■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■

和「桜が丘高校 自由研究発表会」

1 : 企画者 ◆GRPiIQaeTo :2013/08/18(日) 10:09:06 Od2zZtpM0

概要
 知識系SS企画。
 何らかの知識を解説したり体験したりするSSを書いて投票で競う。
 投票は「SSとしての面白さ」「内容に興味がもてたか」の二点で行う。

期間
 投下期間: 8月21日(水) 00:00 〜 8月26日(月) 00:00
 投票期間: 8月26日(月) 00:00 〜 8月31日(土) 00:00

※なるべく期間内の投下をお願いします。
※投票期間中の感想はこちらのスレにてふるってどうぞ。


知識系SSとは?
 雑学、専門知識、体験談などを含むSSのこと
 詳しくは書き手交流スレ>>289を参照
 (あなたが知識系だと思ったら、それは知識系SSです!)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14921/1368960795/289


"
"
2 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:02:03 WhkGi5Tg0

和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」


3 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:03:39 WhkGi5Tg0
部室


ガチャ

和「こんにちは」

唯「あ、和ちゃん!」

紬「いらっしゃい、和ちゃん」

和「あなたたち、いつもお茶してるのね……」

唯律「放課後ティータイムですから!!」

澪「はは……」

和「まぁ、最後までそのスタイルを突き通すのも悪くないわね」

唯「ところで今日はどうしたの?」

和「あ、忘れるところだったわ。今日は律にこれを渡しに来たの」スッ

律「私に? ……部長会議の日時?」

和「そう、部長会議よ。部費とか活動予定について話し合うのよ」


4 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:04:30 WhkGi5Tg0
律「へーそうなのか」

梓「なんで部長の律先輩が知らないんですか……」

律「行ったことないからなっ!」

澪「自慢することじゃないだろ」

律「ま、活動予定は学祭のライブぐらいだな」

和「講堂の使用届け、また出し忘れないようにね」

律「ほーい」

和「じゃあ私、生徒会に行くね」

唯「えぇ〜? もう行っちゃうの?」

和「えぇ〜って言われても……」

紬「少しお茶していかない?」

律「そうそう、和にはいつもお世話になってるからな」

澪「少しだけならいいんじゃないかな」

唯「ねっ? ねっ?」

和「……じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」


5 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:06:03 WhkGi5Tg0
唯「やったー! イス用意するから待っててね〜」

律「唯は本当に和が好きだなぁ」

唯「幼馴染だもんね〜。はいどうぞ」

和「ありがとう」

紬「今日はいろいろな種類のケーキ持って来たの〜♪」

唯梓「わぁ〜……」

澪「おいしそう……」

紬「うん! イチゴ、リンゴ、オレンジ、バナナ、マンゴー、パイナップル!」

律「すごいラインナップだな……」

紬「どれでも好きなのを食べてね!」

和「どれでもいいの?」

唯「もちろんっ!」


"
"
6 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:07:19 WhkGi5Tg0
和「それじゃあ……疲労回復のためにリンゴケーキを頂こうかしら」

澪「……疲労回復?」

和「え?」

唯「りんごに何か良い物でも入ってるの?」

和「ええ、そうよ」

律「何が入ってるんだ?」

和「りんごだけじゃないわ。他の五つのフルーツにもそれぞれ良い効果はあるわよ」

唯「そうなのっ!?」

和「えぇ、まぁ……」

紬「和ちゃん、それ教えて!」

律「フルーツはよく食べるけど、そういう話は聞いたことないな」

梓「言われてみればそうですね……」


7 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:09:16 WhkGi5Tg0
和「わかったわ。せっかくだから、それぞれのフルーツについてどんな栄養があるのか話すね」

唯紬「わ〜い!!」

澪「ただのお茶会が何だかすごいことになってきたな……」

和「じゃあ、まずはリンゴについて説明するわね」

律「リンゴは疲労回復……だっけか?」

和「ええ。リンゴにはリンゴ酸っていう成分が含まれているの。リンゴ酸には疲労物質の分解を促進する効果があるから、疲労回復に良いのよ」

律「おー……」

紬「全然知らなかったわ……」

梓「リンゴ酸ってなんかそのままですね」

和「リンゴに多く含まれているからそう名付けられたそうよ」

梓「なるほど……」


8 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:10:27 WhkGi5Tg0
和「あと、リンゴ酸とクエン酸を一緒に摂ると、胃腸の働きが良くなって消化促進にも効果があるわ」

律「そうやって聞くと、良いこと尽くめだな……」

和「毎日食べても良いくらいかもしれないわね」

唯「私、リンゴケーキほしいっ!」バッ

梓「和先輩が先に取ったんですからダメですよっ!」

唯「で、でも〜……さっきの聞いたら……」

梓「まだ他のフルーツの紹介もあるじゃないですか」

唯「あっ、そうだった! ごめん和ちゃん、次の説明お願いっ!」

澪「立ち直り早っ!」


9 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:11:50 WhkGi5Tg0
紬「次は……」

和「そうね……それじゃあ、イチゴの説明を」

唯「イチゴはケーキの定番だね!」

和「そうね。イチゴにはビタミンCがたくさん含まれているの」

律「ビタミンCはよく聞く言葉だけど、効果は知らないんだよな」

和「ビタミンCの効果は風邪の予防になるのよ。血管、皮膚、粘膜を強くして体を守ってくれるの。逆に、不足すると歯茎から出血したりするのよ」

澪「ひいいいいいっ……!」

律「澪はこれからイチゴケーキばっか食べないとな〜?」

唯「あっ、一人占めはダメだよー!」

紬「食べれば食べるほど風邪になりにくいの?」

和「一日の摂取量があって、それ以上食べても意味はないわ」

紬「そうなんだ……残念……」


10 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:13:10 WhkGi5Tg0
和「あと、イチゴは『キシリトール』も豊富なの」

梓「たしか、虫歯予防とかに……」

和「そう、キシリトールは虫歯の原因菌にとても強いの。イチゴを食べた後に歯磨きをすると、良い効果があるかもしれないわね」

律「なるへそ……。じゃあ、澪はなおさらイチゴが必要だな……」

澪「な、なんでだよ……」

律「虫歯になったら痛いぞ〜? 治す時もドリルでギュイイイイインって!」

澪「うう……」ガタガタ

梓「これ以上むやみに澪先輩を怖がらせないでくださいよ!」

律「ごめん、ごめん」

和「(フルーツの豆知識を話していたはずなのに、どうして澪がこうなるの……)」


11 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:14:46 WhkGi5Tg0
唯「イチゴはこれくらい?」

和「うん、このくらいね」

梓「じゃあ、次は……」

紬「あとは、オレンジ、バナナ、マンゴー、パイナップルね」

和「じゃあ、次はオレンジね」

律「みかんといえばっ!」

唯「こたつ!」

律「だよなぁ〜」

澪「勝手に決めるなよ……」

和「でもたしかにそうかも。冬になったら、唯の家にはいつもこたつとみかんがあったわね」

唯「いつも手が黄色くなるまで食べちゃうんだ〜♪」

梓「季節関係なく、いつも食べてばかりですね……」

唯「えへへ〜」


12 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:16:34 WhkGi5Tg0
澪「で、オレンジは一体どんな良い影響が?」

律「(澪のやつ、興味深々だな……)」

和「まずビタミンC。これはイチゴでも言ったわね」

紬「風邪の予防に!」

和「そうよ。オレンジは2個で1日分の量を摂取できるの」

唯「おおっ! さすがみかんパワー!」

梓「まぁ、唯先輩の場合食べ過ぎのような気もしますが……」

和「それと日本の温州みかんにはがんを抑制する成分が含まれているそうよ」

律「おおっ! すごいな!」

和「ところで、みんなに訊きたいんだけど」

唯「なになに?」

和「みかんにある白い筋はどうしてる?」


13 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:17:39 WhkGi5Tg0
唯「私はそのまま食べてるよ?」

紬「私も!」

律「私もだ」

澪「私は取ってから食べるかな」

梓「私も取ってます」

和「見事に別れたわね」

律「まぁ、暇な時はたまに取ったりすることもあるけどな」

和「実はその白い筋にはビタミンPが含まれているのよ。聞いたことはある?」

紬「ビタミンP?」

梓「ないですね……」

和「ビタミンPは毛細血管を強くしてくれるの。脳卒中の予防にもなるわ。毛細血管が弱くなると、肌のシミやシワができやすくなるそうよ」

唯「なんと!」

澪「肌にいいんだ……」


14 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:18:53 WhkGi5Tg0
紬「やっぱり良いこと尽くめに聞こえるね」

律「そうだなぁ……。全部聞いた後だと、どのケーキにしようか迷うかもしれないな」

和「次はマンゴーを説明するね」

梓「マンゴーって食べる機会あまりありませんよね」

澪「たしかにりんごやみかんに比べると少ないかも……」

和「まぁ、今日みたいにケーキでってなるとあるかもしれないわね」

紬「じゃあ、今度マンゴー持って来るね!」

梓「そんな! 悪いですよ!」

紬「ううん、果物ももらうことがあるから気にしないで!」

律「あいかわらずムギの家はすごいな……」


15 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:20:22 WhkGi5Tg0
和「マンゴーはたくさんの水分を含んでいるのよ。1個100gだとすれば大体80gくらいかしら」

唯「そんなにあるの!?」

和「ええ、切った時にみずみずしいでしょう。他にもβカロテンや葉酸が含まれているわ」

律「べ、べーた……?」

和「βカロテン。体内に入るとビタミンAに変化するの」

唯「ビタミンって種類多いんだね」

紬「Zに近づくほどすごいとか……?」

澪「いや、ないない」

和「ビタミンAは疲れ目の予防になったり、全身の粘膜を保つ働きがあるわ」

唯「ビタミンは大切だね!」

梓「葉酸にはどんな効果が?」

和「葉酸は他の栄養素の働きの補助するの。だから妊婦のお母さんたちが葉酸のサプリメントを摂取したりすることもあるわ。赤血球の生産に必要なビタミンでもあるのよ」


16 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:22:28 WhkGi5Tg0
澪「たった1つの果物でも、ここまで説明を聞いたらすごい食べ物に見えるな……」

和「栄養から考えると、料理は奥が深いのかもしれないわね」

唯「料理かぁ……」

律「唯は憂ちゃんが全部やってくれるからいいよなー」

唯「うん、栄養バランスとかも考えてるそうだよ」

紬「唯ちゃんも憂ちゃんと一緒に料理やってみたらどうかしら?」

唯「もちろん、手伝ったりもするよ!」

梓「何をですか?」

唯「テーブル拭いたりとか、お皿運んだりとか……」

澪「それ料理関係ないだろ……」


17 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:23:56 WhkGi5Tg0
和「残りは……バナナとパイナップルね」

唯「じゃあ、先にバナナをお願いします!」

律「何か理由でもあるのか?」

唯「だってほら、あずにゃんが聞きたそうにしてるから」

梓「えっ!?」ビクッ

律「おっ、そうなのか。じゃあ、バナナで」

梓「そ、そんな顔してましたか?」

唯「うん」

和「じゃあ、バナナね。バナナはたくさんの糖質が含まれているわ」

澪「と、糖質……」

和「そう。まず消化の早いブドウ糖、果糖がエネルギーに変わって、遅れてショ糖がエネルギーに変わるの。この時間差があるから、マラソン選手なんかはバナナをよく食べるそうよ」

澪「それは聞いたことあるかも。和みたいにそこまで詳しくは知らなかったけど」

和「すぐにエネルギーに変わるのが魅力ね」


18 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:27:00 WhkGi5Tg0
紬「マラソン大会の時はバナナをお菓子にした方がよかったのかな……」

唯「なるほど、あずにゃんがバナナを好きなのはすぐにエネルギーに変わるからなんだ!」

梓「どういう意味ですか?」

唯「私たちを怒る時のためにエネルギーを溜めてるんだね!」

梓「違いますよ! 私はただ、バナナが好きなだけですっ!」

唯「ほら怒った〜」

梓「もう……」

和「他にはカリウムね。バナナは果物の中では特にカリウムを多く含んでいるわ。カリウムには血圧を下げる効果があるの。あと、ビタミンB6も重要で、これはたんぱく質の代謝を助けてくれるそうよ」

澪「なるほど……」

梓「ビタミンって本当に種類多いですね」


19 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:28:24 WhkGi5Tg0
和「最後は……」

紬「パイナップルね」

律「パイナップルといえば!」

唯「沖縄!」

梓「まぁ、南国のフルーツですよね」

澪「というより、さっきから南国のフルーツ続きだな」

紬「あっ、ほんとだ!」

唯「澪ちゃんすごーい!」

澪「いや、ほめることでもないだろ……」

和「じゃあ最後はパイナップルの説明ね」

唯「よーし!」

和「パイナップルは代謝を促してくれるビタミンB1が含まれているの。ビタミンCやB2、クエン酸も含まれていて、夏バテにも効果があるわ。糖分も多いから休憩している時に食べるのに合ってるかもしれないわね」


20 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:30:48 WhkGi5Tg0
唯「じゃあ、やっぱりお茶の時間は大切なんだね〜」

梓「私たちは休憩が多すぎるんですよ」

唯「だって、お菓子食べないと力が出ないんだもん」

和「肉を柔らかくしたり、消化を助けたりしてくれるたんぱく質分解酵素のブロメリンも含まれているわ。食物繊維も含まれているから、便秘の改善にもなるし、低カロリーだからダイエットにも良いフルーツね」

和「……とまぁ、このくらいかしら」

唯「すごいよ、和ちゃん!」

紬「どこで覚えたの?」

和「料理の本やインターネットで見たことがあるの」

律「おー……さすが和」

梓「勉強になりました。ありがとうございます!」

和「どういたしまして」


21 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:32:11 WhkGi5Tg0
澪「優しいママになりそうだな……」

和「ママ?」

澪「お、お母さんっ!」

唯「ケーキどれにしようかな〜」

梓「私はバナナケーキで」

唯「私もバナナ食べて元気になりたいよ!」

律「私はパイナップルケーキにしよっと」

唯「私もバテたくないからパイナップルケーキほしいよ〜!」

澪「私はイチゴケーキにしようかな……」

唯「ケーキの王道を……!」

紬「じゃあ、私はマンゴーケーキ♪」

唯「あぁ……マンゴーケーキも珍しいから食べたい……」

律「どれか一つにしろよ……」

唯「だって、和ちゃんの話を聞いた後だから全部食べたいよ〜……」


22 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 00:36:16 WhkGi5Tg0
梓「お腹こわしちゃいますよ?」

澪「まぁ、気持ちはわかるけど……」

紬「それほど、和ちゃんの話が魅力的だったってことね!」

和「え?」

律「和、ありがとう。結構、長話させちゃったな」

和「ううん、私も楽しかったわ」

梓「ありがとうございます!」

紬「和ちゃん、ありがとう!」

澪「和、ありがとう」

和「みんなもよかったら、栄養バランスを考えて食事したりしてみてね」

唯「ありがとう、和ちゃん。またこういう話聞かせてね!」

和「機会があればまた今度ね。それじゃあ、私はリンゴケーキを……」

唯「あぁっ! 私も授業で疲れてるからリンゴケーキ食べたいよ〜!」

和「じゃあ、私のケーキと半分こしよ。それでいい?」

唯「やった〜!」


〜完〜


23 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/21(水) 08:32:23 WhkGi5Tg0
>>22 すいません肝心の最後のレスが途中で切れてたので修正します


梓「お腹こわしちゃいますよ?」

澪「まぁ、気持ちはわかるけど……」

紬「それほど和ちゃんの話が魅力的だったってことね!」

和「え?」

律「和、ありがとう。結構、長話させちゃったな」

和「ううん、私も楽しかったわ」

梓「ありがとうございます!」

紬「和ちゃん、ありがとう!」

澪「和、ありがとう」

和「みんなもよかったら、栄養バランスを考えて食事したりしてみてね」

唯「ありがとう、和ちゃん。またこういう話聞かせてね!」

和「機会があればまた今度ね。それじゃあ、私はリンゴケーキを……」

唯「あぁっ! 私も授業で疲れてるからリンゴケーキ食べたいよ〜!」

和「じゃあ、私のケーキと半分こしよ。それでいい?」

唯「やった〜!」

紬「よかったね、唯ちゃん」

澪「やれやれ……」

律「和は唯には甘いなー」

梓「そうですよ」

和「まぁ、唯とは幼馴染だからね」

唯「おいしい〜♪」


〜完〜


24 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/22(木) 00:09:55 ebblB9B20
周りが盛り上がる中、淡々と効能説明する和ちゃんのスルースキルがいい。
作者の意図とは違うかもしれんが、そこらへんで笑えるし、唯には和だと改めて認識させられた。


25 : ◆dWVtcnK36s :2013/08/24(土) 15:58:01 CCPurYxc0
澪「私の言葉」


26 : ◆dWVtcnK36s :2013/08/24(土) 15:59:04 CCPurYxc0
澪「ねえ、律」

律「ん?」

澪「あれ、見て」

律「……鳥、だな」

澪「うん」

律「……」

澪「……あの生き物を一番最初に"とり"って呼んだのは誰なんだろうな」

律「は、はあ」

澪「誰かいるはずなんだよ。最初にあれをそう呼んだ一人がさ。鳥だけじゃない、他の名前だってそうだ」

律「ほ、ほう。例えば?」

澪「例えなんて……いくらでもあるよ。この世で名前が付けられているものすべて、人間がそうするまえからついていた名前なんてひとつもない。どんな言葉も、最初にそれを使った人がいるんだ」

律「……澪しゃん澪しゃん」

澪「なに?」

律「話がみえましぇん」


27 : ◆dWVtcnK36s :2013/08/24(土) 16:00:10 CCPurYxc0
澪「えーっと……じゃあそうだな」

律「うん」

澪「例えばだけど、"無意識"って言葉があるだろ」

律「うんうん」

澪「その言葉を最初に使ったのは、夏目漱石なんだ」

律「へえ。ちょっとした豆知識だな」

澪「夏目漱石が使うまで、この世に"無意識"っていう概念はあってもそれを指す言葉はなかった撿撿鳥も同じなんだよ。時代がずっと古くて、誰が名づけたのかが分かりようがないっていうだけで」

律「縄文時代よりずっと前の大昔から鳥はいたけど、それが最初に"とり"って呼ばれた瞬間はハッキリ存在する、ってこと?」

澪「そういうこと」

律「あー……なんか、そう言われるとちょっとロマン?みたいなもの感じなくもないかも」

澪「まあな。途方もないくらい昔の事を、変わらず私たちが共有している、それはすごいことなのかも」

律「なんか、夜中に宇宙のこと考えてるときと似たような気分になってきた……」

澪「ああ、自分がいかにちっぽけかなんとなく分かった気がして一瞬だけ怖くなるよな……って、話がそれた。そうじゃなくてだな」

律「うん?ロマンチストの澪しゃんらしくありませんわね」


28 : ◆dWVtcnK36s :2013/08/24(土) 16:01:29 CCPurYxc0
澪「私たちの言葉って、そうやって先人たちから受け継いできたものなんだよ」

律「ほう」

澪「自分じゃない誰かのものを借りて使ってるんだ、私たちは」

律「そういうことになるのかな」

澪「最初は、律と観たザ・フーのライブに憧れて……"あんな風になりたいな"って、そう思って音楽を始めたんだったよな」

律「そうだな。まあ、うちらはザ・フーとはぜんぜん違うバンドになったけど」

澪「でもやっていくうちに……どうしても欲しくなったんだ」

律「なにが?」

澪「オリジナリティだよ。憧れのバンドの真似ばっかりじゃなくって、自分たちにしかできない音楽をやりたくなったんだ」

律「ザ・フーだけじゃなくても……好きなバンドの真似なんて、澪はしてないだろ?」

澪「結果的に表面上は似てなくっても、どこかで私は自分の憧れ……誰かの後を追ってるんだよ。そこから抜け出したくなったんだ、私は」

律「……つっても私は、今の澪が書く歌詞はじゅうぶん個性的だと思うけどな。ふわふわ時間も五月雨20ラブも、澪にしか書けない歌詞だと思うよ」

澪「私もそう思ってたよ。私なりに、私らしい歌詞が書けたと今までは思ってた」

律「……それがなんで?」


29 : ◆dWVtcnK36s :2013/08/24(土) 16:02:53 CCPurYxc0
澪「言ったろ。私たちは自分じゃない誰かが作った言葉を借りて使ってる、って」

律「……」

澪「歌詞だって言葉なんだよ。私は自分にしか書けないものを書いているつもりで……実は借り物をつぎはぎに並べていただけなんだ……」

律「そ、そんなこと言ったら、オリジナルの歌詞なんて書けっこないじゃないか……!」

澪「そう……なのかもしれない」

律「それが、"歌詞は明日までにぜんぶ書いてくる"って言ったくせに一行も書けてないことの言い訳か?」

澪「言い訳してるつもりはないよ……昨日の晩、歌詞を書こうとしたらいつの間にかこういうこと考えに行き着いて」

律「じゃあ新曲の歌詞どうするんだよ……なまじ澪の言ってることも分からんでもないから"いいから書け"とかは言いにくいけど。みんな待ってんだぞ?」

澪「うん。本当に自分だけのオリジナルで書くのは無理なのかもしれない……でも」

律「でも?」

澪「私、諦めたくない。妥協もしたくないけど、じゃあ書かないなんて……絶対に嫌だ」

律「……」


30 : ◆dWVtcnK36s :2013/08/24(土) 16:04:34 CCPurYxc0
澪「ごめん。約束したのに書けてないのは、本当に悪いと思ってる」

律「……いいよ。最悪、ライブ当日でもいい。字ハモ歌う唯には悪いけどその場で覚えてもらってさ」

澪「え、でもそれじゃみんなから歌詞にアドバイスとか……」

律「だあ、急に弱気になるなよ。それはまあさ、今回はいいんじゃない?」

澪「そんな!や、やっぱり最悪でもライブの2日前には仕上げて……!」

律「いいんだって。そんだけ悩んでんのを乗り越えて書かれた歌詞なら、私たち誰も文句なんて言わないよ」

澪「律……」

律「こっちこそ、急かして澪のこと追い込んじゃったのかもな。ごめん」

澪「そんなこと……」

律「じゃあ頼むぜ、澪。今は……それだけしか言えないけどさ」

澪「うん。ありがとう、律。待っててくれ撿撿書き上げてみせるよ。必ず」

律「撿撿おう」







おしまい


31 : ◆dWVtcnK36s :2013/08/24(土) 16:06:06 CCPurYxc0
知識っぽいのは最初だけでした
ただ言語哲学がこのおはなしのベースではあるのかもしれません
書き手の方々も文字や言葉には色々思うところあるのではと思います

読了感謝

あ、文字化けしちゃったところいくつかありますがそこはいずれも全角ダッシュ×2です

それでは


32 : ◆HZgEJIzDeQ :2013/08/24(土) 19:35:16 dvxPUmXs0

唯「こんなに君はあったかいんだね」


33 : ◆HZgEJIzDeQ :2013/08/24(土) 19:36:01 dvxPUmXs0

唯「んっ……」

和「んんっ……」

唯(和ちゃんとのチュー……、これでもう何回目かな?)

唯(両手両足の指の数じゃ全然足りないよね?)

唯(和ちゃんと恋人になったのが三ヶ月前で、チューするようになったのが二ヶ月前で)

唯(それから毎日二回はチューしてたから……)

唯(うん、百回以上チューしてるんだね、私達)

唯(はあー、でも何回しても幸せだよ、和ちゃんとのチュー)

唯(何度でも何時間でもしてたいくらいだもん)

唯(チューだけで私、すっごく幸せなんだけどなあ……)

和「ねえ、唯」

唯「な、何っ?」

和「ちゃんとキスに集中して」

和「キスを単なる日常の習慣にするなんて感心しないわね」

和「確かに欧米ではキスを挨拶にする国も多いし、それは大切な文化だと思うわ」

和「でもね、私はキスという行為をそういう風に扱いたくないのよ」

和「いつまでも大切な人との特別な行為にしておきたいの」

和「それは唯も同じでしょ?」

唯「う……、うんっ!」

唯(考え事してたのばれちゃった……)

唯(でも、今は色々考えたい時なんだよう、和ちゃん……)

唯(今日、お父さん達は旅行に行ってるし、憂はあずにゃんのお家にお泊まりに行ってる)

唯(だから今日は一日中和ちゃんと二人っきり)

唯(この前、二人で決めたんだもんね)

唯(今度どっちかの家で二人っきりになれる日があったら)

唯(……)

唯(エッ……、エッチしようって)

唯(ううー……、思い出しただけで顔が熱くなってきちゃったよ……)

唯(そりゃ私だって和ちゃんと一緒に居たいし、いつかはエッチしたかったけど……)

唯(いざとなるとすっごく緊張するよう……)

和「どうしたのよ、唯? 体調でも悪いの?」

唯「だ、だいじょぶ!」

和「そう? 気分が悪くなったらいつでも言うのよ?」

唯「う、うんっ」

唯(もー……、和ちゃんったら……)

唯(どうして和ちゃんったらそんな平気な顔をしてるの?)

唯(私なんて胸がドキドキし過ぎて息するのも苦しいのになあ……)

唯(ひょっとして私以外とエッチした事あるとか?)

唯(まさか澪ちゃんとエッチしたとか?)

唯(二年生の頃、すっごく仲良くなってたみたいだし……)

唯(な、なんてね……。そんな事ないよね……?)

唯「はあ……」

和「ちょっと……、本当に平気なの、唯?」

唯「ほ、本当にだいじょぶだって和ちゃん!」

唯「元気な証拠見せちゃうよー!」

唯「ほら、和ちゃんチュー……」

和「……ん」

唯(ああ……、やっぱり和ちゃんのチューって気持ちいいよう……)

唯(私の口の中の気持ちいいところが全部分かってるみたい……)

唯(……はっ!)

唯(もしかして誰か他の子とチューしてたとか?)

唯(って駄目だよう、和ちゃんを疑っちゃ)

唯(きっと和ちゃんは人よりチューが得意なだけなんだよね?)

唯(さくらんぼの房を口の中で結ぶの、前に見せてくれたし……)

唯(と、とにかく今はチューに集中しなくちゃ……!)

唯(この後、本当にエッチするかどうかは分かんないけど……)

唯(和ちゃんとのチューを特別なままにしたいのは私だって同じだもん……!)


34 : ◆HZgEJIzDeQ :2013/08/24(土) 19:36:36 dvxPUmXs0







和「はあ……」

唯「ふう……」

和「お疲れ様、唯。唯のキス、前よりずっと上手くなってたわよ」

唯「そ、そう? だったら嬉しいなー」

唯(チューを褒めてくれるのは嬉しいんだけど……)

唯(うー……、和ちゃんとのチューが終わっちゃったよ……)

唯(ほ……、本当に今からエッチしちゃうのかな?)

