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紬「デウス・エクス・マキナ」
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プロローグ
どうやら雨が降りそうだ。
私は天気予報は出来ないけど、もうすぐ雨が降りますよーそう言う匂いがした。
傘を持ってきていないから、私は急いで学校へと急ぐ。
所々空は曇っていて青色の部分を食べ始める。
ふとある昔の頃の記憶を急に思い出した。
プルースト現象。
匂いで忘れていた記憶を思い出す事をそう言うらしい。
その忘れていた記憶は私に初めて友達が出来た頃の記憶だ。
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初めて公園で遊んで、そこで四人の友達が出来た。
会ったのは一回きりで未だに会えていないけど、私達は公園でまた会おうって約束をしたはずだ。
雨の匂いが引き金となって、固く結ばれた紐がスルスルとほどけていくように思い出して行く。
栗毛の女の子はとっても恥ずかしがり屋さんだったけど笑顔が印象的な女の子だった。
黒い髪の女の子は明るくみんなとすぐ打ち解けていた。
カチューシャの女の子はフリフリのお洋服を着てて可愛いでしょ?とみんなに見せびらかしていた。
おさげの女の子はクールでかっこよかったけど小さかった。
そんな、私の初めての友達を雨の匂いが思い出させてくれた。
確か、あの日も雨が降りそうだったからまた会おうねって約束をして帰ったはずだ。
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一話
授業が終わり私は部室へと歩を進める。
私は合唱部に入るつもりが何故か映画研究部へと入ってしまい。
授業が終わるとそこで友達と一緒に映画を見たり喋ったりお菓子を食べたりしていた。
紬「みんなおまたせー」
澪「こいよユィネット。銃なんか捨ててかかってこい」
この子は澪ちゃん。
とっても明るくて面白くて変な女の子。
唯「は、はひっ!!!すみませんすみませんすみません」
この子は唯ちゃん。
恥ずかしがり屋さんだけどとっても優しい子。
律「うん!今日もかわいい!」
この子はりっちゃん。鏡を見て今日もかわいい!ってよく言ってるとっても可愛い女の子。
梓「・・・ちっ」
この子は梓ちゃん。
クールでかっこいいけど小さい女の子。
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律「あっ!ムギにゃん!遅いにゃんにゃん」
紬「りっちゃんにゃんにゃん」
律「にゃん!」
これは私とりっちゃんの挨拶みたいな物。
澪「ムギット殺されたんじゃ!」
紬「残念、トリックよ」
梓「いい加減うるさいぞ澪!」
澪「あ、はい。すいません」
梓「ったく」
澪「ったく」
梓「あ?」
澪「あ?」
梓「真似してんのか?」
澪「あ、はい」
梓「してねぇじゃねぇかよくそ」
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唯「あ、あのー」
澪「どうしたの?どうしたの?えっ・・・どうしたの!?」
唯「ひぃぃっ」
律「澪ちゃんやめてー唯ちゃん可愛そうだよぉー」
梓「そういや今日は唯が映画持ち込む日だったな」
唯「は、はい!あ、あの私なんかが申し訳ないほんとっに申し訳ないんですが、こここの映画を皆さんに見て欲しいなって思って。あ、あの結構話題になった映画で面白いんですよ!でゅふふ」
澪「ムカデ人間じゃないかい!」
紬「しかも2!」
唯「2もすごく面白いんですよ!み、みみみましょう!私もう五回もみちゃいました!今日で六回目です!はやくさぁはやくみましょう!」
律「わ、私はみたくないなぁ」
梓「いや、唯以外みんな見たく無いだろ」
唯「す、すいません・・・やっぱ刺激が強いんですよね・・・」
澪「出てるか知らないけど3を持ってきたら私と唯はムカデ人間になるし!」
唯「はっ!えぇっーと私は全然構わないと言うかなんと言いますか・・・」
梓「はっ?」
律「えっ?」
澪「ちょ怖い怖い怖い怖い」
