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律「かみふぇち!」

1 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:23:40 GtDjCW9M0
澪「おい、そろそろ練習するぞ」

律「えー!もうちょっとゆっくりしてから〜」

澪「十分ゆっくりしただろうが」ビシッ

律「いてっ」


口では文句を言いつつ、実は練習を楽しみにしてたんだ。
正確には練習ってより、ね。
それを勘付かれないようにこうして練習嫌な振りしてるんだけど。
りっちゃん名演技。アカデミー賞とれちゃうぜ。


唯「りっちゃん何ニヤニヤしてるの?」

む、危ない油断してた。

律「な、なんでもねーって」

唯「あ、分かった!りっちゃんってもしかしてどえむ?」

律「ちげーわ!!」


澪がちらっとこちらを見る。
早く楽器用意しろってことか?
そんなに睨まれるとぞくぞくしちゃうだろ。
……って、私はMじゃないからな。


ささっとドラムのセッティングをすませ、じーっと前方を見つめる。
今からが本番。

澪「よいしょっと」

澪はちょうどベースをかけるところで、
ピックを口にくわえて、ベースのストラップを少し浮かせ、髪を、

 バサッ

そう、この瞬間。
私の心は澪の髪に全て奪われる。


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"
2 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:25:12 GtDjCW9M0
やばいやばい!澪の髪まじやばい!!!
はぁ、なんて綺麗ななびき方…!
やわらかく重力を受け流れていく。

ふれれば全く抵抗を感じずにさらーんと髪先までなぞれるような黒髪ロングストレート。
何これ世界遺産かよ。
澪の髪は完璧だ。


紬「……大丈夫りっちゃん?」

律「へっ?!?」

紬「なんかぼーっとしてたから」

律「あ、うん全然へーき!!」

唯「どうせりっちゃんのことだから今日のケーキ美味しかったな〜とか考えてるんでしょ」

律「それは唯だろっ!」

唯「えへへ」

梓「もう先輩たちは……はじめますよ」

律「へーい。みんな準備できたよな?じゃあ……1、2!」


演奏中といってもやることはひとつ。
リズムに合わせてちょこちょこ揺れる澪の髪たまらないです。
ドラムが後ろでよかったって心から思うよ。
こうしてずっと見つめててもばれないし!

演奏に集中しなきゃってのは分かる、分かるけど……
しょうがないよね!
そこに髪があるから!キリッ


3 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:28:31 GtDjCW9M0
帰り道

律「ふ〜!今日も頑張ったなー」

髪を眺めることをね!

澪「ほとんどティータイムだっただろ……」

律「いやでも濃い密度の練習できたっしょ!」

澪「確かに最近律、リズムキープちゃんとできてるよね」

律「まじ!?やった」

澪の髪をじっと見つめることで正確なリズムを刻めるようになっていたとは。
恐るべき澪の髪。


律「ねぇ、今日澪の家行っていいー?」

澪「まぁいいけど、なんで?」

律「澪の持ってた漫画読みたい!で、読んだあと澪と語り合う!」

澪「あ、いいね」

律「やったー!じゃあ今日澪んち泊まりで!」

澪「泊まりかよ。ちゃんと親に連絡しておけよ〜」

律「分かってるって」


4 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:30:23 GtDjCW9M0
澪の家ついてから早速漫画を貸してもらって、私は床に横になりながら漫画読んでた。
その間澪は宿題やってたみたい。さすが澪。
あとで写させてもらおう。

家ではいつも澪、髪をゆるく結んでるんだよね。
私が一番好きなのはもちろん髪下ろした状態なんだけど、たまに違う髪型を見るとまたドキドキしてしまう。
髪結ぶとうなじ見れるし。ぺろぺろ。


律「読み終わったー!」

澪「お、早いな。どうだった?」

律「すっげぇ熱い!!」

澪「だよな!私4巻の……」

澪母「みおー、りっちゃん、ごはんできたわよー」

律「あ、ごはんだって」

澪「じゃあ食べてお風呂入って寝る準備してからたっぷり語ろう!」

律「おう!……ん?」

澪「どうした律?」

律「お風呂!!」

澪「お風呂がなんだよ」

律「一緒に入ろう!」

澪「何言ってるんだバカ」

律「えー!髪洗ってあげるのに〜」

澪「やだよ」

律「ちぇー」

澪「律変なことしてきそうだし」

律「しないって!じゃあせめてお風呂上がりドライヤーかけさせて!」

澪「え?やってくれるの?なんか怪しい……」

律「違うよ!ただ私は澪の髪を堪能したいだけで!」

きゃっ。言っちゃった。

澪「はいはい」

流された。

でもこれで澪の髪をドライヤーで乾かしてあげるという夢が叶う…!
この気持ち、胸の高まり、世界中に伝えたい……!


