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穂乃果「イメチェンしたら、大騒ぎになっちゃったっ!?」

535 ◆bK3.D2B8eM:2020/05/21(木) 11:21:09 ID:jfOC6d2Q
あんじゅ「ふむふむ。そう考えてみると、昨夜の私と穂乃果さんとの出会いってー…」


あんじゅ「所謂『運命の出会い』なんじゃないかしら☆」ウフフッ


ツバサ「…貴女がそれを言うと、凄まじいまでの違和感だけが伝わって来てしまうわね。」

あんじゅ「もぉー。本当にツバサったら、私には平気で酷い事言うんだからぁー。」ムゥー


ツバサ「素直に感じたままを言っただけよ。別に他意は全く無いの。」

あんじゅ「むー…ツバサの言い方って、どうも納得が行かないのよねえ。」プクー


ツバサ「気を悪くしたのなら謝るわ。だから…続きをお願い出来るかしら。」


あんじゅ「もう…やり辛いわねえ。急にそうやって素直になるんですもの。」ヤレヤレ


あんじゅ「…それからドライブに行って、二人で色々と話をしていたわ。」

あんじゅ「でも…すぐに分かったのよ。あのコが、ある悩みを抱えていた事に。」


ツバサ「…高坂さんは、何かに悩んでいたの…?」

536名無しさん@転載は禁止:2020/07/21(火) 23:05:45 ID:TRv8Al0o
支援

537 ◆bK3.D2B8eM:2020/07/27(月) 07:53:46 ID:ZuvzNXyE
ご無沙汰しております。そして支援コメントをくださった方、遅くなってしまいましたが本当にありがとうございます。
今現在リアルでの時間や状況の見直しをしており、近日中にまた投稿を再開させて頂ける様にしたいと考えています。
宜しければ無事に再開出来た折には、また改めてお付き合い頂けるなら大変嬉しく思います。
こうして時間が空いてしまっていても支援をして頂けていた事、凄く感謝しております。本当にありがとうございました。

538 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 10:31:17 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「ええ。元々私が声を掛けた時にも、何だか元気が無さそうな感じではあったの。」

あんじゅ「最もあのコが悩んでると確信してからは、その原因自体が判明するのも早かったけれどね。」


ツバサ「…それで、その悩みの原因って…一体何だったの?」


あんじゅ「そうね…あのコは……穂乃果さんは。」


あんじゅ「自分自身の『女の子』としての魅力に、かなり自信を失いかけていたわ。」


ツバサ「……!」


あんじゅ「ねえ、ツバサ。貴女になら、その理由が…何となく分かるんじゃない?」

ツバサ「……何故、そんな事を聞くのかしら?」


あんじゅ「その問いへの答えは、貴女自身がよく知ってる筈よね…ツバサ。」

ツバサ「………」

539 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 11:00:54 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「だって、あのコと直接出会う前から。ずっとずっと、その前から。」

あんじゅ「初めてパソコンのモニター越しで出会った、その時から。あのコに惹かれ続けていた…貴女ですもの。」


ツバサ「………」


あんじゅ「あのね、ツバサ。『今日のあのコ』に関しての貴女の態度は、余りにも普段と変わらず『冷静』そのものだったわ。」

あんじゅ「私と会った時には、既にその『情報』を得た後だったとはいえ。貴女の表情には、全く『揺れ』が無かったのよ。」


あんじゅ「別に、さっきのお返しって訳じゃないけれどね。これって何だかおかしいって、普通なら誰もが思うんじゃないかしら?」

あんじゅ「あのコと関わりの少なかった筈のコ達までも含めて、向こうでは学校中で大騒ぎってくらいの事態になっているのに。」

あんじゅ「それでも、ずっとあのコを見てきた貴女の顔には…驚きも喜びも、それ以外の感情も。何一つ、其処に生まれていなかったもの。」


あんじゅ「そして、その理由はただ一つよね?ツバサにとって今のあのコの姿は、特別な何かを『今更』感じるものでは無かったからよ。」

ツバサ「………」


あんじゅ「でもそれって、貴女からすれば『当然』の事なのでしょうね。」

540 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 11:29:03 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「人は『自分が既に知り得ている事実』に対して、新たに何らかの感情を抱く必要は無いのだから。」


あんじゅ「つまりツバサが関心を持っていたのは、既に『自分には分かっていた』あのコの『変化した姿』ではなく。」

あんじゅ「あのコが『何故』あの姿に変化する事になったのか、という疑問への『答え』についてのみだった。」


あんじゅ「そして、その求めていた『答え』の先に待っていたのが…」

あんじゅ「昨日の夜からの、私と穂乃果さんとの間での出来事だった……とまあ、こんな感じかしらね。」


ツバサ「………」


あんじゅ「…貴女が初めて穂乃果さんと出会った、あの夕暮れの時。勿論、よく覚えているでしょう?」

あんじゅ「あの日のあの時、貴女は一目であのコに気付いたわ。学校外の付近には、沢山の人達が集まっていたにも関わらず。」

あんじゅ「何故そんな状況の中から、貴女はあのコを見つけ出せたのかしら?それも離れた学校の中から、いとも簡単に。」


ツバサ「………」


あんじゅ「確かにあのコには『音ノ木坂の制服を着ている』という、一つの『記号』的なものはあったわね。」

541 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 11:53:15 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「だけど貴女にとって、それは特に意味を持たないものだった。そんな『記号』なんて、元より貴女は見てなかったもの。」

あんじゅ「だってあの時のツバサは、もっと別のものを見ていたから。もっと別の『何か』だけを、最初からずっと見ていたのだから。」


ツバサ「……!」


あんじゅ「まだ表面的には、ほとんど出てきていなくても。それ故に、他の人達が全く気付けていなくても。」

あんじゅ「あのコから微かに見え隠れしていたその『何か』を、映像での出会いの時から感じ取っていた貴女だからこそ。」

あんじゅ「『それ』の持ち主である穂乃果さんを、貴女はすぐに見付ける事が出来た……そうでしょう?」


ツバサ「………」


あんじゅ「そうね…ツバサ。貴女だからこそ、すぐに『気付いた』のでしょうね…きっと。」

あんじゅ「穂乃果さんの周りにいる、沢山の人達も。そして穂乃果さん自身でさえも、自分で気付いていなかった…」


あんじゅ「その『輝き』に。」


ツバサ「…っ!」

542 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 12:10:20 ID:aVLH8z2I
ツバサ(………)

ツバサ(……『輝き』…か。)

ツバサ(…悪くない比喩ね……確かに…)


ツバサ(……でも。)


あんじゅ「だから、ツバサは――」


ツバサ「待って。」


あんじゅ「……分かったわ。」


ツバサ「…本当に感服するわね。貴女の察しの良さと…その鋭さには。」

あんじゅ「あら。それは褒め言葉として、素直に受け取っても良いのかしら?」


ツバサ「そう思ってくれて構わないわ。よく見てるのね…人も周りも。そして、私の事も。」

あんじゅ「フフ…だって、これでも貴女の『相棒』なんですもの☆」

543 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 13:05:29 ID:aVLH8z2I
ツバサ(『相棒(パートナー)』…こんなにも自分の事を、いつも側で見てくれている人って…とても貴重な存在なのでしょうね。)


ツバサ「……ただ…あんじゅ。貴女に、後一つだけ…お願いがあるの。」


あんじゅ「…ええ。聞かせてくれる?」


ツバサ「……私と高坂さんとの話は…今は、まだ……これ以上は…しないで欲しいの。」


あんじゅ「………」

ツバサ「………」


あんじゅ「……そうね。私ったら、少し立ち入り過ぎたかも知れないわ。」


ツバサ「いいえ…これは、私の我儘だから。」


あんじゅ「ふぅ……とにかく。気を付けるわね、ツバサ。」

ツバサ「ありがとう…感謝するわ。」

544 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 13:27:58 ID:aVLH8z2I
ツバサ「それでね…あんじゅ。今は……」

あんじゅ「さっきの話の続きが聞きたい、でしょう?」


ツバサ「ええ…聞かせて欲しいわ。」


あんじゅ「んもうー。貴女にずっとそんな顔されてたら、私の方まで調子狂っちゃうじゃない。」ムー

あんじゅ「普段は何事にも優秀で、このUTX学院が誇るエリートなのに。こういう時だけは不器用なのよね、ツバサって。」


ツバサ「…どうなのかしらね。」


あんじゅ「…でもね、ツバサ。さっきも少し、同じ様な事を言ったけれど。」

あんじゅ「貴女のそんな一面だって、私的にはー…結構気に入ってるのよ?」パチッ☆


ツバサ「…フフ。そう言って貰えると、私としては有り難いわね。」

あんじゅ「あら☆ちょっとは調子、出て来たのかしら?」フフッ

545 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 15:39:30 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「さて…それじゃあ、さっきの話に戻るわね?」

ツバサ「そうね…お願いするわ。」


あんじゅ「…私ね。あのコにはもっと、自分に自信を持てる様になって欲しいって…そう思ったの。」


あんじゅ「『一人の女の子』としての魅力だって、本当は沢山持ってるって事に…」

あんじゅ「こんなにも貴女は、凄く綺麗で素敵な女の子だって…絶対に気付かせてあげたかった。」


あんじゅ「最も…私はツバサの様に、最初から『気付いていた』訳じゃなかったわ。」

あんじゅ「それにあのコと二人で過ごした時間だって、たった半日程度の僅かなものだった。」


あんじゅ「でも…それでもね。私、ハッキリと分かったの。あのコ…穂乃果さんは……」

あんじゅ「他の誰よりもキラキラした、本当に素晴らしい女の子の魅力を…そんな美しい『輝き』を。」


あんじゅ「『彼女』は……絶対に持っているんだって。」


ツバサ「……あんじゅ…」

546 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 16:08:04 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「今日…あのコが学校中で大騒ぎになる程の評判だったと知って、とても嬉しく思っているわ。」

あんじゅ「恐らくはあのコも、その影響での戸惑いはありつつも。きっと少しは、元気や自信を得られたでしょうから。」


ツバサ(…そういう事、だったのね。)

ツバサ(それであんじゅは…高坂さんの為に……)


あんじゅ「でもね…まだなの。まだまだ、なのよ。 」

ツバサ「……?」


あんじゅ「だって…あのコの持っている本当の『魅力』は、学校の中で収まる程度のものじゃないわ。」

あんじゅ「そう。まだまだ、これからなのよ…あのコにとっての『真の始まり』は。」


あんじゅ「だから…だから、私は……」


ツバサ(…あんじゅ…?貴女、一体……)

547 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 16:20:55 ID:aVLH8z2I
あんじゅ「…ねえ、ツバサ。」


ツバサ「…ええ。何かしら?」


あんじゅ「明日、楽しみにしていてね☆」


ツバサ「明日…?それって、どういう――」


ガチャッ


ツバサ「あ……英玲奈…?」


英玲奈「………」 


あんじゅ「あら、英玲奈じゃない。今日も一日、ご苦労様〜♪」フリフリ


英玲奈「…やはりな。」ハア…


英玲奈「ツバサ。ミイラ取りのお前が、ミイラになってどうする?」

548 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 16:37:01 ID:aVLH8z2I
ツバサ「…本当にそうね。ごめんなさい、英玲奈。」


英玲奈「全く、お前らしくもない。それと…あんじゅ。」ギロッ


あんじゅ「あ、あら〜。もう、英玲奈ったら〜…」

あんじゅ「スクールアイドルをやってるキュートな女の子が、そんな怖ーい顔してたら〜…ダメよぉ?」タジタジ


英玲奈「今日のレッスンメニュー、お前には50%割増し券をプレゼントだ。」

あんじゅ「そ…それは、ちょっと〜…ご遠慮願いたいな〜、なんて…オ、オホホホ。」ソソクサ


英玲奈「そうか?何なら特別サービスで、更に20%割増し券を進呈してやっても良いのだが。」


あんじゅ「…っ!?あっ…あぁ〜…その〜……あ、あのねっ?えっ、ええっと〜…」アセアセ


あんじゅ「ほ、ほらっ?そろそろ、レッスンルームに移動しないとぉ〜…私、先に行ってるわねぇ〜?」ピュー


タッタッタ…!

549 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 16:50:08 ID:aVLH8z2I
英玲奈「…ハァ……あんじゅにも、困ったものだな。」


英玲奈「ああ見えても、普段は練習も真面目な方だし。時間にルーズだという訳でも無いのだが。」

英玲奈「根が気紛れなのか、時々あの様な感じになってしまう。」


ツバサ「そうね。だけど、今回に関しては…どうやら今までとは、話が大きく違いそうよ。」


英玲奈「…やはり『高坂穂乃果』なのか?」


ツバサ「ええ、それは間違い無いわ。私の目から見ても、あれはかなり…熱をあげているわね。」

英玲奈「…これまでのあんじゅを考えると、どうも信じ難い話ではあるのだがな。」


ツバサ「でも、それだけじゃないのよ。ついさっきも『明日を楽しみにしていて』…なんて言っていたわ。」

ツバサ「その言葉が『何に対しての事なのか』までは、あんじゅは口にしてはいなかったけれど…」

ツバサ「それでも『高坂さんに深く関係がある話』という事だけは、ほぼ確実だと考えて良いでしょうね。」


英玲奈「そうか……まさかお前だけでなく、あのあんじゅまでとはな。」

550 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 17:04:00 ID:aVLH8z2I
ツバサ「あら、英玲奈。その点については、私とあんじゅを一緒にしないでくれるかしら?」

ツバサ「私は節度をキチンと守った範囲内で、常にその場での状況等も把握しつつ。何よりも高坂さんに迷惑な事は決して…」ウンヌンカンヌン


英玲奈「ふぅ…分かった、分かった。」


英玲奈「時間が惜しい、私達も早く移動するぞ。」

ツバサ「そうね…急ぎましょう。」


英玲奈「ちなみにツバサ。お前にも30%割増し券を進呈だ。」

ツバサ「………」


ツバサ「主犯のあんじゅよりは、軽めのサービスにしておいたぞ。有り難く受け取れ。」


ツバサ「…せめて20%で、お願い出来ないかしら?」


英玲奈「その問いに対しての返答は必要か?どうしてもと言うのなら、別に答えてやっても良いが。」

英玲奈「最もその場合には、更なるプレゼントも一緒に進呈となるだろうがな。」

551 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 17:30:10 ID:aVLH8z2I
ツバサ「…愚問だったわね。」 


英玲奈「さあ、急ぐぞ。」

ツバサ「ええ…そうね。」


バタン


タッタッタ…!


英玲奈(…それにしてもだ。あの『μ's』の中心人物である、彼女…高坂穂乃果に。)

英玲奈(まさかツバサだけでなく、あんじゅまでもが入れ込んでしまう事になるとはな。)


英玲奈(二人のプライベートに関してまでは、私が口を挟む権利も…元よりそのつもりも無いのだが。)

英玲奈(今日の様なケースを何度も繰り返されるのは、流石に勘弁して貰いたいものだな。)


英玲奈(いざという時の為の対策案については、私の方で一応考えておく事にするが…)

英玲奈(まあ、それでもあの二人なら…流石にそこまで深刻な事態までは行かないだろう。)

552 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 17:43:00 ID:aVLH8z2I
英玲奈(とにかく、二人の高坂との件に関しては…そうだな。)

英玲奈(もう暫くの間は、様子見に留める事にしておくとしようか。)


英玲奈(そう言えば…明日あんじゅが何か動きそうだと、先程ツバサが言っていたが…)

英玲奈(それが本当だとした場合、あんじゅの奴が何をしでかすつもりなのか…少々気になるな。)


英玲奈(さて…どうしたものか。明日は私も、あんじゅの動きを見る事に念を置くべきだろうか…?)

英玲奈(ツバサがそう考えていたのであれば、高坂が関わってくる可能性が高いのは間違い無さそうだが…)


英玲奈(ただ、それならば。私達『A-RISE』への、今後の影響等も見極めておく為にも。)

英玲奈(あんじゅだけでなく、高坂穂乃果の方も。そして、この二人によって起こり得る『何か』を。)

英玲奈(やはり私としても、出来る限りは追っておきたいものだがな。)






553 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/09(日) 17:55:33 ID:aVLH8z2I
長い間ご無沙汰しておりました。今回、本当に久しぶりとなる投稿をさせて頂きました。

リアルでの忙しさに流されたまま、気が付けば前回の更新から二か月以上も経ってしまいましたが、
今回の再開をきっかけとして、また可能な限り定期的に投稿を続けていければと思っています。
そして支援コメをくださった方に、今一度この場でお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

それでは改めまして、今後ともどうか宜しくお願い致します。

554名無しさん@転載は禁止:2020/08/15(土) 01:14:49 ID:6pAhmhuw
支援

555 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/19(水) 07:19:38 ID:yhLAY2/E
支援コメントを下さった方、本当にありがとうございます。
近々時間が何とか取れそうですので、数日中にまた更新させて頂く予定です。
その際には宜しければ、引き続きお付き合い頂ければとても幸いです。

556 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/23(日) 10:17:19 ID:KSoqJWPo
SCENE 16.【通学路・帰宅ルート途中】


海未「……ふう…」


海未(少なくとも…己自身の体力面に関しては、人並み以上との自信を持っている私ですが…)

海未(そんな私であっても、流石に今日ばかりは…結構な規模での疲労感が、この全身を支配している様ですね。)

海未(しかし…それもその筈です。私の今の状態は、成るべくして成った結果…という事なのでしょうから。)


海未(今日の穂乃果による学校での出来事だけでも、心身共にかなりの消耗度であったのに加えて…)

海未(その穂乃果と二人での、先程までの帰宅の際にて…私は更なる労力を、大幅に費やす状況となりました。)


海未(私が穂乃果を家に送り届けるまでの間。ずっと途切れる事も無く、穂乃果に向けられていた…あの数多くの視線達。)

海未(老若男女を問わず、街を往くあらゆる人達が穂乃果を見ていました。その誰もが熱を帯びた様な感情を、それぞれの瞳に宿しながら。)

海未(その光景は、ある意味では異質とも思える程でしたが…何にせよ街を歩く穂乃果は、瞬く間も無く人々の注目の的でした。)


海未(それを目の当たりにした私は、改めて強く実感していました。にこや希の話は、決して誇張されたものでは無かった…という事を。)

557 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/23(日) 11:06:49 ID:KSoqJWPo
海未(そして…気が付けば私達の周辺は、隙あらば穂乃果に迫ろうとする『気配』で溢れていて…)

海未(特に危険を強く感じたのは…やはり私の予想していた通りに。見るからに近寄りがたい風貌をした類の…若い男性達でした。)

海未(明らかに邪な目で穂乃果を見ていた彼らが、あの時に一体どんな表情をしていたか……正直、思い出したくもありません。)


海未(しかしながら、実に困った事に。その自分の置かれていた状況を、当の本人は今一つ分かっていなかった様で…)

海未(無論、それ位の事は私の想定内でもあり。だからこそ穂乃果と下校すると共に、私の方で護衛役を務める事にしたのですが…)


海未「ハア……全く。学校の中だけでも、あれ程の騒ぎにまでなったというのに。」

海未「こういう事には、筋金入りの鈍さですからね…穂乃果という人は。」


海未(にこに『もっと自覚を持ちなさい』と言われて、穂乃果もその言葉の重さを受け止めてはいた様子でしたが…)

海未(ただ、だからと言って…まだ時間も経っていないその日の内から、急に理解出来る様になる…という訳でも無いのでしょうし。)


海未(とにかく…常に周囲への警戒を怠らず、同時に穂乃果の側からは決して離れずに。)

海未(少しでも穂乃果に近付く気配を見せた者には、私の出し得る最大級の『殺気』を即座に放って。)


海未(私が穂乃果を送り届けるまでの間、終始それらを繰り返し続けた結果として…少なくとも今日に関しては、特に大きな問題も無く。)

558 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/23(日) 13:56:06 ID:KSoqJWPo
海未(穂乃果が自分の家の側に到着するまで、何とか無事に護り抜く事が出来ましたが……)


海未(ふぅ……私としても、事前にある程度の予測はしていた状況だったとはいえ。)

海未(実際に自分の目の前で起きた『事の重さ』は、当然ながら予測等の比ではなく。)

海未(故に…もしも私が側に居なくて、穂乃果一人だけでの下校だったのならば……一体どうなっていたのでしょうか。)


海未「……そう考えてみただけでも…本当に恐ろしくなりますね。」


海未(そして…この件には重大な問題点が、まだ残っています。)


海未(私としては今後も可能な限り、先程の様に自身で穂乃果を護りたいと…そう思っているのですが。)

海未(しかしながら…やはり現実問題として。必ずどこかでその限界が生じてしまうのは、どうしても避ける事は出来なくなります。)


海未(勿論、私の事情がどうであろうとも。穂乃果一人だけでの下校等は、これからも絶対にあってはいけません。)

海未(それが余りにも危険過ぎる行為なのは、既に火を見るよりも明らかなのですから。)


海未(穂乃果の他人を疑わない素直さや純粋さは、確かに人としての美徳でもありますが…)

559 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/27(木) 03:08:26 ID:csr9wNI2
海未(悲しくも世の中には、そこに付け入る良からぬ輩が多いという事も…一つの真実でもあるのですから。)


海未(そして、何よりも。女性としての魅力が強烈なまでに解放された、今の穂乃果が一人で街を歩く等というのは。)

海未(正に『凶暴で飢えた狼の群れの中に、か弱い羊を放り込む』に等しい行為でもあり。)

海未(文字通り『飛んで火に入る夏の虫』となってしまう、極めて愚かな選択であると言わざるを得ません。)


海未(よって今の穂乃果が『一人で下校』等というのは、論外中の論外であって。)

海未(必ず、そして常に『誰かと一緒の下校』でなければいけないのです。)


海未(ただ…そうなりますと。何らかの事情によって、私が穂乃果と一緒に帰る事が出来ない場合に。)

海未(その私の代わりに穂乃果を、家まで安全に送り届ける護衛役となる存在。)

海未(今の穂乃果…そして、私にとっても。この非常に重要な役目を引き受けてくれる人が、早急に必要となるのですが……)


海未(正直この護衛役については、私でも一人ではかなり大変だと感じています。)

海未(ですからこの役目を、もしことりにお願いしたとしても。今の穂乃果を護るには、流石に一人だけでは難しいかも知れません。)

560 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/27(木) 06:03:31 ID:csr9wNI2
海未(従来通りならばことり一人でも、充分にこなせていた役であった筈でしたが…)

海未(今となっては、穂乃果への『危険』となり得る存在達。その規模自体が、これまでとは全く違うのです。)


海未(それに…今日の学校でのことりの様子も、少し気掛かりですし。)

海未(恐らく今のことりには、この護衛役を頼む事で…色々と無理をさせてしまうかも知れません。)

海未(ですから、その点を考慮してみても…少なくとも現状に於いては、やめておいた方が良さそうです。)


海未「……ふう。やはりこの件、私が考えていた以上に…決して簡単な問題ではない様ですね。」


海未(…今、必要となるのは。私が不在の際に帰宅する穂乃果に対して、何かしらの危険が迫りそうな時。)

海未(その迫り来るであろう数々の危険から、必ず穂乃果を守ってくれる存在となる人。)


海未(ですが、その為には…『あらゆる状況に応じて様々な対処が出来るだけの判断力や行動力』等が、大いに求められる事になります。)

海未(何故なら、この絶対的条件を満たしている人物でなければ。この『護衛』という役割を務める事は、決して出来ないでしょうから。)


海未(しかし…そう考えてはみたものの。この大事な役目に必要とされる条件に全て適う人が、私達の知人の中から見つかるでしょうか…?)

561 ◆bK3.D2B8eM:2020/08/27(木) 07:16:51 ID:csr9wNI2
海未(そうなのです…この護衛役には『私達の知人である』という点も、とても重要となります。)

海未(まず第一に、私達と同じ音ノ木坂の生徒であり。時間にある程度の都合がつく様に、出来れば部活には無所属であって。)

海未(そして『一緒に帰宅する』という行動を取る以上、『穂乃果のよく知る人物』である事。これこそが最も望ましいのです。)


海未(しかも、それだけではありません。更に後一つ、非常に重要となる条件…それは『一人では人数が足りない』という点です。)

海未(例えば私の様に、護身術等に人並みの心得でもない限り。女生徒一人だけでは、やはりこの役目は困難となる可能性が高くなります。)

海未(ですから、護衛役となるのは一人だけではなく…最低でも二人……いえ、三人は居て欲しいところです。)


海未(そして、その人達同士でもお互いに知り合い以上であって。それぞれ信頼関係が築かれている間柄でもあり。)

海未(その強い繋がりから、チームワークにも優れているのならば。この護衛役としても、実に理想的であると言えるのですが……)


海未「…最もそんな人達が都合良く、私達のすぐ側に居てくれるのかは…また別の話なのですよね。」ハア…


海未(さて……一体どうしたものでしょう。)

海未(まずは『μ's』のメンバーに、この件を相談をしてみるべき…なのでしょうか?)