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唯「あっすみません私ったら・・・」
紬「大丈夫。私は応援するよ!」
梓「しなくていいだろ」
律「唯にゃんの映画が無しなら今日はなんの映画見るの?」
澪「ダイハード」
梓「何回目だよそれ。はい却下」
澪「アズサハード」
梓「なに言ってんだよ馬鹿かよ」
紬「私のはどうかな?」
梓「なに持ってきたんだ?」
紬「カサブランカよ。これでよければみんなで見よ?」
澪「ムギの瞳にかんぱーーーーい」
律「あっ、私もそれ見たいと思ってたぁー見よぉ見よぉ」
澪「はい」
律「呼んでない呼んでない」
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梓「じゃあ決まりだな。お菓子は?」
紬「バッチリ!」
唯「お茶もばっちりです!で、でも私なんかが作ったお茶を皆さんに召し上がって貰えるなんて・・・すみませんすみません」
紬「うふふ。いいのよ唯ちゃん」
梓「澪は」
律「あっ、もう部室の外に出してるよ」
梓「よし見ようか」
澪「おい!ちょ待てよ!見たい見たい!一回見たから先とか言うけど見たい!」
梓「出しといて正解だったな。よし見ようか」
紬「それではスタート!」
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・・・・・・
律「終わったねーとってもロマンチックだったねっ!」
紬「私これ何回も見てるけど、やっぱりいいわ~」
澪「でも、この後二人は真っ昼間の墓場でゾンビに襲われるんだよな知ってる知ってる」
唯「でゅふふ。ナイト・オブ・ザ・リビングデッドですね。わかります」
紬「そんな展開ないわよ?」
澪「えっないの?」
律「言い出したの澪にゃんでしょぉー」
澪「三歩歩いたから忘れたわー」
唯「つ、次は私のムカデ人間を!」
梓「見ない見ない。気持ち悪くなるから」
唯「ふひひ」
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叢?
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梓「その笑い方どうにかしろよ・・・ったく」
唯「ご、ごめんなさいごめんなさい!」
律「なんかぁ苺が食べたいなぁ」
澪「なんで苺食べたいの?ねぇなんで?とちおとめ頼もうか?」
律「だって私が苺食べてたらかわいいでしょ?」
澪「あっ・・・はい」
ブブブブ。
ブブブブ。
律「ムギにゃんメールだにゃん!」
紬「あっ、ふふ。本当ねありがとうりっちゃん」
律「にゃふーん♪」
澪「そのメールを開けちゃダメだーーー」
唯「な、生首の写メですか?そうなんですか?」
紬「ううん。知らない人からみたい。はじめましてこんにちはだって、イタズラかなぁ?」
澪「NY152からじゃね?」
紬「それって誰なの?」
梓「相手するなって、ただの映画の話だから・・・誰かが間違えたんじゃねぇのか?無視しとけ」
紬「そうね。でも、勘違いしているのもあれだし、もう一回来たら返信してみるね」
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梓「んっ。そうだな。じゃあ寝るわ」
律「えぇー寝ちゃうのぉ?」
澪「お姉さんが一緒に寝てあげようか?」
唯「あ、ああありだと思います!」
梓「はぁ、やめろよ気持ち悪い」
紬「じゃあ私達はどうする?また映画でも見る?」
澪「えぇーっ。映画ぁーっ」
紬「嫌なの?」
澪「まだちょっと遠慮したいの」
律「じゃあスイーツ食べよっ?」
唯「あ、あの。そそれなら美味しいお店知ってます」
紬「じゃあ。みんなで行こっか?」
澪「梓さん寝てていいんすか!スイーツっすよ!」
梓「・・・行く」
澪「すいません。ウィーズリー家の人とはあまり仲良くしちゃ行けないって父さんが」
梓「黙れ。ほら、行くぞ」
律「食いしん坊さんだねっ!あーずにゃん!」ダキッ
梓「やめろや」
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商店街。
澪「あ、この手は!!!」
唯「み、みみ見えるようになった?」