和「それじゃ唯」

唯「ひゃ……、ひゃいっ!」

和「声が裏返ってるわよ、唯。そんなにこれからの事に緊張してるの?」

唯「そそそ、そんな事ないよー?」

和「声も顔も緊張しっぱなしじゃないの……」

唯「だだ、だってエッチだよ? チューより凄い事しちゃうんだよ?」

唯「約束は約束だけどね、どうしても胸がドキドキしちゃうんだよう……」

唯「ずっと一緒に居てくれた和ちゃんとエッチするなんて……」

和「唯、ちょっと待って」

唯「なな、何っ?」

和「私達がこれからするのはエッチじゃないわ」

唯「ど、どういう事……?」

和「セックスよ」

和「私達はこれからセックスをするの」

唯「セセ……セックスって和ちゃん……」

唯「そんな風に言われちゃうと余計に緊張しちゃうよう……」

和「それはごめんなさい、唯」

和「でもね、私、そこははっきりさせておきたいのよ」

和「世間ではエッチって軽い言葉で、自分のする行為の重大さを誤魔化してる気がするの」

和「誰もがしている単純で簡単な事なんだって」

和「さっきも言ったけど、私はキスを日常の習慣にしたくないの」

和「それはセックスも同じ」

和「単に好奇心で試すわけじゃないわ」

和「溢れ出す性欲が止められないわけでもない」

和「私は全力で唯に想いを伝えたいの」

和「指で、肌で、舌で、全身で」

和「特別な想いを特別な行為で特別な存在の唯に伝えたい」

和「それが今日のセックスに対する私の正直な気持ちよ」

和「唯は違うの?」

唯「ち、違わない……と思う……」

唯「私もね、和ちゃん。大好きだって気持ちを和ちゃんにもっと伝えたいんだよ?」

唯「エッ……セックスで和ちゃんと恋人になれた嬉しさを伝えたいよ」

唯「大好き、大大好きって伝えたい」

唯「でもね……、やっぱりドキドキしちゃうんだよう……」


35 : ◆HZgEJIzDeQ :2013/08/24(土) 19:37:01 dvxPUmXs0

和「初めてのセックスなんだものね、唯が緊張する気持ちは分かるわよ」

和「だけど唯がそんなにセックスに緊張するタイプだとは思ってなかったわ」

唯「どっ、どうして? 初めてなんだよ?」

唯「ドキドキしちゃうに決まってるよう……」

唯「だって和ちゃんの前で裸になっちゃうんだよ?」

和「裸なんて小さな頃からお互いに見慣れてるじゃないの」

唯「そうだけど違うんだよう、和ちゃん……」

和「何が違うの?」

唯「友達で幼馴染みの和ちゃんの前だから、裸を見られても平気だったんだよ?」

唯「でも今の和ちゃんは私の恋人で……」

唯「前よりずっとずっと特別な存在の和ちゃんだから……」

唯「裸を見られちゃうのがすっごく恥ずかしいんだよう……!」

和「気持ちは分からなくもないけれど、私は逆なのよ、唯」

唯「逆……?」

和「私はやっと唯と恋人になれた。恋人になれたからこそ唯の裸を見たいの」

和「それと同時に私の裸を見てほしい気持ちもあるわ」

和「それは唯の事が大好きだから。愛しくてたまらないから」

和「だから唯と全てを見せ合いたいの」

和「ねえ、唯の裸、見せてくれる……?」

唯「和ちゃんがそう言ってくれるのは嬉しいけど、でもでもでも……!」

和「でも?」

唯「私、セックスのやり方も分からないんだもん……!」

唯「りっちゃんからそういう女の子同士の本借りたりしたけど……」

唯「セックスのシーンになったら和ちゃんの顔を思い出しちゃって」

唯「ドキドキしてそれ以上読めなかったんだよう……」

和「女の子同士の本、律から借りたの?」

唯「りっちゃん、私達が付き合ってるの知ってるから友達から借りてきてくれたんだよね……」

唯「でも私恥ずかしくて全然読めなくて……、貸してくれたのにごめんよう、りっちゃん……!」

和「そうなのね……」

和「だけどそれなら尚更ちゃんとセックスしないと律に失礼じゃないかしら?」

和「律は私達のために女の子同士の本を借りてくれたんだもの」

和「そんな律のためにも私達はちゃんと想いを伝え合わなきゃ」

和「勿論分からない事は私が教えてあげるわ、唯」

唯「女の子同士のやり方、和ちゃんには分かるの……?」

和「唯よりはね」

唯「や、やっぱり何か道具しか使うの……?」

和「道具……?」

唯「何か揺れるのとか長いのとか野菜とか……」

和「何を言ってるの」

唯「バッサリだっ?」


36 : ◆HZgEJIzDeQ :2013/08/24(土) 19:37:32 dvxPUmXs0

和「でも分かったわ、唯。中途半端な知識を持ってるから怖いところもあったのね」

和「心配しなくていいわよ、道具も野菜も使わないもの」

唯「そ……、そうなの?」

和「女の子同士のセックスはね、指でするのよ」

唯「指……なの……?」

和「本だと視覚的効果のために道具を使いがちかもしれないわね」

和「だけど本当に道具を使う女の子同士のセックスは少ないの」

和「バイブレーターを使ったり、キュウリを使ったり、ナスを使ったり」

和「バナナを使ったり、ニンジンを使ったり、ダイコンを使ったりなんてしないのよ」

唯「ダ……、ダイコンは誰も使わないと思うけど……」

和「……ごめんなさい、ダイコンは誇張し過ぎだったわ。ダイコンの事は忘れて」

和「でもね、道具が必要ないのは本当なのよ」

和「思い出して、唯。私達がどうしてセックスするのか」

唯「大好きって気持ちを身体で伝え合うため……だよね?」

和「そうよ。ほら、それなら道具なんて必要ないでしょう?」

和「私達は自分達の身体で、全身で気持ちを伝え合うんだもの」

和「それには指と肌があれば十分よね?」

唯「そう……だね」

和「納得出来た?」

唯「あ、でもやっぱり……」

和「次は何? もう何でも付き合うわ」

唯「今日はセックスの練習だけっていうのはどうかな……」

唯「上手く出来るか不安だし、本番のために少しずつって事で……」

和「練習ってどんな事をするのよ」

唯「今日はおっぱいだけ触り合うとか……」

和「駄目よ」

唯「二度目のバッサリっ?」

和「じゃあ聞くけど唯。唯は自分の胸を触るとどんな感じがするの?」

唯「えーと……、くすぐったい?」

和「そうね。私もそうだし、大体の女の子はそうでしょうね」

唯「それじゃ駄目?」

和「駄目に決まってるでしょ、そんなの練習でも何でもないもの」

和「さっきの本の話じゃないけれど、俄か知識に踊らされては駄目よ」

和「女の子が胸で快感を得るなんて、フィクションだって唯も分かってるでしょう?」

和「あれも単なる視覚的効果だものね」

和「胸を触られても実際には単にくすぐったいだけ」

和「気持ち良くないわけではないけれど、セックスの感覚とはまた別物よ」

唯「ううう……」

和「他に何か提案があれば聞くわよ」

唯「あ……ありませんです……」

和「それはよかったわ」

唯「だけど本当にいいの、和ちゃん?」

和「どういう事?」

唯「私、分かるんだ。きっと上手に和ちゃんとセックス出来ないって」

唯「多分、ううん、絶対途中で変な失敗をしちゃうと思う」

唯「それでも……いいの?」

和「いいわよ、唯」

和「初めてなんだもの、失敗くらいあるわ」

和「失敗してもいいのよ」

和「いいえ、失敗してほしいわ。失敗したら私が正してあげる」

和「そうしながら二人で成長しましょう」

唯「和ちゃん……」

和「唯……」

唯「あ、えっと……」

和「どうしたの?」

唯「服はどうしよう……?」

唯「自分で脱ぐ? それとも……」

和「唯はどうしたいの?」

唯「きょ、今日は自分で脱ぎたいかも……」

和「そうね……。相手の服を脱がせるのは難しいものね」

和「今日は自分で脱ぐ事にしましょう」

和「脱がせ合うのはまた今度……ね」

唯「う、うん」

和「それじゃあ脱ぎましょう、唯」

唯「ら、らじゃー……!」


37 : ◆HZgEJIzDeQ :2013/08/24(土) 19:38:08 dvxPUmXs0

唯(ううう、服を脱いだらとうとう和ちゃんとのセックスが始まっちゃうんだ……)

唯(上手く出来ないと思うけど頑張らなきゃ……!)

唯(汗掻いちゃって服が脱ぎにくいなあ……って)

唯「ちょっと和ちゃん!」

和「どうしたのよ」

唯「頭が引っ掛かってる引っ掛かってる!」

唯「ボタン外さずにその服が脱げるはずないってば!」

和「そ、そうかしら……?」

和「でもこうすれば隙間から服が脱げるはずなのよね……」

唯「無理だよう!」

唯「破れる! 服が破れちゃうって!」

唯「ちゃんとボタン外さなきゃ……!」

和「わ、分かったわよ……」

和「ちょっと待っててくれるかしら?」

唯(勿論待つけど、でも和ちゃん……)

唯(見えてないせいか全然シャツのボタンが外せてないよ……)

唯(ううん、違うや)

唯(指先が震えてるんだね、和ちゃん……)

唯「手伝うよ、和ちゃん」

和「ひ、一人で出来るから大丈夫よ、唯……」

唯「ううん、手伝わせて、和ちゃん」

唯「この後いっぱい迷惑掛けちゃうと思うから、今くらいは手伝わせて」

和「……」

和「ありがとう……」

唯「どういたしましてー」

唯(なーんだ……)

唯(和ちゃんも私と同じに緊張してたんだ)

唯(こんなに指が震えるくらい緊張してるのを誤魔化すために)

唯(セックスの色んな勉強をしてきてくれてたんだ……)

唯(初めてのセックスにドキドキしてる私を不安にさせないために……)

唯(嬉しいな……)

唯(すっごく嬉しい……!)

唯「はい、全部ボタン外れたよ、和ちゃん」

和「迷惑掛けちゃったわね……」

唯「いいっていいって。お互い様、だよね?」

和「そうね……、お互い様よね……、でもありがとう、唯」

唯「えへへ。あ、お礼ついでに、裸になる前に和ちゃんに一つお願いしていい?」

和「お願い?」

唯「もう一度だけ和ちゃんと思いっきりチューしたいな」

唯「今度こそ余計な事を考えずに、一番ドキドキするチューを和ちゃんとしたくなったんだ」

唯「いいかな?」

和「勿論よ。私も最初のセックスの前に最高のキスを唯としたかったの」

唯「やったあ!」

唯「それじゃあ一番のチューを、んっ……」

和「んんっ……」

唯(分かるし感じるよ、和ちゃん)

唯(和ちゃんがまだドキドキしてるのと)

唯(私の事を本当に想ってくれてる優しさとあったかあったかな気持ち)

唯(私達、今日だけじゃなくて、これからも色んな失敗をしちゃうかもしれないけど……)

唯(素敵なセックスをして、大大好きな気持ちを伝え合おうね……!)


38 : ◆HZgEJIzDeQ :2013/08/24(土) 19:38:35 dvxPUmXs0


おしまい


39 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:20:38 byYVG56I0


 ‐外‐


純「見てよ、この満天の星空!
 これを絶景といわずして、なにを言うのかって感じ!」

梓「来たばっかなのに、テンション上げすぎ……」

純「だって今夜は流星群観測だよ? 
 そりゃもう、テンション上げるしかないっしょ!」

憂「そうだよ梓ちゃん、私たちはそのためにここにいるんだから!」

梓「……私、無理矢理ここへ引っ張り出された覚えがあるんだけど」

純「星空を見れば、すぐにそんなことは忘れてしまうよ」

梓「現に忘れずにいるんだけど」


40 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:21:09 byYVG56I0


  *  *  *


梓(自転車を数十分走らせて来た、この開けた場所)

梓(周りに空を遮るものはなくて……。
 空を見上げれば、瞬く星だけが目に飛び込んでくる)

梓「……まあ、悪くはないかな」

憂「どうしたの梓ちゃん?」

梓「なんでもない」

純「シートも敷いたし……準備完了だね」

純「ささ、二人とも寝た寝た」

憂「うん!」

梓「うん」


41 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:21:44 byYVG56I0


  *  *  *


憂「夜とはいえ、やっぱり夏は暑いねー……」

純「これが巷で噂の地球温暖化!」

梓「日本の夏はなにが悪いって、湿度が高いことだよね。
 もっと気温の高い国はあるけれど、過ごしにくさは湿度が大きく関係しているだろうし」

憂「そういえば海外に行った友達が、
 日本より気温の高い国へ行ったけど、日本ほど暑くなかったって言ってたよ」

純「うう……湿度めぇ……!」

憂「純ちゃんは二重の意味で湿度が恨めしいんだね」

純「全く、気象もレディーの髪に配慮して欲しいものだよ」

梓「ふふっ」

純「あ、他人事だと思ってるでしょ!」

梓「実際そうだもん」

純「むかつくー!」

純「憂〜、なんでもいいから助けてよ〜」

憂「えっと、どうすればいいの?」

純「手っ取り早く日本中を乾燥させる機械作って!」

梓「憂に無理難題を押し付けないの」

純「じゃあじゃあ、一緒に暮らして! 毎朝、髪をセットして!」

梓「おい」

憂「純ちゃんと同棲も楽しそうだけどね〜」


42 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:22:18 byYVG56I0


  *  *  *


梓「純、時間は?」

純「んーと……もうちょっとかなー……」

憂「二人は流れ星に、なにをお願いするの?」

純「日本中の湿度が滅されますように」

梓「それはもういいよ」

梓「私は、今年のライブが成功しますようにって」

純「ほうほう。じゃあ、梓部長の歌も上手くなりますように、ともお願いしないと」

梓「余計なお世話だ!」

憂「大丈夫、私たちも精一杯演奏するから。梓ちゃんは歌の練習も頑張って!」

梓「……うん、ありがとう」

純「この差は一体」


43 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:22:53 byYVG56I0


  *  *  *


純「あっ、あれってさそり座?」

憂「本当だ!」

梓「どれどれ?」

憂「ほら、あの赤く光る星があるでしょ?
 あれがさそり座の心臓部、アンタレスだよ」

純「アンタレス?」

憂「あの星の名前なんだ」

純「ほええ、カッコいい!」

梓「あっ、見つけた」

憂「夏はね、湿度のせいで空気の透明度が低くなっちゃうんだ。
 でもこういう住宅地から離れた、高い場所からは綺麗な星空が見えるんだよ〜」

純「また湿度か……。こうなったら、本当に日本中を乾燥させる機械を……」

梓「それこそ流れ星に祈らないと叶わないんじゃない」

憂「さそり座のアンタレスがあそこにあるってことは、
 あそこから左に視線をずらしていくと……」

憂「あった! いて座だよ!」

純「ちょっと待って」

梓「どうしたの?」

純「こんなこともあろうかと、星空早見表を持ってきてたんだよねー」

純「……おっ、見つけた見つけた」

梓「わ、私にも見せて!」

純「一回百円ね」

梓「おい悪魔」


44 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:23:25 byYVG56I0


  *  *  *


梓「あれがいて座かー……」←無料で貸してもらった

憂「二人は北斗七星って知ってる?」

梓「うん。ひしゃくの形に並んだ星でしょ」

純「春が見やすいんだっけ」

憂「じゃあ、南斗六星は知ってる?」

純「えっ、そんなのあるの!?」

憂「いて座の右上から左下の途中にかけて、六つの星を繋いでみて」

梓「……あっ、ひしゃくの形だ」

憂「それが南斗六星なんだよ〜」

純「凄い凄い! 大発見だよ、憂!」

梓「いや大発見ではないでしょ……。私たちにとっては新発見だったけれどね」

憂「じゃあね、南斗六星はいて座だけれど、北斗七星は何座の星か知ってる?」

純「私、アレ自体が星座だと思ってた……」

梓「流石に純ほどではないけど、正確に何座かは忘れちゃった。
 記憶が曖昧だけど……、おおぐま座だっけ?」

憂「梓ちゃん、正解!」

梓「あれ、当たってたんだ」

純「知らないフリして知ってるとか、梓あざといわー」

梓「今すぐこの場で星にしてほしいの、純?」


45 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:23:59 byYVG56I0


  *  *  *


梓「夏の星空といえば、夏の大三角形。
 織姫星と彦星も、これに含まれてるんだよね」

純「じゃあ初めに大三角形を見つけた人が勝ちね」

梓「また突飛な……。まあ私も見つけたいから、丁度いいけど」

純「よし、準備はいい?」

梓「うん」

純「よーいスタート!」

憂「見つけた!」

純・梓「早っ!?」

憂「……なんちゃって。
 本当は、純ちゃんがスタートをかける前に見つけてたんだよね」

純「フライングだ! 憂選手、失格!」

憂「えへへ」

梓「それで、どれなの?」

憂「まずはこと座のベガを見つけて。東の空で、白くて明るい星がそれだよ」

純「あった!」

憂「今度はベガから右下に視線をずらしていって……。
 近い間隔で、三つ並んだ星が見えてこないかな。その真ん中がわし座のアルタイルだよ」

梓「あれかな?」

憂「今度はその北東側、さっき見つけた二つの星と
 三角形を作っている星さえ見つけることが出来れば……」

純・梓「大三角形が完成した!」

憂「良かった〜。最後に見つけたのは、はくちょう座のデネブだよ!」


46 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:24:28 byYVG56I0


  *  *  *


純「ベガが織姫星、アルタイルが彦星なんだね」

憂「二人は一年に一度だけ、天の川を渡って会うことが許されてるんだよ。
 実際にベガとアルタイルの間には、天の川が流れているんだ」

梓「そういえば七夕の話って色々あるよね」

憂「お話によっては、本来一年に一回だけじゃなかったものもあるね」

純「えっ、どゆこと?」

憂「本当は “七日に一回会っていいよ”ってことだったんだけど、
 伝達役のカラスが“七月七日だけ会っていいよ”って、間違えて伝えたお話とか」

純「えー!? なにそれ可哀想すぎー!」

梓「だったら最初から一年に一回の方が、救いようがあるかもしれないね」

憂「私だったら七日に一回だけでも、堪えられないけどね……」

純「安心しなって。憂にはいつも私がついてるよ」

憂「純ちゃん……」

純「憂……」

憂「大好きー!」

純「へへっ、私も憂が大好きだよー!」

梓「ただでさえ暑いのに、もう暑苦しいのは勘弁してよ……」

憂「ううん! 梓ちゃんも大好きだからね!」

梓(……どんな星より輝いてるなあ、憂の笑顔)

純「あ、私も梓のこと好きだから安心しなって」

梓(こいつの笑顔はどこかイラッとするけど)


47 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:25:00 byYVG56I0


  *  *  *


梓「二人はさ、卒業したらなにをしたい?」

純「どうしたのいきなり?」

梓「一緒にいるってことを意識すると、
 今度は離れた時のことを考えだしちゃってさ」

純「なるほどねー……。私は海外に行ってみたいな」

憂「海外?」

純「うん。それで色んな国の文化を勉強して、体験してさ……」

純「最終的に一番生活が楽な国に移住する」

梓「えっ」

純「冗談だって。でも、海外の人がどんな生活をしているのか、すっごい気になるんだ」

梓「それは確かに……。憂は?」

憂「私は看護師になってみたいな。弱った人たちの力になりたいの」

憂「そんな人たちが笑顔になってくれたなら、それだけで毎日が充実すると思うんだ」

梓「とっても立派な夢だと思うよ、憂」

憂「えへへ。梓ちゃんは?」

梓「私は、どうなんだろう。
 普通の大学に行って、普通の企業に就職して……」

梓「……うん、幸せな生活をしてみたい」

梓「温かい家族と一緒に笑い合って、時にぶつかるけれど、
 最後は一つになれるような、安心感のある生活をしてみたい」


48 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:25:49 byYVG56I0

純「仕事に夢を持つんじゃなくて、生活に夢を持つんだ?」

梓「うん。駄目かな?」

純「どこが駄目なのさー。それが叶ったら十分すぎ、逆に羨ましいよ」

梓「……ありがと」

純「でもそっか。みんな、それぞれの夢があるんだ」

憂「なんか寂しいね〜……」

純「なに言ってんの。それが当然でしょ。
 先輩たちだって、今は一緒だけれど、どこかで別れる時が来るんだから……」

憂「うっ、うん……」

純「……憂、泣いてる?」

憂「うぇっ……?」

梓「……」

憂「……えっと、その、これは……」

純「あ、ああ、あれかー……。目に水が溜まっちゃってるだけか!
 全く、日本の夏は湿度が高くて困っちゃうよね〜……」

憂「純ちゃん……?」

純「べ、別に私も泣いてないから……。これも湿度のせいだから……」

純「……」

憂「……」

梓「……二人とも、こっちに来て」


 「ぎゅうううう」


純「梓……」

憂「梓ちゃん……」

梓「……泣き止むまで、だからね」

純「あ、あんたが一番泣いてるじゃん……」

梓「うるさい……!」

梓「……私が泣き止むまでだから」

純「これまた勝手な部長だねー……」


49 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:26:18 byYVG56I0


  *  *  *


純「……」

憂「……」

梓「……」

純「結局、最後まで泣き止まなかったのは梓だったね」

憂「うん」

梓「ふ、不覚……!」

純「あと梓の抱擁はどこか物足りないということがわかったね」

梓「純は私になにを伝えたいの?」

純「今こそ星に願う時だ、梓!」

梓「余計なお世話だ!!」

憂「ふ、ふふ……!」

梓「憂まで笑わないでよ、もう……」

憂「ご、ごめんね。なんか可笑しくなっちゃって」

憂「そういえば、そうこうしている間にも、いくつか流れ星が流れたみたいだけど」

純「えっ、いつの間に!?」

梓「もう、純のせいなんだからね」

純「一番長く泣いてたやつに言われたくない!」

純「……ま、輝く星たちも私たちには敵わなかったってことだね」

梓「どゆこと?」

純「青春する私たちの方が輝いてるってことさ!」

梓「んなことドヤ顔で言われても……」

純「トゥナ〜イ、ウィア、スーパースター!」

憂「今夜は私たちがスーパースターなんだね!」

梓「なんじゃそりゃ」

純「どうも、ジュン・ギャラガーです」

梓「オアシスかっ!」


50 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:27:02 byYVG56I0


  *  *  *


梓(……はあ、今夜は私たちがスーパースターって。
 流れ星以上に輝いているって言いたいの?)

梓(……でも、それを心のどこかで認めている私もいるわけで)

梓(それは、この二人を心の底から信頼しているから……?)

梓(……)

梓(我ながら、どうしようもないなあ……)

憂「梓ちゃん?」

梓「……私たちが流れ星よりも輝く、スーパースターならさ。
 私たちの願い事を叶えるのも、私たちってことでいいんだよね?」

純「当然! ライブの成功だって、私たちの力で必ず叶えてみせるよ!」

梓「そっか……」

憂「私も頑張って叶えるから! 純ちゃんも梓ちゃんも、信じてるからね!」

梓「うん……」

梓(そんなこと、言われる前からわかっていた)

梓(だけど改めて確認した)

梓(……二人に私の願いを託すというのも、また悪くないんじゃないか)

憂「直ちゃんとスミーレちゃんも頑張ってくれてるから、きっと」

梓「その二人も信頼しているよ。
 だけどやっぱり、引っ張っていくのは私たち先輩じゃないと」

純「うんうん。でも私たち“わかば座”の一等星は梓なんだから、忘れないでね?」

梓「なに勝手に星座を作ってるの」


51 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:27:29 byYVG56I0

純「さっき見たさそり座だって、いて座だって、
 人が勝手に星と星を繋ぎ合わせて作ったものなんだよ」

純「だったらさ、私たちだって勝手に作ってもいいじゃん!」

梓「もう、自分勝手なんだから」

純「それに空に浮かぶ星よりは、私たちの方がずっと近くで繋がっていられるし」

純「例え私が海外に行ってても、憂が看護師になってても、
 梓が幸せな家庭を築いていてもね」

純「私たちを繋ぐ線は、星座のそれよりしっかりしていて、強くて、
 この目にだって見えるものなんだよ。きっと!」

梓「純……」

梓「……無理して暑さを和らげようとしなくていいんだからね」

純「どうせ寒いこと言ったですよーだ!!」

憂「私はそう言ってくれて嬉しかったよ、純ちゃんっ」

梓(……ああ。二人とも、とっても良い表情してる)

梓(それは、私も同じなのかな?)

梓(私も、軽音部を引っ張れるスーパースターになれているのかな?)

純「それにしても、憂には星座の知識もあるんだね」

憂「小さい頃、お姉ちゃんと一緒に図鑑を読んだことがあるんだ〜」

梓(……そうだとしたら、本当に良かった)

梓(先輩方。……私は、先輩方と同じステージに、
 やっと私たちを立たせることが出来たみたいです)

梓(先輩方に、追いつくことが出来たみたいです……)


52 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:28:00 byYVG56I0

梓「ふふっ」

憂「梓ちゃん?」

梓「ごめんごめん、なんでもないよ。さっきの純の発言がちょっとね」

純「思い出し笑いってわけ!?」

梓「でも嬉しかったのは、私も同じだから」

純「……そ、そっか」

梓・憂(照れてる照れてる)


53 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:28:41 byYVG56I0


  *  *  *


純「あーあ……、なんだか流星群を見に来た意味がなくなってきちゃった」

憂「どうして?」

純「自分の願いは自分たちが叶えるって、決心しちゃったからさー」

梓「いやいや、願い事が無くても変わらず綺麗なんだから、
 それだけで価値があるでしょ」

梓「ていうか、それが最大の目的だったんかい……」

純「そりゃそうなんだけど。決心したことも後悔してないし。
 でもさ、折角だし、なにか一つぐらい祈っておきたくない?」

憂「勿体無いから?」

梓「単純に純が卑しいからだと思う」

純「……あっ、そうだ。いいこと思いついた」

憂「なになに?」

梓「どうせロクでもないことなんでしょ」

純「いや、これは星に願わないといけないことだよ。
 梓も祈っておいた方がいいんじゃない?」



純「梓の歌が上手くなりますように、ってさ」

梓「その点は信頼ゼロなの!?」



 ‐ お し ま い ‐


54 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/24(土) 21:29:41 byYVG56I0
タイトルを忘れていました
タイトルは、
梓「Tonight We are Super Star!」
でお願いします。


55 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/25(日) 02:22:16 9zjD/7120
通して読んだけど、本作はどれも濃いというか、読み応えがある良作ばかりだ。


56 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/25(日) 03:05:40 ztuXz.V.0
知識を紹介する為下調べが多めになり、その分考察が深くなるからではムニャムニャ
違うこんな事書いている場合じゃないんだ


57 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:12:21 HdgNQhRs0
タイトル:
唯「唯2101?」


58 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:13:27 HdgNQhRs0
唯「って、私と名前が似てて運命を感じるけど。地味だなあー。
  おっ、それに比べて、こっちの投資商品は良さげだねー。三段階の収益構造だって。
  原資産+通貨選択+カバードコール戦略」

紬「!?」

梓「何か、危険そうです。私は手堅く、貯金します」

唯「堅実なあずにゃんらしいけど、今の金利じゃつまらないよ」

梓「そうでもないですよ。金利が高い預金もあります。この仕組み預金とか」

紬「!?」

律「……」

澪「……」

紬「あの、ちょっといいかしら。金融商品のお話なんだけどね」

唯「おっ、金融リテラシーの授業は嫌いだけど、
  お金持ちになれそうな話ならどんと来いです」

梓「それ、私の台詞ですってば」

紬「金融デリバティブの一つに、オプション、っていうものがあってね」

梓「いきなり危険そうな話ですね」

紬「リスク回避には役立つんだけどね。
  で、代表的なものに、コールとプットの二種類があるの。
  コールオプションが指定された価格で買う権利、
  プットオプションは指定された価格で売る権利なの。
  この場合、オプションの買い手はプレミアム料を支払う代わりに、権利を買う事ができる。
  売り手はプレミアム料を受け取れるんだけど、義務を負う事になる」

唯「そんな事言われても、よく分かんないよ」

紬「じゃあ、思いっきり単純化した具体例で考えてみようかしら。
  Nという銘柄を買うとします。
  これに対するオプションの限月が9月、権利行使価格13,625円、対象の現在値13,660円として。
  まずは、プットオプションからね。プレミアムを330円としましょう。
  この場合、オプションの買い手は330円を支払って、9月に13625円で売る権利を得るの。
  それでNが9月に12000円に下がっても、
  オプションの売り手に権利行使して、13625円で売れる。
  本来なら、13,660-12,000の1660円の損失になるところ、オプションを活用した事によって、
  13625-13660-330で、365円の損失に留める事ができるわ。
  ちなみにこの事は、Nの株価がどれだけ下落しようと変わらない」

梓「株価が上がった場合は損しますか?」


59 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:14:52 HdgNQhRs0

紬「いえ、買い手が持つのは権利よ。だから、株価が上がった場合、権利を行使しなければいい。
  値上がり益からオプション料である330円を引いた値が、利益となるの。
  さて、次はコールオプションよ」