562名無しさん@転載は禁止:2020/11/01(日) 21:56:01 ID:iXRDecwE
支援

563名無しさん@転載は禁止:2020/11/10(火) 00:43:12 ID:0d4XkzDo
〜人類の歴史は2032年で終わり〜

木村秋則
「長さが5キロメートル以上あるUFOの内部で宇宙人(人類と同じ姿をしてるが人類より綺麗で朗らかでギリシャ彫刻のような顔をしてる)から地球カレンダーを見せられた。
それにこれから地球で起こることが書かれていた。
それを見ていくと枚数が少なかったのでなんでここで終わるのと聞いたら『そこで人類の歴史は終わり』と言われた」

それは口外してはいけないことになっていたが去年酒に酔った木村秋則はその年をポロッと言ってしまった。
それが2031年か2032年。

木村秋則によると・・・
・宇宙人は物を小さくする爆弾を持ってる。
・小型のUFOの側面の壁の厚さはビニール袋より薄い。これを手で触ると透明になり外が見えた。これのサンプルを手で折ろうとしても折れず、足で踏んでもまったく変形しないほど硬かった。
・宇宙人は人類をすごく見下してる。
・宇宙人は240種類の元素を知ってる。人類は120〜130種類ほどしか知らない。
・宇宙人のUFOは人類が10億年かかる距離を一瞬で移動できる。
・宇宙人は空中を浮遊できる。
・宇宙人は手を使わずに家の窓や扉を開けることができる。
・宇宙人との会話はテレパシー。考えたことがすぐに宇宙人に伝わり答えが返ってくる(頭の後ろから聞こえてくる)。

木村秋則(世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功した日本の農家)

グレイやビッグフットは宇宙人が作った生体ロボット。

木村秋則「人類は何とかしないと駄目だよ。もう残された時間が無いのだから・・・」

↑キリストが亡くなった31年か32年から2000年間でダメだったら滅ぼすと決めてたみたい。

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〜松原照子の世見(予言)〜

「近いうちにUFOが来るよ」(2020年8月に世見)

「今から20年以内(2032年まで)に富士山の噴火も含めた大災害が起きる」(2012年2月に世見)

「近未来に小惑星が地球に衝突する日が必ず来る気がしています。もし小惑星が地球に衝突したら日本は消滅します」(2019年2月に世見)

「東海、東南海、九州よりの地震がくる」

「首都直下地震がくる」

「南極のオゾンホールは拡大を続けています。日本でも強い紫外線が原因となる病気がこれから深刻化する。
皮膚癌が増加。白内障は高齢者だけの病気ではないので若い世代も気をつけるべき。
免疫力が低下しヘルペスや感染症も増えていく。
これからの30年にもっとも気をつけるのは紫外線です」(2019年2月に世見)

「トランプ大統領は再選しない」(2019年2月に世見)

564 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/11(水) 14:20:16 ID:OGxZmgP2
またしても大変ご無沙汰しておりました。
そして支援コメを下さった方、どうもありがとうございます。
なかなか自分の思う様に時間の方が取れず、更新期間が数か月単位で空いてしまっている現状でありながら、
それでも支援して頂けている事に凄く励まされました。本当に感謝しております。

565 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/11(水) 14:42:45 ID:OGxZmgP2
海未(ですが、もしこの件を皆にお願いするにしても…希は神社でのお手伝い、真姫は病院での用事、にこは家の事等で。)

海未(普段の練習が終わった後には、それぞれの予定や事情で忙しい事も多いですから…それを考えると、色々と難しいかも知れません。)


海未(…ならば、仮に交代制を設けてみるとして。その日毎に都合のつく人達が、穂乃果と一緒に下校する…という形にするのであれば…)

海未(ただ…これも当面は毎日必要となる訳ですし。必ず誰かには、何かしらの負担を掛けてしまうのは…確実に避けられない事でしょう。)


海未(それでも、私が皆に事情を話したのであれば。全員が穂乃果の為に協力してくれる事は、まず間違いないとは思います。)

海未(しかし、だからと言って…まだ別の手段の可能性を残したまま、安直に皆の好意に甘えてしまっても良いものか…とも考えてしまいます。)


海未(そう…実は先程から今に至るまでの間に、私がずっと気になっている『別の手段』とは…それは『μ's』のメンバーよりも。)

海未(もっとこの役目に相応しい人達が、実はまだ他にいるのではと……そんな気がしてならないのです。)


海未(何故に今の私が、特に根拠も無くその様に思っているのか…正直その理由までは、自分自身でも分かってはいませんが。)

海未(にも関わらず、不思議とそう感じてしまっている。そんな私が、今の自分の中にいる事も…どうやら確かな様であって。)

海未(もしかしたら…これが所謂『勘』なのでしょうか。) 


海未「…フフ。本来ならそういった類のものは、私ではなく穂乃果の十八番なのでしょうけど。」

566 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/11(水) 15:02:12 ID:OGxZmgP2
海未(さて…それにしても。本当に…どうするべきなのでしょう。)


海未(…いいえ。その答えなら、もう既に出ています。)


海未(ええ…そうですよね。今すぐにでも、探すしかありません。)

海未(例えそれが、とても難しい事であると分かっていても。これらの条件に適うであろう『誰か』を。)


海未(しかもです。その『誰か』を少なくとも二人以上は、今日中にでも見つけなくてはいけないなんて。)

海未(更に加えるなら、仮にその人達を見つけられたとしても。この件の承諾を得られなければ、それこそ全く意味が無いのです。)


海未「ふぅ……我ながら、無茶な話ですよね…本当に。」


海未(と、また今も……どうも今日の私は、無意識での溜息が多い様です…気を付けるとしましょう。)


海未(とにかく…もし穂乃果が、今の私の立場であるなら。これ位の事では、決して諦めたりはしないのでしょうね。)

海未(穂乃果のそういった姿勢には、これまでにも振り回される事が多かったのですが。)

海未(しかし、穂乃果は…それ以上に。本当にかけがえのない沢山のものを、私やことりに…いつも与え続けてくれました。)

567 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 12:05:58 ID:rXVFQMAw
海未(ですから、今は私も。穂乃果のその前向きな姿を、素直に見習ってみたいと…そう思っているのです。)


海未(クス…そうですね。今となっては、自分自身でも自覚している程に。)

海未(私も穂乃果からの影響を、こうして強く受けてしまっています。)


海未(さて……これより私が取るべき行動は、穂乃果の護衛役に適任となる人を早急に見つけ出す事。)

海未(ですが、その行動に移る前に。確認の意味合いも含めて、今一度重要となる点を考慮しておきましょう。)


海未(まず第一に。私が今から探す対象となるのは、これまでに挙げていた条件を全て満たしている人物であり。)

海未(そして次に。護衛の安全性をより高いものとする為にも、必要とする人数は最低でも二人…可能であるなら三人。)

海未(更に。もし無事に見つけられたとしても、その人達からの承諾を即時に頂かなくてはならない……)


海未(…やはり、改めて考えてみても。この一つ一つの全てが、相当な難問となるであろう事は…まず間違いないでしょうね。)

海未(しかし、だからこそ…そうであればある程に。私が先程から気になっていた、この役目に相応しいであろう『誰か』が。)

海未(本当にその様な人達が、穂乃果や私達の周りにいてくれたのなら…一体、どれ程に――)


???「おーい、海未ちゃーん!」

568 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 12:16:26 ID:rXVFQMAw
海未「えっ…?」クルッ


ヒデコ「おー、ホントに海未ちゃんだ!」

ミカ「ほらほら、やっぱりそうだったでしょ?」ドヤッ


ヒデコ「うむ、実に大儀であった。褒めて進ぜようー。」

ミカ「ハハ―、ありがたき幸せでございまするー。」


ヒデコ「ところで、ミカよ。この間の山吹色の菓子だが、中々の美味であったぞ?」ニヤリ

ミカ「それはそれは。ヒデコ様のお気に召して頂けたようで、何よりでございますなぁ。」ニヤリ


ヒデコ「うむうむ。はっはっはっはー。」

ミカ「ほっほっほっほー。」


海未「………」ポカーン


フミコ「はいはい。ほら二人とも、三文芝居はそこまでにね?海未ちゃんが置いてけぼりになってるから。」

569 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 12:56:58 ID:rXVFQMAw
ヒデコ「おおっと!これは大変失礼しましたー<(_ _)>」

ミカ「私もつい、ノリノリになっちゃってた。ゴメンなさーい><」


フミコ「やれやれ。それと、ゴメンね?急に呼び止めちゃって。」


海未「い、いえ…どちらも別に、謝って頂く程の事では…どうか気にしないで下さい。」


ヒデコ「うん、ありがとう。そう言って貰えてホッとしたよー。」

ミカ「あはは、私もー。ところで海未ちゃんも、これから帰るトコだったの?」


海未「え?あ…その。私の方は……」


ミカ「ん?そう言えば海未ちゃん、今日は穂乃果達と一緒じゃないんだね?」

海未「あ、いえ…穂乃果とは、先程まで一緒でしたが…恐らく穂乃果の方は、もう帰宅を終えている筈です。」


ヒデコ「ああ、なる程。じゃあ海未ちゃんは、穂乃果を家まで送って行ってあげてたのかな?」

海未「ええ…そういう事になります。私の個人的判断ではありましたが、その方が良いと思いましたので…」

570 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 13:15:00 ID:rXVFQMAw
ヒデコ「そっか、ご苦労様。まあ今日の穂乃果の騒動っぷりじゃあ、それも仕方ないんだろうけどね。」

ミカ「うんうん。すっごい人気だったからね、今日のイメチェンした穂乃果。きっと帰り道でも、目立ってて大変だったんでしょ?」


海未「…はい。私が事前に予想していた、それ以上の状況でした。」


フミコ「……ジー―……」


海未「…あ、あの……どうか、されましたか…?」


フミコ「ジーー……何だか、元気ないね?」


海未「え…?」ドキッ…


フミコ「それに、ただ疲れてるだけ…って感じじゃないみたい。」

海未「そ、そう…でしょうか?」


ヒデコ「ふむふむ、やっぱりフミコもそう思ってたんだ。実を言うと、私もなんだよね。」

571 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 13:24:08 ID:rXVFQMAw
ミカ「うん、私もちょっと気になってたよ。今日の海未ちゃんって、何だか難しそうな顔してるから。」


海未(…今の私は、そこまで分かりやすく…ハッキリと顔に出ていたのでしょうか…?)

海未(私自身としては、不必要に己の感情を表立って出さない様『常日頃から冷静であれ』と…そう心掛けているつもりなのですが…)


海未(ふぅ……どうやら私は、自分で思っている以上に…まだまだ修行が足りない、という事なのでしょうね。)


ヒデコ「さてと。海未ちゃん、あのね?」


海未「あ……は、はい。」


フミコ「もしも海未ちゃんが、何か悩みとかあるならなんだけど。」


ミカ「私達で良かったら、幾らでも相談に乗っちゃうよ!」


海未「……!」


フミコ「ま、そういうコトだね。」パチッ☆

572 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 13:46:32 ID:rXVFQMAw
海未(…不思議なものです。私が悩んでいた帰り道の途中に、ヒデコさん達と偶然出会って…)

海未(それに…私個人とは交流が少なかったにも関わらず、こうして温かいお気遣いを頂けるなんて…)

海未(本当に世の中とは…何時如何なる時に、何が起こり得るのか分からないもの…なのですね。)


ヒデコ「それで、どうなのかな?海未ちゃんが今、ホントに困ってる事とかあるなら。」

フミコ「遠慮なんてしないで、私達に話してみて欲しいなって。」


海未「…あ、あの……」


ミカ「ん?なになに?」


海未「…私としては、その……皆さんのお気持ちは、大変嬉しく感じています。」

海未「ただ…やはりと言いますか……流石に色々と、皆さんのご迷惑になってしまうのでは……」


ヒデコ「なーに言ってんの?そんな訳ないじゃない!」

ミカ「そうそう!穂乃果の大事な友達は、私達にとっても大事な友達なんだから。」

573 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 13:59:25 ID:rXVFQMAw
海未「…ヒデコさん…ミカさん……」


フミコ「だからね、海未ちゃん。私達3人で、今の海未ちゃんの力になれる事って…何かないかな?」


海未「…フミコさん……ありがとうございます。皆さんの、とても温かいお気遣い…心より感謝します。」ペコリ


ミカ「いやいや、そんなに畏まらなくても大丈夫だよー。」


ヒデコ「まあ『μ's』のみんなと比べちゃうと、私達じゃ何かと物足りないかもだけど。そこは一つ、我慢して貰うしかないよねー。」タハハ


ミカ「あいたたたー><そこを言われちゃうとキッツイなあー。」

フミコ「あはは。でも、こればっかりは本当の事だからね。」


海未「そ、そんな…!そんな事は、絶対にありません…!!」キッ


ヒデコ「うわっと!?」

574 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/26(木) 14:54:20 ID:rXVFQMAw
海未「…まだ私達が三人の時から、今日に到るまでの『μ's』が…皆さんからの力と優しさに、どんなに助けられてきた事でしょう。」

海未「もしも貴女方が、私達の側に何時も居てくれなかったのなら…私達『μ's』は、一体どうなってしまっていた事でしょうか。」


海未「ですから…穂乃果達だけでなく、私だって…!」

海未「本当に皆さんには、数え切れない位の感謝でいっぱいで…!」


海未「そして、そんな皆さんの事を…!私達はいつだって、心から頼りにして――」 


海未「――っ!!」ハッ


ミカ「……ん…?あれれ…?」


フミコ「何だか海未ちゃん、私達に嬉しい事を言ってくれたと思ったら…」

ヒデコ「…急に固まっちゃったね。」


海未(………そう……そうです。)

575 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/30(月) 12:14:57 ID:nbh1jiAk
海未(僅か数分前の私が、ヒデコさん達と出会う直前まで…その瞬間まで、ずっと気にしていた事ではありませんか。)

海未(それなのに、私は…本当に情けない事に。今の今まで…全く気付けていませんでした。)


海未(きっと私の中に、初めから『在ってくれた』筈の…この大切な『答え』に。)

海未(どんな時でも、私達の側に居てくれて…そして今も、私達を支え続けてくれている…とても大切な人達の存在に…!)


ヒデコ「おーい、海未ちゃーん…?何かよく分からないけど、大丈夫かなー…?」フリフリ


クワッ!!


海未「皆さんっ!!」ギロッ


ヒフミ「「「ひっ!?」」」ビクッ


海未「どうか…どうか…!これから私の話を…聞いて頂けますか…!?」ジィィーー…


ヒフミ「「「……は…はいっ…!」」」タジタジ

576 ◆bK3.D2B8eM:2020/11/30(月) 12:19:10 ID:nbh1jiAk
海未「ありがとうございます…!それで、その話というのは……実は。」ジィーー…


ミカ「……じ、実は…?」

フミコ「な、何…かな…?」


海未「ヒデコさん…フミコさん、ミカさん。」

海未「私から皆さんに、どうしても…ご相談したい事があるのです。」


ヒデコ「…え、ええっとー……私達に…相談したい、事…?」


海未「はい。それは……」


海未「今後の…明日からの穂乃果の事について、なのですが――」







577 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 04:42:03 ID:RgwXq3gg
SCENE 17.【高坂宅・裏側出入口 近辺】


穂乃果(ふぅ〜……疲れたぁ。)


穂乃果(今日は朝から、色んな事が立て続けにあったし…ビックリしちゃう様な事も多くて、本当に大変だったけど…)

穂乃果(でも…学校のみんなが、あんじゅさんにメイクして貰った私の事を…いっぱい褒めてくれて…///)

穂乃果(それに『μ's』のみんなが、今の私を優しく受け入れてくれて…すごく嬉しかったなぁ…えへへ///)


穂乃果(あ…そういえば。さっきまでの帰り道の途中で、海未ちゃんが…何度もキョロキョロしながら、私達の周りを見てたっけ。)

穂乃果(時々私が何か話しかけても、返事は『シッ!』ばかりで…それでも私の側からは、絶対に離れようとしなかったし。)


穂乃果(私達って普段なら、途中で別々になってから帰ってるけど…それなのに今日は、私の家の近くまで一緒に来てくれて。)

穂乃果(そして別れ際の時には、まだ少し不安そうな顔をして帰って行った…そんな今日の海未ちゃん。)


穂乃果(私には、よく分からなかったけど…きっと海未ちゃんとしては、私の事を心配してくれてたのかな…?)

穂乃果(うーん……よし。また今度海未ちゃんと、ゆっくり話せそうな時にでも聞いてみよっと。)

穂乃果(本当にそうなら『心配してくれてありがとう』って、ちゃんと海未ちゃんに伝えたいもんね。)

578 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 05:03:58 ID:RgwXq3gg
穂乃果(あ、そうそう…!明日はあんじゅさんと一緒に、ショッピングに行く約束をしたんだよね。)

穂乃果(今から楽しみなんだけど、実はすこーし不安もあったりして…貰ったばかりの私のお小遣いでも、予算って足りるのかなあって。)

穂乃果(でも、まあ…きっと何とかなるよね?いざとなったら、お財布に優しい『ウィンドウショッピング』でもいいんだし。)


穂乃果(…明日、あんじゅさんに会えるんだ。一緒にいた時間が、ちょっと空いただけなのに…何だか不思議。)

穂乃果(またすぐに会える筈なのに、何だかそれが懐かしく感じるなんて……早く会って、色んな事…お話したいな。)

穂乃果(お礼を言いたい事、いっぱいあるし。それに、聞いて欲しい事だって…いっぱいあるから。)


穂乃果(…ことりちゃん、今日は様子がヘンだったけど…本当に大丈夫なのかな…?)

穂乃果(何だか、ずっと元気がなさそうだったし…先に帰って行った時も、かなり無理してた感じだったけど…)

穂乃果(ことりちゃんって、すごく優しいから…自分が辛いのに、誰かのために我慢しちゃう事も…結構あるんだよね。)


穂乃果(だから…もし今のことりちゃんが、何かに悩んでるのなら。私じゃ全然、頼りないかも知れないけど…それでも。)

穂乃果(やっぱり私は、ことりちゃんの力になりたい。悩んでることりちゃんのために、私が出来る精一杯の事を…したいな。)


穂乃果(ことりちゃんが、早く元気になってくれて。そして…いつもみたいに、優しく笑って欲しいから。)

579 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 05:21:19 ID:RgwXq3gg
SCENE 18.【高坂宅・一階 居間】


ガラガラ…


雪穂「…あ、お姉ちゃんだ。」


亜里沙「え?穂乃果さんが帰って来たの、雪穂?」

雪穂「うん。あの音はお姉ちゃんで、絶対間違いないよ。」


亜里沙「ハラショー…物音だけで分かるなんて、さっすが雪穂だね!」

雪穂「まあ、いつも聞いてる音だからさ。いい加減、耳で覚えちゃうんだよね。」


亜里沙「雪穂のだーい好きなお姉ちゃんの、帰って来る音だもんね?」ニコッ

雪穂「べ、別に…そんな事…ないし///」プイッ


亜里沙「それに穂乃果さんとは、昨日の朝ぶりの再会なんでしょ?」

580 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 06:29:19 ID:RgwXq3gg
雪穂「い、一日ちょっと会えなかったくらいで…全然、寂しくなんてないから…!///」


亜里沙「ねえ、雪穂。私は別に『寂しかった?』なんて、一度も雪穂に聞いてないよ?」フフッ

雪穂「……むむぅ…///」 


亜里沙「やっぱり穂乃果さんの事、とっても大好きなんだね♪」ニコニコ

雪穂「…も、もう…!//////」カアア


亜里沙「クスクス。私も今日は、穂乃果さんに会えるのが楽しみだったんだよ。」

雪穂「あ…そっか。最近だと亜里沙って、お姉ちゃんとはお喋りとか出来てないんだっけ。」


亜里沙「うん…だから雪穂が『今日だったら、ゆっくり会えるかも知れないよ』って教えてくれて、本当に楽しみだったの☆」


亜里沙(そう。今日は穂乃果さんと、久しぶりにお話が出来そうなんだから…ちゃんと伝えたいな。)

亜里沙(それに今日こそは、いっぱい穂乃果さんと一緒にいられるチャンスなんだもん。よーし…頑張らなきゃ!)

亜里沙(うん、穂乃果さんに伝えよう。もっと私と仲良くして欲しい、今の私の…この気持ちを。)

581 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 06:38:34 ID:RgwXq3gg
亜里沙(亜里沙は…雪穂と一緒に、穂乃果さんにギュッとして貰った時の…あの時の、とっても優しい気持ちを。)

亜里沙(とってもポカポカになる、あの日の温かさを。もっともっと穂乃果さんから…これからも、いっぱいいっぱい貰いたいから…!)


スタスタスタ…


亜里沙「…あ!そろそろ穂乃果さんが、こっちに来るんじゃないかな?」

雪穂「そ、そうだね…///」イソイソ 


雪穂(もう…亜里沙があんな事言うから、何だかヘンに意識しちゃうじゃん…!///)


穂乃果「ただいまー。」ガラッ


雪穂「あ…あの!お姉ちゃん、おか……え……」

亜里沙「こんにちは。お邪魔してます、穂乃果さ……」


穂乃果「あ、雪穂。ただいまー!」

582 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 06:52:28 ID:RgwXq3gg
雪穂「…………」


穂乃果「亜里沙ちゃん、いらっしゃい!やっぱり来てたんだね。」


亜里沙「…………」


穂乃果「玄関にそれっぽい靴があったから、きっと亜里沙ちゃんかな…って、二人とも…どうかしたの?」


カランカラン…


高坂母「ああ、穂乃果。もう帰ってた、のね…って………」


穂乃果「あ、お母さん。ただいまー…って……お母さんまで、どうしたの…?」


雪穂「…………」

亜里沙「…………」

高坂母「…………」

583 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/03(木) 07:11:20 ID:RgwXq3gg
穂乃果「…ええっとー……ねえ、みんなー?もしもーーし?」


雪穂「………あのぉー……」


穂乃果「え…?雪穂…??」



雪&母「「…どちら様でしょうか…??」」



穂乃果「ちょっ!?それってヒドくないっっ!??∑( ̄△ ̄;)」ガーン!







584 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/07(月) 13:24:46 ID:Du4OX.4o
穂乃果「もー!みんなホントにヒドいよー!」プンプン=3


雪穂「だからゴメンってば〜…!でも本当にさ、一瞬だけ分からなかったんだよ///」


穂乃果「むー…まあ亜里沙ちゃんは、まだ仕方ないにしてもだよ?実の家族までが、すぐに気付いてくれないなんて!」

穂乃果「これでも私、結構ショックだったんだからねっ?全くー!」プクー


雪穂「ま、まあまあ…だって余りにも、いつもと雰囲気が違ってたからさ///」

雪穂「つまりお姉ちゃんのイメチェンが、それくらい効果バッチリだったって事じゃん?///」ネ?


穂乃果「…そうかも知れないけど……ん?ねえ、雪穂。何か…顔が赤くない?」

雪穂「え…?///」


穂乃果「ひょっとして、風邪でも引いちゃってた…?」

雪穂「あ、ううん…!全然、そんな事ないよ…!///」


雪穂(実を言うと私さー、ずっとお姉ちゃんに見とれてたんだよねー☆…なんて言える訳ないじゃんっ!///)

585 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/07(月) 13:58:18 ID:Du4OX.4o
穂乃果「そうかなぁ…?ほら、ちょっと顔見せて?」スイッ

雪穂「ーーーっっ!!?//////」ドキーン 


雪穂(ちょっ!?//////そそそ、それはマズイでしょっ!?//////)

雪穂(今やそこら辺の美人が、泣いて逃げ出しそうな…!//////その顔!顔っ!顔ーっ!!//////)


穂乃果「うーん…見た感じだと、結構赤くなってるよね?どれどれー…?」ピトッ

雪穂「っっ!!!/////////」ボーン!


穂乃果「あ…やっぱり熱いかも。雪穂、ちょっと待ってて?今、風邪薬を取って…」

雪穂「だだだっ、大丈夫だからおおお姉ちゃんっ!!/////////」


穂乃果「え?で、でも…」


高坂母「雪穂ー。ちょっと厨房まで、お菓子を取りに来てくれるー?」

高坂母「お父さんがねー?次の新商品の試作品、みんなに味見して欲しいって言ってるからー。」

586 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/07(月) 14:22:40 ID:Du4OX.4o
雪穂「ああああーっ、えっとえっとえっとえっとっ!!/////////」


雪穂「お母さんが呼んでるから私厨房に行って来るねそれじゃーーっっ!!!/////////」ピュー


穂乃果「あ、雪穂…って、行っちゃった。うーん…本当に大丈夫なのかなぁ…?」


亜里沙「………//////」ポー…


穂乃果「…あ、いけない!あの…亜里沙ちゃん、ごめんね?さっきからずっと、ほったらかしにしちゃってて。」

亜里沙「………//////」 


穂乃果「もぉー、お母さんったらー。今は亜里沙ちゃんが来てくれてるんだから、何も雪穂じゃなくて私を呼べばいいのにー。」

亜里沙「………//////」


穂乃果「本当にごめんね、亜里沙ちゃん。雪穂が戻って来るまで、もう少し待ってて貰える……ん?」

亜里沙「………//////」

587 ◆bK3.D2B8eM:2020/12/07(月) 14:42:13 ID:Du4OX.4o
穂乃果「あれれ…?おーい、亜里沙ちゃーん?」ヒラヒラ


亜里沙「………//////」プツン


グワシッ!!


穂乃果「わっ!あ…亜里沙、ちゃん…?」

亜里沙「……穂乃果…さん…//////」


穂乃果「え、ええっと…どうしたのかな?突然、私の肩を掴んで……」

亜里沙「……お願いが、あります…//////」


穂乃果「お願い…?亜里沙ちゃんが、私に…?」

亜里沙「……はい…//////」


穂乃果「えっと…うん、いいよ。よく分からないけど、私で出来る事なら…」

亜里沙「……いいんですね…?//////」ジー

588 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 10:04:52 ID:LP24YIoQ
穂乃果「う、うん。それで、あの…亜里沙ちゃん。そのお願いってどんな事なのか、私に教えてくれるかな?」


亜里沙「…クスクス……今から…ただ、大人しくしていて下さい……自分では動かない…可愛いお人形みたいに…//////」


穂乃果「………はい?」


ガバァーーッ!!


穂乃果「え、ええっ!?わっ、わわわーっ!?」


スッテーーン!


穂乃果「…あ、あいたたっ…!ビ、ビックリしたぁー…って……あ…あれ…?」

亜里沙「………//////」トローン


穂乃果「…あ、あのー……亜里沙、ちゃん…?」

亜里沙「………はい…//////」

589 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 10:34:26 ID:LP24YIoQ
穂乃果「…ええっと……これって、つまりは……その…何と言いますか。」

亜里沙「………何でしょうか…?//////」


穂乃果「ど…どうして、今の亜里沙ちゃんは…私の上に、覆い被さってるのかなー…って。あ、あはは……」

亜里沙「………それは…ですね…?//////」ジー


穂乃果「……そ…それ、は……?」タジタジ


亜里沙「クスクスクス……こうするから…なんですっ!!//////」


ダキッッ!!!


穂乃果「きゃっ!?」


亜里沙「………はあ……//////」


穂乃果「っ!?///あ、亜里沙ちゃんっ?ちょ…ちょっと、コレは…あっ…!///」

亜里沙「………はあっ……//////」

590 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 10:52:24 ID:LP24YIoQ
穂乃果「さ、さす…がに…///み、密着…しすぎっ…な、なんじゃ…ないかなっ…?///」ワタワタ


亜里沙「………はむっ//////」


穂乃果「ひゃああああぁぁんんんっっっ!!!?//////」


穂乃果「ああっ、亜里沙ちゃんっ!?//////なな、何で…!みっ、耳を…えっ…?ちょ、ちょっとっ!?//////」


亜里沙「………はむっ…はむっ…はむっ…//////」


穂乃果「や、やめ…!やあっ…あ、足が…絡んで、外れなっ…ひゃんっ!//////あ…亜里、沙ちゃ…んっ、んん…!/////////」

亜里沙「………はむっ、はむっ、はむっ…/////////」


穂乃果「んんっ…や、やぁ…!/////////お、お願、い…もうっ…やっ、ん…っ!ダ…ダメ……や…あんっ…!/////////」

亜里沙「………はむはむっ……はむはむっ……はむはむっ……/////////」ムニュムニュムニュムニュー


穂乃果「…も、もうっ、や……やめっ、あ…あぁ、ん…は…ぁん……あ…は…ぁ…っ……/////////」

591 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 11:05:55 ID:LP24YIoQ

ドドドドド…!!