5 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:32:32 GtDjCW9M0
澪のママありがとう。ごはん美味しかった。
けど食事中も、そのあと先にお風呂入ってる間も、澪がお風呂入ってる今も考えるのは澪の髪のことばかり。

ふざけて澪の髪をさわることはよくあるけど、いつも自重して少ししかさわれないからな。
好きなだけ梓に抱きついてる唯が羨ましいぜ。
あれ梓も喜んでそうだけど。


澪「おまたせ〜」

律「澪!こっちこっち座って!」

澪「気合い入ってるなぁ。じゃあよろしく」

律「まかせて!」

こんなことがいつ起こってもいいようにと持ち歩いていた洗い流さないタイプのトリートメント、オイル等を取り出す。


澪「なにそれ?」

律「髪のダメージとか抑えるやつ」

澪「さっきから思ってたんだけど、律って髪にこだわりあるんだな。私はそんなの使ったことないよ」

律「澪せっかくいい髪なんだからもっと頑張って!!シャンプーもメ◯ットなんて……私のおすすめの美容院で使ってるようなやつあるから今度教える!!このトリートメントもあげるから澪毎日使って!ドライヤーかける前とか朝髪セットするときとかやってね!!」

澪「お、おう、ありがと……」

律「じゃあドライヤーかけるね。熱かったら言って」

澪「うん。なんか律にこうしてもらうなんて不思議」

律「毎日でもやってあげるよ」

澪「一緒に暮らす気かよ」

律「それもいいかもね」

澪「もう……」


"
"
6 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:34:02 GtDjCW9M0
だんだん乾いてきた。
この指の間から零れ落ちるようなさらさらな髪。
ドライヤーの風に髪がなびいていく。
なんて自由に軽やかに宙を舞うんだ。
幸せすぎて、今なら死んでもいいよ私……!


澪「律、律……!」

律「え、なに??」

澪「律ずっと話しかけても気付かないんだもん。そんなよかったか?私の髪」

座ってる澪が私を見上げてちょっと意地悪そうに微笑む。
ったく、私の澪は……


律「ああ、最高だった」

澪「きもい」


……痺れるぜ。


このドライヤーイベントがおわったあとは普通に漫画について語って、気付いたらお互い寝てた。
次の日が土曜で学校休みだったから朝はゆったり起きて、お昼頃に一緒に駅まで出て遊んで夕方ごろに解散ってかんじ。
もちろん朝私が澪の髪とかしてあげたぜ!
愛してる澪の髪!!


7 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:36:10 GtDjCW9M0
月曜日。

週末澪の髪いっぱいさわったせいで、今日は一日中澪の髪が気になってしょうがなかった。
授業のときは私の方が席前だから澪の髪眺めてられなくて辛い……!
休み時間のたびに澪のとこ行って髪さらーん分を補給してたけどね。
そんなことしてるうちに放課後。


みんな帰り仕度をしている。
うちのクラス、澪以外にも髪長い人それなりにいるよな。
黒髪ロングストレートじゃないけど、いちごの髪もけっこう私好みだったりする。
本当にお嬢様みたいな髪してるんだもん。


律「いちご!」

いちご「なに?」

律「いちごって髪パーマかけてるの?」

いちご「ううん、癖っ毛なだけ」

律「まじか。よくそんな綺麗にくるくるなるな」

軽く触ってみる。
あ、すっげぇやわらかい。

いちご「前は自分のこの癖っ毛嫌で、毎朝コテ使ってストレートにしてたんだけど面倒になっちゃって」

律「そんな髪痛んじゃうようなことを……!」

いちご「うん。だからもうやめた」

律「私はいちごの髪すごくいいと思うよ!!」

いちご「律きもい」

律「うっ……」


澪に続いていちごにまできもいって言われちゃったぜ。
でもいちごの頬がほんのり赤い気がする。
そうか、照れてるんだよね。可愛いなぁーはは……


8 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:38:24 GtDjCW9M0
いちご「律は彼女の髪だけさわってればいいじゃん」