唯「買う権利、だっけ?」

紬「ええ。今度は、その他の条件は同一で、プレミアムを370円としましょう。
  コールオプションの買い手は370円を支払って、9月に13,625円で買う権利を得るわ。
  さて、9月に株価が15000円に値上がりしたとする。
  この時、権利行使して売り手からN銘柄を13625円で買い、市場で売却すれば、
  15000-370-13625で、1,005円の利益ね」

梓「その式の370円って、売り手に支払うプレミアムですよね?
  コールオプションを買わなかった方が、利益は大きくなりますね」

紬「そうなんだけどね、現物で買って、値下がりした場合を考えてみましょうか。
  12,000円に値下がりしてしまった場合、12000-13660で、1660円の損失になるわ。
  一方で、コールオプションを駆使した場合、どれだけ値下がりしようとも、
  損失はプレミアムの370円に限定される。
  だって、さっきも言った通り、オプションの買い手は権利を得るに過ぎないんだから、
  自分にとって不利な状況では権利を行使する必要なんてないもの」

唯「ふーん。株価が下がった場合の対策になるね」

梓「唐突な話でビックリしましたけど、勉強になりました」

紬「いえ、まだ話は終わってないわ。ここからが重要。
  オプションの売り手の話よ。
  売り手はね、プレミアムを貰う代わりに、義務を負うの。
  買い手が権利行使した場合、必ず権利行使価格で履行しなければならない」

唯「買い手は権利で、売り手は義務、と」

紬「そう。だからプットオプションの場合、株価がどれだけ下がろうとも、
  決められた価格で買い手から買わないといけない。
  市場価格が1000円になったとしても、買い手から13625円で買わないといけない。
  市場で買えば、1000円であるにも関わらず、よ?」

梓「うわ……悲惨ですね」

紬「でも、プットオプションの売り方はまだいいわ。
  株価って、0円より下がる事はないんだから。
  権利行使価格-現在値+プレミアム で導き出される値が、損失の最大値になる」

唯「これで、まだいい方なの……。
  買い方の損失が365円にしかならないって考えると、相当悲惨なように思えるけど」

紬「それでもね、コールオプションの売り方に比べれば、まだマシなのよ。
  この場合、株価がどれだけ上がろうとも、
  決められた価格で買い方に売らないといけない。
  市場価格が30,000円になっても、13625円で売らないといけない。
  そして株価の最小値は0円なんだけど、理論上の最大値は無限よ。
  どこまででも、上昇しうる。
  つまりね、コールオプションの売り方は、損失の最大値は無制限って事になるの」

唯「無制限……」

梓「こ、怖いですね」

紬「お話はここまでよ」


60 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:15:38 HdgNQhRs0

唯「勉強になったよ。オプションの売りは手掛けないようにするね」

梓「買いはリスクヘッジになるみたいですけどね」

紬「分かってくれたのなら、何よりよ。
  話の途中で割り込んでごめんね」

唯「自分の選択に自信が持てたからいいよ。
  三階建ての収益構造ってリスクも高いだろうけど、オプションの売りよりはマシだろうからね。
  まぁオプションなんて分からなかったから、売りから入るなんて無縁だっただろうけど」

梓「私も、安全を重視して、仕組み預金にしときます。でも、誰が売りから入るんでしょうね?
  そんな危険な事」

律「案外、唯や梓だったりしてー」

唯「そんな事しないよー」

梓「そうですよ、怖さが分かりましたから」

澪「で、三階建て投信や仕組み預金、買うのか?」

唯「うん」

梓「そのつもりですけど」

紬「はい、アウト」

唯「えっ?」

梓「えっ?」

紬「実はね、無関係な話じゃないのよ。
  このオプションの売りが、三階建ての投信や仕組み預金に組み込まれているの」

梓「えええ!?」

紬「どうして仕組み預金が、普通の預金よりも高い金利を実現しているか分かる?
  デリバティブの活用によって、プレミアムを得ているからよ。
  その代表的なものが、オプションの売りなの」

梓「し、知りませんでした……。預金だし、安全だとばかり」

唯「じゃあ、この投信にも……」

紬「ええ、カバードコール、の部分がそうね。
  コールオプションの売りを組み込む事によって、プレミアムを得る。
  それを配当の原資にしている、って訳」

唯「ふぁっ、知らなかった……。危うく、危険を引き受ける所だったよ……」

紬「それ以前に、通貨選択の時点で、既にハイリスクなんだけどね。
  普通にインデックス型投信をお勧めするわ」


61 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:16:33 HdgNQhRs0

律「ムギー、ちょっと脅かし過ぎだよー。
  実際には仕組み預金って、ノックインで償還されて、損失限定。
  カバードコール戦略も、原資産の現物買いと組み合わせるから、損失も限定されるよ」

梓「ええと、どういう事でしょう?」

紬「その仕組み預金のポスター、”小さい文字”で、ノックイン事由とか書かれてないかしら?」

梓「言われてみれば……。ああっ、”小さい文字”で”見えづらい所”に
  元本を下回る事があるとかも書かれてます!」

紬「うん、よくよく見れば書かれてるものなのよ。
  そのノックイン水準で仕組み預金は期間前に終わり、元本を下回った状態で償還されるって訳」

梓「うう、それでもかなりの損失になりますね……」

唯「カバードコールの方は?」

紬「例えば、Nという銘柄の現物を買うと同時に、そのコールオプションを売った場合、どうなるかしら?」

唯「どうって……。株が上がってもオプションで損が出て、意味ないじゃん」

紬「いえ。株が上昇した事によるオプションの損失を、原資産の上昇で補える。
  そして、プレミアムを受け取れる。
  また、下落した場合、原資産だけだと下落分がそのまま損失だけど、
  オプションのプレミアムで少しだけ穴埋めできる。
  そして横ばいだった場合。このケースがカバードコールの本領発揮なんだけどね。
  原資産だけだと損得なしの所、オプションを受け取る事ができる」

唯「おおっ、脅かされた程、悪い物でもなさそうな……」

紬「いえ、最悪よ。販売手数料と信託報酬を見て?」

唯「販売手数料4.2%、信託報酬年率1.785%。信託報酬はともかく、販売手数料は高めだね」

紬「何言ってるの。インデックスなら、ノーロード、即ち販売手数料は無しよ。
  信託報酬だって、0.4〜0.6%。その投信、かなり高いわ」

唯「わぁ……。でもその代り、高度なテクニックを駆使するんだよね?」

紬「テクなんて、コストの前に弾け飛ぶわ。
  さっきも言ったように、これは相場が横ばいの時にこそ有効なの。
  そうなると、原資産のボラティリティが低く、オプションの期間も短めのものの方がいい。
  でもね、その場合、プレミアムも低くなるの。信託報酬で持ってかれる分も多くなる。
  反面、原資産のボラティリティが高く、オプションの期間が長いものを買った場合。
  プレミアムは上がるけど、権利行使される可能性も高まる。
  また、下落も激しいわ。カバードコールは有効に機能せず、信託報酬を払い続けるだけ。
  販売手数料分を取り返せないままにね」

唯「ほわっ……」


62 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:17:24 HdgNQhRs0

梓「ボラ……とかが高い方が、オプションのプレミアムって上がるんですか?」

紬「ボラティリティっていうのは、変動率の事ね。
  その銘柄や指標の動きが激しい場合にボラティリティが高いといい、
  穏やかな場合には、ボラティリティが低いという。
  数字としては、期間毎の標準偏差として表されるわ。
  投資の世界におけるリスクとは、この標準偏差の事。
  日常会話で使うリスクという言葉は危険(デンジャー)と混同されがちだから、
  意味合いが異なってくるわね」

梓「ああ、リスクって、危険って感じの意味かと思ってました」

紬「無理もないわ。
  それで、このボラティリティが高い方が、権利行使される可能性は高まる。
  価格の振れ幅が激しいのだから、当然ね。
  そしてまたオプションの期間が長い方が、権利行使される可能性は高まる。
  一か月よりも三か月の方が、権利行使価格をヒットする可能性が高いのだから当然ね。
  それで、権利行使される事は売り手にとって不利だから、
  不利の度合いが大きい程に要求するプレミアム水準も高くなる、って訳」

梓「よく、分かりました」

唯「うん、うん」

澪「本当に分かったのかー?」

唯「ぎくっ、も、勿論だよ。折角、ムギちゃんが説明してくれたんだもん」

梓「え、ええ。そうですとも」

紬「分からなくてもいいのよ。私だって、かなり端折って説明しているから」

唯「ごめんね、本当は少し、分かり辛かったんだ」

梓「私も、理解が及んでないです」

紬「いいの。この話で憶えなきゃいけないのなんて、たった一つなんだから」

唯「それは……」

紬「良く分かっていないものに対して投資しない。
  投資において、最重要な事よ」

律「バフェットさんも言ってるよね。
  リスクとは、自分が何をしているか分からない時に起こる、って」

紬「彼はあらゆる意味で別格で、凡人が参考にするのは難しいけどね。
  集中投資の推奨とか。
  でも、その箴言に付いては、私達も応用できるわ」

唯「うん。参考になったよ。来年からNISAも始まるし、始める前に知っておいて良かったね」

梓「ですね」

唯「あれ?あずにゃんは手堅くいきたいんじゃなかった?貯金とかで」

梓「NISAに付いては、話は別です。非課税なんですから、やらなきゃ損じゃないですか」


63 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:18:26 HdgNQhRs0

紬「さて、そのNISAなんだけど。本当に得かしら?」

唯「えっ?だって、5年間、んーん、ロールオーバーすれば10年まで、
  配当益や値上がり益が非課税になるんでしょ?断然、得だよ」

梓「ええ。どうせ投資するなら、NISA口座開設すべきだと思いますけど」

紬「そうやって、証券会社は宣伝しているようだけど。
  もし、損が出た場合はどうかしら?」

唯「そりゃ、NISA口座は利益が出ないと、意味はないけどさー。
  でも、上がった場合は税金分を得するんだよ?
  上がるか下がるか分からない、そして上がれば得。
  比較するまでもないよ」

梓「私もそう思います。損失が出ても、特定口座と変わらないんですから。
  だったら非課税の恩恵を享受できる、NISA口座の方がいいと思いますが」

紬「いーえ、そこを間違えている人が多いみたいね。
  損が出た場合、意味がなくなるんじゃない。
  特定口座と比べて、不利になるのよ」

唯「えっ?」

紬「NISAの特徴って、分かる?」

梓「非課税対象が株や投信のインカムゲインやキャピタルゲイン、
  非課税枠が毎年100万円、
  期間が5年だけど、満期を迎えてもまた新たに始まる枠に移管して、実質10年間。
  制度自体は2014年から2023年までの10年間ですから。
  総額も最大で500万円。
  それと、NISA口座の開設資格は、20歳以上。
  その他の注意点として、非課税枠を使い切らずとも、空いている枠を翌年に繰り越せない。
  加えて、期間途中で売却した場合、空いた枠に再投資できない。
  あと、特定口座からNISA口座に投信や株を移管する事はできず、
  買うかNISA口座からロールオーバーするしかない。
  また、NISA対象の投信とかも、各金融機関が決める。
  この辺りでしょうか」

紬「金融機関が宣伝している通りね。
  でも、それだけじゃないの。
  更に二つ、特徴がある」

唯「あるの?」

紬「あまり注目されていない……というより、積極的には宣伝されていない事なんだけどね。
  まず一点目。特定口座との損益通算はできない。
  二点目。ロールオーバー時及び期間満了時に、NISA口座で保有していた金融商品の取得単価は、
  満了時の時価になる」

梓「えっと、それで、具体的にどう不利になるんでしょう?」

紬「例えば特定口座で損失が確定した場合、利益が出ているものと損益通算できるでしょ?
  ああ、勿論、先物との損益通算はできないけどね。
  株や投信とは損益通算ができる。
  それで本年中に補いきれなかった損失は、3年を上限に翌年へと繰り越せるわ」

唯「うん、そうだね。
  でもNISA口座の場合、途中売却しちゃったらその分の再投資はできないんから、
  途中で売却せずに満期まで保有すればいいんじゃないの?
  満期までの間に、値を戻すかもしれないし」

紬「はい、そこで二点目の注意点。
  満期時には、株や投信の取得単価が、その時点の時価になってしまう、という点。
  例えば基準価額10000円で買った投信が10年後に4000円に下がった場合、
  購入価格の10000円ではなく、時価の4000円が取得単価となる」

梓「そ、そうなると……」


64 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:19:11 HdgNQhRs0

紬「ええ。そのまま4000円で売却した場合、
  実質6000円の損が出ているにも関わらず、この分を損益通算や繰り越し控除に使えない。
  8000円まで値戻りしてから売った場合。
  この場合でも、始めから特定口座での投資なら、2000円が損益通算や繰り越し控除の対象になるわ。
  でもNISAの場合、売却値8000-取得単価4000 の4000円が利益と看做されて、課税される」

唯「えっ?実質的に損が出てるのに、課税されるの!?」

紬「満期までに下落してしまった場合はね。
  これが、隠されているとは言わないまでも、積極的には宣伝されていない、NISAの不利な点よ。
  つまり、NISAの実質はね。
  税金分のリスクを増幅させた投資、じゃないかと思っているの」

梓「特定口座に比べて不利なんですね……」

紬「そうとも言えないわ。だって、上昇時には特定口座よりも有利なんだから。
  だから、投資タイミングが重要ね。
  特定口座よりも、損をしないような投資が求められる」

唯「具体的には、どうすればいいんだろ……」

紬「各年の損益を度外視して、トータルで利益を出す方法としては、
  ドルコスト平均方法も有効かもしれない。
  毎月一定額を積み立て購入していく方法の事よ。
  ネット証券とかでは、この積立サービスをやっている所が多いわ。
  購入単位も500円以上1円単位と、敷居を低くしているところがあるの。
  これなら、マイナスを出す年があったとしても、その他の年で出したプラスが上回っていれば、
  NISA口座の方が有利にはなる」

澪「ドルコスト平均法って、インデックスブロガーがよくやってる手だな」

紬「ええ。その他の方法としては、株価が下がった時のみ、NISA口座で買う、という手。
  TOPIXや日経平均のPERや配当利回りを参考にして、
  割安な時にのみインデックスファンドを買えば、
  10年という期間の中で値を戻す確率は高いわ」

律「それが一番良さそうだよね。平時は特定口座で積立、下落時はNISA口座で購入」


65 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:20:20 HdgNQhRs0

紬「そこは各人の判断かな。
  それともう一つの方法が、予めリスクをコントロールする金融商品を使うという方法」

梓「?そんなの、あるんですか?」

紬「ええ、レオスのひふみ投信及びマザーファンドを同一にするひふみプラスや、
  三菱のMAXISブランドの一つ、TOPIXリスクコントロール」

唯「具体的には、どうやってリスクをコントロールしてるの?」

紬「ひふみが定性で、TOPIXリスコンが定量」

唯「訳が分からないよ」

紬「具体的に言うわね。その前に、定性と定量の違いだけど。
  まず定量評価って言うのは、統計学的なクオンツ……数理モデルを用いて、
  分析していく手法の事よ。
  人為的な評価を極力排して、数学的かつ客観的に評価する、と思ってくれればいいかしら。
  これに対して定性評価っていうのは、定量評価以外っていうのが大雑把な説明ね。
  例えば個別銘柄の成長性やマクロ的なファンダメンタルズ、
  それと企業訪問を通じた代表者へのインタビュー、
  そういったものを通じて、評価する手法の事よ。
  人為的な評価によるから、ファンドマネジャーの手腕が求められるわ」

唯「ふーん」

紬「とはいっても、ひふみ投信は定量評価もしているみたいだけどね。
  ただ、定性評価がかなり入っているんじゃないかしら。
  それで、ひふみの具体的な投資手法だけど。
  この投信の特徴的な点として、運用資産の50%までを現金で保有する事ができる、という点ね。
  一般的な投信だと、ほとんどの部分が運用対象、例えば株で保有される。
  インデックスなんて、ほぼ100%。
  この際立った特徴のお蔭で、相場の下落時には現金比率を高める事で、
  ひふみはダメージを小さくする事ができる。
  逆に相場の上昇時には株の保有比率を高めて、上昇の恩恵を最大限享受する、という手法なの」

梓「それなら、NISAにぴったりですね。10年という期間で、損をする確率は小さい」

紬「そうとも言い切れないわ。
  結局は人為的に行われる事で、今後も上手く舵取りができるか分からない。
  それに最近のパフォーマンスを見ると、TOPIXに対して芳しくない結果が出てる。
  連勝していた時期もあったんだけどね。
  呼応して、モーニングスターのレーティングも、5つ星から4つ星へと下がっているわ。
  アクティブファンドがインデックスに勝ち続ける事は難しい、という一つの例ね」


66 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:21:25 HdgNQhRs0

唯「なるほど、で、リスコンって言うのは」

紬「こちらは、専ら定量評価よ。
  インデックスファンドの一つだけど、普通の投信じゃなくて、上場投資信託、所謂ETFね。
  で、対象指数に据えているのが、TOPIXリスクコントロール指数なの。
  これに追随する運用成果を目指して、運用を行う。
  とは言っても、単純にその指数と同じ割合で銘柄や現金を保有するだけだけど」

梓「えっと、そのTOPIXリスクコントロール指数っていうのは」

紬「東証がS&Pと共同で開発した指数ね。
  TOPIXのボラティリティに応じて、現金比率を上げ下げする事で、
  ボラティリティを抑制する目的の指数なの。
  目的とするボラティリティ、5%、10%、15%の三つで指数が開発されているけど、
  商品化されているのは5%と10%の方ね」

唯「それも、NISAとしては向いてそうだね」

紬「ええ、実際に三菱の方でも、NISA向け、という愛称を与えているわ。
  ただ、これにも注意点がある。
  ETF特有の注意点、という所かしら」

梓「と、言いますと?」

紬「現時点の出来高がね、凄く少ないの。
  だから基準価額と取引値の乖離率も酷くて、投資するには不向きかなって。
  NISA開設に向けて、乖離の解消が求められるわ」

唯「取り敢えず、VIXとか日経平均VIと似たようなものを参考にしている訳だね」

紬「その二つはインプライトボラティリティで、
  TOPIXリスコン指数はヒストリカルボラティリティって違いはあるけどね」

唯「えっと……」

紬「ヒストリカル・ボラティリティは、過去の変動率から弾き出される値よ。
  例えばTOPIXリスコンの場合、過去100営業日のデータを利用した、
  252日換算の標準偏差が用いられる。
  インプライト・ボラティリティの方は、現在のオプションのプレミアムから、
  将来の変動を予測したものを言うわ。
  さっき言った、オプションのプレミアムの決定要素であるボラティリティは、
  ヒストリカル・ボラティリティを参考にしているから、
  両者はわりと緊密な関係にあるけどね」

唯「よく、分かんないや」

紬「分からなくてもいいの。ここは、かなり難しい話だから」

梓「えっと、すいません。さっき言ってた、乖離とかって……。
  ETFと投資信託の違いからして、よく分かってないんですけど」

紬「ETFは、取引所で売買できる投資信託、と言えばいいかしら」

梓「それは分かります。分からないのは、それによるメリットやデメリットです」

紬「ETFのメリットとしては、一つ目に信託報酬が安い、というのがあるわ。
  投資信託の信託報酬って、運用会社(委託会社)や受託会社だけじゃなく、
  販売会社にも支払われる分があるでしょ?
  その販売会社に支払う分がなくなるから、安くなるのよ。
  二つ目に、価格の透明性ね。投資信託は注文から成立までタイムラグがあるから、
  どの値段で約定するか正確には分からない。
  でもETFは市場で売買するから、価格はリアルタイムで分かるし、
  指値とかの注文方法も使えるわ」

梓「デメリットは」

紬「一つ目が、さっきも言った乖離の問題よ。
  基準価額、ってあるでしょ?
  これが実際の値段、すなわちプールされた各資産を一口辺りの値段に割った値ね。
  投資信託の場合は、これに基づいて注文が約定する。
  でもETFの場合、価格は市場で決まるから、この値段通りに成立するとは限らない。
  この基準価額と取引値との差が、乖離なの。
  もう一つ、指数との乖離もあるけれど、これはインデックスなら投信も条件は同じね。
  インデックスの個別ファンドの良し悪しは、連動対象とする指数との乖離の小ささで決まる。
  加えて、ETFの個別銘柄の良し悪しは、
  基準価額との乖離の小ささで決まると言っても過言ではないわ」

唯「なるほど」


67 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:22:37 HdgNQhRs0

紬「他にもあるわ。分配金や配当金の再投資のしやすさ。
  これに付いては、圧倒的に投信に軍配が上がる。
  再投資の場合、設定によって1円以上1円単位で自動投資が可能なの。
  それによって、複利効果が最大に高まる。
  ただ、ETFの場合、金額売買ができずに口数売買となるから、
  最少購入単位でしか再投資ができない」

梓「これは分かり易いですね」

紬「しかもね、投信の場合、分配せずに内部で再投資、っていう手法も可能なの。
  実際にインデックス投資の多くは、この方法を取っている。
  これは分配金に対する課税を避ける事で、
  課税の繰り延べ効果を利用して最大限の複利効果を享受できる手法なの。
  ETFでは原則、行われていないの」

唯「ほー」

紬「また、分配金や配当金に対する課税でも差が出るわ。
  投資信託には特別分配金っていう概念があるから、
  基準価額が取得単価を下回る水準で分配金が出ても課税されない。
  一方で、ETFにはそういった概念がないから、含み損を抱えた状態の配当金にも課税される。
  この点、株式と同じかな」

梓「大まかに言えば、そんな感じですか。
  でも、基準価額との乖離って言いますけど、
  そもそも、基準価額と取引値って一致するんですか?
  どうやって、連動を担保しているんでしょう?」

紬「アービトラージ、というものがあるわ。裁定取引とか鞘抜きとかって、聞いた事ないかしら?
  これはね、現物資産とETF、或いはETFと現物資産の交換を可能にする事で、
  裁定機能を働かせて乖離を少なくする仕組みなの。
  例えば、基準価額に対して5%のプレミアム価格でETFが取引されていた場合。
  現物株を運用会社に差し入れてETFと交換して市場で売る事で、
  現物株をそのまま売るよりも5%得になる。
  逆に、基準価額に対して5%のディスカウントの場合、
  ETFを差し入れて現物株と交換して市場で売る事で、ETFをそのまま売るより5%得になるわ」

唯「そんな素晴らしい仕組みが……。早速、私も」

紬「あっ、個人には無理よ。交換には、相当な口数が必要になるから。
  機関投資家やマーケットメイカー向けの制度ね。
  ただ、そういった資金力のある人が裁定機能を働かせる事によって、
  ETFの基準価額との連動が担保されているの」

梓「でも、実際には乖離しているんですよね?」

紬「出来高が小さい銘柄は、乖離が大きくなりがちね。
  あと、外国の株価や資産を対象にするものも。
  どうしても、裁定機能が働きづらいみたい。
  でもね、国内のメジャーな株価指数なら、取引する価値はあるわ。
  銘柄コード1306とかなら、出来高が多くて乖離も低い。
  TOPIXに連動しているから、投資対象としてはお勧めよ。
  ただ、乖離が大きい資産クラスに投資する場合は、投信を使った方がいいかもだけど。
  特に、乖離が1%を越えるようだとね。0.5%でも大きいと思うわ」

律「でも、海外指数でも、1582とかならいいと思うよ。
  乖離は高いけど、新興国向け投信と比べた場合の信託報酬が低い。
  それに、小型株も対象にしてるしね」

澪「あれを東証に重複上場してくれたブラックロックには、感謝してる。
  外国株の口座を開いてVWOにリレー投資、なんて考える必要さえなくなったから。
  ただ、1581、TOKに付いては乖離が残念だけど。
  1550か、投信の旧CMAMで代用した方がいいよな」


68 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:23:45 HdgNQhRs0

唯「ふぇっ?」

紬「二人とも、唯ちゃん達の前では、まだマニアックな会話はしないの」

律「ごめん……」

澪「これでマニアック!?ここからなのに」

唯「……マニアックだよ」

紬「レベルの高低で言えば、オプションとかボラティリティとかの方が高いけど」

梓「そういえば、ムギ先輩が度々口にしている、インデックスファンドって?」

紬「対象とする指数を決めて、それに連動するように設計されたファンドの事よ。
  国内なら日経平均やTOPIX、東証REIT指数、野村BPI総合がメジャーね。
  海外だとダウ30やS&P500、FTSE100、MSCIコクサイ、FTSEグローバル・オールキャップ、
  MSCIエマージングマーケット、シティ世界国債インデックス、
  S&Pグローバルリート辺りが日本でも有名かしら」

唯「聞いた事あるのも、結構交じってるね。日経平均とかTOPIXとかダウ30とか」

梓「MSCIコクサイ辺りも、よく耳にします」

紬「MSCIコクサイは日本人向けに開発された指数だから、当然と言えば当然ね。
  で、インデックスファンドの特徴なんだけど。
  対象である指数と同じ比率になるよう、資産を組み合わせて保有するの。
  こうする事で、ファンドの基準価額も指数と同じように動くわ。
  厳密には、組み入れ銘柄の比率を全く同じにするのは不可能だし、
  信託報酬とかのコストも掛かるから、どうしても指数よりはパフォーマンスが落ちるけどね」

唯「それは分かり易いね。アクティブファンドっていうのが」

紬「指数をベンチマークとして、それを上回る成果を目指して運用するファンド。
  例え損失が出ても、ベンチマークよりも損失が小さければ優秀って事なの。
  逆に運用益が出てもそれだけじゃ足りず、ベンチマークより高い運用益が求められる。
  多いのは、このタイプね」

梓「そう聞くと、アクティブファンドの方が良さそうですけど……」

紬「でも実際には、インデックスファンドの成績を上回るアクティブファンドは少ないわ。
  その多くは、コストを原因としている。
  インデックスファンドの運用って、銘柄選別の手間がないのよ。
  決められた指数通りに、銘柄を組み込めばいいだけなんだから。
  だから、信託報酬も安い。
  対してアクティブファンドは、銘柄を熟慮して選別する手間が生じるから、
  信託報酬とかも高くなりがちなの。
  それが基準価額に跳ね返って、アクティブファンドは不利になる。
  この事を多くの投資家は、
  『未来の収益は分からない。でもコストは分かっている』みたいに表現しているわ」

梓「言われてみると……」

唯「そっか。コストは安い方がいいもんね」

紬「ええ。投資信託やETFのようなファンド形態の金融商品の場合、
  安物買いの銭失い、という言葉はそぐわない。
  コストは安い方が優れているわ」


69 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:24:34 HdgNQhRs0

梓「投信やETFは安い方がいいっと」

紬「勘違いして欲しくないのは、コストの話って事。
  基準価額と混同しないでね」

梓「ええ、分かりました。信託報酬を見るべき、って事ですね」

紬「後は、販売手数料。投資信託なら、ノーロード、即ち無料以外相手にしなくていいわ。
  ネット証券でインデックスファンドを買えば、大抵無料よ。
  ETFでも、例えば松井証券なら、10万円以下の売買は無料。
  松井証券のNISA口座でも無料だとか。
  ただ松井証券は投信を扱っていないから、投信とETFを併用したい場合、
  株式の取引手数料の安いネット証券を探すべきね。SBIとか楽天とか」

唯「株式とETFは、同じ売買手数料が適用されるの?」

紬「株式とは中身と仕組みが違うだけで、売買の形態は同じものだから」

梓「じゃ、インデックスを中心に考えてみます。
  えっと、国内株は1306、海外株は外国株式インデックスeと1582、
  国内リートは1343、海外債券は外国債券インデックスeと日本債券インデックスe」

紬「あっ。余計な事だけど、ごめんね。債券に付いて、なんだけど」

梓「はい?」

紬「国内債は、極力、現物保有を勧めるわ。
  利回りが低いから、幾らインデックスファンドと言えども、
  信託報酬で収益が押し下げられちゃうの。
  個人向け国債なら、1万円以上1万円単位で投資可能」