梓「なんで私達の部は馬鹿ばっかりなんだろーな」
紬「うーん。とっても個性的で面白いと思うけど・・・ねっりっちゃん?」
律「・・・んっ?あ、あぁごめんごめん。聞いてなかったぁ。テヘッ」
梓「鏡の見すぎだろ。それじゃあまるでお前が鏡を見てるじゃなくて鏡がお前を見てるようなもんだぞ」
澪「ちょっと意味がわからないです」
梓「はぁ・・・」
唯「あ、ここです!」
紬「わぁ可愛いお店ねぇ~」
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梓「入ろうぜ、ハンバーガーが食いたい気分だがまぁいいだろ」
律「あずにゃんはハンバーガー好きだねぇ」
紬「太るわよ?」
梓「食ってゾンビにならなきゃ食い続けるさ」
唯「わわ私はゾンビになりたいですけどねぇ」
梓「この前はホラー映画で最初に殺される人になりたいって言ってだろ?自殺願望でもあんのか」
唯「ホ、ホラー映画すすすきですから」
澪「ここってバイキングなの?えっバイキングなの?」
唯「あっはい!」
澪「バイキングって事は食べ放題?食べ放題って事はバイキングなの?チャーハンある?」
唯「い、いえ・・・ないです」
紬「澪ちゃんここはスイーツ専門よ」
澪「私はチャーハン専門だから!」
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律「ねぇねぇ、はやくたのもーよぉー」
澪「じゃあ梓の奢りね!」
梓「おい、ふざけんなよ。年下に奢って貰ってメンツってのはないのか?」
澪「もちろん。ありません!」
梓「だよな」
律「はーやーくー」
澪「私はチョコミントアイス二つ!」
紬「えーと、私もチョコミントとバニラとそれからピーチ」
梓「おいおい三つも食うのか?太るぞムカデ人間2のアイツみたいな体型になると困るのはムギだぞ?」
紬「そ、それは・・・」
梓「二つで充分だよ」
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紬「じ、じゃあピーチとバニラ」
梓「私もおんなじの」
唯「えーと私はえーとえーと」
律「迷ってるねぇ唯にゃん」
唯「てぃひひ。あ、アイスってどどれもおいしいから迷ってしまいます」
律「わかるわかるぅ。あ、私はストロベリーかな」
唯「わ、私はこここれとこれそれにこれとそれ!」
梓「で、どこに座る?」
紬「外で食べないの?」
梓「こんなクソ暑い中?それはアイス溶かしながら食う事になるぞ」
紬「そうね・・・私としてはみんなで商店街ぶらぶらしながら食べたかったんだけど・・・」
律「話変わるけどこの商店街に新しく餅屋出来たんだってね」
唯「お、おもちですか」
澪「へい、おもち」
梓「おっ、そこの席いいじゃん。座ろうぜ」
澪「あっ!無視は傷付くぅ~」
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唯「みなさーんきききましたよ!」
律「わぁーとっても美味しそうだねっ」
紬「みんな食べよ?食べよ?」
梓「うぃ」
澪「うまいうまいよ!店員さん」
梓「おいやめろ」
澪「みんな黙って食え!店員さんが作った最後のアイスだぞ!冷たいうちに食え!」
澪「・・・・・・」
唯「・・・・・・」
紬「・・・・・・」
澪「お冷や取って」
唯「わ、わかりました」
澪「キンキンに冷えてやがるぅーーー!」
律「もーいいよーそのネタ前にみたもーんお腹いっぱーい」
澪「じゃあ黙る」
梓「一週間それを続けろ」
澪「おっけー。いやいやいや無理でしょ!」
紬「口の中に食べ物入れて喋っちゃダメよ澪ちゃん」
澪「いえす」
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ブブブブ。
ブブブブ。
紬「あら、またメール。さっきの知らない人からみたい」
澪「どれどれー」
紬「君は私はだって」
律「えーなにそれーきもちわるぅー」
梓「消せ消せそんなメール」
紬「そ、そうね。ただのスパムメールだろうし」
澪「それ、私だって言ったら怒る?」
紬「えっ澪ちゃんなの!?」
澪「ちがうし!!!」
律「変な嘘つかないでよぉ」
梓「つーかそろそろ出ようぜ」
紬「そうね。もう6時になるし私帰らなきゃ」