雪穂「お姉ちゃんっ!!何か叫び声が聞こえたけどっ、どうしたのっ!?」


雪穂「ーーーっっ!!?/////////」


亜里沙「………はむはむっ…はむはむっ…はむはむっ……ぺろっ…/////////」


雪穂「………なっ……な…な…ななっ……!!/////////」


穂乃果「…は…あ、やん…っ……はぁ…/////////…ゆ…ゆ、き…ほ……あっ…た…たす……け…あっ…ん…ぁ……あぁ……/////////」


雪穂「……ふ…ふふふっ、ふ…ふふっ……ふっ……//////」ワナワナ


雪穂「二人とも何やってんのおおぉぉーーーーーーーーーっっっっ!!!!!/////////」






592 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 12:19:26 ID:LP24YIoQ
穂乃果「…うっ…う…っ…ひっく……//////ふぇ…っ…ぐすっ……う…ぅ…っ……//////」


亜里沙「本当に、本当にっ、ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!!><;」


雪穂「あーーりーーさぁーーー…!!」ズゴゴゴゴ


亜里沙「ゆっ、雪穂…!お願いだから、その顔やめてっ…!?こ、怖いっ!すっごく怖いよぉ!!」エーン;;


雪穂「いっくら何でもねっ!!アレはやり過ぎでしょっ!?何考えてんのホントにっ!!///」

亜里沙「あ、アタマが真っ白になっちゃって…!体がもう、勝手に動いちゃってて…!うう…ごめんなさーいっ!!」


雪穂「……全く、もう…!」


雪穂「あっ……お、お姉ちゃん…?あの、大丈夫…かな…?」


穂乃果「…ぅ…っ…ぐすっ……う、うん…っ……あり、がと…雪穂…っ…///」ウルウル

593 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 12:45:36 ID:LP24YIoQ

雪穂(〜〜っ!!//////いちいち反則過ぎるよっ、もうっ…!!//////)


亜里沙「…穂乃果さん……ごめんなさい…ごめん、なさい…っ……本当に……う…っ…ごめん、なさ…っ……」


穂乃果「…っ……あり、さ…ちゃん…っ…」

亜里沙「う…うっ……ごめ…なさ…っ……え…?」 


穂乃果「わ…私、もう…大、丈夫…だから……それに…怒って、ない…から……」


亜里沙「…わ、私の…事…っ……許して…くれ…ます、か…っ…?」

穂乃果「…っ…ぐす…っ……うんっ…」


亜里沙「…亜里沙の、事…っ…うっ……き、嫌いに…ならないで……いてっ…くれます…かっ…?」

穂乃果「…うん……勿論、だよ…!だから、ね…?亜里沙…ちゃんっ…」


穂乃果「私と、一緒に…もう……泣くのは、やめよう…?」

594 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/05(水) 14:25:06 ID:LP24YIoQ
亜里沙「…穂乃果…さん……ぐすっ…」


穂乃果「ね…?」ニコッ


亜里沙「…ぅ……穂乃…果…さんっ……ごめん…なさ、い……ごめん、なさ…っ……う…うっ……!」


亜里沙「うわぁああぁぁああーーーーーーーんんっっ!!!」


穂乃果「…亜里沙、ちゃん……よしよし……」ナデナデ…


雪穂「………ハア。」


雪穂(やれやれ…どこまで行っても、お人好しなんだから…全く。)クスッ






595名無しさん@転載は禁止:2022/01/05(水) 15:34:05 ID:ni6XIKvM
まさかの再開か?

596 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:26:01 ID:bgY.pfp.
大変ご無沙汰しておりました。こちらに気付いてコメして下さった方、どうもありがとうございます。
本当に長い間こちらへ来られなかった分、まず話の方を一定の区切りまで進め終えられてから
改めてご挨拶させて頂こうと思っていましたので、こんなに早く気付いて貰えた事にビックリしました。
何かと拙い書き手と作品ではありますが、もし宜しければ、今後もどうか長い目で見守って頂ければ大変幸いです。

597 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:32:06 ID:bgY.pfp.
雪穂「…亜里沙…落ち着いた…?」

亜里沙「…うん…ぐすっ……雪穂も、ゴメンね…?」


雪穂「うん…ちゃんと謝ったし、お姉ちゃんも許してくれたし。だからさ、もう怒ってないよ?」

亜里沙「…うん……」


雪穂「ありがとう、お姉ちゃん…亜里沙の事、許してくれて。」


穂乃果「ううん、気にしないで。私、亜里沙ちゃんの事は大好きだから。ね?」

亜里沙「…ぐすっ……穂乃果さん……ありがとう、ございます……」


穂乃果「…ねえ、亜里沙ちゃん。えっと…亜里沙ちゃんは、さっき…どうして、その…///」

穂乃果「私に、あんなにも激しく…くっついて、きたのかなって。」


亜里沙「………」


穂乃果「あのね…?さっき亜里沙ちゃんは、『アタマが真っ白になって、体が勝手に動いてたから』って。」

598 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:36:03 ID:bgY.pfp.
穂乃果「確か雪穂に、そう言ってたと思うんだけど。ただ、その時の私は…恥ずかしながら、泣いちゃってて…///」

穂乃果「そのせいで、ハッキリと聞こえてた訳じゃなかったから…それで一度、確認だけしておきたくて。」


亜里沙「…はい。私、雪穂に…そう言ってました。」

穂乃果「そっか…やっぱり、そうだったんだね。」


雪穂(うん…そうだよね。あの時の亜里沙は、確かに私にそう言ってた。それは間違いない。)

雪穂(でも…私は激しく怒ってる真っ最中だったから、その時は余り気にしてなかったんだけど。)

雪穂(冷静になった今、改めて思い出してみると…亜里沙の言ってた事って、何かが少し…引っ掛かる気もする。)


穂乃果「実はね、亜里沙ちゃん。私、まだ他に気になってる事があるの…さっきの亜里沙ちゃんの事で。」

穂乃果「勿論、亜里沙ちゃんが雪穂に言ってた事も、本当だったと思ってるし。だから疑ったりとかなんて、全然してないんだけど。」


亜里沙「…………」


穂乃果「ただ…さっきの亜里沙ちゃんって、普段からは想像出来ないくらい…うーん…何て言えばいいのかな。」

599 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:42:17 ID:bgY.pfp.
穂乃果「えっとね…?言葉にしようとすると、余り上手には言えないんだけど…」

穂乃果「何故か、ものすごく必死だった様な…そんな感じにも、私には見えてたんだ。」


亜里沙「………」


穂乃果「だから私、こう思ったの。きっと、あの亜里沙ちゃんの行動には…」

穂乃果「本当は、別の大きな理由が…何かあったんじゃないのかなって。」


亜里沙「……はい。穂乃果さんの、言う通りです。」


穂乃果「うん…そっか。ありがとう、ちゃんと答えてくれて。」

亜里沙「……いえ…そんな……」


穂乃果「あの…それでね、亜里沙ちゃん。」

穂乃果「今から私の言う事が、ただの勘違いだったらゴメンね?その…もしかして、なんだけど。」


亜里沙「…はい。」

600 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 08:51:18 ID:bgY.pfp.
穂乃果「私が今してる、この格好とか…もしかしたら、それが何か関係あったのかなって……えっと…違ってたかな?」


亜里沙「…いいえ。それもあります。」


雪穂(…『それもあります』って事は…他にもまだ、別の理由があった…そういう意味だよね。)

雪穂(という事は、その『別の理由』こそが。さっきの亜里沙の、あのよく分からない行動の『本当の理由』だと思うんだけど…)


穂乃果「…ねえ、亜里沙ちゃん。今の亜里沙ちゃんが思ってる、本当の気持ちを…私に聞かせてくれないかな?」

亜里沙「……え…?」


穂乃果「私に抱きついてきた、あの時の亜里沙ちゃんが思ってた事。そして今の亜里沙ちゃんが、胸の中で思ってる事。」

穂乃果「その二つは、きっと亜里沙ちゃんにとって…何か大切なものとして、強く繋がってる様な…そんな気がしたから。」


亜里沙「……穂乃果、さん…」


穂乃果「だから…その亜里沙ちゃんの気持ちが、もし私にも関係のあるものだったなら。」

穂乃果「亜里沙ちゃんが大切にしてると思う、今のその気持ち。もし良かったら、私にも…教えてくれないかな?」ニコッ

601 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:00:40 ID:bgY.pfp.
亜里沙「……はい。」


穂乃果「うん…ありがとう。嬉しいよ。」ナデナデ…

亜里沙「……えへへ///」


雪穂(…こうゆう時のお姉ちゃんって、本当にすごいなって…素直にそう思う。)

雪穂(普通、今みたいな状況の場合なら。まず真っ先に『その理由』を、誰だって知りたくなる筈なのに。)


雪穂(だけど、お姉ちゃんはそうじゃない。『その理由』のもっと奥にある『その人の気持ち』を、いつだって知りたいと願ってる。)

雪穂(そして、そんなお姉ちゃんだからこそ。普段はクールな人とか、とても意地っ張りな人でも。)

雪穂(それにきっと、素の自分をなかなか見せない様な人でさえも。お姉ちゃんの前では、否が応でも素直になってしまう。)


雪穂(普段はグータラだし。『雪穂ー、お茶ー。』とか言って、この可愛い妹をいつも振り回してくるし。色々とダメな所も多いんだけど。)

雪穂(でも…いざって時は、強くて、かっこよくて、頼もしくて。それに…すごく優しくて。本当に素敵な……私の、自慢のお姉ちゃん。)


雪穂(しかも、いきなりイメチェンしたと思ったら…その……とんでもない美人に、なっちゃったし…///)

雪穂(まあ…どれも恥ずかしいから、人前じゃ絶対に言わないんだけどね///)

602 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:08:21 ID:bgY.pfp.

亜里沙「…私、本当は…今日、穂乃果さんに…」

亜里沙「今日こそは、穂乃果さんに…ちゃんと伝えたかったんです。」


穂乃果「え…?私に…?」


亜里沙「はい…穂乃果さんに、伝えようと思ってました…ずっと、ずっと前から。」

亜里沙「私と…亜里沙と……これからは、もっともっと…仲良くして欲しいですっ、て。」

亜里沙「そして、これからは…私の事、もっともっと…優しく、温かく…ギュってして欲しいっ…て。」


穂乃果「…亜里沙ちゃん…」


亜里沙「私の大好きな親友の、雪穂の大切なお姉ちゃんで…そして雪穂は、穂乃果さんが大好きで…」

亜里沙「私の大好きなお姉ちゃんの、大切な仲間で…そしてお姉ちゃんも、穂乃果さんが大好きで…」

亜里沙「そんな私の大好きな二人は…よく私にも、楽しそうに穂乃果さんの話をしてくれて…」


雪穂(…私ってお姉ちゃんの事、そんなにも話してたのかな…?顔に出したつもりだって、無かったのに…///)

603 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:19:21 ID:bgY.pfp.
亜里沙「いつも嬉しそうに、穂乃果さんの事を話してくれる…そんな二人を見てる内に…」

亜里沙「私も…私にとっても、穂乃果さんの事が…少しずつ、気になる存在になっていって…」

亜里沙「それは私の中で、時間が過ぎれば過ぎていく程に…どんどん、大きくなっていくばかりで…」


亜里沙「そんな日が続いてた、ある時…自分で『やっぱりそうなんだ』って、ハッキリと気が付いた時には…」

亜里沙「私…憧れの海未さんへとは、何かが少し違う…そんな気持ちを、穂乃果さんに…感じていました。」


穂乃果(…そう…だったんだ。)


亜里沙「そして、あの日…私が『私のスクールアイドルを目指します』って言った時、穂乃果さんは…」

亜里沙「私と雪穂を、ギュってしてくれて……それが、とても温かくて…とっても優しくて。」

亜里沙「その温かさと優しさが、亜里沙は嬉しくて…すごく嬉しくて……だから…だから…」


亜里沙「もっと私と、いっぱい仲良くして欲しい。もっと私に、いっぱいいっぱい…ギュってして欲しいって。」

604名無しさん@転載は禁止:2022/01/12(水) 09:31:54 ID:OgkifYbY
見てる

605 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:44:44 ID:bgY.pfp.
亜里沙「あの時から私、ずっとそう思ってました。それに、この気持ちを穂乃果さんに…絶対に伝えなきゃって。」


穂乃果「………」


亜里沙「でも…あれから穂乃果さんとは、たまに挨拶するくらいで…ゆっくり会える機会が、全然なくなっちゃって…」

亜里沙「ずっとお話も出来ない時間が、長くなっていって…それでも私の中の気持ちは、その間にも大きく膨らんでいって…」


亜里沙「そして、今日になって…やっと穂乃果さんと、ちゃんと会えて話せるチャンスがやって来て…私、すごく嬉しかったんです。」


穂乃果「……亜里沙、ちゃん…」


亜里沙「だけど…今日、やっと会えた穂乃果さんは…最初に見た時は、すぐに分からないくらいに…今までと変わっていて…」

亜里沙「すごくキレイで、すごく大人っぽくなっていて…でも、そんな穂乃果さんを見てた私は…何だか、とても不安になってきて…」


亜里沙「それで…思ったんです。もしかしたら、穂乃果さんは…私の気付かない間に…もう……」

亜里沙「『私の知ってる穂乃果さん』じゃ、なくなっちゃったのかな…って。」


穂乃果「………」

606 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 09:57:23 ID:bgY.pfp.
亜里沙「それでも……私に話しかけてくれた穂乃果さんは、やっぱり穂乃果さんで……」

亜里沙「ちゃんと、私の知ってる…私の会いたかった、ずっとお話したかった…いつもの穂乃果さんで、いてくれました。」


亜里沙「私、それが分かったら…今でも穂乃果さんが、そのままでいてくれた事への、すごく安心した気持ちと…」

亜里沙「最後に顔を見てから、そんなに時間は経ってない筈なのに…また会えた嬉しさと、何だか懐かしい気持ちと…」


亜里沙「それに…ずっとこの気持ちを伝えたかった人が、こんなにも綺麗だったんだって…その感動とか、興奮とかで…」

亜里沙「頭の中が、色んな気持ちでグルグルになって…もう何が何だか、自分でも分からなくなっちゃって…」


亜里沙「そして…気が付いた時には、私…ただ、必死で求める様に……穂乃果さんに…強く抱きついていました。」


穂乃果「……そう、だったんだ。」


雪穂(…亜里沙の、その時の気持ちは…私にも分かる気がする。)


雪穂(実の妹の私だって、例え少しの間だったとは言っても…お姉ちゃんの変化には、正直不安になっちゃったから。)

雪穂(だから…見た目は変わっても、お姉ちゃんはお姉ちゃんのままだったんだって。それが分かった時、すごく安心したんだ…私も。)

607 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 10:05:27 ID:bgY.pfp.
亜里沙「でも、だからといって…私がしてしまったのは、いけない事なんだって…すごく反省してます。」

亜里沙「だから…もう一度、ちゃんと謝ります。穂乃果さん…本当にごめんなさい。」


穂乃果「……ううん。私の方こそ…ごめんね、亜里沙ちゃん。」


亜里沙「……え…?穂乃果、さん…?」


穂乃果(…本当に成長してないな、私って…ことりちゃんの時に、しっかり反省したと思ってたのに…)

穂乃果(私の事を、こんなにも思ってくれてた人を…ちゃんと見れてなかったなんて…)


穂乃果「…亜里沙ちゃんは、私ともっと仲良くなりたいって…ずっと、そう思ってくれてたのに…」

穂乃果「私が知らない時にも…こんなにも悩んだり、辛い気持ちになっていたのに…」


穂乃果「私、全然気付いてなかった。その気持ちに気付けてなかった。それが今…すごく悔しい。」


穂乃果「亜里沙ちゃんの事、ちゃんと見れてなかった…そのせいで、何も分かってなかった。」

穂乃果「そんな自分が、凄く情けなくて…本当に悔しいんだ。」

608 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 10:19:22 ID:bgY.pfp.

穂乃果「だからね…亜里沙ちゃん。私の方こそ…本当にごめんなさい。」


亜里沙「そ、そんな…!穂乃果さんが謝らないでください…!」


穂乃果「ううん…もしもね、私が亜里沙ちゃんだったら。自分の気持ちを伝えたいと思ってる人が、ずっと自分の中にいて…」

穂乃果「それなのに、その人と長い間まともに話す事も出来なければ…やっぱり、すごく寂しいよ。」


穂乃果「そして、そんな状況が長く続いていて。ふとある時に…その人が何の前触れもなく、今までと違う姿で自分の前に現れたなら。」

穂乃果「その今までと変わってた姿を見て、不安な気持ちになったとしても…それって、きっと仕方のない事だって思うの。」


穂乃果「そう…だからこそ、なんだと思う。それまでずっと待ってた、その人が。」

穂乃果「本当に自分の会いたかった、その人のままで…今でもそのままで、変わらずにいてくれたのなら。」

穂乃果「それが嬉しくて、とっても嬉しくて。その嬉しい気持ちで、体中がいっぱいになっちゃって。」


穂乃果「そこに色んな感情が、次々と混ざってきて。自分の中で暴れる様に、溢れ返ってしまって。」

穂乃果「そんな風になってると、自分では分かってはいても。それでも、もうどうにも出来なくなってしまって。」

609 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 10:35:32 ID:bgY.pfp.
穂乃果「そうやって、ついに限界を超えちゃった沢山の気持ちが、一気に表へと溢れ出てしまって。」

穂乃果「そのまま『ドカーン!』って、激しく爆発しちゃう事だって…きっと、あるんだよ。」


穂乃果「だからね。さっきの事は、亜里沙ちゃんが悪かった訳じゃなくて。本当は…私がいけなかったんだって思う。」

穂乃果「私が亜里沙ちゃんを、ちゃんと見れてなかったせいで…こんなにも亜里沙ちゃんを、不安にさせちゃってたんだから。」


亜里沙「…穂乃果さん…」


雪穂「…お姉ちゃん…」


穂乃果「あのね、亜里沙ちゃん。」

亜里沙「…あ…は、はい。」


穂乃果「私って、こう見えてもね。自分でも周りをよく見て、色々と気を付けようとはしてるんだけど…それでも相変わらず、鈍くって。」

穂乃果「そのせいで、自分だけじゃよく見えてない事とか、全然気付けてない事とか。やっぱり今でも、かなり多かったりするんだ。」

610 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 10:51:09 ID:bgY.pfp.
穂乃果「そんな私だから…亜里沙ちゃんに一つ、お願いがあるの。」

亜里沙「え…?私に、お願い…ですか…?」


穂乃果「うん、お願いだよ。これからは亜里沙ちゃんの事、もっと私に…色々教えてくれるかな?」

亜里沙「…穂乃果さん…!」


穂乃果「私…亜里沙ちゃんの事、もっと知りたい。亜里沙ちゃんの好きな物とか、好きな事とか…他にもいっぱい。」


穂乃果「だって私も、これから亜里沙ちゃんと。もっともっと、いっぱい仲良くなりたいから。」


亜里沙「…っ…はい…!」


穂乃果「だから、亜里沙ちゃん。これからも、ずっとずっと宜しくね!」サッ

亜里沙「はい!私、私…とっても嬉しいですっ!」ギュッ


雪穂「良かったね…亜里沙。亜里沙の気持ち、ちゃんと届いたよ…お姉ちゃんに。」

亜里沙「うんっ!」

611 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 11:08:20 ID:bgY.pfp.
雪穂「あ、だけどさ。さっきみたいなのは、もう本当にダメだからね?」

亜里沙「うん!もう大丈夫だよ、雪穂!」


雪穂「うんうん。それさえ気を付けてくれれば、後は特に…」


亜里沙「私ね?『穂乃果さんを困らせるスキンシップ』は、もう絶対しないから!」フンス!


雪穂「………はい?」


亜里沙「これからは私、ちゃんと穂乃果さんにOKして貰ってからやるよ!ね、雪穂っ!」キリッ


雪穂「…あのー…亜里沙さん?」


亜里沙「という訳で、穂乃果さん?」クルッ


穂乃果「え…?あ、どうしたの…?」

612 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 11:22:08 ID:bgY.pfp.
亜里沙「今度からは、穂乃果さんに…優しくハグ、して貰っても…いいですか?///」ウルウル


穂乃果「亜里沙ちゃん…うん、私で良ければ!」

亜里沙「本当ですか…!?」


穂乃果「勿論だよ!これからは亜里沙ちゃんの事、いっぱい『ギュウー!』ってしちゃうよ?」

亜里沙「わあ〜♪とっても嬉しいですっ!」


雪穂「…うーん……ねえ、亜里沙。ちょっと、いいかな?」

亜里沙「え?雪穂、どうしたの?」


雪穂「えっと…あのさ?亜里沙って『μ's』の中だと、特に海未さんのファンなんだよね?」

亜里沙「うん!海未さんの事はスクールアイドルとして、すっごく尊敬してるよ!」


雪穂「うん、そうだったよね。だから今、少し思ったんだけど。」

亜里沙「?」

613 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 11:50:03 ID:bgY.pfp.
雪穂「その海未さんとお姉ちゃんは、同じ『μ's』のメンバーでもある訳で。」

雪穂「だから、海未さんの事を一番に尊敬しながらも。もう一方で、お姉ちゃんにいっぱい甘えちゃうのってさ。」

雪穂「亜里沙的には、そういうのもアリなのかなーって。ちょっとだけ、気になっちゃって…」 


亜里沙「雪穂っ!!」ビシィ!


雪穂「うわっ!?なっ、何…!?」ビクッ


亜里沙「いい…?よぉーーく、聞いててねっ…!?」キッ!

雪穂「……う…うん…」タジタジ


亜里沙「それに穂乃果さんもっ!!」ビシィ!


穂乃果「ええっ!?わ、私も…!?」


亜里沙「しっかりと、聞いててくださいねっ…!?」キッ!

穂乃果「……は、はい…!」タジタジ

614 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 11:58:06 ID:bgY.pfp.

亜里沙「それでは…行きますっ…!!」ゴゴゴ…


穂&雪「「……っ…!!」」ゴクリ



亜里沙「『それは、それっ!!』」



雪穂「………はい…?」



亜里沙「『これは、これっ!!』」



穂乃果「………へ…?」 


亜里沙「以上ですっ!分かって貰えましたかっ?」エッヘン

615 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 12:08:04 ID:bgY.pfp.

穂乃果「………は…はあ……」ポカーン


雪穂(今ので何を分かれとっっ!??)エエエエー!?


亜里沙「わぁー☆分かって貰えて、すっごく嬉しいですっ!」キャッ♪

穂乃果「………」??


亜里沙「では、穂乃果さん。今からちょっとだけ…失礼しますね?」

穂乃果「………ア、ハイ。」??


亜里沙「えいっ♪」


ギュッ☆


穂乃果「わっ…とと…!」


亜里沙「…あの…穂乃果さん…?」

616 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 12:21:12 ID:bgY.pfp.
穂乃果「う、うん…今度は、どうしたのかな…?」


亜里沙「…これくらいのハグなら……許して…くれますよね…?///」ギュッ

穂乃果「…うんっ、勿論だよ…!///」ギュッ 


雪穂「………」


亜里沙「えへへ…☆嬉しいです!///」ギュッ


穂乃果「あはは…///亜里沙ちゃんって、本当は甘えん坊さんなんだね?///」

亜里沙「はい!実は私、とっても甘えん坊なんです♪///」


亜里沙「…大好きな人には、特に……亜里沙は、甘えん坊さん…なんですよ?///」ギュッ…


穂乃果「…亜里沙ちゃん…//////」キュン


雪穂「………」ムスッ

617 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 12:31:31 ID:bgY.pfp.
亜里沙「私、穂乃果さんの事…優しくて、温かくて…すごくキレイで……大好きです…//////」ギュッ

穂乃果「そっか…ありがとう///私もね…?いつも可愛い亜里沙ちゃんが、大好きだよ…!//////」ギュッ


雪穂「………」スッ


ギュッ


雪穂「………//////」


穂乃果「え…?雪穂…?」 


雪穂「…背中だけ、空いてたら…寒いでしょ?//////」ギュッ


穂乃果「…うん!でも雪穂のおかげで、今はとっても温かいから…えへへ///」


雪穂「…フンだ…あんまり調子に乗らないでよね…!///」

雪穂「…ちょっとくらい…すっごい美人だからって…さ//////」フン

618 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 12:42:49 ID:bgY.pfp.

穂乃果「え……ゆ、雪穂が…私に……び、びび…えっ、えええっっ!!?/////////」ボン!


雪穂「あぁーーもぉーーっ!!//////うるさい、うるさいっ、うるさーーいっ!!/////////」ボン! 


亜里沙「…?ねえ、雪穂。さっきの誉め方って、日本語でおkしいよ?」

雪穂「亜里沙に言われたくないからねっ!?///それに『日本語がおかしい』でしょーがっ!!」


穂乃果「まーまー、雪穂ー?///せっかく今日はー、素直に私を誉めてくれた日、なんだからー///」ニマニマ

雪穂「〜〜っ!!//////」


穂乃果「ほら、ここは一つさ?///もっともーっと、この穂乃果おねえちゃんにー…甘えても、いいんだよぉー?///」フフーン


雪穂「うぅっるさぁぁーーいっっ!!!//////」ギュウウウーーー!!


穂乃果「ちょっ!?ゆ…雪穂っ!く、苦しいっ…ギッ、ギブ……ギブッ…!!」ロープロープ!

