑞希「ごめん、口滑ったとはいえ無神経過ぎた。マジごめん」
部長「い、いえ、大丈夫です」
.
252
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:34:23 ID:sKxQrAwM
部長「で、宮下さん」
愛 「えっ!? は、はい!」
部長「この場で言うのも何だけど、まずは本当にありがとう。歩夢のこと庇ってくれて」
愛 「あっ……う、ううん! そんなこと気にしないでよ! あれはアタシが勝手に……やったことだし」
部長「仮にそうだとしても、俺達は本当に救われた。いくら感謝しても足りないくらい」
部長「歩夢も少しずつだけど立ち直ってきてる。向こうも宮下さんに感謝していた。普段あんなだけど、割と話は出来る子なんだ」
瑞希「ほら、評価してくれる人いたじゃん。良かったね」
愛 「あ、えと……その」ムズッ
愛 「そ、それほどでもあるぜェ」
部長「えっ?」😓
瑞希「こら、また悪い癖が出てる」😠
愛 「だって恥ずかしいんだもん……」😳
部長「???」
.
253
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:35:07 ID:sKxQrAwM
部長「ええと、それで本題なんですけど」
瑞希「あーそういえばそうだったね。結局どうしてここに?」
部長「実は俺、ここに来る前から知っていたんです。俺達に代わって、今度は宮下さんがクラス内外で嫌な扱い受けてるの」
部長「部を辞めさせられそうになってるとかは、いま初めて知りましたけど……」
愛 「……」
瑞希「うんうん、そうなの。参ったよね本当。君らを虐めてた連中の中に、うちの部長の身内がいてさ」
部長「それで───」
瑞希「そうなの。経緯スッ飛ばして愛を辞めさせろの一点張りよ」
瑞希「しかも顧問は殆どダンマリ、他の部員も知らんぷり、これぞ正に八方塞がり……どうしようムカついてきたよ」
愛 「せ、先輩」
瑞希「ごめん、大丈夫。でもそういう事。これが全大常連こと星条中学バスケ部の正体だったんだよ」
部長「でも先輩は宮下さんを?」
瑞希「そうだよ。あたしは全面的に愛の味方」
瑞希「あ、さっきも言ったけど別にあたしだけが愛側って訳じゃないよ? ちゃんと正しく状況を見てるのも何人かはいる」
部長「……そうですか」
254
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:35:45 ID:sKxQrAwM
瑞希「それで? 本題ってのは?」
部長「……」
部長「単刀直入に言って俺に……正確には俺の力じゃないんですけど、その……宮下さんの力にならせてほしくて」
瑞希「!」
愛 「え?」
部長「俺、宮下さんに思い出させもらったんです。大事なこと」
愛 「え……え? アタシ?」
部長「あの時の宮下さんの姿を見たら、何だか今まで足踏みしてた自分が馬鹿らしくなってきて」
瑞希「んー何かよく分からないけど、要するに君はあたしらの味方になりたいって事? だよね」
部長「はい」
瑞希「……」
.
255
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:36:16 ID:sKxQrAwM
自分の中に、前へ進む意思の力があったのに
その手に、振るえるだけの力が握られていたのに
手の中の力で助けられるものがあるのに……俺は黙ったままでいた
宮下愛と俺達2人に、同じクラスに在籍している以上の関係は無かった
はっきり言って赤の他人
なのに、この結果は何だ
俺は、どこまで行っても臆病者で、立ち向かう事も出来ず……大事なものを傷付け続け
そうして今度は、その赤の他人に助けられ、挙げ句それすら傷付ける事になって
……
256
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:36:54 ID:sKxQrAwM
俺は何をしているんだろう
こんな結果を招いてまで、尚も動かないでいるつもりなのか
もう迷ってなんかいられない
もう後悔したくない
……だから、俺は
それが、どんなに格好悪い事でも、他力本願であったとしても
自分や自分の大事なもの
その大事なものを守ってくれた、見ず知らずの彼女に誇れる自分になりたい
と、思った
.
257
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:38:49 ID:sKxQrAwM
父親「久しぶりだな……一体どういう、風の吹き回しだ?」
若葉「……お久しぶりです、父さん」
若葉「実は───」
.