律「え?彼女って??」

いちご「付き合ってるんだよね?秋山さんと」


んん??
付き合ってる?秋山さんって……澪??
一瞬まじで頭が真っ白になったんだけど。


律「いやいや!ないって!澪とはただの幼馴染だし」

いちご「そうなの?律いつも秋山さんのこと見てるし、もう付き合ってると思ってた」

律「ありえねーし!!」

いちご「好きなんでしょ?」

律「そりゃ友達なんだから好きだけど……」

いちご「そうじゃなくて恋愛感情で」


またいちご訳の分からない単語を。
恋愛って言ったらそれは……あれ、私澪のこと…?
普通友達じゃこんな髪見つめてどきどきしないのかな??
でもあんな綺麗な黒髪ロングストレートだからしょうがないというか……


いちご「もしかして律……はぁ、これだから」

律「なんで私ため息つかれてるの??」

いちご「律を好きになった人は大変だよね」

律「もっと分かりやすく頼む!」

いちご「ひとついいこと教えてあげる。澪もいつも律のこと見てるよ」

律「それって……」

いちご「あとは自分で考えてね。じゃあ」


9 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:39:50 GtDjCW9M0
謎のプリンセスいちごはそう言って本当に帰っちゃった。
でもなんとなく分かったぞ。


澪は……

澪の席の方を見ると座って学級日誌を書いていた。
そういや今日日直だったような。
髪が視界に入って邪魔だったのか、耳にスッとかける。
うひょーたまらん…!
横から眺める澪の髪も素晴らしいぜ!

……じゃなくて!


律「澪!」

澪「あ、待たせてごめん。もう書き終わったから部活一緒に行こう」

律「うん」


澪と並んで歩いて部室に向かう。
それだけのことなのに意識しちゃうとなんか、どきどきする。
そしてモヤモヤする。
自分の気持ちにケリつけなきゃだよな。
……よしっ!


10 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:43:10 GtDjCW9M0
ジャジャーン♪

唯「ふぅ、今日も決まったぜ」

梓「なんの真似ですかそれ……」

唯「練習頑張ったらお腹すいちゃったよ。あずにゃん、今日帰り道にあるたいやき屋さん行かない??」

律「悪い唯、今日これから梓のことちょっと借りるわ」

梓「へ?」

律「2人で話がしたいから少し部室に残ってもらえるか…?」

梓「まぁいいですけど……」

唯「うわ〜ん、あずにゃんが浮気だ〜!」

紬「まぁまぁまぁ」

梓「誰が律先輩と!」

律「おい」

唯「りっちゃ〜ん」

律「告白じゃないから安心しろ」

唯「むむ……」

澪「それなら私たちはもう帰るな。律、鍵忘れるなよ」

律「はーい、分かってるって。んじゃな!」

澪「おう」

紬「ばいばい」

唯「あずにゃ〜ん、また会う日まで〜〜」

梓「なんですかそれ。さようなら」


ガチャ、バタン


梓「それで、話ってなんですか?」

律「ああ、うん……あの…え、っとさ……」

梓「え……………まさか本当に告白??」

律「ち、違うっての!!ちょっと梓にお願いがあって!」

梓「お願い……?無理じゃないことならいいですけど」

律「本当!?じゃあさ、髪のゴムとってくれない??」

梓「へっ??そのくらいなら……」


片方ずつ髪のゴムをスーッととっていく梓。
このゴムをとるときの髪が広がるかんじもたまらないな……!