619 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 12:57:24 ID:bgY.pfp.
雪穂「うるさいっ、うるさいっ!うるさぁーーいっ!!//////」


雪穂「ハア…ハア…!//////お姉ちゃんなんて…お姉ちゃんなんて、お姉ちゃんなんてっ…!//////」


雪穂「私は…!私はっ…!!//////」


雪穂「大大大大っ、大っキライなんだからーーーっっ!!!/////////」


高坂母「ちょっと穂乃果ー、また雪穂を怒らせたのーっ?」

高坂母「あんまり騒がしくしたら、ご近所に迷惑でしょー、もう!」


穂乃果「あれぇっ!?やっぱりヒドくないかなぁっっ!??∑(T△T;)」ガガーン







620 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/12(水) 13:16:17 ID:bgY.pfp.
今回は、ここで一旦終了となります。
こちらの投稿の間に見ていてコメして下さった方、どうもありがとうございました。
リアルタイムで見て頂けてるなんて思っていませんでしたので本当に驚きましたが、すごく嬉しかったです。
宜しければ、また次回もお付き合い頂ければとても幸いです。

621名無しさん@転載は禁止:2022/01/13(木) 21:17:00 ID:/.gwZ6uQ
待ってる

622 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 06:39:14 ID:1w7eLhAM
前回コメントして下さった方、どうもありがとうございます。
とても長い間更新が止まってしまっていたにも関わらず、
またこうして見て頂けている事が、本当に嬉しくて励まされています。

623 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 06:45:01 ID:1w7eLhAM
SCENE 19.【南宅 ・ことりの部屋】


ことり(……あはは……)

ことり(……私…さっきも、穂乃果ちゃんに……)

ことり(また…懲りもせずに……ウソ…ついちゃったんだ。)


ことり「……穂乃果ちゃん……」







穂乃果『うん…ごめんね。もしかしたら、余計な事だったかも知れないけど…でも、どうしても気になってたから。』


ことり『…ううん。余計だなんて…全然、そんな事ないよ。』

ことり『ありがとう、穂乃果ちゃん。私の事…ずっと心配してくれて。』

624 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 06:51:27 ID:1w7eLhAM
穂乃果『……ねえ、ことりちゃん。』


ことり『え…?』


穂乃果『今日、学校で話してた時にも言ったけど…私じゃ力になれる事は、確かに少ないかも知れない。』

穂乃果『だけど、それでもね。やっぱり私は、ことりちゃんの力になりたい。』

穂乃果『ことりちゃんの為に、私に何か出来る事があるなら。それがどんな事だって、精一杯頑張ってやり遂げてみせる。』


穂乃果『だから…ことりちゃん。もしも今、何か悩んでるんだったら…私に相談して欲しいな。』


ことり『………』


穂乃果『ね…?ことりちゃん。』


ことり『……うん。本当にありがとう…穂乃果ちゃん。』

ことり『穂乃果ちゃんに、そう言って貰えて…すごく…すごく嬉しい。』

625 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 07:00:11 ID:1w7eLhAM
ことり『……でも……あのね、穂乃果ちゃん。私…体の疲れが、まだ少し溜まってるだけで…』

穂乃果『………』


ことり『今、私が何かに悩んでるとか…本当に、そうゆうのじゃないの。』


穂乃果『…本当…?』 


ことり『うん…だからね、穂乃果ちゃん。その気持ちは、とっても嬉しいけど…そんなに、心配しないで…?』


穂乃果『…ことりちゃん…』


ことり『屋上にいた時にも、少し話したよね…?衣装作りの方がスランプ気味で、それで寝不足が続いてたって…』

穂乃果『………』


ことり『だけど…それも今日で、何とか解決しそうなの。さっき良いアイディアが、やっと閃いてくれたんだ…☆えへへ♪』

ことり『そのおかげでね。もう今日の夜からは、しっかり休めると思うし…溜まってた体の疲れだって、ちゃんと取れると思うの。』

626 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 07:10:20 ID:1w7eLhAM

穂乃果『………』


ことり『明日には完全回復とまでは、ちょっと行かないかも知れないけど…それでも後2,3日もすれば、きっと大丈夫だから。』

ことり『その頃には、またいつものことりみたいに。すっかり元気に、なれてるんじゃないかなって☆ちゅんちゅん♪』


穂乃果『………』


ことり『……あの……もし、もしもね…?私が、穂乃果ちゃんに…本当に聞いて欲しい事が、あった時には……』

穂乃果『…うん。』


ことり『その時は、私……穂乃果ちゃんに相談して、ちゃんと聞いて貰うから……』

ことり『だから…だから……穂乃果ちゃん……ことりは………』


穂乃果『……そっか。』


穂乃果『うん…分かったよ、ことりちゃん。』

ことり『………』

627 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 07:22:44 ID:1w7eLhAM

穂乃果『私、ことりちゃんを信じてるから。』


ことり『……うん…ありがとう。』ズキ…


穂乃果『でもね?何か困った事や、辛い事があった時には…いつでも私に言ってね、ことりちゃん。』

穂乃果『私、ことりちゃんの為なら。いつだって、どこにだって、全力で駆けつけるよ!』


ことり『……穂乃果、ちゃん…』


穂乃果『その時に、例えどんな事があったとしても。私は必ず、ことりちゃんの力になってみせるから。』

穂乃果『そして絶対に、私がことりちゃんを助けてみせるからね!絶対に、絶対に!』


ことり『…っ……ありがとう、穂乃果ちゃん。本当に…本当に……ありがとう。』


穂乃果『あはは…何だか、カッコつけ過ぎちゃったかも。』


ことり『ううん…そんな事ないよ。だって穂乃果ちゃん…すごくカッコ良かったもん。』

628 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 07:35:41 ID:1w7eLhAM
ことり『それに、私…本当に嬉しかったから。大好きな穂乃果ちゃんに…あんな風に言って貰えて。』


穂乃果『そ、そっか…///それなら、まあ…あれで、良かったのかな…?』

ことり『クスクス…うん♪最高でした☆』


穂乃果『え、ええっと〜…///ん…?あ…もうこんな時間だったんだ。』


穂乃果『それじゃあ、ことりちゃん…また、明日ね。』

ことり『うん、また明日。おやすみなさい…穂乃果ちゃん。』


穂乃果『おやすみ、ことりちゃん。ゆっくり休んで…早く元気になってね。』

ことり『うん…ありがとう。』


穂乃果『じゃあ、またね…!』プツン


ツーッ…ツーッ…ツーッ…ツーッ…


ことり『……穂乃果ちゃん……』

629 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 08:44:01 ID:1w7eLhAM

▲▼Kotori's★Nightmare▲▼



『今、私が何かに悩んでるとか……本当に、そうゆうのじゃないの。』



ウソつき。


今朝から、ずっと悩んでたクセに。

今だって、ずっと悩んでるクセに。

今からも、ずっと悩んでくクセに。


私って、今日一日だけで…もう何回、ウソついちゃったのかなぁ…?

あはは。余りにも多過ぎたせいで、何回だったかなんて…もう覚えてないよね。


つまり。今日のことりは、とってもウソつきな子だったんです。

だから。そんなウソつきなことりは、とってもいけない子だったんです。

630 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 08:51:46 ID:1w7eLhAM

自分の大切な人達に、何度も何度もウソをついちゃう。

自分の一番大切な人にまで、平気でウソをついちゃう。


そんなことりは、とっても悪い子だったのです。とってもとっても。


どうして、ことりは…『嘘吐き』に、なっちゃったのかなぁ…?


どうして、ことりは…『悪い子』に、なっちゃったのかなぁ…?


どうして、ことりは…『人を恨んじゃう子』に…なっちゃったのかなぁ…?


私が嫌っている人。憎んでいる人。そして恨んでいる人。そんな人が今、私の中に居る。


その人は誰なの?その人はあんじゅさん。優木あんじゅさん。

631名無しさん@転載は禁止:2022/01/19(水) 08:55:44 ID:6EXmRs1.
おっ、来てるな

632 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 08:58:07 ID:1w7eLhAM

どうして嫌ってるの?それは穂乃果ちゃんを変えてしまったから。

どうして憎んでるの?それは穂乃果ちゃんを変えてしまったから。

どうして恨んでるの?それは穂乃果ちゃんを変えてしまったから。


そう。穂乃果ちゃんを変えてしまった。あの人が変えてしまった。


どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを綺麗にしたかったから。

どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを可憐にしたかったから。

どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを妖艶にしたかったから。

どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを美人にしたかったから。

どうして変えてしまったの?きっと穂乃果ちゃんを○○にしたかったから。


だから穂乃果ちゃんを変えてしまった。だから私は悩む事になってしまった。

633 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 09:01:56 ID:1w7eLhAM

どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが綺麗になってしまったから。

どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが可憐になってしまったから。

どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが妖艶になってしまったから。

どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが美人になってしまったから。

どうして私は悩んでいるの?それは穂乃果ちゃんが△△になってしまったから。


私は知っていた。穂乃果ちゃんの『女の子の魅力』を知っていた。誰よりも早く知っていた。

だから私は苦しむ事になった。穂乃果ちゃんの『女の子の魅力』が開放されて苦しむ事になった。


どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが綺麗だと知られてしまったから。

どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが可憐だと知られてしまったから。

どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが妖艶だと知られてしまったから。

どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが美人だと知られてしまったから。

どうして私は苦しんでいるの?それは穂乃果ちゃんが□□だと知られてしまったから。

634 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 09:06:20 ID:1w7eLhAM

誰に知られてしまったの?みんなに知られてしまった。周りの人達にも知られてしまった。

みんなや周りの人達に知られたらどうなるの?これからは必ずもっと沢山の人達に知られてしまう。

もっと沢山の人達に知られてしまったらどうなるの?穂乃果ちゃんはこの世界から注目される。今まで以上に賞賛される。


そして。


そして?


そして、何? 


この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?


この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?

この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたらどうなるの?

635 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 09:11:29 ID:1w7eLhAM

この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?

この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたらどうなるの?

この世界に穂乃果ちゃんが愛されたら…どうなるの?


この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?…

この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたらどうなるの?……

この世界に穂乃果ちゃんが愛されたら…どうなるの?……うるさい。


この世界に穂乃果ちゃんが注目されたらどうなるの?やめて。

この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたらどうなるの?やめてよ。

この世界に穂乃果ちゃんが愛されたら…どうなるの?やめてってば。

この世界に穂乃果ちゃんが奪われてしまったらだからもうやめてってばっ!!

636 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 09:16:23 ID:1w7eLhAM

この世界に穂乃果ちゃんが壊サレテしまったらもうやめてって言ってるのにっっ!!!


この世界に穂乃果ちゃんがオ▲サレテシマッタラもうやめてやめてやめてよぉぉっっ!!!!


この世界に穂乃果ちゃんがコ■サレテモウヤメテヤメテイヤイヤイヤァァーーーッッッ!!!!


この世界に穂乃果ちゃんが注目されたら奪われてやめてやめてやめてやめてやめてやめてっっ!!!

この世界に穂乃果ちゃんが賞賛されたら壊サレテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテェッッ!!!

この世界二穂乃果ちゃんガ愛サレたらオ▲サレテコ■サレテイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤダッッ!!!


コノ世界二穂乃果チャンガ愛サレテ奪ワレテ壊サレテオ▲サレテコ■サレテシマッテモウヤメテヤメテヤメテヤメテ


イヤイヤイヤイヤモウイヤモウイヤイヤダ!イヤダ!イヤダ!イヤダ!イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤッ!!


イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌アァァーーーッッッ!!!!

637 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 09:25:12 ID:1w7eLhAM

ホラ 【アレ】ヲ 見テ


ハアッ、ハアッ……!ハアッ、ハアッ……!ハアッ……ハアッ………え……?


コノ世界二 穂乃果チャンガ 奪ワレテ

コノ世界二 穂乃果チャンガ 壊サレテ

コノ世界二 穂乃果チャンガ オ▲サレテ

コノ世界二 穂乃果チャンガ コ■サレタ


【アレ】ガ ソノ 全テノ結果


………………あ………ああ…………


ソウ 【アレ】コソガ ソノ 全テノ結末ナノ


……ああ、あ………あああ…ああっ……!

638 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 09:29:24 ID:1w7eLhAM

アノ ボロボロ二ナッテイル【アレ】ハ

アノ 固ク冷タクナッテイル【アレ】ハ


アノ ヒトノカタチヲシテイル【塊】ハ



あああぁっ…!!うあああああぁぁっっ!!!



アナタガ 誰ヨリモ 大好キデ 誰ヨリモ 大切二 想ッテイタ
ワタシ




【 穂 乃 果 チ ャ ン 《 ダ ッ タ モ ノ 》 】 ナ ノ

639 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 09:37:48 ID:1w7eLhAM

ことり「嫌あああああああぁぁぁああぁぁあああぁぁーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!」



ガバッ!


ことり「…っっ!!?あ……あっ、あ…あああ……あっ……!!ハアッ…ハアッ……ハアッ…ハアッ…!!」

ことり「ハア……ハア……ハア…ッ…コホッ!コホッ、コホッ!」


ことり「…ッ……ハァ……ハァ…………ゆ…夢……だった、の……?」


ガチャッ!


理事長「ことりっ!?」


ことり「ハァ……ハァ……え……お母……さん…?」


理事長「一体どうしたのっ!?ねえ、何があったのっ…!?」

640 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 09:45:44 ID:1w7eLhAM
ことり「…あ……私……そっか…寝ちゃって、たんだ……何時の、間にか……」


理事長「今、貴女の叫び声が聞こえてきたのよ…!ねえ、ことり…大丈夫なの…!?」


ことり「……うん…ごめんね、お母さん……私、大丈夫だから……」 


理事長「ああ、もう……本当に心配させて、この子ったら……もしかして、何か怖い夢でも見たの…?」

ことり「……多分、だけど…そうみたい……とっても、とっても…怖い夢だった、気がする……」


理事長「そうだったの……とても怖い思いを、してしまったのね。」

理事長「でも、それなら…ことり。今日はもう、部屋を変えて休んだ方が…」


ことり「…ううん。私なら、もう平気だから…ごめんね、お母さん。すごく、心配させちゃって……」


理事長「…もう一人でも、大丈夫なのね…?」

ことり「うん…もう大丈夫。」

641 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 09:50:43 ID:1w7eLhAM
理事長「…分かったわ。でも、ことり。何かあったら、すぐに呼ぶのよ?」

ことり「うん…そうするね……ありがとう、お母さん。」


理事長「…暖かくして、寝るのよ?」


パタン…


ことり「………」


ポフッ


ことり「…本当は、全部……ハッキリと…覚えてるんだけど…ね。」

ことり「あはは……今度は、お母さんにまで…ウソついちゃった……ごめんね、お母さん……」


ことり「…それにしても……本当に、怖い夢…だったなぁ……」

642 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 10:04:09 ID:1w7eLhAM
ことり(この世界の誰かに、穂乃果ちゃんが……ううん。)

ことり(もしかしたら、この世界そのものに…穂乃果ちゃんという存在を、奪われてしまって…)

ことり(そして…この世界のせいで。私の大好きな、穂乃果ちゃんを…失ってしまう……そんな、本当に恐ろしい夢。)


ことり(…だけど、普通に考えてみると…何だか、大げさな夢でもあったのかなって…そんな風にも、少し思っちゃうんだ。)


ことり(だって、そうだよね…?さっきの夢を、簡単にまとめてみると……)


ことり(ことりは、穂乃果ちゃんをイメチェンしちゃった、あんじゅさんが大キライです。)


ことり(だってだって、そのせいで。本当は穂乃果ちゃんが、とっても美人さんな女の子なんだって。)

ことり(それを、みんなに知られちゃったから。それが、世界中にまで知られちゃったから。)

ことり(そのせいで穂乃果ちゃんは、世界中の人気者になっちゃったから。)


ことり(そして、この世界に連れていかれた穂乃果ちゃんは。いつしか、ことりの前からいなくなっちゃうのでした。)


ことり(はい、おしまいです。)

643 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 10:11:49 ID:1w7eLhAM
ことり(…あはは。やっぱり、大げさに思えちゃうよね。こんな事って…普通はあり得ないから。)


ことり(まるで、マンガやアニメとか…映画やドラマみたいな、お話なのに。)

ことり(それが、実際に起こっちゃうなんて事…どう考えたって、ある筈ないんだもん。)


ことり(そう。ある訳がないよね、絶対に。普通だったなら。)


ことり(…でも。でもね?もし、もしもだけど。)


ことり(この『女の子』が…『穂乃果ちゃん』が、もしも。)


ことり(『普通じゃない子』…だったなら。)


ことり(やっぱり、何かが…とっても大きく、変わってきちゃったりも…するのかな…?)

644 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 10:38:01 ID:1w7eLhAM
ことり(…実はことり、すごく気になってる事があります。)


ことり(それは、今日の午後…屋上で集まってた時に、希ちゃんとにこちゃんが言っていた事。)


ことり(私が気になってるのは、二人が話していた…『これから先の穂乃果ちゃん』について。)


ことり(そして…あの時、二人の話してた事は…さっきまで、私が見てた…あの恐ろしい夢と。)

ことり(深い深い、根の部分で……実は…繋がってもいたんじゃないかなって。)


ことり(だって…今思い出してみても、そうとしか考えられない位に…)

ことり(二人の話と、私の見た夢は…とても近く感じるもの、だったから。)


ことり(そう。その一つは…希ちゃんの占いによる、予言的な内容の話だったんだ。)

645 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 10:57:39 ID:1w7eLhAM

希『みんなの話を聞きながら、さっきから少し占ってみてたんやけどね?』


希『今までの印象から大きく変わった、これからの穂乃果ちゃんは…』

希『この先…穂乃果ちゃん自身の意思や行動、その願いとは別に…』

希『ウチらのいるこの世界へと、より強い影響力を及ぼす存在となる…と。』


希『ただ…それが穂乃果ちゃん自身や、ウチら周りの人間達にとって…』

希『果たして、吉と出るものか、或いは…凶と出るものとなるのか。』

希『それを聞いても、カードもそこまでは答えてくれなかった。』


希『だから、ウチが今の時点でハッキリと言えるのは…この一つだけ。』

希『穂乃果ちゃんの力によって、これから形創られてゆくであろう『何か』が。』

希『とても強く、そして大きいものである…という事。』


ことり(いつもは落ち着いてるイメージなのに、意外とおどけたりする事も多い…そんな希ちゃんだけど。)

ことり(あの時の希ちゃんは、そのどちらででもなくて…すごく真剣な、刃物みたいに鋭い表情で…そう言ってた。)

646 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 11:20:59 ID:1w7eLhAM

ことり(それに、もう一つ…アイドルが大好きで、いつも全力で。すごく情熱的で。)

ことり(大好きなアイドルの事では、絶対に妥協なんて許さない…そんな、にこちゃんが。)


にこ『いい、穂乃果?一度しか言わないから…絶対に聞き逃すんじゃないわよっ?』


にこ『……穂乃果。もう生半可なヤツじゃ…例えプロのアイドル達でさえ、どんなに束になったトコで……』


にこ『今のあんたには……あんた一人に………絶対に適いやしないわっ…!!』


ことり(…ここまで、ハッキリと言い切ってたんだ。大好きなアイドルに、誰よりもプライドを持ってる…あのにこちゃんが。)


ことり(しかも…これだけじゃなくて。二人が揃って、繰り返しながらも話してた。今の穂乃果ちゃんの持つ、影響力…その大きさを。)


ことり(穂乃果ちゃんの、その話をしてた時に…すごく本気で真剣な表情をしていた、希ちゃんとにこちゃん。)

ことり(そんな二人だったからこそ…何の根拠も無しで、あそこまで言ってたなんて…私にだって、やっぱり思えない。)


ことり(そして、本当は私も…二人と同じなのかも知れない。その可能性を、本心では…否定なんて、出来てない。)

647 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 11:42:52 ID:1w7eLhAM
ことり(…そうだよね。さっきみたいな『大げさな話』になんて、本当は…全然出来てないんだ。)

ことり(だって…あんな夢を見てしまった事が、何よりも…その証拠でもあったんだから。)


ことり(…ううん……そうじゃない。本当は私こそが、その可能性を…最初から知っていた。他の誰よりも…分かっていたの。)

ことり(ただ、今の今まで…それを否定したい自分が、ずっと私の中にいた……それだけの事だったんだ。)

ことり(そう…自分がどうしたら良いのか、その答えが分からなくて…そんな今の現実から、必死に目を背けて…逃げていただけ。)


ことり(だから…私が見ていた、あの悪夢は……ただ逃げてただけの、こんな臆病な私への……何かしらの警告…だったのかも知れない。)


ことり(…あはは……それにしても…本気でこんな事を、色々と考えさせちゃう穂乃果ちゃんって…やっぱり凄いよね。)

ことり(だって…ちょっとメイクをしただけの穂乃果ちゃんが、学校中での大騒ぎにまでなったのは…紛れもない事実だし。)

ことり(そうなっちゃうくらいに、穂乃果ちゃんの『女の子』の魅力って…やっぱり、本当に凄かったって事なんだから。)


ことり(…穂乃果ちゃんの…女の子としての、魅力…かぁ。)


ことり(…そういえば…出来る限り、それを他の人に見られたくないと…いつもそう思ってた私が、たった一度だけ…)

ことり(穂乃果ちゃんの、その女の子らしさの魅力を…ほんの少しだけど、つい引き出しちゃった事が…あったんだよね。)

648 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 12:21:31 ID:1w7eLhAM
ことり(あのPVの時って…9人全員が揃ってから、そんなに時間が経ってなくて…『μ's』の人気も、まだ軌道に乗る前の時期で。)

ことり(『これから撮るPVだけど、観れるのはファン会員限定にするヤツよ!』って。にこちゃんが、そう言ってたから。)


ことり(人に観られる機会も少ないならって思って、私もちょっとだけ…試したくなっちゃったんだよね。)

ことり(それに…普段ライブでやってたのとは、曲の感じもかなり違ってて。すっごく甘々な『女の子』って、そんな感じの曲だったし…)


ことり(だから私…あのPVの時だけは。センター担当の穂乃果ちゃんの、衣装もメイクとかも。)

ことり(いつもより少しだけ、女の子らしさを強めに引き出せる物にして…みたんだけど。)


ことり(その完成したPVを見て…ことりは、改めて思い知っちゃったんだ。穂乃果ちゃんの持ってる…その魅力のすごさを。)

ことり(普段の元気っコみたいな感じは、どこにもなかった。とにかく素敵で…本当に女の子らしくて。)

ことり(可憐な動き、気品まで感じちゃう仕草、艶やかな表情。年頃の女の子ならではの、魅惑的な身体のライン……魅力の宝物庫だった。)


ことり(私は…ことりは……それを観た時に、とっても感動したんだけど……それと同時に、後悔もしちゃってたんだ…油断してた自分に。)

ことり(そのせいで…魅力の一部だけとは言っても、顔も知らない他の人達にまで…あの姿の穂乃果ちゃんを、見せる事になっちゃったから。)

649 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 13:16:42 ID:1w7eLhAM
ことり(…あのPVって、にこちゃんが作ったホームページで…その会員さん限定として、まだ公開され続けてるんだよね…?)

ことり(正直に言っちゃうと…私としては、削除しちゃって欲しいけど…私一人のワガママで、そうゆう訳にもいかないから…)

ことり(だから…せめてこれからも、ヘンに注目は浴びたりとかしない様にって。そう願うしか出来ないのが…ちょっと辛いトコだけど。)


ことり(でも…多分、大丈夫だよね。一般の人にまで観られる事って、そう滅多に無さそうだし…今までだって、特に何も無かったし…)

ことり(あの時よりも、人気がある今だって…会員さんにまでなる人って、かなり限られてるみたいだから。)

ことり(それに…にこちゃんが『会員の質を高くする為にも、入会条件の設定を厳しめにしたわよ』って…確か、そう言ってたもんね。)


ことり(うん…それなら、多分これからだって。表に出る機会なんて、まず無い筈だから…そこまで気にしなくても、いいよね…きっと。)

ことり(…クス。さっきまでは、あんなに怖い夢を見て…イメチェンした穂乃果ちゃんの、その影響力のすごさだとか…)

ことり(その影響力が、一体どこまで大きくなっていくのか、とか…そのせいで穂乃果ちゃんが、私の前からいなくなっちゃイヤだ…とか。)

ことり(そんな事ばかり、ずっと考えてたのに…それなのに今は『あのPVの穂乃果ちゃんを、もう他の人には見せたくないの><』…だなんて。)


ことり(あはは…ホントにもう…何だか、おかしくなってきちゃった。)

ことり(やっぱり私、疲れてるのかな…そのせいで、一度に色んな事を…考え過ぎちゃってるのかも。)

650 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 13:53:24 ID:1w7eLhAM
ことり(…うん…そうだよね。今はアレコレ考えてみても、本当に必要な答えなんて…まだ出せないんだから。)

ことり(これから先、もし何かあった時の為にも…私が今、しなくちゃいけないのは…しっかりと、休んでおく事。)


ことり(そして…明日になったら。穂乃果ちゃんや周りの様子を、ちゃんと見ながら。自分が何をしていくのかを…また考えていこう。)

ことり(今の私が、何か行動を起こすには…もっと状況を正しく知った上で、よく考えなくちゃいけないって…そう思うから。)


ことり(とにかく…明日こそは……穂乃果ちゃんの前で、笑っていられる……いつもの私に…なれる様に……頑張らなきゃ。)


ことり(だから……おやすみなさい、穂乃果…ちゃん……また…明日…ね……)


ことり(どこにも…行かないで……ことりを置いて…どこかに…行ったり……しないで…ね………)


ことり(……ずっと…ずっと……ことりの…側に……居てね………お願い……だか…ら………)


ことり(……ね………穂乃……果………ちゃ…ん…………)


ことり「……………すぅ………すぅ………」

651 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 17:03:05 ID:1w7eLhAM









穂乃果『うん。ほのか、どこにもいかないよ?』


穂乃果『だって、ほのかとことりちゃんは、ずっとなかよしで!』

穂乃果『だからこれからも、ずーっといっしょにいるんだもんっ!』


ことり『ほんとに…?ほんとに、ことりといっしょに…ずっと、いてくれる?』

穂乃果『もちろんだよ!おっきくなってもほのか、ことりちゃんのそばにいるよ?』


ことり『ほんとに…ひとりで、とおくにいったりしない…?』

穂乃果『うん、いったりしない。』


ことり『ほんとに…ことりをおいて、どこかにいったり、しない…?』

652 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 17:08:53 ID:1w7eLhAM
穂乃果『うん、どこにもいかないよ。』


ことり『ことりね…ほのかちゃんがいてくれないと、だめなんだ…』

ことり『ほのかちゃんがいないと、ことり…もうなにも、できなくなっちゃうから…』


穂乃果『もー。だいじょうぶだって、ことりちゃん。』 


ことり『…うん。それなら、ほのかちゃん…?』

穂乃果『ん?なあに?』


ことり『ことりと、やくそく…してくれる…?』

穂乃果『うん、いいよ。やくそくする!』


穂乃果『ほのか、なんどもいってるよ?どこにもいかないって。』

ことり『………』 


穂乃果『それに、ずっとことりちゃんのそばにいるって。』

653 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 17:13:48 ID:1w7eLhAM
ことり『……うん。』


穂乃果『だから、ことりちゃん。』スッ

ことり『…え…?』


穂乃果『ほら、やくそくしようよ!』

ことり『…う、うん。』スッ…


ギュッ!