梓「ああ、ありましたね」

律「ただ、個人向け国債って変動金利だから、
  株式とかとの相関係数が利付国債程には乖離しないんだよね。
  資産分散効果は微妙かな」

澪「それと、NISAを用いる場合。
  債券に投資するファンドならNISA口座で保有できるけど、
  債券現物はNISA口座で保有できない」

梓「澪先輩の言う事には、心が揺れますね。でも、律先輩の言う事が分かりません」

紬「もう、二人は先に進んじゃうんだから。
  えっとね、個人が買える国債には、変動金利である個人向け国債と、
  固定金利である利付国債の二種類があるの。
  個人向国債は市場の金利情勢に応じて、利子率が決まり、
  満期を待たず保有から一年後には国に買い取り請求をする事ができる。
  直近二回分の利金を引かれてしまうけど、名目的な損は出ない商品ね。
  それと、金利が高くなる方が有利になるっていう、債券としては特徴的な商品なの」

梓「特徴的、ですか?」

紬「ええ、これに対して利付国債の場合、国に買い取り請求できず、
  満期前の換金は市場で行う事になる。
  だから、債券の入手時点よりも金利が上がっていれば不利、
  下がっていれば有利になるの。
  例えば0.8%の利率で額面パー発行された債券を梓ちゃんが買ったとする。
  二年後に、市場金利が1パーセントになっていた場合、額面通りの価額では売れないわ。
  市場で出回っている利回りは1.2%で、
  梓ちゃんが保有しているのは0.8%なんだもの。
  だからその分、債券を安く売らなきゃいけない。
  でも逆に、市場金利が0.6%とかに下がっていれば、高く売れる。
  これが一般的な債券の特徴である、金利と債券価格の逆相関と呼ばれるものね」

律「そうそう。で、金利っていうのは、株価と逆相関する事が多いからさ。
  株価の下落局面では債券の評価額が上がって、損失の一部を補填できる。
  それが私の言ってた、リスク分散効果だよ」


70 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:25:30 HdgNQhRs0

梓「なるほど。じゃあ、利付国債も検討対象に加えようかな」

紬「ところがね、投資単位が、5万円以上、5万円単位なの」

梓「うっ」

紬「そこで利付国債に投資する場合、
  インデックスファンドを用いたリレー投資なんていいかもね。
  毎月少額で積み立てておいて、50000円貯まったら解約して現物購入。
  実際には、野村BPI総合インデックスファンドには社債とか地方債とか組み込まれているし、
  残存年数もデュレーションも異なるなら投資成果は一致しないけど。
  でも、野村BPI総合も国債の保有が8割で、
  残存年数8年台半ば、デュレーションも7年台だから、
  10年物利付国債の投資成果とあまり変わらないと思うわ」

唯「デ、デュレーション?」

紬「債券価格の金利感応度の事よ。
  一般に残存年数が長くなればなるほど、デュレーションの値も高くなる。
  簡単に言うと、デュレーションが7.39年の場合、
  市場金利が1%上がると額面100円の債券は7.39円下がる、という感じかしら。
  難しかったら、この値が高い程リスクも高い、と憶えておいてね」

唯「うん、そうするよ」

紬「それと、リレー投資を行う場合は、信託財産留保額がないものを選ぶべきね。
  梓ちゃんがピックアップした日本債券インデックスeはこれがないから、
  リレー投資にも向いているけれど」

唯「解約手数料の事だね」

紬「違うわ。手数料の場合は、運用会社に支払う額よ。
  信託財産留保額の場合、ファンド内に資金が留保される。
  だから長期投資家にとっては有利なんだけど、リレー投資のように解約を前提に考えると、
  不利になる」

唯「なるほど」

梓「でも、外国債券の場合、リレー投資を駆使しても現物保有が難しいですよ?」

紬「そもそも外債の場合、投資する価値ってあるのかしら?
  為替ヘッジを付けない場合、為替レートの動向に大きく左右されてしまう。
  その前では債券自体のインカムゲインもキャピタルゲインも些細なものよ。
  債券に投資するつもりが、通貨に投資したような形になっちゃうの。
  それと、債券って、安全資産と位置付けるべきだと思うの。
  為替リスクを負ってまで債券に投資するのは、本末転倒なんじゃないかしら」


71 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:26:30 HdgNQhRs0

唯「じゃ、為替ヘッジを付ければいいんだ?」

紬「種類が少ないのよ。特にシティ世界国債インデックスは、
  メジャーなネット証券では取り扱われていない。
  ファンド自体が、年金積立インデックスF海外債券(H有)のみだし」

律「それにね、為替ヘッジコストも取られるから、
  国内債に投資するのと同じ成果になりがちなんだって」

澪「とは言っても、為替ヘッジコストは短期金利の差だからな。
  今みたいに、日本と海外の短期金利差がゼロに近く、
  長期金利差が乖離している状況だと、為替ヘッジは有効に作用するよ。
  勿論、残存年数が長いものを選ぶべきだけど」

唯「ふぇっ?」

紬「そういう話は、まだ早いわ。
  それに、債券に関する話は、あくまでも私の私見だから。
  あまり囚われずに、考えてね。
  話はこんな所かしら」

唯「あ、最後に一つ。唯2101って、評価はどうなの?」

紬「結い2101は、個人投資家の間で非常に評価が高いわ。
  その運用哲学に共感する人が多いから、じゃないかしら。
  後ね、R&I」

唯「U&Iのりっちゃんバージョン?」

紬「格付投資情報センターの事。日本にある格付け機関よ。
  とにかく、そこの投資信託国内株式部門で、2013年の最優秀賞を受賞しているわ」

唯「へぇ、凄いんだ」

紬「ただ、パフォーマンスはインデックスに比べるとかなり低いわ。
  上昇相場には、弱いみたい。
  それに現金保有比率も常に高いんだけど、その現金部分にも信託報酬は掛かるから。
  あと、そこでNISAを開くと、独立系の投信会社だから、選択商品もそれのみ、
  という不都合もあるわ」

唯「むー」

紬「でもね、翻せば、リスクも低いわ。
  投資指針も明確で運用哲学も好感が持てるから、
  そこに共感できて信じてあげられるのなら、投資する価値はあると思うの。
  私はあくまで、インデックス派を貫くけどね」

唯「考えてみるよ。それはそうと、ムギちゃん、今日はありがとね」

梓「有難うございました」

紬「いえ、とんでもないわ。
  時間がなくて説明を端折り過ぎたから、申し訳ないくらいよ。
  例えばオプションには最低取引単位やSQ日も絡んでくるから、説明した程に単純な話じゃない。
  モデルの単純化を抜きにしても、多分、大半に付いて、理解なんてされていないと思うの。
  それに、もっと説明したかった事もあった。
  個別のファンドの分析を通じて、お勧めのファンドの紹介や、
  投資すべきでないファンドの示唆とかね。
  それ以前に、語った事の中でさえ、説明が足りていない部分も多い。
  これは私の責任だけど、くれぐれも、鵜呑みにはしないでね?
  行動した先は、各人の責任になっちゃうんだから、
  やるんなら自分でも調べた方がいいの」


72 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:27:40 HdgNQhRs0

唯「勿論、自己責任で動くよ」

紬「ええ、本当に鵜呑みにしないでね?
  私自身、超が付く程の赤貧だから、実践した経験はほとんどないの。
  精々が、最低額に近い投信購入と、500円からの投信積立、
  それと年に両の指を折り切らない頻度のETFの購入くらいよ。
  後は、個人向け国債の購入くらいかしら。
  しかも、ここ2年くらいからのスタートでね。けいおんよりも、後になるの。
  机上の空論の部分も多いから、各自で気を付けて、ね」

梓「ムギ先輩、金持ちじゃないですか。ああ、」

紬「あっ、いや、ほら。お金を持っているのは親であって、私じゃないから」

梓「そういう事にしておきます」

紬「有り難いわ。
  それと、繰り返しになるけど、説明不足でごめんなさい。
  どうしても、他に大事な事があって」

唯「時間がないとか言ってたね。でも、お金の話より大事な事って?」

紬「りっちゃんの、誕生日よ。その準備とか実践とかで、ね」

律「ム、ムギ……///」

梓「ああ、確かに」

律「で、でももう、終わったよ」

紬「まだ、祝い足りなくて。もう一つくらい、何かできたらなって」

律「も、もうっ///」

澪「あ、待て、律」

唯「照れて先に行っちゃった」

梓「澪先輩が追い駆けて行ったから、大丈夫でしょう」

紬「そうね。今日の話、分かり辛かったと思うけど、憶えるべきは少ない事なの」

梓「インデックスファンドを基準に選ぶ事と」

唯「NISAの本質は、税金分のリスクを高めているという事」


73 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:28:50 HdgNQhRs0

紬「それも大事だけどね。この長い話で言いたい事は、二つだけ。
  ほとんど読み飛ばした人も、これだけ憶えておけばいいの。
  それはね」

唯「それは……?」



紬「
  良く分からない物には投資しない
                  」


梓「ああ、始めの方で言ってましたね。肝に銘じておきます」

唯「もう一個が?」

紬「お金の話と同じくらい、大事なものがあるって事。
  お金だけに囚われて、大切なものを見落としちゃいけないわ。
  大事な人の笑顔、とか」

唯「りっちゃん……」

梓「律先輩……」

紬「二人とも、頑張ってね。
  私は澪ちゃんを裏切れないけど、二人の事も応援してるから。
  けいおんに関係ない話ばかりしたけど、二人の事、踏み台だなんて思ってない。
  負けないでね」

唯「分かってるよ」

梓「私、負けません」

紬「その意気、よ。
  けいおんに関係ない話に長々と付き合ってくれて、どうも有難う。
  キャラも普段と違ったかしら。でもね。
  I'm not an anti!」


<FIN>


74 : ◆ywLV/X/JUI :2013/08/25(日) 18:31:23 HdgNQhRs0

作中で用いた銘柄Nのオプションのプレミアム料は、
日経平均に対する権利行使価格13,625円の、8月23日時点の理論値を参考にしました。
ttp://www.ose.or.jp/f/options/ose20130823tp.zip

上掲の表の見方
ttp://www.ose.or.jp/market/pdf/guide.pdf
(ともに、ttp://www.ose.or.jp/market/trading_data/option_priceより)


なお、ETFの乖離値はここに載っています。
http://www.morningstar.co.jp/etf/
ブラックロックに付いては、こちらを参照。
1582 ttp://jp.ishares.com/product_info/fund/overview/TKSE/IEMG.htm
1581 ttp://jp.ishares.com/product_info/fund/overview/TKSE/TOK.htm
(注 23日は乖離が小さかったのですが、最近(注2)は連日で1%前後が続いていました)
(注2 執筆時点である2013年8月23日から24日に近い日々の事です)


また、債券の残存期間やデュレーションの値は、日本債券インデックスeの7月レポートを参考にしました。
ttp://www.smtam.jp/fund/pdf/_id_110056_type_m.pdf


タイトルに引用した、『結い2101』に付いて。
http://www.kamakuraim.jp/doing.html


その他、多くのサイトを参考にしています。
全ての掲載は省略しますが、お礼の念だけでも、述べさせて頂きます。
ありがとうございました。


75 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/25(日) 18:36:42 HdgNQhRs0
>>57-74
以上で終了です。
なお、>>74ではURLが多かったのか弾かれてしまったので、
一部頭のhを省いての記載としました。

お読みくださった方、お疲れ様でした。
ここに書いてある事は、あまり参考になさらないで下さい。
また、読む事に苦痛を感じたら、無理せず読み飛ばして下さい。
律誕優先の関係上、仕上がりは粗いです。

それでは失礼しました。


76 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/25(日) 18:39:31 HdgNQhRs0
>>74の注2、

誤(注2 執筆時点である2013年8月23日から24日に近い日々の事です)

正(注2 執筆時点である2013年8月24日から25日に近い日々の事です)

でした。失礼しました。


77 : ◆UwUOv4/shU :2013/08/25(日) 20:41:43 G.s4zap.0
紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」


78 : ◆UwUOv4/shU :2013/08/25(日) 20:43:05 G.s4zap.0
物理の授業後の紬の妄想

部室

唯「あっずにゃーん!」

梓「ちょっ、抱きつかないでください!」

紬(……)

紬(唯ちゃんが梓ちゃんに抱きつこうとする…でも梓ちゃんは嫌がってる…抵抗してる…抵抗?)

紬(唯ちゃんが抱きつこうとする「力」は…電圧?)

紬(唯ちゃんから溢れ出る百合エネルギーが梓ちゃんに流れ込む…電流?)

紬(つまり、あそこには…百合回路ができている…オームの法則が成り立つのね!)


79 : ◆UwUOv4/shU :2013/08/25(日) 20:44:53 G.s4zap.0
唯「あっずにゃ〜ん」

梓「いい加減にしてください!」

紬(ああ、でも梓ちゃんの百合抵抗は大きいわ…あの子に百合電流を流し込むには、唯ちゃんみたいな百合電圧が高い子じゃないとだめね)

唯「もうあずにゃんたら…恥ずかしがらなくていいのに」ギュゥ

梓「ちょっ、唯先輩、やめ…もう…」

紬(高い百合電圧をかけられて梓ちゃんの温度が上昇していくと…ある時突然抵抗が減って電流が流れやすくなるのね)

紬(普段は絶縁体なのに温度上昇で電流が流れるようになる…これって、確か…半導体!?)


80 : ◆UwUOv4/shU :2013/08/25(日) 20:47:10 G.s4zap.0
唯「あずにゃんぎゅー」

梓「あっ…もう、好きにしてください…」

紬(愛し合う二人から発せられるこの百合色のエネルギーは何…?あと少しで、わかりそう)

紬(唯ちゃんは百合エネルギーに満ち溢れている…百合電流が…百合電子が豊富…だからマイナスの百合電気を帯びている)

紬(梓ちゃんは百合電子を求めている…百合不足…プラスの百合電気を帯びている百合半導体)

紬(唯ちゃんも極寒ならさすがに百合力が落ちると考えれば、半導体と言える…。マイナスとプラスの半導体が密着しているこの状況…ダイオードね!)

紬(そして、唯ちゃんの百合電子が梓ちゃんの百合不足な体に流れ込む時に発生するエネルギー…これが百合色のエネルギーとなって周囲に放射されるの!)

紬(見る者全てを百合色にし、幸福をもたらすこの百合エネルギー!これを無限に発生してくれる唯ちゃん、梓ちゃん…あなたたちは!!)

紬「百合色発光ダイオードよ!!!」

唯梓「「!?!?」」





81 : ◆Ritsu/ZuXY :2013/08/25(日) 22:48:25 7rQoG/QQ0
「市内のお出かけはロンドン交通局で」


Transport is the lifeblood od the city.  ―交通は都市の原動力である―
ロンドン交通博物館入口の言葉
http://iup.2ch-library.com/i/i0985069-1377437774.jpg


82 : ◆Ritsu/ZuXY :2013/08/25(日) 22:49:21 7rQoG/QQ0
律「んーっ、大体これで行くところは決まったかな」

梓「そうですね」

澪「結構広範囲になったけど、大丈夫か?」

唯「タクシー使えばいいんじゃない?」

紬「そうねー」

梓「いわゆるブラック・キャブですね」

http://iup.2ch-library.com/i/i0985071-1377437774.jpg

唯「ぶらっくきゃぶ?」

澪「ロンドンのタクシーは黒いからそう呼ばれてるんだよ」

律「ニューヨークのはイエローキャブだっけ?」

梓「うーん、タクシーはちょっと割高ですねぇ」

律「誰か答えてよ!」

澪「5人居るんだし割り勘にすればそんなに掛からないんじゃないかな」

紬「確かブラック・キャブは5人乗れた筈よ」

澪「車椅子にも対応してるんだっけ」

梓「ブラック・キャブは法令で車椅子対応が決められているそうです」

梓「逆に地下鉄駅は車椅子に対応している駅とそうでない駅があります」

梓「話は戻りますが、毎回割り勘というのもちょっと大変かなって」

唯「じゃあバスだねー」

梓「はい、それと地下鉄です」

律「地下鉄ねえ、安全なの?」

澪「ニューヨーク地下鉄は危険って聞いたことある」

梓「調べたんですけど治安は特に悪くないようです」

唯「どんな感じなのかな?」

梓「写真ありますよ」

http://iup.2ch-library.com/i/i0985073-1377437774.jpg
http://iup.2ch-library.com/i/i0985076-1377437774.jpg

唯「おぉ!かまぼこの形してる!」

律「なんか形ちょっと違うぞ」

梓「はい、これはトンネルの形状が原因です」

紬「どういうことなの?」

梓「えーっと、まずロンドン地下鉄は世界で最初に作られた地下鉄で」

唯律澪紬「へぇー!」

梓「はい、最初はなんと、蒸気機関車で客車を引っ張っていたんです」

唯「煙だらけになっちゃうよー」

梓「最初は地下鉄と言っても地面に深い溝を掘って所々蓋をしている、という感じだったそうです」

梓「それでもやっぱり煙だらけだったそうですけど」

律「そんな時代じゃなくてよかったー」

梓「そうですね、煤だらけになっちゃいます」

梓「それから少しして電気機関車と客車、そして電車になったそうです」

澪「電気機関車と客車って?」

梓「電気で動く車両が無動力の車両を引っ張る、という形式です」

梓「ちなみに電車はモーターが1編成の中で分散してるものを言います」

律「訳わからん」

梓「そんなに重要なことなのでわからなくても大丈夫です」

律「梓に馬鹿にされたー」

唯「大丈夫だよりっちゃん、私もわからない!」

梓「続けますね。しばらくして蒸気機関車が全廃されると煙の心配がなくなったので完全に地中に線路が敷かれるようになります」

梓「そのトンネルの工事費を節約するために出来るだけトンネルを小さくした結果かまぼこ型の電車になりました」


83 : ◆Ritsu/ZuXY :2013/08/25(日) 22:50:13 7rQoG/QQ0
梓「したがって初期の路線の車両の背は高い目で、それ以外は背の低い、かまぼこのような形の電車を使用しています」

梓「ちなみに今のかまぼこ型の電車のベースになったのは1938型電車あたりです」

http://iup.2ch-library.com/i/i0985072-1377437774.jpg

紬「ずいぶん丸い電車ね」

梓「最近のはかまぼこ型ですが断面が切り立ってますからね」

梓「左側に白と赤の丸が5つありますがこれはヘッドライトでこの光る点の数、位置で行き先を表示していたそうです」

澪「点字みたいだな」

梓「覚えるの大変そうですけどね…」

梓「それじゃ路線図と行き先を照らし合わせましょうか」

http://www.tfl.gov.uk/assets/downloads/standard-tube-map.pdf

唯「こんな中から駅探し出せないよー」

梓「慣れれば大丈夫ですよ、頑張りましょう」

唯「あずにゃんにそう言われちゃ頑張らなきゃ」

律「私もあずにゃんに言われたから頑張るかー」

梓「いい加減あずにゃんはやめてください」

律「んー?嫌かー、あーずにゃん♪」

梓「うるさい!律」ゴス

律「イテテ…悪かったって」

梓「えっと、ホテルアイビスはWestBrompton駅だから…」

唯「ねえあずにゃん」

梓「はい」

唯「その急に、えっと…」

律「ネイティヴ?」

唯「そう、ネイティヴになるの変!」

梓「…、そうですね。分かりました。」

梓「ホテルの最寄駅はウエストブロンプトン駅でこれはディストリクト線だったはずです」

律「ディストリクト線ってどれだ?」

澪「緑のラインだよ」

紬「どこかしら…」

梓「アールズコートから乗り換えだから…」

澪「あった、これだ」

梓「ありがとうございます。マーカー打っとかないと…」

梓「これは…ウィンブルドン支線ですね」

律「アールズコートからなんでこんなに線路出てるんだよ…」

梓「ウィンブルドン支線、リッチモンド支線、エッジウェアロード支線、ケンジントン支線。四つも支線がありますからね」


84 : ◆Ritsu/ZuXY :2013/08/25(日) 22:51:07 7rQoG/QQ0
律「なんで地下鉄がこんなに分かれてるんだよー」

梓「サークル線なんか殆ど他の路線と重複してますし…よくわかりませんね」

唯「んー…」

梓「唯先輩、どうしたんですか?」

唯「えっとね、気になってたんだけどなんで線路が4本あるのかなって」

律「車輪が4つついてるのか?」

梓「これは世界でもここだけのもので車輪の乗るレールは普通と同じで2本なんですけど残りの2本のレールは電気を流すためのレールなんです」

澪「どういうことだ?」

梓「普通よく見るパンタグラフは直流でも交流でもパンタグラフからとって、レールに電気を流しているのですがこれは片方の送電用レールに+の電気を、もう片方に−の電気を流しているんです」

梓「普通パンタグラフで電気を取らない場合送電用レールは一本で捨てる電気はパンタグラフの場合と同様に車輪から走行用レールに捨てています」

律「さっぱりわからん」

唯「片方に+、片方に−を流してるんだね」

梓「はい。変わってますね」

律「ところでバスも乗ってみたいと思うんだけど」

梓「私もです。ロンドンと言えば2階建てバスですからね」

http://iup.2ch-library.com/i/i0985074-1377437774.jpg
http://iup.2ch-library.com/i/i0985075-1377437774.jpg

澪「私が想像する2階建てバスと言えば下の方だな」

紬「私もー、でも古そうねえ」

梓「はい、こっちはルートマスターと言って後乗後降の旧型タイプです」

律「もしかして車掌さん乗ってたり?」

梓「そうです、今でも車掌さんが乗っていて切符も発行してもらえます」

梓「今はトラファルガー広場から出る9系統と15系統でしか走ってないのですがもうすぐ新型ルートマスターも導入されるようです(2012年に導入されました)」

梓「上のバスは今のロンドンで一般的な2階建てバスでこれは基本的に後乗前降です」

唯「ルートマスターとどう違うの?」

梓「あえて言うならば走行中に乗ったり降りたりができるかできないか、です」

梓「ルートマスターは後ろの昇降口にドアがなくて途中で乗り降りが一応出来るのですが現在の一般的な2階建てバスは自動ドアがついていて出来ません」

http://iup.2ch-library.com/i/i0985077-1377437774.jpg

唯「なんか走ってる途中でピョンッて降りたらカッコイイね!」

梓「絶対にしないでくださいね」

唯「はーい」

律「そういえば料金って毎回現金で払わなきゃダメなの?」

梓「いえ、オイスターカードというICカードがあります」


85 : ◆Ritsu/ZuXY :2013/08/25(日) 22:52:03 7rQoG/QQ0
律「何がオイスターなんだ…?」

梓「私も調べたのですがよくわかりません…」

梓「特に珍しい機能は無いので詳細は省きますが券売機で買えて券売機でチャージできます」

唯「なんか買える自信無い…」

梓「券売機は日本語対応してるから大丈夫ですよ」

唯「それなら安心だね!」

梓「でも入国するときに英語必要ですよ」

唯「うわぁぁーそれがあったー」

律「まあなんとかなるんじゃない」

梓「一日に何人も入国出来てるわけですし」

唯「んー、不安だけど楽しみ!」

律「早く行きたいなあ」

梓「ですね」

澪「待てないなあ」

紬「澪ちゃんが提案したものね」

梓「それじゃ皆さん路線図よく見ておいてくださいね!」

終わり

※写真は全て筆者撮影のものです

雑感
・地下鉄
8割がたこれのためにロンドンに行きました。
慣れると全然難しくない乗り物です。
・ルートマスター
新型ルートマスターデビュー直後に行ったものの見つからず…
在来のルートマスターには乗ってきました。楽しかったです。
因みに劇中にルートマスターが出てきますが現在あの路線では走っていません。
・ブラックキャブ
模型をいっぱい買ったのでお金がなくて乗れませんでした。
・その他
入国の時質問に対する返答を思いっきり間違えて帰りの航空券やら持ち金やらいろいろ確認させられて大変でした。
唯ちゃんは大丈夫だったのかな。

※画像が消えていた場合はこちらから
順番通りになっているハズです
http://www1.axfc.net/uploader/so/3007630


86 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/25(日) 23:46:51 uWsISmTQ0
>>69
>律「そうそう。で、金利っていうのは、株価と逆相関する事が多いからさ。

正しくは

律「そうそう。で、金利っていうのは、株価と正相関する事が多いからさ。


推敲の怠慢、度々すいません。


87 : ◆CQDDPJeh8k :2013/08/26(月) 01:34:56 2aKUvlCc0
澪「ヴィンテージ」


88 : ◆CQDDPJeh8k :2013/08/26(月) 01:42:21 2aKUvlCc0
律にジーンズをプレゼントしようと思ったのはつい最近の事だ。

律はジーンズにこだわりが強く。
私もよく買い物に付き合わされた。

その度に、澪はジーンズ似合うと思うよ。シルエットも綺麗だしさ。とよく誉められた。

ジーンズを履く事は結構あるが、シルエットとかそんなのを気にして履いてなかったから、それを言われる度に照れくさかった。

澪「さてやるぞ!」

私の目の前にあるジーンズ、カッターナイフと紙ヤスリを見て意気込む。

この世で一つしかないジーンズ作りの始まりだ。


89 : ◆CQDDPJeh8k :2013/08/26(月) 01:51:11 2aKUvlCc0
まずは、ジーンズの膝の部分にカッターナイフで縦糸に切り込みを入れる。

流石は元作業着。
日本では作業着として使われていない分、生地も薄くなってると思うけどそれでもデニムは切りにくく中々疲れる作業だ。

あまり、切りすぎてダメにするのも勿体無いので少しずつ少しずつ切っていくと横糸が見えてきた。

丁度、人差し指ぐらいの大きさに切り終え、青いクズを手でかき集めてゴミ箱に捨てる。

紙ヤスリで切った部分を綺麗にし、これで膝のクラッシュは終了だ。


90 : ◆CQDDPJeh8k :2013/08/26(月) 01:57:45 2aKUvlCc0
まだやることはあるが、喉が乾いたので休憩を挟む。

そもそも、私が律に世界に一つしかないジーンズをプレゼントしようと思ったきっかけはもうすぐ律の誕生日だからなのは勿論、私が作ったジーンズを律に気に入って貰いたい。

そんな気持ちがあり今こうしてダメージジーンズを作っている。

このジーンズを履き続けて色落ちやダメージがつきいい感じになった所で律に渡す事も計画していた。

だけど、早く律に渡したいと言う気持ちが上回った。

澪「よし!」

次はポケットの縁と裾をカッターで切ろう。


91 : ◆CQDDPJeh8k :2013/08/26(月) 02:03:19 2aKUvlCc0
ガリガリガリ。
そんな音が部屋を包む。
気付くと二時間建っていた。