梓「とりましたけど」

律「うん!じゃあ後ろ向いてくれる?」

梓「はい……変なことしませんよね?」

律「しないって!………ほぅ」


やばい、黒髪ロングストレート!!
澪とは違うけどこれはまた素晴らしい。


11 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:44:53 GtDjCW9M0
梓「あのぉ、律先輩?結局何がしたいんですか…?」

律「あ、ごめんごめん。私さ、実は……髪フェチなんだ」

梓「髪フェチ?」

律「なんていうか、梓みたいな黒髪ロングストレート大好きでさ…!」

梓「はぁ」

律「そんでやっぱ告白みたいなかんじになっちゃうんだけど……」

梓「げっ」

律「いや梓にじゃないから!………私澪のこと好きなのかもって」

梓「え……」

律「引いた?女同士で好きとか」

梓「いえ!そうなんじゃないかなって薄々思ってましたし」

律「はは、私って分かりやすいのかな」

梓「さすがに髪フェチってとこまでは気付きませんでしたけど、あれだけいつも澪先輩のこと見つめてたら……」

律「それもばれてたか〜」

梓「それで、ただ黒髪ロングが好きなのか澪先輩自身が好きなのか悩んでたってところですか?」

律「理解早くて助かる。そうなんだよ」

梓「私の髪見て分かりました?」

律「ちょっと試しに梓の髪さわらせてもらっていい?」

梓「あぁ、はいどうぞ」

律「……ふわぁ、さらっさらだ〜!!あ〜最高」

梓「あの律先輩?」

律「すまん……つい!」

梓「律先輩が髪フェチだというのはよく分かったので。肝心の恋愛感情の方はどうでしたか?」

律「う〜ん、もちろん澪に対してと梓に対して同じ感情を抱いてるわけじゃないんだけど、髪に関しては同じように好きだし、これが恋愛感情なのかどうか……」

梓「そうですか……」

律「なんなんだろうなぁ、ほんと」

梓「これは私の考えなんですけど……もしかして律先輩、恋って認めるのが怖くて逃げてるんじゃないでしょうか…?」

律「あー……言われてみればそうかも、しれない……」

梓「なんとなく、これが恋じゃないって理由を頑張って探してるようにも見えたので……」

律「うん……」

梓「でも律先輩次第だと思います。律先輩がどう思うか」


12 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:49:52 GtDjCW9M0
澪は幼馴染みで親友。
気付かないふりをすればこれからもこの関係はたぶん続く。
でも、もうドキドキを知っちゃったから……


律「……やっぱり私、澪へのこの気持ちを恋って呼びたい」

梓「律先輩……。それなら私は律先輩の恋、全力で応援しますよ!」

律「ありがと。今日の梓なんか優しいな」

梓「いつもですよ!……まぁ誰かに好きの気持ちを明かすのってすごく勇気いることだと思うので、その勇気に免じてです。それに律先輩今日は笑っててもどこか力がないかんじですし」

律「そっか……。もう梓に隠し事はできない気がするよ」

梓「いえいえ」

律「それにしても私の気持ちよく分かるな。もしかして梓も恋してたり?」

梓「さぁ?」

律「え……まじ?」

梓「……私のことなんかより今は律先輩ですよ。それで告白なんてできるんですか」

律「告白…!?やばい、全然頭になかった」

梓「はぁ。律先輩らしいというかなんというか……」

律「澪のことは好きだし、できれば付き合いたいし、うわぁ〜」

梓「伝えなきゃ想いは届かないんですよ」

律「そう、だよな……でも怖いよ。もしだめだったらって考えると……」

梓「怖いのは分かります。だけど、このままじゃだめだって律先輩思ったんじゃないですか」

律「うん……うん!私、澪に告白する!」

梓「そうと決まればさっさと帰る準備して、ほら澪先輩の家へ!」

律「え、今?」

梓「そうですよ。勢いだけが律先輩のとりえじゃないですか」

梓がにやっと笑う。
やっぱこいつ生意気な後輩だな。
でもまぁ……


律「よっしゃ!やったるわ!!」

梓「その意気ですよ」

律「玉砕しても想いを伝える!」

梓「それでこそ律先輩!もし振られたら慰めてあげますから」

律「本当?」

梓「はい、髪も触らせてあげますよ」

律「へへっ、ありがとな梓」

梓「じゃあ頑張ってきてください!」

律「おう!あ、でも……」

梓「なんですか?」

律「澪と付き合えることになっても、また髪触らせてな」

梓「……もう、律先輩の浮気者」


そんなかんじで梓に見送られて部室を出た私は一目散に澪の家へ走り出した。
走る意味とかもうよく分かんない!
ただ、一瞬でも早く澪に会いたかった。
澪を好きって気付いたときから心にエンジンかかってるんだ!
いけ!私のぴゅあぴゅあはーと!!!