ことり『あっ…』


穂乃果『これからも、ずーっとずーっと。』

穂乃果『いつまでも、ずーっとずーっと…』ギュッ…


ことり『……ほのかちゃん…///』ギュッ…


穂乃果『ほのかとことりちゃんは、ふたりいっしょにいるよ、って!』

654 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 17:21:35 ID:1w7eLhAM
ことり『…うん……ありがとう、ほのかちゃん。』


穂乃果『じゃあことりちゃん、このままゆびきりしようよ!』


ことり『………』


スッ…


穂乃果『…あれ?ことりちゃん、どうしたの?』 


ことり『……あのね、ほのかちゃん。』

穂乃果『ん?なあに?』


ことり『…ゆびきりって、ゆびをつないでるときは、あたたかいよね?』

穂乃果『うん、とってもあったかい。』


ことり『ゆびをつないでるひとと、ずっとつながってるみたいで…ことり、とってもうれしい。』

穂乃果『うん、そうだよね。ほのかもそうおもうよ。』

655 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 17:32:14 ID:1w7eLhAM

ことり『…でも…だから…』

穂乃果『え?』


ことり『そのゆびを、きっちゃったときが…ことりは、とってもさびしいの。』

穂乃果『…あ……』


ことり『さっきまで、ことりのまえにあった…とってもだいじなものが、なくなっちゃったみたいで…』

穂乃果『…ことりちゃん…』


ことり『だから、ことり…とっても、とっても…さびしいの。』

穂乃果『…そっか。』


ことり『あ…ご、ごめんね…?せっかくほのかちゃんが、やくそくしてくれるって……』 


穂乃果『ううん、いいんだよ。ことりちゃんのきもち、ほのかにもちょっとわかるから。』

ことり『…うん…ありがとう。でも、ほのかちゃん…ほんとに、ごめんなさい…』

656 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 17:41:53 ID:1w7eLhAM

穂乃果『いいから、いいから!じゃあ、ゆびきりじゃなくてー…ほかのやつを、いまからかんがえよう!』

ことり『ほかの…?』


穂乃果『うん!ことりちゃんが、ゆびきりをすきじゃないのはね?きっと、みえなくなるからだよ。』

ことり『みえなく、なる…?』 


穂乃果『そう!だれかとやくそくすることって、これからもずーっとずーっと、つづいてくことなんだよね?』

ことり『う、うん…そうだと、おもうけど。』


穂乃果『でもね?ゆびきりは、ゆびをきっておわっちゃうから。それからは、なんにもみえなくなるから。』

ことり『え、えーっと……』


穂乃果『だからじゃないかな?ゆびをきっちゃったあとは、やくそくしたっていうしるしが、めになんにものこらないの。』

ことり『……あっ…』

657 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 18:04:19 ID:1w7eLhAM

穂乃果『めにみえるしるしがないと、いつかわすれちゃうかもしれない。ちゃんとやくそくしたことでも。』

ことり『………』 


穂乃果『ふたりのどっちかかもしれないし、ひょっとしたら、ふたりともわすれちゃうかもしれないよね?』

ことり『…そんなの…いやだよ…』


穂乃果『うん、だよね。ほのかだって、そんなのいやだもん。」

穂乃果『だからことりちゃんは、しるしのみえなくなるゆびきりが、すきじゃないのかなっておもったんだ。』


ことり『…うん…ほのかちゃんの、いうとおりかも。』 


穂乃果『だからね、ことりちゃん。』

ことり『え…?』


穂乃果『それなら、やくそくしたしるしがのこるほうほうを、いっしょにみつければいいんだよ!』

ことり『やくそくしたしるしが、のこるほうほう…?』

658 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 18:23:40 ID:1w7eLhAM

穂乃果『うん!ふたりでやくそくしたってことを、いつでもおもいだせるような、とーってもめだつしるし!』

ことり『…めだつ、しるし……』


穂乃果『ねね、ことりちゃん!どうかな、どうかなっ?』キラキラ

ことり『うん…うん…!ことりもね、すごくいいっておもう…!』


ことり『だって…そのめだつしるしがあれば、きっといつでも…どこにいても…!』

ことり『ふたりとも、ずっとずっと…やくそくをわすれないで、おぼえていられるよね…!』


穂乃果『そのとーり!ほのかとことりちゃんは、これからもずっといっしょにいられるんだよ!ぜったいに!』


ことり『わあ…!ほのかちゃん、すごーい!』

穂乃果『えへへー!すごいでしょーっ?』フフン 


ことり『うん!さすがほのかちゃん☆それじゃあ、それじゃあ〜…めだつしるしって、どんなのがいいのかな?』

659 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 19:16:07 ID:1w7eLhAM

穂乃果『そう、だいじなのはそこなんだよね。ほのかはいつもみえてるものがいいって、やっぱりおもうんだ。』

ことり『うーん…そうだよね。それをみることでやくそくを、ぜったいわすれないようにしたいんだから…』 


穂乃果『…あ、そうだ!それなら《きょーつーにんしき》ってやつが、いいのかも!』

ことり『《きょーつーにんしき》…?』


穂乃果『ええっとねー…《じぶんとほかのひとが、なにかおなじものをみて…そしておなじことをおもう》…だったかな?』


穂乃果『まえにおかあさんがおせんべいたべながら、なんかむずかしそーなばんぐみをみてたんだけどね。』

穂乃果『なんとなくよこでみてたほのかに、いろいろおしえてくれたの。』


ことり『なんだか、ほんとにむずかしそうだよね……おなじものに…おなじこと……うーん……』

ことり『えっと…たとえば、ことりとほのかちゃんが…いぬさんをみて、ふたりともかわいいっておもうのも…そうなのかな?』


穂乃果『そう、それそれ!やっぱりことりちゃん、あったまいいー!』

ことり『そ、そんな…はずかしいよ〜///』

660 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 19:37:04 ID:1w7eLhAM

穂乃果『あとね、ことりちゃん。これって《おそろい》っていいかたも、わかりやすくいうとできるんだって。』


ことり『おそろい…おそろい……おそろいって、おなじってことだよね?』


穂乃果『うん、そうだよ。それでね?いまかんがえてる、とってもめだつしるしなんだけど。』


穂乃果『ほのかとことりちゃんのふたりで、おそろいにしためじるしにしたら、どうかなって!』


ことり『…!ほのかちゃん、それって…すごく、すっごくいいかも…!』


穂乃果『でしょでしょー?えっへん!』ドヤァ


ことり『うん!やっぱり、ほのかちゃんはすごいね!』

穂乃果『えへへー!///』


穂乃果『よーし、そうときまれば!ふたりのおそろいのめじるしになるものを、なにかみつけないとね!』

661 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 20:47:12 ID:1w7eLhAM

ことり『うふふ♪ねえ、ほのかちゃん☆』ニコニコ


穂乃果『あれれ?なんだかことりちゃん、とってもうれしそうだけど、どうしたの?』


ことり『うん♪ことり、いま…とってもいいこと、おもいついちゃったの☆』


穂乃果『とってもいいこと?え、なになにっ?ほのかにもおしえてよ、ことりちゃーん!><』

ことり『うん、もちろん♪』


ことり『えっとね?これからふたりで、おそろいのなにかをめじるしにするなら〜…☆』


ことり『こうゆうのなんて、どうかなって♪』








662 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/19(水) 21:22:03 ID:1w7eLhAM
今回は、これで終了となります。
久しぶりにまとまった時間を取れた事で、長い長いとても長いこの二日目を、やっと…やっと書き終える事が何とか出来ました。
ここまで本当に長かったですが、この作品で自分が特に書きたかった話の一つであるアキバでの騒ぎのシーンにも、これでかなり近づく事も出来ました。
まだ不安定な更新状況ながらも、少しずつ前進は出来ていると思いますので、まずはアキバのシーンを次の目標として、今後も着実に頑張っていきたいと思います。
それでは、今後ともお付き合いの程、宜しくお願い致します。

こちらの投稿の間にコメントして下さった方、どうもありがとうございます。
何かと拙い書き手とこの作品ですが、それでも見て頂けている事の嬉しさを、改めて実感しています。

663名無しさん@転載は禁止:2022/01/19(水) 23:19:05 ID:Ed4n.ayU
乙乙

続くならありがたい

664 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 08:32:33 ID:lnKZQbNE
前回コメントをして下さった方、どうもありがとうございます。
続きを待っていてくれる人がいて下さる事は、自分にとって凄く大きな力になっています。

本当に長かった二日目を何とか無事に終えて、今回からは話がようやく本格的に動き出す三日目へと移ります。
読んで頂いてる方に少しでも楽しんで頂ける様に、まずは次の目標まで地道に頑張っていきますので、
今後も引き続きお付き合いの程、宜しくお願い致します。

665 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 08:39:04 ID:lnKZQbNE
SCENE 20.【音ノ木坂学院・校門前〜正面玄関前】


「おはようございます、高坂先輩!///」

「せんぱーい!おはよーございまーす!///」


「穂乃果、おっはよー!今日もイケてるねーっ!///」

「あ…///おはようございます、高坂さん…!///」


「穂乃果ちゃん、おっはよーっ!///」

「ごきげんよう、高坂さん///今日も、お美しいですわ…///」


穂乃果「あっ…え、えっと…///」


海未「……ハア。」

666 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 08:44:42 ID:lnKZQbNE
海未(まあ…こうなるであろう事は、元より分かっていましたからね。)


海未「…穂乃果?此処に居る皆さんは、貴女に挨拶しているのですから。」


穂乃果「あ…そ、そっか…そうだよね…!///」


海未「それに朝の挨拶は、一日の始まりとしても大切な事です。ここは貴女も、きちんとしておきましょう?」


穂乃果「う、うん…分かった…!///」スッ


穂乃果「あ、あのっ……みんな…おお、おはようございますっ!///」ペコリ


「キャーッ!///穂乃果せんぱーいっ!//////」

「高坂会長、おはようございます!//////」

667 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 08:50:48 ID:lnKZQbNE
「ねえねえっ!?今センパイ、こっち見てくれたよねっ!?//////」

「うん、間違いないよ!超ラッキー!//////」


\\\ワイワイ、ガヤガヤ…!!/////////


穂乃果「…あ、あはは……//////」


海未「…朝からこの様子では、今日も大変そうですね。」

ことり「…うん…そうだね。」






668 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 08:55:31 ID:lnKZQbNE
SCENE 21.【音ノ木坂学院・正面玄関内】


バサバサバサッ!!


穂乃果「………」


バサバサバサッ!!


穂乃果「………///」


バサバサ、バサ…バサ…


穂乃果「………//////」


海未「…この様な状況も、ある程度の予想はしていましたが。それを更に上回るとは…正直驚きました。」

ことり「…あはは…すごい数だね。」

669 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 09:06:19 ID:lnKZQbNE
海未「ええ。それに…『この音ノ木坂学院の、今現在での全校生徒数』という視点からも、改めて考慮してみるのであれば。」

海未「あの数が示している意味の重さを、否が応でも実感させられます。」


ことり「うん…学校中のみんなが、すごく夢中になってるからね…今の穂乃果ちゃんに。」


バサ……バサ…………パサ。


穂乃果「……………//////」プシュー


穂乃果「………えっと……//////」


穂乃果「……ど……どうしよう…?//////」






670名無しさん@転載は禁止:2022/01/26(水) 09:28:03 ID:pqAYjAbk
来てたか

671 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 09:30:55 ID:lnKZQbNE
SCENE 22.【音ノ木坂学院・体育館】


穂乃果「えーーいっ!!」スパーン!


ピピーッ!


穂乃果「やったー!決っまりーっ!」


海未「フフ。やりますね、穂乃果!」


穂乃果「えっへへー!」ブイッ!


\\\キャアアアアアーーッッ!!//////


穂乃果「わっ!?な、何っ…!?」


海未「あれは…どうやら穂乃果を見ていた人達からの、応援の声みたいですね。」

672 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 09:47:58 ID:lnKZQbNE
穂乃果「へっ…?」クルッ


「キャーッ、キャーッ!///高坂先輩、今こっち向いてくれたよっ!?///」

「うんうんっ!やったねっ!///」

「穂乃果せんぱーい!頑張ってくださーい!///」


「高坂さん、ホントにキレイだなぁ…///ちょっと雰囲気、変えただけなのに…///」

「だよね、だよね!何で今まで、みんな気が付かなかったのかなっ?///」

「穂乃果ちゃんファイトーっ!頑張ってねーっ!///」


穂乃果「…え、ええっと……コ、コホン…///」サッ


穂乃果「みんな、あの……あ、ありがとう…!///」ニコッ


フリフリ☆


\\\\キャアアアアアアアアーーーーーッッ!!//////////

673 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 09:55:41 ID:lnKZQbNE
穂乃果「わっ、わわっ!?///」


「見た!?見たっ!?今先輩、私達に手を振ってくれたよね!?ねっ!?//////」

「うんうん!バッチリ見てたよっ!穂乃果センパーーイッ!//////」

「穂乃果ちゃん、カッコイイーー!!//////」

「高坂会長、ステキーーっ!!//////」


\\\\キャアキャアッ、キャアキャアッ!!//////////


ことり「あはは…さっきより、もっと賑やかになっちゃったね。」

穂乃果「…な…何か…そうみたいだね…//////」ポリポリ…


海未(…ふぅ。まあ…これ位に留まるものであれば、特に大きな問題という訳では有りませんし。)

海未(この規模の出来事に関しては、許容範囲内として考える事も。今後を見据えていく上では、致し方ないのでしょうね。)ヤレヤレ…






674 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 10:03:30 ID:lnKZQbNE
SCENE 23.【音ノ木坂学院・二年教室】


穂乃果「いやぁ〜、今日もパンが…」アーン


「高坂さん!これ、良かったらどうぞ!///」ズイッ

「あ、あの…穂乃果ちゃん…?このサンドイッチ…手作り、なんだけど…///」ズイッ

「ねえ、ほのっちー!コレ食べてみてよ、ほらほらっ!///」ズイッ


穂乃果「うまっ…んん、んぐっ…!?///」コホッコホッ!


「あー、ずるーいっ!コーサカちゃん、アタシのも食べて食べてーっ!///」ズイッ

「ダメダメ、私の方が先なのっ!ほーらホノちゃん、あーんしてっ?///」ズイッ


穂乃果「えっ、えええ〜っ!?///みみ、みんなっ…!?ちょっと待っ…///」タジタジ

675 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 10:13:13 ID:lnKZQbNE
「ねえねえ、穂乃果!あたしが作ったハンバーグ、食べてみてよ!///」ズイッ

「フーンだ!だったら私のは、特製唐揚げと卵焼きだもん!はい、ホノカちゃん♪///」ズイッ

「ちょっと貴女達、順番は守って頂けません事っ?さあ穂乃果さん、こちらを是非お召し上がりになって☆///」ズイッ


穂乃果「……あ、ありがとう……あ、あは…あははー……//////」


\\\ワイワイ、ガヤガヤ…!!/////////


海未「…幾ら穂乃果が、人並み以上には食欲旺盛であったとしても。」

海未「あの凄まじい量を、たった一人で。しかも、この昼休みの間で…全部食べられるのでしょうか?」モクモク


ことり「ア、アレは流石に…ちょっとムリ、なんじゃないかな〜…って。」アハハ…

676 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 10:20:30 ID:lnKZQbNE
「高坂さん!//////」ズイッ

「穂乃果ちゃん…!//////」ズイッ

「ほのっちー!//////」ズイッ


「コーサカちゃん!//////」ズズイッ

「ホノちゃんっ!//////」ズズイッ


「穂ー乃果!//////」ズズズイッ

「ホノカちゃん♪//////」ズズズイッ

「穂乃果さんっ☆//////」ズズズイッ



穂乃果「」ファイト…ダヨ…






677 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 10:57:17 ID:lnKZQbNE
SCENE 24.【音ノ木坂学院・中庭 木陰】


穂乃果「………」キョロキョロ


穂乃果「…うん。今なら、誰もいないよね…?」ストン…


穂乃果「…ハア……みんなの気持ちは、すっごく嬉しいんだけど…///」

穂乃果「昨日から、ずっとこんな調子だと…流石に私の方が、先に身が持たなくなっちゃうよ…///」ポテッ


穂乃果「……でも…」


穂乃果「…私の事を…海未ちゃんや絵里ちゃん達と、同じ様に…見て貰えてるのは…///」

穂乃果「何だか、とっても恥ずかしいけど…///それでも…やっぱり、嬉しい…な…///」ウトウト


穂乃果「……だけど……どうして、なのかな……?」


穂乃果「…私……最近に、なってから……」

穂乃果「…何だか……気持ちが、落ち着かない…様な……そんな気が…して……」

678 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 11:08:40 ID:lnKZQbNE
穂乃果(…そう……私……何か、大切な……事を………)

穂乃果(……ずっと……忘れてる…様な……気……が………す…………)


穂乃果「…………」

穂乃果「…………」

穂乃果「…………」zzz


ザッ…


ことり「フフ…穂乃果ちゃん、見〜つけた☆やっぱり、ここだったんだね。」

穂乃果「…………」zzz


ことり「ここって今の時間なら、意外と人が通らない場所だもんね。かくれんぼが大好きだった、穂乃果ちゃんらしいな。」

穂乃果「…………」zzz


ことり「穂乃果ちゃ〜ん。そのままじゃ、頭が痛くなっちゃいますよ〜?」

679 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 11:23:25 ID:lnKZQbNE

穂乃果「…………」zzz


ことり「…本当は、すごく疲れてたんだよね…?昨日も、それに今日も…色んな事が、沢山あったから…」

穂乃果「…………」zzz


ことり「それなのに……ことりの事、ずっとずっと…心配してくれてたんだね。」

穂乃果「…………」zzz


ことり「…始業までは、もうちょっとだけ…時間はあるけど…」

穂乃果「…………」zzz


ことり「あ…そうだ☆」


ことり「ねえ、穂乃果ちゃん。ちょっとだけ…ゴメンね?」ソー…

穂乃果「………んー…」zzz


ことり「……うん、これでよしっと♪」ポフッ

680 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 11:31:07 ID:lnKZQbNE

穂乃果「…ん……むにゃ……」zzz


ことり「かーわいい♪///」クスクス


穂乃果「…すー……すー……」zzz


ことり「……………」


穂乃果「…すー……すー……」zzz


ことり「……うん…そうだよね。」


穂乃果「…すー……すー……」zzz


ことり(こんなにも、可愛いんだもん…)


ことり(こんなにも、綺麗なんだもん…)


ことり(こんなにも…優しいんだもん。)

681 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 11:47:45 ID:lnKZQbNE

ことり(みんなだって、好きに…大好きに……なっちゃうよね。)


穂乃果「…すー……すー……」zzz


ことり(大好きだから…自分の事だって、大好きになって欲しくて…)

ことり(自分の事も、大好きになって欲しいから…その気持ちを知って欲しいと、強く願う様になって…)


ことり(そして…そんな自分の気持ちを、どうしても知って欲しいから……)

ことり(精一杯の勇気を出して……伝えようと…するんだよね。)


ことり(だから…きっと……)


ことり(さっきの…あの子も……)






682 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/26(水) 12:02:10 ID:lnKZQbNE
今回は、ここで一旦終了となります。
次回も引き続きお付き合いの程、宜しくお願い致します。

投稿の間にコメントして下さった方、どうもありがとうございました。
今回もリアルタイムで見て頂けているとは思っていませんでしたので驚きましたが、とても嬉しかったです。

683 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/30(日) 12:20:25 ID:OvzYpkWc
SCENE 25.【音ノ木坂学院・一階 渡り廊下《Recollection》】


穂乃果『ねえ、ことりちゃん。昨日の夜だけど、あれからゆっくり休めたのかな?』


ことり『…うん♪もう朝までぐっすりだったよ☆いっぱい寝れたから、体の疲れも大分取れたみたいなの。』

ことり『だから今日のことりは、昨日よりずっと元気なんです☆ちゅん♪』


穂乃果『そっか。うん、それなら良かった。』

穂乃果『確かに昨日と比べれば、顔色の方も良いみたいだし。ちょっと、安心したよ。』


ことり『…ごめんね、穂乃果ちゃん。昨日からずっと…心配ばかり掛けちゃって。』


穂乃果『ううん。ことりちゃんが元気になってくれる事が、私にとっては一番大事なんだもん。』

穂乃果『だけど、絶対に無理だけはしないでね?何か必要な事があったら、私も頑張って力になるから。』


ことり『…うん!ありがとう、穂乃果ちゃん。』


穂乃果『あ…そうだ!今日は私達って、放課後に生徒会の仕事があるよね?』

684 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/30(日) 12:42:10 ID:OvzYpkWc
ことり『え?あ、うん。ただ、いつもよりは少ない仕事量だから…多分、そんなに時間は掛からないとは思うけど。』


穂乃果『ふーむ……よし、それなら…!』

穂乃果『ここは一つ、ビシッと気合を入れて!私がことりちゃんの負担を、少しでも減らせる様にしよう!』グッ


穂乃果『うん、決めた!私、やるったらやるよ!ねえ、ことりちゃんっ?今日は私、全力全開で頑張るからねっ!』ビシッ!


ことり『クス。そこは《今日も》って、言える様になってくれると〜。ことり的には、もっともっと嬉しいかなぁって☆』


穂乃果『うっ…そ、そうだよねえ。えっと、その…今後はなるべく、前向きに考えて参りますので…』

穂乃果『それで、ここは一つですね〜…今暫くのご猶予を、どうにか頂けたらと。私としては、そう願う次第でありまして…』ゴマスリ


ことり『クスクス。冗談だよ☆』

穂乃果『へっ…?』


ことり『あのね?最近の穂乃果ちゃんは、生徒会長としてもしっかりしてるって。みんなが揃って、そう言ってるの。』

ことり『それに、仕事の量が多かった一昨日だって。私と海未ちゃんの為に、一人で残って頑張ってくれたよね。』

685名無しさん@転載は禁止:2022/01/30(日) 13:11:00 ID:ElF2bDgQ
来てるのか

686 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/30(日) 13:15:29 ID:OvzYpkWc
穂乃果『う、うん…まあ…私なりに、生徒会長としての責任感とか…少しは持てる様に、なってきたのかなって。』

穂乃果『とは言っても、前任の絵里ちゃんと比べちゃうと、まだまだ全然なんだけどねー。』タハハ


ことり『ううん…そんな事ないよ。絵里ちゃんも素敵な生徒会長だったけど、穂乃果ちゃんだって…素敵な生徒会長なんだから。』


ことり『穂乃果ちゃんが一生懸命になって、何かを頑張ってるとね?その頑張りが大きな力になって、みんなにも伝わっていくの。』

ことり『それは、この学校の生徒会長としての穂乃果ちゃんからも。それに勿論、私達≪μ's≫のリーダーとしての穂乃果ちゃんからも。』

ことり『その両方の穂乃果ちゃんから、沢山の人達が貰ってるんだよ?とっても元気で頼もしいパワーを、いっぱいいっぱいね☆』


穂乃果『あ、あはは…そんな風に言われちゃうと、何ていうか…ちょっとテレちゃうかも///』ポリポリ


穂乃果『でも…うん。そう言って貰えるのは、やっぱり嬉しいよ。ありがとう、ことりちゃ…』


『あああ、あの…!///ここっ、高坂さんっ!///』


穂乃果『って…えっ?』クルッ


ことり《……あっ……》

687 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/30(日) 13:38:41 ID:OvzYpkWc
『こ…ここここ、これっ…!うううっ、受け取って下さいっ!!//////』サッ


穂乃果『…へっ?あ、あの…』


『ししっ、失礼しますっ!!//////』


ピューーーッ!!


穂乃果『……これって……手作りのクッキーと……ラ…ラブレター…//////』カアア


ことり『………』


穂乃果『あっ…え、えっと……ごめんね、ことりちゃん。まだ話の途中だったのに、その…』


ことり『…ううん。穂乃果ちゃんのせいじゃないし、それは気にしてないから。ね?』


穂乃果『うん…ありがとう。いきなりだったから、私…すごくビックリしちゃったけど。』


ことり『フフ。だって穂乃果ちゃん、みんなにモテモテだもんね〜?』

688 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/30(日) 13:56:24 ID:OvzYpkWc
穂乃果『か、からかわないでよ〜、もぉ〜!///』


ことり『ウフフ♪きっと穂乃果ちゃんは〜…もう学校一のモテモテさん♪なんじゃないかなぁ〜☆』

穂乃果『こ、ことりちゃ〜ん!///お願いだから、もう勘弁してぇ〜!><』


ことり『クスクス。』


ことり《………これで…いいんだよね。》

ことり《だって、今の私には…こんな風に、穂乃果ちゃんの前で…》

ことり《ただ、笑ってる事しか…出来ないから。》


ことり《例え、その笑顔が…偽物≪ウソ≫だと……自分で分かっていても。》






689 ◆bK3.D2B8eM:2022/01/30(日) 14:16:29 ID:OvzYpkWc
コメントをして下さった方、どうもありがとうございます。
こうして見て頂けている事に、いつも大変励まされています。

今回はこちらの時間の関係で短めの更新となりましたが、
宜しければまた次回もお付き合い頂けます様、何卒お願い致します。

690名無しさん@転載は禁止:2022/02/01(火) 22:48:54 ID:/b/24Nig
気長に待ってるぞい

691 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 09:23:22 ID:ZtXNIcNg
SCENE 26.【音ノ木坂学院・中庭 木陰】


…〜♪


ことり「…『青く透明な 私になりたい 友達のままで あなたの前で』」

ことり「『隠しきれない 胸のときめき 誰にも 気付かれたくないよ』」


ことり「『こころ透明な 私を返して 友達なのに あなたが好きだと』」

ことり「『隠しきれない 忘れられない 秘密かかえて 窓にもたれた』…」


ことり「…『勝手な願い ごめんね きっと』… 」

ことり「…『私だけの 密かな Love marginal』……」


ことり「…………」


穂乃果「…すー……すー……」

692 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 09:36:41 ID:ZtXNIcNg
ことり(…これからも、穂乃果ちゃんは…)

ことり(自分一人に向けられた、数え切れない程の気持ちを…沢山の人達からの想いを。)

ことり(その全部を…たった一人で。ずっと、受け止めていかなくちゃ…いけないんだね。)


ことり(それは…何かを少し間違えただけでも、自分に重くのしかかってくるもので…)

ことり(その重さの、一つ一つに…いつ潰されてしまっても、おかしくない位に…本当に、本当に…すごく大変な事なのに。)


穂乃果「…すー……すー……」


ことり(……昨日の夜に見た、あんな夢なんて……絶対に、絶対に…信じたくなんてない……でも……)


ことり(本当なら…もう二度と、思い出したくもない……)

ことり(例え何があっても、絶対に認めたくない……昨日の夢の先にあった、あの結末へと……)


ことり(少しずつ…ほんの少しずつ……だけど、確実に…一歩一歩……)

ことり(『穂乃果ちゃん』も……そして…『この世界』も……)


ことり(どんどん…どんどんと、近づいて行ってる……そんな気が…してしまって……)

693名無しさん@転載は禁止:2022/02/02(水) 09:42:26 ID:Bc100qHU
来てるー

694 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 09:50:09 ID:ZtXNIcNg
ことり(……こんな事、本当は…私だって、考えたくなんて…ないのに……)

ことり(でも、それでも……あれからずっと…頭から、離れてくれなくて……だから、怖くて……すごく、怖くて……)


ことり(…そう……『今の私』は、何も出来なくて……自分が情けない位、何も出来ないままで……)


ことり(これから先、穂乃果ちゃんには…とても大変な事が、次々と待ち受けているのに。)

ことり(それが、分かってるのに……私は、知っているのに。)

ことり(だから、こんなにも苦しいのに…不安なのに…怖いのに……悲しいのに………こんなにも…辛いのに。)


ことり(…なのに…それなのに……『本当の私』は……こんな状況に…なってさえも……)


ことり(自分の本心を…この気持ちを……この願いを……)

ことり(ずっと、ずっと…穂乃果ちゃんに、何も言えないままで……何一つ、伝えられないままの……)


ことり(本当に…すごく臆病で……すごく、弱くて……)

695 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 10:07:39 ID:ZtXNIcNg

ことり(本当に……すごく…すごく……ズルい子なの。)


ポツ…


ことり「……あのね…穂乃果ちゃん…?」


穂乃果「…すー……すー……」


ことり「そんな…すごくズルい子の、私に…ことりに……今、出来る事って言ったら……」

ことり「せめて、穂乃果ちゃんの前では……いつも、笑ってる事……ずっと、笑顔でいる事……」


ポツ…


ことり「…それと……今の穂乃果ちゃんが、少しでも安心して…ゆっくり休める様に……」

ことり「ただ、こうして…ことりの膝で眠ってる、穂乃果ちゃんの頭を…柔らかい髪を……」


ことり「そっと……撫でている事…だけなの。」

696 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 10:16:00 ID:ZtXNIcNg

ポツ……ポツ……


ことり「…本当に…情けなくて……本当に…悔しいけど……悲しい、けど……」


ことり「今の、ことりには……これしか…こんな事、しか…っ……出来ない…から…っ………」


ポツ…ポツ…


ポタ…


穂乃果「…すー……すー………ん……」


ことり「………っ……」グイッ


ことり「……だから…穂乃果ちゃん。」

697 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 10:25:32 ID:ZtXNIcNg
ことり「始業までの、ほんの短い間だけど……」

ことり「どうか…今、この時間だけでも……」


ことり「ゆっくりと…休んでね…?」スッ…


穂乃果「…すー……すー……」


ことり「ね…?穂乃果ちゃん……」ナデナデ…


穂乃果「…すー……すー………ことり…ちゃ〜ん……むにゃ…」


ことり「…!///」ドキッ…


穂乃果「…ことりちゃんの…作ってくれた、マカロン〜……もっと、もっと……食べたいよ〜……」


穂乃果「…むにゃむにゃ……やったぁ〜…ことりちゃん……大好きぃ〜……えへへぇ……」


ことり「………///」

698 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 10:30:29 ID:ZtXNIcNg

穂乃果「う〜ん……むにゃ…むにゃ………すぅ〜……すぅ〜……」zzz


ことり「………もう…///」


ツン☆



穂乃果「…んん〜………すぅ〜……すぅ〜……」zzz


ことり「……ありがと、穂乃果ちゃん…///」ナデナデ…


穂乃果「…すぅ〜……すぅ〜……」zzz


ことり(……大好き、だよ…///)






699 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 10:40:25 ID:ZtXNIcNg
SCENE 27.【UTX学院・『A-RISE』専用ルーム】


あんじゅ「…ええ…ええ……そうね。」


あんじゅ「…ええ、それで構わないわ。」


あんじゅ「…いいえ、それはダメね。その方向性では、意味が無くなるのよ。」


あんじゅ「…ええ、そういう事。あくまで、これは『単なるキッカケ』に過ぎないのだから。」


あんじゅ「…そう、その通りよ。こちらから必要なのは、その前後の手配のみ。」


あんじゅ「…そうよ。それが理解出来ていれば、後は特に問題無いわ。」


あんじゅ「だから…ええ、宜しくね?」


あんじゅ「それじゃ、また後で…切るわよ?」プツン

700 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 10:53:12 ID:ZtXNIcNg

あんじゅ(……ふぅ。)


あんじゅ(さて…これで事前確認は、一通り済んだ事だし。)

あんじゅ(後は…約束の時間を待つのみね。)


あんじゅ(フフ♪放課後が、今から楽しみで仕方ないわ。)


あんじゅ(…ねえ、穂乃果さん。もうすぐよ?)