ポケットの縁や裾は生地が厚く刃も思うように通らない。

それでも、何とか頑張るといいヴィンテージ調になりカッコ良く仕上がった。

後は全体的に新しく買ったジーンズっぽさがあるのでゴツゴツした石を持って、やり過ぎないよう。

丁寧に少しずつダメージをつけていく。

澪「おぉ!」

これはかっこいい。
きっと律も喜んでくれるだろう。


92 : ◆CQDDPJeh8k :2013/08/26(月) 02:07:24 2aKUvlCc0
澪「あっ」

忘れてた。
最後に白色のペンキでヴィンテージっぽくカッコ良く。

筆をペンキをちょんとつけて、上から適当に振る。

ピッ。
ピッ。
ピッ。

澪「あぁっ!」

しまった。
この事を考えて、ジーンズの下に新聞紙を敷いていたが、勢いがありすぎて床にペンキがついてしまった。

急いで拭き取る。

澪「ふぅ」

トラブルはあったが、これで完成だ。

時間は四時間建っていた。


93 : ◆CQDDPJeh8k :2013/08/26(月) 02:15:49 2aKUvlCc0
次の日。

澪「り、律!ほらこれ!」

律「まってましたー!澪の誕生日プレゼント!」

澪「律が好きなジーンズだぞ」

律「おぉっ!かっこいい!いくらしたんだ?」

澪「998円」

律「ええっ!やっす!」

澪「でもほら!ここの膝とかペンキとか私がやった!」

律「このジーンズは澪が作ったってことか?」

澪「うん!かっこいいだろ?」

律「あーうん。かっこいい。すごくかっこいいんだけどー澪?」

澪「ど、どうした?」

律「これ自分のサイズで買っただろ?」

澪「うん!撿撿撿あぁっ!」

律「私こんなに足長くないぞ!」

澪「ごめん律!」

律「でもまぁ大事にするよ。ありがとな澪」

おわり


94 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:20:33 wlmEaGSI0

純「期限の勘違いにはご注意を!」


95 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:21:30 wlmEaGSI0


部室

ガチャ

梓「こんにちはー」コツン

梓「!?いたっ!? 何かとがったものが頭に……なんだろ?」ヒョイッ

梓「これは……紙ヒコーキ……?」


律「あぁー、梓、悪いわるい。わざと当てたわけじゃないんだ。ちょっと唯と一緒に紙ヒコーキを飛ばしてたらちょうど梓が入ってきて……」

梓「……また遊んでたんですか。軽音部なんだから、紙ヒコーキなんか飛ばしてるヒマがあったら練習したらどうですか?」

唯「大丈夫だよ!練習は一昨日したし!!」

梓「毎日しましょうよ……」


96 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:22:43 wlmEaGSI0


梓「まぁいいです。とりあえず紙ヒコーキ遊びは終わりにして練習しますよ!あとこういう紙もムダにしないでください!プリントとかでも裏面にいろいろ書けるんですから」

律「……ケチだなー、梓は」

梓「ケチとはなんですか!せめて節約家と言ってください!……まったく」ペラッ


梓「あれ、この紙 両面印刷だ……って律先輩!?これ、今度のライブのための講堂の使用届じゃないですか!?」

律「……えっ!?」

梓「えっ、じゃないですよーもう!こんな大事な紙を……」

梓「し、しかももう提出期限も迫ってますよ!!提出期限は本日より3日間って書いてあります!」


唯「そ、それは大変だよ!!今日って何日だっけ……?」

律「今日は確か7月4日だったな……梓、その紙が配られた日は!?」

梓「……7月1日って書いてありますね…」

律「ナンテコッタイ」


97 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:23:36 wlmEaGSI0


唯「てことは7月1日から3日間だから1、2、3……三日までだったってこと!?」

律「そうなるな……」

梓「ちょっ……!冷静に分析してる場合じゃないでしょう!提出期限切れてるんですよ!!早く出しにいかないと!」

律「えぇー……でも……また遅れて出しに行ったら今度は私 生徒会に何されるか……」

梓「……自業自得でしょ」

律「だってまた怒られるかもしれないんだもん!そんなのヤダー!!ヤダヤダヤダ!!!」

梓「子供ですか!!!」

ギャーギャー


98 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:24:48 wlmEaGSI0


ガチャ

澪「みんな来てるかー……ってお前たち何やってるんだよ」

律「あ!澪聞いてよー!このケチな梓がさー……」

梓「誰がケチですか!!!」

ギャーギャー


澪「……唯、何があったか説明してもらえる?」

唯「お任せください! 実はかくかくしかじかってことがあってね……」


澪「……つまり、提出期限が7月1日から3日間の講堂の使用届を律がまだ出していなかったと」

唯「うん」

澪「……で?何で梓はあんなに怒ってるんだ」

唯「えっ」


99 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:25:55 wlmEaGSI0


唯「だ、だって澪ちゃん!提出期限もう過ぎてるんだよ!?そりゃあずにゃんだって怒るよ……」

澪「提出期限が切れてる……?何言ってるんだ唯、提出期限は今日までじゃないか」

唯「み、澪ちゃん現実逃避はダメだよ!!7月1日から3日だから1、2、3……7月3日で期限は切れてるはずだよ!」

澪「……なるほど。唯の勘違いの原因が分かった」ガサゴソ


澪「唯、これを見ろ!!」バッ

唯「!!そ、それは……!ろ、六法全書!!」


澪「えーと、何ページだっけ」ペラペラ

唯「ふ、普通に使いこなしてる……(澪ちゃん何者なの……)」


100 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:27:06 wlmEaGSI0


澪「あ、あった。ここに書かれているように民法140条では『日、週、月又は年によって期間を定める時は期間の初日は算入しない』、ということを定めている」

唯「えっ……?どういうこと……?」

澪「つまり今回の使用届の例で言えば期間の初日の7月1日は算入せず、その次の日の7月2日からの三日間が期限となるってことだ」

唯「そ、そうだったの……」


唯「……だって。あずにゃん」

梓「そ、そうだったんですか。ごめんなさい、私そんなこと知らなくて……」

律「ま、まぁ私は最初から知ってたけどな!!これから出しに行くつもりだったんだ!」

梓「紙ヒコーキにして遊んでたし嘘ですよね絶対」


101 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:28:47 wlmEaGSI0


律「でもそれなら最初からそんな紛らわしい書き方しないで『明日から三日間』とか書けばいいにになー」

唯「でもりっちゃん!そう書いたら初日不算入だから、あさってからから三日間って意味になって結局紛らわしいよ!」

律「あー……そう言われてみればそうd」
澪「いや、その場合は明後日から三日、ということにはならない」

唯律「え!?」


律「な、なんでだよ!だって初日不算入なんだろ?だったら明日からって書いたらその明日は含まれず明後日からだろ」

唯「そ、そうだよ澪ちゃん!自分で期間の初日は算入しないって言ってたじゃん!」

澪「確かに私は期間の初日は算入しないとは言ったよ。ただし、それが適用されない場合があるんだ」

澪「民法140条には確かに期間の初日不算入が定められている。しかし、140条には但書もあるんだ」


102 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:29:20 wlmEaGSI0


梓「但書……ですか?」

澪「そう。但書には『その期間が午前零時から始まるときはこの限りでない』と書かれている」

唯「午前零時から……? ……あっ!てことは!」

澪「そういうこと。 つまり『明日から』という期間はその期間が午前零時から始まっているから初日不算入が適用されず、文面通り翌日が期間の始めの日となるんだ」

律「結局今日から3日でも明日から3日でも期間の始まる日は一緒になるのかよ……」

梓「なんだかややこしいですね……」


103 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:30:26 wlmEaGSI0


ガチャ

紬「みんなー、遅くなっちゃってごめんなさい。……何のお話してるの?」

梓「あー、それはですね……、実はかくかくしかじかということがあってですね……」


紬「……つまり、もうとうに過ぎたかと思われた使用届の提出期限が初日不算入により奇跡的にまだ期限内にあったってことね!?」

梓「奇跡なのかどうかは分かりませんがまぁそんなところです」

紬「……あら?でもそうしたら……」

唯「……?どうしたの、ムギちゃん」

紬「もしかして、私たちが年をとる日にも初日不算入の原則が適用されちゃうんじゃない……?」

律「あっ……確かに……」


唯「てことはこの前ムギちゃんの誕生日お祝いしたばかりだけど実際にムギちゃんが年をとる日は7月3日だったてこと!?」

律「…大変なことだぜ、こりゃあ……」


104 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:31:10 wlmEaGSI0


紬「どどどどうしましょう!!!い、今まで私、そうとも知らずに毎年7月2日にお祝いを……!!」

唯「わ、わたしもだよムギちゃん……私たち一日ズレてお祝いしてたんだね……」

澪「待て待て待て。ちょっと待て」

律「この状態で待っていられるかよ!?だって衝撃の事実じゃないか!みんなにも教えてやらなくty」
澪「実は初日不算入の原則には例外もあるんだ」

唯紬律「えっ!?」


105 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:32:16 wlmEaGSI0


梓「れ、例外ですか……?」

澪「そう。例えば今話してる年齢の計算。これは初日不算入の原則が適用されない」

澪「だから誕生日の日も一日とカウントされて、それから一年たったら年をとったとみなされるんだ」

律「なーんだ。そうだったのか。なら安心だなー」

澪「ちなみに年をとるのは厳密には誕生日前日の24時なんだけどな。だから4月1日生まれの人は3月31日に年をとったとみなされるから、4月1日からの新学期に入学できるんだ」


唯「ほぇー……」



澪「ほかにも戸籍の届け出期間や、クーリング・オフ期間も初日が算入されることになっているんだ」

紬「けっこう例外もあるのね……」

梓「やっぱりややこしいです」


106 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:33:24 wlmEaGSI0


澪「……ま、話はこんなところだな。だから律、さっさと使用届を出してこい」

律「へいへーい。じゃあ行ってくるからお前ら私の分のケーキ食べるなよ!」バタン


梓「ふぅ……、これで一件落着……」


唯「ムギちゃーん?今日のケーキは何ー?」グデー

紬「今日はイチゴのショートケーキよー」

唯「わーい!今日も練習はケーキを食べてからやろー」


梓「……でもないか」


107 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:34:24 wlmEaGSI0


梓「唯先輩!昨日も同じこと言って結局練習しなかったじゃないですか!ダメです!今から10分以内に練習しますよ!!」


唯「……ふっふっふ」

梓「……?何がおかしいんですか?」

唯「あずにゃん忘れたの?初日不算入の原則」

梓「へっ? ……あっ!!」

唯「ふふーん、ダメだよあずにゃーん、澪ちゃんの話しっかり聞いとかなきゃー。期間の初日は算入されないからそんなこと言ってもムダなのです!」

梓「ぐぬぬ」

澪「……おい、ちょっと待て」


108 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:36:34 wlmEaGSI0


唯「待ちません!澪ちゃんに何と言われようが初日不算入なんだから私は今日は練習しないよ!」

澪「……実は時・分・秒を単位としている場合は初日不算入とかそういうのはなくて、即時から期間が計算されてしまうんだ……」

唯「……えっ?」


唯「えっ!?どういうことなの澪ちゃん!?」

澪「どういうもこういうも10分以内に練習はじめろと言われたら10分以内に練習をはじめなきゃならないということだ」

澪「ちゃんと根拠条文もある。読んでみろ」ペラッ

唯「え、えーと、『民法139条 時間によって期間を定めたときは、その期間は即時より起算する』」

唯「な、何てこと……」


109 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:37:11 wlmEaGSI0


梓「……だそうですよ?唯先輩?これで思う存分練習ができますね?」ニコッ

唯「アハハ……ソダネ」

梓「じゃあ今日はきびーしく教えてあげますからね?ほら、ギター出して?」ニコニコ

唯「……あずにゃん、『今日から』練習ってことに変更しない?」

梓「ダメです。さぁ、ビシバシ行きますよ!!」

唯「か、勘弁してー!!」


澪「まったく、何やってるんだか」ヤレヤレ

紬「あらあらうふふ」


110 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:38:27 wlmEaGSI0


・・・・・・

純「あらあらうふふ……っと」

カチャカチャカチャ

ッターン!!


純「あー!ギリギリ企画SS書き終わったー!!……一時は間に合わないかと思ったけど、諦めないでよかったよ」

純「よーし!投稿期限が切れる前にさっさと投稿しちゃうよ!!」カチッカチッ

純「……?あれ?投稿できない……? ……え!?『投稿期間は終了しています』!?」

純「そんな、だって期限は今日の0時までのはずじゃ……」

純「……ん?0時……?」

純「あっ」

純「」


111 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:41:06 wlmEaGSI0


翌日



純「」



梓「ねぇ憂……?純は今日どうしちゃったの?」ヒソヒソ

憂「なんか書いてたSS?の投稿期限を勘違いしてて投稿できなかったらしいよ」ヒソヒソ


純「」




紬「……その後 投稿期限が1日延長され、純ちゃんは無事?にSSを投稿できたみたいです」


〜完〜


112 : ◆ym58RP.VtE :2013/08/26(月) 17:42:08 wlmEaGSI0
おわりです

本気で締め切りが今日までだと勘違いしてた


113 : 企画 ◆GRPiIQaeTo :2013/08/27(火) 00:46:53 ANlvQo7s0

【投稿作品リスト】

 1番手:◆ZavxytTKqoさん 和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」 >>2-23

 2番手:◆dWVtcnK36sさん 澪「私の言葉」 >>25-31

 3番手:◆HZgEJIzDeQさん 唯「こんなに君はあったかいんだね」 >>32-38

 4番手:無名 ◆4xyA15XiqQさん 梓「Tonight We are Super Star!」 >>39-54

 5番手:◆ywLV/X/JUIさん 唯「唯2101?」 >>57-76

 6番手:◆UwUOv4/shUさん 紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」 >>77-80

 7番手:◆Ritsu/ZuXYさん 「市内のお出かけはロンドン交通局で」 >>81-85

 8番手:◆CQDDPJeh8kさん 澪「ヴィンテージ」 >>87-93

 9番手:◆ym58RP.VtEさん 純「期限の勘違いにはご注意を!」 >>94-112


皆さんお疲れ様でした
後ほど投票サイトを準備してきます


114 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/27(火) 03:35:25 9gsP2WxY0
感想

1.和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」

自作。久しぶりの台本形式だったからスカスカ感があって、「これでおもしろいのか?」ってなって書くのが辛かった。和中心だったので、語尾とか考えるの難しかった。
ネタはスーパーの果物コーナー見てて思いついた。正直緊張した。


2.澪「私の言葉」

言われてみれば、どうやって言語が生まれたんだろうな。ここまで深く考えたことはなかった。
「無意識」を夏目漱石が最初に使ったとかも知らなかった。こういう豆知識をSSを通せば、漫画で読む歴史〜みたいな感じで吸収しやすいのかも。
追い求めて行くうちにいつの間にかオリジナルになっていたってのはなんか好きだな。澪が律に思いを告げるのはなんか幼馴染ならではって感じで好き。確かに文字や言葉を意識していけば、考えさせられていくことがあるかもなぁ。


3.唯「こんなに君はあったかいんだね」

開始早々にいきなり驚いた。ラブラブ唯和。
てっきり、和も照れてるのかと思いきや積極的ですな。すぐに唯の変化に気づくのも幼馴染ゆえか恋人ゆえか……。なんか読んでるこっちがくすぐったくなってくる。唯は緊張しそうでもあるし、そうでもないような気もする。緊張してる和は意外だったかも。強心臓なイメージがあったから。それを察する唯の心情もそれっぽくてよかった。
人は何をもって愛を表現するか。そんな感じで考えさせられた。言葉かもしれないし、行動かもしれない。難しいな。


4.梓「Tonight We are Super Star!」

思わずネイティブな発音で口に出したくなるようなタイトル。
この三人組は好きだなー。純ちゃんが良い感じに動いてくれること多いから。このSSでもそう。
湿度の話はスポーツでもきいたことあるかも。黒人の選手が倒れたとか。ここでも純ちゃんが絡む便利さ。HTTとは違った、遠慮のない梓も読めるからおもしろい。星座を語る三人を想像してみると、どんなのかが気になった。
確かに、三人とも泣くときは思いっきり泣いてくれそう。ここに菫直がいたらどうなってたのか気になるな。


5.唯「唯2101?」

はじめに、難しい! それは私が馬鹿で頭が悪いのが大きく影響しているのがあるだろう。一瞬、わかった気にはなれるのでは?と思ったけど、想像以上に難しかった。経済に携わる人というのは、こういうのに頻繁に関わってるのかな。難しい。
タイトルには元ネタがあったのか。経済政策とかで国を変えようとがんばっても、なかなか難しそうだな。全員が賛成ってわけでもないし。小さなグループが荒れたりした時にふと思ってしまう。


115 : ◆ZavxytTKqo :2013/08/27(火) 03:37:15 9gsP2WxY0
6.紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」

抵抗とか電圧とか懐かしい。そしてそれを話に結びつけるとは。
温度上昇とかで電流が流れるようになる、とかは本当なのかな? さすがに「百合電圧」とかはないだろうけど。もしそうなら、スッと入った。
百合エネルギーは唯梓で放出されるのか。律澪とかはどうなるのだろうか。別の反応が見られるのか!


7.「市内のお出かけはロンドン交通局で」

海外には行ったことがないので、まずその行動力がすごいと思える。
五人が事前学習形式なのがなんともほほえましい。日本の物とは全然違うな。地下鉄にしろバスにしろ。
原作ネタが使われていてちょっぴりうれしい。五人とも登場したのも。会話も自然だったしね。
こういうのを通して読めば、今まで関心のなかったものに目を向けることのできるきっかけになるのかもしれないな。まさに知識。おもしろい。


8.澪「ヴィンテージ」

ダメージジーンズって自分で作れるのか。初めて知った。
早く律に渡したくてウキウキしている澪がなんかかわいい。
律に渡す時も緊張してるのが妙にリアル。よろこんでもらえてうれしいのか、自分のやった所を興奮しながら説明するのもかわいい。
オチはバッチリ。背伸びしてやっとの律にはなかなか厳しい。それでもあっさりした返事がよかった。


9.純「期限の勘違いにはご注意を!」

「紙ヒコーキ」の理由はなんだろう、気になる。
使用届の件で揉めるのはベタかもしれないけどおもしろいし好きだ。普段の会話もこんな感じでおもしろいんだろうな。
六法全書取り出したドヤ澪おもしろい。こういうのに着目するのがすごい。「どうして4月1日も含まれるのか」という疑問はこのSSを読めばわかるわけだ。すごい。練習するしないとも絡めることができるとは思わなかった。
純ちゃん、乙だ! よく投下してくれた!


上でも書いたけど、SSを通してサッと気軽におもしろい知識を得られるな。
初参加だったけどおもしろかった。次は10月くらいかな。また企画があれば挑戦してみたいな。

企画開始前の書き手交流スレの>>289『知識系SSとは?』やこのスレの(あなたが知識系だと思ったら、それは知識系SSです!)は幅広くSSを受け入れる姿勢に見えてとてもよかった。おかげでテーマを柔軟に考えることができたし、書きやすくなった。ありがとう。

みんなおつかれさま。


116 : 企画 ◆GRPiIQaeTo :2013/08/27(火) 21:12:48 7oWfhyQo0

遅れましたが、投票所はこちらとなります。

http://enq-maker.com/b8qnNrp

それでは現在より投票を開始します。
ふるってご投票ください!

>>114-115
感想ありがとうございます!


117 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/27(火) 22:31:18 fBCqFkbI0
>>116
なるほど、作品としての評価5点+知識に興味を持てたかの評価5点の、計10点満点か、面白い
それに着目して、再度読み返してみるか


118 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/27(火) 22:40:51 zu/VV4160
>>117
>>1


119 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/28(水) 12:12:40 SeGMZEjo0
参加した人は投票・感想必須でしたっけ?読む時間が中々とれないのですが


120 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/28(水) 13:00:01 kjdepMhA0
やはり土日か……


121 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/29(木) 09:39:27 DTlJr3520

感想ー


1番手:◆ZavxytTKqo 和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」

導入から「いつもの軽音部」っぽく、終わり方もまた然りで丁寧な印象。内容も日常で必要不可欠な食事についての知識で何かと役立つ内容となっており、読み終えてからも更に多くの人に読んで貰いたいと思えた。
強いて欠点を挙げるならばスレタイから内容が察せない点だろうか。どんな豆知識が来るのかとワクワクしたらフルーツの栄養に関する知識だけ“だった”、という意味では肩透かしとも言える。


2番手:◆dWVtcnK36s 澪「私の言葉」

突拍子もない澪の話と、それにどうにかついていこうとする律の構図。一見するとこの二人ならあってもおかしくない構図でありながら、律の話の促し方も質問の内容も、ほぼ的確に読者の思考をトレースしている。
しかしそれは序盤から中盤にかけてであり、〆の段階に入ると自然と今の二人の状況説明、澪がその思考に至った背景の解説へとシフトし、我々の脳内から離れてひとつの物語となる。この移り変わり方が実に見事。
結論らしい結論が明確には無く、未解決とも取れる終わりは知識発表の企画という場では賛否両論かもしれないが、物書きの集うであろうこの場に投じる価値のあるテーマではあったと思う。


3番手:◆HZgEJIzDeQ 唯「こんなに君はあったかいんだね」

和「セックスよ」に盛大に吹き出した。何故か脳内再生できて更に辛い。
知識そのものよりは唯の知識の無さとそこから来る戸惑いなどの心の揺れを知識のある和が解きほぐす、という光景が主。知識をテーマにしながらも百合百合しさを表に出しているのは意外にも今回この作品だけだった。
しかし、文頭に“唯(”が11個続いたり、“和「”が12個続くような会話形式はどうにかならないのだろうか。会話内容自体に違和感はないのに作品としてとにかく見栄えが悪い。
あと唯の語尾の「だよう」に多少違和感を感じた。どちらも内容に関係ない上、俺の好みの問題や作者の作風の主張の可能性もありそうで本来大っぴらに言えるものではないのかもしれないが。


4番手:無名 ◆4xyA15XiqQ 梓「Tonight We are Super Star!」

星座の知識の話。バランスのいい三人を写すように、知識と物語性のバランスもほどよくまとまっていたと思う。三人の進路については思いを馳せてみた人も多いのではないだろうか。
しかし星座の知識って高校生の頃はまだギリギリ覚えてる範囲なのでは? 小学あたりで叩き込まれて歳を取るにつれ使わなくなっていき忘れていく知識ではあるとはいえ、北斗七星自体が星座だと思っていた純は少々将来が心配である。
もっとも、先輩にはヨーロッパを国だと思っていた人もいるのだし野暮なことか。
季節と合わせた上で知名度の高い星々をチョイスしており、伝わりやすくていいと思った。


5番手:◆ywLV/X/JUI 唯「唯2101?」

あとがきに「無理せず読み飛ばしてください」って書いても意味ないのではなかろうか。


122 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/29(木) 09:40:01 DTlJr3520


6番手:◆UwUOv4/shU 紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」

抵抗、電圧、電流。オームの法則。半導体。ダイオード。認知率の高いワードを使い、多くの人がついていける範囲で百合科学を披露するという気配りが光る。ダイオードだけに。
工夫と発想の勝利だと思う。


7番手:◆Ritsu/ZuXY 「市内のお出かけはロンドン交通局で」

ロンドンまで行き、自らの足で得た知識を披露してくれた素晴らしいSS。作者に頭が上がらない。
映画の裏エピソードとして楽しむも良し、実際にロンドンに行く時に役立てても良し、の仕上がりとなっている。
路線図に圧倒された……


8番手:◆CQDDPJeh8k 澪「ヴィンテージ」

澪のダメージジーンズ作り。ダメージジーンズのロックっぽさと、けいおん!キャラはパンツルックが主なのを合わせ見ると地味に鋭い着眼点に思う。
地の文を使い、時間の流れまでもを意識したリアルで丁寧な解説はまさに知識系といった感じで読者を上手く引き込む。作者が作りながら書いたのではないかと疑うほどだ。
ただ、オチの判断が少し難しい。オチ自体は綺麗にまとまっているし澪ならやらかしそうでもあるが、この二人くらい付き合いが長いと相手のサイズも日頃から頭に入ってそうでもある。一緒に服屋に行くなら尚の事。
とはいえ、それでもなお浮かれてあるいはテンパった上での澪の失敗、とも読み取れるのだが。


9番手:◆ym58RP.VtE 純「期限の勘違いにはご注意を!」

常に六法全書を持ち歩く女子高生、秋山澪さんによるありがたい知識。細かく例外についても解説されており、社会に出たら役立ちそうだ。
メタを通り越した作者の現在進行形オチは乾いた笑いを引き起こす。延長されて本当に良かった。


・総評

今回は意外性より堅実さで勝負した作品が多くなった印象。悪く言えばインパクトが足りないが、そのぶん実用性に優れるものも多いので一概に欠点とは言えない。
どれも下準備にかなりの時間をかけたのではないかと思われる物ばかりで、参加者には尊敬の念を禁じ得ない。
本来ならこのように乱雑な数行の感想で済ませていいものではないのだろうが、そこはどうかご容赦願いたい。
参加者の皆様、お疲れ様でした。


123 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 17:57:10 xOIXomE.0
感想いきます


124 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 17:57:44 xOIXomE.0

律「プラトンってやつに言わせれば、
 理想的な国家は哲学者の支配する国家らしいぞ」

梓「だいぶざっくりとした言い方ですね」

律「というわけで私も知識を身につけようと思ったんだ」

梓「三日坊主にも満たないと思いますが」

律「へへーん、残念だったな梓。ぎりぎり三日は持ったぜ?」

梓「どちらにしろ早すぎます」

梓「というか、律先輩は支配者になりたいんですか」

律「上に立つ者は、大体得するからな」

梓「絶対先輩の下にだけは付きたくないです」

律「照れ隠しか?」

梓「裏のない本音です」

律「まあまあ、そんなこと言わずにさ」

律「なんといっても今回の企画は知識企画だったから、
 有難く読ませてもらったんだ」

梓「はあ」

律「だから一緒にお礼がてら、感想を言っていこうじゃないか!」

梓「もう一度言いますが、絶対律先輩には付いて行きたくないんです」

律「照れ隠しか?」

梓「もう一度言われたいんですか?」


125 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 17:58:20 xOIXomE.0

律「そんなこと言わずにさ、ほら!
 一番手◆ZavxytTKqoさんの“和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」”だけでもさ!」

梓「……はあ。わかりましたよ」

梓「そうですね、この作品は実に淡泊です」

律「そうだなあ、淡々と知識が和から語られていくもんなあ」

梓「それをうんうんと頷きながら、さらさらと読める作品でした。
 知識がすうっと、頭に入り込んでいくんですね」

律「おお、それは良いことだ」

梓「お話としては少し物足りないのが否めないでしょうけど」

律「なるほどなあ」

律「ところで梓はバナナーだけどよ」

梓「マヨラーみたいに言っているんでしょうけど、わかりにくいです。
 それと別にバナナーではありません」

律「お前も使ってんじゃん……」

律「いや、そんな梓がこの情報を聞いてどう思うのかなって」

梓「えっ?」

律「沢山の糖質が含まれてるっていう……」

梓「はい、張り切って次もいきましょう! 最後まで付き合いますよ、先輩!」

律「変わり身はや!?」


126 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 17:58:49 xOIXomE.0

梓「次は、なんですか。
 二番手◆dWVtcnK36sさんの“澪「私の言葉」”ですね」

梓「物が先か、言葉が先かという話を思い出す作品ですね」

律「なんだそれ。物が先に決まってるだろ」

梓「物に名前がつけられる前、全てのものに区別はなかったという話です。
 そこで言葉は物を区別する仕切りみたいな役割を果たします」

梓「ま、それは置いておいて、です」

梓「知識はとても興味深いものを扱っていると思いますね」

律「一応なにか書いてるような身にとっては、そうなのかもなー」

梓「最後に軽音部の話にシフトしたことで、
 一つのお話としても上手く完成させていたと思います」

律「言葉かー。私たちは完成されたものを使ってるんだよなー」

梓「まさか。今でも言葉は変化し続けていますよ。
 誤用とされているものが多用され、一般化されるなんてザラです」

梓「そういう律先輩も知らず知らずのうちに、
 新しい意味で既存の言葉を使っているのかもしれませんよ」


127 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 17:59:27 xOIXomE.0

律「次は三番手◆HZgEJIzDeQさんの、
 “唯「こんなに君はあったかいんだね」”だな」

律「うーん、私はここで扱われてる知識に、興味は出なかったかな」

梓「そうなんですか?」

律「そこに疑問を持たれちゃうと、反応に困るぞ……」

梓「では知識以外はどうでした?」

律「いわゆる、その、行為前の時間だというのに、
 こいつら、濃厚ないちゃつきしやがる……って感じだったな……」

梓「恥じらう先輩……ぷっ!」

律「中野、表出ろ」

梓「まあ二人のいちゃつきは楽しめたみたいです」

律「スルーかよ」


128 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 18:00:03 xOIXomE.0

梓「ほらほら、次は四番手の無名◆4xyA15XiqQ、
 つまり自分の作品“梓「Tonight We are Super Star!」”ですよ」

律「作者はもうちょっと紹介出来ればよかった、とか思ってるみたいだな」

梓「パンチも思った以上に弱く仕上がってしまって、
 ちょっと悔しく思ってもいるそうですよ」

梓「あと久しぶりに図鑑を引っ張りだしてきたんですけど、
 案外楽しんで読んでしまったみたいです」

律「図鑑かー。まだ本棚のどっかにあるんだろうなー」

梓「律先輩は恐竜図鑑とか好きそうですよね」

律「なにをー! 私だってな、花の図鑑とか持ってるんだぞー!」

律「……恐竜図鑑もあるけど」

梓「大丈夫です、恐竜を好きになることに、男女の違いなんてありませんよ」

律「そうなんだろうけど、お前から言われると信用ならんわ!」


129 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 18:00:32 xOIXomE.0

律「えー、次は五番手◆ywLV/X/JUIさんの“唯「唯2101?」”だな」

律「……ハッキリ言おう」

律「なに言ってるのかさっぱりだった」

梓「ある程度知識あることが前提ですよね、これ」

梓「ただ難解なだけ。興味を引くに至ってないと思います」

律「しかもそれが延々と続くしよー……」

梓「最後まで読みましたが、ただただ疲れました。
 その難解な知識が八割以上を占めているので、お話としてもも楽しめませんでしたし」

律「例えだけど、小学生相手に微分のことを話してもなーって感じだ」

梓「驚きました。律先輩の口から微分という言葉が出てくるとは」

律「梓は私を舐めすぎだと思うんだ」


130 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 18:01:05 xOIXomE.0

梓「次に六番手◆UwUOv4/shUさん、
 “紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」”への感想ですね」

