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律「ムギ、通学中の電車で痴漢に遭ってるって!?」
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紬「いや、あの、痴漢っていうか……」
澪「本当か? 大丈夫なのか!?」
梓「ハッ! 冗談は眉毛だけにしてくださがぼふっっ ゴシュッ
ド ガシャァァン
ドサドサドサ
唯「それって毎日なの?」
紬「うん、ここ一週間くらいかな……だから最近電車に乗るのがちょっと……」
澪「警察とかに相談したほうがいいんじゃないのか」
唯「それはさすがに怖いね……」
澪「まあ掌底で後輩を数メートル張り飛ばすムギも大概だけどな」
唯「でも自業自得だし……」
律「梓、物置の中片付けておけよ」
梓「はい……」 ゲフッ
梓「………」
梓「……えぇ?」
"
"
-
澪「言いづらいかも知れないけど、何をされたんだ」
紬「なんていうか…身体を密着させてきて、手を当てられたり……」
唯「電車が混んでて仕方なく、とかじゃなくて?」
紬「でも毎回同じ人っぽいの」
梓「それはたぶん気のせいですよ」
澪「電車を一本ずらしたりできないのか?」
紬「一回試したんだけど、私が乗る電車を確認されてるのかも……」
澪「うーん、それは考えすぎじゃないか?」
梓「そうですよ、そんな物好きな馬鹿がいるわけないじゃないですか」
律「私も一回だけあったな、ちょっと撫でられた程度で済んだけど」
梓「痴漢って相手が若ければ誰だっていいらしいですよ」
律「中野」
紬「ちょっとそこに立って」
梓「あの、ちょっ、優しくしてくださ
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澪「お前はどれだけ部室をとっ散らかせば気が済むんだよ」
梓「原因は私じゃないんですけど……」 ゴホッ
澪「明らかに自業自得だろ」
律「痴漢みたいな顔しやがって」
澪「お前が犯人とかいうオチじゃないだろうな」
梓「まだやってません」
澪「目をそらすな」
律「ストーキングは?」
梓「くだらない話はやめて練習しましょう」
律「質問に答えろよ」
紬「くだらない話がどうしたって?」
-
澪「生徒会にでも相談してみるか?」
紬「そこまで話を大きくしなくても……」
和「ちょっといい?」 ガチャ
律「おっ生徒会長、いいところに」
和「激しく争った形跡があるんだけど、何がいいところだったの?」
梓「後輩いびりが酷いんです」
和「そうなんだ、それより唯はいる?」
梓「欲しいです!」
和「そういう意味合いじゃないし、貴様らに渡すつもりもないわ」
澪「貴様ら!?」
-
和「なるほど、通学中の電車で痴漢の被害に遭ってると」
梓「全然違います、後輩イジメが酷いって話なんですけど」
律「黙ってろ」
紬「あの、そんな大ごとにしなくても……」
和「うーん、まあ警察に届けるのが一番いいと思うけど、
同じ電車を使ってる子に事情を話して一緒に通学してもらうとか」
澪「なるほど、柔道部の子とかだと心強いな」
唯「ムギちゃんの家で送り迎えしてもらえないの?」
紬「うん…あんまり心配も迷惑もかけたくないし、
電車で通学したいって言い出したのは私だし……」
澪「でも事情が事情だしさ」
律「警察関係の知り合いとかいないのか?」
紬「うん…でも……」
梓「まあ取るに足らない出来事だし、狂言の可能性すらあるから言い難いですよね」
梓「私は痴漢に遭うくらい可愛くて困っちゃうの〜みたいな自意識過じょ
そのツインテールは
今までよりも高く
美しい弧を描いた
澪「なんでド突かれるのがわかってて余計な事を口走るんだあいつは」
"
"
-
和「さっきの重低音はあの子の過激なSMプレイだったのね」
律「うん…まぁそんな感じの」
和「いつの様に唯の周囲を見張っていたら衝撃音が聞こえたから慌てて駆け付けたのよ?」
唯「えっ」
和「ほら、この子ちょっとアレだから心配でしょ?」
和「最近は妙に色気づいて大人びた下着を買ってきたりしてるし、
悪い虫がつかないように行き先を把握して、常に行動を監視しておかないと」
唯「待って、ちょっと待って」
澪「この学校の生徒会長はストーカーしかいないのか」
和「軽音部の部長が貧乳みたいな伝統と一緒じゃない?」
律「違うだろ」
律「いや、ほっとけよ!」
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和「まあそれはいいとして」
唯「ちっともよくないよ」
和「ムギはその痴漢も殴り飛ばせばいいだけじゃないのかしら」
和「そこの薄汚いボロ雑巾のように」
律「たしかに」
澪「いや、満員電車で身動き取れないとか……」
律「でもさっきノーモーションで梓を物置まですっ飛ばしてたぞ」
紬「でも暴力で物事を解決したくないし……」
律「なっ……うん、そうだな」
澪「ああ、ムギの言う事は正しい」
梓「果たしてそうでしょうか」
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紬「みんな、私のために心配してくれてありがとう」
梓「私はむしろもっと心配されたいんですけど……」
紬「私、自分でなんとかするから」
唯「私たちだってなんとかしてあげたいんだよ」
澪「私たち、いつもムギに助けてもらってばかりなんだぞ?」
律「明日にでも一緒にそいつを捕まえてやろうぜ」
紬「うん、でもいいの」
唯「よくないよ! ムギちゃんがこんなに困ってるのに!」
紬「だって女性専用車両だから、まんざらでもなくて……」
澪「えっ」
それから数時間もの間、
私たちは誰一人声を発することなく帰宅の途についた。
卒業は終わりじゃない これからも仲間だから
大好きって言うなら 大大好きって返すよ
忘れ物 もうないよね? ずっと永遠に一緒だよ
大丈夫、私たちはこれからも一緒にやっていける。
軽音部は今日も平和だった。
そう心に言い聞かせるように。
おわれ
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もう何も問題はない!
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天才か
-
ムギはやっぱムギですな(笑)
いつもの梓に和ちゃんも加わり、何だかんだいって平和です。
"
"
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