あんじゅ(後、もう少しで。貴女の前の、とても大きな扉が。)

あんじゅ(盛大な音を立てながら…必ず開くわ。)


あんじゅ(ええ…そうよ、穂乃果さん。)


あんじゅ「貴女なら…必ずね☆」

701 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 11:02:56 ID:ZtXNIcNg







一年A『んでさ。このPVなんだけどー……今から、見たい?』チラッ


一年B&C&D『『『『見たいですっ!!』』』


一年A『うんうん、やっぱり正直が一番だねえ。ならば、見せて進ぜようー。』


一年B『ははーっ!』

一年D『ありがたき幸せー!』

一年C『このご恩は一生忘れませぬっ!』


一年A『うむ、良きに計らえ。んじゃ再生するから…しっかり見てなよ?』

一年A『特にね。この曲のセンターの穂乃果先輩を。その姿を。』

一年A『絶対に見逃さないように。その目で、しっかりとね…!』

702 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 11:16:28 ID:ZtXNIcNg







一年A『さてさて……どうだった?』ニヤリ 


一年B『………』

一年C『………』

一年D『………』
 

一年A『さ、何か言う事は?』


一年B&C&D『『『マジすんませんっしたーーっ!!』』』


一年A『うむ、宜しい。』


一年C『何コレ、ガチでヤバくない…?///』

703 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 11:28:29 ID:ZtXNIcNg
一年B『穂乃果先輩、マジっぱねーす…!///』

一年D『カワイイし、キレイだし…んで、めっちゃエロい…!///』


一年A『でっしょ?』フフン


一年B『こんな歌詞も振りも激アマな曲を、全然イヤミなくこなしてるとか…いやはや、すっごいわぁ。』

一年D『なのにだよ…?この溢れんばかりの、超絶女の子フェロモン!もうムンムン出しまくり状態で、歌って踊ってらっしゃる…!』

一年C『要所のポーズもエグい…あんなあざといポーズなのに、自然な感じでバッチリ決まってるし。』


一年A『フフ…あんた達も、ちょっとは分かってきたみたいじゃん?』


一年D『まあ、こんなの観ちゃったらさー。そりゃ分からざるを得ないっしょー。』

一年C『時折見せる、あの色っぽい表情。上品な雰囲気の手の動きと、少し巻いた髪。あと、ニーソと絶対領域が…えっちすぎるっ!』

一年B『うん、それそれ!なのにやっぱり、可愛らしい女の子オーラが、常に全開モードなんだよねえ。』


一年D『マジで超カワイイんだけど、何てゆーか…エロいんだよねえー、あの雰囲気がすっごくさぁ///』

704 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 11:48:33 ID:ZtXNIcNg
一年C『そう、ホントそれなんだよね。だから、敢えて一言で言ってみるなら…』


一年B&C&D『『『エロカワイイっ!///』』』


一年A『うんうん。そんだけ分かれば上出来、上出来!』


一年C『まあ、メンバー全員すっごく良かったんだけど。コレはいつもとのギャップもあって、やっぱり高坂先輩に目が行くよね。』

一年B『ソロパートとか、もう完全に無双だよねえ。あの時の表情もマイク投げも、マジ強すぎて生きるのが辛いレベル。』


一年C『あ…!それと途中のイメージPVっぽい、演技のキスシーン!』

一年B『あれは強烈だったよ…あの瞬間、正直マジで惚れそうになったし///』

一年D『あー、分かる分かる!あのシーンで画面に口付けた人とか、絶対いるんだろうなって!』



≪??・???の部屋≫


???『…ックチュン!』

705 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 12:30:55 ID:ZtXNIcNg

一年D『でもさー。ライブの時には、全然こうゆうのやってなかったから、やっぱ今まで知らなかったよ。』

一年C『うん、私も。それに思ったんだけど、このPVを知らない人って、まだまだ多いんじゃないかな?』

一年B『だろうね。実際ファンクラブにまで入る層って、ある程度まで限られてくるだろうから。』


一年A『そう、そこなんだよね。穂乃果先輩イチ推しの、あたしとしてはさ。もっともっと世間にだって、知って欲しいんだけど。』
 

一年D『うーん…何でライブでもこうゆう曲、もっとやらないんだろう?』

一年C『会員限定のやつなんだから、いつもと違う路線で攻めてみたって事じゃないかな?』


一年A『多分だけど、その線が一番ありそうな気はするね。PVの希少価値を、更にアップさせる為とかの理由で。』


一年C『だけど、残念だなぁ…高坂先輩、こんなに可愛くて色っぽいのに。』

一年B『激しく同感。ほんの一部のファンにしか、それを知って貰えないなんて。何か、すごく勿体ないよなぁって。』

706 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 12:56:11 ID:ZtXNIcNg
一年C『うん…ホントだよね。さっきも言ったけど、まだ知らない人って結構多そうだし。』

一年D『って言うよりも、知らない方が全然多いワケじゃん?だって会員しか、このPV観れないんだもん。』


一年A『まあ、実際その通りなんだよね。実に残念な事ではあるんだけど。』


一年A『だから、あたしとしてはさ。いつも色々と、アレコレ想像しちゃうんだよね。どうしても。』


一年C『想像?それって、どんな?』
 

一年A『うん…あのさ?これって、例えばの話なんだけど。』


一年A『今じゃ大人気の《μ's》のリーダー、その穂乃果先輩が。』


一年D『うんうん。』

707 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 13:19:33 ID:ZtXNIcNg
一年A『世間での《μ's》人気に対して、まだまだ知名度は低い…この隠れた超名曲を。』

一年B『ほうほう。』


一年A『いつもよりも、もっと女の子らしい格好をして。』

一年C『ふむふむ。』


一年A『もしも…もしも。大きなステージの上で。大勢の人達が見ている前で。』

一年A『また、このPVの時みたいに。歌って、踊ってくれたなら。』


一年B&C&D『『『おおぉーー…!』』』


一年A『そのステージって、きっと…ううん、絶対に。』


一年A『すっごくすっごく。もう最っ高に、盛り上がるんだろうなぁーって…!』






708 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/02(水) 13:32:36 ID:ZtXNIcNg
今回は、ここで一旦終了となります。
次の目標にしている場面まで、かなり近づく事が出来ました。引き続き、この調子で頑張っていきたいと思います。

前回の終わりと今回の投稿の間に、コメントをして下さった方、どうもありがとうございます。
こんなに長い時間が掛かってしまっている作品でありながら、こうしてお付き合い頂けてる事に大変感謝しています。
どうか今後もお付き合いの程、宜しくお願い致します。

709名無しさん@転載は禁止:2022/02/08(火) 14:04:23 ID:Z0aY38lo
次も待ってるよー
いつも思うがちゃんと逐一感想にお礼を言っていく律儀な方だねぇ

710名無しさん@転載は禁止:2022/02/12(土) 01:41:43 ID:LN65m0x6
待ってるぞい

711 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/12(土) 12:38:16 ID:Qd2cTAkI
コメントして下さった方、どうもありがとうございます。お待ち頂けて、とても嬉しいです。

今現在、次のシーンの原文が余りにも粗だらけだった為、大幅な加筆と修正に悪戦苦闘中です…;
完成次第また更新させて頂きますので、大変恐縮ではありますが、今暫くお時間を頂ければ幸いです。
何かと至らない作者と作品ではありますが、今後とも何卒宜しくお願い致します。

712 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 09:35:06 ID:JvDd0TYo
SCENE 28.【音ノ木坂学院・生徒会室 】


海未「…成る程。それで昨日の朝は、いつもと違う道から走って来たのですね。」


穂乃果「うん。私達の待ち合わせ場所の近くまで、あんじゅさんが車で送ってくれたの。」


穂乃果「あ、そうそう!あんじゅさんの送り迎えの車って、色々とすごかったんだよ!」

穂乃果「車の中がとっても広くて、飲み物がいっぱい用意してあったり。冷たいドリンク用に、冷蔵庫も置いてあったりとか。」

穂乃果「それに、中の飾り付けとかも豪華だったし。どう見ても、オシャレな『ティールーム』って雰囲気だったんだ。」


海未「専用の送迎車の中に、ティールームまで完備とは…確かに凄いですね。」


穂乃果「しかも、それだけじゃなくってね?大きい画面のテレビまで、ドドーンと付いてたんだよ。」


海未「ふむ…前々から少し、思っていた事なのですが。」


海未「やはり彼女…優木あんじゅは、名のある財閥のご令嬢なのでしょうか?」

海未「彼女の佇まいや仕草には、優雅さと美しさが、常に満ち溢れていますし。」

713 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 09:53:07 ID:JvDd0TYo
穂乃果「うん、絶対にそうだと思うよ。あんじゅさんの家って、とっても広くて大きな『豪邸』って感じだったもん。」

穂乃果「それに、お風呂もプールみたいに広かったし。夕ご飯も豪華な料理ばかりで、すっごく美味しかったんだよねー。」

穂乃果「ああー…今思い出しただけでも、ホントにホントにすごかったなあー。」キラキラ☆


海未「クス。その時の穂乃果の顔が、目に浮かぶ様ですね。」

海未「驚きと感動と興奮で、ずっと口が空いたままだったでしょうから。」


穂乃果「ええー?もし海未ちゃんでも、私みたいになると思うけどなあー。」ブー

海未「フフ…そうかも知れませんね。」


海未「それにしても…あの優木あんじゅと穂乃果の間で、その様な形での繋がりが生まれるとは。」

海未「正直、今でもかなり驚いています。実に珍しい組み合わせ、とでも言いますか…少し意外な感じでしたから。」


穂乃果「あははー。まあ、そうだよねえ?私だってまだ、何だか不思議な感じがしてるんだし。」


海未「…これまでの貴女と彼女との話を聞いた、その印象の限りでは有りますが。」

海未「彼女が穂乃果と共に過ごす時間を、自ら積極的に選んでいたという事。それについては、まず間違い無いと思うのです。」

714 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 10:21:58 ID:JvDd0TYo
海未「ただ、彼女…優木あんじゅという人は。世間では『他人と馴れ合わない』という事でも、概ね知られている人物でもあります。」


海未「それで、私としては思ったのですが…その優木あんじゅが、昨日の夜に偶然出会った穂乃果との時間を、自ら望んでいたというのは。」

海未「恐らくは彼女自身にとっても、予想外な出来事で有りながらも…何か非常に大きな意味が、そこに有ったのではないかと。」


穂乃果「大きな、意味?」キョトン


海未「ええ。単に私が、大げさに考え過ぎなのかも知れませんが。ただ…そう思えて仕方無いのです。」


ことり「…きっと…あんじゅさんは……」


穂乃果「…?ことりちゃん…?」


海未「ことり…?今まで静かでしたから、少し気になっていましたが…」


ことり「あ…ごめんね?お話を聞いてる方に、ずっと集中しちゃってたから。」


穂乃果「あ、ううん。それは気にしなくて、全然大丈夫だよ。」

715 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 10:30:06 ID:JvDd0TYo
穂乃果「それで、さっき言いかけてた事なんだけど。良かったら、続きを聞かせてくれるかな?」


ことり「うん……あのね、穂乃果ちゃん。」


ことり「きっと、あんじゅさんは……ものすごく惹かれてたんだと、思うの。」


穂乃果「え…?それって、ええっと……」


穂乃果「あんじゅさんが、そんなにも惹かれる様なものがあった…って事かな?」

ことり「…うん。」


穂乃果「うーん…そうだったんだ。それが何の事かまでは、私じゃよく分からないけど…」


ことり「…穂乃果ちゃんに。」


穂乃果「ん?なあに、ことりちゃん?」


ことり「…穂乃果ちゃんなの。」

716 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 10:40:40 ID:JvDd0TYo
穂乃果「私…?私が、どうしたの?」


海未「……ハア。」


海未「穂乃果…?ことりは、こう言っているのですよ?」

穂乃果「??」


海未「優木あんじゅは、穂乃果に…貴女という人に激しく惹かれた。だから貴女との親睦を、自ら進んで深めようとした…と。」


穂乃果「…へっ?」


海未「恐らくですが…ことりの言った通りなのでしょうね。そもそも穂乃果とは、昔からそういう人でしたし。」


海未「例え今回の縁に関しては、穂乃果自身が受け手側であったとしても。」

海未「元より穂乃果が…多分穂乃果だけが持っていると思われる、その本質的なものは。」

海未「相手が一体誰であろうとも、それを理由に何かが変わる事は…決して無いのですから。」


ことり「うん…そうだね。」

717 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 11:07:18 ID:JvDd0TYo

穂乃果「…あの〜…?何だか私だけ、置いてけぼりになってる様な…?」


ことり「ねえ…穂乃果ちゃん。あんじゅさんはね…?」


穂乃果「え…?あ…うん。」


ことり「穂乃果ちゃんの事が……本当に大好きなんだと思うの。」


穂乃果「…えっ……え、ええっ〜!?///」


ことり「だから…少しでも長く、穂乃果ちゃんと一緒に…居たかったんじゃないかな。」


穂乃果「…ま…まさかぁ〜!///あんなに綺麗で素敵なあんじゅさんが、私みたいなおっちょこちょいになんて…!///」

ことり「………」


穂乃果「だってだって。あんじゅさんって、とっても優しくて頼りになる人で。それなのに、実は意外とお茶目だったりもして。」

ことり「………」

718 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 11:26:31 ID:JvDd0TYo
穂乃果「それに…あの時、一人で落ち込んでた私に…『貴女は、とても魅力的な女の子よ』って…そう言って、励ましてくれて…」


ことり「…穂乃果ちゃん。」


穂乃果「それからも、ずっと私に…すごく優しくしてくれて…」


穂乃果「だから、だから私…そんな、あんじゅさんの事を……まるで私の、本当の…お姉ちゃんみたいだって。」

穂乃果「一昨日までは、余り話した事もなかったけど……それでも今は、そう思っちゃうくらい…すごく、すごく素敵な人で……」


ことり「穂乃果ちゃん。」


穂乃果「………」


ことり「…穂乃果ちゃんがしてる、今のヘアスタイルと、淡い色のリップだけど。」

ことり「そのヘアメイクは…悩んでた穂乃果ちゃんの為に、あんじゅさんが考えてくれて。」

ことり「それを穂乃果ちゃんが、自分でもセット出来る様にって…あんじゅさんが、教えてくれたんだよね?」


穂乃果「…うん。」

719 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 11:58:55 ID:JvDd0TYo
ことり「あのね…穂乃果ちゃん。今の穂乃果ちゃんを見てると…」

穂乃果「………」


ことり「あんじゅさんが、穂乃果ちゃんの為に…どんなに真剣に考えて、そのヘアメイクを創り上げたのか……伝わってくるの。」

穂乃果「…そう…なんだ。」


ことり「うん…あんじゅさんが、自分の持ってる全部の知識と…技術と、経験と。」

ことり「『女の子らしい魅力でいっぱいの穂乃果ちゃんを、絶対みんなに見せたいんだ』っていう…すごく強い意志と。」

ことり「そして、何よりも……穂乃果ちゃんに、心から喜んで欲しいと願ってる……あんじゅさんの想いが。」


穂乃果「…あんじゅさんの…想い……」


ことり「私ね…こう思ったんだ。そのあんじゅさんの想いが…とっても強くて、とっても大きな力になって。」

ことり「穂乃果ちゃんの持ってる、沢山の素敵な女の子の魅力達を。もう限界なんて、関係なしで…引き出してるんじゃないかなって。」


ことり「だから…今の穂乃果ちゃんの、その姿には……」

720 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 12:26:47 ID:JvDd0TYo
ことり「あんじゅさんから、穂乃果ちゃんへの……本当に、いっぱいの気持ちが…いっぱいの想いが。」

ことり「これ以上なんて、きっと入りきらない位に……ぎっしりと、詰まってるんだな…って。」


穂乃果「……にこちゃんも…昨日、私に…」

穂乃果「今のことりちゃんと、同じ事を…教えてくれてたよね。」


ことり「うん…そうだね。ただ、にこちゃんは素直じゃないから…」

ことり「穂乃果ちゃんへの、相手の人からの『想い』については…特に言ってなかったけど。」


穂乃果「でも…気付いてたんだよね、にこちゃんも。ことりちゃんが今、私に教えてくれた…すごく大切な事を。」


ことり「うん…そう思うよ。あんじゅさんからのヘアメイクだった事までは、にこちゃんは知らなかったみたいだけど…」

ことり「それでも、きっと気付いてたんじゃないかなって…やっぱり私も思うの。」


ことり「あんなにも、アイドルが大好きで。アイドルの持ってる魅力に、いつだって情熱を持ってるからこそ…」

ことり「穂乃果ちゃんの姿に込められた、その人からの強い想いを…あのにこちゃんが、見逃す筈なんて…ないって。」


穂乃果「…そっか……うん…そうだよね。」

721 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 12:33:47 ID:JvDd0TYo

にこ『…あんたにチャッカリ、そのメイクを吹き込んだヤツだけどさ。』


にこ『一体どこの誰だか、私は知らないけどね。ホントに、本っ当に…大したヤツよ?』


穂乃果「…本当に、私って……どうしていつも、こうなのかな…?」


ことり「…穂乃果ちゃん…」


穂乃果「どうして私は、いつもいつも…全然、気付けないのかな…?」


海未「…穂乃果…」


穂乃果「…昨日も、そうだったの……私。」


ことり「え…?」


海未「昨日…何かあったのですか…?」

722 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/16(水) 12:53:05 ID:JvDd0TYo
※714
「昨日の夜に」→「一昨日の夜に」

訂正です。失礼しました。

723名無しさん@転載は禁止:2022/02/16(水) 13:27:28 ID:vTZdSrgs
お、来てたか

724 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/19(土) 11:45:55 ID:euiZnXhM
穂乃果「うん…あのね。亜里沙ちゃんが、私と…もっと仲良くなりたいって。」


穂乃果「本当は、ずっと前から…そう思ってくれてたんだ。」


ことり(…そう、だったんだ。いつの間にか、亜里沙ちゃんも…穂乃果ちゃんに……)


穂乃果「…亜里沙ちゃんにとっての、私って…きっと最初の頃は、お姉ちゃんの…絵里ちゃんの仲間の、その中の一人で。」

穂乃果「それに…親友の雪穂の、お姉ちゃんだって事と。後は、私が一応『μ's』のリーダーっていうのが、ちょっとだけあった位で。」

穂乃果「多分なんだけど、それ以外での私の事って。そんなに気になってる程じゃ、なかったんじゃないかなって…そう思うの。」


穂乃果「だけど、亜里沙ちゃんは…大好きな『お姉ちゃんの仲間』や、大好きな『雪穂のお姉ちゃん』として…だけじゃなくて。」

穂乃果「いつからか、私の事を『高坂穂乃果』として。とても真っすぐに…見てくれる様になってたんだ。」

穂乃果「そして…これからは私と、もっともっと仲良くなりたいって。そう思ってくれるまでに…なってたのに。」


海未(…穂乃果と同じく、いつも天真爛漫で。自分の気持ちに正直で…思い立ったら、即行動で。)

海未(そんな…あの子だからこそ。自分とよく似たものを、沢山持っている穂乃果に。)

海未(気が付けば、自然と…惹かれていたのかも知れませんね。)

725 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/19(土) 12:04:43 ID:euiZnXhM
穂乃果「それなのに、私は…亜里沙ちゃんの、その気持ちに…全然、気付いてもいなかった。」


穂乃果「きっと、今までの私は…亜里沙ちゃんの事を…『絵里ちゃんの可愛い妹』で『雪穂の大事な親友』。」

穂乃果「そんな風にしか…見れてなかったんだと思う。」


海未(…穂乃果…)


穂乃果「亜里沙ちゃんの事を、亜里沙ちゃんという『一人の女の子』として。」

穂乃果「私は…ちゃんと見れてなかったんだなって。」


ことり(…穂乃果ちゃん…)


穂乃果「そんな私のせいで、亜里沙ちゃんは…ずっと寂しい思いを、我慢し続けちゃってたんだ。」


穂乃果「そして、とうとう亜里沙ちゃんは……昨日、私と会った時に。」

穂乃果「ずっと抱え込んでた気持ちが、ついに限界を過ぎちゃって…私の前で、一気に暴発しちゃって。」

726 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/19(土) 12:19:35 ID:euiZnXhM
穂乃果「それから、まるで自分を見失ってるみたいに…私に激しく、抱きついてきて…」

穂乃果「その後、雪穂が止めに来るまでの間……もう絶対に…離れようとはしなかったの。」


穂乃果「私…初めてだったんだ。あんなにも必死になって、何かを求めようとする…そんな亜里沙ちゃんを見たのは。」

穂乃果「しかも…亜里沙ちゃんがそうなったのは、自分が原因だったって事に気付いて……ショックだったな。」


海未「…そうだったのですか。」

ことり「…それから、亜里沙ちゃんとは…大丈夫だったの?」


穂乃果「うん。私ね、亜里沙ちゃんに謝ったんだ。」

穂乃果「それに、これからは《亜里沙ちゃん》の事を、ちゃんと見るんだって。そう決めて。」

穂乃果「だから…『もっと亜里沙ちゃんの事を、私にいっぱい教えて欲しい』って。自分から、そうお願いしたの。」


穂乃果「そしたらね。亜里沙ちゃん、すごく喜んでくれて。それで今までよりも、ずっと仲良くなれたって思うんだ。」


海未「そうですか…良かったですね。」

穂乃果「うん…ありがとう。」

727 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/19(土) 12:43:09 ID:euiZnXhM

穂乃果「私…あんじゅさんが、すごく良い人だから…本当に優しい人だから。」

穂乃果「だから、あんなにも私に優しくて…色々良くしてくれてたんだって…そう思ってた。」

穂乃果「勿論、それも間違いじゃないとは思ってる。だけど、本当は…それだけじゃなかったんだ。」


穂乃果「だって…あんじゅさんは、私にハッキリと言ってくれてたから。」

穂乃果「『私は、貴女の事が大好きよ』って…『その気持ちに、時間の長さは関係ない』って。」


穂乃果「それなのに、私は…あんじゅさんの気持ちを、ちゃんと分かってなかった。だから、ちゃんと受け止められてなかった。」

穂乃果「あんじゅさんは、自分の事を信じて欲しいって。私に何度も、そう言ってくれてたのに…」

穂乃果「そんなあんじゅさんの事を、私は…絶対に信じてた筈…だったのに。」


海未「穂乃果…」


穂乃果「でも…私は相変わらず、本当にダメで…本当に鈍くて。だから、本当の意味で…分かってなかったんだ。」

穂乃果「あんじゅさんの、私への気持ち。私を大好きって、思ってくれている…一番大切な、その気持ちを。」

728 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/19(土) 13:00:17 ID:euiZnXhM
穂乃果「そんな私が…『あんじゅさんの事、本当に信じてるんだ』…なんて。堂々と胸を張って、言える訳…ないよね。」


ことり「穂乃果ちゃん…」


穂乃果「…だから、私……これからは、もっとあんじゅさんの気持ちを、しっかりと自分で…感じられる様になりたい。」


穂乃果「ううん…それだけじゃない。私も…私だって。」

穂乃果「『あんじゅさんが大好きだ』って、この気持ちを。ちゃんと伝えたい。」


穂乃果「それに…私からも、あんじゅさんの為に出来る事を。」

穂乃果「あんじゅさんが、いっぱい喜んでくれる事を。何か…したいな。」


海未「…それならば…穂乃果?」


穂乃果「え…?」


海未「貴女には、この後すぐにでも。その為の丁度良い機会が、あるのではないですか?」

穂乃果「丁度良い、機会…?」

729 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/19(土) 13:16:59 ID:euiZnXhM
前回コメントして下さった方、どうもありがとうございます。
今現在のシーンは、細かく分けながら更新させて頂いていますが(度々途中切りになってしまって申し訳ないです;)、
出来る限り早く進めて行ける様に頑張っていこうと思っています。
それでは、今後とも何卒宜しくお願い致します。

730名無しさん@転載は禁止:2022/02/20(日) 02:16:33 ID:pgfNStG6
待ってるぞい

731 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 05:30:25 ID:JQ08zNcA
ことり「これから穂乃果ちゃんは、ショッピングに行くんだよね?あんじゅさんと一緒に。」


穂乃果「あ…うん!待ち合わせの時間までは、ええっと……まだ少しあるんだけどね。」

穂乃果「今日は生徒会の仕事が、いつもよりは少なかったし。思ってたよりも早く、全部片付いちゃったから。」


海未「フフ…ですが、それ以上に。今日の穂乃果の仕事ぶりは、実に目を見張るものがありましたね。」

海未「そのおかげで、こうして時間の余裕も出来ましたし。優木あんじゅとの件も、色々と話を聞く事が出来ました。」


ことり「うん。穂乃果ちゃん、私の負担を減らそうとしてくれてたから。それで今日も、すごく頑張ってくれたの。」


海未「成る程…そういう事でしたか。」


海未「そう言えば一昨日も、穂乃果は私達の為に残ってくれていましたし。」

海未「やはり最近になってからは、この学校の生徒会長としても。日に日に頼もしくなってきている様ですね。」


穂乃果「あはは…///ことりちゃんにも、午前中に同じ事を言われたよ。」

海未「クス。良い事ではありませんか。」

732 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 05:39:15 ID:JQ08zNcA

海未(ただ、私としては…ほんの少しだけ、寂しい気もしますけど。)フフッ


海未「さて…穂乃果。これから彼女と出掛ける貴女には、早速出来る事があると…そう思いませんか?」


穂乃果「え…?すぐに出来る事って…私が、あんじゅさんに?」


ことり「うん。そうだよ、穂乃果ちゃん?」


ことり「いつもみたいに、元気いっぱいで。とっても楽しそうにしてる、穂乃果ちゃんと一緒なら。」

ことり「きっと、あんじゅさんだって…ね?」


穂乃果「…あ…!」


海未「ええ、そういう事です。それに彼女が、貴女の事を励まそうとしていたのは。」

海未「いつもの様に前向きで、明るい穂乃果でいてくれる事こそを。一番に望んでいたからではないでしょうか。」


穂乃果「…ことりちゃん…海未ちゃん。」

733 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 06:06:45 ID:JQ08zNcA
海未「ですから…穂乃果。」


穂乃果「…うん。」


海未「自分が楽しいと感じる事は、どこまでも全力で楽しむ。そんな『普段通りの穂乃果』でいる事こそが。」

海未「貴女にとっても。そして、きっと彼女にとっても。一番良い事であると、私も思います。」


穂乃果「そっか…そうだよね。それなら、あんじゅさんだって。」

穂乃果「私と一緒に居る事を、きっと楽しんでくれる…喜んでくれるんだよね…!」


穂乃果「それに、私に『今を楽しんで欲しい』って。あの時だって…言ってくれてたから。」


ことり(…今を、楽しんで欲しい…?)