律「文系にとっては、すっげー懐かしい言葉が出てきたな!
 オームの法則とかさ、いつ以来だ?」

梓「誰でも聞いたことある言葉を用いて、
 空想の科学を妄想するムギ先輩はとても面白かったですね」

律「どれもすらすら頭の中に入ってきたよ」

梓「現実の知識ではないので、この知識は興味深いと言ってしまうと、
 ちょっと奇妙な感じになってしまいますが、それでも興味深かったです」

律「梓にとっては自分のことだもんな?」

梓「……別に、私は半導体じゃありませんもん」

律「ふーん」

梓「唯先輩に抱きつかれたからって、
 ある時点から喜び爆発なんてあり得ません!」

律「へー」

梓「……律先輩には絶対的な抵抗があります。絶縁体です」

律「ひでえ!!」


131 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 18:01:33 xOIXomE.0

律「お次は、七番手◆Ritsu/ZuXYさんの
 “ 「市内のお出かけはロンドン交通局で」”だ!」

梓「一つ前の作品とは違い、まさに現実の知識でした」

梓「なんといっても現地で得た知識を持ってくるというのは現実味があり、
 説得力もあると思いますね」

律「それを卒業旅行前の話し合いに落とし込むのは、
 いかにもありそうなエピソードって感じで上手いよなー」

梓「はい。知識とお話、その両面を上手く絡めた作品だと思います。
 絡め方では、一番上手いかもしれませんね」

律「しかしこの路線図、乗りこなせる気がしないな……」

梓「なに言ってるんですか。日本の都心部の方がもっと酷いです」

梓「……何度、人混みに身体を持ってかれそうになったか」

律「梓は小さいからな」

梓「うるさいです」

梓「まあ実際、どっちの方が酷いのかはわかりませんけど、
 私はこの程度の路線ならいける気がします」


132 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 18:01:59 xOIXomE.0

梓「では次に、八番手◆CQDDPJeh8kさんの“澪「ヴィンテージ」”です」

律「おお、私へのプレゼント制作過程か。ちょっと恥ずかしいな」

梓「本日二度目の……ぷっ」

律「あとで屋上来い、梓」

梓「律先輩の戯言はともかく、制作の段取りを追って楽しめる作品でした」

梓「なにより良いのが、追って楽しめる作品ということは、
 それを疑似体験できるというところ」

梓「お話自体は普通ですが、知識を体験して得ることができる作品としては、
 とても良い仕上がりだと思います」

律「しっかし、澪のサイズだとちょっと長いんだよな……」

梓「いいじゃないですか。工夫して履いてくださいよ」

律「あとベルトも普段よりきつめにしないとな……」

梓「澪先輩にぶん殴られますよ」


133 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 18:02:29 xOIXomE.0

律「次は最後の作品、九番手◆ym58RP.VtEさんの、
 “純「期限の勘違いにはご注意を!」”だな」

梓「唐突に、自然と澪先輩が六法全書を取りだしたときは笑いましたよ」

律「しかも唯以外、誰もツッコんでくれてないしな。
 あれか、突然のことにみんな茫然としてるのか」

梓「まあそれはともかく、知識も役立ち、お話も笑えるもので面白かったです」

梓「それと、これは作品となんの関係もない話ですが、
 どこからか作者の叫びが聞こえてきたような気がしました。
 空耳でしょうか?」

律「梓ー、それは間違いなく空耳じゃねえぞー」

律「……ま、なにはともあれ、無事に投稿できて良かったな!」


134 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 18:03:18 xOIXomE.0

梓「結局最後まで付き合っちゃった……」

律「お前から言い出したことだろ」

梓「きっかけは律先輩です」


135 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 18:03:48 xOIXomE.0

律「梓にとって、今回の企画はどう映った?」

梓「そうですね。そもそも企画が立ち上がってから、日数もあまりなかったですし」

梓「知識というテーマ上、
 インパクトのある作品を書くのが難しかったのだと思いました」

律「それは仕方ないことかもしれないなー」

梓「ただ今回の投票形式は、非常に良いと思います」

梓「前々から採点基準を複数設けた方が良いと思っていたのですが、
 それを見事実現してくれました」

律「その方がなにを評価されているのか、確実に掴めるからな」

梓「律先輩からは、なにか言うことありませんか?」

律「私から言うことは、そうだな、その採点方式か。
 二つの基準を設けてくれたおかげで、幅広い作品を受け入れるぞという、
 企画者の意図が見えてきた気がしたよ」

梓「なるほど、確かにそうかもしれませんね」

律「今度は時間をたっぷり持たせて、
 秋ぐらいにやる企画を今から考えておいても、良いかもしれないな」

梓「秋企画ですか……どっかで聞いた響きですね」

律「ま、それはさておきだ」

梓「さらっと流しましたね?」

律「気にするなって」

律「……えーと、企画者さん、まずはお礼を。
 本当にありがとうございました!」

梓「参加者の皆さんも、お疲れさまでした」

梓「あとは企画者さんからの結果発表を待ちましょう。
 企画者さんも、最後までよろしくお願いします!」

律「……こんなとこか?」

梓「ですね。では、そろそろ退散することにしましょう」

律「だな」

梓「それじゃ……」



律・梓「いつかまた、出会う日まで!」



 ‐ お し ま い ‐


136 : 無名 ◆4xyA15XiqQ :2013/08/29(木) 18:04:22 xOIXomE.0
感想は以上です
ありがとうございました


137 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/29(木) 21:38:43 jM2Xg2ec0
感想乙


138 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/30(金) 10:45:31 8mTflfpU0
ブラックな感想

 1番手:◆ZavxytTKqoさん 和「これで学べる!

真鍋和の豆知識!」 >>2-23

丁寧に作りこまれていて好印象だが、淡々としてい

る。
もう少し起伏が欲しかった。


 2番手:◆dWVtcnK36sさん 澪「私の言葉」 >>25

-31

この澪は高二病患者。
いいから、さっさと歌詞を書け。
書き手のみならず、誰もが思春期辺りに一度は考え

た事がありそうで、共感は得やすいかもしれない。
が、思春期にありがちな言葉遊びに終始しているだ

けで面白みが無い、というか薄っぺらい。
そこをさらに追求すれば哲学っぽくなるのに。


 3番手:◆HZgEJIzDeQさん 唯「こんなに君はあっ

たかいんだね」 >>32-38

エロいのは苦手だけど、企画なので頑張って読んだ


この和はメンドクサイ。
緊張している様は人間味を感じたけれど。


 4番手:無名 ◆4xyA15XiqQさん 梓「Tonight We

are Super Star!」 >>39-54

面白いが、何故か途中で飽きた。
ごめん。


139 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/30(金) 10:46:26 8mTflfpU0
 5番手:◆ywLV/X/JUIさん 唯「唯2101?」 >>57

-76

論外。


 6番手:◆UwUOv4/shUさん 紬「先端百合半導体工

学 その発見の瞬間」 >>77-80

ようやく面白いのにたどり着いた。
半導体やオームの法則といった知識を、上手くSS

に結びつけていると思う。
唯がN型百合半導体で、あずにゃんがP型百合半導

体って感じですか。
唯ちゃんから飛び出た百合電子が、あずにゃんの穴

に…ハァハァ
でもこの理屈で行くと、唯⇒梓なら光るけど、梓⇒

唯なら光らないのよね、ダイオードって一方向にし

か電流を流さないから、という野暮なマジレス。


 7番手:◆Ritsu/ZuXYさん 「市内のお出かけはロ

ンドン交通局で」 >>81-85

また映画が見たくなった。


 8番手:◆CQDDPJeh8kさん 澪「ヴィンテージ」

>>87-93

制作過程を追体験しているようで興味深く読めた。
これは作者の実体験だろうか、妙にリアリティがあって良かった。
が、面白いかと言われると微妙。
ただ作るだけで淡々としていて、しかもほぼ予定調和。
オチも付いているが、しっくりとこないオチ方。


 9番手:◆ym58RP.VtEさん 純「期限の勘違いには

ご注意を!」 >>94-112

作者の機転と熱意に乾杯。
六法全書を携帯する澪には噴飯したが、まあそういう物だと割り切ると、何これありそう。
法知識とけいおん的要素が上手い事混ざっていて意外と面白い。
この中では一番好き。
終わりに描かれた純ちゃんは明らかに作者の代弁だろうが、このメタネタをどう捉えるかで、作品の評価は変わるかも知れない。
面白かったので、俺は良いと思います。


番外編 企画者さん

日付を長くすればもっとSSは増えただろうと思うが、まあ仕方ないのだろう。
しかしながら、ハードルを下げて参加しやすくしよう、という企画者さんの配慮と工夫も随所に感じられた。
だからこそ、今回は9作品も集まった、という見方も出来るかも知れない。


140 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/30(金) 10:46:54 8mTflfpU0
感想は以上です。
雑だという自覚はありますが、面倒なのでこれ以上は書きません。
参加した人、企画者さん、お疲れ様でした。


141 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/30(金) 20:00:46 Lv1zYVOE0
今回は間に合わなかったのでせめて感想だけ
参加された方々、本当におつかれさまでした

1番手:◆ZavxytTKqoさん 和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」 >>2-23
各キャラを丁寧に描いているおかげで、情景を想像しやすくてよかったです
特にバナナーな梓ちゃんがかわいかった
この6人が話しているだけでも楽しいですよね・・・

このSSでも書かれてましたがバナナって地味に凄いんですよ
ハンガーノック対策に乾燥バナナを携帯するチャリダーは多いですし


2番手:◆dWVtcnK36sさん 澪「私の言葉」 >>25-31
知識というものの成立過程にかかわるお話ですね
オチに向けて綺麗にまとまった作品だと思います


3番手:◆HZgEJIzDeQさん 唯「こんなに君はあったかいんだね」 >>32-38
冒頭のキスシーンからどうやって知識系に持ち込むのかな・・・
と考えながら読んでいると、セックスの知識の話になって笑いました
こんな手が・・・


4番手:無名 ◆4xyA15XiqQさん 梓「Tonight We are Super Star!」 >>39-54
やはり後輩組の絡みはかわいいですね
楽しい感じがこっちにまで伝わってくる素敵なSSでした


142 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/30(金) 20:02:03 Lv1zYVOE0
5番手:◆ywLV/X/JUIさん 唯「唯2101?」 >>57-76
株価の理論上の最大値は無限ですが、株価にはS高があるので無限ではない・・・と思いましたが、
S高だと買えない可能性もあるのでどうなるんでしょうか・・・


6番手:◆UwUOv4/shUさん 紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」 >>77-80
裁判の結果が気になります


7番手:◆Ritsu/ZuXYさん 「市内のお出かけはロンドン交通局で」 >>81-85
そろそろ積んである劇場版を見るべきかと思いました
でも見てしまうと自分の中で何かが終わってしまう気がして・・・


8番手:◆CQDDPJeh8kさん 澪「ヴィンテージ」 >>87-93
このジーンズを履いたりっちゃんのイラストを見てみたくなるSS
短くてシンプルですが、こういうSSは好きです


9番手:◆ym58RP.VtEさん 純「期限の勘違いにはご注意を!」 >>94-112
これは・・・法律系なのに読みやすいしわかりやすいし、オチもうまくひねってある
笑える部分もありますし、今回の企画の中では一番良かったと思います


143 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/30(金) 23:35:34 RY17kRv20
今回は、感想だけ参加します。
思いのほか毒舌になってしまいましたが、感じたまま書きました。


1番手:◆ZavxytTKqoさん  和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」
みんなの辞書、和ちゃんによる楽しく学べるフルーツの豆知識。
解説の合間に入るけいおん部らしいやりとりにニヤリとさせられます。
フルーツは身体にいいとよく聞くけど、それぞれこんなに違う効能があるんだ、と
あらためて勉強になりました。バナナはスポーツ選手が食べている姿をよく見かけ
ますが、腹持ちが良くてすぐにエネルギーになるそうです。
ところで、唯ちゃんも大好きな温州みかんはアメリカでは「テレビオレンジ」と
呼ばれているそうです。理由は、テレビを観ながらぱくぱく食べられるから。
「テレビオレンジ」を戸田奈津子さんが訳すと、たぶん「こたつみかん」です♪


2番手:◆dWVtcnK36sさん  澪「私の言葉」
歌詞が思いつかずに産みの苦しみを味わう澪ちゃんとりっちゃんの会話?
自分一人の趣味ならともかく、新曲の歌詞ともなるとメンバーにも迷惑が掛かるし、期限も
あるならなおさらプレッシャーだと思います。
唯ちゃんは直感的に歌詞を書いてしまうけど、澪ちゃんは歌詞を書くためにわざわざ言葉を
考えるための場所と時間を選んでいました。
澪ちゃんらしい一面が見られるSSですが、欲を言えば、苦しんだ澪ちゃんがいろんな
ものを感じ取って言葉を紡ぎ始める、その姿まで見せてほしかったです。


3番手:◆HZgEJIzDeQさん  唯「こんなに君はあったかいんだね」
照れる唯ちゃんと冷静さを見せながらも内心ドキドキしてる和ちゃんが新鮮です。
恥ずかしがる唯ちゃんは可愛いのですが、唯ちゃんはなんと言っても、弾けるような
元気と無邪気さが魅力です。(「唯先輩を恥ずかしがらせたい」みたいなSSがあるくらいに)
そんな唯ちゃんらしさが感じられていれば、照れる唯ちゃんはもっと魅力的だったと思います。
「知識系」というテーマの上では、百合セックスの知識を伝えたいのか、セックスの持つ
重要性を伝えたいのか、作者さんの思いを読み取ることができませんでした。



4番手:無名 ◆4xyA15XiqQさん  梓「Tonight We are Super Star!」
3人がそれぞれの夢を語りながら見た星空は、一年前お姉ちゃんたちが手に入れた
「離れてても同じ空見上げて」の意味を、3人に教えてくれたでしょうか。
夢を叶えるのは難しいことだけど、誰かに夢を託すことはもっと難しい。そんな難しい夢を
お互いが叶えてくれると信じて疑わないこの3人は、3人ともスーパースターです。
だから、みんなで星に祈りましょう。......梓ちゃんの歌が上手くなりますように。
祈らなければ叶わない夢なんて、所詮その程度の夢です。
いつもの無名さんに比べると少し捻りがなくて、その分ストレートに思いが伝わる
SSでした。


144 : いえーい!名無しだよん! :2013/08/30(金) 23:36:16 RY17kRv20

5番手:◆ywLV/X/JUIさん  唯「唯2101?」
投資信託のお話?……唯梓律の3人は初心者、紬澪が中級者でしょうか。
専門用語が多くて難しかったです。私くらいの超初心者にいてほしかったかな?
好奇心旺盛で何にでも手を出してしまいそうな唯ちゃん、慎重だけど勝負どころでは
思い切った勝負に出そうな梓ちゃんは、この2人らしいなと思います。
最後の、紬ちゃんの台詞、「2人を踏み台」「応援している」などが気になったけど、
それぞれがどういう関係なのか、よく分からなかったのが残念です。



6番手:◆UwUOv4/shUさん 紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」
百合をエネルギーに置き換えた、楽しいSSです。唯梓でこの結果なら、律澪は、
唯憂は、平和ならどうなのかな〜、と興味がそそられます。
その意味では、企画の採点基準である「知識に興味を持てたか」という評価では
満点だと思います。
ただ、私の好きな『紬「現代百合化学概論」』のコンパクト版の趣で、新鮮さは
感じられませんでした。



7番手:◆Ritsu/ZuXYさん  「市内のお出かけはロンドン交通局で」
けいおん部で旅をするSSは大好きです。だけど、このSSはどこか物足りません。
机の上にパンフレットを並べて説明を聞いているだけのような......実際のロンドンの
空気に触れている感触がないのです。
かまぼこ電車の車内は涼しいのか、暑いのか、2階建てバスの2階はグラグラ揺れて
怖くなかったのか、町を行くロンドンっ子は手を振ってくれたのか......そんな、
唯ちゃんたちの旅を読んでみたかったです。



8番手:◆CQDDPJeh8kさん  澪「ヴィンテージ」
この作者さんは(当然?)ヴィンテージのジーンズを好んで履いているのでしょう。
りっちゃんの誕生日に澪ちゃんが世界にひとつしかないジーンズをプレゼント。
淡々と進む製作過程はきっと作者さんの経験に基づいていて、りっちゃんのために
真剣な澪ちゃんが、作者さんの思いまでも、たったひとつのジーンズに込めて作り上げます。
価格はもちろんプライスレス!なのに、998円と答えてしまう澪ちゃんの外連味のなさは、
抱きしめたくなる可愛さです。
好きなものに思いを込めればちょっとばかりの失敗も愛しさに変わる、それを分かってる
りっちゃんもやっぱり流石りっちゃんなのでした。



9番手:◆ym58RP.VtEさん 純「期限の勘違いにはご注意を!」 >>94-112
りっちゃんは、講堂の使用届を出さなさすぎです。さっき褒めたのに。
最近の女子高生が六法全書を持ち歩くのは当たり前? 勢いがあって楽しいです。
初日不算入の原則は、誰も法律の内容はよく知らないまま、なんとなく使っていると
思います。けいおん部のメンバーが、ふだんなじみ深い「期限」や「期間」に
ついての知識を楽しく教えてくれるSSでした。

企画者さん、作者のみなさん、お疲れさまでした。


145 : 企画 ◆GRPiIQaeTo :2013/08/30(金) 23:58:55 F.ITq.Ko0
みなさん感想ありがとうございます。
日付越えて落ち着いたら集計しようと思います
まだ投票がお済みでない方はお早めに

結果発表は明日の夜18時〜20時以降を予定してます
もし投票を遅らせたい方がいましたら、
明日の午前いっぱいぐらいまで延ばそうと思います。
いかがでしょうか?

感想は時間に関係なく随時お待ちしております
よろしければぜひ一言残していってください
それでは失礼します


146 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/01(日) 08:15:40 rimPIqSo0
結果発表マダー?


147 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/02(月) 00:43:06 C1WhxM86O
はやくしろよカスベ


148 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/02(月) 23:51:17 Cs0LVWE20
どうかしたのかな


149 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/03(火) 01:27:54 KvgWYUE20
企画者にも都合があるのだろうし、遅れるなら遅れるで良いんだけどさ、
せめて遅れるの一言が欲しいよね、あと何時出来るのか、とか
待っている人も居るんだからさ


150 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/04(水) 00:29:57 d.RBCNUM0
何かあったのかー!


151 : :2013/09/04(水) 22:49:49 dM12wcyYO
大丈夫?生きていますか?


152 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/06(金) 13:29:39 UApj4Ef60
次の土日で現れなかったら投票やり直しかな?


153 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/06(金) 18:32:15 uxeW.6kg0
何かあったのかね
だんだん心配になってきたわ


154 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/07(土) 00:27:20 TZrQ5/2E0
採点の有無はともかく、作品はそれぞれ良かった。


155 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/07(土) 00:49:05 ahjhR7iw0
企画者が現れるまで感想書いとけばいいんじゃね?


156 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/07(土) 00:50:01 H1m6SCsg0
いやもう終わりにしよう
いーじゃない、偶にはこういうサプライズも


157 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/07(土) 01:41:50 54zXE9ME0
こんなサプライズは傍迷惑なだけずら


158 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/07(土) 13:43:19 we2lVtHg0
結果が気になる


159 : 企画 ◆GRPiIQaeTo :2013/09/07(土) 22:45:41 HWikDAuE0
結果発表(1)

【知識部門】
1位 7番手: 49点
2位 9番手: 44点
3位 1番手: 42点
4位 6番手: 39点
5位 8番手: 33点
6位 4番手: 32点
7位 2番手: 30点
8位 5番手: 23点
9位 3番手: 21点


160 : 企画 ◆GRPiIQaeTo :2013/09/07(土) 22:46:45 HWikDAuE0
お待たせして大変申し訳ないです
先週土曜に再入院した父が木曜にようやく退院しました
書類の手続きもだいたい落ち着いたので再開します
二度手間になると思うので、まずは取り急ぎ知識部門での点数発表です
個別の感想は後ほど総合順位の発表時に行おうと思います
ご心配かけて本当にすみません


161 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/07(土) 22:50:13 ahjhR7iw0
おー……大変だったね



162 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/07(土) 23:05:41 FtOUA4J.0
事情は把握した
あまり無理するなよ、気長に待っているから

あと、結果発表は作品名と作者名も併記した方が分かりやすいかな(小声)
いや、単にそんな余裕が無かっただけかも知れんけど


163 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/08(日) 03:22:13 pjhggJ4o0
企画者さんじゃないけど、勝手に上のリストと合わせてみた

 1番手:◆ZavxytTKqoさん 和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」 >>2-23
【知識部門:42点(3位)】

 2番手:◆dWVtcnK36sさん 澪「私の言葉」 >>25-31
【知識部門:30点(7位)】

 3番手:◆HZgEJIzDeQさん 唯「こんなに君はあったかいんだね」 >>32-38
【知識部門:21点(9位)】

 4番手:無名 ◆4xyA15XiqQさん 梓「Tonight We are Super Star!」 >>39-54
【知識部門:32点(6位)】

 5番手:◆ywLV/X/JUIさん 唯「唯2101?」 >>57-76
【知識部門:23点(8位)】

 6番手:◆UwUOv4/shUさん 紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」 >>77-80
【知識部門:39点(4位)】

 7番手:◆Ritsu/ZuXYさん 「市内のお出かけはロンドン交通局で」 >>81-85
【知識部門:49点(1位)】

 8番手:◆CQDDPJeh8kさん 澪「ヴィンテージ」 >>87-93
【知識部門:33点(5位)】

 9番手:◆ym58RP.VtEさん 純「期限の勘違いにはご注意を!」 >>94-112
【知識部門:44点(2位)】


164 : :2013/09/08(日) 11:00:09 XUpGglCoO
お疲れさまでした…。


165 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/10(火) 02:33:44 mg4bIeNA0
遅れても良いから、いつ発表するかぐらい予め言っておけよ、って前もコレ言ったじゃねえかカス


166 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/10(火) 07:53:03 LY0CHyXgO
せめて代理発表者でも募ってりゃあな、俺も立候補したんだが


167 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/12(木) 02:42:20 bpJPfOhw0
ここまできたらひと月でも一年でも待ってやらァって気分になるね
企画開いてもらえるだけ御の字、急かさずゆっくり待とう


168 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/12(木) 02:59:25 k1nNHd.60
さわ子「その意気やよし!」


169 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/14(土) 19:01:34 94uzWYJ.0
結果見るまで成仏できん


170 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/14(土) 19:18:00 4rJa5b/.0
気長に待ってます


171 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:50:04 uw2nyK0.0

和「――と。いうわけで、」

唯「結果発表! じゃっじゃーん!!」

和「・・・」

唯「・・・」

和「・・・ねえ唯、もう一人は?」

唯「さすがにもうすぐ来るはずなんだけどなぁ。なにかあったのかな?」

和「気分的にはかれこれ二週間近く待ってる気がするんだけど」

唯「やけに具体的だね・・・」

 < ガチャッ

律「ごめーんっ! ちょっと目覚ましかけそb――うひゃっ?!」ズルッ

唯「り、りっちゃん?!」

  \どってーん/


172 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:51:07 uw2nyK0.0

★― 結果発表《知識・解説編》 ―★

 第1位 49点 7番手:◆Ritsu/ZuXYさん
  「市内のお出かけはロンドン交通局で」  >>81-85

 第2位 44点 9番手:◆ym58RP.VtEさん
  純「期限の勘違いにはご注意を!」 >>94-112

 第3位 42点 1番手◆ZavxytTKqoさん
  和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」 >>2-23

 第4位 39点 6番手:◆UwUOv4/shUさん
  紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」 >>77-80

 第5位 33点 8番手:◆CQDDPJeh8kさん
  澪「ヴィンテージ」 >>87-93

 第6位 32点 4番手:無名 ◆4xyA15XiqQさん
  梓「Tonight We are Super Star!」 >>39-54

 第7位 30点 2番手:◆dWVtcnK36sさん
  澪「私の言葉」 >>25-31

 第8位 23点 5番手:◆ywLV/X/JUIさん
  唯「唯2101?」 >>57-76

 第9位 21点 3番手:◆HZgEJIzDeQさん
  唯「こんなに君はあったかいんだね」 >>32-38

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
律「ったぁ・・・って唯、それまだ見ちゃダメだからーっ!」ぐいっ

和「律。知識・解説面でのランキングはもう終わったわよ?」


173 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:52:10 uw2nyK0.0

律「え。まじで?」

唯「うん。りっちゃん遅いから>>160で」

律「ぐぬぬ・・・」

和「というより、同じ作品を二回も解説しなおすのは難しいでしょう?」

律「えー。それじゃあこの企画の趣旨って」

唯「りっちゃん! おクチ、チャックだよっ!」

律「ていうか考えたのおめーらじゃん!」

唯「ええ? 先に『ヒマだしなんかやろうぜー!』って言ったのはりっちゃ」

和「と。いうわけで総合順位の発表に移りましょう!」

唯律「「スルー?!」」


174 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:53:13 uw2nyK0.0

★― 結果発表《内容部門》 ―★

律「いっいぇーい!」

唯「ぱふぱふ〜!!」


和「あ、ここで補足をひとつだけ。
  内容部門といっても総合点ではなく、今回は合計せず、あくまで別の順位にしたわ」

唯「ええとつまり、某胸糞企画からアイデアをパk・・・」

律「リスペクトさせていただきましたっ!!」

和「というのもね。SSとしては未熟でも豊富な知識を魅せてくれたSSだとか、
  逆に少ない知識を筆の力で輝かせてみせたSSなんかをすくい上げたかったのよ」

唯「でも、読んだ人の“おもしろい”って気持ちってそんな簡単に分けられるのかな?」

律「まぁなー。つーか分けられないからこそランキング一個ぶちまけたわけだし」

和「ほらほら二人とも、ただでさえ時間が圧してるんだから。
  それじゃあ第九位の発表よ」


175 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:54:15 uw2nyK0.0

 第9位 18点 5番手:◆ywLV/X/JUIさん
  唯「唯2101?」 >>57-76


和「知識部門では第8位。株取引についてあなたたちが語り合うSSね」

律「・・・すまん。解説はおまえらに任した」

唯「ええ〜っ?! わたしも全っ然だったのに!」

律「というかこれ、最初っから専門用語丸出しでワケわかんねーし!」

唯「そうだよ! ねぇ和ちゃんこのSSの私あたま良すぎ!」

和「ある意味それ自虐になってるわよ・・・。
  でもね唯、これ、私は結構気に入ってるのよ」


176 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:55:18 uw2nyK0.0

律「えー? どの辺が?」

和「私も株取引の子細は分からないけれど、
  キャラが何かを楽しんでる様子は十分伝わってくるのよ」

律「そりゃあ、そうだけどさー?」

唯「ごめん。わたし最初の私の台詞で脱落したよ・・・」

和「確かに専門用語を当然のように使うのはリスキーよね。
  でも、そうね・・・たとえば登場人物の台詞の行数に注目してみて」

唯「ほえ?」

和「分かりやすいのは2レス目(>>59)ね。
  まずムギが3行、唯が1行、ムギが5行」

律「梓が2行で、次のムギが・・・6行。多いなっ!」

唯「そっから私とあずにゃんが1行ずつ、ムギちゃんが4行だね」

和「ここから分かるのは、台詞の量を極端に振り分けてること。
  解説役のムギの行数が増えるのは仕方ないとして、唯たちが少ないのよ」


177 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:56:21 uw2nyK0.0

律「あー、言われてみれば」

和「こうやって発言量をしぼると、リアクションが分かりやすくなるのよ。
  感情表現や語尾だけの反応が増えて、言ってみれば発言に色気がつく」

唯「えへへー、やだなぁ和ちゃん、わたしにオトナの色気だなんて」

律「和つづけて」

唯「スルー?!」

和「とまあ、このように短い台詞を重ねると『説明してる感』を薄められるのよ。
  そのせいか、たしかに扱う話題が高度なんだけど、
  その割には実はかなりこなれたほのぼのSSになってるんじゃない?」

