唯「どうしたの、澪ちゃん？難しい顔して」
澪「いや、新しい歌詞を考えてるんだけど……」
律「なんだよ、またスランプか？」
澪「スランプっていうか……どうもイメージが沸かなくてな」
紬「どんな歌詞を書いてるの？」
澪「いま書いてるのは『トライアングル・ラブ』ってタイトルなんだけど……」
梓「そ、それってまさか……」
律「唯と梓とギー太の三角関係ってやつか？」
紬「あぁ、梅雨の時期にそんなことがあったわね」
唯「えぇっ？私達のこと歌詞にしてくれてるの？澪ちゃん♪」
梓「ちょっ……や、やめてくださいよ澪先輩！」
律「いーじゃんいーじゃん♪澪も別に唯や梓の名前を直接出すつもりじゃないんだろ？
三人（？）の関係を歌詞にするってだけで」
澪「ああ、それはもちろん。でもその三人の関係ってやつがな……」ｳｰｰﾝ
"
澪「うん。三角関係の切なさを歌詞にしたいんだけど、三人それぞれの気持ちが
今のところ『梓→唯→ギー太』ってことになってるんだよ……これじゃあ
三角関係にならないだろ？」
律「なるほど……それぞれ一方通行の想いだな……」
唯「えぇ〜っ！私とギー太は相思相愛だよぉ！！」
澪「そうだとしても『梓→唯×ギー太』だろ？」
紬「つまり、梓ちゃんとギー太ちゃんの間になんらかの関係性がないと三角にならないってことね？」
澪「うん。そうなんだ」
律「おい梓。お前はギー太のことをどう思ってるんだよ？」
梓「どうって………………唯先輩のギターです」
紬「……それだけ？」
梓「それ以上にどんな感情を持てっていうんですか！」
唯「ギー太はあずにゃんのことをどう思ってるのかなぁ？」
だが、それ以上でも以下でもないね」
澪「うーーーん……」
律「これじゃあ相思相愛の唯とギー太に梓が横恋慕してるだけ、ってことになるなぁ」
紬「三角関係とは言えないわね……」
梓「ちょ、ちょっと待ってくださいよ！そもそも私が唯先輩のこと……す、好きみたいに
なってますけど、そこが大前提として間違ってますから！！」
唯「えぇーーっ！？あ、あずにゃんに嫌われた………」ｼｮﾎﾞﾝ
澪「うーん……梓が唯のこと好きじゃないとなると、話がまったく変わってくるぞ」
律「今の関係は『梓 唯×ギー太』ってことになるな」
紬「そのカップリング表記に梓ちゃんは必要なのかしら？」
澪「そうだな、ただの『唯×ギー太』だ。そういう曲はもうあるしなぁ」
唯「うぇ〜〜ん……あずにゃんに嫌われちゃったよぅ……もう生きていけない……」ｸﾞｽｯ
律「待て、澪！唯は梓のことが好きみたいだぞ？まだ三角関係の可能性はある！」
澪「なるほど……『梓←唯×ギー太』か……」
紬「でもそれじゃ唯ちゃんが悪い女みたいになっちゃわない？」
澪「ああ、それはいいかもな」
唯「うぅぅ……」ｸﾞｽｸﾞｽ
梓「あ、あのっ唯先輩？そのっ、べ、別に嫌いではないですから……」ｱﾀﾌﾀ
唯「………ホント？じゃあ、私のこと好き？」ｸﾞｽｯ
梓「〜〜〜ッ！///す、好きか嫌いかで言うとそりゃ当然……ｽ､ｽｷﾃﾞｽｹﾄﾞ///」
律「おぉっ！また進展があったぞ！？どうやら『梓×唯×ギー太』になったみたいだ！」
紬「でも、これじゃあますます唯ちゃんにビッチ感が………」
律「いや、とにかく梓とギー太が唯を取り合う構図になったんだから
これは三角関係と言えるんじゃないか？澪」
澪「そうだな！うん、これで歌詞が出来そうだよ！」
梓「い、言っておきますけど、あくまで部活の先輩としての『好き』ですからねっ！
そ、その……恋愛感情的な意味では………」
唯「わ、わかってるよぉ！ギー太に対してだって別に恋愛感情とかじゃないし………」
澪「」
律「おいおい……ここに来て急展開かよ……『梓 唯 ギー太』になっちゃったぞ……」
紬「もうカップリング表記でもなんでもないわ」
唯「そ、それに……恋愛感情的な意味なら……私、和ちゃんが……///」ﾎﾟｯ
梓「あっ、そうなんですか？じゃあ、私も言っちゃいますけど……じ、実は純のこと……///」ﾎﾟｯ
澪「くっ……まさかの『純←梓 唯→和 ギー太』！？ここからどうやって三角関係に……！」
律「澪！もう三角関係は諦めないか！？」
紬「あと、ギー太ちゃんはもう表記から削除でいいと思うの！」
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―――帰り道―――
澪「はぁ……結局、歌詞できなかった……」
律「もう『トライアングル・ラブ』は無理だろ。別の歌詞考えようぜ？」
澪「でも、梅雨の頃からずっと暖めてきたのに……」
律「なあ、ところでさー」
澪「ん？」
律「今日ギー太、喋ってたよな？」
澪「ああ、怖いな」
律「うん。超こえー」
おわり
"
乙乙