ことり「えっと…穂乃果ちゃん。あんじゅさんが、穂乃果ちゃんに…そう言ってたのかな…?」


穂乃果「あ、うん。あのね?」

穂乃果「昨日の朝、車で送って貰ってた時なんだけど――」

734 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 06:11:48 ID:JQ08zNcA






あんじゅ『穂乃果さん。貴女がこの車を降りた、その瞬間から…』

あんじゅ『貴女の世界は、今までとは大きく…そして、激しく変わってゆくわ。』


あんじゅ『確かに今この瞬間に言われても、まだ何も分からないでしょうね。』

あんじゅ『それでも貴女の周りには、驚くまでの大きな変化が訪れるわ。必ずね。』

あんじゅ『でもね?その変化はこれからの貴女にとって、とても大きなプラスとなってくれる筈よ。』


あんじゅ『そして、その激しく変わってゆく世界の中で。』

あんじゅ『きっと貴女は、数多くの新しい出来事に次々と出会うでしょうね。』


あんじゅ『そんな新しい世界に対して…貴女はそれらを受け入れて、今の新たな姿でこの先を歩んでゆくのか…』

あんじゅ『或いは…時が来たら元の姿に戻って。その世界で得たものを、貴重な経験として留めておくのか…』

あんじゅ『そのどちらの道を選ぶのかは…勿論、貴女の自由よ。』

735 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 06:35:53 ID:JQ08zNcA
あんじゅ『ただ、今一つだけ言える事は…貴女がどちらを選んだとしても。』

あんじゅ『新しい世界で貴女が得た沢山の経験は、これからの貴女にとって…』

あんじゅ『本当に価値の有る、掛け替えの無い大切なものになってくれるわ。間違いなくね。』


あんじゅ『フフ、心配しなくても大丈夫よ。貴女は今から始まる新しい世界を、思う存分に楽しめばいいの☆』







海未「…ふむ…やはり今回の件、彼女…優木あんじゅとしては。」

海未「穂乃果に対して、色々と深い考えの上での行動だった…その事については、まず間違いは無さそうですが。」


海未「その彼女が、穂乃果に最も願っている事…それは。」

海未「新しい姿となった穂乃果が、今の状況を楽しみながらも。そこからの数々の経験を、今後の糧にしてくれる事。」


海未「あくまで、私の考えではありますが…これこそが穂乃果に対する、彼女の気持ちの根源であり。」

海未「そして、彼女からの穂乃果への想い…『優しさの形』なのでしょうね。」

736 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 07:41:31 ID:JQ08zNcA
穂乃果「うん…あんじゅさんって、すごく頭が良くて…すごく優しい人だから。」


穂乃果「ただ、その…実を言うとね。私、この格好って…まだ全然、慣れてなくって。」

穂乃果「一日経った今でも、ずっと恥ずかしかったり…するんだけど。」


穂乃果「でもね…そんな私でも。みんなが、いっぱいいっぱい褒めてくれて。だから、私…本当に、本当に…嬉しかったんだ。」


海未「…穂乃果。今の貴女の、その正直な気持ちを。ありのまま真っすぐに…彼女に伝えてあげて下さい。」

海未「きっと彼女も、それを待ち望んでいると思います。」


穂乃果「…うん!」


穂乃果「私…今日はあんじゅさんと、目いっぱい楽しんで来るよ。」


穂乃果「それに話したい事、お礼を言いたい事とか、いっぱいあるから。」

穂乃果「だから、ちゃんと伝えるんだ。あんじゅさんに、今の私の気持ちを…!」


ことり(…………)

737 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 07:52:27 ID:JQ08zNcA
ことり(…やっぱり、あんじゅさんも……ううん…そうじゃない。)


ことり(それが…あんじゅさんだから。)

ことり(きっと、あんじゅさんという人だったから…気付いた……気付けたんだ。)


ことり(だから…あんじゅさんは、穂乃果ちゃんに……)


ことり(そして……穂乃果ちゃんの事を………)


海未「ところで、穂乃果。約束の時間の方ですが、まだ大丈夫なのですか?」

穂乃果「あ、そうだね。えっと…後、もう少しかな。」


海未「学校の近くまで、車で迎えに来て下さるのでしたよね。」

穂乃果「うん。もしかしたら、もう待って貰ってるかも知れないし…よし、私そろそろ行くよ。」


海未「ええ、分かりました。道中、気を付けてくださいね。」


ことり「…あっ…穂乃果ちゃん、また…明日ね。」

738 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 08:03:39 ID:JQ08zNcA
穂乃果「うん!二人とも、本当にありがとう。それじゃ、また明日ね!」


タッタッタ…!


海未「…さて。」ピッピッピ…


ドドドドド…!


ザザザーーッ!!


ヒデコ「呼ばれて!」サッ!

フミコ「飛び出て!」ササッ!

ミカ「ヒフミ隊っ!」サササッ!


ヒフミ隊「「「ここに参上っ!!」」」デデーン!!


海未(流石の早さですね…恐れ入ります。)

739 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 08:36:51 ID:JQ08zNcA
海未「皆さん、どうもご苦労様です。」


ヒデコ「お待たせ、海未ちゃん!呼び出しの連絡が来るの、今か今かと待ってたんだよ?」フフン

ミカ「うんうん!やっと私達の出番だねっ☆」

フミコ「さあ、海未ちゃん。我らヒフミ隊の、記念すべき初任務は何かなー?」


海未「はい。実は…私達二人は、まだ大切な話が有りまして…」

海未「そこで皆さんには、今から穂乃果の護衛の方を、是非ともお願いしたいのです。」


ミカ「おおっとー?早速それっぽいのが来たよ、二人とも!」

フミコ「やっぱり任務となれば、そうこなくっちゃね!」

ヒデコ「そんじゃさ、海未ちゃん。ザザッと必要事項だけ、教えてくれるかな?」


海未「あ、はい。穂乃果は今、この後の待ち合わせの場所へと、向かっていますので。」

海未「護衛については、その到着までの間だけで充分なのですが…お願いしても、宜しいでしょうか?」


ヒデコ「オッケー☆そういう事なら、私達に任せて!」パチッ☆

740 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 08:59:21 ID:JQ08zNcA

海未「本当にすみません…初日からこの様に、皆さんに甘える事になってしまって。」


ミカ「ううん、そんなの全然気にしないでよ!」

フミコ「昨日、海未ちゃんから話を聞いた時、私もナイスアイディアだって思ったし。」

ヒデコ「それを喜んで引き受けたのも、私達三人なんだからさ?」


海未「…本当に皆さんには、どれだけお礼を言っても足りない位です。」


ヒデコ「なーに水臭いコト言ってんの?こんなのお安い御用だよ!」

ミカ「そうそう!何てったって、これは穂乃果の為なんだもん!」

フミコ「フフ。私達だって穂乃果と、少しでも一緒に居たいからね。」


海未「皆さん…ありがとうございます。」


フミコ「うん、どう致しまして☆」

ヒデコ「ここは安心して、私達三人に任せてよ!」グッ!

741 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 09:16:28 ID:JQ08zNcA
海未「はい。穂乃果の事、どうか宜しくお願いしますね。」


ミカ「了解でありまーす!」


ヒデコ「それじゃー、フミコ!ミカ!我らヒフミ隊、これより任務を開始するっ!」ビシッ!


フ&ミ「「ラジャーッ!」」ケイレイ!


ヒデコ「ヒフミ隊、出動ーーっ!!」


ドドドドド…!


海未「…本当に頼もしい人達です。穂乃果は、良き友人に恵まれていますね。」


海未「そうですよね、ことり。」


ことり「………」


海未「…ことり?」

742 ◆bK3.D2B8eM:2022/02/23(水) 09:20:01 ID:JQ08zNcA
前回コメントして下さった方、いつもありがとうございます。
この生徒会室でのシーンは、次回で終了となる予定です。
それでは、引き続きお付き合いの程、何卒宜しくお願い致します。

743名無しさん@転載は禁止:2022/02/23(水) 10:40:25 ID:5BBspV2w
期待してる

744 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 07:02:59 ID:AuWMueNk

ことり「………」


海未「ことり…どうしたのですか?」


ことり「…あ…ごめんね、海未ちゃん。気が付くの、遅くなっちゃって…」


海未「いえ…それは良いのですが…」


ことり「ちょっと、考え事しちゃってたみたい…えへへ……」


海未「…ことり。実は先程から、ずっと気になっていたのですが。」


ことり「海未ちゃん…どうしたの…?何だか、少し暗い顔してるよ…?」


海未「……ハア。」


海未「ことり…?それは私の方から、今の貴女へ言うべき台詞ですよ?」

ことり「え…?」

745名無しさん@転載は禁止:2022/03/02(水) 07:14:23 ID:MCwfx0BA
こんな時間に来てたか

746 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 07:15:06 ID:AuWMueNk
海未「今日の朝から…いいえ。昨日から貴女は、ずっと元気が無い顔をしています。」


ことり「…えっと……そう、だったかな…?」


海未「…確かに昨日は、穂乃果への節度の無い生徒に対しての監視等による、度重なる疲労感はあった筈です。」

海未「常日頃から鍛錬をしていて、体力や集中力には自信がある私であっても。昨日の騒ぎでは、結構な疲れを感じていましたので。」

海未「ですからことりも、恐らくは私以上の疲れが、相当に溜まっている事だろうと。途中までは、その様に考えていました。」


ことり「………」


海未「しかし、その後で…屋上に皆で集まってから暫くの間、貴女の様子を見ている内に…こう思ったのです。」

海未「ことりの顔色が優れないのは、単に疲れているからだけでなく…もっと何か大きな理由が、別にあるのでは…と。」


ことり「…海未ちゃん…」


海未「それに…ことり。私としては、更に気掛かりとなっている事なのですが。」

747 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 07:46:29 ID:AuWMueNk
海未「穂乃果と話をしていた時の、貴女の顔は。その言葉や態度とは裏腹に…とても辛そうに見えました。」


ことり「……!」


海未「先程までの貴女は…何かしらの理由で、非常に無理をしながらも…穂乃果の前では、何とか明るく振舞おうとして。」

海未「その為に…本当ならば、絶対に言いたくない様な事でさえも、敢えて自ら口にする事で…自分を追い込んでしまって。」


ことり「…っ……」


海未「…その時の貴女は、そんな不器用な事をしてまでも。」

海未「穂乃果には、どうにかして見せようとしていた……『普段通りの自分』を。」


ことり「………」


海未「これは、私の考え過ぎ…なのでしょうか?」

海未「ただ…私には、先程の貴女の姿が…その様に映っていたのです。」


ことり「……海未、ちゃん……」

748 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 07:59:50 ID:AuWMueNk
海未「…ことり。やはり今の貴女には、何か大きな悩みが…あるのでしょう?」


ことり「…あはは……海未ちゃんって…すごいよね。」


海未「最初にも言った通りです。貴女の様子がおかしい事には、昨日の時点で気付いていましたから。」


ことり「…そっか。海未ちゃんにも、気付かれちゃってたんだね。」


海未「『も』…という事は、つまり…穂乃果も、貴女の様子に気付いていたのですね…?」

ことり「うん…色々と大変だった筈なのに…ずっと私の事、心配してくれてて……昨日の夜にも、電話してきてくれたんだ。」


海未「…そうでしたか。あの様な状況下でも、穂乃果がそこまでしていたのは…すごく立派な事だと思います。」


海未「それでも、今の貴女の表情を見ていると…『悩み自体は、まだ何も解決していない』…という事になりますよね……ことり。」


ことり「………」


海未「………」

749 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 08:12:31 ID:AuWMueNk

ことり「……海未ちゃんの、言ってた通り……」


ことり「…せめて…穂乃果ちゃんの前では……元気な姿でいようって……頑張ってたんだけどな……」


海未(…ことり…)


ことり「………」


海未「ことり…貴女は、私と穂乃果の大切な幼馴染みで…そして親友です。」


ことり「……うん。」


海未「もしも…穂乃果本人には、どうしても言えない…そんな悩みが、貴女の中にあるのなら。」


海未「決して、遠慮等はせずに。私に…『いつでも』相談して下さいね。」


ことり「……やっぱり……すごいなぁ…海未ちゃん……」

750 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 08:41:10 ID:AuWMueNk
ことり「…今はまだ…私が『それ』を、上手く言えないって事まで……ちゃんと分かってくれてるなんて。」


海未「当然です。私が一体、貴女と穂乃果の幼馴染みと親友を、もう何年やって来たと思っているのですか?」

ことり「…うん…そうだよね。」


海未「それにです。穂乃果に関しては、今更言うまでもありませんが。私は貴女にも充分、昔から手を焼かされていましたから。」

ことり「あれ…?そうだった、かなぁ…?」


海未「何を言ってるのですか、全く。確かに穂乃果と言えば、昔からすぐに、無茶な事をやろうとしてばかりでしたが。」

海未「その穂乃果が引き起こす数々の無茶に、貴女がすぐに賛同してしまうものですから。更に穂乃果は、無茶を繰り返すばかりで。」


海未「そんな貴女達二人を、私が必死になって止めようとしても。」

海未「貴女達はそれを聞き入れるどころか、二人して私までいつも巻き込んで…!」


ことり「…あ、あはは。あの〜…う、海未ちゃん…?」


海未「ええ、そうです…そうなんです。貴女達に巻き込まれた私は、それこそ毎回の様に…!」

751 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 09:04:20 ID:AuWMueNk
海未「とても怖い思いや、本当に大変な思いを…一体どれだけ経験して来た事でしょうか…!」ゴゴゴ…


ことり「…え、ええっと〜……う、海未ちゃ〜ん…?」


海未「それなのに…それなのに…!貴女達二人ときたら、そんな私の気も知らず…!」

海未「いつもいつも、毎回毎回!ただ困ってる私を、ひたすら振り回し続けてっ!」


ことり「あ、あのね…?もうちょっとだけ、落ち着いた方が〜…い、いいんじゃないかな〜って…」オソルオソル


海未「ことりっ!!」キッ!


ことり「ぴいいっ!?」ビクッ


海未「そんな私が!いつも貴女達に振り回され続けて、ずっと大変な思いばかりし続けてきた!その私が、ですよ!?」

ことり「は、はいぃ〜!」ブルブル


海未「何時、如何なる時も!そして今、この時も!」

海未「貴女達二人の側から、決して離れる事が無かったのは……何故だと思いますか?」

752 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 09:41:43 ID:AuWMueNk

ことり「…え…?」


海未「ええ…そうです。貴女達二人と共に重ねてきた、その沢山の無茶を…一緒に過ごしてきた、これまでの長い時間を。」

海未「私は…唯の一度だって、後悔した事は…なかったからなのですよ?」


ことり「……海未ちゃん…」


海未「確かに私は、いつも穂乃果と貴女に巻き込まれてばかりで。その度に、何度も大変な目に遭っていました。」

海未「ですが…それと同時に。決して自分だけでは見られなかった、本当に素敵な新しい世界を。もう数え切れない程に、見せて貰ってきました。」


ことり「………」


海未「そして…穂乃果や貴女と共に、私がスクールアイドルを始めると決めた時にも。」

海未「その大切な事を、私に気付かせてくれたのは……いいえ……改めて、思い出させてくれたのは。」

海未「他の誰でもない、貴女だったではありませんか…ことり。」


ことり「…うん…そうだったね。」

753 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 10:11:45 ID:AuWMueNk
海未「ことり…私は、穂乃果にだけでなく。貴女にだって、とても感謝しているんです。」

海未「私が前に進める様になった、その大事なきっかけを与えてくれた…貴女にも。」


ことり「…海未、ちゃん……」


海未「だからこそ…私は思っているのです。」

海未「貴女が何かに困っていたり、苦しんでいる時には。そんな貴女の力になれる親友、幼馴染で…私は在りたいと。」


ことり「……海未…ちゃん……っ……ぅ………」


海未「ですから…ことり。貴女が悩んでいる時には、決して遠慮する事なく。どうか私にだって…頼って欲しいのです。」


ことり「……うんっ……海未、ちゃん……ありが、とう…っ……うっ…ぐすっ………ふっ…ふえ〜ん……」


海未「全く…貴女は昔から、一人で抱え過ぎなんです。いつも自分の事になると、我慢ばかりしてしまって。」


ことり「…ぐすっ……だって、だってぇ……ひっく…っ……」

754 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 10:56:58 ID:AuWMueNk
海未「やれやれ……貴女がそんな調子では、いつも貴女のすぐ側に居て。そして貴女が、誰よりも大切に想っている人を。」

海未「いつか本当に、他の誰かに取られてしまうかも…知れませんよ?」ジー…


ことり「………〜〜っっ!!?//////」


海未「それでも良いのですか、ことり?」フフッ


ことり「…ち……ちちっ、違っ…違うの、海未ちゃんっ…!!//////」カアア


海未「おや、それは妙ですね。私は今、何か間違った事を言いましたか?」


ことり「あああ、あのねあのねっ…!?///ことりっ、穂乃果ちゃんの事は…だ、大好きだけどねっ…!?///」アタフタ


海未「ええ。」


ことり「その、大好きっていうのは…あの、えっと…!///////べ、別に…全然ヘンな意味とか、そんなんじゃなくて…!///////」


海未「ふむふむ。」

755 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 11:27:04 ID:AuWMueNk
ことり「だから、だからねっ…?//////ことりが言いたいのは、穂乃果ちゃんが…えっと、えっと……う…ううぅ〜…//////」


海未「クス……ことり?」


ことり「……な、何かな…海未ちゃん…?///」


海未「私は『穂乃果』の事だとは、一言も貴女に…言っていませんよ?」


ことり「……え…?」


海未「………」

ことり「………」


海未「………」

ことり「………」


海未「………」

756 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 11:54:42 ID:AuWMueNk
ことり「〜〜〜っっ!!!/////////」ボンッ!


海未「……ことり。」ス…


ことり「………/////////」プシュー


海未「…貴女の想いが、一体どんな形であろうとも。それを気にせずとも…良いではありませんか。」ナテナデ…

ことり「……で、でも…//////」


海未「…もしかしたら、ずっと貴女は……自分の想い人である、穂乃果に対しても。」

海未「もう一人の幼馴染であり、同じく親友でもある…私に対しても。」

海未「そして…幼い頃から今も変わる事なく、その想いを抱き続けている…自分自身に対しても。」


海未「その胸の中では、何らかの負い目の様な気持ちまでも…今も抱え込んでいるのかも知れません。」


ことり「………」


海未「ですが…ことり。私は貴女の事を、貴女の想いを…決して軽蔑なんてしません。」

757 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 13:06:51 ID:AuWMueNk
海未「それどころか、本当に尊いものであると…心から思っています。」


ことり「……海未、ちゃん……」


海未「…貴女の抱く、その想いの先に…どんな未来が、これから待ち受けているのか。」

海未「それはきっと…まだ誰にも分からない事なのでしょう。」


ことり「…………」


海未「それでも…私は切に願っています。」

海未「この先も貴女が、その想いを胸に抱いたままで。自分の願う道を信じて…進んで行って欲しいと。」


ことり「………っ……ぅ………」


海未「ですから…ことり。自分の気持ちに…貴女の中にある、その大切な想いに。」

海未「これからも…いつまでも。どうか…正直であって下さいね。」


ことり「……うん…っ……海未…ちゃん………本当に……ありが…とう……ぅ…っ………」

758 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 15:07:25 ID:AuWMueNk
海未「そして…どんな時であっても、貴女の事を。掛け替えのない親友で、大切な幼馴染と思っている。」

海未「そんな私が、いつでも貴女のすぐ側に居る事を。絶対に、忘れないでいて下さい……ことり。」


ことり「……っ…うん…うんっ……ぐすっ……ひっく…っ……うっ……うぁ…うわああぁぁーーーんんっっ!!!」


海未「…もう……貴女も穂乃果に負けず劣らずで、本当に世話が焼けるんですから。」ヨシヨシ…


海未(…ことり。貴女の胸の中で、今も変わる事なく宿り続けている…その確かな気持ち。)

海未(そう…貴女自身という存在を、他の何よりも支え続けている『力』でもあり。)

海未(これからも、決して揺らぐ事のない…貴女の、とても強くて眩しい…その想い。)


海未(その想いと共に、今後の貴女が進んでいく先。そこに待ち受けているのは…非常に険しい道であり。)

海未(常に絶える事の無い、数々の困難を乗り越え続けなくてはいけない…余りにも厳しく、本当に辛く苦しい道と…なる事でしょう。)


海未(しかし、それでも。貴女が信じた、貴女が選んだ、貴女が決めた、その自分の道を。)

海未(どうか…迷う事なく、一歩ずつ。そう…ゆっくりでも、良いのですから。)

海未(例え、ほんの少しずつでも。貴女が、前へと。貴女が願う、その場所へと……進んで行けます様に。)

759 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/02(水) 15:16:24 ID:AuWMueNk
コメントして下さった方、いつもありがとうございます。
少しでもご期待に応えていける様に、今後も頑張りたいと思っています。
今日は途中で色々あって間が空いてしまいましたが、何とか予定通り今のシーンを終える事が出来ました。
それでは、次回もどうか宜しくお願い致します。

760 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/19(土) 05:25:15 ID:iEMCavsY
SCENE 29.【秋葉原・デパート内 ブティックエリア〜休憩スペース】


あんじゅ「ウフフ♪さっき見つけた新商品のドレス、かなり良い感じだったわね☆」

あんじゅ「さーて。それじゃあ、此処で一息ついた後は〜…どのお店から見に行こうかしら♪」


穂乃果「…あ、あの〜…あんじゅさん?」

あんじゅ「あら、どうしたの?」


穂乃果「え…えっとですね。こんなにもいっぱい、私のために…買って頂いちゃうなんて…」

穂乃果「やっぱり、その…すごく申し訳ないと、言いますか…」ズッシリ


あんじゅ「あらあら。その事だったら、最初にちゃんと話しておいたでしょう?」

あんじゅ「一昨日から私が、貴女を何度も振り回しちゃった事。そのお詫びをしたいって。」


あんじゅ「それに貴女は、そんな強引な私が相手でも。イヤな顔一つしないで、ずっと付き合ってくれたわ。」

あんじゅ「だから今日のショッピングは、そのお礼の意味も兼ねてるのよって。」

761 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/19(土) 05:40:30 ID:iEMCavsY
穂乃果「…確かに…そう言ってくれては、いましたけど……でも……」

あんじゅ「うーん…まだ納得しきれてないみたいね。他に何か問題でも、あったのかしら?」


穂乃果(だ、だって…!私が手に抱えてる、服もアクセサリーも…ううん、この袋の中身の全部…!)