律「言われてみればなぁ。キャラも立ってる気がしてきた」

唯「そうだね。あずにゃんがあずにゃんぽい」


178 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:57:24 uw2nyK0.0

律「ただなぁ。こんだけ初見殺しのタームを並べるんなら、
  いっそ全部フィクションにしたって同じだったんじゃねーの?」

和「どういうこと?」

律「だからさー、今回だと6番手の百合化学のアレあるじゃん?
  そういうノリでめちゃくちゃな専門用語をでっち上げて並べて・・・って」

和「それだと趣旨が変わっちゃうわよ・・・。
  あ。でもそのパターンだったらひとつ傑作があるわね。
  律「これが澪のグーグルか…」っていう」

 → http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51380296.html

律「よりにもよってアレかよ!」

唯「ねえ和ちゃんどんな話なの?」

律「おい和。責任とって話題変えろ」

和「私はどうすればいいのかしら・・・。
  でもね、『短く的確な感情表現をつなぎにして、専門用語を読ませる』という点でなら、
  例のグーグルと今回の株SSは共通項があるかもしれないわね」

律「専門用語とかいう問題じゃねーだろあれ!!」


179 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:58:27 uw2nyK0.0

和「とにかく、5番手さんの作品は順位はふるわなかったけれど、
  実はほのぼのSSとしてかなり出来のいい作品だと私は思ったわ」

唯「でも、もうちょっとだけ分かりやすい話題がよかったかなー、って・・・」

律「いや、あれは株取引が相当好きじゃないと書けないだろー?
  書き手本人が書きたいもの書くのが一番だって、やっぱ」

和「そうね、発想を無理にしぼって何も作れなくなるよりはずっと健康的よ」

唯「私は最後までよく分かんなかったけど、株って怖いんだね・・・」

律「うまい話はねーってことだろ」

和「野菜を食わず嫌いする子どもみたいね。
  でも結果として専門用語の羅列になってるのは、ある種の愛情なのかしら」


180 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 17:59:30 uw2nyK0.0

律「はぁ? 読み手を思うんなら分かりやすく読みやすくした方が」

和「今の唯を見てみなさいよ。あれで、不用意なお金のやりとりをできると思う?」

唯「お金こわい・・・もう通帳も全部憂に任せようかな・・・?」ブルブル

律「うわあ、もはやアレルギー症状の域だな・・・」

和「まあ唯は極端な例として、結果的には教育的な内容だった、とも言えるかもしれないわね」

律「ははは・・・」

和「ところで、この書き手さんが同じトリップで書いた過去作は地の文長編が多いわね。
  でも今回のように、ほのぼの台本SSももっと読んでみたいわ」

律「それじゃあそろそろ次いこーっ!」


181 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:00:32 uw2nyK0.0

 第8位 28点 3番手:◆HZgEJIzDeQさん
  唯「こんなに君はあったかいんだね」 >>32-38


和「知識部門では第9位。私と唯が、そういう関係になるSSね」

唯「そういう関係って・・・?」

律「あーっそうだ唯! いっけねえー私教室にカルピス置いてきちゃったー
  あー今日あっついからあれ早くとりに行かないと悪くなっちゃうなあーどうしよー!」

唯「何その無理やり?! しかも棒読みひどいし!」

律「と。いうわけで唯。教室までダッシュ! あとでクレープおごるからっっ!」ぐいっ

唯「ええー?! ・・・んもう。じゃあ私いない間よろしくねっ!」

  たっ たっ たっ  たっ


律「・・・ふぃー」

和「その、お疲れさま・・・」


182 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:01:35 uw2nyK0.0

律「で。和はこのSSどうだったのさ?」

和「正直、個人的な意見でいうなら、
  ・・・あんまり好みじゃなかったのよね」

律「ふぅん? それってやっぱ、えろい話だから?
  つーかソッチ系の話で自分が出てくるって、アレだよな・・・」

和「そういうわけじゃないのよ。
  でもあれよね、私たちはともかく、
  現実のアイドル歌手なんかでもナマモノカプって言って」

律「つーかさ。いわゆる“律澪”だの“唯梓”だのって、
  私たち本人からしたら「ナマモノカプ」になるのかなー?」

和「律、戻して。脱線してる上にメタすぎて何も言えなくなるから」

律「・・・だな」


183 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:02:38 uw2nyK0.0

和「さて、SSの話だけど」

律「私は悪くないと思ったんだけどなー?
  だっていちゃいちゃしてて初々しいじゃん、二人とも。
  ・・・あ、別に和と唯をそういう目で見てるってわけじゃなくて、」

和「だからメタいことはやめなさいって言ったのよ。はぁ。
  うん、一言でいうと説教くさい。良くない意味で教育的だった」

律「うわあ、バッサリだ」

和「たとえば・・・・・こほん。
  ところで律? 私たちって出会って二年になるわよね」

律「へ? え、まあそうだけど、ていうか今の私って高3でいいんだよな?」


184 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:03:41 uw2nyK0.0

和「そうよ。私たちはこれから受験を控えていて、精神も不安定になるかもしれない。
  でもね、2年間、ずっととは言えないけれど、律の成長を私は見てきたわ」

律「お、おう・・・(何か始まった・・・)」

和「確かに律は失敗することもあった。
  部活の提出書類だって期限を過ぎることも多かったから、
  そこは律の瑕瑾、いいえ、青さと言えるかもしれないわ。
  でもね、律。あなたは私の大事な友達なのよ」

律「あ、ありがと・・・てか、何で今なの・・・」

和「私たちのかけがえのない友情は、エイフメなのよっ!
  ズッ友で、激おこぷんぷん丸なのよっ!
  じゃあいつ泣くの? 今でしょっっ!!」ドンッ

律「もうそれ全部ブーム過ぎてるからー?!」

和「さてと。SSの話に戻るわね。はぁ疲れたわ」

律「その前に今の茶番を説明しろっ!
  そして私のモヤモヤ感をなんとかしろー!」


185 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:04:44 uw2nyK0.0

和「まあ今の例は極端すぎたけれど、
  言いたかったのは、関係や状態を示す言葉は劇薬だ、ってことなのよ」

律「うん・・・うん?」

和「『AとBは友達だ』。
  この“友達”って言葉の使い方、本来は第三者からみた定義でしょう?」

律「あー、そうなの、かな?」

和「別に“恋人”でも“親友”でもいいけれど、
  こういう第三者の言葉を当事者に語らせると、作者の意見を代弁しすぎてしまうのよ。
  だって“友達”かどうかを決めてるのって、三人称の神様視点にいる作者なんだから」

律「いやそこまで難しく考えたことないけど」

和「だいたい『俺たち恋人だよな?』なんて言うのはお金がほしい時ぐらいよ。
  大人の恋愛はね、関係をいちいち確認せずにいきなり連れ込んでヤっちゃうの。
  一発カマしたあとで、なんとなく付き合う。男なんてそういうものなのよ!」

律「おまえ誰だよ!? そんな歪んだ女子力イヤすぎるわ!」

和「――と。先日合コンで惨敗に終わった曽我部先輩が電話で吠えておりました」

律「うへえ・・・苦労してんだな、和・・・」


186 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:05:47 uw2nyK0.0

和「とにかく、一人称で関係を指示する言葉を使うのは難しいの。
  2レス目(>>34)の私の台詞だったり、ラスト(>>37)の唯の独白だったり。
  この辺りは三人称の言葉で状況を的確に解説しすぎるあまり、
  他人に聞かせる言葉になりすぎてしまってるじゃない?」

律「え、これSSだろ?
  人に読ませるもんなら、そんぐらい分かりやすい方がいいんじゃね?」

和「だってこれ、私と唯のプライベートすぎる空間なのよ?
  恋人同士、でなくても家族や親友のように深い関係にある相手って、
  そんなに分かりやすい言葉で語り合わないんじゃないかしら」

律「あー・・・。それは分かるかもしんない。
  さっきも唯が『んー』って言っただけで和がティッシュ渡してたじゃん、あんな感じ?
  こう、熟年夫婦っぽい空気感っつーかさ」

和「・・・・とにかく、このSSの話に戻るけど」

律(あ。こいつ照れてる)


187 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:06:50 uw2nyK0.0

律「あーでもさ。そういうなら、このSSって一周回って和らしいんじゃん?」

和「どういう意味よ」

律「いや、だってさ?
  このSSの落ちって、唯が『和ちゃんも不安なんだね・・・!』って気付いて、
  お互いに支え合おうっていうキレイな終わり方なわけじゃん?」

和「まあ、そうだけど」

律「このSSの和は自分の不安を知識で埋めようとしてるわけでしょ。
  だから、関係の“定義”にしつこいのも、そういう不安から、っていう伏線に」

和「・・・・なるほど、言われてみれば」


188 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:07:52 uw2nyK0.0

律「でさ? 和は「第三者視点っておかしくね?」って言ってるんだろうけど、
  この二人が自分たちの関係を?、不安がってるんならさ、
  たぶん「誰かに関係を認めてほしい」って思ってるだろうし、
  そしたら無意識のうち三人称で見てる誰かを説得しちゃうんじゃないかなーって」

和「なるほど。読み手に許しを得ようとしている、という読み方もできるわね。
  百合が禁断の秘められた愛、という考えなら特にね。私は苦手だけど。
  それに流れのたどたどしさは内容とマッチしてるのよね」

律「だから私はこれ悪くないと思うんだけどなー。初々しさが、二人らしくってさ」

和「でもこのSSの――」

 ガチャ

唯「りっちゃーん?! 教室行ったけどカルピスなんて・・・」

和「私は唯のことを心から愛してるわけじゃない?」

唯「・・・ほえっ?!」

和「ゆ、ゆい?!」

律(え。何このラブコメ展開)

和「ち、違うのよ唯・・・って違くはなくて! そうじゃなくて、
  ああもうっあなたが顔赤くするからよけいに・・・だからこれはSSの話で、それでっ、」


189 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:08:55 uw2nyK0.0

 第7位 32点 2番手:◆dWVtcnK36sさん
  澪「私の言葉」 >>25-31


律「つーわけで代打・私が司会だぜ!
  えーっと知識部門でも同じく7位。
  澪が言葉の使い方?で悩んでて、私となんか喋ったりする話だ」

唯「えへへ〜。のんちゃんそんなにゆいのこと大好きなんだぁ・・・えへー」

律「おめーは戻ってこい!!」ぽかっ

唯「あぅっ」

律「これは結構良かったよな?
  ってか私、良かったしか言ってないなさっきから」

唯「さすがりっちゃん!」

律「ほめてるように聞こえねえ!」


190 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:09:58 uw2nyK0.0

唯「澪ちゃんもこんな風に悩んでるのかなぁ」

律「まー、言葉を真剣に選んで使ってる人には、それなりの悩みだってさ。
  つーかそれ言ったらSS書き手もそうだよなぁ」

唯「あとがきでも言ってるよね。
  これ、SS書き手としての自分の考えをあらわしたお話なんだよ」

律「あー。なんだっけ、澪が言ってたやつ。
  フランスのすっげー長い小説で、作家志望の人が小説の書き方をずっと探してて、
  ラストでやっと見つかって、その方法で書いたのがこの作品でしたーってオチの」

唯「ネタバレ?!」

律「いーじゃんどうせ私ら読まないって。
  澪も『大学入ったら四年間かけて読む・・・かも』って言ってたぐらいだし」

唯「えー、なんか納得いかなーい。
  でもこのSSの澪ちゃんは、この後が気になるよね。どんなもの書くんだろうって」

律「案外その辺も作者とかぶってんじゃね?
  「約束したのに書けてない」とかさ」

和「そうね。この点は9番手の発想と近いかもしれない。
  それと、『自分じゃない誰かが作った言葉を借りて』っていうのも興味深いわ。
  これが二次創作のSSで、誰かが作ったキャラを借りて語っていることと重ねると」


191 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:11:01 uw2nyK0.0

律「あ。起きた」

唯「おはよう和ちゃん。えへへ」

和「なんなのよ、その反応は・・・。
  そうそう、さっきの小説はマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』ね。
  唯も話のタネに単行本を一冊だけでも読んでみたらどうかしら?」

唯「おー、私もあたまよくなれるかなぁ?」

律「その発想がすでに偏差値低そうだわ」

和「ちなみに文庫だと13冊に分かれているわ」

律「最初の一冊どんだけ分厚いの?! 六法全書かよ!」

唯「うへぇ・・・やっぱパス。辞書なんて読んだら頭パンクしちゃうよ!」

和「あなたどうやって受験勉強するつもりよ・・・。
  そうそう、ねぇ唯。こんな考え方があるわね。
  私たちが日頃一番使っている辞書って、紙の辞書じゃないのよ」


192 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:12:04 uw2nyK0.0

律「はぁ。電子辞書ってことか?」

唯「わたし持ってないよ?」

和「たしかに、最近はスマートフォンの辞書サイトに頼る人も多いわね。
  でもね、ここで言いたい辞書は辞書の形をしていないの。
  もちろん電子辞書でもなくって、目に見えないものね」

律「えー? もったいぶらずに教えろよー」

唯「なにそれ。空気みたい」

和「そう、それよ。空気」

律「・・・はぁ?」

和「空気といっても場の空気や雰囲気、社会の流れ、そういうものね。
  言葉の意味や感触って案外そういうものに左右されるのよ」

唯「ほへえ」

律「へえー」


193 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:13:07 uw2nyK0.0

和「全く伝わってないわね・・・。
  そうね、あなたたち、次の言葉からどんなことが思い浮かぶ?」

《こちら福島県いわき市のフラワーセンターでは、
  噴水広場から放射線状に広がるツツジ畑が満開となっています。》


律「あー、あの辺てもう復興したのかなぁ。原発とか大変だったしなー」

唯「もう二年も経つもんねぇ」

和「どうして、震災や原発の話になるの?」

唯「え、だって“放射線”って」

律「・・・あー。なんだよそれ、そういう引っかけクイズだったの?」

和「引っかけだなんて人聞きの悪い。
  でもね、言葉の意味やイメージが辞書の定義通りじゃないのは分かるわよね?」


194 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:14:10 uw2nyK0.0

律「そりゃあ、なあ」

唯「うーん、だまされた気分」

和「こういう話題は間テクスト性だとかメタ言語論ともいうらしいわ。
  もっと簡単な例を出すなら、ごく狭い友達でしか伝わらない言葉ってあるでしょう?」

唯「えー、いきなり言われるとわかんないよ」

律「・・・りこ、ぴんッ? (ボソッ」

唯「ぶふぅっ、ちょっ、りっちゃ・・・!」

律「・・・りっこ、ぴー・・・ぶはっ、あははっ」

唯「りっちゃ、あははっ!、・・・自分だって、くふっ・・・!」

和「赤色野菜の色素の何がそんなに面白いのよ・・・」


195 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:15:13 uw2nyK0.0

律「でもさー、和の言ってるのってこういうことだろ?
  『“部室”に来て』っつった時、澪とバト部のいちごじゃ意味が違うとか」

唯「まったく同じ言葉でも使う人や場所で全然違うんだね・・・。
  って、和ちゃん? こんなの当たり前だよ」

和「言われてみればそうなんだけどね。
  だから、私からこのSSの澪にアドバイスするとすれば、
  『自分の信じる意味やイメージを信じ通せば、借り物の言葉でもオリジナルになる』
  ってこと・・・だと思うけれど」

和「というより。私が、そう思いたいのよ」

律「原型とどめてないカバー曲みたいなもんか」

和「その言い方はどうなのよ・・・」


196 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:16:16 uw2nyK0.0

律「つーか。それって逆に言えば、
  『自分の中での意味やイメージがあいまいなままだと、
   作者はオリジナルだと思いこんで作っても借り物にしかみえない』
  とか言えちゃうんじゃねーの? それってこわくね?」

和「身も蓋もないわね」

唯「うーん・・・澪ちゃんも苦労してるんだねえ」

律「それにたぶん、こうやってSSを書いてる書き手もなぁ。
  借り物がTPO次第でオリジナルになるにしたって、伝わらなきゃ意味ないだろ」

和「伝わらなきゃ、って言い出したらオリジナリティ全般の問題になるけれどね。
  って、そろそろ話がずれすぎたわね、次の作品に移らないと」

唯「あ、すっかり忘れてた。
  でもなんだか知識や企画と関係なくなっちゃったね」

律「知識と関係ない、知識だけではない、って考えも大事なんじゃん?
  知識だけだったら、それこそ紙の辞書しか要らない世界になっちゃうだろうし」

唯「うえぇ、考えただけでもおそろしいよ・・・」


197 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:17:19 uw2nyK0.0

 第6位 36点 8番手:◆CQDDPJeh8kさん
  澪「ヴィンテージ」 >>87-93


律「さーって気持ちを入れ替えて!
  第6位は8番手、知識部門では第5位!」

唯「澪ちゃんがりっちゃんのためにジーンズを作ってあげるお話だねっ!」

和「これはあっさり作られてるようで、なかなか巧妙なSSね。
  さすが多作でおなじみ某有名かk」

律「すとーっぷ!!
  この企画で初めて読む人もいるんだから、そんな内輪ネタを出すなー!
  私だって何レルさんだか知らないけどさ!!」

唯「え、ネタなのこの流れ」


198 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:18:22 uw2nyK0.0

和「気を取り直して、作品の話ね。
  このSSのうまさはオチのために視野をわざと狭くしていることなのよ」

律「視野が狭いって普通はよくないことなんじゃねーの?」

和「このSSの澪の場合はそれだけ真剣だったってことよ。
  他が見えないほど細かく丁寧に、律のためだけを思って」

律「照れるなぁおい」

和「ほら、どっかにもいるじゃない。
  ひとつのことに集中すると別の何かが全部パーになるような人」

律「ああ、いるいる」


唯「って、なんで私を見るの?!」


199 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:19:24 uw2nyK0.0

律「やだなあゆいー。ほめてるんだよー」

和「そうよそうよ、それもゆいのひとつの個性じゃなぁい」

唯「すっごい棒読みだよ! 二人ともすごい棒読み!!」

律「あーでもあれだ、唯と澪ってそういうとこ似てるかもしんない。
  ノーガード戦法で突っ走っちゃう感じ」

和「走るなら律の方が、って澪からよくグチ聞かされるんだけど」

律「それはドラムの話だ。ってよけいなお世話だー!」

唯「あずにゃんは・・・どうなんだろ? どっちもそうって感じ」

律「あいつはオールオアナッシングなんだよ。
  周りが見えすぎてて一歩も動けないか、目隠ししたまま突っ走っちゃうか」

唯「案外バランス良いのかもね。
  私が何も見えてない時に、あずにゃん引っ張ってくれるもん」

律「だいたいいつもだろ。でムギは・・・あれだ。気付いた時にはもう突っ走ってました系」

唯「あははっ、『ムギちゃんそこに居たの?!』って感じなんだよね!」

和「って、今はSSの話をするんじゃなかったの?」

律「おっと悪りい」


200 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:20:27 uw2nyK0.0

和「そうね、こんな感じなのよ。
  今で言えば、唯たち一人一人が向こう見ずかどうかを考えていた。
  真剣・・・かどうか分からないけれど、本題を忘れてしまう感じ」

律「皮肉かよ!」

和「このSSでいう澪の実況するような地の文は、
  その細かさだけ見ても適度に臨場感があってこなれてるんだけど、
  さらに“細かい”ということ自体がネタになってるのよ」

唯「そっか、書き方が最初から向こう見ずだったってことだ!」

律「あー、はいはい。
  このオチに持ってくために、ギャップ出すために地の文を細かくしていった、と」

和「実際は逆かもしれないけれどね。
  地の文で細かく書きすぎて、たるくなって、自分でそれをちゃかす形で締めた、とか。
  けれどもそういうバランス感覚がそのまま書き手としての力量といえるはずよ」

律「細かくするだけ細かくして話題がとっちらかったまま終わる話もあるしなぁ」

唯「あははっ、今の私たちみたいだねっ!」

律「・・・」

和「・・・」

唯「・・・なんかごめんなさい」


201 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:21:30 uw2nyK0.0

和「それから久々に知識とその見せ方の話に戻りましょうか」

律「久々すぎて何の集まりか忘れかけたぞ」

唯「服を作るっておさいほうだけだと思ってたけど、こういうのもあるんだねぇ」

律「自分で作る、って発想はなかなか出ないからなー。
  古着屋とか漁るのは好きだけどさぁ」

唯「その、壊して、作ってる?とこが目に浮かぶのがいいよね!」

和「そうね。知識系SSって学校と同じで、講義型と演習型があるのよ。
  演習型には、実際にやってみせるSSは特別な楽しさがあるわね」

律「家庭科の実習とか授業って感じしないもんなぁ」

唯「ぜんぶ家庭科だったらいいのにね」

律「家庭科だって座学もあるわい!」


202 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:22:33 uw2nyK0.0

和「そうそう、家庭科で思い出したけれど、
  唯「チャーハン作るよ!」というSSがあったわね」

 → http://www40.atwiki.jp/83452/pages/495.html

律「おお、これか!
  カレーだけでもいろんなレパートリーあるもんだなぁって思ったよ」

和「作る場面というより食べてる場面の方が多いわね」

唯「りっちゃん、普段から部室でムギちゃんのお菓子食べてばっかだもんね・・・」

律「おめえが言うな、お め え がっ!!」

唯「あぅっ」


203 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:23:36 uw2nyK0.0

和「ジーンズとチャーハンの二つに言えるのは、
  体験するSSのなかでも自分でもできそうなものを選んでることね」

唯「私も今度憂とカレー作ってみたくなったよ!」

律「ま、料理に比べたらジーンズはハードル高えけどさ」

唯「せっかく買ってきた新品をすぐ壊しちゃうなんて、ちょっと勇気いるよね・・・」

律「そうそう。特に澪って、気持ちを割り切るまでは潔癖タイプだしなぁ。
  あーでも、『相手のために』『傷を付ける』とかって、意外と好きそう?」

和「相手のために傷を付けるSSといえば、律「ガシャコン」なんてあったわね。
  ピアスの穴を空ける話よ。好き嫌いが分かれそうだけど」

 → http://www40.atwiki.jp/83452/pages/4189.html

唯「うあ、痛そう」

律「澪と私の話なのに、澪とかぜってー読めなそうだな・・・」


204 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:24:40 uw2nyK0.0

和「ピアスって、相手に傷をつけることと、
  身につけるものを与えるっていう、二重の拘束なんじゃないかしら」

律「重てえ・・・」

和「身につけるものとして、ジーンズではなく腕時計をあげたSSもあったわね。
  澪「タンデム」 ね。これも律澪だったわ」

 → http://www40.atwiki.jp/83452/pages/13703.html

唯「りっちゃんたちって・・・・・」

律「ま、まて、これはSSの話だっ! 私だってこんなに、」

和「さーて次にいきましょ。ここからはトップ5よ。律は放っておいてね」

律「和おまえさっきのこと根に持ってんの?!
  おいこら私の話を、っていうか釈明をきk」


澪「律?」

律「」


205 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:25:43 uw2nyK0.0

和「あら。噂をすれば」

唯「もう夫婦だよね」

律「え、外堀固められすぎじゃね私?!」

澪「・・・とりあえずロクな流れじゃないのは分かった」

律「っく! この腐った流れを鎮めるにはみおしゃんのおぱんちゅで空気をブチ壊すしか――
  てか、待てよ? そしたらよけいに澪と私の関係が妙なカンジに、」さわさわ

澪「ちょ、へんなとこ触んなバカ!」

律「あだっ!?」


和「・・・これ、企画の順位発表なのよね・・・?」


206 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:26:45 uw2nyK0.0

律「そーだそーだみおー。つーか何しに来たんだよ」

澪「さわ子先生から伝言。
  『進路関係の書類がまだ出ていません。』」

律「げっ」

唯「ええーりっちゃんまだ出してなかったのお?!
  まったく、んもうヒラサワさんと違ってりっちゃんダメダメなんだからぁ」

和「ここぞとばかりに乗っからないの。今に痛い目を」

 ガチャ

梓「あ、やっと見つけた! 唯せんぱーい?」

唯「わお、あーずにゃーんっ」たたっ

梓「さわ子先生捜してましたよ! 『世界史のワーク出してないの平沢さんだけだ』って!」

唯「――おーまいごぉーっど?!!」

律「あはっ、ざっまあみやがれヒラサワー!」


  ガチャ

さわ子「あなたたち二人とも同罪よ?」ニッコリ

唯律「「ヒイッ?!」」

和(どうやら今日中には帰れなさそうね、二人とも)

澪梓「「はぁ・・・・」」


207 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:27:48 uw2nyK0.0

和「と、いうわけで」

澪「改めまして、結果発表」

梓「ここからは私たち三人で・・・と、その前に」

澪「?」

梓「メンバーも一新しましたし、気分転換にいただいたお便りを紹介してみませんか?」

和「そうね。それならトップ5は後編に、ということで」


208 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:28:51 uw2nyK0.0

澪「えーっと、企画投票フォームに届いていたメッセージはこの五通でした」


#1
全体的に知識のネタにパンチ不足。
経験や体験に基づいた見解などももっと盛り込んでほしかった印象。
けいおんにちなんで音楽ネタもあったらよかったのに、
とは締切翌日に直と菫のDTM講座ネタを思いついた自分の弁。

#2
企画者さんの幅広ーく受け入れるオープンな感じが素敵でした。
企画者を引き受けてくれてありがとう!

#3
皆さんお疲れ様でした。

#4
参加者様方、企画者様、お疲れ様でした

#5
とても面白かったです!
投票も作品の良さと知識の良さを分けて投票出来るシステムも良かったです!