258
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:54:34 ID:sKxQrAwM
───愛「んごっ……うぅん……」💤
-神奈川県鎌倉市 桜坂邸-
母親 「よいですか、しずく」
しずく「はあ」
母親 「まず誤解の無いよう先に述べておきますが」
母親 「私達も、娘が新たな分野に挑戦しようとする事、それ自体は大いに賛成なのです」
父親 「そうだね、昔から君は、面白そうと見るや何にでも挑みたがる子だった」
父親 「それにスクールアイドルも、今になってやろうとする者がいるのは実に面白いと思うよ」←若干世代
母親 「私達も、当時は少しばかりスクールアイドルを見聞きする機会がありました」←Not世代
母親 「話を聞くに安全面も問題ないようですし……娘があの世界に身を置くのも、まあ面白いかもしれません」
しずく「…………はあ」
母親 「しかし! それとこれとは別問題!」
母親 「何なのですこの衣装は? 多少は目を瞑る気でしたが、これは度を越しています!」
父親 「流石に見過ごせないね、こういう……その、露出の行き過ぎた物を着た娘が衆目に晒されるのは……」
母親 「あなた御覧になって! ちょっと動いたら下着が見えそうよ!」チラッチラッ
母親 「何ということかしら!」チラッ! チラッ!
父親 「おお……これは……なかなか……」
しずく「何ということかしら! じゃあないんですよ!!!」
しずく「何でそれ着てるんですか! お母様が!?」
.
259
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:55:38 ID:sKxQrAwM
母親 「年頃の娘の部屋に入るのに、ノックを失念。それは明確に母の非です……しかし!」
しずく「何スルーしてんですか!」
母親 「その年頃の娘が! このような破廉恥な装いに身を任せ! 人生に禍根を残すのを見過ごしてはおけません!」
父親 「若いからこそ弾けたい、その気持ちは理解するよ。しかし、度というのはどうしても越えてほしくないんだ」
しずく「今まさに度を超えた光景が展開されてますよ!? 娘の視覚上で禍根が刻まれてますよ!?」
しずく「興味本位で着たわたしがバカだった!! 出来る事なら過去に戻って自分を殴りたい!!」
しずく「ついでに中須も!」
.
260
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:57:19 ID:sKxQrAwM
母親 「繰り返しますが、私達はあなたのスクールアイドル志望に賛成です」
父親 「だけど、それは健全な部、健全な活動である事を条件に、だよ。分かるね?」
しずく「…………」
母親 「その通り! 桜坂の者が、このような装いで衆目に曝される事など! あってはなりません!」
母親 「それは正に失態! 末代までの恥と形容すべきもの!(キャルンッ)
母親 「外に出る前に現場を押さえられて、幸いと言う外ない!(キャルンッ)」
しずく「…………」プルプルプル
母親 「歴史ある桜坂の娘として!(キランッ) 極めて嘆かわしい事なのですよ!(キャピンッ)」
しずく「何がなのですよだ! 今すぐそれやめろっ!!」
母親 「……何のことです?」
しずく「取ってんだよ! ポーズを! さっきから感嘆符1個ごとに! 何がしたいんだよ40代後半ァ!」
父親 「ごめん、もう少し目線こっちに貰えるかな」📷
母親 「テンアゲかしら?」
父親 「超テンアゲだよ!」📷❇
しずく「わたしはテンサゲだよ撮るな! 桜坂の看板にヘドロぶちまるな! 消せ今すぐ!」
.
261
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 16:58:46 ID:sKxQrAwM
しずく「それに! その衣装は同好会の物じゃないんです!」
母親 「……はい?」
父親 「そうなのかい?」
しずく「そうですよ! 大体、学校の部活で、こんな公序良俗に反しかねない物を使える訳ないでしょう!」
しずく「それは中須……お友達が悪戯でわたしの鞄に入れやが……入れた物です! 決して同好会で使うものじゃありません!」
母親 「……真実ですね?」チラッ
しずく「誓って真実です。いかがわしい事をする同好会ではありません」
しずく「どさくさでスカート捲ろうとするな」
父親 「……」📷❇
しずく「撮るな!!」
.