13 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:52:41 GtDjCW9M0
ピーンポーン

澪『はい』

律「私」

澪『律?どうしたの??とりあえず今開けるね』


ガチャ

澪「律!」

律「はぁ、はぁ……よぉ、澪」

澪「そんな息切れして走ってきたの?あ、上がって」

律「さんきゅ。ちょっと学校からここまでひとっ走りしてきた」

澪「ひとっ走りって、けっこうな距離あるだろ」

律「どうしても今すぐ澪に伝えたいことあって……」

澪「へ…?」

すーはー。
深呼吸して息を整える。
よし。


律「私、今までずっと逃げてきた。でも……

私の気持ち聞いて!!

私、澪が好きだ!
そして澪の髪が好きなんだ!

春は桜の舞い散る中、はるかぜに揺れる澪の髪を見たい。
夏は扇風機の前で気持ち良さそうに宙を舞う澪の髪を見たい。
秋は色づくもみじたちの横の華厳の滝より美しく流れる澪の髪を見たい。
冬は澪の髪まで包んで澪を暖める澪のマフラーになりたい。

一年中ずっと澪と一緒にいたい!そばにいたい!!

澪、大好きだ!!
私と付き合ってください!!!」


胸にためてた気持ちを一気に吐き出した。
ちゃんと伝わった!?
日本語できてる??分からない。

澪は驚いたように大きく目を見開いている。
そして………吹き出した。


14 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:54:14 GtDjCW9M0
澪「ぷっ、律は私の髪に告白してるのかー?」

律「ちがっ…!私は、澪が好きだから、澪の髪だから……澪が大切なんだ」

澪「私と私の髪どっちが好きなんだよ」

律「えっと…………澪!」

澪「はは、なんだよその間」


そう笑った瞬間、澪の瞳から涙が零れ落ちた。


澪「先越されちゃったなぁ」

律「澪……」


澪「私も、ずっと、ずっと……律のこと好きだった」


え…?
今澪なんて……
喉がグッと熱くなる。

澪が、私のこと、すき。


澪「大丈夫??」

気付いたら私はヘナヘナ座り込んでいた。

律「うん」

澪「もう……律も泣いてる」


澪が私の涙をぬぐってくれた。
私も澪に同じようにしてあげる。
2人で涙をぬぐい合うってなんか優しいね。


律「澪……」

ゆっくりと澪のことを抱きしめる。
澪いい匂い。


澪「これからは恋人としてよろしくお願いします」

律「はい」

澪「…なんか照れるなこれ」

律「……だな」


15 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:56:51 GtDjCW9M0
照れ隠しに澪の髪をさらさら撫でてみる。
これからは好きなだけ澪の髪さわっていいのかな。
はぁ、最高……


澪「クスッ、律は本当に髪フェチなんだな」

律「まぁね!一番好きな髪は澪の髪だよ」

澪「ありがとう、なのか……?」

律「どういたしましてー」

澪「そうだ、律が私の髪好きなのと同じように私もちょっと変な趣味あって……」

律「なに?」

澪「律の腕とか首元とか見てると……」

律「澪もパーツ好きなの?」

澪「……噛みたくなるんだ」

律「は、はぁ??」

澪「なんていうか、噛みフェチ?みたいな」

律「いや分かんないから」

澪「じゃあ…………試してみる?」


澪が私の腕に手を伸ばす。
え、まじで?


かぶっ

律「んあっ……」

5秒くらい?けっこう長く噛まれた気がするぞ。
やっと離してくれた。

律「ばかっ!普通人を噛むならある程度遠慮するだろ…!全力で噛みやがって……」

腕を見るとくっきり澪の歯形が残ってる。
これあざになるわ。
てかいきなりすぎてなにがなんだか。


澪「ごめん。つい……でも律も気持ちよかっただろ?声出てたし」

律「ち、ちがうやい……」


恐ろしく弱い語尾になってしまった。
ぶっちゃけ気持ちよかったですううう!!


澪「前唯が律のことドMかって聞いてたけど、あれ当たりだったり?」

律「だったらなんなんだよ」

澪「相性いいなーなんて」

律「……澪の変態」

澪「ば、ばか律!律の方が髪フェチなんて変態なんだからなっ!」

律「はいはい」

澪「ったく……あ、肩も噛んでいい?」


……だめだこいつ。
でも澪のこんな一面を知ってるのって私だけなんだよな。
私の身体に澪の愛の証いっぱいつけてもらいたいな……なんて思ってる私も十分やばいか。


16 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 22:58:45 GtDjCW9M0
律「ほらよ」

リボンをほどいてブラウスのボタンを一つ外し、ぐいっと肩を出した。
あれ?この格好かなりえろくね?