209 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:29:54 uw2nyK0.0

和「#1さん。案外手厳しいわね」

梓「一つ、おそろしく膨大な知識を詰め込んだ作品もありましたけどね・・・」

澪「DTM講座は見てみたかったな、参考になりそうだし。
  あとはお料理SSも読んでみたかったかも」

和「あら、澪はそこそこ料理もそつなくこなす方じゃないの?」

澪「レシピ通りには作れるけど、アドリブ利かせてその場で一食考えるのは苦手なんだ。
  律の方が向いてるんじゃないかな、そういう意味では」

和「あんたたち・・・・・」

澪「?」

梓「全体的に好印象ですねー、その点は私も良かったです」

澪「解釈の幅を広げたのは功を奏したかな」

和「企画のテーマ上、知識がないって敬遠されると思ってたのよ。
  私としては、知識自体より『何かを解説する姿の面白さ』を楽しみにしてたから、
  知識の質や正確さなんて最初からどうでもよかったけどね」

梓「それ、元も子もない意見なのでは・・・」


210 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/15(日) 18:30:56 uw2nyK0.0
だいぶ遅れてしまって本当に申し訳ない
というわけで前編です
用事のため後半は夜遅くになってしまいます
もういっそ順位だけ発表しちゃった方がよかったかな・・・
せめて、なるべくちゃんとした感想を作ろうと思うので、どうかお願いします
ご迷惑おかけして本当にすみません


211 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/15(日) 18:54:10 gY0kxKWg0
おつです


212 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/15(日) 21:31:56 /ZTKN9cg0
今夜……だよな?
ボリューム多くて驚いた。乙


213 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/15(日) 21:35:55 aRpH4NqoO
同情誘ってる暇あったら遅れた分ちゃんとやれよカスベ


214 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/15(日) 21:42:09 /ZTKN9cg0
と思ったら書き手交流スレに詳細あったか


215 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/15(日) 22:01:41 ys.vU1kM0
せっかく頑張ってくれた企画者に言うのは気がひけるが
どんな人間にだって事情がある、遅れるのは構わん
だか、相応に段取りを組めなかったのか
日付をずらすなり、予め遅れる旨を告知するなり、そういった参加者への配慮が足りなかった事は残念でならない
あまり言いたくないが、テーマ決めから結果発表に至るまで、この企画者段取りが悪すぎる
偉そうに宣って恐縮ですが、応援するが故ですので、ご容赦を
残りの結果発表も頑張ってください


216 : ◆Ritsu/ZuXY :2013/09/16(月) 02:01:06 JQ9xcwbw0
律「結果発表遅くない?」

梓「人には事情というのがあるから仕方ないですよ」

梓「でもやっぱりある程度日時は設定しておいてもらいたいです」

律「設定してあっても外国の電車はよく遅れるとかなんとか」

梓「日本の電車は無理をしてでもダイヤ通りにしようとしてますからね」

梓「筆者曰く『ロンドンには一週間滞在したが地下鉄が大きく遅延することはなかった、
ところが途中駅を唐突に終点にする、ということが3回ほどあった』とのことです」

澪「遅延より行き先変更の方が問題だな…」

律「このスレもそうならないように>>1、頼んだぞ!」


投下したSSから延長させて少しばかり意見を
期限を守らないと印象は凄まじく悪くなってしまうので出来るだけ早急にお願いいたします。


217 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/16(月) 02:39:31 yXtYyu/Q0
律「ところで梓、どうして日本の電車が無理をしてでもダイヤ通りに運行しようとしてるのか、は知ってるか?」


218 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:05:34 eGubKCL60

和「さてと。一息ついたところだから、そろそろ再開しないとね」

梓「ところで先輩。そもそもこの企画ってどうして始まったんですか?」

和「律が『長い休みだし、なんかやらなきゃ!』って言い出したからね。
  さっきもあの子と話してたんだけど」

澪「当の本人は課題に追われて連行されてったけれどね」

梓「あはは・・・」

澪「でも、このまま何もやらないでいると体がなまっちゃう、とは言ってたかな。
  『企画やらないとSSが増えないんだから、村おこし的な感じで』って」

梓「えー? 立案した頃も結構SS増えてたじゃないですか」

和「というより、立案した6月ぐらいからまたけいおんSSが復興してきていて、
  一番少なかった時期は脱してきた、と言えるんじゃないかしら」

澪「この辺りは私たちの主観でしか語れないけどね」


219 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:10:14 eGubKCL60

梓「そうですね。
  一時期の、名作らしい名作は少ないですけど、むしろ落ち着いて良い空気だと思います」

和「その“名作”っていうのも厄介なのよね・・・。
  こじらせすぎると“名作病”を患いかねないから」

梓「名作病? なんですか、それ」

澪「う・・・」

和「・・・澪には心当たりがあるのね」

澪「うん・・・。言うのは心苦しいけど、
  たとえばさ、私のふでペンとか結構いい線行ったと思うんだ。
  擬音の配分とか、“書くこと”というテーマ設定だとか」

梓「・・・そ、そうですね」

和(触れちゃだめよ・・・)


220 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:14:57 eGubKCL60

澪「だから、それ以上のものを出さないと自分で自分が許せないっていうか・・・。
  それで、結果として何も作れなくなってしまうっていう」

梓「本末転倒じゃないですか・・・。
  試験で解答の見直しに時間を割いて、名前を忘れちゃったみたいな」

和「藤子F先生だったかしら。
  しょうもない作品が山積している状態の方がジャンル全体として健康だ、
  “名作”で「一発当て」なきゃならない空気になる方が、ジャンルの寿命が近い、
  とか、そんなことを言ったのって」

澪「ああ・・・なんだか似たような話を思い出した。
  ベルトルト・ブレヒトの『ガリレイの生涯』って戯曲にさ、こんな言葉があるんだ。
  英雄のいない国が不幸なのではない、国が英雄を求めることが不幸なのだ、って」

梓「名作の力によってジャンルの救済を希求する状態は不健康だ、ってことですか?」

和「けいおんSSがそうだ、とは私は思わないけどね。
  今だって、たとえばツイスターゲームのSSだとか、面白い試みはたくさんあるのよ?」

澪「ああ、今回の作品にも画像を使ったものがあったっけ」


221 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:19:48 eGubKCL60

和「第一“名作”の定義なんて千差万別じゃない、
  それを金科玉条に据えるなんて、それこそその人の価値観の押しつけ、傲慢なのよ」

澪「和も言うなぁ・・・。
  でも、誰かにとって“名作”かどうかとは関係なく、
  もっと軽い気持ちでいろんな作品がたくさん作られるといいな、って私は思うんだ」

梓「あんまり考えすぎない方がいいですよ、きっと」

澪「分かってはいるんだけどな、頭ではね・・・はぁ」

和「ま、とりあえず企画発表に戻りましょうか。
  作品を丹念に読むことで見えてくるものもあるはずよ」

澪「そうだな。じゃあ、次は第5位の発表です」


222 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:24:26 eGubKCL60

 第5位 37点 1番手:◆ZavxytTKqoさん
  和「これで学べる! 真鍋和の豆知識!」 >>2-23

和「知識部門では第3位、私がフルーツの効能について語るSSね」

澪「これぞ王道、王道にして正道、って感じだな」

梓「そうですね。私もこの作品が一番手で良かったと思います」

和「だいいち、知識系って普通にそれだけ書いたらほのぼのSSになるのが自然なのよね」

澪「小説を読んでいても、専門知識が語られるのは日常パートが多いからね。
  たとえば推理小説でも、犯行の最中よりは捜査の場面だとか」

梓「斬った張ったのアクションの途中で、フルーツの栄養素なんて言ってられないですもんね・・・」


223 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:28:40 eGubKCL60

和「ある種の能力バトルものだと変わってくるかもしれないわよ?
  必殺技を出した後で、なぜそれが効いたかを解説するだとか」

梓「あ、ジョジョとかでありそう」

澪「私、少年漫画読まないからなあ・・・。
  このSSの話に戻るけど、実際に果物が出てくるまでは本当に自然な流れだったな」

和「そうね。具体的には1〜3レス目(>>3-5)かしら。
  これは“私が果物の知識を解説する場面”の前振りなんだけど、
  この場面を作り出すためには、
 「真鍋和が軽音部部室に居座る」状況を作らないといけない」

澪「そうそう。それを原作でも反復された和と律の関係をきっかけにして、
  そこから旧友として唯との関係を使って引き留めつつ、さっき言った場面につなげている」

梓「よく考えたらそこまでの流れをたった3レスでこなしてるんですよね。
  それも、違和感のない流れで」


224 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:33:07 eGubKCL60

和「原作の情報をうまく利用して、読み手の脳内補完が捗るように描かれているからよ。
  澪のいう私と律の関係だったり、私と唯の関係だったり」

澪「そうそう。それに、今言った二つともスレタイに使われた和に紐づけられているんだ。
  こういう話の持ち込み方は、確かに技術とは言えるんだけど、
  やっぱり『けいおん!』って作品への愛なんじゃないかな」

和「流れといえば、そこからの構成には賛否が分かれるんじゃないかしら」

梓「え、普通に流して読めましたよ?」

和「それを「盛り上がりに欠ける!」って捉えた人もいるはずよ。
  この辺りは好みに依るけどね」

澪「ああ・・・、
  これはネタの設定上、どうしても果物紹介パートが繰り返しになっちゃうからね。
  展開に不安がないから読みやすいし、私は良いと思うけど」

和「言ってみればアイマスSSの『アイドル全員に〜してみた』系SSと同じ構造なのよ。
  だからこの利点・欠点も〜してみた系SSと同じように言えるわね。
  一番の欠点は、やっぱり同じ流れの繰り返しになってダレがちになること」


225 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:37:22 eGubKCL60

梓「うーん・・・。でも、私はこのSS楽しめましたよ?
  バナナいつ出てくるんだろうって、リストの時点で期待できましたし」

澪「そうそう。
  してみた系でも、自分の好きなアイドルの描かれ方が気になるから、
  その娘が出てくるまでは読み進めようって動機になる。
  この構成法の利点は、リストに自分の好きなものが一つでもあれば読みたくなるところだな」

梓「なるほど・・・そう考えると、題材にくだものを選んだのは正解ですよね。
  だってアイマスはともかく、くだものを食べたことない人なんていないですもん」

和「題材が日常生活に近いとそういうアドバンテージがあるのよね。
  さっきのジーンズのSSでも、唯が「自分でもやってみたい」って言い出してて」

澪「この場合はジーンズよりもハードル低いしな。
  スーパーに行ったときにこのSSを思い出す、なんてことにもなりそう」

和「実生活に直結するテーマならでは、ね。
  もっとも、まったく実生活とかけ離れた題材にはまた違った好奇心が生まれるのだけど」

澪「普段耳にしないトリビアも、物語を楽しくするスパイスだからな。
  じゃあ、そろそろ第4位に」


226 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:48:45 eGubKCL60

 第4位 38点 4番手:無名 ◆4xyA15XiqQさん
  梓「Tonight We are Super Star!」 >>39-54

梓「知識部門では第6位。私と純と憂が星を見に行くお話でした」

和「ところでこのタイトル、どこかで聞いたことがあるような・・・?」

梓「純のキャラソンからじゃないんですか?
  ミッドナイトなんちゃらっていう明らかふざけてるあの曲」

澪「梓、佐々木さんには厳しいね・・・」

和「誰なのよ佐々木さん。そうね、それも考えたんだけど、それ以外に」

梓「オアシスか何かにそんな曲名ありませんでしたっけ?
  シャンパン・スーパーノヴァ・・・じゃなくって。これじゃスーパーだけですね」

澪「ああ、SSでも言ってるね。でも私もぱっとは思い出せないな・・・」


227 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:53:45 eGubKCL60

澪「このSSはとにかく三人が三人らしくって、自由きままで、それがよかった!」

梓「あいつは自由すぎるんですよ。
  絶対ツイッターやらせちゃいけませんね、純にだけは」

和「別に、その子のことだけじゃないと思うんだけど・・・」

澪「とにかく、純ちゃんと梓の歯に衣着せぬやりとりは楽しかったな。
  「今すぐ星にしてやろうか」なんて吹き出しちゃったよ。
  憂ちゃんは憂ちゃんで、きまじめでやさしいことがアクセントになってるっていう」

和「優等生ボケがあの子の芸風なのよ」

澪「いや、そこまでは言ってないけど」

梓「ていうか和先輩がそれ言うんですか・・・」


228 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 00:58:25 eGubKCL60

和「・・・うん、でも私は後半がちょっとくどかったかもしれない」

澪「えっ? いい場面なのに」

和「この辺りは好みの問題だけれどね。
  ほら、さっきセックスの話でも言ったけれど、関係を言及しすぎっていう」

澪「そ、そんな話があったのか・・・」

和「どんだけ耐性少ないのよ・・・。
  ともかく、卒業の話題を出した時に『ああそういう展開か』って、
  それで案の定三人が泣き出したもんだから、それはそれは」

梓「それは先輩がうがった見方しすぎなんです!」

和「・・・自覚はあるわね」

澪「っていうか、この泣かせシーンってそれほど無理矢理じゃないんじゃないか?
  というより、これをこの三人がやることに意味があるはずなんだ」

和「どういうこと?」

澪「だってこれ。私たち最後の文化祭後のことのオマージュじゃないか」


229 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 01:02:28 eGubKCL60

梓「そっか、私も部長なんだし」

和「この時間軸であなたがそれを言うのはどうなのよ?」

梓「語りの時期やキャラごとの主張まで設定してるから話が進まないんですよ・・・」

澪「まあまあ。
  それでね、だからこそこの三人が卒業と向き合う時、
  こうしてごく自然に私たちのことが浮かぶのが大事なんじゃないかなって」

梓「ふふ。なんだかそれ、先輩方がいうと自画自賛みたいですね」

澪「言えてる・・・。でね、星空って遠いでしょ?
  だからそもそも、遠い星空を見ることって、遠い将来を夢見る暗喩なんじゃないかって」


230 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 01:07:27 eGubKCL60

和「それはちょっと考えすぎじゃない?
  なんとなくセンチメンタルになっただけだと思ったけれど」

澪「そうかな? 大“三”角形っていうのも梓たち三人が浮かんだし、
  織姫と彦星の“別離”も、私たちと後輩組の距離と重なってくるし」

和「ちょ、ちょっと待って。
  そこまで行くと何が何を象徴してるかがめちゃくちゃじゃない。
  結局、第三角形は何なのよ?」

梓「っていうか、そういう読み方する話じゃないと思うんですけど・・・。
  でも、星空の遠さから将来の明るさにつながるところはぐっときました」

澪「本編では直接つながってないけどね。
  そう感じさせられたところが、私がこのSSの好きなところかな」


231 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 01:11:33 eGubKCL60

和「そうね・・・。でも、やっぱりちょっとしゃべりすぎだと思うわ。
  特に最後のまとめ方、梓ちゃんの独白があまりにも“まとめ”すぎて」

澪「・・・これって、地の文SSの方が書き慣れてる人が台本SSを書くとやってしまう気がする。
  地の文を使うと、全体の雰囲気に言いたいことを溶かし込めるから。
  で、それと同じ情報量を台詞にぶつけると、直接テーマをしゃべってしまいがちになるというか」

梓「そうですかね?
  私は結構バランス取れてると思いましたよ。
  たしかに純の“わかば座”ってくさい台詞だと自覚して置かれてるんですけど、
  その自覚がある分、ちゃんと次の私の台詞でちゃかしてバランス取ってますし」

和「茶化してバランスとるのも、見せつけすぎると茶番になっちゃうのよ。
  というより、登場人物の気持ちを全部台詞で書き込んでしまうとね、」

澪「ごめん。私も、和がうがち過ぎだと思う。
  技術的には分からないけれど、
  やっぱり梓たち三人にとってこの物語は必要だったんじゃないかな」

和「・・・・そうね。ちょっとやりすぎたわ。
  再開した高校編では、アニメの私たちほど卒業が意識されていなかったわよね?
  そういう意味で、この物語が生まれる必然があったのかなって」


232 : ◆GRPiIQaeTo :2013/09/17(火) 01:15:41 eGubKCL60

梓「ところで、知識面ではどうですか?
  私、星座のうんちくは流して読んじゃったんですけど」

和「そうね、これは日常的な知識、って訳ではないものね。
  これも知識そのものより、三人の成長がメインの話だから」

澪「順位にも現れてるね。
  そういう意味では、同じほのぼのSSでも、一つ前の果物とは真逆なのかな」

梓「あれは物事を知る楽しみが骨格になってましたからね。
  でも、私はこっちが好きです。きゅんて来ました」

和「見せ方もなかなかうまいんだけどね。
  望遠鏡のやりとり一つで三人の関係をちゃんと示している。
  一番自然な形で知識が物語にとけ込んでいるSSとも言えるわね」

澪「溶け込みすぎて知識が知識と見えなかったんじゃないかな?
  それは悪いことじゃないでしょう、それぐらい楽しく読めたんだから」

梓「さすが常連書き手の面目躍如、ってことでしょうかね。
  それじゃあ続いて、ついにベスト3の発表です!」


233 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/17(火) 09:51:18 htuwpKSc0
また来週か…


234 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/21(土) 10:03:51 pMQE6oB20
ここまでくると本人の事情があろうとなかろうとこうなってたんじゃないかってレベル


235 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/23(月) 08:13:57 F1ZFBomQ0
いい加減にしろ


236 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/23(月) 13:53:21 6GoVSwGI0
だが待って欲しい、腹を立てたら相手の思う壷なのではなかろうか


237 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/23(月) 14:37:58 BJ0Rhz3g0
交流スレで企画の話でもしようぜ!


238 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/24(火) 15:35:39 cuAR6t3A0
ふざけんなよカスベ
一言断るなり結果だけ公表するなり誰かに委託するなりできんのかい
企画者としてのみならずここの管理人としての資質も問われるぞ


239 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/25(水) 12:43:21 Ri9taMIA0
企画者=管理人=カスベなの?


240 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/26(木) 14:20:23 /2cNzAJ20
せめて 何時出来るか 言えと あれほど

締め切りをちゃんと示していたなら、事情も事情だ、こんなに煽られる事は無かったのではないか


241 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/29(日) 18:44:53 z8mSYrdc0
叩かれすぎて去ったか…
ベスト3は迷宮入りだな
もうスレ落としていいんじゃね


242 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/29(日) 20:27:22 Y.cB3/mk0
せめて順位だけでも発表してくれればいいのに


243 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/29(日) 22:18:15 vxVs.QP20
忙しいなら無理にクオリティの高い感想SS書こうとせずに、
アンケートサイトを結果発表モードにしてくれるだけでもいいんだがなぁ


244 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/30(月) 01:33:41 tn5RLTvY0
これって投稿作品だけはまとめサイトとかに行かないんですか?
せっかくなのにもったいない。


245 : いえーい!名無しだよん! :2013/09/30(月) 19:23:37 K/sGXEes0
企画者さんはもうこのスレ見てないのかな


246 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/02(水) 04:51:43 0Ztr9nSE0
>>244
スレが落ちれば、たぶん菫ノちゃんがまとめてくれると思う

このまま企画者不在で放置スレと化したら、あとは管理人の職権削除を待つしかない
しかしながら、4ヵ月ルールが全く機能していない現状を鑑みるに、あまり期待しない方が良いかもな


247 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/02(水) 07:06:12 Nk68W.VU0
SSとしては完結が確定してるのにな


248 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/02(水) 17:29:22 Z1orSgN.0
企画者さんーっ!はやくきてくれーっ!!


249 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/07(月) 12:55:52 wTC9rebU0
もうさすがにリアルでの用事は終わっただろ
本人が倒れたとかでない限り、叩かれて逃げたのが確定ってことだ
どうする?依頼出す?


250 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/07(月) 23:05:07 JmSpOk.g0
>>249
そのあたりは外野よりは参加者の意見を重視すべきだろうな


251 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/07(月) 23:23:31 Cb3S.SCc0
前回の書き込みから二十日経ってしまったね
ここまで来ると企画者さんは続きを書ける状況じゃないと考えるのが妥当な気がする
参加者さんたちが望むなら再投票するのもありだと思うのだけれど、どうだろうか?


252 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/10(木) 19:20:16 v3jtbxUI0
いつの間にか企画SS菫ノートにまとめられてたのか


253 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/10(木) 21:47:26 UtHx.z4M0
TOP3の作品だけで決選投票したらいいんじゃないですかね
まあその作品の作者が望めばの話ですけど
どうでしょう、TOP3の作者さん


254 : ◆ym58RP.VtE :2013/10/11(金) 07:08:37 dVIeUXwg0
確かにこのまま終わらせるのも不完全燃焼というか中途半端だし、決選投票はしてもいいと思う

一番いいのは企画者さんが来てくれることなんですけどね……


255 : 253 :2013/10/12(土) 15:13:48 0Rv1SNpo0
http://enq-maker.com/7lhaEdK
要望があったので決選投票用のアンケートサイト作ってきました
今から次の火曜日23時59分までを投票可能期間にします


256 : 253 :2013/10/12(土) 15:15:01 0Rv1SNpo0
http://enq-maker.com/7lhaEdK
要望があったので決選投票用のアンケートサイト作ってきました
今から次の火曜日23時59分までを投票可能期間にします


257 : 253 :2013/10/12(土) 15:16:05 0Rv1SNpo0
http://enq-maker.com/7lhaEdK
要望があったので決選投票用のアンケートサイト作ってきました
今から次の火曜日23時59分までを投票可能期間にします


258 : 253 :2013/10/12(土) 15:20:37 3RFTlUgE0
三重投稿失礼しました
一応あげときます


259 : 253 :2013/10/14(月) 01:12:02 /daBvEiU0
明日の火曜までです、お早めに


260 : 253 :2013/10/15(火) 00:34:18 IEs2f5Gk0
本日は投票最終日
投票する方はお早めに


261 : 253 :2013/10/15(火) 21:49:52 1n93F8Kg0
まだ三人しか投票してくれていない
ちょっと寂しいです


262 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/15(火) 22:22:27 71WwcqUM0
協力したいが、俺はもう投票しちまったしなぁ…
皆も投票してよ、>>253じゃないけど、寂しいだろうが
『けいおんSS雑談掲示板』的に考えてもさ

企画者が戻ってくるまでの余興ってことでいいじゃん
来ないなら来ないで、企画としては一応の完結を迎えられるだろうし


263 : 253 :2013/10/16(水) 10:42:47 hIxsiMr20
無事に計七名の方から投票をいただき、昨日投票を締め切りました
ありがとうございました
発表は今日中に行います


264 : 253 :2013/10/16(水) 23:26:03 K7iU5RWI0
直「菫が結果発表を補完するようです」

菫「えっ?」

直「後は任せたよ、菫」

菫「ちょっと直ちゃんが何言ってるのか、理解できないんだけど……」

直「カンペならここにあるから」

菫「あっ、ありがとう……じゃなくて!」

直「今回は企画者が姿を見せなかったから、
 私が独断で決選投票を取り行うことになったことは言ったよね」

菫「聞いたこともないよ……?」

直「こんな突発的だったのに七人の人が投票してくれたことも、
 菫には何度も言っていたよね」

菫「ただの一度も聞いたことないって!」


265 : 253 :2013/10/16(水) 23:27:13 K7iU5RWI0
直「台詞忘れちゃったの? カンペ使っていいよ」

菫「直ちゃんが人の話を聞いてくれない……」

直「……」

菫「……はあ。わかったよ、私が折れるね」

菫「えっと……先のとおり、今回の投票には七名の方が参加してくれました。
 突然のことではあるにも拘わらず、有難いことです」

直「ありがとうございました」

菫「では早速発表へ参りましょう」


266 : 253 :2013/10/16(水) 23:28:04 K7iU5RWI0
直「第三位。合計25点を獲得した……」

菫「七番手◆Ritsu/ZuXYさんの作品、
 “ 「市内のお出かけはロンドン交通局で」”です」

菫「この作品は……」

直「ちょっと待って、菫。……データ開示!」

#=====================
・3点 … 5票 71.4%
・5点 … 2票 28.6%
・1点 … 0票 0.0%
・2点 … 0票 0.0%
・4点 … 0票 0.0%
#=====================

菫「これは投票の内訳?」

直「うん。見ての通り、三点に一番多くの人が投票してるみたい」

菫「確か知識部門では一位だったんだっけ」

直「さすがに実体験を元にしただけあって、圧倒的だったね」

直「この部門でも第三位とまあまあ高水準だけど、
 高いというより安定した評価といえるんじゃないかな」


267 : 253 :2013/10/16(水) 23:28:52 K7iU5RWI0
菫「じゃあ、第二位。あれ、これを発表したら自動的に一位もわかっちゃうね」

直「うん。でも気にせずにいこう」

直「では惜しくも一位を逃した、第二位の作品です」

菫「知識企画、内容部門の第二位は……」

直「……」

菫「……」

直「……カンペいる?」

菫「うん……」

直「はい」


268 : 253 :2013/10/16(水) 23:29:42 K7iU5RWI0
菫「あ、ありがとう……よし。第二位は!」

直「合計27点を獲得した」

菫「九番手◆ym58RP.VtEさんの作品、
 “純「期限の勘違いにはご注意を!」”です!」

直「内訳はこのようになっています」

#=====================
・4 … 3票 42.9%
・5 … 2票 28.6%
・2 … 1票 14.3%
・3 … 1票 14.3%
・1 … 0票 0.0%
#=====================

菫「四点の評価が一番多いんだ」

直「全体を通して高評価といって間違いない。
 これも知識部門で高順位をとっていたね」

菫「第二位だっけ? 一位と二位がこうして内容部門でも高順位にいるのって、
 なんだかとっても凄いことの気がするよ」

直「うん。でも、この二作を超える内容を持つ作品があるんだ」

菫「それが次の第一位の作品だね!」


269 : 253 :2013/10/16(水) 23:30:40 K7iU5RWI0
直「というわけで、お待たせしました。内容部門、第一位」

菫「合計29点を獲得」



直・菫「六番手◆UwUOv4/shUさんの作品、
 “紬「先端百合半導体工学 その発見の瞬間」”です!!」



直「その内訳はこちらです」

#=====================
・5 … 4票 57.1%
・2 … 1票 14.3%
・3 … 1票 14.3%
・4 … 1票 14.3%
・1 … 0票 0.0%
#=====================

菫「五点評価が一番多いなんて……圧巻だね」

直「まさに内容部門も頂点に立つ作品の、堂々たる結果だよ」

直・菫「◆UwUOv4/shUさん、おめでとうございます!」


270 : 253 :2013/10/16(水) 23:31:28 K7iU5RWI0
直「以上で、知識企画決選投票の結果発表を終了します」

菫「……ふう。お疲れ様、直ちゃん」

直「菫こそ、突然のことなのに対応してくれて、お疲れ」

菫「……やっぱり前もって何か言ったのは嘘だったんだね」

直「あっ」

菫「……」

直「……」

直「……菫のこと、信じてたから」

菫「このタイミングで言われても嬉しくないよ!」


271 : 253 :2013/10/16(水) 23:32:17 K7iU5RWI0
直「あっ、そういえばまだこれを言ってなかった。
 菫、最後の一仕事として、このカンペを」

菫「相変わらず人の話を聞いてくれないよね……」

菫「……えっと」

菫「こうして結果発表をしてしまいましたが、
 これはあくまで仮のものです」

菫「もし企画者さんがお戻りになられたのなら、
 是非順位だけでも簡単に書いていってください」

直「よろしくお願いします」

菫「えーと、以上です。私、斎藤菫が結果発表を補完しました!」

直「ありがとうございました」



 ‐おしまい‐



結果 http://enq-maker.com/7lhaEdK


272 : 253 :2013/10/16(水) 23:32:52 K7iU5RWI0
以上です、お疲れ様でした


273 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/16(水) 23:37:42 KKMsxMM60
実に乙!
企画者さんもお疲れ様ー


274 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/16(水) 23:41:32 ZaBpIY7I0
お疲れさま
とりあえずの補完だとしても結果が出てスッキリしたよ


275 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/17(木) 02:09:47 qRINby1o0
おーつ乙乙
直菫良いよね
決戦投票を引き受けてくれてありがとう


276 : いえーい!名無しだよん! :2013/10/17(木) 02:10:18 dGVNI/PI0
253氏もやきもきした方達もお疲れ様でした。
無事形がついて何より。


277 : ◆ym58RP.VtE :2013/10/17(木) 20:11:47 v70kOo3Q0
>>253さんおつかれ
おかげで心のもやもやが晴れた

皆様お疲れ様でした


"
"

■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■