262
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 17:01:05 ID:sKxQrAwM
母親 「何だ、そうだったの」
しずく「わたしも興味本位で試着する愚行は犯しましたけど、決して人前で着るつもりはありませんから」
しずく「だから、もう不毛な説教は終わりにしましょう。本当に疲れるので」
母親 「あらいやだ……恥ずかしいわ。こんな大仰な説教を投げておいて早とちりだなんて」
父親 「僕たちも半分パニックになってしまったいたね」
しずく「いえ……いいんです」
しずく(恥ずかしいのはアンタの格好だよ。そしてパニックなんて可愛いレベルじゃねーよ)
父親 「……では、これは遠慮なく母が貰って」
しずく「脱げ! 今すぐ!!!」グイーッ
母親 「きゃー!? あ、あなた向こうを向いてて!」
父親 「はわわっ!? し、しずく駄目だよ! 女性の衣服を急に脱がすなんてっ……!」チラチラ
しずく「黙れ馬鹿共! もうやめて! 娘の精神を破壊しないで!! 助けてオフィーリア!!」
しずく「くっそ何でコイツこんな肌綺麗なんだ40代後半の癖に!」
兄 「……」
姉 「……」
兄 「向こうに行こう……こんな所に入ったら病気が悪化してしまうよ」
姉 「そうですね……」
しずく「兄さん! スルーしないで助けてよぉ!」
.
263
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 17:01:44 ID:sKxQrAwM
璃奈(愛さん、魘されてる……?)
璃奈(そろそろ起こした方が良いかな)
.
264
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/03/20(水) 22:29:31 ID:ZWWSonOU
待ってたよ
265
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/04/10(水) 19:06:01 ID:ObJ/5U02
-虹ヶ咲学園 女子寮-
エマ「ほ、本当に撃っちゃったの!? パパったら……相変わらず無茶するんだから」
エマ「それで、ソフィア達の方は何て?」
弟 :そっちは相変わらずかな、エマがいなくて平和だとか
エマ「あはは……やっぱりね」
弟 :気にするな、意地を張ってるだけだ。本当は寂しくて仕方ない筈だよ
エマ「分かってる。でも……やっぱり少しだけ心配もしちゃうなぁ」
弟 :エマこそ相変わらずの心配性だな
エマ「お互いさまでーす。ガブリエルこそ、わたしがいなくて寂しくなーい?」
弟 :……寂しいに決まってるよ
エマ「じゃあハグしに帰国してあげよっか?」
弟 :ば、馬鹿を言うな!
.
266
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/04/10(水) 19:07:50 ID:ObJ/5U02
弟 :でも、その感じだと日本には慣れたのか?
エマ「うん、もう最高だよぉ。皆とても優しいし、面白い人ばかりだし。素敵な所だよ」
エマ「そうそう、この前なんか学校見学会で仲良くなった子と、その日にヨコハマまでお出掛けしちゃったんだ!」
弟 :学校見学? ……ああ、来年に入学してくる人達のか。こんな早い時期から始まってるんだな
エマ「うん! アイちゃんっていうんだけどね、とっても優しくて楽しい子! オバカだけど!」
弟 :へえ?
弟 :…… ……オバカだけど?
エマ「うん!」😊
弟 :そ、そうか……
エマ「今度、機会があったら紹介してあげるね」
弟 :どんな顔して会えば良いんだ……
.
267
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/04/10(水) 19:10:54 ID:ObJ/5U02
エマ「じゃあ、もうそこの角曲がれば部屋だから、そろそろ切るね」スタスタ
弟 :ん、分かった。またな
弟 :皆に伝えておく事あるか?
エマ「伝えておく事なんて決まってるよぉ。喧嘩しないで、元気で過ごして」スタスタ
弟 :はは、そうだった。エマも次に会うときまで元気で
エマ「うん!」
エマ「でも本当、ガブリエル達には心配───」⤵クルッ
倒れ伏す果林「 」
エマ「ばっひょ」
弟 :?!?!
.
268
:
名無しさん@転載は禁止
:2024/04/10(水) 19:11:38 ID:ObJ/5U02
倒れ伏す果林「 」
エマ「ひええぇぇっ?!」ズザザザザ
弟 :ッッ!? どうした!? 何かあったのかエマ!!
エマ「ひ、ひと、ひとがっ! ひと、死んっ、でるっ!」
弟 :な、何だって!? すぐ警察を───
倒れ伏す果林「いき……てる……わよ」ピクピク
エマ「あ、よかった生きてた」
弟 :ええ……
.
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