澪「じゃあ解散だ!はいみんなー解散!」
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澪「じゃあみんなさよならさよならさよならー」
唯「み、みみ澪さん一緒に」
梓「そういえば二人は帰る道が一緒だったな」
唯「は、はい!」
澪「帰る道が一緒なだけだし!それ以上の関係とか求められてもー」
梓「求めとらんわ」
律「はいはい。みんな帰るよっ」
紬「あら?」
律「どったのぉ?」
紬「ここに楽器屋なんてあったかしら?」
梓「前からあったよ」
紬「そうなの?何時から出来てたの?」
梓「何時って・・・覚えてるか?」
律「うーん。わかんにゃい。澪にゃん達はわかる?」
紬「二人とも走って帰ってるわね」
梓「あははっ。あれじゃあまるでフォレストガンプだな」
律「ムギにゃんは楽器に興味があるのぉ?」
紬「ううん。でも、ちょっと気になったの。ほら、みんな早く帰ろ?」
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・・・・・・
菫「あっ、お帰りなさいませ紬お嬢様」
紬「もぅ。お嬢様だなんてやめてっていつも言ってるでしょっ?紬でいいのよ」
菫「ご、ごめんなさい」
紬「ううん。いいの。それよりお風呂入りたいの。今日は暑くて汗を沢山流したから。ちょっとは痩せたかしら?」
菫「だといいですね。あっすぐ仕度しますね」
紬「ねっ、久しぶりに一緒に入る?」
菫「・・・それが出来たら本当に嬉しいんですが、これからお掃除しなきゃならないので」
紬「もぅ、そんなの後からでいいじゃない」
菫「ダメなんですよー」
紬「そう・・・わかったわ。一人で入る」
菫「そんなシュンとしないで下さいよ。何時になるか分からないけど、一緒に入ってあげますから」
紬「約束よ?」
菫「約束です」
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二話。
いつもの通学路。
毎日、通ってる馴染んだ道。
いつもここを通ってるからこそ見逃さない違和感。
あるはずのビルがいつの間にか消えている。
綺麗さっぱり消えている。
紬「昨日はビルあったのに・・・」
一日でビルは解体されたのだろうか。
だとしたら、凄い。
職人さん達を心の中で誉めつつ登校を急ぐ。
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急にむつかしい話になってきたぞ
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紬「みんなおはよう」
澪「おはっす」
律「おっはー」
梓「古いぞ」
唯「お、おはようございます」
紬「あのね。今日ね。ビルが消えてたの!」
唯「ビフ?」
梓「バックトゥザフューチャー2の話か?」
紬「違うの違うの!ビルが消えてたの!」
梓「なんでか教えてやろうか?」
紬「えっ、知ってるの?」
梓「あぁ、解体されたんだよ」
紬「でも、一晩でなくなったの!」
梓「じゃあ、こうだ。一晩で解体された」
紬「やっぱりそうなのね」
梓「あぁ」
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澪「一晩で解体した職人さんに感謝感謝。日本はまた広くなりましたとさおわり」
唯「でゅふふ」
律「ねーねー。なんで二人は昨日走って帰ってたのー?」
唯「みみ澪さんがまた私のヘアピンを奪って逃げたんです!」
律「もー唯にゃんいじめちゃやだよー」
澪「いやいやいやいや!一種の愛情表現!一種の愛情表現!」
紬「仲がいいわねー」
澪「浮気は許さないから!」
唯「おほぉ!でゅふふ!」
梓「喜んでる喜んでる」
律「じょーだんだってわかってる?」
唯「もももももちろん」
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待ってるよ
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続きはどうなっているんでしょうか?
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