澪「じゃあ……いただきます」

律「はは、なんだそりゃ。吸血鬼かよ」


余裕ぶろうとしてるけど実際すごくドキドキしてる。
澪が近づいてきて……あ、触れそう。
なんだろう、私は髪でも撫でてればいいの??

肩に澪の温かい唇の感触。
そんで……がぶり。
あぁ、やっぱやばい……


何回にも分けて噛んでくる。
じわじわと痛みがやってきて気持ちいい。
頭が真っ白になっちゃうよ。

律「澪……もっと」

自分でもびっくりするくらいえろい声が出てしまった。

澪「えー……」

律「噛んでる本人が引くなっての!」

澪「まぁ律が喜んでくれるなら私も嬉しい」がぶ

律「んっ…!」


癖になっちゃいそう。


17 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 23:01:18 GtDjCW9M0
律「はぁ……なんか澪に大切なもの奪われた気分」

澪「なんだよそれ」

律「いやん、お嫁に行けない」

澪「私がもらうから」

律「……へへ」

澪「それで律……」

律「ん?」

澪「あの、さ……あともう一つしたいことが……」

律「まだなんかあるの!?」

澪「せっかく付き合えることになったんだし……」


澪が顔を赤くしてもぞもぞしてる。
あの澪が恥ずかしがって言うって相当マニアックなことか…??
ごくり……


澪「その………キスがしたい」

律「へ?」

澪「だめ…?」


不安そうに顔を傾けながら私を見るマイエンジェル澪たん。
なんていうか………すごく可愛いな。


律「私も澪とキスしたいよ」

澪「本当!」


澪の顔がぱぁっと明るくなる。
そんな澪を見てたら私もなんだか嬉しくて。

澪の手に私の手をゆっくりと重ねた。
手の温かさが伝わってくる。

私、幸せだなぁ。
勇気出して好きって言ってよかった。
これからもずっと、澪と一緒に幸せを感じていきたいな。


律「澪いい?」

澪「……うん」



ちゅ



ーー
ーーーー


18 : いえーい!名無しだよん! :2014/02/02(日) 23:03:33 GtDjCW9M0
後日談!!


梓「昨日は律先輩が部室の鍵持って帰っちゃったせいで大変だったんですからね!」

律「ごめんごめん」

梓「だいたい律先輩は〜」

律「……隙アリさらーん!」

梓「にゃっ!?」

律「うむ。梓の髪は今日も素晴らしいな!」

梓「律先輩!!!……って、分かってましたけどその様子だとうまくいったみたいですね」

律「おう!いろいろ話聞いてくれてありがとな梓」

梓「おめでとうございます。澪先輩に迷惑かけないように頑張ってくださいね!」

律「なんだと中野〜!」


唯「あ〜ずにゃん!なんの話してるの??」ぎゅ

梓「いきなり抱きつかないでくださいよ。律先輩と澪先輩がですね」

紬「ついに!ついになのね!!」

律「うわっ、ムギいつの間に!?」


ガチャ

澪「遅れてごめ…」

唯「澪ちゃん!!おめでとう!!」

澪「えっ??」

紬「りっちゃんと付き合うことになったんでしょ!」

澪「う、うん」


澪のやつ照れてやんの。
顔真っ赤だし。

唯「りっちゃん顔真っ赤〜!」

む。私もだったか。


実はちょっと不安だったけど、けいおん部のみんなが澪とのこと祝福してくれて嬉しかったな。
まぁ付き合い出したと言っても学校にいる間は私と澪の関係は今までとそんな変わってないかんじだけど。(うちでは噛んだり噛んだり……)

一つだけ変化があったとするなら……


律「澪さら〜ん」

澪「おい、こら律ー!」


唯「りっちゃんまた澪ちゃんの髪さわってるよ〜」

梓「触り方が大胆になってきてる……飽きないですね律先輩も」

紬「いいわぁ…!」

律「へへ、しょうがないだろ」


律「だって澪の髪、大好きなんだもん!」



おしまい


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