穂乃果(どれも値段のゼロの数が、絶対におかしかったんだけど…!)ヒエエー


あんじゅ「ねえ、穂乃果さん。」


穂乃果「あっ…は、はい…!」


あんじゅ「これはね?私から貴女への、プレゼントでもあるの。」


穂乃果「プレゼント…ですか?」


あんじゅ「ええ、そうよ。私達が此処に来る前、車で移動中の時に。」

あんじゅ「昨日から今までにあった色々な出来事を、貴女が私に話してくれたでしょう?」


あんじゅ「私ね。その時、貴女の話を聞いていて…とても嬉しくなったわ。」

762 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/19(土) 06:07:26 ID:iEMCavsY
あんじゅ「貴女が持っている、本当に素敵な『女の子』の魅力。それが貴女の周りの人達に、しっかりと伝わった事も。」

あんじゅ「そして…この先に次々と、大きな変化が起きていくという『事実』を、それぞれがきちんと理解してくれた上で。」

あんじゅ「貴女の大切な仲間である『μ's』の人達が、今の貴女を快く受け入れてくれたという事も。」


あんじゅ「それにね。私からの質問に、何度も少し照れくさそうにしながらも。」

あんじゅ「その一つ一つに対して、貴女が元気に答えてくれる度に。私はもっと嬉しい気持ちで、胸がいっぱいになったの。」


穂乃果「あんじゅさん…」


あんじゅ「フフ…だって、そうでしょう?」


あんじゅ「確かにやり方は、かなり強引ではあったけれど。貴女にそのヘアメイクを勧めたのは、他の誰でも無い私であって。」

あんじゅ「その私が、あの時に強く願っていたのは。貴女の今まで隠れていた魅力を、沢山の人達に知って貰う事だったのだから。」


あんじゅ「でもね、穂乃果さん。今の私にとって、何よりも一番に嬉しかったのは。」


あんじゅ「貴女が、いつもの素敵な笑顔を。今日、私の前でも…見せてくれた事だったの。」

763 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/19(土) 06:29:43 ID:iEMCavsY

穂乃果「…あっ……」


あんじゅ「一昨日の夜に、貴女と偶然出会って。それから短い間ながらも、二人で同じ時間を過ごす事になって。」

あんじゅ「あの時…自分に自信を失いかけていた貴女を、すぐ側で見ていた私にとって。」

あんじゅ「今日、貴女の明るい笑顔を見られた事は。もうこれ以上なんて無い位に…本当に嬉しくて仕方ない事だったわ。」


ことり『いつもみたいに、元気いっぱいで。とっても楽しそうにしてる、穂乃果ちゃんと一緒なら。』

ことり『きっと、あんじゅさんだって…ね?』


海未『ええ、そういう事です。それに彼女が、貴女の事を励まそうとしていたのは。』

海未『いつもの様に前向きで、明るい穂乃果でいてくれる事こそを。一番に望んでいたからではないでしょうか。』


穂乃果(…やっぱり、すごいな。ことりちゃんも…海未ちゃんも。)

穂乃果(二人とも、本当に…私の自慢の幼馴染で。そして、私の自慢の…最高の親友だよね。)


あんじゅ「ねえ、穂乃果さん。貴女が今持ってる、その服やアクセサリー達はね。」

764 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/19(土) 06:55:44 ID:iEMCavsY
あんじゅ「この溢れそうな嬉しい気持ちを、どうしても『何かの形』として表したかった…そんな私からの。」

あんじゅ「貴女に是非とも受け取って欲しい、精一杯の『贈り物』でもあるの。」


穂乃果「…あんじゅさん…」


あんじゅ「だからね、穂乃果さん。私から貴女への、この『気持ち』…快く受け取ってくれないかしら?」パチッ☆
 

穂乃果「…はい。ありがとうございます、あんじゅさん。」


穂乃果「あんじゅさんが、そう思ってくれる気持ち……私、すごく…すごく嬉しいです…!」


あんじゅ「フフ…私もよ。貴女にそう言って貰えて、本当に嬉しいわ。」


穂乃果「…私…沢山の素敵なものと、沢山の嬉しい気持ちを…あんじゅさんから貰っちゃいました。」


穂乃果「さっき、あんじゅさんが言ってくれた様に…女の子としての私を、みんなにいっぱい誉めて貰えた事。」

穂乃果「そして…『μ's』のみんなに、今の私を優しく受け入れて貰えた事…とっても嬉しかったです。」

765 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/19(土) 07:33:39 ID:iEMCavsY

あんじゅ「ええ。本当に、良かったわね。」


穂乃果「はい。それに…あんじゅさん。」

あんじゅ「…?なあに?」


穂乃果「いつも綺麗で、大人っぽくって。カッコ良くて、それに頼もしくて。だけど、実はお茶目なところもあったりして。」

穂乃果「きっと、みんなが憧れちゃうくらい…すごく素敵な人で。」


穂乃果「そんなあんじゅさんに…あの時の私が、あの場所で出会えた事も。」

穂乃果「それからずっと、私に優しくしてくれた事も。今まで私の知らなかったものを、いっぱい教えてくれた事も。」

穂乃果「そして…今みたいに。こんなにも私と、仲良くして貰える様になれた事も。」


穂乃果「私…その全部が、もう嬉しくて。本当に嬉しくて嬉しくて、仕方ないんです。えへへ…///」


あんじゅ「……貴女ってコは……」スッ


ギュッ☆

766 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/19(土) 07:54:35 ID:iEMCavsY

穂乃果「わわっ…!///あ、あんじゅさん…?///」


あんじゅ「…本当に、可愛いんだから…もうっ♪///」ギュッ

穂乃果「…えへへ…///あんじゅさん、とっても温かいです…///」ギュッ


あんじゅ「…温かいのは、貴女もよ…?///」


あんじゅ「穂乃果さ……ううん。」


穂乃果「え…?」


あんじゅ「…穂乃果…//////」


穂乃果「…あっ…//////」


あんじゅ「これからは…そう呼んでも、良いかしら…?//////」


穂乃果「…はいっ…!//////」

767名無しさん@転載は禁止:2022/03/19(土) 12:04:56 ID:KRAFivCs
来てたか

768 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 06:07:40 ID:ZPJ2TjKc
あんじゅ「ありがとう…嬉しいわ…///」

穂乃果「私も、すっごく嬉しいよ……お姉ちゃん…!///」


あんじゅ「……やっぱり、まだ慣れないわね……その呼び方は…//////」


穂乃果「えへへ…///あんじゅさん、顔まっかっかですね?///」


あんじゅ「…貴女が、そうさせてるんじゃないの…//////」

あんじゅ「全く…困ったコね…//////」


穂乃果「だって私、今は妹なんだもん…あんじゅお姉ちゃんの♪///」

あんじゅ「…もう…//////」


穂乃果「えっへへー…///あんじゅお姉ちゃんっ…!//////」ギュッ


あんじゅ「…本当に…困っちゃうわ…//////」ギュッ


トゥルルルル…

769 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 06:38:28 ID:ZPJ2TjKc

あんじゅ「……!」


穂乃果「あれ…?電話の音が…」


あんじゅ(…もう少しだけ、こうしていたかったわね。本当……残念だけれど。)


穂乃果「えっと…私の着信音じゃないから、あんじゅさんの方みたいですね。」


あんじゅ(それでも…私達が今日、此処へやって来たのは。)


あんじゅ「…ええ。ごめんなさい、少し待っていて貰えるかしら?」


穂乃果「あ、はい。私なら大丈夫ですから、気にしないでください。」


あんじゅ(そう。今から始める、これから始まる…この『賭け』の為なのだから。)


あんじゅ「ありがとう。それじゃあ、電話に出てくるから…少しの間だけ失礼するわね。」スッ

770名無しさん@転載は禁止:2022/03/26(土) 06:57:14 ID:Ndhk8bV2
朝早くから投下か

771 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 06:57:43 ID:ZPJ2TjKc
穂乃果「はい。ここで待ってますね。」


あんじゅ(だから……さあ、始めましょうか。)


あんじゅ「…ええ……あら、そうなの?でも、それなら……そう…仕方無いわね。」

あんじゅ「…そうね、分かったわ。すぐに確認出来る様、先に準備だけ……ええ、お願いね。」


あんじゅ「今は私達、買い物の途中だったから…ええ、分かったわ。是非、そうしてくれるかしら。」

あんじゅ「それと、少しだけ時間を頂戴ね。その後で、すぐそちらへ向かうわ。」


あんじゅ「ええ…それじゃ、また後で。」プツン


穂乃果(…あんじゅさん、何かあったのかな…?)

穂乃果(こっちに聞こえてきた声の感じだと、ちょっと急いでるみたいだったけど…)


タッタッタ…

772 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 07:24:52 ID:ZPJ2TjKc
あんじゅ「待たせてしまってごめんなさい、穂乃果。」


穂乃果「…!///」ドキッ


あんじゅ「…?どうかしたの?」キョトン


穂乃果「あ、いえいえ…!何でもないですから、どうかお気になさらずに…あ、あははっ…///」

あんじゅ「そう…?それなら、良いのだけれど。」


穂乃果(そういえば、呼び方が変わるんだったよね…///まだ慣れてないから、一瞬ドキってしちゃった…///)


あんじゅ「その、実はね。たった今、どうしても外せない急用が入ってしまったの。」


穂乃果「あ…そうなんですか。じゃあ今日は、もう…」


あんじゅ「ううん、それは大丈夫よ。これからすぐに片付けて来るし、時間の方も大して掛からないと思うから。」

あんじゅ「ただ今は、現地に急いで向かう必要があるのよ。それで貴女には先に、この後の予定について伝えておくわね。」

773 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 07:56:32 ID:ZPJ2TjKc
穂乃果「は、はい。分かりました。」


あんじゅ「私はこれから、車の方に一度戻るわね。そして用事を済ませてから、また此処に戻って来るわ。」

あんじゅ「さっきも言ったけれど、時間自体はそれ程掛からない筈だから…そうね。多分2,30分も有れば、全部終わると思うの。」

あんじゅ「それでね。この場所はフロア全体の淵の方だから、幸い人通りも少ないし。すぐそこに、休憩用の椅子もあるわ。」


あんじゅ「だから、本当に申し訳無いけれど…穂乃果。」スッ

あんじゅ「私が戻って来るまでの間、此処で待っていて…くれるかしら…?」ウルウル


穂乃果「…っ!///」


あんじゅ「ね…?お願い、穂乃果ぁ…?」ウルウル


穂乃果「は、はい…!それは全然、大丈夫…ですけど…///」


あんじゅ「そう、良かったわ♪ありがとう、穂乃果☆」


穂乃果(…あ、あんじゅさんって…今みたいな顔もするんだ…///不意打ち過ぎて、ちょっとビックリしちゃったけど…///)

774 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 09:13:14 ID:ZPJ2TjKc

あんじゅ「さて、それじゃあー…はい。貴女の荷物、私に貸して?」


穂乃果「え?私の荷物、ですか?」
 

あんじゅ「ええ、そうよ。今から私、車の方に戻るでしょう?そのついでに、全部まとめて置いて来るから。」


穂乃果「で…でも。どれも一つ一つだけで、結構な量になっちゃってますし。」

穂乃果「それに…私があんじゅさんから、プレゼントとして頂いてる物ばかりなのに…何だか、申し訳ない気が…」


あんじゅ「もう。そんな事、貴女は気にしなくて良いの。」

あんじゅ「それに私、今は結構急いでるんだから。ほら、はーやーく?」


穂乃果「だ、だけど……だったら私も、一緒に付いて行って。それで、私が自分で持って運んだ方が…」


あんじゅ「えいっ。」ペシッ

穂乃果「あいたっ!?」

775 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 09:55:44 ID:ZPJ2TjKc
あんじゅ「そんな事したら、貴女が唯の二度手間になるじゃない。また後で私達、此処でショッピングの続きをするのよ?」


穂乃果「…へっ?」


あんじゅ「それも考えたなら、車と往復する必要のある私一人で持っていった方が、何かと効率だって良いでしょう?」

あんじゅ「だから貴女は、あそこの椅子にでも座りながら、気楽に待っていてくれるかしら。」


穂乃果「…あ、あの〜…まだここで、お買い物…するんですか?」


あんじゅ「フフ、勿論よ♪まだ行ってないお店が、後二・三件は残ってるんですもの☆」

穂乃果「え、えええっ…!?」


あんじゅ「ああ、それと勿論ね?この後で買う物も全部、私からのプレゼントよ☆」ウフフ


穂乃果「いい、いやいやっ…!流石にもう、これ以上は…!」アワアワ


あんじゅ「さーて、そろそろ行かないと。荷物、貰うわね?」パッパッパッ

776 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 10:20:22 ID:ZPJ2TjKc
穂乃果「え…?あっ…」


あんじゅ「私が戻って来たら、まだ見てないお店を一通り回って。それが済んだら、ゆっくりお茶でもしに行きましょ?」

穂乃果「で、でも…」


あんじゅ「良いから良いから♪ね、穂乃果?」


あんじゅ「此処はお姉ちゃんにー、ドーンとまっかせなさーい!」パチッ☆


穂乃果「……クス。うん、分かった。」


穂乃果「私、ここで待ってるね。お姉ちゃん…!」


あんじゅ「ウフフ…良いコね♪それじゃ穂乃果、また後で☆」


穂乃果「うん。いってらっしゃい、あんじゅお姉ちゃん!」


タッタッタッタ…

777 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 10:52:04 ID:ZPJ2TjKc

ピッピッピ…


あんじゅ「…もしもし、私よ……ええ、こちらの方は問題無いわ…それで、今の進行状況の方は……そう。」


あんじゅ「さて…もう一度、確認だけしておくわ。万一に備えて、最優先すべきは…ええ…その通りよ。彼女の安全と、緊急時の保護。」

あんじゅ「あのコが『目的地』へ辿り着くまでの間も、それは徹底する様にさせて。必要ならば、監視と護衛の人員も増やしての対応で。」


あんじゅ「…ええ、特に制限は設けないわ。判断はそちらに任せるから、何よりも確実性を重視して頂戴。」


あんじゅ「後は……ええ、そうよ。それ以上の事に関しては、こちら側からは極力干渉はしない事。」

あんじゅ「これについては、前にも言った通りよ。彼女の安全面と同等のレベルで、最も重要である一つと覚えておいて。」


あんじゅ「あくまで私達は『キッカケ』を用意するだけの存在。あのコが『それ』を引き寄せるのか、或いは何も起こらないのか…」

あんじゅ「この先に、どんな結果が待っているのか……それはね。全て…あのコ次第なのよ。」


あんじゅ「…でもね。あのコなら、絶対に引き寄せるわ。自分では自覚も無いまま、いとも簡単に。」

あんじゅ「私は…見てみたいの。あのコが自らの手で、今よりも更に大きな世界への扉を開ける…その光景を。」

778 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 12:22:13 ID:ZPJ2TjKc

あんじゅ「そして…その大きな世界でも、あのコなら…必ず………あら……フフ……少しお喋りが、過ぎてしまったかしら。」


あんじゅ「…ええ、そうね。正直、自分でも驚いているわ。つまりは、それ程の存在なのでしょうね……あのコって。」


あんじゅ「…そう。現時点で必要な準備については、ほぼ全てが完了したと。ええ、分かったわ……また後で………頼んだわよ。」


プツン


あんじゅ(さて…いよいよね。この目でしっかりと、見届けさせて貰うとしましょうか。)


あんじゅ(今日、この街から始まる。アイドルの聖地、この秋葉原から広がっていく。)


あんじゅ(あのコの…『真なる高坂穂乃果』の。その新しい伝説の幕開けを…ね☆)






779 ◆bK3.D2B8eM:2022/03/26(土) 12:27:40 ID:ZPJ2TjKc
コメントして下さった方、どうもありがとうございます。
ここ暫くは色々あって更新に時間が掛かってしまっていますが、
それでも何とか、最初の目標地点に後少しの所まで来る事が出来ました。
今後も頑張っていきますので、引き続き見守って頂ければとても幸いです。

780 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/07(木) 07:48:50 ID:LzJwMBMw
SCENE 30.【秋葉原・デパート内 ブティックエリア付近 休憩スペース】


穂乃果(あんじゅさんが用事に出かけてから、ええっと……そろそろ30分くらいかな。)

穂乃果(確か『2,30分あれば済む』って言ってたと思うし。時間的には、もう戻って来てもいい頃だよね。)


ピロリロリーン♪


穂乃果(あれ?このタイミングは…もしかして、あんじゅさんから…?)ピッ


穂乃果(あ、やっぱりそうだった。それに、電話じゃないけど…何かあったのかな?)


穂乃果「とにかく、まずは確認してみないと。えっと、何々…?」


{穂乃果へ}


{待たせてしまって、ごめんなさいね。}

{それと…実はもう一つ、貴女に謝らなければいけなくなったの。}

781 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/07(木) 08:55:24 ID:LzJwMBMw
{今こちらで対応している用事の件で、更に予想外のトラブルまで起きていた事が分かって。}

{どうやら全て解決するには、かなり時間が掛かりそうになってしまって…}


{それで、貴女には本当に申し訳ないのだけれど。}

{今日のショッピングの続きは、また日を改めて貰っても良いかしら?}


{私としては、一度そちらに戻って、貴女を家に送り届けた後で、}

{そのまま用事先の場所に改めて向かうのが、現状では一番ベストだと思っているので。}

{だから、今は車でそちらに向かっている途中なの。}


{それでね。これから貴女には、こちらが車を止める予定の場所まで、}

{少し面倒を掛けてしまうけれど、歩いて移動して貰っても構わないかしら?}


{後、こちらの都合で振り回す事になってしまってるのに、実に申し訳ないと思うのだけれど。}

{なるべく早めに返事をしてくれると、私としても非常に助かります。}


{突然こんな事になってしまって、本当にごめんなさい。}

782 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/07(木) 09:29:10 ID:LzJwMBMw
{それでは返信の方、待っています。}


{ごめんね、穂乃果。}


{あんじゅ}


穂乃果(そうだったんだ…きっとあんじゅさん、色々と大変だったんだろうな。)

穂乃果(それなのに、私の事…すごく気にしてくれてるなんて。)


穂乃果「…っと、いけない。それじゃ、急いで返信しないとね。」ポチポチ


穂乃果(本当は、私一人で帰った方が良いのかなって。そうも思ったんだけど…)

穂乃果(でも…あんじゅさんは忙しい中でも、こっちに向かってくれてるんだよね。)

穂乃果(これで私が、送って貰うのを断っちゃったりしたら…折角のあんじゅさんの親切を、台無しにしちゃう事になるから。)


穂乃果(…うん。今日はもう少しだけ、お言葉に甘えちゃう事にしようかな。)

穂乃果(でも、本音を言っちゃうと…もうちょっとだけ、あんじゅさんと一緒にいられるからなんだけど…えへへ。)

783 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/07(木) 09:47:34 ID:LzJwMBMw







穂乃果(さてと…そろそろあんじゅさんから、返信が来る頃かな?)


ピロリロリーン♪


穂乃果「あ、来た!えっと、どれどれ…?」


{穂乃果、本当にありがとう。}


{それじゃ今から、車を止める予定の場所への行き方を伝えるわね。}


{まずは、貴女が今居る場所の一番近い出口から、建物の外に出て貰って、}

{それから、目の前の大通りの方に向かって、真っ直ぐ歩いて行ってくれるかしら。}

{そうしていると、その途中で今何かのイベントに使っているらしい、かなり大きめの仮設ステージがあるの。}

784 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/07(木) 11:11:54 ID:LzJwMBMw
{その側を通り過ぎて、更に真っ直ぐ進んで行くと、大きな交差点まで出る事になるわ。}

{そして、そこから右側の道に曲がるとすぐに、今はスマホの宣伝用に使っている巨大な看板が見える様になっているの。}

{私の車は、この右側の道の少し先に止める予定になっているから。その看板を目印にして歩いて貰えると、分かり易く辿り着けると思うの。}


{貴女の居る場所からは少し距離もあるし、面倒を掛けさせる事になってしまうけれど。そこまでの移動を、今から宜しくお願いするわね。}

{ただ…もしかしたら貴女の方が、先に着く事もあるかも知れないので。その時は、少しだけ待っていてくれると助かるわ。}


{今日は本当に、色々とごめんなさい。それじゃ穂乃果、また後でね。}


{あんじゅ}


穂乃果(ふむふむ…なるほど。これなら分かり易いし、途中で確認も出来るから…うん、何とかなりそうかな。)

穂乃果(あ…そっか。電話じゃなかったのは、これも理由だったのかも。私の場合、話で聞いただけじゃ迷いそうだしなぁ。)タハハ…


穂乃果「よし!あんじゅさん、色々と忙しいみたいだし。私もすぐに移動しなきゃね!」スッ


タッタッタ…!

785名無しさん@転載は禁止:2022/04/07(木) 15:11:24 ID:OrC2x8rc
来てた

786 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/13(水) 18:05:59 ID:xoRlIeiM
SCENE 31.【秋葉原・特設ステージエリア】


アキバ女性レポーター「イエェェーーイッ!!おーい、みんなーー!今日も元気にーー、はっちゃけてるかーーいっ!?>ヮ<」
(以降 女性レポ)


\\イエーーイッ!!//


女性レポ「うーん!イイね、イイねー!みんなが元気でー、オネーサンもメッチャ嬉しいよー!」

女性レポ「それにー、さっすがはアイドルの聖地だねー!こーんなにもいっぱい、集まってくれたぞー!」


女性レポ「よーし!それじゃー、あんまジラしちゃうのもアレだからさー?早速パパーっといってみよっかーっ!」


\\ワーーッ!パチパチパチッ!//


女性レポ「みんなも知ってのとーり!今サイコーに盛り上がってる、スクールアイドルの祭典『ラブライブ!』!」

女性レポ「そのラブライブ人気に、チャッカリ乗っかっちゃってー。何かやろうってなった特別企画が、この番組ってワケなのさー!」


女性レポ「そしてそしてー?とぉーっても気になる、そのスペシャルゥ〜な番組のタイトルはぁー…」

787 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/13(水) 18:22:24 ID:xoRlIeiM

女性レポ「『突撃っ!アキバの街で見かけた気になるあのコ!スーパー☆アイドルを探せ!!』だーーっ!!>ヮ<」


\\オオーーッ!パチパチパチッ!//


女性レポ「うーん、実にベタなタイトルだねー。ベタベタ過ぎるくらいにベッタベタだよねー。」

女性レポ「つーかさー?コレだけで番組の内容、もう完っ全にバレバレだよねぇー?」

女性レポ「そんでもまー、一応そーゆー決まりなんでー。これから番組の大まかな内容を、ザザーッと説明するよー!」


女性レポ「まずは司会のアタシがー、このアキバにいるステキな女のコを探して、ガンガン突撃しに行っちゃうぞー!」

女性レポ「そんでねー?見事イケてる女のコを見つけたら、このステージまで連れて来ちゃうんだー!」


女性レポ「そしてそして、ステージに上がって貰ったコにはー。歌でもダンスでも特技でも、まあ何でもイイからねー?」

女性レポ「そのコが得意なパフォーマンスをー、みんなの前でドドーンと披露してもらおうってワケさー!」


\\オォーー!パチパチパチッ!//

788 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/13(水) 18:52:01 ID:xoRlIeiM

女性レポ「ちなみにこの番組ってー、ラブライブTVで生中継されてるアーンド、ネットで生放送配信もされちゃってるんだよねえー。」

女性レポ「そんなワケだから、ここらでドカーンと一発目立てればー。一気にスーパーアイドルへの道も〜…夢じゃないかもだよぉー?」フフーン


\\オォー…!パチパチパチッ!//


女性レポ「だからだからー、このチャンスを是非モノにしたいってコはねー?遠慮なーくこの場所にー、ドンドン集まって来てくれたまえー!」


女性レポ「ただーし!このオネーサンの目は、とぉーってもキビシーよー?生半可な魅力じゃー、完スルーされちゃうかもだぞー?」

女性レポ「よってよってー。そんでハズカシー思いして、ショックを受けないよーにー。ホントに自信のあるコだけ、ココに来ちゃってねー?」


\\ホオォ〜〜…!//


女性レポ「ああ、それとねー?このアッタシが声かけちゃったコなんだけどー。」

女性レポ「そのコがスクールアイドルだったりするコトも、ひょっとしたらあるかも知れないよねー?」


女性レポ「もしホントにそうだった時はー、この広ーい大きーいステージでー。」

女性レポ「とびっきりのパフォーマンスを披露してー、絶好のアピールチャンスにしちゃってねー!」

789 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/13(水) 19:17:42 ID:xoRlIeiM

\\オォーーッ…!パチパチパチッ!//


女性レポ「よーし!そんじゃー、はっじめるよー!まずは、イケてる女のコを探しにー…スーパー突撃タイムだーーっ!!>ヮ<」


\\ワーーッ!!パチパチパチッ!!//


女性レポ「まー実のトコ、番組上の都合でー。このステージからあんま遠くへは行けないんで、この周辺までになるんだけどねー。」

女性レポ「ま、それはさておきー。さーて、まずはー…どっちの方へ行ってみよっかなー?」キョキョロ


\ザワザワ…!ザワザワ…!/


女性レポ「…ん?おんやー?なんかアッチの方がー、ザワついてるみたいだねぇ。どしたどしたー?」

女性レポ「ふーむ…おーい、そっちのカメラさーん!ちょーっとアッチの方、スクリーンに映してちょーだいなー!」


女性レポ「はーい、オッケー!んー、どれどれ…?んん…?なんかアレって、みんながー…あの制服の女のコ、見てないかいー?」


\\ザワザワ…!!ザワザワ…!!//

790 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/13(水) 19:46:20 ID:xoRlIeiM

穂乃果(ええっと…あんじゅさんの言ってた仮設ステージって……あ…!きっと、あれの事だよね。)

穂乃果(それじゃあ、ここからは…こっちを真っ直ぐで、良かったっけ。)ピッ


「ねえねえ…!あの子、めっちゃ可愛くないっ?///」

「うわぁ…すっごいキレイ…///」

「音ノ木坂だよね、あの制服…///『μ's』の他に、まだあんな美少女っていたんだ…///」


\\\ザワザワ…ザワザワ…!!ザワザワ…ザワザワ…!!///


女性レポ「…フッフッフー。コレは気になる……気になるぞぉーー!!」キラーン☆


女性レポ「こんな時のアッタシのカンはー、今まで外れたコトって無いんだよねぇー!」

女性レポ「ならばならばー、もうやるコトはひとつじゃーん?さあー、気になるあのコにぃ〜〜…」


女性レポ「とっつげきぃぃーーーっっ!!!>ヮ<」


ドドドドドッッ!!

791 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/13(水) 20:12:33 ID:xoRlIeiM

\\\\ザワザワ…ザワザワッ…!!ザワザワ…ザワザワッ…!!////


「…マジでヤッベーなぁ…///あのコ、すっげーイケてんじゃん…!///」

「…なあ、どーする?声、かけてみるか…?///」

「アホか、撃沈率400%だろ…あんな超絶ハイレベルなコじゃ…///」


穂乃果(…?何だか、周りがざわついてる気がするけど…何かあったのかな?)

穂乃果(あ、そっか。今丁度この辺りで、何かのイベントをやってるんだっけ。だから多分、その関係なのかな?)

穂乃果(どんなイベントなのか、ちょっとだけ気になるけど…今はあんじゅさんと合流する場所に、急いで行かないとね。)


穂乃果(あ、多分こっちだよね。このまま真っ直ぐ行けば、大丈夫そう。)


穂乃果「よし。それじゃ、早く行こ――」スタスタ


女性レポ「ちょおおーーっっと待ったああぁーーーっっ!!!>ヮ<」ズザザザーーッ!!


穂乃果「うわぁああっっ!!?」ビクッ!

792 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/13(水) 20:30:13 ID:xoRlIeiM
女性レポ「はいはいはーいっ!ちょーっとソコ行くお嬢ちゃーん?こんにちわわわのわーっ!」

穂乃果「えっ?あ…こっ、こんにち…は…?」


女性レポ「さーてさて!こーして無事に捕獲…ゲフンゲフン!協力して貰えそーなのでー。ココは早速、色々と聞いちゃお……おおっ??」

穂乃果「あ、あの……これって、一体…?」サラサラ…


女性レポ「おお……おおおっ………おおおおおーーーっっ!??」

穂乃果「え、え…?ど…どうしたんですか…?」


ガシィッ!!


女性レポ「確保おぉぉーーーっっ!!!>ヮ<」


穂乃果「わわわっ!?ななっ、何っ…!?」


女性レポ「ちょーっとアッチのステージまでー!オネーサンと一緒に来てねーーっ!!」グイッ!


穂乃果「え、えええっ!?ああ、あのっ…!私、今から…って…!?ぅうわああぁーーーっ!!」

793 ◆bK3.D2B8eM:2022/04/13(水) 20:35:30 ID:xoRlIeiM
コメントして下さった方、いつもありがとうございます。
本当に長い時間が掛かってしまいましたが、ようやくこのシーンまで辿り着く事が出来ました。
どうか今後も、引き続きお付き合い頂けましたら大変幸いです。

794名無しさん@転載は禁止:2022/04/14(木) 00:41:46 ID:4rUdzLvo
更新きてた

795名無しさん@転載は禁止:2022/08/16(火) 10:19:50 ID:A4IBOkFU
もう更新しないの?


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